ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったら0.1
1 :
ほんわか名無しさん:
2 :
ほんわか名無しさん:2012/06/13(水) 00:40:47.91 P
◆ツンデレって何?
「普段はツンツン、二人っきりの時は急にしおらしくなってデレデレといちゃつく」ようなタイプのキャラクターのこと。
◆このスレでよく使われる人物設定
男:デフォルトネームは別府タカシ。ツンデレに色々したりされたりする。
アッパー:デフォルトネームは椎水かなみ。感情表現豊かな基本形。
ダウナー:デフォルトネームはちなみ。ローテンションで「……」を多用して喋る。
お嬢:デフォルトネームは神野りな。お嬢様口調。というかお嬢様。
老成:デフォはまつり。「纏」と書く。わしは?じゃのう等、古風かつジジ臭い言い回しをする。
尊大:デフォはみこと。「尊」と書く。自信に満ちあふれたような、偉ぶった言い回しをする。
関西:デフォはいずみ。関西弁で喋る。
ボクっ娘:ボクっ娘ツンデレ。一人称「ボク」。デフォルトネームは決まっていない。
勝気:気の強い男勝りツンデレ。デフォルトネームは決まってい(ry
無表情:無表情ツンデレ。デフォルトネームは決まっ(ry
中華:中華系ツンデレ。「??アル」といった言い回しをする。デフォルトネームは決(ry
幽霊:幽霊ツンデレ。憑依したりする。アッパーだったりダウナーだったりする。デフォルトネームは(ry
山田:クラスメイトとして使われることが多い。いわゆる友人A。なぜかVIPPER口調で描かれがち。
友子:クラスメイトとして使われる事が多い友人B。好奇心が強かったり世話好きだったりいろいろ。
※名前の由来などについてはまとめサイト参照
・上記の名前や設定はあくまでデフォルト。
・投下許可は求めなくていいですが、長編SSについては、投下前に宣言をしていただけると他のSSとのごちゃ混ぜ防止になるのでスレに優しいです。
・書き上がってから一斉投下してね。 書きながら投下はイクナイ。
・感想レスは励みになるので大歓迎。
・投下のタイミングは自分で見計らおう。投下直前にはリロードを心がけよう。
・もしスルーされても泣かないこと。
・投下後に殊更に感想を求めたり、レスが付かないからって自虐したりすると、ツンデレに嫌われます。
・みんなも多少のことは大目に見てスルーしよう
移転記念いちおつ
4 :
ほんわか名無しさん:2012/06/13(水) 00:50:10.56 0
いちおつ
移転記念いちおつ
そしてほの板の皆さんお世話になります
ツンデレ好きな人は一緒にツンデレに萌えましょう
ツンデレさんっ!ほの板ですよほの板っ!
ツンデレなでりこなでりこ
移転記念お題
・ツンデレと居間でほのぼの
・ツンデレとリビングでほのぼの
・ツンデレと和室でほのぼの
・ツンデレと縁側でほのぼの
ちなみにほの板初めてなんだけどsage進行すべき?
>>7 俺もはじめてで分からんけど
素直ヒートの所はサゲ進行って書いてあったお
寝る前にちなみんとちゅっちゅっするお
>>1乙
ツンデレスレに出会って早3年
その頃から移転の話もあったけどとうとうか
なんだか寂しいな
おはようございます、お嬢
今日もお嬢のタイツでドリップした珈琲が美味しいですね
HAHAHAお嬢、朝からそんなに走られると一日持ちませんよ?
「おはよう、かなみ。今朝は爽やかな朝だね」
『あー……あたしはぜんっぜん爽やかじゃないわ。アンタの顔見ちゃったからね』
「またそんな事言うけど、通学途中に会えて、内心喜んでるんでしょ?」
『だ、誰が喜んでるのよっ!! アンタってばホント自分の都合の良いようにしか考えないんだからっ!! サイテー!!』
「(だって、顔は全然嫌がってないもんなあ。ほんのり赤くなってるし。自分で気付かないのかな? まあそこが可愛いけどね)」
せっかく新しい板に来たので、ツンデレにこれって間接キスだよなって言ったらどうなるのかを改めて考えてみたい
3
「何はともあれ、降って沸いた旅行だ、楽しまねーとなっ!」
『……ん、タカシにしては良いこと言う…、楽しまないと損…』
そう言って、二人は湯飲みに注がれた緑茶を啜る
風情のある旅館、その中でもそこそに良い部屋で二泊三日
学生である彼等には、中々出来ない豪勢な旅行である
「でだ、ちなみ、この辺りに何が有るかちなみは分かるか?俺全く情報無しで来たわけだが」
『…………………………』ズズッ
「……ちなみ?まさかとは思うが…いや、確かにチケット渡されたのは昨日だけど…まさかまさかな?」
『……大丈夫』
「おおっ、流石ちなみさんっ!」
『……受付にパンフレットが有った、はず』
「期待とフラグを裏切らねぇーーっ!流石ちなみさんだぜぇっ!」
そう、この二人は旅行ガイド無し、前情報無し、る○ぶ無し
つまり旅行先で何をしたら良いか分からないパターンに完璧に当てはまっていた
フラッとなにも調べず気ままな旅行、と言えば聞えは良いが
此をいざやると、大体八割強の確率で録でも無いことになる
>>15 うわああっ!誤爆したああっ!
忘れてくれさいっ!
いちおつ
>>16 むしろこれは期待するだろJK
完成版wktk
お題
つ・ダイエット飲料を飲んでいれば太らないと思っているツンデレ
仕事中だよちなみん
ちなみんの染み着きパンツモグモグ
ほわほわ
『あっつー……あ、良いもの持ってるわね、一口貰うわよー』
「へ? ちょっ、駄目だって」
『ケチな男はモテないわよー、減るもんじゃないし良いでしょ』ゴクゴク
「いや、実際問題、減ってるんだが…………そういや間接キスだよな、これって」
『――! んなっ――んぐ! ――けほっけほっ!』
「おいおい、大丈夫か? 何やってんだよ、飲んでる最中に喋ろうとするからだぞ?」
『けほっ――あ、あんたが変な事言うからでしょ!』
「んー? 間接キスうんぬんの事か? 何となく思っただけだったんだが、そこまで動揺するとは――」
『動揺なんかしてない!!』
「いやいや、誰がどう見ても動揺して――」
『してないったら、してないんだから!!』
真っ赤な顔して睨み付けてくるのだった
(むせたので少し涙目)
23 :
ほんわか名無しさん:2012/06/13(水) 20:02:42.79 0
やっぱり原点回帰は良いな
GJなんだせ
ちなちな
NHKでツンデレやってるが、やっぱり何か間違ってるな
保守が要らないのは良いが書き込みが減るのもまた寂し
>>27 「べ、別にっ!受信料なんて欲しくないんだからねっ!」
「そんなに言うなら払わなくて良いわよっ!知らないっ!」
「……で、でも、一寸でも…その…、私の事見ていてくれるなら…あの…///」
「は、、払わせてあげても良いわよっ!ふんっ///」
成る程、こうやって書き出してみると何か違うな
こいつは腹黒の匂いがするぜぇ…
>>29 可愛いデコと口しやがって…っ!
チューするぞっ!GJ
山「あのさ、相談なんだけど…」
タ「?」ち「…?」
山「僕…実はさ、友ちゃんが」
タ「好きなんだろ?」ち「…でしょ?」
山「…え、なんで知ってんの!?誰にも話したことないのに…」
タ(…いや、なんというか…)
ち(…今まで、バレてないと思ってたんだ)
タ「…まあ、大丈夫だろう。男なら、当たって砕けろ、だ」
ち「…チャレンジ精神は、大事」
山「無責任なこと言うなよぉ!」
翌日
友「ねえ、あたしさ…ちょっと二人に相談があるの」
タ「?」ち「…?」
友「驚くかもしんないけど…あたし…」
タ「山田が好きなんだろ?」ち「…でしょ?」
友「なっ!?ちょ、ちょっと、何で…」
タ(いや、うーん)
ち(…二人とも、鈍感過ぎ)
タ「…今日、部活あんだろ?言っちゃえば、スッキリするぜ?」
ち「…言わぬ後悔より、言って後悔」
友「あんたたち、他人事だと思ってるでしょ…」
友(…まあ、しょうがない)山(二人とも、無責任だけど…)
友(部活、二人きりだし)山(今日、部活があるし…)
友・山((当たって砕けろ!))
タ「いいシチュエーションだな」←カメラ待機
ち「…仕返しの、絶好のチャンス」←カメラ待機
>>35 もうどっちもくっつけよっ!
ダブルデートでもしてろよっ!
ニヤニヤするだろうがっ!
>>35 ちくしょうリア充どもめっ
末永く爆発しやがれ!
おはようございます
お題
つ・ツンデレに愛してるって言ったら
お題
つ・クラブの部員がツンデレと男の二人だけしかいなかったら
おはようツンデレ
寝違えたのか首が痛いよ…
帰宅お題
つ・いつもは遅い男がツンデレに連絡せずに早く帰って来たら
>>40 「ふんふんふ〜ん♪」
『…………』パチン パチン
「ふんふんふ〜〜〜〜……」
『…………』パチン サッサッ
「んっっっ!!」パチンッ!!
『五月蝿いですわーーーーっ!』ガバッ!!
「うおっ!お、お嬢?いきなり吃驚させんなよ、、、間違った所切っちまう所だったぜ」
『やっかましいですわっ!先程から鼻唄混じりにふんふんとっ!貴方はもう少し静かに出来ないのですかっ!?』キーキー!!
「そんなこと言ったてよー、此処学校とは思えない位静か過ぎて、、、つい?」
『なっ、にっ、がっ!ついですかっ!貴方は風情も解さぬ馬鹿者なのですかっ!?』
「いや、そんなこと言ったて、、、」
『言い訳無用ですわっ!ふんっ、もう良いですわっ!そんなに退屈でしたら退部されて結構ですわっ!』
「いや、それは困る、お嬢と過ごせないのは嫌だ」
『じゃあ…ってうえぇっ!?い、いきなり何を言い出しますの貴方っ!?』
「お嬢と楽しくお喋りしながら部活して、一緒に帰るためにこの部活入ったんだ、退部は困る」
『あ…う、あ……うぅ……///』
「でも、お嬢は真面目にやってるんだもんな、、、話せないのは残念だけど、静かにしてるよ」ニコッ
『〜〜〜〜っ///』ボンッ
『ふ、ふんっ!わかればよろしいですわっ!…ま、まぁ…、騒がないのでしたら…、その、一寸位貴方のお話に付き合って…差し上げてもよろしくてよっ///』
「ホントかっ、ありがとうお嬢っ」
『ふ、ふんっ///全くタカ…貴方には困ったものですわっ///』プイッ
「(ちょろいなお嬢、正直静か過ぎて死にそうだったお…、次は着物とか頼んでみよう)」
盆栽、華道、茶道を一纏めにした和芸総合部は今日も平和
>>43 くおおおお!!
羨まし過ぎるwwwwwwwww
・飲み会からの帰り
男「ただいま」
女「あら、お帰り。早かったわね」
男「うん。みんな明日も仕事だから、早く切り上げようって」
女「いい心がけじゃない。それで、どうだったの飲み会は?」
男「どうもこうもないよ。部長には絡まれるし、専務には酌させられるし」
女「あんたみたいなのにも期待してくれてるってことじゃない。光栄に思いなさい」
男「なかなかそうは割りきれないけどな」
女「言われてる内が華よ? それより、お茶漬けくらいなら出せるけど、軽く食べる?」
男「いや、いいや。今日はシャワー浴びたら寝る」
女「そう。じゃ、お休みなさいね」
男「おう」
女「……」スチャ
男「おーい、かなみ。俺が寝るまで待ってなくていいぞ?」
女「待ってないわよ。ただ眠れないだけ」
男「……無理しなくていいのに」
女「してません! いいからとっととシャワー浴びなさい!」
男(待つ気満々に見えるんだけどなぁ……)
>>47 ツンデレな嫁さんいいなあ
文句言いながら尽くしてくれるなんて最高じゃないか
おはようございます
お題
つ・宿題が終わらないツンデレ
おはようツンデレ
仕事行ってくるお
>>47 遅ばせながらお昼休みにGJ
ツンデレ嫁が素直にデレる日は来るのだろうか…
眠くなって来たぜ
つ・ツンデレが隣で舟を漕いでいたら
・ツンデレ1人旅
〜二人きりの図書委員〜
ちなみ「………」ペラッ
タカシ「………」ペラッ
ちなみ「……」ペラッ
タカシ「……」ペラッ
ちなみ「………」ペラッ
タカシ「……なあ、ちな…」
ちなみ「話しかけるな。気が散る」ペラッ
タカシ「………」
ちなみ「………」パタン
タカシ「お、読み終わったのか?」
ちなみ「…もうこんな時間。帰る」
タカシ「あ、マジだ。俺も帰ろっと」
帰り道
ちなみ「……ねえ」
タカシ「ん、何?」
ちなみ「…本読んでなかった」
タカシ「え。……バレてた?」
ちなみ「……落ち着きがなさ過ぎた」
タカシ「…へーえ。ちなみ、案外周り見えてんのな」
ちなみ「……それで、何を」
タカシ「ちなみを見てた」
ちなみ「……はへ?」
タカシ「ちなみの横顔、…結構、可愛いんだよな」
ちなみ「……!?」
タカシ「あ、ちなみん顔真っ赤」
ちなみ「えっ!……ち、違うの、ちがっ」
タカシ「取り乱すちなみんも可愛いなあ」
ちなみ「うう…っ…、ち、ちなみんって……言うな…バカ…」
ちなみんなんて何処から見ても可愛いに決まってるだろ!!
ちなみんは本当にかわいいなw
それと、うpろだってか更新停止っぽいまとめサイトまるごと消えてるっぽいんだが……
58 :
ほんわか名無しさん:2012/06/16(土) 02:26:30.13 0
いやktkr.netが落ちてるっぽい。明日まで様子見
61 :
ほんわか名無しさん:2012/06/16(土) 04:32:36.19 O
ちなかわ
ちなみんは可愛いなぁ…ペロペロ
64 :
1/3:2012/06/16(土) 10:38:03.74 0
(自炊)お口の匂いが気になるツンデレ
『ねえ、タカシ。ちょっといい?』
「何、かなみちゃん? って、何かすごくニンニク臭くない?」
『やっぱりいいいいいっ!! あああ、お昼に餃子なんて食べるんじゃなかった……』
「分かってるなら食べなきゃいいのに……」
『だって、友子が餃子の超美味しい中華屋さんがあるからって誘うんだもん。それでも我
慢しようと思ったのよ? 二人で一皿なら、大して臭いもしないだろうからって』
「でも美味し過ぎて、結局食べ過ぎちゃったんだ」
『うるさいっ!! アンタだって、あそこ行けば絶対二個や三個じゃ済まないんだから』
「そんな美味しいんだ。じゃあ、今度連れて行ってくれる?」
『夜だったら……って、何でアンタと一緒に行かなくちゃ行けないのよ!! 一人で行き
なさいよね。場所なら教えたげるから』
「ちぇっ。つれないよなあ。別にご馳走してって言ってる訳じゃないのに」
『当たり前でしょそんなの。むしろ連れてくなら金払えって感じよ』
「フーン。なら、ゴチしてあげるなら付き合ってくれるの?」
『ま、まあ、奢ってくれるなら……って、そんなのますますデートっぽくなるじゃないの
よ!! ダメダメダメ!! 絶対ダメなんだから!!』
「うわっ!! 顔近付けて怒鳴らないでよね。ホント、臭いスゴイから」
『そんなに臭いの? 顔しかめるくらい?』
「うん。しゃべるたびにモワッとする」
『えええええ〜っ!! ど、どうしよう…… こんなんじゃみっともなくて人前出れない
じゃない……』
「女の子なんだし、口臭対策の薬とか持ってないの?」
『持ってたらすぐ食べてるわよ。友子の奴は午前中で授業終わりだからって帰っちゃうし
さ。もう、ホント使えないんだから』
「しょうがないな。はい、これ。噛むブレスケア」
『え? 何でアンタがこんなの持ってるのよ。用意良過ぎじゃない?』
「男だって口臭には気をつけないとね。女の子に嫌われちゃうし」
『なっ……何バカな事言ってんのよ。たかが口臭予防してるくらいでアンタ好きになる女
の子なんているはずないじゃない』
65 :
2/3:2012/06/16(土) 10:38:24.79 0
「あれ? もしかして、ちょっと不安になっちゃった? 僕がかなみちゃん意外の子に好
かれようとしてるんじゃないかって」
『何であたしがそんな事心配しなくちゃいけないのよっ!! ホントバカよねアンタって。
あたしは単にアンタの楽観主義を打ち砕きたかっただけだもん。ホントなんだから』
「はいはい。心配しなくても、僕が好かれたいのはかなみちゃんだけだからね」
『だから心配なんてしてないって言ってるでしょうが、このドアホッ!!』
「(すぐにムキになる所が可愛いなあ。ホントに)」
〜一時間後〜
『どう? まだ臭いしてるかしら?』
「うーん。とりあえず、今しゃべっただけだと、ニンニク臭くはないみたいだけど」
『そんな離れた距離で分かるわけないじゃない。もっと真面目に、ちゃんと臭い嗅ぎなさいよね』
「う〜ん。いい匂いなら喜んで嗅ぐけど、口臭ってのはちょっとなあ」
『つべこべ言うんじゃないわよっ!! ほら、もうちょっとこっち寄って』
「ちぇっ。こういう時だけ都合がいいよなあ。いつもだったら、ちょっと髪の匂いとか褒
めただけでも変態だのフェチだの文句言うのにさ」
『きょ、今日のは仕方ないじゃない。ほ、他の子に嫌な臭い嗅がせるわけに行かないんだし……』
「僕だったら良いって言うんだ。酷いなあ」
『るさいっ!! もう、とっとと済ましちゃうから、ちゃんとしっかり嗅いでよね?』
「分かったよ。ていうか、しっかり嗅がないと分からないほどの臭いだったら気にしなく
てもいいと思うんだけどな」
『だからごちゃごちゃと、余計な事言うなっての。ほら、準備いい?』
「はいはい。いつでもどうぞ」
『よし。じゃあ、行くわよ』
ハァーッ……
「フンフン……」
『いちいち口で擬音いらないっ!! で、どう?』
「うん。大丈夫みたい。少なくとも、僕には気になるような臭いはしなかったよ」
『良かったぁ…… これでもう、口押さえずに済むわ』
「もしかして、あれからずっと口押さえてたの? 授業中も?」
66 :
3/3:2012/06/16(土) 10:38:49.35 0
『当たり前でしょ? 口臭い女だなんて思われたくないもの。アンタだってあたしが周り
からそう思われたら嫌でしょ?』
「いや、別に――っていふぁふぁふぁふぁふぁ!!」
『何で即座に否定すんのよこのバカ!!』
「いったいなあ…… いきなりほっぺたつねるなんて、乱暴な子は嫌われるよ?」
『い、いーのよ。だって、こんな事するのアンタだけなんだから』
「うん。このシチュエーションで言われても、全然嬉しくないよね」
『別にアンタを喜ばせようなんてしてないっ!! もう用は済んだんだから、さっさとどっ
か行きなさいよね』
「つれないなあ、かなみちゃんは。お礼にこれからデートでも誘ってくれればいいのに」
『だっ……誰がそんな事するかっ!! あ、あたしだってこれから授業あるんだし……』
「そうだったね。じゃあ、この埋め合わせは今度って事で」
『今度もないっ!! ああ、もうあたしも行くからね。時間ないし』
「あ、その前に一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな? ちょっと気になることがあって」
『な、何よ? 一つだけだったらさっさと言いなさいよね』
「うん。じゃあ聞くけど、さっき僕、かなみちゃんの息を思いっきり吸い込んだよね?」
『その表現、何か嫌だけど、まあそうと言えばそうよね。で、それが何?』
「うん。それでさ。鼻と口って、繋がってるって知ってるよね?」
『当たり前でしょそんなの。で、それが何なのよ!! じれったいわね、もう!!』
「だからさ。そうなると、これって間接キスって事にならないかな? かなみちゃんの口
から吐き出したものを思いっきり吸い込んだんだから」
『――――っ!!(///////////) な、ななな……何言ってんのよアンタわ!! な、な……
なる訳ないでしょこのバカ!! バカバカバカ!!(///////////////)』
「なーんだ。違うんだ。残念だなあ」
「(すぐ真っ赤になっちゃって、かなみちゃんって分かりやすいなあ)」
『そうよっ!! 違うに決まってんでしょうが!! な、何でニヨニヨイヤらしい笑い方
してんのよ!! 死ねこの変態っ!!』
終わり
ツンデレの吐息で間接キスとはwwww
その発想はなかったwwwwww
GJ!
68 :
1/2:2012/06/16(土) 15:04:13.62 0
そんなことよりちょっと俺の話聞いてくれよ
かなたに祭囃子聞こえる窓際、俺はツンデレと花火を見てたの
というのもツンデレ人混みが苦手でさ
この時期になると俺ん家で二人、花火が光っては消えするのを眺めるの
そんな風に外見てたらツンデレ隣でモゾモゾ落ち着かない様子でさ
どうも窓開けっ放しにしてるから蚊に背中食われたみたいなの
それでツンデレは一生懸命手を伸ばすけど痒い所に届かないみたいでうめき声をあげてさ
見兼ねた俺はツンデレの代わりに背中掻いてやったの
したら強く掻きすぎたのかツンデレ、腰が引けちゃってさ
俺は、傷がいってたら大変だ、ってツンデレの服捲くって確認したの
すれば案の定白い肌に赤く線が走ってて、俺は平謝り
それに関してはツンデレ許してくれたんだけどさ、いきなり服捲くった事にはご立腹で説教されたの
それからというもの、服を捲くりたい時はツンデレに一言断りを入れるようになったんだけど中々許可くれなくてさ
こんなことならあの時しっかり目に焼き付けておけば良かったよ、って話
69 :
2/2:2012/06/16(土) 15:06:13.43 0
そんなことよりちょっと私の話聞いてほしいんだけど
かなたに祭囃子聞こえる窓際、私はアイツと花火を見てたの
というのもアイツとお出掛けしたら絶対知り合いに冷やかされるからさ
この時期だとアイツん家で二人こっそり、花火が夜空に咲く模様を楽しむの
そんな風に外見てたら急に背中が痒くなってきてさ
どうも窓開けっ放しにしてるから蚊に食われちゃったみたいなの
そしたらアイツ、私が痒い所に手が届かなくて苦しんでるの見て愉しみやがってさ
腹立つけど背に腹は代えられない、アイツに頼みこんで背中掻いてもらったの
すれば人に背中掻いてもらうの超気持ちいい、思わず腰が浮いちゃうの
したらアイツ、何を血迷ったのか私の服捲くりだしてさ
強く掻きすぎた、って花火そっちのけで私の背中凝視してくるの
これ、私だから許されるけど他の女性にやったら警察沙汰だから、むやみに女性の服捲くったらダメって教えてやったの
そしたらアイツ自分の都合の良いように解釈してさ、たまに、服捲くっていい?って聞いてくるようになったの
もちろん拒否するんだけど、どっか服捲くられる事に期待してる私もいるんだよね、って話
いつもながらこの二人は2828させられるなあ
GJ!
うむ。いい雰囲気だ。GJ!!
ニヤニヤが止まらないwwww
GJ!
73 :
1/7:2012/06/16(土) 18:33:26.02 0
お題作成機より:ダウナー、二人乗り、アイテム何でも
『……別府君……ちょっと……こっち……来て……』
「ん? 何だよ、委員長」
『……いいから……黙って……手を……出して……』
「お? 何か良いものでもくれるのか?」
ガチャリ。
「ちょっ!? な、何だよこれ、手錠か?」
『……見ての……通りよ……そして……もう片方は……私……』
ガチャッ。
「何すんだよ。委員長がこういうイタズラかますとは、ちょっと予想外だったぞ」
『……誰が……君相手に……イタズラなんてするか…… ちゃんと……理由が……ある……』
「理由? どんな理由だよ。正直、委員長に手錠掛けられる覚えなんてないぞ」
『……やれやれ……犯罪者はこれだから……日頃から……散々罪を重ねている上に……無
自覚とは……正直……救いようがないわ……』
「犯罪者とか酷い言われようだな。一体俺がどんな罪を犯しているって言うんだよ」
『……遅刻……サボリ……早弁……早退……これだけやっておいて……無罪とは……片腹
痛いよね……』
「アハハ。そう言われれば色々やってるわな、確かに。あまりに日常化してたから、全く
意識無かったわ。でも、誰かに迷惑を掛けた覚えは無いぞ」
『……嘘をつかないで…… 昼の放送……ジャックして……好みのヘビメタとか……流し
て……生徒の昼寝を……妨害したりしたでしょ……』
「そ、それは一回だけだし、やっぱ好きな音楽掛けた方がテンション上がるじゃん。なの
に、放送部の石頭部長が全然許可してくんなかったから……」
『……おかげで……私まで……文句言われたじゃない…… クラスの……無法者は……ちゃ
んと管理しておけと……本当に……いい迷惑なのに……』
「そっか。そりゃスマンかった。じゃあこれから連行されてお説教か?」
『……君なんかの為に……私が時間を……潰すと思う? これは……ちゃんと……実務的
な……理由だ……』
「実務的?」
74 :
2/7:2012/06/16(土) 18:34:55.82 0
『……そう。君は……このクラスになってから……まだ一度も……掃除当番を……守った
事が無い…… だから君は……今日から一ヶ月……当番に係わりなく……毎日……教室の
掃除をするの……』
「冗談言うなよ。少しでも早く帰りたいっていうのに、掃除なんて面倒な事出来るかよ」
『……そう言うと……思った…… だからこその……これよ……』
「なるほど。手錠で繋がっておけば、俺が逃げられないとそういう事か。だが、そういう
事なら俺にも考えがある」
ガシッ!!
『ふぇっ!?』
「こうなったら、委員長ごと抱きかかえて逃げてやる」
『……ふざけ……ないで……』
ゲシッ!!
「あいってえ!! 膝に入ったぞ、今……」
『……私を……誘拐して……手篭めにしようとしても……そうは行かない……この変態め……』
「ぐぬぬ…… 抱きかかえられたまま蹴り入れるとは……委員長って、意外と身のこなし
素早いな……」
『……黙れ……この性犯罪者…… 立って……さっさと……掃除始めろ……』
「分かったよ、ちくしょう……」
『(一瞬……篭絡されそうになったじゃない……このバカ……)』
「ふう…… やっと終わったぞ……」
『……全く……いい迷惑だった……何で私が……別府にくっ付いて……掃除に付き合わな
きゃならなかったのか……』
「自分で俺に手錠掛けたんだろ? 自業自得だ」
『……お陰で……バケツの水に……手を突っ込むはめになったし……手が荒れたら……君
のせいだから……』
「はいはい。委員長の手が荒れるのも、身長が低いのもおっぱいがつるぺたなのも、全部
俺のせいですよ」
『……今……どさくさに紛れて……酷い事を言ったでしょ……?』
75 :
3/7:2012/06/16(土) 18:36:22.97 0
「いえ。事実を羅列したまでですが何か?」
『……黙りなさい……事実だと……言うなら……君のせいと言うのも事実……ということ
よね……? だったら私が……今すぐ処刑してあげる……覚悟して……』
「わわっ!! 待て待て委員長。目が据わってるぞ。ガチで殺人は止めろ!! 俺はまだ
初エッチどころか彼女すらいないんだ!! まだ死にたくねえ」
『……だったら……そのうるさい口を閉じていたら……? いっそ……永遠にね……』
「それは無理。けど、手錠外してくれたら、せめて俺の声が届かないところまで行く事は
出来るぞ。つか、もう用済んだんだろ?」
『……私だって……これ以上君と一緒になんか……いたくないもの…… ちょっと待って
て……今鍵を……あれ……?』
「どうしたんだ? まさか無くしたとかそんなオチじゃないだろうな?」
『……反対側のポケットは……ない……スカートのポケットも……ない……ない……カバ
ンの中……だったかな……?』
「勘弁してくれよ。このまま外れなかったらどうすんだよ」
『…………やっぱり……ない…… 落としたの? そんな……バカな……もしかして……
ゴミと一緒に……焼却炉……とか……』
「何これ? それじゃあこのまま委員長とくっ付いたままずーっと一緒にいろってか?
飯も風呂も寝るのも」
『……そんなの……私の方こそ願い下げだが……君に嫌がられるのは……非常に心外だな……』
「いや。嫌って言うか、倫理的に拙くねって話で……」
『……で……? 君は嫌……なの……? それとも……嫌じゃない……の……?』
「あー……うん。ノーコメントで」
『……臆病者……男なら……ちゃんと答えて……』
「だって、願い下げって言ってる子に言うのもなあ。うん、まあ少なくとも嫌じゃないよ。
今はまあ、それだけにしとくけど……」
『フン…… まあいい……それで……我慢してあげる……』
「でも、どうすんだよ? 本当に外れなかったら、ずっとくっ付いたままなんだぞ?」
『……それなら……大丈夫……家にはちゃんと……買った箱の中に……スペアキーが……
あるから……』
「何だよ。それ早く言ってくれよな。だったらこんな焦る必要なかったのに」
76 :
4/7:2012/06/16(土) 18:38:56.29 0
『……君が勝手に……妄想爆発させて……焦ってただけ……人のせいにするとか……逆ギ
レもいい所だから……』
「嘘だろ。委員長の顔も、相当焦ってたぞ。もしかしたら、自分では動揺を隠してたつも
りだったとか?」
『……むぅ……バカにしたような……目で見るな…… そもそも……君が……ちゃんと掃
除をサボらず……真面目に当番をこなしていれば……こんな事しなくて済んだのに……』
「はいはい。で、どうすんだよ? これから委員長の家に行けばいいのか?」
『……仕方ないけど……それしかない…… 君なんかを……私の部屋に上げるなんて……
ホントは……虫酸が走るほど……イヤなんだけど……』
「いや。女子が男子を部屋に上げるのが重要な事なのは分かるけど、そこまで言うか」
『……だって……君だよ……?』
「分かった分かった。まあ、やること決まってんならさっさと委員長の部屋に行って鍵外
しちまおうぜ。用が済んだら、とっとと退散するからさ」
『……そんなの……当たり前の事だから……』
『(どうしよう…… こんな形で……別府君をお部屋に招待するなんて……何の準備もし
ていないのに……)』
『……あれ? どっち……行くの……?』
「ああ。俺、チャリ通学だから。知らなかったっけ?」
『……そんな……君の通学方法とか……いちいちチェック……してないし……』
「まあ、そっか。どうする? このまま手錠つけたまま並んで歩いて委員長の家に行くの
と、自転車二人乗りで行くの」
『……どっちにしても……目立つ……よね?』
「まあな。ただ、自転車の方が一瞬で通り過ぎるから、気にしづらいかも」
『……なら……自転車にする……』
「よし。それじゃあさっさと行くか。このまんまだと人目に付くしな」
『……さっきから結構見られてるし……最悪すぎる……もう……噂になったら……君の責
任で……全部打ち消して貰うから……』
「まあ、クラスの奴らは事情知ってるし、人の噂も75日って言うから、そのうち忘れるだろ」
『二ヵ月半も……我慢しろって言うの……最悪過ぎる……』
77 :
5/7:2012/06/16(土) 18:41:06.79 0
「で、自転車置き場に来た訳だが、手錠付けたままでどうやって乗る?」
『……そんなの……簡単……先に自転車……乗って……』
「ああ。で?」
『で……右手を……お腹に当てる……』
「こう?」
『……うん……あとは、ハンドルを横にして……ここを軸にして……こうやって回れば……
んしょ……っと……これで荷台に乗れば……よっと……』
「……随分と器用な真似すんだな」
『……当然……君より……頭いいもん……このくらい……思いついて……当然……』
「何か、随分と得意気だな」
『べ、別にそんなこと……ないし……何か不満でも……あるの?』
「いや、別に不満って事じゃないんだけどさ。ただ……」
『……ただ……何?』
「うん、まあ、こんなややこしい事しなくても、普通に右側から横座りすれば、こんな風
に密着しなくても良かったんじゃないかと」
『――!? そ……それじゃあ……不安定過ぎるから……君の運転だと……振り落とされ
るかも知れないし……しっかりくっ付いてないと……危ないじゃない……』
「分かったよ。まあ、どのみち片手運転になるから、確かに危なっかしいし、しっかり捕
まっていられる姿勢の方が安全かもな」
『……でしょう? 納得したら……さっさと出発する……』
「了解。じゃあ行くぞ……よっと……」
『よっと……とか……言うな……私が……重いみたいじゃない……』
「いや、実際おも……イタイイタイ!! お腹の肉つねらないで!! 冗談だからさ!!」
『……冗談にしても……失礼すぎる……』
「いや。マジで危ないからさ。イタズラすると、こけるかも知れないから」
『……私を乗せたまま……こけたりしたら……一生恨んでやる……』
「気を付けるよ。だけど委員長もちょっとした冗談で攻撃するの止めてくれ」
『……なら……まずは……君がその……余計な口を……閉じていろ……』
「分かったよ。校門のトコ、段差あるから気を付けろよ」
『……えっ?』
78 :
6/7:2012/06/16(土) 18:42:51.89 0
ガタン!!
『ふぁっ……きゃっ!!』
ギュウッ!!
「おいおい、大丈夫かよ。落っこちんなよ」
『むう……君が……警告するのが遅い……』
「いや。どう考えても委員長の動作がにぶ……いや、何でもない。俺が悪かった事にして
おくから、殺気は消せ」
『……今度……悪口言おうとしたら……首絞めるから……』
「別に悪口じゃないって。まあ、ちょっとからかおうとした気持ちがあるのは認めるけどさ」
『……やっぱり……私の事……バカにしてる……バカのクセに……』
「いやあ。からかうってのはバカにするばかりじゃないんだぜ。仕草が可愛くても、つい
ついそういう気持ちになっちゃったりするし」
『くっ……可愛い……とか言うな……君に言われると……気持ち悪くなる……』
ゴスッ!! ゴスッ!!
「ちょっ!! 背中頭突きするの止めて!! あと、苦しいからもうちょっと腕の力緩め
てくれると有難いんだけど」
『……無理……運転乱暴だから……しっかりしがみ付いてないと……怖い……』
「えー、そんな事ないけどな。つか、片手運転だし、委員長後ろに乗っけてるから、いつ
もよりかずっと慎重だし」
『……これで慎重なら……普段だと……人死にが出るかも……もうちょっと……自重して……』
「そんな事言ったってなあ。ある程度スピード出してないと、却って危ないんだぜ」
『く……口答え……しないの……分かった?』
「ちぇっ。分かりました。ちゃんと安全運転します。これでいいんだろ?」
『……よろしい。人間……素直が……一番……』
「で、安全運転約束したから、もうちょっと体離してくれないか?」
『……何で……さっきからそんなに……体を……離して欲しがっている……私に……くっ
付かれるの……イヤなの……?』
「い、いやその……委員長は、いいのかなって? 俺なんかにしがみ付いてて」
『だから……信用出来ないからって……さっきから言ってるでしょ…… ホントは……君
なんかに……しがみ付きたくないんだから……』
79 :
7/7:2012/06/16(土) 18:45:10.32 0
『(ホントは……一回しがみ付いたら……逞しいし……暖かいし……安心出来るから……
なんだけど……)』
「だから、出来る限り安全運転するって。それだけは信用してくれよ」
『だから……信用出来ないし……君の答えも聞いてない…… 逆質問にだけ答えさせてお
いて……ズルイ……』
「えー。正直言えば、あんまり答えたくないんだけどな……言ったら絶対怒るし」
『……言わないと……確実に怒るけど……それでも……いいの……?』
「ぐっ…… それ言われると辛いな……」
『早く……答える…… 私にくっ付かれるの……嫌なの……?』
「い、いやその……嫌じゃないよ。全然。だから、それは気にしなくていいし、むしろ……
いや、何でもない」
『……何でもなくない。ちゃんと……続けて……』
「えー? やっぱり言うの?」
『……そこまで答えといて……中途半端は……ダメ。嫌じゃないなら……何で離れて欲し
いのか……ちゃんと言って……』
「い、いやその……そんな風に密着されると意識するっていうか……委員長の胸がさ。意
外とフニッと背中に当たって緊張するって言うか……」
『――っ!! なっ……何を考えているのよっ!! 死ね……死ね……このスケベ!!』
「ご、ごめんごめん!! 分かったから胴締めるの止めて!! 苦しいから!!」
『(私で……意識してくれるなんて…… むしろ……好き過ぎて……私が死ぬかも……)』
終わり
いいんちょちなみんGJ!!
手錠外してちょっと残念そうにしてるとこまで夢想したぜ
むしろあーだこーだ言い訳して手錠外さなかったり
というか、週末なのにVIPにスレ立てないんかな?
俺はさっき規制食らったが
仕事場から乙を贈ろうっ!!
立てたいけどlv9で立てれないぇ…
83 :
ほんわか名無しさん:2012/06/16(土) 21:16:17.71 0
なんとなく立てたけど、別にあんたたちのためじゃないんだからねっ!
86 :
ほんわか名無しさん:2012/06/16(土) 21:22:09.41 0
テンプレ貼ってすぐに現行案内スレの方にもURL貼ったのに重複しちゃってるじゃないの!
気をつけなさいよねっ、もう!
ま、まあ、気を利かせてくれたのは嬉しいけどさ…
アニ三には耐えられなかったか・・
落ちちゃったじゃないのっ!
もうっ、アニさんのバカっ!!
書いてる途中で落ちた……
こっちで書くか
90 :
1/2:2012/06/16(土) 22:18:18.58 O
・ジャンクフード好きなツンデレ
男「ちゅーす」ガラッ
纏「うむ? タカシか、何をしておる」
男「いやー暇だったしなんか纏が俺を呼んでる気がして遊びに来ちゃった☆」
纏「呼んどらんし、儂は主ほど暇ではないぞ」
男「何してんの?」
纏「茶をたてる稽古をしておったところじゃ。主も一杯どうじゃ?」
男「お抹茶ですか。前に纏に勧められて口に合わなかったから遠慮しとく」
纏「相変わらず和の心が分からぬ奴よのぅ。嘆かわしいわぃ」
男「俺には独り暮らしの娘にこんな豪勢な和室をあつらえる、お前の両親の方が分からん」
纏「うちの両親は心配性での。ま、タカシのような幼友達が
頻繁に顔出ししては、心配するのも無理からぬ話じゃがの」
男「お? 言ってくれるね。せっかくお土産持ってきてやったのに、そんなこと言ったらやんねーぞ」
纏「土産とはなんじゃ? 和菓子の一つでも持ってきたかえ?」
男「ふふふ……これを見よ!!」
91 :
2/2:2012/06/16(土) 22:19:05.40 O
纏「ぬぁ!! そ、それは……儂の大好物の、ちーずばーがーではないか!」
男「おう。でも抹茶のお茶うけには合わないよな。残念だけど持って帰るわ」
纏「うぐっ……!! お、お主の土産なぞ端からいらんわ!!」
男「はは、冗談だよ。好きなだけ食ってくれよ」
纏「ぐぬぅ〜……主はいつもながら意地が悪いぞ」
男「はいはい。ほら、おかわりもあるからな」
纏「う、うむ……あまりこっちを見るでないぞ」ガサガサ、アーン
男「きゃっ☆ 纏ちゃんたらおっきな口開けて、お・下・品☆」
纏「こうせぬと食べれぬのじゃから仕方ないじゃろ!!」
男「あっはっは、かわいいかわいい。思わず開いた口に指ほうりこもうかと思っちゃったぜ」
纏「かわいいなどと言うなー!! 大口開けて食事なぞ、みっともないのじゃ!!」プンプン
男「いや、やっぱかわいいわ纏。大好きですわ」
纏「うぅ〜、馬鹿にするなぁーーーーーっっっ!!」
これぞ和洋折衷…………
違うかwwwww
>>91 GJ
まつりんの大口とか想像しただけでくぁいい
94 :
1/2:2012/06/16(土) 23:15:34.52 O
・妹ツンデレとアニソン
妹「……」←イヤホン付けてラジオ視聴中
兄「……」ヒョコ
妹「うわあぁ!?」ビクッ
兄「おぉ、起きてた」
妹「気配もなく急に顔を出さないでください! びっくりするじゃないですか!」
兄「お前が夢中になってラジオ聞いてるから気になって」
妹「……悪いですか?」
兄「いや、悪くはないけど。何聞いてんだ?」
妹「教えません、教える必要なんかないです」
95 :
2/2:2012/06/16(土) 23:16:25.94 O
兄「ふぅん……まぁいいや、じゃあ俺にも半分聞かせてくれよ」ヒョイ、スポッ
妹「んなっ……!!」
兄「んぉ、これアニソンじゃん!? 妹、イヤホン外してくれ!!」
妹「だ、駄目! 音漏れしたらお父さんたち起きちゃう!」
兄「いやでもこれは……是非とも大音量で聞きたいな」
妹「聞くならこのままにしてください……うるさくしたら近所迷惑ですし」
兄「うーん……分かった、お前の言う通りにする」
妹「そうしてください」
兄「ウヒョー! 水木兄貴の歌声はやっぱ最高だぜぇ!」
妹(……兄さんの、馬鹿。でも、ちょっと嬉しいかも///)ピタリ
>>95 GJ!!
でも妹の敬語に相変わらず違和感を感じる…………
纏さんも妹ちゃんもGJぅ!
コネクト聞きそびれた死にたい
>>95 敬語妹かわいいよ敬語妹
イヤフォンを片方ずつ使うのってやっぱ萌えるシチュエーションだよなあ
99 :
1/2:2012/06/16(土) 23:50:44.01 O
お題ネタ
・ある日、タカシが目覚めたら不思議なことに姿形が猫になっていました。
・すわグレゴール・ザムザの二の舞かと思っていたところに、いつもの習慣でタカシを起こしにきたかなみさんが現れました。
・タカシはかなみさんに気付いてほしくて足元にまとわりつきますが、かなみさんは微塵も気がつきません。
・それを繰り返すうち、男はかなみさんのパンツがローアングルから丸見えなのに気づきました。
・タカシは大興奮でしたが、かなみさんはタカシを探しに表へ出ていってしまいました。
・その体験で味をしめたタカシは、こっそり送迎用のバスに乗り込み、学校へ繰り出しました。
・学校はパラダイスでした。豊満な胸に猫を抱き上げる尊さん、赤ちゃん言葉でデレデレ接する勝美さん
タカシと気づかず猫の唇に無防備なキスをかますちなみさん、体育の前にタカシが見ているとも知らず
堂々と着替える梓さん、お弁当のおかずを分け与えてくれた委員長、頬擦りして瞳を輝かせるリナ嬢、
扱いがちょっと乱暴だった関西さん、そして、実は致命的な猫嫌いだった纏さん、etc、etc、etc……。
100 :
2/2:2012/06/16(土) 23:51:26.75 O
・タカシは、もうこのまま猫でもいいかなと思っていましたが、その時ツンデレsの携帯に着信がありました。
・着信はかなみさんで、タカシがどこを探してもいないと狼狽え、焦っていました。
・その電話越しの涙声を聞いて、タカシはようやく罪悪感を覚え、一刻も早く戻らねばと思い始めました。
・……と、いったところでタカシは目を覚まし、かなみさんがその顔を覗きこんでいました。
・タカシが寝ぼけていると、ツンデレが学校への準備を急かします。
・ではあれは夢だったのかとタカシが落胆していると、かなみさんは何もないところで滑ってコケてしまいました。
・その時たまたま見えたかなみさんのパンツの色は、夢で見たものと全く一緒でした。
・果たしてあれは本当に夢だったのでしょうか?真相は誰にも分かりません……。
>>100 だからもうアンタ書けよっ!!!!!!!!!!
乙だよっ!!
想像しただけで興奮するシチュだ
マジで誰か書いてくれ
あと
>>100超乙
お題
つ・規則正しい生活を送るツンデレ
おは養女
・ツンデレ養女
お題
・ツンデレの初デート
ダメかあ……
お題
つ・ツンデレを待たせすぎてしまったら
コレがシュタインズゲートの選択か…
厨二ツンデレ
お題
つ・蒸し暑さに負けそうなツンデレ
線路落ちてるが、絵貼るならどんなろだがいいんだろうか
どっとうpとか
ぼくっ娘がムチムチに……ふぅ
GJ!!
>>113 ∧_∧
(´・ω・`) 俺も僕っ娘スパッツむしゃむしゃしたい…
__,,..=ニ‐-、----‐く`ニニニ´ ┐
,. '´ __ ヽ\、\::::o:/=ニ二L
/ / _.. ‐''¨フ! i:::::::i-‐'^\--─┴t'--イ、
,. -イ ./ / ノ l:::::::::::::!,,,__ 丶、::_:::::::::::\イ
/,. ,人 / _... ‐'" ノ:::::::::/、 、 Y.  ̄\:::::::\
/ ./ ヽ<,,__ 、 ノイ::::::::/ ヽ ...__ _ _,/''´ ー-ヽ::::::iヽ
// ⌒)-‐' i:::::::::::::::ハ-‐‐==‐- ..,,_/ ヽ、__ ,,.. l::::/ l、
/rレ┴…‐-、 ./::::::::::://:::::::::::::::::::::::::::::`丶、___,,.ノ::/ ノ
f i´ \‐、':::::::::/::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::` ーイ::/ \
', .ノへ ヽ ヽミヽ/:::::::::::::::::::::::_;;::ニ-ァ-ニ、:::::::::::::::::!/ /
ヽ `丶、_ `ト、 l | ヽ:::::::::::::,. ''´ / /ヽ丶、::::/ヽ、 l
`丶、 \ / .,'ヽヘ!::::/ \ / ̄`/ヽ、 l 'ソ ,.>'´
. 丶、 ,,..イ、ノ ノ !/ l `ー- イ__,,.. ノ / / ヽ _,,.
人` _,.イ ,イ ノ∧ ヽl 、 _,,.! / i,.ィ"´ヽヽ. i´
 ̄ `丶-''"ノ 人 〉  ̄ l`¨''゙ イ`ヽヽ i_..ノノ-‐
{ クァ、,.、 l / - ‐ ''^ー ' l ,.イi¨
>>113 肉感的なボクッ娘エロすなぁ……
GJ!!
118 :
1/2:2012/06/18(月) 02:21:27.44 0
山「友ちゃーん!」むぎゅ
友「…離しなさい」
山「えー、ほんと、外だと素っ気無いよねー友ちゃんは」
友「当たり前じゃない。こんなところ見られて、噂になったらどうすんのよ。人を追っかけてる身で、面倒じゃない」
山「…」
友「な、なによ。家とかだったら…その、ちゃんとしてるでしょ?」
山「いや、そうじゃなくてさ、ボクと友ちゃんが付き合ってるって、とっくにみんな知ってるよ?」
友「…え?」
山「露骨にいちゃついたりしてなくても、四六時中一緒に居たらそりゃ噂にもなるよね」
友「あ、あんたもしかしてずっと知ってて…」
山「…まーね」
友「ばか!どうして教えてくれなかったのよ!!」
山「聞かれなかったし」
友「いじわる!ばか!」
次の日
山「と、友ちゃん」
友「何よ」
山「そんな必死に腕にしがみつかなくても…周りからガン見されてるよ」
友「もう隠す必要無いんでしょ?だからお望み通りイチャついてあげようってのにどうしたのよ」
山「そ、そーだけど…」
友「何よ。今更恥ずかしがってんの?」
山「…さすがに」
友「ふん。今まで私が恥ずかしかった分、今度はあんたが恥をかく番だからね」
山「…そういう友ちゃんだって今も恥ずかしいんじゃないの?顔真っ赤だよ」
友「…うるさいばか」
119 :
2/2:2012/06/18(月) 02:21:57.12 0
タ「なんだあれ、あいつらいつの間にあんな関係に」
ち「…知らなかったの…?」
タ「え、いつから?」
ち「…もう…半年以上になる…」
タ「マジかよ!山田の野郎なんも言ってねーぞ」
ち「…っていうか…あれだけずっと一緒に居るのに…何も無いと思ってたの…?」
タ「思ってた」
ち「…ほんと…タカシは…頭のてっぺんから…つま先まで鈍感…だね…」
タ「タハー」
ち「…毎日…気を揉んでるこっちの身にもなって…くれないかな…」
タ「鈍感だからってちなみにそんな迷惑かけてるか…?」
ち「…かけてる…現に今も…大迷惑してる…」
タ「なんでだよ。言ってくれよ。直すから」
ち「…ほんと鈍感…ばか…はぁ…」
タカシは念入りに爆発しろ
GJ!
ちなみん可愛いよちゅっちゅ
ちなみと友ちゃんペロペロ
男達ははぜろ
お題
つ・ツンデレのお腹の辺りから何か変な音が聞こえて来たら
ヤバいお腹いたい車の中だけどどうしよう助けてツンデレ
・乗り物の中でお腹が痛くなったツンデレ
お題
つ・疲れているからツンデレに甘えたいなって言ったら
・疲れていて男に甘えたいのに、ついつい強がっちゃうツンデレ
線路復活キター
>>119 GJ
ちなみんペアも噂になってるんだろうな
おはよツンデレちゅっちゅっ
今日も頑張るぞー
128 :
ほんわか名無しさん:2012/06/19(火) 15:58:56.90 O
・クロスワードに挑戦するツンデレ
ボクっ娘ぺろぺろ
お題
つ・ツンデレが台風で家に帰れなくなったら
友ちゃんむにむに
>>128 ちなみさんクロスワードパズル中。
ちなみ「ん〜……て、じ、な、〜、に、ゃ。……おっけー」
俺(なんだろう、すごく問題が気になる……)
ち「じぃ〜……」
俺「口で言うな口で。そして睨むな」
ち「そっちこそ……みるな。視線で、体が腐る……。……ガチ」
俺「ガチとか言うな! 泣くぞ!」
ち「違う……。これの答え。……ゴミ」
俺「答えなんだよな? それも」
ち「もちろん。……カス。クズ。生ゴミ。人間的廃棄物」
俺「いや絶対それアンサーじゃないよねっ? あてつけだよね!? 分かるよ!?」
ち「大声を……出すな……。……あ」
俺「あ?」
ち「な、なんでもない。それより……分からない問題が、ある」
俺「そうなの? 珍しいな、お前が分からないって」
ち「う……、そ、そういう時も、ある……。の、農具で、オールのような形、シャベルのように使う……って、なに」
俺「農具……? ……ああ。多分だけど、鋤じゃね?」
ち「……?」
俺「鋤」
ち「も、もう一回……」
俺「だから、す〜き!」
ち「スギ……?」
俺「だから鋤だって言ってるだろ!」
ち「す、鋤……ね。…………ス、キ。……ん」
俺「ったく。オッケー?」
ち「うん……。……私も」
俺「は?」
ち「あ、わたっ、私も……鋤、だと思ってた、初めからっ! い、一応……聞いた、だけ。……えへへ」
という感じでイチャイチャしたい。
ちなみん可愛いなぁ
イチャイチャしやがって……!
136 :
1/8:2012/06/20(水) 12:20:21.05 0
お題作成機:メイド、地震、ケーキ
ヴィーッ!! ヴィーッ!! ヴィーッ!!
『えっ……!? タカシ様、何ですこの音は……』
「緊急地震速報だな。でかいの来るぞ」
『えっ、地震? ウソ、ヤダそんな――』
グラッ!!
「お、来た……」
『キャアアアアアッ!!』
ガタガタガタガタガタ。
「結構でかいな……けど、もう収まってきた……か……?」
カタカタカタカタ……カタ……
「フゥ……この程度なら震度3……くらいか。おーい、芽衣。大丈夫か?」
『神様神様助けて助けて助けて助けて神様助けて助けて助けて……』
「……しょうがないなあ。芽衣、もう揺れ収まったぞ」
ポン。
『ふぇっ!?』
「安心しろ。震度3程度だったから、大した地震じゃない」
『そうでしたか。それなら良かったですけど…… って、タカシ様、今どこをお触りになっ――』
ガツッ!!
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!』
「お、おい。芽衣、大丈夫か? 今すごい音がしたぞ」
『…………ったたたたた…… だ、大丈夫じゃありませんっ!! いったあああああ……』
「待ってろ。今、タオル濡らして持って来てやるから」
ジャー……バシャバシャ……キュッ……
「ほれ。これでぶつけたところ冷やせ」
『……申し訳ありません…… け、けど、タカシ様が悪いんですよっ!!』
「俺が? ただ、地震が収まったことを知らせただけだぞ」
『だって、私のお尻を撫でたじゃありませんか!! セクハラです。犯罪です。いくら私
が使用人だからと言って、やっていい事と悪い事があるんですよっ!!』
137 :
2/8:2012/06/20(水) 12:21:22.95 0
「……いつから世の中では、背骨の付け根辺りも尻と呼ぶようになったんだ? あと、撫
でたんじゃなくて軽く叩いただけだし。大体、上半身をリビングボードの下に潜らせてた
ら、他に叩けるような場所もなかったろ?」
『そもそも、何で叩く必要があったんですかっ!! 声を掛けてくれればそれだけで良かっ
たのに……』
「だって、いつも芽衣ってばそれだけじゃ正気に返らないじゃん。一度耳元で大きな声で
呼んだら、それはそれで怒られたし。この間隅っこで震えてた時は背中叩いたけど、あの
時はそんなに怒らなかったろ?」
『それは叩く場所にもよりますっ!! 女性の腰を気安く触るなんて、いくら主人とはい
え越権行為が過ぎます。いきなりあんなトコ触られたら、どんな女性だって怒りますよ』
「そうかなあ。腰骨の辺りって、ダンスとかで女性を軽く抱く時にも触れたりしない?」
『そういうのは時と場合によりますっ!! と、とにかくその……今のは失礼ですっ!!』
「ホント、頑固だなあ、芽衣は。それに頭ぶつけたのも、触られてびっくりしたからじゃ
なくて、その後怒ろうとしてだろ? 触ってビックリしたのならともかく、それは芽衣の
ドジなんじゃ……」
『ドジって言わないで下さい!! セクハラ紛いの事をした挙句に、私のせいにするなん
て、どれだけタカシ様は反省がないんですかっ!!』
「分かったよ。少なくとも、因果関係に絡んだ事は事実だし、気安く触ってゴメンとだけ
は言っておくよ。それより、大丈夫か?」
『頭でしたら、おかげ様で大分痛みも引いてきました。ちょっとコブになっているかも知
れませんけど、それだけです』
「いや。頭ももちろんだけど、芽衣は昔っから地震苦手じゃん。いつも収まってもしばら
くは怯えが止まらなかったりするしさ。今日はむしろ、怒ったりしたから、怯えも治まっ
たかなって」
『む……無論です。子供の頃はともかく、今はもう立派な大人なんですから、これくらい
の事でいつまでも怖がってなんていられません』
「いや。つい最近も物音にビクビク反応してたりしてたじゃん。少し休んでおいた方が良
くないか?」
『タカシ様はおくつろぎ中かも知れませんが、私は仕事中なんですよ。所定の休憩時間以
外に、仕事が残っているのに休むわけにまいりません』
138 :
3/8:2012/06/20(水) 12:22:31.82 0
「いや。俺は休んだ方がいいと思うけどな。平気だと思っていても、どこかに落ち着かな
い気持ちが残ってたりすると、ミスに繋がるし」
『タカシ様に私の何が分かるって言うんですか。いくら何年も二人で一緒に暮らしている
からといって、ふう……いえ、その……か、家族でもないのに、知ったような気にならな
いで下さい』
「はいはい。でも、無理はするなよ。こういう時は、一つ一つゆっくりと、慎重にな」
『そんな事、タカシ様に言われるまでもな――』
ピン、ポーン!!
『きゃあっ!!』
スガリッ!!
「落ち着け。玄関のチャイムの音だから」
『そ、そんなの分かってます……っていうか、何でタカシ様が私にくっ付いているんですかっ!!』
「いや。芽衣がビックリして俺に縋り付いて来たんだが……」
『違いますよっ!! タカシ様が大げさに心配して縋り付かせようとしたんでしょう?
そうに決まってます!!』
「分かったから、とにかくインターフォンに出て。お客様かも知れないし」
『わ、分かってますよ。いちいち指図しないで下さい。もうっ!!』
『……はい、別府ですが……ああ、はい。今開けますので……』
ピッ!!
『宅急便の配達でした。ちょっと出てまいります』
「ああ、宜しく。てか、気を付けてな」
『は? 何を気をつけてって言うんですか。たかが玄関まで行くだけなのに、何を言って
るんですか、もう』
ガツッ!!
『あいたっ!!』
「ほら。リビングのドアが半開きだったから注意したのに、予想通りぶつかるなんて……」
『い、今のはタカシ様が余計な事言うからですよっ!!』
ピンポーン……
「忠告しただけなのに…… まあ、ほら。いいから行って。配達の人、外で待ってるからさ」
『分かってますってば!! 本当に、タカシ様ってば口喧しいんですから!!』
139 :
4/8:2012/06/20(水) 12:23:46.22 0
パタパタパタパタ…………
『ハンコ、ハンコ忘れたわ。えーっと、確か戸棚の一番上の引き出しの中……あ、あった。これだ』
ガッ!!
『イタッ!!』
「どうした? 今度は何だ?」
『ひ、引き出し閉めようとしたら指を……何でこんなトコで挟むんだろう……』
「焦ってるからだろ。冷静になって、深呼吸してから玄関に出て来い」
『ご、ごちゃごちゃうるさいですってば!! タカシ様に言われると余計に混乱するんで
すから、しばらく黙ってて下さい。いいですねっ!!』
ガッ!!
『あいったああああ……こ、小指ぶつけた〜〜〜〜〜〜っ……』
ヒョコヒョコ……
「うん。こりゃ、ダメだな。仕方ない。あれ……試してみるか」
『いったたた……何箇所、ぶつけたんだろ…… カップも割っちゃったし……タカシ様に
は心配掛けたくないから、大丈夫だって強気な態度取ってみせたけど……ホント私って打
たれ弱いなあ』
バタンッ……
「ただいまーっ」
『んきゃあっ!! あたっ!!』
「どうしたんだ、芽衣。またどっかぶつけたのか?」
『今のはその……タカシ様が急に帰って来られるから、ビックリして貼りかけの絆創膏剥
がしちゃっただけで……って、どこ行ってたんですかタカシ様は。お出掛けになられるな
ら、私に一言仰って下さっても宜しいじゃありませんか』
「ああ、ゴメン。声掛けると、それだけでミスを誘発しそうだったからさ」
『タカシ様はいつだって、唐突なのが悪いんです。お声を掛けるタイミングさえ見計らっ
ていただければ、ミスなんてしません』
「それにしては、満身創痍っぽいんだが……くるぶしとか、腕とか、指とか……」
140 :
5/8:2012/06/20(水) 12:25:11.93 0
『か……家事をやっていれば、たまにはこういう時もありますっ!! べ、別に地震のせ
いとか、関係ないですからね』
「ふうん。じゃあ、普段から芽衣はドジッ娘メイドだと、こう主張するのか?」
『だ、誰もそんな事言ってません。ドジッ娘じゃなくたって、誰だってたまには不調の時
くらいありますから。っていうか、ドジッ娘メイド言わないで下さい。それは私に対する
侮辱です』
「はいはい。ところでさ。ケーキ買って来たんだけど、食べない? あと、お茶も買って
きたから」
『一体、どういう風の吹き回しですか? タカシ様って別に甘い物も食べますけど、ご自
分でわざわざ買いに行かれる事なんてほとんどないじゃありませんか』
「ああ。何か、急に食べたくなってね」
『……ウソ、でしょう?』
「何でそう思うの? 心当たりでもある?」
『タカシ様が、そういうお優しい笑顔なさる時は……大抵、裏がありますから……』
「酷いなあ。まるで俺が、真っ黒な人間みたいじゃないか」
『そうですよ。おまけに、私の為だなんて言ったら、言い返されるのまで見越してご自分
が食べたかっただなんて嘘ついて。これで性格が黒くなかったら、何だって言うんですか』
「……そこまで見透かされちゃっているなんて、俺も隠し事が下手なんだなあ」
『……何年、お仕えしていると思っているんですか。いえ、お仕えする前からのお付き合
いですから、それこそ物心ついてからずっとと言っていいのに、見透かされないとお思い
のタカシ様の頭が、能天気です』
「ちぇっ。厳しい物言いだなあ。せっかく、芽衣の大好物の山田ベーカリーの紅茶のシフォ
ンケーキ買って来たのにさ」
『本当ですかっ? あそこのシフォンケーキって本当にしっとりとして生地がふわっと柔
らかで、それでいて弾力があって、さらに英国から直に取り寄せた茶葉を細かく刻んで練
り込ませているから、一口含むと紅茶の芳香な香りが口いっぱいに広がるんですよね。私
もシフォンケーキは作れますけど、あのしっとり感とふわっとした感じはどうやっても出
せないんですよ』
「だろ? 前に芽衣が友達と熱心に話し込んでいたのを覚えててさ。それで買って来たんだ」
141 :
6/8:2012/06/20(水) 12:26:20.87 0
『かと言って、それで私が素直にお礼を言うとでも思いますか? 思わずつい、シフォン
ケーキについて語ってしまいましたが、それでごまかされたりはしませんよ?』
「いや、別にごまかすつもりなんてないんだけど…… 芽衣の為に買って来たってのは、
もうバレちゃったんだし」
『その理由もちゃんと仰っていただけなければ困ります。理由もなく、主人から施しを受
けるわけには参りませんので』
「うーん…… 単に、芽衣を喜ばせたかったとか、それじゃあダメかな?」
『ダメですね。もちろん、買って来た以上はちゃんと頂きますけど、お金についてはちゃ
んと家計から出させていただきます。タカシ様の次回の仕送りで、ちゃんと返済致しますから』
「細かいなあ、芽衣は。こういう時は素直に喜んで貰った方が、男には受けがいいと思うけど」
『私は別に、男性受けを良くする為に演技しようなんて微塵も思ってはおりませんので、
そういう忠告は余計なお世話だとはっきり言っておきます。それよりも、どういうおつも
りでケーキなどを買って来られたのか、その理由を聞きたいです』
「……また、慰めや同情ならお断りですとか、そういう事を言うつもりなんだろう?」
『よくお分かりですね。図星だから答えられないと、そういう事なのでしょうか?』
「うーん。まあ、近いけど、違うかな。芽衣が地震が苦手で、少し大きな地震の後だと、
なかなか不安から離れられないのを慰めたいってのは確かだけど、それに絡んでもう一つ、
理由があるんだよ」
『どういう理由ですか? もったいつけずに、さっさと仰ってください』
「うん。その手足の怪我や、キッチンの割れた食器が証明しているように、不安で気もそ
ぞろなのに、無理矢理仕事を続けようとするから、芽衣はこういう時普段やらないような
失敗をたくさんしてしまうよね?」
『たっ……たくさんは言い過ぎです!! そりゃあその……少しぶっつけたり手を滑らせ
たりはしましたが……きょ、許容範囲かと……』
「腕だけで3箇所は湿布や絆創膏貼ってるし、足はもっとだろう? 十分だよ。だけど、
前に一度、休憩中に地震が来た時は、仕事に戻ってからも失敗がほとんどなかった時があってさ」
『……そんな事、ありましたっけ? 記憶にございませんが……』
142 :
7/8:2012/06/20(水) 12:29:28.42 0
「芽衣の方が自覚してなかったみたいだね。たまたまお茶してて、その後も夕食の支度ま
で仕事がなかったから、ずっと俺と二人でおしゃべりしてて、で、その日はほとんど失敗
せずに済んでさ。だから、もしかしたら、ケーキとお茶とおしゃべりが、芽衣の不安を和
らげられるんじゃないかなって、そう思って用意してきたんだ」
『やっぱり、同情なされてるんじゃないですか。いつも言っておりますが、タカシ様は私
に無用の心配をし過ぎです。そりゃあ本来、使用人として主人に気に掛けていただけるの
は冥利に尽きるという物ですが、タカシ様は少し過度なのではないかと思いますが』
「そりゃあそうさ。芽衣は我が家の家事の全てを支えてくれているからね。不安で気もそ
ぞろな時に無理に仕事して、失敗されると困るんだ。ちゃんと仕事してもらうためにも、
しっかり不安は解消して貰わないとね」
『……そう言われると……一言もありませんが……』
「だから、これは仕事として命令する。今から休憩して、ケーキを食べながら俺としばら
くおしゃべりする事。それで、気が紛れたと感じたら、仕事に復帰するように。いいね」
『……仕方ありません。命令とあらば、従うしかありませんが……それにしても、飲み物
まで買って来ることはなかったんじゃありませんか? お茶くらいだったら、私が淹れます』
「今の芽衣にお茶を淹れさせるのは、色々と危険だからね。たまにはコンビニで買った市
販のお茶もいいだろうと思って」
『……では、せめて食器くらい用意させて頂きます。私も、自分の気持ちくらいは分かっ
ていますので、慎重に慎重を期しますから』
「ああ。それと、一つ。これだけはハッキリさせておきたいんだけど」
『はい、何でしょうか?』
「芽衣はいつも、自分を使用人使用人と言うけどさ。確かに今の立場はそうだけど、俺に
とって芽衣は、子供の頃からの幼馴染で、使用人とは言っても別府家にとっても重要な人
で、何より俺が親父の後を継ぐ上での、大切なパートナーであると思っているから。だか
ら、心配するのは当然なんだって、それだけは理解して欲しいんだ」
143 :
8/8:2012/06/20(水) 12:31:04.41 0
『なっ……!? そ、そんな大げさな…… た、確かに私は生涯に渡ってタカシ様のお傍
にお仕えして、サポートをするお役目を仰せつかってはおりますが、パートナーは言い過
ぎです。そんな、対等な関係ではありえませんっ!!』
「そうかな? 親父も芽衣の親父さんの事は大切なパートナーだって言って憚らないんだ
ぜ。俺だって同じだし、依存度で言ったらそれ以上かも知れないんだから」
『だ、だからって今、そういう事を仰らないで下さいっ!! か、却って動揺して失敗し
たりしたら、タカシ様のせいですからねっ!! もうバカ!!』
『(タカシ様があんな事を…… も、もちろん人生のパートナーだからと言っても、勘違い
しちゃいけないんだろうけど、でもそれだけで十分だし、むしろ私の気持ちだけは、絶対
に悟られないようにしないと…… でも、あれだけ私の事を見透かされているし、もしか
したら…………う、ううん。ダメダメダメ!! それだけは……許されない事なんだから……)』
『ハァ…… タカシ様……』
終わり
GJ
もう結婚しちまいなよ
145 :
ほんわか名無しさん:2012/06/20(水) 16:59:49.14 O
メイさん幸せになーれ☆
GJ!!
