病院外での急病人は?

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1知りたがり
飛行機の中で急病人が出まして アナウンスが入ったとします。
そういうときに医療関係者の皆様は名乗り出ますか?
FIRST AID KITだけで十分な処置ができますか?
ご経験がありましたら教えてください。
2無気力医 :2000/09/05(火) 17:46
トランク4個分くらいの各国語で説明かかれた薬品&機材がのってます。
会社によるか・・・・
3西条 :2000/09/06(水) 19:16
飛行機の中「急病人が出ました、医師の方お申し出ください」というやつ
ノースウェストでは、出て行くと医師としてののIDを求められる。
持っていない、というと不思議がられ、後で英文で詳しいレポートを
書かされてサインさせらる
日本航空と全日空、ガルーダ航空では、IDは求められずレポートもなし
日本航空だけ後日お礼状とボールペンが贈られて来る
医師としてのIDを持たないのは日本人だけらしい
日本医師会には会員証もない
4名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/06(水) 19:24
>後で英文で詳しいレポートを書かされてサインさせらる

いいことなしですねえ
5わんわん :2000/09/06(水) 19:26
 医籍登録番号ないの?
6名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/06(水) 19:46
医籍登録番号は医師免に書いてあるだけ。
ちなみに、日本航空のドクターキットの中身は下記らしい・・・。
↓ここのコピペね
http://www.airtariff.com/

注射液:BOSMIN 1mg×4@` INOVAN 100mg×2@` HYDROCORTON 500mg×4@`
BUSCOPAN 15mg×4@` SEDAPAIN 15mg×4@` ATARAX-P 50mg×2@` METILON 250mg×2@`
NEOPHYLLIN 250mg×2@` BRICANYL 0.2mg×2@` Atropin Sulfate 0.5mg ×2@`
METHERGIN 0.2mg×1@` LASIX 20mg×2@` XYLOCAINE 100mg×2@` XYLOCAINE JELLY×1@` MEYLON 20ml×2@`
経口剤:UTEMERIN (10) 10T@` POLARAMIN (6) 10T@` NITROPEN (0.3) 10T@`ADALAT (10) 10C@`
その他:Glucose 5% 500ml ×1@` Glucose 20% 20ml ×4@` Isotonic Sodium Chloride 100ml@` 500ml ×3@`
SOFRATULLE GAUZE ×1@` ETHANOL ×1@` Benzalkonium Chloride ×1@`
Test Papers for Blood Sugar ×1@` Surgical Gloves (L@` M) ×2@`
Cotton ×1@` Sterilized Cotton Swab (L@` M) ×4@` Scissors ×1@` Suture with Needle ×3@`
Silk Suture ×1,Suture Needle Set ×3@` Peanユs Forceps ×1@` Kocherユs Forceps ×1@`
Needle Holder ×1@` Operating Scissors ×1@` Operating Scalpels (No.10@` No.11) ×2@`
Dressing Forceps ×2@` Tissue Forceps ×2@` Steri-strip ×1@`
Syringe (30ml@` 20ml@` 10ml@` 5ml@` 2.5ml@` 1ml) ×14@` Needle (21G@` 23G@` 27G) ×22@`
Butterfly Needle (21G) ×4@` Intavenouos Drip Infusion Set and Extension Tube ×4@`
Angiocath (18G@` 20G@` 22G) ×6@` Tourniquet ×1@` Suction Catheter (for newborn baby) ×1@`
Salem Sump Tubes ×1@` Nelaton Catheters ×1@` Oropharyngeal Airway (L@` M@` S) ×3@` Bite Block ×1@`
Ample Cutter ×1@` Gauze ×1@` Adhesive Tapes ×1@` Sterilized Drape (l@` M) ×2,
7電波妨害 :2000/09/06(水) 20:17
以前、噂できいたんですが、
とある医師が、機内で手をあげて患者さんを診たそうです。
あとから、飛行機の中で診た患者さんに(日本人)
「後遺症が出たのはそのときの処置が悪かったから」と訴えられて。
ひどいことに、航空会社は知らぬ存ぜぬを決め込み、
その医師は、自分の保険から8000万円を支払ったそうです。

