俺「さー・・・どーすっか、どっか行きたいとこある??」
亜矢乃「ゆっくりしにきたんでしょ、家でゴロゴロしてていいよ」
俺「んなこというなって、丁度給料はいったし、
サマソニ連れて行ってやろうと思ったのに
お前居なかったし、いっつもクッキーとか・・美味いもんもらってるから」
亜矢乃「そんなのいーよ、気ぃつかわなくて。」
俺「俺がダメなの!!ひっぱってでも連れて行くからなー」
愛車に乗せて、とりあえずそのへんをブラブラ。
俺「あっれー??あんなのあったっけー??」
亜矢乃「最近できたんだよ、カラオケとかあるから楽しいよ〜」
俺「おっ、行ってみるか!」
Nirvana、GreenDay、しまいにはSlipKnoT・・・
こんなノリでいいのかっていうぐらいノリノリで、二人で叫ぶ。
ほんと、食ったばっかりのカルボナーラも五臓六腑も出るんじゃないかと思うほどに。楽しいんだが、
もう少し・・・可愛いのも聴いてみたかったぞ俺は!(笑)
いや、いいんですけどね、別に。邦楽ってあまり好きじゃないし。
そのあとボーリング行って、亜矢乃にボロ負け。俺カッコ悪い・・・。
俺「あーーー疲れた・・・・。まじ明日筋肉痛決定だこれ」
亜矢乃「ほらーっ、だから家にいよーって言ったんじゃんか」
俺「む〜・・・まぁ、いいんだよ。うん。楽しかったし」
そんなことを話しながら運転していると、
前のトラックから何かバサっと飛んできて、俺の車のフロントガラスに張り付く。
俺「ぅ・・ぁああああああ!!!!」と叫びながらブレーキを踏んだ。
びっくりして道端に車を止め、その正体を確かめる。
・・・・エロ本だった、それも・・・、ハードSMっぽいやつだったと思う。
それを見て二人とも言葉を失った。
俺「これ・・・どーすっか、捨てとくかこのへんに」
亜矢乃「地球に優しくしましょうネー。近くのコンビニで捨てればいいじゃん」
俺「うむ・・・・」仕方なくそれを持って車に乗り、また走り出す。
しばらく前を見たまま運転していると・・・
亜矢乃「うぅ・・・うはーーー・・・なんだこれ、こんなの絶対やだぁ・・・」
俺「・・・・亜矢乃、おまえ何見てるんだよ」
亜矢乃「さっきの本。」ちらっと見ると、手足縛って、目隠しで、
口とアソコに極太バイブが突き刺さってる写真。
俺「馬鹿おまえ、まだ未成年だろーがー」
亜矢乃「賢ちゃんだって見てたじゃんか(笑)」
俺「馬鹿、俺はこんなハードなの見てねぇよ」
亜矢乃「ん〜、じゃぁどんなのを見てたのかなぁ〜??w」
俺「じょ・・・冗談じゃんか!見てないってそんなの」
亜矢乃「本棚の奥のほうにあったアレはなんなのかなぁ♪」
俺「・・・なんだ知ってたのかよ」
亜矢乃「ばっちり見つけちゃったもんね〜♪真希と。」
俺「ま・・・まじかーーーーぁ!!!」
亜矢乃「それよりコレ・・・こういうのって気持ちいいものなのかな」
俺「ん〜・・・人によるんじゃねえ??俺はそこまでやるの好きじゃないし」
亜矢乃「ふふっ、だったらどこまでが好きなんですかぁ」
俺「・・・・・・おまえなぁーーー!!」
亜矢乃もそういう年頃だから仕方ないけど、なんか違和感が・・・・。
コンビニについたので、さっさとその本を捨てて、また走り出した。
亜矢乃「賢ちゃんって、彼女いるの???」
俺「いねー、・・・居たけど別れたんだよ」
亜矢乃「えーっ、なんで〜??」
俺「・・・いろいろあるもんなの!そういう亜矢乃はどうなんだよ」
亜矢乃「いないでーっす。好きな人は居るけどね」
俺「お?誰だ??○○(近所のガキ)か???(笑)」
亜矢乃「そんなわけないじゃん!!・・・ヒントはね〜。う〜ん。3年前と一緒。」
俺「・・・わかんねー」いや、ほんとはわかってるんだけど。『わかった!俺だ!!』なんていえるわけがない。(笑)
亜矢乃「うわーひどい!!!」
俺「あ〜、あ〜、わかったわかった、ごめんって」
亜矢乃「・・・賢ちゃんのことなんか忘れてさ、
かっこよくてやさしー彼氏高校で見つけようと思ったんだよ??」
俺「お。おまえ・・・(汗)」
亜矢乃「・・・でもやっぱり無理だった。だって、賢ちゃんのほうがいいんだもん。」
ふたりともだまったまま、家のちかくまで行ったと思う。
そこでまた亜矢乃が口を開いた。
亜矢乃「ねぇっ、賢ちゃん・・・・」
俺「ん?なんだ??」
亜矢乃「あんね・・・。その、もう一回・・・告白していい??」
俺「・・・・。」
亜矢乃「だってね、2回言ったのに・・・YesもNoも言ってくれないじゃん」
俺「そういうこと言えない位置に居るんだよ、俺ん中で・・・」
亜矢乃「・・・兄貴の妹だから???だから振れないとか思ってる??」
俺「そんなんじゃねーって・・・。」
亜矢乃「わ、私は!ほんと、賢ちゃんのこと・・・好きなんだよ??
