1 :
ほんわか名無しさん:
2 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:04:09
【スレについてのFAQ】
Q:なんなのこのスレ?
A:VIPで産み落とされた空想世界を舞台に創作活動するスレです
Q:VIPに帰れば?違う板にいけよ?
A:ほのぼのまったり進行したいので、どうか御力をお貸しください。お願いします。
Q:しょうがねえな、なにすればいいの?
A:空想世界「ファルネース」の設定を考えたり、それを元に小説や漫画作ったりします
Q:文章作るのやったことないんですけど
A:創作活動なら何でもよいです。挿し絵でも、街の人の名前考えるだけでもおkkk
Q:勝手に話や設定を作っていいの?
A:大歓迎、一つの物語をつくるわけではないです
Q:作品が設定に沿うかどうか分かんね
A:気にしない。中身さえ面白ければいいんです
Q:作品のクオリティ高くないとダメなわけ?
A:楽しめれば、それでいいのです。とりあえずやっちゃいなYO
Q:設定全部よまなきゃだめ?登場人物とか覚えるの?
A:必要な部分だけ拾い上げていただければ結構です。ちまちました設定はスルーで。
3 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:04:44
【設定についてのFAQ】 詳細はまとめとWIKIで
Q:途中参加だと、設定が煩雑でよくわかんね
A:骨格部分だけ把握していただければ、あとは自由に創作活動
Q:とりあえずファルネースって何?
A:創作活動の土台となるファンタジックな仮想世界のことです
Q:で、どんな場所なの
A:地球とは違った場所、マナという不思議パワーが働くところです
Q:マナって?
A:特殊能力、魔法、機械の原動力になる源。けっこう万能みたいです
Q:どんな人が登場するの?
A:原住民、地球人、混血種、覚醒種、モンスター、英雄、神獣、魔王とか
Q:原住民?
A:ファルネースに生きる人々。マナとか利用して生きてます。人種はイッパイ
Q:は?地球人?
A:ファルネースには地球人が飛んでくることがあるみたいです。マナ使えないけど、肉体強化とかされちゃう
Q:どうやって飛んでくるのよ
A:ゲートみたいのがたまに開くとか。一方通行らしい。
しねーよばか
5 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:05:18
Q:混血種?
A:地球人と原住民の間の子。どちらの特質もあまり受けついでないらしい
Q:覚醒種?
A:混血種の中でも、両方の特質、または片方を顕著にうけつぎ、特殊能力を獲得したサラブレッド
Q:英雄?
A:魔王倒したすごい人。歴史上の人。17人ぐらいいて、それぞれ特徴あるみたい
Q:魔王?
A:なんか神獣殺したり、色々悪いことした人とかモンスターとかの総称
Q:神獣?
A:すんごい獣の総称。マナの管理とか、地方の支配とかしちゃってたみたい
Q:あ?歴史とかあるんだ?
A:おおまかなのだけは。
神話の時代(神獣とか魔王とか英雄とか)、魔法の時代(英雄の子孫とか覚醒種とか)
機械の時代(機械とマナのコラボレーション)、暗黒時代(マナ使えね)っていうのが主流みたいです
Q:そういえば、言葉とかどうなってんの?
A:言語は色々あるみたいだけど、マナで念話するそうです。すごいですね
Q:国とか戦争みたいのはあんの?
A:あるみたいです。勝手につくってもいいです。
6 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:06:18
【その他】
Q:設定が厨房クセー m9(^Д^)プギャー
A:あえてそれを楽しむもまた一興、むしろそんなに高度なことはしません
Q:この設定、××××のパクリじゃね?
A:それを含めて楽しめればいいなあ。
Q:他の人が作ったキャラ使いたいンだけど
A:ご自由に。一言あると良いかもしれないです。
Q:これだけ?設定とか世界観薄杉!
A:創作活動を通して、一緒に作りこんでいってくれるとうれしいなあ
Q:つまり、これってシェアワールドなわけ?
A:そんな感じです。
「ファルネース」「マナ」だけは絶対的基盤としています。
他は、各々の裁量で自由に設定を変えたり作ったりして、創作していく感じで。
7 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:06:59
Q:で、他になんかルールとかってあんの?
A:いくつか注意点があります。
・煽りや荒らしがあっても、スルーしてください
・FAQのまとめページには、できれば目を通してください
・他人の作品には、何がしかレスをつけてあげるとスレが盛り上がります
・作品を投稿する際には、タイトル+トリップ、続編なら続編であることの断り書き、
をつけることを推奨します。(無くても問題はありません)
・創作活動とは異なる話題や、資料保管に関する話、設定に関する深い議論や
自論を展開する場合は↓でどうぞ
http://jbbs.livedoor.jp/computer/22157/
8 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:07:00
いみわからん
9 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:08:54
削除依頼出せ
10 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:13:05
>>1乙
要約すると、いつもは、他人が書いた本を読んだり、絵を見たりしてるけど、
自分たちで書いたり、描いたりしようぜってスレ。
11 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:19:07
マカロニグラタン
12 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 20:56:37
13 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 21:23:23
ほのぼのしすぎてレスがつかない件
だれか投下キボン
14 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 21:36:22
15 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 21:49:47
(*´Д`)ハァハァ
いまから投下するけど、誰かいる?
17 :
ほんわか名無しさん:2005/06/18(土) 22:33:53
おるよ
5月29日 正午過ぎ ファルネース・カンディア
「うわあ」
扉を開けて中の部屋に入ると、ニコルは息をのんだ。
ティナの小母である、マゼンダに連れられてきた部屋は、厚いカーテンで外からの光を
完全に遮断している。そして、中央のテーブルの上には、大きな円盤が置かれている。
「綺麗…… 」
暗い色を基調とした円盤上に、淡い光の粒が無数に散りばめられ、宝石のような輝きを
放っている。
「これは何を意味するのですか? 」
一方、表情をあまり変えないティナは、冷静な口調で尋ねる。
「まず、円盤は世界の位置を示しているのさ。ちなみに、大陸は黒、海は紺色だよ」
二人は目を凝らして見つめると、次第に海と大陸の違いが見えてくる。
他の大陸と比べると小さな、アトランテ大陸が中央に位置し、海を隔てた東には
ミリディア、北にノルダニア、西にカウムース、南にバオウという名前を付けられた、
広大な陸地が、アトランテの周囲を囲むように描かれている。
「この光の粒は、マナがたくさんある場所。ティナちゃんは、この街、カンディアが
何処にあるかは知っているよね」
「ええ」
セミロングの黒髪を揺らしながら、少女は腕を伸ばした。
「正解だよ」
マゼンダは満足そうに頷いた。
大地と海の境にほんのりとした明かりを、ティナの指先は指し示している。
「マゼンダさん。隣にある光は何ですか」
ニコルは、ひときわ大きな輝きを見つめながら尋ねる。しかし、マゼンダの表情は急に
曇ってしまう。
「これが、危険な光だよ」
小母の低い声に、ティナが息を呑んだ。
「どういうことです? 」
小母の言葉の意味を把握できずに、尋ねた少女に向けて、マゼンダは説明を始める。
「マナの集まる特別な場所を除くとね。基本的には、街には人が密集しているから、マナも
引き寄せられて、周囲に比べると明るくなる」
「だけど、この場所には山と森ばかりだから」
「あっ、なるほど」
少女は小さく呟いた。
「そう。本来、何も無いところが急に輝くのは異常なことなの。それに、他の光と色が違う
ことが心配だね」
「色、ですか? 」
ティナは、大きな瞳で、光の粒を見つめ続ける。すると、他と比べて赤味を帯びていることに
気づいた。
「少し赤いですね」
「うん。これは災いをもたらす色なの」
「そんなことも分かるのですか? 」
ニコルの問いかけに、苦笑いを浮かべながら返す。
「まあ、一応『マナ使い』だからね。マナの性質の見極めも仕事の一つだよ」
「小母さん、この光は何です? 」
「なんだい? 」
ティナの指先を見つめると、城塞都市カンディアを示す白い光と、危険の兆候という赤色の
光の間に、小さな淡い青い光が瞬いている。
「おや、さっきまでは無かったけど」
マゼンダは、驚きながら、虫眼鏡をかざして青い光を覗き込む。
暫く、ガラス玉を取り出して、観察を続けていたが、やがて、諦めたように左右に
首を振った。
「これは…… もう少し調べてみないと分からないね」
とりあえず、ここまでです。
24 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 00:12:19
微妙だな
25 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 00:29:55
>>小話の人
ミタヨー
段々話が見えてきたとおも
先の展開に期待するお
しかし、人がいないな
人が
26 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 00:52:03
ほの板だもの、仕方ないよ
またーりいきませう
さっそく横槍入れてみよう。
>>19 > ある日、里佳は、佐奈のことが実は好きだったと告白される。
里佳が佐奈に告白されたのか、里佳が佐奈に告白したのかワカランよ。
後の文から、おそらく後者であろうと思われるので、
候補1> ある日、里佳は、佐奈のことが実は好きだったと告白した。
候補2> ある日、里佳は、佐奈のことが実は好きだと告白した。
候補3> ある日、佐奈は、実は好きだったと里佳に告白される。
あたりに訂正したらどうだろう。
人稲だけど、のんびりいこ。
>>25 大分固まった感はあるかも。落しどころを考えたい。
>>19 教えてくれてthx
「ある日、佐奈は、実は好きだったと里佳に告白される。」
に修正。
30 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 01:36:44
おつかれちゃーん
おれなんて朝からマダ何も食ってないぜb
でも頭使ってねェなwww
31 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 02:21:13
やっば何この楽しそうなスレ
32 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 02:25:46
脇の小話7ってなんかすげーなー
33 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 02:52:06
マターリフォーーーー!!
34 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 03:25:10
自演スタートッ
35 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 05:01:00
VIPのことはVIPでやってください。
人がいなくなったからといって勝手に移転しないでくださいね。
今起きた。常時コテ使用は非常に気がひけるが一応これで。
できれば今日続きをあげたいな。
>>30 身体大丈夫か。ちゃんと飯食え〜
>>31 文字通り人稲なので、書く人(描く人)カモン(参加するのはたのしーよ)
>>32 正面から言われるとひたすら恥ずいw
>>34 実は全部自演でした……いやうそです。
37 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 19:12:41
【オートドール=リジェネ】
高度な機械技術とマナ技術をもって
造り出された自己再生型オートドールの総称。
中枢部に備え付けられた再生装置が破壊されない限り、
大抵の損傷は自動的に再生される。
単純な機械型オートドールであっても、
自己再生型にするには通常の倍以上の経費等が掛かるため、
人型ともなるとさらに高度な技術や時間、労力が必要になる。
用途としては、主に護衛用に用いられる。
>>19-22の続き
5月29日 正午過ぎ カンディア西方・ガーラの森
「きゃああああああ」
突然、空気しか存在しないはずの空間が裂け、黒い穴が姿をみせる。
直後に、中から飛び出した二人の少女の身体が、草むらに投げ出される。
「痛っ 」
地面にお尻を強く打ちつけてしまった衝撃に加えて、折り重なるように落ちてきた
少女の圧力に、里佳は悲痛な声をあげた。
「佐奈、重いよ! 」
「重いって、ひどいよ〜 」
一方、佐奈にとっては幸いなことに、里佳の身体がクッション代わりになってくれた
お陰で、ほとんどダメージはない。
「だ・か・ら、どいて〜 」
里佳は抗議の声をあげて、少女の身体を離すと、草むらの上に寝転んだまま、
打ちつけた場所をさする。
「あいたたた…… 」
暫くすると、少しずつ痛みが退いてくる。特に怪我は無いようで胸を撫で下ろすが、
佐奈の視線が、ずっと自分の足元に向けられていることに不審に思えた。
「なんでそんなに見つめているの? 」
「白いぱんつ、見えているよ」
佐奈は、悪戯っぽい表情を浮かべながら答えた。
里佳は、大きく捲れ上がったスカートの裾を慌てて押さえる。
「里佳ちゃん、今日ぱんつ見せすぎだよ」
「連発するな」
頬を膨らませて、ひとしきり怒ってみせた後、改めて尋ねる。
「ここは何処なの? 」
「分からないよ」
佐奈は首を振った。
少女達の足元には草が膝のあたりまで生えており、周囲には見慣れない木々が、濃緑
色の葉を広げている。そして、天頂付近には青空が見えている。
「少なくとも、東京じゃないよね」
つい先刻までいた視聴覚室や校舎、そして、生まれ育った街が丸ごと消え去って、
見知らぬ森の中に放り込まれた、という現実を素直に受け入れることはできず、佐奈は
しきりに辺りを見渡している。
少女達の足元には、一緒に異世界へと運ばれたバッグが二つ転がっていた。
「もしかしたら夢かな」
佐奈は腕を組みながら呟いた。
「里佳ちゃん。ほっぺた、つねってよ」
「いいよ」
ささやかな仕返しの意味を込めて、ふっくらとした佐奈の頬を思いきり捻り上げて
やる。
「ひふぁい!ひふぁい! ふぁなひへよ、ふぃかちゃん!」
「私は、ふぃかじゃないよ」
わざと冷たい口調を出してやる。
「おねふぁい! もう、ふぁんふ、っていわないふぁら、ふぁなしへえ! 」
涙目になって懇願する佐奈の表情に満足して、指先を頬から離した。
「里佳ちゃん。つねり過ぎ! 」
精一杯怖い目つきで睨みつけるが、全然迫力を感じない。
(佐奈の怒った顔も、転がしたくなる程の可愛さだ)
里佳の頭の中は、相当ふやけているが、本人には自覚は全く無い。
「あはは、ごめん、ごめん」
「それ、全然謝っているようにみえないよ」
「でも、夢じゃないよね」
「うん」
試しにと、里佳は自分の頬も捻ってみたが、やはり、痛い。
「どうしてこんな所に私たちがいるの? 」
「全然分からないけれど、もしかしたら…… 里佳ちゃんが、強引にキスした
からじゃない? 」
「違うって…… そんな事で、神隠しに遭うなんて聞いたことないよ」
親友の言葉を聞いた瞬間、佐奈の茶色の瞳は大きく見開かれた。
「ごめん、今なんて言った? 」
「『神隠し』のこと? 」
「それだっ! 」
勢い込んで身体を乗り出す。
「私たちは神隠しにあったのよ」
「それって都市伝説というか、噂話の類じゃないの? 」
一方、里佳は懐疑的な表情を浮かべながら、首を傾げている。
「でも、夢じゃないとしたら、神隠しくらいしか考え付かない」
「うーん」
「もしかしたら、神隠しに遭った人は、みんなここに来るかもしれないよ」
「少なくとも、太陽はあるみたいだけれど…… 」
里佳は、ほぼ真上から照りつける日差しに、眩しさと暑さを感じながら呟いた。
42 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 22:04:37
さあ上がりたまえ
43 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 22:36:40
ほんわかに立ったのね。
>>1 スレ立てオツ!
そして脇の小話の人、続きもマッタリ待ってますw
がんばってくださぃ!
44 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 22:38:00
本になったりして…そりゃないかw
45 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 22:48:27
ねーよw
>>37 高度なマナって難しい世界だから入り込めないけど、
面白そうな雰囲気が伝わってくる。いろんな設定を聞くのは
大好きだよ。
>>43 がんばります。
次は週末になる悪寒。推敲しないと物凄くクオリティ(質)がさがるので。
>>44 そりゃないないw 量だけは中編小説並みにいくかも。
47 :
37:2005/06/19(日) 23:07:22
>>46 俺も分かんねwwww
ノリだからwwwww
まぁ、イメージ的には機械時代中期〜後期の感じ。
ところで、WIKIの、地理「バオウ大陸」のとこに書いてある
神獣ムーファって何か詳細あったりするの?
48 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 23:17:10
だれかの物語に登場待ちです
>>47 ざっと、wikiを探したんだが神獣ムーファの記述は
見つからなかったな。
>>48 の言うように新しい作品待ちになるかと。
50 :
47:2005/06/19(日) 23:24:31
>>48>>49 そーか
火山にいる神獣考えたんで、
設定でも書こうかと思ったら既にいたっていうwwwww
まぁ、シカタナス
51 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 23:34:55
設定だけ書いてもすぐ忘れられるけど、作品にすると定着しやすいしね〜
53 :
ほんわか名無しさん:2005/06/19(日) 23:41:03
>>51 うーん、文章書くのは好きなんだけどな…
書ける気がシナス
まぁ、気が向いたら書いてみようかと思ってるんだが。
>>52 そうなんだよねー
>>53 最初のコンセプトは、全く文章を書いたことない人が
気楽にかけるよーな場所をつくるってことだと思う。
短編でも全然問題ないから、腕を振るってもらえると
嬉しいな。平日はどうしても限界があるし。
>>52 個人的には、作品作って、その中から設定を抽出する方法を
とっている。
もちろん、設定を作ってから作品をつくる方法もあって
どっちがいいか分からないけれど。
55 :
53:2005/06/19(日) 23:49:15
>>54 そか、短編っていう手もあるな(・∀・)
でも、詰め込める自信ナスwwww
構想も練れてねーしな
もどかしいッ!
>>55 短編は却って難しいかも。
キャラが勝手に動くのを待つという方法もあるよ。
そろそろ寝ますノシ
57 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 00:02:39
>>56 うぃ、おやすみノシ
とりあえず、神獣ムーファの存在は確定でFAなん?
58 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 00:10:40
んいや、確定とか、そうゆうのはないよw
作品作るひとが、設定を資料の中から取捨選択するの。
だから、ムーファの資料作るのは自由だけど存在が確定とかはないw
いい設定作って好まれれば、それだけ使用頻度が高くなるだけだね〜
それには自分で作品作るのが一番効果的だし、他の人も使いやすい
今使われてる設定のほとんどがそう。
59 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 00:14:07
>>58 なるほど。
じゃあ、ムーファとは別に火山にすむ神獣を考えてもイイと。
あぁぁぁあぁ、作品書くにもインスピが湧いてこねー!!!!
なんか降りてこい!!!!
