1 :
ほんわか名無しさん:
事の発端は1年と3ヶ月前。
ふと先輩を見たときのときめき。
あれはまさに初めて長門にあったときのような感覚、
『萌え』に近かった。
恋愛感情を始めて抱いた僕は、
初恋を先輩に捧げることになった。
しかし、一つの悩みが浮上。
先輩は、女。
僕も、女。
初恋が、同性愛だった。
ん?
3 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 20:31:30 0
先輩は当時2年生。
僕は1年生。同じ吹奏楽部で活動してきた。
仲はそこそこというか中の上、もしくは上の下くらいで、
何の違和感もなく友達に見えると友人に言われたくらいであった。
しかし3年生が卒業して新入生が入るのを待っているということは、
文化祭、つまり3年生の引退まで時間が少ないということだった。
僕は結構な嘘つきだ。人をからかうのに容赦なく嘘をつく。
しかし恋心に嘘はつけないもので。
どうしようか迷った。迷いながら過ごした。
とりあえず彼女に少しでも多く会おうと、図書室に通った。
前期図書委員(僕の学校では委員会が前期・後期に分かれており、
ほぼ全員が委員会に所属するようになっている。)
だった彼女は、水曜日にカウンター当番をしていた。
それに会おうという魂胆だった。
しかし水曜日限定で行くのは怪しまれるということで、
毎日通っていたのだ。
両方可愛かったらちょーもったいねー
5 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 20:33:50 0
そして彼女はいつしか毎日図書室に来るようになっていた。
先輩曰く「暇だから」らしい。
それでも5日間は図書室で、部活のある日は土曜日にも会えるという
なんとも恵まれた状況におかれていた。
6 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 20:43:05 0
しかし郡陸上大会の帰り道。
自転車を引っ張って歩いて駐輪場をでると先輩が声をかけてきた。
どうやら歩きらしい。
「一人?だったら一緒帰ろー。」
どうせ一人ですよといじける前に直々の
お誘いを断る道理もないので、一緒に帰ることにした。
帰り道の途中、何と無くしゅんとした雰囲気が
気になって声をかけようとしたとき、
「あのね、」
「今日、玉砕してきたんだ。」
笑ってたけど、悲しそうだった。
後々気になって自己調査をして誰に告白したのかも知った。
その先輩を見るのも辛かったけど、
そのときは「やっぱりノンケだったか」と改めて知る方が痛かった。
7 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 20:53:23 0
それからというもの、しばらく辛そうな顔が一瞬見られることがあった。
でもそれも夏のコンクールが終わるころには消えていっていた。
正直、そのとき何もできなかったことが悔しかった。
そして夏休み明けのお決まりの図書室にて。
僕の一人称が「ゆーちゃん」になってから1年と半年がたった頃。
先輩から、
「ゆーちゃんが男の子だったらよかったのになぁ。」
「そしたら絶対告白してると思うのになぁー。」
との爆弾発言が。
ふと頭の中で男になったときの自分を想像してしまった。
まあ冗談ということでその場は流れてしまったがorz
一瞬でも「これは…!きゅーん」という気分を味わえてよかった。
あの感じが思い出されるといつでもどこでもきゅんとなれる。
もうこれで2年は生きていけるわーという気分だった。
90゚ずらして考えるんだ
「まだバイの可能性はある」と考えるんだ
9 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:00:08 0
時をいくらか飛ばして文化祭前日。
もうお祭騒ぎでみんなのテンションがおかしい日。
先輩も同様にテンションが高くて、後ろから抱きつれたりした。
まさにはぅあわわわわわわな状態。
萌え殺し術が発動されたのかと思った。
明日で会う機会がぐっと減ると思うと寂しかった。
でも、せっかくなんだからきっちり騒いで文化祭は終わらせたかった。
複雑な気持ちのまま、その日はお開きになった。
10 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:03:24 0
>>8 あのころはまだそんな考えにいたるほど頭が回らなかったんだ。
文化祭が何事もなく終了、帰り際に。
きっと彼女は何気なく言ったのだろうけど、
その発言が僕の残機を一気に5つは消した。
「ゆーちゃん知らないと思うけどね、」
「色々構ってくるからゆーちゃんのこと結構好きなんだよ」
それから2日間眠れなくて、睡眠不足になったのは実話だった。
11 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:16:54 0
それから卒業式までの毎日といったら、くすぐると可愛すぎる声で鳴いたり
委員会の教室移動で偶然あったときに後ろから飛びついてきたりと、
ほとんど毎日萌えているような有様だった。
そんな中のとある一日。
僕らの制服(女子)は下からブラウス、ベスト、ブレザーの順で(冬服は)
重ね着しているのだが、そのベストに夏服の名残として
名札がもう一個付いていることに気がついた。
「あれ?名札2個?」
先輩の問いかけにうなづく。
「じゃあ一個ちょうだいw」
この学校では第2ボタンではなく名札を貰う習慣があり、
もちろんそれは自分が好意を持ってる先輩や後輩から貰うものである。
無論、拒否権はないものとして考える。
「いっ、い、いですよ。」
緊張なんてめったにしないのにしてしまったこの瞬間。
しかし先輩の笑顔がそれを解く。
「ありがとーw卒業式のときにうちのもあげるねーw」
と、さりげなく約束を交わしたときだった。
12 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:20:17 0
