ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.5

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1ほんわか名無しさん
◆このスレは何?
ツンデレの妄想でひたすら萌え続ける場です。どんな形でもいいのでアナタのツンデレ妄想を垂れ流してください。
◆前スレ
ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.4
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1364278901/
◆過去ログ置き場
http://www.tndr.info/
◆Wiki(過去ログ置き場以前の過去ログ・更新停止中のまとめ等もwiki参照)
http://www45.atwiki.jp/viptndr/pages/1.html
◆ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら 専用掲示板
http://jbbs.livedoor.jp/computer/21510/
◆うpろだ
http://tunder.ktkr.net/up/
http://www.pic.to/ (携帯用)
◆お題作成機
http://masa.s23.xrea.com/
http://maboshi.yh.land.to/tundere/
◆規制中の人向け、レス代行依頼スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/21510/1275069975/
2ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 04:45:07.55 0
おまんこ。
3ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 04:45:59.42 0
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは?じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「??アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry

山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。

※名前の由来などについてはまとめサイト参照

・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう
4ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 07:18:39.23 0
おつおつ
5ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 09:11:09.96 0
知らないうちにツンデレも細かいルールができてたんだな。
べ…べつに興味があるわけじゃないんだからね!!
6ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 10:52:32.67 0
>>5
まぁ自分の正義を貫くのが一番さ
7ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 19:37:56.58 0
僕っ子の頭ワシャワシャ〜ってしてあげたい
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2764.jpg
8ほんわか名無しさん:2013/07/21(日) 20:53:35.15 0
いつになく素直だな!!

GJ!!
9代行スレ743-746:2013/07/22(月) 08:21:56.14 0
『おきろ…早くおきろ…』

「ん、何だ?」

「って、ちなみか。何だよ?」

『実は…』

「あれ?俺こんなに声高かったっけ?」アーアー

『その事で説明がある』

「嫌な予感しかしないが説明してくれ」

『科学と魔術の融合により完成した秘技によって、タカシは女体になってしまった』

「しまった、じゃねーよ!!」

「ちょっと待て!本当に女体じゃねーか!」

「ないんだけど!俺の素敵ハテナ棒がないんだけど!」

『すっきりしてよかったね☆』(キラッ)

「巫!山!戯!ん!な!」

━落ち着くまで暫くお待ち下さい━
10代行スレ743-746:2013/07/22(月) 08:26:44.90 0
「あー疲れた、結局時間がたてば戻るんだな」

『うん…あと96時間くらいで戻るはず』

「無駄に長いな。そんで、なんで俺全裸なの?」

『私の服はサイズが合わない…それに私の服を着てほしくない』

「まぁごもっともだな。てぇことは俺はあと四日間全裸ですごすのか?」

『それは大丈夫…人に頼んで服を持ってきてもらう』

「誰に頼んだんだよ」

『委員長』

「マジ?」

『マギ?』

「モルジアナ可愛い。」

「じゃなくて、よりによって委員長か。俺委員長苦手なんだよ。」

『そうなの?』

「何かにつけて文句言われればな、嫌いって訳じゃないんだけど、苦手だな」

『まぁ…こうなるよね』

「何がだよ」
11代行スレ743-746:2013/07/22(月) 10:23:46.65 0
『来たかな…少し待ってろ』

「そもそも全裸だ、出歩けねーよ」

キュウナハナシナノニアリガトウ
ナニヤッテルンデスカチナミサン
ハナシハアトデマズハフクヲ

[あなたですか、ちなみさんに服を消し飛ばされ人は?]

「え?委員長、俺は『そう…科学と魔術の融合が失敗して服が弾けとんだ』

「えぇー」

[服のサイズは大丈夫ですか?]

「え、うん、多分大丈夫。それよりも着ていいの?」

[?、勿論大丈夫ですよ、その為に持ってきたんですから。]

「…………ありがとうございます(ばれたら確実に殺されるな)」

━女体化男着替え中━

「落ち着かない」

[服の趣味が違いました?私の服、地味なのばかりでしたし]

「いや、そうじゃなくって、」

[???]
12代行スレ743-746:2013/07/22(月) 10:25:59.98 0
[あの、初対面の人に言うことじゃないかもしれないんですが、]

「相談?おれ…私でよければ相談にのるよ。」

[ありがとうございます!あの、その、クラスに、ですね、えと、]

「(相談ってなんだろう、俺が鬱陶しいとかだったらショックだな)」

[す、好きな人がいるんです!別府タカシっていう人が好きなんです!]

「なっにい!」


ベップクンニイツモヒドイコトヲイッテシマッテ
タブンキニシテナイトオモウヨタブン
スナオニナレナイジブンガキライデ
アナタハヤサシイシカワイイカラダイジョウブダヨ

『予想以上の超展開になってしまった…今は反省している。』

〜終われ〜
13ほんわか名無しさん:2013/07/22(月) 11:00:03.45 0
終わりかよ!!
乙乙
14ほんわか名無しさん:2013/07/23(火) 00:06:19.99 0
待て待て
ちなみんの立場はwww


あと、早速だがちょっと長いの始めます
まずは4レス
151/4:2013/07/23(火) 00:08:16.48 0
・付き合ってもいないのに男と公認カップル扱いされ続けていい加減ウンザリしているツンデレ

『あのさ。今度の理科の宿題、どーしよっか?』
『あれでしょー? 家庭で出来る実験だから、レポート書いて来いっての。めんどくさい
よねー。材料も集めなくちゃいけないし。友子、一緒にやらない』
『いいよいいよ。じゃあ英子と、ちーちゃんも誘ってさ。土曜日にやろうか』
『そーしよっか。終わったらお茶しようよ。みんなで持ち寄ってさ』
 友人達のテンション高い会話をよそに、静花は帰り支度を進めていた。すると、そこに
彼女にも声が掛かった。
『ね。委員長も一緒にやろうよ。委員長がいると、何かと手際よく進むしさ』
 誘いを受けて、静花は顔を上げた。ショートボブの活発そうな女子が、彼女に笑顔を向
けているのを見て、静花はちょっと考え込む。
『そう……ね。一人でやっても味気ないし、特に予定も入ってないから――』
 承諾しようとしたその言葉に割り込む声があった。その主は、ポニーテールに結った、
別の友人だ。
『ダメよ英子。委員長にはさ。一緒にやる人がいるんだから』
 意味有り気な表情で、その友人は教室の後ろの方に視線を投げた。その先には男子生徒
が何人か集まっている。
『あ、そっか。私ら声掛けたら、委員長の事だから気を遣ってこっち来るもんね。ホント
は別府君と約束してるのに』
 英子と呼ばれた子が、気が付かなかったとばかりに言うのを、静花は冷静に否定した。
『してないわよ。そんな約束』
 しかし、そんな彼女をよそに、友人達はてんでに話を進めてしまう。
『家で二人でやるつもりなんでしょ? 私が準備してるから、貴方は材料を買って来て。
いい? 余計な物を買ってきたりしたら承知しないわよ。とか言っちゃってさー』
『厳しい事言って、嬉しい気持ちを隠してるのよね。委員長ってば、本当にクールなんだ
から。でも、男子にはさ。時々優しくしたり甘えたりするのも、私は必要だと思うんだけど』
162/4:2013/07/23(火) 00:09:50.80 0
『わっかんないわよー。夜になるとさあ。甘えた声で、お願い……もっとしてぇ……とか
おねだりしちゃったりして。クール美人が一転して、ベッドの上では甘えん坊な女の子に
なっちゃったりしたら、もう別府君もコロッと行っちゃうよね』
『貴方達。いい加減にしないと刺すわよ』
 シャープペンの先をキラリと光らせつつ、静花は凄んで見せた。一瞬引いた友人達だっ
たが、すぐに宥めに掛かる。
『まあまあ。そんな怒らなくても。冗談だから、冗談。少なくとも最後のはさ』
『ホントに別府君と約束してないの? だったらあたしらと一緒にやろうよ。ね?』
『委員長。いくら頭に来ても犯罪行為はいけないわ。少し落ち着いて。ほら』
『誰のせいで頭に来てると思ってるのよ、全く』
 シャープペンを布製の文房具入れに放り込むと、ジッパーを締めて静花はそれをバッグ
にしまう。それを見つつ、ポニテの子が僅かに不思議そうな顔で首を傾げた。
『でもさー。あたしらの前だからって、無理する事ないと思うけどな。今時、彼氏の一人
や二人いたっておかしくないと思うんだけど』
『そうそう。友ちゃんだって、山田君と……ねえ?』
 同意しつつ、友ちゃんと呼んだポニテの子に意味有り気な視線を送る英子に、友ちゃん
――友子が慌てて否定しだした。
『ちょ、ちょっと待ってよ。アイツとは新聞部で一緒なだけだってば!! 同学年ってア
イツと二人だけだから、それでよく一緒にいるってだけで、別に付き合ってるとかそんな
んじゃないし』
 しかし、それを照れ隠しと看破した英子が、憂鬱そうにため息を吐く。
『ハア……そっちもなんだ。いいなあ。私も素敵な男の人とちょっとしたロマンスが欲し
いなあ。委員長みたいにさ』
 羨ましげな視線を受けて、静花は不機嫌な顔つきで英子を一瞥すると、吐き捨てるよう
に答えた。
『私にだって何もないわよ。貴女達が仕組んだ擬似ロマンスを除けばね。いい加減、彼と
は何もないって言ってるのに、勝手な妄想を既成事実にするの、止めてくれない?』
 しかし、友人達は揃って、ないないと首を横に振る。
173/4:2013/07/23(火) 00:11:43.89 0
『だーって、ねえ…… 夜の十時になってもさ。別府君、家に帰ってなかったんでしょ?
それはもう……何かあったとしか考えられないよねー』
 一人の言葉に、周りは一斉にウンウンと頷く。いつの間にか、英子と友子だけでなく、
ゴシップ大好きな他の女子も混じって来ていた。
『絶対言ってるよ。別府君……お願い、寂しいの……傍にいて……ってさ』
『分かる分かる。風邪引くとさ。やっぱ不安になるもんね。何か、まだまだ先なのに、年
取ったらの事とか考えちゃったりさ』
『そうなのよね。それでさ。お願い。一緒に寝てくれる? 貴方にギュッて抱き締めて貰
えると、安心するから……って。私が男なら、その一言で間違いなく落ちるわ』
 勝手におしゃべりを続ける友人達を前に、怒りをこらえて静花は奥歯をギリッと噛み締
めた。フーッと息を吐き出し、全員を睨み付ける。
『い……いい加減にしなさいってば。これ以上続けるなら本当に容赦しないわ。密かに全
員のお茶に毒を混ぜるわよ。この間、トリカブト殺人がうんぬんって昔の事件特集みたい
なのをテレビでやってたから、実験にはちょうどいいかもね』
 殺意を向ける彼女に、友人達は再び宥めに掛かる。
『わ、分かってるってば。じゃあさ。委員長の家で集まろうよ。私達みんなで美味しいス
イーツ買って来るからさ。ね、ね? それで機嫌直して。今日はもう言わない。ね?』
『じゃあ、明日は言うって事? だとしたらやっぱり……』
 鋭い視線で殺意を送る静花を宥める友人たちに、静花は絶対この子達懲りてないな、と
諦めのため息を漏らすのだった。


「それじゃあ、今日の委員連絡会議はこれで終わりです。皆さん、お疲れ様でした」
 生徒会長の声が掛かると同時に、会議室に解放感が流れる。
「いやー……終わった終わった…… 全く、疲れるぜ……」
 ウーン、と伸びをしてタカシは立ち上がると、隣で筆記用具を片付けている静花に声を掛ける。
184/4:2013/07/23(火) 00:15:37.30 0
「委員長。お疲れ」
『お疲れ様』
 静花は顔も上げずに答える。最近は常にこんな感じだ。このままお互い、特に打ち合わ
せもなければ、会話もせずに別れるのが普通だった。
「今日は……特に何もないよな? じゃあ、俺は先に帰るから」
 バッグを肩に掛けて会議室を出ようと静花に背を向けた時、珍しく彼女から声が掛かった。
『ちょっと待って。話があるの』
「へ……?」
 思わず振り向くと、静花はいかにもつまらなさそうな不機嫌そうな顔で立ち上がってタ
カシを見つめていた。
『それとも、何か急ぐ用事でもあるの? だったら、別に今日じゃなくても構わないけど』
「いや、その……別にいいけど。ただ、委員長から話って、どういう風の吹き回しだろう
かなって思って」
 以前、静花の家にお見舞いに行った一件以来、私的な会話を交わしたことはほとんど無
くなっていた。周囲に囃し立てられる事を彼女が嫌ったからである。意外そうな様子のタ
カシの問いに答えることなく、彼女はさっさと会議室の出口へと向けて歩き出す。そして、
タカシの傍を通り過ぎる時、小さな声で告げた。
『いいから付いて来て。そうすれば、分かる事だから』
 そのまま、早足で会議室から出て行く静花を、タカシは慌てて追いかけた。
「わ、分かったからさ。ちょっと待ってくれって。今行くから」
『グズグズしてないで。貴方なんかに時間を取られたくないんだからね』
 厳しい言葉にへこまされそうになりつつも、タカシは静花の後を追って廊下へと飛び出
したのだった。


続く
あれ?これ何かの続きじゃねと思ったら前スレ参照で
19ほんわか名無しさん:2013/07/23(火) 03:26:19.45 O
きたきた!続きわくてか
20ほんわか名無しさん:2013/07/23(火) 23:54:07.59 0
あのお方か
これは期待せざるをえない
「おーい、静〜」
 うろうろと我が奥さんを捜していると、リビングに背中を向けて座り込んでいるのが見えた。
「静さん?」
「?」
「いや、『?』じゃなくて……何見てるんだ?」
 近づくと、何か大判の本を広げているのが解った。尋ねると、無言で表紙を見せる。
「……卒業アルバムか」
「ん」
 無口な嫁は、軽く頷くとページをめくった。
 かれこれ7,8年は経っている。静が開いていたのは、クラスごとに個人の写真が載っているページだった。懐かしい担任の顔
(風の噂に『警察の目が気になるレベル』の奥さんを貰ったと聞いた)とC組の38名が並んでいる。その中には、いくらか幼い
静と俺の顔もあった。
「この頃から静は可愛いなぁ」
「……」
 当然、とばかりに涼しい顔をして、静は同じクラスの男子を指さした。
 いかにも風采の上がらない奴だ。ラノベの『やれやれ系主人公』を非常に雑に模倣した雰囲気を醸しつつ、『卒アル用の写真撮
影なんかさっさと終わらせて家で寝たい』と言わんばかりに、死んだ魚の目でカメラを睨め付けている。筋肉質でもなく、細身で
もない、中肉中背具合。だらしなく着崩した制服をお洒落と勘違いしているが、同時に教師にマークされるほど突っ走る度胸はな
い小物感を露呈している――
 ――まぁ、つまり、俺だった。
「……♪」
「静さん? そのボールペンは一体? おい、俺の写真に何する気だ。よせ、何を描こうとしている!」
「?」
「不思議そうな顔をするな」
 取り上げたペンを見ると、『落書きなんて子供じみたマネ、本気でやるわけないでしょ?』と言いたげにやれやれと肩をすくめ
てみせる。だが長い付き合いだから解る。あの目は本気だ。
 落書きを諦めた静は、更にページをめくる。
「……ふふ」
 くすくすと笑いながら、静が体育祭の写真の隅っこを指さす。騎馬戦をしている中、馬の右後ろという絶妙に目立たないポジシ
ョンの俺が映っていた。
「悪かったな、メインでなくて。つーか、お前も端っこ……でもないな」
「……ふ」
 そうだった、静は高校時代陸上部で、運動神経は良かった。ページの三分の一を埋める大きさで疾走する姿が載せられている。
「う〜ん、卒アル貰った当時って、でっかく載るのは何となく恥ずかしかったけど、今思えば羨ましいな」
 渾身のドヤ顔をで静はさらに先に進む。
「みんな、元気かな」
「……」
 授業風景に始まり集合写真、文化祭、部活動……等々。輝かしい青春の日々……というのは大げさだが、懐かしいのは確かだ。
 感慨に浸りつつページをめくり時折2人で雑談をしていると、今度は学校生活とは余りに不似合いな色彩が目に飛び込んできた。
 ――秋の清水寺。目を焼くような紅葉の赤に、同じく赤い舞台が彩る古都の情緒。
 修学旅行だった。ルートはベタに大阪・京都のコースだったが、この旅行は俺にとって忘れがたい。
「ぁ……ぅ……」
「うん?」
 ふと見れば、静は頬を赤くして、こちらとアルバムを交互に見ている。俺は顔を先ほどのお返しとばかりに顔をニヤつかせ、白々
しく尋ねた。
「ど〜したのかな? 静すゎん?」
「……っ」
 なんでもない、とばかりに首を振りまくる静だったが、平静ではいられないようだ。それも当然か。
 静が俺に告白してきたのは、二日目の夜だった。消灯間際にこっそりと呼び出され、人気がない旅館の庭で、蚊の鳴くような声
で言われた。
 この辺の話は未だに蒸し返すと3日は口を利いてくれなくなるので、半ばタブーなのだ。
 当然、ただのアホな高校生だった俺に、結婚までのビジョンがあるはずもなかったが、蓋を開ければ相手に苗字を捨てさせて一
緒に暮らしてるんだから解らないもんだ。
 からかう代わりに、そっと、隣の静の手を取った。静は無言で、口を尖らせながらも、握り返してくれた。
 ――そして、ぱらぱらめくって、最後のページ。
 折角のいい雰囲気なのに、まったく野暮なことだ。とんでもない欠陥品である。俺は憤然と主張した。
「あぁ、そのページな。なんか落丁してて、枠しか印刷してないんだよな」
「……」
「困るよなー、思い出の品なのに。まぁ、大したことないから黙ってたけどさ。っていうか、それ俺の卒アルかよ。人のに落書き
しようとするとか、どんだけー、なんつって!」
「……」
「……やめて、その半目で俺を見るのやめて」
 解ってる。そのページは卒業式を終えたハイテンションのまま『ずっと友達!』とか『成人したら飲もうぜ!』とかそういうメッ
セージを書いて貰ったり書いてやったりするもんだって。そんなの、あたい知ってる!
「いや、決して友達が居なかったわけじゃないんだよ? ただ、なんていうかそういう寄せ書きとかするようなタイプの友達じゃな
かったっていうか、本当の友情なんてわざわざ書かなくてもお互い理解できてるもんだろ? だから……」
 何故か部屋の空気が重くなる。
 気がつくと、静に肩を優しく叩かれていた。
「……♪」
「優しくするな……頼むから」
 言った途端、目の前に卒アルが突きつけられた。
 先ほどのものとは違う。寄せ書きページには色とりどりのペンで、賑やかなメッセージがひしめき合っていた。
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!! リア充の寄せ書きいいぃぃぃっ!!」
 まるで十字架を突きつけられた吸血鬼のように、俺は地面をのたうち回った。
「〜〜〜♪」
「や、やめろおおぉぉぉっ!」
「♪〜〜〜♪」
「いや……もう、いいから」
「ぁ……」
 楽しそうなのは結構だが、いつまでも乗ってはられない。ひょい、と取り上げると、寄せ書きを見る。
 静は普段は無口だが面倒見が良く、後輩に懐かれていたのを思い出す。寄せ書きも部活の面子がメインのようだった。
 微笑ましい寄せ書きに、まるで紙面から姦しい声が溢れてくるようだ……が、思い出した。
「でも、俺たち高校時代からの付き合いなのに、こういうの書かなかったよな」
 自分の『落丁ページ』を思い出す。彼氏彼女ならメッセージの1つも交換しそうなものだが……まぁ、お互いに柄じゃなかったと言
えばそれまでなのだが。幸い、同じ大学に合格できたというのも、わざわざ『お別れメッセージ』を書く動機を薄めた要因かもしれな
い。
 それに、これは今だから言えることだが、そのまま順調に結婚まで行けたから良いものの、もし途中で別れたりした日には後々お互
い気まずすぎるだろう。いや、俺が気にしすぎなのか? だが――

 ――40代も後半にさしかかり、仕事場と自宅の往復の毎日。
   高校時代の彼女はとっくの昔に別の男と結婚し、高校生の息子がいるという風の噂を聞いた。
   結局、あの子が最初で最後の恋人だった。以降は女っ気もなく、彼女のイメージを振り払うように仕事に打ち込んできたが、結
  局大成はしなかった。6畳一間のアパートで、持ち帰りの牛丼弁当を一人で食べる生活、と言えば程が知れるだろう。
  いつまでも引きずるのも俺らしくないと思い、一念発起して職場の女と一度結婚はしたが、相手の浮気が元で離婚。結局それ以降、
  どこか女というものを心から信じられず今に至るのだから、皮肉なものだ。
   食べ終わったカップを洗って流しに逆さに干して乾かす。ゴミの分別も最近うるさくなった。
   ふと本棚を見ると、高校時代の卒業アルバム。 
   何気なく手にとって、あの子の姿を見つける。途端に脳裏に蘇る、鮮烈な記憶。
   撫でると柔らかかった髪の毛。無口でぶっきらぼうだったけど、ふいに見せる優しい気遣い。手を繋いだデートで見た映画。
   そして、友達の少ない自分の寄せ書きページに、1つだけ、柔らかく未来など知るよしもない無邪気さで書かれたメッセージ。
   『ずっと、一緒に居ようね!』
   ……俺は年甲斐もなく、声を上げて泣いた――――


 いかん! 悲しい! こうなってた可能性が否定できない自分が悲しい!! そんなになるくらいならページごと糊付けするわ!
「?」
 くいくい、と袖を引っ張る静に、俺はようやく我に返った。大丈夫? と心配そうな顔でこちらを見ている。
「お、おう。悪い。ちょっと懐かしくて」
「??」
 適当にごまかすと、首を傾げられた。まぁ、関係ない寄せ書きを見せて『懐かしい』と言われても困るだろう。この後輩達とはほとん
ど面識ないし。俺は取り繕うべく、言葉を継いだ。
「はぁ、しかし、静が居て良かったなぁ」
「!?」
「静が居なかったら、きっと俺は女っ気ないままだったろうし、今も独身だったろうし」
「……」
「ありがとな、静。これからもよろしく頼むよ」
「っ!!」
 そう言った瞬間、静が電光石火の速さでアルバムを取り上げた。 
「え?」
「……」
 代わりに、俺のアルバムを渡してくる。確かに、寄せ書きページ以外は全く同じだから問題ないと言えばそうだけど。
「あー、静さん?」
「……」
 ツーン、とそっぽを向き、静は自分のアルバムを抱えて隣の部屋に行ってしまった。
「……なんだったんだ?」
 取り残された俺は、とりあえず自分の卒アルをめくるのだった。



 ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※   ※
「……」
 静は自分の卒業アルバムを手に取った。危なかったと言わざるを得ない。おまけに、あんな恥ずかしいことをさらっと言うなんて。

『静が居なかったら、きっと俺は女っ気ないままだったろうし、今も独身だったろうし』

 馬鹿馬鹿しい。その程度の魅力しかない人間だったら、自分も結婚なんかしない。『そんなことないよ』とでもいうべきだったのだろうが、
それを素直に口に出来るなら苦労はない。
 そっと、ページを開く。例の寄せ書きのページではなく、『三年C組』の個人写真のページだ。
 風采が上がらないのに、だらしなく制服の襟元開けて、面倒そうな顔で映っている男子生徒。
 出席番号15番。帰宅部。
 どうしてこんなことを書いてしまったのだろう、と今にして見れば思う。
 名前の通り物静かに見られがちな彼女だが、やはり卒業式となれば舞い上がってしまったのだろうか。それとも、卒業後に環境が変わること
に対する不安からだろうか。
 世間を見れば、高校生の時の恋人とそのままゴールインするのは、珍しいと言える。
 どこかで擦れ違ったり、裏切られたり、飽きたりして、そのまま別れてしまう……そんな事例への焦りと、ささやかな反抗心もあったのかも
しれない。
 いずれにせよ、それらを乗り越えることができた今となっては笑い話だが、懸念通りになってたら黒歴史どころではないだろう。
 静は小さく微笑むと、焦らせてくれたお礼にページの男子生徒に軽くデコピンをした。
 写真の余白には、彼女にしては力強い筆致で

 『私の彼氏。絶対、この人のお嫁さんになる』

と、書かれていた。



 終り
27ほんわか名無しさん:2013/07/24(水) 22:29:32.23 0
うおおおおおおおおおおおお!!!!!!
うおおおおおおおおおおおお!!!!!!

GJ過ぎるうううううううううう!!
28ほんわか名無しさん:2013/07/25(木) 00:32:28.29 0
静さああああん!!!!
29ほんわか名無しさん:2013/07/26(金) 11:50:32.84 0
お題
つ・なかなか物事を決められない男にツンデレが苛立っていたら
30ほんわか名無しさん:2013/07/27(土) 00:45:13.43 O
静さんかわあああああ
31ほんわか名無しさん:2013/07/27(土) 10:47:31.14 0
>>15-18の続き5レス貰います
321/5:2013/07/27(土) 10:49:14.24 0
・付き合ってもいないのに男と公認カップル扱いされ続けていい加減ウンザリしているツンデレ その2

 静花は、タカシが後に付いて来ているのをチラリと確認すると、自分達の教室ではなく、
そのまままっすぐ昇降口の方へと向かった。そして、靴を履き替え、校門とは反対側の人
気のない校舎裏へと歩を進める。やがて完全に校門の方からは見えないところまで来ると、
キョロキョロと周囲を見回して人目の無い事を確認してから、静花は小さく頷いた。
『……ここらへんでいいか。誰もいないみたいだし……』
「一体何の話なんだよ? こんな所に連れて来るなんて。誰かクラスの奴がうっかり連れ
立って歩いてるところなんて見掛けたら、また噂の種になるぞ」
 静花がそれを嫌悪しているのは知っていたので、分かり切った事と思いつつもそれを指
摘せずにはいられなかった。もちろん、彼自身も友達から彼女との仲はからかわれている
が、女子同士の比ではない。また何か自分のせいにされるような事でもあったのだろうか
とタカシが身構えていると、静花はクルリと体を翻してタカシと正面から向き合った。キッ
と上目遣いに彼を睨み付け、人差し指で彼を真正面から差す。
『そうよ。その事よ』
 タカシは一瞬、首を傾げた。しかしすぐに理解し、確認の為に繰り返す。
「その事って…… 俺と委員長の噂の事か?」
 静花はコクリと頷き、苛立たしげに頭を掻いた。普段、余り見せないような感情的な仕
種に、タカシは何となく新鮮さを覚えてしまう。
『決まってるでしょう? 全く……あの子達ったら、飽きないと言うか懲りないと言うか……
一体全体どうなってるのよっ!!』
「いや、その……どうなってるのよって、俺に怒鳴られても……」
 理解出来ず戸惑うタカシに、静花は更に苛立ちをぶつけた。
332/5:2013/07/27(土) 10:50:19.46 0
『こんだけ別府君と距離を置いてるのよ。普通ならいい加減飽きるじゃない。それなのに
もう……二言目には別府君はいいの?とか、別府君と一緒なんでしょ?とか別府君と一緒
に行ってくれば?とか……もうほんっとにみんなしつっこいんだから。貴方はそう思わないの?』
 そこでようやくタカシは静花の苛立ちが理解出来た。お互い全く係わりを持たなければ
噂も自然消滅するだろうと思っていたのだが、静花の目算は今のところ、物の見事に外れている。
「まあ……確かにな。けど、俺は適当に流してるから。機会見て誘ってみるよとか、委員
長が乗ってくれそうだったら、とかさ。いちいち否定して反論するから、向こうも面白が
るんじゃないか?」
 口に出してから、タカシはうっかり偉そうに忠告してしまったかと後悔した。次に来る
のは彼女の叱責かと、タカシは思わず身構える。しかし、意外なことに静花は腕組みをし
て同意した。
『そうなのよね…… ほとんどイジメっ子と同じような心理なんだわ。私がムキになって
否定すればするほど面白がるって』
「だよな。だからさ。まあ別に認める必要はないと思うけど、適当に受け流しとけばいい
と思うよ。そうすりゃ、向こうだって強くは言えないだろうしさ」
『それじゃあダメなのよ』
 強い口調で否定されて、タカシは顔をしかめた。ちょっと自分の意見に同意してくれた
からといって、やはり油断は禁物だと反省する。しかし、静花はその怒りをタカシではな
く、ここにはいない友人達にぶつけ始めた。
『男子ならまだいいわよ。そんなにしつっこくないし。でも、女子ってホントに恋バナと
か大好きで余計なお節介焼きたがるのが多いんだから。まあ、今度やってみるなんていい
でもしたら、それじゃあ遅いとか何とか散々言われた挙句に、背中を押されて強制的に実
行させられるもの。冗談じゃないわよ』
「うーん…… まあ、確かになあ。あと、相手の性格もあるし」
 静花の愚痴に同意しつつ、つい余計な口を滑らせたことにタカシが気付いたのは、静花
の表情を見てからだった。
343/5:2013/07/27(土) 10:52:09.63 0
『何よそれ? もしかして、私の性格がキツいからとかそういう事を言いたい訳? もし
かしたら、適当に理由を付けてるってそれの事? 気難しいから機会を見て言わないと却って
嫌われるとか何とか言ってるんでしょう? 別府君てば本当に失礼ね。最低だわ』
 ザクザクと差し込まれる非難の刃に、タカシは抵抗する術は持たなかった。実際、静花
の言っていることは事実だったからだ。
「ゴ……ゴメン。いや、そこまで気難しいとは言ってないけどさ。ただまあ、迂闊に言う
と機嫌を損ねるような事は…… た、ただ言い訳の理由にしてるだけで、俺は別に委員長
が気難しいとか本心で思ってる訳じゃないから」
 何とか言い繕おうと努力はしたものの、静花の表情が和らぐ様子はまるで見えなかった。
『でも、少なくとも周りはそういう印象で見ているし、別府君もそれを承知しているから
それを言い訳にしているんでしょう? いいわ、別に。どうせ私はいつも眉間にしわ寄せ
て睨んでるような愛想の悪い女なんだから』
 半ば拗ねたような静花の言葉に、タカシはこれ以上何を言っても無駄だと悟った。余計
なフォローは却って彼女の機嫌をますます損ねてしまうだけだと理解し、諦めて話を元に
戻す事に専念する。
「ま、まあ少なくとも俺はそんな事ないって思ってるからさ。それより、他の女子からか
らかわれて困ってるって、そんな話じゃなかったっけ?」
 すると静花は疑わしげに、フン、と勢いよく鼻から息を吐き出したものの、彼のフォロー
にそれ以上触れることなく頷いた。
『そうよ。この間だって、ウチでみんなで理科の課題で出た実験をやったんだけど、ずー
っとその話ばっかり。もう本当に嫌になるの。うんざりだわ。みんなで勝手に既成事実こ
しらえて楽しんでは私にそれを押し付けるんだもの。いい加減にして欲しいわよ』
「うーん…… やっぱそういう話題って、女子の方が遥かに好きそうだもんな。けど、あ
れから二ヶ月くらい経ってるじゃん。そろそろ収束しそうなもんなんじゃないのか? 俺
ら、クラス委員の活動以外じゃ全然一緒にいる事無いんだし」
 しかし静花は首を振ってため息をついた。
354/5:2013/07/27(土) 10:53:33.11 0
『私が甘かったのよ。それは認めざるを得ないわ。ほんっとに、人の噂も75日って言うけ
ど、ハッキリ言ってあと15日で収まる気配なんてまるでないもの。むしろ余計な尾ひれ付
けられて、既成事実がエスカレートして行く一方だわ』
 静花はまるでお手上げ、という風に軽く両手を肩の高さに上げ、万歳のポーズを取って
みせる。それを見て、タカシは納得したとばかりに頷いた。
「なるほどな。このまま俺と委員長が接触しなくても噂が収まる気配が無いから、どうし
ようか相談したいって、そういう事でいいのかな?」
 呼び出された趣旨を、タカシはそう理解して確認したのだが、静花の答えは簡潔だった。
『違うわよ』
「へ……?」
 どう考えてもそれしか思いつかなかっただけに、タカシはキョトンとして静花を見つめ
た。それに静花は呆れてため息をつく。
『バカね。何で私がいちいちそんな事で別府君に相談しなくちゃいけないのよ。その程度
のこと、一人で考えられるわ』
「じゃあ、何で俺を呼び出したりしたんだよ。解決策が分かっているなら、別に話し合う
必要もないんじゃないか?」
 タカシの疑問に、静花はコクリと頷いてみせた。
『ええ。もちろん、根本的に解決出来るかどうかはやってみなければ分からないけど、少
なくとも対処の仕方について話す為に呼んだんじゃないの。別府君を呼び出したのはね。
協力してくれるかどうか。それを確認したかったのよ』
「俺が? 委員長に協力しろって?」
 親指を立てて自分を指すタカシに、静花は頷いた。
『ええ。この方法を実行するには、別府君の協力が不可欠だわ。もしダメだって言われた
ら、また最初から考え直さなくちゃ』
 静花の強い視線で見つめられながら、タカシは戸惑いを隠せなかった。
「まあ待ってくれよ。ダメもいいも、まずは内容を聞かないと、答えられないし。つか、
俺ってそんなに重要なのか?」
 タカシにそう問われて、静花はコクリと頷いた。
365/5:2013/07/27(土) 10:55:56.16 O
『当たり前でしょう? そもそも、私と別府君との関係についてみんなにからかわれてる
のに、貴方抜きで話が進むと思ってるの?』
 何か少しバカにしたような言い分にタカシはちょっと気分を害する。しかし、事実言わ
れてみればその通りなので、タカシは何も言い返すことが出来ずに同意して頷く。
「確かに、そりゃごもっともだな。で、どんなお願いなんだよ。まあ、あんまり無茶な用
急なら無理だぜ。俺に死んでくれとかさ。いくら相手が死ねば噂も消えるったって、さす
がにそりゃ無理だし」
 冗談で言ったつもりなのだが、静花はまたしても視線を険しくして手厳しく叱責する。
『誰もそんな事言ってないのに勝手に決め付けないで。それが出来るなら、そもそも貴方
なんてもうこの世にいないわよ。出来ないから、わざわざお願いする為に呼び出してるの。
今度ふざけた事言ったら、承知しないわよ』
「わ、分かったよ。とにかくお願いを言ってみてくれ。どうするかはその後に決めるから」
 タカシに急かされ、静花は怒りの矛を収めた。さて、いよいよだと顔を俯かせ、小さく
息を吐く。余計な事を考えないよう心を研ぎ澄ませ、気を強くしてから静花は顔を上げ、
タカシの目を真っ直ぐに見据えて口を開いた。
『お願い。私に……告白してくれる?』


続く
37ほんわか名無しさん:2013/07/27(土) 11:00:41.31 0
乙です。
この先が気になりますな
38ほんわか名無しさん:2013/07/29(月) 18:11:24.70 O
続きわくつか
39ほんわか名無しさん:2013/07/30(火) 08:10:23.79 0
>>32-36の続き行きます
401/4:2013/07/30(火) 08:11:56.08 0
・付き合ってもいないのに男と公認カップル扱いされ続けていい加減ウンザリしているツンデレ その3

「は……?」
 タカシは思わず、驚きの余り変な声を出してしまった。目を何度か瞬きさせて、静花を
マジマジと見つめる。しかし静花は照れもせず、真剣な表情で彼を見つめているだけだ。
「いや。その……ちょ、ちょっと待ってくれよ。こ、告白って……」
 聞き返すタカシに、静花はコクリと頷く。もちろん、タカシが驚く事も自分の中では当
然織り込み済みである。だから、特に驚きも不快な気分もなく、静花は話を続けた。
『もちろん、形式上の話よ。別に本気でなくて一向に構わないわ』
 あくまで冷静な静花とは逆に、タカシは混乱していた。焦って、つい静花に詰め寄ってしまう。
「いやいやいや。形式上とか何とかの問題じゃなくてさ。い、一体どういうつもりなんだ
よ。告白してくれとかさ。委員長は、その……俺とカップル扱いされる事が嫌なんじゃな
かったのかよ?」
『――――っ!! も……もちろん、その……面白くないわよ。そんなの決まってるじゃない』
 タカシのその質問には、冷静に話を進めようとしていた静花だったが、つい言葉を詰ま
らせてしまう。しかし、そんな静花の僅かな心の変化に気付かずに、タカシは質問を続けた。
「だったらなんで俺に告白しろだなんて言うんだよ? もしかして……それでフッたって
ことにして、噂を収めようとするって……そういう事か?」
 質問しながら、タカシはふと思いついた可能性をそのまま口に出した。その質問には苦
い味を感じたが、幸い静花は小さく首を振って否定する。
『いい勘ね。でも残念ながら違うわ』
 その事自体は、静花も考えた。しかし、それは静花自身にとってもタカシ同様にしたく
ない方法だったので、それを避けるための言い訳もちゃんと考えて来ていた。
412/4:2013/07/30(火) 08:12:51.35 0
『だって、付き合う前から振るとしたら、それなりにキチンとした言い訳を考えないとみ
んなも納得しないもの。だって、友子達ってば、勝手に私と別府君がお似合いだと考えて
いるんだから。だけど、正直そこまで別府君の事を知らないのに、交際を断わるだけの正
当な理由が思いつかないのよ。本気で貴方に告白された展開を考えてみてもね』
 その答えは、少なからずタカシを驚かせた。静花のような才媛であれば、自分のような
凡人から普通に告白されたとしても、あっさりと拒否するだろうとそう思っていた。告白
するなら、もっと別の面で親しくなって、少なくとも一つ二つはいい所を見せておかなけ
ればならないと。タカシは、先の言葉が気になって話を急かした。
「じゃあ……俺が告白して、その後どうするんだよ? それって結構な噂になるんじゃないか?」
 それには静花は同意して頷いた。
『もちろん、付き合った体裁にするわよ。別に断わる理由も今は無いから、試しに付き合っ
てみる事にしたって言うわ。もちろんからかわれるだろうけど、でもそれも最初だけよ。
芸能人のカップルだってそうでしょ? スクープなのは最初だけで、公の事実になってし
まえば、それこそ人の興味なんて薄れるわよ。少なくとも、今みたいにやたらめったらか
らかわれるなんて事はなくなるわ」
「なるほどな……」
 静花の淡々とした説明に、徐々にタカシも落ち着きを取り戻していった。同時に、静花
との付き合いとはどの程度の話なのだろうかと、そっちの方に興味が湧いてくる。少なか
らず好意を持っている相手からこんな事を言われるなんて夢みたいな話だが、同時に静花
の言った形式上という言葉が気になるのだ。
「で、付き合った事にして……それからどうするんだよ? その……ほ、本当にその、恋
人みたいなこと……」
423/4:2013/07/30(火) 08:13:55.50 0
『ある程度はね。それで、ほとぼりが冷めた頃に別れた事にするの。その時にまた、ちょっ
とは色々聞かれるけれど、それもまたすぐに収まるでしょ。特に、別れたカップルに根掘
り葉掘り聞くなんて傷を掘り起こすような事は、それこそ芸能リポーターくらいなものよ。
少なくとも、噂好きでおせっかいだとはいえ、私の友達にそこまでの人はいないわ。別府
君の友達だってそうじゃない? ましてや男子なら』
「……まあ……な……」
 別れるという言葉に、さっきまでドキドキしていた感情も今は萎え切ってしまった。タ
カシの友人達も静花がいわゆる高嶺の花だという事は理解している。それだけに、恐らく
フラれたと知れば、きっと慰めてはくれるだろう。しかし、形式上とはいえ、そこまで展
開が決まっている事に、ついタカシは愚痴めいた呟きを口に出してしまう。
「つか、俺……フラれんのかよ……」
『何? そこに引っ掛かっているの?』
 その呟きを聞きとがめて、静花が問う。彼はハッと顔を上げると、静花に心を覗かれま
いと、慌てて首と手を振って否定しようとする。
「ああいや。そういう訳じゃないけど……」
 しかし静花は、全く愛想もなく、まるで機械にでも話しかけられているかのように冷静
に話を続けた。
『別に、直接振る訳じゃないわよ。適当な頃合いになったら、そろそろ終わりにしようかっ
て、それだけよ。もし、別府君がそういう区切りを望まないなら、自然消滅でも一向に構
わないけれど』
「いや。まあ……いいんだけれどさ……」
 もう一度否定しつつ、タカシは内心気落ちしていた。
――どっちみち、フラれる事は確定なんだよな。全く……芽は無いのかよって……
434/4:2013/07/30(火) 08:14:57.83 0
『で、どうなの? 受けてくれるのかしら? くれないのかしら? まさか返事は保留に
して欲しいなんて言わないでよね。私がせっかちなのは、別府君も承知してると思うんだ
けど』
 既に委員会活動で何度か、決断を迷うタカシに対して急かしていることがあったので、
静花はそれを確認する。タカシは頷きつつ、考えを続けた。
――かといって、これを断わったって、余計縁が無くなるだけ、なんだよな…… だった
ら、むしろ周りに対する演技でも付き合ったことにしとけば、デートとかだって出来るか
も知れないし、もし演技を続けていくうちに、委員長も少しは俺の事に興味を持ってくれ
れば……今は無いかもしれないけど……
 それは、余りにも淡く、都合の良い期待のようにタカシには思えた。しかし、一縷の望
みであっても、完全にフラグを潰すよりはマシかも知れないとそう決意し、タカシは頷いた。
「分かった」


続くよ
44ほんわか名無しさん:2013/07/30(火) 18:57:45.24 0
良いね
45ほんわか名無しさん:2013/07/31(水) 16:03:21.15 O
gj!わくてか
46ほんわか名無しさん:2013/08/01(木) 17:15:14.51 0
かつみん酔わせて「すきすきー」とか言わせようと画策するけど返り討ちにあって「かつみんあいしてますー」とか言わされたい
47ほんわか名無しさん:2013/08/01(木) 17:16:24.84 0
なにそれ最高
48ほんわか名無しさん:2013/08/01(木) 21:54:28.55 0
おまえらなら全問正解できるハズ
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2765.jpg
49ほんわか名無しさん:2013/08/01(木) 22:26:59.01 0
超難問だな……
50ほんわか名無しさん:2013/08/01(木) 23:15:35.18 0
なかなか難しいwwww
51ほんわか名無しさん:2013/08/02(金) 05:53:26.24 0
>>40-43の続き投下行きます
521/6:2013/08/02(金) 05:54:05.01 0
・付き合ってもいないのに男と公認カップル扱いされ続けていい加減ウンザリしているツンデレ その4

 タカシの返事に、静花が顔を上げた。その仕草で、タカシは初めて、返事を待つ静花が
顔を俯かせていた事に気が付いた。
『受けてくれるの? ほ……本当に?』
 何故か、静花が確認を急いているように見えて、タカシは不思議に思った。しかしそれ
は表に出さず、もう一度彼は頷く。
「ああ。まあ、俺との噂で委員長が困っているって言うなら、協力するよ。それに、俺に
だってメリットも無い事ないし」
『それはそうでしょう? だって、別府君だって変な噂が打ち消せるんだもの。そうでな
ければ、貴方にこんな提案はしないわ』
 小首を傾げ、さも当たり前とばかりの態度を取る静花に、タカシは首を振ってみせた。
「いや。それだけじゃなくてさ。形とはいえ、女子と付き合えるなんて今まで経験無かっ
たからさ。本当に彼女が出来た時の、いい予行演習になると思って」
 冗談っぽく、タカシは笑顔を見せた。それとは対照的に静花は不快な表情を浮かべる。
『何かそれって、私を練習台にされているみたいで良い気分じゃないわ』
 自分から言い出したこととはいえ、擬似の部分を強調されているみたいで、内心つい苛
立ってしまうのを静花は抑えられなかった。しかし、あまり不愉快そうにしていると、変
に勘繰られてしまいそうで、何とか静花はその感情を静めようとする。
『……でも、まあいいわ。貴方がそう思わないとやっていられないとでもいうのであれば。
別府君にはこの間の借りもあるし。私にしてみれば、貴方が内心どう思おうが、噂さえ静
まってくれればどうでもいい事なんだし』
 本心ではなかったが、そう口にする事で何とか平静を取り戻す事に成功する。ホッと息
をつく間もなく、タカシが質問を発してきた。
「ところでさ。擬似とは言っても、恋人らしい事はするの? 一緒に帰ったり、昼飯一緒
に食ったり、休日にどっか遊びに行ったりとかさ。それとも……した事にするだけ、とか?」
 もちろん、静花の考えにそれも入っていたが、あらためてタカシの口から問われると、
胸がキュウッと苦しくなるような感覚を覚えてしまう。タカシの最後の言葉を否定するつ
もりで、静花は首を振った。
532/6:2013/08/02(金) 05:54:36.84 0
『ある程度はね。だって、私だって男子と付き合ったことなんて無いのに、本やネットの
知識だけで作り話が出来るほど器用じゃないもの。まあ……別府君もこんな演技の為にプ
ライベートまで犠牲にしたくはないでしょうから……出来る範囲内で、かしら。友子達に
も、それを条件で受けたって言えるし』
 答えている間も、内心の興奮を表に出さないよう、静花は努めて冷静にしていた。静花
に取ってみれば、擬似という言葉自体が擬似なのだが、こんな殻を被せでもしなければ、
たかが一度、お見舞いに来てくれただけのタカシに交際を申し込むなんて出来なかったの
だ。しかし既に、さっき返事を待っている時にもう、形式上ではなく本当に付き合いを申
し込んでいるような、そんな錯覚に陥っていたくらいなのだから。
「良かった。フリって言っても、せっかく委員長とお付き合い出来るのに、何にもなしじゃ
ちょっと寂しいからな」
 静花の答えに安心した様子で、ちょっとおどけた風にタカシは笑顔を見せた。実は本気
で心配していたのだが、冗談っぽい殻を被せなければ、なんかみっともないような、そん
な気分だったのだ。それに静花はどうでもいいという風に小さく鼻で息を吐くと、タカシ
に向かって手を差し出した。
『それじゃあ、明日から宜しく。くれぐれも言っておくけれど、これは形式上の付き合い
なんだからね。忘れないでよ』
 握手を求められていると知り、タカシは差し出された静花の手を握る。小さくて滑らか
で柔らかくて、ついつい胸が時めいてしまう。彼女にその事が気づかれないようにと願い
つつ、タカシは頷いた。
「分かってるよ。たださ。その……」
 手を離すと、タカシが迷うような顔を見せたので、その意図が読めずに静花は小首を傾げた。
『ただ……どうしたの? 聞きたいことがあるのなら遠慮なく言って。疑問は解消してお
いた方がいいわ。考え違いがあったら困るもの』
 するとタカシは、照れたような表情を浮かべて、頭を掻いた。
543/6:2013/08/02(金) 05:55:08.41 0
「いやあ。何も明日からじゃなくてもさ。今からでも……その……いいんじゃないかなっ
て。こういう関係に慣れるなら、お互い早いほうがいいかなって」
 ハッとして、静花はタカシの顔を見つめた。正直、明日からなんて言ったのも、自分の
臆病さから出たものだと静花自身、自覚していた。しかし、タカシがそう望んでいるなら
断わる理由などありはせず、ちょっと怖さを感じつつも静花はハッキリと頷いた。
『別府君がそれでいいと言うなら、私は別に構わないわよ。どうせ、今日委員会の後に貴
方から告白されて、試しに受けてみた事にするつもりだったから』
 口に出した途端、今からタカシとは形の上とは言え恋人同士になったのだと静花は自覚
した。嬉しさと怖さがない交ぜになったような気分に何だか落ち着かなくて、そっと片腕
で自分の体を強く抱くように押し付ける。するとタカシが、思いついたように静花に問い
掛けてきた。
「それなんだけどさあ。形の上だと、俺が告白したって事になる訳だけどさ。実際はこれ、
委員長から交際を申し込まれた事になるのかなぁ? まあ、あくまで一時的なものって条
件付だけどさ」
 その言葉に、秘めていた事実を突きつけらた気分になって、静花はたまらず頬を紅潮さ
せてしまう。パッと顔を上げると、タカシを睨み付けて興奮した口調で否定し始めた。
『違うわよ!! 期間限定の交際じゃなくて、あくまで恋人同士のフリをしましょうと持
ち掛けただけ。断じて交際を申し込んだ訳じゃないんだから!!』
「わ、分かったよ。分かったから、そう怒るなってば」
 静花を宥めつつ、逆にタカシは少し嬉しかった。静花と恋人同士のような関係になれた
事につい浮かれて、咄嗟に思いついた意地悪な質問を試してみたのだ。もし、これで静花
が冷静に流したのだとしたら、脈なんてないかもと思ったりもしたのだが、照れて怒った
ところを見ると、少しは自分も男として見て貰えているらしいと、そう思えたからだった。
「とりあえずさ。今日の所は帰ろうぜ。随分長く話し込んだし、もう日も暮れるからさ」
 まだ怒りの収まらなさそうな静花に、タカシはその場を収めようと提案する。静花はジ
ロリとタカシを一瞥し、口を尖らせたまま頷いた。
554/6:2013/08/02(金) 05:55:41.68 0
『ええ。話の終わった以上、長居は無用だもの。いくら恋人同士のフリをするからって言っ
たって、本物のカップルみたく寒い中夜中まで延々とおしゃべりなんてしたくないわ』
 時折、日が暮れた後に近所のコンビニとかへ行った時に、自転車を止めたまま長話をす
るカップルなんかを見て、羨ましく思ったことがあったりしたのだが、それはタカシには
知られたくなかった。
「まあ、話すなら教室とかだけど、さすがにこんな時間じゃな。送ってくよ。今日から一
緒に帰ってもいいんだろ?」
 噂を打ち消す為に、ずっとタカシとの接触を断っていて、委員会の後もずっと一緒に帰っ
たことは無かった。タカシの問いに、静花は小さく頷く。
『ええ。むしろ、その方が自然だわ。私達……付き合い始めた事になったんだから……』
 そして、自分の言葉に後押しされる気分で、静花は右手をタカシの左手にそっと触れさ
せた。タカシがちょっと驚いた様子で静花の方を見る。
「えっと……何?」
『……付き合っているなら、帰る時に手を握るくらい、普通じゃないの?』
 タカシに顔を向けず、あくまで義務的な口調で誘いを掛ける静花に、タカシはついいい
のかと問い質したくなった。しかし、その気分をグッと抑えて頷くと、静花の手を握る。
すると静花の手がタカシの手の中で動き、指を絡めてきた。
『……こんな感じ……でいいのかしら?』
 顔を彼に向け、確認する静花の顔に、タカシはとてつもなく愛おしさを感じてしまう。
その感情を静花に知られないように苦労して、タカシは穏やかに頷いた。
「いいんじゃないかな。カップルだったら……」
『そう。なら、帰りましょう』
 静花に促され、手を引かれる。慌てて後を追うように歩を進めつつ、タカシは静花と共
に、家路についたのだった。
565/6:2013/08/02(金) 05:56:47.18 0
『い……委員長っ!! マジマジ? マジでーっ!!』
 翌朝、静花が既に教室の椅子に座り、本を読んでいると、突風のようにポニーテールを
靡かせつつ、友子が教室に飛び込んできて静花の傍に詰め寄ってきた。
『やかましいわね。朝から大きな声出さないでよ。みっともないわよ、友子』
 どうせ内容は分かっているのだからとため息をつきつつ、静花は顔を上げた。しかし友
子は、ブンブンブンと頭を振ると、グイッと静花に顔を近付けて、唾を撒き散らす勢いで
まくし立てる。
『これが驚かずにいられますか!! 委員長、別府君と付き合い始めたんだって? 一体
どういう風の吹き回しよ』
 辺り構わぬ声の大きさに静花はしかめつらしい顔をして、友子を睨み付ける。すると英
子も、それを聞きつけ慌てて飛んで来た。
『うっそー!! 委員長ってば、別府君と何の関係もないってずっと言ってたじゃん。やっ
ぱそれってウソだったんだっ!!』
『嘘じゃないわよ。少なくとも昨日の夕方までは、何の関係も無かったわよ』
『じゃあ昨日の夕方なんだ。ね、ね? 一体何があったのか、教えてよ』
 勢い込む英子を無視するように、静花は友子をあごでしゃくって指した。
『友子の方が良く知っているんじゃないの? 情報通なんだし』
 すると友子は、いやいやいやとばかりに首を振ってみせた。
『さすがに本人よりは知らないわよ。何か、別府君が委員会の後に呼び出して告ったって
聞いたけど、それ受けたんだ』
 その問いに、静花は冷静に頷いた。
『ええ。今のところ断わるほどの理由は無かったから。一緒にクラス委員やってるからっ
て、別に全然彼の事も知らないもの。私のプライベートを邪魔しない範囲であれば、別に
構わないって、そう答えたわ』
『で、で。どんな感じだったわけ? もしかしてもう、キスくらいはしちゃったとか?』
 調子に乗る友子に、静花は呆れた様子で首を振った。
576/6:2013/08/02(金) 05:59:01.19 0
『そんな訳ないでしょ? 私からすれば、あくまで試しで付き合ってみる程度の気分何だ
から。別に別府君が好きとか、そんなんじゃないのに、そんな事する訳ないじゃない』
『でもでも。何か昨日は手を繋いで仲良く帰ってたとか。何か親密な雰囲気だったって情
報もあるよ』
 友子の情報収集能力の高さに、内心感心してしまいつつも、あくまで冷静に静花は頷いた。
『だって、別府君が繋いでいいかって言うから。綺麗にしてさえいれば問題ないわよって、
それだけよ。別に、手を繋いだからって妊娠する訳でも、病気に罹る訳でも死ぬ訳でもな
いし』
 そう答えつつ、静花は教室の入り口が騒がしくなったのでそっちを見る。するとタカシ
が、友達と一緒に騒ぎながら入って来た。肩や頭を叩かれ、冗談っぽく周囲から責められ
つつ、照れたように受け答えしているのを見ると、タカシも同じように付き合い始めた事
を茶化されているらしい。
『おー。旦那様のご登校ですよ、委員長。ていうか、一緒に来なかったんだ』
『私は朝早いもの。起きれないのに無理して一緒に来る必要ないわよって言っといたから』
 英子に問われて、視線を戻す。いつの間にか、他の女子も周りに集まっていて、静花の
周りには人垣が出来ていた。
『ま、とりあえず今日はお祝いだわ。それとも、早速別府君と約束とか?』
『彼が誘えばね。あと、祝って貰う必要なんて無いから。私はあくまで付き合ってもいい
的な気分でしかないんだから、変に気を回す必要ゼロだし』
 後で別府君にメールしよう。それで、二人でお茶でもする事にしよう。その方が、友達
たちに囲まれて質問攻めに遭うより余程マシだと静花は考えた。
『いやいやいや。委員長の初の彼氏誕生を祝わずして何を祝うって言うのよ。何だったら、
今週末に大々的にやっちゃおうか? カラオケとか行ってさ』
『委員長の家にしようよ。それこそクリスマスを凌ぐパーティーにしてさ』
『それいい。委員長は場所さえ提供してくれればいいからね。全部あたしらが準備するからさ』
 周囲の勝手な盛り上がりっぷりに、静花は呆れてため息をつく。しかしこれも最初だけ
だ。この状況に慣れれば、きっと周囲も普通になって、そうすれば騒ぎも静まるだろうと、
静花は諦観した気持ちで周囲の盛り上がりを見つめるのだった。
58ほんわか名無しさん:2013/08/02(金) 05:59:57.01 0
以上です。

終わりというか始まりというか
59ほんわか名無しさん:2013/08/02(金) 15:17:59.23 0
GJ!
これ絶対静まらないよね
60ほんわか名無しさん:2013/08/02(金) 17:41:07.62 O
gj!
61代行スレ751:2013/08/03(土) 00:42:52.53 0
「ぅん……あれ?俺なんで教室で寝てたんだ?」

「しかも誰も居ない、なんだこりゃ?」

『(タカシ…タカシ聞こえる?)』

「なんだ!?ちなみの声が脳内に直接!」

『(話を聞いて…世界は………滅びた)』

「はぁ?意味が分からん、それと当たり前の様にテレパシーを使うな」

『(信じられないのも分かる…でも事実…沢山の人が死んだ…科学と魔術の融合により私は大丈夫だけど…タカシは危ない…早く逃げて)』

「なん…だと…」

「山田も委員長も皆も、そっか…………」

『(タカシ…辛いだろうけど今は…)』

「山田ぁぁぁぁぁ!!!!貸したエロゲー返せぇぇぇぇ!!!!巫山戯んな!!畜生が!」

『(……)』イラッ☆

ガシャーン!

化物【━━━━━】ウゾウゾ

「何か来たぁぁぁ!!」
62代行スレ752:2013/08/03(土) 00:43:30.21 0
『(タカシ…逃げて!)』

「逃げるって何処に?」

『(場所は私が指示するから…早く)』

「わかった、頼むぞちなみ」

【━━━━】ウゾロウゾロ

「何か増えてる!」

『(そこを左に…少し行けば結界がある…)』

「おおお、何とかなりそうだぞ、ナイスアシストだ。と言うより、ちなみがいないと間違いなく死んでるな俺。」

「(逃げ延びる事ができたら礼を言わないとな。いや、ちなみは命の恩人だ、そんなんじゃ足りないな)」

『(フッフッフ…順調順調…本当は科学と魔術の融合により夢を操作されていると知らずに、ププー)』

『(まだ序盤とも知らずに…このままいけば目が覚める頃には私なしでは生きられない体に…ww)』

「おい」

『(何?結界はまだ先だよ)』

「全部聞こえてたぞ」
63代行スレ753-1:2013/08/03(土) 00:44:48.62 0
「と言うかダダ漏れてた」

「夢なんだな、これ。」

『(えーっと…あの…)』

『(えいっ)』☆

(^ω^)おっおっ

「山田、生きてたのかって違う、夢なんだからそもそも死んでないんだ」

触手化物【━━━━】ウンゾロウンゾロ

(^ω^)おっおっ

「なにこれ、」

【━━━━】ウンゾロウンゾロ

(^ω^)おっおっ

【━━━━】ウンゾロウンゾロ

(^ω^)おっおっ

【━━━━】ショクシュウニョーン

(^ω^)おっおっおおおおおおぉぉぉぉぉ

「嫌ぁぁぁぁぁぁ」
64代行スレ753-2:2013/08/03(土) 00:45:20.79 0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「酷い夢を見た、だが不思議と内容を覚えていない。記憶から抹消するレベルの悪夢ってことか、寝汗がすごい」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『一週間も頑張って書いたシナリオが殆ど無駄になった』

〜終われ〜
65ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 00:51:08.68 0
ちなみんwwww
GJ!
66ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 01:24:16.67 0
山田カワイソスw
次のシナリオはよはよ
67ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 11:35:17.05 0
やっと書き込める!

みんなGJだぜ!!
厨房のころからこのスレ見ててそんな俺も20歳…
68ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 12:00:56.51 0
お題
つ・ツンデレに若いなって言ったら
 ・静かで喧騒の少ない場所を好むツンデレ
普段冷静な娘が取り乱して突拍子もない行動に出るのっていいなぁと思いました。

http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2766.txt
70ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 13:09:13.33 0
>>69
すまぬ、前の名前欄が残ってた。無視しておくれ。
71ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 13:34:37.77 0
>>67
お前は俺か
72ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 14:36:30.17 0
お前らみんな若いのな

お題・三十路ツンデレにババァ結婚してくれって言ったら
73ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 15:38:30.87 0
>>69
リナ可愛いよリナ
74ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 16:19:32.58 0
>>69
GJ!!

お嬢はやはりいいwwwww
75ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 17:01:34.88 0
>>69
こんだけ取り乱すとかかわいすぎるwww
GJ!!
76ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 20:09:02.86 0
ちっと7レス貰います
771/7:2013/08/03(土) 20:09:35.85 0
・ツンデレを酔わせて本音を聞き出したり乱れたり姿を見ようとしたら【前編】

[さあ、飲むぞーっ!!]
「……何なんだよ。友子のこのテンションの高さは」
【うーん…… 友ちゃんって飲む時はいつもテンション高いから……】
『で、一体何の集まりなんですか。今日は』
[そんなの決まってるじゃない。前期試験突入の壮行会よ。これから20日間にも及ぶ長い
戦いなんだから、景気付けにガツッと一杯やっとかないと]
「一杯って、友子の場合はたくさんって意味の方なんだよな…… 時間制限なしの」
[なーにごちゃごちゃ言ってんのよ。おつまみだってたくさん準備したし、お酒も大量に
買っといたから。あ、もちろん予算は後で請求するけど。でも、女子の手作り料理だって
あるんだから、食べられるだけ幸せと思いなさいよ]
【友ちゃん料理下手だから、ほとんど僕がやったんだけどね…… 枝豆茹でたのとチーズ
の盛り付けくらいかなあ】
[山田うるさいっ!! 黙ってれば価値が上がるのに、山田の手料理になったらそれだけ
で暴落しちゃうでしょ]
『ちなみに私は何もやってません。明日からの試験勉強に没頭しようとしていたのに、い
きなり来いって友子に呼び出されて、さっき着いたばかりですから』
[細かい事はごちゃごちゃ言わない。ほら、乾杯するわよ]
「まあ、集まっちまった以上は飲むしかないな。はい、敬ちゃん」
『別府君のお酌ですか…… まあ、このメンバーだと、誰に注いでもらっても大差ないですけど』
[そんな嫌そうな顔しない。ホントは嬉しいくせに]
『バカな事言わないで下さいっ!! 何が嬉しいのか、さっぱり意味が分かりません。あ、
そのくらいでいいですから。じゃあ、別府君もどうぞ』
「あ、ありがとう。敬ちゃん」
[ヒューッ!! 仲良いわねえ。妬けるわあ]
『いつか友子は殺します。あ、山田君もほったらかしじゃないですか。はい、どうぞ』
【ありがとう。友ちゃんのはもう注いどいたからね】
782/7:2013/08/03(土) 20:10:06.96 0
[当たり前でしょ。あたしのグラス空のままにしといたら許さないからね。ちゃんと見計
らって注ぎなさいよ]
【分かってるよ。友ちゃん、ピッチはあまり早くしないようにね。いつも酔い過ぎて気持
ち悪くなっちゃうんだから】
[山田のクセに、余計な心配しない。はい、カンパーイ!!]
「【カンパーイ】」
 カチンッ!!
「ゴクッ……ゴクッ……プハアッ!! やっぱ美味いなー、ビールは。ずっとビール風飲
料だから、マジもんのは久し振りだ」
【こういう集まりだもん。やっぱちゃんとしたのじゃないと。ほら、敬子。アンタだけじゃ
ない、飲み干してないの。一杯目くらいはグーッと行っちゃいなさいよ】
『炭酸は苦手ですし、そもそも私はお酒あまり強くないっていつも言ってるじゃないです
か。飲みの強要は犯罪ですよ』
【固い事言うなあ。一杯目くらいでさ。まあいいや。ほら、飲んで飲んで。ビール飽きた
ら焼酎とかウォッカもあるからさ。遠慮しないでたっぷり飲んでいいからね。お題は割り
勘なんだから】
『友子に付き合って飲んでたら、それこそヘロヘロにさせられますから、それは勘弁です。
それに、山田君の部屋を貸して貰って飲んでいるんですから、飲み過ぎて帰れなくなるな
んて事態も避けないといけませんし」
[大丈夫大丈夫。山田なんて人畜無害だから危険なんてなんもないし。むしろここからな
ら学校も歩いて行けるから楽よ]
『友子は山田君ちに入り浸ってますからね。それに、そういう関係だからそういう事も言
えるんでしょうけど、私は山田君とはそんな深い仲じゃありませんから。向こうだって気
を遣うでしょうし』
[んなっ…… あ、あたしだって別にそんな深いとかそんな事ないわよ。この部屋って古
いけどそれなりの広さがあるし、使い勝手が良いから寄ってるってだけで、へ、変な事と
か何にもしてないし…… みんなと同じ、ただの部活の同期ってだけなんだから…… ほ
ら、そこ!! 男子同士で話し込んでないのっ!! せっかく2対2でセッティングして
んだから、もっと男女で会話しないと]
793/7:2013/08/03(土) 20:10:49.98 0
『……逃げましたね』
【るさいっ!! 別府君、ちょっと来て。まだ向こうにパスタサラダとかあるからさ。空
いたお皿運んで入れ替えないといけないし、枝豆の追加も茹でるから】
「何か友子のやつ、いつも以上に仕切るなあ……」
【先輩がいないからね。確かに今日は何か妙に張り切ってるけど、こんなものじゃない】
[人の事、知ったような口きかないのっ!! ほら、別府君。行くわよ]
「ほーい。じゃあ、ちょっと労働してきます」
『…………』コクッ……
【あ、静宮さん。ビールでいい? それとも焼酎とか、ジュースで割る?】
『ビールでいいです。ゆっくり飲む分には、そんな嫌いじゃないですから』
【……タカシの事、気になる?】
『バッ……バカな事言わないで下さい。友子だけじゃなく、山田君まで…… 別に別府君
の事なんて、全然気になんてしてませんから。単にその……ちょっと、場が持たないとい
うか…… 申し訳ないですけど』
【そうだよね。あんまり僕と二人きりで話すなんてないし。気にしないで。何か共通の話
題でもあるといいんだけど】
『うーん…… そうですね…… じゃあ、一つ聞いていいですか?』
【いいよ。会話になるようなネタだったら、何でも】
『友子って、普段ここに来てどんな事とかしてます?』


[いい? 別府君。今日は敬子をトコトンまで酔わせるわよ]
「は? 何でまたそんな事するわけ?」
[決まってるじゃない。酔わせてあの子の鉄の仮面を剥がすのよ。もう女子同士で飲んで
もさ。全然恋バナとかしないし、振っても叩いても揺さぶっても何にも出て来やしない。
ここは一発組んでさ。あの子を落とそうよ]
「いや。組むっつったって…… 本人が嫌がってるんだったら、そっとしといた方がよく
ないか?」
[あ、いい子ぶってる。ホントは知りたいくせに。別府君は敬子に興味あるんでしょ? 誰
が好きかとかさ]
804/7:2013/08/03(土) 20:11:21.28 0
「へ? お、俺が? いや別にそんな事は無いけど……っつーか、何で?」
[嘘。何だかんだで敬子と一番良くお喋りしてるくせに。コンパとかでも気付いたら二人
で飲んでたりして、他の男子にからかわれながら引っ張られたりしてるじゃない。女子の
間ではもう既成事実になってんだから。それとも全く興味ないって言える?]
「い、いや…… そんな事は無いっていうか、敬ちゃん狙いって結構いっぱいいるだろ?
美人だし、清楚な感じだし……」
[そうでもないわよ。美人だけどとっつきにくさを感じてる男子も結構多いもん。こう見
えてもあたしのコンパでの情報収集力は凄いんだから。誰が誰に興味あるとか、結構分かっ
ちゃってるんだから]
「そ、そうなのか? じゃあ山田は?」
[アイツの事なんてどーだっていいっての。肝心なのは別府君と、敬子なんだから。どう
よ。ベロベロに酔わせて本音トーク聞きたくない? 意外とエロッぽい乱れ姿とか見せて
くれるかもよ]
「あー……うー…… 大丈夫かな? 起きてボロクソ言われて、却って嫌われたりしないか?」
[大丈夫よ。骨は拾ってあげるから。ほら、男の子は度胸が肝心よ]
「それって何の救いにもなってねーだろ…… でも、あんま飲ませてヤバくなったらさす
がに不味いからな。ほどほどにだぞ」
[分かってる。そこら辺は気をつけるからさ。じゃ、準備して行こうか。ちょうど枝豆も
茹で上がったし]


[お待たー。あれ? 結構話弾んでる?]
『ええ。意外と山田君って話し上手なんですね。驚きました』
「静宮さんも聞き上手っていうか、知らない事でも興味もって聞いてくれるからさ。意外
と話しやすいなって」
[ほー。宜しいじゃないですか。仲のいい事で。取り持ったあたしに感謝しなさいよ。特に山田]
815/7:2013/08/03(土) 20:12:03.52 0
【分かってるよ。友ちゃんが気を利かせてくれなかったら、こんな風には二人で話せなかっ
たと思うし、これからもこういう機会があった時に間が持てるからね。感謝してるよ】
『ところで、何気に友子、少し機嫌悪くないですか?』
[は? 何であたしが機嫌悪くなんのよ。意味分かんないわ。まさか敬子に嫉妬してると
か言いたい訳? そんな事ありえないわよ。山田なんて全然興味ないし]
『そうですか? その割には眉間が険しいですけど』
[無いってば!! これは敬子が変な事言って来るからでしょ? あたしは別に山田が誰
と何を話そうが関係ないしっ!!]
『ほら、怒ってます。いつも私に色々と変な事聞いてくる時は楽しそうにしているくせに、
自分が当事者になるとやっぱり機嫌悪くなるじゃないですか。今のはちょっとした仕返しです』
[なっ…… 敬子のクセにあたしをからかうとは、十年早いのよ。あー、もう。今の一言
が一番あったま来た。ほら、飲みなさい。今日は容赦しないからね]
『冗談言わないで下さい。友子のペースに付き合っていたら、胃が幾つあっても足りませ
んし。勘弁して下さい』
[いーや。勘弁しない。とりあえず、敬子と山田の新たな縁に乾杯で。ほら、あんた達も
杯上げて]
「え? それ、俺らもやんのかよ」
[当たり前でしょ? はい、かんぱーい]
【仕方ない。やるよ、タカシ】
「おー…… つか、下手したら俺が先潰れるんじゃないかと……
 カチンッ!!
[あーっ!! 美味いっ!! でさ。二人は一体何を楽しそうにしゃべってたわけ?]
『別にわざわざ言うほどじゃありません。ちょっとした世間話です』
[えー。隠し事はなしよ。隠すなら一杯ね。はい、飲んで]
『ちょっと!! それ、どんなルールですかっ!! 勝手に決めないで下さい』
[だって、友達同士なのに隠し事なんて酷いじゃない。やっぱ、これは一杯飲むしかない
でしょ? ねえ、別府君]
826/7:2013/08/03(土) 20:12:34.59 0
「へ? あ、ああ。そうだな。とりあえず山田も一緒に飲んどけ。それともお前がしゃべるか」
【ちょ、ちょっと待ってよ。僕も巻き添え?】
[当たり前でしょ? ほら、答えないなら二人で乾杯して]
【うーん…… こうなると友ちゃん、引かないからさ。とりあえず飲もうよ。静宮さん】
『すごく納得が行きませんけど……じゃあ』
 カチンッ…… ゴクゴク……
『フウッ…… 飲みましたよ。じゃあ、こっちからも聞かせてもらいますけど、キッチン
で別府君とどんな話していたんですか? 人に飲ませるだけ飲ませておいてそっちは話さ
ないとか無しですからね。答えられないなら一杯ですよ』
[その前に、まず人に質問したいなら、一杯飲んでからじゃない? でないと誠意が見え
ないなあ]
『んなっ!? そ、そんなのズルいです。大体そっちは何もせずに勝手に聞いてるじゃな
いですか。無効です。却下です』
[あ、そうだったね。じゃあ、別府君。一杯飲んどこうか。これ、さっき敬子に聞いた分
ね。はい、かんぱーい]
「かんぱーい……」
 ゴクッ……ゴクッ……
[はい、飲んだわよ。じゃあご質問どうぞ。もちろん、一杯飲んでからね]
『う…… べ、別にいいですよ、もう。そこまでして聞きたい話題じゃありませんし』
[あれー? 今更前言撤回しちゃうわけ? 人に飲ませるだけ飲ませといてそれはないわ
よねー。じゃあ、嘘ついた罰として一杯いっとこうか。山田も連帯責任で]
『何ですかその無茶苦茶な論理はっ!! 全く意味が分かりません!!』
[だーって、難癖つけといて、自分の番になったら身を引くとか、やっぱ人として有り得
ないよねー。ねえ? 別府君]
「うーん…… まあ、やっぱ一度聞いた以上、引っ込めるってのは無しじゃね? まあ、
ペナルティーだよな」
『信じられませんっ!! つまり、別府君は友子の味方って事ですね? いいですよ、別
に別府君がそっちに付こうが、私は一向に構いませんから。山田君、飲みますよ』
837/7:2013/08/03(土) 20:13:33.35 0
【え? ぼ、僕はいいけど静宮さん大丈夫? 僕が二杯飲んでもいいけど……】
『いいですね。そういう男らしいのって好きです。けれど、私だって引っ込んでいられま
せんから』
 グイッ……
『はい、飲みましたよ。これでいいんですよね? これで』
[おー。いい飲みっぷりだわ。いつもは可愛らしくちまちまと口付けてるだけのクセにさ。
いけるんじゃん]
『今のは気合で行っただけです。あと、普通に飲んでるだけなのにぶりっ子扱いは失礼で
すよね? これってペナルティーじゃないですか?』
【だよね。じゃあ、僕もこれから飲むから3人で乾杯で】
「待て。今のは友子の失言だろ? 俺も飲むのかよ」
【だって連帯責任だよね? 静宮さんもそう思うでしょ?】
『当たり前です。当然、別府君も飲んでもらいますから』
[(小声で)仕方ないわよ。向こうにも行くところまで行って貰わなきゃいけないんだから
さ。こっちも退く訳には行かないわよ]
『むっ…… 何か、仲良さそうに内緒話とか。それもペナルティーですよね?』
【かなあ……? まあ、静宮さんが言うなら、僕も賛成しとくけど】
[やっまっだあああああっ!! こうなったら別府君。徹底抗戦よ。あのスカした眼鏡女
をベロンベロンにして、恥ずかしい酔態をたっぷり写真にとって部のみんなに後悔するからね]
『上等です。そうやってムキになればなるほど、こっちの思うつぼですし。明日の朝は頭
痛と吐き気で、私を潰そうとしたことを後悔させてあげますから』
「……おい、山田。大丈夫なんか、これ?」
【さあ……多分、もうダメかも……】


