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卵の名無しさん:
【混合診療こそ医療改革の決め手 〜日本の医療サービスは共産主義だ】
正論 2002年5月号
日本のGDPは経済協力開発機構29ヶ国の中で第2位だが、98年の総医療
費の対GDP比は7.6%で18位、1位の米国は13.0%である。高齢化
率と1人あたりのGDPが比較的近いドイツとフランスはそれぞれ10.6%
と9.6%で、ドイツやフランスと比較しても日本の総医療費は少なく見積も
っても対GDP比で約2%、約10兆円も少ないと考えられる。平成13年の
厚生労働白書によれば、97年の日本の国民一人当たりの医療費は287714
円で7位であるが、1位の米国495454円との差は大きい。
日本の医療費は国際的に見れば決して多くないのだが、そのパイの切り方に
は問題が多い。まず、「物から人へ」シフトさせるべきである。日本の薬や医療
材料の値段は米国の3〜5倍である。例えば、米国では6万円の骨折の治療材料
が日本では18万円で取引されている。それに反比例して医師の技術料は米国の
8〜10分の1に過ぎない。例えば、手根管開放術という手術は米国では3000ドル
=約39万円に対して、日本では39000円である。この安い技術料で手術室や
手術器械を維持し、手術室のナースには看護料もないのでナースの給与も賄わなけ
ればならない。技術料がせめて米国の3分の1でも評価されれば薬価差益など不
要である。