ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら0.2
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは?じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「??アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry
山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。
※名前の由来などについてはまとめサイト参照
・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう
前スレ870ですが、容量オーバーやらかしました(´・ω・`)
続きは仕切り直しで日付変わったら投下します
そして今度は本スレの保守を忘れて落とすと……orz
容量オーバーなんてものがあるのか……
ほの板のスレはここ以外見てないし、常駐してるの他はラノベ板くらいだから知らんかった
何はともあれ
>>1乙!
>>7 昔はよく、VIPの荒らしに連投書き込み食らって容量オーバーでdat落ちしてた
500KBだから留意しておこう
12 :
1/6:2012/09/10(月) 00:46:10.27 0
・男が全く夏休みに帰省しなかったら 〜後編〜
『なっ……!? 何でそんな、その……兄さんとデートみたいなことしなくちゃいけない
んですかっ!!』
「いや。嫌ならいいけどさ。俺も元々用事ない訳じゃないし。もう帰るなら駅まで送るか?
それともそれも必要ない?」
『な、何で来たばかりで追い出そうとするんですか!! 誰も、そんな来たばかりで帰り
たいなんて言ってもいないのに……』
「別に帰って欲しい訳じゃないさ。別に、気の済むまで部屋にいてくれたっていいし。た
だ、あんま遅くなるとお母さんとか心配するとは思うけど」
『そ、そこまで居座る気もありませんっ!! 思ったほど散らかってはいませんでしたけ
ど、それでもどことなくムサい感じがして嫌なんですよね。兄さんの部屋って』
「まあ、男の部屋だからな。で、どうする? 俺は敬子に合わせるけどさ」
『も、もう兄さんに任せます。兄さんが都内を案内したいって言うなら、付き合ってあげ
なくもないです』
「なるほど。真っ先にそれが口に出るって事は、やっぱり出かけたいって事なんだな。全
く、お前から希望聞き出すのも苦労するぜ」
『ちっ……違いますってば!! 私が行きたいんじゃなくて、兄さんが行きたそうだった
から、仕方なく付き合ってあげてもいいかなって思っただけですし、そもそも最初は兄さ
んが提案した事じゃないですか!! 何でそれが私が行きたがってるみたいになってるん
ですか!! 意味が分かりません!!』
「分かった。謝るから興奮すんなって。ちょっと待ってろ。友達に電話して、約束キャン
セルして貰うから」
プルルルル……プルルルル……
「あ、もしもし山田……って、何でと……お前が出てんだよ?」
『(電話の人……誰? 何か声が甲高く聞こえるけど……)』
「何? 山田の奴まだ寝てんの? いや、勝手に帰ったって……だって、起こしても起き
なかったから。ちゃんとメモは残したじゃん。ああ、だからゴメンって」
『(何か女の人みたい…… それも何か、やたら親しげで……)』
13 :
2/6:2012/09/10(月) 00:46:42.85 0
「それでさ。今日、遊びに行くのさ。悪いけど用事が出来たから……何でって、急に実家
から妹が出て来たんだよ。それで、一日どっか観光でもするかって……」
『(まさか……兄さんの彼女って訳じゃないと思うけど…… でも、どんな関係なんだろう……
違うって思ってても……何でこんな、気になるんだろう……)』
「違うよ。そんなんじゃねーって。知ってるくせにからかうなよ。ホントだってば。ああ、
だからみんなに宜しく言っといてくれって。それじゃな」
『兄さん』
「ん? ああ。ちゃんと時間空けたからさ。少し休んだら出掛けようぜ。どこ行く?」
『その前に、一つ聞いていいですか?』
「ああ。別にいいけど、何?」
『今の電話。相手の人、女性でしたよね?』
「へ……? い、いやその……友達だって。マジで」
『何で隠そうとするんですか。妹相手に隠す必要もないと思いますけど。相手の人の声が
大きくて、電話から声が漏れ出てましたから』
「だって、何か昔っからお前、女の子がらみの話とかだと、やたら不機嫌だったりするじゃ
ん。だからまた怒るのかと思ってさ」
『べ、別にその……正直に言ってくれれば怒りませんてば。だから言って下さい。今の電
話の女性と、どういう関係なんですか?』
「だから言ったろ? 友達だって。大学のサークルで一緒のさ。性別言わなかっただけで、
それは嘘じゃない。あと、ついでに言えば、昨夜泊まらせて貰った友達の山田って奴の彼
女でさ。昨夜一緒に飲んで、彼女は帰ったんだけど、今朝俺もいると思って来たらいなかっ
たから、それで色々聞かれたんだって」
『本当ですよね。それだけですね? 嘘偽りは……ないですよね?』
「ないってば。これで満足したか? それともやっぱり不満か?」
『いえ。単なる好奇心ですから、別に不満を持つとか有り得ませんし。まあ、まさか兄さ
んみたいなダメな人に彼女が出来るとも思ってませんけど』
14 :
3/6:2012/09/10(月) 00:47:22.47 0
『(良かった…… 少なくとも、今はまだ…… ううん。断定は出来ないけど、でもさっき
の人は彼女じゃなくて…… 兄さんが家を出てから……ずっと不安だったから……)』
「ちぇっ。言ってろよ。自分だってまだ、彼氏無しなんだろ?」
『な……っ!? そ、そういう事言うと、本当に怒りますよ? わ、私は別にモテないわ
けじゃないんですから。むしろ私の方が理想高すぎじゃないかとか奥手過ぎとか、散々か
らかわれてる方なんですから』
「わ、分かったから落ち着け。で、出かける事が決まった訳だけど、どこにする?」
『に、兄さんが決めて下さい。私はまさかそんな兄さんとデ……出掛けるなんて考えてま
せんでしたから、急に言われても思いつきませんし』
「そうだな……じゃあ、ソラマチとか行くか? ちょっと遠いけど、新名所だし。あとは
お台場か、近場で済ませるならサンシャインって手もあるけど。そっちの方が景色楽しん
だりとかは出来るな。あとは飯食って、ショッピング街回ったり……台場なら、ヴィーナ
スフォートとか。お前、あんまりオシャレな店回ったりしないだろ。たまにはいいんじゃね?」
『し、失礼な事言わないで下さい!! そりゃ、中学の時までは全然オシャレとか、興味
ありませんでしたけど、今はそれなりに考えてるんですから。今日だって――って、べべ
べべべ、別に兄さんに会うからオシャレした訳じゃなくて、遠出するんだから、普通に女
の子の嗜みとしてオシャレしただけで、本当に、兄さんなんかの為じゃないんですから!!』
「はいはい。その口ぶりも久しぶりで懐かしいよ。お前の性格は十分分かってるから、心
配すんなって。勘違いなんてしないから」
『わ……分かっていれば、その……問題ないですけど……』
『(どっちなんだろう……? 言葉どおりの意味なのか……それとも……裏の意味まで知
られてるんだとしたら……私……)』
「ま、お前もせっかくの休みを親に使われただけじゃ可哀想だからな。今日は遠慮せずに
何でも俺にねだれ。ちょうど、夏に稼いだバイト代の余りでまだ少しは余裕あるからさ」
『無理しないで下さいよ、兄さん。妹の前でカッコ付けようとして余分な出費した挙句、
お母さんに仕送り泣き付いたなんて事になったら、私もバツが悪いですし』
15 :
4/6:2012/09/10(月) 00:48:04.28 0
「大丈夫だって。銀行の残高見て、ちゃんと使える分だけ下して来てあるからさ。お前は
何の心配もせずに、俺に頼っていればいいんだよ」
『全く……たまに妹の前で兄らしい事出来るからって偉そうに……って、ちょっと待って
下さい。今、何て言いました?』
「へ? いや。だから今日は何の心配もしなくていいぞって」
『その前です。銀行が何とかって』
「ああ。だから、ちゃんと使える分だけ下して来たから……って、やべっ」
『何だかまるで、私が来る事を予期していて下して来たみたいな口ぶりでしたね。そして
その態度。兄さん。私に何か隠していることがあるでしょう?』
「い、いやその……下して来たってのはさ。昨日、友達と飲んで金使ったし、週末は何か
と物入りだからって、別にお前の為に下ろしてきたわけじゃなくて……」
『私みたいなしゃべり方を真似しないで下さい。正直に言わないと、お母さんに兄さんは
仕送りの大半をエッチな物に注ぎ込んでるって嘘言って仕送り半減させますよ? 私の報
告と兄さんの弁解のどっちをお母さんが信じてくれると思いますか? あと、私の友達を
通じて兄さんの地元の友達にもその噂を流しますから』
「お前、人を脅すにしたって、嘘の情報を流すのは止めろよ。本気でお母さんが信じたら
どうすんだ? 俺、干上がるかも知れんぞ」
『だったら、正直に私に話して下さい。兄さん。私が来るのを知っていたんですか?』
「う…… えーと……まぁ……つっても、知ったの今朝なんだけど」
『一体どうやって? 誰が知らせたんですか? 教えて下さい兄さん。さもないと……』
「わ、分かった!! 言うから、殺意の篭った目で俺に迫るなって!!」
『早く教えて下さい。でないと私……自分が抑えられないかもしれませんよ……』
「い、いやだからさ…… そんなの決まってるだろ? お、お母さんからだって。つか、
他に誰がいるんだよ?」
『他にって、ゆーぽんとか英子ちゃんとか、兄さんも一応顔見知りじゃないですか。私が
今日、東京に行ったって知れば、勘付いてメール送るかもって……で、お母さんですか!?』
16 :
5/6:2012/09/10(月) 00:48:40.80 0
「ああ。友達のトコで寝てたら、朝一で電話があってさ。敬子が今日、そっちに行くから
相手してやってくれって。だから取るものもとりあえず帰って来たら、もう玄関先にいたからさ……」
『ちょっと待って下さい。他には何か言ってませんでしたか? 洗いざらい白状して下さ
い。でないと疑心暗鬼で兄さんを殺してしまいそうです』
「ぎ、疑心暗鬼で人を殺すな!! しまったな……お母さんからは絶対に言うなって言わ
れてたんだけど……」
『ダメです!! 絶対に言わないと、私が許しません!!』
「いやその……だから、夏休みに一度も顔出さなかったから、敬子が寂しさのあまり超不
機嫌になってて困ったから、そっちに行くように仕向けたんで、あと宜しくって」
『誰が寂しがってるって言うんですかーっ!! あああああ……そ、それじゃあ私がここ
に来た理由ってのは……も、もしかして……』
「ああ。それは敬子の事だから、多分私から頼まれたって言うだろうけど、適当に合わせ
てあげてくれって。えーと……本当にお兄ちゃんっ子で困ってるんだからって笑って……」
『おっ……おっ…………』
「け……敬子?」
『お母さんのバカアアアアアアッ!!!!』
「どわっ!?」
『あああああ……もうっ!!もうっ!! 当の本人に何てこと言うのよっ!! ヤダヤダ
ヤダッ!! 恥ずかしくて死にたいっ!!』
「落ち着けって。敬子。まずは静かにしろ。隣近所から苦情が来るから」
『これが落ち着いていられますかっ!! 親に自分の恥部を曝け出されてまともな神経で
いられる訳ないでしょう? こっち見ないで下さい兄さん。私……今、兄さんに見せられ
る顔してませんから!!』
「大丈夫だって。敬子」
ギュッ……
『ふぇっ!? に……兄さん?』
「悪かったな。夏休みに家に帰らずに寂しい想いをさせてさ」
『そ……そんにゃっ……わ、私は別に……さ……寂しくなんて……』
17 :
6/6:2012/09/10(月) 00:50:01.37 0
「ああ、ゴメン。そうだったな。でも、不機嫌にさせたのは事実なんだし、今日はその埋
め合わせに、散々俺に甘えていいんだからな。今日は、敬子の物になってやるから、自由
に振り回してくれ」
『わっ……私の物っ……ですかっ? ににににに……兄さんが……?』
「ああ。だから欲しい物ねだろうが、八つ当たりに暴力振るおうが、好きにして構わないぞ」
『……ほ、本当ですよね? その言葉に嘘偽りはありませんよね?』
「ああ。誰が、可愛い妹を前にして嘘なんてつくかよ。本当の本当だから、信じていいぞ」
『……じゃ……じゃあ……早速……』
ギュッ……
「何だ。甘えたかったのか? にしても、お前にしては珍しいよな。そういう態度見せる
事自体が」
『……こ、これはその……甘えたいんじゃなくて、単に興奮した心を落ち着かせたいだけ
です。黙ってて下さい兄さんは。落ち着いたら……離しますから……』
「ああ。わかった」
『覚悟して下さいよ? 今日は一日……兄さんを離しませんからね。疲れたとか、音を上
げたって……絶対に許さないんですから……』
終わり
18 :
ほんわか名無しさん:2012/09/10(月) 00:57:06.23 0
ほす
甘すぎて死にそうだぜ・・・
>>17 うおおおおおおお
素晴らしい!素晴らしすぎる!!
敬語妹好きの俺の魂にクリーンヒットしたぜ超GJぅうう!
お題
つ・ツンデレの鞄が一杯になっているのを見て、何が入っているのか聞いたら
前スレ容量オーバーしてるのに気づかず投下されるのを今か今かと待ち続けていたバカな俺……
>>17GJ
25 :
1/2:2012/09/10(月) 23:25:49.98 0
【くぱぁの日】
「俺は知らなかったのだけど」
「はぁ」
とある放課後、俺は大谷先生と一緒に補習という名のお茶会をしていた。そんな最中、俺はあることを切り出した。
「9月8日はくぱぁの日だったらしいね」
「くぱぁ? なんですかそれは?」
イノセントな感じの瞳に魅入られたので、事細かに説明してあげる。
「〜〜〜〜〜!!!」
すると、顔を真っ赤にしながら俺をぺしぺし叩く人が出来上がります。素敵ね。
「な、な、な、な、何を教えてるですか!? 神聖なる学び舎で、聖職者に! にぃー!」
「聞かれたので」
「聞かれても! そーゆーことはある程度誤魔化したりするものなのですよ! 普通は!」
「ちなみにくぱぁとは、先生のそこを二本の指でこう、くぱぁと」
「もう聞きました!!!!!」
先生は両手で耳を塞ぎ、イヤイヤと首を振った。興奮して顔が赤く、しかも涙目なので、俺の劣情をまあそそることそそること。
「ということで、先生」
「聞こえませんっ! 何も聞こえないのですっ!!」
「先生」
聞こえないらしいので、純然たる善意からパワーオブゴリラ(訳:ゴリラ力)で先生の手を耳から引き剥がす。純然たる善意で。
「嫌なのですっ!!! 断固拒否するのですっ!!! そーゆーことは結婚してからなのですっ!!!」
「くぱぁをしてくれませんか」
「必死で拒否しているこの姿が見えないのですかっ!!?」
半泣きで怒る先生は可愛いなあ。
で。
「絶対、ぜーったい、絶対の絶対の絶対にお断りなのですっ! 断固拒否するのですっ! 今回ばかりは折れる気配がゼロなのですっ!!!」
こんなに頼み込んでいるのに、先生ときたら一向にくぱぁをしてくれない。これでも聖職者なのか。ふんとにもう。
26 :
2/2:2012/09/10(月) 23:26:23.45 0
「でもまぁ、頼み込んだら“くぱぁ”してくれる聖職者がいても嫌だよな。わはは」
「あーっ!? ほらほら、やっぱり別府くんもおかしいと思ってるんじゃないですかっ! 分かったら一刻も早く先生にくぱぁをやらそうとするのはやめてくださいっ!」
「先生の口からくぱぁって聞こえると興奮するな。よし、録音するのでもっかい言って」
「御免被るのですっ!!!」
「あぁん」
いそいそとケータイを取り出したのに、叩き落された。わたわたしながら拾う。
「わたわたしないでくださいっ! 先生は怒っているのですっ!」
「……ん、よし。壊れてないみたいだな。よかったよかった」
「むー……」
口ではむーと言って不満を装っているが、壊れていないと聞いてこっそり安心しているのを俺は見逃していない。善人め!
「まあ、そこまで嫌がるなら、今回は諦めるよ。代わりにちゅーでいいや。ああ残念残念」
「そっちも当然お断りなのですっ」
「えええええーっ!? 超さりげなくしたのに!? いける雰囲気だと思ったのですが!」
「いけるわけないのですっ! 今日も別府くんは頭おかしいのですっ!」
「担任教師にくぱぁしてくれって頼んでいる時点で分かってるだろうが、たわけ!」
「なんで先生が怒られてるのでしょうか……」
何やらショックを受けてる様子。
「分かったら俺にちゅーして今日のところは帰ろうか」
「ちゅーはお断りしますが、帰るのは賛成です」
「あ、気づいてないかもしれませんが、ちゅーとはキス、口づけ、接吻のことだから安心して行なってください」
「分かっているのです! 分かっているから断っているのです!」
「ディープの方でいいから」
「悪化してますっ!」
「ままならないなあ」
「超こっちの台詞なのですっ!」
ということで、くぱぁはおろかちゅーまでしてくれなかった。なんて酷い先生なんだ。
合法ロr・・・大谷先生キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
大人とは思えない初心さだなww
>>26 もう何もかもヒドいな!
GJ!!www
しかしある日分裂増殖した大谷先生が一匹うちにこないかな、
きたら毎日お菓子あげるんだが。
とりあえず大谷先生は真面目に補習を受けさせるべきだと思うんだwwww
GJ
お題
つ・ツンデレがどうも最近男にバカにされてる気がして悩んでいたら
32 :
ほんわか名無しさん:2012/09/11(火) 22:41:59.00 0
かっかっかつみのおっぱいはー
かーぜが無いのにゆっさゆさ
ちなみんのは風があっても揺れないね
34 :
ほんわか名無しさん:2012/09/12(水) 01:21:20.05 0
それどころか地震があっても…ウグッ
友ちゃんのスカートが風でひらひら
お題
つ・理想と現実の違いに悩むツンデレ
久しぶりにお題ネタじゃあぁぁぁぁぁ!!
・ある日、男がツンデレの家を尋ねると、ツンデレがベッドで寝息を立てていました。
・起こすのも悪いと思った男は、ベッドの傍らでツンデレがいつ起きるか見守っていました。
・ツンデレの髪はさらりとベッドに流れ、美しい光沢を放っています。
・最初はその髪だけに目を向けていた男でしたが、次第にその無防備な寝姿に目が行くようになり、なんとも言えない気持ちになりました。
・一度意識すると劣情は止まらず、歯止めの効かなくなった男はついに、ツンデレに悪戯を仕掛けました。
・男は、ツンデレの二の腕をつつきました。ツンデレは、目を覚ましません。
・男は、ツンデレの頬に触れました。ツンデレは、それでも起きようとはしません。
・男は、ツンデレの太ももを撫でました。ツンデレは、全く気がつく気配もありません。
・そしてとうとう男は、寝ているツンデレに顔を近づけ、その唇にキスをしてしまいました。
・それでもツンデレは、寝息を立てたままです。
・男はその無垢な寝顔に自己嫌悪を覚え、キスしたことを激しく後悔しました。
・いたたまれなくなった男は、逃げるように部屋を後にしました。
・明日、事情を説明して土下座しようと誓う男でしたが、キスする瞬間のツンデレの
肩が、微かに震えていたことにだけは、どうやら気がつかなかったようです。
・部屋の中に一人取り残されたツンデレは、目を閉じたまま、「男の意気地無し」と小さく呟いたそうです。
>>37 もうこれ完成してるじゃねえかGJ!!
萌え転げて顔面崩壊しちまったw
友ちゃんの髪くんかくんか
>>37 素晴らしすぎるのではやく文章にしやがれください
41 :
ほんわか名無しさん:2012/09/13(木) 08:40:27.05 0
身体的に責めてくる浪花の大阪ツンデレ
精神的に責めてくるおっとり京都ツンデレ
方言ツンデレは萌えるけど、形にするのは難しいな
直ったか?
よし、書き込めた
お題
つ・ツンデレが男にメールを打とうと思ったのに、障害で繋がらなかったら
規制解除されてたら何か書く
鯖復帰おめ
お題・ツンデレにお前の身体エロいよなって言ったら
お題
つ・口ばかり達者な男にいい加減ツンデレがブチ切れたら
友ちゃんに甘えたい
豊満なおっぱいに顔をうずめてなでなでしてもらいたい
山田を甘えさせたい
もう止めてよって言うまでムギューってしてスリスリしてその気にさせたい
てす
『タカシさん』
「なんです京(みやこ)さん」
『昨日、駅前で偶然タカシさんを見たんやけど』
「はい…」
『美人さんと一緒でえらい楽しそうでしたなぁ』
「え?あー、はい、はい」
『うちの前では絶対しーひん様な顔やったわ』
『まぁタカシさんが誰と付き合ってようと、うちには関係あらへんけど、知り合いとしてはもう少しビッとしてほしいわ』
『まぁうちには関係あらへんけど、』
「あのですね、京さん。あれは姉です。夏休みなのに全然帰省しなかったのに、昨日帰ってきて買い物に付き合わされてたんです。」
『そうやったん?』(///)
「はい、ですからボクは誰とも付き合っていませんけど……って京さん、何処行くんですか?」
『もう!知らん!』(////)
『(一人で勘違いしてもーて、恥ずかしいて顔みられへん)』(////)
かんわいいいいいいいなあああ!
GJ!
あんまり方言らしい方言のないとこ出身なのでこういうの書けんのよなあ……うらやまし
京さん久々に見た!!
56 :
ほんわか名無しさん:2012/09/15(土) 17:52:57.22 0
もしも男の母親が
完璧なプロポーションをして綺麗で可愛い一面もありつつも偶に大人の色気をみせ
実家は誰もが知る名家で幼少の頃よりあらゆる習い事をして色々な所に名を残し
とても男の事を溺愛している完璧超人
だったら
>>56 ツンデレがどうやってお母さんを丸め込むのか見ものだね!
>>56 何とかお母さんに認めて貰いたくて、必死で頑張ろうとするツンデレ可愛い
そういえば週末だけど今日はスレ立つんかいな
お母さんも若い頃はツンデレだったんですねわかります
山「・・・ううう」
風邪ひいた。
やっぱ、雨に降られたのがいけなかったのかな・・・
ちょっと調子悪かったしなあ。
山「・・・へ、へっくしっ!!」
あー・・・ティッシュ無くなってきた。やっばいなあ・・・
・・・うん、寝よ。寝るのが一番だよね。
・・・。
山「・・・んぁ・・んんっ」
・・・寝てたのか。
山「・・・ん・・・」
明るさは、そんなに変わらない感じがするけど・・・
今何時だろ。携帯、携帯っと・・・
・・・んっ?
なんか、手に当たったよーな。
・・・ああ、友ちゃんか。
ん?
なんで友ちゃん・・・?
山「ええっ、とっ、友ちゃんっ」
いやいやいや、何でこんなところで寝てるわけ?
また窓から不法侵入したの!?
山「ちょっと、友ちゃん、起きてよっ」ゆさゆさ
友「ん・・・?・・・ああ、山田、起きてたのね・・・ふあぁ」
山「いやいやいやいや」
友「・・・あによ。あたしがいるのがそんなに変?」
そりゃもう。
友「大丈夫、今回は玄関から堂々と入ったから」
そうなのか、それなら・・・
山「・・・よかった、忍び込んだわけじゃないんだね。」
友「なによ、とーぜんでしょっ。そうそう、持ってきたのよ、これこれ」
じゃーん、という擬音でも付きそうな感じで友ちゃんが出してきたのは。
山「桃缶だね」
友「・・・あんたねえ、もーちょっとイイ反応出来ないわけ?せっかく持ってきてあげたのに」
ちょっと不機嫌になる友ちゃん。
ムスッ、っという擬音でも聞こえてきそうだ。
山「ああ、ごめんごめん」
友「・・・もう。今から用意するから、ちょっと待っててね」
・・・鼻唄を歌いながらキッチンに向かってる。
そんなに、看病が楽しみなのかな?
友「はーい、お待たせ〜」
さっきの桃缶だ。
丁寧に、小さくカットされている。
普段皆からは大雑把だと思われてるけど、友ちゃんって案外気が利くんだよね。
山「ありがと、友ちゃん」ニコッ
友「・・・!」
山「ん・・・友ちゃん?」
友「・・・あ、べっ、別になんでもないわよっ」プイッ
山「・・・?」
まただ。
最近は特に、こんなのが多い。
急に顔を赤くしたと思ったら、何でもない、とそっぽを向いてしまう。
この前は熱が出てるんじゃないかって、手を額に当てたら振り払われたっけ。
友ちゃんはコホン、と小さく咳払いをして、桃にフォークを刺した。
友「・・・とにかく、はい」
・・・え。
友「ちょっと何よ、あたしの桃缶が食べられないわけ?」
・・・いや、そうじゃなくて。
山「これって、あーん、ってやつ・・・だよね?」
友「・・・そ、そう言う人もいるわね」
大体の人はそう言うと思います。
友「あっ、あんたは一応病人なんだから、大人しくしてなきゃダメでしょ!?」
山「いや、別にこれくらいなら・・・」
友「う、うるさいわね、さっさと食えっ!」
山「んんぐっ」
・・・僕の口に無理矢理突っ込んできたよ、この人。
もう、フォーク刺さるところだったじゃんか。
山「・・・んぐんぐ」
友「どっ、どう?まずくない?」
山「おいしいよ。っていうか缶詰なんだから、まずいも何も・・・」
友「そういうこと言わないの。・・・ほら、まだまだあるんだから、はい」
早速、次のひと切れを持ってくる。
なんか恥ずかしいけど・・・ま、いいか。
友ちゃんも好きでやってるみたいだし。
山「・・・あー・・・んっ、・・・・んぐんぐ」
友「はい」
山「・・・んぐんぐ・・・あー・・・んっ」
友「あははっ、山田おもしろーい」
・・・やっぱり楽しそうだなあ。
そんなことをしていると、桃缶はなくなってしまった。
一人で食べてたら、多分残してただろうな、この量。
友「すごいわね、あの量を一気に食べちゃうなんて」
友ちゃんが押し付けたのもあるけどね。
山「さすがにもうお腹いっぱいだよ・・・ふう」
友「えー。まだまだあるのに・・・」
・・・もう無理です、マジで。
そんな残念そうな顔しないでください。
山「大丈夫、後で食べるから」
友「はぁ・・・しょーがない、っか・・・一応、あんた病人だし」
山「じゃあ、もうこれで・・・」
友「・・・そうね。おやすみ」
・・・で、なんでベッドに不法侵入するんですか。
山「・・・ちょ、ちょっと・・・風邪移るって」
友「何よ、移す気なの?」
山「そういうことじゃなくて・・・」
友「いいから、あたしが暖かくしてあげてんだから」
山「うー・・・ん」
友「そう、それでいいの」
友「・・・すぅ・・・・すぅ」
山(・・・眠れない)
主に隣の人のせいですが。
何故僕を抱き枕にするんですか。
一応、当たってるんですよ?わずかながら。
吐息も耳元ですーすー言ってるし。
・・・僕、男なんだけど・・・
山「・・・・はぁ」
山(ま、いいか)
その後、僕はずっと、友ちゃんをなでなでしていた。
・・・髪の毛、サラサラだなあ。
後日。
案の定友ちゃんは風邪をひき、僕はその看病をする羽目になった。
その日のことは、ちょっと恥ずかしくて、人には言えそうにない。
友ちゃんかわいいいいいい!!!
友ちゃんの看病編もあるんだよな?
GJ!!
69 :
ほんわか名無しさん:2012/09/15(土) 23:59:07.89 0
中学の時に生徒から没収した本に影響されて変態になっていったお嬢
生まれながらの変態なお嬢
男の家に初めて遊びに行ったときに、男のベッドの下から痴女もののHな本が大量にあるのを見て
恥ずかしさを押し殺して、なんとか男に振り向いてもらいたくて変態的な言動を取るも
毎日家に帰った後に恥ずかしさが爆発してしまい、ベッドバタバタしたりお風呂でブクブクして
恥ずかしさを紛らわし、明日の為にとHな本やDVDで真っ赤になりながら勉強するお嬢
寝るときは全裸なお嬢とか
いっそ……
つ・家では全裸なお嬢
72 :
1/2:2012/09/16(日) 02:48:26.01 0
【ツンデレに思ったことを言ったら】
「あっ! 幼女と触れ合いたい!」
「…………」
思ったことを言っただけなのに、さっきまで普通に会話をしていたちなみが俺から明らかに距離を取った。
「どうして離れる」
「……タカシは日々成長するのだなあ、という事実をまざまざと見せつけられたので」
「どういうこと?」
「……言動が気持ち悪い」
「なるほど。ところでちなみ、ものは相談なのだが」
「嫌」
「俺に」
「嫌」
「ぺろぺろ」
「嫌」
「されることに抵抗はあるか?」
「……三連嫌をこれほど容易く無力化するとは。タカシにはほとほと脱帽だ」
「いやぁ。でへへぇ」
「……褒めていない。早く死ね」
「なんと」
「……そして質問の答えだが、死ね」
「なんと」
「……どうしてタカシなんかにぺろぺろされなければいけないのか。それならまだ硫酸の海に身を投じる方が遥かにマシだ」
「生きながら溶ける方がマシとは。どれほど俺は嫌われているのだ」
「……これくらい?」
ちなみは無表情なまま俺の頬に触れると、両手でむいむい引っ張った。
「痛い」
「……私に力があればこのまま引き千切れたものを。無力な自分が憎い」
「おや、知らず死に瀕していたようだ。世界は常に危険と隣り合わせと再確認できてよかったよ」
「……それはよかった。じゃあ死ね」
「嫌です」
「……死んで?」(こてりと小首を傾げながら)
73 :
2/2:2012/09/16(日) 02:48:56.79 0
「はいっ! ああしまった、罠にはまった!」
「……死ね、死ーね」
ちなみは嬉しそうに(と言っても無表情は崩していないが)腕をぱたぱたさせながら、俺を囃し立てた。
「うーん。分かった、俺のお願いを聞いてくれたら死ぬ」
「……嫌だ。何もできずに虫のように死ね」
「虫だけに俺のお願いを無視する。なんちて。うひゃひゃ」
「…………」
「……分かってる。分かってるんだ。だけど、言わずにはいられなかったんだ」
「……がんばれ、がんばれ」
ついさっき死ねと言ってきた奴に慰められたうえ、頭までなでられた。超泣きそう。
「……あまりに哀れなのでお願いを聞いてやる。なに?」
「自爆した甲斐があった。ええとだな、お前の顔をぺろぺろさせ」
「却下」
「なんと」
「……とても気持ちが悪いので」
「俺は気持ちよくなるよ?」
「……却下」
「なんと」
「……じゃあ、聞いたので、死ね」
「うーん、まあ、いっか。じゃあ数十年後に寿命で死ぬよ」
「がーん。騙された。……だが、死因を聞いてなかったのはこちらの落ち度か。仕方ない、今回は諦めるが、次はちゃんと死ぬように」
「はい」(なでなで)
「……なんでなでる」
ちなみは迷惑そうに顔をしかめた。
「ちなみの顔を舐められなかったので、その代償行為」
「……うーん、いつだって気持ち悪い。すごい才能だ」
「じゃ、なでるのは諦めてちなみをぺろぺろするよ。ああ残念無念」
「……却下」
「ままならぬ」
しょうがないので、ちなみをなでてました。
「……ん」
あと、ちなみが迷惑そうだったのは最初だけで、なでられてなんかちょっと嬉しそうになってることは、俺だけの秘密だ。
>>73 全く。こんな夜中に何をやっているんだお前はwwww
ちなみんとの掛け合い良過ぎwwww
75 :
1/7:2012/09/16(日) 18:13:43.69 0
・ツンデレが男に見せる為に水着を購入したら その1
「あちぃ……」
燦々と降り注ぐ夏の終わりの日差しを浴びて、彼は農道を歩いていた。
「全く、かなみの奴急に来いとか言いやがって。何でこんなクソ暑い真昼間に……」
隣に住む幼馴染の女の子のややキツめで整った顔立ちを思い出し、彼は顔をしかめた。
隣、とは言っても家と家との間は数百メートル離れており、間には広い田んぼが両家の間
に広がっていた。
「土地は隣同士だけどよ。こんなのお隣さんとは呼べないよな」
彼の両親や祖父母は、彼女の家をお隣と言うけど、彼は絶対にそれは違うと思っていた。
隣同士というのは、家と家が隣接して初めて成立するものだと。そんな事を内心愚痴って
いるうちに、さっきから見えていた彼女の家がようやく間近になった。玄関先で彼女の母
が、庭の植物に水をやっている姿が見える。
「こんにちは、おばさん」
年頃の女子の母親とはいえ、小学校に上がる前から何度も遊びに来ている家だけに、彼
にとっては気安い間柄である。いつものように挨拶すると、彼女は振り返って彼を見ると
微笑んだ。
『あら、タカちゃん。遊びに来たの? かなみなら部屋にいるわよ』
彼は頷くと、冗談交じりのしかめつらしい顔をして見せた。
「遊びに来たって言うか、呼び付けられたんですけどね。ついさっき、携帯で今からすぐ
来いって。今暑いからもう少し後じゃダメかって聞いたんですけど、ふざけんな。あたし
からの誘いを拒否るとかあり得ないって怒鳴られて」
肩をすくめると、母親は困ったように家の二階――彼女の部屋のある方――を見上げて、
ため息をついた。
『全く、あの子にも困ったものね。いつになったら、女の子らしさっていうか、女子力を
身につけてくれるのかしら?』
「さあ」
同意する彼と目を合わせて、母親は笑った。彼女の母親との間だと、変なお世辞は却っ
て空々しくなってしまうだけだ。
「それじゃあ、遅くなるとかなみの怒りが倍増するんで、上がらせて貰いますね」
76 :
2/7:2012/09/16(日) 18:14:22.04 0
お辞儀をして、そう断わると彼女はホースの水を止め、慌てたように彼を押し止めた。
『ちょっと待ってて。と……階段のトコで』
そう言うと、パタパタと駆けて縁側でサンダルを脱ぎ散らかして家の中に入っていく。
そういう所はきっと娘に引き継がれたのだろうなと思いながら、彼はお邪魔しますと挨拶
をして玄関から入り、言われたとおりに階段のところで待っていた。程なく、台所から母
親が姿を見せた。手に持つお盆の上には、濃い茶色のお茶――恐らく麦茶だろう――の入っ
たグラスが二つと追加用のガラスのポット。それに、皿の上にぶどうが二房盛ってあった。
『悪いけど、これ持って上がって。澤田さんところから貰ったぶどうがちょうどあったか
ら、かなみと二人で食べてね』
「すみません。ありがとうございます。ご馳走になります」
お礼を言って、彼は両手でお盆を受け取ると、注意して階段を上った。彼女の部屋の前
に立つとノックをしようとして両手が塞がっているのを思い出し、声を掛ける。
「かなみー。入っていいかー?」
すると、すぐに返事があった。
『いいわよ。どうぞ、勝手に入って』
「悪いけど、ドア開けてくれ。今、ちょっと手が塞がってて」
彼の頼みに返事はなかった。やや、間があってから、ドアがカチャリと音を立て、外側
に開く。
『何なのよもう。開けていいって言ったでしょ? めんどくさいわね』
仏頂面をして、彼女が文句を言う。部屋の中からは彼女のお気に入りのロックナンバー
が流れ、奥を窺うと雑誌が広げっ放しになっていた。どうやら、おくつろぎ中だったよう
だ。呆れた気分で、彼はお盆を掲げて見せた。
「ほれ、これ。二人で食べろっておばさんが」
たちまちのうちに、彼女の顔が喜びで綻んだ。
『やたっ!! 巨峰じゃないこれ。あたし、好きなのよね〜』
上機嫌で取って返すと、彼女はポン、とベッドから床に一つクッションを放る。彼が彼
女の部屋を訪れた時にいつも使っている物だ。
『座って。用事の前に、まずは食べちゃいましょ。冷たいうちに食べとかないともったい
ないもんね』
77 :
3/7:2012/09/16(日) 18:14:53.29 0
ウキウキした声で彼を促すと、彼女は先に自分のクッションに座り、一粒房から取り、
皮から実を搾り出すように剥きながら口に含んだ。
『うん。美味しい。やっぱり初物っていいなぁ』
彼女に倣って、彼もぶどうの実を一粒口に含む。冷たくて甘くてほのかに酸っぱさもあっ
て、それはむしろ抵抗感ではなく爽やかさを感じさせた。
「お? ホント美味いな。これ」
もう一粒取りながら、彼は彼女に感想を言う。すると珍しく、素直に笑顔で彼女は頷い
た。
『でしょ? あたしが大好きだって知っててさ。お母さんのお友達が毎年実家から送って
くるのをお裾分けしてくれるようになったの。他のぶどうも好きだけど、これだけは一年
に一度しか食べられないから、特別なのよ。そういうのをご馳走してあげてるんだから、
感謝しなさいよね』
「はいはい。いや、本当に美味しいし、有難く思ってるよ」
ちょっと恩着せがましい言葉に、やっぱりいつもの彼女だとおかしく思いつつ彼は頷い
た。彼女が満足気にぶどうを食べ続けているのを黙って見つつ、果たして何で自分が呼ば
れたのかを考える。勉強道具が広げてある訳でもないし、ゲームの攻略法が分からないか
らと呼ばれた様子もない。退屈してるなら、何かしら暇つぶしを持って来るように事前に
要求するし、めんどうな家の用事を手伝わされでもするのだろうか。
『早く食べちゃって。別にぶどうご馳走する為にアンタを呼んだんじゃないんだから』
気が付くと、彼女のぶどうの房は、もう綺麗に無くなっていて彼女は二杯目の麦茶で口
を潤しているところだった。
「さすがにそれは分かってるよ。かなみがそんな親切じゃないってのもな」
憎まれ口を叩き返すと、彼女の顔がみるみるうちに不満そうな色に染まる。
『わ、悪かったわね。親切じゃなくって。ていうか、失礼よ、それ。誰が親切じゃないっ
て? 確かにタカシに分けてあげるような親切心は持ち合わせてないけどさ。他の人には
そうじゃないんだからね』
「いや。だから、俺に対しては、そんなに親切じゃないんだろ? 別に間違ってないと思
うけど」
言い負かした、とちょっと得意気になる彼に、彼女の表情が悔しげになる。
78 :
4/7:2012/09/16(日) 18:15:24.67 0
『目的語を省略しないでよね。わざとぼかしておいて後から付け加えるように言うなんて
ズルい』
憤慨して、彼女はグラスに入った麦茶を一気にあおる。
「省略したって、状況とか前後の言葉で誰に対しての言葉かくらい察しないとな。そりゃ、
俺だってかなみが学校でも、近所の手伝いとかでも積極的に手助けしてるってのは良く知っ
てるし」
からかいつつもさりげなく褒め言葉を混ぜられ、怒りと照れが同時に襲ってきて彼女は
歯噛みした。
『そういう言い方、卑怯!! もういいから、おしゃべりしてないで早く食べちゃってよ
ね。さっさと用事済ますんだから』
敗北宣言とも取れる捨て台詞を吐いてから、彼女はとっとと言い合いから撤退した。あ
まりからかっても怒りを買い過ぎるだけなので、彼は言われたとおりに残り僅かになった
粒を口に含みつつ、我慢し切れなくなって聞いた。
「で、その用事って何なんだよ。何すればいいかくらい、説明くらい出来るだろ? お前
はもう食い終わってるんだし」
すると、思いがけず、彼女が驚いたように目をパチクリとさせて彼を見た。それから、
落ち着かない様子で彼女の視線が宙を迷い、床へと落ちる。
『え、えーっと……用ってのはね。その……』
もごもごと口ごもって答えようとしたものの、やがて言葉は消え入り、彼女は黙ってし
まう。訝しく思って彼がどうしようか聞こうと思ったその時、彼女は首を激しく振ってか
ら、彼を睨むようにジッと見つめて言った。
『やっぱりダメ!! 口で説明するより、実際にやった方が早いから。だから、早く片付
けちゃってよ』
「わ、分かったよ」
思いもかけず自信の無いような彼女の態度に、普段と違うものを感じて、彼は黙って残
りを食べ始めた。こんな態度の彼女を見る事なんてほとんど無かったから沸き立つ疑問は
抑えられなかったが、彼女が頑ななのは知っているだけに、こうなったら絶対に食べ終わ
るまでは教えてくれないのは分かっていた。
「ほれ、食い終わったぞ」
79 :
5/7:2012/09/16(日) 18:15:55.58 0
実が全部取られて枝だけになったぶどうを持ち上げて示すと、あぐらを掻いたまま体を
横に向けて窓の外を無言でジッと睨むように見ていた彼女が、ジロリと横目で彼に視線を
向けた。
『遅い。待ってる方の身にもなってよね』
「そんな事言ったって、あんまり詰め込んで食べるともったいないだろ。これでも急いで
食べた方なんだから、勘弁してくれよ」
そう言い訳しつつ、麦茶を口に含む彼から視線を元に戻し、彼女はため息をついた。そ
れから、よっと勢いをつけて立ち上がると、やや斜め横に向き、彼を上から見下ろした。
『それじゃ、そこにそのまま座って見てて。あたしが聞くまで、何も言わないでね』
「は?」
咄嗟に彼が聞き返す。用事があると言われて来たのに、何もせず座ってろと言われたの
だから、疑問に思っても致し方ない。が、彼女はまた怒った様子で彼を怒鳴りつけた。
『いいから言う通りにして。すぐ……済むから……』
「まあ、そう言うなら……」
納得は行かなかったが、彼はそう言わざるを得なかった。渋々ながら頷く彼を見ると、
彼女は視線を逸らし、唇をギュッと真一文字に結んで床を見つめた。思っていたよりも体
は緊張していて、心臓がドキドキする。しかし、ここまで来た以上はもう前に進むしかな
い。グッと心の中で気合を入れると、彼女は両腕をクロスさせて、着ていたTシャツの裾
を一気に捲り上げた。
「お、おい!? 何やって――」
黙っていろと言われたにもかかわらず、彼女がTシャツを捲り上げた瞬間、彼は思わず
声を出してしまった。白いお腹にくびれた腰つき。そして更にその上が捲れ上がり、彼の
視線に飛び込んできたのは、可愛らしいフリルの付いた、黄色のパステルカラーのビキニ
だった。
Tシャツの袖から腕を外し、完全に脱ぎ終えると、彼女は綺麗に形を整え、簡単に畳んで
床に置いてから、言葉を失ったまま呆然と彼女を見ている彼に、不機嫌そうな視線を向け
て聞いた。
『黙っててって言ったでしょ? 何よ一体』
すると彼は、慌てて手を振ってそれを退けた。
「い、いや。何でもない。続けてくれ」
80 :
6/7:2012/09/16(日) 18:19:23.69 0
フン、と一つ荒い鼻息をしつつ、彼女はショートパンツに手を掛ける。この不機嫌さは、
わざとだった。予告無しに服を脱ぎ出した事で、彼を動揺させようという思惑は、どうや
ら成功したらしい。
『はい、お待たせ』
ショートパンツも畳んで、Tシャツの上に置いてから、彼女は体を起こして彼に正面を見
せて立つ。部屋の中で晒された彼女の水着姿を声もなく見つめている彼に、彼女は両手を
腰に当てて偉そうなポーズを取り、彼を見下ろした。
『何、ボーっと見てんのよ。何か言ったらどう?』
偉そうに命令口調で指図する彼女に、その肢体に見惚れていた彼は、ハッと我に返って
視線を外す。
「い、いやその……言えって、何を言えって言うんだよ?」
困惑した彼の言葉に、彼女はまた、呆れたような大きなため息を一つ吐く。
『ハァ…… 女の子が水着姿晒してるんだから、色々と思うことあるでしょ? 可愛いと
か綺麗とか色っぽいとかさ。何でもいいから素直に感想言いなさいよって事。それくらい
理解しなさいよね』
さっきの仕返しも含んで、ちょっとバカにするように彼女は言った。すると、急におか
しくなって、彼が思わず笑みを零しつつ、冗談っぽく文句を返して来た。
「お前、感想を要求するのは良いとしてもさ。普通自分から言っちゃうか? 可愛いとか
綺麗とか色っぽいとか」
そこを指摘されて、彼女の体が一気に火照る。真っ赤になった顔で彼を睨みつけると、
彼女は怒鳴りつけた。
『う……うるさいわね!! あれは物の例えで……っていうか、いいじゃないのよ別に、
そういう感想求めたって。あたしだって女の子なんだから、やっぱりその……可愛いとか、
言われたいのよっ!!』
そして、クルリと背中を向けてしまう。実は彼女も、正直言ってここまで恥ずかしさを
覚えるとは思ってもみなかったのだ。川や海で遊んだ事は何度もあるし、水着姿だって何
回も見せてはいるが、こんな風に自分の部屋で、初めて着た水着を二人っきりで彼に見せ
る事がこんなにもドキドキするという事に、彼女自身動揺していた。
「いや、その……」
81 :
7/7:2012/09/16(日) 18:20:14.00 0
彼女の態度に、からかった事を彼はちょっと反省していた。何と答えれば彼女の気を良
くすることが出来るかちょっと考えたが、正直に答える事にした。お世辞を言っても、多
分彼女には分かってしまうだろうし、仮にバレなくても、自分の気が引けてしまう。なら
ば、仮に機嫌が直らなくても、この方が後悔はない。
「正直、突然の事でさ。何ていうか……驚いちゃって、つい見入ってたから……感想とか、
思いついてないんだ。悪いけど……」
背中を向けたままの彼女を見つめる。田舎育ちなのにほとんど日焼けしていない白い肌
は、肩から腰までほとんど全てが露出している。ビキニの紐と、臀部をピチッと覆った、
これもフリル付きのパンツだけがそれを覆い隠していた。すると、彼女の肩がピクッと震
え、彼女が僅かにこっちを向く。
『……じゃ、じゃあさ……』
彼女は胸の下で腕を組み、体を縮み込ませる。恥ずかしさに、弱気に流されないように
ともう一度心を引き締めてから、クルリと体を反転させ、片手を下ろし、視線を斜め下に
向けて俯く。胸がドキドキするのを感じつつ、彼女は口を開いた。
『今からでも……あたしをしっかり見て、そして、ちゃんと感想を言って』
明日に続きます(´・ω・)ノ
こんな風にされたらときめくわー
続きwktk
続きわくつか
突然だけど子供の頃って寝る部屋を間違えたりするじゃないですか、自分の部屋に入ったと思ったら寝ぼけてて違う部屋だったりとか。
もしくは一人で寝てるとつい寂しくて親の部屋に行ってしまうとか。
うちのお嬢様もそういうのが多くて子供の頃はよく一緒に寝ていたんですよ、本人は「タカシがさびしくないようにいっしょにねてあげます」とか言ってましたけども。
…まあでもそんなの子供の頃だけじゃないですか、普通は。なのになんでこのお嬢様は…
「…んぅ…」
なんでどうして僕の部屋で寝てるんですかどういうことなんですかほんと勘弁して下さい…
そりゃ子供の頃なら添い寝とかできたけどさ、流石に今は無理だって…絶対寝付けないだろうし、それ以前に朝まで理性が持ちそうにありません。
でもわざわざ起こすのも少し悪いし…かといってこのままだとなあ…やっぱり起こすしかないか…
「すぅ…」
…それにしてもほんと綺麗だよなあ、リナって。毎日のように男子から告白されてるらしいけどそりゃそうだ。こんな美人が同じ学校に通ってるなら誰だってお近づきになりたいって思うよ。
そう考えると同居してる自分って実はものすごく恵まれてるんだなあ…いやでも休みのたびに荷物持ちだなんだと引きずり回されるのは…うーん…
…しばらく起きそうにないし、少しくらいは、その、手を出してもいいですよね?いやいやこれはリナが悪いんですよ人がいない間に勝手に人の部屋で寝るようなことしてるんだし少しくらいなにかしたって別に僕は悪く…
85 :
2/2:2012/09/17(月) 04:29:33.12 0
「ん…っ」
!!!!!
…お、起きてない?大丈夫?寝てる?あー、びっくりした…
…しかしこの寝息のたびに上下するおっぱいとか、スケスケのネグリジェとか、布団越しでもわかるこのむっちりっぷりとか、こう、色々と…
…ええい、もう我慢できん。どうせ寝てるんだし少しくらいはいいでしょ。起きた時?謝り倒せばどうにかなる。というわけで…
「で、ではまずこのおっぱいから…」
ふにゅん
う、うわあ、うわあああ、やっちゃったよおおおお…で、でもすっごい柔らかい…こ、今度は触るだけじゃなくてちょっと揉んでみたり…
うわあ、すご…モチというか大福というか、指に吸い付いてくるような不思議な…でもなんか病みつきになるなこれ…というかサイズどれくらいあるんだろ…友子さんとかすっごい羨ましがってたけど…
といおうかリナ全然起きそうにないな…意外とこういうのじゃ起きないもんなのかな…うーん…
「やぁ…っ」
「!!!!ごごごごごごごめんなさいほんの出来心だったんですリナがあんまりにも無防備過ぎてついやってしまいましてでももう二度とやりませんのでどうか許して…ってあれ?」
ね、寝てる?まだ起きてない?ただの寝言?はああああああ、よかったああああああ…
…や、やっぱりリナの部屋まで運ぼう、うん、これ以上は流石にまずいし、それに…本格的に抑えとか効かなくなりそうだし…そうなったら、なんか、嫌だし
それまでの間起きないといいけど…そーっと持ち上げて…あ、そんなに重くないやってうわああ、腕に太もものやわらかいとこが…駄目だ駄目だ落ち着け…誰も部屋の外にいないといいけど…よし、いない、リナの部屋はすぐ隣だし…
ふぅ…なんとかベッドまで運べた…じゃあ僕も自分の部屋で寝よ…正直、眠れそうもないけど…っていうかあの布団、さっきまでリナが寝てたんだよなあ…あああ、なんか色々もやもやしてきた…これ絶対寝られないって…
「…いくじなし」
おぉ、
>>37を消化してもらえるとは……
このお嬢がいずれ我慢出来なくなって積極的になる日を見てみたいな
GJ!!
テンプレしか投下されずに落ちたのかwwww
さすがに今のVIPで平日のこの時間にスレ立ては無謀だったかもね
91 :
1/7:2012/09/17(月) 22:33:42.21 0
・ツンデレが男に見せる為に水着を購入したら その2
彼女の言葉と仕草に、普段感じた事のない色気を感じて、彼の心臓もドキドキし始めた。
思わず視線を外し、何か茶化すような事を言いたくなってしまう。
「いや、その……」
しかし、それは言葉にならなかった。俯き、頭を掻いてからもう一度視線だけを上げて
彼女を視界に捉える。彼女もまた、何かに耐えるように、必死に自分を晒し出そうとして
いる姿を見て、彼は顔を上げた。足首からスッと伸びる白い素足にやや肉付きの少なめな
腰つき。そしてブラの効果もあるのだろうが、思いの外膨らんでいる胸の双丘はしっかり
と谷間を作っていて、最後にギュッと口を真一文字に結び、ひたすら何かを堪えるように
しかめつらしい表情をしている整った小さな顔を見つめた。
そして、その顔を見た時、彼の心は固まった。
「ああ。よく似合ってるとお……思うよ。可愛いし」
その言葉に、彼女がピクリと反応した。
『ホント……に?』
小さく、呟くように聞き返してから、彼女は跳ねるように彼の前にしゃがみ込んだ。顔
をグッと近付け、問い詰めるようにもう一度、同じ事を聞く。
『ホントに……似合ってるって……可愛いって思ってる? あたしが先に言ったから、お
世辞とか言わされてる感で褒めてるだけなんじゃないでしょうね?』
その真剣な問い方に、彼は思わず上半身を逸らして身を引いた。
「いやいやいや。ちゃんとそう思ってるって。いや、最初はさ。こんなの褒めるの限定じゃ
んって思ったから、何かちょっとヒネた答えしようかと思ったけどさ。その……お前の姿
見てたら、そんな気分とかどっか行っちまって……まあ、その……ちゃんと、正直に答え
たっつーか……そういう事だよ」
92 :
2/7:2012/09/17(月) 22:34:13.52 0
日頃一緒にいて、付き合い慣れてる幼馴染を相手に真面目に褒めた事が急に気恥ずかし
くなって、最後はちょっとぶっきらぼうな口調で答える。それに彼女は無言で、ジッと彼
を見つめていた。その視線の強さに、彼も顔を逸らす事が出来ず、彼女の顔を見つめてい
た。そのまま、少しの間まるで時が止まったような感覚を味わっていたが、やがて彼女が
小さくため息を吐く。
『ハァ…… 良かったぁ〜……』
そしてそのまま、後ろに倒れるように尻餅を突き、両手で後ろに倒れないように支える
と、天を仰ぐ。
「良かった……って?」
意外そうな口ぶりで彼が彼女の言葉を繰り返して聞く。その事に彼女は、思わず本音が
漏れ出てしまった事に驚き、パッと体を起こすと両手を前に出して思いっきり振って否定
する。
『ち……違うわよっ!! い、今のはその……安心したっていう意味であって、その……
う、嬉しいとかそういうんじゃないんだからね!!』
体温が上がり、自分の顔が火照っている事に気付きつつも、彼女は一生懸命自分の心を
隠そうとする。無論、ホッとしたのも事実だが、それ以上に望んでいた答えが聞けて心が
弾んでいる事を知られたくなかったのだ。
「いや、まあ……それならそれでいいんだけどさ。でも……何で?」
常日頃見せない、動揺した彼女の態度に面食らいつつ、彼は何とか会話を続けようとし
た。このまま黙ったら、何となく変な空気のまま別れなくちゃいけないような、そんな気
がしたからだ。
『何でって……何がよ?』
動揺を治め、首を傾げる彼女から視線を逸らし、鼻に手を当てて擦ってから、彼は彼女
の問いに答えた。
「いや、だからさ。安心したって言うから……何で安心したのかなって」
『そ、それは……』
視線だけ彼女に戻すと、彼女はペタンと正座を崩した女の子座りをして、不機嫌そうに
顔をしかめて俯いていたが、やがて顔を上げて挑むように答えた。
93 :
3/7:2012/09/17(月) 22:34:45.02 0
『だって、もし褒められなかったら悔しいじゃない。タカシみたいなヘタレ男子にさ。万
が一にも大人っぽ過ぎないかとか、水着負けしてるとか思われるのって、女としてのプラ
イドが許さないもの。けど、まあ一応最低基準はクリア出来たから、ホッとしただけの話
で……そ、それだけなんだからね!!』
「いや。だから、疑ってねーって」
さっきからいちいち、弁解するような言い方をする彼女を宥めようとすると、彼女はプ
イと横を向いた。その顔にふと、何故か残念そうな表情が見えた気がして、彼は自分の目
を疑ってしまう。
『……ならいいんだけど。フン』
何で褒めたのにこんなに機嫌悪そうなのか彼は不思議に思ったが、昔から彼女の感情が
気まぐれで、中学に入った頃から特にそれが酷くなったのにずっと付き合わされているか
ら、それは深く追及する気はなかった。それよりも、もう一つの疑問を彼は口にした。
「ところでさ。俺を呼び出した用件って……これでいいのか?」
すると彼女はピクッと体を震わせた。
『……そうよ。わ、悪い?』
相変わらずの不機嫌な言い方だが、どこか困惑したような響きが含まれていた。
「いや。まさかかなみが、俺に新しい水着を見せるためだけに呼び付けるって、ちょっと
意外な気がしたからさ」
少なくとも、これまでにそういった事例はなかったはずだと、彼は頭の中で確認する。
彼女は彼に向き直ると、挑むように睨みつけ、一瞬ちょっと視線を落としてから、もう一
度視線を上げた。
『しょ……しょうがないじゃないのよ。アンタ以外に、他に、その……感想聞ける若い男
なんていないんだから』
強気な態度が、徐々に薄れて自信無げになっていく。彼女は自分でもそれに気付いては
いたが、どうしようもなかった。
「別に俺じゃなくたって……クラスの女子とかでも良かったんじゃないのか? ゆーこさ
んとか」
クラスでもとりわけ彼女と仲の良い女子の名前を彼を挙げた。それに彼女はブンブンと
首を振って拒絶する。
94 :
4/7:2012/09/17(月) 22:35:16.32 0
『それじゃダメなの!! 大体、女の子同士なんて絶対可愛い可愛いって褒め合っちゃう
んだから。そもそも、これってゆーちゃん達にそそのかされて買ったようなもんだし、試
着して見せてるんだから』
そこでふと、彼はとある疑問に気付いた。
「ところでさ。新しい水着買ったのはいいけどさ。着る機会って、あったのか?」
すると見る間に、彼女の顔が怒りに歪んだ。
『あるわけないでしょ!! っていうか、ほとんど毎日、一度は顔合わせてたんだから知っ
てるくせに。大体、でもなきゃわざわざアンタなんかに水着見せるか!!』
耳元で怒鳴りつけられ、キーンとなる耳鳴りに顔をしかめて指で耳を押さえて、何とか
聴力を回復させようとする。
「いや、だからさ。何で海どころかプールに行く予定すらないのに、水着買ったのかなっ
て、それが不思議でさ」
『だから、そそのかされたって言ったでしょ? ゆーちゃん達の買い物に付き合った時に
さ。この水着、可愛いなーって思って見てたら、みんなして買っちゃいなよ、かなみなら
絶対似合うよって言われて、試着とかしたらどんどん欲しくなっちゃって、つい……』
その時の事を思い出して、苦虫を噛み潰したような顔を彼女はした。
「でも、行く予定なかったんだろ? つか、ゆーこさん達とか、誘わなかったのか?」
彼に聞かれ、彼女はブンブンと首を振った。
『誘わなかったっていうか……あたしはてっきり、みんなと行くもんだと思って買ったの
よ。だけどさ、いつ行くって聞いたら、みんなちゃっかり個別に予定入っててさ。もう買っ
ちゃった後だったし……』
そこで彼女は、ムスッと口を閉ざす。その時みんなから、彼と行けばいいじゃんと囃し
立てられた事は絶対に口にする気は無かった。絶好のチャンスだとか、一線を越えろとか、
夏の思い出作れとか勝手な事を言われて、もちろん自分も夢想しないでもなかったが、結
局出来たのは、彼にこうして水着姿を見せる事くらいでしかなかった。
「なるほど。結果的には乗せられて水着買ったけど、結局着る機会がなかったと」
おもしろがるような彼の口調に、彼女はむくれてプイッと顔を横に向けた。
95 :
5/7:2012/09/17(月) 22:35:47.36 0
『いいわよ、別に。人の事バカだって思うなら、勝手に思ってればいいじゃない。あたし
だってそう思ってんだから、何言われたって言い返せないわよ。フン!!』
やけっぱちな気分で、鼻息も荒く自虐的な事を言う。今にして思えば、夏休みにあれだ
け時間があったんだから、みんなに言われたように彼を海に誘えば良かったのだ。しかし、
今さら後悔しても後の祭りである。
追い討ちを覚悟して、次に何を言われるか構えていたのだが、彼は何も言い出さなかっ
た。気になってチラリと視線を向けると、何やら思案気に難しい顔をしている。
『……何よ。何か言いたい事、あるんじゃないの?』
気になって促してみると、彼はハッと彼女を見つめた。そして、一瞬迷う風を見せたが、
すぐにそれを打ち消し、明るい感じで彼女に向けて提案してきた。
「あのさ。それじゃあ今から、せっかくの水着が役立てる場所、行かないか?」
『水着が役立てる場所……って、どこよ?』
まだ夏の日差しが厳しいとはいえ、夏休みは終わってしまった。プールはもう閉まって
いるし、海水浴の時期でもない。そもそも、思い立って急に行けるほど海もプールも近く
ないのだ。
しかし、訝しげな表情の彼女に、彼は笑顔を見せた。
「穂乃沢の事、忘れてるだろ。最近ちょっとご無沙汰だけど、前は良く遊びに行ったじゃん」
『あ……』
彼の提案に、彼女はうっかりその場所を失念していた事を思い出した。まだ、彼に裸を
見せる事に全く抵抗の無かった幼い頃はそれこそ夏場は毎日のように、親に連れられて行
っていた近所の沢である。他の友達と遊ぶようになってだんだん行く機会が減り、最後に
二人で言ったのは、中一の夏に一回だけ。それ以後は受験もあったりして、一度もいって
いなかった。
「あそこなら、水遊びくらい出来るしさ。この暑さなら、多分気持ち良いと思うぜ。どう
だ?」
『……うん』
何か、久し振りで嬉しくなって、つい弾んだ声を出してしまい、彼女は慌てて口を抑え
た。それから、照れ隠しをするように、感情を押さえたつまらなさそうな声で付け加える。
96 :
6/7:2012/09/17(月) 22:36:18.83 0
『ま……まあ、アンタが行きたいって言うなら、付き合ってあげてもいいわよ。どうせ暇
だし、暑いし』
すると、彼は勢いをつけて立ち上がった。
「よし。じゃあ、善は急げだ。俺、一度家帰って、海パン履いて、タオルとか取ってくる
わ。すぐ戻って来るからさ。かなみも準備しててくれよ」
床に置きっ放しだった、ぶどうの乗っていたお盆を手に持ち、去ろうとする彼に、彼女
は後ろから声を掛けた。
『グズグズしてないで、早く戻って来なさいよね。アンタってば、肝心な時にいっつも遅
いんだから』
「分かってるって。すぐ戻って来るから」
『穂乃沢か……久し振りだな……』
日焼け止めのクリームを塗りつつ、弾んだ気分で彼女は呟く。地元では、景勝として知
られているが、観光地ではない為、人の入りはそんなに多くない。夏休みも終わったシー
ズンオフなら、きっと二人きりでいられるだろう。
『アイツも、たまには粋な提案するじゃない。フフッ……』
夏に海に行けなかった悔しさも、これで少しは挽回出来るかなと、彼女は密かに期待し
ていた。
『あら? もう帰っちゃうの? もっとゆっくりしていけばいいのに』
来る時と同じく、庭の草花の手入れをしていた彼女の母が、立ち上がって挨拶をしに来
た彼に声を掛けた。それに彼は首を振る。
「ああ、いえ。一度家に帰って、また戻って来ます。かなみと穂乃沢に行くんで」
『そうなの。気を付けなさいよ。まあ、あなた達なら危険な場所とか子供の頃にしっかり
教えといたから入る事はないと思うけど、それでも足を滑らせたりしたら、思わぬ怪我を
する事だってあるんだからね』
「はい、気をつけます」
97 :
7/7:2012/09/17(月) 22:36:50.19 0
子供の頃から、穂乃沢に行く時必ず親に注意される一言である。穂乃沢は浅瀬で川の流
れも緩やかだが、ちょっと下流まで行くと、一気に流れの速くなるところがあり、何年か
前には水の事故でよそから来た子供が亡くなった事もあったらしい。
「……どうかしましたか?」
彼女の母親が、彼を無言でジッと見つめている事に気が付いて、彼は訝しげに聞いた。
すると、物思いから我に返ったかのように、彼女の母親は、慌てて手を振る。その仕草は、
娘に何となく似ているように見えた。
『あ、ううん。何でもないの。あとは、余り遅くならない程度に、ゆっくり楽しんでらっ
しゃいね』
微笑む母親に、彼も笑顔で頷いた。
「はい。ありがとうございます。あと、巨峰もありがとうございました。とても美味しかっ
たです」
『そう。良かったわ。また、手に入ったらご馳走するわね』
丁寧にお辞儀をして立ち去る彼の背を見て、彼女は小さく呟いた。
『大人になったわね。タカシ君も……』
そして、頭の中で、彼の横に自分の娘を並べてみせた。親の贔屓目に見ればお似合いだ
とは思うが、果たして我が娘は、彼に似合う立派な女性になれるだろうかと、ちょっと心
配にもなる。
『まあ、でもいいわよね。まだ若いんだし。うん』
小さく呟いて、彼女は植物に肥料をやる作業に戻った。
続く
GJ!!