次回、中編に続く
良い子はこんな飲み方しないようにね
84ほんわか名無しさん:2013/08/03(土) 22:30:26.32 0
wktk〜!!
85ほんわか名無しさん:2013/08/04(日) 12:31:43.18 0
地震でかつみんが抱きついてきた。
おさまったら何故か殴られた。
86ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 07:16:32.39 0
>>77-83の続き投下行きます
871/5:2013/08/05(月) 07:17:08.57 0
・ツンデレを酔わせて本音を聞き出したり乱れたり姿を見ようとしたら【中編】

[で、どーらんよ? ほんとーのトコはさ。別府君のこと、何ろも思っへないっへの?]
『だから言ってるじゃないですか。何にもないですって。さっきから何度も答えてるじゃ
ないですか』
[うーっ……ら、か、らあっ!! 気持ちのもんらいらっての!! あたひはしょーじき
にいっらのにさ……このバカがゆうきらしへくれたら……いつだってこたえるりゅんび、
出来へるのにーって]
【うぐっ!! ううう……うーん……】
『ちょっと。山田君寝ているのに蹴飛ばすとか、酷くないですか? ほら。今の、ペナル
ティーですよ』
[うーっ……いくらでも飲んじゃるーっ…… って、べっぷのバカはー? あいふのふぇ
いれあらひが2杯も3杯ものまひゃれひゃって……]
『別府君ならトイレから戻って来てません。さっき、友子と入れ替わりに入ってからずっとです』
[どんなはなひひてたのよー? ふたりれさ。おひえろーっへ]
『さっきも答えたじゃないですか。これまでの恋バナとか、恋愛の失敗談とか、憧れの人
とか、好みのタイプとか、そんな事ですって。酔い過ぎて頭回ってませんね?』
[うふーっ…… 今の、ペナルティー? なら、もういっぱい飲むー]
『そろそろ止めた方がいいですよ。別府君もトイレから出て来ないですし…… ちょっと、
様子見てきますね?』
[あ、こらあっ!! あらひが飲むトコちゃんと見れってえ〜……]
 コンコン。
「ヴーッ…… ゴメン。もぢょっど……まっで……」
『大丈夫ですよ。急がなくても入りたい訳じゃないですから。あまりにも長いから、ちょっ
と様子を見に来ただけです』
「あ…… じずみやさんか…… わりぃ……もうずぐ出れるから……」
『無理しないで。本当に具合悪いようだったら、救急車呼びますよ』
「いらないいらない!! ぞごまでじゃないっで…… いづものごとだし……」
88ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 07:17:25.44 0
こんな時間にwww
892/5:2013/08/05(月) 07:17:39.74 0
『そうですか。大丈夫ならいいんですけど』
「ごべんな。心配がげて…… うん。もう大丈夫だから」
『じゃあ、待ってますね。山田君は早々に沈没しちゃいましたし、一人で友子の相手をす
るのは何気に大変ですので』
「ウーッ…… 分がった……努力する……」
『友子。別府君、もうすぐ戻って来れるそうですよ。まだちょっと気持ち悪そうでしたけ
ど、しっかりしてましたから、多分大丈夫かと……あら』
【スーッ……スーッ……】
『寝ちゃってますね。山田君に寄り添うように…… 記念に一枚撮っておきますか』
 ピッ……パシャッ!!
『隠し撮りって、少々道徳にもとる気もしますけど、友子はいつもやってる事ですからね。
いざという時に使えるように取っておきましょう』
 ジャー……ゴポポポ……
「うー…… きぼちわるっ……」
『あ、出て来ましたね。どうですか? 体調は』
「いや。ちょっと気持ち悪いけど…… まだ大丈夫……かな? うん」
『そうですか。なら、迎え酒とかいかがですか? 私の特製ですよ』
「うは。まだ飲ませる気かよ。つか、友子まで潰れてんじゃん。幸せそうに寄り添いやがっ
て。このリア充め」
『ダメですってば。別府君まで山田君の頭を足蹴にしたりしちゃ。寝てるからって可哀想ですよ』
「だってムカつかね? 女の子とくっ付いて寝てるなんてさ。まあ、この二人ならそんな
んだろうとは思ってたけど」
『とにかく。二人はいいですから、私のお酒を飲んでください。ほら』
「あー、はいはい。あれ? 静宮さん。自分のグラスは?」
『この期に及んでまだ私に飲ませる気ですか? 酷い人ですね。別府君って』
「あ、いやいや。一人で飲むのも寂しいかなーって。別に酒じゃなくてもウーロン茶とか
でもいいし」
903/5:2013/08/05(月) 07:18:10.97 0
『いいですよ。飲めと言うならいくらでも付き合ってあげますよ。別府君が作ってくれる
ならですけど』
「よし。じゃあ、何にする? あと、焼酎一本とジンくらいしかないけど」
『じゃあ、ジンをソーダ割りで。それにしても、随分飲みましたね』
「だな。ビールはあんだけあったのに全部飲み切ったし、ウォッカも一瓶開けちゃって、
焼酎も二本開けたしワインも赤白飲み切ったし……」
『我ながら呆れますよ本当に。これだけ飲めば、吐くのも当たり前です』
「その割には静宮さんって、しっかりしてるよな…… はい、これ」
『ありがとうございます。とりあえずは乾杯で』
「はい、乾杯」
 カチン。
『コクッ……コクッ……ふう……』
「ゴクッ…………ゴクッ…………」
『いいですよ。本当に杯は干さないでも。ゆっくり飲んでくれれば』
「ありがとう。静宮さんは結構飲んだね。まだまだいける感じ?」
『はい。何気に家系的にはアルコールには耐性がある方なので、まだ全然平気です』
「へえ。何か意外だな。いつも部活のコンパとか飲み会でもそんなに飲んでないみたいだ
し、皆にもあまりお酒は強くないって言ってなかったっけ」
『だって、飲み過ぎると太りますから。今日だって友子の挑発に乗らなければここまで飲
むつもりはなかったんですけど、もう割り切ってトコトンまで行って潰してやろうって思って』
「アハハ。お見事だね。まさに騙し討ちって感じ? 弱いフリして狙い打つって」
『山田君は気の毒でしたけど、友子は自業自得ですから。おかげ様で面白いネタ話はいっ
ぱい聞けました。別府君がトイレでゲーゲー言ってるうちに』
「うぐ。最後の一言余計じゃね? でも、これでからかわれても仕返しのネタには困らないって」
『おかげ様で。二対一じゃ、さすがの私でもここまでは潰せませんでしたから。ちょっと
感謝してます』
914/5:2013/08/05(月) 07:18:42.03 0
「うーん…… ここで静宮さんに感謝されるってのもなあ…… 何か敵に塩を送ったみた
いで微妙なんだけど。でも普段褒められる事ってないから得したような気分でもあるし……」
『そうですね。でも、今だったら褒めますよ。いくらだって』
「マジで? 酒に寄った勢いとか? そういえば、普段よか結構……丸い感じ、だしな」
『別府君が、私を酔った事にしたいならそれでもいいです。それなら、酔った私にどんな
事を期待したいですか?』
「え、えっと…… そう、だな……もっと褒めて貰うとか……」
『そうですか。じゃあ、まずはお酒の割り方が非常に私好みで好きです。ほら、さっきの
ももう空ですし』
「へ……? あ、ご、ごめん。気付かなくて。すぐ作るよ」
『別に怒ってる訳じゃありません。美味しいですって褒めてるだけですから』
「そう言って貰えるのはありがたいけど…… 同じでいい?」
『はい。是非そうして下さい』
「あ。何か笑顔でねだられるのは嬉しいかも。他に何か褒めてくれる事ってあるの?」
『たくさんあります。けど、その前に質問したから一杯ですね』
「げ。マジで。まだやんのかよ。それだったら、さっきの静宮さんのも質問に入らないか?」
『何を褒めて貰いたいかって聞いたことですか? 飲んでもいいですけど、別府君の作っ
てくれたソーダ割りがもったいないですから』
「うぐ。そう言われると弱いなあ。じゃあ、せめてお酌。焼酎ロックで行くから」
『じゃあ、2フィンガーくらいで…… はい、どうぞ』
「じゃあ、乾杯だけ一緒にやってくれる?」
『ええ。いいですよ。じゃあ、別府君の男気に』
 カチン。
「プハアッ…… あー……つよっ……」
『さすがですね。これも褒めてあげます。じゃあ、今度は水割りでどうぞ』
「あ、ありがとう。他にはって聞くのは一杯じゃないよね?」
『まあ、それだと際限がなくなりますから勘弁してあげます。そうですね。あとは意外に
気が利くところとか……』
925/5:2013/08/05(月) 07:19:44.74 0
「俺が? そんな所あったかな? いや。確かに自分でも意外だけど、例えばどんな?」
『部に勧誘されて、同期生で最初に声掛けてくれたの別府君だったんですよ。覚えてませ
んか? 何となく会話に入っていけなくて、先輩達がいなくなってからポツンとしてたら、
他の女の子に引き合わせてくれて。おかげで皆と仲良くなれて感謝してます』
「ああ。何かあったような…… でもまあ、俺が声掛けなくたって、そのうち誰か女子が
話し掛けただろうけどさ」
『私が一人でいるところを見かねて気を利かせてくれたってのが重要なんです。他にも些
細な事ですけど、私が部室に来た時、席を詰めて空けてくれたり、暑いなって思ってたら
窓を開けてくれたり、重い機材とかは絶対に女子に持たせませんし』
「まあ、そんなの誰でもすると思うけど……」
『出来ない人は出来ないんです。気付くって事が私は重要だと思うんですけど。たまたま
じゃなくって、毎回出来るって凄いと思いますよ』
「いや、その……ありがとう。他には?」
『私は顔だってスタイルだって自信持っていいと思います。服のセンスだって、オシャレ
とまではいいませんけど決して悪く無いですし、むしろ自然体で似合ってますしおしゃべ
りも上手で話を聞いていて楽しいです。運動神経とかすごく良いって訳じゃないですけど、
部対抗の球技大会とか一生懸命で楽しそうで良かったと思いますよ』
「うは。これって絶対酔っ払ってるよな。素面じゃぜってーこんな褒めねーって。勢いで
やってるって分かってても、静宮さんからだと何か照れるよな」
『一応、全部本当の事を言ってるつもりです。もちろんだらしが無いとか、話の内容が下
品だっていつも言ってる事も本当ですけど、でも今のも嘘偽りない気持ちですから』
「いや、その……ありがとう。嬉しいよ」
『本当ですか? じゃあ、他に何を期待します?』
「えっと……そうだな。こういう事言うと、また下品だって怒られるだろうけど……酔う
と、ちょっと大胆になるとか……?」
『それって……こんな感じですか……?』


後編に続く
93ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 16:23:35.51 0
>>92
大胆にだと!?(ガタッ
ちょっと続き全裸待機するわ
941/2:2013/08/05(月) 18:19:52.08 0
>>85

「勝美さん?」
「……んだよ」
「地震は、治まったみたいだよ?」
「そうだな。だから?」
「え〜と、そろそろ離れたも大丈夫だよ?
「バカヤロウ。それだとオレが地震が怖くってお前に抱きついたみたいじゃねぇか」
「違うの?」
「違うね。たかだか地震程度でオレが取り乱すわけねぇだろ」
「いや、思いっきり『いやあぁぁぁぁっ! ゆっ、揺れてるよおぅぅぅ!!』とか言ってたような」
「幻聴だな」
「ここまで堂々としらばっくれるのも凄いな。じゃぁ、なんで抱きついてきたの?」
「特に理由なんかねぇよ。か、仮にもお前オレの旦那だろうが。抱きつこうが殴ろうがオレの勝手だ」
「ほうほう。つまり、勝美さんはオレに抱きつきたくて仕方がなかったと。それがたまたま地震のタイミングと被ったと。そういうこと?」
「ち、ちがうっ」
「じゃぁ、地震が怖くてすがりついたってことじゃん」
「そ、それもちが……!」
「ねぇねぇ、どっちなんですか? 勝美さん」
「うるせぇ!」ドゴッ
「ぐはっ」
「きゅ、急に寝技の練習がしたくなったんだよ!! グラウンドの攻防を堪能しやがれ!」
「それは流石に苦しいのでは……」ギリギリ「あぁっ! 本当に苦しい! 主に関節と靱帯が!」
「くそがあぁぁぁぁぁっ!!」
「らめええぇっ!! 寝技ならベッドの上で性的な意味でえぇぇぇっ!」
「うるせぇっ! オレをからかった罰だ。上下関係をしっかり叩き込んでやるから覚悟しやがれ……」

 ボギュッ

「「あ」」
952/2:2013/08/05(月) 18:23:15.88 0
――1週間後

「あ、あーん……」E:メイド服
「ノンノン。『あーんして下さい、ご主人様』だろ?」
「そんなん言えるか、変態!」
「あー、痛かったなぁ。まさか妻に利き腕の靱帯ブチ切られるとは思わなかったなぁ」
「ぐっ……」
「弱っちい旦那はこのまま飯も食えずに飢えて死ぬしかないよね。おまけに妻にメイド服着せて喜ぶ変態だもんね。生きる資格ないよね」
「だーーっ! そこまで言ってねぇだろ! あ、あーんして下さい! ご主人様!」
「うむ、くるしゅうない」ドヤァ
「くそぅ……俺としたことが力加減を誤るなんて……」
「ま、勝美からの暴力はいい加減慣れたよ。むしろご褒美だからね」
「……本当に悪かった」シュン
「あ、いやそんなに責めるつもりは……」
「正直、地震よりも、メイド服よりも……お前に嫌われる方が……キツい……」
「デレキターーー!」
「茶化すなって。今回は本当に反省して……ん?」

太平洋プレート「うへへ、いい具合のマントルやのぅ! 日本海溝の奥まで突っ込んだるわ!」グラグラグラグラ
北米プレート「らめぇ! これ以上されたら私のマグニチュード限界突破しちゃううぅぅ!!」グラグラグラグラ

「ひやあぁぁぁぁっ! ゆ、揺れてる! ご主人様、揺れてましゅうぅぅっ!?」
「キャラ崩壊にも程があるだろ! ってやめろ、ギブスの上から抱きつかないでぎゃあぁぁぁっ!!」

 以下無限ループ
96ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 20:07:51.57 0
>>95
勝気嫁かわいい


かわいい
971/2:2013/08/05(月) 20:10:45.19 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

梅雨の遅れを取り戻すような雨で不快、俺はツンデレに勉強見てもらってたの

というのも俺等の学校結構な進学校で休み明けテストあってさ

それに悪い点取ると部活動できなくなるからさ、同じ部のツンデレに助けてもらう訳

そんでツンデレのお部屋クーラーガンガンに効いてるから集中して勉強できるよ

して鉛筆動かしながら、ツンデレのお部屋また可愛い小物増えたねって世間話したら機嫌悪くなってさ

どうせ背高いから女っぽくない、どうせ愛想悪いから可愛くない、とか悩みうちあけてくれたの

なら好きな子の悩みを解決するのも男の仕事、ツンデレを女の子扱いする事にしたの

具体的にはお姫様だっこだけど、ツンデレ俺より体大きいからあぐらの上に座らせて疑似お姫様だっこに決定してね

したら顔のすぐ横にツンデレの胸が迫ってきてさ

少しくらい役得あってもいいだろってチラ見してたらいきなり頭叩かれたの

何事かって見上げたらツンデレにバレてたみたいで無言で怒っててさ

何も言わないのが逆に怖いんで赤ちゃんあやすように揺りかごして一日お茶濁したの

それからというもの、日が経つにつれツンデレから疑似お姫様だっこ求めてくるようになってさ

気付いたら全然勉強見てもらってない休み明け怖い、って話
982/2:2013/08/05(月) 20:12:13.79 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

梅雨の遅れを取り戻すような雨で不快、私はアイツの勉強見てたの

というのも私達の学校結構な進学校で休み明けテストあってさ

アイツ毎回赤点ギリギリだから、同じ部活のよしみで助けてる訳

そんで自分の部屋じゃ誘惑いっぱいだろうし私の部屋で詰め込んでたんだけど

アイツ手動かさないで部屋のぬいぐるみ増えたの指摘してさ

なんか可愛いもの好きじゃダメみたいな言い草で、確かに私女らしくないけど少女趣味だし憧れもあるのに

して好きな子には言わなくてもいい事言っちゃうなって反省してたらアイツ、自分の膝ポンポンしながら私を手招きしてさ

呼ばれるままアイツの膝に座ったら、私の背中と膝裏に手を回して、お姫様だっこもどき、だって

アイツなりに女の子扱いしてくれてうっとりしてたら、ゆっくり確実に寄りかかってきてね

冷房効きすぎで気分悪くなったのかなって思ったらアイツ私の胸ガン見

このまま放っといたら谷間に鼻突っ込んできそうだったから頭はたいて正気に戻してあげます

したらアイツ鼻歌うたいながら揺りかごして誤魔化してさ、私も気持ち良くってそれ以上追及はしなかったの

それからというもの、せっかく私が見てやってんのに勉強もせずお姫様だっこばっかりしたがって

気付いたらお姫様だっこが生活の一部に組み込まれてる休み明け怖い、って話
99ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 20:18:03.79 0
靭帯はヤバイよ洒落ならんよ

GJ
100ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 20:19:39.81 0
俺もツンデレさんお姫様抱っこしたいなぁ……

GJ
101ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 22:39:41.62 0
>>95
勝気な嫁さん欲しいいいい!!


あと新ジャンル「プレート萌え」ワロスwwww



>>98
背が高いのコンプレックスにしてるツンデレさんが可愛いwwww
102ほんわか名無しさん:2013/08/05(月) 23:12:43.30 0
一つ問題があるとすれば、靭帯損傷の痛みは絶叫するレベルだということだ
103ほんわか名無しさん:2013/08/06(火) 07:41:35.36 0
>>87-92の続き

出掛け前にサクッと投下して行きます
1041/4:2013/08/06(火) 07:42:08.03 0
・ツンデレを酔わせて本音を聞き出したり乱れたり姿を見ようとしたら【後編】

「えっ!?」
『こうやって寄り添って座るとか…… そうですね。何か、ちょっと体も熱いですし……』
「ちょ、ちょっと待った。静宮……さん。それは――」
『何、動揺してるんですか。少しブラウスのボタンはだけただけです。こんなところでさ
すがに脱いだりはしません』
「いや。それはそうだろうけど……(けど、胸元が……)」
『もしかして、少し興奮してくれてますか? だとしたら、私は嬉しいですけど』
「いやその、そんな……決してエッチな気分で……って、嬉しいって……言ったの?」
『はい。嬉しいですよ。質問したから一杯ですね』
「ちょっ……待て待て。それって……」
『男なんですから、四の五のは抜きです。はい、グラス持って。お酌しますから』
「えっと……その……静宮、さん? その、くっ付き過ぎっていうか……む、胸が……」
『話そらさないで下さい。私の注いだ焼酎なんですから、ちゃんと飲んで貰わないと』
「じゃあ、いただきます……」
 ゴクッ……ゴクッ……
「(酔ってるから……だよな。こんな大胆にくっ付いて来て……絡み上戸……とか?)」
『じゃあ、今度は私から質問させていただきます。もちろん、一杯飲みますね』
「え? い、いや。いいよ。静宮さんは飲まなくたって」
『大丈夫ですよ。気を遣わなくても、焼酎のロックだって全然いけますから。このくらい
で注いで下さい』
「そ、そんなに? 俺のより多くね?」
『大丈夫ですよ。お願いします』
「じゃ、じゃあ……はい」
『それじゃあ、いただきますね』
 コク……コク……コク……コク……コク……
『ふぅ…… 別府君に注いで貰った焼酎は、それだけで美味しいです』
「いや、その……どうも……」
『じゃあ、質問しますね。別府君って……好みのタイプの女性はどんな人ですか?』
1052/4:2013/08/06(火) 07:42:39.32 0
「へ……?」
『聞き返したから一杯です。はい、飲んでください』
「待て待て待て。今のはちょっと質問に戸惑っただけだから、無しにしてくれない? 静
宮さんから出るにしては意外な質問だったからさ」
『私だってこういう質問もしたいです。まあ、仕方ないですから今のは見逃してあげる事
にします。ただ、次に答えに詰まったりしたら一杯ですよ?』
「分かったよ。好みのタイプだろ? えーと……そうだな。頭回んないけど……そうだな。
ギャル系の子はあんまり……清楚な子の方がいいな。女優さんに良くいるような……で、
可愛い可愛いって感じよりはキリッとした子の方が……」
『そ……そうですか…… えっと……眼鏡とかは、どうですか?』
「眼鏡? うーん……あってもなくても良いけど……あった方が好きかな……?」
『えっと……じゃあ、む……胸とかは……大きいのと小さいの、どっちが好みですか?』
「む……むね? えっと……極端じゃなければ。膨らみはある程度あった方がいいけど、
巨乳過ぎるのはちょっと……」
『じゃ、じゃあ、このくらいのは……どうですか……?』
「へ……へっ!? ちょ、ちょっと待った待った。静宮さん、酒入ってるからってそれは
危険だって。押し付けるのなし!!」
『大丈夫です。別府君なら…… 今、答えなかったから一杯ですね。はい』
「うー…… これで一杯なら、何杯だって飲むさ。ああ」
 ゴクッ!!
『男らしいです。その意気に免じて、私の事、今だけは名前で呼び捨てにしていいですよ』
「へ……よ、呼び捨てって……敬子……って?」
『はい。これだけくっ付いていて他人行儀に静宮さんってのも無いなって。私も、タカシ
君って呼びますけど、いいですよね?』
「りょ……了解。じゃあ、敬子って呼ぶよ。まあ、酒の勢いって事で」
『はい。じゃあ、タカシ君。さっきの質問、答えていただけますね?』
「えーと……おっぱ……ごめん。胸の大きさ、だよね」
『はい。このくらいの胸はどうかって事です』
「い、いやその……け、敬子くらいの胸は……好き、だけど……」
『ありがとうございます。じゃあ、もう一つ質問、いいですね?』
1063/4:2013/08/06(火) 07:43:19.05 0
「ああ。もう何でも来てくれ」
『それじゃあ、タカシ君はどんな口調の子が好みですか?』
「へ……? 口調って……」
『例えば、ちょっと乱雑な男っぽい口調だとか、おしとやかで物静かな口調だとか、友子
みたいに明るくって元気な口調だとか……』
「うーん…… 何か、ちょっと難しいなあ。口調、ねえ……」
『あとは……友達にも、敬語口調でしゃべる女の子とか……』
「え……? け、敬語って、それって、敬子みたいな……?」
『……はい……』
「えーと……いやその……うーん……どんな口調が好みかって聞かれても……」
『じゃあ、聞き方を変えます。タカシ君は……敬語口調の女の子をどう思いますか? 好
みだと思いますか?』
「へ……でも、いや。それって……」
『答えられなければ一杯ですよ。ほら』
「ちょ、ちょっと待ってくれ。まずは飲むわ」
『……分かりました。じゃあ……どうぞ……』
 ゴクッ……ゴクッ……
「えっとさ。飲んだから……考えさせてくれ。その……どうって聞かれても……」
『真剣に考えて下さいね。私は、待ちますから』
「(これって…………どういう事なんだ……? 告白……いやまてそんなバカな……そん
な事あるはずないってか……向こうも酔っ払ってる訳だし……からかってるとか冗談とか
そんなんじゃ……いやでも……もしガチだったら失礼だし…………けど、もし冗談でこっ
ちがガチで行ったら…………ドン引きだし…………つか…………頭まわんねーし…………)」
『(別府君……長いな……真剣に考えてくれてるのかな……それとも……傷付けないよう
に流す言い訳でも考えてるのか……)』
 グラッ……
『え?』
 ドサアッ!!
『へ……? きゃっ!? べっ……じゃありませんでした。タカシ……君……?』
1074/4:2013/08/06(火) 07:44:27.60 0
「スー……スー……」
『寝てる…… そうですよね。あれだけ焼酎を飲ませたんですから…… それに……別府
君なら、答える前に襲うなんて、しませんよね。一瞬、期待しちゃいましたけど……』
『……このままでも……いいですよね? 少しだけなら……』
『寝たままでいいですから、聞いて下さい。タカシ君は、私の発言とか態度を宵の上の不
埒みたくしたかったみたいですけど……私は、もちろん酔ってはいますけど、正気は失っ
ていませんからね。全部、本気なんですから。ただ……タカシ君が、明日記憶が残らない
くらい酔っ払って無いと、自分の気持ちを表に出せないヘタレだってだけなんですから』
『……覚えてませんよね? あれだけ飲ませたんですし、二人きりになる前も、凄く飲ん
でましたから……』
『でも……もし……万が一、今夜の事を全部……ううん。ある程度でも覚えていたら……
その時は勇気を出していいます。私は本気だったって……』
『それじゃあ、お休みなさい。タカシ君……』


 翌日、タカシはこの時の事を覚えていたか、全部忘れてしまったか、はたまた胸の感触
だけをキッチリ覚えていたか。
 それを妄想するのは――貴方次第です。


終わり
108ほんわか名無しさん:2013/08/06(火) 08:43:01.97 0
酔ったツンデレはやはり良いな……!!

GJ!
109ほんわか名無しさん:2013/08/06(火) 09:48:44.26 0
>>107
覚えておいて欲しい
GJ
1101/4:2013/08/07(水) 05:21:15.11 0
>>68
>>72
・静かなところが好きな三十路ツンデレに若いなと言いつつババア結婚してくれって言ったら


 タカシ、居酒屋に入店

「おいババア」
「ババア? わたくしの名前は神野りなであってババアではありません! 久しぶりに顔を出したと思ったらなんですか!」
「明日で30になるんだからいいだろ」
「よくありません!」
「それよりいつものやつくれよ」
「もう随分前のことだから忘れましたわ!」
「そんなこと言わずにさ、頼むよ」
「…間違ってても知りませんわよ」プイ

 りな、日本酒とつくり身を出す

「なあ、俺が生魚苦手なの知ってるよな」
「そんな些細なことは忘れましたわ」
「しかもこれ結構高いやつだよな」
「ええ、この店、自慢の一品でございますわ。タカシの好きな日本酒ともとても相性がいいんですのよ。さ、好き嫌いなさらずまずはお一口どうぞ」
「俺の好きなものは知ってるくせに嫌いなものは忘れたのか」
「たまたまですわよ!た、タカシだってわたくしの誕生日を覚えててくれてたじゃないですか…」
「……はあ、まあいいさ。明日は休みだろ? 祝ってやるから夜の9時に近くの駅で待ち合わせな」
「なんで夜からなんですの? それにそんな誘い方で行くわけないじゃないですか」
「普通月曜は仕事なんだよ。仕方ないだろ。来たくなけりゃ来なくていいよ」
「ええ、せいぜい待ち呆けてるいいですわ」

 その後
1111/4:2013/08/07(水) 05:23:08.75 0
「明日なにしてくれるのかな。夜だし…まさかホテルに? そんなプレゼントいりませんわ!でもでも、それがプレゼントだというなら受け取らないのはおとなとして失礼だし…」キャー

「…こういうのは給料の三分の一がいいとは聞くけど…貯金はあるし、これにしようか」

 そして…

「まだですの? ちょっとおそいですわ…」ドキドキ
「お、やっぱり来たんだな」
「うるさいですわね。せっかくきてやったんだから感謝なさい」
「じゃあいくぞ」
「え、そっちに行くんですの?」
「ああ」
(そっちはホテル街とは逆の方向ですわよ…?)
「ほら、早くいくぞ」スタスタ
「待ってください!」タッタッタ
「どこにいくんですの? それくらい教えてくださっても…」
「ババアの好きなところだ」
「だからそれを教えてって言ってるんですの! それと名前で呼んでください!」
「そういえば、なんか今日のババア違うな。いつもより若く見える」
「え? ぐ、具体的にどの辺りがですか!?」
「服と化粧、今日は頑張ってるな」
「…………」バシッ
「いた! なにすんだよ!」
「うるさいですわ! バカタカシ!」
「なんだよ…」
「よし着いた。ここだ」
「映画館ですか。確かに好きですけど、映画を観にきたんですの?」
「まあな」
1123/3だった間違えた:2013/08/07(水) 05:24:28.59 0
 入館

「あ、金ない」
「な…」
「まあせっかく来たんだしそこのソファでゆっくりしようぜ」
「そんなことだろうと思いましたわ…」

「…懐かしいな」
「ええ、学生の頃にもありましたわね」
「あとおまえは両親とも」
「ええ、まあ…そうですわね」
「人混みが苦手でもこの時間なら落ち着けるだろ」
「ええ、そういえば、お母様が言っておられましたわ」
「なにを?」
「あなたとお父様はどこか似てるって…」
「そうか、じゃあお父様も同じことしたのかな」
「え?」
「ババア結婚してくれ」
「え、え?」
「で、あ…でも、わたくしの店はもう潰れる寸前ですし…」
「俺だって結構稼いてるんだぜ。ババアを支えるくらい余裕だ」
「でも」
「いいから、はいかいいえか、それだけを答えろ」
「う…こんな最低なプロポーズなんて聞いたことありませんわ!」グス
「でも、タカシがどうしてもというならいいですわよ」ヒック
「ババアは、俺のことが好きか?」
「う…ん、わたくしはタカシを愛してますわ!」ダキ
「わかった。これからは俺がババアを幸せにしてやる」

おわら
113ほんわか名無しさん:2013/08/07(水) 06:03:21.98 0
割烹着着て居酒屋やってるお嬢が浮かんだ

GJ!
114ほんわか名無しさん:2013/08/07(水) 17:09:46.70 0
・ツンデレは受け継がれていく・・・

「ははうえ!」
「どうしたのじゃ?」
「おとこを落とすテクニックをおしえてほしいのじゃ!」
「恋をするにはまだ早い気もするが…まあよいじゃろう」
「やったのじゃー!」
「まず、男は単純じゃ」
「たんじゅんなのかえ?」
「うむ、吾がをつんでれにしてしまえば、それだけでよい」
「つんでれってなんなのじゃ?」
「要するに相手に本心を悟らせつつも本心を隠すフリをすることじゃ」
「むう、なんだかむずかしそうなのじゃ…」
「習うより慣れよ、じゃ。いいかえ? 儂の真似をするのじゃぞ?」
「わかったのじゃ!」
「べ、別に主のためを想ってしたわけじゃないんじゃからな! 勘違いするでないぞ!」
「べ、べつに主のためをおもってしたわけじゃないんじゃからな! かんちがいするでないぞ!」
「どうじゃ?」
「むう、なんとなくじゃがわかった気がする!」
「流石は儂の娘じゃ!」
「いいかえ? 次は…」

 そしてその様子を遠くの物陰から覗くものがひとり・・・

「今までのは全部演技だったのか…」ガクブル

おわり
115ほんわか名無しさん:2013/08/07(水) 22:03:37.84 0
演技、だと……!?
116代行スレ>>762:2013/08/07(水) 23:12:34.69 0
選択肢を間違えた

そう思ったことはあるだろうか、テストやゲームではよくある話だろう。
私の場合は違う、一応断っておくがテストでもゲームでも選択肢を間違えたことはある。
しかし私はもっと重大な物を間違えた、私は二十歳にもみたない学生だ。
細かい話をすれば学生ではなく生徒だ。
そんな、弱冠ですらない若輩者の私だが、それでも分かる。

私は

人生の選択肢を間違えた。
117代行スレ>>762:2013/08/07(水) 23:13:08.26 0
昔から人付き合いは苦手だった。だがしかし、だからといって、人付き合いをしなくてもいい理由にはならない。
けれども私は理由にもならない理由を心に並べ、伝えなければならない気持ちをを伝えず、ただただ自分の殻に閉じ籠っていた。
人を拒絶して人から拒絶される、そんな孤独に一人で酔っていた。
端から見れば滑稽だが、そうでもしなければ、造り出した孤独に依っていなければ

本当に孤独だったから
118代行スレ>>762:2013/08/07(水) 23:13:59.73 0
誰も気にしない誰からも気にされない、そんな孤独に寄り添い酔っていた。
よっていたかった
依って痛かった

━━━━━━━━━

[おおー]

「どした?何か見つけたのか?」

[難しい本見つけたー。なんかねー難しい事が書いてあるよー]

「言葉の最後を伸ばすな、また怒られるぞ」

[はーい]

『片付けは終わりましたか?』

[お母さんだ]

『はい、お母さんですよ。大分片付きましたかね、夜には終わりそうですね。』

[あのねーお母さーん]

『何ですか?』

[難しい本を見つけたのーでも難しくて意味わかんなかったー]

『言葉の最後を伸ばすんじゃありません』ペチン

[あぅ…ごめんなさい]
119代行スレ>>762:2013/08/07(水) 23:14:37.45 0
『ちゃんと気を付けてね』

『ところでタカシさん、難しい本ってどれですか?』

「日記帳だよ。高校時代のかな」

『タカシさん日記付けてたんですか、最初の3日だけであとは真っ白になってそうですね。』

「いやいや、俺のじゃない」

『え?』

「孤独に酔っていたwww」

『なあぁあぁあぁあぁあぁ!!』

『返して!返してください!』

「もうちょっと読ませてくれよwwwせめて俺と付き合い始めるところまででいいからwww」

『そこが一番恥ずかしいところなんですよ!』

「別に今更いいだろwww結婚して子供もいるんだしwww」

『駄目です!絶対に駄目です!』

[ねーお片付けはー?]

〜終われ〜
120ほんわか名無しさん:2013/08/07(水) 23:17:03.06 0
言葉遊びが面白くて深い!

GJ!
121ほんわか名無しさん:2013/08/08(木) 02:26:48.63 0
いや。投下が多くて良い事である

皆GJ!!
122ほんわか名無しさん:2013/08/09(金) 11:07:53.89 0
お題
つ・子供の頃みたいに男の前で無防備な格好を晒すツンデレ

つ・ツンデレに青春ってなんなんだろーなって言ったら
123ほんわか名無しさん:2013/08/09(金) 17:22:09.40 0
前スレの最後…
1241/2:2013/08/09(金) 18:19:59.01 0
>>122ツンデレに青春ってなんだろーなって聞いたら

タ「なあ」
か「なに?」
タ「青春ってなんだろーな」
か「は? どうしたのいきなり」
タ「いやなんとなく気になってさ」
か「…まあ、学校で勉強したり部活やなにかに打ち込んだり、あとは恋、とかじゃない?」
タ「そっか」
か「どうしたの? アンタなんかおかしいいわよ?」
タ「いやさ、俺も青春してみよっかなーって」
か「部活でも入るの? 別に入らなくたって…」
タ「いや、恋をしてみようかと思う」
1252/2:2013/08/09(金) 18:20:32.39 0
か「は!? 恋!?」
タ「うん、恋」
か「…恋って誰とよ」
タ「そりゃあクラスの子とか、友ちゃんとは結構仲いいしな」
か「ダメよ! ダメ!」
タ「え?」
か「そんなのダメに決まってる!」
タ「じゃあ他の…」
か「それもダメ!」
タ「じゃあ俺は恋をしたらいけないっていうのかよ!」
か「それは…そんなことはないけど…」
タ「俺が誰を好きになろうが関係ないだろ!」
か「そんなことないもん! 関係あるもん!」
タ「どこが!」
か「どこだっていいでしょ!」
タ「よくない!」
か「いい!」

友「青春すなあ……」
山「若いっていいですなあ……」
126おくさまはくのいち 1/5:2013/08/09(金) 19:41:37.84 0
 仕事から帰ってくると、玄関に草履が置いてあった。靴でなく、草履である。雪駄のような簡単なものではなく、伸びた紐
により足首にしっかりと固定できるようになっている。それが三足。
 またか……と思った。
 居間に進むと案の定、纏は全身を黒に包んだ集団と話をしていた。
「ただいま」
「うむ……先に風呂に入るがよい」
 俺の奥さんが鷹揚に頷くと、黒装束が3人揃ってこちらを振り返り頭を下げた。
「お邪魔しております、タカシ様」
「いや、様付けはやめてくれないか。何度も言ってるけど」
「そうは行きませぬ。頭領の旦那様となれば、我らも礼を尽くさねばならぬ故」
 そうは言うが、覆面を付けたままというのは礼にかなっているのだろうか。
 ――忍者である。
 どう見ても忍者である。
 現代的なマンションのリビングソファに、忍び装束の古典的な忍者が身を沈めている。
 テーブルの上に広げられているのは、ティーカップとクッキーという普通のおもてなしの他、何かの図面に巻物、手裏剣、巻き
菱という物騒なものが一緒に並んでいる。部下の尊敬を一心に集めている纏だが、眉をひそめると、
「儂はもう頭領を引退した身じゃ。こう頻繁に元頭領の元に助言を仰ぎに来ては、今の頭領の顔が立つまい」
と苦言を呈した。
「確かに現頭領の尊はこれしきのことでは怒らぬし、その度量があるからこそ後継に指名したのじゃが、それでも立場というものが
あろう。おざなりにされては儂も困る」
「も、申し訳もありませぬ……」
「……いや、よい。なんだかんだと、儂を気にかけてくれておるのは解っておる。じゃから、仕事の話など持って来ずにもっと気楽
に遊びにくればよい」
「ははっ」
 深々と頭を下げる3人。腕組みをしてそれを見る姿は、まさに元頭領と言う呼び名に相応しい貫禄に満ちている。
127おくさまはくのいち 2/5:2013/08/09(金) 19:42:22.42 0
 と、一人がおずおずと申し出た。
「頭領、いえ纏様……お恥ずかしい話なのですが、もう一つお願いが御座いまして……」
「なんじゃ?」
「その……頭領お手製の菓子。持って帰りとうございます」
「そんなことか。好きにせい、と毎度言うておろうが」
「ありがたき幸せ!」
 許可が出るなり3人は本当に嬉しそうな声でクッキーを手に取り、用意していた紙袋に詰める。
「家宝にいたします!!」
「食え食え。次はもう少し多くに作ってやるでな。里の皆と分けよ」
「ははーーっ!」
 ほとんど平伏した忍者たちは、きびきびとした動作で、しかし足音もなくリビングを出て行った。去り際に
「頭領のクッキー貰っちゃった♪」
とか聞こえた。野太い声で。
 あの格好のままお隣さんに目撃されたら非常にヤバいのだが、今のところそう言う話はない。穏行の術とか使ってるんだろうか。その
割りに玄関で履き物を揃える几帳面さがシュールだが。
「ほれ、風呂に入れと言うたろうに! その間に夕餉の支度をするからの」
「お、おう」
「いい加減、あの程度のこと慣れてくれねば困るぞ。仮にも儂の婿なのじゃから、あまりなよなよされては示しがつかぬ」
「解ってるってば」
 解ってた……はずなんだけどなぁ。
 21世紀の世の中ではあるが、どうやら忍者という職業は未だに健在らしい。仕事の内容は当然変容しているが、影に生きるという本分
は同じ。007顔負けの最新装備もあるらしいが、やはり最後に頼りになるのは伝統的なスタイル……とのこと。
 纏と出会ったのは、俺が以前勤めてた会社に産業スパイとして潜入してきたのが切っ掛けだ。ごく普通の中途入社してきた新人……と思
っていたのだが、なんだかんだで今の形に落ち着いた。
 『なんだかんだ』のところは、ちょっと勘弁して欲しい。長くなるし、なにより漏らしたら色々と危ない情報が含まれている。そもそも、
里の頭領である纏が直々に出てきた時点で相当規模の大きい話なわけで、結果として裏で色々胡散臭いことをしていた会社は倒産にまで追
い込まれてしまい、俺は転職を余儀なくされたし、纏は無関係な俺を巻き込んだ責任を取って忍を引退することになったが……今が幸せだ
から全て良いのだ。
128おくさまはくのいち 3/5:2013/08/09(金) 19:43:17.29 0
 風呂から上がると、カレイの煮付けに味噌汁、ひじきの炒め煮という純和風の食事が湯気を立てて並ぶ。
「いただきます」
 手を合わせてから、箸を付ける。カレイのほくほくした身に濃いめの味付けがご飯によく合う。
「いやぁ、いつもながら美味いなぁ」
「ふん。当然じゃ」
 ふんぞり返る纏だが、つきあい始めの頃はかなり世間とズレている部分があった。夕食にやたらと苦い薬を出され『この秘伝の丸薬を飲め
ば3日は食わずとも良いのじゃ』とドヤ顔されたときは流石に閉口したもんだ。本人は疲れ気味の俺を気遣ったつもりで、悪気は無かったの
だが。
 ただ、忍者集団の頭領だけあり基本的には器用だ。料理の腕もめきめきと上達し、もはや普通の主婦として何の問題もないレベルに達して
いる。まぁ、俺としてはやや複雑なものがあるのだが……。
「なぁ、纏。無理してないか?」
夕食をとりながら、尋ねてみた。
「ん? なんのことかの?」
「いや、やっぱり頭領の仕事に未練があるんじゃないかな〜と思って」
「ほう、お主は儂と別れたいのかえ?」
「んなこと言ってないって……でも、何だったら俺が里に移っても」
「お主が来たところで役に立つわけ無かろうが。穀潰しになるのが落ちじゃな。手裏剣の的の巻き藁の方が役に立つわい」
「そう言われると、何も言えないけど……」
「それに、責任を取るという形で身を引いたのじゃ。ほいほい戻っては組織が立ち行かぬし、後を任せた者の顔に泥を塗ることになるじゃろ」
「責任ったって、あれは……」
「いかなる理由があろうとも、無関係の人間に正体を知られてはならぬというのは『掟』じゃ。それを犯した以上、お主を一生監視するか……殺
して口を封じるか、となるのじゃが?」
「……監視の方でお願いします」
「うむ、なれば、黙って監視されておれ」
 泰然と微笑むと、纏はひじきに箸をつけて、自分の味付けに満足そうに頷き、それからぽつりと言った。
「嫉妬するでないわ。みっともない」
「うん?」
「まぁ、自分が居らん間に、里の者とはいえ男共を家に上げられて面白くないのは解る。忍びのしての儂は、お主には未知じゃろうしな」
「……」
129おくさまはくのいち 4/5:2013/08/09(金) 19:44:11.24 0
「じゃが、そんなのは儂も同じじゃ。知り合う以前のお主を、儂は知らぬ。儂とは違う世界に生きて居ったのじゃから、想像もできぬ……とはいえ、
何を気にする必要がある。里は信用できる者に任せて居る。父親になるのじゃから、もっとどっしり構えい」
「そうだな…………っ!? 父親!?」
 『俺のことをちゃんと見ててくれるし元頭領だけあって本当に面倒見が良いよな』とか『どうも器の小さいところを見せちゃったな』とか思ってた
俺の頭は、ようやくその聞き逃せない言葉を認識した。
「うむ、3ヶ月じゃそうな」
「そうな……って、マジか」
「くふふ……言っておくが、さっきの連中にもまだ告げてはおらぬぞ。医者を除けば、お主が最初じゃ」
「おおう……」
 イタズラっぽい笑みを浮かべると纏は腕を伸ばし、食卓においてた俺の左手をこしょこしょとくすぐった。
「無論、守秘義務やなんやらで教えられぬこともある。じゃが、儂のこの先の人生は、常にお主と共にあるのじゃ……それで我慢してくれぬか?」
「……我慢なんてとんでもないよ。凄く、嬉しい」
「くふふ、お主の良いところは思ったことをすぐ言うてくれるところじゃ。余計な腹の探り合いは、忍の仕事で飽き飽きしたでな」
「愛してる」
「もっとじゃ」
「世界一の俺の嫁さんだ」
「もっと」
「もう纏以外見えないよ!」
 調子に乗って、そんなセリフが口を出た瞬間だった。纏の笑みがすいっと引いた。
「それで思い出した。それについてじゃが、たまたま里の者が、こんなものを見つけての」
「うん?」
 そう言って目の前に取り出されたのは、名刺大の紙片をラミネートしたものだった。
 というか名刺だった。
 というか、見覚えがあった。
 というかそれはキャバクラのお姉ちゃんがくれた奴……。
「よいよい、解って居る。付き合いというのもあろうしの。儂とて野暮は言わぬよ? じゃが、このような者を儂の目の触れるところに置いておくのはい
かがじゃろうな?」
「いやいやいやいや」
1305おくさまはくのいち 5/5:2013/08/09(金) 19:45:00.11 0
 絶対目に触れないように、いらない書類に挟んで会社のシュレッダーにかけたのだ。それをご丁寧に回収して復元するとか忍者こえぇ! こえぇよ忍者!
 っていうかたまたま見つけたって話じゃないよね!? 絶対に命令の上で監視させてるよね!? 公私混同、職権乱用! 頭領は引退したんだろ!? そ
れに、これが目に触れるならもう俺のプライベートどこにもないよね!?
 頭の中には山ほど突っ込みどころがあったが、目の前の迫力がそれを口に出させてくれない。
「それじゃ、じっくり話を聞かせて貰おうかのぅ……」
 にこにこと笑う纏だが、それは獲物をいたぶるときのものだ。
「あの、纏さん。嫉妬は……みっともないんじゃ……」
「嫉妬などしておらんよ? じゃが、こういう話題は胎教に良くないでな。今の内にはっきりさせておこうではないか? ん?」
「あ、あはは……」
 浮気を疑うならば、携帯を調べたほうが何十倍も早い。
 結局のところ、生まれたときから忍である纏は、こういう風な付き合い方しかできないのだ。だから、俺はとことん付き合ってやる。まぁ、夫婦のノロケ
につき合わされている忍者が最低一名いるのはご愁傷様としか言いようがないけれど。
「妻の妊娠中が、最も男の浮気しやすいタイミングと聞くでな。儂の魅力を改めてたっぷり仕込んでやらねばの」
「ふっ、仕込んだのは俺だろ?」
「言うておれ……くふふ」
 頬を微かに赤く染めて、纏は俺の左手をくすぐり続けた。








「しかし、少々複雑な気分じゃな。逆算すると、お主が『悪代官と捕まったくのいち』プレイにハマっておった時期に仕込まれたことに」
「それは言うな!」

終り
131ほんわか名無しさん:2013/08/09(金) 22:15:50.78 0
まつりん可愛いなあああああああああもおおおおおおおおおおお!!!!!!

GJ!!
132ほんわか名無しさん:2013/08/10(土) 06:44:54.60 O
あー、俺も悪代官vsくのいちプレイしてぇよ!!(魂の叫び)
グッジョブ!!
1331/3:2013/08/10(土) 07:57:48.73 0
・無表情ツンデレと動物園に行ったら

「…きたよ」
「遅刻してんじゃねーよ」
「細かいことは気にしないの。それより2人は?」
「さっき連絡がきて、山田も友ちゃんも今日は無理だってさ」
「どうして?」
「山田は風邪で、友ちゃんは知り合いの子を子守しないといけないらしい」
「じゃあ2人はこないの?」
「だからそういってんだろ。で、どうする?」
「どうするって?」
「今から。どっかいくか?」
「なんでわたしがタカシなんかと…」
「別に、嫌ならいいけど」
「……動物園がいい」
「え?」
「動物園がいい。動物園にいきたい。だめ?」
「ああわかったわかった。じゃあいこうか」
1342/3:2013/08/10(土) 07:58:42.14 0
 ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

「すいててよかったね」
「まあ朝早いからな」

 ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

「人が増えてきたね」
「まあ動物園の近くにも遊園地とかいろいろあるしな。迷惑だから近くに寄れ」
「そんなこといってわたしと引っ付くことが目的なんでしょ」
「いいからもっと寄れ」
「……うん」

 ガタンゴトン・・・ガタンゴトン・・・

「やっと着いた…」
「疲れたならちょっと休んでくか?」
「へーき」
「ほんとうか? おまえ表情が変わらないから怖いんだよなあ」
「怖いの?」
「いつ倒れるか分からないからな」
「そうなんだ…」
「とりあえず近くの店でゆっくりしていこう」
「うん…」
1353/3:2013/08/10(土) 07:59:47.39 0
 しばらくして・・・

「わー、かわいー」
「ほんとうに思ってるか?」
「うん。だってペンギンさん好きだもん。タカシはかわいいと思わない?」
「いやかわいいとは思うけど・・・」
「楽しくない?」
「おまえは?」
「わたしは、別に…」
「じゃあ俺も楽しくない」
「え?」
「もう帰るか?」
「…わたしは楽しんでるよ」
「は? いやさっき…」
「わたしは楽しんでるよ。みんなで遊ぶのも好きだけど……タカシと2人っきりなのも好き。だから今日はすごく楽しい」
「…………」
「好きな人と一緒にいれば楽しいものでしょ? タカシはわたしのことは嫌いかもしれないけど…」
「別に嫌いではないけど、おまえが楽しんでるならそれでいいよ」
「そう……」
「…………」
「…ん、あっちに触れ合い広場があるよ」
「じ、じゃあいってみようか」

おわり
136ほんわか名無しさん:2013/08/10(土) 08:07:21.05 0
無表情さんに「あなたも可愛いよ」って言いたい

GJ!!
137ほんわか名無しさん:2013/08/10(土) 17:50:32.22 0
>>125
嫉妬かなみん可愛いwww

>>130
『悪代官と捕まったくのいち』プレイの詳細を是非

>>135
最後きっちりデレてくれる無表情さんに萌え
138ほんわか名無しさん:2013/08/10(土) 19:38:00.63 0
夏とは関係ない話題で6レス

続き物です
1391/6:2013/08/10(土) 19:38:32.11 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら

 事が起こったのは、明日がいよいよ文化祭初日という日だった。
『あれ? 真野さんどうしたの?』
 教室に入って来た一人の女子に、他の子が声を掛ける。すると彼女は苦しそうに声を絞
り出した。
『ごべん…… 風邪ひいぢゃっで、喉腫れでんの……』
 マスクをしたまま、ゴホゴホと咳き込む彼女に、他の子が困ったような叫び声を上げた。
『えーっ!! どうすんのよ。真野ちゃん、明日大丈夫なの?』
 すると真野さんは、首を傾げつつ、一つ咳払いをしてから首を振った。
『熱ば無いがら、文化祭は何どが大丈夫らげど…… メイドさんはぢょっど……無理……
ゴホゴホッ!!』
『困ったわねぇ…… うちの看板メイドなのに。他に代わりになるとしたら……誰が良いかしら?』
 クラスの委員長が首を傾げつつ、不安げな目でこちらを見つめてくる女子を見回す。す
ると、唐突に声が上がった。
『委員長っ!! あたしは椎水さんを代役に推薦します!!』
『ふぇっ!?』
 突然指名されて、私はびっくりした声を上げると、声のした方を振り向いた。すると、
友人の友子が、自信満面な顔で私を指差している。
『椎水さん? でも大丈夫かしら。確かに容姿は申し分ないけど、クラスでの自己紹介の
時だって、か細い声で挨拶するのがやっとだったのに』
 心配そうな声で疑問を呈する委員長に、私はコクコクと頷いた。私なんて裏方で皿洗い
でもしているのがお似合いの人物なのに友子は何を勘違いして私なんて推薦しているのだ
ろうかと。しかし友子はなおも主張を続けた。
『そんな事は、中学時代から親友を続けているあたしが一番良く分かってます。けど、真
野さんに代わって客を取れる代役って言ったらちなみんしかいないんです。悔しいけど、
あたしが可愛らしく色っぽく愛想精一杯振りまいて、お帰りなさいませご主人様ってやる
よりも、ちなみんのたどたどしくて恥ずかしそうなアニメ声の方が男子には受けるんです』
1402/6:2013/08/10(土) 19:39:03.25 0
 そんな事はない。私なんて愛想の一つも振りまけないし、ウェイトレスなんて絶対に失
敗するに決まっている。しかし、臆病な性格が災いして、反論の声を上げる事も出来ない
まま話は進んで行ってしまう。
『うーん…… 言っている意味は良く分かるけどねえ……』
 委員長は悩んでから、事の成り行きを見守っている男子の方に顔を向けた。
『どうなの? 男子としては。真野さんの代役として、うちのクラスで最も可愛らしくて
萌える女子だったら誰がいいと思う?』
 すると、男子を代表するように副委員長が手を上げた。
「そりゃあ、出来るなら椎水さんが一番いいよなあ。そもそも、最初っから候補の最上位
に上がってた訳だし。けれど、本人がどうしても無理だって拒否したのに、大丈夫なのか?」
 私は無意識のうちに、一人の男子の方へと視線を向けてしまった。幼馴染で私の事を良
く知っている彼なら、救いの手を差し伸べてくれるのかもしれない。しかし、それよりも
早く、友子が自信満々に頷いてしまった。
『まーかせて。ちなみの性格ならあたしだってよくよく承知してるもん。見た目の愛らし
さとは裏腹に、無愛想で口下手なこの子でも、ちゃんとメイド役が務まるような手段は考
えてあるから』
 友子の発言に私は慌てた。友子がこんな風に自信満々な時は、絶対に良からぬ事を考え
ているのに決まっているのだ。特に私絡みの時は。だけど、私がイヤだと言う前に、委員
長が話を進めてしまう。
『うーん…… 椎水さんと仲が良い友ちゃんが言うんだったら、大丈夫かしら。どう? 他
のみんな。それとも私が是非とも代役をやりたいっていう子はいる?』
 しかし、クラスでルックスに自信のあるような子は自薦他薦を問わず、既にメイド役に
選ばれており、ましてやクラスで一、二を争うと言われる真野さんの代わりを努めような
どと思うほど勇気のある子はいなかった。
『よし。それじゃああとは椎水さんの意思確認だけだけど…… どう? やってくれない
かしら。みんな貴女に期待しているのよ』
『おでがい。じずいざん……ゴホゴホッ!! わだじもやりだがっだけど、このごえじゃ……
だがら、頼んでもいいがな?』
1413/6:2013/08/10(土) 19:39:34.24 0
 委員長と真野さんに両側から懇願されて、私は断る勇気が出せなかった。
『わ……私は、その………… どうしてもって……言うなら……』
 すると、二人の顔がパッと明るくなる。
『本当に? ありがとう。人前に出るの苦手なのに、よく勇気を出してくれたわね。感謝
してるわ』
『ゴベンね…… ごんなごえじゃながったら……ゴホッゴホッ!!』
 二人の感謝の声を聞きつつも、私は果たしてこれで良かったのだろうかと早くも後悔の
念が頭を過ぎるのだった。


 文化祭の準備が突貫工事で進んで行く中、私は友子に呼び出されて店舗となる調理実習
室から教室へと戻った。
『……何で……私がこんな格好……しなくちゃならないんだろう…… 全然似合ってない
のに……恥ずかしい……』
 今の私の格好は、黒いワンピースにフリルのついた白いエプロンといういわゆるメイド
の格好をしていた。俗に言うメイド服――それも、ちゃんとしたメイドの着る地味な格好
ではなく、秋葉原とかでメイド喫茶の店員が着るようなミニスカートの可愛らしさを強調
したものだ。
『着付けをしてくれた子とか……可愛いって言ってくれてたけど……絶対お世辞だよね……』
 さっきから、人とすれ違うたびに視線が気になってしょうがなかった。恐らく文化祭当
日でもないのにこんな格好してる私を物珍しく思っているのだろう。恥ずかしさに身をす
くませつつ、私は早足で教室へ向かうと、ドアを開けて滑り込んだ。
『おー。来た来た。ちなみん乙〜』
『お疲れ様、椎水さん。悪いわね。急にこんな話になっちゃって』
 笑顔の友子と申し訳なさそうな委員長。そしてもう一人、教室にいるのに私は気付いた。
「よお、ちなみ。似合ってるぜ、メイド服」
 その声に、私は驚いて視線を向ける。いるとは思っていなかった男子生徒を確認して、
恥ずかしさから逃げたくなる気持ちになりつつ、それをグッとこらえて睨み付けた。
1424/6:2013/08/10(土) 19:40:05.16 0
『……何で……君がここにいるの……?』
 その彼――別府タカシは、若干困惑したような笑みを私に向けて来て答えた。
「いやその…… 俺も早見に呼ばれて来たから、何でなのかはわかんないけどさ。けど、
とりあえず他の連中より早くちなみのメイド姿を見れたのはラッキーだったかなと」
『ひ……人の名前を……軽々しく名前で呼ぶな…… バカッ……!!』
 友子だけならともかく、委員長もいる教室で気安く呼び掛けられて私は慌ててタカシを
注意した。しかし、すぐに委員長が割って入る。
『大丈夫よ。貴方達が幼馴染だってことは友ちゃんに聞いたから。二人の関係を勘違いし
たり、変に勘繰ったりしないから安心して』
 安心させるように笑顔で頷く委員長に、私は今度は友子に矛先を向けた。
『――っ……!! どうして……勝手に……しゃべるかな……? 人の許可も無しに……
信じられない……』
 すると今度は、慌てて友子が言い訳に入る。
『だ、だってさ。そうでもないと、別府君をちなみの練習相手に指名する言い訳が立たな
いじゃない。ちなみが一番安心して相手出来る男子って、別府君くらいしかいないでしょ?
委員長は、責任者としてはちゃんと最後までフォローしたいから、どうしても付き合うっ
て譲らないしさ。だったら話しちゃった方がいいかなーって。それに、委員長なら口も堅いし』
『……別に……こんなのじゃなくたって……接客くらいなら……出来るし……』
 不満顔で私は友子からタカシへと視線を移す。それからタカシに向かっても文句をぶつけた。
『……タカシだって……断ればいいのに…… 私が嫌な思いするって……付き合い長いん
だから……気付けばいいのに…… そもそも……私が代役に指名された時だって……一言
もフォロー入れないし…… 反対意見の一つでも……言えばいいのに……』
「いや。そりゃ無理だって。下手にちなみを庇って代役に反対したら、下手すりゃ俺たち
が幼馴染だってあっさりバレちゃうぜ。それに実際、ちなみって可愛くて男子にも結構人
気あるのに、あの展開ではどうにも出来ないって。俺に文句言うのはお門違いだろ。早見
が指名しなければ、他の子になるかも知れなかったわけだし」
1435/6:2013/08/10(土) 19:40:58.74 0
『あたしとしては、さっきも言ったとおりうちの店のナンバーワンメイドの真野さんに代
わって人気取れるならちなみが一番ってはもちろんあるんだけど、それだけじゃないんだよね〜』
 私に口を挟む隙を与えず、二人が立て続けに言い訳をする。おまけにタカシまで私が男
子に人気があるなどと心にも無いお世辞を言うものだから、さらに口を出せなくなってし
まう。そこにさらに友子がもっともらしく理由を付け足してきた。
『ちなみの欠点はさ。人見知りで無愛想で口下手ってところなのよね。まあ、言わなくて
も分かってると思うけどさ。もうちょっと感情を表に出して、口数少なくても、あんまり
親しくない人でも普通に会話出来れば完璧なのよ。で、それを矯正するに、この機会はもっ
てこいかなって思って』
『私に……接客業なんて出来るわけない…… 友子だって……それは良く知ってるはずな
のに……』
 マニュアル通りの対応をすることだって、知らない人の顔を目の前にして声を掛けよう
とすると、緊張しちゃって言葉が出なくなるのだ。さらにそれの連鎖で自分でもどうしよ
うもないくらいダメになってしまうというのに。
『だから、練習するのよ。ちなみが一番相手しやすい別府君を客に見立ててね』
 正直、おせっかいも甚だしいと思う。私は確かに人見知りで人前に出ると上手く話しも
出来ないし、内気で愛想も良くないとは思う。だからと言って、それで困っているなんて
一言も言ったこと無いのに。
『椎水さん、頑張って。まずは笑顔からよ。笑顔』
 委員長にニッコリ笑顔で励まされると、出かかった文句も引っ掛かってしまう。これも
友子の罠かと私は内心舌打ちした。
『……引き受けちゃった以上……しょうがないけど……相手がタカシって言うのは……ど
うしても納得行かないんだけど……』
 ちらりとタカシに視線を走らせて、私は文句を言う。メイド喫茶と言う以上は、お客様
イコールご主人様のはずだ。こんなフリフリのメイド服でタカシのメイドになるなんて、
想像するだけで胸がドキドキしてしまう。それを抑えつつ私は精一杯の抵抗を試みたのだ
が、友子はあっさりと却下してしまう。
1446/6:2013/08/10(土) 19:41:34.37 0
『何言ってるのよ。他の男子じゃどうせ声も出せなくて練習にもならないでしょうが。好
き嫌い言ってる場合じゃないのよ。この際』
 確かに私は、タカシ以外の男子とは、機械的な会話以外話したことがない。だからとい
てそれとこれとは話が別なのに、タカシまでもが友子に賛同してくる。
「イヤイヤかも知れないけどさ。やるって引き受けた以上は責任持たなきゃマズいだろ。
それに、他の連中じゃちょっとがっつき過ぎるからな。あれじゃあちなみが怯えちまうし」
『ホント。うちのクラスの男子と来たらどうしようもないんだから。私も別府君が一番の
適任だと思うわよ。椎水さんだけじゃなくてお客役も、冷静に判断出来る男子の方がいいしね』
 さらには委員長までもがタカシを後押しして来るものだから、私としてもこれ以上嫌だ
というわけにも行かなくなってしまった。それに確かに嫌な訳じゃない。ただ、恥ずかし
いだけだ。死にそうなくらいに。
『じゃあさ。まずはあたしが見本見せるわ。別府君。お客役やってくれる?』


続く
頑張るちなみんの巻
145ほんわか名無しさん:2013/08/10(土) 20:16:53.30 0
久しぶりに立ててみた

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1376133252/


>>144
続きwktk
146ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 10:50:49.22 0
・ハグの日とツンデレ

「ねえ、今日が何の日か知ってる? むみさん」
 夏休みも始まったばかりの猛暑日、僕はいつものようにクーラーの効いた自分の部屋で、恋人であるむみさんをもてなしていた。といっても、今のところは、単に、二人で夏休みの宿題をしているだけではあるけれど。
 肩を越すほどまで伸ばした、黒く艷やかな髪が目を引く彼女は、表情にこそ乏しいものの、今日も僕が知るかぎり世界で最も美しい。
「急に何を言い出すかと思えば……日本人なら知ってて当然でしょう? 今日は長崎に」
「あ、いや、そんなシリアスな方じゃなくて、もっとラフな記念日だよ」
「ラフな記念日……? 他には、特に何もなかったと思うけど」
 怪訝そうに答えるむみさんに、僕はにんまりと笑って言う。
「実は今日って、ハグの」
「しないわよ」
「早っ」
 そして、なんて冷たい声!
「大体、今日みたいな真夏日にそんなことをするなんて、非合理的だわ」
 クールに言い放つむみさんに、
「エアコンつけた室内なら、関係無いんじゃ……」
 と、僕も負けじと言い返すのだけど。
「たとえ涼しくったって、絶対嫌よ。……ハグの日だからって、どうして貴方と、だ、抱き合わなくっちゃいけないのよ」
 と、相変わらず素気ないむみさんの言葉を、一瞬、そのまま受け止めて、心が折れそうになる。しかし、よく見れば顔を赤くしているので、いつもの照れ隠しだというのは、少し考えればわかることだ。
 可愛い。
 やはり、むみさんは文句なしに世界一可愛い。
147ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 10:51:27.68 0
 思わず抱きつきたくなるけれど、今、欲望に身を任せても、拒絶されるのが目に見えているので、ここは鋼の心でもって我慢する。偉いぞ僕。
「ちぇっ……あー、むみさんとハグしたかったなー……」
「……」
 少しばかりわざとらしく――しかし、半ば本気で――独りごちながら、宿題のプリントへと向き直る。


「ね、ねえ……」
「ん? どうしたの、むみさん?」
 心なしか、やや緊張したような声のむみさんに、顔を上げる。
「少し……その、冷房が効きすぎてるんじゃないかしら」
「ああ、ごめん。僕には、ちょうど良かったんだけど、むみさんにも確認すればよかったね。今、設定温度を上げるから……」
 微かに顔の赤いむみさんを見て、僕は、慌ててエアコンのリモコンに手を伸ばす。僕の不注意で、むみさんに風邪を引かせてしまうなんて、あってはならないことだ。
「い、いいわよ、別に。設定温度は上げなくても……」
 だけど、顔を俯かせて、むみさんはそう言った。
「え? でも、むみさん寒いんじゃ……」
「だ、だって、貴方には、ちょうど良いんでしょう……?」
「いや、そうだけど、僕はむみさんに合わせるからさ」
「わ、私は、いいわよ……その、貴方が……くれれば……」
 依然として俯きながら、呟くように答えるむみさんに、僕は訝しんで聞き返す。
「え? ごめん、最後の方が、よく聞こえなかったんだけど……?」
「だ、だからっ……あ、貴方が暖めてくれれば、私は別に、このままでいいって言ってるのっ」
「僕が、暖めるって……」
 言いながら、意を決したように顔を上げたむみさんと、目を合わせる。
 その顔は、さっきまでより、ずっと赤く、瞳は少し潤んでいるように見えた。
「……素直じゃないなあ、相変わらず」
 まあ、そういうところも大好きなんだけど。
「う、うるさいっ。そ、それで、どうす――」
「もちろん。誠心誠意、暖めさせて頂きますよ?」
 むみさんの言葉を遮って、僕はしっかりと彼女を抱きしめた。
「……な、なら、別に……文句はないわ……」
 僕の腕の中で、ぼそぼそとそう言いながら、むみさんの方からも、ぎゅっと抱きしめてくれる。その体は、正直暖める必要なんてないんじゃないかってくらいに熱かったけれど、そんなことは当然、口には出さない。
 お互いの高鳴る鼓動が、体を通して重なりあって、まるで二人の心臓が一つになったように感じられる。
「好きだ……大好きだよ、むみさん……」
 そして、心の中から零れ落ちるように、言葉が、思わず口をついて出てきた。
「……っ。……うん…………わ、私も……大好き、よ……」
 頬をさらに赤く染め、少し震えた声で、そう答えてくれるむみさんを、いっそう強く抱きしめながら……こんな風に、むみさんと過ごせるなら、ずっと暑い日が続けばいいのに、と僕は心の底から思うのだった。
149ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 11:01:06.97 0
最初に「三レスほど貰います」って書き込もうと思ってたら、うっかり本文書き込んでしまっていたという

最近は投下が多い上に、みんな可愛くて素晴らしいですねGJですね
150ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 12:10:43.80 0
むみさんが可愛すぎて悶絶した
151ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 14:06:07.21 O
むみさん可愛いよむみさん
お題
あついぜー!熱くて死ぬぜー
とツンデレに言ったら
152ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 15:44:23.39 0
待ち受け勝手に変えられてた
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2769.jpg
153ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 20:43:26.06 0
こんな彼女欲しい……
154名無しぢゃないけど:2013/08/11(日) 20:53:11.28 0
あー彼氏ほしいわ
155ほんわか名無しさん:2013/08/11(日) 21:28:46.30 0
昨日の>>139-144の続き投下します
5レスくらい
1561/5:2013/08/11(日) 21:29:26.66 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら その2

「了解。ドアから入って来ればいいんだろ」
『そ。ちなみん。ちゃんと見ててね。次はちなみにやって貰うんだから』
 タカシが一度教室の後ろの入り口から出て行く。友子は前の入り口の傍に、かしこまっ
た顔で立っている。そしてタカシが入って来ると、にこやかな笑顔を振りまいて挨拶した。
『お帰りなさいませ、ご主人様』
「あ、ああ……」
 戸惑うタカシに、友子はそっと手をタカシの腕に添えた。
『さあ、どうぞ。お席にご案内致しますね。あ、お荷物もお持ちしますから』
「えーと…… じゃあ、宜しく」
『はい。じゃあ、こちらへどうぞ』
 馴れ馴れしい仕草でタカシを席へと誘う友子に苛立ちを覚えて私は成り行きを見つめて
いた。すると、脇から委員長が優しく声を掛けてくる。
『大丈夫よ、ちなみちゃん。あそこまで媚びを売らなくてもいいから。セリフと、あとは
笑顔だけ覚えといてくれればいいわ』
 私の苛立ちをどうやらメイド役に対する抵抗感と委員長は勘違いしてくれたらしい。し
かし、気持ちが顔に出ているのを友子に見られたらマズいので、私は慌てて表情を消した。
『……はい……まあ、何とか……』
 しかし、いつの間にか委員長の中では私の呼び名が椎水さんからちなみちゃんに変わっ
ていた。そこまで仲良くなったのかは果たして疑問だと思うのだけど。
『それじゃあご主人様。これ、私達がご主人様の為に真心込めて書いた手書きのメニュー
です。まずはお茶になさいますか? それともお食事になさいます? そ、れ、と、もっ……
いきなりデザートとか……行っちゃいます?』
 どっちかというと女子としてはカラッとした性格の友子が派手に媚びを売る姿は似合わ
ないと思う。タカシも何か微妙な顔つきだし。私は隣にいる委員長に不安げに聞いてみた。
1572/5:2013/08/11(日) 21:30:06.89 0
『……あの……本当に……あのセリフ……言うんですか?』
『……大丈夫よ。デザートのくだりは全部友ちゃんのアドリブだから。ちょっとやり過ぎ
よね。全く……』
 あそこまでやらなくていいと知って、私はちょっとホッとする。それから、ちょっとだ
け私がタカシ相手にしなを作りつつデザートを勧めるシーンを妄想する。途端に体が焼けた。
「えーと……じゃあ、これ。ツン×デレ(はぁと)カレーで」
『はぁい。かしこまりましたぁ。ぢゃあ、ちょっとお時間掛かりますけど、ご主人様の為
に、なるはやでお持ち致しますので、少しだけお待ちくださいね』
『はい、ストップ。友ちゃん、少しやり過ぎ。あれじゃあちなみちゃんが脅えちゃうでしょ』
 委員長に指摘されて、友子はペロッと舌を出す。
『いやあ〜…… どうせなら思いっきり媚び売っといた方がいいかなあって。あれくらい
過剰な演出見せとけばさ。ちなみがやってもある程度はマシな対応になるんじゃないかな
あって』
『だからって敷居高くし過ぎて却って抵抗感強めちゃったら意味無いでしょうが。後はじゃ
んけんゲームの所だけ見せてあげて。過剰な演技は無しでね』
『ふぁーい。ごめんね、別府君。委員長からダメ出し食らっちゃったから、サービス出来
なくなっちゃった』
「いや。俺も正直ちょっと引いてたからさ。普通のほうが助かるわ」
 タカシの言葉に、さしもの友子も苦虫でも潰したかのような表情になってしまう。私は
心の中でタカシに賞賛を送った。ナイスタカシ。
 そのあと、ゲームの様子を見せられる。要はメイドとあっち向いてホイで勝負し、勝っ
たらご主人様愛してますと書かれたカード入りの手作りクッキーをプレゼントされ、負け
たら顔に落書きの罰ゲームが待っていると言う物だ。一通りそのシーンを終えると、いよ
いよ私の番になってしまった。
『さ、ちなみ。じゃあまずはお出迎えのところからよ』
1583/5:2013/08/11(日) 21:30:37.90 0
 ポン、と背中を軽く友子に叩かれ、私はおずおずと教室の入り口に向かう。いざとなる
とやっぱり体がカッカとして、緊張で足が震えてしまう。何とか動揺を静めようと、私は
小さく深呼吸を繰り返す事にのみ意識を集中した。
『はい。ダメ、ちなみ』
『へ……えっ?』
 顔を上げると、困った顔のタカシが私を見下ろしていた。私はタカシが入っていたのに
全く気付かなかったから、そこで一気に動揺が加速してしまう。
『いいいいいい……いきなり……入って来ないでよ……バ……バカッ……』
 つい詰ってしまうと、タカシは困ったように首を傾げた。
「いきなりったって……客っていきなり入ってくるもんだろ? まあ、表で呼び子役の子
もいるから、空気読めば分かるだろうけど、今のちなみの様子じゃあ絶対気付かないぜ」
 言い返そうとしても否定出来ない自分が悔しい。しかし素直に認めるのも癪なので、上
目遣いに睨み付けて黙っていると、今度は友子が傍に来て説教を始める。
『もう……緊張しすぎで気付きもしないって論外じゃない。さすがにもうちょっとしっか
りしなさいよ』
『う……うるさいなもう…… 今のは……その……頭の中でシミュレーションしてたから……
慣れれば……そのくらい……出来るし……』
 呆れる友子に、恥ずかしさをごまかそうと不満気に言い返す。すると、すかさず委員長
がフォローに入ってくれた。
『大丈夫よ。焦らずじっくりとやって構わないから。私の権限で、貴方達にはクラスの他
の手伝いは一切免除して貰ったから』
『……あ……ありがとう……委員長……』
 偉そうな友子の後だと、委員長がとても優しく思えて、私はついお礼を言ってしまった。
横でタカシがうーん、と体を伸ばす。
「そういう事なら、ゆっくりやるか。どうする、ちなみ。最初はわざと足音立てて入ると
かするか?」
 気楽そうな態度を恨めしく思いつつも、私は首を振った。
1594/5:2013/08/11(日) 21:31:09.26 0
『……いい…… 今度は……ちゃんと……気付くから……』
「よし。じゃあ、始めるから待機してろよ」
 もう一度、タカシは教室の後ろから出て行く。私は今度は失態を犯さない様、顔はしっ
かりと上げて呼吸に意識を集中させた。すると、スッと陰が視界に入ったかと思うと、一
瞬でタカシの姿になる。
『ふぇっ……!? あ……あ、あ……あの……』
「はい? どうかしました?」
 思わぬ敬語に、最初の第一声が出なくて動揺した私は、さらに追い討ちを掛けられたか
のように混乱する。
『ふぇっと……しょの……あああ……あの……』
『ぶはっ!!』
 後ろで盛大に息を吐き出す音が聞こえ、私とタカシは一斉にそっちを向く。すると友子
がお腹を押さえつつ、床にしゃがみ込んで必死で笑いを堪えている姿が見えた。
『ダメ……もう……ふぇっと、とか……ちなみん噛み過ぎて……アハッ……アハッ……
アハハハハハハッ!!』
 すると、隣に立っていた委員長が友子の脳天をグーで叩く。
『アーハハハハ……あいたっ!! アハッ……ゴホッゴホッ!!』
『ダメよ、友ちゃん。ちなみちゃんも真面目にやっているんだから、笑うなんて失礼じゃない』
『いや、ゴメンちなみ……悪気は無いんだけど……悪気は……アハハハハッ!! あーお
かしい…… だってだって……ふぇっとしょのあのとか……くぁわいらしすぎてもう……』
『誰のせいで……こんな事やってると……思ってるの……バカ……』
 もういっそ責任も何も放り出して逃げ出してやろうかと思った時、タカシがポンと私の
頭に優しく手を置いて笑顔を向けた。
「焦る事ないさ。やってるうちに緊張も解けるだろうし。そうすれば上手く言葉も出るだろ」
 私は、体の芯がキュッとむず痒くなる感覚に堪え切れず、タカシの手を払ってしまう。
1605/5:2013/08/11(日) 21:32:16.64 0
『……馴れ馴れしく……触らないでよ……気持ち悪い……』
 しかし、タカシの優しさが落ち込みかけた私の気分を癒してくれた事は疑いようもない
事実だった。
「さ。それじゃあもう一回やってみようぜ。それとも、入ってくるところは省略して、挨
拶の練習だけするか?」
『……もう……何でもいいよ……好きにして……』
 こんな事で私がちゃんとメイドとして務まるのだろうか。私は我ながら疑問に思わざる
を得ないのだった。


続きます
161ほんわか名無しさん:2013/08/12(月) 23:28:38.39 0
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2770.jpg

このあと、愛の罵詈雑言が。
162ほんわか名無しさん:2013/08/12(月) 23:53:29.97 0
>>161
何これ



可愛いwwww
163ほんわか名無しさん:2013/08/13(火) 17:15:39.16 0
164ほんわか名無しさん:2013/08/13(火) 18:15:58.52 0
>>163
眼鏡っ娘ツンデレ水着(・∀・)イイ!!





