ZOROの名門−沢井製薬バンザ〜イ! part11

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788卵の名無しさん

 このようなことからコミュニティにおけるケースマネジメントの有用性をまとめると,
以下のようになる。
 (1)患者の健康や社会的状態を事前に認知している
 (2)非常事態の際に,安定時に築かれた信頼関係が役立つ
 (3)病院との垣根がなくなる
 (4)継続した医療を可能にする
 (5)診療録へのアクセスがよく,患者情報をケアに生かすことができる

 わが国の医療において最も欠けている部分の1つである医療の継続性が,このようなケ
ースマネジメントの方式を取り入れ,かつ医療に対する医療者の基本的な意識の改革を通
じて,1日も早く改善されることを望んでやまない。

789卵の名無しさん:02/09/18 19:22 ID:h5sOoldL

まとめ

 わが国でも老年医学の専門医は存在するが,老年医療を専門診療科として標榜する医療
施設は少ない。また,老年医療を専門とする訓練機関や施設もほとんどない実情からみて,
高齢化したわが国における老年医療は著しく後れをとっていることは否めない。今回のボ
ストン,およびニューヨークにおける老年医療を専門とする施設の見学を通じて,わが国
においては高齢化した社会における,より適切な医療のあり方が早急に検討されなければ
ならないが,まずは問題の所在を明らかにし,その解決策が立てられ,そして実践を通じ
てより質の高いレベルに発展させる戦略を展開する必要があると思われた。

 2050年には全人口の35%が65歳以上の高年者で占められることから,身体的,心理的,
社会的に活動性の高い,より生産的な高年者の数が増えることは確実であるし,そのよう
な人たちがより積極的に社会的役割を果たせるような社会の仕組みに変えなければならな
い。さらにfrailでvulnerableな高年者群には適切な全人的な機能評価のもとに身体的,心
理的・精神的機能を高めながら,より活動的で生産的な社会的役割が維持できるように統
括されたケアやサポートを供給し,そして幸いにして終末期に至った最老年者には,適切
な全人的機能評価のもとに必要となるケアを効率よく提供できる社会的資源利用の基準を
定め,尊厳性が高く評価される終末医療を実現することが必須であると考える。

 そのような見地から見れば,今日行なわれている老人健診は一般成人の延長上にあるも
ので,老人のリスク層別化に何ら役立つものではない。真に社会的に必要な老人の評価を
行なうことによって,よく生きるための生活の選択における指針を示し,ともに考え,支
援しながら人生の終末に到達できるような医療の実現が切に望まれる。

790卵の名無しさん:02/09/18 19:23 ID:h5sOoldL

 なお,今回の医療事情調査訪問においては,『Living Well』を著したDr. Jeanne Weiや,
『Living to 100』の著者で,長寿遺伝子の研究で知られるDr. Thomas Perlsとも意見を交わ
し,またBIDMCのChief of General MedicineであるDr. Thomas Delbalnco,Dr. Russell Philips
からプライマリ・ケアにおける教育システムと研究成果について多くの情報を得たことを
付記する。