今日の訴訟ニュースその3

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393卵の名無しさん
医療過誤訴訟・差し戻し審 ミス認め、賠償命じる−−遺族の闘い実る /神奈川
 ◇約13年半の遺族の闘い実る
 90年6月に子供が敗血症で死亡したのは、適切な治療を怠ったことが原因として、
逗子市の両親が、鎌倉市内の2病院に損害賠償を求めた訴訟の差し戻し審で、
東京高裁は17日、このうち「佐藤病院」を経営する医療法人「大樹会」の医療ミスを認め、
約5300万円の賠償を命じた。
江見弘武裁判長は「敗血症を前提とした治療を早く開始していれば、子供を延命できた
可能性がある」と指摘した。
 訴えていたのは、逗子市の自営業、豊住武志さん(62)夫妻。判決によると、
中学1年生だった三男(当時12歳)は90年6月20日、病院で急性胃腸炎と診断された。診断に疑問を持った母親が翌日、佐藤病院に行ったところ、盲腸の手術をされたが
同22日午後に死亡した。
 判決は「意味不明な言葉を発するようになった6月22日午前9時半には、
敗血症対策をとるべきだった」と認定した。
 死亡から約13年半を経た勝訴判決に、夫妻は「裁判のたびに死んだ息子を思い出した。
長くつらい闘いだった」と話した。
弁護団は「先月になって、病院が民事再生手続き中であることを知った。賠償金を受領できる
かどうか心配だ」と語った。さらに、「病院の訴訟引き延ばしが長期化の原因だが、
鑑定を何度も実施したり、和解交渉に時間をかけたり、途中で何度も裁判官が交代するなど、
裁判所にも問題がある」と指摘した。
 1審の東京地裁判決は2病院に賠償を命じたが、東京高裁が豊住さん側全面敗訴の
逆転判決を言い渡し、最高裁が01年2月、審理を差し戻していた。
【小林直】(毎日新聞)