拡散強調画像

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1告らん
いまや、虚血性脳血管障害の診断のみならず、神経疾患の画像診断に
欠かせないものとなったMRI拡散強調画像(Diffusion Weighted
Imaging)。しかし、まだまだ知名度は今ひとつです。

お勉強スレのつもりで立てました。神経関係のお医者さん。放射線科の
お医者さん。物理に強い人よろしく。
2某組合系病院:01/12/25 23:33 ID:sqX8wx4K
当院では、急性期脳虚血性疾患疑いのほぼ全例に施行していますが。
夜間も取れるので診断は楽チンになりました。
3 ◆10Y/vgvg :01/12/25 23:35 ID:hmLqXNJW
この前脳炎脳症のお勉強会で話を聞いて色々見せてもらいましたぁ
4告らん:01/12/25 23:40 ID:dv05bmw/
>>2
MRI自体は夜間だろうがなんだろうが電源を落としませんし、拡散強調画像
はほんの1分程度で撮像できるので、問題なく夜間や緊急でも出来る検査で
すよね。その場で虚血性脳血管障害の診断がほとんど確定するのは、大きな
メリットです。どんどん行きましょう。

>>3
どんな話でした? ここに書いてみませんか?
5Tc:01/12/25 23:42 ID:tlfsp2SR
神経疾患以外で有用性はいまだ ?で、
学会発表や論文ネタとしての有用性の方が(以下略)・・

最近聞いた話では cortical tuber で拡散低下があるそうな。
過誤腫だから下がらないかと思ってたのですが、ちょっと新鮮でした。
6 ◆PIXY.n.. :01/12/25 23:46 ID:lUxi7rFH
>>5
なるほど・・
7卵の名無しさん:01/12/25 23:57 ID:cY9fTuRD
以前どこかのスレでdiffusion/perfusion mismatchの話が出ていましたが、perfusionの造影剤は脳梗塞の病名では保険で査定されませんか?
本題から少しずれますが、査定が怖くていつもdiffusionしかやっていないので、みんなどうしているのか気になりまして...
8告らん:01/12/26 00:59 ID:+IpgGk2v
>>7
そういえば、PWIで使うGdの保険適応のこと考えたこと無かったなあ。やべ。
「脳腫瘍の疑い」じゃだめですかね(藁
9告らん:01/12/26 23:37 ID:tPARM3Je
Creutzfeldt-Jakob病でも拡散強調画像の有用性が認められています。灰白質
や基底核に正確に一致した拡散低下を見つけたらぜひ疑ってください。
10ぷし公:01/12/27 00:04 ID:VsiB9tVx
diffusionの見方がよくわかりません。
よいテキストとかあったら教えてください。
11Tc:01/12/27 00:38 ID:iwvBYzgg
reversible posterior leukoencephalopathy syndrome
(子癇とか、高血圧とかしくろすぽりんとかのあれね)
では T2 high の ADC 上昇で vasogenic edema が本体と推測され、、
というような話を聞くにつけニューロでの重要性は羨ましく思います。

Body の方では山梨の市川先生がヘパトーマでは分化度と拡散能の低下が
関係してるかも?なんてDQNな話しをしてるぐらいなので・・
12Tc:01/12/27 00:40 ID:iwvBYzgg
>10

拡散強調画像を正しく見るには理論から。お友達の放射線科医で
今年のミッドサマーセミナーに参加された方がいらしたら
そのシラバスに拡散強調画像に関するよい review が載ってますので
それをご覧あれ。
13卵の名無しさん:01/12/27 00:53 ID:j21NcOdE
神経内科医です。CJDをDWIで早期診断できたとして学会発表しました。
その際ちょびっとベンキョしたんですが、infarctionの早期や進行の早い神経変性疾患、
また、epilepsyでも画像上変化を描出するらしいです。漠然と「進行の早い疾患」に有用なのでは・・・?
頭蓋内病変以外ではどんな適応があるんでしょう?
14Tc:01/12/27 00:56 ID:iwvBYzgg
>13

ニューロ以外じゃ実験レベルです。
ところで、進行の早い遅いとは余り関係ない気が、、
脳膿瘍は進行の早い疾患なのでしょうか?
15卵の名無しさん:01/12/27 01:11 ID:j21NcOdE
13です。
「進行の早い」>「病変部位の変化が早い」のつもりでした・・・^^;
でもやはり、関係なさそうですかね??
16告らん:01/12/27 22:30 ID:8zl5IJap
>>11
ADC(見かけの拡散係数)の低下は細胞毒性浮腫(cytotoxic edema)、すなわち細
胞外液が細胞内に移動しトラップされると説明されています。逆にADCの上昇は細胞
外の自由水の増加と考えられ、血管性浮腫(vasogonic edema)と説明されてます。

しかし、急性期虚血性脳血管障害のADCの低下についてはまだ議論があり、粘調度の
上昇とか、能動的な水輸送の低下なども提唱されていて、実際には病理学的になにが
生じているのかまだよく分かっていません。

注)ADCが低下する(水の拡散が低下する)と拡散強調画像で高信号を呈します
17告らん:01/12/27 22:37 ID:8zl5IJap
>>13
確かに私もそう思っていましたが、必ずしもそうとばかりはいえないようです。

Tc先生の上げているreversible posterior encephalopathyは、急性期から
ADCが上昇する典型的な疾患ですし炎症性疾患でもADCは上昇することのほうが
一般的です。脳腫瘍はゆっくりと進行するものでもADCが低下する場合がありま
す。

ADCは質的診断に迫る上で、T1やT2についで重要なパラメーターであることは間
違いありません。様々な神経疾患でADCの重要性が新たに指摘され続けてきてい
ます。
18なす:01/12/27 23:13 ID:inUbwWTI
いやん、拡張調教画像に見えちゃった。
私って馬鹿なうえにエッチだな…
19知んない:01/12/28 00:19 ID:Ll0oePpX
こないだ急性期MELASをとったら、確かにDWIでhighにはならなかった。
(ADC mappingをやってくれないもので)
TGAでもでるのもあれば、でないのもある。(これはTGAという一くくりに問題があるのかも)
脱髄と虚血、炎症の区別ってつきます?
20卵の名無しさん:01/12/31 02:56 ID:ghBeKDnd
21卵の名無しさん:01/12/31 08:12 ID:g2X58tUF
 
22卵の名無しさん:02/01/03 22:46 ID:spRHpFup
DWIで診断が楽になってしまい、神経症候学がおろそかに
なりそう。
23卵の名無しさん:02/01/06 11:48 ID:J5Fjv/9a
24卵の名無しさん:02/01/07 23:26 ID:bki/7i9f
ADCのpseudo-normalizationってありませんでしたっけ。
25告らん:02/01/12 00:25 ID:vv42R8df
超遅レス スマソです

