輸血療法を考えるスレ

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1卵の名無しさん
適正輸血をどうすれば行えるか考えるスレです。
残念なことに輸血療法及び検査レベルというのは病院によって
まちまちです。
また医師の輸血に関する知識も千差万別で適正輸血を一所懸命行おう
とするDrがいるかと思えば、厚労省の指針を見たこともないというDrも
いたりします。

と、いうわけで輸血に関する疑問・質問、臨床側・検査側への愚痴や
要望などを忌憚なく話し合っていきたいと思います。
匿名掲示板の特性を生かして普段言いたいけど言えないことをどんどん
書き込んでください。
2卵の名無しさん:02/06/09 18:43 ID:Px1IIGag
赤血球濃厚液の適正使用について
1)内科的適応

 内科的な貧血の多くは、慢性的な造血器疾患に起因するものであり、
その他、慢性的な消化管出血や子宮出血などがある。これらにおいて、
赤血球輸血を要する代表的な疾患は、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、
造血器悪性腫瘍などである。

 慢性貧血の場合には、Hb値7g/dLを目安にして輸血を行う。
ただし、Hb値7g/dL未満であっても輸血を必要としない場合もある。
したがって、輸血の適応を決定する場合には、検査値のみならず
循環系の臨床症状(労作時の息切れなど)を注意深く観察するとともに、
日常生活の活動状況を勘案する必要がある。投与量は臨床症状の改善が
得られる量を目安とする。

 投与後のHb値を10g/dL以上にする必要はない。頻回投与を要する場合には、
投与前に前回投与後の臨床症状の改善の程度やHb値の変化を見極めてから実施する。
なお、頻回の投与により鉄過剰状態(iron overload)を来すので、できるだけ投与間隔を長くする。
 鉄剤、ビタミンB1、エリスロポエチンなどの薬剤の投与により治療が可能な貧血は、
輸血の適応とはならない。しかしながら、投与薬剤の効果が得られるまでの間、
臨床症状の軽減のためにやむを得ず投与を必要とする場合には、必要最小限の投与量に
とどめる必要がある。
ます、厚生省の指針によれば90年代より、輸血に関する責任者としての
輸血科医長のポストを各病院に設置すべきであったが定員の縛りにより
国立病院においての設置は皆無であった。
公立病院では、都立病院において輸血会長のポストが80年代後半より設けられたが
病床数により待遇が異なった。大病院の墨東、府中では専任の輸血科医長が与えられ
骨髄移植等を行ったが、中規模病院の墨東では内科との兼任、広尾では病理、麻酔との
兼任、それ以下の大久保、大塚では内科系の名目ポストであった。
独立して指導するポストもスキルを持つ医師も少ない、これは日本において
後方支援「兵站」軽視の思想によるであろう。

4卵の名無しさん:02/06/09 18:45 ID:Px1IIGag
2)外科的適応

(1)術前投与
 術前の貧血は必ずしも投与の対象とはならない。慣習的に行われてきた術前投与の
いわゆる10/30ルール(Hb10g/dL、Ht30%以上であること)は、近年では根拠のないものとされている。
したがって、患者の心肺機能、原疾患の種類(良性または悪性)、患者の年齢や体重あるいは
特殊な病態等の全身状態を把握して投与の必要性の有無を決定する。

 なお、慢性貧血の場合には内科的適応と同様に対処する。
 一般に貧血のある場合には、循環血漿量は増加しているため、投与により急速に貧血の是正を行うと、
心原性の肺水腫を引き起こす危険性がある。術前投与は、持続する出血がコントロールできない場合
又はその恐れがある場合のみ必要とされる。
 また、消化器系統の悪性腫瘍の多い我が国では、術前の患者は貧血と共にしばしば栄養障害による
低蛋白血症を伴っているが、その場合には術前に栄養管理(中心静脈栄養法、経腸栄養法など)を
積極的に行うことによって、その是正を図るようにする。
5卵の名無しさん:02/06/09 18:48 ID:Px1IIGag
(2)術中投与
 術中の出血に対しては、循環血液量に対する出血量の割合と臨床所見に応じて、原則として
以下のような成分輸血により対処する(図1)。全身状態の良好な患者で、循環血液量の15〜20%の
出血が起こった場合には、細胞外液量の補充のために細胞外液系輸液薬(乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液など)を
出血量の2〜3倍投与する。

 循環血液量の20〜50%の出血量に対しては、赤血球不足による組織への酸素供給不足を防ぐために、
細胞外液系輸液薬と共に赤血球濃厚液を投与する。この程度までの出血では、等張アルブミン製剤
(5%人血清アルブミンまたは加熱人血漿蛋白)の併用が必要となることは少ない。
膠質浸透圧を維持する必要があれば、人工膠質液(HES、デキストランなど)を投与する。
循環血液量の50〜100%の出血量では、細胞外液系輸液薬と赤血球濃厚液の投与のみでは
血清アルブミン濃度の低下による肺水腫や乏尿が出現する危険性があるので、
適宜等張アルブミン製剤を投与する。

 さらに、循環血液量以上の出血量(24時間以内に100%以上)があった場合には、
凝固因子や血小板数の低下による出血傾向(希釈性の凝固障害と血小板減少)が起こる可能性が
あるので、凝固系や血小板数の検査値及び臨床的な出血傾向を参考にして、新鮮凍結血漿や
血小板濃厚液の投与も考慮する(新鮮凍結血漿および血小板の使用指針の項を参照)。
この間、血圧・脈拍数などのバイタルサインや尿量・心電図・血算、さらに血液ガスなどの所見を
参考にして必要な血液成分を追加する。収縮期血圧を90mmHg以上、平均血圧を60〜70mmHg以上に
維持し、一定の尿量(0.5〜1mL/kg/時)を確保できるように輸液・輸血の管理を行う。
 通常はHb値が7〜8g/dL程度あれば十分な酸素の供給が可能であるが、冠動脈疾患あるいは
肺機能障害や脳循環障害のある患者では、Hb値を10g/dL程度に維持することが推奨される。
 なお、循環血液量に相当する以上の出血量がある場合には、可能であれば回収式自己血輸血を試みるように努める。
6卵の名無しさん:02/06/09 18:51 ID:Px1IIGag
(3)術後投与
 術後の1〜2日間は創部からの間質液の漏出や蛋白質異化の亢進により、細胞外液量と
血清アルブミン濃度の減少が見られることがある。ただし、バイタルサインが安定している場合は、
細胞外液系輸液薬の投与以外に赤血球濃厚液、等張アルブミン製剤や新鮮凍結血漿などの投与が
必要となる場合は少ないが、これらを投与する場合には各成分製剤の使用指針によるものとする。

 急激に貧血が進行する術後出血の場合の投与は、輸血を外科的止血処置と共に早急に行う。

4.投与量

 赤血球濃厚液1単位(200mL由来)の投与によって改善されるHb値は、以下の計算式から求めることができる。
 予測上昇Hb値(g/dL)=投与Hb量(g)/循環血液量(dL)
 循環血液量:70mL/kg{循環血液量(dL)=体重(kg)×70mL/kg/100}
 例えば、体重50kgの成人(循環血液量35dL)にHb値14〜15g/dLの血液を2単位
(400mL由来MAP加RCC1バッグ中の含有Hb量は14〜15g/dL×4=56〜60g)輸血することにより、
Hb値は約1.6〜1.7g/dL上昇することになる。


7卵の名無しさん:02/06/09 18:52 ID:Px1IIGag
5.効果の評価

 投与の妥当性、選択した投与量の的確性あるいは副作用の予防対策などの評価に資するため、
赤血球の製剤の投与前には、投与が必要な理由と必要な投与量を明確に把握し、
投与後には投与前後の検査データと臨床所見の改善の程度を比較して評価するとともに、
副作用の有無を観察して、診療録に記載する。


6.不適切な使用

○新鮮凍結血漿との併用:

 赤血球濃厚液と新鮮凍結血漿を併用して、全血の代替とすべきではない。
その理由は、実際に凝固異常を認める症例は極めて限られていることや、
このような併用では輸血単位数が増加し、感染症の伝播や同種免疫反応の危険性が増大するからである
(新鮮凍結血漿の使用指針の項を参照)。


8卵の名無しさん:02/06/09 18:58 ID:Px1IIGag
新鮮凍結血漿の適正使用について

 凝固因子の補充を主目的として投与する。FFPの投与は、他に安全で効果的な血漿分画製剤
あるいは代替医薬品(リコンビナント製剤など)がない場合にのみ、適応となる。投与に当たっては、
投与前にプロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)及びフィブリノゲン値を
測定することを原則とする。また、凝固因子欠乏による出血傾向のある患者の観血的処置時を除き
FFPの予防的投与の有効性は証明されていない(本項末尾「注:出血に対する輸血療法」を参照)。
したがって、FFPの適応は以下に示す場合に限定するものとする。
9卵の名無しさん:02/06/09 18:58 ID:Px1IIGag
1)凝固因子の補充