お題
つ・ツンデレにビールと日本酒とワインとウイスキーのどれが好きか聞いたら
今日は蕎麦と日本酒にするかな
3レスほどいただきますよっと
149 :
1/3:2012/06/20(水) 21:23:49.37 0
>>123 ・ツンデレのお腹の辺りから何か変な音が聞こえてきたら
纏「……」コソコソ
男「くぅらぁっ、纏!! 何してるかぁっ!!」
纏「うひぁ!?」ビクゥッ
男「なーんつってな。何してんだ、纏?」ヒョコッ
纏「に、兄様!! 父上の真似は止めろとあれほど言うたのにっ……!!」
男「お前がこそこそしてるから、気になって追ってきただけだよ」
纏「何でもないのじゃ!! 兄様には無関係じゃ!! はようあっち行け!!」
男「あのさぁ……確かに俺はしっかり者とは言えないけど、こんな
夜中にうろうろしてる妹をほっとくような外道じゃないぞ?」
纏「……これは儂の問題なのじゃ。兄様といえど口出しは無用じゃ!」
150 :
2/3:2012/06/20(水) 21:24:40.41 0
男「ふーん、それはその妙に膨らんだお腹に関係あるのかな?」
纏「き、気づいておったのか!?」
男「気づかいでか。(ピトッ)ふんふん、何やらお腹から変な音がしますなぁ」サワサワ
纏「ちょ、やめっ、くすぐった……うひひひ」
男「ん〜、どれどれ(ゴソゴソ)……ほいっ!」ズボッ
纏「あっ……!!」
猫「みぃ……」
男「……どうしたんだ、この子猫」
纏「ばれてしまったのじゃ……」
男「まさか、拾って飼うつもりだったのか?」
纏「んーん。実はもう一週間前から、土蔵に囲って飼っておったのじゃよ……」
男「げ。土蔵って、親父の大事な骨董品とか置いてんじゃん! バレたら大目玉だぞ」
纏「だからそろそろ、飼う場所を変えようと思うて……ちょ
うど台風対策に土蔵を補強するとも言うておったし……」
151 :
3/3:2012/06/20(水) 21:25:45.03 0
男「はぁ……糞尿とか垂れ流しにしてないだろうな?」
纏「猫砂は置いてあるから平気じゃ!! それより、父上になんて話をすればいいのか……」
男「まぁあの人も、動物嫌いって訳じゃないから頼めば許してくれるかもしれないけど……」
纏「……兄様ぁ。一緒に、父上にお願いしてはくれぬか?」
男「おいおい。まさか俺が困った妹をほっとくような兄だと思ってるのか?」
纏「良いのかえ? 無茶苦茶怒鳴られるやもしれぬぞ?」
男「そん時ゃあ土下座でもなんでもして謝ればいいだけさ」
纏「それはやり過ぎじゃと思うが……」
男「ま、明日二人して言いに行こう? それまではバレないように、俺の部屋に置いときゃいい」
纏「……うん。なんだか兄様が初めて頼りになるのじゃ」
男「可愛い妹のためなら、一肌でも二肌でも脱ぎますがな」
纏「うふふ……良かったのう、にゃあ助」ニコニコ
猫「にゃー」
・梅雨
男「あちゃ、雨降ってきた」
女「バカねぇ、この梅雨真っ只中の季節に傘持ってきてないの?」
男「持ってきた折り畳み傘が壊れてたから、今日だ
けは止まないかなって思ってたんだけど……」
女「残念でしたー、そう都合よく行くもんですか」
男「あの、かなみさん。よろしければそちらの傘に一緒に入れていただけないでしょうか?」
女「やーよ。この傘は濡れて帰るあんたに見せびらかすために差すんだから」
男「汚いさすがかなみ汚い」
女「傘忘れたおバカが悪いのよ。じゃ、ごきげんよう♪」
男「あぁ……行っちった」
女「〜♪(鼻歌)……きゃあぁっ!?」ズルッ
男「あ、コケた」
女「……」ビチャア
男「このどしゃ降りの中でスキップなんかするから……」
男「おーい、かなみー! 俺タオル持ってるけど、傘入れてくれたら貸すぞー?」
女「……」スタスタ
男「お、おい。かなみ? 大丈夫か……?」
女「うっさいわね!! 入れてあげるから早くタオル貸しなさいよっ!!(超涙目)」
男「おぉう、少しは遠慮しろよ……」
女「……」グスン
・六月の花嫁
尊「そういえば、六月は結婚シーズンなんだな……」
男「あぁ、ジューンブライドってヤツか。尊もそういうの憧れたりするのか?」
尊「いや、全く。列席者の都合も考えず、わざわざ足回りの悪い時期に開く結婚式に憧れるものか」
男「なぁんだ、尊の乙女チックなとこが見れるかと思ったのに」
尊「あいにく私は合理主義でな。それに、結婚式をやるなら神前でと決めている」
男「え、なんで? ウェディングドレス着たくないん?」
尊「合理主義だと言っているだろう。召し物に引かれてやる式に、意味があるのか?」
男「ずいぶん手厳しいことで……」
尊「本当なら式だって挙げなくていいんだが、それだけは父の立っての願いでな」
尊「どうしても私が文金高島田を着たところを見たいらしい」
男「あぁ、でもそうなると一つ問題があるな」
尊「なんだ? 何が気にくわないんだ。言ってみろ」
男「いや、神前ってことは当然三三九度もやるだろ? そしたら尊と間接キスになっちゃうなって……」
尊「なっ……!!///」カァッ
男「あれ?」
尊「そ、そうか……そこまで考えていなかったな……それならいっそチャペルの方が……」ブツブツ
男「……おーい。マジになって考えるなよ」
今日はこの辺で
三三九度で間接キスネタはかつて素直ヒートスレで見たネタだったりwww
それと、ただいま素直ヒート、素直クール、ツンデレ間接キススレの三つで
同じタイトルで1レス短編を書いてみようという試みをやっております
暇な方がいたら読み比べてみてください
それではお休み
>>151 妹まつりんGJ
にゃあ助ってネーミングセンスがかわいい
>>154 GJ
みこちん結婚する気まんまんだなww
タ「だから昨日言ったろ、濡れてんだからすぐ寝るなって」
ち「…うるさい」
タ「今度ばかりは偉そうにゆーな」
ち「…う」
タ「昨日風邪なんか引かない、なんて豪語してたのはどこのどいつだ?ん?」
ち「…ううぅ」
タ「…ったく、昔から体強くないんだから、無理はすんなよ」
ち「…ふん。タカシはバカだから、引かないだけ」
タ「ま、風邪引かない分バカでいいけどな。なんか買ってこようか?」
ち「…プリン」
タ「あいよ。んじゃ、大人しく寝てろよー」
ガタン
ち「………。」
(…また、ひどいこと言っちゃった)
ち「…ごめんね」
(…一人だと、素直になれるのに…)
・
・
・
・
・
・
タ『ただいまー』
ち『…遅い』
タ『ごめんごめん。ちょっとこいつと話しこんじゃって』
?『ちなみ、大丈夫?』
ち『え……っ、かなみ、ちゃん…!?』
か『お邪魔してるわね。タカシとばったり会っちゃって』
ち『う……うん』
タ『…で、これが約束のプリンな。あと…』
か『ちなみ。これ、大事な話なんだけどね…』
ち『……?』
タ『俺達、付き合うことになったんだ』
ち『!?…え、えっ、ちょっと待って、それって』
タ『そういうわけだから、…さよなら、ちなみ』
ち『…えっ、そ、そんな、タ、タカシ、…い、行かないで、行っちゃやだ…!!』
ち『私、タカシのこと……!』
・
・
・
・
・
・
ち「………?!」
ち「…………っ…」
タ「…はぁ…やっと起きたか。結構うなされてたから、心配したんだぜ?」
ち(…あれ…タカシがいる…?)
タ「んっ?俺の顔に何か付いてるか?」
ち(……夢……だったのかな)
タ「まーいいか。ほい、これプリンな。あと、薬と―――」
ち「……タカシは、かなみちゃんのこと、どう思う?」
タ「―――はっ?何でいきなり…」
ち「いいから」
タ「……。あいつは…確かに可愛いしなあ…でもまあ友人…くらいかな…うん」
ち「…本当に?」
タ「なんで嘘を言わにゃならんのだ。本当だよ、本当」
ち「…そ」
タ「??」
ち「…タカシ」
タ「何だ」
ち「…手」
タ「ん?握ればいいのか?」ぎゅっ
ち「あ、えっと…う、うん。…寝るまで、そのまま」
タ「ったく。ま、今日くらいはいいか」なでなで
ち「…んにゃ」
(…タカシの手、あったかい…やっぱり私は…タカシが…)
タ(ったく、俺の気持ちはいつわかってもらえるんだか。
ちなみも心配性な奴だ。かなみは本当にただの友人だってのに。
俺が好きなのはな、お前だけなんだよ…このニブチンが)
きっと告白したらくしゃくしゃな顔して泣きながら抱きついてきたりするんだろうな…
言ってやれよ!!好きだって言ってやれよ!!
GJ!
何でちなみんはこんなに可愛いんですかねえっ!
162 :
ほんわか名無しさん:2012/06/21(木) 07:11:23.86 0
ツンデレって何でこんな可愛いんだろう……(*´д`*)ハァハァ
纏さんの一人称って儂と妾どっちがいいかな
儂一択
自分がより萌える方でいいんじゃね?
把握した
友ちゃんふにっふにっ
・忙しすぎてツンデレと三日会わなかったら
癒してちなみっ!!割とガチでっ!!
お題
つ・ツンデレに梅雨は嫌だよなって言ったら
お題
つ・週末なのにツンデレを誘いもしなかったら
自宅の黒電話の前に居座って誘いが来ないかそわそわして待ってるまつりんかわいい
172 :
ほんわか名無しさん:2012/06/22(金) 22:41:22.46 0
お題
つ・帰宅が遅くなってツンデレが怒ってるかと思いきや、何か妙に優しかったので思わず戸惑ってしまったら
お題
・ツンデレにイタズラ電話したら思わぬ本音が聞けてホクホクな男
174 :
ほんわか名無しさん:2012/06/23(土) 08:52:41.43 0
休みでダラダラと寝てるツンデレのベッドに忍び込みたい
うっとうしい出てけと文句を言いつつ実力行使に出ないツンデレを背中から抱き締めて甘い言葉を囁きたい
昼過ぎて空腹に耐えられなくなるまでイチャイチャしたい
「さーて、新刊のコーナーは――ん? あの立ち読みしてるのって……よーし、ふっふっふっ――」
『…………んなっ! な、何で急に真っ暗に!?』
「だーれだ?」
『……別府、5秒以内に離れないと叩きのめすわよ?』
「おぉ、正解ー。椎水、こんな所で会うなんて奇遇だな」
『休みの日にまで、その間抜け面を見るはめになるなんて、とっても不幸だわ』
「おー、相変わらずの冷たい御言葉。しかし意外だったなぁ、氷の女王とも呼ばれる椎水がねぇ」
『意外って何がよ?』
「いやぁ、ついに春が来たって事ですね、椎水さん」
『さっきから何、訳分かんない事言ってるのよ。そのニヤけた面、普通に捕まるわよ』
「うへへ、だってさ、椎水の持ってるその本のタイトルが、好きな人と両想いになる方法ベスト100ですし」
『――っ! こ、これは……間違えて手に取っちゃっただけよ! 読む気なんて少しも――』
「えー? でも俺が話しかけるまで、熱心に読みふけってたじゃないですかー?」
『うぐ……それは……よ、読んでないわよ!』
「いつも沈着冷静な椎水がこんなに動揺するなんてなぁ、はっはっはっ――」
『わ、笑うな!』バシーンッ!
「へぶしっ!」
「……クラスメイトに本でぶたれるは……そのせいで傷が付いた本を買わされるは……
そのせいでお金が足りなくて目当ての漫画が買えないなんて……」
『全部誰のせいだと思う?』
「……ええ、俺のせいですね、分かります。椎水、その本は俺の血税で成り立ってるんだから大事にしろよな?」
『しないわよ。あと読みもしないと思うわ、捨てる所がないから仕方なく持って帰るだけよ』
「さいですか……椎水、効果があるようなら俺にも貸してくれよな」
『…………たとえ効果があったとしても、別府には必要ないわよ』
「うーん、椎水はやっぱり冷たいねぇ」
176 :
ほんわか名無しさん:2012/06/23(土) 09:24:44.98 0
>>175 かなみさんのほのめかし方が萌える
あと、名前じゃなく苗字で呼び合うのって、微妙な距離感があって何か好き
178 :
1/4:2012/06/23(土) 20:10:27.59 0
・妹に何でお前って家族に対しても敬語使うのって聞いたら
「てやっ!! こりゃっ!! クソッ!! ……あぶねっ、死ぬ死ぬ死ぬ!! とりゃあっ!!
よっしゃ、何とか殺したぜ」
『兄さん』
「あん? 何だよ、敬子。ノックもせずに」
『一応はしました。ゲームに夢中で気付かないの分かってましたから、返事を待たずに入っ
て来ただけで』
「あ、そうかスマン。で、何だよ?」
『母さんが、部屋に戻る前に、せめて自分の食器くらい片付けてからにしなさいって怒っ
てましたから、それを伝えに来ただけです』
「ああ。いや、だってまだみんな飯食ってる最中だったから、一人でガチャガチャ片付け
るのも悪いかなって。ただ、ちょうどゲームもいいトコだったから、なるべく早く続きや
りたかったし」
『兄さんの都合なんて知りません。私はただ、母さんに伝えるように言われた事をそのま
ま言っただけです。言い訳なら母さんにして下さい』
「冗談言うなよ。ゴチャゴチャ言うなら、今後一切、ご飯も片付けも自分でやりなさいっ
てお袋にキレられちまうだろが」
『だからって、それを私に言われても困ります。何の係わりもないのに愚痴を聞かされる
なんて、時間の無駄なだけです』
「ちぇっ。本当にドライだよな、お前って。兄妹なんだし、お互い他人の愚痴くらい言い
合ったっていいと思うんだけど」
『……私は別に、父さん母さんやクラスメートに対して愚痴を言いたくなるような不満は
持ち合わせていませんから』
「まあ、お前がしっかりしてるのは分かるけど、逆に他人のせいで迷惑掛けられたりとか、
そういう愚痴ってのはないの?」
『ええ、特に誰にも』
「……俺には?」
『兄さんがだらしないのは百も承知ですけど、別に今更ですし、それに私が面倒見なくちゃ
いけない訳じゃないですから、どうでもいい事です』
179 :
2/4:2012/06/23(土) 20:11:37.31 0
「そうなんだ。昔はもっと怒って来たような気がしたけどな。色んな事で」
『……子供だっただけです。兄さんの昔話に付き合うほど暇じゃないので、失礼しますよ』
「あ、ちょっと待って」
『何ですか兄さん。ちゃんとした用件があるなら、手短にお願いします。ただの無駄話な
ら付き合う気はありません』
「いや。今気付いたんだけどさ。一つ聞いていいか?」
『気付いたって……何を、ですか?』
「いや。何でお前って、家族相手でも何で敬語使うんだろうって不思議だったんだけどさ。
ちょうどお前が俺に対してよそよそしくなった時期と一致しない? 敬子が中学生になっ
たくらいだったと思うけど」
『それが何か? というか、どんなしゃべり方しようが私の勝手だと思いますけど』
「まあ、そう思ってたから、今まで特に何も言わなかったけどさ。お袋に言っても、年頃
なんだし色々あるんだろうから放っておきなさいってだけで」
『でしたら、ずっとそうしてくれた方が良かったんですけど。理由なんて個人的な事です
し、いちいち話したくもありませんから』
「フーン。もしかして、単に敬語で話すキャラってカッコイイなっていう厨二的な理由だとか?」
『誰がですかっ!! バカにしないで下さい。そんな憧れとかキャラ付けとか、くだらな
い理由でこんな話し方にはしませんっ!!』
「じゃあさ。何で敬語でしゃべるようになったのか教えてくれよ。でないと、敬子厨二病説が――」
『脅迫とか卑怯じゃないですかっ!! 別に、兄さんの知り合いとか私には係わり無い世
界の人ですし、知りもしない人にどう思われようがどうでもいいです。そんな事くらいで
私がしゃべるとでも思ったら大間違いですからね』
「ちぇっ。意外と口固いな、お前」
『意外ってどういう意味ですか。まるで私が軽率に物事をペラペラとしゃべる人間である
かのような言い方は止めて下さい』
「はいはい。昔はちょっとカマ掛ければすぐボロ出したのになあ。すっかり可愛げのない
性格になっちまって」
『悪かったですね。兄さんに可愛げないって言われても、別に何とも思いませんから』
「そう言いつつ、今ちょっと拗ねてない」
『なっ……!? バ、バカな事言わないで下さい。そんな事で拗ねる意味が分かりません』
180 :
3/4:2012/06/23(土) 20:12:14.85 0
「今、一瞬動揺し掛けたろ?」
『してません。勝手に脳にフィルター掛けて私を見るのは止めて下さい』
「うーん。陥落しなかったか。たまには感情を表に出す敬子も見たかったんだけどな」
『残念ですけど、諦めて下さい。兄さんの揺さぶり程度で動じる私じゃありませんから』
「分かったよ。じゃあ、もう一つだけ俺の推測言っていいか? これで外れたら、敬子が
敬語話すようになった理由を聞くのも諦めるから」
『分かりました。どうせ当たりはしませんから、聞くだけなら』
「そうか。それなら聞くけどさ。もしかしたら、もう中学生だし家族とじゃれ合うような
仲だなんて恥ずかしいしかっこ悪いから卒業しようって、それで意識を変えようと敢えて
敬語使い始めたとか?」
『な……っ!?』
「お、驚いてるな。どうだ。図星ったろ? 何となくそんなんじゃないかなーとは思って
たんだけどさ」
『な、何をそんな得意気な顔をしてるんですかっ!! 誰もまだそうとは一言も言ってないのに!!』
「そりゃ、口ではな。でも、お前の顔見てりゃ分かるって。さっきの呆れたような顔とは
全然違うもん。どう考えても当たりか、そうでなくてもかなりイイ線突いてると見たんだが」
『何をバカな事を言ってるんですか。兄さんの推測に驚く事と答えは全然別です』
「そうムキになって隠す事ないって。中学に入った頃ってそういうの多いからさ。大人に
なったのに兄弟と仲良くしたり、いつまでも父親や母親にベタベタしてるの恥ずかしいっ
て。まあ、そういう事考えちゃう事自体が、まだ子供なんだけど」
『何を知った風な口を利いているんですか。兄さんだって私と二つしか違わないクセに、
大人ぶらないで下さい』
「でも、高校生になると、また違った景色が見えてくるもんだぜ。お前もなれば分かると思うよ」
『ほら。そういうのが大人ぶってるって言うんです。大体、反抗期くらいは私だって知っ
てますし、そんな事くらいでいちいち言葉遣い変えたりはしません』
「あれ、違うのかよ? それにしては、ガチで驚いているように見えたんだが」
『……それは、一瞬当てられるんじゃないかって……そう思ったからです。実際は違って
ましたけど』
「え? じゃあもしかして、当たらずとはいえ遠からずだったって事?」
181 :
3/4:2012/06/23(土) 20:13:38.28 0
『そこまで近くありません。ちょっと掠った程度です』
「掠ったって、どこら辺が? 参考までに教えてくれよ」
『……ハァ…… またいちいち詮索されるのがうっとうしいから、答えてあげます。別に
家族と仲良くするのが恥ずかしいだなんて思ってはいませんけど、兄さん限定でいえば、
距離を置きたかったからという事は間違っていません。後は外れです』
「う〜ん…… まあ、ある時期から急によそよそしくなったからそれは分かるけど、本人
の口から言われた上に、しかも俺だけだったとは……何か地味にショックなんだけど」
『に、兄さんがどう思おうが私の事情ですから……そんな事は知りません!!』
「知りませんってなあ…… せめて理由だけでも教えてくれるか? それまではケンカも
したけど結構仲良くゲームしたりテレビ見てわいわい話したりしてたじゃん。何で急にそ
んな風に思ったのかをさ」
『……それには、答えられません。絶対に、です。例え兄さんがどんなに詮索しても、勘
繰られるような事すら、絶対にしませんから』
「おおう。物凄い本気度だな。何かオーラすら立ち上ってるように見える」
『ええ。本気で言ってますから。質問が終わりなら、私はこれで失礼しますけど、いいですよね?』
「あ、ああ。その……引きとめて悪かったな」
パタン……
「うーん。何なんだ、あの気迫は……」
『……ハァ……まさか、知られる訳には行かないですよね。兄さんの事が、好きなんじゃ
なくて、愛してしまったから……距離を置こうって決めたなんて…… あのままお兄ちゃ
んって呼んで甘えたりしてたら……気持ちが抑えられなくなるから……我慢しようって、
それで口調もわざとよそよそしくして…… でも、距離は置けたけど、気持ちの方は……
全然……むしろ募る一方です……兄さん……』
終わり
このネタのヒントをくれた
>>96に捧ぐ
ほの板は行数はVIPより多いが容量制限がキツイな
GJ!世界は兄妹でも恋人になることを許すべきだと思う
そして最後総レス数ミスってるぞwwwww
VIPに立てたよー
>>181 GJ
妹結婚してくれ
本スレ
>>30 読んでたら落ちてしまった
かなみんかわいいよかなみん
185 :
ほんわか名無しさん:2012/06/23(土) 23:51:40.12 0
なんか本スレに書いたらすぐ落ちちゃったので、こっちに書く。そう、書く!
【傘を盗まれたところをツンデレに見られたら】
今日も雨が降っている。梅雨なので毎日のことだ。というわけで傘を持ってきている。持ってきているハズなんだ。朝、傘立てに入れたんだけどなあ。
「…………」
「ちょっと、何やってんのよ」
「いやね、俺の傘がどうやら知らない間に擬人化してどこかへ出かけたようなんだ。だから、どうにか探しだしてこれから毎日家を焼……いや、これから毎日一緒に楽しく過ごす予定なんだ」
「なくなったの? 誰かにパクられた?」
「…………」
「ぷふ〜っ! こういうところで日頃の行いが出るわね〜♪」
「そんな放屁で揶揄しなくてもいいだろうに」
「おならじゃないわよっ! 口で言ったの!」
誰かに後頭部を殴られた。
「痛いなあ……何すんでい」
「アンタのせいよっ!」
探すのを一時中断し、埃を払って立ち上がる。目の前に不機嫌そうな顔をしたかなみがいた。
「で、で? どうなの? なくなったの?」
しかし、一転して機嫌良さげに嫌なことを聞いてきた。なんて性格だこの娘。
「いや、俺の目論見だと、ようやっと九十九神になったはいいが、突然のことに物陰に隠れていると踏んでいるのだが」
「はいはい、はーい。戯言はいいから」
「ばか、俺から戯言を取ったら何も残らないぞ」
「自信満々に言うなっ!」
「付け加えるなら、雨の時にしか使われないので、少しネガティブな感じの子になってると思う。頭なでて大丈夫だよ、君は必要なんだよって言ってあげたい」
「うわっ、キモッ!」
「俺が思ったことを言うと、往々にしてそういう鳴き声が聞こえる。その鳴き方流行ってるの?」
「鳴き声じゃないわよ! 気持ち悪いって言ってるの!」
「臆病な自尊心が気づかないフリをしろと告げるんだ。あと、尊大な羞恥心も」
「どこの山月記よ……」
かなみは思ったより博識だった。分からないネタだと思ったのに。
「……んーでっ。アンタ、傘もないのに今日はどうやって帰るの?」
「瞬間移動」
186 :
2/4:2012/06/23(土) 23:52:15.21 0
「んじゃやってみなさいよっ!」
「んなのできるわけねーじゃねーか。ばーかばーかばーか」
「…………」ギリギリ
「ぐげげぇ」
小学生みたいな囃し声をあげたら首を締められた。このお嬢さんのツッコミは生死に関わることがあるので、もうちょっと優しい感じのでお願いしたい。
「げほっげほっ……あのさ、死ぬから。そこを締められると、死ぬから」
「早く死になさい」
「嫌です」
「まったく……で、濡れて帰るの?」
「もうしばらく探すつもりだが、見つからないならそうするしかあるまい。はぁ……なんで人のをパクったりするかなあ……」
「あはっ、とうとうパクられたって認めたわね」
「おどけてでもなけりゃ、正直やってられねえよ。ああもう、人間不信になりそうだ」
「ちょ、ちょっと。なにを大袈裟な……」
「自分でもそう思うが、やられると結構なダメージだぞ? あー、ヘコむわ……」
「…………。……じゃ、じゃあさ。ヘコむのと同じくらい嬉しいことあったら、人間不信が直るわよね?」
どういうわけか、かなみは顔を赤くしながら何かを決意したような顔でそう言った。
「? や、別になりそうなだけで、なってるわけじゃ……」
「いいから! そうよね!?」
「は、はい」
勢いに押されて思わず肯定する。一体何をしようというのか、このお嬢さんは。
「…………」
固唾を飲んで様子を伺っていると、かなみは傘立てに近づいた。そして中を探り、一本の傘を抜き取った。鮮やかな赤の傘だ。
「ほ、ほら。何ぼーっとしてるのよ。帰るわよ」
「え、いや、俺は自分の傘を探さないといけないから」
「どうせ誰かにパクられてるわよ。だ、だから今日のところは、……そ、その。……わっ、私と一緒に帰ったらいいじゃない」
「や、だから傘が」
「……あ、アンタも一緒に私の傘に入ったらいいじゃない」
視線は足元に、顔は傘に負けないくらい赤く染め、かなみが呟く。
「かっ、勘違いしないでよねっ!? アンタがヘコんだりしてたら殴っても楽しくないから嫌々傘に入れてやるってだけで、アンタと相合傘なんて生涯最後なんだからねっ!?」
かなみは俺を見ると、ものすごい勢いでまくしたてた。あと顔が超赤いです。
187 :
3/4:2012/06/23(土) 23:52:50.80 0
「え、あ、は、はい。……はい?」
あまりの勢いに、何がなんだか分からなくなる。
「な、なによ。……それとも、嫌なの?」
「いいえいいえいいえいいえ!」ブルブルブル
「そ、そんないっぱい否定しなくていいケド……じゃ、じゃあ、どする? もちょっと探す? それとも帰る?」
「え、ええと、帰るます」
「そ、そうね。今日のところはそうね。うん」
何かコクコクうなずきながら、かなみは昇降口へ向かうと、こちらに振り向いた。
「ほら、何してんのよ。帰るわよ、ばか」
「あ、ああ」
慌ててかなみの元へ向かい、隣に立つ。
「……ん、んじゃ、帰るわよ」
「あ、ああ」
ばさりと傘を広げ、かなみはその下に入った。遅れて俺も入る。
「あ、あんまり近寄らないでよね」
「友達に噂とかされると恥ずかしいから?」
「どんな時でも気持ち悪いわねぇ……」
呆れた様子でかなみはため息をついた。それと同時に、肩の力も抜けたようだ。うむ、よし。
「…………。……えへへっ」
「なんですか」
「なんでもないないっ♪」バシバシ
「痛い痛い」
なんか知らんが背中をバシバシと叩かれた。痛いんですの。
「ほらほらっ、アンタの方が背高いんだから、傘持ちなさいよ」
「遠近法の関係でそう見えるだけだ。だからお前が持ってろ」
「んなわけないでしょっ! ほら持った持った!」
無理やりに柄を持たされた。まだかなみの体温が残ってる。
「にひひっ、らっくちーん♪」
「やるェやるェ」
「なんで巻き舌!? 普通にやれやれって言いなさいよ!」
「やれやれは言いたかったが、やれやれ系主人公にはなりなくなかったので、苦肉の策だ」
「今日も変な奴ー♪」
188 :
4/4:2012/06/23(土) 23:53:48.41 0
なんだか嬉しそうに、かなみは歩き出した。遅れて俺も続く。
「にしても、アンタもついてないわよね。傘を盗まれるなんてさ?」
「んー、まあ、なあ」
「なによ、奥歯に物が挟まったみたいな言い方して」
「ついてないのは確かだが、こうしてかなみと一緒に相合傘で帰れるので、プラマイゼロ、むしろプラスの方が大きいから、どちらかと言えば幸運じゃないかなー、と思ったので」
「な……」
みるみるかなみの顔が赤くなっていく。忙しい奴め。
「……こっ、今回だけの特別よっ! そ、そんなの、毎回毎回なんてありえないからねっ!?」
「へーへー」
「次はちゃんと傘に名前をでっかく書いておきなさいよねっ!? 盗まれないようにっ!」
「分かった、書く。俺の名前をでっかく書いた100円のビニ傘持ってくる」
「盗まれる気マンマンじゃないのっ! ……そ、そんなに相合傘したいの?」
「う」
「そ、それなら、たまにならしてあげるから……ちゃんと普通の傘に名前書いて持って来なさい。ね?」
「は、はい」
優しくたしなめられては、何も抵抗できない。
「よろしい♪ ……す、素直な子には、ご褒美が必要よね」ギュッ
「へ? ……はふぇ!?」
「へ、変な声出すな、ばかっ!」
突然、かなみが傘の柄を握った。俺の手の上から。
「い、いや、その、あの、そこ俺の手がありますよ?」
「し、知ってるわよ! わざわざ言うな、ばかっ!」
「いやはや、その、なんというか、なんて言いますか!」
「よ、喜ぶな変態っ! ご、ご褒美だから! それ以外の感情なんて何もないからねっ!」
「ああもう、一年を通してずっと雨が降ればいいのに!」
「だから、喜ぶな変態っ!」
空いてる手でぺこぽこ叩かれながらも、手に触れる感触はそのままに、一緒に楽しく帰りました。
>>181 96だがあの一言でここまでいい作品が書けるあんたがズゴイぜ…
かなみんめんこめんこ
>>188 なんだよこれ
かなみん可愛すぎるだろおい
【】の人GJ!
かなみさんチュッチュッ
お題
・ツンデレの靴下に穴が空いてたら
お題
つ・実はサッカー好きなツンデレがEUROの見過ぎで寝不足だったら
お題
つ・失敗し過ぎてツンデレがへこんでいたら
197 :
1/4:2012/06/26(火) 00:08:30.62 0
【サトリツンデレ3】
前のは
http://onyuu.zoku-sei.com/Category/15/に!
今日は梅雨という噂なのだが、幸いな事に晴れている。雨でないのは嬉しいが、暑いのだけは勘弁な。
とか思いながらぷらぷら通学路を歩いてると、一際目を引く人物が曲がり角から現れた。
(あの目立つ金髪、そしてブラをしててもなお揺れるあの乳は……転校生か! どうする、声をかけるか? ……まあ、一応はクラスメイトだし、昨日友達になったし、大丈夫だよな)
「お、おはよー」
しかし、転校生はこちらを見ることもなく、そのままスタスタと行ってしまった。
(……無視? 昨日少しだけ仲良くなれたと思ったのだが……。それとも昨日の出来事は夢だったのか? ……なるほど、それなら先の行動も理解できる。俺の妄想は記憶を捏造するくらい酷くなっているのだなあ)
などと悲しみに暮れていると、転校生がびっくりしたような顔でこちらを見ていることに気づいた。落ち窪んだ気分をどうにか奮い立たせ、再び挨拶をしかける。
「え、あ、お、おっはー」
(今更おはスタ!? 慌てていたとはいえ、なんたる時代錯誤! この恥辱をそそぐには死ぬしかない。放課後にでも縄を買いに行こう)
死を決意していると、何やら転校生があわあわしだした。何だろう。
「……お、お」
「ん?」
「……お、おっはー」
どういうわけか、転校生は顔を真っ赤にしながら精一杯という感じでおっはーを返した。フリつきで。
(……局地的におっはーが再流行していたのか? 何にせよ、助かった。しかし、そんな恥ずかしいのならしなくてもいいのに。変な奴)
「……誰のためにしてあげたと思ってるのっ」(ぼそり)
なんか知らんが転校生が半泣きで俺を睨みながら何か呟いてた。
「ええと。学校にはもう慣れた?」
「……ふん。そんなすぐ慣れたりなんてしません」
「そ、そりゃそうか」
198 :
2/4:2012/06/26(火) 00:09:02.22 0
(……言葉が冷たい。昨日友達になったハズなんだけど。話しかけられるのが嫌なのだろうか)
横目で転校生を盗み見る。つーんと澄ました顔の下で、おっぱいがどでーんと存在を主張していた。
(ふぅむ。改めて見ると、やっぱでかいなあ。デカメロン伝説だなあ。無理だろうけど、一度揉んでみたいなあ)
「……はぁ。どこ見てるんですか」
隣で揺れてる乳を見つめていると、転校生がため息を吐きながら冷たい視線を俺に送ってることに気づいた。
「いや、おっぱいを少々見ていただけなんだ」
これはまずいと思ったが、気がつくと思ったままのことを言っていた。
「……え?」
想定外の答えだったのか、転校生はハトが豆鉄砲食らったみたいな顔をした。まずいと思ったが、止まらない。
「や、見ただけで触りませんよ? けどまあ、こうも近くに大きなおっぱいがあると、男ってのは見たくなるもんなんです。だから、目線がそっちに行っても、許してはもらえないだろうか」
「…………」
(いかん。依然変わらずぽかーんだ)
「じゃあもういっそ揉ましてくれないだろうか」
「な……何を言ってるんですか!?」
ようやっと意識が戻ったのか、転校生は顔を真っ赤にしながらそう叫んだ。
「いや本当に、何を言ってるんだろう」
(どうして俺はテンパると思ったまま言ってしまうのだろう。我ながら頭がおかしいとしか思えない)
転校生はびっくりした顔でしばらく俺を見つめた後、突然吹き出した。
「ええと。何なのだろうか」
「……ふふっ。いいえ、なんでもありません。……そう、貴方はそういう人なんですね」
「?」
何か勝手に納得された。どう判断されたのか、ちょっと気になる。
「それより、いい加減私のことを名前で呼んでもらえませんか? 転校生呼ばわりは、ちょっと悲しいです」
「あ、それもそうか。ええと……」
(いかん。覚えてない。……乳山乳子だったか? 絶対に違うと言い切れる。……だが!)
199 :
3/4:2012/06/26(火) 00:09:39.90 0
「よろしくな、乳山乳子」
にっこり笑いながら、手を差し出す。
「……横溝リネアです」
転校生改め横溝リネアは、引きつった笑みを浮かべながら俺の手を万力の如く締め付けた。
(もぎ取れる! なんだこの力は!? きっと親類縁者にゴリラ族がいるに違いない!)
「いませんっ!」
「はい?」
「え、あ、いや、なんでもないですっ! ……昨日も教えたんだから、ちゃんと覚えてくださいね、別府くん」
(覚えてくれてたのは嬉しいが、苗字かあ。……まあいっか)
「ああ。悪かったな、横溝」
「……リネアです。名前で呼んでください」
「え、あ、や、まあ」
「昨日もそう言ったのに……」
「その、やはり女性のファーストネームを気安く呼ぶのは少々抵抗が」
「私がそう呼んで欲しい、と言ってるのに?」
「……ああもう、分かったよ。リネアね、リネア」
「そう、それでいいんです♪ ……この名前、結構気に入ってるんですよ?」
とっておきの秘密を打ち明けるかのように、リネアはチャーミングに片目をつむりながら俺に言った。
「リニアモーターカーに似てるから?」
「…………」
そんな可愛らしい顔を即座に粉砕し、うんざりさせる俺の話術は大した物と言えるだろう。
「……似てません」
「実は俺もそうじゃないかと密かに思ってたんだ」
「じゃあ言わないでください!」
200 :
4/4:2012/06/26(火) 00:10:15.65 0
「本当になあ……」
「何をしみじみ遠くを眺めてるんですか! 別府くんの話をしてるんですよ!?」
「ところで、リネア」
「なんですかっ!」
「そろそろ急がないと遅刻しますよ?」
「えっ?」
リネアはポケットからケータイを取り出し、時間を確認した。
「どういうことですかっ!?」
「無駄話とはかくも恐ろしいものなんだなあ……」
「何を遠い目をしてるんですかっ! ほらほらっ、急ぎますよっ!」ギュッ
「はへえっ」
「きゃっ!? な、なに!?」
「いや、あの、突然手を握られて狼狽して慌てた結果、あのような声が」
「一緒の意味ですっ! ……て、手を握ったのは、急ぐためです。た、他意なんてないですっ!」
「いや、繋がないで走ったほうが速いと思うが」
「…………。じゃあ一生別府くんと手なんて繋ぎませんからねっ!」
(しまった。言い過ぎたようだ。もうあの感触を味わえないとは。帰ったらさっきの感触を反芻してから死のう)
「って、ていうのは冗談、冗談ですからね? ね、ね?」
とか思ってたら、何やら慌てた様子でリネアがまた手を握ってきたので、またしてもはへぇっ。
「ほ、ほら、行きますよ?」
「は、はい」
(柔らかい手が柔らかいスベスベする気持ちいい一生手を繋いでいたい最高すぎるリネアとずっと一緒にいたいなあ!)
「〜〜〜〜〜っ! な、なにをぼーっとしてるんですかっ! い、急いでるんですから!」
なんか知らんが超絶顔が赤いリネアに手を引っ張られながら、通学路を疾走しました。
>>200 GJ!!
しかし、巨乳とは珍しいwww
全く自己主張しないおっぱいがお好みかと思っておりましたが
>>200 相変わらず笑って萌えたw GJ!!
本当に巨乳珍しいよなぁ、って思ったけどお嬢とかいたよな。
しかしリネアまじかわいい、嘘つきで隠し事ばかりの俺みたいなのは嫌われそうだがw
>>200 ええい、何だこの可愛さはっ!
相変わらず笑えるし萌えるしで素晴らしいな!!
何か意図せずして感想が被ったが気にしないことにして寝る
お題
・男の前でした失敗を気にしないように努めるツンデレ
お題
つ・真夏でも長袖のツンデレ
・ツンデレからたまにはアンタも運動したらどう?って言われたら
友ちゃんの腋ぺろ
お題
つ・ついつい睡魔に負けてしまうツンデレ
ミッション7以降、非常事態だというのに金が無ければシカト決め込むロザリィ
誤爆失礼
昼寝するなら、ツンデレのひざ枕でしたいと切に願う今日この頃
211 :
ほんわか名無しさん:2012/06/27(水) 19:26:37.02 0
ウトウトと自室で昼寝を貪っていたら何故か隣で幼馴染ツンデレが寝ていたでござる
お題
つ・ツンデレと男の意見が全く食い違っていたら
甘えてきた後支離滅裂なすっとぼけ方をするかなみんかわいい
そろそろチナミンミンゼミの季節ですね
お題
つ・ツンデレが夏って嫌いって言ったら
一人暮しのツンデレが、カレー作りたくても、この時期ってついつい食べ切れなくてダメにしちゃうのよねーってぼやいていたら
ツンデレに肩揉んで貰いたい
ツンデレを揉んであげたい
ツンデレと晩酌
グラス一杯のビールでほんのりと顔を赤く染めるツンデレ可愛い
>>220 「ちなー」
「……なに」
「最近なんか疲れてるよな」
「………………そんなことはない」
「嘘つけ、今の沈黙は少し長かったぞ」
「そんなことはない」
「沈黙がないときも嘘ついてる時だ」
「……むぅ……」
「つーわけで、マッサージしてやろう」
「……タカシはマッサージと称して……私にセクハラを敢行するつもり………………変態め」
「まあまあ。ほら、そこにうつ伏せになって」
「……ん」 ポスッ
「枕の臭い嗅いでもいいからないいからな」
「…………そんなことはしない……ばか」
「はいはい。んじゃ、始めっぞー」 ギュムッ
「んっ……!」
「あ、強かったか?」
「……別に……押されたから肺から……空気が出ただけ」
「そっか。じゃ、続けるからな。痛かったら言えよ」 ギュムギュム
「ん……ぅ……ふっ……」 ピクッ、ピクンッ
以下本番ですね分かります
おはやう
>>221 ちなみん可愛い。
ツボをぐいぐい押して喘がせたい
なんか連投規制食らったんでしたらばの方の事情スレに書いたよ
悔しいのぅ
暑さでちょっと大胆な格好しちゃってるツンデレ見て悶えたい
裸エプロンが一番似合うツンデレって誰なんだよ!!
お嬢かな
「なんてことさせるんだよバカシ!」ってわめきながらも
実は結構ノリノリだったりするボクっ娘かわいいよ
エプロンの膨らみがないのが残念ですけれども
230 :
ほんわか名無しさん:2012/06/29(金) 22:47:49.60 0
>>229 「もーいーかーい」
「だ、ダメっ! やっぱこんなのなし!」
「おいおい、ポーカー10回勝負、全敗したらなんでもするって言い出したのはお前だぜ? 約束を反故にするつもりか?」
「だっ……だってだって! こんな要求されるなんて思わなかったし!」
「カーテンの向こうでモジモジしてるシルエットもなかなかエロいなー」
「み、見んなバカっ!」
「じゃあ早く出て来いよ。そうすればより早く終わるぞ」
「ぅうー……!」
「それとも……無理やり引きずり出されたいか……?」 ニタァ
「ひぃっ!? カーテン越しなのに悪い顔してるのがわかるっ!?」
「ほれほれ早くぅ。いや早くなくてもいいかな? 無理やりも嫌いじゃないし……」
「わ、わかった! 出る! 出るから!」
「ようやく観念したか。はよはよ」
「ぅう……なんで僕がこんなこと……」 シャーッ…
「…………おぉ……」
「………………ぅ……な、なんか……言ってよぉ……」 モジモジ
「いや……なんだ、その……」
「…………な……なに……?」 モジモジ
「思ったより……胸あるな」
「………………は?」
「いや裸エプロンとかしてもどうせロリ体型だから可愛いだけでエロさはないと思ってたんだけどなぁ……うん、予想に反して、すげぇエロさだな」
「…………」 プルプル
「小さ過ぎず大き過ぎず……エプロンの脇からほんの少しだけ零れ出るヨコチチがなんとも……」
「ばかぁー!!」 ベッチン!
「ぎゃぷっ!?」
「エロタカシのバカタカシ! 変態痴漢の強姦魔ー!」 ダダダダダダダダダ…
「わ……我が生涯に……一片の悔いなし……グフッ……」 ドサ…
おわりんこ
僕っ子prpr
僕ッ娘かわいいよぅ!!
GJ!
こいつぁ可愛いprpr
ああ。こんなの生で見れたら、確かに死んでもいいわwww
prprがプルプルに見えた
プルプルするボクっ娘だと………!?
え?プルプルじゃないの?
・ツンデレに「ぷるぷるぷるぷるー!」って言わせたら
ち「プルプル…私は悪いスライムじゃないよ…」
ちなみんはどこもぷるぷるしてないy
ちなみんは全身ふにふにだよ
ちなみんのほっぺプクプク
友ちゃんの汗が染み込んだ制服くんかくんかしたい
週末なのに立ってないなんて
立ててもいいのよ
レベル低くて立てられないのだよ…
立ったよー
おやすみいいんちょ
お題
つ・男に圧倒的大差で勝ったツンデレ
GJ!
しかしMK5って年齢がバレるぞwwww
恥ずかしいセリフは略して言うツンデレかわいい
ツン「タカシ、DS!」
タ「ん?なんだそりゃ」
ツン「き、気にしなくていいの!いいから、DSなんだからね!」
タ「…んー…?」
タ「なあ、ツン」
ツン「なあに?」
タ「OS」
ツン「へっ?」
タ「だから、OSだからな」
ツン(OS…?O……俺…?じゃあSは…す、す……、ま、まさか!?)
ツン「……あうう……」
タ「うわ、何顔赤くしてんだよ…!?」
友(ふっふーん、やっぱりそうだったのね。
別府君にとりあえずOSって言っとけば、って言っといてよかった)
DS…大好き
OS…俺も好き
友(ま、別府君は気づいてないみたいだけど)
ツン「…あ、あたしもよ…」
タ「???」
254 :
ほんわか名無しさん:2012/07/03(火) 00:52:09.83 0
ツンデレさんの照れ隠しととクッションの相性の良さについて
真っ赤な顔を目以外クッションで隠して
上目遣いで「み、見ないでよ……バカ」
とか
うつ伏せで顔をクッションに押しつけて手足じたばた
ほとぼりが冷めたらちょっと前のタカシとの会話を思い出して
またもやクッションで顔を隠して今度はベッドをゴロゴロ
とか
歯の浮くようなセリフを言われて
「タカシのバカ!バカバカ!」ってわめきながら
クッションを投げつけてくる
とか
顔を埋めたクッションが男の私物で
余計に恥ずかしくなっちゃうんですねわかります
そのグラサンはた○らけんじモデルか……?www
>>259 しれっとアイス食ってるメイドさんがかわいくてしょうがないんだがどうしよう
262 :
ほんわか名無しさん:2012/07/04(水) 19:21:07.53 O
もっふもっふ
お題
つ・ツンデレと二日ほどご無沙汰してしまったら
・ツンデレが「一週間タカシを好きにできるチケット」を
友ちゃんからもらったらどうなるの?
・友ちゃんが「一週間山田を好きにできるチケット」を
ツンデレからもらったらどうなるの?
ドSなツンデレとドMなツンデレ
どっちが好き?
普段はSっ気たっぷりなのに責められると逆らえなくなっちゃう感じのツンデレでオナシャス
・世界樹のツンデレ 〜伝承の巨乳〜
268 :
ほんわか名無しさん:2012/07/05(木) 18:40:15.91 0
270 :
ほんわか名無しさん:2012/07/05(木) 21:47:55.29 0
帰宅お題
つ・無意識に言った一言で男の事が好きだとバレてしまったツンデレ
お題
つ・ツンデレに俺最近疲れが溜まってるんだよな〜って言ったら
これはスタンド能力に目覚めた顔だぜ……!!
GJ!
七夕か…
ツンデレの願いが書かれた短冊を盗み見して怒られたい
お詫びに自分のを見せてツンデレを赤面させたい
・七夕なのに雨で悲しいツンデレ
277 :
ほんわか名無しさん:2012/07/07(土) 16:12:13.70 0
スレ立て・・・
立ててきた、数ヶ月ぶりだから何かミスあったらすまん
あ、落としちまった……
どれ、立てられるなら俺が立ててみよう
立て申した
ツンデレに
「もしも俺たちが、一年に一回しか会えなかったらどうする?」
って言ってみたらどうなるの?
お題
つ・歌手デビューしたツンデレのイベントに男がこっそり行ったら
友ちゃんのおっぱいふにふに
ツンデレにウザいって言われたい
「ウっザいわね…そんなにくっつかないでよ!暑苦しいでしょ!」
「…そう、それでいいの。あんたも少しは話がわかるじゃない」
「………」
「………」ウズウズ
「……えーと…あ、あのさ……」
「…てっ、手だったら…ちょっとくらい握っても…」
「あっ、あんたがどーしても、って言うから、その、しょうがなく…」
……ギュッ
「…あっ」
「なっ、何よ……そんなに嬉しいの?ニヤニヤしちゃって」
「あたし?嬉しいのかって?」
「……ぜーんぜん♪」ニコニコ
かなみさん……かわいいぃぃぃぃぃ!!!!
>>286 可愛い!!
GJ!!
お題
つ・ツンデレが筋肉痛で苦しんでいたら
友ちゃんと!
お題
つ・イケメンで女子の人気が高い男と地味なツンデレ
・童顔で男子の人気が高い男と高身長なツンデレ
ツンデレと男が互いに苗字で呼び合うような、そういう微妙な関係が好きな昨今
>>292 すごく分かる
意識し始めの頃とか、好きなんだけど親しくなるまでの一歩が踏み出せない頃とか最高だよな
294 :
ほんわか名無しさん:2012/07/10(火) 23:19:08.04 0
幼なじみなのに思春期の気まずさから苗字で呼び合うようになってそのままズルズルそんな関係の二人とかは?
お互いに苗字で呼び合う二人が付き合っても
やっぱり苗字で呼び合っちゃう二人とかもいいかもしれない
男に名前で呼ばれてドギマギするツンデレかわいい
『ちょっと!! 何、馴れ馴れしく名前で呼んでるのよ!!』
「え? だって俺達もう恋人同士なんだし、名前で呼んだ方が彼女らしいかなあって」
『彼女って言うな!! 誰かに聞かれたらどうすんのよ。勘違いされるかも知れないでしょ』
「勘違いって……事実じゃん」
『それでもダメなの!! ア、アンタなんかとその……恋人同士だなんて思われるの……その、イヤなんだから』
「分かったよ。じゃあ、せめて家で二人きりの時ならいいだろ?」
『それもダメ!!』
「何でだよ? だって誰にも聞かれないし、問題ないじゃん」
『も……問題、なくもないわよ……』
「じゃあ、何が問題なのか教えてくれよ。納得行く理由なら、我慢するからさ」
『う……え、えっとその……わ、私が恥ずかしいのよっ!! も、文句あるっ!!』
こうですか? 分かりません(´・ω・`)
イイネ!さすがかなみさんかわいい
・纏さん沖縄旅行
纏「ただいまなのじゃ!」
男「おう、おかえり。さすが沖縄帰りだと日に焼けたな」
纏「タカシは青っちろいままじゃのぅ。貧弱、貧弱ぅ」
男「うるせー。都会人はクーラー効いた部屋でのんびりがデフォなの」
纏「ふふふ、そんなタカシに土産じゃ。ありがたく持ってゆくが良い」
男「おう、ちんこすうじゃないか。なんて破廉恥な」
纏「ちんすこうじゃ! わざと間違えるでない、この変態め!」
男「ははは、冗談冗談。サンキュな……ところで、もう一つのおみやげは?」
纏「む……土産とは、例のこれかえ?」
男「おー、マジで撮ってきてくれたのか! 感謝感激」
纏「儂の水着姿なぞ見て何がしたいのか知らんが、土下
座までされては仕方ないから撮ってきてやったぞえ」
男「……おい! これYシャツ着てんじゃねーか! どういうことだ!」
纏「む? まさか生水着が拝めるとでも思うておったのかえ?」
男「纏の水着なんてスク水しか見たことないから期待してたんだぞ! 謝れ、俺に謝れ!」
纏「たわけが! 主が何に使うか知れぬのに、そうそう簡単に水着写真なぞ渡してたまるかえ!」
男「ぐぬぬ……仕方ない。後は妄想力でYシャツの下が裸だと想像するか」
纏「にゃ!? にゃにをぅ!?」
男「おぉ、そう思うとこの写真もなかなか……」ゴクリ
纏「か、返せ!! やっぱり今すぐ写真返せー!!」
301 :
1/2:2012/07/11(水) 23:29:12.00 O
・かつみさんとウォータースライダー
女「キャホーッ!!」サパーンッ
男「……」
女「うぉーい、タカシも来いよ!! 楽しいぞ!!」
男「俺には小学生に混じってウォータースライダーに並ぶ度胸はねぇ」
女「いいじゃねぇかよ、たまの遊びなんだしよぉ」
男「実は私、プールで女児を視姦するという重大な使命を帯びているのです」
女「んだとぉ? そんな変質者はますますウォータースライダーの刑だな」グィッ
男「ぬぁっ! やーめーろよ、やーめーろよー!!」ジタバタ
女「何、もしかしてお前怖いの?」クスクス
男「くっ……あぁそうだよ、俺ぁ高所恐怖症なんだよ! 悪いかよ!」
女「くはははっ、そっかそっか。タカシは高いとこが怖い怖い病なのか!」
男「笑うなアホ!! こちとらお前みたいに鉄の肝っ玉してねぇんだよ!!」
女「だったら一緒に滑ってやるから、一回だけどうだ?」
男「……ん。まぁ、それなら」
女「だだっ子みてぇだな、お前」プークスクス
男「うるっせーよ!」
302 :
2/2:2012/07/11(水) 23:30:27.94 O
――――
男「うぅ……」ビクビク
女「ホントビビりだなぁお前。こんなの飛び込み台の半分の高さだぞ」
男「俺高いのはマジ駄目なんだよ……」
女「ここまで来たんだから腹くくれ! 後ろつかえてんぞ!」
男「くっそぉ……」
女「なんなら背中、押してやろうか?」ワキワキ
男「自分で行くわアホ! 絶対押すなよ!」ソロソロ
女「うるさいはよしろバカ」ドンッ
男「うわわわっ!?」ヨロッ
女「うひょー♪」ピョンッ
男「ぎょわあぁぁぁぁぁ……」ズザザーッ、ザパーンッ
女「ヤッホーイ!!」サパーンッ
男「うごぼへぇ……」
女「はっは、いい様だぜ」
男「てめえ絶対押すなって言っただろ、がっ……!?」
女「ん、どうしたタカシ。目が点だぞ」
男「……かつみ、前、前」
女「はぁ? 何言って……」
(※度重なるウォータースライダーの使用でビキニの胸がはだけてる人)
女「ぎゃあぁぁぁぁぁ///!?」
男「こ、これはなんというハプニング……」ゴクリ
女「こっち見んな死ねぇぇぇぇぇ///!!!!」バキッ
男「ふげぶっ!?」
ふぅ…
一方既に賢者モードの俺に死角はなかったふぅ
これはけしからんwwwwww
ふぅ……
友ちゃんの汗ぺろぺろしたい
体の硬いツンデレの背中に制汗スプレーを吹き掛けてあげたい
Tシャツまくり上げたツンデレの背中に内心ハァハァしたい
308 :
2/1:2012/07/13(金) 07:14:51.42 0
『……ただいま』
「おっ、敬子おかえりー。遅くまで部活ご苦労さーん」
『万年帰宅部の兄さんに労われても、全く嬉しくありません――あれ? 兄さん、お母さんは居ないんですか?』
「なんだか仕事が立て込んでるらしくて、今日は帰れないってさ。
つまり今夜、俺と敬子は二人っきりって事だ、はっはっはー嬉しいだろー」
『う、嬉しくなんてないです! 気持ち悪い事言わないで下さい!』
「おおう、そんなに怒るなって。ちょっとした冗談だって」
『……冗談……じょ、冗談でも言って良い事と悪い事――ではなくてですね……兄さんの冗談は全然面白くないんです!
少しは自覚して下さい!』
「はいはい、悪かった悪かった。お詫びに飯温め直しておくからさ、着替えて来いよ」
『ええ、そうさせて頂きます。兄さんの無駄話に付き合ってるほど私も暇じゃありませんので……
あっ、前みたいに温め過ぎないで下さいね――』スタスタ
「へーい…………うーむ、小学校低学年までは将来兄さんのお嫁さんになります、とかなんて言ってくれてたけど……
今ではこの嫌われ様……これはあれか、デレツンって奴か? ……逆で来るとは、やるな我が妹――」
――ドスンッ――バタンッ! ズダダダダッ――!
『……はぁはぁ……に、兄さん! 兄さん! 兄さん!!』
「んー? まだ温め中ー、そんなに急いで着替えて――んなっ! け、敬子、どうかしたのか!?」
『へ、部屋に……私の部屋に!』
「部屋に変質者が居るのか!」
『違います! く、黒光りする……奴が出たんです!』
「なるほど、露出魔だな!」
『何でそうなるんですか! や、奴です! ゴから始まって、リで終わる――』
「何だ、敬子の部屋にゴキブリが出たのか」
『いやぁあああああ!! 名前も聞きたくなかったから、遠回しに言ってたのに! に、兄さんはバカです、大バカです!!』
「あー、そういや敬子はゴ――奴が超苦手だったな。とりあえず敬子、落ち着け」
『言われなくても落ち着いてます! 兄さんは早く奴を何とかして下さい! 兄さんはその為に居るんでしょう!?』
309 :
2/2:2012/07/13(金) 07:15:51.47 0
「いや、その為に居る訳じゃ――」
『兄さん、早く!!』
「……へいへい、退治しますよ……このまま敬子をバグらせたままじゃ、手に終えないしな――
敬子……腕にしがみつくんじゃない、動き辛いんだが」
『い、嫌です! 兄さんと離れていたら、奴が襲い掛かって来た時に、盾に出来ないじゃないですか!』ギュー
「何この子、酷くない? ……それでもさ……もう少しだけ緩めてくれないか?
……えーっと……胸の……感触で……別の意味で歩き難く――」
『何ぶつぶつ言ってるんですか! 気持ち悪いですよ! ……兄さん、その新聞紙をどうするつもりですか?』
「いや、叩くのに使うつもり――」
『絶対にダメです!! 私の部屋なんですよ!? 奴が死んだ部屋で過ごすなんて耐えられません!
別の方法で――あっ、そうです! 兄さんの部屋に奴を追い込みましょう!』
「……一応聞くが、それでどうするつもりだ?」
『焼き払いましょう!』
「却下しましょう」
「――よしっ。敬子ー、奴は窓からお帰りになられたぞ」
『……本当ですか?』
「うん、マジマジ。それじゃあ俺は、また飯を温め直して来るわ――」
『に、兄さん!』
「何だー?」
『…………あのっ! ……兄さん……奴の事ですが……あっ……ありがとうございました!』
「敬子、礼には及ばない。なんせ俺は、その為に居るのだからな!」
『……ふふっ、そうでしたね』
「……あ゛ー……敬子、落ち着いたか?」
『……はい』
「じゃあ…………さっさと服着ろよ? いつまでも下着姿だと風邪引くぞ?」
『へ? あっ――い、いやぁあああああ!! に、兄さんの変態!!』バチーンッ!
「ぶはぁっ! 理不尽!」
うはぁー敬語妹って何でこんなに可愛いんだ…GJ!!
お題
つ・最近の世の中の進化についていけないツンデレ
山「ともちゃーん」ぎゅー
友「こら、このクソ暑いのにくっついてくんじゃないわよ」
山「友ちゃんの匂い補充するおー」スーハースーハー
友「わっ、何やってんのよバカ!」
山「いっつもやってるし、そんなに慌てなくても良いのに」
友「そ、そーじゃなくて、今日体育有ったから…その」
山「汗かいちゃった?」
友「…うん」
山「…確かに、今日は匂いがちょっと濃い気がする。友ちゃんの匂い」クンクン
友「…変態」
山「まーでも確かにくっついてたら暑いね。離れよっか」
友「やっ…」
山「…やなの?」
友「いや、えっと…ぁぅ…」
山「じゃ、もうちょっとこのままで」ぎゅっ
友「…ぅぅ…(こうされてると…私も…山田の匂い感じるから…)」
押しに弱い友ちゃんかわゆい
>>315 「ちぇっ。山田の奴、ベタベタの甘々じゃねーか。うらやましーな」
『まー、友子もいっつもウチのことようからかう割には人の事言えへんやん。にしても、この暑いのにようやるわ』
「そんな呆れた風に言ってるけど、実はいずみもやってみたいとか思ってないか?」
『な……っ!? ア、アホな事言わんといてや!! 何であたしがそんな、アンタなんかと抱き合いたいなんて思わなあかんねん。冗談キツいわ』
「そうやってムキになるとこがまた怪しいな。実は体のこの辺とかウズウズしてたりして」
『なるかいドアホッ!! アンタなんかとこのクソ暑いのに抱き合うたりしたら、暑さと臭いで悶絶ししてまうわ。気持ち悪いし、近寄うてくんな。シッシッ!!』
「そんな、ハエとか蚊みたいな追い払い方しなくても……」
『アンタなんかハエや蚊と同列……いや、それ以下やもん。むしろ、ハエや蚊に失礼やわ』
「ハァ、そうですか……」
『なんや? 今日はいつにも増してエラく落ち込んだ雰囲気出しとるやん。いつもやったら、この程度で懲りへんのに』
「いや。何か向こうのイチャつきっぷり見てたら、その落差に愕然とするものがあってさ。まあ、いずみのせいじゃないよ。気にするな」
『しゃーないな、もう。ホンマ、イジけてからに』
「何? それじゃあ、ギュッとさせてくれるの?」
『するかいアホ!! アンタが落ち込んだくらいで、何であたしが体差し出さんとあかんねん』
「チェッ。一瞬、同情するような仕草見せたから、期待しちまったよ」
『別に同情なんてしとらんけんどな。ただまあ、落ち込んどるタカシは余計にウザい思うただけや』
「甘えようとしてもウザい。落ち込んでもウザい。俺はどうすればいいんだ……」
『まあええから、手ぇ出しや』
「手? こうか?」
『そうや。そのままジッとしとき』
「ちょっと待て」
『何や?』
「もしかして、期待させるような事しといて、手の平に“バカ”とか書くだけじゃないよな?」
『そんな事するかい!! 疑うんやったら、引っ込めてもええで』
「分かった。じゃあ、いずみを信用して出しとく」
『それでええねん。ほな……』
ギュッ……
「え?」
『だ、抱き合うのなんて堪忍やけどな。手ぇ握るだけやったら、ちょっとは我慢したるさかい。これで少しは気ぃ取り直しや』
ちょっとコラボってみた
容量制限キツイっす
関西さん久しぶりだ
ウブウブやなあ
妄想が止まらなかったので、
>>317のおまけ
「なあ、いずみさん」
『……な、何や?』
「いや。ここ、俺の家の前なんだけど。そろそろ手、離さない?」
『……その事なんやけどな。ウチも手ぇ離したいのはやまやまなんやけど、その……』
「その、何だよ。ハッキリしないのって、いずみらしくないな」
『やかましいわ。あたしかて言いづらい事あんねん』
「で、何なんだよ」
『……そ、そのな。何か、離そう思ても、手ぇ離れなくなっとんねん。どういう訳か』
「ハァ? そんな訳ないだろ? って、お前が離さないと離れないって」
『せやかて、無理言うてんやん。時間掛ければ離せるかも知れへんけど』
「じゃあ、まあいいや。よく分かんねーけど、いずれ離せるって言うなら待ってる」
『ドアホッ!! こないな場所で二人きりで立っとって、他人に見られたらどうすんねん!! それが知り合いやったら、勘違いされてしまうかも知れへんやろ?』
「……じゃあ、俺の部屋、来る?」
『……この際、しゃあないわ。アンタの部屋なんて招待されたくもないけど、背に腹は代えられへんし』
「まあ、確かに女の子をご招待出来るほどの綺麗な部屋じゃないけどな。ま、我慢してくれよ」
『御託はいいから、はよ上がらせて。アンタの部屋なんて期待してへんし、離れたらすぐにお暇させて貰うさかい、カッコ付けへんでもええわ』
「はいはい。それじゃあ、どうぞ。いずみさん」
『……ほ、ほな……失礼させてもらうわ……』
『(こんな下手くそな演技せんと寄らせて貰えへんなんて、あたしもようヘタレやわ……)』
あとはご想像にお任せするという事で。
関西さんとタカシの距離が詰まっていくのがいいねぇ
GJ!