>>19
基本的に拡散が低下する病態というのは特殊で、ほとんどが超急性期の虚血です。
一般的には炎症では自由水の増加(拡散係数が高い)ためADCは上昇しますが、T2
が延長(高信号)となるため、DWIでは高信号となることが多いようです。
注:T2高信号はDWIの信号を上昇されます。ADCとは逆相関します。
MSのような脱髄疾患ではADCが低下する場合も上昇する場合もあるようです。脱髄
疾患のDWIの信号パターンは複雑ですね。

>>22
おっしゃるとおりですね。しかし、DWIの所見をあわせて見ることによって、神経
症候学の答え合わせもできますね。

>>24
脳虚血で完全虚血の場合、一旦低下したADCは48時間程度で正常組織と同程度にな
り、その後上昇するとされています。虚血組織で正常脳組織と同程度のADCを呈す
る瞬間があり、これをpseudonoumalizationといいます。
26瑠璃玻璃:02/01/12 00:41 ID:K4q8gr7J
25 の>>19
に対する補遺。拡散を X,Y,Z で検討するため、DWI では
TR が長くなりがち。このたDWIは拡散係数そのものに加え、
T2コントラストも乗ってくるのです(T2 shine through).
27告らん:02/01/12 18:59 ID:vv42R8df
>>10
「MRにおける拡散のすべて」 画像診断 20(11) 2000
この号の特集はかなり分かり易いです。

>>26
TR(繰り返し時間)ではなく、TE(エコー時間)ですね。
DWIのシーケンスでは、励起パルスを打ってから信号を取得するまでの間に運動検出
磁場という、一対の強い傾斜を持ち比較的長い時間かける傾斜磁場が挟まりますので
必然的にTEが長くなります(大体100msec前後)これはT2強調画像でのTEとほぼ同じ
ですので、DWIはT2コントラストも持つことになります。
28知んない:02/01/12 21:26 ID:Kn8Ezbaq
脱髄といったのは、一つには、神経線維(本来は繊維?)の走行に沿って拡散が違うというのを利用して、
虚血や炎症と脱髄を判別できるのかな、と思いまして。
虚血、炎症、脱髄などの組織病変の違いをMRのパラメーターで鑑別できるか、というのが最近のマイブームです。
29告らん:02/01/12 22:57 ID:vv42R8df
>>28
Diffusion Tensor Imagingのお話ですね。
脳の中での水の拡散は、内包や大脳脚のような線維が一定の方向で走っている部位では
その長軸方向に制限されます。これを「拡散の異方向性」といいます。
拡散強調画像のシークエンスは実はXYZの3方向に渡って拡散を検出しているというのは
>>26さんのレスにもあったとおりですが、Diffusion Tensor Imagingではこの拡散を
互いに独立な6軸にわたって求めることで、拡散の量と方向を保存した「拡散テンソル」
を求めることができます。これは純粋に定量的な指標です。

拡散の方向は線維の長軸方向に制限され、これは楕円球で表されるといったほうが良い
かも知れません。

この拡散テンソルから求めたれたいくつかのパラメーターが、線維密度や、ひいては白
質病変の診断の指標になるのではないかという試みが、いろいろなimaging centerで
研究されています。
30告らん:02/01/12 23:02 ID:vv42R8df
さて、脳脱髄疾患でのMR診断ですが、いま報告されているもので、T2強調画像よりも
詳細に診断できる可能性が指摘されているのは2つあります。

ひとつは前述のDTIです。ただし、白質の拡散は全ての部位で一様ではなく様々である
ため、コントロールが非常に難しいといえます。

もうひとつは、Magnetization Transfer Imagingで自由水強調画像ともいえるもの
です(MRAの元画像に近いといえます)。しかし、この画像はSignal-noise ratioの
悪い画像で、実際に目にしてみるとがっかりするかもしれません。
31卵の名無しさん:02/01/13 09:52 ID:Zzh0PlIk
   
32告らん:02/01/17 00:06 ID:ZOfiImbI
(すいません二重カキコにつきsage)
なお、24時間以内の虚血性脳血管障害を対象とした拡散強調画像の敏感度/特異度は
それぞれ88%、94%であり、さらに6時間以内に限れば94%、100%との報告があります。
この報告の時代よりもさらに良好な画質が得られるようになった現在は、もはや、脳
卒中は病歴とハンマーで診断する時代ではなく、あらゆる名医を拡散強調画像が凌駕
する時代です。

Clinical experience with Diffusion-Weighted MR in patients with acute stroke.
AJNR 19: 1061-6, 1998
33告らん:02/01/21 00:54 ID:yHfRmXZ3
dat入り防止age
34卵の名無しさん:02/01/22 02:48 ID:7PxKztuB
age

良いスレなんだけど、うちの当直先の病院じゃ夜間MRIおとしてるよ!
毎回CTじゃなあ。。。 認識不足、田舎hpのつらいとこです
35卵の名無しさん:02/01/22 06:16 ID:xI9Zl0ta
ってゆうか、DWIってゆがみすぎ
36卵の名無しさん:02/01/22 14:52 ID:mbIJcwOz
理論よりも画像が先行しちゃうなぁ、MRIは、、
でも便利なのは便利
37告らん:02/01/22 20:48 ID:+CVtOJ7r
>>36
 T2強調画像の白い黒いだけでもMRIは大抵読めちゃいますからね。便利です。
でも本来は、プロトン密度、緩和係数、拡散係数を想定しながら、組織の状態
(主に水の存在状態)を解き明かすことが出来ます。原理がある程度理解でき
ると読影ももっと得意になりますよ。
38Tc:02/01/22 20:54 ID:5CHgouTg
(閑話休題)

スレ違いですが。ニューロって事で。
今度アルツハイマー病の病変に対する特異的な probe
が開発されました(確か老人斑とかアルツハイマー原線維変化とかに特異的
集積する 18F の核種。今後は機能画像も栄えていくと思います。
その意味じゃニューロの画像診断って興味深いですよね。
MRI だって hyper-,hypo- だけでも情報は引き出せるでしょうけども
その hyper-,hypo- が異常なのか、正常なのか、異常だとしたらどんな異常なのか
を考える辺りが腕の見せ所ですね。
39クランケティ:02/01/22 21:06 ID:8dnWLosI
ところで告らん先生てどしてコクランてHNなんですか?
40告らん:02/01/22 21:06 ID:+CVtOJ7r
>>38
 MRIに関していえば、脳画像診断の分野で圧倒的に役に立ちますね。時折体幹の臓器
を撮像した絵を目にしますが、SPGRとかEPIで撮らざるを得ない場合が多く、脳の贅沢
なSNRの絵を日常的に見ている我々とすればがっかりしますね。

