乙なんだよー
3 :
@株主 ☆ ◆MICHY/qrJk :2008/05/10(土) 04:23:09 0 BE:994682467-2BP(1364)
素的な女子高生か
4 :
ほんわか名無しさん:2008/05/10(土) 05:54:40 O
素的な禿教頭か
あっち落ちたか
6 :
ほんわか名無しさん:2008/05/14(水) 23:21:24 0
だーれもいなーい
7 :
ほんわか名無しさん:2008/05/15(木) 22:45:30 0
どうすんじゃいこれw
お前らどうしたw
友「あー、チンコかゆい」ボリボリ
男「おいおい、新スレ一発目だぜ。ちょっとは自重しろよ」
友「そんなこと言われてもかゆいもんはかゆいんだ。性病かな」
男「何言ってんだよ童貞が」
友「バッカおめー、オレぁ童貞じゃねぇよ。俺の妹とヤッたって
>>1のまとめにも書いてあるだろ」
男「いきなり近親相姦をカミングアウトするなよ。通報するぞ」
友「いや、オレの妹じゃねぇって。第一オレに妹なんていないし」
男「病院行ったほうがいいぞ、脳の」
友「空想の妹でもない。俺の妹だ」
男「やっぱり近親……」
友「違うっつーの。俺だよ、俺、俺!」
男「古いぜ、そのネタ」
友「詐欺じゃねーよ、俺だって!」
男「やっぱり近親相姦じゃねぇか」
友「あぁ、もう面倒くせえから近親相姦でいいや」
男「最低だな、おまえ」
友「んだとコノヤロォ! 小便ぶっかけるぞオラァ!」ジョロジョロジョロ
男「ぐ、ぁぁぁぁぁぁっ! や、やめろ、ガボ、ガボガボガボ!」
男「!?」
男「うまい!」テーレッテレー
友「ねっておいしいねるねるねーるね」
10 :
ほんわか名無しさん:2008/05/19(月) 07:56:53 0
t
なんだこのカオスっぷりはwwww
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> 遠慮せずにゆっくりしていってね! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^YY^^Y^Y^YY^ ̄
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ
,' ノ !'" ,___, "' i .レ'
( ,ハ ヽ _ン 人!
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ
!ヘレ'/ `ヽ7ヽ!ヽ.Y)ヽ〉
,! 〉:ム:::}><{
へ___/!ゝk'-‐ヘ':::!_ハ」i_!ヘ!、
「 /::::::::`ヽ. ヽ、:イ-ヽ.. ヽ. ,.- 、___,.--、 ∧_,,∧
kヽ/:::::::::::::::::>、. ヽ、__.ヽ、_,.'--'、: : ヽ-:、)、 <`∀´*>
:::`>、_二ゝ、ニr-'ヽ、 r'二 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ⊂ )
::/:::::::::!Y r‐─‐'‐`'ー--‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/::::::::::::)( \
::::::/::::::Y) ',|ヽ二二二二二二二二二二二
13 :
ほんわか名無しさん:2008/05/23(金) 21:35:40 0
今日ココに着たばかりの新参が質問
ココってパートスレあり?
>>13 何を言ってるんだ
いいに決まってるだろ
思う存分ぶちまけろ
新ジャンルとらいんの性別逆転
不良女「アタシみたいな……バカ、好きになる奴なんて、いやしないよ」
16 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/25(日) 11:04:25 0
>>15 友女「はぁ?」
友女「なんで好きになってもらうんだ! そういう考え嫌だぜ!!」
友女「この……隠れロマンチック娘!! 愛読書は『星の瞳のシルエット』か!?」
17 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/25(日) 21:24:47 O
『星の瞳のシルエット』wwwwwww
18 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/26(月) 02:05:18 O
やべぇwwwちょいと面白いかもしれん
19 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/27(火) 02:07:54 0
「記憶喪失」って今、男が風呂入るとこ止まりかな?
20 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/27(火) 09:36:14 O
記憶喪失…
そういや何やってんだ
記憶喪失じゃなくて悪いが、もう一個のほうがふっかつしますよっと
まあ、あっちが戻ってくるまでの暇つぶしにでもなれば幸いってことで
◇ ◇ ◇
ほんの少しだけ、昔のことを話そうか。
俺と小学校からトモダチだった奴の話だ。
俺達がまだ中学校に通ってた頃の、つまらない、くだらない類のお話だよ。
「あのさ・・・思うんだけど、やっぱ・・・お前おかしいよ」
ガラス戸の外から強く、赫い光が差し込む夕暮れの保健室で、俺は重く静かに告げた。
赫の光が投げかけれられた部分とそれ以外。
保健室の明暗は斜陽によってはっきりと分たれている。
影になった箇所にいる俺達は、強い光の対比の為にお互いの表情さえも伺い知れない。
すぐ外側が中庭になっている引き戸式のガラス戸の向こうでは、赤みを帯びた太陽が端っこを輝かせている。
アイツはそれを背にする形で、丸椅子に座って俺と向かい合っていた。
地中から浮かび上がってきた影みたいに黒い輪郭。その頬の部分には、僅かな出っ張りがうかがえる。
出っ張りは先ほど、急用で席を外した保険医の代わりに俺が処置したガーゼだった。
「―――――――」
「・・・・・・・・・・・・・」
俺の言葉にあいつは、小学生の頃からの友人は、何も答えない。
表情が伺えないから、こちらもどんな言葉を続ければいいか判断しかねていた。
結局、無言のまま俺は、保険医に指示された通りの作業を続けることにする。
本当の所を言えば、ただ無言が続くだけの状態になるのを恐れて、『作業をしているから、会話ができない』という口実を作る為に動いたんだった。
正義感が強いけど、無茶で聞かん坊なアイツを説得しようと作業を中断した俺の試みは、一分と持たなかったというわけだ。
ガラス戸側から廊下側の壁に移動して、丁度自分の目線と同じ高さにある棚を開く。
白い木製の扉を開くと中には、バンソウコウの箱やピンセットなど応急処置用の道具がゴチャゴチャと置かれていた。
そこに俺は、先ほどまで使用していた消毒液やガーゼ、テープの類を元あった場所に返していく。
全て返し終え、棚を閉じたところで、保険医から指示された作業は完了した。
なんのことはない。
『指示された作業』っていうのは、喧嘩で軽いけがを負ったあいつに、『ガーゼを張ってやれ』というものだった。
赤く腫れた頬に消毒液を塗って、ガーゼをテープでとめればそれでお終いという単純作業は、ものの2分とかからなかった。
「それ・・・」
「ん?」
両開きの扉を閉める、『パタン』という音に続くようにして投げかけられた声に、俺は後ろを向いた。
相変わらず逆光でどんな貌をしているか判らない状態で、アイツは続けてきた。
「それ・・・・・・さっき先生にも言われた」
「それ・・・って、今の?」
「ああ、『お前はやりすぎだ。普通じゃない』とか『もうちょっと抑えろ』ってな」
「そ、そうか・・・」
「そうだよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
なんて言ったら良いのかわからなかった。
もっと言うと、アイツが何を意図してそんな事を言っているのか、その見当が皆目つかなかった。
時間経過とともに、沈黙がヒタヒタと心に染み込んできて、気まずい想いを掻き立て始める。
目の前の友人は微動だにしなかった。
逆光で表情が読めないのも手伝って、心の内を推し量る為の材料は皆無に近い。
何故だか大海か、砂漠のど真ん中に取り残されたような。
目の前にアイツという人間がいるのにも関わらず、広漠とした場所に一人置き去りにされたような感覚を覚えた。
結局、悩んだ末にとったのは、無言で愛想笑いをするという、お世辞にも上手いとは言い難い行動だった。
窓から差し込む赤に照らされた俺の反応は、アイツにはどう映ったんだろうか。
相変わらず表情の読めない状態だったから、高校に上がった今でもその瞬間アイツがどう思ったかはわからない。
ただ言えるのは、こうなった原因を作った事件が俺の友人を変えてしまったに違いない、ということくらいだろうか。
俺がアイツの事をわからなくなってしまったのは、確かこの後からだったから。
赫い←これなんて読むの?
29 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/28(水) 19:41:40 O
・
・
・
・
愚直なまでに正義感の強い奴だった。
小学校の初年度で同じクラスになって、いつの間にか親しくなって、そのうち一緒に遊ぶような仲になって。
そんなある日、いつも遊んでいる公園で、子犬が上級生にいじめられている現場に出くわしたことがあった。
それをアイツは体を張って止めさせたんだ。
数人がかりでよってたかって子犬をなぶる上級生に、たった一人で立ち向かっていった。
ただ、オロオロと何もできない俺を尻目に、殴られ蹴られながらも、とうとう上級生を追い返してのけた。
まるで、年齢の差も人数の差も忘れ去ったかのような奮闘ぶりに俺は、『あんな風にできたら・・・』という憧れと、『何故あんな無茶を?』という不可解を同時に抱いていた。
愚直な程正義感の強い奴、という評価は、その時からのモノだったように思う。
実際アイツはそうだった。
誰かいじめられてる奴がいれば率先していじめっ子の前に立ちはだかっていたし、
道理に合わないと感じれば大人でも臆せず対立していた。
周りの俺達はそんなアイツを頼もしく思う反面、俺達なら躊躇して踏み込まないようなところまで行ってしまう性格を、
どこか理解できないでもいた。
・・・・普通なら先生に真っ向から逆らったりしない。普通はなかなかはっきりとイジメを悪いとは言えない。
・・・・だから、それができるアイツは普通ではない。
そんな認識が根底にあったのかもしれない。
仲のいい人間は別として、他のクラスメイト達は僅かに半歩、アイツから距離を置いていた。
ただ、それでもアイツのやっている事が『正しい事』なのは、誰も疑う余地がなかった。
寡黙なところもあったけど根はいい奴だったから、中学生に上がるくらいまでは割とクラスに馴染んでいたと思う。
おかしくなったのは、中学の頃からだ。
まず、変わり始めたのは周りの方だった。
反抗期と言うものなのだろうか。
そのころからだんだんと、いわゆる『不良』って奴が目につくようになってきた。
他の小学校から上がってきた奴らもいれば、中学になってグレたようなのもいた。
そいつらが学校をサボって外で悪さをしていてくれれば、まだ俺達はうまくやっていられたのかも知れない。
けど、どうにも中途半端なのがこの時期の連中の特徴だった。
溢れ出す反抗心に任せてルールというルールに逆らってみたいけど、殊更に大人に目を付けられたくもない。
そんな心境からか、真っ向から何かに反発する奴はごく稀で、ほとんどは学校にとどまり自分より弱そうな奴を見つけることで、日常のストレスのはけ口としていた、。
授業中も、厳つく怖い先生や扱いが上手い先生なら静かにしているが、そうでなければ大抵は騒いだり教室を歩き回ったりする。
結局のところ、輪から外れることもその勇気もなく、ただダラダラと欲求に任せて他人に迷惑をかけ続ける、一般的な『不良』のイメージとは程遠い中途半端な人種。
そんな奴らが中学になって俺達の周りにポツリポツリと現れ始めた。
アイツは当然のように動いた。
初めはまだ何とかなっていたように思う。
素行不良を咎めたりイジメっ子の側に立って守ろうとするアイツに、連中は煙たそうにしながらも渋々と従っていた。
だけど中学時代ってのは、小学生時代のように生易しくはなかった。
思春期に入って体格も良くなり始める時期だ。
自分達の力に特に自信を持ちはじめた連中にとっては、ただ一人の孤軍にすぎないアイツは、『イジメてもいい人間』に他ならなかった。
すぐに連中の標的は、アイツに移っていった。
机の上に菊の花を置くとか、奴らの手の及ぶ範囲の人間に無視させるとか、靴を隠すとか。
月並みな、というよりむしろ、女の腐った奴らがやるような攻撃が始まった。
手は出さなかった。
連中にそんな勇気や根性はなかったし、万一アイツが親や教師に告げた場合に暴力沙汰は面倒だと考えていたのかもしれない。
ともかく、連中はネチネチと執拗に、しかし自分達は傷つかないような方法でアイツをイビるようになっていった。
見方によっては情けない内容ばかりの攻撃だったけれど、それでも持続は効果を生み出し始めた。
次第に周りの人間がアイツを疎んじ始めたんだ。
少しずつ、はじめは連中に近しい奴らから。
次にアイツに親しくして危害が及ぶのを恐れる奴らも。
そのうち関係のないクラスメイトも空気に流されて、それに従って。
俺の小学生からの友人だった少年は、孤立してしまった。
最後のほうではほとんど全員が、『無視』の命令に従っていた。
かくいう俺も、教室ではまともに接することは難しくなっていった。
流れに逆らえば今度は自分が標的になるかもしれない、と言う恐怖に抗えるほど、俺は強くはなかった。
クラスの輪から外されてでも守るべき、確かなモノがあった訳でもなかった。
結局のところ―――――
クラス内の他の友人達の方がアイツ一人よりも重要だったんだ。
やべやべw
>>30のタイトル付け忘れた
>>27 あかい、です。
読みにくくてスマン
36 :
27:2008/05/29(木) 08:59:21 0
>>28 さんずいに金の組み合わせってなんか間抜けですね
小学生が漢字テストのわからないところを苦し紛れに埋めたみたいなそんな感じがします
>>29 どーもどーも!
>>35 こちらこそ
それでも、アイツは何も変わらなかった。
たった一人で、ずっと、身の回りの道理の通らないことに歯向かっていた。
授業中騒いだり校舎内でゴミを捨てるのを咎めたし、自分以外のイジメにも解決しようと努めていた。
俺は、自分の立場が危うくなるのが怖くて何もできないのが苦しかった。
苦しかったけど、心の何処かでは、こんな状況になっても頑なに自分の正義を守り続けるアイツが理解できないでいた。
苦しさと距離感。
それは、幼いころから常にアイツに対して抱き続けていたモノと何一つ変わらない二つの感情だった。
きっと周囲の人間も、どこか自分たちとは違う空気をアイツに感じていたからこそ、最終的に不良達の意向に従ったんだろう。
クラスから孤立させるという、馴れ合い傷を舐めあう連中の価値観においては最大級の罰を下したはずなのに、
最も疎んじている部分が変わらないことに連中は業を煮やしていた。
事件の引き金は連中のグループ内では、中心から少し外れた位置にいる、イジメが始まってから加わったような奴が引いた。
そいつは、もとのメンバーとは纏う空気にも微妙なズレがあった。
もともとのメンバーがいかにも不良然とした乱れた服装をしていたのに対し、そいつ自身は特に問題のない制服の着方をしていた。
教師に歯向かうのではなく積極的に取り入って、自分のワガママを通そうとする、ある意味不良よりも嫌悪感を抱かせるタイプだった。
運動部所属のそいつは腕力にも自信があったし、なにより、クラス全体がアイツと対立しているという状況が、ある種の正当性を与えていたのだろう。
『手を出す』という行動に至ったのは、自然なことだったのかもしれない。
・
・
・
・
・
・
「お前は悪くない・・・悪くないけどさ・・・・・・その・・・何ていうか固執しずぎなんだよ・・・」
「・・・・・・・・・」
「別にいいだろ?・・・連中が校則破っても・・・どこの誰とも知らない奴がさ、イジメられてても―――」
唐突に目の前の友人が顔をあげた。
それまで、互いに顔を見合わせずらくて、時折視線を反らしながら話しているうちに、二人とも俯いた状態が常となってしまっていた。
アイツの、それを破るという行動で、自分が言葉の選択を間違えたことに気が付く。
「―――ああ、いや、俺もイジメは良くないと思うよ?うん。イジメ良くない、イジメカコワルイ」
慌てて前言を修正すると、目の前の友人は一瞬間まとっていた緊張感を消し、再び僅かに外れた方向へ視線を戻した。
「でもよ、でもさあ・・・皆に無視されてまでやることじゃないだろ?
終いにゃ喧嘩までして・・・・・・
お前がいくら正しくても、教員連中は『喧嘩両成敗』だったわけだし・・・」
「・・・・・・・・・ああ」
トツトツとした俺の説得に、アイツは低い声で返す。
俺が自分で張り付けてやったガーゼに目が行った。
左の頬の半分を覆うほどの大きさのそれに、今更ながら痛々しさを覚える。
アイツが負った主な傷はそれだけで後はほとんど無傷に近かった。
けれど、服のところどころの破れや汚れが、先程までの取っ組み合いの生々しい光景を、頬のガーゼと一緒になって呼び起こしてくる。
・
・
・
・
・
・
試立wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
42 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/30(金) 20:56:30 O
新ジャンルwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
43 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/30(金) 23:11:28 0
学wwwwwwwwwwwwwwwww園wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
しかしなにもおこらない
だって誰も見てねぇもん
46 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/31(土) 10:39:37 0
いやコイキングだ
47 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/31(土) 10:44:30 O
48 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/31(土) 13:17:26 O
オナニーしてるーみんなー?
49 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/31(土) 13:18:20 O
あーゆーレディ? しーこしこしーこ しーこしこしーこ
50 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/05/31(土) 13:19:28 O
ドピュっ ビクン ビクン うっ
運動部のやつが手を出すのが『自然なこと』なら、それにアイツが反撃したのは『当然のこと』だったのだろう。
そもそも、それまで腕力に訴えなかった事の方が俺には不思議だった。
小学生のころからある意味で喧嘩っ早い性格をしていたはずなのに、今回はじっと耐えていた。
推測ではあるけど、手を出さなかったのはアイツ自身が暴力による攻撃を受けなかったからなのかも知れない。
もともと自分の中で確固としたルールを気づいてる奴だった。
きっと今回も『手を出されない以上は、こちらも手を出さない』なんて勝手に決めていたに違いない。
ただ、そんなルールはアイツの中だけでのことだ。
相手側にしてみれば威圧も暴言もない上に腕力にさえ訴えてこないのだから、標的としてはこの上ないはずだ。
手を出されたのも、単純にそうなるような条件が整ったから、というだけの話だったのだろう。
喧嘩は運動部のやつが、アイツにも分るようにして、通りすがりざまに机の脚を蹴ったことから始まった。
それに対してアイツは非難がましい目つきを返す。
それが勘に触ったのか、運動部のやつは、アイツの襟首に手をのばして――――――
久しぶりに見た。
いつも、喧嘩をするときは、突然に火がつくような奴だった。
例えるなら、赤く焼けていないからと言って、安心して触れた金属が、実はまだ百度近いもの熱を孕んでいた時のような。
そういう驚きを相手に与えるような奴だった。
襟首をつかもうとする手を払いのけたアイツは、そのまま一発、運動部のやつに入れた。
不意を突いたということもあってか、拳はまるで吸い込まれるように、本当に綺麗に相手の顔にめり込んでいった。
運動部のやつが一発で悶絶してからは、乱闘だった。
状況を察した連中がすぐさまアイツを袋だたきにするべく集まって。
アイツはそれをたった一人で相手にしていた。
乱闘は、6時限目と帰りのHRの狭間の、眠気と人いきれで現実感を欠いた教室の空気を完全に払拭した。
突然に始まった異常事態に、半ば恐慌状態に陥りながら、なるべく教室の遠い位置に離れようとするクラスメイトの環視。
その前で、アイツはたった一人で三人を相手にしていた。
左に一発もらいながらも、それ以上のものをキッチリ相手側全員に返していたのだ。
結局喧嘩が終わったのは、先ほど教室を出て行ったばかりの六時限目の担当を含め、数人の先生がやってきてからだった。
教員がやってきたのに気づいたアイツが、手を引いた事で喧嘩が収まったのは、すでにその時にはアイツが優位に立っていたからこそだった。
その後は連中とアイツ、両方に担任や学年主任による聴取が続いた。
当事者でない俺たちは、教室内での喧嘩というショックから抜けきれないまま、ホームルームを迎えることとなった。
ホームルーム中は、ヒソヒソとした話し声が絶えなかったが、担任はあえてそれを見逃していた。
俺はというと、ホームルーム後にアイツの一番親しい人間として聴取の場に呼び出され、
やはり同じ理由から、忙しい保健医に代わって比較的怪我の軽いアイツの応急処置を任されたというわけである。
・
・
・
・
・
・
「じゃあ、俺はこれで帰るけど、お前はどうすんの?一緒に帰る?」
帰ってきた保健医に診察されて、『怪我は全く問題なし。服は親に直してもらいな・・・え?自分で?できるの?
・・・・・・・親にやってもらいなさい。悪いことは言わないから』と診断を下されたアイツに、俺はそう問いかけた。
すでに外は暗くなり、保健室は(『電気つけなさい。目、悪くするわよ?』と言いながら)保険医がつけた電気の光に満ちている。
アイツはその下で、まだ丸椅子に腰を下ろしたままで膝に両手をついていた。
俺はその脇で、主のいない保健室のデスクに尻をのせる形でもたれかかり、腕を組んでいる。
「・・・・・・・・いや・・・俺はいいよ」
ややあって、答えが返ってきた。
廊下ではもうすぐ学校を閉めるから帰るように、と言った趣旨のアナウンスが響いている。
遠雷にも似た隔たりを感じさせる音が、保健室にも届いてきた。
そんな中でゆっくりと顔をあげてこちらを見たアイツは、軽く笑っている。
どこか、困ったような、額にシワを寄せた表情で。
―――――それは、妙にツンとくる薬品の匂いが強い、ありきたりな保健室での、ありきたりな日常の会話だった。
◇ ◇ ◇
この一件以来、通訳に同僚と呼ばれている少年へのイジメは、収束していった。
そもそもイジメとは、原則的にイジめる側にリスクがないことが前提となる。
相手が完全に無抵抗であり、その行動も罪に問われない。行う側には一切の痛みや覚悟を伴わないからこそのイジメである。
故に、暴力により、はっきりと相手に、イジメ続ける事への危険性を感じさせた同僚は、最早その対象になり得なかった。
実際にはその後も相手側とは険悪な雰囲気が続いていたものの、その他の人間の態度は、およそイジメが始まる以前の状態へと戻っていた。
それまでクラスメイトが相手側グループの命令や、それによって出来上がった排斥や迫害の空気に従っていたのも、
ひとえに自分たちが、『同僚のように』なることへの恐怖からだった。
しかしそこに『同僚に手を出した運動部のクラスメイトのように』なることへの恐怖が新たに生まれてしまった。
以前のように何の気兼ねも抵抗もなく『無視・迫害』の命令に従うのは難しくなっていき、
それにつれてクラス全体の雰囲気も、同僚に対して軟化していったという訳である。
喧嘩によって抱いた同僚自身への恐れや、クラス全体の態度の変化によって、相手側の攻撃の程度は目に見えて緩やかになっていった。
せいぜいが仲間内で陰口を言うくらいの、それも同僚に対しては必ず委縮してしまうような中での。
一連の問題の発端となった、彼等の不良行為も同僚の前では行われなくなっていた。
それは誰がどう見ても、問題の解決にして終息であり、正常な日常の再開でもあった。
帰ってきた代わり映えのない日常の連続は、やがて彼のクラスメイト達の心から、事件の存在を記憶の隅へと押しやっていった。
まったき正常な事件以前と同様の毎日が続いていた。
同僚と、その親しい間柄の人間達を除いて、ではあったが。
◇
同僚の内心をうかがい知ることは出来ない。
『あの頃』から変わらない、気難しい表情が顔に張り付いているのが見えるだけだ。
それは呼び出されたことに対する不満の表出か、或いは常として変わることのない同僚本来の貌なのか。
男にはうかがい知ることは出来ない。
ただじっと、学ランの黒い袖を組んでこちらに対している、同僚の鋭い視線を受け止めるしかなかった。
右手には、そびえる様なA棟の壁。左手に植え込みとフェンス、その向こうに人通りの少ない道路をはさんで立ち並ぶ家々の玄関。
同僚を人目につかないこの場所に呼び出した明確な理由はなかった。
ただ、奇妙な胸のざわめきが男を知らず突き動かしていた。
ざわめきの正体に男が気づくことはない。
この説得によって、或いは二人の関係は修復不可能になってしまうかもしれない、という懸念を自らのうちに認めることも叶わなかった。
それほど、男の心を覆う、全身が萎え凍りついてしまうような恐怖は強かった。
大切な友人が、自分達から離れていってしまう、という恐怖は。
「―――――ッ…」
唾を飲み込むと、嚥下の音が男の予想していたよりも大きく響いた。
この日は気候は、去年の暮れからこっち、ほとんど毎日続いていた酷寒を忘れたかのような暖かさだった。
天気予報では三月下旬並みと言っていたが、冬の鋭角さが一切失われた、包み込んでくるような柔らかさの空気は、四月中旬と言っても通じたかもしれない。
そんな暖かい日の、気温がもっともあがる昼下がりにも、彼らのいるA棟とフェンスの狭間の道には影が落ちて真冬の空気が保たれていた。
開いた掌を握ろうとしたが、かじかんでうまく動かない。
その事実を認識したことで、体感温度が数度下がった。
体温の低下は、全身の気力を奪ってくる。そうでなくとも目の前にいる相手に関するときは、常に心に暗い影が落ちてしまうというのに。
男は、同僚を呼び出す際に前もってしっかり呼び出す場所を決めず、慌てて場当たり的に決めてしまった過去の自分を恨みつつ、口を開いた。
「―――なあ、やっぱ無理か?旅行・・・」
言葉に同僚が顔をあげる。
その背後のずっと向こう側には飼育小屋の影が。さらにその背景に、形のはっきりとした雲が青地に流れているのが見えた。
「ああ、この前いったろ?俺は行かないって」
「うん、けど・・・」
「別に良いだろ?俺がいなくても。男友達と楽しんでくればいいじゃないか」
「ぅや、、、そ、そりゃそうだけどさ、それとこれとは別っていうか、なんつーか・・・・・・・・・お前にも来て欲しいんだよっ。俺は」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「悪い。いけない」
ごく短く、けれど、これ以上ないほどはっきりと明確に。
呼び出された同僚は、呼び出した男の誘いに答えを返した。
男の喉で再び唾液が嚥下される。
男たちの間で旅行の話が持ち上がったのは、年が明けてからだった。
休み明けに久々に顔を合わせた級友達と、冬休みの思い出談義に花を咲かせる中で、誰からともなく旅行の話が挙がっていたのだ。
正月麻雀でお年玉を、従兄や友人からしこたまかっさらわれ、無一文のはずの男友が何故か率先して推した結果、
旅行はなし崩し的に実行する運びとなっていった。
「やっぱあれなのか?中学の時のこと・・・まだ引きずって・・・る?」
「―――・・・・・・・・」
男が同僚を旅行に誘ったのは、それによってあわよくば、かつての関係に戻れないかと考えたからだった。
あの一件以来、同僚へのイジメは収束しクラスは元の状態へと戻って行った。
けれど、それは部外者からの視点であって、男や同僚にとっては全く元の鞘、というわけではなかった。
むしろ、決定的に何かが変わってしまった、というのが男の感想に他ならない。
「・・・・・・心配なんだ」
「・・・・・・・」
「・・・・・・お前さ、あの時からずっと俺らのこと、避けてるだろ・・・・・・」
「そうだな・・・」
「わかるだろ?
こんな・・・・・・訳のわからないまま切れるなんて嫌なんだよ。せめて理由は知りたい」
言いながら、男は自分の心がひきつっていくのを感じた。
外側の寒さと内側の寒さが合わさって、泣きたくなるような気がゾワゾワと広がる。
もちろん、涙を押し殺す事は簡単だったし、視線はしっかりと目の前の友人に向けていた。
そうやって意識を集中しているはずなのに、なぜか、耳には校舎のざわめきや敷地の反対側に近い大通りを通る車の音が入り込んでくる。
それに反抗するような調子で、さらに視線の意識を強めると、目の前の友人の輪郭が次第に揺らいでいくような錯覚を覚えた。
先程からの受け答えの中で、微妙に表情を変化させながらも、眉間の皺だけはずっと消えない同僚が、
着ている制服ごと空気に溶け去っていく幻視をしてしまう。
あの一件以来、同僚は男や他の人間と距離を取るようになっていた。
もともと寡黙な質であり、人が大勢いる中ではどうしても浮いてしまうな性格をしていたから、馴染みの薄い者には何も変わったようには見えなかっただろう。
誰からでも分かるような違いが同僚に生まれたわけではなかった。
クラスの人間と全く口を利かなくなるとか。学校に来なくなるとか。
そんな分かりやすい変化は無くて、あくまで以前と変わらず、それなりに学校生活に溶け込んでいた。
けれど男のように、同僚と多少なりとでも付き合いのあった人間は誰でも、少なからぬ違和感を感じていた。
以前なら、遊びに誘えば大抵は付いてきたのが、なにかと理由をつけて断るようになったり。
学校でも、昼食の誘いや班決めの時は一緒になっていた仲間内から、ぽっかりと同僚の姿が消えていたりと。
つまりは誰かと一緒に行動するような事が、極めて少なくなっていったのだ。
それはまるで、自分からそうなるように仕向けているような――――少なくとも男にはそんな風に思えてならなかった。
そうやっているうちに、特に親しくなかった人間は同僚の事を気にかけなくなり忘れていった。
友人と言えるような者達もまた、にべもない同僚の事を持て余しかねてあまり話題にしなくなった。
その事に触れるのがタブーのような雰囲気が仲間内で生まれていったのだ。
そうして同僚はクラスの中で孤立していく。
以前の、クラス全体がイジメの一環としてやっていたモノとは全く別種の、表面上ではうまく付き合っているようでいて、その実、特定の人間との親密な付き合いが全くなくなってしまったタイプの『孤立』だった。
それは彼等の卒業まで続き、高校に上がった今尚、同じ形で同僚は孤立していた。
男にはそれがずっと気がかりだった。
イジメから喧嘩、その一連の事件によって、同僚の中で何かが変わってしまった事は彼にも分かった。
けど、それでなんで、誰もかれも避けようとするのか、男には理解できなかった。
もう事件は解決したはずなのに。
同僚が気にかけるような事はほとんどなくなったし、イジメが行われていた最中だって、
学校の外では昔と変わらず親しくしていたはずだったのに。
なのに同僚は、男を含めた周囲の人間を避けるようになっていった。
同僚の周りに見えない壁が出来て、さらにそれを同僚自身が常に修理・補強しているかのようだった。
確実に時間と比例して、同僚の周囲から人が消えていくのを見て、男は心を痛めていた。
最終的に孤立しても、男だけは何とか一緒にいようとしていた。
けれどそんな努力に心を動かされることもなく、今もなお男が近づけば同僚は出来る限り離れようとしている。
それでも男が諦めないのは、同僚に対する古くからの友人としての繋がりだけでなく、ある種の罪悪感も働いての事だった。
結局、自分もまた友人のような顔をしていながら、同僚のイジメに加担していたのだ。
攻撃的な行動に移ってはいなくとも、あの状況下ではっきりとクラス全体に異を唱えなかったのは、イジメを容認していた事に他ならない。
本当に友人だと思っていたなら、例え自分もイジメられる側に周っても同僚の味方に付かなければならなかった。
それをしないで同僚自身が自分の身一つで立ち向かうまで、ずっと放置していた。
たった一人で数人を相手にする友人の姿によって、それがとても『かっこ悪い』事だったのだと男は気づいた。いや、気づかされた。
だから、なぜ同僚が誰も彼も拒絶してしまうのかの明確な答えはなくとも、自分には同僚を友人の輪の中に戻す義務があると感じていた。
それが何一つしなかった自分の、罪滅ぼしだと考えてこれまでずっと、どれだけ無碍に拒絶されても友人として接しようとしていたのだ。
うああああああ!!!!!!!!
ごめん。なんでもない。今日はここまで。
_子「ん、食用か。どうしたそんな所で?
食用「ひっ、、、、い、いえ・・・あの、その・・・」
_子「ん?どうした?そんな震えてww何も取って食おうってわけ
食用「取って食ってください!わたしっおいしい非常食に加工されますからっ!」
_子「うん?・・・ん?」
肉食「むう?」
男「どうした?肉食?」
肉食「・・・新ジャンル「食用」・・・捕獲レベル−5・・?マイナスって何よ?」
男「っていうか捕獲レベルってなによ?」
ごめん。やっぱ今日はここまで。大日本黒髪党員殺気絵師のサイトの_子に当てられて出しちゃう俺はなんとやら。あと食用かわいいよ食用。
未だ同僚ははっきりと人間を拒絶し続けている。
これまでの男の行動も虚しく、同僚はずっと独りだった。
――――――きっとこのままでは、同僚は帰ってこれなくなってしまう。
そんな男の悲痛な思いも通じないのか、これまでも度々話をして、変わってしまった原因を突き止めようとしても効果はあがらなかった。
どうしても、核心に触れようとすると同僚は『別に・・・お前には関係ないだろ。』と言って話をはぐらかすか、立ち去ってしまう。
男も男で、イジメを止めなかったという負い目があるため、それ以上無理に引き止めて追及することもできない。
そんな風にしてズルズルと流れ、時は年単位を数えるようになってしまった。
疲れていた。
男は少しづつだけど疲れはじめていた。
心を読めない以上、同僚が男や親しかった人間まで拒絶する本当の理由は分からない。
イジメに加担はしなくとも止めなかったのを憎んでいるのか。これはその制裁のつもりなのか。
あまり考えないようにしていたはずの推測が、最近では特に心に浮かぶようになっていた。
そんな中である日、同僚が人を拒絶するようになって、自分が同僚を何とかしようと考えて、もう何年も経っていることに気づいてしまった。
同時に邪まな推測ばかりが頭に浮かんでしまうのは、自分が疲れているからだとも悟ってしまった。
だから、ここで終わらせたかった。
今までは罪悪感から、なかなか踏み込んだところまで聞けなかった。
けれどここで終わらせるためにも、同僚を旅行に誘い、その先ではっきりと相手を逃がさず自分も逃げずに、
真っ向から話し合ってみようと考えていた。
旅行先と言う普段とは違う場所でなら、もしかしたら―――本当にあらゆる意味でもしかしたら何とかなるかもしれないと思っていた。
今回、旅行の話があがった時男の頭をかすめ、計画が具体的になっていくのに合わせて、はっきりとした物になっていった考えがそれだった。
何としてでも男は、同僚を、旅行に連れ出すつもりだった。
多分、いずれ自分も周囲の人間と同様に、同僚から興味を失くして離れて行ってしまうに違いない。
最近の疲れからくる邪推がその証拠だ。
その前になんとしてでも・・・・・・
小学生の頃から、ずっと付き合っていた友人を失くしてしまう。それも、自分から失くしてしまう。
それは、泣きたくなるほどに寂しい、指先が凍えて動かなくなり、手足や体の芯まで凍りついてしまいそうなほど恐怖だった。
小さい頃から自分の生活の一部にあった人間が離れて、やがて忘れてしまう。それはもしかしたら死ぬよりも怖い事なのかも知れない。
男は、今回の計画は絶対にやり遂げるつもりだった。同僚の心を氷解させるつもりだった。
―――――なのに
―――――その『友人』は
「今日はやけに絡むな。」
『せめて理由はしりたい』
男の言葉に、しばらくの間沈黙した同僚は、やがて視線を外してそう返す。
返事は、先ほどまで少しずつ重苦しさを増していた空気を払拭するような、微妙な軽さを含んでいた。
以前からの経験で、男にはそれが何を意味するかが分かっていた。
こうやって軽い感じに持っていき『今日は用事があるから』なんて言って、話をうやむやにしてしまう。それがいつものパターンだった。
呼び出したのが昼休みも終りに近い頃という事もあって、今回は『授業が近い』なんて話を口実に切り抜けようとするに違いない。
そうはさせじと決意をはらんで、男は少し低い声を出す。指や手足は冷えているのに、顔は火照っている奇妙な感覚の中で。
「ああ。今回の旅行は何が何でも来てもらう。それで、話してもらいたい。なんで俺達のこと、避けるのか」
「男友とかの前でか?」
「あ、いや・・・まあ、俺と二人で、どっか人目に付かない所で。」
「気恥しいね」
「そんなことあるかよ。とにかく今回は来てもらうからな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌だと言ったら?」
「嫌でもだよ」
「本気なんだな。」
「ああ。本気だ。」
「俺が――――――――お前にどんな態度で当たってるか、解ってんだろ?
クラスの中でどんな風に思われてるのかも。それでも誘うのかよ?」
「ああ。お前がどんなんだろうと、俺には関係ない。
俺はお前と・・・・・・また昔みたいに一緒に遊んだり、どっか行ったりしたい。
その為なら、今、お前にどんな風に思われたって構わない。」
男の様子が普段と違う事に、同僚も気づいたらしかった。
話が続く中で、口調から軽さは静かに消えていき、再び重さを取り戻していった。
男の決意は、功を奏したと言ってもいいだろう。
相手の視線もそっぽを向いていたのが――具体的にはフェンスの方に顔を向けて、後ろを見るような感じ――だんだんとこちらを見据える形になっていく。
ついにはお互いの視線は、はっきりと交錯していた。
小型のトラックがフェンスの向こうの道を、エンジンを唸らせて通り過ぎていった。
それによるエンジン音と巻き起こった風で、二人の耳は暫しの騒音に閉ざされ、会話も一瞬止まった。
「俺は・・・・・・・―――――――難しいな。やっぱり・・・・・・・
昔みたいに、なんて難しい。無理だよ。
旅行はお前達だけ行ってこいよ。やっぱ俺はいい。」
ややあって、同僚は少し苦しそうな声で返してきた。
眉間に皺をよせた表情は相変わらずだったけど、それはどこか困ったような表情にも見える。
けれど同僚の相も変らぬ答えに、気を落としながらも譲るつもりのない男には、その裏にある物はわからなかった。
その後の、触れてはいけない琴線をわきまえない彼の言葉は、ある意味で決定的だった。
「なあ・・・・・・お前の気持ちもわかるよ。わかるけどさ・・・・・・お前のためにも良くないだろ?このまま一人でいいのかよ?」
「 ッ
―――――お前に、俺の何が分かるって言うんだ?」
いつも、突然に火のつくような奴だった。
それを解っていた筈の男だったけど、避けることはできなかった。
目の前の少年は、明らかに先程まで見せていた、男の決意に対する理解と歩み寄りを失っていた。
怒りを顕わにしている、という訳ではなかったが、その口調にはいつも以上の人を拒絶する冷たさが含まれている。
『自分の何がわかるんだ』なんて月並みな子供っぽい表現も、刺すような視線と重苦しい口調で言われると、笑い飛ばすことができない。
男は自分が何かへまをやらかしたことに気づき、『ウッ』と漏らした。体中の凍えが一斉にざわめきだしたのを知覚する。
何か良くない事が起こるのを、半ば本能で理解してしまった。
「ゃ、だからさ・・・・・・」
「お前さ、『俺のため』とか言ってるけど、結局お前が連れてきたいんだろ?俺はいいって言ってんのに。無理矢理連れてって。」
「う・・・・」
「白けんのわかってるだろ?皆に迷惑かけてまでやりたい事なのかよ?」
「あ、あたり前だろっ、、、、そ、、、そんなの決まっ」
「だいたい今やってるのってよ、お前が単に傷つきたくないから俺の事に構ってんだろ?
どうせ『自分がイジメを止めなかったせいでこうなった』とか思って、元に戻そうとしてんだろ。
別にお前の所為じゃねーし。俺は独りになりたくてなってんだよ。」
触れてはいけない場所をわきまえていなかったのは、同僚も同じことであった。
彼が口にした事は正鵠を得ていた。
得てはいたが、ズバリ男の心中を言い当ててしまったのは、この対話においては効果的、どころか逆効果以外の何者でもなかった。
男の心にまだ僅かに残っていた『余裕』は、この言葉で波に砂がさらわれるがごとく無力なさまで消え去っていった。
「そ、そうだよ!だからどうしたって言うんだよ!!
お前・・・・・・このままだと・・・・・・本当に独りぼっちになるんだぞ!!?」
「いいよ・・・」
「―――――――え?」
「もういいよ。俺の事はさ。気にしなくていい。ほっといていいよ。だから、もう、気にしなくて、いい」
「なに言っ」
「俺は、独りでいいから」
「なんだよ・・・・・それ・・・・」
今までの二人の激しい会話が嘘のように、校舎内のざわめきにかき消されそうなほど、ボソリと放たれた言葉は、男の全身を震わせた。
最後通牒という言葉がある。
仮に当てはめるとすれば、この場が最もふさわしいに違いない。
男にはそう思えた。
何故って――――――
「そうかよ・・・・・・」
この会話は、もう――――同僚と自分の間に交わされる最後の物なんだから。
「じゃあ、いいよ。俺も・・・・・もう、なにもしない」
―――――――泣いているみたいな声で恥ずかしいな。
そんな、どうでも良い思考が何故か湧いてくる。
はっきりと自分も拒絶してみると、意外にも頭が冴えていくような気がした。
まるで、ここで起こっていることが、フィルムの向こう側の世界の様に、現実感を欠いた視線が急速に強まっていく。
ここにいる自分と言葉をしゃべる自分が別々の存在になっていく様な。
そんな感覚が、何故か気に入らなくて、最後に男は怒鳴ることにした。
こんな事になってしまったのも、結局のところ、同僚のせいなのだ。最後に、こうやって怒鳴ることぐらい許されるはずだ。
「このっ――――――――――大馬鹿野郎がっっ!!」
「ああ・・・・」
怒声に同僚は静かに応えた。
その表情は、うかがい知れない。
男は大声を出したことを少し後悔していた。
確かに、大きな声を出すのは自分の本意だったけど、
『予期せず第三者に聞かれる』のは、やっぱり恥しいものだったから。
むしろ、この現場をみられてしまった後悔の方が怒鳴ったことよりも気まずかった。
こんなに人気のないところだからこそ、ここまで込み入った話ができたというのに。
◇
同僚は、怪訝に思った。
さっきまでブルブルと震えながら真剣な表情をしていたはずの男が、今は何故かハトが豆鉄砲を食らったような、奇妙な驚きを顔に浮かべている。
ややあって、彼は自らの背後に誰かが現れたのだという事に思い到った。
振り返った同僚は、ほんの少し眉をひそめる。
「通訳・・・・・」
長髪で、どこか人形めいた顔だちをした彼等の知り合いは、今しがたの男の怒声に明らかに動揺しているように見えた。
普段はどこか無機質さを漂わせているその瞳も、今は予期せぬ修羅場に、若干の熱を帯びていた。
ニートは昼間からオナニー小説が書けていいですね
◇ ◇ ◇
読んで・・・・・・しまった。
男さんの心―――同僚君がこんな風になってしまったきっかけも、それに対する男さんの気持ちも・・・
心の読める私には、男さんから否応なしに流れ込んでくる。
この前、放課後の昇降口で、飼育委員の仕事を終えた同僚君を引き止め、話をしていた男さん。
その時に彼から感じた、暗く沈んだ感情と罪悪感めいたモノ。
そして、私を少しだけ驚かせた、男さんにも心の中に読めない部分があるという事実。
心が読めないのは本人が誰にも知られたくない、と強く思っているからだ。
同僚君の場合は、その想いが極端に強いからほとんど読めないけど、人付き合いが良く誰とでも訳隔てなく接する男さんなんかは、実にクリアに心の中を覗ける。
そんな彼が唯一ひた隠しに、誰にも知られないよう心の底に沈めていたはずの記憶は、偶然にも私の知るところとなってしまった。
それは、
たまたま私がこの時間にこの場所を通りがかったが為に
たまたま男さんがこの時間この場所に同僚さんを呼び出したが故に
本当に、誰も意図していない、泣きたいほどの『偶然』が重なった結果として男さんが知られたくない事を、私は知ってしまったのだった。
「通訳・・・・・」
私が現れたことで男さんが少し動揺し、その変化を感じ取った同僚君もこちらを振り向いてきた。
同僚君は少し眉をひそめながら、私の通称を口にする。
先ほどまで殺伐とした会話をしていた為か、さしもの同僚君も、私の読心を拒絶しきれないみたいだった。
確かに中学時代の二人に起こった出来事や、それ以降の変化といった細かい出来事は男さん側の視点でしかわからなかった。
同僚君の心はそういった部分に関しては相変わらず、鉄壁といえるほどの頑なさである。
けど、それでも同僚君からは、『先ほどまでの顛末』と『思いがけない人物の登場』による動揺が確かに伝わってきた。
それは、彼の向こう側で立ちすくむ男さんと比べれば、空気の澄んだ冬の空と夏場の霧の夜ほどの違いはあったけど。
「・・・・・・・・じゃあな。」
「あ・・・」
そうやって、私達、飼育委員どうしが視線を交わしたまま静止していると、不意に声がかかる。
――――男さんは、踵を返してその場を去ろうとしていた
私は短く声を漏らす。
男さんはそれに、一瞬こちらを見たが、すぐまた背を向けて歩みだした。
彼の行動は本当に突然で、突然現れた私に目をやっていたさっきまでが、嘘のような無関心さだった。
私と同僚君は彼の言葉で、同時ににお互いに向けていた視線を男さんへと移していた。
校内のバレンタインデー熱を冷まして余りあるような、冷たい冬の空気に満たされたA棟の影。
その先にある日の当たる校舎の角へ向かって、ビロードの様に真っ直ぐ伸びていくアスファルトの道を男さんはスタスタと進んでいく。
途中にあるマンホールを頓着なく踏み越えて、やがて光がさして明るくなっている場所へ出るとこちらを一瞥することもなく曲がって消えていった。
私達は、彼が消えた後も視線の向きを変えずに、今まで男さんが歩いていた道を見ていた。
見つめることも、睨むこともせず、ただ意味もなくそこにある空間を『見て』いた。
立ち位置の都合上、私の視界には同僚君の背中が入っている。
彼の心の中は、既にほとんど読めなくなっていて、何を思ってそちらを見続けているのかはわからない。
私の目には、冷えきってガランと空虚に映るA棟脇の空間が、彼にはどう見えているのだろう?
先程、飼育小屋へ向かう前に一度通った際、ここで通訳をしたけれど、その時とは全く印象を変えてしまったこの空間を見て、彼は何を思っているのだろう?
さっきまでの男さんの記憶と感情は、ほんの一瞬で私がすべてを理解してしまうほど強かった。
事実、私が実際に聞いたのは男さんが『大馬鹿野郎』と叫ぶ所だけだ。
たまたま通りがかったに過ぎない私が、事の顛末を理解して、且つその際の男さんの心の動きまでも見えてしまった。
それ程、あの怒号には多くのモノが含まれていた。
あれほど強く複雑な感情はそうそう感じられるモノではない。
中学時代の忌まわしい記憶に始まり、
理由も定かではない同僚君の変化に対する戸惑いと苦しみ、
イジメを止めようともしなかった自分への罪悪感。
どれほど時が経っても修復されない関係への疲労。
それを跳ね除けてでも何とかしたい想い。
何としてでも旅行に連れて行く。
そこですべて終わらせるという決意。
そして、そんな彼の決意さえも無意味に終わらせてしまう現実の理不尽さ。
それに対する深い深い絶望と憤り。
人間の心が複雑な理由の一つに、本心を直接伝えると摩擦が生じてしまう、といったことがある。
だから、そうそう人間の言動は本心と一致したりしない。
私も含めて、誰だって意味もなく人とぶつかり合うのは嫌なのだ。
男さんもその例に漏れない。どころか彼は、人一倍その傾向が強いように思う。
割とクラスの中で親しまれてるのは、そういう所があるからなのだろう。
彼が自分の意見をはっきり言ってる所は、あまり見たことがない。
そんな男さんが今回だけは、自分の意見を無理にでも押し通そうとしていた。
傷つくのも摩擦が起きるのも、ほとんど気にしていないようだった。
それは・・・どれほどの決意だったんだろう?
私に同じ事ができるかと聞かれれば・・・・・・・・・・・・・・難しいに違いない。
それなのに、同僚君は、そんなことはお構いなしに、まるで何時もと変わらない調子で跳ね除けてしまった。
男さんの心には耐え難いほどの、胸を焼くような、臓腑を無理矢理下に引っ張られるような苦しみが満ちていた。
ぶつかり合うことも覚悟で、傷だらけになることも覚悟で、勝負に出たはずなのに、現実は戦うことさえ許してくれない。
最後の最後、去り際の彼から感じたのは、紛れもない『諦め』だった。
友を助けるために走って、走って、走り続けて。
襲い来る障害を半ば命を賭して乗り越えはしたけれど、総身萎え精も根も尽き果て、そして道半ばで全て投げ出してしまう。
吐き出すことも吸うことも許されなかった呼吸を、深々と行った瞬間にも似た、重荷から解き離れた開放感。
それと、胸の奥をかすかにチクチクと刺激し続ける幻のような罪悪感。
私はそんな男さんの強い心の動きを認識しながら、現代文の授業でやった太宰治の小説の事を思い出していた。
確か二学期の半ば、文化祭に前後してやった所だ。
男さんの心の動きが走れメロスのとある一説に似ていて、そこから連想したためだった。
―――私は、通訳は、男さんがあんなにもがき苦しんでいる事を知りながら、なんの感慨も抱いてはいなかった。
彼の想いも苦悩も決意も放棄もなにもかも。
何もかも私の中を素通りするだけの心理的反応に過ぎない。それ以上の事は何もなかった。
『通訳』にとっては、それが普通だった。
心を読めるから、人のいろいろな感情が伝わってくる。
それにいちいち同調していると、気が狂ってしまう。
そうしなけらばきっと、感情の波に翻弄され続けて、今現在まともな人生を送れていたかも怪しい。
あくまで一歩置いた距離から。
なるべくその気持ちに染まらないように。
そう心がけてきた積み重ねが今の私だった。
誰かの強い心の動きを『読む』ことはできても、『共感』はできない。
男さんの悲痛な叫びだってどこか遠い国、もっと言うならフィクションを見るみたいに現実味を感じない。
それでよかったはずだった。
―――なのに今、私はこう考えている・・・・・・
『男さんがこれほど苦しんでいるのに私は・・・・・・
友人が苦しんでいれば、人は誰でも心を動かすものなのに・・・・・・
私は心を動かせない・・・・・・・
動かせないから私は・・・動かさせる普通の人とわかりあうことなんて出来ない。』
なんでこんなに私は思い悩んでいるんだろう?
