殺気女がホッと胸をなでおろして、俺と少女にお礼を言っているのが見える。
誤解殺気さん。言っとくけどお前さん、授業に遅れてるんだぜ?
少女の方はと言うと、落ち着いた様子で殺気女に受け答えをしていた。古本屋で初めて見た時から今の今まで変わらない、表情の乏しい貌をして。
ただ、一つだけ白状すると、その顔は。
どことなく輝いているようにも感じられた。
イライラが虚脱感にかき消されて心がまっさらになっていたからだろうか。
俺にはそれが、とてもとても奇麗な物の様に感じられて、仕方がなかった。
(全く・・・人を待たせた挙句、授業に遅らせるDQNどもにこんな感情を抱くとは・・・ね。)
ホントにそのとおりだ。・・・って俺は一人で何言ってんのかね?
友「友が記憶喪失になったようです」
男「そうか」
友「そうかって……もっと、なんかこう、心配してよ」
男「やだよ、面倒くさい」
友「ひでぇ」
男「正直おまえのことなんかどうでもいいんだよ」
友「ひでぇ」
サッカーの中田「呼んだ?」
男「呼んでないよ」
中「そ、そう……」
男「気をつけてお帰り」
友「……」
男「どうした」
友「中田には優しいんだな」
男「別にそんなことない」
友「オレより中田のことが好きなんだな」
男「まあ、どっちかと言えば、そうかな」
友「なんでだよ。オレの方が良いだろ。オレのどこがあいつに劣っているというんだ」
男「サッカーの技術とか」
友「そうか」
203 :
ほんわか名無しさん:2008/07/05(土) 22:52:50 O
突然の中田の登場にフイタw
ところで男が記憶喪失、漫画化だそうだが、まだ完結してなくね?
悪戯な風さん「ひゅおー!」
ツンのスカート「ひらりーん」
ツン「キャー!」
クーのスカート「はらりーん」
クー「む?」
ヒーのスカート「ぶひゃおぅ! ぼっ! ぼっ!」
ヒー「ぎゃああああああああ!?」
友のスカート「ちらりーん」
友「やーん☆」
男のズボン「ズボーン!!」
男「ぎょええええええええ!!」
>>203「ところで男が記憶喪失、漫画化だそうだが、まだ完結してなくね?」
>>204「原作者と連絡取れてるなら問題ないと思う。プロットぐらいは貰ってるんじゃないだろうか」
>>204 その文体・・・まさかっ!あんたはっ!!
一体誰かは置いといて。
こっちの方の記憶喪失は続きまだかな〜(*゚∀゚)
ストックあるなら遠慮せずに投下キボン
つか記憶喪失読んでみたいんだが
どこで読めるんだ?
207 :
ほんわか名無しさん:2008/07/07(月) 12:14:56 O
7×で最初の方だけ読める
◇
紫煙が揺れる。
タバコの先から宙に放逐された煙は、しばらくの間ふわふわと頼りなく、カウンター付近の空間を漂っている。
回転する換気扇の羽。拳二つ分ほど開けられたカウンター脇の窓。
煙は、それらが結ぶ線上に達した瞬間、崩れるようにして移動の速度を急速なものへと変える。
浮遊から霧散へと移行した紫煙は、最後の僅かな残留をファンに噛み砕かせる事で、その命を終えた。
タバコから放たれた煙は、例外なくそのコースを辿り換気扇へと消えていく。
その光景はまるで冬のカゲロウだった。
そんな、妙な儚さと寂しさを催す想像をしてしまうのは、きっと窓が開いているからに違いなかった。
窓から流れ込む空気はとてもとても涼しげで、この古本屋で長らく強い暖房にさらされていた彼には、一筋の光明にも思えた。
火照り汗ばんですらいる自らの顔を、冷涼な風が引き締めてくれている。
同時に気持ちも引き締められて、ムワリとした熱で鈍化していた感受性が、覚醒する。
窓から流れ込む空気には、付近の住宅街から発せられるにおいが含まれていた。
カレーやら揚げ物やら、夕飯時に相応しい食欲をそそる香り。
それから環境保護の風潮からか、最近はめっきりしなくなったはずの、石油ストーブのにおい。
あの、ムワリとした独特の、鼻孔の奥から全身を包むような、ストーブが過熱する香りが混じっていた。
「このにおい」
「・・・・・・・・・・」(パタパタパタ、カチッ、パタパタパタ、カタタッ
「なんか随分久しぶり嗅いだ気がするんですけど、あっちの住宅街じゃまだ使ってたんですね。」
「・・・・・・・・・・・なにがー?」(パタパタパタ、カチカチッ、パタッ、パタパタパタパタ
「石油ストーブの臭いですよ。ほら、最近はどこもかしこもエアコンばっかじゃないですか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(パタパタパタパタ、カチッ、パタッパタタタタパタッ、カタタッ
「聞いてます?懐かしくないですか?このにおい」
「あ?どこが?」
「いや、だってほら、俺らが子供の頃は割りとよく嗅いだニオイですけど、最近じゃめっきりじゃないですか。」
「訳分かんねっ。石油臭が懐かしいとかどういう神経してんだ?
っつか話しかけんな。こちとらVIPで忙しいんだヨっ」(パタタタッ、カタタ、カチリ、カチカチッ、パタタタタタタタタ、パタッ
「はあー・・・ネットなんかやってないでいい加減、まじめに仕事してくださいよ・・・店主さん。
そのうち潰れちゃいますよ?この店・・・」
「るせー。昨日行った回転寿司のバイトがVIPPERだったんだ。あの野郎。俺のことでスレ立てしてやがる。
ここで見つけたが百年目、ってなw無茶苦茶にしてやんぜwwwww」
「って言うか寿司屋でなにやらかしたんですか(´Д`;)」
入口脇のカウンター前に立つ常連の彼のもとへ、不意に風に乗りやってきた旧知の香り。
それに対する彼のノスタルジーを歯牙にもかけず、カウンター上を占領するノートパソコンに向かい続ける、やる気のない古本屋の女店主。
客である彼は、開店時間にも関わらず平気で遊んでいる彼女を、本気で心配して頭を抱えてみたりする。
とはいえ駅前に広がる繁華街の、紆余曲折した路地を辿った先にある、この流行らない古本屋では日常茶飯事の光景でもあるので、意味のない行動であったりもするのだが。
アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「回転寿司のバイトのVIPPER」
ttp://www23.atwiki.jp/new_jack/pages/239.html それより明後日は六甲の天然水の日だぞ。おまいら。なんか月日経つの早いね。
それより七夕にお願いしたか?とか書いてる間にもう7日終わっちまうよwww
願い事なんて考えてねえwwwじゃあ、あれだ。
*'``・* 。
| `*。
,。∩ * 全自動カキ氷機の2スレ目が立ちますように
+ (´・ω・`) *。+゜
`*。 ヽ、 つ *゜*
`・+。*・' ゜⊃ +゜
☆ ∪~ 。*゜
`・+。*・ ゜
よし。完璧だ。
やっぱ完璧じゃないな。日付が変わってから気がついた。
_,,.- ' "~´`'.' 、.
/ ,、---┐`ヽ、
/ 匸,,.-‐'二、___丶
,' _,,.-‐''''l,~´ | i, ',`ヽ.