(1)PT・APTTが延長している場合(PTの凝固因子活性は%表示したとき30%以下に低下、APTTはそれぞれの
医療機関における基準の1.5倍以上とする)

i.複合型凝固障害

○ 肝障害:肝障害により複数の凝固因子活性が低下し、出血傾向のある場合に適応となる。
FFPの治療効果はPT・APTTなどの凝固検査を行いつつ評価する。ただし、重症肝障害における出血傾向は、
凝固因子の産生低下ばかりではなく、血小板数の減少や網内系でのフィブリン分解産物を除去する
機能の低下なども原因となり得ることに留意する。また、急性肝不全においては、しばしば合併する
消費性凝固障害も考慮してFFPの投与量を検討し、容量の過負荷が懸念される場合には、
血漿交換療法(40〜60mL/kg/回)を併用する。
 なお、肝障害があり、血中凝固因子活性が30%以下で、かつ観血的処置を行う場合を除いてFFPの
予防的投与の適応はない。

○ 播種性血管内凝固(DIC):DIC(診断基準は血小板製剤の使用指針の項を参照)の治療の目的は、
原因の除去(基礎疾患の治療)とヘパリンなどによる抗凝固療法である。FFPの投与は、これらの処置を
前提として行われるべきである。この際のFFP投与は、凝固因子と共に不足した生理的凝固線溶阻害因子
(アンチトロンビンIII、プロテインC、α2-プラスミンインヒビターなど)の同時補給を目的とする。
通常、フィブリノゲン値が100mg/dL以下、血中凝固因子活性が30%以下あるいはアンチトロンビンIII活性が
70%以下の場合にFFPの適応となる。
 なお、フィブリノゲン値は100mg/dL程度まで低下しなければPT・APTT値に反映されないので注意する。
また、特にアンチトロンビンIIIの活性が低下する場合は、FFPより安全かつ効果的なアンチトロンビンIII
濃縮血漿分画製剤の使用を常に考慮する。
10卵の名無しさん:02/06/09 18:59 ID:Px1IIGag
○ 大量輸血時:通常、循環血液量(70mL/kg)に相当する輸血量又はそれ以上の輸血が24時間以内に
行われた場合に、大量輸血による希釈性凝固障害(凝固因子活性が30%以下)が起こることがあり、
FFPの適応となる。しかしながら、それ以下の急性出血量では希釈性凝固障害は認められないので、
FFPの適応はない(図1)。外傷などの救急患者では、消費性凝固障害が併存しているかを検討し、
凝固因子欠乏による出血傾向があると判断された場合に限り、FFPの適応がある。FFPの予防的投与は
行わない。

ii.濃縮製剤のない凝固因子欠乏症

○ 血液凝固第V、第XI因子欠乏症に対する濃縮製剤は現在のところ供給されていない。
したがって、これらの両因子のいずれかの欠乏症又はこれらを含む複数の凝固因子欠乏症では、
FFPが適応となる。第VIII、IX、XIII因子の各欠乏症にはそれぞれの濃縮製剤、先天性無フィブリノゲン血症
には濃縮フィブリノゲン製剤、第II、VII、X因子欠乏症には、濃縮プロトロンビン複合体製剤、
さらにフォンビレブラント病にはフォンビレブラント因子を含んでいる第VIII因子濃縮製剤による治療が
可能であることから、いずれもFFPの適応とはならない。

 実際には、観血的処置時を除いてFFPの予防的投与の意味はなく、あくまでもその使用は短期間に
限定される。投与量や投与間隔は各凝固因子の必要な止血レベル、生体内の半減期や回収率などを
考慮して決定し(表4)、治療効果の判定は臨床所見とPT・APTTの検査結果を総合勘案して行う。
11卵の名無しさん:02/06/09 19:01 ID:Px1IIGag
iii.クマリン系薬剤(ワルファリンなど)効果の緊急補正

○ クマリン系薬剤は、肝での第II、VII、IX、X因子の合成に必須なビタミンK阻害剤である。
これらの凝固因子の欠乏状態における出血傾向は、ビタミンKの補給により数時間以内に改善が
認められるようになる。したがって、FFPの投与は、クマリン系薬剤による抗凝固療法中の出血で
緊急に対応すべき場合と、緊急手術時に限って適応となる。

(2)低フィブリノゲン血症(100mg/dL以下)の場合
 我が国では安全な濃縮フィブリノゲン製剤の供給が十分でなく、またクリオプリシピテート製剤が
供給されていないことから、以下の病態へのフィブリノゲンの補充には、FFPを用いる。
 なお、フィブリノゲン値の低下の程度はPT・APTTに必ずしも反映されないので注意する(前述)。
○ 播種性血管内凝固(DIC):DICで低フィブリノゲン血症をみる場合[前項1)-(1)-i「DIC」を参照]。
○ L−アスパラギナーゼ投与後:肝臓での産生低下によるフィブリノゲンなどの凝固因子の減少に
より出血傾向をみることがあるが、アンチトロンビンIIIなどの抗凝固・線溶因子の産生低下をも来すこと
から、血栓症をみる場合もある。これらの諸因子を同時に補給するためにはFFPを用いる。

2)血漿因子の補充(PT・APTTが正常な場合)

○血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)・溶血性尿毒症症候群(HUS):血管内皮細胞由来の通常よりも
分子量の大きいフォンビレブラント因子が、微小循環で血小板血栓を生じさせ、本症の発症に関与している。
また、一部の病態では、ある種の血漿因子の減少が主要な病因と推定されている。
したがって、FFPを置換液として血漿交換療法(通常40〜60mL/kg/回)を行うことが最も有効であると
考えられている。
 一方、症例によっては病因の一つと推定されている血漿因子の減少を補充するために、
FFPの単独投与が効果を発揮する場合がある。
12卵の名無しさん:02/06/09 19:03 ID:Px1IIGag
4.投与量

 生理的な止血効果を期待するための凝固因子の最少血中活性値は、正常値の20〜30%である。
 循環血漿量を40mL/kg[70mL/kg×(1−Ht/100)]とし、補充された凝固因子の血中回収率を100%と
すれば、凝固因子の血中レベルを20〜30%上昇させるのに必要なFFP量は、8〜12mL/kg(40mL/kgの
20〜30%)である。したがって、体重50kgの患者におけるFFPの投与量は400〜600mL、すなわち約5〜7単位
(FFPの1単位は80mL)に相当することになる。患者の体重やHt値(貧血時)、残存している凝固因子の
レベル(PTの凝固因子活性は%表示したとき30%以下に低下、APTTはそれぞれの医療機関における
基準の1.5倍以上)、補充すべき凝固因子の生体内への回収率や半減期(表4)、あるいは消費性凝固障害の
有無などを考慮して投与量や投与間隔を決定する。

5.効果の評価

 投与の妥当性、選択した投与量の的確性あるいは副作用の予防対策などに資するため、
FFPの投与前には、その必要性を明確に把握し、必要とされる投与量を算出する。投与後には投与前後の
検査データと臨床所見の改善の程度を比較して評価し、副作用の有無を観察して診療録に記載する。




13卵の名無しさん:02/06/09 19:04 ID:Px1IIGag
6.不適切な使用

1)循環血漿量減少の改善と補充

 循環血漿量の減少している病態には、FFPと比較して膠質浸透圧が高く、より安全な人工膠質液
あるいは等張アルブミン製剤の適応である。

2)蛋白質源としての栄養補給

 輸血により補充された血漿蛋白質(主成分はアルブミン)はアミノ酸にまで緩徐に分解され、
その多くは熱源として消費されてしまい、患者の蛋白質源とはならない。この目的のためには、
中心静脈栄養法や経腸栄養法が適応である[アルブミンの使用指針:6-1)「蛋白質源としての栄養補給」の
項を参照]。

3)創傷治癒の促進

 創傷の治癒に関与する血漿蛋白質としては、急性反応期蛋白質であるフィブリノゲン、フィブロネクチン、
フォンビレブラント因子などが考えらている。しかしながら、FFPの投与により、これらを補給しても、
創傷治癒が促進されるという医学的根拠はない。

4)その他

 重症感染症の治療、DICを伴わない熱傷の治療、人工心肺使用時の出血予防、非代償性肝硬変での
出血予防などもFFP投与の適応とはならない。
>>2,4,5,6,7
教科書的にはその通りであるが、実戦ではそれを強制するときには、実行者の
輸血科医長の経験とリカバリーの臨床力が要求される。血圧の維持や出血の阻止
へのアドバイスは繊細かつ持続的管理が必要である。専任なら24時間対応も
可能だが、片手手間無理だ。他のメイン業務で当直33時間徹夜業務では、輸血の
業務まで手におえぬという実態がある。あとは中央に任すしかないという末梢の
管理職の立場だな(ワラ


15卵の名無しさん:02/06/09 19:08 ID:Px1IIGag
アルブミン製剤の適正使用について

 急性の低蛋白血症に基づく病態、また他の治療法では管理が困難な慢性低蛋白血症による病態に
対して、アルブミンを補充することにより一時的な病態の改善を図るために使用する。つまり膠質浸透圧の
改善、循環血漿量の是正が主な適応であり、通常前者には高張アルブミン製剤、後者には等張アルブミン
製剤あるいは加熱人血漿蛋白(PPF)を用いる。