こんな事で、私が心を動かすのはおかしいのに。嫌なのに。感情があることがこんなに辛いなんて。
事実を拒絶しようとすればするほど、反対に自分の体の内が冷えていく感覚は強まっていく。
それが嫌でたまらなくて、体全体を両腕で抱いてみる。
ここに来るまでは確かに熱を帯びていたはずの両手が、冷たい氷のようになっていた。
ヒヤリとした感触をセーラー服の腕の上から感じながら、私は両手に力をこめる。
なのに私を覆う寂しさは、その行動をあざ笑うかのように内部にとどまり続けている。
「この気持ちは―――――何なんだろう?」
知らず、口にしていた。
そこで初めて自分が酷くイライラしているのに気がつく。
こんな、カッとするような気持ちは滅多に抱かないはずなのに・・・・・口に出してしまうなんて・・・・・・まだ、同僚君がここにいるというのに。
そう思って、彼の方に目をやった。
なんだか、ずいぶん久しぶりの行動のような気がする。
ついさっきも、そうやって視線を交わしていたはずなのに。
「・・・・・・・・・・・・」
同僚君は、私が苛立たしげに呟いた事に少し驚いてるみたいだった。
眉間のしわが少しだけ薄くなっている。
相変わらず無言だったけど、それでも表情の変化くらいは読み取れた。
左右に揺れ動く視線は、急ぎながらも何かを待ち続けている為に、そこから動けないかのように見えた。
「あの―――・・・・・そろそろ時間ですので、私はこれで」
「ん?―――あ、ああ、、そ、そうだな」
どうも急いでいたのは、もうすぐ授業が始まるのからのようだった。
ただ、あまりに気まずい現場を、あまり見られたくないような人物に見られた、という事実にまるで無頓着でもいられなかったという訳だ。
男さんが去った事で一応は用事が終わったからといって、
それで「はいさようなら」と言える気分にはなれず、なにかしら上手くその場を去る口実を探していたらしい。
そんな事が察せられたので、私は彼にきっかけを与えてみた。
案の定、同僚君はあまり変化しない表情の裏側でホッとしていた。
「それじゃ、」
彼はそう言って、男さんが辿ったのと同じ、A棟のクリーム色にコーティングされたコンクリート壁の脇を、一歩一歩確かな足取りで踏み出していた。
けれど、それは、どこか影を感じさせる歩き方でもあった。
なぜだか今にも折れてしまいそうな茎のような弱さを連想させる。
そうやって、じっと見つめていると、ふと彼が立ち止まってチラリとこちらを見た。
彼はいつもやっているように、片手を上げて別れの挨拶とした。
私はそれにぼんやりと返しながら、彼の心から何かが流れ込んでくるのを感じて――――――
!!!!!!!!
――――――――――――――・・・・・・・・・・・・・
嘘・・・です。
こんな事・・・・・・・嘘・・・・です。
こんな・・・・・・・・・
私は、いつの間にか、自分でも知らないうちに同僚君の心を読んでいた。
信じられない話だけど、いつも、どれだけ意識を集中してみても、ほんの上辺だけしか読めない彼の心が。
寝起きのぼんやりとした頭にかかる靄のように定かでないはずの彼の感情が今は、
コーヒーか栄養ドリンクを飲んだ後のように冴え渡って理解できた。
けど、そんな事、今の私にはたいした問題じゃない。
なんで同僚君の心が読めたかなんて、本当にどうでもいい話だった。
『彼が私と同じ気持ちだった』という事実に比べれば。些事に他ならない。
同僚君の心にあったのは、凍りつくような寂しさと『普通』の人への距離感だった。
彼は、世界全体を敵に回しても何も変わらないと私が思っていた、飼育委員の同僚の彼は。
私がさっきまで感じていたのと、全く同じ感情を抱えていたのだ。
『あの、彼は、虎吉も『もうちょっと仲良くしてほしい。二人は似た者同士なんだから・・・』と言っております』
どこか、恐らくは世界の果てに程近いところで、五時限目の開始を知らせるチャイムが鳴り響いていた。
けれど私は焦りをほとんど感じない。
背中にはじっとりと汗がにじんでいて、小春日和の風にさらされながら急速に冷気を強めていった・・・・・・
この作者様(笑)のお陰で通訳が大嫌いになり、このスレにSSも書かなくなりますた^^
ときめも爆弾処理
男「最近オレが女の子に冷たいという噂が流れているらしい」
友「そうか」
男「というわけで、オレに対する女の子の評価を教えてくれ」
友「わかった。え〜と、女の子のおまえに対する評価は〜」
ツン (^o^)(爆) 荒……鷲? (^o^)(爆)
クー (^o^)(爆) 渡辺 (^o^)
ヒー (^o^)(爆) 佐藤 ( ´_ゝ`)
シュー (^q^) 俺 (*^^*)(爆)
誤殺 (^o^)(爆) 友 (^Д^)9m
友「こんな感じ」
男「……」
友「どうした?」
男「ツッコミ所はいくつかあるんだが、とりあえず一つ」
友「うん」
男「噂を流したのはおまえだな」
ワロタwwwwwwww
ときめもデート
男(今日はヒートと遊園地でデートだ)
ヒー「ごっめええええええん待ったああああああああ!!?」
男「今北産業」
男「それじゃ、行こうか」
ヒー「男おおおおおおおおお!! ジェットコースター乗ろう! ジェットコースター!」
男「おいおい、そんなに走ると転ぶぞ」
ヒー「ぐああああ!」ドテッ
男「言わんこっちゃない」
ヒー「痛いいいいいいいい!! 膝擦りむいたあああ! いぃぃぃたぁぁいいいいいいいい!!」
男「……」
助け起こす
静観する
→ 唾を吐きかける
男「ペッ」
ヒー「うおおおおお!? 男の唾が唇にっ! これはいわゆる間接キッスというヤツですかああああああ!?」
男(バッチリ、良い印象を与えたみたいだぞ)
きがくるっとるwww
99 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/06/14(土) 02:15:59 0
>>95 なんで「俺」に爆弾ついてんだよwwwww
100 :
ほんわか名無しさん@全板トナメ参戦中:2008/06/14(土) 02:18:17 O
(・∀・)
0『「通訳」残留』
わたしがまだ小さかかったころ、友だちとみんなでおままごとをしていました。
借り物、偽物、作り物。
そんなちっちゃな料理道具で遊ぶ事は、
小さなわたしにはとても退屈に感じます。
なめらかなプラスチックの黄色い果物をもてあそんでいたわたしは、
ほどなくしてお気に入りのその玩具を手に、友だちの輪からはずれていきました。
手のひらにほおを乗せてぼんやりとしていると先生がやってきて、
そのころは面白くてたまらなかった、友だちや先生の観察をしているわたしを抱きしめたのを記憶しています。
寂しかったでしょう?と先生は言いました。
わたしはそんなわけのわからない言葉なんかより
お腹のなかがゾワゾワしだしたのが気になって、先生の手から急いで抜け出しました。
―――みんなには先生が言っておくから、もう寂しがる必要はないのよ?
ほほえみながら先生は口にします。
わたしはその言葉の意味もわかりません。
だって彼女は、心の中とはぜんぜん違う事を言っていたのですから。
・
・
・
・
・
・
―――随分と昔のことを夢見ていた・・・・・・
朝、目が覚めて第一に、私はそんな事を思った。
ベッドの中。
敷布団と掛け布団の狭間は暖かくてとても快適で、攻撃的とさえ思える外気に出ることは全く無意味な事のように思えた。
なのに、なんで自分はここから出ないといけない、なんて思っているのだろう?
外の寒さに触れるのは辛いし、ずっとそうやっていれば気持も萎えてくるはずなのに。
こうやって温かい中でウトウトと、夢と現実の間を行き来してるのが一番幸福なはずなのに。
そんな考えから、私は羽毛の掛け布団を引きよせると、シーツとの間をピタッと塞ぎ外気を完全にシャットアウトした。
先ほどまで僅かに感じていた外の冷気が完全に締め出される。
それが何故だか、妙に嬉しくワクワクすることのように思えて、興が乗ってきた私は自分の全身を丸めてみた。
布団の中、ベッド上の閉ざされた空間で、胎児のように。
伸ばしていた脚を上半身のほうに持ってきて折り曲げる。ふとももを胸の方に、膝を顎の方に思いっきり引きよせ、それらを両の腕で抱きしめた。
背中も、足を包みこむようにして弧を描かせる。
全身がコンパクトに丸まった生後200ヵ月前後の胎児が完成した。
そんな体勢を続けること、およそ1分。
今日も学校があるのだと私は思い出した。
「――――うっんっ・・・・・」
手足を元の位置にほどいて体を起こすと、寝起きの髪がバラバラと顔にかかってきた。
掛け布団に腕を乗せて、視線はブラブラとベッドの範囲内を彷徨う。
5秒経過。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
パタリ、と言う軽い音と一緒に私は、ベッドの上に再び身を沈めた。
あと5分くらいまどろんだら、起きようと思う。
布団のなかに潜っていると、起きたばかりの先程には意識していなかった音が耳に入ってきた。
遠くの方で車が行きかうゴオゴオという空気の振動や、この寒いのにも関わらず元気に鳴き交わす鳥のさえずり。
それらを羽毛の布団の中で聞いていると、先程まで見ていた夢の内容が思い出される。
随分と、昔の事を夢見ていた物だった。
記憶も定かでないほど昔の事だ。
当時、保育園に通っていた私は、一人で遊ぶのが好きだった。
おままごとやごっこ遊びみたいな、皆がするような遊びは、その頃から人の心が読めた私にはまるで興味をそそられない物に映った。
それよりも私は、いろんな人の心を読みつつ行動を観察する、という遊びを良くやっていた。
思えば今の自分が、人の心の複雑さを好きになれないのとは対照的だった気もする。
同じ園児の子たちや先生。それから、ペンキで塗られた柵の向こうを行くいろんな人たち。
その種種雑多な感情と、そこから生じるいろんな反応は、ただ見ているだけでも本当に面白い遊びに思えた。
ある日、私がそうやっていると先生がやってきた。
先生は「大丈夫?仲間外れにされたのね?」と言って私を優しく抱きしめる。
抱きしめながらも彼女は、心の中で『寂しかったでしょう?』と言っていた。
その私の感情を決めつけるような心の言葉に、私は言い知れぬ反感を覚えた。
―――人を見る遊びはこんなに楽しいのに、なんで先生はそんな事を言うんだろう?
―――寂しいって一体何が寂しいって言うんだろう?
そんな、わき上がった衝動に突き動かされる形で、私は先生の腕の間から逃げ出す。
先生はどこか意表を突かれたような顔をしていたけど、すぐに優しい顔でほほ笑むと
「みんなには先生から言っておくから、もう寂しがる必要はないのよ?」
『変な子ね・・・そんなに一人が好きなのかしら?いつも一人でいるし・・・・何考えてるのか判らないわ・・・・』
と言う。
私は泣きだしてしまった。
先生は私と違って心が読めないから、私の楽しみも気持ちもわかってくれない。
わからないで、あんな勝手な事を言って、しかもそれをはっきりとは口に出さずに、思う事とは別の事を言ってくる。
私の事をわかってくれない先生が、なんだかとても腹立たしくて
なんで先生は、思っている事と口に出すことが全く違うのか、さっぱり分からなくて
心と言動が違う理由がわからないのと、先生に理解してもらえないのが、寂しくて、気に入らなくて
そんな想いにどんどん心が塗りつぶされていくうち、最後には何で自分は寂しくて腹立たしいのかさえも分からなってしまう。
幼い私にはそんな状況をやり過ごす上手い知恵なんて無くて、暗闇の中で四方八方から攻め立てられているような感覚に、
感情の許容量はあっという間に限界を迎えてしまった。
気がついたときには私は、大声で泣いていたのだった。
私が、人間をなんとなく好きになれない、と思うようになったのはその頃からだった気がする。
別にはっきりと嫌ったり憎んでるわけではなかったけど、昔から人の心の複雑さに反感を抱くことは度々あった。
ただ、それはあくまで一時の感情の変化に過ぎず、逆にそういった側面に好感を抱くことだって無くはなかった。
けれど、意識して『自分は複雑な所が好きになれない』と思うようになったのは、間違いなくその頃からだ。
・・・・・・そろそろ五分たった筈なので、起きあがることとする。
目を開いて上体を起こすと、閉じられたカーテンが薄く光っているのが見えた。
しばらくそうやってぼんやりと過ごし、やがて私はベッドから足をおろした。
あまり飾り気のない簡素なデザインの部屋を、同様に簡素なデザインの寝衣に包まれて横切り、ドアノブをまわして廊下に出る。
廊下は私の部屋を最奥として、右に窓、左に幾枚かの扉を抱えながら一階に降りる階段に至っている。
一歩踏み出すごとに裸足の地肌に、氷で出来ているのかと錯覚するほど冷たいフローリングが接触する。
そんななか、私は理由もなく左に並ぶ扉の内の一つを開けていた。扉の向こう側はトイレだったが、自分でも何故開けたのかよく分からない。
まだまだ意識が覚醒しきっていない事を自覚しながら、私はシャワーを浴びることに決めた。
冬なので、一歩間違うと風邪をひいてしまうから、外へ出る頃にはしっかりと乾いて火照りも収まっていなければいけない。
つまりは出来るだけ早くすませないといけないから、時間との勝負である。
9
バスの座席に深く身を沈めながら、私は目を閉じていた。
快晴の朝の光がまぶたを透過して、黒いはずの闇をおぼろげな白に変えている。
シャワーを含めた朝の支度を終え、こうやって学園行きのバスに乗り込んでも尚、私の意識はおぼろげなままだった。
通学に使っているバスが、利用者の少ない路線であるために大抵は閑散としていて、
通勤通学の時間帯でさえもこうして座席に空きがあるというのは、今の私には有難かった。
立っている人はいないけど、座席はほとんど埋まっているといった状態の車内には、丁度一人分の座席の空きがあり、私はそこに落ち着けた。
バス停に車両がやってきたときに、一人降りた人がいたけど、きっとそれまでその人が座っていたのだろう。
腰をおろした際、座席からはほんのりとした人肌の熱が感じられた。
知らない人のぬくもり、というのは普通はあまり良い気分はしない。
けれど綺麗に入れ替わる形で私が座った、という事を考えると、
座席を前の人から受け継いだみたいな気がして、薄い微かな嫌悪は相殺された。
体はバスの移動を伝えてくる。
目を閉じていて外の様子がわからなくても、角を曲がるたびに重力が働いてくる。右折なら左半身に。左折なら右半身といった具合に。
そんな風に揺られていると、時折バスは停止する。
停止するのは信号機が赤だったりバス停があったからだったり。
こういった市営のバスは、環境保護の観点からか、停車するときはエンジンも含めて完全に止まる。
先ほどまで恒常的に耳や体に届いていた空気の振動がピタリと止む。すると、車内は水を打ったような静けさに包まれる。
それはまるで、エンジンの振動や音だけでなく、空気も時間さえも止まってしまったかのようだった。
そんな奇妙な世界が、訪れては去り、またやってくる。
その繰り返しの何度目か。不意に、以前バスで眠ってしまった時に見た夢の記憶がよみがえってきた。
それはあの、今や私の頭の片隅にしっかりと根を張ってしまった一日。その終わりに見た夢。
奇妙なトラ吉の通訳。その日の終わりに、こことは別の路線で同僚君と出会った後に見た夢。
いつも、こうやって眠りに入るつもりで目を閉じると、起きている時には全く失念、忘却していた筈の記憶が頭に浮かんでくる。
脳の神経は網のようになっていて、近しい事象の記憶は神経回路でつながっているとかいう話だ。
なのできっと、似たような状況になることで、思い出せなかったコトが思い出させるのだろう。
特に、意識が形を成さなくなってくる『眠り』という状況では、記憶は鮮明な幻視となって再生された。
◇
夢の中では、私はまだ幼い頃の姿で、やっぱり同じ幼稚園生くらいの姿で同僚君も登場してきた。
彼の小さかったころなんて見た事はないのだけれど、そこはやっぱり夢らしく、私はなんの疑問も抱かない。
私たちは、その年頃の子達がするように、あまり意味のない遊びに興じていた。
大人には理解できないような、『おままごと』とか『おにごっこ』と言ったはっきりとした名称や形式の存在しない、二人の間だけで通じる愉しみ。
原っぱで元気に駆け回ったり、立ち止まって目に付いた動物や大人の真似をしてみたかと思うと、夢見る私にさえも全く意味のわからない言動を繰り返したり。
それは、ほほ笑ましい子供の姿そのものだった。
将来への不安も自分自身に対する疑問もない、幼い子供の幸せな一場面。
文字通り、『夢のような』光景だった。
◇
バスは、再び静止する。
夢の狭間から帰還すべく、私は重い瞼を押し上げた。
意識の半分が埋没していた幸せな夢想の世界は、春めいた柔らかい色彩もろともに消え去っていく。
見開いた目に映ったのはバス内にひしめき合って立つ、乗客の姿だった。
私が目を閉じている間に乗り込んできたのだろう。
私が車内に足を踏み入れたばかりの頃には、後ろの座席から、見ているだけで寒くなるような青空が、フロントガラスの向こう側にあるのが見通せた。
けれど今は、ベージュやエンジ色などの暖色系を中心としたコートが、森の木みたいに視界を遮っている。
通常、ほとんど人がいないこのバスであっても、通勤通学の時間帯には混雑は免れないのだ。
私は座席の中で少しだけたじろいで、膝の上の鞄や衣服の乱れを整えた。
バスの乗客は、満員という程ではないけれど、釣り革は全て誰かしらの手によって握られている。
だと言うのに、車内の空気は冷やりとしたモノを含んでいた。
バスは私が乗る前からヒーターを作動させていた筈だし、これだけの人がいれば車内は人いきれで満たされるはずなのに。
『おそらくは今年一番の冷え込みになる』と予報された一日の始まりは、暖房のきいた車内にまで沁みわたる様な冷気が満ちていた。
視線を、通路とは反対側に向けると同時にバスが発車した。
縁石のある歩道の先に見えていた、コンビニや住宅の塀はバスの速度に比例して輪郭を曖昧にしていき、遂には過ぎ去る色の幻影になってしまった。
窓には、こちらを見つめ返す少女が映る。黒のダッフルコートを羽織った上に、人形めいた顔が乗っていて、その瞳はどことなく虚ろだった。
「―――――――・・・・・・・・・・」
あれから・・・ずっと考えていた。
もしも、ずっと昔に同僚君と出会っていたなら、私達はあの夢の中のように、何かを憚ることのない関係でいられたのかも知れない。
彼と一緒にいる事に息苦しさなんて覚えない関係になれたのかも知れない。
同僚君は私と同じ寂しさを抱えていた。
自分は他人とは違うから、自分の考える事が他人には通じない。
自分が普通だと思っていることをやっても理解されずに変な目で見られてしまう。
それが、まるで自分だけ普通の人とは別の存在で、永劫に溶け込めない部分を含んでいるような。
ずっと一人なんだって言う、耐えられない程の寂しさを。
あの時の彼は確かに心に抱いていた。
「似ているって・・・そういうことですか?」
プツリと――――息だけで呟く。
トラ吉が言っていたのはこういう事なのだろうか?
私達が似ているのは、同じ寂しさを抱えているのだからなのだろうか?
でも、一体なんでだろう?
彼は、あの胃の締め付けられる寂しさは、やっぱり一人でいるから?
だったら何故、一人でいるのだろう?男さんがあんなにも必死になって説得しているのだから、それを受け入れればいいのに・・・・
なんで、あんなに冷たく跳ねのけるんだろう?
あんな男さんの決意を踏みにじるような酷い事をして、同僚君は一体何がしたかったのだろう?
考え始めると、疑問符で頭が埋め尽くされてしまう。
そもそも同僚君は、あの寂しさが嫌じゃないのだろうか?辛くはないのだろうか?
私の読心を受け付けないくらいだから、あり得ない話じゃない。
ピッタリと心を閉ざせる彼になら、私を悩ます程度の寂しさなんて大した事じゃ無いのかもしれない。
でも・・・・・・・
そんな彼の閉ざされた心を、押しあけて出てくるくらいの感情だ。
どちらにしろ平気なはずはない。
彼が、私と同じくらい、もしかしたらそれ以上の孤独に心を苛まれているのは、確かな筈だ。
それだったら、彼が男さんをあそこで拒んだ理由はなんなんだろう?
男さんの記憶からすれば、やはり中学時代の一件に理由があるに違いない。
だけど私も男さんと同様に、何故それが親しかった人間さえも拒絶する理由になるかが分からなかった。
本当に、同僚君は一体何を考えているんだろう?
彼については、ちょっと心が読めたからと言っても、解らないことだらけだ。やっぱり彼は変な人である。
分からないことだらけの今回の事について、私が言えることと言えば、恐らくは―――
「もう、無関心では、とても、とても・・・」
誰に言うでもなく口にする。
そうだ。今までのように、私が同僚君に対して無関心でいることなんて出来ない。
いくら、人に対する興味の薄い私でも、それだけは出来ないし、したくなかった。
男さんの顔が頭をよぎる(あの時の彼の悲痛な顔が窓に映ったような気がした)。
彼は、もう同僚君を見限ってしまった。
心では、まだ同僚君のことをなんとかしたいと思ってはいても、頭では完全に関係を終えるつもりでいた。
あの時の男さんからは、そう言った意志が確かに感じられた。
今は多少の未練は残っているかもしれないけど、時間が経つにつれて同僚君の事を気にかけなくなっていくだろう。
そうなったら、同僚君は本当に独りだ。
そこからは、もう後戻りはきかない。
それはやっぱりとても寂しいことなのではないだろうか?
昔からの親友を失ってしまうのは、孤立してもなお気にかけてくれる人間を失ってしまうのは。
寂しくて、悲しくて、辛い事だと思う。
事実、同僚君だって隠しきれない程の寂しさを感じていた。
彼が強情な人間なのは、男さんの記憶からも私の経験からもなんとなくわかる。
なんでかはわからないけど、その性格のために素直に男さんや周りの人間を受け入れられない事も。
けれど、それでも。
できることなら、こんな寂しさはない方がいい筈だ。解消できるならそうするべきだと思う。
頑なな同僚君の意思を解きほぐす事の出来る人間・・・・・・・・・
男さんは、必死にそれをしようとしたけど、ダメだった。ダメだったから、諦めて離れていこうと今は考えている。
でも、心の読める私なら、彼の心から自分と同じ寂しさを読み取ることのできる私なら、
同僚君の意思を解きほぐして、また元の関係に戻ろうと思わせられないだろうか?
時間は、あまりない。
まだ男さんが心の中で同僚君との関係を気にしているうちに、修復しなければいけない。
時間が経てば経つほど男さんの心は同僚君から離れて行って、仮に関係の修復をこちらから申し出ても、今度はあちらから跳ね退けられてしまうかもしれない。
私ならば、『同僚君とは飼育委員』、『男さんとは友人』という繋がりがあるし、あの現場を見ているから、仲介を申し出ても不自然ではないはずだ。
時間的な面から考えても、同僚君と話し合うのは明日の飼育当番の日をおいて他にはない筈だ。
――――――次の停留所で降りる事を告げる、ブザーの音が鼓膜に刺さった。
遅れてバスのアナウンスが響く。
女の人の声を録音したその放送は、次の停留所が新ジャンル学園前、すなわち私の降りるバス停であることを示していた。
・・・・・・私は、何を馬鹿な事を考えていたのだろう。
確かに私は心が読めるけど、だからなんだというのだろう?
確かに同僚君とは飼育委員の同僚だし、男さんとも親しくていて、さらには二人が決裂する現場までも、しっかりと目撃している。
だけど、私と同僚君は結局のところ他人だ。
彼が私の生活の中で占める部分なんてたかが知れている。知りあってから1年と経ってもいない。
つまり私には、男さんのように彼をどうにかする義理や理由なんて、本来存在しない。
そんな私が、一体何をしゃしゃり出ようとしているのだろうか?
きっと、にべもなく跳ね付けられて、私は傷つくに決まっている。
バスは、次第に速度を落とし始めた。
窓の外の景色はそろそろ降りる準備を始めなければいけない事を私に告げている。
外に見える大通り。そこから一段狭い住宅街の中を行く道へ進入するためにバスは速度を落としている。
左折すればバス停はすぐそこに視認できるはずだ。
私は乗り込んだときに、スカートのポケットに入れておいたバスカードを取り出した。
5000円分バスを利用できるそのカードは、使用した事を示す穴が丁度真ん中あたりまで並んでいる。
座席についてからは外されて、小さく丸まっていた手袋を再びはめた。
ハンカチくらいの厚さの比較的薄い手袋は、私の細い手の輪郭を保ちながらも、綿やポリエステルなどが合成された生地によってしっかりと外気を遮断してくれる。
先ほどまで私の心にあった、もうすぐバス停だという焦りが、両手に感じていた冷気と一緒に薄らいでいった。
―――いや・・・本当は、解っている。
私は同僚君と男さんを仲直りさせたい。
それが紛れもなく私自身が抱いている望みであることは、解っている。
男さんは同僚君との関係を終わらせる事を悲痛に思いながらも、それ以上にどうしようもない現実に対して絶望し倦み疲れている。
同僚君は同僚君で、やはり男さんが離れて行ってしまう事に対して、私に読心を許す程の深い寂しさを抱いている。
二人とも苦しく辛い思いをしているのにも関わらず、今やそれを解消する方向性を失ってしまっていた。
同僚君が男さんや周囲の人間を拒絶し続ける、その根本的な理由を解消しさえすれば、後は何とかなると思う。
けれど、その為には障害がありすぎた。
まずもって当の本人達が既に解決する意思がない。
それに、私・・・・・・さっき考えた通り、関係的にも状況的にも何とか出来るのは私しかいなかった。
けど私には同僚君を説得できる自信がなかった。と、いうよりも、同僚君を説得するのに失敗して傷つくのが怖かったのだ。
そう。未だに同僚君は、私にとっては『怖い』人だった。
彼が何故人を拒絶するのか、ある程度のヒントは得ていたけれど、それでも同僚君は心が読めない相手であることに変わりはない。
しっかりと向き合って頑張って意識を集中すれば、もうちょっとは読めそうだけど、彼を前にして言いたい事をはっきり言えるかどうかは怪しかった。
もっと言うと、誰かを説得するなんて事が初めてで、どんな風にすれば良いかが分からない。
それが、同僚君を説得することに対する恐怖に拍車をかけている。
今まで、誰かの意思を通訳したことはあった。けれどそれは、あくまで誰かの代弁であって私自身の気持ちはそこにない。
誰かの心が動くから、通訳も反応していた。
今は、なんとなく『通訳』するのではなく自分の意思で『説得』したいと思っている。
そうなって初めて、今までやってきたことがどれほど単純なことかを思い知らされた気分だった。
私が今抱いているこれは、他の誰のでもなく、紛れもない私自身の意思だ。
けれどその意思は尻込みをしているか弱いもので、今のままではとても実行に移すことは難しい。
今まで通訳しかしてこなかった私には、説得する資格なんて無いのではないか?
そんな考えと同僚君への恐れが、私の意思が一線を越えるのをとどめ続けていた。
なにか、後押しが欲しかった。
誰でもいいから、『私にも出来る』『私が同僚君を説得しても良い』という後押しをしてほしかった。
バスが停止して、車内の人間を、中よりも更に寒い外へと押し出す列に加わりながら、私はそんな事を思っていた。
もしかするとその『後押し』は、今まであまり多くを望まなかった私が、心の底から渇望していたモノだったのかもしれない。
ぐずぐずの地盤に立派な家建てても勿体無いよ
ジャンル民が見てるパー速とかでやるのをお勧めする
この前も学園スレがVIPに立ったけど
ネタも無しでスレ立てして、誰も来ないのを
なんだ新参ばかりか。と相変わらずの上から目線
閉鎖的で余所者を見下す土地に引っ越したいとは思わないよ
なんか知らんけど
>>127さんが怒ってらっしゃるから
とりあえず謝ってお茶をにごそうぜ
131 :
ほんわか名無しさん:2008/06/22(日) 23:16:34 0
.o______________o
Y⌒Y||三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三||Y⌒
 ̄l ̄||三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三 ;;;;;;;; 三|| ̄ ̄
 ̄ ̄'||\ '';;;'';;;,, '';;;'';;;,, '';;;'';;;,, '';;;'';;;, \. ̄
`" || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||,
`" ______ "''
|ペンキ .|
|塗りたて|
 ̄ ̄|| ∧,,∧
∧,,∧ ||(´・ω・) .∧,,∧
(;;;`・ω) ⊂ し) (ω・´;;;)
(;;U ∧,,∧`u∧,,∧( ∪;;;)
`u-u(;;;;;;;`・) (;;;;;;;;;;;;) `u-u'
(;;;;;;;;;∪(;;;;;;;;;;;;;)
`u-u' `u-u'
一応見てくれてる人もいるんだよな・・・
すまん。
>>127よ。もともとそんな大それたものを書いてるつもりは無いから、一応ここで始めた物だしここで終えさせてくれ。
ちょっと今福本漫画のユリュユリュ状態。
この一週間夢をみてしまった・・・OTL
だって他に当てはまりそうなのが無かったんだもの・・・・・・っ!それがまさかリアルで相談中だったなんて・・・・・・・・・っ
くう・・・・・・・っ
いや、なんでもない。別になんでもない。↑は気にしないでくれ。何も変わらん。俺は書く。7月中には終わらせるつもり。
長文ウゼーって人も、ちゃんと読んでくれてる人も7月には終わるからさ。っていうか終わらせる。
10
「うーっすー、我が親愛なる男くんよー」
「おー、なんだよ?我が友男友ー」
一時間目が終わり、その日最初の休み時間を迎えた教室。
小一時間の拘束から開放された生徒達は、止めていた息を再開するかのように、自由な会話を交わしている。
ざわめきに包まれて静寂からくる鋭敏さを失った教室。
その前方、教壇脇に設置された業務用タイプのストーブは、今年一番の冷え込みからか、周囲に人垣をこしらえていた。
ストーブから吹き出される熱風を、出来るだけ受け取ろうと両手を差し出すクラスメイト。
その中に混じり他に倣い手を暖めていた通訳の耳に、すぐ後ろの席での会話のやりとりが入ってくる。
振り返り視線を送ると、男の席にやってきた男友が、無人の椅子を引っ張ってきているのが見えた。
「・・・ょいと席借りるよん♪え?あ、うん・・・米・・・もち米?」
通訳からは少し離れた位置でストーブに当たる椅子の主。
そちらに許可を取った男友は、通常とは反対の向きで座り、椅子の背に腕を乗せて体を預けた。
「シュールめw正月はもう終わってるっつの―――で、なんだよ?」
ほほえましげな苦笑いを浮かべながら椅子の主を一瞥した後、男は話を促す。男友はそれに応える。
「いやさ、ほら、春休みに旅行行く話あるだろ?」
「おーおー。あれな。」
「お前どこ行きたいたいよ?」
「え、、、そうだな・・・気がついたら春休みまであと一ヶ月とちょいだし・・・・・・関東圏内だよな?行くとしたら?
・・・・・・・・・・・―――箱根?とか?」
「ほお。第三新東京市かw看板でも立てに行くつもりかあ?」
「?
何言ってんの?何で温泉地に看板立てるんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通じんか。ゆとりには」
「ああ、通じんよ。箱根がエヴァの舞台で、ブーム時に誰かが『ようこそ。第三新東京市へ』みたいな看板を勝手に立てたなんて話は。
――――――――――通じんよ。碇」
「(`・ω・´)コヤツメ」
「・・・で?行きたい場所なんて聞いてどうすんだよ?」
「うむ。温泉も良いが男よ。ときに中華はどうだ?」
「中華?」
「ああ、実はさ、さっきそこでサトリさんと会ってな。
どうやら彼女達も友達同士で、中華街行きたいなーって話しになってるらしい」
「ほうほう」
「で、まあ俺達と一緒に行かないか?って話になってよ」
「そりゃ良いなw」
二人のやり取りに目をやりながら、通訳は少し前にサトリが中華街の話をしていたのを思い出した。
ストーブに群がる周囲の人の息遣いを実感しつつも、『そういえば結構本気で計画してるみたいでした・・・』と、一人ボツリと呟く。
視線は、未だ男達に向けている。
「そんでよ、参加者のだいたいの人数割り出してから、大まかな予算組もうって話になってな。
女子の方はまだこれから増えるかもわからんけど、男子の方はだいたい確定してるだろ?
んで、男子の方だけ先に俺が調べとくって話になったんだよ。」
「ふーん。えーっと、参加するのって確か俺とお前と・・・・・・」
「猫耳とショタの奴もな。都市伝説の野郎もギリギリ参加できそうだ」
「ん?『ギリギリ』?」
「受験だよ受験。野郎、、、国公立入るとか言って俺達裏新ジャンルの血の団結を汚しやがった・・・・・・しかも最終的に受かったのMARCHクラスじゃねーかよ」
「都市伝説って俺らの一こ上だったのか・・・てっきり同じ学年だと思ってた
―――――――――どこ受かったんだ?」
「國○院。奴め。天皇と友だちにでもなるつもりか?」
「そりゃ○習院だ。で?あと誰だっけ?」
「あとは・・・友だろ。それから・・・」
「別人だったのか」
「なんか言ったか?」
「『別に』って言ったんだよ」
「そうか。ん、あれ?・・・・・まあ良いか。
あ、と、は、だな。山田と富士見と――――」
男友は指を折りながら参加者を数えていく。
通訳はその姿をぼんやりと見つめている。
彼女の視界には、クラス全体の景色が男友達に焦点を合わせた形で写っていた。
空に溶け去ってしまった記憶を再生成するべく、天井と壁の境目の方向を見つめる男友。
その姿を生暖かい表情で見守りつつ、友人が名前を挙げるその折々に、冗談めいた言葉をはさむ男。
彼等の背後では、休み時間の教室が動いている。
束の間の解放を楽しむべく教室から出ていく影。親しい者の所へ雑談の為に歩み寄る影。その他、人影は、10分間の休みを思い思いに動いている。
と、通訳の視界に見知った人影が写った。
人影はどうやら、いったん外へ出ていたのが教室へと戻ってきて、たった今、教室後方の引き戸式の扉をくぐり抜けた様だった。
通訳の視界の焦点は、そちらに合わせられる。
――――廊下から教室へ帰ってきた同僚は、自身の席へと向かっていた。
「―――と、あとは裏新ジャンル連中、か。これで全部・・・――――――じゃないな。
ほら。お前が参加させたがってた奴いたよな?なんだっけ?お前と小学校から友達だったって奴。
そいつ入れて全部だな。」
指が三本程たっている右手を軽く振りながら、男友がそんな風に言う。
男はその言葉を受けて、ほんの少し体をよじった。教室の後ろの方にある同僚の机。
そちらへ視線を送ろうとした男であったが、偶然にも外から戻ってきて席に着いた同僚と目が合ってしまう。
通訳の視界の中、男と同僚は数瞬見つめ合っていた。
その表情は、どちらも伺いしれない。いや、むしろ、様々な感情が混ざりすぎていて解らないという方が正しかった。
目を交わす二人と、それを傍から見る通訳。
数瞬は、まるで永劫のようでいて、やっぱりそれは数瞬に過ぎない。
十秒程の会話の空白には、餌を置かれればすぐさま食いついてしまう駄犬のように、教室のざわめきが割り込んできた。
やがて、無表情な奇妙な貌で、男は目を閉じる。そして体を元の位置に戻すと友人に告げる。
「いや。あいつは、いいってさ。参加、しないって。」
口調は別段いつもと変わらない。万人が親しみやすい男という人間そのものの喋り方だった。
そんな男の言葉、そして口調を聞いた通訳の顔には、苦しそうな表情が広がる。今自分が見たものが耐えられないといった様子で、彼女は口に手を当てた。
通訳はストーブに群がる人たちに軽く断りを入れつつ、焦りを感じさせる足取りで人垣をかき分け、その場から去っていく。
「なになにwwwwwどしたー?ケンカでもしたってかあ?」
「まあ、そんな所、だな。」
「あっ、あっ、あー、、もしかしてあれかwwwwww?獲られた?寝とられたか?」
「は?なにが?」
「お前を愛する新ジャンルのどなたかを奪われっちまったか?って言ってんだよっ。
かあーーっ!一人くらい良いじゃねーか。
ケチだねっ、欲深だねっ、心が狭いねえっ。
『俺を愛する女はすべて俺のモンだ。一人たりとも与えはせん。女が欲しけりゃスイーツ(笑)でも食ってろwグズが』ってかあ?」
「あのなー(^ω^; )
なんつーアホな事言ってんだよwっつーかなんかイロイロ混ざったセリフだな今の『俺を愛する〜』ってw」
「うるせーよ、このブルジョアジーがっ。
レッドでレフトでイーストでプレ90年代的なプロレタリアの裁き、受けやあがれい!!」
「うわっ、ちょっ、やめっ、、、、やめろ!やめろって―――」
出来る限りその場から遠く離れようと、教室の外へ出た通訳。
冷え込みの厳しい日と言う事もあり、廊下は人の気配が希薄である。
窓の外側では枯れ枝の葉っぱが、憎らしいほどの青空を背景にして木枯らしに揺らされていた。
そんな空間を進む通訳の耳には、男と男友の会話が教室のざわめきに混ざって、追いかけるようにして届いていた。
◇
最近の新ジャンルの書き手は残留作者の根性を見習うべき
142 :
ほんわか名無しさん:2008/06/23(月) 09:39:50 O
それには同意
冷静で論理的な思考は良い。
余分な感情を廃した上で物事をシステマティックかつオブジェクティブに考察すれば、まず間違いのない結論が得られる。
という物の考え方が、素直クールが信仰する思考の形態であった。
感情的になり自己を見失った中での行動は、大抵は酷い結果をもたらす。
そのうえ、後になって思い出すと悶えるほど恥ずかしい行動だった、という事が往々にしてあるのだ。
だとすれば何事においても、熱くなる自分を出来うる限り抑制し、論理と客観を頼りにするのがベストだ。
そうすればそれが、どれほど素直な行動であっても、全て許され受け入れられるはずである。
だというのに。
だというのに、その道理が分からない人間がこの世の中には実に多い。
それだけなら彼女にとってもまだ良かったかもしれない。
だが、時折、出会うのだ。
彼女が信じる道理。それが『分からない』のではなく、
わざわざ、その、真逆の地平へ突き進もうとする人間に。
・
・
・
・
・
「と、言うわけで校長の所へ連れて行け。クール」
「なぜ案内しなくてはいけない。訳がわからない。説明しろ。ヒート」
昼休みの校内。
階段とトイレの入り口に挟まれた廊下の一空間で、素直クールはため息をつくようにして答えた。
「だーーーーーーーーーかーーーーーーーーらーーーーーーーーっっ!!!
何度も説明してるだろおがああーーーー!!!」
・・・・・・訳がわからない。
もう何度目となるかもわからない受け答えの反復のなかで、彼女。
クール・アズ・キュークにして眼鏡が冴える彼女。
素直クールと呼ばれる彼女が導き出した答えがそれだった。
目の前では全身から暑苦しい雰囲気を発散する女子生徒が野獣のように猛っている。
素直ヒートと呼ばれ、素直クールとは対極にあると自他共に認めるこの女子生徒は、ただいまギリギリと歯軋り真っ最中であった。
この日は、全国的に今年一番の冷え込みという事もあり、いつもより人のまばらな廊下は凍えるような寒さである。
にも関わらず、素直ヒートが近くに居ると何故だか、それが気にならなくなる。彼女は間違いなく、周囲の人間の体感温度を上昇させていた。
いや、実際に温度が上昇しているのかもしれない。何故ならクールは、ヒートの体からうっすらと、ほんの一瞬ではあったが、湯気が立つのを目撃したからだ。
そんな温暖化的に言うと、地球に優しくないに違いない、素直クールの『対極』。
それが、前日の掃除当番の忘れ物を取りに、校長室へ向かうクールに突っかかってきたのが、つい五分前。
廊下を足取り穏やかに、食後の軽い運動も兼ねて進む素直クールの元へ、周囲の空気をよどませてやってきた。
「もう一度言う。な ん で 校 長 な ん だ ?
その理由を分かりやすく説明してほしい。」
あくまで冷静沈着に。何度目かの同じ台詞。
具体的には『4度目の、ヒートの要求に対する理由の提示』を、クールは落ち着いた口調で求める。
「うおおおおおーーーー!!じゃあもう一回言うぞ!!あと一回だけだかんな!!
いいかっ?――――― そ れ が 一 番 良 い か ら や る ん だ ! !男 の た め だ !!!」
それに対する『対極』の答えは、思いっきり重要な部分が抜け落ちた、ちぐはぐな返答である。
クールは、やっぱり沈着冷静に、ため息をつく。ため息さえも論理的かつ客観的な思考の果てに行われるのが素直クール、という少女のあり方である。
ヒートは、そんな彼女のため息を目ざとくも見つけ、『うああああああ!!何故わからんっっ!!』とかなんとか叫んで頭を抱えた。
クールの冴えた思考の中に『うるさいな。周りのクラスに迷惑・・・いや、だが今は昼休みか。ならあれくらいは』なんて雑念が、あぶくのように湧いて消える。
そう。万事が万事この調子であった。
クールとヒートはの出会いはこの学園で。たまたま同じ人間を好いてしまった事に始まる。
冷静沈着と熱血直情という違いはあれど、素直という点で二人は似通っていた。
そのためライバルが居ると知ってもお互い身を引く事は出来ず、現在まである種の恋敵の状態を継続している。
とはいえそれで、醜い骨肉の紛争地帯が出来上がったかと言えばそうでもなく、あくまで軋轢は二人の想い人に関することだけであった。
もともと性格が正反対ということもあり、想い人である『男』がらみ以外で彼女達が出会う事は稀だったのだ。
かたやクール。かたやヒート。
趣味も思考も在り方もなにもかもが違うために、生活圏がまるで重ならない。
そのためか、たまの男を巡るアレヤコレヤにおいては、二人の意思が十分に疎通しないことが少なくなかった。
ヒートが自分の事をどう思っているのか、素直クールには推し量れなかったが、少なくとも彼女自身は相手の事を理解できないでいた。
男へのアタックの仕方・・・は自分も相手も割とダイレクトにやる方なので何とも言えないが、
毎度毎度、あんなに激しく言い寄られたのでは男の方も五月蝿くて仕方が無いはずだ。
自分のように要件を聞き取りやすく物静かに伝えるやり方なら、相手もしっかりと一つずつ理解してくれる。
だというのに、ただただ愛を『叫ぶ』だけのヒートのやり方では『男を好きだ』と言う事は伝わっても、それしか伝わらない。
もっといろんな言葉を絡めれば効果的なはずなのに。とクールは考えていた。
目の前では尚もヒートが説明を続けているが、その内容は整然としておらず、意味不明な単語が放たれるばかりである。
時折、内容だけでなく言葉そのものが不明瞭になったりもする。
>>136 武士デレ「せ、拙者も参加したいだなんて思ってないでござる…」
守護者「いいさ、俺には恵を守るという大事な任務が…」
マイケル「ボクも旅行に参加したいデースッ!!」
タケル「俺もだ…」
富士見「仕方ないからロックマンの物まねでもするか?」
ゆうや「それはやめとく」
>>150 富士見「あ、ちなみに俺は参加するんでヨロシクw」
一同「そぉい!」
「ともかくっ、お前は校長のところへ連れて行けばいいんだっ!」
――――――ヒートはがなるように言って、要領を得ない説明を締めくくる。
「そうだ。ヒートの言うとおりだ。あとは私が全部やるからよ。ともかくあんた、早く校長の所へ連れてってくれ。」
――――――先ほどまで、黙ってヒートの言葉に『うんうん』と相槌を加えているだけだった女子生徒が、後を受けて言う。
「いや、ロリコン。お前は駄目だ。」
――――――その言葉に対して、つい先ほど彼女達の騒乱に加わったばかりの、この学園の女教頭が簡潔明瞭に釘を刺す。
・・・・・・・・・・・・素直クールは頭を抱える。
ヒートだけでも何を言っているのか訳が分からないというのに、この状況はややこしい事この上なかった。
――――いったん・・・整理しよう・・・
自分を落ち着かせる意味合いも兼ねて、素直クールは現在の状況に至った経緯を回想することにする。
まず、ことの始まりは、前日の清掃の時間に単語の暗記本を、当番として割り当てられいた校長室に忘れたことからだった。
クールは、すぐにその事に気付いたが、その時には既に校長室は鍵を閉められたあとであった。
暗記本は教科書やノートと違い、授業に必須ではないという事もあってか、結局彼女は次の日、つまり今日、校長室へ取りに行くことにした。
そして先程、朝方あらかじめ事情を話し許可を取り付けていたクールは、食事を終えると席を立って校長室を目指した。
・・・・・・ここまでは良い。
問題はここからである。
低い気温のせいで、普段よりも格段に人の少ない廊下を歩くクールの背後から、猛然と近寄る影が二つ。
一つは、さっきまで怒鳴っていた素直ヒート。そして、もう一つは・・・・・・・
「だ、そうだ。ロリコン。お前はだめだってよ」
「そうか。私はロリコンでダメなのか・・・って『ロリコン』はお前だろおがああああああああああああああああ!!!!」
「(−A−) ・ ・ ・ ―――――――――チッ!」
ヒートを『ロリコン』と呼び、猛然と突っ込まれた少女は、舌打ちをして『やっぱ今のは無理があったか』と一人つぶやく。
すかさず脇から『それ以前に今ので無理じゃないと判断できるのか。君は』という教頭の有りがたいお言葉が突っ込まれた。
ロリコン
男っぽい喋り方の彼女に対する、この通り名以上に良く彼女のキャラクターを表現する言葉は存在しなかった。
素直クールはあまり面識がないのでよく知らないが、このロリコン。三度の飯より『幼い少女』が好きなのだそうだ。
実際に、以前どこぞの小学校のフェンスにかじりついてハアハアしていたとかで、軽い騒ぎになったという話もあるくらいだ。
なにより、幼い少女であるここの校長が彼女にしょっちゅうつけ狙われ、追いかけられるという光景が、最早日常の風景として化している。
何故校長が未成年なのかはさておき、この『ロリコン』が、何かしらの形で幼い女の子に執着心を抱いているのは、ほぼ間違いがないようであった。
そんなロリコンを、素直ヒートが伴って現れた。
しかもヒートは『何か目的――彼女の言葉から察するに男に関すること――があって、ロリ校長を連れていこう』としている。
そこからはどうも、『ロリコンがヒートを唆したのではないか』というような気配が伺える。
おそらくはロリコンは何がしかの形でヒートを利用しようとしているのではないか?
素直クールの思考は、『ロリコン』と『素直ヒート』という、異色の組み合わせに対して、そんな解釈を行った。
「とりあえず素直クール。君は私と来なさい。忘れ物は職員室の方においてあるから。」
「おや、それでは校長室には、」
「ああ。別に寄る必要は無い。」
知的で冷静な才女。
そんな言葉を体現したかのような容姿と立ち居振る舞いの教頭から、素直クールに意外な事実が告げられる。
「え!?じゃ、じゃあ私達は!?」
「というかそもそも君達は校長に会う理由がないだろう?特にロリコン。君は。」
「いや!!理由ならあるぞ!!!」「特にってなんっすか!特にって!!」
二本指で軽く眼鏡を押し上げながら、呆れるような口調で答える教頭に、すかさずヒートとロリコンが噛み付く。
が、それも教頭の、至極真っ当な意見によって静かに切り捨てられる。
「そうか。理由があるのか。なら後で許可を取りに来なさい。ともかく今は駄目だ。特にロリコン。君は。」
試立新ジャンル学園の校長は、幼い少女が勤めている。
法律的に有り得ない話なのだが、実際にそうなのだから仕方がない。
どこからどう見ても小学生低学年より上には見えない女の子が、この学園の校長をやっている。
もともと飼育小屋で虎を飼ったり、一部奇妙ないでたち(武士とか軍人とか幽霊とか)の生徒がいるような学園なので、校長が少女でも誰も疑問に感じないのだ。
と、いうよりも深く突っ込んだら、負けなのだろう。と素直クールは考えていた。
とにもかくにも校長がそんなんなので、脇を固める教頭先生は、それを補って余りある、というかその為に選ばれたみたいな感じだった。
高い勤務能力に、人を引っ張り従わせるカリスマ的性格。
冷静さと知的さを兼ね備えた美貌。
どことなく素直クールと相通じるような雰囲気の女性。
それが新ジャンル学園の現教頭にして、幼い校長を虎視眈々と狙う少女、『ロリコン』の魔手を常時防いでいる張本人であった。
ヒートとロリコンに半ば絡まれるようにして、校長室までの手引きを迫られる素直クールの元に、いつの間にかやってきて、いくらかのフォローをしてくれたのもこの教頭であった。
が、『校長室へ連れて行け』の一点張りの二人にはフォローも虚しく、結局は更に状況を錯綜させるだけに終わってしまったのが現実だった。
どれくらい錯綜しているか、というと。
「いや。いやいやいやいや、待ってください。
え、あれ?なんで駄目なんっすか?
ほら、あれですよ。あれ。なんつーかあれじゃないですか?微笑ましいと思いません?教師と生徒の温度のある触れ合いって?」
「君の意見の裏側に不純なものが無ければ、ね?」
反論するロリコンに、教頭はきらめく微笑で思いっきり皮肉に返す。
「え、不純?やだなあ。ちょっとぺr・・・いけね、じゃなくてサw・・・もだめか。まあ軽いスキンシップをば「ええい!!なんでもいいからとっとと連れて行くんだあああああああ!!!」
痛いところを突かれたらしく、ゴニョゴニョと僅かに焦燥感を帯びた口調で答えるロリコン。
その言葉の途中に、耐え切れない、といったヒートの叫びが重なる。
「ちょっと待て。素直ヒート。君はいったいなんなんだ?何故校長に会いたいんだ?」
「男の為だ!!それ以外になにがある!!?あいつは『ぺド』?『よーじせーあい』?・・・・・・・・・なんか良く分からんがロリっ娘で喜ぶってロリコンなんだっ!!!」
「・・・・・・ロリコンに吹き込まれたのか・・・・・」
「人聞きが悪いですね。私は男を喜ばせるには?って聞かれたから、まあ、その、ね。ほら、小さい女の子って誰でも好きじゃないっすか。男も、女も、私も」
「君の『好き』は不純性交的な『好き』だろう・・・・・・で、二人して利害を一致させるために一緒に行動してるというわけか・・・・・・・
しかし唐突にどうしたんだ?ヒート?