,' / .l /', / .| | ',
i / /|/- .| l ⌒i .|ヽ、 i
', / i, ノァc、 .| / r'Pl / i .y
/ Y ,-、 i ト'-ソ i/ .ゝ'゛ V 〈
./::::::ヽ〈∫'i ', ~ / ヽ ほしゅっす
/:::::::::::::::]ヽ_ゞ .i - / ヽ 〉
/:::::::::::::::/ /i ノ ┌ ' i /
i::::::::::::/ / ノ ./| .i ∨
ゝ、::/ / //ヘ、 ゞヘ、
/ ./γ´::::::::::::ヽ-.-'::::::::ヽ-、
/ / ';:::::::::y::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/∧ i i:::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ、i
y | | .〉:::::::::::';::::::::::::::::::::::::::::::::::i
なにも無いのもあれなので裏方AA投下しよう。おやすみ
「だいたい―――お客さんもいるんですから・・・」
常連客の彼は、チラリと背後を振りかえりながら言った。
隙間が目立つ本棚に挟まれた通路。
ただでさえ狭いその空間は、腰のあたりまで積み上げられた本に席捲されて、体を横にしなければ通れない程である。
そんな店内の半ばあたり。
カウンターから数メートル離れた位置に一人、お客さんがいた。
もともと大通りから外れていて来店者が少ない上、折からの寒さからか、この日はその『少ない来店者』さえもやってこなかった。
そんな中やってきた『彼女』は、常連の彼を除けばこの古本屋で、今現在唯一のお客さんと言う事になる。
新ジャンル学園の制服を着た彼女は、本を手にとっては本棚に戻し、戻したかと思うと躊躇いがちにまた同じモノを引っ張り出す、という動作を繰り返している。
どうやら、その本を買うか否かを決めあぐねているようだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女店主は常連の彼の言葉に、キーを打つ手を止めて顔をあげた。
まるで今はじめてお客の存在に気づいた風に、ちょっとだけ表情を動かす。かと思うと、唐突に手元の灰皿へタバコを突き刺した。
既にタバコの吸殻で埋め尽くされた中へ、差し込むように突き入れると、さっきまで換気扇へ登っていた煙が、途中でプツリと途絶える。
「ほら、これでいいんだろ?」
「いや、いいんだろって俺に言われても・・・・」
こちらを向いてニヤリとされて彼は困惑する。
彼からすれば、言われたからやるんじゃなくて、言われる前に消してほしい物であった。仮にも『消せ』と言った彼はお客であり、ここは彼女の店なのだから。
そんな風に思っていると、不意にカウンターを挟んだ店主から声がかかる。
「そういやさ、あの辺りってなんだっけ?」
「あの辺りって?」
「あのコがいる辺りの本棚。なに売ってたっけかなあ?」
女店主は、頬をついた手で器用にもメガネを押し上げつつ、余った手で少女の立つあたりの空間を指さした。
「さあ・・・っていうか自分の店なんですからそれくらい把握しましょうよ・・・・」
「め ん ど く せ え。
そもそも今は目録検索できるようにデータベース化してるからな。パソコンでちょちょい、だ。―――――――ほれ。」
古本屋経営者としてあるまじき質問に呆れる彼の脇で、女店主は再びタイピングとクリックを始める。
パタパタカチカチという音が数秒間続いた後、店主は画面が常連の彼にも見えるようにわざわざパソコンを動かす。
「あそこらへんはあれだな。紀行文とかガイドブック。」
「なんでそう言うところ『だけ』は無駄にハイテクなんでしょうね?」
下ろされた長めの髪を肩の後ろにおしやり、続いてタートルネックの襟を軽く整えながら説明する店主へ、彼はわざと冷やかに言ってみる。
この店主、変にメリハリがあるのが特徴で、まじめに仕事をしない半面、こうやって電子目録なんかを完備しちゃってるあたりは意外に抜け目がない。
それにしても接客業なのだから、やっぱりもうちょっと普段から態度をよくしたら良いのでは?と常連の彼は思っているのだが、『変なメリハリ』はそこにも影響しているらしい。
店主は服装次第で接客態度が良くなったり悪くなったりするのだ。
具体的に言うと、現在のようにタートルネックのセーターを着て髪をおろしている場合は、べらんめえ口調で愛想もあまり良くない。
逆に髪を束ねて服もカッターシャツに着替えると、女性的な口調と話好きな性格になる。
常連の彼にとって、どちらが好ましいかと問われれば、接客業としてはやはり後者であった。
だが、そちらはそちらでお客がいない間は彼が店主の長話に付き合わされる、という弊害があったりする。
店主いわく、やる気を出したいときには、髪を束ね服を糊のきいたシャツに変えて気分をスイッチするのだそうだ。
「彼女・・・・」
「ん?」
「ああ、いや、なんでもありません」
「あっそ。――――ああ・・・買うんなら買えよなー。こっちも仕事なんだからよお」
「ちょwwww聞こえちゃいますってwwwwww怒って帰っちゃいますよ?」
「いいのいいのwどうせこんな辺鄙な所に来るなんて余程のモノ好きくらいだってwww」
「自分で言いますかwwww」
店主と軽口を叩きながらも、彼は内心ホッとしていた。
今現在、常連の彼の視線は店主に向けられていたが、意識の方は、本を買うか買うまいか悩んでいる、新ジャンル学園の少女にあった。
先程ポツリと口にしてしまった少女への意識。
それに対して店主が喰いついたり深く追及してこなかったのは、彼にとってはありがたい事であった。
小女がこの店に現れてから、20分ほど経つだろうか。
視線の動きや顔立ちなど、整ってはいながらも人間として見ると、全体的にそこはかとない違和感を感じさせる小女。
それが一週間ほど前に来店したのと同一人物だとわかった理由は、言わずもがなである。
一度しか目にしていなくとも、店主の長話に付き合わされた人物を忘れる事なんて、彼にはできなかった。
なにせ店主の小難しい講義の主たる被害者は、常連客である彼なのだ。
どうしたって長話に付き合わされた人間に対しては、同情を抱かずにはいられない。まして、忘れるなどもっての他である。
そんな、常連客に記憶された少女がおよそ20分前。
とっぷりと日が暮れた所為で真っ黒にしか見えなくなったガラス戸を開いて、来店した。
それまでいつもの如く緩い調子で、店主との書評に興じていた彼であったが、少女の表情が目に入った瞬間、ギョッとした。
具体的にどこがどう、という訳ではない。
小女は以前来店した時と変わらず、人形みたいに乏しい表情で店内に踏み入ってきた。
けれど、以前とは何かが違う。
以前には無かった何かが、そう、端的かつ短絡的に表現するならば、『ギョッと』させるモノが彼女の表情にあったのだ。
それがなんなのか、常連の彼にはすぐにはわからなかった。わからなかったが、気のせいと否定するにはその『何か』は、些か存在感がありすぎた。
『何か』
その表情を、何の心構えもなく目にした人間に対して、軽いショックを与えるくらいの『何か』を含んでいる事だけは間違いなかった。
しばらく考えてみた彼は――その過程で店主の言葉を二言三言無視してしまったらしい。気がついた時には、相手は不機嫌そうにノートパソコンを引っ張り出してパタパタカチリとやっていた――やがて思いいたる。
―――あれは、やる奴の目だ。
心の中で言葉にした後、まるで頭の悪い中学生が漫画の台詞を真似しているみたいな言い方だと気付き、軽く鳥肌が立つ。
だが、その言葉は、一応は的確に『ギョッとさせるモノ』の正体を、彼に説明したという点においては、悪い物ではなかった。
『ヤる奴』『やる奴』『犯る奴』『殺る奴』『遣る奴』・・・・・
時として英語で『do』の訳語とされるだけあって、指し示す意義もスラングを含めれば多岐にわたる―――『やる』。
何かをしようとする人間とは、結果、例外なく『やる』ものだ。
やらなければ何もできないから『やる』のだが、その行為が日常から外れれば外れるほど、『やる』ことに対する本人の意識の度合いは高くなる。
そして、その、『やる』に対する意識の度合いがある一定のラインを越えると、他人にも分かる程の『平素との違い』が現れる。
・・・・例えば人生の浮沈がかかった試験に臨む前。
・・・・例えば誰かと対立していて、その闘いを始めようとする前。
・・・・例えば普段は滅多に自分の意見を言わない人間が、言わなければならない状況に追い込まれた瞬間に。
彼の知る限りでも、確かにそう言った状態にある人間からは尋常ならざるモノが感じ取れた。
もっというと、まるで鳥獣が地震を予知するかの如く、それを感じ取った後には大抵なにか『非日常的な事』が、どこかで起こっていた。
ただ『非日常的』と言っても大事件に発展する例はまれで、ほとんどはその本人に限り重大なことが起こるに過ぎない。
だがそれでも、後で顛末を知って、彼が納得できなかった事は一度もなかった。
違いは主観的に重大なだけなのか、周囲の人間にとっても大変な事をしようとしているのか、くらいだ。
小女は、間違いなく『彼女の日常から外れた事』、場合によっては『周囲の人間にとっても大変な事』をしようとしている。
経験的にそう理解した常連の彼は、ためらった。
それは、一方向への抑制ではなく反対のベクトル同士の引っ張り合い。
つまり
『彼女へ声をかけて事情を聴き、表情へにじみ出てしまう程の重荷を、少しは分かちあうべきではないのか』という気遣いと
『赤の他人が好き勝手に口を出して、いたずらに彼女の決意を乱すくらいなら、何もするべきではない』という心遣い。
どちらも一見すると正しいように思える考えが、彼の中でグニョグニョと渦巻いていた。
5分くらいパタパタという音を傍らにして考えた彼は、結局、虚ろな瞳の少女とは赤の他人の関係を通すことにした。
どんな問題が飛び出すのか分からないのに、カウンセリングのプロでもなければ悟りを開いた聖人君子でもない彼が、下手に手を出してはまずいという判断からである。
決断を下して10分以上たっても、間違っているとは思ってはいない。
思ってはいないが、それでも、『ギョッ』とさせるほどの表情を隠すこともせず、あるいは隠せずに来店したのだから、構ってやるのが道理じゃないか、なんて考えが消えたわけでもなかった。
だから頭では行動を決定しているにも関わらず、未だに常連の彼の心はグニョグニョと渦巻き状態であった。
小女に対する意識が口にのぼったのはそんな彼の心理が背景にあったからだが、傍らに座る女性にとってはあまり興味のない事だったらしい。
女店主はとくに気にしている風でもなかった。
自分は少女が尋常な状態ではない、とすぐに気が付いたにも関わらず、この古本屋の店主は何も感じないのだろうか?
そんな風に思い、そこから更に、『だとすると鈍感な話だし理解してて全くおくびにも出さないのなら尚悪い』、という思考に結び付く。
なので彼は、軽くカマをかけて見る事にした。
なにより、お客さんは本を買うか買うまいか迷っているのだ。ここでアクションを起こさない店主さんはどうかしているとも思えた。
実際には気付いていて、これから何かしらアクションを起こそうとしているので有って欲しいと願いつつ、彼は口を開く。
「彼女、ずいぶん悩んでるみたいですね?もうかれこれ20分位ああやってるんじゃないですか?」
言外に『声くらいかけてあげたらどうです?』という言葉を含みつつ、そんな風に言う。
暇そうに頬杖をついていた店主は、その言葉にジロリと瞳を動かした。
「ああ?」
「いや、だってまずいでしょ。ここで何にもしないなんて。本屋なら・・・・・・みたいな?なん、ちゃって?」
店主の返答には奇妙な迫力があり、それに対する心構えをしていなかった彼はちょっとたじろいで後を続けた。
と、常連の彼があれこれと喋る中、店主は不意にポッケから紐を取り出して髪の毛を束ね始める。
さらにその動きが終わらないまま、椅子から立ち上がったかと思うと、窓を閉め、側の壁にあるクリーム色の換気扇のスイッチをオフにする。
常連客の言葉なんて聞いてもいない様子で動き回る店主に、彼はポカンとした。その口は言葉を発した形のまま、開いたままである。
そんな常連客をよそに、何時の間にやら店主はカウンターの外へさっさと出ていってしまっていた。
店内を少女のいる方へズンズンと進んでいったかと思うと、『ヤホッ♪ずいぶん悩んでるみたいね?』なんて、本の山に挟まれて横ばいになりながら声をかける店主。
一連の動作は一切のよどみなく行われた。まるで、常連の彼の意識、その間隙を突くような形で。
事は、面食らった彼の思考が再稼動をしたころには、凡そ全て終わってしまっていた。
店主の行動が、常連の彼の予想の域を出ていたのはまず間違いがなかった。
「ヤホッ♪ずいぶん悩んでるみたいね?」
「あっ、、はい、ちょっと・・・難しくて・・・・・・」
店主の声に少女は、手にしていた鮮やかな色彩のB5くらいの本から目を離し、俯いていた顔をあげた。
本は、あまり有名ではない作家が書いた鎌倉の紀行文である。
さらにもう片方の手には、黄色を基調とした有名な旅行ガイドブックシリーズの鎌倉編が一冊、見受けられた。店主は『へえ』と口にする。
「ふーん・・・どれどれ?ああ、この作家さんのね。お目が高い。」
女店主は、ちょっと失礼、なんて断りを入れて少女から本を受け取ると、吟味するようにしてゆっくりと手の内で回転させる。
じっくりと紀行文の本へ視線を送りながらも彼女の口調は、褒め称えるような言葉とは裏腹に、あまり起伏のない物であった。
その脇で少女は、無表情に店主の査定と思しき行動を見つめていた。
ただ、やはり突然に声をかけられた為か、無表情の中にもどこか所在なげな物がにじんでいる。
「よしっ。お客さん、前に来た時はなにも買えなかった訳だし、お茶を御馳走したよしみだっ。ちょいと安くするわよ?」
やがて吟味を終えた店主は、軽く勢いをつけて本を少女に差し出しながら、ひときわ高い声でそう告げた。
けれど、割引宣言にも関わらず少女の顔はどこか浮かなかった。
「ん?やっぱり無理かしら?」
「・・・・・・・すみません。その・・・買うべきだとは思います。」
「『買うべき』・・・・って、やっだなーwwwもうっwwwwだったら買いなさいってwwwww」
「いえ・・・でも、それでもまだ、迷ってるんです・・・・買って良いのか・・・買うべきだって解っていても・・・・迷ってるんです。」
絶妙な営業スマイルを伴い優しく問う店主に、少女の言葉はどこか要領を得なかった。
本について語っているにも関わらず、まるで別の事を言っているかのような。どこか上の空な返答。
店主はそんなの彼女の様子を受けて、口元に薄く笑いを浮かべると、軽く息をついた。
「―――お客さん。」
古本屋の女店主は、静かに言う。
その言葉は、話しているうちに再び俯きはじめていた少女が、思わず顔をあげてしまうような、深い響きを持っていた。
「あれよ?ことわざ。案ずるより産むが易しって言うじゃない?