>>315 「…二人は、ラヴラヴ」
「俺とちなは?」
「…………」
「そんな目で見るなよ…」
「…あえて言うなら…」
「……言うなら?」
「……ギスギス」ググッ
「いででで!!つま先はやめて、そこマジで!」
「……しょうがない」グググググッ
「あだだだだ!!甲をかかとでしないで、ノオオオオオオ」
「…もう言わない?」
「はい…」
「…本当に?」
「もう言いません…」
「…よし」
「…なあ、ちな…」
「…?」
「…本当に秘密でいいのか?俺たちが、付き合っていでいでででででで!!」
「…言わないって、さっき約束した」グリグリ
「…で、でも、俺たち学校で手繋いでるじゃんか…」
「…これはエネルギー補給。しょうがない」ニギニギ
「しょうがないのか?」
「…しょうがない」ニギニギ
「で、いつまで繋いでるんだ?休み時間終わるぞ?」
「…もうちっと」ニギニギ
「…俺も、エネルギー補給するか」ニギニギ
「…エネルギー交換?」ニギニギ
「だな」ニギニギ
じゃあ俺も便乗
尊「何をやっているんだ、山田と友子は……見ているだけで暑苦しい」
男「そう言ってやんなって。付き合いたての頃は誰だってイチャイチャしたくなるものだ」
尊「少しはTPOをわきまえろと。あんなの、人前でやることじゃないだろうに」
男「そういや尊って恥ずかしがりだから、人前だと手も繋がないよな」
尊「はぁっ!? 誰が恥ずかしがりだ! 私が言ってるのは一般常識の問題で……」
男「まぁ、山田どものはちょっと度を越してると思うが、手を繋ぐくらいはTPOに反してるとは思わないけどな」
尊「……それは何か? 私と、今ここで、手を繋ぎたいという意思表示か?」
男「まぁそうなるかな。だって俺ら、まだ『付き合いたて』じゃん?」
尊「私はお前と付き合った記憶はない、よってお前とイチャイチャする気もない!!」
男「理詰めで説き伏せにきたように見えるが、尊、お前には一つだけ計算違いがある」
男「それはな、俺が人の話を全っっっっ然聞かない悪タレだということだ!!」ハッシ
尊「うわぁぁぁぁぁ!?」
男「尊の手って柔こいなー」ハッシハッシ
尊「や、止めろバカぁ!!」
男「絶対止めない!! 何故なら俺は尊の嫌がる顔が好きだから!!」ニギニギ
尊「さらりと最低なことを言うな!! この馬鹿///!!」
便乗しすぎwww
お題
つ・ツンデレと一週間だけ恋人同士になれる契約を勝ち取ったら(延長オプション付き)
・ツンデレが友人から一週間だけでいいから男を貸してくれと言われたら
>>315便乗
『全く持って人前でようやるのう、羞恥心という物は無いのかの?』
「んー、恋人同士ならあれくらい普通なんじゃねぇの?」
『そんな訳なかろうが! 男女交際というものはじゃな……もっと付かず離れずの距離を持ってのう……
あの様にベタベタするのは、儂は誠実さに欠けると――』
「まぁまぁ許してやれよ。それに纏、あまり文句ばっかり言ってるとひがんでるみたいだぞ?」
『ひっ、ひがんでなどおらぬわ!! 儂が二人を羨ましがって見ていると!? ふんっ、勘違いもはなはだしいわ!』
「……つまり纏は、ああいう事を俺にもして欲しかった訳じゃなくて、決して羨ましくて見てた訳じゃないと?」
『そう言っておろうが、この戯けめが!』
「うんうん、覚えとく」
『……何の話じゃ?』
「何って、そりゃ決まってるだろ? 俺だって自分の彼女が嫌がる事はしたくないしさ。
だから、ああいう事は絶対にしない様に覚えておこうかなと」
『…………別に覚えんくとも』ボソボソ
「ん? 纏、何って?」
『べっ、別に何も言っとらんわ! …………はぁ』
「纏ー、溜息つくと幸せが逃げちゃうぞー」
『煩いわ、構うでない! ……もう逃げた後じゃから問題ないわ……まさに身から出た錆じゃったのう……』
「ふむ、テンションだだ下がりだな。纏、ちょっと内緒で話したい事あるから耳貸してくれ」
『……つまらぬ事じゃったら容赦せぬぞ』
「纏…………ああいう事は、二人っきりの時にじっくりしてやるからな?」
『――っ! ――なっ――えっ――そ、そんにゃっ!?』
「はっはっはー、顔真っ赤だぞー。纏ちゃん、かーわいー」
『うぬ? …………おっ、御主! さては儂を担ぎおったな!!』
「しゅんとなった纏も、あれはあれで捨て難い物がありますねぇ」
『……後でどうされるのか……勿論覚悟あっての行動じゃろうな?』
「おうよ! 何時間もぎゅっと抱き締めてやろう!」
『んなっ!? ち、違うわい! 御主に待っておるのは説教じゃ!』
――説教1時間、ハグ3時間。
328 :
1/4:2012/07/15(日) 18:37:39.33 0
お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(前編)
[おー、山田。久しぶりー]
〔えー、英子ってば彼氏出来たのー〕
[あれ? 荒巻。お前、ちょっと太ったんじゃね?]
〔美衣ってば、何か前より大人っぽくなったよね〜〕
「よう、委員長。ご無沙汰」
『……何で、一番に声掛けて来るのが貴方なのよ』
「そんなうんざりした顔すんなよ。卒業以来……だから、4ヶ月ぶりに会うってのにさ」
『4ヶ月ぶりだろうが何だろうが、貴方の声聞くとそういう気分になるのよ。あと、もう委
員長じゃないんだからね。私は』
「おっと、そうか。でも、ずっとそう呼んでたしなあ…… 何て呼べばいい? 音無さん……
って何か他人行儀過ぎるしなあ。かといって呼び捨ては上から目線過ぎるし。静ちゃんとか?」
『止めてよね。ちゃん付けとか気持ち悪い。貴方にそんな呼び方されるなんて吐き気がするわ』
「うーん…… じゃあ、委員長とてはどう呼んで欲しい? その呼び方が嫌だっては俺に
対してだけじゃないんだろ? 何かいい呼び名とかあるんだったら、それに従うからさ」
『そんな急に言われたって思い付かないわよ。むしろ貴方には声すら掛けて欲しくないく
らいだし。あと、律花にも』
「俺だけじゃなく律花もかよ。何も俺ら双子だからって、ひとくくりにして邪険にする事
ないと思うんだけど」
『……だって、遺伝子レベルで二人ともどうしようもないし。むしろ同性なだけに、ウザ
さは向こうの方が上ね』
【久しぶりに会ったってのに、ウザい呼ばわりとか……】
『え?』
【そういう冷たい人にはお仕置きだよ。えいっ!!】
ムギュッ!!
『――っっっきゃああっ!!』
【委員長こんばんわっ!! 元気してた?】
329 :
2/4:2012/07/15(日) 18:38:22.37 0
『元気してた?じゃないわよこのバカ!! いきなり後ろから胸揉む人がどこにいるの
よ!! 離しなさいってば!!』
【だって委員長ってば、卒業以来だってのに、すんごい冷たい事言ってるからさ。ここは
一つ、罰を与えなきゃなーって】
『何が罰よ。こういう事するからうっとうしいって言ってんのに。ていうか別府君。見て
ないで責任持って止めなさいよ。貴方の妹でしょ?』
【あはっ。孝史ってば、女の子同士の絡みって何かエッチっぽいって見とれてるんだよね。
だったら、もうちょっと見せ付けてあげよっか?】
『なっ……!? な、何考えてるのよ。別府君のスケベ!!』
「ア、アホ!! 勝手に人の考え捏造してんなって。つか、いい加減離してやれよ」
【いやー。委員長の胸ってちょうど手の平サイズで揉み心地いいんだよね。何なら孝史も
揉んでみる? へっへへー】
『なっ……ちょっといい加減にしないと本気で怒るわよ』
「揉めるかバカ!! 痴漢で警察に逮捕されるわ。お前は身内を犯罪者にしたいのか」
【大丈夫だって。委員長だって、ホントはちょっと期待して――あいったあっ!!】
『全く……調子に乗るのもいい加減にしなさいよね。律花のバカ』
【あうううう……委員長に脛蹴られたぁ……】
「大丈夫かよ? だからいい加減止めとけって言ったのに」
【だってあの委員長が浴衣着て立ってるんだよ? 髪アップにして。高校時代、化石とい
われたロングスカートに三つ編で、全く一部の隙も見せない真面目少女だったあの委員長
がこんな可愛い姿してたら襲うしかないでしょ!!】
『だからって背後からいきなり胸揉む必要ある? あと私もう委員長じゃないから!!
さっき貴女の分身にも言ったけど』
「分身ってあのな……双子だけど、俺ら二卵生だから別段別れた訳じゃなくって……」
【委員長は委員長だよ。だって他にどう呼ぶの? 音無さん? 静ちゃん? 似合わないってば】
『それってどう考えても失礼じゃない? 勝手に人のキャラクター固定しないでよ』
〔あ、いいんちょだ〕
[おー。委員長ひさしぶりー]
〔元気してた委員長?〕
『……………………』
330 :
3/4:2012/07/15(日) 18:38:55.35 0
【ほら。やっぱり委員長は委員長じゃん】
『勝ち誇って言わないでよ。全く……もういいわ。諦めた。けど、さっきの化石ってのは
撤回なさい』
【アッハハハ。それは冗談。だけど、委員長の浴衣姿ってボク、初めて見るからさ。だっ
て、今まで委員長って祭りとか誘っても来なかったじゃん】
『だって私、人込みとか嫌いだもの。だけどさすがに、同窓会兼ねてみんなで七夕祭りで
会いましょうって誘われたら、そんな我がまま言えないわよ』
【いや、それはいいんだけどさ。ただ、委員長の浴衣姿可愛いねーって。孝史もそう思うでしょ?】
『ちょっと!! そこで何で別府君に振るのよ!!』
【いーじゃんいーじゃん。男の子の感想も聞きたいでしょ? ほら、孝史。委員長の浴衣
姿、どう?】
「え? いや、どうって言われても……まあ、その……よく似合ってるなって思うよ。大
人っぽくて、涼やかな印象でさ」
『えっ……』
【ほらほら。褒められてるよ、委員長。どうするどうする?】
『ど、どうするって……別にどうもしないわよ!! 別府君なんかに褒められたって……
その……嬉しくないし……』
【まーたまたぁ。照れない照れない。褒められた時くらい、素直になっちゃおうよ】
『てっ…… だから照れてもいないわよ。褒められ慣れてないから、戸惑ってはいるけど、
嬉しくないのは、その……本当だし……』
【ふーん。そなんだ。ボクは、孝史に褒められると嬉しいけどなぁ】ボソッ……
『――――えっ……?』
【ね、ね。孝史。それじゃあ、ボクの浴衣姿はどう? 似合ってる?】
「お前のはもう家で散々見たじゃんか。今更感想なんてねーよ」
【もーっ!! またそういう事言うんだから。大体、家にいた時だってロクに感想言って
無いじゃん。ちゃんと聞かせてよね】
「だって、お前が散々迷ってなかなか決められないから、結局俺が一番似合うと思うのに
したんじゃねーか。それで似合ってない訳無いだろ」
【それって、自分のセンス褒めてるだけじゃん。じゃあ聞くけど、ボクと委員長の浴衣姿
見比べて、どっちが綺麗?】
331 :
4/5:2012/07/15(日) 18:39:42.92 0
『ちょ、ちょっと!! そこに私を巻き込まないでよね』
「うーん。お前と委員長じゃ、そりゃ委員長だろ」
【ちょっと!! 即答? それ、どーいうこと? ボクと委員長ってそんな大差付いてんの?】
『え……? い、いいわよそんなの。えっと、その……私に気を遣う必要なんてないし……』
「いやいやいや。気遣ってるとかじゃなくて、見比べてみるっていうならさ。その……委
員長の方が見た時ドキッとするっていうか、ハッとさせられるって言うか……そんな印象
があってさ」
【それって単にボクがいっつも一緒だから見慣れてるってだけじゃないの? そんなのが
評価基準なんて、何かズルいよ】
「いや。双子の兄妹だからとかそういうのは抜きにして、出来るだけ客観的に見比べても
さ。委員長の方が美人ってイメージが…… お前のは何ていうか可愛いけど、まだちょっ
と子供っぽいって言うか……」
『や、止めてよ。別府君にそういう事言われても、気持ち悪いだけだわ』
「えー…… ちゃんと褒めたつもりなのに。気持ち悪いって言われるの、何かショックだなあ」
『当たり前でしょ。そんな……その……別府君に褒められて嬉しく思う訳なんてないじゃない』
【ボクは孝史に褒められれば嬉しいけどなあ。ていうか、子供っぽいってどーいう事? ボ
クだって一応、女子大生なんだけど。もう十分大人なんですけど】
「分かってるよ。そうムキになんなって。あくまで委員長との相対比較での話だから」
【で、どこが委員長と比べて子供っぽいって? 分かってるんだから。どーせ、おっぱい
が小さいって言いたいんでしょ? 女の子の優劣を胸の大きさで判断するって、そういう
のどーよ? 失礼じゃない?】
「いやいや。誰もそんな、胸がどうこう言ってる訳じゃないって。ただ、委員長って高校
時代は地味な印象しかなかったからさ。やっぱり浴衣着た時のギャップはでかいっていう
か、こんなに色香があるとは思わなかったし」
【ほーら。やっぱり体つきばっかり見てるんじゃん。孝史はいっつもバカにするけどさ。
ボクだって、高校の時より成長してるんだからね】
「そんなしな作ってアピールしても意味ねーって。お前の体なんて毎日見てんだから、成
長具合なんて大体分かってるし」
332 :
5/5:2012/07/15(日) 18:41:11.57 0
【毎日見てるからこそ、気付いてないって事もあるの。何だったら、試しに触ってみる?
ほらほら】
「いーって。何が悲しくて妹の体触んなくちゃいけないんだよ。つか、お前も年頃の女な
ら、むやみやたらに男に体触らせようとすんな。これだから、ガキっぽいって言われんだよ」
【孝史こそ、もしかして妹相手に照れてんじゃないの? それってもしかして、ボクがちゃ
んと大人の女だって、認めてるって事】
「アホ。それとこれとは別だって――って、抱きついてくんなバカ!! 離せ暑っ苦しい」
【ほーれほれ。やっぱり照れてる。アハハ。孝史ってば、もう。ウブなんだからぁ】
〔あいっかわらず仲良いわねー。二人とも〕
[ワハハ。孝史、羨ましーぞー!!]
『…………ハァ…………』
〔あれ? 委員長、どうしたの?〕
『ごめんなさい。ちょっと人込みの熱気に当てられたみたいだから、少し休んでくるわ。
悪いけど智恵ちゃん、みんなに言っといて。少し休んだら合流するからって』
〔大丈夫? 具合悪いんだったら、救護所があるから、そっち行った方が良くない?〕
『ううん。平気よ。少し涼めば直るから。また、携帯に連絡するわ』
〔うん。じゃ、また後でね〕
続いてみたり
みんなGJだぜぇ
335 :
1/6:2012/07/16(月) 05:00:05.03 0
お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(中編)
『(ハァ…… どうかしてるわよ、私は…… 二人の仲の良さに、嫉妬するなんて……)』
『(兄妹なんだもの。それも、双子の…… だから、ちょっとくらい仲が良くたって、おか
しいことなんて何もないわ。何も無いはず……)』
『(だけど、いくら双子だからって、あんな風にベタベタくっ付いたりとか出来るのかし
ら? それに、高校の時からそうだったけど、よく二人で一緒にいたし……)』
『(な、何考えてるのよ私は…… いくら何でも、血の繋がった兄妹でそんな事…… 確か
にあの仲の良さはまるでその……恋人同士みたい……だけど……でも、そんな事あるはず
ないわよ。二人とも、良識は持ってるだろうし……)』
『(だけど、ずっと二人でいれば、何かの間違いで……って、ううん。そんなはずは……だ
けど……あんな風にベタベタくっ付けるなんて……普通ならそういう関係でもなければ……)』
『(な……ないわよそんな事!! 別府君に限って、きっと……)』
「委員長、大丈夫?」
『――っ!? きゃあっ!! べ、別府君?』
【エヘヘ。孝史だと思った? 残念。律花ちゃんでしたーっ♪】
『び、び……びっくりさせないでよもうっ!! 心臓止まるかと思ったじゃない!!』
【ゴメンゴメン。でも、似てたでしょ? 孝史に】
『……そ、そりゃまあ双子なんだから似てるの当たり前じゃない。得意がるほどでもないわよ』
【えーっ。これでも声色まで似せるのは苦労したんだけどなあ。まあ、努力の甲斐あって、
髪をアップにしてさ。パッとこの声で前に出ると、結構騙されるの多いんだよねー】
『全く、律花は相変わらずくだらない事ばかりやって。そんなんだから、別府君なんかに
相変わらず子供っぽいってバカにされるのよ』
【いーじゃん。いつまでも遊び心を持ち続けるってのは、それはそれで重要な事だと思う
んだけどなぁ?】
『まあ、それは個人の考え方だし否定はしないでおくけど。で、何しにここに来たの? 私
をからかいに来ただけなら、悪いけどもう行ってくれない? しばらく一人でいたいのよ』
【ううん。それはおまけ。委員長が一人で聞こえないくらい小さな声で独り言言ってるの
を見つけて、ついからかいたくなっただけで、本当の用事はちゃんと別にあるよ】
336 :
2/6:2012/07/16(月) 05:00:37.25 0
『なら、それをさっさと済ませちゃってよ。今は出来る限り他人に煩わされたくないの。で、何よ?』
【うん。一つ確かめたい事があって】
『確かめたい事?』
【そう。もしかして委員長って……ボクと、孝史の仲に嫉妬したりとか……してない?】
『えっ……? わ、私が……嫉妬……?』
【そう。ボク達の仲の良さに】
『……な、何言ってるのよ。そんなバカげたこと、有り得る訳ないじゃない。何で私が別
府君と律花の仲に嫉妬しなくちゃいけないのよ。意味が分からないわ』
【そっか。委員長、自分では気付いてないんだ】
『気付いてないって……何がよ?』
【だって、ボクが孝史と仲良くしてる時って、委員長いつも、怖い目でボクを見てるんだ
よ? 知らなかった?】
『……そ、それはその……血の繋がった兄妹で、ましてや双子なのに、高校生にもなって
ベタベタしてるのってどうかとは思って見てたけど、別に嫉妬なんてありはしないわよ。
それは貴女の勝手な妄想だわ』
【妄想かぁ。そっかー…… それはちょっと残念かもなぁ……】
『残念って……何でよ? 意味が分からないわ』
【だって、嫉妬だったら、それって孝史の事が好きか少なくとも気になってるって事じゃ
ん。兄妹としては、孝史の事を好きでいてくれる子がいたら、それって嬉しくない?】
『……私には、兄弟なんていないから、分からないわよ』
【そっか。ボクは嬉しいんだよね。だって、その子は孝史の良さが分かってくれてるって
事だもん。それって素敵な事じゃない?】
『……言いたい事は分かるわ。だけど、逆に貴女は寂しくないの? 別府君の事を好きな
子がいて、別府君もその子が好きになったら、今みたいに仲良く出来なくなるかも知れな
いのよ?』
【うん。でもそれはしょうがないよ。家族っていうのは、いつか巣立って行かなくちゃい
けないし。ボクだって好きな人が出来たら、タカシよりその人と一緒にいたいって思うよ
うになるだろうし】
『律花は、その……別府君の事をどう思ってるの? まあ、兄妹だしあれだけ仲が良けれ
ば嫌いって事はないと思うけど……どういう存在って言うか……』
337 :
3/6:2012/07/16(月) 05:01:09.98 0
【孝史の事? そうだね。好きとか大好きとか、そんな言葉じゃ言い表せないよ。孝史は
ずっと……ボクの一部って言ってもいいくらい、それくらい自然な存在かな?】
『――っ!?』
【だってボク達、卵の時からずっと一緒なんだよ? お母さんのお腹の中にいる時からずっ
と寄り添って育って来て、生まれてからも今まで、ずっと一緒だったんだもん。それっ
てもう、自分の存在の一部って言っていいと思うんだけど。お互いにね】
『そんなに大切な存在だったら、やっぱり――』
【離れたくないんじゃないかって? ううん。そんな事ないよ。そりゃあ、離れるのは寂
しいけど、でもどこにいたってボクと孝史の関係は変わらないもの。お互いの心もね。だ
から、そんな事よりも、孝史が幸せになれるんだったら、ボクはその方が嬉しい】
『そんなものなのかしら。よく分からないわ』
【そんなものなの。だから、委員長がボク達の仲に嫉妬してくれてたら、いっそ良かった
んだけどなー】
『な、何でよ!? 何でそれで貴女が嬉しがるのか、意味が分からないわよ』
【だから今言った通りなのに。だって、嫉妬するって事は、それってつまり孝史の事が好
きって事だもんね。委員長が孝史の事を好きだったら、ボク、すっごい嬉しかったんだけど】
『だから何で、私なのよ。別府君の事を好きになってくれる子なんて、別に他の子だって
構わない訳でしょ?』
【それは秘密。で、どうなの? 委員長は孝史の事どう思う?】
『何でそこでいきなり私に質問振るのよ? い、い、い……意味分かんないわよ!!』
【聞きたいから。ていうか、人にあれだけしゃべらせといて、今更自分は質問に答えない
とかないよね? あんな風に孝史との事を話したのって、今までないんだから】
『そんなの、貴女の勝手じゃない。質問されたからって、必ずしも答える義務はないんだ
から。しゃべりたかったから、しゃべったんでしょう? 私は答えたくないわ』
【えーっ。そんなのズルいよ。委員長って、そんな狡猾な人だったっけ】
『ズルいと言われようが何と言われようが、話したくないものは仕方ないでしょ? 諦めなさい』
【ちぇっ。だったら、ボクにも考えがあるよ。多分委員長も気付いてないかも知れないけ
ど、言っちゃっていいかなぁ】
338 :
4/6:2012/07/16(月) 05:01:52.25 0
『な……何よ。まるで人の弱味を握ってるような顔して。言っておくけど、私には人に知
られて困るようなスキャンダルなんてないわよ?』
【ホントに? 多分、これ知ってるのボクだけだと思うけど、みんなに話したら多分委員
長は困る事になるけどなあ】
『ちょっと待ちなさい。言ってごらんなさいよ。そんな捏造、木っ端微塵に否定してあげるから』
【捏造なんかじゃないけどな。ま、委員長もあんまり意識してないかも知れないけど、言
われたら絶対心当たりあるから】
『うるさいわね。そんなの聞かなきゃ分からないわよ。いいから早く言いなさい。絶対、
後ろ暗いところなんてないはずだから』
【フーン。じゃあ言うね。実はさ。委員長って、孝史の事、ちょくちょく盗み見してたでしょ?】
『は……はぁ? な、何言ってんのよ!! そんな事ある訳ないじゃない。言うに事欠い
てそれ? 何で私が別府君を盗み見なんてしなくちゃいけないのよ。意味が分からないわ』
【ボクは何度も見てるんだけどな。授業中に窓の方を見るフリして、窓際に座る孝史見て
たり、体育の授業でソフトボールやってる時に、持久走でトラック回ってる孝史を守備し
ながらボーッと眺めてたり、他にもまだまだあるけど、全部言う?】
『言わなくていいわよ。それって貴女の勘違いでしょ? 私は別に、別府君を意識して見
ていた事なんて、一度だってないわ』
【あんなに見てたのに?】
『だから見てないって言ってるでしょ? しつこいわね、貴女も』
【ボクの観察眼は間違ってないと思ったんだけどなー。委員長が孝史の方を向いてるのっ
て、一度や二度どころか五度や六度でもなかったんだけど、それも全部違うのかぁ…… だ
としたら残念だなぁ】
『そうよ。全部違うわよ……って、何で律花が残念がるのよ? 意味分からないわ』
【だって、委員長が孝史の事好いてくれるならいいなーって思ってたから。委員長なら、
孝史の彼女にピッタリだし】
『なっ……何で私……なのよ? ますます意味分からないわ』
【あ、今ちょっと嬉しいって思ってない? 孝史に一番近しい人間からお似合いだって言われて】
339 :
5/6:2012/07/16(月) 05:03:41.45 0
『思ってないってば!! だって、私と別府君なんて全くソリが合わないじゃない。彼は
明るくてお調子者でおしゃべりで活発で……私は暗いし無口でクソ真面目で…… 全く合
う要素がないわ』
【そんなのは関係ないと思うけどな。ボクなんて、全く違うからこそお似合いだなって思っ
てるし。むしろボクなんかだと、見え過ぎちゃってつまんない事もあるからね】
『……よく分からないけど、そういうものなの?』
【うん。もちろん、ケンカする時もいっぱいあるけどね。でも、子供の時はともかく、今
は何で怒ってるのか理解出来るから、そんなには長続きしないけど】
『フーン。何だかちょっと、羨ましいわね。そういう関係も』
【お? 委員長も孝史とそういう関係になりたいなって思ったりした?】
『バカ言ってんじゃないわよ!! べ、別に別府君とだなんて一言も言ってないじゃな
い!! 一般論としての話よ。あくまでも』
【大丈夫大丈夫。委員長ならきっと孝史と分かり合えると思うよ。ボクが保証するから】
『だから違うって言ってるでしょう!! 律花はもうちょっと人の話を聞きなさいって、
前から言ってるじゃない。何度言わせたら気が済むのよ』
【エヘヘ。まあ、ボクの言った事が本当か間違ってるのかは、委員長が自分の心に聞いて
みるしかないけどね。でも、たまには素直に自分の気持ちと向き合うってのも大切だと思うよ】
『……貴女にそういうお説教されるのって心外だわ。私は、ちゃんと自分の心と向き合っ
てるわよ』
【フーン。そうなんだ。もし、孝史との事でボクの助けが必要なら、遠慮なく言ってよね。
ボクは委員長だったら、応援してあげるから】
『そんなの必要ないわよ。バカ』
『(そう。必要ない……というか、頼りたくないわよ。律花に頼ってたら……弱い自分のま
まだもの。それじゃあ本当に……別府君と釣り合わなくなっちゃう。今日だけで、もう十
分、後押しして貰ってるのに……)』
【あ、あともう一つ、委員長に関して重大な事実を握ってるんだけど、これも聞いていいかな?】
『へっ……!? ま、まだあるの?』
【えっへへー。こっちは今日、たまたま見つけたネタだったけどね】
340 :
6/6:2012/07/16(月) 05:04:14.47 0
『ネタ扱いしないでよ!! で、もしかしてまた別府君に関係ある事なの? だとしたら
私はもう答えないわよ。答えたところで、同じなんだから』
【さあ、どうかな? それは委員長の答え次第だと思うけど……】
『いいから早く言いなさい。このまま律花の胸にしまわれたままだなんて、却って気になるから』
【じゃあ聞くけど…… 委員長さ。みんなと集まる前に、先にお願い事を短冊に書いて吊
るしてたでしょ? それにさ。彼ともう少し、会う機会が増えますようにって、そう書い
てあったんだけど、彼って誰の事?】
『――っ!! 何で人のお願い事覗き見するのよ!! プライバシーの侵害よ!! 犯罪だわ!!』
【公共の物にお願い書いておいて、犯罪ってのは酷いと思う。で、誰の事? もしかして、
孝史だったりする?】
『な……な……ないわよっ!! そんな訳無いわ!! 絶対違うわよ!!』
【そのムキになる所がますます怪しいなあ。委員長ってば、本当に違うなら、何バカな事
想像してるのよ。律花の頭の中、ウジでも湧いてるんじゃないとか、そういうキツイ毒舌
かましそうだもん。それがここまで焦ってるって事は……】
『ニヤニヤするんじゃないわよ!! もう……私のお願い事なんだから、誰の事だろうが
構わないでしょ? これ以上詮索は止してよね』
【りょーかい。まあこれも、委員長が自分の心と向き合うしかないしね】
『(……ホント、参るわよ……ここまで私の心の中をむき出しにされるなんて……ずっと怖
くて、目を背けてたのに……)』
後編に続く
ひょおおお
そして後編投下
ほの板で5レス以上は連投規制掛かるから繋ぎ変えめんどい
343 :
1/3:2012/07/16(月) 13:32:43.67 0
お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(後編)
【っと。委員長の麗しのナイト君がやってきたみたいだね】
『はい? ちょっと、何言ってんのよ律花。ナイトって……』
「あ、いたいた。律花、何やってんだよお前。一人でこんな所で……って委員長も一緒かよ」
【へへへー。委員長とね。二人でちょっと女の子同士でお話してたんだ。男子禁制だよ】
「ふーん。お前と委員長なんて珍しいよな。ま、いいけど。それより、みんなで記念に写
真撮るから呼びに来たんだよ」
『あ、こっちにも電話入って来たわ。もしもし? 智恵ちゃん。うん。今、律花と一緒に
いたから……』
【ホントに。うん、すぐ行く。けど、よくボクがここにいるって分かったね】
「お前、普段やかましい割りに、時々一人で静かになれる場所に行くからな。屋台は結構
回ったし、だからこの辺かなって」
『うん、別府君から聞いた。私もすぐ行くから。じゃあ……』
【エヘヘ。さすが孝史だね。何でもボクの事分かっちゃうなんて】
「……まあ、お前の行動パターンなんてそう複雑じゃないからな。ずっと一緒にいりゃあ、
大体は分かるし、お互い様だろ?」
【まあね。でも、やっぱり嬉しいよね。孝史にはボクの事分かって貰えてるんだなあって思えて】
「いや。意味わかんねーし。そんな嬉しいかなあ? むしろうっとうしくね?」
【そういう時もあるけど。でも基本的には嬉しいよ。孝史はそうじゃないの?】
『(やっぱり……入って行けないな……二人の中には私は……場違い過ぎるわよ……)』
「いや、どうなんだろうね。当たり前過ぎて意識してないだけかも」
【かもね。ま、とりあえずボクは先に行くよ。孝史は委員長エスコートして、後から来て
よ。少しゆっくりでもいいからさ】
『ちょ、ちょっと何言ってんのよ律花!! 私は別府君とだなんて……』
【いーからいーから。孝史。ちゃんと男らしく委員長の面倒見るんだよ。じゃ、また後で
ねー!! あイタッ!!】
ズザッ!!
「おいおい。こけてんじゃんかよ。大丈夫か?」
【むう…… だ、大丈夫。へーきだから。んじゃねー】
344 :
2/3:2012/07/16(月) 13:33:14.86 0
「……全くアイツは……どうせよと言うんじゃ……」
『さあね。よく分からないけど、私をエスコートすればいいんじゃないの? みんなの所まで』
「そっか…… じゃあ委員長。お手を拝借願えますかね。立ち上がるの、手伝うよ」
『結構よ。立ち上がるのに貴方の手なんて借りる必要も――きゃっ!!』
ズルッ!!
「おいおい。大丈夫かよ?」
『平気よ。まだ立ち上がる前だったから。結構足元、滑りやすいのね……』
「湿ってんのかな? やっぱり……手、貸そうか?」
『……………………』
「委員長?」
『……そ、そうね。こんな所で意地張って転んで、浴衣汚したくないし』
【そうだな。つか、律花の奴、浴衣は大丈夫だったのかな?】
『さあ? 本人が大丈夫だって言ってたんだし、大丈夫なんでしょ。それより手、貸して
くれるんじゃないの?』
「あ、ああ。はい」
ギュッ……
『(別府君の手……初めて握って貰えた……何かドキドキするわ……)』
「じゃ、引くよ。いい?」
『ええ。勢い余って、貴方まで転ぶなんてしないでよね。笑い話にもならないから』
「気を付けるよ。よっと」
『ん……っと。フゥ……』
「よし。一応、土手を上がるまで、手……握ってようか?」
『……何、言ってるのよ?』
「ああ、ゴメン。やっぱりもう必要なかったか?」
『ち、違うわよ。それこそ、何言ってるの、だわ』
「はい? 何言ってるのって……どういう事?」
『……律花から、私をエスコートするよう頼まれたんでしょ? だったら、ちゃんとみん
なの所までは、握っていてくれないと……いけないんじゃないの? でないと、怒られるわよ』
「い、いやでもその……委員長は、いいの?」
345 :
3/3:2012/07/16(月) 13:33:48.10 0
『人込み苦手だし、下手にはぐれたりするよりはマシよ。ちょっとの間だけなんだし、我
慢するわ。着いたら、すぐ外すけどね』
「そうか。じゃあ、しっかりエスコートさせて貰うとしますか。男の見せ場としてもな」
『別府君に男の見せ場なんてあると思えないけど、まあ今は貴方しかいないんだから、頼
りにしてるわよ』
「了解。しっかり務めさせていただきますよ」
『(……素直になれないのは変えられそうもないけど……律花のおかげで、少しは勇気が出
せそうだわ。ありがとう……)』
おしまいです
長々と失礼
GJ!!!
浴衣はいいなぁ
同窓会の後はその浴衣を…
委員長かわゆいのう……GJ!!
浴衣って本当に良いものですね
349 :
ほんわか名無しさん:2012/07/16(月) 21:18:48.72 0
おとしてしもうた
あーテステス
これだからツンデレは
人が多いところじゃ恥ずかしくてつい落としちゃうんだよな
しょうがないな、まったく
なでなでなでなでなでなで
お題
つ・連休明け朝のツンデレとの挨拶
356 :
ほんわか名無しさん:2012/07/17(火) 08:58:59.96 0
おはようお嬢
和服の似合う黒髪お嬢もいいと思うの
358 :
ほんわか名無しさん:2012/07/17(火) 14:09:18.70 0
金髪のまま浴衣姿でももちろんいいと思うの
>>354 なんと良き百合ツンであろうか・・・・ブラボー
あ、あとお嬢は今日から俺が一生護衛について守るからな おまいらにはやらんからな
容姿的にはどこから見ても100%女の子でどこにもボーイッシュな要素がないのにボクッ娘というのもいいと思う
>>361 今度一緒に飲みましょう
わかってらっしゃる!
友ちゃん、ボクのほっぺいじるのやめて
僕っ子はより男の子っぽくてサバサバした感じ
ボクっ子は結構乙女で見た目とかかなり気を使ってる感じ
ぼくっ子はちょっと幼くて甘えたがりで寂しがりな感じ
お題
つ・男が振る話題に乗り気じゃないそぶりを見せていたはずなのに、いつの間にか夢中になってるツンデレ
お題
つ・ツンデレが履き慣れない靴を履いて歩いていたら
慣れていない靴で出歩く
↓
靴擦れになる
↓
公園のベンチとかでツンデレの素足にサビオをはってあげる
↓
おんぶなりお姫様抱っこなりで送る
368 :
4/1:2012/07/18(水) 23:09:20.45 0
>>325 ・ツンデレと一週間だけ恋人同士になれる契約を勝ち取ったら(延長オプション付き)
【第一回! 神野リナの恋人ポジション争奪戦! 心のセンターは誰だ!? 万を辞して開幕だぁあああ!!】
ワーワー! コノボッタクリー ワーワー!
【司会は勿論私……皆のアイドル、巴ちゃんがさせて頂きます! きゃぴっ☆】
ワーワー! ハラグロー ワーワー!
【……腹黒って言った奴……後で体育館裏な? ――おっと失礼。早速ですがルールを説明させて頂きます!
ただの……トーナメント式じゃんけん大会です!】
ワーワー! モウスコシコレヨ ワーワー!
【そして、たった一人の勝者だけが……リナちゃんとの恋人契約書が手に入るのです!】
ワーワー! イヨッマッテマシター ワーワー!
【ただし! この契約書には注意事項が一つあります……有効期限が一週間しか無いのです! ですが我々は――】
ワーワー! ナンダトコノペテンシ! カネカエセー! ワーワー!
【……ちっ……黙れよ、このゴミクズ共……私がありがたい御言葉を発してる途中だろうが……】
…シズカニシテマスー
369 :
4/2:2012/07/18(水) 23:10:13.99 0
【いえーい! ですが我々は、このままでは参加者に申し訳が立たないと思い、
契約書にこっそりとある項目を付け加えたのです……それが延長オプション!
一週間経過しても希望さえすれば、契約期間は延長されるのです!】
ワーワー! モウキゲンナンテ! カンケイナイジャナイカ! ワーワー! サスガアクドイ!
【せんきゅー。では最後にリナちゃんから皆に激励の一言を、どぞ】
『――んなっ! 何故、私がそのような事を!?』
【……これも作戦の為です】ボソボソ
『……み、皆さん……今日は頑張って下さいませ』ニコッ
ウオオオー! カンノサマー! イマアナタノオソバニー!
【それでは! 第一回戦を開始します! トーナメント表に書かれた対戦相手と向かい合って下さい!】
『……巴さん、全て終わったら起こして下さい』
【あれぇ? リナちゃんに恋い焦がれる男達の戦いは、見なくて良いんですか? さすが女王と呼ばれるだけはありますねぇ】
『……好きでそう呼ばれてる訳ではありませんわ』
――間。
【――ついに決着ぅううう! 幸運の女神は彼に味方したぁあああ! ささ、こちらへどうぞ。リナちゃん、起きて下さいー】
『……んー……はふぅ……終わりましたの?』
ワーワー! ノビトトモニユガムオッパイ! アノヤロウガウラヤマシー!
『……で、どなたですの?』
【はいー、この人ですー!】
「……えーっと、神野さん……どうも」
370 :
4/3:2012/07/18(水) 23:11:08.59 0
『………………なっ! なっなっなっ、何であなたが参加していますの!?
だっ、だってこの戦いは…………わ、私と恋人同士になる権利を……賭けているのですわよ?』
「うん、知ってる」
『……そ、それでは、あなたは私の事を――』
「うん、神野さんが思ってる通り…………心配してた」
『……わ、私も…………はい?』
「前に神野さんは、取り巻きの人達とは付き合う気はないって言ってたよね?
これの企画者が例の巴さんだって聞いて、僕はきっと何か弱味を握られてるんじゃないかなって思ったんだ。
だから僕は優勝して、契約書が使われないようにしようと……」
『……つまりあなたは……私と恋人になりたくて参加した訳じゃないと申しますのね?』
「ええぇ!? ……う、うん……友達として心配で――」
『全く、余計な事をしてくれましたわ』
「……え?」
『巴さん、説明して下さいます?』
【あいよー。そもそもこの企画はリナちゃんの意向に沿ったものなんですよ】
「……どういう事ですか?」
【先日、取り巻きの方々を何とかして欲しいと依頼されましてね。私は付き纏われる原因を色々調べたんですよ。
で、リナちゃんがここまで人気な理由の第一位は、誰とも付き合った事がないって所なんです。
高嶺の花の方がやっぱり燃えるんですねぇ。そこで私は一度誰かと付き合う事を提案したんです】
「……それでこれを?」
【ええ、そうです。優勝者には一週間を無難に付き合って貰う予定でした。
勿論、その間にリナちゃんに触れようとしたならば、私の部隊が粛清を加えます】
「で、でも延長オプションがあるじゃないですか、それを使われたら――」
【あれはちょっとした仕掛けがあるんですよ、上手く機能なんてしませんよ】
「……それじゃあ……余りにも優勝者が可哀想じゃないですか……」
【何を言ってるんです? この企画で多額に集まった、参加費の一部が貰えるんですよ? どこが可哀想なんです?】
「うわぁ……神野さん、この人……」
『皆まで言わなくて良いですわよ、周知の事実ですわ』
371 :
4/4:2012/07/18(水) 23:12:09.71 0
【ですが、このままでは不味いですねぇ。計画を完遂しないと、取り巻きが居るせいで、
リナちゃんと距離を取っている例の彼の件が解決出来ま――】
『も、もう良いですわ、巴さん! 私に一つ考えがあります……責任を取って貰えば良いのですわ』
「……えーっと……これは……僕に言ってる?」
『あなた以外に誰が居るって言うのかしら? あなたは責任を取って…………契約を行使しなさい』
【ふんふん、なるほど。それなら計画通りに事が進みますねぇ】
「ま、待ってよ、神野さん! そ、それって僕達が恋人同士になるって事だよ!?」
『…………嫌なら断っても結構ですわよ。その場合は、あなたは辞退した事にして準優勝の方と……付き合うだけですわ』
「……神野さん……」
ワーワー! イツマデサンニンデ! ナイショバナシシテンダー! ワーワー!
「……それは……僕は…………や、やっぱり! …………契約書を使わせて貰っても……良いかな?」
『……あなたから良い返事が聞けて、嬉しいですわ。これからよろしくお願いしますわね……私の初めての彼氏さん』ニコッ
「あっ……う、うん……よろしく」
【今ぁあああ、ここにぃいいい! 一組のカップルが誕生しました! 盛大な拍手を!!
……拍手しろって言ってんだろ? ぶーたれてないで、さっさと拍手しろよ、潰すぞ?】
パチパチパチ! コワイヨー パチパチパチ!
――、一ヵ月後。
【……はぁ……最近は面白そうなネタが無いですねぇ】
アイツマダツキアッテンダッテヨー! ケイヤクショガアルカラッテ フテブテシイヤツダゼー!
【……あの契約書の延長オプションは――神野リナが希望さえすれば――そんな内容だったはずですけどねぇ】
GJ!!
おい次はもちろんかなみで同じことやるんだよな!? な!?
これは実に良いなGJだな
GJ!!
じゃあわたくしは巴さんを頂いていきますね
お題
つ・ツンデレにもう付き合いきれないよって言ったら
ツンデレの部屋に予告なしでいきなり侵入したらどうなるの?
ツンデレが着替え中なのはお約束過ぎるかw
アルバムにある幼少の頃の男の写真を見てハァハァしてるみこちんとか
むしろ幼少ではないとか
お題
つ・ツンデレに週末雨だってよっていったら
大胆なお嬢ハスハス
豹柄wwww
ふぅ
ツンデレさんからお手紙(ラブレター)着いた
タカシさんたら読まずに食べた
Q.タカシさんは何を食べたでしょうか
A.ツンデレさんのパンツ
パンツ食べるだけで済ますなんて紳士だな
書きかけの妄想がちょっと長くなりそうなので、賑やかしに投下出来る分だけ
4レス貰います
私と彩花は双子の姉妹だ。私が姉で彩花が妹。だけどそんな事はどうでも良くって、私
たちはいつも一緒で、姉妹であるのと同時に一番の親友として過ごして来た。性格だけ
は正反対で、ガサツで行動的な私に対して彩花は真面目でおしとやかだったけど、他は
何でも気が合った。食べるものも、好きな音楽やテレビ番組も、本も得意な教科まで。
そして、そんな私たちだったから、当然好きな男の子も、一緒になるのは当然だった
のだ。
「ねえ、香菜美。これ、着けた方が可愛いかな?」
ベッドに寝転がってファッション誌を眺める私の横で、姿見を前に彩花が一生懸命衣
装合わせをしている。
「それ、こないだ買ったシュシュ? 可愛いとは思うけどね」
顔を上げて感想を言うと、彩花は何かが引っ掛ったのか、首を傾げた。
「思うけど、って……何かあるの?」
「あ、ううん」
自分としても何となく言った言葉だったので、小さく首を振る。
「ただ、たかがタカシと映画見に行くのに、そこまでオシャレする必要あるかなーって」
すると、思いもかけず彩花は、真剣な顔で私の方を向いた。
「たかがって、男の子と映画見に行くってのは、デートじゃない。だったら、ちゃんと
オシャレして可愛らしさアピールしないと」
「デ……デートぉ?」
思いがけない彩花の一言に、私は思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。しかし、彩花
は大真面目に頷いた。
「だって、私たちもう高校生なのよ。今までは、近所の幼馴染ってだけで良かったけど、
そろそろ真剣にならないと。タッくんカッコイイし、他の女子に告白されちゃったらど
うするのよ」
「いや、年とか関係ないし。大体アイツなら焦る事ないって。他の女子に告白されるな
んて有り得ないし」
彩花の取り越し苦労とばかりに冗談めかして首を振るも、彩花は乗って来なかった。
「またそうやって現実から目を逸らそうとする。私たちが好きになった男の子なのよ?
他の子が目をつけないと思う?」
「たちって言うな。たちって」
否定したって彩花の前では無駄なのを分かっていても、ついつい私はそう言ってしま
う。すると彩花は、いつものようにムッとした顔で私を睨み付けた。
「また香菜美ってばそうやって自分にウソをつくんだから。私の前でごまかしたって意
味ないの、分かってるはずでしょ?」
「そんな事言ったって……」
言い返そうとしたが、彩花の全てを見通したような視線の前に、私は沈黙するしかな
かった。そもそも私は彩花がタカシを好きなのを知っていたから、自分の想いは内緒に
しておこうと思っていたのだ。なのに、彩花がある日、突然こんな事を言ってきたのだ。
――香菜美、タッくんの事好きでしょ? だって、私がタッくんの事好きなんだから、
当然香菜美もそうだと思って。
もちろん私はごまかして乗り切ろうと思ったけど、双子である彩花に通用するはずも
なく、その日から私たちの関係に、恋のライバルというのが追加されたのだった。
「そうやって、ツンケンしてると、私がタッくんの事、独り占めしちゃうよ?」
本気なのか冗談なのか、彩花がそう言って軽く笑う。ただ、それが私を焦らせようと
思って言っている事は間違いないので、私は口を尖らせて不満を露にした。
「い、いーわよ別にその……彩花だったら仕方ないし、タカシだってきっと彩花の方が
好きに決まってるもん」
するとおもむろに彩花が私に向き直り、手を私の額に伸ばすと、指でバチンと弾いた。
「いった!! 何すんのよ彩花!!」
「だって香菜美ってば、そうやってすぐ強がるんだもん。私が独り占めしたら、本当は
寂しいくせに」
抗議しようと思ったが、止めた。彩花の言ってる事は本当だったし、年中一緒にいて
誰よりもお互いを良く知っている彩花相手にごまかし続けたって無駄なのだから。仕方
なく、私は恥ずかしさを押し殺そうとベッドの上のぬいぐるみを取って抱きかかえた。
「……だって、彩花ならしょうがないもん。私より可愛いし、優しいし、性格いいし、
おしとやかでむやみに怒ったり、人を小馬鹿にしたりしないもん……」
「でも、香菜美みたいに場を明るくしたり出来ないし、おしゃべり上手じゃないし、活
発でも行動的でもないわ。私一人だったらきっと、内気で友達も出来ない暗い子だった
と思う」
自分の欠点を並べ立てる彩花の顔を見上げると、彩花は笑って頷いた。
「私たちってちょうど、長所も短所も半分に分かれて出てきたみたいね。多分、二人合
わされば、完全無欠のスーパーレディになれたかも知れないのに」
「冗談。彩花と一つで出て来るなんて絶対ヤダし。かと言って、片方が残りかすみたい
なダメ人間になるってのも嫌じゃない?」
本当は何よりも、今の彩花がいなくなるのが嫌だから、だなんてのはさすがにちょっ
と気恥ずかしくて口には出せなかった。それなのに、彩花の方は笑顔で頷くと、いきな
り私に抱き付いて来て言うのだ。
「うん。私もヤダ。だって、一人で完璧な人間より、香菜美と一緒にいる方が絶対楽し
いもの。だから、今のままの方がいいわ」
「うっとうしい。離れなさいよね」
彩花の体に手を添えてグイッと力強く押す。すると、すぐ間近で彩花が不満そうに私
を睨んだ。
「最近、香菜美冷たくなった。全然スキンシップさせてくれないし」
「もういい加減女の子同士でベタベタする年頃でもないでしょ。そういうのはタ……好
きな男にでもやって貰えばいいじゃない」
何故か名前を口に出すのがためらわれ、私は若干ぼかした言い方をした。無論、彩花
がそれを聞き逃すはずもない。
「なるほど。香菜美も抱き締められるなら私じゃなくてタッくんがいいと、そういうわ
けね?」
「誰もそんな事は言ってない!!」
ムキになって主張するが、内心ではタカシに抱き締められたいと思っている私がいる
事を認めざるを得なかった。ついでに、彩花がタカシとだけいちゃいちゃするようにな
ったら、それを寂しいと思う私がいる事にも。
「口には出さなくても、そう思ってますって顔に出てるもん。でも、タッくんを香菜美
の独り占めにだけは絶対させないからね?」
さっきまでの甘えた態度から一変して、彩花はライバルの顔になって私から離れた。
「誰がするか。そんなもん」
ツン、と口を尖らせてそっぽを向く。その私の顔の向く方に体を移して、彩花が不満
を漏らす。
「まーたそんなウソついて。そんなに意地張ってるなら、本当に私が独り占めしちゃう
よ?」
「すればいいじゃない。私に邪魔する権利なんてないもの。彩花の好きなように告白で
もなんでもすればいいのよ」
売り言葉に買い言葉で、私はついついケンカを売るように言ってしまった。すると、
彩花が不意に真面目な顔になる。そのまま私を見つめて黙っていたので、私の方が不審
に思って聞いてしまう。
「ど……どうしたのよ? 真剣そうに考えちゃって」
すると彩花は視線を落とし、小さく考え深げに呟いた。
「……だったら、しちゃおうかな。告白……」
まだまだ続く
連投制限もあるので、ちまちまと投下して行こうかと
うひょーどっちもかわいいぞー!
続きwktk
GJ!!
あとタカシもげろ
394 :
ほんわか名無しさん:2012/07/22(日) 03:50:12.88 0
いやっほおおおおおう!
深夜にテンション上がってきたどうしてくれる
お題
つ・時間をズルズルと先延ばしにしてしまうツンデレ
男と居る時間は少しでも長くしたいよねと
>>395 『まったく・・・貴様のせいで終電逃してしまったじゃないか』
「えー・・・俺はちゃんと忠告したんだが。それを無視してたのはみことだろ?」
『ふん。まぁ、逃してしまったものは仕方あるまい。・・・ああ、どうやって帰ろうか・・・』
こちらをチラチラ見ながら悩む素振りを見せるみこと。はいはい、わかってますよ。
「んじゃ、泊まってくか?」
『・・・変態。そうやって私を襲うつもりだろう。まぁ、そうなったら殺すからいいか。ではお言葉に甘えよう。偶然にも、持ち合わせがあるからな』
「・・・」
一回帰ってやたら大きい荷物を持って来た割には、中身を一度も出さないと思ったら、そういうことかよ。つまり、はなっから泊まる気でウチに来たと。
『な、何か?』
ここで細かく追求すると簡単にボロを出せるのはわかっているが、それをすると意地になってへそを曲げてしまうのもわかっている。そもそもみことが泊まる事は歓迎こそすれ、拒否するようなことではない。だから俺は、いつものように答えた。
「いや、べつに。偶然なら仕方ないな」
『そ、そう。偶然なんだ。だから仕方ない』
でも、ちょっとだけ意地悪してやろうか。
「しかし残念だな。せっかく泊まるのに、えっちとかできないなんて。さすがの俺も、殺されるのは嫌だからなぁ」
『え!?い、いや、それはっ・・・その、こ、言葉のアヤというか、べ、べつに、す、するならしても、いい、というか・・・』
・・・あれ、今日はやけに早かったな。だんだん抵抗がなくなってきてるのか?だとしたらいいことだ。
よし、調子に乗ってやれ。
「ごめん、聞こえなかった。もう一回言って?」
『〜〜〜っ!!だ、だからっ!そ、その・・・うう・・・い、言えるかばかっ!!』
殴られた。耳まで真っ赤にして、ほんと可愛いなぁ、みことは。本人に言うと余計あわあわし出すので言わないけど。
『か、かわっ!?あうう・・・な、何が可愛いだ、ば、ばか・・・』
ありゃ、声に出ちまってたか。結果オーライっぽいが。
そのまま勢いでみことの肩をつかみ、少し強引に引き寄せ、耳元で囁く。
「んじゃとりあえず、一緒に風呂入ろっか」
『なっ!?・・・・・・うん』
どうやら今日のみことは、いつもよりデレ寄りらしかった。
真夏なのに暑いね
GJ!!
オチター
VIPのほうは最近伸びねぇなぁ
ところで寝れなくて悶々としてたらきょぬー老成ツンデレという電波を受信したんだが
>>396 GJ!!
みことさん落ちやすいなあwwww
>>401 まあ、あの時間帯だと、VIPに常駐してた頃でも即落ち3回くらいやってそれで伸びるかどうかだから
週末にスレ立て考慮してあらかじめネタ準備しとくとかして、もう少し早い時間に立てとかないと厳しいだろ
あと、三日振りの暑さでツンデレがタンクトップ一枚でだらし無く寝そべってるんだが
>>404 うっひょぉぉぉぉぉいただきまァァァァァすッッッ!!!
GJぅ!
「え……?」
私は、驚いて彩花を見つめた。僅かに頬を染め、下を見つめたまま考え込むようなそ
の表情に、冗談めかしたようなところは一切見当たらない。すると彩花は、顔を上げて
私を見つめた。
「だって、好きにすればいいじゃないって言われたら、好きにするしかないもの。他の
誰かに取られる前に、タッくんをちゃんと押さえとくためにも、せめて私の気持ちだけ
でもハッキリさせておいた方がいいかなって……」
何となく、ぐわんと何か硬いもので、思いっきり頭を殴られたような衝撃を受けた。
私はその、告白とかそういうので白黒決着を着けるのは、もっと大人になってからでも
いいと思っていた。今はまだ、彩花と三人で、ふざけ合ったりケンカしたり、そういう
ぬるま湯の関係を過ごしていたいと思っていたのに、彩花は違ったようだ。
「ほら。ショック受けてる」
まるでおかしがるような彩花の言葉に、私は怒鳴り返した。
「誰もショックなんて受けてない!! そりゃその……まさか乗ってくるとは思わなかっ
たから、ちょっとは驚いたけど……」
「本当に? 私にタッくんを取られちゃっても、それでもいいの?」
私の言い訳を信用せず、彩花はさらに追及してくる。それに対して答えるのを、私は
しばし躊躇った。ごまかしが効かない彩花に強がっても意味はない。通用しない以上、
根掘り葉掘り聞かれて真実が暴かれるなら、自分の口から告白してしまえと思った。か
なり照れ臭かったけど、そこはグッと我慢だ。
「…………嫌だけど、彩花なら仕方ないかなって。素材同じの、性格の良い私みたいな
もんだから…… 彩花だったら、取られても文句言わないよ」
これは正直な気持ちだった。それに、彩花ならタカシと付き合い始めても、絶対私を
おろそかにしたりしない。私の気持ちを汲んで、キチンと向き合ってくれるはずだ。何
故なら、私がタカシと付き合っても、彩花の事を絶対に省いたりしないから。
「私も、そうだよ」
彩花が、私に同意して頷く。
「私も、香菜美にタッくんを取られるなら仕方ないかなって。タッくんがそれを選ぶな
ら、香菜美だったら、私は引く事が出来る。けど、やっぱり一番がいいけどね。香菜美
だってそうでしょ?」
同意を求められて、私は答えを躊躇った。そりゃ、一番がいいに決まってるけど、そ
れを口に出来るほど、私は性格が素直じゃない。
「……タカシが、私の方が良いって言うなら、仕方ないじゃない。付き合うわよ。けど
……彩花みたいに、ごり押ししてまでじゃない」
「ごり押しって、言うに事欠いて失礼な」
彩花がプッと頬を膨らませる。とはいえ、本気で怒っているようではなく、すぐに表
情を戻した。
「だって、タッくんの気持ちは大切にしたいもの。だから、私が好きだって気持ちは伝
えたい。けれど、とりあえずは、知ってもらえればいいかなって」
「ふーん……そなんだ……」
今日結論が出る訳じゃない。そう知っても、あまり心は慰められなかった。
「どう? 私が告白しちゃっても構わない?」
わざとらしく、彩花は私に念押しする。まるでそうする事で私が動揺するのを楽しん
でいるように。だから私は悔しくて、また強がってしまった。
「だ、だから好きにすればいいって言ってるじゃない。何でそう、何度も同じこと聞く
のよ? イヤミなの? ちょっと性格悪いわよ」
すると、彩花は少し困った顔で肩をすくめた。
「それがね。偉そうな事言っておきながら、いざとなると勇気出る自信、なくてさ。何
か良い方法、ないかなって。かなみならどうする?」
「何でそんなことあたしに聞くのよ。一応言っとくけど、好きにしなさいとは言ったけ
ど、積極的に後押しする気もないんだからね」
冷たく言い放つと、彩花は初めて不満そうに私を見つめた。
「もう!! 妹の一大決心なんだよ? お姉ちゃんとしてもう少し親身になってもよくない?」
「もう自分のことは自分で決められる年でしょ? 都合のいい時だけお姉ちゃん扱いするな」
いつもは双子として、何でも平等が基本の私たちなのに、困った時だけお姉ちゃんと
言って頼ってくるのは彩花の悪い癖だと思う。
「香菜美だって、困った時は私に相談してくるじゃない。ね、お願い。何かいい方法、
ないかな?」
本気で頼まれても、私としては出来れば告白なんてして欲しくない訳で、それで一緒
になって考えてくれと言われても無理がある。しかし、同時に彩花が真剣に悩んでいる
のに何も手を差し伸べないというのも、悪い気がする。その時、ふと思いついたことを
私は口に出した。
「それじゃあ、何か条件付けしてみるっていうのはどう? 例えば、タカシがお昼にラー
メン食べたら必ず告白するとか」
「何よ、それ。ロマンチックの欠片もないじゃない」
彩花は面白がるように笑って口元を押さえた。しかし、すぐに考え深げな顔になる。
「けど、条件付けか……うん。そのこと自体は悪くないアイデアかも」
例えは悪かったけど、提案自体には興味を持ってくれたことで、私はちょっと得意げになる。
「でしょ? どうよ。ほんの何十分かだけど、先に生まれてきただけの知恵はあるでしょ?」
「うん。あるある」
全く自慢にもならない自慢をしたのに、彩花は嬉しそうに同意してくれた。こういう
性格が、すっごく可愛いと双子ながらに思ってしまうわけで、私なら絶対文句をつけて
しまうところだ。
「それでさ。しなかったら、何かペナルティ付けとけば? そうすれば、タカシの行動
が後押しになってくれると思うし」
「でも、それってもし、タッくんが決めた行動を取らなかったら、私は告白出来ない事
になるんじゃない?」
首を傾げる彩花に、私は突き放すように答えた。
「したいならしたいでいいじゃん。今は、勇気が出なかった時のためにって話なんだか
ら、そもそも出来るなら条件付けする必要もないわよ」
「それもそうよね。うーん……」
あごに手をやり、難しい表情で考え込む。出来れば、タカシがしなさそうな難しい条
件の方がいいかな、なんて無責任に期待を掛ける自分が中にいる事に気付き、私は顔を
しかめた。そんなに不安だったら、彩花にも好きにしろだなんて言わなきゃいいのに、
本当にこういうところは、自分で自分にうんざりする。
「決めたわ」
彩花が顔を上げる。私はつい、勢い込んで聞いてしまった。
「何なに? どうするの?」
すると彩花は、ニッコリと微笑んで、私に頷いた。
「うん。タッくんがね。この髪飾りを褒めてくれたら、私、その時に告白することにするわ」
こんな感じでボチボチと続いて行きます
序章は多分次回まで
>>410 GJ!!
この双子はもういっそのこと二人まとめてタカシの嫁にいけばいいと思うの
とりあえず服脱いで続き待機
全裸待機が心地よい季節になって参りました
お題
つ・ツンデレに最近太り気味だから健康にいい食事ってなんだろうなって聞いたら
敬語妹に行ってきますって言ったら
兄さんなんてボロ雑巾のようになるまで働いて死ねばいいんですって言われた(´・ω・`)
そんな敬語妹に疲れきった顔でただいまって言ったら一緒にお風呂入るイベントが発生するよ
416 :
ほんわか名無しさん:2012/07/25(水) 13:54:24.44 O
・ツンデレが「おざなり」と間違えて「おなざり」と言っていたら
お題
つ・ささいな事なのに何故か嫌がるツンデレ
日傘を差し始めたツンデレ
部活に一生懸命なツンデレ
蚊に刺されたツンデレ
夏本番です
419 :
ほんわか名無しさん:2012/07/27(金) 00:55:10.26 I
ここだと保守が無くても有るから助かる
420 :
ほんわか名無しさん:2012/07/27(金) 06:19:52.22 0
しかし過疎を加速させる諸刃の剣。
あれ?諸刃の剣ってツンデレ?
別にVIPのように書き込みなくてもいいけど、30/daysの書き込みは欲しいなあ
とはいえ、いくらIDが出なくとも、自分の書き込みばかりで埋め尽くすのはちょっと……
カンペわろたwwww
ちょwwww
ツンデレとデートしたい
私はあなた何かと出掛けたくないけど、暇だから付き合ってあげてるのよって言われながら、一日中引っ張り回されたい
別れ際にギュッて手を握られてから、真っ赤になったツンデレが何でもないわよって言うのをニヤニヤしながら見つめたい
またどっか出掛けようなって言ったらツンデレに次なんてあるわけないでしょうって、毎回同じやり取りを繰り返したい
426 :
ほんわか名無しさん:2012/07/28(土) 22:41:12.30 O
・暑い暑い言ってるツンデレに抱きついたら
さっき着けるかどうかで悩んでいたシュシュを手に取って、私に見せる。私はそれを、
つい怪訝そうに見つめてしまう。
「これを褒めてくれたら?」
「そう。彩ちゃん、いつもと雰囲気違っていいよね。可愛いよって、そう褒めてくれた
ら私、告白出来る勇気を貰える気がするから。だからそうするわ」
さもいい思い付きだとばかりに、彩花は手を合わせる。しかし私は、彩花とシュシュ
を交互に見やって首をひねる。
「……タカシが褒めるかなあ? 言っとくけど、アイツって結構鈍感よ。美容院行って
髪型変えたって、新しい服着て行ったって、全然褒めてくれたことないし」
「それは香菜美が、タカシの為に髪型変えた訳じゃない〜とか、怒鳴るからでしょ?」
図星を突かれ、私は小さく呻いた。
「だ、だってそれは本当の事だし…… オシャレするのは別にタカシに見せるのが目的っ
てだけじゃないんだから……」
とはいえ、それが目的の最上位に来ているというのは、多分彩花にはバレているのだ
ろう。しかし彩花はそれに突っ込みを入れることはしなかった。ただ、したり顔で頷く
と、厳しい顔つきで私を見つめ、人差し指を振って忠告して来た。
「だから、褒められるのを自分から拒絶してたら、タッくんだって言いにくいに決まっ
てるでしょ? むしろ自分からアピールしなきゃね。それもさりげなく」
「さりげなく……ねえ?」
胡乱気に繰り返す私に、彩花は頷く。
「そうよ。褒めて貰いたかったら、女の子の側からちゃんとアピールしなくちゃ。相手
のせいにばかりしてたら、何の進展もしないんだから」
強い口調でそう主張すると、彩花は両手でシュシュを持ち、まるで生き物を相手にし
ているかのように言い聞かせる。
「頼むわよ。ここで褒めて貰えるかどうかで、今日からの私の運命が変わるんだから」
そして、鏡の前に立つと、シュシュで器用に長い髪を結ぶ。ちょっとテンション高め
の彩花を、私は落ち着かない気分で眺めていた。タカシは鈍感だが、決して礼儀知らず
ではない。気付きさえすれば、褒めるところはちゃんと褒めてくれるのだ。
――もし、彩花が告白したら……私は、どうすればいいんだろう……
後から私も好きだなんて、告白するのもなんだかみっともないし、そもそもそんな勇
気もない。かといって、二人が付き合い始めるのを指を咥えて見ているだけなんて嫌だ。
しかし同時に、フラれて悲しんでいる彩花を見たくないのも事実だった。
「それでね。もし、タッくんが褒めてくれたのに、私が最後まで告白出来なかったら……」
彩花がペナルティの事に言及した時、私は物思いに耽ったままでいて、全くその声が
耳を素通りしていた。それに気付き、彩花が不満げに声を上げる。
「ちょっと、香菜美。私の話、聞いてるの?」
「へっ……? えっと……まあ、一応……」
私はごまかし笑いを浮かべて頭を掻いたが、彩花はごまかされなかった。
「嘘でしょ。全く……ちゃんと聞いていてよね。私の一世一代の決心なのに」
「ハハハ。ゴメン。聞いてるから、続けて」
自分の不安にかまけていて、彩花の話を聞いてあげないのは確かに申し訳なかったと
思い、私は素直に謝る。彩花だって、不安でないはずがないのだから、姉妹として思い
やるのは当然のはずだった。
「じゃあ、もう一度言うね。もし、タッくんが髪飾りを褒めてくれたのに、私が最後ま
で告白出来なかったら、その時は、香菜美に先に告白の権利を譲るわ」
「私に告白しろって言うの!?」
驚いてつい大きな声で聞き返す。すると、彩花は指を口に当てて、シーッとやった。
「香菜美。声、大きい。お母さんたちに聞こえちゃうよ」
私は思わず口に手を当てて押さえ、それから彩花に近寄ると、睨み付けながら顔を寄
せて小声で文句を言った。
「止めてよね。何でそこで私が告白しなくちゃいけないのよ」
しかし、彩花は首を横に振った。
「違うわよ。権利を譲るだけ。別に今日告白しなくたっていいわ。ううん。告白するも
しないも、香菜美の自由。ただ、香菜美がタッくんと付き合うにしろ付き合わないにし
ろ、優先権を上げるっていうこと。だから、二人の仲がはっきりするまでは私は身を引
くわ」
つまり、私とタカシの仲が決着するまで、彩花はもう告白しないと、そういう事かと
私は理解した。仮にこのままお互いが告白せず、何年過ぎ去ろうとも。
「フーン。随分と覚悟、決めてるじゃない」
ワザとらしく感心したように言うと、彩花は強く頷いた。
「当たり前でしょ? タッくんがくれたチャンスをみすみす棒に振るんだから。それを
するなら、私は臆病者の愚か者だわ」
思いがけず、彩花が強い口調で話す。私は驚くと同時に、ちょっと感心した。彩花は
おとなしいように見えて、芯は強くてしっかりしている。これまでも何度か、そういう
強い気持ちを目の当たりにして来てはいたが、改めて思い知らされた。それと同時に自
分のふがいなさも。
「……じゃ、じゃあ、その……もし、タカシの奴が最後まで髪飾りを褒めなかった……ら?」
内心の不安な気持ちを押し隠しつつ、私は最後の可能性について問い質した。すると
彩花は、ちょっと寂しそうに笑って肩をすくめる。
「その時は、今日はまだその機会じゃないって神様が止めたと思って、今日の告白は諦
めるわ。でも、また次のチャンスを狙うけどね」
「そっか……」
その答えを聞いた時、私はむしろ彩花が、それを狙っているんじゃないかとチラリと
思った。しかし、彩花の顔を――そして、そこに浮かんでいる表情を見た時に、その考
えは甘いと思い知らされたような気がした。何故なら、彩花の顔に浮かぶ表情は、真剣
そのものだったから。
「さて。そろそろ行こうか、香菜美。もう出ないと、タッくん待たせちゃうわよ?」
「ふぇっ!?」
私は驚いて時計を見た。11時半に待ち合わせしてお昼を食べてから映画の予定なのに、
もう20分を切っている。
「ちょっ……待ってよ!! 私、身支度まだ整えてないし!!」
慌ててベッドから立ち上がって洗面所へと向かおうとすると、わざとらしく彩花が首
を傾げてみせた。
「あれ? てっきり、タカシなんかにオシャレする必要ないって言うかと思ったから、
時間指摘しなかったけど、なんだ。香菜美もちゃんとオシャレするんだ」
明らかにからかわれていると分かって、私は思わず歯軋りする。
「べ、別にタカシの為なんかじゃないわよ!! ただ、学校行くのとは違うんだから、
それなりにキチンとしとかないと、私がだらしない子だって思われちゃう。ましてや、
彩花が隣にいるんだもの。余計に目立っちゃうわ」
思いつく限りの言い訳を口に出すと、彩花は楽しそうに笑って頷く。
「はいはい。それじゃあ、早くしてよね。待ってるから」
次からようやく本編へ
つか、お断り無く投下した挙句、容量オーバーでレスも超えてしまって色々gdgdな結果に
前回分は
>>406-409です。申し訳ない
予想以上の妄想スレだったでござる
ツンデレと一緒にオリンピック見たい
ソファに隣りあって座って見たい
観戦に熱中しているツンデレの横顔を覗き込んで怒られたい
メダルを取ったら、その瞬間を一緒に喜びたい
喜びのあまり抱きついちゃったツンデレを抱き返して
我に返ったツンデレに文句言われたい
翌朝寝不足になったツンデレと二人でに二度寝したい
お題
つ・ツンデレがすごくおっきいって言ったら
・ツンデレがヤダ……濡れちゃったじゃない。バカ……って言ったら
ほのぼの板ですよ皆さん
435 :
ほんわか名無しさん:2012/07/30(月) 07:58:46.45 0
お題
つ・予想外の好結果を出したツンデレ
・期待はずれに終わったツンデレ
アーチェリー女子はよく頑張った
北島100は残念
お題
つ・ツンデレとオリンピックを応援しよう
437 :
ほんわか名無しさん:2012/07/30(月) 16:47:02.12 0
友ちゃんの脇汗ぺろぺろ
439 :
代行スレ646-648 1/3:2012/07/30(月) 22:57:30.78 0
部屋にゲテゲテしたのが現れた。
「いきなりすぎる超展開だー!明らかに死ぬ予感しかしねーよ!誰か助けてー」
そんな祈りが天に通じたのかは知らないが
『ラジカルロジカルテレパスアタッーク!』
頭の悪そうな呪文が響くと目の前のゲテゲテした謎生物は霧消していた。
『ふぅ、危なかったね、大丈夫?』
何とけなしに話し掛けてきたのはフリフリフワフワした衣装を着た梓だった。
「何やってんの、お前?」
『…?魔法少女だよ。見れば分かるでしょ』
「魔法少女だと!ということは梓も最終回を見終わった後に雨にも関わらず外を20分くらい散歩したくなるほどの鬱展開になってしまうのか!?」
『えーと、何の話?』
「お前のところに無害そうな四つ足の白い謎生物が現れたんだろ、なんで契約なんかしたんだ」
『よくわかんないけどボクのはバイトだよ、求人情報みて応募したの』
「バイト?アルバイト?」
『うん、魔法少女のバイト。仕事は不定期だけど多いときは日当1万円もでるんだよ』
「いつもさっきみたいな生物と戦ってんのか?」
『ううん、いつもは迷子の道案内とか木から下りられなくなったネコさん助けたりしてるよ』
魔法業界はもっと人材育成に力を入れてほしい。
『あ、タカシ、ロストロギアって知ってる?見つけたら金一封が出るんだって』
「そんな危ない物は管理局の白い悪魔にまかせとけ」
魔法業界もファンタジーという言葉だけでは片付かないレベルで大変らしい
「それより梓、お前受験生だろバイトよりもまず勉強しろよ、合格できないぞ」
『あぅ、で、でも、一日充勉強するより、適度に他のことをした方が勉強にも集中できるかなーって』
「そんなこと言って結局浪人したんだろ、あと19歳で魔法少女とか名乗って恥ずかしくないのか」
『だ、大丈夫だよ、多分。ボクの他にも19歳で魔法少女やってた人いるもん。』
『それよりさタカシこの服どう?可愛い?』
そう言うと梓はその場でクルっと回ってみせた。19歳が最終回で契約して魔法少女になる中学生みたいな服を着ているのはどうかと思うが、
凄く可愛い、しかしそれを素直に口にする程オレもまだ人間ができていない
「んー、あぁ、まぁ、似合ってるんじゃない、かな?」(///)
『そっかぁ!よかった!タカシが喜んでくれて、ボクすっごく嬉しいよ!』
言うやいなや梓はいきなり抱きついてきやがった
「ちょ、待て、待て待て待て、何くっついてる!」(////)
『えー、いーじゃん、タカシは恥ずかしがり家だなぁ』
「うるさい、暑いんだよ、いい加減離れろ」(/////)
力のこもらない抵抗をするしかないオレだった。
ムッハー!ツンデレ魔法少女とか俺得すぎるぜ!