60 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 00:39:53
焦るなw
もちついて、深呼吸しておっぱいでも見ればなんか湧くよ
始めはそんなにこらなくてもいいと思うぜ
簡単な昔話とか御伽噺みたいなものでも、のちのち作品の材料にできるしな
おっぱいでも見てればなんか降ってくるさ
62 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 01:08:17
おっぱい見てたらアイディアがムラムラして来た
お陰で、長い上に第一話しか完成してないのを投下したい気持ちになったんだけど、
そのまま投下するとレスを20くらい消費しそうな悪寒
コレいる?(´・ω・`)
63 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 01:12:55
スレ進行遅いから、そのぐらいどうってことないと思うけど
心配ならテキストをうpろだにあげて、URLはっつけるでも。
64 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 01:20:44
何のためのスレだ
20でも30でも100でもドントこいb
65 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 01:32:32
アドバイスありまとう
じゃあ、ちょっと投下してみる
66 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:38:48
67 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:39:48
ファルネースの北にあるノルダニア大陸の南部に、学術都市ジャン・バッハは存在する。
極寒であるために、至極住みにくい大陸の比較的住みやすい南部一帯の要を担っているのがこの都市である。
もとは軍事都市であるジャン・バッハは戦乱の時代に野放図に急成長したもので、今や一帯の流通の要であり、交易ルートの要であり、技術発展の要である。
また、その野放図な成長ぶりは他に類を見ない程で、巨大な街と外壁の外には、同じくらいの大きさにまで成長している貧民街がへばりついている。
整然と整備され、流通から学術からあらゆるものを奇麗に処理して行く学術都市の、細やかな回路からこぼれ落ちる雑然としたものの受け皿として、あらゆる人や物を吸収するもの。
それが貧民街である。
それ故に、急に誰かが入って来ても、急に誰かが消えたとしても、誰も何とも思わないのであった。
68 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:40:13
ワン老人は地球人(ヒュマン)である。
ゲートを通ってファルネースに来る以前。
彼は地球は中国で六十余年を過ごし、幼少より鍛え込まれた武芸を持って江湖(中国の一般人の世界)を駆け巡って、女と酒にうつつを抜かしていた人物で、現在はジャン・バッハの貧民街で持ち前の武芸を持って酒と女にうつつを抜かしつつ隠居生活を送っている。
武芸はもちろん、酒の飲み口も、また下の方も、まだまだ達者な老人である。
今日も、行きつけの酒場である『第二番飯店』で、顔見知りの人間と酒を飲んでいる所である。
69 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:41:10
「ホッホッホ、真っ昼間から酒というのも乙なもんじゃのう」
そう言って、大ジョッキに入った麦酒を一息に飲み干してしまったのが件の人物、ワン老人である。
ボサボサの髪を紐で結わえていて、伸び放題な髭は麦酒の泡でまみれさせ、丈夫そうな布で作った異国の服をこぼれた酒で濡らしている。
「そうかしら? ワンお爺さんの飲み方を見ていると、朝でも晩でも同じように飲んでるように見えますわよ?」
「何じゃ、ワシの飲み方はそんなにイカンかの?」
「あら、貶してるんじゃありませんわ。いつでも楽しそうにお飲みになるって、誉めてますのよ?」
「本当かのう……」
「本当ですわ。ほら、あたくしもつられて一杯頂いてしまいますもの」
そう言って、度数の高い蒸溜酒をクイと煽ったのは、貧民街の娼婦館『ママ・ダ・ママ』の高級娼婦、アンナ・ディアナである。
ニコリと笑って見せる顔は整ってはいるが厚化粧で、安香水の匂いが鼻につき、着ているは随所がビラビラで色もギラギラのバイオレットである。
「少なくとも、そこで陰気に酒を飲んでるジニーよりは、随分と楽しそうですわ」
「……いい加減、ぼくをジニーと呼ぶのは止めにしてくれないですか、アンナ君。そんな子供の頃のあだ名で呼ばれるほど、ぼくも若くはないんですよ」
「あら、シモの方は血気お盛んなクセに?」
「な!? 何を……」
「昨日もうちの店に来て、朝までぶっ通しだったわね。ミーシャから聞いたけど、仕事が上手くいってないんですって?」
「き、君には関係ないことです!!」
そう言って、一気にジョッキの麦酒を煽り始めたのは、高級街にある『ジャン・バッハ大学』の研究生のジョシュ・ホフマンである。
背はスラリと高いのだが、スラリとし過ぎて贅肉も筋肉もないヒョロヒョロの体つきになっている。煽る度にズレるメガネを神経質そうに抑えている。
70 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:41:28
「何じゃ何じゃ、そんなに気にすることはなかろうて。クサクサしたら酒と女、というのは相場というもんじゃ!」
「そうよ? 立派な逸物なんだから、自信を持ちなさいな」
ジョシュはそれには応えず、ジョッキの中身を飲み干すことだけに集中している。
「あら、拗ねちゃったかしら?」
「どうでもいいけどよ、お前らココに何しに来たか忘れてないか?」
最後に口を開いたのは、ひどい短躯の男−−貧民街を転々とする物乞いであるガンニック・バードだった。
体型自体は筋肉質と言えるほどガッチリしているのだが、着ている物は粗末極まりなく、身長も常人の半分ほどもない。
手元に酒の類いはなく、一人だけ素面の様子である。
「はて、言われ見れば、何でワシらは集まったんじゃっけの?」
すっかりできあがってしまっているワン老人の言葉に、ガンニックが頭を抱えながら言った。
「だから乾杯は後にしろって言ってんだ! 仕事だ仕事! あんたら、今、誰の酒を飲んでるってんだよ!」
ガンニックの言葉に、三人は浮かれた状態から一転、厳粛とも思える面持ちで手元の杯を置いた。
今飲んでいる酒は、全てガンニックの奢りだったのである。
そして、物乞いが他人に施すのは誠心誠意の現れ、ということである。
物乞いが酒を振る舞いながら仕事の依頼をするということは、半ば正式な依頼なのだ。
71 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:41:53
「すまなかったガンニック君。とりあえず、話を聞かせてくれないか?」
ジョシュはいち早く謝罪すると、ふて腐れた表情をキリと引き締めて見せた。
「ジニー(ジョシュの略称)の寝物語なら聞き飽きたけど?」
ジョシュは、「うふふ」と笑いながら話をまぜっ返すアンナを一睨みして、更に言葉を続けた。
「常日頃から困窮極まっているガンニック君がこうまでする、ということは、べがー・ギルド(物乞いの職業組み合い)に関する仕事なんでしょう?」
「その通り! ご名答! さすがはジョシュ坊、学士先生だな!」
ガンニックは我が意を得たり、という顔で大きく頷くと、勢い込んで喋り出した。
72 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:42:07
「ジョシュ坊の言った通り、この話はべがー・ギルドから回って来た仕事についてだ。
ここに居るヤツは知ってるだろうが、まぁ、俺の所属しているベガー・ギルドはジャン・バッハの人流物流に関しては、ここ一番を自称しているわけよ。
そこら中にいるべがーから情報を買い取って、そいつを元手に更に情報を集めて……確かに他にないくらいデカい情報機関なんだわな。
しかしな、なんでもここ最近、このジャン・バッハに来るヤツらに素性のわからないのが多くいるらしいんだ。
何族とか、何々出身とか、そういう詳しい経歴じゃなくてな。
それこそジャン・バッハに来る直前、どこの町からどこの経路で来たのかさえわからねぇってヤツらなんだ。
これを放って置くのは、天下のべがー・ギルド様の名折れだってんで、今、ギルドのお偉方はこぞってそいつらの情報を集めているわけよ。
まぁ、その、いわゆる懸賞付きでな」
73 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:42:29
そこまで言うと、ガンニックはニタリと卑屈そうな笑みを浮かべて見せた。
「俺はギルドの構成では、木っ端の隅の下っ端の端くれだけどよ、他にねぇくらい良い人間関係を持っているわけよ。
高級街にお住まいの学士先生。貧民街一の娼婦館の一番お娼婦さん。それに、天下を一股に闊歩するご老公ってな?」
「正確に言えば、うだつの上がらない木っ端研究生。貧民街の端くれ娼婦館。それに、お酒と女好きなだけのご隠居のお爺さんよ」
アンナが呆れたような声で言った。
ジョシュとワン老人も同じような表情でガンニックを見ている。
「いいかしらダニー(ガンニックの略称)。あたし達がどんな立場なのかは、あなただって知っているはずよ? そんな大層な情報、あたし達が持っているわけないじゃない」
「そこを何とか! 何か可能性のある情報さえあれば、金は頂きなんだよ!」
「『鞘だけの剣は振れぬ』よ、ダニー。ないものはないわ。他の二人はどうかしら?」
アンナの言葉に、他の二人も首を横に振った。
「ないらしいわよ」
「……そうか……まぁ、そりゃそうだな」
未練の残った表情を一転させ、ガンニックはサッパリした顔を作った。
「ま、そういうこともあらぁな。『並の皿に大盛りは盛れない』って言うしな。今の酒は、今後、何か見つけた時の情報料の先払いってことにしとくぜ!」
ガンニックの言葉を聞いて、今まで酒を目の前に『おあずけ』をくっていたワン老人が言った。
「それじゃったら……もう少しなら、飲んでもいいのかえ?」
「あぁ、もう、存分に飲んでくれ! ただし遠慮してな!」
その後、高くなり過ぎたワン老人の酒代を払うために、ガンニックは料金を他の二人から借りるハメになった。
74 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:42:57
「ふむ、それにしても、ちと飲み過ぎたかのう」
そう言いながら、貧民街の家々の屋上を、文字どおり飛ぶようにして駆けて行くのは、ワン老人である。
半べそをかくガンニックに礼を言い、残る二人に挨拶を済ませた後、ワン老人は酒場の屋根の上に飛び上がって家路についたのだ。
ワン老人にとって、貧民街特有の間隔の狭い屋根などは単なる近道なのである。
家屋の屋根を一蹴りする度に、その身はグンと加速して、次の屋根の上まで飛び去ってしまう。
「イカンイカン、どうも本当に酒が回っとるようじゃ。軽功にキレがない!」
軽功というのは、中国武術で用語であり、気の力で身を軽くして移動する術のことを言う。
本来、昆元功という気の運行方を身につけているのワン老人の力ならば、家の三つや四つはひとっ飛びに飛び越して行けるハズなのである。
家の間一つを飛ぶのが限界というのは、明らかな飲み過ぎである。
「過ぎたるは及ばざるが如しと言う。これでは正に及ばざるが如しじゃ。ガンニックには悪いが、ちと酒を抜かしてもらおうかのう」
ワン老人は適当な家の屋上に降り立つと、人気の少なそうな裏路地へと身を踊らせた。
75 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:43:29
その少女は裏路地に連れ込まれた後、口に布を押し込まれ、声を出せない状態で嬲られているようであった。
少女の服はほとんどが切り裂かれ、その体の前後を屈強な男に挟まれて、身体中をまさぐられている。
「へへ、なぁ、いいだろ? なぁ、いいんだろ?」
何が、なぜ、どうして、だれが、どういう風に、という説明すらできない男達は、抵抗など望むべくもない細い身体の少女に声をかけている。
少女は喉の奥で泣き声とも絶叫ともつかない声を発しているが、口腔内の布によって外に響くことはないままである。
見たところ本番はまだのようだが、それも時間の問題だろう。
ワン老人は、裏路地に降り立つなり出会ったこの状況に、一瞬呆然として見入っていた。
(また、何という……)
これが合意の上でないことは見ればわかるというものだった。
酔っていても数十年培った軽功の絶技は精妙なもので、三人共にワン老人に気が付いた様子はない。
少女は声にならない声を上げ、前の男は胸に顔を埋めて、後ろの男は何やら手を忙しなく動かしている。
(女を抱きたいという切羽詰まる心持ちも、溢れる力に物を言わせたくなるのもわかるが、無力の女性にそれを振るおうという心根は気にいらん!)
ワン老人は、そのまま滑るように三人の元へ歩いていった。
76 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:43:53
中国に居た頃より、ワン老人は酒好きの女好きであったことは以前述べた。
その武芸で江湖を渡り歩き、酒と女を味わっていたのも確かである。
しかし、それは強姦や殺人を推奨していたというわけではない。
游泳飛竜とさえあだ名されたこともある、一代侠客ワン老人はむしろ、酒と女を好む己の欲と、ひたすら武芸に打ち込み、義侠心に溢れる道徳心との折衷に人一倍苦心した人物であると言える。
武芸によって美しい女性の貞操を悪党から助け出したがいいが、その後で自分が奪ってしまっては意味がないのではないか?
例え向こうから迫って来たにしろ、それは許されるべからざるものではないのか?
快楽を求めれば人の道を外れることもあるが、それは是なのか?
それとも否なのか?
ワン老人は考えた。
そして、全てのしがらみを捨てて山中深くへと隠遁し、武芸の研鑽を止め、日々に酒と女のみを求めるようになったのである。
77 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:46:00
訂正:
游泳飛竜とさえあだ名されたこともある一代侠客ワン老人は、むしろ、酒と女を好む己の欲と、武芸の研鑽を好んで義侠心に溢れる道徳心との折衷に人一倍苦心した人物であると言える。
78 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:46:32
「貴様ら、そこを退けい!」
裏路地の奥から、その果てまでを振るわせるような大声が響き、二人の男はビクリと動きを止めた。
少女はそれどころではなく、二人の動きが止まったのを幸いに暴れる力を強めている。
「ワシの名はワン! あだ名は游泳飛竜! その所行のワシ目に留まった! 命惜しくば即座に去られい!」
圧倒的な凄味を感じさせる大音声に、男達は慌てて路地の奥を振り向いた。
しかし、男達の目に入ったのは、背もほどほどの萎びた老人一人だけである。
「な、何だ、ジジイかよ! 驚かすんじゃねぇ! 俺達ぁお楽しみ中だ!」
少女の後ろを陣取っていた男は、いち早くワン老人を確認すると叫んだ。
「いいか! 俺達ぁ強ぇ! 邪魔すっと死ぬぞジジイ!」
「そうだ! 死ぬぞ! 殺すからな! 死ぬ! 死ぬぞ!」
前の方を陣取っていた男も、振り返って老人を確認するなり、同じように叫ぶ。
凄味を効かせているつもりか、二人とも下から老人睨め付けるようにして、声の質をガラガラになるまで低くしている。
「大人しくしてりゃあ、目の保養の一つもさせてやるぜぇ?」
ケッケと笑いながら、二人が再び少女を押さえ込もうとした時である。
「小童共が! 貴様ら、誰に口をきいておるのか、わかるか!」
先ほどの音声を更に倍する大喝に押され、男達は一瞬だが竦み上がってしまった。
その大喝の持つのは、凄味というより、もはや物理的な圧力である。
「な、何だ!? テメ、テメェ、喧嘩売ってんな! そうだろ? そうだろう売ってんだろ!? オイ!!」
後ろを陣取っていた男は少女を放り出すと、懐に手を突っ込んで、老人の側へと歩み寄っていった。
前を陣取っていた男は、相方がいなくなったのを良いことに、そのまま少女を押し倒して独り占めの格好を取る。
79 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:47:24
「退く気はなしか?」
「あぁん? ジジイ、テメ、ナメてっとぶっ殺すってんだろうがよぉ!」
男はワン老人の前まで行くと、見せびらかすようにして、懐からナイフを抜いた。
ワン老人よりも二回りは大きい身長と筋肉を持ち、更にナイフを手にした男は、早口のあまり呂律が回らない口調で喋りだした。
「ンメェ、オレっちが楽しンっンのにってんだよアァボケ、クソカスがビビっチビっんじゃエっつんだおラァ!」
老人は顔をしかめると、顔の前で手を振りながら言った。
「騒々しい」
「ンだッメェ……」
ナイフを揺らしながら構えていた男がそれだけ言った時、ワン老人は男に対して思いきり踏み込んで、片手でナイフを叩き落とし、片手で男の胸を強打した。
遊龍拳の型の一つ『双手奪魂』の手である。
「ッボェ!」
丁度水月を打たれた男は声にならない声を発し、肺から空気を、胃からは内容物を吐き出しながら地面に倒れた。
80 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:48:00
「ワシが酔っておって良かったの。本来なら腕をへし折り、胸に穴を空けてくれる所じゃ!」
ワン老人が言い捨てた時、やっと異常事態に気が付いたもう一人の男が声を上げた。
「あ、兄貴ぃ! 兄貴どうした!? 死んだのか? 殺したのか! 兄貴殺したのかぁ!?」
もう一人の男は少女を放り置くと、先ほどの男同じく懐からナイフを抜いた。
しかし、今度の男はしっかり腰元にナイフを構え、ナイフを体ごと押し込む姿勢である。
先ほどの男と違い、こうなるとナイフを叩き落とすことは容易ではない。
「許さねぇ!! 兄貴殺していいと思ってるのか!?」
「貴様こそ、事の分別もつかぬのか! この餓鬼めが!」
「うるせぇうるせぇうるせぇっ!」
男は思い切り絶叫すると、狭い路地を駆け抜け、老人へと突っ込んでいった。
「オレに説教すんなよぉぉおおおぉぉぉおおおぉぉぉ!」
ワン老人は体ごとぶつかってきた男のナイフをスレスレで身を側めると、側めた体をそのまま捻りながら後ろ手で男の後頭部を打ち込んだ。
同じく遊龍拳の攻防一体の技である『翻身払尾』の手である。
思い切り後頭部を打ち込まれた男は瞬時に気を失い、勢いもそのままに数歩駆けて、顔から壁に激突してしまった。
81 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:48:44
「ちと打ち込みが甘かったわい。殺し損ねてしもうた」
ワン老人は不満げに言うと、服に付いたほこりを軽く払い、フゥと息を落ち着けた。
酔いも醒めないままに体を動かしたので、気の運行が乱れ、少々息が上がっているのだ。
何度か深呼吸をして、軽く呼吸と気の運行を整えると、老人はゆっくり後ろを振り向いた。
そこには、男達から解放されていながら未だに地面に横たわっている少女の姿が見える。
(万年ジメジメして、苔さえ生えている土の地面が快適であるはずもなかろうに、身を起こす気力さえなくなるとは……! 何と可哀想なことになったもんじゃ!)
ワン老人は沈痛な面持ちになると、少女の傍らへと歩いて行き、膝を折って側に屈み込んだ。
「大丈夫かの、お嬢さん。もうすっかり助かりましたぞ」
少女は仰向けに倒れたまま、顔を隠して嗚咽しているだけで、老人の言葉に返事をしようとしない。
服もズタズタに裂かれ、下着も剥ぎ取られているので、その姿は全裸と変わりないままである。
「…………」
82 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:49:26
ワン老人は一言も言葉を発さないまま、上着を脱いで、少女の上にかけた。
そして、少女の口から丸められた布を手早く取り出してやる。
「気の落ち着くまで、そうしていなさい」
優しさを込めたワン老人の言葉を聞いて、少女は顔から手をずらして、恐る恐る回りの状況を確認し始めた。
「大丈夫……?」
「おぉ、そうじゃそうじゃ! もう平気じゃよ」
少女の視線が、彼女が喋ったことを嬉しがる老人の方へ向けられた時、彼女は驚愕の表情を浮かべた。
「あ……う……!」
「何じゃ!? 違うぞ! ワシはおぬしの敵では……」
「う……後ろっ!」
少女が言葉を発するのとほぼ同時に老人は反応した。
素早く、背後へと手を伸す。
そこには、ナイフを振り上げている先程兄貴と呼ばれていた男が立っていた。
酔っていたことと、少女に気を取られていたことが、老人の察知を遅らせたのだ。
男が「チィ!」と舌打ちしながらナイフを振り下ろすのと、老人が伸び上がりながら手を伸すのが交差する。
ナイフが老人の腕を裂き、血が飛んだ。
「キャアッ!」
83 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:49:51
少女は驚きの声を上げて再び両目を手で覆い隠してしまった。
老人がやられてしまったと思ったからだ。
しかし、それから起こるはずの罵声も悲鳴も、全く起こる気配がない。
「…………?」
再び、少女が恐る恐る目を開くと、そこにいるのは裸の肩口を裂かれながら、しっかと男の首元を掴んでいる老人と、ナイフを振り下ろした格好のままで固まっている男である。
男は不自然な格好のままでブルブルと振るえ、口からは「あぁ……うぅ……」という言葉にならない呻きだけが漏れている。
「先ほどの一撃で骨の数本は折れたはずじゃから、確かに貴様、体だけは強いようじゃの。しかし、今はワシが点穴をしとるんじゃ。小指一本動かせんじゃろう?」
点穴というのは、中国武術の用語で経穴(人体に点在する、いわゆるツボ)を押すことである。
気の流れの要点とされている経穴は、ファルネース上では人体に流れるマナの流通の要を担っている。
これを押された人間は、場所によっては難病・重症を癒されることもあるが、場所によっては身体の一部、または全身を麻痺させられたり、時には外傷のないまま命を奪われることもある。
この場合、男はワン老人に点穴されることで、口をきけない上に全身麻痺の状態に陥れられているのである。
84 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:50:14
全身をブルブルと振るわせ、「うぅ……うぅ……」と呻く男に、ワン老人は、
「当面放っておけば半日は動けぬわ。そこで沙汰を待っておれ」
と言い放つ。
男の塞がれた経欠は気の運行を著しく阻害されている。
回復させるためには、ゆっくり自力で運行を戻すか、外部から運行を正して貰う以外に手はないのである。
ワン老人は男の首元の手を除けた。
「そういうワケじゃが……大丈夫かの、お嬢さん?」
ワン老人が振り向くと、少女は既に自力で身を起こしていた。
そして、手に元々は自分の服であったでろう布切れを握って老人に迫って来ている。
「……動かないで下さい」
「な、何かなさるんですかの?」
少女が迫ってくることに動揺する老人に、少女は言った。
「腕から血が……止血しますから……動かないで」
老人の返事を待たずに、少女は出血する老人の腕にサッサと布を巻き付けてしまった。
手慣れたものである。
「コレで、大丈夫です」
「す、すまんの」
老人の言葉に、少女は弱々しく笑って応えた。
「いえ……だって……私には、これくらいしか……」
85 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:50:32
そう言って、少女は弱々しい笑みを浮かべたまま下を向いてしまう。
それを見た老人は無言で眉間に皺を寄せ、固まっている男へと向き直る。
「さて、この男は……どうしましょうかな?」
少女はチラと老人を見て、一言も発さないまま下を向いてしまう。
「お嬢さんの身内じゃと、ちとまずいことになるでな」
老人の語尾は割と陽気さを含んでいたが、表情は先ほどと同じ眉間に皺を寄せた表情のままである。
いや、表情こそ同じであるが纏っている雰囲気が少し違う。
丸で鋭く尖ったナイフの様に鋭く、恐ろしげな雰囲気である。
「どうかのう、お嬢さん?」
「……偶然、一緒に街へ入って……たまたま……ココまで来た……だけで……」
少女はぽつり、ぽつりと言葉を紡いだ。
「それ……だけです……でも……殺すのは……」
うつむいたままの少女の顔から、涙が幾つかポロポロと落ちた。
ワン老人はそれを認めると、一言「ふむ」と唸った。
「なら、男の話を聞いた上で決めますかの」
老人は後ろをチラと振り返って少女を確認するが、少女はうつむいたままである。
落ちる涙を隠すように、顔を手で覆ってさえいた。
86 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:50:50
良かったの、おぬしはお嬢さんのお陰で、弁解の余地を貰ったのじゃぞ。しかと感謝せい」
老人はそう言って、対面している男に近づき、首辺りに手を当ててゆっくり気を送り始めた。
乱れた首もとの気の運行を少しだけ直してやっているのである。
「どうじゃ? 全身は動かせないまでも、少しは喋れるようにはなったであろう?」
「あ……う……く、クソ。ナメた、マネしやがって……」
まだ呂律の回らないながら、男がゆっくり喋り始めた。
ただし、発声量は低く、間近にいる老人にかろうじて聞こえる程度である。
「何じゃ、その口の聞きようは? 自分の金玉を他人に握られとるのがわからんのか?」
「うるせぇ……テメェこそ、オレを殺したらどうなるか、わからねぇのか?」
「どうなると言うんじゃ?」
「上が黙ってねぇ」
男は自由にならない顔の筋肉を無理矢理動かして、引きつった笑い顔を作って見せた。
「最近は上もナメるヤツにゃキビしんだぜ。ジジイ一匹や、メスブタ一匹、捻り潰されるぜぇ」
「貴様は、余程名の通った組織の犬をやっとるようじゃの。飼い主は誰じゃ?」
「テメ……口のキキカタってのに気を付けろよ。オレはゲートから出てきたんだ。それでわかんだろうがよぉ」
87 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:51:26
それを聞いて、ワン老人は眉間の皺を更に深くした。
ゲート、異界の門、時空の歪み等々、様々な言い様はあるが、それらの示す所は即ち「地球とファルネースとの橋渡しをする物」である。
ワン老人の聞いた所によれば、ゲートとは「過剰なマナの活動によって歪まされた時空が、地球という別の時空と偶然繋がってしまう現象」ということらしい。
地球人であるワン老人も、その「ゲート」を通ってきた身である。
まさか、この男も地球から来た地球人なのだろうか?
