バンコクから飛行機で半日、川口に住む頭のおかしな自称偽装結婚業者が居た。男の名前は臼井尚美。川口一の嫌われ者だった。
異常なほどの執念深くて汚らしく、他人を陥れるために悪口ばかり言ってただけでなく、数々の犯罪行為をしていたからだ。
小学生からは指をさして笑われ、女性からは蛇蝎の如く忌み嫌われていた。
底辺仕事ばかりやり、残りはママの桂子さんの年金を巻き上げ、時間だけは有り余っていた尚美は、
毎日西川口の風俗街で嬢に見せびらかすようにオナニーすることと、ネットを荒らすことだけが趣味だった。
臼井尚美は何より白丁 高田亨の妻・美佳が大好きで、道を歩く美佳似の女がいると異常な目付きで視姦していたが、一切相手にされることがなかった。
だから、48歳になる今でも高田亨の犬だった。尼羅に試し腹するのがこの男の夢だった。
ある日、臼井尚美は愛読する週刊ポスト(※ 学がないこのウスイはまともな本をほとんど読んだことがない。
週刊ポストがこの男にとっては最高に高級な書籍だった。)で、
魔界の巣窟バンコクの存在を知った。
バンコクには、多くのストリートチルドレン同然のエコ売春婦がおり、格安の値段で生で中田氏させてくれるという。
このエコ売春婦はチャイナタウンというところに存在するらしいが、そこにたどりつくにはウスイみたいなアホには危険が伴うという。
しかし臼井尚美に迷いはなかった。何より悲願である美佳似の女に生で中田氏さえできるならどんなところにでも行く覚悟はできていたからだ。
ウスイは立ち上がった。
その瞬間、天から光が降り注ぎ、インチキ偽装結婚業者ウスイは一瞬にして戦士に生まれ変わった。
そう、川口の粘着ストーカー戦士・臼井尚美が誕生したのだ。