>>207 今は もう何も無い。
オワタ
そうですな、、、。
気力、体力、情熱、みんな無くなった。
患者もなくなって、借金だけまだある。w
この業界
なにか少しでも少しでも希望がほしいが
本当に何も無い
本当に何も無い
この頃セクスはおろか自慰さえもしなくなったが、
借金だけはまだある。
患者など何処にもいない。
でも家の土地が2箇所あるんだ。1箇所は、年間6万円で貸しているんだが
固定資産税が5万円かかり利益は年間1万円。もう一つは無料で貸していて
固定資産税分マイナス。土地を持っていても良いことナイな。国はこうやって
自動的に放棄させようとしているんだろうな。
211 :
卵の名無しさん:2008/06/18(水) 00:58:33 ID:0Au6oH1m0
(*´д`*)ハァハァ
保守
sage
(元歌:故郷)
うなぎ 美味し 日本産 ♪
小銭 稼ぎ うな丼 ♪
夢は今も 叶わず
忘れがたき 特上〜♪
でも、夕刊みたら・・・・・偽装ウナギだったかもしれん...。
216 :
卵の名無しさん:2008/06/26(木) 23:56:25 ID:kEc63yQP0
(沢田研二 TOKIO)
宇都宮♪
恨み骨髄宇都宮♪
宇都宮
Fが憎い宇都宮♪
↑
欝呑み屋かい?
カラダキイツケナー
ダメー!(元歌・浜田省吾 MONEY)
この街のメインストリート わずか数百メートル
さびれてる街なのに 歯科が5、6軒
どこもここも潰れかけ
患者取り合戦 まるで悪夢のようさ
ダメー! もうすぐアボーン
ダメー! 夜逃げの用意
いつかヤクザの 闇金につかまり
内臓売らされる
ツブ歯科名作劇場
『慈悲の糸』
あるときお釈迦様が天界を散歩していると、下界でツブたちがひしめき合い、悶え苦しんでいるのが見えた。
その中にむうみんがいた。
「おお、むうみん。そなたはそんな所にいたのか。お前は若い頃、往診をたくさんやって年寄りたちを何人も救った。
かわいそうだから救ってあげよう」
そして慈悲の糸を垂れた。
下界では大騒ぎ。それっと言うので、みんなでその糸にしがみついた。
でもむうみんは悲しそうな顔で見送った。お釈迦様が垂れた自費の糸はインプラントの糸だったので、
インプラントが出来ないむうみんには関係なかったのである。
≪おしまい≫
ツブ歯科名作劇場
『一ダースの犬』
寒い。でも、ネロは幸せだった。夢にまで見たルーベンスの絵を見ることが出来たのだから。
「眠いよ、パトラッシュ。ぼくはもう・・・寝る」
床に横たわったネロのそばに、パトラッシュも体を置こうとした時、パトラッシュの鼻がネロのほほをかすめた。
「いててててててててっ!」
寝ていたネロが突然飛び上がった。「よくもやったな、パトラッシュ。虫歯が痛くて腫れていた所に触るなんて!」
「クウン、ワン」
「犬の癖に猫なで声をしやがって。絶対許してやらない。びんた10回のお仕置きだ!」
逃げ回るパトラッシュ、追うネロ。
「ふう。腹ペコなので目が回る。パトラッシュが何匹にも見える。1、2……12匹にも見える」
そう言いながらも追い掛け回す。そのうちに朝が来た。
村人に発見された二人は熱いスープとエサをもらい元気になった。
その後、ネロの絵が展覧会で優勝したことがわかり、有名な画家になり、幸せになったことは言うまでもない。
≪おしまい≫
ツブ歯科名作劇場
『ウサギを追うアリス』
「ふう、大変だ。遅れちゃう。急がなくちゃ」
森の奥から出てきたウサギが、懐中時計を見ながら通り過ぎたのでアリスはびっくりしました。
すぐにあとを追いました。
森を抜け、町に入り、一軒の家に入りました。
アリスも中に入りました。
「来たね、アリス」
「うわあ! だまされた!」
中で待っていたのは、ぬいぐるみを脱ぎ捨てたこの町の歯医者さんでした。