「貴様、それは本当か?」
「タリメーだ」
「タリメー? どこかの地名かの?」
「アタリマエっつってんだよ、ボケ……オイ、わかったら、とっとと放して謝罪しやがれ。後がヒデェぞ」
男は未だに口しか動かない状態にイラついて、弱々しい口調でワン老人に命令した。
ワン老人はそれを、ただジッと見つめている。
「ナンだよ、早く直しやがれ……」
「貴様、ゲートより来たというのは虚言じゃな」
「キョゲン? 何だソレ」
「それは嘘だと言うておるんじゃバカタレ」
「な……テメ……」
88 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:52:14
「そもそもゲートを通った人間なら、気を込めとらん点穴くらい、自力で治してしまうハズじゃろうが」
「て、てんけ……?」
「貴様の気の運行は並かそれ以下じゃ。ゲートを通った地球人などでは到底ありえん。言え、本当はどこから来た? 誰が主人じゃ?」
「げ、ゲートだよ。それ以外でここに来る方法はねぇ……」
「ではゲートをくぐる前はどこにおった?」
「し、知らねぇよ……ゲートはゲートだろうが」
「では、主人は?」
「うるせぇな、テメェにゃ死んでも教えねぇよ」
「……そうか」
ワン老人は、更に何事かわめく男を放りおいて、少しばかり考え事を始めていた。
(先ほど、ガンニックが足取りの掴めぬ輩がいると言っていたが、こいつらのことじゃろうか……?)
男は「上の人間が、上の人間が」という文句を並べるばかりで、他に言うこともなくなっていた。
恐らくこれ以上聞き出せることもないだろう。
(……そろそろ、始末してしまうかの)
89 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:52:56
ワン老人は未だにボソボソと喋り続けている男を無視して、少女の方を振り向いて言った。
「お嬢さん、およこびなされ。この男も改心したと言っておりますぞ」
「……そう……ですか……」
「どうしますかな? いっそ一思いに……」
「それはダメです! どんなことであっても、人殺しは……」
少女の強い反発を、老人は予想通りという顔で受け取っていた。
少女の中では、この事態を許すつもりにはなっていないが、しかし持ち前の博愛の心は強く働いている。
どちらも確固たるものであって、どちらが強い弱いの問題ではないのだろう。
ワン老人は一度だけ「ふぅ」と溜息をつくと、
「……では、解放してやることにしましょう。危ないから少々奥の方へ行っていなさい、お嬢さん」
と言って、男の方を向いた。
老人は背後に、奥の方へ歩いていく少女の気配を感じ取っている。
「さて、良かったのう。お嬢さんも向こうへ行って、貴様も晴れて放免じゃ」
「遅ぇんだよボケこのカス……ボサっとしねぇで治せよ、急がねぇと全殺すぞ」
未だにボソボソとしか喋れない男は、それでも精一杯、凄味を効かせようとしながら喋っている。
老人はまだ奥へ歩いて行っている少女の気配を感じながら、男の言葉を無視するようにして声を上げていた。
「そうか、そうか。ちゃんと改心するとな? 善哉善哉!」
「テメ……人の話を聞けってンだよ……」
ワン老人は男の言葉の途中で唐突に動きだし、男の両足の数カ所と首元に触れて、素早く気を送って男の硬直を解いた。
90 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:53:53
「え……あ……?」
「何を呆けとる。お嬢さんが向こうへ行ったから、ちゃんと解いてやったんじゃ」
ワン老人は少女に聞こえない程度に押し殺した、厳しい口調で言った。
「本当に改心するつもりはないのじゃな?」
「イチイチっせーンだよ! テメェら、後でヒデェ目に合わせっからな」
男は体の自由が戻ってきたのを確認すると、ワン老人の前まで歩いて行って、低い声を出して言った。
「次会ったら、ぶっ殺すからな」
「……いや、ここでサヨナラじゃ」
老人の呟きが合図であったかのように、男の膝がカクンと折れて、地面に土下座するような形になった。
「あれ? 何だ? おい、なんなんだ?」
「おぉおぉ、そんな土下座までせんでもいいんじゃぞ?」
老人は朗らかな声を上げて、包拳(右の手の平で左の拳を包む礼の形)をしながら礼を返した。
しかし、その表情は今までになく厳しい。
「そこまでする気持ちがあるならば、きっと今までの罪も許されるでしょうな。善哉善哉」
ワン老人の言葉を聞きながら、男はおののいていた。
男は全身が自分の意思と切り離されている上に、全身の筋肉には段々と無理な力がかかってきているのだ。
腕や足だけでなく、体中の筋肉という筋肉にギリギリと力が込められていく。
「まぁ、気の済むまでそうしていなさい。ワシの昆元功の込められた点穴の効果は絶大じゃからな。当分そうしていても大丈夫ですぞ?」
男はこの時点で、老人の言葉を半分程しか聞いていなかった。
腹・胸部の筋肉がギュウギュウと収縮して、男の心肺を圧迫していたからである。
「向こうで伸びている弟分も、程なく同じようにしてやりますからな。ホッホッホ……」
男の耳はもはや老人の言葉を聞いておらず、視界も真っ白に変化していた。
締め上げられた心肺はその活動を著しく低下させられ、男は急速に気を失いつつあったのである。
それは、二度と目覚めることのない気絶であった。
91 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:54:35
老人は男が動かなくなったのを見届けると、裏路地の向こうで気絶していた弟分の男にも同様の処置を施した。
ほどなく弟分も痙攣の後、ピクリとも動かなくなる。
(これで良しじゃ、良くやったわい)
ワン老人は胸中で自身に喝采を送ると、クルリと踵を返して、路地の奥へで待っている少女の元へ歩いていった。
「大丈夫かな、お嬢さん?」
心配そうな顔で少女へ近寄る老人に、少女は言う。
「えぇ、もう……大丈夫です。ありがとうございます」
まだ本調子とはいかないまでも、ある程度は調子を取り戻したらしい少女に、ワン老人は優しげな笑顔で答えた。
「お嬢さんの心に触れて、あの男たちも、あの通り反省しておる」
老人の示す先には、まるで己の業に打ちのめされているかのように、頭を垂れながら土下座をし続けている男の姿があった。
「これで収めて貰えるじゃろうか?」
老人の提案に、少女はぎこちないながらも、笑顔を作って答えた。
「わたしは、それで十分です。本当にありがとうございます……えっと、お名前は……?」
「ワシの名前はワンと言います。世に爺さんは数あれど、ここいらでワン爺さんを名乗っておるのは、ワシだけですわい」
おどけた雰囲気でニコリと笑う老人を見て、少女もクスリと笑って言う。
92 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:55:05
「わたしはアリアと言います」
「珍しい名前ですの。ここいらでは聞いたことがない」
「えぇ、わたしもここに来るのは初めてですし、あまり見かけない名前かも知れませんね」
「……では、ここいらで帰る場所は大丈夫なのですかな? 何でしたら、仲間で丁度いいのを紹介しますぞ?」
ワン老人はチラリと少女−−アリアの姿を見て、慌てて目線を逸らした。
アリアという少女がここいらに泊まる『つて』があるのかどうかも問題であるが、老人の上着一枚だけという服装も、問題である。
「アンナというお娼婦さんの店なら、服装も寝床も快く貸して貰えますぞ。もちろんお仕事なんぞ無しで大丈夫じゃて……」
「ありがとうございます……でも、大丈夫です。帰るところならありますから。もう帰らないといけない時間ですし……」
「そ、そうですかのう。これでさよならというのも、寂しいもんですのう」
そっぽ向きながら、残念そうな声を上げるお茶目な老人に、少女は優しい声でいった。
「また、会いに来ます。約束します」
「良し、約束しましたぞ。ところで、帰るところというのは?」
「ゲートの向こうです」
93 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:55:20
老人が驚いて後ろを振り向いた時、そこには人の気配は全くなくなっていた。
影形だけでなく、ワン老人の鋭敏な感覚器を駆使しても、周囲に動くものの気配を感じられないのである。
まるで、最初からそこに誰もいなかったような雰囲気だけが残っている。
「あ、アリアさん? どこに行かれましたかの?」
老人の呼びかけに応える者もいない。
(なんと面妖なことじゃ! 人が消えてしまうとは……)
ふと視線を移すと、向こうで土下座していたハズの男たちの姿もなくなっている。
ワン老人が屋根から降りて来た時にいた人間は、これで全員消えてしまったのだ。
これで、この場所で起こった騒動を物語るものは、ほとんどなくなったと言える。
(なんたることよ……ワシともあろうものが、酔って夢でも見たと言うんじゃろうか……)
呆然と立ちすくむワン老人だが、上半身は未だに裸のままで、肩には相変わらず血がにじんでいる切り傷と、きつく結ばれている布切れはある。
なにより、老人のその顔は、酒っ気の抜け切った素面の顔である。
「……たまに慣れんことをすると、こういう目に会うということじゃなワン爺! やはり爺は廃屋で楽隠居しとるのが似合っとるんじゃわい!」
ワン老人は自分自身にそう声をかけると、思い切りトンボを切り、裏路地から家々の屋根の上まで躍り上がった。
そして、一息に屋根を四つも五つも飛ばしてしまう早さで、自身の住居へと駆けて行った。
94 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 01:56:15
老人は、まるで思いを振り切った様な思い切りの良さを見せたが、しかし、その胸中では自身の思い切りを否定する心根があった。
楽隠居を好むといいながら、何故、面倒事に首を突っ込んだのか。
何故に一張羅の上着をやってしまう程、アリアという少女に優しくしたのか。
そして、何だかんだと言いながら、自分が出て来たのとは違う『ゲート』、そのゲートが謎の男の一味と、同じゲートから来たのに襲われていた少女の関係を考えてしまうのは何故なのか。
異世界に来て変化しつつある己の胸中を感じながら、ワン老人は走る足を更に速めていったのだった。
95 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 02:00:33
今回は以上です。
長いです。
その上古い「酒場の話」を読んでいないと、人物の設定なんかはおっつかないと思います。
こんブツなんで、何かあったら、思い切りよくお願いします。
あと、うpロダの古い話は「EUC」でないと化けるようなので、お気を付け下さい。
96 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 02:10:58
超長文乙スwwwwww
テスト前じゃなきゃ読めたのに・・・w
終わった時の楽しみに取って置きまふ(*´Д`*)
97 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 02:27:15
前のお話読んでないのに先に読んでしまったw
おっぱい見てアイディアが浮くなんて羨ましいです(・ω・
かなり流して読んだので、時間あるときにゆっくり読みますw
おつかれさまでしたw
98 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/20(月) 02:46:03
>>96 無駄に長いんで、本当に暇な時にでもどぞwww
テストガンガって下さい
>>97 ありまとうですwww
書く時はトランスしているんで、おっぱいは最高の刺激wwっうぇwww
話は、古い方も含めると尋常でなく長いんで、是非ゆっくりとお願いします
貴重な時間を無駄になさらぬようwwwうぇwwwっうぇwww
結構進んでる〜
>>98 GJ!
起きて、キターだったw
もう書く人誰もいないのかなと思ってたのでめちゃくちゃ嬉しい。
流れるような格闘シーンを、特に興奮して読んだよ。
100 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 14:27:14
ほしゅ
短編まだー?
久々にこのスレ発見
104 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 14:50:43
105 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 14:51:51
(*´・д・)(・д・`*)ネェー
はじめから狙ってないだろw
いいから創作活動に戻るんだ、スネーク!
前みたいに設定を話し合ったりはしないの?
109 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 15:54:57
よくわからんけど、めっちゃキレる人がいるみたい?だから
様子をみながらやればいいのかもしれない
あとここ人少なげだからチャットとか欲しいね
いまだれもいなさげ?
112 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:14:20
いるげ
113 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:16:44
いるいる
ノ
114 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:22:49
いなさげいなさげ
115 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:27:12
ひどいww
116 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:36:48
今頑張って辞書CGIとか探し回ってたんだが
あったらつかわね?
まとめwikiよりかは使いやすそうだし
117 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:38:27
辞書CGIがどんなのかわからないけど、
便利そうだったら使うよ〜
( ̄□ ̄;)!!
119 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:43:15
120 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:45:18
121 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 18:59:05
便利そうだけど、管理する人が大変そうな気がする
122 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 19:06:36
123 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 19:10:26
124 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 19:41:19
うぉおお。便利なもの見つけてきたね。
設定はこぼれてるのがもんすごく沢山あるし
WIKIも放置中だから、何かあった方がいいよね
どっかでかいたけど、まとめが多すぎて困ることはない
125 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 20:45:15
>>124 だよな。あんまり広がりすぎるとどこ見ていいのか分かんなくなるけどwww
俺もホームページ作ってうpしたいんだけど作り方とか全然分からんからなww
まあ、気長に頑張るわw
126 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 21:13:10
ちょっと風呂入ってそっから久々に作品書くわ
127 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 21:39:21
128 :
127:2005/06/20(月) 21:39:51
>>126 待ってるじゃなかった。
がんばれ(・ω・
129 :
ほんわか名無しさん:2005/06/20(月) 22:24:08
がんばれ
130 :
酒場の長い話 ◆xjZRs5Npvc :2005/06/21(火) 01:14:45
>>99 うはwwwおkwwww
まだまだ書くよwwwっうぇwwうぇww
ただ、長編書いたことないから、前の話投下してからブランクが長かった
次の投下も時間がかかると思う
スレの間を保つのには助力できなくて正直スマン
>>102 GJ!
自分のが入っているのを見て、ちょっと涎が垂れた。
長編だとオチがかなり先になるのを実感して、涎拭いた。
ナイスフォロー。
>>126 ガンガレ
楽しみにしてる
131 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 01:17:41
132 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 01:53:39
133 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 02:32:37
登録がwikiみたいに自由にできないっぽい件について。
134 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 02:35:19
>>133 辞書のは出来そうじゃね?
要するに皆で管理を共有したらよくね?
135 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 02:40:38
136 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 03:15:20
普通にユーザー登録できるな・・・orz
137 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 03:58:00
依頼した。
管理者じゃないと許可できない。
管理は
>>135がやる?
皆でやるならそっちのパスも晒したほうがいいのかも
138 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:08:08
右上の(単語)登録のところでユーザーが登録できるっぽい
めんどかったら
>>135のところで晒しているIDとかでいけるかと思われ
いろいろためしてくれー
絶対俺一人で管理とか無理スwwwww
139 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:11:17
尺八
140 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:13:14
誤爆?
141 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:25:30
>>138 ユーザー登録したら管理もいける?
なんかユーザーとは違う管理者があるみたいなんだが
142 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:28:05
多分
ユーザー→編集可能
管理者→編集+ユーザー管理+カテゴリ作成などなど
っぽいかな
143 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:34:55
>>142 で、管理者が単語申請許可しないと載らないっぽい。
だから俺のも今載っていない。
しかも一回却下するとあぼんされるらしい。
144 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 04:51:46
めんどくせーwww
しかも化けてるし・・・orz
145 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:01:57
>>143 管理パスは教えられない?
あと、FARNESSってユーザー作るより「公式設定」「準設定」「準々設定」みたいなユーザー作って管理したほうがいいかも。
ユーザー作ってみるス
146 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:11:45
ていうかWikiよりも
こっちのほうが扱いにくいかと思われる
それにcgi使ってみんなで管理って言うのは今はいいかもしれないが
いわば無防備になっているわけでたった一人の荒らしによって全滅されかねないとおもう
あと設定って言ってもあくまで参考資料だからランク付けなくてもいいと思うよ。
147 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:16:00
かもね。
もしくは有志で何人かが管理するか(って言っても要請された物を許可していくだけだけど)
俺は一応手伝っていくよ。言いだしっぺだし。
148 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:21:04
そろそろテスト前だから若干時間がなくなるので
過去ログとwikiまとめ見ながら
txtファイルにいままでの設定(wiki除いて)をまとめてくれるかな?
149 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:24:28
学校落ち
150 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 05:51:59
151 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/06/21(火) 07:05:10
>>130 ワクテカしながら待ってるw
>>102 作品まとめの人お疲れ様。ミタヨ〜
あと、辞書登録や、管理面で動いてくれている方々も乙です。
設定については、自由に話してもらって、
作り手は好きなものを選んで、文章や絵などに反映する形が
良いとおも。
作品が設定に縛られないような雰囲気であって欲し。
>>151 だな。<辞書
気軽に投稿したりして設定簡単に拾ってこれるようにしようぜ。
ってなわけで今日もとりあえず追加。
あと、都道府県辞書になってるのは設定ミスか?w
102だけど、俺まとめPの中の人じゃないよ
作品はTXTにまとめておいて、定期的に誰かがうpするのがよい。
辞書なんだけど、目が痛いので、変更できたら背景とフォント頼む。
で、今から過去ログあさって、放置されたどうでもいい設定部分を抜き出してみる。
世界観とか矛盾はおいといて、一つの説としてみてくれ。
時間内ので本当にうpれるかどうかはわからないが。
154 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 15:44:19
ごめん、やっぱ無理かも。頓挫!
なんつーか、設定過去ログから拾いあげるより、新しく作ったほうが
やる気もでるし、面倒でなくていいんじゃねーか?
見向きもされなかったものってことだし。
現WIKIやまとめ、作品中にでてきていないものは
気に入った人が過去ログから拾い上げて
スレに貼り付けるか、辞書に登録するでよくね?
156 :
ほんわか名無しさん:2005/06/21(火) 20:34:58
cgiでやる意味が分からない
>>156 みんなにもまとめ参加を気軽にしてほしかったり気軽に矛盾とか気にしないでいい場所作りたくね?
wikiってなんとなくだが大変なイメージがあるorz
158 :
ほんわか名無しさん:2005/06/22(水) 08:49:16
>>156 cgiだったらwikiよりも融通がきくからじゃないかな。多分。
中身をいじってプログラム作り替えたりできるし。
159 :
ほんわか名無しさん:2005/06/22(水) 14:04:56
160 :
ほんわか名無しさん:2005/06/22(水) 14:59:48
どうせここでゆっくりと滅びていくんだからどうでもよくね?
それより冷えていく場所で作品を書き続ける方がかっこよくね?
161 :
ほんわか名無しさん:2005/06/22(水) 15:23:25
くねくね?
162 :
ほんわか名無しさん:2005/06/22(水) 16:22:11
>辞書の人
辞書管理大変でない?