 SPECTの話は正直苦手です。数年前は大好きだったのですが・・・
 I123-IMZとか有用そうなtracerもあるはずですが、なかなか臨床現場までやってき
ません。どうなっているんでしょうね?
41告らん:02/01/22 21:09 ID:+CVtOJ7r
>>39
 EBM:evidence based medicine(科学的根拠に基づく医療)の信奉者だからです(藁
 この本家本元がcochrane libraryであり、そこから借用してます。
http://www.cochrane.org
42卵の名無しさん:02/01/22 21:15 ID:TeLdVzAS
diffusion studyがるーちんにできる施設って、どのくらいの規模なのですか?
私はいろいろろーてーとしましたが、全肝dynamic studyですらマトモにみたことありません。
43クランケティ:02/01/22 21:22 ID:8dnWLosI
レスありがとうございました!!
一度お聞きしてみたかったんです。そっか〜
アルファベットのHPよくわかんないけど海綺麗・・・・・
今後もご活躍きぼんぬ、です☆
44クランケティ:02/01/22 22:51 ID:8dnWLosI
あれは海じゃなくて川?・・・ずっと悩んでいる・・フィヨルドですよね・・・ん?
45告らん:02/01/22 23:46 ID:+CVtOJ7r
>>34
MRIは結構儲かるはずですので、稼動を上げるのは病院のためにもなると思いますが・・
超伝導磁石を使ったMRIは機械の電源自体は落とさないはずです。落とすと、ヘリウム
が漏れてくるような・・

>>35
DWIの撮像法、エコープランナー法ではこの歪みはどうしても出てきてしまいます。
歪みで病変が隠れてしまうときは、2方向撮ると良いです。

>>44
今年のCochrane Colloquium(行ったこと無いので分かりませんがやはりEBMの
学会でしょう)がノルウェーのStavangerというところであるようです。
ノルウェー西南の港湾都市で、大きなフィヨルドに接しているとのことです。あの
写真はフィヨルドでしょうね。
46知んない:02/01/23 00:08 ID:aQMGRzFj
>>38
これは全然知りませんでした。どういうものなのでしょうか?
老人斑はβアミロイド蛋白ですし、神経原線維変化の方は異常リン酸化タウ蛋白ですので、
同一物質で取り込みがあるとは思えないのですが。
ドーパミンレセプターとトランスポーターのSPECTに関しては少し関係していたのですが、
結局、直接治療につながらない(?)というような理由で、
当時の厚生省が認めてくれず、ポシャッてしまいました。
(radioisotopeは結構高いので、医療費の高騰が問題)
診断用というのはなかなか弱いのですが、アルツハイマーならなんとかなるかもしれません。
ただ、FDGもまだ売り物になってないし・・・
47Krankeキティ:02/01/23 01:33 ID:0nByAhAR
キが抜けてた・・  告らん先生レスありがとうございます

良スレ高揚に協力させて下さいっ&・・・ついでに質問っ
1)先生が今、読みたいけど時間がとれずに読めない本って何ですか?
(ご専門でも一般書でも)
2)2ちゃんねらになったきっかけ
3)最近こいつはすごいと思ったこと(ご専門でもその他でも)
・・・・・・・・全部お答え下さらなくてもいいんですが
スレが下がりそうな時に答えて頂けると今後の参考に(←何のだ)
なるかと思われますので・・・
明日以降どうかよろしく
4834:02/01/24 16:25 ID:GNzOBGpv
おおっ 告らん大先生のレスがっ

今度、技師さん捕まえてしばいてみます。システムだけが落ちてるのかも。
緊急MRAも撮れるともっといいだろうし。
#ちなみに当院では、embolismもCTおよびECGで判断しています。

そもそも急患時に技師さんを呼び出すシステムになっていないのです。
自分で機械立ち上げてMR撮れないとダメだなあ。宝の持ち腐れ。

やっぱ2chの諸先生方は、CTみたいに自分で撮れるんですよね?
49卵の名無しさん:02/01/25 08:36 ID:ZcoTdIbC
一方のperfusionはどうよ?
ていうか、すれ違いか。
50Tc:02/01/25 19:01 ID:MhVR+1FE
FDDNP は 18F でラベリングされた PET 製剤で老人斑、神経原線維変化
いずれにも高濃度かつ持続的に集積するものです。その分子生物学の詳細は知りませんが、
例えば、合成ベータアミロイドでは二つ以上の binding site が知られていています。故にそれは抗原抗体
反応で結合しているのではないようで、「特異的に」と表現したのは私の誤りでした。
詳細はこちらを↓

Am J Geriatr Psychiatry. 2002 Jan-Feb;10(1):24-35.

http://www.snm.org/about/press_releases/ioty_062501.html
http://www.diagnosticimaging.com/dinews/2002011701.shtml
http://www.psych.org/pnews/00-04-21/update.html
51知んない:02/01/25 23:08 ID:TosYeKz6
>>50
ありがとうございます。
毎日、毎日やってくる患者をこなしているだけの生活をしているとダメですね。
全然知りませんでした。また、勉強しなおします。
52キティ:02/01/26 11:16 ID:oUrZ6whz
キティのせいで告らん先生ここお見えにならなくなっちゃいましたね
ごめんなさい。
精神科の教科書スレで,興味をお持ちの事書かれてましたね。
告らん先生の事は皆さん注目されてるんですよね。
ぱーぷりんなキティにはbabylon.comでおべんきょしてきます
がっこの先生扱いしてすみませんでした。

53告らん:02/01/27 00:37 ID:Y7SlvQpY
>>48
 MRIよりも情報量は劣りますが、超急性期(おおむね6時間以内)を過ぎればCT
でも良く分かりますよ。理想は、DWIを含む緊急MRIがすぐできることですが、そ
の体制が整っていなければ、そうDWIにこだわることもないでしょう。後でゆっく
り撮ってください。
 重症脳塞栓症の診断であれば、CTでも十分でしょう。問題は梗塞巣の小さいも
のやすでに陳旧性の病変が多発している場合、超急性期、テント下などです。こ
ういった画像診断が難しいものではMRI、とくにDWIの威力が発揮されます。

>>49
pefusionですか・・・語りだすととまらなくなりますが・・

静的トレーサーを用いるPETやSPECTと比較して、dynamic studyに頼るperfusion
weighted imaging(PWI)は脳血流情報としては明らかに劣ります。しかし、急性期
に他のMRI検査のあとに直ちに追加し、撮像自体が数十秒で終わるところに最大のメ
リットがあるのです。