やるべきかどうかって迷ってたら、サクッとやるに限る。うん。物事って7割方その方がうまく行くものよ?」
「それじゃあ後の3割は・・・」
「とっても上手く行く?ってところかしら?」
少女の体全体に染みいった後心の奥へ達すような響きはしかし、『お客さん』の一言のみに限られていた。
あとを受ける言葉は全て、先ほどから変わらない軽い調子のもの。
まるで、『深い響き?さあ、お客さんの聞き間違いじゃない?』と言わんばかりの、冗談めいた口調であった。
けれど、その落差が少女の心を動かしたのだろう。
声を掛けられてからこっち、始終落ち着かない様子を見せていた少女は、安心したような微笑を静かに浮かべる。
小女がこの店に来て、初めて見せたかもしれない明るい表情に、女店主は満足げに一言。
「よしよしwそれじゃあお会計はあっちのレジでね。支払済んだらまたお茶でも出そうかしら?」
・
・
・
・
「しかしまあ、やる気出すために髪まで束ねちゃってまあ。なんだかんだ言って店主さんも気にしてたんですね?
俺、店主さんが仕事であんな素早く動いたの見るの久しぶりですよw」
「あ?なにがだよ?」
「いやいや、だってあの子、なんだか知らないけど随分思い悩んでたみたいじゃないですか。
なにか問題を抱えてるんだって。俺でもわかりましたよ?」
「あー、あー、そーねはいはい。」
「はいはいって・・・・店主さんだって何か気付いたから、ああやって声をかけたんでしょ?
いやー、さすがっていうかなんていうか。彼女、なんか吹っ切れたみたいでしたよ?本も買っていってもらえたしw」
「・・・・ったく・・・めんどくせえ奴だな・・・・あんなのセールストークに決まってんだろ?知るかよ。客のプライベートな問題なんてよ」
「むっ、その言い方は無いんじゃないんですか?
現に彼女、ああいう精神状態でこの店に来たんですから・・・・・・ああ、っと、、つまりはああいう気持でも来る価値のある店って事なんですから」
「はいはーい。質問。お姉さん質問がありまーす。『ああいう』ってなんだよ、お前よお。」
「い、いや、そりゃ、ああいうパッと見で普通じゃないって解る精神状態で、ですよ。」
「『で、ですよ』じゃねえよ。説明になってねーっつーのー。そんなの全部お前の想像だろーが」
「う、、いや、まあそれはそうですけど・・・」
「人の心なんてさ・・・誰にも分からないから」
「まあ。。。そうですけど・・・・・・でも全く分からないわけじゃないでしょう?少しは解るもんでしょう?」
「まーねー。だけどさ、だからって解ったふりすんのもカッコ悪いだろ?
俺は・・・・・・あれさ。つまり自分がわかってることだけやる主義なんだよ。」
「なんっすか、それ?」
「古本屋としては本を買ってもらえないより買ってもらった方が嬉しいって話。」
「なんっすか、それ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・お前・・・・・・・・・・頭悪いだろ?」
「店主さんの説明が分かりにくいんで「ざけんな。死ね。」
◇
目の前で墨をしみ込ませたような色合いの、木製の壁が動いている。
いや、実際に動いているのは私の方であって、壁は止まったままだ。
デッキブラシを前後させるたび、それに伴って私の視界が動く。
ブラシを掴む素手から冷気がしみわたり、全身の筋肉の一筋一筋に針金を通したかのような強張りが常時私を苛んでいた。
その感覚に耐えながら、私は機械的にブラシを動かし続ける。
―――ジャカジャカシャカシャカジャカジャカシャカシャカ
―――シャッシャッシャッ・・・・・バシャバシャビチャ・・・・・ジャカジャカジャカジャカ
放課後の飼育小屋は、水気を含んだ摩擦音に満たされていて外部の音はあまり聞こえない。
床をこする反復運動は持続したまま、視線を下に向けてみた。
コンクリートの床が、デッキブラシの通過した所から濃い色に染まっていくのが見える。
薄い灰色をしていた床は、私の視界に限れば、ほとんどが黒に近い灰色になっていた。
自分が担当する中の一区画が終了した事を悟り、ブラシを動かす腕を止め、折り曲げていた体を起こす。
「――――――っ・・・」
床掃除の作業ををやめた途端、筋肉が強張る感覚が酷くなった。
きっと今まで体を動かしていたために、意識の外へ追いやられていた分が、終了と同時に戻ってきたからなのだろう。
一度はシャンと背筋を伸ばした筈の私は、その感覚に耐えようと、柄の先端を両手で押さえる形で体の正面に立て、そこに体重を預けた。
けれども、ブラシを杖代わりにして息をついてみても、攻め立てるようにして続く痛みはひかない。
それもそのはずで、15時過ぎという日が照って十分に暖かい筈の時間帯でさえも、治まらない冬の寒さ。それから私自身の精神状態こそが根本的な原因なのだ。
休息はまるで意味がない。
―――シャカシャカシャカシャカシャカ、ジャカジャカジャカジャカ
そうやって私が仕事の中で、束の間の静止状態にある間にも、飼育小屋のブラシの音は続いていた。
ただし音源の半分が消えたせいだろう、いくらか小さく寂しい物になってはいたが。
振り向くと私と同じ色のジャージを着た同僚君が、腕まくりをして床をこすっているのが見えた。
彼の向こう側にはこんもりとした山のような黄色と黒の縞模様――トラ吉がいる。
今トラ吉は、ほし草の端っこで借りてきた猫のように行儀よく掃除の終わりを待っていた。
同僚君はそこから程近い所で黙々と床をこすり続けている。
やっぱり男の子だけあって、私が飼育小屋の10分の1を掃除するのと同じ時間で、その2、3倍の面積を終えているようだった。
彼は私の視線にも頓着せず、ジャリジャリと力強い動作で、ただただ仕事を遂行していた。
―――私の、筋肉の強張りが一層強まる。
首筋からうなじを経由して、二の腕を覆うように。
足の指先からふくらはぎと太ももを通り、股関節へ走りぬけるように。
結局のところ、この強張りは。体の動きを制限してくるような全身の異物感は、私の精神状態が原因のほとんどだった。
寒いから、というのはあくまで補助的な要因に過ぎない。むしろ、元からあった固い感覚を、強めているだけ、と考えた方がいいのだろう。
『同僚君と話し合う』
その決意が固まっても、実際にその話を切り出そうとすると、やっぱりどこかでブレーキが働いてしまう。
しっかりと意志を持って行動を起こそうとしても、これまで同僚君に対して堆積された苦手意識や怖さのイメージが、私の事を抑えつけてくる。
それは、同僚君の実物を前にすると、一気にその輪郭をはっきりと表して、抑える力をいや増してきた。
振り払おうと、無視して同僚君に声をかけようと奮闘しているうちに、飼育委員の当番が割り振られた朝と昼の時間を消費してしまった。
・・・・・・・・・・なんというか・・・我ながら情けないと思う。
もう、この放課後の飼育小屋の掃除の時間をおいて他にはない。これ以上引き延ばせば、きっと、全て手遅れになる。
まだ私の心の中は、抑えつけるモノと自身の決意の中で葛藤してはいたが、そろそろ言ってしまおうと思う。
いろいろと不安はあるけれど、何より、そう決めたのだ。
それに、彼を説得しないと、大切な何かを失ってしまうような、そんないわれのない恐怖が心の奥にあった。
もしかしたらそのおかげで私は動かすことができたのかもしれない。
彼の方へ体全体を向けようとするのを、拒否する足を。寒さを伴った緊張で、僅かに震える唇を。
「あの・・・・・」
「ん?」
息を吸う。同僚君は手を止めた。私は、口を動かして。
「お話が―――あります。」
彼はゆっくりと顔をあげ、こちらを見る。
小屋の端の方でトラ吉が、静かに喉を鳴らすのが聞こえた。
236 :
ほんわか名無しさん:2008/07/19(土) 19:01:15 0
男「夏だな」
淡白「そうね」
男「・・・・・・・」(ジトー・・・
淡白「なに?」
男「な ん で 汗 か い て な い の ?」
淡白「別に暑くなくはないけど」
男「汗出にくいんだな。うん。そういうことだな。」
淡白「気になるんならかいてあげようか?