1)出血性ショック

 出血性ショックが起きた場合には、循環血液量の30%以上が喪失したと考えられる。初期治療としては、
細胞外液系輸液薬(乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液など)の投与が第一選択となる。また人工膠質液の
併用も推奨される。循環血液量の50%以上の多量の出血が疑われる場合や血清アルブミン濃度が3.0g/dL
未満の場合には、等張アルブミン製剤の併用を考慮する。循環血漿量の補充量は、バイタルサイン、尿量、
中心静脈圧や肺動脈閉塞圧(楔入圧)、血清アルブミン濃度、さらに可能であれば膠質浸透圧を参考にして判断する。
もし、腎機能障害などで人工膠質液の使用が不適切と考えられる場合には、等張アルブミン製剤を使用する。
また、人工膠質液を1L以上必要とする場合にも、等張アルブミン製剤の使用を考慮する。
 なお、出血により不足したその他の血液成分の補充については、各成分製剤の使用指針により対処する。

2)人工心肺を使用する心臓手術

 通常、心臓手術時の人工心肺の充填には、細胞外液系輸液薬が使用される。ただし、術前より
血清アルブミン濃度または膠質浸透圧の高度な低下のある場合、あるいは体重10kg未満の小児の場合
などには等張アルブミン製剤が用いられることがある。
 なお、人工心肺実施中の血液希釈で起こった高度の低アルブミン血症は、血清アルブミンの喪失によるものでは
ないことから、利尿を図ることにより術後数時間で回復するため、補正の必要はない。
16卵の名無しさん:02/06/09 19:12 ID:Px1IIGag
>>14
一応、指針があった方が良いと思いますので一通り貼らせてもらいます。
そのごゆっくりとお話しさせてください。
17卵の名無しさん:02/06/09 19:14 ID:Px1IIGag
3)難治性腹水を伴う肝硬変あるいは大量の腹水穿刺時

 肝硬変などの慢性の病態による低アルブミン血症は、アルブミン製剤の適応とはならない。
肝硬変ではアルブミンの生成が低下しているものの、生体内半減期は代償的に延長している。
たとえアルブミンを投与しても、血管内に留まらず、血管外に漏出するために血清アルブミン濃度は
期待したほどには上昇せず、かえってアルブミンの分解が促進される。ただし、治療抵抗性の腹水に対し、
利尿のきっかけを作るために短期的(1週間を限度とする)に、あるいは大量(4L以上)の腹水穿刺時に
循環血漿量を維持するため、高張アルブミン製剤の投与を必要とする場合がある。

4)難治性の浮腫、肺水腫を伴うネフローゼ症候群

 ネフローゼ症候群などの慢性の病態は、通常アルブミン製剤の適応とはならない。むしろ、アルブミンを
投与することによってステロイドなどの治療に抵抗性となることが知られている。ただし、急性かつ重症の
末梢性浮腫あるいは肺水腫に対しては、利尿薬に加えて短期的(1週間を限度とする)に高張アルブミン
製剤の投与を必要とする場合がある。

5)血行動態が不安定な血液透析時

 血圧の安定が悪い血液透析例において、特に糖尿病を合併している場合や術後などで低アルブミン血症
のある場合には、透析に際し低血圧やショックを起こすことがあるため、循環血漿量を増加させる目的で
予防的投与を行うことがある。

6)凝固因子の補充を必要としない治療的血漿交換療法

 治療的血漿交換では、置換液としては、まず細胞外液系輸液薬(乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液など)
を用いて開始する。ギランバレー症候群、急性重症筋無力症など凝固因子の補充を必要としない症例では、
置換液として等張アルブミン製剤を使用する。アルブミン製剤の使用は、肝炎発症などの輸血副作用の危険が
ほとんどなく、新鮮凍結血漿を使用することと比較してより安全である。
18卵の名無しさん:02/06/09 19:14 ID:DMaaROlC
中心静脈カテーテルからの輸血は、よくないとされている理由は何ですか?
又、輸血には何Gを使用されていますか?
19卵の名無しさん:02/06/09 19:16 ID:Px1IIGag
7)重症熱傷

 熱傷後、通常24時間以内は原則として細胞外液系輸液薬で対応する。血清アルブミン濃度が1.5g/dL未満の
時は適応を考慮する。
 熱傷部位が体表面積の50%以上あり、細胞外液系輸液薬では循環血漿量の不足を是正することが
困難な場合には、人工膠質液あるいは等張アルブミン製剤で対処する。

8)低蛋白血症に起因する肺水腫あるいは著明な浮腫が認められる場合

 術前、術後あるいは経口摂取不能な重症の下痢などによる低蛋白血症が存在し、治療抵抗性の肺水腫
あるいは著明な浮腫が認められる場合には、利尿薬とともに高張アルブミン製剤の投与を考慮する。

9)循環血漿量の著明な減少を伴う急性膵炎など

 急性膵炎、腸閉塞などで循環血漿量の著明な減少を伴うショックを起こした場合には、等張アルブミン製剤を
使用する。

4.投与量

 投与量の算定には下記の計算式を用いる。このようにして得られたアルブミン量を患者の病状に応じて、
通常2〜3日で分割投与する。
 必要投与量=期待上昇濃度(g/dL)×循環血漿量(dL)×2.5
 ただし、期待上昇濃度は期待値と実測値の差、循環血漿量は0.4dL/kg、投与アルブミンの血管内回収率は
4/10(40%)とする。
 たとえば、体重Akgの患者の血清アルブミン濃度を0.6g/dL上昇させたいときには、
0.6g×(0.4dL×Akg)×2.5=0.6×A×1=0.6Agを投与する。
 すなわち、「必要投与量=期待上昇濃度(g/dL)×体重(kg)」と算出される。一方、アルブミン1gの投与による
血清アルブミン濃度の上昇は、体重Akgの場合には、[アルブミン1g×血管内回収率(4/10)](g)/[循環血漿量](dL)
すなわち、「1g×0.4/(0.4dL/kg×Akg)=1/A(g/dL)」、つまり体重の逆数で表現される。

20卵の名無しさん:02/06/09 19:19 ID:Px1IIGag
5.投与効果の評価

 アルブミン製剤の投与前には、その必要性を明確に把握し、必要とされる投与量を算出する。
投与後には投与前後の血清アルブミン濃度と臨床所見の改善の程度を比較して効果の判定を行い、
診療録に記載する。投与後の目標血清アルブミン濃度としては急性の場合は3.0g/dL以上、
慢性の場合は2.5g/dL以上とする。
 投与効果の評価を3日間を目途に行い、使用の継続を判断し、漫然と投与し続けることのないように
注意する。
 なお、膠質浸透圧の計算式については本項末尾に記載してある。

[注]膠質浸透圧について
 膠質浸透圧(π)はpH、温度、構成する蛋白質の種類により影響されるため、実測値の方が信頼できるが、
血清中の蛋白濃度より算定する方法もある。血清アルブミン(Alb)濃度、総血清蛋白(TP)濃度からの算出には
下記の計算式を用いる。

1. 血清アルブミン値(Cg/dL)よりの計算式:π=2.8C+0.18C2+0.012C3
2. 総血清蛋白濃度(Cg/dL)よりの計算式:π=2.1C+0.16C2+0.009C3
   計算例: 1.アルブミン投与によりAlb値が0.5g/dL上昇した場合の膠質浸透圧の上昇(1式より)、
 π=2.8×0.5+0.18×0.52+0.012×0.53=1.45mmHg
2.TP値が7.2g/dLの場合の膠質浸透圧(2式より)、
 π=2.1×7.2+0.16×7.22+0.009×7.23=26.77mmHg
21卵の名無しさん:02/06/09 19:19 ID:Px1IIGag
6.不適切な使用

1)蛋白質源としての栄養補給

 投与されたアルブミンは体内で緩徐に代謝(半減期は約17日)され、そのほとんどは熱源として消費
されてしまう。アルブミンがアミノ酸に分解され、肝臓における蛋白質の再生成の原料となるのはわずかで、
利用率が極めて低いことや、必須アミノ酸であるトリプトファン、イソロイシン及びメチオニンが極めて
少ないことなどから、栄養補給の意義はほとんどない。手術後の低蛋白血症や悪性腫瘍に対する
使用には、一時的に血漿蛋白濃度を上昇させて膠質浸透圧効果を示す以外に栄養学的な意義は
ほとんどない。栄養補給の目的には、中心静脈栄養、末梢静脈栄養によるアミノ酸の投与とエネルギーの
補給が栄養学的に蛋白質の生成に有効であることが定説となっている。

2)脳虚血

 脳虚血発作あるいはクモ膜下出血後の血管攣縮に対する、人工膠質液あるいはアルブミン製剤の
投与により、脳組織の障害が防止されるという医学的根拠はなく、使用の対象とはならない。

3)単なる血清アルブミン濃度の維持

 血清アルブミン濃度が2.5g/dL〜3g/dLでは、末梢の浮腫などの臨床症状を呈さない場合も多く、
血清アルブミン濃度の維持や検査値の是正のみを目的とした投与は行うべきではない。

4)末期患者へのアルブミン投与

 末期患者に対するアルブミン投与による延命効果は明らかにされていない。
22卵の名無しさん:02/06/09 19:21 ID:Px1IIGag
厚生労働省の血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について
より抜粋。

これを入れ忘れた、鬱。
>>22
ご苦労さん
24卵の名無しさん:02/06/09 19:39 ID:Px1IIGag
元輸血科医長さんって都立病院の内実に詳しいですね。(w
赤血球製剤に関しては今はだいぶ良くなっていると感じます。
問題はアルブミンとFFPでしょう。
私のいるところではかなり適正な使い方をされていますが、
そうでないところもまだまだ多いようで…。