続きwktk
良いですなニヤニヤしますな
なんか描写が丁寧で雰囲気がよく伝わってくるぜ
お題
つ・続く残暑にツンデレがいつになったら終わるのよって文句たらたらだったら
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ
残暑厳しい赤色の秋口、俺はツンデレと社交ダンスしたの
というのもこの前、ツンデレとテレビゲームで遊んだって話したら、子供じゃないんだから、って周りに笑われてさ
ツンデレと二人、大人の遊びって何だろうって考えたの
したらテレビで社交ダンスの特集やっててさ、もしかしてこれが大人の遊びなのでは、って事になった訳
それで試しにツンデレと踊ってみたんだけど
どうもテレビの人みたいに上手にステップ踏めなくてさ
画面の踊ってる人確認してみたんだけど、俺達お互いに距離とり過ぎてたみたいなの
だからツンデレを少し抱き寄せて真似してみたらカッコよく踊れたの
その代わり、首周りにツンデレの吐息かかってちょくちょく胸のふくらみが当たって
その度ツンデレ、俺を戒めるように足踏んづけてきてさ
踊り終わった時にはもう踏まれすぎて足の感覚なくなってたの
それでも言い知れぬ満足感と充実感で満ち満ちてさ、これが大人の遊びか、って
そんなこんなで大人の味を知ってしまった俺達は親に隠れて体を重ね合わせるようになったの、って話
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど
残暑厳しい赤色の秋口、私はアイツと社交ダンスしたの
というのもこの前、アイツとテレビゲームで遊んだって話したら、子供じゃないんだから、って周りに呆れられてさ
アイツと二人、大人の遊びって何だろうって会議したの
したらテレビで社交ダンスの特集やっててさ、もしかしてこれが大人の遊びなのでは、ってアイツ気付いた訳
それで試しにアイツと踊ってみたんだけど
どうもテレビの人みたいに流れるように踊れないの
したらアイツ動きを止めて食い入るようにテレビ見だしてさ
急に私を引っ張って抱き寄せたと思ったら、不思議とキレイに踊れだしたの
その代わり、真正面にアイツいるからまともに目合わせられないし何回も足踏んじゃうし
しかもアイツ、わざとじゃないのに足踏んづけるたび強く私を抱き寄せてきてさ
踊り終わった時にはもう密着しすぎて頭おかしくなりそうだったの
それでも怖いほどの背徳感と溺没感、私は社交ダンスこそ大人の遊びと確信した訳
そんな感じで大人の色を知ってしまった私達は皆には内緒の触れ合いを楽しむようになったの、って話
104 :
1/5:2012/09/19(水) 01:06:54.27 0
【ツンデレに性癖を暴露したら】
「今の俺は太ももフェチなんだ」
「よく分かんないけど、こっち来ないで」
どういうワケか、冒頭からボクっ娘が嫌悪に顔を歪ませている。
「人を見かけだけで嫌うのはよくないぞ?」
「タカシに関しては内面で嫌ってるんだよ」
「腐ってるからしょうがないよね」
「否定しろっ!」
なんか怒られた。
「でだな、最初に言った通り太ももなんですが」
「う……」
「そのミニスカから伸びる太ももをすりすりさせろ、なんて言わないから安心しろ」
その言葉に、ボクっ娘はほっと息を漏らした。
「ただ、ふやけるくらい舐めさせろ」
「妖怪が可愛く見えるくらい怖いよっ!」
「あれ? ボクっ娘のことだ、『うんうんっ、妊娠するくらいぺろぺろしてねっ♪』って言うと思ったのに。……つまり、貴様は偽物だな。生きたまま皮を剥いて正体を暴くからそこを動くな」
「超本物だよぅっ!? こ、こっち来んなよぅ! は、はぅぅ……」
手をワキワキさせて近づいたらガタガタ震えだしたので、ほっぺを引っ張る。
「うーむ、取れない」
「あぅ、あぅぅーっ!」
「しかし、モチみてえだな。わはは」
「あぅぅーっ! 人のほっぺたで遊ぶなーっ!」
「わはは。あー楽し」
「ボクはちっともだよぅっ!」
ひと通りムニムニして満足したので、ボクっ娘のほっぺから手を離す。
「はぁー……。うー、ほっぺが痛いよ。タカシのばか」
俺を睨みながら、ボクっ娘は自分のほっぺをさすさすとさすった。小動物みたいでなんか可愛い。
「この程度で痛がっていたら、俺との初体験で気絶してしまうぞ?」
105 :
2/5:2012/09/19(水) 01:07:27.81 0
「な、なんでボクとタカシがするって決まってるんだよっ!? し、しないもんっ!」
「いや、筋弛緩剤等を使って自由を奪ってる間に行うので、お前の意思は関係ない」
「悪質な犯罪者!?」
何やらボクっ娘方面から人を犯罪者扱いする失礼な気配を感じたので、頭をなでてイメージを回復させる。
「うー……」
「いや、あの。勿論冗談ですよ?」
「ふん。タカシってそーゆー冗談ばっか言ってるから、信じらんないよ」
「じゃあ本気でやる」
「冗談! 冗談だよね!?」
さっきまでのぶすーっとした雰囲気が一転、何やら必死な様子でボクっ娘は俺に訴えかけた。
「いや、やる」
「冗談なの!」
勢いに押され、冗談にされてしまった。くそぅ。
「まあそんなのはいい。では、最初の提案通り、太ももを触らせろ」
「その台詞、ただの痴漢だよ?」
「はい」
「はい!?」
「ただ、どうしても嫌と言うのであれば、その薄ぺたい乳でもいい」
「あのさ、タカシ。通報していい?」
「訂正。その巨乳でもいい」
「別に大きさに注文つけたんじゃないよっ!」
「よかった。その絶壁を巨乳なんて言ったもんだから、あまりの嘘の大きさに吐き気をもよおしていたところだったんだ」
「……どーせ小さいもん」
「いかん、胸を気にするボクっ娘が大変に可愛らしい! ちょっとお兄さんと結婚しませんか!?」
「しません! ボクっ娘ってゆーなっ! まったく、タカシってば未だにボクのことボクっ娘って呼ぶよね。まったくもー……」
「梓、梓」
「なんだよ? ボクはいま怒ってるんだよ?」
「顔が真っ赤ですが、気づいてますか?」
「いっ、イチイチ言うなっ、ばかっ! 可愛いとか結婚とか言われて恥ずかしいんだよっ! うぅー……」
106 :
3/5:2012/09/19(水) 01:08:02.09 0
梓は小さくうつむくと、俺をじろーっと睨んだ。ただ、顔が赤いままなので何の迫力もなく、ていうか結婚してえ。
「……はっ! いかんいかん、脳内で梓との結婚生活に突入していた。それは将来のお楽しみなので後にとっておくとして、今は膝枕をしてもらおう」
「か、勝手に人を結婚相手にするなっ! ……で、えと、膝枕してほしいの?」
「嫌なら下半身だけ切断して貸してくれてもいいから」
「それだとボクが死んじゃうよ!」
「数日なら死臭もしないだろ」
「さっきボクにプロポーズした人が何言ってるの!?」
「で、どうでしょうか。個人的には普通に膝枕をしてもらうのが嬉しいのですが」
「うー……えっちなこと、しない?」
「する」
「絶対やんないっ!」
「しまった。しょうがない、ここは嘘をついてやりすごそう。えっちなことはしないから安心しろ」
「前者っ! 台詞のぜんしゃーっ!」
「ままならないなあ」
「超こっちの台詞だようっ!」
このままではしてくれそうになかったので、しないと約束する。
「ホントだね? 嘘ついたら絶交だからね?」
「任せろ。ただ、無意識に身体が動いてしまうのは許してくれ」
「うー……分かったよ。繰り返すけど、えっちなことはダメだからね。絶対だからね?」
「任せろ。おっぱいという台詞だけで顔が真っ赤になっちゃうくらいシャイな俺だから、そんなことしないよ」
「明らかに嘘だよ。……んじゃ、はい。いーよ?」
梓はちょこんと正座すると、ぽむぽむと自分の太ももを叩いた。
「じゃあ寝かせてもらうが、その前にちょっと舐めていい?」
「えっちなことは禁止なのっ!」
「しまった、そうだった! ええいっ、これではなんのために膝枕するのか!」
「そんなこと言うんだったら、もーしてやんないぞっ!?」
「あ、嘘です嘘。お願いします」
ペコペコと土下座する。梓の太ももの前に全ての生命は無力です。
「べ、別にそこまでやんなくてもいいけど……じゃ、じゃあ、ほら。いーよ?」
107 :
4/5:2012/09/19(水) 01:08:40.87 0
「はい」
ぽふりと頭を梓の太ももに乗せる。
「向きが逆だよ!!!!!」
「しまったしまった、間違えた」
そしてそのまま深く深呼吸。
「〜〜〜〜〜っ!!!」
「痛い痛い」
すると、後頭部にチョップの連打があるので俺様の脳細胞が大変危険。とりあえず頭を太ももからどける。
「えっちなことはやんないって言ったのに! のにーっ!」
顔を真っ赤に染め上げて、梓は俺をぽかぽか叩いた。
「あいたた。いやその、間違えた。間違えたんです」
「絶対嘘だよ! 今日もえっちだよ!」
「ばか、普段の俺ならこれに加えてべろべろ舐めまくってたぞ? ただ、今日は約束があったので理性を総動員して我慢したんだ。そんな偉い俺を褒めずに怒るとは……どうかと思うね!」
「どっちがだようっ!? もー! 今日もえっち! もー!」ポカポカ
「あいたた。ごめんごめん。分かった、もうやんないから膝枕をお願いします」
「ここまでしといてまだお願いするの!? どれだけ厚かましいんだよっ!」
「嫌ですか」
「嫌ですよっ! どーせ次はボクの太ももをぺろぺろするつもりだろっ!」
「いいの? やったあ!」
「やってない! 許可してないっ! ……あのさ、どーしてもしてほしいの? 膝枕」
「そだね。ムチムチした太ももを枕に寝てえ。ただ、本音を言えば挟んで欲しい」
「……よく分かんないけど、えっちなこと?」
「はい!」
「満面の笑みだよ……」
「ちなみに具体的に言うとだな、梓の太ももの間に俺の」
「具体的に言ったら膝枕してやんないっ!」
俺のセクハラ攻撃が止められた。くそぅ。だがそれと引き換えに、膝枕の権利を得た。上々の戦果と言えよう。
「分かった。では膝枕を頼む」
「うー……なんかすることになっちゃった。で、でも、えっちなこと禁止だからねっ!? 絶対だからね! 次はないからね!」
108 :
5/5:2012/09/19(水) 01:09:14.33 0
「分かった分かった、早く頼む」
「なんでそんな偉そうなんだよぉ……よいしょっと。はい、いーよ?」
ぽむぽむされたので、そこに頭を乗せる。今度は向きを間違えない。
「……ど、どう? 変じゃない?」
「確かに一人称がボクというのは女性としては一般的ではないが、俺は嫌いではないぞ」
「そんな話してないっ! 膝枕の話っ! ……て、ていうか、嫌いじゃないんだ」
「まぁね。かーいーよね」
「……そ、そんなこと言われても、嬉しくないもん」
とか言いながら、梓はにへにへ笑いながら俺の頬をつんつんとつついた。
「うむ。枕もその笑顔も共に素晴らしいぞ」
「わっ、笑ってないんてないもんっ!」ポカポカ
「ぶべらはべら」
「わ、汚い」
「失礼だな、キミは……。まあ、ともかく。大変素晴らしい枕だな、この膝枕は。残念なことに、いやらしい気持ちが吹き飛んでしまったよ」
「そのくらいの方がタカシにはちょうどいいよ。普段がいやらしすぎるもん」
「思春期の男なんてみんなこんなだぞ?」
「普通は口に出したり行動したりしないのっ! タカシが異常なのっ!」
「いやはや……ふわああ」
「……眠くなっちゃった?」
「ちょっとね。大分ね」
「いーよ、寝ちゃっても」
「いや、しかしだな……」
「んー?」ナデナデ
「……そだな。じゃあ、少し寝かせてもらうか。悪いな、梓」
「えへへー。いーよいーよ。んじゃお休み、タカシ」
「ん。お休み、梓」
優しく頭をなでられながら、俺は眠りに落ちるのだった。
>>108 GJ!
ボクっ娘がいつもより女の子してて可愛すぎる
お題
つ・ツンデレが雨降りの日って風情があって好きだわって言ったら
111 :
ほんわか名無しさん:2012/09/19(水) 12:10:54.32 0
9/22はツインテール祭か。
つツンデレと髪型討論
お題
つ・ショートカットのツンデレに髪の長い子が好きだって言ったら
・髪の手入れをめんどくさがってるツンデレにいっそショートにしちまえよって言ったら
>>97 残暑のロマンスwktk!
>>102 かなみさん色っぽいなぁ……
>>108 タカシが変態すぎてもうwwww
まとめてだけどみんなGJ!
・タカシの股間から猫の鳴き声が聞こえてきたら
男「大変だ尊。俺のちんちんから猫の鳴き声がする」
尊「……」スタスタ
男「もはやツッコミすら無く君が去ってゆくっていうね」
尊「貴様の与太話に毎回付き合ってやるほど私はヒマじゃないからな」
男「ヒマだろうがなかろうが、俺の股間から猫の鳴き声がするのは事実だ」
尊「うるさい黙れ死ねばいいのに。だいたいそれが事実だとして、なんで私にそれを話す?」
男「だって尊って猫好きだろ? だから」
尊「だから私にどうしろというんだ!? 貴様は本当にいつまで経っても……」
<にゃーん!
尊「……え?」
男「な? 本当だったろう?」
尊「……」
男「あまりの出来事に尊が絶句しているようだ」
尊「……ボイスレコーダーか何かを仕込んでいるのか?」
男「そんなヒマなことをするくらいなら、尊をオナネタにちんちんしごいてるわ」
尊「どっちに転んでも最低だな、貴様は……」
<にゃぁにゃぁ
男「さて、俺はこいつをどうすればいいと思う?」
尊「し、知るか!!」
男「とりあえず謎の究明がてら、今から尊んちに行ってみるってのはどうかな?」
尊「死ね馬鹿! むしろ死ななくていいからこれ以上私に近寄るな!」
男「思いっきり拒否られた。さてどうするべきか……」
続く?
おまwwここで終わるとかwwww
118 :
ほんわか名無しさん:2012/09/20(木) 22:29:26.91 0
朝起きたら体の右側と左側と上側にかつみんとめいめいとりなりんが居たら
とりあえず左右の胸どちらに顔を埋めるかで迷う
お題
つ・ツンデレに何かお前いい匂いがしないかって言ったら
・ツンデレがアンタ臭いからちょっと離れなさいよって言ったら
つか、めいめいって誰よwww
まあ、何となく分かるけど
めいめいについての考察
・双子姪っ子ツンデレ
・メイドさんツンデレ
・ひつじっ子ツンデレ
どれがいい?
もしメイドさんだとして、かつみんとりなりん&めいめいの人間関係についていろいろと妄想が膨らむな
おっぱいツンデレライバルとそのメイドだとか、はたまたかつみんがお嬢の姉だったりとか…
>かつみんがお嬢の姉
お金持ちなんだけどそれで嫌われるのが嫌だから
一生懸命言葉を庶民のものに矯正しようとしたら
やりすぎて男言葉になってしまったかつみんですか
つか、勝気+お嬢属性持ちと言うのは意外と新しい発見かも
あと、メイドさんじゃなくても委員長とかお堅い系ツンデレにあだ名で呼んでみるというのは、
かなり萌えると感じた今日この頃
友「私のこと、あ、あだ名で呼びたいなら、呼べば!?」
山「…?…っていうか、ボク友ちゃんのこと友ちゃんとしか呼んだことないんだけど」
友「…そーだっけ?」
山「うん」
友「ふーん…じゃ、名前で呼んでみてよ」
山「えー?友ちゃんって呼ぶのが結構好きなんだけどな」
友「っ!…い、いいから呼びなさい!」
山「わ、わかったよ…こほん……友子」
友「ぅ…」
山「わ、友ちゃん顔真っ赤」
友「な、なってない!なってない!」
山「そんなに名前で呼ばれるの慣れてないっけ?かなみちゃんとか普通に呼んでるよね。ってか友ちゃんって呼んでるのボクだけ…?」
友「あんたが私を名前で呼ぶなんておこがましいの!」
山「じゃあなんでさっき…」
友「うるさい!とにかくあんたは私を名前で呼ぶの禁止!!」
山「…んー…まぁ今まで通りだから良いか」
山「それじゃ、これからも友ちゃん…だね?」
友「…ぅー…」
単に好きな人に呼ばれるのが恥ずかしいだけな友ちゃんかわいい
友ちゃんめちゃくちゃ女の子で可愛いですなあww
129 :
1/4:2012/09/22(土) 09:27:05.49 0
・ツンデレが男に見せる為に水着を購入したら その3
『キャッ!! つめたっ!!』
服を脱ぎ捨てると、彼女はそのまま浅瀬に足をそっと踏み入れ、その水の冷たさに悲鳴
を上げた。一度上げた足を、再び水の中に差し入れる。
『でも、気持ち良い。風も涼しいし』
それから、顔を上げて川岸にビニールシートを広げている彼に向けて手を振った。
『ほら!! アンタも早く来なさいよね!!』
すると彼が大きく手を振り返すのが見えた。彼女は頷くと、さらに川の中へと足を進め
る。といっても、深さはふくらはぎの中ほどまでしかない。そこで彼女はしゃがみ込み、
手を水に浸けて川の流れを感じていた。
「全く、人に準備全部させといて、自分だけちゃっかり先に川に入ってるとか、いい気な
もんだよな」
ブツブツと文句を言いながら、彼もそっと川の流れにそっと足を浸す。その途端、そろ
そろと彼に近付いていた彼女が、勢い良く立ち上がると同時に水の中に入れていた手を、
彼の方に向けて跳ね上げた。
『それっ!!』
当然、跳ね上がった水は彼に思いっきり掛かっていく。
「どわっ!? つめたっ!!」
思わず悲鳴を上げて飛び退り防御する姿勢を取る彼に、彼女は笑い転げた。
『あっははは!! 何、それ。おかしー』
「お前、何すんだよ!! ふざけんなよな」
文句を言う彼に、彼女はさらに不敵な笑みを浮かべてみせた。
『だってこんなの、水遊びの時はお約束じゃない。ほらほら』
バシャバシャと水を跳ね上げ、彼に更に水を掛け続ける。
「ちょっ!? 止めろよな」
『逃げたってダメだからね。ほれほれ』
横に逃げる彼を追って、彼女も向きを変える。しかし、それが逃げる為ではなく反撃の
態勢を整える為だと知った時は、既に彼女に向けて水が跳ね上がっていた。
『きゃあっ!! ん、もう!! 何すんのよ!!』
130 :
2/4:2012/09/22(土) 09:27:36.89 0
「うるせーな。人に散々好き放題に水掛けといてよ。ほれ、お返しだ!!」
更に水が跳ね上がり、彼女の全身を濡らす。しかし、勝負魂に火が点いた彼女は、逃げ
ようとはせず、横に回って逆に彼に水を掛ける。
『負けるもんですか!! こんのおーっ!!』
「やるかコラ。ちくしょう!!」
お互い叫び声を上げて水を掛け合い、被害の少ないようにポジションを変える。すると、
動いているうちに彼女の足が、ぬめった石に足を取られた。
『えっ!?』
するとそこに、容赦無い彼の攻撃が襲い掛かり、彼女はバランスを崩し、後ろ向きに倒れた。
『きゃっ……あああ〜っ!!』
バッシャアッと盛大に水しぶきを上げて、彼女は尻餅を突いた。
『あいったあ〜……』
打ったのがお尻だけで、しかも水の抵抗で勢いが削がれたとはいえ、したたかに川底に
ぶつけた尻を、彼女は片手で押さえて呻いた。ちょっと目尻から涙が出る。そこに、心配
した彼が慌てて近寄って来た。
「お、おい。大丈夫かよ?」
川の中に座り込んだまま、彼女は顔を上げて、様子を窺う彼を睨み付けた。
『大丈夫な訳ないでしょっ!! すっごく痛かったんだから。人がバランス崩した時に水
掛けるなんて、危ないじゃないのよ、このバカ!!』
歯をむいていきり立つ彼女に、彼は申し訳無さそうに頭を下げた。
「いや、ホントにゴメン。調子に乗って、状況が見えてなかったんだよ。ほれ、立てるか?」
差し出された手を取ろうかと一瞬手を差し出しかけて、彼女は腕を止めた。彼女の傍で
屈みこみ、手を差し出している彼は今、完全に無防備の状態だ。彼女は差し出された手を
取る代わりに、水の中に入れた手の平を上に向けると、彼の顔に向けて、片手で思いっき
り水を掛けた。
『隙ありっ!!』
掛け声と同時に彼の顔に水がビシャッと掛かり、彼は悲鳴を上げて仰け反った。
「うわっ!?」
131 :
3/4:2012/09/22(土) 09:28:09.58 0
その瞬間、バランスを崩し、彼も川の中に後ろ様に倒れて尻餅を突く。その様子に、彼
女はおかしくて大笑いした。
『やったあっ!! アッハハハハ!! ざまみろ、このバカ!! あたしに尻餅突かせた
から、バチが当たったのよ。あー、おかしっ……』
「くっそ……このヤロ……人が心配してやれば……」
バシャバシャと水の中でもがくように体を起こし、彼は彼女を睨み付けた。しかし、彼
女も強気に彼を睨み返す。
『何よ、やる気なの? いい加減敗北認めなさいよね。ヘタレのクセに頑張ったって無駄
なのに』
しかし、その挑発が却って彼を奮い立たせてしまう。思いの外素早く立ち上がると、彼
は彼女がまだ水から立ち上がれないうちに傍に寄って来てしまう。
「全く、ふざけた女だよな、お前は。そういう奴にはキッチリとお仕置きしないとな」
ワザとらしく、柄の悪い口の利き方をする彼に、彼女は身構えつつ体を起こし、いつで
も立ち上がれるようにする。
『お仕置きって冗談じゃないわよ。変な事したら、ただじゃ済まないわよ』
冗談でのやり取りとはいえ、次の行動が見えない事に彼女の体が緊張する。身じろぎす
る彼女を見下ろして、彼がイヤらしく笑ってみせた。
「いやぁ。そもそも挑発してくるかなみが悪いんだからな。俺がヘタレじゃないってトコ、
見せてやるよ」
同時に、その場でしゃがみ込むように姿勢を低くすると、前のめりに体重を掛けて、彼
女の肩に手を掛ける。その重みで、彼女の体が川底に押さえつけられる。
『ちょ、ちょっと!? 何すんのよ?』
思いもかけず乱暴な扱いに、彼女は憤慨して叫んだ。痛みは無いが、動揺で体が震え、
心臓が激しく鼓動を繰り返す。しかし、彼女の抗議を歯牙にもかけない様子で、彼はニヤッ
と笑って見せた。
「何するって、こうするのさ」
思わず息を飲み、彼女は目を閉じた。しかし、次の瞬間、胸元にヒヤッとしたものを感
じて目を開ける。すると彼が、川の水を掬ってバシャバシャと彼女の胸元を狙って水を掛
けていた。
132 :
4/4:2012/09/22(土) 09:31:55.04 0
『にゃあっ!! な、何すんのよこのバカ!! 冷たいじゃない。しかもどこ狙ってんの
よ!! このバカ!! スケベ変態痴漢レイプ魔!!』
押さえつけられていた手はいつの間にか離れていたので、彼女は体を起こし、片手で胸
を守る。すると今度は空いていた首元やおへそを狙われ、そこをガードするとまた胸を狙
われる。胸の谷間の間にまで水か染みこんでいき、冷たさとこそばゆさを同時に感じさせ
て彼女は身悶えた。
『ちょっと、いい加減に止めなさいよね。この……』
片腕のみで何とか防ぎつつ、もう片方の手で水を掻いて彼に浴びせ掛ける。しかし、倒
れこんだままの姿勢だと、圧倒的に上になっている彼の方が有利だった。
「いやあ。かなみがごめんなさいって謝れば、許してあげない事もないけどな。ほれほれ」
『きゃんっ!! やだそこ止めてってば!!』
どうやってか、皮膚の敏感な所を集中して襲う彼を振り払おうともがくが、なかなか足
元の滑る川の中では思うように動けない。
「ほれほれ。もうごめんなさいしちまえよ。最初に水掛けて調子に乗って悪かったですっ
て言えば、俺も紳士だし、許してやるからさ」
明らかに有利な状況に調子に乗っている彼を睨み付けて、彼女は奥歯を噛み締めた。そ
れまで体を庇っていた腕も外し、無防備な体勢になる。水が掛かり放題に掛かるが、それ
をグッと堪えた。
「お? ついに降参か? ちゃんと謝罪を口にするまでは止めないからな」
その途端、彼女を縛っていた何かが、プチンと切れたような感覚がした。
『……誰が……謝るかっての。このバカあっ!!』
両手で水を跳ね上げ、彼にぶっ掛けると同時に、彼女は体を起こした。
『こうなったら、とことんまでやったげるわ。ほら、かかってきなさいよね!!』
「この野郎。ホント素直じゃねーな。クソッ。もうこうなったら本気で容赦しないからな」
燦々と降り注ぐ日差しが水面を照り返すなか、跳ね上げる飛沫と悲鳴だけが、木々に覆
われた渓流にこだまし続けた。
続く
先週、タイムリーに実家から巨峰貰ったヽ( ゚∀゚)ノ
GJ
取り敢えずツンデレ幼馴染を家に呼べ
18時になったら立てよう
>>132 GJ
そこはかとないエロスを感じる…
139 :
1/8:2012/09/23(日) 11:27:49.42 0
・ツンデレが男に見せる為に水着を購入したら その4
「疲れた……」
お互い、体力が切れるまで水を掛け合ってから、二人は川岸に敷いたビニールシートの
上に並んで横になっていた。全ての体力を使い果たした感じで、ペットボトルのスポーツ
ドリンクを飲む彼の横で、彼女はチラリと横を見て、言った。
『あたしの……勝ちよね。最後まで攻撃してたの……あたしだもん……』
「引き分けだろ。俺が倒れ込んだら、同時にお前もへたり込んだじゃん」
『何言ってんのよ。最後、体力切れであたしの攻撃食らいまくってたじゃない。勝ったと
思ったから攻撃を止めてあげただけで、まだあたしは余力あったもん。なんなら、まだやる?』
彼を挑発して、彼女は握り拳をして、中指を一本突き立てる。その仕草に、彼は顔をし
かめた。
「お前、自分が女の子だって自覚あるなら、そういうポーズ取るの止めろよ。みっともな
いぞ」
その指摘に、彼女が頬を赤らめて睨み付ける。
『う、うるさいわね。アンタ相手にしかやんないわよこんなの。あたしだって一応恥や外
聞って言葉くらい知ってるんだから。で、やるの? やんないの?』
彼は小さく肩をすくめて、首を横に振った。
「いや、もうさすがに俺は無理。つか別に勝ち負け付けたところで何も変わらないしな。
かなみの勝ちでいいよ」
彼の降参宣言に、得意気な顔で彼女は片腕で軽くガッツポーズを取る。
『やった。ホントアンタってば、昔っから根性無しよね。体力勝負であたしに負けてるよ
うじゃ、この先人生渡っていけないわよ』
偉そうに説教する彼女に、彼は体を起こし、呆れた口調で言い返す。
「アホか。こんな所で突っ張ったって何の意味もないから引いただけだっての。やる時は
俺だってちゃんとやるぜ」
根性無しとバカにされたのが気に食わず、ちょっとムキになる彼に彼女はバカにした風
に鼻を鳴らす。
『フン。どうだかね。受験勉強の時だって、ちょくちょく音を上げてたアンタが』
140 :
2/8:2012/09/23(日) 11:28:20.72 0
「でもあの時は諦めはしなかったって。確かに勉強ばっかで嫌になってサボろうとした事
はあったけどさ。でも、リタイアする気は全く無かったから」
一年半前の事を思い出し、ダメな所は素直にあったなと認めつつも彼は抵抗する。それ
に、今はあの頃より持久力も集中力も付いていると、内心自負する所もあった。
『それはあたしが散々炊き付けたからじゃない。もしあんた一人だったら、今頃県外の私
立に通ってたかもよ? そうしたら、ここにだっていなかった訳だし』
今二人が通っている県立高校が、二人が自宅から通える唯一の学校だった。そこよりも
レベルの低い高校となると、自宅を出て一人暮らしをするか、親戚の家にお世話になるし
かない。最後に彼女から言われた台詞を思い出して、彼は頷いた。
「ま、その可能性はあったかもな。受験に受かったのが、かなみのおかげでもあるのは認
めるよ」
『よし。それでいいのよ、それで』
素直に彼が頭を下げたのを見て、満足そうに彼女は頷く。そして、持って来たペットボ
トルのお茶に口を付けたが、一口分も飲まないうちに、それは空になってしまった。これ
だけじゃ、まだ全然喉を潤しきれないと、彼女は横を向いてペットボトルを振りつつ彼に
聞いた。
『ねえ? アンタ、もう一本ドリンク持ってない? 中身何でもいいからさ』
「ん?」
彼女の問いに反応して、彼は自分のバッグからタオルに包んだペットボトルを出す。
「あるにはあるけどさ。凍らしてあるから、まだ溶け切ってないぜ」
『少しは溶けてるでしょ? 飲める分だけでいいからちょうだい』
両手を差し出しておねだりする彼女に、自分の分が無くなることに抵抗感を感じつつも
逆らう事も出来ず、彼は大人しくペットボトルを差し出した。
「ほれ。飲める量少ないからって文句言うなよ」
『背に腹は代えられないわよ。良かった。このまま水分無しじゃ、干乾びて死んじゃうと
子だった』
ちょっと大げさに言うと、彼女はペットボトルを振って中に液体がある事を確かめる。
それからパキッと一気にフタを捻って空けると、口を付けてあおった。
『うーん……飲み辛いな……』
141 :
3/8:2012/09/23(日) 11:28:55.00 0
傾けると、中に入った氷の固まりがすぐに口を塞いでしまって、勢い良くドリンクを流
し込む事が出来ない。ちょっと飲んだら戻して、また傾けてと悪戦苦闘しながら彼女はド
リンクを飲んでいた。
「文句言うなって言ったろ?」
からかうような口調で突っ込む彼を睨みつけ、彼女は口を尖らせる。
『分かってるわよ。別にアンタに文句言ってる訳じゃないもん。これくらいいいでしょ?』
そして、まだ満足しきれないらしく、もう一度ペットボトルを口に付けて傾ける。彼は
ちょっと笑いながら彼女を見て、視線を川に戻そうとした時、ハッと彼女に視線を戻した。
視界の隅で、彼女の体に付いた水滴が陽光に煌きながら、首から肩甲骨を伝い、胸元の谷
間へと落ちて行く。その様が何とも色っぽく見えて、思わず唾を飲み込んだ。それから、
顔は僅かに横に向け、あとは視線だけで彼女を見つめた。
果たして、こんなに綺麗だったかと思う。もちろん、水着姿だからと言うのもあるだろ
うが、一緒にふざけ合っている時もずっと見ていたのに、僅かに視線の角度を変えるだけ
で、こんなにも違った輝きを放つのかと、彼は不思議に思った。
『ああ、もう無くなっちゃった。まだ飲み足りないのに……って、何よ?』
毒づきながら飲むのを諦めて、氷だけになったペットボトルを置いた彼女が、彼の方を
向いた時、ふと彼がこちらを見ていることに気付いた。訝しげな顔をすると、彼は慌てて
視線を逸らす。
「ああ、いやその……何でもない。気にすんなよ」
焦ってごまかそうとするも、それは却って彼女の興味を引いてしまった。
『何かそういう曖昧な態度取られると、気にすんなって言われても気になるんですけど。
一体何考えながらこっち見てたのか、教えなさいよ』
わざと厳しい口調で問い詰めつつ、彼女は内心、微かに期待感を覚えていた。果たして
何と答えるのかと、彼をジッと見つめる。その視線から逃げようと身じろぎして視線を逸
らしつつ、彼は考えた。正直に答えるべきか、適当にごまかすか。しかし、ごまかそうと
思って出る答えはどれもこれも白々しい物に思えて仕方が無かった。
『何よ。すぐ答えられないって事は、何か心にやましい事でもあるんじゃないの?』
疑り深い視線でジロジロと見つめられ、彼は慌てて拒否をする。
142 :
4/8:2012/09/23(日) 11:29:28.22 0
「い……いやいや。むしろどう言えば変に思われないかって、言い方を考えていただけで、
別にやましいとかそんな事はないからさ」
『じゃあ、早く答えなさいよ。あたしがせっかちなの知ってるでしょ? 優柔不断なのっ
て嫌いなのよ。特に男は』
そう急き立てられ、彼は小さくため息をついた。どうやら完全にごまかすのは無理なよ
うだ。ならば、自分の言ったとおり、適当にオブラートに包んで答えるしかない。彼女に
もう一度催促されないよう、急いで考えてから、彼は答えた。
「いや、その…… やっぱり水着姿ってさ。こういう場所の方が映えるなって、そう思っ
て見てた」
『何それ? どういう意味?』
彼女が訝しげに首を捻るのを見て、彼はやはり急いで考えた答えだと意味不明だったか
と反省しつつ、慌てて補足する。
「その……つまりさ。やっぱり水着って、水に浸かるためにある訳じゃん? だからさ、
海とかプールとか……こういう川岸とか、とにかく水辺で見た方が、より綺麗に見えるなっ
て、そういう事だよ」
出来ればこれで納得してくれればと、そう彼は願った。しかし彼女は、ジロジロと彼を
見ながら、怪しむように唸った。
『ふ〜〜〜〜ん? 水辺の方が綺麗……ねぇ……?』
「な、何だよ。どこか変な事言ったか?」
ドキリと姿勢を変えて半身を彼女の方に向ける。彼女は身を乗り出し、彼を舐め回すよ
うに見つめてから、最後に顔を見据えて、追求した。
『別に、変な事って訳じゃないけど……アンタにしては芝居がかってんのよ。答えが。も
しかして、エッチな事とか考えてたの、ごまかしたりしてない?』
怒っている、というよりも何だか真剣に見えるその眼差しに、彼は返答に詰まった。こ
こでごまかす事は出来たが、というか無論否定しようという気もあったのだが、最初のタ
イミングを外すと、何故かその方が失礼なように感じてしまう。最初の質問もそうだった
が、何故か彼女の問いには、彼に嘘を言わせない力があった。
「……いや、ごまかしてるって訳じゃないけど……そりゃ、まあ少しは思ったよ。水滴が、
こう……何て言うの? 肌を伝って行くのとかがさ。何かこう……エロいなとか」
143 :
5/8:2012/09/23(日) 11:30:30.85 0
すると彼の目の前で、彼女が不快げな表情をする。控えめな表現で答えたつもりだった
が、やはり失敗だったかと悔やんだその時、彼女が彼の傍に突いた手を支えにグッと体を
持ち上げ、彼の方に体を寄せて来た。
「え……」
体がくっ付きそうなほどすぐ傍に座られ、動揺して思わず声が漏れる。しかし、厳しい
顔つきのまま、彼女は小さく毒づいた。
『スケベ』
そして、肘で彼の脇を軽く小突く。距離が近く勢いが付かなかったせいで痛みはほとん
どなかったが、それでも彼は顔をしかめた。
「いって!! 何すんだよ」
『今のは、人の事をエッチな目付きで見た罰』
そう答えて、彼女は正面を向いてしまう。しかし、寄せた体はそのまま離さなかった。
「何だよ。お前が聞くから――」
正直に答えただけだと文句を言おうとする彼に、彼女は彼と反対側の手を上げて彼の顔
の前にかざし、言葉を封じる。そして小さく、でもはっきりと言った。
『……でも、許す。あたしの事……褒めてくれてると思って』
恥ずかしさで、彼女は膝を抱え、ギュッと体を縮み込ませた。正直な話、嫌悪感は一切
無くて、嬉しい、という気持ちの方が彼女を支配していた。しかし、いざ口にするとやっ
ぱり恥ずかしくて、こんな風に強がってしまったが。
「……何だよ。出来れば、小突く前に許して欲しかったんだけどな」
不満気な口調の彼に負けじと、彼女もむっつりと答えた。
『……仕方ないでしょ。あたしだって、その……照れ臭かったんだから……』
思わず口にしてしまってから、顔に日差しのせいではない、内側からの火照りを感じて
彼女は膝に顔を埋める。その仕草が何とも可愛らしくて、彼はドキリとして言葉を失った。
興奮した心を抑えようとしつつ、しかし視線を逸らす事が出来ずに、しばし彼女を見つめ
ていた。しばらくして、ようやく誘惑を振り切って視界から彼女の姿を消す事は出来たが、
しかし、彼女がすぐ傍に居る事でまるで熱を発してでもいるかのように、隣から彼女の存
在が伝わって来る。しかし、立ち上がって距離を離そうという気にまではならなかった。
『ここってさ……』
144 :
6/8:2012/09/23(日) 11:31:08.85 0
不意に、彼女が言葉を発した。彼はそれに弾かれたように顔を横に向けて、もう一度彼
女を見る。しかし、彼女は遠くを見つめたまま、言葉を続けた。
『こんなに、綺麗な所だったんだね。何回も来てるのに、何か初めて気が付いたような気
がする』
そう言われて、彼も視線を川面に、そして上流へと彼女の視線を追うように向けた。傾
いた日の光に陽光が照り映え、それが逆に両岸の緑豊かな木々を鮮やかに浮き立たせてい
る。確かに、そんな風にここを見た事がなかったなと思いつつ、彼は頷いた。
「ああ。気が付かなかった。まあ、子供の頃は遊ぶのに夢中で、ゆっくりと景色を眺める
なんて事は無かったからな」
遥か先を見るように、目を細めて景色を眺めている彼を、彼女は横目でチラリと見つめ
た。何故だか、今まで以上にずっと、彼の事を近くに感じられる。いや、確かに物理的な
距離でも、僅かに体を寄せるだけで剥き出しの肩と肩が触れ合える程近くにはいたのだが、
それだけじゃなくて、心と心の距離の近さのような物を感じていた。彼女の感性に、彼が
同意してくれたからだろうか? それとも、それだけじゃなくて、互いの発する見えない
空気感のようなものが、同じになっているのだろうか。
いずれにしても、今しかないなと彼女は思った。さっきから、口にしたくて言い出せな
かった事。告白は――まだ無理だけど、それでも、自分の想いを伝えられると、そう思っ
て頭の中で反芻していた言葉を口にするなら、今しかない。決心が鈍らないうちに、彼女
は口の中を唾液で湿らせ、聞こえない程度に小さくホ、と息を吐いて心を整えてから、口
を開いた。
『……あのさ。また……来ようよ……』
「え?」
キョトンとした顔で彼が彼女を見つめる。僅かに彼の方に向けていた顔を逸らして、反
対方向を向きつつ、彼女は続きを口に出した。
『だって……せっかくいい場所だって気付いたのに……今年で終わりだなんてもったいな
いし。だから……来年も……再来年も、来ようよ。二人で……その……二人……きりで……』
145 :
7/8:2012/09/23(日) 11:31:48.09 0
彼女の言葉に、彼は思わず息を呑んだ。まるで告白のような彼女の言葉に、彼の頭が混
乱する。しかし、とにかく答えなくちゃならないと、彼はそれだけに心を集中する。茶化
したり、ふざけたりせず、真面目に答えようと。意識を集中させるのに、少し時間を使っ
た後で、彼は小さく、同意の言葉を口に出せた。
「……ああ。そうだな。また……来ような。いつまで続くかは分からないけどさ。来れる
うちはずっと……毎年、二人で……来よう」
それを聞いて、彼女が振り向く。彼の言葉が嬉しくて、何も考えず自然と笑顔が零れ出た。
『うん』
元気良く、頷く。その笑顔が、仕草がとても可愛くて彼は照れ臭くなって視線を逸らし
た。体が火照って胸がドキドキする。とにかく、冷やさなきゃ。そう思って彼は咄嗟に、
彼女の足元に置かれたペットボトルに手を伸ばした。キャップを捻って口をつける。まだ
溶け切ってはいなかったが、それでも少なくは無い量の冷たい液体が、彼の乾いた口と喉
を潤し、火照った体を冷ます。
しかし、それにホッとしたのもつかの間だった。
『あっ……?』
彼女が、小さく声を発した。それに反応して、彼は彼女に顔を向ける。
「何? どうかした?」
『それ……あたしの……』
彼女の指摘に、え?と彼はペットボトルを見た。そういえば、さっき彼女にねだられて、
まだ溶け切っていないペットボトルを渡した事を思い出す。
「ああ、悪い。ちょうど足元にあったもんで。何か喉が渇いてしょうがなかったからさ。
けど、いいだろ? もともと俺のだったんだし」
呆気に取られたような顔で彼の弁解を聞いていた彼女の顔が、急に怒ったようになった。
『い……いいだろ、じゃないでしょ? 人のもの勝手に飲んどいて。そりゃ確かに不用意
に置いといたあたしにも責任はあるし、知らなかったのかも知れないけど、だからって、
それで平気な顔して、その……いいだろってのはどうなのよ?』
彼はちょっと首を傾げた。果たして、たかがペットボトルのドリンクを飲んだくらいで、
そこまで文句言う事なのだろうかと。しかし、怒っている以上は何とかして宥めなくちゃ
ならない。
「何だったら、これ返すよ。まだ結構残ってるし、冷えてるしさ」
すると彼女はわずかに身を引き、腕で口を覆うようにした。
146 :
8/8:2012/09/23(日) 11:32:27.31 0
『の……飲める訳ないでしょ? そんな……あ、アンタが口付けた奴なんて……』
その答えに、彼は訝しげに眉をひそめる。
「何言ってんだよ。ちょくちょく人の飲み掛けとか食べ掛け奪ってた奴がさ。今さら汚い
とかそういう事気にする事ないだろ?」
どうも彼女の態度が変だなと思いつつ、そう指摘すると彼女の顔に浮かんだ怒りの色が、
一気に増した。
『そういう事じゃなくて……ああ、もういい!! このバカ!!』
一言大きく罵ると、彼女はスクッと立ち上がった。
「お、おい。どこ行くんだよ?」
『帰る。あと、アンタ片付け宜しく』
スタスタと荷物のところに向かう彼女を、体を捻って四つん這いのような格好になりつ
つ、彼は慌てて抗議する。
「ちょっと待てよ。お前だって遊んでたんだから、片付けだってちゃんと手伝えよな」
『うるっさい!! もともとはアンタが誘って来たんだから、責任持って後始末もしなさ
い!!』
顔も見ずに怒鳴りつけると、彼女は水着の上からそのままスカートとパーカーをはおる。
彼女が何に怒っているのか彼が全く理解していない事が、一番腹立たしかった。彼に聞こ
えないよう、口の中でぶつくさ呟く。
『間接キスだったのに……平気な顔してるとか……信じられない……』
あそこまで鈍感だと、彼が口を付けた瞬間にドキッとした事が、何だかバカらしくすら
思えてくる。しかもおまけに前はどうだったとかいちいち前例を持ち出して来て、あの言
葉は本当に彼女の癇に障った。最近は、ホント些細な事でいちいちドキドキしてしまって
しょうがないと言うのに、彼にはそういう事はないのだろうか。
片付けに奔走している彼を見ながら、彼女は小さくため息をついて一人ごちた。
『まあ……意識させられないって事は……まだまだあたしの魅力不足って事なのかな……』
そして、ついさっき、二人で並んでみた川面をもう一度見つめた。
『……来年ここに来る時には……もっとずっといい女になって……そんで、アイツを見返
してやるんだから。うん』
そう誓って一つ頷くと、バッグを持って、彼を振り返り一つ毒づく。
『バーカ』
そして、サッと振り返ると、帰路に着いたのだった。
終わりです
いい雰囲気のままには終わらせないぞ、と
むー
149 :
ほんわか名無しさん:2012/09/24(月) 01:43:31.70 0
女聖闘士ツンデレが入浴中に間違って女湯に突入して素顔を見てしまい
大量の女聖闘士に最初は本気で命を狙われていた男だったが
たまたま女聖闘士を敵から守る機会が多々あり
次第に女聖闘士は男を愛そうと思うようになるが
殺そうとしてた負い目から素直になれない聖闘士ツンデレ
>>146 ツンデレの怒り方がどことなく子供っぽくてかわいいな
151 :
1/4:2012/09/24(月) 03:14:41.89 0
・ツンデレを突然あだ名で呼んでみたら その1
『タカシ様。アイスコーヒーを淹れましたので、こちらに置いておきますね。どうぞ、ぬ
るくなる前にお召し上がりください』
「ああ、ありがとう。めいめい」
『めいめい!?』
ガッ!!
『あいたっ!! いた〜っ……』
「っと、どうしたんだよ? 大丈夫か、めいめい。いつも思うけど、考え事したり動揺し
たりした時は、よく失敗するから気をつけた方がいいよ」
『お、大きなお世話です!! 大体、今のはタカシ様が変な呼び方で私を呼ぶからこんな
事になったんじゃないですか!! 足の指骨折したら、責任取って下さいよ? あと、何
ですか、めいめいって!!』
「ああ、怪我の方はちゃんと労災下りるから、心配しないでも大丈夫だよ。休業補償もちゃ
んと出してあげるからね」
『お金の心配している訳じゃありませんっ!! それより、最後の質問にちゃんと答えて
下さい!!』
「めいめいって呼び方の事? ああ。それは何となく、芽衣の事をあだ名で呼んでみたい
なって思ったから」
『何となくじゃ理由になりませんっ!! 一体何だって、そんな変なあだ名で呼ぼうなん
て思いついたんですかっ!!』
「いや、可愛いかなって思って」
『か、可愛いからって……って、私は仕事中なんですよ? いくらタカシ様が休日だとは
言っても、人をダシに暇つぶしの道具にしないでください。メイドだからと言って、そこ
までは付き合い切れません』
「別に暇つぶしの道具にしようとか思ってはいないよ。ただ、アニメや漫画でもヒロイン
をあだ名で呼ぶ事は多いし、アイドルの子達もあだ名付けられて喜んだり、自分で呼び名
考えてファンの子に呼んで貰ったりしてるじゃん。そういうの見てたら、女の子とあだ名っ
てやっぱりいいなあって思って」
152 :
2/4:2012/09/24(月) 03:15:13.23 0
『別にメイドに可愛らしさとか必要ありませんっ!! 使用人なんですから、忠実に主人
の為に働く事が出来れば、それで十分なんです。そういうのをメイドに求めたければ、メ
イド喫茶にでも行って下さい』
「そういうのをメイドに求めてる訳じゃないよ。俺は、芽衣に求めてるんだ」
『わっ……わたわたわた……私に求めてるって…… だだだだだ、だからですね、タカシ
様っ!! わわ、私はメイドなんですよ? それ以上でも以下でも無いんです。だから、
そういう事を私に求めるのがそもそも間違いだって、お気付き下さい!!』
「でも、芽衣はずっと専属メイドとして高校入学の時から一緒に暮らし始めて、もう5年
くらいだろ? 使用人って言っても、家族みたいなものだし。同い年の女の子で、幼馴染
でもあるんだから、ただのメイドと同列には扱えないよ」
『そ、それでもですっ!! 子供の時の話はさておき、専属であろうが何であろうが主人
と使用人の関係である事は間違いありません。ですから、あだ名のように、親しみを込め
た呼び方で呼ぶ必要はないんです。呼び捨てにしていただければ、それで結構です』
「まあ、そう固い事言うなって。めいめいは真面目すぎるんだよ。たまには、そう。気分
転換にもなるしさ。めいめいの頭の固さも、ちょっとは和らぐんじゃないか?」
『だからその呼び方止めて下さい!! あと、今、頭が固いっておっしゃいましたよね?
今のはどう考えても、私をバカにして言ったようにしか聞こえませんでしたが?』
「いやいや。バカにするとかしないとかじゃなくて、事実を正確に伝えただけだって。で
ないと、あだ名で呼んだ程度でムキになってそこまで怒鳴らないよ」
『そんな事ありません!! メイドがそんなふざけた呼び方で呼ばれたら、誰だって文句
言うに決まってます』
「じゃあ、試してみようか?」
『試してみるって……って、どこに電話掛けようとなさっているんですか?』
「ああ、実家」
『実家って……ど、どういう事ですか? 一体、何をなさるおつもりなんですか?』
「ちょっと、黙ってて。マイクオンにしてあるから、芽衣も一緒に話せるからね。ああ、
繋がった」
[はい、もしもし。こちら、別府でございますが]
「ああ、その声は英子ちゃんか。タカシだけど」
153 :
3/4:2012/09/24(月) 03:15:44.69 0
[タカシ様? こちらにお電話されるなんて珍しいですね。旦那様や奥様には、直接携帯
に電話されるのに、いかがなさったんですか?]
「いや。ちょっとさ。ゆーぽんに変わってくれる?」
[ゆーぽん? ああ、悠ですね。少々お待ちいただけますでしょうか]
『ほら、やっぱり変な声してたじゃないですか』
「まあまあ、珍しい事には変わりないからね。それより、話はこれからだから」
【もしもし? 悠ですけど、あの……タカシ様が私に用事って一体何なんでしょうか?】
「ああ、久し振りだね。ゆーぽん」
【ゆーぽん!? どっ……どうしたんですかタカシ様。私の事いきなりあだ名で呼ばれる
なんて】
『ほら。やっぱり動揺してる。私と反応一緒じゃないですか』
「いや。そう呼んだ方が可愛いかなって思って。仲の良いメイド仲間にはそう呼ばれてる
みたいだしさ。嫌かな?」
【へっ……? い、いやその……嫌とか全然そんな……タカシ様にそう呼んでいただける
なんて、何かちょっと恐れ多い感じはしますけど……って、その呼び名って可愛いですか
ね?】
「ああ。ゆーぽんって呼んだ方が、可愛いし親しみも増すかなって思うんだけど、どう?」
【ど、どう?だなんて……もう、是非是非!! あの、タカシ様にそんな風に思っていた
だけるなんて、とても光栄です!! お仕事、これからも頑張りますから!!】
「ああ。今度実家に帰ったら、声掛けるからさ」
【よ、宜しくお願いします!! ね、ね、みんな!! タカシ様が私の事ゆーぽんって呼
んだ!! 何か可愛いし親しみやすいって!! やー、何かうれしーっ♪】
『ちょ、ちょっと悠さんっ!! 何喜んでるんですかっ!!』
【あれ? 今の声、芽衣ちゃん?】
「ああ。実は、今の話、傍で芽衣も聞いててさ……」
『芽衣ちゃん?じゃありませんっ!! 主人にあだ名で呼ばれて喜ぶメイドがどこにいま
すかっ!! いいですか? 主従関係にはですね。信頼関係は重要ですけど、必要以上の
親密さとか必要ないんです。ですから、あだ名で呼んで貰うなんてのは、越権行為という
か、メイドとしての分を超えているんですから、仮にご主人様がそう望んだとされても拒
否すべきです。分かりますか?』
154 :
4/4:2012/09/24(月) 03:17:34.25 0
【また芽衣ちゃんは堅い事を。ていうか、久し振りにおしゃべりするのにいきなりお説教っ
てなくない? ていうか、どういう事なんですか、タカシ様】
「ああ。実は芽衣の事をめいめいってあだ名で呼んだらめちゃくちゃ憤慨してさ。他のメ
イドだって同じだって言うから、とりあえず実家のメイドで一番あだ名の似合ってるゆー
ぽんに聞いてみようかと思って」
【いや、似合ってるなんてその……ありがとうございます!! ていうか、みんな。芽衣
ちゃんのこと、めいめいだってー】
エーヤダ、カワイイー!! メイサン、メイメイダッテー。キャーッ、ナンカイメージカワルーッ!!
『だから、そのめいめいって言うの止めて下さいってば!! タカシ様。何でみんなに広
めちゃうんですかっ!!』
「いや。だって反応見る為に電話したんだし」
【アッハハハ。ダメだよ、めいめい。ご主人様相手に怒ったりしたらさー。いーじゃん。
タカシ様に可愛いって言って貰えるなんてメイド冥利に尽きるじゃん】
『だから、めいめいって――』
「あーもしもし。そういう訳だから、悪かったな。仕事の邪魔しちゃってさ」
【いえいえ、タカシ様からのご質問でしたら、これも仕事のうちですから。めいめいがメ
イドの立場を盾にして固い事言うような事があったら、遠慮なく私でも他の皆でも言って
下さい。私達からもめいめいに言っておきますから】
「アハハ。心強いな。ありがとう、ゆーぽん」
【いえ、こちらこそありがとうございます。でも、その呼び名はあんまりおおやけでは使
わないで下さいね。めいめいより厳しいメイド長に聞かれたら、大変な事になりますから】
「分かってるよ。じゃあ、また今度お屋敷でね」
【はーい。それじゃあ失礼しまーす】
プツッ……
続く
>>118のせいで色々と妄想が滾って大変な事になったじゃないか(#゚д゚)ゴルァ
>>146 雰囲気いいなあ
そしてかなみんカワユス!
>>154 あだ名で呼ばれて照れるめいめい可愛いよめいめい
お題
つ・ツンデレが思うように事が進まなかったら
とうとうツンデレが夢に出てきた。素晴らしい夢だった
お題
・夢に男が出てきたツンデレ
友ちゃんの生徒手帳にボクの写真が…
160 :
1/4:2012/09/26(水) 06:07:55.74 0
・ツンデレを突然あだ名で呼んでみたら その2
「ほら」
『なっ……何が、ほら、何ですか。意味が分かりません』
「いや、だからさ。あだ名で呼んでも、最初はビックリしたけど、でも全然嫌がってなかっ
たし、むしろ喜んでなかったか?」
『そっ……それはその……お屋敷のメイド達と私じゃ立場が違うじゃないですか。みんな
はあくまでその……旦那様に仕えるメイドですもの。旦那様にあだ名で呼ばれたら、きっ
と拒否されるに決まってます』
「うーん…… 親父がメイドをあだ名で呼ぶとは考えにくいけど、でも心配はしても拒否
したりはしないんじゃないかな? 主人が望んで言ってる以上、止めはしないと思うけど」
『と、止めるかどうかなんて、そんなの分からないじゃないですか。大体、悠さんとかは
旦那様に対しても、たまに軽い態度取ってメイド長に怒られてるじゃないですか。参考に
なりません』
「悠だけじゃなくて、英子ちゃんとか他のメイドも、すごいウケてたし」
『最悪です。これで私がまた一つ、お屋敷に戻れないネタが出来てしまったじゃないですか』
「めいめいは真面目なだけに弄られやすいからなあ……」
『だから、めいめい言うの止めて下さいっ!! あと、私は本来は決して弄られキャラじゃ
ないんですから。全部、タカシ様が悪いんですからね』
「え? 俺が何かしたっけ。別にめいめいのドジッ子ぶりをお屋敷で話したりとかしてな
いと思うけどな」
『タ、タカシ様が何かなさったとか、そういう訳じゃありませんが……って、今ドジッ子っ
ておっしゃいましたよね? 私は決してドジなんかじゃありませんよ? たまに考え事し
て失敗する時だってありますけど、それは使用人としても許容範囲のレベルですから』
「分かってるよ。今のは冗談だってば。めいめいがどれだけ一生懸命尽くしてくれてるか
は、俺が一番良く知ってるから」
『か……からかうのは止めて下さいっ!! あと、そのあだ名。いつまでお続けになられ
るつもりですか?』
161 :
2/4:2012/09/26(水) 06:08:31.01 0
「ああ。せっかく考えたんだし、今日一日くらいは使ってみようかなって。後は時々、気
まぐれで」
『いい加減止めて下さい!! その呼び方で呼ばれると、仕事に張りが無くなります』
「じゃあ、今日はもう終業でいいよ。大丈夫。別に時間分削ったりとかしないから」
『お金の問題じゃなくても、そんな事出来ません!! 大体、まだ夕食の支度もお風呂の
準備もしていないんですよ? やる事いっぱいあるのに、お休みとか出来ません』
「そういうトコ、融通が利かないって他の子に言われるんだよ。お屋敷のメイドさん達な
ら、有給の早退扱いなんて喜ぶと思うけどな」
『あの人達は、大勢いるから代わりがいるじゃないですか。タカシ様にお仕えしているの
は私一人なんですから、私がやらなかったら、やる人がいません』
「だから、別に誰かが絶対やらなくてもさ。夕食なら出前頼めばいいし、お風呂は近くに
あるスーパー銭湯にでも行こう。たまには天然温泉の湯もいいじゃん」
『出前なんて、大抵ロクなものがないじゃないですか。脂っこくてカロリーが高いのばか
りで。タカシ様のお体に触ります』
「一応言っとくけど、別府家だよ? どんなお店だって、ちゃんとお金払えば持って来て
くれるさ。この間行ったフランス料理の……フェブルマン・アン・コミーテってお店もさ。
もしご家庭でご賞味くださるなら、是非シェフを派遣しますとか言ってたし」
『そういうのを無駄遣いと言うんです。一体どれだけのお金を一回の夕食に掛ける気なん
ですか』
「まあ、今のはあくまで一例としても、有名なお蕎麦屋さんとかでもいいじゃない。だか
ら、今日はめいめいはこれでお休み。それでいいよね」
『よくありませんってば。タカシ様が許可を出されても、私にはやる事がいっぱいあって
休んでいられないんですから』
「よし。じゃあ、ここはじゃんけんで決めようか」
『何でじゃんけんなんですかっ!! 意味が全く分かりませんっ!!』
「だから、芽衣が勝ったらめいめいって呼ぶのは止める。芽衣も普通に仕事していい。そ
の代わり、芽衣が負けたら俺がめいめいって呼ぶだけじゃなくて、芽衣も俺をあだ名で呼
ぶって事で。あと、敬語も禁止ね」
162 :
3/4:2012/09/26(水) 06:09:14.84 0
『ちょ、ちょっと待って下さい!! 何で私までタカシ様をあだ名で呼ぶ事になっている
んですかっ!! 何でそこで罰ゲーム増やすんですっ!!』
「いや、だってさ。俺がめいめいって呼ぶだけなら、勝負しなくたって出来るんだよ? そ
れを敢えて、めいめいの為にじゃんけん勝負に持ち込むんだから、めいめいにもそれなり
のリスクを負って貰わないと」
『じゃあ、勝負を拒否した場合は、どうあってもめいめいと呼び続けると、そうおっしゃ
られるんですね?』
「うん。さあ、どうする芽衣? 受けるか、引くか。俺は別に引いて貰った方がリスク少
なくていいけどね」
『(ううう……負けたら、私までタカシ様をあだ名でだなんて、そんな失礼で恐れ多い事出
来る訳無いのに……でも、逃げたらずっとめいめいって呼ばれる事に…… さっきからそ
う呼ばれるたびに、心の中がくすぐったくって折れそうになってしまうのに……)』
「というかさ。勝負逃げたら、めいめいって呼ばれながら仕事するのか。大丈夫なの、め
いめい? さっきもあんなに動揺してたのにさ。めいめい、お風呂まだ?とか聞かれて、
まともに対応出来る?」
『ででっ……出来ます……ともっ!! さ、さっきのは不意を突かれたからで、心さえ静
めれば……きっと……多分……うう……』
「自信ない感じだね。でも、勝負受ければ少なくともドジッ子メイドを披露する事は無く
なるよね。だって、負けたらお休みだから、めいめいって呼ばれても緊張で失敗する事は
無い訳だし」
『ムカッ。何ですか、さっきからその勝ち誇った態度は。私が勝てば、めいめいだなんて
バカなあだ名も無くなるじゃないですか。なのに、私が負けた時とか逃げた時の話ばかり
して、正直主人の物言いとはいえ、ちょっと頭に来ます』
「まあ、負けたら何にもなくなっちゃう訳だけど、それはいつも通りだから想像するまで
もないしね。で、心は決まった?」
『分かりました。その勝負、受けます』
「お? やる気になったんだ。偉い偉い」
『茶化さないで下さい。めいめいだなんて呼ばれるのは真っ平ゴメンですから』
「まあ、そう来なくちゃね。芽衣が嫌がってるのを一方的に俺だけが言うのは、実は正直
ちょっと気が引ける気もしてさ。けど、これで何の気兼ねも無くなったから」
163 :
4/4:2012/09/26(水) 06:10:11.98 0
『タカシ様と対等の勝負……というのは、メイドとしては申し訳なく思いますが、これは
私も引けませんので』
『(そう……勝てばいいのよ。勝てば……でないと、ずっとめいめいなんて呼ばれて褒めら
れたりしたら……私……どうなっちゃうか……)』
「それじゃあ、一発勝負で行くよ。いい?」
『は、はい。では……失礼して、勝負させていただきます』
「では行くよ。せーの」
「『じゃーんけーん……』」
続く
果たしてめいめいの運命は……
>>163 めいめい負けろー
続きお待ちしております
お題
つ・伝えたい事があるのに、ボキャブラリーが貧困なせいで思っていることが上手く言葉に出せないツンデレ
お題
つ・おおざっぱな性格のツンデレ
ツンデレと一緒にホラーゲームやってみたらどうなるの?
男にしがみつきながら肩越しに画面見て、なおかつ夜は眠れなくなって男に一緒に寝てもらう王道パターンやな!