汗」
男「うああああああ!!自分を納得させた側からああああああ!!」
淡白の男ってさあ、なんか名前、佐久間っぽくない?佐久間っていう名前な気がする
237 :
ほんわか名無しさん:2008/07/22(火) 00:49:23 O
男「……」
無反応「……」
まんぼう「……」
鸚返し「……」
男(……この沈黙、何故か和むな)
男「……」
鸚返し「……」
無反応「……」
まんぼう「ぼー」
男(……この沈黙、何故か和むな)
訂正。まんぼう好きスマン。
239 :
ほんわか名無しさん:2008/07/22(火) 01:40:46 0
>>238 あざらし「きゅー!!きゅきゅきゅー!!!!」
鵜 「うっ!」
男 「うっ!」
友 「ウッ!……ふぅ……」
まん「ぼー」
ヒー「男ぉぉぉぉぉぉぉおぉおおお!!」ダダダダダダッ
男「ソニックブーム」シュゴォ
ヒー「へぶしっ!?」
男「……」←
ヒー「……」
男「……」←
ヒー「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」ダッ
男「ソニックブーム」→P
ヒー「おぶしっ!?」
男「……」←
ヒー「……」
男「……」←
ヒー「……」
男「ソニックブーム」→P
ヒー「はぶしっ!? ち、近づいてないのに!」
男が記憶喪失〜の続きはいつ出るんだろう
あと以前作者が登場する新ジャンルキャラのリクを受け付けてたけどどう絡めるのかが楽しみだ
今書いてぅとこー
書き手カモン!
まとめに今までの男が記憶喪失になったようですをあげておきました。
何か問題があったら言ってください。
249 :
ほんわか名無しさん:2008/08/09(土) 07:08:08 O
グッジョブだ
久々にまとめが動いたのを見たな
新ジャンル学園に入るには手続きするだろ?
ロリ校長に会えるのかと思うとwktkがとまらないぜwwwww
じゃあなおまいら俺は逝ってくるよ ノシ
>>251 守護者「もしうちの校長に少しでも不埒な真似をしたら命は無いと思え」
佐藤「あと渡辺さんにもね(小声で)」
武士デレ「誤殺殿にもなにかしたら首が飛ぶと思(ry」
学園保安部とか設立できそうだなw
それ面白そうだなw
コミケで渡辺さんの人にスケブ描いてもらった
リクしたら『あなたは良い人だ』と喜ばれた
記憶喪失読んだこと無い俺に、面白さを産業で教えてはくれマイカ。
23もあると流石に踏み込みにくいんで、できればきっかけをば与えてくれると嬉しいザマス
260 :
ほんわか名無しさん:2008/08/20(水) 14:13:02 O
記憶喪失は、テンポ的に描きやすいだろうなあとは思ってた
なぜそんな細かい点にまで突っ込みを入れるのか
>>262 すまん。描きやすいって今漫画化してること言ってるのかなって思ってさ。
他意はないよ。
264 :
ほんわか名無しさん:2008/08/23(土) 02:15:29 O
つか登場人物何人くらいなんだ?
凄い多いイメージなんだが、記憶喪失
265 :
ほんわか名無しさん:2008/08/25(月) 21:37:23 0
書き手はもういないのか
横槍サーセンww
新参だがエスコン5に感化されてジャンルキャラ使用のアフター作ってるんだが
需要ある?つかここに投下でおk?
267 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 00:17:48 0
>>265 寂しいか?寂しいのか?
ククククク、、、よかろう。仕様の無いやつめ
以上てすと
VIPでアク禁喰らったよー(^p^)アババー
書き手がオリジナリティーありすぎて新参はついて行けない
269 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 07:51:03 0
産業でわかる新ジャンル 「通訳」残留
新ジャンル「通訳」=伝えられない心の通訳をする読心系新ジャンル くわしくはぐぐって
飼育委員の同僚にビビってる。何故なら心が読めないから。 後は当スレにて
・・・・産業もいらない
あんなに書いたのに〜☆
そして
>>132 >>132 >>132 OTL orz
でもお陰で大分書けたよ再開するねー
270 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 07:55:53 0
11
昼食として購入した、オシャレな名前のサンドイッチ。私は、その最後の一欠片を口に放り込み咀嚼した。
チーズのまろやかさとトマトの酸味が絡みあった旨みが口中を満たす。私はその感覚を充分に楽しんだ末に、それらを嚥下した。
ザラメを加えたラテを少し口に含んで食事の終わりとして、改めて周囲の光景に目をやった。
アメリカの某都市から始まり、世界中に展開しているというそのコーヒーチェーン店には、私と同じくらいの年頃の少年少女が多く見受けられた。
港湾都市発の喫茶店と言う事で、デザイン性の高いもやい綱や羅針盤が描かれた店内の装飾は、茶系の落ち着いた配色となっている。
そこに時折見受けられる、緑のロゴや橙色のほやをかぶせたランプなんかが、丁度良いアクセントとなっていた。
カウンターの向こう側では店員が忙しく動き回り、休日の煩雑な状況をさばいている。
たまにカウンター内部の、ミルクを泡立てる機械から上がるスチームのような音が、店内のざわめきを圧して響いてきた。
某ファーストフード店と同様に『俗悪な資本主義の象徴』なんて批判を時に耳にするこの喫茶店の内部は、コーヒーショップと言う割にクリームの甘い香りの方が強い。
私はそれなりに甘い物も好きなので悪いとは思わないけれど、苦手な人ならば本当に閉口してしまうかもしれない、そんな感じの香りだ。
271 :
新ジャンル 「通訳」残留:2008/08/26(火) 07:57:41 0
新ジャンル学園の最寄駅。
その駅前から放射状に広がるメインストリートのうち、特に飲食店やデパートなどが多く並んでいる通り。
休日の昼間には遊びにきた若者や家族連れが、他の通りからやってきて昼食を取るために、ことさらに賑わっている。
そんな通りの一角。両隣りをファミリーレストランとファーストフード店に挟まれている、道路に面したコーヒーショップ。そこに私はいた。
往来を映すガラス張りの傍に席をとり、この場所を指定した待ち人を待っている。
視線の先では、ガラスの向こう側から差し込む、弱い冬の陽光が机の上にかかっていた。
そこに手をかざして太陽の存在を感じとりながら、忙しく人や車が行き来する往来に目をやる。
手前の歩道には、ひしめくというには些か数が足りないけれど、絶え間ない人の流れがガラス一枚挟んだすぐそこにあった。
その向こう側の車道の方は、今度こそ文字通り車がひしめき合っていて、隙間らしい隙間が見当たらない。
ガラスの端に見える信号は、青になっている筈なのに、まるで全車両がエンジンを切って止まっているかのようだった。
高校生の私でさえも道路行政の不備を疑う程の混雑だ。
さらに車道を挟んで反対側の歩道は、こちらと同様に多くの人が行きかっている。
つまり、休日と言う事で駅前全体が人口過密地になっているのだ。
視界は、歩道に面して並ぶ雑多な飲食店の看板と店舗の入口で終わりを迎える。その先は建造物で遮られていたが、ガラスの上部と店の天井の合間にほんの少しだけ空が見えた。
ガラスに写る僅かな青は、ここ最近と変わる事のない快晴の様相を呈している。休日にはうってつけの空だ。
私はぼんやりと何を思うでもなくそれらの景色を見つめ、やがて視線を机の上に戻す。
十数年間付き合っている自分の細い指が、太陽の光を白く反射していた。
なんで自分がこんな所にいるのか?