なんとかの法とかいう名前で(うろ覚え)、
そういう善意で報酬をもらわずに、医療行為をしたときには、
責任を問われないという、
暗黙の了解みたいなのが、あったと思うんですけど。
なんていうのだったかなぁ。
すっきりしないんで、誰か教えてください。
検索しても出てこなくって・・・
8>7 :2000/09/06(水) 20:39
えーと、確かギリシアの小噺にちなんだ名前がついてたかな、
医療訴訟関連の解説本にはよく出てくるけどアルツだ。

その手の本は自宅にしかないんで、明日までに結論出てなかった
ら正解書く。
9医療の知識 :2000/09/06(水) 20:57
医療の知識の豊富な方が見ておられる様なので
スレッドお借りしての質問です。

まったく、医療関係のあらゆる免許を持たない未経験者を個人病院が「受付、診療助手」と言う名目でアルバイトで雇い入れ
(もちろん、労働内容の詳しい説明は無しに)
・尿検査(検査薬を使って検査後カルテへの記入)
・使用済み注射針の処理(素手での血液洗浄も含む) 医療器具の管理(素手での消毒、洗浄)
 (上記の事をする上で、手洗い等の指導はまったくない)
・カルテを見て薬を出し患者に渡す 薬剤の管理
・点滴など患者の様子を見る 患者の歩行などの介助(注射後の止血ガーゼの取り換えを実際に行う事もある)

等をさせる事に違法性は無いのでしょうか?
もし違法性があるならどのような罰則があるのでしょうか?

10>9 :2000/09/06(水) 21:02
こんなマルチポストでまともなレスを期待できると思っているのか?
11名無しさん :2000/09/06(水) 21:08
>10
いや、ときにまともなレスはあるものだ。
9ではないが、知りたい。
12>11 :2000/09/06(水) 21:15
せめて新しいスレッドじゃなければ
許せない。(まあ荒らしのつもりらしいが)
13名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/06(水) 22:04
上田泰監修
財団法人 航空医学研究センター発行
航空臨床医学(鳳鳴堂書店)
http://www2.odn.ne.jp/~aai08620/index.html/
「当該箱を使用した場合,乗務員は使用した医薬品および医薬品ならびに診療内容を
報告書に記録し,当該報告書に使用した医師等の署名を得ること.」

「前項の報告書は,航空運送事業者において少なくとも5年間保存すること.」



ドクターキット使用に伴う法律的問題として,機内で援助を申し出た医師等が行った
医療行為の結果損害賠償責任を問われた場合,次のような見解が考えられている.
すなわち,

「航空機内における緊急医療行為については,当該医療行為が後日,医療過誤として
損害賠償請求を受けた場合でも,当該航空会社のために,かつ当該航空会社の
依頼に基づいての医療行為であることから,故意または重大な過失がある以外は,
通常航空会社がその責任を填補する.」

との見解である.また,刑事責任に関しても,航空機内という場所的制約の下で
緊急やむをえず行われる治療行為として,注意義務が相当程度軽減され,殆どの場合
緊急避難(刑法37条)が成立すると想定される.(中略)
「航空機に搭載する救急用医療品に関する委員会」の席上,厚生省の委員より
披露された厚生省健康政策局医事課の見解もほぼ同様で,刑事責任に関しては
緊急避難が成立し免責となる可能性が高いとのことであった.

http://www2.odn.ne.jp/~aai08620/index.html/

機内の急病人に対する診療は国際雑誌でも取り上げられ、
「医師の善意に頼る」
状態です。ただ、まだ日本では訴訟が起きていないはずです。
14>8 :2000/09/06(水) 22:04
確か“カルネアデスの船(カルアデノス?)”とか言う話ではないか?
遭難者で満杯になった救命艇に、新たな遭難者が救いを求めた時にこれを
拒否して水死させても罪に問われないというものだったと思います。
いわゆる緊急避難ね。
でも1はこれには該当しないと思うがなあ、、、。
むしろ善意の行為に対する結果責任という事ではないでしょうか?
つまり他の一般の医師でも、その程度の治療しか出来なかったという
客観的な証明が出来れば責任は問われないはずです。
機内という悪条件にかこつけて、いいかげんな事をすれば当然訴えられ
るでしょう。

