連続小説!「裏・真夏の鳥取砂丘殺人事件」 2 season
1 :
ほんわか名無しさん:
2 :
ほんわか名無しさん:03/12/11 13:22
あ、砂丘ラーメンだ
3 :
ほんわか名無しさん:03/12/11 13:22
とりあえず前スレから話を続けましょう。
まとめが必要になってくると思うけど…
らっきょうチョコレートっておいしいですか?
ミ
ミ ( ,,,,,, ∧,,∧
∧,,∧ η ミ,,゚Д゚彡
ミ __ ミ,,゚Д゚彡 (/(/ ミ /)
て" ミ ミ つつ 彡 ミ `つ
⊂ ミ ミつつ 彡 ⊂ つ
彡" ミ 彡"。γ。ミ
∧,,∧ ∨"∨ 彡 ∨"∨ 彡 ∧,,∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ,,,,,ミ,,゚Д゚彡 ミ,,゚Д゚彡 < 高句麗参上!
⊂,,,,,,,,,,,,,,,つつ ミ ,つ \_____
彡 〜ミ ,ミつ スタッ !
ピョン! (/
親友、デルビッシュの乳首が富士山より巨大になってしまった事を打ち明けられたメガネッシュ。
3年後、彼等は野球で世界に羽ばたく事となる。
だが、メガネッシュは自分の会社『メガネッシュカー(株)』の経営を優先するあまり、
成績を落としてしまった。
母や師匠・歌丸、タケルや鉄人・皮井の協力のもと、いろんな意味で特訓に励むメガネッシュ。
だが帰る途中飛行機が墜落。出会った原住民達と3ヶ月過ごしているうちに、
会社は倒産していた。そしてメガネッシュに復讐を誓った元社員・キバヤシとの勝負。
だがメガネッシュは暗殺者に狙われていた。戦いの末なんとか暗殺者・山崎たちを返り討ちにした
メガネッシュ。
そして一週間の逃亡生活。暗殺者に狙われた日常。
あのあと仲間になったキバヤシにメガネッシュを狙う犯人は3人いる事を教えてもらう。
そのうちの候補の一人、トムのアジトへ踏み込むメガネッシュ。
だがトムはジェリーなる人物に殺されていた。何故か現われ仲間になるタモリ。
新たな暗殺者・ドラえもん、香取、ダチョウ倶楽部との死闘。
そして波平との出会い、感情の交錯する命令。暗殺組織『パッショーネ』の実態。『SMAP』。
乱入する戦士・ゼリー。そして残る2人・マークとポール。
すべてが真実へと、虚無へと変わっていく。
鳥取砂丘での事件は、混沌を深めていく・・・
ここまでが第一章 『逃亡 〜メガネッシュの13日間〜:月とメガネと鳥取編』です。
○ガミラス危機編@
メガネッシュは助けを求めるためメガネッシュカー時代の恩人にして田代財閥のドン田代と会う。
だが田代はメガネッシュの出生の知る男で、人体実験などを繰り返していた黒い男だった。
そしてメガネッシュがグラスパワーと呼ばれる強大な力を秘めていることも。
田代ビルで再びジェリーと出会う。だがその姿はネズミであった。波平はヒューマノイド型の戦闘機
だったこと、その波平が死んだはずのトムに破壊されマグマウェポンを奪われたと知る。
そして田代がトムと組んでメガネッシュを利用としていたことを知らされる。
そのころ地球に向かってくる巨大質量があった。それは地球から遥か彼方からやってきた
デスラー艦隊。それを指揮するのは田代のクローン実験の失敗作デスラーであった。
田代と同じ遺伝子を有するデスラーはさらに自らのクローンを造り軍事組織を宇宙の片隅で
つくりあげ地球に襲来してきたのであった。地球人類の危機である。
そのことに気づいた世界政府は対策のためメガネッシュをさらおうと画策。
さらに世界政府・警察部の幹部十三浪士のひとりパフェが田代に近づき、デスラー対策会議に参加せよ
と交渉する。ジェリーと田代はそれを承諾し、かくして田代財閥と世界政府との共同戦線ができあがった。
田代ビルから逃げ出したメガネッシュたちは再び世界政府・オカシーズの刺客に狙われる。
一応途中まで書いてたまとめ…
話をわかりやすくするためにある程度順番変えたりしたりしてます。
ジョーカーは囲まれている。いったいどうするのか?
メガネッシュ「おいこのジョーカー野郎観念しやがれこれだけの人数ならいかなおまえとて」
ジョーカー「ふふふ本気で言ってるのかいメガネッシュくんぼくがほんきをだせば虎とていちころだぜ」
スウィーツ「さてどうだか」
じりじりと詰め寄るメガネッシュたちにジョーカーは不安な表情ひとつみせずむしろほくそえんでいるようで
あった
ジョーカー「さてそろそろかな おいでませい皆の衆」
メガネッシュ「何!?」
つづく
○ガミラス危機編A
鳥取砂丘にあるという『マグマウェポン』を取りに行く田代とジェリー。
田代は『ミッキー』という『ネオナイトメアチルドレン』・・・『ウェポン』を必要としない、
新型のナイトメアチルドレン――も連れていこうという。
そのころ宇宙では攻めてくるはずのデスラーが、同じ仲間、ガミラスに陥れられて死亡。
ガミラスが艦隊の指揮を取る事になった。ガミラスは鳥取砂丘に超吸収生物・・・
触れるものすべてを取り込んでしまう、悪魔のような生物『ねるねるねるね』を投下。
一方鳥取砂丘では『ウェポン』の隠されている建造物に入り、
ミッキーの超絶的な勘と能力によって、次々とトラップを回避する田代たちの姿があった。
しかし、そこに『ねるねるね』が進入してくる。万事休すか、と思われたが、ミッキーは
『ねるねるね』を食べてしまう。なんとかウェポンの真上まで到達する田代たち。
しかし、そこで見たものは『オカシーズNO,1:シフォン』の部下、チョコとバニラがいた。
ミッキーが毒ガスを放つ。毒に耐性がある田代、テレポートで外に出るジェリー。
バニラとアイスは撃退したか、と思われたがバニラもテレポートを使えていた。
ジェリーと戦闘に入ろうとするバニラ。しかし、ついに田代は『グラスウェポン』を
入手する事に成功。バニラを退ける。
一方メガネッシュ達はオカシーズの追っ手と和解(?)鳥取に飛び立つ。
だが爆撃を受け、埼玉ゴズニーランドでSMAP、キバヤシ達と合流。
その時、オカシーズの刺客 サバランとガムが襲い掛かってくる。苦戦するSMAP達。
そして何とか2人を倒す事に成功したのであった。
しかしシフォンが登場。その圧倒的な力の前にタモリが重傷を負う。
シフォンが話す『野火一家の実態』『人間の狂気』とは!?
○ガミラス危機編B
その時、事態は急転。なんと、ガミラスが波動砲を香港に発射したらしい。
焦土と化す香港。ねるねるねで壊滅していく世界中の主要都市。
そして地球に降り立つガミラス。ガミラスタワーが建設される。
ねるねるねを撃退する謎のドラえもんズ。もう一人のチルドレン、スウィーツ。
ドラえもんズは中国山東省にいた。そしてエクレアも。話し合う両者。
そしてエクレアに協力する事が決定した。
そのころスウィーツは世界政府に誘拐されていた。デザートウェポンのリンク実験を行う政府。
そしてチルドレンのスウィーツとは別人のスウィーツは焼肉屋にいるらしい。
そしてその『別人のスウィーツ』にそっくりな男、鈴木はドラえもんズに誘拐されたらしい。
・・・という話を久々に登場したトムがマグマウェポンを携えつつ田代たちに語る。
その後ウェポンに付いての話をするトム、田代、キリコ、ジェリーの4人。
また、ミッキーにアンチねるねるねシステムが搭載されたらしい。
ミッキーと共にガミラスの居城、ガミラスタワーに出撃するトム。
そのころSMAPとメガネッシュ一行は熱海にいた。ここで始めてメガネッシュは自分が人造人間・・・
ナイトメアチルドレンであることを知る。『精神鍛錬プログラム』に挑むメガネッシュ。
そして遂に『グラスパワー』を開花する。
また、タモリとオカシーズのヨウカンが戦闘。激闘の末、タモリは『WI』:メタルウェポンと
完全にリンクする事に成功、右手も使えるようになるのだった。
その時、ガミラスの部下『ジーンズ』とオカシーズのオタベ、ワッフルが交戦する。
また、ドラえもんズは現在に自分たちがいてはいけないことを悟り、未来へと帰る。
ここからは中の人がメンドくなったのでちょっと省略。
大事な所だけ説明。
○ジョーカー&オウム編○
その後ガミラスは帰り、ミッキーのアンチねるねるねでねるねるねは全滅。
しかしもはや地球は住める環境ではなかった。
そして遂に現れる『3人目』のチルドレン、田代の無邪気さを受け継いだ男・ジョーカー。
また、田代の冷徹さを受け継ぐ『4人目』オウム。
戦いの末グラスウェポンを手にするメガネッシュ。
ジョーカーは地下都市を作り、人々を避難させる。
自らの爆弾でガミラス軍は爆死。オウムは『ネオチルドレン』の謎をとき、
メガネッシュも出生の秘密を知る。メガネッシュのもつ写真の正体を。
以前バスケをやったタケルはジョーカーの部下・ナイトに襲われるが、ナイトはオウムに
屠られる。
タケルは自分が『インセインウェポン』のチルドレンということを知り、暴走する。
ギルガメッシュはジョーカーの部下となり、田代の生まれ変わりとなった。
そして遂に対面する4人のチルドレン、ウェポン。仲間達。
暴走したタケルをメガネッシュ達は何とか食い止めるも、ジョーカーはタケルを連れ去ってしまう。
そしてトムと歌丸はウェポンを作った古代サキュ人の末裔という事が発覚。
謎の黄金鳥とは?ネオチルドレンは一体?オウムは何を企んでいるのか・・・?
すべてが明るみに出て行く。
13 :
マトゥメ1・3・4・5:03/12/12 19:04
というのが今までの流れです。実際、自分もストーリーが複雑で良くわかりませぬ(汗
追加・訂正・一言物申すな人は指摘お願いしませう。
あとマトゥメ2の人に感謝。正直、自分よりも全然分かりやすい文章ですね・・・
自分、文才なしです。スマソ。
まあ一番いいのは最初から読む事ですね。結局。
というわけで
>>9から話の続きドゾー
14 :
ほんわか名無しさん:03/12/12 19:12
一応・・・『ウェポンまとめ』を。
『ウェポン』とは地球に古くから存在する四つの古代兵器のことである。
・ウェポンを使うにはウェポンとリンクする必要があるが、完全にリンクできる者は通常、存在しない。
しかし、部分的にリンクする者が稀に存在することがある(田代etc...)
・ウェポンと完全にリンクするように、田代とパフェによって造られたのが『ナイトメアチルドレン』である。
『ナイトメアチルドレン』はそれぞれ強力な『パワー』を持ち、『ウェポン』を所持していない時には
暴発することがある。(メガネッシュの『グラスパワー』暴発による共同研究所爆破etc...)
つまり、『ウェポン』とチルドレンの『パワー』は互いに制御し合う関係にある。
・『マグマウェポン』と『インセインウェポン』。この二つが『オリジナルウェポン』。
サキュの科学者たちは模造品に『グラスウェポン』、『デザートウェポン』、『トリックウェポン』、
『シングウェポン』の四つを作る。これに対応するように作られたのがナイトメアチルドレン。
・それに対しパフェが作った『ウェポニミテーション』、通称『WI』と呼ばれる現代版ウェポンも存在する。
扱う(リンクする)ためには資質が必要。シフォンは例外的に二つの『WI』と100%リンクできたが普通は
一人一つまで。リンクできなかった場合にもリミッターで出力を抑え行使することもできる。
>>14のとおり、二つの『オリジナルウェポン』、四つの『ウェポン』、多数の『WI』という兵器があり、
二つの『オリジナルウェポン』と四つの『ウェポン』を総称して『ウェポン』と呼ぶこともある。
・四つの『ウェポン』とそれに対応する『ナイトメアチルドレン』。
『グラスウェポン』・・・メガネッシュ
『デザートウェポン』・・・スウィーツ
『トリックウェポン』・・・ジョーカー
『シングウェポン』・・・オウム
・『WI』・・・正式名『ウェポンイミテーション』(またはウェポニミテーション)。『ウェポン』を模造、
または応用した兵器である。威力は『ウェポン』には及ばないが、使用者の能力による。
リンクは『ウェポン』に比べると甘い。また、『WI』と『ウェポン』にはレベルが存在する。
ちなみに『WI』を造れるのはパフェ、ジェリー、田代の三人である。
・登場した『WI』とその形状、能力、および使用者(登場順)。
『ライトニングウェポン』・・・鞭型、雷を操る、シフォン
『コールドウェポン』・・・腕輪型、氷を操る、エクレア
『コピーウェポン』・・・指輪型、通常リンクできないウェポンを操れる、トム
『メタルウェポン』・・・甲冑型(形状自在)、金属を操る、タモリ (ワッフルから奪う)
『スペースウェポン』・・・不明、亜空間を造り出す、サバラン
『キャンベルウェポン』・・・不明、ロウに変える、シフォン
『MMRウェポン』・・・アダムスキーUFO型、UFOを操る、キバヤシ
『ヒートウェポン』・・・手袋型、熱を操る、ケン
『ベイビーウェポン』・・・ハリセン型、三歳児に退化させる、メイリン
『アルテマウェポン』・・・剣型、使用者の命を吸い取って能力を発揮する、ギルガメッシュ
『シャドウウェポン』・・・指輪型、影に質量を持たせて操る、ムカミ
『コピー・インセインウェポン』・・・腕輪型、あらゆる原理を狂わす、タケル
『フジコウェポン』・・・扇子型、使用中でないWIを風化できる、歌丸
>まとめ
おつー
まとめお疲れ様です。
>実際、自分もストーリーが複雑で良くわかりませぬ(汗
たぶん設定をかなり詰め込んでたからだと思います。
あと場面転換が多かったのも問題だったかも。
前スレで物語の土台ができあがったんで、このスレでは話がすっきり通るようにしましょうw
19 :
ほんわか名無しさん:03/12/13 20:36
虎ぐらい自分にだって倒せる、とメガネッシュは思った。
が、顔には出さない。
メガネッシュ「・・・何処へ連れて行く気だ?」
ジョーカー「もうすぐ分かるさ、もうすぐ・・・ね。ふふふ・・・」
歩いていくジョーカー。だがジョーカーに従う気はなさそうな一同。
その時。後方100bの辺りで、爆音が轟く。
ジョーカー「・・・オウムか。」
爆音が轟いた所を見るジョーカー。だが、すぐにこっちを振り向く。
ジョーカー「・・・さて。君達には悪いがメガネッシュは貰っていくよ。
なに、危害は加えない。少し話をしたいだけさ。」
冷静に語るジョーカー。
キバヤシ「社長に手を出すなッ!」
『MMRウェポン』に乗り、戦闘態勢に入るキバヤシ。他も次々とウェポン・WIを構える。
だがジョーカーはクスッと笑った。
ジョーカー「早くオウムを止めないと、君達全滅だよ?ま、頑張ってくれ」
タモリ「何を言って・・・」
次の瞬間、メガネッシュの姿は消えていた。
そしてジョーカーも。
つづく
21 :
ほんわか名無しさん:03/12/13 23:21
キバヤシ「社長ォ!」
タモリ「メガネッシュさん!」
二人が叫んでもメガネッシュは現れなかった。
メガネッシュはさらわれたのだ。ジョーカーに。
スウィーツ「マズいわね…今のメガネッシュはジョーカーの実力に遠く及ばない。
もしかして今ごろあれやこれやといたづらされてるのかも…」
キバヤシ「しゃ、社長ーーーーーー!」
スウィーツ「それよりオウムがいるらしいわ。さっきタケルを連れてこの地下都市から離れたはずなのに…
一体何がしに戻ってきたのかしらね。とりあえずどうしましょうか」
つづく
暗黙の了解だったんですけど、チルドレン(タケルも含めて)の名前だけ
半角で書きましょうか。スウィーツとスウィーツのこともあるんで。
キバヤシ「クソッ、二手に分かれようか!?」
ファチェ「いや、ジョーカーはメガネッシュに危害を加えそうにない。それより暴れているオウムの方が危険だ。」
スウィーツ「でも今ここには歌丸さんも含めて十七人もいるわ。やはり二手に分かれましょう!」
スウィーツは同じチルドレンであるメガネッシュがさらわれて、いつになく焦っている。
しかし爆音はもう聞こえてこなかった。
サバラン「・・・おい、おかしいんじゃないか?ジョーカーが地下都市の人間をほっとくだろうか?」
エクレア「確かに。あいつは統治のためなら少しの人間の犠牲は気にしない主義のようだけど、
オウムが地下都市で暴れてるとなるとその犠牲は膨大だわ。
一応まだ世界政府のトップなんだから人々の信頼を失うような真似はしないはず。」
つづく
ジェリー「この近辺にはいないようだね、オウムは。そしてジョーカーも。」
ジェリーは久々に『ウェポンレーダー』を取り出していた。青い球形のレーダーに映る二つの光る点は、
スウィーツの『デザートウェポン』、トムの『マグマウェポン』、そしていくつかの微弱に光る点は『WI』を表していた。
ファチェ「・・・ジョーカーのブラフか。騙されたな。」
あの爆発はオウムではなく、ジョーカーがこの場を切り抜けるために仕掛けた爆弾だったのだ。
スウィーツ「体勢を立て直しましょう。ケガしてるタモリさん、草薙さんの治療が
必要だし、みんなも疲れてるわ。それにトムの話も聞きたいし・・・。」
タモリはケンやタケルとの戦いで全身を骨折しているようだ。草薙もメイリンとの戦いで右肘から下を失っていた。
タモリ「でもメガネッシュさんが・・・。」
スウィーツ「彼は大丈夫よ・・・きっと。」
祈るようなスウィーツの言葉だが、全員がメガネッシュの無事を信じていた。
ファチェ「よし、とにかく地上にでよう。世界政府警察部で対策を練るんだ。」
つづく
25 :
ほんわか名無しさん:03/12/14 18:09
そのころメガネッシュは。
メガネッシュはいつの間にか真っ白い部屋にいた。
メガネッシュ「・・・ここは」
ジョーカー「目を覚ましたかい?」
何処からかジョーカーの声が聞こえる。しかし、姿はない。
メガネッシュ「ジョーカー・・・」
ジョーカーの姿を探すメガネッシュ。
ジョーカー「さて、君には話しておく事がある。聞きたいかい?」
メガネッシュ「その話が本当だっていう保証は?」
冷静に受け答えるメガネッシュ。しかし少し緊張する。
ジョーカー「それは君が信心深いかそうでないかの違いだよ。・・・さて、本題だ。
君に話したいことというのは・・・『ネオナイトメアチルドレン』と『オウム』は・・・
僕達の『制御者』ということさ」
メガネッシュ「制御者?」
ジョーカー「『ストッパー』と言い換えても良い。正確には、『ネオチルドレン』がそうだ」
メガネッシュは話を信じている。
ジョーカー「『チルドレン』は不安定な存在だ。ウェポンが無ければ暴走し、
ウェポンがあっても兵器としての暴走する感情は抑えられないのさ。
世界を滅ぼしかねない」
メガネッシュ「俺は滅ぼさない。暴走もしない」
そういうメガネッシュだが、動揺している。
ジョーカー「本当にそう思うのかい?・・・まあいいか。話を続けよう。
・・・『オウム』の作られた目的・・・それは、僕達の暴走を止める為なのさ。
目には目を、兵器には兵器を、って奴さ。はっはっは」
皮肉を言うようにジョーカーは笑っている。ように聞こえる。
ジョーカー「だがそれは誤算だった。僕達を止めることができる様、冷徹な性格に
したのは間違っていたようだな」
つづく
27 :
ほんわか名無しさん:03/12/14 23:44
ジョーカーの体はメガネッシュよりも一回り小さい。メガネッシュも成人としてそんなに大きいサイズではないが、
やはり少年のままのジョーカーはメガネッシュの同年齢としてはあまりに小さい。
メガネッシュはジョーカーの不思議な空気に呑まれそうになっていた。自分は経営者として大きな取引を、時
には人間数十人の命を買えるような巨大な額を動かしてきたこともある。自分が破滅するか王者になる
か、スレスレの取り引きもこなしてきた。そして、ことごとく勝って来た。中には幾多の戦場をくぐりぬけて
きた鬼のような取り引き相手もいた。実際そうだったのかもしれない。経営者として、数千の部下の生活
を背に道を歩いてきた者は獣のような空気を纏う者もいた。しかし、そんな強者の殺気に近いプレッシャー
を前にしても屈せず、そして勝利を手にし続けた。
それは、相手に最後まで呑まれなかったメガネッシュの精神力の強さといえる。
自分には家族と部下がいる。失うわけには、いかなかった。
そんな時の事を思い出していた。だがこのジョーカーという人間はそんな修羅場を渡り歩いてきたメガネッシュ
にとっても初めて出会う未知の人種のようであった。メガネッシュは一度として話をするときには目をそらした
ことはない。だが、このジョーカーとは目を離したくてたまりなかった。ジョーカーの目を見ていると不思議に
飲み込まれそうになってくる。広大な宇宙のような、全てを優しく包み込む聖母のような。
自分の意志に反して、取り込まれてしまいそうな恐怖にかられていた。
だが同時にメガネッシュは、安心に似た感情も覚えていた。
それは同じナイトメアチルドレンのスウィーツとジョーカーの目の光が似ているからと気づいたのは、もう少し
後になってからだった。
つづく
白い部屋のベッドのような所でジョーカーはメガネッシュの隣に座り対話をしていた。この白い部屋
には見渡したところほぼ何もない。窓もないので外がどんな様子なのか、昼か夜かもわから
ない。あるのは、メガネッシュの丁度正面にある白く塗られたノブつきのドアと、天井に設置された
無機質な電灯と、とってつけられたような壁の突起部分に置かれた花瓶。しかも花は枯れている。
なんと殺風景な部屋だろう。以前サイフを無くしてしまい仕方なくスラムの安宿に泊まったことが
あるが、ここよりはいくらかましだった。まぁ、あの安宿よりは清潔だろうけど。ほんの、いくらか。
ジョーカー「田代は人類の三つの選択を託したのさ。」
メガネッシュ「…三つ?」
メガネッシュの顔を覗き込むようにジョーカーは再び話を始めた。メガネッシュはジョーカーに呑み込まれない
ように意識を集中させた。
ジョーカー「統治、維持、そして…破壊。田代は地球人類の未来に『ウェポン』とその子供たちに任せた。
一つ目は統治…。絶対的強者による統治。網の目のように大地に巣食う国境を一切排除し、絶対的な
一人の者によって地球の統治を任す。その世界には宗教も文化も思想も意思も存在しない。
ただ一人の者の手によって明日を決める。夕食のメニューだって決められるかもしれない。
…そのシナリオを任せれたのが僕さ。」
メガネッシュ「…一つ聞かせてくれ」
ジョーカー「なんだい」
メガネッシュ「その世界の、その神みたいな奴はお前がなるのか?」
ジョーカーはその言葉を聞いて少しあごを上げて、口の端を曲げて笑って言った。
ジョーカー「神、じゃない。あくまで一人の人間さ。
そしてそれは僕が誰を選ぶのかは、わからない」
つづく
ジョーカー「二つ目は、維持。今の世界の制度をそのまま続ける。
今のところ世界は世界政府によって合議的に統治をなされているけど…。まぁ、世界政府は
僕が最高権力を握っているがまもなく僕を世界政府から除名するだろう。なぜなら僕は地下都市を
独立国家として宣言したからね(>>前スレ630)。世界政府は再び七つの部門の最高顧問たちによる
合議的な政治が始まる。
ガミラスの侵攻によって荒廃した地球をは数年もすればまた荒廃する前の地球に戻るだろう。
その時、愚かな地球人は戦争を始めるかもしれない。
その様を見つづけ、行く末を見守るのがスウィーツの役目さ」
話を聞いて、田代がなぜナイトメアチルドレンに己の異なる四つの性格を授けたのか、わかった。
田代はチルドレンに自分の性格と共にシナリオを用意したのだ。そのシナリオを遂行するように、
最も適した性格を授けたのだ。
スウィーツには人類の築いてきた文化を守るを賢さを。
ジョーカーには新たな世界築く神のようなを無邪気さを。
オウムには制御者としての、兄弟を殺すという冷徹さを。
ここでメガネッシュは疑問を抱いた。ジョーカーの話によれば、自分に託されたシナリオは…。
ジョーカーはメガネッシュの前に左手の人差し指を持ち上げて、無表情に、言った。
ジョーカー「そしてメガネッシュ…君には破壊というシナリオを任されている。
人間がこれ以上苦しまないように、みんな無くしてしまう、優しさを」
つづく
メガネッシュ以外の地下都市攻撃班は世界政府の輸送機によって世界政府警察部本部のある
イギリスはロンドンに向かった。一応歌丸も同行した。
治療の結果、タモリは全身六箇所を骨折、他にも肉体の損傷が激しく少なくとも半年以上は
ベッドから起きれないと判断された。草薙も歩くことはできるが、利き腕の右手の肘から下を
そっくりなくしてしまったので、戦闘どころか、日常生活にも困ることになるだろうという有様
だった。
地下都市侵入から三日後。
十七人は一通りの治療を受け一段落したあと、それぞれ情報をまとめたり静養したりしていた。
ジェリーはミッキーのアンチねるねるねシステム・『ピノ』を発動させ、ものの数十分後もすると
地球上のあらゆるところで人間に危害を及ぼしていたねるねるねを全滅させた。
それは、ミッキーのナイトメアチルドレンの恐ろしさの証明でもあった。
世界政府警察部本部の地下一階にある会議室。そこはかつて警察部最高顧問クッキーと
十三狼士が会談に使っていた場所だった。
そこに、スウィーツ、キバヤシ、ジェリー、エクレア、そしてトムの五人が揃っていた。
キバヤシはトムとはメガネッシュカー時代からの旧知の仲だ。だが彼の深い部分、つまり田代の
回し者だったこと。そしてサキュの王族の末裔だったこと…。キバヤシの想像も及ばないトムの
過去をキバヤシはこれから聞き出そうとしていた。
つづく
31 :
ほんわか名無しさん:03/12/15 00:51
キバヤシ「トム、聞かせてくれ。お前はなぜジェリーに殺されたフリをし、田代と組み、波平を破壊し
マグマウェポンを手に入れ、十三浪士の五人の殺害したのか。謎の行動ばかりとって来たお前
の目的を説明のいくように聞かせてくれ」
トム「…わかった、全てを話そう。まずは俺の部族、つまり古代文明『サキュ』の王族の末裔である
『ヤンクン族』に伝わる『極楽鳥』の伝説の話をしよう」
つづく
トム「『ヤンクン族』は・・・中央アジアあたりで生活していた遊牧民族だ。民族と言っても
『サキュ』王族を含む、『1stウェポンインパクト』の生き残りが集まった小さな集団だった。」
トムは、はるか昔を思い起こすかのように話し始めた。
トム「その構成は『サキュ』の王子と、科学者数人とその家族・・・。彼らは高い技術力を持っていたが、
『ウェポンインパクト』を戒めとして科学を手放し、遊牧して自然のままに暮らすことを決めた。」
キバヤシ「そうか・・・それで極楽鳥とは!?」
トム「まぁ待て、まず『サキュ』の血がどのように受け継がれたのかを話しているんだ。彼らは子供をほぼ
一人ずつしか作らず、そして他民族との接触を極力避けてきた。二百年前に戦争が起こるまでは・・・」
キバヤシ「戦争・・・それで『ヤンクン族』は・・・?」
トム「・・・周辺国の戦争に巻き込まれ、少しずつ数が増えてきた『ヤンクン族』はさらに数が減り
世界中に離散した。しかし王族の血は絶えていなかった。そして科学者の直系の血も・・・。
この戦争のせいで自分が『サキュ』の子孫だとは知らずに現代を生きている者もいるだろう。」
つづく
キバヤシ「科学者の子孫には歌丸さんもいるのか?」
トム「そうだ。俺の調べでは円楽、木久蔵、歌丸、ゴースト。この四人だが歌丸の話ではまだいる
らしい。そしてこれは確かではないんだが・・・田代やパフェもその可能性が高いと思っている。」
キバヤシ「田代、パフェ!!そしてゴーストもか・・・しかし何故奴らは最近になって動き出したんだ?」
トム「もちろん、十五年前に田代とパフェが『ナイトメアチルドレン』と『WI』を作り出したから
だろう。俺もそれをきっかけに『ウェポン』に関わりだしたんだ。田代のスパイとしてな・・・。」
キバヤシ「最初から田代のスパイとして会社にやってきたってわけか!・・・それで極楽鳥とは?」
トム「せっかちだな、キバヤシ・・・『サキュ』王族、そして科学者の直系の子孫には代々受け継がれている古文書がある。
それぞれ内容は違うが。田代とパフェは、それを手がかりに『ウェポン』に関わったのかもしれない。円楽たちが
『インセインウェポン』を探したのもその古文書のせいだろう。王族の古文書によると『1stウェポンインパクト』が
起こったときに、黄金に輝く鳥が飛び立つところを科学者の一人が目撃したらしい。古文書にはそれ以上この鳥について
は触れられていないから、ここからは俺の推測なんだが・・・」
つづく
キバヤシ「何だ?その推測というのは?」
トムの話を興味深げにきくキバヤシ。
トム「多くの文献にも登場し、『火の鳥』や『不死鳥』とも呼ばれているこの鳥、『極楽鳥』は生命をつかさどる鳥
ではないか?・・・『ウェポンインパクト』により地表の1/3が吹き飛んだにも関わらず、生態系がそれほど影響
を受けなかったのはこの極楽鳥のおかげではないか?そして『1stウェポンインパクト』に関わったと思われる
この鳥は、『2ndウェポンインパクト』について何らかの形で関わってくるはずなんだ!」
キバヤシ「・・・」
トム「・・・寝るな、キバヤシ!」
つづく
そのころ、天から軽い突っ込みが入った。
>>30よ
・警察部最高顧問はプリン、
・『ピノ』は地下侵入直後に発動済み(>>前スレ638)
そしてある男が呟いた…
天にまします我らの神よ、すいません私の間違いでした
「トム。お前は誇り高いサキュの王族の子孫だ。
お前は正統なる地球の王の後継者なのだ」
トムの幼き頃の記憶。トムの記憶では彼の父親は白いひげがぼうぼうに生え、毎日のように
酒を飲み、うわごとのようにトムに同じこと言い繰り返していた。
子供の頃のトムは上海の貧民窟に住んでいた。中国の都市というのはみんなそうだが、
都市の中心部から少し離れるとまるで過去にタイムスリップしたように現代性を失う。
トムは父親と共に貧民街の一角の崩れかけた家に住んでいた。
そこでは中国人とは違う顔立ちのトムは周りの子供からいじめられていた。
子供の残虐性とは恐ろしいものだった。トムはいつも血だらけになってこう思っていた。
僕はなぜみんなと違うんだろう?
