市民がハングル表記の漂着ごみを自主回収→行政、引き取りを「お断り」 - 長崎
長崎・対馬で、地元のNPOが海岸で集めた漂着ごみ約1200トンが行き場を失っている。
産業廃棄物に該当すれば県が担当し、一般廃棄物ならば市が処分するが、県は「市民が自主回収した
漂着ごみは一般廃棄物に当たる」との立場で、環境省も2009年に同様の見解を示した。
だが市は「財政が厳しく、処理能力もない」と依然、引き取れずにいる。
ハングルが書かれたガス缶、韓国でのりの消毒に使われる強酸性溶液のプラスチック容器、
漁網……。対馬市厳原町阿連の海岸には、大小様々なごみが途切れることなく散乱していた。
注射器や冷蔵庫、洗濯機もある。
「この浜に散らばっているだけで、1トン入りごみ袋で400袋分はあります」。
NPO法人「対馬の底力」代表の長瀬勉さん(38)は話す。
長瀬さんによると、漂着ごみは10年ほど前から目立ち始めた。07年にNPOを立ち上げ、
これまで約20回、海岸清掃ボランティアを続けた。県や市にごみの引き取りを
求めてきたが、どちらにも断られたという。
ごみは現在、長瀬さんが県の助言を受け、私費を投じて対馬市厳原町小浦に造った
約4300平方メートルのストックヤードに保管中。1立方メートルのごみ袋が
高さ3メートルほどに積み重なっている。「生まれ育った島の海をきれいにしたいだけなのに、
なぜこんなに悩まされるのか」と長瀬さん。
海岸漂着ごみの収集や処分については、昨年7月に都道府県が計画をつくり、
国が財政支援をすると定めた「海岸漂着物処理推進法」が施行されたが、
それ以前は処分方法などの規定がなかった。
*+*+ asahi.com 2010/03/27[07:46:10] +*+*
http://www.asahi.com/national/update/0324/SEB201003240001.html