>>18
グルコース溶液と一緒に輸血すると赤血球が凝集してしまうからでしょう。
25卵の名無しさん:02/06/12 00:55 ID:el9OEp3U
良くある誤解その1

クロスマッチで適合ならその血液は100%安全と思っている医師が多いようだ。
でも、実際のところ検査時点で適合なだけであって、実際は不適合血である
可能性は否定できなかったりする。
事実、検出感度以下の赤血球抗体を患者が持っていた場合、不適合血でも
クロスマッチは適合になる。
そして輸血により二次免疫応答が発生し、遅発性溶血性副作用(DHTR)が
発生することもある。

また、クロスマッチで調べているのは赤血球抗原に対する抗体だけなので、
白血球抗体や血漿に対する抗体を保有していた場合は検出できない。

発熱やじんましん等の副作用は抗白血球抗体や血漿に対する抗体、あるいは原因
不明の事が多いのでこれらの発生を未然に調べることは通常不可能である。
26卵の名無しさん:02/06/14 00:04 ID:31MoZUDs
良くある誤解その2
【全血】

全血を欲しがる医師は現在はだいぶ減ったが、それでもまだ完全にいなくなったわけではない。
全血を欲しがる理由を以前聞いてみたことがあったが、そのほとんどは全血に対して誤った認識を
していた。

曰く、全成分が含まれているから良いだろう。
曰く、白血球が低いから白血球を補充したい。
曰く、アルブミンも低いし、凝固能も低い、貧血もある。

確かに全血には全成分が含まれている。
しかし、だからといってそれが全て使えるわけではない。
血小板は4℃で急激に活性が落ちる。
全血を輸血すると見た目は血小板値が上昇するが、それは役立たずな血小板である。
アルブミンも含まれているが、同時に採血時に使われる抗凝固剤(クエン酸ナトリウム)によって
ナトリウム値は正常血漿よりも高くなっているので、アルブミン値は上がっても浮腫に対しては
ほとんど効果がない。
凝固因子に関しても4℃保存では活性が急激に低下する。
そのため凝固活性も期待通りに上がることはまずない。
白血球輸血に関しても同様である。
顆粒球は採血後しばらくは生きているが輸血する頃にはほとんど死んでいる。
そしてリンパ球は生きているので輸血後GVHDの原因となりうる。

現在では日赤製剤に新鮮血という区分はなくなったが、ここにも落とし穴があった。
以前日赤で供給されていた新鮮血はヘパリン加新鮮血を除けば、採血後4日経った全血であった。
4日冷蔵庫で保存していれば白血球も血小板も凝固因子も活性がなくなっているか低下している。
つまり、全然新鮮でないのに新鮮という言葉に騙されて効果があるだろうと使われていたのである。
27卵の名無しさん:02/06/14 23:53 ID:31MoZUDs
新鮮血といえば現在では院内採血で入手しているところがまだあるようだが、
それに関して以前聞いた話。

新鮮血信仰を持つある医師が院内採血した新鮮血を使って手術をしていた。
ところが輸血後GVHDの問題が発生したためその後は白血球除去フィルターを使うようになったそうだ。

それを聞いた輸血関係者は苦笑せざるを得なかった。
なぜなら、赤血球用の白血球除去フィルターは血小板も同時に除去するからである。
本来、止血効果を期待して新鮮血を使っていたのだろうが、血小板まで除去して果たして効果が
あったのだろうか?
それと同時にこの時放射線照射を行っていたかどうかまでは覚えていないのだが、もし行っていなかった
としたら輸血後GVHDの予防にもなっていない。

輸血後GVHDを完全に防ぐには放射線照射は必須である。
事実、白血球除去フィルターを使った患者において輸血後GVHDが起きたという報告がある。

最近では新鮮血を院内採血してまで欲しがる医師は減っているようだが、その理由として
新鮮血でなくとも大丈夫だという経験が広がったためではないかと予想する。
28ドキュソルビシン:02/06/15 08:08 ID:qqWj+gZi
勉強になるーーー。でもうなづくことしかできないおいら・・・
29卵の名無しさん:02/06/15 17:16 ID:cwa6HwOy
>>28
医師教育の中で輸血に関する講座が少ないのが一番の原因と思われ。
最近では輸血教育を輸血部の教授が行うようになってきているが、ある大学病院では近年まで
行われていなかった。
そのため各科で輸血を教えていた。それが新しい輸血なら良かったのだが、古い輸血の考え方で
教えられていた。
人間、最初に教わったものを後生大事にしてしまう性質があるため、あとからのものに対して
拒否反応を示すことがある。
また、輸血そのものが臓器移植であるという認識が薄いため輸液と同列に考えている場合もあり、
補助療法ということもあって他の療法よりも下に見られがちである。
そのため、輸血に対して真剣に考えることが少なかった。

特に外科系では患者との付き合いが内科系と比べ短いことも手伝って、長期的視野で考えにくく
なっているように思われ。
つまり、手術がうまくいき、早く退院できるのであればそれで良いという考えである。
その結果、患者が元気になるからという主観的な理由によってFFPやアルブミンを使う温床に
なってしまった。
アルブミンはまだしもFFPは滅菌処理がされていない。
そうすることにより感染症に感染する可能性は残念ながら0ではない。

適正輸血を行った上で感染症に感染してしまうのは運がなかったというか、リスクよりも効果を
一番に考えた結果であるのでやむを得ないと思うが、不適切な輸血でそうなった場合は医療事故
となるのではないだろうか?

自分がその立場になったとしたら前者であれば諦めるが、後者であった場合は納得できないんだが。

一度不適正な輸血を行っている医師に聞きたいと思っているのだが、自分がその立場になったとしたら
同じように輸血をしてもらいたいのだろうか?
30卵の名無しさん:02/06/15 18:17 ID:ewQzaviz
>それを聞いた輸血関係者は苦笑せざるを得なかった。
>なぜなら、赤血球用の白血球除去フィルターは血小板も同時に除去するからである。
>本来、止血効果を期待して新鮮血を使っていたのだろうが、血小板まで除去して果たして効果が
>あったのだろうか?

本来つまらない揚げ足取りは、したくないのだが、揚げ足取りの揚げ足ならかまわんだろう。
えらく自信たっぷりに「苦笑」してらっしゃるようなので、伺うが、
院内採血の新鮮血(というか、新鮮血は日赤でもあるので、超新鮮血、生血の事)
なら、血小板が除去されても半減期の短い凝固因子の補給は期待できると思うが?

>手術がうまくいき、早く退院できるのであればそれで良いという考えである

そうさ、おれは手術がうまく行って患者が歩いて帰れるようにするためには、
何でもするんだ。他の事を考えるのは、生きるめどが立ってからの事さ。
文句があるんなら、こんな掲示板でぐちゃぐちゃ云ってないで、現場で医者に言えよ。
言えないんなら、患者の生死に責任の無いシ・ロ・ウ・トは偉そうな口を聞くなって事だ。
31卵の名無しさん:02/06/15 18:29 ID:pSvik/+i
この輸血オタク医者って時々出てくるな
32卵の名無しさん:02/06/15 20:17 ID:cwa6HwOy
>なら、血小板が除去されても半減期の短い凝固因子の補給は期待できると思うが?

それならば新鮮血を使う必要はなく、FFPを使えば済むだろう。
新鮮血を使わなければいけない理由はなくなるぞ。

>何でもするんだ。他の事を考えるのは、生きるめどが立ってからの事さ。

それが適切な治療であるならば私は何も言うつもりはない。
輸血にしてもそう。適正輸血であるならばどんなに使っても文句は言わないよ。

>文句があるんなら、こんな掲示板でぐちゃぐちゃ云ってないで、現場で医者に言えよ。

言っているよ。
それでも古い輸血に固執して聞く耳を持たない医者がいることを問題にしているだけだが。
それと自分のところだけ良くなっても他が変わらなければ意味がないからね。
私がここでスレを立てたのも本音で話し合いたいからだし。
匿名掲示板だからこそ言いたいことも言えるんじゃないかな?

>言えないんなら、患者の生死に責任の無いシ・ロ・ウ・トは偉そうな口を聞くなって事だ。

良くある決まり文句だね。(w
そうやって不適切な輸血を行い、その結果その副作用によって感染症に感染して訴えられても
構わないということなのかな?