子供のトムが抱いていた疑問は父親が繰り返し繰り返し言う呪文のような言葉によって解決した。
お前は人とは違う。お前には王族の血が流れているんだ。
トムは子供ながらにそれを了解した。僕は人とは違う、だからみんなにいじめられるんだ。
そして、僕は王だ。 王に逆らう者は許されるべきじゃない
その夜上海の貧民窟で三人の浮浪児の惨殺死体が発見された。三人に共通していたことは
トムをいじめていた、ということ。だが物的証拠は見つからず、また殺されたのが身元不明の
浮浪児で発見場所が貧民窟だったことから警察はあまり事件に介入しなかった。事件は迷宮
入りした。
トムは、八歳で初めて人を殺した。
つづく
それは彼の”処刑”だった。
八歳のトムも一応命の倫理というものは学習していた。彼が五歳のとき飼っていた猫が(それにしても
薄汚い猫だったが)死んだときにはトムは大泣きしたものだった。
道端で偶然落ちていたソレをトムは自分の腐りかけた木のベッドの下にそれまで宝物のように大切に
しまっていた。父親におもちゃを与えられていないトムは自分の所有物というものを強烈に欲しがった。
別になんでもよかった。自分のものでさえあれば。
トムは宝物のソレを、両刃のナイフを、”処刑”の道具として使うことを思いつかなければトムの人生は
また違っていたかもしれない。
トムにとって父親の教えは自分の誇りだった。
王族。王。偉い人。
彼がもう少し成長し父親からサキュの伝承を聞くまでなんのことかはよくわからなかったが、とにかく
自分は選ばれた人間なのだ、という誇りを少年のトムに植え付けた。
だから自分に屈辱を与えた者には罰を与えなければならない。憎しみと相乗して父親の教えは幼いトム
にナイフを握らせた。
トムは十五歳の時父親の死を機に上海の貧民窟を抜け出し、香港へ向かった。
父親から『サキュ』、『ウェポン』や『極楽鳥』についての情報は彼を堰きたてた。
おれは選ばれし人間、サキュの王族の末裔だ。おれが君臨するような世界を造らなければならない。
彼の誇りは、父親の教えは、やがて歪んだ野望へと変わっていった。もしかしたらトムの父親は
それを望み、彼に『ヤンクン族』が受け継いできたサキュの伝承を託したのかもしれない。
そしてトムは二年間の間一般人として香港で生活を続け、裏で世界各地からサキュやウェポンに
関する情報を集めていた。
彼の生活が、そして彼の運命の歯車が回り始めたのは、ある冬の夜、田代と出会ってからである…。
つづく
トム「田代財閥総帥の田代だな。少し話がある」
田代のスケジュールを徹底的に調べ上げ、今日田代がごひいきの指揮家のコンサートを田代
ひとりだけで出かけて見に行くという情報を手に入れた。トムは田代に接触する機会は今日しか
ない、と思った。
田代「…強盗か?金目的ならお前が欲しい二倍の額をくれてやる。だから私の前から早く立ち去れ。
今の気分がいいのを邪魔されたくない」
前日に雪が積もったので外は寒かった。トムは着込んでいったが、しかし動きやすさには配慮した。
トムは田代の目が追いつけない動きで田代の背後に回り、田代の首の頚動脈あたりにナイフをあて
がった。そのナイフはもちろん、あの日拾った、両刃のナイフ。
トム「あいにく俺の目的は金じゃあない。」
田代はナイフを突きつけられても眉ひとつ動かさなかった。それはまるで田代が自分の命にこれっぽ
っちも興味を示していない、というように。やるならはやくやれ、といった感じに。
トム「俺の目的はお前が研究している『ウェポン』についての情報だ」
その言葉を聞いた途端田代は顔を変えた。その変化にトムも驚いたほどだ。
田代「貴様…!何故それを!?」
トム「二年間がかりでやっと手に入れた情報だ。お前がサキュの遺産『ウェポン』を研究しているのは
わかっている。
俺はサキュの王族の末裔だ。お前が所有している『ウェポン』を渡してもらおう。」
人生をかけ探していた宝が、今やっと見つかった。その時の田代のこころはまさにそうだっただろう。
田代はトムを、”研究所”に連れて行った。
つづく
40 :
ほんわか名無しさん:03/12/15 19:32
研究所の中をはじめて見た時の事をトムははっきりと覚えている。
トム「凄い・・・!」
その一言だった。
なにせ至るところに得体の知れない液体の流れるチューブやパイプ、シリンダーが
はびこり、SFなどでよく出てくるフランケンシュタインの製造工場のようだ。
・・・いや、『フランケンシュタイン』というのはあながち間違ってはいなかった。
トム「これは・・・」
トムの見た先には巨大な5つのシリンダー、液体。その中に『何か』が蠢いていた。
田代「それはお前の探す『ウェポン』を完全に操れる者たちさ。
我々は『ナイトメアチルドレン』と呼んでいるがね。」
トム「『ナイトメア』・・・『チルドレン』・・・」
シリンダー内の泡が炭酸ドリンクのように立ち上る。
トムはその光景をただ、馬鹿のように見つめるしかなかった。
つづく
世界政府のまとめです。
『世界政府』
警察部、科学部、軍事部、情勢調査部、諜報部などの七つの機関から成る、
地球人類を統治している世界最高権力。七つの機関の最高顧問の評議により
世界政府の最高意思が決定されていたが、ガミラス危機において人類を地下へ
逃がす政策を提案した功績で、現在は『ナイトメアチルドレン』であるジョーカー
(元情勢調査部特務大臣・・・世界政府最高顧問会議での発言権があったことから
最高顧問も兼ねていた?)が単独で統べている。
また、警察部以外の機関については詳しいことは不明。
『警察部』
最高顧問プリン。軍事部に並ぶ協力な部隊を持つ。そしてオカシーズが所属する機関。
ちなみにプリンはジョーカーによりカードにさせられ、現在消息不明。
『オカシーズ』
警察部第八特務機関であり、総司令官はプリン。十三狼士はその幹部である。
ガミラス危機において活躍し、世界政府でも有名な存在になった。
『オカシーズ十三狼士』
・シフォン・・・十三狼士No.1の実力を持つ(部下 バニラ、チョコ)。SM好きの女王様。
ゴズニーランドでタモリの片腕を奪った人物。香取の過去を知る。
『WI』は『ライトニングウェポン』と『キャンベルウェポン』(ともに100%リンク)。
・サバラン・・・十三狼士No.2の実力を持つ(部下 ガム)。が、負け試合が多い。元科学部に所属。残忍な性格。
ポクト神拳の使い手。『SMAP』と戦闘したことがあり、あまり仲が良くない。
『WI』は『スペースウェポン』。
・エクレア・・・元諜報部に所属。冷静な女十三狼士。『WI』は『コールドウェポン』(100%リンク)。
・ファチェ・・・十三浪士一の美形。そしてパフェに次ぐ知能派。地下政府侵入時には指揮をとった。『WI』は不明。
・ワッフル・・・軍人的な性格(部下 オタベ、ヨウカン、キンツバ)。タモリとの戦いで死亡。
『WI』の『メタルウェポン』はタモリと100%リンクしたため、現在タモリが所持。
・パフェ・・・『WI』を造れる、元科学部の博士。メガネッシュによる『共同研究所爆破事件』で科学部を
左遷され、警察部オカシーズ十三浪士に所属。後に再び科学部博士も兼任していたが、
自らの意思で世界政府を去る(>>前スレ588)(部下 志村モーケン)
・ティラミス、カステラ、パォン・デ・ロー(部下 ゼリー)、クラフティ、ザルダ…トムに殺害された。
* クッキー・・・田代ビルに幽閉され、その後消息不明。十三浪士かどうかさえ不明。
(>>前スレ384の時点では、残る二人の十三浪士は極秘任務遂行中とのこと。)
>まとめ
おつー。
>元情勢調査部特務大臣
ジョーカーは特務大佐、だったと思う…
>>43 うっかり・・・そうでした(ちなみに前スレ
>>599ですね。)。
>>41の訂正・・・ジョーカーは元情報調査部特務大佐です。
45 :
ほんわか名無しさん:03/12/15 23:52
>>40のつづき
トムは『ナイトメアチルドレン』に嫉妬を抱いた。
正しく言うと憎悪に近いものかもしれない。『ウェポン』を操るためにだけに生を受けた、特別な存在…。
トムのアイデンティティを大きく揺るがすその存在に、トムの目的であり誇りであった『ウェポン』を
横取りされた気がして、自分を否定された気がして、気に入らなかった。
田代「さぁ、これが君が捜し求めていたものだ。王族の末裔よ」
トムは田代に研究所の最もセキュリティが厳重な場所に案内された。たぶん、覚えているだけでも
九つものセキュリティを通さねばならなかった。
複製不可能なセキュリティカードと田代の声紋によって開いた最後の扉の中にあったものは、
サキュが奉っていた神の武器、赤く光る『マグマウェポン』があった。
田代「『オリジナルウェポン』である『マグマウェポン』は我々の研究を以ってしても対応できるチルドレン
を造りだせなかった…。だがトム、サキュの王族の末裔である君なら100%リンクができるかもしれない」
その言葉を聞いてトムは『ナイトメアチルドレン』の嫌悪が吹き飛び去った。
そう、俺こそが唯一無二の存在。子供たちに悪夢など見せられたくはない。
トムは誇りをもってマグマウェポンに語りかけた。
マグマウェポンよ…おれはサキュの末裔だ、お前の正当な持ち主だ。
おれの呼びかけに答えろ…。おれこそ、お前を使うにふさわしいのだ!
田代「駄目か…」
マグマウェポンはついにトムの呼びかけに応えなかった。すると田代は急にトムに興味を失ったように
部屋からでていった。
ウェポンは、あっさりトムを拒絶したのだ。
つづく
その後トムは父親から語り継がれたサキュにまつわる伝承の検証やトムの体に流れるサキュの王族
血液のデータを取るために”研究所”に残ることを許された。
だが田代は完全にトムに対する興味を失ったようだ。会話をする時、たとえばとりとめもない話、サキュに
ついての伝承を話す時でさえも田代の目はトムに不快感を募らせた。田代にとって今重要なことは
『マグマウェポン』と『ナイトメアチルドレン』に関することだけらしい。
それはトムに上海の貧民窟にいた頃を思い出させた。貧民窟の住民はみなトムに興味を持たなかった。
ゆういつ父親だけが自分にすくなからず愛情というものを注いでくれた。そして父親の教えというものは
今までのトムの行動を支えてきた。
おれは特別な人間だ。おれが世界を動かすことのできる王だ。
だがウェポンは彼を拒絶した。それはトムの誇りを、父親の教えをまっこうから否定されたということだ。
その後ずっとトムが田代についていったのは、もしかするとトムは田代に認められたかっただけなのかも
しれない。自分を特別な存在として見てもらいたかったから。
その動機は、子供の頃から変わらなかった。少しも。
「あなたがサキュの王族の末裔ね。ちょっと、話でもしない?」
ある時トムは研究所で女性に呼び止められた。はじめてトムは誰かに話し掛けられた気がした。
振り向くと、そこには自分とあまり歳の違わない、それにしては美しい白衣の女性がいた。
長いブロンドの髪。長いまつげ。まるでモデルのような長身とプロポーション。
研究所に篭って研究ばかりさせておくにはもったいない、本当に美しい女性だった。
トム「…何の話?」
トムが女性の呼びかけに答えると、女性は笑ってくれた。なんだか、周囲が急に明るくなった気がした。
「あなたに興味があるの」
トム「…君の名前は?」
「わたし?わたしの名前はカルマ。この研究所でWIプロジェクトに参加しているの」
つづく
トムがキバヤシたちに話をしている頃、香取はファチェの部屋にいた。
香取「ファチェ、お前を信頼できる奴だと見込んで話があるんだが・・・。」
いつにもまして深刻そうな面持ちの香取。小さな机をはさんで二人は向き合っている。
ファチェ「どうした?草薙のことか?彼ならキリコが看病しているよ。それに失った
右手だって、ジェリーが近いうち高性能の義手を作ってくれるそうだよ。」
香取「いや違うんだ。俺の両親を殺した奴が世界政府に・・・十三浪士の中にいるんだろう?」
ファチェ「・・・き、君は!?」
整ったファチェの顔が一瞬ゆがみ、一気に顔色が変わった。
香取「俺の本名は野比野火多・・・三年前に行われた世界政府の暗殺者狩りに
両親を奪われた・・・暗殺一家、野比家の息子だ(前スレ
>>380)。」
ファチェ「野比家!・・・そうだったのか。あれは・・・警察部の失策だった。」
それは生き残った香取が『パッショーネ』に入ることを決意した事件でもあった。
香取「知っているんだろう?なにもかも・・・。」
つづく
椅子から立ち上がったファチェは、力なく座り込んだ。正義感の強い彼にとって、三年前の暗殺者狩りは
良心に絶えがたいものであった。世界政府の警察部が不正をはたらいていたという事実・・・あの事件は
ファチェにとって、以前から黒いウワサがあったプリンへの不信感をいっそう強めることとなった。
ファチェ「私も・・・君を信頼できる者と見込んで真実を話そう。三年前、警察部最高顧問であり、
オカシーズ総司令であるプリンは暗殺組織『パッショーネ』と裏取引をしていた・・・。」
ファチェは苦悩の顔で話し始めた。
ファチェ「それは暗殺者狩りという名目で、大きな暗殺組織に所属していないフリーの暗殺屋を警察部
が抹殺し、その代償として『パッショーネ』から莫大な金を受け取るという黒い取引だった。
この暗殺者狩りで邪魔者が減った『パッショーネ』は、その後さらに勢力を増した・・・。」
香取「教えてくれファチェ。誰なんだ、その暗殺者狩りに参加していたのは?」
さらに顔色が苦悩の色に染まるファチェ。
ファチェ「仲間を売りたくはないが、これは完全に警察部の失態だ・・・。二つだけ条件を飲んで
くれないか。一つは・・・カタキ討ちはこの全ての戦いが終わった後にすること。」
香取「・・・約束しよう。」
ファチェ「二つめは・・・君にこのことを教えたことを、参加した本人にも伝えるということだ。」
それはかつて警察部の汚点とも言えるこの計画に加担した仲間に対してしてやれる、
ファチェの精一杯の優しさであった。
香取「・・・わかった。教えてくれ。」
つづく
ためらいは強い。しかし真実を伝えなければならない、ファチェはそう思った。
ファチェ「・・・シフォン、ワッフル、サバラン、ティラミス、クラフティの五人だ。
残りの十三浪士は反対したんだが、彼らはプリン総司令の命令に従った。」
香取「シフォン・・・!サバラン・・・!」
すでにワッフル、ティラミス、クラフティはこの世にいなかった。ファチェは必死に彼らを弁護した。
ファチェ「許してやってくれとは言わないが・・・全てはプリン総司令のせいなのだ。
彼らは悪く言えば金に目がくらんだ、ただの殺人者だ。でも・・・良く言う
ことが許されるのなら・・・プリン総司令の命令に忠実な奴らだったんだ。」
ファチェは自らの正義と、友情の間で揺れ動いていた。うなだれ、拳を血が出るほど強く握り締めながら・・・
ファチェ「そして君の両親に直接手をかけたのが誰かまでは、私には分からない。」
香取「そうか・・・顔を上げてくれ。」
うなだれていたファチェはゆっくりと顔を上げた。
香取「ありがとう、ファチェ。世界政府にもお前みたいな奴がいるとは思わなかったよ。」
ファチェ「香取・・・。」
香取は意外にも晴れやかな顔をしていた。彼がカタキ討ちを誓ったのかどうかはわからない。
しかし、香取は真っ直ぐなファチェに自分を重ねて見ていたのかもしれない。俺たちはよく似ていると・・・。
つづく
50 :
ほんわか名無しさん:03/12/16 18:49
メガネッシュ「破壊・・・」
ジョーカー「そうだ。君の『優しさ』は破壊・・・裏表が一体となった『葉っぱ』のように・・・
破壊と優しさもまた同じ。君は・・・」
ジョーカーがそう言いかけた時。
メガネッシュ「やめろッ!!」
メガネッシュがジョーカーの言葉を遮る。しかしジョーカーは尚も続ける。
ジョーカー「・・・君は破壊を楽しんでいるのではないか?優しさが君の破壊を鈍らせる。
だが本能では破壊を楽しんでいる」
メガネッシュ「やめろ・・・やめろッ・・・」
首を横に振るメガネッシュ。だが脳裏には、ガミラスタワーでの『イスカンダル』戦で、
自分は力を揮える、という楽しみを思い出していた。(前スレ
>>541)
ジョーカー「自分に素直になりたまえ。感情を抑える事は無い。本能のままにやるんだ」
囁くような口調のジョーカー。メガネッシュはトムの言葉を思い出す。
トム「『ウェポン』とともに世界を統治するか、『ウェポン』とともに滅びるかです。」
メガネッシュ「やめろ・・・・やめろ・・・俺は・・・違う・・・嫌だ…嫌だァァァァァァァァァァァァァ!!」
メガネッシュから何ともつかぬ光が溢れ出す。
つづく
ジョーカー「し、しまった!十五年前と同じ・・・これは!」
真っ白な部屋に、強烈な閃光が空間を侵蝕していくように広がっていく。
メガネッシュ「あああーーーーーーーーーーーっ!!!」
ジョーカー「ちっ!『グラスウェポン』を持っているから、と油断した。不安定過ぎだ、メガネッシュ!」
そう言い残すとジョーカーは緑色の真珠のような『トリックウェポン』を使い、一瞬のうちに消えてしまった。
メガネッシュ「あああああーーーーーーーーーっ!!!」
次の瞬間、メガネッシュを中心として半径2キロが轟音とともに吹き飛んだ。
ドガーーーーーーーンッ!!
ストレスで抑制が効かなくなったメガネッシュは、『グラスウェポン』を持っていたにも
関わらず、『グラスパワー』を暴走させてしまった。しかも、十五年前を超える威力で。
幸いにもメガネッシュとジョーカーがいた場所は地上であり、人間に被害が及ぶことはなかった。
そして意識を取り戻したメガネッシュの前には、ジョーカーはいなかった。
つづく
ジョーカー「赤い・・・。」
ジョーカーは初めて自分の血を見た。額から頬を伝う一筋の血を手に取り、それを確かめた。
ジョーカー「・・・僕としたことが・・・メガネッシュの『グラスパワー』を甘く見すぎていた。」
『トリックウェポン』による瞬間移動の移動可能距離は1.8km・・・刹那の爆発は二度目の移動を許さなかった。
爆風により多少のケガを負ったジョーカーは、地上における根城に向かって大地を踏みしめて歩いていた。
ジョーカー「ふっ・・・『チルドレン』は不安定な存在という僕の仮説は正しかったというところか。」
ジョーカーはメガネッシュのところへ引き返さなかった。逃げではない。メガネッシュに自分の不安定さを自覚させる
という一つの目的を果たしたのだ。『グラスパワー』の暴発は予測していなかったわけではない。だが
この規模で起こるとはジョーカーも予測していなかった。彼は自分の甘さを改めて認識した。
ジョーカー「たまには・・・このまま歩いていくか・・・。」
もちろん『トリックウェポン』を使えば一瞬で目的地まで着くだろう。しかしジョーカーはそうしなかった。
もう少しだけ、この軽い敗北感を・・・初めての感情を感じていたかったのだ。
ジョーカー「さて、マジックキャッスルに着いたらギルガメッシュに最後の仕上げをしなくちゃな。」
つづく
トムが思い出を掘り起こし、香取とシフォンが話し合っている、その時。
ゴゴーン・・・グラグラグラ
トム「・・・地震か?こんな時に・・・」
地震はメガネッシュの『グラスパワー』暴走の余波だった。
だがそんな事はトムたちは知る由も無かった。
メガネッシュ「はぁ・・・はぁ・・・」
メガネッシュは4キロにわたって吹っ飛んだ、その真ん中に佇んでいた。
メガネッシュ「・・・は、はは」
グラスウェポンを手にとってみるメガネッシュ。何故か吹っ切れたように笑い出す。
メガネッシュ「はははははは・・・あっはっはっはっは・・・」
地面を半円状に削り取られたその地の真ん中で、メガネッシュの声がこだましていた。
つづく
Gウィルスの怪物性とTウィルスの繁殖性が組み合わさった
Zウィルス完成
と言ったのは、久しぶりに登場したピンキー&ブレインだった。
ピンキー「ブレイン?この変なビンに入ってるのおいしい?ナーフ。」
ブレインは呆れ顔で言った。
「それを開けただけで貴様はネズミハムになるぞ。」
ピンキー「わぉ!!ネズミハムおいしそー!!」
ピンキーがビンの蓋を開けようとした。
ブレイン「ピンキー!!」
怒りのあまり、ブレインは瞬間移動装置を発動してしまった。
そしてビンは、地球を越え、変な小屋に向って行ったのだ。
中には変な奴と大男と餓鬼が居るようだ。
とにかく、こうして世界の平和は救われたのだった。
ありがとう、ピンキー!!