ずっと・・・ずっと、前から。 好きで居られるならそれだけでいいって思ってたけど、
叶わないなら、もう苦しい思いしたくないよっ・・・。」
『やれやれ』って感じで、ちょっとため息ついた後、俺は優しい目をして言った。
俺「・・・・前の彼女と別れた理由、教えてやろうか」
亜矢乃「・・・?」
俺「お前にもらったクッキーの包み紙も手紙も、全部捨てられなかったんだ。
携帯に入ってる家族以外の女のメモリ全部消せって言われても、
お前のだけは絶対無理だったし、母さんが無理矢理持たせたアルバムに入ってた
お前の写真も捨てられなかった。」
亜矢乃「・・・えっ、」
俺「俺・・・、なんていうか、お前の事、すっげー大切に思ってるんだよ。
だからさ、フるのも、遠距離とかで、亜矢乃が傷ついたりするのも、嫌なんだ。」
亜矢乃の白い頬に、涙がツツーっと流れた。表情を変えず、
俺の話を聞こうとしてくれている。
家についたが、泣いている亜矢乃をどうするわけにもいかないので、また走り出した。
俺「もし、亜矢乃が俺のせいで傷つかないなら・・・・付き合ってほしい。」
亜矢乃「遠距離は・・・辛いよ。でも、それでも賢ちゃんのこと好きだから、、
辛くても我慢できるよ。私。」
俺「そっか・・・」
亜矢乃が泣き止むまで、片手つないだままそのへんをぶらぶら走って、
泣き止んでからうちに到着。
俺「ただいまー」
母さん「あら、おかえりー。はやかったわね。亜矢乃ちゃんいらっしゃい」
亜矢乃「こんばんわ!」
母さん「いつも、真希が哲也君のお世話になってるみたいで・・・ごめんねー」
亜矢乃「いえいえ、あんな兄貴、真希みたいな子に拾ってもらえて・・
妹としても安心してますよ(笑)」
そんな冗談を交えつつ。俺の部屋に入る。殺風景だけど、
ベッドとかはそのまま置いてあるから、2日、3日泊まるには支障ない。
最初はなんかぎこちなかったけど、だんだん普通に喋れるようになってきた。
亜矢乃「真希と兄貴キスしてるとこ見ちゃってさーーー」
俺「うわ〜、すっげーきもちわりぃ。」
亜矢乃「でしょー!?もう・・兄貴のキス顔とか最悪だよマジ。」
俺「真希もそうとうだろうな〜・・・」
と、お互いの兄妹を貶しあっていると、真希と哲也が帰宅。
真希「あっ、居たー」
俺「おまえノックぐらいしろよ!!」
真希「私の部屋はいってくるときしたことなかったじゃん!!
何回着替え見られたと思ってんの?」
俺「お前の着替えなんか見ても萌えないからいーだろーが!!」
真希「ばか、そういう問題じゃない!!!」
哲也「まぁまぁ・・・」
と、いつもの感じで4人の時間がはじまる。
ただ、やっぱ哲也と真希も言ったことなんだし、俺と亜矢乃のことも、
そろそろ話さないといけないかなーって思ったんだ。
哲也「ところでさ、賢悟は彼女つくらないのか???」
丁度良いタイミングで哲也が話をふってくれた。
「あー・・・そのことだけどな、」チラっと亜矢乃のほうを見ると、
恥ずかしそうに下を向く。
俺「俺さ、彼女できたんだよ」
哲也「おー!!やったじゃん!!どんな子??」
俺「んーとなぁ、ギターはまだまだ生っちろいけど・・・ピアノがうまくて、
そいつの兄貴はベースが上手くて、みたいな」
真希と哲也が一緒のタイミングで亜矢乃を見た。
哲也「賢悟・・・趣味わる。・・・いたっ!!」
亜矢乃が哲也を思いっきりしばいた。(笑)
同じようなことをいうあたり、やっぱり兄妹なんだよな。