GJ!
日曜日。今日も今日とて愛しの先輩は僕の部屋でゴロンゴロンしている。人のベッドを
完全占拠して、時折寝返りを打ちながら漫画を読んでいた。が、どうにも身が入らないら
しく、時折僕にちょっかいを出して来ては、同じような愚痴を口にする。
『ていっ!!』
「ちょっ…… 止めて下さいってば。唐突に後ろからタオルを顔に被せるのは。窒息した
らどうする気なんですか」
『あたしは別府君が死んでも一向に困らないもん』
被せられたタオルを外して先輩の方に向き直ると、澄ました顔でそう言われた。まさか
冗談だとは思うが、ここまで即答されると、時折先輩の言動は本気なのではないかと疑い
たくなってしまう。
「僕は嫌ですよ。大体、先輩にしたってこの部屋に来られなくなれば、困るんじゃないん
ですか?」
そう聞くと、先輩はわざとらしそうに不快な表情を作って僕を睨みつけた。
『あのね。勘違いしないで欲しいんだけど、あたしは暇で暇でしょうがない時だけ、この
部屋に来てあげてんのよ? お客様なのよ? それが何? ドヤ顔でこの部屋に来られな
くなったら困るでしょうって、偉そうに。あたしは別にこの部屋に来られなくったって、
ぜんっぜん困りやしないんだからね』
それが本心でない事は、ムキになっている点から容易に察せされた。
「そういう割には、ほぼ毎週来てるような気がしますが。いいんですか? 女子大生にも
なってそんな事で」
もう同じような事は何度言ったか分からない。僕らが大学に入学して以来だから、かれ
これ15回は言ったんじゃないだろうか。
『アンタに説教臭く、あたしの生活を云々言われる筋合いはないわよ。大体ねえ。せっか
く女の子が部屋に遊びに来てあげてるのに、何の娯楽も提供出来ず暇させてるって、どん
んだけ甲斐性なしなのよ』
不満気に吐き捨ててベッドにドサリと音を立てて勢いよく先輩は腰掛ける。その先輩の
顔に手をかざし、指折り数えつつ僕は反論した。
「いいですか? お茶にお菓子。場合によっては昼ごはんも提供して、さらには漫画に小
説、ゲームにアニメやドラマや映画のDVDまで揃えて、これだけの恩恵に預かりつつ、何
の娯楽も提供出来てないって、よくそんな事が言えますよね?」
実際、先輩の為に好みに合いそうなドラマをチェックして録画しておいたり、先輩が面
白そうだから買えと言った漫画を揃えたりと、文句を言われない為にはそれなりに努力し
ているつもりだ。まあ、先輩の為の努力は苦痛にならないからいいとして、全く努力して
いないと言われれば、さすがの僕も不満の一つや二つは言いたくなる。しかし先輩は、分
かってないとばかりに首を横に振った。
『今が大事なのよ、今が。漫画も全部読み終わったのばっかで、これも3度目。ゲームは
最近面白いのがないし、DVDも別にこれといってよさげな新作もないし。もー退屈で退屈
で死にそうなんだけど。アンタ自分一人でパソコンで楽しんでないで、何とかしなさいよね』
指差しながら、これみよがしに僕が悪いとばかりに責任転嫁されても困るわけだが。
「何とかしなさいって、どうすればいいんですか? 何かして欲しい事とかあります?」
試しに聞いてみると、先輩は露骨に呆れたため息をついた。
『アンタ、バカ? 分かってたら退屈なんてしないわよ。退屈しのぎを考えるのがアンタ
の仕事だって言ってんのに、分かんない訳?』
「分かってますよ。ただ、一応聞いてみただけです」
正直、ノープランでぶん投げられても困るわけだが、それを先輩に文句言うのは今更過
ぎるので、心の内にしまっておいた。
『あーあ。貴重な日曜日なのに天気は悪いし、する事はないし、別府君は使えないし。もっ
たいないなー』
ぼやきながら、先輩はもう一度僕のベッドに寝転がる。正直、先輩みたいな可愛い子が
自分のベッドに横になってるってシチュエーションは男子一生の憧れなのかも知れないが、
こうやって意識しないとドキッとしないのは、最近僕も、感覚が麻痺してきていると思う。
「じゃあ、映画でも行きます? それとも、モールで買い物とか」
とりあえず、思いつきでいくつか並べてみる。しかし先輩はあっさり首を振った。
『今月もうお金ないもん。それに映画だったらここでまだ見てないDVDもあるじゃない。
モール行ったら、絶対無駄なお金使っちゃうし、そもそも行く先一緒じゃない』
案の定、否定された。とはいえ、会話の中からいいアイデアが浮かぶ事もあるので、僕
はさらに続けてみる。
「じゃあ、ツタヤ行って面白そうなDVDとかゲーム物色するとか。見てると興味湧いて来
るものも出て来るかもしれませんよ?」
しかし、それにも先輩は首を振る。
『だからさ。今ここにあるもの以外で考えてよ。何かあたし達って引きこもり臭くて超情
けなくない?』
僕の枕を抱いて、先輩が不満気に言う。体を曲げて、横向きに寝転がったまま、肩膝を
曲げて抱く。ショートパンツから伸びる真っ白い太ももが強調されて、その格好はちょっ
とエロチックだ。その感情を必死で押し殺し、気分をごまかす為にも、僕はため息をつく。
「雨の日なんだから、運動とか好きな人だって今日は家で休んでますよ」
『そんなの分かってるけどさぁー』
気力の無い、間延びした声で先輩は問い掛けてきた。
『何か、あたしたちって晴れでも雨でも同じ事してる気がしない?』
「それは、先輩がインドア派であまり出たがらないからじゃないですか」
即答すると、先輩は急にガバッと体を起こすと、バンと手でベッドを叩いて僕を睨み付
けて怒った。
『何言ってんのよ。アンタこそ引きこもりのオタクみたいな事しかしてないじゃない。パ
ソコンとかアニメとかゲームとか。人の事言えないくせにあたしのせいにしないでよね』
「先輩が、外でテニスでもしない?とか誘ってくれれば、僕はいつだって喜んでご一緒し
ますけどね」
真顔でキッパリと言い返すと、先輩は何故か驚いたように目を見開き、頬を染めた。そ
れから、もう一度ベッドに横になると、僕に背を向けて丸くなった。
『う、うるさいわね!! いつだって調子のいい事ばっかり言って。と、とにかく何か退
屈しのぎを考えなさいよ』
はて? 何か照れさせるような事を言っただろうかと疑問に思いつつも、僕は先輩の答
えを探す。雨だし、家で出来るような事でありつつ、引きこもりらしくない事という難し
い命題に僕は頭を悩ませた。外を見ると、霧雨のような細い雨が、まだ地面を濡らしていた。
――全く、先輩はいつだってワガママなんだから……
内心愚痴りつつ、そこが先輩の可愛いところなんだということも同時に理解していた。
だからこそ、高校の時から今まで、ずっと傍にいるのだから。
――雨。暇つぶし。引きこもらない。お金使わない。うーん……
条件を並べ立てれば並べ立てるほど、無理な要求に思えてくる。一旦ここは全てリセッ
トしようと、僕は思った。いっそ、一番先輩らしくない事を考えてみるのはどうだろうか。
まあ、運動は無理としても、散歩くらいとか。
「――!!」
それを考えた途端、僕はピンと閃いた。すぐに考えを提案として先輩に向けて口にする。
「雨だからこそ、散歩に行くっていうのはどうですか?」
『は?』
先輩が怪訝そうな声を上げて僕を見た。その顔はいかにも、アンタバカじゃないのって
表情だ。しかし、予想されていた反応だったので、僕は怯みもせずに続ける。
「いや。どうせ何もする事がないんだったら、市民公園のハイキングコースをぶらぶらす
るのもいいかなと思って」
『こんな雨の日に? 冗談言わないでよ』
僕の提案を受けて、先輩が即反対する。しかし、僕は窓の外を指してみせた。
「今は霧雨で、傘を差せば濡れるような雨じゃありません。それに、こういう日だからこ
そ、違った景色も見えて来るかなって」
何か、説得を続けるうちに、僕の方が行きたくなって来た。しかし、先輩はちっとも乗
り気にならないらしく、体を起こそうとはせず、逆にまた僕から顔を逸らしてしまう。
『雨だろうが、市民公園は市民公園でしょ? 違いなんてないし、寒いし、めんどくさい
からヤダ』
「じゃあ、先輩は留守番してて下さい」
パソコン用の椅子から立ち上がり、僕は先輩にそう声を掛けた。すると初めて先輩が、
驚いたようなちょっと焦ったような顔で僕を見つめる。
『ちょ、ちょっと!! あたしを置いてくつもり?』
僕は、コクリと頷く。これは賭けだったが、別に負けても構いやしないと思っていた。
ほんの少しの時間でも、雨の公園をぶらつくのは気分転換になるし、先輩がどうしても嫌
なら一人でいいと、本気でそう思っていた。
「先輩が行きたくないなら仕方ありません。ちょっとだけ留守番していて下さい。お土産
に美味しい物買って来ますから」
しかし、それで納得してベッドに横たわったりは先輩はしなかった。体を起こして立ち
上がると、僕の前を塞いで服の裾を掴む。
『家主が客を置いて出掛けるってどういう事よ? アンタ、正気?』
詰るような先輩に対して、僕は頷くと、そっと優しく先輩の手を払う。
「置いてってほど大げさじゃありませんよ。市民公園なんて歩いて10分くらいの距離です
から、せいぜい一時間もすれば帰って来ます。それまで先輩は自由にしていていいですから」
しかし先輩は納得行かない顔で、抵抗する。
『時間の問題じゃないわよ。道義的な問題の事を言ってるの。普通、お客様を置いて家の
人が私用で出掛けたりしないでしょ? 何考えてるのよ』
色々と突っ込みたい所はあるが、それは抑えて僕は核心部分だけ言葉に出す。
「だから、お誘いはしたじゃないですか。でも先輩は行きたくないって。だから、一人で
行って来るんです。まあ、お持て成しの買い物ついでにちょっと散歩してくるだけって考
えれば、道義的にも問題ないと思いますよ」
僕の言葉に、何か言い返す言葉は無いかと、先輩は一生懸命考え始めた。この時、僕は
確信する。これは付いて来るだろうな、と。
『で、でもやっぱりだからって、あたしを置いて一時間も一人で出歩くなんて普通有り得
ないし。買い物だけ済ましたらさっさと帰って来るべきじゃない?』
「じゃあいっそ、客を放って出掛けるなんてとんでもないって、怒って帰ります? 道義
的におかしいなら、それも選択肢の一つですけど」
敢えて一番先輩が取らない事を言うと、先輩はグッと下唇を噛み、弱気にうつむく。
『べっ……別に、そこまで怒るほどの事じゃないけど……けど、やっぱり……』
「じゃあ、大人しく待っていて下さいよ。それとも、一緒に来ます?」
ここでもう一度、先輩を誘ってみる。案の定、ハッと顔を上げてから、先輩は気まずそ
うに顔を逸らした。さっきめんどくさいから嫌だって言った言葉が引っ掛かっているのは
言うまでも無い。
『い、一緒に行くって……そんなの嫌だって言ったじゃない。雨降ってるし、寒いし、疲
れるし……』
さっきと同じ言葉を繰り返す。しかし、言葉に篭る力は半分以下だ。僕は笑顔で頷いて
見せる。
「だから、美味しい物買って来るから待っていて下さいと言っているんです。僕も先輩に
嫌な思いして付いて来て欲しくないですから」
バッグに財布を入れて、クローゼットからフリースを取り出す。時期が時期だけに、上
着を羽織るほどの寒さではないので、これで十分だ。後は特に持って行くものも無いだろ
う。頭の中で確認を終えると、僕は先輩に向けて言った。
「それじゃあ、行って来ます。そんなにゆっくりはしませんので」
『あ……あたしも行く!!』
大声で叫んでから、先輩はパッと顔を赤らめてそっぽを向き、慌てて言い訳を始める。
『か、勘違いしないでよね。行きたいって訳じゃないのよ。ただ、やっぱり人の部屋にあ
たしだけいるのって落ち着かないじゃない。それに、下に別府君のお母さんもいるし、万
が一鉢合わせでもしたら超気まずいじゃない。だから別に置いて行かれるのが嫌だとかそ
ういう訳じゃないけど……まあその、仕方ないから付き合ってあげようかなって……』
僕はニヤニヤしたい気分を抑えるのに必死だった。だって、気持ちが折れてるのを必死
で言い訳する先輩って、物凄く可愛いのだから。ただ、これを出してしまうと拗ねて撤回
してしまうかも知れない。僕も先輩と行きたかったから、だからここは何としてでも我慢
しなければいけなかった。
「分かりました。一緒に来てくれるのでしたら、僕はその方が嬉しいですから」
頷いて、毒のない笑顔を見せると、先輩はますます頬を紅潮させた。
『う……嬉しいとかって、あたしは全然嬉しくないし。だからその……散歩帰りに、美味
しいスイーツたくさんご馳走して貰うからね。そのくらいはしてくれるんでしょ?』
スイーツに釣られた風を装う先輩を微笑ましく思いつつ、僕はコクリと頷いた。
「もちろんですよ。じゃあ、先輩も行く準備して下さい。そのままじゃ風邪、引きますか
らね」
すると先輩はわざとらしく肩を落とし、ハンガーに掛けておいたニットのガウンを手に
取りつつ、ぶつくさと文句を言った。
『あーあ。何であたしまで出掛けなきゃならないんだか。それもこれも、全部別府君の気
まぐれのせいなんだからね。こんな雨の日に散歩だなんて、ほんっと、バカげてるとしか
言いようがないわよ』
ここでじゃあ来なくてもなんて言うと、また同じ事の繰り返しになってしまう。かといっ
て謝るのも変なので、仕方なく大人しく文句を聞きつつ、先輩の支度が出来るのを待つのだった。
449 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜前編〜:2012/07/31(火) 01:54:06.41 0
さくっと中編に続きます
相変わらず素直じゃない先輩は可愛いなあ!GJ!!
451 :
ほんわか名無しさん:2012/07/31(火) 08:43:28.93 0
顔を真っ赤にして相合傘が安易に想像できるぜ!!
はよ
お題
つ・せっかく男が差し入れにアイス持ってツンデレの家に来たのに、ツンデレが腹痛で食べられなかったら
>>453 嫌そうで嫌でないちなみんの雰囲気がイイ!
455 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜:2012/07/31(火) 23:03:10.70 0
456 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜 1/5:2012/07/31(火) 23:03:54.05 0
「ここですよ、先輩」
自然の林をそのまま利用した公園は、入り口から鬱蒼と木が生い茂っており、その中に
遊歩道が張り巡らされている。中央の開けた広場に、ベンチやら木を使ったちょっとした
アスレチックのような遊具が置かれている。
『へー。別府君ちの近くに、こんな大きな公園があったんだ』
まるで深い森林の入り口に立ったかのように、先輩は木を見上げて感心する。
「この辺って、最初に民家が出来たのは明治時代らしいんですけど、その当時はもっと大
きな森だったらしいです。戦後に宅地開発がされた時、一部だけでも残して置こうって公
園にしたらしいですけど、中には樹齢数百年の木もあるんですよ」
子供の頃から聞きかじった知識を元に、先輩に説明する。特に興味も無さそうに生返事
をしてから、先輩は僕に向き直った。
『で、どうすんの? これから』
「さし当たって、遊歩道の一番外側は林をグルリと一周するようになってますから、そこ
を歩きましょう。途中、中央の広場に分かれる道がいくつもありますから、疲れたらショー
トカットして戻ってくればいいですし」
僕は遊歩道の先を指で差しながら先輩の問いに答える。すると先輩は気難しそうな顔つ
きで、僕の指した方を睨み付けた。
『何か、薄暗くってイヤーな感じじゃない? 大丈夫なの?』
取り越し苦労をする先輩に、僕は思わず笑いそうになってしまう。大丈夫も何も、街中
の公園で一体何が不安になるというのだろう。しかし、それを面に出すと、先輩がまたバ
カにされたと拗ねてしまうので、僕は努めて冷静に宥める。
「確かに、ここは江戸時代よりずっと前からあった森林をそのまま活かしてますからね。
まるで樹海の奥に踏み込むような雰囲気を感じるのは分かりますけど、それでもちゃんと
管理された公園ですから、安心して下さい」
最後の一言がちょっと癇に障ったのだろう。先輩は不機嫌そうな態度を隠そうともせず、
僕を睨み付けて口を尖らせた。
『あ、安心って何よ。それじゃああたしがまるで怖がってるみたいな言い方じゃない。だ
れがたかが公園の中で不安になるって言うのよ』
そういう態度が余計に強がってる風に見えるのだが、敢えて突っ込まずに僕は頷く。
457 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜 2/5:2012/07/31(火) 23:04:33.57 0
「いえ、何もそこまで思ってた訳じゃないですけど、気に触ったのなら申し訳ありません」
素直に頭を下げるも、先輩は疑わしげに僕をジロジロと睨み付けた。
『ホントに? アンタってば、殊勝な態度を取る時ほど内心で人を小馬鹿にしてんのよね。
そういう腹黒さに満ちているから信用出来ないわよ』
時折、先輩の中で僕の印象が物凄く性格の歪んだ人間のように思われている気がするが、
それはちょっと心外だなと思う。僕は単に、腹芸の下手くそな先輩が凄く可愛いなと思っ
ているだけなのだが。
「別に小馬鹿にしてるつもりなんてないですよ。確かに、ちょっと神秘的というか静謐な
感じはしますからね。」
時折、近くを走る車の音がするくらいで、シンと静まり返った公園の中は僅かながらも
神秘的な感じがする。
「それじゃあ、行きましょうか。先輩」
何気無しを装って差し出した手を、あっさり先輩は拒絶する。
『……べ、別にアンタなんかにエスコートして貰わなくたって、一人で歩けるわよ。たか
が公園の中くらい』
うん。僕は単に手を繋ぎたかっただけなんだけど、先輩はまださっき自分で言った事が
引っ掛かっているみたいだった。仕方なく僕は、手を引っ込めてゆっくりと遊歩道を歩き
出す。すぐに両脇は雑草と、そびえ立つ樹木に覆われる。
「どうですか? 静かでいい場所だと思いません?」
僕らが生まれる遥か前――いや、この地に人が暮らすようになる遥か昔から続いている
森の、最後の生き残りの中に身を置いていると、僕は何だが、悠久に続く歴史の中に身を
委ねているような、そんな気分になる。呼吸をすると、雨露に濡れた草の香りが鼻腔から
入り込み、肺を満たす。それがまた、何とも清々しい気分にさせた。
『……でも、やっぱり雨の日に来るなんて何か間違ってるわよ。だってほら。休みだって
言うのに、あたし達以外だっれも歩いてないし』
先輩の言葉に、僕は周囲を見回す。確かに、僕ら以外に歩いている人はいない。とはい
え、普段は近所の人が散歩やジョギングのコースにしている程度の場所なので、雨ともな
れば人がいないのも、まあ当然と言えば当然なのだが。
「いいじゃないですか。こんな広い公園の中で、先輩と僕の二人っきりって言うのも。先
輩は嫌ですか?」
458 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜 3/5:2012/07/31(火) 23:05:04.79 0
僅かに先輩との距離を縮め、先輩を見つめて笑顔でそう聞くと、先輩は照れたように傘
で顔を隠してしまう。
『べ、別に今更アンタと二人っきりだからって、嫌とかいいとか無いけど…… やっぱり
あたし達って馬鹿みたいじゃないって思っただけ。雨の日に散歩なんて、どんな酔狂なの
よって』
「ここは元々そんなに人が訪れる公園でもないですしね。いいじゃないですか。誰にも気
兼ねなく、先輩と二人だけでこの世界を満喫出来るんですから」
『だ、だから二人だけって事を強調しなくたっていいでしょ!!』
傘の向こうから、不満気に先輩が文句を言う。せっかくの照れ顔が見れないのは実に残
念だなと、この時ばかりは雨である事を悔やんだ。
「でも、事実ですから。それに、僕の部屋とか部室とかと違って、公共の公園の中で僕達
だけって、何だか特別な感じがしません?」
『しないわよ。つか、雨だから誰も来てないだけだっつーのに』
刺々しい声で、呆れた風に先輩は否定する。もっともその言葉のどこかに照れが混じっ
ているのを、僕はちゃんと聞き取る事が出来たが。
「周り見て下さいよ、先輩。ほら。何だか、深い森の中に分け入ったような、そんな感じ
がしません?」
僕は、傘を畳んで天を仰ぐ。今は雨も霧雨になっていて、雨に濡れるというよりも、濃
い水分を含んだ大気の中にいるみたいに感じられる。聳え立つ木々と両脇の丈高い雑草に
囲まれていると、何だかすぐ傍が住宅地である事すら忘れそうだ。
『……う、うーん。何かさ。ちょっと圧倒されちゃうわよね。こういうのって』
傘を差したままの先輩も、同じように天を仰ぎ見ていた。
『何ていうか、飲み込まれちゃいそうな、そんな感じ』
「そうですね。偉大な自然の前だと、僕らの存在って小さいなって、そう思います」
けれど、僕の中では、先輩の存在はこの木と同じくらい――いや、それ以上に大きいで
すけどね、と心の中でそっと付け足す。
『またアンタはそういう哲学的な事言って。ちょっと難しい事言えばカッコいいと思って
るんだから』
先輩が横から、口を尖らせて文句を言ってくる。という事は逆に考えれば先輩はちょっ
と僕をカッコ良いと思ってくれたという事だろうかと、いい風に解釈してみる。
459 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜 4/5:2012/07/31(火) 23:05:35.94 0
「思ったことを言っただけですよ。特に、あの木の前に立つと。ほら」
僕は、遊歩道の先。ちょうど緩やかに曲がったカーブの終わりが少し広くなっていて、
そこに一本の巨木が聳え立っていた。
「あれが、樹齢六百年とも七百年とも言われる杉です。何でも、戦国時代の文献にこの木
の事が載っていたとか」
『へー。そんな昔っから、よく倒れもせずに残ってるわよね』
興味なさそうな口ぶりで言いつつも、先輩はしげしげと太い幹が天に向かって聳え立つ
のを眺めている。
「風雪に耐えてこの地をずっと見守り続けているって事で、ご神木として崇められている
らしいですけどね。幹に注連縄が張ってあるでしょう? だから、迂闊に傷つけたりした
ら、バチが当たるかも知れませんよ」
『そ、そんな事しないわよ。どっかのドキュン高校生じゃあるまいし』
軽く脅してみせると、僕を睨み付けて否定しつつ、先輩は恐る恐るニ、三歩下がった。
しかし、そのまま木からは視線を離さない。さすがの先輩も、この木の霊威には圧倒され
るものがあるのだろうか。
「どうです? 何ていうか、特にこういう天気の日だと、より神がかって見えるような気
がしません? 静寂の中、ひっそりと雨の中聳え立っているのを見ると」
『そお? あたしには……よく分かんないわよ……』
「……そうですか……」
果たして、そう感じていても僕の意見には同意したくなくて否定したのか、はたまた本
当に何も感じていないのか。先輩だとどっちもありそうで僕には判別出来なかった。
『それよりもさ。この木って、どのくらい太いのかな?』
「はい?」
唐突な先輩の質問に、僕は僅かに戸惑って聞き返した。すると先輩は僕の方に振り返っ
て木を指差し、それからもう一度木に視線を移して言う。
『だって、すっごい太い幹じゃない。直径で何メートルくらいあるのかなって、興味湧か
ない?』
僕は首を傾げてみせる。神秘的な存在感に圧倒される事はあっても、太さが何メートル
だなんて、気にした事もなかった。やはりそこは先輩と僕の感性の差なのだろう。
460 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜中編〜 5/5:2012/07/31(火) 23:06:11.61 0
「さあ。測った事なんてありませんし、今までそこまで具体的な数値に興味を持った事も
ないですから」
すると先輩は、興味深げな顔のまま、僕の方に向き直った。
『じゃあさ。測ってみない?』
「どうやってですか? メジャーも何も、ここには用意してないですけど」
僕の答えに、先輩は露骨に呆れたため息をついた。
『ハァ…… アンタって、意外とバカよね。こんな簡単なことも分からないなんて』
普段の成績では先輩よりも優秀な僕だが、ここは一つ、先輩に優越感に浸らせておいて
あげようと思う。
「じゃあ、先輩は何かアイデアでもあるんですか?」
聞き返すと、先輩はちょっと得意そうに頷く。
『当ったり前じゃない。ちょっと待ってて』
先輩は手で待ったのポーズを取って僕を制してから、傘を畳み、木の幹に立て掛けてか
ら僕を手招きした。
『いいわ。こっち来て』
「はぁ……」
言われるがままに傍に近寄ると、先輩はおもむろに僕の手を掴んだ。
後編へと続く
461 :
ほんわか名無しさん:2012/08/01(水) 10:47:29.95 O
わくつかわくつか
462 :
ほんわか名無しさん:2012/08/02(木) 00:13:52.86 0
portal2をクリアしたら、ED曲がツンデレで感動した
463 :
ほんわか名無しさん:2012/08/02(木) 01:32:56.41 0
「日本が金メダル取る度にキスしてあげる」って男に冗談で言われて
「バカじゃないの?」って適当にあしらうけど
内心金メダルへの期待が跳ね上がって
なかなか金メダルが取れないので、メダル獲得すれば良いんじゃないかなーって
何気なく男に妥協案を出すツンデレ
>>463 ついに金メダルを獲ったので期待してみるも男は爆睡
金メダルなんだからしょうがなくなんだからね、と
男に自分からキスするツンデレ
465 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜:2012/08/02(木) 06:54:26.85 0
466 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 1/6:2012/08/02(木) 06:55:00.41 0
『そしたらね、こうやって二人で手を繋いで、両手を広げるの』
「こう、ですか?」
さすがにここまで来ると、先輩の意図は大体読めた。なるほど。興味が無いから思考が
停止していただけで、実に簡単な事だった。
『そう。で、今別府君の左手の先にあたしの傘が置いてあるでしょ。そこを始点と考えて、
今度は別府君があたしの反対側に回って同じように手を繋いで両手を広げて。これを繰り
返していけば、おおよその長さは測れるじゃない。あとは、家に戻ってから、メジャーで
あたし達の両手を広げた長さを測れば、何メートルか出るでしょ』
「まあ、そうですね。言われてみれば、確かに簡単なことでした」
うっかり本音を漏らしてしまって、アッと思った時にはたちまち先輩は不機嫌そうな顔
になってしまう。
『何よ。自分なんて思いつきもしなかったくせに。バーカ、バカ。少しはあたしを褒めて
くれたっていいでしょ?』
拗ねてしまった先輩に、僕は思わず笑い出しそうになってしまう。本当にこの人は、子
供っぽくて可愛らしいのだ。
「分かりました。よく思いつきましたね。先輩は頭いいですよ」
『むーっ!! 何かその言い方、小学生を褒めてるみたいで、逆にバカにされてるみたい
に聞こえるわよ』
褒めてあげたのに、逆に叱られた。どうやらもう時期は逸したらしい。
「僕なりにちゃんと褒めたつもりなんですけどね。じゃあ、どう褒めればいいですか?」
『もういいわよ。大体、あたしに言われて褒めてたんじゃ、うそ臭くてしょうがないじゃ
ない。ホントアンタって、いつだってあたしをバカにしてるんだから。大っ嫌い』
憤慨する先輩を横目で見て、僕は肩をすくめる。こういう所も、本当に子供だ。
「で、今度は僕が先輩の反対側に回ればいいんですね?」
仕方なく先輩を宥める事は諦めて、僕は作業を続けることにした。ちなみに怒っている
間も、先輩はしっかり僕の手を握り続けていた事は付け加えておく。
『え? そう。そうよ。早くしなさいよね』
まるで思い出したかのように僕の手を離して、先輩が指図した。言われるがままに先輩
の反対側の隣に行き、両手を伸ばして先輩の手を掴む。それから、もう一方の手を真っ直
ぐに横に伸ばした。
467 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 2/6:2012/08/02(木) 06:55:32.41 0
「これでいいですか?」
先輩に確認すると、コクリと彼女は頷く。
『うん。今度はあたしがそっちに行くから、そのままジッとしてて』
言われるがままに両手をいっぱいに広げて待っていると、僕の右手を先輩がギュッと握
る感触があった。
『よし。じゃあ、今度は別府君が動いて』
同じ事を、何度か繰り返すと、最初の傘の所に戻って来た。
「先輩。ちょうど一周しましたけど」
『ちょっと待ってて。今、体のどのくらいかチェックするから』
先輩が僕の傍に駆け寄ってくると、幹に立てかけた傘を、木と垂直の方向で僕に向けて
倒してくる。
『うんうん。最初が別府君の左手からだったから、ちょうど4回と別府君のベルトのやや
右側か。覚えとかないと』
慎重に場所をチェックする先輩を見下ろすと、髪の毛がキラキラと光っていた。どうや
ら、雨粒に濡れてしまったらしい。霧雨とはいえ、傘も差さずに木の幹の周りを回ってい
たのだから、濡れるのも当然だろう。
「先輩。終わったらちょっといいですか?」
『何よ。もう大体チェック終わったけど』
屈んでいた先輩は、体を起こすとすぐ間近で僕を見上げた。僕は、バッグからハンドタ
オルを取り出すと、それを先輩に示す。
「髪、濡れてますから。拭いてあげますよ」
僕の申し出に、先輩はドキッとした感じで目を見開く。それから咄嗟に体を引いて手を
差し出した。
『い、いーわよ。自分で拭くから、タオル貸してよ』
しかし、僕は首を振ってそれを拒絶する。
「僕が拭いてあげたいんですよ。ほら、こっち来て」
差し出された手を握ると、そのまま僕の方に引き寄せる。
『キャッ!?』
悲鳴を上げる先輩を抱きとめると、そのまま肩を抱いて支え、残った手で先輩の髪の毛
を優しく拭く。
468 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 3/6:2012/08/02(木) 06:56:03.88 0
「ジッとしてて下さいね」
身悶えして抵抗しそうな感じがしたので、言葉で制しつつ拭き続けると、先輩は僅かに
頭を振って抵抗した。
『やだ、もう。髪、グシャグシャになっちゃうじゃない』
「大丈夫ですよ。そんなに濡れてませんし、ちょっと櫛で梳かせば先輩の髪は質が柔らか
いですからね。すぐ元に戻りますよ。はい、オッケーです」
先輩の髪をじかに手で梳くって濡れ具合を確かめてから、僕は先輩を解放する。先輩は
慌ててバッグから手鏡と櫛を取り出し、髪をチェックしつつ、櫛で髪型を整える。
『もう、アンタってば時々強引なんだから。そういう所も大っ嫌いよ』
「すみません。どうしても拭いてあげたかったものですから」
『反省もしてないくせに謝らなくたっていいわよ。それより、タオル貸して』
手鏡と櫛をしまうと、もう一度僕にタオルを要求して手を差し出す。先輩の意図が分か
らず首を捻りつつも、僕はタオルを渡した。
「はい。でもこれで何をするんです?」
体でも拭くのだろうか? でも、服も若干濡れているとはいえ、これはタオルで拭うほ
どではないと思うんだけど。とか考えていたら、いきなり耳を引っ張られた。
「イタッ。何するんですか先輩」
『だって、頭が高いんだもん。ほら、こうするの』
強引に僕の頭を下げさせると、先輩はタオルで僕の頭をワシャワシャと拭き始める。
『散々人の頭をグシャグシャにしてくれたから、これはお返しよ』
「待って下さい。僕はこんな乱暴にやってませんって。あと、耳引っ張らないで下さいっ
てば。ちゃんと頭下げますから」
腰を落として先輩の拭きやすい位置まで頭を下げる。
『そんなもの、お返しは三倍に決まってるでしょ? ほら』
それでも先輩は、拭き終わるまで耳から指を離してはくれなかったのだった。
「……そろそろ、お茶でも飲みに行きますか?」
タオルをしまって、落ち着くと僕は提案した。先輩はコクリと頷く。
『そうね。誰かさんのせいで余計な体力使っちゃったし』
469 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 4/6:2012/08/02(木) 06:56:34.64 0
「この程度のおふざけで体力消耗とか、先輩はおばあちゃんですか」
ふざけてからかうと、先輩は露骨に不機嫌そうな顔で口を尖らせた。
『うるっさいわね!! 気分の問題ってのもあるのよ。大体、ここまでだって結構歩いて
んだから、十分体力使ったじゃない』
「そうですね。先輩の普段の日曜に比べれば、確かに」
『またそうやって人を小馬鹿にするんだから。ホント、アンタってばサイテー』
単に事実を指摘しただけなのに、先輩に拗ねられてしまう。
「バカにされてると思うんでしたら、もう少し体を動かすとかすればいいじゃないですか。
今日みたいに散歩でもいいし、どこか遊びに出かけるなりしてもいいと思いますし」
映画は時たま見に行くが、基本先輩は家でダラダラしてるのが好きな人だ。僕としては
もう少しデートらしいデートもしてみたいと思って提案してみたのだが、あっさりと跳ね
除けられた。
『冗談言わないでよ。何の気兼ねなしにゆっくり羽を伸ばせるからこそ、アンタの家にお
邪魔するんじゃない。そうでなかったら、何もアンタとなんて一緒に過ごす必要もないわよ』
もちろん僕は、先輩がそれだけの理由で僕の家にほぼ毎週のように来ている訳ではない
と信じてはいるが、こうもキッパリと言われると、さすがに気持ちもグラ付かざるを得ない。
「そんな、僕の部屋を休憩所代わりに使わないで下さい。遊びに来られるのでしたらいつ
だって歓迎しますけど、無料で使える施設程度にしか思っていないのでしたら、さすがに
ちょっと心外です」
真面目な顔で先輩をまっすぐに見て訴え掛けると、さすがの先輩もウッと戸惑うような
顔を見せた。それから、慌てて取り繕って来る。
『べ……別にそこまでは思ってないわよ。ただ、あたしはその……あの部屋ではリラック
スしてゆっくりしたいなって事。ただでさえ、平日は忙しいんだからさ』
先輩の態度を見て、まあこれなら大丈夫だろうと僕は内心ホッとしつつ頷く。
「分かりましたよ。それより先輩。傘、差さないとせっかく拭いたのに、また大切な髪の
毛が濡れてしまいますよ」
『……え? あ、うん……』
先輩は手に持った傘に視線を落とす。それから少し、何かを迷うように僕と傘を交互に
見ていたので、怪訝に思って僕は様子を窺う。
470 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 5/6:2012/08/02(木) 06:58:57.57 0
「先輩? どうしたんですか?」
すると先輩は、いきなり自分の傘を僕に差し出した。顔は何故か、恥ずかしげに俯いて
いるように見える。するといきなり、予想外の言葉を口にした。
『あの……これ、持ってて』
「はい?」
思わず僕は、先輩をジッと見つめる。傘を差すよう促したら、僕に持っててくれとは意
味が分からない。しかも、何かをするから一時的に持ってて欲しいと言う感じでもないし。
「あの、どうしてですか? 僕が持ってたら傘差せませんけど……」
そう聞くと、先輩は僕を睨みつけるように上目遣いでチラリと見てから、また視線を逸
らした。
『……疲れて、傘差すのがかったるくなっちゃったから。だからこれはアンタが持ってて
よね。私は、アンタの傘に入るから』
そう言って、先輩は既に開いている僕の傘の中にスススッと入って来た。つまりは僕に
寄り添って来たという事だ。この状態はつまり…… ちょっと考えてから、僕は結論を出
した。
「ああ。つまり、僕と相合傘で帰りたいと、そういう事ですね?」
『違う!!』
僕の指摘を、先輩は全力で否定する。しかし、顔がほんのりと赤くなっているのは否定
が事実では無いと物語っている。それでも先輩は、慌てたかのように言い訳を続けた。
『い……言ったでしょう? 傘差すのがめんどくさくなっただけだって。そ、そりゃこう
したらアンタと相合傘になっちゃうのは、あたしだって理解はしてるわよ。だけど、それ
は仕方なく許容しているだけであって、したいって思ってる訳じゃないんだからね』
そんな先輩を、僕は少しの間無言で見つめていた。照れていじいじしている先輩は、本
当に観賞に値する可愛らしさがある。
「……たまには、したいって言ってくれると、僕は凄く嬉しいんですけど」
呟くように先輩に言うと、先輩の顔の色がさらに赤味を帯びた、しかし表情は反対に怒っ
ていく。頭を振り、先輩は断固として拒絶する。
『無理!! だってしたい訳じゃないんだから!! いい? してもいいって思うのとし
たいと思うのはね。天と地ほどの違いがあるんだから。そこを理解しなさいよ。分かった?』
471 :
(自炊)ツンデレと雨の日の散歩をしに行ったら〜後編〜 6/6:2012/08/02(木) 07:02:29.00 0
どうやらこれ以上は諦めざるを得ないようだった。僕はクスッと笑って頷く。
「分かりました。じゃあ、あくまで先輩のご好意という事で、僕がそれに甘えさせて貰う
とします」
そして、先輩の肩を抱くと、グイッとこっちに引き寄せた。
『キャッ!? ちょ、ちょっと何するのよ?』
「肩を濡らさない為ですよ。少し雨粒も大きくなってきましたしね」
まだ、傘を叩く音がするほどではないが、手の平を傘の外に出すと、粒が当たるのが感
じられる。先輩はというと、身をよじって抵抗するでもなく、僕に抱かれたままになって
いたが、やがて顔を上げてコクンと頷いた。そして不満そうに目を逸らす。
『し……仕方ないわよね。濡れないため、だもんね……』
「そうですよ。僕は役得だと思ってますけど、あくまで先輩は仕方なくです。それでいい
でしょう?」
『や……役得とか言うなっ!! 全くもう……別府君てば、イヤらしいんだから……』
そう言いつつも、やっぱり先輩は僕に身を委ねてくれる。いや、心なしか自分から体を
くっつけて来ているようにすら思える。
「それじゃあ、お茶しに行きますか。甘い物もご馳走しますよ」
『……今日は、高いのだからね?』
「はいはい。僕の財布が許す限りで」
僕は公園を出るとき、最後にもう一度森を仰ぎ見て、また先輩とこうして雨の日の散歩
に興じたいなと思ったのだった。
終わり
>>463 内村が金メダル取って喜んでるツンデレにどさくさに紛れてキスしたい
突然の事に動揺して怒るツンデレに「約束したでしょ」って言って宥めて
納得はするんだけど、それでもまだ不満そうなツンデレに「どうしたの」って聞いたら
「今のじゃよく分かんなかったから、ちゃんともう一回やって」っておねだりされたい
先輩くっそ可愛い
夏休み入ってから毎日山田の家で編集作業してるから通い妻状態になってる友ちゃん可愛い
475 :
ほんわか名無しさん:2012/08/02(木) 12:24:41.17 O
胸に付いてる餅も食べたい
>>474 『おいーすっ、山田ー』
「……友ちゃん、今日も来たんだね」
『当たり前! まだ編集しなきゃいけないデータがたっぷりあるんだから!
山田、今日もみっちりやるわよー!』
「……おー」
『むー、もう少しやる気を見せるって事が出来ないわけ?
ほら、今日もお昼と晩御飯、私が腕によりをかけて作って上げるんだから、もっとやる気を出しなさいよ。
どうせ山田一人だったらカップラーメンなんかで済ませちゃってたはずよ?』
「……本来だったら家族旅行には、僕も付いて行く予定だったんだけどね」
『うだうだ言ってないで、さっさと作業始めるわよ。私は買って来た食材を冷蔵庫に入れて来るから、
山田はこれに入ってるデータから編集を始めちゃってて』
「はいはい」
『……うーんと……下ごしらえくらい先にしといた方が良いかな』
「…………友ちゃん、友ちゃん」
『あー何よ? 不要な場所の削除くらい出来るでしょ?』
「そうじゃなくて、これ――何で僕しか映ってないの?」
『はい? …………ああぁっ! 間違っ――!』
「……町が?」
『そ、それは……その……ま、間違えて消す予定の全く要らないデータを渡しちゃってたみたいね、あははー……』
「だからタカシ達が映ってなかったんだね。じゃあ代わりに消しとくね」
『だ、駄目よっ! 山田、ちょっと待って!』
「どうしたの、友ちゃん?」
『うっ――ううん、何でもない。け、消しちゃって良いわよ! わ、私には全然要らない物だし!!』
「とにかく消しとけば良いんだね。……消去っと」
『…………ぁぅ』
「これには今のデータしか入ってないみたい。友ちゃん、次の奴を――ど、どうしたの! 何で泣きそうになってるの!?」
『……なってない』
「え、でも、目に涙がたまって――」
『たまってない!!』
480 :
ほんわか名無しさん:2012/08/02(木) 22:46:00.16 0
友ちゃん可愛すぎ
483 :
ほんわか名無しさん:2012/08/03(金) 03:11:38.24 0
小さい頃から水泳をやっていて
中学で既にオリンピックを期待されてたが
中学後半からタイムが伸びず
高校でも思うようにいかずに悩むかつみんに
申しわけなさそうに「ごめんな、俺があんなに揉んだから…
だから水の抵抗が大きくなっちゃって…」
って言って真っ赤になったかつみんに投げ飛ばされて
その光景をたまたま見ていた柔道の監督に誘われ
四年後にオリンピックで金メダルを取るかつみん
かつみん天才www
美しすぎる柔道家とかテレビで紹介される訳
そういえば昨日はパンツの日
去年はツンデレのパンツ談義で盛り上がったな
・通い妻が嫌なら泊まっていけば?って山田に言われた友ちゃん
・通い妻 − 通い = 妻でプロポーズかと思って顔真っ赤にしてる友ちゃん
・それに気づかず不思議がる山田
>>486 僕っ娘はしまぱんむしゃむしゃ
ちなみは夏休みの間、引きこもってゲームするときはノーパン&短パン
お嬢のパンツは紅茶のドリップ用
まつりさんは着物なのではいてない
無表情さんはださい綿パン履いてて下さいお願いします萌えますペロペロ
489 :
ほんわか名無しさん:2012/08/04(土) 05:36:11.70 0
寝るときは冷房を強めに入れないと寝れない男なのだが
メイドにバレて設定温度を管理されてしまい
メイドの設定した温度ではなかなか眠れないので
布団をどけて服を脱ぎ
下着一枚でやっと眠れた男だったが
朝メイドが男を起こしにいくと
下着のサイドから朝の現象により大きくなったモノがこんにちはしていて
ビックリして男を叩き起こそうとするも止めて
男の身体をマジマジと見てしまうメイドさん
490 :
ほんわか名無しさん:2012/08/04(土) 07:07:26.33 O
っていう幻影
本スレ・・・。
気づく前に落ちてた!もっかい立てますか
495 :
ほんわか名無しさん:2012/08/04(土) 22:13:30.08 0
ち「……タカシ、好きな魔王は?」カチカチ
タ「ん?んー…、魔王プリエ」
ち「胸か……死ね、馬鹿タカシ」カチカチ
タ「わぁい、理不尽過ぎて辛いなー…ちなみは?」
ち「魔王ジル」カチカチ
タ「迷うことなくラ○スの魔王上げれるちなみさんを尊敬したい」
ち「……ジル強いし…、人間牧場とか…素敵」カチカチ
タ「全裸だしnゴフゥッ!」
ち「変態タカシ…死ねば良いのに…若しくは死ねば良いのに…」
タ「選択権がない…理不尽過ぎて泣きたい」
ち「と言うか…、黙って本でも読んでて…、今良いところ…」
タ「ちなみから話振ってきたよなっ!?…と言うか良い所って何?見せて見せtグフゥっ!」
ち「……あっち行ってろ」
タ「エロ?」
ち「…………違う、検討外れも良い所…今丁度告白シーンだから……」カチカチ
タ「………ふーん」
タ「でも我が栄光流れてますよね?」
ち「え?……ちょっ!…ヘッドホンはっ…!返して…っ!」
みたいな昼下がりをちなみと過ごしたい
因みにピンクアフロがやっぱり一番可愛いと思う
友ちゃんむにむに
498 :
1/8:2012/08/05(日) 13:46:45.58 0
・互いに自分の気持ちに気付いていないツンデレと男
『タカシ。今日、放課後付き合ってよ』
「お? 何だよ。かなみからお誘いなんて珍しいじゃん。どんな風の吹き回しだよ」
『いーから、四の五の言わずにいいよって言え。あたしが奢ってあげるから』
「へ? かなみがご馳走してくれるってますます持って怪しいよな。いや、待て。こうい
う時はいつも――」
『そ、それ以上言うなっ!!』
「ファゴファゴファゴ」
『全く……まだ周りに人がいるのに、誰かに聞かれたりしたらどうすんのよ。ただでさえ
噂好きな連中ばっかなのに』
「フゥ…… だからっていきなり口と鼻押さえるなよ。窒息死するかと思ったぜ」
『別にアンタが窒息死しようがあたしは一向に構わないけど、とりあえずあたしの愚痴だ
けはちゃんと聞いてから逝ってよね』
「冗談。愚痴は聞いてやるけど死ぬのは真っ平だっつーの。じゃあアイスコーヒーとスペ
シャルバーガーで手を打ってやる」
『贅沢。コーヒーだけで我慢しなさいよね。バーガーは自前で』
「だってお前の為に、放課後の二時間って貴重な時間を潰すんだぜ。それくらい払って貰
えなきゃ受けれないな」
『ぐっ…… じゃあ、報酬は労働対価って事で。一時間で終わったら、コーヒーだけだか
らね』
「了解。それで手を打つとするか」
「で、今回で何人目だっけ?」
『…………五人目…………』
「マジかよ。ホントお前ってマジでモテルよな。高校三年間で五人も男をとっかえひっか
え出来るって、どんだけ悪女なんだよ」
『悪女言うな!! 私がたらし込んだ訳じゃなくて、向こうから告白してきたんだし。あ
と、一人目は中学の時だから、四人よ』
499 :
2/8:2012/08/05(日) 13:47:16.69 0
「それでも十分スゲーって。で、今回はどっちが原因なんだ?」
『……振ったの、あたしだから……多分、あたし』
「またかよ。お前の方から振ったのって三人目か。ホント、お前って贅沢って言うかワガ
ママって言うか、一人二人ならともかく、三人目まで来ると、何か性格に重大な欠陥があ
るとしか思えないわ」
『お……落ち込んでる人捕まえて、性格破綻者扱いってどういう事よ。もう少し言い方あ
んでしょ?』
「慌てるな。あくまで仮定の話だ。つか、今回は何が原因だよ」
『……ちゃんと聞いてくれる? 茶々、入れたりしない?』
「とりあえず、全部聞こう。感想入れるのはその先だな」
『……あたしはさ。こう、男の子と付き合うからには……何ていうのかな。真剣にお付き
合いしたいわけ』
「まあ、ふざけて付き合うなんて失礼にも程があるしな。当然だろ」
『でしょ? だから、何ていうのかな。付き合って行くにしても、順序立ててって言うか、
ちゃんとお互いの性格とか知り合って、相性も確かめつつ行為にも及びたい訳ですよ』
「その行為ってのは、あれか。キスしたり、エッチな事したりってそういう事か?」
『女の子に対して単刀直入に言い過ぎ。つっても……まあ、そういう事……なんだけどさ……』
「んで、どうしたのよ? 無理矢理押し倒されそうになったりしたとか?」
『そこまではなってない!! けど……まあ、遠からずってとこもあるけど……』
「キスでも迫られたりしたのか? でも、彼氏なんだし、やっぱ男としちゃしたいとは思うぜ」
『でも、付き合ってまだ一ヶ月しか経ってなかったのよ? デートだってまだ四回目で……
なのにアイツってば、最初のデートから手握ってきたり肩や腰に手を回してきたりして……
まあ、それくらいなら、付き合ってるんだしって我慢もしたけどさ……』
「お前は何で拒否ったんだよ? 付き合うの、オーケーしたんだろ? だったら、ソイツ
の事好きだったんじゃないのか?」
500 :
3/8:2012/08/05(日) 13:47:48.13 0
『別にそこまでじゃなかったもん。告白されて、断わる理由もなかったから……いいよっ
て、だけで。大体西高の人でさ。部活の練習試合見学してて、一目惚れしたって言われた
ら、あたしだってドキッとするじゃない』
「じゃあ、付き合ってもいいってくらいの感覚か。で?」
『だからさ。あたしとしては、時間を掛けたかった訳よ。だって、互いに何も知らないの
よ? そりゃ、顔可愛いとか仕草が可愛いとか声が綺麗とか褒められれば、あたしだって
女の子だもん。ちょっとはのぼせ上がったりするけど、そこは慎重に行きたかったの』
「かなみって、何するにしても石橋は叩いて渡る系だもんな。で、向こうはどうだったん
だよ?」
『だから言った通りよ。付き合ってるんだからいいだろってな感じで、スキンシップを求
めて来る訳。デートの時も午後から夕方とか夜くらいの時間で、必ず雰囲気のある場所を
入れて来てさ。逆にそういうのが鼻に付くって言うか……』
「お前が固そうだったから、雰囲気作って心を開かせようとしたんじゃねーの? 努力し
てんじゃん。彼氏も」
『元カレね。けど、あたしが慎重なのはそういう事じゃないのよ。まずはお互いが心を開
いて話し合えるようになってからでも遅くないじゃない。一年や二年……ううん。もっと
長く付き合うかもしれないんだし、もうちょっと待ってくれたっていいじゃない。なのに
さ……アイツってば……』
「業を煮やして迫って来たわけだ。で、どうしたんだよ? お前は」
『……突き飛ばして、逃げ帰っちゃった……』
「ありゃ、まあ……」
『……で……そのまま一晩寝ないで考えて、もう無理ってメール送って……それっきり。
電話は着拒にしたから……』
「うわぁ…… そりゃ、向こうに同情するわ……」
『何でよ!? そりゃ、あたしだって付き合うって言ったのに向こうのご期待に添えられ
なかったのは分かってるわよ。でもだからって、あたしが悪いって言うの?』
501 :
4/8:2012/08/05(日) 13:48:19.26 0
「いやいやいや。俺はかなみの性格良く知ってるからさ。お前の事は理解してるけど、け
ど男だからさ。手握りたいとかキスしたいとかエッチしたいって気持ちも分かるから。だ
から、お前の……元カレ君はさ。お前以上に落ち込んでるんじゃないかなーって。失敗し
た事、分かってるだろうし」
『うっ…… そ、それは……あまり考えないようにしてる…… だって、振っておきなが
ら気遣いするって、却って残酷だし……』
「女の子にもいろいろいるからな。付き合ってるのにスキンシップ一つしてくれないって
怒り出す子もいるかも知れないし。空野さんももしかして……って、いや。それはいいか。
まあ、単にお前に対するアプローチの仕方を間違っただけかも知れないしな」
『……そうかもね。でも、もういいの。一晩考えて、手とか握られたり肩抱かれたりした
時の自分の気持ちを散々考えたけど、嬉しいって気持ちは無かったから……』
「じゃあ、かなみとしてはソイツと付き合ってみた結果、そんなに好きじゃなかったんだ
ろ? なら悩む必要もないじゃん」
『分かってるわよ。けど、やっぱりちょっと罪悪感もあってさ。だから、ちょっとこう、
愚痴を吐き出したかった訳よ。分かる?』
「まーな。しかし、俺はお前の愚痴吐き場かよ。付き合ってない恋愛とか友達関係まで含
めると何度目だか分からんぞ」
『いいじゃない。幼馴染なんだしそれくらいしてくれたって。つか、それが無かったらア
ンタ、生きてる価値ないし』
「愚痴聞いてやってる人間に対して何て言い草だよ、おい。別にお前に価値を認めて貰わ
んでも、俺は生きていけるぞ」
『アンタはそうでも、周りには迷惑だっての。貴重な酸素を消費して二酸化炭素を排出し
てるし、食べ物だって食べてるし。アンタが日本のCO2排出量増やしてんのよ? 分かる?』
「そこまで大げさな事じゃねーだろ。人間の体内から排出する二酸化炭素なんてたかが知
れてるし。つか、自分は棚に上げておいて俺だけ批判かよ」
『あたしはアンタよりはせめて価値ある人間でいたいからね。あ、でもあんまり馬鹿にす
ると空ちゃんに怒られちゃうか…… ビックリよね〜 こんなアンタにでも、好意寄せて
くれる女子がいたなんてさ』
「あ、ああ…… まあな……」
502 :
5/8:2012/08/05(日) 13:48:53.15 0
『去年だっけ。びっくりしたな〜 アンタ紹介してくれなんてお願いされてさ。あたしは
あの時、三人目の彼氏と付き合ってた頃だったけど……もう一年以上になるのか。よく続
いてるわよね。感心するわ、本当に』
「いや、実はかなみ。その事なんだけどさ……」
『何よ? 奥歯に物の挟まったような言い方して。そういえば、さっきもアンタ、空ちゃ
んの事、何か言おうとしてたわよね? 何かあったの? ケンカでもしたとか?』
「……実はその……俺たちも、別れたんだ……」
『ウソ!? マジで?』
「えーと……まあ、マジです……」
『何で? そんな……い、いつの話よ?』
「……先月。まあ、3週間くらい前……かな?」
『何でよ? まさか、アンタ空ちゃん泣かせたりしたんじゃないでしょうね? そんな事
したりしたら……』
「まあまて。振られたの、俺の方だし……」
『ホントに……? それこそ信じられないわよ。だって、好きだって言ってたの、空ちゃ
んの方じゃない。それに、アンタがオーケーした時、本当に凄く嬉しそうな顔してて……
そんなのあり得なくない?』
「……まあ、俺もちょっとまだ、気持ちの整理付いてなくてさ。本当は、ちゃんとお前に
は報告しなくちゃいけなかったんだけど……」
『ホントよ、全くそんな大事な事なんで言わないのよ。で、何て言われたのよ?』
「……タカシ君って、私の事……全然見てくれてないよねって、そう言われた?」
『見てくれないって……アンタ、そんなに空ちゃんの事ほったらかしにしてたの?』
「いや。週末は必ず会ってデートしてたし、放課後も都合付く限りは一緒に帰ってたし、
電話だってメールだって頻繁にやり取りしてて……そんな事無かったと思うんだけど……」
『うーん……まあ、確かに見てる限りだと睦まじそうに見えたけどねえ。だからこそビッ
クリもしたんだけどさ。何で空ちゃん……タカシの事振ったりしたんだろ?』
「いや、だから俺も良く理解出来てないんだけどさ。だからさっき思った訳よ。もしかし
て空野さんは、もっと俺に積極的になって欲しかったのかなって。俺は、かなみの紹介だ
しさ。下手なことして関係壊しちゃいけないって思ったから、遠慮してたけど……」
503 :
6/8:2012/08/05(日) 13:49:26.38 0
『それもあるかもね。だって、向こうから好きだって言ってきた訳だし、空ちゃんはタカ
シの事ずっと見てて好きだって思った訳だろうし、あたしとは訳が違うから……』
「せめて、理由だけでももう少しちゃんと聞けたら、振られたにしてもスッキリ出来るん
だろうけどさ」
『うーん…… 今度、それとなく聞こうかな? あたしも仲介役としては、ちゃんとした
理由が知りたいし……』
「もし聞けたら教えてくれよ。頼む」
『やーよ。そんな約束なんて出来ないし、そもそも女同士だから話せる理由かも知れない
じゃない。アンタなんかに言える訳ないでしょ?』
「チェッ。性格悪いな、お前って。そんなんだから、見た目に騙されただけの男が寄って
来ては裏切られるんだよ」
『何よ。アンタなんてそもそも甲斐性無しじゃない。人生で唯一かも知れない好きだって
言ってくれる子逃しちゃってさ。ホント、ヘタレもいいとこよね』
「うるせーよ。言ってろ、この性格ブス」
『ふざけんじゃないわよ。ヘタレ、インポ、甲斐性なしのダサ男』
「……何か、無駄な罵り合いしてんな。俺たち……」
『……あーあ……ホント、馬鹿みたいよね…… あ、そうそう。奢りの件だけど、アイス
コーヒー一杯分だけね』
「何でだよ? 二時間は付き合っただろうが。ちゃんと全額キッチリ出せよな」
『だって、アンタの愚痴も聞いてあげたじゃない。だからその分チャラって事』
「分かったよ。じゃあ、コーヒー二杯頼んだから、その分な」
『冗談言わないでよ。だったらアンタの愚痴聞いた分、あたしのパフェ代出しなさいよね』
「そっちの方が高いじゃねーかよ。そもそも俺は聞かれたから答えただけで、別にお前に
今日話す気なんて無かったし」
『でも結果的には話したんだから、ちゃんと払え。相殺ならあくまでコーヒー一杯分だけ
だからね』
「そもそも愚痴聞いたかどうかじゃなくて、俺の時間潰した代金なんだから、内容関係な
いし。こういう事やってると、次からもう愚痴聞いてやらんぞ」
『だからそれじゃ、アンタの価値が無いって言ってるでしょうが。大人しく条件認めなさ
いよ』
504 :
7/8:2012/08/05(日) 13:50:47.89 0
「ダメだね。最低、アイスコーヒー二杯分。これ以上は譲れん」
『一杯だっての』
「二杯」
『一杯!!』
〜数日後、別の喫茶店にて〜
【霞、別府君と別れたんだって? 何で? あんなに熱入れてたのに】
[……正直言うと、今でも好きだよ……]
【じゃあ何で? 自分から別れる事無かったじゃん】
[だって……辛いもん。デートしてても……例えば服とか見ててもさ。別府君って、気が
付くとかなみちゃんが似合いそうな服見てるしさ。アクセサリーとかだって…… それに、
本人無意識で気づいてないけど……よくかなみちゃんを引き合いに出すし……]
【あの二人、仲良いモンね。本人達は断固として否定するけど】
[……タカシ君、優しいからさ。私の事、喜ばせようとして一生懸命になってくれてるけ
ど……それって何か違うと思うし。それに、どうすればいいかって、かなみちゃんに聞い
てるんだよ? 本当に大事な事は……私に聞いて欲しいのに……]
【でも、霞を喜ばせようとしてるんだから、本人に聞くのは本末転倒だって思ってるんじゃない?】
[分かるけど……でも、それって違うと思うの。タカシ君が一番に信頼してて、いつも心
の中にいるのはかなみちゃんで……多分かなみちゃんも、そうだと思うの…… 一番性質
が悪いのは、本人達が無意識で、気付いてないって事]
【でも、だからって霞が身を引く事ないのに……】
[だって私だって辛いもん。好きな人の心の中に、他の女の子がいるんだよ? それ、分
かってて付き合える? 私には……無理だよ……]
【うーん…… 確かに、ちょっとキツイかもね。しかも、本人気付いてないってんだから、
気持ちを覆す余地も無しか……】
505 :
8/8:2012/08/05(日) 13:52:11.45 0
[おまけにかなみちゃんがさ。何でタカシ君と別れたのかって。言えないじゃない。こん
な事。だから、せめて意地悪しちゃった。かなみちゃんのせいだよって。そしたら、ビッ
クリした顔して、何でって聞くから、自分の胸によく手を当てて考えてみてって。多分鈍
感だから、散々悩んでる事だと思うけど。それ思うと、ちょっとスッとするかな]
【アハハ。意外と霞も意地悪だ】
[だって……それくらいせめてしないと……気持ち収まらないもん……]
【はいはい。今日はおねーさんが慰めてあげますからね。美味しい物、好きなだけ食べて
いいよ】
[うん。ありがとう……友希ちゃん]
終わり
果たしてこれがツンデレなのかどうか、見る人によって評価が分かれそうだが、
書き出したら止まらなかったので、自分のツンデレ感を信じて投下してみた。
GJ
お互いが気持ちに気づいたときどうなるか気になるな
507 :
ほんわか名無しさん:2012/08/06(月) 07:15:58.51 0
お題
つ・お互い忙しくてなかなか時間が作れなくても、とにかく一日一回は会ってるツンデレと男
>>505 もっと素直になれよっ!何人泣かせる気だよこの二人っ!