私はPWIは発症後少なくとも6時間以内しか意味がないと考えています。再開通による
ischemic penumbraの救援の可能性が残されているときに、Diffusion-Perfusion
mismatchを捉えるところに、まさにPWIの真価があるのです。
54告らん:02/01/27 00:46 ID:Y7SlvQpY
>>47,52
ここの>>1ですから(藁 このスレには来ますよ。

読みたい本・・・
うーん難しいなあ。最近仕事以外の本読まないし、読む気も起こらないので。ホント
雑誌くらいしかよまないアホになってきています。MRIのことを勉強したときに物理
の本を読み漁りましたが、またなんか読んでみたいですね。特に量子論の本を。

2chらーのきっかけ・・・
マジレスしていた某掲示板が2ちゃんねらーに荒らされたのが、ここを初めて知った
きっかけですね(藁 ほどなく医者板を覗くようになり、煽りのあまりの多さに嫌に
なって、マジレス専用キャラとして参加するようになったというところです(藁

こいつはスゴイ
柄にもなくスイス製の腕時計を買おうと思って、いろいろ調べてみたら、とんでもない
プライスタグがかかっていて、驚きました。4000万円超なんてのもあるんですね。
とりあえずスイス製にはなりましたが、その1/1000以下の値段の安物です(藁
55キティ:02/01/27 01:59 ID:crM+BL6/
告らん先生アホQに答えて下さって本当に嬉しく思います。
ここの先生方、皆さんが告らん先生の事
一目も二目もおいてらっしゃるんですよね
どんな方なんだろうとついつい余計な詮索をしたくなってしまう
ドキュソな読者ですみません。

あ〜の〜・・・あとひとつだけお聞きしたいんですが・・・ごめんなさい
先日、ちょっとした質問で難解な数式解いていらっしゃいましたが
告らん先生なら金融工学の
ブラック=ショールズ・モデルによるオプション価格の計算式なんてのも
楽勝だと思うんですがマネーゲームには興味ないんですか?
どうみてもお医者さまのが大変そうな気がするんですが。
お医者さまになろうと思われた動機・・・もしよろしかったら
教えていただけますか?ほんとにあつかましくてすみません。
以後自重しますのでお許し下さい
56卵の名無しさん:02/01/27 02:22 ID:WRjza1S9
うちのびょういんはびんぼうなので、T2WIは高速撮像できないので、すごくじかんがかがります。
だからDiffusion-Perfusion mismatchってよくわかりません。

57卵の名無しさん:02/01/27 22:48 ID:1VQ9lFr7
告らん先生、Tc先生、いつも勉強させていただいております。

うちの病院は建物が小規模なので、夜間の緊急MRIは
病棟婦長に禁止されています。
いくら防音をしても、夜の静かな院内では確実に音が響きます。
よって、脳外以外でも交通事故による脊損など緊急MRを要するものは、
他所に送ることになります。

なお、0.5TのGE製SIGNA CONTORっていうやつで、
0.5Tのくせになかなかいい画像が撮れます。(DWIも)


58告らん:02/01/28 00:15 ID:sz4Cig48
>>57
そういう時はMRI装置をこれに買い換えてもらって、有無を言わさず夜間も検査しま
しょう(藁
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2001_03/pr_j0101.htm

私見ですが、GEの低磁場装置はなかなか優れモノだと思っています。0.2TのGEの
装置(open MRI)の絵を時々見ますが、さほど悪くありません。たぶん、静磁場の
均一性が高いのだと思います。
59告らん:02/01/29 02:27 ID:0XVCsl31
>>55
 えーブラック・ショールズ式は名前だけは知っていましたが、改めて見てみると
全く理解できません(藁 医者なんてそんなもんです。専門の外に一歩出るとアホ
です。
 恥ずかしいのでsage
60キティ:02/01/29 12:28 ID:omWeeFsH
職場から昼休みに乱入します。
仕事柄オプション取引、デリバティブやら詳しい人まわりに
いっぱいいます。彼らは頭脳明晰なんでしょうけど・・・
告らん先生のがいいです(笑 レスありがとうございました。
横レスなのでsageで
61卵の名無しさん:02/01/29 15:52 ID:om0Io20y
ブラック=ショールズ・モデルによるオプション価格の計算式、
オプション取引、
デリバティブ、

あげてくれるのはかまわんが、
このへんのどこがDiffusionに関係するんだよ。
医者になった動機、も別スレがあるだろ?
62キティ:02/01/29 17:23 ID:bUW62DwB
下げたつもりだったんです、お怒りごもっとも。これからROMに徹します
(告らん先生ごめんなさいっ)
63告らん ◆EBM.erVI :02/01/30 00:42 ID:SJI6dZCR
えーと、話を戻します。
>>56
ひょっとしてT2WIはFast SpinEcho法ではなく、SpinEcho法のままですか?それは
なんとかしたいですね。たぶんその時代の機器であれば拡散強調画像は無理です。
高度に均質な静磁場。立ち上がりが十分に早く、安定し、大きな傾斜磁場を発生でき
るコイル。高速に画像処理ができるワークステーション。拡散強調画像が要求する機
器スペックは高く、実現可能なMRI機器が普及しだしたのはここ数年のことです。

何度も書いているように、脳卒中診療に拡散強調画像は極めて有用です。もし、先生の
病院で多くの症例がこなせるのであれば、予算を要求してみるのがいいかもしれません。
64卵の名無しさん:02/01/31 23:14 ID:ijG4QdOn
告らん先生ってMRSにはあんまり興味がないの?
65告らん:02/02/01 01:06 ID:whmqgehz
>>64
いえいえ、MRSにも興味はあります。特にdiffusion spectroscopyにはものすごく・・・
勉強が追いついていないだけです(藁
66がぞうや:02/02/01 11:35 ID:sbfeHoGz
>>37
原理とかはわかるので余計にいろいろ考えちゃうんです。MRIの画像形成
アルゴリズムは現状ではまだ能力不足のところがいっぱいあって、画像に
しちゃうとわからないんですが、生データの段階ではRMSと均一性がひどい。
これは計算アルゴリズムとプログラムの問題だったりします。
でも、DICOM画像にする段階でフィルターかけられてしまうし、ドクターの目
はそれを補正してくれているので診断になるんですね。
だいぶ前にMRSの生データ見てたことがあって、(7Tのやつ。ばれそーだな(^^;;)
データがめちゃめちゃ暴れても画像にはなってしまう、、でもこの暴れが元で
diffusion spectroscopyの可能性もあるということはわかっていました。
まこんなもんです。
私自身は診断はほとんどしないし、メインのフィールドが一般画像測定解析で
放射線の専門ではないから2チャンネルだとしてもこういう話題があるのは
楽しみです。いろいろ沢山書いてくださいね>告らんさん
内部の演算は32ビット以上でやってね>メーカーさん
67卵の名無しさん:02/02/02 23:33 ID:5ZAq7wA0
優良スレ揚げ
68告らん:02/02/03 01:11 ID:B7MDOCHR
最近は機械の性能が上がってきて、新しい概念がどんどん導入されるもんで
勉強が追いつきません。内科の臨床医ですから、物理・数学を駆使しながら
MRIの原理を勉強するのは大変です。
high-b image, q-space このあたり説明できるかたいらっしゃいませんか?
69告らん ◆EBM.erVI :02/02/05 00:22 ID:3cIuQFFh
>>66
実際にMRI機器をいじっていると、ソフトウェアの改善でここはもっと上手くいくのになあ
というところは多々あります。この機械はやはり技術の粋で、超伝導コイル、傾斜磁場コイ
ルだけにとどまらず、データ処理の能力も機械の能力に大きくかかわってくるのだなあと実
感できます。

