今日はこれを読んで胸やけがしました。こんな駄文しかかけない自称医療ジャー
ナリストと、それを堂々と流布するテレビ朝日のほうがよほど医療を悪くする元
凶です。
>今年もいよいよ終わりですね。
>これまで番組では、日本の医療が抱える問題を様々な角度から放送してきまし
>たが、ほんの一部を覗いただけというのが正直な印象。
係争中を含む医療被害者のみからの取材、ウェブでの投稿をソースとする、医療
のプロの検証は無い。まともな統計データは登場せず、事例を挙げるだけで医療
を語る。再現ビデオという脚色可能な手段を用い、悪辣な医師像を一様に印象付
ける。コメンテーターの全員が医療に批判的か、素人。このような一方的な取材/
脚色/考察をもって「様々な角度」というのは盗人猛々しいというものですよ。
「ほんの一部」というのはその通りでしょう。偏見に歪んだ目には真実は映りま
せん。
>でも、Smaクリニックをきっかけに、皆さんが少しでも医療に興味を持ってく
>れれば良いなと思っています。
これも同意します。きっかけはどんな形でもかまいません。しかし、この発言を
正確に補遺するなら、Smaクリニックを反面教師として、公平な視点で物事を見
る視点を養って欲しいと思います。
>今回は最近気になったトピックについて、お話ししたいと思います。日本の医
>学部(大学病院)には、専門分野ごとに現役教官や研修医・OBなどで構成して
>いる医局があり、それぞれの関連病院に医師を派遣する“医局講座制”という
>システムがあります。
「現役教官」ってなんでしょうか?意味不明です。医局を構成するのは、教官、
その他の医師(無給のものも有給のものもいる。研修医とは限らない)、関連病
院出向中の医師です。
>実はこれが、良い医療者の育成や患者中心の医療を阻害する元凶といわれてい
>ます。
どなたが、どこでおっしゃっているのでしょうか?医局講座制の弊害は分かりま
すが、元凶と言い切るからには、なんらかのコンセンサスを獲得しているのでしょ
うね。それとも、また、「医学部では全科は教えない」との言い切りに倣った嘘
ですか?
>医局で医師の人事権をすべて握っているのは、殆どお殿様のように君臨する各
>科の教授。「優秀な医師でも教授の意に背けばそれで終わり…」。つまり、完
>全な縦社会が築かれているのです。また、権利が一極集中していて不透明なた
>め、派遣先の病院との間に不当な金の流れがあるのでは? と囁かれることも
>しばしばでした。
人事権が教授にあるのは程度の差こそあれ、どの医局でもそうでしょう。しかし、
医師の人事というものは、その医師の教育、関連病院の希望、医師本人の希望な
どを勘案して決まるものであり、教授が賄賂の額に応じて医師の配分を決めてい
るわけではないですよ。完全な縦社会というのは全く同意できません。
大変な問題発言だと思いますが、ちゃんと取材して言っているのでしょうね?
「殆どお殿様」「不当な金の流れがあるのでは? と囁かれる」
要するに憶測でものを言っているということでしょうか?
>今年6月には実際、弘前大学の教授らが、過去に派遣先の民間病院元理事長から
>100万円を受け取り、医局運営費に充てていたことが発覚しました。そこで、12/
>17に同大学が下したのが、医局を今年度末までに廃止するという決断。これは、
>日本の医療にとって大きな一歩です。
関連病院からの寄付の多寡によって医師派遣が左右されていたとすれば問題でしょ
う。しかし、医局が関連病院からの医師派遣を仲介していたという機能を全く放棄
するわけですから、これからの弘前大学の制度は「実験的」なものです。
>同大学に追従する医学部が増えてくれれば、日本の医療がより患者中心のものへ
>と向かっていけるのではないでしょうか。
大きな一歩かどうかは、あなたでは無く、弘前大学を中心とした医療圏の患者さん
たちが決めることです。また、なぜ、医局講座制の廃止が、医療の向上に繋がるの
かという議論が欠落しています。
(写真家/医療ジャーナリスト 伊藤隼也氏・談)
「医療ジャーナリスト」と名乗るためにはもっと医療のことを勉強しないといけま
せん。我々プロの眼から見て、あなたは満足できる水準に遠く及びません。