こんなのにまで(ロリコン『こ、こんなのって酷いです!!え?こんなので十分?それからブリっ娘すんな?・ ・ ・ ・ ――――ッチ』)相談するなんて。
いつもの君なら誰かに相談する前に自分で動いていそうなものだが・・・」
「ぬあああああ!!!だったらなんだって言うんだ!!ともかく今の私、、、ってか男には校長が必要なんだ!!いつもの私とかは関係ないっっ!!」
「さっきからずっとこうなんです。」
相も変らぬ主張を繰り返すヒートに素直クールは、あきれ顔を隠せず教頭に告げた。
「訳がわからないな」
「ええ。こっちの聞きたい事がなんなのかを、まるで把握していない。」
「困ったな。このまま放っておくのも賢明ではないが・・・かと言って昼休みも無限に続く訳では無し・・・・」
「と、言う訳でここはいったん退いてくれないか?話は後で聞く。
二人とも午後の授業に遅れるわけにはいかないだろう?」
「っていうかなんか以心伝心って感じだなっ!!」
「?」
突然、、、、、、、今度こそ本当に脈絡的に意図不明な言葉をヒートが口走る。
その発言に、柄にもなくポカンとするクールだったが、それで終りではなかった。
「ああ、なんかあれだな。ヒート。私にも教頭とクールがニコイチに見えてきたぜ?」
「うむ。ツーカーと言う奴かっ」
「ツーカーwwww古いよwwwww」
「そうかっ!!だがともかくなんか二人とも大人の会話って感じだな!!」
「いや、というか君らが大人気ないの「かくなる上はっ!!ロリコン!」
「おうよ!!」
「私達もペアになって対抗するぞっ!!」
「クール系連合に対するヒート系連合っつー奴だな!私はロリ!!お前は男!!」
「燃える闘魂迷わずぶつけろ!!」
「当たって砕けて大いに結構!!」
「「どうだ!!こっちも連合したぞ!!」」
声を揃え肩を組んだヒートとロリコンは、何故か自信満々威風堂々誇らしげな表情で、ハモる。
いい加減にノリで動くのはやめてほしい。
そんな本音がクールの口からポロリとこぼれ落ちた。
本当に、ポロリと、意識の外で、穴のあいたポケットから鍵が落ちるようにして。
以前からそうやって気分で動くヒートが理解できないでいたが、この時ばかりはさしもの素直クールも、
相手が地球外生命体クラスの未知の存在としか感じられなかった。
一瞬前まで『男の為にロリ校長に会わせろ』と言っていた人間が、今度は自らを唆した相手と肩を組んで胸を張っている。
どう考えても、思考が飛躍しているとしか思えなかった。
さっきの『ロリ校長』から、『肩組んで胸張る』の間には、どう考えても、幾らかの論理の変遷が必要なはずなのに。
いきなりポンと飛んでしまっている。
素直クールは思った。
『さて、どうしようか?もうこれ以上彼女達の心理は考えたくないのだが、そうもいかない・・・・
まずはいったん、自分自身モチベーションをあげる事に努めようか・・・・・』
誰か、素直ヒートが何を言いたいのか的確に伝えてくれる人間がいれば良いのに。
そんな思考が浮かんでくる。思い当たる人間はいないでもないが、あまり親しくもないし、ここにはいない。
ここは、教頭と協力して自分で収拾をつけるしかなかった。
が、『偶然』というのは恐ろしい物である。
クールがヒートに捕まったのも、ヒートがロリ校長を捕まえたいロリコンの目に留まったのも、或いは『偶然』の成せるわざであったともいえる。
だとすれば『偶然』には、こんなややこしい状況を生み出す事も、解消することもたやすいに違いない。
何故って、素直クールが状況を収拾できそうな人物を思い描くと同時に、『その人』が現れるのだから。
素直クールの目の前では、肩を組んだヒートとロリコンが、さっきよりも勢いづいてロリ校長を要求していた。
さらにその背後には、廊下が遥か向こう――校舎の最奥の第二理科室まで続いているのが見えた。
人影はまばらであったが、それでも昼休みとあってか、この寒いのにも関わらず、一番奥の方まで数えれば十人前後の生徒が廊下に出ている。
キン、と引き締まった冷気がコンクリートの壁やリノリウムの床から発散されているような空間。
窓からは快晴の空に輝く真昼の陽光が差し込み、整然と連続する四角の模様を浮かび上がらせている。
クールはあまり目の良い方ではなかったが、それでも光の中でチラチラと間叩く塵芥を視認していた。
そんな廊下の光景は、どこかの聖域のような静謐さを彼女に感じさせる。
その中を、こちらから遠ざかる形で進む人影は数人。
立ち止まって思い思いの行動に興じるのも数人。
そしてクール達のいる方に向かって歩いてくる数人の生徒のなかに、『事態を収拾できそうな』人物がいた。
ヒートとロリコンが肩を組んだあたりで、廊下に面する教室。その内の一つから出てきたらしい『彼女』。
知り合いからは『通訳』の名で呼称される少女は、俯き加減で口に手を当て、やや急ぎ足でこちらに接近してきた。
それを見る素直クールの心には、僅かな期待が生まれる。
彼女、通訳は素直になれない人の心や想いを代弁するのを得意としていた。
素直クールとは特に交友関係があるわけではなかったが、顔と名前とそう言った行動の傾向を知っている程度のつながりはあった。
おそらくは相手の方も自分に関してそれと同程度の知識は持ち合わせているはずだ。
あるいはこの藤や葛のようにこんがらがった状況を見て、ヒートが何故こんなにロリ校長に執着しているのか?
もっと言うと、ロリコンに唆されるくらい冷静さを失っているのは何故なのか?といった疑問を解消してくれるかもしれない。
そんな淡い期待を込めて、素直クールは通訳に視線を送った。
ややあって、あちらもそれに気づく。
次に彼女は、喚き騒ぐヒート達に目をやり、ハタと何かに気がついた表情をする。
ほんの一瞬戸惑うようにたたらを踏んでいたが、やがて音もなくヒートの背後に接近してくる。
――――上手く行くかもしれない・・・
通訳が自らの期待したとおりに動いているらしいのを見てとったクールは、そんな安堵の言葉を心中で呟いた。
視線の先では通訳が今まさにヒートの肩に手をやって、クール達の気持ちを代弁しようとしてくれている。
このまま事が上手く運べば、きっとヒート達の通訳もしてくれるに違いない。
そう、彼女が考えたのとほぼ同時に、素直ヒートが一際大声で何事かを叫ぶ。
途端、肩を叩くべく上げられた通訳の手が、ビクリと震え、そして止まった。
その瞬間の通訳の顔には、奇妙な恐れとも衝撃に対するショックともつかない表情が満ちていた。
・・・数瞬が経過して
背後をとられていたとは夢にも思わないヒートの脇を、彼女は俯きながら過ぎていく。
それは、『通訳』の名にふさわしからぬ行動で、彼女の身か心かのどちらかに、何か尋常ならざる事態が起こっているのだと明確に語っていた。
期待を裏切られた素直クールはしかし、そんな光景を目撃しながらも、特に何の感慨も抱かずにいた。
もとよりこれは彼女自身の問題なのだから、外部の助力は期待していない。
せいぜい感じたのは、お金を出して買った当たり付きの商品が、当たってはいなかった、といった程度の心の微動であった。
だから―――――――
「すみ・・・ません・・・」
――――ああ、そんな泣きそうな声で謝らないでくれ。
――――私は君の気持なんて分からないんだ。
――――泣きそうな声になるような状況なんて、他人の私には荷が勝ちすぎる。
素直クールは、すれ違った通訳の行く先に視線は送らなかった。
彼女には今現在進行形の問題――素直ヒートとロリコンをどうするか―――があるのだ。
通訳に何が起こったのかは気になったけど、他人に近い間柄の彼女が突っ込んだ話をするべきではない。
何もできないのだから、悪戯に思い悩むのは非効率的だった。
クールは、今起こった事を忘れて、この先の事に自らの労力を傾けることにした。
最新ジャンル「ロリコン」
ttp://www18.atwiki.jp/takaharu/pages/1868.html (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) い ロ た
〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、 い リ ま
~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,) よ コ に
、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ ね ン は
`V::::::::::::::::::::、_γ `ヾ,_ < ! も
l::::::::::::::::::::::く( γ⌒ヽ )> く,
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/ \ お前「ロリコン」見て喜ぶの?
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◇
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、何でしょう?」
――――――――――ああ・・・やってしまった。
こちらを向いた通訳の心と表情に、読心クールは一瞬前の自らの行動を思いっきり後悔した。
通訳、サトリ、読心クールは読心仲間である。
三人は『人の心が読める』という共通点から交友関係が発展した仲で、
ここに、心は読めないが気の合う友人数人を加えた一つの仲良しグループを形成していた。
そんな仲良しグループで、中華街へ行こうか行くまいかといった話が、二日前、バレンタインのチョコ造り目的で集まった際に持ちあがった。
その時点ではまだ、『計画』というよりむしろ、行くならどうしたい?等といった『願望』に近い状態であった。
だが、話はこの二日間で急激に具体性を帯びていった。
読心クールも詳しい話はつい先ほど、サトリから告げられたばかりである。
なんでも春休みに旅行を計画していた別のグループと合同で、中華街巡りを含む神奈川旅行を行おうという運びになったらしい。
いつになく高い行動力を示す友人に内心舌を巻きながらも、その旨を通訳に伝える事を彼女は約束した。
クラスが同じサトリの方が伝えるのには適任であったが、たまたま本人は席を外していたのと、
計画の発案者としてこれから忙しくなる関係で読心クールが伝令役を買って出たのである。
そんなこんなでブラブラと散歩がてら――と洒落込むには、暖房の効いていない教室の外はいささか過酷な環境であった。
『まあ、散歩がてら探してくるよw』なんて安請け合いをした過去の自分に、若干ムカっとしながらも通訳を探して校舎を歩きまわること数分。
2階図書室のガラス張りの扉の向こう側。その内部にやっと見つけた友人の後ろ姿。
自分と同じくらいの長髪に、実はかなりのプロポーションを、着やせする性質が隠蔽している友人の後ろ姿。
思っていたよりも早めに発見できた喜びは、あまりの寒さ故に逆に高揚しはじめていた彼女の心を、さらにハジける方向へ持っていった。
読心クールは、友人に対するスキンシップを、『背後からいきなり首を(軽く)絞めてみる』という悪戯の形で敢行することにした。
彼女達の教室があるのと同じA棟。その、正門側のはじ部屋に存在する図書室。
元気な司書さんがいて、全体的に明るくおしゃれなデザインのその部屋に、忍び込むようにして侵入する。
入口近くの席に、こちらへ背を向ける形で座る友人へと忍び寄っていった。
『やあ、通訳ww』
笑いを堪えているため奇妙な抑揚となってしまった挨拶と同時に、両手で包むようにして通訳の首に触れる。
いかに心が読めるとはいえ、背後からゲリラ的にやられたのでは敵わない。
読心クールのもくろみ通り、通訳は目を白黒させていた。悪戯が成功しても表情には決して出さなかったが、欣喜雀躍とする読心クール。
が、こちらを振り向いた通訳の精神状態は、浮ついた彼女の心を瞬時に萎ませてしまった。
「あの・・・そんなに気に病まれなくても・・・・・・これはこれでしょうがないと私も思いますよ?」
「いや、、、その、出来ればそっとしておいてくれると嬉しい。今は何も言わないでくれると・・・なんだか自分が猛烈に恥ずかしくて、ね。」
両手で顔を覆いながら、読心クールはそう答えた。
現在彼女は、直線を使用しないデザインの、滑らかな手触りの机に両肘をついて席についている。
その友人はというと、ひざの上に両手を乗せる形で行儀よく椅子につき、机の向かい側で友人が立ち直るのを律儀にも待ってくれている。
それから一分弱。読心クールは顔をあげた。
「なにか・・・あったみたいだね・・・・・・」
「・・・・・・・・・・ええ。」
「そうか・・・・・あまり、知られたくない、か・・・今の君の心はあまり読めないな。」
「すみません。」
これはちょっと面倒だな・・・
そんな言葉が脳裏をよぎる。
通訳は、何か人には言いたくない様な、それでいて暗く沈んだ感情を生み出すような事情を抱えている。
まさかいきなりそんな重い話に直面するなんて考えてもいなかったし、昼休みの開放感も相まって、
ついさっきまではかなり軽やかな気分だった読心クールには、いささか難しい案件だった。
かといってこの状況をほっぽり出すのも友人としていかがなものか?薄情になるのではないか?と言った思考も存在する。
まさに板挟みといった状態であった。
しかもそんな感情も、心の読める通訳には悟られてしまっている。
結局、読心クールは・・・
「ま、つまりはそういうことだ。私も薄情者になるのはごめんだからねw
話すだけ話したらどうだい?以外とすっきりする・・・かもよ?」
『すっきりする』と言った後で慌てて『かもよ?』と続ける。
断言しておいて、後で通訳の気がちっとも晴れなかったら問題だろうし、なにより彼女自身、話せばスッキリするかどうかなんて本当のところはわからなかった。
ともかく何かを言わないといけない、という思考のどん詰まりが言葉になっただけだったのだから。
「・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・(私・・・もう・・・・・・通訳を出来ないかも知れません)」
数秒の沈黙。その後、通訳は心の中で語り出した。
とつとつとした心の声に、読心クールは耳を傾ける。
(・・・・・・・・・・・・さっき、素直クールさんと素直ヒートさんが話をしてる所に出くわしました・・・・・)
(ああ―――その、なんだ?彼女達の事だ。また水と油みたいになってたんだろうねwww)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・水と油と言うか、北風と太陽と言うか、、、、あ、いや、なんでもない・・・続けてくれ・・・・)
読心クールは通訳に合わせて、自らも心の声に切り替える。図書室と言う場所の都合上、こちらの方が良かった。
場を和ませようと彼女は軽口を叩きながら受け答えをしようとしたが、その目論見はすぐに挫折してしまう。
今の通訳は、それが逆効果になってしまう程に沈んでいたのだ。
(ヒートさん・・・気づいていたんです・・・・・男さんが傷ついてるのを・・・・・・)
(傷ついてる?)
(・・・・・・・・・はい・・・・その―――同僚君と・・・・)
(ああ、なるほど。十年来の友人と決別した、のか。)
(はい。男さん、表面上は全然おかしくないんです。
周りの皆も・・・誰も何かが起こったかなんて気付いてない・・・・)
(ふむふむ)
(でも、ヒートさんだけは直感的にですけれど、気づいていました。だから、どうにかして男さんを元気づけようとしていたんだと思います・・・・)
(・・・・・・・・)
(それで普段は相談しない様なロリコンさんにまで相談して・・・それで、ロリコンさんは校長先生に元気づけてもらおうって提案したみたいです。
ロリコンさん。男さんが元気になったら、校長先生と一緒にっていう考えもあったらしくて・・・それで・・・・・)
(・・・・・・・・)
(ヒートさん・・・真剣でした・・・・いつもいつも男さんにアタックしてますけど、
それじゃあ・・・そんないつもと同じやり方じゃ、男さんを直せないって理解してました・・・・
どうしたらいいか解らなくても、とにかくなにかしなくちゃいけないと思っていて・・・・・・
必死になってロリコンさんの提案を実行しようと、素直クールさんに校長室までの手引をお願いしてました・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうか)
(私・・・こんなこと初めてで・・・自分が強い想いを抱いて初めて・・・・・・皆、必死なんだって・・・初めて知ったんです)
(?)
(今までは、なんとなく、皆さんの通訳をしてきました。
いろいろな事情があって、伝えたくても伝えられない想いを心に感じる度に、通訳をしてきました。
伝えたがってるんだから、伝えた方が良い。私、単純にそう考えていたんです。
けど、生まれて初めて私自身、強い想いを持って分かったんです・・・・・・さっき、ヒートさんの心を読んだときに気付いてしまったんです。
皆、私が通訳してきた人たちは・・・・・・・・・・・・・・本当に必死だった・・・・・
今、私が抱えているような想いで、血が凍えそうな感覚にさらされながら、心を伝えようとしてきた・・・
それを、横から勝手に通訳してきた私は、その人の想いを踏みにじっていたんじゃないかって・・・・・・そう・・・思うんです・・・)
(・・・・・・・・・・その・・・いや・・・まあ、)
(もしもそうなら、もう、誰かの心なんて伝えない方が良いんじゃないのでしょうか?
その人の真摯さも真剣さも踏みにじるくらいなら・・・私がその想いを仲介するなんて事は、やめるべきなんでしょうか?)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(―――――――――)
『通訳』をやめるなら、これから私達は君の事をなんて呼べばいいんだい?
通訳が、語ると決めた部分を語り終えた後にやって来た沈黙の中で、そんな言葉が読心クールの頭に浮かぶ。
ダメだった。
気持ちの在り方に、違いがありすぎた。
結局は、荷が勝ちすぎた、という話である。
今の読心クールには、通訳の人生に関わるような深い懊悩を、受け止め、解釈し、相応しい答えでもって返す程のキャパシティが存在しなかった。
あまりに重すぎる話題を振られてしまい、途中から彼女は友人の独白についていけなくなってしまったのだ。
その結果、沈黙の中で、冴えた返答が浮かばず、代わりにアメリカンジョークの出来そこないのような思考が顔を出したのである。
さらに悪い事には、お互いに心を隠すことが難しい、という特性の存在。
以上の思考は全て、通訳にも知る所となっていた。
「すみません・・・急にこんなこと言われても、困るだけですよね・・・・」
「ん、んぐ・・・」
そんな言葉とともに、通訳は席を立つ。読心クールは気の利いた言葉が言えず、喉が詰まったような声を出した。
「それでは、もう授業も始まるので・・・また後で・・・」
そう言って通訳は机から離れる。が、その、刹那。
「通訳」
「は、はいっ。」
「その・・・・・・なんだ?何か困った事があったら遠慮せずに相談してくれ。
私達は・・・ほら、あれだ。その、『友達』というやつ―――だからな。」
席を立った通訳が、読心クールの脇を通り過ぎる中での会話だった。
読心クールは、友人の方を振り向かずに、ただそれだけを言う。
彼女にしてみれば、きっとそれが、唯一出来る助言のような物だったのだろう。
あまりに思いつめた様子の友人から、ほんの僅かでも重荷を取り払えたら、という趣旨の。微かな手助け。
やたらと首を突っ込むよりは、今はすこし距離を置いて様子を見るべきだとクールに決めた中での。万一の場合に備えた予防線。
彼女の背後から小さな『はい』という声が返り、そこにコフコフという図書室を歩く足音が続く。
足音は途中にガラス戸を開閉する音を挟んだ後、リノリウムとゴム底がすれ合うギュッギュッと言った物に変わった。
そんな音も、この図書室の洗練された感のある機能美を備えられた扉が閉じると同時に、聞こえなくなる。
読心クールは一人、椅子に座って伸びをした。
席に着いてから大して時間は経っていない筈なのに、妙に体が凝り固まっている。
足をピンっと伸ばすと、ボク、という音が関節から聞こえた。
――――ああ、そう言えば・・・
不意に、彼女は思い出す。
―――――まだお昼を食べてなかったか・・・
もうあまり昼休みの時間は残っていないが、その短い中で食べるのか?それとも別の時間まで待つのか?
お弁当は今日は作ってきたっけか?
そんな種種雑多なお昼の悩みに、彼女の思考は席捲されていった。
◇
読心クールにw使わせるとか、この作者様(笑)は何考えてるんだろうね。
◇
【12:40】
恒例となった着信履歴の削除を行う。
メリーの奴、この間までガン無視してたから涙目になってやがった。
一瞬胸が痛んだが関係ない。こっちは受験で忙しかったんだ。他人の都合に合わせて人生を捨てる程馬鹿じゃない。
【12:55】
トイレに行って小便をすませる。
帰りぎわ、手を洗おうとしたら、洗面所の鏡に俺の顔が映らない。代わりに見たこともない古ぼけた部屋と扉が写ってやがった。
そのまま見続けていると、鏡の中の扉を開いて和服におかっぱの幼児が現れる。
鏡越しに俺の手をつかもうとしてくるので、逆にこっち側に引っ張りこんでやった。腹も立ったのでゲンコを一発くれてやる。
子供をイジメるな、だって?
ざけんな。近頃のガキはしつけがなってないんだ。
見ろ。見ず知らずの人間を鏡の中に引きずり込もうとするなんて。普通やるか?やらないだろ?
だからこうやって幼い内にはっきりと解らせてやるべきなんだ。大人になってからじゃ手遅れだっつーの。
【13:00】
授業開始まであと五分。
トイレを後にし教室へ戻ろうとすると、廊下の向こうから見知らぬ女子生徒がやってくる。
廊下には俺を含めてごく僅かな人しかいないし、明らかにこちらを目指しているようなので、教室へ向かう足を止める。
女子は、何故か知らん。物凄い形相でこちらを見据えていた。
―――怖えな。
柄にもなくそんな考えが頭に浮かぶ。まあ、それくらい女の目つきは鋭かったって話だ。
それにしても上履きの色を見るに、どうも3年ではないようだ。はて。他学年の女子に知り合いはいなかったはずだが?
・
・
・
・
・
鴉の濡れ羽色をした美しい黒髪よりも。
背の高さと言い全体のバランスと言い、俺がモデルか芸能事務所のスカウトマンなら絶対に放っておかないであろう抜群のプロポーションよりも。
何より印象的なのは女の全身から放たれる異様なまでの、『殺気』。
四方八方睨み猫、直死歪曲魔眼に邪眼、或いは仁王か明王か。
鋭い視線もさることながら、真一文字に結んだ唇、キッと寄せるは柳眉。
端麗な顔立ちも艶美な肢体も畢竟女のオーラ発生装置に他ならない。
そこらを漂う浮遊霊が、女の体から立ち昇るオーラのようなモノに触れた次の瞬間、チリ一つ残さず滅却された。
いや、気のせいだ。浮遊霊だと?バカバカしい。あれはプラズマだ。プラズマが女の体に触れた瞬間に消えたのだ。
しかも気がつくとやけに静かだ。見ると廊下には俺と女を除いて人っ子一人いない。
まあ時間も時間だし皆自分のクラスに戻ったのだろう。殊勝なことだ。受験が終わってない奴もいるしな。
ただ、今さっき俺の背後で、ヘナヘナと崩れ落ちた強面の体育教師がどこへ行ったのかが疑問だ。
インフルエンザの時期だし気になっていたのだが・・・
立ち去る元気があるのなら、一介の生徒が気にする程のことでも無かったのかもしれない。
俺と女を除いて誰もいなくなった廊下は、水を打ったように静かだった。
ふと窓の外に目をやると、先程まで五月蝿くさえずっていたはずのハクセキレイが、いつの間にか消えていた。なるほど静かなわけだ。
そのせいか、もとから冷やりと冬らしく張りつめていた空気が、今は刺すような刺激を伴って感じられる。
あんまり他に感じる物もないんで寒暖の感覚だけが強調されちまったようだ。
キリキリとした冷気は、顔や手の露出部はおろか服や髪さえも透過して、全身の地肌を冷却している。
それは最早【寒さ】ではなく【痛さ】に近い。俺は、チリチリと全身が泡立つような感覚に覆われていた。
こんな体験はあれだ。
ガキの時分にスキー場で親とはぐれた時以来じゃなかろうか。
あの時は見知らぬお姉さんについて行っのがまずかった。
自分で山を降りたから良い様なものの、顔半分がザクロのように割れたメイクをした上に、子供をスキー場の禁止区域に連れ込むとは尋常ではない。
これだからスキーなんていうバブルの権化みたいなスポーツは嫌いなんだ。
別にスキーヤーを貶めるつもりはないが、スキー場のDQN率が高いのはそんな俺の実体験からも明らかだ。
スキーというブランド目当てのファッション感覚でDQNが集まり、競技としてスキーを汚してしまったのだろう。
まともなスキーヤーの方々にはそれだけメジャーなスポーツになったのだ、とプラスに考えて諦めてもらうしかない。
まったく。ヒッピーの見つけた観光地と言い秋葉原と言い・・・・マスコミに目をつけられるとロクなことにならないな。
おや?いつの間にかスキーの話になってしまった。いかんな。貴重な時間を無駄な思考に割いてしまった。やれやれ。
それというのも目の前も殺気女がぐだぐだとしてるからだ。
何が目的だ?そんな目つきで見やがって。失礼だってわかんねーのか?女だからって図に乗ってんのか?
何時までも要件を述べずにこちらを睨みつけるだけの女に、若干の苛立ちを覚えてくる。
しょうがないのでこちらから話を促してやろうかと考えていると、女が僅かに身をたじろがせた。
なんだ?何をする?やんのか?
――――ん?
ふと。ここで初めて気がつく。
女は、バナナの絵を描いたスケッチブックを持っていた。
陰影を強調した高いデッサン力に、黄系の色の見事な調和。
この女が描いたのか、別の誰かが描いたのか知らんが、俺が美術部顧問なら絶対に放っておかないだろう出来だ。
どっかの画展に出したら、ひょっとするとひょっとするかも知れない。
ともかく女は、バナナの絵を掲げてなにか云いたそうにしていた。
上目づかいに殺気を帯びた視線を、チラチラとこちらに向けてくる。そのたびにチリチリとしたモノを肌に感じた。
時折口を開いて何か言おうとするのだが、すぐに口ごもってしまい、ゴニョゴニョという不明瞭な発音だけが俺の耳朶に届くばかりである。
相手の行動の意図がはっきりしないこの状況に、俺の心中で次第にイライラとしたものが募り始める。
女は依然としてはっきりモノをいう気配を見せないが、こちらも寒い中で、いつまでも付き合える程暇ではない。
そんな俺の心中を知ってか知らずか、女は片手で神経質に、自身の髪をいじくりまわしている。
ややあって俺が見ている事に気が付いたのか、女はハッとして長く艶やかな髪に絡ませていた指を離した。どうやら無意識のうちの行動だったようだ。
そう言えば・・・・・・
『髪の長い女は性欲を持て余している』という都市伝説が頭に浮かんだ。
ばかばかしい取るに足らない噂話だったが、『もじもじとする美少女』というファクター。
さらには彼女が掲げるバナナの絵、というのは、なんとなく性的な印象を抱かせる。気もする。
これはつまりその、あれ・・・なのだろうか?まさかとは思うが彼女は俺を逆ナンしているのだろうか?
それも、AとかBとかすッ飛ばしちゃってベッドへ直行したいタイプなのか?
そうは見えないが、とんでもない淫乱さんなのか?
見た感じどちらかと言うと、そっちとは正反対な気もするが、その正反対というのも実はメディアによって操作された俺のイドラが生み出した幻影に過ぎず本当はやっぱりああいうタイプがあれであれなあれなのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや。
アホな妄想はやめよう。いい加減、エロ漫画の読みすぎかもしれん。
エロ関係の創作物ってのはことごとく論理的展開を無視している。どうも知らないうちに思考を毒されていたようだ。
いかんな。
『早朝。さわやかな日差しの下、うら若い娘がパンをくわえて慌てて走る。曲がり角で少年とぶつかり、勢いあまってで合体』
なんて話が平然と出てくるフィクションと現実をごっちゃにするとは。
どう考えても正常ではない。
実際目の前の殺気女はどう考えてもそんな性に乱れたな人間には見えない・・・いや、だが待てっ。清純であるからこそエロ漫画的に言えばよりいっそう・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Σ(゜д゜ )ハッ
―――――――うおおおおっ、、、!畜生っ!!毒されているっっ!!!
良し。決めた。帰ったらAV・エロ漫画・エロ小説は全て捨てよう。半端にストーリーがあるからいけないんだ。
これからはグラビアを使用する事にする。
殺気女が何時までも要件を話そうとしないので、俺の思考もあさっての方向へ飛んでしまいがちだった。
女からは依然として殺気が放たれている。
空気は今やビリビリと震え、遠くの教室の入り口付近には不用意にトイレに立ってしまった生徒が一人。殺気に当てられて倒れている。
このままでは風邪を引いてしまうだろうから、あとで起こしてやろう。
そんな風に殺気女の向こう側へ視線をやっていると、倒れた生徒の脇を女子生徒が一人、足早に通過しようとているのに気がつく。
何時の間にこの階に現れたのか、殺気女と同じくらい綺麗な長髪をした彼女は、うつむきながら廊下をこちら側に向かって歩いていた。
倒れた生徒にも、俺達の存在にも全く気づいていないようで、尚且つ存在感が希薄であるために、こちら側も一瞬前までは彼女を認識できないでいた。
お互いがお互いを認識できないなんて、彼女は俺達とは別の世界の存在なのかもしれない。
通常は隣を歩いていても位相が違うために感知できない何者かが、偶然の条件の一致でその姿を現してしまったかのような・・・
・・・・・・・・・・シュールで、非常識な考えだとは思う。
だが、暗く沈んだ雰囲気をまとう彼女には、此処に有るのかも怪しい、輪郭のあやふやな『影』を連想させるものが、確かにあった。
うつむいているせいで黒髪のすだれに隠れた顔が、こちらに見えないのも大きいのだろう。
顔の見えない女、というのは、何時だって男の好奇心を誘う。
そんなわけで、俺は、なんとなく、彼女がどんな顔をしているのかが気になった。
とはいえ、見ず知らずの相手の顔を下から覗き込むなんて無作法を働くわけにも行かない。
何か上手い方法がないものかと考えあぐねていたが、偶然にも、彼女の方から顔を上げてくれた。
願った瞬間に叶うとは、俺の運勢は上り調子のようだ。
「・・・・・・・ん?」
どこかで見た顔である。
思い出せん・・・いや、思い出した。今思い出した。忘れたと思ったが覚えていた。
あのガラス玉みたいな瞳に、正確に機械で測って付けたかのような目鼻立ち。
どこか人間らしさが希薄なその顔は、何時だったか、行きつけの古本屋で立ち読み中に来店してきた少女の物であった。
お客に絡むのが好きな店主に、お茶をご馳走になっていた姿が印象的だったからだろうか?
別に何かしらの接触があった訳ではないので、忘れていてもおかしくはなかったのだが、意外なことに覚えていた。
しかも少女の方も俺の顔を覚えてくれているみたいだった。
彼女は、少し意外そうな表情をして俺のほうを見ている。
忘れられているならば、こういう反応はありえないだろう。無反応で通り過ぎるはずだ。
なんかこういうのって、素直に嬉しいな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「えう、その、あの」
うん?あれ?なんだ?この状態?なんで止まる?ん?
少女は先ほど顔を上げた場所から動かない。位置的には殺気女の半歩後ろ。正確を期すならば、半歩斜め後ろ。
殺気女は突然俺の視線があらぬ方向で固まるという変化に、戸惑いを抱いているみたいだった。
当然、後ろに目があるわけではないので、背後の少女の存在には気づかず、ただただ殺気の中に所在無げなモノをにじませるのみである。
少女はというと、再び俯き、その場に留まり続けて動かない。
殺気女は俺の視線の先に目を向ける、という考えが思い浮かばないほどに余裕を無くしているようだった。
『あうあう』とか『そ、そぬ・・・・じゃなくて、えと』と言ってオロオロするのみであり。
少女は少女で先ほどから石になったように動かず。
俺は俺で、殺気女が喋ってくれないと反応できない。
つまるところ、
この場は、
完全に、
静止していた。
――――――って待てオイ。
ああ、ああ、ああ、、、、、
畜生。なんだこれ?
お前ら分かってんのか?俺は授業を控えてんだぜ?
っていうかお前らも授業あんだろ?
なんだよ?なに?
なんか言いたい事があるんだろ?ん?殺気女もそうだし。譲ちゃん、あんただって意味もなく立ち止まった訳じゃねーだろ?
なんか言えよ。もう一回言うけどそろそろ授業行かないと遅れるんだよ。
受験終わったからって授業をサボるとかいう非常識は、なんか俺のアレが許さないんだってば。
聞いてる?っていうかあれか。口に出して言わないと分からんか。そうだよな
そうだな。口に出さないと分かんねーよな・・・・・・・
・・・・・・・・・だ っ た ら お 前 ら が 言 え 。
俺はお前らなんてどうでもいいんだよ。
殺気女が現れてからこっち、俺の中で募り続けていたイライラは少女が立ち止まったあたりから爆発的に膨れ上がっていった。
だいたい、この時期に廊下なんて言うクソ寒い場所で立ち続けるアホは居ないわけで。
俺はそんなアホな事をやっている所為で、指先から回った寒気が全身に行き渡り、冷え切ってしまっている。
そこに加えて授業が迫るプレッシャーが追い討ちをかけているのだ。
その不快感たるやお前らに想像できるか?
いや、むしろ想像っていうかお前らが創造してんだよ。ここに俺をつなぎとめてるお前らが。
――――少女は、俺の憤りなんてまるで意に介せず、俯いたまま再び動き始めた。
こっちに来たと思ったら立ち止まり、立ち止まったと思ったら動き始める。
そんなキマグレで自分勝手な彼女の動きは、俺のイライラの針をちょいとばかし危険な水域に押し上げてしまったようだ。
(ったく、なんだこら?言いたい事があったから立ち止まったんじゃねえのか?何勝手に通り過ぎようとしてんだ?)
少女は、殺気女の脇を音もなく通り過ぎる。
そこで初めて殺気女は少女の存在に気がつく。『――あ、通訳さん・・・』と短く声を上げた。
どうやら少女と殺気女は顔見知りのようだ。
だが殺気女から声をかけられた少女は、立ち止まって振り返るどころか、逃げるようにして歩調を速める。
俺はというと、こちらに迫り来る少女に対して、目の前がチカチカするほどの憤りが、腹の底で入道雲みたいに発生するのを、抑制するのに必死であった。
知り合いを無視するという終局的な行動に、殺気女から感じたイライラまでが腹の底の憤りに合流して集約している最中なのだ。
勿論、男として女に手を出すなんてマネはしない。
けれど、何か言ってやって多少なりとも発散させないと、もう、どうにも成らないのも事実であった
少女は俺の右側、青空と中庭に生える枯れ木の先を映す窓を背景にして、今まさにこの場から去っていこうとしていた。
だが、そんな事は、させ、無い。――――――――させてたまるか。
「おい、あんた。」
「―――っ!」
少女は、ビクリと身を震わせる。唐突に声をかけられるなんて、予想だにしていなかったみたいだな。
俺は獲物を捉えた獣にみたいに、一切の躊躇無く言葉を続ける。否。『畳み掛けるようにして』続ける。
「言わなきゃわかんねーんだよ。
なあ。なんか言いたい事があるならよ。言わなきゃ伝わんないままなんだぜ?わかってんのか?
それでいいのか?そのまま伝わらないままなんだぜ?おい。良いのかよ?良いんだな?」
少女は、数歩進んだところで、止まる。
俺は体を微妙に捩りつつ目線をを背後に向けた。その過程で殺気女の姿が目に入る。
所在無げだったのが、今はじっとこちらを見据えていた。
こう着していた状況が変化したことに期待を抱いているらしい。
だがな、そこの殺気女。ここはまずお前が語るべきなんだぜ?勢いで少女の方に言っちまったが。さっきのはホントはお前に言いたい言葉だったんだヨ。
そのまま時間がザワザワと過ぎていく。
たった数秒で。しかし数秒もかかって、少女はこちらを振り向き口を開いた。
ん?おい、ちょっと待て、何故涙声なんだ?
うわっ、いや、そんな事よりお前、この『ジーーー』って音、、、あれじゃねえかよ、チャイムが鳴る直前に聞こえる、あの音じゃねえか。ざけんな畜生っファックガッデム!
「あの・・・誤解殺気、、さんは・・・言っています。
『さっちゃんの話を偶然聞いちゃって・・・話を聞いた人は三日以内にさっちゃんに殺されちゃうっていうから、怖くて怖くて・・・・
バナナの絵で避けられるって言っても、安心できなくて・・・・そ、それで男友に聞いたらあなたに相談すればって!!』」
殺気女は誤解殺気というらしい。なんつー名前だ。名付け親の気が知れない・・・いや、あだ名か。あだ名だよな。あだ名に違いない。
―――――――――っていうかチャイムなっちゃったしよお・・・・・・・・・・・・・
通称『都市伝説の男』こと、俺は、なんとも名状しがたい奇妙な虚脱感の中、通訳と呼ばれた少女の言葉を受け入れて、一言。
「あー、、その、なんだ?授業終わったら話聞いてやっから、終わったらまた来な・・・・・・・」
―――――はあ・・・帰ったらアダルトサイトの二次絵でストレス解消すっか。
時代はTSだよな。ただし変身は邪道。
やっぱり入れ替わりだ。それも心身共に汚い親父が、生意気なジョシコーセーの体をあり得ない勢いで奪う話が好ましい。
最近のラノベのTSモノ乱発は嬉しくなくもないが、やっぱりどうもいかんな。
TSFはやっぱダークだろ。『ライト』なノベルには永遠に辿り着けん境地があるのだよ。諸君。
ストレス解消後の賢者状態と酷似した感覚の中、俺はぼんやりとそんな事を考えていた。
殺気女がホッと胸をなでおろして、俺と少女にお礼を言っているのが見える。
誤解殺気さん。言っとくけどお前さん、授業に遅れてるんだぜ?
少女の方はと言うと、落ち着いた様子で殺気女に受け答えをしていた。古本屋で初めて見た時から今の今まで変わらない、表情の乏しい貌をして。
ただ、一つだけ白状すると、その顔は。
どことなく輝いているようにも感じられた。
イライラが虚脱感にかき消されて心がまっさらになっていたからだろうか。
俺にはそれが、とてもとても奇麗な物の様に感じられて、仕方がなかった。
(全く・・・人を待たせた挙句、授業に遅らせるDQNどもにこんな感情を抱くとは・・・ね。)
ホントにそのとおりだ。・・・って俺は一人で何言ってんのかね?
友「友が記憶喪失になったようです」
男「そうか」
友「そうかって……もっと、なんかこう、心配してよ」
男「やだよ、面倒くさい」
友「ひでぇ」
男「正直おまえのことなんかどうでもいいんだよ」
友「ひでぇ」
サッカーの中田「呼んだ?」
男「呼んでないよ」
中「そ、そう……」
男「気をつけてお帰り」
友「……」
男「どうした」
友「中田には優しいんだな」
男「別にそんなことない」
友「オレより中田のことが好きなんだな」
男「まあ、どっちかと言えば、そうかな」
友「なんでだよ。オレの方が良いだろ。オレのどこがあいつに劣っているというんだ」
男「サッカーの技術とか」
友「そうか」
203 :
ほんわか名無しさん:2008/07/05(土) 22:52:50 O
突然の中田の登場にフイタw
ところで男が記憶喪失、漫画化だそうだが、まだ完結してなくね?
悪戯な風さん「ひゅおー!」
ツンのスカート「ひらりーん」
ツン「キャー!」
クーのスカート「はらりーん」
クー「む?」
ヒーのスカート「ぶひゃおぅ! ぼっ! ぼっ!」
ヒー「ぎゃああああああああ!?」
友のスカート「ちらりーん」
友「やーん☆」
男のズボン「ズボーン!!」
男「ぎょええええええええ!!」
>>203「ところで男が記憶喪失、漫画化だそうだが、まだ完結してなくね?」
>>204「原作者と連絡取れてるなら問題ないと思う。プロットぐらいは貰ってるんじゃないだろうか」
>>204 その文体・・・まさかっ!あんたはっ!!
一体誰かは置いといて。
こっちの方の記憶喪失は続きまだかな〜(*゚∀゚)
ストックあるなら遠慮せずに投下キボン
つか記憶喪失読んでみたいんだが
どこで読めるんだ?
207 :
ほんわか名無しさん:2008/07/07(月) 12:14:56 O
7×で最初の方だけ読める
◇
紫煙が揺れる。
タバコの先から宙に放逐された煙は、しばらくの間ふわふわと頼りなく、カウンター付近の空間を漂っている。
回転する換気扇の羽。拳二つ分ほど開けられたカウンター脇の窓。
煙は、それらが結ぶ線上に達した瞬間、崩れるようにして移動の速度を急速なものへと変える。
浮遊から霧散へと移行した紫煙は、最後の僅かな残留をファンに噛み砕かせる事で、その命を終えた。
タバコから放たれた煙は、例外なくそのコースを辿り換気扇へと消えていく。
その光景はまるで冬のカゲロウだった。
そんな、妙な儚さと寂しさを催す想像をしてしまうのは、きっと窓が開いているからに違いなかった。
窓から流れ込む空気はとてもとても涼しげで、この古本屋で長らく強い暖房にさらされていた彼には、一筋の光明にも思えた。
火照り汗ばんですらいる自らの顔を、冷涼な風が引き締めてくれている。
同時に気持ちも引き締められて、ムワリとした熱で鈍化していた感受性が、覚醒する。
窓から流れ込む空気には、付近の住宅街から発せられるにおいが含まれていた。
カレーやら揚げ物やら、夕飯時に相応しい食欲をそそる香り。
それから環境保護の風潮からか、最近はめっきりしなくなったはずの、石油ストーブのにおい。
あの、ムワリとした独特の、鼻孔の奥から全身を包むような、ストーブが過熱する香りが混じっていた。
「このにおい」
「・・・・・・・・・・」(パタパタパタ、カチッ、パタパタパタ、カタタッ
「なんか随分久しぶり嗅いだ気がするんですけど、あっちの住宅街じゃまだ使ってたんですね。」
「・・・・・・・・・・・なにがー?」(パタパタパタ、カチカチッ、パタッ、パタパタパタパタ
「石油ストーブの臭いですよ。ほら、最近はどこもかしこもエアコンばっかじゃないですか。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」(パタパタパタパタ、カチッ、パタッパタタタタパタッ、カタタッ
「聞いてます?懐かしくないですか?このにおい」
「あ?どこが?」
「いや、だってほら、俺らが子供の頃は割りとよく嗅いだニオイですけど、最近じゃめっきりじゃないですか。」
「訳分かんねっ。石油臭が懐かしいとかどういう神経してんだ?
っつか話しかけんな。こちとらVIPで忙しいんだヨっ」(パタタタッ、カタタ、カチリ、カチカチッ、パタタタタタタタタ、パタッ
「はあー・・・ネットなんかやってないでいい加減、まじめに仕事してくださいよ・・・店主さん。
そのうち潰れちゃいますよ?この店・・・」
「るせー。昨日行った回転寿司のバイトがVIPPERだったんだ。あの野郎。俺のことでスレ立てしてやがる。
ここで見つけたが百年目、ってなw無茶苦茶にしてやんぜwwwww」
「って言うか寿司屋でなにやらかしたんですか(´Д`;)」
入口脇のカウンター前に立つ常連の彼のもとへ、不意に風に乗りやってきた旧知の香り。
それに対する彼のノスタルジーを歯牙にもかけず、カウンター上を占領するノートパソコンに向かい続ける、やる気のない古本屋の女店主。
客である彼は、開店時間にも関わらず平気で遊んでいる彼女を、本気で心配して頭を抱えてみたりする。
とはいえ駅前に広がる繁華街の、紆余曲折した路地を辿った先にある、この流行らない古本屋では日常茶飯事の光景でもあるので、意味のない行動であったりもするのだが。
アマノジャック@新ジャンル専用
新ジャンル「回転寿司のバイトのVIPPER」
ttp://www23.atwiki.jp/new_jack/pages/239.html それより明後日は六甲の天然水の日だぞ。おまいら。なんか月日経つの早いね。
それより七夕にお願いしたか?とか書いてる間にもう7日終わっちまうよwww
願い事なんて考えてねえwwwじゃあ、あれだ。
*'``・* 。
| `*。
,。∩ * 全自動カキ氷機の2スレ目が立ちますように
+ (´・ω・`) *。+゜
`*。 ヽ、 つ *゜*
`・+。*・' ゜⊃ +゜
☆ ∪~ 。*゜
`・+。*・ ゜
よし。完璧だ。
やっぱ完璧じゃないな。日付が変わってから気がついた。
_,,.- ' "~´`'.' 、.
/ ,、---┐`ヽ、
/ 匸,,.-‐'二、___丶
,' _,,.-‐''''l,~´ | i, ',`ヽ.
,' / .l /', / .| | ',
i / /|/- .| l ⌒i .|ヽ、 i
', / i, ノァc、 .| / r'Pl / i .y
/ Y ,-、 i ト'-ソ i/ .ゝ'゛ V 〈
./::::::ヽ〈∫'i ', ~ / ヽ ほしゅっす
/:::::::::::::::]ヽ_ゞ .i - / ヽ 〉
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ゝ、::/ / //ヘ、 ゞヘ、
/ ./γ´::::::::::::ヽ-.-'::::::::ヽ-、
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/∧ i i:::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::ヽ、i
y | | .〉:::::::::::';::::::::::::::::::::::::::::::::::i
なにも無いのもあれなので裏方AA投下しよう。おやすみ
「だいたい―――お客さんもいるんですから・・・」
常連客の彼は、チラリと背後を振りかえりながら言った。
隙間が目立つ本棚に挟まれた通路。
ただでさえ狭いその空間は、腰のあたりまで積み上げられた本に席捲されて、体を横にしなければ通れない程である。
そんな店内の半ばあたり。
カウンターから数メートル離れた位置に一人、お客さんがいた。
もともと大通りから外れていて来店者が少ない上、折からの寒さからか、この日はその『少ない来店者』さえもやってこなかった。
そんな中やってきた『彼女』は、常連の彼を除けばこの古本屋で、今現在唯一のお客さんと言う事になる。
新ジャンル学園の制服を着た彼女は、本を手にとっては本棚に戻し、戻したかと思うと躊躇いがちにまた同じモノを引っ張り出す、という動作を繰り返している。
どうやら、その本を買うか否かを決めあぐねているようだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女店主は常連の彼の言葉に、キーを打つ手を止めて顔をあげた。
まるで今はじめてお客の存在に気づいた風に、ちょっとだけ表情を動かす。かと思うと、唐突に手元の灰皿へタバコを突き刺した。
既にタバコの吸殻で埋め尽くされた中へ、差し込むように突き入れると、さっきまで換気扇へ登っていた煙が、途中でプツリと途絶える。
「ほら、これでいいんだろ?」
「いや、いいんだろって俺に言われても・・・・」
こちらを向いてニヤリとされて彼は困惑する。
彼からすれば、言われたからやるんじゃなくて、言われる前に消してほしい物であった。仮にも『消せ』と言った彼はお客であり、ここは彼女の店なのだから。
そんな風に思っていると、不意にカウンターを挟んだ店主から声がかかる。
「そういやさ、あの辺りってなんだっけ?」
「あの辺りって?」
「あのコがいる辺りの本棚。なに売ってたっけかなあ?」
女店主は、頬をついた手で器用にもメガネを押し上げつつ、余った手で少女の立つあたりの空間を指さした。
「さあ・・・っていうか自分の店なんですからそれくらい把握しましょうよ・・・・」
「め ん ど く せ え。
そもそも今は目録検索できるようにデータベース化してるからな。パソコンでちょちょい、だ。―――――――ほれ。」
古本屋経営者としてあるまじき質問に呆れる彼の脇で、女店主は再びタイピングとクリックを始める。
パタパタカチカチという音が数秒間続いた後、店主は画面が常連の彼にも見えるようにわざわざパソコンを動かす。
「あそこらへんはあれだな。紀行文とかガイドブック。」
「なんでそう言うところ『だけ』は無駄にハイテクなんでしょうね?」
下ろされた長めの髪を肩の後ろにおしやり、続いてタートルネックの襟を軽く整えながら説明する店主へ、彼はわざと冷やかに言ってみる。
この店主、変にメリハリがあるのが特徴で、まじめに仕事をしない半面、こうやって電子目録なんかを完備しちゃってるあたりは意外に抜け目がない。
それにしても接客業なのだから、やっぱりもうちょっと普段から態度をよくしたら良いのでは?と常連の彼は思っているのだが、『変なメリハリ』はそこにも影響しているらしい。
店主は服装次第で接客態度が良くなったり悪くなったりするのだ。
具体的に言うと、現在のようにタートルネックのセーターを着て髪をおろしている場合は、べらんめえ口調で愛想もあまり良くない。
逆に髪を束ねて服もカッターシャツに着替えると、女性的な口調と話好きな性格になる。
常連の彼にとって、どちらが好ましいかと問われれば、接客業としてはやはり後者であった。
だが、そちらはそちらでお客がいない間は彼が店主の長話に付き合わされる、という弊害があったりする。
店主いわく、やる気を出したいときには、髪を束ね服を糊のきいたシャツに変えて気分をスイッチするのだそうだ。
「彼女・・・・」
「ん?」
「ああ、いや、なんでもありません」
「あっそ。――――ああ・・・買うんなら買えよなー。こっちも仕事なんだからよお」
「ちょwwww聞こえちゃいますってwwwwww怒って帰っちゃいますよ?」
「いいのいいのwどうせこんな辺鄙な所に来るなんて余程のモノ好きくらいだってwww」
「自分で言いますかwwww」
店主と軽口を叩きながらも、彼は内心ホッとしていた。
今現在、常連の彼の視線は店主に向けられていたが、意識の方は、本を買うか買うまいか悩んでいる、新ジャンル学園の少女にあった。
先程ポツリと口にしてしまった少女への意識。
それに対して店主が喰いついたり深く追及してこなかったのは、彼にとってはありがたい事であった。
小女がこの店に現れてから、20分ほど経つだろうか。
視線の動きや顔立ちなど、整ってはいながらも人間として見ると、全体的にそこはかとない違和感を感じさせる小女。
それが一週間ほど前に来店したのと同一人物だとわかった理由は、言わずもがなである。
一度しか目にしていなくとも、店主の長話に付き合わされた人物を忘れる事なんて、彼にはできなかった。
なにせ店主の小難しい講義の主たる被害者は、常連客である彼なのだ。
どうしたって長話に付き合わされた人間に対しては、同情を抱かずにはいられない。まして、忘れるなどもっての他である。
そんな、常連客に記憶された少女がおよそ20分前。
とっぷりと日が暮れた所為で真っ黒にしか見えなくなったガラス戸を開いて、来店した。
それまでいつもの如く緩い調子で、店主との書評に興じていた彼であったが、少女の表情が目に入った瞬間、ギョッとした。
具体的にどこがどう、という訳ではない。
小女は以前来店した時と変わらず、人形みたいに乏しい表情で店内に踏み入ってきた。
けれど、以前とは何かが違う。
以前には無かった何かが、そう、端的かつ短絡的に表現するならば、『ギョッと』させるモノが彼女の表情にあったのだ。
それがなんなのか、常連の彼にはすぐにはわからなかった。わからなかったが、気のせいと否定するにはその『何か』は、些か存在感がありすぎた。
『何か』
その表情を、何の心構えもなく目にした人間に対して、軽いショックを与えるくらいの『何か』を含んでいる事だけは間違いなかった。
しばらく考えてみた彼は――その過程で店主の言葉を二言三言無視してしまったらしい。気がついた時には、相手は不機嫌そうにノートパソコンを引っ張り出してパタパタカチリとやっていた――やがて思いいたる。
―――あれは、やる奴の目だ。
心の中で言葉にした後、まるで頭の悪い中学生が漫画の台詞を真似しているみたいな言い方だと気付き、軽く鳥肌が立つ。
だが、その言葉は、一応は的確に『ギョッとさせるモノ』の正体を、彼に説明したという点においては、悪い物ではなかった。
『ヤる奴』『やる奴』『犯る奴』『殺る奴』『遣る奴』・・・・・
時として英語で『do』の訳語とされるだけあって、指し示す意義もスラングを含めれば多岐にわたる―――『やる』。
何かをしようとする人間とは、結果、例外なく『やる』ものだ。
やらなければ何もできないから『やる』のだが、その行為が日常から外れれば外れるほど、『やる』ことに対する本人の意識の度合いは高くなる。
そして、その、『やる』に対する意識の度合いがある一定のラインを越えると、他人にも分かる程の『平素との違い』が現れる。
・・・・例えば人生の浮沈がかかった試験に臨む前。
・・・・例えば誰かと対立していて、その闘いを始めようとする前。
・・・・例えば普段は滅多に自分の意見を言わない人間が、言わなければならない状況に追い込まれた瞬間に。
彼の知る限りでも、確かにそう言った状態にある人間からは尋常ならざるモノが感じ取れた。
もっというと、まるで鳥獣が地震を予知するかの如く、それを感じ取った後には大抵なにか『非日常的な事』が、どこかで起こっていた。
ただ『非日常的』と言っても大事件に発展する例はまれで、ほとんどはその本人に限り重大なことが起こるに過ぎない。
だがそれでも、後で顛末を知って、彼が納得できなかった事は一度もなかった。
違いは主観的に重大なだけなのか、周囲の人間にとっても大変な事をしようとしているのか、くらいだ。
小女は、間違いなく『彼女の日常から外れた事』、場合によっては『周囲の人間にとっても大変な事』をしようとしている。
経験的にそう理解した常連の彼は、ためらった。
それは、一方向への抑制ではなく反対のベクトル同士の引っ張り合い。
つまり
『彼女へ声をかけて事情を聴き、表情へにじみ出てしまう程の重荷を、少しは分かちあうべきではないのか』という気遣いと
『赤の他人が好き勝手に口を出して、いたずらに彼女の決意を乱すくらいなら、何もするべきではない』という心遣い。
どちらも一見すると正しいように思える考えが、彼の中でグニョグニョと渦巻いていた。
5分くらいパタパタという音を傍らにして考えた彼は、結局、虚ろな瞳の少女とは赤の他人の関係を通すことにした。
どんな問題が飛び出すのか分からないのに、カウンセリングのプロでもなければ悟りを開いた聖人君子でもない彼が、下手に手を出してはまずいという判断からである。
決断を下して10分以上たっても、間違っているとは思ってはいない。
思ってはいないが、それでも、『ギョッ』とさせるほどの表情を隠すこともせず、あるいは隠せずに来店したのだから、構ってやるのが道理じゃないか、なんて考えが消えたわけでもなかった。
だから頭では行動を決定しているにも関わらず、未だに常連の彼の心はグニョグニョと渦巻き状態であった。
小女に対する意識が口にのぼったのはそんな彼の心理が背景にあったからだが、傍らに座る女性にとってはあまり興味のない事だったらしい。
女店主はとくに気にしている風でもなかった。
自分は少女が尋常な状態ではない、とすぐに気が付いたにも関わらず、この古本屋の店主は何も感じないのだろうか?
