産科医絶滅史55巻〜助産師triageサッポロに黒ラベル

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858卵の名無しさん
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2008年3月24日付中日新聞紙つぶて
病院の受け入れ拒否 岩波明(精神科医)
最近、救急病院などで患者の受け入れを拒否されたという報道をよく見かける。医師不足のため
重症例を治療できる施設が減ったことが大きな要因だが、別の理由もあるように思う。
救急だけでなく日常の診療においても、受け入れ拒否はまれではない。以前、こんなケースがあった。
ある外科病院に入院し、抗がん剤で治療していた女性患者が、当時の私の勤務先の精神科に夜間転院となった。
幻覚を伴う興奮症状がみられたためである。医学的には「せん妄」と呼ばれる状態だった。
幸い興奮状態は短期間で改善したが、がんに対する治療を継続する必要がある。精神科でそれは難しい。
元の病院に相談したが、精神科がないため受け入れはできないという。
そこで私は勤務先の病院の外科に転科を依頼した。だが「すでに手術は無理な状態なので受け入れられない」
という素っ気ない返事が返ってきた。担当の外科部長と交渉しても、頑として受け入れを拒否した。
このときは内科にも空床がなく苦慮したが、最終的には元の主治医が別の病院の外科への転院を
決めてくれ事なきを得た。
現状では、病院側はリスクの高いケースを避けたり自らの基準で選別したりし、救急に限らず患者の
受け入れに慎重になっている。実際、病院のマンパワーで処理できないケースを引き受け治療に
失敗し、後で法的責任を問われることもある。
解決の妙案はないが、現実的な方策は、日替わりに登板病院を決め、そこに開業医も含めた医師を
集結し、救急患者はすべて受け入れる制度をつくることだろう。もちろん行政の努力は不可欠で、
財政的負担が重いことは言うまでもない。