509 :
ほんわか名無しさん:2012/08/06(月) 15:35:27.31 0
>>505 続きを垂れ流す権利をやろう
いや書いてくださいお願いします
最近のちなみさんちょっと乳盛りすぎじゃないですかけしからん素晴らしいペロペロ
つ・罰ゲームでツンデレさんに甘甘で接することになった男
つ・甘い台詞でツンデレさんもしどろもどろ
つ・なんだかんだで癖になる二人
友ちゃんを庇って大怪我したい
514 :
@ツンデレ妹と朝の一コマ:2012/08/07(火) 09:06:11.61 P
『兄さん兄さん、起きて下さい、朝ですよ』
「んー…あと二十分…だけ」
『何図々しい事言ってるんですかっ!夏休みだからって寝過ぎですよっ!起きて下さいっ!』
「うぅ…、昨日は遅くまで起きてたから眠いんだよ…本当にもう少しで良いから…」
『ダ・メ・で・すっ!朝御飯冷めちゃいますよっ!……折角私が作ったのに(ボソボソ)』
「んー……?敬が朝飯作ったのか…?」
『なっ!…そそそんな訳無いじゃ無いですかっ!だ、大体っ!お母さんがお父さんの口に入るものを作らせてくれる訳無いじゃ無いですかっ!
変な事言わないで下さいよもうっ!兄さんの朝御飯を私が作ったなんて…そんな…』
「あー…………」ムクリ
『あ、やっと起きる気になりましたか兄さん、もう、手間かけさせないで下さいよ』
「……父さん昨日から出張で居ないだろ」
『あ……』
「久々の敬の手料理だからな、温かい内に食わねば」
『〜〜〜〜っ///』
「たーのしみだなぁー♪」スタスタ
『ち、違いますからねっ!偶々、偶々ですからねっ!別に兄さんの為に作ったとかじゃ無いですからねっ!勘違いしないで下さいよ兄さんーっ!』バタバタ
ニヨニヨwwww
517 :
ほんわか名無しさん:2012/08/07(火) 18:50:37.96 P
読み返してて思ったけど
敬語妹だから敬(けい)ちゃんって名前にしたけど
個人的に敬(うやま)ちゃんの方が萌える
うやまのパンツprpr
汗ばんだツンデレの匂いを嗅いでみたい
そして変態と罵られて叩かれたい
友ちゃん、ボクのYシャツ持ってなにしてんの
520 :
ほんわか名無しさん:2012/08/08(水) 07:16:14.99 0
お題
つ・色々あって落ち込んでるツンデレを何とか元気付けようと男が奮闘したら
つ・実は落ち込んでる原因は男が鈍感すぎることでした
522 :
1:2012/08/08(水) 16:43:49.31 0
>>520 可能な限りで頑張ってみる
「はいこれ、この前借りた宿題。助かったわ、ありがとな」
「う、うん……」
「どうしたんだ冴、元気ないな。昨日の夕飯あたったか?」
「そんな涼みたいなことあるわけないでしょ……?」
「おう、毒舌は健在か…。なんなら、話聞くよ。この宿題の礼にさ」
「うん、ありがと……。あのさ」
「ん?」
「あの……すっごく話しづらいんだけど、幼なじみだから言うよ?」
「お、おう」
「……こ、告白…された」
「ほんとか、そりゃ良かったじゃんか!」
「……」
「なんで首を横に振るんだよ?もしかして、タイプじゃない、とか?」
「そう、かも」
「かもって、なんだよ?」
「え、えーっと……一目惚れ、なんだって」
「んー、すごく良さそうな話に聞こえるけど」
「で、でもっ!あたし、その人のこと…そのっ…よく知らないし……そ、それに…」
「それに?」
「ほかに……いるから」
「ほかにいる?もしかして、他に好きな人がいるのか?」
「……う、うん」
「そっか。だったら断ればいいじゃないか」
「う……で、でも」
「好きになれない人と無理につき合う必要はないよ。冴はなんでも無理するからな」
523 :
2:2012/08/08(水) 16:55:51.66 0
「う、るさいっ!……けど、その……か、感謝…は…してる、から」
「いえいえ、どういたしまして。ねぇところでさ」
「な、何よ…」
「さっき言ってた好きな人って、誰?」
「えっ?あ、いや!その……だ、だめっ!」
「えーなんでよいいじゃん幼なじみなんだからそれくらい」
「だめっ!ぜ、絶対に言わないんだからっ!……言える訳ないじゃない、涼だなんて(ゴニョゴニョ」
「ん?なんか言った?」
「きゃあっ!ば、ばばばばかっ!近いっつーのっ!」
「イテテ、殴るこたぁねぇだろ……。って、待てよ冴!」
「……ばか」
ちょっと上にカブったかも、すいません
お前らはよ結婚しろGJ
526 :
ほんわか名無しさん:2012/08/08(水) 21:52:42.01 0
>>523 GJ!!
男に聞かれそうになって慌てるツンデレは王道だが素晴らしい
汗ぺろぺろw
お久しぶりやー
530 :
ほんわか名無しさん:2012/08/09(木) 06:12:53.79 0
おお、生きて帰ってきてくれたんですね
531 :
ほんわか名無しさん:2012/08/09(木) 06:57:45.81 0
お題
つ・強すぎるツンデレ
533 :
ツンデレなランチ:2012/08/09(木) 10:28:48.60 0
「やーっと昼休みかよ、数学マジだるいわぁ。さてと、いつものパン買いにいくか……」
『……(ドキッ』
「うわ……昨日カラオケ行ったから金ないんだった」
『……(ドキドキ』
「……しゃーない、断食か」
『ち、ちょっと待ちなさいよっ』
「ん?どうした有賀?」
『こ、これ……』
「え、マジ?弁当じゃん。もらっちゃっていいの?あ、でもそしたら有賀の弁当なくなっちゃわない?」
『もう一個、あるからいいのっ』
「え、じゃあわざわざ俺の分まで?」
『ち、ちがっ!違うわよっ!ただの家庭科の練習よっ!あ、アンタなんかのためじゃないんだからねっ!』
「おぉ……そっか。じゃあ遠慮なく。……ねぇ有賀」
『な、なによっ』
「これ、すげぇな!俺の好物しか入ってないんだけど!好きになりそうだな……」
『えっ、え、えええええ!?』
「どうした有賀、突然」
『だ、だだだって今……す、す……好きって……』
「あぁ。好きだな」
『っーーー!!』
「弁当が」
『……え?』
「特に玉子焼きが甘くて最高……あれ。有賀?」
『な、なによっ!べ、別に泣いてなんかいないんだからねっ!』
「いやいや、目真っ赤で潤んでるんですけど……」
『うっさいバカッ!』
>>533 GJ!!
ツンデレの弁当を食いたいと言い続けてはや7年か……
・ツンデレが淫魔だったら
女「……」ババーン
男「……大袈裟な擬音出してどうしたちなみ」
女「……サキュバスちなみんです……サキュサキュ……」
男「サキュバスの鳴き声ってサキュサキュなのか……?」
女「……知らん……とりあえずタカシは……私の精気供給の奴隷になれ……」
男「そそられかねない申し出ではあるが、ちょっとエロい格好したら俺が釣れると思うなよ」
女「むぅ……タカシはボンテージが嫌い……?」
男「大好きに決まってンだろ! 押し倒して舐め回すぞクラァ!」
女「……勢いがキモい……しんで……」
男「だったらそんな格好すんない」
女「……タカシの嗜好に合わせただけ……タカシのPCには淫魔系エロゲがいっぱい……」
男「なぜそれを知っている!?」
女「タカシの秘密は私に筒抜け……バラされたくなくば……大人しく私の奴隷になるがいい……」
男「あれ、俺いつの間にか脅迫されてる」
・ツンデレが淫魔だったら(ボクっ娘Ver.)
女「ねー、タカシー」
男「んー?」
女「いつになったらタカシの精気をボクにくれるのさー」
男「またその話か。お前が大人になったらって、口を酸っぱくして言ってるだろ?」
女「だって、淫魔の寿命は長いんだよ? ボクが色っぽい淫魔になった時、タカシはおじいちゃんじゃん」
男「だったら性的な技の一つも覚えてこい! 俺にロリ属性はねーんだよ!」
女「タカシが契約するときに、なるべく若い淫魔でオネシャス!とか言う
からだよ! ボクまだ淫魔の研修も終わってなかったんだからな!!」
男「研修制度あんのかよ! じゃあもっかい履修して出直してこいや!」
女「だからタカシの精気を一回でも吸わないと魔界には戻れないの!」
男「おーしじゃあさっさと精気吸って元の世界に戻れやゴルァ!」カチャカチャ、ポロン
女「きゃっ……へ、変なもん出すな! 早くしまえ///!」カァァッ
男「……お前本当に淫魔?」
女「うるさいバカァ///!!」
・ツンデレが淫魔だったら(かなみさん&尊さんVer.)
男「おーい、入っていいかー?」
かなみ「……」ムスッ
尊「勝手にしろ、バカ」
男「じゃあ失礼して……(ガチャッ)おぉっ、二人とも似合ってんじゃん!」
かなみ「うっさいバカ! こんな恥ずかしいカッコさせて、死ね! 死ね!」
男「いやすまん。夏コミの売り子が体調崩して代わりが必要でさぁ……」
尊「だからといってコスプレさせる必要はあるまい。しかもこんなハレンチな格好で……」
かなみ「尊さんも一緒って聞いたからやる気になったけど……やっぱり私止める!」
男「おっとぉ、そんなこと言っていいのかな?」カシャッカシャッ
尊「ちょ……貴様、何を撮っている!?」
男「俺の申し出を断ったら、この恥ずかしい写真が世間に流出することになるぜぇ」フヒヒ
かなみ「うわ、サイッテー! だからあんたって嫌いなのよ!」
男「まぁ一日だけだし堪えてくれ。な、頼む」
尊「その夏コミとやらが終わったら、命の保証はないと思えよ……?」ゴゴゴゴ
しかしその後、自らコスプレにハマってゆく運命にあることを、この時の二人はまだ知らなかった……。
・ツンデレが淫魔だったら(お嬢Ver.)
女「おーっほっほ! タカシ、ここにいらして?」シュンッ
男「うわまた来た。変態淫魔」
女「変態とは誰のことですの!? 淫魔が性を狙うのは当然じゃありませんの!」
男「何度も言うけど、あんた俺の好みじゃないの。だからキッパリ断ってるじゃん」
女「それでは私のプライドが許しませんわ。それに、容姿も性技も全てあなた好みにしてますのよ? 何が不満なのかしら」
男「だったら後は性格だけ治して来てくれ。そのゴリ押しする性格に萎えて萌えないんだよ」
女「頭の固い御仁ですこと。どうせなら下を固くすればいいものを」
男「性的にオープンでアメリカンなの嫌いなの。あとその金髪も外国女を彷彿とさせて萎える」
女「文句の多い殿方ですわね……こっちが呆れてしまいますわ」
男「そんなにザーメン欲しいなら、他の男んとこ行けば?」
女「そ、それでは意味がありませんの!!」
男「なんで? 効率よくヤるのは悪い考えじゃないと思うけど」
女「……ドにぶちんのあなたには、察しろと言っても無理な話ですわよね」
男「……はぁ?」
・ツンデレが淫魔だったら(かつみさんVer.)
女「うらぁぁぁぁぁ」ボスッ
男「ごふっ……」
女「ヒマだー相手しろタカシー」ゴロゴロ
男「やめてください、しんでしまいます」
女「クッションがあるから痛くないだろー」ゴロゴロムニュン
男「おっぱいクッションにするな! とても困るわ、俺の下半身的に」
女「なんだ? 下半身固くして、いっちょ前に男のつもりか? ん?」サワッ
男「こら、触るな! 反応しちまうだろが!」
女「ハッハーン、さてはお前勃起してやがるな? 恥ずかしい奴ー」サワサワ
男「てめっ……あんまり度が過ぎると俺も乳もむぞ!」ムニィッ
女「やっ……」ピクンッ
男「……えっ?」
女「……てってめぇ!! 勝手にドコ触ってやがるんだぁぁぁぁぁ///!!!!」ボゴォ
男「ごへぶっ!」
女「俺が触るのはいいけどお前は触んな! 絶対だぞ!」プンプン
男「なんという理不尽……これはまさしく淫魔、いや魔王の貫禄……」ガクッ
・ツンデレが淫魔だったら(纏さんVer.)
女「ぬっふっふっ、タカシよ。今宵もまた来てやったぞぇ」
男「……またあんたか。人の夢ん中に毎回現れて、あんた何がしたいんだ」
女「決まっておろう。あれじゃよ、あれ」クィクィ
男「……腰をふらないでくれ。ものすごく下品に見えるぞ」
女「淫魔に品性を求める方がどうかしておるのじゃ。気にするな」
男「黒髪美女が毎日犯しにくる夢なんて、頭おかしいとしか思えないんですが」
女「主とて、相手がおらんで溜まっていようが。憐れんで抜きに来てやってる儂の身にもなれい」
男「とかいって、本当は自分が俺とヤりたいだけなんだろー」
女「馬鹿を抜かすな。それより早く儂に精を放たぬか、小僧」
男「はいはい……」ハムッ
女「んっ……」
女(……やはりこやつとの性交が、一番相性が良いようじゃの///)
GJ!!!
ボクっ娘はもらった!!!
542 :
ほんわか名無しさん:2012/08/09(木) 23:20:43.48 0
GJ!!
ツンデレごとにパターンが違って面白いが、今回は尊さんが一番かのう
ちなみサキュバスは貰って行きますね
544 :
ほんわか名無しさん:2012/08/10(金) 05:41:43.95 0
お題
つ・何だかまだ○○し足りない気がするツンデレ
その胸にちんちん挟みたい
切実に
揉みたい
揉みたい
お題
つ・ツンデレにゴメン、今日はもう寝るって言ったら
お題
つ・職場にたった一人で男が仕事してたら
鏡よ鏡、この世で一番可愛いツンデレはだぁれ?
ちなみよちなみ、この世で一番可愛いちなみんはだぁれ?
554 :
1/5:2012/08/12(日) 00:58:28.41 0
【ツンデレと一緒にプールへ行ったら】
近頃は暑いのでプール等に行って身体を冷やしたい所存。
「勝手に行くがよい、愚か者。わらわに言う必要などなかろう、愚か者。早う死ね、愚か者」
といったことをまつりに言ったら、上記のようなことを言われた。
「なるほど、つまり今のを意訳すれば、『わらわも一緒に連れて行って欲しいですじゃ、ぬし様♪』と言った感じになるのだな」
「ならぬわっ! なんでわらわが貴様如きに『はにゃーん、ぬし様ぁ♪』などと甘ったるく言わねばならぬのだっ!」
「はにゃーんとは言ってません」
「うっ、うるさいのじゃ!」
「こないだ貸したCCさくらのDVD観てるの?」
「うるさいのじゃあ!」
なんか真っ赤な顔した人に怒られた。
「まあいいや。そういうわけで、一人で行っても仕方ないし、一緒に行かないか? 今ならおごってあげる予感」
「おごりでも何でも行かぬと言っておろうがっ! どうして貴様はわらわの話を聞かんかや!?」
「意図的に聞き流して、自分が持って行きたい方向へコントロールしようとしているからじゃないか?」
「今日も貴様なんて大嫌いなのじゃあうわーんっ!」
などとぐすぐす泣かれたものの、どうにか泣き止ましてプールへ来ましたプール。
「ううう……今日も貴様は酷いのじゃあ……」
「まあそう悲しむな。ほら、プールに入れば幼女が見放題だぞ?」(なでなで)
「そんなの貴様みたいな変態しか喜ばんのじゃっ! わらわは女性なのでちっとも嬉しくないのじゃ! 頭をなでるでないっ!」
「いいや、なでるね!」(なでなでなで)
「今日もこやつはわらわの話をきかんのじゃあ……」
なんか悲しそうだったので、なでり力をあげてなでてみた。
「……ぬ?」
「ん」(なでなで)
「……ぬー」(こくこく)
なんか分からんが納得したようなので善し。受付で金を払っていざプールへ。
「もう来ちゃったから仕方ないけど、次からはナシじゃからの!? 誘われても来ぬからの!」
「じゃあ次から誘わないでいきなり拉致するよ」
「昼日中から犯罪予告されちゃったのじゃあ……」
555 :
2/5:2012/08/12(日) 00:59:06.83 0
悲しそうなまつりの背中をばいばいと見送り、自分は男子更衣室へ。もーこれがまるで楽しくないので情景は割愛、表に出てまつりを待つ。
「さて、まつりはどんな格好か……さらし&ふんどしか?」
「いつの時代じゃ、愚か者」
「おお、その声はまつりか。……ふむ」
「な、なんじゃ。……じ、じろじろ見るでない、愚か者!」
急遽誘われたからであろう、まつりはその未成熟な身体を紺色の悪魔、即ちスク水に包んでいた。以前俺が純然たる厚意のみで縫いつけた『まつり』と書かれた胸元の白い名前欄が眩しい。
「う、うぅー……わらわだって、わらわだって分かってればもうちょっとマシな水着を選んだのじゃ。突然言われたからこんなのしか用意できなかったのじゃ。全部貴様のせいなのじゃ!」
「超馬鹿みたいで可愛いですね」
「やっぱ馬鹿にされたのじゃうわーん!」
「褒めたのに」
よしよしと頭をなでて慰める。
「ぐすぐす……ちっとも褒めてなかったのじゃ。超馬鹿って言ったのじゃ。そも、この馬鹿みたいの要素の塊である名前欄は、貴様が勝手に強固に縫い付けたから取れぬのじゃ。死んじゃえばいいのじゃ」
「わっはっは。なんかぐにゃぐにゃ言ってるが、やっぱスク水は貧乳が映えるなあ」
「どーせぺたんこなのじゃっ!」
「何を怒っているか。大変似合ってて、可愛いですよ?」
「うっ……うるさいのじゃっ! 貴様なんかに褒められてもちっとも嬉しくなんてないのじゃっ!」
「へーへー」(なでなで)
「……う、嬉しくなんてないのじゃよ?」
なんか俺の顔が急にニヤけだしたが、それは別にまつりがこちらにちょこちょこっと寄ってきて、俺の水着をちょこんとつまんだのとは関係ないハズ。
「と、とまれ、折角プールに来たのだ、泳ごうではないか」
「そ、そじゃな! 極々稀に良いことを言うのう!」
二人で何かを誤魔化すようにわははと笑う。うむ、善し。
「じゃ、じゃあの、じゃあの、まずはどのプールにするかの?」
「んー、そだな。まつりはどこ行きたい?」
「んと……あれ! あれがよいのじゃ!」
まつりが指差す先に、ウォータースライダーがあった。
「ほう、まるで人の腸を模したかのような管の中に入りたいと言うのだな? 擬似的なアレになりたいのか?」
まつりが嫌そうな顔をした。
556 :
3/5:2012/08/12(日) 00:59:38.84 0
「……今日も貴様は人を不愉快にさせる達人じゃの」
「いやあ、照れることしきり」
「わざとじゃろうが、一応言っておくのじゃ。褒めてないのじゃっ!」
「いやはや。じゃ、行くか」
「あんなこと言ったうえで行くのかや……?」
「嫌なら別のとこでもいいが」
「……まあいいのじゃ。どーせどこ行っても最初に嫌なことを言うに決まってるのじゃ、一緒なのじゃ。ほれ、わらわたちも並ぶぞよ?」
ウォータースライダーに並ぶ人たちを見ながら、まつりはきゅっと俺の手を握った。
「ほうあひゃ」
「なっ、なんじゃっ!?」
「いや、その、て、手が」
「……だ、だって、いっぱい並んでるから、手繋がないとわらわと貴様が一緒って係の人が分からなくなっちゃうのじゃ! そ、それだけなのじゃ!」
「まつりの手って小さいな」
「感想はいらんのじゃよ!?」
なんで泣きそうになってんだ。
「い、いーから並ぶのじゃ!」
ぐいぐい引っ張られ、ウォータースライダーの列の最後尾に並ぶ。俺達の番まで数分かかりそうだ。
「う、うぅー……そも、貴様の手が大きすぎるだけなのじゃ。わらわが小さいんじゃないのじゃ」
「標準的だと思いますが」
「うるさいのじゃ!」
数分なんてまつりといたらあっという間なので、あれよあれよという間に俺たちの番になった。
「な、なんじゃとお!?」
で、先にまつりを滑らそうと思って順を譲り、なにか係の人と喋ってると思ったら、まつりが頓狂な声をあげた。
「……え、あ、うー……ち、違……わない、のじゃ」
チラチラとこちらを見たかと思ったら、かぼそい声でぼそぼそと何か言ってた。あと、やけに顔が赤い。
「…………」
その赤い顔のまま、まつりが来い来いと手招きする。手招かれたからには招かれざるを得ないので、のこのこそちらに行ったら係員の人に座らされた。そしてその俺の膝の上にまつりがちょこんとぉぉぉぉぉ!?
「な、何がこの地球上で行われているのか説明せよ! 配点:5点!」
「き、今日はいっぱい人がいるから効率性を重視した結果なのじゃ! べ、別に恋人はこーゆー感じで滑るんじゃないじゃっ!」
「な、なるほど」
557 :
4/5:2012/08/12(日) 01:00:24.44 0
「ほ、ホントなのじゃよ? 恋人同士ならこーして後ろから抱っこして滑った方がよいなんて言われてないのじゃよ?」
「そ、そうか。まあ恋人じゃないからなあ」
「むー……」
なんかまつりの機嫌が悪くなった。
どうしようかと思っていたら、係員がいいから早く行けと言うので、まつりの尻の感触を味わいつつ、つるりと管の中に入る。
「ぬっひゃああああああ!」
するとまつりが超うるさい。
「腸だけに、なんちて。うひゃひゃ」
「何を言っとるのじゃああああ!? も、もっとわらわをぎゅーってするのじゃあ!」
「これは素敵な提案だ」
そんなわけで、滑りながらもまつりをぎゅーっと抱きしめる。すると。
「あ」
「ふにゃあああ!?」
手が滑って胸元に手が移動したりしちゃったりなんかしちゃったりして。
「な、な、な、なにをするのじゃあ!?」
「……ええい、こうなったらドサクサに紛れるぜ!」(もみもみ)
「にゃっ、ふにゃっ、ふにゃあっ!?」
ぺたんこかと思いきや、もみもみしてみるとしっかりともみもみできる不思議素材。女の子って不思議ぶくぶくぶく。
「……ぷはあっ。き、き、貴様、わ、わらわのおっぱいを、も、も、もーっ!?」
「……ぷはっ。 あ、別に急激に失神してあぶくを吹いたのではなく、スライダーが終わってプールに落着しただけです」
「何の話なのじゃっ!?」
「まあまあ、文句その他は後で後で。ここにいたら後続のプール滑ラーに蹴られるぞ。ちなみにラー油とは関係ない模様」
「ぬ、ぬぅ……」
渋々、といった感有り有りだったが、とりあえずプールから出て、袖にある椅子に腰掛ける。
「やー、楽しかったな」
「ちっともなのじゃ! 貴様、なんでわらわのおっぱいをもみもみしたかや!?」
「いやいや、そんなぺたんこなのに揉んだりなんてできるわけねーじゃん」
「ヘーゼンと嘘をついちゃダメなのじゃっ! もみもみしたのじゃ、されたのじゃっ!」
「いやあ、スライダーが怖くてしがみついちゃったから、その拍子に触っちゃったのかもしれないね。てへ、ごめりんこ☆」
「絶対嘘なのじゃっ! はっきりと『ええい、こうなったらドサクサに紛れるぜ!』って聞こえたのじゃ! あと、その謝罪だと絶対に許さんのじゃ!」
558 :
5/5:2012/08/12(日) 01:01:02.12 0
「しまった、こんなところで俺の嘘をつかない紳士性が露見した。このままではまつりが俺の紳士っぷりに惚れてしまう」
「何を無理やり自分を褒めてるかや!? それにさっき嘘ついてたのじゃ! ……じゃ、じゃから、……ほ、惚れたりなんてしてないのじゃよ?」
それは当然なのだが、どうしてもじもじしている。
「と、とにかく! わらわのおっぱいをもみもみしたことをちゃんと謝るのじゃ! ごめんなさいって言うのじゃ!」
「つまり、謝れば乳を揉み放題なんだな。なんと好都合な!」
「そんな放題ないのじゃっ! わらわのおっぱいに触っちゃ駄目なのじゃ!」
「まあ、当然だわな。ごめんな、まつり。抱っこしたらあんまりにもまつりの身体が柔らかくて、ムラムラしちゃって、つい揉んじゃったんだ」
「う……そ、そんなこと言われても、許さんものは許さんのじゃ!」
「うん、許してくれとは言わない。だけど、これだけは言わせてくれ。許してくれ」
「ええーっ!?」
まつりがびっくりした。
「あと、もっかい揉みたい。一回謝れば一もみもみだよな、確か」
「無茶苦茶言ってるのじゃよ、貴様!? 気づいてるかの!? そしてそんな単位ないのじゃ!」
「んじゃまつりが許してくれたうえに後で一もみもみさせてくれるらしいし、そろそろ泳ごうか。競争でもするか?」
「許してない、ちっとも許してないし、一もみもみも許可してないのじゃよ!?」
なんかあわあわしながらも、律儀についてくるまつりは偉いなあと思った。
559 :
ほんわか名無しさん:2012/08/12(日) 04:25:44.03 0
>>558 ふぅ……ヤバスなぁ……
一つ言っておくが、最近は若い女性でも発育途上の女の子にハァハァして思わず盗撮までしちゃった人もいるらしいですよ?
まつりんGJ!
561 :
1/5:2012/08/12(日) 11:53:13.25 0
・夏休みなのに男が一人で仕事してたらツンデレがやってきた
ガチャッ……
「ん? 誰?」
『あ、何だ。別府さんですか…… セキュリティが解除されてるから誰がいるんだろうっ
て思ったら……』
「椎水さん? どうしたの、夏休みなのに」
『え? 私はちょっと、忘れ物を取りに。別府さんはどうしたんですか?』
「どうしたもこうしたも、見ての通り仕事だよ」
『休みにまで仕事ズレ込ませるなんて、相変わらず要領悪いですね。ホントに』
「いや、今日納品立会いだったから。で、さっき戻って来て伝票関係整理して、どうせだ
からついでに溜まった雑用も少し片付けようかなって……」
『サビ残なのに、よくマメに働きますよね。ホント、まさに社畜って別府さんみたいな人
の事ですよね』
「サビ残言うな。むしろ時間一杯働けば、代休取れるし。来月下旬は少し暇になるし、一
日くらいゆっくりしようかなって」
『フーン。今年は結構長い休み取る人多いから、旅行とか行く人も多いって言うのに……
まあ、別府さんは関係ないですよね。どうせ、予定とか何にも無いんでしょうし』
「どうせ言うな。まあ、確かに何にもないけどな。ちょっと実家に顔出すくらいで…… 椎
水さんは何か予定あるの?」
『わ、私はその……今日はこれから学生時代の友達とお茶するんです。あと、明日は地元
の友達と女子会で…… まあ、そんなトコですけど……』
「ふーん。何か、普通の休みでも出来そうな予定ばかりだな。あんまり人の事言えないよ
うな……」
『よっ……余計なお世話ですよっ!! 本当に何の予定も無い別府さんよりは……これで
も、マシです』
「まあ、別に遠出するばかりが休みの過ごし方でもないけどな。で、忘れ物って何?」
『これです、これ』
「これって、ダイアリー? スマホ時代に、結構古風なもの使ってんだな」
562 :
2/5:2012/08/12(日) 11:53:43.92 0
『何言ってるんですか。手書きだからいいんですよ。あと、私まだガラケーですし。申し
訳ありませんけど』
「いや、別にそんなわざわざ自分で卑下する事ないと思うけど」
『何言ってるんですか。別府さんがバカにするような言い方するからですよ。私自身はこ
れでいいと思ってるんですから。大きなお世話です』
「いや、ゴメン。そういうつもりは無かったけど、気に触ったなら謝るよ。ところで、約
束はいいの?」
『まだ時間ありますから。外暑いし、会社で休もうと思って……そうそう。これ、食べな
きゃ、溶けちゃう』
「そのコンビニ袋の中身ってアイスか。もしかして、差し入れとか?」
『何バカな事言ってるんですか。そもそも別府さんがいるって知らないのに、差し入れ準
備するわけないでしょう? まあ、知ってても買ってなんか来ませんけど』
「うーん……最後の一言はともかく、まあそうだよな。っていうか、でかっ!! レディ
ボーデンのストロベリーかよ。それ、一人で食うの?」
『どうです? 豪勢でしょ? 私、これ大好きなんで、たまーにやるんですよ。でも、家
だとお母さんからみんなで分けなさいって言われるし、さすがに会社じゃ出来ないし。今
日は一人だから思いっきり食べられると思って買って来たんです』
「……その様子じゃあ、分ける気ないな」
『無論です。あーっ……おいしっ♪』
「何か、超幸せそうな顔してんな」
『だって幸せですもん。別府さんが見てなければもっと幸せです。だから、こっち見てな
いでさっさと仕事に戻って下さい』
「はいはい。じゃあ、ま、俺はいないもんだと思って、幸せな時間を満喫してください」
〜十数分後〜
『……別府さん。ちょっといいですか?』
「何? 椎水さん。まさかゴミ捨てて来てとか、そういう話じゃないよね?」
『そんな事一言も言ってないじゃないですか。大体、職場の先輩にそういう事頼まないだ
けの常識は持ってますってば』
563 :
3/5:2012/08/12(日) 11:54:15.21 0
「まあ、今のは冗談だけどね。で、何?」
『……いや、その……冷たいものとか食べたいなーとか、思ってません?』
「いや、別に。事務所だとクーラー効いてるし」
『どうしてそこで否定するんですか。さっきは差し入れかと勘違いして目を輝かせてたのに』
「あれはどっちかと言えば、優しさを期待してたってトコかな。食い物そのものよりも」
『うわ。どれだけ過剰な期待抱いてるんですか。別府さんに分け与える優しさなんて、こ
れっぽっちも有り得ませんし』
「まあ、そうだろうけどさ。で、俺が冷たいもの欲しかったらどうだっていうの?」
『……これ、食べませんか? 残り物ですけど……』
「どうしたんだ? さっきまであんなに目を輝かせて美味しそうに食ってたのに。つか、
あの勢いなら当然完食出来ると思ってたけど」
『そうなんですけどね…… 前は平気で全部食べ切れたのに、何か体が冷えちゃって、無
理して食べるとお腹壊すかな、なんて。この部屋、ちょっと冷房効き過ぎじゃありません?
ちゃんと28度に設定してますか?』
「してるよ、ちゃんと。もしかして、昔と違って体が追い付かなくなって来たとかじゃない?」
『しっ……失礼な事言わないで下さい。まだ25歳なんですから。別府さんのようにアラサー
じゃないですもん』
「ゴメンゴメン。冗談だって。まあ、くれるというなら貰うけどさ。でも本当にいいの?
何だったら、会社の冷蔵庫に入れて取っといてもいいんじゃない?」
『だ……だって、夏休み中放置したら、なんか変質しちゃうかもしれないじゃないですか。
食べかけなんだし…… それに、別府さんとか男の人ならともかく、他の子に知られるの
何かヤだし…… だからどうぞ。このスプーンもあげますから。食べやすいように、アイ
ス用じゃなくて、スープとかに使うでかいのですから』
「ああ、ありがとう…… でも、本当にいいの?」
『何べんも同じ事をしつこいですよ。私がいいっていってるんですから、早く受け取って
下さい。早く食べないと溶けちゃうじゃないですか』
「いや。えーとさ。その……これって、俺と間接キスする事になるけど……いいのかなっ
て、事なんだけど……」
564 :
4/5:2012/08/12(日) 11:54:46.37 0
『――っ!? な……ななな……何言ってるんですかっ!! こっ……子供じゃあるまい
し……社会人にもなって、普通そういう事意識します?』
「いや。男からすれば、人によって差はあるにせよ、少しは意識すると思うけどなあ。ま
してや、若くて可愛い子だったりすれば」
『サ……サラッと気持ち悪い事言わないで下さいっ!! い……いーんですよ。私が別府
さんの食べかけ食べるわけじゃないですから…… そうやって意識されるのはイヤですけど』
「分かった。じゃ、溶けないうちに残りを頂くよ。って、ほとんど食べちゃってるんだな」
『ま、まだ普通のカップに2杯分くらいは残ってますってば。そんな、大食い強調するよ
うな言い方は止めて下さい』
「悪い。また気に障るような事言っちゃって。うん、これ本当に美味しいな。今度機会が
あったら、また食べようよ。次はご馳走するから」
『な……何で私が別府さんとなんか…… あ、で、でもその……ご馳走してくれるって言
うんだから、まあそれなら仕方ないかな……』
「ハハ…… ま、こんな風に事務所で二人でアイス食べられる機会なんてそうそうはない
と思うけどね」
『まあ、確かにそうですけど。それじゃあ私、そろそろ行きますね。ゴミ、ちゃんと捨て
といてくださいよ?』
「分かってるよ。やっぱりゴミ捨てお願いされちゃったな」
『ちゃ……ちゃんとアイスだってあげたじゃないですか。だからこれはギブアンドテイクっ
て奴ですよ。別に別府さん使った訳じゃないですから』
「そうムキになるなって。じゃあ、いい夏休みを」
『……いい夏休みかぁ…… 普段通りだと、特に思い出も出来ないかなあ…… あっとい
う間に過ぎちゃうだけで』
「まあ、体休めるだけでも十分だと思うけどね。お盆なんて短いし。椎水さんも最近忙し
いしね」
『確かにそうですけど、でもなあ…… やっぱり、お出かけとかしたいなあ。誘ってくれ
るような、素敵な男性でもいればいいんですけどね』
「え?」
565 :
5/5:2012/08/12(日) 11:55:33.08 0
『あっ…… べべべべべ、別に、その……別府さんの事言った訳じゃないですよ? そう
いう人がいればいいけどなあっていう、それだけですっ!! 変な勘違いしないで下さいっ
てば!!』
「いや、ゴメン。そこまで意識したつもりはなかったんだけど。まあ、俺も一緒に過ごせ
る彼女とかいたら、もっと充実した休みが送れるかも知れなかったけど。まあ、今年はも
う間に合わないけどな」
『…………別に……まだ間に合わないわけじゃ……』(ボソッ……)
「何? 今、何か言った?」
『いえ、何も言ってません。それじゃあ、私行きますから。ちゃんと仕事頑張って下さい
ね。サボらずに』
「分かってるよ。休み明けに苦労したくないしね」
『変なもの食べて、食あたりで苦しんで終わるとか無しですよ。別府さんって、ズボラそ
うですから気をつけて下さいね。夏ですから、食べ物当たりやすいですし』
「ありがとう、心配してくれて。それじゃあ、お疲れ様」
『はい、お疲れ様です。失礼します』
バタン。
「フゥ…… あれ、誘い受けかなあ…… いや、まさか椎水さんがね。でも……まあ、どっ
か誘うくらい、やってみてもいいかもな。勘違いの可能性は高いけど、彼女も暇そうだっ
たし。まあ、断わられたらそれはそれでいいくらいのノリなら…… ちょっと、彼女の
行きたそうな所、調べてみるかな……」
『……昨日、別府さんが電話してる声で、今日出勤するって知ってたから寄ってみたけど……
やっぱり私って下手だなぁ…… あんな思わせぶり発言するなら、最初から素直に誘って
下さいって言った方が…… でも、それが出来ないから苦労してんのよね…… ハァ……
誘ってくれればいいけどなあ……』
終わり
GJ!この距離感がたまらん!
>>441の続き
街でゲテゲテしたヤツに囲まれた
「またこのパターンか!ヤバい!今は梓もいない、今度こそ死ぬ!」
覚悟は決まらないが目を閉じる、すると今までの人生が走馬灯のように
「(あー死ぬのかなー、そういや昔よく見た虫、今では全然見ないなー、あと、今エロゲー買って帰るとこだった。オレ童貞のまま死ぬんだー)」
どうやらオレは下らない事を考えながら死ぬらしい。
そんな風に考えていると
[開!]
凛々しい声に目を開くとオレの回りに、何と言うか、バリアーみたいなよく分からないモノが半球状に広がっていた。
[別府さん、危ないところでしたね。でも、もう大丈夫ですわ]
振り返るとそこには大学の友人、と言える程仲が良い訳ではない知り合い、神野リナが立っていた。
巫女服姿で
しかも腋がしっかり見える巫女服だ、腋は「脇」ではなく「腋」の方がエロスを感じる。
つまり「腋」と上記しているのは、まぁつまり、あれだ、そういうことだ。
[私のそばから離れないでくださいね、いきますわよ妖魔ども!]
[妖魔調伏!!]
神野が叫ぶやいなや周辺に爆発が起こった、もれなく巻き込まれた
「━━━━━━」(痛みと現実を処理できずにフリーズ)
[別府さん、終わりましたわ、さぁもう大丈夫…って別府さん!血が!怪我が!]
[かくなる上は、この治癒法で](///)
待て、なんだコレは前回は一匹だった、梓がすぐに来た、被害はなかった。
今回はどうだ?複数、神野が来た、痛い、エロゲー吹き飛んだ
「巫!!山!!戯!!ん!!な!!」
[きゃあ!急に起きないでください、びっくりするでしょうが](///)
エロゲーに対する怒りから無理矢理意識を回復させると、神野の顔がやたらと近くにあった、だが今はどうでもいい
「色々聞きたい事があるが、まず聞かせろ、何やってんの?」
「魔法少女ですわ、私最近アルバイトを始めましたの。私も大学生ですし親から自立するためにも、まずわ。と思いまして。」
一番聞きたくなかった言葉だった
だが今はそれ以上に大事なことが
「そんな事より!どうしてくれるんだ、オレのゲーム!あぁオレの男の娘ライフがぁ…」
[そんな事って、貴方が聞いてきたんでしょうが!]
[ところで別府さん、オトコノコとは何ですか?まさか、いかがわしいゲームではないですわよね?]
「いやいやいやいや、そんな事はなぃょ、その、あれだ、そう!愛情の素晴らしさ、お互いを慈しみ大事に思う、その大いなる愛の前では他のいかなる事も些末事にすぎない。そんなゲームだ。」
嘘は吐いていないはずだ
[まぁ…それならば駄目にしてしまったのは私、神野リナ責任を持って修復しますわ]
神野は勘違いしているらしい、えらく感動している様に見える、マズイ、ヤバイ
「いや、神野さん、大丈夫だよ、壊れた物はしょうがないし、あぁ!怪我が治ってる、これって神野がやってくれたの?だったらもう充分だよ、本当!本当に!!」
[遠慮なさらずに、えい!]
凄く、凄く凄く怒られました
「すいません…」
[知りませんわ!あんなエッチな物消えてしまえばよかったんですわ!](///)
ちなみにエロゲーは修復後に再度壊されるという憂き目に会いました、あぁオレの男の娘が…
「ところで神野、何で巫女服?」
[何でって、私はあと一年としない内に成人しますのよ、でしたら仕事着とはいえ落ち着いたものを選びますわ。]
[まぁ中には子供が着るような衣装を好む方もいらっしゃるらしいですが、正直年齢を考えてほしいですわね]
19で魔法少女と名乗るのは年齢気にした方がいいと思うぞ、とか
フリフリフワフワの衣装に身を包んだ幼なじみの梓を思い浮かべたりしたが、どっちも話すと長くなりそうだからやめた
今は帰ってブレイクハートを静かに癒したかった
「そんじゃあ神野、オレ帰るよ、助けてくれてありがとな、あと怪我も治してくれたし。バイト頑張れよ、でも無茶はするなよー」
[ぁ…お、お待ちなさい!そ、その、変じゃありませんか、この服?…………可愛らしかったりします?](////)
帰ろうとしたら神野に呼び止められた、最後の辺りは小さな声で聞き取れなかったが、
「よく似合ってるよ、神野は美人だから何着ても綺麗だよ。(特に今回は腋がいい)」
[脇…ですか?]
心の声がダダ漏れていた
[ふ、ふふふ、うふふふふふ…]
「あの、神野さん、その…………ええと、とりあえず札をしまってくれると嬉しい…
[成敗!]
吹き飛んだ、バイト帰りの梓に治してもらった、死ぬかと思った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
[はぁ褒めてくれたと思ったら脇だなんて、ぬか喜びもいいところですわ]
[けれども別府さんが脇フェチだと分かったことは収穫ですわね]
[それに綺麗って、美人って](/////)
[でもできれば、「可愛い」と言って欲しかったですわ、高望みでしょうか…]
[か、かくなる上はノースリーブでフリルが沢山ついた衣装であれば、](////)
[いや…でも…うーん…あぁ…もう…]
終っときたい
ちなみんみんぜみが耳元でミンミン言ってる
かなみんみんぜみも耳元でミンミン言ってる
575 :
ほんわか名無しさん:2012/08/13(月) 18:19:39.83 0
スレも落ち日付も変わった
さあお前ら月曜日だぞ
お題
・休みが不定期で曜日の感覚が分からなくなっているツンデレ
うわぁ俺恥ずかしい…
580 :
1/2:2012/08/14(火) 04:18:55.95 0
友「…」ムスッ
山「…友ちゃん」
友「…なによ」
山「えっと…なんでそんな機嫌悪いの」
友「何もすることがないからよ」
山「…タカシとかなみちゃん、居ないもんね」
友「あいつら、お盆休みに託けて2人で旅行にでも行ったに決まってるわ!」
山「まぁ、しょうがないよ」
友「もー!編集できなきゃこんなとこ来たくないのにー!!」
山「…いや、来なきゃ良いじゃない。別に来いとも言ってないし」
友「アンタの部屋はエアコン効いてて涼しいから仕方なく来たのよ」
山「あ、そ…」
友「あー、ひまー」ゴロゴロ
山「…ゲームでもやる?」
友「そういう気分じゃない」
山「そう…」
友「なんとかしなさいよー!」ゲシゲシ
山「そう言われても」
友「…アンタは何やってんのよ」
山「…夏休みの課題だけど」
友「ああ、ご苦労だこと」
山「友ちゃんはもう終わったの?」
友「ううん?」
山「ううんって、やらなくて良いの?」
友「山田の見せてもらうし」
山「えっ」
友「ねぇ、良いでしょ?ねぇねぇ」すりすり
山「…そういう時ばっかり品を作って…まぁ、友ちゃんの頼みなら…って言いたいところだけどね」
友「…何よ」
山「さすがにタダじゃなぁ。ボクにも何かリターンが欲しいな」
友「何が良いのよ?」
581 :
2/2:2012/08/14(火) 04:20:21.81 0
山「そーだなぁ。今、ボクにキスしてくれるなんて、どう?」
友「は、はぁ!?何考えてるのよ!?」
山「これだと、お金も時間もかからないし、良いんじゃない?」
友「そんな、こと…!」
山「ダメなら、見せるってのはナシで」
友「ぁぅ…わ、わかった!すれば良いんでしょ!?」
山「決まりだね」
友「…バカ…ほら、目ぇ瞑りなさいよ」
山「…ん」
友「…すぅー…はぁー…」ドキドキ
ちゅっ
山「んむぅっ…!?」
友「んぅ…むぅ…」
山「…ん」
友「…ぷはっ…はぁ…こ、これで良いんでしょ…?」
山「…う…うん」
友「…なに顔赤くしてんのよ。自分から言い出したクセにみっともないわね」
山「いや、その…別に口にキスしてくれとは言わなかったから、てっきりほっぺにすると思ってて…」
友「へ…?…あ」
山「…」
友「…どーしてくれんのよ…これ、ファーストキスだったのよ!?」
山「え…えっと…ご、ごめんなさい」
友「…ばか、責任取れ」
山「…はい」
その後お姫様抱っこを強要されたり、晩御飯をあーんで食べさせたり、
既成事実的な意味で責任を取るハメになるのは別の話
>>581 この一部始終をツンデレとタカシが目撃してしまったらどうなるの??
お題
つ・晴れたしどっか行こうよってツンデレに誘われたら
585 :
ほんわか名無しさん:2012/08/15(水) 05:01:48.61 0
ツンデレにいきなり抱きついて胸に顔をうずめてすすり泣いたら
男がツンデレに内緒で一人で出掛けたらツンデレはどうするの?
>>54 装備が魔法に変わるだけで、スタート押すのは変わらないよ。おまけにセレクトも押す。
だからやめとけ。
>>56 そうやって割り切れる人と割り切れない人がいるってことだろ。
「一般兵」とかいう無個性な名前なら普通に捨て駒にできてたけどな・・・
ひどい誤爆をした。すまん。
>>588 ・装備が魔法になったツンデレ
・一般兵なツンデレ
・捨て駒にされるツンデ……ごめん、それだけは無理
592 :
ほんわか名無しさん:2012/08/16(木) 07:58:18.68 0
ツンデレバカップルが主役の演劇のチケット取った
お題
・ツンデレと一緒に劇を見に行ったら
・劇の主役と自分たちを重ね合わせる男とツンデレ
593 :
1/2:2012/08/16(木) 12:10:22.31 0
・捨て駒にされるツンデレ
「うーん、こっちからも無理そうだ」
『くっ……こんな所に籠城しても半刻も持たないわ。援軍はいつになったら来るのよ!』
「来ないんじゃないかな」
『……は? な、何言ってんだか……それじゃあ私達がまるで――』
「あいつに捨て駒にされたんだろうな」
『御館様をあいつ呼ばわりしないで!! きっと何か……不測の事態が起きたのよ』
「それは違うな。俺が思うに、この状況は作戦通りに行ってるんだろう」
『……どういう意味よ、それ』
「つまり俺達は奇襲部隊じゃなくて囮部隊って訳だ、本隊は別方向からーってな」
『ふざけないでよ! 御館様が……そんな事……する訳……』
「一概にも絶対にしないって言い切れないだろ? 俺もあいつに激励された時から嫌な予感はしてたんだよな」
『……私達、どうなるの?』
「時期に扉は突破されて、後は多勢に無勢だ。結果は目に見えてるだろうな」
『……そうね』
「……」
『……』
「……よしっ、無駄話もこれくらいにして――」
『好き』
「……な、何? お前の口から一番言わなそうな言葉が漏れたような気がしたが」
『私は……貴方の事が……好きです……大好き』
594 :
2/2:2012/08/16(木) 12:11:28.57 0
「ち、ちょっと待て! どうしちゃったんだよ、お前!」
『この想いを伝えずに死ぬなんて……絶対に嫌だったの……だから……』
「いやいや、お前はあいつ――御館様が好きなんだろ!?」
『……そう思ってたんだ……勘違いしてる……御館様は尊敬してただけで……異性として好きなのは……貴方だけ』
「えっと、そのー……お、お前ってそんな性格だったっけ?」
『貴方が嫌って言うなら性格くらい直すけど? ……ふふっ……とは言っても時間がないけどね』
「そ、そんな事はないぞ、まだ――なっ、何で近付いて来るんだ!?」
『口付けを交わそうと思って……嫌ならしないけど?』
「……嫌ではないけど――って何言ってんだ、俺は!」
『もう少しかがんでよ……届かない……』
「えっ、あっ、そのっ……ちょっと落ち着け!」
『……落ち着いてなんか居られないよ……貴方がこんなにも近いのに――』
「ま、待ってくれ! まだ逃げられるんだ!」
『…………どういう意味?』
「そのままの意味だよ……嫌な予感がしといて何もしないのは馬鹿だけだ。ここに逃げ込んで籠城したのも意味がある」
『……この部屋に隠し通路でもあるの?』
「そうそう、御明察。古い鉱山とかを利用して、部下にこっそりと作らせたんだよ」
『……私達、助かるのね』
「だな。さっさとこんな所抜け出そうぜ」
『……』
「ん? どうし――」
『いやぁぁぁぁーーーーっっ!! わっ、私……なんて恥ずかしい事を……何で、すぐに言ってくれなかったのよ!!』
「いやいや、言おうとはしたんだぞ? お前が勝手に暴走し始めたから、言い出す機会を逃したって言うか――」
『人のせいにするつもり!? 本当に死んじゃうと思ったんだから! あぁーもうっ、さっきまでのは忘れなさい!』
「あんな濃いのをどうやったら忘れられるんだよ」
『良いから、とにかく、忘れなさいっ!! ほらっ、時間が無いんでしょ? さっさと逃げるわよ』
「へいへい……あっ、ひとつ言い忘れてた」
『……何よ?』
「いきなりで戸惑ってしまったけどさ…………さっきの続きはいつでも歓迎だぜ?」
『――――っっ!! しっ、しないからっ! もう絶対に出来な――じゃなくて! しないんだからっ!!』
>>594 GJ!!
最後に想いの丈を吐き出したつもりが、一転助かると分かって大慌てのツンデレさん可愛い
596 :
1/4:2012/08/16(木) 22:11:04.70 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その1
コンコン。
部屋をノックする音に、私は慌てて、床に散らばせた服をかき集めた。
『はい? 誰だ?』
「美琴。俺だけど、入っていいか?」
廊下から聞こえて来たのは、気心知れた幼馴染の声。私は安堵して服を脇に置くと、返
事をした。
『いいぞ。入れ』
「それじゃ、失礼します」
姿を見せたのは、別府タカシという同い年の平凡な感じの男子だ。容姿はそこそこだが
人目を引くほどイケメンでもなく、やや痩せた体も特に筋肉で締まっている風でもない。
『ほれ、とりあえず座れ』
クッションをポンと彼の足元に放る。
「そんじゃ失礼して」
タカシはクッションを尻に敷き、胡坐をかくと、細かい挨拶抜きでいきなり質問をぶつ
けてきた。
「で、どうしたんだよ。美琴が俺を部屋に呼ぶなんて珍しい」
『あ、ああ。それなのだがな』
心の準備無しで、いきなり核心に入って来た事に、私は些か戸惑いを隠せなかった。し
かし、聞かれた以上答えない訳にも行かない。私は深呼吸をして心を落ち着かせると、覚
悟を決めた。
『本来ならば、お前の吐く息で部屋を汚染されたくないのだが、今日ばかりは致し方ない』
そこで言葉を区切り、私はあごを引き、半ば彼を睨み付けるように見つめた。
『他でもない。実は、お前に頼みたい事があって呼んだ』
タカシはキョトンとした顔をしつつ、頬を指で掻きつつ頷いた。
「まあ、お前からの頼みごとってのはしょっちゅうだから意外でもないけど、部屋にわざ
わざ呼んでってのはないわな。で、どんな用事だ?」
基本的には、用があれば私からタカシの部屋に出向く方がほとんどなのだが、今日の用
事ばかりはそういう訳にも行かなかった。
597 :
2/4:2012/08/16(木) 22:11:36.27 0
『タカシ。お前、アニメとか漫画とかゲームは好きだろう?』
「は?」
唐突に私の放った質問に、タカシは戸惑った返事をした。予想された態度に、私はわざ
と憤ったように荒く鼻息をついて、先を促す。
『いいから答えろ。そういったサブカル的なものに詳しいのかどうか』
「あ、いや…… まあ、人並み程度には興味あるけど、それがどうかしたのか?」
『いちいち質問をするな。順序立てて説明しているのだから、お前は大人しく、聞かれた
事に答えていればいい』
厳しい目付きで睨みつけて注文を付けると、タカシは諦めたようにため息をついて頷いた。
「分かったよ。まあ、とりあえず話を続けてくれ。今度からはちゃんと大人しく、聞かれ
た事に答える以外は大人しく聞いてるからさ」
彼の答えに満足して、私は頷いた。
『よし。とりあえず、お前が漫画アニメの知識がそこそこ豊富であれば良い。そこで、これだ』
私は、脇に置いていた服を取ると、一着ずつ広げて彼の前に並べてみせた。
「へえ。これってコスプレの衣装じゃん。もしかして、美琴が着るのか?」
『さっき言ったばかりだろう。いちいち質問するなと』
私は声を荒げて注意する。正直、こんな事を相談するなんて本来恥ずかしくて絶対に無
理なのだ。それを、先を急かすような質問をされても答えられるわけが無い。
「ああ、ゴメン。いや、まさか美琴がこんな衣装持ってるだなんて想像もしてなかったからさ」
『無論、私のではない。これは借りた……というか、押し付けられたようなものだ』
その時の事を思い出して、私は小さくため息をつく。タカシは不思議そうな顔をしつつ
も、無言で視線だけを衣装と私に交互に送っている。そこで私は話を続けた。
『……うちのクラスの委員長……尾田風花が、オタクだと言う事は知っているな?』
「ああ。オタク男子のアイドルだからな。可愛くて真面目で清楚可憐で頭も良くて、なの
に深夜アニメやラノベに嵌まりまくってるって。俺も二、三度話したけどさ。正直、話が
ディープ過ぎて付いて行けなかったくらいだし」
タカシの答えに満足すると、私は先を続けた。
598 :
3/4:2012/08/16(木) 22:12:14.42 0
『実は、この間の期末試験では、彼女に凄く世話になったのだ。お前も応援に来たから知っ
ているだろうが、弓道部の県大会がちょうど試験の3日前だったろう? それまで私は
全く勉強してなかったからな。何とか補習だけは避けられる点数を取る為に、彼女に勉強
を教えて貰ったのだ』
するとタカシは、急に謎が解けたかのような顔でポンと手を叩いた。
「ああ。あれ、委員長に教えてもらったからか。美琴が全く勉強してないのは知ってたけ
ど、全教科きっちり平均点以上はキープしてたから、一体どんな勉強したのか不思議だっ
たんだけど」
『まあな。彼女の教え方はさすがだったよ。要点をしっかり抑えて、私の苦手な所をすぐ
に把握して、さらにテスト対策として集中すべきポイントも教えてくれたからな。ただ、
後になってまさかこんな代償が来るとは思わなかったが……』
紙袋に入った衣装を手渡しつつ、にこやかに丁寧に、かつ断わりにくいようにお願いさ
れ、つい引き受けてしまった時の事を思い出して、私は唇を噛んだ。
「……代償ってのが、これか。何となく読めて来たけど」
タカシの言葉に、私は頷いた。
『そうだ。まさかコミケなどという場所で、こんな恥ずかしい仮装をしてだな。愛想を振
りまけなど、私が出来ると思うか? いや、確かに彼女に教えて貰わなければ、私は恐ら
く英語と数学……それに物理は確実に補習だったろうが…… しかも、当日は何万人とい
う人が来るそうじゃないか。確かに、お返しは何でもするとは言ったが、こんな事になる
とは……』
「へえ。美琴がコミケでコスプレかー。それは委員長GJだな。是非俺も見てみたいや」
ワクワクした声で気楽に言うタカシを、顔を上げて私は睨み付けた。
『お前……そんなに私を晒し者にしたいのか? こんな派手な衣装着て、人前に立つなど
出来る訳ないだろう!!』
「大丈夫だって。当日はコスプレイヤーなんて大勢いるから、いくら美琴が美人だって、
そうそう注目される訳じゃないさ。何もステージに立つ訳でもないし」
安心させるようにタカシが言ってくれた。しかし何より、美人だという一言が私の心を
くすぐらせたのは秘密である。
『それは……本当なのだろうな? 適当な事を言ったら承知しないぞ?』
599 :
4/4:2012/08/16(木) 22:13:04.06 0
嬉しさを顔に出さないよう、敢えて脅す口調で言うと、タカシは難しい顔で考え込んだ。
「いや……嘘は言ってないつもりだけど……でも、もしかしたら写真撮らせてくれって言
うのは結構あるかもな。委員長も多分コスプレするんだろ? 美琴と委員長だったら、相
当ポイント高いだろうし……」
『しゃ……写真だとっ!?』
その情景がパッと頭に閃き、私は驚きと羞恥で思わずタカシに食って掛かった。
『ふざけるな!! 何で私がこんな恥ずかしい格好を見も知らぬ他人に撮らせなければな
らないんだ!! そんなのは絶対にお断りだからな!!』
「待て待て待て美琴!! 苦しい!! 死ぬ!!」
タカシの必死の訴えに、途中で私は我に返り、慌てて手を離した。
『……済まん。お前とはいえ、さすがに殺害しそうになった事は謝罪しておこう』
軽く頭を下げると、タカシは手を振ってそれを退けた。
「ゲホッゲホッ!! いや、まあ大丈夫だから。動脈には入ってなかったし。けど、レイ
ヤーなんて撮られてなんぼってトコもあるみたいだからな。むしろ美琴みたいなのは異端だろ」
タカシの言葉に、自らの常識が崩壊していくのを感じて私は両手を床に着き、頭を垂れた。
『そうなのか…… 今の日本の若者はそこまで風紀が乱れきっていたのか……』
「いや。そんな大げさなものじゃないし。お祭りみたいなものだからな。まあ、郷に入れ
ば郷に従えみたいなもんでさ。その場の雰囲気に飲まれれば、恥ずかしさなんて吹っ飛ぶかもよ?」
タカシの慰めも、私に取っては気休めにもならなかった。
『想像したくも無いな。この私が、ヒラヒラの派手な衣装を着てポーズをつけながら笑顔
で写真を撮られる姿など……』
当日を想像すると、実に気が重くなる。そんな私をよそに、タカシは気楽に質問をぶつ
けて来た。
「で、おおよその話は分かったけどさ。それで何で、俺をわざわざ呼びつけたりしたんだ?
それがまだ分からんのだが」
私はしばらく無言で俯いていた。今となっては非常に気乗りがしなくなっていたのだが、
しかし今更委員長に断りを入れる訳にもいかないし、そうなるとこれは絶対に決めねばな
らないことだ。しかも、もう現にタカシもここにいる。私は気持ちを奮い立たせ、顔を上げた。
『……タカシ。お前なら……どれを選ぶ?』
続きます
コミケ初日の日に書き始めてまだ書き上がらないとは……
お題
つ・ツンデレがモノマネをしなくちゃいけなくなったら
・切れそうなツンデレ
>>602 こういう日常を切り取ったような絵好きだわぁ
GJ!
605 :
1/3:2012/08/18(土) 00:47:34.77 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その2
「は?」
質問に質問で答え、タカシはキョトンとした顔をする。私はため息をつき、委員長から
渡されたコスプレ衣装を指した。
『いや。言い方が悪かった。私が着るなら、どれが一番いいと思うか、それを聞いているのだ』
それに対するタカシの理解は早かった。
「つまり、この中から美琴がコスプレする衣装を、俺に選んで欲しいとそういう事か?」
その言い方が何故かとても気恥ずかしくて、私は思わずそっぽを向いてしまう。
『う…… ま、まあその……自分でも姿見で見てはみたが、どれがいいのかさっぱり分か
らなくてな。そもそも私は、元になったアニメも知らないし…… お前ならまだしも分か
るだろうと、そういう事だ』
「なるほど」
頷いて、タカシは衣装に目を落とした。
「ふーん。まどマギのほむほむと、モーパイのチアキちゃんと……このドレスってAWの
副会長かよ。よく作るよな。どれもこれも凝ったのばかりでさ」
『それは、委員長の友達にコスプレ衣装作りにやたら凝る子が作ったという事だが……』
タカシは、そっと衣装を持ち上げては眺めて感心したように頷く。
「にしても、全部制服じゃないほうだもんなあ…… 魔法少女に海賊にネット世界のアバ
ター衣装かよ。ホント、凝ってるわ」
不思議な事に、何故かタカシに衣装を見られていると、既にコスプレした自分を見られ
ているような気恥ずかしさに襲われ、私は急いでタカシを急かした。
『い……いいから早く決めろ。お前のお気に入りのキャラとかでもいいから!!』
しかしタカシは、衣装を丁寧に床に置くと、おとがいに手を当て、眉を寄せて難しそう
に考え込んだ。
『何を迷う必要がある。お前にとってはそんな難しい問題でもないだろう。さあ、早くしろ』
「まあちょっと待て」
タカシは片手を上げて私の前にかざして制する。
606 :
2/3:2012/08/18(土) 00:48:06.18 0
『待てないから早く決めろと言っているのだ。私としてはだな。一分一秒でも早く、こん
なくだらない悩みから脱却したいのだ。待つことなど出来ん』
苛立つ私に、今度はまあまあと両手で抑える仕草をする。
「いや。やっぱりさ。せっかく美琴がコスプレするんだし、一番似合う衣装を選んであげ
たいじゃん。そうすると、やっぱり試着したのを見るのが一番かな……と……」
『なっ!?』
タカシの提案に、私の全身がいきなり猛烈な熱を帯びた。
『ななななな…… 何を言ってるお前は!! 何でお前の前でコスプレ衣装を披露しなけ
ればならんのだ!! い、意味が分からんぞ!!』
動揺する私を前に、タカシはいともあっさりと答えてみせた。
「何でって、衣装選びの為だろ? やっぱ見なきゃ選べないし」
『どどど……どんだけ優柔不断なんだお前は!! 私のことくらいは日頃から嫌というほ
ど見ているだろう!! 脳内で衣装合わせくらい出来ないのか?』
私の問いに答えず、タカシは私の顔をジッと見つめて、それから指を差して言った。
「美琴さ。顔、真っ赤」
『――っ!!』
タカシに指摘されてもの凄く恥ずかしくなって、私は顔を背け下を向いてしまった。も
ちろん自分の体が上気していたのは気付いていたが、あからさまにそれと分かるくらい顔
に出ていたなんて恥の極みだ。しかし、ここまで来たらもう、開き直るしかなかった。
『し……仕方……ないだろう。私だって女なんだ。人前で恥ずかしい格好をしろと言われ
れば、か……顔くらい赤くなるわ……』
「でも、大丈夫なのか? そんなんで」
『何?』
心配そうなタカシの声に、私は顔は動かさずにチラリと視線だけを送る。その先で、タ
カシは腕組みをして難しい顔で考え込むように言った。
「いや。だってコミケって何万とか何十万とかいう人が来るんだろ? なのに、そんなに
恥ずかしがってたら、当日コスプレなんてとってもじゃないが出来ないんじゃないか?」
『む……それはそうなのだがな……その……』
607 :
3/3:2012/08/18(土) 00:48:40.03 0
私は曖昧にしか答えることが出来なかった。まさかタカシの前だから余計に恥ずかしい、
なんて答えが返せるわけもなかったからだ。しかしそんな私の気も知らず、タカシは真逆
の提案してくる。
「だったらさ。まずは幼馴染の俺の前でコスプレ披露してある程度恥ずかしさに慣れてお
けば、当日は何も問題なく出来るんじゃないか? なあ」
それに対して、私は否定の言葉を返そうとして、口に出せなかった。確かに、タカシの
言っている事は間違っていない。タカシの前でコスプレを披露する恥ずかしさに比べれば、
見も知らぬ他人に見られる事など大したことではないだろうと。
『う…… た、確かにその……一理なくもないが……だが……』
そして、もう一つ。不思議な事に、最初は恥ずかしさしかなかったのに、だんだんと、
コスプレした自分の姿を、タカシに見せてみたくなって来たのだ。そして、可愛いと褒め
られたいと。どんどん大きくなるその欲求に耐え切れなくなり、ついに私は屈した。
『まあ……し、仕方ないか…… お前がそうしないと決められないと言うなら…… この
ままだと、時間だけが無駄に過ぎて行ってしまうからな……』
承諾した途端、また体が一層の熱を帯び、心臓の鼓動が早く大きくなるのを感じた。
「よし。それじゃあ善は急げだ。俺はリビングでおばさんと話してるからさ。着替え終わっ
たら、携帯で呼んでくれよ」
スクッと立ち上がったタカシを見上げて私は頷く。
『わ……分かった。母にはくれぐれも余計な事は言うなよ。いいな?』
「分かってるって。それじゃ、待ってるから」
タカシが部屋から出て行くと、私は衣装を一つ取り上げてそこに顔を埋めた。
『ううううう……タ、タカシの前でこんな恥ずかしい格好をするなんて…… でも何で……
こんなに胸が……こそばゆいような感覚になっているんだ……ハァ……』
さらに続く
GJ!毎日投下お疲れ様です!