そんな風に思い、そこから更に、『だとすると鈍感な話だし理解してて全くおくびにも出さないのなら尚悪い』、という思考に結び付く。
なので彼は、軽くカマをかけて見る事にした。
なにより、お客さんは本を買うか買うまいか迷っているのだ。ここでアクションを起こさない店主さんはどうかしているとも思えた。
実際には気付いていて、これから何かしらアクションを起こそうとしているので有って欲しいと願いつつ、彼は口を開く。
「彼女、ずいぶん悩んでるみたいですね?もうかれこれ20分位ああやってるんじゃないですか?」
言外に『声くらいかけてあげたらどうです?』という言葉を含みつつ、そんな風に言う。
暇そうに頬杖をついていた店主は、その言葉にジロリと瞳を動かした。
「ああ?」
「いや、だってまずいでしょ。ここで何にもしないなんて。本屋なら・・・・・・みたいな?なん、ちゃって?」
店主の返答には奇妙な迫力があり、それに対する心構えをしていなかった彼はちょっとたじろいで後を続けた。
と、常連の彼があれこれと喋る中、店主は不意にポッケから紐を取り出して髪の毛を束ね始める。
さらにその動きが終わらないまま、椅子から立ち上がったかと思うと、窓を閉め、側の壁にあるクリーム色の換気扇のスイッチをオフにする。
常連客の言葉なんて聞いてもいない様子で動き回る店主に、彼はポカンとした。その口は言葉を発した形のまま、開いたままである。
そんな常連客をよそに、何時の間にやら店主はカウンターの外へさっさと出ていってしまっていた。
店内を少女のいる方へズンズンと進んでいったかと思うと、『ヤホッ♪ずいぶん悩んでるみたいね?』なんて、本の山に挟まれて横ばいになりながら声をかける店主。
一連の動作は一切のよどみなく行われた。まるで、常連の彼の意識、その間隙を突くような形で。
事は、面食らった彼の思考が再稼動をしたころには、凡そ全て終わってしまっていた。
店主の行動が、常連の彼の予想の域を出ていたのはまず間違いがなかった。
「ヤホッ♪ずいぶん悩んでるみたいね?」
「あっ、、はい、ちょっと・・・難しくて・・・・・・」
店主の声に少女は、手にしていた鮮やかな色彩のB5くらいの本から目を離し、俯いていた顔をあげた。
本は、あまり有名ではない作家が書いた鎌倉の紀行文である。
さらにもう片方の手には、黄色を基調とした有名な旅行ガイドブックシリーズの鎌倉編が一冊、見受けられた。店主は『へえ』と口にする。
「ふーん・・・どれどれ?ああ、この作家さんのね。お目が高い。」
女店主は、ちょっと失礼、なんて断りを入れて少女から本を受け取ると、吟味するようにしてゆっくりと手の内で回転させる。
じっくりと紀行文の本へ視線を送りながらも彼女の口調は、褒め称えるような言葉とは裏腹に、あまり起伏のない物であった。
その脇で少女は、無表情に店主の査定と思しき行動を見つめていた。
ただ、やはり突然に声をかけられた為か、無表情の中にもどこか所在なげな物がにじんでいる。
「よしっ。お客さん、前に来た時はなにも買えなかった訳だし、お茶を御馳走したよしみだっ。ちょいと安くするわよ?」
やがて吟味を終えた店主は、軽く勢いをつけて本を少女に差し出しながら、ひときわ高い声でそう告げた。
けれど、割引宣言にも関わらず少女の顔はどこか浮かなかった。
「ん?やっぱり無理かしら?」
「・・・・・・・すみません。その・・・買うべきだとは思います。」
「『買うべき』・・・・って、やっだなーwwwもうっwwwwだったら買いなさいってwwwww」
「いえ・・・でも、それでもまだ、迷ってるんです・・・・買って良いのか・・・買うべきだって解っていても・・・・迷ってるんです。」
絶妙な営業スマイルを伴い優しく問う店主に、少女の言葉はどこか要領を得なかった。
本について語っているにも関わらず、まるで別の事を言っているかのような。どこか上の空な返答。
店主はそんなの彼女の様子を受けて、口元に薄く笑いを浮かべると、軽く息をついた。
「―――お客さん。」
古本屋の女店主は、静かに言う。
その言葉は、話しているうちに再び俯きはじめていた少女が、思わず顔をあげてしまうような、深い響きを持っていた。
「あれよ?ことわざ。案ずるより産むが易しって言うじゃない?
やるべきかどうかって迷ってたら、サクッとやるに限る。うん。物事って7割方その方がうまく行くものよ?」
「それじゃあ後の3割は・・・」
「とっても上手く行く?ってところかしら?」
少女の体全体に染みいった後心の奥へ達すような響きはしかし、『お客さん』の一言のみに限られていた。
あとを受ける言葉は全て、先ほどから変わらない軽い調子のもの。
まるで、『深い響き?さあ、お客さんの聞き間違いじゃない?』と言わんばかりの、冗談めいた口調であった。
けれど、その落差が少女の心を動かしたのだろう。
声を掛けられてからこっち、始終落ち着かない様子を見せていた少女は、安心したような微笑を静かに浮かべる。
小女がこの店に来て、初めて見せたかもしれない明るい表情に、女店主は満足げに一言。
「よしよしwそれじゃあお会計はあっちのレジでね。支払済んだらまたお茶でも出そうかしら?」
・
・
・
・
「しかしまあ、やる気出すために髪まで束ねちゃってまあ。なんだかんだ言って店主さんも気にしてたんですね?
俺、店主さんが仕事であんな素早く動いたの見るの久しぶりですよw」
「あ?なにがだよ?」
「いやいや、だってあの子、なんだか知らないけど随分思い悩んでたみたいじゃないですか。
なにか問題を抱えてるんだって。俺でもわかりましたよ?」
「あー、あー、そーねはいはい。」
「はいはいって・・・・店主さんだって何か気付いたから、ああやって声をかけたんでしょ?
いやー、さすがっていうかなんていうか。彼女、なんか吹っ切れたみたいでしたよ?本も買っていってもらえたしw」
「・・・・ったく・・・めんどくせえ奴だな・・・・あんなのセールストークに決まってんだろ?知るかよ。客のプライベートな問題なんてよ」
「むっ、その言い方は無いんじゃないんですか?
現に彼女、ああいう精神状態でこの店に来たんですから・・・・・・ああ、っと、、つまりはああいう気持でも来る価値のある店って事なんですから」
「はいはーい。質問。お姉さん質問がありまーす。『ああいう』ってなんだよ、お前よお。」
「い、いや、そりゃ、ああいうパッと見で普通じゃないって解る精神状態で、ですよ。」
「『で、ですよ』じゃねえよ。説明になってねーっつーのー。そんなの全部お前の想像だろーが」
「う、、いや、まあそれはそうですけど・・・」
「人の心なんてさ・・・誰にも分からないから」
「まあ。。。そうですけど・・・・・・でも全く分からないわけじゃないでしょう?少しは解るもんでしょう?」
「まーねー。だけどさ、だからって解ったふりすんのもカッコ悪いだろ?
俺は・・・・・・あれさ。つまり自分がわかってることだけやる主義なんだよ。」
「なんっすか、それ?」
「古本屋としては本を買ってもらえないより買ってもらった方が嬉しいって話。」
「なんっすか、それ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・お前・・・・・・・・・・頭悪いだろ?」
「店主さんの説明が分かりにくいんで「ざけんな。死ね。」
◇
目の前で墨をしみ込ませたような色合いの、木製の壁が動いている。
いや、実際に動いているのは私の方であって、壁は止まったままだ。
デッキブラシを前後させるたび、それに伴って私の視界が動く。
ブラシを掴む素手から冷気がしみわたり、全身の筋肉の一筋一筋に針金を通したかのような強張りが常時私を苛んでいた。
その感覚に耐えながら、私は機械的にブラシを動かし続ける。
―――ジャカジャカシャカシャカジャカジャカシャカシャカ
―――シャッシャッシャッ・・・・・バシャバシャビチャ・・・・・ジャカジャカジャカジャカ
放課後の飼育小屋は、水気を含んだ摩擦音に満たされていて外部の音はあまり聞こえない。
床をこする反復運動は持続したまま、視線を下に向けてみた。
コンクリートの床が、デッキブラシの通過した所から濃い色に染まっていくのが見える。
薄い灰色をしていた床は、私の視界に限れば、ほとんどが黒に近い灰色になっていた。
自分が担当する中の一区画が終了した事を悟り、ブラシを動かす腕を止め、折り曲げていた体を起こす。
「――――――っ・・・」
床掃除の作業ををやめた途端、筋肉が強張る感覚が酷くなった。
きっと今まで体を動かしていたために、意識の外へ追いやられていた分が、終了と同時に戻ってきたからなのだろう。
一度はシャンと背筋を伸ばした筈の私は、その感覚に耐えようと、柄の先端を両手で押さえる形で体の正面に立て、そこに体重を預けた。
けれども、ブラシを杖代わりにして息をついてみても、攻め立てるようにして続く痛みはひかない。
それもそのはずで、15時過ぎという日が照って十分に暖かい筈の時間帯でさえも、治まらない冬の寒さ。それから私自身の精神状態こそが根本的な原因なのだ。
休息はまるで意味がない。
―――シャカシャカシャカシャカシャカ、ジャカジャカジャカジャカ
そうやって私が仕事の中で、束の間の静止状態にある間にも、飼育小屋のブラシの音は続いていた。
ただし音源の半分が消えたせいだろう、いくらか小さく寂しい物になってはいたが。
振り向くと私と同じ色のジャージを着た同僚君が、腕まくりをして床をこすっているのが見えた。
彼の向こう側にはこんもりとした山のような黄色と黒の縞模様――トラ吉がいる。
今トラ吉は、ほし草の端っこで借りてきた猫のように行儀よく掃除の終わりを待っていた。
同僚君はそこから程近い所で黙々と床をこすり続けている。
やっぱり男の子だけあって、私が飼育小屋の10分の1を掃除するのと同じ時間で、その2、3倍の面積を終えているようだった。
彼は私の視線にも頓着せず、ジャリジャリと力強い動作で、ただただ仕事を遂行していた。
―――私の、筋肉の強張りが一層強まる。
首筋からうなじを経由して、二の腕を覆うように。
足の指先からふくらはぎと太ももを通り、股関節へ走りぬけるように。
結局のところ、この強張りは。体の動きを制限してくるような全身の異物感は、私の精神状態が原因のほとんどだった。
寒いから、というのはあくまで補助的な要因に過ぎない。むしろ、元からあった固い感覚を、強めているだけ、と考えた方がいいのだろう。
『同僚君と話し合う』
その決意が固まっても、実際にその話を切り出そうとすると、やっぱりどこかでブレーキが働いてしまう。
しっかりと意志を持って行動を起こそうとしても、これまで同僚君に対して堆積された苦手意識や怖さのイメージが、私の事を抑えつけてくる。
それは、同僚君の実物を前にすると、一気にその輪郭をはっきりと表して、抑える力をいや増してきた。
振り払おうと、無視して同僚君に声をかけようと奮闘しているうちに、飼育委員の当番が割り振られた朝と昼の時間を消費してしまった。
・・・・・・・・・・なんというか・・・我ながら情けないと思う。
もう、この放課後の飼育小屋の掃除の時間をおいて他にはない。これ以上引き延ばせば、きっと、全て手遅れになる。
まだ私の心の中は、抑えつけるモノと自身の決意の中で葛藤してはいたが、そろそろ言ってしまおうと思う。
いろいろと不安はあるけれど、何より、そう決めたのだ。
それに、彼を説得しないと、大切な何かを失ってしまうような、そんないわれのない恐怖が心の奥にあった。
もしかしたらそのおかげで私は動かすことができたのかもしれない。
彼の方へ体全体を向けようとするのを、拒否する足を。寒さを伴った緊張で、僅かに震える唇を。
「あの・・・・・」
「ん?」
息を吸う。同僚君は手を止めた。私は、口を動かして。
「お話が―――あります。」
彼はゆっくりと顔をあげ、こちらを見る。
小屋の端の方でトラ吉が、静かに喉を鳴らすのが聞こえた。
236 :
ほんわか名無しさん:2008/07/19(土) 19:01:15 0
男「夏だな」
淡白「そうね」
男「・・・・・・・」(ジトー・・・
淡白「なに?」
男「な ん で 汗 か い て な い の ?」
淡白「別に暑くなくはないけど」
男「汗出にくいんだな。うん。そういうことだな。」
淡白「気になるんならかいてあげようか?
汗」
男「うああああああ!!自分を納得させた側からああああああ!!」
淡白の男ってさあ、なんか名前、佐久間っぽくない?佐久間っていう名前な気がする
237 :
ほんわか名無しさん:2008/07/22(火) 00:49:23 O
男「……」
無反応「……」
まんぼう「……」
鸚返し「……」
男(……この沈黙、何故か和むな)
男「……」
鸚返し「……」
無反応「……」
まんぼう「ぼー」
男(……この沈黙、何故か和むな)
訂正。まんぼう好きスマン。
239 :
ほんわか名無しさん:2008/07/22(火) 01:40:46 0
>>238 あざらし「きゅー!!きゅきゅきゅー!!!!」
鵜 「うっ!」
男 「うっ!」
友 「ウッ!……ふぅ……」
まん「ぼー」
ヒー「男ぉぉぉぉぉぉぉおぉおおお!!」ダダダダダダッ
男「ソニックブーム」シュゴォ
ヒー「へぶしっ!?」
男「……」←
ヒー「……」
男「……」←
ヒー「男ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!!」ダッ
男「ソニックブーム」→P
ヒー「おぶしっ!?」
男「……」←
ヒー「……」
男「……」←
ヒー「……」
男「ソニックブーム」→P
ヒー「はぶしっ!? ち、近づいてないのに!」
男が記憶喪失〜の続きはいつ出るんだろう
あと以前作者が登場する新ジャンルキャラのリクを受け付けてたけどどう絡めるのかが楽しみだ
今書いてぅとこー
書き手カモン!
まとめに今までの男が記憶喪失になったようですをあげておきました。
何か問題があったら言ってください。
249 :
ほんわか名無しさん:2008/08/09(土) 07:08:08 O
グッジョブだ
久々にまとめが動いたのを見たな
新ジャンル学園に入るには手続きするだろ?
ロリ校長に会えるのかと思うとwktkがとまらないぜwwwww
じゃあなおまいら俺は逝ってくるよ ノシ
>>251 守護者「もしうちの校長に少しでも不埒な真似をしたら命は無いと思え」
佐藤「あと渡辺さんにもね(小声で)」
武士デレ「誤殺殿にもなにかしたら首が飛ぶと思(ry」
学園保安部とか設立できそうだなw
それ面白そうだなw
コミケで渡辺さんの人にスケブ描いてもらった
リクしたら『あなたは良い人だ』と喜ばれた
記憶喪失読んだこと無い俺に、面白さを産業で教えてはくれマイカ。
23もあると流石に踏み込みにくいんで、できればきっかけをば与えてくれると嬉しいザマス
260 :
ほんわか名無しさん:2008/08/20(水) 14:13:02 O
記憶喪失は、テンポ的に描きやすいだろうなあとは思ってた
なぜそんな細かい点にまで突っ込みを入れるのか
>>262 すまん。描きやすいって今漫画化してること言ってるのかなって思ってさ。
他意はないよ。
264 :
ほんわか名無しさん:2008/08/23(土) 02:15:29 O
つか登場人物何人くらいなんだ?
凄い多いイメージなんだが、記憶喪失
265 :
ほんわか名無しさん:2008/08/25(月) 21:37:23 0
書き手はもういないのか
横槍サーセンww
新参だがエスコン5に感化されてジャンルキャラ使用のアフター作ってるんだが
需要ある?つかここに投下でおk?
267 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 00:17:48 0
>>265 寂しいか?寂しいのか?
ククククク、、、よかろう。仕様の無いやつめ
以上てすと
VIPでアク禁喰らったよー(^p^)アババー
書き手がオリジナリティーありすぎて新参はついて行けない
269 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 07:51:03 0
産業でわかる新ジャンル 「通訳」残留
新ジャンル「通訳」=伝えられない心の通訳をする読心系新ジャンル くわしくはぐぐって
飼育委員の同僚にビビってる。何故なら心が読めないから。 後は当スレにて
・・・・産業もいらない
あんなに書いたのに〜☆
そして
>>132 >>132 >>132 OTL orz
でもお陰で大分書けたよ再開するねー
270 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 07:55:53 0
11
昼食として購入した、オシャレな名前のサンドイッチ。私は、その最後の一欠片を口に放り込み咀嚼した。
チーズのまろやかさとトマトの酸味が絡みあった旨みが口中を満たす。私はその感覚を充分に楽しんだ末に、それらを嚥下した。
ザラメを加えたラテを少し口に含んで食事の終わりとして、改めて周囲の光景に目をやった。
アメリカの某都市から始まり、世界中に展開しているというそのコーヒーチェーン店には、私と同じくらいの年頃の少年少女が多く見受けられた。
港湾都市発の喫茶店と言う事で、デザイン性の高いもやい綱や羅針盤が描かれた店内の装飾は、茶系の落ち着いた配色となっている。
そこに時折見受けられる、緑のロゴや橙色のほやをかぶせたランプなんかが、丁度良いアクセントとなっていた。
カウンターの向こう側では店員が忙しく動き回り、休日の煩雑な状況をさばいている。
たまにカウンター内部の、ミルクを泡立てる機械から上がるスチームのような音が、店内のざわめきを圧して響いてきた。
某ファーストフード店と同様に『俗悪な資本主義の象徴』なんて批判を時に耳にするこの喫茶店の内部は、コーヒーショップと言う割にクリームの甘い香りの方が強い。
私はそれなりに甘い物も好きなので悪いとは思わないけれど、苦手な人ならば本当に閉口してしまうかもしれない、そんな感じの香りだ。
271 :
新ジャンル 「通訳」残留:2008/08/26(火) 07:57:41 0
新ジャンル学園の最寄駅。
その駅前から放射状に広がるメインストリートのうち、特に飲食店やデパートなどが多く並んでいる通り。
休日の昼間には遊びにきた若者や家族連れが、他の通りからやってきて昼食を取るために、ことさらに賑わっている。
そんな通りの一角。両隣りをファミリーレストランとファーストフード店に挟まれている、道路に面したコーヒーショップ。そこに私はいた。
往来を映すガラス張りの傍に席をとり、この場所を指定した待ち人を待っている。
視線の先では、ガラスの向こう側から差し込む、弱い冬の陽光が机の上にかかっていた。
そこに手をかざして太陽の存在を感じとりながら、忙しく人や車が行き来する往来に目をやる。
手前の歩道には、ひしめくというには些か数が足りないけれど、絶え間ない人の流れがガラス一枚挟んだすぐそこにあった。
その向こう側の車道の方は、今度こそ文字通り車がひしめき合っていて、隙間らしい隙間が見当たらない。
ガラスの端に見える信号は、青になっている筈なのに、まるで全車両がエンジンを切って止まっているかのようだった。
高校生の私でさえも道路行政の不備を疑う程の混雑だ。
さらに車道を挟んで反対側の歩道は、こちらと同様に多くの人が行きかっている。
つまり、休日と言う事で駅前全体が人口過密地になっているのだ。
視界は、歩道に面して並ぶ雑多な飲食店の看板と店舗の入口で終わりを迎える。その先は建造物で遮られていたが、ガラスの上部と店の天井の合間にほんの少しだけ空が見えた。
ガラスに写る僅かな青は、ここ最近と変わる事のない快晴の様相を呈している。休日にはうってつけの空だ。
私はぼんやりと何を思うでもなくそれらの景色を見つめ、やがて視線を机の上に戻す。
十数年間付き合っている自分の細い指が、太陽の光を白く反射していた。
なんで自分がこんな所にいるのか?
じっと手の白さを見つめているうちに、ふっと、脈絡も前触れもなく自分の中の現実感が消え去った。
同時に今まで確かに頭の中にあったはずの、私がここにいる理由が思い出せなくなってしまう。
呆けたような感覚のなか、自分がここにいるのが許されないことのように思えてきて、変に不安な気持ちがわき上がってきた。
まるで間違えて違うクラスに入ってしまい、そのままそこで授業を受けているような。自分がその場に受け入れられていないのに勝手に居座っているような。
子供が親に怒られるのではないかとビクついているのにも似た感覚はけれど、ここで同僚君と待ち合わせる事になった経緯が、脳裏に帰還してくれた事で終わりを迎えた。
◇
『あの・・・・・お話が―――あります。』
数日前、飼育小屋で私は決意をはらんで声でそう言った。
小屋の端の方ではトラ吉が小さく喉を鳴らしていたが、それに対して僅かな意識を割くこともせず、私は彼を見つめている。
『・・・・・・なんだよ・・・話って?』
彼の方も私の真剣なまなざしに気づいたようで、少し緊張した面持ちで返してきた。
ここで彼を説得しなければいけない。
私の心臓は、いよいよ迎えたその時に、料理の達人が千切りをするような速度のリズムを刻んでいた。
男さんと喧嘩別れをしてしまった同僚君。誰とも心を閉ざして、ついに友人だった男さんもいなくなってしまった。
親しい人間がいない彼を、仲直りできるように説得できるのは、同じ飼育委員であると同時に二人が決別する場面を目撃してしまった私をおいて他にはいない。
同僚君の心は閉ざされて、心の読める私にもほとんど表面だけしか読み取れないけど、それでも普通の人と比べれば若干条件は優しい筈だ。
問題は、私が、誰かを仲直りさせるために説得する、なんていう重大事に真正面から真剣に向き合った経験が、皆無であるという事。
失敗は怖いけれど、それでも・・・・・・男さんとの関係を、半分は自分の意思で終えた彼の心には、私が抱いているのと同じ寂しさがあった。
わかりあえる人間がいない、孤独な感覚。
それに気付いていながら、そして二人の修羅場を目撃していながら、見なかったふりをして当たり前の日常を送るなんて事は、私にはできなかった。
だから、ここで、失敗する、かもしれないけど、――――彼を説得しないといけない。そう、私は思っていた。
そして彼の胸元に目をやり、ゆっくりと口を開き・・・
『その・・・わか』
ガチャリ、と音がした。
『失礼するっす〜』
『ってるとは―――は、あ、・・・裏方さん?』
『どもっす。お二人さんっ。
お取り込み中のところちょっといいっすか?
あ、そんな心配そうな顔しなくてもダイジョブっすwすぐ済むっすよ?』
言葉の途中に割り込んできたドアの開く音。
ある意味絶妙のタイミングで割り込んできたのは、裏方雑用さんだった。
当然の如く私達は、ドキリとした表情でお互いに向けていた視線をそらし、今まで纏っていた真剣な雰囲気を隠そうとした。
幸いと言うべきなのか、日中一杯の仕事で疲れた顔をした彼女は、そんな私達二人の緊張感などまるで気付かない様子である。
私と同僚君に挨拶をしながらその間を、ヒョコヒョコとした足取りでトラ虎吉の側へ寄っていき話しかけていた。
『トラ吉、急に検査することになったっす。明日一緒にお医者さんの所に行くっすよ?』
『ガ、ガウ!?煤i゜Д゜;)』
『ああ、いや、別にどこも悪いところはないっすよ?
けど市の条例で決まってたんっすよw
【修学旅行で船が遭難した後、流れ着いた無人島から連れてきた虎は市の定めた検査を所定の日までに受けないといけない】
ってwwなんっすかそれwwwwwwどこのトラ吉専門条例wwwwwwwwっうぇwww・・・あ、『っうぇ』とか言っちまったっす。お恥ずかしいっ。
ま、とにかく今週が期限の最後の日なんっす。うっかり忘れてたっすよ。
こんなこと言ってもトラ吉にはわからんとは思うっすけど・・・・・』
『が、ガウガウ!グガっ!』
『だから悪い所はないっすよ。なんでそんな慌ててるんっすか?』
『ぐう・・・きゅうぅぅ〜〜〜』
『通訳さんの方見てどうしたんっすか?言っとくけど通訳さんに頼んでも検査は無くならないっすよ?』
『ガフン』
『むっ。なんっすか?その態度?あれっすよ?肉食さんとか誤解殺気さんとか呼んじゃうっすよ?ピクル的な意味で』
『ガウっ!?』
不貞腐れた風に腕を組み(腕は・・・虎でも組めるんですね・・・)そっぽを向くトラ吉と、その態度にカチンときて脅かそうと、彼の嫌がったり怖がったりする人物の名を挙げる用務員さん。
そんな光景に私は、『彼は「せっかく二人が話し合うところだったのに余計な所で邪魔しないでほしい」と言っております』とよほど通訳してしまおうかと悩んだ。
悩んだが『二人が話し合う』という語に、裏方さんが反応しても困るので、結局通訳は止めにした。
ここで裏方さんを巻き込んでもややこしい事になるだけだという考えが働いたのだ。
私の視線の先では、すっかり機嫌を損ねてしまったトラ吉が、全身を脱力させたようにしてほし草に横たわっている。
用務員さんはそれをなだめすかし、検査のためと思しきタグを前足にはめようとしている。
それはいつもと変わらない、穏やかな日常の光景に思えた。
私が今ここで同僚君を説得しようとすれば、きっとそんな穏やかな雰囲気は壊れてしまうだろう。
そうすることでトラ吉や裏方さんに気を遣わせたりするのは、何か違う、と思った。
部外者にいたずらに首を突っ込まれたくないという思いはつまり、私たちが感じる重荷を他人に背負わせたくない、という気持ちから来ていたのだ。
『よう』
トラ吉達に目をやりながらそんな事を考える私に、傍らから声がかかる。
同僚君が、腕を組んでこちらを見ていた。
『ここじゃなんだしさ――――』
その言葉は、彼が私と同じことを考えていたのだと示していた。
◇
一気にやるとさるっちゃうから一日おきに投下するつもりです
>>266 おkじゃね?っつか個人的に気になりまくりんぐ
279 :
ほんわか名無しさん:2008/08/26(火) 16:59:56 O
>>278 266ですw元ネタ知ってる人が居て良かったww一応主人公達の子供が男とかになる予定で作成中です。
ため込んでから投下の方が良いと思うのでしばしお待ちを……
トラ吉かわいいのうw
そして私はここにいる。
場所をどうするかという話の中で、どちらからともなく、休日である今日、この喫茶店で、という話になったのだ。
実際私と同僚君は飼育当番以外では殆ど接点がない。
そのため、放課後の小屋掃除の機会を逃してしまえば次のチャンスまで、まるまる一週間待たなければいけない。
さらに用務員さんの突然の乱入が物語るとおり、学校ならばどこであれ、知り合いに目撃される危険があるのだ。
だとすればここは一旦引いて、後日確実に日時と場所を決めた上で、知人を巻き込む心配のない所で話をする方がベターであるように感じられた。
多分、同僚君もそういう意味でここを指定したのだろう。
私は特に疑問を持たずにこの決定に従い、昼食も兼ねて少し早めにこの店にやってきたのだ。
が、すぐにミスを犯した事に気がついた。
別に大きな問題ではないし、ミスと言えるかどうかもわからないつまらない問題なのだけれど。
それでも予想外の事態が、彼を待つ私の周囲で起こっている事だけは疑いようもなかった。
この休日が、何の日のあった週の休日であるか忘れていた私の、ミスと言えばミスである。
「ごめん。待たせちゃった・・・かな?」
「いや、俺もさっき着いたばっかだか―――ぐああっ!」
「ど、どうしたの?大丈夫!?」
「ち、近づくな!!腕が・・・ぐっ・・・我が投影されし幻想が共鳴しているっ!
『奴』が、、、『奴』が近づいている・・・っっ!」
「ど、どうすればいいの?」
「俺に構うな!死にたいのか!?じき、辺り一体消し飛・・・・・・ぐうぅっ・・・・」
「そんな事言われたらますます放っておけないよっ!私達、もう
・・・・・・その・・・・・・・・――――――恋人なんだから・・・・」
「!!
―――・・・・・・・・・・・・(///)」
「(//////)」
少し離れた席で見知らぬ男女が、そんなやりとりを繰り広げていた。
待ち合わせをしていたらしい二人である。
先に来ていた男の人の方が突然立ち上がったかと思うと腕を押えて、それを女の人の方が真剣な表情で構っていた。
正確を期した言い方をすれば、二人とも男女と言うよりかは少年少女と言った方がいいくらいの年格好である。
今は多少落ち着いたのか、先程までのような大げさなアクションはせずに、お互いちゃんと席に着いている。
彼等の会話に耳をそばだてると、『エターナルフォースブリザード』とか『直死の覚醒』とか『カノッサ機関』なんて断片的な単語が、
店内の雑多な音の中から拾いだせた。
どうやらさっきのやりとりは単に落ち着いたというだけで、まだまだ継続中のようである。
男の子は女の子に対して、敵がどうだの真の力が目覚めるだの、漫画のような荒唐無稽な話題を真顔で語っている。彼には妄想癖があるのかもしれない。
ただ、そんな二人の様子は、男の子の方が変に芝居がかったしぐさである事を除いても、妙にぎこちなく場慣れしていない感じがした。
男の子のただならぬ雰囲気に驚いて、そちらに目をやっていた他のお客さん達も、今は興味を失くした風に元の方向を向いている。
私はそれに倣いながらも、芳ばしいコーヒーと甘ったるいクリームの香り。それからガラスから射しこむ陽光に包まれつつ、思う。
嗚呼、初々しい。と
ラテに口をつけて改めて周りを見回してみた。
コーヒーショップの端から端まで目をやり終えた時には、眉間にはしわが寄っていた。
同僚君みたいな顔になっているのは、物珍しさにお砂糖ではなくザラメを入れたは良いけれど、何時までも溶けてくれずラテが苦いままだったからではない。
例えばコーヒーを受け渡すカウンター。ホオズキみたいな色をしたランプの装飾の下で、注文した飲み物を待つ少年と少女。
例えば奥の方の席。ガラス側の席の様に明るくはないけれど、長時間座るには丁度いいであろう、居心地の良さそうなソファに腰を下す少年と少女。
例えば入口付近の支払のカウンターでメニューを選ぶ少年と少女。
それから私の目の前の席で光に照らされて幸せそうに談笑する少年少女。
それから背後の席で偶然手と手が触れると同時に、顔が真っ赤に染まった少年少女。
目を交わす少年少女。手を握りあう少年少女。冗談を言い合う少年少女。
つまり仲睦まじい『少年と少女』。
――――――私は早くも帰りたくなっていた。
店内は2月14日に晴れて結ばれた、できたてほやほやの彼氏と彼女であふれかえっていたのだ。
これにはちょっと閉口せざるを得なかった。
今週初めのバレンタインデーに想い人に告白し、それが成った幸福な二人。
日にちを決めてその日まで準備を重ね、遂にその日に計画を実行する。
迫りくる14日のプレッシャーを常に感じる日々をくぐり抜け、ようやく辿りつき告白が成功した人々だ。喜びも一潮なのだろう。
そして、そんな恋人たちが休日に何もしない訳がなかった。
恐らくこのコーヒーショップは、彼等のデートコースの中で昼食か休憩場所として組み込まれているに違いない。
しかもなんという事だろう。全員初めてなのだ。
ここにいるのは、今回のバレンタインで初めて彼氏彼女ができたという、私と同じ高校生くらいの少年少女ばかりである。
心を読むまでもなく、立ち居振る舞いや反応を見ればわかる。
『イチャイチャしている』のとは違う、どこか適切な距離を計りかねている、ぎこちないやりとり。
けれど赤の他人が傍から見ても、それと分かるほどの幸せなオーラがこれでもかと言う程に発散されているのだ。。
これが一組二組ならば、まだ青春らしくてほほえましいと笑っていられるが、店中に溢れ返っている状況では笑うどころではない。
他のお客さんが男女のカップルであるのに対して、私は一人なのだ。
どうあっても浮いてしまいがちになる。それも見た感じ同じのくらいの年頃であるから、異質性はさらに際立ってしまう。
ただ、周囲のカップルはほとんどが自分たちの世界に浸りきって、私と言う異常を認識していないのが唯一の救いではだった。
それでもやっぱり、私自身が感じる所在ない気分が晴れてくれるような事にはならなかった。
さらに悪い事には『同僚君と話し合う』という事で構えすぎてしまった私は、待ちあわせの一時間も前に来店してしまっていたのだ。
心の準備をする、といった名目で早めに来たのが裏目に出てしまった。
かれこれ一時間近く。
喫茶店そのものが拒絶しているかのような居心地の悪さを感じては、それから逃れるため別のなにかに意識を集中し、
集中がきれては居心地の悪さを感じるという繰り返しを味わっていた。
しかもそんな繰り返しの何度目かに気づいたことがあった。
――これはもしかして、溶け込んでしまうのではないだろうか?
と、いうよりも、誰からも一人きりである私が異質なものとして認識されていないのは、つまり皆それを想定しているからではないのだろうか?
同僚君がやってきたら、私達は周りと同じ『バレンタインに結ばれたカップル』だと認識されてしまうのではないか?
そんな懸念が昼食をとりつつ待ち続ける中、緊張して落ち着かない心に新らしく加わっていた。
当事者である私達にそのつもりが毛頭なくとも、初々しい男女のカップルばかりが目につく中では、どう見てもカップル以外には思われないかもしれない。
しかも私達はぎこちない。私は心の読めない同僚君の事が怖いし、同僚君もそんな私の様子が気に入らないようだ。
なので私達の会話は常にぎこちない。それはこの店の、結ばれたばかりで場慣れしていない客層の雰囲気と、実によく似かよっていた。
これでは溶け込んでしまう。
同僚君がやってくると同時に、私達はそういう事にされてしまう。
このコーヒーショップのに充満する甘酸っぱい空気の発生元でありながら、同時にそれにあてられている人々によって、『初々しいカップル』にされてしまう。
それは、なんというか―――――困る。
明確な理由はないのだけど、なんだか困る気がする。
私と同僚君はそんな関係ではないのだから、そんな目で見られるのは心外だし、それに。
それに・・・これから話し合おうとしているのは、幸せな男女関係からは程遠い、同僚君の内面に踏み込んむような話題なのだ。
この店の浮ついた空気を受け入れていては、決して解決できない問題だ。
私はあくまで他人の目を無視して、説得に集中しないといけない。
周りの人間がカップルばかりだからと言って・・・
一人でいる自分はこの場に相応しくない気がするからと言って・・・
同僚君が来れば、もしかしたら居心地の悪さは解消されるかもしれないからと言って・・・
今の、この、張りつめて、気分が悪くなるほどに緊張した感覚を放棄することは許されない。
そうでなければ彼の心を動かして、男さんと仲直りさせるなんて事はできないのだから。
「ほいよー、とりあえず抹茶ラテにしといたぜ?これなら抵抗なく飲めるんじゃないか?」
「は!お、おお、おこっ、多分なお心遣い感謝するでありましゅ――ありますっ!!」
「いいっていいってwこっちこそ悪いな。無理言ってこんな所、連れてきちゃって」
「そ、そそそそ、そのようなああああ、、、そのようなっ、そのような事はっっ!!!
じ、自分は今こうやって二人でいるだけで天にも昇る気分でありっ!場所がどこかなど、などは些末な問題なのでありますっっ!!」
「ははは・・・それもそうだなw
でもさ、思いもよらなかったなあ。初めて会った時は、こんな関係になるなんて。」
「あああああああ、、、そ、それ、、っそそそ、そんな、、、じじじじじじじじ自分、自分も、、、自分の方がびっくりしてるでででででででありありありますっ!」
またもや、どこかの席から幸せそうな会話が聞こえてきた。女の子の方がやけに狼狽した喋り方が印象的である。
私は、ほんの少し眉を動かした。
なんだか、自分の思考に違和感を感じたのだ。
良く分からないけど・・・・・・・・
今さっきまで私は、このお店の少年少女達と同じ気持ちになることを危惧していた。
そう言った浮ついた気持ちをしていては、同僚君を説得できない、と。
でも、よく考えると、どうして私は、浮ついた多幸感を抱くことを心配していたのだろう?
現在コーヒーショップに流れるこの空気は、異性として付き合っている少年少女がお客さんの大半を占めているが故である。
だからそれに同調するというのは、どこかで異性を意識した人間でなければ有り得ない。
一人である私が、この場の雰囲気を受け入れ緊張を解いてしまう、なんていう危惧はおかしいと思う。
誰か、心のどこかに異性がいないと、そうはならないのに・・・・・・
私は自分が感じるはずもない幸せを心配している・・・・・
少しだけエスコン新ジャンルバージョン書いてみたので投下。
元ネタわからない人はスルー推奨ww
もはや新ジャンルじゃない気がしてきたが・・・w
いつのころからか、男は空を飛ぶ事に憧れた。
人間が持ち得ない翼を作り、自由に空を飛べる様になれる
父がそうだったように……
オーシア空軍基地にて...
男「今日は最後の実践演習か、相棒はお前だファルケン」
ク「フフ、君は私より相棒の方が大事なんだな」
男「俺の2番機じゃあ不満か?」
ク「いや、2番機も贅沢だと思うが、これに少し嫉妬する(ボソ)」
男「ん?何か言ったか?というかファルケンをぽんぽん叩くなよ」
ク「男の父、ブレイズさんもコレに乗ってたんだな」
男「ああ、このフライトスーツもヘルメットも父さんのだ」
ク「ラーズグリーズの悪魔……私の母もそう呼ばれていた」
男「……さて、もうすぐフライトの時間だ」
ク「なぁ男」
男「ん?」
ク「私は男の2番機だ」
男「ああ」
ク「この先本当の戦闘になったとしても、男は死なせない」
男「クーが言うと安心だな、俺の背中は任せるよ」
ク(そう、もう誰も死なせない。 母も男も……)
ヒ「おおおとおおおこぉおおおお!!なぜわたしが3ばんきなんだぁああああああああああああ!!」
男「ヒーはどう考えても遊撃担当だろ。俺の背中はクーに、ヒーには俺の周囲を守って欲しい」
ヒ「うぉおおおおおおわかったあああああああ!!!おとこおおおおおおおあいしてるううううううう!!」
友「そして男の4番機が俺か」
男「友の眼には期待してるからな」
友「ま、男に飛ぶFOX2だけは見逃してるからよろしk」
男「やめれwww」
友「ははは、にしても今日で実践演習は最後なんだな」
男「そうだな、明日からは暇になっちまうなぁ」
ほぼ無(反応)「……………………」
男「あ、すみませんほぼ無(反応)少尉。暇など無いですね」
ほぼ無「男となら暇でも良い……」
男「? 何か言いましたか?」
ほぼ無「…………」
ク「少尉、今日は胸を借りるつもりで行かせて頂きます」
ほぼ無「(こくこく)……」
ヒ「うぉおおおおおお!!きょうこそしょういをおおおおおおおお!!」
友「さて、いくか」
ほぼ無「まって」
男「なんですか?」
ほぼ無「TACネーム、みんなのが決まった……」
男「俺は【Blaze】……ブレイズ?父さんと同じ……」
ク「私は【Edge】……母のと同じだ」
ヒ「わたしは【Chopper】ちょっぱぁあああああああああああああ!!!??」
友「俺は【Archer】か、悪くないな」
数々の想いが詰まったTACネームを、親から子へ受け継がれた。
ラーズグリーズの悪魔の再帰になりえる彼らの、初めてのリアルドッグファイトが幕を開ける。
Ace Combat5.5 〜The New Genre War〜
以下続筆中……誰も見ない気がするがネタを書くなら今のうちwwww
さるった。はやくも(倒置法)
エスコンの人頑張れ。俺はやったことないけど、その空の広さを俺達に見せてくれ。
>>280 コメ感謝っ
男「知ってるか?」
男「クールは3つに分けられる」
男「素直な奴」
男「心を読める奴」
男「アホ」
男「この3つだ」
変態クール「……」
変態もある意味素直だ
ベクトルが違いすぎるがな
>>294 ザルクール「だが待ってほしい。」
留年クール「我々姐属性を忘れないでほしいな」
無知クール「私はどうなるんだ?」
おや?クール絵師はどうした?
今書きためてるジャンル集合もののために質問
ロリ校長は俺の頭ん中では教頭と二人暮らしなんだが、
その設定違和感ない?
教頭の設定による
しいて言うなら教頭は戦闘要員
触手力士と同居させようぜ
でも良く考えたらあれだよな。
ロリ校長が、ガチロリなのかロリに見えるナイスミドルかだよな。
むしろ隣に住んでる(ロリ校長経歴不明)って方が↑の設定をあやふやにできるな
俺としてはガチロリの方が書きやすくはある
教頭は独身以外の設定が思いつかない
>>305 学生時代から才女
そういえばマクゴナガル先生も独身なのかのお(by死んじゃった方の校長
久々にまとめ見たら更新されててびびった
こないだ素直ヒートがvipに戻ってにぎわったけど
学園スレをいっぺんvipに立ててみたらどうかな?
>>307 いいと思うけど、少なくとも夏厨が消えてからがよくないか?
309 :
ほんわか名無しさん:2008/08/28(木) 23:22:39 O
そのためにはまとめの壮大な改変が必要だな
あの新規参入を拒む無意味なキャラクター設定群はなんとかするべき。
一時期参加する新ジャンルを学園の住人が選り分けてたとかで
未だによく思ってないのも多いだろうから変わったことを大々的にアピールすべきだな
一歩間違えれば荒らしやスレストの標的になりかねん
それからついでに言わせてもらうと誤解殺気絵師は学園発長編を二本も漫画化してるんだから、
学園のトップ絵描くべき。まあそこらへんは絵師本人次第だから描くべきってのは言いすぎだが。
それでもまとめ改変時に絵師のサイトでお願いする権利くらいはここの住人にもあると思う
長文でぶち上げて何が言いたいかっつうと
試立新ジャンル学園は純粋な新ジャンル総合スレに生まれ変わるべき。
雑談スレ・複数新ジャンルの絵、SS発表・すでに落ちた新ジャンルの絵、SS発表の機能を備えた
ここの失敗は調子に乗った住人が特定の設定にこだわり始めたからだと思う
このスレは十月あたりに落ちるだろうから、その時を狙ってまとめいじってみたら?
310 :
ほんわか名無しさん:2008/08/28(木) 23:28:32 O
ただ俺はこのほのぼののゆっくりした速度は嫌いじゃないから
VIP帰還は折目折目の時期にだけで良いと思ってる
ほのぼの基本のほうが総合スレとして安定感あるし
今日は栄えてるな。投下したいんだけど大丈夫?
通訳のね。少なめだからいいかな?
エスコンの続きが書けねぇOTL
>>311 仕方ないからwktkして待っててあげるわ!!
わかった。投下する。
昨日さるった分の続きだから少ないと思う。小出しでスマソ
だがまたキリ良くするとさるっちゃう恐れがw
いや。厳密に言えば、私の心の中にも異性がいない訳ではない。ただ、決してそういう目では見てはいないというだけだ。
異性として見ていない相手なのだから、心配はいらない筈だ。
確かに彼は今の私の思考の大部分を占めているけれど、それはあくまで知り合いとして、もしくは私自身の問題としてのはず。
いくら彼と私が男と女であるとはいえ、ここにいるカップルと同様になるなんて有り得ない。
だからおかしい。
とにかくおかしい。
良く分からないけどおかしいのだ。
思考しているうちに、理由のわからない反抗心のようなものが湧きあがってきた。
ほとんど論理も何も無く、無理矢理な結論を下して現在の関心事を締めくくる。
締めくくったはいいものの、変にイライラする気持ちまで一緒に終わってはくれなかった。
未だに空虚な頭と胸の中で熱っぽい感覚が渦巻いている。
それを、どうにかして落ち着かせたくて、私はカップを手に取った。
そろそろ湯気が立たなくなったラテを見つめていると、すぐ側をカップルが通り過ぎていく。
二人は開いた席を見つけ、しばらく何事か言葉を交わした後でそちらへ向かった。
彼等が座った席の周りはやっぱりカップルばかりで。
休憩を終えて、席を立つお客さんもやっぱりカップルばかりで。
自動ドアから外の冷たい空気の中へ出ていく人たちも皆、二人で一組だった。
「まるで・・・二人で一つの生き物みたいです。」
私は微かに嫌悪感を抱いてそう言った。
私と同僚君がそうであるなんて、考えたくなかった。そんな風に見られてしまうと思っただけでも嫌な気持ちになった。
熱くも冷たくもないカップの中の液体を唇につける。
一口すすった。香ばしさとまろやかさ。それから、ザラメが溶けたのかほのかな甘さが感じられた。
二口目は、味を感じる余裕なんてなかった。
窓を挟んですぐ側、歩道の中人の流れに混じって進む同僚君がいたからだ。
私に背を向ける形で、ポケットに手を入れお店の出入口へ向かう彼であったが、不意に途中で立ち止まる。
こちらを振り返り、ガラス越しに小首を動かしてきた。挨拶らしい動作に、私も類似した動きを返す。
再び出入口へと歩いている彼は、以前バスで出会ったときと同じ、パイロットを連想させるカーキ色のジャケットと細いジーンズ姿だった。
最近街でよく見かけるメーカーのジャケットなので、バスでは流行に敏感でおしゃれなのだろうかと勘ぐったりもした。
けど、もしかしたら反対にあまり興味がないのかもしれない。
偶然出会った以前と待ち合わせた今回とで、同じ服装なのだ。
外用の衣服が乏しい可能性があるし、なによりオシャレでない方が彼のイメージに適う気がした。
私は、外出用に羽織ってきた薄いカーディガンをいじくりながら、ぼんやりとそんな事を思っていた。
彼はガラスの枠の外へ消えた後、ほどなくして自動ドアをくぐり入店した。
>>313 wktkされて嬉しいぜっ
執筆はあんまりそのことばっかり考えようとすると、かえって鬱っぽくなるから『頑張れ』とか言わない。
ちゃんと仕事とか課題とか遊んだりしながら、最中に思いついた事をメモれるようにしてればいいと思う。
個人的に通勤・通学途中は結構ネタとか浮かぶかも。
おkわかった。
んじゃ
・新参歓迎のためのまとめ改変
・夏厨消えたころ
ssスレ七Xの掲示板とかで細々と宣伝・予告
・折を見てスレ立て
くらいしてみる?
まとめ改変は俺が暇を見てしてもいいんだけど
>>309のようなことを伝える文が思いつかん
ここも久々にきたし
アイデアあったら教えてくれ
320 :
ほんわか名無しさん:2008/08/29(金) 00:50:23 O
>>309続きだけど
むしろ紹介のページは、新ジャンルとして必要最低限の情報に抑えて
それ以上の細かい設定は、他にページを作って、その設定を扱う作品にリンクを貼れば良いと思う
>>319 TOPに(赤とかで)注意書きで
『新ジャンルはあくまで【ジャンル】です。
本スレの基本的な設定以外の押し付けは控えて、
一見さんも参加しやすい雰囲気を心がけましょう』みたいに書いたりとか・・・かなあ?
まああとはさっきも言ったように例の絵師の掲示板にTOP絵描いてもらうように依頼してみたりだとか?
むしろ注意書きは『参加する前に必ず読んでください』みたいな専用のページ作って、そいつを目立つようにTOPに貼るとか。
流石にいきなり『押し付けやめましょう』はきついしな
あとは単純だがTOPの色変えて、VIPに立てる時には【学園リニューアル!】って大きめに書く。で、スレ落ちたらリニューアルは消すとか。
イメチェンだな。
それからこっちは半分本気で半分本気じゃないんだが、思い切って名前変えるとか。
市長とか出てきてるんだし、【学園都市】とか【VIP市新ジャンル区】とか【新ジャンル市】とか
う〜あ〜〜自分のネーミングセンスがねえ。。。ちょいと・・・
まあつまりは【学園】から【街】にするって感じか。抵抗あるなら、VIPに立てる時だけ変えて、ほの板では以前どおりでも良いかも。
なんにせよ個々の新ジャンルの紹介は、『最低限の定義・本スレの
>>1・URL』だけにすべきだと思う。
逆に分類とかで面白み出したり。七バツみたいに出来たらいいな。
でも分類は議論が分かれそうだから、誰でも編集できるWiki向きじゃ無いかも知れないな・・・
今まとめに載ってる設定が名残惜しいなら
>>320みたいにすれば良いと思う
『参加する前に必ず読んでください』はまとめ・避難所と一緒に
>>1に貼るようにするべきかもな。
それからも一個、『新ジャンル追加の手順』を注意書きのページか新しくページを作って載せるべきだと思う。
【新ジャンル紹介のページ→下の『新しいページ』をクリック→『最低限の定義・本スレの
>>1・URL』貼る
※削除は管理人しか出来ないので、追加するまえに一度、重複が無いかチェックしてください】みたいな感じで。
まあ、アイデアと言えばこの程度か。
もしも本当に改造するつもりなら、TOP絵に関しては俺からお願いしとこうと思うんだが。
>>309 なんで学園住人にそんな権利が発生するのかわかんないんだけど
>>324 >>309の発言をした上でお願いするのは絵師さんもあんまり気分良くないと思うよ
327 :
ほんわか名無しさん:2008/08/29(金) 10:02:28 O
確かに、誤殺絵師は単に「新ジャンル全般が好きな人」であって
「新ジャンル学園の専属絵師」ではない
"描かせる"権利は無いかなと
あと、TOPに置かれると書き手や描き手のイメージ・画風を制限したり、敷居が高くなって他の絵師が来なくなる可能性もある
328 :
324:2008/08/29(金) 10:41:30 O
>>325 すまん。俺もちょっときつい言い方だとは思ってた。
配慮の欠けた発言については悪いとは思う。
ただ権利うんぬん以前に単純に、
TOP絵を描いてもらうのをお願いすること自体に問題があるわけじゃないよな?
