■「大野事件は誰も関わりたくない『東電案件』」
加藤氏が退出してからは、これまで公の場で語られることの少なかった東電と大野病院事件との関係について踏み込んだディスカッションが展開された。
澤氏は自身が特別弁護人を引き受けるようになった経緯について、地元の弁護士に相談したところ「案件が悪過ぎる」と言われた述べた。「要は、
今にして考えると向こうは原子力村なんです。弁護士さんが手を出したがらないのが当たり前、という感じなんですよね。
当初から大野病院事件は東電案件だという事を、記者クラブ以外の報道に携わる人々はみな知っていました。小さい声で囁くんです。東電は当時ブイブイ
言ってましたから。東電だったら警察は動かざるを得ないだろう、東電だったらマスコミは書かざるを得ないだろう
福島原発から大野病院は3キロです。大野病院自身、東電の原発関係者の人たちが非常に深くかかわっている病院ではあります。この事件から検察が
どんなにひどいかが分かりました。だから検察を言えるようになりました。東京電力は下手を打ちました。だから東電のことも言えるようになりました。
この二つのタブーが消えたから、我々は壇上からこの話を言えるようになったし、この二つの地獄の釜の蓋が開いたから、色々なものが見えるように
なってきて、いまだからああなるほどと
被害者の旦那さんも東電の社員です。当時の病院局は県立病院だから、トップは知事です。この知事は後々反原発でわけの分からない収賄で逮捕されるん
です。それで加藤君や病院の事務がいくら言っても家族の人は会わないんですね。会わせなかったのかもしれないし。それで行ったら『土下座をしろ』
と言ったんです。加藤君はお墓の前で土下座したんです。あの辺の人たちは、東電の社長も行ったら『土下座をしろ』と言われたから、そういう文化
なのかもしれない。すごいところに来ているなと僕は思ったんですけど」。また慶應大学医学部の医局は他の東電関連の病院にも医師を派遣していたが、
加藤医師逮捕直後の大野病院への派遣要請は断っていたと明かし、「当時彼を助けようと考える人は誰もいなかった」とした
http://lohasmedical.jp/news/2011/10/13145147.php?page=6