と思ったらwww
165ほんわか名無しさん:2013/08/13(火) 20:48:00.23 0
>>163 4コマ漫画風に書いてみた

タ(今日はみんなで海だ。女の子達も来てるから楽しみだなあ)
友「おまたせー」

山「うぉっ、友ちゃん意外とスタイルいいね!」
友「もうなにいってんのよー照れるじゃない」

タ「あれ、眼鏡っ娘ツンデレは?」
友「眼鏡っ娘ツンデレちゃんならそろそろ来ると思うんだけど…あ、きたきた」

ツ「ど、どう? 似合うかな…」
タ・山(意外とたくましいスタイル…!)
166ほんわか名無しさん:2013/08/14(水) 14:07:45.56 0
お題
つ・和食を食べた事のない留学生ツンデレ
167ほんわか名無しさん:2013/08/14(水) 19:52:17.69 0
>>161
可愛い! 可愛い! って連呼したい
168ほんわか名無しさん:2013/08/15(木) 14:33:18.50 0
>>156-160の続き投下

5レス貰います
1691/5:2013/08/15(木) 14:33:55.04 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら その3

 果たして、不安は的中した。
『うーん……困ったわねえ……』
 既に陽は落ち、窓の外には夜の帳が下りていた。しかし、文化祭本番も明日となれば、
学校内は当然とばかりに多くの生徒がまだ残って明日の準備に勤しんでいた。恐らく徹夜
組みも出るのだろう。そして、このままだと私達もそうなる事になりそうだった。
「何とか挨拶は出来るようになったけど……その次がなあ……」
 タカシの言葉に、委員長も難しい顔で頷く。練習のおかげで何とか、お帰りなさいませ
ご主人様は言えるようになった。しかし、その後の言葉となると、頭が真っ白になって何
も出てこない。状況に応じて自分でセリフを言い回すなんて、私に取っては難度トリプルAだった。
『まーかせて』
 するとここぞとばかりに友子が中指を突き立てる。いつのマンガだ。
『友ちゃん。下品』
 委員長が顔をしかめた。そういう冗談が嫌いなのは、さすが優等生と言ったところか。
「何かいいアイデアでもあるのかよ?」
 タカシの問いに、友子は自信たっぷりに頷いた。
『まあ、こんな所もあろうかと思ってね。こういうの持って来たのよ』
 友子が用意したのは、ハンズフリー通話が出来るヘッドセットだった。
「何だよこれ? 通信機か?」
 興味深げに手に取って眺めるタカシに、友子は頷いてみせた。
『そうよ。普段、部活で使ってる奴なんだけど、ちょっと拝借して来たの。備品なんだか
ら、壊したりしちゃダメよ』
『で、これを何に使うつもりなの?』
 委員長の質問に、友子は自信満々、頷いてみせた。
1702/5:2013/08/15(木) 14:34:26.28 0
『よくぞ聞いてくれました。つまりこれをちなみの頭にこうくっ付けて、セリフはこっち
が無線で指示を出すの。そうすれば、ちなみは考えずに鸚鵡返しに聞いた事を口に出せば
いいだけだから、考える必要はないでしょ? その分、口調やら表情やら仕草に注意して
もらえば、上手く行きそうな気がするんだけど』
『なるほどね。確かに、何をしゃべろうか考えちゃうから頭の中が混乱してセリフが出て
来なくなっちゃうけど、指示されたとおりのセリフをしゃべるだけなら、考えなくていい
分、演技にも集中出来ると。よく考えたわね』
 委員長に褒められて、友子は腰に手を当て、背を逸らせて得意気に笑ってみせる。
『どうですか? この友ちゃんの天才的なアイデアは。これならちなみも行けるっしょ? ねえ?』
 同意を求められても、私には何とも答えようが無い。正直、ここまでグダグダな以上、
こんな小手先の手を弄するよりも、諦めて他の子にメイドをさせた方がいいような気がし
ていたからだ。
「さすが。普段から山田を顎でこき使ってるだけの事はあって、人をどう使うか考えるの
は上手いよな」
 タカシの揶揄に、友子は気分を害してタカシを睨み付けた。このヘッドセットを使って、
普段から友子が学校新聞や生徒用の校内webに載せるゴシップを探しまくっており、アシ
スタントと称して同じ部の山田君にあれこれ指図して使っていることはクラスのみんなな
ら誰もが知っている事実である。
『顎でこき使ってるとか、失礼な事言わないでよ。あれこれ指図しないと何にも動けない
山田が悪いんだから。アイツにはジャーナリズム精神ってのがないのよ。全く……』
 ぶつくさとひとしきり文句を言ってから、友子は気を取り直してヘッドセットを持つと
私に差し出した。
『ま、そんな事よりもさ。とにかくこれ着けてやってみてよ。試してみないと物事は前に
進んでいかないし』
『そうね。もう時間も無くなってきちゃったし、とりあえずはやってみましょう』
 友子だけでなく委員長にまで急かされたので、私は仕方なくヘッドセットを耳に着ける。
1713/5:2013/08/15(木) 14:34:57.14 0
『それじゃあ、まずは聞こえるかどうか、テストするわよ。いい?』
『……勝手にやって。準備は……出来てるから……』
 ちょっと自棄気味に答えると、友子は頷いて自分もヘッドセットを装着する。そして口
元にマイクを持ってくると、一つコホンと咳払いをしてからしゃべり出した。
『アー、アー。ちなみ? 聞こえてる?』
 私はコックリと頷いた。
『……大丈夫……ちゃんと……ヘッドフォンから……聞こえてるから……』
 完全に耳を覆うタイプではなく、ちょっと安物っぽく耳当てにスポンジが付いただけの
ものだから、外からの音も同時に聞こえてくる。しかし、音質は良いらしく、ヘッドフォ
ンから聞こえてくる友子の声もクリアだった。
『よし。じゃあ、今度はあたしのいう事を繰り返してみて。お帰りなさいませ、ご主人様』
『……お帰りなさいませ……ご主人様……』
 私の言葉に、友子は満足そうに頷いた。
『よし。じゃあ早速やってみよう。別府君と委員長は演技指導よろしくね。特に別府君は
男子から見た目で、要求を的確に伝えるように。いいわね?』
「客の視点で見てって事だよな。了解。じゃあちなみ。さっさとやって、今日はさっさと
終わりにしちまおうぜ」
 肩を竦めて苦笑するタカシは、どうやら私がいい加減ウンザリしている事もお見通しの
らしい。心を見透かされている事は気に入らないけれど、反対する事は何も無かったので、
私は渋々頷きながらせめてもの抵抗を見せる。
『……タカシも……ちゃんとやってよ? 正直……あまり応対したくない……お客さんな
んだから……せめて真面目にやってくれないと……困るんだから……』
「任せとけって。それに、メイド喫茶なんてもっと変な奴らとか来るだろうから、俺程度
じゃきっとマシに思えると思うぜ」
『え……? そ、そうなの……?』
 私の心に不安が過ぎる。すると委員長が優しくフォローしてくれた。
『大丈夫よ。指名制じゃないし、ちょっと濃そうなお客さんは、他のあしらいの上手い子
に任せるから。ちなみちゃんは自分の役割にしっかり集中してね』
「……は、はい……」
 頷きはしたものの、どうにも不安が拭えない私だった。
1724/5:2013/08/15(木) 14:35:28.25 0
『はい、オッケー。とりあえず、一通りは終わったわね……』
 委員長がホッとした顔でパックのオレンジジュースを啜る。私もコーヒー牛乳を啜りな
がら、疲れて椅子に座った。
『全く、ちなみの無愛想さってホント筋金入りよね。こりゃ、まだまだ時間掛かりそうだわ』
 頭からヘッドセットを毟り取るように外して、友子がこっちに近寄って来た。
「まあ、俺だって付き合い長いけど、ほとんどちなみが笑ってるところなんて見た時無い
からな。あ、楽しいんだなってのは空気で分かるけど」
 その一言に、私は恥ずかしくなってタカシを足で軽く蹴飛ばした。
『……知った風な口……きかないでよ…… 私の気持ちが……タカシなんかに……分かる
訳無い……』
 唇を尖らせつつ文句を言う。しかし、それは自分に言い聞かせている言葉でもあった。
タカシに私の気持ちを読まれていたら、私がタカシの傍にいる時、どれだけドキドキして
いるかまで伝わってしまっている事になる。万が一にもそんな事が知られていたら、恥ず
かしくて心臓が止まってしまうだろう。
「何となくだって。表情だけじゃなくて、仕草とか色々あるからさ。それにしても、接客
商売で何とか笑顔が出せるってだけじゃまだまだ厳しいよな……」
 タカシの独り言のような呟きに、友子と委員長も頷いてみせる。それから友子が、ポン
と私の肩を叩き、口を耳元に近付けて囁いてきた。
『とりあえずさ。別府君を精一杯お持て成しするって気持ちでやってみようよ。本当のご
主人様だと思ってさ。表情が硬くても、動きがぎこちなくても、気持ちが入っていれば伝
わるかもよ』
 その言葉は、何故か心に染み渡って響き、私はドキリとして友子から体を離す。それか
ら自分の気持ちを誤魔化すかのように友子を睨み付けた。
『……な……何言ってるの……? タカシ相手に……そんな風に……思えるわけ無いのに……』
 しかし、私の態度は予測されていたようで、友子は笑顔のままで私の顔に手を伸ばすと、
指でツンツンと鼻を突付いて弄くった。
1735/5:2013/08/15(木) 14:36:31.86 0
『だから、努力してそう思いなさいって言ってるの。その心があれば、多少の事はカバー
出来るわよ』
『また……勝手なこと言って……』
 鬱陶しくて友子の手を払う。仏頂面の私に友子はクスリと小さく笑うと、三人全員を見
回して言った。
『さってと。じゃあとりあえずもう一周流しますか。お出迎えからお見送りまでをさ。そ
れが終わったら、教室戻ってご飯にしよう。何か晩御飯にお弁当買って来てくれてるらし
いからさ。頑張れば早くご飯にありつけるよ』
「うお……気が付けばもう8時半かよ……気付かなかったな」
『言われてみれば…… 確かにお腹空いたわよね。頑張ろう、ちなみちゃん。さっき訓練
した事をしっかりやれば、絶対出来るようになるんだから』
 勝手なことを言うなと思いつつも、クラスの為と頑張っているのは三人も同じな訳だか
ら、私は頷くしかなかった。
「よし。じゃ、入ってくるところからやるからさ。お出迎え、しっかりな。緊張すんなよ」
『……タカシに言われなくたって……』
 気持ちを解してくれようとするタカシに、私は毒づく。それから一つ深呼吸をした。さっ
きの友子の言葉が脳裏に蘇ってくる。
――別府君を精一杯お持て成しするって気持ちでやってみようよ。本当のご主人様だと思っ
てさ……
 そんな風にチラリと思うだけで、やっぱり体が何か変な気持ちになる。しかし、私がちゃ
んとやらないと、私だけでなくタカシも委員長もご飯を食べられないのだ。恥ずかしいけ
れど、頑張るしかない。
174ほんわか名無しさん:2013/08/15(木) 14:37:48.25 0
続きます
175代行スレ774から 1/4:2013/08/18(日) 10:17:11.76 0
〜超高校級の…〜

「委員長、弁当ありがとう。美味しかったよ、毎日食べたいくらいだ。」

『渡す時にも言いましたけど今日は偶然ですよ。自分の分を作ったついでに[余ったおかずを入れただけで]毎日なんて期待しないでください。』

○[委員長の手作り弁当>

「それは違うよ!」

BREAK!

『え…』

「委員長は、余ったおかずを入れたって言ったよね、でもそれだとおかしいんだ。」

「だって委員長から貰ったお弁当は栄養バランスも彩りも凄く丁寧で余り物を入れただけとは思えないレベルの丁寧なお弁当なんだよ。」

『栄養バランスや彩りを気にするのは当たり前です。だって自分が食べるんですから、何もおかしくありません。』
176代行スレ774から 2/4:2013/08/18(日) 10:17:44.23 0
「(確かに委員長の言っていることには筋が通っている。でもそれだけじゃ絶対に説明できない事がある。)」

「(それは、)」

○お弁当を渡すタイミング
>○お弁当の量
○お弁当箱の色

「(これだ!)」

「委員長、やっぱりおかしいよ。」

「だって、余り物を入れただけのお弁当、でボクはお腹がいっぱいになったんだよ。委員長のお弁当箱はボクのより小さいよね。」

『あっ…』

「余り物のボクのお弁当箱より、メインであるはずの、委員長のお弁当箱が小さいなんて絶対におかしいよ!」

『あぁ!』

「教えてくれるよね、どうしてボクのお弁当箱の方が大きいのかを。」
177代行スレ774から 3/4:2013/08/18(日) 10:18:39.22 0
『それは…えぇと…その』

「(委員長のこの態度、なにか思いつきそうなんだけど、)」

━閃きアナグラム開始━

い う ょ だ き

き う だ ょ い

き ょ だ う い

き ょ う だ い

「(そうかわかったぞ!)」

「委員長には食べ盛りの兄弟がいるんだね!」

『え、いや私は別府君に…お弁当を…』

「兄弟のことを考えて、こんなに丁寧なお弁当をつくるなんて、委員長は将来いいお嫁さんになりそうだね。」

『おおおおおおお嫁さんですかっお嫁さんですかっ!』

「それじゃあねー委員長。美味しかったよー。」

『えぇー』

超高校級の鈍感

〜終われ〜
178代行スレ774から 4/4:2013/08/18(日) 10:19:18.83 0
〜おまけ的なヤツ〜

『あら、タカシさんですか。私は貴方と違って暇ではないのですよ、そんな私に話しかけてくるなんて、覚悟はできてますわよね。』

「(どうしよう、お嬢と一緒に過ごせるだろうか)」

>○はい
○いいえ

『まったく、いい迷惑ですわ』

「(ひとしきりお嬢に罵倒された)」

━プレゼントを渡しますか?━

>○はい
○いいえ

動くこけし

>○渡す

『なっこれは!ま、まぁ貴方にしては上出来ですわね!ですがこれに気を良くして調子に乗らないでくださいね!』

「(そんなに喜んでもらえると、渡したこっちが嬉しくなるよ!)」

〜こんどこそ終われ〜

ダンガンロンパ知らん人は意味わからんだろうなと思いながら投下
179ほんわか名無しさん:2013/08/18(日) 13:12:51.29 0
名前しか知らんが雰囲気は伝わってきたからよし!!

GJ!!
180ほんわか名無しさん:2013/08/18(日) 16:35:55.35 0
周りに人が少なかったらさ、たぶん呼んでくれるんだよ
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2773.jpg

おまけ
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2774.jpg
181ほんわか名無しさん:2013/08/18(日) 16:57:46.81 0
いい尻だ……そしてパロディのネタが若干古いぞwwww

GJ!!
182ほんわか名無しさん:2013/08/19(月) 00:00:43.56 O
お題
進撃のツンデレ
183ほんわか名無しさん:2013/08/20(火) 07:05:02.95 0
>>169-173の続き5レス投下行きます
1841/5:2013/08/20(火) 07:05:34.64 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら その4

『ちなみ。オッケーね?』
 インカムから友子の声が聞こえてくる。私は小さく頷いた。それを見て、委員長が外に
合図をする。それから、タカシが入り口から姿を現した。同時に、友子のセリフが耳に入っ
て来る。私はそれを鸚鵡返しに口に出した。
『……お……お帰りなさいませ。ご主人様…… お一人で……いらっしゃいますか?』
 さっきからもう何度もやっているのに、タカシを相手にご主人様なんて呼ぶのはやっぱ
り恥ずかしくて興奮してしまう。頭を下げたまま体を硬くしていると、タカシが気さくな
口調で声を掛けてきた。
「へえ。可愛いメイドさんじゃん。ラッキー」
 いきなり変なアドリブを入れられて私は焦った。つい、素に戻って言い返そうとした時、
友子の声が耳に飛び込んでくる。私はドキリとしつつも、条件反射的に声を出した。
『あ……ありがとうございます…… とりあえずは……お席に……ご案内致しますね……』
『ほら。ちなみちゃん。笑顔、笑顔』
 傍で見ている委員長が、見ていられなくなったのか指摘してくる。こういう時、無理に
笑顔を作ると引きつるだけなので、私は何度も練習したように、自然に口元だけを緩める
よう頑張って見せた。タカシが頷いたので、上手くいったらしい。そのままタカシを席ま
で案内すると、椅子を引いて席に誘う。
「ああ。ありがとう」
 タカシはちょっと照れ臭そうに笑顔を向けた。こんな風に私におもてなしされることが
ないせいなのだろうか。その時、友子からの指示が届いて私は慌ててセリフを口にする。
『……ご主人様……どう……なさいますか? お茶に……なさいます? そ……それとも……
お食事に……なさいますか? ど、どちらも……その……ご不要でしたら……わ、私と……
ゲームをして……遊びましょうか?』
1852/5:2013/08/20(火) 07:06:11.07 0
 自分で自分の言っている事に首をひねる。果たしてゲームとは何なのだろうか? しか
し今の私には自分から知る術は無い。タカシが聞いてくれれば、多分友子が答えを指示す
るのだろうけれど。しかしタカシは首を振った。
「とりあえず、ゲームはあとにして、今は食事にしようかな。腹減ってるし」
『……か、かしこまり……ました。そ、それでは……メニューの方を……どうぞ……』
 小さくお辞儀をして、手に持ったメニューをタカシに差し出す。写真入りのなかなか凝
ったメニューだけど、今はパソコンで簡単に作れるらしい。
「うーん…… それじゃあ、このふわとろラブリィオムライスとすぃ〜つサラダで。ドリ
ンクは、大人のほろにが本格コーヒーをアイスで」
『しょ……承知……致しました…… それでは……ご主人様…… すぐ……ご用意致しま
すので……少しの間だけ……お待ちください…… 私……ちなみと……申しますので……
ご用がございましたら……遠慮なく……お申し付けくださいませ。よ……宜しくお願い……
致します……』
 ペコリ、と頭を下げるとそこで委員長の声が掛かる。
『はい、ストップ。いいわよ、ちなみちゃん。さっきより全然良くなったわ。セリフも噛
まなくなったし』
 褒められても喜んでいいものなのかどうかわからず困惑して黙っていると、委員長はタ
カシに感想を振った。
『別府君はどうだった? 接客受けてみて、何か感じた事ない?』
 タカシは、ちょっと視線を上に向けて考える。
「うーん…… ちなみが俺に敬語使ってくれるってだけで新鮮だったから、不満は無かっ
たけど…… まあ、普通のメイド喫茶のイメージで考えれば、笑顔がほとんどないし、あっ
てもめっちゃぎこちない感じだったけど」
『こっちで見てても表情も動きもガチガチに固くて声も震えて上ずってるし、まあ50点よね』
 友子も傍に寄って来て、厳しい評価をぶつけて来る。私は友子には不満気な視線を向けた。
1863/5:2013/08/20(火) 07:06:41.90 0
『……そんな事言われたって……作り笑いなんて……した事ないし……』
『ちなみはね。頬の筋肉が固すぎるのよ。ちょっとほぐしてみたら笑顔もマシになるかも
よ。こうやって』
 友子は私の両頬に手を伸ばすと、まるでマッサージをするかのようにグリグリと強く揉
み込み始めた。
『ひょっ……何を……ふぁめ……』
 唐突にやられた驚きと痛みで私は友子の手を払いのけた。
『……いきなり……何するの……? 頼んでも無いのに……勝手なこと……しないでよ……』
『アッハッハ、ゴメン。ちなみん見てたらついついほっぺグリグリしたくなっちゃってさー。
痛かった?』
 お詫びとばかりに、友子は人の頭を撫で繰り回す。タカシならともかく、友子にやられ
てもウザイだけなので、私は頭を振って拒絶する。
『……気安く……人の頭に触らないでよ……バカ……』
 そこで委員長が、パンと手の平を叩く。友子に主導権を握らせていたら、いつまで立っ
てもこの無駄なやり取りが終わらないからだろう。初めはタカシとの関係を知られたこと
もあり、余計な存在みたいに思っていたが、今となると委員長がいてくれた事は実に救いになる。
『はい。それじゃあそろそろ続きに行きましょうか。まあ、これが最後の練習という訳で
も無いし、ちなみちゃんの場合は無愛想さもチャーミングポイントになってるから、他の
子ほど笑顔振りまかなくても大丈夫でしょう。多少ぎこちない笑顔の方が、男子の萌え心
を掴めるかもしれないし』
 無愛想がチャームポイントってどんななんだって思いつつも、私は反論はしなかった。
友子が自分の席に戻り、練習が再開される。
『はい。それじゃあ、料理を運ぶところからね。スタート』
 まるで映画の撮影でもするかのような合図を送られ、私はお盆を持つ仕草だけしてタカ
シの席に寄る。
1874/5:2013/08/20(火) 07:07:13.56 0
『……お待たせ……致しました……ご主人様……』
「あ、ありがとう。えっと……ちなみちゃん、だっけ」
 ちょっと他人行儀に名前を、しかもちゃん付けで呼ばれて私の心臓がちょっと縮こまる。
しかし、私の心の動揺とはお構い無しに、友子の声が聞こえてくる。
『え……えっと……あ、ありがとう……ございます…… 名前を……そのっ……覚えて頂
いて……』
 さすがにスラスラとは言葉が出て来ない。しかもそこに余計な一言を友子が入れて来た。
『表情固すぎ。もっと嬉しそうにして。好きな人に言われてると思って』
 声色が違うのでさすがに口には出さなかったものの、思わず釣られて声を出しそうにな
り、私は友子の方を睨み付けた。
『……余計な事……言わないでよ…… 変な事……言っちゃったら……どうする気……?』
『だってこっちから見ても酷過ぎるんだもの。ホント、ロボットか何かがしゃべってるみ
たいでさ』
『……やかましい……これで……精一杯なのに……』
『友ちゃん。私語は慎んで。反省会は後でやればいいから』
 見かねた委員長が注意してくれて、友子はふくれた顔で黙り込む。やっぱり委員長はい
てくれて助かる。今度からもっと色んな事を相談しようと私は心に思った。
『じゃあ、続きやります』
 そう断わってから、友子は伝達口調に戻り、次の指示を伝えた。
『……ご主人様…… ケチャップは……私が……掛けますね……』
『今は現物はないけど、真似だけやって。ハート型みたいのを描くだけでいいから』
 委員長の指示に頷き、私はケチャップでオムライスにハート型の模様を描く真似をする。
「ありがとう。ちなみちゃんて、模様描くの上手なんだね」
 私の口から咄嗟に、やかましい。お世辞を言うな、このバカという言葉が出そうになる。
それを寸でのところで止めたのは、インカムから聞こえてくる友子の声だった。それで我
に返ると、私は言われたとおりの言葉を口に出した。
1885/5:2013/08/20(火) 07:08:17.01 0
『あ……ありがとうございます…… ちょっと……いびつかなって……思ったんですけど……
ご主人様に褒められて……嬉しいです……』
『うん。いいわ、ちなみちゃん。ちょっとそのたどたどしい言い回しが却ってキュンって
なっちゃう』
 委員長が独り言のように呟くのが聞こえる。しかし、私は心の中で反省しきりだった。
――まだ……自覚が足りないな…… 委員長も……タカシも……クラスの為に頑張ってる
のに……私だけ……タカシに……ご主人様に……罵り声を上げようと……していたなんて……
 もっと、ちゃんと真剣にやらないとダメだと私は気持ちを入れ替える。今の失敗で自分
の自覚の無さを思い知らされる事になった。二人ともお腹空いてるのも我慢して頑張って
いるのだから。だから私も、同じように、むしろそれ以上に頑張らないといけない。
『……それでは、ご主人様…… お食事が終わりましたら……お申し付け……くださいま
せ…… お食事の後は……私とのゲームタイム、ですから……』
 ペコリをお辞儀をしてタカシに背を向ける。これで一区切り、と私はホッと気持ちを緩
めた。そこに背後からタカシの声が掛かった。
「あの……ちなみさ。最後、良かったよ。何かちょっと吹っ切れた感があって」


続く
189ほんわか名無しさん:2013/08/20(火) 07:17:44.26 0
ちなみん可愛すぎワロタwwww
頑張れ、頑張れ!
190ほんわか名無しさん:2013/08/20(火) 17:00:40.79 0
五分レス無ければかつみんのブラジャーになれる
1915おくさまはくのいち 5/5:2013/08/20(火) 17:47:38.83 0
>>190
じゃぁ、俺はお前を剥ぎ取る役な!
192ほんわか名無しさん:2013/08/20(火) 18:49:30.53 0
>>191
ペロペロ
193ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 00:13:37.74 0
>>188GJ

スレチっぽいけど>>190-191見て湧いた
・もしもツンデレたちのブラジャーに自我があったら

かなみブラ(B)「おはよー」
みことブラ(C)「おはよう」
かなみブラ(B)「今日もあっついわねー」
みことブラ(C)「ああ」
お嬢様ブラ(D)「こう暑くては蒸れてしまいますわね」
かなみブラ(B)「おはよう。今日も派手な柄ね」
お嬢様ブラ(D)「そうですか? そのようなつもりは…」
みことブラ(C)「誰に見せるわけでも無いのにな」
お嬢様ブラ(D)「うるさいですわよ」
ちなみブラ(A)「……持たざる者共の妬み……気にしなくて良い」
かなみブラ(B)「あんたもこっち側でしょうが!」
ちなみブラ(A)「ひんにゅーとは……ステータスであり……希少価値なのだ」
194ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 00:14:25.69 0
みことブラ(C)「またわけのわからんことを……ハッ!?」
かつみブラ(H)「うぃーす」
かなみブラ(B)「きゃー!かつみ様よ!」
みことブラ(C)「おぉ……なんと猛々しいお姿……」
お嬢様ブラ(D)「あそこまで大きいと些細な悩みなど消し飛びますわね……」
ちなみブラ(A)「まさに……格が違う……」
かつみブラ(H)「ははは。君たち、教室に入れないじゃないか」
みことブラ(C)「こ、これは失礼を!」
かなみブラ(B)「今どきます!」
お嬢様ブラ(D)「お荷物お持ちいたしましょうか?」
かつみブラ(H)「いや、大丈夫だ」
みことブラ(C)「ご入用でしたら私になんなりと……」
お嬢様ブラ(D)「いや私に……」
かつみブラ(H)「ありがとう。でも本当に大丈b」
かなみブラ(B)「あっ!? アレは……!?」
みことブラ(C)「ん?」
お嬢様ブラ(D)「な、なんと……!」
ちなみブラ(A)「…………」
まつりブラ(AAA)「お早う……っと、な、なんじゃお主ら……!?」
かなみブラ(B)「かーわーいーいー!!」
みことブラ(C)「幻のAAAカップブラ……! こんなところでお目にかかれるは!」
お嬢様ブラ(D)「ほとんどただの布ですのに、ブラジャーとしての装飾を忘れず主を引き立たせる……感服いたしますわ……」
まつりブラ(AAA)「な、なんなんじゃお主ら! はなせ! 無礼者ー!」 ジタバタ
ちなみブラ(A)「…………希少価値の……格が違った……というわけか……フッ」
かつみブラ(H)「…………」 ポツーン…
〜〜〜〜〜
タカシ「……という夢を見たんだ」
纏「病院に行け」
195ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 00:15:28.40 0
終わり
まつりんの抉れ乳prpうわなにをするやめ
196ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 02:10:30.36 0
やはりボクッ娘はブラすら着けれないとそう申すか!!
197ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 18:01:39.42 0
ボクっ娘はばんそーこーに決まっとろうが!
198ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 23:17:45.50 0
>>184-188の続き投下行きます
1991/5:2013/08/21(水) 23:18:17.48 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら その5

 その声に思わず体をビクッと震わせて緊張してしまう。パッと振り向いたところで、委
員長が同意するように頷くのが見えた。
『そうね。別に態度とかそんな変わらないけど……何か、雰囲気が変わったわね。何か、
ちなみちゃんの中で心境の変化とかあった?』
『いっ……いえ……特に、別に……その……何も、ない……けど……』
 自分がいかに気持ちの上で真面目に取り組んでなかった事に気付かされたなんて言える
わけも無く、私はそこはゴニョゴニョと誤魔化した。会話に参加しようと友子が立ち上が
るのを委員長が手で制して、私に向かって頷く。
『まあ、きっと慣れて来たのよね。じゃあ、あとはゲームだけやりましょうか。それが終
わったら、ご飯食べに一度調理実習室に戻りましょう』
「やれやれ。やっと飯かよ。メニューだけ見て実際の飯は食えないって、マジ生殺しだっ
たからな」
 ちょっとホッとしたような、同時にうんざりしたような声でタカシが反応する。夕方前
からメイドの訓練を始めてから一回ドリンクを飲んだだけだから、食いしん坊のタカシに
はキツかっただろうと思う。むしろ、よく今まで一言も文句を言わなかったものだと、私
はちょっと感心した。まあ、女子だらけだから遠慮したと言うのもあるのだろうけれど。
『じゃあさ。ちゃちゃっとやってご飯食べに戻ろ。ちなみ。準備はいい?』
『私は別に……いつだって……準備なんてないし……』
 強いて言えば、心の準備かと思いつつ友子に頷いてみせる。すると友子は指を立ててサ
インを送って来た。
『それじゃあ始めましょう。別府君も宜しくね』
「了解。そろそろ限界だけど、飯前はこれが最後だからな。ちゃんと気合入れて演技させ
てもらうぜ」
 委員長の声に、タカシは笑顔で応じる。何か、今日のこの練習で委員長とタカシの間に
随分と会話が増えた気がする。イベント事を契機に付き合うカップルとかもいるらしいけ
ど、タカシは大丈夫なのだろうか? そんな嫉妬にも似た気持ちが心に湧き上がり、私は
グッとそれを我慢した。
2002/5:2013/08/21(水) 23:18:58.45 0
『じゃあ、ちなみん。行くわよ』
 友子の声が私を我に返らせる。それで私は振り返らずに頷きだけで返事をした。一つ、
深く深呼吸をして心を落ち着かせる。そして私はタカシのお付のメイドなんだと自分に催
眠術を掛けるが如く、内心何度もそう繰り返した。
『はい。それじゃあお客さんの傍に行って』
 友子のその言葉が開始の合図だった。私は慎重な足取りでタカシの座る席に近付いた。
『ご主人様…… お食事の方は……いかが……でしたか? 満足……なされました……で
しょうか……?』
「ああ。とっても美味しかったよ。満足したわ」
 本当はお腹が空いてしょうがないだろうに、気振りも見せずにタカシは頷く。本当なら
笑顔で喜ばなくちゃいけないのに、意識して作ろうとしても却って表情が強張ってしまう
だけで、仕方なく私は深々とお辞儀をした。
『あ……ありがとう……ございます…… ご主人様に……ご満足いただけて……嬉しいです……』
 何故だろう。友子の声を追って鸚鵡返しに声を出しているだけなのに、何故か心の奥が
ざわついてしまう。心臓がちょっと高鳴って、体が高揚しているのが感じられた。しかし、
次のセリフは私の感情と関係なく聞こえてくる。
『こ……この後は……私と、ちょっとしたゲームなど……いかがでしょうか……?』
「ゲーム? ゲームって何するの?」
 タカシの問いに、私は指示されるままに説明する。要はじゃんけんのあっち向いてホイ
である。勝てば、メイドさんお手製のクッキーをプレゼントされ、負ければおでこに水性
ペンで落書きされる。その後、どちらも記念撮影して終了である。ちなみにゲームの内容
がこうなったのは、単に回転率の問題である。
「へえ。じゃあちょっとやってみようかな。せっかくだし」
 タカシが頷く。するとそこで委員長が割って入った。
『両方のパターンをやりましょう。最初は普通にやって、次はじゃんけん省略で』
『了解でーす。じゃあ、ちなみ。いい?』
 友子の合図に、私はコクンと頷く。それに友子が頷き返してから、再び指示に戻る。
『……それじゃあ……ご主人様…… じゅ、準備は……宜しいでしょうか……?』
2013/5:2013/08/21(水) 23:19:38.30 0
「ああ。俺はいつでもいいよ」
『それじゃあ……参ります…… じゃんけん……』
『「ポイ。あっち向いてホイ」』
 最初はグーであいこ。次はタカシがチョキで勝ったが、タカシの指が上を差したのに対
して私が下を向く。次に私がパーで勝ち、指を右に差したところ、タカシが同じ方向を向
く。私の勝ちだ。
『き……きゃあ…… わ……私の勝ちですね…… ご主人様……』
 本当はもっと明るく弾んだ声が聞こえてきたのだが、私がしゃべると棒読みになってし
まう。それを聞いたタカシが、思わず吹き出してしまう。
「ブハッ!! ちょっと待てちなみ…… 今のはちょっとないべ……」
 笑いを堪えながら指摘するタカシを、私はつい不満気に睨み付けた。
『だ……だって……友子が……こんな事言わせるから……』
 チラリと横目で友子を見ると、友子も声を殺して突っ伏している。あとで殺そうと思っ
た。そこに委員長の注意が入る。
『友ちゃん。ちゃんとちなみちゃんが言えるようなセリフを指示出して。出来ない事言わ
せたってしょうがないでしょう。もう。彼女は貴女のおもちゃじゃないんだからね』
『ウッ……クククク……プハッ!! は、はぁ〜い……』
 何とか笑いを収めて、友子が間延びした声を出す。いろいろと文句を言いたかったが、
その前に委員長が再開の指示を出したので、私も我慢せざるを得なかった。
「ちぇっ。負けちゃったか。罰ゲームって、何すればいいの?」
『私が……今から……ご主人様の顔に……落書きしますから…… その顔で……一緒に……
写真撮りますので……』
「マジっすか。うわぁ…… どうせちなみちゃんと写真撮るなら、カッコイイ顔で撮りた
かったのに」
『……負けちゃいましたから……残念ですね。それじゃあ……失礼して……書かせていた
だきますね……』
 タカシの演技が上手で本当に残念そうに見えたので、私はつい、ちょっとクスリと笑み
を漏らしてしまう。すると、見ていた委員長が感想を漏らすのが聞こえた。
2024/5:2013/08/21(水) 23:20:10.29 0
『あ。ちなみちゃん。今のいい笑顔だったわよ』
 途端に体が恥ずかしさで熱を帯びた。しかし、今は役に集中しないといけない。私は、
ペンを持つ仕草で、タカシの傍に寄ると、額に落書きをする真似をした。
『……はい……で……出来ました…… ご、ご主人様……その……よく……似合ってますよ……』
「似合ってるって、一体何描いたんだよ?」
 ちょっと不安げな声色でタカシが確認しようとする。ちなみに、本当に描いたわけでは
無いので、私はこっそりとハートマークを描く真似をしたのだが、それは誰にも知られる
事の無い秘密である。
『……お待ちください…… 最後に……記念に……お写真を……一緒に撮りますから……
写った画像で……確認してみてください……』
 すると、委員長がカメラ班の人たちの代わりに、スマホを構えて前にしゃがみ込んできた。
『はい。それじゃあ撮りますから、二人並んで下さい。ちなみちゃん。もっと寄って』
 委員長の指示に、戸惑いながらも私は従わざるを得なかった。タカシとこんな風に二人
で並んで写真を撮るなんて、今までに無かった事だけに、何だか酷く照れくさい。もっと
もこれはあくまで真似事でしかないのだけれど。そう自分に言い聞かせつつ、タカシに寄
り添うように立って体を屈め、顔の位置をタカシの顔と並ぶようにする。
『うん。いいわよ。はい、チーズ』
 委員長の掛け声と同時に、フラッシュがパッと炊かれる。それで私は、真似事じゃなく
て本当にタカシと並んで写真を撮られた事に気付き、思わず素に戻って委員長を問い詰めた。
『委員長……今……本当に撮ったの……? そんな事……言ってなかったのに……』
 しかし、委員長は別に悪びれる様子もなく、笑顔を見せる。
『だって、せっかくの文化祭の準備じゃない。こういうのも記念だって思えばさ。楽しく
なるわよ。ね?』
『私は……タカシとの……2ショットなんて……いらないのに……』
 ぶつくさ文句を言っても、委員長は全く歯牙に掛けなかった。
2035/5:2013/08/21(水) 23:23:54.22 0
『気にしない気にしない。お祭りなんだからさ。普段全く話さない男子とだって2ショッ
ト撮ったりするものよ。クラスメート同士、こういう交流も醍醐味だと思うんだけど』
 そこに友子も我慢しきれず口を挟んで来る。
『そーそー。まあ、どのみち気にしたって仕方ないわよ。さっきまでの練習風景。ちなみ
はテンパってて気付かなかっただろうけど、もうバシバシ撮ってあるから、たかが2ショッ
ト写真くらい今更って感じだし』
『……後で……デジカメ貸して……全消去するから……』
 こんなメイド服姿でガッチガチになりながら練習していた姿なんて、誰かに見られるだ
けでもたまらなく嫌なのに、写真に収められてクラスの皆に見られるとか、冗談ではない。
いっそこの場でカメラを奪い取りたい勢いで友子に詰め寄ろうとするが、その前にタカシ
に割って入られた。
「まあまあ。俺も後で一緒に見て、変な写真は責任持って消させるからさ。今は練習の続
きに戻ろうぜ。あとちょっとなんだし」
 私を諌めるタカシを、上目遣いに睨み付けた。その魂胆なんて見え透いている。
『フン…… どうせ……早くご飯……食べに行きたいだけのクセに…… 食いしんぼ……』
 私の指摘にちょっと困惑した色を見せるところを見ると、どうやら間違ってはいなかっ
たようだ。しかし、委員長もタカシに同意してきた。
『そうね。別府君の言うとおり、まずは練習を終わらせちゃいましょうか。後はご主人様
をお見送りするシーンと、ゲームに勝ったパターンだけなんだし。ね?』
 早く写真を消したいと気は急いていたが、どのみち友子もご飯は一緒に食べるんだし、
逃げようも無い。どうやらタカシも委員長も私の味方には付いてくれているようだし、私
は渋々頷いた。それに委員長もニッコリと頷き返す。
『じゃあ、続きやりましょう。じゃあ、頼むわね。友ちゃん』



あともう一回だけ続きます
204ほんわか名無しさん:2013/08/21(水) 23:28:39.43 0
ふおおおおおお!!ちなみんかわええええええええ!!

GJ!!
205ほんわか名無しさん:2013/08/22(木) 13:24:49.06 0
206ほんわか名無しさん:2013/08/22(木) 13:34:28.32 0
死亡フラグも甚だしいなwwww
207ほんわか名無しさん:2013/08/24(土) 12:22:47.23 0
>>199-203の続き

最後の5レス行きます
2081/5:2013/08/24(土) 12:24:02.43 0
・口下手で上がり症で無愛想なツンデレが文化祭でメイド喫茶のウェイトレスをやることになったら その6

『了解。ちなみ、行くわよ』
 私は頷く。
『……ご主人様……それじゃあ……落書き……消しますので……じっとしていて……くだ
さいね……』
「あ、ああ。それじゃ頼むわ」
 私は手にウェッとティッシュを持って、落書きしたおでこを拭う真似をする。顔と顔が
近付くのが恥ずかしい。するとタカシが小さな声で呟くのが聞こえた。
「これってさ…… ゲームに負けた方が得っぽいような感じがするけどな……」
 その言葉の意図を感じ取って私はただでさえドキドキしている心臓が跳ね上がった。
『バ……バカ……ッ……!!』
 恥ずかし過ぎて、思わず脛を蹴飛ばしてしまう。
「あいってえ!! な……何だよちなみっ!!」
『う……うるさい…… 余計な事……言わないでよ……』
 タカシの言いたい事は、勝って賞品貰うより、こうやってメイドさんにかしづいてもら
って、接近して顔を拭いて貰える方が嬉しいという事だ。果たしてそれが私だからなのか、
女の子なら誰でもいいのかは分からなかったが、少なくとも私でそう思ってくれた事が事
実だという事に、私は興奮が収まらなかった。
『ほら。ちなみ。照れたからって、ご主人様を蹴飛ばしちゃダメ』
 その時、このやり取りに気付いた友子が指摘を入れて来る。言い返したい気持ちが湧き
上がったが、ここはグッと抑えて、私は睨むだけにした。
『……う、うるさい…… いいから……早く進めてよ……』
 はいはい、という呆れた声が聞こえてから、次のセリフが耳に飛び込んで来る。
『……は、はい…… ご主人様……綺麗に取れましたよ…… いかがでしたか……当店の
サービスは……』
「うん? ああ。良かったよ。また来たいくらいに」
『……さようでございますか…… ありがとうございます…… それでは……是非……ま
た……お戻りになられてください……』
2092/5:2013/08/24(土) 12:24:38.90 0
「うん。それじゃあ、また」
 タカシが立ち上がるのを、椅子を引いて手助けし、それから入り口まで付きそう。
『それでは……お気をつけて……いってらっしゃいませ……』
 ペコリとお辞儀をして、タカシを送り出す。
『はい、ちなみ。オッケーよ』
 私は体を起こし、フウ……と吐息をつく。しかしすぐに委員長が言った。
『じゃあ、後はゲームの勝ったパターンね。別府君、入って来て』
「ほーい」
 気の抜けたような返事をしてタカシが教室に戻って来る。
「何かやり直しってテンション上がらねーよな。もう終わった気分でさ」
『あと少しなんだから、もうちょっとだけ頑張って付き合って。ちなみちゃんもお願い』
『……はい……』
 私は、おずおずとタカシが座る席に近付く。タカシも傍に寄って来ると、私に向き直っ
て演技の擦り合わせを始めた。
「まあ、何か勝ったトコからってのはマヌケだからさ。あっち向いてホイからやろうぜ。
俺がじゃんけんに勝つのは省略して、俺の指した方向をちなみが向くトコからな。それで
いいだろ?」
『……別に……やりやすいように……やれば……?』
 ちょっと突き放すように答えたのは、一度切れた緊張を戻し、タカシのメイドだと意識
し直さねばならなかったからだ。
「じゃあ、ちなみは上向けよ。せーので行くぞ」
『……ちょっと……待って…… まだ……準備が……』
 私が精神を整えるのには、まだもう少し時間が必要だった。小さく呼吸を繰り返し、私
はタカシのメイドなんだと言い聞かせつつ気持ちを落ち着ける。
「と、そうか。先走っちまったな。早見は準備の方いいか?」
『あたしはいつでもオーケーよ。アドリブは得意だからね』
 この時私は、自分のことでいっぱいいっぱいだったが、この言葉を聞いておけば良かっ
たと、後から悔やまずにはいられない。
2103/5:2013/08/24(土) 12:25:12.01 0
「よし。ちなみは……どうだ?」
 問われて、私はコクリと無言で頷く。まださっきほどじゃないけれど、一応出来るよう
うにはなったと思う。あまり待たせてもいけないし、あとはやりながら気持ちを上げてい
こうと考える。
「じゃあ始めるか。ちなみ、行くぞ? じゃんけんは掛け声だけ掛けるからな」
『……任せるから……好きにして。私は……友子の指示に……従うだけだし……』
 それなりに上手くセリフが言えていたこともあり、このやり方ならと少し自信も付いて
いた。タカシは理解したと頷く。
「それじゃあ行くぞ。じゃんけんぽん。あっち向いてホイ!!」
 タカシの指が上を差すのと同時に私は上を向く。
「よっしゃ!! 勝ったああっ!!」
 タカシがグッとガッツポーズをする。いささか動作が大げさなのは、自分を奮い立たせ
るためなのだろうか。
『……おめでとう……ございます…… ご主人様は……お強いですね……』
 私が言うと、無感情なだけにお世辞に聞こえやしないかと不安になる。しかしタカシは
笑顔で頷いた。
「いや、まあこんなの運だけどさ。けど勝てたのはすごく嬉しいぜ。で、賞品って何を貰
えるんだ?」
『……少々……お待ちくださいませ…… 今……ご用意……致します……』
 確か、賞品は本当にメイド役の女子が焼いた手作りクッキーだったはずだ。中には女子
の手作りクッキーなんて一生縁の無い男子もいるだろうから、これはこれで素敵な賞品な
のだと思う。私は、両手でクッキーを捧げ持つ仕草をした。
「これ、賞品? 中身何かな?」
『えっと……その……ご主人様……』
 指示通りに、ちょっと恥ずかしがるような言い回しをする。我ながら下手くそだなと思
いつつも、せめてバレないように気持ちだけは込めておこうと思う。
「え? どうしたの? 何か躊躇ってるけど」
 私はコクリと頷いた。これは最初に練習した仕草だ。それから、精一杯はにかみつつ、
耳に届く友子の声と同じ言葉を口から発した。
『これ……賞品です。どうか……私の事……食べて下さい……お願いしますっ!!』
2114/5:2013/08/24(土) 12:25:47.75 0
「へ!?」
 タカシがキョトンとした顔をする。私も自分の言葉に違和感を覚えて立ち尽くす。今、
私は何て言った――? だけど、その問いの答えを浮かべるよりも早く、外から歓声が湧
き上がった。
『キャーッ!!』
『え……?』
 思わず声のした方向に顔を向けると、いつの間にか教室の外には、クラスの残って仕事
していた仲間が鈴なりになって私達の方を見ていた。そしてドドッと室内になだれ込んで
きたかと思うと、あっという間に私はクラスの女子に取り囲まれてしまう。
『すっごいっ!! 椎水さん大胆!!』
『私を食べて下さいってーっ!! いやー、もうっ!! ウブな振りして大人なんだからあ』
『練習にかこつけて、別府君に告白? すっごい。私も応援しちゃうわ』
『ちが……ちがうの……これは……タカシ……?』
 救いを求めようと、真っ先に探したのはタカシだった。しかし哀れにもタカシは同じよ
うにクラスの男子に囲まれ、私とは逆に嫉みと羨望のリンチに遭っていた。
「この野郎―っ!! 羨ましい奴め。幼馴染だからってどうやって篭絡したんだよ!!」
「ああー…… 俺もちなみちゃんからあんな一言言われてみてーよ。この幸せ者があ!!」
「このリア充めが!! 死にやがれ!! 地獄に落ちて閻魔の釜で煮尽されろ」
「あいってえ!! ちょっと待てお前ら。俺ら単にちなみ――椎水に付き合って、メイド
ウェイトレスの練習してただけで……」
「嘘付け。手取り足取り色んな事してたんだろ。このドスケベが!!」
「委員長もいるのに出来るか!! つかいってえって。蹴るな叩くな引っ張るなー!!」
「うるさい!! お前みたいなヤツは死刑じゃー!!」
 しかしタカシを憐れむ暇も無く、私自身も女子に囲まれて身動きが取れなくなっていた。
『ち……違うの…… さっきのセリフは……全部……友子が……』
『友子がどうかしたの? てか、ずっといないよ?』
『いない……? あれ……どこ行ったのあのバカ……』
 私はキョロキョロと友子を探すが、どこにも姿は見当たらなかった。友子に説明して貰
わなければ事態は収拾しないのに。
2125/5:2013/08/24(土) 12:28:28.61 0
『照れない照れない。あたし達みんな、ちなみちゃんの恋愛を全力で応援するからさ。ど
んなテクが男子を喜ばせるかとか、教えてあげるからその代わり報告宜しくね』
 変な事を言う女子の一人を私は睨み付ける。
『報告って……私はそんな事しないのに…… 委員長……何とか言って……』
 輪から離れて様子を見守っている委員長に助けを求めるも、委員長は首を振るばかりだった。
『ちょっと今は無理よね。みんな興奮しちゃってテンションおかしくなってるから。安心
して。落ち着いたら説明してあげるから』
『落ち着いたらって……それじゃあ遅い……』
 唯一の救いの手から切り離され、私は集団の渦に飲み込まれる。
『いい。椎水さん。男子はいきなりがっついて来るからね。優しく制してあげつつ、上手
に扱うのがコツだからね』
『ほらほら。ご主人様がピンチよ。助けに行かないと』
「別府!! 死ね死ね!! この野郎が!!」
 結局、その後何とか委員長が説明はしてくれたものの、私達がカップリングされるとい
う既成事実は変わらぬままクラスに定着してしまったのだった。


 ちなみに、文化祭でのメイド役は無事果たし終えました。指示役は全部委員長にやって
貰って。友子? 彼女は、調理場でももっとも暑くて体力のいるスパゲティ茹で担当に左
遷させてやりました。委員長権限を使って貰って。


以上で……終わりです……
213ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 04:54:33.80 0
ちなみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!!1

かわいいよかわいいよかわいいよおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!1

ふぅ……
214ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 22:08:20.93 0
お題
つ・肝心なところで勝負弱いツンデレ
 ・ツンデレにやる気あるの?って言われたら
 ・ツンデレに今日はちょっと涼しいよねって言ったら
215ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 22:13:33.86 0
どんどん
216ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 22:20:12.34 0
友ちゃんのお尻ぺろぺろ
217ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 22:55:29.04 0
規制解除されたけど一時的なものっぽいなぁやだなぁ
218ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 23:26:36.37 0
老舗和菓子屋の一人娘と人気の洋菓子店の一人娘と
2つのお店に挟まれたラーメン屋の一人息子

雅な和服姿が美しい和菓子屋ツンデレとドレスの様なウェイトレス姿が麗しい洋菓子店ツンデレ

2人の好物は一人息子が作った、スープに指がガッツリ入ったラーメンでした
219ほんわか名無しさん:2013/08/25(日) 23:35:19.52 0
ただの変態じゃねーかwwww
220ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 00:20:27.13 0
ホラーかも知れん。一人息子の指とは書いてないし…
221ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 04:08:29.16 0
>>220
鶏のモミジって解釈すれば大丈夫だもん
222ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 13:12:45.92 0
お題
つ・激辛料理が好きなツンデレ
 ・やせ我慢するツンデレ
223ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 20:37:16.61 0
お題
明日世界がおわるとしたらそのときツンデレは。

2chなくなるのかな。
224ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 21:18:04.58 0
ついに念願の男の個人情報をツンデレが手に入れたら



2chが無くなっても、俺のツンデレ愛は無くならない
225ほんわか名無しさん:2013/08/26(月) 23:59:35.05 O
最後でも最後じゃなくても、これからもツンデレを愛し続けます
226ほんわか名無しさん:2013/08/27(火) 14:39:04.85 0
にゃあー
227ほんわか名無しさん:2013/08/27(火) 14:42:38.56 0
ショタ山田の生写真はむはむ
228ほんわか名無しさん:2013/08/27(火) 22:27:15.88 0
ツンデレさんとの終末
229ほんわか名無しさん:2013/08/28(水) 06:12:06.56 0
4レスほど投下

ちょっと時期外れだが、梅雨時のお話で
2301/4:2013/08/28(水) 06:13:16.56 0
・男の夢とか妄想がイマイチよく理解出来ていないツンデレ 〜前編〜

「全く……嘘つき天気予報が……」
 タカシは窓の外を恨めしそうに眺めた。校庭は既に大きな水溜りが幾つも出来ていて、
さらに容赦なく雨が天空から叩きつけるように降り注いでいる。
「みきほの奴、関東地方は夜半から本降りだっつったじゃねーか。くそったれが」
 朝の情報番組のお天気キャスターを呼び捨てにして罵ってみても、雨が止んでくれる訳
じゃない。タカシは自分がやるべき事を考えた。
「家には誰もいねーからなあ…… こういう時、母親が共働きじゃなきゃ、迎えに来ても
らえたりするんだろうに」
 そう一人ごちてから、タカシは頭を軽く振ってその考えを締め出した。彼の母親はこの
時間まだ会社にいる。呼び出して迎えに来て貰うなんて有り得ない可能性をぐだぐだと考
えていても時間の無駄だった。
「ここは、頭を下げて誰か先生に貸して貰うか。女の先生……って訳にはいかないよな。
司書のポンちゃんとか、優しいから余分があれば絶対貸してくれるとは思うけど、絶対傘
も可愛らしいのだろうからな。かといってなあ……」
 何となく先生の所に行って傘を貸して下さいと頭を下げるのも気が引けてしょうがない。
とはいえ、借りられるのはそこしかなく、グズグズしていると無駄に時間ばかりが経過し
てしまう。一縷の望みを抱いて空を見ても、低く垂れ込めた黒い雲は容赦なく雨を地上に
降らし続けている。諦めて窓から離れ、職員室に向かおうとしたその時、教室の引き戸が
ガラリと音を立てて開いた。
『あら……?』
 姿を現したのは、タカシのクラスの委員長である水上静花だった。端正な整った顔立ち
でスラリとした体は女子としてはやや肉付きが薄い。背中まで届く長く艶やかな黒髪と真
面目そうなメガネが印象的である。そして彼女は、今現在、表向きはタカシの彼女という
事になっていた。
2312/4:2013/08/28(水) 06:13:48.12 0
「委員長。どうしたんだよ、こんな時間に」
『それはこっちのセリフよ。何で別府君がまだ教室に残っているわけ?』
 静花の意外そうな顔に、タカシは答えを渋った。理由を話せばそれこそ詰られそうだっ
たからだ。
「まあ、俺のことはともかくさ。委員長って今日、用事あるんじゃなかったっけ? だか
ら一緒に帰れないって言ってたような」
 タカシの問いに、静花はコクリと頷いた。
『図書室に頼んでおいた本が入ったの。楽しみにしていたから、早く借りようと思って。
でも、いつも他の本もいろいろと見て回るから結局時間掛かっちゃうんだけどね』
 自分が愚かしいとばかりに、静花は自嘲気味に吐き捨てた。
「で、この時間まで学校にいた理由は分かったけど、何で教室戻って来たんだ?」
 タカシの問いに、静花は無言で教室の掃除ロッカーへと向かう。そこに何本か掛かって
いる傘の一本を手に取ってからタカシに示した。
『これよ。本当は折り畳みあるし、降られても平気だと思ってたんだけどかなり本降りに
なっちゃったから。ちゃんとした傘の方がいいと思って取りに来たの。で、別府君は?』
 静花に問われたものの、タカシはやはり即答は出来なかった。しかし、心の中ではチャ
ンスだという声が響き渡っていた。多少の毒舌を浴びせ掛けはすれど、彼女はきっとタカ
シを見捨てはしないだろう。何と言っても今は付き合っているのだ。形の上とはいえ。だ
からきっと、相合傘なんて展開もあるに違いないと、タカシは期待に胸を膨らませた。
「いや、その…… 実は今日、傘持って来てなくてさ……」
『馬鹿じゃないの?』
 呆れたと言わんばかりの静花の口調に、タカシは渋い表情をした。予想通りとはいえ、
罵られるのはいい気分ではない。
「いや。だって天気予報じゃ夜半から激しくなるって言ってたんだよ。朝は晴れてたし、
家に帰るくらいまでは持つかなって……思うじゃん……」
 タカシの言い訳を、静花は視線で跳ね除けてからお説教を始める。
2323/4:2013/08/28(水) 06:14:19.54 0
『梅雨のこの時期に何の準備もしていないのが、馬鹿だって言っているのよ。危機意識を
ちゃんと持っていれば、カバンの中に折り畳み傘の一本でも入れとくものでしょう? 私
だって、念の為くらいにしか思ってなかったけど、現にこうして酷い雨になってるし』
 彼女の言い分に、タカシは言い返す言葉を持たなかった。現実に雨に降られて帰れない
状況だけに、どんな言葉で正当性を主張しようが説得力はないし、自分の愚かさを彼女に
示してしまうだけだ。それに、静花に縋るしかない今、余り不愉快にさせるのは得策ではない。
「いや、その……まあ、確かに迂闊だったとは思ってるよ。重いし何気にかさばるし、いっ
かって思った自分がさ」
 素直に認めると、静花はコクリと頷いた。
『まあ、気持ちは分からないでもないわ。学習能力があれば、次からはちゃんと持って来
るんでしょうし。で、今日はどうするわけ?』
 静花に問われ、タカシは心が揺らぐのを感じた。ストレートにお願いするのは、何とな
く抵抗を覚えて咄嗟に持って回るような言い回しを、タカシは選択してしまう。
「えーっとさ。どうしようもなかったら、職員室に行って先生に借りようかなって思って
たところだったんだけど……」
『悪い考えじゃないわね。でも、だったらどうしてこんな時間までグズグズしていた訳?』
 冷静に追求する静花に、何だかタカシは詰問されているような違和感を覚えた。
「だってさ。教師に借りるのって何か嫌じゃん。今だって委員長に言われてるからまだ良
いようなもので、これを担任とかに言われたらマジムカついてキレるぜ」
『それでキレるってどんだけ狭量なのよ。そもそも自分が頭を下げに行く立場なのに本当
の事言われて怒るのは完全に逆ギレでしょう? みっともないと思わないの?』
 静花の言葉は、やはり容赦なくタカシを打ちのめす。何か自分が惨めな敗残者になった
気分で、タカシは視線を外してうつむいた。
「いや。その通りだよ。だけどさ、自分が余計しかダメ人間になったような気分にさせら
れるのが嫌だったから、だからせめて走って帰れるくらい小降りにならないかなって思っ
てたんだけど……」
 静花はチラリと窓の外に目線を走らせてから、タカシに戻した。
2334/4:2013/08/28(水) 06:15:02.14 0
『根拠も何も無い期待よね。夜にかけて天気が酷くなるって天気予報でも言ってたんでしょ?
なのに、都合の良い推測に望みを掛けて教室でボーッと待ってるなんで馬鹿げてるわよ』
「でも。ほら。待ってたら委員長が来たし」
 咄嗟にタカシが口走ると、静花は明らかに驚いた顔をした。
『へっ……!? な、何を言ってるのよ貴方は。私が来たからどうだっていうわけ?』
「いや。待ってればいい事もあるんだなって思って」
 今が頼むチャンスだ。そう思ってタカシは両手を合わせ、頭を下げて拝み倒した。
「委員長。その……俺を、傘に入れてくれないか? お願いだからさ」
 心臓をドキドキさせながら、タカシは答えを待つ。頭を下げた上に目も瞑っているから、
彼女の反応は分からない。ほんの何秒かがものすごく長く感じられた。そして、ややあっ
てから、静花の答えが聞こえて来た。
『……意味が分からないんだけど』
「え?」
 拒絶されたのかと思ってタカシは急いで顔を上げた。しかし、彼の目に映った静花の表
情は、本当に困惑しているように見えた。
『何で私が別府君をわざわざ私の傘に入れなくちゃいけないのか、その意味が分からないっ
て言ってるの。分かる?』
 タカシが、自分の言葉を理解していないと思って静花はもう一度、同じ内容の言葉をよ
り細かく言い直した。今度はタカシがその答えに困惑してしまう。
「いや。意味分からないって…… 俺、傘が無いし。委員長の傘に入れて貰えれば濡れず
に済むかなって思ってさ。けど、あくまでお願いしてる立場だからさ。嫌なら嫌でいいん
だぜ。入れなくちゃいけない、なんてそんな事は全然無いんだから」
 やっぱりダメか、と諦めの気持ちでタカシは説明した。形の上とはいえ、付き合ってい
る事になっているのだから、相合傘くらいは出来るだろうと期待していたのだが、世の中
そうは問屋が卸さないらしい。しかし、静花の返答はまた意外なものだった。
『誰も嫌だとは一言も言っていないでしょう』


後編に続く
234ほんわか名無しさん:2013/08/28(水) 13:56:58.40 0
ぺろぺろ!!
235ほんわか名無しさん:2013/08/28(水) 15:02:42.39 i
か、か、かわ、かわいいいい
236ほんわか名無しさん:2013/08/28(水) 23:04:42.47 0
山田のワイシャツくんかくんか
237ほんわか名無しさん:2013/08/29(木) 01:27:43.45 0
>>233
続きwktk
238ほんわか名無しさん:2013/08/29(木) 02:55:52.01 0
自動落札ってうざいよなー

・ツンデレたちがオークションしたら
239ほんわか名無しさん:2013/08/29(木) 03:24:06.54 0
つ・ツンデレがオークションに出品されていました
つ・勿論、友に細工されたページです
240ほんわか名無しさん:2013/08/29(木) 09:01:52.53 0
お題
つ・くそ真面目なツンデレが人生で初めて寝坊したら
241ほんわか名無しさん:2013/08/29(木) 10:12:44.10 0
はうー
242ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 03:07:17.22 0
夏休みが終わって男に会えるのが楽しみなツンデレと課題に追われる男
243ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 06:53:21.32 0
>>230-233の続き行きます
2441/4:2013/08/30(金) 06:54:21.32 0
・男の夢とか妄想がイマイチよく理解出来ていないツンデレ 〜後編〜