俺、手伝うよ。
163 :
長文ゴミン:2005/06/22(水) 21:50:43
ごめ、7月中旬まで忙しい予感。
ここには一応毎日これると思うけど
できることは軽作業に限られてるかと思われ。
テスト期間中だけどフラ作ってまた宣伝はするつもり(自爆
ただ、まとめのほうが疎かになるとは思うので。
辞書管理は許可するだけなので大丈夫ですよ
むしろ管理というより投下のほうをたのまつ。
164 :
ほんわか名無しさん:2005/06/23(木) 00:14:03
>>163 ん。
でも、やっぱりタイムラグが出ちゃうのが結構辛い。
登録してる単語しかリンク貼れないみたいだし。
で、投下は頑張ってやるお!
>>163も忙しい中無理せずガンガレ。超ガンガレ。
165 :
ほんわか名無しさん:2005/06/23(木) 05:26:46
もともと許可制だからタイムラグはでるものだと思う
だからその点wikiのほうがいいとおもう
でも俺の理想的なものは掲示板っぽい投稿フォーム
166 :
ほんわか名無しさん:2005/06/23(木) 14:39:53
辞書は見づらい。許可制とかよくわかんね。
WIKIは弄り方がわかんね。今在るのも放置中だし。
ツリー形式の掲示板も手だとは思うけど
どうなの?
>>165が作ってみてよ。
もっと簡単なのないのかな?
167 :
ほんわか名無しさん:2005/06/23(木) 20:32:22
そういう形式とかをきちんとしてったらいいもの作れそうだね
あの辞書のCGI、タイムラグなかったら最高なのにな
とりあえず保守。
体調崩したけど、なんとかあげたい〜
169 :
ほんわか名無しさん:2005/06/25(土) 11:45:43
がんばれ
>>38-41の続き 9話
5月29日 午後1時 カンディア西方・ガーラの森
「これからどうしよう」
里佳は、黒くひろがる森の奥をみながら、呟いた時。
(きゅ―― )
搾り出すような音を耳にして振り返ると、佐奈が顔を真っ赤にしながら、お腹を
押さえている。
「いやっ…… 聞くなぁ」
恥ずかしさのあまり、小鳥のような悲鳴をあげて、俯く少女を一瞥すると、
里佳はしゃがんでバッグの中から箱を取り出した。
「これ食べて」
スティック状の栄養補助食品を佐奈に渡す。
「里佳ちゃん。ありがとー」
少女は、あどけない顔に嬉しそうな表情を浮かべて頬張る。しかし、
「こほっ、こほっ」
と、喉に詰まってむせる。
「はい。水」
事態を予測していた里佳は、用意していたペットボトルを渡してやる。
「すまないねえ」
「それは言わない約束だよ」
「時代劇の見過ぎだね 」
「でも、食料は探さないといけないよ」
「そだね」
里佳は頷いたが、彼女のバッグの中には、食べ物がまだ少し残っている。
長身で、まずまずの美形、スポーツができ、何よりも女の子に優しいという理由で、
共学にも関わらず、里佳はやたらに女の子にもてる。
よって、好意を寄せる女生徒から、折に触れてプレゼントを貰うが、里佳が甘い物に
目がないことを皆知っているので、彼女達は、家庭の授業で作ったケーキやら、自宅で
焼いたパイやらを持ってくる。
今日も下級生から、お手製のミルフィーユを貰ったばかりである。
普段は、隣に歩いているテールの少女の視線に、冷や汗をかきながら受け取っているが、
異常事態となっている今回ばかりは、佐奈にとっても大切なエネルギー源と
なるはずだ。
「里佳ちゃん。もうちょっと開けた場所にいこうよ」
「うん」
とりあえず、薄暗い森の中を出ようという結論に達して、見つけた小道を東に進む。
鳥の囀りや、小動物の鳴き声がこだましている中、物珍しそうに周囲を見渡しながら
歩いていく。
「朝、里佳ちゃんが言ったとおりになっちゃったね」
「うーん。本当にトンデモ本の世界だ」
里佳は感慨深げに頷いたが、同時に、本の内容がほとんど再現されたことに対して
少なからず疑念を抱いている。
(あの本、怪しい)
ただ、今の時点では、いたずらに親友を心配させるべきではないとの判断から、口には
出さなかった。
10分程歩くと、前方を塞いでいた木々の隙間が空いて、急速に視界がひろがった。
「うわあ、見てよ。里佳ちゃん」
佐奈は、展望台の様になっている岩場に躍り出て、歓声をあげる。
「危ないよ」
少女の後を追った里佳も、思わず息をのむ。
足元に広がる黒い森の麓には、小さな街の建物の幾つかがくっきりと見え、やや遠くには、
大きな城壁に囲まれた都市を望むことができる。
背後には、濃い青色した海面が広がり、なだらかな曲線を描く水平線が、海と空を
隔てている。
「海だよ。うみがみえる! 」
「いい景色だね」
岩場に座った佐奈に寄り添うように、里佳も腰をかける。
「佐奈…… 少しこのままでいい? 」
「うん。いいよ」
里佳は少女の肩に身をよせた。柔らかい感触とともに、少女の体温と、微かな汗の匂い
が鼻をくすぐる。
初夏のゆるやかな風が二人の少女の頬を撫でて、髪とセーラーが微かに揺れる。
青空に浮かんでいる、白い雲が流されて、眼下に広がる地面の所々につくられた薄い
影を動かしていった。
5月29日 午後4時 カンディア
マゼンダの家を辞去したニコルとティナは、西に傾いた日差しを浴びながら、自宅へと
向かっている。
「うーん、疲れた〜 」
少年は大きく伸びをすると、周囲を見渡しながら言った。
道路脇に雑然とならんでいる露天街はそろそろ賑わいを見せ始めている。
「マゼンダさんは、ああいったけど…… 平和そのものだね」
露店の一つには、南国産の果物が所狭しと、並べられており、物欲しそうに葡萄を
眺めている子供の手を母親が引っ張っている。
隣の店では、腰が曲がったお婆さんが店主に、ジャガイモの値引きを大声で要求して
いる。
「でもっ 」
ティナは、首を振りながら強く言った。
「小母さんがいい加減な事をいうなんて絶対、ない」
「…… 」
綺麗なのに表情の変化に乏しいのがもったいないと、時々言われるティナには
珍しく、生の感情がむき出しになっている。
「私、マナがあるところへ行く」
黒い瞳に決意の色を見せて、拳を強く握り締める。
「すごく遠いよ」
「分かっているわ。行きたいのは青い光の場所。あそこなら半日もかからない」
「確かにそうだけど…… 」
ニコルは言葉を濁した。わざわざ危険に飛び込んでいくようなものではないか。との
思いが喉元から出かかる。
「これ以上、巻き込むつもりはないから」
冷たく突き放すような言葉だったが、幼馴染みの横顔に一抹の寂しさを見出した
少年は、声を振り絞る。
「僕も行くよ」
「でもっ 」
ニコルは、少女の手を握り締めながら言った。
「これは、僕の意志だから」
「…… ありがとう」
少女の瞳から零れた涙が、乾いた地面に微かな跡をつけた。
絵師さんマダー?チンチン
>>170-174の続き 10話
5月29日 午後6時 アルティナ
アルティナの街は、カンディアから7里ほど離れた宿場町であり、都市国家カンディア
の領地の西端に位置している。
街は山脈の入り口に位置しているため、旅人に必要な装備を整えることができる様々な
施設が整っている。メインストリートには、武器や防具を売る店、道具屋、薬屋、そして、
宿屋等が立ち並び、小規模ながら、なかなか賑わった街である。
「里佳ちゃん〜 疲れたよ」
汗まみれになった制服が、べったりと身体に纏わりつき、疲労と不快感が重くのし
かかる。岩場から見下ろした時は、手に取るように近くに見えた街だったが、実際に到着
した時には夕方になってしまっていた。
「文句言わないの」
里佳も疲れているが、基礎体力の差は明白で、佐奈ほど大きなダメージを受けては
いない。
「せっかく街についたけど、どうすればいいか分かんないよ」
「だから、落ち着きなさいって」
街の入り口を示す門の前で、佐奈をたしなめると、再びバッグのチャックを開けて、
茶色い粉末が入ったガラス瓶を取り出す。
「何それ? 」
「まあ、見ときなって」
里佳が街の中に入ると、早速、通りを歩く三つ編みをした少女に声をかける。
「ごめん。道具屋ってどこかな」
「あ、あの…… 」
長身の美少女に甘い声をかけられた、女の子は顔を赤くして頷く。
「あちらにあります…… ついてきてください」
俯きながら、里佳を促した。
(里佳ちゃんの女ったらし! )
心の中であげた叫び声は、当然ながら届くことはなく、二人はどんどん先に進んで
いってしまう。
慌てて後を追いながら、根本的な疑問が胸にこみあげてくる。
(そもそも、どうして、日本語が普通に通じるのよ)
しかし、佐奈が疑問を解消する間もなく、少女は古い建物の前で立ち止まった。
「あの…… ここです」
「ありがとう。ユリナちゃん」
手を取りながら囁き、名残惜しそうにしている少女と別れると、里佳は扉を開いた。
「いらっしゃい。おや、妙な格好をしたお嬢さん方だね」
分厚い眼鏡を直しながら、白い顎鬚をたくわえた老店主が呟いた。
「こんにちは〜おじいさん。ここって、お店の人が買ってくれたりもするんだよね」
いたってフレンドリーな調子で話しかけると、店主は頷いた。
「ああ、そうじゃが。何を売ってくれるのかい? 」
「これこれ」
先ほど取り出したガラス瓶を見せる。店主は眼鏡を外すと、小さなルーペを取り出す。
「蓋を開けるよ」
少女が頷くことを確認してから、店主は蓋を外した。
そして、ガラス瓶に鼻を近づけて匂いをかぐ。
一連の作業を黙って見ているが、何をしているのがさっぱりわからない佐奈は
ただ見続けることしかできない。
「ん…… 純度高いね」
一言呟くと、奥の棚の鍵を空けて、中の物を取り出す。
「これくらいじゃな」
(き、金貨だああ)
紋章が刻まれた、3枚の眩い光を放っている高額そうな貨幣に、佐奈は息をのむ。
「ありがと、おじいさん」
一方、里佳は小さく笑うと、ガラス瓶を渡して、金貨を懐に納める。
「佐奈。いくよ〜 」
「お嬢さん。また来なされ」
「どういうことよ? 」
街のメインストリートを闊歩しながら、佐奈は里佳に問いかける。先程から
自分の分からない所で事態が進みまくっているのを、呆然と眺めているのは、
何とも腹立たしい。
「分かったから、その前に落ち着こうよ。流石に一息入れたいよ」
「でも、どーするの。お金持ってないよ。あっ」
さっき入ったお店で手に入れた金貨を、使うつもりか。
佐奈には分からない文字ではあったが、何となく『宿屋』を連想させる、絵柄が
描かれた看板をくぐり、中に入っていく。
「いらっしゃいませ〜」
受付のカウンターに、茶髪を後ろで結わえた少女が微笑んでいる。
「よければ、ここで泊まりたいんだけど」
里佳はにっこりと笑いながら、少女の手をとった。
(だから、いちいち、なんで女の子の手を握るの〜 )
「あ、はい。是非ともお泊りください」
顔を赤らめながら、はにかんだ少女は手続きの書類を出す。
「ここに、お名前と種族をお書きください」
「種族? 」
佐奈の問いかけに、受付の少女はきょとんとした顔をする。
「あ、あの。ファルンとか、ヒュマンとかそういう事ですが…… 」
(まずい)
佐奈は、顔がこおばる。所詮、いわゆる自分たちは異邦人で、こちらの世界の常識なんか
全然知らない。
焦りまくる少女の横で、里佳が全く動揺をみせずに言ってのける。
「ごめんね。私たち、別の世界からやってきたばかりで、分からない事ばかりなの」
(そんな、真っ正直に言っても信じて貰えるわけないでしょー )
心の中で激しく突っ込みを入れるが、少女の反応は佐奈の予想外だった。
「え、まさか…… 異世界、あの、覚醒種さんですか」
「は…… 覚醒種? 」
「ええ、伝説によると、何十年かに一度、世界が危機に訪れるたびに、覚醒種と呼ばれる
異世界からの来訪者が、ファルネースの、えっと、こちらの世界のことですが、
危機を救ってくれるんですよ」
いきなり、てんぱった事を話しまくる少女は、勝手に納得したようで……
「それなら、お名前だけお願いします」
と、だけ言った。訳の分からないまま、窮地を脱した佐奈がほっとする間にも、里佳と
少女の会話は進んでいく。
「私は、立沢里佳。里佳の方が名前ね。」
「はい。お隣の方は?」
筆を軽やかに走らせながら、受付の少女が尋ねる。
「この子は松崎佐奈。佐奈が名前」
「ありがとうございます」
チェックインを済ませると、少女は薄茶色の瞳を輝かせながら言った。
「こんなところで、覚醒種さんにお会いできるなんて、本当に感動です」
(おーい)
羽根を生やして、遠くの世界に飛んでいってしまいそうな表情の少女を、佐奈は呆れながら
眺めているが、里佳は何気ない口調で尋ねる。
「この世界って危機にあるの? 」
「そういう話は聞いていませんね。ただ…… 」
小首を傾げながら、声を潜める。
「最近、カンディア、あっ、東に少し歩いたところにある大きな街ですが、兵士の警備が
厳しくなっているんですよ。何かあるかも知れませんね 」
「それは、確かな情報なの」
「ええ。城に出入りしている友達から聞いた話ですから。確実とは言えませんが、かなり
信憑性が高いかと。では、そろそろご案内させて頂きますね」
小春日和のような笑顔を浮かべながら、少女は立ち上がった。
二人を連れると階段を上がって、右に折れて3番目の扉で立ち止まり、鍵を出して捻る。
「こちらです」
八畳程の広さに、机と椅子。大きなベッドが置かれている。
「それではごゆっくりお過ごしください」
「いろいろと、ありがとう」
里佳が丁寧に礼をいう。
「いえ、お役に立てることがありましたら、このサリーナになんでもお申し付けください」
尊敬の気持ちを瞳に表しながら、一礼して少女は退出した。
「はあああ…… 」
ベッドに身を投げ出しながら、佐奈は大きな溜息をついた。
「なんか、とっても疲れた」
心身ともにぐったりとなった佐奈は、暫くベッドにうつ伏せになっていたが、
やがて、疲れた身体を引き押して言った。
「さあて、教えてくれるんでしょうね」
「何を? 」
きょとんとした顔で問い返す、里佳の顔がとっても憎たらしい。
「今までの事、全部よっ」
「ほへ」
「ほへっじゃないわ。いきなり違う世界に放り込まれて、どれだけ、私が慌てたか
知ってる? 」
肩で息をしながら、佐奈は叫ぶ。
「そんなに興奮すると、血圧上がるよ」
「どーして里佳ちゃんはそんなに冷静なのよ! 大体、なんで言葉が通じるのよ!
そもそも、コショウが金貨に換わるなんてありえないよ! なんでさっきの女の子は
あんなにあっさりと、私たちが異世界から来たっていう、戯言みたいな言葉を
信じちゃうのよ! 」
力の限り絶叫して、佐奈は大きく肩で息をする。
違う世界に飛ばされる事だけでも、充分な衝撃だったが、この街に着いてからも、
彼女にとっては信じがたい事の連続だった。
更に、慌てまくる佐奈と対照的に、里佳が異常な事態に全然動揺せずに、落ち着いて
対処できていることがすごく悔しい。年齢が一緒なのに、何故私だけがこんな子供っぽく
ムキになっているのかと思うと、本当に腹立たしい。
「困ったな。そういうつもりじゃなかったのだけど」
里佳は少しだけ憂いを帯びた笑顔をみせながら、頭をかく。
「この世界に来て戸惑っているのは私も同じだよ」
「でも、里佳ちゃんは何でも知っているようにみえたわ」
「じゃあ、一応さっきの質問を、順をおって説明しようか」
「うん」
佐奈はベッドに腰を落としながら頷いた。
「まず、最初になんで私が佐奈より冷静かっていうと、やっぱりあのトンデモ本の話
かな。あの本と、あまりにも事態がそっくりだったのよ」
「そうなの…… 」
「次に言葉の件。これはね。正確に言うと街の人たちの口の動きは、日本語のそれじゃ
ないわ」
「どーいうこと? 」
「佐奈。あなたも、受付の子の言葉を理解できたでしょ」
確かに、佐奈にも彼女の話がきちんと分かった。覚醒種とか、ファルネースとか、所々、
意味不明な単語があったが、おおよそ理解に苦しむことはなかった。
「どちらかっていうとテレパシーの範疇に入るかもしれない。受付の子、サリーナって
いってたっけ。彼女が言った現地の言葉が、何らかの作用で日本語に自動変換されて
直接、脳に伝わると考えることが、自然だと思う」
いつに無く真面目な口調で、里佳は続ける。
「そして、3番目はコショウが金貨に換わった件よね」
「うん。あれ、スーパーで398円で売ってたと思う。絶対におかしいよ」
「佐奈、ちゃんと世界史の授業受けてる? 」
ちょっと溜息を付きながら、里佳は言った。
「この世界は、異世界といえども、元の世界では中世あたりってことは薄々感じてはいた
でしょう」
「確かに」
「だったら、答えは簡単。胡椒を始めとする香辛料はこの時代では大変な貴重品なのよ。
原産地から離れているとすれば、尚更のことね。交通手段が発達していない時代では、僅
かな量の胡椒でも、金貨数枚に値するというわけ」
「あ…… 」
世界史を単なる暗記科目と思い込んでいた佐奈は、驚きの表情を隠せない。歴史で得た
知識を異世界で応用するという離れ業を、ためらいも無く実行に移す。頭の回転の速さと
行動力の凄さには、ただ舌を巻くばかりだ。
もっとも、何故里佳が、わざわざ胡椒をバッグに入れているのか疑問に残ってはいたが。
「最後の質問。さっきの受付の女の子が簡単に信用してくれた件」
一息ついて続ける。
「正直いって、これについては良くわからないわ。でも、幾つかのことを推理することは
できる」
「どういうこと?」
「まず、覚醒種っていう言葉。これは異世界からの来訪者って意味だと思う」
「うん…… 」
「伝説って言っても、『種』ということから、他にも私たちのような存在がいるってこと
だと思わない? 」
「確かに、そうだよね」
「たぶん、サリーナがファルネースって言っていたこの世界と、私たちが住んでいる
世界はどこかで繋がっているはずよ。だから、今回は私たちは飛ばされてこちらに来た
けれど、また、元の世界にもどることが出来るはずよ」
「元の世界に戻る…… 」
佐奈は今まで、全く違う世界に飛ばされたこと自体に戸惑っていて、戻るということ
までは考えが及んでいなかった。
「里佳ちゃん。もし、戻れなかったどうしよう」
家に残してきた両親や、妹の、あかりの顔が浮かんできて、急に不安がこみ上げて
しまう。
夕食時になっても帰ってこない佐奈を、さぞかし心配しているだろう。だけど、ここから
携帯が通じるはずもない。
「根拠はないけど、大丈夫よ。こういう場合は最後はハッピーエンドになるって決まって
いるんだから」
柔らかい口調で言って、佐奈の頭の上に手を載せた。
「本当!? 」
不安そうに、大きな瞳で見上げる。
「うん。それより、せっかく珍しい体験をすることができるんだから、大いに楽しま
なきゃね」
からからと笑う里佳によって、胸に巣食う不安が少しだけ取り除かれたような気が
する。
「そろそろ夕食に行こうよ。屋台が並んでるんだって」
「あ…… うん」
素早く身支度を整えた二人は、随分と柔らかくなった日差しを受けて紅く染まった、
アルティナの街に飛び出していった。
186 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/06/26(日) 22:33:09
とりあえずどぞ〜あんまり話すすんでないけど。
>>169 ありがと。気力でたよ。
>>175 絵が書けるといいんだけどorz
187 :
ほんわか名無しさん:2005/06/26(日) 23:14:26
おつかりー
188 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/06/26(日) 23:34:39
>>187 その一言で癒された。ありがとう。
新規参入のひときて欲しいけど、
難しいのかな……
189 :
ほんわか名無しさん:2005/06/27(月) 00:18:05
人が少ないからね
のんびりまたーりまつべし
190 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/06/27(月) 00:40:52
>>189 確かにあわてても、仕方ないか。のんびり待ちます〜
191 :
ほんわか名無しさん:2005/06/27(月) 01:17:19
VIPと比べると人数は圧倒的に少ないけど
これでも多いほう。
地道に宣伝活動でもしますかな
VIPに創作スレがないと思ったら移動してたんだな
忙しくて、今は読めてない状態だが
おまいらの書いた話は好きだゼw
またまとめて読ましてもらうわw
>>192 もしかしたら、VIPで参加していた人で、板移転したことを
知らない人って結構いるのかな。だとしたら、とてももったいない
話だけど。
194 :
ほんわか名無しさん:2005/06/27(月) 19:31:50
もうみんな飽きたんだよ。
君がいつまでもしがみついてるだけ。
195 :
ほんわか名無しさん:2005/06/27(月) 20:13:19
>>193 もったいないけど仕方ない
適当にすっぱり切ったほうが良かれ。
いつまでも未練たらしくVIPにこだわるのは良くないかと思われ
196 :
裸の人 ◆UpZvNGvz2o :2005/06/30(木) 15:58:15
たどってけば気づくお。
漏れは忙しくて見守ってるしかできないが、いつでも皆の作品を見守ってるお^^
ずっとカキコしてなくてスマソ。
うはww
全然進んでナス??
皆がんがってくれよww
オレおまいらの作品スッゲー好きなんだけどww
198 :
ほんわか名無しさん:2005/07/01(金) 23:55:34
VIPに戻るならしっかりしたまとめをしといたほうがヨス
たしかにVIPでやってた頃が恋しくなってきたww
199 :
ほんわか名無しさん:2005/07/02(土) 16:51:45
VIPと平行してやるっていうのは?
200 :
ほんわか名無しさん:2005/07/02(土) 22:38:22
いいと思うよ。
ただ、しっかりとまとめられる人間がいなければ結局は同じかも。
前誰かが書いてた小説とか辞書のCGIを有効活用していく?
201 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 04:40:41
神のない時…人はどこからきて、どこへ行こうとしているのか…すべては世界「アルガッターリエ」のみ知る…人の祖先「ヒューズ」…世界はこの種族から始まる…なんちって(笑)
202 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 08:34:52
久々にまとめ更新
203 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 13:25:13
ここどれくらい見てるんだろう?
204 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 14:47:09
5人
205 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 15:29:12
その5人がスタッフ的な事(てかめんどい役)を引き受けたらいいんでない?
206 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 16:10:15
小説をフラッシュでめくれるようにしたらいいとおもう?
207 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 16:10:40
作者さんの希望があればいろいろと手を加えられるし。
どうだろう?
208 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 16:17:56
そういうの楽しいな。
ってかおまい本当に頑張ってるな。
尊敬に値する
209 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 18:44:06
210 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 18:44:24
うはwwww直林スマソwwwwwwwwww
211 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 20:06:53
ドンマイGj!
212 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 20:21:47
昔々ファルネースというところにオジィマンとオバゲリオンがいました。
213 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 21:38:40
ファルネースではオカマバーが大人気でです
214 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 22:24:30
もりあがって参りますた
215 :
ほんわか名無しさん:2005/07/03(日) 23:53:43
ねぇよwwwww
216 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 01:00:44
2スレ目以降見失っていた僕が遊びに来ましたよ
もう時間だからvipに帰るね
217 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 01:01:42
帰ってきてフラッシュ見た。
なんかすごい良い感じだなw
これで背景とかデザイン出来る人がいたら最高かもな
おい、おい、おい!!
なんでほの板にこのスレがあるんだよ!w
何となくこの板巡ってたら偶然見つけてビビった!
他の絵描きさんたちはまだ誰も来てないっぽいな。オレが一番乗りか!
219 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 02:18:15
220 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 02:29:14
絵師さん帰ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
ワwクwテwカwしwてwきwたwwwwっうぇ
しかし、移行を知らない人もいたんだな、やっぱり
>>198-200辺りにもあるけど、まとめ回りを整えてから戻る方向かな
>>209さん作成の新兵器もあることだしNE!
221 :
1 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/04(月) 07:58:55
俺も来ましたが何か?ww
いや、ずっと張り付いてたけど。
俺もVIPに戻っていいと思う。
でもこのままポコッと戻ったんじゃ設定ばかり進んでまとめきれない前の状態に元通りだとも思う。
だから俺も少し考えた。
・有志のスタッフ(まとめる作業とかする時に登場。小説うp、設定考案とかは名無しor別コテで登場)何人か作る案
・小説、辞書のCGI使ってみんなでこまめにまとめていくことを必須(テンプレ書き)にする案
出来ればどっちもあれば少なくとも前よりは上手く回ると思う。
ちょっと忙しい人でも何人も集まればある程度はここに張り付いていられるはず。辞書の更新作業とかも早くなるし。
まあ、作品でも書きながらまったり話し合っていこうぜwww
まだ700レス以上も残ってるんだからwwwww
222 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 14:00:29
メンバーがそろいつつあるな
223 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 15:35:12
ここからどうするかだな
224 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 17:08:56
とりあえずアイスくう
225 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 17:22:35
>>226 ほのぼのと文章作りたいからジャマイカ?
「文芸」っていうほど堅苦しくしたくないのもあると思うけど。
メール欄に萌えた。
228 :
ほんわか名無しさん:2005/07/04(月) 19:46:43
今日はけっこう書き込み多いな
230 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 01:04:01
何か知らんがワクテカしてきた
231 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 02:02:33
>>209さんのフラッシュがイイアクで紹介されている件
凄い宣伝だな
フラ板外で晒されてるフラもイイアクに載るのな。
さてこれからどーするよ?
なんか描くかい?
233 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 11:31:00
長編の続きを書きたいけど時間がない件orz
>>232 わくわく(・∀・)
234 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 13:00:20
俺も独自に辞書CGI弄んでいたけど広告が邪魔で見えないorz
違うサーバーで取り直すかな…。
235 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 13:22:43
>>231 それすごくね?
>>232 ひさしぶりの絵師ワクテカ感wwww
それで考えたんだが、ロゴとかバナーとかあったらよくね?
出来そうならみんな考えたら素敵www
いっそのこと新都社みたいなシステムにしたらよかろうに
237 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 18:28:20
出来るならしてるでしょwww
239 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 20:16:01
>>236 見たけどよくシステムがワカラン
長文でもいいから説明キボン
240 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 21:56:50
>>238 超ワクテカ
>>236 新都社かどっちか忘れたけど個人が結構勝手にうpできて(50pまで。最近100pになったとか)
投票によってランキングとかも分かって更新したら作品が一番前に来て。とかじゃね?
241 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 22:17:57
スレでやる意味なくね?w
242 :
ほんわか名無しさん:2005/07/05(火) 23:54:08
スレでやってからそっちに上げるとかにすればよくね?
設定とかを話し合いたいときもあるだろうし。
243 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 00:19:05
結局まとめでいいかと。
244 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 00:29:37
一度作ることによってまとめの人が負担減るならそれでもいいとは思うけど。
本格的だと人の目も引きやすいだろうし。
でもそのくらいのメリット以上のものはなさげだから作ってくれる人がいたら作ってもいいんじゃね?くらいの希ガス。
245 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 05:11:08
おkwwwww
よく俺でスレストwwwww
246 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 08:11:11
あるあるwwwww
247 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 12:37:47
248 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 18:47:20
まとめが機能してない点がこのスレの悪いとこr(r
大体の流れはまとめサイトに書いといて辞書に細かい用語とかのっけて行くのがベストな感じか?
249 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 20:01:15
まとめが機能していないというと?
250 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 21:38:47 BE:148913055-##
-終-
参加させてください。
でも、ここで活動するには今までのスレをすべて網羅する必要があると感じました。
まずは、全て読んで皆さんが、どんなこと考えていたのか
どんな設定があるのかを頭につめてからにします。
ところで、17氏族はお互い知り合いなんでしょうか?
例えば、古すぎて正しく記録に残ってはいないが
全員で協力して魔王を倒した、という過去があるなど。
魔王たくさんいるからな。
17氏で●●と××は知り合いで共同で魔王倒しましたとかあるだろうけど
互いに知らんかった氏も結構いると俺は思ってるんだが。
俺の妄想は「全員協力でない」が前提なんだけどな。
そういやその辺定義されてたっけ?
253 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 23:15:56
されてナス。
でも、17対1でボコボコではないだろうと思うwww
魔王ファルネースを倒すときにはけっこうな人数が集まって倒したかも知れないけど。
254 :
ほんわか名無しさん:2005/07/06(水) 23:26:10
魔王倒すときの協力する姿は定義されてナス。
そして17人が揃って魔王退治も無理がありそうっちゃありそうだよなww
でも最終決戦の時とかにはちゃっかりある程度の始祖が集まって「こいつは俺達に任せろ」的な事を妄想しますた。今の流れでwww
それで考えもしたんだが、聖獣やら神獣やらに力を与えられても心半ばにして散って行ったヤシがいてもいいような気がした。
255 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/07/06(水) 23:31:09
>>251 気楽に入ればいいと思うお。
実は、17氏族の事全然考えてなかったりw
個人的には、みんなが力を合わせて、ようやく倒せる程、魔王は物凄強かった、
くらいに思ってる。
>>254 昔読んだ本は、最終的に魔王の間に入れるのは6人までだったけど、
人数制限があるかもしれんね。
うはwww2重カキコゴメスwww
>>251 ようこそようこそ。
こんな状態だがまあまったりとやっていこう。
>>フラッシュの人
あの辞書改良したやつ上げてみても良い?
楽しそうだし色合いとか項目とか題名とか改良したやつ作ってみたww
>>255 まあ、魔王ファルネース=マナの圧縮体だとどれだけ弱く見積もってもめちゃくちゃ強いから平気だおwww
いや、他の魔王は知らんけどwww
258 :
ほんわか名無しさん:2005/07/07(木) 02:59:20
259 :
ほんわか名無しさん:2005/07/07(木) 03:01:51
サンバイザーのりこ
260 :
ほんわか名無しさん:2005/07/07(木) 03:57:09
正直17氏族全員がいったんじゃなくて4〜6人にしとけば上手く話がまとまるかな?
全員がいったら普通に警備が薄くなるからってことで。
261 :
ほんわか名無しさん:2005/07/07(木) 05:40:12
一つの小説で書けそうなのもそれくらいだしな。
他の人が違うパーティ(守ってる側)の視点から書いてみても面白そう。
262 :
ほんわか名無しさん:2005/07/07(木) 23:15:43
やっぱり俺でスレストwww
263 :
脇の小話 ◆5xcwYYpqtk :2005/07/07(木) 23:55:21
>>262 スレスト具合なら負けないぜw
>>257 魔王を倒したら、マナがなくなる。と、いうことは実はマナがある
「魔法時代」は、魔王はどこかで生きている。
17氏族は魔王をどこぞ封印しているに過ぎない。
……みたいにおもてるが。
264 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 00:23:38
>>264 で、俺は暗黒時代の直前に魔王ファルネースが倒されたこともマナ枯渇の原因の一つと思っている。
265 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 00:53:08
そういやマナってテイルズオブシンフォニアとテイルズオブファンタジアにもあったな
266 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 00:56:34
シンフォニアとファンタジアにも枯渇ってあったしィ
267 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 00:59:09
自己レスorz
268 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 01:03:40
ヒント:散々聖剣伝説って言われてる
269 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 02:37:12
そもそもマナは、科学が発達する前に考えられていた宇宙物質のことじゃ中田っけか
270 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 03:27:51
宇宙物質はエーテルじゃなかったか?
なんかどっかの宗教にある言葉だった希ガス
271 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/08(金) 05:36:32
272 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 05:42:09
あ、登録要請するのは誰でも出来るから
ID:farness
PASS:vip
で登録要請してくれ。
ちなみに書式リンクを上手いこと使うと素敵な辞書になりそうだ。
書式リンクは辞書の登録欄に載ってるから参考にしてくれ。
273 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 15:14:30
まったりと点呼
274 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 15:32:14
やっと見つけた・・・
現状を三行でよろしく
275 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 16:03:07
ようこそ
まとめがまったり
まとまってきた?
276 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 16:12:31
>>275 thx
自分にできることは何だろな
辞書編集でも手伝ってみるか
それともいっちょ新作書くか
277 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 16:28:42
おっぱい
おっぱい
おっぱい
好きな事をやったらよさげ。
今はどっちも人手足りてなさげだしww
どちらかというと小説をいっぱい読みたいwww
278 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 22:24:30
おっしゃー
テスト終了、自由の身だぜー
寝るぜー
279 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 22:31:14
やっぱり気付いてない人けっこういるみたいだな
280 :
ほんわか名無しさん:2005/07/08(金) 23:42:26
>>278 matari乙彼 ってかほの板でやってたんかw
VIPだとばっか思ってた
281 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 02:10:47
気がつけばここにいたww
282 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 03:42:16
283 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 03:46:04
ほのぼのしにてぇ
284 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 03:58:39
ハッと気づいたら天国だった。
そんな死に方してみたい・・・
285 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 04:01:12
仮名返上
286 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 04:06:55
他を追われたスレがほの板に集まる件
追われちゃいない
288 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 14:42:34
転進だよ転進
とりあえず創作してみる
>>176-185の続き 11話
5月29日 午後8時 カンディア
日差しの名残りが完全に消え去り、虫たちの鳴き声が騒がしくなり始めた頃、ニコルは
父親に、ティナと一緒に明日の朝、街を出ることを告げた。
「マリーナ、ちょっと来てくれ」
息子の思いつめた顔に、重大な決意が秘められていることを知ったカルロは、台所で皿の
汚れを落としていた、妻の名を呼んだ。
「どうしたの? 」
エプロンの裾で濡れた両手を拭きながら、急ぎ足で戻ってくる妻に、席に着くように促し、
少年に向き直る。
「ゆっくりでいいから、正確に言いなさい。何が起きたんだ? 」
少年は頷くと、今日起こった出来事を静かに話し始めた。
少しだけ長い話が終わると、カルロは、眉間に皺をよせながら尋ねる。
「ティナちゃんを、全力で守れるか?」
「うん」
息子の迷いのない返事は、カルロの心に期待と不安を同時に抱かせた。
父親の贔屓目を無しにしても、息子の責任感は強いとカルロは思っている。
しかし、責任感と、実際に発揮できる能力との間には、あまり関連性がないことを、
兵の指揮官という仕事上、知り過ぎるほど知りぬいていた。それだけに、自分自身の
心の奥に巣食う不安を一時的にでも抑え込む為に、もう一言、念を押さずにはいられ
なかった。
「一歩、街から外にでれば、父さんは助けてやれないぞ」
「覚悟してる。たぶんティナも同じだよ」
「そうか」
一方、マリーナは不安げな表情を浮かべて、ニコルを見つめている。
わざわざ危険に身を投じるような行為など、息子にはしてほしくはなかった。
しかし、お向かいの『ティナちゃん』を生まれたときから知っており、かつ、少女の
落ち着いた人柄に好感を抱いていた為に、息子の決断に反対することはできなかった。
普段は、会話の途切れることが少ない家族の間に、重苦しい沈黙が続いている。
置き時計と虫の音の他には、時折通り過ぎる家路に就くこども達の歓声が、間遠に聞こ
えるだけである。
最初は上を示していた時計の長針が真下にかかる頃、ようやくカルロは、大きな溜息を
ついて、決断をくだした。
「行ってきなさい」
ニコルの顔がぱっと輝き、すぐに引き締まった。
息子の表情の変化を感じ取りながら、カルロは秘めていた事実を告げた。
「昨日からカンディアの守備兵に警戒態勢を取らせている」
「えっ!? 」
母と子は驚いて顔を見合わせる。
「平和そのものだったけど」
今日一日中、カンディアの街を歩き回ったが、緊張の高まりを肌で感じることは
なかった。
露天街はいつもどおり賑やかで、軒下で寝ていた猫の寝顔も穏やかだった。
「街のギルドや議会の連中はのん気なものだが、俺は軍人だ。さし迫った危険を放置して
おくことはできん」
「じゃあ、マゼンダさんの言うことは正しいんだね」
「正直、半信半疑といったところだ。俺だって未来が分かるわけではないから」
「あなた…… 」
マリーナは気遣わしげな視線を投げかける。
「母さんは、ジョアンと行動を共にしてくれ。万が一の時はガレー船で脱出するように
手はずは整えてある」
「ええ。でも、ニコルはまだ小学生よ」
「12歳といえば、もう大人だ」
敢えて自分を納得させるように言うと、カルロは木製の椅子から立ち上がる。そして、
少し離れた古い本棚の横にある大きなケースを開けて、茶色の袋を取り出した。
「これを持っていきなさい」
開けると、旅に必要となる洗面具、毛布、薬等の生活雑貨の奥に、小さな袋が入っており、
紐を解くと、二十枚の金貨が鈍い輝きを放っている。
「父さんっ 」
隣の大陸と楽に往復できる程の大金を目の当たりにして、思わず唾を飲み込む。
「地獄の沙汰も金次第ともいう。無駄遣いをする必要は全くないが、いざとなったら思い
切って使いなさい。それと、剣を肌身から離さないように」
言いながら、腰に帯びていた短剣を、鞘ごと取り出した。
大人にとってはショートソードの範疇に入るが、ニコルにとっては、長剣といっても
よい長さになっている。
カルロは鯉口を切って刀身を覗き、輝きが失われていないことを確かめると、鞘に戻して
渡す。ずしりとした鋼鉄の重みが、ニコルの掌に直に伝わった。
「お前には、一通りのことを教えたつもりだ。ティナちゃんに、不逞な奴らの指先一本たり
とも触れさせるな」
「うん。分かったよ」
「それと、奥にある筒を開けなさい」
ニコルは、袋の底にしまわれている黒色の筒から、2枚の黄ばんだ用紙を取り出した。
中央にサインが大きく書かれ、右下には、朱印が押されている。
「通行許可証だ。カンディアが所属している東部アナトリア連合はもちろん、連合と同盟
関係にある国にも、自由に行くことが出来る」
「ありがとう。でも、父さん」
感謝で溢れそうになる涙を、懸命に堪えながらも、少年は微笑んだ。
「結局、何も起こらないと思うよ」
「そうだな。親子揃って、取り越し苦労をしているかもしれないな」
カルロは、今日初めて穏やかな笑顔をみせて、息子の髪をくしゃくしゃにした。
コソーリ投下。難しかった。
>>271 乙彼様。申請したほうがいいのかな。
295 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/09(土) 23:13:18
実はリアルタイムで見てたw
日付変わる頃には帰宅できると思うからそこで更新作業やらするお。
俺、たまに大幅に家を開けたりするから辞書を機能させるには複数の管理人が必要とは思っている。
いや、許可して更新するだけの作業ですが。
296 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 23:48:46
DJ缶ヌ
297 :
ほんわか名無しさん:2005/07/09(土) 23:49:32
誤爆失敬
ドンマイヌw
300 :
ほんわか名無しさん:2005/07/10(日) 01:35:37
いまからみてみるわ。
ちょっとだけ待ってて。
301 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/10(日) 01:42:06
返信しますた。
302 :
matari@FLA ◆dClg0z.eM2 :2005/07/10(日) 17:43:02
今さっきHTMLとCSSの本買ってきた
これでまとめサイトパワーアップさせるアルヨ
ついでに調子乗ってコテもつけてみたよ
303 :
ほんわか名無しさん:2005/07/10(日) 18:48:29
>>302 もう正式にまとめサイトでいいんじゃね?
304 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/10(日) 22:58:03
まとめサイトだよ。
305 :
ほんわか名無しさん:2005/07/11(月) 00:33:36
俺が帰ってきましたよ
>>302 めっちゃワクテカww
306 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/11(月) 00:55:41
>>305 誰だよwww
と突っ込んでみる
ごめんなさい、CSSわからなさ過ぎるw
週末までには根性で仕上げたいwww
ここで妥協したら負けな希ガス
明日学校なので寝ます、おやすみ。
307 :
ほんわか名無しさん:2005/07/11(月) 00:58:30
>>306 それは秘密www
学校ガンガレ。で、CSSの夢見てくれwwww
308 :
ほんわか名無しさん:2005/07/11(月) 16:34:10
書くことはないがとりあえずカキコ
309 :
ほんわか名無しさん:2005/07/11(月) 23:20:12
ただいまカキコ
310 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/12(火) 02:07:36
俺も来ますた。
311 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 02:12:32
おはようちゃーん
312 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 02:27:46
恋を語らず何を語る?という世の中ですが、
このコピペを必ず5つのスレに書き込んで下さい。
あなたの好きな人に10以内に告白されます
嘘だと思うんなら無視して下さい。
ちなみにあなたの運勢が良かったら5日以内に告白&告白したらOKされます
313 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 02:52:27
またちょっと単語増やそうと努力するわww
>>311 またりおはノシ
314 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 03:04:34
315 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 04:15:00
今から努力するおwwww
>>313 辞書もつなげて欲しいお。
316 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 04:34:27
ヒント:top
317 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 04:49:38
ちょびっと辞書追加完了。
目標:を、ん以外の全ひらがな項目制覇
また次もガンガルノシ
318 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 04:52:01
>>316 あ、右にカーソルずらしたら上下のカーソルがもう一個出てきたwww
早とちりスマソ。
安心して麻雀楽しんでくれwwww
319 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 05:08:58
見えにくかったかのかな。
左メニューに追加しておくよ
320 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 05:19:41
うはwww
時間切れwww
学校いってくるよ ノシ
321 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 05:26:35
>>320 いてらノシ
ちなみに俺の言ってたのは「俺の解像度とかじゃ左右が広すぎて内側のスライドバーに気付かなかった」って感じだ。
他の人は結構普通かも知れんwwww
キァー俺の曲がー
323 :
ほんわか名無しさん:2005/07/12(火) 14:41:39
どうした?
