安心して腐女子が野球の質問ができるスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
581名無しさん@実況は実況板で
>>579
直球の質を表現する言葉。
明確な定義はないが、いずれも同義と考えていい。
「きれいな回転のストレート」などと呼ぶこともある。

一般的に投手がストレートを投げるとき、手首の使い方の関係で
強いバックスピンがかかる。この回転が周囲の空気に渦を作り出し、
上向きの力を発生させる。
この「球の回転によって生まれる力」を「マグナス効果」と呼ぶ。
変化球はすべてこのマグナス効果によって曲がったり落ちたりしている。

この上向きのマグナス効果は、球が重力に逆らう力を生み出す。
更に回転によって、ボールの縫い目が周囲の空気を引っかくため
空気抵抗が減り、減速を抑える効果もある。
つまり強いバックスピンのかかった直球は通常の物体より落ちて来ず、
減速も小さく、速度が余り変わらない。

これが打者にどのような効果をもたらすか。
人間の目は飛んでいる物体を見て、その軌道を予測するようにできている。
この予測・分析能力があるからこそ、人間は飛んでる物体を捕めるわけね。
これはすべて、地球の重力や落下速度などを前提とした能力なんだが、
時速150キロに迫る世界では、劇的な錯覚をもたらしてしまう。

上向きのマグナス効果によって「思ったほど落ちない」だけの球が、
バッターには浮き上がってくるように見える(実際には目の錯覚)。
軌道を変えて上昇する物体など自然界に存在しないから、
この浮き上がる球に対応するのは極めて難しい。人間の目の能力が
想定していないのだから、これは当然のことと言えるだろう。

更にもうひとつ。空気抵抗が減り、減速の少ない球がどのように映るか。
「この速度なら手許に来るときはこのくらいに減速しているはず」という目の
分析・予想より減速が少ないわけだから、バッターの目には投手と捕手の間で
ボールが突然速くなったように、加速したように見えてしまう。
空中で突然加速する物体も自然界にはない。これもまた、人間の目の能力を
超えた変化だから、やはり対応するのは難しい。
解説で「スピードガンの数字より速く感じる」などという言葉が出た場合は、
この減速率の低い球だったということ。

この2つの効果を称して「伸びる」とか「キレがある」などと表現している。
ストレートを打者が空振りしたとき、球がバットの上を通過していたら
伸びのある球、キレのある球だったんだな、という判断をしていいだろう。

ただし、「キレのあるカーブ」など、変化球に使うときは意味が変わる。
この場合、より打者に近い所で変化し始める変化球のことを指す。
打者にとっては「ストレートだ! もらった!」とバットを振りにいく瞬間に
変化するから、対応するのが難しい。

>>580
初速というのは「ボールが手を離れた瞬間の速度」のことだよ。
テレビ画面などで「145km/h」などと表示されるのはすべて初速。