医療に関するマスコミ報道

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147卵の名無しさん
<朝日新聞・社説>
■診療報酬――患者本位にするために
 医療保険から病院や診療所に支払われる診療報酬の総枠が、来年度から1%引き下げ
られることになった。
 2年前の改定では小泉首相の指示で薬価だけでなく、医者の技術料などの本体部分も
引き下げられた。今回も首相は本体に切り込むことを求めたが、来年の参院選を控え日本
医師会の協力をあて込む自民党に押し返され、据え置かれた。
 前回の改定で医療機関の経営は悪化したという。だが、入院や外来で得た収入から医師
や看護師らの給与や医薬品などの費用を差し引いた収支差は、一般病院で月に平均193
万円、個人診療所で227万円の黒字となっている。リストラや給与カットに苦しむ支払
い側が最後まで本体部分の引き下げを求めたのは当然だろう。
148卵の名無しさん:03/12/22 10:16 ID:+m2swaIW
 ただ、総枠決定は診療報酬の改定の入り口にすぎない。6千種類以上の医療行為の価格を
決める点数付けは、4月の改定をめざしてこれから本格化する。
 3月に決まった医療制度改革の基本方針でも、診療報酬の見直しがうたわれた。
 医師の診療行為を重んじ、時間をかけて丁寧に診察したら、きちんと評価して報酬点数を
つける。医療機関を救急や慢性、終末期など得意分野ごとに分け、効率的で質の高い医療を
めざす。特定の病気では、薬代などを個別に請求するのではなく、適正な原価をはじいて
包括的にコストを補償する仕組みを進める。医療情報の公開や患者の選択をもっと重視する。
 今回の改定では、こうした基本方針に沿って、メリハリをつけてほしい。
149卵の名無しさん:03/12/22 10:18 ID:+m2swaIW
 強調したいのは医療の安全の確保だ。最近の医療事故の頻発は目に余る。坪井栄孝・日医
会長も「医療事故や医療に対する不安、信頼の喪失は私自身も経験したことがないもので、
放置できない」という。
 医療事故は高度な医療にチームで取り組んでいる大病院で目立つ。報酬見直しにあたっては、
診療所よりも病院に医療費をもっと手厚く配分する必要があろう。
 日本の医療は、人口あたりの医師や看護師の数は欧米とほぼ同じ水準なのに、病床あたりで
見ると半分から3分の1になってしまう。これは人口あたりのベッド数や入院日数が欧米の
2〜3倍もあるためだ。医療事故の背景に、日本に特有の大病院の人手不足があるのは間違い
ない。
 診療報酬の改定で、医療の構造を欧米なみの「集約的な医療」に誘導していくことを考えて
ほしい。ベッド数を減らして医師や看護師に余裕を持たせる。そうした病院を経営的に支える
診療報酬になれば、患者本位の医療につながっていくだろう。
 国民医療費は30兆円を超え、人口の高齢化で膨張の圧力が続く。医療の質の向上がなければ、
負担増はとても理解されまい。診療報酬をテコにした医療改革を進め、「患者本位の医療」「無
駄のない効率的な医療」の実現をめざしてもらいたい。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html