「こうでもしないと、あなた、ここに来ないから」
アリスのママも歯医者さんの後ろから姿を見せました。
「やだやだ、歯を抜くのは嫌だ!」
絶叫するアリスをみんなで押さえつけ、歯の治療は始まり、結局ボロボロの乳歯を二本抜きましたとさ。
めでたしめでたし。
≪おしまい≫
>>220 半ダースの方がよかったな。即興で書いてるもんで。
223 :
卵の名無しさん:2008/06/27(金) 17:01:39 ID:sHvx/3+50
むう先生の新機軸ですね。
おもろいです。
ツブ歯科名作劇場
『ルパン三世 カリオストロの城』
去っていくルパンをクラリスと銭形は見送った。
「彼は何も盗っては行かなかったわ」
と、クラリスが言うと、銭形は大きく首を振った。
「あいつはとんでもないものを盗んでいきましたよ」
そして大きく口を開けた。「わたしの金歯ですよ。1本何万もしたのに……」
≪おしまい≫
【 本当は怖い不思議の国のアリス 】
,ハ ,ハ
/ノ/ノ ,r'⌒^ヽ,
(*・ェ・) <来たね /:::ノjハk::::} やっと
(l 。l) アリス {!(’ヮ’リぅ' 追いついたわ・・・
∪∪ ノTiT¨ヽ,
i'___{_ノl|_|i_トil_|i
グヘヘヘッ |,彡 -‐ ‐-{.i|
,ハ ,ハ 》|il(_, ''' 0''丿| ♪あ〜
/ノ/ノ ノリi`フ i´il l|
C=(^ー^*) / 人 ・ ) ・)
(⊃。⊃ / / ノ , ノ
∪∪ ⊂ノ ( ヽノ\
/~\ \ ヽ
し^ヽ. _ )._ 冫
ぬいぐるみを脱ぎ捨てたらエロい山ちゃん歯医者だったとさ
性感マッサージの練習台とされたアリスの運命や如何に・・・
To be continue
んなワケない。。。
んなワケない。
ツブ歯科名作劇場
『マッチ売りの処女』(アダルト版のため、18禁です)
「おじさん、マッチ買わない? 一個千円」
「ずいぶん高いなあ。特別なマッチなのかい?」
「そう。買ってくれたら、一本分だけ、あたしの恥ずかしいところ、見せてあげる。膜まで見えるわよ」
「なに、膜が。よし、買おう」
少女はスカートをめくった。下はノーパンだった。大きく足を広げ、股間の下でマッチを擦る。客がそれを下から覗き込む。
「おお、未使用だからきれいな……。ふうん、これが膜か。肉団子みたいにコリコリした形だ」
「おさわりはダメよ。はい、マッチが燃え尽きたわ。これでおしまい」
何ヶ月かしてから、そのお客がまた少女と出会った。聞けばもうあのサービスはやっていないと言う。
「だって……。毛が生えてきたから燃えちゃって……」
≪おしまい≫
ツブ歯科名作劇場
『赤穂浪士、討ち入り』
大石内蔵助を先頭に、赤穂浪士47人はついに吉良上野介の屋敷に討ち入った。
しかし、家来たちは次々に倒したものの、肝心の上野介の姿がない。家の外に逃げた形跡はない。
どこかに抜け道があり、そこに逃げ込んだに違いなかった。
討ち入り前にひそかに調べたことによれば、最近上野介はあやかしの術に魅入られ、
『たいむ・とんねる』とやらに入りびたりだったとのこと。
そしてその場所は炭小屋の中。炭小屋を調べると、なんと何もない空中にぽっかり穴が開いている。
これが『たいむ・とんねる』なのか?
すぐにその中に入ると、その先にはこれまで見たこともない世界が現れた。
ぴかぴかの床と壁の部屋。まばゆい光を放つあんどん。そこに一人の若者がいた。
もしかしたら、上野介が変化の術でも使って化けたのか?
内蔵助はその若者に近づき、問いかけた。
「おぬしは吉良か?」
若者はすぐに答えた。
「僕はキラなんかじゃない! 夜神ライトだ」
怨み節(元歌・女囚さそり)
現状打開は 移転だと
コンサル信じて移ってみたが
来ない
来ない!