「え?」
 一瞬、期待して彼女の顔を見たタカシだが、静花の表情にそれはたちまち霧と消えた。
明らかに、お説教をするときの顔だったからだ。彼女は傘を振り上げると、もう片方の手
にパンと合わせる。
『別府君は私の話をちゃんと聞いていたの? 言ったわよね。折り畳みも持って来ている
けれど、予想外に酷くなったから教室に置きっ放しになってた傘を取りに来たって』
「あ、ああ。確かにそう言ってたような……」
 様子を窺いつつ、タカシは静花の言葉に頷く。すると彼女はそれに頷き返してから話を
続けた。
『覚えていたのなら、尚更バカだわ。私が傘を何本持っているか、小学生でも計算出来るっ
て言うのに』
「いや。さすがにそれは俺だって分かるって。折り畳みを一本持ってて、今手に持ってる
んだから二本は最低持ってるって事だろ? まさかもう一本、体のどこかに隠し持ってる
とかじゃないよな?」
 タカシは冗談交じりで言ったのだが、静花は何とも微妙な顔つきになった。
『何でわざわざそんな手品師みたいなことをしなくちゃいけない訳? 私には別に、別府
君にカマを掛けて楽しむ趣味なんてないのに』
「ああ、いやゴメン。忘れてくれていい」
 タカシは慌てて手を振って、さっきの言葉を取り消した。静花にあまり冗談は通じない
という事は、最近になって分かってきた事だが、それでもついつい軽口を叩いてしまう自
分が恨めしくてならなかった。しかも、スベッて落ち込んだところに、更に彼女は追及を
重ねてくる。
『まあいいわ。でも、少なくとも私が二本持っている事は理解しているのよね? だった
ら何で、私の傘に入れて欲しいなんて頼むのよ』
2452/4:2013/08/30(金) 06:55:10.99 0
「いや…… それは、俺が傘がないからで……」
 一体静花が、何を疑問視しているのか、ゆっくりとたどたどしく答えながらタカシは考
えた。そして、さっきからやたらと傘の本数にこだわっている事に気付いた時、はたとタ
カシは気付いた。同時に、彼女の口から答えが出る。
『傘がないのなら、貸して欲しいって頼めばいいだけじゃない。私は二本持っているのよ?
それなのに、何で一本だけしか使わないの? 全く意味が分からないんだけど』
「えーと……それはさ……」
 何か上手い言い訳はないだろうかと、タカシは必死で考えた。静花の顔を見た瞬間から、
二人で相合傘をする事しか考えていなかったなどと言ったら、どう思われるのかについて
は、あまり考えたくなかった。何とか彼女の逆鱗に触れずにすむ答えを出さなければいけ
ないと、とにかく思いついた事を口にしてみる。
「ほ、ほら。折り畳みって一度使うと結構面倒じゃん。畳み直すのとかさ、一本だったら
委員長も手間掛からなくていいかなって……」
『畳むのが面倒だからって使わなかったら、折り畳み傘に何の価値があるっていうのよ』
 静花は、一言でタカシの言い訳を粉砕した。ウッ、と口ごもりつつも、タカシは何とか
答えを搾り出す。
「えーと、だからさ。その……道を歩いていて急に雨に降られた時とか……さ。多分降ら
ないだろうなって考えた時とか、片手を傘で塞ぐよりは楽って言うか……」
『要は、今じゃないの? 必要な時って。仮に別府君が折り畳み傘の一本も持っていれば、
もうとっくに差して帰っていたでしょ?』
「う…… まあ、そうなんだけど……」
 それに反論すべき言葉はなく、タカシは渋々同意する。すると静花は、自分のバッグか
ら折り畳み傘を取り出して手に持った。
『でしょう? だったら、ここで面倒臭いとか四の五の言わずに借りるべきなんじゃない
の? それで、家に着いたらキチンと乾かして、綺麗に折り畳んで返すのが借りた人のす
べき事なんじゃないの? まさか単に閉じただけで人に返すのが当たり前とか思ってたわけ?』
 このままだと、自分が常識ない人間だと静花に思い込まれてしまう危険性に、タカシは
ちょっと焦りを覚えた。
2463/4:2013/08/30(金) 06:55:59.52 0
「い、いやその…… そんな事は無いけどさ。俺、不器用だし、畳み方上手じゃないし、
何か委員長に返す時に文句言われて、結局委員長が自分で畳み直すのかなとか色々考えてさ」
『……私、そこまで潔癖で几帳面に見えるのかしら?』
 チラリと自分の折り畳み傘に視線を向けてから、静花はタカシに問い掛ける。何だか口
を開けば開くだけ墓穴を掘っているような気がして、タカシは気が気でなくなってきていた。
「いやその……悪い意味じゃなくてさ。委員長ってキチンとしてるから、俺の畳み方とか
じゃ不満かなって思って…… 俺ってほら。いい加減なやつだし、妥協点低いからさ。一
応自分では丁寧にやったつもりでも、人から見れば全然出来てないってよくある事だし」
『まあ、出来次第では一言、二言は嫌味くらい言うかもしれないわね。私の性格からして』
 自分が性格の悪い女だと分かっているといった感じで、シンプルに静花はタカシの言葉
を認めた。それにタカシが何とフォローしようか思いつくより早く、彼女は言葉を続ける。
『でも、気にしないで。言わなきゃ気が済まないってだけで、別府君の欠点くらいはある
程度承知しているつもりだから、それで貴方の評価が下がる訳じゃないし。多少不器用で
畳むのが下手くそでも、それで雨に降られて困ってる人に傘を貸さない理由にはならない
わ。例えそれが、自分の見込みの甘さから来ているとしてもね』
 何だか責められているようにしか聞こえなかったが、それでも彼女なりに手を差し伸べ
てくれてはいるのだろうとタカシは理解した。
「それじゃあ、その……最初から、傘を貸してくれないかって頼めば、それで良かったのか?」
 タカシがそう聞くと、静花はコクリと頷く。
『ええ。それが普通だと思うけど。むしろ傘に入れてくれなんて頼む方が不自然だと思わ
ないの? 私には良く分からないわ』
「いや。そりゃ、友達とかならそうだけど、一応俺たち、今は付き合ってる状態になって
る訳だし……」
 つい、口を滑らせてしまってからタカシはしまったと思い、慌てて言葉を切る。静花の
表情に浮かんでいた不可解な表情が、それが失敗だと告げていた。
2474/4:2013/08/30(金) 06:56:56.69 0
『付き合っていたら……傘が二本あっても一本の傘に入るわけ? それこそ全く意味が分
からないわよ。そんな事しても、お互いに肩や荷物が傘からはみ出して濡れるだけじゃな
い。ましてや女物の傘なんて小さいんだし。貴方は彼女を濡らしたいわけ?』
「いや、ゴメン。今のは単なる妄想……ってか、失言だから。その……悪いけど、傘、貸
してくれないかな」
 両手を合わせて頼むタカシに、小首を傾げつつも静花は折り畳み傘を差し出した。
『良く分からないけど……まあいいわ。それじゃあ、これ。別府君にはちょっと小さいと
は思うけど、男の子が差すのにこっちの傘は女の子っぽ過ぎるでしょうから。こっちの傘
は、色は水色だけど、別に飾りっけとかはないし』
「ありがとう。助かるよ」
 お礼を言いつつ、タカシが小さなため息をつくのを、静花は見逃さなかった。
『……? どうかしたの?』
「ああ、いや。何でもない。つか、変な事結構言っちゃったからさ。呆れられたかもって
不安だったから、まあその……ちょっとホッとしたっていうか、それだけ」
 まさか内心諦めの気分が湧いていたのを彼女に察知されるとは思わなかったから、タカ
シは焦って弁解しつつ、静花の反応を見る。しかし、今回は杞憂に終わり、静花はコクリ
と小さく頷いただけだった。
『ならいいわ。別に別府君がおかしな事言うのって、今に始まった事でもないし私は全然
気にしてないから』
 それはそもそも俺が変な人間だと静花に思われているという事だろうかと心配に思いつ
つ、タカシはここはそれ以上触れるべきじゃないと判断した。とりあえず丸く収まってい
るのだから、わざわざ広げる事ではない。
「じゃあ、その……帰ろうか。えっと……一緒には帰ってくれるんだよな?」
 形式上の恋人同士になってからは、もう何度か一緒に帰っているので断られる事はない
だろうと思いつつも、未だに慣れずにタカシは確認すると、静花はもう一つ頷いた。
『ええ。帰る方向だって同じだし、何もわざわざ時間をずらして帰る必要もないもの。断
わる理由は無いわね』
「そっか。じゃあ、帰るか」
『ええ』
 静花の先に立って教室を出つつ、タカシはどうやら静花とは相合傘をする機会が無いと
いう事に、寂しさを覚えざるを得ないのだった。
248ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 07:02:30.32 0
本編終了


後日談に続く




ホスト変えても連投規制引っ掛かるのは何故に?
249ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 09:27:38.26 0
おつ
いいんちょも鈍感やなぁ
250ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 09:42:37.87 0
にゃー
251ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 20:41:28.90 0
いいんちょぺろぺろ
252ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 22:27:58.70 0
>>244-247の後日談行きます
2531/6:2013/08/30(金) 22:28:30.30 0
・男の夢とか妄想がイマイチよく理解出来ていないツンデレ 〜後日談〜

 そんな事があってから数日の間、静花はどうしても頭の中からは疑問が拭い去れないで
いた。
――何でだろう? あの時、別府君……何かちょっと残念そうな雰囲気が最後まで漂って
いたけど……
 彼女にはどうにもタカシの態度が理解出来なかったが、まさか彼に直接聞くわけにも行
かず、心の片隅にどこか引っ掛かったまま、時間だけが過ぎていった。
 そして、一週間と少し経った週末。予備校が主催する全国模試を友子と受けに行った帰
りに雨に降られた。もちろん二人とも傘は持っていたから事なきを得たのだが、その時に
すれ違った一組のカップルが一本の傘に入って仲良さそうに歩いているのを見て、友子が
呟いた。
『いやー……羨ましいねー。仲良さそうでさー。って……委員長はもう彼氏いるんだもん
ね。どうよ? 別府君と相合傘とかしちゃった?』
 それに静花はつい、いつもの調子で鼻を鳴らしてバカバカしいと言わんばかりに答えた。
『意味が分からないわ。何だってわざわざ相合傘とかしなくちゃならないのよ。たまたま
一本しか傘が無いにしろ、どこかビニール傘でも買えるお店まで行けばそれで十分じゃない』
 すると、逆に友子の方がいかにも呆れたような表情を見せたので、静花はついムカッと
来て声を荒げる。
『何よその顔は。私の考えの何がおかしいっていうの?』
「いや…… あまりにも合理的っていうか、なんか…… 恋人同士なんでしょ? もうちょっ
と夢があったっていいって思わないの?」
 果たして自分は何がおかしいのだろうか? そう考えた時に静花は、この間の別府君の
態度を思い出した。自分の意見に納得し、理解していながらもどこか最後まで釈然として
いないようなそんな反応を見せる彼の態度への答えが聞き出せるかも知れない。しかしこ
こで逸って聞くと友子に絶対バカにされるので、今までの態度を崩さずに慎重に彼女は事
を進める事にした。
2542/6:2013/08/30(金) 22:29:04.31 0
『夢……? 二人で一本の傘に入ることにどんな夢があるっていうのよ?』
 訝しげに顔をしかめる静花に、友子はいささかムキになって主張し始める。
『夢あるじゃない!! 恋人同士なのよ? 好き合ってる二人だったらさ。こう、二人で
くっ付いてさ。で、彼氏が優しく、濡れない? とか気遣ってくれる訳よ。で、彼女は、
ううん。大丈夫、とか言うんだけど、彼氏は、もうちょっとこっち来なよって肩を抱き寄
せてくれたりさ。そういう甘々な展開とかあったりする訳じゃん。アンタ、憧れない?』
『……やっぱり意味が分からないわ。彼女が濡れる事を心配するなら、やっぱりちゃんと
お互い傘を差すのが一番じゃない。そんなの、本気で彼女の事を心配しているとは思えな
いわよ』
 すると友子は、ガクッと肩を落とした。
『ハァ〜…… ホント、委員長ってばつまらない女だわ。そんなんじゃ、いずれ別府君か
らも愛想尽かされるわよ』
『別に構わないわよ。別に私が彼の事を好きで付き合ってるわけじゃないもの。申し込ま
れて、断わる理由も特に無かったから、試しに付き合ってみてるだけで、別府君が別れた
いって言うなら、そうすればいいだけの話だわ』
 これが彼女が公にしている立場だったから、いつもと同じように静花はテンプレートの
如く口にした。しかし、この間のタカシの残念そうな表情と合わせてみて、内心では少々
穏やかでない事を自覚せずにはいられなかった。
『まあ……今はそう言っていればいいんでしょうけどね。別れを切り出されると実際は辛
いと思うよ。釣り逃した魚はでかかったって悔やんだところで、後の祭だからね』
 ため息をついて首を振る友子に、ここで話を切られるとスッキリしないまま終わってし
まうので、私はさらに食い下がった。
『ちょっと待ってよ。別れる別れないはともかくとして、相合傘ってそんなに重要な事な
の? その程度の事で愛想尽かすんだったら、所詮は別府君のほうがそれだけの男ってこ
となんじゃないの?』
 何で自分が悪いのか分からないとばかりの静花を、友子は負けじと睨み返した。
2553/6:2013/08/30(金) 22:29:43.12 0
『いい? 委員長。あのね。相合傘って言うのは、要は一つの気持ちであって、彼と一緒
にくっ付きたいとかそういう事なの。委員長の言うとおりだったら、恋人同士で食べさせ
合いっことかする必要もないし、一杯のジュースをストロー二本差しで飲む必要もないで
しょ? そんな考えでやってたら、恋人同士でやる事なんて何にも無くなっちゃうわよ』
 友子の主張に、静花はなるほどなとある程度納得した。確かに、世の中で見るカップル
の行動なんて不合理な事が多い。どれもこれも、好きな人相手だからこそしたいのだろう。
――まあ、確かに私も……風邪の時に体まで拭いて貰ったりしたし…… でも、あれはちゃ
んと理由もあったし……もちろん、一人で出来ない訳じゃなかったけど……
 あの時の息苦しさとか体の熱さとか心臓の動悸とかは今でもはっきり覚えている。明ら
かに風邪のせいではなかった。あの感覚に近いような感覚が、果たして味わえるというの
だろうか。
『まあ、友子の言う事に一理ない事もないわ。確かにカップルの行動なんて、見てて不可
解な物が多いもの。あんなにくっ付いて歩きづらくないのかしら、とかね。でも、相合傘っ
て、そんなに憧れるようなものなの?』
 静花の質問に、友子は大真面目に頷いた。
『そりゃあもう、好きな人とは一度はやってみたいと思うわよ。だってやっぱり、好きな
彼と触れられるくらい近い距離で歩くってドキドキするもの。体寄せ合って歩くのって嬉
しいって……そう思わない?』
『良く分からないわ。好きな人なんて出来た事ないから』
 素っ気無く答えつつも、脳裏に別府君の事を思い浮かべてみる。
――私は結構……一緒にいられればそれで十分嬉しかったりするんだけどな……
 しかし、考えてみれば、擬似恋愛を始めてそろそろひと月になるが、恋人らしいイベン
トの一つもこなしていないような気がする。そんな中で、彼の期待したシチュエーション
を潰してしまったのなら、それは悪い事をしたのかもしれないと、静花の中にほんの少し
罪悪感らしきものが芽生えた。
2564/6:2013/08/30(金) 22:30:14.21 0
『またそういう事を言ってさ。でも、告白されたんだから、別府君の事をちょっとは意識
してはいるんでしょう?』
 からかい口調で肘を突付く友子の腕を、静花はウザそうに跳ね除けた。
『少しはね。まあ、知ろうとしてはいるわ』
『だったらさ。こう……彼がこの距離に来たりしたら、ドキドキしない? こんな感じでさ』
 友子は、傘を閉じるとおもむろに静花の傘に入り込んできた。咄嗟の事に静花は、驚い
て一歩脇に下がってしまう。
『ちょっと友子。いきなりどうしたのよ?』
『予行演習。あたしを別府君だと思って、意識してみてよ』
 悪戯っぽくニカッと笑う友子に、静花は呆れてため息をついた。
『そんな事言われても無理よ。どう考えても貴女じゃ別府君にはなれないわ』
 しかし友子は諦めずに静花に食い下がった。
『むーっ!! このあたしの演技力を舐めないでよね。以前演劇部からスカウトされた事
だってあんだからさ。まあ、物は試しって事で。ほら』
『バカバカしいわ……』
 こう答えつつも、静花は友子に身を寄せて一本の傘に二人で入る。すると、もう演技モー
ドに入ったのか、友子がチラリと気遣う様子を見せてきた。
『大丈夫? 肩とか、濡れてないかな?』
 なるべく友子の方を見ないようにして、静花は隣の人物が別府君だと思い込むようにした。
『平気よ。それに、これ以上傘をこっちに寄せたら、貴方が濡れるんじゃないの』
 すると友子が、クスリと笑って答えた。
『俺は平気だよ。むしろ気遣ってくれてありがとう。委員長って意外と優しいんだな』
 まるで別府君が言いそうなセリフに、相手が違うと分かっていても、静花の胸が少しキュ
ンとなってしまう。これが本人だったら、何倍にも大きくなるのだろうかと少しふあんに
なりつつ、静花は首を振った。
2575/6:2013/08/30(金) 22:36:17.25 0
『べ……別に、気遣った訳じゃないわ。単に、平等にすべきだと思っただけよ』
 ついつい別府君相手に言うような事を、友子に向かって口にしてしまう。バカな事をし
ているなと思いつつも、逆にこのまま続けていけば、相合傘をしたいという気持ちが分か
るのかもという期待感も膨らんでしまう。
『なるほどね。じゃあさ。こうすれば、お互い濡れないと思わない?』
『え――?』
 問答無用で、友子の手が静花の肩に回り、グッと体が引き寄せられる。
『ちょ、ちょっと…… 何するのよ?』
 つい、慌てて抵抗の素振りを見せる静花に、意外と強い力で友子は肩を抱いたまま抑え
付けていた。
『何って、委員長が平等がいいって言うからさ。ならこれが一番、二人が濡れないように
するいい方法かって思って。どう? 嫌なら離すけど?』
 離す、と言われると何故か逆に、静花の中から抵抗の意識が消えてしまう。隣に立つ友
子の体温を感じつつ、静花は小さく首を振った。
『……べ、別に嫌とまでは言わないわ。貴方がこうしたいって言うなら……勝手にすれば?』
 その途端、素の友子の声が耳朶に響いて来た。
『いや。委員長。いいわ〜 その一言っ!!』
 それが静花を我に返らせた。どこかでいつの間にか半分以上、タカシを相手にしている
気分になってしまっていたのだ。彼女は身を捻って友子の腕から抜け出すと、パッと身を
引いて睨み付けた。
『な……何がいいって言うのよ!!』
 すると友子は自分の傘を開いて静花の方を向き、満面の笑顔を見せる。
『いや。今の委員長の口調とか、態度とかさ。突っ撥ねているようで、そのくせ内心は甘
えたがっているのを垣間見せて。ナイスツンデレ』
『誰がツンデレよ!! 誰が!!』
 もはや一般的になった萌え用語を否定するも、友子は全く取り合わなかった。
2586/6:2013/08/30(金) 22:38:03.18 0
『どう? あたしの演技もなかなかでしょ。ちょっと隣に本物の別府君がいるような錯覚
に陥らなかった?』
『陥らないわよ。まあ……無理矢理、意識はしてみたけどね』
 本当は、半分以上友子の演技に入ってしまっていたのだけれど、悔しいので静花はそれ
を認めなかった。しかし、気にする風もなく友子は興味津々に顔を寄せて来る。
『で、どうだった? 相合傘のドキドキ感とか、ちょっとは分かったかな?』
 確かに、何となくカップルであれをやりたい気持ちは何となく分かった。あれをタカシ
にやられたら、守られてる感みたいなのがもっとずっと、遥かにたくさん感じられるのか
も知れない。しかし、静花は敢えて首を振った。
『イマイチ。やっぱり友子じゃあね。わざわざやってみるほどの事でもないかも』
『えーっ!! そうなのぉ。この朴念仁が。全く、恋愛のレの字も分かってない委員長に、
何だって先に彼氏が出来るんだか。もういっそ振られてしまえーっ!!』
 悔しがって八つ当たりみたいな事を叫ぶ友子を適当にあしらいつつ、静花は次にタカシ
が傘を忘れたら、今度は相合傘で帰ってみようと、密かに心誓うのだった。



 しかし、結局その機会を迎えることの無いまま、彼女は朝のニュースで梅雨明け宣言を
聞くことになるのだが
259ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 22:39:09.31 0
終わり


なかなか前に進めないいいんちょに萌え
260ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 22:45:04.35 0
関東近縁ではゲリラ豪雨がよく降るそうですよ、委員長

GJ!!
261ほんわか名無しさん:2013/08/30(金) 23:45:54.70 0
おつ
梅雨が終わっても夏が過ぎれば秋がくる
相合傘の機会は十分だよ!
262ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 00:27:47.87 0
間違って完成直前の書き溜めまるまる全部消しちまったんでもう寝る
263ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 00:45:28.67 0
かなみ「お、落ち込まないでよ……あんたがそんなだと、調子狂っちゃうじゃない……」
264ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 01:41:45.63 O
あああ男のこと心配するあまりこっちが心配になるくらい元気なくなっちゃうかなみん健気かわいいああああああ
265ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 02:24:49.81 0
ツンデレさんと課題やりたい
2661/2:2013/08/31(土) 11:12:46.38 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

緊張と熱気で汗が噴き出す、俺はツンデレと映画館行ったの

やっぱ涼をとるには怪談が一番だからさ

おびえるツンデレを支えて男気でも見せれば、とか考えて怖い映画誘った訳

そんでポップコーン食いながら二人して本気で怖くて震えたんだけど

いきなりおばけ飛び出してくるもんだから驚いて俺しゃっくり出たの

して最初はツンデレと顔合わせて苦笑いしてたんだけど中々とまらなくてさ

しまいには外まで聞こえるんじゃないかって声出て、大きく引きつって息もたえだえ

ならツンデレ、私がついてるよ、って感じで手握ってくれてさ

いつしゃっくりに襲われるか余裕のない俺に安心をくれたの

そしてしゃっくり再発が怖いんで手繋ぎっぱなしで感想会開いたんだけど

映画の内容よりも俺のしゃっくりで盛り上がってさ

普段はツンケンでも本当に困ってる時は手を差し伸べてくれる

ツンデレは夫を支える良いお嫁さんになるよ、って話
2672/2:2013/08/31(土) 11:13:33.77 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

緊張と熱気で汗が噴き出す、私はアイツと映画館行ったの

やっぱ涼をとるには怪談が一番らしいからさ

おばけにおびえてか弱い女を演出、とか考えて怖い映画連れられた訳

そんでジュース飲みながら二人して本気でビビってたんだけど

いきなりおばけ飛び出してくる場面でアイツビビり過ぎてしゃっくりし始めてさ

最初はアイツ照れくさそうに笑ってたんだけど中々とまらなくてね

次第に大きい声漏れて、体は跳ねるし息しづらそうで

しまいにアイツ、怖いよ苦しいよ、って感じで私の手握ってきてさ

周りのお客さんにも迷惑だし握り返して落ち着かせます

したらしゃっくり治ったってのにアイツ手離してくれなくてさ

手汗びっしょりな中ご飯食べてデートして

そん中しゃっくりで映画観れなかった反省会開いてさ

手握って励ましてやったのに対して、お母さんみたい、とか言いやがって、お前には私がババアに見えるのか、って話
268ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 12:12:00.09 0
はよ結婚しろ
269ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 13:20:18.35 0
そうだそうだ結婚しろ!!
270ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 13:53:53.84 0
軽い気持ちで山田に「あんたって好きな人とかいんの〜?」って聞いたら
山田に「いるよ?」って軽く返されて
一瞬自分のことかと希望を持ったけど、怖くて誰って聞けなくて固まっちゃう友ちゃんかわいい
271ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 18:57:41.73 0
お互いどっちが先に手を握ったかって喧嘩になるツンデレと男

傍から見るとバカップルのいちゃいちゃにしか見えないという
272ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 19:52:09.29 0
>>267
相変わらずGJ
273ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 20:21:58.90 0
立てたお

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667.1
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1377948074/
274ほんわか名無しさん:2013/08/31(土) 22:58:45.96 0
落ちたので
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667.2
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1377957384/
275ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 01:36:21.63 O
>>270 すぐに平然とするものの独りになったとたんに堪えられなくなって泣いちゃう友ちゃん、まで展開余裕だった。
276ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 13:19:07.75 0
お題
つ・ツンデレが男に教えてるのとは別のtwitter垢で男への愚痴とか本音とか書きまくってたのが全部男にバレてしまったら
277ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 16:07:51.70 0
友ちゃんがリツイートしまくり
278ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 16:30:33.96 0
リツイートされないように鍵垢にしようとするんだけどよくわからなくて結局男に頼っちゃういいんちょ可愛い
279ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 19:55:12.27 0
山田の寝顔ぺろぺろ
280ほんわか名無しさん:2013/09/01(日) 20:02:23.27 0
>>279
友ちゃん心の声が漏れてるよ
281ほんわか名無しさん:2013/09/02(月) 00:26:33.53 0
前後編ものの前編を4レスほど貰います
2821/4:2013/09/02(月) 00:27:04.39 0
・なかなか物事を実行出来ずにグズグズしている男にいい加減ツンデレが苛立ちを抑えられなくなったら〜前編〜

『あーっ!! やっぱり。まだ寝てる。いい加減起きろこのバカ』
 ドカッ!!
「あいてっ!! 何だよいきなり…… 人の部屋に入ってくるなり蹴り飛ばしやがって……」
『だってもう10時回ってんのよ。さっき電話で言ったじゃない。休みだからってダラダラ
と寝てんなって。なのにまだベッドの中にいたら、さすがに蹴りたくもなるわよ』
「昨日、転勤する同僚の送別会だったんだよ…… 終電過ぎるまで飲んじゃってさ……
おかげでまだ酒が抜けてねえんだって」
『フン。どーせまた、何時になったらお開きにしようとか言いつつ、グズグズグズグズ引っ
張ってそんな時間になっちゃったんでしょ? アンタってホントルーズってか、言ったと
おりに実行出来ないんだから』
「しょーがねえだろ。口に出した時はやる気あっても、状況なんて日々刻々と変化してく
んだからさ。二次会だって、最初は23時には終わるつもりだったけど、話尽きなかったら
帰るって訳にもいかねーし……」
『そんなの、ただ流されてるだけってだけじゃない。だからアンタってイヤなのよ。意思
が弱いってか、自分で決めた事すら守れないなんて最低なんだから』
「耳元でキンキン喚くなよ。今はかなみに最低呼ばわりされてもいいから、とりあえず寝
かせてくれ……」
『いい加減にしろおっ!!』
 バサアッ!!
「うわっ!! タオルケット剥ぐなって。パンツ一枚なんだから」
『やだ、もう。またそんなだらしない格好で寝て。早く短パンくらい履け!!』
「しょうがねえだろ。夏だし暑いんだからさ。見たくねえっていうなら、最初からチャイ
ム鳴らして、俺が出るまで待ってりゃいいだろ。勝手に入って来ないでさ」
『だってアンタ居留守使うじゃない。そうでないにしろ、なかなか出て来ないしさ。あた
しに熱中症で死ねって言うわけ?』
2832/4:2013/09/02(月) 00:27:35.43 0
「そこまで言ってないし。まあ、お前から寄越せって言われたにしろ、合鍵渡したのは俺
だからこっちにも非はあるわけだしな。にしても、タオルケットまで強引に剥ぎ取るから
こういう結果になるんだよ」
『だってそうでもしなきゃ、アンタ全然起きようとしないんだもん。いつだって、あと5
分とか10分とか言ってさ。それで時間がたつとまた3分とか5分伸ばすし。このくらいや
らないと埒が明かないでしょ』
「いや。今日ばかりは出来ない約束はしない。もう絶対昼までは起きないって決めてたのに」
『このドアホ!!』
 ゴチッ!!
「あいたっ!! 何で殴るんだよ」
『だってこないだ約束したじゃない。連休の最初の土曜日は絶対掃除に当てるって。アン
タの部屋って一応片付いてはいるように見えるけど、実際は適当に棚にぶっこんだり、そ
の上に置いたりしてるだけでさ。棚の上とかホコリだらけだし、窓拭きだって全然やって
ないし、換気扇のフィルターも交換しないし、お風呂も結構隅とかにカビが生えてるし、
きったないんだからね』
「分かってるって。けど、今日はさすがに午前中は無理。昼飯食ったらやるからさ。だか
らもう帰っていいぞ。待ってたってしょうがないだろうし。ちゃんとやった分だけの成果
は写真撮って送るからさ」
『結局それなわけ? ほんっとにどうしようもないダメ人間なんだから。あーあ。もう、
せっかく朝ごはん用意してあげたのに、損しちゃった』
「朝ごはん? マジで?」
『そうよ。どうせこんな事だろうとは思ってたから、せめてお腹に何か入れれば掃除する
気にもなるかもって思って持って来たのに、昼からやるとかでさ。バッカみたい』
「いや、ちょっと待て。飯があるなら考えるけど……」
『やるの? やるって約束するなら、食べさせてあげてもいいけど。ちなみに中身はサン
ドイッチとアイスコーヒーも持って来たわよ。水筒汚れちゃうからブラックだけどね。あ
と、デザートにカットフルーツも』
2843/4:2013/09/02(月) 00:28:14.47 0
「おお。美味そうじゃんか。うーん……けどなあ……」
『けど、何よ? あたしの用意した朝ごはんに文句あるわけ?』
「いや。それには何の文句もないけどさ。ただ、二日酔いでまだちょっと食欲がないんだ
よなあ…… とりあえずフルーツだけ貰っちゃダメか? 多分昼過ぎには食欲も回復する
から、そうしたらそれ食って始めるわ」
『ダメに決まってるでしょ!! どうせ食べたら食べたであたしが見てなきゃお腹がいっ
ぱいになったからって、だらだらとゲームとかやって無駄に一日潰すんだから。今食べて、
すぐ掃除始めるの。でなきゃあたし、もう二度とアンタの様子なんて見に来てやらないん
だから。こっちだって善意でやってるわけじゃないんだからね』
「ふーん。善意じゃなかったら、一体何だって朝から俺の部屋に特攻しかけてきて、掃除
しろだのなんだの説教するわけ?」
『そ……それは……気分的に我慢出来ないだけで…… あと、それ以上に自分で決めた事
を自分で守れないグズな人ってだいっ嫌いなのよ。いい? 今すぐ動かなかったら、今度
こそ縁を切ってあげるからね。スッパリと』
「分かったよ。まあ、このままじゃ寝かしてくれそうもないしさ。とりあえず、だらだら
でもいいから始めるよ。ペースは俺のでいいだろ?」
『ハァ…… もう。ここまで来るのにどれだけ時間掛かってるんだか。何だってアンタは
いつもいつもいつもいつも、何か始めるにしても、すぐに動けないのよ』
「うーん…… したい事とかやらなくちゃいけない事はいっぱいあるんだけどさ。逆にいっ
ぱいありすぎて、何をしようかって考えちゃうんだよな。で、そのうち手近なものに目が
行っちゃったりして、比較的どうでもいい事だけやって終わりみたいな」
『それはやるべきことの取捨選択が下手くそだからよ。溜め込んでおいた事の中で、一番
重要なことってあるでしょ? 例えば期日の決まってるものとかさ。まずはそういうのか
ら始めなさいよ』
「やらなくちゃならない事で……一番、重要な事か……」
2854/4:2013/09/02(月) 00:35:34.44 0
『そうよ。まさかそれすら分からないとか言わないでよね? 分からないなら、リストに
書き出して、自分の中で優先順位を振っていくの。そうすれば、自然と振り分けられてく
るから。言っとくけど、パソコン立ち上げてもネットなんて見ちゃダメだからね。すぐに
関係ないサイトとか見て、気付いたら夕方とかになるんだから』
「分かってるよ。何度もやってるから。それに……まあ、さすがにリストに書き出さなく
たって、一番重要なのが何かなんて分かってはいるけどな」
『だったら、それをやりなさいよ。人に言われるまでも無いことでしょ?』
「いや。それはそうなんだけどさ。それを今、ここでやっちゃっていいのかなって……」
『出来ない事なの? ならそれは後回しにして、今ここで出来る事で一番優先順位の
高いものから始めなさいよ。偉そうに分かるって言うなら、それくらい出来るでしょ?』
「出来なくは……ない、かな? うん。まあ出来はするけどさ。何となく躊躇いがあるっ
て言うか……」
『あああああ、もうっ!! そういうハッキリしない所が一番嫌いなのよっ!! そうやっ
ていつもいつもグズグズ決めかねてるうちに時間だけが経ってっちゃうんでしょ。もっ
たいない。やるならやる。やらないなら他に出来る事を探す。そんなの、パッパと決めちゃ
いなさい』
「そう簡単に決められたら、苦労は無いんだけどな…… いや。本当に、しなくちゃマズ
いとは思ってるんだけど」
『だったらやればいいじゃない。それともあたしがいたらやりにくいとか? 別にエッチ
なDVDとかの整理くらいだったら気にしないわよ。もういい加減二十歳もとっくに過ぎた
大人なんだし、今更そんなもの見て全部捨てろとか言わないわよ』
「そういう事じゃ…… まあ、かなみがいなきゃ出来ないってのはあるけど……」
『じゃあやんなさいよ。人手が欲しい訳? いっそ模様替えまでしようとか。確かにやら
なくちゃって思ってることも大事だけど、一つ一つ順序立てて行動するのも大事なのよ?
あんまり大きな事やろうと思うから逆にめんどくさく思ったりもするんだからね』
「……分かった」
『やっとやる気になったの? じゃあ、まずは朝ご飯食べて、それから始めましょう。あ
たしも手伝ったげるからさ』
「……かなみ。結婚してくれ」

続く
286ほんわか名無しさん:2013/09/02(月) 00:40:28.42 0
期待せざるをえない
287ほんわか名無しさん:2013/09/02(月) 16:21:35.39 0
山田の手料理がおいしくて食べ過ぎて肉付きが良くなっちゃった友ちゃんかわいい
288ほんわか名無しさん:2013/09/03(火) 07:17:02.07 0
>>282-285の後半行きます
2891/7:2013/09/03(火) 07:17:45.29 0
・なかなか物事を実行出来ずにグズグズしている男にいい加減ツンデレが苛立ちを抑えられなくなったら〜後編〜

『―――――――――え……?』
「あれ? 俺……もしかして、声上手く出てなかったか? 覚悟決めたつもりだったけど、
緊張してたかな。じゃあ、もう一回言うけど――」
『いい!! 言わなくていい!! ちゃちゃちゃ……ちゃんと聞こえたから!! ていう
か何でここでプロポーズなのよ!! いいい、意味分かんないっ!!』
「だって、俺の中ではかなみにプロポーズする事が、一番しなくちゃいけなくて……でも、
ずっと出来て無いことだったからさ」
『だからって何でこんな時にするのよ!! ムードもへったくれもないじゃない!! 状
況をよく考えなさいよ!!』
「それはお前が言ったんだろ? 今、しなくちゃいけない一番重要な事から始めろって。
もう俺たち、何年もこういう付き合い続けて来てるしさ。そろそろいい加減……ちゃんと
けじめ付けようとはずっと思ってたんだ。週末になると必ず一度は部屋に顔を出していろ
いろと面倒見てくれてさ。今朝だってこうやって朝飯持って来てくれて……ホント、感謝
してるんだぜ」
『かかか……勘違いしないでよねっ!! これはその……あ、アンタに起き抜けで掃除し
ろって言ったって絶対動かないだろうから、体力を付けさせる為で、別に朝ごはん食べさ
せたくて作ってきた訳じゃないんだから……』
「掃除とかしろしろ言うのも含めて、面倒見てくれてるって意味で言ったんだけど。勘違
いしないでってことは……もしかして、ダメって事か?」
『こういう時だけ結論を急ぐなあっ!! きゅ……急にそんな……事、言われたって……
いきなり返事なんて出来る訳ないでしょ。と……とりあえず、言葉だけは受け取っておく
わよ。今は冷静に考えられないから、帰ってから落ち着いてしっかり考えるから。しばら
く待っててよね』
「まあ、そうだよな。とりあえず、俺は自分の気持ちは伝えたからさ。まあ、ここニ、三
年の重みは取れたような気はするよ。逆に今度は返事が怖いけどな」
2902/7:2013/09/03(火) 07:19:11.71 0
『ううう…… まさか、やらなきゃいけない事がプロポーズだなんて思いもしなかったわ
よ。完全に不意打ちだわ。この卑怯者』
「何だよ。その卑怯者って。むしろ真正面切って正々堂々と伝えたとは思うんだけどな。
今まではさ。ほら。形とかにこだわり過ぎてなかなか伝えられなかったけど」
『もうちょっとこだわりなさいよ。アンタの部屋でも、せめて部屋片付けてからとかさ。
こんな散らかったままの、埃だらけの部屋で』
「でも、それじゃあかなみへのプロポーズが掃除以下ってことになるじゃん。さすがにそ
れは俺個人としてはちょっと納得出来なくてさ」
『ううううう…… だ、大体何でいきなりプロポーズなのよ。あたしたちまだ付き合って
もいないのに…… 一足飛びに飛び過ぎよ。せめて告白とかになさいよね……』
「まあ、それも迷ってるうちには考えたけどさ。けど、今更付き合ってどうって事でもな
いじゃん。単に形をハッキリさせるってだけでさ。週に一度は連絡無しでも会いに来るし
さ。むしろ来れない日はメールとか来るし。それで月に一度はどっか遊び行くだろ? こ
れで付き合ってないって誰に話しても信じて貰えないぜ」
『うっく…… だ、だけど、それは何ていうか……なし崩し的にそうなったって言うか……
ア、アンタがあまりにもだらしないのがそもそもの原因なんじゃないっ!! 何となく、
言いつけどおりちゃんとやってるか気になって確認しに来ているうちに……いつの間にか
そうなっちゃったっていうか、何て言うか……』
「まあ、きっかけはともかくさ。これで改まって付き合ってくれなんてのも変だしさ。そ
れに、もうそういう年でもないしさ。最近は30代になってからの結婚も増えたとはいえ、
別に俺までそれに習う必要も無いし…… まあ、かなみが断われば話は別だけど」
『だ、だからって逆に急ぐ必要だってないじゃない。なあなあで来てるからこそ、ちゃん
と気持ちを確認したいって言うか…… 大体何であたしがこんなだらしなくて甲斐性もな
い男を選ばなくちゃならないんだかってのもあるし……』
2913/7:2013/09/03(火) 07:19:45.52 0
「俺はもう散々考えたもの。その上、いつ伝えようかいつ伝えようかってずっと踏ん切り
も付かなくて…… でも、かなみに言われて今決めたんだ。まあ、これが俺の気持ちだし、
それを踏まえた上でかなみはじっくり考えてくれればいいよ。断わられるのは辛いけど……
それはそれでかなみが嫌なのに無理強いなんて出来る訳も無いし……」
『ちゃ、ちゃんと答えるわよ。あたしはタカシと違ってグズじゃないもの。だ、だけど、
しっかりと考えてからね。あたしに……女性にとっては、大切な事なんだから』
「ああ。でも言い出せて良かったよ。ずっと心に掛かってた事だったからさ。ちゃんと伝
えられて、スッキリした」
『感謝しなさいよね。あたしが後押ししなきゃ……って、まさかこんな事言われるとは思
わなかったけど……でも、そうしなきゃいつまでもグズグズして時間だけが過ぎていっちゃっ
ただろうし』
「ああ。俺にしてみれば、やっぱりかなみは傍にいて欲しいなって再確認も出来たし。と
りあえず、サンドイッチ貰ってもいいかな? 何か、一気に腹が減って来たからさ」
『どうぞ。最初からアンタに食べさせるために持って来たんだから、好きに食べなさいよ。
で、次は何するのか決めた?』
「うーん…… 何気に色々あるんだよな…… 溜まってるブルーレイディスクの録画の整
理だとか、シャツのボタン付けなんてのもあるし、パソコンもぼちぼち買い替えだからデー
タとかも外付けのハードディスクに移し変えしとかないといけないし。あと、服も新しい
の買いに行きたいから……」
『何でこの期に及んでそんなにたくさんやりたい事が出てくんのよ。片付けはどうしたわ
け? 片付けは』
「それはもちろん分かってるって。ただ、別に今すぐ必要かなあって言ったらそこまで緊
急性は無いような気がしてさ。何気にブルーレイの方は残り容量少ないしさ。あと、服の
方もズボンが一本ダメになったから着替えが無くなってきてるし。掃除機掛けるくらいは
やってるから床はまだそんな汚れてないし、掃除は来週でもいいかなって」
2924/7:2013/09/03(火) 07:20:57.34 0
『ダメ!! ううん。掃除はいいわ。それよりもいらない物捨てるの。服にしたって着な
くなったのいっぱい取ってあるじゃない。コートも、シャツも。マンガだって本だって読
まないの捨てなさいよ。CDも今はパソコンかipodだからよほど好きな歌手とかじゃなきゃ
いらないでしょ? そういうの全部整理するのがまず先。買い物はその後。ブルーレイの
整理なんて、夜中にでもやれば。いつだって出来るんだから』
「うーん…… 自分の中で優先順位付けろって言ったのかなみじゃん。お前が難癖付けて
順番入れ替えさせたら意味なくないか? それ」
『だって、アンタの順序の決め方が間違ってるんだもん。夜中に片付けとか出来ないでしょ?
どう考えても今は部屋の片付けが一番じゃない。アンタの優先順位で何が一番かを考えた
らそれしかないでしょ?』
「何が一番かって…… さっきまでの一番はもう済ましたし、次の優先順位がなんだって
話だろ? 今日もJリーグの録画予約してあるし、早めにやっとかないと……」
『それで一杯になるにしても、一つか二ついらないの消せば済むだけでしょ? そんなの
すぐ出来る事だし、勘定に入らないわよ。今やらなくちゃいけないのは片付け。その後買
い物。あたしも付き合うからね』
「まあ、それはせっかく来てくれてるのを追い返すわけにもいかないから、行くならそう
するけどさ。けど、かなみのその優先順位ってのはどこから出てんだよ? それ聞かない
ことには納得出来ない訳でさ」
『ハァ…… アンタ、プロポーズしたんでしょ? なのにまさか、こんなワンルームで新
婚生活とか始めたいと思ってるの? いい? 楽に引越しするコツは、常に物を少なくし
ておく事なの。あたしの職場の同僚の子が言ってたのよ。その子、引越し好きなんだけど
さ。そうしとけば荷造りも、新しい部屋で荷物を出すのも楽だって』
「言ってる意味は分かるけど、まだ返事も貰ってないのにそんな早くから動いたってしょ
うがなくね? それとも、かなみの中ではもしかして……受けてくれる気持ちの方が強い
とかだったり?」
2935/7:2013/09/03(火) 07:26:23.18 0
『ふぇっ!? ななななな……何言ってんのよ!! あ、あたしはまだどうとも…… だ、
だけどさ。アンタにとってはその……あ、あたしが一番……大事なんでしょ? だったら
その……マンション買って、引越しとかして、誠意見せてくれてもいいんじゃないのかなって……』
「なるほど。つまり、プロポーズを受ける後押しをするような誠意ある行動をして欲しい
って事か。でも、それって自分で求めちゃダメなんじゃね? 俺さえ誠意を見せれば受け
ますって言っちゃってるようなもんじゃん」
『ちちち、違うってば!! プ……プロポーズしてくれたんなら、それくらいの誠意見せ
て欲しいってのと、受けるのとは違うんだから…… まだ色々と考えなくちゃいけないこ
といっぱいあるし…… タカシの事、知ってるようで知らないことだってきっとたくさん
あると思うから…… それは、タカシも何だからね。あたしのいい所ばかり見てたらダメ
なんだから』
「でも、俺は前から結構真剣に考えてたし……口うるさくてプライベートに結構突っ込ま
れたりとか、短気だったり説教臭かったりとかそういうところまで見た上で決めてるし……
他でダメなところっていったら、あとは一緒に暮らしてみなきゃ気付かない癖とか性格に
なっちゃうと思うんだけど……」
『そ、そういうところも含めてよ。プロポーズ受けて、一緒に住み出したら我慢出来ない
ところなんて、アンタ結構ありそうな感じもするし。けどなんか、半年や1年で離婚なん
てしたくないしさ。芸能人じゃあるまいし……』
「もしかして、俺に引っ越し勧めといて、もう少し広いマンションとかに引っ越したら部
屋に押しかけて来ようとか思ってないか?」
『にゃっ!? ななななな……何言ってんのよ!! 何であたしがアンタと同棲なんて……』
「プロポーズを受けるかどうか決めるのに、ホントに結婚していい相手かどうか見極める
為で、別にアンタが好きになったとか早く一緒に住みたいからとかそんな訳じゃ無いんだ
からね、だろ?」
2946/7:2013/09/03(火) 07:27:55.66 0
『ひ、人のセリフを横取り――んっ!! 違う違う違う!! 横取りじゃなくって、えっ
とその……今のは言葉のアヤで、えーっとその……勝手に決め付けるな、じゃなくて、あ
れ? あれ? 何て言えば……』
「なるほど。それで片付けが終わったら買い物か。服よりも寄りたいのは家電とか家具屋
だろ? なら今度新しく出来たアウトレット行くか。そこなら服も買えるし色々見れるからな」
『だからあっ!! あたしはまだそんな、アンタとの新婚生活想像してあれこれ見たいか
らってそんな事言ってる訳じゃなくって!!』
「まあ、プロポーズ受ける上では、どんな結婚生活を送るか妄想するのも重要だもんな。
じゃあ、そんなかなみの為に、まずは片付けとかするか。かなみは手伝わなくていいから、
パソコンでも見てて暇つぶししてろよ。まだ時間掛かるし」
『い……言われなくたって、手伝う気なんて無いわよ。アンタのものなんだから、整理く
らい自分でやるのが当然なんだし…… 言っとくけど、万が一あたしと一緒になったりし
たら、無駄な買い物なんてさせないんだからね。絶対に!!』
「はいはい。肝に銘じとくよ」

〜片付け始めて1時間後〜

「どう? かなみ。いい物件見つかった?」
『ほにゃあっ!! けけけ、気配もなしに背後から近寄って画面覗き見すんなあっ!!
片付けはどうしたのよ。真面目にやりなさいよっ!!』
「ちゃんと進めてるよ。ほら。まだ半分くらいだけど、まあ今日で全部って訳じゃないし。
一応服と本は今日やっとこうかって。それより、さっきから不動産のサイトばかり見てる
のが気になってさ」
『ち、違うわよっ!! アンタのためとかそんなのじゃなくて……たまたま広告にあった
マンションが綺麗な部屋だったから……それだけなんだからっ!!』
「その割には、今開いてるページって俺でも買えそうな中古の分譲マンションのサイトな
んだけどなあ? しかも場所もちょうどかなみの勤め先と俺の会社のどっちにも通勤に便
利そうな場所で」
2957/7:2013/09/03(火) 07:28:39.83 0
『い、今地区の表示出てないじゃない。さっきからずっと見てたのね? この覗き魔!!
だからこれはたまたまサイト辿っていくうちにそうなっちゃっただけで……』
「そうだよな。かなみの住まいにもなる部屋なんだし、真剣に探さないとな」
『だから違うっての!! アンタの部屋を探してる訳でも無いし。暇つぶしよ、暇つぶし!!』
「楽しみだなあ。さっきのサンドイッチも美味しかったけど、引っ越したら毎朝、かなみ
が作ってくれた出来立ての朝食が食べられるのか。それなら、飲みの日もダラダラせずに
早く帰って来れそうだ。うん」
『だからまだ一緒に住むとか一言も言ってないから!! 決め付けるんじゃ無いわよこの
バカアアアアッッッッ!!!!』



終わりです
296ほんわか名無しさん:2013/09/03(火) 16:16:14.94 0
GJ
新婚生活編も是非に
297ほんわか名無しさん:2013/09/04(水) 15:36:04.47 0
新婚かなみんぺろぺろ
2981/2:2013/09/04(水) 15:57:03.99 0
山「友ちゃーん」むぎゅ
友「…苦しい。離れろ」カタカタ
山「はーい」
友「ぇっ…(いつもは『そんなこと言わないでよ〜』とか言いながらすりすりしてくるのに…)」
山「…」
友「…」チラチラ
山「…ん、なに?」
友「べ、別にっ!」
山「そっか」
友「…」チラチラ
山「…?」
友「っ…!」プイッ
山「…」ニヤニヤ
友「…ぅー…」
山「どしたの?」
友「やめた!今日の編集は終わり!!」
山「あら」
2992/2:2013/09/04(水) 15:57:36.27 0
友「…ふぅ、すること無くなっちゃったなー」
山「帰ろっか?」
友「…まだ帰るのは早いから…あんたのしたいこと、付き合ってやっても良いわよ…?」
山「したいこと?」
友「ぇと…すりすり…とか…」
山「…?」
友「ほ、ほら、いっつもしてくるけど、今日はしてないから、したいんじゃないかなーって」
山「いや別にしたくないなぁ」
友「……いじわる…」
山「なんのことかなー」
友「……しろ」
山「ん?聞こえないよ」
友「すりすりしろって言ってんの!!」
山「それが人に頼む態度かなぁ」
友「う、うぅ…」
山「ほら、人にお願いするときは、どうするの?」
友「…ぅ…寂しいから…だっこして…すりすりして…ください…」
山「うん、友ちゃんは良い子だね」
300ほんわか名無しさん:2013/09/04(水) 17:43:14.62 0
友ちゃんかわいいGJ!
がっちりホールドしてすりすりしつつ「友ちゃんは甘えんぼうだなあ! かわいいなあ!」って煽りたい
301ほんわか名無しさん:2013/09/04(水) 18:10:09.98 0
友ちゃんのだいしゅきホールドと聞いて
302ほんわか名無しさん:2013/09/05(木) 13:10:00.74 0
お題
つ・実は男だけがツンデレの弱点を知っているようです
 ・ショートケーキのイチゴを先に食べるのか後で食べるのかで言い合いになる男とツンデレ
303ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 00:13:20.09 0
やたらちゅんでれに懐かれるかつみんかわいい
304ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 00:23:15.29 0
やたら山田になついてくる友ちゃんかわいい
305ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 17:02:51.38 0
山田が友ちゃんになついてると思ったらいつの間にか逆になってる友ちゃんかわいい
306ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 18:51:19.93 0
307ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 18:54:34.97 0
揉みたい



揉みたい!!
308ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 18:56:08.55 0
これは山田の計画通り
3091/3:2013/09/06(金) 23:05:10.49 0
【ショートケーキのイチゴを先に食べるのか後で食べるのかで言い合いになる男とツンデレ】

 ケーキが食べたいのでケーキ食べたいとかなみに言ったら、うるさいと言われた。
 仕方ないので耳元で食べたいと囁いたら、超殴られた。あんなに顔を真っ赤にして怒らなくてもいいと思います。
 あと、そんなに耳を押さえなくてもいいと思う。俺の声はそんなにダメなのか。
 さて。怒らた程度で俺の甘味欲が治まるはずもなく、近所のケーキ屋さんへ出向くことにした。ということを未だ顔を赤くしてフーフーしてるかなみに告げたら、「私も行く」とか言い出した。
「発情してる犬みてえ」
 と思ったが、言わないでおこう。というつもりだったのだが、さらにかなみの顔が赤くなっていくところを見るに、ああ、言ってしまったんだなあという想いが胸に去来します。

 さる事情により頬を腫らしつつ、かなみと一緒に近所のケーキ屋へ。
「さってと。なーににするかなー」
「ケーキなんて久々ね。それもおごりなんて♪」
「えっ」
 びっくりしてかなみの方を見るが、奴ときたら楽しげにルンルン鼻歌なんて口ずさみながらショーウィンドウの中身を選んでやがる!
 楽しそうなら仕方ない。財布に大ダメージだが、甘んじて受け入れよう。さて、俺は何にしようかな。
「……ね、ねー」
 などと思いながら舐めるようにケーキを見つめていると、不意に背中を引っ張られるような感覚が。見ると、所在無さげな顔でかなみが俺の背をクイクイ引っ張っていた。
「じ、冗談だよ? おごらなくてもいいよ?」
「断る。たとえフリだとしても、あんな楽しそうなかなみを見せられ、どうして割り勘できようか! ここはおごらせてもらおう」
「いっ、いいよ! 冗談だし! ……それに、ほら、ここ結構高いよ?」
 俺の耳に顔を寄せ、ポショポショと囁いた。
「ウヒヒィ」
 それがなんだかむず痒気持ち良かったので、それが声に出てしまい、かなみがしかめっ面をした。
「……妖怪なのは知ってるけど、どこでもそれを出すのはやめてよね。私まで妖怪扱いされちゃう」
「妖怪じゃないです。人間です。さもそれを既知の事実のように喋るのはやめてくれませんかねェ……?」
「あははっ」
 ケラケラと笑いながら遠慮なく人の背中をばんばん叩く。痛いっての。
3102/4:2013/09/06(金) 23:06:24.88 0
「あー楽し……っ! く! は! ない! けど!」
 なんか急に顔を赤くして叫びだした。負けるかッ!
「は! か! た! の! 塩!」
「対抗すなッ!」
「すいません」
 俺のせいで店内がスイーツムードから伯方の塩ムードに。
「かなみは天ぷら何派? ちなみに俺は天つゆ派」
 そこでさらに塩ムードを強めようと天ぷらの話をしてみたが、つい天つゆと言ってしまった。
「いきなり何を言い出してんのよ! そしてさっきの発言を使うなら嘘でも塩派って言いなさいよ!」
「俺もそう思ったが、気づいたら天つゆって言ってた。もうどうしようもないから野球の話でもしようぜ。どのバットが好き?」
「しないッ! この子は……本当に」
 何やら疲れた顔をされた。色んな人に迷惑をかけて申し訳なく思う。
「……まあいいわ。私も天つゆ派よ」
「ケーキ屋に来てなんで俺ら天ぷらの話してんの?」
「アンタがふったんでしょうがッ!」
 とても怖かったし、いい加減お客さんや店員さんの視線が気になるのでケーキの話をすることにする。
「かなみはさ、ショートケーキのイチゴって先に食う? 後に回す?」
「アンタにしてはまともな話ね。何か裏があるんじゃないでしょうね……?」
 ただ聞いただけなのに、非常に怪しまれる。普段が普段なのでこのような扱いも仕方ないと言えよう。もっとまともになろう。
「……まあ、裏があっても最悪ぶん殴ればいっか。ええとね、私はイチゴは先に食べるわ」
3113/4:2013/09/06(金) 23:07:22.53 0
「えっ、殴られるの?」
「殴られるの」
 一応確認してみたが、やはり殴られるらしい。辛い。
「まあいつものことだし、いいや。しかし変わってるな、先に食うなんて。普通後で食うだろ。最後のお楽しみとして。ゆうべはおたのしみでしたね」
「いらんことは言わんでいいっ! ていうか、アンタにだけは変わってるとか言われたくないんだけど」
「そんな人を変人代表みたいに言うない。これでも一般人代表として宇宙人にさらわれるのを夢見る程度には平均的だぞ?」
 かなみが『どこがよ』って顔をした。
「ちなみに宇宙人が女性形(幼女ならなお良し)ならいいなあ、嬉しいなあ! そしたら俺、世界初……いや、有史始まって初の異世界婚するんだ!」
「もしその宇宙人がグレイみたいなのだったらどうするのよ」
「男色の趣味はないから断るよ」
「そっちのGLAYじゃないッ!」
「なんだ。急にホモ話になったからびっくりした」
「こっちの方がびっくりよ。アンタと話してると疲れるわ……」
「じゃあ甘いもの食って癒やされよう。かなみは何にする?」
「えっ? えと……じゃあ、ショートケーキ」
 俺の話に触発されたのか、かなみはイチゴがちょこんと乗ったシンプルなショートケーキを選んだ。
「俺は……えーと、これ」
 チョコケーキを指すと、ショーケースの奥にいる店員さんがトングで挟んだ。しまった、かなみとの話に夢中で店員さんがこんな近くにいるなんて気づかなかった。これは恥ずかしい。
3124/4:2013/09/06(金) 23:07:54.96 0
「かなみ、『こ、こんな格好……恥ずかしいよぉ』ってM字開脚しながら言って」
「するかッ!」
 俺がいかに恥ずかしかったか、ということをかなみに代弁させようとしたが、失敗した。あと、殴られた。店員さんにも笑われた。チクショウ。

 お金を払って商品を受け取り、店を出る。
「……ね、ねー。ホントにおごってもらっちゃったけど、よかったの?」
 宝物でも持ってるかのように大事そうにケーキの入ってる箱を抱えたまま、かなみが俺に訊ねる。
「よくない。払え。倍払え。いや、やっぱ身体で返せ。一生かけて身体で返せ。ひとまず今日のところはおっぱいを揉ませてください」
 ものすごく頬をつねられたので黙る。
「冗談はいいからさ。自分の分くらい自分で出すよ?」
「いや、いいって。俺一人でファンシーなケーキ屋に行く勇気なんて持ってないし、付き合ってもらった礼とでも思っとけ」
「むーっ……」
 むーって言いながらかなみがむーって膨れた。かわいい。
「どうしても不満なら、ケーキ食べる時に俺にあーんとかしてくれるか?」
 よし、これでかなみも『何言ってるのよ馬鹿! 死んでも嫌よ! というか死ね! 死んで生まれ変わって自殺しろ!』と言うに違いない。そして俺の中のかなみ像が酷すぎる。想像なのに泣きそう。
「えっ……。……わ、わかった。しょがないもんね。おごってもらったお礼だからね。うん」
 想像と違う。なんか頬を染めてコクコクうなずいてる。
「あ、あのー、かなみさん?」
「なに? ……え、えと、あーんの練習?」
 そんな練習聞いたことねえ。
「そ、そうよね。難しいもんね。あ、でもケーキ使うわけにもいかないし……じゃ、じゃあ、私の指で、練習する?」
 おかしい。なんか全体的におかしい。
「じゃあ、私が指をアンタの口の前に持ってくから、あーんって言ったらその指を咥えるのよ?」
 ケーキを買いに来たら野外プレイすることになったでゴザル、と思いながら帰宅しました。
313ほんわか名無しさん:2013/09/06(金) 23:14:04.05 0
かなみさん嬉し過ぎておかしなことになってやしないかwwwww

GJ!
314ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 00:30:36.09 0
かなみんかわゆいよぉ!
315ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 08:48:54.34 0
かなみんデレ具合がたまらんのうwwwww
316ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 13:56:13.46 O
【】の人来てたー!
俺もかなみんの指チュパりたいです!!!

さぁ、早くボクっ娘バージョンで次を書くンだ!!

・お題
何故か台詞が小池一夫っぽくなってしまうツンデレ(もしくは男)
どうしてエレクチヲンしないのよぉ〜!!
317ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 21:14:06.68 0
かなみんきゃわわ!


立てたよー
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667.3
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1378556001/
318ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 21:30:57.82 0
立て直したよー
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667.3
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1378556993/
319ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 21:31:14.44 0
SS書いてたらまさかの即落ち
せめて1レスくらいさせてくれよ……
320ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 22:06:37.33 0
風呂入ってたら落ちてた…
ムキになって何度でも立てるよ
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら667.4
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1378559151/
321ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 23:40:28.15 0
本スレ落としちった


梅雨時用に描いてたけど気づいたら秋雨の時期に…
優しさと下心の入り混じったみこちんかわいい
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2778.jpg
322ほんわか名無しさん:2013/09/07(土) 23:56:23.87 0
でかすぎィ!
323ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 00:20:07.15 0
ぼくもそうおもう!
324ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 00:55:00.05 0
可愛い
しかしでかい
325ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 05:53:25.83 0
東京キター
つ・ツンデレオリンピック
つ・ツンデレがオリンピックに出場するそうです
つ・男がオリンピックに出場するそうです
326ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 11:35:22.77 0
ちょっと長いの投下します
3271/6:2013/09/08(日) 11:36:05.43 0
・ツンデレが意外なところで男と出会ったら 〜その1〜

 私の日曜日の朝は、早朝ランニングから始まる。
 昔、剣道をやっていた時代の朝稽古の名残であるのだが、習慣というのはなかなか変え
られるものではなく、健康にもいいだろうとずっと続けているものである。
 メニューは約5キロのランニングとストレッチ、筋トレ、そして素振りである。時折学
校の部活動で顧問の先生のお手伝いをしたり、昔お世話になった道場の先生に頼まれて子
供達の練習相手になる以外、竹刀を持つ事もなくなった私に必要があるのかどうかは疑問
だが、止めるとなると非常に落ち着かなくて、ついつい続けてしまっているのだ。
『498…………っ…… 499…………っ……』
 ただ、漫然と竹刀を振るうのではなく、型を意識し、さらには目の前にいない相手をす
ら想像して、力強く振り続ける。
『……500っ…………』
 最後の一振りを終え、私はふう、と深く息を吐く。首に回したタオルで額と、首周りか
ら胸元まで伝う汗を拭う。夏場は、日が昇るのが早いのはいいが、気候的には厳しい。
『あっつい……』
 時間は朝の6時半を回ったところ。そろそろ日差しも徐々に強くなり始めている。私は、
地面に置いたスポーツ飲料の入った水筒を手に持ち、飲み口に直接口を付けて飲む。やや
温くなったスポーツ飲料が、渇きを癒してくれる。ようやくひとごこち付くと、私は河原
の土手へと足を向けた。私が運動をしている河川敷の公園は、河川に沿って遊歩道が通っ
ており、その向こう側は短く手入れをされた雑草が生えた土手になっている。ここで寝転
がって休憩するのが、運動を終えた後の習慣になっていた。
『今日も……暑くなりそうね……』
 土手を照りつける日差しに、私はうんざりした気分で呟く。早朝とはいえ、梅雨の明け
た後の日差しは強い。日中の猛暑を思い起こすと、正直一日クーラーの効いた部屋でゆっ
くりと過ごしていたい気分だった。
『風……気持ち良いな……』
3282/6:2013/09/08(日) 11:36:38.98 0
 サッと体を撫でていく優しい風が、運動で火照った体を冷ましてくれる。私がこの場所
をお気に入りの休憩場所にしているのは、この風も理由の一つだった。他にも、眼下を流
れる河川の水のきらめきが美しかったり、時折ランニングや散歩をする人たちを除けば人
気も少なく静かでのんびりした気分になれるからと、挙げたらキリがないくらいである。
腕時計で時間を見る。
『15分は、休憩出来るわね……』
 そう一人ごちて、私は土手の上に腰を下ろす。ポーチを外して脇に置き、体を仰向けに
横たえると、澄み渡った空が視界いっぱいに広がる。
『まぶし……っ』
 朝の日差しが目に痛くて、私はタオルで目を覆った。この辺りは鉄道も幹線道路も離れ
ているので、騒音らしい騒音も無く心地良く休憩することが出来る。
――今日は……何をしよう。用事も無いし……図書館にでも行って…… それとも、たま
にはいろんなお店を見て回って、お茶でもして、気分をリフレッシュさせた方が……
 明日からまた仕事だと考えると、出掛けずに家でゆっくりしたい気持ちもある。しかし、
家でだらだらと過ごすのももったいない気がするし、そんな事を言っていたらいつまで経っ
ても外出の機会を得られないだろう。奥底に溜まった慢性の疲労と外出への欲求の狭間に
あって、私は葛藤し続けたのだった。


『ん……?』
 身じろぎをして、地面が固い事に気付く。剥き出しの腕や脚に優しく尖ったようなもの
が当たる感触があった。すぐに私は自分の現状を思い出す。
――ああ、そうか…… 考え事してて……うたた寝しちゃったんだ……
 どれくらい寝てしまったのだろうか。そんなに長い時間とは思えないが、予定の時間を
大きく過ぎてしまったかもしれない。頬に当たる風が妙に生暖かいのは何故だろう。天気
が悪くなっているのだろうか? そんな疑問を抱きつつタオルを取ったとき、目の前に大
きな毛むくじゃらの獣の顔が飛び込んできた。
3293/6:2013/09/08(日) 11:37:10.03 0
『きゃああああっ!!』
 何も考える暇も無く、私は悲鳴を上げてその場から寝たまま横に転がった。同時に、聞
き知った声が耳に飛び込んでくる。
「あ。先生起きた?」
『え……?』
 今感じた恐怖とは無縁のような呑気な声。私は自分の周りで何が起こっているのか理解
しきれぬままに体を起こした。
「ダメじゃん、先生。無防備にこんなところで寝てたらさ。誰かに襲われても知らないよ」
 また声が聞こえ、私は顔をそちらに向けた。私のすぐ傍――1メートルほど離れた場所
に座ってこっちを見て微笑んでいる男の子は、間違いなく私の教え子である別府タカシ君だった。
『べ……別府君!? な、何だって貴方がこんな所にいるんですかっ!!』
 驚きのあまり、つい詰るような問い掛けをすると、別府君は困ったように肩を竦めた。
「何だってって言われても……コイツを散歩に連れて堤防の上を歩いてたらさ。何か見た
ことあるような女の人がタオルを顔に掛けて寝てたから、もしかしたらけーちゃん先生か
なって。ちょっとだけタオルを外して見てみたらやっぱりそうだったから、それで起きる
の待ってたんだ」
『なっ……!? か、勝手に人の寝顔を覗き見したんですかっ!! さ……最低です!!』
 私は顔が紅潮するのを感じながら彼を罵ってしまった。男の人にみっともなくも寝顔を
見られるなんて――しかもそれがよりにもよって別府君だなんて大失態もいいところだ。
どんな表情だったんだろうか? よだれなんて垂らしていなかっただろうか? 変な顔だ
ったりしたら、教師としての威厳なんてすっ飛んでしまう。
「確認する為にちょっとちら見しただけだってば。それに、先生の方にだって非はある訳
だし。さっきも言ったけど、こんな場所で無防備に寝てたりしたら、それこそ犯罪に遭う
可能性だってあるんだぜ。いくら朝だからって、事件に遭わない訳じゃないんだし。普段
から特に女子には気をつけろなんてホームルームで注意してて、先生が襲われたりしたら
それこそ世話無いじゃん。だから見張っててあげたのにさ」
 別府君は半分冗談っぽく、しかしやや不満気な態度を見せる。彼の言葉は確かに心に刺
さるものがあったが、性分上素直に認められないのは私の悪いところだ。
3304/6:2013/09/08(日) 11:37:41.09 0
『誰も見張ってくれなんて頼んだ覚えはありません。どんな理由があろうが、女性の寝顔
を覗くなんてマナー違反ですし、早朝とはいえランニングをしている人も結構通りますか
ら、人気の無い場所って訳でも無いですし』
「人目につく場所ならいいって事もないじゃん。もし、けーちゃんを見て欲情して体とか
触ってくる男がいたらどうするんだよ。カップルがいちゃついてる様に見えたら誰も声な
んて掛けずに顔をしかめて通り過ぎるだけだぜ。目が覚めたときに体押さえつけられて暴
行されてたら、いくらけーちゃんが剣道強いったって抵抗出来んのかよ?」
 何故か口を開けば開くほど、私が説教されているような状況になって来ていた。しかし、
教師として教え子に説教されるなどあってはならないことだ。何としても自分の正当性を
主張しなければならないと私は何とか言い訳を考え出す。
『ね、寝てるといってもちょっとうたた寝していただけです。さすがに変な事されれば気
付きますっ!!』
「俺がタオルまくっても全然気付かなかったのに? それにさっきからジョニー……って、
うちの犬なんだけどさ。コイツがけーちゃんのこと気になってるみたいでさ。フンフン嗅
ぎまわって鼻で突付いたりしてても全然起きなかったし」
 さっき、真っ先に目に飛び込んできた獣は別府君の飼い犬だったようだ。茶色の中くら
いの大きさのコリー犬っぽい犬で、胸元の白くふさふさした長い毛が目立っている。キリ
ッと整った、しかしよくよく見ると愛らしい顔をしていて、別府君が軽くリードを引っ張
ると彼のところにトトトッと近寄ってきて体を預ける辺り、よく懐いているようだ。
『た……確かに、近付かれても全く気付かなかったのは無用心と言われても仕方ないです
けれど、いくらなんでも直接体に触れられれば気付きますっ!! そ、それに……私みた
いな特に魅力もないような女に欲情するような人がいるとも思えませんし……』
 不利な条件を覆そうと思いついた言葉を考えもせずに口にしてから、私はつい余計な事
まで生徒にしゃべってしまった事に気が付いた。すると別府君は怒ったような顔でズイッ
と近付いてくる。
3315/6:2013/09/08(日) 11:40:16.90 0
「けーちゃんさ。本気で自分が女性として魅力無いって思ってる? 俺は正直、全然そん
な事思って無いし、魅力的だと思ってるよ。それにさ。触られたら気付くって……それは
ちょっと自分を過信しすぎだと思うんだけど。俺が見てた限りじゃ」
5
 詰め寄る彼にドキリとする。魅力があると言われたからだけではない。何と言うか彼の
雰囲気がちょっと危険な感じがするのだ。ある可能性が私の脳裏に飛来する。
――まさか……私の寝ている間に、別府君が……
 何をされたのか、考えたくなかった。考えれば考えるほど、どんどん想像だけが加速し
ていってしまいそうだ。思わず脚を閉じて擦り合わせるが、変わった所は無いように思え
る。それでも、疑念を拭う事は出来なかった。
『け…… けーちゃんって言うのは止めなさいっていつも言っているでしょう。先生とか
国原先生と呼びなさいと。あと、何で貴方はそんな断定的に物事を語れるんですか? 根
拠を説明して下さい。根拠を』
 すると別府君は、ちょっと不満気に口を尖らせてみせた。
「ちぇっ。いいじゃん。プライベートで会った時くらいあだ名で呼んだってさ。その方が
可愛いし。そう固い事言わなくたっていいと思うんだけどな。誰が聞いてる訳でもないん
だからさ」
『誰が聞いてる訳でなくても、私と別府君は先生と生徒の間柄なんです。いくら学校じゃ
ないとはいえ、普段からキチンと立場はハッキリしておかないと、友達みたいな感覚で接
せられたら困りますから』
 自分を戒める為にも、私は断固として教師としての立場を貫いた。少しの間別府君は何
とか反抗しようとする顔つきで私をジッと見つめていたが、私も負けじと睨み付けていた
ので、やがて無理と悟ったのか諦めたように肩を竦めた。
「分かったよ。じゃあ、敬子先生ならいいだろ? ちゃんと先生って付けてるし」
 別府君に名前を呼ばれることに何故か心に引っ掛かるような感情を覚えたが、これ以上
は私も妥協しないとダメだろうと自分を納得させて頷いた。それに、呼び方だけでいつま
でも言い争ってもいられないし。
『百歩譲ってそれなら認めてあげます。それからもう一つの質問にまだ答えて貰っていま
せん。呼び方の問題で話をごまかそうとしていたのならそうはいきませんからね』
3326/6:2013/09/08(日) 11:42:00.03 0
 私はてっきり、別府君が話題を逸らし気味に呼び方に不満を言ったのかと思ったが、別
府君はキッパリと首を振ってそれを否定する。
「まさか。ただ、せっかくの機会なのに先生なんて他人行儀な呼び方で呼びたくないなっ
て思ったから不満を言っただけで、先生の質問から逃げる気なんてないって」
『それなら、ちゃんと答えて下さい。どうして別府君は、私の事を……その……断定的に、
印象を語れるのかって……』
 魅力的、という言葉を口から声に出すことがどうしても出来なくて、私はごまかしの表
現を使って聞き直す。すると別府君は事も無げにサラリと答えを口に出した。
「ああ。だって、俺から見て先生ってとても魅力的だからさ。少なくとも一人、ここにそ
ういう男がいるって事は、他にもそういう人がいてもおかしくないだろ? 俺は自分の美
的センスがおかしいとか思ってもないしさ」


あと3回ほど続く


ついでにお題
・ツンデレに「もしかしてだけど〜もしかしてだけど〜それってオイラを誘ってるんじゃないの〜っ」って歌ってみたら
333ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 18:07:12.84 0
最近勝気=いじられキャラだと話題に
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2779.jpg
334ほんわか名無しさん:2013/09/08(日) 18:13:15.14 0
これはピューリッツァー賞だわ
335ほんわか名無しさん:2013/09/09(月) 07:53:55.75 0
お題
つ・みんなが浮かれ気分の中、何故か冷めてるツンデレ
336ほんわか名無しさん:2013/09/09(月) 10:53:38.00 0
お題
つ・ツンデレとマイナーなスポーツを観戦したら
337ほんわか名無しさん:2013/09/09(月) 19:06:12.15 0
友ちゃんをいぢめたい
338五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:14:36.96 i
≪あ≫めだま
ツン「もー! 友ちゃんなんてしらないっ!」 プリプリ
友「ごめんって〜」
男「なんだ、今度はなに怒ってんだ梓?」
友「あ、別府くん。実は……」
ツン「友ちゃんが悪いんだよ! 勝手に写真撮るから!」 プリプリ
男「なんだ写真ぐらい。減るもんじゃなし」
ツン「だってだって! 撮るなら撮るで言ってくれれば良いのに、盗撮みたいな写真ばっかなんだもん!」 プリプリ
友「あはは〜……だって梓がいっつも無防備だからつい……」
ツン「つい、じゃないよまったく! 友ちゃんはまったく!」 プリプリ
男「へー……あ、そうだ梓、飴食べるか?」
ツン「いらない!」 プリプリ
男「なんだ、いらないのか? 最後の一個俺が食っちまうぞ?」
ツン「…………何味」
男「ぶどう」
ツン「……食べる」
男「はいよ。ほれ口開けろ」
ツン「あー……んっ……」 パク
男「あ、ところで友子、その写真俺にもくれ」 クル
友「え? いや別に良いけどわざわざ本人の目の前で……」
男「ああ、心配ない。見てみ」
友「……?」
ツン「…………」 コロコロコロコロ(必死)
男「飴食うとあとは飴を舐めることしか考えらんねーんだあいつ。その間は味覚以外の五感はほぼ死んでるからなにしても平気だ」
友「へぇ……(可愛い……)」 パシャ
ツン「(美味しい)」 コロコロコロコロ
339五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:15:11.17 i
≪い≫しんでんしん
ツン「…………」 モグモグ
男「…………」 モグモグ
友「……ちょっと山田」
山「ん?」 モグモグ
友「この二人どうしたのよ。さっきから黙々とご飯食べて」 ヒソヒソ
山「ああ、なんか喧嘩中なんだって」 モグモグ
友「いや、ていうか……」
男「……ん(醤油……)」
ツン「ん(醤油か)」 ヒョイ
男「んっ」
ツン「…………ん(ドレッシング……)」
男「ん(イタリアンだろ)」 ヒョイ
ツン「んっ」
友「……無言でもお互い何を求めてるのか通じ合ってるわよ……」
山「幼馴染ならではの以心伝心ってやつだね」
男「ん……(頬に米粒ついてる)」 ヒョイ、パク
ツン「んっ(人前でなにすんのよアホ)」
男「…………(うるせー)」 チラッ
ツン「…………(ばーか)」 プイ
340ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 00:16:08.72 0
リスみたいでかわいいなぁ