逆にツンデレさんは全然平気なのに男がビビってて、「しょうがねぇな、一緒に寝てやるよ……はよ来いよ、ほら」的な展開もアリだと思います
タカシと執事さんの格好してツンデレさんと友ちゃんにお仕えしたい
172 :
1/5:2012/09/27(木) 07:06:22.93 0
・ツンデレを突然あだ名で呼んでみたら その3
『……………………』
「いつまで、その場にへたり込んでるのさ。めいめい」
『だ……だって、有り得ないじゃないですかっ!! この展開で負けるなんてっ!!』
「いや。十分負けオーラ出してたから。そもそも、めいめいって絶対負けられない何かを
賭けた勝負の時ほど、グー出す確率が高くなるし」
『なっ……何ですかそれ? じゃあ、最初から私が何出すか知っててじゃんけん勝負に持
ち込んだって事ですか? ズルいです卑怯ですそんなの反則です!! じゃあ今の勝負は
無効じゃないですか』
「いや。過去の傾向からある程度の推測をしたってだけで、必ずしもめいめいがグー出す
なんて確信があった訳じゃないよ。まあ、でもじゃんけん直前の様子を見てたら、何かも
う緊張で顔が青くなったり赤くなったりしてるような感じだったからさ。これならイケる
かなとは思ったけど」
『うううううっ…… それでもやっぱりズルには違いありません。せめてやり直しを要求
します』
「却下。だって、めいめいも承知の上で挑んだ勝負なんだし、そもそもこのネタ晴らしっ
て何度か言ってるんだけど、その度に同じ事繰り返してるんだもの」
『う、嘘ですっ!! ご自身を正当化なさる為に、嘘をおっしゃってるんです!!』
「まあ、そう言って自分をごまかすのは勝手だけどね。でも、めいめいが負けた結果は変
わらないよ」
『そんなのダメですっ!! 大体やっぱり、私そんな……タカシ様をあだ名で呼ぶなんて
出来ませんっ!! 主人に対して失礼極まります』
「主人の言いつけに背く方が、メイドとして失格だと思うけどなあ。めいめい?」
『うぐぅ…… せ、せめてその呼び方は何とかなりませんか? さっきから呼ばれている
だけで虫酸が走るんですが……』
「他の呼び方って? めいぽんとかめいりんとか? やっぱりめいめいの方が合ってる気
がするなあ。めいめいはそっちの方がいい?」
『申し訳ありません。他の呼び方でもその……そんなに気持ち悪さは変わりありませんで
した……』
173 :
2/5:2012/09/27(木) 07:06:54.53 0
「じゃあ、やっぱりこのままでいいよね? めいめい」
『せめて、その最後に強調させるように言うのは止めて頂けないでしょうか……』
「ああ、ゴメンめいめい。だってさっきからさ。めいめい、って呼んだ時の恥ずかしそう
な仕草がとても可愛らしくてさ。つい反応見たくなっちゃうんだよね」
『かっ……可愛いだなんて言わないで下さいっ!! 女の子が誰だって可愛いって言われ
ただけで嬉しくなると思ったら大間違いなんですからねっ!!』
「そうかもね。でも、めいめいは嬉しそうだよ?」
『うっ、う……嬉しくなんてありませんっ!! タッ……タカシ様になんて、その……可
愛いって言われたからって、別に……』
「ところで、そろそろタカシ様って呼び方も何とかしないとね。あと、敬語もダメだし」
『そ、それは何とかならないでしょうか? 無理ですやっぱり絶対!!』
「何で? 昔は普通に呼んでたじゃん。タカちゃんタカちゃんってさ」
『だからっ!! 昔は関係ありませんっ!! 今はその……ずっと、タカシ様って呼ばせ
ていただいておりましたから、それがもう普通で……だから、敬称で呼ぶのが当たり前な
ので、他の呼び方など考え付きません……』
「たまには気分転換しようって話なのに、それじゃあ意味がないじゃないか。別にタカちゃ
んでいいと思うけど?」
『私がよくありませんっ!! せめてその……子供の頃の呼び名じゃなくて……別のあだ
名を考えさせてください』
「それは別にいいよ。でも、あまり長く時間掛けないでね。そうだね。制限時間は5分で。
それ超えたら、タカちゃんで決定だから」
『またそうやって強引にお決めになられてっ!! どうしてタカシ様はいつもいつも、私
の意志を尊重せずに勝手に物事を進めてしまわれるんですかっ!!』
「基本的にはめいめいに任せてるじゃない。ただ、めいめいはお遊びごとには弱いから、
俺がサポートしてあげてるだけで」
『それはいつもタカシ様が変なご提案をされる時だけですっ!! あと、こんなの私にとっ
ては遊びじゃありません。ただの罰ゲームです』
「頭を柔らかくして、楽しめば遊びになるよ。はい、それじゃあ今からね。スタート」
174 :
3/5:2012/09/27(木) 07:07:25.76 0
『(全く、タカシ様と来たら…… ああ、でもあだ名かあ……タカシ様の事をどう呼べば……
確かに昔はタカちゃんって呼んでたけど、でもあの頃の……ただ親しかっただけの間柄の
呼び名で呼んだりしたら、甘えちゃうかも……じゃなくて、絶対甘えちゃう…… じゃあ、
ターくん、とかタッくん……とか? そ、それも気恥ずかし過ぎる……どうしよう……)』
「2分30秒経過。あと半分ね」
『(う、嘘? もうそんなに……? やだもう、このままじゃタカちゃんに決定しちゃう。
それだけは、ダメ…… あああ……せめて、ちゃんづけじゃなくて……う……そ、それな
らまだ……ああ、でも口に出せるかなあ……)』
「あと30秒」
『(ええい。もう、後はどうにでもなれっ!!)』
『きっ……決めましたっ!!』
「お? 残り10秒か。ギリギリだけど、めいめいにしては頑張ったね。で、俺の事は何て
呼んでくれるの?」
『え、えっと……その……』
「いいよ。遠慮せずに。今日、寝るまではさ。主従関係じゃなくて、昔仲良かっただけの
頃の関係だと思って」
『そ、それはダメです!! けど……ま、負けてしまった以上は仕方ありませんから、タ
カシ様……じゃなくて、その……タ……タカくんって……お呼びさせて……頂きます……』
「タカくんに決めたんだ。子供の頃よりちょっと大人向けにしたって感じかな? でもい
いよ、うん。新鮮で、嬉しい」
『よ……喜ばないで下さいっ!! 私はその……いっぱいいっぱいなんですから!!』
「めいめい、敬語」
『う……や、やっぱりその……ダメ、ですか? 見逃して貰えませんか?』
「ダメ。俺と、あと別府家関係以外の人には敬語使ってないじゃない。それと同じように
話せばいいだけの簡単な話なのに」
『そ、それが難しいから言ってるんじゃないですかっ!! ううううう……』
「じゃあ、敬語使ったらペナルティにしようか? 敬語一回しゃべったら、俺のほっぺに
キスするとか」
175 :
4/5:2012/09/27(木) 07:07:58.52 0
『なっ!!!! そそそそそそそ、そんなの絶対にダメダメダメ、ダメです!! そんな、
女の子にそんな事強要させるなんて、そんなのセクハラです。犯罪です。絶対に却下で
す!!』
「分かってるよ。今のは言ってみただけだから、まさかめいめいが、うんって言うとは思っ
てないしね。ただ反応が見たかっただけで」
『うっ…… ほっ……本当に意地悪なんですからっ!! だ、大っ嫌いです。タ……いえ、
あの……そういう所が……』
「誰のことなのかな? 大っ嫌いって」
『いえ、その……あの……し、失言でした。お許しください……』
「怒ってるんじゃないよ。ただ、名前言いかけて止めたでしょ? だから、ちゃんと名前
言ってもらわないとダメだよって」
『やっぱり、本当に意地悪ですっ!! だから、その……あの……タ……タカくんの……
そういう所が……ですっ!!』
「アハハ。ゴメンゴメン。めいめいが本当に可愛いからさ。ついつい言ってみたくなるん
だよね。いや、本当に反省してるから」
『本当ですよね? いつも反省してるとか言って、同じこと繰り返すんですから』
「大丈夫大丈夫。じゃあ、今度は真面目に言うよ。敬語一回ごとに、めいめいの耳に一回、
息を吹き掛けるっていうのは、どう?」
『や、やっぱりセクハラじゃないですかっ!! 全然反省されてませんよね、それ?』
「いや。敏感な所を弄るってのは罰ゲームの定番だし。別に足の裏や脇をくすぐるのでも
いいけど、多分そっちの方が時間長いだけ、耐えるのも辛いと思うけど?」
『……分かりました。じゃあ、タカシ様……タカくんの言うとおりでいいです……』
「理解が早いのはいいね。はい、じゃあ今からスタート」
『そ、そんなっ……まだ心の準備も出来てないのに急にだなんて無理で――っ!!』
「ギリギリ踏み止まったね。いきなり罰ゲームかと思ったけど」
『むっ…… その意地悪な笑顔、何かムカつきま――ムカつくん……だけど……』
「いやいや。別に期待なんてしてないよ。それより、めいめいも今日はもう仕事終わった
んだから、着替えて来なよ。メイド服より私服の方が、言い間違いもしにくいでしょ?」
『え? う、うん。じゃあ、お言葉に甘えてそうさ……するけど……』
176 :
5/5:2012/09/27(木) 07:15:43.98 0
「いいよ、その調子。出来れば、可愛い服がいいかな」
『そ、そんなのありま……持ってないから。ど、どんな服でも、その……文句付けないでよ?』
「分かってるよ。じゃ」
『え……と、どうしたの? 立ち上がって。あれ? アイス……コーヒー?』
「うん。氷だけ入れてこようと思って。めいめいとあだ名の件で色々やってたら、すっか
り忘れててさ。ぬるくなっちゃったから」
『そ、そんなの……タ、タカくんがやらなくていいよ。わ、私が、その……ちゃんと作り
直してくるから』
「いいよ。めいめいは着替えてきて。今日はもうお仕事終わったんだし、気にしないでも。
それに、せっかくめいめいが淹れてくれたのを飲まないなんてもったいないしね。大丈夫。
多少薄まってるだけだし」
『そ、それじゃあ、氷だけでも私が入れて来るから。そうしないと、やっぱり落ち着かな
いし……だから、タカくんは、大人しく待ってて……』
「分かったよ。めいめいがそこまでしてくれるって言うなら、お願いするよ」
『うん。じゃあ……すぐに戻って来るから。着替えは、それからにするね……』
『(ハァ…… やっぱり慣れないなあ……敬語しゃべらないなんて…… でも、使ったら罰
として耳元フーッてされちゃうし、そうしたら、またタカシ様にからかわれちゃうから、
気をしっかり持たないと……)』
続く
やべえタメ口のめいめい可愛すぎてニヤニヤが止まらんぜよ
すごいな、口調と呼び方変わっただけで雰囲気が
初々しいイチャイチャカップルになった!
ってかこのめいめいかわいすぎるwww
メイド+ツンデレにさらに幼馴染属性とか俺を萌え殺す気か
続き全裸待機
181 :
1/5:2012/09/28(金) 07:14:12.68 0
・ツンデレを突然あだ名で呼んでみたら その4
『お、お待たせ……』
「へえ、いいね。何か家でめいめいの私服姿って新鮮でさ。なかなか似合ってるけど、何
でワンピースにしたの?」
『そ、それは……やっぱり、家だとその……いつものメイド服に近い方が落ち着き……う
うん。落ち着くかなって。だから……着たんだけど、ダ……ダメ、かな?』
「いや、いいよ。それにちょっとオシャレだし。めいめいって、大学行く時はもっと地味
めな服だよね?」
『が、学校の時はその……機能的であれば十分だし、それに、地味で目立たないようにし
ておかないと、仕事に差し障りが出るから……』
「もうちょっと、友達とか作った方がいいと思うけどな。めいめいも、今だけなんだから、
女子大生ってのを楽しまないとね」
『それはもう、耳にタコが出来るほど聞き……聞いたから。けど、それは私の勝手だと……
思うし……』
「ま、確かに今、その話で時間潰すのはもったいないな。それよりさ。今日の夕食は何に
しようか? 外食にする? それともデリバリー頼む?」
『あの……それなんだけど……タカくん。私、考えたんだけどさ……』
「ん? 何、めいめい?」
『うん……だから、その……やっぱり、私がその……料理作ったり、お風呂沸かしたりし
たら、ダメかなって思って……?』
「え? だって、せっかく有給での半休なんだし、もっと羽伸ばせばいいと思うんだけど」
『いや、だってその……やっぱり、外食だとお金がもったいないし……それに、仕事じゃ
なくて、たまには趣味でお料理するのもいいかなって思って。だから、いつものように、
ご主人様の栄養バランスや健康を考えたメニューじゃなくて、私と……タ、タカくんの、
好きな料理だけを作るってのなら、どうかなって……』
「趣味で……か。まあ、確かにめいめいの手料理は大抵朝晩は食べてるけど、言われてみ
ればそれは仕事の一部なんだよな。けど、一見同じ事のように見えるけど、仕事と趣味の
区別なんて付けられるの?」
182 :
2/5:2012/09/28(金) 07:14:45.89 0
『分からない……けど、やってみるのも面白いかなって、そう思っただけで…… ダメ……
かな?』
「いや、まあ……めいめいがそこまで言うなら、ダメとは言わないけどさ。めいめいの手
料理は、そこいらのレストランの料理なんかよりよっぽど口に合うし」
『い……言っとくけど、今日はタカ……くんの為に料理作るわけじゃないんだからね。も、
もちろん二人分は作るし、私の好きな料理だけじゃ悪いからタカくんの好きな物もメニュ
ーに入れるけど、今日は、ご主人様の為じゃなくて、私が自分の為に料理するんだから』
「むー。何かそう言われるとちょっと寂しいけど、そもそもは俺が休めって言った訳だか
ら、まあ仕方ないっちゃ仕方ないけど、やっぱりこう、釈然としない気持ちがするなあ」
『そんなの……し、知らないから。タカくんが休めって言ったから、じゃあ私は、自分で
好きな風に料理したいなって思っただけで、あくまでタカくんの分はついでなんだからね』
「ふーん……じゃあさ。今日は俺が、一緒にキッチンに入ってめいめいの手伝いをしても、
怒らないかな?」
『えっ……そ、そんなのダメだってば!! そ、そりゃ確かに今日のはお仕事じゃないけ
ど、それでもやっぱり邪魔されたくないし……』
「邪魔なんてしないよ。うちのキッチンってかなり広いし。それに、俺の料理の腕が下手
じゃないって事は、めいめいも知ってるだろ?」
『そ、それは…… だ、だったらその……場所だけ使ってもいいから、タカくんは自分の
料理を作って。そうすれば、手伝わせるなんて事にはならないから』
「全く、そこまで形にこだわるとか。どうせ、頭の中では休みとはいえ、タカシ様に料理
を手伝わせる訳には行きません、とか考えてるんだろう? めいめいはお堅いから。でも、
逆に言えば、ここまで譲歩してくれたってだけでもありがたく思わないとね」
『う…… わ、私はその……タカくんと一緒に料理したくないってだけだもの。勝手に人
の気持ちを代弁しないでくれる?』
「はいはい。で、材料はどうする? いつもならそろそろ買い物に行かなくちゃいけない
時間だと思うけど」
『も……もちろん、買い物には行くわよ。色々買い足したいものがあるもの。けど、まだ
ちょっと後でもいいと思うけど』
183 :
3/5:2012/09/28(金) 07:15:17.26 0
「せっかくなんだし、食品売り場だけじゃなくて色々見て回ろうよ。休みの買い物なんだ
から、別に買わなくてもいいけど、興味のあるお店をひやかすとかさ。楽しみの時間を多
く使ってもいいと思うけど」
『ちょ、ちょっと待って。何で……タカくんも一緒に行く事前提になってるの? 私は二
人で行くだなんて一言も言ってないんだけど』
「うん。でも、俺も今日は料理作るんだから、一緒に買い物も行こうと思ってね。それに、
それ自体は別に珍しい事でもないだろ? めいめいの普段の仕事の時も、時々くっ付いて
一緒に行ってるんだし」
『う…… ま、まあその……勝手にすれば、いいと思う。私は別に、一緒に行きたいとか
思わないけど……』
「じゃあ、決まりだな。ちょっと支度してくるから、めいめいも出掛ける準備して」
『う、うん。でも、私はちょっと服はこのままで大丈夫だから、ちょっとお化粧と髪形整
えて、準備出来るし。タカくんの方こそ、ぐずぐずしてたら置いて行くからね』
「了解。でも、普段はエプロンとカチューシャ外したメイド服だけど、私服のめいめいと
出掛けるってのは久し振りでいいな」
『――っ!? ま、またそういう変な事言って!! くだらない事ばかり言ってないで、
さっさと準備して来てよね。もう……』
「分かってるよ。ああ、あと一つ思ったんだけどさ」
『まだあるの? い、言いたいならさっさと言って。聞き流してあげるから』
「うん。何か、こうやってあだ名で呼び合ってごく普通の言葉で会話しながら一緒に買い
物行ったり料理したりって、何か結婚直前のカップルとか、新婚の夫婦みたいな感じがし
ないかなって?」
『なあっ!? ししししし……新婚って……一体何を考えているんですかタカシ様はあ
っ!! い、いいですか? 罰ゲームだから仕方なくやらされているとはいえ、本来私が
タカシ様にこのようなぞんざいな口の利き方をする事はあってはならない事で、だからそ
んなカップルだとかましてや新婚の夫婦みたいだなんて事は思うことさえ論外なんですか
らねっ!!』
「めいめい」
184 :
4/5:2012/09/28(金) 07:15:48.51 0
『めいめい、じゃありませんっ!! いいですか? 日頃から時折、タカシ様は私の事を
自分と対等に扱いになろうと致しますけどね。それはそれで使用人冥利に尽きるとはいえ、
やはりメイドという物はちゃんと控えめに一歩下がって主人を守り立てなければ――って、
何ですか?』
「いや、その……罰ゲームだって事は、分かってるよね?」
『あ……ちょ、ちょっとお待ちくださ……じゃなくて、待ってタカくん。い、今のはその、
タカくんが余りに変な事を言うから、動揺して普段の言葉遣いが出ちゃっただけで、どっ
ちにしてもタカくんのせいで出ちゃったんだから、免除って事になるでしょ? 当然』
「いやあ。原因がどうあれ、敬語使ったら罰ゲームってのは、めいめいも了承してる事で
しょ? はい、こっち来て。早く」
『ダ……ダメダメダメ!! 私、耳弱いから!! 今ので罰ゲームはやっぱり酷いと思う
の。だから、見逃してってば』
「耳押さえて頑張るのはいいけどさ。そしたら脇の下のくすぐり30秒に変えようか? そ
の方がめいめいがいいって言うなら」
『そ、それもダメ!! 30秒なんて耐えられないもの。絶対窒息死しちゃう!!』
「でしょ? 耳元に息吹きかけるだけなら、一瞬で済むんだから。ほら。自分で来なきゃ、
こっちから行くよ」
『こ、来ないで。分かった。こ、ここに立てばいい……かな?』
「ああ。そこでいいよ。それじゃあ、心の準備は出来た?」
『ひ、一息だけだからね? お願いだから、変に気持ちの悪い吹き掛け方とかしないでよね?』
「そんな緊張してると、却って感じちゃうよ。気持ちを楽にして、他に意識を散らした方
が、耐えられると思うけどな」
『よ、余計なアドバイスとか偉そうにしないでいいから。や、やるなら早くして。焦らさ
れるのも好きじゃないから。あと、やる前にちゃんと一言、断わってよ。いい?』
「了解。それじゃあやるよ。いい?」
『う……だ、ダメだけど……分かった……』
「それじゃあ……スーーーーーーーーーーーーーーーッ…… フーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」
185 :
5/5:2012/09/28(金) 07:17:32.52 0
『ひゃっ!? やっ……やああああああああああ……ふぁあああああああっ……いやっ……
やっやっ……あああああああああああああああっ……みゃああああああああっ!!』
「はい、おしまい。俺が肩を抑えてたとはいえ、よくしゃがみ込まずに持ちこたえたよね」
『ひどっ……酷いっ!! 確かに一息とは言ったけど、あんなに長々とやり続けるなんて
聞いてないわよっ!!』
「いや。めいめいの反応が可愛くってついつい。俺もちょっと悪かったなとは思ってるよ」
『嘘ばっかり。嬉しそうな顔して。もう知らない。タカくんの意地悪。嫌いなんだから!!』
「やれやれ。怒らせちゃったな。でも……もし、芽衣が俺のメイドじゃなくて、それでも
付き合いがずっと続いてたら、本当にこんな感じだったのかも…… いや、まあ考えない
ようにしよう。うん。芽衣は十分によくやって、尽くしてくれてるんだしな」
『ああ、もうタカシ様のバカ!! いっぱい変な声出しちゃったじゃない。それもこれも、
タカシ様が私とのやり取りを、まるで新婚の夫婦みたいだなんて言うから…… あああ、
もう考えちゃいけないのに!! でもこれから二人でショッピングだなんて、しかも敬語
使わずにって、本当に恋人同士みたいで…… だ、ダメダメ。私がそんな事考えちゃ。今
日のはあくまでお遊びで、言葉遣いがくだけてるからといって、メイドとしての立場まで
忘れちゃいけないんだから。でも……確かにタカシ様のおっしゃられる通り……ではある
し……心の中でだけなら…… そ、それもダメなんだけど……でも一度言われたせいで、
もう意識しちゃって……私とタカシ様が……新婚カップルだなんて……一緒に買い物して、
お料理して……おふ……って、私何考えてるんだろ!! バカバカバカ!!』
結果、めいめいが準備を終えるまで30分以上掛かったとか。以上。
186 :
ほんわか名無しさん:2012/09/28(金) 07:21:34.05 0
いの一番にGJ
まったくめいめいが可愛すぎてあと一歩で萌え死ぬとこだったぜ……
お題
つ・別に約束していたわけじゃないんだけど、多分男が来るだろうなって思って待っていたのに、とうとうやって来なくてがっかりなツンデレ
めいめい可愛いよおぉぉぉぉぉ!!
GJ!!
ちなちな
>>185 可愛すぎだろう…お、おふろぐへへへ
さぁ続編をっ!
めいめい可愛すぎるだろ!
まったく萌え死ぬかと思ったよ、致命傷で済んで良かった……
いいなあ。めいめいと手を繋いで買い物に行きたいなあ。
スーパーの魚屋のおっちゃんに「新婚さんかい?あつあつだね!」
とか言われて真っ赤になってるめいめいを観察したいなあ。
>>185 気付いたら電車の中でニヨニヨしてた
めいめい可愛すぎGJ
お風呂編wktk
『……ここって、随分海が近いのね』
窓から見える海を眺めつつ、私は呟いた。海岸線は少し離れた所だが、遮る建物が何
も無い為、一面に水平線が広がっている。
「ああ。海を眺めながら新鮮な海産物をたっぷり食べられるって、かなり贅沢じゃね?」
私の言葉に気を取り直したのか、ちょっとワザとらしく自信ありげに別府君が言った。
ここで今までの失点分――と言っても、私の難癖に近いようなものだが――を取り返そ
うという気なのだろう。そんな彼に、私はちょっと意地悪な気分になって答える。
『ええ。確かに景色はいいわね。景色は』
敢えて二度、同じ言葉を言って強調しつつ、彼をチラリと見やる。すると、私が言わ
んとしている事に気付いたのか、彼がグッと渋い顔をした。
「な、何だよ。料理はまだ美味いかどうかわからないってんだろ? 大丈夫だって。多
分……だけど」
強気に答えようとしつつも、やはり最後に少し、弱気な言葉を付け足してしまう。そ
れが彼の限界なのだろう。もっとも、そういう所も、私は欠点とは思わないが。
『そうね。もちろん、料理も美味しければそれに越した事はないわ。ただ……後は、ね……』
チラリと思わせぶりな言葉を言いつつ、私は別府君に視線を向ける。それから、また
すぐに海へと目を走らせつつ、小さくため息をついた。
「な、何だよ。俺が不満だってのかよ?」
『……別に、そんな事は言ってないけど?』
不満気な彼の顔が可愛らしくて、思わず笑みが零れ落ちそうな気分になる。その気分
を落ち着かせるためにも、私は彼の顔は見ずに言葉を付け足した。
『ただ、食事をするのには、海を眺めながらという訳には行かないのよね。せっかくの
景色ももったいないわ』
彼がグッと言葉を飲み込むのが、音になって聞こえたような気がした。ややあって、
呟くように彼が文句を言うのが聞こえた。
「仕方ないだろ。ご褒美なんだからさ。それくらい、我慢してくれたって……」
『あら? 私は何も言ってないけど?』
ついつい声が明るくなるのを抑え切れず、私が言うと、別府君は私を睨み付けるよう
な目付きで見て答えた。
「具体的に言わなくたって、分かるんだよ。全く……」
もちろん、わざとミスリードを誘っているんだから仕方ないけれど、彼は完全に間違
っているのだ。私の本当の気持ちは、せっかく海が綺麗でも、貴方の顔に夢中になって
しまうから、見ている暇がないという事なのだが。
『海鮮丼二つ、お待たせしましたーっ!!』
店員さんの声に振り向くと、ちょうど彼女が、別府君と私の前に海鮮丼を置くところ
だった。それから、お水を継ぎ足してから、笑顔でお辞儀をする。
『それじゃあ、ごゆっくりどうぞー』
彼女からすれば別に何とも無い、お客に対する挨拶に過ぎないのだろう。しかし、別
府君と二人きりだと、なんだか彼氏とごゆっくりと言われてしまったかのようで、ちょ
っと胸がドキドキしてしまった。
「さて、と。へえ。豪華じゃん」
別府君が出された海鮮丼を見て、感嘆の声を上げる。大きめのどんぶりには、うにや
いくら。海老にマグロ、いか、たこ、ぶり、玉子焼きがこれでもかと乗せられている。
『……確かに豪華だけど、随分と、量が多いわね』
別段、特盛とかを頼んだ記憶はないのだが、どんぶりそのものの大きさも、恐らくそ
こいらの牛丼店で特盛を頼んだ時に出てくる大きさよりも、なお大きいと思う。もっと
も、牛丼チェーン店に入る事など滅多に無いから比較のしようもないが。
「いや。だってこれ、1300円もするんだぜ? これくらい無きゃ、食いでがないじゃん」
現物を目にして、別府君は嬉しそうにそう言うと、箸を手に取った。
『……食べ切れるかしら』
さすがにちょっと不安で私は呟く。すると別府君が、顔を上げて私を見て言った。
「食べ切れなかったら、残してもいいぜ。何なら俺が食ってやるし」
『そうやって、私の分まで食べる気満々なんでしょう? どれだけ食べる気なのよ。こ
の食いしん坊』
別府君の言い草に、何となく自分の分が狙われているような気がして、私は少し不機
嫌そうに答えた。すると別府君が慌てて言い訳を取り繕う。
「い、いや。そんな事ないって。あくまで会長が食べ切れなかったらの話だしさ」
そう言ってから、自分の丼を引き寄せて言った。
「そ、それより早く食べようぜ」
『待って』
別府君が箸を動かそうとするのを、私は制止した。ふと、ある事を思いついたからだ。
「何だよ。せっかく来たってのに。俺、大分腹減って来たんだけど」
私は箸を取らず、両肘をテーブルの上に乗せて二の腕を立て、中央で重ねた手の甲に
あごを乗せて言った。
『この店は、貴方が薦めた店なんだから、まずは貴方が味見をして、どのくらい美味し
いかを私に伝える義務があると思うんだけど』
「いや。実物が目の前にあるんだし、食ってみた方が早くね?」
私の言葉に、別府君が反論する。しかし私は、首を横に振ってそれを退けた。
『人が食べてるのを見た方が、より食欲が湧くという事もあるでしょう? それでね。
貴方は私にそれを伝える為に、グルメ番組のリポーターみたいに食べてくれない?』
「はぁ? 何でいちいち、そこまでしなきゃいけないんだよ?」
怪訝な顔をしつつ、彼は素っ頓狂な声を上げて聞き返してくる。しかし、私は真顔で
頷いて答えた。
『私が見たいから頼んでいるんだけど、ダメかしら?』
これは咄嗟の思い付きだった。この大振りの海鮮丼が、ちょうどよく旅番組なんかで
紹介される食べ物を思い起こさせたのだ。別府君がそんな感じで食べてる姿をチラリと
想像したら、何かすごく見たくなってしまって、それで慌ててお願いする事にしたのだ。
「いや。まあ……ダメって事はないけどさ。別に美味さを伝えるのに、そこまでする必
要なくね? それに、食った方が手っ取り早いと思うんだが……」
何かと理由を付けて回避しようとする彼を、私はジーッと、ただひたすらに見つめた。
その視線に押し負けたのか、彼が言葉を切ったのを見定めてから、私は一言、言った。
『デートだったら、彼女を楽しませるのが男性の役目だと思うんだけど?』
その言葉に、彼が苦々しい顔をした。
「クソッ。何かさっきから、都合のいい時だけデートって言葉を使われてる気がするぞ」
それに私は、勝利を確信してちょっと微笑を浮かべつつ、首を横に振って否定する。
『そんな事ないわ。私がどう言葉を使おうが、今日の貴方との一日が、デートである事
には変わりないんだもの。もし、そう感じるんだとしたら、それは貴方自身が、エスコー
ト役として不足していると認めているからじゃないの?』
私の言葉に、彼はますます顔をしかめる。まるで、ぐぬぬ、という擬音まで聞こえて
きそうだ。やがて彼は、舌打ちして言った。
「分かったよ。やるよ。やってみせりゃいいんだろ?」
私は、コクリと頷いた。
『ええ。でも、投げ遣りはダメよ。ちゃんとしっかり、真面目にやってみせてよね』
「分かってるよ。会長が、どんな事でも手抜きは許さない性格だって事はな」
私の注文にそう答えてから、彼は一つ咳払いをして、表情を消した。どうやら、それ
が彼が覚悟を決めた事の合図だったらしい。
「それじゃ、始めるけど…… 下手くそでも文句言ったりするなよ? これって結構無
茶ぶりなんだからな」
『前置きはいいわ。それよりさっさと始めてちょうだい』
無茶ぶりだなんて、そんな事は自分だって分かってる。だから、文句なんて言うはず
なかった。いかにも手を抜いている素振りさえなければ、だが。
「よし。それじゃあ……」
一つ前置きをして、彼はどんぶりを両手で持ち、私の方に見せるように傾けて言った。
続く
最終投下が去年の10/30だったから1年近くも放置してしまったんだなあと……
ちょwwwそんな前のだったのかwwww
続きwktk
・ツンデレに正座を強要したら
女「……」
男「……」
女「……くっ、もう駄目ですわ」プルプル
男「どうしたよリナ。俺には絶対負けないんじゃなかったのか?」
女「物事には限度という物がありますわ……私、降参いたします」ドサッ
男「ほほぅ。あの負けず嫌いのリナが敗北を認めるとはな」
女「仕方ないでしょう? 私は正座なんて慣れてませんのよ?」
男「それでも俺くらいには勝てるとか吹いてたのは、どの口だっけ?」
女「……そう言ったのは事実ですし、言い訳はしません。どうぞ罰ゲームなり何なり、好きになされば良いじゃありませんの」
男「では、お言葉に甘えて。リナは正座し慣れてないから、痺れた足を突つかれる恐怖も分かるまい」ニヤリ
女「ひぃっ!? タカシがろくでもない事を考えている時の顔をしていますわ!!」
男「ククク……俺の様子から察するとは、さすがはリナといったところか」ワキワキ
女「その手を引っ込めなさい、この破廉恥漢!!」
男「……と、言いたいところなんだが」
女「えっ……な、なんですの?」
男「実は長時間の正座に耐え兼ねて、俺の足も痺れちゃってるのよね」ジンジン
女「あら、そうでしたの?」
男「まぁ今日のところはお互い様ってことで」
女「……」ツン
男「にぎゃあ!!」
女「あら面白い」クスクス
男「てめぇ……人が遠慮してるってのに! 仕返しじゃあ!」ツンツン
女「ひぃっ!!」ビクンッ
男「うらうらうらぁ!!」グニグニ
女「や、やめなさっ……いやっ、ひぅっ……!!」ビクンビクンッ
男「とどめじゃあ!!」ツンツン
女「ひぎぃ!? いやあぁぁぁぁぁ!!」ビクビク
男「……なんだかそこはかとなくエロいのは気のせいだろうか」
>>202 何気に仲良しさんだなあwwwww
GJ!!
>>200 久しぶりだと思ったらそんなに前だったっけか。相変わらず会長さんクールですな
続きwktk!
vipのほう落ちたか…
仕事終わったら書こうと思ってたら落ちてたorz
お題
つ・ツンデレに秋っていいよねって言ったら
お題
つ・最近男に勝てなくなったツンデレ
212 :
ほんわか名無しさん:2012/10/01(月) 20:56:09.38 0
友ちゃんのわき腹をくすぐりたい
友ちゃんのふとももをくすぐりたい
いつも兄さんってギリギリまでグズグズしてますよね?
ほんとだらしないんですから
と、敬語妹に罵られて出勤したい
お題
つ・離島生まれのツンデレ
お題
つ・魚の小骨を取るのが苦手なツンデレ
217 :
1/3:2012/10/03(水) 00:01:50.37 0
【ツンデレと練習をしたら】
どうやら最近の俺はセクハラが過ぎるようなので、少し自制したほうがいいやもしれない。ということで、しばらくはスキンシップを禁止しよう。
「…………」
と決意した時に限って、かなみが遊びに来たりしますか。
「ねー。なんでそんな部屋の隅っこにいるのよ」
「隅っこに追いやられがちなんだ」
「うっさい。で、どしたの?」
「や、べ、別に?」(視線をあらぬ方向へ向けつつ)
「……ふーん」
何やら面白くなさそうな顔で、かなみはこちらに寄ってきた。同じだけ俺も部屋を移動する。
「なんでアンタも動くのよ」
「そうは言うが、自分の意志で心臓を止める技術は持ってないんだ」
「心臓の話じゃないっ! ていうか止めたら死ぬから止めるなっ!」
「だから、止められないんだっての」
「わ、わかってるわよ……」
そう言いながらもこっちに寄ってきてるので、部屋の壁を背にして、ずりずりと移動して回避する。
「……なんで逃げるのよ」
「や、逃げてなんていないよ? 背中がかゆいから壁でかいてるだけだよ?」
「私がかいてあげるから動くな」
また寄ってきたので、回避。
「…………」
「…………」
「…………」(涙じわーっ)
「泣くなッ!」
「な、泣いてないわよっ! アンタに嫌われたところでなんともないわよっ!」
とか言いながら目をゴシゴシされたりされたりなんてしたら、良心がうずくじゃあないですか。
「や、嫌ってなんていないよ? そうじゃなくて、その、色々とね?」
「……ホントに?」
「ホントに、ホント」
「…………」(無言でこっちに)
「…………」(回避)
218 :
2/3:2012/10/03(水) 00:02:21.64 0
「…………」(涙じわーっ)
「だから、泣くなッ!」
「嫌ってるもん……絶対私のこと嫌ってるもん……」
「ああもう。ああもう」
なんかあと数秒で泣きそうな雰囲気だったので、仕方なく事情を説明する。
「……なるほどね。ばーか」
すると、なじられる不思議。
「正直に言ったのに」
「アンタがセクハラしないなんて不可能なのよ、不可能。分かった?」
「人が必死で自制しているというのに、なんたる言い草か」
「分かったら諦めることね。……ということで、もー逃げない? 近づいてもだいじょぶ?」
くりって小首を傾げられた。くりって。
「い、いいけど、その、ほどほどの距離感って大事だよね」
「そうね。じゃ、ちょっとあぐらかいて」
「嫌な予感が止まらないよ」
「早く」
「はい」
殴られそうな雰囲気を感じ取ったので、大人しくあぐらをかく。すると、そこにかなみがぽふりと座るじゃないですか!
「なんで!?」
「れ、練習。アンタが過剰なセクハラしないように。今からアンタは私を抱っこするの」
「はぁ!?」
「おっきな声出すな! れ、練習だから。アンタが過剰なセクハラさせない練習だから。手つきがえっちだから指摘するから。だから抱っこはいいの。それ以外の理由なんてないの。おーけー?」
「nope」
「yesって言え!」
とても怖かったのでyepになった。
「ん。……じゃ、じゃあ、ぎゅってしろ」
「いや、でも」
「…………」
「おや、突然無言に。妙に怖いですね」
「……やっぱ私のこと嫌いなんだ」(涙じわーっ)
「その武器は禁止の方向でお願いします!」
相も変わらず俺は涙に弱い様子。後ろからかなみのちっこい背中を抱きしめる。
219 :
3/3:2012/10/03(水) 00:02:53.58 0
「ぐしゅ……な、泣いてなんてないわよっ!」
「はいはい、分かったから。泣かない泣かない」(なでなで)
「子供扱いすんな、ばか……」
そう言いながらも、かなみは大人しく俺になでられていた。黙ってりゃ可愛いんだけどなあ。
「んー」(ぐりぐり)
しばらくそうやってなでてると、今度はかなみの方からぐりぐりと頭を俺の頬にすりつけてきた。
「それはどういう練習なのだ」
「……え、えと。すりすりすることにより、アンタが私にえっちなことをしたくなる気分を増加させ、そのうえでセクハラを我慢するっていう訓練よ!」
「なるほど。抱っこだけで手一杯で、そこまでされると流石に我慢できなくなるのでやめてください」
「……わ、分かったわよ」
なわけで、しばらく抱っこしてなでていると。
「んー」(ぐりぐり)
またしてもかなみがぐりぐり攻撃をしてきた。
「なにをしている」
「れ、練習だもん。練習だからいいんだもん」
「だから、我慢できなくなるのでやめてください」
「うー……」
そしてまたしばらくなでなでしていると、三度ぐりぐりしてくるという。
「やめれ」
「うっさい! アンタのことだから、ホントは我慢できるけど意地悪のためにやめろって言ってるんでしょ! すりすりさせろっ!」
「大変に破廉恥ですね!」
殴られたので、すりすりさせる。
「……別にすりすりしたいんじゃないもん。練習だもん」(すりすり)
そして殴られ騒動の際にかなみが前後回転しており、つまり抱き合った形ですりすりされていて困る。色々と。困る。
「あ、あの、もう練習は十分じゃあないでしょうか」
「まだ。全然まだ。ちっとも足りてない」(すりすり)
「いや、しかしだな……ていうか、すりすりしすぎではなかろうか」
「大丈夫だもん。これは練習だもん。練習だからいいもん」(すりすりすり)
「ふぅむ。納得がいかない」
「あ、なでなでもしろ。あと、アンタからもすりすりしろ」
「俺のセクハラを抑制する練習って話だったような」
でもまあ、否定する材料が全く無いのでなでなですりすりしました。
>>219 どんだけデレるんすかこのかなみさんはwwwwww
かなみんうおおおおおおおお
>>219 あなたの書くかなみんが個人的に一番好きだ
223 :
ほんわか名無しさん:2012/10/03(水) 03:04:30.91 0
我慢しなくていいだろ!!!
>>219 泣き虫かなみさんが可愛すぎてもうね、もうね! あんたは何度俺を萌え殺せば気が済むのだ?!
あと超個人的な話だけど今日初めて、さらに隅なんてものがあることを知ったよ。最新分に追いつくまでまた時間泥棒されるじゃないかどうしてくれる!
お題
つ・男にメールを打とうと思って書きかけのまま途中で急な用事が入って忘れてて携帯を放置したままにしてしまったツンデレ
>>225 同棲中の男に読まれて閨でも聞かないダダ甘な心中がバレてしまった情景が浮かんだ
う……閏?
・くすぐったがりなツンデレ
女「ん〜……」
男「かつみ、掃除機かけるからそこどけ」
女「やだよ、後にしろよ」
男「ゴロゴロしてるだけじゃねーか。邪魔なんだよ」
女「うっせーな、休みの日くらいゴロゴロしてもいいだろが」
男「だったらお前が掃除しろよ。俺だって暇じゃねーんだぞ」
女「はぁ!? 今日の当番はてめぇだろ、なんで俺がやんなきゃいけねぇんだ!」
男「だったら早よどけ、ほらほらほら」ツンツン
女「や、やめろ、つっつくな!」
男「早くどけないと、お前の脇が溶けてなくなるまでつつくぞ」ツンツン
女「俺が脇弱いの知ってんだろがっ……くふっ、ふはははっ」
男「お前の弱点くらい全てお見通しじゃい」ツンツクツン
女「あははははっ、やめっ、息が止まるっ……」ジタバタ
男「ふむ。なんか楽しくなってきたな」ガバーッ
女「きゃっ! て、てめぇっ!!」
男「こーちょこちょ、かつみこーちょこちょ」
女「き、キメェ! 離れろクソッ……」
男「離れてたまるかってんだ」コチョコチョ
女「ふ、ふあぁぁ///!!」ビクンッ
男「もー、かつみったら感じやすいんだからぁ」ニヤニヤ
女「てめぇ……絶対許さねぇからな!!」ガバッ
男「ぬぉ!?」
女「お前も足腰立たなくなるまでイジメてやるよ!!」
男「ひえぇぇぇぇぇ!? で、出来れば性的な方の意味でお願いします!!」
女「ったりめーだろが、このボケ///!!」
男「……え?」
以下、割愛……。
かつみんエロかわゆし
GJ!
ついエロい声洩らしちゃったかつみんマジエロかわ
…ふぅ
>>228 感じやすいかつみんカワユスwwwGJ!!
6年前、vip時代に見てたけど、こんな所で続いてたのか...
おかえりなさい
・思わぬところで男とツンデレが再会したら
>>232 vipでやってた頃からこういうレスは何度も見たけど、戻ってきてからまたずっと定住してる人ってどれくらいいるんだろうか
まあ何にせよ、お帰りなさい
ツンデレさんが寂しがってたぜ
・ショーウィンドウに飾ってある純白のウェディングドレスを見つめるツンデレ
纏「……」
男「おや、纏だ。何してんだろあんなとこで。おーい」
纏「……」シーン
男「気づかない……これは後ろから声をかけて驚くフラグ!」ソーッ
纏「……はぁ。やはりええのぅ」ウットリ
男「何がそんなにいいんですか?」ポンッ
纏「ぎゃあぁ!? た、タカシ!?」
男「期待通りの反応ありがとうございます」
纏「なにゆえ主がここにおるのじゃ!」
男「いたらいけませんか?」
纏「いかん! 背後から急に声をかけるなぞまなー違反じゃ!」
男「ふむふむ。綺麗なドレスでございますね。これを見てたんでございますか?」
纏「人の話を聞け! そしてその鬱陶しい敬語を止めぬか!」
男「やー、纏が様式のドレスに興味あるなんて意外だなぁ」ニヤニヤ
纏「み、見ておらぬ……そこの硝子に虫が留まっておったから見ていただけじゃ」
男「この秋空の下にどんな虫が……?」
纏「えぇい、蜻蛉じゃ蜻蛉! もうよいではないか、この話は!」
男「素直にウィンドウショッピングしてましたって言えばいいのに」
纏「だ、だって……儂がどれすなど見ていると知れたら、いめーじが……」
男「別に女の子だったら普通だろ。つかイメージなんか気にしてたのかよ」
纏「じゃ……じゃあ主はこのどれす、儂に似合うと思うか?」
男「え? うん、まぁ……」
纏「……」ドキドキ
男「いかん!! 想像したら似合い過ぎてて鼻血出てきた!!」
纏「な、何を言うておるんじゃ!? このくそたわけ!!」
男「ああああ俺の脳内で纏が誰かの嫁に行っちまううううう!!」
纏「き、気持ち悪い!! タカシが酷く気持ち悪いのじゃあ!!」
普段の自分の性格とのギャップを恥ずかしがるとかまつりん乙女可愛いなあああああああああああ
・ショーウィンドウに飾ってある純白のウェディングドレスを見つめるツンデレ <その2>
男「うぅ……俺の纏もいつかは誰かの嫁になっちまうんだよな……」シクシク
纏「誰が主の物か。気持ち悪いからさめざめと泣くでない。
それに、儂がこのどれすを着ることなぞ一生ないわい」
男「へ? なんでだよ、纏だっていずれは結婚するんだろ?」
纏「……我が家では女系が跡目になったら、入り婿を取って神前結婚するのが代々の習わしじゃからの」
男「いつの時代の話だよ。纏ん家が古い家柄なのは知ってるけど」
纏「由緒ある血筋を絶やさぬよう、必死という訳じゃな。じゃからちゃぺるの結婚式なぞ夢にも見ぬわ」
男「でもそれ、なんかおかしくね? いくらなんでももうちょい纏の意思も尊重していいだろうに」
纏「曾祖父が、儂の白無垢姿を見たいと言っていたのも、原因にはあるのぅ」
男「うーん……そっか。家長の発言は絶対ってことか」
纏「まぁ少なくとも、そこに儂の意思の介在する余地はないのじゃ。諦めよ」
男「……よし、決めた!! 纏、今から俺と駆け落ちしよう!!」
纏「ふぇ!? な、な、何を言うておるのじゃ!?」
男「纏にウェディングドレスを着させないような家に用はねぇ! 駆け落ちして俺と幸せな結婚式挙げようぜ!」
纏「なんという不純な動機なんじゃ! いっそ清々しささえ感じるぞえ!」
男「だってこのまま家に置いといて、纏を俺以外の嫁にやるの嫌なんだもん!!」キリッ
纏「言うておることはアホなのに、何故か格好よく見える!」
男「だから俺についてきてくれ!! そしてこのウェディングドレスを俺のために着てくれよ!!」
纏「た、タカシ……!!」キュンッ
纏「……ぬ、主の気持ちは嬉しいが、やはり駆け落ちというのは……些か気が進まぬというか……」モジモジ
男「なんでだよ! 俺を信用してくれ!」
纏「それに、駆け落ちというても、主に行く宛なぞあるのかえ?」
男「え……? そうだな、とりあえず当面は山田ん家に匿ってもらう、とか?」
纏「……それは駆け落ちでなく、単なる家出と言わぬか?」
男「うん、そーかもしれん」
纏「……主に一瞬でも期待した儂が馬鹿じゃった」ガクッ
結婚式を神前で挙げてから披露宴を別にやればいいじゃないか纏さん
両方見れてお義父さんも俺もお得だよ
239 :
ほんわか名無しさん:2012/10/05(金) 07:06:28.09 0
山「友ちゃんに盛大にいじられても良いのならいつでも来るがいい!」
お題
つ・新人の研修生がツンデレだったら
・友ちゃんが友達に「私、山田くんが好きなんだけど…」って相談されたら
なればええやないですかー!
このちなみんに「じゃあ俺と同じだね」って言ったらどうなるのっと
246 :
1/6:2012/10/06(土) 19:05:04.46 0
・持久力のない男に呆れ果てるツンデレ
「ちょ、委員長。ちょっと待ってくれよ」
店内をさっさと目的の店へと歩く私の後ろから、手提げのビニール袋をいくつも持った
別府君が追い掛けつつ、声を掛けて来る。私は少し歩調を緩めつつ、肩越しに視線を送った。
「何?」
「いや、そのさ。少し休憩しようぜ。もう買い物もほとんど終わったんだしさ。ちょうど、
ほら。喫茶店もあるし。委員長も働きづめで糖分とか欲しくね?」
「却下」
彼の勧めを、私は一言の下に退けた。
「一応言っておくけどね。私達が今日、何でこのモールに来てるか分かってる?」
彼に聞くと、別府君はニカッとイタズラっぽく笑って頷いた。
「ああ。委員長が買い物をするのに、私一人じゃ量が多くて大変だから、荷物持ちに付い
て来てって頼まれてさ。ツンデレ的な女の子が男を誘うにはよく使う手だなあと思って」
「全くもって、全然違うわ」
呆れたように、私は彼の言葉を否定する。別府君が女の子をからかうのはよくある事だ
が、私みたいな無感動で生真面目なだけのつまらない女子をからかっても、何も楽しくな
いと思う。なのに、何故か彼は私を一番に選んで来るのだ。それとも、生真面目だからこ
そ、からかわれやすいのだろうか。
「貴方ね。冗談も大概にしないと、この場に置き捨てて私一人で帰るわよ。で、最初から
聞くけど、何で私達二人が、仲良くもないのにモールに二人で買い物に来てるのか、答え
なさい」
「えーっ? 俺と委員長って結構仲良いと思うけどなあ」
私は、片手をペッと大きく払って、彼の言葉を跳ね除ける。
「仲良くなんてないわよっ!! で、さっさと質問に答えなさい」
本当に、私みたいな女にこんな事を言って何が楽しいんだろう。ちょっと恥ずかしがる
素振りでも見せれば、それで満足なんだろうか? 私が気難しい顔ばかりしているから、
動揺させたりしてそれを崩して、後から男子の間でネタにでもするんだろうと、私はつま
らない気分で考えた。
247 :
2/6:2012/10/06(土) 19:05:35.68 0
「分かったよ。文化祭で使う飾り付けの買出しだろ?」
「そうよ。貴方が教室にいると、ふざけてばかりで一向に準備が進まないから、買出しに
出させたんでしょ? で、何で私までが一緒に来ているのかは?」
「……俺がふらふら寄り道とかしたりしないよう、お目付け役?」
「はい、正解。分かったら、お目付け役を篭絡させようなんて考えないで、さっさと来な
さい。クラスのみんなは働きながら帰りを待ってるんだからね」
冷たく言い放ってから、私はまた歩みを速めた。そりゃ、私だって、別府君と二人きり
で喫茶店でお茶したい。二人でデートして、雑貨屋で目的の物を買って会計を済ませるだ
けの機械的な作業じゃなくて、色んなお店を回って楽しく会話したりしたい。しかし、密
かに女子の人気が高い彼と地味で人気の無い私じゃ全く釣り合いが取れないし、何より彼
自身が、全然そんな風に私を見てくれてない。単にからかいの対象としか思われていない
ようじゃ、夢のまた夢だ。
「じゃあ、委員長。買い物終わったら、せめてマックでシェークくらい買おうぜ。それな
ら歩きながらでも飲めるしさ」
まだ諦めずに、彼は悪の誘惑を私に囁き掛けてくる。そんなデートみたいな事は、少し
だって許しちゃいけないのだと、自分に言い聞かせる。
「ダメだって言ってるでしょ? 無事に学校まで帰りついたら、自販機のお茶くらいはご
馳走してあげるから。それまで我慢しなさい」
素っ気無く答えると、彼は気落ちしたようにガクッとうな垂れた。
「うぐぅ…… 文化祭の買出しとはいえ、せっかく二人で買い物だってのによ。少しは色
気くらいあったっていいじゃん」
彼の言葉に、私は思わず振り返る。それからすぐに唇を尖らせ、プイッと前に向き直る。
「止めてよね、そういう言い方。私は色気なんてまるでない女なんだから、それでいいの。
分かった?」
そう言い聞かせると、また少し歩調を速めた。冗談でも二人きりだなんて意識させるよ
うな事は言わないで欲しい。心の奥がくすぐったくなってしまうのだから。
248 :
3/6:2012/10/06(土) 19:06:06.82 0
「いや、もう……なんでこんなクソ重いんだよ」
買い物を終え、私達は出口から大通りに出る。バッグ一つの私とビニールの手提げをい
くつも持った彼とだと大変さが違うのは分かるが、もう少しカッコつけて欲しいと思う。
きっと、好きな子の前とかだと、やせ我慢するのだろうが、私じゃ意識もしてないから甘
えた言動が出るのだろう。
「さっきから愚痴ばかりでもう聞き飽きたわ。少しは黙りなさい。それに、まだ音を上げ
るには早過ぎるわよ。ここから学校までの帰り道だってあるんだから」
「うへぇ……」
私の言葉に、別府君は何とも情けない声を出す。
「そうだった…… あの坂登んなきゃなんないのかよ。しかもこの荷物で……」
両手の荷物をガサリと揺らして、彼はため息をついた。駅を中心に広がる繁華街から学
校への道の途中には、急で長い坂がある。歩くと10分ほどの距離も、その坂のせいでえら
く長い距離に感じられる事もあり、ましてや遅刻なんぞしようものなら地獄を見ることに
なる。
「なあ、委員長。提案があるんだけど」
「何? 聞くだけなら聞いてあげる」
振り向き、彼を正面に見据えて首を傾げる。すると彼は、荷物を持ったまま腕を上げ、
ある一点を差した。
「帰りはさ。バスに乗ろうぜ」
彼の指した一点には、屋根付きの停留所があった。そこには、買い物客がズラリと並ん
でいる。とはいえ、ほとんどは駅とモールとのシャトルバスの乗客だが。
「ダメよ。うちの学校の前を通るバスなんて本数も少ないし、それに大して時間が変わる
わけでもないのに200円も取られるのよ。そんなの、お金を無駄にするだけだわ」
通学路はここから細い住宅街の道を抜けて行くが、バスは大通りを通り、しかも先に病
院の方に寄り道をするので、うちの学校の生徒からは使えない路線呼ばわりで重宝がられ
ていない。
「けれど、体力の節約にはなるぜ。それにクソ暑い残暑の日差しを受けずに冷房の効いた
車内で快適に帰れるしさ」
「貴方って、本当に楽する事しか考えてないわよね」
249 :
4/6:2012/10/06(土) 19:06:37.94 0
ため息混じりに呟き、私はトトトッとバス停の方に駆け寄る。そして、時間を見てすぐ
に戻ってきて言った。
「やっぱりダメよ。次のバスまで20分あるもの。待ってる間に学校に着いちゃうわ」
それを聞いて彼は、ガクッと肩を落としつつも抵抗した。
「まあ、いいじゃんか。10分くらいロスしたってさ。それに、このまま歩いて学校着いたっ
て、どうせしばらく休憩しなきゃ働けないし。だったら、休憩がてらバス停でジュースで
も飲みながらのんびりしたっていいじゃん」
「だからダメだって言ってるでしょ? 大体、計算が違うわよ。バスに乗ってる時間があ
るんだから、ロスは20分近くになるわ。それに、道具があれば、私達は休んでたって、他
の皆は作業を進められるのよ。それにどのみち、貴方の労働力なんて期待していないんだ
から。ほら、早く行くわよ」
もうこれ以上文句は言わせないと、怒涛のように言い切ってから、私はこれ以上くだら
ない主張には付き合っていられないと身を翻してスタスタと早足で歩き始める。
「ちょっ……待ってくれよ。分かった、歩いて行くからさ」
引き止める声に続いて、小さく独り言のような愚痴が続いた。
「全く、委員長はいいよな。荷物持ってないんだから……」
彼はそれを私に聞かせるつもりはなかったのだろうと思う。けれど、聞こえてしまった
以上は無視出来なかった。私は足を止めると、クルリと反転して彼の前に立ち、手を差し
出した。
「貸して」
「え?」
驚いた様子の彼を睨み付け、私は差し出した手をそのまま下げ、彼の持つビニール袋に
手を掛ける。
「貴方が大変だって言うなら、荷物全部私が持つわよ。この程度、一人で持ったって何て
ことないもの。ほら、早く」
「いや、でも全部持たなくたって……」
戸惑う彼を無視して、私はひったくるように荷物を引っ張って彼の手から取った。
「そっちの分も。ほら、早くしなさい。時間の無駄なんだから」
250 :
5/6:2012/10/06(土) 19:07:08.88 0
もう片方の手も差し出し、同じように彼から荷物を取る。それから体を起こすと、彼を
睨み付けた。
「じゃ、私は戻るから。別府君はバスででも何でも待ってから戻ればいいわ。もう、貴方
が戻らなくても誰も困らないし」
そう言い捨てて、一人でスタスタと早足で歩き出した。両手にずっしりとビニールの手
提げが食い込むが、持てない重さじゃない。肩に掛けたバッグがずり下がって来るのを直
すのが面倒なだけで。
「ちょっと待てよ、委員長。何も一人で全部持つ必要はないだろ」
別府君が急いで追いかけて来て、隣に並んだ。それを横目で睨みつつも、私は歩を緩め
なかった。
「もう貴方の愚痴を聞くのは真っ平だもの。それなら私が一人で全部持った方が気持ち的
にも楽だわ。それに、もともと荷物持つって言ったのは別府君で、私が頼んだ訳でもない
し。カッコ付けておいて最後まで突っ張れないんだったら、最初からしない事よ」
「……面目ない。けど、やっぱり女の子に重い荷物持たせて平気な顔なんて出来ないから
さ。もう文句は言わないから、やっぱり俺に持たせてくれよ」
私の隣で一生懸命懇願しているのを無視しつつ歩いていると、いきなり横から悲鳴が聞
こえた。
「きゃっ!?」
「あ、す、すいません」
どうやら私の方ばかり見ていて、前の人に気付いていなかったらしく、女の人とぶつか
ってしまったらしい。女子大生風の人に何度も頭を下げる彼を立ち止まって見つつ、私は
小さくため息をついてから、荷物を差し出した。
「全く……そんなに持ちたいなら、持たせてあげるわよ。ほら」
「良かった。やっぱり男が女の子に荷物持たせて一緒に歩くって、カッコ悪い事この上な
いもんな」
受け取りながら微笑んでそんな事を言うから、私は内心ガッカリした気分になった。や
っぱり、外からの見映えを気にしただけで、私の事を気遣ってくれた訳じゃないんだと。
まあ、そりゃそうだろうけど、やっぱり面白くない。
251 :
6/6:2012/10/06(土) 19:08:25.14 0
それじゃあ、行くわよ。今度音を上げたら、それこそ貴方ごとおぶって学校まで行くからね」
食い込んだビニールの痕が真っ赤になっている。それをこっそりと手で擦りつつ言うと、
彼は頷いた。
「分かってるよ。今度はちゃんと委員長に付いて行くからさ」
あんまり頼もしいとは思えないな、と思いつつも、私は頷いたのだった。
続く
最近いいんちょ分が薄いなあと思ってさ
どっちのいいんちょもかわいいいいいい
254 :
ほんわか名無しさん:2012/10/07(日) 11:34:11.51 0
とても素晴らしいですね
256 :
1/6:2012/10/07(日) 11:50:41.74 0
・持久力のない男に呆れ果てるツンデレ 〜後編〜
しかし、彼のそんな強がりも、5分とは持たなかった。
「遅いわよ。もっとシャキシャキ歩きなさいよ」
「いや、その……ちょっと、マジ辛くてさ……」
坂を上り始めてまだ四分の一にもならないのに、フラフラと辛そうに上る彼を、私は上
から見下ろして急き立てた。しかし、彼のスピードは一向に上がる気配を見せなかった。
立ち止まって彼が追いつくのを待っていると、フゥフゥと息を吐きつつも何とか足を速め
て上ってくる。
「全く、だらしないわね。別府君って結構スポーツ出来ると思ってたんだけど、意外だわ」
こんな姿を他の女子に見せたらどう思うんだろうかと疑問に思う。一気に熱が冷めるの
だろうか? それとも、意外と弱い一面に逆に時めいて、母性本能が働いたりするものな
のだろうか?
「いや。今日の体育がバスケでさ。そもそも疲れてんだって。あと、委員長の足が速すぎ
るってのもあるけど」
「言い訳無用。泣き言は言わないって言ったでしょ? それとも、本当におんぶされたい?」
脅すように聞くと、彼は激しく首を振った。
「いやいやいや、冗談じゃねーよ。いくらなんでも、女子におんぶされるなんて、恥もい
い所だ」
「なら、もう少しペースを上げなさい。別に私の足が速いって事もないでしょう?」
しかし、それには別府君も断固として主張してきた。
「いや。十分委員長の歩くスピード速いと思うぞ。普段からそのペースだとしたら、相当
人を追い抜いてると思うけど」
そう指摘されて、私はちょっと考えてみる。
「別にそんな事もないような気がするけど……? まあ、朝は早いからあまり人がいない
し、帰りはちーちゃん達と帰るから、もう少しゆっくりではあるけど、でも人とおしゃべ
りしながら帰るんだから、それは当たり前だし……」
でも、そう言われてみれば、確かに何人かは確実に追い越しているとは思う。別に早足
で歩いているつもりではないのだけれど。
257 :
2/6:2012/10/07(日) 11:51:13.00 0
「いや。絶対速いって。実は何か運動やってたりしない? 競歩とかさ」
「バカね。そんな訳ないでしょ。私、運動苦手だもの」
冗談だと思いつつも、軽く一蹴する。それから、クルリと体を反転させると、付いて来
いと言わんばかりに手を軽く振って先に行くように促す。
「ほら、もう行くわよ。これでも大分時間ロスしているんだから」
あんまり遅くなると、別府君と何やってたのか、クラスの女子からの詮索がうるさくな
る。それは同時に、敵も作る結果になりかねないので、そういう噂は立てられたくなかった。
「待ってくれよ。せめて、この坂上り終えるまでは、ゆっくりめで行こうぜ。そしたら、
俺もペース上げるからさ」
どうやら、これ以上のペースを彼に求めるのも無理っぽかった。かといって、のんびり
もしていられない。立ち止まって、どうしようかとちょっと考える。と、すぐに一つの方
法が思い浮かんだ。こうすれば、無理にでも彼に急いで歩かせる事が出来る。しかし、こ
の方法には、少し――いや、かなり恥ずかしい行動を取らなければならないという問題が
あった。
「委員長?」
無言で思案する私に、別府君が様子を窺う。その声が、乙女チックなときめきに陥りか
けていた私を正気に返らせた。恥ずかしくても、効果があるならやった方がいいに決まっ
てる。決意して私は、別府君に手を差し出した。
「……荷物。貸してくれる? 私が持つから」
すると、すぐに彼は荷物を引いて隠すようにすると、首を振って拒否した。
「いや。それはダメだ。俺がちゃんと持つって言ったんだから」
「それでちんたら歩かれてたらたまらないのよ。全部じゃなくて半分。それなら平等でしょ?
ほら、早くして? 軽い方でいいから」
彼はしばらく躊躇っていたが、やがて両手に持つビニール袋の一つを逆の手に移してか
ら、残った荷物を差し出した。
「はい。これなら大して負担にもならないと思うから」
「いいわ。別に、貴方の負担を軽くするのが目的じゃないから」
「へ?」
258 :
3/6:2012/10/07(日) 11:51:45.57 0
私の言葉に訝しげな声を上げつつ、彼は残った荷物を両手に分けようとする。私は慌て
てそれを止めた。
「待って。そのままで」
「え? 何が?」
彼の疑問に答える代わりに、私は片方の手で、彼の空いた手をギュッと握った。
「ちょっ!? い、委員長? 何で……?」
私の思いがけない行動に驚き、別府君は疑問の声を上げるが、私は構わず無視して彼の
手を引っ張って歩き出した。彼が動揺した事で、恥ずかしさに拍車が掛かってしまい、上
手く頭が回らない。そのまま彼の手を引いて歩き出すと、彼は慌てて歩を進めた。私の追
い縋るのが辛うじてと言った感じのスピードで、引っ張られつつも彼は更に質問を重ねて
きた。
「ど、どーしたんだよ委員長。いきなり人の手を握って引っ張ったりしてさ」
「どうしたもこうしたも、こういう事よ」
「はい?」
私の答えに、別府君は首を傾げた。私は振り向かずに前だけを見てしっかりと歩幅を取っ
て歩きつつ、何とか心を静めつつ、今度は分かりやすく答える。
「だから、こうやって腕を引っ張ってあげれば、貴方もだらだらと歩かずに付いて来させ
られる事が出来るでしょ? 別に握りたくて握っている訳じゃないわよ」
思いついた最初は、彼と手を繋ぐなんてあり得ないと思った。そんな事恥ずかしくて出
来たものじゃないと。だけど、すぐにもう一人の私が、手を繋ぐチャンスだと囁く。正々
堂々とした理由があるんだから、この機会を逃す手はないと。一度そう思ったら、誘惑に
逆らう術はなかった。こうやって、逃げの言い訳まで出来るのだから。
「なるほど。俺を引っ張って歩けば、自分のペースで歩けるからって事か」
「そういう事よ。納得したなら、少しでも足を速めて、私の負担を軽くするように努力し
なさいよね」
それに別府君は何も答えなかった。しかし、引っ張っていた腕の抵抗が不意に無くなる。
え?と振り向きかけた時には、別府君が私の隣に並んで歩いていた。
「ちょっと…… や、やれば速く歩けるんじゃない。今までどんだけサボッていたのよ」
横を見上げて文句を言うと、彼は照れたように笑った。
259 :
4/6:2012/10/07(日) 11:52:17.24 0
「いや。やっぱり女の子に手を引かれて歩くなんて、みっともないじゃん。それに、委員
長からエネルギーも貰ったしね」
「は? 私が貴方にどんなエネルギーをあげたって言うのよ?」
彼の言葉に、動揺しつつ私は追及する。彼にやる気を起こさせるような事なんて、した
覚えはない。すると彼は、視線を逸らして答えた。
「いや、その……委員長の方から手を繋いでくれるなんてさ。そんなご褒美貰ったら、や
る気出すしかないじゃんって……けど、委員長足速いから、これでも結構いっぱいいっぱ
いなんだけどな」
「こ、こんなのがご褒美だって言うの? 意味分からないわよ? 何で?」
動揺して、思わず握ったまま手を持ち上げて彼を見上げる。胸がドキドキして痛いくら
いなのに、それにも気付かないほど私は興奮してしまっていた。
「だって、彼女もいない男がこんな風に女の子と手を繋いで歩けるなんて、滅多に無い事
なんだぜ? まあ、握手くらいで手を握る事はあってもさ。これって、委員長には分から
ないかも知れないけど、男にしてみりゃ結構嬉しい事なんだぜ」
「わ……分からないわよ……」
手を下ろすと、彼のちょっとゴツゴツした男の手の感触を指で確かめる。いつの間にか、
彼の握る力のほうが強くなっていた。
「も、もっと可愛い子ならともかく、私みたいに色気も可愛げも無い女と繋いだって別に
どうって事ないんじゃない? どうせ私なんて、普段視界に入ってもいないくせに、こう
いう時だけお世辞めいた事を言うのは止めてよね」
一生懸命に自分を卑下して、辛うじて蕩けそうになる心を保つ。そうでないと、みっと
もなくも調子に乗った行動を取ってしまいそうで怖かった。しかし、別府君はそんな私の
防御を、あっさりと瓦解させる言葉を口にする。
「そんな事ないよ。委員長の手、小さくてスベスベで柔らかいし」
その一言で、ボフッと私の体全体が熱を帯び、体温が一気に上昇する。手が汗ばんで来
るのが自分でも分かり、恥ずかしかった。
「そ、そんなの私だって……肉体的には女なんだから、仕方ないでしょ? どうせ、手を
握られて初めて、私の事女の子だって意識したとか、そんなんじゃないの?」
260 :
5/6:2012/10/07(日) 11:53:22.12 0
それでもいいと思った。彼から――別府君から、口うるさいクラス委員長じゃなくて、
一人の女の子として見て貰えるなら、それがこのひと時だけだったとしても、私は嬉しかっ
た。それなのに、彼はあっさりとそれすらも否定してきた。
「いや、そんな事無いよ。気が強いのは確かだけどさ。でも、可愛いし色気だってあると
思うよ」
「どの辺がよ!! 単なるごまかしとかだったら、許さないんだから」
怒ったように怒鳴りつけて、私は追及する。しかし、別府君の方が度胸があったらしい。
真面目な顔で私を見つめてから、少し微笑んで頷いた。
「そういう気の強い所も含めて、全部可愛いと思うけど…… そうだな。さっき、上から
俺を見下ろして来た時、スッと尊大に立った姿に、スカートが風でちょっとヒラヒラして
たのは、見てて凄いドキッとしたな」
聞いた途端、私は荷物を持った手で、慌ててスカートを抑える。若干前屈みになって彼
を睨み付け、毒づいた。
「わ、私が真面目に怒ってる時に、何考えてんのよ!! このスケベ!!」
「いやいや。別に覗いてたとかじゃなくて、普通に見えてる姿での印象だから。ただ、可
愛い女の子にちょっとしたエロっぽさが加わると一段といいなあって。それは委員長に色
気があるから、そう思えたんだと思うけど」
彼の言葉に言い返そうとして何も思い浮かばす、私はただ、うつむく事しか出来なかっ
た。顔が熱い。きっと今、とっても彼に見せられないだらしない顔をしているんだろう。
「だからさ。委員長も可愛げも色気も無いなんて自虐的な事思わないでさ。もっと自分に
自信を持ちなって。そうすれば、もっともっと魅力的になるからさ」
こんな事を別府君みたいな男子から言われたら、誰だって心が溶けてしまうに決まって
いる。だからきっと、彼は女子に人気があるんだろう。
「わ、私を元気付けてくれようとした事にはお礼を言っておくわ。でも、私は自分の分っ
て物を弁えているし、貴方から同情なんてして貰いたくも無いから」
261 :
6/6:2012/10/07(日) 11:55:50.93 0
私は、自分に言い聞かせた。彼は単に、自虐的な私を勇気付けようとして、おせっかい
を焼いてくれただけなんだと。別に、私を特別に意識して、色気があるとか言ってくれた
んじゃなくて、客観的に見て褒めてくれただけなんだと。それだけでも、十分に有難い事
なんだからと。
「ホントに俺が、委員長に慰めや同情だけでこんな事言ってると思う?」
覗き込むように前から見下ろされて、私はドキッとしてうつむき、首を小さく振った。
「もう止めて。その話はもう聞きたくない」
この先に行くのが怖かった。今まで単にふざける彼を怒るだけだった私でしかなかった
のに。遠目から見て憧れるだけの存在だった彼に、こんなに急に接近されると嬉しさと同
じくらいに不安があった。このままだと、流されて彼の腕に飛び込んでしまいそうな自分
がいて、同時にそれはダメだと戒める自分がいて、今はまだ後者の方が強かった。
「そろそろ、手を離すわよ。もう坂も登り切ったんだし、それだけ元気なら十分付いて来られるでしょ?」
しかし、彼は甘えるように抗議した。
「いやいや。委員長が手を握ってくれてるから頑張れるんだって。せめて学校まではこの
ままでいさせてくれよ」
本当は私だって離すのが惜しいと思っていたから、彼の抗議に抗う術はなかった。
「……じゃあ、学校が見えるまで。誰かに見られて噂になったら困るし。あと、ペース速
めるから、しっかり付いて来なさいよね」
「俺は別に困らないけど?」
ワザとらしく首を傾げる彼に、私は目を剥いて怒鳴った。
「私が困るのっ!! いい? ホントにそこまでなんだからねっ!!」
そして私はその後、学校までの道を早足で、しっかりと手を繋いだまま歩いて行ったの
だった。
終わり
自分に自信が無くて男に相応しくないからって突っ撥ねちゃう女の子って、何故か超萌える
お題
つ・ツンデレが昔好きだった本を見つけたら
昨日誘導されてきました
久々にこのスレまてマジ変なテンションになったわw
お題 久しぶりに男に会ったツンデレ
266 :
ほんわか名無しさん:2012/10/08(月) 18:26:29.06 0
競馬
競馬
不貞寝
お題
つ・ツンデレがドッキリを仕掛けようとしたら
お題
つ・直感が優れていると思っているツンデレ
・大事なとこで噛んじゃったツンデレ
女「……」ギュ
男「ん? どしたちなみ」
女「……タカシ」
男「なんだよ、思い詰めた顔して」
女「……す、すし」
男「寿司? 寿司がどうした?」
女「……」
男「おーい、ちなみさーん?」
女「……寿司が食べたいから……奢れ」
男「無茶言うな。お前何様のつもりだよ」
女「……あっそ……じゃあ、いい」プィ
男「あっ……何なんだ、あいつ?」
女(……好きって言おうとしただけなのに)ハァ
ちなみんのためなら寿司も奢る
友「…ん」
山「あ、友ちゃん起きた?」
友「…私、いつの間に寝てた…?」
山「ボクが編集作業してたら、横から可愛らしい寝息がくぅくぅと。なのでベッドへエスコートさせていただきました」
友「あー、山田がチンタラやってるから寝ちゃったんだ…」
山「えー」
友「…で、あんたなんで一緒に寝てるのよ」
山「友ちゃんの寝顔を近くでじっくり観察したかったので」
友「…相変わらず変態ねあんた」
山「えー?好きな人の寝顔はずっと見てても飽きないよ」
友「ふーん、じゃあ私があんたの寝顔見てても飽きないかしら」
山「どーかな。試してみる?」
友「とーぜん。試してみないとわからない、よ」
山「じゃ、今日もお泊りだね」
友「…ん」
山「顔赤くして、かーわいい」
友「う、うるさい」
山「…ところで、さっきの会話の流れだと、やっぱりボクのこと好きなんだよね?」
友「!!…し、知らない!」
山「ボクたち付き合ってるのに、友ちゃん一回も好きって言ってくれないんだもん」
友「付き合ってるのはあんたが私を好きだから!!私はなんとも思ってないから!!」
山「そっかそっかー」
友「にやにやすんな!山田のクセに生意気よ!!」
山「あははー」
そんなこんなでベッドでじゃれあいながら、2人の夜は更けていくのでした
お題
つ・丸一日、全くツンデレと連絡を取らなかったら
・僅かな時間でも男との時間を作ろうとするツンデレ
お題
つ・ツンデレが男の個人授業を受けたら
人がまるで来なくなったなあ……
一応見てはいる
>>275 ここはまだいい方さ。素直ヒートスレは俺一人で保守してるからな
投下すれば人も集うようになるよ
>>277 SSは結局週末にしか投下出来ないからなぁ……
ツンデレスレは作品スレじゃないんだし、もうちょっと頑張りたい気持ちがあるのよ
くだらないと思えるような書き込みとかも大歓迎だし
自分も頑張りたいが、あまり連レスが続くと、いくらIDが出ないとはいえちょっとねえ……
ROMってたがちょくちょく書き込むか
保守いらないから雑談もVIPよりやりやすいんじゃないだろか
お題とか投下してこうかしらね
281 :
1/2:2012/10/11(木) 02:00:01.24 0
『…ほんと、頭に来ちゃう…よね…』
「…なにが?」
『…今日…友ちゃんが…山田くんの肩に…もたれかかって…なでなでされてた…』
「へー、やっぱあいつら付き合ってたんだ」
『…こっちは…あの2人に追い掛け回されて…辟易してるっていうのに…あっちは…平和によろしくやって…』
「ずるいと思う?」
『…べ、別にそういう意味じゃ…ない…』
「俺はずるいと思うけどな。あいつらだけ良い思いして、俺らは全然いちゃいちゃ出来ないのは」
『…ぅ…』
「ちな、今なら誰も居ないぞ?」
『…ん…』
ぎゅっ
「…ん、素直なちなには、ご褒美あげないとな」
なでなで
『…は、はふ…』
「ちな、大好きだよ」
『…わ、わたし…も…』
282 :
2/2:2012/10/11(木) 02:00:49.10 0
ジー
『ふふ、いちゃいちゃ見せつけて嫉妬させる作戦成功ね!』
「…友ちゃんも凄いこと考えますね」
『時には大胆にやらないと!』
「…まぁ、間違ってないと思うけど、ちょっと恥ずかしかったな」
『その割には随分たくさんなでなでしてくれたわね?』
「ま、まぁやるからには真面目にやらないとね」
『そんなこと言って、意外と嬉しかったんじゃないの』
「そりゃ、まーね。滅多にああいうことやらせてくれないし」
『私はベタベタすんのは好きじゃないの」
「…友ちゃんだって、嬉しそうにしてたように見えたけど」
『あ、あれは演技よ!ムスッとしてたら羨ましがられないでしょうが』
「…そーかな?じゃ、実験してみよう」
なでなで
『ひゃっ、こ、こら、いきなり何よっ!』
「なでなでしたら嫌がるかどうか」
『嫌に決まってんでしょ!』
「…顔、赤いよ?」
『お、怒ってんの!』
素晴らしい!
