政府は介護や環境、観光など将来の成長が見込まれる分野で、
職業の習熟度や知識を客観的に示す「段位」認定制度の本格的な検討に着手した。
一企業だけでなく、多くの企業・産業に通用する専門家を育て、雇用・転職の促進や高い技術を持つ人の収入増につなげるのが狙いだ。
まず「介護・ライフケア」「環境・エネルギー」「食・観光」を対象に、能力評価基準やカリキュラムを検討し、
2011年度末までに体制を整備。5年間で他の成長分野にも対象を広げる方針だ。
段位制度は政府が6月にまとめた新成長戦略で提唱した。
内閣府で31日開かれた「実践キャリアアップ戦略推進チーム」の有識者会議では、
今後、段位の数や具体的な評価方法、既存の資格・検定制度との関係などを検討し、年内をメドに基本方針を取りまとめることを確認した。
制度導入により、企業は求職者を評価しやすくなり、求職者も就職に必要な能力を見極めやすくなるとみられる。