歯科医師が1500万円着服 県立医大(和歌山)
県立医科大学付属病院は14日、歯科口腔(こうくう)外科の田島卓也歯科医師(39)が患者34人から治療費
500万円余りを病院の会計ではなく、田島医師の指定した銀行口座に振り込ませ、着服していたと発表した。
同大は14日付で田島医師を懲戒解雇にし、告訴も検討している。
板倉徹・同大付属病院長らが会見し陳謝した。監督責任として、所属長である歯科口腔外科の藤田茂之教授
を減給10分の1(1カ月)、板倉病院長と大西克尚前病院長を厳重注意とする処分を発表した。
同病院によると、10月17日、田島医師が治療をした患者の知人から「田島医師が患者に治療費を指定した口座
に振り込ませている」という問い合わせがあり、翌日、本人から事情を聴いたところ事実を認めたため発覚した。
田島医師は2003年4月、同病院に採用。06年10月までの間、自費診療となる歯の全体をかぶせ物で覆って修復
する「クラウン治療」とあごの骨に人工の歯根を植え込んで歯をかぶせる「インプラント治療」を行った患者に
対し、指定する口座に総額1526万6705円を振り込ませたという。
また、田島医師が病院で使用を認めていない材料を外部から調達し、治療に使っていたことも発覚。危険性に
ついて同病院は「民間では使われている。治療行為自体が間違ったものではない」と説明。田島医師は「付属病院
では採用していない材料を使いたかった」と話しているという。
田島医師は11月13日、「材料費を差し引いた部分」として958万円を返還したが、大学は背任や横領、詐欺罪を
視野に告訴準備を進めている。また近く、対象の患者に対し謝罪するという。(紀伊民報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061115-00000001-agara-l30