そして、卒業式。
泣いてる顔も可愛かった。
でも泣き止んで笑ってる方が可愛かった。
僕のデジカメのメモリがみんなの写真でいっぱいになった。
でもやっぱり6割は先輩だった。
何度も告白しようか迷った。
でも、また会えるから、今度あって気まずいのは嫌だから、やめておいた。
13 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:22:10 0
離任式のときまた会えるから。
泣くことはなかった。
でも、その日帰った後でも、
名札のことが気にかかってた。
そんなのいいじゃないかといわれるかもしれないけど。
その日にもらえなかったのは、気にかかった。
14 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:30:54 0
離任式。
上靴を忘れた。失敗失敗。
いなくなったのは対して情の篭ってない先生ばっかりだった。
だから式は暇でしょうがなかった。
帰り際に友達が先生にアドレス聞くといって職員室へ行ったのを待ってた。
先輩がいた。後ろ髪に寝癖が付いてた。可愛かった。
つつつ、とこっちへよってくると、ポケットから何かを取り出した。
「はい、卒業式のときみんなに持ってかれてなくなっちゃって。」
申し訳なさそうに笑って見せた手に乗っていたのは、
名札だった。
嬉しすぎてむしろ唖然とした。
一言、ありがとうございます、といっただけで、
他に言葉が出なかった。
「他にも欲しがってた人いたけど、
ゆーちゃんのほうがずっと前から約束してからねーw」
その後すぐに友人が戻ってきて空気は別の方向に流れたけど。
嬉しくて嬉しくて、それから1週間はずっとニコニコしてた。
15 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:40:27 0
それからちまちまとメールでやり取りをして、
それでまた時が飛んで、5月7日水曜日。
高校の制服を着た先輩が、同じ学校に行った先輩と一緒に来た。
音楽準備室に篭ってた僕のところに、ふと現れて。
小さな準備室に、二人きりで、しかも何故か先輩は鍵まで掛けて。
先輩はギターの練習してるし、真剣だし、
何を話していいのかわからなくて黙ってると、
「今日さ、ゆーちゃん目当てで来たんだーw」
「でも他の人ばっかり話しかけて来るしさーw」
そのとき、ふと甘いにおいがした。
「…なに、食べてるんですか?」
そのとき初めて出した声はほんの少し震えて頼りなかった。
我ながら情けないなと思った。
「食べる?いちごだけど」
渡されたのはミルキーだった。
「あ、ありがとうございます…。」
学校の中でこういうもの貰っていいのか迷った。
でもせっかくだから貰っておいた。
16 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:46:06 0
先輩がギターを置いて、正面に回ってきた。
それから、壁に寄りかかってた僕に抱きついた。
また頭は真っ白になりかけるし、顔は確実に赤くなったはず。
ほっぺたとほっぺたがくっついてたし、首に回した手は結構力強いし。
そして頭では「さくらんぼキッス」のイントロがリフレイン。
‘あれれおかしいなこのドキドキは君の腕の中で溢れ出すー♪’と。
いやマジで溢れてますって。どうするんですか顔真っ赤ですよ僕。
そんなときに、先輩が言った。
「あのね、言いたいことがあったんだけど、」
「は、はい…?」
頭が真っ白の僕は応えるので精一杯で、
どんな言葉が続くのかの予想すらできなかった。
「うち、ゆーちゃんのこと好きみたい。」
「ライクじゃなくて。ラブの方だよ。」
「だから、うんと、付き合ってください。」
奇跡としか思えなかった。
17 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:54:43 0
「…やっぱり、変、かな。」
いつもの半分以下の回転速度の頭が、やっと戻り始めた。
「変じゃ、ないですよ。」
「僕だって、先輩のこと、…好きですもん。」
言えた。やっと。一年以上持ち続けてた感情を。
抱きついてる先輩の背中に手をまわして、少し力を込める。
「ずっと好きだったんですよ。きっと、先輩よりも前から。」
「それでも、嫌われたくなくて、言えなかったんです。」
先輩も驚いてるみたいだった。
「本当に…?本当に、好き?」
「信じられないなら、僕から言います。」
「先輩が好きです、付き合ってください。」
しばらくそのままだった後、
後輩が教則本をとろうと準備室のドアノブを回して
ドアが開かないことに気づき、鍵を持ってこられる前に先輩が開けたことで
幸せな時間は一時期取り上げられてしまった。
でも、嬉しかったからいい。
初恋が実るって結構確立が低いような気がする。
よくよく考えたら僕は、強運の持ち主なのかもしれない。
18 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 21:56:41 0
と、誰も見てないところで落書きと頭の整理をかねて
書かせていただきました余計なスレ立て失礼しました
19 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 22:04:50 0
( ゚Д゚) <このみちーはー いつかきたみーちー
なんだ
よかったじゃん
実の子供は不可能だけど
21 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 23:07:26 O
良かったじゃん、恋が実って。私もおんなじ女で、好きな先輩がいる。私の場合は高校で出会った先輩だけどね。
その先輩は1コ上で、もう大学に行っちゃった。よかったら、書こうか?
22 :
ほんわか名無しさん:2008/05/11(日) 01:31:33 O
なんか
いいな
青春だな
23 :
ほんわか名無しさん:2008/05/11(日) 02:13:33 O
いたい
24 :
ほんわか名無しさん: