産科医絶滅史 〜さようなら赤ちゃん〜 第4巻

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121辞めたい
山が見える病院で二人は机並べて 毎日外来をこなした
少しの給料とカップ麺そして 私はあなたとお産を覚えた

専門医取っても私を下っ端扱いしたよね 十年早いって
半月当直 半月待機で 死にかけた

早剥から起こった母体死亡 あなた訴えられて辞めてしまったの

今年も学会に行くって いっぱいお産も取るって
約束したじゃない あなた約束したじゃない
辞めたい・・・

オキシトシン仕掛けては 不意にあきらめて搬送
産科をただ独り 忙しいのかそれさえも分からずに続けてる

笑顔のマイナー医をつい見つめる 彼が産科だったら 産科だったなら

疲れた肩をつかんで 嫌なら辞めろって叱って
代わりはいくらでもいるって 奴隷だよって罵って
辞めたい・・・

後任が決まったといって お願い一人にしないで
夜は眠らせて 私の代わりに当直して

今年も学会に行くって いっぱいお産も取るって
約束したじゃない あなた約束したじゃない
辞めたい・・・