名古屋大が2800万円の不正会計 教授ら4人、一部私的に流用
名古屋大(名古屋市)は29日、同大の教授らが研究費を架空の伝票を業者に作らせてプールするなど、不適正な会計処理を行って
いたと発表した。総額は2800万円に上り、一部は私的に流用されていた。同大は関係者を処分する。
不正が判明したのは、医学部保健学科の50代の教授と、大学院医学系研究科の60代の元教授、いずれも40代の環境医学研究所元教授
と医学系研究科元講師の計4人。
保健学科の教授と医学系研究科の元教授は、2002〜05年度にかけ、年度内に使い切れなかった科学研究費補助金などの研究費計
約820万円を、架空の伝票で支出したように見せかけて物品納入業者に管理させていた。
プール金の大部分はパソコンや消耗品の購入など研究用に使われたが、保健学科の教授は約35万円で腕時計や自転車、炊飯器などを購入。
教授は当初は研究目的だと主張していたが、その後、私的流用を認め、既に返還している。
また、環境医学研究所の元教授は06、07年度、血液の検体検査が期限内に終わらなかったのに、結果が出たように大学側に通知、民間から
寄付された研究費から約1780万円を検査業者に事前に支払った。元講師も同様に約200万円を処理した。これらの金は、事前の預り金として
プールしていた業者から大学に返金された。
同大の佐分晴夫理事は会見で「不適正な会計処理がなされていたことは極めて遺憾。特に私的流用は許されることではない。再発防止に努め、
信頼回復に努めたい」と述べた。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009062990230017.html