56 :
ほんわか名無しさん:03/12/18 00:20
ウィルスは理論上人間に人間が考えうる、もしくは考えれないどんな作用でも引き起こすことが
できるとある生物学者は言った。
『Zウィルス』…、ピンキー&ブレインが開発したものとは別に、全くの偶然だが同じものを地球人の
ある男が開発していた。
ジョーカーである。
ジョーカーは地球上に繁殖した『ねるねるね』の研究を部下に行わせていた。
『ねるねるね』はガミラス軍が開発した生物兵器だ。スライム状の灰色の軟体動物とも言うべきだろうか、
人間のみを探知しそして飲み込もうとするその恐るべき攻撃本能は事実地球に圧倒的な死者の数を
もたらした。
ジョーカーは採取した『ねるねるね』に以前開発したGウィルスとTウィルスを融合させる実験をした。
そして、実験は成功した。完成した『Zウィルス』の効果はジョーカーの思い通りのものとなった。
人を、人外のものにする。
それはギルガメッシュに”最後の仕上げ”として使おうとジョーカーは決めていた。
つづく
世界政府警察部本部があるロンドンから10kmほど離れた場所にある小さな街の郊外にメガネッシュはいた。
『街』と言っても多くの人々は地下都市に居住しているので、そこは『ゴーストタウン』と化している。
そしてジョーカーはそこからまた数10kmほど離れた、とある大きな街に城を構えていた。その城の名は
『マジックキャッスル』・・・中世に建てられた、歴史ある古城である。そして現在はジョーカーが数年前
に立ち上げた、彼の裏組織の本部でもある。彼の部屋には彼と、ギルガメッシュがいた。
ジョーカー「ギルガメッシュ、極楽鳥は捕まえたのか。」
ギルガメッシュ「いいえ。『アルテマウェポン』を使用してもよいのならばすぐにでも捕獲できたので
しょうが、それでは生きたまま捕獲することはできません。見失ってしまいました。」
ジョーカー「まぁそう簡単に捕まえることが出来ないのは分かってたけどね。」
ジョーカーは少し残念そうな顔をした。ギルガメッシュといえば、彼は『タシロチップ』を受けて
から徐々にジョーカーへの忠誠心が強まってきていた。これもチップの能力なのだろうか?
ギルガメッシュ「申し訳ありません。」
ジョーカー「いや、気にすることはないよ。それよりギルガメッシュ・・・『タシロチップ』
を取り込んでからずいぶん日が経ったけど、その後具合はどうだい?」
ギルガメッシュ「あれから特に体に変化はありませんが。」
ジョーカー「そうか。君は・・・強くなりたくて僕の味方になったんだよね?(
>>554)」
ギルガメッシュ「・・・そうでございます。」
つづく
ジョーカーには『ビカムトランプ』(あるいはビカムカード)という能力がある。
これは『トリックウェポン』で、人間や物をカードに変える(カードに取り込む)という能力である。
このうち、強大な力を持っていた人物の死体を取り込んだカードを『デスチップ』という。そして
『デスチップ』を体内に取り入れた人間は、『デスチップ』に取り込まれている、『死んだ人物の能力』
を手に入れることが出来るのだった。
田代の死体を取り込んだ『デスチップ』を、ジョーカーは『タシロチップ』と名付け(>>前スレ562)、
ギルガメッシュはかつて、ジョーカーによってその『タシロチップ』を体内に取り入れられたのだった。
ジョーカー「君は『タシロチップ』を取り込んだが、どうも効果が薄いようだ。
そこで・・・この薬を飲んでくれ。これは君に眠る力を呼び起こす薬だ。」
そう言うとジョーカーはギルガメッシュに小さなカプセルを手渡す。
ギルガメッシュ「これを飲めば・・・さらに強くなれるのですか?」
ジョーカー「そうだ。『アルテマウェポン』にリミッターが必要なくなるほどな。」
ギルガメッシュに迷いはなかった。仲間を失ったのはジョーカーのせいではない。自分が弱かったせいだ。
そう信じて彼は今までジョーカーに仕えて来た。強さこそ絶対。そのためには仲間を殺した奴にさえ従う。
しかしギルガメッシュの想いは、今ここで完全に裏切られることとなる。
ギルガメッシュ「飲みました・・・。」
ジョーカー「そうか。」
つづく
デスラー同様緑色の皮膚を持つギルガメッシュに対して、同じ緑色の髪と緑色の『トリックウェポン』を持つ
ジョーカーはさほど違和感は持っていなかった。だが、六本腕を持つギルガメッシュ(
>>405)を見て誰が人間だと
思うだろう。もちろん『ナイトメアチルドレン』を開発する過程の失敗作であるデスラーと同じ遺伝子を持つ
彼は完全なる人間ではないのだが。
『Zウィルス』は生物に肉体的に変化を及ぼすウィルスであった。生物に入るとその肉体の組織を組み替えて、
違う形状の生物に変える。しかし、ジョーカーの目的はギルガメッシュの肉体的な改造ではなかった。
地球外生命体『ねるねるね』をその一部に持つ、『Zウィルス』は、ジョーカーの『デスチップ』を取り込んだ者に
侵入すると、肉体的な改造と精神的な改造を同時に行う、『Zウィルス・タイプD』に変化し、『デスチップ』に
取り込まれている者(死体)へ肉体、精神を作り変えるという作用を起こす・・・このことに、ジョーカーは気づいた。
ある人をその人以外の者にする・・・それは言い換えると、ある人間の肉体、精神を全く別の人間に移殖する
ということを意味している。
つまりそれはある人間をベースにして、すでに死亡した人物を蘇らせることができる、ということである。
『タシロチップ』を取り込んだギルガメッシュをベースとし、『Zウィルス』を侵入させて『Zウィルス・タイプD』
に変換させ、田代を復活させるという計画・・・ジョーカーはこれを『田代再生計画』と名付けており、これが今まさに
実行に移されたのだった・・・。
つづく
61 :
ほんわか名無しさん:03/12/18 14:52
分子変換系と分類されるウェポンはある物質を分子レベルまで一度解体し他の物質として再構築
するというウェポンである。分子変換系ウェポンは3つ確認されているが今のところこのスレに登場
しているのはトリックウェポンとキャンベルウェポン(キャンドルじゃないの?)のみ。
ウェポンにより再構築できる物質は決まっている。
中でもトリックウェポンの『ビカムカード』は性能が優れていた。人間を再構築する時その人間の精
神を保存できるのである。現代の技術では精神や記憶のメカニズムは明らかにされていない。
超科学技術誇っていたサキュで生まれたウェポンだからできることであろう。
そう、記憶や意識をも保存することができるのだ、ジョーカーは。
しかしそれを誰かにコピーすることはできなかった。ここで、『Zウィルス・タイプD』の登場となるわけ
である…。
”統治”のシナリオを任されたジョーカーは果たして田代を蘇らせて何をさせようと言うのか。
それは現段階でジョーカー以外の者が知る術は、あまりになかった。
もしかするとジョーカーは、自分の運命をただ楽しんでいるかもしれない。
スウィーツは確信していた。
メガネッシュの『グラスパワー』が開放されたと。そしてさっきのは地震それの余波であると。
”共振”とも言うべきなのだろうか。チルドレン同士で呼び合うこの感覚がそう言っていた。
チルドレンはそれぞれのシナリオを実行すべきか、そうではないかは独自の判断により
任されている。”維持”のシナリオを負うスウィーツはそのシナリオを実行すべくほかのナイト
メアチルドレンを―殺さなければならないかもしれない。
スゥイーツは、自分の運命に震えた。
つづく
62 :
ほんわか名無しさん:03/12/18 14:54
キバヤシ「…地震は収まったようだな。じゃあ、トム。続きを話してくれ。」
スゥイーツ「そうね。そのカルマという人は一体あなたになにをしたのかしら」
トム「わかった。続きを話そう」
つづく
空想具現化
トム「カルマか。よろしく。・・・で、何の話だ?」
カルマ「ここで立ち話もなんでしょう。こっちの部屋へどうぞ」
トムは彼女の後ろに付いていく。
そして部屋に到着する。イスに座るカルマとトム。
トム「わざわざ呼び出すとは・・・そんなに大事な話なのか?」
カルマ「そうでもないわ。ただ・・・」
トム「ただ?」
トムはカルマを真っ直ぐ見詰めた。
カルマ「・・・ただ、『極楽鳥』とサキュの一族・・・そして『ウェポン』について・・・
私の憶測だけど、何か関係があると思うの」
トム「『極楽鳥』と・・・俺が?」
『俺』という言葉を使ったのは、トムが一族としての誇りを持っていたためであろう。
カルマ「ええ。実は・・・」
そこまで言いかけた時だった。部屋に誰かが入ってくる。
研究員「Dr,カルマ。『極楽鳥』の『空想具現化』の能力に付いて新たな論が・・・」
カルマ「・・・分かりました。 トム、続きはまた今度。じゃあね」
そう言ってカルマは部屋を出て行った。
つづく
65 :
ほんわか名無しさん:03/12/19 01:17
それからもトムはカルマと何度か会うようになっていった。
カルマはサキュ族としてのトムに興味を持っていた。
トムはそれに別に悪い気は持たなかった。
誰かに必要とされるのは、初めてだったから。
いつしかトムも、カルマに声をかけられるのが嬉しくなっていた。
トムはカルマの推薦でWIプロジェクトに参加するようになっていった。
24時間明かりの落ちない研究所の一角にWIプロジェクトの研究室がある。
トムはそこに向かっていった。
トム(なんだろう、話って…)
借りている自室で寝ていたところをトムは内線電話で呼び出された。いそいそと寝巻きから白衣に
着替えカードキーを持ち自室を出た。
「トム、あなたは自分が王族の人間だと認めたいんでしょう?父親の教えを証明したいんでしょう?
その答えを用意してあるわ」
電話越しのカルマの声は、強い口調だったがどこか怪しかった。
その声はWIプロジェクトの研究室に向かう途中トムの頭から離れなかった。
研究室に着き扉を開けた。そこにはカルマとWIプロジェクト主任で後の十三狼士、パフェがいた。
カルマ「トム。私たちの研究の成果、そしてあなたの誇りがそこにあるわ」
トムは部屋の中央の真っ白な四角いテーブルに指輪があるのを見つけた。
トム「カルマ、これは…?」
カルマ「それはウェポンイミテーション。私たち現代文明が産み出した神の武器の模造品。
名前を、『コピーウェポン』というわ。」
つづく
通常リンクできない『ウェポン』を操れるという能力を持つ『コピーウェポン』・・・
これを開発したのはジェリーであった(>>前スレ401)。ここで何故ジェリーが共同研究所に
いたのかは、研究所に出入りしていた人々の複雑な人間関係を話さなければならない。
カルマは世界政府科学部・田代財閥共同研究所で、パフェや田代とともに『WIプロジェクト』に参加していた。
『WIプロジェクト』の中心は田代とパフェの二人だった・・・なぜ田代と世界政府が手を組んだのか・・・それは両者
がそれぞれ『マグマウェポン』、『デザートウェポン』を発見、所有していたことに加え、パフェが入手経路は
不明だが、『ウェポン』に関する古文書を所有していること、田代が『ウェポン』に精通していること・・・
これが理由だとされていた。
しかし、実は彼らは『サキュ』の科学者の子孫であり、それぞれ内容の異なる古文書を受け継いでいたのだ。
パフェの古文書には『サキュ』の歴史と、『マグマウェポン』から四つの『ウェポン』を造り出す(>>前スレ585)
過程の概要が、そして田代の古文書には『サキュ』の歴史と、四つの『ウェポン』のリンクに関する情報が記されていた。
つづく
パフェはその古文書をもとに『WI』を開発し、『WIプロジェクト』の関係者だけに古文書の存在を打ち明けた。
もちろん『サキュ』の存在や、自分が『サキュ』の血を受け継いでいるかもしれないということは秘密にして・・・。
田代も『WIプロジェクト』に参加していたが、四つの『ウェポン』にリンクできる人間は自然には産まれない
という事実に目をつけ、『WIプロジェクト』を途中で抜け、『ナイトメアプロジェクト』を立ち上げた。
田代は自分の古文書のことを誰にも語らず、共同研究とは言いつつもほぼ単独で『ナイトメアチルドレン』の
開発を進めた。そして彼は後に、古文書とこの研究の内容を『チルドレンファイル』にまとめたのである。
田代が抜けた後も『WIプロジェクト』は順調に進み、多くの『WI』が開発された。
一方、『ナイトメアプロジェクト』は難航し、失敗した実験個体を宇宙に廃棄する
事件(デスラー)や、人間の知能を高める実験で被験者を副作用でネズミにしてしまう
という事件(ジェリー)が起きていた。トムが田代に連れられ共同研究所を訪れたのは、
チルドレンがようやくある段階まで完成した頃であった。
つづく
ここでカルマ以外に共同研究所に出入りしていた主要人物の人間関係を話しておこう。
田代、ジェリー、志村は昔から友人同士であった。ある日、志村に世界政府から手紙がきた。それは、
『田代を人質にとった。田代を救いたければ世界政府に入れ』、というような内容だった(>>前スレ320)。
これはドリフ拳法を習得した志村をなんとかして警察部で使いたい、と思ったプリンの仕業であり、
田代は誘拐されてなどいなかった。が、志村は素直にそれに従い、世界政府へ向かった。
しかしプリンの策略は、田代が科学部と共同研究を行うことになったことで失敗した。
田代が、志村を科学部に助手として配属するように頼んだのである。
またこのとき志村の同期として、サバランも助手として配属していた(>>前スレ413)。
サバランはここで人体構造を学びポクト神拳を極め、後に警察部に抜擢されることになる(>>前スレ352)。
志村も後に、共同研究所の爆発によってパフェと一緒に警察部に配属されることになるのだ。
つづく
ジェリーは友人田代の実験の被験者を希望し、ドイツの共同研究所にやって来た。
しかし彼は田代の実験の副作用で、ネズミに変わってしまった。それから彼の人生は変わった。
後に、ジェリーは暗殺者として『ゴースト』と肩を並べるほど有名になっていった(>>前スレ145)。
この事件により高い知能を手に入れた彼は、試験的に『WIプロジェクト』に参加させられていた。
そのとき彼が造ったのが『コピーウェポン』である。そんなわけで『コピーウェポン』が
この共同研究所にあるのである。
ちなみに後の共同研究所の爆発のどさくさで、ジェリーは『マグマウェポン』と『コピーウェポン』の二つを手にし、
その十五年後、鳥取砂丘で親父型戦闘機『波平』に乗り込んでSMAPを苦しめることになるのだ(>>前スレ216)。
つづく
71 :
ほんわか名無しさん:03/12/20 12:03
注射
まだ続いてたんだね。
前スレ落ちてるから途中から読んでも面白いようにうわなにをするやめ(ry
73 :
ほんわか名無しさん:03/12/21 11:54
>>65つづき
トム「『コピーウェポン』・・・これは・・・一体?」
コピーウェポンを手に取りまじまじと見るトム。
カルマ「『コピーウェポン』は現代文明の結晶。そして古代の謎を解き明かすもの・・・」
パフェ「その『コピーウェポン』が有ればどんなウェポンでも操れる。
もっとも、出力は20%だが」
カルマに変わり、パフェが答える。
トム「これを・・・俺に?」
カルマ「ええ。サキュの末裔が使えば何かがあるかもしれないしね。」
トムは指輪を付けてみる。指輪が青く光る。
それから1週間・・・
トムはコピーウェポンを部屋に置いたまま外出した。
・・・『あの事件』はその時起こった。
つづく
トムはカルマに案内され、第四試験場に向かっていた。
トム「ここで何があるんだ?」
カルマ「かなり危険な『WI』の試験よ・・・」
二人は厳重なチェックを受けてからその建物に入っていった。
研究員「Dr.カルマ。ただいまから試験を行います。」
カルマ「ええ。被験者とあの『WI』のリンク率は確かめたの?」
研究員「はい。しかし・・・七人の被験者でデータを取ったんですが・・・」
カルマ「どうしたの?」
研究員「七人の平均リンク率が85%を超えていまして・・・」
カルマ「85%!?何かの間違いじゃないの?」
トム「どうしたんだ?」
カルマ「通常『WI』は、その『WI』に選ばれた一人だけに高いリンク率を示すのよ。
『WI』やその人の能力にもよるけど、100%リンクできない人はせいぜい30%・・・
だから七人全員が80%を超えるというのありえない・・・異常な事態なのよ。」
つづく
研究員「間違いありません。過去にも数例このようなことがありました。『MMRウェポン』や、あの
例の『コピー・インセインウェポン』などは、複数の人間に対して高いリンク率を示しました。」
(ここで『コピー・インセインウェポン』を造ったのが田代だということをトムは知らなかった。)
カルマ「・・・複数の人間に対して高いリンク率を示す『WI』というのは大抵良くない事を引き起こすわ。
『MMRウェポン』はリンク率は高いけど、攻撃力は異常に弱くて防御力が異常に高いという
不安定な『WI』だし・・・『コピー・インセインウェポン』は攻撃力は恐ろしく高いけど
使用者の精神を『WI』自体が操ってしまうという制御不可能な『WI』だったわ。」
研究員「無差別リンク『WI』とその能力の関連性はただいま調査中です。」
カルマ「わかったわ・・・というわけなのよ、トム。今から試験する『WI』は威力が非常に高いの。
しかも無差別リンク『WI』だということがわかったから・・・危険な事態が予測されるわ。」
トム「そうか・・・それで、その『WI』の名前は?」
カルマ「・・・『アルテマウェポン』よ。」
つづく
トムの話に会議室がざわついた。
スウィーツ「『アルテマウェポン』!?SMAP達がやられたっていう・・・ギルガメッシュの?」
トム「そうだ。地下都市でSMAPたちがあの『WI』と戦う以前に、俺は一度だけ見たことがあった。
あのころは・・・まだリミッターがない頃だったから威力の凄過ぎる『アルテマウェポン』は
開発したパフェの手によって封印された。エクレアは聞いたことがあるんじゃないか?」
エクレア「もしかして・・・『共同研究所第四試験場消滅事件』のことかしら・・・
試験場が消滅して、女の博士が大怪我を負ったっていう。」
トム「そうだ。あのとき俺はその現場にいた。そしてあの時初めて『WI』の恐ろしさを知った。そして
改めて『マグマウェポン』の正統な継承者は自分だということに気づいたんだ。そしてカルマが・・・」
トムはためらうように、大きく呼吸した。
スウィーツ「続きを聞かせて、トム。」
つづく
トム「カルマが消えていた。アルテマウェポンと共に。」
スウィーツが少し驚いたように聞いた。
スウィーツ「え?カルマは大怪我を負ったんじゃ…。」
トム「そう言うことになっている。」
トムが即答した。
スウィーツ「なっている?」
トム「そうだ。カルマは、奴はこんな手紙を残してアルテマウェポンを奪い去った。」
みんな僕の作戦に引っかかっちゃったわけだね。
でも、ちょっと残念だなぁ。頭のお宜しい博士達が簡単に僕の作戦に嵌るなんてね。
アルテマウェポンはいただいていくよ。
このウェポンは僕が完全なるリンクをすることができるんだからね。当然僕のものだろ?
実験のときはわざと力を制御してただけさ。
あと、みんな僕のことを女だと思ってたらしいけど、残念でした。
僕は男なんだよ。ちゃんとモノもあるぜ?
まぁ、僕の変装を見破れる者はそうそういないからな。
また、変装した姿で現れるかもね。その時はこの世の終わりかもな。アーッヒャッヒャッヒャッヒャ!!
