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卵の名無しさん:
南淵先生のエッセイより
「金なし、将来性なし、患者なし、予算なし」大学病院死の四重唱
大学病院が若い医師達から嫌われる理由はいろいろと想像できます。
全部がそうだとは言いませんが、真実、良識、正義、美しさ、清潔さ、潔さ、お金、名声、に乏しいところだと私は思います。
昨年のことですが、ある大学病院の研修医は「自分は上司の欲求不満のはけ口にされている」と理不尽な扱いに激怒していました。
大学病院は若い医師にとってもぜんぜん魅力など感じないでしょうが、現在スタッフになっている中堅医師達にしても
「金なし、将来性なし、患者なし、予算なし」の死に体です。
「高血圧、肥満、高血糖、高脂血症」の死の四重唱の大学病院版です。
大学病院を志望する若い医師達にとっても、ひとたび迷い込んだら
カルト宗教のような「医者は論文や!論文を書かかなあかん!患者を診て何が面白いねん!」という教義を押し付けられ、
生涯を棒に振ってしまう可能性があります。超世間知らずな先輩医師達に毎日毎日教義を押し付けられ、
「うちの大学病院の手術が人類最高!」と信じ込まされるのです。
二三年もするともうまともには使い物にはならなくなります。
一番恐ろしいのは、目の前の「現実」を客観的に見て評価する脳の機能が退化して、
「自分たちは世界一」というプライドで凝り固まった自意識が織り成す幻想の世界に
どっぷりはまり込んでしまうことです。これはもう病気です。
大学病院は文化人類学的な研究対象としては隔絶された僻地の集落と同様、
興味深いモデルだと思います。霊長類研究においても、サル山と同様に今後研究対象となるべきもので、
人間の原始の感情や思考パターンを垣間見ることが出来る特殊な「真空地帯」ですが、
自分で「うるるん」してみようなどと思う人は少ないことでしょう。