ANGRA 「 HOLY LAND 」
ヘヴィ・メタル史上に残る傑作。
SEPULTURAの『ROOTS』に並ぶブラジリアンHMの最重要作品と言っていいでしょう。
ヘヴィ・メタルという音楽の枠を広げ、未知の領域を切り拓いて新たな可能性を明らかにした
この作品は、真の意味でプログレッシヴであり、唯一無二のアルバムです。
1stも完成度の高い作品でしたが、このアルバムではその2〜3歩先を行っています。
クラシック、ブラジリアン・ミュージックとメタルの融合度合いは前作を
遥かにしのぎ、前例のない独自のワールド・メタルの創造に成功しています。
どうやったらこんなにセンスよくこういうメロディとリズムを合わせられるのか、
何度聴いても不思議でならないのですが、不自然さは微塵も感じず、
いつも新鮮な驚きと共にこの深い音楽世界にのめりこんでしまいます。
演奏陣もヴォーカルも、ただテクニカルだったり変わった要素を取り入れているだけでなく、
細やかな表現に気を使い、人間的な温もりを曲に加味しているあたりも素晴らしいです。
心から愛しいと思える音楽ですね。
「CARRY ON」パート2や、ストレートなクラシカル・スピード・メタルを求めていた人は
失望したでしょうが、多様な音楽を楽しめる雑食性の強いリスナーにはお薦めです。