とはいえ、われわれ臨床医にとってはMRIはブラックボックスです。画像診断はともかく撮
像原理に関しては素人ですので、いろいろ教えてください。私はとても興味があります。
70がぞうや:02/02/05 15:49 ID:61tOmz+E
私もかつては臨床医のはしくれだったんですが(まあ今でもやっていますが)
アナログハードウエアや数学は苦にならないものですから、いつのまにか
医学関係の画像ばっかりやることになってしまいました。著書もあるので
詳しく書くと身元がばれてしまいます。(^^;;
MRIは私にとってもブラックボックスであることにはかわりありません。
なにしろメーカーは細かいアルゴリズムは教えてくれませんから。
ノウハウもあるんでしょうがそれで診断しろというのもねえ。
T社とG社は技術屋さんにあっていろいろ話をしたことがあります
が、相当画質を良く見せるための工夫というか、禁断の術を使っているよう
です。書いたらおこられそうだなぁ。
とりあえず文献さえあれば理解して噛み砕いてわかりやすく説明するのは
得意技です。high-b image、q-space は文献探してみます。
71卵の名無しさん:02/02/05 16:03 ID:77+tp1y/
世の中はq-spaceかア
俺らはKspaceの時代だからなあ・・・
進歩したなあk,l,m,n,o,p.....
72告らん ◆EBM.erVI :02/02/06 00:53 ID:+px1miSM
いままで、DP mismatchの重要性は再三主張されてきましたが、明確に臨床的な有用性が
示されたものは、私の知る範囲ではありませんでした。でも、凄いstudyが出ました。

Warach S. Thrombolysis in stroke beyond three hours: Targeting patients
with diffusion and perfusion MRI
Annals of Neurology 2002;51:11-13

Parsons MW, Barber PA, Davis SM. Diffusion- and perfusion-weighted MRI response
to thrombolysis in stroke
Annals of Neurology 2002;51:28-37
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/89012257/START

NINDS rtPA stroke study groupは3時間までの非出血性虚血性脳血管障害に対
するalteplaseの有効性を証明しましたが、3時間を越えた症例については今のと
ころ明らかな有効性は示されていません。NINDS studyの後で行われたATLANTIS
studyでは3-6時間経過した症例へのrtPAの投与は行うべきでないと結論していま
す。しかし、このstudyではDP mismatchを認める例のみに限定し、3時間を超え
6時間までの症例にalteplaseの投与の有効性を示しています。

DWI、PWIの有用性は更に高まり、血栓溶解を受けられる症例は更に広がりました。
革新的です。
73告らん ◆EBM.erVI :02/02/07 23:44 ID:Cb+Nwja+
>>70がぞうや先生
q-spaceについては、マジでお願いしたい・・・さっぱり分からない上に初学者
向けの文献も見つかりません・・・
74がぞうや:02/02/08 17:42 ID:Zh43B+o0
うちでもなかなか論文が見つかりません。MRIっていつもこうなんですよね。
所見とかの論文はいっぱい出るのに。もっと物理系の論文たたかないと
だめかな?OnlineのMedlineではabstractまでしか出ないので、余計に
探すのが大変。Yale大学のサーバーにすこしだけ解説がありましたが、
これだけではよーわかりませんでした。
75卵の名無しさん:02/02/10 12:57 ID:NFYnlF0M
   
76告らん ◆EBM.erVI :02/02/11 23:36 ID:QlruxlZ6
>>74
わざわざありがとうございます。
学会で勉強したほうが良いでしょうかね、ISMRMでも逝ってみますか・・・
77卵の名無しさん:02/02/13 09:18 ID:vpFBZAWa
    
78ぺん:02/02/15 23:56 ID:PgP3fwzt
まだまだMRIについてもDiffusionについても勉強中のぺんと言います。
一生懸命勉強はしてるんですがなかなか難しいです。ほんと。
今度大学4年になるので卒業研究でdiffusionについてやりたいと思っているので
まだ知識として未熟な私によろしければみなさんのすばらしい知識を分けてください。
特に私は技師目指して勉強中なので臨床的な知識がかなり不足しています。
よろしくお願いします。

テーマもまだはっきりしてないんですがなんらかの疾患のdiffusion画像
(まだ疾患は決めていません)と正常diffusion画像をSPMで解析すると
いうものです。かなり難しいと思います。
でも努力すれば可能ならできる限り頑張ってみたいんです。
みなさんの率直なアドバイスお願いします。m(__)m
79荒野の呼び声:02/02/16 00:03 ID:jNzc4WuX
>>78
こんな終末の偽医者博覧会で聞いてねぇで
よい子の家庭百科で調べろよ
偽医者に屎ね言われたらてめー指示通り屎ねよ!
80パルス開発者:02/02/16 00:21 ID:gjeYazz3
>>78
世の中79のような人もいるけど気にせずな
この分野については海外の論文頑張って読むのみ
81ぺん:02/02/16 00:27 ID:WVJk7RHn
>>80
早速助言ありがとうございます。
Brainに載ってたものをまず必死に読みます。

82告らん:02/02/16 21:08 ID:W5VfQHcl
>>78
brainとかneurologyとかStrokeに出ているMRIの話題は、はっきり言って最先端
からは遅れています。こちらのリンク集をどうぞ。

【international society of magnetic resonance in medicine】
http://www.ismrm.org/

【Journal:Magnetic Resonance in Medicine】
http://www.interscience.wiley.com/jpages/0740-3194/

