女優森光子(90)がNHK総合の戦争紀行ドキュメンタリー「“わらわし隊”の戦争」(11日午後10時放送)に出演していることが6日、分かった。
戦時中に中国各地を回った演芸慰問団「わらわし隊」を特集した番組で、森はインタビュー出演している。
5月9日に90歳になった森にとって、90歳の初仕事。
久々のテレビ出演に「テレビカメラを前に何だか緊張しちゃいました」と若々しい笑顔をみせた。
NHKのインタビューは7月27日、都内で行われた。黒のワンピースで白のジャケット姿の森は約1時間にわたりインタビュー取材を受けた。
森は疲れた様子をみせることもなく、取材後もNHKスタッフと雑談で盛り上がり、用意したケーキも完食した。
90歳となっての初仕事にも森は「しばらくお仕事をお休みさせていただいたので、テレビカメラを前に、何だか緊張しちゃいました(笑い)。
でも、この緊張感っていいものですね」とご機嫌で帰ったという。
同番組は1937年に始まった日中戦争が行き詰まりを見せる中、
戦地奥深くまで「笑い」を届けに慰問に出掛けた「わらわし隊」を特集したもの。
わらわし隊は漫才のエンタツ・アチャコ、ミスワカナ・玉松一郎、落語の柳家金語楼ら当時の人気者による演芸慰問団で、
38年から44年ごろまで中国各地を訪れた。森は「放浪記」と並ぶ人気舞台「おもろい女」でミスワカナ役を30年近く演じ、
生前のミスワカナとも「お伊勢詣り」など3本の映画で共演。演芸大会で同じステージに立つなど親交があり、自身も戦地慰問の経験がある。
そんな経緯から、NHK側からインタビュー取材の依頼を受けて快諾
。番組で、森はミスワカナの人気ぶりや、戦地慰問で見た戦場の現実、
戦後に36歳の若さで亡くなったミスワカナの死などについて確かな記憶力で証言した。
収録後、森は「ワカナさんが天才的な漫才師だということをあらためて認識しました」と感想を語った。
森は今年5、6月に「放浪記」に主演予定だったが「4時間の舞台を2カ月間も演じるのは体力的に無理」とのドクターストップで中止した。
しかし、日常生活に支障はなく、4月に日本テレビ系の情報番組に出演し、舞台を観劇するなど元気な日々を過ごしている。