産科医絶滅史(第9巻)〜強産と分娩テロ〜

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356投稿者:森 功
奥田先生の周産期センターでのご勤務、過酷という以外にありません。公的機関で
このような状況が放置されているという現実は、やはり犠牲が出なければ行政も、
医師会も誰も動かないという以外にありません。勿論、当事者の方の努力で持って
いるわけですが、それを支えているのは奥田先生始め少数の医師の「専門家として
の矜持」なのでしょう。敬意を表します。大阪府母子センターも忙しそうですが、
奥田先生のところほどではないようです。いずれにしても、正常分娩は助産師が
主体で、医師は帝王切開などの異常分娩を主体とするという原則を産婦人科学会、
医師会に提案し、少ない医師が手がけられる範囲を制限する努力を今から始めま
せんか。当院でも助産師主体の産科を考えましたが、法律、医師の考え、助産師の
踏み出し困難などで途絶えています。助産師が設計した産科施設が眠っています。
歩合制も含めた新しい病院産科医の育成もこれからです。開業医にも輪番で、
病院における産科の異常分娩を扱ってもらうように働きかけ、協力しようという
若手医師もいますがいまだ組織化は出来ません。奥田先生の状況は体を悪くされ
る前に制限されるべきと思います。それでも使命感でやるといわれれば住民は
幸せですが、改善が遠のくのも事実です。刑事訴追がさらに悪影響を与えている
ということは産科だけにとどまりません。マスメディアヘのアピールなど機運を
高め、悲しい事故などを契機に改善策が始まるという日本式改革はいまだ先なの
でしょうか。既に事故は多く起こっているのですが。ただいまの巷間の産科の
状況を作ったのはやはり医師であったというのも事実です。計画出産と医師中心
の産科の歴史は厳しい現実をもたらしています。助産師の手に戻し、医師は自ら
出来うることをするべしナノでしょう。なかなか改善は厳しいですが