じっと手の白さを見つめているうちに、ふっと、脈絡も前触れもなく自分の中の現実感が消え去った。
同時に今まで確かに頭の中にあったはずの、私がここにいる理由が思い出せなくなってしまう。
呆けたような感覚のなか、自分がここにいるのが許されないことのように思えてきて、変に不安な気持ちがわき上がってきた。
まるで間違えて違うクラスに入ってしまい、そのままそこで授業を受けているような。自分がその場に受け入れられていないのに勝手に居座っているような。
子供が親に怒られるのではないかとビクついているのにも似た感覚はけれど、ここで同僚君と待ち合わせる事になった経緯が、脳裏に帰還してくれた事で終わりを迎えた。
◇
『あの・・・・・お話が―――あります。』
数日前、飼育小屋で私は決意をはらんで声でそう言った。
小屋の端の方ではトラ吉が小さく喉を鳴らしていたが、それに対して僅かな意識を割くこともせず、私は彼を見つめている。
『・・・・・・なんだよ・・・話って?』
彼の方も私の真剣なまなざしに気づいたようで、少し緊張した面持ちで返してきた。
ここで彼を説得しなければいけない。
私の心臓は、いよいよ迎えたその時に、料理の達人が千切りをするような速度のリズムを刻んでいた。
男さんと喧嘩別れをしてしまった同僚君。誰とも心を閉ざして、ついに友人だった男さんもいなくなってしまった。
親しい人間がいない彼を、仲直りできるように説得できるのは、同じ飼育委員であると同時に二人が決別する場面を目撃してしまった私をおいて他にはいない。
同僚君の心は閉ざされて、心の読める私にもほとんど表面だけしか読み取れないけど、それでも普通の人と比べれば若干条件は優しい筈だ。
問題は、私が、誰かを仲直りさせるために説得する、なんていう重大事に真正面から真剣に向き合った経験が、皆無であるという事。
失敗は怖いけれど、それでも・・・・・・男さんとの関係を、半分は自分の意思で終えた彼の心には、私が抱いているのと同じ寂しさがあった。
わかりあえる人間がいない、孤独な感覚。
それに気付いていながら、そして二人の修羅場を目撃していながら、見なかったふりをして当たり前の日常を送るなんて事は、私にはできなかった。
だから、ここで、失敗する、かもしれないけど、――――彼を説得しないといけない。そう、私は思っていた。
そして彼の胸元に目をやり、ゆっくりと口を開き・・・
『その・・・わか』
ガチャリ、と音がした。
『失礼するっす〜』
『ってるとは―――は、あ、・・・裏方さん?』
『どもっす。お二人さんっ。
お取り込み中のところちょっといいっすか?
あ、そんな心配そうな顔しなくてもダイジョブっすwすぐ済むっすよ?』
言葉の途中に割り込んできたドアの開く音。
ある意味絶妙のタイミングで割り込んできたのは、裏方雑用さんだった。
当然の如く私達は、ドキリとした表情でお互いに向けていた視線をそらし、今まで纏っていた真剣な雰囲気を隠そうとした。
幸いと言うべきなのか、日中一杯の仕事で疲れた顔をした彼女は、そんな私達二人の緊張感などまるで気付かない様子である。
私と同僚君に挨拶をしながらその間を、ヒョコヒョコとした足取りでトラ虎吉の側へ寄っていき話しかけていた。
『トラ吉、急に検査することになったっす。明日一緒にお医者さんの所に行くっすよ?』
『ガ、ガウ!?煤i゜Д゜;)』
『ああ、いや、別にどこも悪いところはないっすよ?
けど市の条例で決まってたんっすよw
【修学旅行で船が遭難した後、流れ着いた無人島から連れてきた虎は市の定めた検査を所定の日までに受けないといけない】
ってwwなんっすかそれwwwwwwどこのトラ吉専門条例wwwwwwwwっうぇwww・・・あ、『っうぇ』とか言っちまったっす。お恥ずかしいっ。
ま、とにかく今週が期限の最後の日なんっす。うっかり忘れてたっすよ。
こんなこと言ってもトラ吉にはわからんとは思うっすけど・・・・・』
『が、ガウガウ!グガっ!』
『だから悪い所はないっすよ。なんでそんな慌ててるんっすか?』
『ぐう・・・きゅうぅぅ〜〜〜』
『通訳さんの方見てどうしたんっすか?言っとくけど通訳さんに頼んでも検査は無くならないっすよ?』
『ガフン』
『むっ。なんっすか?その態度?あれっすよ?肉食さんとか誤解殺気さんとか呼んじゃうっすよ?ピクル的な意味で』
『ガウっ!?』
不貞腐れた風に腕を組み(腕は・・・虎でも組めるんですね・・・)そっぽを向くトラ吉と、その態度にカチンときて脅かそうと、彼の嫌がったり怖がったりする人物の名を挙げる用務員さん。
そんな光景に私は、『彼は「せっかく二人が話し合うところだったのに余計な所で邪魔しないでほしい」と言っております』とよほど通訳してしまおうかと悩んだ。
悩んだが『二人が話し合う』という語に、裏方さんが反応しても困るので、結局通訳は止めにした。
ここで裏方さんを巻き込んでもややこしい事になるだけだという考えが働いたのだ。
私の視線の先では、すっかり機嫌を損ねてしまったトラ吉が、全身を脱力させたようにしてほし草に横たわっている。
用務員さんはそれをなだめすかし、検査のためと思しきタグを前足にはめようとしている。
それはいつもと変わらない、穏やかな日常の光景に思えた。
私が今ここで同僚君を説得しようとすれば、きっとそんな穏やかな雰囲気は壊れてしまうだろう。
そうすることでトラ吉や裏方さんに気を遣わせたりするのは、何か違う、と思った。
部外者にいたずらに首を突っ込まれたくないという思いはつまり、私たちが感じる重荷を他人に背負わせたくない、という気持ちから来ていたのだ。
『よう』
トラ吉達に目をやりながらそんな事を考える私に、傍らから声がかかる。
同僚君が、腕を組んでこちらを見ていた。
『ここじゃなんだしさ――――』
その言葉は、彼が私と同じことを考えていたのだと示していた。
◇
一気にやるとさるっちゃうから一日おきに投下するつもりです
>>266 おkじゃね?っつか個人的に気になりまくりんぐ
279 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 16:59:56 O
>>278 266ですw元ネタ知ってる人が居て良かったww一応主人公達の子供が男とかになる予定で作成中です。
ため込んでから投下の方が良いと思うのでしばしお待ちを……
トラ吉かわいいのうw
そして私はここにいる。
場所をどうするかという話の中で、どちらからともなく、休日である今日、この喫茶店で、という話になったのだ。
実際私と同僚君は飼育当番以外では殆ど接点がない。
そのため、放課後の小屋掃除の機会を逃してしまえば次のチャンスまで、まるまる一週間待たなければいけない。
さらに用務員さんの突然の乱入が物語るとおり、学校ならばどこであれ、知り合いに目撃される危険があるのだ。
だとすればここは一旦引いて、後日確実に日時と場所を決めた上で、知人を巻き込む心配のない所で話をする方がベターであるように感じられた。
多分、同僚君もそういう意味でここを指定したのだろう。
私は特に疑問を持たずにこの決定に従い、昼食も兼ねて少し早めにこの店にやってきたのだ。
が、すぐにミスを犯した事に気がついた。
別に大きな問題ではないし、ミスと言えるかどうかもわからないつまらない問題なのだけれど。
それでも予想外の事態が、彼を待つ私の周囲で起こっている事だけは疑いようもなかった。
この休日が、何の日のあった週の休日であるか忘れていた私の、ミスと言えばミスである。
「ごめん。待たせちゃった・・・かな?」
「いや、俺もさっき着いたばっかだか―――ぐああっ!」
「ど、どうしたの?大丈夫!?」
「ち、近づくな!!腕が・・・ぐっ・・・我が投影されし幻想が共鳴しているっ!
