41 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 08:08
しばらく歩き回っていると
「あ、あそこあそこ」
と、空いたベンチを見付けた彼女が俺の手を引いていく
二人で腰を下ろす。今までにこんなに密着することが
あっただろうか。否、無かった。緊張が高まり過ぎて
口が開かない。しかし、今しかない。
「大事な話があるんです」
と俺は切り出した。彼女は黙ってうなずいて聞いてくれる。
しかし、またそこから言葉が出ない。
俺は立ち上がって、座っている彼女に向き合った。
「あの、おれ」
とまた言葉が途切れる。緊張で死ねる。と思った
ここで今までの苦い思い出が次々へと思い出される…
彼女が俺の両手を取って
「がんばって!」
と言ってくれた。
「エルメスさんの事が好きです」
あの時の勇気以上だった。震えた声で言った。
彼女が立ち上がった。俺は彼女の顔を見れなかった
「私も電車さんの事が好きです。だからこれからもずっと一緒にいてくれますか?」
と彼女が言った。
416 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 08:55
その言葉を聞いたら今までの辛い思い出や苦労が
白くなるみたいになっていって、そしたら鼻がツーンとしてきて
涙と鼻水がとめどめもなくあふれ出てきた。
そのせいで
「ありがとう」
と
「ずっと一緒にいましょう」
を言おうと思ったんだけど、全然言葉にならなくて
何度も何度も上手く言おうと繰り返すけど
全然上手く言えない。
彼女が前からそっと俺の体に抱き着いてきてくれて
「大丈夫、大丈夫」
って何度も背中をさすってくれた。
必死にその辛い思いや苦労を口にしようとするも
「いjんmvぽhjrぴうwhみおhlうぇ」
もうこんな状態…_| ̄|○
興奮しすぎてさ…
463 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 09:00
「周りの人が見てますよw」
と彼女が言う。そうだった。両隣のベンチにもカポー満載だ…
彼女はぐちゃぐちゃになった俺の顔を撫でてくれる
「好きって言ったらもっと好きになっちゃいましたw」
と背伸びをして、俺のもみ上げあたりの部分に何度か
チュッチュッとしてくれた。一瞬時が止まったと思ったら
また勝手に目と鼻から水がだらだら漏れてくる。
それでも声を上げないように歯を食い縛ってずっと堪えてた。
「すいません。俺女の人にこんなに優しくされたこと無いから」
って言おうにも言葉にならない。
彼女は
「うん、うん」
って言いながらティッシュで俺の鼻水か涙か分からないものを
拭き取ってくれる。
それからどれくらい経ったんだろうか
ようやく顔を上げると、彼女の目が真っ赤に…
「あ…」
とか間の抜けた声出しながら、彼女の顔を眺めてた
「もらい泣きしましたw」
と言いながら、彼女は指の背で溜まった涙を拭ってた
733 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 09:42
二人とも落ち付いたところで公園から出る事に
車まで戻ると、彼女が
「こっちでお話しませんか?」
と後部座席の方へ。
ここである異変に気付く。何時の間にかコンタクトが
片方取れて無くなってた。
「ア、コンタクト片方無い…」
と呟くと彼女が
「大変、探しに行かないと」
と車を出ようとするが、俺のは使い捨てなのでおkと引き止める
片方だけコンタクトしてると返って変なのでもう片方も外す。
「ははは…なんにも見えないや…」
と言うと
「私の顔も見えませんか?」
と言って俺の方にぐっと寄ってくる。
俺、見えてるのに
「見、見えないです…」
と呟くと
俺の首に手を回して鼻息がかかるくらい接近してきた
「これで見える?」
俺は黙ってうなずくしかなかった
861 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 10:01
その密着状態でどれくらいの時間が経ったのか
俺も彼女も言葉が出ないままだ…
っていうか俺の腕になんか柔らかいの思いっきり当たってるんですが…
しばらくして彼女の指が俺の唇を撫で始める。
俺は思わず
「くすぐったいですよw」
と吹き出してしまった…。しかし、そんなのはお構い無しに
「今度は電車さんから…ね?」
と目を瞑る
俺の心境
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)-_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
俺は、彼女の髪をどけて、耳の前辺りにそっと口付けたが…
「きゃっ」
っと彼女が身をすくませる。俺もビックリ
「そっちじゃないですよw」
と思いっきり笑われてしまった…_| ̄|○
24 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 10:24
「ここですよw」
と笑いながら彼女が俺の唇に人差し指を当てる。
「もうムードも何も無いですねw」
と俺も一緒に笑う。
「そうですねw」
と彼女も笑う。
少しして落ち付くと
「はい、どうぞw」
と改めて目を閉じる。
「それじゃ行きます…」
と深呼吸して、そっと唇を付けました。
多分2、3秒くらいでしょうか…
世界にこんなに柔らかい物があったなんてと思いました。
離れると、暫く見詰め合う…というかもう凝視に近いものがありました。
彼女の黒目に俺が映ってるのが分かったくらいに。
そして、糸が切れた様に彼女が
「あぁ、もう本当に愛しい」
と小声で囁いて、何度も口付けてくる。
俺の方からもお返しとばかりに口付ける
533 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 15:47
2、3分くらいはずっとキスを繰り返してたと思う。
少し経って落ち付くと俺は
「未だに信じられない。夢なんじゃないかと思う」
と言うと、彼女は両手で俺の頬を摘んでぎゅうぎゅう引っ張った
「夢じゃないでしょ?」
「いはくはいけどゆへやない…」
本当は「痛くないけど夢じゃない」って言おうと思ったんだけど
頬引っ張られてるから変な発音になってしまう。
それを見て、彼女は堪らず笑い出す。
俺も釣られて笑う。
ようやく落ちついたところで
今まで話せなかった事を話す
どうして、互いに好きになったのかとか
その時考えていたことなど。
話しても話しても話題が尽きる事は無かった
601 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 16:04
彼女は最初の車内の事件の時ではまだ
俺の事を好きになったという自覚は無かったそうな
「今思うと惹かれてたんだなぁ」とは言っていましたが。
あの事件の当日も「今時、勇敢な人もいるんだなぁ」くらいの
程度だったらしいです。エルメスのカップも本当に安く
手に入って、丁度良かったのでお礼には丁度良いかなと
思ってくれたそうです。
電話もその日のうちにかかってくるとは思っていなかったそうな
俺がすごく喜んでいたみたいで、それはすごく嬉しかったそうです。
食事に誘われた時も、それほど意識はしていなくて
一回きりだろうなと思っていたらしいです。
その1回目の時の食事で俺と話しているうちに
「もう一度話したい」と思ったらしいです。
そこで好きになったという訳では無く、なんか波長が合った
とかそういうものだったとか。安心して話せる相手というか
それで、俺の事を周りに人間に話していて
二回目の食事の時の友人に
「あなた、その人の事好きでしょ?」
と言われて自覚したそうな。
それを確かめるべく、その友人が二回目の食事の時に
来たということです。
車内の会話全部書いてたらキリ無いかも…
686 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 16:21
二時間も話しているといさすがに疲れてきた
しばらくの間、沈黙していた…
「どこか行きますか?」
と彼女がその沈黙を破る
俺もそうですねと相槌を打つ
「どこ行きましょうか?」
と聞かれても、この時間に開いているところってどこだ?