患者が来ない 閑古鳥
保険パラパラ 自費はない
スタッフ暇過ぎ あくびをしてる
今日か
明日か
いつ切り出そう
首切りを
憎い 悔しい 許せない
コンサル会ったら 首絞めてやる
だけど
そんな
力すらない
腹ペコで
通帳の中には 金がない
財布の中にも 小銭が少し
食いたい
食いたい
餓死する前
うまい棒を
ツブ歯科名作劇場
『猿蟹合戦』
親を殺された蟹の話を聞いて、通りすがりの栗、蜂、臼の3人は激怒した。なんとしてもこの悪党猿を
懲らしめなければならない、と意見が一致した。さっそく復讐を計画した。
猿が家に帰ってきて囲炉裏に行くと、隠れていた栗がぱちんとはじけて猿の顔直撃。
「アチチチチ」と猿はあわてて甕の中の水で冷やそうとすると、隠れていた蜂がチクリ。
外に逃げようとすると、上から臼がドスン。息も絶え絶えになった。苦しい息の下から、
「わたしが悪うございました。どうか命ばかりはお助けを」と言う。
蟹と栗と臼は顔を見合わせ、それならこのくらいで許してやるか、と思ってうなずき合った。
猿の行為は憎いが、それでも心から悔いているらしいこの顔見知りの猿をこれ以上痛めつけたくはなかった。
が、流れ者の蜂だけが攻撃を続けた。みんなが制止するのも聞かず、猿の体のあちこちを刺しまくる。
やがて猿は息絶えた。
「むごいことを。ここまでせんでもいいものを」
臼が言うと、蜂はぶんぶん飛び回りながら首を振った。
「何を甘っちょろいこと言ってやがる。おいらの生まれた所ではこんなの当たり前のことだ」
「あんた、生まれはどこだ?」
「おお、佐渡(サド)の生まれよ」
≪おしまい≫
そう毎日書けるとは思わないけれど、とりあえず目標は1日1作。ただし土・日は休み。
>むセンセ
その猿は、やっぱ困猿つう種類の猿でつかのぅ。。。
ツブ歯科名作劇場
『孫悟空 VS 釈迦如来』
天界で孫悟空があまりにも傍若無人の振る舞いをするので、釈迦如来が懲らしめるためにやってきた。
お前がどんなに自分のことを偉いと思っているか知らないが、私の手の外に出ることすらできまい、
などと釈迦が言うので、
「冗談こくな。俺様の筋斗雲は一っ飛び10万8千里。今から地の果てまで行ってやるから驚くな」
と、さっそく雲に乗ってどこまでもと飛んでいった。すると五本の柱が見えてきた。
おお、ここが地の果て空の果てかと思った悟空は、柱に斉天大聖と名前を書き、ついでに小便を引っ掛けた。
そして意気揚々と帰ろうとした時、ハッと気が付いた。柱の上の方に何やら模様があるではないか。それはどう見ても人間の指紋だった。
「しまった。これは釈迦の手の平だ。危うく引っかかるところだった」
悟空はさらに雲を飛ばせて先を急いだ。
と、先に巨大な木が見えてきた。いや、木ではない。キノコのような形でピンと反り返っている。
その立派なこと!
悟空はすぐにそれが何であるかを悟った。自分の下着をひょいと持ち上げて中を覗き、そしてキノコを見たが、
負けず嫌いの悟空もこう言わざるを得なかった。
「ま……負けた!」
≪おしまい≫
ツブ歯科名作劇場
『南総里見八犬伝』
私の趣味は旅。それも古典の舞台を訪ねる旅だ。前回はほんの一部だが芭蕉と同じコースで『奥の細道』を楽しんだが、
今回は千葉に行き八犬伝の舞台を訪ねることにした。
八犬伝は滝沢馬琴の創作だが、創作には必ずモデルがあるもの。それを推理しながら旅をするのも楽しみの一つだった。
旅するうちに、天の引き合わせか、犬塚さんという人と知己になった。
意気投合して彼の家に招かれ酒を酌み交わしていると、酔いで口が軽くなったのか「これは秘密だが」
と言って、実は八犬伝の半分くらいは実話。自分は犬塚信乃の子孫だと言う。
八犬伝の物語の八房と言う神犬も実在していた、とも言う。
「八房の子孫の犬はその後さらに進化して、今は人間の言葉をしゃべれるんだ」
とも言う、犬塚の言葉に、私は興奮して「どこで会える? ぜひ会ってみたい」
と言うと、犬塚何をつまらないことを、とでも言う顔で、
「見たことあんだろ、あんたも。今、携帯電話のコマーシャルに出てるよ」
ツブ歯科名作劇場
『てなもんや三度笠』(ある程度の年齢以上でないとこのオチはわかりません)
あんかけの時次郎と珍念は今日も旅を続けていたが、路銀が少なくなったので、時々は
畑の物を盗んだり、お地蔵様に供えている物を失敬したりしていた。
そんなことをしているものだからついにバチが当たった。
激しい腹痛と嘔吐。
道端で悶え苦しんでいる二人を見て、村人たちがやってきた。
「お供え物の食い物にあたりました。古い物とはわかってたけど腹が減ってたので。そ
れにあたり……」と珍念。
「一体何を食ったんだ?」と村人。
「あたり……前田のクラッカー」
>>234 CMの犬の声って北大路欣也ですな。一番ギャラが掛かってるとか...。
>>236 いいえ! あれは本当に犬がしゃべってるんです。
近くのオバーチャンも「最近の科学はすごいのー。犬もしゃべれるんだノー」と言ってました。
ツブ歯科名作劇場
『タッチ』
遺体安置室に来た南に、達也は和也の顔を覆っていた布を取り外して死に顔を見せた。
「嘘みたいだろ。死んでるんだぜ」
そう言うと南の頬を涙が流れ落ちた。
いけない! これ以上南を泣かせたくない! 何か笑わせなければ!