【とりあえず日本語なら】
http://teleradiology.jp/MRI/

他にもたくさんあります。
83告らん ◆EBM.erVI :02/02/18 01:17 ID:B8j9NB3+
>>78
べんさん

えーと、技術的側面には十分な知識がありませんが、なにかお役に立てるかも知れ
ませんので、いくつか思いつくまま書いてみます。

まず、「Diffusion画像」ではありません。MRIで得られる運動検出磁場を印加して
撮像される画像は、拡散【強調】画像です。なぜ強調の二文字が入るかというと、確
かに拡散係数(D)が最もコントラストに影響するものの、T2やプロトン密度、灌流や拍動
体動も画像に大きな影響を与えるごちゃ混ぜの画像ですので、こう呼ばざるを得ません。

MPGの印加時間、傾斜の強さを変化させて、複数の拡散強調画像を撮像し、拡散係数を求
めればT2の影響を除くことが出来ますが、それでも灌流や拍動や体動の影響は不可分です
そのため、MRIから計算された拡散係数は「見かけの拡散係数(Apparent Diffusion
Coefficient;ADC)」と呼ばれます。

更に難しい問題があります。運動検出磁場のかけ方で一意に決まる物理量がb-factorで、
これを高くすれば高くするほど速い拡散の動きを抑制することができるのですが、bをい
ろいろに変化させることで、ADCが変化することが分かっています。例えば、小さなbの範
囲では大脳皮質と白質のADCはほとんど同じ値をとりますが、大きなbでは、皮質のADCより
も白質のADCがずっと低いことが分かっています。

これから先MRでの拡散の研究をするのならば、高いbを用いた研究を進めます。低いbを用
いた疾患対象の拡散の研究は既に1990年代初頭からかなり詳細に行われており、既に広く
応用された分野です。しかし、高いb(臨床機での1000前後よりもずっと高い5000以上の
値)での拡散強調画像やADCの研究はまだ正常例で始まったばかりです。

これには高い機器性能が要求されますが、もしそれが使える環境であれば、是非やってみて
下さい。
84告らん ◆EBM.erVI :02/02/22 02:44 ID:11apJ8/z
ageさせて
85告らん:02/02/23 23:21 ID:MAAOMN3F
Fast Spin Echo法で拡散強調画像を撮像するという趣旨の文献を読みました。

もともと拡散強調画像はSpin Echo法で撮像されていましたが、あまりに時間が
かかりすぎて実用にならず、Echo Planar法と組み合わされて初めて常識的な時
間で撮像できるようになった経緯があります。FSE法でのDWIではあの手この手で
高速化を試みているようですが、それでも45分くらいかかるようです。

しかし、歪みがなく、磁性体金属のアーティファクトも少なく、SNRも良好と、
とてもいい感じの画像です。心引かれる絵でした。

ヲタクな話につき、下げ
86卵の名無しさん:02/02/24 10:26 ID:Nn26cnUJ
         
87卵の名無しさん:02/02/28 08:15 ID:U5nr/NJs
  
88卵の名無しさん:02/03/02 23:16 ID:TGyalQAt
90度パルスage
89告らんふぁん ◆EkUMUnEE :02/03/03 11:00 ID:481nIs8i
定期sage
90卵の名無しさん:02/03/03 14:05 ID:QN1tYP25
age
91告らん ◆EBM.erVI :02/03/04 00:21 ID:D/kMoMaq
リンクの紹介
http://teleradiology.jp/MRI/
MRI自由自在/応用自在(良書です!)の著者、高原先生のhpです。とても参考に
なります。
92卵の名無しさん:02/03/08 10:38 ID:AwJ+vv/Q
メンテ
93がぞうや:02/03/11 16:30 ID:0xHpQvi8
MRIのお勉強になりますねえ。少し診断のお勉強もしようかなぁ?
なにしろ卒業時にはまだ大学にMRIがなかったので(びんぼー大学)
よその病院の症例しか見たことなくって、、

ぜんぜん関係ないですが、新しいセンサーのサンプル配布が始まった
ので画像診断の幅が増えるかもしれません。そのうち雑誌にでも書こう
かな、、
94告らん ◆EBMRIGas :02/03/13 00:51 ID:hVyP1X70
拡散強調画像の世界にもSENSE(ASSET)が応用されそうですね
Improved diffusion-weighted single-shot echo-planar imaging (EPI) in
stroke using sensitivity encoding (SENSE).
Magn Reson Med 2001 Sep;46(3):548-54

高いb-factorをかける場合のSNRの確保はなかなか苦労しますので、期待しています。
95がぞうや:02/03/14 16:23 ID:6tt47vgt
やっとMRIの開発やってる後輩がつかまったのでいろいろ聞いてみます。
96告らん ◆EBMRIGas :02/03/17 01:02 ID:rvTZGoap
>>95
おおっ。それはよろしくお願いします。特にq-space MRIのことなんかを・・・
97がぞうや:02/03/19 00:08 ID:J+MVvwAT
とりあえず、海外からかえってきたので、先ほど電話で文献を
お願いしておきましたので、あとでわかると思います。
それから、MRIの価(画像の輝度にあたる数値)ですが、やはり
有効数値は2桁。これ以下の比較は無意味だそうです。おおきな原因は
やはり磁場の平面精度。すでに量子化された価なので、ヒストグラムは
有効でも、平均して精度があがるわけではないということを確実に
頭に入れておかないと痛い目にあいます。というわけで有効数値以下の
比較をしている論文とかあったら容赦なくこきおろしますので、
覚悟してください。って、これは別のところで質問されたんだっけか?^^;;
98告らん ◆EBMRIGas :02/03/22 23:48 ID:OQBFfsNR
>>97
遅レス申し訳ありません。いろいろありがとうございます。

有効数字2桁というのは実感しますね。一見均一に見える組織でも、ROIをちょっと
動かすしただけで、平気でパーセント単位の揺らぎがでます。所詮画像診断の定量
性とはそんなものかとも思っております。

文献のご紹介楽しみにしております。
99卵の名無しさん:02/03/29 06:28 ID:brtIY3z9
2ちゃんねるらしからぬ非常に有意義なスレなので、あげ。
ところで「がぞうや」=T原先生?
100告らん ◆EBMRIGas :02/03/31 23:44 ID:6o5TU0iz
>>99
T原先生には一度お会いしてみたいですね。
101がぞうや:02/04/02 12:02 ID:hIRxdVFj
>>99
残念ながら私はT原先生ではありません。私の正体は、、なんでしょう?(^^;;
私の書いている本はおそらく放射線関係のところには並んでいないので
放射線科ではメジャーではないと思います。どちらかというと生化学の
ところにあるかな?実***とかいう雑誌出してる出版社です。
これ以上書くと確実にばれるな、、
102がぞうや:02/04/02 18:56 ID:hIRxdVFj
ROIを移動したときの揺らぎは、ボケ関数を大きく取ってアンシャープマスク
かけると、近傍ではかなり改善するはずです。もしくはハイパスフィルタで
すね。ようはベースのDC成分をキャンセルするといい値が出るはずです。
メーカーのソフトでもやっているはずなんですが、難しい技術みたいです。
そういえばMRIのファントームの論文で、ファントームの精度を無視して
出てきた画像の寸法精度を論ずるというとんでもない論文見たことあります。
100歩譲ってファントームの精度が画像の精度を上回っていたとしても、
そのピクセル値がROIを動かしても揺らぎが0.1%以下ってどこのMRI
つかってるんだ?
103ぽりくり:02/04/02 19:00 ID:EOsVtGDG
ここってすげえ面白いね
104告らん ◆EBMRIGas :02/04/07 23:22 ID:xGyf806v
1日1レス拡散強調画像の歴史(藁