GJ!
341五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:16:11.62 i
≪う≫さぎ
男「ふぃー……今日も疲れたっと……」 ガチャ
ツン「おおおおかえりなさいませ!」 バニーン‼
男「…………」
ツン「きょきょきょきょきょ今日はご飯が先!? お風呂!? そ、それとも……わ、わ……わ……!!」
男「…………わ?」
ツン「わっ…………ぃ……言えるかぼけーっ!!」 ウガー‼
男「えー」
ツン「うるせー! 誕生日忘れちまったからなんでもしてやるとは言ったがなぁ! これはなんか違うだろ!」
男「俺の生来の夢ベスト3をバカにするな!」
ツン「こんなのが生来の夢とかお前おかしいぞ!?」
男「あーやだやだ人格否定ですかー」 ハァ
ツン「うっせうっせ!! 大体なんでバニーなんだよ! どっからこんな服持ってきた!?」
男「友子がくれた」
ツン「(あいついつか殺す)」
男「ところで」
ツン「あ? もうぜってーやんねーからな」
男「いや違う。さっきの答えだ」
ツン「は? …………え?」
男「俺は、メシでもフロでもなく…………お前を選ぶ!!」
ツン「なぁっ!?」
男「よっしゃベッドいくぞ勝美!」 ヒョイ
ツン「きゃあっ!?」
男「いやーコスプレイなんて初めてだな〜楽しみだな〜」 ルンルルン
ツン「ばっ、ちょっはなせばか!」 ベシベシ
男「いっぱい愛してやるからな」 キリッ
ツン「ぅ……しるかばか!」 プイッ
男「(ウチの嫁可愛い……今夜こそ孕ませてやる)」
342ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 00:16:42.27 0
あいうえお作文か
支援
343五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:17:15.51 i
≪え≫んぴつ
男「やっちまったぁ〜……」
山「あーあ、潔く諦めなよ」
男「くっそー……」
ツン「どうかしましたか?」 スタスタ
男「あ、委員長。実は筆箱忘れてさ……今日テストだってのにやべーよ……今日に限って予備のシャーペン持ってる奴いねーし」
ツン「はぁ、まったくだらしないですね。昨夜のうちにちゃんと準備しておかないからですよ。どうせ今朝もギリギリまで教科書の中身を頭に詰め込んでたんでしょう?」
男「ぐ……まったくその通り過ぎて言い返せない……」
ツン「……私、ありますけど」
男「……え?」
ツン「 シャープペンは無いですけど、鉛筆なら……予備として持ってます」
男「そ、それって……」
ツン「だからっ! ……貸してあげても良いって……言ってるんですっ」
男「マジで!?」
ツン「ほ、ほらっ! もう時間ですよ! 消しゴムも貸してあげるからさっさと席についてください!」
男「ありがとう委員長! マジ感謝!」
ツン「まったく……おバカなんですから」
キーンコーンカーンコーン
〜〜
344五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:18:10.45 i
〜〜
男「いやー助かったよ委員長! おかげで今日乗り切れたよ!」
ツン「はいはい。さっさと鉛筆返してください」
男「おう! サンキューな!」
ツン「はい。どういたしまして」
男「…………」
ツン「…………」
男「…………」
ツン「……? まだ、なにか用ですか?」
男「あ! いやー……用っていうか……その……」
ツン「なんですか? はっきり言ってください」
男「あー、あのさ……その借りた鉛筆、五角鉛筆じゃん?」
ツン「そんなの見ればわかるじゃないですか。それがなにか?」
男「えっと……その、鉛筆の書くのと逆の方がさ……削ってあって……その……」
ツン「えっ……ぁっ……!?」
男「『別府かなみ』って……書いてあったんだけど……」
ツン「っ……!!」
男「えーっと……その…………委員長、さ……もしかして……」
ツン「あぁあああぁぁああぁぁああぁああぁっ!!! そそそそそそそういえば急用を思い出したんでした私もう帰りますねぇっ!!!」 バババッ
男「えっ!?」
ツン「じゃあさよなら明日は筆箱忘れないでくださいねぇっ!!! じゃあまた明日!!」 ビュンッ‼
男「ま、また明日ー……ってもういない……」
ツン「(見られた見られた見られた見られたぁ〜っ!!! よりにもよってあんな妄想の塊みたいなのを見られるなんて信じられないっ!!
ばかばかばかばかばか私のバカッ!! 明日からどんな顔で別府くんに会えばいいのよ死ぬわこんなの恥ずかしいぃぃいいぃいいいぃぃいいいいっっ!!!)」 ダダダダダダダダダダダ
345五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:19:34.30 i
≪お≫っぱい
ツン「……タカシ」 クイクイ
男「ん? どうしたちなみ」
ツン「……タカシは、大きいのと慎ましいの……どっちが好きなの」
男「は?」
ツン「……だから……無駄にでっかいのと控え目で慎ましいのと……どっちが良いの」
男「いやさっきと大して変わってねーよ」
ツン「……むぅ……わかってるくせに」
男「まあな……胸の話だろ?」
ツン「……胸とか……生々しい言葉を使うな……いやらしく見えるぞ」
男「なんでだよ……どっちかっていえばおっぱいって言った方がなんかいやらしいだろ」
ツン「……そういう……いやらしいのを隠そうとしてるのが……いやらしい」
男「どうしろってんだ……」
ツン「……そんなことより……どっちなの」
男「んー、そうだなぁ……」
ツン「…………」 ソワソワ
男「ま、控え目の方が、俺は好きかな」 チラッ
346五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 00:20:18.30 i
ツン「…………チッ」
男「なんで今舌打ちした!?」
ツン「……そういう慰めとか同情とか……いらねーから」
男「いや別にそんなつもりは……」
ツン「……どうせ……別にどっちでも良いけど……無いよりはあった方がマシ……とか……思ってるクセに……」
男「はぁ……ちなみ、よく聞けよ」
ツン「……なに」
男「確かに俺は、胸の大きさとか割とどうでも良いと思ってるし、無いよりあっても別に良いかなぐらいは思ってる」
ツン「……ほれみろ」 ケッ
男「聞けって。じゃあなんで俺は今、控え目の方が良いって答えたと思う?」
ツン「……知るか」
男「答えを教えてやろう。ちょっと耳かせ」
ツン「……?」
男「いいか? ……好きな奴の胸が控え目だから、だよ」 ボソ…
ツン「…………!」
男「ま、そーゆーこと! わかったか?」
ツン「…………」 コク
男「ん……な、なんか恥ずいなー」 ポリポリ
ツン「…………」 フラ…
男「あれ、おい。ちなみ? ちなみー?」
ツン「(……タカシ……好きな人がいるのか……)」 フラ…
男「(ったく……まぁでも、これで俺とちなみの仲も、進展したらいいなぁ……)」←軽い告白のつもり
ツン「(……乳のある女ばっか敵視してたけど……これからは貧乳も敵なのか……はぁ……)」←失恋の予感
347ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 00:21:53.77 0
鈍感ちなみんwwwww

リアルタイムで支援できて良かった。どのツンデレも可愛かったぞ!
348ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 00:45:26.10 0
みんな可愛いとかなんだコレ神か
349ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 01:02:03.58 0
当然五十音全部やるんですよねぇ!?
350ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 06:50:56.74 0
何やってんすかいいんちょwwwww
351ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 17:01:32.87 0
≪か≫ぜ
男「おはよう……ゴホッ」
ツン「おはようございます……って兄さん、すごい顔色悪いですよ?」
男「ああ……ゴホッ……なんか風邪引いたっぽいわ……ゲッホ」
ツン「兄さんが風邪を引くなんて……バカは風邪をなんとかっていうのはどうやら嘘みたいですね」 ピト
男「あー……おう……ゴホゴホ」
ツン「んー……結構熱もありますね。これは学校も休まないと」
男「ああ……どのみぢッホッ……身体も痛くて登校する気にはなれないしな……」
ツン「そうですか……とりあえず学校には私が連絡しておきますから。ベッドでおとなしくしててください」
男「ああ……ゲホッ……悪い」 ヨロヨロ
〜部屋〜
男「……ゲホッ、ゲッホゴホ……ぁー……」
ツン「兄さん、起きてますか?」 ガチャ
男「おー……」
ツン「お粥とお薬です。食べられますか?」
男「ん……」 コクリ
ツン「じゃあほら、あーんしてください」
男「え……」
ツン「身体が痛むなら自分じゃ食べられないでしょう。無理して零されても困りますし……ほら、あーん」
男「ぁ……ん……」 モグ…
ツン「どうですか?」
男「ん……うまい」
ツン「あはっ♪……ってち、違います! 食べられそうかどうかを聞いたんですよ!」
男「うん……そんなにいっぱいは食えないけど……その器に入ってる分ぐらいは……」
ツン「そうですか。じゃあちゃんと食べて、お薬飲みましょうね。はい、あーん」
男「ん……」 モグ
〜〜
352五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:02:05.00 0
〜〜
男「ん……」 パチ
ツン「あ、起こしちゃいましたか」
男「ん……?」
ツン「今、冷えピタ貼ったところです。気持ちいいですか?」
男「ん……」 コクリ
ツン「目が覚めたついでに、ほら。スポーツドリンク買ってきたので、飲んでください」
男「ん……」
ツン「あ、起きなくていいですよ。私が飲ませてあげます」
男「……?」
ツン「んっ……」
男「ぇ……」
ツン「んー……んっ」 チュッ
男「んっ……!? ……ん……ん……」 ゴク…ゴク…
ツン「ぷぁ……どうですか?」
男「なんで……口移し……ゲホッ」
ツン「特別ですよ。それにこれ夢ですから」
男「…………夢?」
ツン「はい。兄さんの夢ですから。意識朦朧としてちょっとわけのわからない夢を見るぐらい誰でもあります」
男「ゆめ……そうか、夢……」 ボー
ツン「これから風邪で心細い兄さんのために添い寝してあげますけど、それも夢ですからね。では失礼して」
男「ん……」 ボー
ツン「んっ……兄さんの身体。熱いですね……」 スリ…
男「…………」 ウトウト
ツン「私もなんだか火照っちゃって……私の身体、あったかいでしょう?」
男「…………zzz」
ツン「って、寝ちゃいましたか……」
ツン「…………♡」 ギュ
353五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:02:35.40 0
≪き≫す
ツン「ねぇ……」 クイッ
男「ん? どうしたかなみ?」
ツン「その、ね……?」 モジモジ
男「(な、なんだこの感じ……ま、まさか……?)」 ドキッ
ツン「っ……き……キス……しよ……?」
男「……!」
〜〜
男「クソが……」 ドヨーン
ツン「なんか言ったー?」
男「なんでもねーよ」
ツン「あっそ」 プイ
男「…………」
ツン「それにしても、一人で釣りするのも飽きてきたところだったし、あんたが付き合ってくれて助かるわ〜」
男「はいはい……」
ツン「む。なによ、なんか不満そうね?」 ジロッ
男「べっつにぃ〜? 俺も釣りは嫌いじゃね〜しなぁ〜」
ツン「知ってるわよ。だから誘ったんじゃない」
男「はいはいそうですねー……」
ツン「わ、悪かったわよせっかくの休日を潰させて……。だ、だから餌代とかは私が出したし、帰りにもなんか奢るって言ったじゃない」
男「そうだなー」
ツン「もぉ……なにがそんなに不満なのよ……ヒトがせっかく……」
男「はいはい。もう釣りに集中しようぜ。こんなにベラベラ喋ってたら逃げちまう」
ツン「……むぅ……」
男「(あんな潤んだ瞳で上目遣いで『キスしよ』……とか……普通接吻の方だろ……なんでキス釣りなんか来てんだよバカか? 俺のバカ! 勘違いも程々にしろ! ばか!)」
ツン「(釣りデートなんて……やっぱり変だったかな……でも共通の話題これぐらいだし……う〜……やっぱりちゃんとオシャレしてモールとかに行った方が……
でもまだ付き合ってもないのにそんな人目につくようなことしたらタカシに迷惑なんじゃ……ぅう……)」
354五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:03:33.43 0
≪く≫○に
ツン「タカシー」 トテトテ
男「お? どうした梓、今日も可愛いな」
ツン「えへへ〜♡ ……って違うよ! 変なコト言わないで!」 ベチベチ
男「悪いつい本音が……で、なんだ?」
ツン「あのさー、『く○に』って、なに?」
男「」 ピシッ
ツン「なんか友ちゃんが山田にしてもらったって……」
男「(あいつら殺す)」
ツン「気持ちいいんだってさー。タカシは知ってる? く○に」
男「いやーははは……どうだろうなー。それより梓! 駅前のケーキ屋、新作出てたぞ!」
ツン「知ってるよ。でさ、く○にって……」
男「あっそうだ昨夜のあの番組見たか? 面白かったよn」
ツン「そんなことよりく○にがさー」
男「あーもーうっせぇ! 女の子がそんなはしたない単語を連呼するんじゃありません!」
ツン「な、なにそれ! く○にって……え、エッチな言葉なの!?」
男「だから大声で叫ぶなっての!」
ヒソヒソヒソヒソ…クンニ…ムクナアズサチャンヲ…チョウキョウ…ヘンタイ…シュウチプレイ…ヒソヒソ…
男「(ありもしない事実が囁かれ始めてる!?)」
ツン「ねーねーく○にってなんなのどうやるのタカシもボクにやってみてよー!」
男「ぎゃぁあああやめろ! そんなこと大声でおねだりすんなぁ!!」
ポン
男「へっ……?」
教員「別府、ちょっと指導室まで来い」 ニコッ
男「ごっ、誤解なんですぅうぅううぅぅううううううっっ!!」 ズルズルズル
ツン「あっ……連れていかれちゃった……」
ツン「結局なんなのー……?」 モヤモヤ
355五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:04:53.46 0
≪け≫っとう
ツン「ジョースターの血統は代々短命!」 ビシッ
男「お前男じゃねーじゃん」
ツン「うるさい! 今良いところなんだからジャマしないで!」
男「はいはい……初めはあんなに拒絶してたクセに、ちょっと読ませたらすぐこれだよ……」
ツン「ちょっとタカシ見て!」
男「今度はなに?」
ツン「Yes , I am !!」 シュビッ
男「はいはい」
ツン「なによその反応! お仕置きにうんこ食わすわよ!」
男「俺は赤ん坊じゃねー」
356五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:06:33.65 0
≪こ≫んびに
ツン「いらっしゃいま……って、なんじゃお主か」
男「お客様に対して随分な態度だな、纏」
ツン「冷やかしならさっさと帰って寝るんじゃな。営業妨害で通報するぞぃ」 シッシ
男「いやなんかアイス食いたくなってさ。どれにしよっかなー」
ツン「買うなら買うでさっさと選べ。優柔不断は男らしくないぞ」
男「うるせーなぁ……よし、パピコにしよう」
ツン「1人寂しくパピコを食べる男……哀れな……」
男「はいはい。お会計おねがいしますねー」
ツン「ふん……」 ピッ
ツン「一点で126円になります」
男「…………ップ……」
ツン「……206円お預かりします。袋はどうされますか?」
男「いりません。……ぷふっ……」
ツン「チッ……失礼しました。それではレシートと80円のお返しになります」
357五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:07:16.84 0
男「今舌打ちしたろ」
ツン「なんのことですか? 出口はあちらになります。人の仕事笑ってる暇があったらさっさとお釣り受け取って帰ってクソして寝てください」
男「標準語の暴言が聞こえるぅ〜」
ツン「シネ(ボソ)では迷惑料としてパピコは半分頂きますね」 パキッ、チュー
男「あっ! なんてことしやがる!」
ツン「喧しいのじゃ! うざったいのじゃ! さっさと帰るのじゃ! 本当に通報するのじゃぁああああ!」 ウガー‼
男「へいへいわかりましたよー」
ツン「あ、おい。釣銭忘れとるぞ」
男「本当だよ。ネコババか?」
ツン「お主がさっさと受け取らんからじゃろうが……ほれ、手ェ出せ」
男「ん」
ツン「…………」
男「……? なんだよさっさとくれよ。本当にネコババする気か?」
ツン「…………」 ギュッ
男「えっ」
ツン「80円のお返しになります。夜道は危ないですから、気をつけてお帰りください」
男「……ありがと」
ツン「…………ふん、さっさと帰れ」 プイッ
男「じゃーな、また明日」
ツン「……また、明日」
ツン「…………」
ツン「…………(美味しい)」 チュー
358五十音でツンデレ:2013/09/10(火) 17:08:20.59 0
≪か≫行まで終わり
≪け≫のやっつけ感が凄い
359ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 17:19:08.11 0
本当に五十音終わらす気かwwwww
360ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 17:19:21.37 0
GJ!
けはけんかとかで良かったのではw
361ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 19:59:41.42 0
GJ!wwwww

ボクッ娘にクンニしたい
362ほんわか名無しさん:2013/09/10(火) 21:34:37.92 0
じゃあ引き継いで≪さ≫だけやってみるか。
≪さ≫よなら
「じゃあな、ちなみ」
 下校途中の十字路、幼なじみの男と私の家路を隔てるそれを挟み、彼が別れの言葉を投げかける。私はそれに、「ん……」とだけ返した。
「いやいや、もうちょっと何かあるんじゃないの? さよなら〜とか、また明日〜とかさ」
 残暑の西日に照らされながら、彼が不満そうに言う。
「……また明日も、君に会う。……苦行、だ」
「平日だからな、仕方ないよな。って言うか苦行ってどういうことだコラ」
「ふん……。君の顔を毎日見るのは、苦行。……他に、何かある?」
 いつも通りの、減らず口の交わし合い。お互い、半ば笑いながらの台詞だ。
 ……だが、私の胸の内は。
 まさに苦行なのだ。内心の好意を押し込め、何でもない風を装って過ごすのは。
 そうして喉元まで迫った言葉を押しとどめ、刺にくるんで吐き出すのは。
「ま、どうせまた明日には顔合わすんだけどさ」
 慣れっこだ、と言わんばかりの飄々とした声。そんな優しさに、私は自己嫌悪を深めてしまう。
 このままで良いはずがないのだ。それは分かっている。
 でも、どうすればいい? 意固地と気弱さで固まった心を、どうすれば開くことが出るのだろう?
「おい、大丈夫か? どっか具合でも悪いのか?」
 ぐっと押し黙ったままの私に何か勘違いをしたのか、彼が心配そうに尋ねた。
「え……? あ、いや……」
「顔色も良くないな……。しゃあない、家まで送ってくわ」
 血色不良は生まれつきだ…と言う間もなく、彼が私の隣に立つ。
 成り行き、連れ立って自宅への道を行くことになった。
「……」
 言葉もなく歩く二人。結局のところ、私は彼のこの優しさに甘えていたのだ。辛辣な言葉も、冷たい視線も、何もかも。彼なら受け止めてくれると。
 侮辱だ。彼の心に対して、私に想い対して。……駄目だ、このままでは。
「……ねぇ」
「ん?」
 意を決した私は、足元に視線を落としながら声をかける。恐らく真っ赤であろう頬は、赤い太陽が隠してくれるはず。
 継ぐ台詞は、弱い自分への別れの言葉。
「……私、ね。ずっと、君のことが……」
 新しい二人への、始まりの言葉。
363ほんわか名無しさん:2013/09/11(水) 00:19:49.40 O
勝手に便乗>>354
まぁ、パラレルと思ってくれい。
≪その後のボ「ク」ッ娘≫
楽しかった学生生活も今は昔。あれやこれやで何度か進学やら卒業を繰り返した結果、俺こと別府タカシは山田と自衛官に任官。今では最新鋭のヘリ空母に乗り込んでいる。
そして、紆余曲折、吸ったり揉んだり(?)を経て、ボクッ娘こと梓が俺の嫁になってるわけで。
梓「・・・(ムス〜)」
タカシ「あ、あの、梓さん?怒ってます?」
梓「どういう事?今回の演習航海終わったら、しばらく陸上勤務じゃなかったの!?」
タカシ「仕方ないだろ。チャイナな野郎がまたぞろ領海侵犯しやがったから、スクランブルなんだよ。行かなきゃならんから、そこどいてくれよ」
梓「任務任務!タカシなんか任務と結婚してりゃ良いんだよ!せっかくボクが・・・!」
タカシ「ははーん。幼いように見えてしっかりエロい身体つきが見えるように、わざと露出度高い格好してたのはそれか。俺といちゃつきたかったのか?」
梓「っ!!自惚れないでよっ!」
タカシ「怒鳴るなよ。俺もお前といちゃつきたいけど任務なんだ。分かってくれよ」
梓「知らないっ!」
タカシ「頼むよ。お前を守る為でもあるんだ。国を守るって仕事は」
梓「(ブチッ)何がクニだよ!ク○ニしろやオラァ!!」
タカシ「あ、梓!?やめろ!服脱がすな!くわえるな!アッー!!」




あれ?どうしてこうなった
364ほんわか名無しさん:2013/09/11(水) 02:09:32.64 0
>>355のかなみさんとジョジョのゲーム一緒にやりたい

>>363
海上自衛隊だとガチで半年や一年は帰って来れないらしいから、梓の溜まりっぷりやさぞや……
365ほんわか名無しさん:2013/09/11(水) 07:20:49.35 0
>>327-332の続きいきます
3661/7:2013/09/11(水) 07:21:20.85 0
・ツンデレが意外なところで男と出会ったら 〜その2〜

 ボッと顔に火が点いたかのような熱に、私は自分の顔が恐らく真っ赤になっているだろ
うと想像出来た。たかが一生徒の歯の浮くようなお世辞に照れて顔を真っ赤にしたなんて
知れたら、それこそ教師の威厳なんて吹き飛んでしまう。私は慌てて怒っているような態
度でごまかした。
『な……何をいきなり変な事を言うんですかっ!! こ……高校生のクセに、お、お、大
人を……先生をからかうんじゃありませんっ!! いい加減にして下さいっ!!』
 しかし、冷静に叱るつもりが興奮して却って焦っているような雰囲気を醸し出してしまっ
た。別府君は片手を私の前に翳して、まるで大人のように宥めてくる。
「まあまあ、先生さ。今までの人生でどうせ魅力的だなんて言われた事が一度も無かった
んだろうから疑ってかかるのも分かるけどさ。けど、俺は全然からかうつもりなんてない
し。本当にそう思ったから、素直に言ってるだけで」
『ど、どうせ一度も無いとかどれだけ失礼な事を言うんですか別府君はっ!!』
 かろうじて教師のプライドで、私は別府君の非礼を咎めてみせる。しかし、私の言葉の
刃など、別府君は容易くすり抜けて来てしまった。
「じゃあ聞くけど、先生って学生の頃はどうだったの? 誰か男と付き合ったことある?
君、可愛いね、とか魅力的だよ、とか褒められた事は? どうせ剣道と本ばかりで地味な
眼鏡掛けてて同じような女子の友達と過ごして来たんじゃないの?」
『知ったようなこと聞かないで下さい!! お友達は……明るくて社交的な子だっていま
したから。私と同類みたいな子ばかりで固まってるとか、そんな事ありませんでしたからっ!!』
 別府君に指摘された事で、唯一反抗できるのはそれだけだった。そういった友達に引っ
張られて男子とカラオケにも行ったりミスドやファミレスにも行った。ただ、私自身はと
いえば、そういう時は目立たないよう隅っこの席でおとなしくしていただけだったが。
3672/7:2013/09/11(水) 07:21:56.90 0
「そりゃ悪かったよ。敬子先生って、何か中学の時イケてないグループに属してたっぽい
感じがしたからさ。でも、先生自体はどうだったの? 同世代の男子から褒められた事あった?」
 そう問われると私は答えに窮してしまう。見栄を張って、褒められた事くらいあります
と言いたくもあったが、それを言えば言ったでさっきの言葉と矛盾してしまい、自分の立
場が悪くなってしまうし、何よりも教師として生徒に嘘を吐くことは出来なかった。
『……わ、私自身は……褒められた事なんて、ない……ですけど…… だから言ったじゃ
ないですかっ!! み、魅力が無いって!! それを貴方が否定するからこんな恥ずかし
い事まで告白しなくちゃいけなくなって…… 全部別府君が悪いんですよっ!!』
 もはやこれは教師としてではなくて、ただの女として怒っているだけだった。知られた
くない所まで知られてしまったことに対して。だけど別府君は、それは違うと首を振る。
「魅力が無いんじゃなくて、魅力が無いと思われたかったんでしょ? 男子にそう言われ
るのが恥ずかしいし怖かったから。敬子先生ってウブっぽいからさ。男との付き合い方と
か分からなさそうだし」
『か、勝手に人の想いまで決め付けないで下さいっ!! 私はその……本当に地味で全然
目立たなくて、引っ込み思案でおしゃべりも下手くそですし……って、何で別府君相手に
ここまで言わなくちゃいけないんですかっ!! 意味が全く分かりません!!』
 何で生徒に対してあからさまにここまで自分の欠点を曝け出すのか、途中で分からなく
なって私はキレ気味に叫ぶ。しかし別府君はあくまで冷静に、私の性格を指摘してきた。
「それは先生が臆病で自信がないからでしょ? 男に興味を持たれても、どう接したらい
いか分からなくてそれが怖いから、ワザと自分で存在感を消して目立たないようにしてた
からだと思うんだけど。今だって一生懸命否定しているのもそういう事だと思うんだけど。違う?」
3683/7:2013/09/11(水) 07:22:39.83 0
 別府君に問い掛けられても、私は答えが出せなかった。否定したくても、思い当たる事
があり過ぎて、言葉が喉につかえてしまうのだ。私にだって素敵だなと思う男子の一人や
二人はいたけれど、話しかけられるのが怖くて、実際話をしても蚊の鳴くような声しかだ
せなくてみっともない思いをしただけで、自己嫌悪に陥るのがせいぜいだったのだ。
「友達にもさ。けーちゃんはこうすればもっと可愛くなるのにとか言われなかった? せっ
かく剣道やってるんだから、そういうギャップも見せれば絶対モテるのにとか言われても
全力で否定したりしてなかった?」
 私が高校生だった頃は、別府君なんてまだ小学校の高学年になったくらいのはずなのに、
なんでこうも的確に私の高校時代の痛い所を抉ってくるのだろうかと、私は不思議でなら
なかった。
『ううううう…… す、少なくとも今は違いますっ!! 確かにその……高校時代は男の
子としゃべって、つまらない女だとか軽蔑されるのが怖かったりして……そういう逃げる
気持ちもありましたけど、でも別府君に対してはそんな気持ちはありませんから。貴方み
たいな子供に魅力的だって言われたところで、大して嬉しくもありませんし……』
 嘘だった。私は怖くて怖くてたまらなかったのだ。別府君が魅力的だと言うのを認めて
しまうと、教師と生徒という超えてはいけない線を踏み越えてしまうような気がして。
「そっかー……子供かぁ…… まあ先生からするとそう見えるんだろうけどさ」
 拗ねたようながっかりした口調で愚痴る別府君に、さすがに悪いような気がして私はフォ
ローを入れた。
『そ……それはその……私と別府君じゃあ七つも年が離れているんですから、仕方ありま
せん。貴方だって、同世代の女の子から見れば、十分男らしく見えるんじゃないですか?』
 しかしそれで別府君の顔が晴れる事はなかった。小さくため息をつき、首を振ってから
顔を上げて彼は作り笑顔を浮かべる。
「いや、いいよ。どのみち先生からどう見えるかっていうのは問題じゃないし。俺は先生
の事を魅力的な女性だって思っていて、だとすれば他にも先生の事を性的な対象として見
る人もいるだろうから、無防備に寝てると危ないよって話だったんだし」
3694/7:2013/09/11(水) 07:23:11.36 0
 その多少露骨な言葉に、私は体がくすぐったくなるような奇妙な恥ずかしさを覚えて、
タオルを体を隠すように押し付けた。それから、別府君の顔を窺うようにチラリと見る。
もしかしたら彼も、私の寝姿にそのような気持ちを覚えたのだろうか? 私は自分の体に
男性が欲情するような魅力があるとは思えなかったが、同時に抗いがたい興味が湧き起こっ
てしまう。
『……べ、別府君自身はどうなんですか。貴方が自分を基準にして考えるなら……わ、私に欲情したりとか……出来るんですか?』
 口にしてしまってから、恥ずかしさが全身を襲う。教師という立場なのに、何という質
問をしてしまっているのだろう。その問いに別府君は、戸惑う事も無く、ただちょっとだ
け言葉を選ぶかのように考えてから頷いた。
「俺は無防備に寝てる女の人を襲おうとは思わないけどね。でも、寝てる敬子先生見てて
色っぽいなあとは思ってたよ。白くて綺麗な太ももとかさ」
 具体的に箇所まで口にされて、私は咄嗟にタオルで足を隠してしまった。
『へ、変なところを観察しないで下さいっ!! 大体別に太ももって言ったって、別に付
け根まで露にしている訳じゃないですし、たかだか膝上十センチちょっとくらいってだけ
で、今時の女子高生のスカート丈より全然見せて無いですし……』
「でも、先生って学校じゃジャージかパンツスタイルでスカート履いて来ることってほと
んど無いじゃん。正装の時はスーツだから膝上のタイトスカートだし。だからついつい見
惚れちゃってさ。これじゃ答えにならないかな?」
 窺うように覗き込まれて、私は怒ったような表情でそっぽを向いてしまう。
『し、知りませんっ!! 私はそんな……男の人が私にそういう感情を抱く事なんて無いっ
て思ってましたから……』
「だけど、実際にはそういう事もあるっていう事。だから、女性としてさ。少しは気を付
けようよ。ね? 先生」
 まるで子供に言い聞かせるかのような彼の言葉に、私はどうしても素直に従う気持ちに
なれなかった。言っている事は正しいと分かっているし、教師とはいえ――むしろ教師だ
からこそ、生徒が正しい事を言っていればそれを認めてあげないといけないのに、私はど
うしても分かりましたと言えなかった。
3705/7:2013/09/11(水) 08:15:38.40 0
『わ……私だって、帰りが遅くなった時とかはちゃんと気をつけてます。車通勤ですけど、
駐車場から玄関までとか、短い距離でも気を配ってますし…… 今だって、たまたま今朝
は溜まった疲れが抜けてなくて、ついうたた寝してしまいましたけど、普段は休憩はして
も寝入る事なんてないんですから』
 まるで言い訳のオンパレードのような自分の言葉を、私は自身で苦々しく受け止めた。
自分に非がある時は言い訳はするなと、これは通っていた剣道場の先生の教えだったが、
生徒を前にしてそれを破ってしまう事への罪悪感と、それでもそうせずにはいられない自
分の感情とで板挟みになってしまっていた。そこから救ってくれたのは、別府君の明るい
声だった。
「そっか。まあ、忙しいもんね。先生は」
 別府君は、素直に私の言い訳を認めてくれると、チラリと気遣うような表情を見せてくれる。
「今、俺らが受けた期末の採点やってるんでしょ? もしかして、昨日も結構夜遅かったりした?」
 生徒に心配されるのもお門違いな気がしたので、私は適当にはぐらかすように答えた。
『まあ、いつもの事です。別府君みたいに、余計な指導させる生徒がいますからね。放課
後もそういう事に時間取られるとどうしても帰りは遅くなりますし』
「そうかなあ? 俺、そんなに先生を困らせるような事してないと思うけど」
 首を傾げる別府君に文句を言おうとして、私は一瞬言葉に詰まった。確かに彼は問題行
動を起こすような生徒では無いけれど、私の教科に限って成績は芳しくないし、それで補
習を組むことは多い。その割に質問だなんだって国語科準備室に来ては雑談ばかりしてな
かなか本題に入ろうとしなかったり、私を困らせる事は多いのだ。
『私を困らせてないと偉そうに言うんでしたら、まずはテストの平均点で60点は超えるよ
う努力して下さい。あと、宿題はちゃんとやる。授業中に余計な茶々を入れない。それが
守れてから初めてそういう偉そうな事は口にして下さい』
3716/7:2013/09/11(水) 08:16:34.66 0
 最近どうも、別府君の成績が芳しくないのは、わざとではないかという気がしてならな
い。しかし、そんな事は自分の思い込みに過ぎないかも知れないのに、補習を中止にした
り質問に来る生徒を受け入れないというのはあり得ない事だけに、私にとっては悩みの種
なのだった。そして、そんな私の気持ちも知らず、別府君は軽くこう返して来る。
「そんなのは困らせてるんじゃなくて、コミュニケーションの範囲じゃん。成績良くないっ
たって、赤点は取って無いし、授業中の茶々だってちゃんと関係あること質問してるんだ
し。まあ、宿題は言い訳できないけどさ。でも、おかげで敬子先生と親密な関係が築けて
いる訳で」
『い、いつ私と別府君が親密な関係を築いたって言うんですかっ!! 人が聞いたら誤解
するような事を言わないで下さいっ!!』
 彼も冗談で付け加えただけだろうに、私はついムキになって怒鳴ってしまった。すると、
そこまで予測されていたのか、別府君は楽しげに笑う。
「先生ってさ。可愛いよねそういうトコ。ホントにウブな感じでさ。今時俺ら世代の子に
だっていないだろ。この程度の事言われて、ムキになって否定するってさ」
『そんな事ありませんっ!! 大体、別府君がありもしない捏造をさも当然のごとく語る
のが悪いんです。私と別府君が……その……し、親密な関係を築いているとか、そんな事
は絶対に有り得ませんっ!! ごくごく当たり前の生徒と教師の関係でしかないんですから』
 それは別府君に、というよりもむしろ自分に言い聞かせるように私は言った。別府君が
何故か私に懐いているのは分かるが、あくまで先生としてなんだと。勘違いしてはいけな
いし、逆に彼が間違わないようにしなければならないし、一線を踏み越えるような事があっ
てはならないんだと。しかし、そんな私の自制心などお構い無しに、別府君はぐいぐいと
踏み込んでくる。
3727/7:2013/09/11(水) 08:17:49.43 0
「けどさ。今だってこうやって、学校の外で会って話してるじゃん。まあ、会えたのは偶
然なんだけどさ。これって結構親密な関係って言わないかな?」
『言いません。せ……生徒と教師なんですから、会った時に話をするくらいは当たり前です』
 毅然とした態度で言ったつもりだったのに、何故か言葉に詰まってしまう。これだと説
得力も半減以下になってしまうと、私は若干苦い気分になった。
「そりゃ、先生と生徒の関係なんだからさ。それは変わらないけど。でも、大して親しく
も無い関係だったら、お互い気づいたら挨拶するくらいで、こうやっておしゃべりなんて
しないと思うけど。先生にしたって、苦手な生徒だったら適当に話し切り上げて終わらせ
ると思うんだけど、むしろ熱心に付き合ってくれてるし」
 そうやって指摘されると、確かに別府君とはバレンタインデーの賭けの時から――いや。
そもそもその前から、他の男子生徒よりも深く係わっている気がする。否定出来ない自分
を否定しようと、私は首を振る。
『そ……それは貴方の成績や態度が悪いから……指導する為に接しているんであって、決
して望んでしている訳ではありません。別府君さえちゃんとしてくれれば、私は別にいち
いち別府君だけに特別時間を割く必要なんてないんですから』
 ツンとした態度を取ってみせると、何故か別府君は笑顔を見せた。
「先生がさ。毎回ちゃんと宿題やって来て、テストも小テスト合わせて平均60点以上取っ
てみせたらデートしてくれるって約束するなら、超真面目な生徒にもなるんだけどな」


続く
373ほんわか名無しさん:2013/09/11(水) 20:00:06.01 0
続きはよ
374ほんわか名無しさん:2013/09/11(水) 21:11:21.07 0
せんせーぺろぺろ!!
375五十音でツンデレ:2013/09/11(水) 23:04:29.57 0
せんせい保健の実技の補習お願いします
376五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 00:27:06.40 0
≪さ≫んすけ
ツン「先輩っ!!」 バァーン‼
男「うおっ!?」 ビクーン!?
ツン「きゃあっ!? な、なんで全裸なんですかこの変態!」
男「ここは風呂場だし更に俺ん家だし鍵かけたはずなのにってかお前こそスク水じゃねーかなんなんだ一体!」
ツン「う、うるさいです! 黙ってそのボディスポンジを渡しなさい!」
男「わ、わけわからんこと言うな! ていうか出ていけよ!」
ツン「三助さんしてあげるってんです! どうですか! 嬉しいでしょう!?」
男「嬉しいっていうより怖いよ! なんなんだおま……って酒くせーなお前! 酔ってんだろ!」
ツン「よってませる!」 ヒック!
男「酔ってんじゃねーか!」
ツン「もーいいからじっとしててくださいほら背中流してあげますから!」 ガバッ
男「うおっちょっ!!」
ツン「ほらほらここが良いんですかどうなんですか気持ちいいれすかぁ!?」 ゴシゴシゴシゴシ
男「ちょっいたっ! 痛い痛い!」
ツン「あっそう言えば男の人はここが結構汚れが溜まるって聞きました!」 ガシッ!
男「おまっ!?」
ツン「ほらほら綺麗にしましょうねー。スッキリサッパリしましょうねー」 ゴッシゴッシゴッシゴッシ
男「ぅあっ!? ちょっ! まっ!」 ビクビクッ
ツン「ちょっと暴れないでくださいよ!」 ギュウッ
男「あっ」
ツン「あっ」
\アー/
377五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 00:28:02.31 0
≪し≫ゅくめい
ツン「ふ……我と貴様はやはり戦う宿命(さだめ)にあるようだな……」
男「おう」
ツン「ちょっと!」
男「今度はなんの漫画だー?」
ツン「漫画じゃない! 現実(リアル)よ!」
男「もーわかったから」
ツン「倍返しよ!」
男「それドラマだから」
378五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 00:28:58.16 0
≪す≫きんしっぷ
ツン「ただいまー」 ガチャ
男「おう、おかえり。今な……」
ツン「はー疲れたっと」 ボスッ
男「うおっ」
ツン「はー……やっぱソファよりお兄の方が落ち着くわー……」 スリスリ
男「あー……えっと……」
ツン「なに? ちょっとお昼寝するから黙っててよ」
男「いや、その……後ろ……」
友「…………」 ジー
ツン「」
男「さっき来て……かなみならすぐに帰ってくるだろうから待ってなって俺が言ったんだけど……」
ツン「」
友「いやーなんかお邪魔みたいだし帰るわね。じゃ、かなみ。お兄さんとのスキンシップ楽しんでね〜」 ヒラヒラ
ガチャ、バタン
ツン「」
ツン「」
ツン「」

\イヤァァアアアァアァアア/
379ほんわか名無しさん:2013/09/12(木) 03:34:32.09 0
口調はツンツンしてるけど態度はデレデレとか死ぬ
380五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 07:54:27.19 0
≪せ≫れぶ
ツン「あら? ドアが開きませんわ。故障かしら」
男「手動だからな」 ガチャ
〜〜
ツン「…………」 チリリーン
ツン「…………」
ツン「……? 鈴を鳴らしてもウェイターが出てきませんわね」
男「ファミレスだからな」 ピンポーン
〜〜
ツン「カードで」
たこ焼き屋のおっちゃん「は?」
男「すみません、現金で大丈夫ですから」 チャリーン
〜〜
ツン「違いますのよ……わたくしは別に世間知らずなわけでは……」 スタスタ
<カードをもう一度タッチしてくださいガチャコーン
男「クレカじゃ改札は通れないよお嬢さん」
〜〜
男「そんな世間知らずなところも好きだよ?」
ツン「…………ばか」
381五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 07:55:34.02 0
≪そ≫つぎょう
<チュンチュン
男「ん……朝か……」 パチ
ツン「…………」 ジー
男「うおっ!?ち、ちなみ!?」 ガバッ
ツン「……おはよう」
男「あ、おはよう……じゃなくて! なんでお前がおれのベッドに……ってな、なんでお前裸なんっ……って俺も!?」
ツン「……童貞卒業……おめでとう……タカシ」
男「……へ?」
ツン「……昨夜……君はまた一つ……大人の階段を登ったのです……」
男「そ、それって……」
ツン「……ゆうべは……おたのしみでしたね……ぽっ」
男「…………ま……マジで……?」
ツン「……まじまじ」
男「本気……?」
ツン「……私、初めてだったのに……激しく突かれて……中にたっぷり出されて……しゅごいっ……にんしんかくじつっ……」
男「うっそぉ……」
ツン「……タカシは……記憶にないから責任など取らんと言う……鬼畜……」
男「い、いやそんな……」
ツン「……まあしょうがないか……危険日だったし、絶対確実びゃくぱーせんと天地がひっくり返ろうとも妊娠しただろうけど……タカシが知らぬ存ぜぬというなら……1人で産んで……1人で育てるしかないか……はぁ……」
男「待て待て待て! そ、そんなことは言ってない!」
ツン「……じゃあ……責任……とってくれるの……?」
男「…………とる」
ツン「……ふぅん」
男「じゃあその……一応言っておかなきゃいけないよな……」
ツン「……ん?」
男「ちなみ」 ガシッ
ツン「ふぇっ……!?」
男「俺、今はまだ頼りないだろうけど、絶対お前のこと幸せにする。学校やめてでもちゃんとお前と……俺達の子どもを養っていけるようにちゃんと働くから……だから……」
ツン「……っ!」
男「俺と、結婚してくれ!」 ギュッ&#8252;
382五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 07:56:15.16 0
ツン「……ぁ…………え、えっと……」
男「だ、ダメか……?」
ツン「……その……あの……」
男「……?」
ツン「…………ぇ……エイプリル……フール……だから……」
男「…………は?」
ツン「……エイプリルフール……で……だから……えっと……」
男「…………嘘?」
ツン「…………」 コク
男「…………マジかよ」
ツン「…………」 コク
男「そうか……」
ツン「……あの……ご、ごめ……ん」
男「…………寝る」
ツン「ぁ……うん……私も……帰る……ね」
男「……おう」
ツン「…………」 ガチャ、パタン…
ツン「…………」

(『結婚してくれ!』)

ツン「…………」 ドキドキ
ツン「(『はい』って……言えば良かったかなぁ……)」 ドキドキ
383五十音でツンデレ:2013/09/12(木) 07:57:49.53 0
さ行までおわり
とうかちゅうに寝落ちとか…
384ほんわか名無しさん:2013/09/12(木) 13:43:01.29 0
まじで50音達成楽しみ
385ほんわか名無しさん:2013/09/13(金) 03:18:43.87 0
割とどうでもいい
386ほんわか名無しさん:2013/09/13(金) 08:54:18.54 0
ツンデレ乙
387ほんわか名無しさん:2013/09/14(土) 11:14:02.35 0
50音の続き楽しみにしてます+(0゚・∀・) + ワクテカ +

ではこちらも>>365-372の続きを7レスほど
3881/7:2013/09/14(土) 11:14:42.29 0
・ツンデレが意外なところで男と出会ったら 〜その3〜

 デート、というその言葉に私はうかつにも動揺を露わにしてしまった。
『デッ……デッ……デートなんて冗談じゃありませんっ!! 教師と生徒でそんな事許さ
れる訳ないじゃないですかっ!! ダメですそんなの絶対に!! いいですか別府君。そ
んな考えは今すぐに捨てなさいっ!!』
「別に先生と生徒で遊びに行く事くらい、悪い事じゃないと思うんだけどなあ。先生だっ
て、前に女子と映画見に行ってたらしいじゃん。教室でチラッと小耳に挟んだけどさ」
『それはその……それは課外学習の一環としても必要というか…… じょ、女性同士なら
まだしも、男性と……それも二人きりなんて絶対ダメです!!』
 すると別府君は、まるでこらえ切れないというようにクスクスと笑い出した。
『な……何がおかしいんですかっ!! 先生は真面目に話をしているっていうのに!!』
 からかうようなその態度に、つい頭に来て怒鳴ってしまう。しかし別府君は、お構い無
しに笑い続けながら手を振った。
「だってさ。先生って予想通りの反応してくるからさ。超可愛いんだもん。やっぱりデー
トとかって誘われた事ないよね。顔真っ赤でさ。いや、ホント。マジ可愛いって」
 自分より七つも年下の男の子に手玉に取られた屈辱と、可愛いと言われた恥ずかしさが
ごっちゃになって、羞恥心で顔から首から体中を火照らせつつ、私は彼を睨み付けた。
『お……大人を……教師をからかうのもいい加減にして下さいっ!! これ以上そんな態
度を取り続けるなら、先生は知りませんっ!! もう別府君は相手にしませんから。補習
も課題を出すから貴方一人でやって下さい。授業中に茶々でも入れようものなら、即廊下
に退出させますからっ!!』
 脅しとも取れる発言だったが、それすらも彼はあっさりと流してしまう。
「からかってないよ。俺が思ってたその通りの反応だったから、ついおかしくなって笑っ
ちゃったけど。もしデートしてくれるって約束するなら、俺も本気でさっき言った事実行
するよ。約束する」
3892/7:2013/09/14(土) 11:15:13.46 0
 今度は真面目な顔でそう告げられ、私はどういう態度を取ればいいか困惑してしまう。
しばし躊躇った末に、とにかく今は教師としての態度を貫かなければと決めて私は首を振った。
『ダメです。真面目にやるのは当たり前なんですから、デートの約束なんて出来ません。
だからといって、だったら不真面目になるなんて脅すのもダメですからね』
 彼の提案を撥ね付ければ、別府君が拗ねた顔でそう言うだろうと推測して私は先回りを
して否定する。しかし別府君は、急に全然違う事を聞いてきた。
「先生ってさ。いつも日曜日はこの河川敷の公園で運動してるの?」
『はい?』
 急に話が一足飛びにごく普通の、今この現状の話題になったことに付いて行けず、私は
無意識に聞き返した。彼の質問の意図が全く分からず、キョトンとしていると、別府君は
もう一度同じ質問を繰り返してきた。
「いや。だからさ。先生って毎週ここで運動してるのかって、そういう質問なんだけど」
『し、質問の意味は分かりますっ!! だけどその……何でいきなりそんな事を聞くんで
すかっ!! さっぱり意味が分かりませんっ!!』
 何だか理解出来ない事をバカにされているような気分になって、私はつい興奮気味に聞
き返してしまう。すると別府君は、何故かちょっと照れたような笑いを浮かべて、頭を掻いた。
「いやー。もし先生が毎週……っていうか、定期的にここ来てるんだったら、俺も合わせ
て来れば、一応公園デートみたいな事になるのかなって」
 その言葉に、私の心臓がドクンと跳ね上がるような鼓動をしたのを感じた。恥ずかしく
て、全身が痺れるような感覚すら覚える。
『な……な……な…… なりませんっ!! 何で私と別府君がそんな……た、たまたま会っ
たからと言って、それがデートになるんですかっ!! 全く持って理解不能ですっ!!』
 生徒の前で、私はみっともなくも取り乱してしまった。別府君はそれをバカにする風で
もなく、さっきと変わらずに嬉しそうな顔で首を振る。
3903/7:2013/09/14(土) 11:15:46.65 0
「そりゃ、今日の話じゃん。だからさ。先生が例えば毎週ここに来ててさ。俺も来ていい
よってなったら、それはお互い承知の上で会ってるんだから、デートって事になるんじゃ
ないかなあって。違う?」
 私はそれに即答出来なかった。毎週、別府君とここで会う。運動の後、二人で一緒にこ
うやって河原に座って取りとめも無い話をする。他の先生にも、クラスの生徒にも誰にも
見られず、知られることもなく、二人っきりで。その想像に、私は誘惑と背徳感の両方を
同時に感じてしまった。
「で、どうなの先生。先生って、毎週ここに来て運動してるの?」
 三度目の質問。今度は、ちゃんと答えなければならなかった。正直、私は今週たまたま
来ただけだと、嘘の答えを言いたくて堪らなかった。そうすれば、背徳的な誘惑に、もう
悩まされなくて済むのだから。しかし、教師として、生徒の質問に嘘で答えれば、それは
それでずっと後悔する事になってしまう。僅かに逡巡はしたのもの、私は自分の良心にし
たがって口を開いた。
『……き……来ています。今は週に一度……日曜日だけですけど……学生の頃とかは、毎
朝早朝トレーニングは、この河川敷の公園でやってましたから……』
 正直にこう答えると、別府君の顔がパッと綻んだように見えた。やはり、食いつかれる
のは分かっていたけれど、でも自分的には困った事になったとしても、答え自体に後悔は
なかった。というか、それ以外に選択の余地すらなかったのだから。
「じゃあさ。俺も毎週、日曜日にここ来てもいいかな? コイツと一緒にさ」
 別府君がリードを引っ張ると、何か珍しい物でも見ているかのように地面を覗き見てい
た彼の飼い犬が、こっちを向いた。何事かとばかりに首を傾げている様子が可愛らしい。
「うちの母ちゃんがさ。毎朝この河川敷をジョニーと一緒に散歩してんだけど、日曜くら
いは俺にやれって前から言われててさ。今週はたまたま母ちゃんが旅行だから引き受けた
んだけど、先生が毎週会いに来て良いって言うなら、俺も散歩に出掛けるのに楽しみが増
えるし」
3914/7:2013/09/14(土) 11:16:24.68 0
『そ……そんなのダメですっ!! 犬の散歩を口実に、私に会いに来るなんて…… だ、
大体私は先生なんですよ? 普通は休みの日まで会いたくないのに、何でわざわざそこま
でして会いたがるんですかっ!! 意味……意味が分かりません!!』
 こんな風に、積極的にアプローチを、しかも自分の教え子の男子から掛けられて、私の
動揺はピークに達していた。私はみっともないほど取り乱していると言うのに、別府君は
と言えば、普段と何ら変わりなく楽しげに私を見て、しかもサラリと自然にこんな答えを
返してくる。
「いや。だって、敬子先生としゃべってると楽しいからさ。何か、心がワクワクして」
 その途端、自分の心臓がキュウウッと収縮するような感覚がした。私としゃべっていて
楽しい? そんな事は今までの人生で一度も、男の人から言われた事は無かった。同性の
友人からならともかく、例え教え子だろうとなんだろうと、血縁以外の男の人からそんな
事を言われて、自分でも抑えようが無いほど、変に興奮してしまう。別府君になんて答え
ればいいか、全く言葉が思い浮かばず、ただ彼を見つめていると、別府君は頷いて話を続けた。
「それにさ。これっていい事尽くめじゃん。母ちゃんは日曜日の朝はジョニーの散歩から
解放されてゆっくり出来る。俺は先生と会えて楽しい。先生も、少なくとも一人の生徒が
真面目に宿題やってテストも頑張るようになれば負担も減るだろうし、それにわざわざ別
に時間を作る必要も無い訳じゃん。誰も損しないし、皆得する事だらけの最高の案だと思
うんだけど」
 もう、完全に別府君に言い包められているような気がしてならなかった。確かに誰も困
る事は無いような気もする。しかしやはり、立場としての教師という身分が、素直に承諾
させる事にストップを掛けていた。
『……で、でもやっぱり……その……デートというのは……私が教師で、別府君が生徒で
ある以上マズいと思うんですけど……』
 私は可能な限り頑張って、彼の提案を拒絶するような事を言った。しかしその声は、さっ
きまでと比べると、遥かに弱々しくて力の無い言葉になってしまった。しかも、別府君は
ちょっと悪戯っぽく笑ってみせる。
3925/7:2013/09/14(土) 11:20:18.06 0
「そこはそれ。デートって言うのはあくまで定義上の問題だからさ。俺と先生だけの話で。
他の人には、もし知られたとしたらの話だけど、ちょうど同じくらいの時間に行き会うこ
とが多いって事にしておけば、それで何の問題もないじゃん。どう?」
『ど、どうって言われても…… 別府君は先生に嘘をつけと、そう言うんですか?』
 少し詰るように問い返すと、彼は呆れたように首を大仰に振ってみせた。
「けーちゃん。固すぎ」
『んなっ!?』
 禁止していたはずのあだ名をいきなり呼ばれて私は驚くと同時に睨み付けた。しかし、
それ以上の発言を封じるように、別府君が一本中指を立てて私の顔の前。高さ的に口の位
置の辺りに翳す。
「先生だって今まで一度も嘘ついたことないわけじゃないでしょ? それに、約束してる
かしてないかって問題だけで、会ったこと自体を否定する訳じゃないし。そもそも、生徒
と教師のコミュニケーションなら、何もやましい所はないし、むしろ推奨されるべきだと
思うけどね」
 スラスラと正論を口にする別府君を前に、私は押し黙るしかなかった。確かに、ここで
毎週会う約束をしたからと言って、何もやましい事をする訳じゃない。けれどもやはり、
私の中では教師と生徒の関係である男女が、まるで逢引でもするかのように会うのは道徳
的に問題があるような気がしてならなかった。
『け……けれどもやっぱりその……別府君とデートって言うのは……担任教師として、問
題があるような――』
「ストップ」
 皆まで言わせず、別府君は私の発言を手で押し止めた。
「教師と生徒の関係がどうたら言うのは聞き飽きたよ。それよりも、敬子先生の気持ちは
どうなのさ? 俺とこうやって、日曜の朝に会って話をするのは嫌なの? それを、気を
遣って道徳的な問題にすり替えようとしてるなら、そんな事しないでハッキリ言ってくれ
た方が、ある意味スッキリするんだけど。まあ、その分ショックもでかいけどさ……」
 彼の口調が翳った事に、私はハッと思いも寄らなかった事に気付かされた。もし、別府
君が今言ったような誤解をしているとしたら、正さなければならない。私は理性的に立ち
止まって考える事をせず、感情のままにそれを否定した。
3936/7:2013/09/14(土) 11:20:59.33 0
『ち……違いますっ!! 私が懸念しているのは、教師としての倫理上の問題だけであっ
て、別府君とお話をするのが嫌だとか、そんな事は一切思っていないんですから!!』
「ホント?」
 聞き返す彼の表情は、今までに無いくらい明るかった。私はむしろ、彼に期待させ過ぎ
てしまったのだろうかと不安になり、言葉を抑え目にするよう気を付けつつ頷く。
『だ……だって、話をするだけですよね? それだけでしたら……別に、嫌じゃありませ
んよ? 別府君だって大切な教え子の一人なんですし……』
 そう。彼は教え子の一人なのだと私は自分に言い聞かせる。別府君が何故か私に好意の
ような感情を見せてくれているからといって、道を踏み外す訳には行かないのだと。
「じゃあさ。嫌じゃなかったら、毎週その……ここで会ってくれる? もちろん先生の都
合の悪い日とかは別だけどさ。一応、公園デートって事で」
『だから、どうしてそれをデートにしたがるんですかっ!! 会うこと自体は別に嫌じゃ
ありませんけど、それと約束してデートをするのは話が別です!!』
 何とか適当なところで折り合いを付けようと、私は彼の誘いに否定的に答えた。すると
別府君は、また困る質問をぶつけて来る。
「じゃあ、先生は俺とデートすることは嫌なんだね? そこまで頑固に否定するって事は
そういう事なんでしょ?」
 そこで、それを肯定出来ないのが私の弱いところだった。
『い、嫌とか良いとかそういう問題ではなくてですね。だからさっきから何度も言ってる
じゃないですか。教師と生徒が――』
「だから俺もさっきから聞いてるけどさ。そういう倫理観とか抜きで、先生の気持ちが知
りたいんだって。お題目なんて俺はどうだっていいからさ。先生が嫌がっているんだった
ら、俺はもう来ないし」
 またしても、胸にグサリと来るような脅しとも取れる発言に、私の心は揺らいでしまった。
――私だって……別府君と、本当は……
 彼と話をしているのは楽しい。二人だけの補習の時など、うっかりすると彼の話す雑談
に乗せられて、ついつい時間を浪費してしまうことすらあった。
3947/7:2013/09/14(土) 11:21:33.55 0
――だって、今までずっと一人だったじゃない。今日、たまたまここで別府君と会っただ
けでこんな…… ここで拒否しても、来週からまた元に戻るだけなのに…… 何で、何か
とても大切な物を失くす様な気分になるの……?
 来週から、また一人で黙々とランニングをして、筋トレと素振りをして、ちょっと休ん
でからまた走って帰って行く。それは今までと変わらないことなのに、自分の感情が不思
議でしょうがなかった。けれど、多分それは知ってしまったからだ。今こうして、ここで
別府君と話をして、それがいかに本当は自分が嬉しく思っているのかを。自分の欲望に、
私はついに陥落してしまった。
『……私は……嫌かどうかと聞かれたら……別に、嫌では、ない……ですけど……』


もう少し続きます
395ほんわか名無しさん:2013/09/15(日) 16:36:14.04 0
お題
つ・台風が来るからと騒いでいるツンデレ
396ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 10:21:06.72 i
台風の中デートするツンデレ
397ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 11:16:48.55 0
台風を口実に山田と一日中一緒に居られるちゃんす…むふふ
398ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 22:05:54.28 0
・ツンデレにキチガイ映画を見たと言ったら

女「タカシー、いるー?いるなら開けろー!」トントン
男「うぃーす……なんだ、梓か」ゲソッ
女「ど、どうしたの!?なんかすごいゲッソリしてるよ!?」
男「おう……昨日の夜からついさっきまで、完徹して映画見てたらこの時間でよ」
女「それにしたってやつれ過ぎでしょ!目とか落ち窪んでるじゃないか!」
男「ははは、ムカデ人間1から3まで一気観はさすがにキツかった」
女「なに……そのムカデ人間って」
男「キチガイのキチガイによるキチガイのための映画。見終わった後SAN値がごっそり持ってかれる」
女「……そんなにキッツいの?」
男「まともな精神を保って朝を迎えられた自分を誉めてあげたい」
女「ふーん……自分で観といて自分でダメージ受けるなんて、バッカみたい」
男「そうだな。ちなみに山田は1の途中で吐き気を催して退場したが、梓もいかが?」
女「絶対お断りだよっ!なんでわざわざ怖い映画見せようとするんだよ!」
男「俺の味わった恐怖とやるせなさをお前も味わうのだー!!」
女「ぎゃあぁぁぁぁ!!タカシの変態ーーーッッッ!!」
399ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 22:09:18.77 0
補足

・ムカデ人間シリーズ

人間の××と××を外科手術で××するサイコホラー。1では三人、2では十二人、3では五百人の人間がムカデ人間化される。

生涯絶対触れまいと誓っている映画の一つ。
400ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 22:29:01.39 i
地理の授業の時、IN高校

僕「地図帳忘れたからみして。」
女「はい。」
僕「うわっ。何で俺の名前と同じ地名の所にマーカー引いてるの?」
女「別にいいでしょ。てか、あんたのことが嫌いだから引いただけだし。一々、家でようもないのに地図帳開いてあんたの名前探したわけじゃないんだからね。勘違いしないでよ。」
僕「えっ。俺のこと嫌いだったのか。ごめん。別の人に地図帳みしてもらうよ。」
女「ちがっ…。あっそ、かってにしたら。」
下校して、帰宅
僕「メールがきてる。」
女『今日はごめんなさい。明日伝えたいことがあるから、7時に教室でまってる。』
僕「意味わかんないな。いやがらせか?まあ、もう遅いし寝よ。」
早朝、怪しく思った僕は6時30に学校へ。
僕「アニメのマ○トみたいに殺されるかも。あれ、もう誰かいるぞ?」
女「昨日は、ごめんなさい。あんなこと、言うつもりはなかったのに、恥ずかしくて。べ、別にあんたの事が好きってわけじゃっ…。ううん。嘘、本当はあなたの事ばかり家で考えてます。私、あなたの事が好きっ。痛った〜。また、舌かんじゃった。」
ガラガラ
女「誰?」
僕「俺もお前の事が好きだ。」抱きしめ
女「えっ?まって、うわっ。別に私あんたの事なんか、好きじゃ。ウムッ。」チュッ
僕「好きだ。付き合ってくれ。」
女「…。よろしくお願いします。」
こうして、はれて僕は彼女をゲットした。今の嫁です。

〜FIN〜
401ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 22:31:35.06 0
爆発しろwwwwww爆発しろwwww……

GJ!
402ほんわか名無しさん:2013/09/16(月) 22:33:27.35 0
サンクス。
403ほんわか名無しさん:2013/09/17(火) 22:56:13.07 0
ちなみんのまな板ぺろぺろしたい
404ほんわか名無しさん:2013/09/17(火) 23:09:56.20 0
>>388-394の続き

8レスと長いですがご容赦を……
4051/8:2013/09/17(火) 23:10:43.30 0
・ツンデレが意外なところで男と出会ったら 〜その4〜

 たどたどしく、自信なさげに答える私は、もはや教師としての態度では無かった。まる
で、初めて告白されてどうしたらいいか分からず動揺する気の弱い女子高生のようだった。
「ホントに? なら、良かった。何も問題ないじゃん」
 しかし、私の答えに別府君が弾んだ声を上げるのを聞くと、今度は逆に恥ずかしくなっ
て否定したくなる気持の方が強くなってしまう。
『ち、違いますっ……!! い、嫌ではないとは言いましたけど、別にしたい訳では……
ない、ですし。それに私の気持ちと倫理観は別物ですっ!! やっぱり、教師と生徒でデー
トだなんて、そんなの許される訳ありませんっ!!』
「じゃあ、別にデートって形にしなくてもいいよ。毎週、ここで会う約束してくれる? そ
れだけなら問題ないよね?」
 どうやら、彼自身は形にこだわる気持ちは無いのか、サラリと方向転換してくる。しか
し私は、それにも首を縦には触れなかった。
『や、約束なんてそこまでは出来ませんっ!! ただ……別府君が日曜日に犬の散歩にこ
こに来る事までは止められませんけど…… だから、貴方がそうしたいというのなら、す
れば良いだけの事でしょう?』
 約束をしてしまう、という事はどうしても結局はデートなのではという事に繋がってし
まう。そう考えて、私はこれで別府君が妥協してくれることを望んだ。しかし、なかなか
そうは行かなかった。
「えー。でもそれじゃあ、敬子先生が来るのやめちゃったら意味無いじゃん。やっぱり、
せめて約束くらいはしてくれないと。こっちだってデートっていうのは撤回したんだし」
 憮然とした表情をする彼に、私も不満気に睨み返す。
『何で別府君がここに犬の散歩に来るようになったからと言って、私がここに来るのをや
めなくてはならないんですか。貴方の為に生活習慣を変える気はありません。それに言っ
たでしょう? 話すくらいなら、別に嫌ではありませんって。ですからその……会う事は
構いませんよ。約束までは、その……出来ませんけど……』
 すると別府君は、私の答えに安心したのか一つ、ホッと吐息をついた。
4062/8:2013/09/17(火) 23:11:14.52 0
「なら、毎週ここに散歩に来れば先生に会えるんだね? 良かったな。ジョニー。これか
らは毎週先生に会えるってさ」
 何故か別府君は、自分の喜びを飼い犬に振った。しかし、フサフサしたコリー犬っぽい
その犬は、嬉しそうに尻尾を振ると、別府君の傍に擦り寄り、お互い喜びを分かち合うよ
うに愛撫し合う。
『ちょ……ちょっと待って下さい。別府君が勝手に嬉しがるのはまだしも、何でその……
貴方の犬まで……良かったみたいな事を言ってるんですか?』
 すると別府君は、飼い犬の頭を撫でながら笑顔で頷いた。
「ああ。ジョニーもさ。先生の事、お気に入りみたいで。前に母ちゃんがここに散歩に来
た時にも先生を見かけたことがあったらしくて、その時何か先生が熱心にトレーニングし
てたから、声掛けなかったんだけど、何かジョニーが先生の方に行きたがって大変だった
らしいぜ。だから、アナタももし先生を見かけても迷惑にならないように気を付けなさいっ
て言われてたし」
『へっ……?』
 私は驚いて別府君を見返した。まさか、私がトレーニングしている姿を別府君のお母さ
んに見られていたなんて気が付かなかった。あまり顔を覚えていなかったせいもあるだろ
うが、そんな事があったなんて、少し恥ずかしく思ってしまう。そしてそれ以上に、私は
ある事実に気付かされた。
『ちょ、ちょっと待って下さいっ!! それじゃあ、貴方は……別府君は、もしかして、
私がここにいるって知ってて散歩に来たって事ですか?』
 そんなつもりは無かったのだが、つい詰るような口調で詰め寄ってしまうと、彼は言い
訳をするように首を振った。
「ああ、いや。もしかしたら先生がいるかもな。いたらいいなって思ってたけど、母ちゃ
んも見掛けたのって最近の一度だけみたいだったし、今日もいなかったから、もう諦めて
たんだぜ。まさか、土手の斜面で顔にタオル掛けて寝てるなんて思わなかったし。見つけ
たのはコイツのお手柄なんだぜ。な?」
4073/8:2013/09/17(火) 23:11:53.56 0
 すると、彼の犬――ジョニーが得意気に一つ小さく吠えた。どうやら褒められているの
は分かっているらしい。
「ジョニーってさ。あんまり知らない人には懐かないんだけど、先生は何か気に入ってる
みたいでさ。ほら」
 背中をどやしつけると、ジョニーがいきなり私に飛びついてきた。
『きゃあっ!! ちょ、ちょっと止めて下さい別府君!! 何けしかけてるんですか!!』
 前足を肩の高さまで上げ、圧し掛かってくるジョニーを後じさりで避ける。辛うじて飛
び掛られることは避けたものの、その後の突進までは避けられず、ジョニーを受け止めき
れずに私は後ろ様に倒れてしまった。
『ちょっと、助けて下さい別府君てば!!』
「大丈夫大丈夫。じゃれてるだけだからさ。先生、もしかして犬嫌いとか?」
 ジョニーは私の体の上に乗ると、顔を寄せて来て舌を出す。興奮しているのか、私の顔
をペロペロとがっつくように舐め始める。
『ダメです舐めるのは!! 別府君助けて下さい!! ひゃうっ!! ひゃっ!!』
 必死で顔を背けているも、頬とか首筋とか耳元とかベロベロと舐められ、私は変な叫び
声を上げてしまう。
「あ、コラジョニー!! 舐めるの無し!! 先生。ギュッと抱っこして撫でてやって。
そうすれば落ち着くから」
『そ、そんな事言ったって……』
 避けるのに一生懸命だった私は、無理だと言いたかったが答えることすらままならなかっ
た。何とか言われたとおりにやってみようと、懸命に腕を回し背中を撫でる。すると、ジョ
ニーはハフハフと舌を出したまま顔を寄せていたが、舐めるのだけは止めてくれた。それ
で余裕が出来、私は体を少し起こすとギュッと抱っこする。大人しくなったジョニーを抱
えたまま、体を起こした。
4084/8:2013/09/17(火) 23:12:31.30 0
『もう!! いきなりけしかけるなんて酷過ぎます!! ちゃんと警告してくれれば受け
止める準備くらいは出来ましたのに……』
「いや。ゴメン。まさかジョニーもあんな勢いで飛び掛るとは思わなかったからさ。よっ
ぽど先生に甘えたかったんだな」
 頭を下げてから私を見て、別府君は急に吹き出した。そのまま腹を押さえて笑い出す。
『何がおかしいんですかっ!! 人を困らせておいて笑うなんてどうかしてますっ!!』
「いや……だってさ。先生の取り乱しっぷりったら……眼鏡ズレてるし……あはっ!! 
あはははは!!」
『ううううう…… 誰のせいだと思ってるんですかっ!! 私がこんな目に遭ったのは全
部別府君のせいなんですからね!!』
 ジョニーを抱っこして撫でながら別府君を睨み付けて怒鳴るも、全く効果は無く、彼は
笑いが収まるまで遠慮なく笑い転げていた。ようやく笑いを収めてから、彼は頭を下げる。
「先生ゴメン。何か、見てる時はそうでもなかったんだけど、思い出したら止まらなくなっ
ちゃってさ。ほら、ジョニー。先生の甘えるの、終わり」
 リードで首輪を引っ張られ、ジョニーは別府君の方を向いた。クウ、と寂しげに鳴いた
ものの、私が手を離すと、大人しく私からどいて別府君の脇へと戻る。
『とにかく大笑いするとか失礼です!! 反省して下さい』
 まだ怒りが収まらない私に、別府君は手でたしなめるような仕草をする。
「分かったよ。悪かったとは思ってるからさ。先生もトレーニング終わったら一緒に遊ぼ
うぜ。そういえば先生って、何時くらいからここにいるの?」
 唐突に話題を変えられ、私はついその質問に真面目に答えてしまった。
『そうですね…… 日によって時間は違いますけど、大体五時半くらいか……遅くても六
時くらいには始めてますけど』
 すると別府君は、ジョニーの顔を自分の方に向け、優しく愛撫するように叩きながら笑
顔で話しかける。
「だってよ。これから日曜は寝坊出来ないな」
 それが何を意図しているのか、私は気が付いた。
4095/8:2013/09/17(火) 23:13:54.67 0
『ちょ、ちょっと待って下さい!! もしかして……私が来る時間に合わせて来るつもりですか?』
 すると別府君は、当然と言う感じで頷く。
「もちろん。先生といる時間は、少しでも長い方がいいから。な?」
 ジョニーに同意を求めると、彼もそうだと言わんばかりに一つ吠えた。しかし、勝手に
してくださいと言った以上、止めろと言う訳にはいかない。
『せめて、邪魔だけはしないで下さいよ。私は真面目にトレーニングしているんですから。
話し掛けられたりすると気が散りますし』
 そう釘を刺すと、別府君は首を振って否定する。
「大丈夫。その時はジョニーを遊ばせてるからさ。それより先生。メアド教えてよ?」
『はい? な、何で私のメールアドレスを別府君に教えなくちゃならないんですかっ!!』
 質問に付いて行けず聞き返すと、彼は大真面目に頷いた。
「だって、時間とか来れない日とか分かったほうが良いし。俺も用事あったり寝坊した日
はメールしたいからさ。それに先生ってどうせガラケーだろうし、ツイッターとかライン
もやって無いだろうから、他に状況知る方法って無いじゃん」
『う…… どうせガラケーだろうって何ですか。スマホだから偉いんですか? 私は別に、
携帯は電話とメール以外、使うことが無いから変えて無いだけです。無駄にお金掛かるだ
けですし』
 最近では、先生達でもほとんどがスマートフォンになっていて、校長先生までスマート
フォンに変えた中、私は存在自体がガラパゴスとまで揶揄されるようになっている。生徒
にまでからかわれたことに憮然となっていると、別府君は笑顔で首を振った。
「いや。言葉の使い方は悪かったけど、多分そうだろうなって思ったから。で、メアド教
えてくれる? 先生だって俺から連絡あった方が気持ちの準備出来るし、いいでしょ?」
 そう言われると、確かに行ってみたら別府君がいないというのは、何だか寂しい気持ち
になってしまうかも知れない。
『し……仕方ありませんね。えっと……赤外線でとか、でしたっけ?』
 すると別府君は慌てたように首を振る。
4106/8:2013/09/17(火) 23:14:25.49 0
「いや。スマホにはそれはないからさ。まあ、ガラケーとスマホで交換する方法もあるけ
ど、先生にそれ教えるとそっちの方が時間長くなるから、表示させてくれればそれ写すよ」
 私は四苦八苦しつつ、自分のアドレスを画面上に出す。そもそも自分のアドレスなんて
確認しないから、あまり使ったことが無いのだ。別府君が転記し終えると、彼はそのまま
スマホを操作する。
「ちょっと待って。今、メール送るからさ。それを登録しといて」
 ほどなくして、携帯が振動した。どうも私は、マナーモードにしっぱなしの時が多い。
それでメールに気付かずに返信が遅いと怒られる事もあるけど、どうしても平日、携帯を
鳴らせない事が多い以上、いちいち変える事が面倒な事もあってそのままにしてしまうのだ。
『はい。登録しました。これでいいんですね?』
 作業を終え、別府君に確認する。
「ちょっと待って。一応、一回メール送っといて。念の為だけど」
 何だか、さっきからずっと、彼の言いなりのままに行動させられている事に若干の違和
感を覚えつつ、私は指示通りに彼にメールを送った。ほどなく着信音が鳴り、彼は私が見
た文面をみて顔を綻ばせる。
「やった。けーちゃんからメール貰っちゃった。何か嬉しいな」
『何がそんなに嬉しいんですか。たかが宜しくお願いしますって送っただけなのに。変な
人ですね、別府君って』
 訝しげな視線を送って見せると、別府君は笑顔で頷いた。
「いや。嬉しいのは嬉しいからさ。これで先生と毎週、日曜日も会えるし。まあ約束だか
ら、補習とかは出ないように頑張るよ。約束だから」
 そう言われるまで忘れていたが、デートの引き換えにそんなような事を確かに別府君は
言っていた。しかし、立場上そんな話を受けるわけにも行かず、私は突っ撥ねる。
『私は教師である以上、生徒とそんな取引は出来ません。そもそも、補習を受けないよう
に頑張るって当たり前の事なんですから。今までの態度こそ、反省して下さい』
 すると別府君は、悪戯っぽく笑って軽く肩を竦めた。
4117/8:2013/09/17(火) 23:14:56.73 0
「いや。補習受ければ先生に会えると思うとつい、さ。でも、これからは別に会う時間作
れたから、先生を困らせないように頑張るよ。約束する」
 嬉しそうに言いつつ、彼は小指を立てて私に手を差し出した。
『何ですか? これは』
「いや。約束するには指切りした方がいいかなって。どう?」
 突っ撥ねるのも彼のやる気を削ぎかねないので、私は躊躇いつつも、同じように手を出
して、彼の小指に小指を絡めた。
『これでいいですか?』
「うん。それじゃあ……指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます。指切った」
 彼に合わせて指切りをしながら、私は何となく釈然としない気持ちだった。さっきから
完全に別府君のペースに巻き込まれてしまっている。もちろん、私も望んでいるから結果
としてこうなっているのだが、何かちょっと、教師としてより年上として悔しい気もする。
「よし。じゃあこれでオッケーと。来週からはちゃんとメールするからさ。ああ、楽しみだなあ」
 喜びを露わにする別府君に合わせるように、ジョニーも尻尾を勢い良く振って彼にじゃ
れる。そんな様子を見つめつつ、何とか彼に一つだけでも渋い顔をさせられるようにした
いと思って考えていると、一つ心に去来するものがあった。
『別府君。今、思いついたんですけれど……いいですか?』
「何? やっぱりやめようとかじゃなければいいけど」
 彼の顔を見ていると、そんな心配をしているというよりは冗談のようだった。どうもさっ
きから、私をからかう口調が多い事を不満に思い、私は口を尖らせる。
『そんな事はしません。それより、せっかく私のトレーニングに合わせて来るんだったら、
別府君も一緒にトレーニングしませんか? 健康の為に』
「げっ!? マジで?」
 即座に反応した彼は、私の予想通り、今日初めて嫌な顔をした。
「あの、剣道部女子曰く、大人しそうな顔して顧問よりキツイトレーニングさせるって言
われてる、先生のメニューを、俺が?」
『はい』
 私は笑顔で頷いた。
4128/8:2013/09/17(火) 23:15:41.23 0
『いい機会ですからね。貴方は部活動もやっていないようですし、体を鍛えるいい機会を
逃す必要はないでしょう? もちろん、私と同じメニューをという訳ではありませんけれ
ど、別府君でも出来るメニューを考えて来てあげますよ。どうですか?』
「いや〜…… でも、俺は朝苦手だし、そもそも犬の散歩だけで結構体力を使うしさ。そ
の上けーちゃんメニューまでこなすなんてなったら、その後へばって話どころじゃなくな
りそうだし……」
 今日、初めて優位に立った事に気を良くして、私は別府君に詰め寄る。
『大丈夫ですよ。剣道部のトレーニングよりは軽くしてあげますから。それとも、私と一
緒のトレーニングはしたくないと、別府君はそう言うんですか?』
 さっきまで自分が聞かれていたのと同じような質問を別府君に対してすると、彼は困っ
たように視線を伏せた。
「いやその……先生と一緒ってのはいいんだけどさ。運動ってのは……」
 躊躇っていた別府君だったが、無言でジッと私が見つめていると、ついに根負けして頷いた。
「分かったよ。やるよ。一緒にトレーニング、やればいいんだろ。全く、最後の最後でと
んだオマケ出してきやがってさ。先生の悪魔」
『失礼な事言わないで下さいっ!! そんな投げ遣りな態度を取っていると、貴方に消化
出来るメニューの倍の量を作って来ますからね。先生とおしゃべりがしたいんだったら、
積極的にこなしなさい。いいですね?』
 ニッコリと頷きつつ、散々別府君に振り回された溜飲を、私はやっと下げる事が出来た
のだった。


