課金決済手段スレ Part2

岩隈の端正な顔がふっと緩んだ。プロ１１年目で通算１００勝。
「一つの目標。すごくうれしい」。ふだんはクールな２９歳が、心から笑った。

　通算２０５試合目。史上９位タイのスピード達成を後押ししたのは、徹底した「打たせて取る」投球だ。
５回１死一、二塁では井口を外角フォークで三ゴロ併殺に。６回をわずか８５球。後は救援に託し、歓喜の瞬間を待った。

　かつては１５０キロ台の速球で押しまくっていた。２００７年の右ひじ手術をきっかけに「剛腕」から「技巧派」へとチェンジ。
翌年、２１勝（４敗）で沢村賞を受賞し、新たなスタイルを確立する。

　初勝利は救援でプロ初登板した０１年５月２９日。それから９年余、常に先発を任されてきた。
連続試合先発登板はこの日で歴代単独２位の「２０４」に伸びた。先発として、計り知れない経験を積んだ。
だからブルペンで調子が悪くても、「試合中に修正すればいい」と動じない。強風や湿気も敵になる千葉マリンでも乱れない。
風に崩されないバランスの取り方、フォーム、水分補給やアンダーシャツを替えるタイミングを知っているからだ。
０５年から続く同球場での連勝はこれで「１０」になった。

　田中が故障で離脱し、ＣＳ進出は厳しい。だが「大逆転プラン」は進行中だ。岩隈や永井らは今後、
球数を制限して、中４、５日で登板する。「ここからは全勝するつもりで戦う」。奇跡を信じるエースが、自らの節目で流れを呼び込んだ。