もし、訴えられたとしたら指針に沿って輸血を行ったかどうかが重要になってくると思われ。
それに沿っていなかったとしたらその理由をはっきりと提示しなければいけなくなるだろう。
それが客観的にうなずける理由であるならばよいが、単なる経験則では裁判所は納得しないだろうね。

今、医師及び医療を取り巻く環境って昔に比べても厳しくなっていると思うんだ。
マスコミ報道を見ていても医療側=悪みたいな論調が多いし。
その中で痛くもない腹を探られるのは誰しもいやだと思うし。
私が適正輸血に関して色々書くのも結局はそういった突っ込まれどころを少しでも減らしたいからなんだよね。
あとは臨床側の輸血に対する誤解を解きたいだけ。

私の基本スタンスは「みんなで幸せになろうよ(C)後藤隊長」なんだから。(w
33ドキュソルビシン:02/06/16 13:32 ID:rUNaUIMt
えーと全血輸血が適応になるのはどういう場合ですか??
34卵の名無しさん:02/06/16 13:52 ID:kxR9COBX
>>33
現在全血輸血が適応となるのは新生児の交換輸血及び、大量出血時の場合なんだけど、
そもそも日赤では全血をそれほど準備しているわけではないので、大量出血時でも全血を
使うことは希になってきています。

私のところでは三次救急も行っておりますので、こういった大量出血というのは比較的多く発生しています。
その場合でも全血を使うことはなく、MAP血と膠質液、PPF、FFPだけで対応しています。

日赤が全血の在庫をあまり準備していないのは使われなくなったということが一番でしょうね。
使われないから在庫を置いておけない、置いておけないから必要なときに準備できない。
そして、他の血液製剤を組み合わせることによって間に合ってしまう。
これらが複合して全血製剤はほとんど使われることがなくなっています。
35ドキュソルビシン:02/06/16 14:20 ID:rUNaUIMt
さんきゅーです。おいら一般内科なので、大量出血に遭遇する機会はそうはないです。
だからですかね一度も全血使ったことない・・・。

一番使うのは化学療法後の血小板輸血かなぁ。赤血球はわりと手に入りやすいけど血小板は入らないことがあるので
ちょっと早めに使ってます。すみません・・・。
36下界:02/06/16 14:53 ID:ywi6CN3a
何度か日赤の講義を受けて、今は大体このマニュアル通りに使ってるよ。
全血は、もう10年近く使ってない。

ただ、下界の悲しさで死ぬか生きるかの手術、何が起こっても不思議ではないような術後には、
祈りを込めてFFPを使っているのは、もう信仰のレベルかね。反省すべき?
37卵の名無しさん:02/06/16 17:19 ID:kxR9COBX
>>35
>ちょっと早めに使ってます。すみません・・・。

どれくらいで使っているか分かりませんけど、化療後ならば5万/ul前後での投与はまあOKでしょう。
それとご存じでしょうが、血小板製剤は予約製剤なのであらかじめ予約していれば普通は大丈夫
だと思うんですけどねぇ。

>>36
>祈りを込めてFFPを使っているのは、もう信仰のレベルかね。反省すべき?

何を目的として投与されているかが問題だと思います。
凝固系異常がなく、これといった目的がないのであれば止められた方が良いとは思います。

もし、いきなり止めるのに抵抗があるのであれば、投与例と非投与例で検討されてみては如何ですか?
そうすればご自身も納得できるでしょうし、それを学会発表されれば良い症例検討になると思います。
38下界:02/06/16 17:28 ID:ywi6CN3a
死ぬか生きるかの手術、重症術後(私の場合肝胆膵手術の重症)に、
何らかの凝固異常が起こっていないとは考えられないんだけど・・・。
何でもいい、術後合併症発生の確率を下げる可能性のあることなら、
藁にもすがりたいのが、下界の気持ちなんだが・・・。
39卵の名無しさん:02/06/16 17:31 ID:m/CD4fzJ
縊死になり(下界)6年目になります。

全血輸血を見たことが無いのですが、最近された方
いらっしゃいましたら教えてください。

40卵の名無しさん:02/06/16 19:14 ID:kxR9COBX
>何らかの凝固異常が起こっていないとは考えられないんだけど・・・。

それは凝固検査で確認されてますか?
最近ではFFPも保険で切られる事例が増えているそうです。
ここだけの話ですが、私とてもガチガチに指針を守れとはいいません。
FFPの使用であればPTで40%以下、APTTで60秒を越えている症例に関しては何も言いません。
せめてそれくらいになってから使って欲しいというのが本音です。

肝胆膵系のOpe後では特にFFPを使いたがるというのはどこの病院でも同じように思います。
ですが、私の職場ではその関係のOpe後であってもFFPの使用はまずありません。
以前はそれなりに使っていたそうですが、あるDrがいなくなってからはピタリと止まったそうで。(w

術後管理で怖いのはやはり細菌感染だと考えますが、輸血を行うことによって免疫抑制が起こりますので
それを考えるとやはり最低限にしておいた方が無難だと思います。
私としても下界の気持ちは十分分かりますが、やはり効果のはっきりしないものに頼るというのは科学的
でないと思います。

それとこれは私の人生観なんですが、助かるときは何をしなくても助かるし、助からないときは何をやっても
助からないと考えてます。
結局、助かる助からないはその人の寿命なのでしょう。
ただ、だからといって治療に手を抜けといっているわけではありません。
手を尽くしてそれでダメであったのならそれは仕方ないと考えます。
けれどもそれが医療側の自己満足になっていないかどうか振り返ってみるのは決して無駄なことでは
ないと考えます。(自戒を込めて)
41ドキュソルビシン:02/06/17 02:04 ID:f7NyOx3x
>37
まさかぁ。5万もあれば普通は使わないです。
1万切るか、皮下出血が出てきたら使うという形にはしたいんですが
ちと怖いのでいつも2万切りそうになると使ってしまいます。
42卵の名無しさん:02/06/17 07:26 ID:0PbPH2e2
>>41
それでしたら全然問題ないと思います。
一応、指針を元にすれば5万以下になりますので。
あっ、もしかして化療後って血液疾患の患者さんですか?
私、固形癌の化療後と勘違いしてました。スマソ
43昔々の外科医:02/06/17 08:20 ID:SMc0C7u+
予定手術には、もうちっと冷凍自家血を用意するようにした方が良いんでは
ないかな?コストのことも有るとは思うが、致死的なGVHDのリスク軽減の
為なら、多少費用がかかっても患者さんは納得するんじゃないだろうか?
44技師です:02/06/18 23:03 ID:e8DBZrnf
Ir-MAPのクロスマッチを院内の検査室で行うときには
生食法・アルブミン法・ブロメリン法・クームス法を行なっていますが、
検査センターに外注したときはブロメリン法は行なわれません。
ブロメリン法は必要だと思われますか?
ブロメリン法の非特異反応についてはどのように考えていますか?
45卵の名無しさん:02/06/19 00:46 ID:t9mZs0ro
>>32
>そうやって不適切な輸血を行い、その結果その副作用によって感染症に
>感染して訴えられても
輸血の種類によって感染症のリスクは変わるのでしょうか?
房な質問ですみません。
あっ掃いて捨てるほどいるぎしです。
46卵の名無しさん:02/06/19 23:29 ID:92kykGgo
>>43
現在はかなり自己血を使う例が増えてきています。
ただし、冷凍まで行うとなると専用の機材や人手が必要となります。
また、MAPにする場合も専用の遠心器が必要となっていますので、おいそれと行うわけにはいきません。
自己血の場合、MAPで42日、CPDAで35日保存できますので、毎週400mlずつ採血できればMAPで最大
2400m、CPDAで2000mlまで貯血できます。
更に貯血式以外にも希釈式や回収式もあるのでこれらを組み合わせれば貯血で2000mlもあれば大抵の
手術は行えると考えます。

問題点としてはEPOや鉄剤投与を行っても反応が悪い場合はどうするか、手術日まで余裕がある患者で
なければ貯血できない等があるためどうしても症例が限られがちです。

>>44
私の意見としてはブロメリン法は含めた方が良いと考えます。
その理由としてRh系の初期抗体を検出しやすいという点が上げられます。
Rh系抗原ではDが一番抗原性が強く、次にEが抗原性が強くなってます。
日本人の場合、E抗原の頻度は50%で不規則抗体の中で抗E抗体は比較的頻繁に検出されます。
特に女性の場合は妊娠等で抗体を産生していることがありますから、より注意が必要です。

ブロメリン非特異は私の経験ではそれほど多いとは感じません。
しかしながら慣れていない技師にとってブロメリン非特異による凝集は非常に不安になる原因だと
考えます。
余裕があるときであればブロメリン処理した自己血球で血清中のブロメリン非特異凝集素を吸収させる
ことで反応を抑えることができます。完全に吸収できなくてもこれによって反応が弱くなるようであれば
ブロメリン非特異反応として凝集を無視して良いでしょう。
こうすることにより隠れていた不規則性抗体を検出することもできるようになります。
47卵の名無しさん:02/06/19 23:29 ID:92kykGgo
>>45
製剤の種類ということでしょうか?
製剤の種類で感染のリスクは変わりません。
つまり非加熱製剤(全血、MAPの赤血球製剤、濃厚血小板製剤、FFP)はその可能性が0ではありません。
ただし、日赤では現在、NAT(核酸増幅法)を用いて検査をしていますので感染症に感染する可能性は
かなり低くなっています。
それでも年間数例の感染報告がありますので、やはり輸血は最低限にしておくことが一番良いと思います。

なお、アルブミン製剤、γグロブリン製剤、第VIII因子製剤は加熱処理をしているので現在知られている
感染症に感染することはありません。
48いのげ:02/06/19 23:39 ID:qbmC64Wr
ついさいきん知ったんだけど
GVHDって予後わるいんだねえ
49卵の名無しさん:02/06/20 21:30 ID:VDbACVdq
>>48
輸血後GVHDの場合はですね。
骨髄移植後のGVHDはかなりコントロールできるようになりました。

輸血後GVHDの質の悪いところはほぼ100%死亡の転機を取るということでしょう。
私が調べた限り、これで助かったのは一例を数えるのみです。
そしてこれが発生して患者が死に、訴訟にまで発展するとほぼ間違いなく負けるでしょう。
実際、そうした判例がでています。