byカルマ
トムが続けた。
トム「こんな失態、知れ渡らせるわけにはいかないだろ?」
78 :
ほんわか名無しさん:03/12/22 22:47
キバヤシ「・・・つまり、トムはホモだった、と。」
緊張感のカケラも無い発言をするキバヤシ。何故か酔っ払ったような顔をしている。
トム「人の話聞いてんのか・・・!!」
スパーン
とキバヤシをトムが殴った。
スウィーツ「・・・と、ところで話を元に戻すけど・・・その後、アルテマウェポンはどうやって
ジョーカーの・・・ギルガメッシュの手に?」
トム「問題はそこだ。もう『カルマ』がこの世から居なくなっていたとしたら・・・
ジョーカー、もしくはそれ以外の第3者がアルテマウェポンを奪った、ってことになる」
スウィーツ「つまり・・・そのアルテマウェポンを奪った『ジョーカー』か『第3者』は・・・
『この世の終わり』を自ら提示した『カルマ』より・・・強いってことになるわね。少なくとも」
3人の間に静寂が訪れる・・・
キバヤシ「でもさあ・・・カルマは死んでないかもよ。もしかしたら盗んだだけかもしんないし」
トム「どっちにしろ、相当のスキルを持った相手ということだ」
キバヤシ「でも・・・いや、絶対死んでない。絶対に。確信してる。・・・何故か分かんないけど」
スウィーツ「キバヤシ・・・?一体何言ってるの。あなた、さっきから何かおかしいわ」
つづく
>>78 3人の間に〜 ⇒ その場に居た全員の間に〜
トム「みんな・・・ゆっくりと席を立って五歩後ろに下がれ。」
トム、スウィーツ、ジェリー、エクレアはゆっくりと立ち上がり、後退した。キバヤシは動かない。
トム「・・・ジェリー、『WI』攻撃か?」
ジェリーは『ウェポンレーダー』で範囲を10メートル以内に設定して調べた。
そしてエクレアに目配せした。
ジェリー「ドアの向こう・・・0.5メートル・・・」
エクレア「蒼氷刃!」
エクレアは一気に飛び、右手の蒼氷の剣をドアに突き立てた。
「ちょっ、ちょっと待って下さい!!」
つづく
エクレアが寸止めした。そしてドアが開いた。
「すいません、お久しぶりです。」
そこにいたのは、ガミラスタワーの戦いの後、姿を消していた志村モーケンだった。
全員「志村!?」
志村モーケンはパフェの部下でだった。エクレアはもちろん、トム、スウィーツはガミラスタワーで
面識がある。そして志村の旧友ジェリーは共同研究所にいた時代以来の再会であった。
ジェリー「志村!お前何やってるんだ!?」
志村「ジェリー、何年ぶりだろう!久しぶりに警察部に来たら会議室
で話し声がしたので、つい『WI』でイタズラしてしまいました。」
エクレア「志村は今、パフェがいなくなったからその代理をしているのよ。十三浪士の仮メンバーってとこね。」
志村は自分に支給された『WI』を見せびらかしたかったのだろう。
志村「この『ドランクウェポン』は射程距離内の相手を酔っ払わせることができるんです。仮メンバー
なんでまだ攻撃力の高い『WI』は支給されないんです。使い方次第では・・・ほら、あんなふうに。」
見ればドアに一番近かったキバヤシはグーグー寝ている。
つづく
トム「おい、遊んでる暇はないぞ、大事な話の途中だ。何か用か?」
志村「もちろん。Dr.カルマの失踪についての情報と、『ウェポンインパクト』に関する新たな情報です。」
全員「!!!」
エクレア「そういえば、あなたパフェと連絡とってるのよね。彼はまだ何か研究してるのね。」
志村「ええ。メガネッシュとスウィーツを呼んできてくれ、とパフェから伝言を頼まれたんです。」
スウィーツ「メガネッシュ・・・」
スウィーツの顔が不安で曇る。
ジェリー「メガネッシュはジョーカーのところにいるよ。」
志村「!!・・・そうか。彼なら大丈夫でしょう・・・。それと、Dr.カルマのことなんですが・・・」
トム「彼女は・・・いや、奴は『アルテマウェポン』を盗み、手紙を残して消えやがった。」
志村「それがですね・・・犯人はDr.カルマじゃない可能性がでてきたんですよ。」
トム「何っ!?」
トムはカルマが犯人だと思いたくなかった。初めて自分に興味を持って接してくれた美しい人・・・
このイメージはトムにとって壊したくない宝物だったからだ。
つづく
志村「SMAPやサバランには数日前に会ったんですが、彼らが戦ったオウムの部下の『WI』・・・
『ベイビーウェポン』、『ヒートウェポン』、『シャドウウェポン』なんですが、
パフェに聞いたところ、あの三つは彼が造ったものではないらしいんです。」
ジェリー「俺も知らんぞ。」
志村「そう。『WI』を造れるのはパフェ、ジェリー、田代の三人のはず
なんですが、あの三つは田代が造った『WI』でもないようなんです。」
トム「つまり何が言いたいんだ?」
志村「つまり・・・Dr.カルマは拉致されたと。」
寝ているキバヤシ以外の全員が息をのんだ。
ジェリー「確かにあの内容の手紙を残すこと自体、奇妙なことだ。もしカルマが
犯人だったらわざわざ自分が本当が男だとか暴露する必要はない。」
志村「トム、当時のことをもう少し詳しく話してください。」
つづく
トム「確か試験を始めようとしたとき、被験者が『アルテマウェポン』の発動のさせ方をもう一度説明してくれと言って・・・
カルマは被験者のところに行って説明をした。そして説明しているときに『アルテマウェポン』からブラックホールが
発生して第四試験場が吸い込まれ出したんだ。俺は必死に走って、パフェを呼びに行った。」
エクレア「『ブラックホールキャンセラー』・・・SMAPたちが言ってた技ね。」
トム「そうだ。そしてパフェに『マグマウェポン』を出してもらい、自分の部屋の『コピーウェポン』を取ってもう一度
第四試験場に戻ったんだ。威力の高いという『アルテマウェポン』を被験者が暴走させたのだとすると、対抗できる
のは『マグマウェポン』しかない・・・そう思ったんだ。戻ってみると試験場の入口はガレキの山になっていた。俺は
夢中になって『コピーウェポン』をはめた手で『マグマウェポン』を振り回したんだ。
そのとき・・・初めて『マグマウェポン』が反応したんだ!『コピーウェポン』を使ってるから当たり前と言えばそうなんだが、
俺にとって王族の誇りを感じた瞬間だった。この『ウェポン』は俺が使うためにあるということをそのとき確信したんだ。
そしてガレキを溶解させて試験場の中に入ると・・・カルマも研究員も被験者も・・・全てが消滅していたんだ、あの手紙を残して・・・。」
つづく
志村「なるほど・・・。その被験者が犯人だと思っていいでしょう。しかもリミッターがない
時代にそこまで使いこなせたということは、100%リンクできる人物かもしれない。」
ジェリー「そいつがカルマが犯人だと見せかけて『アルテマウェポン』を盗んだと?」
志村「目的は『アルテマウェポン』だけではなかったと思います。おそらく・・・
犯人達の組織は『WI』を造れる人間が欲しかったんじゃないでしょうか?」
スウィーツ「まさかオウム!奴がカルマを監禁して『WI』を造らせているの!?」
志村「いえ、事件当時オウムもあなたもまだ生まれていません。おそらく別の組織が存在していて、
オウムは現在そのDr.カルマを連れ去った組織となんらかの繋がりを持っていることは確か
でしょう。『WIプロジェクト』に参加していたDr.カルマが『WI』を造れた可能性は高い・・・
そしてオウムの部下が開発者不明の『WI』を持っていたのならば、Dr.カルマはその組織に
監禁されている可能性が高いです。十五年以上前の事件ですから、彼女が無事かどうかは・・・。
『アルテマウェポン』はその組織からジョーカーのところに流れていったと思われます。」
トム「カルマ・・・」
トムは少しでもカルマを疑っていた自分を恥じた。
エクレア「助けてあげたいわね・・・彼女・・・」
つづく
86 :
ほんわか名無しさん:03/12/23 15:16
トムが突然、椅子から離れ部屋の出口に向かっていった。
スゥィーツ「トム、そんなに急いでどこへ行くの?」
トム「カルマを探しに行く」
振り返りもせずそれだけ言い残し扉を強く閉めトムは会議室から去っていった。
会議室に静けさと呆気にとられた残りのメンバーが残った。
トムは生きているかすらわからないカルマを探しにいったのだ。
しかも何も情報もないまま。それはあまりにも無謀な話だった。
ふぅ、とため息をついてネズミの体のジェリーはつぶやいた。
ジェリー「抜け駆けは奴の十八番だったな」
スウィーツ「結局カルマって女なの?手紙はカルマに罪をなすりつけようとしたフェイクだってことよね。
男が男の尻を追うって気持ち悪い話だわ」
いかにも気持ち悪い、という顔でスウィーツが毒づく。
エクレア「…まァ、トムはほぉっておいても問題ないでしょう。彼には完全ではないとはいえマグマウェポン
を行使できるわ。…十三浪士の五人も彼にはかなわなかったんだから」
その言葉でエクレアは少し詰まった。
怒りが顔にかいまよぎったのを、スウィーツは、苦い感情でかみしめた。
つづく
87 :
ほんわか名無しさん:03/12/25 11:18
ねずみ
オカシーズ本部に設けられているファチェの自室。
そこには、タバコをくわえながら鏡を見ているファチェがそこにいた。
一日二時間はこうやって鏡に映った自分を眺めるのがファチェの毎日の習慣だ。ああ、なんて俺は
美しいのだろう。世の中で信じられるのはやはり、自分と自分のこの美しさだけだ。
フゥ、と煙を吹いた。タバコを吸う俺もかっこいいな、やっぱり。
いつもはこのまま自己陶酔に入り込むのだが今日のファチェはさっき会った香取のことを考えていた。
彼の気持ちはわかる。おそらく”復讐”こそが、彼の人生をいままで支えてきたものだろう。
彼は彼の親が殺されてからたった一人で、立ちつづけたのだ。
今更それを止めることはできないだろう。
ファチェ「香取君…君は俺との約束を守ってはくれないだろうな」
ファチェは軽めのタバコを手元にあった灰皿で潰し、タバコを吸い終わった。
ファチェ「それも、いいのかもしれない」
プルル、と部屋に備えられた電話が鳴った。
立ち上がり、足早に電話のほうに向かい受話器を取った。
ファチェ「はい、こちら世界で一番美しいファチェ」
留守番電話にも登録しているあいさつを言うと慣れた反応の相手の声が出てきた。ファチェの部下だ。
ファチェ「なに…、”ねずみ”が帰ってきた!?わかった、今すぐ行く」
あいつが帰ってきたのか…、ファチェは受話器を置いてすぐ部屋を出た。
つづく
ファチェ「おぉ、生きていたのか!ガトー!」
ガトー「はっはっは、友よ、本当にひさしぶりだ!」
旧友の久しぶりの再会、といった具合に二人は喜んだ。
残る十三浪士、ガトー・ショコラが帰ってきたのだ。
”ねずみ紳士”の異名をとるガトー。彼は十三浪士の中で諜報員としての役割を果たしており、
侵入捜査やなどが主な任務だった。6カ国語に精通、あらゆる武器の扱いに長けており、遂行不可能
と謳われた任務の数々を一人でこなしてきたベテランである。以前反世界政府のテロリストが世界政
府軍事部の重要な拠点である基地を占拠してとき彼は一人で侵入し事件発生から39時間でテロリスト
を壊滅させた、というのは数ある彼の実績の中でもとりわけ有名だ。
そんな情勢調査部に属していて最高顧問にあと一歩と迫っていた彼が、警察部に配属を希望したのは
誰もが驚いた。彼は馬鹿だ、と言った周囲に対して一言こう言った。
「私は権力のために働いているのではない。もっと、危ない仕事をしたいんだ」
ガトーはオカシーズ十三浪士の一人として警察部に迎えいられ、さらに危険な任務をこなしていった。
”ねずみ紳士”のねずみとはねずみのようなすばやさとしぶとさ。紳士というのは彼のパーソナリティ
を表している。
任務が終わった後の彼はお茶をこよなく英国紳士そのものだった(カモミールティーがお気に入り)。
彼はよくのん気にお茶会なんか開いていたものだった。サバランはそれを見てよくガトーを馬鹿にしていた。
ファチェとは気が合い、任務の中でもパートナーとしてガトーの存在は頼もしかった。
行方不明になっているプリン(ジョーカーに手によりカードと化した)の”極秘任務”を遂行しているはず
だったのだがプリンが行方不明になってから音信不通だったガトーだが今帰ってきたのだ。
いったい今まで何をしてきたというのだろう。
つづく
ここはファチェの部下達が働いているニコニコ精神病院。
チュー太郎「チュー、チュー!!チューの回数は1日23.7回のチュー太郎様を通すだチュー!!」
クラッカー「やめろ!!貴様を通すわけにはいかん!!ファチェ様の家宝、白菜カッターには俺が指一本触れさせないぞ!!」
クラッカーがチュー太郎にチョップを繰り出した。
チュー太郎「甘いチュー!!喰らうチュー!!」
チュー太郎が何かを溜めているようだ。
クラッカー「いかん!!"ねずみ"のあの構えは、爆裂――」
そう言ったときには、すでにクラッカーは赤い物体に口を塞がれていた。
次の瞬間、クラッカー白く硬い石造に変わった。
チュー太郎「そう、『爆裂ディープキッス』でチュー。」
上のはなしで。
ファチェ「なんだって?ガトー、君は今までプリンの任務以外のことをしていたのか」
ガトー「あぁ、北欧あたりで活動をしていた」
ファチェは帰ってきたガトーをねぎらい、ガトーを自室に招き以前ガトーに教えてもらったレシピ
でファチェはお茶を煎れた。
ガトー「アールグレイだね。いい味を出している」
ファチェ「君にはかなわないけどね。ところでガトー、さっきの話だが君はプリンの任務を遂行していた
のではないのか?」
ガトー「いや…そうじゃない。プリンに任された極秘任務というのは田代ビルに侵入し機密事項を
奪取してくることだった」
ファチェ「ほう」
ガトー「だが、香港の田代ビルのセキュリティは厳しいものだったよ。私はあぐねいていた。
そして、そこにガミラスが侵攻してきた」
ファチェ「そうか…ガミラスは最初に香港を攻め滅ぼしたんだったな。それで田代ビルがあった場所に
奴等の本拠地であるガミラスタワーを占拠した。それでは任務の果たしようがない。それで、君は一体
どうしたんだ」
ガトー「ガミラスタワーに侵入していたよ」
まるでこれからちょっとコンビニに行ってくるよ、みたいなあまりにも軽い返事だったのでファチェは
ずっこけた。そこは、そんな軽く答えていい場所じゃないぞ!
ファチェ「相変わらず大胆だな」
ガトー「なにせ、それだけが取り柄でね」
つづく
ずずず、とファチェの煎れた紅茶をおいしそうにガトーは紅茶をすすっている。
ファチェはその顔に以前のガトーには見られなかった陰のようなものがあることに気が付いた。
それがなんなのかは、今のファチェにはわからなかった。
ティーポッドからもう一杯お茶を注ぎ足し、ガトーの話がまた始まった。
ガトー「ガミラスタワーの中の様子は壮絶なものだった…。私が見たこともない技術が使われた機械、
デスラー星人たちの進んだ理論。私には奴等の言葉が少しだけわかった。奴等は田代のクローン
なので話す言葉も田代の記憶に基づいて話していたよ。だがいわゆる混合語だったな。田代も私
と同じく色んな言語に精通していたのだろう。英語、香港語とドイツ語と、おそらくデスラー星で独自
に生まれた言葉、デスラー語とでも言うのか。その四つの語句が中心に使われていた。中心になる文法は
英語だったな。そうだ、あとなぜかインド語も少し入っていたな。インド語と英語はまぁ似たようなものだが、
独特のイントネーションには聞き覚えがある」
ファチェ「そいつはたぶん、田代がインド哲学を好んでいたからだよ。田代はインド語も堪能に話せていた
らしい。”研究所”で一緒に研究をしていたパフェが言っていた」
ガトー「インド哲学か、ジョージ・ハリスンみたいだな。それでガミラスタワー内部の様子の話だ。驚いたのは
奴等は地球人を捕らえて人体実験を行っていたんだ」
ファチェ「なんだって…!」
ガトーの目が少し潤んだ。そこには、哀しみと、強い怒りの色を帯びていた。
ガトー「凄惨な実験だった。地獄というのはああ言うのを言うんだろうな。だが私には手が出せなかった。
あの時ほど自分の無能さを責めたことはない」
ファチェ「ガトー…」
もはやガトーの手は震えていた。その振動がテーブルをはさんだファチェにも伝わっていた。
ガトー「人体実験をされた者の中には、私の娘と同じくらいの女の子もいたんだ…」
つづく
ガトーはタバコに火をつけた。ガトーは十三浪士の中で一番のヘヴィースモーカーである。
以前、何も持つなとボディチェックを受けてから臨んだ任務に、胃の中にタバコを隠して持っていった
程だ。近々、ドクターストップを受けるだろう。
紳士らしく優雅に、ガトーはタバコをくゆらせた。
ガトー「ガミラスタワーに侵入し奴等の技術を記した書物や重要な書類を盗み出そうとしたが…
無理だった。奴等の星には紙はないのだろう、文字は全て電子制御の機械を通して記録されていた。
ある意味、地球人より自然思いだったよ。奴等は憎むべき存在だが、技術は地球人のそれをはるか
に凌いでいる。」
ファチェ「地球人より自然思いか…。冗談に聞こえないよ」
ガトー「そしてメガネッシュたちやトム、ミッキーがガミラスタワーを攻撃してガミラス軍は壊滅、ガミラスタワー
は崩壊した。私もその混乱に乗じて人体実験で捕まっていた人たちを助け出したよ」
ファチェ「そうか…よかった」
ガトー「危険な任務もいいが、救出作戦というのは一番やりがいがあるよ。」
ファチェ「それで、その後はどうしていたんだ?なぜオカシーズ本部に戻らなかったんだ?」
ガトー「それが最初に話した言葉だ。北欧で人々からねるねるねを退治するために闘っていた」
ねるねるね?ミッキーのアンチねるねるねシステムでねるねるねは地球上から一掃されたはずだが…。
ガトー「ファチェ、世界政府はいったい何をしていたのだ。確かにジョーカーが世界政府の管理から外れた
地下都市国家を宣言しそっちの対応も大変だったろうが、まず第一に地表に残された人々を助け出さな
ければいけなかっただろう」
ファチェ「何を言っている。だからアンチねるねるねを使ってねるねるねを駆除したんだ」
ガトー「だが世界政府の意向はまずジョーカー対策が第一だっただろう。ファチェ。情勢調査部が発表した
ねるねるねにより死んだ人の数はいくらだ?」
ファチェ「甚大な被害が地球全土にわたっていて正確な数は出ていないが…少なくとも4000万人はねる
ねるねとガミラス軍の侵攻によって死んだ。かつて地球人類が経験したことのない程の被害だ」
つづく
ガトー「私は反世界政府の組織と一時的に協力してねるねるねから人々を守った。それでも焼け石に
水だったがな。そしてねるねるねが無くなった今も地球全体の治安は悪くなり、国家は機能せず、
頼みの綱の世界政府の対応もナメクジのように遅い。ガミラス危機以前の地球ではアフリカや
一部の地域にしかいなかった飢えている子供たちが地球全土にいるんだぞ!子供たちは明日の
パンや水にも困っている有様だ。そして警察組織が機能してない今野党どもが跋扈している。
勝手な大人たちのせいで、子供や、あらゆる弱者は虐げられているんだ!」
ガトーは声を荒げテーブルを強く叩き椅子から立ち上がった。
ファチェは理解していた。ガトーという男はこういう男だ。オカシーズはそういう人助けのための
組織ではないが、ガトーは弱者を見逃せない性格だった。
こういう正義漢は、オカシーズに所属されるべきではなかったのかもしれない。
ファチェ「落ち着くんだ、ガトー。紳士らしくないぞ」
ガトー「…すまない。つい」
ガトーはまた椅子に座った。だがその顔にはまだ怒りが残っている。
ファチェは気づいた。ガトーにあった陰は、不信と絶望だったのだ。自分が信じていた世界政府は何の
働きも示さなかった。ならば自分で人々を救おうとしても微々たるものだった。
オカシーズ本部に戻ってきたのも、世界政府に働きを期待を胸に持ってきたのだろう。淡い、淡い期待
だろうが。
ファチェはその気持ちが痛いほどわかっていた。
ファチェ「わかった。現在プリンが行方不明なので警察部の最高顧問代理として私は警察部を統括
しているのだが、今度最高顧問会があるのでその時人々の救助支援を世界政府の第一優先事項
にするように進言してみる」
ガトー「友よ、すまない。だが人々を救うためだ」
ファチェ「俺も全力を尽くしてみるよ。君と、君が救おうとしている人々のために」
つづく
96 :
ほんわか名無しさん:03/12/25 22:01
ガトー「それと、もうひとつ。これは報告なんだが」
ガトーは二本目のタバコを吸い始めながら、再度ファチェと目を合わせた。
ファチェ「なんだ?報告?」
ガトー「ここに向かう途中、『WI』で武装した奇妙な一団を見かけた」
ファチェ「『WI』で武装した…、世界政府管理下の軍隊じゃないのか?」
ガトー「いや、軍事部にしては見かけない顔だった。それに奴らは六人いた。フォーマンセルの
軍事部の小隊なら数が合わないし…。彼らが装備していた『WI』はパフェが世界政府で開発し
ていた物ではなかった。世界政府の人間じゃあない」
ファチェ「世界政府の人間ではなくてパフェの開発した以外の『WI』を持っている…。
田代の『ミニにタコ』の残党か?なににしろ、調査が必要だな」
しかし今警察部で動かせる人間がいないことをファチェは思い出した。十三浪士もこれから向かうべき
任務が全員決まっている。仕方ない、スウィーツやSMAP達に頼むか。
ファチェは電話を取り、部下に連絡を取った。
ファチェ「…ああ。会議室にいるスウィーツに代わってくれ」
「少々お待ちください」
ガトー「スゥィーツ?一体誰だ?」
聞きなれない名前をファチェが呼んだことにガトーは戸惑った。それにファチェは苦笑して返した。
ファチェ「悪夢の遣いだよ」
つづく
「お前ら何時まで話してんだよ?」
聞き慣れない声だ。
ファチェ「久しぶりの再会だ。話に浸って悪いか?ところで、お前は何者だ!?」
すると、一人の鎧を着、剣を持ったRPGに出てきそうな奴が空から降りて来た。
「俺の名は、勇者チンスコウ。オカシーズ五天皇の一人だ。」
ファチェ「オカシーズ五天皇だと?オカシーズは、我々十三浪士がいるが。」
チンスコウは呆れた顔をした。
チンスコウ「何が十三浪士だ。お前らは雑魚過ぎて知らんだろうが、オカシーズには切り札として五天皇が存在するんだよ。」
ガトー「俺等が雑魚だと?一遍殺られねぇとわからねぇみたいだな?」
チンスコウがさらに呆れた顔をして言った。
チンスコウ「自分の立場がわかっていないようだな。」
そう言うと、チンスコウは何時の間にかガトーの後方に居た。
そして、ガトーの首が地面に落ちた。
チンスコウ「WIも満足に使いこなせないお前らに、オカシーズ五天皇に勝てるわけねぇだろ?
俺等はカルマ博士が造った、このW2(ウェポンツー)が100%完全に使いこなせるんだからな。」
ファチェ「W2だと!?」
チンスコウ「そうだ。詳しくはお前ら等に説明する価値がないがな。なぁ、『健作』。」
そう言ってチンスコウがガトーの首をいとも容易くもぎ取った剣に話し掛けると、なんと、剣が問いに答えた。
「そうだな。」
トムが話の途中で部屋を出て行ったところにファチェから連絡があったのでスウィーツはファチェの部屋に
向かっていた。向かう途中、なんだか悪い予感がしたのでスィーツは足をはやめた。
ファチェの自室の扉は鍵もかかってなく、開いていた。
スゥィーツ「ファチェ…きゃあああああ!」
そこには首が切断された死体がひとつと、息も絶え絶えのファチェが血まみれで倒れていた。
スウィーツはファチェに駆け寄った。ファチェの体はぼろぼろの雑巾のようになっている。体の
あちこちに刀傷が刻まれ、ご自慢の美しい顔は見るも無残に十字の傷跡が残っていた。
スウィーツ「ファチェ!しっかりして!いったい誰にやられたの!?」
ファチェ「ス、スゥィーツか…」
スウィーツ「よかった、ファチェ!今すぐ救護班を呼んでくるから…」
ファチェはもはや瀕死の重症だった。もう、いくばくかの時間しか許されていないだろう。
それを一番わかっていたのは、ファチェだった。
ファチェ「行くな…最後に、俺の話を聞いてくれ…」
スゥィーツ「ファチェ…」
部屋を出ようとしたスゥィーツをファチェは呼び止めた。もう、無駄なのだ。救護班を呼ぼうとも。
しかしファチェは最期に、仲間に託さなければならないことがあった。
つづく
99 :
ほんわか名無しさん:03/12/26 01:34
ファチェ「俺と…そこにいる……ガトーをやったのは…『オカシーズ五天皇』だ………」
スゥィーツ「オカシーズ?同じオカシーズがなんでこんなことを…」
ファチェ「奴等の存在は……俺で…さえ知らない……。おそ…らく……プリン直属……十三浪士…
と同じ戦闘……集団だ………、何…が……目的かは…からな……が……、俺たち…敵だ…うこと…
は…た…しか……だ……」
ファチェの声はかすれていた。もう、ろうそくの炎のように消えかけた声しか出せない。
そしてファチェは悟っていた。ガトーの報告にあった6人とはオカシーズ五天皇だということ。
五天皇クラスの実力者が五天皇と組んでいたのだ。確固たる証拠はないが、ファチェはそう確信していた。
しかしそれはもうスゥィーツには伝えることはできなかった。ファチェの命はもう尽きようとしていた。
スゥィーツ「わかったわ…オカシーズ五天皇ね…。絶対、私がそいつらを倒すわ。約束する」
俺の復讐なんてしなくていい…、と言いたかったがファチェにその力は残っていなかった。
薄れゆく意識の中で、ファチェの眼は横に転がっているガトーを確認した。
ガトーももう、ファチェより早く生命活動を停止していた。世界政府の英雄とまで呼ばれた男は、
あっけなく死んでしまった。
そしてファチェも今、その後を追おうとしていた。
悪い、ガトー… お前の頼み、かなえられそうにない……
スゥィーツ「ファチェ…?ファチェ!」
ファチェの意識は完全に途絶え、ほどなくして肉体的な活動も止まった。
ファチェは、死んだ。
二人の十三浪士が本当に、嘘のように、あっけなく死んだ。
かつての十三浪士の五人のときと同じように。
ファチェの死に顔は、少し悔しさが残っているようだった。
つづく
100げっとぉぉぉぉおお!!!
スウィーツ「何てこと・・・」
エクレア「ファチェ・・・ガトー・・・」
事件の知らせを聞いてファチェの部屋にスウィーツ、エクレア、ジェリー、キバヤシ、志村、
歌丸、サバラン、SMAP、スウィーツ、キリコ、ミッキーが集まっていた。
タモリはまだ入院中である。
香取「ファチェ!!」
十三浪士で唯一信じれる存在、ファチェを失った香取の精神的ダメージは大きかった。
そしてその場にはシフォンも集まっていた・・・
サバラン「一体何が起こったんだ!?」
スウィーツ「殺されたわ・・・ファチェも知らなかったという、『オカシーズ五天皇』に・・・」
キバヤシ「何者だ、そいつらは!?」
エクレア「わからない・・・ファチェ、ファチェ・・・」
いつもは冷静なエクレア。泣いているのだろうか・・・
つづく
ファチェ、ガトーの遺体は手分けして死体安置室に運ばれた。
「ジョーカーやオウムの全ての問題が解決してから火葬しよう」という
エクレアの意向で、二人の遺体は安置室に冷凍保存されのだ。
その後、会議室で全員による話し合いが行われることになった。
シフォン「五天皇・・・困ったことになったわねん。」
シフォンが腕を組んで首をかしげている。
スウィーツ「あなた、何か知ってるの?」
シフォン「・・・少しだけね。」
エクレア「!」
サバラン「俺も名前くらいは知っているが・・・」
エクレア「何!?何の話か全然わからないわ!」
シフォン「あらあらプリンに嫌われていたのかしらね、マジメちゃん。『オカシーズ五天皇』は十三浪士より
さらに上の力を持つ、プリン直属の五人のこと。全員が『WI』に100%リンクできる実力の持ち主よ。」
香取「シフォンとサバランしかしらないということは・・・三年前の暗殺者狩りが関係してるようだな。」
シフォン「あら野比ちゃん、良く知ってるわね。さっきファチェから聞いたけど、まだ殺さないでねん。」
ファチェはガトーと会う前に、電話でシフォンとサバランに香取のことを伝えていたのだ。
つづく
サバラン「プリンの話だと、十三浪士は五天皇に漏れた奴ららしいな。」
シフォン「まぁ、それは失礼な言い方ね。私みたいに辞退した人もいるわよ。」
エクレア「!!なぜ私だけ知らないの!?」
香取「・・・俺の見る限り、十三浪士は二分割できるみたいだな。いい奴、悪い奴に。プリンは暗殺者
狩りでそれを見分けて、暗殺者狩り参加した奴だけに五天皇の話をしたんじゃないか?」
シフォン「そうね、参加しなかったエクレア、ファチェ、パフェ、ガトー、ザルダ、カステラ翁、
パォン・デ・ロー達は知らないはずよん。五天皇はプリンが組織した精鋭中の精鋭・・・。
その存在は外部はもちろん、十三浪士にさえ秘密。だって五天皇はあの悪どいプリン
直属の黒ーい組織だもの。警察部にそんな組織がいることは外に知られると困るでしょ?
まぁ、私の実力なら入れたみたいだけど辞退しちゃったわ。」
サバラン「シフォン、あまり威張って言えるようなことじゃない。」
うつむくようにしてサバランがつぶやいた。
つづく
シフォン「あらサバランはいい子ちゃんになっちゃったのかしら?あなた暗殺者狩りに参加したわよねぇ?」
サバラン「・・・。」
サバランは何も語らない。
シフォン「あらあら。メガネッシュちゃん達に影響されちゃったのかしらね。でも事実は変えられないわ。もっとも、
十三浪士No.2を名乗りながらも弱ーいあんたは野比家に太刀打ちできなかったわよね??」
香取「シフォン、お前!!やはりお前が殺ったのか!?」
うつむいているサバランと、香取を見つめるシフォン。
シフォン「・・・そうよん。暗殺一家、野比家を手にかけたのはこの私よん。」
香取「殺す!」
今にも殴りかからろうとする香取を木村と草薙が止めた。
ゴロー「お、落ち着いてください。ファチェを殺った奴はまだこの辺にいるかもしれないんですよ。」
その言葉に全員が辺りを見回す。香取は拳を下ろしてゆっくりと席についた。
ファチェとの約束を思い出すかのように・・・。
つづく
シフォン「・・・でもなぜ奴らがファチェやガトーを狙ったのかしら?」
志村「そういえば・・・以前、パフェが言ってたんですが。
プリン総司令に渡したW2が行方不明になってると・・・」
サバラン「・・・『W2』?」
志村「通称『W2』・・・正式名称『ネオウェポンイミテーション』、『NWI』は
パフェが『レンズウェポン』を解析して造った新しい『WI』です。」
シフォン「そういえば・・・『レンズウェポン』はパフェが持ってたわね。」
『レンズウェポン』とはシフォンが部下であるチョコの体内から発見した、『WI』以上
『ウェポン』未満のエネルギーを持つコンタクトレンズ状の二枚の物質である(>>前スレ)。
志村「試作として五つだけ造ってプリンに渡したらしいんですが・・・
その後プリンがなくしてしまったということだったんです。」
エクレア「パフェはまだ新しい兵器を開発してるの!?」
志村「いえ、違います。『NWI』はガミラス危機のときに対ガミラスとして開発した兵器です。今は
もっぱら『レンズウェポン』の解析を続けていますが、もう兵器を造る気はないようです。」
エクレア「そう、よかった。」
パフェを尊敬しているエクレアは、パフェがこれ以上の兵器を造ることを危惧していた。
つづく
サバラン「なるほど、プリンはパフェから受け取った『NWI』を五天皇に渡してたってわけか。」
志村「そのようですね。ファチェやガトーが普通の『WI』でそんなに簡単に殺されるわけがありませんから。
唯一の救いは、『NWI』は五つしか存在しないことです。詳しくはパフェに聞きに行きましょう。」
エクレア「目的がわからないわね、五天皇の。」
スウィーツ「でも・・・これでまた敵が増えたわ。ジョーカー、オウム、『サキュ』の
科学者の末裔の組織、カルマをさらった組織、そして五天皇・・・
トムの話だと、オウムとカルマをさらった組織は関わってるみたいね。」
歌丸「ジョーカーと『サキュ』の科学者の末裔の組織は関わっているぞ。」
歌丸も科学者の末裔の組織に属していたが、円楽の死をきっかけに組織を抜けていた。
つづく
エクレア「急いで行動しなきゃいけないわ。五天皇の力は計り知れない・・・『ウェポン』を持つトムと
メガネッシュを探しましょう。それにパフェに『NWI』についての説明も聞きたいし、歌丸さんに
『サキュ』の科学者の末裔の組織についての話も聞きたいわ。全員で手分けしましょう。」
ファチェがいなくなった今、エクレアはみんなをまとめる役割をかって出た。
シフォン「私はやめとくわ。まじめちゃん達には付き合ってられないもの。」
シフォンは嫌気がさしたように首を振った。
エクレア「シフォン、統率を乱すような発言はやめて。事態は緊急を要するわ。」
シフォン「あのね、ガミラス危機以降世界政府は事実上機能してないでしょ?
こんな組織にいても意味がないわ。私には夢があるんですもの。」
サバラン「お前、何言ってるんだ?」
シフォン「・・・世界政府を辞めるの。」
つづく
そのやり取りを、まだその場隠れ潜んでいたチンスコウが聞いていた。
チンスコウ「やはり奴等は世界政府に反逆する気か。コンペートー様の予言通りだ。報告しなくちゃな。」
そう言うと、チンスコウは一瞬でその場から消え去った。
そして、チンスコウが辿り着いたのは、なんと、ジョーカーの研究所だった。
チンスコウ「コンペートー様。やはり奴等は世界政府を潰す気です。」
そうチンスコウが言った相手は、某RPGのスライムみたい奴だった。
コンペートー「やっぱり?僕ちんは天才だからな。どんな事も当てちゃうじょー!!」
チンスコウ「(何時聞いても殺したくなる口調だ。)」
コンペートー「君〜、今僕の悪口言っただろ?殺したくなる、だって〜?」
チンスコウ「じょ、冗談です!!申し訳ございませんでした!!」
ガトー、そしてファチェをいとも容易く殺した彼が焦っている。
コンペートー「まったく。思っていい冗談と悪い冗談があるんだじょ〜。
世界政府、裏のボスの僕ちんをあんまり怒らせない方がいいじょ〜。なぁ、カルマ博士。」
そこに居たのは、なんと男であったカルマだった。
カルマ「そうだぜ。お前に『NWI』の『健作』をやったこと、感謝しろよ?」
109 :
ほんわか名無しさん:03/12/26 18:11
ジョーカーの研究所。そこはつまりジョーカーが『マジックキャッスル』と呼んでいる場所だった。(
>>57)
ロンドンから近い場所に立てられるジョーカーの居城になぜ世界政府は気がつかなかったのか?
それはあくまで古城、という巧妙なカモフラージュのせいだった。まさか世界政府が指定した世界財産
に指定された古城にジョーカーが住んでいようとは誰も思わなかったのである。
ジョーカーは普段、地下都市国家の政務は部下に任せ、地上で行動している。
世界政府の監視も兼ね、ジョーカーはこのマジックキャッスルを拠点にしている。
そこには世界政府裏のボス・コンペートーがいた。
コンペートー「僕ちんすごいんだじょ〜」
こんなチンスコウもむかついてしまう口調な奴が世界政府を裏で取り仕切っていたのだ。
世界政府は長い間地球人類を管理化に置いてきた。そして表面的七つの最高顧問によって合議的に
最高意思は決定されていたが実はこのコンペートーひとりによって実務が賄われてきたのである。
コンペートーは人間ではない。RPGに出てくるスライムのような体だからといってモンスターという
わけでもない。
コンペートーはコンピューターである。”進化する人工知能”と言った方がコンペートーの性能を正確に
説明できるかもしれない。人間でなく進化した機械が政治を執り行う。そこには賄賂も覇権争いもなく
極めて効率的に、騙らないように政を司ることができる。大量の情報を瞬間に処理することができ、
その中から最優先の問題を選択・執行することができる。事実、コンペートーは政治経済や福祉、
あらゆる問題を、あらゆる予測不可だったアクシンデントを最大の成果で、最小の効率で片付けて
きたのだった。
つづく
110 :
ほんわか名無しさん:03/12/26 18:32
そのことを知るのは七人の各部門の最高顧問だけだった。例外的にジョーカーもその事実を
知っていたが。
しかしさしものコンペートーもガミラス危機には対処ができなかった。技術的に遅れをとっている
地球人類の軍事力では打開策はコンペートーの超知能を以ってしてもはじきだすことは無理だった。
コンペートー、ガミラス軍に対して我々世界政府ができることは?
う〜ん…世界政府がガミラス軍に対してできること…。焼け石に水程度の被害防止以外、彼らの破壊
を見ているだけしかできないんだじょー!残念無念また来週……
コンペートーが言った通り、ガミラス軍を撤退させたのは地球人類最高の軍事力を誇る世界政府では
なく、トムやメガネッシュ達といった”イレギュラー”たちであった。
ジョーカー「コンペートー。君の情報収集力を以ってしても、僕たち『ナイトメアチルドレン』や『ウェポン』の
存在は把握できなかったようだね」
無数のディスプレイが並び、コンペートーのマザーコンピューターが置かれている『知恵の部屋』と
呼ばれる一室に、ジョーカーが入ってきた。その小さき体に、虎の如き威圧感を携えているが、まるで
子供のように無防備で、自然体だ。
コンペートー「ジョーカー、ひさしぶりだじょ〜。僕ちんの情報処理能力にもある程度限界があるということ
だじょ。」
ジョーカー「だが、君はまだ”進化”という可能性を秘めている。僕がも僕にさだめられたシナリオを遂行し
なければならない時(
>>28)、僕が作る新世界には君が必要なんだ」
コンペートー「任せてくれだじょ〜」
つづく
111 :
ほんわか名無しさん:03/12/26 18:44
コンペートーが作り出したスライムの映像から目を離し、ジョーカーはチンスコウに目を移した。
ジョーカー「さてコンペートー直属の部隊…、名目上はプリンのオカシーズ配属ということになっているらしい
が、コンペートーが造りし機械人類、『五天皇』が一人チンスコウよ。君はロンドンの警察部本部で一体
何をしてきたのかな?」
機械、と呼ばれてチンスコウは目の色を変えて怒った。
チンスコウ「俺達は機械の枠の越えた完全な人類だ!貴様ら不順な人間といっしょくたにするな」
ジョーカー「おやおや、声を荒げないでくれ」
カルマはくっくっく、と後ろで笑っている。
チンスコウ「…コンペートー様の言われた通り『マグマウェポン』を奪取しに行った。だが、あそこには
『マグマウェポン』はなかった。」
ジョーカー「ほぅ、『マグマウェポン』は確かトムが持ってるんじゃあなかったかな?カルマ、君の言った
とおり君を探しているのかもしれない」
大き目の白衣と、それに似合わない凶悪な目つき。加えて長髪がいかにも私悪役ですよ、と言った
趣のカルマが名前を呼ばれ、前に出た。
カルマ「ああ。俺の中の”もう一人のカルマ”を探しているのだろう。だが”彼女”は十五年前から眠った
ままだがな。アヒャヒャヒャヒャ!」
下品な笑いだ、とジョーカーは心の中で思ったがそっとしまっていた。
つづく
ジョーカー「ところでコンペートー、君以外の『五天皇』はどうした?このマジックキャッスルにはいない
ようだが」
コンペートー「俺以外の四人はこれから32分後にロンドン警察部本部を強襲する予定だ。
ジョーカー、お前の部下の『ブラックジャック』の監視の元でな」
ジョーカー「監視だなんてひどい言い方はやめてくれよ。ぼくはただ君たちに協力したいだけだ」
フン、タヌキが。コンペートーはその機械の足で知恵の部屋を出て行った。
チンスコウ「コンペートーは”怒り”という状態にあるようだじょ。回路が一時的にヒートアップしてる
かもしれないだじょ」
チンスコウには善悪の概念がない。だからこそ、完璧な統治ができるのだ。
ジョーカーの新世界には、チンスコウは不可欠な存在であった。
エクレア「シフォン!世界政府をやめるって、いったいどういうこと!?」
そのころロンドンの世界政府警察部。謎の侵入者により十三浪士のガトー・ファチェが殺害されて
から30分と経ってなかったが、十三浪士はもめていた。
シフォン「もう世界政府の統治は旧欧州地域までにしか及んでないでしょ〜。それも完璧とはいえない。
軍事部はほぼ壊滅しちゃったことだし、こんな組織にいてもどうしようもないじゃないの」
冷めた目でエクレアを見つめるシフォン。確かに、今世界政府はかつての権威を完全に失っている。
エクレア「それでもガミラス危機で崩壊した地球ではジョーカーの地下都市国家に次ぐ統制組織だという
ことは変わりはないわ」
シフォン「どうかしら?一週間前旧南米地域で反世界政府が結託して新しい統治組織を作ったっていう
じゃない。その規模は南米全土にまたがると言うわ。確か名前は…『ムツゴロウ共和国』だったかしら?
まぁ、オウムやジョーカー、ウェポンとは関わりのない一般人のしでかしたことだろうけど。
世界政府が完全に管理下の旧世界は終わり、新たなパワーバランスの元で新しい世界が始まろうとして
いるわ」
つづく
>>112 チンスコウとコンペートーが逆ですYO!
そこまで聞いたスウィーツは気付いた。
スウィーツ「・・・まさか・・・」
エクレア「えっ?」
シフォン「何ですの?」
話を中断する2人。
スウィーツ「・・・いや、やっぱりなんでもないわ。(重大な事だけど・・・)」
スウィーツが考えている事、それは『第4試験場』での『7人の被験者』の事だった。
その『7人』の被験者はもしかして・・・『5天皇』・・・?
だとしたら、後の2人は・・・
そこまで考えた時だった。
エクレア「・・・私達を敵に回すの?」
シフォン「さあね。だけど、ここで争う気はないですわ。
じゃ、そろそろ行きます。またね、皆の衆(はぁと」
シュン
そう言った直後、シフォンはその場から居なくなっていた。
つづく
115 :
ほんわか名無しさん:03/12/27 12:06
とり
さて、そのころトムは・・・「とり」を探していた。
そう、『極楽鳥』である。
トム「カルマ・・・まず彼女(彼・・・なのか?)を探すには、『手がかり』が必要だ・・・
そういえば、カルマは『空想具現化』がなんとかとか言っていたな・・・」
そうつぶやくトム。
「兄さん、兄さん」
誰かが声を掛けてきた。だがトムは気付かない。
「ちょっと、兄さん!聞いてんのかい?」
トム「・・・ん?誰だ?」
トムは周りを見回すが、誰も居ない。
???「ココだよ、ここ」
声は下から聞こえてきた。声の主はトムの2分の1程しか身長が無い、超小男だった。
トム「誰だ、お前。俺に何か用か?」
???「兄さん、今アンタ『極楽鳥』っつったよね?情報探してんのかい?
だったら、協力するぜ。金次第だがな!」
「おい、十三浪士No.1のシフォンが出て行くぞ」
ロンドン、世界政府警察部から500m離れた地点。警察部をスコープで監視する、五つの
怪しい影があった。その内四人は、揃いのマークが入った黒い重装備をしていた。
そのマークは、『五天皇』のシンボルマークなのだろう。チンスコウを除く五天皇の四人は、
脳以外は機械化された言わば言葉どおりのキリングマシーンである。
だが見た目はほぼ人間の姿である。なにしろ、元は人間だったのだから。
四人の中で最も好戦的な男、サーターは弟のアンダギーの報告を聞いて、悔しがった。
サーター「なんだ、一番強い奴がいなくなるのか。拍子抜けするよな、アンダギー」
機械の拳を強く握り、サーターは立ち上がった。
アンダギー「まったく、血の気が多すぎるんだよ、サーター兄さんは。でもまぁ僕は女性とは
戦いたくないから丁度いいけどね」
眼の部分に内臓されたスコープで監視し続けるアンダギーが何か言うと、いつも通りにつっ
かかるのはゴーヤーだ。
ゴーヤ「ファミニストぶるんじゃねーよ、トンチキ。何が女性とは戦いたくないだ」
アンダギー「バーカ、てめーは女としてカウントされてねーよ。てゆーかその言葉遣いをなん
とかしろよ」
まったく、二人の口論は日常茶飯事である。慣れてしまっているサーターは作戦開始までの
時刻を確認した。あと一分だ。
サーター「そういや、ミミガーはどうした?」
アンダギー「兄さん、ミミガーはもう警察部基地に潜伏してるよ。作戦開始時刻と同時に合図を
基地であげるてはずだ」
ドン、と警察部本部から爆音が響いた。大量の黒煙が炎と共にあがっている。
サーター「…合図だ。さて、お前ら派手に暴れろよ」
つづく
警察部本部にいたスウィーツたちは爆音と同時に響いた耳うるさく鳴ったサイレンに警戒感を
強めた。侵入者だ。
スウィーツ「奇襲!?一体誰が……。まさか、『五天皇』!?」
志村「可能性としてはそうですね。さっきファチェたちを殺した奴は第一陣として、間髪入れず
波状攻撃を仕掛けてきたといったところでしょう」
エクレア「動力室から音がしたわ!急ぎましょう!」
スウィーツ「待って!あれは囮かもしれないわ。他に本部に入り込んでいるかもしれない。
とりあえず、香取は医療室に向かって!動力室には私が行くわ」
香取「わかった、任せろ!」
香取は全速力で部屋を出て廊下を走っていった。
スウィーツ「エクレア!とりあえず三人一組にみんなを分けて、本部全体にうまく行き渡るよう
指示して!」
コク、とエクレアが了解したのを確認して、スウィーツは動力室に向かった。
つづく
119 :
ほんわか名無しさん:03/12/28 00:14
けたたましサイレンと赤いランプが光って警戒を本部中に知らせる中、スウィーツは最短コースで
動力室に向かっていった。少女の体のスウィーツは息をあげながら、懸命に動力室に辿り着こうと
していた。
スウィーツ(ファチェ…あなたの仇は、私が取るわ!)
ブレスレッド型の、古代ウェポンのひとつデザートウェポンはスウィーツの右腕にはめてある。
しかしスウィーツが単独で戦うのは、初めての経験だった。
7分で動力室に到着した。中に入ってみると、警察本部全体の電力を賄う巨大な発電機が破壊
されている。
スウィーツ「侵入者はどこに…」
動力室は発電機を中心にドーナツ状に空間が広がっている。
右、左に視点を回したがどこにもいない。と、そこに上から声がした。侵入者は発電機の上にいたのだ。
「『ナイトメアチルドレン』の一人、ジョーカーね。運がいいのか、悪いのか」
スウィーツは身構えた。声から察するに侵入者は女性だ。しかも、強烈に冷徹な女だ。声だけで
感情の起伏が少ないことがわかる。
スウィーツ「あなたはファチェを殺した『五天皇』の仲間ね…。降りてきなさい!」
五天皇の一人、ミミガーはその青い髪をはためかせ発電機から飛び降りた。そのまま着地し、スウィーツ
と対峙した。その冷たい目には、感情の光は宿っていなかった。そして、棒読みするのように言葉を放つ。
ミミガー「私たちの目的は殲滅だけど…、スウィーツ、あなただけは生かして連れて来いと言われてるわ。」
スウィーツ「…断る、と言ったら?」
ミミガーはその返事を聞いても感情をこめることはせずにビジネスライクな棒読みを続けた。
ミミガー「力づくで断るまでだわ」
つづく
120 :
ほんわか名無しさん:03/12/28 00:44
スウィーツ「そうは行かないわよ!物質系・『デザートウェポン』!砂の力、存分に味わうがいいわ!」
デザートウェポンを発動させた。と同時にスウィーツの後方に大量の砂が出現した。
スウィーツの産み出した砂はたちまち槍を模り、刃物のように鋭い牙と化す。
スウィーツ「Spear…… 質量2tの砂に刺し殺されるがいいわ、『砂漠の大槍』!」
スウィーツはミミガーを指差し、砂の槍をミミガに向けて放った。その速さは新幹線のような速さだ。
ミミガー「大したものね、これが『デザートウェポン』…」
そのまま砂はミミガーの後ろの巨大な発電機をも突き刺した。家ほどの大きさはあろう発電機を、
いとも簡単に貫いた。
スウィーツ「やったの!?」
『砂漠の大槍』を解くと、砂はサラサラと床にこぼれおちていった。
発電機には半径三m程の穴が空いている。
だが、そこにミミガーの姿はなかった。
ミミガー「だけど、避けきれないものではないわ」
スウィーツ「ッッ!上に跳んだのか!」
動力室の上空部分にあたる空間にミミガーは超スピードで跳んだのだ。見たところ傷ひとつついて
いない。マズい、このままでは攻撃を喰らってしまう!
スウィーツ「Fog……『舞い上がる夜霧』!」
濃い砂塵が霧のように動力室を覆った。もはや2m先も見えはしない。
ミミガー「目くらましのつもり…?残念だけど、無駄よ」
ミミガーは自身の『NWI』をついに発動させた。
つづく
>>129の
最初の一行・・・けたたましサイレン→けたたましいサイレン
最後の一行・・・「力づくで断るまでだわ」→力づくで連れ帰るまでだわ
ミミガー「食らえ。私のNWI、『マイケル』を。」
マイケル「OK,口に突入するネ!」
ミミガーの手から放たれた、飴のような物質が答えた。
ミミガー「私のNWIは飴型ウェポンよ。『マイケル』、今回は敵を捕らえるわよ。殺さないでね。」
マイケル「OKネ!睡眠モードネ!」
そう言うと、ミミガーのNWIである『マイケル』は黒くなり、
凄まじい俊足でありながらも音を少しも立てず、スウィーツの口に入った。
スウィーツ「何!?これは!?」
そう言った頃にはもう遅かった。
スウィーツの目の前は暗闇に満ち、スウィーツは眠りについた。
そして、『マイケル』が再度口から飛び出した。
マイケル「こいつは今から24時間眠りっぱなしネ!とっととコンペートー様のお土産に持ち帰るネ!」
ミミガー「言われなくても。」
そう言ってスウィーツを持ったミミガーは、ポケットに『マイケル』を入れ、場から姿を暗ました。
ミミガー「スウィーツを捕獲したわ。ええ、ちゃんと生きてるわよ」
ミミガーは作戦成功を通信機で報告している。傍らには、眠らされるスウィーツがいる。
通信機を切った。ミミガーはこれから、コンペートーのいるマジックキャッスルに戻れば
いいわけである。
スウィーツの小さい体を肩に背負った。本当に、スウィーツの体は軽いものだった。
ミミガー「意外に、あっけなかったわね」
警察部本部西側、スウィーツの向かった動力室とは反対側にサーター兄弟はいた。
アンダギー「OK、ミミガー。じゃあ君は一足先に帰還していてくれ」
耳に内蔵された通信機を切り、作戦遂行を任されているアンダギーはミミガーに指示を出した。
これで一応第一目標はクリアした。あとは殲滅のみだ。
サーター「アンダギー、ミミガーはスウィーツの捕獲に成功したんだな。」
アンダギー「ああ、サーター兄さん。いつもの無愛想な声での報告だったけどね。
ああ、あとはみんな殺してしまっても差し支えないよ」
つづく
124 :
ほんわか名無しさん:03/12/28 21:40
警察部本部南西部、医療室。傷ついたタモリと草薙を守るために香取はここにいた。
だが、香取の気持ちは別のところにあった。肉親の仇――あの日の、血塗られた記憶。
むせ返るような血の臭いと、真っ赤に、真っ赤に彩られた床や壁。
そして愛していた母親と、父親の死体。おぼろげになった少年時代の記憶も、そこだけは
しっかりと忘れていない。いや、忘れることさえできない。台所で母親は倒れていた。母親
は夕飯の支度をしていたところを殺されたのだろう。鍋にくべていた火はつけっぱなしにな
っていた。その時ダイニングテーブルに並べられた皿と食器の位置と向きでさえしっかり
覚えている。視覚的なものは、克明に蘇らせることができる。それが香取の憎しみをより
いっそう高めて続けているのだった。
父親は居間で死んでいた。二人とも、苦しみながら死んだように死に顔は恐ろしいものだった。
両親は暗殺者だった。それは香取も知っている。
いずれこういう時がくると覚悟はしていた。だが、願ってはいなかった。
憎い。憎い憎い憎い。香取の内側の黒い炎はあの日以来消えたことはない。それどころか今や
体中を支配している。あの日から、ずっと。
走れば届く所にいる。自分の殺すべき相手はもはや自分の手の届く所にいる。
だが、今自分には仲間がいる。守るべき仲間が。復讐という目的が自分を支えてきたのは確かだ
が仲間たちにも支えてもらってきたのだ。香取は、SMAPに感謝していた。
タモリ、そして草薙。今は絶対にお前らを守るからな――。
香取はそう心に決めた。
つづく
125 :
ほんわか名無しさん:03/12/30 17:47
エクレア、サバラン、志村の三人組は動力室に近い場所にいた。
126 :
ほんわか名無しさん:03/12/30 20:56
エクレア「みんな気をつけて。侵入者はどこにいるかわからないわ」
サバラン「わーってるよ。ところで志村、お前は戦闘できんのか?」
志村「エッ?」
サバラン「エッ、じゃねーよ。WIは持ってるのかって聞いてるんだよ。相手もNWIだかを持ってるんだ。
最低WIでも持ってないと対抗できねーぞ」
志村「ああ、まぁ、一応持ってる」
曖昧なその返事にサバランは肩を落とす。
サバラン「まったくホントに大丈夫なのか・・・」
つづく
127 :
ほんわか名無しさん:03/12/30 21:01
サバランは懐疑的であった。
万事、楽観的である志村の所作に・・・
128 :
ほんわか名無しさん:03/12/31 15:13
129 :
ほんわか名無しさん:04/01/01 15:03
MMRのファンのサバランは(ヒデちゃんが主演のドラマも見てた)十三浪士一のSFファンとして
有名である。十三浪士に入った理由もSFっぽいから、というのだ。
つづく
130 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 01:33
血肉
131 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 14:58
血肉沸き踊る、と言う感覚はまさにこのことを言うのだろうか。
五天皇の一人サーターは弟アンダギーと別れ警察本部内を徘徊していた。途中十三浪士でない
警察部の雑魚たちを何人か殺した(数までは覚えていないが)。
殺したりない…もっと、もっと血が見てぇ。頭はのぼせあがったようにそのことしか考えられない。
トマトのように鮮やかな赤。それがサーターの初期衝動であった。
この体を機械に捧げたのは、それが理由だった。アンダギーや他の連中は違うようだが。
警戒サイレンが鳴り響く長く続く廊下を歩いてると視界に三人を見つけた。十三浪士サバラン、
志村、エクレアだ。
血だ。血を見つけた。
つづく
132 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 16:16
サーター「行くぜ…『秀子』」
腰にぶら下げた得物の脇差にサーターは話し掛けた。通常より短い刀の姿の『NWI』は例のごとく、
知能を持っているようでサーターの呼びかけに応えた。
秀子「えぇ、サーター。楽しそうね」
サーター「あぁ。久々に上物の血が見られそうだからな」
足に内臓されているブースターで加速し、サーターはいきなり距離を詰め斬りかかった。
それに最初に反応したのは志村である。
志村「危ない!二人とも横によけろ!」
志村の突然の叫びでエクレアとサバランはやっと反応し、廊下の壁際まで跳んだ。
サーターがふりかぶった脇差の一撃はまさに神速と呼べるものだった。稲妻という言葉が一番表現と
して近いだろう。常人にはそのモーションさえ見えないはずだ。
志村はサーターの奇襲攻撃を斧で受け止めた。高い金属音と共に火花が荒々しく散った。
志村の体に重圧がのしかかる。骨がきすむ音がする。
志村(なんという打ち込みだ!五天皇、まさかこれ程の使い手がいるとは…)
刀と斧の競り合いになったところを分が悪いと瞬時に判断して志村は薙ぎ払った。サーターは軽くそれ
かわし、後ろに退いた。4.5メートルほど距離が開いた。
サーターはガシャン、と機械音を鳴らしなが構え直しす。顔は、うれしそうにほほえんでいる。
サーター「貴様…。田代の昔なじみの志村という男だな?生身の人間にしてはいい反応だ。」
志村「光栄だよ。お前は五天皇のひとりだな?」
つづく
133 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 16:28
サーター「いかにも!俺は五天皇がひとりサーターよ。戦うためにこの警察支部にやってきた」
廊下ではサイレンが鳴り響いている。横の距離はそんなに広くはない。この狭いフィールドはサ
ーターの得意とするところだろう。なにしろ、あの脇差。刀なら、一直線上の戦いならこれほど
理にかなった獲物はない。
志村「貴様ら一体何者だ?プリンの直属部隊なのだろう?ではなぜ警察支部を襲撃する?」
サーター「俺は語る言葉を持たん!聞きたければ、血をみてからだ」
とりつく島もない。
志村「やれやれ、見たところ体が機械のようだが、血はたぎってるようだな」
先の一撃で志村で手が震えていることに気づいた。恐れや武者震いではない。老い。
ダメージに、志村の体は弱くなっているのだ。
志村(まったく、歳はとりたくないものだな)
田代の同年代の親友である志村はもう50をすぎている。肉体的に全盛期は過ぎ、
魂も磨り減った。だがこの体には、技という経験が未だ強く残っている。
志村「エクレア、サバラン。私が先陣を切る。」
エクレアとサバランは志村の後ろにいた。いつもの志村の様子が違うことと、敵の突然の襲撃に
驚いていたがもう戦闘に集中していた。
志村「いざとなったら私もろともで構わん。奴を殺せ」
つづく
134 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 16:37
「も、もうやめて……、変になりそう……」
由貴が、息も絶えだえになって、ノロノロと弘志の顔を股間から突き放してきた。
「じゃ、自分でオナニーしてみて。どんなふうにするの?」
すっかりリードしている弘志は、由貴が喘ぐのが嬉しく、いつしか余裕を持って美しい上級生を翻弄していた。
「………」
由貴は唇を引き締め、そろそろと指を股間に伸ばしてきた。
人差し指と中指を揃え、クリトリスに押し当てながら、ゆるやかに円を描くように動かしはじめる。
「こ、こうよ……」
由貴も、いつしか弘志に見られることに興奮を高めてきたように言った。
指を動かすたび、襞が愛液にヌメって摩擦され、クチュクチュとイヤらしい音を立てはじめた。
弘志も、再び指を伸ばし、手のひらを上に向けて、中指をそっと膣口に潜り込ませていった。
135 :
ほんわか名無しさん:04/01/02 16:56
五天皇のリーダー、チンスコウは由貴と弘志の秘め事をのぞていた。
チンスコウ「でへへへ、えぇなぁ。でへへへ…」
これ以上ないほどのいやらしい顔だ。もちろん右手はせわしなく動いている。
健作「チンスコウ。なにやってんだよ」
チンスコウ「アッ、てめぇ見てやがったのか!こん畜生!」
”健作”と呼ばれている相棒は剣の形をしている。意思あるウェポン、五つしかない『NWI』のひとつだ。
健作「今ごろサーターたちが警察支部を叩いているころだぜ。お前はこんなラブホテルでなにしてるんだよ」
チンスコウ「うるせぇ、そんなことはどうでもいいんだよ。それより今俺は忙しいんだ。あとにしてくれ」
健作「まったく、サルみたいぜ」
チンスコウは、AVマニアであると同時にのぞきが趣味であった…。
つづく
136 :
ほんわか名無しさん:04/01/03 14:32
サーターから虎のような殺気がみなぎっている。
その圧迫感で押しつぶされてしまいそうだ。
つづく
志村はサーターの圧迫感で圧死した。
つづく
138 :
ほんわか名無しさん:04/01/03 17:48
サバラン「し、志村ァァァ!」
気が付くと志村は倒れていた。その姿はさながらリングに伏した曙であった。
駆け寄るサバランとエクレア。
サバラン「お前メチャクチャ弱いがな!」
エクレア「・・・大丈夫、気絶しているだけだわ。でもこれで数は一人減ったわね」
サーター「フフフ。さぁ次は誰だ?」
つづく
139 :
ほんわか名無しさん:04/01/04 01:28
サバラン「気をつけろ、エクレア!奴は只者じゃあない」
エクレア「わかってるわ。『蒼氷刃』!」
とりあえず威嚇のためエクレアは『コールドウェポン』で氷の剣を造りだした。しかし、あくまで
”威嚇”だ。
志村は斧型WI『ドランクウェポン』を持ったまま倒れている。傷は負ってないので早く戦闘中に
目覚めることを祈るだけだ。
つづく
140 :
ほんわか名無しさん:04/01/04 23:56
サーター「ハハハハハ!行くぜェ!!」
エクレア「!!」
来た。一撃目と同じ、雷の如き打ち込み。ものの0.1秒でエクレアと20cmとの距離まで詰めた。
エクレアは『蒼氷刃』でそれをなんとか受け止める。
エクレア「な、なんて速さ!」
サーター「フハハハ。なかなかやるな、ではこれはどうだ!」
つづく
ゲハッ
142 :
ほんわか名無しさん:04/01/05 17:29
そのうめき声はサバランのものであった。どうやら腹に食らったようで、両手で腹をかかえている。
サバランは明らかにダメージを与えられたのだ。
なぜだ?今サーターはエクレアと競り合っている。その剣圧は変わらないままだ。
なにかしらの手段でサーターは”見えない攻撃”を放ったのだ。
エクレア「いったい何を!?」
サーター「フハハハ、さぁどうした!」
つづく
その頃、ファチェの部屋にはジェリー、ミッキー、ゴローが残っていた。動力室が破壊されたせいで一度停電になったが、
すぐに予備電源に切り替わったらしい。
ゴローは特殊能力を持ちながらも今まで戦闘経験がなく、ジェリーはかつて暗殺者としてゴーストと肩を並べるほど有名で
あったが、親父型戦闘機『波平』に乗っていない今、ネズミの姿のままでは戦闘できない。
というわけで二人にはミッキーがつけられていた。
ゴロー「大丈夫ですかねぇ、みんな・・・」
ミッキー「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」
ジェリー「ならいいがな。パフェと電話が繋がったぞ。」
この三人は五天皇との戦闘ではなく、パフェとの連絡を任されていのだ。
つづく
パフェ「もしもし、その声はジェリー博士か。なぜファチェの部屋から電話を・・・」
ジェリー「パフェ、今大変なことになってる!ファチェや、ガトーとかいう十三浪士が殺された。」
パフェは共同研究所時代からジェリーに一目置いており、彼のことを博士と呼んでいた。
パフェ「ファチェが!?」
ジェリー「プリン直属の五天皇という奴にやられたんだ。ショックだろうが、時間がない。
もう奴らは警察部本部に侵入してるようだ。五つの『NWI』の説明をしてくれ。」
パフェ「そうか、『NWI』はそいつらの手に渡っていたのか。ならばファチェやガトーでもかなわないのは当然だ。
ファチェ・・・、ガトー・・・。わかりました、今から『NWI』の説明をします。よく聞いてください。」
パフェは電話越しに、作成しておいた資料を読み上げた。
つづく
『NWI(ネオウェポンイミテーション)』に関する報告書
・『NWI』は『レンズウェポン』を解析して造られた対ガミラス用『WI』であり、その威力、性能は『WI』を凌ぐ。
・『NWI』は使用者と意思の疎通ができる。つまり常に100%リンクの状態なのでレベルは存在しない。
・『NWI』は五つしか製作していない。五つとも同じ物であるが、使用者によってその能力、形状を変える。
・『NWI』は無差別リンクできる。したがってその威力、能力、形状、名称などは使用者の数だけ(つまり無数に)存在する。
そしてそれは製作者(パフェ)にも予測不可能である。
・『NWI』は物質系、エネルギー系、分子変換系、亜空間系、神経撹乱系など複数の攻撃が可能である。
ジェリー「なるほど。『WI』よりかなり性能が上がってるようだな。」
パフェ「そうです。『レンズウェポン』の解析、『WI』にも使用していた鉱物『トットリン』
(>>前スレ)のさらなる解析、無差別リンク『WI』の研究によって得られた成果です。」
ゴロー「しかし製作者にもその能力が予測できない、しかもその威力は『WI』以上なんて・・・」
パフェ「製作時期がガミラス危機だったので、威力が高く、誰でもリンクしやすいように設計したのです。
そしてガミラスの能力が未知だったので、様々な攻撃ができるようにと・・・使用者によっては
下手すれば『ウェポン』にも匹敵するかもしれません・・・」
ジェリー「それさえも不明か・・・対ガミラスとは言え、えらい兵器を造ったもんだ。弱点はないのか?」
パフェ「弱点ですか・・・。」
ゴロー「あるんですね!?」
パフェ「いや、弱点というか・・・使用者の手から奪ってしまえば、その奪った人にリンクしてしまうんです。
ただ・・・使用者に近づいてその『NWI』を直接奪うというのはほとんど不可能だと思いますが。」
ジェリー「・・・なるほど、あまり有効な弱点ではないが・・・よしみんなにこのことを伝えなければ。」
パフェ「私もすぐに警察部本部へ向かいます。」
電話を切ると三人は、比較的戦闘能力が低そうなキリコやスウィーツを探すことにした。
つづく
サバラン「大丈夫、かすり傷だ。」
サバランは手も足も出ずに負傷した。それはかすり傷と呼ぶにはあまりに多量な出血であった。
サーター「血、血!!これだから殺しはたまらん!」
いつの間にかサーターは五メートルほど先の廊下の壁に寄りかかっている。
そしてサバランはエクレアの脇でひざから崩れ落ちた。
エクレア「サバラン・・・」
『三人対一人』という戦いはエクレアに、地下都市でのケンとの戦いを思い出させた。
オウムの部下、ケンはサバランとキバヤシの協力、そしてエクレア自身の『コールドウェポン』への
100%リンクの覚醒なしでは倒せなかった相手であった。
しかし、今回の敵は三人の十三浪士を相手にしてすでに二人を負傷させた。そして唯一その速さに
反応できた志村はなぜか気絶してしまった。こんな強さの敵が五人もいるなんて・・・想像を超える
五天皇の強さに、エクレアは絶望を覚えた・・・。
つづく
エクレアが絶望を覚える。それをサーターは見逃さない。
サーター「ヒャハハハハ、それだよ、そのツラが『良い』んだ!」
高笑いするサーター。
エクレア「・・・くっ・・・」
サーター「そろそろ飽きたな。終わりにすっかァァァァァァ!」
5メートルの距離を一瞬で縮めるサーター。その顔は微かに上気している。
エクレアが身を裂かれるか、と覚悟した、その時だ。
フラッ
サーター「・・・なに?」
突如としてバランスを崩すサーター。足元が『千鳥足』になっている。
サーター「・・・貴様・・・ちっ、油断した・・・ッ」
エクレアが後ろを振り向く。そこに居たのは・・・
志村「『ドランクウェポン』。私があれ位の事で気絶するとでも思ったか?
こう見えても私は田代の旧友だぞ?」
そこに居たのは・・・志村だった。
149 :
ほんわか名無しさん:04/01/07 00:44
志村は顔面がまっしろでまるで殿様のような格好をしていた。
つづく
エクレア「志村!?」
志村「大丈夫、瞑想していたんだ。」
サーター「お前・・・何をした!?」
足元がふらついたサーターは注意深く後ろへ下がった。
志村「これでお前の素早い動きは封じた。酒に酔った気分はどうだ?」
完全に機械であるチンスコウとは違って、サーターには人間の脳がある。『ドランクウェポン』の
神経撹乱系の攻撃はそこを突いたのだ。機械の体を持つサーターにも確実に効いている。
サーター「お前・・・何か勘違いしてないか?俺のNWI『秀子』は直接攻撃だけじゃないぜ?」
構えなおしたサーターの脇差に赤い光が渦巻き、薄暗い廊下を不気味に照らした。
つづく
エクレア「『死氷壁』!!」
何かを察したエクレアは廊下を厚い氷の壁で塞ぎ次の攻撃に備えた。サバランは
まだ倒れている。そして志村は氷の壁の越しにサーターと向かい合っていた。
志村「エクレア、サバランを連れて逃げるんだ。」
エクレア「志村!?」
志村「NWIの攻撃に防御は無駄だ。おそらく防げない、逃げるんだ。早く!」
サーター「行けぇー、『灼洛の風』!!」
何かやばい、その志村の直感が的中した。氷の壁はまるで存在しなかったかのように容易に溶解し、
赤い風が渦を巻いて襲ってきたのだ。圧倒的なその威力は志村に、かつてゴズニーランドで見た、
シフォンの『ライトニングウェポン』の技『雷公迅』を思い出させた。
志村はとっさに斧で廊下の壁を破壊し、三人はその穴に逃げ込んだ。激しく焼け爛れた廊下・・・
立ち込める蒸気は全ての視界を塞いでいた。
つづく
サバラン「うっ・・・ここは?」
エクレア「気が付いたわね。」
志村「ここは動力室か・・・スウィーツは!?スウィーツ、いるのか!?」
見れば巨大な発電機は破壊されており、辺りには大量の砂が散乱していた。
エクレア「静かに!奴に居場所がばれるわ。」
自分の技が簡単に吹き飛ばされた・・・今は身をひそめて様子を見るしかない、エクレアはそう判断した。
しかし志村は落ち着いている。最近十三浪士の仮メンバーになったばかりの彼だが、その姿はこの短期間
で十三浪士としての自覚と強さを身につけたように見えた。
志村「心配ない、奴はすぐには動けない。」
熱風の余韻が残る廊下に慎重に出てみると、サーターは倒れていた。
つづく
サバラン「これは・・・!?」
志村は素早くサーターからNWIを取り上げた。すると短い刀の形だったそれは、
球状に変化した。それはそのNWIの使用者が変わったということを表していた。
志村「よし、ひとまずこれで安心。」
エクレア「何が起こったの?」
志村「氷の壁を『ドランクウェポン』で酒にしておいたんだ。蒸発した氷の蒸気を
まともに喰らったコイツは急性アルコール中毒で昏睡状態になったんだよ。」
サバラン「お前・・・なかなかやるな。」
志村「年の功というやつかな。それよりコイツを監禁して、スウィーツを探そう。」
つづく
勝ち戦の時にこそ、兜の紐を緩めてはならないという言葉がある。
戦場ではどんな時でも油断してはならないという意味だ。
志村、エクレア、サバランの後方に潜む影がひとつ、いた。
その影はサーターより迅い速度で突風のように志村たちの前に現れた。
先ほどのサーターの攻撃には志村のみが反応できたが、今度はそれを凌ぐ、志村にも反応できない
ほどの攻撃であった。影は志村たちの上へ跳び、エクレアに第一撃を放った。
気が付いたときには、エクレアは倒れていた。志村とサバランは急にエクレアが倒れたように見えただろう。
サバラン「どうしたッ、エクレア!」
「ふふふ、安心しなよ峰打ちだ。レディに手荒な真似なんかできっこないからね」
サバランの後ろにはいつのまにか、短髪の優男がいた。右耳のピアスが印象的だった。
もちろんそれはエクレアを攻撃した男だった。
志村「貴様、誰だッ!」
「僕?僕の名はアンダギー。五天皇のひとりだ。」
つづく
ピアスが廊下の赤い警戒ランプに照らされている。アンダギーと名乗るその男は不適に笑みを
浮かべている。腰には鞘が収められている。あれがアンダギーのNWIだろうか。それは、黒蛇の
ような不気味さを醸し出していた。
アンダギー「まさか兄さんがやられるとはね。志村、君はやはり警戒に値する人物だ。さすがは
田代の旧友と言ったところかな?」
サバラン「貴様、なぜそれをッ!」
アンダギー「おっと、サバラン君それ以上君は動かない方がいい。
僕は君たち十三浪士のデータならすべて握っている。例えばサバラン君、君の部屋にある松本零士グッズ
の数を言い当ててみようか」
サバランは熱狂的なキャプテンハーロックファンだったが、それは誰にも言ったことがないはずだった。
一体なぜそれを…?
アンダギー「くふふふ。僕らには世界のあらゆる情報を手にいられるスーパーコンピュータがいる。
言い換えれば世界政府の裏のボス、といったところだがね…」
志村「…裏のボス?どういうことだ?」
アンダギー「まぁ、それはしゃべれないさ。これは世界政府でも特級機密だよ。いかな十三浪士でも
教えるわけにはいかない」
志村「やはり貴様らも世界政府の人間か…。教えろ!なぜ世界政府の人間が我々を襲撃する」
相も変わらず不敵な笑いを浮かべ、アンダギーは黙ったままだった。答える気はないらしい。
サバラン「野郎ッ!黙ってないで答えやがれ!」
サバランがしびれを切らして前へでた。しかしそれはこの場で最も愚かな行為だった。
志村「やめろ、サバラン!」
つづく
156 :
ほんわか名無しさん:04/01/07 18:43
アンダギー「サバラン君、警告したはずだ。これ以上動くなと。ではもうひとつ警告しよう。
これ以上君が動いたら君の左足の薬指と中指は消し飛ぶ」
サバラン「フザケンじゃねぇ!」
サバランはアンダギーに飛び掛った。いや、飛び掛ろうとした。飛び掛ろうとしたが、左足に激痛が
走ってできなかったのだ。
そして、見た。アンダギーが”居合”の型をとったかと思うと、腰に納められた鞘から大蛇がサバランの
脚目掛け信じられない速さで襲い掛かってきた。大蛇は纏わりついたかと思うと瞬時にサバランの左足に
食いついたのだ。そしてまたアンダギーの鞘に戻っていった。
そう、アンダギーの攻撃はわずか0.1秒の間に完了していたのだ。サバランが大蛇と認識とそれは、アンダ
ギーの兄のサーターと同じく小振りの刀だった。だが、間違いなく速さではこちらがダントツで上だ。
サバラン「グ、グアァァァァァ!?」
激痛に耐え切れず、サバランはその場にしゃがみこんだ。床にはサバランのものだった足の薬指と中指が
綺麗に切断され転がっていた。
アンダギー「ほらァァァァーーーー言ったじゃないかァー。テメーは耳が聞こえねェのか、アァン?
このクソザコがァァー!!いきがんじゃねェ!!!」
アンダギーは人が変わったように突然雄たけびをあげた。
志村(な、なんだコイツは!?いろんな意味で危ない…)
つづく
そのころ、警察部本部地下一階にある会議室でジェリー、ゴロー、
ミッキーの三人はスウィーツ、キリコ、木村と合流していた。
ゴロー「無事でしたか!」
木村「ああ、この辺に敵はいないようだな。」
ジェリー「そうだ!」
ジェリーは思い出したように『ウェポンレーダー』で敵の位置を確認した。
キリコ「早く使いなさいよ、それ!」
ジェリー「あっ、『デザートウェポン』の反応がない・・・スウィーツ!!」
スウィーツ「なんですか?」
キリコ「あんたじゃないわよ!」
グラサンの大男、スウィーツの軽いボケにキリコが本気で突っ込む。
しかし笑っているのはミッキーだけであった。
つづく
ゴロー「まさか・・・さらわれたんですか!?この三つの大きな光は?」
『ウェポンレーダー』には大きな光が三つと、小さな光がいくつか映っていた。
ジェリー「動力室の近くに二つ、この会議室の近くに一つ・・・これが
『NWI』だな、今警察部本部に五天皇が三人いるぞ。」
スウィーツ「医療室の近くにもちょっと大きな光がありますよ。」
ジェリー「これは・・・『WI』?エクレアたちじゃないないだろうから・・・キバヤシか?」
そのとき会議室のドアが開いた。六人に緊張が走る。
「大勢いるねぇ、ここは。」
ジェリー「誰だお前は!?」
そこに立っていたのは長身、黒髪の女であった。
ゴーヤ「あたしは五天皇の一人、ゴーヤ。」
木村「フッ、五天皇なら・・・女だろうと容赦しないぜ?目的は何だ?」
ゴーヤ「ケッ、むかつく野郎だ。あんたから殺してやる。」
つづく
159 :
ほんわか名無しさん:04/01/09 01:28
ゴーヤはおそるべき技をはなった
そのころ医療室・・・
タモリ「香取・・・」
香取「・・・いいから休んでろ。」
タモリはまだベッドから動けない。地下都市侵入から四日・・・タケルとの戦いはそれほどの激しい戦いだったのだ。
そして草薙はオウムの部下、メイリンのWI『ベイビーウェポン』によって失った右腕の痛みに苦しむ日々だった。
タモリ「キバヤシたちは敵に見つからずに警察部を抜け出せただろうか?」
香取「ああ、心配するな。すぐにメガネッシュを見つけてきてくれるぜ。」
キバヤシ、歌丸、中井の三人はメガネッシュを探すために、五天皇の目を逃れて警察部を脱出していた。
草薙「お前・・・『NWI』を持った相手に勝てると思うか?」
草薙の質問も当然であった。『ライトニングウェポン』・・・『ベイビーウェポン』・・・『アルテマウェポン』・・・
今まで特殊能力だけでここまで戦ってきた。だがそれも限界に近づいているのは確かだ。戦う敵は確実に強く
なってきているのだ。『WI』の必要性は否めない・・・これはSMAP全員が感じていることであった。
香取「ファチェを殺った奴らを許すわけにはいかない。」
香取はただそう答えるだけであった。そんな不安と決意が
うずまく医療室に何者かが迫っていた。
つづく
「誰かいるのか?」
ゆっくりと医療室のドアが開き黒服の男が現れた。身構える香取。
香取「・・・お前、五天皇か?」
「いや、俺は付き添いだが。」
いかにも怪しい風情のこの男・・・静かな物腰だが鋭い目が印象的だ。
香取「・・・何者だ?」
B・ジャック「俺はブラックジャック。五天皇の監視を命ぜられてな。」
草薙「監視・・・誰の手先だ!?」
B・ジャック「ジョーカー様だ。五天皇がちゃんと任務を遂行するのを見届けるのが俺の
役目だ。ま、そんなわけだから俺はお前らと戦う気はない。邪魔したな。」
男はあっさりと部屋を出て行こうとした。
つづく
香取「ちょっと待て!このまま逃がすと思うのか?」
もちろんこんな怪しい敵をホイホイと逃がすような香取ではない。
B・ジャック「お前じゃ俺には勝てない。」
戦わないと言いながらも、敵は静かな自信に満ちていた。
草薙「ジョーカーの目的はなんだ?五天皇は何しに来たんだ?」
B・ジャック「目的か・・・どうせ殺されるから教えてやるか。メガネッシュと
スウィーツを捕らえて警察部本部を殲滅することだ。」
香取「ならお前を逃がすわけにはいかない。」
B・ジャック「だから俺は戦う気はないんだよ。それより・・・ここに侵入してる三人の五天皇の居場所を教えて
やろうか?動力室に二人、会議室に一人・・・どちらも交戦中だ。今ごろ大暴れしてるだろうぜ。」
タモリ「!!」
B・ジャック「じゃあな。」
そう言うと男は部屋を出て行った。香取がすぐに追いかけたが、ドアの外には誰もいなかった。
つづく
どうやら本当に戦う気はなかったようだ。しかしもし先に手を出していたらどうなっていただろうか。
相手のただならぬ存在感に、香取はそんなことを考えながら医療室に戻った。
タモリ「動力室はスウィーツやエクレアたちが行ってたな。」
香取「ああ。会議室の交戦はおそらくミッキーたちだろう。あいつなら頼りになる。」
草薙「しかしスウィーツがいるとはいえ、動力室に五天皇が二人か・・・」
草薙たちはスウィーツがさらわれたことなど、まだ知るよしもなかった。
タモリ「香取、ここはいいから動力室へ行け。」
香取「でもここが狙われたら・・・」
草薙「香取・・・お前が俺たちを守ろうと思うように、俺たちもみんなを守りたいんだ。」
香取「草薙、タモリ・・・」
草薙「タモリは動けないが俺は右手だけだから、何かあったら
タモリの『メタルウェポン』で俺が何とかするさ。」
香取「・・・よし!わかった。すぐ帰ってくるからな。」
香取は二人を信じて動力室へ向かった。
つづく
香取は動力室へと向かう。
その時ゴーヤは恐るべき技をはなった
ズガガガガガガガガガァァァァァン!!!