『権利』ってのはそういう意味も含んだ言い回しのつもりだった。
『2本も漫画化してるんだから描くべき』についてのは、本当に申し訳ないが実際そうだと思ってる。
例によって、もともと実行するかしないかアヤフヤな所に
雑談スレのノリで書きこんだから、『描くべき』とかキツい 言い方にはなってるが。
それでも、あれほど深く関わってるのだから、学園スレとしてTOP絵を依頼する行為に何もおかしい点はないはず。
もちろん何度も言ってるけれど、あくまで『お願い』『お誘い』してみるだけだから、描かないと言うのならしょうがないと思う。
一応、実際に動くようなら、あちらのサイトに載ってるメールアドレスに、文章ととのえてメール送るつもりだった。
匿名じゃない形でこちらのヤル気を伝えたいのと、やりとりの見える掲示板でお願いすると他の人も『じゃあ俺も』ってなりそうだから
もう一度。
軽率で押し付けがましい発言については反省しています。すみませんでした。
329 :
ほんわか名無しさん:2008/08/29(金) 10:56:06 O
>>327 何度も言ってるが描かせるつもりなんて毛頭ない
あくまで『お誘い』程度の感覚。リニューアルするんで描いてみませんか?みたいに
絵師やSS師がこなくなる可能性については確かに一考の余地ありだな
ただTOPに絵のない今だって絵師は一人もいないし、SSに関しては逆に『描いて貰えるかも』ってやつが増えることも考えられるぞ?
描(書)かない奴はTOPがどうあろうと描かないし、描(書)きたい奴は描くと思うが。新ジャンルそのものを考えれば、誤解殺気の絵師の絵は入る前から目にしてるんじゃないかな?まとめとかで。ただそれでも絵師も書き手も尽きないし
まあイメージ縛るってのは確かにちと怖いし、もうちょっと話し合うべき事だとは俺も思う
TOPに例の絵師の絵を置くと、敷居が高くなるとかイメージ縛るとかいってるが
今だって、こと絵師に関しては誰もいないのが現状じゃないか?
絵を置けば上手くいけば活性化するだろうし、失敗しても今より過疎になるとは到底思えんのだが。
ってか過疎りようが無い。
まぁ発言からして「描かせる」気にしか見えなかったと思うがね、俺含めて数人には
>>331 仮に描いてもらえたのなら、それは『描かせた』ってことと何も変わらないからな。
こちらから働きかけによるんだからな。単に強制でないってだけ。
そこまで言うのなら頼むのはやめとく?
たださ、例え失礼でも失敗するかもしれなくても、何かしないと何も変わらないんじゃない?
実際誤解殺気の絵師が一番頼みやすいのは確かじゃない?
新ジャンル学園専属じゃないって言っても、学園自体が新ジャンルの一部だし、絵師だけがここの作品を画像化してくれてるんだし。
333 :
ほんわか名無しさん:2008/08/29(金) 11:24:57 O
この流れで描いてもらうのは止めておけ
何かこう、良くない
どっちに対しても、な?
>>332 頼むのを止めろとは言わん、俺にはそう見えただけさ
頼むのは良い事じゃねーかな。
どうでもいいけどエロパロとかパー速に行った新ジャンルの話しの続き書かないとな…
エロパロなんか見てないから今どうなってんのやら…
>>333 それじゃあ、まあとりあえず保留ってことで。
ただVIPに立てる件についてはどうすんの?
TOPの件に関してはちょっと性急過ぎたかも知れんな。
もしもVIPに立てる際にまとめを改造するって件が、本格的に動き出すようなら、その際にでもまたじっくり話し合えばいいか。
◇ ◇ ◇
指先が冷たい。
心臓は早鐘のよう。
全身が、強張る感覚がする。
時折、自分は何をやっているのか、何故自分がこんな所にいるのか判らなくなることがあった。先程昼食を終えた後に陥ったのと同じ現象だ。
まるで丸机の向かいに座る人物から感じる、あまりの緊張から、意識だけが勝手に逃げ出そうとしているみたいだった。
「それで、話ってなんだよ?」
ジャケットを脱いでセーター姿になった同僚君は、左肘を机に乗せ身を乗り出す格好で、開口一番、本題へと入ってきた。
前置きも何もない。一瞬前に私の向かいの席に着席したばかりなのに、これである。
『心の準備』をする暇を全く与えてくれないあたり、相変わらずぞんざいな接し方をする人だった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は彼の胸のあたりに目をやりながら、沈黙する。
やがてマグカップがニスで艶やかな机に触れる音が聞こえる。同僚君は、質問と同時にブラックコーヒーを口にしていた。
相手の聞く体勢が整うのを待っていた私は、視線をあげる。
相変わらずの近寄りがたい雰囲気と鋭い目つきが、私を捉えた。
「あの・・・解っているとは思いますが・・・・・・」
私はそこでほんのちょっと躊躇った。
ここから先を切り出せば、本当に後戻りは出来ない。後は彼を説得するか失敗するかの二つに一つである。
同僚君の心は依然変わらず読めないが、意識を集中させると、私が言葉を止めた事を彼がいぶかしんでいるのが、少しだけど読み取れた。
裏返しの試験の問題用紙を、開始の合図と同時にめくる気持ちで、その先を続けることにする。
「2月14日の事。男さんから・・・・・・・・・話は聞きました。全部・・・昔の、その、中学生のころの話も・・・・・・」
同僚君の目が、ほんのちょっと大きくなった。
やはり意外だったのかも知れない。彼は静かにこちらを見やっている。
ガヤガヤという店内の音が、はっきりとした存在感を持ち始める。
沈黙を覆い隠す周囲の人々の話声に晒されていると、嘘をついたのは間違いだった様な気がしてきた。
私は別に男さんから同僚君の話を聞いたわけではない。
それどころか男さんとの間では彼の事を話題にしたことさえないし、今回の行動だって完全に私の独断だ。
けれど、男さんは私が心を読める事を知っている。
フェンスと校舎の間のあの冷たい砂利道で、私がおおよその事情を知ってしまった事にも気付いている筈。
勝手に話を聞いた事にしてしまうのは気が咎めたけど、私の読心能力を知らない同僚君に対しては、これが一番好ましい説明のように思えたのだ。
・・・・・・思えたのだけれど、どうもその判断は間違いだったらしい。
「男が話したのか?」
彼は怖い顔をして聞いてきた。
本当に、低い声色も重苦しく投げかけられた視線も、息ができなくなるのではないかと思うほど圧迫的だっだ。
私は、即座に言葉を選び間違えた事に気が付いた。
サッと血の気が引くなんて、今までは文章上の比喩的な表現技法だと思っていたけど、考えを改めないといけない。
実際に血の気が引いて私の全身が冷たくなっていくのが実感できたのだから。
「もしもさ・・・・・あいつがペラペラと勝手にしゃべったっていうなr」
「あのっ、、、すみませんっ、違います!!」
穏当でない雰囲気を隠しもせずに続ける同僚君を、私は慌てて遮った。
違う?と彼は、もともと皺の寄っている眉間を、さらに深い谷間にしていく。
「えっと、、そのっ、あの、、、、聞いた、というのは別に男さんから話してもらったというのはその間違いで、、、
あの、その、、、えと・・・・・・・・・ともかく男さんは違います・・・別に、彼が話してくれたわけでは・・・ない・・です」
言葉が尻切れトンボになっていくのを自覚しながら、想定外の事態への自身の対応能力の低さを、今更だけど残念に思った。
なんというか、支離滅裂もいい所である。もっとスッキリした言い訳ができたはずなのに。
ただそれ以上に、自分の軽率さが恥ずかしかった。
同僚君にとっては、仲互いをするあの現場を見られたのは、驚いた以上に気まずかったはずである。
そこからさらに、中学生時代にイジメを受けて喧嘩をした、という荒んだ過去まで知られたと解れば、穏やかでいられないのは当然だ。
しかも知らせたのが仲互いをした当の男さんだと言うのだ。
腹いせとして触れられたくない過去を言いふらされた、と取ってしまう可能性持も無くはない。
それに同僚君の事である。単純に関係が切れただけだったのが、これで完全に敵視してしまっても何ら不思議はないのだ。
そうなれば仲直りどころではなくなってしまう。
『男さんから聞いた』なんて台詞は、嘘か真かに関わらず口にしてはいけなかった。
なのに、私は平然とそれを使ってしまった。
人生で初めての説得という行為は、そんな軽率な思いつきで、出だしから躓いてしまった。
「なんだよ。じゃあ話聞いたってのは嘘なのか?」
府に落ちないと言った表情で、同僚君が少し声を大きくして尋ねてくる。
「いえ・・・・・その・・・はい・・・」
「どっちなんだよ?『中学のころの話』って、知ってんのか?やっぱり男から聞いたのか?」
「い、いえっ!男さんからは聞いてませんっ。」
「ってことはあれか?だれか他の奴から聞いたって事か?」
「あ・・・・・い、いえ、その、、、」
「どっちだよ?聞いたの?聞いてないの?」
「その・・・あの・・・――――――――はい。聞きました・・・でも、誰かは言えません」
「言えないのかよ・・・」
「すみません・・・追及しないで頂けると・・・・・・・・その・・・ありがたい、です」
「―――ったく・・・わかったよ。」
そう言うと同僚君は、長めのため息を一つ。額の左半分に手を当てて、うな垂れながら吐き出した。
強く目を瞑ったその姿から、先程までの要領を得ない私の返答に呆れているのが見て取れた。
肘をついた左手で頭を支える彼の向こうで、エターナルフォースブリザードの人がまたもや妙な寸劇を繰り広げている。
今度は目を押えて苦悶の表情を浮かべる彼氏に、彼女の方は真剣に話を聞いてあげている。
同僚君のため息を境に、再び会話の空白が生じていた。
私がカノッサ機関のカップルから視線を戻すと、同僚君は先ほどと同じ姿勢のまま止まっている。
そこに声をかけるべきなのだとは判っていても、何と言って会話を再開したらいいのかが判らなかった。
そう。今のやり取りで私は、はっきりと気付いてしまったのだ。
自分に説得は向かないのだ、と。
相手と摩擦を起こすのを極端に恐れるくせに、心が読める故に自分で考えて相手に接することをしない。
心の起伏を感じた所で半ば機械的に対処してきた私には、相手の気持ちを自分で考えて言葉を発する能力が欠如してしまっていたのだ。
それは相手の気持ちを推し量った上で、意見を変えてもらう『説得』という行動においては致命的であったかもしれない。
なにより心の読めない同僚君が相手なのだから、難易度は格段に上がってしまっている。
強いて言えば、野球をやったことのない人間が、いきなり甲子園の決勝に駆り出されてしまったようなものなのだ。
今更になって私は、自分が無謀な事をしているのだと気付き始めていた。
けれど、だからと言って退くことはしたくなかった。
私は同僚君を説得すると決めたのだ。
たとえ失敗するにしても、私の方から終わりを告げる事はやってはいけない。
多分それは、とても失礼なことなんだと思う。
誰に対して『失礼』なのかは判然としないけど、少なくとも退くことで気が晴れるなんて有り得ない、というくらいは私にもはっきりしていた。
同僚君は相も変わらず額に手を当てた姿勢のままなので、私の方から動くことにする。
おいおい、絵師に来てもらうことが悪いんじゃないぜ?
>>329 把握。権利云々にはもう触れないことにする
TOP絵については
・複数人に描いて貰う
・一定の期間ごとにTOP絵交代
・わざと未完成で描いてもらって他の絵師が描き足す方式にしたり…
とかアイデア次第でなんとかなると思うんだ
TOP絵でなくとも、挿し絵等で依頼しても良いけど
どうするかね
長文スマソ
ジャンル集合もので、新ジャンルたちの十年後を書きたいんだが、
ヒートだけは何してるか想像がつかない
ヒートの十年後って何してるんだろうな
>>345 絵を描いてもらうのは、初めから複数回・複数人前提っていうのは難しいと思う。
誤解殺気の絵師に関しては
・頼みやすい(学園SS漫画化など学園と関わってる。少なくとも学園を悪く思ってはいないはず)
・連絡が取り易い(自分のサイトを持っていて、メール・掲示板などでいくらでも)
っていうのがある。
それだって、そう頻繁に頼むのは、本人がノリ気でない限りあまり好ましくは無い。
他の絵師は、上と同じ理由で難しい。
特に現状は連絡取れない人がほとんどだと思う。クール絵師は新都社で拍手に文添えつければって感じだが。
勿論、ある程度(スレの変わり目くらいか?)の頻度でTOPが変わる方がいいかもしれないけど
失敗の危険性も考えれば特に一回目は、仮に今後誰にも描いてもらえなくなるっていう最悪の事態にも備えて、
長らく使って違和感の無い絵が好ましいと思う。看板娘みたいな。
まあ現実には、ほのぼの板の制限の半年に一回くらいの頻度なら、アリなんじゃないだろうか。
仮に半年以内に1000いくのであれば、それはそれで栄えてるってことだし。
ただ、やっぱり初回はちょっと慎重になる必要があると思う。
俺も長文スマソ
まあ今回は普通に描いてもらって、後は随時他の絵師にも頼めるように手を回したり、時期が来たら雑談とかでそれとなく言ったりしたらどうだろう。
もしくはそれこそ折りにつけてVIPに帰還して、その際に・・・でもいいし。
>>346 ヒント:天元突破『私を誰だと思ってやがる・・・いや、誰でもねえか』
とりあえずTOPに
【必ず読んでね】参加される方へ【お約束】
って感じで
>>320あたりにでてた注意書きのページ作ってみた
みんな見てみてくれ
350 :
ほんわか名無しさん:2008/08/30(土) 16:23:48 O
一応それで大丈夫だと思う
あとは現存の設定のページをどうするか、か。
ところでVIPに立てるのいつ頃?
おいおい、気持ち悪い自治厨が沸いてるじゃないの。
誘わないと誰も絵を書かないスレなんて価値無いのにな。
誤解殺気組(笑)みたいなカス設定が消えるのはいいが。
352 :
ほんわか名無しさん:2008/08/30(土) 21:06:23 O
殺気組?
そんな設定あった?前スレからここにいるが見たことないんだけど
>>351 そんなこといいつつこんな過疎地に来てくれるツンデレさん
自治っていうのかこれ
>>351 じゃあお前は今回のことには賛成なんだな?
もともとキャラ紹介のページをいじるのは、あそこにある設定を大切に思ってる昔からの住人には悪いかもしれないから
反応次第ではそのままでも良いとは思ってた。
あいだを取る形で、以前の、それから今後の細かい設定は作品自体に付属させようと思ってたんだが?
それでどうだろう?
356 :
ほんわか名無しさん:2008/08/30(土) 23:38:31 O
>>352 「新ジャンル達が無人島に漂着したようです」スレとかで出た設定
持ち越して使った奴が居たような気が
>>354 自治と思われても怒らない
本当にウザイのは"人に不自由を押し付けた奴"だかんな
不自由を押し付けた奴ってのは設定厨の事ですねわかります
あそこにある設定を大切に思ってる昔からの住人がウザいんだね!
キャラクター紹介のページは、ちと難しいと思う。
今の『キャラクター図鑑』のままだと、流石に新しく来た人には追加しづらいし、今後軌道に乗ったとするとクラスの数が足りなくなる。
(個性)とか(変態)とかも、面白い分類ではあるけど、そう言った枠に収まらない新ジャンルには難しいと思う。
とりあえず今の所考えてるのは、『登録簿』ってページ作って単純に五十音順に並べてってもらう形式。ここにそれぞれ新ジャンルを載っけてってもらう。
で、分類とかは、また別のページ作って七×みたいな感じでやったらどうだろう?分類の方は特別必要な感じじゃないし。
ただそれだと古本屋の女店主みたいな学校外の新ジャンルがなあ・・・
ああ、でも『登録簿』の中に、『生徒』『職員』『その他学外の知人・関係者』で分ければいいかな?
あとは現在の『キャラクター図鑑』のページをどうするか。
まあどれもこれもVIPに立つまでにやれば良いから慌てることもないか。
他に良い案無いかな?
>>359 そんな感じで良いと思う
今の図鑑については、過去の作品読む人もいるだろうし
消さずに移動するか詳細ページとして変更するかのどっちか
かなと
>>358 そんな悲しい解釈しなくても…
いやそう誤解させる書き方したこっちが悪いんですが スイマセンorz
361 :
ほんわか名無しさん:2008/08/31(日) 08:09:08 O
「率直に言います」
「あ?」
「あ、いえ。言っても良いでしょうか?」
「ああ。」
「その・・・率直に言います。――――男さんと・・・仲直りはできないでしょうか?」
「嗚呼。―――はぁ・・・」
彼は、二度目のため息をついたかと思うと、頭を動かさず視線だけをこちらに向けてきた。
怒っているのか、戸惑っているのか、悲しんでいるのか。彼の眼差しは、ただ鋭さばかりが際立っていて、肝心の内面をうかがい知ることがほとんどできない。
それにじっと見据えられていると、不意に私の喉がゴクリと鳴る。
そのうち緊張で口の中が乾いてくると、生唾を飲み込まない方が良かったのではないかという後悔を感じた。
彼はやがて顔をあげ、はっきりとこちらを見た。左ひじから先が再び机の上に横たわって、陽光を浴びている。
「あのさ・・・なんで通訳がそんなこと言うんだ?」
「え・・・?」
「だから。なんで通訳は俺と男に仲直りしてほしいんだよ?」
「それは、その、、、、」
投げかけられた質問は、予想の範囲外の物で、私は答えに詰まってしまった。
いや、予想の範囲外という言い方は間違いなのかもしれない。
そもそも私は、彼がどんな反応をしてどんな質問をしてくるかなんて、事前に予想していたわけではなかったからだ。
普通なら多少はシュミレーションを行うのだろうけど、ずっと緊張し通しだった私では思いつくこともなかった。
こんな所でも自分の浅はかさが露見してしまい、気持ちが深く落ち込んでいく。
私は項垂れて、どもりがちに言葉を返す。
「男さんは、私の友人ですし・・・同僚君も同じ飼育委員で・・・・・・その二人の喧嘩別れを目撃して・・・・・・なにもしないのはおかしいです・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
両手を揃えて膝の上に、視線をあらぬ方向に向けて自信無く語る私の姿が、彼を刺激してしまったのかもしれない。
同僚君は再びカップを手に取りコーヒーに口をつけたかと思うと、唐突に立ち上がった。
先ほどから予想の範囲外の事ばかりが起こっていたけど、さすがに今回は訳が分からなかった。
半ば目を白黒させて視線を向ける私に、彼は椅子の背のジャケットを掴みながら、つまらなそうな貌をして一言。
「帰る」
カエル・・・?帰る・・・?
短い単語を理解するのに、数瞬を要した。
やがて非常に緩やかな驚愕が私の中で広がり、臓腑が落ち込む感覚を催し始める。
自分は失敗したのかだろうか?床にこぼれた液体が広がるような勢いで、そんな短文が頭の中を埋め尽くしていった。
「どうして?・・・ですか?」
ほとんどパニック状態でモノが考えられない中、やっとそれだけのことを、咽ぶように吐き出した。
彼はジャケットを着込む作業の途中で手を止めて、こちらを向く。
まだ片腕だけをジャケットに通しただけの状態だった。
彼は、通していないほうの手で首の裏を包むようにして触っていたかと思うと、何度目かのため息をつく。
そしてジャケットを着るのから脱ぐほうに切り替え、椅子にかけ、その椅子を引くと、そこに座った。
私の言葉を折り返し地点として、順序が真逆の同じ動作が目の前で行われる。
机から出来る限り遠くへ引かれた椅子に、浅く腰かけ片腕を背に掛けたおざなりな姿勢で彼は・・・
「だってさ。これは俺達の問題であって、通訳に口を挟まれる筋合いなんてないから。」
「そんな・・・」
冷たい、口調だった。
本当に暖房に効いている店内でさえ、寒さを感じてしまうような。
側の窓からヒタヒタと冷気が忍び寄ってきて、体の奥に入り込んできているような気さえする。
これ以上ない程の拒絶の意を含んだ言葉だった。
思わず、総身が震えた。
外の景色が見たいからと言って、冷たい窓ガラスが側にある席にした自分が恨めしかったけど、それ以上に同僚君の事がこわかった。
体が震えたのも、物理的な寒さというよりは、これほどキッパリと相手を拒絶した態度をとれる彼が信じられなかったからだ。
私ならこれほど相手を傷つけて、自分さえも傷つける言葉はどう頑張っても出てこない。
それを、軽々とした口調で言える同僚君が理解できなかった。
理解できなくて、怖かった。
「そうだろ?
まあ、確かにあんな所を見せられて何とも思わない奴はいないと思うけどさ、丁度いい機会だから言っておく。」
―――通訳とは一応この先もしばらくは一緒に仕事する仲だしな
そう付け加え、同僚君はこちらを見据えて、続けた。
「俺は、良い。男と仲直りするつもりもないし、あいつだって仲直りするつもりはもう無いんだよ。」
「そんなこと・・・」
「ん?」
「彼はそんな事思ってませんよ?」
彼の決め付けたような言い方に、先程までの恐れはどこへ行ったのか、急に私の中で反発心が顔を出した。
実際男さんは、関係を終えるつもりでいるかもしれないけど、心の中は同僚君に対する未練でいっぱいなのだ。
あの日A棟とフェンスの間のアスファルトの上で決裂した時も。その後に教室で顔を合わせた時も。
同僚君を目にした男さんの心からは、やるせない、不安定で未練がましい感情が、確かに伝わってきたのだから。
つまり、本人達が切れたと思っていても、男さんの性格や人柄を考えると、今ならいくらでも修復がきくのが実際だった。
同僚君の方には未練はないかもしれないけど、それを呼び起こすのが今の私のやるべきことなのだろう。
いずれにせよ、彼の言い方にはカチンと来るものがあった。
「思ってるさ。お前だって見てたじゃないか。教室で、あいつが旅行に参加する奴らの中から俺を外すところ」
「それは・・・・・・喧嘩別れをした相手に、今までと変わらない調子で接することの方がおかしいです。」
「けどさ、それでもあいつは俺を外したろ?それは、もう切れた。切れたいって思ってるからなんじゃないのか?」
「確かに・・・それはそうです。
でも、男さんの事はお互い良く知ってるはずです。私も、同僚君も。
今なら、いくらでも彼は思いなおしてくれますよ?」
言いながら、男さんの事を思い出していた。
人当たりがよく、万人に付き合いやすい印象を与える男さん。
温和な性格で皆から好かれていて、通訳するくらいしか他人と関わろうとしない私にも友人として接してくれる。
思えば彼の周囲には、いつも誰かがいるような気がする。
その半分くらいは女の子達とのいざこざによる、というのには苦笑してしまうけど、
結局はそれほどに人として魅力的ということなのだろう。
考えているうちに、教室で同僚君を旅行のメンバーから除外していた男さんの姿が脳裏に蘇ってくる。
それまでは積極的に引き入れようとしていた同僚君を、はっきりと『もう参加しない』と男友さんに告げていた。それも、同僚君に聞こえる位置で。
今思えばその時の彼の口調は、先ほど同僚君が席に着いた後の言葉とよく似たモノを孕んでいた。
何かを断ち切ろうとする意思が透いて見えるような、拒絶の意思を前面に押し出した、冷徹で鋭利にして強烈な『言葉』。
普段の男さんで有れば、絶対に口にしないような攻撃性の高い物の言い方だった。
それほどまでに、彼は大きく心を揺さぶられていたのだ。
同僚君と仲互いしてしまったショックから、半ば自棄になっている心境が、男さんの言葉の裏側にあった。
それは、見ていてあまりにも痛々しい光景だった。
説得を決意した本当の理由は他にあるけれど、その場面を目撃したからこそ踏み出した、というのも間違いではない。
私は男さんが、こんな理由で悲しんでいるのを見たくなかった。
彼にはあんな気持は似合わない。何となく、そう思ったのだ。
「だからなんだよ?俺は仲直りするつもりはないっていったろ?」
けど、そんな私の想いも彼には通じないみたいだ。
同僚君は冷たい視線を投げかけながら、そう返してくる。
私は少し焦って会話を続けた。
「寂しくないんですか?それで?」
「別に」
「男さんがいなくなったら、友達が一人もいなくなるんですよ?」
「構わない。」
「男さん・・・・・・可哀そうだとは思わないんですか?」
「言いたい事はそれだけか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
とうとう私は、次に何を言って良いか分からなくなってしまった。
同僚君はにべもなく、機械的に言葉を返すだけで、何か心境に変化をきたした様にはまるで見えない。
頑なな彼の意思も、心の読めないという状況も、私の言葉では何一つ変わらなかったのだ。
負け戦に臨み、そして奇跡は起こらず城壁は依然として傷一つない。そんな中世ヨーロッパの戦争のイメージが頭の中で浮かんで消える。
打ち負かされた絶望感だけが心を占めていた。城壁の理不尽な堅固さ強大さに、笑いさえこみあげてきそうな絶望だった。
「それだけなら、帰らせてもらうから。」
「・・・・・・・・・」
「じゃあな。」
そう言って彼は席を立とうとする。
何か言わなければいけない。
折れかかった心の中でそんな声ばかりが響いて、具体的な方法がまるで浮かばない。
けれど、逼迫した状況と感覚が私の口を押しあけたみたいだった。半ば無意識に、俯きながら私は言った。
「同僚君は・・・・・仲直りしたくないんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・別に。なんども言ってるだろ」
「嘘・・・です」
「嘘じゃねえよ。」
「あなたは嘘をついています。」
「しつこいな。もう切れたって言ったろ。」
淡々と。
私達は淡々と中身のない会話を繰返す。お互いの言葉に深い意味はない。
自分でも何を言っているか分からない中で、ふと、ある事を思い出す。
以前、バスで同僚君と出会った時のこと。
不思議な夢を夢を見た、あのバスでの会話。
――――――あの・・・同僚君はなんで、このバスに・・・?
――――――ん、ああ。ちょっと旅行関係の本を見に駅前まで。
偶然同じ車両に乗り合わせ、沈黙が繰り返される中、何故ここにいるのかを問うた私の言葉。それに対する彼の返答。
それは、思いだしたというよりも、どこか遠くから聞こえてきたような追憶だった。
不意に思い出されたその記憶に、私は俯かせていた顔をあげた。
中腰で席から立とうとした格好のまま止まっている同僚君が見える。その向こう側ではラ・ヨダソウ・スティアーナのカップルが二人で、見えない敵と戦っていた。
目の前の風景と頭の中の光景が混ざり合い、絡みあい、相剋しあっている。
――――旅行。 ――――旅行関係の本。
―――――男さんに誘われていた。
――――旅行に。
―――――私達も一緒に行くかもしれない旅行。
脳内で文章の形をなさない思考が、知覚出来ない速度で諸要素を取捨選択し答えを導き出していった。
そう。男さんは同僚君を旅行に誘いたがっていた。
旅行先で、何故同僚君が中学時代の一件以来、男さんや親しい人間を避けるようになったのかを、真正面から問いただそうと思っていた。
イジメを咎め止めさせる事をしなかった負い目からか、気を遣って追及できなかった問題も、旅行と言う特殊な場でなら覚悟を決めて問う事が出来る。
そう、男さんは考えていたのだ。
今まで同僚君は、その誘いに対して表面上はそっけなく断っている。
けれど彼は旅行の本を探していていると、あの時確かに言っていたのだ。
それはつまり、同僚君は男さんの誘いに応じる事を考えている、と捉えても良いのではないのだろうか?
どこまでそう思っているかはわからないけど、少なくとも、
どこかで男さんとの旅行に加わりたいと。
どこかで彼自身、男さんと昔の関係に戻りたがっているのではないのだろうか?
あくまで推測でしかないけど、そこに賭けてみる、縋って拠り所とする価値はある筈だ。
気がつくと、私の心を占めていた絶望が和らぎ溶けはじめていた。
「覚えてますか?」
「あ?」
「以前バスで乗りあわせた時のこと・・・」
「ああ。覚えてる。それがなn」
「あなたは『ちょっと旅行関係の本を見に駅前まで。』と言っていました。」
割り込むように言い放たれた言葉に、同僚君の眉がピクリと動く。
と、今までの席から腰を浮かせていた中途半端な状態から、急にシャンと立ち上がった。
彼は無言で踵を返そうとしている。
「待って下さい。」
「・・・・・・・・・・・」
早口で押しとどめた。彼はこちらに背を向けたまま止まる。
「男さんと仲直りするつもりがないのに、なんで旅行の本を探していたんですか?」
「それは・・・・・あれは、違う。男達のとは関係ない。」
「嘘です。あなたは・・・嘘をついています。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「本当はやぱっぱり、仲直りしたいと思っているのではないのですか?」
同僚君がこちらを振り返った。
一瞬。
身の危険を感じた。
振り向いた彼の表情にはそれほどに、何か、尋常ならざるモノの影が落ちていたのだ。
それは恐らくは激情に近い感情なのかもしれない。
貌を見たその瞬間に、自分が絞め殺される想像をしてしまうほど、同僚君は今までのどんな時よりも瞋恚に駆られているように見えた。
ゆっくりと。
彼はゆっくりとした動作で、一つ一つ手順を確認しているみたいに、椅子に近寄り、腰を下ろし、机の方に体を寄せた。
その向こうから『月に廚誠を近いし者』とか『我が固有結界を――』なんて大声が聞こえたかと思うと、(´・ω・`)←こんな顔をした人が私達の側を通り過ぎていく。
と、女の子が謝っている声が切れ切れに聞こえてきて、さっきから時折こちらに届いていた、漫画の設定を並べたような会話が店内の喧騒から消え去った。
目の前では、こちらに詰め寄った姿勢で同僚君が口を開こうとしている。
「お前は、俺の何なんだ?」
―――――――――――・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゾル。
背筋からそんな音がした。
忘れかけていた、心臓から全身の末端に至るまで針金が入っているような感覚が、その音で呼び覚まされた。
手足が凍りついてしまったのだ。目の前でこちらへ睨むように顔を向けているナニカが、私を凍らせてしまったのだろう。
眉間の皺は、骨に彫りこまれその形に沿っているかのようで、元からある凹凸なのではないかと錯覚する。
真一文字に結ばれた口も、鋭く歪みながらも見開かれた眼差しも。
明らかに、私を威圧するためだけに機能していた。
「友達か?恋人か?家族か?親戚か?
違うだろ?何でもない、ほとんど他人みたいなお前がさ、俺の何を知っててそんな事が言えるんだ?
言ったはずだよな?俺は男に謝るつもりも仲直りするつもりもない、って。」
声は、あくまで静かだった。
それどころか先程までの押し殺したような低い声から一転して、僅かだけど高音でさえあった。
私は何も言えない。彼の瞳は、白熱しているみたいで怖かったから。
怒っているとか、不快に感じているとか。そういう一般的な感情じゃなくて、もっと根源的な『感情の原液』。どちらかと言うと本能に近い『熱』が彼の中で渦巻いている。
恐怖からか、激しく動悸がする。同僚君が来てからずっと心臓は高鳴っていたけど、それよりも一段階上の次元に昇って行ってしまった。
「俺が良いって言ってるのに、なんで通訳は良くないとか言ってんだ?それさ。おかしいだろ?」
―――いたい。痛いです。
同僚君の突き刺してくるような言葉も。私の心臓が気が狂ったように跳ねまわっているのも。
いたいです。泣いてしまいます。いたい。やめてください。
「俺の言葉を否定するなんてさ、俺の事、知らなきゃできないよな?」
こんなに、痛くて、怖くて、泣いてしまうそうなのに、やめてください。
私はあなたを傷つけるつもりなんてないのに。やめてください。
心が―――体も―――全部、痛いです。
このままだとわたし、泣いてしまいます。泣きたくないけれど、泣いてしまいます。
やめてください。いたいです。傷ついてしまいます。
やめてください。我慢、できません・・・・
・・・・・・・・・・・・・・お父さん。私、彼を傷つけても、、、いいですか?いたい、です。
自分も傷つくかもしれないけど――――私、彼を傷つけます。
378 :
ほんわか名無しさん:2008/09/02(火) 22:12:32 0
はてさて
「お前は俺の事知らないだろ?他人みたいなモンだr」
「知って―――ますよ。」
目を見開いた。
頭が痛い。手足が痛い。体も心も何かも。
でも何より目が痛かった。
じんわりと、目の中で痛みが溢れだす。やがて、一筋、頬を伝って流れおちた。
同僚君はたじろいでいる。私が口応えしたからかも知れないし、私が涙を流したからかも知れない。
「私はあなたの事を知っています。何もかも知っている訳ではないけれど、知っています。」
今の私は、全神経を彼の心を読むことに割いていた。
同僚君の姿を視界の中に捕らえる。
意識を集中し、余分な情報をカットする。
彼の背後の景色が、午後の白い陽ざしと混ざり合い、やがて一枚の白地となっていく。
周りから聞こえる声が耳鳴りにかき消され始める。
プツ、プツ、。一つ、また一つ、。会話が消える。
『なんだ。この店ガキばっかじゃねえか。死ね。』『お前が死ね。コーヒー飲みすぎて中毒で死ね。』
というやりとりを最後に、全てが聴覚検査に用いられる、『ピー』という高音に没した。
「他人だろうがっ。彼女でも友達でもなんでもないだろ。」
「違います。」
「は?なにがd」
「あなたは、私の同僚です。
飼育委員の同じ曜日、同じ時間にペアを組まされた、私の同僚です。」
「!
・・・・・・・――――っ、、、」
唐突に聴覚検査の耳鳴りが『ダン!』という音で、かき消された。
見ると、彼の拳が机の上にある。同僚君が丸テーブルに自らの拳を叩きつけたようだった。
その叩きつける音が、私には幾重にも残響を伴っているかのように感じられた。
白い何も無い空間を消去したその音が、何度も何度も私の中で繰り返されているのだ。
実際には拳を叩きつけた最初の音は、聴覚的な痕跡など何一つ残してはいない。
けれどもその、最初の音に、私の心は完全に絡めとられてしまったらしく、脳内で存在するはずのない響きが間をおかずに連続していた。
今や集中は途切れ、意識は普段の散漫な状態にもどってしまった。
白い世界に没したはずの周囲の景色も、網膜に帰還する。
同僚君の背後に広がる店内の様子が、こちらの注意を反らそうと誘惑してくる。
私達の近くに座っている人たちがこちらに視線をやっていた。
ヒソヒソとした会話があちらこちらから聞こえてきた。
『痴話喧嘩かな?』『男の方が怒ってるみたいだな。』『えー?女の子だって怒ってるよー。』『そう?』『だよー』『そうかー』『えへへー』
『と、止め、、止めた方がい、いいいいいいでありましゅかかっか』
『存在不適合者め。計画に支障を及ぼすつもりか?』『存在不適合者ってなに?』『ふんっ、持たぬ者にはわかるまい。』
『意地悪しないで教えてよ〜』『い、いわゆる超能力者のことだっ。俗な言葉で言うとなっ。』
『おい、見てないで早くしろ。』『あなたみたいな無関心なのが非常識な人を増殖させているんですね。わかります。』
『はいはい。人の情事に首突っ込むのはいいことですね。鬱陶しいから死ね。』『お前が死ね。マンションの組合から村八分にされて孤独に死ね。あとさりげに【情事】とかキショイんですけど。万年発情男さん』
『喧ダメ』『いや、でもさ、喧嘩するほど仲が良いって言うし、それに他人の色恋沙汰に勝手に首突っ込むものじゃないって、ばっちゃが言ってたし』
『婆言?』『うん。俺もそう思う。』『わかっ』『ひょおおおおおおおおおおおお!!』『五月蠅』
『かっかっかっかかかかっかかかかかっかっかっかっかっかっかっかっかっか!?―――止めた方が良いでありますかっ!』『ってまだ言ってたの!?』
『は、はい!イエッサー!自分は報告義務をはああああ、、、はたはた、果たさなければならぬのでありましゅしゅ・・・しゅあっ!』『いや、もういいから(^^;)』
『あれれ〜?あれれ、あれれ〜〜?ふぇ〜、、、ここどこー?佐藤さ〜ん(泣)』ブォンp・・・チンポキッキ!
何だか、悲しくなった。
ほとんど何も知らない人たちが、私達に関して勝手な推測を立てている。
誰も彼もが好き勝手なことを言っていた。結局彼等にとって、私達の事は他人事に過ぎないのだ。
他人事に過ぎないから、なんとでも言える。仮に推測が間違っていたとしても、他人事なのだから傷はつかない。
何も知らないのに推測する、という行為自体が、安全地帯にいるからこそ可能なのだ。安全地帯から飛び出して心身を削っている私達とは違う。
彼らとは認識が違うのだという事実を、はっきりと突きつけられたような気がして、酷い疎外感を感じてしまう。
同じ店の中にいる筈なのに、はっきりと境界線で隔てられているような疎外感だった。彼等の和気あいあいとした雰囲気も隔たりに一層拍車を加えている。
もともと赤の他人なのだから、それはそれでしょうがないとは思うのだけど、平気なのはあくまで曖昧にされていればこそだった。
これほどはっきり目の前に差し出されてしまえば、やはり悲しくなるのは避けられない。
なんとなく、今の同僚君の私に対する怒りが分かったような気がした。
偶然自分の目に留まったモノに対して、当事者でもないのに勝手に結論を下し、勝手に何事であるかであるかを決めつける。
恐らく私は、こうやって自分自身を危険に晒さなければ、そんな事にだって気付くことはなかったのだろう。
けど、それでも私は、そうやってこちらを遠巻きに環視している人々よりも知っているのだ。
同僚君の過去も、彼が心の中に私と同じ寂しさを抱えている事も。邪推や憶測ではなく、事実として知っている事が確かにあるのだ。
だから、それに賭けている。
やっぱり、知り合いと友人が喧嘩別れはしてほしくないから。それに、彼の寂しさを、自分のものとして、知っているから。
彼が拳で机を叩いて、それが怖くて集中が途切れてしまっても、迷うような事はなかった。
自分が彼を傷つけているのだと知って、彼が自分の所為でどうしようもないくらいに取り乱しているんだと知って、
その事実が辛くて酷く私自身泣いているのが分かっても、退こうという気が起こらない。
「黙れよ、頼むから黙れよ・・・・・俺のことなんかどうだって良いだろ!!」
同僚君が吠える。
さっきまでは自分の正当性を主張する形の拒絶だったけど、今はまるで駄々をこねるような言い方をしていた。
「くそっ、、、そうだっ。俺達は同僚だよ・・・・・・だけどそれがどうした!俺達そんな仲良くないだろ!!」
「あなたに仲の良い人がいるの?」
「――――っ!!」
「もう、友達なんていない筈なのに?男さんを突き放したのは、貴方の方でしょう」
「だから・・・・・どうしたっ」
「友人がいなくなったのだから、説得している私が仲の良い人でないのは当たり前の話なのに。」
「知るかよっ!ただ委員会が同じってだけのお前にっ、何が解るんだって俺は言いたいんだよ!!!」
「――――――解らないからこうやってお話をしてるんですっ!!!」
「放っとけよ・・・・・・・・ほっといてくれ・・・・・・・・」
「だけど―――」
「畜生―――」
あなたの、寂しさだけは知っているから!!
俺はもう、独りになるって決めたんだよ!!
私達は、ほぼ同時に叫んでいた。
もう、周囲の視線は気にならない。
ただじっと同僚君の心を読むためだけに、全身を目にして意識を集中していた。
再び返ってきた静かで白い世界の中、机の向かいの人だけが有った。
頭の中で鈍痛が走りまわっている。瞳からは、涙が静かに頬へと伝っていく。
―――彼は、『気分が・・・悪い』と言っています。
―――彼は、『くそ・・・訳・・・わかんねえよ・・・』と言っています。
―――彼は、『その目で見るな。俺を見るな・・・見ないでくれ』と言っています。
―――彼は・・・・
脳細胞が焼き切れるのではないのかと思う程に、強く強く、半ば無理矢理に自らの意識を同僚君へと集中させていた。
頭の鈍痛がますますひどくなり、終にはガンガンと、頭骨を内側から破ろうとしているかのような激しいモノへと変わる。
それでも尚、無視をして心を読もうとしていたけれど、不意に耐えがたい吐き気が混み上がり集中は途切れてしまった。
一瞬前まで確かに聞こえていた同僚君の心の声が、サッと消え去る。
そこで私は、今更ながら、自分が荒く息をしているのに気がついた。
静かな世界の中で、私と、彼のゼエゼエハアハアという押し殺された激しい呼吸が、嗚咽みたいに鳴っている。
やがて同僚君は、崩れるように椅子に座った。
いつの間にかお互いに席から立ち上がっていたのだ。
私も、それを受けて、静かに腰を下す。
彼は・・・・・100kmマラソンを終えた後みたいに疲れきった様子で、深く腰掛け項垂れていた。
まるで、眠っているのではないかと疑うわれる程に、深く深く項垂れて。
私はハンカチを取り出して、頬や目頭や目じりを拭う。
こんなに泣いたのはいつ以来だろうか。
鼻をすすることで、熱を持った鼻腔がスッと冷やされるくのを感じながら、そう、思った。
気分を落ち着かせようと、マグカップを手にとって口をつける。ラテは、その一口で最後だった。
・・・・・沈澱していたザラメの甘さが、カラカラとした口の中へ、ジワリと広がっていくのがわかっった。
◇ ◇ ◇
ウンコー
ほんの少しだけ顔をあげて、視線を前に向ける。
すると、人形みたいな顔立ちの少女が、瞳を濡らしながら静かにこちらを注視しているのが見えた。
こいつがここまで食い下がるとは思わなかった。
あの日、男と決別したあの校舎裏で。
俺が通訳と呼ぶ、目の前の少女に現場を目撃されて。
俺も馬鹿じゃあない。あれで男とは、何もかも完全に切れてしまっただなんて考えていない。
その後に誰かが動くであろうことは薄々わかっていた。
半ば衝動的に絶交してしまった事を後悔した男か。或いは、事情を知ってしまった、男とごく親しい間柄にある人間か。
誰であるかは別としても、俺と男の関係を修復しようとする誰かが説得を試みるであろうことは予想済みだった。
もちろん、偶然にもあの場に出くわした通訳も含めて、だ。
人との繋がりを失ってしまった人間を前にすれば、普通は誰であれ、それを見なかった事にはできないのだから。
鼻水をすすりあげる鈍い音がした。
目の前の少女は泣きそう、というよりは、ほとんど泣いている状態でありながら、視線だけは決して反らそうとしない。
誰かが説得にくるのは判っていたし、その『誰か』の中には確かに、通訳も含まれていた。
含まれてはいた、けれども、こんなに、こいつが、ここまで深く俺の心の中に入ってくるなんて予想だにしていなかった。
『普段と同じように』こいつに対する苛立ちを持って接すれば、おのずと雰囲気に耐えきれず簡単に引き下がるはず。
そう高をくくっていた。
彼女が、俺と男の仲を修復しようと動くのを予測したにも関わらず、実際にはほとんど眼中になかったと言って良い。
だからこうやって必死になって俺を説得しているのが、『あの』通訳だと言う事実は意外過ぎて、当事者でありながら未だに現実の出来事だという感覚が希薄だった。
息だけで会話をしているような、周囲の人間のヒソヒソといった声が次第に止んでいく。
先ほどまでの怒鳴りあいで、俺達を注視し邪推していた他の客は、静かになったのを受けて最悪の事態を脱したと考えたのだろう。
店内のBGMや遠く離れて俺達の事に気付かない人々の話し声。
そこに微かに聞こえるか聞こえないかの形で混じっていた小声が消え、代わりに普通の大きさと内容の会話が戻ってきた。
彼等は今までのただならぬ雰囲気なんて忘れたみたいに。いや、初めからそんな事は無かったみたいに、笑い合い、お互いの世界に浸っているようだった。
俺達の言い争いを見て好き勝手に内実を推測していたって、結局の所は、彼等は真実を知りたいわけじゃない。
当事者でない彼等にとって本当に重要なのは、どれほど早く俺達二人が、自分達に影響を及ぼさない状態へと移行するかなんだ。
その証拠に誰一人としてこちらに直接的な接触を図ろうとしていない。
真相を知りたかったら、なにかしら手段を講じてこちらに聞けばいいだけの話なのに。
確かに喧嘩の最中に近づくなんて、気まずくて出来ないけど、勝手に推測する意味もない筈だ。
―――まあ、だからどうと言う訳でもないのだけど。
そんな事は随分昔に分かっていた事で、気にかける程でもない。
『他人』は自分の利になることしかしない。何か、ためになる事をしてくれるにしても、それはあくまで自身の善意と保身を天秤にかけ、吊りあった場合に限る。
他人はわざわざ危険や苦痛を犯してまで助けてはくれないし、それを望んではいけない。
恐らくは人生において、出来るだけ早い段階で理解しておかなければいコトだ。
それを理解し納得した上で、人は生きていくべきなのだと思う。
結局は、そこが境界線なんだろう。
危険を冒すか否か。それが、『他人』か否かの境界線なんだろう。
自分のためにどれほど危険を冒し苦痛に耐えるかで、相手が自分をどう思っているかが分かる筈だ。
・・・・・だとすれば。
だとすれば、こいつは一体なんなんだろうか?俺にとって『他人』だった筈のこいつは一体なんなんだろう?
今、目の前にいる少女は、普段の反応やそれに基づいた俺の予想を大きく上回って、食い下がっている。
涙を流し、鼻や目のあたりを真っ赤にしながらも尚、感情の読みにくい貌を背けることをしない。
さっきまではこちらも熱くなって意識していなかったけど、今になって女の子を泣かせてしまったという事実に、胸がチクリと痛んだ。
なんだろうね。
言い訳は好きじゃないけど、普段はあんなにオドオドしていると見せかけて、ここ一番の所で頑として引き下がろうとしないなんて反則だ。
こっちもそんなつもりは無かったのに涙線のラインを見誤って、泣く所まで追いつめてしまった。
いつかテレビのワイドショーで、暴行を加えていたら相手が歯向かってきて、誤って殺してしまった暴走族の話をやっていた。
例えは悪いけど、相手を殺めてしまったと気付いた瞬間の彼等は、もしかしたら今の俺と同じ種類の気分だったのかもしれない。
通訳は、まだまだ先ほどのショックが抜けきらないと見えて、口をつけた飲み物に軽くむせていた。
遠慮勝ちに『ケホッ・・・』と僅かに喉を鳴らしている。
その姿に、『こんな修羅場は未経験』というイメージが今度はちゃんと当たってくれた安堵と、『可愛らしいな』という想いが、同時に湧き上がる。
想いの方は完全に不覚で、意味もなく顔が熱くなった。
じっと見続けていると、通訳もこちらに気づいたのか、口を開いて何かを言おうとしてきた。
俺が顔を逸らすと、相手は僅かな戸惑いの後、言葉を飲み込んで口を閉じる。
―――全く。こいつを『可愛い』なんて思う日が来るなんて。
そう、思う。
初めて会った時は確かに嫌悪を抱いていた相手だと言うのに。
◇
俺が初めて通訳と会ったのは、毎月飼育委員会が開かれている一年五組の教室で。
もともとクラスが同じなのだから、実際にはそれ以前の、年度の初めも初めに教室でクラスメイトとして顔を合わせてはいた。
けれど本当の意味で『会った』というのであれば、恐らくこの日と言う事になるのだろう。俺にとって。そして多分、通訳にとっても。
飼育委員として担当する仕事と曜日を割り振られ、これから仕事をともにする相手として俺達は対面した。
一目見て、気に入らないと思った。
まだ年度の始めでクラス替えが行われたばかりと言う事もあり、お互いに『クラスで見た顔』程度の認識だった。
相手のことなんて、ほんの僅かな情報でしか知りえないのに。
俺は、あいつを嫌いになってしまったのだ。
どこがどう嫌いなのか、と問われれば、その時点では『なんとなく』とか『物腰や雰囲気が』と言った抽象的な答えしか用意できなかったろう。
ただ、今ならはっきりと言える。
俺は、あいつの取り澄ました態度が気に入らなかったんだ。
何事にも興味をもっていない、まるで俺達とは別の空気で生きているような、傍観者でも気取っているかのような無表情。
世間知らずのお嬢様みたいな、どこか一般的な人間のそれとは乖離した物腰と反応。
俺にはそれが人を見下しているように感じられて、知らず反感を抱いていたんだ。
初めは無意識的なモノだったかも知れない。けど、何度も顔を突き合わせていれば嫌でも気づかざるを得なかった。
こちらが話していても別の場所を見ているような瞳や、ワンテンポ遅れて返ってくる要領を得ない返事。
どこかこの世の物事全般に対して本気になっていないような、超然的な態度。
通訳にとって、人間を相手にするのは、木石に喋りかけるのと大差ない行動なのではないか?
