公立病院の常勤医って当直断れないの?

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(つづき)
 ところが、医療関係者によると、労基署の許可を受けている約7000の医療機関でも、
 宿直中、医師は、ほとんど休めず、そのまま翌日の勤務に就くケースが少なくない。
 当直回数が許可条件(宿直は週1回、日直は月1回まで)を上回ったり、緊急の診療を
 した時には支払いが義務づけられている割増賃金を支給せず、「サービス残業」を強い
 ている医療機関も多いという。

 通達を受け、都道府県労働局は、6月末をめどに、各医療機関に対し、医師らの毎月、毎週の
 当直回数や救急患者数、実際の労働時間などの報告を求める。問題がある場合は是正を求め、
 診療が常態化している医療機関については許可取り消しもある。許可が取り消された場合、
 交代制を導入するなど勤務体制の見直しが必要になる。

 これに対し、慢性的な人手不足に悩む医療現場からは、今回の通達に戸惑う声が上がっている。
 関東のある病院長は「現状の人員で交代勤務にすれば、十分な救急態勢は取れない」と語る。
 厚労省は通達に合わせ、日本病院会など病院団体に当直勤務の適正化を要請したが、ある病院団体幹部は
 「診療報酬引き下げなどで病院経営は厳しい。医師の増員が必要な交代制導入は無理だ」と話している。

(5月18日15:23)

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