【本気で】慶應病院【語ろう】

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免疫学の権威として知られる慶応義塾大医学部の男性教授が、実際には使っていない
実験用動物を購入したように装うなどして、文部科学省と厚生労働省の科学研究費補助金
(科研費)を、少なくとも計約4500万円不正受給していたことが3日、会計検査院の調べ
でわかった。

 1人の教授による科研費の不正受給額としては、過去最大規模と見られる。検査院の今
回の調べで見つかった科研費の不正受給は、この教授の事例を含め、研究課題数で7件
(計約8500万円)に上っており、文科省と厚労省が返還させる方針だ。

 調べによると、男性教授は、文科省の科研費のうち「学術創成研究費」と呼ばれるものに
対し、「食物質による免疫作動機構の解明と応用技術の開発」という研究課題で応募。それ
が採択され、2001〜05年度までの5年間に年約7600万円ずつ、合計約3億8000万円
の補助を受けることになった。

 不正受給していたのは、大半がこの研究に対する科研費で、不正受給額はそれだけで
4300万円を超えていた。男性教授は、実際には買っていない動物実験用のマウスやその
飼育設備を購入したとして、架空伝票を切り、医療用品販売業者の口座に代金の一部を不
正にプールするなどしていた。この教授はほかにも、特定領域研究などでの不正受給にか
かわっていたが、不正受給した科研費は別の研究費に充てられ、私的流用はなかったと
される。

 男性教授は免疫学の第一人者で、03年1月には、東大教授と協力して、骨髄移植を受け
た白血病患者らに起こることのある拒絶反応に、腸のリンパ組織が深くかかわっていること
を解明し、アメリカの科学誌で発表。新薬の開発に道を開く成果を上げている。

 今回の検査では、この教授の事例を含め7件の不正受給が見つかったが、このうち4件が
文科省、3件が厚労省の科研費だった。

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051004it01.htm