いやまぁ俺の曲が保管されててビビったというお話。
俺以外の曲がないのが怖い怖い
325 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 19:42:26
>>324 未タイトルの奴にタイトルつけてくりw
&次作期待してますよん(*´Д`*)
其の1:Folklore
其の3:昊と荒野と赤色と
其の4:民衆の歌声
うわダサい
曲名発表って非常にこっぱずかしい物があるね
次作は明日からの考査が終わった後、気力があったら取りかかってみる
今でもパソコンのBGMです<音の人
328 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/12(火) 22:00:49
みんなテストだがニートの俺には関係ないぜwwww
マナ使いと、魔法使いの違いが分からなくて苦戦中。
>>328 激しく乙。とても分かりやすくてきれいだお。
多忙なところ申し訳ないけど、「改行方法の統一」をお願いしても
いいのかな。1〜6話がばらばらなんで、7話以降の形にあわせたいです。
改行の仕方は「うpろだ(別窓)」に、あげた物の通りにして頂ければ。
(迷惑だったらスマンコ)
マナ使いと魔法使いの区別があるなら、マナ自体をコントロールして現象を起こすのがマナ使い。
技法を用いて現象を起こすのが魔法使いとか言ってみる。
前者はどっちかってとエスパー寄りなのかも。
>>331 なるほど。ありがたす。
どちらもマナを原材料としているわけで、
マナ使いは呪文詠唱を必要とせず、魔法使いは呪文や、魔力を帯びた道具
を使うという感じか……
ただ俺のイメージ言っただけだが参考になれば幸い。
マナ使いは才能準拠っぽい気がする。
334 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/13(水) 01:52:44
6話が上がらないため、ずっと名無しの酒場です。
ちょっと質問。
>>331の伝でいくと「酒場の話」に出てくるワン老人は、マナで肉体を強化するマナ使い。
ジョシュ学士は、マナを用いた道具を使う魔法使いという分類でおkですか?
>>328 創作意欲がw沸wきw立wっwてwきwたw
次が上げられるよう、もちっと頑張ります。
ところで、もし融通が利くようであれば、私も
>>330と同じように、
変更を加えて頂きたいところです。
前半や一部に足りない所や、変更点がありますので。
モノは「うpろだ」に張ってある物を参考にして貰えると助かります。
忙しいようでしたら、黙殺して下さい。
335 :
ほんわか名無しさん:2005/07/13(水) 02:09:54
>>334 だと思いますです。
それでいいならそれで辞書に書いてみようと思いますです。
336 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/13(水) 02:29:55
>>335 なんら問題ないです。
是非おながいします。
337 :
ほんわか名無しさん:2005/07/13(水) 02:59:23
加えたです。
みんなも気軽にやってくれると激しくうれしいです。
338 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/13(水) 03:11:23
>>337 GJ!
6が上げられたら、自分が勝手に増やした設定を追加してみたいものです。
それまでは、また名無しに戻ってます。
ガンガレみんな。
みんなガンガレ。
339 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/13(水) 12:11:39
>>330>>334 全然OKです。
どんどんいっちゃってください
というかやっつけ仕事みたいになってしまってスマンカッタ。
340 :
ほんわか名無しさん:2005/07/13(水) 15:40:23
盛り上がってまいりますた
341 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/13(水) 19:06:26
とりあえずサイズを小さくしました。(意見、批判などカモン)
あと小説一応うpされているのは更新しました
342 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/13(水) 22:28:15
みますた。
前よりもいい感じですた!
根本的な疑問でスマン。ファルネースって地球と同じくらいの
大きさなのかな(と勝手に思っていたけど)?
>>341 早速、修正してくれてありがとうです。
読み返してみたけど、すごくはずかしかったw
>>338 またーり、がんがって。
344 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/14(木) 00:46:19
>>343 同じくらいがイイネ
分かりやすいし。
おいらも読み返してみたけど、すごい作品だと思われwww
早くVIPに戻りてぇwww
同じくらいな希ガス。
ただいま徹夜明け('Д`)
初めて覗いた
長文読むのウザイっす
読みたい所だけ読んでたら問題ないと思うよ。
さらっと見て長すぎて興味を失っちゃう
読みたいところも何もないよ
それなら仕方ないんじゃね?
>>またり
設定関係頑張ってまとめてまたVIPにも立てるかww
なにはなくともカキコ
351 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/14(木) 22:55:10
規制ダルス orz
352 :
ほんわか名無しさん:2005/07/14(木) 23:02:40
規制乙
てなわけで今から帰宅
354 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/15(金) 00:04:58
乙
電車男の演出に妙にいらついた一日でした
一回も電車男見てない俺は勝ち組
356 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/15(金) 00:40:51
あるあるwww
また俺でスレストだが気にしないで書き込み
359 :
ほんわか名無しさん:2005/07/15(金) 20:08:43
新作が読みたーい
とりあえず今後の展開
・VIPに戻る
・このままマタリ
・VIPと併用
・誰かに展開を任せる
どれなんだろ?
362 :
ほんわか名無しさん:2005/07/15(金) 23:27:54
GJ!!!
帰宅したらすぐ落とすwwww
363 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/15(金) 23:41:29
>>361 GJwww
テスト放置した結果、死んだけどwwwwwwwww
364 :
ayuminiayu:2005/07/15(金) 23:41:43 BE:156882773-
365 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/15(金) 23:55:23
>>360 個人的には3番目かな?
一応避難所あるから1でもいいと思うけど。
>>361 聞きました。凄いなw
>>360 1ヶ月弱で365レスという現状から、vipでdat落ちせずに進めるのは
難しいかと。あと、併用は荒れそうな気がする。
現スレを使いつつ、もう少し様子見がよいとおも。
367 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/16(土) 01:19:27
>>366 いけると思う
理由はもう夏休みに入ったことと、ある程度職人さんが集まったこと。
あとVIPに残された人と合流できればいいかと。
行くなら今の時期じゃないですかね?
>>367 >>365は、あくまで個人的な意見だから、みんなで話し合って
決めてもらえれば〜と思う。
370 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/16(土) 01:52:27
んだなぁ、ひといないけどw
てか、語尾が〜かねってキモイナ・・・(自爆
しかも、最後の一行いらないし・・・orz
371 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/16(土) 04:43:14
俺は昔に誰かが言ってた様なスタッフという名の設定とかのまとめの人が何人かいるのが素敵かもとオモタ。
誰かが忙しくても他の誰かがまとめの代行できるような。
俺はwikiやらはむりぽだったけど一度立ててしまえば操作が簡単な辞書CGIならいけそう。もう一人二人すばやく反映してくれる管理人がいたらなお最高だが。
で、vipに戻ったら俺もテンションとか上がるのは確実なんだけどこのスレを見て協調してくれる人もいたよね?
…だからどうしようwwww
とりあえずスレの基本やテンプレとかをきっちり整備したらvipに戻ってもいけるのかも。今までの設定をどうして行くかとか、文章の問題とかも含めて。
俺はvipに立ててみてもいい気がするお。で、スレの基本はここで決めてvipできっちり守っていこうとしたら案外いけるかも。
372 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/16(土) 12:58:33
>>371 おいらもメール送ってみたお
とりあえず設定は辞書cgiがあるからそっちの方向で。
テンプレはまとめサイトひとつに統一したからすっきりしたはず。
後は最低限のこと書いておkだとおもふ。
飯くった後にまた投下してみるお
vipに移転したら一応こっちは削除したほうがいいかもしれない。
いろいろと批判がありそうだし。。。
避難所はあくまでjbbsの方向でいいと思うよ。
373 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/16(土) 13:48:23
374 :
matari ◆dClg0z.eM2 :2005/07/16(土) 13:49:38
[修正]
まとめサイトなど→辞書
[さらに修正]
皆で『ファルネース』という名のシェアワールド(共有の架空世界)を舞台に創作活動をしてみようっていうスレ
376 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/07/16(土) 14:52:29
修正要請
スレに関する議論などは(こっちでやると荒れるので)専用掲示板で
377 :
ほんわか名無しさん:2005/07/16(土) 14:53:14
んじゃ出かけてくるノシ
とりあえずマターリカキコ
379 :
ほんわか名無しさん:2005/07/16(土) 21:19:47
おれもおれも
さて、どうしよう。
381 :
ほんわか名無しさん:2005/07/16(土) 23:52:27
これは新作を待つしかないんじゃないですかね
かもしれないですね。
とりあえずちょびっとくらい辞書を更新しようと思います。
昨日祇園祭いってきますたwwww
案外疲れは残ってないとです。
今度はphpのお勉強も始めたとです。
世の中なんでもアリです
辞書を書こうとしたら何か書けませんですたorz
プログラムの本、手に取ってみたけどさっぱり。
ヒント:ユーザー登録
良いと思われ。
で、目標とかあった方がみんなもやる気出るかもって意見があったんだが。
目標とかいらないかと。
達成したらそこでオワリだからね。。。
通過点→最終目標(途方もない)とかにすればいいんじゃね?
目標って言うか一応創作活動って言う目的があるからいいんじゃねって思った。
391 :
ほんわか名無しさん:2005/07/19(火) 15:04:07
ちょ 保守
そういえばここは落ちるペースはどれくらい?
2〜3日?
詳しくはワカラン。
何気に昨日に辞書追加
みんなっていつ夏休みなん?
年中www
397 :
ほんわか名無しさん:2005/07/19(火) 21:40:15
8月から。
アシタカラ
明日テストが終われば解放されるはずなんだが
どうして一日くらいパソコンに噛り付かず勉強に集中できないのか
>>395 ないよw
途中でつまったorz
プロットをつくってみよっかな……
>>396 ちょwwwおまwwwwニートウラヤマシスwwww
>>397 後もうちょっとッすね、ガガレ
>>398 あるあるwwww
それで俺悲惨だったwwwww
>>399 ないとかキビシスギスwwwww
創作活動ガガレb
ニート登場www
どうする?VIPに戻るなら他に考えておく事ある?
多分あんまりないよな。
新しい人が入りやすくするための秘策とかないかな
>>401 多分ないかと。
今夜くらいに決行する?
無駄に広げた世界観をそぎ落とし
誰もが楽しめる話の大本を作らないと参加は難しい
本からゲームができるようにね
ごめ、設定を甘く見すぎていた。
んと以下は俺の勘違いだったものだが
設定はマナとファルネース以外はあってないようなものだと思っていたが
それは大きな混乱の元だって言うのを自己補完した
んで、
>>403の言ったことで気付いたのだが、
絶対的な設定(今まで俺の脳内ではマナとファルネースの位置づけ)を
もっと広げなくてはいけないと。
俺だけの勘違いならヌルーしてくれ。
いや、勘違いじゃないと思うよ。
ここだけは押さえておいてしっかり決める設定を決めておく?
俺は、
・マナ
・大体の地理
・17氏族
・各種族(ファルンとか)の大体の強さの基準
くらいは決めておいた方がいいかもって思った。
あと人物かな。
一番やっかいなのが細かい地理。
これは正直把握してないww
でも物語を書く上では必要だからどうするべきだろう?
なんかひさびさに来たww
辞書まとめ乙!
文字化けは俺だけかな?
>>401 メインとなる世界観を、分かりやすい形で、呈示する必要はあるとおも。
秘策はないけど、地味な案を幾つか。
出された作品に対して、積極的にレスをつける。
作品の巧拙は問わないこと。(作品、作者の比較はしない)
細かい矛盾は気にしない。
設定に拘りすぎない。
ネガティブにならない。
くらいかな〜
あとは、
ささいな設定でも積極的に辞書に上げて設定まとめを活性化させる。
作品を素早く反映させられるようにまとめの人が頑張るかそういうシステムを組むか探してくるかする。
等も大事かも。
>>407 おいらは大丈夫だけど・・・
わかんないようだったら他板できくといいと思われ。
>>408 地味だけどソレダねw
とりあえず設定を何とかしないとなァ
>>409 なるほど〜
あと、各所に散らばった、設定をある程度つなげる作業がいるかも。
>>406 地理は重要だとおも。各地の距離感や、地勢、気候、植生等が
あるといいと思われ。
413 :
ほんわか名無しさん:2005/07/20(水) 23:55:22
だよなぁ・・・
地理か
誰か風土記書いてくれwwwwwwwwww
>>412 つなげるのが大変。
とにかく。
地理を何とかせねばwww
>>414 実は、作中でみんな自由に決めているw
例えば、自分の場合、距離の単位を1里=1マイル(1.6キロ)
に勝手に決めて、首都のカンディアから、隣町のアルティナまでを
7里(10キロ少々)。徒歩だと3時間弱。みたいな感じ。(すごく適当)
普通は、脳内の設定は、一々書かないけど、シェアワールドなんだから、
ぱっと、思いついたものを、気楽にどんどこ書き出せばいいとおも。
スレッドを仕切る人も必要ではないか?
空気を読めたらそれでいいかと。
地理の設定で決まっていることはある?
たろいも。
俺、風土記書こうか?全スレとか小説あんまり見ないでやるから設定無視の部分が多々出てくるだろうけどそこは突っ込んでww
俺でスレストス(′・ω・`)
>>416 いろいろ難しい問題。
誰かが決めないと前に進まないが、決めると独断専行…… というジレンマが
ありそう。
>>420 風土記のイメージ掴めてないから、できればお願いしたいお。
でも壮大な作業になりそうだな・・・
みんなでかつかつ書いたほうがいいかもわからんね
複数の人間で仕切れば?
425 :
ほんわか名無しさん:2005/07/22(金) 01:41:01
壮大すぎるのは問題だと思うがなあ
いつまでたってもプレイできるものが出来なければモチベーション下がるよ
とVIPのほかの企画スレにいる人が言ってみたりする
そんなに壮大か?これ。
とりあえず俺オリワとかその周辺について書いてみるね。
427 :
ほんわか名無しさん:2005/07/22(金) 03:30:17
国がな
あんまり縛られると自分の考えてるのが1からやり直しになりそうで怖い
無視していいんじゃない?<俺の作った設定
もしくは先に言ってくれるとそれにあわせて作るけど
>>425 vipでは、何を目的とするかを、ある程度決めておく必要があるとおも。
(ただ、設定に外れた作品を排除する必要は、全然ないけど)
VIP60秒規制とtatesugiで保守しなくてもいいくらいになったな
>>431 その代わり新しいスレたてるの大変になったけどな
ゲーム企画系のスレは今が復活するチャンスかもしんないな
華麗に書き込み
保守がてら
【バンドネオン】
紫色の瞳、漆黒の鱗を持つ超大蛇。神獣。
ただいま、おまいら。
ノ
ノ
久コン
只今マイパソ修復中。
明日か明後日くらいには直るかなってことで報告。(わかんないけどw)
暫く書き込まんですまんかった。
いやいや。みんな乙。
俺も出来る限りがんがるお。
なんならまた進行役でもやるわww
ノシ
ノシ
442 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 00:42:44
こんま状態で一つモノが仕上がったわけだが、見たいヤツいる?