GJ!!
ちなみんも友ちゃんも可愛い
これは素晴らしい
ツンデレのお手本のようなツンデレだな!
今日の昼、コンビニでおにぎりを買いながら
ツンデレの握ったおにぎりを食べたいと思いつつ考えたお題
つ・ツンデレとおにぎりの具について言い争いをしたら
風邪引いたからツンデレな後輩に看病されたい。
文句言いながら料理作って欲しい、
「あーんして」って言ったらごにょごにょ言った後
「特別ですからねっ!」なんていいながら食べさせて欲しい。
寝たふりしたらぼそぼそと「レトルトしか作れなくてすみません」とか謝られたい、
「レトルトでも嬉しいよ」なんて言ったら「なっ!き、聞いてたんですか!?」
とか驚かれて「本当に、ありがとう」なんて言ったら「ど、どういたしまして」
なんてしおらしくなっちゃったりして欲しい。
その後本当に寝ちゃって起きたら後輩は
「そんなこと言ってません、夢でも見たんでしょう」
とかツンとした態度、
「『レトルトでも嬉しいよ』とかも夢だったのかー」なんて言ったら
「どうせあとで『女の子に料理作ってもらった』とか自慢できるからーとかでしょう?」
みたいなつれない返事、そこでつい「少し違うな『好きな女の子に』だよ」とか答えちゃって……
みたいなところまで妄想したけどいい加減限界だわ、寝る。
ここまで来て寝るなよw
「ほら、彩花。早く早く」
「待ってよ香菜美〜っ……わ、私もう息が……」
「ええい、このもやしっ子め。同じ遺伝子持ってるんだから、もうちょっと頑張んなさ
いよ!!」
「そんなこと言ったってぇ〜……」
バスを降りてから、私たちは全力疾走で待ち合わせ場所まで向かった。もちろん、時
間はとっくに過ぎている。タカシにも既にメールでそれは伝えてあるとはいえ、一分一
秒でも早く着かないと時間がもったいない。
「あ、いたいた。タカシーッ!!」
手を振って名前を叫ぶと、駅の壁を背にスマホを弄っていたタカシが顔を上げた。
「よう。おはよ、お二人さんっ……って、あれ? 彩ちゃんは?」
「ハア……ハア……ハア…… 後ろっ……」
手を膝について、荒く呼吸をしながら、立ち止まった私は手で後ろを指す。既に遥か
後ろに置いて来た彩花が、必死で駆けて来ているはずだ。
「わざわざ全力で走って来たのかよ。メールは貰ってんだし、何もそこまで急ぐ必要な
かったんじゃないか?」
「……だって……遅刻したんだし……このくらいは……礼儀として、当然でしょ? 大
体、これでゆっくり来たら、もし今度アンタが遅刻した時に、走って来なくてもいいっ
て事になっちゃうし……」
呼吸を整えつつ、ゆっくりと答える。すると、その時ようやく彩花が追いついて来た。
「ハアッ……ハアッ……ハアハア……ぜいぜい……」
転がりそうな勢いで私たちの傍まで駆けて来ると、その場にしゃがみ込んだ。しゃべ
る事も出来ないくらい息を切らしている。
「大丈夫かよ、彩ちゃん?」
体を屈めて心配そうにタカシが声を掛けるのを見て、私は一瞬、イラッとした気分に
襲われた。私もあんな風に苦しそうにしていれば、タカシに心配して貰えたかも知れな
かったのに、ちょっと悔しい。
「ハア……ハア……ハア……もうちょっと……このまま……」
タカシが彩花の背中に手を当て、優しくさする。その行為が意味あったのかどうかは
ともかく、彩花の呼吸は徐々に静かになっていった。
「全く……まだ出かける前から体力使い果たしてどうすんだよ」
半ば呆れつつ、面白そうに言うタカシに、彩花がようやく顔を上げた。
「だって……せっかくタッくんと映画行くのに……時間無駄にしたくなかったんだもん……」
私は思わず、ドキッとしてタカシを見た。女の私でもハッとするようなセリフをごく
自然に口にされて、どんな反応をするか気になってしまったのだ。しかし、タカシは少
し呆れたような笑いを浮かべて答えただけだった。
「だからって、限度ってもんがあるだろ? 動けなくなるほど息切らしちまったら、結
局休憩しなきゃいけないしさ。それに、最初っから飛ばし過ぎてたら、疲れて肝心の映
画で寝ちまうかもしれないぞ」
私は思わず胡散臭そうに顔をしかめた。果たしてこの鈍感っぷりは天然なのだろう
か? それとも、わざとすっ呆けたと言うことか? もし天然だとしたら、ちょっとや
そっとのアピールじゃ私たちの気持ちには気付かないだろう。すっ呆けたのだとしたら、
少なくとも彩花に気がないのだろうか? いずれにしても、彩花は苦労しそうだと密か
に考える。
「だ……大丈夫…… 家に帰るまでは、絶対へばったりしないもん。映画で寝るとかだっ
て、ありえないんだから」
「そうか? 前はしょっちゅう、疲れたもう休むって弱音吐いてたじゃん。彩ちゃんが
そんな急にタフになるとは思えないけどな」
ちょっと意地の悪いからかい方をするタカシに、彩花がムキになった。
「べ、別にタフとかそういう事じゃなくて、遊園地行った時とかはいっつも香菜美がは
しゃぎ過ぎて私のペース考えないから悪いのよ。大体、今日だって遅れたのも香菜美の
せいなのに、一人で私を置いて先に走って行っちゃうし、ひど過ぎると思うの」
いきなり矛先が私に向けられ、私は驚きつつも抗議した。
「何でそこで私のせいになるのよ。タカシも私も平気なのに彩花一人バテるのは、アン
タがひ弱だからでしょ? 大体、双子のくせにあたしより体力ないってのは、どう考え
ても彩花の日頃の運動不足が祟ってるとしか思えないわ」
「ひっど〜い。香菜美までそんな事言うなんて」
ようやく体を起こした彩花は、私を指差しつつタカシの方を向いた。
「聞いてよ、タッくん。今日遅刻したのだって、本当は全部香菜美のせいなのよ。私が
もう出ないと遅刻しちゃうよって言ったのに、もうちょっとオシャレしないと、みっと
もなくてタカシに会えないって言うから――」
「ちょっと!! 何てこと言うのよアンタは!!」
私は慌てて彩花の言葉を遮った。それからタカシの方に向き直ると、急いで手を振っ
てそれを否定する。
「違うんだってば!! それは彩花が勝手に言ってただけで、私は単に人前に出るんだ
から、私だってそれなりには身だしなみ整えたいって、それだけなんだから!!」
「そんな事言って、タッくん意識してたクセに〜 香菜美が口に出さなくたって、ちゃー
んと分かるんだから」
「ウソ、ウソだってば、タカシ。こんなの双子の以心伝心とか逆手にとってからかって
るだけで、私はアンタの事なんて何とも意識しちゃいないんだからね」
「またそうやって強がってばかりで香菜美は――」
「はいはい。分かったから、双子同士でケンカすんなって」
見かねてタカシが仲裁に入る。全く、こんなところで私の気持ちを暴露しかねないよ
うな事を言うなんて、一体彩花はどういうつもりなんだろうか? 訝しく思いつつ彩花
を見ると、彩花は肩をすくめてお茶目っぽく舌を少し出して見せた。
「ゴメンなさい。香菜美のせいで遅れた上に、散々走らされたから、ちょっと仕返しし
てみたくなってからかっただけなの。タッくんを困らせる気は無かったんだけど」
「仕返しって、別に私は彩花に悪い事してないじゃない。大体、遅れたのは私のせいだ
けど、走ろうって言ったのは彩花だし」
つい言い返してから、私はハッと気付いてタカシの方を見る。これでまた彩花が言い
返したら、いい加減タカシにうんざりされるんじゃないかと心配になったからだ。しか
し、彩花はキッチリ私に言い返しつつも、巧みに話題を逸らした。
「まさか私を置いて自分のペースで走って行っちゃうなんて思わなかったもの。おかげ
でほら。髪だってボサボサになっちゃった。せっかく朝、セットしてきたのに」
彩花は手ぐしで髪をかき上げつつ、タカシの方に向けてアピールする。それにタカシ
は小首を傾げた。
「そうか? 元が分からないから何とも言えないけど、そんな変に見えないけどな」
「ううん。だって、髪振り乱して走って来たのよ? 絶対おかしいって」
そう言って彩花はバッグからコンパクトを取り出し、自分の髪型をチェックする。そ
の様子を見つつ、私は何か怪しいのを感じ取った。
「別に、そんな乱れてないって。気にするほどじゃないわよ」
探るように指摘すると、彩花は私を睨んで口を尖らせた。
「香菜美も女の子なんだから、髪型には気を遣わなくちゃダメだって。ちょっと待って
て、タッくん。今、簡単に整えるから」
今度はバッグからヘアブラシを取り出すと、コンパクトを私に差し出す。
「香菜美はこれ持ってて。あと、タッくんも悪いけど、これ持っててくれる?」
ブラシを持ったまま、彩花は器用に髪に着けていたシュシュを外してタカシに渡した。
「あーもう。これだからクセッ毛って嫌なのよね。すぐ跳ねちゃうんだから」
文句を言いつつ、彩花はブラシで髪を整える。私は大人しくコンパクトを持ちつつも、
ついつい疑問に思う。何だって彩花はタカシにシュシュを渡したのか。自分の腕に巻い
ておけばいいのに。そこまで考えた時、私は不意に彩花の企みに気が付いた。
「あ!!」
「何? 香菜美。変な声出して」
いかにもワザとらしく怪訝な顔をする彩花に顔を近付け、私は小声で文句を言った。
「ちょっと彩花。アンタこれ、狙ってワザとやったでしょ?」
タカシにシュシュを渡せば、嫌でもタカシの興味を引かせる事が出来る。きっと、全
力で走りながら、心の中ではちゃっかりとそんな事を計算していたのだろう。いや。も
しかしたら、バスを降りて走ろうと言った時には既にここまでのシナリオが出来ていた
のかも知れない。
「あら? 何の事かしら。私は単に乱れた髪形を直してるだけだし、わざわざ狙って乱
したりする訳無いじゃない」
しれっと言うあたりが、いかにも彩花っぽい。くそう。
「だったら、トイレでも行って直した方が良かったんじゃない? その方がキチンと直
せるでしょ?」
今度は普通のトーンで指摘する。これだけならタカシには何を言ってるか分からない
だろうけど、彩花を慌てさせればしめたものだ。しかし、残念ながら彩花は全く動揺を
見せなかった。
「だって、もう随分タッくんを待たせているのに、これ以上時間掛けるなんて出来ない
でしょう? はい、おしまい」
ヘアブラシをしまうと、彩花はタカシに向き直った。
「ありがとう、タッくん。持ってくれて」
「ああ。はい、これ」
タカシが手に持ったシュシュを差し出すと、彩花はニッコリと微笑んで受け取り、器
用に髪をまとめる。それからタカシの前でクルリと一回転して聞いた。
「どお、タッくん。私の髪、まだ乱れてたりしないかな?」
「いや。別にどこもおかしくないと思うけどな」
「そお? 後ろ髪とか大丈夫? また跳ねたりしてない?」
ワザとらしく後ろを向いてみせる彩花に苛立って私は思わず怒鳴ってしまった。
「もう。何でそんな事タカシに聞くのよ!! こんなセンスの欠片も無い奴に聞いたって無駄だっての。私に聞けばいいじゃないのよ」
「あら? やっぱり女の子なんだし、男の子の視点から見ておかしくないかどうかが一番気になると思うんだけどな。だから、タッくん基準で考えた方がいいかなって思っただけで」
するとタカシは、ちょっと困った顔で笑い、肩をすくめて見せる。
「おいおい。いいのかよ、俺なんかで。香菜美の言うとおり、俺にそんなセンスないぞ」
「だったら、もっと私達のことしっかり見て、女の子の髪型の事も勉強して。ね?」
わざとらしく厳しい声で睨みつけて、彩花はビシッとタカシの顔を指で指す。
「分かったよ。努力はするさ。まあ、ご要望に応えられるかどうかは分かんないけどな」
そう言いつつ、タカシの目線が私の方を向いたので、思わず突っ込んだ。
「何で私を見るのよ!!」
「え? いや、何となくこっちの方がハードル高そうかな、なんて」
さすがはタカシ。私の性格を良く分かっている。とはいえ、何となくムカつきを覚え
たので、ついその上を行く返事をしてしまう。
「何言ってんのよ。私は最初からタカシのセンスなんて当てにしてないし、見て欲しい
なんて思ってもいないんだから」
むくれてそっぽを向くと、彩花が口を挟んで来る。
「あら、いいの? じゃあ、タッくんは私だけ見てくれればいいかな」
てっきり窘められるかと思ったら、挑発的な言葉を投げ掛けられて私は思わず彩花を
見る。しかし、ニコニコ笑っている彩花に嵌められたと察し、慌てて顔を背ける。
「す……好きにすればいいじゃない。私の知った事じゃないし」
しかし、強気な発言とは裏腹に、さっきより遥かに弱々しい言葉になってしまったの
が、自分でも悔しかった。
「お前ら、いつまでも双子で言い合ってんなよな。そろそろ行かないと、昼飯食う時間無くなっちまうぞ」
私と彩花のやり取りを、ちょっと呆れたように見つつタカシが口を挟む。それに私達
二人が同時に噛み付いた。
「だっ……誰のせいだと思ってんのよ、このバカ!!」
「む〜っ…… タッくん、他人事〜っ!!」
「わわっ!! 二人して俺を睨むなってば!!」
そっくりの顔した女の子二人に両側から責められて、タカシは咄嗟に手でガードする。
私はしばらくタカシを睨み付けていたが、フンと荒く鼻息を吐くと、プイッと顔を逸ら
した。
「もういいわよ。ほら、彩花。早くいこ」
肩越しにチラリと彩花を見て促すと、彩花は頷いてタカシの袖を指でつまんで引っ張った。
「うん。タッくんも、早く」
その甘えた仕草が癇に障ったが、怒る事も出来ず私は無言で前を向くとさっさと歩き
出した。
「ちょっと待ってよ、香菜美ってば〜 歩くの速過ぎだって」
制止する彩花の声を無視して、私はさっさと駅のコンコースに向かって歩いたのだった。
続く
一応、ずっと書き続けてはいた訳ですが
焦るかなみんの心情が可愛らしくてとても萌えた
GJ!!
お題
つ・めんどくさい事は出来る限り避けたがるツンデレ
お題
つ・職権乱用するツンデレ
>>295 双子ならではの取り合い展開wktk
GJ!!!
お題
つ・最後のワンチャンスに勝負を決めたツンデレ
今朝早起きして見た甲斐あったぜ
書いてる間に落ちやがったチクショー!
人いるから油断した……
ふぅ……
上裸バージョンがドストライクすぎた。
306 :
1/8:2012/10/14(日) 13:32:21.34 0
・ツンデレとおにぎりの具について言い合ったら
「纏。隣り、いいか?」
纏、と呼ばれた少女がやや小さめの、蒔絵作りの花柄をあしらった可愛らしいお弁当箱
を開く手を止めて、顔を上げた。
「何じゃ、別府か。勝手にせい」
今時の女子にはまずいない、古風な物言いでつまらなさそうに答えつつ、視線を落とす
とお弁当箱を開く。中にはおにぎりが二つと玉子焼き、煮物、ほうれん草のおひたしに漬
物という和食的なおかずが綺麗に盛り付けられていた。
「相変わらず、纏の弁当は質素というか、健康的だよな。まあ、女の子だから量が少なめ
なのは分かるけど、肉団子とか唐揚げとかさ。もうちょっと肉系というか、カロリー高い
もの入れてもいいんじゃないか? 今日も部活あるんだろ? 力付けないとへばるぞ」
別府の言葉に、纏はおにぎりを取ろうとした手を止め、顔を上げて睨み付けた。
「大きなお世話じゃ。人の弁当にケチをつけるでない。大体、儂はお主に隣りに座る許可
は出したが、発言までしても良いと言った覚えはないぞよ」
キリリ、と眉を吊り上げる彼女の顔を、別府はおかしみを覚えつつ見つめた。彼女がそ
う言いつつ、結局彼との会話に引きずり込まれていくのはいつもの事だ。制服のブレザー
を来てなお、凛然として和の雰囲気を醸し出す彼女を綺麗だなと思いつつ、彼は笑顔を浮
かべて嗜めた。
「まあ、そう言うなって。食事に楽しい会話は最高のスパイスになると言うだろ? それ
に、別に纏の弁当にケチをつけた訳じゃないし。ただ、それで足りるのかなって思っただ
けでさ」
すると纏は、フンと苛立たしげに鼻を鳴らした。
「冗談を言うでないぞ。お主との会話が楽しいと思ったことなぞ、一度たりともないわ。
むしろ食事が不味くなるだけじゃ」
そう答えつつ、おにぎりを一つ取ると、小さな口でかぶり付く。しかし、言葉とは裏腹
に、顔には満足そうな笑みが滲み出ていた。
「そういや、纏っておにぎり好きだよな。何か、見るたびに昼飯はおにぎり食ってるよう
な気がするけど」
すると彼女は口の中の物を飲み込んでから、コクリと頷き当然といった顔で別府を見て言った。
307 :
2/8:2012/10/14(日) 13:33:07.51 0
「よいか、別府よ。握り飯には人が一日動けるだけの栄養素がたっぷりと詰まっておるの
じゃぞ。昔の人はの。握り飯と水のみで街道を一日掛けて何十キロも歩いたのじゃ。それ
に比べれば儂の弁当なぞ豪華に過ぎると言うものよ」
そしてもう一口、美味しそうに頬張る。返事がなかったので咀嚼しつつチラリと別府を
見ると、自分の弁当はそっちのけで微笑を浮かべつつ彼女を見つめているのに気が付いた。
「何じゃ気持ち悪い。ニヤニヤ笑いながら儂を見つめおって。何ぞおかしなところでもあ
るというのかえ?」
「いや。纏って本当におにぎりが好きなんだなって。食べてる顔見てるとさ。もの凄く満
足そうだもの」
指摘されて恥ずかしく思ったのか、纏はほのかに頬を赤らめる。そして同時に、むくれ
たように頬を膨らませて文句を言った。
「人の顔をジロジロと見おって。本当に失礼な奴じゃな、お主は。良いではないか。別に、
握り飯が好きであっても」
「いや、全然いいと思うよ。ただ、嬉しそうに食べてる纏が可愛かったからつい見入っちゃっ
ただけで、気に障ったのなら謝るし」
「無論、気にするわ。このたわけめが」
憤慨して、彼女は水筒からお茶を汲み出し、グイッと飲んだ。冷たいお茶が喉から胸に
染み入り、火照った体を冷ます。彼女は、この男があまり得意ではなかった。普段静かで
物事に動じる事も少ない自分が、彼が傍に来ると何故か心がざわめいてしまう。彼の言葉
に胸がキュッと窄まるような気分がして、感情がむき出しになってしまうのだ。さすがに、
この年にもなると、その理由に気付かないわけには行かなかったが。
「ところで、纏はおにぎりだとどんな具が好きなんだ? まさか白米に海苔を巻いただけ
とかじゃないよね」
すると彼女は、食べかけのおにぎりを別府の方に向けた。
「当たり前じゃ。見よ。こっちは鮭。もう一つには味噌を入れておる。あとは梅、昆布の
佃煮、高菜なども好きじゃが、一番好きなのは味噌を表面にたっぷりと塗って網で焼いた
ものじゃな。手が汚れるせいであまり弁当には向かぬがの」
「ああ。焼きおにぎり美味いよな。まあ、俺は醤油派だけど」
308 :
3/8:2012/10/14(日) 13:33:50.54 0
「醤油も美味いが、やはり味噌には敵わぬ。徐々に漂ってくる味噌の香ばしい香りがたま
らぬでの。あの美味さを知らぬとは、お主も不幸じゃの」
ちょっと得意気な表情になって別府を見てから、彼女はもう一口おにぎりを口にした。
「纏が俺の為に握ってくれれば、俺も焼き味噌おにぎりの美味しさが少しでも分かるんだ
けどな」
「ブホッ!? ゴホゴホッ!!」
別府の言葉に、思わず纏は咳き込んだ。驚いた余り、ご飯粒が気管に飛び込んだのだ。
咄嗟に手で口を押さえたのでみっともなく噴き出す事はなかったが、しばらく咳が続く。
「おいおい、大丈夫かよ纏。いくら美味しいからってむせるほど夢中になって食べる事な
いだろ」
背中に手を当てて擦っていると、ようやく纏の咳が止まった。折り曲げていた背中を起
こし、お茶を少し注ぐとグイッと飲む。それから、まだ涙をためたままの目で別府を睨み
付けて怒鳴った。
「お主が変な事を言うからむせてしまったのじゃ!! 反省せい、この戯けめが!!」
「変な事って、纏が作ってくれたらってあれか?」
「そうじゃ!! 何故に儂がお主なんぞに握り飯を作ってやらねばならんのじゃ。戯けた
事を言うのも大概にせい!!」
顔を真っ赤にして憤慨する纏を前に、別府は困ったような顔で頭を掻いた。
「うーん。だってさ、纏って自分で料理するんだろ? という事は、纏が大好きだってい
う焼き味噌おにぎりも、纏が作ったものでなきゃ味が違うかも知れないじゃん。でもまあ、
作ってくれってお願いした訳じゃなくてさ。単なる感想だから気にするな」
「あ……当たり前じゃ!! 儂にそのようなお願いをするなぞ、五十六億七千万年早いわ。
願いを口にするだけでも身の程知らずと言う物じゃ」
乱暴に言い捨てた纏だったが、何故かその口調と横顔が少し不満気――というか、寂し
げに見えて別府は目を擦った。まさかそんな事はあるまいと思いつつ、話をしながらふと
気付いた疑問を口に出す。
「そういえばさ。纏がおにぎり好きってのは良く分かったけど、それにしてはちょっと具
のレパートリーが少ないような気がするんだけど。鮭だの梅だの昆布だのって、随分オー
ソドックスなものばかりじゃね?」
「何じゃ? 儂の好みにまたケチを付ける気か、お主は」
309 :
4/8:2012/10/14(日) 13:34:21.45 0
一つ目を食べ終え、箸で煮物を突付いていた纏が顔を上げて、不愉快そうに別府を見る。
彼は慌てて両手で否定の意思を示した。
「ああ、いや。ケチ付けるって訳じゃないんだけどさ。最近、コンビニおにぎりとかだと
色々種類も豊富じゃん。ああいうのからヒントを得て、オリジナルのおにぎりの具とか考
えないのかなと思って」
すると纏は、別府から視線を逸らすと呆れたようにため息をついた。
「コンビニおにぎりと言えばあれじゃろ? ツナマヨネーズとか鶏五目とかの事じゃろう
が。戯けた事を言うな。白米にマヨネーズなぞ、合う訳がなかろう。それに、儂の好みは
白米じゃからの。かやくご飯はそれはそれで好きじゃが、おにぎりにしようとは思わぬ」
そう言い終えて煮物を口にする纏を、別府はしばらく眺めていたが、やがて視線を逸ら
し、視線を宙に彷徨わせて呟く。
「ふうん。おにぎり原理主義者みたいなもんか。マヨネーズでダメだったら、チーズ入り
のおにぎりもダメなんだろうなあ……」
その言葉に、纏が素早く反応した。
「なっ……!? チ……チーズ……じゃと?」
別府にしてみれば予想通りの反応だった。そもそもコンビニ自体大して縁の無い纏の事
だ。さっきからの様子でみれば、最近の多種多様なコンビニおにぎりを知らないとしても
無理は無い。彼は、自分の弁当のミニハンバーグを箸で摘み上げて示しつつ頷く。
「ああ。コンビニおにぎりとかだと、結構一般的だぜ。例えばこれをおにぎりの具にした
チーズハンバーグおにぎりとかさ。中には和風の具と混ぜたチーズしそひじきおにぎりな
んてのもあるし」
すると纏は、箸を置き両腕で自分の体を抱き締めると、ギュッと身を竦めた。
「信じられぬわ。そのようなおにぎりが世の中に出回るなぞ、世も末じゃな。かように世
間ではゲテものを食するのが流行っておるのか?」
別府は、コクリと頷いた。
「まあ、頭の中が嘉永とか文久年間で止まってる纏には信じがたいかも知れないけどさ。
チーズとご飯って結構合うんだぜ。俺もチーズおかかおにぎりとか、実はおにぎりの中で
もかなり好きな方だし」
すると、まるで気持ち悪いものでも見るように顔をしかめて、纏は別府から体を逸らした。
310 :
5/8:2012/10/14(日) 13:35:03.85 0
「チ……チーズおかかおにぎりなぞ、おかかを侮辱するものでしかないわ!! よくもそ
のような物を口に出来るの、お主は。やはり思考回路が異常な人間は好みも異常になるの
じゃな」
本気で嫌がる顔をしている纏を前に、別府は手を振って退ける。
「いやいや。同じ事を試しに友永あたりに言ってみ? 大爆笑されてバカにされるのは多
分纏の方だから」
「ゆうの奴か? あ奴も脳みそがぶっ飛んでおるからダメじゃ。全く参考にならん。とに
かく、おにぎりにチーズを入れるなぞありえぬわ。儂は断じて認めぬぞ」
「でも、ドリアとか西洋風の料理には米とチーズって組み合わせは普通にあるじゃん。別
に纏の好み自体は否定しないけどさ。自分の考えが偏ってるって事だけは認めようぜ」
別府の言葉に納得行かぬとばかりに、纏は不満気な目付きで睨み付けた。
「儂の考えは偏ってなぞおらぬ。さような物はな。結局珍しがって食しておるだけで、本
当は大して美味しいなど感じてもおらぬわ。それが証拠に、コンビニのおにぎりでも残る
のは定番の鮭や梅だけじゃ。あとは出ては消え、出ては消えておろうが」
「でも、チーズ入りってのは結構根強いんだよ。チーズひじきおにぎりが消えたら今度は
五穀米のチーズおにぎりだったりとかさ。常にチーズ入りのおにぎりは棚にあるぜ。今度
見てみろよ」
「納得行かぬわ。儂がもし、商品開発の責任者じゃったらの。そんなものを開発した奴な
ぞ、儂の薙刀のサビにしてくれる」
どうあっても自分が正しいと信じて譲らない纏に、別府は半ば呆れつつ半ば面白がって
いた。さて、こんな纏にチーズ入りおにぎりを食べさせたらどんな反応をするだろう。し
かし、普通に差し出したところで、食べる訳も無い。そこで、別府は一計を案じた。
「まあ、纏も食わず嫌いで否定してないでさ。一度口にしてみれば、考え方も変わるかも
よ? 常日頃から、俺に対しても偏食は良くないって口を酸っぱくして言ってるじゃん」
「それとこれとは別じゃ。チーズ入りおにぎりなぞ食わぬでも栄養が偏る事も無かろう。
むしろ、気持ち悪くなって他の食事まで喉が通らなくなってしまうわ」
予想通りの頑なな反応だった。それに別府は頷き、一つの提案をした。
311 :
6/8:2012/10/14(日) 13:38:12.74 0
「じゃあさ。本当にそうなるかどうか、一口だけでも試してみないか?」
「何? 何を言うかお主は。嫌じゃぞ、儂は。そのようなもの、絶対に口にせぬわ」
「そうか。もし食ってみて本当に不味いと感じたらさ。お詫びに仄々庵の静岡天竜産柚子
のゼリーをプレゼントしてあげるよ。一度貰い物で食べたけど、金額が高価でおいそれと
買えないとか言ってたじゃん」
「何? あの……柚子の水菓子を……じゃと?」
高級な柚子をふんだんに使ったゼリーに、特製の餡を掛けて食べる和風スイーツを思い
出して、纏は思わず口の中に唾液が溜まるのを感じた。彼女の事を知らぬ人から見れば、
清廉で凛々しく、おおよそ欲望に身を任せる事など無いように見えるが、彼女もやはり十
代の女の子らしく、和洋問わず甘いものには目が無いのであった。
「ああ。試しに一口、食べてみるだけでだぜ? まあ、もちろん条件はあるがな」
途端に、彼女の身の内の欲望がスッと引き、警戒心がそれに取って代わった。
「条件? 何じゃそれは。お主の事じゃからろくな事を考えておらぬ様じゃが、万が一に
も破廉恥な事を口に出したら、その場で叩きのめしてくれるから覚悟せいよ」
「ああ、いやいや。もっと普通の事だってば。そんな変な事じゃないよ」
纏の目に殺気が走るのを見て、別府は慌ててそれを否定した。
「いや。万が一にもさ。俺の持って来たチーズ入りおかかおにぎりを食べて、纏が美味し
いと感じたなら、その時は俺にも纏の好きな焼き味噌おにぎりをご馳走して貰おうかなっ
て、それだけの事だよ」
しかしそれで彼女の怒りは収まるかと思いきや、さらに激しい口調で拒否してきた。
「何を戯けた事を言っておるのじゃ、この痴れ者が!! お主の為に焼きおにぎりは作ら
ぬと、さっきも申したではないか。欲求なぞせぬと言っておいて、ちゃっかり条件に含め
るなど、この卑怯者が」
すると別府は、いたずらっぽく笑って頭を掻いた。
「いや、でも纏絶賛のおにぎりを食べる可能性を僅かながらでも作りたいと思ってさ。で
も大丈夫。纏の口にチーズ入りおにぎりなんて合わないんだろ?」
「当たり前じゃ!! チーズを米に入れるなぞ、理解出来ぬわ」
ムキになって否定する纏相手に、別府はウンウンと頷いた。
312 :
7/8:2012/10/14(日) 13:38:57.94 0
「だから、大丈夫だろ? 纏はおにぎりを俺に作る必要も無いし、一口我慢して食べれば、
柚子ゼリーがゲット出来るんだぜ? こんな好条件の賭けは無いと思うんだけど」
「むぅ……」
俯いて小さく唸ると、おにぎりの残りを口にする。僅かに顔をしかめた所から察すると、
どうやらチーズを入れた味を想像してみたらしい。結局、纏が顔を上げたのは、全部食べ
きってからだった。
「本当に……一口だけ食べれば、柚子ゼリーをご馳走してくれるのじゃな?」
確かめる纏を前に、キッパリと別府は頷いた。
「ああ。男として二言はないぜ。いくら高級菓子だからといって、手が届かないほど高価
な訳でもないしな。まあ、相当痛い出費になるのは間違いないが」
彼の返事に、俯いて少しの間迷ってから、最後に小さく頷き、そのまま纏は小さく、呟
くように答えた。
「よし。その賭け……乗ろう」
「ホントか?」
声を上げた別府を前に、纏は小さく頷いた。
「儂にとって分の悪い賭けではないしの。一口、不味い飯を食するだけで、高級菓子が手
に入るのであれば、我慢もしようではないか」
「そうこなくちゃな。さすがは纏。よし、俄然やる気が出て来たぜ。纏が目を見張るよう
な、美味いおにぎりを作って来てやるからな」
「フン。馬鹿を言うでないぞ。と……もしかして、そのおにぎりはお主が作るのか?」
別府の言葉を聞いて、纏が確認すると、彼はコクリと頷いて言った。
「ああ。チーズとおかかと醤油の配分に俺好みのがあってさ。こう見えて、おにぎりは結
構上手に握れるんだぜ。それとも、俺の握ったおにぎりなんか食いたくないとか?」
それには纏は小さく首を振った。
「別に構わぬわ。どうせ不味いおにぎりを食わされるのじゃからな。せめて握る手だけを
清潔にして貰えれば構わぬ」
「ああ、大丈夫。手はちゃんと消毒して洗うし、それにラップごしに握るから、直接触れ
るわけでもないし」
別府の返事に、纏は納得行った様子で頷いた。
「ならばよい。では明日。またここでじゃな?」
313 :
8/8:2012/10/14(日) 13:40:05.52 0
「ああ」
彼が頷くのを確認すると、纏は弁当を片付けて立ち上がった。彼とは同じ教室だが、彼
の片付けを待たずにさっさと教室へと戻り始める。そして、彼に声が届かなくなったとこ
ろで、小さく呟いた。
「全く…… 明日もあ奴と、昼を共に食する理由になると思って受けただけじゃったが……
思わぬおまけも付いて来たのう……」
だからといって、口に合うとまでは思わなかったが、それでも別府の手作りなら、少し
は我慢も出来るだろうと彼女はそう思ったのだった。
続く
自分的には久し振りの老成さん
むにゃむにゃ
316 :
1/4:2012/10/15(月) 00:29:38.69 0
・ツンデレとおにぎりの具について言い合ったら 〜中編〜
「お待たせ、纏」
翌日。前の時間が体育で支度に手間取った別府が待ち合わせ場所に来ると、纏はすでに
弁当を用意して待っていた。その表情が憮然としているのに気付き、彼は手を合わせて拝
むように謝る。
「悪い悪い。グラウンドの整備とかやらされてたから遅くなってさ。けど、ほんの五分か
そこらだろ? そこまでむくれる事ないじゃん」
すると、纏はキッと顔を上げると、厳しい顔つきで怒鳴り散らした。
「戯けめが!! 怒っておるのはそのような事ではないわ!!」
「へ? 待たされた事じゃなければ、何で怒ってるんだ?」
疑問に思って首を傾げる別府を前に、彼女は鼻息も荒くそっぽを向く。
「全く…… 今日は昼飯は共に出来ぬとゆうに言うたらの。あ奴め。目を輝かせおって、
もしかして別府君と一緒にお昼食べるの? やるじゃない纏。一体いつから二人で仲良く
お弁当食べる仲になったのよ。ごまかさないで、昨日も一緒だったでしょ? あたし、ちゃ
んと見てたんだから――とか抜かしおって、人の話などまるで聞く耳持たぬ」
「友永の奴、新聞部随一のゴシップ好きと評判だからなあ…… そういえば、昨日は何で
一緒じゃなかったんだ? 普段は二人で食ってる事が多いのに」
「昨日は、学内新聞の締め切りに原稿が間に合わぬから、昼休みも全部使うとか言って断
られたのじゃ。全く、お主が声を掛けなんぞしなければ、このような目に遭わずに済んだ
ものを…… 全部お主のせいじゃぞ?」
一方的に詰る纏を前に、別府は冷静に首を振ってそれを退ける。
「俺はちゃんと断わったもんね。纏に隣に座っていいかどうかをさ。勝手にせいと認めた
のは纏の方だろ?」
彼の指摘に、纏はまなじりを吊り上げ、歯軋りをしつつ頑強に抵抗した。
「そもそもの事の因果はお主から始まったのじゃから、だからお主のせいでよいのじゃ。
何も間違っておらぬ!!」
プイッとそっぽを向く纏に、別府は苦笑して彼女の隣に座る。
「全く、纏ってば俺相手だとどうあっても自分の非を認めたがらないんだからな。他の人
相手だったらもう少し論理的なものの考え方が出来るのに」
317 :
2/4:2012/10/15(月) 00:30:11.36 0
「それは全てに於いてお主が間違っておるからじゃ。なのに、いちいち言い訳ばかりしお
るから、余計に悪いのじゃ。反省せい」
もちろん、彼女も実際には別府に非が無い事など百も承知である。しかし、自分が色恋
沙汰でからかわれたのを誰かのせいにしなければ、とても耐えられなかったのだ。
「しょうがないな。ま、いつもの事だから今更抵抗しても始まらないし。それより、とっ
とと昼飯にしようぜ」
それは同時に、別府からの勝負開始の合図だった。纏は胡乱げに彼が取り出すおにぎり
を見つめて聞いた。
「……お主、ちゃんと人の食せる物を作ってきたのじゃろうな? 食あたりで死ぬなぞ、
家族にも知り合いにも顔向け出来ぬぞ」
「大丈夫だって。今朝、余った分を自分の朝飯にしたんだけど、俺はピンピンしてるだろ?
だから安心しろ」
しかし纏は、疑わしいとばかりにイヤイヤと首を振った。
「お主が平気じゃと言うのは何の保険にもならぬわ。そもそも遺伝子構造からして儂ら人
の子とは変わっておるかも知れんでの」
「お前な。俺はともかくうちの親や妹まで人外扱いするなよな。あと、一応言っておくが、
俺は養子でも何でもない、ちゃんと母親の腹から生まれて来てっから」
何か以前にも同じような会話をした気がして、彼は余計な突っ込みを入れられないよう、
先回りして釘を刺しておく。しかし纏は、ふと別の事に気付いて聞いた。
「一つ聞いておくが、その握り飯はお主の妹君――確か舞とか言うたな? 彼女も食うた
事があるのか?」
彼はその問いに頷いた。
「ああ。もともとうちの母親が作ってたものだしな。今日も舞の分も握ってやったよ。い
つもお兄のおにぎり美味しいから好きって言ってくれるし」
一度だけ会ったことがある、彼の妹を纏は思い出した。人懐っこくて可愛らしい少女の
姿を。確かその時だった。お主と血の繋がりがないのではないかと言って、二人から怒ら
れたのは。
「さようか。やはりお主の妹じゃな。可愛らしく見えても、変わったところがあると言う
のは。お主に懐いている事といい、やはりどこかズレておるわ」
318 :
3/4:2012/10/15(月) 00:30:42.53 0
「失礼な。それを言うなら纏の方が百倍ズレてるぞ。歴史かぶれのその口調といい、性格
といい好みといい、おおよそ普通の十代の子とはかけ離れてるじゃん。まあ、それが纏の
個性っていうか、良さだとも思うけど」
恐らく怒るだろうと思って最後にフォローを入れたが、彼女の怒りを消すには全然分量
が足りないようだった。
「なっ…… わ、儂とて自覚はしておるが、お主に言われると腹が立ってしょうがない
わ!! あと、変なフォローなぞ入れんでもよい。お主に褒められたところで、何の慰め
にもならん」
不機嫌そうにそっぽを向きつつ、果たして本当に良いと思ってくれているのだろうかと、
些か不安になる。もっとも、こうして付き合ってくれているのだから、そこまで悪く思わ
れてはいないのだろうと、自分を慰める。
「まあ、フォローっていうか誤解を生まないように一応ね。そもそも、纏は俺に多少馬鹿
にされたりからかわれたりされても、そんな事で落ち込むような子じゃないだろうけど」
小さく肩をすくめておどけた顔をしてみせると、纏は僅かに頬を赤らめ、口を尖らせた。
「フ……フン。当たり前じゃ。お主のくだらぬ世迷言なんぞをいちいち気に掛けておった
ら、身が持たぬからの」
その答えに頷くと、彼は彼女との間にナプキンで包んだおにぎりを置き、それを広げた。
「はい。これが俺の作ったおにぎり」
ラップに包まれたそれを見て、纏は眉を顰めた。
「二つもあるではないか。約束では一口という話であったろうが、まさか二つとも食せと
言うのではなかろうな?」
問われて、彼は慌ててそれを否定する。
「いやいや。纏が食べるのはこっちのチーズおかかおにぎりの方。こっちのチーズ明太は
俺が食おうと思ってさ。つか、一口じゃただの白米おにぎりだって」
困ったような笑顔を浮かべる別府を尻目に、彼女は胡乱気な目付きでもう一つのおにぎ
りを見つめた。
「そっちもチーズが入っておるのか…… しかも、明太子と組み合わせるなぞ、本来の味
を損ねるような真似をしおって。食べ物を無駄にするにも程があるぞよ」
「纏に掛かると、今の外食産業で扱ってる大半の食べ物が否定される気がするよ」
呆れた物言いをされ、纏は憤慨して別府を睨み付けた。
319 :
4/4:2012/10/15(月) 00:31:15.98 0
「やかましいわ!! いいから早くそのグロい握り飯を儂に食わせい!!」
小さくて可愛らしい手を彼の方に差し出す。
「はいはい。つか、ラップくらい自分で取れよな」
仕方無さそうにラップをめくり、持ち手の部分だけを残して広げると、纏の手に置いた。
彼女をそれを両手で持つと、顔の前に掲げジッと見つめる。
「全く…… 普通に見れば、ちゃんとしたおかか飯なのに、何故にチーズを混ぜ込むのじゃ。
もったいない……」
「いや、だからそれが美味いんだって。俺もうちの母親に初めて出された時はえっ?と思っ
たもんだけどさ」
今度は自分の顔の前に近づけ、纏は匂いを嗅いだ。鰹節と醤油の香りに僅かにチーズ臭
さが混じり、彼女は眉を顰めた。しかし、違和感も最初だけで、もう一度嗅ぐとさほど悪
い匂いとも思われない。
「……何とも奇妙な臭いじゃな? これを……口に含めと言うのか……」
彼女の常識には今まで無かった味のおにぎりを食べる事に、やはり抵抗は無くもない。
しかし、同時に別府が彼女の為に握ったおにぎりだと思うと、胸がドキドキして味などど
うでもいいのではないかという気もしてしまう。
「ああ。ま、一口だけ食ってくれればいいよ。ただ、間違っても吐き出すのはなしな。ちゃ
んと飲み込んで初めてオーケーだから」
「グッ…… またそのように、後付けで条件を付けおって。この卑怯者め……」
「だって、そうしたら一口含んですぐ吐き出してもオーケーになっちゃうじゃん。一応、
そういうのを防ごうと思ってさ」
「フン。儂はお主とは違うのじゃ。かような卑怯な真似なぞせぬわ」
別府の付けた条件に毒舌を混ぜて返しつつも、心の半分以上はおにぎりの方に行ったま
まだった。様々な感情が渦を巻いて襲い掛かる。彼女は小さく首を振って、それら一切の
雑念を払いのける。
「では、食べるぞよ。よいか? しっかと両の眼を開いて見ておるのじゃぞ」
「もちろん。どうぞ、召し上がれ」
彼の言葉に、纏は小さく吐息をつく。精神の全てを食べる事のみに集中させて、彼女は
目を瞑る。そして、ゆっくりとおにぎりを持ち上げ、小さな口を開けるとその唇におにぎ
りを当てる。グッと強く押し込み、前歯を噛み合わせて一口、齧るとゆっくりと咀嚼した。
続く
いかん、こんな時間におにぎり食いたくなってきた
不意にかなみの頭をなでなでしたら、
「な、なにしてんのよ!!」
って怒鳴られたけど構わず続行してたら不機嫌そうな顔しながら黙ってなでられてた。
そんでまたしばらくなでてから手を離したら、
「ぁぅ、もうやめちゃうの?」
だって。そんなこと眉を八の字にしながら言われたらたまらんので再開。
結局かなみが安心しきって俺の肩を枕にして寝ちゃうまでずっとなでてましたとさ。
まつりんかわいいいいぃいぃいいいいいい!!!!
GJ!!
お題
つ・意外な好評価にびっくりするツンデレ
・ツンデレさんと友ちゃんの精神が入れ替わっちゃったらどうなるの
>>319 まつりんかわいいのう
これは続きwktk
・ツンデレと低周波治療機
女「……あ゙ー」ヴヴヴヴヴ
男「ち、ちなみの方から謎の振動音が! これはまさかバイb」
女「違う……よく見ろ……馬鹿……」ジロリ
男「ほう。言われた通りよく見たら、ちなみの体からコードが伸びている。これはやはりバイb」
女「しつこい」ペタッ
男「んぉ?」
女「……タカシのおでこへ……出力最大……」カチカチ
男「ひぎいぃっ!?」シビビビビ
女「……私が使っていたのは……低周波治療機……断じてバイブではない……」
男「あ、なる。振動音じゃあなかったのね」ヒリヒリ
女「……今のでタカシの毛根は死滅した……よって生来ハゲること必定……」
男「う、うるせーやい! たとえ父母両方の遺伝子がハゲ遺伝子だろうと、俺は諦めないからな!」
女「……タカシんちの家系はハゲ家系……やーい、やーい……」ベェッ
男「くっ! 他人事だと思って馬鹿にしやがって。全世界の薄毛の人に謝れ!」
女「……言っておくけど……私はハゲが嫌いなのではない……調子こいてるタカシが嫌いなだけ……」
男「俺の人格全否定ですか。死にたいです」
女「死ね……それが嫌なら私の肩を揉め……」
男「なんでそうなる。第一、低周波治療機使ってるなら俺いらんだろ」
女「……機械よりも人の手がベターに決まってる……さぁやれ……」
男「強引だなぁ……揉むけど」モミモミ
女「……そう……それで、いい……」
男「肩以外も揉んで欲しかったら言えよ? そのナイチチとか」
女「……」ペタッ、カチッ
男「に゙ゃあぁぁぁぁ」シビビビビ
女「……いいから黙って揉め」
男「……」ピクピク
ちなみんのちっぱい揉んで大きくなったら困る
>>324 友子のフリをしてタカシが自分をどう思っているのか聞き出そうとするツンデレ
ツンデレのフリをして既成事実を作り出し、特ダネを作り出そうとする友子
妄想は任せた
>>326 横暴なちなみんかわゆすwwww
>>319の続き行きます
ちと長いが
329 :
1/8:2012/10/16(火) 05:23:48.76 0
・ツンデレとおにぎりの具について言い合ったら 〜後編〜
――う……うむ……?
チーズの濃厚な味が合わなくて、吐き出してしまいそうになる事も覚悟していた纏だっ
たが、意外と抵抗感なく舌に馴染んでいく。難しい顔をしながら口を動かしていると、別
府が横から聞いて来た。
「どうだ? 味の方は。やっぱ不味いか?」
それに纏は、片手を上げて彼の顔の前にかざして制した。
「ちょっと待たぬか。まだ良く分からぬわ」
嚥下すると、もう一口、おにぎりを今度はもう少し多く口の中に入れる。確かに、かつ
おの風味たっぷりの醤油味おにぎりにチーズの味はミスマッチだ。だが、想像していなかっ
た事に、これが意外にも合う。とろけるチーズのまろやかさが実に味を引き立てていた。
気が付くともう一口、また一口と食べてしまう。思い込みの嫌悪感が無くなると、空腹だっ
たことも相まって、たちまちのうちに彼女はおにぎりを食べ尽くしてしまった。
「フゥ……」
満足の吐息を漏らす。これは意外な発見だった。今度、自分でも作ってみようかとそう
思った時、横からおもしろがるような声がした。
「どうやら、姫御前のお気に召して頂けたようで」
ハッと声のした方向に振り向くと、すぐ隣で別府がニヤニヤした笑いを貼り付けて纏を
見つめていた。その途端、纏は自分が勝負していた事を思い出す。咄嗟に口から言い訳が
突いて出た。
「ち……違うぞ、別府!! 儂はその……断じて美味いなぞ、思うてはおらぬぞ」
「その割には、わき目も振らずに熱心に食べていたようだけど?」
嬉しそうなその顔が、何とも癪に触って仕方が無かった。彼の前でだけは認めたくない
と、纏は必死で言い訳を思いついた。
「そ、それは……じゃな。これを……儂が食べ残したら、後はお主が食うつもりじゃった
のじゃろう?」
「そりゃもちろん。もったいないし」
頷く彼を前に、纏はその小さく愛らしい顔を歪めて嫌悪感を丸出しにして見せた。
330 :
2/8:2012/10/16(火) 05:24:20.28 0
「ほれみい。そうなったらの。儂はお主と、その……間接キッスをじゃな。してしまう事
になってしまうのじゃ。しかもお主の事じゃから、イヤらしく笑みを浮かべて指摘するん
じゃろ? さような事はゴメンじゃからの。不味い飯ではあったが、敢えて全部食ろうて
やったのじゃ」
プイとそっぽを向くその顔には、ほのかに赤味が差していた。どうやら自分で言った言
葉に自分で照れてしまったらしい。
「なるほど。纏は俺と間接キスがしたくなくて、敢えて不味いおにぎりを全部食べたと、
こう主張する訳だ」
別府が確認するように繰り返すと、彼女はコクリと小さく頷いてから彼を横目で睨み付
ける。
「そうじゃ。じゃから、儂はお主に負けておらぬからの。それだけは肝に銘じておくのじゃぞ?」
「はいはい。強情っぱりのお姫様」
別府からしてみれば、どう考えても夢中になって頬張っていたようにしか見えなかった
が、こうと言い出したら絶対に認めない性格はよく知っていたから、言い負かすのは諦め
ていた。纏が自分の作ったおにぎりを美味しく食べてくれたから、それでよしとしよう。
そう思いつつ、今度は自分も食べようともう一つのおにぎりに手を伸ばしかけた時、彼女
の手が自分に向かって差し出されているのに気が付いた。
「うん? どうしたの、纏」
すると彼女は珍しく、もじもじと少し戸惑った態度を取った後で、小さな声で命じて来た。
「……は、はようもう一つの握り飯も寄越さぬか。この戯けめが」
「え? こっちの明太チーズおにぎりも?」
「うむ。そうじゃ。はようせい」
彼女の催促に、彼はわざと首を傾げてみせた。何となく彼女の気持ちに気付いていたが、
それは敢えて態度に出さずに。
「でも、明太子とチーズなんて合うわけないって言ってたじゃん。せっかくの明太子を粗
末にするなとか言って」
すると纏は、パッと彼を睨み付けて、若干照れた様子を見せつつも強気な態度を崩さず
に言い放つ。
331 :
3/8:2012/10/16(火) 05:24:57.69 0
「こうなったら、毒を食らわば皿までじゃ。お主の味覚がどこまでおかしいかを実証する
為にも食うてみせるから、はよう渡さぬか」
本当は、絶対に美味しいはずがないと思っていたチーズおかかが物凄く美味しかったの
で、もしかしたら明太チーズも美味しいのではないかと試してみたくなったのだが、無論
そんな事を口に出せる訳がない。
「でも、これを渡したら俺のおにぎりが無くなっちゃうんだけど」
もともと、纏が一口食べたら残りは全部自分が食べる気だったので、困った顔で言うと、
彼女は無言で反対側を向き、そして自分の弁当箱を開けて彼に向かって差し出した。
「フン。ならば、代わりにこれを食うが良いぞ。儂は握り飯を四つも食えぬからの。儂が
作ってきた二つはお主にくれてやるわ」
そのおにぎりを見て、彼は驚くと同時に喜びに心を躍らせた。
「おー。これはもしかして、昨日纏が言っていた焼き味噌おにぎりでは?」
その問い掛けに、彼女は小さくコクリと頷く。二人で作ってきたおにぎりを交換し合う
なんて、まるで恋人同士みたいな振る舞いだとドキドキしつつも、自分の作ったおにぎり
も別府に食べて欲しいという気持ちが湧き上がっていた。
「そ……そうじゃ。本来ならばお主に見せびらかそうと思って作ってきたのじゃがの。も
う一つ食うたらさすがに腹に入らぬでの。自分の不味い握り飯との味の違いをじっくりと
堪能するが良いぞ」
まともに彼の顔を見ることが出来ず、辛うじて言葉だけは強気に、纏は自分のおにぎり
を彼に勧めた。すぐに弾んだ答えが返ってくる。
「そういう事なら喜んで。ほれ、俺のおにぎり」
差し出した手にズシリと重みを感じて、彼女は自分の顔の前におにぎりを持って来た。
海苔で巻かれたそのおにぎりは、一見普通のおにぎりと何の変わりもないように見える。
「全く、おにぎりにチーズを入れるなぞ、本当に邪道もいいところじゃな。やはり米はキ
チンと和の食材を使ったものに限るぞよ」
ぶつくさと文句を言いつつ、一口、二口と口にする。具を大目に入れたのか早くも明太
子のピリッとした辛さとチーズのクリーミーな味わいが同時に口に広がる。明太子と混ざっ
た事で、よりチーズの濃厚さが引き立つような感じだった。
「そっちはどうだ? 纏」
332 :
4/8:2012/10/16(火) 05:25:30.18 0
貰ったおにぎりに手を付けるより前に、別府は纏の感想を聞こうとした。彼女はワザと
しかめっ面をしてみせ、頷きつつ口の中の物を全部飲み込んでから、彼の方を見ずに答える。
「うむ。予想通り……いや、想像以上の不味さじゃな。これは……」
そう言いつつ、もう一口、また一口と躊躇う事なく口にして行く。ああ、これは口に合っ
たんだなと内心納得しつつ、別府は纏から貰ったおにぎりを口にした。
「おおっ!? こりゃ美味いわ。味噌の濃厚な味わいに香ばしさが加わって、美味しさが
増してるし。それに、普通焼きおにぎりって海苔は巻かないと思ってたけど、意外と合う
もんだな」
「フン。手に持っても汚れぬようにそうしたまでじゃ。そもそもは儂が食べるつもりじゃっ
たからの」
つまらなそうに言って、纏は最後の一口を口にした。手に付いたご飯粒を口で取ってか
ら、おしぼりで手を拭う。そして、別府の食べっぷりを見て、彼女もまた安堵した。
――良かった。口に合ったようじゃの……
彼女と違って、彼はお世辞や愛想を言うのが上手い。人の話に付き合ってから、後から
実は誰それは好きじゃないとか、あれはああ言ったけど、本当はこうだと思うという事を、
よく別府から聞かされていた。しかし、それだけに自分に対しても同じようなことがある
んじゃないかという心配は常に付きまとっていたが、しかし今の嬉しそうな顔を見ている
限りでは、本当に美味しいと思ってくれていると信じていいだろう。
「いや。これ、マジで美味かったわ。今まではさっき纏にあげたチーズおかかが俺の中で
ナンバーワンだったけど、これはそれの上を行く美味しさだな」
「当たり前じゃ。儂の焼き味噌握りは天下一品じゃぞ? お主の不味いチーズおかかなん
ぞ、比べるべくもないと分かったか。この戯けめが」
すると別府は、わざとらしく困った顔で頭を掻いた。
「いや、申し訳ない。纏の口に合わなくてさ。俺は大好きなんだけどな。でも、俺にして
みれば、勝ったも同然だけどな。纏はおにぎり全部食べてくれたし、俺も纏お手製の焼き
おにぎり食べられたし、言う事無しだぜ」
「全く。これでは儂一人が損をしたようなものじゃ。良いな。約束の柚子の水菓子の件は
忘れるでないぞ?」
333 :
5/8:2012/10/16(火) 05:26:31.39 0
さすがにチーズのおにぎりを二つも食べたので、口の中をサッパリさせたくなって、纏
は水筒からお茶を汲んで飲む。別府は彼女の言葉に頷くと、もう一つのおにぎりを差して
聞いた。
「大丈夫。忘れてないから、ちゃんと近いうちに買って渡すよ。ところで、もう一つのお
にぎりは何なの?」
「それは梅じゃ。あんなコンビニおにぎりのカリカリ小梅なぞとは違うぞ。儂が握り飯に
入れるのは、紀州産の梅干しと決まっておるからの。全く、お主に食わせると分かっておっ
たらもう少し格を落としたのじゃが」
気持ちとは裏腹に、ワザと仏頂面でもったいながると、彼は軽く頭を下げた。
「そんな高級な梅おにぎりを頂けるなんて、ありがたく礼を言わせて貰うぜ。それじゃ、
いただきます」
勢いよくかぶり付く別府を見て、纏はため息をつき、呆れたような視線を向ける。
「かように焦って食べんでも良いわ。お主が食べる前になくなったりはせぬからの。それ
よりも、あまり急ぐと米が喉に詰まるぞよ」
そう言った途端、舌鼓を打ちながら食べていた別府の動きが止まった。素早く片手を口
に当てたが、それと同時にゴホゴホと咳き込む。
「ほれ。言わぬ事ではないわ」
無意識のうちに、纏は手に持つ水筒のコップを別府に手渡した。彼はそれを受け取ると、
急いで一気に飲み干す。
「ぷはあっ!! いや、米粒が気管にダイブしてさ。思わずむせちまった。助かったぜ」
「全く、がっついて食べるからそのような事になるのじゃ。人がせっかく恵んでやったの
じゃから、もう少し味おうて食せい」
別府からコップを返して貰い、もう一杯お茶を飲もうと水筒から注いだその時、彼女は
ハッとした。
――ちょっと待て。先ほど、儂は何をやった……?
別府がむせ、咄嗟に自分が手に持ったこのコップを渡して、彼がそれを一気に飲み干す
光景を脳裏に蘇らせる。
――し、しもうた……慌てて渡したから全く意識しておらんかったが……今、間接キッス
をさせてしもうたんじゃ……
334 :
6/8:2012/10/16(火) 05:27:04.06 0
気付いた途端、顔がカアッと熱く火照る。いや。それよりも今がまた問題だ。このコッ
プに入ったお茶を口にすると、自分もまた、別府が口にしたコップでお茶を飲む事になっ
てしまう。
「どうした、纏? 何か、強張った顔でお茶を見つめているけど」
別府の声に、纏は思わず驚いて体をビクッと動かす。しかしそこは日頃武道を嗜んでい
る身。動揺を最小限に抑え、何も無かった風に彼を睨み付けた。
「何でもないわ。少々考え事に没頭しておっただけじゃ。いきなり気持ち悪い声を掛ける
でないわ。全く……」
そして、再びコップに視線を落とす。彼が口を付けた場所以外で飲めば良いと思いもし
たが、もはやどこに口を付けたかも分からない。それに、いっそ自分もそこから口をつけ
て飲みたいという誘惑までが襲い、それを振り払おうと彼女は懸命に意識しないように精
神を集中させようとした。
「もしかして、俺と間接キスしたことに動揺してたりして」
「んなっ!?」
今度こそ、纏は驚いてビクッと体を跳ねさせた。同時にコップの中のお茶も跳ね、半分
くらいが彼女の手に掛かる。しかしそれを気にする余裕すらなく、纏は別府の方を見て口
をパクパクさせた。
「何……何……」
「あれ? もしかして、気付いてなかったとか? まあ俺も気付いたのは纏にコップ返す
時だったけどさ」
首を傾げる別府を睨み付け、彼女は思わず怒鳴った。
「何を戯けた事を言っておるかっ!! かっ……かっ……間接キスなぞ……」
しかし、それ以上は上手く言葉にならない。彼女を見つめながら、別府はイタズラっぽ
くニカッと笑ってみせる。
「全く。間接キスを指摘されたくらいでこんなに動揺しちゃうなんて、纏って相変わらず
純情にも程があるよな。もう少し男に耐性付けないと、色々と苦労すると思うぜ」
「誰が純情じゃっ!!」
クワッとまなじりを逆立てて怒鳴ると、別府は上半身を引きつつも、纏を指差して答えた。
「だって、興奮して顔真っ赤だし。普段、みんなといる時の纏じゃありえない顔してるぜ」
335 :
7/8:2012/10/16(火) 05:27:37.86 0
知的でクールと評判の彼女だったが、今やその片鱗すらない。だが、彼女はブンブンと
首を振って、それを否定した。
「儂は動揺なぞしておらぬわ。何が間接キスじゃ。ほれ」
勢いに任せ、手に持つコップに残ったお茶を一気に飲み干す。その瞬間、余計に体が火
照った気がしたが、あくまで気にしない風に彼女は立ち上がって別府を見下ろした。
「見よ。全く、くだらぬ事を言いおって…… お主とたまたま同じコップで茶を飲んだと
て、どうって事はないわ」
「でも、さっきは間接キスが嫌だからって不味いおにぎりを全部食べたとか言ってなかったか?」
「ぬ?」
別府の的確な指摘に、纏は思わず言葉を失う。またしても、体温が一度上昇したような
感覚の中、混乱した頭を整理出来ないままでいると、別府がニヤリと笑って勝ち誇ったよ
うに言った。
「自分でそう言い訳してたじゃん。なのに、自分から間接キスさせてくれるなんて、何か
纏って俺の前だと墓穴掘るよな。まあ、俺からしてみると更に間接キスのおまけまで増え
て言う事なしだけどな」
「やかましいわっ!!」
別府の言葉が言い終わらないうちに、纏は怒鳴りつけた。もう恥ずかしさと動揺でまと
もに頭も働かなかったが、それでも自棄っぱちで言葉を繰り出す。
「そもそもお主がむせたりするから悪いんじゃっ!! 人の親切を逆手にとってニヤニヤ
しおって」
「別に俺から何か仕掛けた訳じゃないじゃん。親切にして貰った上に間接キスまでさせて
貰ってありがたいなあと言ってるだけでさ」
対する別府はあくまで冷静だった。纏の反応をいちいち試しては楽しんでいるようにも
思える。それに対して纏は、ますます激昂の度合いを強めて行った。
「やかましいわっ!!」
フウフウと息も荒く、彼を見据えて彼女は言葉を続けた。
「これじゃからお主と一緒におるのは嫌なんじゃ。よいか? 金輪際、お主とは一緒に昼
を一緒にはせぬからの。分かったな!!」
336 :
8/8:2012/10/16(火) 05:28:46.03 0
捨て台詞のようにそう言うと、彼女は弁当も水筒もそのままに、脱兎の如くその場から
走り去ってしまった。別府はちょっと楽しげにその後姿を見送っていたが、やがて彼女の
残したものの片付けをしつつ、苦笑した。
「ホントに、分かりやすいな。纏は。さて、どうやって慰めるかな。柚子ゼリーだけじゃ
なくて、アイツの好きなあんみつセットも付けてやるか……」
走りに走って、気が付けば昇降口近くまで駆けてから、纏はようやく息が上がって足を
止めた。それから、人目に付かないよう建物の影に隠れて片手を付く。
「あああああ……もう、嫌じゃ…… 何であ奴と一緒だと儂は……ああもダメになってし
まうのじゃ……」
自分の行動、言動を思い返すと全てが恥ずかしい。
「あれでは、自分が阿呆じゃと言っておるのと同じじゃ…… 恥ずかしい……穴があった
ら入りたいくらいじゃ……最早、まともに顔なぞ出せぬわ……」
結局そのまま、授業のチャイムがなるまで、自己嫌悪で悶々としていたのだった。
終わり
この纏さんは黒髪ポニテロングのイメージ
和装でない老成さんもなかなか良いと思うのです
>>336 動揺して支離滅裂になっちゃう
纏さん可愛い!!