『奴』が、、、『奴』が近づいている・・・っっ!」
「ど、どうすればいいの?」
「俺に構うな!死にたいのか!?じき、辺り一体消し飛・・・・・・ぐうぅっ・・・・」
「そんな事言われたらますます放っておけないよっ!私達、もう
・・・・・・その・・・・・・・・――――――恋人なんだから・・・・」
「!!
―――・・・・・・・・・・・・(///)」
「(//////)」
少し離れた席で見知らぬ男女が、そんなやりとりを繰り広げていた。
待ち合わせをしていたらしい二人である。
先に来ていた男の人の方が突然立ち上がったかと思うと腕を押えて、それを女の人の方が真剣な表情で構っていた。
正確を期した言い方をすれば、二人とも男女と言うよりかは少年少女と言った方がいいくらいの年格好である。
今は多少落ち着いたのか、先程までのような大げさなアクションはせずに、お互いちゃんと席に着いている。
彼等の会話に耳をそばだてると、『エターナルフォースブリザード』とか『直死の覚醒』とか『カノッサ機関』なんて断片的な単語が、
店内の雑多な音の中から拾いだせた。
どうやらさっきのやりとりは単に落ち着いたというだけで、まだまだ継続中のようである。
男の子は女の子に対して、敵がどうだの真の力が目覚めるだの、漫画のような荒唐無稽な話題を真顔で語っている。彼には妄想癖があるのかもしれない。
ただ、そんな二人の様子は、男の子の方が変に芝居がかったしぐさである事を除いても、妙にぎこちなく場慣れしていない感じがした。
男の子のただならぬ雰囲気に驚いて、そちらに目をやっていた他のお客さん達も、今は興味を失くした風に元の方向を向いている。
私はそれに倣いながらも、芳ばしいコーヒーと甘ったるいクリームの香り。それからガラスから射しこむ陽光に包まれつつ、思う。
嗚呼、初々しい。と
ラテに口をつけて改めて周りを見回してみた。
コーヒーショップの端から端まで目をやり終えた時には、眉間にはしわが寄っていた。
同僚君みたいな顔になっているのは、物珍しさにお砂糖ではなくザラメを入れたは良いけれど、何時までも溶けてくれずラテが苦いままだったからではない。
例えばコーヒーを受け渡すカウンター。ホオズキみたいな色をしたランプの装飾の下で、注文した飲み物を待つ少年と少女。
例えば奥の方の席。ガラス側の席の様に明るくはないけれど、長時間座るには丁度いいであろう、居心地の良さそうなソファに腰を下す少年と少女。
例えば入口付近の支払のカウンターでメニューを選ぶ少年と少女。
それから私の目の前の席で光に照らされて幸せそうに談笑する少年少女。
それから背後の席で偶然手と手が触れると同時に、顔が真っ赤に染まった少年少女。
目を交わす少年少女。手を握りあう少年少女。冗談を言い合う少年少女。
つまり仲睦まじい『少年と少女』。
――――――私は早くも帰りたくなっていた。
店内は2月14日に晴れて結ばれた、できたてほやほやの彼氏と彼女であふれかえっていたのだ。
これにはちょっと閉口せざるを得なかった。
今週初めのバレンタインデーに想い人に告白し、それが成った幸福な二人。
日にちを決めてその日まで準備を重ね、遂にその日に計画を実行する。
迫りくる14日のプレッシャーを常に感じる日々をくぐり抜け、ようやく辿りつき告白が成功した人々だ。喜びも一潮なのだろう。
そして、そんな恋人たちが休日に何もしない訳がなかった。
恐らくこのコーヒーショップは、彼等のデートコースの中で昼食か休憩場所として組み込まれているに違いない。
しかもなんという事だろう。全員初めてなのだ。
ここにいるのは、今回のバレンタインで初めて彼氏彼女ができたという、私と同じ高校生くらいの少年少女ばかりである。
心を読むまでもなく、立ち居振る舞いや反応を見ればわかる。
『イチャイチャしている』のとは違う、どこか適切な距離を計りかねている、ぎこちないやりとり。
けれど赤の他人が傍から見ても、それと分かるほどの幸せなオーラがこれでもかと言う程に発散されているのだ。。
これが一組二組ならば、まだ青春らしくてほほえましいと笑っていられるが、店中に溢れ返っている状況では笑うどころではない。
他のお客さんが男女のカップルであるのに対して、私は一人なのだ。
どうあっても浮いてしまいがちになる。それも見た感じ同じのくらいの年頃であるから、異質性はさらに際立ってしまう。
ただ、周囲のカップルはほとんどが自分たちの世界に浸りきって、私と言う異常を認識していないのが唯一の救いではだった。
それでもやっぱり、私自身が感じる所在ない気分が晴れてくれるような事にはならなかった。
さらに悪い事には『同僚君と話し合う』という事で構えすぎてしまった私は、待ちあわせの一時間も前に来店してしまっていたのだ。
心の準備をする、といった名目で早めに来たのが裏目に出てしまった。
かれこれ一時間近く。
喫茶店そのものが拒絶しているかのような居心地の悪さを感じては、それから逃れるため別のなにかに意識を集中し、
集中がきれては居心地の悪さを感じるという繰り返しを味わっていた。
しかもそんな繰り返しの何度目かに気づいたことがあった。
――これはもしかして、溶け込んでしまうのではないだろうか?
と、いうよりも、誰からも一人きりである私が異質なものとして認識されていないのは、つまり皆それを想定しているからではないのだろうか?
同僚君がやってきたら、私達は周りと同じ『バレンタインに結ばれたカップル』だと認識されてしまうのではないか?