NMR装置を用いて拡散が観察できると理論的に確立されたのは、意外に古く、MRI黎明期の
1977年である。StejskalとTannerはスピンエコー法のシーケンスに運動検出磁場(Motion
Probing Gradient; MPG)と言われる一対の向きが反対で同じ大きさを持つ傾斜磁場を印加
することにより、拡散による信号低下を強調できることを示した。

十分に高く、均一な静磁場の中では、プロトンの磁気モーメントは一定の角速度で独楽のよう
に回転している。この回転周波数をラーモア周波数と呼び、

ω0=γB0(ω0は角速度、γは核種によって定まる定数、B0は静磁場強度)

で表される。
1次元の直線状に整列するプロトンをモデルにして考えることにする。ここに傾斜
勾配Gを持つ傾斜磁場を印加し、原点からxだけ離れた地点の磁場強度が、

Bx=B0+G*x

に変化するものとする。このときのラーモア周波数は、

ωx=γ(B0+G*x)である。

一定時間tの印加後に反対向きの傾斜磁場を同じくtだけ印加する。静止したプロトン
の場合はその位相変化dPxは

dPx=γ(B0+G*x)t+γ(B0-G*x)t=2γB0

で表され、双極傾斜磁場の影響が無いことが分かる。ところが、一定速度Vで原点から
離れていくプロトンの場合は、

dPx=γ(B0+G*(x+v*t/2))t+γ(B0-G*(x+v*t))t=2γB0-γGvt^2

となり、静止しているプロトンとは位相がずれる(分散する)。位相分散により、横磁化
の消失が促進されるため、信号はより早く消失する。すなわち、拡散の早い組織の信号低
下を強調できるのである。
105がぞうや:02/04/08 14:33 ID:N36dVabY
High B Imageは,diffusionのB factorを大きくした撮像ということで、
B factorは傾斜磁場のかけかたで変化するもので,大きいほどdiffusionが
enhanceされることになります。が、位相分散による信号の消失速度は
いろいろなファクターで変化しうるものなのでその時によって、または部位
によってその都度調整しなければならないためあまり定量的でないようです。
定性には問題ないと思うのですが、、
ちなみに私の理解ですとB factorを強調しすぎるとザラザラでボケボケの
S/Nの悪い画像になるはずなのですが、いかがですか?
106告らん ◆EBMRIGas :02/04/08 22:39 ID:egtOxzMd
>>105
がぞうや先生
いや、拡散テンソル画像(拡散異方性を定量できる)とかで綺麗に左右差の無い画
像とか出てきますから撮像条件をきちんと決めるとなかなか定量性も捨てたもので
はないですよ。健常例のFAが内包で0.7くらいで安定します。
b-factorを高くしていくと、より遅い水由来プロトンからしか信号を取らないので
全体の信号は低下します。当然SNRは低下しますね。これを克服するには加算をかけ
ていくのが一般的ですが、傾斜磁場コイルの性能が信頼できる装置では、できるだけ
運動検出磁場の傾斜をきつくしてTEを短縮するのが有効です。b=3000でTE130msと
TE100msではSNRが大違いです。
もうひとつのやり方はEPIを捨ててしまうことですね。撮像時間は10倍くらいにな
りますが(藁 PROPELLERとかHASTEを使えばSNRの良い歪みのないhigh b image
が実現できます。時間さえかければですけど。
107告らん ◆EBMRIGas :02/04/08 22:52 ID:egtOxzMd
では1日1レスいこー

拡散は生体内では全ての方向に均一ではない。例えばZ軸方向(体軸)のみに運動検出磁場
を印加して脳拡散強調画像を撮像すると、脳梁が高信号になるが、x方向やy方向(体軸と垂
直)に印加するとむしろ脳梁は低信号になる。すなわち脳梁ではその神経線維の長軸方向に
活発に拡散するが、その垂直な方向には極めて拡散が遅いという異方性拡散をしていること
が分かる。
よって、一般的な拡散強調画像ではx-y-z-の3軸にわたって独立してMPGを印加した画像を
撮像し、それを単純平均することで異方性の影響をキャンセルしていると考えてよい。
>>104で示したのは1軸のみにMPGを印加する場合である。生体脳の拡散強調画像を撮像する
場合には3軸への印加が必要である。

では、当時ようやく可能となったスピンエコー法で拡散強調画像を撮像してみよう。
TR=4000、256マトリックスで撮像するとすると、
ある1軸にMPGを印加した拡散強調画像を撮像するだけで4*256=17分、3軸にわたって
撮像すると51分必要である。マルチスライスを活用して全脳20スライスを撮像したと
しても軽く一時間は越える。
要するにこのままではダメなのである。
108がぞうや:02/04/09 11:51 ID:CMUwPWLF
2次元への投影された情報を3次元へ拡張して異方性をなくすための演算は
ベクトルの積じゃなかったっけ?値が指数のままなら平均でも良いのか、、
どーもいつも扱っている画像とMRIではインデックスの作り方が違うから
難しいです。(^^;;
109  :02/04/09 12:07 ID:4VT5Mh3B
age
110告らん ◆EBMRIGas :02/04/13 22:25 ID:25X3foyH
1日1レスといいながら、えらく空いてしまいました(鬱 気を取り直して・・・

>>108
単純平均です(すいません、原典となる文献は探せませんでした)。ただし、拡散
現象を拡散テンソルとして扱う場合は複雑です。
拡散テンソルの楕円体(ellipsoid)を表す固有ベクトルをλ1〜λ3("→"がついていると
思ってください)で表すとします。(但し、λ1-3は互いに直行し、λ1>=λ2>=λ3)

この拡散テンソルを回転させ、x-y-z-軸に一致させる対角化を行い、
λ1(→)=(λ1,0,0)
λ2(→)=(0,λ2,0)
λ3(→)=(0,0,λ3)
とします。
この処理により、拡散テンソルの向きは失われますが、大きさと異方性は保存されています
よって、