GJ!
大変よろしいと思います!
纏さんかわいいよおぉぉぉぉぉ!!
お題
つ・ツンデレにお前だけ特別扱いは出来ないんだよって言ったら
・ツンデレがピアス穴を開けようとしたら
女「おい、タカシ。お前いま、安全ピンとか持ってねーか?」
男「持ってねーな。何に使うんだ?」
女「あぁ。実はちょっと、耳に穴開けようかなーと思ってよ」
男「はぁ? そんなことしても自殺はできねーぞ?」
女「馬鹿、ただのピアス穴だよ! 分かってて言ってるだろ」
男「そうだけど。お前ピアスなんかつけたいの?」
女「つけたいっつーか、もうつけてるんだけどな。前に開けたのふさがっちまったからさ」
男「へー、かつみがピアスねぇ。俺はそんなの見たことないぞ」
女「当たり前だ、馬鹿。なんでテメェに見せなきゃいけねぇんだよ」
男「いや、単なる学術的な興味だよ。馬子にも衣装という諺を検証する絶好のチャンスかと」
女「ぶっ飛ばすぞ」
男「ごめんなさい」
女「ま、確かに滅多につけないから穴もふさがっちまうんだけどな」
男「ふーん……あ、本当だ。よく見たら耳に穴開けた形跡がある」
女「な、なんだよ。覗き込むなよ、気持ち悪い」
男「えいっ」カプリ
女「ぎゃ!?」ビクン
男「んー、美味」ペロペロ
女「ば、馬鹿! 止めろ! 何してんだ!」
男「ピアス穴が痛々しいので、つい」ハムハム
女「甘噛みするなぁっ/// キメェんだよ!!」
男「あ、いかん。なんか興奮してきた」カミカミ
女「て、テメ! ケツに変なモン当ててんじゃねぇ! 抑えろ馬鹿!」
男「かつみがカミカミしてくれるなら、俺もピアス穴開けようかなー」チュッチュッ
女「誰がやるかぁっ!! 離せっ、離せよこの変態っ///」
男「なはははは。かわいいかわいい」ナデナデ
女「うぅ……(クソッ。タカシの馬鹿のせいで妙な気分になっちまった///)」
>>340 いきなり甘噛みとかタカシ変態すなぁwwwwww
GJ!!
お題
つ・ツンデレにそれ汚いからやめなさいって言われたら
ちなみんのおっぱいもみも…なでなで
友ちゃんと一日中いちゃいちゃしたい。嫌そうな表情しながら顔は赤い友ちゃんかわいい
ちなみんのことをツンロリ神様として崇めたらどうなるの?
>>345 お供え物を要求される
とりあえず好物を買いに行こうとすると
「・・・モノで釣られるか」
とか言ってきて
じゃあ、何がいいんだよ、って聞くと
「・・・え、えと・・・頭を手で・・・こする」
って答えてくるから
それってなでなでじゃねえの、って反論したら
顔真っ赤にして
「・・・に、人間はそう言うのか」
とごまかしてくる
とりあえず優しくなでなですると
リラックスした表情で微笑んでくる
俺もちなみんのちっぱい擦りたい
友ちゃんが見晴らしの良いところで撮影したいとか言って、木に登りだしたの。
山田はそれを下から見ながら、なんか嫌な予感がしてたんだけど、
案の定友ちゃんが乗ってた枝が今にも折れそうになって、山田はとっさに友ちゃんを受け止めようとしたんだ。
で、どうにか受け止めることは出来たんだけど、当然下敷きになった山田は頭やら肘やら打ってひどい状態なわけ。
友ちゃんは大慌てで家に連れて帰って手当てしてあげるんだけど、、
自分のせいで怪我したんだから謝らなきゃいけないと思いつつも、それだったら最初から木に登らなければ良かったとか色々考えて何も言えなくなってたところに、
山田が、とにかく友ちゃんがなんともなくて良かったって笑いながら友ちゃんの頭を撫でたの。
友ちゃんは自分のせいでこんなに酷い有様なのに、責めるどころか心配してくれた山田に嬉しいやら申し訳ないやら複雑な感情が入り交じって、とうとう泣き出しちゃうの。
山田は案の定、どうしたの、やっぱりどこか怪我してたのって心配するんだけど、友ちゃんは泣きじゃくっちゃって何も言えないのね、
どうにか嗚咽しながらごめんねって言うのが精一杯で、それを聞いた山田はただ無言で友ちゃんを抱きしめて頭を撫でてあげたんだ。
それから友ちゃんは私がまた無茶しないようにするためって口実で、山田に常に手を繋いでいて貰うようになるんだけど、本当のところはどうなんだろうね。
>>349 甘過ぎるぜwwwww
ツンデレに最近山田と仲が良すぎるんじゃないのって言われたら友ちゃんはどう答えるの?
【山×友】
友「……」カシャッカシャッ
山「友ちゃん、まだ撮るの? そろそろ帰ろうよ」
友「うっさいわねぇ、今いいとこなんだから。ほら、早く換えのフィルム入れて」
山「はいはい……」カチャカチャ
友「っくしゅん!」
山「え?」
友「うー、寒……ちょっと薄着だったかしら」
山「そりゃブラウス一枚じゃ寒いよ。なにか着る物もってないの?」
友「ない……日中暖かかったから、家に上着置いてきた」
山「いつも撮影長引くんだから、最低限の用意はしてなきゃ駄目だよ」
友「分かってる。猿も木からってだけでしょ! 小言が多いのよアンタは!」
山「全く……じゃあ、これ着なよ。友ちゃん」フワッ
友「えっ? ちょっとこれ、あんたの学ランじゃない」
山「撮影主任に風邪ひかす訳にはいかないからね」
友「馬鹿! こんなことしてあんたが風邪ひいたら、私の責任になっちゃうじゃない!」
山「そう言いながら、僕の心配してくれてるんだよね。けど僕ならこうするから、大丈夫だよ」ギュッ
友「えっ、あっ!?」
山「こうして密着してれば、お互い寒くないよ」
友「や、止めてよ……撮影の邪魔になるから」
山「んーん、止めない。止めさせない」ギュゥッ
友「……あんたって、最近やり口がタカシっぽくなってきたわね」
山「そうかな……自分では、よく分かんないや」
友「そうよ……こんなお馬鹿で恥ずかしい方法、他の男なら絶対やらないわよ」ギュッ
山「……撮影、もういいの?」
友「……今日は気分が乗らないから、もういい」
これにはツンデレさんも嫉妬
ぎゃあぁぁぁぁぁ1レス短編書いてたら間違って削除しちまったあぁぁぁぁぁ!!
死にたい……orz
・ツンデレと流れ星
男「おっ」
女「……どした」
男「今、あっちで流れ星が見えた」
女「……へぇ」
男「惜しいことしたな。どうせなら、なんか願い事すりゃ良かった」
女「……願い事というと……三回唱えると願いが叶うっていう……アレ?」
男「そうそれ」
女「……お前は乙女か」ペシッ
男「うるへーわ」
女「……どうせタカシのことだし……私の胸が成長しますようにとか……お願いするんだろ?」
男「いつもなら肯定するところだが、今回は違うんだな」
女「……何?」
男「俺さ、ガキの頃から、隣で一緒に星見てる奴の願い事が叶いますようにって願掛けしてんだ」
女「……それは、なんで?」
男「いやぁ、だって俺の願い事なんて、さっきちなみが言ったみたいにしょうもないことばっかだし」
男「それよりは、他の願い事叶えた方がお星さまも有意義かなと思って」
女「……なんかタカシ……チョー偽善者っぽい」
男「偽善者か、他人から見たらやっぱそうなるのかな?」
女「……自分の利益を損なわない範囲で……他人の為に願う小物っぷり……さすがタカシ」
男「うへぇ、そこまで言われるとちょっとショックなんだけど」
女「……けど私は、タカシのそゆとこ……嫌いじゃないぞ」
男「ん? 偽善かもしれないのにか?」
女「偽善が悪とは言ってない……それが偽善であろうと……人のために祈れるのは偉いこと……」ナデナデ
男「うぉ、ちなみに誉められた。いつもと立場が逆転しとる」
女「……私に誉められた気分は……どう?」
男「なんか、こそばゆいッス」
女「……じゃあもっとやってやる」ナデナデクリクリ
男「新手の羞恥プレイか!!」←でも内心嬉しい。
>>351 友ちゃん可愛いwww
>>354 ちなみんにナデナデされたい
つかいい雰囲気だな。GJ!!
お題
つ・遠距離恋愛しているツンデレ
かなみんのツインテールはむはむ
かなみんに『この昆布味がしないな』って言ったらどうなるの?
『じゃあ味のするわかめを食べさせてあげる』って言っておもむろに下着を脱いdターンッ
おっこったった
364 :
1/2:2012/10/21(日) 04:08:38.54 0
>>360 男がツインテール好きだということを耳にしたツンデレは、
なかなか振り向かせられない男の気をひこうと、ツインテールにしてみる。
すると男が想像以上の食いつきを見せ、あれよあれよという間に、
これまでの素っ気無さが嘘のように親密な関係に発展。
念願叶ったと最初は喜んだツンデレだが、関係を続けるうちに、
男が好きになったのは髪型であってツンデレ自身ではない、と思い悩むようになる。
男と談笑するたびに、楽しさよりも苦痛が大きくなり、
ついには耐え切れなくなったツンデレは、ばっさりと髪を切ってしまう。
その晩は、もう男との関係は戻らないのだと、夜通し泣き続けた。
次の日、憂鬱な気分で登校したツンデレを待っていたのは、
これまでと変わらぬ態度で接してくる男だった。
しかし、やはりというか「髪、切ったのか。あの髪型好きだったのにな」と言われ、
昨晩決めておいた通り、なぜ男の好みにあわせなければならないのだと一蹴した。
365 :
2/2:2012/10/21(日) 04:09:42.05 0
これ以上男と話すことが辛くなったツンデレは、
居心地が悪そうな表情をしている男の意を汲み、
男が好きなのは自分ではなく、自分がしていた髪型であることを指摘し、
もう自分に構うことはない、と突き放した。改めて失恋を実感しながら。
しかし男は意外にも食い下がり、それは違うと言い出した。
そして告白した。自分は元々ツンデレのことが好きだったが、
恥ずかしくてついつい言葉少なくなってしまっただけなのだと。
「ツインテール好き」を言い訳にして、ようやく素の自分で
ツンデレと親しくなることができた。だから、ツンデレの髪型が
どう変わろうと、ツンデレが好きなのだと。
それを聞いたツンデレは、嬉しさと、男を諦めなくても
良いのだという安堵とで、泣き出してしまう。
男は思わずツンデレを抱きしめようとするが、ここは始業直前の教室であり、
クラスメイトはもちろん廊下にまで野次馬が・・・
まで妄想した
366 :
ほんわか名無しさん:2012/10/21(日) 04:18:58.43 0
良い脳汁
>>365 素直じゃ無かったのは男も、っていいな
GJ!!
お題
つ・ツンデレに好き嫌いを聞いたら
>>365 ニヤニヤwww
さて、今日もVIPにスレは立つのかのう
立ったら昨日の続き書きたいな
読みたいがために立てようかしら
まだいるのかしら
暇だから立ててみてくれ
ちょっとした小ネタを投下しようと思ったら落ちとったがな……
落ちたか……
>>374 俺も書いてるうちにスレが落ちたよ(´・ω・`)
まぁこっちで投下するからいいけど……
ちょこーっと保守が遅れてしまった
・ツンデレに不意にプレゼントを渡してみたら(纏さんVer.)
男「うぉーい! 纏ぃー!」ドドドド
纏「また喧しいのが来たの……なんなんじゃ一体? 何の用じゃ」
男「ハァ、ハァ……あのさ、今ちょっと時間あるか?」
纏「主に付き合う時間はないが、用件だけは聞いておこうかの。そのように息を切らして、一体何用じゃ?」
男「おぉ、実は渡したい物があって……(ゴソゴソ) げぇっ!?」
纏「……? なんじゃ、気味の悪い声を出しおって」
男「わ、割れてる……!? 嘘だろぉ……!?」
纏「えぇい、一人でうなだれるでない! ちゃんと説明せい!」
男「あ、あぁ……まずはこれを見てくれ……」
纏「なんじゃこれは?」
男「……硯です。元、だけど」
纏「なぜ主が硯なぞ持っておる? それにこの硯、真っ二つに割れておるではないか」
男「いや、あの……急いでたからどっかにぶつけちゃったみたいで……本当は纏にプレゼントしたくて買ったんだけど……」
纏「なに?」ピク
男「お前この前、新しい硯が欲しいって言ってたじゃん。だから……」
纏「そういえば、今の硯がそろそろ寿命じゃと言った記憶はあるが」
男「せっかく纏にサプライズでプレゼントしようと思ってたのに……あぁ! 俺の馬鹿あぁぁぁぁ!!」
纏「全く、喧しいことじゃ。……主は硯くらい壊れても直せるということを、知らんのか?」
男「えっ……?」
纏「特別な手法を使うが、素人でも直せんことはないんじゃ。このたわけ者め」
男「そ、そうなのか……?」
纏「それを知らずに、人様の玄関先でびぃびぃ泣き叫びおって。見ているこっちが恥ずかしかったわい」
男「……すみません」
纏「まぁ、そういう訳じゃから、この硯は儂が直して使ってやる。もったいないしの」
男「ごめんな……なんかフォローさせちまったみたいで」
纏「大の男が謝るでない!……まぁ、その気持ちに免じて、今回限りは有り難くいただいておくかの」
……その後纏さんは、瞬間接着剤で引っ付けた不思議な硯を、長らく使っていたそうな。
まつりんのこういうところがもう可愛くて仕方がない
・雀士ちなみん
ち「……ロン」
タ「なん……だと……?」
ち「立直三暗対々ドラ三……あ、裏乗った」
タ「」
や「相変わらず、ちなみちゃんの迷彩っぷりは読めないなあ……」
と「ていうかタカシ君飛んだわね」
タ「ぐぅぅ……俺だって結構高い手張ってたのに……」
ち「……上がれなければ、役満も役なしと同じ……タカシごときが私相手に押すとか、浅はかすぎる。……ぷぷ……」
タ「ぐぬぬ」
ち「……これで、タカシは二連続でラスね……」
タ「つ、次こそは勝つぞっ」
ち「……やれるものなら、やってみなさい。ふふ……」
タ「ぐぅ……」
と「ねえねえ、ちなみんちなみん」コソコソ
ち「……なに」
と「前に、山田と話してるの聞いちゃったんだけどさ……タカシ君って、麻雀が弱い女の子が好きらしいわよ」
ち「……!」
と「なんかね、自分より弱い子にいろいろ教えたりしてあげたいんだってさ」
ち「……ふ、ふーん。まあ、私には、どうでもいいことだけど……」
と「……」
タ「あ、それロン! よっしゃ、親満キタコレっ」
ち「……」
や「親リーに無スジのど真ん中切るなんて、ちなみちゃんらしくないなあ」
ち「……ちょ、ちょっと間違えちゃった……」
タ「はっはっは。まあちなみは、回数だけ見れば俺より経験浅いしな、まだまだこういうミスもあるだろ」
や(……ホントかなあ……)
ち「……」チラッチラッ
タ「ん? どうした、ちなみ?」
ち「……ん。な、なんでもない」
と「ねえねえ、ちなみんちなみん」
ち「……なに」
と「実は、さっきの、ウ・ソ☆」
ち「……な、な、なな……」カァァー
と「いやー、まさか信じるとは思わなかったわー」
ち「……」ゴゴゴゴゴ
と「ちょ、ちなみん? い、いくらなんでも麻雀牌投げるのはどうかと思、ちょ、痛い痛いイタタタタタタ!! ご、ごめんなさいっ、ごめんってばー!!」
タ「お、おい、何があったか知らんが、やりすg、痛ッ! なんで俺まで!?」
や「……これはひどい」
その後、友ちゃんがちなみんに飛ばされたのは言うまでもない。
あと、よいこのみんなは、牌を人に向かって投げたりしちゃ駄目だぞ☆
ちなみん単純で可愛いなぁwwww
GJ!
>立直三暗対々
この時点で裏乗った乗らない既に関係無いだろw
あ、ごめん勘違い
友ちゃんとずっと一緒にいたい
「見て下さい。この、海鮮丼。大きいでしょう? この大振りのどんぶりにこれでもか
とばかりに乗せられた海産物。海老、イカ、うに、いくら、まぐろにたこ。豪華でしょう?」
それから、どんぶりを元に戻すと、箸でまぐろをつまんで、顔の前に掲げて見せる。
「しかも、この分厚さ。色艶の良さ。新鮮な材料の手に入る、漁港近くならではですよ」
私は頬杖を突いて見つつ、ボソッと呟く。
『こういうのって、テレビとかだと別撮りで、いかにも美味しそうっていう見せ方する
のよね…… ああいう職業の人もいるのかしら? だとしたら拷問だわ。見せるだけで
食べられないとか』
まるでテレビを見ている気分で感想を言うと、別府君がうっかり会話に乗ってきてし
まう。
「ああ。そうだよな。もし、あれで芸能人とかが食べてるの見てるだけだったら――」
『レポーターが反応しない。真面目に自分の役割に専念なさい』
厳しい声で別府君の声を遮ってピシャッと言うと、別府君がウッと渋い顔を見せた。
しかし、次の瞬間には諦めたように、演技へと戻る。
「では、早速頂かせて貰いますよっと…… まずは、小鉢にわさびを入れて、醤油で溶
きます。これは、上手に溶かないと、固まりが入っていてうっかりむせちゃったりする
んですよね……」
『小話がくだらなさすぎだわ…… まあ、いいけど』
私の感想に、別府君が僅かにがっかりしたような困った顔を見せる。ネタが滑った時
の芸人のように。しかしまあ、立ち直りが早いのは彼の良いところだろう。
「では、これをサッとどんぶりに掛けて……では、いただきます」
『やっと食べるのね…… 見ていたらお腹が空いてきたわ』
軽く、彼には見えないようにお腹に手を添える。気休め程度だが、こんな所でお腹を
鳴らしてしまう訳にはいかなかったから。
「では……まずは、と。さっそくこの、うに行っちゃいましょう。うに。すっごいいい
色してますよね。これ、スーパーの特売のスシに入ってるうにとかだと、たまに酷い色
のもあるんですけど、これはもう輝きを放っているといって過言ではないですよ」
『だから、貴方の体験談なんて誰も聞きたくないでしょうに……』
ブツブツと、私は文句を言う。別府君に全種類食べさせるまでは見ていたい気分もあっ
たが、反面お腹が空いて自分も食べたくなってきていた。まあ、私が食べてる間でも別
府君にはずっと演技をしながら食事してもらうというのも、また一興だろうけど。
「コホン。では、あらためて……いただきます」
自分の小話にケチを付けられてちょっと不機嫌そうにしつつも、咳払いで気を取り直
した彼は、ご飯にたっぷりのうにを載せ、わざとらしく箸を一回顔の前に掲げて見せて
から、ゆっくりと口に運んだ。何度か咀嚼してから、ゴクリと飲み込む。と、途端にそ
の顔に満面の笑みが浮かんだ。
「うめえええええっ!! あ、思わず叫んじゃいましたが、そのくらい美味しいですよ。
口に入れた途端、うにの甘くまろやかな風味が口いっぱいに広がって、しかも濃厚なの
にクセはないんですよ。これだったら、ホント、何杯だっていけます」
別府君のさも美味しそうな表情に、自分も早く食べたくてしょうがなくなった。正直、
頑張ってる別府君には悪いけれど、これは失敗だったかも知れない。いや、当初の目的
を達成したという意味では成功したのだが、テレビだと適当なところで切ってしまえば
いいが、正直落ちがないので、どこで終わりにすればいいか、上手いタイミングが思い
付かない。
「では、次はこの、分厚く切った新鮮なマグロをいただきます」
私の考えに気付くはずも無く、別府君は箸でマグロをつまんで見せる。うん。多分こ
れの繰り返しだろうし、このマグロを食べ終わったら強制終了しようと私は決めた。も
ういい加減、お腹が限界だ。
「では、これもごはんにのせて…… 見て下さいよこの大きさ。別にごはんを少なく取
ったわけじゃないですよ。それなのに、上に乗ったマグロがこんなにもはみ出してるん
ですから」
マグロが落ちないように、恐る恐るゆっくりと、別府君が大きな口を開けてマグロを
口に入れた。また、別府君のさも幸せそうな顔を見るのもいささか飽きてきた。まあ、
私の頼みを聞いて一生懸命やってくれた彼には悪いけど、ここいらで打ち切ろう。
そう決めた時だった。別府君がいきなり、むせた。
「ブッ!! ゴホッ……ゲホゴホ……オホッ!! ウェッ……」
何事かと驚いて私は思わず目を見開いて彼を見つめる。すると別府君は、口元を手で
押さえたまま、顔を上に向けて鼻を指でつまみ、涙目で顔をしかめる。
「あーっ……やっべ……わさびの固まりが……ヴーッ」
しかし、そこで彼は諦めなかった。しばらく上を向いて落ち着かせると、無理矢理笑
顔を作ってリポートを続けようとしたのだ。
「いやぁ。ちょっろ、お見苦しい所をお見せひましたが、えもこのマグロ……」
とはいえ、口の中にまだわさびの風味が残っているのだろう、僅かに顔が歪み、口調
も何か変だ。それが私のツボを突き、私は笑いを堪える為に口元を手で隠し、腹筋に力
を入れる。彼の前で大爆笑するなんて、みっともなくて出来たものではない。
「新鮮で、脂が乗っていて……ゲホッ!! ゴホゴホゴホ!! くひのなかれ……エホ
エホッ!!」
しかし、どうやら直撃したわさびは簡単に抜けないようだった。鼻に来る刺激と戦い
ながら、必死でリポートを続けようとする彼の様子がおかしくておかしくて、とうとう
私は堪え切れなくなってしまった。
『クッ……!!』
両手で顔を覆うと、私は体を折って必死で声を殺す。しかし、別府君のあの必死な顔
が浮かぶたびに笑いがこみ上げてどうしようもなくなって、私は体を震わせて目に涙を
浮かべながら、笑い続けたのだった。
『あー…… もうダメ。死ぬかと思ったわホントに』
ようやく笑いを収め、私は水を一気に飲み干す。すると、仏頂面の別府君が文句を言って来た。
「あそこで笑うとかひでーよな。人が一生懸命やろうとしてんのによ」
その顔がまた、笑いを誘発しそうになって私は思わず視線を逸らし、唇を噛み締める。
『仕方ないでしょ。貴方があんまりにも変な顔でリポートを続けようとするんだもの』
「いや、だってその、あそこで勝手に止めたりしたら、また文句言われるかと思ってさ」
そう言われて、考えてしまう。果たして私は、彼の中ではどのくらい暴君なんだろうと。
『一時中断して収まるまで待って貰うとか考えなかったの? そもそも、貴方がわさび
をキチンと溶かさずに醤油を掛けたのが問題なんじゃない』
私の指摘に、まだ軽く咳き込んでいた彼は、いささか不満気な顔をしつつ、しかし自
信無げに小さく答えた。
「いや、だから続けなくちゃいけないかなって思ってたから…… まあいいよ。俺の不
注意が原因なんだろ? 悪かったな。上手く出来なくて」
何を言っても反論されると思ったのだろう。彼は言い訳を諦め、半ば投げ遣りな謝罪
をする。普段ならこんな謝り方を私は許さないが、これに関しては私の無茶振りなんだ
し、それに十分楽しませてもらったので、私は大人しく頷いて彼の言葉を受け止めた。
『まあ、いいわ。まるで私のせいみたいに言われたのが気に食わなかっただけで、わさ
びに苦しみながらも演技を続けようとした、その努力は買ってあげる』
本音を言えば百点満点なのだが、どうにも私は、素直に褒めるという事が極端に苦手
なのだ。こと、別府君に関しては。
「ちぇっ。人が死ぬ思いで演技を続けようと頑張ったのにさ。評価が努力賞程度って、
なんか泣けてくるよな」
不満気な彼の言葉を、私はばっさりと斬って捨てた。
『仕方ないでしょう。いくら努力をしても、結果が付いて来なければこの世の中、評価
なんてされないのよ。褒められただけでもありがたいと思いなさい』
その言葉に、彼は私を見て何か言いたそうな顔をしていたが、やがて肩をすくめてた
め息をついた。
「分かったよ。で、この下手くそな演技のレポートはまだ続けなくちゃなんないのか?」
その問いに、私は首を横に振った。もう立派にオチまで付いたのだから、これ以上はもはや蛇足だ。
『いいえ、もういいわ。正直、ちょっと飽きて来た所だったし、私もお腹が空いて来た
から、終わらせるのにはちょうどいいわ』
しかし、私の返答は、別府君の心にダメージを与えるのに十分だったようだ。
「……飽きて来たって……全く……苦労して見よう見まねでやったってのに……」
愕然とした顔で、半ば呆然と呟きつつ天井を見上げる。それから軽く頭を振って、睨
み付けるような目で私を見ると、半ばキレ気味に叫んだ。
「分かったよ、もう!! ったく、やれっつーからやったのによ。元からして無茶だっ
ての!! ああ、もうちくしょう!!」
そして、どんぶりを持ち上げると、やけっぱちに一気にかっ込む。自分の言い方が良
くなかったのは分かっているが、何だかそのキレ方までがお笑い芸人っぽくて、またお
かしくなってしまう。それをグッと我慢し、私もようやく、一口海鮮丼を口にした。
続く
容量オーバーでちょっとはみ出てしまった……
なんだかんだ仲良い二人に嫉妬wwww
GJです!
・ツンデレに不意にプレゼントを渡してみたら(かつみさんVer.)
女「ごるあぁぁぁぁぁ!! タカシいぃぃぃぃぃ!!」
男「うぉっ!? どうしたかつみ。何そんなに怒ってるんだ?」
女「てめぇしらばっくれるつもりか!? 俺の足こんなにしたのてめぇだろ!!」
男「あぁ、そのことか。かわいいだろ、ペディキュア」
女「かわいいとかじゃねー! 俺が寝てる間にイタズラしやがって!」
男「それはかつみに化粧っ気が無さすぎるからだ。素材はいいのに勿体ない」
女「そういう問題か!? つーか除光液持ってねぇから落とせねぇし!!」
男「俺が持ってるよ」
女「なんでんなもん持ってるんだ!?」
男「プラモの艶出しにいいんだな、これが。ついでに言うとペディキュアも塗装用に買った使い回しな」
女「チッ……文句は言い足りねぇけど、まぁいいや。落とせるなら早く落としやがれ!」
男「嫌です。せっかく会心の塗りができたのに、勿体ない」
女「てめぇ……こ・ろ・さ・れ・て・ぇ・か?」ギロッ
男「おぉう、待てかつみ。せっかくだから一日くらいそのままでいてくれよ」
女「ダメだ、今すぐ落とせ」
男「そう言うなよ。俺としてもちょっとは鑑賞したいし、俺からのプレゼントだと思って」
女「プレゼントだぁ? こんなもん迷惑以外の何者でもねーよ! 早くしろ!」
男「ちぇっ……分かったよ、そこまで嫌がるなら落とすよ」
女「最初からそうしやがれ! バーカ!」
男「はぁ、勿体ねぇな……」キュッキュッ
―――翌朝、両手足にウサギペイントのマニキュアを装備されて放置されるかつみさん
『かつみへ。 ちょっと山田ん家に泊まりに行くので、今日一日そのままでいてね(はぁと
除光液はもうないから、消したきゃ自分で買ってくること! それじゃ。 タカシより』
女「あいつ……帰ってきたら八つ裂きにして吊るしてやるッッッ……!!」プルプル
文句言いつつも、ついついマニキュア見てはニヤニヤして結局一日落とさずに
男に必死で言い訳するところまで妄想した
お題
つ・ツンデレに嫌な天気だなって言ったら
396 :
1/2:2012/10/23(火) 22:02:19.28 0
【ツンデレに嫌な天気だなって言ったら】
今日はなんだか曇っていて、今にも雨が降り出しそうだ。
「うーむ……嫌な天気だな。傘持ってくりゃよかったかなあ」
「ダウトッ!」
いきなり隣を歩くかなみが俺に疑念を抱いたことを宣言した。
「し、信じてくれ! 俺は浮気なんてしちゃいない! そもそも相手をしてくれる異性はお前しかいないんだ! あとそういう貧乳が大好きなので浮気とか考えられない!」
なので、かなみの手を取って必死に訴えてみる。
「何の話よッ!」
「いや、ダウトと言われたから」
「はぁ?」
というわけで、ダウトの意味を説明してみたら、ため息をはかれた。
「ダウトが疑うって意味なのを知らないのはあたしが悪かったけど……何となく分かるでしょ、間違いって意味で使ってるって」
「手を繋ぐチャンスと思いまして」
「思うなっ! ……あ、あと、浮気とか意味分かんない。そもそも付き合ってないし」
ほんのりと頬を染め、かなみはあさっての方を見ながらぶつぶつと呟いた。
「そうなの?」
「そうなのっ! 料理の練習のためにお弁当作って、その在庫処理を頼んでるだけっ!」
「なんと」
「まったく……あ、それと貧乳とか言うな。女性に対する言葉じゃないわよ」
「分かったぞ、えぐれ乳」
言われた通りにしたのに、どうした訳かかなみの機嫌がすごいことになった。
「ふんっ!」
「前が見えねえ」
あと、俺の顔もすごいことになった。主に暴力的なサムシングで。
「自業自得よ、馬鹿っ!」
「いやはや。ところでかなみ、何がダウトなのだ?」
「は?」
「いや、なんか俺が嫌な天気だなとかって言ったら、お前がダウトって言ったろ。それについてね」
397 :
2/2:2012/10/23(火) 22:02:50.24 0
「ああ。ほら、お百姓さんにとっては、雨は嫌な天気じゃないでしょ、って話をしたかったんだけど、もういっぱいアンタと話せたから満足しちゃったからいーの」
「なるほど。ところでかなみ」
手をひらひらさせてなんでもなく言ってるが、少しだけ気になることが。
「あによ。まだ何かあるの?」
「俺といっぱい話がしたかったのですか?」
「? ……〜〜〜〜〜っ!?」
自分の台詞を思い出したのか、かなみの顔がみるみる赤くなっていく。
「ちっ、違うわよ! そんなわけないじゃない! 何をうぬぼれてるのよ、ばか、ばーか! 誰がアンタなんかと! べーっだ!」
「ちなみに俺はかなみといっぱい話したい」
「……! し、し、知らないわよ、アンタのことなんてっ!」
「だから教えてるんじゃないか」
「う、うっさい! 教えるな、ばかっ!」
「いやはや」
「……ま、まあ。あたしは心が広いから、ちょっとくらいなら、アンタとおしゃべりしてあげてもいいわよ?」
「あ、今日はもういっぱい喋ったので結構です」(NOという感じの手をつきつけながら)
「そーゆートコ大っ嫌い!」
「いていて」
軽い冗談だったのだが、頭をがじがじかじられて大変に痛い。
「嘘嘘、冗談ですよかなみさん。いつでもいつだってウエルカムですよ」
「うー……ホントに?」
「いや、どうだろう。例えば俺が便所で頑張ってるところに突然やってきて『開けろ! 開けろぉ!』とドアをドンドン叩かれては、さしもの俺もウエルカムとはとてもじゃないが」
「ふつーにそうだよって言え!」
「は、はい、そうです。いつでも来てください」
「……わ、分かった。しょーがないから、またお喋りしたげる。か、感謝しなさいよね!?」
「ああはいはい」
俺の目の前にちょこんと立つと、かなみはそう偉そうに言った。可愛かったので頭をなでる。
「う、うー……なでるのなんて許可してないわよ、ばか」
「なんと」
「なんとじゃないわよ、ばか」
と言いながらも、手を払いのけないかなみさん超善人。
良い乙女だ……
GJ!
>>397 これは素晴らしいイチャイチャ的なサムシング!かなみんはやっぱり最高だぜ!
ていうか明らかに付き合ってるよなこいつら
お弁当作ったりいっぱいお話したがったり家に遊びに通い詰めてたり
もはや嫁ですなあ、かなみさん(*´д`)
お題
つ・何となくやり切れない気分になっているツンデレ
・ツンデレに不意にプレゼントを渡してみたら(かなみさんVer.)
男「かなみってさ、なんか欲しいものある?」
女「欲しいものねぇ……教えたら私にくれるわけ?」
男「まぁ、一応な。これからクリスマスとかバレンタインとか控えてるし」
女「そういうのはさりげなく聞いて、忘れた頃に渡すのがセオリーでしょ?」
男「そうか? 俺は毎年、欲しいものがないか相手に聞くぞ。その方が外れないし」
女「だからあんたは駄目なのよ。女の子は直接そういうこと聞かれると萎えるんだから」
男「んー……俺としちゃ、プレゼントしてがっかりされる方がしんどいけどなぁ」
女「気持ちよ、気持ち。それでがっかりするくらいなら、その人の人間性が未熟ってだけよ」
男「なるほどなぁ……で、かなみは何が欲しいんだ?」
女「そうねぇ……特に何も欲しいものはない、かな」
男「それはそれで困るな。無理にでもリクエストしてくれた方がこっちは助かるけど」
女「……じゃあさ、こういうのはどう?」ギュッ
男「うぉっ……ど、どうしたんだかなみ?」
女「他になぁんにもいらないから……クリスマスとバレンタインだけは、二人きりで居させてほしいな」
男「……え、えーっと……それは……」ドキドキ
女「……なんちゃってね! なにどぎまぎしてるのよ、スケベ!」ヒョイッ
男「あ、あれっ?」
女「あんたの今のスケベ顔が、一番のプレゼントよ!」ベーッ
男「は、はぁ……」
男(……ま、一応クリスマスとバレンタインの予定は空けとくかな)」
・間接キスならず
男「よう、かなみ。待ってたぞ」
女「別に待っててなんて言ってないわよ。先に帰れば良かったのに」
男「そういうなって。俺だって一人で帰るの寂しいんだよ」
女「何が寂しいんだよ、よ。気持ち悪いわね……へくしっ!」
男「おいおい、大丈夫か?」
女「あ、あんたが寒い台詞言うからでしょ! 体感温度が5℃は下がったわ……」プルプル
男「全部俺のせいかよ……あ、そうだ。寒いんならコーヒー飲むか? 俺の飲みかけだけど」
女「えっ? な、なんで私があんたの飲みかけなんか……」
男「さっき買ったばっかだから、まだ温かいぞ。遠慮すんな」
女「でも、それって間接キs……」
男「えっ?」
女「いや、何でもない……とりあえず、もらえる物はもらっておいてあげるわ」
男「そっか、じゃあちょっと待てよ」キュッキュッ
女「あ、ちょっと! なんで飲み口を拭うのよ!?」
男「なんでって……マナーとして普通そうするだろ。汚いし」
女「そりゃ確かにあんたの口は臭くて汚いけど、そこまでする必要は……」
男「お前、本っ当に口悪いな……いいから、飲めよ」
女「……」ブスッ
男「なんで機嫌悪くなってんだよ?」
女「べっつに!!」プィッ
男「……?」
女(あー、もう!! これじゃ間接キスにならないじゃないのよ……!!)
おおお
連続でGJキター!!
かなみさんかあいいよwwww
このかなみさんは良いかなみさんだ
GJ!!
いや、悪いかなみさんとかいないんですけどね
・いるもの、いらないもの
女「……最近ちまたでは……断捨離なるものが流行っているらしい……」
男「おぉ、知ってる知ってる。いらないものを積極的に捨てて身軽になろうって奴だろ?」
女「そう、それ……という訳で……今からタカシの部屋で……断捨離を決行する……イェーイ」
男「待て。自分で言うのも何だが、俺の部屋は整理整頓できてるから、断捨離なんてする必要ないぞ」
女「断捨離は整理整頓とは違う……物を捨てることによって物への執着を断つ作業を言うのだ……」
男「言ってることは分かるけど、なんでそれをちなみが先導してやるかなぁ」
女「タカシ一人じゃ捨てきれない物もある……例えばこの、いらなくなったAVとか……」
男「おいっ!! どっからそんなもん引っ張り出してきた!?」
女「タカシのベッドの下から……これは必要ないので……こちらの『いらないものBOX』へドーン……」ポイッ
男「うわぁぁぁぁぁ!?」
女「そしてこの……鬼畜系エロ漫画も……『いらないものBOX』へドーン……」
男「待てそれは俺の宝物で……!!」
女「問答無用……さらにこの某有名ギャルゲも……ドドドーン……」
男「つーかさっきから俺の性関係のもんばっか捨ててんじゃねーか!」
女「……じゃあ、取っといていつか見るの……? この埃被ったAVとか……一度クリアしたゲームとか」
男「うっ……まぁ、多分いつか見るんじゃないかなぁ……」
女「……どうしても取っときたいなら……この『いるものBOX』に入れ直せ……」
男「『いるものBOX』……今んとこ活躍の場が0だな」
女「……」テクテク、ヒョコッ
男「で、君は何をしているの?」
女「……私はタカシにとって必要なもの……だから、『いるものBOX』に入る……」
男「お前が入ってると『いるものBOX』使えないんだけど」
女「……」ニヤリ
男「確信犯かよ!!」
>>406 エロ系捨てるのは予想の範囲内だったが
自分でいるものBOXに入るちなみさんさすがです
ああ、かなみんもちなみんもかわいい
俺今日なら死んでもいいや
お嬢もかつみんもみこちんもまつりんもあずあずもかわいい
「で、映画の前に昼飯でいいんだよな?」
電車を降りて改札を抜けると、タカシが一度立ち止まって私達に確認する。私はそれ
に頷いて答えた。
「だって、上映二時半からじゃない。二時に映画館に入るとしても一時間以上あるし。
ていうか、その為に早めに集まったのに、わざわざ確認する必要あるの?」
「ああ、いや。念の為にと思ってさ。で、何食いたい?」
すると、彩花が真っ先に手を上げた。
「はいはい。私、ラーメンがいいな」
「はぁ?」
私は思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。正直、彩花の口からその意見が出てくる
とはまるで予想していなかったからだ。
「何? 私、何かおかしい事言ったかな?」
向こうも意外そうな顔で首を傾げて私を見つめる。私は首を左右に振って気を取り直
すと、ごまかすようにこめかみの辺りをポリポリと手で掻いてわずかに視線を逸らしつ
つ答える。
「べ、別におかしくはないけど、ちょっと意外って思っただけで…… タカシもそう思
わなかった?」
「は? 俺?」
唐突に振られて戸惑った態度を見せるタカシだったが、すぐに気を取り直したのか、
ちょっと考えてから答えた。
「うん。まあ彩ちゃんがラーメンってのはちょっと意外かもな。パスタとかサンドウィッ
チとか、そっちの方をイメージするし。どっちかと言えば、香菜美の方が言い出しそう
だと思ったけど」
「何で私なのよっ!!」
その言い方にはちょっと引っ掛かるものがあったので、私は即座に突っ込む。
「フン。どーせ、私の方が女の子らしくないとかそういう事言いたいんでしょ? タカ
シのバカ。バーカバカ。ホント、失礼なんだから」
「おいおい。誰もそんな事言ってないだろ?」
悪態を吐く私に、タカシは心外そうな態度を見せる。しかし、私は挑みかかるように
睨み付けると、さらに文句を言い続けた。
「口には出してなくても、顔にそう書いてあるもの。彩花は女の子らしくてオシャレな
雰囲気が似合うけど、私はガサツだって」
「香菜美はひがんでるのよね。タッくんに私と比較して、女の子らしく思われてないっ
て思ったから」
クスクス笑いながら指摘する彩花に、私はハッと我に返る。それから急いで二人に弁
解した。
「ちっ……違うわよっ!! 別にタカシに何と思われようが構わないけど……っていう
か、単にムカついただけよ。こんな男らしさの欠片もないような奴に、女の子らしくな
い扱いされたから!!」
ムキになったり必死さが見えたりしていないだろうかと、私はちょっと不安に思って
タカシを見た。すぐ傍で彩花が面白そうな顔をして見ているのが癪に障ったが、ここで
怒ると墓穴を掘りそうなので、グッと我慢する。
「別に、ラーメンが好きとか、パスタが好きとかで女の子らしさを決めるつもりなんて
ないけどな」
サラッと自然な雰囲気でタカシが答えた。私は一瞬、ハッとしてタカシを見たが、す
ぐに反撥心が湧いて出て、また睨み付ける。
「嘘よ。仮にそういうつもりが無かったとしても、心の片隅で絶対私と彩花を比較して
見てたに決まってるわ」
そう決め付けられても、タカシはムキになって言い返すことは無かった。小さく肩を
すくめて、チラリと彩花に意味ありげな視線を送ってから、私に向かってやや呆れた表
情をしてみせた。
「お前がそうとしか思わないってんなら仕方ないけどさ。そもそも、女の子らしいとか
らしくないとかって、好み一つで決まるものなのかな? どう思う?」
「ど、どう思うって聞かれても……そんなの分かんないわよ。っていうか、逆質問なん
てズルい」
答えが思いつかなくて、ぶちぶちと文句を言うと、タカシは微笑んで見せた。
「いや。香菜美のいう女の子らしさってどういうものなのかなって思って。単に可愛ら
しい服着て、オシャレなお店好んでいれば女の子らしいってのもまた違うんじゃないかっ
て俺は思うんだけど」
「じゃあ聞くけど、アンタの考えてる女の子らしさってどういうものなのよ?」
苛立ちよりも興味の方が勝って、私は聞く。するとタカシは難しい顔をして考え込む
ように途切れ途切れに答えた。
「うーん…… そう言われても、あくまで俺視点からでしか答えられないけど……細や
かな気配りとか出来たりとかってのは、一つあると思う。後は、実は繊細で傷付きやす
かったりとか、性格がまめだったりとか…… まあとにかくさ。食べ物とか服のセンス
で決めるようなもんじゃないとは思うよ」
「今のって、私に該当するようなもの、一つもなくない?」
半ば不満に、半ば不安に思いつつタカシに質問すると、タカシはすぐに否定してきた。
「いや、そんな事ないぞ。香菜美って俺の髪型とか服装が乱れてるとすぐにチェックし
て直せ直せってうるさいじゃん。まあ、指摘の仕方ってのもあるけど、でもそういう細
かい所は女の子らしいと思うけどな」
「それは、アンタがだらしないと私まで同類に思われて嫌だからよ。っていうか、アン
タそれって、悪い意味で女の子らしいとか思ってないでしょうね? うざったいとか」
「お前ってすぐ悪く取るよな。確かに言われた時はそう思うこともあるけどさ。概ね、
感謝してるんだぜ。動機はどうあれ、注意してくれるってのはありがたい事だし」
いささか呆れつつも、素直にお礼を言われて私は何か、酷く気恥ずかしくなった。
「フ……フンッ!! べ、別にそんな……アンタの為を思ってやったとか、そんなんじゃ
ないんだから……」
ついつい視線を外してうつむいてしまった。ちょっと顔が火照っているのを自覚する。
と、背後から唐突に抱きつかれた。
「良かったね、香菜美。タッくんに女の子らしいって、ちゃんと思われてて」
「だあーっ!! あ、彩花!! いきなり抱きついてこないでよ、うっとうしいわね!!」
顔の間近に顔を寄せて、彩花は嬉しそうに笑った。振り解こうともがいてみせるも、
巻きついた両腕は離れようとしない。
「だって、私も嬉しいんだもん。香菜美が褒められるのは。だから、喜びを共有しよう
と思って」
「だからって抱きつく事はないでしょ? 全く、高校生にもなって甘えてくんな!!
いっくら双子だからって、人目あるってのに」
「そんなの気にしてたら、香菜美と仲良く出来ないじゃない。いーの。今は、香菜美に
くっ付きたい気分だったんだから」
「分かったから離れなさいってば!! 私はうっとうしいの。彩花が喜んでくれてるの
は良く分かったけど、私は別に嬉しくもないし」
「嘘。照れて視線逸らしてたの、ちゃんと見てたもの。他の人はごまかせても、私の視
線はごまかせないわよ」
「そういう事言わないの!! タカシが誤解したらどうすんのよ!!」
こんな事で変に勘繰られたくないとタカシを見たら、いつの間にか私達とちょっと距
離を置いて、携帯なんかを開いて見ていた。
「ちょっと、彩花。タカシにまで他人のフリされてるじゃないのよ!! ほら!!」
体を揺すって彩花を振り解くと、今度は素直に私から離れ、彩花はタカシに詰め寄った。
「タッくん酷いっ!! 何で知らん振りしてるのよ!!」
「い、いや。俺、割って入る余地無かったからさ。二人の話が終わるまでは係わんない
方がいいかなって思って」
慌てて弁解するタカシを前に、私はちょっと意地悪な気分で口を挟んだ。
「フーン…… どうせ、私達と同類に見られるのが嫌だからって、素知らぬ顔決め込ん
でたんじゃないの?」
「えー。タッくんってば、私達のこと、そういう風に見てたんだ。信じられない。私は、
タッくんも一緒だと思ってたのに」
彩花に詰め寄られ、タカシは必死で否定しつつ、私に向かって抗議して来る。
「違うってば。誤解だから、彩ちゃん。つか香菜美、お前分かってて火に油注ぐような
事言ってるだろ。ふざけんなよ」
「なんで私のせいになるのよ? 私達のやり取り無視して離れた場所で携帯いじってた
んだから、言い訳の余地もないと思うんだけど」
タカシが真剣に困っているのが内心ちょっと面白く思いつつ、私は軽く一蹴する。彩
花に睨み付けられ、私にはそっぽを向かれ、味方がいないのを確認したタカシは、ガクッ
と首を折って敗北を認めた。
「分かった。悪かったよ。少なくとも他人のフリしてた事は謝る。けど、こんな往来で
姉妹でベタベタしてれば目立つって事も、少しは分かってくれよな」
どうやら、多少は自分を正当化したかったらしく、タカシは一言余分な忠告を付け加
える。とはいえ彩花には一言ある私もそれには同意だったので、彩花に文句言おうと振
り向いたその途端、彩花が私にくっ付いて来た。
「あら? 私達仲良し姉妹なんだもん。別にいいと思うんだけど。それに香菜美。あの
程度のやり取りなら、どこでも当たり前にやってる事だもん」
「だから当たり前にやらないでっつってんの。人目引いて恥ずかしいから、タカシだっ
て他人のフリしたりするのよ。分かる? 全部彩花が悪いんだからね」
軽く腕を振って彩花を振り払うと、彩花は私の体からは離れたものの、恨みがましそ
うに私を睨み付けた。
「ズルイわよ、香菜美。上手い事タッくんの味方して点数稼ぎしようとするなんて。こ
のひきょーもの」
「誰が卑怯者よ。タカシなんて関係ないわ。単に彩花に人前で私にくっ付くなってそれ
だけよ。もう高校生なんだから、いつまでも甘えるのなしだって」
「ヤダ。いくつになっても私達の関係は永遠だもん。変わるなんて認めたくないわ。も
ちろんタッくんもね」
「で、飯どうすんだよ。ラーメンでいいのか?」
いつまでも終わりそうにない私達のやり取りに、いい加減飽き飽きした声でタカシが
割り込んでくる。私もいい加減打ち切りたかったから、今回はタカシに乗らせてもらう
事にした。
「私は別に構わないわよ。ラーメン好きだし。行くならモールの中じゃなくて、商店街
のほのぼの亭がいいな。あそこの辛味噌ラーメンすっごい美味しいから」
「ホント? 香菜美が美味しいって言うなら絶対美味しいに決まってるわ。じゃあそこ
にしましょうよ。うん」
即座に食い付いて来た彩花を見て、タカシは何だか子供を見るような顔つきで僅かに笑うような吐息を漏らして頷く。
「いいよ。俺は特にリクエストはないから、行きたいトコがあるならそこにするか」
「じゃあ決まりね。タッくん、香菜美。行こ? 私、もうお腹空いちゃったから」
彩花が片手で私の腕を、もう片手でタカシの腕を取る。私はそれに一瞬顔をしかめて
から、ふとタカシを見た。するとタカシもちょうど私を見つめたので、視線が交錯する。
声に出さずに表情で彩花への不満をタカシに示すと、タカシは呆れた感じで首を横に振
り、肩をすくめてみせた。
「ほら、早く」
彩花に急かされつつも、一瞬、タカシと共通の意志が交わせた事に、私はちょっと嬉
しさを覚えたのだった。
続く
さて、飯食って仕事行かねばな
あやちんもかなみんも可愛いのでタカシは爆発しやがってください
お題
・普段はツインテールのツンデレさんが髪を降ろしたのを男が見てドキッとしちゃったら
419 :
1/2:2012/10/25(木) 19:25:52.14 0
【普段はツインテールのツンデレさんが髪を降ろしたのを男が見てドキッとしちゃったら】
いつものようにふらふら登校してると、前を行く女生徒の中に見知った尻を見つけた。だが、いつもと何か違う。奇妙な違和感が。なんだ? ……あ。
「あああああ!」
「うわっ!? な、何!? ……って、アンタか。今日も頭おかしいわね」
思わず件の女生徒、つまりかなみに駆け寄る。
「そんなのどうでもいいんです! 頭から垂れてた昆布がなくなってますよ! 食べちゃった!?」
「昆布じゃないっ! 髪! ツインテールだって何百回と言ってるでしょうがっ!」
「そう、そのそれ! なんかないよ! どしたの? そんな食うに困るほど困窮してたのなら、俺に言ってくれればいいのに。少しなら金貸すよ?」
「だから昆布じゃないって言ってるでしょ、この鳥頭! ちょっとしたイメチェンよ、イメチェン。……で、ど、どう?」
「ムリダナ」
「無理ってどういうことよっ!?」
おや、突然アイアンクローをされましたよ。こめかみが割れるようです。
「今すぐに離さないと全力で泣き叫びますがよろしいか!?」
「あにを情けないことを堂々と言ってるのよっ!」
とはいえ流石の暴虐王かなみも往来で泣かれるのもどうかと思ったのだろう、手を離してくれた。大変痛かった。
「……て、ていうか、なによ。無理って」
「いやね、いつものツインテール? っていうの? その髪型だと背や胸と相まって非常に幼女感が高かったのに、そんなストレートだと幼女感が消えちゃうじゃないですか」
「幼女じゃないっ!」
「いいえ」
「いいえ!?」
「だというのに、そんな髪を下ろしたりしたら……ドキドキするじゃねえか!」
「えっ」
「いつもは可愛いって感じなのに、髪型を変えたら綺麗ってのはどういうことだコンチクショウ! アレか、俺を混乱させて楽しんでいるのか?」
「え、あ、あの……あ、あたし、綺麗なの?」
「おや、口裂け女ですか。初めまして」
「初めましてッ!」
口裂け女が僕の首を絞めてきます。
「げほっげほっ……あのさ、死ぬから」
420 :
2/2:2012/10/25(木) 19:26:24.05 0
「うっさい! ……じゃ、じゃなくて。……あ、あの、その。……ほ、ホントに、その、そーゆー感じなの?」
「まあ、その、なんというか。そういう可能性も無きにしも非ずと言うか」
「……つまり、どーゆーコト?」
楽しくなっちゃったのか、かなみは小さく笑いながら俺のわき腹をつんつん突ついた。
「だ、だから、そのだな。さっき言った感じなのですよ」
「さっきって?」
「だ、だから。つい先刻ですよ」
「なんて言ったの? ねーねー。ねーってば?」
「だ、だからぁ」
う。コイツ分かってて訊ねてやがるな。なんて笑顔だ。
「……だから、その。……き、綺麗だな、って」
ああもう。ああもう。超恥ずかしい。なんて拷問だ。
「……へへー。じゃ、特別に、明日からもこの髪型でいてあげるね?」
「あ、それはいいです」(NOという感じの手を突きつけながら)
「はぁ!? なんでよ!」
「前にも言ったが、幼女感がなくなるので」
「あによそれ! さっきまであんなにいい雰囲気だったのに! このロリコン!」
「はい!」(ちょお笑顔)
「うわぁ……」
「あ、大丈夫大丈夫。かなみ以外には手を出さない紳士ですから」
「あたしにも手を出すなっ!」
「ぬぅ……だ、だが、そんな扇情的なまな板を持ってたら、誰もが触りたくなるに決まってるじゃないか!」
「ほう。いい度胸だ」
「おや、胸をまな板に例えるのは駄目でしたか。これはいけない」
かなみから殺気が巻き起こったので、逃げる。
「あっ、こら逃げるなロリコン! 待ちなさいよーっ!」
という感じで、朝っぱらから駆け足で学校へ向かう極めて健康的な俺たちだった。
>>420 もうこいつら結婚しろよwww
GJ!!
お題
・友ちゃんが「最近記事にするようなイチャラブなネタがないー」とか言ってる
・隣にいた山田がいきなりキスして「これでネタできたでしょ?」とか言う
・嫌そうな口振りをしながらも友ちゃんがもう一度キスを求めてくる
・それを陰で見ながらニヤニヤしていたツンデレさんたちも感化されてチュッチュし始める
・全員爆発すればいいのにと俺が思う
自分の妄想に嫉妬すんなwww
いやまあ、気持ちはとてもよく分かるが
ネタに困った時のお題短編
・僕っ娘におかし作りをしようと誘われた男、渋々ながらも手伝うことに
・超大作ショートケーキの構想を聞かされ、本当に出来るのかと少々うんざり
・しかし、エプロンを着て三角巾を身に着けた僕っ娘にハァハァしたため、心は一転、俄然やる気に
・粉をふるい、卵を割り、メレンゲを作っている最中、力仕事ばかり割り振られていることに気付きブーイング
・けれどそんな男を華麗に無視して、僕っ娘は淡々と作業をこなしていく
・その慣れた手つきに感心していると、不意に跳ねたホイップクリームが僕っ娘の頬へ付着
・何の気なしにそのクリームを指ですくい、舌でペロリと舐める男
・男の行動に、顔を真っ赤にさせてポカポカパンチを繰り出す僕っ娘、逃げ惑う男
・そんなこんなで生地は焼き上がり、先程のパンチで顔を腫らした男がクリームを塗ることに
・すると、さっきのお返しとばかりに、僕っ娘は両手のふさがった男の頬に、ペタペタとクリームを塗りつける
・男が勿体ないだろと怒ると、こうするから勿体なくないと、男の頬に口づけをしてクリームを舐め取る僕っ娘
・あたふたと焦る男、ドヤ顔と照れ顔の混じった複雑な表情を見せる僕っ娘
・要するに、二人の関係はケーキよりも甘かったという、そんなお話
>>427 ええい、相変わらずお題という名前で完成してやがって!
ニヤニヤしちまったじゃねえかGJ!!
429 :
ほんわか名無しさん:2012/10/26(金) 06:42:31.97 0
つ・男は本屋でエロ本を買う常連のようです
つ・店長に顔を覚えられてオススメを買うことが多いようです
つ・ツンデレさんが聞きつけました
つ・店長に頼んでとんでもないことをしでかしそうです
・ツンデレが嫁に行く日を想像して号泣する男
・男は自分がツンデレの旦那になるとは夢にも思っていないようです
・焦れたツンデレは男に告白しました
・神前結婚が良いかチャペルが良いか揉めるツンデレたち
ああ……
俺もツンデレに花嫁衣装着せたいよ。
くそぅくそぅ
おお 5,6年ぶりに見つけた
誰か「ツンデレ学園」ってネタ覚えてる人います?
……来たか
超懐かしいなツンデレ学園ww
学園を卒業して恋人になったツンデレに
そういえば、こんなこと言ってたよな
って思い出話をしてからかいたい
そして顔真っ赤にしてるツンデレに
今も素直じゃないよなあ、って頭なでなでしたい
>>424 友「はー、最近良いネタが無くてつまんないわー。カメラも嘆いてるに違いないわ」
山「…もう十分撮ったんじゃないの」
友「何言ってんのよ。これから寒くなって、手を繋いだり、抱き合ったりして温もりを共有できる季節でしょうが」
山「そうだけどさ、外でよりも家でいちゃいちゃしてるかもね」
友「むぅ、最近の若者は…」
山「友ちゃんも若者でしょ」
友「あーもうつまんない〜!!山田あんたどうにかしなさい!!」
山「どうにかって、そんな無茶な」
友「いいからどうにかしろー!」
山「…しょうがないなぁ」
ちゅっ
友「んぅ…?…へ?な、なに…」
山「これでネタ出来たでしょ?」
友「あ、あ、あんた、何してくれてんのよ!!」
山「だってどうにかしろって言うから」
友「私にしてどうすんのよ!!」
山「ん?他の子にしたほうが良かった?」
友「…ぁぅ…そ、それは…だめ…だけど」
山「…ふふ。確かにこれは良いネタだね」
友「うー私で遊ぶなー!」
437 :
1/2:2012/10/27(土) 05:25:34.10 0
>>425 友「…ところであんた」
山「なーに?」
友「ほんとに私以外にしてないでしょうね?」
山「なにが?」
友「その…ちゅ、ちゅー…とか…」
山「んあ?」
友「あーもう他の女の子にキスしてないでしょうねって聞いてんの!!」
山「するわけないじゃん。ボクは友ちゃん一筋…だよ?」
友「どーだか。あんた見かけはいい人そうに振る舞っていつもニコニコして優しいけど、実際はむっつりだし」
山「?」
友「かなみともけっこう仲いいし、飄々と唇奪ったりしてるんじゃないの」
山「…そんなことしたらタカシに殺されるよ」
友「と、とにかく!!あんた絶対他の子にしたらダメだからね!」
山「してないし、しないよ」
友「…むー…」
山「信用してもらえない?困ったなぁ」
友「…ん」
山「ん?」
友「…もっかい、しなさい。そしたら信用してあげる」
山「…はいはい」
友「はいは一回で良いの!ほら、さっさとする!」
山「かしこまりました…」
438 :
1/2:2012/10/27(土) 05:26:08.68 0
タ「…なにやってんだあいつら」
か「全く、勝手にやり玉に挙げられていい迷惑なんだけど」
タ「俺は気にしないけどな?」
か「…どーゆーことよ。あたしが他の男とキスとかしてても悔しくないわけ?」
タ「…悔しいって思って欲しいのか?」ニヤニヤ
か「あっ…そ、そーゆーわけじゃないけど!」
タ「ちょっと冗談言っただけだよ。俺以外にお前とキスした男が居たら、ただじゃおかねーって」
か「…ふん」
タ「俺だってかなみ一筋だよ?」
か「…信用してほしいなら、行動で示してよ」
タ「…なるほど。じゃ、目、瞑って」
か「ん…」
>>436,438
確かにお前ら全員爆発しろwwww
>>436,438
お題採用サンクス!
これは確かに末永く爆発すべきwww
GJ!!
>>438 これは素晴らしいイチャイチャっぷり
GJ&爆発しろ!
昨日初めてツンデレ物ってジャンルのAVを見たんだが、コレジャナイ感が半端なかった
ドラマとか映画ならまだしもAVじゃ無理だろうなー
なかなかエロには直結しづらい属性だし
気抜いたら落ちてたー
・オナ禁中の男にちょっかいを出すツンデレ
お仕事終わったら書くかも
周りに誰もいないのを確認してから頭を無言で預けてなでなで要求してくる友ちゃんかわいい
友ちゃんって本当に好きな人の前ではもじもじしてそう
ツンデレやタカシには色々と言ってくるのにね
ツンデレさんや男の前では恋愛上級者のような風を吹かせておきながら、
想い人の前では誰よりも不器用な友ちゃんが大好き
VIP鯖落ちか?
なんか落ちてるっぽいね
453 :
1/5:2012/10/29(月) 00:42:45.27 0
・男をスルーするツンデレとスルー出来ないツンデレ 〜前編〜
「やっべ。降り出して来ちまったか」
昇降口で、俺は恨めしそうに空を見上げる。予報では50%の確率。持とうか持たないか、
迷ってるうちに気付いたら登校時間になり、慌てて準備して家を出たら結局忘れて出たと
いうオチ。これは神の啓示だ。持たずに出たという事は雨は降らないと自分に言い聞かせ
たものの、結局コレだ。
「せめて補習が無ければ、振り出す前に家に着けたんだろうけどなあ……」
自分の悪運に、つくづく嫌になる。今日に限って数Uの抜き打ち小テストでしかも30点
満点中10点未満は補習。何もこんな雨振りそうな日にやらなくてもいいと思うのだが。唯
一の慰めは、数学の根本先生が美人だってことくらいだ。
「やれやれ。こんな時、マンガとかなら可愛らしいヒロインが傘に入れてくれたりするも
んだけどなあ……」
使い古されているのは、それだけありがちなシチュエーションだからだと思うのだ。頭
の中で、俺にそういう幸運をもたらしてくれそうな女子を何人か思い浮かべてみる。しか
し、俺は途中で思考を止めてため息を吐いた。
「つっても、この時間じゃ帰っていないか。雨だから、屋内系の部活以外は中止だろうし」
一番可能性の高い女子――椎水かなみは、小学校の時からの腐れ縁で、今はテニス部に
所属している。という事は、今日はもうとっくに帰ったろう。そして、帰る方向も含める
と、あと傘に入れてくれる女子は想像付かない。
「別に男でもいーんだ。この際、贅沢は言わん。コンビニまで到達させてくれれば、それ
で傘買えるからよ」
その代わり、今月の小遣いはかなり乏しくなる。地面を潤すくせに、俺の財布は干上が
らせるのかと恨めしく思って天を見上げたその時だった。
『何してるの?』
何と、妄想が現実になったかのような女子の声に、俺は思わず振り返った。視線の先に
は、ショートボブの髪型に目のクリッとした制服姿の女の子が立っていた。とはいえ、期
待していたような展開には、残念ながら程遠い関係であったが。何故ならその子は、俺の
妹だったから。
454 :
2/5:2012/10/29(月) 00:43:16.50 0
「何だ、舞か。お前こそどうしたんだよ? こんな時間まで。もうとっくに授業終わって
たろ?」
一学年下とはいえ、時間割の区割りは同じだったはずだ。すると舞は、鬱陶しそうな態
度でため息をつきながら、低いトーンで答える。
『委員会。美化委員なんてめんどくさい係になっちゃってさ。校内の生徒が使うゴミ箱の
チェックしてさ。ゴミの分別が出来てるかどうかとか。で、出来てない組はクラス委員長
に報告して改善させるとか。もー、ホントにめんどくさい』
本当にうんざりした声で文句を言ってから、舞はジロリと俺を睨み上げた。
『で、バカ兄貴は何で残ってるの? どーせまた補習とか?』
俺は驚いて目を見開き、頷く。
「ああ。何で分かったんだ? お前、もしかしてエスパーとか」
すると舞は、もう一度呆れたように深くため息をついて首を振った。
『バカじゃないの? 兄貴が遅くまで残ってるなんて、補習くらいしか思いつかないじゃ
ない。それもどーせ、数学とかでしょ。ホント、懲りないんだから』
次は教科まで言い当てられて、俺はウーンと唸った。
「何ていうか、そこまで見透かされてると気持ち悪いよな。兄妹だから、何かの意思疎通
でもあんのかとか思っちまうぞ」
どうしても超常現象にしてみたくなる俺に対して、妹はまたしてもキッパリと拒絶して
来た。
『そんなの、兄貴の苦手科目くらい一緒に暮らしてれば嫌でも情報として入って来るから
に決まってるでしょ? 勘とかじゃなくて、論理的な推理よ。それにどうせ、根本先生が
美人だから、補習受けるのも悪くないとか思ってるくせに。このスケベ』
「バ、バカ言うなよ。補習がいいとか思ってるわけないだろ。大体、美人ったって七つも
年上じゃん。離れ過ぎだろ」
否定しつつも、俺は舞の洞察力の鋭さに舌を巻かざるを得なかった。基本、年齢プラス
マイナス2くらいの同世代の子しか恋愛対象にしてない俺でも、根本先生には時々ドキッ
とする事があるのだ。今年まだ教師二年目の彼女は、それでも年が近いせいか生徒からの
人気は高い。
『フン。どうだかね。鼻の下伸ばしながら補習聞いてたりしてるから、一向に成績上がん
ないんじゃないの?』
455 :
3/5:2012/10/29(月) 00:43:47.66 0
疑わしげに言ってくる舞に、ふとからかってみるつもりで俺は言った。
「何だよ、妙に突っ掛かってきてさ。お前、もしかして妬いてんのか?」
すると見る間に舞の表情が険しくなり、顔が真っ赤に染まった。そしてすごい剣幕で怒
鳴りつけてくる。
『バカじゃないのっ!! 何で私がバカ兄貴なんかに嫉妬しなくちゃいけないのよっ!!