終わりです。
413ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 01:56:53.93 0
>>412
GJ
414ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 09:11:18.25 i
>>412GJです
けーちゃんprpr
415ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 10:30:01.19 0
友ちゃんに誕生日祝ってもらいたい
416ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 18:22:02.09 0
友ちゃんにミニスカニーソ履かせて絶対領域をぺろぺろしたい。そんで蹴られたい。
417ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 23:06:37.64 0
カメラ覗いてて周り見てないもんだから躓いて転んで膝すりむいて泣いちゃった友ちゃんを介抱したい
418ほんわか名無しさん:2013/09/18(水) 23:34:46.34 0
お題
・ツンデレと一緒にクッキーを焼いたら
・ツンデレと一緒にモンスターを狩ったら
・ツンデレが秒間30億人増えていったら
どうなるの?
419ほんわか名無しさん:2013/09/20(金) 10:36:46.63 0
最近どうも夜更かしがちなので、ツンデレさんに早く寝なさいよねってどやしつけられたい
420ほんわか名無しさん:2013/09/20(金) 19:10:49.46 0
パジャマ姿で枕抱えながらそんなこと言われたら我慢出来ませんわ
4211/7:2013/09/21(土) 16:16:16.86 0
お題作成機より:幽霊(物の怪)、公園、餅

『ふぁああ……』
 小さなお社の屋根に座り、私は小さく欠伸をした。
『退屈だわ…… 全く……』
 空は雲ひとつない快晴。夏の陽光が地面を容赦なく炙っているが、神域にいるこの身に
は関係がない。稲荷神である私にとっては、現世の全てが空ろな物でしかない。とはいえ、
移ろい行くそれらをボーッと眺め渡して見ているのも興がないとはいえなかったが、それ
でも変化は緩やかなもので、長い事見守っていれば飽いても来るというものだ。
『全く……こういう時はアイツでもやってくれば少しは退屈でも紛れるって言うのに……うん?』
 視界の彼方を見ると、ちょうど私が思い描いた“アイツ”がうだるような暑さに顔をし
かめつつ、こっちへ向かってやって来る所だった。
『全く、律儀よねえ…… 何もこんな酷暑の日までお参りに来る事も無いのに』
 呆れたように言いつつ、その実私は心がちょっと浮き立っているのを自覚してしまって
いた。こんな気持ちはどのくらいぶりだろう? 下手をしたら神代の頃まで遡らなければ
ならないかも知れない。
 “アイツ”は、ようやく社までたどり着くと、お賽銭を入れてお祈りをする。二礼二拍
手一礼。初めて来た時なんて、二拍手だけして不躾にお願い事なんてするから、叩いてやっ
たっけ。最後に一礼してから、“アイツ”は顔を上げて私を呼んだ。
「稲荷神様。いらっしゃいますか?」
 キョロキョロしながら、私の姿を探す。呼ばれて素直に出るのは癪なので、まだ屋根の
上に座ったまま眺めていると、アイツは困った顔で袋を見つめた。
「今日、留守なのかなあ? どうしよう、これ。お供え物のつもりで買って来たけど、置
いといたら溶けちゃうしな。形だけお供えしてから、頂いちゃおうかな」
 その言葉に私は即座に反応した。中は何か分からないけど、食べ物であるのは間違いな
いだろう。私は下級の神とはいえ、神々に捧げる供物を人間風情に食べさせるわけにはいかない。
4222/7:2013/09/21(土) 16:16:47.95 0
『こらっ!!』
 私はアイツの背後に姿を現すと、その頭を小突いた。
「あいたっ!!」
 しかめ面で振り返るアイツを、私は怖い顔で睨み付けた。
『全く、何罰当たりな事言ってんのよ。アンタね。お供え物を食べようなんて言語道断よ。
そんなことしたら、アンタが死ぬまで美味しいご飯食べられないよう呪ってやるんだから』
「お稲荷様がすぐに出て来ないからいないのかと思ったんですって。アイスだからすぐ食
べないと溶けちゃうし」
 コンビニの袋を持ち上げて、アイツは私にそれを示す。それを聞いて私は口を尖らせた。
『アイスゥ? どうせならもうちょっとお腹にたまるものが良かったのに。白玉ぜんざいとかさ』
 神様とはいえ、一応私は女の子だ。いつの時代も女の子は甘い物に弱い。ちなみに2000
年以上も生きてて女の子とかってって笑ったりしたら許さない事にしている。
「本当に、稲荷神様って、お餅っぽい物が好きですよね」
 何かからかわれたような気分になり、私は不機嫌そうな顔をしてみせた。
『悪い? 日本の神様なんだから、お米から出来てる物が好きでいいじゃない。もちろん、
おせんべいとかも好きだけどさ。やっぱり甘くって冷たいものがいいなって思っただけよ。
夏なんだしさ』
 霊体でいれば関係ないが、実体化すると暑さも感じる。だからそう主張すると、アイツ
はコンビニの袋から赤い紙蓋の付いた、プラスチックの容器を取り出した。ちょっと変わっ
ていて、丸くて底の浅いカップが二つくっ付いている。
「だから、これにしたんですよ。はい。雪見だいふくです」
『雪見だいふく?』
 私は鸚鵡返しに聞き返した。確かに、赤い紙蓋にはそう書かれている。雪だるまの絵と
かも描かれていて、季節感にそぐわない事ハンパない。
「ええ。稲荷神様ならきっと気に入ると思いますよ。ここじゃなんだから、上の公園に行っ
て食べましょう」
4233/7:2013/09/21(土) 16:17:19.27 0
 アイツは、自分が登ってきた道のさらに先を示した。ちなみにこの山は、昔はお城が建っ
ていて、戦国時代は物々しい格好の武士たちが行き来していた。今はこうして城址公園
になって、親子連れやカップルなんかが散策に来るのどかな場所になったけれど。
『アンタも好きよね。いつもあそこじゃない。バカと何とかは高いところが好きって言う
けど、本当よね』
 呆れた風の私に、アイツは悪びれもせずに頷いた。
「ええ。だって、美味しいもの食べる時は景色の良い所の方がいいに決まってますから」


 そのいつもの場所。町並みが一望出来る展望スペースのベンチに座ると、アイツはさっ
きの赤い蓋のアイスを私に差し出してきた。
「はい、これどうぞ。多分溶けてはいないと思うんですけど」
『神様のお供え物が溶けてたりしたら、バチ与えるわよ。アンタ、今後一生美味しい物食
べられなくさせてあげるんだから』
 毒づきつつ、半信半疑でベリッと紙蓋をめくり上げると、中に白い大福もちのようなも
のが二つ入っていた。
「どうぞ。そのプラスチックのフォークで刺して食べて下さい」
『うるさいわね。いちいち教えて貰わなくたって、食べ方くらい分かるわよ』
 千年以上も年上の私をバカにするなと息巻きつつ、私は大福にフォークを突き刺した。
アイツが時々子供みたいな扱いをするのは、私が取ってる姿が若い女の子だからかもしれ
ない。一応付け足しとくと、狐耳とか尻尾は無いから。アイツにも稲荷神なのに狐じゃな
いんですかと言われたけど、そんなものは人間の後付に過ぎないのだから。
「じゃあ、僕も頂きますか」
 アイツが袋から出したのは、カップに入った氷宇治金時。それを見て私はちょっと眉を
ひそめる。
『ねえ。何かそっちの方が大きくない?』
「そんな事無いですよ。それに、稲荷神様はお餅の方が好きかと思って」
 ちょっと納得行かない気分もあったが、確かに小豆よりは米の方が好みは好みだ。まあ
食べ物に好き嫌いはないし、一応女の子だけに甘い物は特にだけど。
4244/7:2013/09/21(土) 16:17:50.45 0
『しょうがないわね。騙されたと思って食べてあげるわよ』
 はむっ、と一口かぶり付く。柔らかい餅の感触の後で、冷たいアイスが口の中に入って
来る。濃厚なミルクの甘さが、意外とお餅に合う。ちょっと柔らかくなっているけど、む
しろそれがちょうどいい。
「どうですか?」
 アイツが覗き込むように私の顔を見て様子を窺って来る。美味しい、と言おうとして何
となく素直に喜ぶのが癪で、私は表情を見られないように顔を背けた。
『……ま、まあまあね。そこそこいけるかなって感じ……かな?』
 フォークを刺し直してもう一口、食べる。素っ気無い態度を取っているのに、アイツは
笑顔になった。
「良かった。お口に合ったみたいですね」
『だっ……誰も美味しいとは言って無いでしょ!! まあまあだって言っただけじゃない。
言っとくけど、舌の肥えた私を、こんなもので満足させられるとか思わないでよね』
 否定しつつ、一個目の最後の一口を口に入れる。もしかして、予想以上に表情が緩んで
たのかとちょっと不安になってしまう。
「だって、稲荷神様って、絶対美味しいって言わないんですから。今までで一番高い評価
で、食べられない事はないわよね、って感じですから。それを考えると、これって随分と
高い評価だと思いますけど?」
 私は微妙な気分でしかめっ面をした。どうやら低い評価を続け過ぎたせいで、基準その
ものが高くなってしまったらしい。
『ま……まあね。そもそも中身アイスなんだから、不味いって事は無いと思うんだけど。
もともとが無難な物なんだから、大して自慢がるようなものでもないわよね』
 二つ目に口を付ける。うん。これは好みだ。薄皮のお餅に甘いアイスの組み合わせって
合うもんだなって思った。
「別に、自慢になんて思ってませんよ。ただ、稲荷神様の好みに合って嬉しいなって、そ
う思っただけです」
 私は、年甲斐も無くドキリとして、アイツに向き直ってしまった。危うくフォークから
アイスが落ちそうになり、慌ててプラスチック容器で受ける。
4255/7:2013/09/21(土) 16:18:21.96 0
『な……ななななな…… 何が嬉しいって言うのよ? い、意味が分かんないんだけど……』
「だって、ご馳走したものが口に合えば、嬉しいって思うのは普通だと思うんですけど?
稲荷神様に喜んでもらえたらいいなって、選んだんですから」
『だ……誰も喜んでない!!』
 訳も無く顔が熱くなったような感じがして、残った雪見だいふくを一気に口に入れる。
口の中には冷たさが広がるけれど、顔の火照りを静めるほどの役には立たなかったようだ。
「分かってます。稲荷神様を喜ばすなんて、そこまで大それた事は考えてませんから。正
直言えば、こうやって好きな景色を眺めながら、稲荷神様と一緒に食べ物を食べる事が出
来るだけで、十分嬉しいですから」
『バ……バッカじゃないのアンタ。何言ってるのよ!! そんな事で女の子落とそうなん
て考えてるとしたら、全然甘いんだからね』
 変にくすぐったいような気分になって、私は慌てて毒舌でごまかそうとした。こんな気
分になったのは、もう何十年もない。
「神様を落とそうなんてバチ当たりな事考えてませんよ。僕の正直な気持ちを言っただけです」
 私は口を尖らせた。人間の、しかもまだ若いくせにやたらと口が上手いのは何でだろう
と不思議に思ってしまう。
『だ……大体、いっつもここじゃない。たまにはもっと違う所で食べたいとか思わないの?
景色のいい所だって、他にももっといっぱいあるでしょうに。正直私は飽き飽きしてるんだけど』
 本当の気持ちはともかく、つまらないという事を匂わす事を言ったつもりだったのだが、
アイツは私が思っている以上にポジティブな考えの持ち主だったらしい。
「それって、僕に対するデートのお誘いですか?」
『ふにゃっ!?』
 驚きの余り、思わず変な声を上げて手に持つ容器を取り落としてしまう。もっとも、雪
見だいふくは全部食べてしまったから大丈夫だが。
『ななななな…… 何でそれがデートの誘いになるのよ!! バババ……バッカじゃない
のアンタはっ!! 意味が分からないわよ!!』
4266/7:2013/09/21(土) 16:19:13.10 0
「だって、もっと景色のいい場所で一緒に食べたいって事でしょう? 例えば、海沿いの、
綺麗な夜景の見える公園とか。もし良かったら、本当にどこか良い場所を探しますけど?」
『いい!! いい!! ア……アンタなんかとじゃ、どこで食べたって、大して変わんな
いし……』
 焦って私は否定する。神様なのに、人間の男の子ごときにこんな臆病な気分になってし
まうのが恥ずかしくてしょうがない。
「まあ、稲荷神様が行きたくないって言うなら仕方ないですけど。でも、僕はここが好き
で、いつもここで会ってるから、それでも十分ですけどね。それにここだと、人が少ない
から二人きりでいられますし」
 そう言われると、今度は急に不満が襲って来たりする。口の上手いアイツの事だから、
もしかしたらそうやって私を釣っているのかも知れないと思ったけど、このまま上手い事
アイツに乗せられたまま終わるのは癪で仕方が無い。
『わ……私はこんな場所よりいい所だっていっぱい知ってるわよ。別にこの社にいつもい
る訳じゃないし。もともと本宮は伊勢だし……ずっと帰ってないけど…… 大体、二人き
りがいいとか意味わかんないし……』
「じゃあ、次はどこか行きます?」
 そう問われて、今度は渋々頷いた。
『い……言っとくけど、こんなのデートでも何でもないからね。単に気分変えたいからっ
ていうだけで…… アンタが霊感強くて、私の事を一番感じられるから、だから一緒にい
るっていうだけで、好きだから一緒に行くとかそんな訳じゃないんだから……』
 言い訳めいた言葉を思いつくまま立て並べたら、自分でも訳分からなくなってしまった。
そんな私をニコニコしながら見つめるアイツに、私は怒りをぶつけた。
『わ……笑うなこのバカッ!!』
「笑ってませんよ。可愛いなって思って見てるだけで」
『か……可愛いとかって…… バカにするなあっ!! これでも神様なのよ? アンタと
は格が違うんだからね!! 格が!!』
 真っ赤になって迫ると、アイツはまあまあと手で制した。
4277/7:2013/09/21(土) 16:20:04.90 0
「バカになんてしてませんてば。一応褒めてるつもりですし。まあ、僕なんかが褒める事
自体がおこがましいって話もありますけどね」
 ちょっと自虐的な事をアイツが言ったので、私はそれに思いっきり乗っかってやった。
『そ、そーよ!! 褒めるにせよ貶すにせよ、アンタ如きが私をどうのこうの評価する事
自体がおこがましいって言うの。神様に対して失礼もはなはだしいんだから!!』
 怒りまくってるように見せる私に、アイツは困ったように頭を掻いた。
「えーと…… じゃあ、どうすれば神様の怒りを鎮められるんですかね? やっぱり……
稲荷神様の想像を超えるような、美味しい料理をご馳走するとか、ですか?」
 美味しい料理、と聞くと、やっぱり欲望が心の奥でムクリと起き上がってしまう。
『……そ、そうね。もともとそんな話だったんだし…… まあ、高級かどうかはともかく、
今度は私が美味しいって口に出して言えるほどの料理じゃないと許さないんだから。本当
にアンタに何を食べても美味しく感じない呪いを掛けてあげるんだから』
「それは怖いですね」
 困り顔のアイツだったが、雰囲気からは全然怖さを感じている気がしない。やっぱりど
こか私をバカにしているような気がしないでもない。
「それじゃあ、次に会う時は稲荷神様が美味しいって思わず口に出しちゃうほどの料理を
ご馳走する事にします。それで禊っていう事でいいですよね?」
『言っとくけど、美味しいって言えなかったら無効だからね。美味しくて、おまけに私で
も見たことがないような景色の綺麗な場所じゃなきゃ許さないんだから』
 私の主張に、アイツは苦笑して頷く。
「分かりました。稲荷神様に満足していただけるように、誠心誠意を込めて探す努力をしますよ」
 それでも私は、多分意地を張って何だかんだ理由を付けて、美味しいって認めないんだ
ろうなと思う。しかし、それだと今後ずっと、アイツとお食事デートを続けることだと気
付き、気恥ずかしさを覚えつつも、それもいいかなと楽しみに思ってしまう私がいるのだった。


終わり
思いつくままに書いたので色々とおかしいかも
428ほんわか名無しさん:2013/09/21(土) 23:16:11.34 0
お稲荷様の耳はむはむしたい
429ほんわか名無しさん:2013/09/22(日) 04:04:54.23 0
>>427
GJ
430ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 08:40:02.32 0
友ちゃんの太ももさすさす
431ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 12:45:06.89 0
お題
つ・ボタン付けも上手く出来ずに悪戦苦闘するツンデレ



初チャレンジは失敗ですた……
432ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 15:33:56.73 0
ぶきっちょツンデレかわいい
433ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 16:55:02.35 0
かなみという名前のツンデレっ娘が出てくるゲームを見かけて
つい買ってしまった
434ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 20:10:27.16 0
それ製作者このスレの住人なんじゃね?
435ほんわか名無しさん:2013/09/23(月) 21:47:14.27 0
うっかりすれば、このスレに出入りしていた住人がゲーム制作会社に就職してなんてあり得るレベル


何たって8年経ってるし
4361/5:2013/09/24(火) 07:17:07.95 0
・ツンデレとプラモデル作りをすることになったら

『タカシ様。一体いつまで掛かっておられるのですか? たかがおもちゃの一つや二つ買
うのくらい、スパッと決められたらいかがですか』
「いやあ。欲しいのは大体決まってるんだけどさ。店に来るとついつい目移りしちまうん
だよな。見ろよ。このZの美しい流線型のボンネットとかさ。昭和の名車って何でこんな
カッコいいんだろうな」
『付き合わされるこっちの身にもなって下さいよ。私だって早く帰ってやりたい事とかあ
るんですから』
「何だよ。用事あるならさっさと帰っていいんだぞ? 別に学校からの帰り道くらい、護
衛なんて必要ないんだし」
『そうは参りませんってば。タカシ様の護衛が私が頭首から課せられている最も重要な任
務なんですから。これを放棄したりしたら、お役目解雇の上に過酷な懲罰に掛けられてし
まうんですからね。忍びの世界では掟は絶対なんですからと、もう何度も言っておりますよね』
「はいはい。でも、どうせなら姿見せて傍で護衛してくれよな。見えない所から愚痴ばっ
か聞かされるといい加減うんざりなんだけどさ」
『冗談じゃありません。タカシ様と二人でおもちゃ屋デートなどと、たまたま通り掛かっ
た同じ学校の生徒に誤解でもされたらたまりません。それこそ明日から学校にいけなくなっ
てしまいます』
「別に俺と仲良くおもちゃ見ろとまでは言ってないじゃん。せめて俺から見える場所に立っ
ててくれれば、別に他人のフリしてたって構わないけどさ。姿見せずに俺と話せるんだっ
たら、距離があってもそれくらい出来るだろ」
『それもお断りです。私は別におもちゃとか興味はありませんし、フィギュアおたくと見
られるのも真っ平ゴメンです。タカシ様みたいに可愛らしいアニメのキャラクターのスカー
トをめくってパンツを覗いてハアハアするような趣味は持ち合わせておりません』
4372/5:2013/09/24(火) 07:18:26.66 0
「誰も聞いていないからいいようなものの、変な誤解を生むような発言は止めろよな。俺
はそもそも美少女フィギュアなんて持ってないっつーの。特撮とか兵器とか旧車オタだか
らな。お前だって再三俺の部屋に入っているんだから知ってるだろうが」
『そんなの分かりません。私に隠れてどれだけエッチな物を買い漁っているかなんて。不
在時に主人の部屋を漁る事は母様から固く禁じられてますので』
「そりゃ忍びじゃなくて泥棒だもんな。つか、本当にやってないだろうな? 忍者って戦
闘よりも諜報活動が得意なんだろ? お前なら俺の部屋を勝手に漁ってから元通りに戻す
事なんて当たり前にやりそうだからな」
『人を疑うのも大概にして下さい。こう見えても私だって忍びの一族なのですからね。母
様はあれでも我が一族のくのいちを束ねる偉い人なのですから。任務においては母様では
なく上忍となるのです。逆らう事は掟によって禁じられておりますし、そもそも逆らおう
ものならどんな罰が下るか分かったものではありません』
「本当だな? 絶対に俺の部屋を漁ってないな? 神仏に誓えるな?」
『当たり前です。そもそもタカシ様がどんな趣味があるかなんていうのは私には全く関係
の無い事です。例え巨乳好きでパイ擦りとかが好きあろうが、制服フェチで特にナース服
に興味をお持ちであるとか、メガネ属性があるとか、お姉さん属性があるとか、そんな事
は任務の上では不必要な情報でしかありませんから』
「あのさ。一つ聞くけど、俺のクローゼットの中にある衣装ケースの一番上の段に何が入っ
ているか知っているか?」
『何を言っているんですか。別にそこには特に変なものなんて隠してはおられないでしょ
う? こういうお店で買い漁ったプラモやフィギュアのケースをしまっているだけで。特
に問題になるようなものは無いかと思いますが』
「あれはお袋から買い過ぎだって怒られてるから、バレないように目立たない所にしまっ
てるんだよ。つか、よく知ってるよな? 俺のクローゼットの中身まで」
『へ……? い、いや。それはその、あれですよあれ。タカシ様の部屋で以前一緒に勉強
をした時にですね。たまたま見えただけというか……』
4383/5:2013/09/24(火) 07:19:51.97 0
「俺はお前が普通に俺の部屋に来ている時に、衣装ケースの引き出しまで開けたことはな
いはずだけどな。ケース自体は一応クリアだけど、外からは箱が見えないようにカムフラー
ジュしてあるし。勝手に開けない限り中までは確認出来ないはずだけど……なあ?」
『ちちち、違います誤解ですタカシ様!! 一応ほら。タカシ様の身の安全を守るものと
しては、危険なものが部屋に紛れ込んでいないかどうかチェックする義務がありましてで
すね。だからそんなやましい気分で漁った訳ではありません!!』
「つまり、漁った事は事実だと。そう認めるわけだよな? しのぶ」
『ちがっ…… ででで、ですからその、これは任務の一貫な訳でして、一応ほら。どこか
にタカシ様の身を脅かすような危険物が紛れ込んでるかも知れないじゃないですか。それ
を調査の為にですね……』
「さっき、母親から主人の物には手を触れるなとキツク言い渡されていたとか言ってなかっ
たか? それを敢えて任務と言い張ると、そう言うんだな? お前は」
『はうっ!? う……それはその……(滝汗)』
「いいや。今度かすみさんに聞いとくわ。しのぶが俺がいない時に不審物がないかどうかっ
て部屋中を漁ったらしいですけど、それって仕事のうちなんですかって」
『タカシ様はどれだけ鬼なんですかっ!! そんな事が母様に知られた日には、私は明日
の朝日が拝めなくなるじゃないですかっ!! それだけは止めて下さい絶対にっ!!』
「じゃあ聞くけど、漁ったんだよな? 俺の部屋を」
『う………… こ、これは正直に答えないと、母様に告げ口するという脅しですか……?』
「まあ、しのぶが答えなければしょうがないよな。掟で許されない事をすれば、罰せられ
たとしても」
『やっぱりタカシ様は畜生ですっ!! 人の子じゃありません!! きっと物の怪がタカ
シ様の母様に種を植え付けたんです!!』
「ほう。自分で失態を犯しておいて、今度は俺を物の怪扱いか。ホント、いい度胸してる
よなお前って。良く分かった。かすみさんに言っておくわ。しのぶは主人の部屋を勝手に
漁った上に、俺の事を物の怪扱いしてるって。いっそ護衛外して貰うか。お前みたいな反
抗的な奴じゃなくて、もっと大人しくて可愛らしい子とかに」
4394/5:2013/09/24(火) 07:21:37.52 0
『うわ。それで自分の言いなりにして手篭めにするつもりですねタカシ様は。どれだけド
変態なんですかっ!! 女の敵です!! 犯罪者です!!』
「別に、傍に仕えてる子が可愛い子ってだけでもテンション上がるじゃん。もちろんお前
はクビな」
『そんなあっ!! ここまで一生懸命仕えて来たじゃないですかっ!! タカシ様の成績
を上げようと、テスト中に答えを書いた紙を吹き矢で送ったり、体育祭でタカシ様を優勝
させる為に他の全員を転ばせたり、タカシ様の命を狙おうとする女子を事前に排除したり』
「ああ。教師にバレてカンニング疑惑でもう少しで停学になりそうになったり、全員が一
斉に転倒ってあまりにもおかしな展開にレース自体が無効になったり……って、女子の件
は初耳だぞ? 一体どういう事なんだよ」
『はあ。タカシ様を校門で待ち伏せして襲おうとする刺客がいたので、眠らせて排除致し
ましたが。それが何か?』
「待て待て待て。実はその子、俺に告白しようとしてたってオチはないだろうな? 手紙
とか持ってなかったか?」
『何やら指令書みたいなのは持っておりましたが、既に破り捨てましたので』
「あああああ…… 俺の恋愛フラグが…… 全くお前って本当にロクな事しかしでかさな
いよな。やっぱりかすみさんに言ってこうた――『ぎゃああ!! 待って!! 待って下
さいタカシ様!! 今タカシ様に捨てられたら、精神的な問題ではなくて、身体的な問題
で明日から生きて行けなくなります!! お願いですから解任だけはご容赦下さい!!』
「だったらまずは正直に俺の質問に答えろよな。人の事罵って話をぼかそうとするんじゃ
なく。まずはそれからだろ」
『ううううう…… だってだって!! タカシ様が悪いんですよ。いかにも怪しげなもの
ですってばかりにベッドの下の収納ボックスに上げ底作って、その中に物をしまい込んで
いれば、どうしたって見たくなっちゃうじゃないですか!!』
4405/5:2013/09/24(火) 07:22:30.08 0
「なるほど。コソコソと人の部屋を覗き見してた上に、その後で何をしまったのか好奇心
に負けて確認したと。犯罪者なのはお前じゃねーか。つか、もしかして毎日放課後、俺の
こと覗いてるんじゃないだろうな? 確か約束だと家に帰るまでは護衛の任務として近く
にいるけど、部屋の中までは監視しないって話だったはずだが?」
『そ……その日だけですよっ!! 放課後こっそり山田君から何か渡して貰ってたじゃな
いですか!! ですからその中身が気になって気になって……って……えーと……』
「最初から好奇心旺盛に見る気満々だったって事だな。要するに」
『だ、だってだって!! タカシ様にだって非が……そんな風にこそこそと隠して行動さ
れてたら、どうしたって気になっちゃうじゃないですかっ!! 人の好奇心をかき立てる
ような行いをされるから、私だって見たくなっちゃうわけで!!』
「仮に俺が悪いとしてもだな。覗きの釈明にはならないだろーが。それに、同い年の女子
にエロ系の隠し場所見られたってだけで十分罰は食らってるよ。ああもう……どうすれば
いいんだよ。このやり場の無い怒りは!!」
『お願いですから、それを私に向けるのはお止めくださいってば!! 誰にも漏らしたり
は致しませんから!!』
「当たり前だっ!! もし漏らしたら即、かすみさんに言って解任して貰うから。それに
かすみさんならお前が漏らした相手の記憶を飛ばす事くらいやってのけそうだし」
『とにかく母様には!! 母様にだけは内密にお願い致します!! お詫びにタカシ様の
ご命令なら何でも言う事聞きますから!!』
「ふーん? 何でも?」


中編に続く
441ほんわか名無しさん:2013/09/24(火) 17:35:10.31 0
期待
442ほんわか名無しさん:2013/09/24(火) 21:29:13.57 0
わざと雨に濡れて男の家で雨宿りしつつ男の古着を着せて貰ってくんかくんかするツンデレさんかわいい
443ほんわか名無しさん:2013/09/25(水) 02:14:07.79 0
>>436-440の続き

中編行きます
4441/5:2013/09/25(水) 02:15:17.95 0
・ツンデレとプラモデル作りをすることになったら 〜中編〜

『何でもですっ!! あ……も、もしかしてタカシ様……今、エッチな事とか考えておら
れます? そういえば、山田君から借りてたDVDの中にコスプレ物もありましたよね?
もしかしたら忍者コスで調教プレイをリアルで体験したいとか、そんな邪まな妄想を抱い
たりとかしておられませんよね?』
「そんな想像してねーし。つか、まだそのDVD見てねーし。つかお前、見たのかよ? 見
たんだな?」
『ままままま、まさか。私だって可憐な十代の女子ですよ? そ、そ、そんなまさか、タ
カシ様がこういうのに興味があるのかなとかって、中身を拝見したりしてないですよ。女
の子なんですから、失礼な事言うの止めて下さい。ご主人様とはいえ、デリカシーのない
発言には怒りますからね』
「そりゃ悪かった。まさかとは思ったんだけど、さすがにしのぶもそこまではしないよな。
決め付けたのは失言だった。反省するよ」
『そうですよ。本当にタカシ様って女性に対する気遣いが無さ過ぎなんですから。それに
してもタカシ様がエロイ想像してなくて助かりました…… まさか忍び装束で胸元や秘部
を露わにされてから亀甲縛りで三角木馬に乗せられて、蝋燭攻めやおもちゃで弄られなが
ら拷問されるプレイなど、いくらタカシ様相手とはいえ耐えられませんでしたから……(ボソッ)』
「なあ? 何か今さ。俺の耳に微かではあったけど、かなり際どい言葉の数々が聞こえて
きたんだが、これは幻聴かな?」
『ふぇっ!? え……え……えっと、その……あの……げ、幻聴、では…… わあ、タカ
シ様!! 怖い顔しないで下さい!! お願いですから!!』
「何でもするって言ったよな? 特に回数制限も言われなかったし。じゃあ早速使わせて
もらうかな」
『今ここでですか? 何に使われるか予想出来て凄く嫌なんですけど!!』
「俺の質問に正直に答えろ。さっき俺の耳に聞こえたのは幻聴か? それともお前が言っ
た言葉か?」
『お……乙女の口からそんな事言わせないで下さいっ!! ぜ……全部は見てないんです
から!! ちょっと見ただけなんですからね!! ちょっと!!』
4452/5:2013/09/25(水) 02:16:11.41 0
「ハァ…… まあいいけどさ。うん。お前がどんな性癖の持ち主だろうが、俺は一向に構
わないし」
『そんな他人みたいな顔しないで下さい!! 今、すっごく恥ずかしいんですからね!!
こんな事告白しちゃって、死にたくてしょうがないくらいなんですから!!』
「いや。人の好奇心は否定しないからさ。それより、せめて買い物くらいゆっくりさせて
くれ。もう随分お前との無駄話に時間割いたからさ。残りの時間くらい有効に使いたいんだよ」
『私との時間を無駄話とか言わないで下さい!! こっちは生か死かの狭間のスリルを味
わった上に、ホントに死んじゃうかと思うくらいの辱めを受けたんですから!!』
「それって全部自分で蒔いた種だと思うんだが。まあ、今は大人しくしててくれ。いいな?」
『むぅ…… では、罪滅ぼしに、タカシ様の買い物のお手伝いを微力ながらさせて頂きた
いと思いますが、宜しいでしょうか?』
「買い物の手伝い? お前がか?」
『はい。既に店内の棚の品揃えも配置も全て頭の中に入っておりますので。タカシ様が好
まれそうな物を物色して集めてまいります。その中から吟味していただければ、短い時間
で堪能出来るのではないかと』
「うーん…… また変なの持って来るんじゃないだろうな? 言っとくけど、エロ萌えア
ニメの美少女フィギュアとか興味ないぞ」
『タカシ様の好みは承知の上です。ご命令さえ下されば。さあ』
「分かった。試しにやってみろ。ちなみに変なの持って来たら、あとで何か罰与えるから」
『タカシ様って本当に極悪非道ですよね。いいです。文句言わせないようなの持ってきま
すから。いざ!!』
「変なの持って来なきゃいいけどな。まあ、少しは静かに店が回れるか…… うん?」
『お待たせ致しましたっ!!』
「はやっ!? まさかもう店内隈なく回ったのか?」
『はい。それよりいかがでしょうか。この収穫品は』
「おおっ!! アルファロメオジュリアスパイダーに1962年ジャガーのEタイプ。それに
シトロエン2CVにタトラT603なんてマイナー車まで。よく見つけてきたなあ」
4463/5:2013/09/25(水) 02:17:17.30 0
『タカシ様が古い車のおもちゃが好きで、よく集めていると言うのは無論知っておりまし
たから。別にタカシ様の趣味に興味があったわけじゃなくて、任務上知っておいた方が有
利に働くからってだけですけどね』
「ちぇっ。知ってるって事は、美少女フィギュアだのなんだの言ってたのは俺をからかっ
てただけかよ。お前の方が性格悪いじゃん」
『あれはその……もしかしたらタカシ様もボロ出さないかななんてちょっとカマを掛けて
見ただけで……いえ、いいんですよ。仮に私の把握していないところでそういうのがお好
きだったとしても、ご主人様の趣味に口出しなど致しませんし』
「何で無理矢理にでも俺にそういう趣味があることにしたがるのか、よく分からんけどな。
まあ、しのぶが俺の趣味趣向をよく知ってるのは分かった。今はじっくり見させてくれ。
うーん……いいなあ。このデザインとかも」
『正直、古い車の……しかもスーパーカーとかじゃなくて、小型車まで好きになる理由が
私にはさっぱり分かりませんけどね。成人されたらそういう車を買われるのですか?』
「いや。まあ難しいだろうな。形のカッコ良さだけじゃ実用には向かないし…… まあ、
自分で稼いだ金で年を取ったらコレクションとして一台くらい欲しいかな」
『私は勘弁ですよ。そんなクーラーも付いて無いような車に同乗するのは。冬は寒いし夏
は暑いし、オープンカーじゃ遮るものも何も無いし。乗せられるほうがいい迷惑です』
「誰もお前を乗せるなんて一言も言ってないし。ああ、このジャガーカッコいいけど、プ
ラモかあ…… 完成品じゃないとなあ……うーん……」
『あれ? タカシ様はプラモデルはお嫌いですか? こういう模型とか好きな方って大抵
好まれるものかと思ってましたが』
「いや。ガンプラみたく組むだけならともかく、色塗って、接着剤使って組み立てて行く
のって、大抵どこかで挫折するんだよな。何個か持ってるけどさ。エンジン途中まで組ん
でそのままだったりとかで、しかも接着剤が漏れてくっ付いたり、ランナーから切り取っ
た箇所がすこし出っ張って残ってたりとかで見栄えも良くないし」
『タカシ様は不器用ですからね。その上適当でせっかちな性格とくれば、上手く行くはず
もありません』
4474/5:2013/09/25(水) 02:18:17.88 0
「お前、弱み握られてる身の上のくせして、よくそうやって俺をディスれるよな。かすみ
さんに告げ口されたらとか考えないのかよ」
『いっ!? いやその、あの……つ、つい思った事をそのまま口に出しちゃうクセがある
と言うか……反省します……』
「つまり、普段からしのぶは俺の事をそういう目で見てると。よく分かった。覚えとくわ」
『わああああっ!! 違います違います!! いえその……違わないですけど、決して悪
い意味でそういったのではなく、げ、現実を直視すればですね。多少なりとも改善するの
ではないかと……決してタカシ様をバカにしてるとかそういう意味ではありませんか
ら!! お願いですから母様にだけは……』
「分かったから、こんな場所で土下座するな。靴下とか脚が汚れるだろ。全く……」
『お、お気遣いいただきありがとうございます。とにかく、プラモ作りは根気の良さが大
事です。完成品をイメージして、どれだけそこに近づけて持っていけるかが勝負だと思い
ますけど』
「何だよ。随分偉そうに語るじゃんか。もしかしてしのぶって、隠れモデラーとかだった
りするのか?」
『まさかそんな事ある訳ないじゃないですか。私は一般論として語ってるだけで、別にプ
ラモデルそのものに興味はありません』
「何だ。知ったかかよ。別に俺は自分で作り上げる喜びなんて無くったっていいんだよ。
プロのモデラーさんが原型作った完成品で、カッコいいのがあれば、それに越した事無いんだし」
『まー、そうですよねー。フェアレディZにケンメリGTRでしたっけ? 途中で放棄され
てるのは。あと、他に衝動買いで5個くらい積んでますけど、一つとして完成させた事が
無ければ、そういう気分になりますものね。よく分かります』
「ムカつく言い方だな。しのぶ、今絶対俺の事バカにしてたろ? プラモが上手く作れな
いからって何なんだってんだよ」
『いえいえ。バカにしてなんておりませんけど。ただ、もったいないかなあって思いまし
て。先ほど、お店の商品を見て回りましたけど、やっぱり完成品じゃ限られますもの。ミ
ニカーは結構種類豊富ですけど、大きくて精巧な物となると、やっぱりプラモデルが一番
種類ありますし』
4485/5:2013/09/25(水) 02:20:05.77 0
「うるせーよ。こっちはちょくちょくおもちゃ屋来てるし、ネット通販も見て回ってるか
ら、その程度はお前よりも良く知ってるって。全く、聞きかじったような知識だけで偉そ
うに上から目線で語りやがって。そういう自分はプラモ作れるのかよってんだ」
『作るだけなら容易い事です。忍びともなれば、罠を仕掛けたり手近な物で武器をこしら
えたりしなければなりませんからね。タカシ様みたいに手先が不器用では任務に支障を来
たすどころか、死に繋がりかねませんので』
「俺みたいにってのは余計だっての。そっか。容易いってんだったら、お前が作れ」
『は? 私がですか?』
「そうだよ。そうすれば、プラモでしか売ってない車種でも完成品が拝めるじゃん。そん
だけ大口叩くって事は、さぞ上手に作れるんだろうし」
『いや。それは作れますけど…… 興味のない私が作ったとしても、多分味も素っ気もな
い出来映えになると思いますよ。多分箱に描いてある絵そのままのイメージでしか作れませんし』
「箱の絵柄通りに出来れば大したもんじゃん。なら決まりな。お前が作って俺のところに
持って来てくれれば、万事解決と。これでどうせ組むの無理と思ってたプラモにも手が出せるぜ」
『ええー。それは承服致しかねます。やっぱりプラモって自分で作ってなんぼだと思いま
すし、タカシ様がのほほんと遊んでいる間、面白くも無いプラモ作りをコツコツと一人寂
しく部屋でやるなんて時間の無駄です』
「主人の為に奉仕するのが忍びの仕事なんだろ? だったら時間の無駄でもなんでもない
じゃん。大体お前、俺の命令に文句付けられる立場かよ。忘れたのか? さっき何でも言
う事聞くって言ったの。どうしても嫌だって言うならかすみさんに――」
『べ、別に嫌だなんて言ってないじゃないですか!! ただその、一人でって言うのは何
かその、空しくて…… せめてその、タカシ様と一緒であれば……』
「は?」


後編に続きます
449ほんわか名無しさん:2013/09/25(水) 16:21:50.97 0
忍ちゃんに強制ご奉仕させたい
450ほんわか名無しさん:2013/09/25(水) 20:09:52.45 0
友ちゃんのお腹ぺろぺろ
451ほんわか名無しさん:2013/09/26(木) 10:32:34.92 0
期待
452ほんわか名無しさん:2013/09/27(金) 02:18:11.55 0
>>444-448の続き行きます
4531/5:2013/09/27(金) 02:19:19.90 0
・ツンデレとプラモデル作りをすることになったら 〜後編〜

『ああああいいええ!! タカシ様と一緒にいたいとかそういう訳ではないんですよ。た
だ、せめて傍に人がいて、話が出来る環境であればまだマシかなーって。でも、学校のお
友達とかこんな事に付き合わせられないじゃないですか。だからそこはタカシ様に一緒に
いて貰わないと』
「まあ、別に俺の部屋で作ってもいいけど。俺は適当に出たり入ったりするから。ていう
か、お前友達なんていたんだ」
『一応いますっ!! 今のところそういう存在は認知しておりませんが、タカシ様を狙う
刺客が現れた時など、存在感を希薄にしていると却って怪しまれますからね。ごく普通の
女子生徒として生活しつつ、タカシ様の身辺を完璧に守るのが、優秀なくのいちというも
のです。ただ、放課後遊びに行く事は出来ませんから、そこは家のお手伝いをしなくちゃ
いけないとか何とか適当にごまかしてますけど』
「大丈夫なのか? お前って嘘とかごまかしが下手くそだし。まあ俺は別にしのぶが正体
バレようが一向に構わないけどな」
『ホント、冷たいですねタカシ様って。大体、一人でプラモ作る私を置いて出掛けるなど
とおっしゃいますし。それじゃあ意味がないじゃないですか』
「だって、人がプラモ作る姿見てたって面白くないだろ? お前と違って友達づきあいも
あるしさ。悪いけどそこまで付き合ってらんねー」
『誰の為にプラモ作ると思ってるんですかっ!! そもそも、タカシ様がお出掛けになら
れる際は私も護衛につかなくてはなりませんから、プラモ作りに興じてはおれません』
「やっぱり何でも言う事聞くってのは嘘か。しょうがないな。しのぶがそういう態度なら、
俺も出るトコ出ないとな」
『こ、こればかりは脅されても譲るわけには行きません。タカシ様が外出中に事件や事故
に巻き込まれて、そんな時にプラモ作ってたなんてなったら、任務放棄とみなされて処分
されてしまいます。母様の罰も怖いですけど、一族の掟に従って罰せられるのに比べれば、
まだマシですから』
「何だよ。そんな真剣になって言われたら、こっちだってこれ以上押せないだろ」
4542/5:2013/09/27(金) 02:20:20.87 0
『別にタカシ様が外出なさるのは構いませんが、その間はこちらも護衛の任務を最優先に
すると言ってるだけです。そもそも、どうせ積みっ放しのプラモなんですから、私に作ら
せるとはいえ、急いで完成させる必要もないのではありませんか?』
「まあ、そりゃそうだけどさ。やっぱ、いざ作って貰えるとなれば、早く完成品みたいじゃん」
『どれだけ現金なんですかっ!! やはりタカシ様もご自分で作られたらどうですか?
そうすれば私一人に任せるより早いと思うんですけど。もちろん、難しい所はお手伝い致
しますし、上手に仕上げるコツも教えて差し上げますから』
「何だよそれ。話が違うじゃんかよ。いや、でもまあ……俺でも上手く出来るようになるっ
て言うなら……まあ、もう一回チャレンジしてみるのもありかも……」
『ご安心ください。不器用で飽きっぽくて根気が無いタカシ様でも、完成まで私がキチン
とサポートしてあげますから。そうですね。作りかけで放置してあるのは恐らくモチベー
ションが上がらないと思いますので、この辺の簡単そうなものからチャレンジしてはいか
がですか?』
「お前。その口の悪さは何とかしろよな。ちょっと自分の方が優位に立ったからって好き
放題言いやがって。まあ、事実は事実だけどさ。分かったよ。お前が言うとおりこれと……
あと、これとこれ……それに、これも買ってくか」
『ちょ、ちょっと待って下さい!! そんなに買ってどうするんですか。また積みプラが
増えるだけじゃないんですか?』
「いやあ。俺が1台組み立ててる間に、きっとしのぶは3台くらい完成させるんだろうなっ
て。人の事を不器用だとか大口叩くんだから、それくらい出来るよな?」
『そ……そりゃあ私は道具の扱いにはなれてますから、それくらい出来ますよ。けれど、
私に頼る事ばかり考えないで下さい。あと、そもそもこんなに買っても持ちきれないんじゃ
ないんですか?』
「何だよ。しのぶなら、この程度の荷物楽に運べるんじゃないのか? 普段から色んな忍
者道具とか持ち歩いてるんだし、余裕だろ」
4553/5:2013/09/27(金) 02:21:25.28 0
『余裕とか余裕じゃないとかじゃなくて、女の子に荷物持ちさせるとか、どういう神経し
てるんですか!! 普通逆ですよね? 荷物持ちに付き合わせてるだけで、デートとかじゃ
ないんだからねとかそういう展開のはずですよね?』
「普通の女子なら俺だって荷物持ちくらいするさ。けど、お前は特殊だからな。それにほ
ら。何でも言う事聞くんだろ? 護衛の任務に支障がなければ」
『本当に、下衆ですねタカシ様はっ!! いいですよもう。これを運べばいいんでしょう?
運べば。ああ、もう。かさばるだけってのが余計憎らしい』
「まだ会計済ませてないって。まずはレジまで持って行ってくれ。落として壊したりした
ら、弁償だからな」
『そんなヘマは致しませんから。例えタカシ様が命の危機に晒されようとも、タカシ様も
プラモもちゃんと守ってさしあげますよーだ』
「はいはい。まあ、大口は無事に任務達成してから叩いてくれよな」

〜帰宅後〜

『ハァ…… どうりで放り出す訳です。タカシ様、初心者のクセに難しいの買うから悪い
んですよ』
「いやー。だって、どうしたってカッコ良くて精巧に出来てる奴が欲しくなるじゃん。ちょっ
と無理めかなあと思っても誘惑には打ち勝てないと言うか……」
『そうやって女性も高嶺の花ばかりを狙って玉砕していくんですね。いかにもタカシ様ら
しい考えだと思います』
「お前な。彼女選びと一緒にするんじゃねーよ。それは、その……見た目ばかりじゃなく
て、ちゃんと性格とか相性を第一にだな……」
『へー。そうですか。彼女の一人もいないくせに語るのだけは一人前ですね』
「うるせーな。そもそもお前が比較対象に女を出すのが悪いんだろうが。プラモとは何の
関係もねーのに」
『そうですか。どーせ、私が悪いんですよね。もういいです。この作りかけのは私が作り
上げますから、タカシ様はこの簡単な奴から初めて下さい』
「簡単っつっても、結構パーツ細かいんだけど……」
4564/5:2013/09/27(金) 02:22:09.76 0
『それくらい作り上げなくてどうするんですか。道具なら私が全部用意しましたから。ほら』
「エアブラシに缶スプレーの塗料から、デザインナイフに各種紙やすりまで、よく用意し
たな。つか、これって忍びの役目に使うものなんか? 実は趣味でプラモ作ってますとか
じゃないだろうなホントに」
『あり得ません。いろいろと細かな道具を作ったり、武器をカムフラージュする為に必要
なんです』
『(本当は、タカシ様がプラモ積んでるのを見て、いずれこういう日が来るんじゃないかと
準備していたんですけどね…… まあ実際、仕事にも役立ててはいましたけど、本来の目
的に使えて良かったなと……)』
「まあいいや。とにかく始めてくれ。エアブラシは一台しかないんだろ。それはさすがに
敷居が高いからさ。任せるわ」
『とりあえず、タカシ様は素組みから始めてはいかがですか? 練習のつもりで。まあ、
そこそこ色は付いてますから、それなりに組み上がるとは思いますよ。上手く行ったら、
後から私がそこそこ上手に仕上げて見せますから』
「ちぇっ。何か上から目線なのが気に食わないけど、とりあえずやってみっか」
『それが宜しいかと。どのみち、私も吹きつけ終わったら塗料が乾くまで待ちになります
から、上手く出来て無い所は手直しして差し上げますよ』


『いかがですか? タカシ様。出来映えの方は』
「うーん。やっぱ、全然綺麗になんないや。これなんかも、継ぎ目が汚いしさ」
『貸して下さい。こういう継ぎ目の出っ張りは、デザインカッターで削ってですね。で、
滑らかになったら、ペーパー掛けをすれば……ほら。綺麗になりました』
「へー。凄いじゃん、しのぶ。大口叩くだけじゃないんだな」
『だから言ってるじゃないですか。そもそも、こんなのは手先の器用さの問題じゃなくて、
根気の問題です。一気にやろうとするから失敗するんですよ。ほら、これなんてランナー
から外す時に後を残そうとしないから逆に削れてるし。こうなると、あとからパテ埋めし
ないといけないから、却って時間掛かるのに……』
4575/5:2013/09/27(金) 02:23:47.75 0
「悪かったな。俺ってせっかちだからさ。どうしても手間掛けずにやりたがるクセがあって」
『それがいけないんですよ。じゃあ、タカシ様。まずはこの部品の切り取りからやって下
さい。ニッパーで切り取る時は、出来る限り残すようにして。ほら。こうやって切り取っ
てからナイフで削り取って、で、あとは仕上げにペーパーで均しておけば……ほら。綺麗
ですから』
「へえ。ホント、上手いもんだな。俺でもやれば出来るもんかな?」
『ですから、技術よりも根気ですって。タカシ様だって出来ますから。ほら』
「よし。んじゃ、やってみるか」
『タカシ様。ナイフ使う時は気をつけて下さいね。くれぐれも指とか傷付けないようにし
てくださいよ』
「大丈夫だって。心配しなくても。よっと。こんなもんかな?」
『そうですね。タカシ様にしては綺麗に削れたと思います。これなら、別にペーパー掛け
する必要も無いかと思いますけど』
「マジで。じゃあ、次はこの部品を組み立てて、と……」
『調子に乗らないで下さいよ。タカシ様は油断するとすぐ失敗するんですから』
「やかましいな。やっと気分が乗ってきたんだからさ。水差すなって。こんな感じで、どうかな?」
『いいんじゃないですか。私なら、あとはこんな感じで仕上げれば……ほら』
「へー。綺麗じゃん。やっぱしのぶって手先器用なんだな。そういう所は素直に凄いと思うわ」
『ちょっ!! きゅ、急に褒めないで下さいってば。何だかその……タカシ様に褒められ
ると、気持ち悪いですから……はうう……』

[あらあら。二人で仲良さそうに、何作ってるのかしらね。ちょっとこれは、写真撮って、
かすみちゃんに送ってあげないと。ウフフッ♪]


終わり
何だかんだで仲の良い二人ですた
4581/2:2013/09/27(金) 19:33:34.72 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

田んぼの上を赤とんぼが飛びまわるようになって、俺はツンデレと不良やってたの

というのも俺の両親しつけが厳しくて勉強ばっかりの毎日でさ

同じような環境で育ったツンデレとは話が合うんで仲良くなってね

勉強会と称してお互いの家で悪事働いてたら何故か家族ぐるみのお付き合いになってた訳

そんで泊まりで勉強する名目で不良の基本、夜更かししたの

ならツンデレはカバンに隠してたビールをチラッと見せてきてさ

かつてないワルに俺もツンデレも昂って、親寝るまで二人ソワソワ

でもいざ飲んだらビールって苦いだけで全然美味しくなくてさ

ツンデレも、まずい、って一口だけで固まっちまって

初めての酒で気分悪くなったのか俺の胸に顔うずめてきます

なら人間バスケットボール大の物抱くと安心するように作られてるから、ちょうどいいツンデレの頭抱いたの

したら酔いさめるまで弱弱しく罵詈雑言並べられてさ

嫌がる女の子の頭を無理矢理かかえるなんて、とんだ不良だぜ俺は、って話
4592/2:2013/09/27(金) 19:34:30.80 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

田んぼの上を赤とんぼが飛びまわるようになって、私はアイツと不純異性交遊やってたの

というのも私の両親自由に遊ぶことも認めない締めつけが強くてさ

同じような環境で育ったアイツとはウマが合うんで仲良くなってね

表で我慢してる分悪口言ってみたりの、勉強会の名目で不良クラブ結成した訳

そんで泊まりで勉強する建前で不良の基本、夜更かししてね

私はカバンに忍ばせたビールをチラッと見せたの

ならアイツめっちゃ盛りあがってさ、深夜になるまで二人ドキドキ

でもいざ飲んだらビールって苦いだけで全然美味しくなくてさ

アイツも、まずい、って一口だけで満足してたんだけど

初めてのお酒で気持ち良くなっちゃったのか私を抱っこしてきます

なら人間心音を聞くと安心するように作られてるから、ちょっと速いアイツの心音聞いてたの

そしたらアイツ眠くなってきたのか私の頭かかえたまま布団入ってさ

お父さんもお母さんも、信じて送り出した娘が男の子と抱き合って寝たなんて夢にも思わないでしょ、って話
460ほんわか名無しさん:2013/09/27(金) 20:02:54.88 0
二人ともいい子や……!
GJ
461ほんわか名無しさん:2013/09/28(土) 20:27:36.08 0
おっ立てたで
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.5
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380367503/

>>457
>>459
GJ!
462ほんわか名無しさん:2013/09/28(土) 23:01:58.52 0
落ちたから立ててみた

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.51
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380376832/
463ほんわか名無しさん:2013/09/28(土) 23:19:59.16 0
そろそろ保守しよーと思ったら落ちた

風呂はいるかー
464ほんわか名無しさん:2013/09/29(日) 00:32:10.60 0
ふらふらっと夜の散歩に出たらついつい遠出してしまった
いいんちょに怒られる
4651/4:2013/09/29(日) 13:11:09.63 0
・出社途中の雨降り

 ドザアアアアア……
「うわ。何じゃこりゃ……」
「何だよ……土砂降りじゃねーか……とりあえず、ここに立ってたら邪魔だしな…… あ
そこのビルまでダッシュで行くか……」
 バシャバシャバシャ
「フゥ…… ほんの5メートルくらい走っただけでこんな濡れんのかよ…… こりゃ、少
し収まるまで待たないと、ビショビショで仕事出来なくなるな…… 9時までに少しでも小
降りになりゃいいけど……」
『何してるんですか? 別府さん』
「おわっ!? ああ、椎水さんか。おはよう」
『人の顔見てビックリしないで下さい。失礼ですよ、全く』
「ご、ごめん。いきなりだったから……つい……」
『つい、じゃありません。大体別府さんは普段から注意力散漫だから、急に声掛けられて
も対応出来ないんです。私だったから良かったものの、もしこれが得意先の担当者だった
りしたらどうするんですか。ましてやそれが女性だったりすれば、今後の仕事に影響する
かも知れないのに』
「分かった。悪かったよ。空模様見てたから、歩いてる人の方に注意が向いてなくて。こ
れから気を付ける」
『そう言って、いつも言葉だけなんですから。で、どうしたんですか? こんな所で立ち
止まって。もしかして、雨宿りとか?』
「まあね。見ての通りだよ。全く……今日は午後から晴れるっていうし、うちの方はもう
止んでたから大丈夫だろうと思ってたらこれだよ」
『今朝の天気予報、見てなかったんですか? 午前中は局地的に強く降る所もありますか
ら、折り畳み傘は持って出かけて下さいって、お天気キャスターの人も言ってたのに』
4662/4:2013/09/29(日) 13:11:40.72 0
「あー……天気予報の時間は歯磨いてたから…… 画面上の天気情報しか見てなかったん
だよな。いや。でもさ。ちょっとくらいは振られるかなって思ってたけど、まさかこんな
に土砂降りになるなんて思ってなくて」
『そういう所が見通しが甘いって言うんです。そもそも、天気予報の時間に歯磨きをぶつ
けるとか有り得ません。天気と交通情報はちゃんとチェックしておくのは常識だと思いますけど』
「交通情報はスマホに連絡サービスあるしさ。天気だって、情報さえ見ておけば何とかな
るかなって。大体、天気予報なんて言ったって最近的中率低いじゃん。前も今日は一日晴
れ渡った天気になるでしょうなんて言うのを聞いてさ。傘、持って行かなかったら帰りに
降られたし」
『そういう場合はしょうがないじゃないですか。自分のせいじゃないんだし。でも、自分
で得られる情報をチェックせずに雨に降られるのは自業自得です』
「まあ、そう言われりゃそうだけどさ。けど、傘って何かと面倒じゃん。長い傘は晴れて
るのに持って帰ると色々と鬱陶しいし、折り畳みは乾かして畳まなきゃいけないしさ。だ
から出来る事なら持ちたく無いなって」
『そうやって楽しようとするから、こういう所でツケが回って来るんです。大体別府さんっ
ていつもそうですよね。仕事だって、事務処理とか集中してやった方が能率上がるからっ
て、ちょっと手の空いた時間を休憩に回して、結局他の仕事が後から積み重なって休日出
勤になったりして。本当に要領悪いんですから』
「ハハ…… まあ、ほら。お説教はさ。今度の飲み会の時にでもゆっくりと聞くよ。とり
あえず、椎水さんはもう行った方が良くないか? 制服に着替える時間も必要なんだろ?」
『またそうやって笑ってごまかすんですから。私の言ってる事なんてどうせ聞いてないで
すよね? 周りで同じように雨宿りしてる人に聞かれたら恥ずかしいとか、そんな事ばか
り考えてるんでしょう?』
「いやいやいや。ちゃんと聞いてるし、反省はしてるから。それより、椎水さんが遅刻し
たら申し訳ないかなって。給与から引かれるんだろ?」
4673/4:2013/09/29(日) 13:12:12.43 0
『私の心配なんてしてくれなくて結構です。私はちゃんと自分の時間管理くらい出来てま
すから。別府さんこそどうするんですか? まさか、このまま雨が止むまで雨宿り続ける
気ですか?』
「いや、まあ会社まで走れば3分くらいだし、もう少し小降りになれば大丈夫かなって。
午後には晴れるって言ってるんだから、一時的なものだろうし」
『その楽観的な見通しがダメな所だって、つい今さっき言ったばかりじゃないですか。そ
れで、結局降り止まなくて遅刻するんですよね? ホント、何でいつも同じ事を繰り返す
んですか』
「いや。俺は営業だから、フレックスなんで……」
『フレックスだって、昨日の夜に課長に出勤時間提出してますよね? その時間過ぎたら
遅刻と同じようなものですよ。大体、こんな自分の時間すら管理出来ないような人が、フ
レックスとか偉そうに言わないで下さい』
「うーん…… まあ、どっちにしろこの雨じゃちょっと会社まで走って行くのは厳しいし
さ。椎水さん、本当にもう行った方が良くない?」
『別府さん。私に、言う事無いんですか?』
「へ?」
『同じ会社の後輩が目の前にいて、それで何も言う事は無いんですか? 遅刻しない方法
が目の前にあっても、それをみすみす見逃す訳ですか?』
「えーっと…… それって、もしかして……」
『もしかして、じゃありません。本当なら、別府さんの方から真っ先に頼むべき事じゃな
いんですか? それをわざわざ私が言わないと気付かないとか、どれだけ鈍感なんですか』
「いや。鈍感っていうか……いいの?」
『いいも悪いも、ちゃんと聞かれてもいないのに答えようがありません。返事は別府さん
がキチンとお願いしてから答える事にします』
「えーと……じゃあ…… あのさ。悪いけど……椎水さんの傘に、会社まで入れていって
貰えない……かな?」
『……………………』
4684/4:2013/09/29(日) 13:13:26.06 0
「あの……椎水さん?」
『…………ハァーッ…… ここまで言っておいて、ダメとか言える訳ないじゃないですか。
私は会社の先輩が困ってるのを見過ごして先に行けるほど、心が冷たくはありませんから。
それが例えだらしがなくて自業自得で懲りないダメな先輩であっても』
「ハハ…… 申し訳ないね。手の掛かる先輩でさ」
『自覚があるなら、謝るよりも行動に移して下さい。大体、明日で請求締めだって言うの
に、別府さんの分が全然出て来ていないんです。ここで仕事の時間削られてまた書類の提
出が遅れたらこっちも迷惑だから、仕方なく声掛けたんですからね』
「悪かった悪かった。会社着いたら、一番にやるからさ。それよか……そろそろ、行こう
か。傘、俺が持つからさ」
『当たり前です。私が別府さんに傘を差し掛けたら腕がつっちゃいますから。言っておき
ますけど、濡らしたりしたらタダじゃ済みませんからね』
「いや。もう椎水さんにお説教されるのは十分だからさ。気をつけて差し掛けるよ」
『絶対ですからね。一滴でも雨が掛かったら、アウトですから』
「うわ…… そりゃ厳しいや……」
『(ハァ…… 私の事、きっとめんどくさい女だなって思ってるだろうなあ…… 何で素直
に言えないんだろう…… 一言、私の傘に入って行きませんかって…… その方が絶対に
可愛く思われるって分かってるのに…… 分かってるのに……)』

〜おまけ〜

【椎水さん。別府君と相合傘で出勤なんて、やるわね〜。もしかして、昨夜は二人でお楽
しみだったとか?】
『せ、先輩っ!? 見てたんですかっ!!(////////////) ちがっ……違いますからっ!! た
またまですから!! 偶然ですからっ!! だから仲良いとか全然そんなんじゃありませ
んからあっ!!』


終わり
ネタとしては使い古されていても、自分が雨に降られたりすると妄想せずにはおれなくなるという
469ほんわか名無しさん:2013/09/29(日) 22:09:29.58 0
これは押し倒したい
470ほんわか名無しさん:2013/09/30(月) 17:55:05.86 0
…山田くんに…あぷろーちして・・・・友ちゃんをやきもき…させちゃおう…むふふ…
471ほんわか名無しさん:2013/10/03(木) 21:05:49.24 O
テスト
472ほんわか名無しさん:2013/10/04(金) 00:51:10.02 O
ガラケーからなら書き込めるっぽいので、線路に上げたのを投下


・男ツンデレと台風の夜
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2781.txt
473ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 00:53:23.99 i
久々の男ツンデレきましたわー
GJ!
474ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 07:27:24.76 0
復活したか

お題
つ・男に連絡しようとしてもずっと音信不通だったら
475ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 11:59:06.78 0
今回の鯖不調でまた人が減った気もしなくも無いが、
とりあえず妄想でも投下しとこう
4761/6:2013/10/05(土) 11:59:43.00 0
・頑張りすぎるツンデレ 〜前編〜