この輸血後GVHD訴訟の判決後は猫も杓子も照射血を要求するようになりました。(苦笑)
現在では日赤でも照射済みの血液製剤を供給してくれますので、余程のことがない限り輸血後GVHDを
発症することはないと考えます。

ただし、照射製剤の短期的安全性はほぼ確立されたといって良いと思いますが、長期的安全性に関しては
まだ確立されたわけではありません。
それ故、この先放射線照射製剤を使ったために発生する副作用が起こりえる可能性があります。

また、日赤の照射済み製剤は返品することができませんので期限切れになるとそのまま病院の持ち出しに
なります。
それ故、なお一層の有効利用を図るようにしなければいけません。
50卵の名無しさん:02/06/24 15:35 ID:Qay/HBLV
age
51卵の名無しさん:02/06/26 16:46 ID:Yh9gQ6Gm
【MAP血について】

MAP血は以前の濃厚赤血球に比べ含まれる蛋白濃度がかなり少なくなっている。
その量は濃厚赤血球から作られた洗浄赤血球よりやや多い量である。

それ故、以前の洗浄血で問題が起きていない患者であればMAP血で十分間に合う。
MAP血を利用する利点としては洗浄血や白除血にくらべ期限が長く、日赤から供給待ちを行わなくて
済む点だろう。
特に外来で輸血する血液疾患の患者にとっては待ち時間が少なくなると考えられる。

MAP血が登場した当時は42日間の期限だったが、エルシニア・エンテロコリチカの問題から21日に
戻ってしまった。
しかしながら、自己血では42日間の保存を行っているところがほとんどである。
本来保存期間の延長と血漿量確保を目的としていたのにその一方が失われたのは使用者側にとって
大きな問題である。
52卵の名無しさん:02/06/29 23:45 ID:dM6d2PuB
age
53卵の名無しさん:02/07/01 23:59 ID:T2RY53SW
保守
54卵の名無しさん:02/07/05 21:20 ID:ECEswnun
念のため、保守。
55卵の名無しさん:02/07/10 20:18 ID:9Mzuq4iu
教えていただきたいのです。
輸血の部署にきてまだ半年も経っていません。
あまり経験がありません。

アルブミンが低いから、と言う理由で全血のオーダーを出されることが
ここのところ続いています。
全血が手に入りにくいということと、アルブミンだけ補充したいなら
アルブミン製剤で、ということでアルブミン製剤を勧めたんですが
それでも全血に対する信仰というのでしょうか、あまり医者が納得してくれません。
あと、MAPと全血の1単位を同じくらいの量だと思ってたらしく、
MAPよりボリュームがありますし、と言ったとたんに「少し考えます」といわれました。
私も経験がなくて、文献を読みながら対応している次第です。
アルブミンが低いときは、どのように対応していけばいいでしょう?
ご指導お願いいたします。
56卵の名無しさん:02/07/10 20:52 ID:HVj/RtJG
なんかそのままマニュアルになりそうなボリュームだな(^^)

>>26
>曰く、白血球が低いから白血球を補充したい。
これ、ネタじゃなくマジにそんなこという石イタの??

>>27
予想通りのresがついているな。おつかれさん。
漏れも全血輸血はもう長いこと見てません。

>>55
>アルブミンが低いから、と言う理由で全血のオーダーを出される
いまどきこれというのもねえ。
話の分かる石数人を巻き込んでなんとか医局の輸血勉強会開催に持ち込んだら?
57卵の名無しさん:02/07/10 21:07 ID:A1bQcwT3
55です。

やっぱりイマドキ、ですよねぇ・・・。
長いところ全血輸血見てない人が多いなか、今月だけで何件だろう。
勉強会を開催ですか、考えもしませんでした。

アルブミンが低いんだったら、このままアルブミン製剤を進める方向でいいのでしょうか?
58卵の名無しさん:02/07/10 22:38 ID:t1lIP14j
そーいえば、20年くらい前、関西では、病室で周術期の患者ふたり隣り合わせのベッドで、片方の患者に輸血をすると、
輸血されていない方が「なぜ自分には輸血しないのだ」と文句を言うことがあった、
と聞いたぞ。
輸血がないと、治療に手抜きをされている、と思っていたらしい。
逆に、輸血不要な手術でも、輸血があると、よくやってくれる、と喜んでいたらしい。
59:02/07/10 22:48 ID:HDR7GMnr
>>55 >>57
アルブミン勧める方向で、あなたはいいと思う。
でも全血に固執するのは保険の関係もある。
アルブミンは保険で目の敵にされて査定される。
全血なら理由はいくらでもつく。
これは知っておいてほしい。
60卵の名無しさん:02/07/10 22:51 ID:7XFp4Ydb
>>55
アルブミンが低いことによって胸腹水が生じているのでしょうか?
そういった臨床症状がなく、単にデータが低いからという理由での投与は
>>21にあるように適正な使用ではありません。
>>15-19に当てはまる場合はアルブミン製剤の適用ではありますが。

で、アルブミン補正のために全血を使うということですが、これは当然のこと
ながら適正とは言えませんね。
全血では(FFPも)ナトリウム値が通常の血漿よりも高いので水を引かずに
憎悪させてしまう可能性があります。

と、いうことでアルブミン補正にはアルブミン製剤を奨めた方が良いです。

>>56
>これ、ネタじゃなくマジにそんなこという石イタの??

かなり前の話ですが事実です。
で、新鮮血と言っても採血後4日以上経過しており白血球は死んでいるし、
貧血もないのに全血を入れたら過負荷がかかりますよといったらやめてくれた。
この時は新鮮血と血小板のオーダーが入ったんだよね。
で、血算の結果を調べたら貧血はなくてWBCとPCだけが低かったんだ。
それで新鮮血をオーダーしてきたんでもしかしてWBCの補充かと思ったら
ビンゴだった。(藁
61卵の名無しさん:02/07/10 22:53 ID:NxFtAjf4
1)何故アルブミンが低値なのか

2)アルブミンを補充する必要があるのか
62卵の名無しさん:02/07/10 23:01 ID:7XFp4Ydb
>>59
>全血なら理由はいくらでもつく。
でも、貧血がないのに全血を使ったら問題になりませんか?
63卵の名無しさん:02/07/11 00:19 ID:cQ3rGKlY
55です。
色々ご指導ありがとうございます。

保険のことなんですが、全く考えていませんでした。
アルブミンが保険の都合で使いにくくなった、とは聞いたことがありましたが
全血も同じように使いにくいのかと思っていました。

なぜアルブミンが低値なのか。アルブミンを補充する必要があるのか。
申し訳ありません。
ただ医師にアルブミンが低く、片足切断の手術があるのでそれまでに多少改善させたい
としか言われていないのです。
腹水のことは言われていないです。
あと気にしているのは高齢(明治生まれ)で心不全もあるということです。
(あんまり病状を掲示板で詳しく書くべきではないのかもしれないのでこの辺にしておきます)
他の凝固因子に関してはオーダーがないみたいで、データがありませんでした。

医師にまず、全血はどのようなときに使いますか?と聞かれたんですが
あんまり全血の輸血自体ないので返事に困ってしまいましたが
大量出血時、と返事をしました。
今全血の輸血は少なくなってますが、大量出血以外でも使う場合はありますか?
64卵の名無しさん:02/07/11 01:07 ID:8UDXzLwG
>>63
>今全血の輸血は少なくなってますが、大量出血以外でも使う場合はありますか?

大量出血以外では新生児の交換輸血ぐらいですね。

ちなみに私のところでは大量出血時でも全血を使うことはありません。
65GJXGoept:02/07/11 01:36 ID:M1vmXAK5
輸血と輸液と栄養学は
正直な所、大学で教えてもらった記憶が無いです。
オーベンのやり方通りって医師が今なお大多数ではないでしょうか。
66卵の名無しさん:02/07/11 01:54 ID:2vc2bEb3
>>63
術前に albumin をageとくって、うちの外科もよく言うけど、
これってまあ、術後に3rdspaceに水逃げるのを少しでも止めるという
理解でいいんでしょうね。
そうなると直前に最低限量をがんがん入れる(ただし保険がらみで
1日2Vずつ)ということになるんかな?術後はもう少し緩いんだっけ?

逆に言えばこの保険の縛りさえなければ、術中術後に脱水気味の時に
どどどっと入れればいいことになるけどそれができないから現状
(術前に低アルブミン血症の症状もないのに入れる)ということなのかな?
そこまで考えないで低いからageる、という石もいそうだけど。
67ドキュソルビシン:02/07/11 02:30 ID:DQKGwHGo
アルブミン、大腸菌あたりに作らせられないのかのう・・・
・・・って値段はむしろ高くなるか。
68卵の名無しさん:02/07/12 17:58 ID:plPsvw4R
55です。
またまたご指導ありがとうございます。

結局全血は見送りになりました。
その代わりにMAPとFFPの抱き合わせを提案してきました。
これって禁忌ですよね・・・?