死んじゃえば。気持ち悪いっ!!』
うん。自ら蒔いた種とはいえ、妹に死ねと言われるのはちょっとキツイ。
「冗談だって。そこまで怒る事ないだろ。そんなに興奮してると、むしろ図星突かれたと
か誤解されるぞ」
すると舞は、一瞬言葉にウッと詰まった後で、プイッとそっぽを向いた。
『笑えない冗談って大嫌いなのよっ!! そういう無神経な事ばかりしてるから、いつま
で経ってもかな……彼女の一人も出来ないのよ』
コイツ、今一瞬かなみって言おうとしただろと察して俺は苦い顔をした。無論、舞とも
幼馴染だからだ。
「悪かったな。無神経で。つか、女ってのは意味わかんないトコで急に不機嫌になったり
するからな。理解不能だよ」
痛いトコ突かれたのでちょっと不機嫌になって性別全般に八つ当たりすると、即座に切
り返された。
『それは兄貴が、バカ、だから。相手の気持ちになって思いやってみれば、完全じゃなく
たって少しくらいは理解出来るわよ。自分の気持ちばっか優先させるから無神経って言わ
れるの。分かる?』
正論で畳み掛けられると、もうお手上げだ。もちろんまだ言い返せることはあるが、最
終的には舞の頭の回転には付いて行けず、言い負かされるのはこっちになるからだ。
「分かったよ。俺が悪かった。申し訳ない。で、お前、もう帰るのか?」
降参して白旗を揚げてから、聞くまでもない事を確認する。案の定、舞には変な顔をさ
れた。
『は? 当たり前でしょ? 何でそんなこといちいち聞くのよ。見れば分かるでしょ。バ
カじゃないの?』
またバカと言われたが、そこは無視して俺は話を続ける。今の俺には、とにもかくにも
舞に縋らなければならない事情があるからだ。
456 :
4/5:2012/10/29(月) 00:44:19.38 0
「いや、その……入れてもらおうと思ってさ」
『ヤダ』
俺の願いは、コンマ0.2秒で否定された。
「おま……いとも簡単に否定するなよ。兄貴が困ってるっていうのにさ」
兄妹間の情に訴え掛けてみるも、まるで虫でも払われるかのようにシッシッて手を振ら
れた。
『天気予報見てたくせに、傘も持って来ないようなバカ兄貴に掛ける情けなんてある訳な
いでしょ? 自業自得よ。濡れて帰れ』
どうやら、俺の事情は完璧に理解しているらしい。だか、俺もここで引き下がる訳には
行かなかった。
「冷たいこと言うなよ。どうせ同じ家に帰るんだからいいだろ。傘に入るのは近くのコン
ビニまででいいからさ。な?」
懇願する俺に、舞の態度はにべも無かった。
『近くのコンビニって言ったって、坂の下じゃん。歩いて5分は掛かるでしょ? その間
に誰か知り合いにでも見られたらどうすんのよ。あらぬ嫌疑でも掛けられたら、私もう学
校来れなくなっちゃうってば』
断固として拒否を貫く妹を何とか説得しようと、俺は踏ん張った。
「あらぬ嫌疑って、兄妹だろ。素直に言えば、誤解なんてされないって」
『それが嫌なの!!』
手厳しい口調で、ピシャリと舞は一蹴する。
『兄貴と同じ学校だなんて、まるでお兄ちゃん子だなんて思われるのが嫌だから、みんな
にも内緒にしてんのに。今日はもう、大体みんな帰ったけど、それでも部活の子とか、知
り合いに見られる可能性あるんだから、今ここでこうしてしゃべってるのだって嫌なんだ
からね』
「だったら、最初から声掛けずに、スルーすれば良かったろ? そこまで嫌だったらさ」
舞の気持ちは分からないでもなかったが、さすがに兄としては面白い気分ではない。そ
れでつい、ちょっと自棄になって言ったら、舞はブスッとしたまま俯いて小さな声で言い
返す。
457 :
5/5:2012/10/29(月) 00:44:50.51 0
『それはちょっと……つい油断して…… でも、ここまで長話するつもりもなかったし、
それにどうせ兄貴の方から声掛けるでしょ? だったらまだ、私から声掛けたほうがマシ
かなとも思っただけよ』
「いや。昇降口変えるとかさ」
避けたい相手だったらそれくらいするだろうと思って提案すると、舞は首を振った。
『何で、兄貴のせいでそこまでしなくちゃならないのよ。バカバカしい』
そう言って、舞は傘を開いた。
『それじゃ、私はもう行くから。先生にでも傘借りれば。じゃーねっ!!』
「あ、おい。ちょっと待てよ!!」
もう少し粘り強く交渉しようと思ったのに、あっさり打ち切られて俺は慌てて止めた。
しかし、聞く耳持たず舞は駆け足で校門へと走り去って行ってしまった。
中編に続きます。
ちにゃみん
猫耳と尻尾つけてにゃあにゃあ言いながらツンツンしてくるちなみんとな
かにゃみんもいるわ・・・じゃなくて、いるにゃん!
生きてて良かった。いただきます
>>462 これはよいものだ、特に鎖骨が、鎖骨が!!
GJ!!
466 :
1/5:2012/10/30(火) 05:55:42.67 0
・男をスルーするツンデレとスルー出来ないツンデレ 〜中編〜
「ちくしょう。兄を見捨てて帰るとか、何て冷たい妹だ……」
頭を掻きつつ、俺は空を見上げた。雨は収まるどころか、さらに雨足を激しくしている。
「先生に借りろとか…… それするくらいなら、濡れて帰るっつの」
部活や委員会活動で教師と接触のある奴ならそれもあるだろうが、そういうのに一切縁
の無い俺としては、職員室は足を踏み入れたくない場所でしかなかった。
「とはいえ、どうしようもないしな……根本ちゃんに借りるかな。抜き打ち小テストで補
習食らわなきゃ、雨振る前に帰りつけたかも知れんのに……」
ただ、そんな理由で傘を借りに言ったら、多分また長々と説教を食らうだろう。最後に
は貸してくれるかもしれないが、帰り時間がまた遅くなる事は必定だ。
「でなきゃ、お袋が帰ってくる時間を待って、家に電話して迎えに来てもらうか…… 怒
られはするけど、車の中ならまだ…… ただ、それだと6時は確実に過ぎるよな。とはい
え、このままでも同じか……」
時間潰すなら、図書室でも行って本でも読んでた方がマシかも。そう思って校内に戻ろ
うと振り向いた時だった。見知った女子生徒と目が合う。
「……かなみ?」
向こうは驚いたように目を見開き、体をビクッとさせてパッと隠れるが、すぐにおずお
ずと姿を現した。
「何やってんの、お前?」
訝しく思いつつ聞くと、かなみはブスッとした顔で俺を睨み付けて、素っ気無く答えた。
『べっつに。何やってたっていいでしょうが。いちいちタカシに答えなくちゃいけない事
なの、それ?』
「いや。別に答えたくないならそれでもいいけど。ただ、俺の脳内にかなみはこっそりと
隠れて俺に答えたくない事をしていたってインプットされるだけで」
わざとかなみが気にするように言うと、案の定怒鳴り声が返って来た。
『誰もやましい事なんてしてないってば!! 勝手に変な想像しないでよねっ!!』
俺は大仰に手振り首振り、それを否定した。
「いやいや。何も想像はしてないけどさ。ただ、かなみは人に言えないような事をしてい
たという、そういう事実だけを認識するだけで、別にその内容までは深く追求するつもり
は無いから」
467 :
2/5:2012/10/30(火) 05:56:15.53 0
『でも、やっぱり何かヤダ。だって、人に言えないようなことなんてしてないもん』
「じゃあ、何してたんだ?」
予想通り、エサに食いついてくれたので、ついついニヤニヤしつつもう一度聞く。一方
のかなみはといえば、一瞬顔をしかめたものの、開き直って偉そうに胸を張って答えた。
『何してたって……ただ見てただけよ。自分の妹にすら傘に入れて貰うのを拒否される哀
れな男の末路をね』
「ああ、なるほどね」
俺は頷く。一部始終かどうかは分からないにせよ、どうやら今の俺の状況は完全にかな
みは理解しているようだ。だとすれば話は早いが、ここでかなみに素直にお願いしても舞
と同じように一蹴されるのがオチだろう。慎重に話を進めないといけない。
「ところでお前さ。こんな時間まで何やってたの? 今日って部活、雨で休みじゃないの
か?」
かなみは硬式テニス部に所属している。だから普段なら遅いのも分かるが、コートの使
えない今日、遅くまで残っている理由が解せなかった。
『べ、別にいいでしょ? 部活が無かったら遅くまで残ってちゃいけない訳じゃ無いし』
どうもさっきから、ごまかすような態度が気になるので、また俺は同じ方法を使って聞
き出すことにする。
「よし、分かった。かなみは俺に言えないような理由で――」
『違うわよ、このバカッ!!』
今度は最後まで言い切らないうちに罵られた。
「じゃあ、何でだか教えてくれよ。でないと俺の好奇心がはち切れて、明日余計な事を口
走るかも知れん」
『ちょ、ちょっと待ちなさいよ。アンタ、あたしを脅すつもり?』
ちょっと焦って詰問するかなみに、俺は多少おどけて、とぼけてみせる。
「いや、そんなつもりはないけど。ただ、そうなっちゃう可能性が高いから、今のうちに
警告だけでもしておこうかと思って」
『アンタってホント、卑怯者よね。容姿だけじゃなくて性格まで薄汚いなんて最悪』
正直、そこまで罵られるほど酷い事はしていないと思うのだが、中学以来より酷くなっ
たかなみの毒舌からすれば、普通なのでさほど俺は気にしなかった。ただ、これもワザと
らしくちょっと舌打ちしてみせる。
468 :
3/5:2012/10/30(火) 05:56:46.89 0
「ちぇっ。親切に教えてやったのに。で、実際どうなの? 教えてくれれば、余計な事も
口走らなくて済みそうなんだけど」
またしても口車に乗せられてしまい、かなみは悔しそうに歯軋りする。
『言うわよっ!! 別に言えないような変なことしてないし。確かに部室に集まったとこ
ろで雨が降って来たから今日は中止になったんだけど、せっかくジャージに着替えたのに
すぐに制服に着替え直すのももったいなかったから、ちょっと体育館の隅借りて、自主ト
レしてたの。軽く柔軟と筋トレとね』
「別に普通の事じゃん。何でいちいち隠そうとしたんだ?」
素朴な疑問を提示すると、かなみはムッとした顔で、ちょっとバツの悪そうにそっぽを
向いた。
『べ、別に隠そうとした訳じゃないわよ。アンタに教えるのがいちいち面倒だと思っただ
け。だから、すぐに答えたでしょ?』
かなみの態度を見ていると、どうにもまだ裏がありそうに思えてしょうがないが、嘘を
言っているようにも見えないので、その件については追求は諦め、俺はそろそろ本題に入
ることにした。
「じゃあ、軽くトレーニングして帰ろうと思ったら、たまたま俺が舞と話をしているのに
出くわしたと、それでいいのか?」
そう聞くと、かなみはコクリと頷いてから強気に俺を睨み付けた。
『そうよ。ホントは声掛けても良かったんだけど、アンタの情けない様がちょっと面白かっ
たから、そのまま見させて貰っただけよ』
それは俺が第二の質問として用意していたが、今度は機先を制され先に答えられてしまっ
た。少々つまらない思いで舌打ちしつつ、お返しに悪態を吐く。
「ちぇっ。人が困ってる様をこっそり影から見て喜ぶなんて、お前ホント性格悪いよな」
『あら? それはお互い様でしょ? いちいち人の気に障る事言って質問に答えさせよう
とするアンタの方がよっぽど性格悪いわよ』
それは確かにその通りだったので、ぐうの音も出なかった俺は、仕方無しに話を進める。
「で、それならお前は、俺が何で困ってるか、よく理解していると思っていいんだよな?」
そう確認すると、かなみはコクリと素直に頷いて答えた。
469 :
4/5:2012/10/30(火) 05:57:21.38 0
「そりゃ、もう。舞ちゃんに懇願して断わられてる情けない兄の姿は、一部始終見てます
から」
ホント、嫌な言い方するなと思いつつ、それは口に出さずに俺は両手で拝んで頭を下げた。
「それなら話が早い。お前、傘持ってるだろ? 頼むから入れてくれないか?」
『絶対、イヤ』
またしても、一刀両断された。しかし今度はまだ予想の範疇内だ。舞の時のように情に
訴えたりはせず、俺は落ち着いた様子でかなみを問い質す。
「絶対、とはまた手厳しいな。何でそんなイヤなんだよ。理由を教えてくれれば、納得も
するけどさ」
するとかなみは、即座に答えた。
『まず、精神的にイヤ。アンタと相合傘だなんて、その……考えられないし……』
「なるほど。じゃあ、俺が心理的な拒否感を上回るほどの報酬を提供すれば、その問題は
クリア出来るよな?」
うつむき加減だったかなみの顔が、俺の言葉にパッと反応する。俺の顔を見つめたかな
みは、一瞬後にすぐ疑わしげな表情になる。
『あたしの嫌悪感を上回るほどの報酬って…… 言っとくけど、アンタに対する嫌悪感は
並大抵じゃ振り払えないわよ?』
「仄々亭の味噌ラーメン。バターとコーンにチャーシューのトッピングに、薬膳餃子もつ
ける」
かなみの大好物をパッと並べ立てて条件にする。スポーツ少女であるかなみは、ダイエ
ットは運動でこなすものと言って、食べ物はよく食べる。お小遣いの都合上、そうそうは
通えないラーメン屋さんの好物に、明らかに心が動かされていた。
『ぐっ…… だ、だからって、食べ物だけで落ちるようなかなみさんじゃありませんよ。
そんな事くらいであたしの嫌悪感が消えると思ったら大間違いなんだから』
「そうか? 我慢するだけの価値はあると思うけどな?」
俺は味噌ではなく塩派だが、仄々亭のラーメンをご馳走されると言われれば、かなりの
事はやってのける自信がある。しかしかなみは、やっぱりダメと言う風に首を振った。
470 :
5/5:2012/10/30(火) 05:58:23.78 0
『ううん。確かに仄々亭の味噌ラーメンは魅力的だけど、それだけじゃダメね。せめて、
ミスドのドーナツ3つはデザートに付けないと。そもそも仄々亭の後はミスド行かないと、
あたしの中では完結しないのよ。もちろん、お茶も付けてね』
ラーメン+ドーナツ屋のゴチとなるとさすがに出費がかさむ。とはいえ、払えない額で
は無いし、交渉のテーブルに乗っているだけでも舞よりはずっと御しやすい。
「贅沢言うなって言いたいところだが…… 今の俺は背に腹は代えられない状況だしな。
その条件、丸呑みすれば入れてくれるのか?」
『ううん。ダメ』
俺の問いに、かなみはあっさりと首を横に振った。俺はガクッと肩を落とす。
「何でだよ? それだけご馳走すれば、嫌悪感とチャラになるんじゃないのか?」
かなみに確認すると、それには素直に頷いた。
『うん。まあ、それだけご馳走して貰えるなら、アンタと相合傘をするくらい、我慢して
あげてもいいけど。でも、イヤなのはそれだけじゃないもの。今のは、あくまで嫌な事の
一つだけに過ぎないから』
俺は内心、舌打ちした。あんまり向こうの条件ばかりを聞くのはさすがに宜しくない。
とはいえ、拒否する理由が分からない事には対策の立てようも無かった。
「分かった。じゃあ、どれだけあるか分からないけどさ。俺と相合傘して帰るのが嫌な理
由を全部並べてくれよ。それを聞いて、どうしようもなかったら諦めるからさ」
『了解。ちゃんと聞いてなさいよ?』
そう前置きしてから、かなみは俺の質問に答え始めた。
後編に続く
これは期待
かなみさんくぁいいい
ハロウィーンを全く知らないまつりんを騙して
巫女服にきつね耳を装備させたい
「いつの間に日本にこんな行事が・・・?」
とつぶやくまつりんを愛でたい
友ちゃんにいたずらしたりされたりしたい
お前らハロウィンをなんだと思ってるんだwwww
あ、お嬢?ちょっとサキュバスのコスプレして欲しいんだけど
ちなみんにはサキュバスのコスプレは出来ないね
あの服は体の起伏がないと着れないからね
ロリサキュバスとか最高じゃないかぁぁぁぁぁ!
いいんちょに「ハロウィンにされるいたずらってナニされるの?」
って聞いてみたらどうなるの?
「キ……キスとか、されちゃうんじゃないですかね?」って顔を赤らめながら聞いちゃうウブないいんちょ
「あなたはどんなイタズラしてほしいんですか?」ってSっ気満タンでうふふって笑いながら尋ねるいいんちょ
どっちもイイ!
>>479 下のいいんちょはムチを隠し持ってそうだ
友ちゃんはなんの格好してくれるの?
魔女だと似合いすぎちゃう・・・ごめん冗談だからほっぺつねらないで
485 :
1/5:2012/10/31(水) 07:16:14.91 0
・男をスルーするツンデレとスルー出来ないツンデレ 〜後編〜
『次に、あたしの傘小さいもの。普通にアンタと一緒に入ったら肩が濡れちゃうの。アン
タを濡らさない為にあたしが何で犠牲にならなくちゃならないのか分からないし。それに、
人目につくのもヤなの。下手に知り合いとかに見られて噂にでもなったら自殺ものよ。ア
ンタなんかとスキャンダルになるなんて、考えただけでもう、超最悪だし』
顔を歪めて、かなみは真剣にイヤイヤと首を振った。普通なら女子にこんな顔でダメ出
しされたら結構ショックなのだろうが、かなみが俺にこういう顔をするのはいつもの事だ
し、その割に結構傍にいる事が多いので、これもコミュニケーションの一つと最近はあま
り気にしなくなっていた。
「なるほどね」
頷きつつ、俺は考える。どうやら、工夫次第では乗り越えられそうな理由だったので、
ちょっとホッとしつつ、俺はまずは楽な方から答える事にした。
「じゃあ、絶対にかなみを濡らさないって約束しても、ダメか?」
そう言うと、何故かかなみは体をピクッと小さく反応させた。それから慌てて顔を逸ら
しつつ、目線だけは俺の顔をしっかり捉えて聞き返してくる。
『濡らさないって……結構雨足強いじゃない。そんな事、約束出来るわけ?』
俺は、しっかりと頷いた。
「ああ。もちろん背丈の関係があるから傘は俺が持つけどさ。柄の部分を二人の間じゃな
くて、かなみの体の中央に持って来ればさ。かなみの位置は傘の中心に来るから濡れない
だろ? 俺は入れてもらう側だし、ある程度濡れたって仕方ないって諦められるから」
『じゃあ、もしあたしが濡れたら……どう、責任取るの?』
そう聞かれたので、俺はおどけて肩をすくめた。
「そりゃ、かなみの言う通りにどんな罰でも受けるさ。責任を果たせなかった以上は仕方
ないしな」
するとかなみは、思案げな顔で黙り込んでしまった。しばし考え込んでから、顔を上げ
て俺を見て問い質す。
『……もしかして……もう一つの理由も、同じように答えるつもりなの? その……誰か
にバレたらイヤだからって言うのも……』
486 :
2/5:2012/10/31(水) 07:16:50.04 0
そっちはリスクが少ないから、説得だけで何とかする気ではいたが、確かにそう言って
もし噂になった時の事を考えたら、同じように責任を取らなければならないだろう。そう
結論付けて、俺は頷いた。
「ああ。ま、この時間は中途半端な遅さだし、あまり帰ってる生徒もいないし。それに雨
の勢いが強いから、そんな他人に構ってる余裕はないと思うけど、万が一バレたら、同じ
ように責任取るよ」
『そっか…… ちょっとでも濡れたら、タカシを自由にコキ使えるのか……』
どうやらこのお嬢さん。ちょっと良からぬ事を企んでいる気がする。とはいえ、そこは
俺が頑張って濡らさないよう鉄壁のガードをすればいい訳だし、背に腹は代えられない。
それより、かなみがあともう一歩踏み出す為に、もう一押ししなければならない。そこで、
俺はあともう一つ、条件を出すことにした。
「ああ。ラーメンとドーナツ奢って貰えて、万が一濡れたら、俺に自由に責任取らせてい
い。こんな雨じゃ顔バレの心配もほとんどないし。あと何が問題なんだ?」
わざとメリットを立て続けに並べて、俺は確認する。それにかなみは煮え切らない態度
を見せた。
『うん……それはその……分かっているんだけど…… その……』
何がかなみを迷わせているのかは分からなかったが、やはりあと一押しは必要なようだ。
俺は、スッと手を出して人差し指を立てて見せた。
「じゃあ、俺からも一つ条件を。もし、かなみがそれでも俺を放り出して帰るっていうな
ら……そうだな。今週のサ○デーとス○リッツの内容。全部ネタバレする」
『えーっ!? や、止めてよそれ!! 楽しみにしてるんだから。つか、早く貸せ!!』
週刊漫画誌は俺に頼ってるかなみは、物凄く不満気な顔で文句を言った。それに俺は頷く。
「ああ。家にあるからさ。帰りについでに俺んち寄れば、渡してやるよ。で、どうする?
傘に入れてくれればいいことだらけだけど、入れてくれなければ漫画のネタ晴らしまでさ
れちゃう訳で。ま、決めるのはかなみだけど」
最後はわざと突き放すように言うと、かなみはうーっ、と小さく唸ってから、まるでケ
ンカでも挑むように、居丈高な態度で答えた。
487 :
3/5:2012/10/31(水) 07:17:28.69 0
『わ、分かったわよ。どのみちアンタ見捨てて風邪でも引かれたら寝覚めも悪いしね。そ
こまで言うなら、入れて帰ってあげるわよ』
「よし。商談成立!!」
出費は多少痛いが、どうやら上手く行ったようだ。俺は手を叩いて喜びを表しつつ頷い
てかなみを促した。
「じゃあ、もう帰ろうぜ。こんなトコで立ち話してても寒いだけだしよ。ほら。傘貸して」
手を出すと、かなみは素直に自分の可愛らしい水色の傘を差し出した。
『はい。しっかりと差してよ。あたしの事、少しでも濡らしたらホントに承知しないんだ
からね』
「分かってるよ。よっと」
ワンタッチのボタンを押して傘を開く。それからかなみを手招きした。
「ほれ、入って」
『分かってるわよ。全く、何の因果でアンタなんかと相合傘なんて…… 色々役得有りと
はいえ、やっぱり冗談じゃないわよ』
ぶつくさいいつつ傘の下に入るかなみに、俺はそっと手を伸ばす。
「もうちょっと近く寄って。ほら、このくらいに」
肩をそっと抱いて、グイッと引き寄せる。途端にかなみが驚いて声を上げた。
『ちょ、ちょっと!? 何すんのよ一体』
「濡らさない為には、もうちょっとくっ付かないとと思って。ほら。これで傘の中心だ」
片手でかなみを抱き寄せたまま、もう片方の傘を持つ手を顔の前辺りに持ってくる。
『だからって……肩を抱く事ないでしょうが……』
「イヤか?」
『イヤに決まってるじゃない。こんなの……』
その割には、全く抵抗をしないのが不思議だが。まあ、口でいやいや言いつつ、結局従
うなんてのは、そう珍しくも無い。それを知っていなければ、俺もここまでは出来なかっ
ただろう。
「ま、家に着くまでの間だ。我慢しろよな」
そう言い聞かせると、かなみはフン、と荒い鼻息を吐く。
『全くもう……万が一にもこんな姿を友子辺りに見られたら、全く言い訳出来ないわよ……』
クラスの友達で、ゴシップネタ大好きな女の子の名前を挙げて、かなみはぶつくさと文
句を言う。俺はわざと、雰囲気を作るように耳元で小声で言った。
488 :
4/5:2012/10/31(水) 07:18:01.29 0
「顔をさ。俺の方に向けて俯いて縋り付くようにすれば、恋人同士には見られても、逆に
顔は見えないから、誰かは分からないと思うぞ」
果たして、乗ってくるかどうかは疑問だったが、少し迷ったあと、かなみは小さく頷い
た。そして、俺の腰に手を回し、顔を脇の辺りに当てて来る。
『こ……こんな事までしなくちゃならないなんて、ホント最悪……』
口では最悪と言っているけど、声が震えているのが動揺を伝えてくる。かくいう俺も、
内心では心臓がドキドキだ。かなみ相手に異性を意識しても、まさかここまで動じるとは
思ってもみなかった。それを押し隠して、俺は敢えて気楽に言った。
「んじゃ、ま。帰りますか」
『うん……こうしてると、あんまり前が見えないから……エスコートも、頼むわね?』
「了解。任せとけって」
頼もしげな口調で答えると、俺はかなみを寄り添わせたまま、雨の中へと足を踏み出す。
そして俺たちは、まるで本当に恋人のように、家路についたのだった。
コンビニの休憩コーナーで、買ったファッション誌を広げつつ、私は窓から雨の外を眺
めていた。テーブルの上には、カフェオレが手も付けられていないまま温くなっている。
『遅いな……あの二人……』
私がお兄ちゃんを置き去りにして、コンビニに立ち寄ってからもう20分以上が経過して
いる。
『お兄ちゃん、かなみちゃんの説得に戸惑ったのかな。甲斐性ゼロだから……』
ちらり、と広げた雑誌に目をやるが、すぐに窓の外へと注意が戻ってしまう。と、その
時、学校の方から歩いてくる一組の男女の姿が視界に入った。
『あ…………』
思わず、声が漏れた。胸がズキン、と痛む。
『あんな風に……寄り添って……』
私が帰る時、昇降口でかなみちゃんを見掛けた。傘を片手に、下駄箱の陰から出口の方
を窺っていて、その先には私のお兄ちゃんが、雨に降られて困った様子で立っていて……
だから私は、敢えてお兄ちゃんに声を掛けて、冷たく見捨てて、かなみちゃんが声を掛け
やすいようにお膳立てしてあげたのだ。
489 :
5/5:2012/10/31(水) 07:19:43.90 0
『だからって……あそこまで仲良いなんて……聞いてないよ』
肩を抱かれ、体をお兄ちゃんに預けるようにして歩いているかなみちゃん。何だかまだ
ぎこちないけれど、それが却って初々しいカップルみたいで、私の心に突き刺さる。なの
に、視線を外したくても外す事が出来なくて、私の目の前をゆっくりと横切って行く二人
を、ただ眺めている事しか出来なかった。
『何……やってるんだろうな。私ってば……ホント……』
二人の姿が完全に消えてから、テーブルの上に両肘を突き、立てた腕の上で重ねた手の
上に額を乗せて、私は酷い自己嫌悪に陥っていた。
『……私って、ホントバカだ……お兄ちゃんのこと、バカバカ言って……だけど、色んな
意味で、本当に本当に…私の方が、バカだよ……ホント……』
視界が霞んでいくのを、もう抑える事が出来ないまま、私はただひたすら、同じ言葉を
呟き続けていたのだった。
終わり
関係ないが、SAOの主人公の妹ちゃんがリアルでもネットでも失恋確定とか不憫過ぎて辛い
幽霊かなみん
化け猫ちなみん
魔女みこちん
妖狐まつりん
サキュバスお嬢
ビリケン関西
キョンシー中華
ぬりかべ無表情
ちなみんの胸がぬりかべってやめろ!!
>>493 女「別に……気にしてないもん……貧乳……」クスン
男「
>>493は腹さばいて詫びるべき」
女「……タカシも……胸がおっきい方が……いいんでしょ……?」
男「えっ? いや俺はちっぱいでも好きだけど」
女「……本当に?」
男「あぁ」
女「……うわぁ……引くわ……ロリコン乙……」ススス
男「えぇ……フォローしたのに何この仕打ち」
ちなみんきゃわわ
とか言って実は嬉しそうに笑ってんだろ!
血ぃー吸われたい、切実に
GJ!
>>497 女「がおー」
男「……ドラキュラ?」
女「そうよ。見れば分かるでしょ」
男「ドラキュラはがおーって言いません」
女「掛け声なんてなんでもいいのっ!」
男「はぁ」
女「タカシ、トリックオアトリートッ!!」
男「お菓子の持ち合わせがないのでイタズラでオナシャス」
女「ふーん? 本当にイタズラでいいの?」キランッ
男「是非っ!!」キラキラ
女「そ、そこまで元気よく返事されるとは思わなかったわ……けどまぁ、イタズラさせてもらうわね」キュッポン
男「な、なんだその油性ペンは……ぬわーっ!!」
女「ホーッホッホッ。愉快愉快」キュッキュッ
男「おまこれ、どうすんだよ。顔に落書きしやがって……」
女「家に帰るまでそのままでいいじゃない。あ、帰るまでなんて書いてあるか見たらダメよ?」
男「何故ですか」
女「なんでもよ!」
男「……?」
その時タカシの額には、『かなみ専用』と書かれておったそうな。
ふぅ、ギリギリハロウィンに間に合ったぜ
あと500到達おめ
>>497 これは噛まれたくなる!GJ!!
>>500 帰ってから男もだがかなみんも思い出して悶絶してそうだなw
GJ!!
ちっちゃいと評判のちなみんよりちっちゃい友ちゃんかわいい
山田はノッポだとなおよし
506 :
ちゅんでれお嬢とハロウィン:2012/11/02(金) 00:48:47.78 0
「タカシー!」 テテテッ
「はい、お嬢様……おや」
「とりっく、おあ、とりーと! ですわ!」 ガオー
「ハロウィンですか?」
「そのとーりですわ! タカシのくせによくおぼえてましたわね。ほめてあげますわ」
「いやはや、お嬢様のお姿を見るまですっかり失念しておりました」
「ふふん。しょせんタカシでしたわね……それより! どうです、このいしょうは?」 クルリ
「とても可愛らしくてお似合いですよ」
「なっ!? ちっ、ちがいますわ! コワいかどうかをきいてるんですの!」
「とっても可愛らしくて、お嬢様によくお似合いですよ」 ニッコリ
「ふ、ふん! バカタカシ! もういいもん!」 タッ
「おやおや……ん?」
タタタ
「ま、まちがえましたわ! おかしをくれなきゃ、いたずらするぞー! ですわ!」 ガオー
「おやおや、困りましたねぇ。お菓子は持ち合わせがなくて」
「ふっふーん♪ じゃあしかたがないですわね……おとなしくイタズラされろですの!」
「困りましたねぇ」
「こっち! こっちですわ! ついてきなさい!」 ガチャッ
「はい」
「ここ! このイスにすわって!」
「はい。それで、どんな悪戯をされるのですk(ブビィー
「おほほほほほ! やーい、ひっかかりましたわー!」 キャー
「ぶ、ブーブークッションとは……迂闊……」
「むふー♪」 ポスッ
「おっと、満足されましたか?」 ギュッ
「しましたわー♪ おバカなタカシがみごとにひっかかるから、とってもまんぞくですの♪」
「やれやれ……僕もまだまだですね。あ、キャンディ食べます?」 スッ
「たべる!」 パクッ
「僕の手作り、パンプキンキャンディです。美味しいですか?」
「て、てづくりですの!?」
「はい」
「……まっ、まぁまぁですわっ! これからもしょうじんすることですの!」
「はい。ありがとうございます」
「むふふ♪…………って、あぁー!」
「どうされました?」
「お、おかし!」
「はい。そうですよ」
「もってるじゃありませんの!?」
「はい。忘れておりました」
509 :
ちゅんでれお嬢とハロウィン:2012/11/02(金) 00:51:38.89 0
「くぅう〜〜〜っ……! し、しかもパンプキンキャンディなんて……ぜんぜんおぼえてるじゃありませんの!?」
「ははは、ばれましたか」
「むぅう〜……」
「お嬢様」
「……なに」
「Trick or Treat ? 今のが、僕からの悪戯ということで♪」
「〜〜〜っもうっ! ばかっ!」
510 :
ちゅんでれお嬢とハロウィン:2012/11/02(金) 00:52:45.26 0
おわり
なんか湧いたから垂れ流してみた
何このお嬢一匹くれよマジで
GJ!
ロリお嬢可愛すぎんだろおおおおおおおおおGJううううううううううううう
お嬢かわえええっ!!
『悠、もう、そろそろ…』
『でそうなんですふぁ?』
『ひいでふゆぉ、ふぉのままぁくひにだひてくだひゃい』
『うっ…くぅ…』
『んっ…ん…タカシさんの美味しいですy
━━━━━━━━
やべっ、妄想世界に意識が飛んでた。
しかし別府君(未来彼氏)と妄想と同じことが起こった時に私は美味しく飲めるのだろうか
もし吐き出してしまえば別府君(未来夫)を失望させてしまうかもしれない
「練習しとくか」
グレープフルーツとクリームチーズを7:3で混ぜると精○と同じ味になるという
「さてと、」ゴクゴク
「不っ味!!」
515 :
ほんわか名無しさん:2012/11/02(金) 21:28:02.33 O
「うぇぇ、不味い、気分悪い、喉にからむ」
「あー、不味かった、けど沢山作りすぎたな、10分前の私を蹴り飛ばしてやりたい」
「うーん、これ、どうしよう…」
━━━━━━━━
「おーい、山田」
「タカシどうかしたかお」
「委員長が数学の小テスト頑張ったご褒美って飲み物もらった。山田と二人で分けろだと」
「おお!流石は委員長だお、怒ると怖いけど、頑張ったらちゃんと褒めてくれるあたり友ちゃんと違って優しいお」
「お前、知られたら怒られるぞ。まぁとにかく」
「「かんぱーい」だお」ゴクゴク
「「不っ味!!」」
終われ
いいんちょムッツリかわいいwwwww
GJ!
いいんちょの危険な妄想と比べるとお嬢の妄想はまだ健康的な気がする
不っ味!!ワロタwwwww
お題
つ・何かちょっと困った事があるとすぐに男を頼るツンデレ
テレビとBDRとCATVの接続やってたら、何だかんだで疲れたぜ……
このスレには尊大分が足りない
尊「ふあぁ…」
男「なんだ尊。おねむか?」
尊「暇なんだよ……何かすることはないのか?」
男「尊が暇をもて余すって珍しいな。それなら、梱包材のプチプチでも潰してみるか?」
尊「ん。よこせ」
男「ほい」
尊「ふむ……」プチプチ
男「存外まじめにやるんだな、プチプチ潰し」
尊「うるさい、気が散る。他所へ行け、他所へ」プチプチ
男「はいはい、わーったわーった」プィッ
尊「……ふん」プチプチ
男「……」
尊「……」プチプチ
男「……尊ー?」
尊「なんだ」プチプチ
男「愛してるぞー」
尊「……だからどうした?」プチプチ
男「いや、別に?」
尊「それしきの戯言で私が動揺するとでも思ったか? アホめ」プチプチプチプチ
男「本心だからしょうがない。尊大好き愛してるー」
尊「……」プチプチプチプチプチプチプチプチ
男「そして何故かせわしなくなるプチプチ潰しであった」
尊「う、うるさい!!」ブチブチブチッ
みこちんぺろぺろ
>>520 クールなフリしつつ動揺が表れちゃうみこちんかわええwwwww
523 :
1/7:2012/11/03(土) 21:03:08.32 0
・ハロウィーンのコスプレに何を着ようか迷うツンデレ
『フゥ…… 困ったな……』
「何を悩んでいるんだ? 玲緒」
『うわっ!? 何だ、別府か。こっちに寄って来るな、気持ち悪い。大体貴様、いつ現れ
たんだ』
「いきなり気持ち悪いとはご挨拶だな。せっかく、玲緒とお茶でも一緒に飲みたいと思っ
てわざわざ立ち寄ったのに」
『おかげでオレはせっかくの珈琲タイムを、別府などと言う気持ち悪い生き物のせいで台
無しにされた訳だな。はっきり言って迷惑だ。そもそも、別に約束した訳でもないのにこ
うして居場所を当てられるのは、何だかストーカー行為を受けているみたいで不快だ』
「玲緒は火曜日か休みの午後は、特に用事が無ければここに来るのが習慣じゃん。それで、
嫌だ嫌だ言いながら、結局俺と一緒におしゃべりするのも。何を今更」
『オレは断わっているのに、お前が勝手に隣に座って話し掛けて来るのをあしらっている
うちに、いつの間にかペースに巻き込まれているんじゃないか。ほら、今もこうして許し
も得ずに隣に座っているし。オレはいいなんて一言も言っていないぞ』
「マスター。ダージリンティー一つ。濃い目で」
『人の話を聞いているのか、貴様は』
「聞いても聞かなくても、結局玲緒はいつも俺と一緒にコーヒー飲んでくれるしな。今だっ
て本気で嫌なら、席を移ればいいだけなのに」
『何でお前のせいでオレが席を動かなければならないのだ。そんな面倒臭いことは真っ平
ゴメンだな』
「それは席を移らない事の言い訳ですか?」
『言い訳などではない。オレがお前が隣にいて不愉快なのは事実なんだから。だからと言っ
て、それでオレが席を移ったら、何だか負けたような気がして嫌なだけだ』
「なるほどね。それは玲緒のプライドが許さないと」
『そういう事だ。とにかく、オレは今考え事の最中なのだから邪魔をして欲しくない。ど
うせどけと言ってもどかないだろうし、せめて黙っていてくれ。お前の不快な声を聞いて
いると、余計に気が散る』
524 :
2/7:2012/11/03(土) 21:03:39.50 0
[ほれ。ダージリンだ。全く、俺の店のお茶は女と逢引のついでに使われてるだけかよ]
『逢引などと言う言葉は使うな、マスター。オレは決してこの男と会うために店に来てい
る訳ではない。勘違いされては困る』
「いやいや。マスターの紅茶も好きだって。それがなきゃ、わざわざ高い金払って来ない
からさ」
[全く……大学生になったんだっけ? ちっとも変わらないな。お前ら二人は]
『だから、オレと別府をひとくくりにしないでくれと言っているのに』
「まあまあ。それより、考え事してるって言ってたけどさ。さっきため息ついていたけど、
珍しく悩み事か?」
『珍しくとは何だ。失礼な。オレだって、人並みに悩みくらいある。能天気な貴様と一緒
にするな』
「まあ、確かに俺もあまり悩まない方だけど、玲緒だって普段は結構物事をバッサリ判断
するじゃん。何があった?」
『別に、大した問題ではない。まあ、だからこそ何にしようか迷っているのだが、どのみ
ち貴様には関係ないことだ』
「そう素気無いこと言うなって。高校時代からの付き合いなんだしさ。解決のヒントにな
るような事言えるかも知れないんだから、とにかく話してみなって」
『……貴様に話すと、絶対偏った答えが返って来そうだからな。余り当てになりそうにな
いが』
「何が偏るんだか、こうなると余計に知りたくなってきたな。というか、さっき俺が声掛
けた時、何か隠さなかったか? カウンターの上に広げてた、雑誌みたいなの」
『そこまで見ていたのか。もういい。隠すのも面倒になって来た。ほら。見たければいく
らでも見ろ』
「えーと、何なに。ハロウィーンコスプレ大特集。今年のハロウィーンの仮装はこれで決
まりって…… 玲緒、もしかして仮装でもするのか?」
『その通りだ。明日、大学のサークル仲間でハロウィーンパーティーがあってな。まあ、
ハロウィーンだし、当然仮装パーティーという事になったんだが……』
「スマン、玲緒。話の腰を折るが一つ質問いいか?」
『何だ? くだらない質問なら、話自体を止めにするぞ』
「いや、俺にとっては重要な事なんだが…… そのパーティーって男も参加するのか?」
525 :
3/7:2012/11/03(土) 21:04:10.82 0
『ああ。まあ……そうだが。それがどうかしたか?』
「マジかよ。男女間でトリックオアトリートとかやっちゃうのかよ。玲緒も誰かにお菓子
くれないとイタズラしちゃうとかやったりやられたりするのかよ」
『別に、友達同士の内輪のパーティーなんだし、そう特別な事もないだろう。大体、そん
な事を貴様が気にしてどうする? オレとお前はただの知り合いでしかないのに、そんな
事に口を挟むなんて差し出がましいにも程があるとは思わないのか?』
「せめて友達って言ってくれよ。いや、分かってんだけどさ。何か、その……いや、やっ
ぱいいよ。みっともないのは分かってるし」
『一つ、確認していいか? 別府』
「ああ、何だよ。場合によっては回答を拒否するけど」
『別に貴様が傷付くような事じゃない。別府は、オレがどこの大学に通っているか、知っ
ているよな?』
「ああ。H女子大だろ? それくらいもちろん知ってるよ」
『そうか。なら、オレが誰とパーティーをすると言ったか考えれば、己の愚かさ加減が分
かるだろう』
「誰とって……大学のサークル仲間って事は……あ?」
『フン。気付いたか。そういう事だ』
「い、いやいやいや。ちょっと待てよ。確かに女子大って事は、サークルには女の子しか
いないかも知れないけど、どっか近くの大学の同じサークルと合同とかそういう可能性も……」
『生憎、うちの演劇サークルは他大学とのサークル同士での交流はなくてな。もしかした
ら、メンバーの誰かが彼氏の一人も連れてくるかも知れないが、そこまでは関知していない』
「ということは……もしかして、俺……騙された?」
『正解だ。全く、オレは貴様の何でもないと言うのに、一人前に嫉妬するとはな。本当に
気分が悪いが、まあ男が来ると思った時の貴様の動揺っぷりはなかなか楽しかったから、
それで帳消しにしてやろう』
「うぐぐぐぐ……玲緒にたばかられるとは…… 純真で人を疑う事すら知らなかったあの
頃の玲緒はどこに行ったんだ!!」
『人の過去を勝手に語るな。オレだってこれくらいの冗談くらい言えるし、何よりも貴様
には主導権を握られっ放しだからな。たまには逆襲くらいしておかないと』
526 :
4/7:2012/11/03(土) 21:04:42.09 0
「ちきしょう…… まあ、女の子しか来ないんなら、安心して衣装選びに協力出来るけどな」
『誰も貴様に選んで欲しいなどとは言っていない。そもそも貴様に見せる気なども微塵も
ないからな』
「えー? この後、衣装買いに行くんだろ? なら俺も付き合うって。で、ついでに玲緒
の家行って、感想言ってあげようと思ってたのに」
『頼んでないし、付き合って貰いたくもない。ましてや貴様の前でコスプレをする気もな
い。大人しく帰れ』
「ちぇっ。冷たいな、玲緒は」
『これが普通の反応だ。ただ、せっかくだからあくまで参考程度に聞くが、貴様ならどれ
がいいと思う?』
「玲緒に? だったら……これなんてどう? 水辺の妖精とか、玲緒にピッタリじゃない?」
『なっ…… だ、誰がこんな露出の高い衣装など着るかっ!! こんなもの、ほとんど水
着じゃないか。大体、季節を考えろ。10月も終わりだぞ。風邪を引くだろうが』
「可愛いと思うんだけどなぁ…… ハロウィン女子会だったら、これくらい大胆でもいい
んじゃないかと」
『ここまで来たら、却ってドン引きされてしまうだろうが。選ぶなら、もう少し真っ当な
のを選べ』
「ま、そう怒るなって。さすがに今のは冗談って言うか、まさか玲緒が選ぶとは思ってな
かったけどさ。最初に際ど過ぎるのからいけば、多少大胆なのも選びやすくなるかなって」
『冗談を言うな。そもそも大胆なのはオレの好みじゃない』
「知ってるけど、そろそろ新しい世界の扉を開くのもいいかなって。玲緒も何か目覚める
ものがあるかも知れないよ」
『そんな世界など知りたくもない。それが貴様がキッカケなら、なおの事ゴメンだ』
「やれやれ。相変わらずお堅いよなあ。じゃあ、玲緒はどういうのを選ぼうかと思ってい
たんだ?」
『む……それなんだがな。オレは例えば、こういうのとか…』
「まあ、ハロウィンだけに魔女は定番だな。でも、これだと色的にも衣装としても地味過
ぎじゃね?」
527 :
5/7:2012/11/03(土) 21:05:37.03 0
『地味などと言うな。そもそもオレは付き合いで着るだけだし、積極的にコスプレしたい
気持ちもない』
「またそういう付き合いの悪い事を言うし。他にはどんなのを?」
『後は、動物系の……この狼の衣装とかだな……』
「こっちの方がまだ映えるけど……でも、だったら俺は断然猫を押すな。猫耳付けた玲緒
が腰をくねらせてニャーとか鳴くの、超可愛い」
『ほら、見ろ。どうせ貴様の事だ。オタクっぽくミニスカの衣装を選んで来ると思った』
「いいじゃないか。玲緒って結構スカート履いてるし、こっちの方が絶対可愛いって」
『だからと言って、ここまで短いのは持っていないし。あと、あんまりフリフリ過ぎるの
は好きじゃない』
「そうか? 似合うと思うけどな」
『貴様がどう思おうが、俺は似合うとは思わん』
「頑固だな。でも、こういう衣装がいいなら、それでもいいじゃん。何を悩む必要がある
んだ?」
『む……それは、だな。その……』
「どうした? 玲緒らしくもない。言葉を濁すなんて」
『いや。だから……だな。サークルの、その……みんなからも、地味だと言われそうで……』
「何だ。やっぱり地味だと思ってるんじゃないか。なら、もう少し露出度高いの行こうぜ?」
『誤解の無いよう言っておくがな。オレがこういうのを着たい訳じゃないんだぞ? ただ、
せっかくのパーティーでだな。こう、ガッカリされるというのも避けたいとは思うし……』
「玲緒って意外と場の空気とか気にするんだよな。あと、強く頼まれると断われないタイ
プだし。一人称オレの割には気が小さいというか何と言うか」
『だ、黙れ!! せっかく誘って貰ったんだし、それなりには……その……皆が盛り上が
るような格好をするのが礼儀と言う物だろう。気が小さいなどと言うな。不愉快だ』
「ゴメン。今のはちょっと言葉のアヤだった。まあ、玲緒の選ぶような衣装でも別に場に
合わないとかそんな事はないと思うけど、玲緒としても、もう少し場が盛り上がるような
仮装をしたいって事だろ」
『……まあ、そういう事だ』
「なら、こういうのはどうだ? ヴァンパイアの衣装で、こういうタイトな衣装は。玲緒
なら体のラインも綺麗だし、見映えすると思うけど?」
528 :
6/7:2012/11/03(土) 21:06:09.07 0
『うーん…… だが、これだと何だかSっ気の高い女だと思われそうじゃないか? 余り
女王様系なのはちょっと……』
「なら、ナースなんてのは? お菓子くれないとお注射するわよ、とか」
『だから、ミニスカはともかく何でこんなに胸元を広く開けているんだ。こんな看護師が
いたら、むしろ患者が興奮して大変な事になりそうだな。特に貴様のようなスケベ患者が』
「そこはそれ、お祭りだから。玲緒ってDカップくらいだろ? いいと思うけどな」
『だからイヤらしい目で見るな。変態が。もう少しマシなのは無いのか』
「うーん…… 何か、どれ選んでも文句言われそうな気がするなあ……」
『それは貴様がスケベな考えでしか選んでないからだろうが。意見を聞いて欲しいのなら、
もう少し真面目に選べ』
「いや。真面目に可愛いの選んでるけど…… よし、分かった」
『何だ? 何か真っ当な考えでも思い付いたのか?』
「ああ。どうせ玲緒の事だから、何を選んでも否定しそうだしな。こうなったら、俺のセ
ンスで、玲緒に一番似合う衣装を一つだけ選ぶ。後は玲緒がそれを参考にするなり、完全
拒否するなり好きにしてくれ」
『まあ、無駄な意見をぐだぐだと言われ続けるよりはマシだな。で、どれだ。早く選べ。
この後買い物に行く事も考えると、もう時間が無い』
「ちょっと待って……よし、これだ!!」
『どれ、見せてみろ。って……なっ!!』
「どうだ。この小悪魔な衣装は。黒のミニスカワンピースで、赤のフリル付き。レースの
オーバーニーが蠱惑的なイメージを醸し出しつつも、そこに付いた赤のリボンとかいかに
も女の子らしく可愛らしい感じで、あと赤い角突きのカチューシャがピンポイントに萌え
を出してて、玲緒がこれを着たら大抵の男は一撃で魅了されると思うんだが」
『……貴様は……これが本当に、俺に似合うと思っているのか?』
「ああ。大真面目でそう思ってる。玲緒に全否定されるのは覚悟で」
『そうか……』
ガタッ。
「あれ、玲緒? どうしたんだ。立ち上がって」
『マスター。勘定を頼む』
[ああ。400円だな]
529 :
7/7:2012/11/03(土) 21:06:49.17 0
「あれ? もしかして玲緒、帰るのか? 感想も無しに?」
『フン。全く……貴様の妄想のバカさ加減には呆れ果ててな。もう時間もないし、これ以
上付き合っていられん。じゃあな』
「うーん…… 怒ったかなあ? 絶対に似合うと思うんだけど、まあ純情な玲緒じゃあ、
ちょっと無理だったかなぁ?」
『……と言いつつ、買ってしまった訳だが…… 俺は本当にこれを着て行くのか? いや。
受けるのは間違いないとは思うが……』
『……一応、店でも着たが……もう一度、着てみるか……』
『もし……別府が、こんなオレを見たら何て言うかな? もし、絶賛されでもしたら……』
『あああああ、いかんいかん!! ダメだ。考えるだけでも、この辺がキューって…… も
し、そんな事になったら……オレの方が魅了……されてしまいそうだ……』
終わり
三日遅れのハロウィンネタ
俺っ娘尊大とか新しいな……
この娘は誉めて伸びるタイプと見た
GJ!
家政婦のちな
渡る世間はちなばかり
ちなちゃん先生
101回目のちなみん
GTC(グレートティーチャーちなみ)
ちな黄門
ふぞろいのちなみたち
全体的にレパートリーが古いのは突っ込まないでおいてやろうwww
年代バレるぞw
>>529 玲緒ちゃんかわゆいなあ
実にGJでございます!
じゃあ俺もハロウィンネタで六レスほど貰います
気づけば、もう半年以上こいつら書いてなかった……続き書くって言ったのに……
・ハロウィンなのをすっかり忘れてお菓子を買っていなかった男(664.9スレ目
>>28より)
「Trick or Treat!」
「えっ?」
俺の部屋にやって来るやいなや、よくわからないことを言い出した彼女――俺の妹分で
あり、元教え子でもあり……そして現恋人である、まりに対して、俺は素っ頓狂な声で応
じた。
「“えっ?”じゃないわよっ。今日ハロウィンでしょハロウィン! なにグータラ寝てん
のよ!」
「別に、ハロウィンにグータラ寝ててもいいだろ……」
俺は、ベッドから起き上がると、寝起きでぼんやりしている意識と視界をクリアにすべ
く、手で両目を擦り、改めてまりの方を見やる。
どうやら、学校から帰ってすぐにやって来たらしく、制服姿のままだったが……ハロウィ
ンを意識してか、頭には童話に出てくる魔女がかぶっているような、黒い三角帽子を乗せ、
そして、胴体には、これまた黒いマントを着込んでいた。
「ノリノリだな、お前……」
「何よっ、悪い!? …………に、似合ってない、かな……?」
「ああいや、似合ってるよ。流石まりだな、可愛い可愛い」
怒ったかと思えば、不安そうに表情を曇らせた彼女の頭を軽く撫でてやる。すると、ま
りはさっきまでの表情が嘘のように、にんまりと年頃の少女らしい笑顔を見せた。……
“嘘のように”、というか、この反応を見るに、どうやら本当にさっきまでの不安げな顔
は演技だったようだ。
つまりは、俺に可愛いと言わせるために、わざと……。
「ったく、お前はなんて言うか……いつまで経っても、まりだな」
「はあ? なにそれ、どういう意味よっ……てゆーか、撫でるんだったら、帽子の上から
じゃなくて、ちゃんと撫でてよ」
「はいはい、仰せのままに」
「もぅ、また子供扱いしてえっ……ふん、馬鹿コウジ」
その反応が子供っぽいっていうんだよ、とは言葉にせず、言われた通り、帽子を左手で
持ってから、再び右手で優しくまりの頭を撫でる。
撫でながら、目の前の彼女を見下ろすと、まりは、飼い主に撫でられている時の猫と、
まるっきり同じように目を細めて、気持ちよさそうに薄く微笑んでいた。
撫でる側の俺からしても、まりの艶のあるきれいな黒髪は、さらさらしていて心地良い
し、甘いシャンプーの香りもして、ずっと撫でていたくなる。
そんなことを考えながら、まりの姿をぼんやりと眺める。
いつも明るい彼女らしい、赤いリボンを使って、頭の左右でまとめた黒蜜のような髪も、
どこかいたずら好きな子供を思わせる、可愛らしいその顔も、昔から変わらない、俺の大
好きなまりそのままだ。ただし、背だけは、高校に入ってからの数ヶ月で、少し伸びていた。
高校に入って、か……。そういえば、彼女が無事、志望していた高校に合格し、入学し
てから、もう半年以上経つのである。思えば、この数カ月の間にも色々なことがあった。
主に、気分屋で小悪魔な彼女に、振り回されまくった思い出ばかりだが。
「むぅ……コウジ、なんか妙なこと考えてない?」
「――いや、そんなことないぞ。ただ、その……お菓子の買い置きあったかな、と思ってさ」
頭をなでる手から、俺の気分を何となく察したのか、鋭く指摘するまりに、俺は動揺が
声に出ないよう意識しながら、それっぽく言い繕う。
「なにそれ!? お菓子用意してないのっ?」
「ああ。今日がハロウィンだってことなんか、お前が来るまですっかり忘れてたし……そ
もそも、クリスマスやバレンタインと違って、ハロウィンってそんなに定着してないだろ」
「じゅーぶん浸透してるわよ! コウジの認識が古いだけでしょっ」
「そうかあ?」
「そうよ!」
そんなことはないだろうと思いつつ、左手に持ったままだった三角帽子を、まりの頭に
戻してやる。
「しかし、この帽子もマントも良く出来てるな。生地も、パーティー用品って感じじゃな
いし」
「ああ、これ? こうゆう衣装作るの好きな友達がいてね。その子、作るのは好きだし得
意なんだけど、着る方はそうでもないから、ただとっておくのも、もったいないからって
私にくれたの」
「なるほど。すごいな、その子」
もしかして、去年のクリスマスに、まりが着ていたサンタの衣装も、その子が作ったの
だろうか。
「えへへ、そうでしょそうでしょ? だから、早くハロウィンになって、これを着たいな
あって最近ずっと思ってたのよねっ……なのに、コウジときたら……ハァ……」
これ見よがしに、だけど存外本気らしくため息をつくまりに、俺は少しうろたえてしまう。
「うっ……。あー、煎餅ならあるぞ?」
「要らないわよっ! 何が悲しくてハロウィンに煎餅なんか食べなきゃならないのよ!」
「えー、お前、煎餅好きだっただろ?」
「そういう問題じゃないのっ。普通、ハロウィンには、甘い洋菓子でしょ!」
「そういうもんかね」
「そういうもんなの!」
すっかりお冠でいらっしゃるお姫様に、内心で肩をすくめながら、仕方なく妥協するこ
とにする。
「わかったわかった。じゃあ、これから近くのコンビニにでも行って、お菓子買ってくるか」
「じゃあ、とっとと着替えなさいよ。私、寝間着のコウジとなんか、外歩きたくないからねっ」
「へいへい」
せっかく、大学の授業が早く終わったから、午後はのんびりしてられると思ったのに。
それにしても……。
「……」
「なに? どうしたの、コウジ?」
「別に、俺は気にしないんだけどさ……お前は、俺の着替えが見たいのか?」
「な、な、ななっ……そ、そんなわけないでしょ、馬鹿コウジ!! 外で待ってるから、
さっさと支度してきなさいよね!」
どうも気づいてないようだったまりを、軽くからかってやると、彼女は思った通り顔を
真っ赤にして、部屋の外へ出ていった。
そんなこんなで、俺の家から歩いて十分ほどのコンビニへと、まりを連れてやってきた
わけだが……。
「チ□ルチョコとかでいいか」
「あ、ハロウィン限定パンプキンプリンだってっ!」
「……」
勿論そんなもので済ませる気はなかったが、ボケを完全にスルーされると悲しいものが
ある。
「ふつーのでいいだろ」
「ハロウィンのためのお菓子を買いに来たんだから、限定の方を買うに決まってるでしょ!」
「……まあいいけどさ」
こいつの家庭教師をお役御免になった後も、他のバイトをしているから、それなりにお
金はあるし、普通のより少し高い限定プリンとやらを買っても、別に構わないのだが……。
「こういうの買うのは、お菓子会社に踊らされてるみたいでなんかなあ」
「なんか言った?」
「なんでもねーよ。じゃあ、買うのはそれでいいな? 暗くなる前に、さっさと帰ろうぜ」
「はあ? 何言ってんの? これだけで私が満足するわけないでしょ、馬鹿コウジっ。ほ
ら、カゴ持ってよ。お菓子コーナー行くわよ」
「お金払うの俺なんだけどなー……」
「なんか言った?」
「……なんでもねーよ…………はぁ」
結局、カゴがいっぱいになるくらいの、チョコレートやらビスケットやらキャンディで
できた山が、まりによって積み上げられることになった。そろそろ、冬物の服買おうかと
思ってたのに……。
「そうだっ、ねえねえコウジ、あんまんも買ってよ」
「ハロウィンには洋菓子って言ってませんでしたっけ?」
「これは、ハロウィン関係なしのおやつなの!」
「それなら、煎餅でも」
「あ、店員さん、あんまん一つ」
「……こいつは」
まあいいけどさ。
「へへー、いっぱい買ったわねー」
「そーですね」
最近の気温並みに、冷え込んでしまった懐を思うと、意図せず気のない返事になってし
まう。
「な、何よ、たくさん買ったから怒ってるの?」
「べつに怒っちゃないさ」
何かに怯えるように、心配そうな表情を浮かべるまりを安心させるために、優しく頭を
撫でてやる。ちなみに、例の帽子とマントは、流石に外で着るのは恥ずかしいのか、俺の
部屋に置いてきていた。
「んみゅ……な、なら、いいんだけどさ」
「んみゅって」
気持ちよさそうな声に、ついついからかいたくなってしまった俺は、軽く笑いながら、
まりにそれを指摘した。
「なっ――しょ、しょうがないでしょ! その、……撫でられると、勝手に出ちゃうんだ
もん……」
恥ずかしそうに、顔を赤らめるまりは、依然として俺に撫でられるがままだった。
「あ、そうだ。さっき買ったあんまん食うか? 家着いてからだと、ちょっと冷めちゃう
かもしれないぞ」
「ん、そうね、ちょうだいコウジ」
「はいよ」
と言って、俺は、左手に持ったビニール袋から、スイーツマウンテンの頂上に鎮座して
いたそれを、まりに手渡した。
「いっただっきま〜す」
「おう、いただけいただけ」
「はむっ……あちゅ……んー、あまーい」
「……美味そうだな。俺も、自分の分買えばよかったかな」
人間とは不思議なもので、店内で見たときはさして魅力を感じなかったものでも、人が
食べているのを見ると、自分も食べたくなってきてしまった。
「んー、欲しいなら、一口だけあげるわよ?」
「お、マジか。食う食うっ」
「はい、あーん」
まりは、そんな言葉を吐きながら、俺に自分の食べかけのあんまんを差し出してきた。
……人通りは少ない道だが、車は割と通るので、正直恥ずかしいし勘弁して欲しいんだ
けど……。
そんなことを表情と目で訴えようとしてみたのだが、まりは俺のメッセージにまったく
気づいていない。いや、気付いていないふりをしているのだ。なんかニヤニヤしてるし。
(ええい、しょうがない!)
今さらひっこみがつかなくなった俺は、勢い良くあんまんにかぶりつく。
途端に、口内へ熱い餡が流れ込んでくる。
(あちっ、あちちちち!)
悲鳴を上げたくなるほどに熱かったが、そんなことをすれば間違いなくまりにからかわ
れるので、半泣きになりながらも気合であんまんを咀嚼し、飲み込む。正直、味は全然わ
からなかった。
ニヤつきながら、そんな俺の醜態を見ていたまりは、あえて何も言わずに再びあんまん
をもぐもぐと食べ始める。
くそぅ、なにか仕返しをしてやりたい……。
「あ」
そう考えながら、まりと隣り合って歩いていると、ふと、ちょっとしたアイディアが浮
かんできた。
「なに? どうしたの?」
「あー、いや……」
無邪気に可愛らしく小首をかしげる、まりを見ながら、考えてみる。本当に“こんなこ
と”で、今さらこいつが動揺するだろうかと。却って、俺が、からかわれるんじゃないか
とも思えるし、うーむ……。
(まあ、言ってみるか)
「これって間接キスだよな」
「へっ!? な、な、なななっ、にゃに言ってんのよっ、馬鹿コウジ!! そ、そんなの、
もう気になんないしっ……だ、だいたい、今まで、普通のキスだって結構してるし! ……
そ、そんな、もう、小学生じゃないんだからっ……!」
勝った、と内心でガッツポーズする。まりは、言葉とは裏腹にと言うべきか、忠実にと
言うべきか、顔をリンゴのように赤く染めて、何度もどもりながら、まくし立てた。
「それもそうだな、悪い悪い。……ほら、冷めないうちに、残りも食べたらどうだ?」
「……っ!」
俺の言葉に、さらにこれ以上ないくらい赤くなって、あんまんを見つめるまり。俺は、
ニヤけそうになるのを必死でこらえながら、何食わぬ顔でその様子を見つめる。
(駄目だ、まだ笑うな……こらえるんだ……し、しかし……)
「もぉー、ニヤニヤすんなあっ、この馬鹿コウジ!!!」
結局、こらえきれなかった俺に対する、まりの叫声が、秋の空に響くのだった。
不安にならなくても覚えてるぞwww
恋人になるまでの過程が甘酸っぱくて良かったよ
そして今回も駄々甘で素晴らしいwww
GJ!
>>540 もうそんなにたつのか
ひさびさだが相変わらずまりちゃんかわいいwww
GJ!!