そんな妄想めいた考えを抱くほど、あいつの無感動は著しかった。木石、と言うのであればむしろ、通訳こそが木石のような物だった。
あいつを前にしていると時折自分が、人間ではなく人形かロボットを相手にしているような錯覚を覚えるのだ。
不出来なワンパターンな答えしかできない、中身は血や肉でなく無機質な何か別の物が詰まった人造物。
感情の乏しい貌は均斉がとれていたが、それが余計に俺の、『わざとらしく美女に作られた人形』というイメージを掻き立てた。
人間なのに人間らしくない。そんな通訳を前にすると起こる、何か、何か人間の姿をした別の物を相手にしているよう気味の悪さ。
それは、酷く不安定な気分を催してきて、飼育委員の仕事の時は、胸の奥がムカムカと崩れ落ちて暴走を始めそうな感覚に晒されていた。
加えて決定的だったのは、あいつが俺に対して怯えを抱いているって事だった。
そもそも別に、通訳に人間味がなかったとしても、それは相手の人間性の問題であって、俺がとやかく言う話ではない。
いくら不安定な気分になろうとも、あいつを視界から締め出して、それこそ木か石のように背景に溶け込ませればいくらでも我慢は効いた。
けど、あいつのオドオドとした態度だけはどうにもならない。
普段は無表情で無機質な雰囲気にも関わらず、俺に対する時だけはその中に、紛れもない『怯え』のような物をにじませていたのだ。
どこか視線は泳いでいてはっきりと俺を見ようとはしないし、こちらから話しかけると必ずピクリと肩を震わせる。
白状すると、それはひどく俺の嗜虐心を煽るような反応で――――――そんな気持ちになってしまう自分がたまらなく嫌だった。
通訳を虐待したい気分を耐える事で神経をすり減らし、知らず俺の言葉は刺々しくなり、その所為で相手は余計怯えを強める。
結局唯一の解決方法は、お互いにできるだけ距離を置く事だった。
飼育小屋では自分一人の仕事に専念して相手を見ない。会話も極力避けて必要最低限に抑える。
結果として俺達は、間に流れる重苦しい空気に耐えながら黙々と仕事をこなすだけの間柄になってしまった。
それで良かったとは思うが、少し、残念な気もした。
いや・・・違うな。
『残念』というのも適切ではない、有るか無いかも定かではない一種の後悔だ。
飼育小屋で、虎吉の相手をしている通訳を見ているといつも、それが胸の隅の隅、先っぽの僅かな位置に生まれるのを自覚していた。
普段は無機質で俺に対する時だけ怯えている通訳は、その瞬間だけ無邪気な子供のような笑顔を浮かべる事があった。
多分それは、唯一俺が通訳を認められる瞬間だったんだろう。
相手も自分と同じ動物が好きなのだという安心感。そして何より、多分、あいつの笑顔はとてもとても奇麗に見えたから。
なんとなく、普段からそんな風に笑えばいいのに、と思う事がよくあった。
そいつが俺に向けられないのは、まあ別に気にならないことだったけど、そういう奇麗な物を見る機会が少ないというのだけは、やっぱり残念だった。
きっと俺の態度もあいつの笑顔を奪っているのかもしれない。
通訳に関して、そう考える事もあった。
そんな時、決まって俺の心は、彼女を泣かせてしまった今と同じ、チクリとした痛みを覚えていた。
◇
そして今、あいつは俺の前にいる。
いつもなら絶対にこちらを見据えようとはしないのに、今は、涙を流しながらも目をそらそうとしない。
無機質であるが故に心を奥まで見透かされているような瞳に、うっすらと光る物を携えながら、ただじっと俺を見ている。
ここまでする理由はわからなかったけど、きっと大変な想いをして、今こうしているに違いない。
普段は怯えていて、交わす会話と言えば事務的な物をほんの少し。
あとは逃げるように二人の時間を終わらせ、虎吉か仕事に向かう通訳。
そいつが必死になって真剣そのものの表情で俺を説得しようとしている。
俺は・・・・この真剣な相手には、同じ真剣さで応えなければいけないっていう、畏れに近いモノを感じ始めていた。
自分という物の根幹にかかわるような。そうしなければ自分が自分でなくなてしまうような、腹の底から湧くざわめきを感じていた。
今まで・・・だましだましやってきた。
けどそろそろ、俺は自分で答えを出すべきなんだろう。
なにより、こいつがこれだけ真剣になっているのに、俺だけのらりくらりとかわすのは、どうしようもなく失礼で恥ずかしいって気持ちがあったから。
俺は、項垂れていた顔をあげることにした。
◇ ◇ ◇
同僚君が、項垂れていた顔をあげた。
その貌には、こちらをドキリとさせる何かがある。
どこかで見たように思い記憶を手繰り寄せると、ビルの谷間を抜けた先にある古本屋の、やる気のない女店主さんの顔に思い至った。
色のない瞳の中に、ただ『深さ』だけを表出させた、向けられたこちらが思わず姿勢を正してしまうような貌。
今の同僚君の表情は女店主さんのそれとそっくりだった。
生まれて初めてかもしれない、怒鳴り合いという行動を終えたことで弛緩していた心が、再び張りつめるのを感じる。
「本当は、自分でも馬鹿な事をしたと思ってる」
コーヒーを少しだけ口に含んだ後、彼はそう始めた。
言葉を紡ぐその表情は、一見すると普段と変わらない、眉間に皺をよせた気難しい物である。
けど、今の私にはそこに、峻険さとは別の、弱弱しい何かを認めていた。
「あいつは・・・男は・・・あんなに必死になって、昔みたいに俺が周りに溶け込めるように努力してたのに。
俺はずっとそれを無碍にしてきたんだ。愛想を尽かされて当然だと思う。」
視線を宙に投げ出しながら、彼はポツリポツリと、少しずつ口もとから言葉をこぼしていく。
彼が見ていると思しき机の上の空間に目をやる。
窓ガラスから差し込む陽光は、チラチラと光を反射する塵によって白く霞んだたくさんの光条を現わしていた。
まるで透明に輝く細長い匣を幾本も、窓ガラスから机の上へ斜めにかけ渡しているみたいだった。
その向こう側にいる同僚君には、白く霞んだ空気を通して見ているためか、どこか普段とは違った印象があった。
彼の表情にある弱弱しい何かも手伝って、誰か知らない人間を相手にしているような気分になってくる。
いつも険悪な雰囲気の中作業を共にしている同僚君と、目の前にいる彼を、どうしても結び付けられなかった。
「でも俺・・・あの時からずっと、あいつとどう接して良いか分からなかったんだ。
―――――クソッ、、、だからって・・・なんでこんな事になってんだよ・・・・・っ」
彼の顔にはっきりと、途方に暮れたような苦しげな色が浮かぶ。
肘をついた方の手で、右目の上の方を覆うようにした格好で、しばし止まっていた。
やがて手をどけて、ほんの一瞬こちらを見やり、そのまま虚空に視線を戻す。
その貌からは先程まであった色が消えて、平坦な表情だけがあった。
「俺が中学生のころの話だよ・・・」
語る口調は催眠術にでも掛けられているみたいに抑揚がなかった。
思い出したくない記憶を、感情を殺すことでやっと呼び覚まし得ているのが伺えた。
私は沈黙して、彼の語るに任せる事にする。
とりあえず聞く姿勢を整えようと空になったカップと、細かいパン屑が若干の汚れを見せるお皿を脇へどけておいた。
「あの頃はさ、反抗期っていうのかな・・・
授業中に騒いだり、誰かの事を傷つけたりとかする奴がいたんだ。
小学生の頃なら『可愛いイタズラ』だったのが、体が成長するにつれて度が過ぎていく。
それも先生に言われれば止めてたのが、だんだんと言う事を聞かなくなっていく。
教員もPTAだのなんだのであまりきつくは言えないからさ。図に乗る奴は乗るんだ。
普通じゃ考えられないような酷い事を平然とやってのける。どんなのか聞きたい?―――ああ、聞きたくねえよな。
一年で何十万と貢がされた奴とか、イジメぬかれた挙句に胃潰瘍で入院しちまった女子の話なんて。
ともかくあの年頃はさ、加減ってモンを知らないんだ。本当に相手のことなんて、そこらへんのアリみたいに思ってんだよ。
「はっ。しかも笑っちまうよな
そういう人を労わらない馬鹿に限って親がうるさかったりするんだ。今で言うモンスターペアレンツって奴だよ。
邪推すんのは好きじゃないけど、ひたすら甘やかされて育ってきたんだろうぜ。本当に基本的な、当たり前の社会のルールさえ教えられずに。
だから、かどうかは解らないけど、ホントに周りの事を考えないようだった。騒ぎたきゃ騒ぐし気に入らなきゃイジメる。
教師がちょいと注意しようもんなら親が呼ばれて飛びでて何とやらだ。始末に負えない。やりたい放題。
俺はさ―――学校が、自分のいる場所が、そんな道理の通らない場所になっていくのが耐えられなかった。
だから、大人が何もできないんなら、出来る奴がやるしかないよな?」
話している彼の瞳に、だんだんと暗い光が宿っていくのが見て取れた。
少しずつ熱っぽさを帯びていく同僚君が、彼特有の噴怒に駆られていくのを予感して、軽い恐怖が芽生える。
なのに私は彼から目を離せなかった。彼の話すような経験なんて自身には無いにも拘らず、何故かその感情に共感して言る自分がいたのだ。
私は、能面がだんだんと暗い色を帯びていく過程をただじっとジッと見守り続けている。
「弱い者をイジめるのは悪い事だし、授業を妨害すんのも悪い事だ。
それは止めさせなきゃいけない事の筈だ。誰かがやらなきゃいけない筈だ。
例えそれで親が飛んできて騒動になったって、喧嘩してクラスの雰囲気がギスギスしたって。
イジめられてる奴らの事を考えれば・・・・自分達の学校が、平然と人格を否定する異常な場所になる事を考えれば・・・・
過程がどうあれ、俺が『正しい』って思う行動を続けていれば最後には皆、そっちの方に動いてくれる。
守らなければいけない事。絶対にやってはいけない事。
まだ大丈夫だと思ってた。
仮にわかっていない奴がいたとしても、それはごく少数であって、まだ俺の周りは、『正しい』事が何なのか判っている奴が大半を占めている。
そう・・・思ってた。
けど違ったみたいだ。」
同僚君は両手の肘をつき指を机の上で組むと、その陰に頭を垂れた。
彼の顔のあった位置。その向こう側に例の邪気眼の彼氏とそれに構ってしまう彼女の姿が見えた。
けれどあくまでただ『見えた』だけだ。
カップルは視界に端に映るだけであり、私が意識を向けて見ているのはただ一人、同僚君だけだった。
今や彼の話だけが私にとっての関心事で、その他の事に対しては、普段の自分からは考えられないほど注意が行かなかった。
『違う?』
私はそう尋ねる。
彼はほんの少し顔をあげて私に視線を向けた。
『ああ。違った。』
そんな答が返ってくる。
垂れた髪の毛と組んだ手の合間から、こちらを覗かれているようで落ち着かなかった。
「結局・・・イジメを止めようとする俺に味方してくれる奴なんて一人もいなかったんだ。
誰も彼も遠巻きに自分が傷つかないような位置から見ているだけ。
重要なのは自分に災難が回るか否かで、クラスが良くなろうが悪くなろうが、異常でも狂っていても興味がないみたいだった。
イジメをやってる連中が、俺にちょっとでも親しくしてる奴らを標的にするようになってからは早かった。
あっという間に俺は孤立してったよ。」
――――あの時は訳がわからなかったなあ。
ゆっくりと、また頭をあげて、そのままのけぞるようにして彼は天井のあたりを見つめる。
顔は見えなくともその声には、はっきりと寂しそうな響きが含まれていた。
「クラスで一丸となって不良行為に異を唱えれば、それで済んだはずだ。
イジメもなくなるし授業中騒がれて満足に勉強できないって事もなくなる。
それなのに俺の方を排除するんだ。
まるっきり反対じゃないか。いくら俺に味方すれば目をつけられるからって、悪いのはあっちだってのは判りきったことの筈だ。
標的にされる恐怖はあっても、覚悟しさえすれば問題はいずれ解決できるっていうのに。
何故かそれをやった俺の方が孤立しちまってる。
多分さ、その時になんか、なにか崩れたんだと思う。俺の中で。
思ったよ。ああ、結局おかしかしかったのは俺の方だったんだ。って。
俺が一番大切だと思ってたモノは、少なくともあの時あの場所で俺を取り巻いていた人間の中では・・・・・・
先生にとっても、クラスメイトにとっても、そして、そして男にとっても大して重要じゃないんだって。
物事の優先順位がさ、俺と『普通』の奴らでは決定的に食い違ってたんだよ。
俺が『正しい』と思ってやってたことは、奴等にとっては度の過ぎた異常な行動だったんだ。
自分が傷ついてまで他人を助けたりクラスを良くしようとしたりなんて、『普通』はやらないんだ。
そんなんで解りあえるはず無いよな。
自分とは明らかに違う考え方をしてる奴をさ、わざわざ危険をおかしてまで・・・その危険がどれほど小さなモノでも、そいつを冒して助ける理由なんて無いし。
大局的に見れば利に適った行動も、あいつらにとってはクラスから疎外される危険を孕んでる限り、『絶対にやっちゃいけない事』なんだって。
そう、気づいてしまった。
・・・・・それからだよ。周りの人間と本気で笑いあえなくなったのは・・・・・・・・・・・・
いつも誰かと接するごとに思うんだ。
きっと、こいつも付き合ってるうちに、理解できない事にこだわる俺を、得体の知れない奴と奇異の視線で見るようになるんじゃないかって。
こっちが必死になったって、それが分かってもらえずに距離が開くばかりなんじゃないかって。
誰を相手にしても、そんな考えがいつも頭をよぎるんだ・・・・男にしたって、もう、昔みたいに平然と付き合えなかった。
どっかで、いつか拒絶されるんじゃないかって、それが怖くて、いつも心の中に引っかかりを覚えてたんだ・・・・・・
だから俺は、そんなわだかまりを持って付き合うならって・・・・・・・まあ、そう言う事だ・・・」
最後は消え入る様にして言葉を濁したが、彼の言いたい事は十二分に伝わってきた。
それこそ、これ以上ない程に判然とした形で。
そう。もはや、同僚君の心は閉ざされてはいなかった。
顔をあげ語りはじめてからずっと、普通の人と同じようにその心が読めた。
彼は、心を開いてくれたのだ。
それまでは意識を向けても何も分からず、たまに読めるようなことがあっても、暗い日没直後に霧が出たようなあやふやでおぼろげモノだった。
けれど今は、晴れた真昼のごとくにはっきりと心が読める。
押しても引いてもびくともしない鉄の扉。強い力があれば必ず開くと解っているのに、私の力では錆とつかえの許容する僅かな隙間を行ったり来たりするだけ。
それが、内側から開かれたことが分かった。
誰も彼もはねのけていた彼の心は今、この私が立ち入ることを、一応は許可してくれているのだ。
必死の説得が結実したことに心が軽く温かく浮ついたけれど、彼の言葉と心はそれらを、さっと塗り替えていった。
GJ
通訳さんの頑張りを見て、自分もジャンル長編ものの書きため頑張ろうとオモタ
書き上がったら晒させていただきます。
ものすごく長文じゃないといけないのかな?
通訳さんを見ていたらそんな雰囲気
新参だから分からないけど、短くても投下おkじゃないのかな?
417 :
ほんわか名無しさん:2008/09/07(日) 07:50:15 O
いや、今この瞬間にも投下して良いし長文も短いのも何でもアリだよ?
っつか最近の新ジャンルスレの『長文書いてる途中に別の奴が書き込むな』とか言ってる奴らがオカシイ。
418 :
ほんわか名無しさん:2008/09/07(日) 07:54:13 O
>>415 スマン。これは俺が勝手にハッスル(死)しすぎちゃってるだけ
まとめ見れば解るけど、ホントは地の文だって要らない
419 :
ほんわか名無しさん:2008/09/07(日) 07:59:43 O
ってかコメ感謝なんだぜ
あともう一つ質問
新ジャンルのキャラが学校に入学している話を書けばいいのか?
なら新ジャンル「家」や「元気な司書さん」等学生設定じゃない新ジャンルはどうやったらいい?
なにやっても誰も文句言わないから好きなようにやりなさい。
まさか……おおさかか?
423 :
ほんわか名無しさん:2008/09/07(日) 21:35:46 O
>>420 むしろ学園というより、単純な集合系スレと考えた方が良い。
スピードが遅いから、一度立てたら投下し続けなければいけないっていう
VIPの新ジャンルスレの欠点(特性でもあるけど)を補完できるし
昔は書き込める新ジャンルが制限されてたって聞くけど
結局、そのやり片って新ジャンルスレの特性に合致してなかったんだよね。
入学できない中小新ジャンルの書(描)き手や愛好者、新参が限りなく入りにくいシステムになってる。しかもVIPの集合スレより自由度が低いから、住人にとってもやりにくくて窮屈。自然過疎る
と俺は推測してる
まあ今は複数新ジャンルの絡み書く所、みたいなスタンスで良いんじゃない?
何日放置しても落ちないから、書くだけならかなり気軽。純粋に書きたい人にオススメってトコか。
新ジャンルコメディ・裏方さんと黒子さん#1
裏「あれ、黒子さんじゃないっすか。何してるっすかそんな隅っこで?」
黒『いえ、実は…』
黒『私も裏方家業が長いものですから、広々したところより
せまいところの方が落ち着くんです』
裏「あー、その気持ち分かるっすー」
裏「自分も、ちょっと失礼していいっすか?」
黒『ええ、どうぞ』
裏「じゃ、お邪魔するっす!」
むぎゅ
裏「うー、このせまさがたまんないっすねー」
黒『二人だとなおさらせまくていいですね』
---アハハハ
女友「……あんたら、掃除用具入れの中で何してんの?」
実に良い
同僚君の心からは、あの時校舎とフェンスの間で感じた、そして私自身も抱いていた、酷い寂寥感と自分以外の人間への距離感が絶えず伝わってきていた。
比喩などではなく、本当に、『絶えず』伝わってきたのだ。
私が、ツンさんの幸せを自分のものとして感じられないと理解したあの数十秒ではない。
校舎の影が空気を冷え冷えとさせる、あのフェンス脇での一瞬ですらない。
臓腑が落ち込んで、指先から四肢が凍りついていくような。足元がさらわれて全身が萎え動きを奪われていく。
心の明るさも闊達さもどこかへ行ってしまい、空気が粘り気を持ち始め、何かをすることが果てしなく億劫になっていく―――あの、感覚。
同僚君は、飼育委員の同僚の彼は、私に語る間中。いや、私と相対している間中・・・違う。
認めたくはない。
こんな酷い事実は認めたくない。
けれど、心を読んでしまって分かった。
彼は・・・・ずっと・・・・・・・今語っている中学時代の一件からずっと―――その気持と共にあったのだ。
認めて―――酷いめまいを覚えた。
足元がふらつくほどの衝撃に、全身が無理矢理揺さぶられてるみたいだった。
『雷に撃たれる』
そんな比喩表現が頭に浮かぶと同時に、漫画で衝撃を表現する雷めいたトーンを連想する。
連想は、ピタリと現在の状態にその身を重ね、揺るがしがたいイメージとなった。
私は、雷に撃たれたような気がした。
そう。彼は、周りの人間の理解が得られなかった。
正しいと信じて行った事が、気がつけば度の過ぎた、ただの異常なものとして扱われている。
自分の行動の意味が相手に伝わらず、絶えず誤解を受けてしまう。
それは、遠い昔に私が、保育園の先生から受けた誤解と同じ種類の物だった。
普通に、正常にふるまっている筈なのに、周囲の人間からは何時の間にか異常者のレッテルを張られている。
それは・・・・・・・・きっと自分を大きく変えてしまう程の事なのだろう。
現に、私がそうだった。
あの時、私は、自分以外の人間に見切りをつけたのだ。
もう、自分の事を理解してもらおうなんて思う事をやめてしまった。
子供の頃の事だからはっきりと意識したわけではないけれど、子供の頃だからこそ、理解を得られない反感は性根に染み付いてしまったのだろう。
一歩退いて、他人や世界を薄い膜の向こう側の物として、自分を保っていた。
それで理解が得られなくとも、心の読める私はそれで良かったのだ。
人というものに興味を無くすだけで、曲がりなりにも社会に溶け込むことができた。
けれど彼は違う。
私は心が読めるから、理解を得られなくても不自由はしない。相手の心を読んで、それに沿って反応すれば良かった。
けれど同僚君には私みたいな反則技は存在しない。
理解してもらえない以上、常に摩擦の危険と隣り合わせで生きていかなければならないのだ。
何がどう相手を傷つけるか判らない。
自分が当たり障りないと思って言った言葉が、相手を傷つけ、またその応報として傷つけられる。
その恐怖に耐えなければいけない世界。
それは・・・・・・どれほど辛いものだったろうか。
周りの人間がみんな、自分を傷つけるかも知れない。
その中で拒絶を選んだのは自然な事だったのだろう。
きっと周り全てが敵に見えていたのだろう。誰も味方だなんて思えなかったのだろう。
どこまでも延々と続く地雷原を歩くような。
姿の見えない猛獣が、昼夜問わず常に徘徊する広大なジャングルを行くような。
恐ろしくて泣きたくなるほどの恐怖と寂しさにさいなまれながらも、止まる事の出来ない板挟み。
そんな途方に暮れてしまうような恐ろしい感覚を、私は飼育委員の同僚の彼に抱くだけで済んだ。
けれど同僚君は、およそ全ての人間に抱かなければならなかったのだ。
男さんも含めて親しい人達に対してさえも。
恐らく、彼らと距離を置くようになってしまったのは、それが同僚君なりの最善の方法だったからなのだろう。
お互いがお互いを傷つけないようにする為の、苦肉の最善策だったのだろう・・・・・・
私が心の読めない彼へ抱く恐ろしい感覚。
そしてツンさんやサトリさんにほんのちょっと抱いた距離感と寂しさ。
彼は、それらを周囲の人間全てに、いつも、感じ続けていたのだ。
目の前の彼の心の痛みは、想像以上だった。
恐らくは同僚君と出会い、理解しあえない、心の読めないという状態を知らなければ、想像だってできなかったろう。
だと言うのに、今の私は彼に対して以前ほどの距離を感じていなかった。
それどころか、親近感さえ覚えている。ツンさんやサトリさんに感じたモノとは、真逆と言っていいような近しさを。
虎吉の通訳・・・・・・
忘れる事の出来ない通訳・・・・・・
残留した、通訳・・・・・・
私の耳の中でその時の言葉が中心となって、ここ最近の出来事や聞いた言葉を伴って渦となっていた。
『同僚君と私は似ている。』
言葉の意味をかみしめながら、建物と窓ガラス枠の間に見える、細い蒼穹に目をやる。
何も感慨も与えないただの青が瞳にしみ込むのを自覚した後、私は彼の方を向いた。
「だけど・・・あなたは間違っています・・・」
「・・・・・・・・・」
言われた彼は無表情だった。
心もまた、起伏のない状態で、ただじっとこちらを見てくる。
あまりじっと見つめてくるので、顔をそむけたくなったけど、構わず続けた。
「勝手に理想を抱いて、勝手に皆が自分と同じ事を考えていると思って、そうでなかったから失望して誰も彼も拒絶してしまうなんて・・・・・・
自分が誤解されるのが怖かったのなら、自分の事を伝えれば良かったんです。
必ずしも理解されることは無くても・・・・・・ああやって、男さんと喧嘩別れしてしまうくらいなら。
クラスでいつも独りで、誰も傍にいなくて、最後にはあなたのことを心配してくれる人までいなくなって・・・・・・
それは・・・とても寂しい事だと思います。
あなたは、それで良いんですか?それで納得しているの?
人が信じられなくても・・・・・・みんな・・・・・味方には思う事ができなくても・・・・・
おと、男さん、、があなたを傷、、つけたいなんて、、、傷つけたいなんて思ってるはず無いのに、、、、、
そうまでして、、、あなたは、、、独りが良いの?」
喋っているうちに段々と気持ちがかき乱されて、目頭が熱くなっていった。言い終わった私の口から、『ひっ』と嗚咽が漏れる。
今まででは考えられないほどに私は強い口調だった。
飼育小屋であれほど恐れていた同僚君に対して、毅然としてモノを言っている。
こんなに、激情をあらわにした態度をとるのは初めてかもしれない。
多分それは、発した言葉が彼にだけ向けられた物ではなかったからなのだろう。
今の言葉は、何より自分自身に向けられていた。
私は、自分へのある種の腹立たしさに押される形で、想いをぶつけていたのだ。
ここにきて私は虎吉の通訳が意味するところを理解していた。
裏方さんと黒子さん#2
女友「あんたらさー、化粧とかしないの?」
裏「自分っすか?」
黒『私は全然しませんね……』
女友「えーもったいなーい!二人ともすっごい可愛いのにぃ」
女友「良ければだけど、私が化粧指南してあげよっか」
裏「いやぁ…悪いっすけど、化粧なんか自分の柄じゃないっすよ」
黒『右に同じく、ですね』
裏「それに、自分たちが新ジャンルさんたちより綺麗に
なっちゃったら、申し訳ないじゃないっすか」
黒『裏方は、陰に徹するからこそ美しいのです』
女友「……」---キュン
女友「……ちょちょ、二人ともカモン」
裏「はえ?」
黒『なんでしょう』
ぎゅーっ
裏「ほわっ!?」
黒『な、何ですか!?』
女友「あんたら、そんなこと言って私を萌えさせるんじゃない!
可愛いじゃないか、可愛いじゃないか!!」
ぎゅぎゅぎゅーっ
裏「くっ苦しいっす女友さん……」
黒『愛で圧殺される……』
ロリコン「なあ・・・」
男友「なんっすかあ?隊長」
ロリコン「裏方さんってよお、ロリっぽくね?」
男友「今さらかい大将」
ロリコン「いや判ってる。私だって判ってるさ。裏方さんが完っ全っに旬を過ぎてるってのはよお」
男友「うん。寝言は寝て言え。閣下殿」
ロリコン「けど同時にさ、どっからどう見ても幼児体型なのも事実なんだよっ」
男友「あんた、人の話聞かないとか言われない?」
ロリコン「畜生!!ジレンマだよジレンマだジレンマなんだよおお!!相反する二つの命題っつーの!?」
男友「うんこー」
ロリコン「裏方さんは幼児じゃないのに幼児っぽいとかよお!!」
男友「あーーーーばーーーーあばばばばばば、、、あ、なんか来た。なんか耳鳴りがピーって聞こえるわー」
ロリコン「最近日照り続きの私にゃ裏方さんだって喰っち亜がっががががっがあああああああああああ!!!言葉喋んのマンドクセ」
裏方「て、ってっててててて、、、今度はロリコンさ、、ってぎゃああああ!!なんかブツブツ出てるっすよ!!
―――あ、あれ?」
ロリコン「げええええええええ!!」
黒子『放したかと思ったらジャック・ハンマーレベルの吐しゃ物・・・・ロリじゃないから拒絶反応が出たんですかね?
なんにせよ、、、、ご愁傷様です。』
裏方「ううう、、、そ、それはどっちに対してっすかぁぁぁ・・・うええええええ」
スマン。勢いでやった。反省?今俺の隣で寝てるよ?
裏方さんと黒子さん#3
裏「あぁ…幸せになりたいっす…」
黒『どうかしたのですか?』
裏「昨日新ジャンル『幸せ』さんの撮影があったんすけど、 あの二人はいつもほわほわしてて素敵なんすよねぇ」
黒『私たちには一番縁遠い、普通の幸せってものですね』
裏「……はぁ、裏方って辛いっすねぇ」
黒『くさっては駄目です、きっと私たちの努力は報われます』
黒『頑張りましょう、裏方さん。ファイトです!』
裏「……そうっすね、頑張らなきゃ駄目っすよね!」
黒『私たちは縁の下の力持ち、新ジャンルさんたちの
力になるのが我々の幸せです』
裏「よーし、明日からも仕事頑張るっすよー!」
黒『えいえい、おー!』
女友(裏方さん、黒子さん……)
女友(……あんたら、輝いてるよ!)
裏方さんと黒子さん#4
裏「……はぁ」
黒『鏡の前でため息とは、珍しいですね』
裏「おっぱいが、おっきくならないっす……」
黒『もう成長期でもないですし、それ以上は無理なのでは?』
裏「そうっすねぇ、あんまりおっきくても仕事の邪魔っすからねぇ……」
黒『私もあまり、大きい方ではないですよ?』
裏「裏方家業の弊害ってやつなんすかねぇ……」
女友「よっ、二人とも何しょぼくれてんの?」
裏「………」ジーッ
黒『………』ジーッ
女友「な、何その注目度は…?」
黒『女友さん…胸のカップ数はいくつですか?』
女友「……Cだけど」
裏「……はぁ」
黒『……はぁ』
女友「な、なんだお前ら。文句でもあんのか!」
結局のところ、通訳と同僚は似ていた。
私達は二人とも、自分以外の人間を拒んでいたのだ。
普通とは違う常識を持ち、周囲の理解を得られない。
結果として私達は、自分以外の人間を心の中から排除する道を選んだ。
同僚君は、人を嫌い付き合いを止める、という形で拒絶し
私は人に対する興味を失くす、という形で距離をとった。
お互い、普通ではない常識を持った経緯や、人を拒む際の反応は違うけれど。
それでも、他者を受け入れず、人に見切りをつけたという点では同じだったのだ。
どこまでも孤独になる道を選んだ、という点において私達はとてもとても似ていた。
あの、寂しさも距離感も。
すべてはそれ故だった。自分から人を拒んでしまった二人が、感じるべくして感じた応報に他ならなかった。
飼育委員会での邂逅も偶然ではない。
私達は人間が好きではないから、代わりに動物が好きになったんだと思う。
そこまではっきりした言い方をしなくとも、おそらくはそう言った、どこか通じるモノがあって同じ場に立つことになったのだろう。
何より、彼も私も動物は好きだった。
同僚君も虎吉を相手にする時だけは、近寄りがたい雰囲気を緩めていた気がする。
虎吉に向き合う彼はいつも、ほんの少し柔らかい表情をしていたのを思い出す。あるいは私も、似たような表情をしていたのかもしれない。
そんな共通点が、私達を引き合わせたのだろう。
虎吉がかぎ取ったのはそんな、厭世的で、世界から少し外れた私達が持つニオイだったのだろう。
でもだからこそ、私は耐えられなかった。
自分と同じモノを持つ人間が、本当にたった独りになってしまう事が。
まるで、自分も最後にはそうなってしまうと宣告されているみたいで。
思えば私達が選んだ道は、とても寂しい荒野の道だった。
人間を一緒くたにして、誰も彼もを拒んでしまうなんて。
その選択を間違いと断言できる程、私は完成されてはいないけれど、その道の果てに男さんのような、本気で親身になってくれる人の喪失があった。
良い悪いではなく、それが道理だったのだろう。そうやってその道を辿れば、最後には誰も彼も失ってしまうのだろう。
やっぱりそれは、寂しい事で。
私はそれがたまらなく嫌で。
通訳と同僚が似ていると自覚したがために、自分の未来を現在の彼に見てしまった。
私が人を拒んだのは、まだ物心がついたばかりの頃。自覚的ではなかっただけに、気付いた今は道を引き返そうと思えた。
もしも、道の先を行く同僚君が、心のどこかで引き返したいと思っているのなら、一緒に戻りたい。
自分と似ている人が、何より飼育委員で一年間、仕事をともにした人間が、不幸になっていくのは耐えられないと言う気持ちがあったのだ。
彼を、説得しようとした理由はいろいろあるけど、自覚できない程深い心の底で、一番強く後押しをしてくれたのはこの気持だった。
自分と同じ人が、どこまでも冷たく凍える世界へ行ってしまうのが耐えられなかったから。
あんなに怖いと思っていた人を、怒鳴られて、心を傷つけ傷つけられてでも引き下がらずに説得したのは。
普段の自分では考えられないほど、必死になっていたのは。
同僚君に、自分を見ていたからなんだ・・・
「そんなもん・・・良くないに決まってんだろ・・・・・・」
前方から、息だけを吐き出しているような、微かな声がもれる。
こちらを向く彼の顔は、眉間に皺を寄せたいつもの表情だったけれど、それはとても苦しげで、そして―――
「・・・・・・本当はちゃんと解ってる。
男が、心から俺の事を心配してくれる奴だって事も。
中学時代、誰も助けてくれなかったのは、俺が本気で周りに理解してもらおうとしなかったからだってのも。
頭では解ってるつもりだ。
けど・・・やっぱり・・・あの時『普通じゃない』って言われてから、男でさえも信じられなくなっちまったんだ。
どうしても、普通の顔で、普通の付き合いができなかった・・・
ただ、距離を置いて理由を聞かれても煙にまいて、切れるでも直るでもないあやふやな関係のまま、結論を先延ばしにするのがやっとだったんだ。
男の説得に応じて、人の輪に戻るのか。それとも、男さえもはね退けて、このままずっと独りでいるのか。
何がしたかったのか、どうしたかったのかなんて、当の俺でさえ、わかってなかったと思う。
だから、2月14日に男が本気で説得しようとしてくれた時は・・・ちょっとは思ってた。
『もう、いいじゃないか』って。せめて、男くらいは気を許しても良いんじゃないかって。
俺ももう、疲れてきたのもあったかもしれない・・・・・
だけどさ、結果は知っての通りだ。
今までだましだましやってきた。
けど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
我慢、できなかったんだ。
結局俺は、馬鹿で、しかも苦しい道を選んじまった。
―――――――ああ、、、、畜生っ、、、、」
そう言って、彼は頭を抱える。
あてがった両手で、強く髪の毛を掴んでいる。
ギリギリと力を込めてしばらくそうやっていたが、数秒の後、彼は顔をあげて
「親友にあんな酷いことした俺に―――――――今更どうしろって言うんだよ・・・・・・・・・・・・・」
そう、力なく言った。
机が淡く反射する陽光に照らされたその表情は、とても苦しげで、そして――――
今にも、泣きだしそうに思えた。
嗚呼、と。
私は知らず、漏らしていた。
いつか、用務員の裏方雑用さんと交した会話を思い出す。
同僚君への恐れを語る私に対して、彼女は、『たまに泣いているように見える気がする』と言おうとしていた。
結局、彼女自身も自分の感覚を信じられなかったのか、口にはしなかったけど、心の読める私には無意味だった。
『彼に限ってそんな事はない』
用務員さんの言い淀んだ先を知った私も、その時点では、そう一蹴していた。
『同僚君』と『泣く』という要素が結びつくなんて、到底考えられなかった。
けれど今、目の前で途方に暮れたような表情をしている少年は、本当に弱弱しくて。
眉間に寄った皺も、不機嫌さからではなく、目頭の疼きに耐えかねている為であるように見えた。
初めて飼育委員会で、出会ってから。
心の読めないこの人を知ってから、ずっと抱いていたイメージが、静かに溶けていくのを自覚した。
常人では考えられないほど強く心を閉ざせる、飼育委員の同僚の彼は。
世界中のすべての人間を敵に回しても泰然自若としているはずの彼は。
その裏側に、こんなにも弱い貌を持っていたのだ。
同僚君という人間への恐れと畏れが、紅茶の中のお砂糖みたいに消え、去っていった。
隔絶した存在だと。自分とは全く別の何者かだと思っていた目の前の同僚君が、今は酷く身近なモノに思える。
暖かい波動が目の前から伝わってくるようだった。
「それでも・・・」
私は言う。
「それでも。まだ、あなたが男さんと仲直りしたいと、少しでも思っているのなら、その想いを伝えるべきだと思います」
自分でも意外なほどに、きっぱりとした口調だった。
けれども対する彼は、首を横に振る。
その反応に、通訳は躊躇うことなく言葉を返す。
恐らくは、説得すると決めた初めから、そうしようと考えていた事を。
この上ない穏やかな表情で
静かに息を吸い、
平生、そして今も
僅かに力を込めて結んでいる口元を開いて
「もしも、本当にどうしようもなくなったその時には
―――――――――――私が、あなたを通訳しますから」
だから、諦めないで下さい。
そう、結んだ。
彼の表情はうかがい知れない。
何故って彼は、少し驚いていて、どんな貌をすればいいか迷っていたから。
◇
その某有名コーヒーチェーン店には、バレンタインに結ばれた初々しいカップルがあふれていた。
壁の一面を丸ごと使ったガラス窓からは、冬の柔らかい日差しが差し込み、店内に流れるジャズと併せて穏やかな昼下がりを演出している。
私達はその中に混じって、向かい合って座っている。
ゾワゾワという、鼓膜に押し寄せてくるような気配めいた人々のざわめき。
それから、このコーヒーチェーン店に特有の甘いミルクとコーヒーの香ばしさが混じった匂い。
ついでに全身をくまなく覆う暖房の効いた空気。
視覚、聴覚、嗅覚、触覚はここがどこであるかを明確に告げている。
けれど、ふと。
入ってきた時に比べて、やや人影がまばらである事に気がつく。
まだまだ満席状態だったけど、レジの前にあった列が見当たらない。
どうやら、お昼の休憩時間が終ろうとしているのだろう。
前の方の邪気眼のカップルが席を立つのを見ながら、そう確信する。
脇からは陽光が斜めに差し込んでいる。
多分見る位置によっては、私達は逆光で向かい合うシルエットとなっているかもしれない。
ざわめいた世界で、静かに向かい合う、顔の見えない影。
『どこか、違う世界の人間が、偶然そのおぼろげな痕跡をこちらの世界に映している。』
そんな空想が頭の中でイメージとして出来上がった。
イメージを鮮明な頭で取り扱おうと、ラテを口に含もうとして、もう飲み干してしまった事に気付く。
『宴もたけなわ祭りも終り。』
周りから人の気配が減っていくのが、何故だか妙に物悲しく感じて。
同時におおよその要件を終えた私達も、それに従うべきだと言う義務感が芽生えて。
やがて、お腹の底から喉元まで満たしてつまりそうな青と、街ゆく人と車と並び立つビルディングの灰白色を背景に。
黒いシルエット達は、店を後にすることに決めた。
>>422 > まさか……おおさかか?
おおさかって何?
>>448 新ジャンル司書や新ジャンル家でSS投下してた書き手
司書スレで大阪弁の司書さんを書いてたから、おおさかって呼ばれるようになってた
司書スレや家スレに未練があったっぽいから、
もしかしてここでなんか投下すんのかなーと思って聞いただけ。
違うならスマソ
>>449 そうなんだ
おおさかって人はコテがついてるの?
12
◇←ガチムチ┗(^o^ )┓三
┏┗ 三
畜生。
あ?
なんでもねえよ。
・・・・・畜生。
あ?だから何でもねえ・・・・いや、ごめん。彩丸。謝罪の意を示したいけど、『あやまる』で変換するとどうしても変換できない。
やばいな。やばいだろ?やばすぎなのは自明である。そしてやばいのkigenは俺。
どれくらいヤバいかって言うとデスノ三部くらいやばい。
あれさ、やっぱ二話でいきなりバンド君―――・・・あー、名前なんだっけ?ここまで出掛かってんだけど・・・・・
まあいいや。ともかくあそこで新聞部員のバンド君殺しちゃダメだろ。デスノ三部。
彼はもっと実験台としていろいろ弄くりつつ引っ張ってやってさ。
最終的に氷山の催眠術による強化兵計画の一環として、ガチムチマッスルガチムチマンになるべきだったガチムチよ。
最終的になんかガチムチの度合いがちむちすぎて得体の知れないガチムチ化け物になんのねw
ふはwww面影がちむち無いwwwwwwww
だからさ。ロストガチムチブレインはデスノでなくてネウロがちむち路線を狙うガチムチべきだったガチムチんだガチムチ。
ドーピング・コンソメ・ガチムチだ。さあ諸君。私がガチムチになるのを止められるかちむちな?ってな。ってなw
ガチムチ?
ああ。ガチムチだ。炎多留だ。
え?話が逸れてる?
それよりお前、なんで語尾にガチムチ付けてんだwwwwガチムチっておまwwwwwwぶっほwwwwwやっぱりおまwwwwwガチムチwwwwww
――――――ちっ。わかったよ、、、話すって・・・だから、、うあ、、だからやめろって!腐男子ズムとか叫び出すな!リアルホモの社会的苦悩とBL幻想を取り違えるな!
・・・・・ったくよお。男は黙ってTSFだろ?
え?ああ、そうそう。あれだ。
通訳がさ、なんか男子と連れ立ってきたんだよ。軽い鬱だったんだよ・・・
数少ない、男とイチャイチャしないタイプだと思ってたのにぃ!きい!
おのれ聖バレンタインの聖域めっ!通訳まで毒牙にかけるとは!!
俺がクラウザーさんのポストについた暁には貴様など節分の一部にしてくれるわ!!
ふはははははは!どうだ!同じ黒でも恵方捲きじゃあ卑猥な絵にしかなるまい!!
ざまあwwwwwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwっうぇwっうぇwっうぇwっうぇwwっうぇ
あ、『っうぇ』とか言っちまった。それも何度も。超☆恥ずかしい!
いwwwwwwwwwまwwwwwwwwさwwwwらwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwっうぇ
ネコミミ「冗談抜きでウザいから。男友ガチムチ・・・あっ、、、あ・・・
うああああああああああああああああああああああああああああああ!!!ひいいいいいいやあああああああ!!」
男友「ふひひひwwwwキタコwwww放送部wwwww」
山田「・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ。後ろ うるせ」
◇
休日が終わり、再び学校が始まった。
私はいつもよりほんのちょっとだけ早く学校へやってきた。
早く登校したとはいえ、既に部活の朝練も終っている時間帯で、校内とその周辺には活気が宿りはじめている。
バラバラと密度の低い人の流れに混じり、私は校門をくぐる。
開かれた校門というのは、鉄の格子を滑らせるレールとそれを挟む背丈ほどの石の柱だけで構成されていて、『門』というよりも『境界』と言った方が適切な感じする。
いつもなら、その框じみたレールの上を越えた後もまっすぐ進んでいるのだけど、この日はそこを左に折れまがった。
人の流れから外れると人影はプッツリと消えてしまう。ただただ校舎に宿り発散される人の気配が、私の周囲を覆うばかりである。
しばらく進み、今度は右に折れ曲がる。
フェンスと植込み。クリーム色の校舎の壁面。
それらに挟まれた小路が伸びていた。その先には、飼育小屋の黒い壁と小豆色のトタン屋根が見える。
この季節としては適切な、苦しくなるほど冷たい朝の空気を割いて、ザリザリという足と地面の摩擦音を耳にしながら進む。
そうしている私は、何故か妙に落ち着いていた。
これからやることに、多少、どころか割と大きな不安が胸の内で渦巻いているにもかかわらず。
何故か、外部の寒さとは正反対の暖かさが心の中にあり、不安をただの重い感覚にとどめて、私自身の思考に影響を与えるのを防いでいた。
男さんと同僚君が決裂した黒いアスファルトの上を私は行く。
やがて目の前に、飼育小屋の黒い壁面が迫ってきた。
月曜日は別の人の飼育小屋当番の日なので、本来ならそこには用はない筈なのだけど、私は飼育小屋を目指していたのだ。
―――ちゃんとした段取りを取っていたわけではない。
お互い同じクラスなのだし、登校すれば何の問題もなく顔を合わせる事だろう。話はその時で十分である。
―――そこにいるという確証があるわけでもない。
別に飼育小屋で待ち合わせる約束をした訳でもないので、そこに行けば会える可能性なんて微々たる物なのだろう。
だけど。
それでも私は、飼育小屋に行く事に決めていた。
第六感めいた感覚に導かれた訳でも、論理的に推測して確信があった訳でもない。
ただ単に『そこに寄る』と決めていただけなのだ。そこにいるかどうかなんて、本当に知る由もない事だった。
立ち寄る明確な理由だって本当はありはしない。強いて言うならばなんとなく。
恐らくは、ここが私達の共通点であり、同時に関係の象徴だったから、半ば意識しない形で引き寄せられていたのだろう。
いるかどうかなんて問題ではない。
いずれ教室で会えるのだから、その時でいい。
けれども、やっぱり、本音を言えば・・・・・・・・・
背後に背の高いA棟とB棟の織り成す、渓谷みたいな中庭を控えた場所。
飼育小屋の金網の前に、果たして同僚君はいた。
彼は眉間に皺の寄ったいつもの表情で私を迎える。
『行くか』
そう。一言。
ため息を吐き出すような調子で、金網の前から離れる。
その、いつもと変わらない低い声に、確かな安心を抱きながら、私も言う。
『行きましょうか』
彼は何故か、はにかんできた。
眉間に皺を寄せながら笑うその顔に、奇妙な可愛いさを感じたのは言うまでもない。
>>457 新ジャンル「家」と「元気な司書」はリアルタイムで読んでたつもりなんだけどなー
そんな人は気づかなかった
おおさかは「家」のどの部分書いた人か分かります?
>>458 かぎかっこを『』で書いてた人。
あと「家」では別に大阪弁使ってなかったから、
おおさかって呼ばれ始めたのは司書スレからだた
460 :
ほんわか名無しさん:2008/09/10(水) 16:30:09 O
裏方さんと黒子さん#5
裏「今日はお祭りっすねー」
黒『祭り囃子が小気味良いです』
裏「さ、裏方の仕事頑張るっすよー!」
黒『ですね、まずは何からしましょうか』
女友「おーい、二人ともー」
裏「あ、女友さん。浴衣似合ってるっすね」
黒『何かご用ですか?』
女友「何言ってんの、あんたらも早く着替えてきな?」
裏「ふぇ?」
黒『どういうことでしょう』
女友「だってあんたら、いつも祭りの準備とかで忙しいでしょ?」
女友「今日は特別に祭りに参加してもいいって、校長先生から言質とってきたの」
裏「そんな、わざわざ悪いっすよー」
黒『そうです、我々は舞台裏にいるのが性に合ってます』
女友「ふーん、じゃあせっかく二人の浴衣も用意したのに、無駄になっちゃったか」
裏「浴衣!?」
黒『本当ですか?』
女友「ほら、やっぱりお祭り出たいんじゃない」
裏「うっ……」
黒『い、今のは言葉の綾ですよ』
女友「綾でも何でも構わないよ、いいから早く着替えといで」
裏「……分かったっす。女友さん、ありがとうっす!」
黒『感謝します。女友さん』
女友「いいっていいって」
-----------------------------------------------
裏「女友さん、これミニ浴衣じゃないっすかー!」
黒『生足露出なんて、聞いてません!』
女友「あははは、二人ともよーく似合ってるよ」
461 :
ほんわか名無しさん:2008/09/10(水) 17:42:39 O
想像したせいか鼻血吹いた
GJ!!
>>461 けど黒子さんは、浴衣に黒子の被りものしてるんだろうな
裏方さんは裏方さんでキャップ外さなそうだし
あ、あれ……萌える……?