私は輸血部にきて、あまり経験がないのですが
本とかで勉強して禁忌だと書かれてることに限って
うちの医師は要求してくるように思います。
65さんが書かれてるように、あんまりご存知ないのかなぁと思うことが多いです。
技師の立場としてどこまでしていいのか困るときもあります。
69卵の名無しさん:02/07/12 21:05 ID:BlJSNwCC
>>68
>その代わりにMAPとFFPの抱き合わせを提案してきました。

何を目的としているんでしょうか?
貧血があって凝固障害があるのであれば、こういった使い方もあり得ます。
しかしながらそういった目的であるようには思えませんね。

日赤に言って「血液製剤の使用にあたって」という冊子をもらい、全医師に配られて
みては如何でしょう?

>65さんが書かれてるように、あんまりご存知ないのかなぁと思うことが多いです。
>技師の立場としてどこまでしていいのか困るときもあります。

はっきり言って漏れの経験では知らない方がまだまだ多いと思われ。
技師だからと引っ込むのではなく、現在の輸血の指針はこうなってますと
はっきり示した方が良いと考える。
輸血部に責任医師がいるなら責任医師を通して話してもらうのが一番だが、
いないなら技師が行うしかない。
70卵の名無しさん:02/07/12 21:10 ID:BlJSNwCC
>>67
リコンビナントのアルブミンに関しては現在、治検が行われているはず。
漏れとしては早いとここれが市販されないかと期待しているのだが。
なにしろアルブミン製剤の自給率は平成10年で26%であり、残りは
全て輸入に頼っている。

そしてこれが吸血鬼日本と世界から言われる原因になっている。
71卵の名無しさん:02/07/16 18:04 ID:QQnj31qq
アルブミン製剤の人口当たりの使用量だが、1997年の
データを元にすると

ヨーロッパ:3000g/万人 日本:6000g/万人

となっている。
如何に日本でアルブミン製剤が使われているか分かると思う。

FFPでは、

ヨーロッパ:72U/万人 日本:180U/万人

で、日本の医師は血漿蛋白製剤が大好きと言えるだろう。
ヨーロッパではこれで特に問題が生じていないと聞いているので
日本は使いすぎ=不適正な使用が多いということになるだろう。
72卵の名無しさん:02/07/16 18:18 ID:QMlgRTtJ
>>68
禁忌というわけではありませんよ
全血の代わりにそれをすると肝炎(およびエイズ)のリスクが倍になるので避けるべきということです
何故良くないのかという理屈をキチンと理解していないと説得もできませんよ
頑張って
73卵の名無しさん:02/07/16 21:13 ID:ZSc3HxQx
55です。
みなさんご指導ありがとうございます。


全血の輸血の依頼がありそうだった患者さんは輸血ナシでオペも終わりました。
このまま輸血をしないでも大丈夫そうなようです。

今回は輸血自体がナシになってしまったのですが、やはり自分の知識不足を思い知ることになりました。
なかなか医師とも話しもできずにそのまま終わってしまった感じです。
次に同じようなことがあったときのために、色々勉強していきたいと思っています。

FFPは肝炎およびエイズのリスクが高い、ということなんですが
これは採血後、血球を除いてそのまま冷凍するから、という理解で良いのですよね?
日本では使いすぎ、との書き込みもありましたが、適正な使用とは具体的にどんなことなんでしょうか。






74卵の名無しさん:02/07/16 21:18 ID:YgMJNS9o
>>73
1人からの全血より、MAPとFFP、別々の2人の人間からの血液製剤の
組み合わせの方が感染機会が多い、と言うことでは?
7555:02/07/16 21:32 ID:ZSc3HxQx
>>74
そうですか・・・。本当に勉強不足で情けないです。

今日FFP30単位のオーダーが来たのですが(10Uを3日間)
10単位を3つにするのが一番リスクが少ない方法と考えていいのですね?
76卵の名無しさん:02/07/16 23:03 ID:QQnj31qq
>>73
>FFPは肝炎およびエイズのリスクが高い、ということなんですが

MAPであろうと全血であろうとFFPであろうと非加熱製剤であるかぎり
その可能性は変わらない。
変わるとすれば使用単位数がFFPの場合、MAPや全血と比べて多いので
感染機会が高くなるというだけのこと。

>日本では使いすぎ、との書き込みもありましたが、適正な使用とは具体的にどんなことなんでしょうか。

>>8-13を参照。

>>75
>今日FFP30単位のオーダーが来たのですが(10Uを3日間)

何を目的にしていうるのか非常に興味が湧きますね。
直前に凝固検査は行われてますか?

>10単位を3つにするのが一番リスクが少ない方法と考えていいのですね?

FFPに10単位製剤はありません。
この場合、5単位製剤を二本準備するのがよいでしょう。

とはいえ、私のところでは一日当たり10単位も使うということはありませんね。
>>12にあるように必要量を計算するなら体重50kgで400〜600mlとなりますが、
普通は4〜6単位であることが多いです。
また、直前の凝固検査がでていないときは凝固検査を置こうなうように、凝固
異常がない場合は適正使用でないとはっきりと告げるようにしています。
7755:02/07/17 00:15 ID:eP5PlraQ
76さん、ご丁寧なご指導ありがとうございます。

今回のFFPの方はDICと貧血と聞いていますが・・・凝固のデーターはありませんでした。
FFPのほかにMAP2Uを3日間、血小板が10Uを3日間のオーダーが出ています。

正直言って、ただひたすらオーダーされたものをこなしているだけの毎日です。
どういう理由でこの輸血のオーダーが出ているのか、理解するところまでに達していません。
輸血する患者さんのデーターを自分で探して、自分なりに考えてはみてますが
理解できないことばかりです。
適正使用でないと告げるなんて、まだまだ・・・。
勉強していくしかないですね。頑張ります。
78卵の名無しさん:02/07/17 23:12 ID:ZuAhoT3V
>>77
>今回のFFPの方はDICと貧血と聞いていますが・・・凝固のデーターはありませんでした。

DICというのであればなおさら凝固系のデータは重要になってきます。
それがやっていないというのは…。

>正直言って、ただひたすらオーダーされたものをこなしているだけの毎日です。

今はそうかも知れませんが、経験を積めばそのうち自ずと分かってきます。
そのためにも使用指針はよく目を通しておいた方が良いでしょう。
もっとも使用指針は判りづらい面もありますので、輸血関連の本を探してくるのも
悪くないと思います。

>どういう理由でこの輸血のオーダーが出ているのか、理解するところまでに達していません。

まずは指針に沿っているかどうかチェックするところから始めましょう。
そのためにはまず自分が指針を熟読しなければいけません。
同時に指針にはそうすべき理由が書かれていますので、それを覚えるだけでも
ずいぶん違います。

>輸血する患者さんのデーターを自分で探して、自分なりに考えてはみてますが
>理解できないことばかりです。

どういう理由か判らなければ主治医に直接尋ねてみるのも悪くありません。
そういったところから臨床とのパイプを作るのも後々有用になります。
医師にしても真面目に勉強しようとする人を邪険にすることはないと考えます。
そうやってこつこつ学んでいくのが何事においても一番です。

これからも頑張ってください。
7955:02/07/17 23:33 ID:RIZZAeLK
78さん、ご指導ありがとうございます。

指針、ですか。
まずそこから勉強していくことにします。
おっしゃる通り、指針を覚えるだけでも違うような気がします。

知識がないから、という理由でなかなか医師とも話しができない状態でしたが
思い切って、輸血のオーダーの時にわからないことは聞いてみようかと思います。
邪険にされないよう願ってます。

ここでは色々と勉強になりました。
みなさんありがとうございました。
これからも頑張っていきます。
80卵の名無しさん:02/07/19 21:21 ID:+VegYGeN
エホバは皆さん放置ですか?
81卵の名無しさん:02/07/19 21:26 ID:i3z5Eith
>>80
エホバを論じたければ別スレをおながいします。
82卵の名無しさん:02/07/20 20:09 ID:7BjmObBg
良くある誤解その3
【血小板輸血】

輸血で止血出来ると考えている医師は結構いるようだ。
確かに輸血の種類によっては止血効果をある程度期待することが
できるが、それでどんな出血でも止血出来るわけではない。

例えば大血管からの出血を止めるには縫合するなりの処置が
必要であって血小板やFFPを入れれば自然に止まるというわけでは
ない。

特に普段血小板を使っていない科の場合、血小板輸血に過度の期待
を持ちやすいように感じる。
そもそも血小板輸血の一番の目的は血小板の減少による脳出血や
肺出血などの致命的になりやすい出血を防ぐことにある。
これは大量出血時でも同じで、出血そのものを止めるというよりも
血小板減少による二次出血を防ぐということを頭に入れておく必要が
あると思う。

産科では時にDICを併発して大量出血することがあるが、こういうときに
血小板の大量輸血は禁忌である。
血小板輸血を行うことによってDICを悪化させ血栓による多臓器不全を
発生させるからである。
また、弛緩出血による大量輸血時にも血小板輸血を大量に行うことが
たまに発生するが、これも輸血によって出血を止めようと考えている
せいだと思う。

血小板製剤は元々予約製剤であり、また使用期限が採血後3日と
短いため病院内に在庫していることはまずない。
つまりは日赤から取り寄せなければいけないのである。
そして期限が短いことから日赤では予約状況によって採血調整を
行っている。
緊急にそして大量に血小板製剤を使ってしまうということは本来予約
していた患者の分をそちらに回してしまう可能性があるのである。
それゆえ、予約外の血小板輸血は必要最小限度にする必要があると
いえるだろう。