15>12 :2000/09/06(水) 22:22
うるせえ、コのマルチポスト野郎
 何が荒しだ勝手妄想も大概にしてくれ。
169が :2000/09/06(水) 22:35
逆切れしてるな(藁

感じわる〜〜〜
17:2000/09/07(木) 02:50
>14
あめりかでいうところの「よきサマリア人法」だろ?
(日本では緊急事務管理)
でもこれって、一般市民の応急処置を免責するもんであって
応召義務とそれなりの水準を要求される医師がこんなんで免責されねぇんじゃねーの?
18>16 :2000/09/07(木) 03:00
だからうるさいって
マルチポストちゃんは。
19電波妨害 :2000/09/07(木) 04:12
>8
正解きぼーん。もぅ気になって気になって、蛆虫デブリ以来の気になりっぷりです。
>13
ためになります、ほんとにほんとにありがとうございます。
>14
カルネアデスの船板でしょうか、それとはちょっと違ったような、
http://wwwhs.cias.osakafu-u.ac.jp/%7Eyosyam/jpeg/laocoon.JPG
ポセイドンをとどめるニンフぽいの見つけたので進呈
カルネアデスだけで、検索すると アニヲタ系ページがわんさか出てきた・・・
>17
あーうー たぶん 「よきサマリア人の法」だったと思う。
うーんうーん でも定義としては違うのかなぁ

20クレジットカードはIDになるかな? :2000/09/07(木) 05:46
ダイナースクラブのカードだして
問い合わせてみてくれって
#医者はダイナースの入会簡単です
21ぶ〜ぶ :2000/09/07(木) 06:34
トロントから東京行き(カナディアンエアライン)に乗ったとき
腹痛の女性をみた経験があります
医者はいないかと英語の機内放送があったとき
思わず反射的に手を挙げてしまい直後に非常に後悔しました
(あの頃はいちばん英語がわかった時期だったので)
みせてもらった救急キットは本当におそまつなもので
挿管セット一式のほかは薬剤としては
ボスミン,メイロン,アトロピンくらいしかなく
何の治療らしいことはできなかったように覚えています
幸いにも成田まで特に手遅れになることなく様子をみることができましたが
印象に残っているのはチーフパーサー(カナダ人)が今すぐ最寄りの空港に緊急着陸して
患者の手術しなければならないのか何度も何度も聞いてきたことと
(地上からの指示なのでしょうね)
成田に着いてすぐ空港内の医務室にでも連れていくかと思ったら
そうではなく飛行機から救急車で直接病院に搬送したことなどです
空港で担当医師に申し送りをしなければと思っていたのに肩透かしをくった感じでした
降りるときにチーフパーサーからシャンパンをお礼にいただきました
(おそらくファーストクラス用なんでしょうね)
あとからカナダ本社と東京支社の両方から礼状をいただきました
でもゆっくり成田まで寝ていこうと思ったところが
そのおかげで患者のそばに10時間もついていなければならなかったので
非常にストレスの多い旅でした(何の治療もできない状態ですし)
あんまり今後は経験したくないものですね
22>17@` 19 :2000/09/08(金) 10:59
そそ、「よきサマリア人立法」。で、
> 応召義務とそれなりの水準を要求される医師がこんなんで免責されねぇんじゃねーの?

なんだけど、法学者の解釈は、"この立法は、傷ついた人を通りがかりの人間、
特に「医師」が善意から応急処置をしたばあいに、それがうまくいかなかった
ときにも過失を問われないことを担保する目的で作られたもの"だそうです。

つまり当該の患者さんを以前に診察したこともなく、また機材・薬剤・診察環境
などが十分でない状況で応急措置を行なったが不幸な結果に終わったようなケース
で訴訟が起こされた事例があるが、医師が訴訟を恐れて手助けを躊躇するなどと
いうことは望ましい状況ではないので、US各州で良きサマリア人立法が行なわれた、
という経緯らしい。すでに判例はいくつもあるので、少なくともUSでは、応急処置
がうまくゆかなくても、医師が責任を問われることは(よっぽどのことがない限り)
ないんじゃないかな。