読みやすいし面白い。
かなみんとちなみんとみこちんとお嬢とまつりんとかつみんとあずあずといいんちょ
あと友ちゃんが全員可愛すぎて生きるのが辛い
関西さんと中華さんが泣いてるぞ
友ちゃんの日誌
May 9, 20XX
昼、クラスの別府くんとかなみ、先輩の尊さんと弁当を食べた。
二人とも、やたらタカシを見ていたわ、きっと好きに違いないわね。
友ちゃんの目は誤魔化せないわよ。
May 10, 20XX
今日、例の別府くんから新しいアシの紹介をされた。
なよなよした、山田、っていうヤツ。
あたしにアシは必要ない、て言ったら、山田、やたら悲しそうな顔するから
とりあえずアシにしてあげた。
May 11, 20XX
午後5時頃、アシにしてあげた山田になでなでされて目が覚めた。
なんでも、眠りこけてしまっていたみたい。
あたしとしたことが、最近寝ないで編集ばかりやってるからこんな事になるのかな。
May 12, 20XX
昨日から何故かはわからないけど、山田を見るたびに変な気持ちになる。
いらいらするから、腹いせに山田にいろいろ言ってやった。
いい気味ね。
May 13, 20XX
547 :
2/2:2012/11/04(日) 21:29:35.01 0
あまりに山田が気になるから部室にいったら、アイツが机に伏して寝ていた。
それから、山田の寝顔をなぜかずっと見ていた。
とりあえず今夜はよく眠れそうね。
May 14, 20XX
朝起きたら、山田を見るだけじゃなく考えるだけで変な気持ちになった。
部室がやけに静かだから、見に行ったら山田がいない。
最近、ちょっときつく当たってたから、もう愛想尽かしちゃったのかな・・・
もし本当にそうだったら大変・・・
May 16, 20XX
昨日は、ちょっと風邪気味だったから、まっすぐ帰った、て ことみたい。
夜、ずっと ドキドキドキドキ。
山田の顔 思い浮かべたら ドキドキが一気に速くなった
いったいあたし どうな て
May 19, 20XX
朝 山田 いた とてもどきどき
今日 撮影中、山田 の写真 撮る
May 21, 20XX
山田 山田 部室きた
そこそこの顔なんで 撮影
かっこいい わね。
May 24, 20XX
山田
好き
ものすごく久しぶりにプレイしたら湧いた
前にも似たようなことをやったが後悔などしていない
もしかしてかゆうまか?www
550 :
ほんわか名無しさん:2012/11/04(日) 21:33:36.56 0
友ちゃんが可愛いことしかわからなかったGJ
わかってしまうのか
かゆうま恐るべし・・・
・ツンデレとバイオハザードをやったら
かゆうまって、元ネタ知らなくてもネタだけは知ってるってレベルの知名度はあるだろう
554 :
1/6:2012/11/04(日) 23:28:18.76 0
・ツンデレにハロウィンのコスプレをしてってお願いしたら 〜前編〜
『タカシ様。どちらにいらっしゃるんですか? タカシ様』
「トリック、オア、トリートッ!!」
『ほひゃあっ!? ななななな、何ですかこのかぼちゃのお化けはっ!!』
「あっははははは!! 芽衣は面白い驚き方するなあ。ほひゃあって……可愛い……」
『その声はタカシ様ですねっ!! な、何をなさるんですかっ!! 変な仮装で人を驚か
したりして。そういう性根の曲がった意地悪をなされる方には、将来下の者が付いてまい
りませんよっ!!』
カポッ。
「まあまあ。驚かされて悔しいからって、そうまなじり立てて怒る事ないじゃない。たか
だがハロウィーンの仮装なのに」
『だからといって、物陰に隠れていきなり大声でトリックオアトリートとか大声で声掛け
るとかする必要ないじゃないですかっ!! これじゃあお菓子をあげる前に、もうイタズ
ラされちゃってます』
「あ、そうそう。トリックオアトリート」
『はい?』
「いや、だからハロウィーンの定番だって。お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞって」
『そ、それくらいは知ってます。話してる最中に唐突に言われたから、ちょっと付いてい
けなかっただけです。まるで私が無知みたいな言い方しないで下さい』
「そんな事思ってないって。で、お菓子くれなきゃイタズラしちゃうけど? さっきの軽
い脅かしなんて比較にならないほどのイタズラをね」
『タカシ様がどんなイタズラを考えなさっているか知りませんけど、残念ながらその望み
は叶いません』
「え? 何で?」
『私が何でタカシ様をお呼びしたか、お分かりではないのですか? 時間的に』
「ああ、なるほど。お茶の時間だから……って事は、お菓子も準備してありますよって事か」
『さようでございます。さっさとそのバカな仮装を着替えて、リビングにいらしてくださ
い。いいですね?』
555 :
2/6:2012/11/04(日) 23:28:49.70 0
『お待たせしました。本日はエチオピアから直送で取り寄せたモカコーヒーです……って、
まだその仮装してるんですかっ!!』
「いや、だってハロウィーンだし。まあ、さすがにかぼちゃの被り物は重いし付けてたら
食べられないから外さざるを得ないけどさ」
『だからといって、何もずっとその格好でいる必要はないじゃないですか。それとも、一
日中その格好でいるおつもりですとか?』
「ああ。だってせっかくデザイナーの一色結子さんに作ってもらった衣装だからね。今日
一日くらいは着ておかないともったいないし」
『だから、一流のデザイナーの腕を、タカシ様の娯楽に使わないで下さいってば!! はっ?
ちょ、ちょっとお待ちください。その……もしかして、私の衣装ももしかして……』
「いい読みだね。さすがに芽衣も、そろそろ学習して来たか。はい、どうぞ」
『き、着ませんよ!! 私は絶対に着ませんからね!! 大体私は仕事中なんですから、
タカシ様の娯楽に付きあって、ハロウィーンごっこなんてやってる暇は無いですから』
「大丈夫。芽衣はただ、仮装して、トリックオアトリートって言うだけでいいから。あと、
芽衣の今日一日の制服も、その衣装でね」
『ぜっっっったいに嫌ですっ!! 私の制服はこのメイド服なんですから。他の服着てお
仕事とか、考えられませんっ!!』
「ズズ…… うん、美味しい。コーヒーなのに、甘味料なしで独特の甘み感があってスッ
キリした飲み心地だし。芽衣も飲みなよ」
『タカシ様。私の言葉を無視してお茶を飲むとかどういう事ですかっ!!』
「だって、芽衣の作ってくれたスイーツ。パンプキンパイじゃないか。しっかりハロウィー
ン意識しておきながら拒否するとか、意味が分からないよ」
『それは季節物だからであって、私が仮装する事とそれとは全く関係ないじゃないですか。
とにかく、私は絶対に着ませんからね』
「まあ、とにかく中身だけでも見てみようよ。芽衣もお茶でも飲みながら、さ」
『見るだけですよ。絶対に着ませんからね』
「どれどれ……」
ガサガサ……
556 :
3/6:2012/11/04(日) 23:29:21.84 0
「へえ、可愛い魔女の衣装だな。ちゃんととんがり帽子にステッキまで付けて。結子さん
らしいセンスだなあ」
『何で魔女の衣装がそんなミニスカートなんですか。それじゃあAKBなんちゃらの衣装と
かと大して変わりありません。胸だって変に強調されてるし』
「芽衣に一番似合う衣装を考えたって言ってたよ。せっかくスタイルいいのに、普段地味
なメイド服でもったいないって」
『地味で悪かったですね。でも、このメイド服だって機能的で動きやすくて、私は気に入っ
てるんですけど』
「これはやっぱりデザイナーだった、結子さんのおばあ様がデザインされたものだからね。
ま、センスでは色々ケンカしたらしいから」
『私、絶対そのおばあ様の方が気が合うと思います』
「まあ、せっかくのパイをそんな自棄気味に食べなくても。ところで芽衣。結子さんから、
伝言があるんだけど」
『私宛に、ですか? 何か、ひっじょーにロクでもない気がするんですけど』
「いや、実務的な話として、報酬の件なんだけど」
『あの方、デザイナーとしては世界的に名の通ったブランドなのですよね。もしかして、
物凄く高いんじゃないですか? 全く、いくらお金持ちとはいえ、タカシ様のようにくだ
らない道楽にお金を使っていると、いつか破産致しますよ』
「資産管理は芽衣がしっかりしてるから、安心してるよ。はい、これ。結子さんからの請
求書」
『お見せ下さい。何なに……報酬は下記いずれかの方法でお支払いください…… 芽衣ちゃ
んのコスプレ写真10枚。動画撮影5分及び作成手数料1万5千750円……って、何ですか
この写真って!!』
「結子さんも、せっかく芽衣の為に作った衣装だから、どんな風な着心地とかまで見てみ
たいんだって。だからって忙しい芽衣をスタジオに呼ぶのも申し訳ないから、動画でいい
よって」
『ぜ、ぜっ……絶対に嫌ですっ!! そんな恥知らずなこと、出来ませんっ!!』
「いいじゃないか。同性同士なんだし。何なら写真と動画は、俺のいない所で一人で撮る?」
557 :
4/6:2012/11/04(日) 23:29:55.16 0
『タカシ様のいるいないじゃありませんっ!! 何で世界的な一流デザイナーの所にそん
な恥ずかしい映像とか送らなくちゃならないんですかっ!!』
「嫌なら、拒否も出来るよ。ほら、もう一つの支払方法」
『えーと、もう一つは……制作料30万!? そ、それに衣装材料費に小物代合わせて……
ぐふっ!!』
「これでもサービス価格だとは言ってたけどねえ。選ぶのは芽衣に任せるよ。家計管理の
責任者として」
『だからって、金額が余りにも違い過ぎるじゃないですかっ!! 何なんですかこの差はっ!!』
「つまり、結子さんにとっては、芽衣の写真と動画の価値はん十万になると、そういう事
じゃない」
『あの人おかしいです。絶対にどこか頭のネジが外れてます』
「まあ、いい意味でなら、そうかもね。普通と違う発想とかセンスを持ってるから成功し
たんだろうし」
『褒め言葉で言ってるんじゃありませんっ!! どこをどう見たら、私なんかにそんな価
値を見出せるんですかっ!!』
「うーん。まあ、有り得ないことだから考えた事なかったけど、もし芽衣の魔女っ娘姿に
対価を要求されるとしたら、もしかしたらそれくらい払っちゃうかもなあ」
『ほえ? タ……タカシ様が、ですかっ!?』
「うん。言われてみれば、そのくらいの価値あってもいいかなあって。芽衣は美人で可愛
くてスタイルもいいし、それに結子さんの衣装なら、きっとすごく映えると思うから」
『お……おおおおおおお、お止め下さいっ!! そんな変な持ち上げ方したってダメです
からねっ!! わ、私はこんな衣装絶対に……』
「着ない?」
『うっ…… い、いやその……』
「2着で50万近くかあ…… さすがの俺も、そこまでの散財はした事ないなあ……」
『うううううっ!! タ、タカシ様が発注なさったんじゃないですかっ!! 十分になさっ
てますっ!!』
「だって、芽衣のコスプレ写真くれるなら、タダ同然で引き受けるって言ってくれたから」
『さいっしょから計画的だったんですねっ!! タカシ様のバカッ!! バカバカバカ!!』
558 :
5/6:2012/11/04(日) 23:30:27.07 0
「後は芽衣の判断に委ねるよ。コーヒーでも飲んで頭スッキリさせながらゆっくり考えて。
俺も、着て欲しいとは思うけど、写真と動画については、完全に芽衣にお任せするから」
『ううううううううううっっっっっ!!!!』
「いやあ。このパイ、美味しいなあ。もう一切れいけそうだ」
『タ……タカシ……様?』
「芽衣、準備出来たのか? なら、入っておいでよ」
『ほん……本当に、こ、こんな格好で……私、写真撮られなくちゃいけないんですか?』
「自分で決めた事じゃない。タカシ様が業務命令としておっしゃるなら、私は従わざるを
得ませんから、そうご命令下さいって」
『そ、そうですけど…… でも、こんなの絶対恥ですってば!!』
「いいから、入っておいで。ほら」
『ううううう……』
「へえ……」
『や、止めて下さいっ!! そんなイヤらしい目で見ないで下さいってば!!』
「いや。純粋に可愛いなあって。ピンクの体にフィットした薄い衣装。スカートはフワッ
と広がって赤いふわふわの飾りが付いて。白のニーソックスと飾りの付いたアームカバー
に、折れ曲がったとんがり帽子。そしておまけにステッキまで。確かにUの字型に空いた
胸元とか、ワザと開けたお腹とか、強調された太ももとか、エロスな要素もいっぱいある
けど、それ以上に全体の調和感が素晴らしいよね。さすが結子さんのデザインしただけの
事はある」
『真面目に感想言ってるように見せて、しっかり見てる所は見てるじゃないですかっ!!
タカシ様のド変態っ!!』
「まあ、そこは男だから勘弁してよ。むしろ、全く興味を注がれなかったら、一人の女子
としては却って微妙な気分にならない?」
『そんな事を知った風に言わないで下さいっ!! ホントに……ホントにこれで、今日一
日仕事までしなくちゃならないんですか? こんな、後ろがすごく気になる衣装で家事を
やれと?』
559 :
6/6:2012/11/04(日) 23:31:15.64 0
「だって、芽衣がどうしても着る決意が付かないから、業務命令にしろって言ったじゃな
い。自分で決めた事なんだから、しっかりやり遂げないと」
『だってだってだって……そうしないとお金があああああ…… ああ、もういいですっ!!
とりあえずとっとと写真と動画だけ撮って下さいっ!! そこを乗り越えちゃえば、後は
タカシ様の目線だけ気にすればいいんですから』
「その意気や、快し。さ、じゃあまずはそこに立って。体の向きはもう少し左で……で、
そう。体をくねらせて腰を強調して。で、ステッキを差し出して顔はこっちで……それで、
ウインクして。はい、チーズ!!」
カシャッ!! ウィーン……
『ちょっと待って下さいっ!! 今……今、私つい、言う通りにやっちゃいましたけど、
どんなポーズだったんですか? 確認させて下さい。場合によっては消去します!!』
「そんな事、いちいちやってたら何時間経っても終わらないよ。芽衣も仕事の続きがある
んだろ? 確認は最後にして、その時削除した枚数分だけ撮り直せばいいじゃん。ほら、
次、次」
『お願いしますから、絶対に変な写真を撮らないで下さいね』
「了解。じゃあ、次はそのソファーに座ろうか。そう。それで膝立てて。大丈夫、こっち
からは中見えないからさ。そんな怒った顔して文句言いたそうな顔しないで。そう。それ
で、膝に頭預けてステッキは左手で。そう、笑って……はい!!」
『ホントに……ホントに、見えてなかったんでしょうねっ!! もし嘘だったら、写真の
出来うんぬん以前の問題で、旦那様にタカシ様のセクハラ報告を致しますからねっ!!』
「大丈夫だって。芽衣に対して、ちゃんと主人としての信義は貫くからさ。じゃあ、次は
そのソファーの上に四つん這いになって。うん、そう。両腕をもうちょっと寄せて、目線
は上目遣いでねだるように……いいね。色っぽいよ。はい、チーズ」
『これを、あと七枚も……』
「それプラス動画撮影5分ね。ほら、頑張って」
『私……もう死にたいです……』
後編〜芽衣さんのいたずら編に続く〜
めいめい可愛いよめいめい
>>547 きっと最後のほうは完全にデレデレになって部室とかではいつも山田にだっこなでなでしてもらわないと泣いちゃう感じだな
顔真っ赤にさせた女の子ってかわいいよね
つまりはめいめい超GJ!!
では、めいめいの続き行きます
564 :
1/5:2012/11/05(月) 21:06:31.93 0
・ツンデレにコスプレをしてってお願いしたら 〜後編〜
「いいなぁ。このクルッと回ってポーズ取るの。ほらほら。芽衣も見てごらん。すごく可
愛いからさ」
『……いえ……もう結構です…… 私もう、疲れ果てて何をする気にもなれませんから……』
「完全に抜け殻状態になってるな。お? これ、おまけ映像だ。芽衣。これも一緒に送っ
ちゃって構わないのか?」
『もう全部送っちゃって下さい…… 本当なら、一枚たりとも送らせたくありませんけど
……取り直す気力もありませんし…… あと、最後のメッセージだけは、絶対に外さない
で下さいね。あの人には一度、はっきりと申しておかなければなりませんから』
「全く、結子さんにあそこまで言えるのって、多分日本だと芽衣一人だと思うよ」
『もういいです……最後のアレで、全精力を使い果たしましたので…… お夕食の準備の
時間まで、少々休ませていただきたいです』
「お疲れのところ、悪いんだけどさ。もう一仕事だけ、こなして貰わないと」
『何のお話ですか……? 一色さんに対する報酬は、もう十分こなしたと思いますけど……?』
「ああ。彼女に対してはあれで満足してくれると思うよ。ただ、俺からの依頼をまだ果た
して貰っていないからね」
『タカシ様に……ですか? 私……タカシ様に対してするような義理は、何もないかと思
われますけど……』
「一つ、残ってるだろ? ほら。ハロウィーンの定番文句。せっかくコスプレまでしたん
だし、最後に一言、あれを言わないと締めにならないと思うんだけど」
『定番文句って…… トリックオアトリートですか? もう十分、私の方が辱めを受けた
気がしてしょうがないですけど……』
「でも、芽衣が命じてくれって言った事の中に、それもしっかり入れたからね。可愛らし
く、ステッキ振りかざしながらポーズ決めて言ってくれないか? そうしたら、後は今日
一日、その格好で過ごしてくれればOKだから」
『分かりました。それで本当に解放していただけるんですね。ここまでやらされたんです
から、もうついでです。とっととやって仕舞いにしてしまいます』
「お? ちょっと復活したか。いいね、そのやる気」
565 :
2/5:2012/11/05(月) 21:07:04.56 0
『バカバカしくていつまでもこんな事に付き合っていられないだけです。それじゃあ、言
いますからしっかり聞いて下さいね』
「ああ。心に響く一言を頼むぜ」
『では……コホン。トリック、オア、トリート!! お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞっ!!』
「おお〜〜〜〜っ!! 素晴らしい。期待以上の出来だよ、芽衣。もしかして、動画撮っ
たことで、何かスイッチ入っちゃった?」
『そんな訳ありませんっ!! あああああ……こんな恥ずかしい事、絶対やりたくなかっ
たのに…… もうっ!! 全部タカシ様が悪いんですからね!!』
「いや、でもホントに可愛かったから良かったよ。これもビデオで撮影しとけば良かった
なあ。もったいない」
『そんな事したら、今度はデジタルビデオごと破壊しますからねっ!! もう……とにか
く、これで全部終わりですよね? それじゃあ私は、部屋で少し休んできますから』
「それなんだけどさ。芽衣。一つ、謝らなくちゃいけないことがあって」
『はい? 何ですか、タカシ様。そんな、神妙な顔つきをして』
「ああ。本当はここで、芽衣にご褒美のお菓子を上げて、下がって貰おうと思ったんだけ
どさ。残念ながら、お菓子を用意するのを忘れてしまったんだ」
『そんな事ですか。私はいちいち気にしません。別に、タカシ様からお菓子なんて貰った
ところで、嬉しくもなんともありませんし』
「いや。でもやっぱり言われた事はちゃんとしないしね。と、いう訳で芽衣。今から俺に
いたずらをしてくれ」
『ほへ? いたずらって……って、ええええええっ!!』
「芽衣が自分で言ったんだからな。お菓子くれなきゃいたずらしちゃうぞ、って」
『い、言いました。言いましたけど、そんな……メイドの身分で主人にいたずらなんて出
来る訳ないじゃないですかっ!! そんな事、無理に決まってます!!』
「うーん。でも、言った事はやっぱりちゃんと実行しないと。俺も芽衣にお菓子を上げら
れない以上は、いたずらされるべきだと思うし。だからさ、ほら。何でもいいから、思い
ついたいたずらを俺に仕掛けていいぞ」
『だから無理ですってば!! タカシ様にいたずらなんて出来ません。そんなの、身分に
余る命令です!!』
566 :
3/5:2012/11/05(月) 21:07:42.01 0
「俺がいいって言ってるんだから、大丈夫だって。それに、そんな深く考えないでいいよ。
軽いいたずらでさ。例えばくすぐるとかでもいいし」
『く、くすぐりですか? いえ、やはりそんな失礼な事は……』
「まあ、それに限らなくても。いつも俺がちょっかいだしては芽衣に怒られてるじゃん。
それの仕返し程度に考えてくれても。試しに何か、考えるだけでも考えてみなよ」
『考えるって……そんな……』
『あの、思いつかなかったので……それじゃあ、さっさと終わらせる為に、タカシ様の体
をくすぐらせていただきますね』
「ああ。それならそれでどうぞ。ほら」
『では、失礼して……』
コショコショ……
「うーん。あんま、くすぐったくないな」
『そうですか? タカシ様、足の裏ってあまり感じないのですか?』
「いや。人並みだと思うけど」
『じゃあ、今度は脇の下を……』
コショコショコショ……
「やっぱ、あんま感じないな。芽衣が下手くそなんじゃないか?」
『下手くそとか失礼な事言わないで下さい。タカシ様が不感症なんじゃないですか?』
「そんな事無いと思うけどな。自分でくすぐった方がむしろくすぐったいし」
『そんな訳ありません。自分でやってれば耐えられるはずです』
「試しに芽衣にやってみようか? ほら」
コショコショコショ……
『ひゃうううんっ!! ひゃあ、やあっ!! らめっ……やめ……れ……くらひゃいっ!!』
「芽衣は逆に感じやすいみたいだな。ここらへんとか?」
『ひんっ!! やはっ……!! ひゃっ!! やめ……ひっひっひっ……』
「ちょっと、芽衣。悶絶し過ぎだってば」
『らっれ……らっれ……タカヒひゃまが……ひゃあっ!!』
567 :
4/5:2012/11/05(月) 21:08:13.05 0
「くすぐったがるのはいいけど……そんなに足広げたら、中見えるぞ」
『!!!!! らめ……らめれふっ……みらいれ……』
「でも、くすぐるほど、足広げて……腰も浮かしてるし」
『しょ……しょれはあっ……タカヒひゃまがくふぐっふぁいほこふぁかり……ふぇっ!?』
「……もしかして、ここもくすぐって貰いたいとか?」
『ちが……ちがいまふ……そんなんら……らめっ!? しょこはああ……』
「やっぱり、いっぱい感じてる。一緒に脇もくすぐったら……どうなるかな?」
『ひっ……やっ……やあっ……そこ脇ちが……胸っ……』
「ゴメン。もう止まらなくなっちゃった。芽衣にはこうなったら、たっぷり感じてもらうからね」
『たかひひゃま……らめ……らめえ……』
「芽衣。芽衣?」
『へっ!? え、あっ……』
「どうしたんだ、一体? 考えてるうちに、どんどん顔真っ赤になって来てるぞ。難しく
考え過ぎて知恵熱でも出たのか?」
『い……いいいいいいいえええ!! ちがっ……ちがっ……違いますっ!!』
「芽衣は何でも真面目に考え過ぎるからなあ。もうちょっとくだけて考えてもいいのに。
遊びだと思ってさ」
『いえ、あのその……』
「うん? どうしたんだ本当に。何かちょっとおかしいぞ? 芽衣ならここで、遊びでな
んて出来ませんとか何とか、文句付けて来そうなのに」
『それは、その……無理ですけど……あの、タカシ様っ!!』
「何? そんな大声で呼ばなくても、ちゃんと聞こえてるよ」
『そ……それはその……申し訳ありません…… えっとその……一つ、聞いていいですか?』
「ああ。別に一つと言わず、質問はいくつでもいいけど」
568 :
5/5:2012/11/05(月) 21:11:12.61 0
『ではお言葉に甘えて…… その、いたずらのタイムリミットってありますか? いつい
つまでにやらなくちゃならないとか』
「うーん。そうだな。まあ、ハロウィーンのイベントだし、日付が変わるまで、じゃない
か?」
『なら、ちょっと自分の部屋で考えさせてください。タカシ様の目の前じゃ、その……視
線が気になりすぎて、考えがまとまりませんから』
「まあ、それは自由にしていいよ。むしろその方が面白いかもな。芽衣がいつ、いたずら
を仕掛けて来るか分からないし」
『で、ではその……お言葉に甘えて、失礼致しますっ!!』
パタパタパタ……バタンッ!!
「何をそんなに慌てる必要あったのかなぁ……? トイレって訳でも無さそうだし。芽衣
との暮らしは長いけど、時々理解の出来ない態度取るんだよなぁ……」
『ハア……ハア……ハアッ…… 私……何やってるんだろう。よりにもよって、タカシ様
の目の前で、あんな破廉恥な妄想して……顔赤らめて…… 傍から見たら誰だっておかし
い事をしちゃうなんて……最悪……』
『たかが、例としてくすぐりを挙げただけなのに……あんなエッチな事を…… この服装
が、大胆過ぎるから悪いんじゃ…… それとも、私自身がそんな……ううん。違う。私は
あんな事…… でも、もしかして本当はああなりたいって望んでるから……あんな事考え
ちゃったんじゃ……』
『ダメ!! 絶対にダメ!! 私は、タカシ様にメイドとして……専属の使用人として、
終生お仕えして、タカシ様の幸せな人生を影からしっかり支えなくちゃならないのだから……
そんな事、考えちゃ絶対にダメ……なんだから……』
結局、芽衣さんの仕掛けたいたずらは、夕食のメニュー全部をかぼちゃづくしにしたとか。
終わり。エッチなのはいけないけれど、妄想ならセフセフだよね(・∀・)
えっちなのもいけなくないと思います!
GJ!!
ロダに上がってる絵師の人ホントに久々だね
めいめいは早く男と結ばれるべき
友ちゃんのほっぺつんつん
あ、間違っておっぱいつんつんしてt
どうせツンツンするならぱんつがryターン
ツンデレの鼻の頭とかクニクニしたい
頭文字Dを読んで走り屋に憧れだしたちなみさん
でもブレーキに足が届かないのかわいい
ちなみんはクラッチ踏めないだろうな・・・
寝起きでボケーッとしながらパジャマ姿で歯磨き咥えてるツンデレは可愛い
寝乱れたのを姿見で見て直す纏さん!
お題
つ・ツンデレが気が付いたら男と二人きりになってたら
>>580 そわそわしだして無口になっちゃう
そわそわしだして余計なこと言っちゃう
そわそわしだして暴力ふるうもかわされちゃう
どれがいい?
>>581 真ん中で
どんどん墓穴を掘っていくツンデレかわいい
583 :
1/2:2012/11/07(水) 21:36:17.40 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ
人肌恋しい冬の始まり、俺はツンデレに大人の階段登らせてもらったの
というのも長く借りてた漫画かえしにツンデレん家行った時の事なんだけど
床に転がってるファッション雑誌読んでる所見つかってネタにされてしまってさ
興味あるなら教えてやろうか、って嫌がる俺に無理やり化粧ほどこしてきたの
でさ、ツンデレに見つかった時マニキュアのページ見てたんで爪に色塗られてさ
なんかツンデレも真剣に塗ってくれてるし、自分の爪が鮮やかなピンク色になってくのに見とれてね
それに気付いたんだけどさ、俺に塗ってもらってるマニキュアを当然ツンデレも使ってる訳で
俺達はハケ越しに爪をこすり合った仲になったの
それをツンデレに報告したら、馬鹿、って言われてさ、ホラあの子照れ屋さんだから
そっからはツンデレ顔も上げてくれず、馬鹿じゃね馬鹿じゃね、ってうわごとの様に繰り返しながら塗ってさ
仕上げに星やハートのシール貼られて完成、これには馬鹿な俺も大満足
爪に色付いただけで本当自分の手じゃないみたいでさ、調子乗ってツンデレに見せびらかしたの
したらメイクさん気取りのツンデレにチークや口紅も塗られてさ、身も心も女にされてもた、って話
584 :
2/2:2012/11/07(水) 21:38:02.30 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど
人肌恋しい冬の始まり、私はアイツに大人の階段登らせてやったの
というのもアイツが借りパクしてた漫画かえしに私ん部屋来た時の事なんだけど
飲み物取りに出てたらアイツ隠れてファッション誌読んでやがってさ
こんなん興味ないし、って内心ワクワクしてるアイツにお化粧してあげたの
でね、ちょうどネイルの欄見てたし爪にマニキュア塗ってやったんだけど
アイツめっちゃ綺麗な指してんの、長くて細くて女の子みたいな
だから私も気合い入っちゃうよね、視界に爪以外入らないように前かがみになって塗ってたの
したらアイツ、これって間接握手だよな、って言ってきてさ
私達現在進行形で手繋いでるの気付いてないみたいなの、ホラあの子お馬鹿さんだから
そんなアイツの戯言にクールな私は一瞥もなし、淡々と爪先美人にしてやってさ
最後に装飾入れて完成、これには少女なアイツも大はしゃぎ
俺美人になった、って色塗った本人に爪見せつける舞い上がりっぷり
なら私も人に化粧すんの楽しくなっちゃってさ、アイツの言う間接頬擦りや間接キスしてやったぜ、って話
男パートがどう見てもオカマです本当にry
GJ!!
仲が宜しいことで……
GJ!!
お題
つ・ツンデレが他の男と付き合っていると男がずっと誤解してたら
お題
つ・ツンデレにどうせ口ばっかりでやらないくせにって言われたら
さあ、週末だ
かなみさんとイチャイチャするぞ
>>588・ツンデレにどうせ口ばっかりでやらないくせにって言われたら
「あー……彼女欲しいなー」
『……へぇ』
「そう! 彼女を作って青春をエンジョイするのだ!」
『……どんな彼女が良いの?』
「ん? そうだなー、やっぱあれかな!」
『……何?』
「元気で明るい子だな、うんうん』
『……』
「あと男に尽くすタイプだったりなんかしたら――」
『無理、不可能、出来っこない』
「んなっ! いきなり全否定かよ! 俺だって、ちょっと本気出してナンパさえすれば彼女なんて、すぐだよ、すぐ!」
『……どうせ口ばっかりでやらないくせに』
「おうおう、今のにはカチーンと来ましたよ。よしっ、今度の日曜にナンパして来るぞ、俺は!」
『……勝手に行け……この馬鹿』
「ふふふ、休み明けの俺のリア充オーラに平伏すが良い!!」
「よーし、さっそくナンパするぞ――って、何で!? お前が居んの!?」
『……ナンパする所を見に来ただけ……お構いなく』
「いやいや、構うよ! 女連れでどうやってナンパすんだよ!? せめて遠くから見てろよ、近過ぎるよ!」
『……何故、私がこそこそ見てなきゃいけない……男ならこれくらいの逆境くらい乗り越えろ』
「ベリーハード過ぎるだろ! お前っ……俺にそんなに彼女を作って欲しくないのかよ!?」
『――なっ! ……な、何言ってんだか……わ、私は別に――』
「自分だけ一人身になるのがそんなに嫌なら! お前もナンパすれば良いだろ!?」
『…………煩い、人の事言える立場か……さっさとナンパしろ』ガシ
「ちょっ、腕に抱き付くなよ! さらに難易度上がってるじゃねぇか、こら!!」
この後、駅周辺やらケーキ屋さんやら映画館やらゲーセンなどに行ったが、ナンパは成功しなかったそうな。
男爆発しろ
今日も友ちゃんと徹夜で編集だ。夜食用意しなきゃね
男もげろ
>>589 もう十分リア充してるじゃねぇかwww
GJ!!
595 :
1/4:2012/11/10(土) 00:32:42.03 0
【ツンデレに理想郷について話したら】
こんなにネコミミが好きなのに、この世界ときたら女の子にネコミミを生やしやがらねえ。
「おかしいと思いませんか!?」プンスカ
「……思う」
「よもや賛同を得られるとは! よし、一緒に神を成敗しにいこうではないか、ちなみ!」
「……ただ、まあ、タカシがおかしいのはいつものことなので、殊更言う必要もない気もする」
「いや、俺の頭の話ではなくて、この世界のコトワリをね。ちなみに、俺の頭はおかしくない」
「……名前を呼ばれた。本当にタカシは私が好きで好きで困る。迷惑なので自殺しろ」
「呼んでねえ。『前に述べた事柄に、あとから簡単な補足などを付け加えるときに用いる。ついでに言うと、という意味合い』のちなみに、という言葉を使っただけです。あと、自殺はしたくないです」
「……また呼ばれた。そして自殺はしろ」
「嫌だっての」
ちなみの眉間をむぎゅーっと押して断りをいれる。
「……そこでもいいけど、もうちょっと眉寄りのトコ押したら、もっと眼精疲労が取れるのに。これだからタカシは使えない」
「お仕置きで疲労を取ろうとするな」
とはいえ、一応眉頭の周辺を押してやる。
「む。ちなみ、押しにくいのでちょっと顔を上向きにして」
「むっ。……人の身体を小さいと申すか」
「申すのです」
「……申されては仕方ない」
顔が上向きになったので、両手の親指でくいくいとちなみの眉をマッサージする。
「んー。んぅ。んー」
「うるさい」
「……気持ちよさのアピール中なのに。タカシにはがっかりだ」
「がっかり。……そう思いだした、がっかり世界だ! ネコミミの話をしてたのに、どうしてちなみのマッサージをしているのか! こんなことしてる場合じゃない!」
「……うーん。顔のマッサージのあとは、おっぱいのマッサージをしないと。誰かしてくれないかなあ」
「あっ! 丁度俺なんか上手だと思いますよ! なんか嫌な予感がしますが全力で気にしないことにします!」
元気よくハイと手を上げて立候補する。
「……じゃあ、頑張れ」
「ハイ!」
596 :
2/4:2012/11/10(土) 00:33:14.01 0
そんなわけで、くいくいくいとちなみの顔をマッサージする。
「んー。結構上手だね、タカシ」
「金取れそうなレヴェルか?」
「……唇の下っかわを噛んで発音しているので、お金は取れない」
「抜かった! こんなところで帰国子女の弊害が出ようとは……!」
「……この国から出たことないくせに」
「アイ ドント ハブ ア パスポゥト」
「発音がカタカナ。……ん。もーいーよ」
「しまった、マッサージに夢中になるあまりかくれんぼをしていたことに気づかなかった! これでは即座に捕まってしまう!」
「……もーいーよ、という響きからかくれんぼだと連想、思うがままに言ったと推測」
「当たり」(なでなで)
「…………」(ちょっと嬉しい)
「それで、お、お、お、おっぱいマッサージの話ですが!」
「?」
「おっぱい! おっぱいマッサージですよ! ほら、よく知らないけど大きくするために揉んだりするんでしょう!? ありえないですよね! 揉みたいから言いませんが! だけどまあ、ありえないですよね!」
「……本当にタカシはロリコンなんだなあ。ちなみ」
「みつを、みたいに言うな」(なでなで)
「ふふん。……まあ、なんだ。おっぱいマッサージとか、させるわけない」
「ですよねー。分かってたんです。本当に分かってたんです。だけど、一縷の望みに託したんです」
「ふははははー。ばーか」ペシペシ
高らかに笑いながら人の頭をぺしぺしするちなみ。こっそり背伸びしてるが、気づかないフリをしてあげるのがマナーです。
「ええい。でもまあ、ちなみの顔をむいむいするのもそう悪くなかったので、まあいいや」
「むっ。……そこは、私に怒ってくれないと、困る」
言葉通り、さっき俺がマッサージしてたちなみの眉が困ったように八の字を描いた。
「困られても困る。そもそも怒るの嫌いなんです」
「ばーかばーかばーか。……怒った?」(くりっと小首を傾げつつ)
「あまり」(なでなで)
ちなみの顔がますます困っていく。可愛い。
「……ううううう。……怒れ。おーこーれ」ペシペシ
両手を振り上げ、ちなみは俺の頬をぺしぺし叩いた。だが、もともと非力なので、鬱陶しいだけでちっとも痛くない。
597 :
3/4:2012/11/10(土) 00:33:46.90 0
「ああもう、分かった分かった。えーと、このー!」
「……もっと真剣に怒れ」
「これでなんとかなりません?」
「……やれやれ。これだからタカシは」
どうして俺が呆れられてる段になってるのか。
「……まあいい、場は整った」
そう言うと、ちなみはコホンと咳払いをひとつして、懐から何か取り出した。
「……まあまあ、そう怒るな。……このネコミミに免じて許してはどうか」
「ね、ね、ね、ね、ネコミミだぁ!!!」
そう。ちなみが懐から取り出したのは、果たして俺が渇望して止まない、ネコミミ(のカチューシャ)だったのだ!!!
「……そうちゃーく。ふにゃーん」
「あああ可愛いなあ。ちなみは可愛いなあ。ねこちなみんは可愛いなあ」(なでなでなで)
「ふにゃーん。くにゃーん」
「あああああ」(なでなでなで)
「……鼻息が荒い」
「興奮してるからね!」(なでなでなで)
「……うーん、気持ち悪い」
「はい! すいません! はい!」(なでなで)
「……なで量が減ってる。そんなのでショックを受けるな。いつものことだろうに」
「ご褒美と受け取ろうと努力はしたのですが、どうにも!」(なでなで)
「……やれやれ」(ぽふぽふ)
「ん?」
「……ここに座りたい、と猫が申している」(ぽふぽふ)
ちなみがぽふぽふと俺の腿を叩く。
「つまり、お膝に乗せて抱っこの許可が出たということでいいんですか!?」
「……のー」
「チクショウ! この世界はいつもこうだ! 期待させるだけ期待させて最後に裏切る! ええい、憎らしい! ええい!」
「……怒った?」
「怒った!」
「……やったー。やっとタカシを怒らせることに成功。ぶい」
598 :
4/4:2012/11/10(土) 00:34:19.20 0
「ぶいじゃねえ」
「……じゃあ、満足したので、膝に座らせろ」
「え」
「……怒らせるための嘘だった。膝には座りたい、と猫が申している」
「なんと。この猫はなんて素敵なのだ!」
というわけで、猫のためにあぐらをかいてその時を待つ。
「ど、どうぞ」
「ふにゃーん」ポフリ
「ネコミミにゃんにゃんが俺の膝に!!!」
「……とてもうるさい。やめておけばよかった」ウンザリ
「時すでにお寿司! 大変にお寿司! ふはははは!」(なでなで)
「……寿司。お寿司食べたい。にゃー」
「あ、今度一緒に行こっか?」
「……ふにゃ」コクコク
「よし、ネコミミ娘とのデートにこぎつけることに成功! その時が楽しみだ!」
「デートではない。……あ、当然だけど、その時は普通のちなみとして行くので、ヨロシコ」
「ええっ!? そしてヨロシコ!?」
「ふにゃふにゃ」スリスリ
「だけどまあ今現在のネコミミの娘さんがふにゃふにゃ言いながらスリスリしてきたからまあいいや!」
「……あ、当然全部おごりね」
「え。いや、それは一介の学生にはちょっとだけ難しいような。もちろん無理すればできるのですが、それでも」
「くにゃーん」スリスリ
「おごりとか当然じゃあないですか!」(なでなで)
「……たやすし」
自分でもそう思うます。
ちなみん可愛すぎ!
そして相変わらずタカシ馬鹿すぎww
>>590 >『無理、不可能、出来っこない』
てっきりツンデレが自分の事を言っているのかと思ってしまった
男を邪魔しつつ、ちゃっかりデートするちなみん可愛い
>>598 GJ!!
いつもいいコンビというか、ちなみさんは男を御するのが上手いよなあ
常に自分のペースに持って行くしwww
『そんなの嫌です。絶対無理ですから』
狭い部室に、先輩――といっても、今は同学年だが――の声が響き渡る。椅子に座った
まま駄々をこねる先輩を、部活の先輩達が困ったように見下ろして説得していた。
『大丈夫だって。これに載ったからって、別に二人がカップル認定されるとかそんな訳じゃ
ないんだし。ちょっとした写真撮影だと思って気軽に望めばいいのよ。ね? 凛花先輩』
野上さんに同意を求められ、涼城さんという三年生の先輩が頷く。
『ええ。今までそれで問題になった事も一度もないし、大丈夫よ。たかが学校案内の数ペー
ジに載るだけだから』
しかし、先輩は頑なにイヤイヤと首を振った。
『だからって……別府君と恋人同士の役だなんて、絶対に嫌ですってば。断じてお断りです』
すると、野上さんがため息をついてから、横にいるショートカットの女性を睨み付けた。
『こら、莉緒。アンタが悪いんでしょーが。別府君と恋人役で、だなんて余計な事言うか
ら、かなみちゃんが動揺しちゃったんじゃない。今からでも訂正なさい』
怒られて、広上さんがテヘッと可愛らしく笑う。
『ゴメンゴメン。まさか、こんなに駄々こねるとは思わなかったから。でも、別府君なら
別にいいと思うけどなあ。ほらほら』
いきなり腕を引っ掴まれたかと思うと、広上さんが僕にピッタリと寄り添い、腕を絡め
て来る。突然の事に、僕は動揺して体を離そうと抵抗した。
「ちょっ……と、止めて下さい。広上さん。そういう事は冗談でも誤解を生みかねません
から」
『アハッ♪ 普段超然としてて動じない感じの別府君でも、動揺したりするんだね。可愛
いなあ』
この人の一番困る所は、何といっても豊かな胸の持ち主だということだ。新歓の時も、
この手でいきなり来られたし。でも、だからといって、それだけなら僕だってもう少し冷
静に対処出来るが、先輩の見ている前でやられてはたまらない。ほら。今だって、もの凄
い視線で僕を睨み付けているし。
『だからアンタは、男にほいほいと縋り付くなと。このビッチが』
野上さんが、丸めた雑誌でポコッと広上さんの頭を叩く。
『あいたっ!! 酷い、通衣。いくらなんでもビッチ呼ばわりはないわよ。可愛い後輩だ
と思うから抱きつきたくなるのよ。ほらほら』
「わわっ!? い、いきなり何するんですか広上先輩っ!!」
僕と同じ一年の山田君が広上さんに抱きつかれ、動揺して身を硬くする。
『ええい。やめいとゆーとろうが!!』
ブン、と雑誌を上段に構えて振り下ろす野上さんに、広上さんはその前にサッと山田君
から身を引いて離れる。そこに涼城さんが三年生らしく場を収めようと割って入った。
『はい、話が進まないからそこまで。みっちゃん。昨年度モデルの貴女が、責任を持って
椎水さんを説得する事。後は全員黙ってる。いいわね?』
主に広上さんを見据えて釘を刺すと、広上さんは若干不満そうに頷く。また、事の成り
行きを面白そうに眺めていた他の先輩達も、同様に頷いた。指名された野上さんが、親し
げに先輩の肩を叩いて、ニッコリ笑う。
『大丈夫だって。たかが写真撮影のモデルを二人でやるくらい、何てこと無いってば。確
かに、イメージイラスト見ると、一見恋人に見えなくも無いけど、でもノートとか見てテ
スト範囲を確認したりとかで男の子と隣に座るのなんて、普通の知り合いだってやるでしょ?
去年は私がモデルやったんだけど、結構楽しかったわよ? だから、経験だと思ってやっ
てみよ? ね?』
『けど、相手が別府君だなんて……』
まだ先輩は僕と組む事をぶつくさ文句言っている。これ、普通の男だったらここまで嫌
がられたら結構傷付くと思うぞ、と僕は内心ちょっと不満に思う。同学年なのに先輩と呼
んでいるように、高校時代の部活の先輩後輩の間柄で、今はプライベートも結構共有する
仲だからこそ、照れ隠しだろうと理解する事も出来るが。
『まだいいじゃない。去年の私なんて通君よ? 別府君の方が数倍マシだって。人として
みても男としてみても』
先輩が何か言い返そうとしたが、その前に槍玉に挙げられた朝日奈さんが口を挟んできた。
「そう。野上もすっげー嫌だ嫌だって言っててよ。それこそ俺が気の弱い性格だったらマ
ジ自殺しようって思うくらい拒否られたけど、結局撮影の段階になったら超ノリノリでさ。
俺にあーだこーだと指図して、イメージボードより結局仲良さげな写真になったっけ」
『ちなみに、去年の受験生向け学校案内のパンフがこれでーす』
広上さんがすかさず先輩の前に、パンフレットの見開き写真を開く。僕も含めた一年生
全員が、パンフレットの周りに集まった。するとそこには、朝日奈さんと野上さんが仲良
く隣合わせでお昼を食べている写真があった。横に広上さんも写っているが、少し距離が
離れ、視線も違う方向を向いているので、余計に二人が仲の良いカップルに見える。
『な、何見せてんのよ!! ダメダメダメ!! それはダメだってば!!』
慌てて隠そうとする野上さんを、広上さんともう一人の二年の先輩女子が押さえる。
『これじゃ余計に恋人に見えるじゃないですかっ!! 別府君とこんなのとか、絶対嫌です!!』
バン、と机を叩き先輩が野上さんたちからそっぽを向く。野上さんがキッと広上さんを
睨んで文句を言った。
『ほら。余計に嫌がっちゃったじゃない。だからね、かなみちゃん。モデルやってるとさ。
相手が誰とかそれこそどうでもよくなっちゃうくらい楽しいって事。それに、実際写って
みてもさ。意外と見た人は気にしないものなのよ。現に皆だって去年受験生でパンフ見た
子だっているはずなのに、初めて意識したじゃない。だから、ね?』
そう言われてみれば、確かに受験の申し込み書類と一緒に入っていたパンフである。一
応大学選びの為に一通り目は通したはずなのに、朝日奈さんにも野上さんにも会った時で
すらちっとも気付かなかった。
「う〜ん……確かにそうですけど、でもやっぱり別府君となんて……」
先輩も同じ事を思ったらしく、さっきよりは随分と態度が柔らかくなっている。とはい
え、やはり皆の前で僕とカップリングされる事への抵抗が拭い切れないようだ。しかし、
野上さんは感触を掴んだのだろう。安心させるようにニコッと笑うと、先輩の前に手を付
いて言った。
『あのね。せっかくモデルやるチャンスなんだからさ。もういっそ自分だけが目立てばい
いって、それだけ考えればいいの。所詮男なんて自分を輝かせる為の引き立て役でしかな
いってね。かなみちゃん、可愛いんだからさ。自信持って行っちゃおうよ』
『うー……』
先輩の様子を見て、あ、これはあと一押しで落ちるなと思った。もともと先輩は強気な
性格のようで結構押しに弱いのだ。しかし、この場合は今僕が何かを言ったところで、却っ
て逆効果にしかならない。ただ、野上さんだけではこれ以上は無理かも知れないと思った
所で、涼城さんがスッと入って来た。
『椎水さん。今日の撮影会終わったら甘い物食べに行かない? 女子だけで。何だかんだ
で衣装変えたりポーズ付けるのにいろいろ修正したりで時間も体力も使うから、結構疲れ
るのよね。私がまだ連れてっていないお店があるの。もちろん他の一年の子もね。どお?』
その提案に、1年女子がワッと沸く。
『涼城さん。それって私達もいいんですか?』
僕らと同じ1年で、高校時代写真部だった経歴を買われて今回もカメラマンをやる長友
調という女子が確認すると、涼城さんは当然といった感じで頷く。
『もちろんよ。長友さんにもしっかり写真撮ってもらわないといけないからね。頑張って』
『はい。今ので俄然やる気出ました』
普段ボーイッシュな服装をして、女子の中では一番女の子女の子してない彼女だが、や
はり甘い物は大好きらしい。
『ちょっと、涼城さん。そんな事言われたら私断れないじゃないですか!!』
さすがにその裏に隠された意図に気付き、先輩が文句を言う。すると涼城さんはクスリ
と笑ってちょっとイタズラっぽく肩をすくめてみせた。
『あら? 私は別に椎水さんが引き受けてくれたら、何て言ってないわよ。でも、もうほ
とんどやってくれる気にはなってるんでしょ? だから、最後にちょっとご褒美も付け足
そうかなって思っただけよ。無理強いする気はないし、もし断わったとしても、撮影は皆
でやるんだし、もちろんご馳走するわよ。ただ、モデル選びからやり直さなくちゃいけな
いから、ちょっと日程も変更しなくちゃいけないわね』
うーん……と涼城さんが難しい顔で考え込むように言うと、先輩の周りに他の1年女子
が集まって来た。
『かなちゃん。ここは絶対やるべきだと思うよ。私、モデルにはかなちゃんが一番相応し
いと思うの』
『あたしもさ。かなみなら絶対映えると思う。絶対綺麗に撮ってみせるからさ。ね? やっ
てみようよ』
音羽さんと調ちゃんにまで説得され、先輩は頭を抱えて呻いてから小さく呟く。
『……わ……分かりました……』
『え? ホントに? やってくれるの?』
野上さんが聞き逃さず確認すると、先輩はパッと顔を上げて、強気に周囲を見回してか
ら、自棄になったように言った。
『やりますよっ!! もう、ここまで言われたらやらない訳に行かないじゃないですか。
断わったのにスイーツご馳走されるのも超気まずいし。別に、別府君なんて丸太を横に置
いて撮影してるとでも自分に言い聞かせればなんてこと無いですから』
『そうそう。その意気その意気よ。よし、これで決まりね。涼城さん。説得成功したから、
私にもスイーツご馳走ありですか?』
野上さんが嬉しそうな顔でおねだりするも、涼城さんはうーん、と難しい顔で考え込ん
だ。
『ゴメン。正直、一年の子だけでいっぱいいっぱいな感じなのよね。ただ……』
顔を上げると、広上さんの方を向いて言った。
『莉緒。貴女が変な事ばかり言って事態をややこしくさせるから、余計に説得に時間が掛
かったのよ。罰として、貴女はみっちゃんの分も含めて、一部負担すること。いいわね?』
『えーっ!? そ、そんなのってないですよーっ』
『ぬふふ。ざまーみなさい、莉緒。散々場を引っ掻き回したバチが当たったんだから、甘
んじて受けなさい』
泣き声を上げる広上さんに、野上さんが得意気に言ってみせて、周囲がドッと笑う。す
ると、部室の外にいた幹事長の佐倉さんが顔を出した。
「涼城。椎水の説得は終わったのか?」
『ええ、もうバッチリ』
『もう……好きにして下さい……』
笑顔で頷く涼城さんの傍で、先輩はムスッとした顔で投げ遣りに頷く。
「よし。そんならとっととやっちまうべ。今日一日で撮影全部やり切らないと間に合わねー
しな。じゃあ、撮影班は機材持って中庭な。あとの奴らは遊んでないで自分の仕事やれよ。
いいな?」
佐倉さんの合図に返事をして、それぞれが作業に取り掛かる。その時、朝日奈さんが僕
に何気なく聞いて来た。
「そういや別府はずっと黙ってたけどさ。お前は椎水で良かったのか? 俺は去年、あん
まり野上が文句言うから、だったら俺だってそこまで嫌がる奴と組みたくねーよって言っ
たんだけど」
その言葉は先輩にも届いたらしい。中で支度をしつつ、ハッと顔をこっちに向けたから
だ。聞き耳を立てられている事を意識して、僕は頷いた。
「ええ、僕の方は全然構いませんよ。そもそも、椎水さんであってもなくても、女の子と
二人きりで一緒に写れる機会なんて彼女なしの僕にはないですからね。十分、光栄ですよ」
迂闊な事を言わないように言葉を選んで答えると、ハー、と感心したようなため息をつ
かれた。
「お前って謙虚だよな。ただ、女相手にあんまり下手に出ると、調子に乗られるから気を
付けた方がいいぞ」
そう言った途端、いつの間に背後にいたのか、朝日奈さんの後ろに立っていた野上さん
が、彼の耳を掴んで引っ張った。
『だからって、通君は女の子を大事にしなさ過ぎなのよ。アンタこそ、別府君の謙虚さを
少しは見習いなさいっての』
「イテテテ、イテイテ。ほら、これだよ」
耳を押さえつつ、振り向いて呆れた口調で野上さんを睨むが、彼女はそれを無視して僕
の方に寄った。
『いい、別府君。君の方がぜったい通君より性格良いしカッコ良いんだから、こんな奴の
言う事聞いてちゃダメよ。そのままでいたら絶対モテるから。私が保証するわよ』
「いいか、別府。くれぐれもこういう女にだけは引っ掛かるなよ。自分の都合のいい時だ
け甘えて来て、あとはわがままし放題だからな。ちょっと優しくされたからって絶対に騙
されるなよ」
『大きなお世話よ。大体、モテもしない通君が偉そうに先輩風吹かせてお説教とか何様の
つもりよ全く』
口げんかを始めた二人を見ていると、何気に付き合っているんじゃないかと思えて来る。
それから僕は先輩の方を見た。先輩はずっと僕の方を見ていたらしく、思わず目が合う。
ハッと驚いたような顔をしてから、先輩は慌てて視線を逸らした。野上さんとしゃべって
いた事を何気に嫉妬されているんだとしたら、それはそれで嬉しい事なんだけど、と朝日
奈さんの忠告も虚しく、この部の誰よりもわがままな女の子に惚れ込んでいる僕は、そう
思ったのだった。
続く
登場人物大杉だし、ツンデレが先輩なのに同期とか初見お断りみたいな内容で結構意味不明でスマン(´・ω・`)
先輩可愛いよ先輩
しかしこのシリーズも結構長いな
611 :
番号間違えたけどもういいや:2012/11/10(土) 23:41:37.25 0
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは?じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「??アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry
山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。
※名前の由来などについてはまとめサイト参照
・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう
スレも間違えたよ…
ごめん誤爆だ
まあ気にするない
俺は立てられんので立ててくれる人がいるだけありがたいぜ
あとはもっと保つといいんだけどなあ
「よっしゃ。この辺でいいべ」
佐倉さんが指定した場所は、中庭の中央に置かれた噴水の周りである。石で出来た円形
の囲いは、普段から待ち合わせや授業の合間に教科書やノートを広げて内容を確認したり、
時には本や雑誌を読んだりするのにも使われている。
「じゃあ長友。準備してくれ」
『分かりました、佐倉さん』
調ちゃんが頷き、自分のカメラである一眼レフのデジカメを三脚にセットする。
『それじゃあ、別府君はこっち来て。まだお姫様は来てないけど、場所だけでも決めとき
ましょう』
涼城さんに手招きされ、僕は円形に形どられた噴水の縁に腰掛ける。その横に涼城さん
が腰掛けた。先輩が来るまで代わりを務めるらしい。
『ここらへんとかどうかな? 背景的には一番いいと思うんだけど?』
涼城さんの問いに、三脚の上に乗せた愛用の一眼レフを覗き込みつつ、調ちゃんが首を
捻る。
『うーん……もうちょっと左、ですかね? あと朝日奈さん。レフ板の角度、もう少し右
でお願いします』
「はいよ。こんな感じか?」
『そうですね。そのままで』
こんな風に写真を撮られるのが物珍しくて、ついつい見入っていると、横から腕を掴ま
れて、軽く引っ張られた。
『別府君。もうちょっとこっちよ』
意識が逸れていたので、ちょっと驚きつつ涼城さんの方を向くと、彼女は笑顔でちょい
ちょいと手招きした。
「この辺ですか?」
座る位置を若干左に寄せると、涼城さんは首を振る。
『ううん。もうちょっとこっち。一緒にノート見て勉強してる構図にしたいから、ここに
ノート置く感じで』
僕が傍に寄ると、涼城さんが、授業の内容が書かれたルーズリーフを挟んだバインダー
を二人の腿の間に置き、少し身を寄せて来た。肩や腕、腿にくるぶしといった辺りが触れ
合い、彼女のいい匂いまでフワッと香ってきて、不覚にもドキドキしてしまう。
『どう、長友さん。こんな感じかしら?』
顔を上げて調ちゃんに確認すると、ファインダーを覗き込んでいた彼女は、そのまま指
で○印を作る。
『いいですねー。涼城さんと別府君だと、ちょっと恋人っていう感じじゃなくて、やっぱ
り優しい先輩とちょっと頼りなげな後輩って感じですけど』
「優しい……ねえ?」
佐倉さんが小さく疑問の声を呟くのを、涼城さんは聞き逃さなかった。
『あら、佐倉君。それってどういう意味かしら?』
棘を含んだ笑顔で突っ込みを入れられ、佐倉さんが慌てて手を振った。
「何でもねーよ。気にすんなって。それよか長友。試しに一枚、撮ってみてくれ。画像、
確認すっからさ」
『はーい。じゃあ別府君。もう少し涼城先輩に寄り添ってみて』
「え?」
もう充分近いと思うのだが、これ以上もっと寄れと言うのだろうか? しかし、それに
応じて涼城さんも僕を促す。
『ほら。もうちょっとこっちだって』
「あ、はい……」
こんなにピッタリ寄り添っていいのだろうかと思いつつ、僕は涼城さんに寄り添う。そ
して同時に、先輩ともここまでピッタリくっ付くのだとしたら、物凄く嫌がられないだろ
うかという不安も頭をもたげた。
『別府君。ちょっと顔、固いよ。もう少し表情柔らかくして。自然な感じで』
調ちゃんから注文を付けられ、僕は顔を上げて頷いた。
「あ、うん。こんな感じ……かな?」
難しいな、と思いつつ、涼城さんから真面目にレクチャーを受けている感じでノートを
覗き込む。
「長友。テストなんだからこだわる必要ねーって。どうせ椎水でまた時間食うんだしさ。
サクッと撮っちまえよ」
『了解です。それじゃ、撮りまーす。はいっ』
パッとフラッシュが光る。
『オッケーです。もういいよ、別府君』
その声に、僕はホッと肩の力を抜き、体の位置をズラして涼城さんから離れる。部活動
とはいえ、これだけの美人の傍に寄りそうというのは緊張するものだ。しかし、気を抜く
間もなく、涼城さんにちょいちょいと肩を突付かれた。
「はい?」
咄嗟に顔を上げて彼女の方を見ると、涼城さんが反対側――右の方を指す。それで視線
をそっちに向けたのと同時に、広上さんの声がした。
『佐倉さん。涼城さん。お待たせしました』
片手を上げて振る広上さんと、その横に服を着替え、化粧を整えて来た先輩の姿があっ
た。しかし、せっかく綺麗に着飾って来たのに仏頂面な先輩の姿があった。
「おー。やっと来たか」
佐倉さんの声に合わせるかのように、涼城さんも立ち上がって出迎えた。
『お疲れ様、莉緒。うん、相変わらずいい仕事ね』
部内一のオシャレ番長を自認する広上さんは、モデル役の衣装だとかメーク一切を担当
する。彼女の手に掛かった先輩は、カジュアルな格好ながらも実に女の子らしく可愛らし
く変身していた。
「へえ。なかなか可愛いじゃん。椎水」
朝日奈さんが感心して頷くと、先輩は不機嫌そうな顔を崩しもせずに、頭を下げた。
『ありがとうございます。朝日奈さん』
何となく、怒りの矛先は僕に向けられているような気がする。いや、何となくなんて曖
昧な表現を使う必要は無い。絶対にそうだ。多分、涼城さんと僕がテスト撮影をしている
所をバッチリ見ていたのだろう。と、その時、いつの間にか涼城さんが傍に寄って来て、
肘で僕を小突いた。
『ほら。別府君も何か言ってあげなさいよ。でないと彼女、ますます機嫌損ねるかも知れ
ないわよ?』
僕は驚いて涼城さんを見る。先輩が嫌がるので、僕と先輩は大学では比較的距離を置く
ようにしていて、部活の同期仲間という関係以上には見えないように心掛けているのに、
この人は何でか全てを心得ているように見えた。しかし、今は彼女の言う通りにするべき
だと思ったので、その疑問は奥にしまって、僕は先輩に近寄って笑顔を見せた。
「せんぱ……いや、椎水さん。その格好、良く似合ってて可愛いと思うよ」
まだ動揺しているのか、咄嗟に普段の呼び名で呼びかけて、慌てて呼び方を変えて褒め
言葉を口にする。しかし、先輩はフン、と鼻を鳴らしそっぽを向いてつまらなさそうには
き捨てた。
『ありがと。でも、別府君に言われても嬉しくも何ともないわね』
まあ、そう言われるのは予想通りだったので、僕はちょっと肩をすくめただけで何も言
わなかった。周りで皆が苦笑しているのが分かる。
「じゃあ、スタンバイしてとっとと終わらせちまおうぜ。時間掛けると、日が傾いてまた
やり直しになっちまうし。椎水、よろしくな?」
佐倉さんが敢えて先輩にだけ念を押す。さすがに幹事長に対しては、先輩も嫌な顔をせ
ず、素直に頷く。
『はい。やると決めたからにはとっとと終わりにしちゃおうと思いますから。別府君もそ
のつもりでね。分かった?』
「え……あ、うん。僕はいつでも大丈夫だから」
もう部に入って何ヶ月か経つのだが、先輩に対して敬語を使わないというのは、未だに
慣れず、何となく自信のないしゃべり方になってしまう。
『二人とも準備は良いようね。じゃあ、撮影の方始めましょうか。長友さんは準備、いい?』
『はい、こっちはいつでも大丈夫です。朝日奈さん、またお願いします』
涼城さんの確認を受けて、調ちゃんが頷く。レフ板係の朝日奈さんが、だるそうに肩を
回して頷く。
「了解。これ、上げっぱなしって結構疲れるんだよな」
『男子が情けないこと言わなーい。ほら、二人は座って座って』
先輩のお化粧を済ませ、手持ち無沙汰で見に来ていた広上さんが、僕と先輩の背中を押
して所定の位置まで動かそうとする。それに先輩が嫌そうに抵抗する。
『ちょっ!? 押さないで下さいってば、莉緒先輩。そんな事しなくても、ちゃんとスタ
ンバイしますってば!!』
それに広上さんはテヘッと可愛らしく笑って首を傾げてみせる。
『いやー。初々しいカップル見るとさ。ついついおせっかい焼きたくなっちゃって』
『だから、カップルなんかじゃありませんてば。ただの撮影で一時的に組んだだけなんで
すからっ!!』
体を捻って広上さんの手から逃れつつ、先輩が文句を言う。しかし、広上さんは何もか
もご承知、といった顔でウンウン頷くばかりである。
『通衣もいっつもそんな事ばっか言ってるもんねー? 通君』
意味ありげな目線で朝日奈さんを見つつ、そんな質問をぶつける広上さんに、朝日奈さ
んは不愉快そうに眉をひそめ、つっけんどんに答える。
「何でそこで俺に振るんだよ。知るか、バカ」
『莉緒。いい加減になさい。邪魔ばかりしてると怒るわよ?』
腕組みをしたままの涼城さんにジロリと睨まれ、さすがの広上さんも焦って手を振りつ
つ言い訳をする。
『ち、違いますってば!! いざって時に勇気が出なくなるかも知れない後輩の為に、場
の雰囲気をリラックスさせようかなーなんて。アハハ』
しかし、涼城さんの厳しい目線を前に、笑ってごまかすでは効かないようである。その
空気を察し、広上さんは頭を下げて謝った。
『済みません。大人しく見てます』
『はい。宜しい』
暴走しかけた広上さんを視線で黙らせると、涼城さんは満足気に頷いた。
『それじゃ、別府君。椎水さん。宜しくね。長友さんもスタンバイオーケー?』
僕らに挨拶してから、涼城さんは調ちゃんに確認を撮る。ファインダーを覗き込んだま
ま、調ちゃんはさっきと同じように親指と人差し指で○を作って答えた。
『オッケーですよ。私はいつでも行けます』
宜しい、という感じで頷くと、彼女はもう一度僕の方を向いた。
『それじゃ、別府君。さっき、私とやったように椎水さんを誘導してあげて。椎水さんは
もうちょっと緊張を抜いて。表情固いわよ』
『そ、そんな事言ったって…… コイツがこんな近くに寄ってたら、いい顔なんて出来ま
せんてば』
先輩が不満気に抗議するが、涼城さんは断固として認めなかった。
『ダメよ。ほら、もうちょっと寄って、二人で仲良く勉強してる雰囲気を出さないと』
『そんな……』
大勢に囲まれている状況で僕と密着しそうなほど近くに座って、明らかに先輩は混乱し
ているようだった。この緊張を解きほぐしてあげるのは、僕の役目だ。
620 :
ほんわか名無しさん:2012/11/11(日) 11:37:30.44 0
さる?
「先輩」
『ふぇっ!?』
小声で呼びかける僕に、先輩が驚いてこっちを向いた。それから怒ったように眉を吊り
上げて睨みながら小さく抗議の声を上げる。
『な、何よいきなり。みんなの前ではその呼び方禁止って言ってあるでしょ? あくまで
あたし達はたまたま一緒の部に入っただけの同期生なんだから』
高校時代から、部活で先輩後輩だった事実は内緒という約束はもちろん僕だって覚えて
いる。だから、笑顔で頷いてから、安心させるようにそっと囁いた。
「分かってますよ。この大きさじゃ、皆には聞こえませんから」
先輩は顔を上げて周りを見回す。僕らを見ているサークルの仲間達の誰一人として会話
が聞こえていないのを確認してから、顔を伏せつつ小声で返して来た。
『……そうみたいだけど……だからって、何で今、その呼び方で呼ぶ必要があるのよ?』
咎めるような口調に、僕は真面目な顔で先輩を覗き込んで答えた。
「そう呼べば、周りを意識しないで二人っきりの時と同じように出来るかなって思って」
続く
初出から5年半か……
せんぱいー!!