そう思った達也は不意に立ち上がり、和也の上に体を重ねて仰向けに乗った。
そして上半身をゆっくりと起こして言う。
「霊体離脱〜」
≪おしまい≫ ファンに怒られそう。ごめんちゃい。
ツブ歯科名作劇場12 (通しナンバーを付けました)
『宇宙戦争』
地球を襲った火星人たちは、地球の微生物に対して免疫がなかったために滅びた。
しかし、大きな疑問点があった。地球より文明が進歩している彼らが、そんな基礎的な
科学を知らなかったとは到底思えなかったからである。その謎はどうしても解けなかった。
それから数万年後。地球は爺さん婆さんばかりであふれていた。不老不死の世界は
来たものの、そのことがかえって出生率を極端に低下させ、文明の停滞が生じて人々は
生きる意欲をなくしていた。
死ぬと簡単に蘇生させられるので、蘇生不可能な、例えば太陽に円盤に乗って突っ込んでいく
『燃え尽きツアー』など、自殺ツアーが大人気で政府もそれを黙認した。
中でも人気なのが『宇宙戦争ツアー』だった。そのキャッチコピーは、こんな内容だった。
さあ! あなたも異星に行ってスリリングな戦争をしよう!
バイキンまみれの現地人を食おう! コロッと死ぬか苦しんで死ぬかは、やってみてのお楽しみ。
確実に死ねる免疫力低下の注射付き大サービス!
おいらがついつい調子に乗ってしまい、ツブ歯科名作劇場なる企画を立ち上げてしまったため、
替歌のスレでなくなってしまいました。
おいらに遠慮しているのか、他の方の替歌の書き込みもありません。
で、名作シリーズは、15作あたりで打ち止めとします。
まあ、本音を言えば、書いていても読者の反応がほとんどないので、おいら自身が
書くのに飽きたというのもあるのですが。
あと3作。
ツブ歯科名作劇場13
『耳なし芳一』
「うん、かなりでっかい悪霊があんたの命を狙っておる。あと一日このままだと、あんたは死ぬな」
そうお坊さんに言われて、僕はひえーっと言って失神した。ことの始まりは一週間前。学生仲間と数人で
悪霊がいると言う心霊スポットとやらへ面白半分に行ってから、体はおかしくなる、毎晩悪夢は見るの変調が
起こった。どうやら何かに憑り付かれたらしい。
たまらず、法力があるということで有名なお坊さんのところへ相談に言ったら、そう診断されたのだ。
「どうすれば助かります?」
しばらくして目を覚ますと、すぐに僕は訊ねた。
「耳なし芳一の話を知っておるか。全身にわしが経文を書いてやろう。そうすれば安全じゃ」
すぐに全身に経文を書いてもらうことになった。頭髪も下の毛も剃り、素っ裸になってお坊さんの前に立つ。
「コラコラ。男のわしが書いておるのに、そんなに膨らませおって。お前さんはホモっ気があるのか?」
「いえ、やはり他の人に触られるとついピンと立ってしまいまして」
「ちゃんと書けないと、お前さんの大切なチンチンが悪霊にもぎ取られてしまうぞ。それでもいいのか?」
さすがにそこまで言われると、萎えた。耳なし芳一の失敗例もあるので、耳の所もきちんと書いてもらった。完璧だ。
「今夜はどうしても外せない用事があってな。わしは出かけるが、離れで休むがいい。トイレと冷蔵庫も付いているから、
快適じゃ。明日の朝まで持ちこたえれば、もう悪霊に殺されることもなくなる」
お坊さん、そう言って僕を離れに案内した。部屋の四方に盛り塩をして、あちこちにお札も貼る。
「清めの塩で結界を張った。悪霊退散の札も貼った。安心するがいい」と言う。そして出かけて行った。
≪続く≫
夜になった。
「かんじーざいぼーさつ、はんにゃーはーらーみーたーじ……」
お坊さんから渡された般若心経を一心不乱に読誦する。そのうちに草木も眠る
丑三つ時。来た!