で、肝心の日本での状況がよく分からんのよ(笑 これ調べようと思って資料
集めたんだけど、全然読んでない。誰か教えて。
23ところでさ、 :2000/09/08(金) 11:35
機内で要請されて、無視したらどうなるの?
あくまで篤志なわけだよね、そうゆうケースでは。
医師法では、正当な理由が無い限り診療拒否してはならないとなってて、
「正当な理由」の一つに“診療時間外”てのがあった。
(金が払えないは正当な理由にはならないと記憶してる)
つまり、法律的には問題ないわけだな。
24D.グッデン :2000/09/08(金) 13:35
>14
「カルネアデスの船板」ですね。
これは、船が沈んだとき一人しかつかまれないぐらいの小さな板切れがあった場合、
それにつかまっている人から別の人が奪い取っても罪にならないという話です。
松本清張の小説にこれを題材にしたやつがあったはず。
25名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 16:00
>ぶーぶさん
貴重なお話ありがとうございます。
>グッデンせんせ
おひさしぶりです。松本清張の「喪失カルネアデスの舟板」ですね
>22
やっぱり、緊急避難の解釈をひろげて適用ということになるんでしょうか。謎です。
26D.グッデン :2000/09/08(金) 16:15
>6
日本医事新報3654号(平成6年5月7日)にそのリスト出ています。
ざっと比較しましたけど、特に変更はないようです。
JALは平成5年4月から、「ドクターキット」を搭載し始めましたが、
それまでは貧弱な医療器具・薬品しかなかったようです。
精神科医である俺がなんでこんな記事のコピーを持っているかというと
やはり、何かの時にせっかくある医薬品を使いこなせなかったら、きっと
後悔するだろうなと思ったからです。
また、自分の家族とかが具合が悪くなったとき、そばにいた医者が関係ないからと
いって知らんぷりしたらやはり納得できないと思うからです。子供ができたりすると
余計そういう気持ちは強くなりますね。
実際の場面では、精神科医であること、処置に限界があることを告げるでしょう。
それで、家族や本人が断ればそれでいいし。
俺のできる範囲で最大限のことはしてあげたい・・・自己満足とは思いますが。
でも、飛行機の中じゃ、ただ酒たんまり飲んでること多いぞ、覚悟してくれ。
2726の続き :2000/09/08(金) 16:38
25さん、どなたか存じませぬがお久しぶりです。清張作品のフォローありがとうございました。
医事新報の記事では、13さんのレスの内容も記載されてます。
ただ、故意はともかくとして、重大な過失というのは俺のような精神科医にはびびる話です。
なお、JALのデータ(平成元年〜5年)ではドクターコールは年平均100件前後、90%
以上のケースで協力が得られたそうです。救急患者の発生はその倍ぐらいあるようですので
全てのケースでドクターコールがあるわけではないようです。
28名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 17:53
そういえば、以前JASの国内線で斜め前の5歳くらいの女の子が、離陸前に
『お腹が痛い』と泣き出した事がありました。その時、スチュワーデスさん
が何をトチ狂ったかバファリンを飲ませようと持って来た(笑)。
幸い、未遂(?)で終わりましたが、さすがにその時はしゃしゃり出ようか
と本気で思いました。

