http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2523dir/n2523_04.htm#00 テネット社が保有するレディング医療センター(カリフォルニア州)がFBIによる強制捜査を受けたのは,
10月30日のことだった。必要もない心臓カテーテル検査や心臓外科手術が
同センターで行なわれているというのがその容疑だった。
捜査が始まるきっかけとなったのは,1人の患者がFBIに苦情を申し出たことだった。
患者は,ジョン・コラピ,55歳の牧師だった。コラピは,特に症状があるわけではなかったが,
父親が心臓病なので念のためと,昨年5月にレディング医療センター
循環器科部長チェイ・ヒュン・ムーン医師の診察を受けた。
負荷心電図の後,ムーン医師から「すぐに心臓カテーテル検査を受けなければならない」と言われ,
カテーテル検査を受けたところ,今度は,「すぐに冠動脈バイパス手術を受けなければいけない」と言われたのだった。
しかし,レディング医療センターは心臓手術のスケジュールが詰まっていたため,
すぐに手術を受けることはむずかしかった。
「緊急に手術をしないと命にかかわる」と言われているのに悠長に待つわけにはいかないと,
コラピは友人を頼ってラス・ベガスの病院で手術を受けることにした。
しかし,ラス・ベガスでコラピを診た医師は,「何も異常はないし,手術の必要もない」と告げ,
怒ったコラビが自分の体験をFBIに話したのだった。