友「第一回! 新ジャンル学園、肝試したいかーい!!」
友「イ、ェーイ!!」
友「ドンドンドン!!」
友「パフー」
男「……」
俺「……」
ウェックス「……」
ゆうや「……」
不良「……」
守護「……」
友「……なんだよ」
友「文句があるなら言えよ!」
男「文句って言うか疑問なんですけど……」
俺「女の子とか、いないの?」
友「いねぇよ!」
俺「そ、そう……」
友「誘ったけどみんな断られちまったんだよ!」
皆(うわぁ……)
464 :
ほんわか名無しさん:2008/09/10(水) 21:35:32 O
>>463 男の名を出せば誰か来るだろうにそれをしなかった友は偉いwww
…(´;ω;`)
富士見「俺たち誘われてすらいないんだが」
武士デレ「忘れられてるでござるな」
後藤「でも女の子来ないなら別にいいや」
タケル「いっそ俺を無理矢理女装させてみるか」
通訳の人が、GJがないと嘆いている夢を見た
健気に投下するあんたが好きだ
>>466 なんつー夢を見てるんだw
まあ頑張るぜ。もう少しで最後まで書きあがりそうだし。
と言うわけで今日も投下だ地の文(゚д゚)ウマー
◇
男さんの呼び出しを頼まれた男友さんは、なんとも名状しがたい表情をしていた。
一番近い顔をあげるとすれば、ちょっと顔をゆがめたジャック・スパロウが近いと言えば近い。
どうやら私と同僚君がバレンタインに結ばれたと勘違いして、ちょっとショックを受けているみたいだった。
彼の中で私は、色恋沙汰から遠く離れているが故に、女の子に好かれる男さんへのルサンチマンを癒してくれる存在だったらしい。
悪い事をしてしまったと思う反面、変な気持にもなった。
その気持がなんなのかは、よく分からない。ただ、胸の中の暖かさが増したような気がしないでもなかった。
同僚君とカップルであると間違われた反発心。
以前裏方さんにそうであって欲しいと期待された時や、周りがカップルだらけのコーヒーショップで彼とそんな関係であると間違われるのを懸念した時に抱いた反発心。
奇妙な事に、それが今は何故か暖かさに変わっていくのだ。
変、という以外に言い様はなかったけど、それでもその暖かさが、男さんと仲直りできるか否かの不安を抑えていてくれるのはありがたかった。
時刻は8時20分。朝のホームルームを20分後に控えている。
既にクラスの半数近くが登校していて、教室は人いきれで半ばムワリとしていた。
先週までは、朝のHRでさえどこか空気が引き締まっている感があったのが、今は始まる前から暖まっている。気付かない内に春が近づいているようだった。
そんな訳で、始業前の自由時間にある教室は、休み時間とほとんど変わりない印象をこちらに与えてくる。
ただ、そろそろ学期末の試験が迫りつつあるという事で、耳に届く会話はそれに関連した物が多いのが特殊と言えば特殊だった。
ちょっと前まではバレンタインの話で持ちきりだったのか、今は学業関連の物にごっそり置き換わっている。
なんというか、恋に勉強にと、いかにも学生らしい。
微笑ましい。と。平素なら、そんな風に思っていただろう。
けれど、流石に緊張している中でそんな事を思ったりはしない。
むしろ『そう思うだろう』という思考が出てくるだけでも、余裕があるとして良しとするべきなのかも知れなかった。
教室内の人口比はストーブのある前方が、やはりまだまだ大きい。
寒さに苦手な人々がストーブの熱を求め、そんな彼等と会話をするため友人達がさらに人口密度をあげていく。
結果、私と同僚君がいる、後ろの彼の席の付近はかなりまばらな感じになっていた。
同僚君は後ろの壁にかかる黒板を背に、組んだ腕を落ちつか無げに指で叩いている。
私は、そんな彼の傍らで、やはり落ち着かない気分で、手を前の方で合わせ静かに佇んでいた。
やがて同僚君は組んでいた手を解いたかと思うと、黒板から少し離れる。
位置的には、私のすぐ側の斜め前に当たる場所へ移動する。
かなり神経をすり減らしているのが彼の心から伝わってきた。
そんな彼の精神状態は、ストーブに群がりこちらに背を向けていた中の一人。
男さんを、男友さんが何事かを語りかけて振り向かせた瞬間に一気に膨れ上がった。
感情の読みにくい表情で、男友さんに連れられた男さんが近づいてくるにつれて、同僚君はほんの微かにだけど、震え始めた。
彼の心は緊張のあまり、恐慌状態へと近づいていってるみたいだった。
目の前で、垂れ下った彼の手が震えている。
小刻みに、不規則に。
私の方からは背中だけで顔は見えなかったけど、それ以外の全てが、同僚君の恐れと不安を伝えてきていた。
あれ以来、少し気を許してくれたのか、半分ほど読めるようになった彼の心が、私の腕を動かした。
緩やかな動作で、彼の左手を、自分の右手で包み込むように握る。
ハッとしたのだろう。
一瞬彼は、別の種類の震えを体に走らせ、こちらを振り向いた。
驚きと緊張がないまぜになった視線が私をとらえる。
―――大丈夫。私がついています。
声帯を震わせない類の小声でそう告げる。いや、実際には、言ったのかどうかも怪しかった。
単に自分の心の中だけで彼に向ってそう言っただけかもしれない。
けれど、同僚君は。
確かに頷いてくれていた。
右手で覆った彼の手から温もりが感じられた。
触れることはあっても握る機会はほとんどない、ひとの手。無骨な感覚が、ほのかな暖かさを伴って感じられた。
冷えやすい私の手とは正反対の熱しやすい彼の手。血液の鼓動まで伝わってきそうな程の確かな存在感が、そこにあった。
自分の意志とは無関係に動く、ざらついた皮とその下の肉と骨。
初めて触った飼育委員の同僚の彼の手は、心臓の鼓動を速める程に大きくて頼もしい物に感じられた。
そこにあるのはひたすらに親しい安心感だけで、決して以前のような遠さや恐ろしさは無い。
なんとなく、幼い頃、休日に寄った百貨店で父に手を引かれた記憶が蘇ってきた。
私は震えを静めようと、少し手に力を込める。
すると、覆っている手の下でゆっくりと彼の手が動き、少しずつ、染み込むようにして私の指の間に彼の指を通していった。
お互いの手を組んで両手を繋いだ状態になる。
同僚君の掌は汗で少し湿っていて、ゴムのような弾力と、手の甲よりずっと力強い暖かさがあった。
胸の内の暖かさがゆっくりと、しかし止めどなく大きくなっていく。
彼もまた、私が握る力に負けないようにその手に力を込めてきた。
今度はこちらのほうが覆われているような感覚になる。
空想でも幻でも無い本物の存在から、はっきりと、鼓動が伝わってきた。
常に予期しない動きを伴う有機物の中の有機物から、飼育委員の同僚の少年の心が流れ込んでくる。
彼の不安と恐れが伝わってきた。
私も同じ気持ちだったけど、同時に、彼に対する親近感が安心と信頼を伴って存在していた。
そして彼も私に対して同様の親近感を抱いていた。
以前なら、考えられなかったことだ。
一年近く一緒に作業をしていて、今になって初めて彼の事を知ったのだ。
それまで私はただ、相手を恐れることしかしてこなかった。
彼のことなんて私は何も知らなかったし、話をするまで、心を読むまでわからなかった。
お互いの事を良く知っている筈の人間同士でさえ、何を考えているのかどうして良いのか判らなくなることだってあるというのに。
私とサトリさんやツンさん。同僚君と男さん。
人はお互いにそうそう解りあう事ができない。
思考が一人きりで行われる限り、常に誤解やすれ違いの危険は存在してしまう。
何か問題に直面した時に、結局は自分だけで解決しなければいけない。他人は助けてくれるかも知れないけど、それを期待してはいけない。
そう言う意味で、人間と言うのは最後まで解り合えない孤独な存在なのかもしれない。
今回の事件で私は、痛いほどにその現実を突きつけられた。
だけど。
でも。
今、私と同僚君はこうして男さんと仲直りをするために動いている。力を、合せている。
少なくとも今、この、目的を成功させたいという気持ちは同じはずだ。
この瞬間に限れば、私達は一人じゃない。
人は解り合えない。けれど、同じ目的を持って、一緒にそこを目指すことは出来る。
同じ理想を抱く事で、解り合えない人は、ほんの一瞬だけど、同じ『何か』になれる。孤独ではなくなる。
私と彼は確かに似ていた。
お互いに同じ寂しさを持っていた。
けど、そんな事はどうでも良いのかもしれない。
彼を説得する中で、『似ている』事は『同じ』事とは違うのだと理解できた。
共通点を持っていても、それは文字通りの『点』であって、違うところだっていくらでもある。
逆に、自分とは正反対に思える相手にだって、探せば同じ所は沢山あるんだ。
心の読めない彼は、その事実を、鮮烈な衝撃を伴って私にに教えてくれた。
ほいさぁ
きっと彼が心の読める人間だったなら、そんな事にも気付かなかっただろう。
ずっと違う所にばかり目を向けて、一人理解されない寂しさに晒されるだけだったのだろう。
同僚君はそれほど強くなんかなかった。
読心を拒むことができたって、世界中の人を敵に回して平然としていられるような、異常な何かじゃなかった。
彼が弱い所も持った普通の人間だと、ああやって向かい合って話し合わなければ、きっと永遠に解らずじまいだったのだろう。
彼の抱く寂しさが何なのかも気付かないまま、ただ怖がることしかできずに終わっていたのだろう。
解り合えないならば話し合えば良かった。
私達の不幸は、そんな当たり前すぎる真理を見過ごしていた事にあったのかもしれない。
言葉が不完全で、誤解を招く物だったとしても。
自分を語る事で、伝える事で、何もしないよりかは遙かに納得のいく未来が得られる。
自分自身の通訳。
或いは人は皆、それをすることで生きているのかもしれない。
目の前に男さんが立っていた。
彼は無言で、こちらを見ている。
口にすべき言葉が上手く出てこないのと、私達の方から言葉を発するべきだという考えがある為に、何も言わない。
同僚君が、チラリとこちらを見る。
私は、先程彼がやってように頷き、そして・・・・・・・
「彼は『――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>>459 7Xで見てきた
新ジャンル「元気な司書さん」スレは言われて見ればそんな人いたかも
新ジャンル「家」は301書いてた人か
悲しいSSだった
>>478 おおさかさんは鬱エン好きを公言してたしね
でもハピエンにしてほしいって言われると鬱にできない人だった印象がある
ちょっと頑張った自分へのご褒美(暗黒微笑)行ってくる
>>479 >でもハピエンにしてほしいって言われると鬱にできない人だった印象がある
そうなんだ、鬱系の終わらせ方はしたくないなぁ…
書くの難しくなってきた
もしもあなたが新ジャンル学園に行きたいとする。
するとまずあなたは、学園の最寄り駅を目指すことになる。
地方のターミナル駅くらいの路線数―――大体10番線くらいまであるうちの一つに降りたったあなたは、停車中の車両に添って歩く。
目指すは改札口に通じるホーム下の連絡通路。乗降する忙しない人の流れに気を遣いながら、やがて下り階段にたどりつく。
階段を降りると、そこが連絡通路で、両脇に各種テナントを見送りながら、あなたはひたすらに進む。
連絡通路なんて、大概は色気のない淡白な色調と造りだし、テナントだって飲食店とか雑貨屋とかいろいろあると見せかけて、
実際はありきたりで他でも見られる没個性的なものばかり。
そういう延々と同じ場所を歩いてるような気分にさせる通路をしばらく歩いて、改札に到着する。
改札の向こう側で、待ち合わせしてる人達が寄りかかる柱には、駅と半分繋がってるデパートの化粧品店なんかが広告を出してたりする。
他にも、まあそれなりに整って、けどやっぱりゴチャゴチャとしたいろんな広告が見えると思う。
或いはあなたに注意力があれば、広告に埋もれて意識の外に締め出された、駅そのものの装飾が見つかるかもしれない。
その筋では有名だけど、一般人にはピンとこないような作家が彫ったレリーフが、出入口の上部に大きくあったりなかったり。
まあ、そんなの、どうでもいい事ね。別に駅を見に来たわけじゃないだろうし。
X(最後から一つ前の章 新ジャンル 『現実に触れて困惑する』存在不適合者)
改札に切符を通して・・・Suica?PASMO?へえ。まあいいわ。SuicaとかPASMOを通してあなたは改札を通り、そのまま外に出る。
夏なんかは急に照りつけられて目が眩むかもしれなけど、今くらいの時期なら直射日光はむしろありがいたかも知れない。
陽の当たる広場があって―――出入口の脇にシュークリーム屋さんがあるけど、お金あるなら買ってもいいと思う。おいしいから。
で、その先には結構広いバスロータリー。
円形のバスロータリーは背の高い建物――ビルが多いのはオフィス街とかの方で、方向によっては昭和っぽいモダンでくすんだ建物もいっぱいあるから。
奥の方なんかは蔓草に一面覆われた建物が・・・・・・
え?ああ・・・そうね。ごめんなさい。ともかくバスロータリーの周囲は高い建物で囲まれてる。
けど、まあ、当然の話だけど。全部囲まれてるってわけじゃなくて、半分くらいの空間は通りがあって建物はないわ。
駅前大通りっていうのがそれ。
ここであなたは学園行きのバスに乗り込んで、いくつかある駅前大通りの内の一つを行く。
しばらくはいろいろとお店が並んでて、歩道を歩いてる人も多いけど、通りを抜けたらすぐに普通の街並に変わるはず。
人によっては田舎って言うかもしれないわね。
でもそれは駅前の方がいろいろと栄えてるってだけ。
ガラっと変わる風景は街が調子を切り替えたんだってことを伝えてる。そもそも学校の周りって静かな方がいいし。
ただ、あなたには、学園行きバスの停車場に並ぶ前に少し寄り道をしてほしい。
入口前の広場。
そこに立って右から左に見渡して、一番最後に目につく大通り。
他と比べると単純な直線で構成されてて、つき出た看板も宙に何本も線を引いてる電線も見当たらない。
空が道の先に向かって収束しているように見える程、人間的な雑然さが感じられないオフィス街。そこを行ってほしいの。
旅行者や一般人には面白みのない、会社ばかりが並ぶ通りだけど、我慢して進んでみて。ちょっと行くと左に曲がる道があるから。
そこを曲がって――――そこから先は入り組んでるから説明は省くけど、駅前の騒音が聞こえなくなる方へ進めば大丈夫。
ちょうど駅前繁華街の周りに広がる住宅街へ向かう感じ。
ああ。そう言えば、一つ。
あんまり近くそびえ立ったビルに囲まれてると、たまに変な気分になるから気をつけて。
大通りのオフィス街くらいの近さでも危険だし、もっと狭い、ああいう入り組んだ路地なんかは特に気をつけた方が良い。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・そう。ならいいわ。訳が分からないくらいの感性を持ってた方があそこは安全。
別に・・・脅してはいない。ただ、今私がいる古本屋の店主さんが前にそんな事言ってたから。
何でか、なんて口では上手く説明できないけど、それなりに納得できた話だったんでこうやって受け売りを言ってみただけ。
・・・・・・・・・・・・そう。ええ。そうね。
その先にある、古本屋に私はいる。
なんでこんな所に喫茶店や定食屋があるんだって思うような場所。
道路を挟んだ反対側は、あなたが抜けていったオフィスビルが一面に並んでる。そこにある古本屋さん。
・・・・・・・・・・・・・・
そうね。
別に私がそこにいるからって、あなたが立ち寄る理由にはならないわね。
ごめんなさい。さようなら。
◇
床に積み上げられた本が、狭い店内を余計狭くしている古本屋。現在そこにいるのは、リピーターばかりであった。
切れ長の目と色白の肌をした、肩の上くらいの長さの髪の少女。
彼女は一年ほど前にこの店に現れてから、ちょくちょく顔を出している。
大体週に一度から月に数度現れる感じで、大抵は一時間ほど立ち読みをし、ときたま100円本を買っていったりする。
ごくたまに物好きな女店主さんに誘われて、奥の居住スペースに上がりお茶をよばれていたりした。
買っていく100円本の種類は、節操がなく、前回純文学を買っていったかと思うと、今度はバブル時代の古い女性誌を買っていくことも。
好みが良く分からない少女だったりする。ただそれも、あまり物事に固執しない性格ゆえなのだろう。
何度も会話を交わしているうちに分かった、そんな彼女の性格を、店主はそれなりに好ましく思っていた。
今は店の真ん中にある本棚の前で大人しく本を読んでいる。たまに髪をかきあげるが、しぐさが整っていて美しい。
そんな彼女から少し奥の方。
切れ長の瞳の少女が向かっているのとは反対側。
店の壁面に立つ本棚で品定めをしている少年は、夏ごろからこの店に通うようになっていた。
実際には少年というより青年と言った方がしっくりくる顔立ちの彼も、斜め後ろの少女と同じくらいの頻度でやってくる。
どうも受験生らしく、この店に来た理由も古い参考書を探しての様であった。
ただ最近定位置が変わった事から、店主は彼の受験が終わったのだと考えていた。
取り立てて特徴のない容姿の彼をしかし、店主が奥にあげる事はあまりない。
彼がリピーターになった経緯故か。単純に男と女という関係のため、少女に対するほどの気安さがないからなのか。
まあ男女の隔たりと言うのなら、彼女の店にもっとも頻繁に出入りしている客が男性なのだから、あまり関係ないのかもしれないが。
それから、カウンターからは死角になっている、切れ長の少女の立つ棚の裏側。
店内に二つある旅行関連の本のスペースのうちの一つ。
比較的最近のガイドブックや旅行雑誌が並べられたそのスペースには現在、虚ろな瞳をした髪の長い少女がいるはずである。
彼女はリピーターと言っても、つい最近出入りするようになったばかりだった。
初めて来店した際にお茶菓子を振舞われているが、それ以上は特に何もない。
女店主が話しかけるのは、いつも、ではないが興に乗っていればよくある事だったから、それが理由という訳でもないだろう。
結局、この、駅前繁華街から締め出されたような位置にある本屋に、何度も来たいと思う理由なんて、聞かないと解らない事であった。
よく見かける間柄であっても、古本屋と言う半ば没交渉な場では、こんなにも意思が伝わりにくいのだ。
そもそも、最も頻繁に来店していて交わす会話も多い、半ば従業員のような扱いを受けている常連の青年からして、何故来ているのかはあやふやであった。
各々がこの場にいる理由は、各々だけが真に理解していれば良い事だし、本人でさえ解っていなくとも、それはそれでおかしな事だとは店主は思わない。
人間とは、明確な意思を持って行動することの方が稀で、大半は何か正体の良く分からないモノに流された結果なのだから。
おそらくは常連やリピーターになることそのものが、『気が付いたら』なっていた場合が大半なのだろう。
やる気のない古本屋の女店主は、そんな風に心中で締めくくると、灰皿や週刊誌なんかが散乱したカウンターに頬杖をついた。
と、散乱した小物の中に未開封の煙草の箱があるのに気付く。
手にとってみれば「MILD」のMがWになったマイルドセブンのコピー商品だった。
女店主は小さく鼻を鳴らす。
タバコはいつだったか、常連の青年に買わせたものだった。
今となっては良く覚えていないが、記憶では確か、戯れに負けたほうが勝ったほうの言うことを聞くと言うルールでオセロか将棋をさし、
その褒賞として青年を使いっぱしりにした時の事だった。
丁度タバコをが切れていたので、『一丁駅前大通りまで言って買ってこいっ』と指図したのがいけなかった。
いや、むしろその際に、あれこれと細かく指示を与えたのが問題の本質なのだろう。
頼みの品とは似ても似つかぬ奇妙な一品を持ってきた青年に、彼女が問いただすと、『店主さんの言ったようなモノなんてっ、ありませんでしたよっ』なんて返されてしまった。
憮然とした口調からすると、彼女が『有りもしない物を要求して、駅前を駆けずりまわせて笑いものにしようとしている』 と誤解したのかもしれない。
店主にしてみれば、別にこの世に存在し無いものを要求したわけではない。ちょっと外国産なだけであった。
それでもこの女店主が、LARKとかピースみたいな一般的な国産のタバコにも手をつけるようになったのは、この事がきっかけである。同時に誰にもいわない彼女だけの秘密だった。
「はん。ワイルドセブンて、、、昔の警察アクション漫画かい」
箱を指先で弄びながら、店主は呟いた。
やがておもむろに薄いプラスチックの包装を開けて、シガレットを一本取り出しくわえる。
火をつけるべくポケットをまさぐり周囲をキョロキョロと見回していたが、やがてカウンター上の遠く離れた位置にジッポライターを見出した。
『ほっ、と』
そんな年寄りめいた掛け声とともに、体全体を思いきりのぼしてライター手に取り、くわえた煙草に火をつけた。
途端、なんとも言えない奇妙な味と香り、それから煙がわき起こる。
普段吸っているモノとは似ても似つかぬのは確かであったが、不味い、と断じ切れる程ではない。
が、それが逆に店主を、煙草を吸っている筈なのに、酷く落ち着かない気分にさせる。
きっと紫煙に微かに混じる、鼻をつくエキゾチックな香辛料の香りのせいでもあるのだろう。
彼女はすぐさまタバコを山盛りの灰皿の中に突っ込んだ。くすぶっていた煙が名残惜しそうにブスリと消える。
気分を反映した名状しがたい変な顔で、今しがた開けたばかりの箱を手にした。見ると、製産国は『中華民国』となっている。
「なんだいこりゃ?アイツ本当どこで買ってきた?」
そんな風に言いながら、店主は常連の青年の事を意識の上にのぼらせた。
かつて、この煙草を買ってきた常連の青年であるが、珍しいことにこの日はまだ一度も顔を出していない。
ほとんど毎日来ているし、彼が来ない時は普通他のお客さんだって来ないものなのに。
今は青年を欠いた店内に、常連ではないが一見でもない客が数人いる。
珍しい事もあるもんだ。
店主はそうひとりごちた。
別に常連の彼がいようがいまいがどうでも良いのが実際だったが、奇妙なタバコを買ってきた『報いと報償』をすぐさま与えてやれない、というのは居心地が悪かった。
そもそも青年が彼女の店にやってきたのは、一年以上前。
雨が降っていた日だったか、晴れていた日だったのか。暑かったのか寒かったのか。
天候や季節の記憶も定かではないが、酷く陰鬱な日であったのは確かである。
鬱っぽい気分が印象的だったその日、彼女が久しぶりに棚整理をしようかと考え、カウンター内の椅子から立ち上がると、唐突に出入り口の扉が開き
◇◇◇◇◇―――――おっと・・・◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇こいつはまた別の話だったね。どっちにしろ今は語るつもりはねえから◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇さて、と。◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇で、どうだった?お客さん◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇あんたは彼女の物語にここまで付き合ってきたわけだけど、それも次の14章で終わりだよ?◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇感慨を求める訳じゃないけどさ。お姉さん、あんたにお別れの準備くらいはさせてあげようと思ってね◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇この先彼女と出会う事があっても、今回ほどその心を覗くことなんて、そうそう無いだろうから、ね◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇ああ、そうそう。お別れの準備は彼女が前回、私の店に立ち寄った章の事を思い出すのが一番のオススメだよ?◇◇◇◇◇
◇◇◇◇◇ま、強制はしねーけど◇◇◇◇◇
◇
◇
なんて事があったので、彼女も久しぶりに棚整理でもする気になったのか、椅子から腰を浮かせた。
と、店の扉が勢いよく開けられたかと思うと、数人の少年達がなだれ込むようにして店に入ってきた。
しじまは、彼等の会話でいとも簡単に塗りつぶされる。先客のリピーター三人は、それぞれ微妙に違う動きではあったが、一様に入口の方に目をやった。
「ここだっけ?通訳が言ってたトコって」
「っつかさみーよ。おいこら男ぉ、てめえ外何時間歩かせんだよ、サイゼリ屋さんでパスタおごれラーメンは不可死ね」
「俺に言うなよ・・・通訳が指定したんだからさ。それから何時間って俺達、一時間も歩いてないだろ?」
「あのな?俺がさ、オメーみてーなフェロモン発生装置と女の子に同じような態度取れるわけねーだろお?よってこの罪はお前に帰するんだよティラミス(笑)」
「あいあい・・・・じゃあワリカンでご勘弁を。ネコミミ、こいつになんか言ってくれ・・・・」
「ノーコメでご勘弁を。男友とは長い付き合いだけど、極力スルーの方向で。」
「へへっ、てめえ、隙を見せやがってw」
「あっ、ちょ、頭の布取るなうわ耳がっ、耳があああっ!」
「そして俺は目がああああああっ!!
でも大丈夫。何故なら、寒空の下迷路のような路地裏を、体感時間的に数時間にも及ぶ強行軍した俺のテンションがあるかr―――――ガッデミット」
496 :
ほんわか名無しさん:2008/09/11(木) 16:51:53 O
「どしたー?」
「ごめん帰る」
「うえっ、ちょ、まだ来たばっかだよwお前は何を言ってるんだwwww」
「都市がいる…」
「は?」
「都市伝説の奴だよ!なんでここにいんだよお!!」
「――――それより男友、耳から白い糸が出てるよ?」
「ひいっ!!!!」
「おい、お前らこんな所で何やってんだ?
―――――それより男友、耳から白い糸が出てんぞ?抜いてやるよ。みっともねーから。」
「あ、都市。やあ………って男友うるさいっ!
俺達さ、ほら。この前旅行に行くって話になったよね?それでガイドブックとか探しててさ。」
「そうか………ん?ガイドブック?なら古本屋より新書店の方が良くないか?」
「いや、男の友達がさ、ここに良いのがイロイロあるって言ってるらしくて……先に来てるはずなんだけど…えーっと、あっちの棚の裏かな?」
「裏じゃないか?いるっぽい――――ああ、いたいた。お〜い。通訳〜」
さるったんでキリのいいとこまで携帯でスマソ
あ
新しい来客は、和気あいあいといった様子で、リピーターの髪の長い少女がいるであろう棚の裏側へと歩いて行く。
いきなり集団で来られる事なんて滅多にないのだろう。
椅子から腰を浮かせた体勢で店主は僅かに顔をしかめていたが、すぐさま営業用の貌を取り繕う。
とりあえず『いらっしゃい。』と目の前を通り過ぎる少年達に声をかけ、彼等が本を持ってくるのに備え、散らかったカウンターを整理し始めた。
そうしてしばらくは、カウンターからは死角になっている本棚の向こう側から、
『うはっwww狭いwww』『確かに本格的な古本屋っぽいな。ブックオフとは感じ違うぜ』『神保町の古本屋とかこんな感じだよ。俺行ったことあるけど。』
といった興奮した話声が聞こえていた。
それらも少し経つと、小さなボソボソと言った会話になる。
僅かに活気を帯びながらも、再び静けさに包まれる店内。
やがて数分程して本棚の裏側から、二人、店主のいるカウンターにやってきた。
「ちょっと聞いてもいいですか?」
「あいよ。」
「今、横浜と鎌倉のガイドブックとか紀行文を探してるんですが、あそこの棚以外にもありますか?」
目の前に立つ二人のうち片方の言葉に、店主は少し目を丸くした。
何故か驚きの表情を向けられ、戸惑いの色をにじませる相手の前で、少しずつ。
少しずつ、店主の顔が笑いの表情を形成しはじめる。
さざ波のように瞳の中に愉快な感情が広がり、それらが顔全体の筋肉に波及するように、口元が曲線を描いていった
とうとう堪えきれなくなったのか、店主は顔をうつ向け『ククッ』と漏らす。
「あの・・・・」
「・・・・・クククッ、なるほどなるほど・・・」
「あの、、、どうしました?大丈夫ですか?」
「ん?ああ、ダイジョブダイジョブw
それで、紀行文だっけ?丁度今、良いのが入ってるよ。少し待ってな。」
心底愉快そうに。
店主は店内から本を取りに、カウンターの椅子から立ち上がる。
すれ違いざま二人の顔を見やった。
一人は虚ろな瞳をした髪の長い少女。先程からこの店にいるリピーターである。
―――そしてもう片方は眉間に皺の跡がうかがえる、気難しい表情の少年だった。
いろいろと他人の事情に想いを馳せながら一人、店内を行く女店主の口元は、明らかにほころんでいる。
「クク、、『現実に触れて困惑する存在不適合者』ねえ、、ははっ、
ははん。いいね。若いってのは。」
そんな独り言を洩らす女店主の背中に、切れ長の瞳の淡白少女が視線を送った。
埃っぽい店内は蛍光灯に照らされてはいたが、それ以上に出入口とその付近の窓から差し込む光が強かった。
明るい店内は人の気配に満たされて。
窓から見える、正面のオフィスビルの寒色が、快晴の空のように見えたのは言うまでもなかった。
>>481 やっぱりおおさかだったかw
元気な司書さんでは強引なハピエン希望だしたけど、
今は自分の好きなように書けばいいと思ってるよ
と司書スレの
>>1が申しております。
>>502 いや、おおさかって人ではないって
悲しい終わらせ方は苦手だけど元スレのほとんどがバッドエンドだから書くのが難しいなって言ったんだ
家スレは崩されたり燃えたり
司書スレは司書が結婚したりさ
>>503 名とは往々にして他称により生まれるものである。
それはつまり、完全な自然状態とは一切が相互関連の因果の上に有る分割不可能を意味し、
そこに仮の形で境界線を与えるのが人為による『命名』という行為である。
自然状態と言うと、人間を取り巻く環境をイメージするかもしれないが、
ここで言っている『自然』とは、人為の介在しない対象を意味する。
『おおさか』と名づけられた人間は、確かに主体の存在する人為そのものであるかもしれないが、
ネット上で受容された時点でそれは、思い通りにならない、一種の自然そのものとなる。
そこに他者が理解を得るために、仮に設けた境界線、即ちその他の有象無象との区別こそが『おおさか』という名なのである。
っていうかVIPのアク禁解除されないよおおおお
>>503 すまん、理解力が足りなかった
考えてみれば、司書さんが結婚するのもひとつの鬱エンか……
まあ、好きにやるがよろし。俺は書いてくれるなら鬱でも何でも喜んで読むぜ。
14
――――ゴツゴツと無骨な樹木は醜くく曲がりくねりながらも・・・・・・
鳥のさえずりが一つ。
まだ暗闇があたりを満たしている中、場違いな響きは高らかに高らかに。
空を見上げればそこにあるのは漆黒の帳と、そこに半ば溶けつつある湾曲した裸の枝の輪郭。
冬の月は、何時の間にやら西の空へ沈んでしまったらしい。
私は名残惜しく思いながら、頬に手をやる。
痛いほどの寒さに長らく晒されていたせいだろう。
月が出ていた頃の柔らかさは失われ、そこには固く、冷たい手触りがあるばかりだ。
それを触る指先だって、冷えて半ば感覚を失いかけ、触っているという意識が希薄である。
まるで五感のなかから触覚だけが空気に流れ出して、月と共にこの場から去ってしまったような錯覚を覚えてしまう。
触覚もろとも痛覚を失くした私は、一人ここに置いていかれてしまってたのだ。
不意に途方に暮れた気持ちを抱く。
痛覚を失った私は、もう、普通の人とは違う。
痛みを感じないのだから、どんなに酷い傷を負っても何も感じないのだろう。
足を挫いても、内臓に病を抱えても。
それを何とも感じない人間なんて、もう、誰からも理解されないに違いない。
痛みを理解できなくなってしまった私は、痛みを感じる『普通の人』にとっては、もはや得体の知れない存在なのだ。
自覚して酷く胸が痛んだ。けれど。
【痛かったら、痛いって言えばよかったんだ、おまえは】
―――――――なるほど。
『痛み』という言葉の連想から、最近読んだ小説に出てきた台詞が耳元で再生された。
同時に、一歩踏み出す。
足もとから枯草がサクサクと踏みしだかれる軽い感触が伝わってきた。
何と言う事はない。
痛みが無くなってしまっただなんて、ただの妄想に過ぎなかった。
私には、ちゃんと痛みを感じる心があるのだ。
薄い布で目の前を覆ったような暗闇のなか、私は、木が疎になっている広い空間を歩きまわる。
踏み出せば踏み出す程、足もとから伝わる感覚に。
体を動かす事で生じた風が、頬や指先を撫でる感覚に。
私はなんだか無性におかしくなってきた。おかしくて、笑いたくなってきた。
痛みは訴えるものなのだ、と。
あの小説で、彼女は最後に言われた。
本当にそう思う。
飼育委員の同僚の人が怖ければ。怖くて心が痛いのならば
友人との間に、考え方や感じ方の相違があると気付いて寂しければ。寂しくて心が痛いのならば
ただ、その痛みを訴えれば良かったのだ。
そうやって、訴えて、話しあうことで、心の傷は癒される。
私は随分と遠回りをして、やっとその答えを理解した。
けれど遠回りをしたにしては、実のところ、答えはすぐそこにあったのだ。
しかも『すぐそこの答え』と言うのは、ただの紙とインクで構成された作り話にあったのだから、滑稽だ。
痛みは訴えるものなのだ、と。
あの小説で、彼女は最後に言われた。
本当にそう思う。
飼育委員の同僚が怖ければ。怖くて心が痛いのならば
友人との間に、考え方や感じ方の相違があると気付いて寂しければ。寂しくて心が痛いのならば
ただ、その痛みを訴えれば良かったのだ。
そうやって、訴えて、話しあうことで、心の傷は癒される。
私は随分と遠回りをして、やっとその答えを理解できた。
けれど遠回りをしたにしては、実のところ、答えはすぐそこにあったのだ。
しかも『すぐそこの答え』と言うのは、ただの紙とインクで構成された作り話にあったのだから、滑稽だ。
現実に存在する人間である私が、架空の物語に有るのと同じ答えで救われてしまう。
これではどちらが真実なのか分からなくなってしまう。
シンパシーを感じた彼女は、現実の影であり実在しない。本質はただの情報であり、さらに突き詰めれば紙とインクに過ぎない。
対してシンパシーを感じる私は、実在する人間だと言うのに。
その現実の人間が現実の影と同じ答えを遅れて導き出す。
結局、架空の物語と言えども真実を語るという事なのだろうか?
或いは、現実に存在する人間の生もまた、造られた物語と変わらない胡蝶の夢という事なのだろうか?
そんな哲学的な思考にまで至りながらも、架空の少女が行き着いたのと同じ地点に自分が着地してしまったのが酷くおかしかった。
現実と空想が転倒してしまった事実が、酷く滑稽で、そして愉快で。
実に軽快な足取りで私は、その場を後にした。
森には薄明るい群青の空気が満ちていて、鳥のさえずりは何時の間か絶え間ない物となっている。
つまり森は、遅い朝を迎えようとしているのだ。
森の出口に続く小道にたどりついた私は、ふと、空に目を向けた。
ようよう明るくなりゆく空に、無骨な木の枝が、その輪郭を際立たせている。
ゴツゴツとした樹木は醜く曲がりくねりながらも――――――
その実、紛れもなく天に向かって伸びていた。
◇
どうも夢を見ていたらしい。
なんだか以前にも見たような夢だった気もするし、逆に全く違う夢だった気もする。
いずれにせよ、目覚めた今となっては、何もかもが一睡の幻に過ぎない。
痛いほどの寒さも。曲がりくねった樹木も。想いを馳せた小説・・・・・・・・・だけは現実にも存在するけど。
夢から覚めればそれらはどこにも存在しない。
あとに残るのはただ、、、、、
帰りのホームルームを終えた教室は、生徒のざわめきで満たされていた。
三月に入れば本格的に学年末の試験が始まる。
切れ切れに耳に届く教室内のざわめきもまた、普段とはそこはかとない相違を見せていた。
『サインコサインタンジェント』と歌うように繰り返す少女の声。『アベ公房のアベは安倍か阿部か』という冗談めいた少年達の問い。
そんな個々の構成要素を、川面から飛び上がる魚のように時たま顕わにしながらも、一個の湧き立つ雲としてざわめきは空気中に満ちていた。
二月も後半を迎え、だんだんと季節が暖かくなり始めている。
にも関わらず、それまでと何一つ変わることなく午後もストーブが稼働している教室内は、空気がこもり熱いほどであった。
そんな、人の存在感が空気の成分の大半を占める中で、彼女は机に伏していた頭をあげた。
不思議そうにキョロキョロと周囲を見回す彼女の顔には、数本の細く黒い線がある。線は、彼女の長い髪から延びていた。
机に突っ伏した事で頭髪が若干乱れ、幾本かが彼女の顔にかかってしまったのだ。
無意識に顔にかかった髪を払い、頭髪を整えながら彼女―――友人やクラスメイトや飼育委員の同僚から『通訳』と呼ばれている―――は一人赤面する。
どうやら、ホームルームの間中、机に突っ伏した状態を一貫していたのに気付いたようであった。
周りが皆、立ち上がって挨拶をする中、麻雀の箱から一だけ牌を抜き去った見たいな穴の底で、微動だにしない自分の姿を想像したことで、顔に朱がさしてしまったという訳である。
―――どなたか、起こしてくださってもよかったのに・・・
いそいそと立ち上がりながら、そんな風に呟こうとした彼女であった。
が、クラスの大半の顔が厚ぼったくむくんでいるのを見た事で、呟きは喉の奥へと呑み込まれていった。
麻雀の牌が抜けていた箇所は、一つではなかったのだ。
彼女も含めてほとんど皆、テストを控え、連日睡眠時間を削っている真っ最中という事であった。
すぼめた手を口にあてて、欠伸を噛み殺した後、丁寧なしぐさで帰り支度を始める。
教科書やノート類を、端に錆が浮き始めた金属製の机の中から取り出し、毎年使い回されて光沢の無くなった木製の天板の上でトントンと整える。
次に、脇のフックにかかった革製の鞄とジャージの入った袋を机の上に出し、鞄の留め金を外す。
開かれた鞄へ、教科書類を置くようにして緩やかな動作で彼女は入れた。
鞄を閉め、再び留め金を付けると、取っ手を両手で持って彼女は、くるりと机に背を向ける。
その際に、長く伸びた黒髪が、さらりと空に踊る。
そのまま教室を後にしようとスタスタと歩きはじめる彼女であったが、途中で、不意に立ち止まる。
酷く表情の読みにくい、試験前の寝不足を考慮してもなお虚ろと言える彼女の瞳が、教室内のとある席に向けられていた。
そこには彼女、通訳の友人である男女が一組。例によって二人は――――
◇
「おい。」
「・・・・・・・すぅすぅ・・・・・すやすや・・・・・」
「おーい?」(ユサユサ
「―――ハッ」
「起きたか?」
「あにゃ、にゃ、、な、なによ男?何か用?」
「別に用って訳じゃねえよ。たださ、帰りの挨拶終わってるっちゅうのに、ツンがまだ寝てるから」
「あ・・・・・・あ、、(///)
よ、余計なことしないでよ!あんたが起こさなくても自分で起きてたんだからね!?」
「はいはい(^^:)」
「って、わーらーうーなあっ!!ホントにちゃんと起きてたんだから!アンタだってさっきまで寝てたくせに!」
「ははっ、」
「な、なによ・・・その反応。なんか凄い頭にくるんだけど」
「いや、だって寝てるのはいつもの事だし?」
「こっ、」
「アンタ・・・・・・進級できないわよ?」
「なん・・・だと?心配?ツンが?俺の?」
「あああ、あ、あったま来た!!
アンタなんて留年すればいいのよ!留年し続けて留年クール先輩と結婚すればいいんだから!!」
「ちょ、なに不吉なこと―――デュアアアアッシ!
こら!足踏むな!M78星雲出身者みたいな声上げちまったじゃねえか!お恥ずかしい!、、、って行っちまったしよお・・・・」
――――ポンポン
「んお?誰だあ?肩叩くのは、、、通訳か。だよな。」
「はい。私です。
ツンさんは『男の馬鹿ぁ、、、アンタ、前回も成績赤点スレスレだったじゃない、、、
折角勉強手伝ってあげようと思ったのに・・・・い、一緒に・・・・・うっ、、、一緒に進級したく、、、ないの?
私と一緒に卒業したく、、、ないの?やだ、、、私は、、、やだよお、、、、
男が留年するなんて・・・・・ひっぐ、、、、男のバカァッ!なんで・・・・わかってくれないの?』と言っておりました。」
「は?え?」
「・・・・・・」
「ツン・・・・が?」
「はい。」
「心配・・・・してんだな。ツン。俺のこと・・・・・」
「あの・・・・・・・・追いかけた方が、よろしいのでは・・・・」
「ん・・・・・・・だな。そうするか。」
「お気をつけて。階段など転んで怪我などなさらないように。」
「お、おう。・・・・・・・・・・・あれ?」
「?」
「あのさ、通訳、なんか・・・・・・・・雰囲気変わった?」
「はあ…」
「ああ、―――いや、何でもね。変な事言って悪かった。んじゃ、また明日なっ」
「はい。また、明日も。」
かくて男は走りだす。クリームを気体にしたような濃厚な空気を裂いて、裂いて、廊下に飛び出る。
急な温度差に身を震わせながらも、素直になれない、あの幼馴染のもとへひた走る。
―――なるほどなるほど
一人、そう口にして。
14/→新ジャンル「通訳」
更衣室はは普段どおりのよそよそしさで私を迎えた。
側面の壁にならぶロッカーは、半分以上は鍵がかかっていて開かない。
中には半開きになっている所もあるのだけれど、その隙間からだらしなく衣服がはみ出していたり、
雑誌やラケットケースなどの私物が覗いているあたり、私に使用可能なロッカーは存在しないようであった。
奥の擦りガラスからは午後の明るさが流れ込み、電気点いていない更衣室に濃い陰影を生み出している。
窓は東に向いているため、放課後の、この時間に直射日光が差し込む事はないけど、それでも一切の文明の利器を必要としない明るさをもたらしている。
輝く擦りガラスとそれに照らされる影のような更衣室。
暦の上では春であり実際にも寒さが和らぎつつある昼下がり、とはいえ、さすがに無人の室内ではその恩恵にもあずかれないらしい。
キンと引き締まった空気が、十数分前までここを使用していたであろう人たちの、微かに残った諸々の匂いを織り込んで、鼻を刺激してくる。
物悲しくなるような匂いの中に人の気配をかぎ取れる。
私はそんな更衣室の空気に体を震わつつ、着替えの出来るスペースを探し始める。
半開きのロッカーからはみ出した衣服や私物は、奥の窓からしみ込むような光が覆う床の、大半を侵食していた。
私達飼育委員は、飼育小屋の掃除という仕事内容の関係上、基本的にジャージに着替える事になっている。
522 :
ほんわか名無しさん:2008/09/12(金) 00:04:42 O
なので更衣室の使用が認められているのだけれど、印象的には、運動系の部活が所有する更衣室を『使わせてもらっている』と言った方が正しいように思う。
事実、更衣室は男女両方共に、運動系の部活が主要な使用者でった。
持ちかえらなければならない筈の彼等の私物も常時置かれていて、それが学校側にも半ば黙認されているのが現状である。
ただ別に、その事について不満や反感があるわけではない。
それはもう、昔からの慣習になっていて、今更正そうとしても学校や生徒会に余計な仕事を増やすだけである。
それに、毎日使っているのに、その度ごとに持ちかえらなければならないというのも、激しい運動で体を疲労させいる部員達には酷な話だろう。
だから少なくとも私自身には、それに私の見る限り飼育委員会自体にも、この『間借りさせてもらっている』現状をどうこうしようという意識は無かった。
更衣室に入って一分ほどして、奥の壁とロッカーの列が直角に交わる地点に、若干の空きを見つける。
背後の出入口の鍵を閉めると、泥棒が抜き足差し足をするように、床を彩る雑誌や脱ぎ散らかされた制服なんかを避けて、慎重に移動を開始した。
やがてどうにかして、部屋の隅っこの貴重な床の露出部へとたどり着き、着替えを始める。
制服を脱ぎつつ、器用にも立ったままそれらを畳み、床におろした袋へジャージと入れ替わりに詰め込みながら、私は酷く落ち着かない気分だった。
飼育委員は仕事の時間の都合上、昼の時間を除けば、朝も放課後も、運動系の部活の人たちが着替えた後に更衣室を使用する。
しかも飼育小屋の仕事は男女二人一組であるため、一日で最も散らかった状態の更衣室で、たった一人で着替えなければいけないのだ。
それはまるで、無許可でこっそりと忍び込んでいるような錯覚を覚える行動であった。
別に悪い事をしている訳でもないのに、なんだか自分が場違いな存在に思えて、更衣室そのものがこちらを拒否している気がしてくる。
着替えの時間はそんな気分にさせられるのだ。
とはいえそんな事にも既に慣れっこになっている私にとっては、そんな感傷も今や通過儀礼の一種に過ぎなかった。
むしろ仕事を始めるにあたって、気持ちを切り替える上では好都合ともいえた。
何よりあの同僚君と顔を合わせる前には、そうやって気持ちを切り替えなければ、やっていけなかったのだろう。
そんな風に思考しつつ、私は下着の上から体操服を着て、次にジャージに腕を通した。
上半身の着替えが終わると今度は、スカートを履いたままの足にジャージを通す。
少し長めのジャージの足もとを整えた後、スカートのホックを外して脱ぎ、上と同様に畳んで袋に入れた。
思考は、飼育委員の同僚の少年に至った事で、ここ最近に起こった一連の出来事の記憶を呼び覚まし始めた。
あの日。あのコーヒーショップでの説得の翌日。
同僚君と男さんの関係は、私達の懸念や緊張をよそに、意外なほどにあっさりと回復した。
自分が全面的に悪いという同僚君の態度に、男さんの中にあったわだかまりが、ほとんど瞬間的に解消されたのが大きかったに違いない。
表面上は『お前の方から切っといて、ずいぶん勝手だな』なんて言いながらも、男さんにの心には仲直り以外の選択肢が存在していなかった。
結局、ほとんど何の障害もなく、同僚君は男さんに受け入れられるに到った。
やはり私の睨んだ通り、どんな風になろうとも男さんは、同僚君と元の関係に戻りたい、というのが本音だったようだ。
お互いに理解しあえない、という気持ちから距離をとっていた同僚君が、これからどうなるかは解らないけど。
あの男さんが相手なのだから多分、なんとかやっていけるに違いない。
それに―――
?
『それに』と言うのはどういう事だろう?
今確かに私の中で、この先の彼等の関係を保証する要因を、男さん以外にも見出していた。
けれど、それが何なのか、判然としない。一体何なんだろう?
バッグから貴重品を取り出して、ポケットに入れながら、私は首をかしげた。
考えても一向にはっきりしてこないので、諦めて着替えを続けることにする。
あらかじめポケットに入れておいた紐を、財布や鍵と入れ替わりに取り出して、髪を結い始める。
長髪を束ね、それを後ろの方で髷に結う。最後にヘアピンで留めて完了である。
私は来たときと同じ経路をたどって、散らかった更衣室を出入り口へ向かった。
最後に、しっかりとした金属性の造りの扉に添え付けられた鏡で、全身をチェックする。
鏡の中で、十数年付き合ってきた自分の姿が、頭に手をやり髪を整えていた。
ふと、手を止めて見つめてみる。
以前と何一つ変わらない、虚ろな瞳がこちらを見返してきた。
男さんと同僚君が仲直りしてから、五日ほど経過していた。
いろいろあって、大切な事も学んだけれども、だからと言って私の生活に何か劇的な変化が起こったわけでもなかった。
自分が心の底で人を拒んできたのだと気付いても、それは生まれた時からの読心能力と幼い頃から無意識のうちに続けてきた行動の結果なのだ。
フワフワと現実感のない感覚は性根に染み付いてしまっていて、そう簡単に変えることができない。
結局、相も変わらず私は、たまに強い感情が流れ込んでくればそれを通訳し、その他は心を読んで行動を選択するだけの日々を続けていた。
それがあまり健全ではないと解ってしまった今でも、特に何かをしようとは思えない。
心が読める私には、同僚君のように決定的な問題が生じたりもしないから、危機感も感じない。
現状に対する『このままじゃいけない』という意思が、どうにも薄弱であった。
けれど、そんな自分を、ちょっと悲しく思う自分もいるにはいた。
今までは何ともなかった事を考えた時に、ほんの少しだけ、胸が痛むような気がする。
或いは、そういう意味で、私は変わってしまったのかもしれない。
大きな変化は無くとも、今度の出来事で、確かに変わった部分もあるのかもしれない。
飼育委員の仕事で飼育小屋に向かう度に感じていた、お腹が締め付けられるような不快感が、今日はない事に気がついて、そう思った。
変化、というのならば、これが一番大きな変化に違いない。
どうもあれから私には、妙に飼育委員の仕事を待ち遠しく思っている節があった。
確かに虎吉に会うのは楽しみなのだけど、今までは心の読めない同僚君の存在がそれを阻害していた。
恐らく、同僚君を説得する中で、彼の事を知ることができ、彼もまたほんの少し私に気を許してくれたからなのだろう。
お互いの間にあった壁が消えた事が、きっと一番の理由なのだと思う。
彼に対する畏れも怖れもなくなった今、なるほど飼育小屋へ行き渋る理由もない。単純に、気兼ねなく虎吉と触れ合う喜びに浸れるのだ。
だけど、どうも奇妙な所があった。
純粋な虎吉と触れ合う喜びにしては、説得の日から初めての飼育委員の仕事になるこの日を、待ち遠しく思うと言うのは奇妙な話だ。
触れ合いたければ、飼育委員の知り合いに頼んで、彼等の仕事のついでに飼育小屋の中に入れてもらえば良いだけである。
しかもただ単に会うだけなら、それも必要ない。
何にせよ、心が浮ついているにしては訝しい気持ちが拭えなかった。
ドアノブに手をかけ、少し力を込めて扉を開ける。
金色の、夕暮れを控えた午後の光が差し込む昇降口が、少しずつその姿を顕わにし始めた。
それにしても、同僚君を怖くなくなる、というのは、事件以前には思いもよらなかった事である。
なるほど確かに、私は変わってしまったのだろう。あの、2月14日の日を境にして。
そう、心の中で一人ごちながら、私は廊下に出る。
低い段差になっている更衣室と廊下の境界を踏みこえ、自分のクラスの下駄箱へ向かい、そこで運動靴に履き替えた。
昇降口から外の広場に出ると、校舎内の影が消え去った明るい光に包まれる。
私はそこに、同僚君がいるのに気がついた。
広場の中心にある、花で造られた半ば芸術的なオブジェがたつ花壇の周りを、ブラブラと歩いている。
「ん。よう。」
こちらに気付いた彼が軽く手をあげて、挨拶する。
「どうも・・・」
私もそれに返すが、ふとある事に気がついた。
いつもなら彼は、私より先に着替え終わって、そのまま飼育小屋へ向かっている筈なのだ。
たまに私の方が先んじる事はあるけど、いずれにしろ、二人が出会う場所は飼育小屋以外には存在しない。
それが今は広場で顔を合わせていた。つまり、それが意味するのは・・・・・・・
「待って・・・いらしたのですか・・・」
意外な彼の行動に、意図が掴めずちょっと動揺しながら、そう聞く。
彼は、『ん』と短い肯定の返事をしたのち、『行くか』と花壇から離れて歩き始めた。
私もそれを受けて彼と歩調を合わせる。
並んで歩く彼の心からは、何故だか、奇妙な緊張が伝わってきた。
・
・
・
・
・
私達は歩く。
横に並んで、歩調を合わせて。
隣からは彼の存在と心の半分が伝わってくる。
普通の人の半分くらいしか心が読めない、というのは、やっぱりまだまだ、彼の問題の全てが解決されていない事を物語っているのだろう。
私と同じく、彼が抱える問題も、根が深いのだ。
数年間。中学生の頃から想い続けてきた事。
ずっと独りで有り続けてきた彼の心は、すぐに昔のような状態に戻る事はないのだろう。
読心のほとんどを拒む程の物だったのだから、それが自然な現実なのかもしれない。
むしろ、半分とはいえ、彼が私に対して気を許してくれた事の方を喜ばなければいけない。
まだ、周りの全てに心を開いたわけではない彼の、橋渡し、それこそ通訳をするのが、信用された私の義務なんだと思う。
私達は校舎の角を折れ曲がり、植込みと壁に挟まれた、狭いアスファルトの上を行く。
あの日、同僚君の心を垣間見た道は、今は背後からの輝く陽光で照らされていた。
運動系の部活動の掛け声や、吹奏楽部の合奏。それから未だ校舎に残る生徒達のざわめき。
こんな世界の端のような道にさえ、それらは音を届けてくれるみたいだった。
人気のないさびしい筈の道が、そう思わせない程に暖かい。
私は隣を歩く同僚君を見た。
男の子だけあって私より二つほど目線が高いので、ちょっと頭を傾けなければいけない。
こんな近くで歩かなければ、きっとそんな事実にも気付かなかったのだろう。
私の視線に彼もこちらを向いた。
柔らかい表情をしていたけど、やっぱり眉見に皺の跡が見られる。それどころか、額にまで一本縦に線が通っていた。
きっと、これが同僚君の顔なのだろう。
人を拒んできた彼の、寂しさと張りつめた心を反映した表情。
でも、そのお陰で、私は気付く事ができた。
結局、彼を説得できた本当の理由は、そこに同じ寂しさがあったから、なんて単純なモノじゃなかったんだ。
実際にはそれも含めて、いろんなモノに突き動かされた結果だったから、同じ寂しさ、というのも無くはないのだけど。
でも、あれほど恐れていた同僚君を、放っておかなかったのは。
怖いと思う相手を、会いたくないと思う相手を、強制されたわけでもないのに、説得しようと思ったのは。
怒鳴られ衝突して涙まで流すほどに激するなんて、普段の私からは考えられないような行動をとったのは。
あなたが私にとって―――――――ただ一人の心の読めない人間だったから。
人間に興味のない私が、こんなにもあなたに執心していたのは。
あなただけが、私に、心の読めない『普通の人の世界』を見せてくれていたから。
同じ寂しさがあるとか、男さんが苦しんでいたから、なんて、全て後付けに過ぎない。
誰も彼もを薄い膜の向こう側に追いやっていた私の世界に、ただ一人、その膜を突き破って現れたあなたが。
どうでもいい人だなんて、その先がどうでなっても構わない他人だなんて。
私には思えなかったから。
あなたが居なければ、私は自分が人を拒んでいたなんて気付く事もなかった。
こうやって、ほんの少しだけでも変わることなんてできなかった。
気付かなければ平和だったかも知れない。
ずっと薄い皮膜の内側にいれば、傷は付かなかったかも知れない。
けど、後悔はしていない。
それはきっと、いつかは気付くべき事だったのだから。
それに―――私と似ているあなたがいると気付いたのだから。
やがて私達は飼育小屋に至る。
黒っぽい木材で建てられた壁を周り、植込みと接する裏側の入口を開けて中へ。
見慣れた細長い通路。
いくつかの扉が並ぶ汚れのこびりついた壁を左側に。
私達は、トラ吉のいる部屋へと進む。
裸電球に照らされた道の中、不意に、同僚君が口を開いた。
「――――あのさ」
「は、はい」
「その―――ありがとうな」
「え?」
「いや、そのさ・・・・なんていうか・・・・・」
言葉を交わしながら私達は扉を開く。
奥にある金網に、渡り廊下や連絡通路を通して、学校の向こう側の端が僅かに垣間見える中庭が映っていた。
トラ吉は、退屈そうにほし草の上に横たわっていたけど、私達が入ってくると嬉しそうに視線を向けてきた。
「なんていうか・・・・・まさか仲直りできるとは思ってなかった。」
「・・・・・・・・・・・」
「俺はさ。もう、ずっと一人だと思ってた。
男だけが、俺を本気で心配してくれたけど、あとはもう誰も味方になんてなってくれないと思ってた。
だから・・・つい、カッとなって、男まで切っちまったあの時は、もう駄目だと思ったんだ。
本格的に俺は一人になったんだって思った・・・特に、あいつが俺を旅行のメンバーから外したのを見た時はさ。」
「それは・・・・・・」
「うん。だから・・・実は、嬉しかった。
通訳が本気で俺を説得してくれた時は。
なんか今まで甘く見てたよw最後には仲直りまで持ってけるんだから。すごいと思う。」
「は、はあ。それは、その、、、どう、いたしまして・・・」
「それにその、、、、さ、、、、あれだったから、、、、、、」
「―――――――――――っ」
その瞬間、私は、自分の鈍さ加減を呪った。
本当に、心を読む、というのは解る事も解らなくさせるのだ、と。瞬間的かつ痛切に理解した。
けどそんな事は
そんな事はやっぱり一瞬で、あとはただ、ただただ顔が熱く鼓動が激しくなるばかりであった。
(そんな―――っ、、、、嘘、、、この人、、、心が読めないから、、、)
思い返せば、隠されていたモノが露わになってしまえば、成程それは、心あたりだらけであった。
いつか、彼とバスの中で乗りあわせた事があったけれど。あの時は確か、彼の方から話しかけてきたはずだ。
本当に私の事が嫌いなら、そんな事はしない筈だし、それ以前に近づく事もしなかったろう。
説得の時だって、何故あんなにも簡単に私の呼び出しに応じてくれたのか?