そんな懸念が昼食をとりつつ待ち続ける中、緊張して落ち着かない心に新らしく加わっていた。
当事者である私達にそのつもりが毛頭なくとも、初々しい男女のカップルばかりが目につく中では、どう見てもカップル以外には思われないかもしれない。
しかも私達はぎこちない。私は心の読めない同僚君の事が怖いし、同僚君もそんな私の様子が気に入らないようだ。
なので私達の会話は常にぎこちない。それはこの店の、結ばれたばかりで場慣れしていない客層の雰囲気と、実によく似かよっていた。
これでは溶け込んでしまう。
同僚君がやってくると同時に、私達はそういう事にされてしまう。
このコーヒーショップのに充満する甘酸っぱい空気の発生元でありながら、同時にそれにあてられている人々によって、『初々しいカップル』にされてしまう。
それは、なんというか―――――困る。
明確な理由はないのだけど、なんだか困る気がする。
私と同僚君はそんな関係ではないのだから、そんな目で見られるのは心外だし、それに。
それに・・・これから話し合おうとしているのは、幸せな男女関係からは程遠い、同僚君の内面に踏み込んむような話題なのだ。
この店の浮ついた空気を受け入れていては、決して解決できない問題だ。
私はあくまで他人の目を無視して、説得に集中しないといけない。
周りの人間がカップルばかりだからと言って・・・
一人でいる自分はこの場に相応しくない気がするからと言って・・・
同僚君が来れば、もしかしたら居心地の悪さは解消されるかもしれないからと言って・・・
今の、この、張りつめて、気分が悪くなるほどに緊張した感覚を放棄することは許されない。
そうでなければ彼の心を動かして、男さんと仲直りさせるなんて事はできないのだから。
「ほいよー、とりあえず抹茶ラテにしといたぜ?これなら抵抗なく飲めるんじゃないか?」
「は!お、おお、おこっ、多分なお心遣い感謝するでありましゅ――ありますっ!!」
「いいっていいってwこっちこそ悪いな。無理言ってこんな所、連れてきちゃって」
「そ、そそそそ、そのようなああああ、、、そのようなっ、そのような事はっっ!!!
じ、自分は今こうやって二人でいるだけで天にも昇る気分でありっ!場所がどこかなど、などは些末な問題なのでありますっっ!!」
「ははは・・・それもそうだなw
でもさ、思いもよらなかったなあ。初めて会った時は、こんな関係になるなんて。」
「あああああああ、、、そ、それ、、っそそそ、そんな、、、じじじじじじじじ自分、自分も、、、自分の方がびっくりしてるでででででででありありありますっ!」
またもや、どこかの席から幸せそうな会話が聞こえてきた。女の子の方がやけに狼狽した喋り方が印象的である。
私は、ほんの少し眉を動かした。
なんだか、自分の思考に違和感を感じたのだ。
良く分からないけど・・・・・・・・
今さっきまで私は、このお店の少年少女達と同じ気持ちになることを危惧していた。
そう言った浮ついた気持ちをしていては、同僚君を説得できない、と。
でも、よく考えると、どうして私は、浮ついた多幸感を抱くことを心配していたのだろう?
現在コーヒーショップに流れるこの空気は、異性として付き合っている少年少女がお客さんの大半を占めているが故である。
だからそれに同調するというのは、どこかで異性を意識した人間でなければ有り得ない。
一人である私が、この場の雰囲気を受け入れ緊張を解いてしまう、なんていう危惧はおかしいと思う。
誰か、心のどこかに異性がいないと、そうはならないのに・・・・・・
私は自分が感じるはずもない幸せを心配している・・・・・
少しだけエスコン新ジャンルバージョン書いてみたので投下。
元ネタわからない人はスルー推奨ww
もはや新ジャンルじゃない気がしてきたが・・・w
いつのころからか、男は空を飛ぶ事に憧れた。
人間が持ち得ない翼を作り、自由に空を飛べる様になれる
父がそうだったように……
オーシア空軍基地にて...
男「今日は最後の実践演習か、相棒はお前だファルケン」
ク「フフ、君は私より相棒の方が大事なんだな」
男「俺の2番機じゃあ不満か?」
ク「いや、2番機も贅沢だと思うが、これに少し嫉妬する(ボソ)」
男「ん?何か言ったか?というかファルケンをぽんぽん叩くなよ」
ク「男の父、ブレイズさんもコレに乗ってたんだな」
男「ああ、このフライトスーツもヘルメットも父さんのだ」
ク「ラーズグリーズの悪魔……私の母もそう呼ばれていた」
男「……さて、もうすぐフライトの時間だ」
ク「なぁ男」
男「ん?」
ク「私は男の2番機だ」
男「ああ」
ク「この先本当の戦闘になったとしても、男は死なせない」
男「クーが言うと安心だな、俺の背中は任せるよ」
ク(そう、もう誰も死なせない。 母も男も……)
ヒ「おおおとおおおこぉおおおお!!なぜわたしが3ばんきなんだぁああああああああああああ!!」
男「ヒーはどう考えても遊撃担当だろ。俺の背中はクーに、ヒーには俺の周囲を守って欲しい」
ヒ「うぉおおおおおおわかったあああああああ!!!おとこおおおおおおおあいしてるううううううう!!」
友「そして男の4番機が俺か」
男「友の眼には期待してるからな」
友「ま、男に飛ぶFOX2だけは見逃してるからよろしk」
男「やめれwww」
友「ははは、にしても今日で実践演習は最後なんだな」
男「そうだな、明日からは暇になっちまうなぁ」
ほぼ無(反応)「……………………」
男「あ、すみませんほぼ無(反応)少尉。暇など無いですね」
ほぼ無「男となら暇でも良い……」
男「? 何か言いましたか?」
ほぼ無「…………」
ク「少尉、今日は胸を借りるつもりで行かせて頂きます」
ほぼ無「(こくこく)……」
ヒ「うぉおおおおおお!!きょうこそしょういをおおおおおおおお!!」
友「さて、いくか」
ほぼ無「まって」
男「なんですか?」
ほぼ無「TACネーム、みんなのが決まった……」
男「俺は【Blaze】……ブレイズ?父さんと同じ……」
ク「私は【Edge】……母のと同じだ」
ヒ「わたしは【Chopper】ちょっぱぁあああああああああああああ!!!??」
友「俺は【Archer】か、悪くないな」
数々の想いが詰まったTACネームを、親から子へ受け継がれた。
ラーズグリーズの悪魔の再帰になりえる彼らの、初めてのリアルドッグファイトが幕を開ける。
Ace Combat5.5 〜The New Genre War〜
以下続筆中……誰も見ない気がするがネタを書くなら今のうちwwww
さるった。はやくも(倒置法)
エスコンの人頑張れ。俺はやったことないけど、その空の広さを俺達に見せてくれ。
>>280 コメ感謝っ
男「知ってるか?」
男「クールは3つに分けられる」
男「素直な奴」
男「心を読める奴」
男「アホ」
男「この3つだ」
変態クール「……」
変態もある意味素直だ
ベクトルが違いすぎるがな
>>294 ザルクール「だが待ってほしい。」
留年クール「我々姐属性を忘れないでほしいな」
無知クール「私はどうなるんだ?」
おや?クール絵師はどうした?
今書きためてるジャンル集合もののために質問
ロリ校長は俺の頭ん中では教頭と二人暮らしなんだが、
その設定違和感ない?