【大きさの指標】
mean diffusibility(MD)=(λ1+λ2+λ3)/3
これが画像屋先生の言っていた異方性を無くすための演算だと思います。

ついでに

【異方性の指標】
fractional anisotropy(FA)
=rt(3/2)*rt((λ1-MD)^2+(λ2-MD)^2+(λ3-MD)^2)/rt(λ1^2+λ2^2+λ3^2)

rotational anisotropy(RA)
=rt(1/3)*rt((λ1-MD)^2+(λ2-MD)^2+(λ3-MD)^2)/MD

volume ration(VR)
=λ1λ2λ3/MD^3

で、VRはスカラー量の積となっています。

実際に我々が繁用する異方性の指標はFAで、これは0-1の連続変数(1が最も異方性が強い、
すなわち、白質線維路の密度が高く指向性が強い)です。VRは逆に小さくなるほど異方性が
強くなりますが、あまり使われていません。
111告らん ◆EBMRIGas :02/04/13 22:28 ID:25X3foyH
>>110
rt()は平方根のつもりです(補足
112告らん ◆EBMRIGas :02/04/13 22:41 ID:25X3foyH
>>107の続き

90°パルスで巨視的なプロトンの磁気モーメントを横(xy平面)に倒すと、完全に
均一な静磁場のもとでは横磁化は時定数T2に従って消失し、縦磁化は時定数T1に
従って回復する。1.5テスラでの脳実質の平均のT1は800ms、T2は200ms前後とT2
はずっと短い(横磁化が早く消失する。すなわち横緩和は縦緩和より速い)。

ところが、実際に90°パルスをかけた後には理論値の数倍の速さで横磁化が消失
してしまう。これは静磁場の不均一性が原因である。いくらMRIの超伝導磁石の
性能を上げ、磁場の均一性を高めても、個々の原子核が周囲の磁場をわずかに乱す
(局所磁場)のため、これだけではT2緩和を求めることができない。このT2よりも
ずっと短い緩和はT2*緩和(みかけのT2緩和)とされている。

しかし、90パルスをかけて、50ms後に(このとき既に横磁化はほとんど消失)180°
パルスをかけてみる。そうするとあら不思議、90°パルスの100ms後には一瞬だけ
T2緩和に従った強い信号が復活するのである。これがスピンエコーである。

通常のスピンエコー法のシーケンスでは、この信号の頂点の前後数msにわたって信号
を取得し、T2強調画像などを得ている。
113ふみふみ:02/04/14 10:41 ID:dQOJ+As6
Signa Coutour/i(0.5T)が来たので、試しにdiffusionやってみました。
b-factorの最大値が1200くらいまでしか設定できない事と、やはり
装置自体のSNRが低いせいか、バンド幅を目一杯上げても???という
程度の画質でした。これで超急性期の脳梗塞などで実際に使っている方、
おられますか?

0.5Tじゃあ、拡散テンソル画像なんて絶対に無理のようです。当たり前か。



114卵の名無しさん:02/04/14 10:48 ID:qG4/22Tz
 真面目に画像解析に取り組んでいる医師や技術者諸君には頭が下がるが、
実際稼働させている人間は収入アップが目的という解離があるね。
気の毒だよ。
115ふみふみ:02/04/14 10:53 ID:dQOJ+As6
>>113

今回の診療報酬改定でMRの単価がボロボロに安くなりましたしね。
稼働率を上げて患者さんへの待ち時間を短縮するほど、下がる報酬。

院内でも肩身の狭い毎日です(とほほ
116ふみふみ:02/04/14 10:54 ID:dQOJ+As6
>>114でした。ごめんなさい。
117ふみふみ:02/04/14 11:06 ID:dQOJ+As6
自己レスです。記載内容が不適切だったので訂正。

>0.5Tじゃあ、拡散テンソル画像なんて絶対に無理のようです。当たり前か。

MPG印可が、なぜかZ軸方向しかできないらしいんですね。
3軸かけても、画質的に見れたものじゃない(=臨床的に意味無し)からだと
思われますが。
118告らん ◆EBMRIGas :02/04/14 11:09 ID:5dxFn/RZ
>>113
0.5T装置では1.5Tの1/3しかSNRが確保できません。
拡散強調画像のSNRを上げるためには、

1.高いb-factorをあきらめる。
 DWIは900-1200のb-factorを推奨されていますが、経験的に1100以上では急に
SNRが下がります。900-1000程度にとどめるほうが良いでしょう。

2.TEを出来るだけ短縮する
 これが最重要かもしれません。

2.空間解像能力を下げる。
 256*256マトリックスはあきらめて、128*128マトリックスにすれば、SNRは4倍
に上がります。

3.位相エンコードステップ数を下げる。
 空間解像能のために周波数エンコードステップ数は128に設定しても、周波数エン
コードは96とかにしておく。T2* decayのため、位相エンコードを増やしてもk-space
の端のほうでは信号が無くなるだけです。
119告らん ◆EBMRIGas :02/04/14 11:11 ID:5dxFn/RZ
>>117
>MPG印可が、なぜかZ軸方向しかできないらしいんですね。
え、そんな馬鹿な・・・3軸に印加したほうが画質も良いはずですが。
ちゃんとhead coil使ってますよね?

>>118
番号が変だった。
120ふみふみ:02/04/14 11:46 ID:dQOJ+As6
>>119

告らん先生、速攻のレスありがとうございます(とても感激です)。

Contourのマニュアルには「Z軸方向のみしか印可できません」と書いてあります
ので、たぶんその通りなのではないかと。将来的にはバージョンアップするのかも
しれませんが、いまの時点では無理のようです。もちろんhead coilを使ってます。

シーケンスはGE推奨のをそのまま使ってみました。マトリックスサイズは
128*128で、b-factorが900、TEは具体的な数値は忘れましたが、MinFull
(half-echoを使わない可能な限りの最小TE)。

あと、susceptibility artifactが強いんですねえ。
これが画質劣化の最大のネックとなってますが、これって何とも
ならないものなのでしょうか? 
強磁性体の義歯などの有無にかかわらず、両側脳室前角周辺や、
中脳水道近傍に必ずと言って良いほど、発生します。

今後ともよろしくお願いします。
このスレ、荒らしがなくて最高ですね(笑)
121告らん ◆EBMRIGas :02/04/14 12:04 ID:5dxFn/RZ
うちの機械(Magnetom Vision-plus 1.5T)では
TR 8000
TE 97
b=1000
位相エンコードステップ 96
周波数エンコードステップ 200
確か、こんな感じです。
もし位相エンコードステップ数が128になっていれば、少しずつ減らしていけば
良いと思います。TEも短縮します。

susceptibility artifactの問題も位相エンコードステップを減らせば少し軽減
するはずですが、ある程度以上はどうしようもないと思います。
122ふみふみ
あげとこ