外の空気が一変した。突然の強風、叩きつける雨。雷鳴さえも聞こえる。その
中に聞こえる怪しく低い声。
「なんだあ、これは? 結界など張りおって。ふん、小ざかしいまねを。しかし、
この程度でワシに勝てると思っておるのか。ワーッハッハッハッハッ」
さらに強い風が吹いた。あっという間に屋根が吹き飛ばされていた。雨が直接
部屋の中に降り注ぎ、盛り塩は溶け、お札も吹っ飛んだ。僕の顔に書いた経文も
どんどん消えていくのがわかる。下着まで濡れ、全身に書かれた経文は、もう役に
立っていないのは明白だった。しまった、墨でなく、油性マジックで書いてもらえば
よかった。そう思っても、もう遅い。たまらず、離れを飛び出し、本堂へ向かった。
振り返ればムンクの『叫び』のあの顔をさらにグロテスクにしたような、まがまがしい
顔が宙に浮かんでいる。
「逃げられると思うな。ワーッハッハッハッハッ」
ネズミをなぶる猫のように、悪霊は楽しげに、ゆっくりと僕を追って来ながら言う。
「さあどうする? お次の手は何だ?」
ハッとひらめいた。僕は台所に入り込み、探した。あった!
清めの塩だった。それを全身に塗りまくる。こうすれば安全!
と、一安心したのもつかの間、僕はあっさりと猛禽類の爪を持った悪霊の手ににつかまっていた。
「お前を樽の底に入れて、石を乗せて殺して、何日かたったら食ってやろう」
「ひえええっ! そんなむごい殺し方を。清めの塩を塗ったはずなのに」
僕が無念そうに言うと、悪霊が言った。
「んん? あれは清めの塩ではないぞ。ただの漬物用の塩じゃ」
≪おしまい≫
あと2作
ツブ歯科名作劇場14
『一休さん』
とんちで有名な一休さんの所へ、ある日殿様の料理人が訪ねてきた。
聞けば、あるちょっとしたいさかいがあり、それ以降、殿様はどんなうまい料理を作っても、
難癖をつけて「うまい」と言わないと言う。悔しいので、なんとかならないか、と言う。
「承知しました」
一休は簡単に請け合って、次の日食事時間になると、殿様の前にやってきた。
手にはカセットテープを持っている。殿が食事をしながら音楽を聞くのが好きだと聞いていたので、
これを差し上げに参りました、と言って、カセットデッキにテープを入れて音楽を流した。
そこで訊ねた。
「お殿様、今日のお食事はいかがですか?」
殿様がまずいぞ、と言いそうになる前に、一休は次の質問をした。
「殿様、この曲はベートーベンの第五です。曲名はご存知ですか?」
殿様はついうっかり答えた。
「うんめ〜」
≪おしまい≫
あと1作
>>240 まあ、本音を言えば、書いていても読者の反応がほとんどないので、おいら自身が
書くのに飽きたというのもあるのですが。
そんなことないです。おもろいです。(どう反応したらええのか?)