・職業病なツンデレ
尊「……」スゥスゥ
男「おい、尊。起きろ。そろそろ出かける時間だぞ」ユサユサ
尊「うぅん……ムニャ」
男「起ーきーろっつの、アホ。今日は一緒に買い物行く約束だろ?」ペチペチ
尊「……グゥー」ゴロン
男「どんだけ深い眠りだよ……いつもならこんな手間かからないのにな」
尊「……」スヤスヤ
男「……尊主任、尊主任。ただいま市内で玉突き事故が発生しました。直ちに病院へ急行してください」ボソッ
尊「なっ、なにぃ!?」ガバッ
男「お、やっと起きたか……」
尊「何をボーッとしている! 患者は何人だ? 事故の規模は? 急を要する者から私の前へ連れて応急措置を……」
男「落ち着け、尊。ここはどこだ?」
尊「へ……? ここは……私の、部屋?」キョロキョロ
男「そうだ。お前まだナースだった頃の癖が抜けてないんだな」
尊「貴様ッ……こういう起こし方はするなと何度言ったら分かるんだ!」
男「すまん。けど尊があまりにも起きないから」
尊「自分がどれだけ不謹慎なことをしているか、わかっているのか!?」
男「わかった。わかったから落ち着け」
尊「いいや許さん。だいたい私はお前のそういうとこが昔から……」
男「説教もいいが、早く出かける準備しないと間に合わんぞ」
尊「あっ……と、とにかく今後一切こういうことをするな! わかったか!」
男「へーへー」
尊(くぅっ……こいつより先に起きれないとは、不覚ッ……)
男(仕事辞めてから無防備になったよなぁ、尊は……)
610 :
ほんわか名無しさん:2012/08/18(土) 03:12:22.17 0
外ではキリッとしてる人が家では無防備だったりだらしなかったりするのって良いよねぇ
熟睡してる嫁みこちんかわええwww
613 :
1/4:2012/08/18(土) 18:36:20.84 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その3
最初の一着目を着終えた私は、姿見の前に立ちため息をついていた。
『ハゥゥ…… こんな姿をタカシに見せるのか…… 全く恥さらしもいい所だな……』
白とグレーを基調とした学校の制服のような衣装だが、ところどころ、凝った意匠が為
されている。さらに黒のレギンス、眼鏡、三つ編みに飾りのないヘアバンドを着けた私の
姿は、何だか大人しい文学少女のように見えた。
『こんなのが本当にタカシに――じゃなかった。オタクに受けるとでも言うのだろうか……』
私は携帯に目をやる。あまり待たせると、タカシの方から催促が来かねない。仕方無し
に、私はタカシを呼び出すことにした。
『もしもし? ああ。準備は出来たからさっさと来い。グズグズしてたりしたら承知しな
いからな』
電話を切ると、私は所在無げにベッドに座った。まだ実際にタカシに見られているわけ
でもないのに、想像だけで恥ずかしさの余り身悶えしそうだ。
「美琴。俺だけど、入っていいか?」
ノックと同時に声がする。覚悟を決めて待っていたはずなのに、体がビクッと反射的に
動いてしまう。弓道で鍛えた精神修養でもって心を沈めてから、私は静かに答えた。
『……いいぞ。入れ』
「それじゃあ失礼して――おおっ!?」
ドアを開けてタカシが入って来る。そして私を見た瞬間、驚いた声で目を輝かせた。
『なっ……何だ? そんなに……その……おかしいか……?』
両腕で体を抱き締め、私は顔をそむけつつ聞いた。いや。本当はタカシの態度からどう
いう感想が来るかは予想出来ているが、自分からそんな振りなど出来る訳なく、卑下する
ような質問になってしまった。
「いやいやいや。素晴らしい。まさにリアルほむほむだ!! しかもその普段の美琴に似
合わぬ恥ずかしがりっぷりがいかにも昔のほむほむっぽい」
タカシの言ってる事が、アニメを見ていない私には些か理解出来なかったが、キャラの
イメージと合っているらしいというのは分かった。
614 :
2/4:2012/08/18(土) 18:36:51.88 0
『へ……変な興奮の仕方をするな!! 気持ちが悪い。感想を言うにしてももう少しまっ
とうな感想を言え!!』
強がって文句は言ってみるものの、タカシが私の格好に興奮している事に、私の体も興
奮してしまっていた。恥ずかしくてもうこのまま消えてしまいたい。だというのに、タカ
シは更なる要求を私に課して来た。
「とりあえず立ってみて。普通でいいからさ」
その普通で、というのがどれだけ大変なのか、タカシには分かっているのだろうかと内
心愚痴りつつ、私は勇気を振り絞って立ち上がった。
『くっ…… こ……こうでいいのか?』
「ああ。そのままジッとしてて」
頷くとタカシは、しげしげと私の格好を眺めた。
「フーン。これ、手作りかあ。スゲーな、委員長の友達ってのも。いやでも格好もいいけ
ど、こんなに美琴のイメージが変わるとも思わなかった。眼鏡はまあ、勉強の時は掛けて
るけど、三つ編みなんて逆に新鮮でいいよなあ」
『そ、そんなに人をジロジロと見つめ回すな。失礼にも程があるぞ』
前から横から後ろからタカシに見られて、堪え切れずに私は文句を言った。こんなにも
じっくりとタカシに見つめられる事なんてなかっただけに、心臓がバクバク言っていて、
気を抜くとのぼせて倒れてしまいそうだ。
「ゴメン。でも、美琴に衣装を選んでくれって言われた以上、真剣に見ないとさ」
ちょっと申し訳無さそうに言いつつも、タカシは見るのを止めなかった。だが、自分か
らお願いしている以上、そう言われてしまえば何も言い返すことなく、ただ黙って目を閉
じ俯き、体を硬くして視線に耐えるしかなかった。
「うん。えーと……そうだな。ちょうどいいのが無いし、これでいいか」
タカシは一度私から離れて窓際による。そこには、母が布団を干した時に使った布団た
たきがそのまま立てかけられていた。タカシはそれを手に取った。
『……? 何だそれは。一体そんなものをどうする気だ?』
タカシの意図が全く読めずに、私は若干の不安を覚える。一瞬、変な空想が頭を過ぎる。
しかしそれを払拭する前に、タカシは布団たたきの柄の方を私に差し出した。
「じゃ、これを持って構えてみて。剣を持つみたいな感じで」
『……剣? こんな物を武器にするのか?』
615 :
3/4:2012/08/18(土) 18:37:31.89 0
私の問いに、タカシは首を横に振った。
「いや。ホントはゴルフクラブなんだけど、それの代わりで。イメージくらいは掴めるし」
『ゴルフクラブというのも意味が分からんな。それだって武器じゃないだろう』
「アニメでそういうシーンがあるんだよ。ま、とにかくやってみて」
果たしてどういう意味があるのか分からなかったが、とりあえず悪い想像通りでは無かっ
たので、私は大人しく布団たたきを受け取ると、両手で刀を握るように構えてみせた。
『こ……こんな感じでいいのか?』
イマイチ解せぬ気分でポーズを取ると、タカシは満足そうに頷いてみせた。
「いいよいいよ。そのままジッとしてて」
そう言って、まるでカメラのフレームに収めるように膝立ちになって指で四角を作って
その中に私を収める。
「いやー。まさか美琴がここまで嵌まるとは思わなかったな。ちょっとおどおどした感じ
で構えるところとか実にいい。普段の美琴では絶対に出ない守ってあげたい感が堪らないぜ」
『だっ……誰がお前なんかに守って貰うかっ!! もういいだろう。いい加減そのポーズ
は止めろ』
しかし、私の制止に反して、タカシは写真を撮るようなポーズを続けていた。
「いや。こんな可愛い美琴を見るのはなかなかないし、もうちょっと見させてよ。クソッ。
デジカメ持って来れば良かったな。携帯の画面じゃ小さくてもったいないし」
可愛い、という言葉に私の体がビクンッと反応してしまった。呼吸が苦しくて体も熱く
てもう限界だ。これ以上続けられたら、体が持ちそうに無い。
『クッ……止めろと言っているだろうがこのバカ!!』
最後の力を振り絞るように、私は構えた布団たたきをタカシに向けて振り下ろした。
「あいたっ!! み、美琴っ!! 何すんだよ」
『何すんだじゃない!! 私が止めろと言っているんだから、すぐに止めないかっ!!
でないと承知しないぞ』
「あいたっ!! 痛い痛い!! わ、分かった。止めるからそれで叩くの止めろ!!」
後ずさり、手で必死に自分を構うタカシを睨みつけ、私は叫んだ。
『なら、とっとと出て行け!! 次があるんだ。もたもたしていると、また叩くぞ』
616 :
4/4:2012/08/18(土) 18:38:03.53 0
「わ、分かったよ。じゃあ、次も楽しみにしてるから!!」
そう言い置いて、タカシは慌てて部屋から飛び出して行った。私は荒い息をつきつつ、
布団たたきを床に落とすと、ベッドにへたり込むように座った。
『全くあのバカが…… こ、この私が可愛いなどと……守ってあげたくなるなどと……
わ、私はそんなひ弱では…… でも、タカシが守ってくれると言うのだったら、その背中
に縋るのも悪くはない……かも……』
乙女的思考に陥りそうになった事にハッと気が付き、私は慌てて頭を振って払拭したのだった。
まだ続きます
618 :
保守:2012/08/18(土) 23:10:27.94 0
タ「ちなみは可愛いなあ」ナデナデ
ちな「……ん……ふぁ……」
山(ちなみちゃん、なでなでにメロメロだ。……友ちゃんはどうなんだろ)
友「……」カタカタ
山(編集作業に没頭してる今なら…)
山「友ちゃん」
友「んー?」
山「え、えいっ」なでなで
友「…………」
山「…あれ?」
友「……何かと思ったら…。あんたね、んなことしてる暇あんなら、ちゃっちゃと終わらせなさいよ、編集」
山「……はい」
友「…まったく」
山「ふー(……やっと終わった…)」
友「相変わらず遅いわねえ。…で、…山田」
山「?」
友「え…えっと…やんない?……さっきの」
山「…さっきの…?」
友「だっ、だから、頭を…」
山「……これ?」なでなで
友「…ん…そう…これこれ」
山「嫌じゃなかったの?」
友「あたしは嫌だけど…あんたがどうしてもやりたそうだったし…ちょっと、止まってるわよ」
山「…ああ、うん」なでなで
友「……ん♪」
山(なんだかんだで、友ちゃんも好きみたいだな、なでなで)なでなで
友「…んふふー♪」
なでなでは真理
山田のなでなでがないと落ち着かなくなった友ちゃんかわいい
すな
スマン、途中で送信してしまった
素直じゃない友ちゃんかわいいれす
623 :
1/5:2012/08/19(日) 12:26:06.26 0
・ツンデレにお前……その格好、結構色っぽいなって言ったら
『タカにぃっ!!』
「どわっ!?」
『全くもう。休みだからってゴロゴロしてたら豚になっちゃうよ。ホント、タカにぃって
怠け者なんだから』
「……休みの最終日くらいゆっくりさせろよ。あと、いい加減俺の体の上にダイブしてく
るの止めろ。ガキじゃないんだから、こっちの体が持たん」
『むっ? それってボクの体重が重いって言ってるの? 失礼しちゃうよね、女の子に向
かって。こう見えても48キロ台はちゃんとキープしてますから』
「別に太ってるだなんて言ってないだろ? それでも勢いつけて飛び乗って来られると、
結構キツいんだよ」
『鍛えてないからダメなんだって。ほら、このお腹。プニプニしてるし。ちゃんと腹筋と
かしてる? 痩せてても脱いだ時引き締まった体してないと、女の子にモテないよ? た
だのガリガリ君なんてみっともないだけだからね』
「大きなお世話だよ。つか、お前は俺にモテて欲しいのか?」
『べ、別にっ!! まあ、妹としてはそりゃあ、その……女の子にモテる兄の方がいいに
決まってますよ? ただ、タカにぃが腹筋鍛えたくらいでモテるとも思えないけどさ。少
しでも努力くらいはして欲しい訳じゃん。分かる?』
「言ってる意味は分からんでもないがな。ただ、彼氏いない歴17年のお前に言われても、
説得力ないなーって、そう思っただけで」
『うるさいなあっ!! 女子高なんだからしょーがないじゃん。出会いだってロクにないし』
「でも、彼氏いる奴はいるんだろ? 俺の高校の友達でも、女子高の女の子彼女にしてた
奴いたし、そこは言い訳にならなんじゃねーの?」
『それこそタカにぃに言われたくないよっ!! そりゃ、友達にも彼氏いる子いるけど、
やっぱり共学よりハードル高いし。だからボク、大学は絶対共学にして、素敵な彼氏見つ
けるんだもん』
「確か、受験めんどくさいから中高大まで一貫の所がいいって、今の女子校の中学受けた
んじゃなかったっけ。お前」
624 :
2/5:2012/08/19(日) 12:26:49.86 0
『そうだけど、だからって大学他のトコ受けちゃいけないって訳じゃないし。女心なんて、
日替わりで変わっていくんだから、小学校の頃の考えなんて変わって当然だよ』
「それって単なる思い付きってだけじゃんか。自分の進路くらいもっと真面目に考えろよ
な。彼氏との出会いどーのじゃなくて」
『うわ。タカにぃのクセに偉そうに。ちょっとお金稼ぐ身になったからってさ。偉そうに
説教すんなっての。バカじゃない?』
「一応こっちは、超氷河期の就活乗り越えてっからな。お前よりは人生長く生きてる分、
偉そうなこと言えると思うぜ」
『ふーんだ。就職出来たからって安心してグータラグータラしてたら、すぐに落ちこぼれ
ちゃうんだからね。それで首になってニートになっても、ボク知らないんだから』
「お前はニートの意味をもう少し勉強しろ。つか、ネットで流行った言葉をよく理解もせ
ずに日常会話とかで使っちゃう痛い子なんだろ。お前って」
『酷いっ!! いくらなんでも痛い子扱いはないよ。しかもタカにぃなんかに。謝罪と賠
償を要求するよ』
「ほら、これだよ。俺の前ではいいけど、学校とか公の場で言うなよ。世間様に私はバカ
ですって貼り紙して歩き回ってるようなものだからな」
『だからバカとか言うなっ!! タカにぃごときにバカにされると、自分がもの凄くおバ
カな子に思えて落ち込んじゃうんだから』
「お前、今さり気なく俺の事バカにしてるって気付いて言ってるか? それ」
『当たり前でしょ? タカにぃなんてバカだしだらしないしお調子者だしで、いいトコな
し男子だもん。そんな人にバカにされるボクの気持ちを少しは汲んでくれたっていいのに。
もう……』
「こりゃ、言っても処置無しだな。で、お前はそんな兄の所に何しに来たんだ? ただの
安眠妨害か?」
『あ、そうそう思い出した。暇だしどっか連れてってよ。ドライブとかショッピングとか。
映画とか遊園地でもいいよ』
「断わる。つか、ノープランかよ」
『だって考えるのは二人で一緒にしようと思ってたから。って、今何て言った? 断る?』
625 :
3/5:2012/08/19(日) 12:27:27.20 0
「ああ。だって明日から仕事なんだぜ? 何だかんだでこっち帰って来た友達と飲み会や
ら、お盆に家族みんなで墓参り行ったりやらでのんびり出来る日少なかったしさ。だから
せめて最終日くらい休養させてくれ」
『ダメだよ、そんなの。最終日だからこそ、体を動かすモードにしないと明日から動こう
としたって体が錆び付いちゃってまともに仕事出来ないよ?』
「これは錆び付かせてるんじゃなくて、体のメンテしてんの。つか、何で急に俺を誘って
出掛けようなんて思ったんだよ。珍しい」
『え? それはね。これこれ。じゃーん』
「――!? こ……これって、そのサマーセーターがどうかしたのかよ?」
『ちゃんとこっち見て。昨日美代ちゃんたちと最終バーゲンで買って来たんだから。可愛
いでしょ?』
「……ま、まーな。お前らしくていいとは思うよ」
『だからちゃんと見てって。ほら』
「いで、いでででで。首捻るなって。分かったよ。ちゃんと見るから」
『そんな事言って、視線逸らしてるし。ボク、ちゃんと見てるんだからね。何でまっすぐ
こっち見てくれないの?』
「……いや。だからさ。その……」
『何? ちゃんとハッキリしてよね。ボク、優柔不断な人とかなよなよしてる人は嫌いな
んだから』
「分かったよ。まあ、あんま妹相手にこんな事言いたくないんだけどさ。その格好……結
構、色っぽいなって思って……」
『へっ……? どっ……どどどどど、どこがどこが? 何で何で?』
「いやその……セーターの丈がちょうど股上のすぐ下くらいじゃん。で、そこから白い生
足がスッと二本伸びてる辺りが」
『………… ななななな……何言ってんの、タカにぃ。だって、ちゃ、ちゃんと下にデニ
ムのショート履いてるし。ほらほら』
「誰も何も履いてないなんて思ってねーよ。ただ、下に何履いてようが、見えそうで見え
ない格好って色っぽいなって……」
『バ……バカじゃないの? 妹に欲情とか。変態?』
626 :
4/5:2012/08/19(日) 12:27:58.31 0
「欲情までは行ってねーよ。ただまあ、妹とはいえさ。客観的に見れば、お前だって可愛
い普通の女の子なんだし、そりゃ色っぽい格好の一つもすりゃ、ドキッとくらいはするさ」
『ううううう〜…… か、可愛いとか言わないでよ…… タカにぃに言われたって嬉しく
なんて無いんだから……』
「照れて真っ赤になった顔で否定されても説得力ないぞ」
『う、うるさいな、もう!! 女の子なんて、別に好きでも何でもない男の人からでも、
可愛いって言われれば嬉しくなっちゃう生き物なの!! (それがましてやタカにぃなん
て……もう……)』
「ん? 最後、何て言ったか聞き取れなかったから、ワンモア」
『きっ……聞き取れなくていいのっ!! 変態バカにぃ!! ほら、さっさと準備してよ。
出掛ける時間、無くなっちゃうでしょ?』
「しゃーねーな。めんどくさいけど、可愛くて色っぽい妹の為に、デートに付きあったるか」
『デッ……デデデデデッ……デートぉ? ななななな、何でそうなっちゃうんだよっ!!
ボ、ボクはタカにぃとお出掛けしたいとは言ったけど、デートだなんて一言も言ってないよ?』
「気分だよ、気分。まあ暑いしさ。何かくだらないB級映画でも見て、冷たいものでも飲
みながら反省会とかやろうぜ。久しぶりにさ」
『いーよ。タカにぃのおごりだったら、それで』
「はい? 何で俺のおごりなんだよ。お前から誘って来たのに、意味わかんねーぞ」
『だって、デートなんでしょ? だったら男の方がおごるの、当然だよねー』
「うっ…… しまった。墓穴掘ったか」
『いーじゃん。大体、給料泥棒なんだし、その汚いお金の一部をボクに貢いでくれたってさ』
「初任給の時に、色々買ってやったろが。あと、汚いお金じゃねーよ。ちゃんとした労働
で得た清らかなお金だって」
『まだ初心者マークのクセに偉そうに。ほら、立って立って。ボクが服を見繕ってあげる
からさ』
「分かったから引っ張るなって。自分で立てるから」
627 :
5/5:2012/08/19(日) 12:31:04.61 0
『(タカにぃがボクの事、色っぽいって。嬉しいな、エヘヘ。自然に顔がニヤけちゃうよ。
今度は、超ミニのスカートとか履いてみようかな。もちろん、下はスパッツとか履くけど、
それでもきっと、タカにぃなら褒めてくれるよね。ウフフ……)』
「何、ニヤニヤしてるんだよお前? 服選ぶんじゃなかったのか?」
『なっ……何でもないってば!! このバカにぃっ!!』
終わり
何が言いたいかと言うと、ショートパンツを隠す程度の丈の長いセーターから真っ直ぐに伸びる素足はエロいとだけ
そしてそれをツンデレが着れば言う事なしと
GJ
ボクっ娘の健康的なえろすたまらん
630 :
1/5:2012/08/20(月) 01:00:55.66 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その4
次の衣装は、自前の制服のシャツとスカートの上下に、海賊服のコートと帽子を被った
ものだった。眼鏡はアンダーリム着用との事だったが、それは当日持ち合わせらしいので、
とりあえず自分の近視用眼鏡でお茶を濁しておく。
「おー。今度は打って変わって一転、勇ましくなったなあ」
最初のタカシの反応はこんな感じだった。
『フン。こんな格好、ただの制服の上に派手なコートを着込んだだけじゃないか』
私の感想に、タカシは首を振る。
「いや、でも女子高生海賊がコンセプトだし。しかし、これは美琴には正統派系だなあ。
ストレートによく似合ってるぞ」
『本当か? こんなのがか?』
中身が制服なだけに、さっきの服装よりは落ち着いていられた私は、姿見の前に立つと
ポーズを変えつつ確認してみる。
『別にこんなの、ただの派手な変装にしか見えん。本当に似合っているのか?』
何というか、自分が着てもイマイチ海賊感がないように思える。しかしタカシは、私の
行動に何か閃いたように慌てて指示を出して来た。
「お、そのポーズいい。もうちょっとワザとらしく姿見の前で服装チェックしてみてくれ」
『相変わらず、お前の注文は意味が分からんな…… こんな感じでいいのか?』
袖の長さとか裾丈チェックをするようにポーズを変えてみせると、タカシは満足そうに
うんうんと頷く。
「いいねいいね。あと、美琴がニーソ履くってのもすごくいい」
タカシの視線が太ももに行っているのに気が付き、私は慌ててスカートを押さえた。
『へ……変なところを見るんじゃない!! このスケベ!!』
「いや。見せてるところを見てるだけなんだから別にいいだろ。つか、制服のスカートな
んだから、普段でも見せてるわけだし」
『だからといってジロジロ見ていいものじゃない!! お前はもう少し、女性に対する配
慮を学ばないか!!』
631 :
2/5:2012/08/20(月) 01:01:27.14 0
怒鳴りつつも、怒りよりも恥ずかしさと嬉しさがこみ上げてきているのはどういう訳な
のか、私には不思議でならなかった。まさかタカシになら……と一瞬想像しかけて、慌て
て打ち消す。ただ、それでも感情の方は消えようも無かったが。
「はいはい。すみませんでした。それじゃ、もう一つお願いしていいか?」
何か投げ遣り調に謝りつつ、タカシがもう一つ注文をつけて来た。
『何だ? あんまり無茶な要求なら突っ撥ねるからな』
疑い深げにタカシを睨みつけると、彼は慌てて身振りでそれを否定した。
「いやいやいや。ちょっとした演技を一つしてもらうだけだから」
『演技だと?』
彼の言葉に聞き返すと、タカシは頷いた。
「ああ。まずこうやって、背中向けて、それからパッと左向きに翻って、勢い良く……さ
あ、海賊の時間よっ!!って」
『んなっ!? な……何でそんな事をする必要がある? 意味が分からんぞ』
「いや。だって、せっかく海賊コスなんだしさ。ホントは銃ぶっ放しながらお宝を寄越し
なさいってのもいいんだが、とりあえずそんな感じで。頼む」
両手で拝み合わせるタカシを、私は呆れた目で見た。やはりコスプレというものは格好
だけじゃなくて演技力も必要なのだろうか?
『……仕方ない。一度だけだぞ。これが終わったら、もう次のに行くからな』
「ああ。恥ずかしがらずにやってくれよ」
『全く…… 何で私がこんな事までしなければならないんだか……』
一番呆れるのは、タカシの願いを突っ撥ねられない自分だと思う。しかし、ちゃんと選
んで貰う為には仕方が無いと言い聞かせて、私は背を向けた。するとそこにタカシがもう
一つ、注文をつけて来た。
「あと、これを持って。銃を構えるみたいな感じで」
さっきの布団たたきを私の前に出すと、自分で構える見本を示してから私に手渡してきた。
『いちいちうるさい奴だな。これでいいか?』
ちょっと苛立った声で確認すると、タカシは満足そうに頷く。
「ああ、オッケー。じゃあ、見てるからな」
632 :
3/5:2012/08/20(月) 01:01:58.35 0
タカシに背を向けて、私はジッと佇んだ。一回だけ、一回やれば終わると自分に言い聞
かせる。その為には恥ずかしがらず演技をこなさなければ。万が一やり直しなどと言われ
たら溜まらないし。そう覚悟を決めると、一息ついてから、私はバッと翻った。
『さあ、海賊の時間よっ!!』
銃――ならぬ布団たたきを構えて私はそう叫んだ。一瞬間が空いてから、感心したタカ
シの声が聞こえてきた。
「おー。ナイス、美琴。いいねえノリノリで」
『だっ……誰がノリノリだ!!』
タカシの感想に、一気に我に返った私は、満足気なタカシを怒鳴りつけた。しかし、意
に介する事も無く、タカシはうんうんと頷いている。
「いやー。真に迫っていて、ホント良かったわ。あれならお宝差し出しちゃうね」
私の心に、恥ずかしさとかバカバカしさとか照れくささとかその他もろもろな感情が一
気に襲ってきた。
『うーっ…… ああ、もう何をやっているんだ私はっ!!』
ベッドへと前から倒れ込むと、そのまま布団に顔を埋めて悶える。タカシに促されたと
はいえ、ノリノリで演技をしてしまうなんて、恥ずかしいにも程がある。しかし、その行
動にもタカシは拍手を送った。
「おお、いいねえ。その恥ずかしがり方も」
『何がいいんだお前はっ!!』
顔を上げ、振り向いて怒鳴りつけると、タカシは頭を掻いて言い訳する。
「いやいや。アニメのキャラをよく踏襲してるなあって。美琴には良く合ってるよ。その
格好もキャラのノリも」
『やかましいっ!! これで十分だろ!! もう次に行くからな、このバカ!!』
またしても、叩き出す様にして私はタカシを外へと追い払ったのだった。
『や……止めろ。あまりジロジロと見るな』
両腕を胸の前でクロスさせて庇うようにしつつ、私はタカシの視線から逃げようとした。
しかしそれでもタカシは見るのを止めようとしない。
「いや。一応これも選考対象のうちなんだろ? だったらしっかり見ておかないと」
『うう…… 全く誰だ。こんな破廉恥な衣装を考え出した奴は……』
633 :
4/5:2012/08/20(月) 01:02:30.11 0
三着目の衣装は、黒を基調としたドレスで、腰の周りに白い蝶の飾りをあしらい、アー
ム・ロングにも白い羽のような飾りがついている。だが問題はそこではなく、剥き出しの
肩に、大きく開いた胸元と背中であった。
「いや。破廉恥って、水着に比べれば全然露出度低いし。それに、確か本物はもっと露出
度高いぞ。確か」
『も、もっとって……これ以上にか?』
私の問いに、タカシが頷く。
「前もこう、もっと開いていて、おへそが見えるくらいだし、背中も腰の下まで露出して
たかと思ったけど」
『そっ……そんな格好出来るかっ!! こ……公衆の面前なんかで!!』
想像しただけで悶絶しそうな恥ずかしい格好を、私は思いっきり否定する。タカシも難
しい顔でそれに同意するように頷いた。
「うん。まあだから、このドレスも肌に近い色の布でごまかしているんだろうけど。それ
に、背中にはでかい蝶の羽を背負うはずだから、実際には見えないとは思うけどね」
『それは知っている。委員長が一応説明してくれたからな。当日は用意するという話だが』
そう言いつつも自分の格好をもう一度姿見に映してみる。水着より露出度が少ないと気
軽に言うが、状況が違い過ぎるし、そもそも水着で大勢の人の注目を浴びる気も無い。海
やプールは、皆水着だからこそ問題がないのだというのに。
「だけど確かに、これだけでも十分、美琴にしてみれば派手な衣装だよなあ。いやあ、眼
福眼福」
人の気も知らずにニヤついているタカシが憎らしくなって、私は右手をチョキの形にし
てタカシの顔の前にかざした。
『人がこんなに恥ずかしい想いをしているというのに、イヤらしい顔つきをするな。今す
ぐ、この指でお前の両目を潰してやろうか?』
「ままま、待て落ち着け美琴。いやスマン悪かった。謝罪するよ」
慌ててタカシは、私の手をブロックするように片手を広げて前に出す。もとより本気で
はないから、私は呆れたようなため息をついてみせると、手を引っ込めた。
『ならば、二度とそのような気持ち悪い笑いを見せるな。で、どうすればいい?』
「は?」
私の問いにタカシがキョトンとした顔をして見せた。
634 :
5/5:2012/08/20(月) 01:05:00.72 0
『何だ。どうせまた、アニメのキャラのセリフをしゃべらせるか、ポーズを取らせるかす
るんじゃないのか?』
もう二度も同じ事をさせられているから、てっきり今回もどうせさせられるだろう。だっ
たら自分から言い出した方がまだ度胸も付くだろうと思ったのだが、もしかしてこれは
墓穴を掘ってしまったかと心配になってしまう。
「ああ、そうか。うーん……それじゃあ、こう手を差し伸べて[このたかが仮想の二メー
トルは、君にはそんなに遠いのか?]ってのは……どう?」
タカシが提案してくれた事にむしろホッとしつつ、私は難癖を付けるように答える。
「どうもこうもあるか。私は何も知らんのだ。たかがセリフを言うだけくらい、従ってやる」
そう言ってから、タカシと少し距離を置いてジッと向かい合い、手を差し伸べて言った。
『……この仮想の二メートルは、君にはそんなに遠いのか?』
そしてタカシの様子を見る。うんうん、と満足気に頷いているようで、私は肩の荷が下
りたようにホッとした気分になった。
「いや、いいよ美琴。雰囲気出てるし、これなら委員長も満足じゃないかなあ」
『委員長などどうでもいい。聞きたいのはお前の意見だ』
咄嗟に答えてしまってから、私はハッと口を押さえた。これではまるで、望んでタカシ
に選んで貰っているみたいではないか。いや、実際そうなのだが、何故か酷く気恥ずかし
くて、私は慌てて言い訳を始めてしまった。
『い、いやその……ここにいない委員長の意見をお前ごときが代弁するなとそういう事で
あって……だからとにかくお前は無駄口叩かず、さっさと選べばいい。もう全部見たんだ
から、早くしろ』
最後はもう、投げ遣りな口調でタカシを急かした。しかし、そこを強調したのが功を奏
したのか、タカシは腕を組んで考え始める。
「うーん…… どれもこれも甲乙付け難いしなぁ…… 俺の好みキャラならほむほむだが、
チアキちゃんはバッチリ美琴に嵌まってたし、かと言って黒雪姫の大胆な衣装はコミケで
も絶対映えるしなあ……」
『悩むな。この優柔不断めが』
脳内でタカシが私のコスプレ姿をイメージしていると思うだけでも、何だかいても立っ
てもいられない気分になって来る。もうこれ以上我慢しきれないところまで来たところで、
タカシがポンと手を打った。
続く
AWはようつべのトレーラーで確認しただけなので、色々と違ってるかも
友ちゃんにコスプレさせて撮影しまくりたい
部屋着のショートパンツ履いて足の爪のお手入れしているツンデレを正面から眺めたい
視線に気付いたツンデレがバカだのスケベだの罵りつつも顔が真っ赤になっているのを心行くまで堪能したい
ツンデレが熱中症で倒れたのを男が介抱してあげたら
639 :
ほんわか名無しさん:2012/08/20(月) 22:40:01.09 0
男の部屋に遊びに行くと、たまに変な匂いがする事があり、不思議に思っていたが
最近になって、その匂いの正体が分かるようになり、ドキドキムラムラするツンデレ
prpr
>>640 ちなみんと旧スク水はどうしてこんなに映えるんだろうか
GJ!!
ノースリーブのブラウス着てるツンデレさんの脇が眩し過ぎて直視出来ない
644 :
ほんわか名無しさん:2012/08/21(火) 13:39:23.71 0
日本で一夫多妻が認められたらどうなんの?
ベッドに寝そべってわざとスカートはだけさせて挑発してくる友ちゃんかわいい
それに乗って迫ったら顔真っ赤にしてあうあうしちゃう友ちゃんかわいい
>>644 ツンデレ達の血で血を洗う壮絶な正妻バトルが繰り広げられます
しかもツンデレだけに誰も真っ向勝負には来ないと言う
649 :
1/5:2012/08/22(水) 02:36:19.57 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その5
「よし。ここはやっぱりほむほむだな」
『ほむほむ……と言うと、最初の衣装だな?』
てっきり最後の衣装にするのかと思ったが、タカシの趣向は単に派手好きではないらし
かった。
「いや。やっぱり好きなキャラだしさ。あのひ弱感が普段の美琴とギャップがあり過ぎて
可愛くてたまらなかったし」
『だからそういう言い方をするな!! それともお前は私がもっと女らしくなよなよして
いた方がいいとでも言うのか?』
まるで普段の私がダメ出しされたような気分で難癖を付けると、タカシは慌てて首を横
に振った。
「いやいやいや。普段の美琴はあれでいいんだよ。だからこそのギャップな訳で、弱気な
美琴とか信じられないし」
しかし、そう言われても私は疑いの目を向ける事を止めなかった。
『フン。どうだかな。本当はお前も大人しくて慎ましやかな女の子の方が好みなんじゃな
いのか? 私のように武道を嗜んでいて、やたらいちいち細かいことにまで文句を付ける
様な女じゃなくてな』
変装した自分に嫉妬すると言うのもおかしな話だが、何故かそんな気分で問い詰めてみ
ると、タカシは何だか呆れたように肩をすくめてみせた。
「何だ。そういう事を気にしてるんだったら、少しは理不尽な事で怒るの止めたらいいの
に。別におしとやかにしろとかそんな事は言わないけどさ」
それがいかにも私をバカにしているように思えて、私の中で何かがプツッと切れた。
『やかましいっ!! 文句言われるのはほとんど全てお前が原因じゃないか。それを差し
置いて怒るななどと偉そうな事を言うな。このバカ者が!!』
「いや、まあ……うん。いいんだけどさ。俺はそういう美琴が好きで一緒にいるんだから」
何かを言い訳しようとして、タカシは止めて自分で収めようとしてしまう。それが気に
食わなくて、私はさらに文句を続けようとした。
『何がいいんだ? 言いたい事があるならはっきりと言え。そういう優柔不断っぽいとこ
ろが私はきら……』
650 :
2/5:2012/08/22(水) 02:36:50.82 0
嫌いだ、と言おうとして、私は言葉を途切れさせた。さっき、アイツは何と言った? 私
の事が好きだと……
それに気付いた瞬間、私の脳が一気にスパークする。
「ん? どうしたんだ美琴。説教はもう終わりか?」
『やかましい!! ちょっと待て!!』
思考が固定化し、体の力が抜けてくず折れるよりも早く、私は必死で脳をフル回転させ
た。待て、早とちりするな。あの好きというのはきっと単に友人としてとか幼馴染として
とかその程度のはずだ。あくまで親しみの域を出ないはずだと、無理矢理自分を納得させる。
「美琴、どうしたんだ? 具合が悪いならちょっと休んだ方がいいんじゃないか?」
私の様子がおかしい事に、タカシが心配して様子を窺ってくる。しかしそれに答えず私
は顔を上げてタカシを見た。
『タカシ。一言言っておくぞ?』
「はい? 何だ?」
キョトンとした顔で見られるのも構わず、私は一気にまくし立てる。
『いいか? 女子に対してだな。軽々しく好きだなんて言葉を口にするな。わ……私だか
ら下手な誤解を生まずに済んでいるが、他の女子に言ってみろ。お前は気軽な気持ちかも
知れんが、場合によっては大問題になる可能性もあるんだ。いいか? お前はともかく言
われた相手にも大きな精神的負担を与える事になるんだぞ? 分かったな』
自分の思い込みを裏付ける意味も込めて、私は懇々と冷静にタカシを諭したつもりだっ
た。しかしタカシは、ニコリと笑顔を見せて頷く。
「ああ。それなら大丈夫さ。まあ、そんな事言うのは美琴に対してくらいだしな」
『んなあっ!!』
ボンッという擬音が上がりそうな勢いで、一気に私の体温が三、四度上がる。乙女心メー
ターが一気に振り切れる中で、私は必死に思い込もうとした。落ち着け。奴は私が気軽に
物を言える相手だと、そういう意味で言っている天然なんだと。
「どうしたんだ美琴。本当に……その、大丈夫なのか?」
『もういい!!』
熱を測ろうとおでこに手を差し伸べようとする彼の手を、私は叫びながら勢いよく払った。
651 :
3/5:2012/08/22(水) 02:37:22.03 0
『と……とにかく、他の女子には絶対に言うな。分かったな?』
「りょ……了解……」
私の剣幕に気圧されて、タカシはニ、三度首を縦に振った。それを見て、私は大きく息
を吐いて気持ちを落ち着かせる。さっきのタカシの言葉を反芻するのは、奴が帰ってから
だ。それまでは思い出すのは厳禁にしなければならない。
『ならばよい。それで、コミケで着る服の話しだがな……』
話を本題に戻すと、結論を言う前に私は一度、タカシの選んだ魔法少女の衣装に目を走
らせる。そして目を逸らしてから、タカシの方を向いて、自分の決意を告げた。
『私は……この、海賊服の方にしようと思う』
「は……?」
タカシがキョトンとした顔で私を見る。それから、些か不満気な顔で抗議するように言っ
て来た。
「何だよ。俺の選んだ服を着るんじゃなかったのかよ。それじゃあ、俺が服選んだのって、
何の意味があったんだ」
『決まってるだろう? 選択対象から外す為だ』
それを聞いた途端、タカシがガクッと首を折った。
「そっちかよ…… そうと知ってりゃあ、あんな風に熱心になって選んだりしなかったの
によ……」
愚痴めいた言い方にため息が混じる。その様子に、さすがに説明もなしに落ち込んだま
ま帰らせるのは悪いと思い、私はちゃんと説明することにした。
『まあ、待て。真剣になって選んでくれなければ困るから、わざと最初にそう言わなかっ
たのだ』
「……どういう事だよ? 俺が選んだ服だけは着たくないとか、そういう事なんじゃない
のか?」
確かに、普段の私の接し方からすれば、そういう誤解も致し方ないと思う。しかし、今
日の私は、それをキッパリと否定した。
『違う。その……私は、コミケなどという人が大勢いる場所で、出来る限り目立ちたくな
いのだ。分かるか?』
「まあ……そりゃ、分かるよ。美琴って意外と人見知りなトコあるし」
652 :
4/5:2012/08/22(水) 02:37:53.57 0
『それが分かれば話は早い。つまりだな。お前が選ぶ衣装となれば、きっとその……人目
を惹くような物だろうと。だからそれを外して、お前の一番反応の薄い衣装にしておけば、
あまり衆目に晒されずに済むだろうと、そう思っただけだ』
丁寧に説明したのが功を奏したのか、タカシの顔に、多少の元気が戻ってきた。
「……なるほど。いや、まあ……確かに美琴の言う事は当たってるわ。確かにこの中でも
一番の人気アニメのキャラだし。まあ、その中で一番かどうかはともかく、美琴の容姿な
ら、このキャラが一番似合ってるからな」
どうやら自分の推測が当たっていた事に、私は多少の満足を覚えつつ頷く。
『だろう? お前は根が単純だからな。恐らくそういうキャラが好きだろうとは思ってい
た。私が衆目を浴びるかどうかは分からないが、少なくとも人気キャラを避ければ、多少
なりとも目立たなくする効果はありそうだからな』
そもそも、タカシに見せるための衣装を選んだ訳ではないから、私にとっては別に一番
地味な衣装でいいのだ。タカシが好きな衣装を着た私は、タカシだけが見てくれればそれ
で十分なのだから。
「なるほどな。一応、美琴なりに俺の意見を参考にして考えた上で選んだって事か」
どうやらタカシには私の考えが伝わったようで、私はそれを肯定して頷いた。
『ああ。だから、選ばれなかったからといって、お前が卑下する必要は何も無いぞ。気に
する事はない』
多少は慰めてやったつもりだったのだが、タカシはまだ複雑そうな表情で肩を落とした。
「そうは言っても、一番俺が似合うと思った服が外す対象に選ばれるってなると、やっぱ
り嬉しくはないもんだぜ」
『男なんだから、決まった事にいちいちグダグダと愚痴を言うな。さあ、部屋から出ろ。
私はさっさと着替えたいんだからな』
未だにドレスのコスプレ衣装のままだったので、私はタカシに向けて追い払う仕草をし
てみせた。しかしタカシは、部屋から出る代わりに挙手のポーズをしてみせる。
「はい、美琴さん。質問です」
653 :
5/5:2012/08/22(水) 02:39:13.98 0
『……何だ? それは、私が着替え終わってからじゃマズいのか?』
不愉快そうに睨みつけると、タカシは手を振って否定した。
「ああ、いや。そこまでのもんじゃないけど、聞いとかないと何かモヤモヤした気分が続
くのも嫌かなと。それに、すぐ済むし」
『すぐに済むのならさっさと言え。私はさっさとこの衣装から解放されたいんだ』
するとタカシは、床に広げて置いたままの海賊服をそっと持ち上げると、私の前に示し
てみせた。
「いや。何で美琴はこっちを選んだのかなと思って。俺が選ばなかったのは、これと今美
琴が着てるドレスの二着じゃん。その選択基準を知りたいなと思ってさ」
さらに続く
みこちんかわゆいのう
続きwktk
655 :
ほんわか名無しさん:2012/08/22(水) 14:33:46.48 O
友ちゃんのおっぱいすりすり
お題
つ・海外旅行のパンフレットを見ながらツンデレが一度でいいから海外に行ってみたいなーって言ったら
お題
つ・対人スキルのないツンデレ
・才能はあるんだけど、考え方が残念なツンデレ
谷間のボディペイントがががが
もう少ししたら立てようかな
>>659 挟まれたい
というか突っ込みたい
題(658)受/才能はあるんだけど、考え方が残念なツンデレ
リハビリ編
「ヘルニアのお婆さんだけどさ、
私が触ると嫌がるんだよね
歩いてもらいたいんだけど…
トイレも腰痛度Xのときは行けないんだ。」
「うむ」
「避けられてるみたいだけど気にしない♪
てわけで今日も仕事、逝ってくる」
「うむ、おまえしかやれないよ」
「ムーそういうこと言うな///」
「さあ逝って来い」
「でもさあほんとは嫌なんだよねああ逝きたくないっ
…やり方を変えてみたらどうだろう?」
「ああおまえが好きなクソ甘い菓子とか持って行ってみたら」
「たとえば?」
「。。。。。ババロアとか」
「アーッツ頭痛い」
「ところでさ」
男急に後ずさる ツ・ンデレの口角にごっつんこ
「これって間接キスじゃね」
「グギャァー出がけに何てことを!怪我した!もう逝く」
(顔真っ赤)
バタン
男「やっと行ったか フ。」
お題
つ・田舎に暮らすツンデレと男
くにくにくにくに
SSまとめサイト無くなっちゃったんだね(´・ω・`)昔投下されて熟成された脳汁を読み返そうと思ったら…
HGとか警官とかウォーズマンとか居た頃が懐かしいな。゚(゚´Д`゚)゚。
>>666 というか、
>>1のwikiから辿れば色々残ってる所はあるから幸せになれると思う
ここと素直ヒートスレと素直クールスレを主に見てるがどこも人少ないね
一時期の賑わいを思うとちょっと悲しい
670 :
1/2:2012/08/25(土) 22:13:24.37 0
【ツンデレが女豹だったら】
昨今は夏休みなので学校の級友たちと会う機会もめっきりと減り、何かと寂しい。
「とか言いてえ」
「いきなり何を言っているのか。今日もタカシは意味不明だ」
人の頭をぺしぺし叩きながら、ほぼ毎日のように俺の家に入り浸っているちなみが馬鹿にした様子で言う。
「いやね、聞いてくださいよちなみさん。なんか知り合いが毎日俺の家に来るんですよ」
「ほほう。それは実に興味深い」
「なんで来るんでしょうかね?」
「私の勘によると、嫌がらせではないだろうか」
「やっぱりか」
悔しいのでちなみのほっぺをぐにーっと引っ張る。
「ひはひ」
全くの無表情で痛いと言われても、信用ならない。とはいえ、あまり女性の頬を引っ張るのもなんなんで、適当なところで離してあげる。
「……傷物にされた」
「人聞きが悪い」
「膜を貫かれ」
「違う! してない! ほっぺ引っ張っただけ!」
「言葉に誘導された。そういえばまだ処女だった。てへ、しっぱい☆」
「あら可愛い」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「何を普通に喜んでいるか」
「よ、喜んでなどいない。いないが、もう少しなでなでを続けてみると面白くなること請け合い」
「ほう、それは興味深い。では早速やってみよう」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「もういいか?」
「まだ」
「…………」(なでなでしているが、少し疲れてきた)
「…………」(嬉しい)
「そろそろいいか?」
「まだ」
671 :
2/2:2012/08/25(土) 22:14:02.12 0
「…………」(頑張ってなでてるが、いい加減疲れた)
「…………」(嬉しい)
「もう十分だろ」
「まだ」
「もう十分!」
「ぶー……」
ぶーたれられたが、なでなでを終える。単純なこととはいえ、数をこなすと結構疲れる。
「で、面白くなることとは一体如何様なことで?」
「タカシの腕が疲れる」
「はぁ」
「おしまい」
「ええっ!?」
「ああ愉快愉快。愉快なのでもっとなでろ」
「いや、ちっとも愉快じゃねえ」
「じゃあ不愉快でもいいからなでろ」
「嫌です」
「…………」
「…………」
「…………」(じわーっ)
「んなことで泣くなッ! ああもう、ああもう!」(なでなでなで)
「な、泣いてない。泣いてないが、そのまま続けるように」
「この娘はすぐに女の武器を使うから厄介だ」(なでなで)
「女豹なので。あと、抱っことかもしろ」
「……何故?」
「女豹なので」
「女豹なら仕方ない」(むぎゅー)
「がおーがおー」(むぎゅー)
そんなわけで、女豹を抱っこしたりなでなでしたりしてました。あと、よく考えると女豹だから抱っこしないといけないとか超意味分からん。
「その辺りどうお考えでしょうか」
「がおがお」(すりすり)
問い質しても、この女豹は人の頬に自分の匂いをなすりつけるのに夢中なようで答えてくれない。残念。
女豹というより小動物
だがそれがイイ!GJ!
まあちなみんが女豹のポーズとかしてもプロポーションが足りてないから全然ちがうんだよちなみんの胸の話をしてただけで僕っ子の話は全然してないじゃんだからその拳をおさめtアベシ
地震怖い友ちゃんが抱きついてきて腕におっぱいの感触ががが
677 :
1/5:2012/08/26(日) 09:01:47.37 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その6
『決まっている。その海賊服なら、制服の上に羽織るだけだからな。こんな肩や胸元の広
がったドレスよりも、余程気が楽だ』
当然とばかりに答えると、タカシは広げた海賊衣装を自分の方に向け、私と重ね合わせ
るようにして見つめた。
「まあ、確かに美琴らしいっちゃ美琴らしい選択だけどな。でも、制服の上に着込むだけっ
て言っても、これに海賊帽被って会場あるけば、結構目立つとは思うぞ」
『何?』
タカシの言葉に、私の心に影が差す。確かに、着た時のタカシの反応が良かったとは思
うが、それは三着ともだし、これが一番地味だと思ったのだが、私は何か選択を謝ったの
だろうか。
『ちょっと待て。さっきお前が選んだ魔法少女とやらの衣装よりも目立つとか、そう言い
たいのか? いや。もしかしてそうカマを掛けて私の選択を変えたいと思ってはいないだ
ろうな?』
念のために疑いを掛けてみると、タカシは慌てて首を横に振った。
「いやいやいや。ほむほむの衣装なら大人気間違いなしだろうけどさ。作品的にはこっち
の方が地味だし。けど、海賊って昨今の流行りだし、ただワンピはコミケ的にはちょっと
地味だろうけど、これは映えるからさ」
『冗談じゃない。私は目立ちたくなんか無いんだ。何とか人目に付かずに済む方法は無い
のか?』
コミケの写真は委員長に見せてもらったが、あんな人の多い場所で恥ずかしい格好をし
て人目に触れた挙句、写真とかまで撮られるのを想像すると、身震いがする。私の問いに、
タカシは難しい顔で考え込んだ挙句、こんな答えを出して来た。
「うーん…… 普通に考えたら、多分無理じゃね?」
『なっ…… 無理とか言うな!! 私が困っていると言うのに、ロクに考えもせず思考放
棄するとは、この薄情者め!!』
経験していないだけに不安は増大し、私は必死になってタカシに訴え掛ける。しかしタ
カシは首を捻るばかりだった。
678 :
2/5:2012/08/26(日) 09:02:19.31 0
「いや、だってさ。多分委員長とかノリノリで派手な格好してくるだろ? 女の子だけの
サークルで、派手なコスプレ衣装で売り子やってれば、そりゃ人だって集まってくると思
うし、委員長達もそれが狙い目なんだろ? 無理だよ」
やけに事情に詳しいところをみると、タカシも委員長にコミケで撮った写真を見せて貰っ
た事があるらしい。確かに、あの嬉しそうな表情でコスプレを勧めて来た事を思い出すと、
むしろ目立つ方目立つ方へと流されそうだ。
『なら、せめて私だけでもあまり人気が出ないようにする方法はないのか? お前なら、
そういうのも詳しいだろう?』
下手をすれば、私自身も前面に押し出されかねない。それだけは嫌だとタカシに縋って
みるものの、冷たくあしらわれた。
「お前ならって……俺もコミケ参戦した事はないんですけど?」
グッと私は言葉を失う。しかし、ここで引いたら後はもう会場でマスコット状態になる
しか無くなる。私にとってはもう、タカシしか頼るものは無かった。
『それでも構わん。私よりは詳しいだろう? いい方法を考えつけ。でないと家に帰さん
からな』
「つまりそれは、美琴の部屋でお泊りオッケーということですか?」
何か違う方向で食いついて来てしまったので、私は慌てて否定する。
『馬鹿を言うな。誰も泊まらせるなどとは言っていない。食事も用意などしてやらんし、
風呂も睡眠もなしだ。いいアイデアが浮かぶまで、ひたすら私の部屋で考えているだけだ
が、それでもいいのか?』
「ずっと美琴の部屋……という事は、着替え姿も見放題ということで?」
人が真剣に悩んでいる時にエロネタ持ち出して来たので、さすがに私も頭に来て、枕で
思いっきり頭をぶっ叩いてやった。
『馬鹿を言うな!! 着替えなど無論、風呂場でするに決まってるだろう。誰がお前の前
で下着姿など晒すか!!』
「っててて…… だからって、全力で叩く事ないだろ? 首の筋が違ったらどうする気な
んだよ」
首をコキコキと回すタカシを、私は思いっきり睨み付けて怒鳴った。
『知るか馬鹿!! とにかく、部屋に居続けて良かったとお前が思えるような事は一切し
ないからな。分かったらさっさとアイデアを出せ!!』
679 :
3/5:2012/08/26(日) 09:04:49.33 0
横暴とも言っていいほどの居丈高な態度で怒鳴りつけると、タカシは難しそうな顔でう
つむき、少しの間考え込んでいたが、やがて自信無げに小声で呟いた。
「うーん…… 一つ、あるにはあるんだけど……あまり提案したくはないなあ……」
『とりあえず、言ってみろ。是非は私が判断する』
少しでも目立たないで済む方法があるなら、それに越した事はない。催促するとタカシ
は少し逡巡していたが、小さく頷くと顔を上げて私を見た。
「いや。女性ばかりのサークルだとさ。どうしてもああいう場って、男が寄って来て声掛
けられたりとかしやすいらしいんだ。だから、そういうのが嫌な場合は、知り合いの男性
に自分たちのブースに来てもらったりするんだって、前に何かで見た記憶があるなと思って」
『それは用心棒みたいなものか? 鬱陶しい客を追い払ったりとかする為の』
私の解釈に、タカシは否定しなかったものの、僅かに首を捻ってみせる。
「いや。そもそも男が傍にいると、その女性の旦那とか彼氏だと勘違いするらしくて、そ
れで変に声を掛けられる確率が減るとか、そんな感じらしいよ」
『なっ……!?』
旦那とか彼氏と、という言葉に、私の乙女メーターが敏感に反応してしまう。タカシと
夫婦に見られる、という一点だけで、体が極度に緊張してしまった。
『じょっ……冗談じゃないぞ。そんなそんな……恋人同士とか……ましてや夫婦だと思わ
れるなんて、断じてお断りだっ!!』
そう叫んでしまってから、唖然としているタカシの顔が視界に入り、ハッと私は我に返った。
「いや、別に美琴がそうだって言ってる訳じゃなくて、委員長ならサークル関係とかでも
知り合いいるだろうから、頼めるなら頼んでみたらって思っただけで、何でそこで美琴が
興奮して怒鳴るのかがよく分からないんだが」
『やかましいっ!! 今すぐ忘れろっ!!』
こういう時は、タカシの鈍感さが救いになる。もし、連れて行く男性が私の中ではタカ
シ限定だったなんて知れたら、今すぐ自分を矢で射抜いて死んでしまいたいくらいだ。
「うーん……よく分からんけど、まあいいや。とにかく委員長に聞いてみたら? もしか
して、もう誰か頼んでるとか、共同で出すサークルに男の人がいるとかあるかも知れない
から」
680 :
4/5:2012/08/26(日) 09:05:24.28 0
私は一つため息をついて、タカシの姿を頭から払拭する。こんな時、タカシが傍にいて
くれたらなんて思ってしまったのは、絶対にバレる訳には行かない。
『待ってろ。今電話してみる』
タイミングのいい事に、委員長はすぐに電話に出てくれた。手短に事の次第を説明した
が、委員長から返って来たのは、難しそうな返事だった。
【う〜ん…… そこまで頼めるような男の人の知り合いってのは、いないのよね。遊びに
来てくれるくらいならあるけど、自分も出展してるか、買い物に忙しかったりするし……】
『そうか…… ところで、委員長とかはその……写真撮影とかは、いいのか?』」
【私達は好きでコスプレしてるもの。でも、やってみると楽しいわよ。矢神さんも、新し
い世界が開けるかもよ?】
『別にそんな世界を開きたくはないっ!!』
そこに突っ込みを入れたところで、委員長が思い立ったように言った。
【むしろ、矢神さんこそ、手伝ってくれるような男の人知ってるんじゃないの? 例えば、
別府君とか】
忘れようとした想像が、いきなり鮮やかに蘇って来た。
『なっ…… あ、あんな奴ダメに決まっているだろう。バカだしスケベだし……むしろ、
委員長達に迷惑を掛けるかも知れないし……』
【そんな事ないと思うけどな。別府君ともアニメの話で盛り上がったことあるけど、逆に
こっちがディープ過ぎて引かれたかな、なんて思うくらいだったのに、上手に話し合わせ
てくれてさ。優しくて、知識も豊富だし、いい人だと思うけど?】
『いや。だから委員長。幼馴染の私から言わせて貰えば、それはアイツの外面の方であっ
て、内面は最低最悪の男子だから、絶対に女の子だらけの所に入れるのは拙いと思うぞ』
【大丈夫よ。矢神さんがずっと付き合ってるんだから。それよりも、変な人対策はともか
く、男手ってのは欲しいのよね。本の冊数はそんなにないけど、設営とかも考えると、やっ
ぱり力のある人はいた方が助かるもの】
『待て。それは余計に役に立たなさそうだぞ。普段同じクラスなんだから、委員長もアイ
ツのサボり癖は知っているだろう? 絶対に隙を見てどこかでサボるに決まっている』
681 :
5/5:2012/08/26(日) 09:07:21.41 0
このまま委員長のペースに流されそうになるのを、私は必死で抵抗した。自分でもよく
分からないが、とにかく何でか、タカシを連れて行くことに気が進まなかったのだ。
【それも大丈夫。別府君って、男気はあるからね。私達みんなでお願いすれば、真面目に
手伝ってくれるわ。だから、ね。矢神さんからお願いしてみて?。お礼は弾むから】
懇願するように言われて、私は言葉に詰まってしまった。何か、却って泥沼にはまり込
んでしまったような気がしなくもない。そこに更に委員長が押して来る。
【別府君が嫌だって言ったら、この話はなかった事でいいから、とりあえず聞いてみてよ。
矢神さんには、お礼に無事終わったらスイーツご馳走してあげる。あと、二学期の中間も
面倒見てあげるから】
『うう……』
委員長から提案された見返りが、実に私のツボを突いた見事なもので、私は断わり切れ
なくなってしまった。勉強はともかく、私が甘い物に目がないのをどこで情報を仕入れた
のかは、不思議でしょうがなかったが。
『……分かった。別に私から誘ったりはしないからな。あくまで委員長からの依頼を伝え
るだけだが、それでいいと言うなら』
【もちろん、それでいいわ。私が相談されたはずなのに、逆にお願いしちゃって本当に申
し訳ないんだけど、宜しくお願いするね】
それで電話は切れた。私は携帯を畳むと、小さくため息をつく。一体どういう風に、タ
カシにこの事を伝えようかと悩んだ。しかし、私が言葉を発するよりも早く、タカシの方
から、突っ込みが入って来た。
「なあ。もしかして今、俺の事が話題に上ってなかったか?」
続く
一足お先に形になった妄想全堪能させてもらいますた(*´д`*)
お題
・友ちゃんにけしかけられて
寝てたと思った?残念起きてました!
的なドッキリを仕掛けようと寝たふりをしていたら
男に「お前が寝てるから言えるんだけどさ……俺、お前が…好きだ」
みたいなこと言われちゃって
翌日から男への態度がぎこちなくなっちゃうツンデレ
・ある日男の部屋に入ると寝ている男を発見
しばらく寝顔を見ているともう耐えられなくなって
「あたし…本当は、アンタが……好きなの。…大好きなの」
と囁いてその場を逃げるツンデレ
・ところが男は寝たふりをしているだけで
当然ツンデレの言葉は思いっきり聞こえていて
お互い知らないうちに告白をしてしまったことになった二人
>>683 続き早くwww
お互い両想いだと分かってんのに、なかなか知ってることを告げられないでギクシャクしてる互いの関係とか、超萌える
>>664 ・田舎に暮らすツンデレと男
「お前って高校卒業した後どうすんの?」
『はぁ? 私の進路なんか聞いてどうするわけ?』
「いや、ちょっと……参考にな」
『ふーん、進路ねぇ……進学はする気はないし……きっと今まで通りね、お父さんの手伝いを続けていくと思う』
「アルバイト巫女さんから普通の巫女さんになるって事か」
『そうよ、何か文句でもある?』
「無いって、変な勘ぐりはやめてくれよ」
『あんただって人の事をとやかく言えないわよ。お父さんの仕事――漁師を継ぐんでしょ?』
「んー、まだ継がないかも」
『……それって、どういう意味?』
「親父にさ、まだお前の手なんか借りなくても出来る、大学でも行ってろ! って言われたんだよね」
『……大学……で、でも仮に受かったとして!
ここから一番近い大学に通うのも、片道だけでもすっごく時間掛かっちゃうんじゃない?』
「何で自宅から通うんだよ。普通に一人暮らしだろ」
『あっ……そっか……そうだよね……』
「でもまぁそんな事より、まずは大学に合格しないとな。あー……勉強したくねぇ!」
『……』
「……どうした? 急に黙り込んじゃって――」
『わっ、私も大学に行く!!』
「うわっと、急にでかい声を――って……今なんと?」
『私も大学に行くって言ったのよ、それが何?』
「……お前、俺が大学に行くって聞いた途端それかよ」
『べっ、別にあんたと一緒に居たいからとかじゃないわよ? 気持ち悪い勘違いとかはやめてよね』
「してない、してないって。ただ、お前ってさ……昔から俺の真似よくするよな?」
『……真似なんかしてない』
「してるって。幼稚園のお遊戯会から始まって、高校でも部活とか清掃活動とか映画の奴とか――」
「うーるーさーいー、黙れ黙れ黙れー」
はよ結婚しろ!
それで進路別々になっちゃって涙目になって数年後男がツンデレを迎えに来るんですね
GJ!
17レスのちょっと長めのを書いたんだが、8レスごとに二回に分けて投下した方が良いだろうか?
>>685 GJ!!
もはやツンデレには男の嫁さんになる以外道はないなwww
>>688 普段から長いの投下してる俺から言えば、分割して投下した方が読み手には優しそう
あと、5〜6連投で連投制限掛かるから、繋ぎ直しが必要になる
おk、じゃあ8レスごとに分けて投下すっか
分割して投下する様に書いてないんで若干ぶったぎれ感はあるがオナシャス
692 :
1/8:2012/08/26(日) 22:16:29.92 O
・失意の男を慰めるツンデレ
男「……」
女「タカシー、いる?」
男「んぁ……かなみか」
女「何やってるのよ。ちゃんと午前の講義は出たんでしょうね?」
男「サボったよ……お前みたいに端からフル単目指してねぇし」
女「全く、だらしないわねぇ。今時モラトリアム大学生なんて流行んないわよ」
男「うるっせーなー……ほっといてくれよ」
女「拗ねてんじゃないの。それより、今日は先輩たちの就職祝いよ。準備してあんの?」
男「わり……俺パス。今日はそんな気分じゃないわ」
女「気分って、お世話になった人にそんな態度で許されると思ってんの?」
男「だからほっとけって! 自分でも、好き勝手言ってるのは分かってるからさぁ!」
女「……あんた、どうしたの? もしかしてなんかあった?」
男「……」
693 :
2/8:2012/08/26(日) 22:18:17.97 O
女「いつもなら、そんな風に自分の都合をまくし立てたりしないじゃない」
女「なんか理由があるなら、話してみなさいよ。私が聞くだけ聞いてあげるから」
男「……これだよ」バサッ
女「え……? 何これ」
男「いいから読めって」
女「うん……えーと、『ラノベ新人大賞一次選考結果発表』?」
男「俺さ、それに小説書いて送ってたんだよ」
女「えぇ!? あの漫画しか読まないタカシが小説ぅ!?」
男「そうだよ、悪いかよ」
女「いや、びっくりしただけだけど……へぇー、あんたがねぇ。で、結果は?」
男「もちろん、俺の名前なんてなかったよ」
女「あ……そう、なんだ」
男「まぁ、当たり前っちゃ当たり前なんだけどな。何回書いて送っても、かすりもしなかったし」
女「そんなに応募してたの?」
男「あぁ。いくつか賞に送って全滅だったから、よっぽど才能なかったんだろうな」
694 :
3/8:2012/08/26(日) 22:20:31.39 O
男「俺さー、誰にも言ってなかったけど、文章書いて暮らしていけたらなーとか思ってたワケよ」
女「私にさえ言わなかったっていうのが癪に触るけど、まぁいいわ」
男「だって、言ったらお前絶対からかうじゃん。でも、こんだけ書いても、駄目なもんはやっぱ駄目だった」
女「そんなの、ニ、三回落ちたくらいで落ち込んでんじゃないわよ」
男「そうは言うけどなぁ、自分の書いたものが認められないのって、めちゃくちゃ辛いんだぞ?」
女「その辺は、私には分からない機微だけど……」
男「まぁ、ようやく諦めがついたっていうのかな。才能の差とか、技量の差とかさ」
男「ほら、同じ学部のSっているじゃん? あいつも俺と同じで物書き志望なんだよ」
男「うちの大学、文芸サークルとかないだろ? だからそいつと内輪で文芸論かましたり、切磋琢磨してるつもりだったんだけど」
男「あいつの文章すげぇんだよなぁ……単に文才があるってだけじゃなくて、やっぱ物が違うわ」
女「……」
男「だから、今度のこの賞の一次選考に引っ掛からなかったら、潔く負けを認めてもう諦めようって決めてたんだ」
女「その割には、さっきまでずいぶん落ち込んでたじゃない」
男「……まーな」
695 :
4/8:2012/08/26(日) 22:22:39.46 O
男「ま、そういう訳で今日の俺は、少し荒れてたっちゅーことさ」
女「……そう」
男「あーあ。にしても、一次選考くらい通れってんだよな。自分のセンスの無さに自分でもびっくりだわ」
女「そんなに卑下しなくてもいいのに……」
男「いや、悪かったよ。かなみに愚痴ってもしょうがないことだったのにな」
男「就職祝いはちゃんと出るよ。だから、今はちょっと一人にしてくんねーかな」
女「……嫌よ」
男「えっ?」
女「そんな風にうじうじ腐ってるから、よけい思い悩んじゃうのよ。少しは風通しよく生きなさい」
男「おいおい、なんだよいきなり……」
女「まだ時間あるわね。よし、タカシ。海行くわよ、海!」
男「はぁ? ふざけんなよ、何が悲しくて海なんか行かなきゃなんねぇんだよ」
女「いいから黙って着いてくる! 落ち込んだ時は海で発散するのが若者ってもんでしょ!」
男「え、えぇ……?」
696 :
5/8:2012/08/26(日) 22:24:01.26 O
―――――
女「んーっ、潮風が気持ちいーっ!」
男「本当に来ちまったよ……ちょっと強引じゃねぇか?」
女「いいじゃん、たまにはさ。あんたと海来るの久しぶりだし」
男「そういやそうだな。いつぐらいぶりだろ」
女「ねぇ、波打ち際まで行ってみようよ」タタッ
男「あっ……おい!」
女「それっ!」パシャッ
男「ずわっ!! なんてベタなことを……」
女「あはははっ、『ずわっ』て何よ。あんたカニ? カニなの?」クスクス
男「テンションたっけーな、おい!」
697 :
6/8:2012/08/26(日) 22:26:03.85 O
女「そぉれっ、それそれっ!」パシャパシャパシャ
男「止めろっつーのバカ! 濡れるだろが!」
女「あんたがショボくれた顔してるからよ!」
男「てめっ……仕返しだコンニャロ!」バシャッ
女「きゃあ!」
男「うらうらうらぁ!!」バッシャアッ
女「ちょっとぉ、限度考えなさいよねー。びしょ濡れになっちゃったじゃない」
男「お互い様だろ。それにやってきたのはそっちからだ」
女「違いますー。喧嘩は売る方も買う方も悪いんですー」パチャパチャ
男「言いながら水引っ掛けないでくれないか。もう充分頭冷やしたから」
ぉ「ふふ……ねぇ、これで少しは元気になった?」
男「おかげさまで、お前に対する怒りがふつふつと蘇ってきたよ」
女「そ。それならただ腐ってるよりマシね」
698 :
7/8:2012/08/26(日) 22:27:07.46 O
女「ふぅ……やっぱ海はいいわねー。なんかこう青春の代名詞って感じ?」
男「無理くり付き合わされる方の身にもなってください」
女「でも、ちょっとは元気出たんでしょ?」
男「そりゃ、まぁ……」
女「だったらいいじゃない。落ち込んだ時はとにかく空気を変えなきゃ」
男「そーゆーもんか?」
女「そーゆーもんよ!」
男「……そっか」
女「でしょ?」
すんません、総レス数は8になってるけど
ここで切った方がキリがいいので以下は明日に続きます
乙
続きも期待してます
つか、かなみさんマジ良い子
702 :
1/2:2012/08/27(月) 03:26:26.34 0
【ツンデレが毎日家に入り浸ったら】
気がつけば夏休みが残り一週間を切ってる罠。
「スタンド攻撃か何かか?」
「小麦粉か何かだ」
そして今日もちなみが俺の家にいる。
「何の話だ」
「……タカシは今日も私が大好きという噂が立ち込めており非常に気持ち悪いので、一刻も早く死んで欲しいという話?」
「小麦粉関係ねえ。そしてそんな噂は存在しねえ」
「……私が広めたから、存在はしている」
「だから誰も俺に寄ってこなかったのか。非常に迷惑なのでやめてください」
「……いや、それは噂とは関係なく、タカシの人格の問題」
「なるほどそうか。真実は時に死にたくなるな」
ちなみが目をきらきらさせて身を乗り出した。
「わくわくしないでください。別に今すぐ死んだりはしません」
「タカシにはがっかりだ……」
「この娘は人の死を願うのでとても怖いね」
怖いのでちなみのほっぺを両手で挟み込み、むいむいする。むいむいとは、両手でほっぺを挟み込み、うにうにと優しくこねることを指す俺の造語だ。
「んー」
しかし、この刑罰はちなみには罰則にならず、むしろ少し嬉しそうなので残念。
「はい、終わり」
「むいむいが終わってしまった……」
「なんでそんな残念そうやねん」
ぺしーん、とちなみのおでこにツッコミを入れる。
「……痛い」
無表情は崩さず、ちなみは自分のおでこをさすさすさすった。
「はぁー……しかし、過ぎてみれば早いもんだなあ、夏休みってのは」
ごろりとベッドに転がり、天井を眺める。一ヶ月以上休みがあったはずだが、光陰矢の如しとは正にこのことだな。一体何やったっけ。……あれ、ほとんど覚えてねえ。
などと考えていると、何か物体がのそりと俺の上に乗ってきた。
「重い」
「……女の子の重量は羽と同程度、という文献を読んだことがある。なので、重いわけがない。はい論破」
703 :
2/2:2012/08/27(月) 03:26:56.73 0
「論破じゃねえ。重いっての。どけ」
ちなみが俺の上に乗ったままむすーっとしていた。
「……重くない」
「頑なな奴め」
「重くないったら重くない」
「いていて」
俺の胸にあごをつけ、微妙にぐりぐりしてきた。なんて地味な攻撃だ。
「分かった、ちなみは重くない。だからぐりぐりするない」
「ん。分かればいい」
そしてどういうことか、そのままぐりぐりからすりすりに移行した。
「……なに」
その様子を見てたら、ちなみが少し恥ずかしそうに頬を染めてこっちを見てきた。
「いや、別に」
「……別に、タカシなんて好きじゃないもん」
「聞いてねえ」
「……誘導尋問だ。卑怯なので死刑」
「一切誘導してねえ。ただの自爆だろ」
「……しょがない。頭なでてくれたら、特別に減刑してやろう」
「そもそも刑罰を受ける覚えはないのだけど」
「……いーからなでろ、ロリコン」
「あっ、はい俺のことですね」
呼ばれたからにはなでざるを得ないので、合法ロリをなでなでする。
「……はふー」
ちなみは気持ちよさそうに吐息を吐いた。毛づくろいされてる猫みてえ。
「あ、思い出した。夏休みはほぼ毎日こんなことやってたから、ほとんど覚えてなかったんだ」
ちなみをなでることが日常に組み込まれていたがために起こった悲劇だろう。悲劇?