物凄い音が会議室の方から聞こえるのを香取は聞いた。
香取「く・・・許せ、みんな!生きててくれ!」
香取はタモリ達を信じて動力室へ走るしかなかった。
つづく
スタンド発現
166 :
ほんわか名無しさん:04/01/10 17:33
スタンドが発現した。それはゴーヤの『NWI』、『YOSHIKI』の特殊能力である。
キリコ「なーッ!アレは!?」
ゴーヤ「ふふふ私の『YOSHIKI』の能力はスタンドっぽい立体映像を出すのだ。
そしてくらえ!『恐るべき技』!」
ズガガガガガガガガガァァァァァン!!!
木村「ウワーーー!」
その頃、動力室の近く。志村とサバランは五天皇のひとり、アンダギーと対峙している。
エクレアはアンダギーの一閃に倒れた。死んではいないが、この戦闘に復帰することはまず無理であろう。
志村「その小振りな刀…小太刀よりも少し長いくらいようだが、君の兄とやらのサーターのものとあまり
変わらんようだね」
アンダギー「そうさ。僕の『秀雄』はサーター兄さんの『秀子』と同列のプロジェクトの元で開発されたのさ。
ちなみに特殊能力というものはないが…。しかし『秀雄』には特性がある」
志村「特性…?」
アンダギー「そう。『秀雄』という『NWI』は『ウェポン』の中でも用途が特殊なものだ。ふつうウェポンはその
特殊能力で以って戦うが、『秀子』と『秀雄』は使用者の能力を高めてくれるのさ。『秀雄』は僕の身体能力
、反応速度や筋力を極限にまで引き出す」
志村「確かに変わっているな」
アンダギー「君らを屠るには、もってこいだろう」
つづく
サバラン「クソ、てめェ…!」
サバランは先ほどの攻撃で左足の中指と薬指をもっていかれた。まだ激痛が残っているだ
ろうが、サバランはその素振りを見せようとはしなかった。
志村「サバラン!お前はもう無理だ。下がってい…」
サバラン「志村!後ろ!」
志村が後ろのサバランを振り向いた一瞬であった。アンダギーはその一瞬を利用して間合いを詰め、
鞘から刀を抜いていた。まさに疾風の如く。
志村「チッ!奇襲とはッッ!」
アンダギー「今更反応しても遅すぎるってんだァァァアアッャァァ!!」
カマイタチのような剣閃が志村に放たれた。それは下段からの振り上げで、志村の腹部から胸にかけ
綺麗な地割れのような跡を残した。そしてその跡から血しぶきが勢いよく舞い上がる。
志村はその場に膝ついた。
志村「クッ、油断…ッ!」
大量の血液を失い、志村の意識は朦朧としていった。もう3秒もすれば意識を失うだろう。
志村「サバラン…逃げろ…」
周りが白んでいく中で、志村はそう呟いて倒れた。
チン、と刀を鞘に収め、アンダギーは志村の後ろのサバランを睨み付けた。
アンダギー「さぁて、次は君だ、サバラン」
サバラン「う、うわァァァァ!」
恐怖のあまり、サバランは走って後方に逃げ出した。
つづく
アンダギー「待てェッ!このドサンピンがァァァァ!」
サバランは左足の中指と薬指を失っていて、うまく走れなかった。が、今はそんな場合ではない。
振り向けば、殺される。間違いなく。
サバラン「ハァ…ハァ……!」
逃げるサバランの形相は恐怖のあまりゆがんでいた。それでも、目一杯走って逃げなければならない。
長い廊下を走り渡り、右や左に曲がって逃げていく。だがアンダギーを振り切った様子ではない。
まだ後ろで足音がする。今一体どこを走っているんだろう?
アンダギー「待ちやがれェッ!逃げれると思うなよ!」
必死で逃げる中、サバランは思った。頭の中は恐怖でいっぱいなのに、やけにクリアーにその言葉が
映画の字幕のように浮かんだ。
オレは今、何をしてるんだ…?
圧倒的強者の出現。圧倒的な力の前に弱者はひれ伏すしかない。
オレもいままで幾度となく他人の命を奪ってきた。だがそいつらはことごとくオレより弱いやつらだった。
ここまでの力の差を感じたのは初めてだった。いや、正確に言うと初めてじゃあない。同じ十三浪士の
シフォンやナイトメアチルドレン。ガミラスタワーで遭遇したギルガメッシュの部下たちに出さえオレは
負けている。
だがそれを認めたくなかった。サバランは自分が弱いという事実を拒絶した。
オレは今までそうやって生き抜いてきたんだ。両親が子供の頃の俺を売ったあの日から、負けてはいけ
なかったのだ。それは死を意味するからだ。
そして今、かつてない強敵の前から俺は虫のように逃げ出している。
オレは今、何をしてるんだ…?
つづく
復讐は15のとき果たした。両親が俺を売った組織のラボから抜け出し、両親を探し出し見つけた。
やたら豪勢なマンションの一室に住んでいた。オレはためらいもなく両親を殺した。今じゃあ奴等の
顔さえ覚えていない。
オレは思った。この世は喰うか喰われるかの二つでしかない。弱者は強者に喰われるのみでいい。
そう思ってた。そう思っていたのは今までオレより強いやつがいなかったからだ。
だがオレは今、弱者に成り下がっている。このまま死ぬのは、やはり当たり前のことだ。
だが、死ぬのは怖い!
サバランは会議室のちょうど北に位置する地点にいた。まだ後ろにはアンダギーがいる。
左足の痛みを我慢し、全力で逃げ散る。
アンダギー「糞!そろそろ捕まりやがれ!」
と、そこでサバランの足が止まった。体力が切れたのではない。行き止まりだったのだ。黒い扉が
サバランの行く手を塞いでいる。そして間もなくしてアンダギーが追いついた。
アンダギー「はっはっは、もう逃げられんぞ。覚悟しろ!」
死ぬ、死ぬのか。俺は。サバランの目が絶望に襲われた瞬間、頭の中で声が響いた。
オイ、お前。死にたくねェのか? なら俺の声を聴け――
自分のものではない。これは他人の声だ。幻聴か?と最初サバランは思ったが、尚も声は響く。
俺はお前を待っていたんだ。さぁ、その扉を開いて俺の所まで来い――
つづく
170 :
ほんわか名無しさん:04/01/10 18:19
サバランはいわれるままその扉を開き―倉庫の中へ入った。中は薄暗い。
だが確かに光るものがあった。それはまるで自分を呼びかけているようであった。
サバランは誘われるようにその自分を呼びかけているものの方へ向かった。
そこには、指輪があった。地下都市でムカミから奪った―――シャドウウェポン。これが、俺を
呼び寄せたのか?と、いきなり辺りが暗くなり、程なくしてサバランの周りは暗闇しかなくなった。
異次元?アンダギーの攻撃か?
「違う。ここはお前の中だ」
サバラン「誰だ!?」
声のしたほうに、誰かがいた。伸ばした髪にサングラスのようなメガネ。その上黒いいでたちの男は
陰気さをこれ以上ない程かもしだしていた。
「いきなり俺の”姿”が見えるなんてな。ふつう初めては声だけなもんだが…。サバラン。おまえ素質
あるぜ。俺はずーーーーーっとお前を待ってたんだ。俺と100%リンクできるやつをな」
サバラン「100%リンク?まさかお前――」
「お前の使ってる『スペースウェポン』はお前と100%リンクすることはねぇよ。もっと上品な奴が好み
なんだ、『スペースウェポン』はな。サバラン、お前と100%リンクできるのは俺だよ、『シャドウウェポン』だ」
霧のような暗闇が晴れた。気が付くとサバランの中指に『シャドウウェポン』がはめられていた。
サバラン「これが、俺の『WI』――?」
つづく
171 :
ほんわか名無しさん:04/01/11 22:45
まもの
アンダギー「そろそろ勝負つけようぜ、サバランよ〜?」
アンダギーはその扉を乱暴に開け、倉庫の一番奥にいるサバランを見つけた。
サバラン「これなら奴を倒せる・・・」
志村「サバラン!やめろ!」
サバラン「志村!?」
アンダギーの後ろから聞こえたのは志村の声だった。怪我を負った体で廊下を這いずりながら追いかけて来ていたのだ。
アンダギー「まだ生きてたのか。」
志村「それを置くんだ、サバラン!」
パフェと関わりが深い志村は未知の『WI』の危険性を知っていた。
サバラン「俺に任せろ!俺はこの『シャドウウェポン』を使えるはず・・・」
志村「それはDr.カルマが造った『WI』だ。おそらく何らかの仕掛け
がしてあるに違いない!パフェが近々調査する予定なんだ!」
アンダギー「(なるほど、Dr.カルマがねぇ・・・)。先に殺して欲しいのはどっちだ?ああ?」
サバラン「俺は・・・戦うしかねぇんだよ!」
弱肉強食の原理の頂点に立つこと、それ即ち『戦い』の繰り返しなのだ。
志村「サバラーーン!!!!」
つづく
173 :
ほんわか名無しさん:04/01/12 19:12
サバラン「『シャドウウェポン』!お前は俺を選んだんだろ!なら、応えろ!」
右手の中指にはめられた指輪、『シャドウウェポン』がサバランの呼びかけに反応したように光った。
すると、サバランの影がうにょうにょと動き出し始めた。
志村「影に質量を持たせるWIか…。100%リンクしたサバランが使うとどうなるんだ!?」
つづく
サバランは一階の東側の動力室から、地下一階の北側にあるこの倉庫まで逃げてきた。
会議室も地下一階なのだが、会議室は南に位置するので倉庫の状況は分からないであろう。
倉庫ではサバランの体に異変が起こっていた。
サバラン「か、影が・・・!」
サバランの影は床を抜け出し、立体になってみるみる巨大化していく。
同時にサバラン自身は次第に床に飲み込まれようとしている。
志村「サバラン、止めるんだ!」
サバラン「せ、制御できないんだ・・・うわぁーっ!」
ついにサバランは床に飲み込まれて二次元化し、巨大化を続ける影の額には『シャドウウェポン』が光っている。
志村「本体と影が・・・逆転した!?」
焦る志村とそれを笑って眺めるアンダギー。床には虚しく『スペースウェポン』が転がっていた。
つづく
アンダギー「やはりDr.カルマはこの『WI』に細工していたようだな。」
志村「お前たちはDr.カルマとつながりが・・・!」
アンダギー「そんなことより・・・(兄さんも倒れているわけだし)ここはコイツに任せてもいいようだな。」
サバランの影はすでに原型をとどめていない。その黒い塊は倉庫の天井を突き破るほどの大きさになった。
志村「一体どうすれば・・・!?」
アンダギー「さぁな、仲間に殺されろ。」
倉庫の入口にいたアンダギーは破壊された天井から一階へ姿を消した。
志村「そうだ、これを使ってみよう!」
志村は先ほどサーターから奪った『NWI』を使おうとするが、なぜか反応しない。パフェの造った
『NWI』は、Dr.カルマによってカスタマイズしてあったのだ。そして、影の巨大化は止まった。
志村「魔物・・・」
倉庫に残ったもの・・・それは魔物と呼ぶに相応しい、黒く巨大な獣であった。
つづく
176 :
ほんわか名無しさん:04/01/13 21:24
しかしその魔物はサバランなのである。殺すわけにはいかない。
だが、一体どうすれば?
アンダギー「ほらほら、ボケーっとしてると影が襲ってくるぜ」
つづく
天井からアンダギーの声が響いたが、すでにその姿はなかった。どうやら
志村がサーターの『NWI』を持っていることには気づかなかったようだ。
志村「サバラン・・・」
ピクリともしない。しかしこの巨大な魔物が動き出すのは分かっていた。
まさに嵐の前の静けさ。志村はその間、薄い頭をフル回転させていた。
アンダギー「兄さん、帰るぞ。」
サーター「・・・」
アンダギーは動力室横の廊下に倒れているサーターを抱えた。そこにはアンダギーに峰打ち
を喰らって倒れていたエクレアの姿はなかった。アンダギーとサーターは警察部を出ると、
マジックキャッスルへ帰っていった。そしてその様子を見ていた黒服の男・・・。
B・ジャック「あの二人・・・勝手に帰りやがって。チンスコウはまだか。
まぁ、ミミガーとあの怪物がいれば十分だろうが。」
つづく
倉庫室には志村とサバランだった影の魔物のみが残った。
だが、いっこうに影の魔物は動こうとはしない。
志村「サバラン…まさかお前、まだ意思が残ってるのか?『シャドウウェポン』に呑まれぬよう、抗おう
としているのか…」
じり、と影の魔物に近づいた。だが魔物は非情にもそれに反応した。まるで全てを拒否するかのように。
影の魔物は目にあたるであろう部分を光らせ、俊足を持って志村に襲い掛かってきた。
ないはずの質量を持った影が空気を切り志村に圧力を押しかける。
志村「グ…!なんという力だ!」
志村の体はその圧力に耐え切れず、体制を崩し床に転んだ。その際響いた轟音は廊下の警戒サイレン
をも吹き飛ばした。魔物は床に倒れた志村に尚ものしかかった。息が止まりそうな圧力による苦痛に志村
は耐える。なにしろ、巨大な横綱を体で受け止めているようなものだ。
志村(若い頃ならこんなものなんとでもなったいたが…歳はとりたくないものだな)
巨大な獣を象った影の魔物は意思なきように闘争本能のみで動いているようだ。そこに理性というものは
感じられない。
志村「サバラン…私の声がまだ聴こえるだろう…。目覚めてくれ…、お前には目的があるんだろう…」
息も絶え絶えになりながら、志村は魔物に語りかけた。だが魔物は、サバランの意識は目覚めようとは
しない。
つづく
180 :
ほんわか名無しさん:04/01/14 20:57
なんとなく今までの戦績まとめ
メガネッシュ・歌丸・鉄人皮井 △―△ タケル 〔バスケ勝負 地震によりノーゲーム〕
ウィンナーチーム △―△ 海難大付属 〔野球対決 山崎渉ととしあきの乱入により中止〕
メガネッシュ・キバヤシ ○―× 山崎渉・としあき
メガネッシュ・キバヤシ・タモリ ×―○ 香取・ドラえもん 〔ダチョウ倶楽部乱入によりメガネッシュら逃亡〕
メガネッシュ・タモリ ○―× ダチョウ倶楽部(パッショーネ)
タモリ ○―× ミニボンビー
草薙京(SMAP) ○―× キングボンビー
中井貴一(SMAP) ○―× ゼリー(オカシーズ)
木村・草薙京(SMAP) △―△ 波平 〔ただしSMAP劣勢〕
タモリ △―△ オタベ 〔ただしオタベ劣勢〕
チョコ(オカシーズ) ×―○ ミッキー
中井貴一(SMAP) ○―× ガム(オカシーズ)
草薙京 ×―○ サバラン(オカシーズ) 〔腹痛のため〕
中井貴一 △―△ サバラン(オカシーズ)
タモリ ×―○ シフォン(オカシーズ)
ギルガメッシュ(ガミラス軍) ○―× ワッフル(オカシーズ)
ワンドラ ○―× サバラン(オカシーズ)
タモリ ○―× ヨウカン(オカシーズ)
タモリ ○―× ワッフル(オカシーズ)
ジーンズ(ガミラス軍) ○―× サバラン(オカシーズ)
スプリングマン(ガミラス軍) ×―○ ミッキー
メガネッシュ ○―× 田代
ラーメンマン(ガミラス軍) ×―○ ミッキー・トム
メガネッシュ・スウィーツ ○―× イスカンダル(ガミラス軍)
忍者マン(ガミラス軍)×―○ ジョーカー
バッファローマン(ガミラス軍) ×―○ ジョーカー
又吉 ×―○ ナイト(ジョーカー部下)
オウム ○―× ナイト・クイーン・キング(ジョーカー部下)
SMAP ○―× メイリン(オウム部下)
サバラン・キバヤシ・エクレア ○―× ケン(オウム部下)
ミッキー ○―× ムカミ(オウム部下)
タモリ ○―× タケル
ファチェ・ガトー ×―チンスコウ(五天皇)
スウィーツ ×―○ ミミガー(五天皇)
エクレア・志村・サバラン ○―× サーター(五天皇)
エクレア・志村 ×―○ アンダギー(五天皇)
184 :
ほんわか名無しさん:04/01/16 01:28
>>179のつづき
影の獣と化したサバランはもうもはや目覚めないのだろうか。
志村は相変わらず影の魔物に押えつけられたままだ。
が、志村の肉体にもそろそろ限界にちかづいてきた。
つづく
『主要人物現在地』
メガネッシュ・・・世界政府警察部本部(ロンドン)から10kmほど離れた小さな街の郊外
キバヤシ、歌丸、中井・・・メガネッシュを捜索中
トム・・・カルマを捜索中(何者かと遭遇)
パフェ・・・警察部本部に接近中
シフォン・・・所在不明
オウム(タケルを誘拐)・・・所在不明
ジョーカー、コンペートー、Dr.カルマ・・・マジックキャッスル(メガネッシュの現在地から数10kmの古城)、知恵の部屋
ギルガメッシュ・・・マジックキャッスル、ジョーカーの部屋で『田代再生計画』実行中
チンスコウ・・・所在不明(ラブホテルで覗き中?)
ミミガー(スウィーツを誘拐)、サーター、アンダギー・・・マジックキャッスルへ帰還中
サバラン(影) vs 志村・・・警察部本部、地下一階北側、倉庫で交戦中
エクレア・・・警察部本部、一階東側、動力室付近で所在不明
タモリ、草薙・・・警察部本部、一階南西側、医療室
香取・・・医療室から動力室に移動中
ゴーヤ vs ジェリー、ミッキー、ゴロー、木村、スウィーツ、キリコ・・・警察部本部、地下一階南側、会議室で交戦中
B.ジャック・・・警察部本部内徘徊中
ファチェ、ガトー・・・死亡
そのころ香取は動力室横の焼け爛れた廊下に呆然と立ち尽くしていた。
香取「一体何が・・・」
動力室を覗くと大量の砂が散乱し、かすかに鼻をつくアルコールの匂い。
激しい戦闘の痕跡はあるのだが、その周辺には誰もいなかった。
香取「スウィーツ・・・志村・・・」
香取は何かに気づいたように突然走り出した。廊下に残る引きずったような血痕。
それはサバランを追いかけ廊下を這った志村の血痕であった。それを手掛かりに
香取が行き着いた先は地下一階、北側の倉庫であった。
つづく
香取「志村!!」
倉庫に入った瞬間、香取はその異様な光景に目を疑った。
破壊された天井・・・巨大な黒い魔物・・・それに押さえつけられている志村・・・。
志村「か・・・香取・・・」
香取「志村、待ってろ!」
魔物は恐ろしい咆哮を上げている。戦闘態勢をとる
香取に向かって志村は息も絶え絶え叫んだ。
志村「サ・・・バランを・・・殺さないでやってくれ・・・」
そういうと志村は意識を失った。魔物はのっそりと
志村から手を放し、香取を振り向いた。
つづく
香取「サバラン・・・こいつが!?」
当然のことだが、にわかに信じられなかった。天井ほどもある漆黒の巨体、
額には指輪らしきものが光っている。魔物の足元の床にサバランらしき絵の
様なものが描いてあった。が、それはすぐに魔物の体に吸収された。
魔物「ウグガーーッ」
香取「うっ!」
意外に素早い魔物は香取を志村と同じように倉庫の壁に押さえつけた。
香取「サバラン・・・なのか?」
しかし魔物は答えず、ただ咆哮を上げるのみであった。
つづく
189 :
ほんわか名無しさん:04/01/16 22:33
香取「サバラン・・・」
香取は影の魔物をおもっくそ殴った。魔物は吹き飛ぶ。そして香取は叫んだ。
香取「サバラーン!思い出せ!人間だった頃をー!!」
声がかれるまで何回も、何回も叫んだ。
…ここは、どこだ?
サバランの意識は『シャドウウェポン』に捕らわれていた。ここは影の魔物の内部。
つまり、サバランの精神世界。
サバランの意識は半分闇と同化していた。もう半時もすればサバランの意識は完全に闇と同化し、
なくなるだろう。つまりサバランは完全に死ぬのだ。
クソ、俺はここで死ぬのか…。
つづく
闇に呑まれつつあるサバラン。
香取「サバラン!目を覚ませ!おい!サバラーン!」
何度も香取が叫ぶ。
だがそれも空しく、香取は壁に叩きつけられる。
香取「グハッ! くそ、・・・サ・・・バラン・・・」
俺はここで死ぬのか・・・そんなことを考えるサバラン。
そんな時、聞き覚えのある声が。
『サバラーン!思い出せ、人間だった頃をー!!』
瞬間、サバランの体はほぼ完全に闇と同化してしまう。
嫌だ。
俺はまだ死にたくない。
イヤダ。
イヤダ。
イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ・・・
191 :
ほんわか名無しさん:04/01/17 21:51
すると、そこに突然なぞの人物が出現した。サバランは目を見張った。
見たことのある顔だ。陰気そうな、こいつは―、そうだ。こいつは『シャドウウェポン』だ。
シャドウウェポン「よぉ、サバラン。元気そうだな」
サバラン「てめェッ!オレを騙したな!なにが100%リンクだ、オレが飲み込まれそうになってるじゃねぇか!」
自分の体に巻きついている闇を引きちぎろうとしたが、やはり闇は引きちぎれない。
それを見たシャドウウェポンは高笑いをする。
シャドウウェポン「ハハハ!こいつは傑作だ。サバラン、お前は俺に見合う唯一の存在なんだぜ」
サバラン「フザっけんな!じゃあ、なんでオレは消えそうになってるんだ!」
ちょっとだけサバランを見て、顔を落とし、ため息をつくようにシャドウウェポンはしゃべった。
シャドウウェポン「俺の所為じゃねぇよ。教えてやろうか、サバラン。この闇は、お前の”恐怖”だ」
サバラン「なに…?」
つづく
シャドウウェポン「そして、この恐怖を消すには…、サバラン、伏せろ!!」
しかし、その言葉は遅かった。
恐怖「喰らうがよい、恐怖の究極奥義――」
しかし、サバランは咄嗟の判断で身を伏せた。
恐怖「身を伏せても無駄だは!!『今日麩のみそ汁』!!」
サバラン「さむっ。」
しかし、サバランは体の異変に気付いた。
体が氷になってゆくのだ。
恐怖「これが恐怖の究極奥義よ。寒さの極みを付かれた相手は、氷となり、我精神の餌食となるのだ。」
サバラン「く、そ、」
サバランは完全に氷と化した…。
193 :
ほんわか名無しさん:04/01/18 00:33
恐怖「ははは!サバラン、これでお前という人格は完全に消滅したのだ!」
氷漬けとなったサバラン。
サバラン(もう、オレは駄目なのか…)
薄れゆく意識の中で、サバランは記憶が光のようにフラッシュバックしてゆく。
そのときある記憶がサバランの意識を水のようにつたった。4年前、ある戦場で死にそうになっていた
ところを助け出された。忘れもしない、両親を殺したときよりもサバランにとっては重要な記憶だった。
サバランを助け出したその人物は記憶の中でこう言う。
「オマエを助け出した理由?そうだな―オマエがオレと、似ていたからだ。」
サバランを助け出したその男の名はプリン。以来サバランはプリンに忠義を誓った。
そしてサバランは行方不明になっているプリンを助け出さなければならない。なんとしてもだ。
あの時の、借りを返さなきゃならない。
サバランを取り巻く氷がみるみる内に溶けていった。
恐怖「なにぃ!どういうことだ!」
氷を溶かしていったその熱こそが、サバランの”恐怖”を退ける”希望”に他ならならない。氷はほとんど
溶け、サバランの顔がのぞく。失っていた心も全部形になり取り戻している。
シャドウウェポン「そうだ、サバラン!
