激震=市立札幌病院

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1やばいね
救命医がバイト診療 市立札幌病院 部長ら、勤務時間中にも
 市立札幌病院(中西昌美院長)の救命救急センターで、部長(50)をはじめ市職員の医師らが昨年秋まで、勤務時間内外に複数の医療機関で、代行診療と称して組織的にアルバイト診療を続けていたことが九日までに、病院の内部文書などで分かった。同センターは重篤な救急患者を二十四時間体制で受け入れるため、医師の適切な配置が求められており、国と道からは毎年多額の補助金も受けている。アルバイトは法律上禁じられた「公務員の兼業」に当たるだけでなく、本来の救命医療にも重大な支障を生じさせかねない行為で、批判の声が強まりそうだ。
 アルバイト診療していたのは、同センターの部長をはじめ市職員の医師六人。内部文書によると、公務員の兼業にはあたらないものの、このほかにも同センターの常勤嘱託医や研修医ら少なくとも十五人も同様にアルバイト診療をしており、アルバイト先は同市中央区の人間ドック健診クリニックや同市南区の療養型病院、同市手稲区の総合病院救急部、岩見沢市の老人病院など計十二医療機関にのぼった。同クリニックなど四医療機関は、道内最大級の医療法人グループが経営している。

 同クリニックでは部長らが昼間に約三時間のアルバイト診療を行い、一回四万円を受け取っていたという。その他の医療機関では部長を除く医師らが当直勤務などのアルバイトをしていた。

 内部文書で把握できたのは昨年七―十月の四カ月間だが、複数の関係者は「数年前から継続的に行われてきた」と証言。この四カ月間の当直表を元に計算すると、少なくとも計八十一万五千円のアルバイト収入を得た市職員の医師もおり、常勤嘱託医らを含め、同センター全体で四カ月間に計千八十五万五千円を稼いでいた。

 アルバイト当直が明けた日に、同センターの当直をしていたと思われる例も複数回確認されており、疲労などから医療事故を生じさせかねない危険もあったとみられる。

 市職員の医師は市立病院の内部調査に、いずれもアルバイトしていた事実を認めているという。部長は北海道新聞の取材に対し「クリニックから頼まれて一九九九年ごろから月二、三回行っていたが、昨年九月ごろまでにやめた。他の職員も同十月ごろまででやめたと思うが、公務員として軽率な行為だった。部長としての監督責任もある」と話している。