「ハア…… かったりーな……」
 本当ならば今日はお盆休み初日。土日含めると9日間にもなる、社会人にとっては夢の
ような連休の初日となるはずだったのだ。
「前日にクレームとか、ついてねー……」
 納めた品物に欠陥があったとかで、顧客への謝罪と状況の確認。製造したメーカーに原
因究明させて、同時に再納品の手配を掛けて、とりあえず実務的な処理は全部終わりにし
たのだが、休み明けに提出する報告書の作成と、本来すべきだった業務が残ってしまった訳だ。
「全く、何が悲しくて夏休みの初日に会社来なくちゃならないんだか……」
 ぶつくさと文句を言いつつ、カードキーをかざそうとする。その時俺は、施錠を示すラ
ンプが付いてない事に気がついた。
「あれ? 俺以外にも律儀に仕事来てる奴なんているのか?」
 そんな真面目な奴、うちの部署にいたかなと思いつつ、俺はドアを開けた。
「おはようございまーす……」
 ややだるそうな口調で挨拶をすると、すぐさま、トーンの高い声で返事があった。
『おはようございます。別府さん。休みだというのに、何をしにいらしたのかしら?』
「あん?」
 声のした方に顔を向けると、やや赤みがかった茶色の長い髪をした、目鼻立ちのハッキ
リした女性の姿が視界に入った。俺はやや気まずい気分で笑顔を見せる。
「おはよう、神野さん。君の方こそ……今日から休みだってのに、どうしたの?」
 すると彼女の眉間に皺が寄った。
『わたくしが質問しているのですのよ? 問い返す前に、まずは私の質問に答えるべきで
しょう? 取り立てて難しい事を聞いているわけではありませんのに』
 自分の興味を優先させてしまった結果、怒られた。というか、彼女は俺に対してはいつ
もこんないささか不機嫌そうな態度を取ってくる。それは、俺にとってはいささか困った
問題だった。何故なら、彼女はうちの会社の、会長の孫娘なのだから。
4772/6:2013/10/05(土) 12:00:14.06 0
「ゴメン。俺はその……昨日ちょっとクレームがあってさ。って、話したよね。バタバタ
してどうしたんですのって聞かれたから。で、処理は終わったんだけど、その後始末が残っててさ」
 すると彼女は、大仰にため息をついてみせた。
『ああ。そういえば、そんな事もありましたわね。まあ、聞いたところ下請け側のミスら
しいですけど、別府さんだって、キチンと製品管理をしていないからそういうミスが起こ
るんですのよ。普段、ダラダラとした仕事ぶりだから、そういう事になるのですわ』
「いやー。新製品ならともかく、もう何度も納めてる商品だからさ。まさかここで不良品
が出て来るとか思わなくて……」
『それが甘さだと言っておりますのよ。暇さえあればスマホ弄ったりして……もう少し、
労働意欲というものをキチンと持って欲しいものですわ』
 ちなみに彼女は、俺の3年後輩で今年で入社3年目になる。つまりは俺の後輩だ。まあ、
このまま勤め続ければ、そのうち俺よりも上の役職になるのだろうが、今は会長の孫とは
いえ、同僚でしかない。なのに何故か常に説教口調で偉そうな態度を取る。しかも、俺に
だけだ。俺の同期や一年下の後輩にすら、キチンと敬意を持って接しているのに、である。
「人並みには持ってるつもりなんだけどね。でなきゃ、こうして休みの日に出て来て仕事
しねーって」
 一応自分の立場を主張してみせるが、彼女の厳しい視線は揺るがなかった。
『休暇の前に自分の仕事を終えるのは社員として当然の義務でしょう? それは労働意欲
以前の問題ですわ』
「まあ、そうと言われりゃそうなんだけどさ」
 神野さんが社長になったら、社員にブラックな労働環境を与えそうだなという言葉は辛
うじて飲み込んだ。俺は自分のデスクに行き、バッグを置いてパソコンを立ち上げる。
「で、神野さんは何で出社して来てるの? 長期休暇なんだし、海外にバカンスとか行か
ないのか?」
 すると彼女は、フンと小さく鼻を鳴らした。
『そうですわね。大学時代のお友達にも誘われましたし、そう出来れば良かったんですけ
ど、生憎わたくしにも仕事がありましたの。来週のプレゼンの資料を出来る限りまとめて
おきたかったものですから』
4783/6:2013/10/05(土) 12:01:04.12 0
「それって、週明けすぐって奴でもなかったろ? 休みに出勤してまで作らなくてもいい
んじゃないか? それとも、何気に進んでないとか?」
 プレゼン先が俺の顧客なので、営業としてもちろん話は聞いている。しかし事前の社内
会議が来週の水曜日だし、正直彼女の能力なら二日あれば余裕で仕上がると思ったのだが。
『別に、ちょっと気になったことがあったから、見直しをしているだけですわ。それに、
休み明けは何かとバタバタしていてゆっくり手を掛けている暇がありませんもの。休みの
方がじっくり見れるから、都合がよいだけですわ』
「ふぅん。頑張るねえ。でもまあほどほどにしときなよ。資料やレポートなんて、見直せ
ば見直すほど、あれがダメ、これがダメって思えてきて、でも結果的に見れば時間を掛け
ただけで堂々巡りなんてこともあるからな。着地点だけ見据えて、ある程度は妥協しとかないと」
 何せ、自分にも係わる事だけに巻き込まれたら堪らないと、俺はもっともらしい言い分
で、彼女に忠告をしたのだが、怒られた。
『そういういい加減な態度が仕事にも反映すると言っているのです。別府さんってば、い
つもそうですのよね。どこか手を抜いてヘラヘラしているような態度を取って。やる事さ
えこなしていればそれで良いなんて考えでしたら、上は目指せませんわ』
 会長の孫である以上、無論神野さんはコネでの入社である。そのせいか、彼女は常に人
よりも努力しようとしているように俺には見えていた。それが義務感からなのか、プライ
ドの高さゆえなのかまでは理解していなかったが。
「別に、目標は高いところに置いてるさ。ただ、結果が同じなら、出来る限り肩を抜いて
楽にやれればいいかなって思ってるだけでさ。あんまり気を張ってると、まわりもピリピ
リしちゃうし」
『わたくしから見れば、貴方の態度はいい加減でだらしないようにしか見えませんわ。ちょっ
と時間が余れば、喫茶店で休憩したりしますし。モバイル端末でも持ち歩けば、外で余っ
た時間も有効活用出来ますのよ? それで結局残業してたりしたら世話無いですわ』
4794/6:2013/10/05(土) 12:01:47.96 0
「その辺は時間の使い方の違いだと思うけどな。一つの時間も余すことなく使ってたら、
結局脳みそが疲労しちゃって効率悪くなるってのもあるし。休める時は積極的に休むって
のも重要だと思うんだけど」
『それが貴方の悪いところだと――も、もういいですわ。所詮貴方と私では価値観が違い
ますもの。このまま議論を続けていても、どうせ平行線なだけですし』
 一瞬声を荒げかけたが、そこはさすがに育ちの良さか、すぐに彼女は冷静さを取り戻し
た。とはいえ、話を引いても納得はしていないのだろう。俺にも聞こえるほどの大きさの
ため息をつく。俺もこれ以上話を続けても不毛だと思ったので、テンプレートだけ作って
保存しておいた報告書のファイルを開く。そのまましばらく、互いに無言で作業を続けて
いたのだが、俺はもともと人といる時に長時間沈黙でいるのが苦手な方だ。ちょうど作業
も一段落した頃を見計らって、当たり障りの無い会話をぶつけてみた。
「ところで神野さんってさ。盆休みはどう過ごすの?」
 俺の問いに、彼女は無言だった。デスクが少し離れているので表情は見えなかったが、
さっき話が物別れに終わったばかりで、やはり拙かったかなと反省しかけたところで返事があった。
『……わたくしのスケジュールなんて聞いて、どうなさるおつもりですの?』
 やや低い、不機嫌そうな声だった。やはりまだ怒ってはいるのかと思いつつ、話しかけ
てしまった以上、答えないわけには行かない。
「いや。単に世間話の類として、さ。答えたくなければそれでもいいし」
 しかし、彼女は意外と素直に答えてきた。
『これと言って、話すほどの事はありませんわ。お盆の前後三日間はご先祖様のお墓参り
がありますけど後は用事らしい用事もありませんもの。月火は仕事に来るつもりですし』
「今日だけじゃなくて、週明けもかよ? それはちょっと働き過ぎじゃね?」
 俺はさすがに驚いて、いささか呆れた声を出してしまった。すると即座に、不満そうな
答えが返って来る。
『仕方が無いでしょう? やっておいた方がいい事はたくさんあるんですもの。貴方みた
いに、やる事さえやっていればそれでいいと思っている人とは違うんですのよ。わたくしは』
4805/6:2013/10/05(土) 12:07:53.83 0
 どうやら、またさっきの議論の蒸し返しになりそうだった。とはいえここでまた喧嘩し
ても仕方が無いし、俺も別に彼女と喧嘩がしたいわけでも無い。それよりもいっそ、何で
彼女がこんなに頑張るのかを知るために、ストレートに聞いてみるのも良いかも知れない。
下手をしたら取り返しの付かない事になるかも知れないが。
「……それはさ。会長の孫娘だから?」
『は?』
 俺の問いにキョトンとした返事をする彼女に、俺は席を立って彼女の近く――普通に会
話をする距離まで、歩み寄った。
「俺からするとさ。神野さんって人の二倍か三倍は働いてると思うけど、何でそこまで頑
張るのかなって思って。やっぱり、会長の孫だから、周りの目を気にしてるんじゃないの
かなって」
 すると神野さんは、最初反抗的な目付きで俺を見て口を開きかけた。しかし、声が出る
前にその口が止まる。そして、俺から視線を外し、しばし逡巡した後、小さく頷く。それ
は、さっきまでの自信に満ちた態度とは違い、何となく弱さを漂わせているように見えた。
『……それは、そうですわよ。わたくしが神野家の一族である以上、それはずっと付いて
回りますもの。わたくしが一番頑張らなくては、周りの人に示しが付きませんわ』
 彼女の答えに納得しつつも、俺は神野さんが正直に、しかも俺に対して告白したことに
少し驚いていた。しかし、最初は否定しようとしたのだろうが、普段から気を抜いて仕事
をしている俺には、特に見栄を張る必要もないと思ったのだろうか。
「別に、神野さんは普通に頑張ってると思うけどな。真面目だし、こなす仕事量は多いし、
勤務態度も朝は俺らより早く出て来てるし、残業はメリハリ付いててダラダラ仕事してる
事も無いし、かといって人に厳し過ぎる事もなくて、付き合いだって良いし、そこまでム
キになる必要もないと思うけどな」
 むしろ、その頑張りっぷりは見てて痛々しいほどかもしれない。しかしそれについては、
彼女は断固として拒否をした。
『そんな事はありませんわ。わたくしは、普通に頑張っているだけではダメなのですもの。
コネで昇進したなどとイメージが付いては、わたくしの下に付く人たちだって納得が行き
ませんわ。創業者の一族だからこそ、人に認められるためには何倍も成果を出さなくては
ならないのです』
4816/6:2013/10/05(土) 12:10:12.51 0
「そうでもないと思うけどな。もちろん勤務態度とか成果は重要だけど、俺から見てもも
うチーム任されてもおかしくないと思うし、友野や咲村も頑張りすぎじゃないかって心配
してるくらいだし」
 自分の意見に信憑性を持たせるために、俺と同期入社で神野さんとは同じチームにいる
女性社員の意見も引き合いに出す。といっても別に嘘を付いている訳じゃないが。
『そうなんですの? 友野さんとかも……そうおっしゃってますの?』
 俺などは営業と企画で部屋は同じでも部署が分かれているのでさほど意識していなかっ
たのかも知れないが、同じ部署の先輩の意見となるとさすがに興味を惹かない訳には行か
ないようだった。
「ああ。むしろ、逆の意味で心配してたぜ。神野さんがリーダーとかになったら、自分達
もあそこまでやらなきゃマズイのかなあって。俺も、頑張りすぎる上司って、部下にとっ
ては却ってプレッシャーになるんじゃないかって思うんだけど」
 すると神野さんは、そんなの心外だと言わんばかりの顔で立ち上がった。
『わ……わたくしは別に、周りの人にまでそこまで厳しい事は求めませんわ。わたくしは
自分で勝手にやっているだけで……嫌々仕事をされても、却って不利益になるだけですもの』
「でも、部下につく身となれば、上が厳しい人間になると、どうしても目標も勤務態度も
厳しいものを求められているんじゃないかって思うぜ。ウチの部はプライベートもちゃん
と重視しろっていう人だから気が楽だけど、休みを犠牲にして働くような人が上につくと、
どうしてもそういうのも求められてるって、言われなくても勝手に誤解しがちだし」
 彼女はギュッと固く口を閉じてしばし考えた後、俺を睨み付けるように見上げて反論した。


後編に続く
お盆休みに書き始めたからすっかり時期外れに……
482ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 13:16:03.84 0
俺はいるぞ。ツンデレスレその他に書き込めなくて落ちやしないかとモヤモヤしてた

お嬢働き者だよお嬢
483ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 19:14:06.98 0
おじょおおおおお立てますた

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.6
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380967929/
484ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 23:28:09.80 0
うおーほんの少し目を離したすきに落ちたぁぁぁぁぁ
485ほんわか名無しさん:2013/10/05(土) 23:31:40.63 0
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.61
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1380983453/

たてなおしー
486ほんわか名無しさん:2013/10/06(日) 13:34:27.10 0
頑張ってるお嬢の続き行きます
4871/6:2013/10/06(日) 13:35:06.32 0
・頑張りすぎるツンデレ 〜後編〜

『そ、それはわたくしは仕事が残っているとどうしてもゆっくり休めない性格ですから……
でも、わたくしだって、用事があれば無理して仕事に出て来たりはしませんわ。特に用事
も無くて、家にいても仕方が無いって、そう思ったからどうせなら会社で仕事しようって
思っただけで、用があれば出社なんてしませんわよ。ですから、休みたい人にそこまで求
めませんわ』
「でもさっき、大学時代の友達から海外旅行の誘いがあったのを断わったって言ってたじゃ
ん。それって仕事があるからそっちを優先したんじゃないのか?」
 俺の指摘に、彼女は顔をしかめた。しかし迷ったのは一瞬だけで、すぐに首を振って否定する。
『本当は……どのみち、お盆は親族が全員集まりますから、出ない訳には行きませんもの。
往復合わせて七日間なんて無理ですわ。さっきはその……見栄もあって、そう言っただけですわ』
 どうやら、俺に対して頑張って働いているアピールをしても、却って逆効果だと気付い
たのか、彼女は珍しくあっさりと前言を撤回する。しかし、その表情を見ると、どうやら
こっちの方が本音らしい。俺は冗談っぽく肩をすくめて返した。
「なるほど。金持ちの家ってもしがらみが多くて大変だな」
 すると彼女は謙遜もせずにしれっと頷いた。
『ええ。貴方みたいな気楽な立場の方には想像も付きませんでしょうね。むしろお休みの
日はのほほんと過ごしていられる貴方が羨ましくもありますわ』
 小ばかにしたような口ぶりだが、その実、今の言葉の中には多分に真実が含まれている
ような気もした。
「あのさ。もしかして、神野さんが休みも仕事に来てるのって、家にいると何かと窮屈だ
からってのも、あったりするのか?」
 すると彼女は、ハッとした驚いたような顔で俺を見つめた。そのまましばし、無言でい
たが、やがてプイと顔を背ける。
4882/6:2013/10/06(日) 13:35:37.67 0
『フン。貴方なんかに余計な心配されたくありませんわよ。どのみち、その辺の気苦労は
話しても理解も出来ないでしょうし、愚痴を言ったところで無駄なだけですわ』
 否定しないところを見ると、どうやら当たってはいたらしい。休みはと言えば、自分の
アパートでゴロゴロダラダラと過ごしている俺からすれば、神野グループとして幾つかの
企業を経営し、地元ではそれなりに名士で一族からは県会議員も輩出している家柄の娘と
もならば、俺には想像もつかない気苦労とかあるのだろう。
「まあね。確かに話してもらったところで、肩代わりなんて出来ないし。けれどさ。家に
いて窮屈なら、外でゆっくり過ごしたっていいんじゃないか? ネカフェとかだとネット
にマンガ。小説にゲームはあるし、ドリンクも自由に飲めるしさ。行った事無いだろ?」
 パッと思いつきで、俺はある程度プライバシーが保たれる自由な空間だと思って勧めて
みたのだが、彼女には胡散臭そうな顔をされてしまった。
『ネットカフェと言えば、よく未成年の家出少女とかが宿代わりに利用していると聞きま
すわ。そのような不健全な場所にわたくしが行くはずないでしょう。むしろよく勧められ
ますわね』
 神経を疑うような事を言われて、さすがに少し言い訳に困る。
「いや。確かにそういう個室型のが一時期増えて、犯罪の温床みたいに言われた事あるけ
ど、基本的には読書やパソコンを一定の使用料を払えば自由に使えるってだけの商売だか
ら、別にネットカフェ自体が犯罪って訳じゃないし」
『だからと言って、そういうイメージのある場所にわたくしが行く訳にはまいりませんわ。
ハッキリと、お断り申し上げます』
 その頑なな態度に、俺は肩を竦めた。まあ、世間知らずな一面はあるだろうし、一度根
付いた価値観なんてのは口で説明したところで覆るものでもない。
「ま、今のはあくまで一例だけどさ。図書館でもいいし、雰囲気の良い喫茶店を見つけて
そこに通うでもいいし、外で落ち着ける自分なりの場所を作っておけば、何も休みにまで
仕事に来る必要ないんじゃないか? 別に会社が一番落ち着ける場所って訳でもないんだろ?」
4893/6:2013/10/06(日) 13:36:12.06 0
 俺の質問に、神野さんはむっつりと黙り込んでしまった。今まで自分が正しいと思って
やっていた事を否定され、かといって反論の言葉も見つからずに困惑しているように見え
た。ギュッと不満気に眉根を寄せて何か言いたそうに顔を上げるも、結局言葉にならずに
俯いてしまう。しばらく俺も黙ったまま様子を見ていると、やがて躊躇いがちにおずおず
と切り出した。
『……正直いって……余暇の使い方をどうすればいいか、分かりませんわ。学生の頃は勉
強ばかりでしたし、趣味に打ち込むことはあっても、ゆっくりする事なんてありませんで
したもの。休みの日にはダラダラして過ごしている貴方には分からない悩みでしょうけれど』
「確かに。まあ、俺んちは単なる庶民だからな。神野グループ会長の孫娘の神野さんとは、
全然背負ってるものが違うし」
『だったら無責任に勝手なことをおっしゃらないで貰えません? 貴方と私では立場が……』
 嫌味に同意して、ちょっと茶化すような態度を取ったら、彼女は激昂して俺を睨み上げ
て強い口調で文句を言った。いや。言いかけて、その言葉が途中で消える。ギリッと歯を
噛み締め、彼女は顔を逸らした。
『背負ってるものが違うから……何だって言いますの? わたくしだって同じ人間ですわ。
誰にも気兼ねせずにゆっくりと羽を伸ばしたくなる時だってありますわよ。貴方にはどう
せ他人事なのでしょうけれど。だから偉そうな口が利けるのですわ』
 張り詰めていた糸が切れて、彼女はまるで泣きそうな顔で愚痴を言う。その姿に、俺は
今になって彼女の心にズケズケと入り込んで物を言っていた事に気が付いた。
「……申し訳ない。気軽に勝手なことを言って悪かった」
 素直な気持ちで謝罪を口にすると、神野さんは驚いたように俺の顔を見つめた。それか
ら、自分が弱いところを曝け出してしまった事を恥じるように、頬を僅かに赤く染めて、
また視線を逸らす。
『……別に、いいですわよ…… むしろわたくしこそ反省すべきですわ。貴方程度の言葉
に取り乱してしまうなんて……みっともない事、この上ないですわ』
 それから、彼女はそそくさとパソコンの方に向き直ると、スリープモードから再起動を
掛ける。
4904/6:2013/10/06(日) 13:36:44.71 0
『全く、貴方のせいで無駄な時間を使ってしまいましたわ。もう仕事に戻らないと。貴方
だって仕事があるから会社に来たのでしょう? さっさと始めないといつまで経っても帰
れませんわよ』
 しかし、俺はまだ話を打ち切る気にはなれなかった。これでは結局、彼女はまた無理を
繰り返すだけだろう。やっぱり、彼女にだって余暇をのびのびと楽しむ権利はあるはずだ。
ただ、それを言った所で何度同じ話をすれば気が済むのかと突っ撥ねられるだけだ。少し
迷ってから、俺は口を開いた。
「神野さんって……明日か明後日、暇?」
『は?』
 作業を開始しようとした手を止め、彼女は驚いて俺を見つめた。その表情が怪訝そうに歪む。
『暇か?って……一体、どういう意味で言っておりますの? 意味が分かりませんわ』
 俺は頭を掻いた。何気に、この年になっても恥ずかしさが奇妙なこそばゆさを感じさせる。
「何か、外せない用事でもあるのかって、そういう意味で聞いたんだけど」
 わざと、ちょっとはぐらかす答えを返すと、彼女は不機嫌そうに眉を顰める。
『そうではなくて、わたくしが暇だと言ったらどうなのかと、そういう事を聞いておりま
すの。ちゃんと答えてくれなければ困りますわ』
 正直、先に質問に答えてくれれば、その先を言わずに済む可能性もあった訳だが。まあ、
どのみち大した違いはないかとも思い直す。元々、受けてくれる可能性そのものが低いの
だからと、俺は覚悟を決めた。
「いや。もし良かったら、俺と一緒に出掛けないか? 暇つぶしの場所ならいろいろ案内
出来るかも知れないしさ。無責任にゆっくり休めなんて言っておいて、何の手助けもしな
いのは申し訳ないかと思って」
 端的に言わせれば、デートのお誘いである。さすがにそれは、お嬢様といえども気付い
たらしい。椅子を回して体ごと俺の方に向き直りつつ、俺の方を見ることが出来ずにそっ
ぽを向いている。一部の社員からは鉄の女と揶揄されるような彼女でも、やはり若い女の
子で、良い悪いに係わらず、こういう誘いは照れてしまうものらしい。
4915/6:2013/10/06(日) 13:41:08.44 0
『で……出掛けないかって、それだけ言われましても、困りますわ。どういう所に行くの
か、それをおっしゃって頂けないと。まさかノープランだなんて言いませんわよね?』
 最後、若干咎めるような口調だったが、怯まずに俺は正直に頷いた。
「決めてない。だって、神野さんがどういう所が好きか分かって無い訳だし。アウトレッ
トモールとか言ってショッピングするか、映画でも見に行くか、テーマパークでも行くか、
そこら辺は受けてくれたら色々提案しようと思ってたんだけど」
 すると彼女は、呆れたようにやや大きくため息をついた。
『女性を誘っておいて、これですもの。だから貴方って、いつも評価で計画性とか仕事の
段取りの所が悪いんですのよ。本当に、こういう所は仕事だろうがプライベートだろうが
変わりませんのね』
「その代わり、状況の変化への対応力とかは高いけどな。計画性に縛られるより、そっち
の方が実践的だと思うぜ」
 何で神野さんが俺の評価シートの内容を知ってるのかいささか疑問だったが、俺はそれ
には触れずに自分のいい所をアピールする。すると彼女がほんの少しだが、クスリと笑っ
たように、俺には見えた。
『キチンと計画を立てた上で、臨機応変に状況に対応出来るというのなら自慢出来ますけ
ど、貴方のはただの行き当たりばったりでしょう? 今だってそうじゃありませんの。と
りあえず誘うだけ誘っておこうって』
「まーね。細かい計画立てて上手く行かなかった時ほど、がっかりする事はないからな。
まあ、今の場合は戦略なんて立ててる余裕は無かったわけだけど」
 もともと玉砕覚悟だし、怖い物は無い。神野さんはちょっと考えてから、デスクから手
帳を引っ張り出す。女性にしては地味で実用的なそれを開いてから、彼女は頷いた。
『……生憎と、わたくし、明日は出掛ける用事がありますの。穂野市にあるショッピング
モールに、店舗の視察に行かなくてはいけませんので』
 日曜日で、既に夏休み期間中でもあるというのに、この期に及んでまだ仕事なのかと俺
は半ば呆れ半ば感心する思いで彼女を見つめた。つい、反抗的な気分で口を開く。
「あのさ。せっかくの日曜日なのに、何もこんな日に視察に行かなくたって――」
4926/6:2013/10/06(日) 13:41:48.15 0
 途中まで言いかけたところで、彼女が手を俺の前に翳す。咄嗟に押し黙ると、彼女は俯
き、落ち着かなげに視線を這わせた後で、小さく、たどたどしく、しかしハッキリと聞こ
えるように言った。
『……ですから、その……貴方も、その視察に同行すると、そうおっしゃるのなら……一
緒に出掛けるのも、やぶさかではありませんわ……』
 俺は驚いて彼女を見つめた。普段の凛とした態度はどこへやら。今はまるでおどおどと
した、内気な生娘のようにすら見える。そんな姿にしばし見惚れてしまっていると、痺れ
を切らした彼女が、苛立った声を上げた。
『どうなんですの? 同行致しますの? しないなら、別にわたくしは一人でまいります
わよ。もともとそのつもりでしたもの』
「いや。もちろん、一緒に行かせて貰うよ。俺はどうせ暇だしね。遠慮なく」
 笑顔を見せると、彼女は今度はハッキリと目に見えるほど頬を赤く染めた。さっきから
ずっと俺を見れないらしく、顔はずっと横を向いたままで、視線だけが時折チラチラとこ
ちらに動く。
『そ……それでしたら、明日は朝9時に穂野川駅に集合ですからね。いい? 分かってま
すの? これは仕事なのですから、遅れたら承知致しませんわよ』
 仕事、と念押しするように言う所がまるで言い訳みたいに聞こえて、俺は笑いたくなる
のを必死で堪えつつ頷いた。
「了解。まあ、仕事って言っても、私服でいいんだろ? 今時クールビズだとか言われて
る時代に、日曜にスーツでショッピングセンターなんて暑苦しいだけだしさ」
『それは…… 貴方の勝手になさい。ただ、今日みたいにだらけた格好で来たら承知致し
ませんわよ。それなりに、キチンとした格好で来なさい。宜しいですわね?』
「分かってるよ。まあ、せっかく神野さんと出掛けるわけだしね。精一杯の努力はするとするよ」
『だから、これは仕事だと言っておりますのに!! ちゃんと聞いていますの? 別府さ
んってば!!』
 しつこく繰り返す彼女を尻目に、明日のデートはどこにエスコートしようかと、早くも
その事で俺は頭が一杯になるのだった。


 そして次の日の朝。改札の前で精一杯のオシャレをして佇んでいた神野さんを見て、俺
は彼女に怒られながらも、頬が緩むのが抑えられないのだった。
493ほんわか名無しさん:2013/10/06(日) 16:25:42.31 0
お嬢かわゆす
494ほんわか名無しさん:2013/10/06(日) 21:07:14.10 0
山田が男装ツンデレボクっ娘だったという夢を見た
4951/5:2013/10/08(火) 23:10:25.08 0
・ツンデレから親を羨ましがられたら 〜前編〜

 もう毎度の事なので説明するのも何なのだが、先輩は暇を持て余すと僕の部屋に来てダ
ラダラゴロゴロと過ごす。ちなみに、最近熱中症だのが話題になったおかげで、僕の部屋
にも去年からエアコンが付いた。おかげで先輩の訪問率も高校時代と比べると格段にアッ
プしてしまったのは嬉しいというか迷惑と言うか。
『別府く〜ん。アイスゥ〜』
 甘い声でおねだりする先輩を無視して、僕は本を読み耽る。先輩の言う事をいちいち聞
いていたら、いくつ体があっても足りないのだ。
『別府君ってば〜っ!! 聞こえてないの? ねえ』
 だるそうながらも、先輩がちょっと声を荒げる。これ以上無視すると蹴りが飛んで来る
可能性があるので、僕は本に視線を向けたまま答えた。
「さっき冷たい麦茶出したばかりじゃないですか。余り冷えたものばかり飲み食いしてい
るとお腹に来ますよ?」
『たったグラス一杯の麦茶で、なに偉そうに言ってるのよ。そんなのおもてなしのうちに
入らないじゃない。最近別府君ってば、ちっともあたしが来ても客扱いしてくれないじゃ
ない。どういう事よ、これって』
 どういう事も何も、学校のある期間は週末になると、夏休みともなれば三日と空けずに
やって来る人にそうそう豪華なおもてなしは出来ない。ちなみに、先輩はグラス一杯の麦
茶と言ったが、これだってうちにある一番大きなグラスを事前に冷やしておいた上で、たっ
ぷり氷を入れたもので、麦茶も水出しじゃなくてちゃんと一度沸かしてから冷やしたもの
だ。これで文句を言われる筋合いはないと思うのだけど、先輩には通用しない。
「僕は先輩を心配して言っているんです。それに、甘い物ばかり食べているとまた体重が
増えますよ。特に先輩、夏休みに入ってだらける日が増えているんですから、カロリー摂
取には気をつけないと」
『嫌な事言うわね、アンタ。女の子に失礼だと思わないの?って、アンタは存在自体が失
礼か。いいもん。体重増えたら、また頑張って痩せるから』
4962/5:2013/10/08(火) 23:10:56.37 0
 ちなみに先輩の体重は、僕の見立てでは高校時代と比べて2キロ増と見た。元々はスレ
ンダーな体型なので、若干肉が付いても僕は気にしないのだが、それ以上に大騒ぎされる
のが堪らなく困る。
「今はまだいいかも知れませんけど、そのうち取り戻せなくなるくらい体重増えても知り
ませんからね。あと、今ウチにはアイスの在庫はありませんし、僕自身はそれほど食べた
く無いのに暑い中買いに行くのは正直、ゴメンですから」
『うわ。冷たい。アンタってホントに冷酷よね。一応あたしって年上で目上なんですけど。
もうちょっと年長の者を立てようっていう礼の心は無いものなのかしら』
 悪態を吐かれても、僕は頑なに拒絶してみせる。そもそもこの程度で折れているようで
は先輩のお相手は務まらないのだ。
「年長の人は年長の人らしく振舞って、初めて敬われると思いますけど。それに、年は一
つ上ですけど、今は同学年ですからね。椎水さん」
『うぐっ……!!』
 大学で使ってる呼び名で呼ぶと、先輩は渋い顔で枕に顔を埋めた。先輩にしてみると、
自分が一浪だというのはあまり指摘されたくない事なのだ。特に僕には。
『うるさいうるさいうるさい!! ああ、もういいわよ。この冷血人間が。じゃあせめて
麦茶のおかわりちょうだい。今はそれで我慢してあげるから』
 憮然として僕のベッドの上で寝返りを打って僕に背を向け、指だけを空のグラスの方に
向けて横暴に命令する。
「分かりました。まあ、麦茶でしたら体にはいいですからね。今、注いできますからちょっ
と待ってて下さい」
 本を置いて立ち上がりかけたその時だった。部屋をノックする音に先輩が即座に跳ね起きる。
『タカシ? ちょっといいかしら』
「母さん? いいよ、入っても」
 あたふたする先輩を尻目に、僕は廊下に声を掛ける。ドアが開き、母が顔を見せる。そ
れから先輩に視線をチラリと向けると、クッションの上にちょこんと座り、礼儀正しそう
な様子でペコリとお辞儀をした。
4973/5:2013/10/08(火) 23:11:27.70 0
『あ…… どうも……』
『あら? かなみちゃん。いいのよ、そんなに畏まらなくても。もっと楽にしてて』
 穏やかに笑う母に、はにかむような笑顔を見せる先輩。僕は内心で、つい数十秒前まで
はダレダレだったんだけどね、と呟く。
「で、何の用――って、それ?」
 用事を聞こうとして、すぐに答えが分かった。母は両手でお盆を持っていて、その上に
はメロンがふた切れ乗っかっていたからだ。さらには、僕の手間を省かんとばかりに麦茶
の入ったガラス製の水差しと氷も乗っている。
『そう。これ、お父さんの田舎から送って来たんだけど、すっごく甘くて美味しいのよ。
せっかくかなみちゃんも来てるんだから、是非食べてもらいたいと思って。はい、どうぞ』
 壁に立てかけてある折り畳みのテーブル――主に僕の部屋で先輩が課題をやったりする
時に使うもの――を出すと、母はその上にお盆を置いた。先輩がメロンを見て目を輝かせる。
『ありがとうございます。こんな美味しそうなメロンをご馳走になっちゃって……本当に
いいんですか?』
 さっきまでの我がまま大王はどこへやら、実に殊勝な態度で喜んでみせる先輩に、母も
嬉しそうに頷く。
『ええ。もう十分熟れてるから、早めに食べないと悪くなっちゃうし、家族三人で食べる
だけじゃもったいないから。遠慮なくどうぞ』
『すみません。それじゃあ、早速頂きます』
 丁寧に深々とお辞儀をしてから、先輩はスプーンを取る。僕が麦茶を注いでいる横で、
早速一口分を掬って口に運んだ。
『わ!? 本当に甘い。それに冷たくってみずみずしくて。美味しいです。ありがとうご
ざいます。こんなのご馳走になっちゃって、本当に申し訳ございません』
 先輩に喜んで貰えて、母も嬉しそうに頷き返す。
『もし良かったら、冷蔵庫にまだ半分残っているから、タカシに切ってもらって。私、こ
れからちょっとお友達と演劇を見に行く約束があって、出かけなくちゃならないから』
『いえ、そんな…… お構いなく。演劇ですか? いいですね』
 まるで興味深いように振舞っているが、先輩が演劇に興味があるなどとついぞ聞いた事が無い。
4984/5:2013/10/08(火) 23:11:59.25 0
『地元の劇団の人たちでね。定期的に公演してるんだけど、面白いのよ。たまにつてで、
有名な俳優さんもゲスト出演されたりね。もし興味があるんだった言ってね。チケット、
準備するから』
 多分先輩は、演劇を見に行っても途中で寝ると思う。
『あ、はい。お気遣いありがとうございます。機会がありましたら、是非』
 機会がありましたら、というのは日本人に独特の婉曲な断わり方だと思う。しかし、普
段の先輩なら絶対に使わないような言い回しだけに、僕の母の前でだけ見せるこの変化は、
実に見ていて楽しいと思う。
「それじゃあ、タカシ。お母さんは出掛けて来ますけど、くれぐれもかなみちゃんに失礼
が無いようにするのよ? 分かった?」
「正直、失礼があったらこんな風に頻繁に来ないと思うけどな」
 つい本音をぶちまけると、母に睨み付けられた。
『何言ってるの。女の子なんだから、貴方がそう思って無くても、失礼に当たる言葉を言っ
てたりすることがあるんだからね。くれぐれも気をつけなさいよ。貴方は口は軽いんだか
ら。分かった?』
 めっ、とまるで小学生の子供に言い聞かせるような態度の母親に、僕は仕方なく頷いた。
「分かったよ。ちゃんと先輩には失礼が無いようにするから」
 その答えに満足して微笑むと、母は立ち上がった。
『それじゃあタカシ。お母さん、夕食の支度には間に合うように帰って来るつもりだから、
それまでは宜しくね。出掛ける時はちゃんと鍵を掛けて。いいわね』
「母さん。さすがにそれは……小学生じゃないんだからさ」
『念には念を入れてっていう言葉もあるでしょ? いちいち口答えしないの。それじゃあ、
かなみちゃん。ごゆっくりね』
『あ、はい。ありがとうございます。おば様』
 笑顔で会釈をする先輩に微笑み返してから、母はいそいそと部屋から出て行った。その
足音が廊下から階段を下り、完全に聞こえなくなってから、先輩は深いため息をついて足を崩す。
4995/5:2013/10/08(火) 23:12:30.26 0
『あ〜っ…… 緊張したあ〜……』
 グラスを手に取って一気に麦茶を半分くらい飲み干し、先輩は天を仰いだ。
「先輩っていまだに、僕の母の前だとめちゃくちゃよそ行きの態度になりますよね」
 半ばからかい気味に指摘すると、先輩は不機嫌そうに僕を睨み付けた。
『当たり前でしょ? べっ……ううん。人の家の親だもの。みっともないところ見せられ
ないじゃない』
「まあ、さすがに直前のだらけた姿は女の子として以前に人としてどうかと思いますけど、
あまり極端に過ぎるのもどうかと思いますよ。いつボロが出るとも限らないんだし」
 今までは母がちゃんと気を遣ってノックしているから事なきを得ているが、いつうっか
り事故が起きるとも限らない。もっとも、ウチの母は笑顔で気にしないでくつろいでてい
いわよと言うと思うが、先輩の方が憤死しそうで心配だ。
『人としてどうかと思うってどういう意味よっ!! ホントにアンタってば、あたしの事
頭っからバカにする事ばかり言って。さっきおば様に言われたばかりじゃない。失礼の無
いようにしなさいよって』
 母が余計な事を言うから、先輩は傘に掛かって偉そうな態度を取る。それに僕は困った
気分で肩をすくめた。
「母さんは、先輩の事を可愛くて清楚で礼儀正しい女の子だって思ってますからね。普段
の先輩の姿なんて全く知らないからそういう事を言うんですよ」
『ホントに? ホントにそう思ってくれてるの?』


中編に続く
500ほんわか名無しさん:2013/10/10(木) 11:28:04.91 i
先輩久々
期待大
501ほんわか名無しさん:2013/10/10(木) 14:32:05.13 0
お題
つ・ツンデレに最近ミス多くね?って言ったら
502ほんわか名無しさん:2013/10/10(木) 16:00:18.85 0
>>499
gj
503ほんわか名無しさん:2013/10/10(木) 22:46:30.31 0
>>495-499の続き
6レスほど貰います
5041/6:2013/10/10(木) 22:47:01.69 0
・ツンデレから親を羨ましがられたら 〜中編〜

 後半の揶揄なんて聞かなかったかのように、思いの外先輩はがっついて聞き返してくる。
僕も先輩の態度をちょっと意外に思いつつ、気圧されるように頷いた。
「え、ええ。僕にはいつもそう言っていますから……」
 ちなみに、あんないい女の子なんて、アンタの器量で探してもなかなか見つからないん
だから、大切にしなさいよとまで言われている事はさすがに秘密である。いや、言ったら
言ったで面白いんだろうけど。先輩がうちの母の前で、どう彼女じゃ無い事を必死で説明
するかは見ものかも知れない。そんな事を考えている傍で、先輩は無邪気に有頂天になっ
ていた。
『そっかーっ!! 可愛くて清楚で礼儀正しいかー…… やっぱり、見る人が見ると分かっ
てるのよね〜 別府君、分かる? アンタ、そんな女の子を部屋に上げられるだけでも光
栄な事なのに、ぐちゃぐちゃ文句ばかり垂れるって、どれだけ礼儀知らずか。ちょっとは
反省しなさいよね』
 嬉しげにメロンを口にしてから、先輩はまた美味しいー、と上機嫌になる。僕もメロン
を食べつつ、先輩に反撃を試みる。
「だったら、せめて僕と二人きりの時でも、母の評価の半分の態度は取って下さいよ。清
楚で礼儀正しい女の子は、ベッドにだらしなく寝そべりながらアイス買って来い〜とか言
わないと思いますよ」
 ちなみに先輩は実際可愛いので、それは否定しない。僕の指摘に、先輩はまた不機嫌そ
うに頬を膨らませてみせた。
『うーっ!! そのくらいいいじゃない。アンタみたいなだめんずの所に女の子が遊びに
来てるっていうだけでも分不相応なのに。大体アンタって贅沢なのよ。あたしが遊びに来
てあげてるだけじゃなくて、お母さんまであんな綺麗で優しくてよく気が利いて親切な人
でさ。どれだけ恵まれてるのか理解して無いでしょ?』
 そう問われても、僕ははて、と首を傾げるしかない。自分の母親を褒めてくれるのはい
いとして、それを恵まれてると言われてもピンと来ないのだ。すると僕の態度に、先輩は
やっぱりと言った態度で頷く。
5052/6:2013/10/10(木) 22:47:35.19 0
『ほら。全然理解してないじゃない。いい? 世間一般の母親があんな優しくて穏やかな
人だと思ったら大間違いよ。全く、これだから困るのよね。温室育ちは』
 スプーンを振りつつ、呆れた口調で言ってから先輩はまたメロンを口に運ぶ。その掬う
量が多いものだから、汁が口の周りを汚してしまっている。
「ほら。垂れますよ、先輩」
 ティッシュを3枚ほど取って先輩に差し出すと、先輩は無言で僕のほうに顔を近付ける
と、僅かに顎をしゃくった。要するに拭いて欲しいと言う訳だ。いっそ、口で綺麗に舐め
取ってあげようかと思ったが、さすがにまだそんな雰囲気じゃないので、大人しくティッ
シュで口の周りの汚れを拭ってあげる。
「全く。幼稚園児ですか、先輩は」
 呆れつつも、甘えてくれるのは実は嬉しかったりする。そして、先輩のプッとむくれる
顔も可愛らしい。
『いーじゃない。手、汚れるのイヤだったんだもん』
 わがままを言う先輩に、もうちょっと仕返しをしてやりたいなと考えつつ、僕はさりげ
なく文句を言う。
「僕の手が汚れるのは構わないって言うんですね。ホント、先輩って自分さえ良ければい
いんだから」
 そして、先輩の口元を拭ったティッシュで、そのまま自分の口元を拭ってみせた。途端
に先輩が慌てた声を上げる。
『あーっ!! なっ……なっ……何してんのよっ!!』
 顔があからさまに真っ赤になってるのが実にいいなと思いつつ、僕はとぼけてティッシュ
を翳してみせる。
「何って、口元を拭いただけじゃないですか。何か問題でもありますか?」
『おっ……おっ……大ありよっ!! あるに決まってるじゃない。あたしの口を拭いたティッ
シュをそのまま使うなんて……しっ……信じられないっ……』
 考えどおりの態度を取ってくれたことに、僕は素知らぬ風を装いつつ、内心嬉しくて仕
方が無かった。本当に、先輩はどこまで純情なんだか。もう本当のキスだって体験済みな
のに、間接キス一つで動揺するんだから。
5063/6:2013/10/10(木) 22:48:06.35 0
「何も問題なんてないですよ。新しくティッシュ使うのももったいないですし。先輩のだっ
たら、僕は全然平気ですし。それとも、間接キスしたのが問題とか?」
 とうとう我慢出来ずにニヤニヤしてしまうと、先輩は氷入れから氷を一つ掴むと、その
まま僕に投げつけた。
「あいたっ!! 何するんですか、先輩。氷投げるなんて酷いですって」
 床に落ちた氷はさすがに使えないので、メロンの皿の上に置き、僕はまたティッシュを
取って濡れた床を拭く。
『うるさいっ!! イヤらしい顔してこの変態っ!! 何だってあの素敵なおば様からア
ンタみたいな欠陥品が出てくるのか信じられないわ!!』
 このままだと自分の不利が覆せないと思ったのか、先輩は僕を罵りつつ、話を元の方向
に戻してくる。まあ、十分先輩の可愛らしさは堪能出来たので、これ以上苛めるのも可哀
想だし、ここは先輩の意図に乗ってあげることにする。
「うーん…… 正直、何で先輩が僕の母親の事をそこまで褒めてくれるのか、むしろ僕の
方こそ納得出来ないんですけど。怒る時は怒るし、ごく普通の母親ですよ。強いて言えば
お酒がやたらと強いくらいで」
 うちの母は自分から進んで酒を飲むほど酒好きではないが、親戚の集まりなんかだと男
に負けないくらいの酒量を平気でこなす、いわゆる酒豪である。ちなみに二日酔いもほと
んど無いらしく、翌朝には普通に起きて朝食の準備を手伝ったりしている鉄の肝臓の持ち
主だ。おかげで、そのとばっちりが僕にまで回って来そうで今から戦々恐々としているわ
けだが、その他では僕が見るところ、特に変わった所はないように見える。しかし、先輩
の見立てでは全く違うようだった。
『何言ってるのよ。少なくとも40は超えてるはずなのに、10歳は若く見えるし、怒るって
いっても絶対怒鳴り散らしたりしないでしょ? 手を出したりしないでしょ? 優しく諭
すように言い聞かせてくれるだけじゃないの? ホント、羨ましいんだから』
「うーん……」
5074/6:2013/10/10(木) 22:48:37.66 0
 僕は首を捻った。確かに、僕は自分の母親の事は好きだけれど、他人から羨ましがられ
るほどに素敵な人物かどうかは疑問である。言われてみれば、世間一般でおばさんと呼ば
れているイメージよりはいいかもしれないけれど、最近は40代になってもスタイルが良く
て綺麗な人はいっぱいいるし、そういう人達と比較すれば、ウチの母親なんて特別にオシャ
レにお金を使っている訳でもない。
「それは、先輩がウチの母親のいい面しか見てないからじゃないですか? 俗に言う、隣
の芝生は青いっていうヤツですよ。そりゃあ、遊びに来ている息子の友達に失礼なんて出
来ないでしょうから、先輩の前に出る時はそれなりに身だしなみもキチンとしますし、笑
顔で優しく接するに決まってると思いますが」
 ついでに言えば、先輩だってそれは同じだ。そのせいで僕がいつだって苦労する訳だが、
先輩はそれを多分分かっていないと思う。
『そんな事ないわよ。ウチの親を見てごらんなさいってば。別府君が来てるって言うのに、
小言ばかりでさ。もう顔見ればお説教ばかりだし。別府君のお母さんと違ってすぐ感情的
になるしさ。今朝だってもうシャワー浴びた後のお風呂場がどうこうってうるさくって。
部屋なんてちょっとでも物おきっぱで出掛けると、ちゃんと片付けてから出掛けなさいっ
て。ちょっとくらいいいじゃない』
「先輩の場合は、放置するとそれがどんどん積み重なっていって、最終的には見事なゴミ
屋敷が完成しますからね。見て下さいよ、この部屋を。あれもこれも先輩が持って来たも
のとか出したものばかりで。これ、片付けるの全部僕なんですからね」
 ついでに言えば、去年だか一昨年だかの大掃除の時は、先輩の部屋の片付けまで手伝わ
されたっけ。先輩の要領悪さと言えば半端無い訳で、片付けようと出した物で却って部屋
が溢れ返るという始末になるのだ。
『そんなの当たり前でしょ? 何度も言うようだけど、あたしは客なの。アンタは主人。
だったら主人が片付けをするのは当然じゃない。そこに文句つける方がおかしいのよ』
5085/6:2013/10/10(木) 22:49:40.68 0
「そもそも、自分の部屋を汚すのが嫌だからって、わざわざ僕の部屋に来る人を客とは呼
びたくありません。女性ファッション誌だのゴシップ誌だのマンガだのって、最近じゃ捨
てるものは先輩の物の方が多くなっているんですからね。しかもいちいち確認しないとい
けませんし。本当に面倒なんですから」
5
『だから、自分の部屋だとちょっと出しっ放しにしただけですんごく怒られるんだって。
しかも、何かにつけて女の子なんだからだらしなくしない。ちゃんとしなさいって。だけ
ど、雑誌とかってすぐ溜まっちゃうのよね。使ったら物はすぐしまえって言うけどさ。本
棚なんてすぐいっぱいになっちゃうし』
「だからといって、人の部屋を物置がわりにするのは止めて下さい」
 僕は深くため息をついた。もうこのやり取りも何度続けているのだろうか分からなくな
る。ほぼ夫婦喧嘩の領域だ。すると先輩も、同じようにため息をついて体を後ろに半ば倒
すと手で支えて、天井を見上げた。
『あーあ。別府君のお母さんだったら、絶対頭ごなしに怒鳴ったりなんてしないと思うの
に。何かこう、やる気を起こさせるようなこと言ってさ。叱るんじゃなくて、ちゃんと言
い聞かせてくれると思うんだ』
 その推測は半ば当たっていた。ただそんなに優しくは無いが。僕が本当に自分が悪いと
納得するまで、延々とお説教が続くのはそれはそれでなかなかに辛いのだとは、今の先輩
に言っても理解出来ないだろう。
「僕なんか、悪い時はビシッと叱ってくれる親ってのはありがたいと思いますけど。先輩
の家族だって、お母さんも綺麗だし涼やかで物腰丁寧で素敵な人ですし、あと妹の美希ちゃ
んだって可愛くて素直じゃないですか。文句言ったらバチが当たると思いますけど」
 立場を変えると見方も変わるんですよ、と先輩を言い聞かせようと言ったつもりだった
が、先輩は体を起こすと露骨に変な顔をして見せた。
『は? アンタ何言ってんの。バカじゃない?』
 予想通りの対応に、僕はまっすぐに先輩の顔を見つめて反論した。
「バカじゃないですよ。僕はよその家の人間ですからね。僕から見ると、先輩の家族って
のはそう見えるって事です。逆に、先輩がウチの母親を変に持ち上げるのは、奇妙にしか
感じられません」
5096/6:2013/10/10(木) 22:50:59.17 0
 しかし、先輩は僕の言葉に露骨に反抗する顔を見せた。
『そんな事無いってば!! だって、別府君のお母さんがあたしの前で別府君の悪口言う
の聞いたことないもの。ウチの母親なんて、娘が迷惑かけてませんかとか、この間もこん
な事があってとか、別府君の前であたしの恥を曝け出すし、おまけに美希も余計な事付け
足すし。大体何でここに美希が出て来るのよ。関係ないじゃない』
 憤懣やるかたなく、先輩はテーブル越しに身を乗り出してガーッとまくしたてる。僕は
つい、身を引いて先輩の口から飛んで来る唾が顔に掛かるのを防ぎつつ、風が吹き止むの
を待った。
「その代わり、先輩が来るたびにキチンとお持て成ししなさいとか失礼のないようにとか
言われるじゃないですか。形は違うけど、客を立てる言葉なのは変わりありません。あと、
美希ちゃんを出したのは家族という面で見て、妹さんがいるのは羨ましいなって思ったか
らです。僕には兄弟がいませんからね」
 本当にそれは、僕が先輩に――というより兄弟がいる人みんなに対して思う気持ちだっ
た。一人っ子にもいい面は探せば色々とあると思うけど、そういう不都合な面も含めて、
兄弟っていいなと思うのだ。けれど先輩はそうは捉えなかった。
『嘘よ。美希のことを可愛くて素直って言った時、何か表情違かったもん。もしかしてア
ンタ、まさか美希が好きな訳?』
 その言葉に、僕はそっちに来たかと半ば呆れ、半ば嬉しくなった。つまり、先輩は嫉妬
している訳だが、たまに先輩の家を訪れる際に喜んで出迎えてくれる美希ちゃんと仲良さ
そうに話すのを常々快く思っていなかったのだろう。いや。だろうというか態度にも明ら
かだった訳だが。しかしここは焦って否定しても面白く無い。僕は笑顔で頷いた。
「ええ。好きですよ。可愛らしいしよく気が利くし、話も合いますから」
『だっ……ダメよっ!!』


後編に続く
5レス目に余計な数字が入ったのは気にしないで貰えるとありがたい
510ほんわか名無しさん:2013/10/11(金) 02:35:05.89 0
先輩可愛いなあww
511ほんわか名無しさん:2013/10/11(金) 04:43:11.17 0
続きはよはよ
512ほんわか名無しさん:2013/10/11(金) 04:44:53.29 0
ぐ、ぐうかわ…
513ほんわか名無しさん:2013/10/12(土) 09:14:03.62 0
>>504-509の続き
7レス貰います
5141/7:2013/10/12(土) 09:14:37.85 0
・ツンデレから親を羨ましがられたら 〜後編〜

 反射的に怒鳴る先輩に、僕はついついニヤついてしまう。それを咎められる前に、素早
く先輩に問い質す。
「ダメって、何がですか?」
 すると先輩は、一瞬言葉を失ってから、やや困惑した様子を見せつつも怒った顔はその
ままにたどたどしく答えを返す。
『そ、そんなの決まってるじゃない!! えーっと、その……美希なんてちょっとマセて
るけど、まだ16だし、男の事良く知らないっていうか…… だ、大体いくら小生意気でム
カつくからって、一応その……妹である以上、アンタみたいなクソ虫の手に掛ける訳には
行かないわよってこと。分かる?』
 何と言うか予想通りというかテンプレみたいな答えに、僕はやはりおかしくなってしま
う。何よりも彼氏いない歴イコール年齢の先輩が男の事云々を語るのは笑止千万だ。まあ
僕にしても、彼女いない歴年齢な訳だけど。
「クソ虫って言われても…… じゃあ、先輩はいいんですか? そんなクソ虫みたいな男
の家で無防備に寝転がってゴロンゴロンしていても」
 こう聞くと、たちどころに顔を真っ赤に染めて怒った顔をするのが先輩だ。
『あ……あたしは大丈夫だもん!! アンタには無防備に見えるかも知れないけど、ちゃ
んと警戒してるんだから。変な事したらぶっ飛ばすし!!』
 先輩はちょっと姿勢を正し、僕に向けて警戒するようなポーズを取る。一瞬、僕は本気
で迫ったらどうなるのか、先輩に向けて試してみたくなった。そんな変な空気が二人の間
に流れる。しかし同時に、この空気で先に進んでしまったら、何か後悔するようなそんな
気分にも囚われる。これは焦りだ。僕はそう判断して、この空気を打ち消す方向に舵を切
ることにした。たとえヘタレと呼ばれようとも。
「安心して下さい。僕はクソ虫かもしれませんけど、その上臆病者でもあるんで、女の子
に抵抗されてまで変な事をするほどの度胸はありませんから」
 ニッコリ笑うと、先輩の体から力が抜けるのが感じられた。その顔に安堵と同時に期待
外れの色が見えたように感じたのは、さすがにちょっと自惚れが過ぎると言うべきなのだろうか。
5152/6:2013/10/12(土) 09:15:42.88 0
『まーね。アンタってば、どういう訳か、高校の時からやたらと女子ばっか周りにいるク
セに、浮いた噂一つなかったし。ヘタレじゃなかったら今頃彼女の一人も作ってるだろうから』
 果たして先輩は、傍から見れば自分が一番、僕の彼女候補になるという事はちゃんと理
解してくれているのだろうか? もしかして、自分の事は敢えて勘定から外しているのか
も知れない。それに触れれば、不利になるのは自分なのだと自覚して。
「まあ、その辺はなかなか難しいですし。でも、好きって言えば、美希ちゃんだけじゃな
くて、みんな好きですよ。大学のサークル仲間も高校の頃の部活の仲間も」
 当たり障りのない言葉で話を落とそうとすると、先輩は呆れた様子でため息をついた。
『要するに、アンタの好きって軽いのよね。だからうわべだけの付き合いしか出来ないの
よ。美希にしたってさ。アイツ、外面は良いから礼儀正しくしてるけど、実際姉妹でやっ
てると最悪よ。妹のクセして小言ばかりだし。まるでお母さんが乗り移ったみたいに』
「それは先輩の生活態度に問題があるから言われるんじゃ無いですか? こうして見てい
るだけでも、至極まっとうなように思えますけど」
 ポロッと本音を言ってしまったら、先輩に思いっきり睨まれた。
『違うわよっ!! 別府君の部屋だから遠慮なく散らかしてるけど、自分の家だとちゃん
としてるもん。なのに、洗面台使った後がビショビショで汚いとか、音楽の音がうるさす
ぎとか、女の子なんだからいい加減簡単な料理の一つも作れとか、服装がだらしないとか、
いちいちいちいち細かい事まで文句言ってきてさ。一体どれだけあたしの悪いトコばかり
見てるんだっていうくらいで、本当にウンザリなんだから』
 ちなみに美希ちゃんと僕は初めて会った時からメアド交換し合った仲なので、先輩のそ
ういう話も多少は伝え聞いている。先輩の昼寝写真とか送って来て、もうちょっと女子ら
しくして欲しいのにーo(`ω´*)oプンスカプンスカ!!、なんてのを見てついつい笑ってしまった
ものだが。
「美希ちゃんは美希ちゃんなりに、妹としてお姉ちゃんに女子力を磨いて欲しくて言って
るんじゃないんですか? 姉妹だから遠慮なく物が言えるって良い事だと思いますけどね」
5163/6:2013/10/12(土) 09:16:24.63 0
 ちょっと美希ちゃん側に立った発言をすると、先輩は更に不機嫌さを加速させた。メロ
ンの最後のひと掬いを口に入れると、些か乱暴にスプーンを置く。
『アンタは実際に言われる立場じゃないから分かんないのよ。どんっだけうっとうしいか。
全く、他人事だと思って勝手なことばかり言ってさ。頭来るわ』
 先輩の言っている事は良く分かるけれど、先輩が叱らないウチの母親が羨ましいのと同
じように、僕も兄弟のいる暮らしが羨ましかった。そんな気分から、特に考えもなく思い
付きを口にする。
「確かに、僕には口うるさい妹を持った事はありませんからね。むしろ、いっそ美希ちゃ
んを妹に出来れば、それはそれで楽しいのかも知れませんけど」
『へっ……?』
 先輩が唐突に驚いた声を上げて僕を見つめた。何か変な事を言っただろうかと不思議に
思いつつ、訝しげに先輩に問い掛けてみる。
「先輩、どうかしたんですか? 急に変な声出して」
 しばらくボーッと僕を見ていた先輩は、その声にハッと気が付いたようにピクリと体を
震わせ、それからもう一度僕をまじまじと見つめてから、首を振って視線を宙に彷徨わせる。
『そ……それって、一体どういう……意味よ?』
「はい? いえ。意味って言っても、言葉通り、美希ちゃんを妹にするのもいいかな、なんて」
 先輩が何を戸惑っているのか分からずに答えると、唐突に怒鳴られた。
『だっ……ダメよそんなのっ!!』
「は……?」
 僕としては例え話で言ったつもりだったので、何を先輩がムキになってそんな風に否定
するのかが分からなかった。キョトンとして先輩を見つめていると、何故だか先輩はしど
ろもどろになりながら話を続ける。
『い、いやその……ダメっていうか……ダメじゃないって言うか…… と、とにかくそう
いう言い方でって言うのはさ。その……どうかと思うんだけど……ていうか、まさか本気
で言ってる訳じゃ……ない、わよね?』
 チラチラと僕を見たり視線を逸らしたり。何をそんなに困惑しているのか分からず、僕
は首を傾げる。
「いや。まあ、例え話っていうか、妄想的な範囲での話ですけど……」
『も、妄想……そうよね。妄想だったら……』
 一瞬納得しかけたかと思ったら、先輩は不意に怒り出した。
5174/6:2013/10/12(土) 09:16:55.94 0
『って、妄想だからって、変な話しないでよっ!! しかも本人の前でっ!!』
 そう言われても、僕はどう返せばいいか分からなかった。先輩は時々理解不能な行動や
言動をするから困る。まあ、そこも可愛いところではあるのだが。
「本人の前でってのはよく意味が分かりませんけど、そんな変な話ですか? 先輩にしたっ
て、僕の母が羨ましいって思うんでしょう? だったら、ウチの母の娘だったらって、想
像したりしませんか?」
 すると先輩は、ビックリした顔で僕を見つめた。
『その……あたしが、別府君のお母さんの義娘(むすめ)……に?』
「ええ。今は先輩は僕のか……友達だって思われてますから、それなりに持て成して貰っ
てますけど、実際に娘だとしたらって妄想してみるのも面白いかと思いますけど」
 鸚鵡返しの先輩に、頷いて勧めてみる。すると先輩は、しばらくホケッと呆けたように
少し口を開けて考えてから、ハッと僕の視線に気付き、慌てて首を振った。
『ダダダ……ダメよそんなのっ!! ううん。ダメって言うか無理!! そ、そんな事今
じゃまだ考えられないって言うか……とにかく、そんなの無理だから!!』
 何をそんなに激しく否定するのか、僕にはやっぱり理解出来ない。
「うーん…… そうですか。そういう想像をするのも、ちょっと楽しいと思うんですけどね」
 僕自身は色んなシチュエーションを妄想するのが好きだからなのかもしれないが、先輩
にはどういう訳か、抵抗感の方が強かったらしい。いや。そんな風に拒否反応を示すもの
なのだろうかと疑問にも思うが、先輩は断固として否定の立場を貫いていた。
『楽しくない!! ていうかそもそもあり得ないし!! 大体、例え話だからって、そん
な回りくどい言い方でそういう事言うアンタの頭がおかしいっての!!』
 そうなのだろうか? 先輩は一体何を考えてそんな事を言っているのだろうか? とり
あえず、先輩の言葉の中で同意出来る言葉だけを拾い上げて、ここは話を収拾させようと
僕は考えた。
「まあ、あり得ないと言えば確かにその通りなんですけどね。この年になって、人の家の
養子になるとかしないといけない訳ですし。ちょっと言ってみただけですから、気を悪く
したなら申し訳ないです」
5185/6:2013/10/12(土) 09:43:01.19 0
 謝罪をすれば丸く収まるかと思ったのに、先輩はまた、キョトンとした顔で僕を見つめ
て、鸚鵡返しに僕の言葉を拾い上げた。
『へ……? 養子? 養子って……』
 何か意味が掴めていない様な先輩に首を傾げつつ、僕は当然のことのように頷いた。
「ええ。だって、仮に僕が美希ちゃんを妹にするとしたら先輩の家に養子になるしかない
ですけど、まああり得ない話ですよねって。だから単なる妄想レベルの話なんですけど……
先輩、どうかしました?」
 呆然とする先輩に問い掛けると、先輩の体がみるみるうちに火照り出すのが見るからに
分かった。同時に、顔が怒りに満ちる。
『うるさい!! この……バカアアアアッ!!』
「ちょ、ちょっと待って下さい!! 何でこれで怒り出すんですか? ていうか、さっき
から先輩の態度が全然分からないんですけど」
 我慢し切れずに先輩が何を思ってるのか聞いてみたが、返事の代わりにクッションが飛
んで来た。
『知らなくていいわよっ!! あああ……もうっ!! こんなんだからアンタはダメなの
よ!! 死ね!! 死ね!!』
 悪口雑言と共に、今度は枕が飛んで来た。それから先輩は僕のベッドに倒れ伏すと、そ
のまま布団に顔を埋めて呻いた。
『あああああ…… もう……バカ過ぎる…… ほっといてよ、もうっ……』
 一体何をそんなに動揺しているのか、僕にはさっぱり分からなかった。結局疑問は解け
ず、その日は先輩をそっとしておく事しか出来なかった。
5196/6:2013/10/12(土) 09:44:45.55 0
 そして、僕が先輩の不可解な態度に気付いたのは、先輩が帰った後。風呂に入っている
時だった。
「そっか…… 先輩にとって、僕が美希ちゃんの義兄になるとかって言うのは……」
 気付いてみれば簡単な事だった。僕にとって、それは単純な家族になるというのとはちょっ
と違っていたので、想像の枠に入っていなかったのだが、先輩にとってはどうやらそっち
しか思い浮かばなかったらしい。それにしても、美希ちゃんを妹にしたいと言った途端、
そんな妄想をするということは、もしかして普段からそんな事を考えていたりもするのだ
ろうか? いやいやまさかと思いつつも、都合のいい考えばかりが頭を占めてしまう。先
輩がいるうちに気付いておけば、もっといろいろと楽しめたのに、と半ば後悔しつつ、僕
は一人風呂で気持ち悪くニヤニヤし続けたのだった。


終わり
レス数数え間違いスマン(´・ω・)
520ほんわか名無しさん:2013/10/12(土) 15:45:22.48 0
先輩がちょおかわいい
521ほんわか名無しさん:2013/10/12(土) 19:52:14.63 0
ツンデレと勝負するじゃん?
ケツの毛まで抜かれるじゃん?
借金踏み倒せないように常に隣にいるようになるじゃん?
いつの間にかツンデレと結婚してるじゃん?
試合に負けて勝負に勝ってるじゃん
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2785.jpg
522ほんわか名無しさん:2013/10/12(土) 20:56:48.13 0
よし。じゃあかなみさんと勝負だ
523ほんわか名無しさん:2013/10/13(日) 12:46:19.54 0
ツンデレさんと一緒に趣味を楽しみたい
普通に誘うのが恥ずかしいツンデレさんがなんだかんだ趣味に絡めてデートに誘ってきて可愛い
524ほんわか名無しさん:2013/10/13(日) 19:04:04.07 0
友ちゃんぺろぺろ
525ほんわか名無しさん:2013/10/14(月) 12:17:48.89 0
>>494を自分なりに妄想してみたら7レス分の分量になったが、とりあえず落っことしとく
5261/7:2013/10/14(月) 12:18:20.41 0
・山田が実はボクっ娘ツンデレだったという夢を見た友ちゃん

「うー…… もう、びしょ濡れだよ……」
『いやー。まいったわ。いきなり夕立に遭うとか……』
「ちゃんと天気予報で言ってたってば。友ちゃんのせいだからね。いっつも特ダネがある
と、後先考えずに追い回すんだから」
『だーって、スクープは生ものなんだから新鮮なうちに掴んで記事にしないと腐っちゃう
んだから。大体、ウチの学校でもベスト5に入る美人で、しかも生徒会長の恋愛スクープ
よ? 見逃す訳に行かないでしょ』
「でも、結局巻かれた上にこんな雨にまで降られちゃって。付き合わされる僕の身にもなっ
てよ。もう」
『うっさいわね。山田のクセに文句言うな。アンタはあたしの下僕なんだから、大人しく
後に従って付いて来ればいいの――くしゅっ!!』
「友ちゃん。寒いの?」
『平気よ別にこれくらい。ちょっと鼻がムズムズしただけで……は、は……はっくしゅっ!!』
「もう。強がりばっかり。やっぱり寒いんじゃんか。ほら、これ着て」
『いーわよ。山田のブレザーなんて。しかも濡れてるし』
「中までは濡れてないから大丈夫。強がってて風邪引いても、お見舞いに来てあげないよ」
『何、山田のクセに偉そうなこと言ってんのよ。もしあたしが風邪引いたら、付きっ切り
で看病させるんだからね』
「そんなのゴメンだってば。だから、ほら。早く着て。強がってないでさ」
『しょーがないな、もう。山田菌が移っちゃうかもしれないのに』
「何だよ!! その山田菌って。失礼だなあ、もう。人が親切にしてあげたんだから、ちゃ
んとお礼くらい言ってよ」
『じょーだん言わないでよ。山田にお礼なんて。てか、何でアンタ胸なんて隠してんのよ』
「へ……? こ、これは濡れちゃったから……って、こっち見ないでよ友ちゃん。向こう
向いてて」
5272/7:2013/10/14(月) 12:18:51.91 0
『女の子みたいなこと言うな。男なら多少服が透けたくらいで堂々としてなさいよ。ほら』
「わわっ!? や、止めて友ちゃん――きゃっ!!」
『へ……山田。アンタ、その胸……』
「…………………」
『今、確かに膨らみがあったわよね? ちょっとだけど……』
「ダメ…… ダメだよ、友ちゃん。言わないでよ……」
『だ、だって。こんなの男には無いはずじゃない。何でアンタ、胸が膨らんでんのよ?』
「……ゴメン友ちゃん…… 今までずっと、男の子として生活してたけど……僕、実は……
女の子……だったんだ……」


 ガターンッ!!
『……………………』
[ちょっと、友子。何の音よ、今の。すごい音がしたけれど]
『…………あん? おかー……さん?』
[まあっ!! お母さん、じゃ無いわよ。椅子ごとひっくり返って何やってるの。おまけ
に逆さのまんま、スカートもおっぴろげて。いい年頃の娘が何て格好してるのっ!!]
『……いーじゃん。スパッツ履いてるんだし……それに、誰に見られるものでもないし……』
[誰に見られるとか、そういう問題じゃないのっ!! 普段からちゃんと女の子らしい振
る舞いしてないと、いざ人前でも同じ様な事やらかすんだからねっ!!]
『うるさいなあ、もう…… 起きればいいんでしょ? 起きれば』
[全くもうこの子ったら……帰って来たら来たで、ずっとパソコンの前にばかり座って。
もう少し女の子らしくしないと、そのうち山田君にも愛想尽かされるわよ]
『何でアイツが出てくんのよっ!! あんなの、単なる部活仲間じゃない。もういいから行って!!』
「ハァ…… 全く、どこで育て方間違ったら、こんな粗忽な女の子が出来上がったのか。
私は不思議でしょうがないわよ。もう……」
5283/7:2013/10/14(月) 12:19:24.07 0
『全く、お母さんってば…… そっか。パソコンで今日撮った写真を元に記事に起こそう
として……そのまま寝落ちしちゃったのか……てことは、夢かあ……』
『でも……何か、妙にリアルな展開の夢だったな……』


 ドジャアアアアア……
「友ちゃん、こっちこっち。この軒先なら雨宿り出来るよ」
『ちょっと山田。こら、先行くなっての!! もう!!』
「うわ、すごい。びしょ濡れになっちゃったよ。友ちゃん、大丈夫?」
『見れば分かるでしょ。大丈夫な訳ないじゃない。聞かなくても分かる事、いちいち聞くな!!』
「そんな怒らなくても…… 大体友ちゃんが悪いんだからね。天気予報じゃ午後は不安定
な天気になるって言ってるのに、何の準備もせずに飛び出しちゃうから……」
『だって、あの美人生徒会長の密会スクープよ? 学祭も運営委員だからって出てなかっ
たけど、出ればミスコン1位は間違いなしっていう。これを逃す訳には行かないでしょ?』
「だからってせめて雨具くらいは準備しとこうよ。友ちゃんってば、デジカメとレコーダー
だけ持って飛び出しちゃうんだから」
『うるさいわねっ!! そんなに言うならアンタが準備しとけば良かったじゃない。男だっ
たらあたしに傘を差し掛ける程度の甲斐性くらい持ってなさいよ』
「だって、友ちゃんがいきなり連れ出しちゃうから何の準備も出来なかったんだよ。僕を
引っ張り出した時なんて理由も説明してくれなかったし何処に連れてかれるのかも分かん
なかったんだから、仕方ないじゃん」
『(……あれ? 何だろこの展開……昨日見た夢と同じような……)』
『うっさいわねっ!! いちいち文句ばっかり言って。男のクセに女々しいんじゃ……ハッ……
ハ……クションッ!!』
「大丈夫? 友ちゃん。びしょ濡れで寒くない?」
5294/7:2013/10/14(月) 12:19:55.25 0
『何よ。あたしに文句言われたからってわざとらしく心配なんかしてるフリして。わざと
らしい。アンタなんかに心配されなくたってあたしは別にへい……クシュンッ!! ハーッ……
クシュッ!!』
「ほら。盛大なくしゃみして。女の子なんだからさ。もうちょっと体を労わらないと」
『うるっさいわね。それよりこっちをジロジロ見ないでよ。どーせ、服が透けてるとか、
体に張り付いて線が浮かんでエロいとかそんな事しか考えて無いんでしょ』
「違うってば。心配してみてるだけだよ。それより、ほら。これ、着て」
『な……何よ。上着なんて差し出して。アンタのだって濡れてるじゃない。意味無いわよ』
「友ちゃんと違って僕は夢中になってスクープ追い回してなかったからね。中までは染み
込んでないし、まだこっちの方が暖かいと思うよ。濡れたブレザーは僕が持っておくから
さ。それとも、やせ我慢して風邪引く?」
『き……着るわよっ!! こっち見ないでよ? ワイシャツも濡れちゃってるんだから』
「分かってるよ。着替え終わったら教えてよね」
『(……ますます同じ展開だわ……まさか……正夢……なんてこと、無いわよね……?)』
『(あり得ないわよ。山田がそんな……でも、まるであたしの体に興味ないみたいな態度取っ
てたし……男だったらそれはそれでムカつくけど……でも、もし……もし……だったとし
たら……)』
「友ちゃんまだ? やけに時間掛かってない?」
『ま、待ちなさいよ。濡れた制服から雫払ってただけだから』
『(……そんな訳、ないわよね。そんな訳……)』
「友ちゃん?」
『急かすなっ!! いいわよ、もう。こっち向いても』
「終わった? どう? 僕のブレザーの方がまだマシでしょ? ちょっと大きいだろうけどさ」
『……山田』
「何? 友ちゃん。ど……どうしたの? 何か顔が真剣なんだけど…… 何かあった?」
『ちょっとさ。確かめたい事があるんだけど……いい?』
5305/7:2013/10/14(月) 12:20:45.15 0
「へ……? 確かめたいって、何を? い、言っとくけど僕は別に友ちゃんにやましい事
なんて何も無いからね」
『そーじゃなくって!! いいから、ちょっとジッとしてて。絶対に動かないで』
「な、何その前フリ? もしかして変なイタズラとかするんじゃないよね? 僕、痛いの
とかヤダよ?」
『確かめたい事があるって言ってんでしょ!! ごちゃごちゃ言ってないでアンタはただ、
ハイって言えばいいの!!』
「拒否権無しだよ。ううう……」
『あー、もうっ!! いいから大人しくしてるっ!!』
 ペタッ!!
「と……友ちゃん?」
 グニグニ、グニグニ
「あの……何してんの……?」
『うん……胸はない……か。でも、中にはほぼ平らな女子もいるからなあ……』
「いや、友ちゃん。一人でぶつぶつ呟いてるけどさ。全く意味分かんないんだけど……」
『うるさい。黙ってなさいよね。でも……あと、確かめるには、アソコしか……』
「黙っててって言われてもそんな…… 一体何を確かめてるのかくらい教えてくれたって……」
『山田』
「な、何? 友ちゃん」
『そのまま絶対ジッとしてて。動いたら殺す。あと、目もつぶって。あたしの確認が終わ
るまで開けちゃダメだからね』
「待ってよ? 僕何されるの?」
『痛い事とか死ぬような事とかじゃないから安心してなさいっ!! い、一瞬で済むから……
だから、言う通りにしなさいよね』
「もう…… 終わったら、ちゃんと理由聞かせてよね。友ちゃんってば、いっつも大体こ
うなんだからさ」
『話す気になったら話すから。早く目をつぶって』
「わ、分かったよ。こうでいいよね?」
5316/7:2013/10/14(月) 12:21:29.92 0
『薄目開けたりしてないわよね? じゃあそのまま動かないでね』
『(……マジでやるのかあたしは? でもやらない事には確信が…… ふ、服の上からだか
ら、問題ないわよね? そうよ。単に衣服に触れるだけだもん……)』
『スー……ハー……』
『(大丈夫。ちょっと確認するだけだから問題ないし別にそういう行為がしたいわけじゃな
いし服の上からだし一瞬だし……よしっ!!)』
『……………………えいっ!!』
 グニッ!!
「ひゃああっ!?」
『にゃっ!?』
 パッ!!
『や……あ……あった……確かに……アレ……が……』
「ととととと……友ちゃん!?」
『……へ?』
「い、いきなり何すんの? あの……一体何を考えて……」
『ちちちちち、違うわよっ!! こんな事したいんじゃなくってでもどうしても確かめた
かったっていうかその……も、元はと言えばアンタが女の子みたいに女々しいのが悪いのっ!!
だからあんな夢見ちゃったんじゃないっ!!』
「え……? 夢って、どんな……?」
『ア、ア、ア……アンタが、その……実は女の子だったっていう……そんな変な夢よ!!
何かすっごい強烈な印象の夢で…… だからその、もしかしたらって思っちゃったら、確
かめない訳には行かなくなっちゃって…… だから、変な考えとか何にも無いんだからっ!!』
「それで……僕の、その……アレを、グニッと?」
『言うなあっ!! 今は結構後悔してんだからっ!!』
「まあその……友ちゃんの言い分は分かったから、安心して。で、僕が正真正銘の立派な
男子だってのは納得いって貰えたかな?」
『立派なってのはともかく、男だってのは分かったわよ…… もう、十分だわ』
「でもさ。友ちゃんはもし僕が女の子だったら、どうするつもりだったの?」
5327/7:2013/10/14(月) 12:22:48.36 0
『……へ?』
「だって、確かめたかったんでしょ? だったらさ。僕が女の子だったら実際どうだった
のかなって思って。それくらい聞いたっていいでしょ?」
『……それは、まあ…………困ったわよ……』
「困るの? 何で?」
『何でって、そりゃあ、その……ア、アンタを取材だの撮影だのってこき使えなくなるじゃ
ない。女の子だったら色々気を遣わなくちゃいけないし。だ、だから困るってだけよ!!』
「本当に? 本当にそれだけなのかな?」
『それだけに決まってるでしょっ!! 何よアンタ。やけに生意気じゃない。山田のクセ
にあたしを追及しようなんて百万年早いわよ』
「だって何かムキになるところが怪しいし。でも、友ちゃんが言うなら僕は信じるよ。僕
はいつだって友ちゃんの味方だからね」
『フン!! アンタにそんな事言われても嬉しくも何ともないんだからっ!!』


『(何かフニッ、てして……グニュッ、てして……あああ、ヤダ、もう。今度はあの感触が
忘れられないいいいいっ!!)』


終わり
たまにはこういうのも
533ほんわか名無しさん:2013/10/14(月) 15:52:00.40 0
おとめだなぁ
534ほんわか名無しさん:2013/10/14(月) 19:29:46.75 0
山田かわいい!!