83卵の名無しさん:02/07/24 22:58 ID:TwNjzqYZ
保守
84卵の名無しさん:02/07/26 19:33 ID:eqoc0AA0
age
85卵の名無しさん:02/07/29 22:30 ID:IUkUri4A
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1022261290/109 より
95年に起きた丹羽元労相の殺傷事件において異型輸血が発生した。
この原因の一つには当初送られた病院でO型にB型の血液を輸血
されたことによる。
それは秘書が言った血液型を鵜呑みにしたせいと思われる。
ただし、これは本人がB型だと思いこんでおり、代議士名簿にもB型
と記載されていた。

本人及び家族の血液型の申告ははっきりいって当てにならない。
この時血液型検査を行ったかどうか私は知らないが、>>109
いうように医師が行ったとしたらB型といったことによりミスディレク
ションさせてしまった可能性が高い。

その後転送先の病院で更に異型輸血されることになるが、この時
検査したのは検査技師であった。
しかしながら当直帯であり、輸血を専門とした技師ではなかったそうだ。
その技師もなにか変だと思ったそうだが、オモテ・ウラが一致したため
B型と報告を返した。
この変だと思った理由はB型とO型血球が混じり合った混合凝集を
呈していたためであった。
輸血業務に精通している技師であればこの時点で輸血歴等を問い
合わせたと考える。

まとめると
1.本人や家族の血液型の申告は基本的に信用出来ない。
2.医師の行う血液型検査はきちんと方法を学んだ上で行うのならともかく、
そうでない場合は誤判する確率がかなり高い。
3.輸血検査において普段と違った反応、または変だと思ったときは輸血
担当者に確認をすべきである。
4.その病院へ来る直前に輸血を施行しているかどうかを確認することは重要
となる。
86卵の名無しさん:02/08/03 20:20 ID:DbzqwLG5
ここで以前お世話になった55です。
今日は病棟の看護師さんから相談を受けました。
MAPは温めてから使用したほうがいいかと聞かれました。
大量の輸血のときは加温したほうがいいと書いてあったので
大量でなければ必ずしも加温する必要はない、と答えました。
その病棟では多少温めることにしていたらしいんですが、その方法が・・・。
パソコンのプリンターを使ったときに少しあったかくなるので
その上に乗せている、と言われました。
大丈夫なんでしょうか。
病棟によって輸血製剤の取り扱いが違うことも問題ですが
プリンターは、あんまり良くないですよね・・・。
聞いてかなりびっくりしました。良くあることなんでしょうか?
87卵の名無しさん:02/08/04 00:19 ID:c8afKfJ7
>>86
アニメックを通常の輸血で使わないのは、

1.以前機械が故障し、加熱しすぎて溶血を起こし、
それによって患者が死亡した例がアメリカで発生
したからです。

2.通常の輸血速度であれば患者が低体温を起こす
危険性が低いため加温する必要がない。

と、いうことになります。

で、プリンターを使った加温ですが、はっきりいって
止めた方が良いでしょう。
その理由として元々加温するための物ではなく、
温度管理が出来ていないもので加温することは
血液が変質する可能性があるからです。
まあ、プリンター程度の温度で変質することは
まずないと考えますがそれでも実際に加温する
ための機材を使わず加温するというのは良くない
ことです。

指針に輸血製剤の一元管理を謳っているのも
製剤の品質管理を行うためです。
つまり、血液製剤は管理された冷蔵庫・冷凍庫
に保管するべき物で、温度管理の出来ていない
冷蔵庫や冷凍庫に保管するのは行うべきでは
ありません。

もし、どうしても加温したいというのであれば
室温に30分ほど置いてから輸血を始めた方が
下手に加温するよりも何倍もましです。
88卵の名無しさん:02/08/04 00:34 ID:0JHuDoqK
このスレ立てたの、都立某病院の方じゃないかと推測(W

ブロメリン法なんだけどね、PeG-Coombs法が普及した今となっては
不要という考え方が有力。
S先生(極めて有名)に言わせれば、ブロメリン法は貧しかった時代
の名残に過ぎないとか。
ブロメリン法「のみ」で反応する抗E抗体は臨床的意義がない
(E陽性を輸血しても抗体価が上がらなくて副作用もない)
という報告もあったと思う。(関西のKさんとこ)

#ブロメリン非特異で「不適合」とされると凹むぞ>某検査センター

89卵の名無しさん:02/08/04 00:44 ID:0JHuDoqK
>49
Ir製剤の認可の過程で輸血学会が
輸血後GVHDのリスク>>>>>>>>>>>>照射血の白血球球が癌化するリスク
ってのを被爆者のデータを元に算出したと聞いたことがありますが、ご存じですか?

うちの県で、血縁者からの院内採血によるGVHDの症例があるんですが
こんなのは立派な医療ミスだよねぇ 表沙汰にならないし遺族も気が付いて
ないだろうけどさ
そういう俺の母親は輸血が必要になったら俺の血液が欲しいという
気持ちは分かるが鬱だ
90卵の名無しさん:02/08/04 00:49 ID:0JHuDoqK
>24
グルコース溶液(高張)とMAP血を混注して溶血した症例が報告されてます
91卵の名無しさん:02/08/04 01:39 ID:c8afKfJ7
>>88
そういえば今年の輸血学会で新しい黒本にはブロメリン法の記載が
なくなるという話を聞いたがその理由はそれだったのか。
ただ、クロスマッチでブロメリン法をやめちゃうとそれだけ保険収入が
減ってしまうわな。
ただでさえ輸血しなければ保険が取れないのにクロスの収益が減る
のは病院側としては(・A・)イクナイことじゃないかな?

>>89
>輸血後GVHDのリスク>>>>>>>>>>>>照射血の白血球球が癌化するリスク
>ってのを被爆者のデータを元に算出したと聞いたことがありますが、ご存じですか?

これは知ってます。
ただ、照射製剤を使い始めてまだそれほどの時間が経っていないので
この先予期せぬ副作用が発生するかもしれないということです。
つまり長期投与における安全性がまだ確立されていないのですから、
確立されるまでは慎重に投与すべきだと思ってます。

これまでに照射製剤によると思われる副作用は発生していませんが、
だからといって安易に輸血して良いものでもないでしょう。
少なくとも指針に沿った投与が必要だと考えます。
92卵の名無しさん:02/08/04 07:17 ID:0JHuDoqK
ブロメリン法の省略はアメリカに合わせたってのもあるだろうね
10年くらい前にギャラティーの特別講演を聞いたことがあるけど
「酵素法なんかいらねーよ、なんでやってんの(意訳)」って言ってたし。
(もりろん、それに噛みついていた先生もおられたが)

白血球除去フィルターはGVHD予防には無効ということになっているけど
実際どうなんだろう?何logか忘れたけど、下手すると針刺し事故並の
量まで減らせるはずだが。
93卵の名無しさん:02/08/04 14:43 ID:c8afKfJ7
>>92
>実際どうなんだろう?何logか忘れたけど、下手すると針刺し事故並の
>量まで減らせるはずだが。

数は関係ないんじゃないかな?
問題になるのは分裂能があるかどうかじゃないかと思われ。
輸血後GVHDの説明で良く使われる、レシピエントa/b、ドナーa/aの場合、
レシピエントがドナーのリンパ球を叩けない間に増えてしまえば良いことだし。
94卵の名無しさん:02/08/06 12:00 ID:WaHtzKrn
白血球の保存前除去のほうだったかな?
たしか、50μL程度の血液に含まれるリンパ球の数程度まで減らせるんじゃなかったっけ?
で、それでGVHD起こるなら、針刺し事故でGVHD起こっても不思議がないけど起こったという
話はないので、それなら放射線照射は不要ではないかというネタ

95卵の名無しさん:02/08/06 14:10 ID:5iRWiMcq
>>94
患者の状態にも影響を受けると思われ。
実際の所、輸血後GVHDの起こりうる組み合わせになる頻度は
500件に1件といわれているけど、発症するのはかなり低いわけだし。
それから考えると保存前白血球除去によって発症する頻度は今
以上に低くなる可能性は高いけどそれで必ずしも安全とは言い
切れないのでは?

問題になるとしたらそれでも輸血後GVHDが発生してしまった場合
だよね。
これまでの判決から考えると医療ミスになってしまう可能性は
高いと思われ。
96卵の名無しさん:02/08/08 12:29 ID:q7P+BL/U
良スレage
9755:02/08/08 14:04 ID:vYidyC7v
87さん、ご指導ありがとうございます。
mapを取りに来た看護婦さんにはmapは加温する必要がないこと、
どうしても冷たいままが気になるなら室温で放置してもらうことを伝えました。
先生は特別指示を出していなかったみたいで
看護婦さんたちが独断で冷たいままより少し温めたほうが良いよね・・・ということで
プリンターに乗せてたみたいです。

どうして加温する必要がないのか、という知識ももちろん必要ですが
他部署との意思疎通も必要だなぁと感じました。
98卵の名無しさん:02/08/13 09:41 ID:WR4+NrWe
保守age
99卵の名無しさん:02/08/13 09:46 ID:HCfNZyW3
100が
100卵の名無しさん:02/08/13 09:46 ID:HCfNZyW3
欲しい!!
101卵の名無しさん:02/08/14 04:27 ID:85PkyrGj
おー
102卵の名無しさん
加温による溶血の例が結構あるから、特別な場合を除き
加温は不要といってます