普段の関係からすれば、『なんで俺が行かなきゃいけないんだ』くらいは言いそうなのに、二つ返事で承諾していた。
そして、そして用務員さんが、裏方雑用さんがいつか言っていた・・・・
『ほら、アレっすよ。あの・・・危機的状況から来るドキドキ感を恋愛のドキドキと勘違いするっつー・・・』
トラ吉は、いくら大人しくとも猛獣で、そこでの仕事はやはり緊張するものだという。
私は動物の心も読めるから全く怖くなんてないのだけど、同僚君は違う。
今までは畏れていたから、そんなこと考えもしなかったけど、やっぱりドキドキとしてはいたのかもしれない。
そしてそれを、その、、、、勘違いする、、という、、、別のドキドキ、、、と、、、
「その、、、なんだ、、、特に用はないけど、また、どっか喫茶店でも、、、さ、、、」
今まではイロイロとお互いに溝があったから、彼も私に冷たく当たるしかなかったのだろう。
どの時点で、気持ちが芽生えたのかは解らないけど、それをずっとひた隠しにしていたに違いない。
いや、答えを知ってしまえば、あの態度はむしろ、自分を誤魔化そうとしていたとさえ思えてくる。
彼の心から伝わってくる感情を総合すると、そう言えなくもなかった。
けど、ここ最近、確かに私達の距離は急激に縮まっていた。
用務員さんの言っていた吊橋効果じゃないけど、一緒に緊張する状況を乗り越えもした。
しかも手を繋いだりしちゃったりも・・・・・・ああっ(/////)
(それに、俺達は似てるんだろ?文字通り、お似合い・・・だと思って、、ってなに馬鹿なこと言ってるんだよ俺は、、、)
口には出さなかったけど、同僚君は心のなかでそう言っていた。
それは、あの、虎吉の通訳。
ずっと私の耳に張り付いていたけど、いつの間にかどこかへ行ってしまった、あの『二人は似ている』というトラ吉の印象の通訳。
どうも、それは私の耳だけじゃなく、思わぬ所にも残留していたみたいだった。
「ガウ」
愉快そうなトラ吉の唸りが傍らから耳に届く。
『ともかく皆取り違えちゃうんっすねw緊張と恋愛のドキドキを。で、しかも男女二人で密室っすからwこれで何か起こらない方がおかしいんっすよww』
愉快そうな裏方さんの言葉、その記憶が頭に蘇る。
思わぬ事実は、私を大いに動揺させたけど。
なぜか心が跳ね上がった挙句に浮つき軽く。
なぜか『とても嬉しいです。私も実は―――キャッ(////)』などとおかしなことを私の心は言っておりました(///)
ええっと、つまり、ですね(////)
――――――残留した通訳は、もうずっと、消えてくれそうにありませんでした。はい(//////)
――空の境界第三章「痛覚残留」読書感想文――
【新ジャンル「通訳」残留】 (了)
→新ジャンル「通訳」スレのレス番92あたりに続くんじゃねえのっ?
ははんw若いっていいねえwま、お二人の未来に幸多からん事を願っとくとしますかw
今まで読んでくれた人、支援してくれた人、感想くれた人、本当に感謝でいっぱい。
地獄の長文地の文強行軍に付き合ってくれた人々に謝謝(ありがとう)
いろいろ言いたい事はあるけど、あとがきはもっと別の場所で。ここではやりません。
でも最後に一つだけ言わせて・・・いや、投下させてくれ。
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『おれは二ヶ月でSSを書き上げようと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思っていたらいつのまにか半年以上経っていた』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれも何をされたのかわからなかった…
,゛ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゛T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超スピードだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
GJだよー
お疲れさん、また長編のアイデア浮かんだら書いてくれ。
さて、俺もジャンル集合ものの書きため頑張らなな……
本当にお疲れ
そしてすばらしい作品をありがとう
547 :
ほんわか名無しさん:2008/09/12(金) 11:17:18 O
GJすぎて言葉が見つからない
…
あえてもう一度言おう
GJ
叩きに負けずよく頑張ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
お疲れGJ
550 :
ほんわか名無しさん:2008/09/12(金) 21:38:14 O
地の文ばかりで途中から読むのしんどくなって来たけど
最後まで読んでよかった。面白かった
GJ
>>551 素直シュール「米が欲しいのならば、私からもくれてやる」
シ「ほうれ、ライスシャワー。ビシッビシッ」
男「痛っ!生米投げんな…いってぇ!!」
男「すみません。これがこいつなりのGJなんです」
シ「……うるち米」
>>551 亀ったwww
最近忙しすぎてSS書く暇が・・・そして長編お疲れ様でした。
次回作楽しみに期待してます。
ちょっとだけ
>>292の続きを書いてみます……ぜんぜん進んでませんがww
この実践訓練は実践訓練とはいうものの、弾は模擬弾でありヒット判定は模擬弾の中にこめられたペンキで判断される事になっていた。
男『まず俺からテイクオフする!』
ク『了解、後ろは任せて』
ヒ『りょうかいいいい!!!』
友『了解、気をつけろよ!』
ほぼ無『いきます……』
男のコックピットの中に飾られているのは小さな頃の男とブレイズの写真、ブレイズに肩車をしてもらっている男の笑顔にカメラを構えていた母もにっこりと笑っていた事だろう。
その男も今は父であるブレイズの身に着けていた物達を受け継ぎ空へと舞い戻った。
地から空へと飛翔するために全てのエンジンに命を吹き込む、エンジンは猛烈な咆哮と同時に男を空へと羽ばたかせていった。
男『離陸成功、水平姿勢を保ちつつ編隊まで待機する』
ク『了解、次は私だ』
続々とテイクオフする仲間達を確認すると最後に少尉が地を蹴った。
ほぼ無『各機編成編隊を組み次第実践訓練を開始します……』
男『了解です。エッジ、チョッパー、アーチャー、編隊動作終了。実践訓練準備完了です』
編隊はダイヤモンドを指示する、男が先頭を務める編隊だ
>>553 続き
ほぼ無『それでは最後の実践訓練を開始します……』
ほぼ無の機体は男達の編隊を組む作業のうちに対面に位置していた、アフターバーナーを吹かせ空を切っていく様を横目に編隊は整った。
男『少尉は手ごわい!本気でいく!』
ク『私は最初からそのつもりさ』
ヒ『おとこのためならぁあああああ!!』
友『少尉のは簡易ステルス装備だからな、皆油断はするなよ!!』
男、ク、ヒ『了解!!』
4対1、本物の戦場ならばこれはほぼ死を意味する事になる、それでも尚ほぼ無はペイント入りの模擬ミサイルや模擬機関銃を全て避けていく
男『さすが少尉は手ごわい……FOX2!FOX2!!』
ほぼ無『………………』
空を縦横無尽に駆るほぼ無に父と重ねてみる男、自分の父ブレイズはこれか、はたまたこれ以上の腕を持っていたと思うと体中の毛が逆立つ思いになった
ク『チョッパーは少尉を引きつけて、ブレイズはAB(アフターバーナー)で一気に少尉とクロスしてバックアタックをお願い』
ヒ『わかったぁああああああ!!!』
グゥウンと高度を一気に上げてそのままミサイルを発射するヒー、しかし2連発のミサイルも空しく空を切りそのまま陸に堕ちていった
ほぼ無の挙動は乱れず、機体を半回転させるだけで避けるというフィクション的な回避を見せた
友『ッッ!!!?ブレイズ待て!!ステルスだ!!』
男『ああ、分かってるさHUDにも見えてる。だがクー……いやエッジの作戦だからな信じるさ!』
空対空ミサイルのロックオンが通じない簡易ステルスを仕掛けている以上、ミサイルは役立たずもいい所だった。
代わりに機体下部にある機銃をばら撒きつつほぼ無とクロスした
>>554 続き
ABの推力はすさまじく大きいために、少尉のバックを取るのは容易いと踏んでいた男だったがほぼ無はそれを読んでいて男と同時にハイ-Gを利用した
急速旋回により正面に対峙していた。
男『少尉!!これまでです!!!』
ほぼ無『まだ……』
高速でクロスする二機、ヒーもクーも友も再度編隊を組もうと提案するも男は拒否、ほぼ無との二人だけのドッグファイトを望んだのだが……
ほぼ無『……!!!訓練は中断……所属不明機4機確認……アーチャー確認を』
友『本軍のデータベースには無い機体のようです、どうしますか?』
ほぼ無『……様子をみます』
以下まだ執筆してませんww
通訳さんぐらい早く書ければなぁ・・・と思う今日この頃です。
裏方さんと黒子さん#6
裏「鳥は、鳥籠から出るのをいつも夢見ていた」
黒『しかし、鳥籠の扉は鍵で固く閉ざされている』
女友「だから鳥は、鳥籠から出るのを諦めた?」
裏「ううん、そうじゃないっす」
黒『鳥籠の鳥は、自分で鍵を外せるほど強かなんですよ』
女友「じゃあなんで鳥は鳥籠から出ないのかな?」
裏「多分、籠の中で命を燃やす人生も悪くないと思ってるんっすよ」
黒『飛べる鳥が、誰かの止まり木になってもいいじゃないですか』
女友「そうか、遠くへ羽ばたくばかりが幸せじゃなしか」
裏「はいっす」
黒『その通りです』
女友「深いね、人生って」
通訳さんがいなくなったら急に過疎った秋の朝
暇になったらなんか書こう
558 :
ほんわか名無しさん:2008/09/15(月) 13:05:25 O
裏方さんと黒子さん#7
裏「うわ、すごい人混みっすねー」
黒『今日は父兄参観で、荘厳さんやお嬢様系の方のSPが山ほど来てるみたいです』
裏「こりゃあ歩くのも一苦労っす」
黒『まあ、こんな人混み舞台裏の混雑に比べたら』
裏「どってことないっすね!」
黒『はい』
裏「でもこれだけ人がいると、はぐれちゃう可能性もあるっすねぇ」
黒『そうですね』
裏「黒子さん、手をつないで移動しないっすか?」
黒『はい?』
裏「そうしておけば、離ればなれになる心配もないっすよ!」
黒『は、はぁ……』
裏「じゃあ、教室までダッシュっす!」
きゅっ
黒『!!』
裏「どうしたっすか?」
黒『いえ、何でも……』
裏「?ならいいっすけど」
黒『……///』
男友「おや、あれに見えるは百合フラグ?」
女友「あんたはくだらないこと言ってんじゃない!」
スパーン
男友「ぐぇっ」
友「今まで黙ってたけど実はオレの右乳首は核ミサイルの発射ボタンなんだ!」
男「な、なんだってー!?」
友「だから押したり突いたりひねったりしゃぶったりするなよ!」
男「うぉぉ、超押してぇ!」
友「押すなよ! 絶対押すなよ!」
男「んんんんんんんんん……!!」
友「耐えろ! 耐えるんだ男ッ!」
男「だ、駄目だぁ!」
男「ジェノサイッ!」
ブスッ
友「あっは〜〜〜〜〜ん!」
男「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」
ダダダダダダダダダダダッ
友「あっあっあっあっあっあっあっは〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!」
男「ちくしょぉぉぉぉぉ騙されたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
俺「楽しそうだな、おまえら」
ヒート「男ぉぉぉぉぉぉぉぉっ、好きだぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
クール「男。好きだ、結婚してくれ」
シュール「………そういえば、君が好き」
ツンデレ「べ、別にあんたなんか好きじゃないわよっ」
ほぼ無反応「…………………好き」
ヤンデレ「男君好き、好き好き好き好き好き好き好き好き」
キャラ別告白方法
あなたのお好みは、どれですか?
>>560 興味津々「なー?私はおまえのこと好きだぞっ?私の知らないこといっぱい知ってるしっ。ちゃんと教えてくれるんだっ。
大好きだぞっ?」
的な
ガチャガチャ
虎吉「=3」
男「最近夜になると虎吉どこかへ出かけるな」
裏方「いつもどこへ行くんすかね」
空き地
虎吉「がう」ノシ
白猫「にゃー」ノシ
黒猫「にゃーにゃー」
シャム猫「ニャー」
ぶち猫「みゃー」
三毛猫「みぃ」
虎吉「がうー」
男「猫の集会かよw」
裏方「まぁ、トラも一応猫科っすからいいんじゃないすかw」
ヤンデレ男「本返しにきた…」
司書「はいありがとう」
ヤンデレ男「……返してほしかったら付き合って」
司書「それは出来ません」
ヤンデレ男「本返さないよ?」
司書「本は返してください」
ヤンデレ男「じゃあ付き合ってよ」
司書「無理です、さあ本を返してください」
ヤンデレ男「じゃあ返さない」
司書「もう・・・・」
ヤンデレ男(か、かわいい)
ヒート「本貸してくださあああああい!!!」
司書「図書室ではお静かに」
ヒート「ごめんなさぁあああい!」
司書「シーッ!お静かに」
ヒート「すみませえええぇぇん!!」
司書「静ーかーに!!」
ヒート「しーずーかーに!!!」
司書「はぁ・・・・どんな本が借りたいの?」
ヒート「司書さんが好きな本!!」
シュール「本って借りれますか?」
司書「どんな本を借りたいの?」
シュール「面白い本」
司書「うーんミステリーとかお勧めだよ?」
シュール「出来ればいっぱい借りたいの」
司書「いっぱいって何冊ほど?図書カードだと最大20冊までなんだけど」
シュール「分厚い本なら20冊で足りる」
司書「?じゃあ図書カードを」
シュール「よいしょ、よいしょ・・・・・・やっと高い所の本が取れた」
司書「そんな事の為に使わないで」
クール「本を借りたい」
他司書「じゃあカードの提示を」
クール「違う、貴方からじゃない。司書さんから本を借りたい」
司書「指名は嬉しいけど一応謝っておきなさい」
司書「・・・・・・・・・」
ほぼ無反応「・・・・・・・・」
司書「この本面白かった?」
ほぼ無反応「・・・・・・・・ん」
司書「次借りたい本はこの続編でいいのかな?」
ほぼ無反応「・・・・・・・ん」
司書「・・・・・・・」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・あっ」
司書「どうしたの?」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・今日も」
司書「今日も?」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・かわいい、ね」
司書(・・・・・・・・・ほ///)
渡辺「すみません借りた本の返却日忘れてました〜」
司書「今度から気をつけてね、はい本貸して」
渡辺「ありがとうございました〜」
司書「ちょっと待って図書カードの提示もお願い」
渡辺「すみません忘れてました〜」
司書「おっちょこちょいだね、はいカード返します」
渡辺「ありがとうございました〜」
司書「ちょっと借りる本忘れてる!」
渡辺「あれあれぇ?」
571 :
ほんわか名無しさん:2008/09/16(火) 05:20:05 O
裏方さんと黒子さん#8
黒『裏方さん』
裏「なんっすかー?」
黒『これ、差し上げます』
裏「へ?これって四つ葉のクローバー?」
黒『はい。先日ピクニックに行った折、見つけたんです』
裏「自分なんかにはもったいないっすよ。これは
もっと大事な人にあげて欲しいっす」
黒『そんなことないですよ。私は、健気に頑張る
裏方さんに幸せになってほしいんです』
裏「う、なんか照れくさいっすねー」
黒『だから、どうか遠慮せずにもらって下さい』
裏「分かったっす。ありがとっすよ!」黒『うふふ』
男友「百合フラグ今だ継続中……熱いぜ!」
女友「アホか」
うおお、司書GJ!!
自分の考えたキャラがメジャーキャラと絡むのはすごい嬉しいな
きっとこの司書さんは口紅とか似合うはず
男「本の貸し出しお願いします」
司書「あ、男君この本どうだった?」
男「面白かったので一晩で読みました、続き貸してください」
司書「はーい」
ヤンデレ男「・・・・・・・・」
司書「次の方…」
ヤンデレ男「さっきの男は誰だ?」
司書「あなたと同じここの生徒さんよ」
ヤンデレ男「そんな事聞いてないあの男は君の何なんだ!!」
司書「答えが知りたかったら前に貸し出しした本返してね」
ヒート「この本借りるぅぅうううう!!」
クール「ちょっと待て、その本は私が前から予約していた本だ」
ヒート「早い者勝ちだよ!!」
クール「常識を考えろ、その本は私が借りる」
司書「二冊取り寄せたから喧嘩しないの」
ヒート「司書さーんこれ借りるぅぅうううう!!!!」
クール「司書さんこれ借ります」
ヒート「お前は向こうの人から借りろよ!!」
クール「私はこの司書さんがいいの」
ヒート&クール「ねえどっちが好き!??」
司書「うう・・・・分かんないよ」
シュール「本借りる」
司書「本を台替わりに使わないなら貸し出します」
シュール「使わない、約束する」
司書「絵本を借りるのね」
シュール「いっぱい借りるの」
シュール「よし、ドミノにピッタリだ」
司書「えい」トンッ
パタタタタ
シュール「私が押したかったのに」
新聞部インタビュー
司書「好きな本は・・・特に」
新聞部「ないという事ですか?」
司書「いいえ、本はみんな好きですから」
新聞部「なるほど、では今イチオシの本はなんですか?」
司書「SF小説の『友』シリーズです」
・
・
・
・
・
男「司書さんが宣伝してから続きが全く読めません」
司書「面目ないです」
>>576 ニオニオ動画ランキング一位
司書『すっす好きっきすっすすっすす好き好きですから!』
男「・・・・・インタビュー映像のMADかよ・・・とりあえず」
男「保存だ」
ヒート「保存!!!」
クール「保存しよう」
シュール「MP4保存と」
ヤンデレ男「第二部作るか」
578 :
ほんわか名無しさん:2008/09/16(火) 17:58:56 O
ザルクール「どうだクール。一緒に一杯やらないか」
クール「いや、よしておこう」
スモーカークール「それなら私と、ちょっと一服しようじゃか」
ク「すまないが、私は一生タバコを口にする気はない」
ザ「つまらん奴め、酒くらい呑めなくてどうする」
ス「そうだぞ、未成年だからといって気にすることはない」
ク「姐さん達、私は男のために丈夫な赤ん坊を産みたい。そのために
酒もタバコも生涯やらないと決めているんだ」
ザ「ほう…なかなか言うじゃないか」
ス「男とかいう奴、かなりの果報者だな」
男「当人のいないところで何を言ってるんだ……」
ここって新ジャンルの続きとか書いていいの?
人気なくて落ちた新ジャンルとか
>>579 新ジャンルと名のつくものは何でも拒まない
>>563 虎吉にじゃれついてモフモフしてるぬこ達を想像したら…(*´Д`)ハァハァ
いつまでも書きためがすすまないから、
締め切りの意味も込めここで予告してしまおう
新ジャンル集合物語「新ジャンルが、終わるようです」
今秋発表予定
>>582 おwwwわwwwwらwwwwせwwwwwwwるwwwwwwなwwwwww
虎吉の人気にSHIT
驚くほどだれもいねぇ……
ネタあればなんか書くんだがな
まあゆっくりやろうぜ。
書きたい奴がいれば勝手に書くだろ。ほのぼの板ゆえの安定感こそがここの長所。
重要なのは誰であれ温く見守るスタンスだな。
裏方さんと黒子さん#9
裏「あ、浅窓さんが捨て猫を見つめてるっす!」
黒『本当ですね』
裏「きっと餌をあげてるところっすよ!」
黒『いえ、もしかしたら憐れみをかけて拾おうとしているのかも』
裏「何してるのか観察してみるっす」
黒『はい』
浅「ほらほら、もっと頑張りなさい」
猫「みゃー、みゃー」
裏「猫がギリギリ届かないところに餌をやってるっす!」
黒『しかもその餌がお弁当の残り物!』
裏「浅いっすね!」
黒『えぇ、浅いです!』
今気付いたんだが
とloveる?だっけ そっくりだよな
新ジャンル学園って
〜びゅうっ
素直間延び「さ〜む〜い〜よ〜」
素直ホット「まだ秋なのに、これ位で音をあげちゃ駄目でしょ?」
間「お前はー、体温が高いからそんなこと言えるんだよ馬鹿ー」
ホ「もう…それなら、少しの間だけこうしてあげる」
ぎゅっ
間「おぉー、これはー!?」
ホ「どう、これならホッカイロいらずだよ?」
間「これはやばーい、止められない止まらない〜…」
素直コールド「今日は気温が低くいい日和だな」
ホ「あ、コールドちゃん!いいところに来た」
コ「どうした、何か用かな?」
ホ「間延びちゃんがのぼせちゃったの!」
間「うーん…」
コ「一体何してたんだ……」
ホ「悪いけど、おでこを冷やしてくれないかな」
コ「仕方ないな、ほら」
ぴたり
間「うぅ、冷え冷えで気持ちいいよー」
間「ごめんなー、コールドー」
コ「なに、気にするな」
592 :
ほんわか名無しさん:2008/09/18(木) 22:55:31 O
>>590 とらぶるは学園物+ドラえもん的SFにらぶひなやI'sを混ぜた感じだバカ野郎!!サーセン!!!!
まあ、新ジャンル要素がないわけじゃないが…そっくりとは言えないような
そうだよな 確かにそっくりじゃないよな
少し性格やら個性が学園ちっくな
気がしてね 悪気はなかったんだ
つか大袈裟に言い過ぎだな
すまない
594 :
ほんわか名無しさん:2008/09/18(木) 23:54:57 O
…そういえばだが、新ジャンル学園って別にハーレムじゃなくても良くね?
素直系まとめのヒ男(山田)・シュ男とかみたいに複数居ても良い気がするんだが
595 :
ほんわか名無しさん:2008/09/19(金) 00:33:16 O
>>594 淡白の男は佐久間(仮)でFA
仮なのにFAてwwwwww
確かに新ジャンルに応じて男のキャラも変わるからな
誤解殺気「・・・・・お誕生日おめでとう。私」
クラスメイト1「なんてこった」
クラスメイト2「どうした?」
クラスメイト3「今日は誤解殺気さんの誕生日だよっ!」
誤解殺気「・・・・・・・・・」
クラスメイト1「ば、ばか!声が大きいっつの!」
クラスメイト2「そ、そうだそうだ!こっち見てんじゃねえか!」
クラスメイト3「うえええ、、ご、ごめんなさ〜〜い、、、」
誤解殺気「・・・・・・(今、『誕生日』って聞こえたけど、気のせいだよね・・・)」
クラスメイト2「っていうかお前等なんでそんな事知ってんの?」
クラスメイト1・3「・・・・・・・・・」
クラスメイト2「え?だんまり?なにそれ?俺、もしかして仲間はずれ?」
クラスメイト1「だってお前、付き合い悪いんだもん」
クラスメイト3「この前だって誘ったってこなかったし。」
クラスメイト2「な、なにを〜〜〜!こっちだって事情があんだよ!!許さねえ!!」
ギャーギャーギャー!
誤解殺気「・・・・・・・(にぎやかだなあ・・・いいなあ・・・私は今日も一人だし・・・)」
おう、忘れてた。今日は誤殺さんのお誕生日か
俺も同じ誕生日だから印象深かった
おめっとさん
誤解殺気「そ、それでね?今日は私のお誕生日・・・だよっ?」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・」
誤解殺気「で、でね、、、その、、、」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・」
誤解殺気「あの、、、その、、、」
ほぼ無反応「・・・・・・・・・」
誤解殺気「―――――――――その・・・聞いてる、かな?」
ほぼ無反応「周り」
誤解殺気「ぅえ?」
渡辺さん「ふええ〜〜怖いよぉ〜〜〜佐藤さ〜〜〜ん」
興味津々「うえええ〜〜〜こ、こっち見るなぁ〜〜〜〜!お、男ぉ〜〜!!」
男友「うあああああ〜〜〜!ちょっとチビっちゃったよおお〜〜〜!男ぉ〜〜〜!!」
男「あ、男友、こっち寄んないでくれ」
誤解殺気「あう〜〜」
>>594 「新ジャンル集合・平行世界」ってのをちょっと前に考えてた
あらゆる新ジャンルスレの男が一同に介し、行方不明になったヒロイン達を探すって感じで
しかし、ヒロイン不在で話しが盛り上がりそうもなかったから却下した
誰か書いてくれ
誤殺さんは人気故に不遇
悲しいけど、それが宿命
頑張れ
誤解殺気ももう2周年かぁ……なんか感慨深いぜ
しかし、新ジャンルの歴史も思ってたより浅いんだな
今VIPで立ってる某スレで、恐らく最古の新ジャンルと思われるスレが紹介されてたが、それですら日付は2005年
たった三年の間に、こんなに栄えて消えてゆく新ジャンルたち
なんか、すごい
新ジャンル読本みたいのないかなw
新ジャンルの過去ログあさって、新ジャンルまとめスレみたいなのは立ててみたいなぁ
まあ携帯には無理な話だが
男1「あ、浅窓さんだっ!」
男2「本読んでるぜ!読書の秋ってやつか!」
男3「きっと芥川とかじゃなくてラノベなんだぜ!もう同じ轍は踏まねえ!」
浅窓「・・・・・」
男1「おお!あの表紙!ホントにラノベだ!しかも難しい顔して読んでる!」
男2「きっとセカイ系と今後の純文学とのかかわりとかについて考えてるんだ!」
男3「流石だぜ!ガキの読み物でさえ、考えてる次元が庶民からかけ離れてるってことか!!」
浅窓「ふふ・・・新ジャンル読本おもしろい・・・」
男1・2・3「こいつあ浅い!」
>>602 浅い歴史の新ジャンルの中の浅いお嬢様を書いてみました。
>>603 出て欲しいけど、無理だろうから、脳内補完してみました。
新ジャンルは浅く広くだからなあ。商売にならん希ガス
>>598 恵「誤殺さん今日誕生日だよね、これプレゼントだよ」
つ猫のぬいぐるみ
誤殺「…ありがとう///」
猫好き繋がりということでw
608 :
ほんわか名無しさん:2008/09/19(金) 22:55:39 O
新ジャンル「守護者」
男が時にヒーローのように、時にストーカー的に女(恵)を守る
…らしい
>>608 サンクス
新ジャンルの教師系のキャラって
ロリ校長、教頭、姐御先生、司書さん
の他になんかいる?
教師陣が職員室でだべってる話し書きたいんだけどさ
610 :
ほんわか名無しさん:2008/09/20(土) 00:03:14 0
無口先生くらいかな
スモーカークールとかザルクールとかの大人なら教師としていてもよさそう
>>610 留年・・・クール?
漂流教室みたいなシチュでもいいかもなw
アイキャンフライの人が出てたドラマ版のよおwwwwwwwwwwwww
612 :
ほんわか名無しさん:2008/09/20(土) 00:32:15 O
新ジャンル学園のキャラだが…
「稲井先生」
>>610-612 ベリーサンクス
ところで、また関係ない話題で恐縮なんだが
ストレンジカインドオブウーマンってエロ漫画の女キャラがどうしても新ジャンルに見える
ほぼ無反応やらマゾサイエンティストやら姉御先生やら、どっかで見たようなキャラがわんさと出てきよる
614 :
ほんわか名無しさん:2008/09/20(土) 07:00:34 O
7罰さんとこに、
>>602で書いた最古の新ジャンル「ツンツン」がまとめられました
>>611 >漂流教室みたいなシチュでもいいかもなw
一部鬱系になっても構わないなら書きたいぜ
>>609 姐御先生『友達の結婚スピーチも三回やれば慣れるな、教頭先生は結婚とか考えてる?』
教頭『私は…結婚して安定するよりも今の仕事が良い』
姐御先生『さすが教頭先生、ロリ校長先生が心配とみた!』
教頭『私をからかうな、司書さんはどうですか?』
司書『う、うちですか!?いやーまだ結婚はしませんねぇ』
教頭『“まだ”という事は相手がいるという事ですか、羨ましいです』
姐御先生『生徒だと卒業まで待たなきゃ行けないから大変だね』
司書『いや、あっ生徒ではありまへんよ!』
教頭『もし生徒なら大問題ですからね』
ガラッ
ロリ校長『楽しそうですね♪なにを話していたのですか?』
姐御先生『ああ校長、今結婚について話を…』
教頭『さあ先生方、休憩時間が終わりますよ』
ロリ校長『…はぁい』
>>617 姐御先生『あっ校長先生は将来結婚したい人っていますか?』
ロリ校長『ふぇ?』
教頭『あ、姐御先生それは…』
ロリ校長『そうですねーー』
教頭(あわわわ…)
ロリ校長『教頭先生みたいなきれいでーやさしくてーすてきな人とけっこんしたいなぁ♪』
教頭『ボッ…/////』
司書『愛されていますね、教頭先生』
教頭『私は教頭ですから当然です、が……口に出して言われると嬉しいですね』
ロリ校長『今なんていったのー?聞こえないーしゃがんでしゃがんで!』
教頭『いえ、何でもありません』
ロリ校長『うそだーなんか言ってたー』
司書(結婚かーうちもしたいなぁ)
>>609 新ジャンル「姐御先生」の中に
・巨乳の保健先生
・ドMでレズな美術先生
・ふたなりの可能性がある情報先生
・毒舌家庭科先生
・男の体育先生(夢落ちの可能性有り)がいた
あと学校に関係するキャラクターなら
新ジャンル「教室」かな?
校長室とかいたはず…
620 :
ほんわか名無しさん:2008/09/22(月) 04:25:31 O
621 :
ほんわか名無しさん:2008/09/23(火) 13:57:06 O
なんだこの過疎ぶりは
>>621 今はどこもこんな感じ
クールスレやヒートスレにも貼り付いてるが投下は少ない
まあまったりいこうや
とあるカラオケルーム
裏方「一人時間400円っす。ジュースは1000円分まで飲み放題、その他食べ物は有料。
メニューは――――っと、これっすね。そこの電話で注文してくれれば持っていくっす。それじゃあ良いお時間をっ」
淡白の男「はい。第一回、新ジャンルの男大会〜。拍手〜」
興味津々の男「パチパチパチパチ」
山田「・・・・・・・」
淡白の男「・・・・・・・・・」
興味津々の男「パチパチパチ・・・」
山田「・・・・・・・」
興男「ぱちぱt―――・・・皆さん、沈んでいらっしゃいますね?」
山田「野郎三人の状態でどう盛り上がれっていうんだよ?」
淡男「集まり悪いよな・・・」
山田「ほとんど断られたんだって?」
淡男「ああ。なんか皆・・・凄いナチュラルに断ってさ・・・
『え?なんか・・・やだな。そのさ――――欠席しても・・・いい、かな?』って・・・」
興男「すごく・・・自然ですねえw」
淡男「ん、でも待て待て。まだ男から連絡来てない。ちっとTELしてみるわ。」
山田「やめとけ。―――って、遅いか。」
淡男「あ!?もしもしーっ!?男ぉーっ?
え・・・?おい、、男っ、男!―――カモメ屋?ああ。ああ。わかった!すぐ救急車呼ぶからなっ!死ぬなよ!!【――――プッ】
【ピポパ】あ、すみません。救急車一台。はい。はい。新ジャンル学園前。はい。カモメ屋の。はい。駅前繁華街の雑貨やのっ。はい。血がすごいらしいっす。はい。お願いします。
【――――プッ】
男がヤンデレさんに刺されました。」
興男「・・・・・・救急車を?」
淡男「今。」
山田「大丈夫なのか?」
淡男「ああ、ヒートとクールとツンがいるっぽい。っていうか俺らが行くより救急車の方が早いだろ。」
山田「そうか・・・」
淡男「そうだ・・・」
山田「・・・・・・・」
淡男「・・・・・・・」
興男「・・・・・・・・・・歌い・・・ますか?」
淡男「お、じゃあ俺から。」
山田「曲名は?」
淡男「林原めぐみ。『Over Soul』で」
山田「『Over Soul』・・・・っと」
お前等に言われる前に言ってやる。
おい、俺。こんなの書いてさ、面白いと思ってんのか?
それよりさそれよりさ
ジャンプの新連載のヒロイン!あれなんて裏方雑用?
>>624 自虐禁止
そしてアルバイター裏方に萌えた
627 :
ほんわか名無しさん:2008/09/23(火) 18:31:41 O
VIPに新ジャンルスレが立たなくなって四日ほど経つんだが…
飽きられたのかな
別に立ってるだろ、と言おうと思ったが
今立ってる奴は昨日か一昨日から立ってる奴か
なんか書くわ。
とあるカラオケルーム
裏方「ほわ、ちょっ、やめっ、、、、やめるっす!!
自分はここのアルバイトであって男友さんのじゃ無、、、、うひゃあっ!
あ、わ、わわわわわわ、、、、、や、あ、やあっ、、、う、うああ、
、、、、、、あ、、、、、
はあ・・・はあ・・・た、助かったっす・・・都市伝説さん。
と、とにかく詳しい説明はこのプレートに書いてあるっすから!それじゃ自分はこれでっ!」
男友「――――チッ」
黒メイド「いい所でしたのに・・・」
都市伝説「おいっ!」
猫耳「ったく、、、ホント勘弁してよ、、、二人ともさ。いつもとばっちり俺に来てんだよ?
ああ、そうさ。男友はそうやって好き勝手やってさ。俺のこととかさ、ちょっとは考えてる?
馬鹿じゃないの?なんなの?死ぬの?ったくよお。やってらんねえよ。死ね。氏ねじゃなくて死ね。
っていうか俺が殺す。ガッタガタにしてやんよ?お?見るか?おいのネコミミよお?ははっ、ははははっ、いいんだぜ俺は
もうなーんもいらね。俺は傷つかないし死ねよ。死ね死ね死ね。」
男友「ごめん。謝る。ホントマジデアヤマル」
海馬そのまんま「は、はいはい入らん、、だと?」
妖鞘「海馬様。流石に人間は・・・あ、」
カノッサの者「ぬおおお!!なんだ!?吸い込まれる!!―――まさかディメンションXが目覚めようとシテイルノカ---!」
男友「っつうかいい加減オメーら始めやがりますよー。第一回裏新ジャンル大会〜〜」
都市伝説「ん?おい、一人多くないか?」
猫耳「ちょっ、怖いっ、怖いよ!何怖いこと言ってんの!?」
妖鞘「ホント怖いですね。」黒ツン「あなたのことですよ?」
猫耳「き〜みは〜っきっこえる〜♪ぼ〜くの〜この〜こえ〜が〜♪」
都市伝説「コーラ一つ。
は?中出し?膣内コーラ洗浄で精子が死亡?ざけんな。おいこら、おいっ!」(ガシャン!
黒メイド「むかつくからホントに中田氏して洗浄してやりましょうか?」
男友「ぶぼっ、」
海馬「貴様らっ俺を無視して盛り上がるとはいい度胸だな!いいだろう!デュエルで勝負だ!!」
妖鞘「ククク、いいぜ。海馬。俺が相手だ!」
海馬「は、はいはいはい入らん、、だと?」
妖鞘「海馬様。流石に自分を入れるのは・・・あ、」
猫耳「あー、歌ったあ〜
あ、男友ぉー、ドリンク頼むならジンジャエールも追加ね〜」
男友「りょーかいっすー。
――――はいはい。それじゃあ、カルピスソーダにー、ジンジャエールー、あーそれからー裏方さん。一つ。」
猫耳「ちょww何言っt
男友「はああああ!?おいおいおいおい、俺が今から取りにいくからよお。やめろ?はははは!貴様我はお客様ぞ?」
猫耳「都市伝説・・・」
都市伝説「・・・・・・男友。ちょっとこっち来いや」
>>629の最後黒ツンじゃなくて黒メイドだったゴメン
とあるカラオケボックス。のトイレ
男友「ったく・・・トイレ行くだけだっつのに・・・
はっ、何時の時代も先駆者は誤解される、か。」
興味津々の男「おや?男友さん?」
男友「んおっ、おー、なんだよ奇遇だな?」
興男「ええ。男友さんもカラオケボックスに?」
男友「まーねー。でもよ困っちまうぜ。俺の連れ、皆ギャグの通じねえ奴らばっかなん」
興男「ははw」
ジイイイイ・・・ジョボボッボボ×2
興男「でもこっちよりかは良いですよ。
何分集まりが悪くて、、、全部で三人ですよw」
男友「そいつぁ寂しいwww後で俺らの部屋来いよ。一緒に騒ごうぜ?」
興男「いいですね。あとで皆さんに提案してみます。」
男友「おうおう。そうしろ。」
興男「はい」
男友「・・・・・・・・・・」
興男「・・・・・・・・・・」(ジー
男友「・・・・・・・・・・」
興男「・・・・・・・・・・」(ジー
男友(ちょ、なんか、、、視線が、、、、
なに?下の方って、、、あ、え?視姦?俺視姦されてんの?ちょ、やめ、え、ちょ、おい。
もしかしてコイツ・・・あ、あ、あ、アッー)」
男友「ってお前は勝手に心中語を語るな!っていうか男便所に入ってくるな!!」
黒メイド「・・・・・・・・・・はあ・・・なんで、天才は何時の世も理解されないんでしょうね?」
男友(´д`)・・・
とあるカラオケボックス。の廊下。にある自動販売機前。
興味津々「〜〜♪」
興男「おや?」
興味津々「おー!男ー!」
興男「興味津々さんっ、、何故ここに?」
興味津々「うんうん。それなんだけどなー、なんか急に外行きたくなってなー?
そんで歩いてたらなんかキラキラしててキレイだから入ったんだ
そしたら見ろ!ほら!これな、ここをこう―――んしょっと!
このボタン押すと、他のボタンも光るんだぞ!?大発見ってやつだ!男もやってみろ!」
興男「おやおや。どこから突っ込んだら良いか解りませんが、女性の夜の一人歩きは危険ですよ?」
興味津々「ん・・・で、でもなっ?でもでもっ、今日は一人でいて・・・その・・・なんていうか胸がキュウって・・・・
男の所に行っても誰もいなかったし・・・」
興男「ほお・・・
ジュース、飲みます?」
興味津々「え?ジュース!?飲む!飲むぞ!!
あ、あれ?もしかしてこれ、それなのか?でもどーやって此処に並んでるの取り出すんだ?
んあーー・・・解らんっ。解らんぞ。男ぉ」
興男「はは(^^;)
これはですね。お金をこの穴に―――――
「新ジャンルの男」御一行のメンバーが一人増えましたとさ
裏方さんと黒子さん#10
黒『裏方さん…』
裏「ど、どうしたっすか黒子さん。顔涙目っすよ!?」
黒『すみません、実は…』
黒『校長室の清掃してたら、うっかり花瓶を割ってしまいまして……』
裏「あちゃー、黒子さんらしくないイージーミスしちゃったっすねー」
黒『どうしよう…こんな失敗したことなかったのに…』
裏「気を落としたら駄目っすよ、黒子さん!」
黒『でも…』
裏「平気っす。校長先生は優しいから、きっと許してくれるはずっす!」
裏「さ、一緒に謝りにいくっすよー」
黒『いえ、これは私に責任のあることですから…』
裏「責任とかなんとか、あんまり難しく考えちゃ駄目っす」
裏「自分は、仲間が困ってるから力になりたいと思っただけなんすから!」
黒『……仲間?』
裏「はいっす!だからなるべく早めに校長先生のところへ……」
黒『………』うるうる
裏「へ?」
黒『………』くすん、くすん
裏「あわわわっ、なんでまた泣くっすか!?」
黒『………』ぐすっ、ひくっ
裏「あぁあぁ、こういうとき筆談って不便っすねぇ……」
お父さん、お母さん。私、いい友達に恵まれました。
----「黒子の日記」より、抜粋
>>625に触発されて、読み飛ばしてたジャンプの新連載読んでみた
確かにあれは裏方さんだな
興味津々の人の男キャラのカオスっぷりは異常だなww
GJ!
友「おっ!虎吉〜元気か〜」
虎吉「ファボ!煤i゜Д゜)ガクガクブルブル」
男「なんだ?虎吉やけに怯えてるな」
虎吉「=3」
友「あーあ、逃げられちゃった」
男「お前虎吉に嫌われるようなことしたんじゃないのか?」
友「そんなことないぞ!」
男「そうか?」
友「そうだぞ!むしろ友好を深めようと思って虎吉にもゴムフェラの素晴らしさを教えてやろうとしてるのに」チュパチュパ
男「それが原因じゃボケ!」
ヒー「ここを見てるお前らッ、お前らには好きな奴はいないのか!?」
クー「いるならば、即刻思いを告げるべきだ。我々のようにな」
ツン「あんたなんかどうせフラレるでしょうけど、仕方ないから応援してあげるわよ!」
シュー「大丈夫。失敗しても骨だけは残るから」
誤殺「…私も……応援、する……よ…?」
ほぼ無「……………………………頑張れ」
渡辺「ファイトだよ〜!」
佐藤「………渡辺さんに手を出したら、殺すよ?」
ヤン 「失敗したら、包丁かしてあげるよ。ふふ、ふふふ……」
恋する全ての若人へ、新ジャンル達からの激励でした。
>>637 早く記憶喪失の方を書くんだwははwwwww
640 :
互い:2008/09/25(木) 10:06:31 O
スーパー
相棒「あっ」
若頭「あっ」
若頭「普段は銃振り回している奴がスーパーで買い物か」
相棒「私もまさか組の若頭が夕飯の買い物とはな、そういうのは下っ端がする仕事だろ?」
若頭「あ゙?下に任せると無駄な買い物が多いんだよ」
相棒「その割りにはアンタも無駄な買い物してるね、あと二分待てば肉が安くなるのにな」
若頭「タイムサービス待たなきゃ買えねえのか?貧乏くせぇな」
相棒「ヤクザは金が有り余っているんだな」
若頭「んだとゴルァ!」
ロリ「若頭!」
若頭「組長、おかしコーナーで待ってると言ったじゃありやせんか」
ロリ「店の空気が怪しかったので戻ってきました、申し訳ありません相棒さん」
相棒「いえいえいえ!私の方こそ悪かったと…」
ロリ(ふふん楽勝よ)
641 :
ほんわか名無しさん:2008/09/25(木) 13:33:08 0
スモーカークールとかザルクールは姐御先生の元クラスメートで描きやすそうじゃね?
642 :
ほんわか名無しさん:2008/09/25(木) 13:38:27 O
643 :
ほんわか名無しさん:2008/09/25(木) 14:47:10 0
>>641 留年クール・ザルクール・スモーカークール・やる気のない古本屋の女店主・「死ね」「お前が死ね」のくだらない1日・姐御先生
いつかのクラス名簿より
>>643 心ジャンルヒート「お姉ちゃん先生」もぜひ
645 :
ほんわか名無しさん:2008/09/25(木) 22:56:48 0
647 :
ほんわか名無しさん:2008/09/26(金) 10:10:54 O
裏方さんと黒子さん#11
裏「今日は、新ジャンルドラゴンさんの撮影っす」
黒『なんだか緊張しますね…』
裏「だーい丈夫っすよ!ドラゴンさん、ああ見えて優しいっすから!」
黒『そう、ですか…』
裏「あ、来たっす!」
ド「グルルル……」フシュー
裏「うひゃー、相変わらずデカいっすねー!」
黒『こ、怖い…』
裏「虎吉と同じと思えばいいっすよ」
ド「………」ズシン、ズシン
黒『こっちに来た!?』
裏「どうかしたっすか?ドラゴンさん」
ド「………」ペロリ
黒『ひゃあぁ!!』
裏「ああ、黒子さんのこと気に入ったんすね。そっすかそっすか」
ド「フシュルルル」ペロリ、ペロペロ
黒『嬉しいような嬉しくないようなー!!』
裏「仲良さそうで何よりっす!」
黒『見てないで止めてー!』
ド「………」ペロペロ
ドラゴンさんは気に入っています、食物的な意味で。
>>648 ドラゴンさんに食べられちゃうんですね。性的な意味で
休日なのに誰も投下しないのか
まぁ俺も仕事だけどさ
651 :
ほんわか名無しさん:2008/09/28(日) 12:31:00 O
というか
記憶喪失は何やってんだ
ここ最近のレス見て思ったんだが、記憶喪失の書き手って
興味津々の書き手なのか?
興味津々の書き手は最近VIPでも見ないけど
新参の質問スマソ
653 :
ほんわか名無しさん:2008/09/28(日) 15:24:56 O
655 :
ほんわか名無しさん:2008/09/28(日) 16:02:39 O
素直ヒート『待てい我が運命の宿敵と書いて友と呼ぶ素直クールゥッ!!
ここであったが百年目!今日こそ決着をつけるぞっっっっ!!』
素直クール『ふう…なんの決着だ?訳がわからない
いい加減、ところ構わず絡むのはやめてほしいのだが…』
ヒー『はははは!そんな事でごまかせると思うなよ!?
お前がダラけてる間にも!こっちは着々と力をだなあっ』
読心クール『おや?どうしたどうした?』
アホの子クール『ふふん。これは知ってるぞ?牡丹と薔薇と言う奴だ』
ザルクール『くくっ、、一周廻って近くなってるな。
いいぞ?もっとやるんだ』
被害クール『し、しかしとばっちりは勘弁してほしい』
クー『おや、皆連れだってどうしたんだい?』
ヒー『ひっ卑怯だぞっ、、仲間を呼んだな!?』
読心『いや、別に私達はそういう訳じゃ…』
クルクール『なんだなんだ?』
読『あ、やあ。』
翼クール『皆集まってどうしたんだ?』
なんか生えてクール『おや、一人だけクールで無いのがいるな』
ヒー『いた!!つ、角を刺すなあ!!』
ワクワクール『とりあえず作って遊ぼうか?』
無知クール『?なんかの集まりか?』
たらふクール『お腹がすいた』
留年クール『あ、タバコ、吸ってもいいかい?』
クール達『わいわいがやがや』
ヒー『うえぁああああぅあああ、、、、
ク、クールがいっぱいだよぉぉお、、怖いよお……山田あああああ』
656 :
ほんわか名無しさん:2008/09/28(日) 16:04:00 O
おい
おいっ!
ヒー「うぅ………っ、、」
山田「おいっ、大丈夫か?うなされてたけど、なんか悪い夢でも見てたのか?」
ヒー「山田あっ!」
ヒート抱き着く。山田避ける
掃除用具入れ「べきゃばきゃびきゃバキバキバキバキ!!」
山田「………」
>>655-656 あえて言おう。GJであると!!
つーかみんな、キャラの特徴とか掴むの上手いね
ずーっと温めていたけど長編になるし滑っても止められないから保留していたネタがあるのだが
書いていいか?
>>658 そいつは俺達に聞くことじゃない。おまいの胸に聞くことだ。
ここは便所の落書き板。たいがいの事は書いても許されるんだぜ?
660 :
ほんわか名無しさん:2008/09/29(月) 08:50:58 O
>>658に先越されたが、自分も長編書きたいと思ってる
同時に二つの長編が始まったら、読みづらいかな?
問題ねぇ!
新ジャンル愛がありゃそんなもん全く問題ねぇ!
662 :
ほんわか名無しさん:2008/09/29(月) 12:16:32 0
>>660 名前欄にタイトル入れたりトリつけたりすりゃ簡単に区別できるから無問題。
それでもゴチャゴチャしてて見づらい奴が仮に居たとしても、あとあとWikiにあげとけば無問題。
聞くまでも無いことだなあ。
>>658だけど
前に話した長編とは別にもう一つあるんだ
ただその話は展開的に新ジャンルのキャラが死んでゆくかもしれない、エロはないけど
こういった鬱系な話はエロパロ新ジャンルに書けばいいのだろうか?
>>658 新ジャンルの国が……
いや、何でもない
>>665 とりあえず、鬱でも何でもいいから書いてみな
批評はあとからついてくるもんだ
ただ、叩かれたり酷評されたりしたからって、止めるのだけは勘弁かな
長編書くなら最後まで。貫く言葉はそれだけでいんじゃね?
新ジャンル「脂肪死亡」
ここに一切出てこないマイナーな奴だけのSS投下して
スレの雰囲気を凍らせてみたい
670 :
ほんわか名無しさん:2008/10/02(木) 23:24:26 O
>>668 新ジャンル「殺デレ」
新ジャンル「ゆとり」
新ジャンル「色眼鏡っ娘」
671 :
ほんわか名無しさん:2008/10/03(金) 10:21:02 0
記憶喪失は通訳をリクエストした時点で止まってる
これが意味するのは――――――
同窓会みたいな感じで、みんなの輪に入らずに
壁の花になってgdgd喋ってる感じにしようかと思ってる
学生設定以外のキャラを学園に絡ませるとなるとそれくらいしか手はないかなと
だれもいない
恐らくみんな、記憶喪失の再開を待ってる
殺気絵師には読ませても、俺らには見せてくんね―とよw
むしろそのほうが俺は良いなあ
話と絵の両方楽しめるし
裏方さんと黒子さん#12
裏『用事ってなんすか?黒子さん』
黒「えぇ…実は…」
黒「私、裏方さんに伝えたいことがあったんです」
裏『伝えたいこと?』
黒「はい…」
黒「私、私……裏方さんのことが好きなんです!」
裏『えぇぇ!?』
裏「………ハッ!夢か……」
裏「久々にゆっくり寝れたと思ったら、なんて夢を…」
その夢が、後に正夢になろうなどとは、この時の裏方には知る由もなかった……。
女友「余計なナレーション入れるんじゃない!」
友「痛い痛い、太ももつねるの止めてくれ俺が悪かった」
>>675 そんなことやってみてぇわ
こっちは読んで欲しくて立てて、数レスで喜んでるレベルだってのに
人以外の新ジャンルもOK?
新ジャンルならおk
>>637 本能的にゴムフェラの恐ろしさを感じ取ったのかw
司書さんのパロを書き溜めていたがエロくなってきた
>>683 エロパロに書くにはエロさが足りない
こっちに書くとちょっと違うなぁ…って感じだよ
>>634 エロパロ板は微エロでもかまわねんじゃね?
俺もガズボズボなしの奴書いたけど、特に何も言われなかったよ
ここで書くなっちゅう訳ではないけど
裏方ですね分かります
687 :
ほんわか名無しさん:2008/10/10(金) 01:16:16 0
裏方さん専用しおり━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
i / /|/- .| l ⌒i .|ヽ、 i
', / i, ノァc、 .| / r'Pl / i .y
/ Y ,-、 i ト'-ソ i/ .ゝ'゙ V 〈
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━今日はここまでぬるぽった。
来週の金曜あたりに学園物の新ジャンルを立てて見る
690 :
ほんわか名無しさん: