1 :
ほのぼの名無しさん:
お気軽にどうぞ。
2 :
ほんわか名無しさん:2006/05/05(金) 11:09:04 0
,.-─ ─-、─-、
, イ)ィ -─ ──- 、ミヽ
ノ /,.-‐'"´ `ヾj ii / Λ
,イ// ^ヽj(二フ'"´ ̄`ヾ、ノイ{
ノ/,/ミ三ニヲ´ ゙、ノi!
{V /ミ三二,イ , -─ Yソ
レ'/三二彡イ .:ィこラ ;:こラ j{
V;;;::. ;ヲヾ!V ー '′ i ー ' ソ
Vニミ( 入 、 r j ,′
ヾミ、`ゝ ` ー--‐'ゞニ<‐-イ
ヽ ヽ -''ニニ‐ /
| `、 ⌒ ,/
| > ---- r‐'´
ヽ_ |
ヽ _ _ 」
ウプレカス [ Uprecus ]
( 西暦一世紀前半 〜 没年不明 )
3 :
ほんわか名無しさん:2006/05/05(金) 11:09:53 0
-ー=-‐ 、__
, r '" ヽ,
l ' ,
/ 三ニ=ー-'`=ニiiiiiiiiiiil
/ ニ'" `ヾiiiiiiii|
/ ニ' 'liiiiii|
,l |,r=-;.,_ _,、-=-、|iiiiil
l .il .,rェェ、_" :;"ェェ j |iiiiiil
| . i| ,, :; ,, iiiiiiil
,| il, , :: , liiiiiill
l iil, ` ' ,|iiiiiiii|
/ l、 ー- -,ー イiiiiiiiiill
/ iゝ、  ̄ /|iiiiiiiiiiiil
/ i| `ー- ' " ,liiiiiiiiiiii|
クソスレータ・テルナー[Qtosleata Telnault]
(1946〜1992 イタリア)
4 :
ほんわか名無しさん:2006/05/05(金) 11:10:31 0
_,,‐─-v‐、,,、
,,-‐'": : : : : : : : : : `ヽ
/: : : : : : : ,,__ : : : : : : \
r': ,、,,.-─''"゛ ミ : : : : : : : 'i、
`/ / ミ_ : : : : : : :,、}
i l _,,..-‐^‐-、 `゙i: : : /l.l|
i、}‐-、 ヽ;;/,rェッ;;'" ゙ー' 9iリ!
| ',tテi ヽ='" ゞ t'
| 'i"´| , -、 ヽ-、,,___
| '}、 !,,tu'" ヽ、 ,l: ‐-‐" }: : : : :
} lヽ、__,,,.-‐ヽ /: : : : : : /|: : : : :
,r/ /: : :ヽー‐' ノ: : : : : : : / .|: : : : :
/: \ /: : : : : 丶,, -''_: : : : : : / |: : : : :
/: : : : :ヽ/: : : : : : : ヾ''‐--‐ヽ |: : : : :
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ\: : / |: : : : :
ビップ=デ=ヤレー[Vuip De Yale]
(1955〜 フランス)
5 :
ほのぼの名無しさん:2006/05/05(金) 11:51:48 0
一人の男があるBARにやってきた。
その男はこのBARの常連だった。マスターはその男を見て
「ああ、お久しぶりですね。」
そういって男の前に一杯のカクテルを出した。
男はふっと微笑み、黙ってカクテルを一口飲んだ。
「覚えていてくれたんだね。うれしいよ」
マスターもにっこり笑った。
「当たり前でしょう。この私が忘れるわけありませんから」
そういった後はしばらく沈黙か続いた。マスターも今日は男の様子が変だったことに気づいた。
この沈黙を破ったのは男の方だった。
「・・少し聞いて欲しい話があるんだが・・いいかね?」
マスターはびっくりして男を見た。
「え・・ええもちろんいいですよ。」
男はため息を一つ吐いて話始めた。
6 :
ほのぼの名無しさん:2006/05/05(金) 12:00:11 0
