まったく、自分の意志の弱さが、嫌になる。
「どうしたの? 気難しい顔しちゃってぇ」
僕との行為に満足した明日美が、くったくの無い笑顔を浮かべている。
結局、僕は明日美と結ばれてしまった。
そして、このただれた関係は、一回ではすまなかった。
もう、回数なんか憶えちゃいない。
初めの頃こそ拒もうとしたけど、他じゃあ味わえない快感と、
明日美のいやらしい笑顔には、逆らえなかった。
僕の畜生の本能が、拒むことを許さなかった。
「わかった、物足りないンでしょう? もう、君も好きなんだからぁ」
明日美は僕の悩みになんか気づきもしない。
僕のものを、嬉しそうに口に含む。
その途端、簡単に、あっという間に僕の薄弱な理性は吹き飛ぶ。
明日美はすっかり慣れた様子で僕を自らの中に導いた。
「あ、ああ……んん、んんぅぅ」
こうなれば、明日美だってただの獣だ。
明日美はあまり、声を出さない。無理矢理に声を抑えてるみたいだ。
だけどそれは、恥ずかしがってる訳じゃない。
声を出さない以外は、こちらが照れてしまうほど大胆なんだから。
聞かれたくないのか? いったい何を?
妙に冷めてしまっていた僕は、いつもより明日美の声に注意していた。
その時にはもう、僕は答えに気づいていたのかもしれない。
明日美が、僕に聞かせたくない、快感の正体に。
「あふぅ、ぅぅうぅ……もっとぉ……、いぃ……せんせ、い」
ああ、やっぱり……。
明日美が見ていたのは、僕じゃなかったんだ。
――つづく