今酔っぱらいながらだから、上手く上げられるかわからないし、
酔っぱらっているから、今しか上げられないいんだけれども。
欲しい
444 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:09:06
>>443 ありがとう。
君がいる限り、酒場の人は話を上げるよ。
酒が続く限り。
理性と酔いが均衡を保つ限りね。
フラれたり、後ろ回し蹴りが鼻に当たって救急されたり、鼻血が止まらなかったり、
鼻が曲がったり、婦女暴行の心の傷の癒し方を考えながらだけど、一本上げるよ。
酒と理性の均衡が続く限りだけどね。
445 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:11:11
その日、行きつけの酒場のである『第二番飯店』に呼び出されたガンニックの目前には、四つの酒が並んでいた。
大ジョッキになみなみと麦酒を注いだものが二つ、小さなグラスに度数の高い蒸溜酒を注いだものが二つである。
「……嫌がらせか?」
ガンニックがじっとりした視線を投げた先には、いたって真面目な顔した人間が三人座っている。
ヒョロヒョロと背の高いのがジョシュ、厚化粧で服がケバいのがアンナ、やたら真新しい上着を着ている老人がワン老人である。
「ワシらは本気じゃ。ほれ、飲みたければ飲めば良い。なんら構わんぞ」
老人はジョッキを手に取ると、ガンニックの目前へグイと持って行った。
よく冷えた麦酒はジョッキに水滴を付けさせていて、実に美味そうである。
ガンニックの喉がゴクリと鳴った。
「た、確かに飲みたいって言ったら飲みたいがよぉ……」
「これはワシの奢りじゃから遠慮はいらんぞ。ホレ飲め、やれ飲め」
「……どうせ、何か別の腹積もりがあるんだろ?」
ガンニックの目前へ酒を突き出していた老人の手が、ピタリと止まった。
「わかるかの?」
「バレバレだって。『普段しないことをするヤツに、腹の白いヤツはいない』って言うだろ? そこの二人も同じだな」
ガンニックの言葉に、ワン老人はバツの悪そうな顔して、ジョッキをテーブルへと戻した。
残る二人も、老人と同じような顔をしている。
だが、そもそも相手は人間観察を得意とするベガーのガンニック。
騙し通せないのは、各人承知の上である。
そろぞれがそれぞれ、すぐに表情を元に戻した。
446 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:12:25
「まぁ、その酒はこの前の分のお返しと思ってください、ガンニック君」
口を開いたのは、ジョシュである。
「お返し? あれは情報料の先払いでって言ったはずだぜ?」
「その先払い分の情報料をお返しすると言っているのですよ」
困惑顔のガンニックを制するようにして、ジョシュがジョッキをガンニックの方へ押し出した。
「ぼくがしたいのは、ギルド構成員との情報の取引です」
ジョシュは眼鏡を外して、ガンニックの目を見つめながら言った。
ジャン・バッハの貧民街には『嘘つきは目をつむる』という言い回しがある。
ファルネースにおいての会話はマナを通じて行われているが、俗説には、目と目を合わせるという行為はその機能を強化するのだと言う。
それを民間風に言い表したものが、それである。
ベガーが取引の際に目と目を合わせての宣言を要求するのも、これに起因する。
ジョシュはベガーの取引の過程を先取りして見せたのである。
「おいおい、どうしたってんだよジョシュ坊」
「この前、アンナ君が言っていたでしょう? ぼくの研究がうまくいっていないと」
「あ、あぁ、言ってたな」
「それが、ガンニック君の件と関係があったんですよ」
視線を外さないまま、ジョシュは懐から書類の束を取り出して、テーブルの上へほおった。
バサと音を立てて、十数枚の紙がテーブル上に広がる。
「何だこれ?」
「今行っている研究の最重要部分をまとめたものです」
ジョシュの言葉を聞くと、ガンニックは慌てた手つきで書類をまとめてジョシュへと押し返した。
「そんなもん、こんな所に出しちゃマズいだろ!?」
「いいわけがありません。本来は外へ持ち出すことさえ危険なことです。ですが……」
「あぁ、チクショウ! 持ち出さなければ、もっと危険な状況にだってんだろ? しょうがねぇな!」
ガンニックはすっかり観念した表情を作ると、ジョッキの麦酒を一口煽り飲んだ。
447 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:12:56
「それでは……?」
「あぁ、受けてやるよ。俺の目を見て誓いな」
『私の目を見て誓え』と言うこと。
これがべがー・ギルド流の商談の始め方である。
ジョシュは改めてガンニックの目を見つめながら、口を開いた。
「わたし、ジョシュ・ホフマンは真実を喋り、真実に対して対価を得る」
ガンニックが後に続く。
「同じく、ガンニック・バードは真実を買い、真実に対して対価を払う」
ジョシュとガンニックが宣誓し終えた時、ガンニックの視線がジョシュから外れた。
ガンニックの隣から伸びて来た手が、彼の顔をグイと引っ張ったのだ。
448 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:13:39
「ダニー(ガンニックの略称)、次はあたしの目を見て頂戴」
そう言ったのは、アンナである。
いつの間にやら横手につけていたアンナは、引き付けて来たガンニックを、化粧品を付け過ぎて真っ青のなった目許で見つめている。
「あ、アンナ嬢、顔が近いって」
「そんなことはどうでもいいわ。早くお誓いなさいダニー」
お互いの息がかかる距離まで顔を引き寄せられたガンニックは、短躯を無理に動かされたことで、椅子上でグラグラと不安定そうにしている。
「待て、待ってくれ、一旦落ち着いてから……」
「落ち着いてなんていられるもんですかっ!」
アンナは目を吊り上げ、歯を剥き出しにして、正に鬼気迫る表情で声を張り上げた。
「一刻一時も待てないわ! 早く誓いなさい! さぁ、早く!」
「い、一体どうしたってんだよ?」
「ヤり逃げよヤり逃げ! あんの野郎がヤるだけヤって金を払わず逃げやがったんだよ! これが許せると思って!?」
「く、苦し……襟を掴むな……」
「何がマスターに言い付けるよ! 偉そうに! どっかの組織の犬野郎のくせにっ!」
喋りながらアンナが力んだ時、ついにガンニックのバランスが完全に崩れた。
椅子から転げ、ガタンバタンと音を立てながら床に叩きつけられるガンニック。
「イデっ!」
「あ? あぁ! ご、ごめんなさい」
顔をから床に突っ込んだガンニックの姿を見て、アンナはやっと我に返った。
その姿を見て、鼻から血を流したガンニックは苦笑する。
「いや、気にしなくていいぜ。しょうがねぇよ……痛ててっ……」
確かに、アンナが激怒するのは致し方のないことである。
アンナは確かに己の体で客を取る娼婦であるが、ただ自堕落に体を捨て売りしているわけではない。
むしろ、高級娼婦を自称するアンナにとって、体で客を取るということは、他でもない自身の体を精一杯の誠意を込めて売っているということなのである。
そこには他の職に劣るものではない努力と、それに対するプライドが存在する。
ヤリ逃げはアンナにとって、侮辱の中でも最悪のものであると言える。
449 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:15:00
「俺にだって、アンナ嬢の気持ちはわかるぜ? でも、そんなこと知ったってどうなるもんでもないだろ?」
「そうでもないわ。これは最悪で最高の事件なんだから」
「どういうことだ?」
ガンニックの言葉を聞いて、アンナは高額紙幣を懐から数枚取り出した。
「あのヤリ逃げ野郎はね、あたしだけじゃなくて他の何人もの娘(こ)にも手を出してたのよ。真っ当がウリの娼婦館ママ・ダ・ママとしては、どんな手を使っても捕まえたい相手だってワケ」
「つまり、店の財布が使えるわけだな。さすがアンナ嬢だ」
「あら、計算された必要経費よ」
そう言うと、アンナはギラリと歯を剥いて笑みを浮かべた。
「そして、ヤリ野郎をあたしが捕まえたら、ケツの毛一本残さずむしり取ってやるんだから」
「……わかったわかった。わかったよ、アンナ嬢。しっかり俺の目を見な」
アンナは表情を一変させて晴れやかな笑顔を作ると、腰をかがめ、床に座り込んでいるガンニックに視線を合わせた。
「アンナ・ディアナは真実を喋り、真実に対して対価を得るわ」
「同じく、ガンニック・バードは真実を買い、真実に対して対価を払うぜ」
450 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:15:35
アンナとの契約を終えたガンニックは、
「まぁ、二人と契約しちまったことだし、そろそろ酒でも入れてゆっくり話そうぜ」
と言って床から立ち上がると、椅子の上に飛び乗った。
そして目前に飛び込んで来た老人の顔を見て、再び床にひっくり返った。
真後ろに倒れたガンニックの後頭部が床に打ち付けられ、ゴツンという音が響く。
「うぶぉ!」
変な声を上げながら頭を抱えるガンニックに、ワン老人は言う。
「ワシを無視して話を進めるでない」
ガンニックは何か言いたげではあるが、打った頭が余っ程痛いのか、頭を抱えて転がったまま「うー、うー」と唸ってばかりいる。
「何じゃい。何を言っておるのかわからんぞ」
「恐らく、何をすんだよ爺さん……といった所じゃないかしら?」
喋るいことができない様子のガンニックの言葉を引き継ぐようにして、アンナが喋った。
「何をするもないわい。ワシはちょっと目を見せようとしただけじゃ」
「あら、じゃあ、お爺さんも契約を?」
「当たり前じゃ。それを無視して話を進めおってからに……」
「ふーん……楽隠居のお爺さんには珍しく、ご執心なのね」
「ちと、面白くない思いをさせられたでな」
老人はフンと鼻を鳴らすと、憤然とした顔で、昨日の事件の顛末を喋り出した。
451 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:16:25
「……と、まぁ、そういうわけでな。ワシの上着はなくなるわケガはするわ腹は立つわ、いいことなしじゃ!」
カクカクシカジカと話を終えた老人は、痛みから立ち直ったガンニックに、改めて声をかける。
「どうじゃ? 最悪じゃろう?」
「いや、爺さん、そりゃあ最高のネタだぜ」
「なんじゃと? どういうことじゃ?」
「『食いそびれた晩飯に毒』って言うだろ? 人生悪いことが良いことになることもあるってことさ」
「『人生万事塞翁が馬』か? どういうことじゃ?」
「その情報、恐らく本部でも正式に買い取れる価値があるってことだよ。本部へ行ってふっかけてやれば、当分の酒代くらい……」
「それならいらんお世話じゃ。それなら、お主がワシから聞いた情報をギルドへ売り込んだらよかろう。ワシには情報さえあればいいんじゃから」
「いやいや、俺じゃ一銭だって貰えねぇよ。そんな珍奇な体験談をしたら、作り話だって思われっちまう!」
「ごまかしてしまえばよかろ」
「無理だって! ごまかし切れねぇよ! 爺さんが本部まで来て金にしてくれりゃあ……」
「いらんよ」
「でも……」
「ワシが欲しいのは金ではなく情報じゃ。丁度良い、今からお主が知っとることを全部話してしまえ。情報交換じゃ」
「いや、契約ってのは、俺の紹介だって言って本部へ橋渡しするって意味で……」
渋るガンニックの鼻先にぬるくなりかけているジョッキが突き付けられた。
452 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:18:31
「のう、ガンニックや。ワシは欲しい物を手に入れるのと、したいことをするのに容赦はせんのじゃよ」
ワン老人の突き出したジョッキの中の麦酒が、ガンニックの目の前で沸々と音を立て始めた。
麦酒の温度が上がって、煮立ち始めているのだ。
ぬるくなっていたとは言え、常温で麦酒が沸き立つ程、ファルネースも不可思議な場所ではない。
これはワン老人の仕業である。
ワン老人は常に空間を漂うマナを吸い込み、吸い込んだマナを全身に巡らさせている。意識的に巡らされたマナは、肉体の硬化・筋肉の補強という物理効果から、放出時に起こるエネルギーへの変換まで様々な力を発揮する。
老人『気』の力と言えばわかりやすいだろうか。
この場合、ワン老人の腕から放出時されたマナが、麦酒を沸騰させたのでる。
「お、おいおい爺さん、哀れな物乞い崩れを脅しても事態は変わらねぇぜ?」
「そうかそうか。それは残念じゃの」
脅えるガンニックの目の前で、麦酒の泡が吹き出してジョッキから溢れた。
勢いよく吹き出した泡の一部がガンニックの顔にもかかる。
「うあッチチチ! 熱い! 熱い!」
勢いよく吹き出すほど熱を与えられた麦酒であるから、泡も相当な熱を持っている。
ガンニックは、今度は自ら椅子から飛び降り、
「アチ、アチ、アチチチ……」
と言いながら床を転がって、顔の泡を取り払おうとし、手についた泡で火傷箇所を増やして再び飛び上がった。
「どうじゃ? ワシの気持ちは伝わったかの?」
「あぁ、熱い気持ちは良く伝わったよチクショウ!」
服の裾で泡を取り除いて、やっと落ち着いたガンニックは、床の上に腰を落ち着けて声を上げた。
「わかったよ! 買い取りは諦めだ! 金のことは諦める!」
「そう、それでいいんじゃ」
「爺さんも本当に強情だな。しょうがねぇ、知ってることは全部話せばいいんだろ?」
床に座り込みっぱなしで話をしようとするガンニックを見て、ワン老人は不審げな顔をして言った。
「ん? 何じゃ、こっちに来て座って話さんのか?」
ガンニックは難しい顔をして言う。
「これ以上、床に落ちるのはゴメンだからな」
453 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:19:01
そもそも、俺達『ベガー・ギルド』はヤツらのことがわからないままだから、こうやって活動してるんだよ。
言っちまえば、ほとんど何もわかっちゃいないんだよな。
ただ、わかってるのは「どこから来たのかわからないこと」「何らかの組織に属しているらしいこと」「法に対する意識がほとんどないこと」だけ。
他はさっぱりだ。
まぁ、アンナの所でヤリ逃げしやがったのは、多分、ヤツらの内の一人だと考えていいだろうぜ。
娼館で金を払わずに逃げるなんざ、貧民街に住んでる人間にゃ考えらんねぇからな!
どんな報復が来ることやら……おぉ、怖い。
同じ男としても、金玉が縮み上がる思いだ。
そうだな、他に気になる情報と言えば、最近町にやって来た金持ち野郎のことぐらいだな。
こいつは関係があるって確定してるワケじゃない。
ただ、動き始めた時期が一緒だったから、怪しんでるワケなんだが……。
名前は「ボルディ卿」って言って、ここ最近ジャン・バッハに来て、色んなモンを買いあさってる輩でな。
例えば、ここいらに出回ってる交易品なんかにも手を出してるらしいし、名物の軍事用の魔術用具なんかも大量購入しているって聞くし、何より、大学から魔法の技術を凄い量買い取っているってのは良く聞くね。
ジョシュの……その、ナントカの研究をどうにかしてるのも、もしかしたらソイツじゃないのか?
後はワン爺さんの話を聞いた方が、詳しいことがわかりそうだな。
ヤツらは『ゲート』をくぐって来る、ヒュマンではない『何か』。
ヤツらの中でも普通の人間と、ゴロツキみたいなモンと、まぁ、色々いるみたいだ。
んでもって、そいつらを統率している『上層部』みたいなモンまであるみたいだと、まぁ、そんな所か。
454 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:21:39
「な? あんまり役に立たねぇだろ?」
床の上で居心地悪げにしながら、ガンニックが言った。
「もっと詳しい情報が欲しいなら、本部に行かないと無理だぜ。今はこれで勘弁欲しいね」
「まぁ、しょうがあるまいのう」
ワン老人は厳しい表情を和らげた。
ガンニックはそれを見ると、ホウと大きなため息をついて、自分の席に戻る。
「ほんとに、爺さんも人が悪いぜ。俺が情報を漏らしたことがギルドに知れたら、明日には物乞いの死体が一つ路上に転がるんだぜ?」
「すまんのう、しかし、今日は客もほとんどおらんではないか? 大丈夫じゃて」
老人の示す通り、酒場の客は老人達を含んでも七〜八人程度。
以前は賑わっていた中央の席には、今は誰もおらず、今は数人がバラバラに席を取って酒を飲んでいるだけである。
「いいかい爺さん。『何にも知らない地獄耳。なんでも知ってる耳なし乞食』って言うコトワザがあってな。聞かれていないと思っても、どこで何を聞かれているかわからないんだぜ?」
「う……む……それはすまんことを……」
「まぁ、ベガーの仕事は俺の専門だからな。聞かれてると思ったら死んだって話さねぇよ。大丈夫さ」
そう言うと、ガンニックは表情を一変させて、ニタリと厭らしそう顔を作って言った。
「それよりも、早く一杯ひっかけねぇか? 俺ぁ、もう、喉が渇いて仕方がねぇんだけどもよ」
テーブルの上には、すっかりぬるくなってしまった酒が四つ並んでいた。
455 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:23:39
「そうですね、まずは一杯干して、新しいので乾杯し直しましょうか」
「それがいいわ。あたしも喉が乾いちゃった」
ジョシュとアンナは、それぞれ麦酒と蒸溜酒を手に取った。
「俺はこれか」
ガンニックは、先程老人が熱したせいで泡が吹きこぼれていまっているジョッキを手に取った。
残ったのは、蒸溜酒が入ったグラスだけである。
「おい、ガンニックよ。ちょっと待たんか」
「何ですかい?」
「この酒は、ワシらがお主に送ろうとしたものじゃ。ジョシュとワシが麦酒、アンナが蒸溜酒を頼んだんじゃぞ」
「それが?」
「今は自分が買った酒を手に取っておる。そうしたら、残る蒸溜酒がお主の飲むべき酒になるじゃろうが」
「んなこと言っても、俺はココに来てから一杯も酒を頼んでないぞ」
「じゃあ、その蒸溜酒は何じゃ? お主が頼んだのではないのか」
「いやいや、爺さんお忘れか? 俺は麦酒をチビチビやるのが好きなんだよ。蒸溜酒なんて好き好んで頼みはしねぇや」
「じゃあ、何なんじゃ?」
「さぁ?」
老人は訝しみながら、蒸溜酒の入ったグラスを手に取った。
ガンニックはそれを認めると、ジョッキを掲げながら声を上げた。
456 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:24:10
「よし、じゃあ、まぁ、取り敢えず乾杯して……って、おいおい!? 爺さん何やってんだよ!」
ガンニックは驚きの声を上げた。
ワン老人は乾杯を待たずに、グラスの酒を一口嘗めてしまったのだ。
「何んだよ、『酒を飲む時には、皆で揃って乾杯すべきじゃ』って言ったのは爺さんだぜ?」
そう言うガンニックの言葉を無視するように、老人は口を開いた。
「ちょいと失礼する」
老人は椅子に座った状態から、いきなり床を蹴って宙へ飛び上がった。
『流雲乗龍』の手である。
これは足にマナを集めて脚力を強化し、強化された脚部を柔軟に使うことで、自在に宙へと飛び上がる技法のことを言う。
ただし、気の運行と脚部の使い方の難しさは尋常ではない。
ファルネースではお目にかかることがないだろう絶技を見せつけられたガンニックは、自身の頭上をフワリと飛んで行くワン老人を大口空けて見つめていたが、途中でバランスを崩して椅子から再び転げ落ちてしまった。
今度も後頭部を床で強打して、ゴツン! という音が響く。
「へぶっ!」
ガンニックは、またおかしな声を上げて痛がった。
それを見て、ジョシュは言う。
「今日はまた、随分とついてませんねぇ」
アンナがそれに応える。
「あら、そうかしら? 似合わない金儲けも『頭打ち』ってことで、当然なんじゃないかしら?」
ガンニックは「うーッ!」と唸ったが、それが痛みのせいか怒りのせいかは、判然としないままであった。
457 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:24:43
店の隅のテーブルから飛び上がったワン老人は、そのまま中央を飛び越し、対角線上にある隅のテーブルの脇へと降り立った。
そこには一人の男が手酌で酒を飲んでおり、いきなり降って湧いた老人を見てポカンとした顔をしている。
「あの、私に何か御用ですか?」
「大有りじゃ。酒の礼を言いに来たのじゃよ、若いの」
若いのと呼ばれた男は、見た所、ごく普通の青年である。
中肉中背で、茶色の髪に茶色の瞳、服も黒いシャツ・ズボン・マントと特に変わった所はない(普段着のマントは高級街で流行している着こなしの一つである)。
「お爺さん、私があなたにお酒を送ったと?」
「そうじゃ」
「でも、見ての通り、私はただの一般人ですよ?」
「ホッホッホ、ただと一般人とは笑わせてくれますの」
老人はグラスを青年の前に突き付けて言った。
「果物のような香りからわかると思うが、この酒はそれはそれは高級な酒じゃ。瓶で買おうものなら、札が束で消えるような類いのヤツじゃよ」
「それが何だと言うんですか」
「お主が飲んどる酒、ここいらじゃ見かけん高級品のようじゃがな?」
青年の手に持って入る瓶からは、貧民街の酒特有の鼻を刺すような安い匂いはしていない。
その匂いはむしろ、果物酒かと思えるような柔らかな香りである。
「酒だけではない。お主の格好もそうじゃ。ここの服はたいがい布を縫い合わせて穴を空けただけの代物じゃ。お主の服は一見地味じゃが、随分と立派な裁断をしとるように見えるぞ? ん?」
「…………」
「『普通しないことをするヤツの腹は黒い』と言いますからな。一体何のつもりか、話して貰いましょうかの」
「……ただの飲ん兵衛だと思ったのに、意外と鋭い人だったんですね」
青年はフッとため息をつくと、酒を瓶からグラスへ注ぎ「賢明なるワン老師に乾杯」と言って、一息に飲み干した。
「ワシの名前を知っておるのか?」
「もちろんです。世界に老人は数いても、ここいらでワンを名乗るのはあなたしかいないハズです」
「何故その言い回しを知っておる? お主、何者じゃ!」
「私ですか?」
青年は余裕のある仕草で椅子から立ち上がると、貴族式に、マントを肩口へ跳ね上げながら礼をした。
458 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:25:51
「お初にお目にかかります。ゲートの支配者にして希代の魔王、バルボルバボンボルバディバリバルバボルディです」
「……何じゃと?」
老人の問いに、青年は几帳面にも、もう一度マントを跳ね上げて言う。
「魔王のバルボルバ・ボン・ボルディバリ・バルバボルディです」
「いや、待て、その……何じゃと?」
老人の困惑顔を見て、青年は眉根を寄せた。
「さっきからそればっかりですね。他に言うことはないのですか」
「そりゃこっちの科白じゃ! 魔王だのバンバンボンだのと……何じゃそのふざけた名前は!」
「ダメですか。魔王らしい名前にしようと思って、一晩中考えていたのですが……」
「何? 考えた?」
「いや、どうでもいいことです。ダメなら今は『魔王ボルディ』と読んで下されば結構ですから」
青年は、気にするな、とでも言うような素振りで手を振ると、「どっこいしょ」と言いながら椅子に座り直した。
「どうしました、ワン老人?」
「なめるのも大概にせい小僧! 名もまともに名乗らぬとは無礼極まりない! ジョシュならジョンジャック・ジャッキージャックジョシュか? アンナならディアナアナケラセラテラフセラアンナか? ガンニックなら魔王ガンガラガンニックか? え? どうなんじゃ!?」
「あなたも中々のネーミングセンスをお持ちですね。参考にしますよ」
青年の言葉を聞くや、ワン老人は青年の目前に蒸溜酒の入ったグラスを突き付けた。
「無礼を詫びなさい!」
「はは、そんなにお酒を突きつけられても、別に怖くも……」
青年−−ボルディの前で、老人の手中にあるグラスの酒が「シュウ」と音を立てて、一瞬にして消えてなくなった。
「何ですか? 手品でも見せるおつもりで?」
「小僧よ、その減らず口を止めて無礼を詫びんと、酷い目を見るぞ!」
「何を言われても、詫びなど入れるつもりは……」
459 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:26:32
瞬間。
ボンッ! という爆音と共に、ボルディの目の前で爆発が起こった。
一瞬起こった炎はボルディの前髪を焦がし、顔を炙った。
「ひっ!?」
唐突に顔を焼かれたボルディは、そのまま椅子ごと後ろに倒れ、床に尻餅をついた。
「な、な……」
「フン! 口以外は達者でないようじゃの、小僧! 腰でも抜けたか?」
老人は言いながら、中身の空いたグラスをボルディの腹の上にヒョイと投げた。
ボルディはそれをそのまま腹で受け止めていたが、一瞬後「熱い!」と言って、振り払ってしまった。
「グラスさえもまともに持てんで魔王を名乗るとは、豪放なことじゃのう!」
老人はニヤニヤとしたり顔をしながら、呆然としているボルディの顔を眺めていた。
今の老人の仕返しの流れは、老人がガンニックを脅しつけた時のプロセスとほとんど同じである。
老人がグラスへマナを送り、酒を蒸発させ、更に放出されたマナが蒸発した酒に火を付けたのだ。
「……こ、これは素晴らしい」
ボルディはそう言うと「どっこいしょ」と言いながら、大儀そうに立ち上がり、マントの端を胸の前に持ってきて最敬礼の形を取った。
「お見それしました。その御力を拝見させて戴けましたことに、御礼申し上げます」
「オイ、小僧。さっき何を言いたいのか、ワシには全然わからんぞ」
「わからなくて結構。私は十分な収穫を得ましたから」
「まだ懲りんのか? それ以上ワシをないがしたらどうなるか、また酷い目に会うぞ」
「言ったでしょう。私は魔王なんです」
「だから何だと言うんじゃ。ロクに戦えもしない青瓢箪に何ができる」
「直接戦うことはできなくても、別の方法で世界を相手に回すことはできるんですよ」
ボルディはニヤリと口元を歪めると、老人に背を向けて、出口の方へ歩きだした。
「小僧! 逃げる気か!」
「帰るだけです。それに、どうせまたお会いすることになります」
出口まで来ると、ボルディは戸を開けながら言う。
「そうだ。ワン老人、そこの頑固な学士君に言っておいて下さい。『君のお陰で酷い目にあった。その研究を狙うのは諦めよう』と」
「は?」
「ボルディ卿より、と言えばわかりますよ」
ボルディ−−魔王ボルディ、またはボルディ卿を名乗る青年−−は、こうして酒場の外へと姿を消した。
460 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:29:00
「爺さん、どうしたんだよ! 挨拶が終わったなら、こっちで乾杯しようぜ!」
呆然と閉じた扉を眺める老人の足元から、不満そうな声がかかった。
長話に痺れを切らしたガンニックが、老人の側に寄って来ていたのだ。
「お、おぉ、スマンの。今行く、今行く」
「早くしてくれよ。こちとら喉はカラカラだし、頭はズキズキ痛むし、財布の中身はスッカラカンなんだからな!」
「悪かった悪かった。今度はワシが奢ってやるから、それで手打ちにせい」
「そうこなくっちゃ!」
ガンニックは嬉しそうに声を上げると、老人の肩を叩く代りに腰を叩いた(ガンニックの背丈では肩に手が届かないのだ)。
「そういや爺さん、アイツは誰だったんだい?」
「あの小僧っ子のことか?」
「それ以外に誰がいるってんだ。で、誰なんだい?」
「……魔王だそうじゃ」
「は?」
「魔王バンバルボン……いや、魔王ボルディじゃと」
「ボルディ? 何だそりゃ? あんなしょぼくれた野郎が魔王? おかしすぎて面白くねぇや」
「やはり、そう思うかの?」
「当たり前だぜ。魔王ってのは、もっと、こう、腰を抜かすような恐ろしいヤツのことだろ? あんなしょぼくれたのが魔王なら、魔王のかかあが大魔王で、かかあの姑が大大魔王で、姑がゾッコンの男娼野郎が全知全能の大神様ってことになるだろうぜ」
「まぁ、そうじゃろうな。自分の腰を抜かすヤツが魔王なワケがあるまいな」
「そりゃそうさ。ジョシュに聞いてみな。歴代人の腰を抜かせ続けた魔王の事を教えてくれるぜ、きっと」
「よし、まぁ、そんなことはどうでもいいったわいな。飲み直すとするか」
「俺達はこれから飲むんだよ、爺さん。さぁ、早くしようぜ!」
461 :
酒場の話その六 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:35:10
飲酒の詩とは、酒を飲んだ折に読む詩に非ず
素面にして飲酒について語る物也
故にこの詩の題目の付けるを許されず
然し、題目はこれしか在らず
筆にあかせた詩の行く末を案ずる
---ある男の物語の最後に付いていた詩より引用
462 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:38:18
以上です。
すいません、個人的な問題ですが、酒の力を借りないとアップ状態です。
お許し頂ければ幸いです。
あ、一つだけ皆さんに忠告。
後ろ回し蹴りはキッチリ避けないと、鼻が曲がって救急車に乗ることになりますよ。
気を付けて下さい。
以上です。
乙。あえて尋ねはしないが色々乙。
後ろ回し蹴りをされたこと無いからワカラナスwwww
で、これ魔王の設定で上げてもいいのか?ww
464 :
酒場の話 ◆xjZRs5Npvc :2005/07/29(金) 01:58:19
>>463 上げても、話の流れによっては設定が変わる可能性がありますお?
