【幸福追求権】いやなら辞めろ【職業選択の自由】

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583卵の名無しさん
北海道新聞「くらし専科」
  ttp://www5.hokkaido-np.co.jp/kurashi-senka/index.php3

平成17年11月20日付「片桐由喜先生の こう見る こう読む」を先行upします。

医師の派遣「説得と強制」がカギ

 道内の医大が地方病院への医師派遣を取りやめるという。その理由は昨年度から始まった
研修医制度にある。この制度は新卒医師に二年間、基本的な医療技術等を自分が選んだ病院
で習得することを課している。それ以前は卒後はたいてい、いったん大学病院の医局へ入局
し、以後は教授の指示に従って関連病院へ派遣されていた。
 つまり研修医制度導入前は大学の医局は、新人の一定数を戦力・人材として確保し、それ
を背景に医局は地域医療の担い手の供給源であった。しかし、新人医師が自由に研修先を選
べるようになり、この新人入局が減少してしまった。それで医局自体に医師不足が生じたた
め地方に派遣していた医師を引き揚げ始めたというものである。
 医師不在に直面する病院や市町村は、またまた困ったことになったと頭を抱えているだろ
う。かつては医師派遣を依頼するため医局を訪れ、時にはそこでの教授や医局との金品授受
が摘発されもしてきた。そして今度は研修医制度に泣かされている。
 もっともこの研修医制度第一期が来年三月で終了(原文ママ)する。研修終了(原文ママ)
後は新人医師らは医局へ入り、そうすれば以前と同じように医局から地方病院への派遣も再
開されるのではないかという楽観的な見方もある。
 地方への医師派遣に際し、医局統制の弊害が指摘されて久しい。しかし、自発的な過疎地
域への移動を個々の医師に期待できない以上、医局であれ国家権力であれ権威と強制力を盾
に彼らを地方へ送り出すシステムは欠かせない。公立小中学校の教師は公務員であるため、
転勤命令が出ればどんなへき地であれ行かなければならないのである。いやなら教員を辞め
るしかない。
 イギリス社会保障の父、ウィリアム・ベヴァリジ卿は人を動かすのは「説得と強制」であ
ると断じた。地域医療対策のキーワードであろう。
                                 (小樽商大教授)


片桐由喜先生を推進委員会・有識者部会委員に推挙しまつ(w