奈瀬明日美とほのぼのしない?

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796オリバー
まったく、自分の意志の弱さが、嫌になる。
「どうしたの? 気難しい顔しちゃってぇ」
僕との行為に満足した明日美が、くったくの無い笑顔を浮かべている。
結局、僕は明日美と結ばれてしまった。
そして、このただれた関係は、一回ではすまなかった。
もう、回数なんか憶えちゃいない。
初めの頃こそ拒もうとしたけど、他じゃあ味わえない快感と、
明日美のいやらしい笑顔には、逆らえなかった。
僕の畜生の本能が、拒むことを許さなかった。
「わかった、物足りないンでしょう? もう、君も好きなんだからぁ」
明日美は僕の悩みになんか気づきもしない。
僕のものを、嬉しそうに口に含む。
その途端、簡単に、あっという間に僕の薄弱な理性は吹き飛ぶ。
明日美はすっかり慣れた様子で僕を自らの中に導いた。
「あ、ああ……んん、んんぅぅ」
こうなれば、明日美だってただの獣だ。
明日美はあまり、声を出さない。無理矢理に声を抑えてるみたいだ。
だけどそれは、恥ずかしがってる訳じゃない。
声を出さない以外は、こちらが照れてしまうほど大胆なんだから。
聞かれたくないのか? いったい何を?
妙に冷めてしまっていた僕は、いつもより明日美の声に注意していた。
その時にはもう、僕は答えに気づいていたのかもしれない。
明日美が、僕に聞かせたくない、快感の正体に。
「あふぅ、ぅぅうぅ……もっとぉ……、いぃ……せんせ、い」

ああ、やっぱり……。
明日美が見ていたのは、僕じゃなかったんだ。

――つづく