前の病院にいた頃、2歳の女児の体幹・四肢わたる熱傷をとったことがある。
親がろくに温度も確認せずシャワーを子供に浴びさせそれが熱湯で火傷したというDQN親だった。
1週間ぐらいは皮膚科・小児科交代制で全身管理したし、平日は毎朝7時から1時間かけて包交していた。
でも、やけどの包交だから痛くて包交のたびに患児は泣いていた。
入院してから、10日目ごろに両親に状態見せるために日曜に呼んで両親の前で包交した。
DQN父親がいきなり大声で怒り出して、
「あんた、人の子供になにやってんだ。あんなに痛がってるじゃねーか。
俺らは,あんた達を信用して入院させているのに、こんなひどい事をするなんてどういうことだ」
とのたまって、俺の襟首つかんだ。
「今塗っている軟膏はなんだ!」
「ステロイドと抗生剤の軟膏ですが」
「俺達は治療にステロイド使うなんて一言も聞いてないぞ、ステロイドなんて言う強い薬を塗って、
痕がのこったり内臓に何かあったらどうするつもりだ」
「これは当たり前の治療ですし、入院のときもお話したとおりこれだけの火傷なんだから
ある程度は瘢痕になって残ると思います。」
「ふざけんな責任逃れする気か訴えてやるからな」
訴えられはしなかったが本当に俺が今までみた中で最悪の親だった。
この1件以来、その病院では小児の重症熱傷は受けない事になった。
医者のやる気をそぐなんてDQNが一人居れば簡単だとおもった。
続き
その他にも医者を怒鳴ったり・自分勝手な知識をひけらかす事で
「俺は子供のことをこんなに考えているんだ」と勘違いするDQN親が増えている。
このとき、包交を手伝ってくれた当時3年目の小児科の医師が内科へ転科するそうだ。
理由を聞くとあまりにも権利意識を振りかざすDQN親が多くてがつらいそうだ。
その病院の小児科の先生達は救急では忙しいときはほぼ不寝番となっている。
同僚から見ても激務の中できるうる限りの事をしている思う。
でも、最近は治ってあたりまえ・休日ムンテラ当たり前のDQN親の上に
死亡したときや入院が長期にわたると、まず医療ミスだとか訴えると言う親が激増中らしい。
現代の医療だって限界があるし、状態が悪いからこそ入院になってるわけだ。
病院へくればどんな疾患も診断できるし治療方法があると勘違いしている親族・患者が多い。
ところで、俺は皮膚科医で全科当直もやるが、この岩手のケースは他人事じゃないな
このケースならラインをとって輸液して抗生剤まではできるが
(と言っても、小児の場合ラインとったり輸液の速度や量を決めるのも経験がない他科の医者には難しい。
俺も年に数回は小児のライン留置や・採血することもあるが本当に小児は難しいと思う。)
髄液検査やその他の鑑別疾患の検討・挿管含む全身管理は専門医の領域に入る
だろう。この眼科医は自分のやれる事やったと思う。
もしこれで訴えられるなら(裁判の勝ち負けは別にして)、多くの病院で小児科医に
連絡取れないときは小児の熱発・意識障害は全て断るようになるだろう。実際そうなりつつある。