ちょっと唇を触ると、ふよふよしてて、その間から出る吐息が温かくて、
俺はいつのまにかキスしていた。
まだ起きないので、ちょっとだけ舌を入れてみる。
口の中を物色するみたいに舐めると、ぴちゃぴちゃといやらしい音が聞こえた。
「んっ・・・・」と言い、亜矢乃が目を覚ます。じーっと目を見ると、
「やめてよ、恥ずかしい・・・」と小さい声でつぶやいた。
それが可愛くて、俺は勢いを増してキス。抱き
起こしてお姫様だっこしながら、舌を絡ませあった。
息するタイミングが合わないので、お互い苦しくなったけど、
そんなこと気にせずお互いを貪るように唇を求め合ったと思う。
一旦口を離して、亜矢乃を見ると・・・俺にぎゅっと抱きついて、泣き出した。
亜矢乃「ごめん・・・・」
俺「謝らなくていーよ、俺もいきなりごめん」
亜矢乃「ううん、違う、違うの・・・・。嬉しくて・・・・」
愛おしさを感じて、俺は亜矢乃を抱き締め返した。
そのとき哲也からメールが入って、
『もらったスペアキー持ってるから、どっか出かけてくれてもいいよ。
俺らこれから映画見るし、多分遅くなる』
とのことだったので、俺たちも出かけることに。夜に映画見るなんて・・・、
俺なら絶対寝るな、なんて考えながら亜矢乃が泣き止むのを待つ。
もう亜矢乃も高校3年生なんだし、ちょっとアダルティーなジョークも
通用するだろうと思って
「さ〜て、ラブホ行くか!」と言ってみる。
・・・顔真っ赤にして硬直したまま俺を凝視するので、
「じょ、冗談だって・・・・」と、俺。すると・・・
亜矢乃「な、なんだ・・・本気じゃなかったのかぁ」
俺「ん?本気だったらOKしてたってか?(笑)」
亜矢乃「ぅ、ぅん・・・。」
え!!まじですか!!!いいんですか!!!処女頂いちゃっていいんですか!!!
と、勝手に脳内で興奮する俺。
でも、ここで喜んだらただのエッチ好きだと思われそうなので(実際そうだが)、
俺「・・・無理しなくていいんだぞ、えっちしたいから付き合ったわけじゃねーし」
亜矢乃「じゃぁ・・・さっきのアレ(多分キスのこと)はなんですかーーー」
俺「馬鹿、エッチのときはもっと濃厚なキスするんだよ俺は!!」
多分、っていうか絶対、馬鹿なのは俺だ(笑)。
すると、亜矢乃から俺に抱きついておもいっきりキスしてきた。
息する間もないぐらい必死に、舌をからめてくる。
『んっ・・・・・んっ・・・、』と時々出す声が俺を興奮させる。
亜矢乃「ねぇ・・・・っ、私の処女・・・あげる」
そんなエロゲみたいなこと言うなよ!!勃起しちゃうじゃんか!!!
ってツッコミを入れたいのもガマン。
平然を装って頭をくしゃくしゃと撫で、出かける準備をする。
『カラオケ行ってくる』と置手紙を残し、俺たちは車に乗り込んだ。
ずっと左手を繋いでいたし、信号待ちのときキスしたし、
なんかカップルみたいになってきたな。
車に乗ってる間かかってるCDがKOЯNだったから、
亜矢乃は軽く首縦に振りながら唄ってたし、
そこらへんはちょっと特殊なのかもしれないけど。
それにしても、どこで『処女あげる』なんて言葉を・・(汗)。
天然なら・・・なんかアブナイな。漫画か?友達か??それともオジサンか???!
・・・考えるのをやめた。
そんな思いとは裏腹に、かなり緊張してきた。恋人とか、
そんなもんよりもっと大切な存在だから、
とにかく傷つけないようにはしたいと思ったし・・・。
やっぱり、本人曰く処女だし、いつものペースでいくのはマズいなって冷静に考えた。
イヤっていわれると気まずくなるし、
いくら彼女といえどやっぱり哲也の存在がひっかかる。
とりあえず、中では絶対出しちゃダメだな、と思って、コンドームを探しておいた。
薄いピンクのバスローブを着てきた亜矢乃、
いつも縦に巻いたりくくったりしている長い髪はまっすぐストレート。
首筋に張り付いた細い髪が・・・ヤラシイ。
俺の横にこしかけ、『ぴたっ』とひっついてきた。
テレビの電源を切り、亜矢乃を見ると、かなり恥ずかしそうにしている。
丁度俺の位置からブラと谷間が見えて・・・・俺をやらしい気分にさせる。
俺「・・・緊張、してる??」
亜矢乃「う、ぅん・・・・」
あんまりひっぱるよりさっさとヤったほうがよさそうだな、と思って、
じっと亜矢乃の目を見て、頬に手を添えた。濡れた横髪を掻きあげ、
顔を俺の方に寄せて唇を重ねる。
さっき亜矢乃に言ってた通り、だんだんさっきより濃厚になっていって・・・
部屋の中に聴こえるのは、二人の吐息とキスの音だけだ。