基監発第1128001号
平成14年11月28日
都道府県労働局労働基準部長殿
厚生労働省労働基準局監督課長
医療機関における休日及び夜間勤務の適正化の当面の対応について
標記については、早成14年3月19日付け基発第0319007号(以下「局長通達」という)に
おいて指示されているところであるが、その当面の具体的対応については下記のとお
りであるので遺憾なきを期されたい。'
記
1 自主点検表の回収
自主点検表を提出しない医療機闘に対しては、事業又は宿日直業務の廃止が明らかな
場合を除き、電話等により、事業又は宿日直業務の有無を確認し、宿日直勤務がある
場合には自主点検表の提出督促を行うこと。
2 集団指導の実施
今回の局長通達記の3(2)イ又はウの集団指導に当たっては、局長通達にかかわらず、
局長通達記の3(1)による分類を行うことな<、自主点検表の結果を基に宿日直業務の
適正化に向けて効果的な指導を行う観点等から、次に示すところにより、その対象、
方法等を定め,全国斉一的に実施することとしたこと。
(1) 第3四半期又は第4四半期において行うこと。なお、対象事業場に対する集団指
導への出席要講については、別添1(医療機関の宿日直勤務の改善のための説明会の開
催について(略))を活用すること。
(2)対象事業場は、次のとおりとすること。
ア 上記による瞥促を行ったにもかか'わらず、自主点検表を提出しないもの
イ 宿日直勤務についで、次のいずれかに該当するもの
@自主点検表4(2)において、宿直又は日直勤務の回数が許可基準を上回るもの
A自主点検表4(4)において、1か月における宿日直勤務中に救急患者に医療行為を
行った日数が8日以上のもの
ただし,次のものは除外すること。
a 1か月における宿日直勤務中に救急患者に医療行為を行った日数が8日ないし10日
である場合において、自主点検表4(6)の救急患者の対応に要した時聞が最も多い日に
ついて勤務医および看護師ともに勤務医及び看護師ともに3時聞以内のもの
b 1か月における宿日直勤務中に救急患者に医療行為を行った日数が11日ないし15日
である場合において、自主点検表4(6)の救急患者の対応に要した時間が最も多い日に
ついて勤務医及び看護師ともに2時聞以内のもの
C 1か月における宿日直勤務中に救急患者に医療行為を行った日数が16日以上である
場合において、自主点検表4(6)の救急患者の対応に要した時間が最も多い日について
勤務医及び看譲師ともに1時聞以内のもの
B 自主点検表4(7)において、宿日直勤務中の通常の労働に対し宿日直手当のほか必
要な賃金を支払っていないもの
ウ 自主点検表を提出した事業場のうち、宿日直勤務の全部又は一部について所轄労
働基準監曽署長の許可を得ることなく、許可を受けた場合と同様の取扱いを行ってい
ると考えられるもの
(3)集団指導においては、労働基準法(以下「法」という)第41条に基づく断続的労働
である宿日直勤務の趣旨及び許可基準に定められた事項並びに「労働時問の適正な把
握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」及び「過重労働による健康障害を防
止するため事業者が講ずべき措置等」の内容について説明を行うほか、下記(4)の方
策を紹介することなどによって宿日直勤務の適正化等について指導すること。特に、
宿日直勤務中に通常の労働に従事した時間については、これを適切に把握するととも
に、時聞外・休日労働に係る労使協定の締結:届出及び割増賃金の支払を適正に行う
べきことについて指導すること。
(4)宿日直勤務の適正化のための方策としては、例えば次のようなものがあること。
ア 救急患者への対応等が頻繁に行われる一部の時間帯(終業時刻に近接した夜聞の
早い時問帯等)の勤務については、法第41条に墓づく断続的労働である宿日直勤務の
対象から除外し、変形労働時間制の活用や始業・終業時刻の変更等により所定労働時
間の中に組み込むか、これが難しい場合には法定の時聞外・休日労働として取り扱い
36協定の締結・届出、割増賃金の支払等を適正に行うこと
イ 救急患者への対応等が頻繁に行われる一部の診療科、職種等については、法第41
条に基づく断続的労働である宿日直勤務の対象から除外すること
ウ 輪番制等により救急医療を行う場合であって、当番日においては救急患者への対
応が頻繁に行われるときは、当該日の勤務については、法第41条に基づく断続的労働
である宿日直勤務の対象から除外すること。
エ 宿日直勤務に従事する者の範囲を見直し、宿日直勤務に従事する者を増やすこと
により、宿日直勤務に従事する回数を減らすこと
オ 1回の宿日直勤務における勤務者の数を増やすことにより、勤務者1人当たりの救
急患者への対応等の時問を減らすこと
カ 交替制を導入すること
(5)集団指導に際しては、次のとおり改善を指導すること。
ア 文書により改善を要請するとともに、改善に係る報告書を提出するよう指導する
こと。なお、要請書及び改善に係る報告書の様式は、別添2(夜間及び休日勤携の適性
化に係る改善報告書の提出について(略))のとおりであること。
イ 提出期限は、集団指導の日から3か月程度経過した時期を設定すること。
ウ イにかかわらず、やむを得ないと考えられる理由により改善が3か月以内にでき
ない場合において、当該医療機関の具体的な状況からみて、改善が期持できると認め
られるときは、イの提出期限の設定については弾力的に取り扱って差し支えないこ
と。
エ 医療機関から改善の方策等について相談がなされた場合には、当該医療機関の実
態を踏まえ、懇切丁寧な指導を行うよう留意すること。
(6) 集団指導に欠席した事業場に対しては、集団指導で用いた資料を送付し、上記
要請書により改善に係る報告書の提出を求めること。
3 監査指導及び許可の取消
本件に係る許可の取消及び監督指導の実施については、別途指示する予定であるこ
と。なお、交替制を導入する等により既に宿日直勤務を行っていない医療機蘭につい
ても、許可を取り消す際には、行政手続法により聴聞等の手続が必要となるものであ
ること。