俺はもしやと思ったが落ち付いて
「ファミレスとかって行きますか?」
と問う。
「そういえば、お腹空きましたねw」
と彼女は笑って同意してくれた。
それじゃーと彼女が前の座席に移動しようと
するところで俺は
「もう一回」
そう言って腕を掴んで引き止めた
軽く触れるくらいのクスをしただけだけど
彼女の方から
「もうちょっと」
と言って、3、4回軽くしてくれた。
で、最後に口紅を拭き取ってくれた
793 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 16:37
ここで地元まで帰る。そこの近くのファミレスで
食事を取ることになった。彼女曰く「すごい久し振り」だそうな…
…で、運転中の萌え台紙
「運転中は離れてて寂しーよー」
ってほんの数十aなんですけどね…( ´ー`)
なので信号待ちの間だけ手繋いでました。
ようやく地元まで着き、ファミレスに入る
そこで彼女は速攻で化粧直しにトイレに駆け込む
明るいとメイク崩れまくりがバレるからだそうな
別にそんなのどうでもいいのに…( ´ー`)
彼女が戻ってくるのを心待ちにしながら
メニューを眺めるも食欲がいまいち湧かない
彼女に決めてもらうことにした。
15分ほどして彼女が戻ってくると
「俺の分も選んでくれますか?」
と頼む。
そしたら和食セットを頼んでくれました。
食欲の湧かない俺にジャストミートしてびっくりしました。
228 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 17:24
そこで二人の今後についてずっと話してました。具体的に言うとどこに行ってデートするとかですけど
あとは色んな友人に「彼氏できました」言って周るとか、来週はどこに行こうかとか。
あとはデジカメで写真とってPCにいっぱい保存しようねとか
そんなこんなでもう夜中の4時になろうとしていた
「もう朝ですねw」と俺が言うと
「そうですねw 帰りましょう」と席を立つ。
もう俺の家までは近いが、家の前まで送ってくれることになった。彼女曰く、
「夜道を一人で歩かせるは危ないのでw」
だそうです…( ´ー`)
251 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 17:25
そして、道案内をしながら走っていく。
「あ、ここです」
と言って車を止めてもらう。
「こんなところまで送ってくれてありがとう」
と車を出たところでお礼をする。彼女は
「最後に…」
と言って両手を少し広げる。俺はしかkり彼女を抱きしめて
「ありがとう、本当にありがとう」
と繰り返す。彼女は
「良かったね、良かったね」
と抱き締め返してくれる。
そして今日最後のキスをする。
軽く、3、4回さっきと同じように彼女は俺の目を真っ直ぐ見据えて
「大人のキス出来る?」
と言った。俺は黙ってうなずく。
274 名前:電車男 ◆4aP0TtW4HU 投稿日:04/05/09 17:26
「入っていくから、驚かないでね」
そう言って彼女は少し顔を傾けて、俺に口付ける。
俺、正直どうしたらいいのか分からなかった。
僅かな口の隙間から彼女が入ってきた。
俺は舌先でそれに応えた。
中で一旦触れると、互いに伸ばして
抱きしめ合うように感触を確かめた。
俺には当然初めての感触だった。
自分の中に彼女を感じるってこうなのかな?
何分くらいしていたのか分からないけど
離れた時にはなんかぐったりしてた。
「なんか、ごめんね」
と何故か彼女が謝る
「いや、全然、謝る事無いです」
「うん…」
彼女はまた俺の唇を拭こうとするが
俺は
「しばらくこのままがいいから」
と言うと
「バカ」
と叱られました( ´ー`)
彼女は車に乗りこみ、最後におやすみと言って
走り去っていった。俺は車が見えなくなるまで
そこにたたんでいた。
こんなところです( ´ー`)
* .※ ※ ※. *
* ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ .☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ *
* ※キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ ☆※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※☆ .☆※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ※ ※ ☆ ※ *
* ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※ *
* .※ ※ ※. *
* * *
−−− −−− 第一部・完 −−−−−−
良いですね、これ。
本屋さんに並んでいるのは知っていましたが、買おっかな。
この本流スレでまったりするのも良いか。
あっちは、危険地帯だし。