「……じゃあ、覚えられるようにこれからも毎日来てやろう。私に感謝し、崇め奉れ。そして将来的には私を教祖とした宗教団体を旗揚げしろ」
「いいえ、結構です」
「左うちわの予定が……」
なんかショック受けてる奴を、今日もなでなでしたり抱っこしたりしました。
ちなみんwwww
なるほど。ちなみんをなでなですると記憶が忘却の彼方に飛んでいくと
試してみてえwww
ツンデレの頭強めにわしわし撫でたい
お題
つ・ツンデレが夏バテでダウンしていたら
ツンデレ可愛すぎる罪で逮捕したい
そこはツンデレ婦警さんに逮捕されたいだろJk……
712 :
1/9:2012/08/27(月) 21:31:48.18 O
女「あー疲れた。ちょっと休憩」
男「自由だなぁ、お前」
女「あんたもこっち来て座りなさいよ」
男「ん、そうする」
女「……」
男「……」
女「……ねぇ、タカシ」
男「ん? 何か?」
女「タカシはなんで、小説なんか書こうと思ったの?」
男「んー、そうだなぁ……やっぱり楽しかったからじゃないか?」
女「ふぅん……」
男「文章書くって地味な作業なんだけどさ、それでもたまに、流れるみたいにすっげぇ気持ちいい文を書ける時があるんだよ」
女「……」
男「その感覚が味わいたくて、文学科のある大学進んで、文章の勉強もして……」
男「でもやっぱり、俺の書く物は素人に毛の生えた程度の、ただの妄想だったんだよ」
男「自分の身の程を思い知るって、こういうことなのかなって思ってさ」
713 :
2/9:2012/08/27(月) 21:33:09.47 O
女「……なんか、あんたも見かけによらず努力してたのね」
男「実にならない努力だったけどな。夢を叶えるのって難しいわ、実際」
女「そんなことないっ!!」
男「うぇ……? どうした、急に?」
女「……私には、叶えたい夢とかなかったから、そういうのすごく憧れる」
男「そうか……でも、結局叶わなかったんだぞ?」
女「そうじゃなくて……夢を見て、それに向かって努力したことは、誇っていいことだと思うの」
男「何を言っても、他ならぬ自分自身が負け犬の遠吠えだと思ってるんじゃな」
女「……あのね、叶わなかった夢は、道になるんだって」
男「……は? どういう意味だそれ?」
女「言った通りの意味よ。夢っていうのは叶えた人だけの物じゃなくて、その
夢を諦めちゃった人の無念とか未練なんかも、全部含めて道になるんだって」
男「なんだそりゃ?」
714 :
3/9:2012/08/27(月) 21:34:31.31 O
女「中学時代に、私が大好きだった先生が言ってたのよ」
女「もしも夢を叶えた人だけがその道を歩くなら、その夢への道はきっと廃れていく」
女「挫折した人、諦めた人、夢を見ることすら叶わなかった人」
女「そういった人達がいるから、その夢への道は途絶えることがないんだよ、って」
女「だから、もしも自分の他にその道を行こうとする人が現れたら、その人を導いてあげなさい」
女「そうすればあなたも、その道の轍を固める一人になれるから、って言われたのよ」
男「ふぅん……」
女「今でもハッキリ覚えてるわ。私自身が、その言葉を参考にすることはなかったけどね」
男「うーん……」
女「どうしたの? 柄にもなく考えこんじゃって」
男「いや……そんな格好いいこと言うヤツ、中学の頃の先生にいたっけ?」
女「あぁ、違う違う。学校の先生じゃなくて、私が中学のころ教えてもらってたカテキョの先生よ」
男「あー、だからか……そんな深い台詞言うようなキャラ、いなかったもんな」
715 :
4/9:2012/08/27(月) 21:36:16.45 O
男「にしても、意地っ張りなお前がそんな簡単に心を許す先生って、どんな人格者なんだよ?」
女「そうねぇ……とにかくエネルギッシュで、格好いい人だった。私もあんな風になりたいって、ずっと思ってたなぁ」
男「……ふーん。あっそ」
女「なによ、そのリアクション。あんたから聞いてきたんでしょ」
男「別にぃ? ただ、よっぽどその先生のこと気に入ってたんだなって、思っただけだよ」
女「……もしかしてあんた、先生に嫉妬してるの?」
男「バカ、ちげーよ! なんで俺が嫉妬なんか……」
女「あははっ、バカはあんたよ! その先生は女の人。あんたたまに会って、鼻の下伸ばしてたの覚えてないの?」
男「あれっ? そうだっけ?」
女「そうよ。だから私もああなりたいって思ったんじゃない」
男「あぁ……言われてみれば、なんか思い出してきたような」
女「変な勘違いして、私に迷惑かけないでよね。バカタカシ」
男「うっせぇ」
716 :
5/9:2012/08/27(月) 21:37:44.04 O
女「……ねえ」
男「ん?」
女「あんた、もう小説は書かないの?」
男「どうかな。趣味程度に何か書くことはするかもしんないけど」
女「そう……なんだかちょっと惜しいわね。せっかく今まで続けて来たに」
男「自分の実力の程くらい分かってるつもりだよ。悲しいかな、俺ってやっぱり小市民なんだよな」
女「……だったらさ、私があんたの読者になってあげよっか?」
男「えっ……」
女「もしもあんたがこれからも書くことを続けるつもりなら、私が読者になって、あんたの作品を貶したり貶めたりしてあげる」
男「どっちにしろ誉めることはないのかよ」
女「いいじゃない。私だってあんたがどんな話書いてるのか知りたいし」
女「手始めに、最近書いたの見せてみなさいよ。もしかしたら、私が客観的に評価することで得られるものもあるかもよ?」
男「いやそれは……どうせ諦めたんだし、そこまでしなくてもいいよ」
女「それじゃ私の気が済まないの! 今まで私に隠してきた罰と思って、観念しなさい!」
男「う……」
717 :
6/9:2012/08/27(月) 21:40:45.22 O
女「それとも、なんか私に見せらんない理由でもあるの?」
男「えっ、いやあのそれは……」ゴニョゴニョ
女「まだ何か私に隠してるのね? ここまで来たら洗いざらい全部話しなさいよ!」
男「……じゃあ、言うけど。引くなよ、絶対引くなよ?」
女「内容次第よ。いいから早く言いなさいってば」
男「……かなみ、っていうんだ」
女「は?」
男「俺の書いたラノベのヒロインの名前……全部かなみって名前なんだよ」
女「はぁ!? な、なんで私と同じ名前なのよ!」
男「いやホントごめん。ほら、かなみって変にキャラ立ちしてるから、ついな……」
女「そんな個人的な感情で書いてばっかいるから賞に落ちるのよ! バカ、バカッ!!」
男「……ホントすんません」
718 :
7/9:2012/08/27(月) 21:43:49.74 O
女「う〜……///」
男「……なんか、ごめん」
女「駄目、絶対に許さない」
男「……」
女「……よし、決めた!」
男「……へ?」
女「これからあんたん家に帰って、私の名前の出てくる話、全部処分する!」
男「えぇっ!? いや無理だって、賞に送った原稿は基本的に帰ってこないもんなんだぞ!?」
女「パソコンに控えのデータくらい残してるでしょ! 何だったら、中身ごとパソコンぶっ壊してあげてもいいのよ?」
男「それは止めて……本当に止めて」
女「私の名前を無断で使った罰はそれだけ重いんだからね! そこんとこ、理解しなさい!」
男「うへぇ……でもそうなると、チェックするだけでも凄い負担だぞ? お前にできんのか?」
女「そうね……それなら、もう一つ案を出してあげてもいいけど?」
男「……というと?」
719 :
8/9:2012/08/27(月) 21:45:31.91 O
女「とりあえず、今まで私の名前を使ってたことは、不問にしたげる」
男「おぉ、そりゃあいい」
女「その代わり、あんたはそのヒロインが出てくる小説で賞を取るまで、何年かかってもずっと書き続けるのよ!」
男「は? ちょっと待てよ、なんでそうなるんだよ!?」
女「それが私の名前を勝手に使った対価よ。どう、妥当なとこでしょ?」
男「おいおい、だから俺はもう物書きになるの諦めたんだって……」
女「あんたに拒否権はないっ! それとも、今までの努力の結晶が、私の手で灰になるのを見たいの?」
男「……見たくないです」
女「だったら選ぶ選択肢は一つよね?」
男「……マジっすか」
女「そうよ。じゃないと小説の中の私が不憫じゃないのよ。私の名前を使った責任、取りなさいよね!」
男「なんて強引な……」
720 :
9/9:2012/08/27(月) 21:46:43.48 O
男「はぁ……なんか、かなみに慰められたんだか尻叩かれたんだか、分かんなくなっちまったな」
女「いいじゃない、一度は諦めた夢を、もう一度追う気になったんだから」
男「……ま、観念してまた続けますかね」
女「そうしなさい。今度は私が監視してあげるから、そう簡単には逃げられないわよ?」
男「オッケー、分かった。……でも、創作の辛さに折れそうになったら、そん時くらいは支えてくれよな?」
女「甘えてんじゃないわよ、バーカ! そんな心構えで、賞なんか取れるはずないでしょ!」
男「……ホントお前って、底意地悪いよなぁ」
女「ふふん、べーだっ!」
以上投下了
最終的にタカシが物書きになれたかどうかは、想像にお任せする方向で
GJ!
どう見てもプロポーズです本当にry
友ちゃんのお尻ぺんぺんしたい
>>721 かなみさんマジいい子
ここまで言われたらもう結婚するしかないな
726 :
ほんわか名無しさん:2012/08/28(火) 17:38:29.00 O
夢から逃げた身には染みるぜ。
ありがとう。ちょっと泣いた。
>>724 ノーパンノーブラの老成だと…?
GJすぐる
729 :
1/4:2012/08/28(火) 22:46:07.59 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その7
私はビクッと体を震わせ、どう言ってごまかそうかと反射的に思考を巡らせ、そして途
中で気付いた。今は逆にごまかさず正直に話すべき時で、むしろタカシからキッカケを作っ
てくれた事に。
『……全く、盗み聞きとはいい趣味だな。女同士の会話に耳をそばだてる奴には、いずれ
天罰が落ちると思え』
「いやいやいや。俺の提案について電話したんだし、そりゃ気にもなるでしょ? 盗み聞
きどころか、当事者なんだしさ」
だからこそ、聞かれて嫌だったのだ、と私は内心毒づく。まさか、話がタカシに及ぶと
は思わなかったから席を外さなかったのだが、あんな話題になると分かっていたら、最初
から場所を変えて電話したのに。だがもう、今となっては全てが後の祭りだ。
『黙れ。結果ならちゃんと終わったら報告する。それに、お前はそもそも無関係だったの
だから、聞き耳を立てる必要もなかっただろうが』
「いや、だってさ。最初は聞き流してたんだけど、いきなり美琴が動揺しだしたから。で、
注意を向けたらバカだのスケベだのって、これは俺の事かなあって」
予想通りの答えに、私は頭を抱えた。己の精神力の弱さが、つくづく情けなくなる。
『わ、私は動揺などしてはいないぞ。その……いきなり委員長がお前の名前を出したりし
たから、まあ少しは驚きはしたがな。あとはいたって冷静だ』
強がってはみたものの、タカシにどこまでそれが通用するか。
「はいはい。で、委員長が何て言ってたって?」
サラッと流しつつ、全てを心得たような態度でタカシは話を先に進めるよう促す。その
スカしたような態度が気に食わなくて、私は更に抗弁を続けようとした。
『ちょっと待て。お前、私の言う事を全く信じていないだろう? いいか、私は普段弓道
で――』
「分かってるよ。美琴は動揺なんてしていないって言うんだから、それを信じるって。そ
れより委員長との電話の中身を話してくれって」
幼馴染だから分かるが、コイツは私の言う事など絶対信用していないが、同時に私が絶
対にそれを認めないことまで分かっているのだ。何か手玉に取られているようで歯軋りす
る思いだが、これ以上ムキになっても、却って私を不利にさせるだけだった。
730 :
2/4:2012/08/28(火) 22:46:38.82 0
『フン。仕方ないな。これ以上お前との不毛なやり取りで時間を浪費する訳にもいかない
からな。話を先に進めるとするか』
しぶしぶ、私は抵抗を諦めてため息混じりに答えた。しかし、それはそれでタカシに何
と伝えれば良いのだろうか? まさか私からお願いなど、恥ずかしくて死んでも嫌だし。
しかもこんなコスプレ姿で。悩んだ挙句、私はあくまで伝言と言う形で、タカシに伝える
事にした。
『結論から言おう。生憎、委員長たちの知り合いには、そこまで頼めるような男の知り合
いはいないと言う事だ』
「そっか…… 意外と、そういう横の繋がりあるかと思ったんだけどなあ。まあ、前に見
せてくれたコミケの写真でも男と写った写真は無かったけど、でもアレはそういう写真は
避けただけって可能性にも掛けてみたんだが……」
難しい顔で考え込むようにブツブツと独り言のように言葉を漏らすタカシを見つつ、私
は次の言葉をどう切り出そうか迷っていた。しかし、今言わないと、どんどん機会を逸し
てしまう気がする。そう、これはあくまで伝えるだけだと言い聞かせて、私は口を開いた。
『それでだ。むしろ逆に委員長から、私の方が男の知り合いがいるはずだから、彼に頼ん
でみたらどうかと言われてしまってな』
するとタカシは、パッと顔を上げた。しばらく無言で私の顔をジッと見つめてから、視
線を逸らし、何だかとぼける様に疑問を呈してくる。
「男の知り合い? 美琴って奥手で堅物だから、男友達とかほぼ皆無じゃん。それがコミ
ケに来てくれるような知り合いだなんて……誰かいたか?」
『だっ……誰が奥手で堅物だっ!! 言うに事欠いて、人をバカにするにも程があるぞっ!!』
タカシの揶揄するような言葉に思わず反射的に怒鳴りつけてしまうと、タカシは両手で
まあまあと私を宥めた。
「悪い悪い。今のは冗談として、でもクラスや部活で一緒の男子でも、そんなお願い出来
るほど親しい奴なんていないってのは事実だろ?」
首を捻るタカシを、私は疑わしそうに見つめた。果たしてコイツは本当に自分を勘定に
入れていないのか? それとも分かった上でそら惚けているのか? その答えを知りたく
もあって、私はとうとうタカシを指して言った。
『……いるだろうが。ほら、そこに』
731 :
3/4:2012/08/28(火) 22:47:09.98 0
「俺?」
タカシがキョトンとした顔で自分を指す。私はコクリと頷いて肯定した。
『ああ。委員長が、名指しでお前をご指名だ。いずれにせよ、手伝ってくれる男の人がい
れば、色々と助かるから是非お願いして欲しいとな』
どもったり、変に呂律の回らない言葉にならないよう注意しながら、私は一気に委員長
からの依頼をタカシに伝えた。上手く口が回らなくて、私が動揺しているなどとタカシに
思われたら最悪だ。そして、言葉を切って、タカシの反応を固唾を呑んで見守る。
「うーん……」
意外にも、どちらかと言うと否定的なしかめ面で、タカシは唸りつつ考えていた。
「コミケ……ねえ。行った事ねーって言うか、あんまり興味ないしなあ……」
『意外だな。経験のある無しはともかく、スケベなお前だったら、可愛らしい女の子のコ
スプレ姿を見れると喜ぶんじゃないかと思ったが』
内心、不安に思っていたことを口に出す。するとタカシはいともあっさりと言い返した。
「いや。それは美琴のコスプレ見れればそれで十分だし」
『なっ……っ!?』
驚きと羞恥で、一気に体温が二、三度上昇する。コイツは今、何気に女の子を篭絡出来
る発言をした事に気付いているのだろうかと疑問に思いつつ、とにかく私は必死で否定し
た。
『ば、馬鹿を言うな!! 私のコスプレなど大したことはないし……大体、お前を喜ばせ
ようと思ってとか、そういう意図で着た訳じゃない!!』
「いや。それは分かってるけどさ。でも、テレビとかでコスプレの女の子が出る機会も増
えたけど、そんなに目を引くような子もいないし」
『う……』
反論しようとして、言葉が出ずに小さくうめく声だけが口から漏れる。タカシの中では、
テレビに出るような女の子より私の方が上だとでも言うのだろうか? もし事実だとした
ら……そんな事を言われたら、どうなってしまうのか、自分で自分が怖くなるくらいだ。
『だ、だからと言って、私より可愛い子などいくらでもいるだろうが。それに、何でも同
人誌だからと言っても素人ばかりじゃなく、プロも出してるらしいじゃないか。そういう
のを欲しいとか思わんのか?』
危険な話題から、私は必死で話を逸らす。するとタカシはあっさりと頷いた。
732 :
4/4:2012/08/28(火) 22:48:09.24 0
「まあ、欲しいとは思うものもあると思うけど、何もわざわざビッグサイトまで行って買
いたいとも思わんし。この暑い中を満員電車に乗ってさ。しかも会場も混雑してるから、
熱気でムンムンするらしいし」
『なるほど。お前はそんな男だらけで暑苦しい場所へ私を一人で放り出そうと、そういう
訳なんだな?』
何だか急に不安になり、同時に余りにも素気無い態度を取るタカシを睨みつける。する
とタカシは、慌ててそれを否定した。
「いやいやいや。男だらけじゃなくて、今じゃ女性も多いし。現に委員長のサークルって
女性ばっかなんだろ? 委員長とかいるんだから大丈夫だって」
そんな慰めも、私にはほとんど役に立たなかった。あくまで委員長のお願いを代弁して
いるだけ、と言い聞かせてきていたのに、いつの間にか私の中ではタカシが必要不可欠な
存在になってしまっていたのだ。
『だが、彼女だって忙しいだろう? 売り子に買い物。それに彼女だってコスプレするっ
て話だから、そっちの対応もあるだろうし。そうなると知り合いなんていないに等しいで
はないか』
「いや。もともとは委員長の知り合いの男がいれば、そっちに頼むはずだっただろ? 知
り合いがどうのとか関係なくね?」
タカシの指摘に、私はハッと気付かされる。だが、今更自分の間違った発言を取り消す
訳にも行かなかった。
『やかましい!! お前が私を不安にさせるような事を言うから悪いんだろうが。それに、
どのみち頼める男はお前以外いないのだ。どうせ普段ロクな事をしていないのだから、た
まには人助けくらいしろ』
逆ギレ気味に怒鳴りつけると、憤慨した気持ちが抑えきれないとばかりに私はフン、と
鼻を鳴らした。するとタカシは、私の顔をジッと覗き込むように窺ってくる。
『な、何だ? 人の顔をジロジロと見るな。気持ち悪いぞ。このバカ』
照れて悪態を吐くも、一向に気にしないようで観察を続けつつ、タカシが質問してきた。
「美琴自身は、どうなの? 俺に来て欲しいと思ってる?」
続く。ちょっと間が空いてしまって申し訳ない(´・ω・`)
どう終わらせるのか気になる
GJ!
みこちんかわかわ
GJ!
久しぶりに書いてみたら思い外時間がかかったでござる
四レスほどもらうます
・ツンデレに、男がツンデレを迷惑がっていると嘘をついたら
放課後。私は、昇降口でタカシを待っていた。あいつは今日、日直だったので少し遅れ
て来るからだ。
「よっす、ちなみん。さては別府くんを待ってるのかな?」
「……友ちゃん」
声に顔を上げると、そこには、私の数少ない友人の一人である友子が、立っていた。
「そういや別府くん、今日は日直だったもんね。……でも、わざわざこっち来ないで、教
室で待っててあげても良かったんじゃないの? ちなみんとしては、少しでも別府くんと
長くいたいんじゃないの?」
「……何を言っているのか理解不能。……そもそも、私は、別にあいつを待っているとは
言っていない」
「またまた〜。毎日、一緒に登校して、一緒に下校してるくせに何言ってるんだか」
「……うるさい」
「あ、わかった。教室で待ってたら、他の子に別府くんを待ってることがバレるから、そ
れが恥ずかしくてこっちで待ってたんでしょ?」
「ちがっ……違う」
思わず動揺が声に漏れてしまう。そしてそれを見逃してくれるほど、彼女は甘くなかっ
た。
「も〜、わかりやすいなぁ、ちなみんは!」
「……ふん」
「ホント、ちなみんと別府くんっていつも一緒にいるよね」
「……あ、あいつが私につきまとってるだけ。……私は、別に、タカシのことなんか……」
熱を持ち始めた頬を隠すように、私にしては早口でまくし立てる。すると、友子はニヤ
ニヤ笑いながら、また口を開いた。
「えー、それホントー? ちょっと信じられないなあ。私には、ちなみんが別府くんと一
緒にいたがってるように見えるんだけど」
「そっ……そんなわけない。……友ちゃんの目がおかしいだけ。……あるいは頭」
またも動揺が声に表れてしまい、それを誤魔化すように、毒を吐いてしまう。内心、ち
ょっと反省するが、友ちゃんも悪いと思う。
「ったく、強情なんだから。……ちなみんは、そう言うけどさ、別府くんの方はむしろち
なみんのこと、迷惑がってるみたいだよ? この前もホントは一人で帰りたいって言って
たし」
「……えっ?」
心臓がドクンと大きく鼓動を打つのが聞こえたような気がして、それと同時に周りの音
が一瞬で聞こえなくなる。
「なーんてね。嘘よウソウソ。別府くんとちなみんは、どう見ても相思相愛なんだから、
さっさと告白しちゃいなさいよ。……って、ちなみん?」
「……めいわく? ……わた、わたし……タカシにとって……迷惑、なの? そんな……
でも……だって……」
「……ちょ、ちょっと、ちなみん? ねえ? さっきの全部嘘だってば! ……やばい、
完全にトリップしちゃってる」
「よう、待たせたな、ちなみ……って、友子も一緒か」
「あ、別府くん! ちょうど良かった、ちなみんは君に任せた! お姫様は王子様のキス
で目覚めるものなのよ!」
「はぁ、何言ってんだお前――ってコラ、どこ行く気だっ、せめて説明していけ、おい!
……ったく、行っちまった。……まあいい、帰ろうぜ、ちなみ」
「ぅ…………たかし?」
気づくと、いつの間にか目の前には、タカシがいた。私の大好きな、タカシが。
「ぅ、うあ、ぅわああああああん」
「ちょ、ちなみ!? おい、どうしたんだよ?」
〜
「で、友子に、俺がちなみのことを迷惑がってるって言われたと」
しばらくして、落ち着いた私は、タカシに連れられて近くの公園まで来て、ベンチに腰
掛けていた。
「……ぅ、うん」
「そんくらいで泣くなよ。ホント、ちなみは、昔から泣き虫だよな」
「…………ぃ、じゃない」
「え?」
「……そんくらい、じゃないっ。……わた、私にとって……タカシに嫌われるのがどんな
に辛いか……タカシは、わかってない。……私、私は……」
「バーカ」「いたっ!?」
私が、せっかく自分の気持を吐露していたというのに、タカシは私にデコピンを食らわ
せてきた。
「……ば、馬鹿じゃない。……馬鹿なのは、タカシ」
「ったく、ようやく、いつものちなみらしくなってきたな。……あのな、俺達は小さい頃
からずっと一緒にいるだろ? だからさ、今更、ちょっとくらいちなみに迷惑かけられた
って、嫌いになったりしないっての。そもそも迷惑だとも思ってないしな」
「……そ、そうなの?」
「ああ、そうだよ。だから、気にすんな。多分、友子も冗談のつもりで言ったんだろう
よ」
……そう言えば、あの後、何か言ってたような気がする……。
「……じゃ、じゃあ、今日も、い、一緒に帰る?」
「当たり前だろ。今日も明日も明後日も、一緒に学校行って、一緒に帰ってやるよ」
「……そ、そう。……なら、いい。……ね、ねえ、タカシ」
739 :
最後:2012/08/29(水) 03:26:03.79 0
「ん? なんだよ、ちなみ」
「……あの、わ、私、その……た、タカシのこと…………ぅ〜、や、やっぱりなんでもな
いっ」
「はあ? なんだそりゃ」
「……う、うるさい馬鹿。……お、女の子には、いろいろあるの」
「そうっすか。なんだかわかんないけど、とりあえず帰ろうぜ」
「……ね、ねえ、タカシ」
「今度はなんだよ?」
「……あ、ありがとう。……その、いろいろ」
「別に礼を言われるようなことはやってないけどな」
「……いいの、それでも」
「そうっすか」
「……そうなの……ふふ……」
終われ
ちなみんは可愛いなあ!
ちなみんが可愛すぎてなでなでがとまらない
デレ多めだやな!
GJ!
久々に来たが移転してたのか
とりあえず全部読んでくる
お題
つ・ツンデレにたまには俺の愚痴も聞いてくれよって言ったら
線路復活してる!
本当だ
復活おめ
ツンデレバカップルの舞台を見てきた
ニヤニヤしすぎて死ぬかと
>>748 おお、初めて見る
そして可愛すぎて死ねる
>>748 今度はちゃんとしっぽが二股ですなwwww
GJ!
752 :
1/3:2012/08/31(金) 02:49:01.78 0
・ツンデレがコミケで着るコスプレ衣装を悩んでいたら その8
『なっ……!?』
ドキリとして、私は思わず体を後ずらせる。核心を突いた質問に、私の心が動揺してド
キドキと心臓が激しく鼓動を打つ。咄嗟に否定したい気持ちが湧き上がるが、それを私は
グッと押さえ込んだ。
『私は……その……き、来て欲しいと言うほどではないがな。だが、まあその……委員長
からのたっての願いでもあるし、その……一人でこんな恥ずかしい格好のままで立ってい
るのも何だかバカらしいし……だからまあ、いないよりはマシ……ではあるかな……』
この期に及んでも素直に来て欲しいと言えない自分を呪いつつも、精一杯頑張って必要
性はアピールしたつもりだ。どうかこれで承知して欲しいと、私は切に願った。
「なるほど。まあ美琴が来るなとかどうでもいいとか言わないって事は、結構真剣に来て
欲しいと思ってるという事か」
納得してタカシが頷く。あっさりと心の内を暴露されて、私の動揺が一気にピークに達
した。
『なっ……なななななな、何を言ってるのだこのバカ!! 私の言う事を聞いていなかっ
たのか? 承知してくれればありがたいとは言ったが、だからと言ってそこまでどうして
もと言うほどでは――』
「さっきは何か、涙目で私を一人でコミケ会場に放り出すのか、とか泣き言を言ってたよ
うな気がしたけど。あれは何?」
『ううううう……』
やはりあの咄嗟の一言は失言だった。これでもう、タカシの言葉を否定できる材料なん
て、無いに等しくなってしまった。また、ここで無理矢理強硬に否定すると、却って墓穴
を掘ってしまいかねない。
『も、もういい。お前の好きなように考えておけばいい。それで、どうなんだ? 引き受
けてくれるのか、断るのか?』
ほぼ、敗北宣言とも取れる発言の後、私はタカシに決断を迫った。するとタカシは腕組
みをして、目を閉じ俯いて難しそうに唸る。
753 :
2/3:2012/08/31(金) 02:49:35.16 0
「うーん…… まあ、引き受けてもいいんだけどなあ…… やっぱりタダで一日潰すわけ
だし……それなりに報酬が欲しいんだよな。美琴だって、勉強見てもらったお礼に、引き
受けてる訳だし、俺にも何かあったっていいと思うんだけど」
『一応、入場料代わりのカタログ代は、委員長が払ってくれると言っていたぞ。あとの報
酬に関しては、委員長に聞け。私はあくまで、代理なんだからな』
素っ気無く返事をしつつ、このミッションに成功すれば、委員長から追加報酬でスイー
ツを奢って貰える事を思い出した。しかし、それはタカシには内緒にしておこう。もし知
れたら、余計に不公平感を増させるだけだし。
「……でも、俺に頼んでるのは美琴なんだし、そもそも美琴の為にやってあげてるんだか
ら、美琴から報酬を貰うのが筋だと思うんだけどな。どう思う?」
ちょっと考えてから、タカシが答えてきた。そして意見を聞かれ、私はグッと言葉に詰
まる。
『どう思うと言われても……その、確かに、元々は私が一人でコミケ会場でコスプレをし
ていて、万が一にも変な男性に寄って来られないようにとか、そんな話ではあったが、だ
が私はお前に頼む気ではなかったし……』
「でも、結果的には美琴からお願いしてるじゃん。それを引き受けるなら、やっぱり美琴
からだと思うんだよなあ」
タカシの言葉を聞きつつ、私は理解した。つまり、タカシは私から受け取りたい報酬が
何かあるのだろうと。答えるのはそれを聞いてからでも遅くはあるまいと思った。
『じゃあ試しに聞くがな。仮に私から報酬を受け取るとしたら、何が欲しいのだ。言って
みろ』
タカシの答えは、即答だった。
「ほむほむのコスプレした美琴の写真を撮らせて欲しい」
『何!?』
驚き、動揺して聞き返すと、タカシはやっぱりそれしかないといった表情で、何度も頷
いた。
「いや。やっぱり美琴には魔法少女のコスプレが良く似合うなと思ってさ。しかも普段の
美琴とは違って守ってあげたくなるあの可愛らしさ。絶対写真に撮って残しておきたいな
と思って」
754 :
3/3:2012/08/31(金) 02:50:06.37 0
『だっ……駄目だ駄目だ駄目だ!! 何で私が、お前の為にそんな恥ずかしい真似をしな
ければならないのだ!! 絶対に引き受けないぞ、そんな事は!!』
またさっきのあの恥ずかしい体験を、今度はカメラまで向けられてしなければならない
のかと、想像するだけで体がゾクゾクとしてしまう。
「何でって、コミケで衆人環視の中でコスプレしなくちゃいけない恥ずかしさを少しでも
紛らわせる為だろ? 俺がいれば彼氏持ちだと思われて、変な奴らは避けれるし」
『ぐぬぬぬぬぬ……』
歯軋りしつつ、私は頭を抱えた。確かにその通りなのだ。しかも、一度タカシが来てく
れるかもという可能性を考えてしまうと、もうタカシ無しにコミケでコスプレする事が考
えられなくなってしまっていた。
「もし、この条件が受け入れられないのだったら、俺がコミケに付き合う話も無しって事で」
袋小路に入り込んだ挙句、とうとう退路まで断たれてしまった。恥ずかしさで涙すら浮
かべつつ、半ば自棄気味に、私は承諾した。
『わ……分かった!! もう、お前の好きにしろ。私の恥ずかしい写真でも何でも撮れば
いい。その代わり……これは成功報酬だからな。全ては、コミケが終わってからだぞ。い
いな!!』
するとタカシは、嬉しそうに頷いた。
「ああ。これでやる気が出て来た。いや、美琴のあの姿をもう一度拝めるのか。楽しみだ
なあ」
その喜びように、恥ずかしさが頂点に達し、裏返しで私は思いっきり悪態を吐いた。
『勝手に楽しみにしていろ!! このド変態が!!』
この後、コミケ当日に委員長達の生コスプレ姿に思わず目を奪われたタカシに私が嫉妬
した話とか、タカシ単独の私のコスプレ撮影会とか、更には私の発言が仇となってエロギ
リギリの恥ずかしい写真まで要求されたりとか、その辺は割愛する事にする。
というか、話せるわけ無いだろうバカ!!
以上!!
長い間お疲れ様でした。GJ!
エロコスプレ編はまだですか
756 :
ほんわか名無しさん:2012/08/31(金) 09:49:06.33 O
>>754 みこちんかわゆいなあ!GJ!
で、割愛された部分はどうやったら読めr
ぎゃー酒飲んでたら落としてしもた
早すぎwwww
誰かまた立ててくれると俺が喜ぶ
お題
つ・降ったり止んだりの天気に傘を持って行くべきかどうかツンデレが悩んでいたら
765 :
1/7:2012/09/02(日) 09:33:39.78 0
・ツンデレが海外旅行に行きたがっていたら
学校帰りに、先輩が本を買いたいと言うので、僕はお付き合いで駅から程近いショッピ
ングモールに立ち寄った。ちなみにこういう時は、先輩が自分の読みたいマンガとかを僕
に買わせようと口八丁手八丁で攻めて来るので注意が必要である。
『ねえねえ、別府君』
ふと、横を並んで歩いていた先輩がちょいちょいと僕を指で突付きながら声を掛けてきた。
「何です? 先輩」
視線を先輩に向けると、彼女は近くにあった旅行代理店が店頭に並べているパンフレッ
トの棚を指して言った。
『ちょっと寄って行っていいかな? 見たいものがあるんだ』
「いいですけど。先輩、旅行の予定とかあるんですか?」
何気なく聞いただけなのに、先輩にジロリと不愉快そうに睨み付けられた。
『無いけど、別にいいでしょ? パンフレット見ながら立てる予定とか、あるかも知れな
いじゃない』
「いえ、それはご自由ですけど、ちょっと聞いただけですよ。そんなに怒らなくたってい
いじゃないですか」
そう弁解すると、先輩は何故か慌てたように否定してきた。
『べ、別に怒ってなんかいないわよ。さも予定が無くちゃパンフ見ちゃいけないような言
い方されたからちょっとカチンと来ただけで。大体アンタはね。自分にその気は無くとも、
他人を頭に来させるような言い方する事が多いんだから、反省しなさいよね』
結局、僕が悪い事にさせられてしまった。まあ、いつもの事だから仕方が無いと諦めて、
先輩と一緒にパンフレットの棚の前に立つ。
「で、どこの旅行に興味あるんですか?」
先輩の方を見ながら質問するも、答えられる前に既に答えは出ていた。先輩がハワイの
パンフレットを手に持って広げながら、憧れるような目付きでページをめくっている。
『ハァ…… いいなあ、ハワイとか。常夏の海。あたし、まだ一度も行った事ないのよね
え。憧れるわぁ……』
766 :
2/7:2012/09/02(日) 09:34:11.01 0
「行けばいいじゃないですか。これ見ても、十万掛からずに行けるみたいじゃないですか。
まあ、休みだけがちょっと問題ですけど、それでも今からお金溜めれば、年末より前には
行けると思いますよ」
同じパンフレットの、比較的安価なツアーとかを差して僕が勧めると、先輩はジロリと
僕を睨み付けて反論してきた。
『アンタねえ。十万って簡単に言うけど、それを稼ぐのにどれだけ苦労すると思ってるの
か、分かってる?』
僕は、すぐに頷いて答えた。
「分かりますよ。僕だってアルバイトしてますから。週4日のコンビニバイトに、夏休み
はスポットでもバイト入れてましたから。でも、欲しい物やしたい事があるなら、その為
にお金溜める努力するのは当然じゃないですか」
僕のお説教めいた言葉に、先輩が不満気に言い返してきた。
『あたしだって色々我慢してるわよ。欲しいマンガだって自分で買わずに借りて我慢して
るし、お菓子やジュースだって、出来る限り外で買うの控えてるし』
「その代わり、僕のところにたかりに来るんですよね」
ため息混じりに、先輩の言葉を受けて僕は言った。先輩がちょくちょく僕のところに遊
びに来るのが単なる節約目的だとしたら、それ程悲しい事はないなと思いつつ。
『たっ……たかるとか失礼な事言わないでよね。あくまで、お金の掛かる外出を避けて、
暇つぶしにアンタの所に遊びに行ってあげてるだけなんだから。お客さんをお持て成しす
るのは、家の人間としては当然の事でしょ? あと、マンガはアンタが自分の意志で買っ
てるんだからね。いくらあたしが勧めたにせよ』
自分を正当化した挙句、恩着せがましく遊びに行ってあげてると、まるで僕が望んでい
るような言い方をして自分を優位に持って行こうとするのはさすがに先輩だ。いや、まあ
望んでいるのは敢えて否定はしないけど。だから僕は、そこから話をズラした。
「だからと言って、節約だけじゃなかなか溜まらないでしょ? やっぱりちゃんとアルバ
イトとかしないと、まとまったお金は溜まり難いですよ」
『だって働くの、嫌いだもん』
767 :
3/7:2012/09/02(日) 09:34:49.79 0
僕からのアドバイスを、一言でスパッとぶった切った。呆れて先輩の顔を見るも、不満
気なその顔がいかにも可愛らしくて説教する気が削がれてしまう。が、言わなきゃならな
いことはやはりキチンと言っておかないと。
「そんな事でどうするんですか。僕らだって再来年には就活始めなくちゃいけないんです
よ? 大体、楽して儲かる仕事なんて、世の中には絶対にないんですからね。それはちゃ
んと分かって下さいよ」
まかり間違って、ギャンブルやら株やFXにでも手を出されたらたまらないと思い、僕は
しっかりと釘を刺しておく。高校一年の時から4年以上先輩を見て来ているが、この人に
そういう金儲けの才は皆無だと思う。
『うるっさいわね。別にそんな事やろうだなんて言ってないでしょ? アンタにそういう
お説教されるのって超ムカつくのよ。何様だと思ってんの全く。アンタはあたしの保護者
かっての』
酔った時の介抱とか、試験の為の資料集めとか、無駄遣いをさせない為に戒めるとか、
面倒見ている数を数えると保護者ってのは結構当たってなくもないと思うが、今それを言っ
ても否定されるだけなので止めておこうと思う。
「まあ、それならいいですけど。でも、こっちのグアムとか台湾なら短期のバイトでも十
分稼げる額だと思いますよ。日数的にも手頃ですし」
ハワイのパンフレットを元の場所に戻し、僕は台湾のパンフレットを開く。こっちなら
五万円以下だ。
『ああー、台湾かぁ…… うん。それもいいわよねえ。グアムとかサイパンとかもいいな
あ。いや、でもいっそお金稼がなきゃいけないんだったら、少し無理してヨーロッパとか
もあるわよね。スペインとかイタリアとかも素敵だしなぁ……』
「要するに、海外ならどこだって良い訳ですよね? 先輩は」
相変わらずノープランで物事を進めようとする人だなあと、ちょっと呆れて見つめると、
先輩は案の定、怒りを露わにして来る。
『何よ。何か文句ある訳? だってあたし、まだ海外旅行自体した事が無いんだから、行
きたいトコいっぱいあったっておかしくないじゃない。悪い?』
「ああ、いえ。悪いとか悪くないとかそんなつもりじゃなかったんですが。気を悪くされ
たのならすいません」
768 :
4/7:2012/09/02(日) 09:35:38.42 0
あまり先輩の怒りをこじらせないよう、僕は素直に謝った。どうやら先輩は、今の所は
未知の体験に憧れているだけのようだった。しかし、果たして先輩の憧れる海外とはどん
なところなのだろうかと、ちょっと知りたくもあって、僕は色々と先輩に聞いてみること
にした。
「ところで、仮に海外旅行をするとしたら、どういう場所に行きたいですか?」
すると先輩は、あっさりと怒りを引っ込めて、ちょっとだけ考えてから答えた。
『そうね。まずは綺麗なビーチがあるとこよね。青い海。白い砂浜、照りつける太陽。日
本にはない透明な海で泳いだり、日光浴したり。あとは、美味しい物をいっぱい食べて、
珍しい観光地をたくさん巡って、ブランド品とかいっぱい買い物したい』
さすがの僕も、ちょっと呆れる気分で先輩を見た。基本的に先輩の考えは尊重したいと
は思うけど、さすがにこの考えはスイーツ的というか、テンプレ過ぎるというか、あまり
にも考えなし過ぎる。
「何か、いかにも情報番組で特集された楽しみ方っぽいですよね。まあ、何をしたいかな
んて人それぞれですから。そういうのも別にいいんじゃないかとは思いますけど」
オブラートに包んだ感想を伝えるも、付き合いが長いとどうしても、心の奥底にある感
情というのは漏れ出てしまうらしく、その途端に先輩がたちまち不快感を露わにした。
『今、アンタ内心であたしの事思いっきりバカにしたでしょ? 素知らぬ顔して、別にい
いんじゃないでしょうか、なんて言い方する時は絶対そうなんだから。あたしの目を誤魔
化せると思わないでよね?』
果たして、ここまで以心伝心なのは喜ぶべきなのかどうなのか、ちょっと複雑な気分に
陥りつつ、僕は言い訳に徹する事にした。
「いや。確かに僕の感性とは合わないな、とは思いましたけど、先輩の楽しみ方を否定す
る権利なんてのは僕にはありませんから。気にしないで下さい」
しかし、先輩はこういう時は頑固だから、一度芽生えた怒りはそう簡単に収めてはくれ
なかった。
『分かってるわよ。他人の自由だから否定はしないけど、僕なら絶対そんなバカな旅行は
しないって思ってるんでしょう? アンタの思ってる事なんて、あたしには見え見えなん
だからね』
769 :
5/7:2012/09/02(日) 09:36:16.05 0
ある意味、とっても嬉しい事を言ってくれる先輩にちょっと顔がニヤけそうになるが、
そこはグッと堪えて、僕は怒りを宥める方向へと神経を集中する。
「そんな事ありませんよ。実際、僕の憧れる海外だって、先輩からしてみればそう見える
でしょうし?」
すると先輩は僕の言葉に興味を持ったようで、まだしかめっ面をしたままではあるも、
若干怒りを収めて聞いてきた。
『アンタの憧れる海外って何処よ? ていうか、別府君も海外行きたいって思った事ある
の? もしかして、アンタもまだ未経験とか?』
立て続けに繰り出される質問に、僕は最後の質問から答えた。首を横に振って否定する。
「いえ。子供の頃に一度だけ両親と中国旅行に行った事があります」
すると先輩が即座に不機嫌な顔で割り込んで来た。
『えーっ? 別府君のくせに海外旅行した事あるの? ズルいわよそれ。あたしに黙って
そんないい事してるなんて、この卑怯者』
果たして、ここまで横暴な非難ってあるのかなと疑問に思いつつ、僕はまた弁解しなけ
ればならなかった。
「だから、子供の頃の、小学校にも上がる前の話ですって。まだ先輩と出会うより十年近
く前の話ですし、黙っても何も、話したら話したで単なる自慢話にしかならないじゃない
ですか。卑怯ってのは意味分かりませんよ」
すると先輩は、ジト目で僕を睨み付けたまま、口を思いっきり尖らせて見せた。
『だーって、あたしはまだ行った事無いのにさ。一人で出し抜くなんて、やっぱりズルいっ
て思っちゃうじゃない』
そんな子供のような我が儘も、拗ねる顔の可愛らしさに、ついつい許してあげたくなっ
てしまう。
「さすがに子供の頃の家族旅行なんですから、許して下さいよ。これからは、先輩に断わ
り無しに勝手に海外旅行とか行かないですから。それでいいですよね?」
これだって相当理不尽な話なのだが、まあ僕としても誰と海外行きたいかといえば、やっ
ぱり先輩なのだから、これはこれでいいのだと思う。しかし先輩は頷くことなく、納得
して無さそうな顔で僕を見つめて、話を進めた。
『もういいわよ。で、何なのよ? アンタが海外でしたいような事って』
とにもかくにも詰問の時間は終わったようなので、僕は頷いて答えた。
770 :
6/7:2012/09/02(日) 09:38:41.22 0
「ええ。実はその時に万里の長城に上ったんですけど、古代の城壁から眺める草原が未だ
に心に焼き付いているんですよね。ほとんど覚えてる事なんてないのに。それだけは鮮明
に。だから、スコットランドとかに残る古いお城とか、そこから見える何もない平原とか、
そういう場所に行ってみたいですね」
『何それ。そんな海外旅行、つまんなくない?』
即座に一言でバッサリ切り捨てられるも、予想された通りの回答だっただけに、僕は苦
笑した。
「ほら。先輩だって僕の憧れる海外をバカにしたでしょう? まあ、僕はバカにした訳じゃ
ないですけど、否定したって意味ではこれでおあいこでいいですよね?」
最初からこう言って宥めるつもりで振った話題だったのだが、生憎先輩は納得してくれ
なかった。
『ダメよ。いい? 別府君があたしを否定するって言うのはね。それだけで万死に値する
出来事なんだから。アンタの考えとあたしの考えじゃ石ころと宝石くらいに価値が違うの。
分かる?』
これだけ言われても全然頭に来ないばかりか、ついつい苦笑してしまう辺り、やっぱり
この人の可愛らしさに、僕はどこかおかしくなっているのだろうと思わずにはいられない。
しかし先輩はそうとは取らなかったようで、またも不快な感情を露わにした。
『ちょっと。その笑い方って、絶対あたしをバカにしてるでしょ? また先輩がおかしな
事言ってるなって。全然反省してないじゃない。どういう事よ?』
「いやいやいや。今のは本当にバカにしてないですって。余りにも自分勝手過ぎて、却っ
ておかしくなっちゃっただけで」
弁解するつもりが、面白くてうっかり本音を漏らしてしまう。すると先輩は、怒りで顔
を赤くして、さらにムキになって怒鳴ってきた。
『自分勝手とかおかしくなったとか、やっぱりバカにしてるじゃないのよっ!! あと、
今のは本当にって事は、さっきのもバカにしてたって事じゃない。この嘘つき!! 謝り
なさいよね、このバカ!!』
ここはまず、素直に謝罪しておくべきではあるだろうと思い、僕は頭を下げた。
「いや、不快な思いをさせた事は本当に申し訳ありません。ただ、決して軽蔑したりとか、
そういう意味じゃないですから。本当に先輩の考え方って単純で可愛いなってそれだけで
すから」
771 :
7/7:2012/09/02(日) 09:39:40.03 0
『それってやっぱりバカにしてるわよっ!! もういい。アンタなんて大っ嫌いなんだか
ら。フン!!』
ここが僕の部屋だったら、この可愛らしい生き物を宥める為に、強引にでも引き寄せて
頭を撫でくり回す所なのだが、生憎ここは旅行代理店の前なのでさすがにそれは出来なかっ
た。実に残念だ。
「ところで先輩。先輩の憧れる海外旅行のシチュエーションってどんなのか、教えて貰え
ませんか?」
続く
落ちたか
さすがにこの時間に10分放置したら落ちるか
最後のレスから妄想したお題
・自分の神社のおみくじの結果を操作して恋愛運MAXのおみくじ引いて喜んでる稲荷まつりん
779 :
1/7:2012/09/03(月) 07:10:55.45 0
・ツンデレが海外旅行に行きたがっていたら 〜後編〜
少し間を置いてから、先輩の機嫌を少しでも良くしようと思って僕は聞いた。しかし先
輩はまだ怒ったまま、僕にそっぽを向いて答える。
『聞いてどうすんのよ? どうせまた、あたしの考えをバカにしてあざ笑いたいだけなん
でしょ? あー、性格悪っ!! 最低』
「違いますよ。先輩の好みを聞いて、少しでも先輩が好みの旅行が出来る計画のお手伝い
をしたいと思っただけで、そんな気持ちは微塵もありませんから」
それを聞いて、先輩は横目でジロリと僕を睨んだ。疑わしげに、少しの間考えてから念
を押して来る。
『本当に? 絶対にあたしの考えを否定したりとか、笑ったりとかしない?』
僕は笑顔を消して、真剣な表情で頷いた。
「ええ。バカにしたりしませんから。絶対に」
僕の返事に、先輩は少し考えてから、ため息をついた。それから、仕方無さそうに髪を
かき上げて、僕に向き直る。
『分かったわよ。そこまで言うんなら、教えてあげるけど、ちょっと待ってて。考えるか
ら。うーん……』
「いいですよ。そんなに深く考えなくても、本当に憧れるイメージのままで」
先輩は悩み過ぎると逆に深みに嵌まって何も考えが浮かばなくなってくるので、僕はそ
う言って気を楽にしてあげようとした。それに頷き、先輩がポツポツと考えを口にし出す。
『……やっぱり、海が一番よねえ……? ハワイとかよりもさ。もっと人がいなくて……
すっごい綺麗な海を前に、ちょっと大胆な水着着ちゃってさ。そうしたら、地元のサーファー
とかやってる人達に、君達何処から来たの? 観光客? なら、とっても素敵な食事が出
来る場所があるんだけど、一緒に行かない? なんて誘われちゃったりしてさ。うん』
「ちょっと待って下さい先輩」
ホケッと憧れた感じでしゃべる先輩に、僕は慌てて割り込んだ。
『何よ。今、いい感じでイメージ膨らませてたのに邪魔しないでよね。大体、アンタから
聞いたんじゃない』
不愉快そうな先輩を抑えて、僕は真面目な顔で先輩をジッと見つめた。
780 :
2/7:2012/09/03(月) 07:11:41.41 0
「先輩。お言葉ですが、海外は日本ほど安全な場所じゃありません」
『は? それが何よ?』
先輩の中では自分の考えと僕の話しが繋がらなかったのだろう? 訳が分からない様子
の先輩に、僕は頷いて話を続けた。
「つまり、観光客相手に犯罪を犯そうとする人間も、日本と比べると全然多いって事です。
そんな風に気軽に声を掛けてくる男性には、注意して近寄らない方が懸命だと思いますね」
僕の警告に、たちまちのうちに先輩の顔が不機嫌に歪む。
『何よ。バカにしないって言ってたくせに、やっぱりケチつけるんじゃない。嘘つき』
「違います。これは本気で心配して言っているんです」
意志を強く持って先輩をまっすぐに見つめると、さすがにバカにしてるという雰囲気は
感じられなかったようで、気圧されたように先輩の方から視線を逸らしつつ、しかしまだ
納得行かない様子で言い返してきた。
『だ、だからってそんな人はごく僅かでしょ? そんなの心配し過ぎだし、大体アンタな
んかに心配される謂れはないし』
「知り合いが海外で行方不明になったとか、そんな記事をニュースで見るのは真っ平ゴメ
ンですから。確かにほとんどの人は良い人だと思いますけど、ごく少数の悪い人たちが狙
うのは、先輩みたいにナンパされたいとか思ってる隙だらけの人達ですから」
そればかりは本当に心配なので、僕は真剣に主張した。別に先輩が尻の軽い女性だと思っ
ている訳ではないが、外国人のイケメンに誘われれば、ほだされて付いて行ってしまう
女性は結構多いと思うし、先輩にだって大いにその可能性はあると思う。
『失礼な事言わないでよ。あたしだってそれなりの警戒心くらいあるし、ちゃんと大丈夫
そうな人にしか付いて行かないもん』
「そうやって、自分は大丈夫とか、そう思ってる子が一番危ないんですよ。見知らぬ人に
声を掛けられても付いて行っちゃダメってのは、大人にも通用するんですからね」
ここでまた拗ねられても、警告が心に残ってくれればいい。先輩はそこまでバカではな
いはずだと思って言うと、意外なことに先輩はフン、とちょっと呆れたように鼻を鳴らし、
意外なことを口にして来た。
781 :
3/7:2012/09/03(月) 07:12:15.67 0
『全く……さっきから偉そうな事ばかり言ってるけどさ。何だかんだ言って、素敵な男性
にあたしが誘われるシーンとか妄想して、嫉妬しちゃってるだけなんじゃないの?』
「は?」
思わず、僕は呆気に取られて聞き返してしまった。すると先輩は、フフンとちょっと得
意気に鼻を鳴らすと、嫌悪の表情で避けるような仕草をする。
『うわ。動揺してるって事はやっぱりそうなんだ。気持ちわるっ!! どんだけ独占欲強
いのよ。言っとくけど、あたしとアンタは高校の時の部活の先輩後輩で、今は同じサーク
ルの仲間ってだけで、友達とか、ましてや恋人でも何でもないのにさ。どんだけ勘違いし
てんのよ。サイテー』
「いや、ちょっと待って下さいよ。僕は嫉妬とかではなくて、本気で先輩を心配して……」
頭の中が真っ白で上手く考えが出て来ない中、僕は反射的に言い訳を口にする。しかし
それは先輩をますます調子に乗らせただけだった。
『その心配ってのが大きなお世話なのよねー。何よ? もうあたしは自分のものだとでも
思っちゃってるわけ? 偉そうにお説教とかさ。何様のつもりよ』
表面的には不快げな態度を見せつつも、いかにも嬉々として罵詈雑言を吐いているのが、
僕にはありありと分かった。ここで迂闊に言い訳を続けても、先輩の思うつぼに嵌まるだ
けなので、僕はグッと堪えて考えた。この得意気な様は、明らかに狙って言ってるとしか
思えない。という事は、さっきバカにされた腹いせに思いっきり罵ってやるチャンスを窺
っていたという事か?
『何よ、黙っちゃって。言い返さないって事は、嫉妬だって認めちゃったの? うわ。冗
談じゃないわよホントに』
先輩がさらにお調子に乗って僕を挑発してくる。もしかしたら、ナンパ云々の話も、こ
れを狙ってワザと振って来た可能性がある。というか、恐らくそうなのだろう。つまり、
僕は先輩の策にまんまと乗ってお説教をしてしまったと、こういう訳だ。
『全く、一人前に嫉妬だなんて何考えてんのよ? アンタなんて性格最悪で、年下のクセ
にすぐあたしに説教してさ。ホント、何様って感じよね。顔だって別にイケメンって訳で
もないのにさ。ちょっと構ってあげてるからっていい気にならないでよ、ホント』
782 :
4/7:2012/09/03(月) 07:13:07.41 0
罵詈雑言を聞き流しつつ、僕はため息をつく。これなら嫉妬だと言われた時に、肯定し
てしまった方がまだ虚を付けただろうし、その後も優位に会話を進められたはずだ。ちょっ
と先輩の言葉が意外過ぎて、うっかり否定してしまったが為に、却って不利な立場に追い
やられてしまった。だけど、先輩が調子に乗っている今この時なら、まだ挽回の可能性は
あると思って、僕はずっと言い返せずに先輩の言葉を聞いていた。
『全く、本当に呆れるわよね。アンタって。そんなに心配だったら、あたしが海外旅行に
行く時に、連れてってあげようか? 但し、お財布兼荷物持ちっていうお付の役でならね。
一緒に楽しめるとか思わないでよ? それで、勝手にナイトだとか何とか思ってなさいよ』
あざ笑うような先輩の態度に、しかし僕はここだとばかりに顔を上げた。
「いえ。そんなのは御免ですね」
キッパリと強い口調で言い切り、先輩をジッと睨むように見つめる。僕の態度に虚を突
かれたのか、先輩は驚いた顔で僕を見つめたが、すぐに気を取り直して不機嫌そうにそっ
ぽを向く。
『あっ……そ!! べ、別に別府君なんて、あたしはいなくたって全然構わないんだから。
お付きが嫌なら、人のやる事に文句言ったりしないで、大人しく家で待ってればいいじゃ
ないの』
この気に入らなさそうな態度は、僕が反抗心を露わにしたからなのだろうと思っておい
た方がいい。まさか僕が一緒に行くのを嫌だなんて言ったからだと、そういう期待はしな
い方がいい。そう肝に銘じた上で、僕は真っ直ぐに先輩を見つめて、口説くように言った。
「いえ。僕が先輩と海外に行く事があるとしたら、大人しく引っ付いて行ったりしません。
僕が、全てエスコートしますから」
『は……?』
キョトンとした顔で、先輩が僕を見つめる。それから、首を横に激しく振り、先輩は僕
を睨み付けて、こう言い返してきた。
『冗談じゃないわよ。何でアンタなんかに連れてって貰わないと――』
僕は左の手の平を先輩の顔のすぐ間近にかざして、言葉を遮る。そして、分かっている
と言うように頷いてみせた。
783 :
5/7:2012/09/03(月) 07:14:13.72 0
「もちろん、先輩をお誘いするからには、先輩好みの観光地を選択します。まあ、ナンパ
されるかどうかだけはどうにも出来ませんけど、観光に食事に買い物。全てが先輩の満足
行くように、僕が全て計画します。行きたくないなんて言葉が出ないくらいにね」
言葉を失い、ボウッと熱に浮かされたような顔で僕を見つめていた先輩だったが、言葉
が途切れて正気に戻ったのか、激しく首を振ると、不満気にそっぽを向いて吐き捨てた。
『な……何バカな事言ってんのよ。アンタなんかにあたしの好みとか分かる訳無いじゃな
い。アンタが思ってるほどあたしは単純な思考の持ち主じゃないんだから』
それに、僕は同意して頷いた。
「もちろん、先輩が単純じゃない事くらい知ってますよ。けれど、今のところ日本中……
いや。世界中の男子の中で、僕が一番先輩の近くにいますからね。日頃の言動や行動を見
ていれば、おおよその好みくらいは分かるようになります。だから、少なくとも来て良かっ
たと思えるくらいの満足感は与える自信がありますね」
先輩は何か言い返そうとして、口をニ、三度開きかけたが言葉が見つからなかったのだ
ろう。グッと唇を噛んで、少しの間俯いてから、顔を上げて挑戦的な眼差しで僕を睨み付
けた。
『ホントに? 出来るわけ? そんな事が』
「もちろん。自信があるから言ってるんですよ」
先輩の問いに、僕は頷いた。もちろん口では満足しただなんてこの人は絶対に言わない
が、態度で自ずから示してしまうだろうと。
『じゃあ、もし出来なかったら、旅費全額。お土産代まで含めて全部、別府君持ちだからね』
まるでケンカを売るかのような態度で言われたので、僕はちょっとの間言葉の意味を考
えてみた。しかし、導き出される答えは一つしかなかった。
「……つまりそれは、僕が海外旅行を計画したら、それに付き合ってくれると言う事でい
いんですよね?」
最後に、自分の中で出した答えを確信に帰る為に聞くと、先輩はいかにも不満気な顔つ
きで少し躊躇った後で、小さく、コクリと頷いた。
『……仕方ないじゃない。アンタからの挑戦……逃げる訳には行かないもの』
それから、ビシッと僕を指差して、強く主張してきた。
784 :
6/7:2012/09/03(月) 07:15:05.94 0
『いい? べ、別にあたしはアンタと海外旅行したくって受ける訳じゃないからね。アン
タからの挑戦を逃げるなんて、そんなヘタレな事出来ないから、受けてあげるだけなんだ
から、そこのところ勘違いしないでよね。分かった?』
「分かってます。まさか先輩が、恋人よろしく、僕との海外旅行を喜んで受けるなんて、
そこまで僕は自惚れていやしませんから」
形がどうあれ、先輩と二人だけで海外旅行が出来れば、それはもう僕にとっては望外の
喜びなのだから、僕は強い気持ちでうなずく事が出来た。そして先輩を見ると、何かモジモジするように体を動かした後で、右手を握り、小指だけを立てて僕の前にかざして来た。
『……じゃ、じゃあ……約束よ。あたしが初の海外旅行をする前に、必ず、その約束を果
たすって……』
「先輩が……初の海外旅行をする前……ですか?」
確認の為に聞き返すと、先輩は小さく頷いた。
『あっ……当たり前でしょ? だって、あたしが誰か別の人と海外に行ったりしたら、エ
スコートなんて……もう必要、なくなるじゃない』
「いや。そんな事ないと思いますけど……」
先輩の初の海外旅行というと、遅くとも卒業旅行よりは前に先輩を海外に連れて行かな
ければならない。しかも、先輩好みの場所に。その期間の短さを思ってさすがにちょっと
弱気になるが、今度は先輩が強い口調で言い返してきた。
『そんな事あるわよ。そりゃ、一回くらいじゃまだ慣れないかもしれないけど、もしかし
たら一度経験したら、ポンポンポーンと何度も行き始めるかも知れないでしょ? そ、そ
うしたらアンタの出番なんて無くなるんだから』
「……一回のお金の工面にどうこう言ってる人が、そう容易く何度も行ける訳ないと思い
ますけどね」
何かちょっと、どことなく無理を感じる先輩の主張に突っ込みを入れると、何故か先輩
は怒ってムキになって突っ掛かってきた。
『う……うるさいわね!! いちいちいちいち重箱の隅突付くように細かい事をグダグダ
とっ!! いい? とにかく、その約束はあたしの最初の海外旅行でなきゃ無効なんだか
ら。ほら。男だったら、四の五の言わずに小指出す』
785 :
7/7:2012/09/03(月) 07:15:55.13 0
言い出したのは僕の方なのに、勝手に最初じゃなきゃダメとか何かとても理不尽な気分
ではあるが、こうなった以上、先輩はテコでも動かない。仕方無しに僕も小指を出して、
先輩の小指に絡めた。
『よし。いい? ゆーびきーりげんまんうーそついたらはーりせんぼんのーますっ!!
ゆーびきった!! はい。これで約束成立だからね。いい? 破ったらただじゃおかない
んだから。分かった?』
「……分かりました。まだ、具体案は何もないですけどね。近い将来実現出来るよう、努
力はしてみます……」
ため息混じりに答えると、先輩は小さく頷いた。
『ぜ……絶対だからね? 早くしないと、待ちくたびれて誰かと海外旅行しちゃうんだから』
フン、と息も荒く背を向けたときの先輩は、何故か照れているように感じた。こうして
僕は、また一つ、重大な責任を先輩から押し付けられるようになってしまった訳だ。自分
で言い出したこととはいえ、やれやれである。しかし何故か、楽しくもあるのだから不思
議なのだが。
終わり
結構容量制限がキツイ
>>785 なんちゅうテンプレなツンデレ台詞wwwww
GJ!!
お題
つ・ツンデレの言葉に男が思わずニヤリとしてしまったら
789 :
1/5:2012/09/03(月) 20:59:38.73 0
【ツンデレと久しぶりに会ったら】
なんか超なんか。なんか。なんかー! 夏休みが終わったとか。なんか!