…あれ?
535ほんわか名無しさん:2013/10/14(月) 20:12:55.13 0
玉鷲掴みとかご褒美ですねぇ
536ほんわか名無しさん:2013/10/15(火) 01:18:12.76 0
あんなにフニフニだったのに!あんなにフニフニだったのにぃぃぃ!!!!
5371/4:2013/10/16(水) 23:03:27.55 0
・風の強い日にツンデレとお出掛けしたら 〜前編〜

 ビュウウッ!!
『きゃあっ!!』
 突風に、彼女は顔を腕で庇いつつその場に立ち止まる。しばし、風が収まるまで待って
から、彼は心配そうな顔で彼女を見つめた。
「大丈夫? 委員長」
 気遣う彼を無視するかのように、彼女は体を真っ直ぐに伸ばすと風で乱れた長い髪を手
で払いつつ手櫛で梳いて整える。
『別にいちいち心配するほどの事じゃないわよ。それにしても鬱陶しいわね。この風』
 どこをともなく不機嫌そうに睨み付けて愚痴をこぼす彼女に、彼も同調して頷く。
「ホント、ウザッたいよな。もうちょっと弱ければ、この暑さを凌ぐのにちょうどいい風
なんだけど」
『他人事のように言ってるんじゃないわよ』
 今度は彼女の怒りの矛先が彼を向いた。振り向く彼に、彼女は怒りをぶちまける。
『一体誰のせいで、こんな強風の日に図書館に行く事になったのよ。貴方が世界史のレポー
トを書く資料を探すのに手伝って欲しいって私に頼んだからでしょう? そのせいで私ま
でこんな苦労を強いられているんじゃないの』
 この強風に勝るとも劣らぬ非難を浴びせかけられ、彼は片手で拝むようなポーズを取り
つつ、素直に謝罪した。
「ゴメン。天気予報じゃずっと晴天だったしさ。夕立はあっても、まさかこんなに風が吹
くなんて俺も思ってなかったから」
『でも、昨日の天気予報じゃどうだったのよ? さすがに前日なら何かしら予報あったん
じゃないの?』
 彼女の指摘に、彼は申し訳なさそうな顔で頭を掻いた。
「いや。天気予報っても、ネットで見ただけでさ。もう晴れマーク見てそれだけで安心し
てたから……」
 すると彼女は処置なしといった風に首を振った。
5382/4:2013/10/16(水) 23:04:01.32 0
『使えないわね、全く…… 別府君が誘った側なんでしょう? だったら、翌日の天気く
らいキチンと調べて、時には計画変更するくらいの柔軟性があっても良かったんじゃない
の? わぷっ!!』
 ちょうどしゃべっている最中に強い風がまともに正面から吹き、砂が口の中に入る感覚
に、彼女は慌てて腕で口を押さえる。すると、もう片方の手を彼が咄嗟に取った。
「とにかく、一時的に風を避けようぜ。こっちなら多分、少しはマシなはずだから」
 彼は、ちょうどビルとビルの狭間にある細い道へと彼女を誘った。ほんの二、三歩だけ
入ったところで彼女はパッと急いで彼の手から手を引き抜く。
『い……いちいち引かなくたって、声掛けてくれれば付いてくわよ』
「ゴメン。余裕なさそうだったからさ。つい…… 気を悪くしたなら謝るけど」
『いいわよ、別に。下心があった訳でもなさそうだし。でも、次からは出来る限りゴメン
だわ。心臓に悪いから』
 彼女は、握られていた手をもう片方の手で少しの間落ち着かなげに握りつつ、彼を睨み
付けて文句を言う。その頬が僅かに紅潮しているように彼に見えた。
「(もしかして、照れてる……とか? いや。まさかな。でも、委員長って男慣れはしてな
さそうだし、単純に男に手を握られたって事に動揺してるだけかも)」
 自分に都合の良い想像を頭の中で彼は即座に否定する。咄嗟のことだったとはいえ、今
になって彼も彼女の小さな手の感触を思い出して心臓をドキドキさせていた。
「えっと……で、どうする? もし委員長がその……イヤだって言うなら、今日は中止に
してもいいけど」
 その提案に、彼女は怒ったような顔つきで彼を睨み付けた。
『今更ここまで来させておいて中止も何もないでしょう? 今から帰ったってどうせ体な
んてベタベタに汚れてるもの。だったら、あと5分くらい我慢して歩くわよ。図書館に入
れば、しばらくは涼んでいられるもの』
「そっか。良かった。今日中止にしたらさ。委員長もなかなか予定組めないだろうし、そ
うしたら俺一人で参考資料を探さなくちゃならないところだったから」
5393/4:2013/10/16(水) 23:04:42.84 0
 そもそも、図書館に行くのが今日になったのは、お互いが親の実家から戻ってきて、彼
は部活動が、彼女は夏期講習が始まるまでに僅かしかスケジュールを合わせられなかった
からだ。中止にすれば、恐らくもう機会はない。
『そもそも、自分一人で資料も探せない別府君が情けないのよ。レポート提出なんて将来
大学に入れば当たり前のように出て来るのに。その時までさすがに私は面倒見切れないわよ』
 怒ったような態度を取る彼女に、彼は申し訳なさそうに拝んでみせる。
「まあ、その時までには何とかするさ。とりあえず、今回は委員長の助けを得て乗り切ろ
うかなって。それに、こういうのが得意な人と一緒にやればさ。コツも飲み込めると思うし」
『気軽に言ってくれるわね。別府君ってホント、楽観主義なんだから。世の中そうは上手
く行かないわよ。大体、私に頼んで受けてくれるって思ってるところがそもそもそんな感
じだし。世界史の先生がうちのクラス担任で、誰か一人でも夏休み明けにレポート提出を
怠ったら連帯責任で全員補修なんて言い出さなければ、貴方の手伝いなんてしないわよ』
 ぶつくさと文句を言いつつ、彼女は頭の中で自分の言葉に補足を付ける。
『(全く、クラスの親睦を深める為に苦手な人には得意な人が積極的に協力してあげなさい
とか意味分からないわよ。委員長だから、全員に確認取らないといけないし。でもまあ、
おかげでこうして別府君が私を頼って来てくれている訳だけど)』
 仕事が増えた事への恨み節と気になる男子との関係を取り持ってくれた事への感謝を、
彼女は同時に捧げる。幸いにして、他に頼ってくるクラスメートもいなかったから、こう
して二人だけの時間が持てたというのもあった。
「全く、担任だからってうちのクラスだけ変に特別扱いして課題増やしやがって。全く、
ムカつくよな」
 彼女の言葉に同調するように、彼も呆れて文句を言う。しかし、その言葉に彼女はつい
つい反撥心を覚えてしまった。
『文句言ったって仕方ないじゃない。これも知識を深める機会だと思えば頑張れるわよ』
 すると彼は、呆れたような顔で天を仰いだ。
5404/4:2013/10/16(水) 23:05:22.74 0
「やれやれ。さすが委員長、真面目だよなあ。俺なんてそもそも夏休みに課題なんていら
ないだろって思っちまうのに。どのみち模試だのなんだの、勉強する機会なんてたんまり
あるのにさ」
『それとこれとは別でしょ? 大体、中世ルネサンス期は何故あれだけの文化が花開いた
のか、その頃の欧州の世界情勢から考察せよなんてレポート、あの先生の趣味以外何物で
もないし。自分の好きな時代だから、テーマに取り上げたいだけなのよ。でも、だからこ
そ受験の為の勉強では得られない知識とかが吸収できるかもしれないし』
 話しながら彼女は、手に持つバッグからハンドタオルを取り出し、首を拭った。
「そんなもん、世界史とか苦手な俺にはちんぷんかんぷんだって。ローマ史もやたらマニ
アックな試験問題出して来てさ。全然点取れなかったんだぜ」
 無理無理、とばかりに手を振る彼を、彼女は汗を拭う手は止めず、呆れた顔つきで睨み付ける。
『むしろ興味を持って勉強すれば、点数が取れる問題ばかりじゃない。最初から諦めて、
選択問題の運任せで点を取ろうなんて思うから痛い目見るのよ。ちょっと待ってて。風の
無い場所に来たら、急に汗が吹き出てきちゃって……』
 説教しつつ、彼女は断りを入れてキャミソールの胸元を広げるとその中にタオルを突っ込む。
『もう……汗が胸元に溜まるのって、気持ち悪いのよね……』
 そんな彼女の仕草を、彼はドキドキしながら見守っていた。
「(制服姿の時ってあまり気にしなかったけど……委員長って、案外と胸、あるんだよな……)」
 ブラウスを羽織っているとはいえ、胸元の開いたキャミソールを着ていると、普段より
体型が強調されて見えるのか、制服の時よりも胸の膨らみが大きく見えた。さらに視線を
下に移していくと、ショートパンツから伸びた素足へと吸い込まれていく。適度に肉の付
いた白い太ももは、彼を興奮させるに十分な色っぽさを持っていた。
『ちょっと別府君。何見てるのよ?』
 視線を感じた彼女の問いに、彼はハッと我に返った。


中編に続く
541ほんわか名無しさん:2013/10/16(水) 23:21:47.22 0
エロいなぁ!GJ!
542ほんわか名無しさん:2013/10/17(木) 01:11:25.64 O
別府と委員長の話の続きまだー?(・∀・*)
5431/2:2013/10/17(木) 05:30:28.69 0
『べ、別府、ちゃんと居るよな?どこかへ行っていないだろうな?』
「はいはい、居ます居ます。こんな暗がりじゃ出口までいけないですよ」
15分ほど前におきた停電により、真っ暗になった事務所で繰り返される
不安そうな声で所在確認する上司、うんざりとばかりの声で返事する俺とのやり取り。

思い返せば、昨日のこと。
記録的な大型台風が迫る中、上司に告げられた
『明日は定時出社厳守。電車が止まっても来るように』
この言葉が始まりだった。
通勤時間のピークを狙い澄ましたかのように訪れる台風に対して、あまりにも無慈悲な言葉だ。
すぐさま反論の言葉が2、3個浮かんだが飲み込んだ。何を言っても聞いてはくれないだろう。
ご命令に従い、5時に起き、3時間かけて会社に行った。先に出社していた上司からねぎらいの言葉も
なく淡々と今日の予定についてアレコレと話された。
締め切った部屋の中でも聞こえる台風の音が一際大きくなったと思った瞬間、ブツンと音とともに
真っ暗な世界に飲み込まれた。

しばしの沈黙。そして、まるでか弱い少女のようなが今にも泣きそうになっているような声が聞こえた。
『やだやだやだやだ、怖い怖い怖い!!!!べべべべ、別府!助けて!!!』
理解するのに数秒要した。理解はしたが、にわかに信じられない。
あのクソ偉そうで、見た目は美人だが女性とは思えないガサツさ、さらに人の話を全く聞かない上司が
暗がりを怖がっている?俺に助けを求めている?
半信半疑のまま、ポケットからスマホを取り出し電源入れ、画面からあふれる明かりをそっと上司のほうへかざす。
そこには泣きべそをかいている上司の姿が。
上司も明りに気がついたのか、ばばっと駆け寄り俺に抱きついてきた。
いつもほのかに香る程度の香水の匂いが、強く頭の奥に突き刺さる。
「あ、あの・・・?」
『このまま!少しの間でいいからこのままでいて!』
またしばしの沈黙。それから、ゆっくりと体に巻きつかれていた物がはがれていく感じがした。
5442/3:2013/10/17(木) 05:32:39.52 0
『い、今のは・・・お、お前が怖がるかと思ってだな。べ、別に私は怖くはないぞ?』
今度はいつも通り・・・とはいかないのか、少し弱々しさが感じられる声で虚勢を張る上司。
何と言えば機嫌を損ねずに穏便に済ませられるか考えていると
『べ、別府?そこにいるのか?わ、私を一人にするんじゃない!返事しろ!』
口調はいつも通りだが、か弱い少女のような声がした。
「あ、居ます居ます、すいません」
慌てて返事をすると、安堵の溜息が聞こえた。
『こういう災害時は声を掛け合う事が大事なんだぞ?』
安心したのかいつもの調子に戻ってきたようだ。そうなると何だかちょっといたずら心が芽生えてくる。
俺はしばらく黙っていようと決めた。
やや間があって、上司が口を開く。
『こ、声掛けが大事なんだぞ?わかったか?』
『お、おい!わかったのか?』
『あ、あの・・・別府?居るんだろう?』
『別府?おい別府!ちょっと・・・やだ・・・一人にしないでよぉ・・・』
何だか今にも泣きそうな声になってきた。ムカツク上司だが、ちょっとかわいそうになったので
返事をすることにした。
「え?あ、すいません。暗かったのちょっとウトウトしてました」
『ひっく・・・ぐすっ・・・ばかぁぁぁ』
スマホの電源を入れるや否や、上司が飛び込むように抱きついてきた。
5453/3:2013/10/17(木) 05:33:38.58 0
「あ、あの・・・」
『こんどへんじしなかった、しょーちしないんだから!』
子供が怒るような言い方。なんだか上司のイメージがガラッと変わり、可愛らしいな・・・と不覚にも思ってしまった。
その後、抱きつくのはやめたようだが、頻繁に『居るか?』「居ます」のやり取りが行われた。
そんなに気になるなら抱きついたままいればいいのに・・・と思ったりもしたが。

ようやく電気が復旧し、あかりがパッと灯るとお互い目と鼻の先にいる。
先ほどのやり取りを思い出したのか、上司は少し顔を赤くしながら自分の席に戻り、うつむいていた。
いつも馬鹿にしている部下に頼ってしまったのが恥ずかしかったのだろう。
俺はと言えば、意外な一面を目にしてから親近感がわいたというか、以前ほど怒られても腹が立たなくなった。
とはいえ、台風が来るたびに『ちゃんと定時出社するのだぞ?』と俺にだけ要求されるのは納得いかない。
怖いのなら少しでも人が大いに越したことはないのに。
546ほんわか名無しさん:2013/10/17(木) 07:07:25.03 0
>>545
怖がりな上司可愛いwww


台風の時に周りが遅刻や早退を勧められるのに男だけが最低定時厳守を言い渡されるのが、
上司は役目上会社に待機してなくちゃいけないんだけど、ぼっちは怖いからだったりしたら萌ゆるwww
547ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 04:32:11.54 O
>>545
上司かわえええ
社畜は勘弁だけど上司畜になりそうだ
548ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 12:02:10.20 0
>>537-540の続き
中編行きます
5491/4:2013/10/19(土) 12:02:53.74 0
・風の強い日にツンデレとお出掛けしたら 〜中編〜

 彼の顔を彼女の視線がしっかりと捉えている。自分が何を考えていたかなんて、バレた
ら絶対に怒られるだろうと、彼は慌ててごまかす事を選択した。
「いや、その……ちょっとボーっとしてただけで、何見てたって訳じゃ…… き、気になっ
たならゴメン!!」
 慌てて彼女に背を向けたことで、却って彼女に何を見ていたのか気づかせる事になって
しまった。
『どーせ、私の胸とか下半身見てたんでしょ。このスケベ!!』
 図星を突かれて、彼はグウッと小さく唸ったが、あまり否定するとそれもまた失礼かと、
頭を掻きつつ振り返ると、片手で拝んで頭を下げた。
「いやその……申し訳ない。だってさ。学校のスカートだって膝上ギリギリまで長くして
る委員長がさ。なんかその……今日、ちょっと露出の高い格好してるもんだからさ。その、
ギャップに見惚れてたっていうか…… いやまあ、スケベだって言われても、それも否定
出来ないんだけどさ……」
 平謝りの彼に、彼女は怒ったように鼻を鳴らした。
『露出の高い服ったって…… 私は別に別府君に観賞させるためにこんな格好して来てる
訳じゃなくて、暑いから薄着を選んだだけなんだからね。許可なくジロジロ見つめるんじゃ
ないの。いいわね?』
「はい……」
 うな垂れつつ、彼は首を捻った。
「(許可なくって…… 許可取れば見てもいいって事なのかよ。いや。多分言葉のアヤなん
だろうな……)」
 ダメに決まってるじゃない。別府君のバカって怒鳴りつけられる声が容易に想像出来て、
彼は小さくため息をつく。
5502/4:2013/10/19(土) 12:03:25.05 0
『まあ、別府君がどうしようもない人だってのは知ってるから、私にも原因が無いって訳
じゃないし、今回はこれで不問にしておいてあげる。けど、次やったら許さないからね』
 落ち込む様子の彼に、最後にもう一刺し釘を刺しておいて、彼女は汚れたタオルを小さ
な袋に入れてバッグに戻す。そしてホッとため息をついた。
『(良かった…… 別府君が注目してくれて…… でないと、一生懸命頑張って服を選んだ
意味、無くなっちゃうし……)』
 まさか、今日の図書館デートの為に一生懸命に服を選んだなんて、彼に死んでもバレる
訳には行かなかった。唯一の誤算は、風でミニスカートが履けなかった事だが、ショート
パンツはこれはこれで、彼にギャップ的な意味で好感を持って迎えられたようだった。そ
れに満足すると、彼女はクルリと彼に向き直る。
『お待たせ。それじゃあ行きましょ? 早く行って、ちょっと冷たいものでも飲みたいから』
 市の図書館は最近改装して、読書室が新たに自販機を置いたレストルームになった。も
ちろん図書館だから気ままにお喋りする訳には行かないが、なかなかにオシャレな感じに
なったその部屋は、資料を見ながらの打ち合わせとか勉強には最適である。
「そうだな。今日の飲み物くらいはご馳走するよ。終わってからお礼もしたいし」
 彼の誘いに、彼女は当然とばかりに頷いた。
『当たり前よ。こんな事、多少の報酬でもなくちゃやってられないわよ――きゃっ!?』
 大通りに出た途端、風が彼女を襲い、髪が舞い上がる。一通り収まるまで待って、それ
から手ぐしで乱れた髪を直しつつ、彼女は彼の方を向いた。
『普通に歩けば、あと5分も掛からずに着くのに。これじゃすごい時間掛かっちゃうわよ』
 何とかしなさい、と言わんばかりの彼女に、彼は少し考えてから頷いた。
「分かったよ。それじゃあ、俺が前に立って風除けになるからさ。委員長はその背後につ
いて歩いて来てくれよ。そうすれば、まだマシになるだろうし。俺は委員長よりは重いか
ら、多少辛くてもこの程度の強風なら多少歩くの遅くなる程度で済むし」
『全く、そういうアイデアがあるなら、最初から申し出なさいよ。そうすれば、ここまで
だって苦労する事なかったのに』
 ぶつくさ文句を言う彼女に、彼は手を振ってそれを退ける。
5513/4:2013/10/19(土) 12:03:58.36 0
「無理。だって、今思いついたわけだし。委員長が何とかしろって態度で主張するから考
えただけでさ」
『言われる前に何とかしようって考えるのが普通でしょ? 女の子エスコートしてるんだ
もん。そういう所を直さないと、彼女の一人も出来ないわよ。本当に』
 忠告というよりは、そうなって欲しいという希望を込めた彼女の文句に、彼は無論気付
くことなく素直に頭を下げた。
「うーん…… まあ、彼女が出来るかどうかはともかく、少なくとも委員長が不快に思わ
ない程度には精進するよう善処するからさ。今の所はこれで勘弁してくれないか?」
 何とか機嫌を直してもらおうと必死の彼に、彼女はフンと一つ鼻息を荒くついて睨み付けた。
『まあ、許さなくたってどうかなるものでも無いし。それより、自分で言い出した事なん
だから、さっさと実行しなさいよ。ほら』
「わ、分かったよ」
 どやしつけられ、彼は進行方向へと体を向ける。そして首を後ろに回して彼女に確認を取った。
「それじゃ、俺の後に付いて来てくれよ。委員長より体は大きいからさ。十分盾になると
思うんで」
『確かにね。別府君って無駄に体大きいだけかと思ってたけど、こういう時は役に立つわね』
 貶しているのか褒めているのか分からない事を言いつつ、彼女はそっと彼の後ろに回る。
それを確認してから、彼は歩き出した。
「(ホントはあんまりこういう事はしたくないんだよな。せっかく委員長と出掛けるってい
うのに、何か一人で歩いてる気分だし…… まあ、ほんの5分くらいの事だし、仕方ないか)」
 落ち込みかけた気分を奮い立たせて、彼は歩き出す。しかし、少しも進まないうちに、
シャツをグイッと引かれた。
『ちょっと!! 歩くの速いわよ。ちゃんと私の事考えて歩いてるの?』
 振り向いた彼に、彼女が怒鳴りつける。
5524/4:2013/10/19(土) 12:04:30.41 0
「え? そ、そうかな? そんな速かったか? これでも普段よりゆっくり歩いたつもり
だったんだけど……」
 戸惑う彼に、彼女は更に文句を重ねる。
『ええ。貴方の感覚ではそうだったのかも知れないけど、それでも私の歩くスピードより
全然速いわよ。もうちょっと調子合わせられないの?』
 そう言われて彼は彼女の歩くスピードをイメージしてみようとしたが、すぐに諦めた。
「無理だって。こっちからじゃ委員長の姿は見えないんだしさ。一応、女の子の歩く速さ
をイメージして歩いてたのに文句言われたんじゃ、やりようが無いし。委員長は俺を見て
るんだから、むしろそっちの方で多少は合わせてくれないと」
 反抗的な態度を取った事でまた彼女が怒るんじゃないかと、彼はちょっと身構えた。し
かし、彼女は不満気に彼を睨み付けたものの、フンッとまた一つ荒く鼻息をつくと、プイッ
とそっぽを向いた。
『分かったわ。じゃあいいわよ。別府君がそういうなら、こっちも好きにやらせて貰うから』
 言葉と同時に、彼女は両手で彼のシャツの裾を掴んだ。


後編に続く
553ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 19:06:54.38 0
立てたよー
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.7
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382177054/

>>552
続きwktkいいんちょprpr
554ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 19:50:44.78 0
飯食ってる間に落ちたし
555ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 20:24:13.92 0
落ちたら立てる

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.8
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382181641/

テンプレそのままコピペしたから前スレのスレ番間違ってるけど気にしない
556ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 20:39:33.40 0
おうふ
557ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 20:44:47.06 0
すまぬ、すまぬ
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら670.9
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382183054/
558ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 23:10:21.71 0
おちてるー
559ほんわか名無しさん:2013/10/19(土) 23:47:56.71 0
ほい

ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382194015/
560ほんわか名無しさん:2013/10/20(日) 22:20:20.92 0
>>549-552の続き
後編投下します
5611/4:2013/10/20(日) 22:21:18.92 0
・風の強い日にツンデレとお出掛けしたら 〜後編〜

「ちょ、ちょっと待ってくれよ。何してんだよ、委員長」
『何って、こうでもしないと貴方の歩く早さをコントロール出来ないでしょ? こうしと
けば、速く歩けば服が伸びるから、いちいち言わなくても気付くでしょうし』
 つまらなそうな口調と顔つきからは、その言葉が嘘だとは思えなかった。しかし、態度
とは裏腹に恋人相手にやりそうな行為に、彼は動揺してつい逆らうような事を口にしてしまう。
「で、でもさ。これだとちょっと歩きにくいんだけど――ってえっ!!」
 最後まで言う前に、彼は悲鳴を上げた。彼女がシャツの裾を握ったまま、親指と人差し
指で彼の背中の肉をつまみ、捻りあげたからだ。
『ゴチャゴチャと文句が多いわよっ!! 貴方がこっちのペースに合わせるの無理だって
言うから、こんな事してるって言うのに。ほら。キリキリと歩く!!』
「わ、分かったよ……」
 さらに背中を小突かれ、諦めて彼はゆっくりと歩き出した。そのすぐ後ろ。彼の体温が
感じられそうなほど近くを、彼女はついて歩いた。その背中を見つめつつ、ホゥ、とため
息を吐く。
『(……バレてないわよね? 本当は……ただ、シャツの裾を掴んで歩きたかっただけ、だ
なんて……)』
 歩き出してすぐに。いや、歩き出すよりも前。後ろを付いて歩くという話になった時か
ら、彼女の頭の中にはそんな欲求が渦を巻いていた。抑えがたいその気持ちに理由付けを
する為に、彼女はあんな言い掛かりをつけたのだ。
『(ホント…… こうして背中見てると……頼もしいなって、思っちゃう。広くて、大きく
て……もっと縋り付けたらいいのに、なんて……)』
 可能な限り彼女に気を遣ってゆっくりと歩く彼の後をついて歩きながら、彼女は彼の背
中に見惚れていた。その時、前から吹いていたはずの風が、いきなり真横から叩きつける
ように吹き荒れた。
5622/4:2013/10/20(日) 22:21:53.25 0
「うわっ!?」
『キャアッ!!』
 突然の事に驚き、彼女は彼に思いっきり抱きつくと、そのままグイッと彼を横に回して
風の正面に当たるように持って来る。突然感じられた彼女の体の熱と柔らかさ――特にそ
の胸の――に驚き、彼は抵抗無く彼女のされるがままに体の向きを変えた。風が止むまで
のほんの少しの時間を無言で耐えたあと、風が収まっても彼女は体から離れようとしなかっ
た。このままジッとしていられたら、と彼は願ったが、そういう訳にも行かないだろうと
怒られるのを覚悟で口を開く。
「えーっと……あの……」
 この状況を指摘しようとするが、上手く言葉にならない。何とか上手く声を掛けようと
苦戦していると、彼女の方から先に文句が出た。ただし、風に対して。
『もうっ!! 何だっていきなり急に横から突風が吹いてくるのよ。信じられない!!』
「いや。ちょうどここって、高層マンションの狭間だからさ。よく言うじゃん。ビル風と
かって。それよりさ。その……」
 理不尽だと言わんばかりの彼女の文句につい口を差し挟んでしまう。それから、言わな
くちゃならないことを口にしようとしたが、それはまたも彼女にかき消された。
『うるさいわよ。そんな事、貴方にいちいち説明されなくたって、私だって知ってるわ。
私が言いたいのは、だからって何で私達が通りかかった時に限って拭いて来るのかって、
そういう事。ドヤ顔で説明なんてしなくたって、別府君なんかよりは私の方がよっぽど知
識あるんだから』
 かなり手厳しい事を言われたが、それを気にするどころではなかった。彼の体には、未
だに彼女がしっかりと抱きついていて、その熱と体の感触が動揺を加速させていた。
「(言わないとな…… で、でもその……ここまでして、気付かないって普通あり得ないよ
うな気もするけど……まさか、ワザととかって、そんなまさか……)」
 まさかと思いつつも、期待感が膨らむにつれ、このままでいたいという欲望が同時に増
していき、彼から言葉を奪っていった。しかし、そこに彼女の声が割って入る。
『ねえ。ボサッとしてないでさ。そろそろ行くわよ。ほら』
5633/4:2013/10/20(日) 22:22:26.58 0
 それに彼はハッとして彼女を見る。一瞬、何事もなかったかのように彼女は体を離して
元のように背後から裾を掴むだけにするのかと半ば残念に、半ば期待したのだが、彼女は
彼を離そうとはしなかった。
「(言わずに済めば良かったけど……そうも行かないか……)」
 本気で自分のしている事に気付いていないのか、それともワザとなのか。彼の疑問は残っ
たままだが、どちらにせよ、タイムアップが来たようだと彼は覚悟を決めた。
「えっとさ。その…… 委員長が離してくれないと……歩きたくても、歩けないんだけど……」
『へっ!?』
 彼女は驚いたように顔を上げて彼を見た。それから視線をゆっくりと落として自分が何
をしているのか今更気付いたように、驚いた顔で悲鳴を上げる。
『きゃ……きゃああっ!!』
 ドンッ、と突き飛ばされて彼はよろけた。かろうじて転ばないよう耐えると、彼女に向
き直る。彼女は、自分の身を守るように、自分の腕で体を抱いていた。
「えーと…… まさかその……気付いてなかった、とか?」
『当たり前でしょっ!! 誰が好き好んで貴方なんかに抱きつくのよ!!』
 真っ赤な顔で咎めるように睨み付けられ、彼は言葉に窮した。
「いや。でも……何て言ったら……俺から何かした訳じゃないから、謝るのも変だし……」
 それでも申し訳なさそうに俯き加減に視線を落とす彼を、しばらく彼女は睨み付けてい
たが、やがて不貞腐れたかのようにそっぽを向いた。
『分かってるわよ。私の失態なんだから、貴方が謝る必要ないってことくらい。だけど、
どっかにぶつけないと収まらないのよっ!!』
 怒鳴り散らす彼女に、彼は困って頭を掻いた。
「いや。そんな事言われても……」
 すると彼女は、まだ赤い顔のままもう一度彼を鋭い視線で射抜くように見つめると、そ
のままツカツカと彼の近くまで歩いてきた。咄嗟に身構えた彼に手を伸ばすと、その手で
体を掴んで進行方向に体を向ける。
5644/4:2013/10/20(日) 22:23:07.47 0
『もういいわよっ!! 早く図書館に行きましょう。どのみちこのままじゃ落ち着きそう
もないもの。だったら静かな場所で一人でいた方がよっぽどいいわ』
「わ、分かったよ。その……やっぱり、先に立って歩いた方がいいのか?」
 念のためと聞く彼に、彼女は怒って喚くように命令する。
『当たり前でしょう!! 自分で言い出した事なんだから、責任持って最後までするの。
いいわね!!』
「わわっ!! ご、ゴメン。いやその……一応確認しただけだから……」
 色々と言い訳を言おうとして、彼は一瞬でそれらを全て捨て、シンプルに答えた。それ
から、彼女の反応を確認する前に前を向くとゆっくりと歩き出す。すぐにシャツが引っ張
られるのが感じた。
「(全く……あんな事した後だから、嫌なのかもなって思っただけなのに…… やっぱ委員
長って、ちょっと分かんないところがあるよな……)」
 内心ちょっと不満気な彼の後をついて歩きつつ、彼女もまた不満気に彼を見つめていた。
『(もう……気付いて無い訳、ないじゃない。抱き締めちゃったのは咄嗟だったけど、離れ
ようと思っても、離したくなくて……)』
 彼の温もりを思い出して、彼女の体の芯が疼く。
『(いっそ私を、言い訳できないくらいに追い詰めてくれたら……そうしたら……)』
 ちょっとした恐怖と、トキメキが同時に彼女の心を襲った。そうなった時の、逃げ場が
なくなって自分の心がバレてしまった時の事を妄想して、それから彼女は頭を振ってその
考えを振り払う。
『(無理よね。別府君じゃあそんな事…… もしかしたら彼は気付いてて、でも突っ込まな
いのが優しさって思ってるのかもしれないけど。でもそういうのも合わせてヘタレって言うのよ……)』
 二人は、互いに聞こえない程度の小ささで同時にため息をついた。
「(でも、そういう分かんなさも含めて……いいなって思っちゃうんだよな……)」
『(でも、そんなヘタレな所も、全部ひっくるめて……好きになっちゃってるんだから、しょ
うがないわよね……)』
 図書館までの僅かな道のりを、二人は無言のままで思い思いに歩いたのだった。


終わりです
565ほんわか名無しさん:2013/10/21(月) 01:52:32.19 0
GJ!
お互いの好意が微妙に伝わってる関係っていいよなぁ
566ほんわか名無しさん:2013/10/22(火) 11:57:15.61 0
お題
つ・ツンデレに最近天気が悪くてつまんないなって言ったら
567ほんわか名無しさん:2013/10/24(木) 15:02:47.15 0
お題
つ・寒いなあと言いつつ、ツンデレにギュッて抱き着いて甘えてみたら
568ほんわか名無しさん:2013/10/25(金) 15:06:20.20 0
お題
つ・魚が嫌いなツンデレ
569ほんわか名無しさん:2013/10/25(金) 15:36:00.29 0
ガリガリより肉ついてる子のが好き
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2788.jpg
570ほんわか名無しさん:2013/10/26(土) 19:15:31.01 0
たてた
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671.1
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1382782467/

>>569
腹肉素晴らしいな!
顔埋めたい
571ほんわか名無しさん:2013/10/26(土) 22:30:12.92 0
落ちたか
572ほんわか名無しさん:2013/10/30(水) 22:10:44.55 0
ツンデレニ10分間熱イ抱擁ヲ与ヘタラ?
573ほんわか名無しさん:2013/10/31(木) 02:14:38.98 0
友ちゃんにとりっくおあとりーとされたい
574ほんわか名無しさん:2013/10/31(木) 14:49:00.53 0
とりっくおあなんちゃら
http://tunder.ktkr.net/up/log/tun2792.jpg
575ほんわか名無しさん:2013/10/31(木) 20:22:23.91 0
前がよく見えないことをいいことに後ろから揉みたい
576ほんわか名無しさん:2013/10/31(木) 23:24:35.74 0
>>574
これはイタズラしたいwwww
5771/4:2013/11/01(金) 04:05:43.96 0
・ツンデレと男に嘘のラブレターが届いたら 〜その1〜

「うん? 何だこりゃ」
 朝。登校して来たタカシは、自分の机の引き出し?から何か封筒のようなものがはみ出
ているのに気がついた。
「何だろ? 俺、こんなもん入れた覚えなかったけどな……」
 そもそも、こんな可愛らしいデザインの封筒自体に見覚えが無かった。一瞬、タカシに
ある期待が過ぎる。
――いや。まさか、な。
 そうは思ったものの、やはり確認せずにはいられずタカシは引き出しから封筒を引き抜
いた。すると、表側にはただ、こう書かれていた。
 別府タカシ君へ
 丸っころい、女の子が書くと思われるような文字だ。もちろん、最近じゃ男でもこうい
う字を書く奴もいるので、これだけでは判断出来ない。封をしてある裏側を見ても、差出
人の名前は無かった。
「よお、タカシ。どうしたんだよ」
「おわっ!?」
 背後から声を掛けられたのに驚いて、タカシは思わず大声を出してしまった。封筒を旨
に押し付けつつ振り向くと、クラスメートで友人の山田文弥がキョトンとした顔で自分を
見ているのに気付く。
「何だよ、山田。びっくりさせんなよ」
 恥ずかしさもあって毒づくと、山田は首を傾げて訝しげな気持ちを露にする。
「だって、自分の席で立ち止まってボーッとしてるからさ。何かあったのかと思って」
「べ、別に何もねーよ」
 そうごまかして、タカシはそっとワイシャツの間に封筒をねじ込んだ。山田は新聞部に
所属しているので、知られると何かと厄介な事になりかねない。
「そうか? じゃあ、何で席に座りもせずに立ち尽くしてたんだ? そっちの方が変だろ」
「ちょっと考え事してたんだよ。あんま詮索すんなよな。最近、早見の悪い癖が移ってるぞ」
 山田と同じ、新聞部に所属していてゴシップネタ大好きな女子の名前を口にすると、山
田は肩をすくめた。
5782/4:2013/11/01(金) 04:06:30.49 0
「職業病かな? 友ちゃんと一緒にいるとどうもね。ちょっと変わったことがあると見逃
さない癖が付いちゃってさ」
「いいから席戻ってろよ。そろそろ授業、始まんだろ」
 シッシッと手で追い払う仕草をすると、山田は了解したと手を上げて合図をしてから、
一言言い置いた。
「そうやって邪険に扱うと、却って怪しまれるぞ。ま、気をつけな」
「うるせーよ。余計なお世話だ」
 そう毒づきつつ、タカシは自分の席に座る。すると、シャツの間に挟み込んだ封筒が体
の動きに合わせて僅かにひしゃげるのを感じた。
――何なんだろうな? 一体。
 ふと、その時タカシは誰かの視線を感じたような気がして、咄嗟にそっちの方向に視線
を向けた。しかし、誰もこっちを見てはいない。気のせいかと思ったとき、視線の先に座
っていた女子の一人が、チラリとこっちを見るように顔を動かした。ストレートの長い髪。
メガネを掛けた、涼やかな印象の女子生徒だ。
――音無さんが? まさか、な……
 彼女とは、図書委員で一緒になったり、同じ班になったり、何かと縁はあるが、少なく
とも今まで自分に気がありそうな素振りは見せていない。タカシは意識を封筒に戻した。
そっと、シャツの間から取り出す。
――まあいいや。今、気にしても仕方ないし。とりあえず、中身を見てからだな。
 周囲の誰も見てないことを確認し、タカシはそれをそっとポケットにねじ込んだのだった。


「おーいタカシ。帰りにカラオケでもいかね?」
「ん? ああ。わりい。今日、俺ちょっと用事あってさ。悪いけど、また今度な」
 放課後。ホームルームが終わると同時に声掛けてきたすぐ近くの席の友達からの誘いを
蹴って、タカシは急いでバッグを肩に担ぐと教室を飛び出した。うっかりグズグズしてい
ると、余計な声を掛けられかねない。
「ハァ…… アイツら、好奇心だけは旺盛だからな。変に勘繰られたらたまったもんじゃ
ないし……」
5793/4:2013/11/01(金) 04:07:08.37 0
 急ぎ足で昇降口に向かう。さすがにホームルームが終わってすぐなだけあって、まだ生
徒の数もまばらである。急いで運動靴に履き替えると、玄関から外へ出た。駆け足で階段
を下りると、そのままターンをして校門とは反対側に向かう。校舎の陰に入ると、ポケッ
トから手紙を取り出した。
【急にこんなお手紙を出して申し訳ありません。私、貴方の事に以前から興味を持ってい
ました。不躾で申し訳ないのですが、私と会って頂けないでしょうか? もしOKでした
ら、今日の放課後に特別棟の裏に来て下さい。名前も書かずに失礼だとは思いますが、事
前に別府君に姿を見られるのが恥ずかしいので、手紙では勘弁して貰いたいです。会った
時に、キチンと自己紹介させて貰います。どうか宜しくお願いします】
 可愛らしい便箋に書かれている文字を、もう一度読み直す。どう見てもラブレターの文面だ。
「……やっぱ、イタズラ……だよな? 今時ラブレターだなんて……」
 何度も反芻した思いを口に出してみる。しかし、すぐに自分に勇気を奮い立たせようと、
首を振った。
「だからって、行かない訳にいかないだろって…… 万が一、本当だったらその子に会い
もせずに振ることになっちまうし…… イタズラかもって思ってれば、もしそうだったと
しても笑い飛ばせばいいだけの話だろ? もしかしたら本当かも分かんないのにスルーと
か出来るかよって……」
 心を落ち着かせようと、2、3度深呼吸をする。それから手紙を折り畳んでまた制服の
ポケットに戻した。
「よし。それじゃ行くか。笑われによ」
 意を決して、早足で中庭を横切り、校舎に沿って裏手に回る。グラウンドに出たりゴミ
を捨てたりするのも反対側な為、こっち側を生徒が利用する事は余り無い。その為、タカ
シは誰にも見咎められる事がなく、特別棟の校舎裏まで出ることが出来た。
「誰も…… いない、な……」
 タカシは時計を見た。時間は16時前だ。
「一時間待って、誰も来なかったら帰るか」
 口に出して、意志を確認する。いつまでも未練がましくグズグズしているのは嫌だった
し、仮に何らかの事情で来れなくなったのなら、また手紙が来るだろう。そうでなければ
それまでの縁だと、タカシは気持ちを割り切らせた。
5804/4:2013/11/01(金) 04:07:55.79 0
「っても……落ち着かねーよな…… 全く、呼び出したんなら早く来いっての……」
 タカシはポケットからスマホを取り出す。友達のツイッターアカウントやLINEで、ま
さか自分が噂になってないかどうか、念の為確かめておこうと思ったのだ。付き合い上自
分も登録してはいるが、何となく他人の裏をあからさまに表に出すこういうツールが、タ
カシ自身は余り好きになれなかった。
「よし。今んトコ、話題にしてる奴はなし、と。全く……何だってこんな気を遣わなくちゃ
なんねーんだよ…… めんどくせーな……」
 口に出しては気の乗らない事を言ってはいるが、内心ではどんな子が来るのか、可愛い
子なのか、もしかしたら好みのタイプではないのか、そもそも来るのか来ないのか、来た
としてもイタズラの仕掛け人かもしれないだとか、そんな事が頭を巡る。しかしどうして
も、自分の期待する方向に考えが寄ってしまう。
――全く……来るなら早く来てくれよな。イタズラなら、とっととネタばらししろっての……
 時計で時間を確認しても、まだ来てから10分程度しか経っていない。時間の進みの遅さ
にすら苛立ち始めた、その時だった。
『……あの……』
 か細い、女子の声が耳に飛び込んで来て、タカシはドキリとした。
――き……来たっ!! マジかよっ……
 慌てて居住まいを正し、声のした方に向き直る。そして目の前に立つ女子の姿を見た時、
タカシは言葉を失った。絹のように真っ直ぐに伸びた黒い艶やかな髪を持ち、眼鏡を掛け
た大人びた雰囲気の女子は、間違いようも無く、彼のクラスメートだった。
「お……音無さん……? マジで?」
 タカシの声に、彼女は半ば驚きの混じった顔で彼を見つめて、小さく呟いた。
『やっぱり……別府君だったんですね…… 本当に……』
「……は?」
 彼女の様子に、タカシはつい首を傾げた。自分が驚くのはともかく、呼び出したはずの
当人が、何で自分の顔を見て驚いた様子を見せているのだろうか。しかし、その疑問を口
に出す前に、彼女の方から彼に問い掛けてきた。
『私に…… 私を、呼び出したのって…… 別府君、だったんですよね……?』

続く
581ほんわか名無しさん:2013/11/01(金) 06:43:11.01 0
これは続きwktkすぎる
582ほんわか名無しさん:2013/11/01(金) 15:46:24.49 0
期待
583ほんわか名無しさん:2013/11/02(土) 11:41:30.30 0
>>577-580の続き行きます
5841/4:2013/11/02(土) 11:42:05.32 0
・ツンデレと男に嘘のラブレターが届いたら 〜その2〜

『何?』
 昇降口で、上履きに履き替えようと靴箱のフタを開けると同時に、彼女の靴箱の中から
ヒラリと舞い落ちる物があるのに敬子は気付いた。
『……何だろう? これ……手紙……?』
 水色の、模様とかは入っていない洋封筒を、敬子は屈んで拾い上げた。表には、音無敬
子さんへ、と書かれており、裏には何も書いていない。
『嘘…… まさか、ラブレター……とか……?』
 咄嗟に思いついた言葉を小声で出してみて、彼女は口を押さえた。そして、否定するよ
うに、小さく首を振る。
『まさかね。私なんかに、そんな……』
 地味でおしゃべりも上手でなく、真面目だけが取り得みたいなそんな自分に興味を持つ
男子なんているのだろうかと自問自答すると、答えは否としか出て来ない。だけど、現実
に目の前には恐らく手紙が入っているだろう封筒がある。少しの間、困惑して佇んでいた
が、ハッと敬子は我に返った。
『とにかく……考えるのは後回しにしよう。こんな所でボーッとしてたら、変な人と思わ
れちゃう』
 手紙をスカートのポケットに入れ、靴を履き替えようと上履きに手を掛けた時だった。
いきなり背後から、誰かが彼女の体を抱き締めた。
『ひっ……!!』
 驚きの余り、悲鳴すら出せずに息を呑むと同時に、耳元で囁くような声がした。
『何を、後回しにするって〜?』
 その声には聞き覚えがあった。内心少し安堵しつつ、同時に嫌悪感が沸き上がって、彼
女は身をよじりつつ抵抗の声を上げる。
『その声は友子ですねっ!! 朝から何するんですか。離して下さいっ!! 苦しいし鬱
陶しいし暑っ苦しいです!!』
『まあそう邪険にしなくてもさ。それよか、教えてよ。何を考えるのを後回しにするのかって』
5852/4:2013/11/02(土) 11:42:36.36 0
 手足をバタつかせ、振り解こうとしているのにも係わらず友子の締め付けから逃れる事
が出来なかった。元々、運動神経のいい彼女とドン臭い自分では勝負にならないのかもと
諦めの気持ちが浮かびつつも、彼女は抵抗の意志を示し続ける。
『友子には関係ありませんっ!! 個人的な事ですから詮索するのは止めて下さい』
 すると耳元で友子がクスリと僅かに笑みを漏らすのが聞こえた。もしかして余計な事を
言ってしまったかと敬子の脳裏に不安が過ぎったとほぼ同時に、友子がそれを裏付ける事
を口にした。
『そうね。確かに個人的な事だってのは間違って無いわよね。だけど、見ちゃったんだも
ん。まさか、敬子が下駄箱からラブレターなんて古風なロマンスに遭遇してポーッとなっ
ちゃってるのをさ』
『――――っ!!』
 声にならない叫びを上げて、敬子はもがいた。満足したのか、友子は敬子を解放すると
彼女の前に回る。
『ほうほう。顔を真っ赤に染めちゃって。全く、敬子ってば乙女なんだから』
 イタズラっぽく笑う友人を、敬子は憎々しげに睨み付けた。
『他人事だと思ってからかわないで下さいっ!! 大体まだこれは私宛の手紙だってだけ
で何もまだ中身がラブレターと決まった訳でもありません!!』
『じゃあ確かめてみようか』
『へ?』
 友子の提案の意図が飲み込めずキョトンとしていると、友子は勝手に敬子の上履きを取
り出して床に並べた。
『ほら。早く履き替えて。どこで読もうか? 教室はさすがにヤでしょ? トイレにする?
それとも図書室?』
 そう問われて、敬子はようやく友子が何を言っているのか理解した。
『ちょっと待って下さいっ!! 貴女まさか、私の手紙を読むつもりじゃないでしょうね?』
 思わず後ずさりすると、友子が逃さないとばかりに敬子の手首を強く握って来た。
『もちろん。このゴシップ大好き友子さんが、こんな美味しいネタを放っておくわけない
でしょう? このあたしに見られたのが運の尽きだと思いなさい』
5863/4:2013/11/02(土) 11:43:07.27 0
『止めて下さい冗談じゃありませんっ!! 何で私が受け取った手紙を友子なんかに見せ
なくちゃならないんですかっ!! 世界一口の軽い貴女にどんな内容かも分からない手紙
を見せるなんてリスクを冒すわけにはいきませんっ!!』
 懸命に頭を振って否定したが、友子は意味有り気なイヤらしい笑顔で敬子を見上げた。
『見せたくないならそれでもいいけどさ。敬子がラブレター貰ったって、ホームルームが
始まるまでには少なくともクラスの女子全員がそれを知ることになるけどいーのかなあ?
敬子ってば押しに弱いからさ。取られて全員に回し読みされちゃうよ?』
『お、お、お……脅しですかっ!! この卑怯者!!』
 思わずキツイ口調で罵るも、友子は一向に堪えていないようだった。
『脅しじゃなくて、あるべき未来を語ってるだけよ。だって、口が疼いちゃってしょうが
ないんだもん。だけど、敬子と秘密を共有出来るなら、あたしが全面バックアップしてあ
げる。だってそれが親友ってもんじゃない。どう?』
『ぐっ……』
 敬子は強く歯を食いしばった。人を脅しといてどの面下げて親友ですかと罵りたかった
が、どんなに文句を言ったところで完全に主導権を奪われた今となっては、単なる負け犬
の遠吠えに過ぎない事に気付いてしまっていた。
『ほら。考えるまでもないでしょ? だったら早く靴履き替えちゃって、行こうよ。グズ
グズしてると、人が来て目立っちゃうよ』
『わ、分かりました。とりあえず、この場からは移動しましょう。見せるかどうかはその
後です』
 他のクラスメートに見つかると確かにやっかいなので、友子の言葉に従って靴を履き替
える。靴箱のフタを締めた途端、友子が手を引っ張った。
『さ、いこ。人目に付かないところの方がいいでしょ? だったら友子さんに任せなさい。
誰にも気付かれない穴場スポットなら、校内であたしの右に並ぶものはいないんだから』
『ちょ、ちょっと!! 付いて来るのは咎めませんから、手を離して下さいってば!! 引っ
張られると痛いんです!!』
『ダメダメ。手を離した途端、全力で逃げられちゃうかも知れないし。そこまで敬子を全
面的に信頼はしてないからね。さ、行くわよ』
5874/4:2013/11/02(土) 11:44:02.32 0
『だって逃げたらクラス中に噂ばら撒かれるじゃないですか!! だから逃げたりしませ
んから、お願いです。離して下さい!!』
『ちょうどいい場所に着いたら離してあげる。大人しく付いてくれば痛くもないからさ。
だから大人しく付いて来なって』
 結局引き摺られるように友子に連れて行かれ、何だか自分が連行されているような錯覚
を敬子は覚えるのだった。


続く
今スレ中に終わらないかもという
588ほんわか名無しさん:2013/11/02(土) 18:46:50.05 i
追いかけるぜ
589ほんわか名無しさん:2013/11/03(日) 12:13:57.39 0
山「んー、暖かいなぁ」
友「むー!」
山「友ちゃん、どしたの?」
友「どしたの?じゃないわよ!!抱きまくら代わりにされりゃ誰だって不機嫌になるっての!」
山「…だって、友ちゃん、ちっちゃいからボクの腕にすっぽり収まって心地いいし」
友「人をモノ扱いすんなー!!」
山「でも、友ちゃんも暖かいでしょ?」
友「そ、そーだけど…」
山「友ちゃんが嫌なら、やめる?」
友「う、うー…」
山「…ボクはこのままが良いなぁ」
友「…しょ、しょーがないわね、アンタがどーしてもって言うなら、我慢してやっても良いけど…」
山「やったっ!友ちゃんありがとっ」むぎゅー
友「はぅ…」
5901/2:2013/11/03(日) 15:55:25.15 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ

雲一つないような真新な休日、俺はツンデレと服買いに行ったの

というのも俺癖っ毛でさ

寝癖なおすのも難しいで放置してるのツンデレに咎められてね

せめて隠せって帽子かぶせられたの機にファッションに目覚めたの

それでツンデレに女受けの良い服教えてもらってる訳

だけどツンデレ俺がモテモテになるの嫌みたいで、服二つ三つ選ぶだけで後は喫茶店でお茶したんだけど

店内でも帽子脱がないでいたらツンデレのありがたいお説教が始まってさ

話聞くだけ聞いて脱がないでいたら力づくで剥ぎ取られたの

そしたらツンデレ散々マナーが云々言ってたくせに俺の帽子浅くかぶってさ

喫茶店から出ても俺を警戒してチラチラ見てきて、仕方なしに帽子預けたまま買い物再開します

そんで帰り道、流石に帽子盗られたままにはいかないので返してもらったんだけど

それからというもの、お出かけした日にゃ夕暮時に俺の帽子横取りするようになってさ

毎回こんな意地悪してきて、やっぱりあの時の返してもらい方が悪かったのかなぁ、って話
5912/2:2013/11/03(日) 15:56:30.15 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど

雲一つないような真新な休日、私はアイツの服買いに行かされたの

というのもアイツ猫っ毛でさ

毎日寝癖もなおさないで見苦しいから帽子かぶるのすすめたの

ならアイツ身だしなみに気を使うようになってね

私に、女にモテる服教えろ、って連れ出された訳

だけど人の買い物って本当に退屈だから、服見るん早々に切り上げて喫茶店でお茶したの

ならアイツ店内でも帽子脱がなくてさ

未来の旦那様がハゲとか私イヤだから力づくで剥ぎ取ります

したらアイツ隙あらば帽子かぶろうとするから先に私がかぶってやったの

すればアイツ無理に取り返そうとしないから有耶無耶でずっと私がかぶってて

そんで帰り道、バイバイ、って帽子取られながら頭クシャクシャ撫でられたの

それからというもの、お出かけした日にゃアイツに手櫛してもらうのが別れの挨拶になってさ

ほの暗い道端で二人コソコソ、なんかやましい逢引でもしてるみたいだよ、って話
592ほんわか名無しさん:2013/11/03(日) 16:14:16.42 0
いいねいいね、甘くて素敵だわ

GJ!!
593ほんわか名無しさん:2013/11/04(月) 00:11:50.38 i
>>589>>560-561もまとめてGJ!
594ほんわか名無しさん:2013/11/04(月) 00:56:58.32 i
素晴らしい
595ほんわか名無しさん:2013/11/05(火) 00:51:49.66 0
>>584-587の続き行きます
5961/4:2013/11/05(火) 00:52:42.54 0
・ツンデレと男に嘘のラブレターが届いたら 〜その3〜

『……ほうほう』
『……………………』
『ふーん…… なるほど、ねえ……』
『変な相槌を打つのは止めて下さい。気が散ります』
 手紙を読んでいる横から勝手に覗き込むようにして読む友子を、敬子は睨み付けた。
『別に気が散るってほどの難しい内容でも無いじゃん。これって要するにラブレターよね』
『まだ決まった訳じゃありません。内容だけなら、単に会ってくれないかってだけですし』
『でも、普通の用事だったら教室の入り口まで来て、クラスの女子にでも呼んで貰って廊
下で話しすれば済む事だよね? わざわざ特別棟の校舎裏なんて指定してるんだから、やっ
ぱり告白したいからって事じゃない?』
『そうとも限りません。人に余り聞かれたくないお願い事をされる可能性だってありますし』
『フーン。一度だけでいいから、エッチな事をさせて下さい、とか?』
『殴りますよ』
 そういう冗談に慣れていない敬子は、咄嗟に身を隠すような仕草をすると、ますます表
情を険しくした。友子はクスッとイタズラっぽく笑って空気を和ませようとする。
『ヤだな。全く、敬子ってば純情なんだから。軽いジョークだって。そんな怖い顔しない
でってば』
 馴れ馴れしく抱き付いて来ようとしたので、敬子は手でそれを振り払って拒絶の意図を示す。
『友子の冗談は時と場所と場合を考えないのが多過ぎです。もう少し、考えて発言して下さい』
 単純な怒りの視線から説教モードのしかめ面に変えて諭すと、友子はめんどくさそうに
肩をすくめた。
『はいはい。で、どーすんのよ?』
『どうするって……何が、ですか?』
 一瞬質問の意図が読めず、キョトンとした顔になって聞く敬子に、友子は呆れたように
首を振る。
『決まってんじゃない。ラブレターの返事よ。行くの? 行かないの?』
 ストレートに問われて、ビクッと敬子は体を震わせた。それから落ち着かなげに視線を
宙に彷徨わせた後で、下を向いて小さな声で答える。
5972/4:2013/11/05(火) 00:53:28.47 0
『それは、その……お断り、します……』
『断わるって、何を? まだどんな話なのかも分からないのに?』
 友子に問われて、敬子は返答に窮した。正直に言えば、行きたくない。面倒ごとは極力
避けて、目立たないよう生きてきた自分だけに、こんな自分が矢面に立つような出来事が
起こってしまうと、どうしても消極的な気持ちが先に立ってしまった。
『えっと……ですから、その……お話しを聞くこと自体を……』
『どうやって? 相手の名前も分からないのに』
『うっ……』
 確かに、友子の言うとおり今の自分には、相手に対して自分の意志を伝える術を持たな
かった。しかしそれでも、自分の気持ちに押されるように、敬子は解決策を口にする。
『と……友子なら分かりますよね? この手紙をどこの誰が出したのか、調べる事くらい……
普段あれだけ生徒や先生達のゴシップネタ漁っているんですから。私の代わりに、私が今
日は行けないって伝えて貰えれば――』
『ヤダ』
 敬子の言葉を遮り、友子が拒絶の意を示す。しかも“無理”ではなく“ヤダ”という言
葉には独特の重みがあった。
『何ですか。そのにべも無い断わり方はっ!! 日頃友達友達って自称してるくせに、こ
ういう時だけは協力一つしてくれないなんて、最低ですっ!!』
『友達だから言ってるのよ。相手も分からないのに、いきなり敬子の恋愛の芽を摘む訳に
行かないでしょう? もしかしたら、すごい好みの男子かも知れないじゃない』
 友子の言い分に、一瞬ウッと敬子は言葉に詰まった。しかしすぐに気を取り直して決然
とした気持ちで抵抗する。
『そ、それはどんな男子かは分かりませんけど、でも今は誰とであってもお付き合いする
気はありません』
『何で? もしかしたらこれからの高校生活を彼氏と一緒に楽しく過ごせるかも知れない
のに、最初っから可能性を根こそぎぶった切るなんてもったいないにも程があるわよ。と
りあえず会っときなって。その方が後悔しないから』
 何で友子がここまで熱心に推すのか、敬子には理解出来なかった。とはいえ、自分の考
えを変える気にならず、頑なに彼女は首を振る。
5983/4:2013/11/05(火) 00:54:28.09 0
『後悔するとかしないとかは私が決めます。とにかく、今は誰ともお付き合いする気がな
いんですから』
『何でそこまで拒絶するのか分かんないなー。敬子って別に男嫌いって訳でも無いんでしょ?
それとも、実は心に決めた人がいて、その人一筋だから他の男子には目もくれたくないとか?』
 友子がまるで分かっているかのように言うので、敬子はドキリとした。咄嗟に焦りを隠
す事が出来ず、取り乱して否定してしまう。
『何言ってるんですかっ!! 心に決めた男子とか……そんなの、いるはずありませんっ!!
ただ、今は気持ちの上で男の子と付き合うことが考えられないというか…… とにかく、
変な勘繰りをするのは止めて下さい!!』
 しかし、彼女の動揺を見て取ったのか、友子はニヤニヤしつつ追及の手を緩めなかった。
『今の態度、怪しいなあ。実は意外と図星だったりして?』
 またしても言葉に詰まりつつも、敬子は自分の失敗に気付いた。ムキになって反抗すれ
ばするほど、友子は面白がるだけだと言う事を。一つ大きく吐息をつくと、鋭く睨み付け
つつも、冷静になろうと努めつつ、彼女は再度否定する。
『そんな訳ありません。大体、普段から私なんて男子と接触する事なんてあまり無いじゃ
ないですか。一体どこをどうすれば、私に心に決めた男子がいるなんて発想が出て来るんですか』
『そうでもないじゃない。例えば、別府君とかさ』
 いきなり固有名詞を出されて、敬子はビクッと体を反応させてしまう。しかしすぐに、
呆れたように首を振ってため息をついた。
『別府君とは確かに委員会で一緒になった時に多少お世話になりましたけど、それだけで
す。話だって委員会の仕事の事ばかりでしたし。その時の縁で気安く思われてるのか、テ
スト前になると質問に来たりしますけど、でもそれだけです』
『ふーん……? それだけ……ねえ?』
 意味有り気に含んだ言葉を掛けられて、敬子は不満気に口を尖らせた。
『本当にそれだけですよっ!! 他に何があるんですか?』
 そう問うと、友子ははぐらかすようにひらひらと手を振った。
5994/4:2013/11/05(火) 00:55:08.79 0
『べっつにー。もしかしたら、ラブレターの相手って別府君かもねって思っただけ。だっ
て、敬子と事務的な事とはいえ、結構会話してるんなら興味持ってもおかしくないよねっ
て。敬子がどう考えてるかはともかくとしてもさ』
『そんな事有り得ませんっ!! 別府君は明るいし……他の女子ともいっぱい話ししてま
すし、友子だって私よりいっぱいお喋りしてるじゃないですか』
『ああ。あれは山田の縁でね。別府君って山田とは仲良いからさ。でもそんだけよ。別に
敬子が言うほどいっぱいしゃべってる訳じゃないし』
 サラリと否定してから、友子はズイッと身を乗り出すように敬子に顔を近付けた。
『とにかく、断わるにしても一度は会ってみなよ。向こうの言い分だってまだ全然聞いて
いないんだし。もしかしたら、単に好きな子へのメッセンジャー役になって貰いたいだけ
なのかも知れないしさ。その上で、もし告白されたとしたら、私にじゃなくて手紙を出し
た男子に、丁寧にお断りすればいいんだから。それが礼儀ってもんでしょ?』
『うぅ……』
 礼儀と言われると、敬子には返す言葉が無かった。確かに、告白でも何でもなくて、単
に人前では言いにくいお願いをされるだけかもしれないのに、用件も聞かずに断わるのは
失礼かもしれない。
『まあ、頑張んなって。もし相手が変な男で、敬子が困った事になったらさ。その時はこ
の友ちゃんの出番だから。新聞部総動員してそいつが学校にいられなくしてあげるよ』
『そ、そんな物騒なこと言わないで下さいっ…… 怖くなっちゃうじゃないですか……』
 気持ちは全然後ろ向きなのだが、自分にはもう退路が無い事を、敬子は自覚していた。
一体何の話をされるのだろう。もし告白だったりしたらとそう思うと、敬子は不安のため
息を漏らさずにはいられないのだった。


続く
600ほんわか名無しさん:2013/11/05(火) 12:16:13.69 0
お題⇒ #ツンデレな彼女からドライブ中に言われたいほっと一言withジョージア
詳細⇒ ttp://www.georgia.jp/spn/hot/twitter/
なんともこのスレ向きのお題だw
601ほんわか名無しさん:2013/11/05(火) 13:31:38.15 i
>>599
続き期待
602ほんわか名無しさん:2013/11/07(木) 01:03:24.39 0
友「はー…最近ほんっとネタが無いわねぇ」
山「…仕方ないよ」
友「あんた、なんとかしなさいよ」
山「…また?」
友「またってなによ。山田の分際で口答えすんじゃないわよ」
山「はぁ、じゃあ…」
友「先に言っとくけど私に何かしたら張り倒すから」
山「う、どうしてわかった」
友「…前にされたからよ」
山「…困ったなぁ」
友「ふふーん、ほら、早く別の方法を探しなさい」
山「それじゃあ…そうだな。かなみちゃんにアプローチでもしてみるかな」
友「…え?」
山「ボクがかなみちゃんに気がある素振りを見せて、タカシをやきもきさせる作戦で」
友「そ、そんなの、だめ!」
山「…なんで?」
友「なんでって…えと…」
山「もしかして、かなみちゃんがボクのことを好きになったりするかもなんて思ってる?」
友「!!…そ、そんなわけないでしょ!!山田ごときがかなみなんて落とせるわけ無いし!」
山「そうだよね。じゃあ問題ないね」
友「う、うー…」
山「別に気がある振りするだけで、本気でかなみちゃんと付き合ったりするわけじゃないよ?」
友「…それでも…やだ」
山「…はぁ。じゃあやめよっか」
友「…ふん、自信が無いなら最初っから大それたこと言うんじゃないわよ」
山「ほんと、うちのお姫様も素直じゃないなぁ」
友「…誰のことよ」
山「さぁ、誰でしょうねぇ」
友「…ばか」
603ほんわか名無しさん:2013/11/07(木) 20:57:39.75 0
エルミナージュ3を買ってきたので、ちなみんといちゃいちゃスピンアウト生活を始める。
604ほんわか名無しさん:2013/11/07(木) 23:27:53.76 0
>>602
友ちゃん可愛いよ友ちゃん
605ほんわか名無しさん:2013/11/09(土) 11:18:16.79 0
今年もツンデレさんが男と手を繋ぎたいがために手が冷たくても手袋をはめてこない季節がやってまいりました
606ほんわか名無しさん:2013/11/09(土) 19:37:23.61 0
立てたよー
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671.2
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1383993368/

>>602
やきもち友ちゃんかわいいなあ
607ほんわか名無しさん:2013/11/09(土) 20:26:56.00 0
既に落ちていたか……

俺の力は足りなかったようだ
608ほんわか名無しさん:2013/11/09(土) 21:40:05.99 0
前スレ?知らない子ですね…
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671.2
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1384000775/
609ほんわか名無しさん:2013/11/09(土) 22:46:22.64 0
もう今日はいいか
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671.2
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1384003896/
ほす
611ほんわか名無しさん:2013/11/11(月) 09:43:11.88 0
今日はポッキーの日です
・ツンデレとポッキーゲーム
その後ボッキーゲームになるまで見えた
612ほんわか名無しさん:2013/11/11(月) 12:21:52.03 i
>>611
そこまで見えてるなら形にしようそして俺にもお裾分けしてくれ
613ほんわか名無しさん:2013/11/11(月) 17:49:03.85 0
・ポッキーゲームを知らない男にどうやって下心を悟られないようにポッキーゲームに持ち込むか思案するツンデレ
614ほんわか名無しさん:2013/11/11(月) 21:16:03.31 0
ツンデレさんとポ(ボ)ッキーゲーム

ち「タカシ…今日はポッキーの日らしい」

タ「そういえばそんな話もあったような。」

ち「フフッ…なんとたまたま偶然スーパー奇跡的に今日は鞄にポッキーが入っていた」

タ「いや絶対それわざと…あっロー◯ン寄ったのはそのためか。まぁいいや少しくれよ腹減ったわ」

ち「あげないこともない…けど、ゲームに勝たないとあげない」

タ「普通にくれよ…ほう、んで何をするのでしょう」

ち「本当はやりたくないけど…リア充たちはきっとやってる…悔しいからポッキーゲームしろ」

タ「ポッキーゲームって勝敗とかないような…おい待てなぜ咥えて近寄るなぜ目を閉じるって力つっえーななおい!」

ち「ふふふ…体は正直…ポッキーゲームでタカシのポッキーもボッキーになってる…ポッキーロケット打ち上げないと」

タ「ポッキーほど細くありません!おいうわちょ何をするやmアーッ!」

ち「ラウンド2もある…頑張って」

みたいな。
615ほんわか名無しさん:2013/11/11(月) 21:37:25.69 0
そこまでやったら本番までイこうぜ

何のかは想像に任せる
616ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 20:38:48.89 0
寒いなー、寒いなー、この部屋暖房無いから寒いなー
布団は冷たいし暖かくなるまで時間かかるからやだなー
どうやったら暖かくなるかなーチラチラ
617ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 20:41:41.33 0
ツンデレさんのおっぱいで暖を取れば無問題
618ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 21:29:48.45 0
ちなみんはおっぱい無いから暖取れないね。
619ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 21:47:17.80 0
バカだな、全身使って抱きしめればポカポカじゃないか
620ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 23:05:00.72 0
ツンデレさんの柔らかな太ももに挟まれて暖が取れれば文句無しです(*´∀`*)
621ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 23:15:31.12 0
勝美さんが「どーせ俺の太ももは固いよ……」っていじけてるんだが
622ほんわか名無しさん:2013/11/12(火) 23:44:25.28 0
かつみんの太ももはちゃんと筋肉の上に脂肪乗っててふにふにしてるし脱力してるときのもみ心地は得も言われぬものだよ(力説)
623ほんわか名無しさん:2013/11/13(水) 00:03:50.25 0
や、山田は渡さないからね?
624ほんわか名無しさん:2013/11/13(水) 00:07:14.93 0
残念ですが山田はすでに友ちゃんの嫁なので諦めて
625ほんわか名無しさん:2013/11/13(水) 00:22:44.98 0
よ、嫁?
626ほんわか名無しさん:2013/11/13(水) 05:13:52.35 0
嫁に決まってるじゃないか!
627ほんわか名無しさん:2013/11/13(水) 07:15:20.43 0
勝美さんは自分がいかに女の子らしいか自覚していないと思う(力説)
628ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 00:37:47.05 0
今日は…山田君を慌てさせるために…友ちゃんとちゅーを…してみたりして…むふふ…
629ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 00:46:21.10 0
百合だと……!?
630ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 01:07:28.10 0
・最近巷で友ちゃんの嫁と囁かれていることに悩む山田
631ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 07:25:59.75 0
友ちゃんが悪いんだよ!! ボクに女装させて喜んでるから……
632ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 11:55:07.93 0
だっていいんちょにも高く売れるし…
「時代はタカ×山…」とかいってたわよ
633ほんわか名無しさん:2013/11/14(木) 22:07:55.20 0
とか言って自分の分もしっかり確保してる友ちゃんかわいい
634ほんわか名無しさん:2013/11/15(金) 18:28:08.90 0
唐突にツンデレさんに無言で抱きついて甘えたい
雰囲気を察したツンデレさんに頭をなでなでしてもらいたい
635ほんわか名無しさん:2013/11/16(土) 09:31:08.39 0
容量も近いので次スレ

ツンデレにこれって間接キスだよなっていったら0.6
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/honobono/1384561770/
636ほんわか名無しさん:2013/11/16(土) 20:04:53.36 0
梅&立てたよ
ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら671.3
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1384599841/
637ほんわか名無しさん:2013/11/17(日) 00:38:05.60 0
うわーたってたのか…
638ほんわか名無しさん:2013/11/17(日) 21:36:51.16 0
ちなみんに頭なでてもらいたいなぁ
639ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 01:37:14.29 0
10分ちなみん
640ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 01:38:03.82 O
おっとっと
641ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 01:41:07.65 0
なんでこんな早いんだよw
642ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 11:30:52.12 0
お題
つ・ツンデレになかなか埋まらないよねって言ったら
643ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 15:38:08.37 0
埋め
644ほんわか名無しさん:2013/11/18(月) 17:15:23.56 0
進路希望調査用紙の空欄がなかなか埋まらないツンデレさんかわいい
645ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 02:12:04.67 0
うめ
646ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 06:52:37.26 0
寒そうに手を擦ってる委員長の両手をそっと包んであげたい
647ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 10:41:20.55 0
>>645


〜帰り道〜

男「そういやさ、ちなみはこないだの進路希望調査、もう出したか?」
女「……まだ」
男「だよなー。進路なんてそうやすやす決めらんねーっつの」
女「……タカシは、将来の夢とか……ある?」
男「そうだな、どうせならいっそ大統領でも目指してみっかな? なんつって」
女「……ふーん」
男「ん? なんか意外なリアクションだな。もっと腹立てると思ったのに」
女「……私は……将来やりたいこととかないし……冗談でもそういうこと言えるの、羨ましい……」
男「なんだなんだ、若いくせに夢も希望もねーなぁ、ちなみは」
女「……悪かったな、バカ」
男「あのさ、特にやりたいこととかないなら、ちなみは俺の嫁になればいんじゃね?」
女「……え?」ピタ
男「そしたら一生俺が養ってやれるし、生涯安泰だぞ。な、そうしようぜ?」
女「……またタカシはバカを言う……私をからかうな……」
男「そっか? 案外真面目に口説いてたんだけどな」
女「……うっさい、黙れ」
男「へいへい」テクテク
女「……」テクテク
男「……」テクテク
女「……」テクテク
男「なぁ、ちなみ」
女「……何?」
男「今俺たち、お前んちの前通りすぎたぞ」
女「……ふぁっ!?」
男「動揺隠すの下手過ぎるだろ、お前」
女「……///」ボッ
648ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 13:16:13.23 0
>>647
ちなみん可愛いぞwww

最後ならちなみんは俺の嫁
649ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 13:40:26.38 0
これは次の日新妻ちなみんが男の部屋に現れますねぇ…
650ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 15:53:58.65 0
ちなみんはわたさない
651ほんわか名無しさん:2013/11/21(木) 17:11:24.59 0
じゃ、友ちゃんは頂いていく
652ほんわか名無しさん
>>647
ちなみんかわかわ