てか、名前にこだわりはないし、まだ正体は現されてないから、今載せると面倒かも知れませんお?
今判断力ないから、その辺りは何とも言えません。
あと正確に言うと、あの蹴りは飛び後ろ回し蹴り、ティミョ・パンデ・トリョチャギ。
痛くはないですが、鼻が曲がると鼻血が止まらないので驚きますお。
鼻血はアルカリ性、胃液は酸性なので、血を飲むと腹を下していけないそうですお。
気を付けましょうホント。
465 :
ほんわか名無しさん:2005/07/29(金) 11:55:41
>>464 色々と乙w
レス番444が物語っているよ(何
466 :
ほんわか名無しさん:2005/07/29(金) 12:21:14
今度小説で後ろ回し蹴り使うかwww
467 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 01:57:30
生存者 いますかー?
いるお^^
いきてるお^^
470 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 03:48:00
ノシ
471 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 08:27:40
みんな暇で書き込みがないのか
忙しくて書き込みがないのか・・・
前者ならそろそろ戻ってもいいと思うけど。
>>462 おつおつです。後ろ回し蹴りはきらいw
>>467 いるよお。
需要あれば、続きあげるぽ。
473 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 13:41:04
需要?
ないわけがないお
ワクワクしながら松尾
>>290-293の続き 12話
5月29日 午後9時 アルティナ
「ぷはー。おじちゃんっ、もう一杯っ! 」
「はいよ。お姉ちゃん、元気がいいね」
空になったグラスに、なみなみと葡萄酒が注がれる。
「里佳ちゃん。飲みすぎだよ〜 」
佐奈はたまらず声をかける。しかし。
「いいって、いいって…… 」
頬を赤らめて、呂律の回らない声を出し、喉を鳴らして瞬く間に飲み干してしまう。
「里佳ちゃんが、こんなにお酒好きなんて知らなかった 」
佐奈は、深い溜息をついた。
二人の少女は、夕方から屋台を梯子し、既に3件目に入っている。
佐奈は、最初は空腹を満たすために、夢中で焼き鳥や、焼き魚、野菜の炒め物を
胃の中にかき入れていたが、お腹がある程度膨れてくると、炊事場から立ち込める
熱気にあてられて、噴き出した汗が気になってくる。
そして、さほど時間が経たないうちに、耐え切れなくなってしまい、如何にも
美味しそうに葡萄酒を飲んでいる、少女の制服の袖口を摘んで言った。
「里佳ちゃん。そろそろ戻ろう 」
「ん、どうしたん? 」
「お風呂はいりたいよ 」
小首を傾げた里佳に、懇願するような目線を送っている。
「でも、風呂なんかあるの? 」
「宿屋の受付の人が、あるっていってたじゃない」
「あーそっか。んじゃそろそろ、いきましょっかね」
里佳はうんしょ、と言いながら、腰を上げて、屋台の主人に声をかけた。
「おじちゃーん。勘定お願い! 」
「お風呂の場所を教えてくれませんか? 」
夜の9時を回った頃、宿屋のカウンターに座っている少女に尋ねる。
「一旦、玄関を出て、宿の裏側に回ってくださいね」
羊皮紙で作られた本を閉じた女の子は、微笑みながら答えた。
「あの…… 男女別ですよね 」
佐奈は、やや不安そうな表情をみせている。
「大丈夫ですよ。昔は混浴だったらしいですけど。聖ルカの教えが広まって
以降、男女が肌を共にすることはなくなりました」
サリーナの言葉に、ほっと溜息をついた。
「うわーい、お風呂だあ。ってあれ? 」
タオルを身体を巻いた佐奈が、勢いよく風呂場に足を踏み入れて、愕然とする。
「お湯ないよ! 」
「ふふ…… あははっ」
狼狽する佐奈に、里佳は腹を抱えて笑っている。
「なんで笑うのよ! 」
憤然として、睨みつける。
「だって、可笑しいんだもん」
洗い場に置かれている小さな椅子に座りこみながら、佐奈は、お腹を押さえている。
あまりにも笑いすぎて、肩が小刻みに震えている。
「どーゆーことよっ! 」
笑い転げている里佳に向かって、佐奈は肩を怒らせながら、激しく詰め寄った。
「ここが風呂よ」
「えっ? 」
戸惑って左右を見渡すけど、白い煙に包まれた部屋には、浴槽がない。
「だから、蒸し風呂だって」
「へ!? 」
間の抜けた声を、連発してあげてしまう。
「あのね。佐奈。サウナに入ったことないの? 」
「あるけど…… 」
「部屋の奥に、焼けた石があるでしょ。あれに水をかけると蒸気が出るってわけ」
里佳が指し示した先に、黒ずんだ大きな石が幾つか置かれている。
「お風呂に入りたかったのに 」
落胆の色を露にして、ぺたんと床にへたりこんだ。
「まあ、まあ。蒸し風呂には、それなりのやり方があるんだから」
石の上に、桶に汲んだ水をかけると、たちまち白い煙が噴き出して、あたりは
白い蒸気に包まれる。
「里佳ちゃん。みえないよ〜 」
掌の先すら見えなくなって、佐奈は不安げな声をあげた。
ぱしゃっ……
「ひあっ」
いきなり背後から冷水を浴び、裏返った悲鳴をあげながら、華奢な身体を震わせる。
「な、何するの!? 」
「蒸し風呂はね。汗を出して、それを洗い流すのよ」
「そっか」
体中を覆っていた不快感は、浴びた冷水とともに綺麗に消え去っている。
「佐奈、背中流してあげる」
「お願い…… 」
石鹸を擦り付けて、十分に泡立てたタオルを手に取ると、ゆっくりと、
きめ細かい肌を洗っていく。
「くすぐったいよ」
「がまん、がまん」
言われるままに身体をすくませている少女に向けて、里佳は言った。
「ここの世界はさっ、たぶん中世あたりだと思うんだけど」
「うん? 」
「昔の人ってお風呂に入る習慣がないところが多かったのよ」
「お風呂がない生活なんて、想像することができないよ」
「だからね。東洋でも西洋でも、世の貴婦人はお香を焚いて匂いをごまかしったっ
てわけ」
里佳は、少女の背中を洗い終えると、二つのリボンをほどいていく。
ふんわりとひろがった髪を手に取り、軽く水をかけて湿りを持たすと、携帯用の
シャンプーを丁寧に絡ませていく。
「でも。ここは、一応お風呂あるよ? 」
「うん。地方によって違うみたい。北欧や日本は蒸し風呂が多かったの」
「へえ…… 」
妙なところで物知りな親友に感心して、頷く。
「それにね。浴槽を使うお風呂って大量の水が必要なの」
「確かにそうだけど」
「水道が整備されてない時代だと、それだけの水を引き入れることができないのよ」
井戸水や河川の水を汲んで、日常生活に使っている世界では、広々とした湯船は
望めそうに無いという、ある意味では当たり前の現実は、風呂好きな佐奈にとって、
厳しいものになりそうだった。
シャンプーを丁寧に洗い流した後、里佳は水気の残る耳元に向けて囁いた。
「佐奈って綺麗な肌、してるよね」
「えっ!? 」
戸惑った表情を浮かべて、後ろを振り返った直後――
「ひゃんっ!」
身体に電流が奔り、裏返った悲鳴があがる。
(な、なに!?)
混乱しながら胸元を覗くと、両脇から伸びた二本の手が、まだまだ未成熟な
二つの膨らみを、タオル越しに掴んでいる。
「り、りりり里佳ちゃん?」
「うーん。佐奈の胸って、可愛くっていいねえ」
「冗談はやめてよお」
慌てて身体を捩って逃れようとするが、体格、体力ともに圧倒的な里佳に、
さしたる苦労も無く、抑え込まれてしまう。
「ふふ…… 相変わらず、体力ないね」
満足げに頷いた里佳は、調子に乗って、早くも涙目になっている少女の、
膨らみの先端を探り当てる。
「きゃあああっ!」
佐奈は可愛らしい顔を歪めて身体を震わす。はだけそうになるタオルを必死に
抑えながら、強い非難の声をあげる。
「ばかっ、このセクハラ大魔神、里佳ちゃんのドヘンタイ」
「ふふ。いくらでも喚いていいよ。むしろその方が愉しい」
極めて危険な台詞を言いながら、悪魔のような笑みを浮かべると、耳の中へ息を
吹きこんでいく。
「ふひゃあっ」
擦れるような声が出てしまう。
「里佳ちゃん。もしかして酔ってる!? 」
「私? 酔ってなんか、ないよお? 」
里佳は、ほんのりと頬を赤らめながら、煙るような笑みを浮かべると、慌てまくって
いる少女のあごをつまんだ。
「佐奈。せっかくだから…… しよっ」
「はいっ? 」
「だから…… いいよね」
「何がいいのよ! 」
叫びながら見上げると、美少年と見まがうばかりの、整った顔が迫ってくる。
「女の子同士なんて、変だよっ」
佐奈は、弱々しく抗うものの、頭がぼうっとして何も考えられなくなってしまう。
「ん…… 」
無抵抗を了解と受け取ったのか、唇が近づいてくる。そして、柔らかい感触が
佐奈に伝わり、少女の両膝が細かく震える。
(里佳ちゃん。これはまずいよ…… )
心の中で激しく抗うが、体中の力が抜けてしまって、きちんと拒むことができない。
「だ、だめえっ! 」
やっとのことで、小さな悲鳴をあげた時。
「すいませーん。もうそろそろ、閉めたいんですけど」
入り口からサリーナが顔を覗かせた。
「うわっ」
慌てて唇を離して、真っ赤になりながら顔を背ける。
(わ、私…… )
何かを言おうとして、もごもごと口を動かしたが言葉にならない。
「洗い終わってないんで、ちょっと待ってくださーい」
一方、里佳の声は普段と変わりがなかった。
「眠れないよ…… 」
深夜、目を覚ました佐奈は、ベッドから這い出した。
窓から漏れる月の光に導かれるように歩いて、窓とレースを開けると、湿り気を
おびた微風が届き、淡い光によって生み出された影が伸びる。
「月は、あるんだ」
青白く光った半月が、少女を薄く照らし出している。
佐奈は、異世界に地球と繋がるものを見つけたようで、少し嬉しくなった。
もしかしたら、この世界の月は、地球から眺める月とは違うものかもしれないが、
それでも良かった。
暫く、神々しく輝く月を眺めていた少女だったが、やがて、ベッドに視線を戻す。
里佳は、お風呂から上がった後、酔いが一気に回ってきたのか、倒れこむように
して眠りに落ちていた。
「わからないよ…… 」
寝顔を眺めながら、ぽつんと呟く。
風呂場での里佳の行動は、酔いのせいなのか、本音だったのだろうか。
(あなたのどうなの? )
もう一人の佐奈が問いかけてくる。
(私? )
(貴方は、里佳をどう思っているの? )
「答えられないよ」
里佳のことは大好きだ。一番の親友でもある。しかし、異性のように身体を触れ
合わせることはおかしいと思う。
反面、他の女の子とくっついているところを見ると、冷静でいられなくなって
しまう。
(随分と、自分勝手ね)
心に芽生えた自己嫌悪から逃れようと、もう一度、里佳の寝顔を覗き込む。
微かな寝息が鼓膜に届いた。
「里佳ちゃん…… 」
溜息を付きながら、少しだけ哀しそうな表情を浮かべる。
「私、里佳ちゃんのこと、嫌いじゃないんだよ」
頬を軽くなでると、幼子のように、むずかる仕草をみせる。
「だけど、もう少し、このままでいたいんだ」
正直な気持ちを打ち明けると、佐奈はベッドにもぐりこんだ。
雷で回線切れそう。ヤバスw
>>475の下から2行目を訂正 スマンコ
(誤)佐奈 →(正)里佳
>>473 あげたお〜危うく18禁に(あせ
484 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 18:06:00
携帯で見てたら電池が切れて慌ててた473だお
478の所で電池切れて悶々としたお
いっそ誰か十八歳が見られないようなのを書(ry
この先の熱い進展に期待してる尾
485 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 18:22:22
484:『〜だお』とかかなりウザい。
お前の死亡きぼんぬ。
486 :
ほんわか名無しさん:2005/07/31(日) 21:28:48
殺伐としてるのもまたよし
487 :
ほんわか名無しさん:2005/08/01(月) 14:39:50
またよし いえす
いえす たかすくりにっく
hos
誰もいなさそうなので保守代わりの現状報告
パソコンはいま仮死状態で復帰予定不明。
更新はぎりぎりスペック激低のパソコン(っていうか古いノーパ)があるので
ちょくちょくとやっていきまふ。
そんなこんなで毎日何もすることがないおいらは勉強してます
嘘です。一日の3分の2は家の中を漂ってます。
金もないので外に出かけられない学生の性かな。
バイトする気力もないし(廃人
とりあえずぎりぎりいきてるっつーことで、ばいなら。
ここまで人稲だとあれだが、チラシの裏感覚でコソーリ続ける予定。
>>490 なんというか…… がんばれっ
保守がてら少し考えたこと
機械の時代
↓
暗黒の時代
の移行について何だが
機械工学により汚染、マナバランス崩壊がすすみ世界を守る霊獣達は人類の排除を決意
人類と霊獣による激しい戦争により霊獣は死滅
マナの枯渇へと至るってのはどうかな
とかおもった
494 :
ボブの人 ◆F9FDd5.NK2 :2005/08/09(火) 01:08:42
いいかもしれん。
と、スレを眺めてる俺がカキコ。
>>493 なるほど〜
マナ枯渇後の世界を少し空想してみた。
マナの枯渇で人類が喪ったものは物理的なものというより、
精神的なものだった。温かく包んでくれたマナを失った人類は
心が荒廃し、高度に進んだ機械文明を使って互いに傷つけ、
滅びの道を歩んでいく……ってな感じ。
マナ枯渇するってことは会話大変そうだな
保守
hsy
hosyu
とりあえず書き込んでみる。
おまいら元気か?
元気ではあるが、創作意欲が無い。そんな感じだす
元気だけどヤヴァイ。
創作活動は夏休み明けテスト以降になりそう。
まあ、まったりやりますか
505 :
ほんわか名無しさん:2005/08/20(土) 17:06:54
みんなで絵の合作しない?
保守。
話の続きを数日中にあげる予定。
>>505 描き方がわかんないな〜
上書きできるPBBSでやるんじゃね?
面白そうだな。
マウスしかないけどwww
しかも絵が下手だwww
hosyu
Д゚) そ〜っ
h
o
s
y
u
どんだけ人がいねぇんだよwwwwwwww
ちょ 頑張ろうぜ
ってか保管庫見れなくね?wwwwwwwww
>>519 多分、大丈夫wwww
テスト終わってひと段落。
明日から作業始めまb
「きょうも泣いているわね」
「そうだね、きょうも泣いてるよ」
「どうしてなのかしら」
「さて、どうしてだろうね」
まっ赤なテディベアのペッパーは、窓にうつった自分のすがたをしげしげと見つめると残念そうにつぶやきました。
「やっぱりぼくは、なんど見てもまっ赤だね、スノー」
「ペッパーは自分が赤いことを気にしすぎなのよ。あたしはまっ白だけど、まっ白がいやなんて思わないわ。スノーは雪って意味なのよ、知ってた?」
「ぼくはトウガラシって意味らしいよ。スノーはトウガラシがなんだか知ってる?」
スノーはすこしかんがえると、ピンクの鼻をふんと鳴らして答えました。
「知っているわ」
スノーは、ずいぶん前に自分のちいさなご主人さまが「トウガラシはとっても辛い食べ物なの」と聴かせてくれたことを覚えていたのです。
だけどスノーは「辛い食べ物」を知りませんでした。
「へえ、教えてくれよ! ぼくは知りたいんだ。どうしてぼくは赤いんだろう? どうしてペッパーはトウガラシって意味なんだろう?」
「あなたはすこしおしゃべりすぎだわ、ペッパー。ちょっとは黙ったらどう?」
ペッパーはプラスチックの丸い二つの瞳のうえに塗ってある、糸の眉をかなしそうにさげました。
二匹はとても退屈していたのです。
のまのま保守
h
('A`)
何かしなきゃな・・・
このまま消えてしまいそうだ
前にどこかにあがっていた画像で、ピンク色の粘土みたいなのあったんだけど
あれ何か知ってる人いる?油粘土じゃないよね?
モデリングが楽になりそうなので情報欲しいのだけど。
>>525 オーブン粘土です。
オーブンで加熱する事によって固まります。
>>526 オーブン粘土ですかぁ(^^)
情報ありがとうございました!