「今日は登校日なんだ。今日は登校日なんだ……」
そんなわけであずまんがの智ちゃんよろしく自分に言い聞かせながら教室に入ると、何やら寂しそうな顔をした奴が視界に映った。どうしたのだろうと見ていると、その生物が顔を上げた。瞬間、目が合った。
途端、目をきらきらさせ、にっこりと幸せそうな笑みを浮かべるではないか。だがその生き物はその表情をぱっと改め、急にしかめっ面になった。そして、何か言いたげにじーっとこちらを見ている。
見られたからには仕方がない、自分の席へ移動して鞄を置き、そのまま寝る。
「違うだろっ! そこはみことのところへ来るところだろうっ!」
なんか席の前がやかましくなったので顔を上げると、件の生き物が何やら半泣きで俺の席の前に立っていた。
「おはよう、みこと」
「う、うむ。お、おはよう」
ので、とりあえず挨拶をかわしてみると、腕を組みながら鷹揚に返事をくれた。ただ、なんか頬がひくひくとひくついている。なんだろう。
「久々の登校日に俺は早起きして眠いので寝る。お休み」
「む? 何を言っている。登校日ではなく、今日から学校だぞ?」
「みことは子供だから知らないかもしれないが、登校日なんだ」
「子供じゃないっ! それに、登校日ではないぞ。もう9月に入っているし」
「冗談は背だけにしろ」
「また馬鹿にしたな!? ううう〜……やっぱ貴様なんか嫌いだっ! ふんっ!」
「それは残念。ところでみこと」
「なんだっ! みことは今、ヒジョーに不機嫌なのだっ! くだらん用事だと張り倒すからなっ!」
「久々に会ったことだし、帰りにどっか寄っていこうか?」
「うんうんっ、行く行くっ!」
なんか満面の笑みでうなずかれた。
「…………」
そしてみことが止まった。
「……と、とでも言うと思ったか、た、たわけめ」
790 :
2/5:2012/09/03(月) 21:00:10.17 0
何やら顔を赤くしながら、しどろもどろになりながら、みことは途切れ途切れに言った。
「ええと。どうすりゃいい」
「……貴様に武士の情けがあるのなら、流せ。頼む」
うつむきながら、絞りだすようにみことがつぶやく。良く見たら身体が震えてる。
「ふむ、分かった。で、最初の満面の笑みの『うんうん行く行く』はどういうことだ?」
「武士の情けーっ!」
みことは顔を真っ赤にして、半泣きになりながら俺をぺこぽこ叩いた。
「生憎ただの学生なので、武士の情けは存在しないなあ。学生の情けがあるなら、と言っていたら流していたのだけど」
「やはり貴様は大大、だーい嫌いだーっ!」
「わはは」
ぺけぽけしてくるのが楽しくて、みことの頭をわしわしとなでる。
「うぅー……」
「どうした」
「なんでもないっ! がるるる!」
がるるる言うこのみことは怖いなあ、となでながら思った。
今日は初日ということで、あっという間に放課後になった。さて、どうするかと思ってたら、何やら視線を感じる。けど、まあ、気のせいだ!
「さあ帰ろう帰ろう!」
「ええっ!?」
何か怪訝な声が聞こえたのでぐるりと教室を見回すが、特に異変は見つからない。ただ、強いて言うなら、みことが何もない壁の方を向いて、口でぴょーぴょー言ってるだけだ。口笛のつもりか。
「……気のせいか。さあ、帰ろうか!」
「ぴょーぴょー!」
妙に口笛風のぴょーがうるさくなった。一体なんだというのだ。そちらを見るが、やはり壁の方を見てぴょーぴょー言ってるばかり。
「……ああ! そういえば!」
「ぴ、ぴょ? ぴょー?」
「腹が減った。早く帰って飯を食おう」
791 :
3/5:2012/09/03(月) 21:00:40.74 0
「みことと遊びに行く約束だろうっ!?」
どでででとこちらに走りより、みことは俺をがっくんがっくん揺さぶった。
「なのに貴様は帰ろうとか腹減ったとか! どういうことなのだ!? みこととどっかへ行く約束はどうなったのだ!?」
「いや、覚えていたのだけど、忘れたフリをしたらどうなるかなあと思い実験したら、こうなった」
「…………」
ややあって、みことから湯気が出た。
「みっ、みことは貴様なんかと一緒に遊びに行くのなんて、ちっとも楽しみになんてしてないからなっ!?」
「いやお嬢さん、それは少々無理があるかと」(なでなで)
「無理などないっ! みことはそんなの全然楽しみになどしてないからなっ! あと頭なでるなっ!」
「いいえ」
「いいえ!?」
「で、どうする? 行くか、行かないのか」
「…………い、行く」
「──えーと」
「色々言うなっ、たわけっ!」
なんか半泣きだったので、いじめるのはここまでにしようと思った。
そんなわけで。
「えへへー♪」
みことと一緒に街をぶらぶらしたりしているわけなんですが。
「あの、みことさん」
「ん、なんだ? あっ、このアイスはやらんぞ! みことをいじめた罰なんだから、それくらい当然だぞ!」
俺から守るようにみことはアイスを急いでぺろぺろ舐めた。だが、急ぐあまりクリームが口の周りにつきまくりだ。
「あーあー、クリームがついてるぞ。ハンカチ持ってるか?」
「持ってるわけないだろう」
「はぁ……。ほれ、こっち向け」
792 :
4/5:2012/09/03(月) 21:01:47.79 0
みことと一緒にいるとこういう事態が多々起きるので、俺はハンカチを持ち歩くのが習慣づいている。そんなわけで、ポケットからそれを取り出し、みことの口元を拭う。
「んー、んぅー」
「ほれ、動くな。……ん、よし。終わりっと」
「綺麗になったか?」
「perfectでございます、お嬢様」
「うむ、褒めてつかわす!」
二人してわははと笑う。
「……えへへー」
笑い終わると、みことは何やら嬉しそうにこちらに寄ってきた。
「どした」
「んー? いや、なんでもないぞ。ほら、学校が始まったなー、って思っただけだ」
「あー……そうな。ああ、夏休みが一年あればいいのに」
「それじゃ毎日が夏休みじゃないか」
「なんて夢のある生活なんだ。そうなればいいのになあ」
「……みことはそんなの御免だ」
「なんと。学校が楽しいとかリア充か。ちくしょう、こんなところまで来て非リアの俺を攻めるか」
「みことという美しい女性と一緒にいて、何を言うか」
「ああそういやそうだった。みことという可愛い子供と一緒にいるし、俺もリア充なのか」
「じょせい!」
「子供」(なでなで)
「じょーせーい! れでぃ扱いしろっ!」
「任せろ!」(なでなで)
「言動不一致だぞ! まったく……」
ぷんぷん怒りながらも、みことは俺になでられるがままだった。
「──で、家の方は?」
ベンチに座り、ぼやーっと人の流れを眺めながら切り出す。
793 :
5/5:2012/09/03(月) 21:02:30.54 0
「相変わらずだ。歌に舞に茶にと、大忙しだ。下手に家がでかいと、苦労が絶えん」
「そか。ま、学校にいる間くらいは息抜きしろよ。ぶっ壊れちゃ、元も子もないからな」(なでなで)
「……ん」
金持ちには金持ちの苦労があるよな。せめて学校にいる間くらいは、笑っていてほしいものだ。
「……何より、休みの間は貴様に会えんからな」(ぼそり)
「ん?」
「なっ、ななな、なんでもない! 何も言っとらんっ!」
「なんでそんな顔赤いの?」
「あ、赤くなどないっ!」
「俺も本当は休みの時にも会いたいんだけど、いつも門前払いされちゃうんだ」
「聞こえているではないかーっ!?」
「わはは」
「忘れろ! 全部忘れるのだ!」
「や、俺もみことに会えなくてずっと寂しかったよ」
「も、ではない! みことはちっとも寂しくなどなかったぞ! 学校が始まるのを指折り数えなどしなかったらからな!」
「……はは、なるほど。じゃあその分を埋めるべく、しばらく一緒にいましょうね」
カレンダーを見ながら指折り数えてるみことを想像すると、思わず笑みがこぼれる。それを隠すため、という名目のもと、みことを膝にのっけて頭をなでる。
「寂しくないと言っているだろう! ……だ、だが、人の厚意を無碍にするのもなんなので、我慢してやる。と、特別だぞ?」
こちらに振り返り、上目遣いでそんなこと言われた日には、そりゃもう。
「ああもうみことは可愛いなあ!」(すりすりすり)
「ひゃああああ!?」
「今すぐにでも一緒にお風呂入って洗いっことかしてえ!」(すりすりすり)
「は、犯罪だ、馬鹿者! そ、それより、すりすりするなあ!」
「ふっにふにでモチみてえ。ああもう一生こうしていたいなあ!」(すりすりすり)
「ふにゃー!」
うららかな街角でみことの悲痛な声が響くのだった。
自分のこと名前呼びなみこちんかわいい!!
GJ!!
便乗みこちん
猫「にゃー」
尊「あ……猫」
猫「にゃー、にゃーん」スリスリ
尊「なんだ、撫でて欲しいのか?」
猫「ふに」
尊「そうか……これでいいのか?」ナデ
猫「ふにゅ」ゴロゴロ
尊「ふふ……なんて愛らしいんだ」ナデナデ
猫「にゃーん」ゴロン
尊「はうっ! そ、そんな風にお腹を見せたら……!」ナデナデナデナデ
猫「うに……」ペロリ
尊「ゆ……指を……!」ゾクゾクッ
猫「ふにゃん」ペロペロ
尊「ふぅ……かわいいかわいい」デレッ
男「……何してんの、尊?」
尊「はっ!?」
男「お、猫かぁ。俺も触っていいか?」
尊「……好きにすればいい」
男「じゃあ遠慮なく……おぉ、人慣れしてんなーこいつ」ナデナデ
尊「……」
猫「うにゃにゃ」ゴロン
男「あらま、無防備に。かわいいかわいい〜、ってか?」クスクス
尊「///!!」カァッ
尊「バ、バカヤロー!! 私の真似をっ、するなぁ///!!」
男「あ、逃げた……」
>>793 子供っぽくて寂しがり屋で分かりやす過ぎるみこちんかわええwwww
>>795 こっちのみこちんも可愛い!!
GJ!!
尊大さんブームか
どっちのみこちんと可愛過ぎて萌え死ぬる
GJ!!
ミス
みこちんと?みこちんも
800 :
ほんわか名無しさん:2012/09/04(火) 02:11:07.99 O
みこちんgj!
友「…もうこんな時間か。今日はもう帰るかな」
山「あ…そう?ご飯は食べていかない?」
友「今日はお母さんがいないから、お父さんにご飯作ってあげないといけないのよ。ほんとあのオヤジ、家事はなんにも出来ないんだから」
山「…そっか」
友「…」
山「それじゃあ、また明日」
友「ちょっと待って…山田」
山「…ん?」
友「ちょっとかがんで」
山「ん…?うん」
友「…」なでなで
山「え?あ、あの、友ちゃん?」
友「…あんた気づいてないでしょ。すごく寂しそうな顔してるよ」
山「へ?そ、そんなことは」
友「もう、男のくせに、しっかりしなさいよ。明日また会うんだから」
山「…」
友「明日は…かなみとタカシ君が荷物持ちと称してデートする予定だから、撮影忙しいわよ。逃げたら許さないからね」
山「…うん。ありがと、友ちゃん」
友「そこ、お礼言うところじゃないから。それじゃ、また明日」
山「ん…ばいばい。また明日」
山「…そういえばボク、ババ抜き凄く弱かったなぁ」
友ちゃんなんだかんだで優しいなあ
出会いを思い出す男とツンデレ
9月といえば、そろそろ文化祭の準備が本格化する頃だの
ツンデレメイド喫茶行きたい
・ツンデレと友ちゃんでメイドコスプレしてタカシと山田をおもてなし
>>807 ・ツンデレとメイド服
女「……メイドちなみんです……」
男「……挨拶も無しにいきなりそれか」
女「……こんばんはご主人様……私の足をなめろ……」
男「メイドなのにSっ気満載でやがる。で、どうしたんだそれ?」
女「……今年の文化祭はメイド喫茶もどきをやるらしい……ので、その試作品……」
男「手作りかよ! やるなぁ……」
女「……で?」
男「で、とは?」
女「……メイド服ちなみんの感想」
男「あぁ……か、かわいいと思うぞ」
女「……かわいい?」
男「うん」
女「……このロリコンめ」
男「えぇぇぇ……誉め損かよ」
・ツンデレとメイド服(かなみさんVer.)
男「ちわっす。かなみいる?」ガチャ
女「きゃっ……勝手に入って来ないでよね、もう!」
男「おぉ? どうしたんだその服?」
女「こ、これは友ちゃんが私にくれるって置いていったのよ……」
男「へぇ……」
女「じろじろ見ないでよ! 恥ずかしいじゃん!」
男「恥ずかしいなら着なきゃいいのに」
女「あんたが来るって分かってたら着てないわよ!!」
男「ほぅ……なぁかなみ、試しにその格好でご主人様って言ってみてくれよ」
女「やーよ! どうして私がそんなこと……」
男「俺の一生の夢なんだよ、頼むよかなみ!」キラキラ
女「うっ……なんでそんな綺麗な目でそんな台詞言えるのよ……」
男「やってくれるのか?」
女「……一回だけだからね?」
男「うんうん」
女「……ごっ……ご主人、様……///?」
男「うぉぉぉぉぉ!!」ガバッ
女「きゃあっ!!」
男「かわいすぎんぞかなみぃぃぃぃぃ大好きだぁぁぁぁぁ!!」
女「やっ、こらっ……興奮するな、バカッ///!!」
・ツンデレとメイド服(尊さんVer.)
男「尊ー、誕生日おめでとー」
尊「ん? 覚えていたのか、珍しい」
男「珍しいってこたないだろ? 俺だって恋人の誕生日くらい覚えてるよ」
尊「ふん、去年は忘れていたクセにどの口が言う」
男「ぐっ……そ、それを踏まえて、今年はスペシャルなプレゼントを用意したんだぜ!」
尊「ほう、プレゼントか。期待はすまいが、まぁ見せてみろ」
男「ふふふ、目ん玉おっ広げて驚きやがれ! これぞ名店コスメ・ドワールのメイド服だ!!」
尊「あ゙ぁ? メイド服だぁ?」
男「あれ? お気に召さなかった?」
尊「どう考えてもお前の趣味なんだが。その点に何か反論は?」
男「ない!!」キッパリ
尊「ないのか……」
男「なんなら今すぐ着てみても……」
尊「死ね変態。誰が着るか!」
男「まぁせっかくのプレゼントだし、もらうだけもらっとけよ」
尊「ずいぶん投げやりなプレゼントだな……」
男「だって尊、なんだかんだ言ってもらった物は勿体なくて使っちゃうタイプだからな」
尊「だからといってこれは限度を越えている。着るに着れないだろうが」
男「まぁまぁそう言わずに。いいもんだよ、メイド服は。かわいいし実用的だし」
尊「くっ……ま、まぁ今すぐでなくても、そのうちになら着てやらんこともないがな」
男「やっぱ着るんじゃん! もらったら着るんじゃん尊!」
尊「う、うるさい! 着てもお前なんかには見せてやらんからな!」
ツンデレメイドさんprpr
・ツンデレとメイド服(かつみさんVer.)
男「ただいまー」
女「お、おかえり……」
男「ぶほっ……な、なんだよかつみ、その格好は?」
女「や、やっぱおかしいか……? 前にお前が好きだっつってたから、買ってみたんだけどよ」
男「いやいやいや……いつの間にそんなもん買ってたんだ」
女「こないだ駅前のドンキ行ったついでに……サイズもちょうどだったから」
男「はぁ……」
女「でも似合わねぇよな、やっぱ着替えてくるわ……」タタッ
男「まぁ待てよ」グィッ
女「あっ……」
男「せっかく嫁が女らしい格好してんのに、ほっとく旦那がいるかよ」
女「……放せよ、タカシ」
男「おっと、メイドがご主人様を呼び捨てなんかしていいと思ってるのか?」
女「……」
男「安心しろよ。今のかつみ、押し倒したいくらいかわいいから」
女「……本当、か?」
男「あぁ。ついでだから、飯前に一戦交えてくか?」
女「……はい、旦那様///」
男「よしよし、素直でいい子だ」ナデナデ
メイドツンデレさんみんなGJなんだがあえて言おう
>>809 かなみさんメイド服好きっすなあwwww
バイオハザードやってたら沸いた
お題
・d-ウィルス(デレウィルス)
・ツンデレとメイド服(僕っ子Ver.)
男(僕っ子が急に呼び出したりするから何をするのかと思えば……)
女「タカ……じゃなくてご主人様ー、お茶が入りましたよー」ギィ、バタン
男「ただ単に新しく買った服を見せびらかしたかっただけなのな……」
女「だってタカシぐらいにしか見せる人いないんだもん! 見せてもらえるだけありがたく思えよな!」
男「まぁ、こんな趣味してりゃそれもそうだよなぁ」
女「ふふん、タカシにはこのメイド服の良さは分からないんだよ!」
男「メイドっつーか、子供のお遊戯みたいだな」
女「うるさいな! これでもオーダーメイドの特注品なんだからね!」
男「メイドだけにオーダーメイドってか。金持ちの要領は違うねぇ」
女「金持ち言うな。僕だってバイトして必死にお金貯めたんだから」
男「そんな高い金出して、なんでメイド服?」
女「だってかわいいじゃん。メイド服はレイヤーの憧れなんだよ!」
男「はぁ、そうなんすか」
女「そうだよ。それに……」ソワソワ
男「……ん? どうした、急にもじもじして」
女「……今日は下着も、ちょっと大人っぽいのに変えてみたんだけど」ピラッ
男「ぐはっ!? 僕っ子がガーターベルトだと……!?」
女「ガン見するな! チラッと見せてあげただけなんだから!?」バッ
男「も、もう一回! あと五秒だけ見せてくれ!」
女「だ、駄目! 絶対駄目! 何を要求してるんだよ、この変態!」
男「今の流れだと僕っ子の方が変態のような……」
女「変態違うわ!!」
はいはい素晴らしい素晴らしい
素晴らしい
文化祭の屋台でツンデレさんと二人だけで店番したい
お題
つ・ツンデレが地元で待ってるのに、男が夏休み中一日も帰省しなかったら
>>815 GJ!
レイヤーボクっ娘とか着せ替え人形にせざるを得ない
9月6日は妹の日らしい
・ツンデレに1日だけ妹になってくれって言ったら
・山田に一日だけ妹になってくれって言ったら
山田はあたしんだからダメ
・友ちゃんが山田を一日だけ妹にしたら
山田が実は女の子なのかそれとも男の娘なのか、それが問題だな
実は女の子で友ちゃんと百合ップルか……いいないけるな。新たな可能性というか脳汁がががが
ツンデレが全く関係ない件
山田がツンデレと言う可能性が
女の子はみんなツンデレだから問題なし
ツンデレショタな山田とな・・・
・ツンデレとメイド服(纏さんVer.)
男「ちゃっす。纏いるか?」
纏「おう、タカシかえ。今掃除をしておるで、ちょっと待つのじゃ」
男「へいへい。なんなら手伝うか?」
纏「主の手伝いなぞいらぬ。どこか適当な場所に腰かけておれ」
男「アイアイサー。……ぬ? こ、これは!!」
纏「なんじゃ、喧しいのぅ。一体何を騒いでおる?」
男「これってメイド服じゃないか! なんで纏がこんな物持ってるんだ!?」
纏「あぁ、それか。それは儂のお婆様の物じゃ」
男「え? お前のばあちゃんメイドさんだったの?」
纏「違うわい。それは昔のかふぇーの制服じゃ」
男「あ、そうなん。メイド服じゃないんだ」
纏「儂のお婆様はそこで女給をしておっての。店を閉める折りに店主がくれたんだそうじゃ」
男「へぇー。でもなんでそれが纏の部屋に?」
纏「お婆様が儂の女給姿を見たいと駄々をこねてのぅ……仕方なくもらっておいたのじゃ」
男「ほぅ……お前のばあちゃんとは趣味が合いそうだ」
纏「何を不気味なことを口走っておる……」
男「これ、着てみる予定は?」
纏「今のところないがの。お婆様がここへ来れば別じゃが」
男「よし、今すぐばあちゃんをここへ呼ぶんだ。さぁ早く!」
纏「何をとち狂っておる。お婆様は八十四歳の高齢じゃぞ? 呼んですぐ来れるはずあるまい」
男「ちぇーっ、纏のメイド服見たかったのになー」
纏「懇願しても主には見せてやらぬわい。ざまをみろ」ベェー
男「あ、今の顔かわいい。もっかいやって」
纏「だ、誰がするか! 馬鹿者!」
ここで未だ健勝なおばあちゃんが突然遊びに来る展開を敢えて所望する!!
そしてさらにそのおばあちゃんがタカシと意気投合!
そのまままつりんを嫁にとか言い出す展開も希望!
お題
つ・最近物忘れが酷くなったツンデレ
友ちゃんを抱っこしてすりすりしたい
836 :
1/6:2012/09/08(土) 13:28:13.78 0
・田舎暮らしで通学に不便してるツンデレと男
『あっつぅ〜……』
木の壁で三方を囲み、中にベンチの設置されたバス停の中で、彼女はYシャツの胸元を
パタパタと動かし、中に風を送る。
「全く……次のバスまで一時間とか…… マジ信じられねえよ」
その隣に座る彼は、両腕を広げて背もたれに乗せ、天を仰ぐ。屋根はあるが、日差しは
容赦なくバス停の中に降り注いでいた。そんな彼を横目で睨んで彼女が毒づいた。
『誰のせいでこんな事になってんのよ。アンタら男子がふざけてばっかりで、全然掃除が
終わらなかったせいでしょうが』
「俺じゃねーよ。ふざけ始めたのは山田だっての。アイツが――」
言い訳をしようとする彼を、彼女が遮る。
『誰が始めようが、男子全員乗ったじゃない。あたしらが文句言ったのに、全然止めよう
としないで、結局先生に説教されちゃってさ。おかげで電車乗り遅れちゃうし。最悪』
ブスッとした顔で携帯を開き、メールをチェックするも、今のところ誰からも来てない
のを確認だけして彼女は携帯を閉じてポケットにしまった。
「電車通学だけの奴らはいいよな。俺らなんてここからバスでさらに三十分だぜ。ホント、
田舎に住んでると辛いよな。しかも電車との接続、超悪いし」
『朝と夕方の一本だけだもんね。まともに乗り換えられるのって。あとはぜーんぶ、三十
分とか一時間とか待たされるし。文化祭の時なんて、駅着いたらバス終わってんのよ。信
じられないわ』
過去、何度言ったか知れない文句を二人して嘆くも、それでバスが来てくれる訳もない。
「ちくしょー。ちびうさの説教が長過ぎるから悪いんだ。でも、よく考えてみたら、怒ら
れたの男子だけじゃん。何でお前、先帰らなかったの?」
彼の問いに、彼女は思わず横を向いて彼を見る。それから不機嫌そうに彼を睨み付けた。
『う、うるさいわね。二時間の道のりを一人で茹だりながら帰れっての? 愚痴の一つも
言う相手がいなきゃ、それこそ退屈で死んじゃうし、大体説教があそこまで長引くなんて
思わなかったもん。どうせまた、うさちゃん先生のこと、からかって遊んだりしたんでしょ?』
837 :
2/6:2012/09/08(土) 13:28:45.34 0
「知らねーよ。荒巻にでも聞け。ったく、アイツはちびうさからかうの好きだからな」
呆れたようにため息をついて、彼はちらりと横目で彼女を見やる。すると彼女もいい加
減仏頂面にも疲れたのか、諦めたような吐息をつくと、正面を向いて彼と同じように天を
仰いだ。耳を澄ましても、セミの音以外は何も聞こえて来ない。
『……ねえ。ここってさ。駅前……よね?』
唐突に、ポツリと独り言のように呟く。
「何、今さら、分かりきった事言ってんだよ」
つまらなさそうに答える彼をちょっとだけジロリと睨み付けてから、彼女は再び視線を
天井に戻して、言葉を続けた。
『別に。ただ、なーんにもないなーって。それだけ』
駅とは言っても単線一面のホームに小さな小屋のような駅舎が建っているだけである。
当然、駅員などおらず、駅前にあるのは自動販売機の列くらいなものである。最近、ICカー
ド乗車券の精算機が置かれたのが、この十年ほどで唯一の近代化であった。
「仕方ねーだろ。利用者なんて、朝晩の学生と会社勤めの人が少しだけで、昼間なんてほ
とんどいないしな。つか、日中は電車だって無いし」
『分かってるわよ。たださ。同じ路線使ってんのに、ゆーちゃんとかは恵まれてるなーっ
て思って。だって、駅前にマックあんのよ? あとコンビニも。すごいと思わない?』
「ゆーこさんとこは、一応私鉄との接続駅だからな。逆にそれで、駅前で使えるのがあと
銀行だけってのがすごいけど。つか、それで栄えてるって思えるのが悲しすぎるね」
『全くよ。こないだゆーちゃんたちと渋谷行ったじゃん。あたし。向こう凄いよ? 次の
駅まで一分で着くんだから。これ、電車必要あんのって。しかも電車も次から次へと来る
しさ。あれなら乗り過ごしたって何の問題もないわよ』
ちょっと興奮気味にしゃべる彼女を見て、彼は呆れた気分になった。
「お前さ。今、自分が田舎もん丸出しでしゃべってる事に気付いてる?」
そう指摘した途端、彼女の顔が羞恥にパッと赤く染まる。
『う、うるさいわねっ!! 実際カルチャーショックだったんだからしょうがないでしょうが』
そう怒鳴りつけてから、彼女は不満気にぶつくさと文句を続けた。
838 :
3/6:2012/09/08(土) 13:29:16.37 0
『大体おかしいのよ。家から学校まで通う時間と、学校からの最寄駅から都内に出る時間
がほとんど変わらないとか。距離は圧倒的に向こうの方が遠いのに』
「おんなじ県内でも、県庁所在地に住んでる奴らとじゃ、格差違い過ぎるからなあ。向こ
うはちゃんとJRの幹線走ってるし、駅前にはショッピングモールもあるしさ。俺らなんて、
ちょっと前までは本買うのにも電車で何十分も掛かったりしたし。今じゃアマゾンさんあ
るからいいけどさ」
彼女の意見に同調しつつ、彼は通学用のバッグから下敷きを取り出し、ワイシャツのボ
タンを上から二つ外すと、中のTシャツを引っ張って体との間に隙間を作り、その中に風
を送り込んだ。その仕草に彼女は僅かにドキリとしたが、素知らぬ顔で視線を逸らす。
『横浜に住んでる従妹はさ。学校まで自転車で15分だってさ。あたしら、バス待ってるだ
けで一時間よ? はぁーあ。羨ましいなあ……』
ため息混じりに言って、彼女はうーん、と伸びをした。すると、そこで彼が不意にこん
な質問をして来た。
「そういえばさ。お前、大学はどこ受けんの? 県外?」
伸びをしたまま、彼女はチラリと彼に視線を向ける。それから両腕を下ろし、姿勢を直
して彼の方に半分体を向けつつ睨み付ける。
『何だってアンタがあたしの進学先に興味持つのよ? 関係ないでしょ?』
彼女の逆質問に、彼は空を見上げたまま答える。
「別に。都会が羨ましそうだったからさ。出てくのかなって思って」
その事を想像すると、胸に僅かに寂寥感を覚える。彼女が出て行ったら、自分の周りは、
より静かになってしまうのだろうかと。気になって横目で彼女を見ると、彼女は再び、ベ
ンチの背もたれに体を預けて、彼と同じように上を見つめ、空で指を弄んだ。
『……どうしようかなー……って』
「何だよ。まだ決めてないのかよ」
ちょっと呆れたような彼の言葉に、彼女は不満気に唇を尖らせた。
『悪かったわね。進路って重要な問題なんだから、そう簡単に決めれるもんじゃないのよ』
そう文句を言ってから、真顔になって彼を見つめ直した。前に聞いた彼の進路を思い出
して、確認する。
839 :
4/6:2012/09/08(土) 13:30:16.32 0
『……アンタは、国立大の農学部だっけ?』
「ああ」
頷く彼をしばらく見つめてから、彼女は視線を前に向ける。
『……今の時代に、よく親の後を継いで農業とかやる気になれるわよね。何かもっと、カッ
コイイ仕事したいとか、思わないの?』
「別に」
それは、他の友達からもよく聞かれる質問だったから、特に意外に思うこともなく彼は
サラッと否定した。
「土いじりとか、ガキの頃から好きだったし。それに、親の後を継がなくちゃとかそんな
んじゃなくて、ただ野菜とか果物とか、色々と品種改良とかしたりするのに興味が出てきたから」
『ふうん』
興味ない素振りで生返事をしつつ、その実ちょっと感心して彼女は横目で彼を見つめた。
何というか、自分の進むべき道を見定めていて、それに進んで行こうと決めている彼はちょっ
とカッコイイと思ってしまう。
「で、お前は何か考えてるのかよ? 決まってないって言ったって、幾つか思うことあるだろ?」
また、自分の事に話を振り戻されて、彼女は不機嫌な気分で顔をしかめた。彼と比べる
と、どうしても自分が考えなしに思えて、答えるのが嫌だったからだ。
『そりゃ幾つか考えてるわよ。東京に近い大学行った方が進路の幅は広がるかなって思っ
たり……まだ、就職の事まで考え付かないし。でも、それも違うかなって思ったり……』
「違うかなって?」
曖昧な彼女の言葉が気になって、彼はつい問い質す。しかし、深く追求する事を嫌がら
れるかと思ったのに、彼女は物思いに耽るかのように頷いて、それから自分の思いを口に
し始めた。
『……ちょっと前まではさ。こんな何も無い場所からは大人になったら出て行こうって思っ
てたんだけど……何回か遊びに行ってさ。買い物したり遊園地行ったりして、楽しい思い
もいっぱいしてるけど……単にオシャレだったり便利だったりで進路選ぶのは違うかなって』
840 :
5/6:2012/09/08(土) 13:31:05.14 0
彼女の答えを聞き、彼は真剣にその言葉を考えた。何か、ここに引き止められる思いが
あるのだろうが、それが何かまでは分からなかった。彼としてはそれを知りたかった。そ
して、その思いを糧にしてここに留まるように言いたかった。しかし、自分の思いはグッ
と心の奥底に追いやって、客観的に、最良と思える答えを口にした。
「まあ、進路の事だしもっと真剣に考えろってのはあるけどさ。けど、何だっていいんじゃ
ね? 遊び気分ってだけじゃなければさ。それで大学入ってからいろいろと経験して、先
の事決めたって良い訳だし。それなら、向こう行って、新しいチャレンジするってのもあ
りなんじゃないか?」
『アンタは、あたしが東京行った方が良いって本気でそう思って言ってるわけ?』
彼の言葉を曲解して、彼女は咄嗟に苛立って聞いてしまう。その語気の荒さに彼は驚い
たが、すぐに慌てて弁解を始めた。
「いやいや、どっちが良いとかって訳じゃないけどさ。現実に、向こう行った方が経験の
幅は広がるんじゃないかなって思っただけで。やりたい事が見つかってないんだったら、
いろんな経験して、進路見つけた方がいいだろうし、さっき自分でもそう言ってたじゃん」
彼の言葉を聞きつつ、彼女は懸命に気持ちを落ち着かせた。何も彼は私に出て行って欲
しいと思って言っている訳でもないし、出て行っても構わないとすら言っていない。きっ
と、私の事だけを考えて、アドバイスしてくれているだけだと。しかし、怒りは収まって
も、そこはかとない寂しさだけは残っていた。
『そうね。確かに、東京に出れば、新しい経験とかたくさん出来るとは思う』
自分の気持ちを押し隠して、彼女は頷いた。それから、顔を上げて、真っ直ぐに真面目
な顔で彼を見つめて、言葉を続けた。
『けどさ。何か……得るものが多い代わりに、失う物も、もしかしたら多いんじゃないか
なって……そう思うようになってさ。だから、簡単にここ出て行っちゃっていいのかなっ
て。ここにいても出来る事っていうのも、いっぱいあるのに、それを見ないで出て行っちゃっ
ていいのかなって……』
841 :
6/6:2012/09/08(土) 13:33:08.19 0
すると、彼は真面目な顔で、彼女を見て頷いた。
「それもあるかもな。まあ、ここを出て他の町の大学行ったからって帰って来れない訳で
もないし、逆にここに残ってじっくり見定めてから都会に出てもいい訳だし。一応進路希
望調査は来週だけど、順序消して出してもいいんじゃないか? ちゃんと先生に話すればさ」
『うん。そうする。ありがとね。アドバイスくれて』
何となく、素直な気分でお礼を言うと、彼がマジマジと彼女を見つめたので彼女は気に
なって問い質した。
『な……何よ、変な顔して。何かあたし、変な事言った?』
すると彼は、視線を逸らして、照れたように頭を掻いた。
「いやー。何か、かなみから素直にありがとうなんて言われるなんて、滅多にない事だか
ら、ちょっとこそばゆくてさ」
それを聞いて、彼女は急に恥ずかしくなって、思わず彼を怒鳴りつけた。
『う……うるさいわねっ!! 一応、アンタが真面目に考えて言ってくれたからお礼しな
きゃなって思っただけよ!! そ、そんなのは人として当たり前の事で…… 大体普段か
ら怒られるような事しかしてないアンタが悪いの!! このバカ!!』
フン、と鼻息も荒くそっぽを向きつつ、謝る彼を無視し続けながら彼女は心の中でこっ
そりと呟く。
『ここから出て行っちゃったら……何よりもこうして、アンタと二人で居られる時間が、
無くなっちゃうんだからね…… あたしは、それが一番無くしたくないんだから……』
終わり
先月行った養老渓谷は暑かった。そんな中で思いついた妄想を一つ
843 :
1/5:2012/09/08(土) 18:32:25.03 0
なんか忍法帳がリセットされちゃってたので、こっちに書く
【ツンデレに言いがかりをつけたら】
最近の暑さは全て大谷先生の責任と断定。
「なので粛々と罰を受けろ」
「言いがかりにしても酷すぎですっ! どーゆーことですかっ!?」
なんか小学生みたいのが怒ってきた。ので、頭をなでてみた。
「人が怒ってる最中に頭をなでてはいけませんっ!」
「どうして?」
「なんかぷんぷんってのがどっか行っちゃうからです! ほらほら、言ってるそばからもう! もー! ……もー」
先生はちょっと拗ねたような顔をしながら、俺の腕をきゅっと握った。
「なんスか」
「べ、別になんでもないですよ! もちょっとなでてくれたらなー、なんて思ってもいませんから!」
「奇遇だな、俺も丁度なでたくないと思っていたところだ」
「ほら! ほーら! またいつもの別府くんの天邪鬼が出ましたよ! 今日も悪辣で不愉快です!」
「この子供はうるさいなあ。まあ、子供というのはうるさいものだから仕方ないか」
「そしてまた例によって例のごとく先生を子供扱い! だけどちっとも慣れません! いつまで経っても怒りが治まりません! だって先生は大人ですから!」
「先生、飴食べる?」
「わーい! 食べます!」
大人が飴で喜ぶかなあ、といじめようと思ったのだが、満面の笑みでくださいという感じの手を出されたので、素直にミルクキャンディーを渡す。
「ころころころ……はぅぅ! とってもおいひいです! ありがとーございます、別府くん!」
「いやなに、変態紳士なので女子供には優しくあれと心掛けているのでね」
「……変態、というところと、子供、というところに引っかかりはありますが、飴をもらったので文句は言わないでおきます」
「おお、成長したな。偉いぞ先生!」(なでなで)
「えへへへー」
先生は稚児のようにニコニコ笑った。自分で言っておいてなんだが、本当に子供みたいだな。とても20歳を超えてるとは思えない。
「何やら失礼なことを想像されてる気がします……」
「いやいや、ただ単に俺の脳内で先生をひんむいて酷いことしているだけだ」
「仮にそうだとしても、それを臆面もなく当の本人に伝えるその度胸には驚嘆します!」
844 :
2/5:2012/09/08(土) 18:33:07.41 0
「先生には、先生だけには、嘘偽りなく接したいんだ」
先生の小さな手を取り、ぎゅっと握り締める。真摯に目を見つめることも忘れない。
「べ、別府くん……せ、先生は、先生は……!」
「そう言ってるそばから嘘ついてたけどな」
「へ?」
前述のひん剥き関連のことが嘘と伝える。
「もー! 別府くんはー! 今日もー! もぉー!」
「わはは」
「うううー! 先生を騙してはいけません!」
「わかった、次に先生と会うまでは覚えておく。そして会った瞬間に忘れるので、意味無いな。わはは」
「うー! うー!」
先生は涙目で俺をぽかぽか叩いた。なんて可愛い先生なんだ。卒業したら結婚しーよおっと。
「まあそれはそれとして、熱気の罰を受けてもらおうか」
「はぅぅ……まだそれ続いてたんですか?」
「うんざりした顔をするない。罰を受けたくないのであれば、俺を涼しくさせることだな」
「じゃ、冷房点けますねー?」
先生は手元のリモコンを操作し、エアコンをつけた。途端、そよそよと涼しい冷気がエアコンから吐き出されるではないか。
「お?」
「暑いなら最初から言ってくれればよかったのに。私が苦手だからつけてなかっただけなんですよ?」
「だって、担任教師の家にお呼ばれなんかされちゃって、あまりのことに気が動転してそれどころじゃなかったんだ」
「どっ、動転って、動転って! 呼び出ししたのは、そのっ、学校で呼び出してもちっとも来ないからですっ! だからしょーがなしに、家に呼んだのですよ!?」
「家に呼んでも来ない可能性の方が高いだろうに」
「……でも、来てくれましたよ?」
先生は俺の服をちょこんと握り、にこーっと笑った。
「分かった、結婚しよう」
「何かが別府くんの琴線に触れちゃったご様子ですよ!?」
慌ててる先生を見て、冷静さを取り戻す。何を突然求婚してるのだ俺は。
「まあ結婚は卒業後にするとして、今は少し涼むか」
「えええーっ!?」
「先生、超うるさい」
「け、結婚!? え、本気なのですかっ!? でででもっ、卒業しちゃったら教え子と教師って関係はなくなるから、……いいの?」
「いや、よくない」
845 :
3/5:2012/09/08(土) 18:33:39.02 0
「別府くんから言い出したことなのにーっ!?」
「今日も先生は打てば響くので大層愉快。わはは」
「ううう……例の意地悪でしたよ。ぐっすん、ですよ。はぅー」
「はぅーって言った」
「言ってません!」
「言った」
「言いません! 先生はそんな二次元の萌えキャラじゃないので、はぅーとか言わないのです!」
「言った」(なでなで)
「は、はぅぅ……」
「ほれみろ」
「い、今のは、はぅぅです! はぅーではないのです! だからセーフなのです! ……よ?」
先生はちょこんと小首をかしげて、こちらの様子を伺っている。
「うむ!」
「ひゃああああ!?」
大変に可愛かったので、気がつくと抱っこして頬ずりしていた。
「あ、いかん。このままでは性犯罪を犯してしまう。……でも、大谷先生だし、いいか!」
「ちっとも全然よくないのですっ! このままでは先生の初めてが悲しい思い出に塗り固められてしまうのですっ! もっと優しくて素敵で甘くてふわふわでなでなでしてくれる感じの思い出がいいのですっ!」
「先生、まだ処女なのな」
「はぅぅっ!? 酷いです別府くん、なんでそーゆーふーに誘導尋問するですかっ!? 先生の最重要機密がダダ漏れですよっ!?」
「わはは。さて、もう少々涼むか」
先生をベッドにぽすりと置き、エアコンの前に陣取る。……衝動的とはいえ、先生を抱きしめたりしたせいで、ドキドキしちゃったよ。ええい、大谷先生のくせに生意気な。
「……は、はぅー」
背後から萌えキャラの声が聞こえる。どうやらこっちの様子を伺っているようだ。
「は、はぅー。はぅー。……はぅ?」
「……ああもう。はぅはぅうるせえ!」(なでなでなで)
「言いながらなでてますよ?」
「もう衝動を止めようとも思わないんだ。自業自得だ、諦めろ」(なでなで)
「はぅー♪」
そんな感じで、数分間先生をなでなでした。至福。
「はぁぁ……♪ ……えっ、いや、違うのですよ? 別に先生、ちっとも嬉しくなかったのですよ?」
「聞いてねえ」
「はぅぅ……。……? あの、ところで、何をしているのですか?」
846 :
4/5:2012/09/08(土) 18:34:12.47 0
「いや、ようやく衝動が治まったので、折角先生の家にいることだし、先生の私物を漁っているところだ」
「大変にマナー違反行為ですよっ!? 今すぐやめないと先生泣いちゃいます!」
泣く子と地頭と先生には勝てぬので手を止める。
「ううう……漁るのは酷いですが、すぐにやめてくれたので、別府くんは少しいい子です。なでなでしてあげましょうか?」
「是非お願いします」
先生に届くよう、少しだけ屈む。
「うー……もうちょっと屈んでください」
「先生が一生懸命背伸びして俺の頭をなでる光景が見たいから、お断りします」
「いい子度がまた下がりました。……まあいいです。なでなで、なでなで」
先生はぐーっと背伸びして俺の頭をなでた。だが、背伸びに慣れているのか、あまり辛そうな様子は見られない。これでは俺の歪んだ劣情が解消できないではないか。
「こうなっては先生の私物である『なりきり☆ 魔法少女セット』を強制的に装着させ、魔女っ子大谷先生を鑑賞するしかあるまい」
「なんで先生の秘密の趣味を知ってるんですかーっ!?」
「あと、DVDを全巻揃えていることも知ってます」
「大人買い情報まで!? 先生の社会的地位がピンチですっ!」
「大丈夫だよ、先生。そんなの、最初から超々低空飛行だよ」
先生の手を握り、優しく微笑みながら伝える。
「雰囲気だけが先生に優しいですっ! 伝えられた情報はシベリアもかくやと思えるほど寒いですっ!」
「シベリア超特急」
「言いたいだけのことは言わなくていいですっ!」
「俺もそうしたいんだけどなあ。ところで先生」
「なんですかっ! まだいじめないと気が済みませんか!? あとちょっとで先生泣きますよ!? ちゃんと泣き止ませてくださいよ!?」
「いや、そんな大人が裸足で逃げ出すような情けないこと伝えられても困るのだけど、そんなことより」
「ダムが決壊しましたっ! 泣きます、もー泣きます! ごーよんさんにーいち!」
「先生の手って、小さくて可愛いな」
ぴたり、と先生が停止した。
「先生?」
かと思ったら、小刻みに震えているではないか。まさか……自爆!?
「……そ、そゆことを、先生に言ってはいけないです。……困ってしまいます」
先生はほのかに頬を染め、自身の言葉通り、困ったように視線をさまよわせていた。
847 :
5/5:2012/09/08(土) 18:34:44.74 0
「いや、可愛いのは手の話で、先生が可愛いかどうかはまた別の話だ」
「また! また意地悪ですよ! 今回に限ってはよかったのですが!」
「そして先生自体も可愛いので、結果先生は全部可愛い。わはは」(なでなで)
「珍しい種類の意地悪です! きっと先生を困らせるのが主目的なのです! 別府くんのいじわる!」
「ああ可愛い。先生、ちゅーしていい? えーっと、ほら、熱気の罰という名目で」
「絶対にダメなのですっ!」
真っ赤な顔でべーってする先生は可愛いなあ。
「……でも、だからって、どしてこんなことをするですか」
「ちゅーしてくれないし、これくらいのご褒美はあっても構わんだろうという自己判断だ」
先生を膝にのせ、後ろから頭をなでているのだけど、どうも嫌がられている様子。
「ちっともよくないですっ! 別府くんは、今日は叱られに来たのですよ! どしてご褒美をあげなくちゃいけないのですかっ!」
「こんな暑い中、先生の呼び出しを無視せずに来たのだ、それだけで十分ご褒美に値するとは思わんかね?」
「思わないのですー! そもそも、別府くんが学校で呼び出しに答えていたら呼ばなくても済んだのですっ! どして来なかったのですか!?」
「暑いから」
「今日だって暑いのにー!?」
「あと、休みの日に先生に会えるのはラッキーなので」
「……そ、そゆことを言うのはずるいです。……困ってしまいますよ?」
「存分に困るがいい、若人よ。青春は悩むためにあるのだ!」
「先生のほうが大人なのですっ! そう言ってる別府くんが青春のまっただ中にいるのです!」
「あ、なんかおっぱい揉みたくなった。いい?」
「とってもいくないのですっ! 今日も別府くんは頭おかしいのですっ! 今日こそはお説教です! そこに直りなさい!」
「任せろ!」(なでなで)
「なでなではしなくていいのですっ! なでなでは後で、なのですっ!」
「後でするのか」
「そ、そゆことに注目する必要はないのですっ!」
そんなわけで、先生にお説教されました。あと、罰という名目でしばらくなでなでしました。
「えへへへー。罰なのでしょうがないのですよ?」
と、嬉しそうになでられている本人が言っているが、俺にはとても罰とは思えない。
>>847 こんなロリっ娘小動物教師がいたらお持ち帰りするだろwwwGJ!!
まあ、色々と突っ込みどころはあるのだが、何よりも冒頭の一行目が既に横暴すぎて吹いたwww
・ツンデレとメイド服(お嬢Ver.)
女「ど、どうですの……これ、似合ってますの?」モジモジ
メイド「すごくお似合いですわ! 可憐で清楚で豊満で淫靡で言うことなしでございます!」
女「そう……メイド長のあなたがそう言うなら、信用しますけれど」
メイド「あぁ、私は感激しております! まさかお嬢様のメイド姿が見られるなんて!」
女「そんなに喜ぶようなものかしら……」
メイド「それはもう! ですが、なぜ突然メイド服などご所望されたので?」
女「……私の級友に、私にコスプレさせたがるお馬鹿が二人もいますの」
メイド「あら、それは良いご友人をお持ちで」
女「その二人、片方は男で片方は女なんですけれど、とにかくしつこくて」
メイド「だからといって、わざわざお嬢様から着てあげる必要はあるのですか?」
女「あ、あまりにしつこいから、たまには好きなだけ堪能させてあげようかと思っただけですわ!」
メイド「ははぁ……さてはお嬢様、その殿方に好意を?」
女「違います! バカなことを言わないで!」
メイド「私には隠さなくてよろしいのですよ? 私とお嬢様の仲ではありませんか」
女「……///」カァッ
メイド「図星突かれるとお顔を真っ赤になさってぷるぷる震えるところ、昔から変わりませんね」クスクス
女「ニヤニヤしないでちょうだい。非常に不愉快ですわ!」フンッ
メイド「あぁ……怒ったお顔も素敵でございます。今すぐ私がその火照りを冷まして差し上げたいほど」ウットリ
女「……幼少の砌から思っておりましたけれど、あなた少々危険思想が過ぎるのではなくて?」
メイド「何をおっしゃいますやら。お嬢様のお美しさの前では、よく我慢している方だと我ながら感心しておりますのに」フンス
女(……まるでタカシを屋敷の中でも飼っている気分だわ)ハァ
・ツンデレとメイド服(いいんちょVer.)
男「へいへーい! 早く出てこいよいいんちょーっ!」
女「ま、待ってくださいよ、まだ心の準備が……!」
男「そっちが決心つかないなら、俺から行くぜ!」ガラッ
女「あ……か、勝手に入ってきちゃ駄目!」
男「お……おおぉおぉぉ!! これが夢にまで見たいいんちょのメイド服!!」
女「……自業自得とはいえ恥ずかしい限りです」
男「ははは、罰ゲームなんだからしゃーないしゃーない」
女「まさか別府くんにテストで負けるとは思いもよりませんでした……」モジモジ
男「俺が本気出せば灘や開成なんざ目じゃねーってな! わははは」
女「意外です。意外過ぎます」
男「いいんちょが結婚してくれれば、東大理Vに現役合格するかもなんて専らの噂だぜ?」
女「あながち馬鹿の妄言でもなさそうなところが、すごく嫌です」
男「まぁそれは置いといて、いいんちょのその勇姿を、是非とも
写真に一枚二枚三枚四枚五枚くらい撮らせてほしいんだけど」
女「写真撮るんですか!? しかも連写する気満々!!」
男「実はカメラもすでにスタンバってたりして」カチャカチャ
女「なんて用意周到な……エッチな回路が絡むといろいろ酷いですね」
男「メイド服は男のロマンですから。ほらいいんちょ、カメラに向かってピースピース!!」
女「……ぴ、ピース///」カァッ
男「ダブルピースとかノリノリじゃないっスか!! めっちゃ可愛いんですけど!!」
女「ご託はいいから早く撮ってくださいよっ///!! もぅっ……」
男「その照れを、そして恥じらいを俺にもっとくれ!! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」カシャッカシャッカシャッ
女「……私、なんでこの人に負けたんだろ」
・ツンデレとメイド服(関西さんVer.)
女「」
・ツンデレとメイド服(関西さんVer.)
女「うわ、えげつなー」
男「何がだ?」
女「ちょっとこれ見てタカシ。ネット漁ってたらスゴいサイト見つけてん」
男「んー……うわ、何これキモッ」
女「男のメイド服やって……」
男「これはキッツイなぁ……何を思ってネットにこんな写真を晒してるんだろ」
女「罰ゲームとか? にしては本人、嫌そうな気配が微塵もないしね」
男「全く、こんなの精神的ブラクラもいいとこだ。メイド服は女しか着ちゃいけない法律を知らんのか」
女「そんな法律ないし……けどホンマ痛々しいなぁ」
男「ホントだよ、これならいずみにメイド服着せた方がなんぼかマシだな」
女「ちょっと待ち、マシって何なん? これと比べたら圧勝に決まってるやろ!」
男「ん、いや、今のは言葉の綾だから別に気にしなくても……」
女「いーや、今のは言外に、私のメイド服もちょっとキツいけど的なニュアンスがあったで?」
男「思ってねーって! だいたいこれに比べたら、犬にメイド服着せても負けやしねーよ」
女「あーっ! それ私のメイド姿が犬並みって意味やろ! 馬鹿にしてんの!?」
男「だから気にしすぎ!! 被害妄想ふくらませてんじゃねー!!」
女「そんなん言うなら、今から私のメイド姿を見てもらおか!!」
男「……ん?」
女「それで私が負けてるかどうか、判断したらえぇやん!」
男「ちょっと待て、なんでお前メイド服なんて持って……」
女「今から着替えてくるからちょっと待っとき! 吠え面かかしたるから、覚悟しときや!」
男「少しは人の話聞けよ……何なのこいつ」
ツンデレとメイド服シリーズ終了
>>851はミスったすまん
>>847 GJ!
相変わらずアホかわいいなこの生物はww
>>853 乙&GJ
いいんちょかわいいよいいんちょ
>>847 GJ!!
もう!本当にもう!!
こんな可愛い子いたら結婚せざるを得ないじゃないか!!
>>853 GJ!
本当にいいんちょはかわいいなぁ、照れがすばらしい!
そして663.3の
>>27 マジボクっ娘かわいいな、
あんたの絵は元々好きなんだがこのボクッ娘は特にキタぜ!
ってかエロくないはずなのにエロく見えてくる不思議、
スカートの中に顔をつっこんで色々ペロペロしてえ。
・友ちゃんとメイド服
友「んー♪」すりすり
山「…」なでなで
友「んー♪」すりすり
山「…友ちゃん」
友「なに?」
山「あの、せっかくメイドさんのコスプレしたんだから、こう、ご奉仕的なアレは…」
友「まぁ、年頃の乙女にご奉仕なんて、最低ね!」
山「いやあの、ただ単に飲み物を持ってきてくれるとか、晩御飯作ってくれるとか…」
友「やだ。第一私料理苦手だし」
山「身も蓋もない話ですね。まぁ真っ黒焦げの料理持って来られるよりは良いか」
友「…いじわる。山田のくせに生意気よ」ぐいぐい
山「いへへへ…ごえんらはい」
友「…自分だってわかってるわよ。私じゃあんたを満足させられないことくらい」
山「…ボクは友ちゃんが一緒に居てくれるだけで満足だよ?」
友「ぅ…そ、そんなこと、嘘なの、バレバレだから」
山「嘘じゃないよ。ボクが嘘ついてるように見える?」
友「見なくてもわかるもん。嘘っぱちだもん」
山「ふーん、じゃあ態度で示そうか」
友「へ?た、態度って…んぅっ!?」
山「んっ…友ちゃんのメイド服姿ってだけで、割と我慢の限界だったし、もう良いよね?」
友「…はぅ…ふ、ふん、好き…にすれば」
つづかない
なんだなんだ何でこんなにフィーバーしてんだ?!
お前ら俺を燃え殺す気か!
みんなまとめてGJなんだぜ!
お嬢にちなみんサイズのメイド服を着せたらどうなるの?
859 :
1/5:2012/09/09(日) 12:32:03.64 0
・男が全く夏休みに帰省しなかったら 〜前編〜
『……兄さん』
「げっ…… け、敬子? その……一体何で……えっとその……お前が、俺んちに……?」
『その前にまずは、私から質問させて下さい。一体、朝早くからどこへお出掛けだったん
ですか、兄さんは。今日は大学も休みのはずですよね?』
「へ……? い、いやその……山田んとこ……ってか、大学の友達と朝まで飲んでてその
まま泊まったんだよ」
『そうですか。お酒を飲んでご友人宅に、ですか。妹がわざわざ時間を割いてやって来た
と言うのに、こんな時間までのん気に自堕落な生活を送っていたんですね?』
「ちょ、ちょっと待て。そもそもお前、来るなんて俺に連絡して無いだろ? 分かってれ
ば、せめて昨夜のうちに帰ってたけど、さすがにアポなし訪問で怒るのは筋違いじゃね?」
『分かってますけど、朝から一時間も暑い中、待ちぼうけにされた怒りは、兄さん以外に
ぶつけようがありませんから。あと、もう一つ質問させて頂きますけど、さっき言ってた
ご友人と言うのは、当然男性ですよね?』
「へ……? いや、まあそうだけど……それが何か?」
『いえ。まさかとは思いましたけど、よもや兄さんが女性を酒に酔わせて不埒な行為を行っ
たなどとなったら、これ以上世間に迷惑を掛けないよう、妹の私が責任を持って兄さん
を消し去る以外ありませんでしたから。どうしましたか? 兄さん。もしかして、今の言
葉が嘘だったとかじゃありませんよね?』
「ま、まさか。友達って間違いなく男だし。そんな犯罪起こりっこねえって。だからそう
心配すんな」
『そうですか。まあ、犯罪者の兄といえ、殺したら私も犯罪者になりますからね。そうで
なければそれに越した事はありませんが』
「怖い事言うなよな。大丈夫だって。世間に後ろ指差されるような事はしてないからさ」
「(……サークル仲間の女子も一緒に雑魚寝してた事がバレたら、絶対殺されるよな……)」
「ところで、敬子は何でわざわざうちに来たりしたんだ? 今まで、こっち来たことなん
てなかったじゃん」
860 :
2/5:2012/09/09(日) 12:32:34.71 0
『あ、当たり前です!! 何で私がわざわざ電車賃使って、兄さんのアパートに遊びに来
なくちゃならないんですか。意味不明です!!』
「いや、だから聞いてるんだけど。どういう風の吹き回しかと思って」
『……そ、それは……兄さんが悪いんです……』
「俺が? 何で? 俺、何かやったっけ?」
『したって言うかしなかったって言うか…… だって、兄さん今年の夏休みに、一日もう
ちに帰って来なかったじゃないですか。だからその……』
「いや。それは敬子にも言ったじゃん。金欠だし部活の合宿旅行もあるから、その為にバ
イトしなくちゃなんなくて、だから今年は帰ってる余裕ないって」
『それは聞きましたけど、だからと言って、一日たりとも顔を見せないってどういう事で
すか? 特急使わなくたって二時間もあれば帰って来れるし、往復で千円も掛からないのに』
「それは、余分な金は使いたくなかったし、それに帰るとどうしてもだらけがちになるか
ら、あんま生活のリズム崩したくなかったってのもあるし。いや、まあ敬子に寂しい思い
をさせたのなら謝るけど」
『なっ……!? 何をバカな事を言ってるんですか兄さんはっ!! 私が寂しい思いなん
てするはずないじゃないですか。私はただ、学費や生活費を出してくれている親に、全く
顔を見せないなんて親不孝も甚だしいと言いたいだけです』
「ちゃんとお母さんにも了解は得たって。いや、そりゃ電車賃くらい出してくれるって言っ
たけどさ。でも、今年のお盆はお父さんとお母さん二人で沖縄行くって話じゃなかったっ
け? 何かお父さんがまとまった休みが取れたからとか何とかで」
『そ、そうですけど、別にお盆に限る必要ないじゃないですか。それが一日も帰って来な
いとか、本当に何考えているんですか』
「わ、分かった分かった。悪かったよ。そうか。お父さんお母さんが旅行って事は、敬子
一人だったって事だもんな。寂しい思いさせて申し訳なかったとは思うよ」
『だから私は寂しくなんてありませんでしたってば!! むしろ兄さんなんていない方が
せいせいするんです。何度も同じ事言わせないで下さい。あんまりしつこいと怒りますよ?』
861 :
3/5:2012/09/09(日) 12:33:06.21 0
「もう十分怒ってるように見えるけどな。で、俺の事なんていない方がいいって言ってる
のに、何で俺んちまで来たのか、その理由をまだ聞かせて貰ってないんだけど」
『だから、言ったじゃないですか。兄さんが全く夏休みに帰って来ないからだって』
「いや、それだけじゃちょっと分からないんだけどさ。それだと、俺の顔が見たくて来たっ
て思いたいけど、敬子は別に俺がいない方がいいって言うし。何か話が矛盾してないかって」
『何で私が兄さんの顔を見たがらなくちゃいけないんですかっ!! わ、私は嫌だって言っ
たんです。なのに母さんが、来ないっていう連絡の後、全く兄さんからの連絡がないから、
生きてるか死んでるかだけでいいから様子見て来いって言い出して…… 私は来たくなん
てなかったんですからね。本当なんですから』
「分かったよ。とりあえず、暑い中立ってたら熱中症になっちまうだろ? まずは上がれ
よ。冷たい飲み物とか出すからさ」
『それじゃあ、失礼してお邪魔させて貰います。大体遅いんですよ。理由聞くのだって、
最初に上げてからにすればいいのに』
「だって、まさか敬子が玄関先に立ってるなんて思わなかったから。と、ちょっと待って
ろ。パパッと部屋片付けちまうから――っておい。何で先行くんだよ」
『兄さんが普段どんな生活をしているか、ちゃんとチェックしないといけませんからね。
流しは綺麗みたいでしたけど、部屋は――って、ほら。やっぱりベッドとかグシャグシャだし』
「昨日は遅刻しそうだったからさ。いや、だから片付けるからさ。せめて廊下で待ってろよ」
『兄さんの片付けって、脇にのけるくらいじゃないですか。いつだって適当なんですから。
私がちゃんと片付けま――って、な……何なんですかこれはっ!!』
「ほら、早速見つけやがった。てか、真っ先にそこ行くってどんな嗅覚してんだお前は。
もしかして好きなのか?」
『好きな訳ないでしょうこんなの!! 何だってこんなエッチなDVDのパッケージを床
に放り出したままにしてるんですかっ!! 恥を知って下さい、恥を!!』
862 :
4/5:2012/09/09(日) 12:33:38.32 0
「だって、家と違ってお母さんや敬子が部屋に入って来るわけでも、ましてや他に女性が
部屋に上がる事なんてないしさ。誰かに見られるなんて思ってもなかったし。しかもアポ
なし訪問とかで」
『見るとか見られるとかじゃありません!! そもそもこういう破廉恥な物を持ってる事
自体が問題じゃないですか。こんなドスケベな人を私は兄だなんて思いたくありません』
「……我が妹ながら、純情にも程があるだろ…… 積極的に興味を持つかどうかは別にし
てもさ。今時、若い女の子だって、男のエログッズの一つや二つ見つけたって、当たり前
だと思って動じないんじゃね?」
『だ、だからって兄さんが持っていいことの理由にはならないじゃないですか。あと、そ
の口ぶりだと他にもありそうですね? 全部出して下さい。処分しますから』
「あのな。内容が低俗だろうがなんだろうが、俺が買った物なんだぞ? 何だってお前に
処分する権利があるんだよ」
『カッコ良く正論でごまかそうとしてますけど、所詮エロDVDですよね? そんなゴミは
処分して当然です。あと、何の権利かと言えば、私はお母さんから兄さんがちゃんと生活
してるかどうかの確認を任されていますから。いわば親の全権代理人です。文句があるな
ら、お母さんに言って仕送り止めさせてもいいんですよ?』
「ちくしょう。勝ち誇りやがって…… 分かったよ。出せばいいんだろ」
『普通に本棚にしまってあるって、どんだけ恥知らずなんですか。みっともないとか思わ
ないんですか?』
「一応、見えないように奥の方にはしてあったろ? ほれ。これで全部だよ」
『四……五枚…… 本当にこれだけですか? まだどこかに隠し持ってるとかないですよね?』
「ねーよ。少なくともDVDに関してはそれだけだし」
「(つか、全部HDDに吸い出してはあったからな。パッケージが無くなっちまうのは惜し
いが……敬子が満足しないだろうから、仕方ないか……)」
『全く、こんなくだらないもの……エイッ!!』
ベキッ!! ベキッベキッベキッ!! バキバキッ!!
「うわぁ…… 何か親の敵みたいに割りまくってるな……」
『だってこんな物で兄さんが満足してるなんて……じゃなくて、こんな不潔なものが単に
大嫌いだからです。本当にそれだけですから』
863 :
5/5:2012/09/09(日) 12:34:14.58 0
「いや、まあ女の子でこういうのが好きって公言する子はほとんどいないと思うけどさ。
何か言い訳じみて聞こえるんだよな。お前の場合」
『いっ……言い訳って、何の言い訳ですか!! 意味が分かりませんってば』
「まあそう気にするなって。あくまで何となくってだけだから。それより、ほれ。麦茶だ
けど、飲むか?」
『いただきます。全く、兄さんのせいで喉がカラカラですから』
「おー。いい飲みっぷりだな。もう一杯行くか?」
『人を大酒飲みみたいに言わないで下さいっ!! 私はまだ高校生なんですから、お酒な
んて飲んだ事ないんですからっ!!』
「ちょっとした冗談にいちいちカリカリするなって。ほれ」
『いただきます……って、そういえばこれ、兄さんの使ってるコップですか?』
「そうだけど。別に聞くまでもないだろ? 一人暮らしなのに他に誰のコップだよ」
『そ、そうですよね。いえ、そうなんですけど……』
『(ちゃんと洗ってはあるんだろうけど……でも、兄さんが普段口を付けているコップ……
それに私、あんなに勢いよく口を付けちゃって……)』
「どうした? 大丈夫だよ。食器とかはちゃんと洗ってあるから。さっき、流しも見たろ?」
『わ、分かってますよ。そもそも、そんな事当然です。妹とはいえ、ちゃんとお客様なん
ですからね』
ゴクッ……
『(飲んじゃった…… 兄さんの口を付けたコップで……)』
「まだあるけど、飲むか?」
『いえ。もう結構です。あんまり水分取りすぎも良くないですから』
「そっか。で、今日どうする?」
『はい? ど、どうするって……何がですか?』
「いや、だからさ。せっかく来たんだし、どっか一緒行くか? せっかくだし、行きたい
トコ連れてってやるよ。あと、昼飯でも食ってさ」
後編に続く
17時頃立てようかな
>>863 続きwktk
完全に通い妻だなこれww
>>863 やっぱ敬語妹は最高だな!
ニヤニヤさせてもらったぜ
続きもwktk
ちなみん薔薇が似合うよちなみん
アロエリーナ懐かしいなwwwww
GJぅ!!
>>859-863の続き投下
本スレあるけど、一応こっちに投下した奴なので続きもこちらで行きます
870 :
1/6:
・男が全く夏休みに帰省しなかったら 〜後編〜
『なっ……!? 何でそんな、その……兄さんとデートみたいなことしなくちゃいけない
んですかっ!!』
「いや。嫌ならいいけどさ。俺も元々用事ない訳じゃないし。もう帰るなら駅まで送るか?
それともそれも必要ない?」
『な、何で来たばかりで追い出そうとするんですか!! 誰も、そんな来たばかりで帰り
たいなんて言ってもいないのに……』
「別に帰って欲しい訳じゃないさ。別に、気の済むまで部屋にいてくれたっていいし。た
だ、あんま遅くなるとお母さんとか心配するとは思うけど」
『そ、そこまで居座る気もありませんっ!! 思ったほど散らかってはいませんでしたけ
ど、それでもどことなくムサい感じがして嫌なんですよね。兄さんの部屋って』
「まあ、男の部屋だからな。で、どうする? 俺は敬子に合わせるけどさ」
『も、もう兄さんに任せます。兄さんが都内を案内したいって言うなら、付き合ってあげ
なくもないです』
「なるほど。真っ先にそれが口に出るって事は、やっぱり出かけたいって事なんだな。全
く、お前から希望聞き出すのも苦労するぜ」
『ちっ……違いますってば!! 私が行きたいんじゃなくて、兄さんが行きたそうだった
から、仕方なく付き合ってあげてもいいかなって思っただけですし、そもそも最初は兄さ
んが提案した事じゃないですか!! 何でそれが私が行きたがってるみたいになってるん
ですか!! 意味が分かりません!!』
「分かった。謝るから興奮すんなって。ちょっと待ってろ。友達に電話して、約束キャン
セルして貰うから」
プルルルル……プルルルル……
「あ、もしもし山田……って、何でと……お前が出てんだよ?」
『(電話の人……誰? 何か声が甲高く聞こえるけど……)』
「何? 山田の奴まだ寝てんの? いや、勝手に帰ったって……だって、起こしても起き
なかったから。ちゃんとメモは残したじゃん。ああ、だからゴメンって」
『(何か女の人みたい…… それも何か、やたら親しげで……)』