最近このBARに来れなかったのは理由があるんだ。
実は家の宝石が何者かに盗まれた。
ダイアモンド一つだけ・・・・。そのダイアモンドは私たち夫婦の大切な宝物だったんだよ。
そのせいで家内は寝込んでしまった。でもそのダイアモンドが帰ってきた。
そう、犯人が見つかったのだ。
なんとメイナというメイドだったのだ。
私たちは驚いたよ。あのメイドを一番信用していたからね。
もちろんそのメイドは即クビにしたよ。
今度からは新しいメイドが来ることになった。
ここまで話終えて男はまたため息をついた。
それをみてマスターは、もう一杯同じカクテルを男の前に出した。
男はマスターを見た。
「なんだねこれは。私に気遣いなんていらないよ」
マスターはまたにっこりした。
「いいんです。気にしないでください。これは私の気持ちですから」
男も微笑んだ。
「ありがとう。それじゃあいただくことにするよ」
7 :
ほのぼの名無しさん:2006/05/05(金) 12:07:05 0
そうして男はいつもより数倍の時間をかけてカクテルを飲んだ。
そしてカクテルを飲み終え、男はテーブルに多額のチップを置いた。
この男はBARに来ると必ずチップが入るのでBARにとって大切な客だった。
マスターは男をじっと見た。
「これはなんのつもりですか・・?」
男は俯いていった。
「いいんだ。気にしないで受け取ってくれ。」
マスターは首を振った。
「いいえ。受け取れません。」
男は無理やりマスターの手に乗せてBARのドアを開けた。
そして出る瞬間マスターに振り向いてこう言った。
「実際私はダイアモンドは失ってないんだよ。」
そしてにっこり笑った。
「失ったのは信用さ。」
ここまで読んでくださってありがとうございました。
たまにここに来ますのでよろしくお願いします。
8 :
ほのぼの名無しさん:2006/05/05(金) 13:17:36 0
今日もあのBARは静かにたたずんでいた。
もちろんマスターも一緒に。
初夏の眩しい日差しが古びた窓ガラスから入ってくる。
店内にはちらほらと客が入っていた。
そんなとき、カラカラとドアが鳴った。
マスターはドアの方に目をやった。
そこには一人の女性が立っていた。
汚れた花柄のワンピースを着て、薄いピンクのバッグを肩にかけていた。
そして真っ赤なハイヒールを履いていた。
マスターはちらっと女を見ると
「いらっしゃいませ。」
とつぶやいた。何があったのか聞くのはあまり上品ではないと思ったのだ。
9 :
ほのぼの名無しさん:2006/05/05(金) 13:18:25 0
女はゆっくり椅子に座った。
そして
「なんでもいいわ。マスターのおすすめを頂戴」
赤い口紅を塗った唇がなまめかしく動いた。
「かしこまりました」
マスターは一礼してすばやくカクテルを作った。
「おまたせしました。」
女の前にそっとカクテルを置いた。
女はすぐにカクテルを飲み干した。
「うん。おいしいわ。これなんていうの?」
マスターは微笑んだ。
「実はまだ名前がないんです。」
女は目を丸くてマスターを見た。
マスターはいたずらっぽく女を見てこう言った。
「このカクテルを飲んだのは貴女が初めてです。だから貴女が名前を付けてください」
女はニッと笑った。
「あら、それならメイナ。メイナなんてカクテルはどう?メイナは私の名前なの」
10 :
ほのぼの名無しさん:
マスターは驚いて女を見た。
「あなたは・・・・」
メイナという女はニッコリ笑った。
「どうかしら?それともマスターはこの名前がお嫌?」
この女の笑顔には何かがある気がしたマスターだった。
まだバクバクいっている心臓を落ち着かせてマスターはこう言った。
「ええ・・いいでしょうメイナ。このカクテルも喜びますよ」
メイナは微笑んだ。
「ふふっ嬉しいわ。私の名前がカクテルになるなんて。」
マスターはにっこり笑った。
「もう一杯飲みますか?」
メイナは無言でこくんと頷いた。そして何かをつぶやいた。
「私ね・・・ついさっき人を殺したの」