楽しみ出す。エネルギーが続く限りお願いしますだ。
ツブ歯科名作劇場15
最後の話はオチなしにしました。
『少年探偵団』
今夜はかつての少年探偵団のメンバーが三年に一度集まる、同窓会の日だった。さすがに月日が流れ
たので、みんな初老となり、ハゲや白髪の頭ばかりだった。飲み屋の二階に集まったメンバーは十人。
もう亡くなったメンバーもいて、出席者は回を重ねるごとに少なくなっている。
「今日は明智先生、来るのかなあ」
誰かが言った。名探偵明智小五郎も年には勝てず、前回は欠席、前々回は体調を崩していたのを無理
して出席してくれたものの、途中で具合が悪くなり小林が送っていったものだ。
少年探偵団は、明智と小林少年の絶妙のコンビで持っていたようなもの。だから同窓会でどちらが欠
席しても、盛り上がらない。そのため小林は今日も血圧が高いのを無理して出席していた。
「明智先生、ガンの手術して、そのあとも入退院を繰り返していたから、今日いらっしゃれるかどうか
……」
そう小林が言うと、みな、いっせいにうなだれた。老年となり、明智探偵事務所を閉めた時、明智は
こう言った。老いさらばえた自分がかつての名探偵・明智小五郎だとはもう誰にも知られたくない。明
智小五郎はみんなの心の中でいつまでも青年として生きていて欲しい。自分はこれからは普通の爺さん
だ、と。
明智は誰にも知らせず社会の表舞台から静かに消えようとした。小林は泣いてそれを押しとどめた。
せめて少年探偵団のメンバーには姿を見せて欲しい。自分たちにとっては先生はたとえどんな姿になろ
うと、青年の明智だ、と。明智は小林の願いを聞き入れ、三年に一度の同窓会には出ることを約束して
くれた。そんな事情だから、明智の消息を知っているのは小林ただ一人だった。その小林の口から、明
智は来ないかも知らされると、やはり落胆は隠せなかった。
そこへ……。
ふすまを開けて一人の老人が現れた。
≪続く≫
「明智先生?」
誰かが声を発したが、それ以上の言葉が出ない。明智とは似ても似つかぬ老人がそこにいた。老年に
なってもふさふさの白髪、鋭い眼光、がっしりした体が明智だったが、その老人は頭がツルツルに禿げ、
貧弱な体躯で、老眼鏡らしきものをかけたその目は、しょぼしょぼして死んだ魚のように光がない。
それでも、
「おお、今声をかけたのは、探偵よりも女の尻を追いかけるのが得意だった杉本だな。相変わらず太っ
てるのは飯野、禿げてるのは前島、それから、タバコの吸いすぎだぞ永山、あと小川と加島、大林、坂
下、後藤に小林か。みんな、元気か?」
と、十人全員の名前を言い当てられたら、どんなに姿が変わってしまっても明智だと信じざるを得な
かった。老人は済まなそうな顔で続ける。「ガンの治療で髪は抜ける、体は貧弱になる。自分でも信じ
られないくらい姿が変わってしまって、みんなも戸惑っただろう。すまんなあ」
そう言う優しい言い方は明智そのものだった。
「やっぱり先生だ!」
小林が手を叩いて喜び、
「先生!」
「先生!」
「先生!」
異口同音にみんなが叫んだ。
「さあ先生、こちらへ」
幹事の小林が明智を上座に導く。それからは昔話に花が咲いた。いくつもの難事件の解決。特に宿敵
の怪人二十面相との対決では、明智の話を目を輝かせてみんなが聞き入った。
「ちょっとトイレへ」
話が一段落すると、明智は席を立った。老いた体をよろめかせながら会場の外へ出ると、小林が、
「先生、お供します」
と追ってきた。
トイレの中で二人きりになった。二人並んで便器の前に立ったが、小林はいきなり切り出した。
「あんた、誰だ?」
老人はふっと小さく笑った。小便を続けながら小林の方を向き、片手で頬をかく。
「さすがに小林君は騙せなかったか。と言うより、最初からばれてたんだよなあ」
「僕たちのことをこれだけ知ってるのは二十面相しかいない。あんたは……二十面相だろ」
≪続く≫
「そうだ」
「なぜ来たんだ?」
「明智君は敵とは言え、俺は尊敬してたんだよ。だから彼のことを思ったら、急にみんなと彼の話をし
たくなってな。同窓会があるのは知っていたから、ノコノコ出てきたわけさ」
「知ってたのか。明智先生が亡くなられたこと」
「ああ。惜しい男を亡くしたもんだ。悪銭身につかずで、昔盗んだお宝は全部なくして、今はホームレ
スさ。それでも子分だったのが時々情報を持ってくる。それで彼が死んだことを知ったよ。なんだか、
自分自身が死んじまったみたいだった」
「明智先生はすばらしい方だった。でも遺言で、自分の死はみんなに知らせてくれるな、と。あんたが
偽者なのは最初からわかっていた。変装も腕が落ちたな、二十面相。あんまりヘタクソだから、僕が音
頭を取って先生って呼ばなければ完全にばれてた」
「明智君はガン治療で髪が抜けて、体が痩せ細ってっていう情報を基にして、うまく化けたつもりだっ
たんだがな。年は取りたくないもんだ。しかし、なぜばらさなかった?」
「あんなにみんなが喜んでるのに、この明智先生は偽者です、だなんて言えるか? それにあんたには
敵意が全くなかった。安全だと思ったから黙ってたんだ」
「で、どうする?」
「会場へ戻ろう……じゃない、戻りましょう。二十面……いや、明智先生」
「俺を明智と……」
二十面相の顔に複雑な表情が走った。うれしそうな、それでいて泣いているような。
「もう明智先生はあんたしかいないじゃないか。どうせやるなら、とことん僕たちを騙して欲しい」
小林は懇願に満ちた声で言った。二十面相は目を細めふっと小さく笑った。
「そうか。それじゃあ、三年後もまた来るとするか。生きていれば、だがな」
弱々しく言う二十面相の手を、小林が強くつかんだ。
「怪盗二十面相とも言われたあんたが何を弱気を言ってるんだ! 誓ってくれ! 生きて生きて生き続
けて、これからも同窓会に出席すると」
二十面相も小林の手を握り締めた。顔を見合わせる二人の目に光るものがあった。
「約束する。必ずやって来るぞ」
「そう来なくっちゃ」
小林は微笑んだ。「さあ行きましょう。みんなが待ってる。……僕の大好きな……明智先生」
≪続く≫
トイレから出て廊下を歩き始めると、宴会場の方からにぎやかな声が伝わってきた。
「歌を歌うぞ!」
「おお。いいぞいいぞ」
「ぼっ、ぼっ、ぼくらは中年探偵団……」
「中年はもう無理だろ」
「そうだな。じゃ……ぼっ、ぼっ、ぼくらは老年探偵団……」
少年探偵団の替歌だった。少年と言う所の歌詞が青年になり、中年になり、今回からはついに老年に
なってしまった。小林はあと何回この会を開けるだろうか、とふと思う。
「おい、私の大切な助手の小林君、ちょいと手を貸してくれ。最近、足がもつれてな」
明智が言った。
「僕も足には自信がないんですよ。血圧も高くて」
小林も少し引きずって歩いている自分の足を手で示す。
「それじゃ、まあ、ゆっくりと行くか」
明智と小林は、お互いの体を支え合いながら、ゆっくりゆっくりと会場に向けて歩き出した。
≪おしまい≫
ツブ歯科名作劇場≪完≫ もしかしたら、続けるかも。
読み返して、最後の場面はカットしても良かったかな、などと。
落ちる寸前だったのでage。
252 :
ハリー:2008/07/15(火) 00:39:35 ID:zZC2V2oF0
むう先生、読んでましたよ。
で、中篇のネタあるのですが。
絶世の美女が全顎知覚過敏起こして、マッドデンティストが
「知覚は無いが、その代わりに快楽信号出しまくりのA-10培養神経を
抜髄と同時に移植する」という噺です。
この女性が「食感を有する食べ物を食するたびに白目を剥く」ことを
知った腕利きの料理人が競って女性を攻め立てる、というものです。
当然、描写は狂気じみた料理人の熱情と料理についてと、三流艶小説の如き
悦楽狂態に費やされることとなります。
いささかヤプー的世界になると思われます。
ハリーせんせの作品は読んだことがありませんが、随分とマニアックなネタですね。
一応おいらの中では、中編は70枚以上と決めているのですが、このネタで読者を引っ張っていくには
手を変え品を変えしなければならず、かなり難しいですね。おいらにはそういうタイプのものは書けません。
現在、昔書いた作品のリメイク中です。オリジナルが35枚でリメイク初稿が60枚。
さらに加筆訂正して今は83枚ですが、もう少し伸びます。そろそろ疲れてきたので90か100枚で終われば
と願っています。
改訂版92枚で完成。つかれた〜。
255 :
卵の名無しさん:2008/07/22(火) 15:14:23 ID:dRDfUgr30
>>254 改訂版92枚で完成。
どこで披露するんですか?
>>255 おいらのHPです。全部で1300枚分くらいの小説をUPしてあります。
なお、ここに書いた『ツブ歯科名作劇場』は、お遊びで書いたので、その中に
入れる予定はありません。
過疎ですな。。。