誰が為に鐘がなる?
誰の為に鐘を打つ?
海を渡り、そして築かれた寺
異なる教義に心許す事も無く
英雄に戻る道無く
無秩序だけが飽和する
変革された「時」に気付くことも無く
老いた獅子は鎮座する
坊主が世を問うても
老いた獅子は鎮座する
やがて寺は分派されよう
糸を引く 思惑の羊とともに
老いた獅子のその傷口に
たった人匙の毒も盛る事無く
鼻を付き合わせた坊主の様は
やがては美しく散る花となる
そして蟻達は花弁を集め
在るべき姿を描きなおす
新しき秩序の為に
ありふれた概念 壊れた法則
そして抑圧は広大な閉塞感を形成した
今や信念は破れかけた雲
それでも教義は褪せる事無く
必然な不安を箱に閉ざし
答えを求め体を成す
老いた獅子が美しく鋭い爪を磨く
桁違いの脚力で空海を無尽に巡る
皆、その力を称え そして恋焦がれた
新世紀は新たなる天竺への旅路を示した
しかし三蔵法師は退くことの美しさを知っていた
やがては天竺に光が訪れ
大いなる光が街を照らすこととなる
目覚めるべき時の夢の中で
その珠はきれいだね
その珠は
あなたが持っているからきれいだね
私にはとてもそのように磨けない
あなたとは違うきれいな珠を持っているだけ
ただそれだけのこと
あなたの珠は
時が経つほど輝いているね
真似をして磨こうと思ったら
落としてしまったよ
傷つけられてしまったよ
ほんとうはここにあるだけでよかったのに
116 :
津山市代表 ◆TSUYAMAa7I :04/08/03 13:07
>>112 何かを問いかけているような、そんな感じがする詩ですね。3段に分けた構成もgood。
さまざまな比喩表現から、いろんな教訓なども読み取れます。
>>113 今の世界は、昔の常識さえも非常識にしてしまった・・・そんな道理も
通らない混沌とした世の中。
この詩に出てくる「老いた獅子」「三蔵法師」のような人こそ救世主といえるのではないでしょうか。