え?その後?
どうやらその女の子、親元を離れて親戚と旅行するのが寂しくていろいろ言
ってたみたいで、離陸したら何ごとも無かったかのようにおとなしくしてま
した。
29名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 17:56
30電波妨害 :2000/09/09(土) 12:48
25はわたしです。出先からの接続で名無しでした。
31名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/05(木) 07:14
面白いのでage
32パンチラまさし :2000/10/05(木) 08:07
↓のコピペね
http://www.airtariff.com/orion/bbs1_bk2/
1.航空機内での疾病の発生に対する航空会社の責任.
 航空機内で発生した事故,事件が原因ではない場合,当該発病や負傷そのもの
については航空会社に責任は生じない.しかし,航空会社は旅客の安全を確保
すべき一般的な義務を負っており,疾病の発生した旅客に対しては,可能な範囲内で
適切な措置を取るべき義務がある(「善良な管理者の注意義務」).この義務は,
疾病の発生そのものには航空会社に責任がない場合でも,発生後の措置に関して
航空会社に責任を生じしめる.
 旅客に対する善良な管理者の注意義務の観点から,航空会社は機内で発生した
疾病に対応する措置として,医師等の援助を求めるという手段を講じている.
ただし,航空会社として医師等に診療を強要したり,疾病旅客の意思に反して
同医師等の診療を受けることを強要することはできない.
 医師等が旅客に対して行った診療の結果については,通常航空会社に責任は生じないが,
名乗り出た医師等が酩酊状態にあり,客観的に正常な判断力を失っていると判断される
にも関わらず,あえて同医師等に診療を依頼するといった航空会社側に過失が
あるような場合には,航空会社にも責任が生ずる場合がある.
 なお,援助に応えた医師等が航空会社に相当なる報酬を請求したときは,
通常航空会社はこれを支払う義務がある.
33パンチラまさし :2000/10/05(木) 08:08
2.航空機内で診療を求められた医師等の法的責任.
 医師法第19条第1項は,正当なる事由がなければ診療治療の求めを拒んではならない,
と医師の応招義務を規定している.しかし,医師法の応招義務を負う医師は,
「診療に従事する医師」すなわち,診療を受け付ける意思を表示している医師を指し,
たまたま航空機に一般旅客として搭乗している医師には医師法の応招義務は
生じないと考えられる.
 なお,航空機内で医師等が航空会社の依頼に基づいて行った診療行為につき,
旅客より医師等に対し損害賠償請求がなされた場合,診療行為につき当該医師等に
故意または重大なる過失がある場合を除き,通常は航空会社がその責任を填補する
ことになる.
 刑事責任に関しても,航空機内という場所的制約の下で
緊急やむをえず行われる治療行為として,注意義務が相当程度軽減され,殆どの場合
緊急避難(刑法37条)が成立すると想定される.
「航空機に搭載する救急用医療品に関する委員会」の席上,厚生省の委員より
披露された厚生省健康政策局医事課の見解もほぼ同様で,刑事責任に関しては
緊急避難が成立し免責となる可能性が高いとのことであった.
34パンチラまさし :2000/10/05(木) 08:09
 航空機内は下土国の主権に服するとされており(領空主権主義),
航空機が公海上または無主地上空にあるときは,一応航空機の登録国の
主権に服するというのが通説である.しかし,例えば日本の刑法
第一条第二項が「日本国外ニ在ル」「日本航空機内」でなされた犯罪に
対しても適用されると定められているように,各国法の種々の定めに
より,必ずしも領空主権主義によらず各国の法律が適用される場合が
ある.

 議論を簡単にするために領空主権主義に立って論ずると,日本の
登録機(日本の航空会社が運行している航空機の全てが日本の
登録機とは限らず,外国の登録機を賃借等により運航している場合も
ある)の機内は,外国上空にあるときには当該国の領土の一部であり,
公海上または無主地上空にあるときは,一応日本国の延長と考える
ことが出来る.したがって,日本の医師が医師として診療を
行えるのは,日本の登録機が日本領空にあるとき,ならびに公海上
または無主地上空にあるときに限られる.日本法が適用される場合,
日本法の下では医師として免許されたものでなければ医業を
なしてはならないとされている(医師法第十七条).
35パンチラまさし :2000/10/05(木) 08:10
 しかし,看護婦等,平時は診察治療を行っていないものが,航空機内
で発生した救急患者に対し,その症状の著しい悪化を防止し,生命の
危険を回避すべく診察治療をなしたとしても,このような行為は
「業」としてなしたとはいえず,そもそも医業に当たらないと
考えられる.

 一方,日本法の適用下で外国の医師等が行った診療および外国法の
適用下で日本の医師等が行った診療は,上述の国際法上の適用法の
原則からすれば,適用法上の免許を有しないものによる不法な
診療ということになるが,隔絶された機内での急病人の診療という
行為は,当該救急患者のためにやむを得ず行う行為であり,
他に取るべき方法もないことからすれば,いわゆる緊急避難として
正当化されると考えられる.

山本善明,安藤秀樹(1994)航空機内の急患診療をめぐる法的問題.
 日本医事新報,3674,136-137.
上田泰監修(1995)臨床航空医学,鳳鳴堂書店,東京.
36名無しさん@お腹いっぱい。
age