おっちった
625 :
ほんわか名無しさん:2012/11/12(月) 00:35:41.79 0
ちなみんのつるぺた談義で落ちるとは
いつもはへらへらしてる山田が時々見せる真剣な表情に弱い友ちゃんかわいい
ちなみんの巨乳が破裂して貧乳になる呪い恐ろしい
お題
つ・ツンデレに呪いを掛けたって言ったら
友ちゃんが山田に「タカシたちじゃなくて、ボクだけを見て」って真剣な眼差しで言われたら
『なっ……!?』
先輩は驚いた顔で周りをもう一度見回し、それから何度も頭を振って否定した。
『無理よ、無理無理。だって、周りみんな見てるのよ? 二人っきりの時と同じようにだ
なんて……』
ちょうどその時、間の悪い事に広上さんがからかうような口調で独り言のように感想を
口にした。
『あれ? 何、こそこそと耳打ちし合ってるのかしら。何かちょっと、いい雰囲気っぽい
んだけど』
僕は即座に顔を上げて、彼女に言い返した。
「今、椎水さんの緊張が少しでも解けるように、色々話し掛けているんですから。余計な
事言わないで下さい!!」
すると即座に、涼城さんもフォローに入ってくれた。
『ちょっと、莉緒。別府君も頑張っているんだから、邪魔しないの。大人しく見ていられ
ないなら、朝比奈君に変えてレフ板持ちやらせるわよ?』
『うわ。それは勘弁して下さいってば』
涼城さんが彼女を黙らせるのを確認して、僕は先輩の方に意識を戻した。
「いいですか、先輩。周りの人の事は忘れて下さい。今、ここにいるのは僕と先輩の二人
だけだって思うようにして下さい」
『そんな、忘れろなんて言ったって……ダメ。どうしても見られてるの意識しちゃうもん』
フルフルと頭を振る先輩に、僕は辛抱強く言い聞かせ続ける。
「大丈夫です。さすがに僕の部屋と同じとまでは言いませんけど、授業のノートを写しそ
びれたところを僕に見せてもらうために帰りに公園に寄ったくらいのイメージを想像して
下さい」
すると先輩がちょっと不満そうな顔をした。
『何よ、そのシチュ。てゆーか、むしろ何度か実際にあった場面ってのがムカつくわね。
普通こういう時、男子が女子に見せてもらうのが定番なのに。むー』
文句を言いつつも、先輩が自分のノートを出す。白紙ページを広げて出すのを確認して、
僕は先輩に近づくと、太ももと太もも、ふくらはぎとふくらはぎがくっ付くほど近くに寄っ
て、二人の脚の上にノートを広げる。
『ちょ、ちょっと…… 近過ぎじゃないこれ? こんなんじゃ、写真写りでまるで恋人同
士に見えちゃうじゃない』
抗議する先輩の顔を見つめ、真顔で僕は聞き返す。
「いけませんか?」
途端に、先輩の顔がパッと朱色に染まった。
『い、いけないに決まってるじゃない!! 恋人同士に見えるだなんて、絶対ダメだってば!!』
僕は、指を口に当てて先輩を制した。まだ聞こえるような大声を出すほど理性を失って
はいないが、それでも興奮して若干トーンが高くなっている。先輩はハッとして口を押さ
えるも、唇を尖らせて可愛らしく僕を睨み付けている。
「大丈夫です。言い訳ならいくらでも後から出来ますから。というより、今は二人だけだっ
て思って。調ちゃんのカメラも、先輩達の視線も忘れて、僕とノートだけに集中して下
さい」
『……そんな事言ったって……』
ぶつくさと抵抗しようとする先輩に対して、僕は部屋で勉強をする時と同じように、ピ
シャッと説教をする。
「いつも言ってるじゃないですか。回りに気を取られすぎて集中力がないのがダメな所だっ
て。ほら、ノート見て下さい。いいですか? 今日の授業でやったのが、ここまでです
けど、先輩は大体この辺で寝ていましたから――」
『だから、待ちなさいってば。何であたしが寝ていた事になってんのよ?』
僕の設定したシチュエーションに文句を付けられたので、僕はもう一つのパターンを口
にする。
「ダメですか? じゃあ、授業の合間にお茶しに行ったら女子トークが弾んで間に合わな
かったっていう設定の方がいいですかね?」
『変わらないわよ。つーか、リアル過ぎてムカつくんだっての』
むくれてプイッとそっぽを向く先輩に、僕はクスクスと笑ってみせる。
「すんなり中に入るには、やっぱり過去の体験とかが一番ですからね。ほら、先輩。むく
れてないて、ちゃんとノートを確認して。でないと、写させてあげませんよ? ちなみに
この授業選択してるの、僕と先輩だけのはずでしたよね?」
たまたま偶然、という形でこっそり大学でも先輩と二人だけの時間をねじ込んだはいい
が、選択授業という緊張感の無さも相まって、付き合いが長引いて欠席したり、寝てしまっ
たりと、先輩にとってはある意味難関な授業となっている。
『分かってるわよ。でなきゃ、アンタなんかにノート見せてなんて頼んだりしないんだから』
ぶつくさいいつつ、視線をこっちに戻してくれる。
『で、どこからだって?』
どうやら、状況設定の中に先輩も入ってくれたようである。もちろん、完全ではないに
しろ、周囲の目より僕を意識してくれれば、それで成功なのだ。
「いいですか、先輩。もう一度いいますけど、先輩が寝たのはここからですけど、この辺
から船漕いでましたから、多分話も聞いてなかったんじゃないかと。書き写すだけじゃ分
からないでしょうから、ちゃんと説明もしますからね。よく聞いていてくださいよ」
『ちゃんと要点だけにしてよ? アンタの説明って時々長くなりすぎてグダグダになるん
だから、分かるように教えてよね。これで単位落としたら、全部アンタのせいなんだから、
分かった?』
まるで本当に勉強をしている時のように、無茶な言い掛かりを付ける先輩に、僕も本当
にそんな気分になって、手厳しく言い返す。
「いや、それは先輩のせいです。授業を真面目に受けてないんだから、それを僕に責任転
嫁されても困りますってば」
『ううん。アンタのせい。あたしにノート見せるって約束した以上は、ちゃんと最後まで
面倒見るのが筋ってものでしょうが。だから、責任と義務は果たしなさいよね』
「ホント、無茶言いますよね。先輩って……」
呆れて苦笑すると、フン、と鼻息を一つついてから、さも当然とばかりに先輩は頷いた。
『当たり前でしょ? そもそも、アンタが一緒だと楽できるからって思って選択したんだ
から、あたしの為に頑張ってくれなきゃ、何の価値も無いじゃない。ほら、早く進めなさ
いよね。時間無いんだから』
先輩が身を乗り出してノートを見る。それに呼応して僕がノートを指で差した所で、フ
ラッシュがパッと炊かれた。
『フーン……』
『どうしたんですか? 涼城さん。思案げな顔して』
『いや。何ていうか、自然……よねって思って』
『え?』
『椎水さんって、男子としゃべる時はもう少し固いイメージあるなって思ってたんだけど、
別府君ってどういう魔法使って、ああいう自然な表情を出してるのか、不思議に思ってね』
『そうですか? まあ、確かに別府君に対しては必要以上に壁作ってたのが、今は無いよ
うには見えますけど。でも、それが?』
『ううん。何でもないわ。おかげでいい写真、撮れてるみたいだし』
『ですねー。これは去年以上の傑作が期待出来そうですよ』
涼城さんと広上さんが、密かにこんな会話をしていたのを、僕らは知る由もなかった。
撮影が終わった後、僕らは部室に戻って撮った写真をノートPCで確認した。
『ちょっ……ダメですってば!! こんな写真!!』
開口一番、慌てて画面を体で隠そうとしたのは先輩である。
「椎水。どけって。見えねーだろ?」
佐倉さんが抗議するが、先輩はブンブンと首を振った。
『いーえ。いくら幹事長じきじきの言葉でも、こんな写真見せられません。調。即刻この
写真のデータ削除して。全部』
先輩の注文に、調ちゃんがえーっ、と抗議の声を上げる。
『そんなぁ。せっかくいい写真が撮れたのに。これなら、去年の野上先輩と朝日奈先輩よ
りもいいカップルに見えるんだけどなあ』
『そこが問題なのっ!! こんなの見たら、誰だってあたしと別府君が付き合ってると誤
解するわよ。そんなの冗談じゃないんだから』
「だからさ。受験生はいちいちそんなの気にしねーって。ホント、自意識過剰だよな。椎
水も」
『朝日奈さん。今、何か言いました?』
先輩にジロリと凄まれて、慌てて朝日奈さんが首を振る。
「いやいやいや。何も言ってねーって。気にすんなよ」
朝日奈さんに対して凄むとは、さすが先輩。傍若無人ぷりは大学生になっても健在である。
『大体、もっと普通に撮れるシーンもあったはずでしょうが。調ってば、わざわざ仲良さ
そうに見えるとこばかり抽出したでしょ?』
先輩にジロリと睨まれ、調ちゃんがイタズラっぽく笑った。
『分かる? でも、あんまりかなみがいい顔してたから、ついついそういうシーンばかり
を選んで撮っちゃったんだよね。でも、ああいうシーンを演出するって、二人ともすごい
と思うけどな。ちゃんと役に入り込んでるなって感じで』
「え? ホントに? そう言ってもらえると嬉しいけどな」
上手い事、先輩を乗せた策が当たった事に、ちょっと得意気になって喜ぶと、即座に先
輩の矛先がこっちに向いた。
『何、得意がってるのよ。くだらない事ばっか言ってたくせに。上手く撮れたのは被写体
の質と調の腕で、アンタは何も関係ないわよ』
自分の胸を叩いて言う辺り、被写体に僕の存在は無いらしい。しっかり写り込んでいる
とは思うのだけれども。
『とにかく、この写真は無し。撮り直しでもいいですから、もう少し普通っぽいのにしま
しょう』
先輩が断固たる主張をする。が、残念ながらここでは先輩は一年生でしかなかった。
「長友、広上」
佐倉さんが、今この場にいる女子二人の名を呼んだ。そして、続けて命令する。
「椎水を押さえとけ」
『ちょっ!?』
『はいはい。椎水さんはこっちね』
『ゴメン、かなみ。佐倉さんが言ってる事だから』
二人に取り押さえられて、先輩がパソコンから引き剥がされる。それを確認してから、
佐倉さんが悠々とパソコンの前に座り、涼城さんもその横に立って身を屈めるとパソコン
を覗き込む。
「さて。品評会すっか。涼城。どれがいいかな。これとか良くね?」
サムネイル状態にして並べたファイルから一枚を選択して開く。それをちょっと眺めて
から涼城さんは首を捻ってファイルを閉じた。
『私はこっちの方がいいと思うわ。何かより自然な感じだもの。それか、こっちか』
開いて見せたファイルに、佐倉さんも考え込む。
「うーん。確かに、これなんかいい感じだよなぁ。一応、他の奴らの意見も聞いてみて――
うわっ!?」
最後まで言い切らないうちに、先輩の確保を調ちゃんに押し付けた広上さんが圧し掛か
るようにして、パソコンの画面を見る。
『どれどれ? 私にも見せてくださいってば。うわ、これとか超良くないですか? 何か
ホントに初々しいカップルみたいで最高じゃないですか。あ、これもいい。あとこれも』
夢中になってファイルを開く広上さんの横で、佐倉さんの抗議の声が聞こえる。
「だから、見るのはいいから体重掛けてくんなって。重いっつーの」
『いいじゃないですか。私だって見たかったんですから。これとかどうです? 何かすご
くいい雰囲気ですよね?』
『だーかーらーっ!! 見ないで下さいってば!!』
夢中になってファイルを一枚ずつスライドさせて確認する広上さんに向けて、先輩が虚
しく叫び声を上げた。
「ところで別府。お前ならどれがいい? モデルとしての意見も聞いとかないとな」
佐倉さんが振り向いて僕に聞いてくれたので、僕はこの中では比較的無難で、かついか
にも先輩と僕の関係らしい一枚を選び抜いた。
「僕は、パンフに載せるならこれが一番かなと思うんですけど」
「へえ。ま、地味だけど自分が被写体だとそうなんのかな。やっぱ照れも入るしよ」
佐倉さんが感想を言ったその時、いきなり上から頭を撫でられた。
「わっ? ど、どうしたんですか。涼城さん」
驚いて見上げると、彼女はクスッと笑った。
『何となく。別府君のお陰でいい写真が載せられそうだから、つい撫でてあげたくなった
の。嫌?』
「べ、別に嫌じゃないですけど……」
何か、女の人からこんな風に撫でられると、変に緊張してしまう。普段は僕が先輩を撫
でる方だからだろうか。
『もう、何やってんのよ。得意がってないで、アンタも反対なさいってば。つか、調。放
せ。今すぐパソコンの中だけでも消去する』
恥ずかしさから混乱しつつ、先輩が必死にもがくが何気にカメラマンとして鍛えている
調ちゃんのガードは固かった。
『もう無理だってば。みんな気に入ってくれてるみたいだし。つか、私も写真褒めて貰え
るってのは、カメラマン冥利に尽きるなあと思って』
そこに、別ページのデザイン案の相談や取材で部室を離れていた他の部員達も、部室に
戻ってきた。
『たっだいま〜。写真、出来ました?』
野上さんの質問に、涼城さんが満足そうに頷く。
『ええ、もういいのが撮れたわ。ほら、見てよ』
パソコンの向きを変えて彼女たちの方に向けると、ドドッと視線が集まる。
『うわっ? 何これ、超仲良さそう』
『かなみちゃん、可愛い。何か雰囲気いいよね〜』
「何だこれ。お前らもう結婚しろよ」
「へえ〜。普段とは随分違って見えるよね。いつの間にこんなに仲良くなったの、みたい
な感じで」
口々に感想を言い合う中、先輩の絶叫がこだました。
『ああ〜っ、もういやーっ!!』
続く
先輩が非常に可愛くて素晴らしいですな
幼少のころタカシに体が成長しなくなる呪いをかけたってからかわれて
それ以来本当に幼児体型のまま思春期を迎えちゃって
責任とれってタカシに詰め寄るツンデレさん可愛くね?
『タカくん、あのね大人になったらリナと結婚してくれる?』
「うん、絶対にリナちゃんをお嫁さんにするよ」
━━━━━━━━━━
『タカシ、早く来てください!』
「ちょっと待ってくれよお嬢、荷物が多いのは見たら分かるだろ」
『知りませんわ!荷物持ちなら荷物持ちらしく黙ってついてくればいいんです。』
━━━━━━━━━━
「お嬢!好きだ、俺と結婚してくれ!!」
『お断りしますわ』
「え……そんな…」
『私のことを名前で呼ばないような殿方と結婚する気はありませんの、』
「ん?ええと…あれ?」
『〜〜っ!察しが悪いですわね!プロポーズなんだったら名前で呼んでほしいと言ってるんです!!』
「っ!リナ、俺と結婚してくれないか、苦労をかけるかもしれない、でもそれ以上に絶対に幸せにする」
『絶対、ですわよ。』
【いってきまーす!】
「リナに似た可愛い娘でよかったね、」
『元気な性格はあなたに似たんでしょうね』
「リナ、幸せ?」
『もちろん、あなた』
━━━━━━━━━━
『ハゲましたね』
「はっきり言わないでくれ、こんなんじゃ愛想つかされるかな?」
『私もシワが増えたし肌から潤いがなくなってますわ、愛想つかしますか?』
「まさか」
『私もですよ』
━━━━━━━━━━
「うっわー!可愛いなぁ可愛いなぁ、会いに行こうよ、だっこしたいよ、今日行こうよ」
『騒ぎすぎです、孫が生まれて嬉しいのは分かりますけど、もう少し落ち着きなさい』
「そんなこと言ってリナだって泊まりの準備してるし、顔が緩みっぱなしだよ」
━━━━━━━━━━
『あなた、約束守ってくれて、ありがとう』
「ちゃんと果たせたかな、オレ。苦労ばっかりかけてたような気がするけどな」
『えぇ苦労ばっかりでした。けど、その何倍も幸せでしたわ、お嫁さんの約束もちゃんと守ってくれましたし、幸せでしたわ、タカシさん……』
「オレも幸せだよ、リナ。オレもその内そっちに行くよ、お嬢、」
『ぅぅ…ぐすっ…ひぐっ…』
[どうされたんですか?お嬢様、怖い夢を見たんですか?]
『うぇぇ…タカくんがぁ……』
━━夢の内容説明中━━
[そんな事が、大丈夫ですよ、夢ですから明日にはまたタカシ君と一緒に遊べますから]
[(しかし夢の中でそんな一生を送るとは、凄い想像力。これが7歳だから可愛いものだけど10年後もこのままの想像力だったら……恐ろしい妄想力に進化してそうね)]
『タカくん…怖いよう…会いたいよう…』
[(まぁ涙目のお嬢様が可愛いからいっか)]
終わり
お嬢可愛いなあああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ロリお嬢様可愛いです!!
山田の学ランはふはふ
その夜。食事と風呂を終え、落ち着いてネットでも見ようかと思った時、携帯が鳴った。
「うわ。先輩から電話かぁ……」
メールではなく、直接掛けて来るところからみても、明らかに昼間の件に関する文句だ
ろう。これは長くなるなと予想しつつ、僕は着信ボタンを押した。
「もしもし。別府ですけど……」
『もう、最悪よっ!!』
名乗るなり、いきなり耳元ででかい声で怒鳴られ、僕は慌てて携帯を耳から離した。
「うわっ!? 何ですか、いきなり。どうかしたんですか?」
わざととぼけて聞くと、先輩はムッとした調子で、またも怒鳴りつけて来る。
『どうしたんですか、じゃないわよっ!! 昼間の事、分かってるんでしょ?』
「……いや、まあ大体想像は付きますけど……」
あまり知らないフリも出来ないので、そう答えるとそこから一気に先輩の文句に拍車が
掛かった。
『なら分かるでしょうが!! 人前で、よりにもよって部活のみんなの前で、別府君とあ
んな風にくっ付いて、写真まで撮られるなんて最悪もいいところじゃない。もう、本当に
恥ずかしかったんだからっ!!』
「そうですか? 僕は先輩と一緒にモデルが出来て、嬉しかったですけど」
そう切り返すと、一瞬先輩が絶句した。照れた先輩の顔を想像していると、ややトーン
を落としつつ、それでもぶつくさと先輩が不満を続ける。
『あ、あたしはイヤだったもん。しかもあの写真が学校案内のパンフの見開きに使われる
なんて信じられない。あああ……考えるだけで、余計に恥ずかしくなってきた。もう、死
にたい』
「でも、可愛く撮れていたじゃないですか。本当に自然に僕と勉強している時のような感
じで。誰が見ても、この大学可愛い子いるなって思うと思いますよ。まあ、モデルだろう
と疑って掛かる人もいるとは思いますけど」
べた褒めする事で、先輩の気分を和らげてあげると、案の定戸惑ったような先輩の答え
があった。
『うーっ…… モ、モデルだなんて言い過ぎよ。お世辞も過ぎると逆に気持ち悪いんだか
ら。そりゃ、アンタより見映えがいいのは当然だけどさ。けど、写真写りがいいのは調ちゃ
んが上手だからだし…… そもそもアンタが口車であたしを乗せるから、あんな事になっ
ちゃったんだからっ!!』
「口車とか言わないで下さい。僕だって、撮影を早く終わらせようと思ったら、何とか先
輩の気をほぐしてあげなきゃいけないなって、結構必死だったんですから」
先輩の非難に言い訳すると、先輩は一瞬返事に間を置いて、それから何だか拗ねたよう
な口調で返してきた。
『ふ、ふ〜ん。アンタも、早く撮影、終わらせたかったんだ。このあたしと一緒にモデル
出来るっていう光栄に預かっていたというのに』
どうやら先輩は、自分は嫌だ嫌だと言っているくせに、僕に嫌がられるのは非常に気に
食わないらしい。
「それはそうですけど、でもあまり時間を掛けていると、周りのみんなにも迷惑ですから
ね。先輩は照れちゃって、なかなか自然に勉強してる雰囲気が出そうになかったですし」
『照れてるんじゃなくて嫌がってたのっ!! な、何でアンタ相手に照れなくちゃいけな
いのよ』
先輩がムキになって抗議してくる。だが、傍から見れば頬を赤らめて抵抗する素振りは、
どう見ても照れているようにしか見えなかっただろうと思う。だが、そういう指摘はせず、
僕は別の方で質問する事にした。
「そうですか。でも、何で嫌がってたんですか? 僕とくっ付く事が、ですか? それと
も周りのみんなに見られていたからですか?」
すると先輩は、またしてもウッ、と返事に詰まる。今度は少し考えてから、渋々と言っ
た体で返してきた。
『それは、その……見られているからに決まってるじゃない。も、もちろんアンタとくっ
付くのだってイヤよ? だけど、まあそれは我慢出来るとしても、その光景を人に見られ
るなんて冗談じゃないわ』
「でも、おかげ様でみんないい写真が撮れたって喜んでたじゃないですか」
『よくないっ!!』
先輩の努力を称えるも、それを彼女はバッサリ否定して来た。声が余りに大きくて、僕
は思わず携帯を耳から離したほどだ。
「そんな、大声で否定しなくても……」
先輩を宥めようとするも、僕の言葉を遮って先輩は文句を並べ始めた。どうやらこの電
話の最大の趣旨はそこにあったらしい。
『アンタはいいわよ。女子とくっついて写真撮ってもらうだけなんだから。だけど、あた
しはアンタみたいな冴えない男と写真撮っただけじゃなくて、後からもう、散々からかわ
れたんだから。イヤになるくらいにね』
「そうなんですか?」
とぼけたフリをして聞き返しつつも、何となく僕は心の中で頷いた。同じ1年の同期の
子達はともかく、特に二年の先輩方が、あの光景を見て放っておくわけはあるまいと。
『そうなんですか、じゃないわよ。他人事みたく言わないでよね』
聞きとがめて先輩が文句を言ってきたので、僕は素直に頭を下げた。
「すみません。で、何があったんですか?」
僕が聞く姿勢を見せると、そこから先輩が、堰を切ったように一気に不満を吐き出し始
めた。
『もう、最悪だってば。あの後、あたし達一年は涼城さんにスイーツご馳走になったじゃ
ない。もう、ずっと写真撮った時の話ばかり。すごくお似合いだったとか、まるで恋人同
士みたいで妬けたとか、まだ付き合ってないのとか、いっそ付き合っちゃえばいいのにと
か、この機会に距離縮めちゃえばとか、おまけに椎水さんってなんであんなに別府君に冷
たいのって言われて、そしたら実は愛情の裏返しでしょ。椎水さん照れ屋だからとか散々
言われてさ。おまけに男を落とす時はこうすればいいとか、広上さんが寄って来てスキン
シップの実演までされて、散々おもちゃにされたわよ。それもこれもどれも、アンタのせ
いなんだからねっ!!』
「いやー。大変でしたね、それは……」
喫茶店で女の先輩たちに囲まれて弄られている先輩を想像して、僕は同情するように慰
めを言った。とはいえ、その光景を遠目からなら眺めていたいとも同時に思った。きっと
照れたり怒ったりと可愛い先輩が見れたのに。
『だから、他人事のように言うなって言ってんでしょうが。全部、ぜーんぶアンタが悪い
んだからねっ!!』
怒鳴り声のでかさに耳がキーンとなりそうになり、僕は思わず携帯を耳から離す。先輩
が黙ったのを確認してから、そっと耳に当てて抗弁した。
「何で僕が悪いんですか。選ばれたのはクジなんですから、引き当てた先輩も同罪でしょ
う?」
こんなところで言い掛かりを付けられて、いいように使われるとなると困るので、そこ
はハッキリと理解させておかなければならない。しかし、無論その程度の事で納得してく
れる先輩でもなかったが。
『女子の方が先に引いたんだから、アンタが頑張ってハズレクジを引くよう努力すれば良
かったじゃない。なのに、よりにもよって当たりクジを引くアンタが悪い。しかも男子の
方が確率悪いのに』
ウチの部の一年の内訳は男子四人女子三人で、しかも調ちゃんはカメラマンだから、確
かに先輩の言う通りなのだが、仮に当たりの方が多いとしても、やはり運は運だ。それを
自分のせいにされてはたまらないと思う。しかし、僕はそれ以上そこにはこだわらず、別
の方面から切り崩す事にした。
「じゃあ、先輩は僕以外の男子と一緒の方が良かったんですね? でも、それが例えば山
田君だったとしても、騒がれるのは一緒の事だと思うんですけど」
『全然違うわよっ!!』
僕の言葉を即座に否定してから、先輩が思わず息を飲むような音がした。ややあって、
さっきより声を落とし、拗ねたような言葉が続く。
『……少なくとも、他の男の子だったら、アンタみたく口車に乗せてあんな恋人みたいな
写真まで撮られる事なかったもん。絶対に』
「つまり、先輩は僕だったから、リラックスして写真撮られちゃったって事ですよね? 何
か、ちょっと嬉しく思いますけど」
言葉で先輩の心をくすぐってみると、また少し間が空いてから、全力で先輩が否定に掛
かって来た。
『ちっ……違う違う違う!! アンタだからとかそんな事絶対にないから!! へ、変な
勘違いしないでってば!!』
今、先輩の顔は絶対に真っ赤になっているだろう。こうして話をしているのが電話なの
が実に残念だ。
「でも、先輩の言葉をまとめると、そういう結論になりますけど。相手が僕で、先輩の気
持ちを言葉でほぐしてあげたせいで、つい油断していつもの調子で慣れ親しんだ態度を取っ
ちゃったら、それをみんなに見られた挙句に、写真にまで撮られちゃったと。他の男の
子だったら、そこまで気を許す事はないって事ですよね」
一つ一つ、丁寧に確認すると、先輩の困ったような呻き声が聞こえてくる。
『そ……そりゃ確かにその……アンタは他の人より断トツに付き合い長いしさ。しょっちゅ
う家にも遊びに行ってるし、たまにはあたしの部屋に上げた事もあるし、だからその……
まあ、他の男の子よりは、多少は気軽に付き合えるけどさ。だからと言って、アンタだか
ら特別とかそこまで思ってないんだから。ホ、ホントなんだからっ!!』
いちいちムキになって強調するから、余計に怪しさが増す事に先輩は気付いているのだ
ろうか? だからきっと、部活の他の女子にも余計に弄られてるというのに。
「まあ、僕だから信じてあげますけどね。だけど、僕だって撮影を早く終わらせようと努
力しての事ですから。決して、みんなの前で先輩と仲良しの写真を撮られたいとか、そん
な事を思っての事じゃありませんからね?」
続く
先輩の変わらぬ可愛さ
先輩かわゆす
お題
・ツンデレたちと王様ゲーム
・友ちゃんの画策で誰が何番になるか筒抜けでした
・策略通り王様になった友ちゃんは、ツンデレと男がキスするよう仕向けました
・男はOKしましたが、ツンデレは断固拒否の姿勢のようです
・仕方なしに妥協点として、友ちゃんが間接キスでも可と言いました
・後は皆さんのご想像にお任せします
ん?なんかほのぼの板おかしい?
この先輩可愛すぎだろw
お題
つ・油断してたら男にしてやられたツンデレ
お題
・油断してるツンデレについキスしちゃった男
・怒ってキスの仕返しをしたツンデレ
オカ板見てたらツンデレな守護霊欲しくなってきた……
幽霊ツンデレさん俺を守護してください
今までずっと危ないところを守ってきたのに
それに気付いてもらえず
>>660の知らないところでため息をつく
幽霊さん可愛い
すると、またしても先輩の返事に若干の間が空いた。僕に否定されて、きっとムッとし
たんだろうと推測する。
『あ、当たり前でしょ、そんなの。別にあたし達、全然仲良しじゃないんだから。高校の
時から部活で先輩後輩だったってだけで、別に付き合ってる訳でもないんだし』
自分は散々同じ事を言っているのに、僕が一言、似たような事を言っただけで機嫌を損
ねるのだから、本当に困った人だと思う。
「そうですよね。だから僕も、別にどっちでもいいくらいの気分で引いたんですけど。で
も、結果的にそれで当たりを引いちゃうんだから、運命のイタズラというか、やっぱり何
かしらの縁を感じずにはいられないんですけど」
『縁とかバッカじゃないの。こんなのただの偶然でしょ。4分の1の確率で誰かが当たるん
だから、たまたまアンタがそれを引いたってだけよ。アンタとあたしの間に、繋がるよう
な縁なんて、何にもないわよ』
「それじゃあ、先輩は僕が当たりクジを引いたのは、ただの偶然だって、そういう事でい
いんですよね?」
先輩から言質を引き出した事で、僕は念押しをする。
『そうよ。ただの偶然以外に何があるって言うのよ? クジなんだから、イカサマでもな
い限り誰も操作出来ないでしょうが』
さも当然とばかりに先輩が答える。僕は満足して頷いた。
「そうですよね。ですから、僕と先輩がペアでモデルになったのは、たまたま偶然だったっ
てだけで、僕のせいではないですよね?」
僕の問い掛けに、先輩がウッと呻いた。どうやら、自分で言い掛かりをつけていること
を肯定してしまった事に、先輩も気付いたようだった。
『そ、それはその……アンタのせいよっ!! だってそもそも、クジ自体を放棄すればい
いだけの話じゃない。そうすれば、絶対組む事は無かったんだし……』
「それは無理ですよ。だって、音羽さんだって自分は写真映りも良くないし、先輩の方が
絶対可愛いって断わってたのに、クジ引かされたじゃないですか。何の理由もなく辞退と
か、佐倉さんも涼城さんも許してくれないでしょ」
先輩だって、ウチの部活の上級生の人となりはいい加減把握しているはずだ。そう思っ
て主張すると、先輩はウーッ、と唸ってしばらく黙ってから、つっけんどんに言い返して
きた。
『分かったわよ。もういい。どうせ、アンタのせいにしたって、何にもしてくれないもん
ね。別府君って冷たいから』
「僕に何をしろっていうんですか? 出来る事だったら、何だってしてあげますよ。ただ、
理不尽に僕のせいにされるのが困り物だったってだけですから」
『だからいいって言ってるじゃない。今更アンタにして欲しい事なんてないし』
先輩は単に、やり場のない恥ずかしさをどこかにぶつけたかっただけなのだろう。それ
を完全否定されたから拗ねているだけなのだ。謂れなき容疑を晴らしたところで、次に僕
がしなければならないのは、先輩の機嫌を直す事だった。
「でも、個人的には何だかんだ言って、先輩と一緒に写真のモデルになれて良かったです
よ。おかげですごく可愛らしい先輩と一緒に写る事が出来ましたし」
『ズ……ズルいっ!! そんな事言って……可愛いとかアンタに言われても嬉しくないし……
大体、あたしが嫌がってた横で一人で喜んでるなんて、やっぱ最低よアンタは』
褒めたのに、罵倒で返して来るのは、やっぱり先輩だ。とはいえ、今の声はどちらかと
言うとワザとらしく不満気な声を作っているように聞こえた。やはり僕が嬉しいと言うと
先輩も悪い気はしないのだろう。
「最低と言われても、自分の心に嘘は吐けませんしね。先輩には申し訳ないですけど、撮っ
た写真のうちで、一番先輩と仲良さそうな写真を一枚、調ちゃんに貰おうかと思ったくら
いですから」
欲しいと思ったのは事実としても、実際貰おうとまでは思わなかったのだが、敢えて盛っ
て話をすると、先輩が激しく文句を言って来た。
『ダメ!! 絶対ダメよそんな事したら!! それじゃあ、あたしはともかく別府君があ
たしに気があるって思われちゃうじゃない。そうしたら、今より絶対もっとややこしい事
になるもの。だからそんなお願いしたらダメだからね!!』
言っている事に嘘はないのだろうが、それだけじゃないなと僕は推測する。恐らくかな
りの照れも入っているだろう。それを見越した上で、僕は先輩の言葉に頷いた。
「ええ。そう思ったから思い止まりましたけど。でも、その代わり一つ先輩にお願いした
い事が出来まして」
『あたしに? な……何をよ?』
戸惑うような先輩の言葉に頷きつつ、僕は話を続けた。
「だから、今度先輩が遊びに来たとき、二人だけでいる時の写真を撮らせて貰えませんか?
もちろん、調ちゃんが撮ったような綺麗な写真は撮れませんけど、でもデジカメなら家に
もありますから。ただ、二人きりなら、もっといい絵が撮れるんじゃないかなとも思いますけど」
続く
規制で携帯からでなければ、今回で終われたのに……
>>665 続き全裸待機
飯作ってたら落ちてたし立てようとしたら規制だし
誰かよろしく
落ちたか
昔みたいに夜を徹して保守する人は流石にもういないか
671 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 14:47:40.11 0
今日も立てるの?
672 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 16:34:08.76 0
お題製作機で、やけに「アイテム:触手」って出るんだがwww
立ててみようかなー
今人いる?
もふー
わざわざ落ちるvipにスレ立てなくても、このままここでやってりゃいいじゃんって気になってくるな。
この考えが、廃れる元なんだろうけど・・・
677 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 21:05:18.15 0
SSを書いてみたいので、何個かお題をください。
VIPの現行スレに何個かあるから拾って行きなされ
ネットで近場の温泉のこと調べて「あーこれだったら鈍行でも日帰りいけるなー」とか考えてたら落ちた
くやしいから脳内でツンデレさんと温泉旅行してくるわ
鈍行列車には纏さんやちなみんや無表情さんみたいな静かなツンデレが似合いそう
>>679 俺と同じことをやってる人がいてびびったわ。
俺は草津温泉だが。
お題作成機より
・上司、おねんね、コーヒー
「ふぁ〜ぁ……もうこんな時間か。終電間に合わねーな、こりゃ」
>ガチャ
『あら別府。まだ残業してたの?』
「あ、お疲れ様です。椎水さんこそ今帰りですか?」
『そうよ。営業先で気に入られちゃってね、こんな時間まで接待よ。嫌になるわ』
「ははは、御愁傷様です」
『笑い事じゃないわよ。大体あんたこそこんなに書類溜め込んで、普段からキチンと処理しないからよ』
「う……面目無いです」
『……ていうかなにこれ。この書類もこの報告書も……あんたの担当じゃなくない?』
「ああ……それは体良く押し付けられた奴とか、中途採用の新人のミスのフォローとか……まあ色々ですね」
『……ふーん…………ま、あたしにはカンケー無いけどね』
「ははは……くぁあ……」
『ちょっと、欠伸するなら口ぐらい塞ぎなさいよ』
「うわ、済みません。ちょっと眠くて……」
『まったく……もうあたしは帰るけど、あんたもキリの良いところで帰りなさいよね』
「はい、ありがとうございます」
『別にお礼言われるようなコトはなにもしてないけどね』
「いやいや、わざわざ事務所に寄ってもらえただけでも十分ですって」
『…………別にっ、明日の会議の資料取りにきただけだし』
「そういうことにしておきましょう」
『……部下のクセに生意気なのよっ』 ガチャ
>パタン
「お疲れ様でーす……っと……はーっ、さってと! ちゃっちゃと片付けるか!」
684 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 23:13:13.12 0
〜〜
「ん…………」 パチ
『…………』 カサ…
「……あれ、椎水さん……?」
『あら、ようやく起きたのね。寝坊助さん』
「済みません……いつの間にか寝ちゃってたみたいで……」 ゴシゴシ
『あっ、目こすっちゃダメ。腫れるわよ』
「はは、男なんですからそんなの気にしませんって」
『違うわよ。営業とか会議のときにみっともなく目を腫らしてたら舐められるでしょ。そういう細かい見た目って結構重要なんだから』
「ああ、なるほど……」
『まったく……』
「それで、椎水さんはなんで戻ってきたんですか?」
『今日の分の新聞読むの忘れててね。ウチ新聞とってないから、読みに戻ってきただけよ』
「へえ。新聞とってないんですか?」
『会社でも読めるものをわざわざお金払ってまで家に届けてもらうのなんて意味無いわ。配達員の人も大変だしね』
「でも、やっぱり家でくつろぎながら読むのが一番じゃないですか?」
685 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 23:14:31.78 0
『そうかもね。でもこうして……っ』
「? なんですか?」
『……いや、なんでもないわ』
「んー……」
『なによ』
「いや、俺も、椎水さんと2人でゆっくりできるなら、いくら残業してもいいかなって」
『…………馬鹿なコト言ってんじゃないわよっ。そんなことよりほら、さっさと書類片付けなさいよね』
「あ、はい……ってあれ? なんか書類の山減ってません?」
『そうかしら。あたしが戻ってきた時にはそのくらいになってたわよ』
「そうですか?」
『寝ぼけてるんじゃない? そのコーヒーでも飲んでちゃんと目を覚ましなさい』
「はい……ってあれ? コーヒー淹れてくれたんですか?」
『知らない』
「コーヒー淹れたことまで忘れるほど疲れてんのかな、俺……」
『意識も朦朧とするまで仕事するなんて現代人のすることじゃないわ。キチンと休息を入れながらじゃないと、作業の効率も落ちるしね』
「それもそうですね……。ん……このコーヒー美味いですね。流石椎水さん」
『そんなことないわよ。給湯室にあったの適当に……あ』
「ありがとうございます」
『ちっ、違うわよ? あたしが淹れたわけじゃ……』
「ははは、わかってますって」
『なにがわかってんのよ。ニヤニヤするなっ』
「別にニヤニヤなんてしてませんって」
『してるわ。イヤラシイ顔してるもの』
「うわ、酷いですね。傷ついちゃいますよ」
『知らないわ、そんなこと』
「そうですか」
『そうよっ』
「……椎水さん?」
『…………なによ』
「ありがとうございます」
『…………別にっ』
686 :
ほんわか名無しさん:2012/11/18(日) 23:15:16.73 0
おわり
なんか年上の女性のさり気ない気遣いってかなりの胸キュンポイントだと最近気付いた
いいねぇ、俺もツンデレにコーヒー淹れてもらいたいぜ
GJ!!
>>679 ――ガタンガタン
女「……」
男「なぁ、ちな。喉渇かないか?」
女「……だいじょぶ、へーき」
男「そっか。よく景色見てるだけで飽きないな」
女「……タカシこそ……よく暇そうにしてられる……」
男「そうは言っても30分もこのままじゃさすがになぁ」
女「……せっかくの旅行なんだから……道中も楽しめ……」
男「そうだな。ちなのワクワク顔なんてそう拝めないしな」
女「……私、ワクワクしてた……?」
男「おう。他の誰にも分からなくても俺には分かるぞ」
女「……そんなことない……全然つまんないし……」
男「あっそ。じゃあ俺の勘違いかな」
女「……」
男「……ちな?」
女「……何?」
男「あっちついたら一緒に温泉入ろうな」
女「……///」コク
男爆発すれ
山田に惚れた?残念だけどあいつだけは止めといた方が良いわよ
いつもへらへらしてる割にお節介焼きなの
この前山田んちに泊まったときなんて酷かったんだから
すぐ頭撫でてくるし、夕食を気合い入れて作りすぎて食べるの大変だったし
寝るときなんて抱きついてくるから暑苦しくて寝られたもんじゃなかったわ
わかった?だから山田だけはやめときなさい
691 :
ほんわか名無しさん:2012/11/19(月) 04:17:06.91 0
つ・特定の呼び方にしか反応しないツンデレ
つ・幼児退行する癖のあるツンデレ
お題
つ・ツンデレにまだ喜ぶのは早いわよって言われたら
最近見ないと思ったらこっちに移動してたのか
休日はVIPにもスレ立ってます
まあ、平日は保守キツいので……
別に平日に立てても良いと思うけど、さすがにきついもんなー
むにゃ…
妹ちなみんに「おにぃ」って呼ばれながらすりすりされたい
お前らやさぐれたちなみんがタバコ吸ってたらどうするの?
あわてて取り上げる
で、よく見たらココアシガレットだと気づく
>>698 タバコやめるためにはタバコ吸う代わりにキスするといいらしいな
とかそんな話してあげる
俺は「タバコ吸うと背が伸びなくなるらしいね」とか仄めかすな
山田が煙草吸ってたからとりあえず取り上げて殴っといた
>>702 キスするときタバコ臭かったら嫌だもんね
僕のお願いに、先輩が電話の向こうで驚いて息を飲むのが聞こえた。それからたっぷり
10秒以上の間を置いてから、激しい否定の言葉が浴びせ掛けられた。
『ダ……ダメよそんなの絶対ダメだってば!! ふ、二人きりでいる時の様子を写真に撮
るだなんて……絶対にヤダ!! 大体、何だって意味も無いのに写真なんて撮られなくちゃ
ならないのよ!! 全然分かんないわよ!!』
「だって、僕が欲しいですから」
先輩の問いに当たり前のように答えると、先輩がまた絶句した。それから、戸惑ったよ
うな困ったような怒鳴り声が聞こえてくる。
『だから何だって、アンタが欲しがるからってあたしが写真撮られなくちゃならないのよっ!!
あたしにいい事何もないじゃない!!』
「先輩がどう取るかは分かりませんけど、少なくともリスク回避にはなると思いますよ。
実際、僕からお願いしなくても逆に調ちゃんの方から、分けてあげるけどどう?って言わ
れてますし。先輩は言われませんでした?」
『言われたけど、当然断ったわよ!! 何であたしが別府君とのツーショット写真を後生
大事に持たなくちゃいけないのか意味分かんないってね。アンタも絶対貰っちゃダメだか
らね』
予想通りの返事に、僕は頷く。何か少し脅迫するようで気が引けるけど、やっぱりあの
写真を見たら、一度は先輩との僕の部屋での写真は撮っておきたいと、どうしても思って
止まないのだ。
「だから、僕の申し出を受けてくれれば、僕も調ちゃんの写真を貰わなくて済みますから
ね。今度は二人だけですから、誰に見られるわけでもないですし、お互いが写真を持って
いる事も、誰にも知られずに済みますし」
すると慌てて先輩が突っ込みを入れて来た。
『ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!! お互いがって……何であたしも、その写真を持つ
事になってるのよ!!』
「あれ? いらないんですか? せっかく、初めて二人きりで撮る写真なのに」
ワザとらしく、さも当然の如く澄まして聞くと、一瞬だけ間を置き、先輩は激しく拒否
をして来た。
『あ……当たり前でしょそんなの…… せっかくも何も、全然欲しくないわよっ!!』
「そうですか。なら、僕一人で自分のパソコンに大切に保存しておきますね」
『――――っ……』
大切に、という言葉をわざと強調して言ったせいか、先輩がまた絶句した。返す返すも
電話なのが惜しい。直接会って話していたら、きっと色んな先輩の表情が楽しめたのに。
『ま、待ちなさいよっ!! あたし、まだ撮らせてあげるとか……一言も言ってないでしょ?
なのに何で既成事実みたいに言うのよっ!!』
「ダメなんですか?」
またしても突っ込みを入れて来た先輩に、僕もまたしても意外そうに答えを返す。しか
し今度は、二度目だけあってか、先輩も僕にペースを乱されず、普通に拒否して来た。
『ダメに決まってるでしょ!! さっきだって言ったじゃない。ヤダって…… ダメだっ
てば、そんなの。二人っきりの光景を写真を撮って、別府君のパソコンに保存するなんて……』
口調がどんどんと弱く、ためらいがちになっているのは、自分のセリフから状況を想像
してしまっているせいなのかな、と推測する。そこに僕は、意地悪く脅すような事を言った。
「いいじゃないですか。学校案内のパンフに載るくらいなんですから、今更僕専用に写真
を撮られたって。それに、このままだと調ちゃんが変な勘ぐりをしないように、上手く言
葉でごまかして、写真を貰っちゃうかも知れませんよ?」
『それはダメ!! 絶対ダメ!! 別府君の口が上手いのは良く知ってるけど、それでも
調が変に気を回して、仲を取り持とうとするかも知れないじゃない。だからダメ』
「なら、写真……撮らせて貰ってもいいですよね? どっちがいいかは、明白だと思いま
すけど?」
『ううう……』
先輩の気持ちは、もうほとんど承諾に傾いているのだろう。後は、どう自分に言い訳す
る理由を見つけるかだけだと思う。ただ、これ以上は蛇足になるので、僕から押す事はも
うせず、黙って返事を待っていると、やがて振り絞るように、先輩が言葉を発した。
『わ……分かったわよ。こっちの条件……聞いてくれるなら、撮らせてあげてもいいわ』
「条件? 何ですか、それは?」
先輩が条件を付けて来るとは思っていなかったので、僕は興味津々に聞き返す。すると、
数秒のためらいの後、先輩の答えが返ってきた。
『だからその……撮った写真を、アンタが見る前にあたしに一度チェックさせなさい。そ
れで、あたしが見て絶対にダメって思った写真は消すから』
「あれ? 先輩さっき、僕と二人で映った写真なんていらないって言ってませんでした?」
ワザと論点をずらしたような答えを返すと、先輩の怒鳴り声が飛んで来た。
『だからチェックって言ってるでしょうがっ!! あたしはそんな……自分のパソコンに
保存とかしないもん。ただ、アンタに見られたくない画像があるかも知れないから、それ
を検閲するだけなんだから』
そう言いつつ、ちゃんと自分では保管するんだろうなと、何となく想像する。いや、こ
れは単に自分の願望なんだろうけど、でもそうあってくれれば僕も嬉しい。
「分かりました。自分で全部見れないのは残念ですけど。ただ、余程のもの意外は残して
おいて下さいよ。デジカメが返って来たら、一枚も残ってなかったとかだったら、やり直
しですからね」
念のため釘を刺すと、ブスッとした声で不満気に先輩が答えて来た。
『分かってるわよそんなの。約束不履行とか言って、調に写真ねだられたりしたらたまん
ないもの。ちゃんと残してあげるってば』
これでちゃんと、口約束とはいえ、先輩の言質は取った。僕は頷くと、話をまとめ上げ
に掛かる。
「それじゃあ、決まりですね。準備しておきますので、次に遊びに来るときに撮影会にし
ましょう。今週末は来ますか?」
『さあ? 気が向いたらね』
気の無い返事だが、つまりこれが先輩にとっての肯定なのだ。用事があれば、即断わっ
て来るのだから。
「それじゃ、お待ちしてます。ちゃんと先輩の為に、美味しいお菓子は用意しておきますから」
『バカ。当たり前でしょ、そんなの。あたしはお客様なんだからねっ!!』
それで、先輩の方から電話は切れた。僕は、ベッドに寝転がって当日を想像する。もち
ろん、つまらない写真なんて一枚だって撮る気はない。出来る限り先輩とくっ付いた写真を撮る為に、どうやって先輩を口説こうか、僕は今から頭を悩ませたのだった。
終わり
相変わらず先輩は素直じゃないですなあww
GJ!
お題
つ・ツンデレに今日は勤労感謝の日だよなって言ったら
つ・何者かに追われているツンデレを助けたら
お前ら!今日はいいにーにの日らしいぞ!
妹ツンデレはぁはぁはぁはぁ
713 :
ほんわか名無しさん:2012/11/22(木) 21:37:57.84 0
>>712 常識的に言うと「いい夫婦の日」なんだが、まぁ黙っておこう。
つまり妹ツンデレより嫁ツンデレってことか!
嫁ツンデレはぁはぁはぁはぁ
だ、誰と誰がいい夫婦よ!!
こんな旦那が最低な夫婦がいい夫婦な訳ないでしょ!!
と言いつつも、周りからはいい夫婦認定されちゃうツンデレと男
山田といい夫婦になんかなりたくないんたから!
友ちゃん乙
ち「・・・にぃにの日・・・終わっちゃう・・・」
夫婦になればいい
いい兄さんの日か
しかも祝日か
敬語妹がいつもより張り切ってそうだ
山「良い夫婦の日かー」
友「もう終わったわよ。あっちの夫婦は今頃よろしくやってんのかねぇ」
山「あのふたりは夫婦って感じだよなぁ…さっさと認めちゃえば楽になんのにね」
友「まぁ、顔真っ赤にして否定してる姿も可愛くてたまんないんだけどさ」
山「確かに。いじるとほんと面白いんだよね」
友「あんな面白い玩具、簡単に手放してたまるもんですかって感じ」
山「向こうは迷惑甚だしいだろうけどね」
友「あははっ、あのふたりには悪いけど迷惑がって貰いましょ」
山「…それにしても、ボクらが家でこっそりいちゃいちゃしてるって知ったらあのふたりどんな顔するかな?」
友「なっ…!そ、それは言わない約束でしょ!!」
山「わかってるよ…でもさ、どっちの方が良い夫婦かって、ちょっと気にならない?」
友「なるわけないでしょ!それにまだ結婚してないし!」
山「(まだ、ねぇ)そう?ボクは負けたくないけどなぁ」
友「うー…」
山「まぁこういう姿も初々しくて、これはこれで良い夫婦なんだろうね。友ちゃんかわいいっ」なでなで
友「はぅ…」
うにゃ?
お題
つ・欲しくてしょうがなかった物を目前で取り逃したツンデレ
つ・ツンデレに頑張ってもなるようにしかならない時もあるよって言ったら
>>727 まったくだな、何故このように可愛いのだろうか
GJ!!
>>727 いいんちょ可愛いよいいんちょ
俺も委員長で何か書きたくなってきたな
・ツンデレに世界で二番目に可愛いって言ったら
「はぁ〜あ。なんで、こんな仕事しなきゃいけないんだか……」
『ぶつぶつ言ってないで、手を動かしなさいよ。終わらなきゃ帰れないんだから』
「わかってるって……にしたって、明日のHRで配るプリント綴じって、ふつー先生の仕事
じゃないか、これ? 配ったり集めたりするならわかるけど」
『それは、確かにそうだけど……。そんなに、面倒くさいなら、別府くんだけ先に帰って
もいいわよ。後は、私でやっておくから』
「いやいや、そこまでは嫌じゃないって。それに、こんなに可愛い女の子と一緒なんだから、
文句ないし。プラスかマイナスで言えばプラスだし」
『だったら、文句言わないで――って、い、いい、今なんて言ったの!?』
「え、だから、プラスかマイナスかって言ったら」
『その前っ!』
「ああ、委員長みたいに可愛い女の子と一緒なんだから、文句ないってとこ?」
『〜〜〜〜っ! そうっ、そこ! か、可愛いとか気安く言わないでよ。別府くんから、
言われたって、ただのお世辞だってわかるんだから、余計嫌な気分になるだけだわ』
「いや、委員長は可愛いよ。俺、お世辞言ったつもりはないし」
『か、可愛くないわよっ! お、オシャレとかよくわかんないし、地味だし……』
「別に、オシャレで派手だったら可愛いってわけじゃないと思うけど。……そうだなぁ、
委員長は、俺にとっては、世界で二番目に可愛いよ」
『〜〜っ、も、もう、分かったからっ! さっさと作業終わらせるわよ!』
「はーい」
『(うぅ〜、嬉しいよぉ……別府くんから可愛いって言われるなんて……。でも、世界で
二番目ってことは、もっと可愛いって思ってる相手がいるってことだよね……。それが、
別府くんの好きな娘なんだろうな……はぁ)』
〜翌日〜
「はぁー、やっぱ可愛いなー」
「ん? 何見てるんだお、タカシ」
「おお、山田か。ふふん、俺にとって、世界一可愛い女の子の写真さ!」
『!!』
「ふーん、どれどれ……って、これ、赤ちゃんの写真じゃないかお!」
『(えっ!?)』
「おう、今月でちょうど一歳になる俺の従姉妹だ!」
『(えっえっ!?)』
「確かに可愛いけど、あの言い方だと、アイドルの写真か何かだと思ったお……」
「そうか? ……それにしても、こんくらいの赤ちゃんって、やっぱり世界一可愛いよな〜」
『(べ、別府くんにとって、一番可愛い女の子が、赤ちゃんだってことは、つまり……つまり……)』ボッ!
「あ、おはよう、委員長。……委員長? あ、頭から湯気出して気絶してる……」
つまり男はペドフィリアということか!!
あれ、婦警さん銃口をこっちに向けてどうしtターンッ
GJ!
733 :
3/1:2012/11/23(金) 22:47:44.25 0
「今日は、いい兄さんの日らしいので、いつも家事をやってくれている敬子の手伝いでもしよう」
「まずは洗濯をするか、このカゴに入ってる物が汚れ物で……洗剤はどこだ?」
『に、兄さん!! 何をしているんですか!』
「へ? いや、敬子の代わりに洗濯を――」
『しないで下さい! 兄さんなんかに洗われたら、綺麗になる物も綺麗になりませんから』
「いやいや、洗濯くらい俺でも出来るって」
『では、手に持ってる入浴剤で何をするつもりだったんですか?』
「おおうっ! こ、これは違うぞ! 洗剤を探して、たまたま手に取っただけで……」
「もう良いです。洗濯は私がしますので、兄さんはどこかに行って下さい、邪魔です」
『んん〜♪ ふふん〜♪』
「よし、今度こそ……敬子、洗うの手伝うぞ。そこのスポンジ取ってくれー」
『なっ――て、てて、手伝わなくても良いです! これくらいの量なら一人で出来ますから!』
「遠慮すんなって、いいからいいから」
『だから手伝わなくて良いですって――』ガシャーン!
「け、敬子! 怪我ないか!?」
『…………だ、大丈夫です』
「ほっ……そりゃ良かった」
『はい、皿が一つ割れた事以外は、ですが。兄さん、あっち行って下さい』
「……はい」
734 :
3/2:2012/11/23(金) 22:48:55.09 0
「うーむ、手伝うつもりが裏目に出てるような……次は何を……」
『……ふぅ』
「おっ、敬子、お疲れさーん」
『別にあれくらいで疲れません、いつもしている事ですから――
あっ、コーヒー淹れてくれたんですか、兄さんにしては気が利きますね』コクコク
「……すまん、お前の分は淹れてなかった」
『…………うくっ…………に、兄さん……何でコーヒーくらい用意してくれないんですか?』
「何でって言われても、思い至らなかったとしか」
『お皿を割ってしまったお詫びに、とかは考えないんですか? 本当に気が利きませんよね、兄さんは』
「だな! わっはっはー」
『何を笑ってるんですか、全く。……はぁ……もう良いので、お風呂でも入れてきて下さい。
これくらいなら兄さんでも出来ますよね?』
「おうよ、任せろ! 完璧な風呂を用意してくるぜ!」
『普通ので、お願いします、余計な事はしないで下さい』
『…………はふぅー……』
「敬子ー、湯加減どうだー?」
『に、兄さん!? ぜっ、絶対に入って来ないで下さいよっ!!』
「え? 入るわけないって、大丈夫大丈夫」
『……何の用ですか? 用がないなら、さっさとどこかに行って下さい』
「湯が熱くなかったか聞きに来ただけだから、用はもうないんだよなぁ…………おっ、そうだ、敬子」
『何ですか?』
「背中流してやろうか?」
『…………へ?』
「ん?」
『…………』
「…………敬子?」
『はっ、はい!』
「……早く、そんなつまらない冗談言わないで下さいって言ってくれないと、俺が本物の変態認定されそうなんだが」
『…………そんなっ、つまらないっ、冗談っ、言わないで下さい!!』
735 :
3/3:2012/11/23(金) 22:50:26.57 0
「よし、今日の反省をしよう。
えーと……敬子に迷惑しかかけてないなぁ……いい兄さんになるのは難しい……来年は本気出す!」
『……はぁ……今日は疲れました……兄さんが私の下着を洗おうとしますし……
並んで食器を洗おうとしてきたり……まるで夫婦みたいじゃないですか……手だって……握られるし……
それに……兄さんの……飲みかけのコーヒーを飲んじゃいますし……
あっ……背中流そうかって言われた時……お願いしたら……どうなってたのかな……
……はぁ……今日は本当に……どきどきして疲れました』
敬語妹の可愛さはちょっと反則じゃありませんか
普段は酷い扱いするのに、本当に落ち込んだ時は優しく頭撫でてくれる友ちゃんはずるいよ
>>731 委員長可愛い!!
GJ!!
>>735 敬語妹を見るたびにこんな妹が欲しくてしょうがなくなるぜ
つまりはGJ!!
最近妹のかつみの胸が大きくなってきて目のやり場に困るのですが、どうすればいいでしょうか?
いっそガン見する
本スレが立ってたのか
男ツンデレの人GJ
友ちゃんの涙ぺろぺろ
男ツンデレの人がいたのか…
逃した死にたい
友ちゃん、なでなでしていい?
お題
つ・新聞記事を読みながらツンデレがため息をついていたので、どうしたのって聞いたら
風呂からあがったらもいっちょ立てよう
くっそーPCフリーズから再起動させてるうちに落ちた
このぽんこつPCめ!
754 :
ほんわか名無しさん:2012/11/26(月) 00:15:16.38 0
「…………」 ペラ
『…………ん』
「…………」
『…………ぅう……』
「…………」 ペラ
『……の……のぅ……主よ』
「ん? どうした纏」
『そ、その……そろそろ、いいじゃろう?』
「え、もう1時間経った?」
『い、いやソレは……』
「じゃあ続行な。1時間経ったら言ってくれ」
『……ぅう……じゃ、じゃが……』
「なんだよ、もともと纏が言い出したんだぞ? 今日の勝負に負けたらスカートでもなんでも履いてやるって」
『そうじゃが……確かにそうじゃがっ……』
「なに?」
『ひ、膝枕! 膝枕までするなどとは言っておらん! そうじゃろ!?』
「そうだけど、元々は一つだけ言うことを聞くって条件だったろ? 纏は自分で勝手にミニスカ履いてきたんじゃん。俺はそもそも膝枕して貰うつもりだったんだし、それは纏の過失だろ?」
『ぅぐっ……ぅう……ぅう〜っ……!』
「よし、それじゃあ……なんだあと50分もあるじやんか。じゃ、50分経ったら宜しくな」
『ぅ、む……わかった……』
「ん」 ペラッ
『(ぅう……ただでさえ普段は絶対に履かぬミニスカートで恥ずかしいのに膝枕など……更に此奴め横向きで寝転がりおって頬が太腿にぴったりくっついてムズムズするんじゃぁ……!)』
『(それに此奴が呼吸する度に吐息が太腿にかかるし……ぅう〜……あと50分も我慢できないのじゃぁ……)』 クスン
「(イロイロ我慢できなくて涙目のまつりんKAWAEEEEEEEEEEEE!!!!)」
755 :
ほんわか名無しさん:2012/11/26(月) 00:15:46.70 0
書いてる間に落ちるとか……
くそがああああ
>>754 まつりんかわいいGJ!
665.7スレ
>>47の友ちゃんも山田共々かわいいGJ!
あとぶっちゃけ
>>46の哲学ツンデレも我ながら可能性を感じたからおまいらも書いてみてほしい
友ちゃんが他の女子から
「山田君って、かっこいいよね。ちょっと私狙ってるんだ」
みたいなことを言われたらどうなるの?
山田はあたしんだからダメ!って言っちゃう
>>758 友ちゃんがいかに山田がダメかを説明する
つもりでノロケ話をする
寝相が悪いとか、脱いだもの脱ぎっぱなしとか、晩御飯の材料を買いすぎるとか言っちゃって、
「なんで友子がそんなこと知ってるの?」
って言われてあうあうしちゃうんですね
仮定の話よ、と言いつつ山田に、もし女の子から告白されたらどうするかを聞く
幼馴染に対してあまりにも素直にならなすぎたせいで男に見切りをつけられ、
男は言い寄られてた好意剥き出しな女子と付き合い始めてしまう。
数年後の同窓会で男と再会するが、男はその女子と既に結婚、子供までいるのに対し、
ツンデレは男の事をずっと引きずってたせいで未だに結婚はおろか男性経験すら無し。
毎夜、後悔で枕を濡らす日々・・・
という夢を見て以来、男に対して積極的になろうとする的なやつを誰か頼む。
>>762 そして
「余程のことがなければとりあえず付き合ってみるかなー」
なんて軽い返事が来て危機感煽られる友ちゃんまで読んだ
それからはちょっと積極的にアプローチするようになる友ちゃんかわいい
お題
現実が辛くて泣き出すツンデレ
>>765 けど実は「余程のこと」が友ちゃんがいることのことで、
つまり両想いなのに気づいてない山田もいい
お題
つ・ツンデレにお前が何を考えているのかさっぱり分からないって言ったら
お題
つ・ツンデレにお前それ手抜きだろって言ったら
山「友ちゃん」
友「なーによ」
山「その、寒いなら暖房付けようよ」
友「だめよ。今年は節電しなきゃならないのよ?これから益々寒くなるのにこの程度で音を上げてどうすんのよ」
山「節電するんだったら、パソコン消したほうが…」
友「これは編集するために使ってるんだから仕方ないの!だからこそ他の所で電気を節約するんじゃない」
山「むぅ」
友「ほら、私だって寒いんだからもっとくっつきなさい」
山「ん…」
友「…なによぅ、私とくっつくのが嫌だっていうの?」
山「そ、そういうわけじゃないよ」
友「だったら早くしなさい。ほら」
山「わかったよ」ぎゅっ
友「(えへ…節電も…悪くないかな…)」
山「(うぅ…これじゃ全然編集に集中できないよ)」
今日は寒い……
ツンデレと手を繋いで歩ければ、心は暖かくなるのにな
773 :
ninja!:2012/11/28(水) 19:41:24.13 0
「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
{::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '|
l::l . 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|
',:i r- 、、` ' ―――一'' " .|
|| ヾ三) ,ィ三ミヲ | 麻呂が
lj ゙' ― '′ .|
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| fr‐t-、ヽ. .:.:. '",二ニ、、|
l 丶‐三' ノ :ヾイ、弋::ノ| 見つけました
', ゙'ー-‐' イ: :..丶三-‐'"|
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ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ |
`丶、 ``"二ユ、_,.____|
おせえよwww何年かかってんだwwwww
と思ったらここほの板だったね。
・おにぎりとちなみさん
女「……」モグモグ
男「お、いいもん食ってんなちなみ。俺にも少し分けてくれよ」
女「……人のご飯をがめようとは……いい根性してるな……」
男「いっぱいあるみたいだからいいじゃん。腹がペコちゃんなんだよ俺」
女「……駄目……タカシに食べさせる飯はない……」
男「ケチ臭いなぁ。どうせその量じゃ食べきれなくて残すだろうに」
女「……どれだけ喚いても……絶対やらん……」
男「ちぇーっ。ケチケチケチ! お前そんなんじゃ絶対いい死に方しねーからな」
女「……子供みたいに……ごねても無駄……」
男「ふーんだ! もうちなみなんか金輪際頼りにしないもんね!」
女「……やれやれ……そこまで言うなら……お前に私の指についた米を……食べる権利をやろう……」
男「はぁ? お前なに言って……」
女「……ほれ」パッ
男「……これをどうしろって?」
女「……舐めるなり……頬張るなり……しゃぶるなり……好きにするがいい……」
男「……はぁ。じゃあまぁ」ペロリ
女「……本当にやるなんて……タカシの変態……」
男「お前から言ってきたんだろが!」
その後、ちゃんとおにぎりを分けてあげたちなみさんでした……。
舐めさせたかっただけかww
ちなみん可愛いのう!
ちなみんに指フェラしてもらうんじゃなくてこっちからするのか……
アリだな
ちなみんにナニを舐めさせるって?
今日はいい肉の日ということでツンデレさんの胸のお肉をもみもm
>>781 日付に気づいてお前と全く同じこと書き込もうとしてたわ…
実はそろそろ次スレの季節だったりする
あと4KB
>>783 なんという肉量…
・お肉が付いて密かにダイエット中のツンデレ
ちなみんにはある特定の部位にもう少しお肉が必要だね
土手高ちなみんとな
『やっぱり時代はツンデレよ!ツンデレ!』
「そ、そうなの?」
『そうよ、今やマンガやアニメにツンデレを見ない日はないわ、世の男性はツンデレを求めているのよ』
「でも本当に素直になれない人を可愛いと思うのかな?」
『信用してないみたいね、かなみ。しょうがない、ここは私が身を持って証明してみせるわ』
「証明?どうやってやるのよ友ちゃん?」
『ちょうど山田がやって来たわ、ツンデレの破壊力をよく見ておきなさい』
[おっおっ](^ω^)
『山田』
[友ちゃん、何か用?]
『ちょっとツンデレなさい』
[え?]
「え?」モノカゲニカクレテノゾキ
『いいから、ツンデる!はい、スタート!』
[ええと…なぁ友田毎回毎回人使い荒すぎるだろ。振り回される身にもなってくれ。いつも深夜まで編集作業に付き合わせやがって。]
[つかよ、男を軽々しく部屋にあげて一晩すごすってどんな根性だよ。襲われたらどうするつもりだ、間違っても他の男を部屋に入れんなよ。]
[後、夜中まで作業に熱中して翌朝体調崩すって本当にいい加減にしてくれよ。オレがどれだけ心配すると思ってる。お前が元気ないとオレまでツラいんだよ。だからこれからは無理すんなよ。]
[こんな感じかな、友ちゃん。]
『まぁ及第点ってところね。ありがと、用はすんだわ』
[うん、それじゃあね]
『かなみ、見た?あれがツンデレよ。これで別府君も一発よ』
「あれがツンデレ?効果あるのかな、素直に気持を伝えた方がいいんじゃ…」
『なに言ってるの!!そっけない態度を装いつつ気持ちは常に相手を大事に思う。そして素直になれないもどかしさ、最高じゃない!!』
「うん…そうだね(友ちゃん目が怖い、マジだ。本気と書いてマジと読むパターンのやつだ)」
『(山田、山田が私のことをあんなにも、他の男を入れるなって事は山田は別にかまわないよね。襲われたらって事は山田は私を襲うつもりなんじゃ……)』
『エクスカリバー!!!!』
「友ちゃん大丈夫!?」
終われ