それがおまえの力だ!そして…俺の名を呼べ!呼べ!俺は、ここにいる!」
サバラン「力がみなぎる…!退け、俺の”恐怖”よ!」
サバランから光が発し、恐怖は消えた。
香取「サバラン…」
そして現実世界でも、サバランは影の魔物から人の形に戻っていた。
つづく
194 :
ほんわか名無しさん:04/01/18 13:27
香取「よかった…サバラン、どうやら意識を取り戻したようだな」
サバランの元にいそいで香取はかけよったが返事がない。どうやら気絶しているようだ。
香取「大した外傷はないな…。どうやら精神的にかなり疲弊しているようだ。これが『シャドウウェポン』
の力か」
サバランの横になっている志村はこちらも気絶しているがだいぶやられているようだ。香取は志村の
体を調べてみる。
香取「肋骨が三本、頭部に裂傷か。命に別状はないが早く手当てしないとな。」
よっ、と香取は気絶している二人の肩をかついで倉庫から出ようとした。
「ククク、どうやらそいつはシャドウウェポンを手なづけたようだな。しかし、100%リンクできる資質を
持っていながら己の恐怖に呑まれるとはツイてねぇ奴だぜ」
倉庫から出るとそこに男が立っている。香取はその男の顔を知っていた。
香取「また会ったな…B・ジャックだったか」
その名を呼ばれ、B・ジャックは口の端をとがらせる。いかにも、不適というように。
その歪んだ笑いに香取は記憶の暗闇から光が発した。
B・ジャック「ククク…思い出したか?香取、俺のことを。俺はお前のことをよく知ってるし、お前も俺のこ
とをよくしっているはずだ」
香取「貴様…まさか暗殺者コンテスト(前スレ参照)初代優勝者にして、伝説の暗殺者と呼ばれたあの
男かッ!?」
つづく
195 :
ほんわか名無しさん:04/01/18 13:43
B・ジャック「そう…香取、お前ら野火家と暗殺界では双璧と呼ばれた骨革家の歴代最強の当主と
呼ばれた男こそ俺さ。」
闇に慣れ、香取の目に暗がりがはっきりと見えるようになったとき、B・ジャックの顔がはっきり映った。
独特なフォルムの髪型。まるでカミソリのように右に流したその髪は骨革家の当主にのみ許されたヘア
スタイルである。
そして右手には白い装甲がはめられている。あれこそB・ジャックの『WI』なのだろう。
香取「お前の肩書きよりもその笑いの方が有名だぜ。赤子でも躊躇なく殺し、ポリシーもなく人を殺す…。
そしてターゲットを殺したときに必ずあらわすその歪んだ笑い。同じ暗殺者からも畏れられた『死神』、
と呼ばれた残酷さを持つイカレた野郎だってな」
B・ジャック「よく知ってるじゃねェか」
香取「だが、なぜお前がジョーカーの配下になってるんだ?たしかお前はあるデカい仕事でしくじって死んだ
と聞いたが」
B・ジャック「そうさ。表向きでは俺は死んだことになっている。だが俺はジョーカー様に救われたのさ。
そしてそれ以来ジョーカー様に仕えている。あの人はすばらしいお方だ。あの方が作ろうとしている新世界は
すばらしい所だ」
それを聞いて香取は目を鋭くした。
香取「そんな世界に興味はないな」
B・ジャック「ククク…お前もじき気づくだろう。では、また会おうぜ」
それだけ言ってB・ジャックは消えた。また他の五天皇の監視に行ったのだろう。
香取「まさか、アイツがジョーカーについているとはな。…この戦い、これ以上の犠牲なしに済めばいいのだが」
つづく
ここはジョーカーの本拠地、マジックキャッスル。
ジョーカー「ついに、ついに見つけたぞ。」
興奮するジョーカーの目の前には魚雷があった。
ジョーカー「サキュ時代に作られた兵器の唯一の生き残りを…。」
魚雷ガール「そう、私の名は魚雷ガール。サキュの中でも特に優秀な科学者達によって作られたのが私、魚雷ガール。
そして、ウェポンインパクトの中心にありながら、傷を1つも負わず唯一生き残ったのも私、魚雷ガールよ。」
ジョーカー「しかし、大昔のサキュから存在しながらサビ1つない…。この魚雷には寿命という物がないのか…?」
ジョーカーは興奮しながら、しかし初めての怯えをも見せたような言葉だった。
魚雷ガール「私には寿命などない。なぜなら私は魚雷だから。」
ジョーカー「(ところでコンペートー。)」
ジョーカーがコンペートーに耳元に囁くような小声で言った。
ジョーカー「(本当にこいつはメガネッシュが最大限のパワーを出して倒せるのか?)」
珍しくジョーカーには自信がない。
それもそう、ジョーカーはコンペートーにこの魚雷の戦闘能力をどれぐらいか計算させてしまったのだ。
その結果は、普通の状態で1cm先から飛んで目の前のダイアモンドを粉々にできる、と言うものだった。
本気を出せば計り知れないパワーらしい。
さらに防御能力は、コンペートーでさえ計算不能だと言うのだ。
コンペートーはジョーカーの不安げな問いかけにこう返した。
コンペートー「(わからないじょー。メガネッシュが覚醒して最大限の力を出しても、ビクともしない確立の方が高いじょー。)」
ジョーカー「(心理面で、攻撃するしかないのか?」
コンペートー「(結構単純な魚雷だからたぶんそれで大丈夫だじょー。)」
ジョーカー「(おまえで『たぶん』か…。)」
197 :
ほんわか名無しさん:04/01/18 18:21
ボーボボかよ!という天の声が聞こえてきたような気がした。そしてまたインフレか、とも。
ジョーカー「そういえばメガネッシュの消息はつかめないのか。
世界政府警察部は五天皇が叩くとしていいが」
世界政府、と聞いてスーパーコンピューター且つ世界政府を裏で取り仕切っていたコンペートー
は反応した。
コンペートー「世界政府は今叩いて正解だじょー。ぼくちんが築き上げた勢力は失われほぼ機能して
いない。なら効率的にいうとジョーカーの地下都市国家に優先すべきであるとぼくちんの人工知能は
判断したじょー」
ジョーカー「ふふ、僕の国が評価してもらえて光栄だね。」
コンペートー「今のところ現世界は大まかに3つの勢力に分かれてるじょー。ヨーロッパを支配している
世界政府、ジョーカーの地下都市、そして最近興った南米のムツゴロウ王国(今スレのどっか)。
その他の地域は小さな勢力組織がひしめきあっていたり人が住めない環境になっていたりするじょー」
ジョーカー「…今ガミラスに攻め込まれたら地球人類は確実に滅びるだろうな。その前に早急に我が
地下国家が地球圏を統一しないとね」
一人の野心家と嘗て世界を操っていた人工知能は、今同じ考えを胸に秘めている。
その頃、マジックキャッスル前ではスウィーツを捕らえたミミガーが帰還していた。
脚に内蔵されたブーストを最大限に使い、ものの二十分で世界政府警察部からマジックキャッスルに
到着した。
ミミガー「これで任務完了ね」
つづく
198 :
ほんわか名無しさん:04/01/18 18:33
ミミガーがIDカードを取り出し、マジックキャッスルの玄関に入ろうとした、その時。
「成程、ここがあなたたちのアジトね」
ミミガー「!!」
気絶しているはずのスウィーツの体がフッ、と突然浮き、その後大量の砂がミミガーに覆い被さった。
視界が消え、ミミガーはそのばえむせぎこんだ。
ミミガー「クッ、まさか――」
スウィーツ「そうよ、ミミガー。私がそう簡単にやられると思ったかしら?私はナイトメアチルドレン、
悪夢の遣いよ」
スウィーツはミミガーの7mほどの上空に浮遊し、既に砂はスウィーツの周りを漂っている。
やられた―。スウィーツはわざと連れ去られたふりをし、わたしたちのアジトをつきとめようとしたのだ。
ミミガー「ク、小娘が…!」
流石のミミガーも眉間にシワをよせる。怒りが空気を取り巻く。
スウィーツ「おあにくさま。私は見た目より歳をとっているのよ」
ミミガー「『マイケル』!今度こそしくじらないで」
懐から飴型NWI、『マイケル』を取り出す。
スウィーツ「ここでなら思いっきり暴れることができるわ。さぁ、行くわよ!『デザートウェポン』!」
つづく
ミミガー「そんなもの効かないわ。」
ミミガーは余裕でかわしてみせた。
ミミガー「マイケル!!毒殺モード!!」
マイケル「OKネ!!」
マイケルが紫色に変色した。
スウィーツ「さっきも言ったけど、毒なんて悪夢の子供には効かないわ。」
ミミガー「そうやって強がっていられるのも今のうち。
マイケルの毒殺モードを喰らったものは、ものの数秒で死に至る。」
マイケル「しかもこの毒は機械にも効くネ!」
スウィーツ「機械に毒?そんなものが効くわけないわ。」
ミミガー「じゃあ、試してみようかしら?」
スウィーツには少し汗が見える。
スウィーツ「く…。」
ミミガー「ふふふ。」
そう言った瞬間、ミミガーはマイケルを自分の口に入れた。
マイケル「え!?スウィーツに食わせるんじゃないの!?」
ミミガー「スウィーツに食わせたって機械に効くことは証明できないのー!!」
ミミガーがマイケルを完全に飲み込んだ瞬間、ミミガーは血とマイケルを吐き、倒れた。
マイケル「馬鹿すぎネー!!!」
スウィーツはミミガーの手から落ちた『NWI』を拾い上げた。しかしその『NWI』はすでに飴型ではなかった。
スウィーツ「使用者によって形を変えるのね・・・」
『NWI』が使用者によって形状や能力を変えるという特性(
>>145)は、チルドレンであるスウィーツに
とっても例外ではなかった。拾い上げた瞬間にその『NWI』はブレスレットの形に変わった。
スウィーツ「これ・・・使えそうね。それにしても・・・五天皇が機械だっとは・・・」
スウィーツはそれを左腕につけた。そして右腕の『デザートウェポン』でミミガーをあっという間に風化させた。
スウィーツ「まぁ、人間ならこんな間抜けなやられ方しないでしょうね。」
つづく
そのころ知恵の部屋の外ではジョーカーとカルマが真剣な面持ちで話していた。
ジョーカー「カルマ、僕が作りたい世界には魚雷ガールははっきり言って必要ない。今回探してきた目的
もあいつの破壊にある。率直に聞くが、本当にあの『魚雷ガール』は破壊できないと思うかい?」
カルマ「クククッ、コンペートーには最近まで『ナイトメアチルドレン』や『ウェポン』に関する情報
は入れてなかったからな(
>>110)。メガネッシュはおろか君の正確な戦闘能力でさえ、正確に計算は
できない。まだ成長中ってこった。ま、あの魚雷なんとかはそのうち俺が壊してやるよ。ヒャハハ!」
カルマは余裕の表情でいかにも楽しそうに笑った。
ジョーカー「まぁ・・・コンペートーの開発者である君がいうのなら信じよう。」
カルマ「それより、お客さんだぜ。」
カルマが指差す監視モニターには、ボロボロに風化したミミガーの残骸を
飛び越えてマジックキャッスルに侵入するスウィーツの姿が映っていた。
ジョーカー「スウィーツ!ようこそマジックキャッスルへ。」
青白いモニターを見つめるジョカーは無邪気に微笑んでいた。
つづく
「こ、ここは・・・」
香取「気が付いたか。」
気が付くとサバランは医療室のベッドの上にいた。
サバラン「お前が運んでくれたのか?」
香取「・・・」
タモリ「お前、相当暴れたらしいな。ほれ。」
タモリが指差したのは、まだ気絶している志村だった。
サバラン「俺が・・・やったのか・・・」
香取「ありがたいと思え。志村がいなかったらお前を殺していた。」
サバラン「他の五天皇は!?」
草薙「会議室で・・・交戦中らしい。ミッキーがいるから心配するな。」
サバラン「・・・そうか。」
つづく
サバランは不思議な気持ちだった。SMAPやタモリとは戦ったこともあった。こいつらは俺が200人いた部下のうち
199人を殺し(>>前スレ)、暗殺者狩りに参加し、警察部に所属しながら散々悪事をはたらいてきたことも知っている。
しかし、それを承知の上でこの俺に優しくしてくれるのか?しかも香取は暗殺者狩りで両親を亡くしている。
こいつらは何故こんなに傷つきながらも戦っているのだろう?この世界を守るため?誰かの復讐?『仲間』がいるから?
タモリや志村にもそれぞれ理由があるのだろう。しかし少なくともそれは、今まで弱い者との戦いを生きがいにしてきた
自分とは明らかに違う、真っ直ぐで熱い想いが感じられた。俺もこいつらと一緒に、最後まで戦いたい。
そしてプリン総司令にもう一度会いたい。会って自分の目ではっきりさせたい、俺が戦うワケを。
サバラン「香取・・・」
香取「あぁ?」
サバラン「ありがとうな。」
つづく
204 :
ほんわか名無しさん:04/01/20 18:34
会議室ではゴーヤとの戦闘が行われている。
ゴーヤのNWI、『YOSHIKI』の特殊能力にみな苦戦していた。
木村「クソッ、なんて厄介なんだ、あのNWIは!」
つづく
木村たちは敵の厄介な技に圧倒されていた。本来ならここはミッキーか木村が
戦うべきなのだが・・・敵はそうはさせてくれなかった。
木村「みんな、気ぃ抜くな!」
ゴーヤはNWI『YOSHIKI』で特殊能力『スタンド』を発現させていた。これは立体映像を生み出す技である。
いや、正確にはそれは『映像』ではない。ゴーヤは『スタンド』で五人の自分自身を作り出した。言わば
『分身の術』・・・木村たち六人を囲むように、六人のゴーヤが立ちはだかっていたのだ。それに加えて気を
つけるべきは先ほど木村が避けた技・・・ゴーヤは自分自身で『恐るべき技』と言ったように聞こえたが・・・
ゴーヤ全員「六対一じゃつまらないでしょ?一対一で勝負!」
六人のゴーヤは、女性である外見とはギャップのある乱暴な口調でハモった。
ジェリー「(やばい・・・一対一じゃキリコやスウィーツが危ない・・・)」
ゴーヤ@A「行くぞ!『オソルベック・ワズア』!!」
二人のゴーヤが持つ、細い槍状のNWI『YOSHIKI』の先端から六人に向けて光が放たれた。
木村「みんな跳べぇー!!!」
ズガガガーーーン!!
木村の声に反応し、六人はありったけの力でばらばらの方向に跳んだ。大理石の床が砕け散った。
つづく
そして敵は間髪入れずに間合いを詰め、一対一の状況を作り上げた。広い会議室全体に散らばった
木村、ジェリー、ミッキー、ゴロー、スウィーツ、キリコとそれにぴったりとマークする六人のゴーヤ・・・
ゴーヤ@「殺してやる!」
木村「やってみな。」
ゴーヤA「ネズミが相手か・・・」
ジェリー「久々に殺し屋の腕を見せてやる。」
ゴーヤB「余裕だねぇ、ネオチルドレン。」
ミッキー「フンフフーン。」
ゴーヤC「あんた弱そうねぇ・・・」
ゴロー「そ、そうですか?」
ゴーヤD「そのグラサンごと粉々にしてあげる。」
スウィーツ「(私の特殊能力でかなうのだろうか?)」
ゴーヤE「女芸人・・・」
キリコ「うるさいわよ!!」
つづく
207 :
ほんわか名無しさん:04/01/22 23:53
木村はゴーヤ@と対峙している。
木村「エイヤー!」
木村は策もなくゴーヤ@に飛びかかった
208 :
ほんわか名無しさん:04/01/23 01:36
ふりをして会議室にあるトイレに駆け込んだ「もう、どうなってもいい」と思わず叫びながらことをすますのに必死になった。
つづく
____
、-''~:::::::::::::::::::::::"ー-,
;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
|:::/ ̄ ̄ ̄`' ̄ ̄¨ヾ::::|
|:::| ━、_ _.━ |.:.::|
|/ .,-ェュ ,-ェュ |.:.:|_
(゙| ´ ̄ ,/ 、  ̄` |/,. |
| ( 、 ゙、__,-'' 、)ヽ__/
\ `こニニ'´ _..┘
\___ _ ,∠
ジェリーは『波平』に乗っていない現在、ネズミの体では戦闘は困難であったが、
なんとかゴーヤAから逃げ回りながらキリコの肩に乗っかった。
キリコ「木村くんが逃げたわ!」
ジェリー「アホか、あいつが戦わずして逃げるわけがない。」
ゴーヤ@はトイレのドアの前に立った。
ゴーヤ@「そんなとこに逃げ込んでも無駄よ。ドアごと破壊するだけ!!」
再び『NWI』の先端が光り出す。
木村「もうどうなってもいい。『びっくりするほ・・・』」
ドアの向こうから木村の声が聞こえた。あの呪文を叫ぶ声が・・・
つづく
ゴーヤ@「死ねぇ!『オソルベック・ワズア』!!」
槍から放たれた光はトイレのドアを勢いよく爆破した。ガレキで塞がったトイレ・・・
ドア越しとは言え、中にいる人間は確実に死に至る威力であった。
キリコ「木村くん!!うわっ!!」
もちろんキリコとジェリーも他人ごとではない。ゴーヤEとゴーヤAが二人をぴったりとマーク
しているのだ。ネズミのジェリーはキリコの肩の上なので、実質一対二の形になっているが。
ジェリー「キリコ逃げまくれ!あいつは大丈夫だ!」
「おらぁあああ!!」
いきなりガレキが吹き飛んで、破片がゴーヤ@に突き刺さった。みんなの
注目が集まり、一瞬会議室に静寂が走った。トイレから木村が出てきたのだ。
ゴーヤ@「グハッ!なんだ!?」
スウィーツ「で、でかい・・・」
ゴロー「ふぅ、間に合った。」
ジェリー「鳥取砂丘以来だな。」
つづく
出てきた木村の体は三倍ほどになっていた。木村の特殊能力『ウィダー』が発動したのだ(前スレ
>>219)。
発動までに少し時間がかかるのが欠点だが、ゴズニーランドの『精神と時と部屋とYシャツと私』の部屋
での修行の成果で、以前より精神的・肉体的な負担はだいぶ克服したようだ。
木村「やばいやばい、発動前に喰らったら死ぬところだった。」
ゴーヤ@「死ねぇ!!」
掛け声とともに、木村の右わき腹に『オソルベック・ワズア』が炸裂した。
木村「・・・かゆいな。おら!」
木村は敵をわしづかみにすると床に叩きつけた。
木村「おらおらおらおらぁーー!!!!」
続けざまに木村はゴーヤ@を連続で殴りつけた。そしてゆっくりと上げた
大きな拳の下には、粉砕された床の大理石と機械の欠片が散乱していた。
つづく
ゴーヤB「油断したか・・・」
ミッキーと対峙しているこのゴーヤB・・・これがゴーヤ本体である。一番厄介なミッキーだけは
確実に仕留めるために、他の五人の戦闘能力は一般のWI使用者より少し高いほどにしてあった。
ゴーヤB「ネオチルドレン、あんたにはマジックキャッスルに
来てもらうから死の一歩手前で止めておいてやるよ。」
ミッキー「・・・」
ミッキーもそろそろ戦闘モードに変わろうとしている。
そしてキリコはまだゴーヤA、Eから逃げ回っていた。
キリコ「こいつら機械なの!?」
欠片を見ながらキリコが言う。
ジェリー「ふーん、なるほどね・・・」
キリコの肩の上でジェリーが言う。
つづく
木村「あと五人か。」
喰らった『NWI』の攻撃の威力は強力な『WI』ほどだろうか。分身によって威力が少し
落ちてはいるが通常の人間なら跡形も無くなっていただろう。巨大化したこの体なら
致命的なものではないが、木村の右わき腹は出血している。
『ウィダー』の副作用である精神的・肉体的負担はまだ発生していないようだが、木村の
顔には少し疲労の色が浮かんでいた。
つづく
215 :
ほんわか名無しさん:04/01/24 12:08
そこで木村はある技をだした
しかし、うまくきまらなかった
正確に言うときまらなかったのではなく
つまらなかった
と、いうより湿っぽかったのだ。
220 :
ほんわか名無しさん:04/01/26 01:36
それは困ったものだ
木村「し、湿っぽい!!」
キリコの前にいるゴーヤEに接近しようとして木村はよろけた。右わき腹が大量の鮮血で
湿っているのだ。何か攻撃を出そうと走り出したのだが、うまく間合いが詰まらなかった。
ゴーヤE「あの技を直で喰らったんだから当然だ。」
ゴーヤEは標的を木村に変えた。木村は片ひざを付いてわき腹を押さえている。
ゴーヤE「死ね!!」
再びこの恐るべき技が容赦なく木村を襲った。
木村「グッ!!」
右ひざ、左肩と次々『オソルベック・ワズア』が掠めていくが直撃だけは避けている。
ジェリー「おい、レーダーだせ!」
キリコ「何?何なの!?」
ジェリー「早くしろ!」
キリコはジェリーから預かっていた『ウェポンレーダー』を取り出した。
キリコ「出したわよ!」
ジェリー「よし、俺と一緒に木村に投げてくれ!早く!!」
言われるがままにキリコは『ウェポンレーダー』とジェリーを木村に向かって投げた。
ジェリー「使うのは初めてだが。」
そう言うとジェリーは空中で球状の『ウェポンレーダー』に乗っかってカチャカチャ弄り出した。
つづく
ゴーヤE「とどめだ!」
頭を狙った『オソルベック・ワズア』に、ひるんだ木村はガードが間に合わない。
ボフッ
ジェリー「おっと!」
木村の顔の前には青い球体の中に乗り込んでいるジェリーがいた。
木村「防いだ!」
ゴーヤEの放った攻撃は青い球体に当たると、四方八方に散乱していた。
ゴーヤE「・・・『WI』!?」
ジェリー「行くぜ。」
つづく
一方、木村が間一髪ジェリーに助けられた頃、スウィーツはゴーヤDと対峙していた。
ゴーヤD「『WI』無しの一般人ばっかだねぇ。」
スウィーツ「(木村が特殊能力で一体倒した・・・私にもできる。)」
スウィーツはかつて田代の組織『ミニにタコ』の四天王としてキリコたちとともに
田代のサポートをしていた。大きな体にサングラスという、ゴツい外見・・・しかし
戦闘は苦手であった。四天王といってもスウィーツは、むしろ田代の秘書のような
役割をしていたのだ。特殊能力を持ってはいるが、『WI』にはかなうはずが無い・・・
そう思っていた彼にとって、木村の勇姿は輝いて見えた。
ゴーヤD「そうだ、ハンデあげるよ。あんたは直接攻撃で殺す。」
光っていた『NWI』の先端から光が消えた。
スウィーツはサングラスを中指で上げた。
つづく
ゴーヤD「せいぜい逃げ回りなよ。」
ゴーヤDは構えた。スウィーツは敵の出方を探っていた。うかつに動くと『死』が早まる。
スウィーツは相打ちを覚悟で一体だけでも倒そうと考えていた。敵は分身の体だから、動き
はそれほどでもないはず・・・しかし言葉通りに直接攻撃のみで来るとは限らない・・・
ゴーヤD「ハッ!」
鋭い突きがスウィーツを襲うが、なんとかステップバックして逃れる。
スウィーツ「来い!」
ゴーヤD「いい動きだけど、これで終わり!」
スウィーツ「はっ!」
ガシーーンッ
ゴーヤDの振り下ろした槍型の『NWI』は、大理石の槍で止められた。
ゴーヤD「な、『WI』か?」
スウィーツ「特殊能力だ(名前募集)。」
つづく
スウィーツは石を操る特殊能力を発動させた。タモリの、金属を操る『メタルウェポン』
のような威力やバリエーションはない。石を固めたり弾き飛ばしたりするくらいの能力だ。
スウィーツ「行くぞ!!」
驚いているゴーヤDに、突きの連打が放たれた。
ゴーヤD「ウッ!」
槍の腕前はスウィーツのほうが上のようだ。敵は防戦一方になっている。
そのうち、スウィーツの放った連打の一発がゴーヤDの顔に当たった。
ゴーヤD「・・・調子に乗るな!」
槍型NWI、『YOSHIKI』の先端が再び光り出した。
スウィーツ「(やばい!)」
ゴーヤD「死ね。」
つづく
ジェリーは青い球体の内部を再びカチャカチャ弄っていた。
木村「それ、『WI』か?」
ジェリー「まぁな。『レーダーウェポン』だ。」
ジェリーの造った『ウェポンレーダー』は実は『WI』、『レーダーウェポン』だったのだ。この『WI』
の能力はレーダーに反応する物体に誘導弾を放ったり、敵の攻撃を弾き飛ばすというものであった。
ジェリー「よし、セット完了。」
光り出した青い球体から五つの光が放たれた。
ボン ボン ボン ボン ボン
ゴーヤD「あっ!」
青い球体から放たれた光は五人のゴーヤに向かって飛んでいった。そしてそれは
スウィーツに『オソルベック・ワズア』を放とうとしているゴーヤDにも・・・。
スウィーツ「隙あり!」
光を喰らって吹っ飛んだゴーヤDの頭目掛けて、スウィーツは渾身の一撃を喰らわせた。
するとゴーヤDの頭は胴体と分断され、落下した残骸に機械の部品が姿を現した。
つづく
228 :
ほんわか名無しさん:04/01/31 11:21
いったいゴーヤを何人倒しただろうか
そもそもゴーヤがなにをしたと言うのだろうか
いったい僕達は何を見てきたと言うのだろう。
231 :
ほんわか名無しさん:04/02/01 16:11
そんな疑問にかられながらも僕らは歩いてゆく
あの地平線に向って…
233 :
ほんわか名無しさん:04/02/01 22:01
マヨネーズを出そう!
234 :
ほんわか名無しさん:04/02/01 23:48
そう思った僕は
235 :
ほんわか名無しさん:04/02/02 01:23
マヨネーズを出した
はっ!私はなにを勘違いしていたのだろうマヨネーズ伯爵ではなくマーヨネーズ伯爵であった。あんなに長いつきあいなのに、今頃気づくとは。明日謝りに行こう。今日はもう遅いねるか
237 :
ほんわか名無しさん:04/02/02 14:26
そんなことを考えながら
野糞をしているおじさんを見つけた
239 :
ほんわか名無しさん:04/02/02 20:22
私はそのおじさんを罵った
でもかわいそうなので小銭をいくらかあげた
241 :
ほんわか名無しさん:04/02/04 13:22
そしたら感謝されて
黒い子猫を貰った
オンドゥルルラギッタンディスカー!!
244 :
ほんわか名無しさん:04/02/05 12:42
そして空を飛び
245 :
ほんわか名無しさん:04/02/05 16:58
虹は晴れ渡り
地上は楽園になった
247 :
ほんわか名無しさん:04/02/06 22:52
楽園では毎夜盛大に祭りが開かれ
金正日が楽園を支配した。
249 :
ほんわか名無しさん:04/02/08 10:53
支配された楽園はもはや楽園ではなく
北朝鮮だった
251 :
ほんわか名無しさん:04/02/08 14:46
しかし北朝鮮での生活は決して厳しいものではなかった
なぜならばあの人がいたから…
続く
「ふぅ…やっとここまで書き終えたぞ…」
無精髭のさえない男が自らの書いた小説を見る。
この男の名は…
あつおである。(前スレ
>>101)
「どうでしょうか?
かなりの自信作なんですが」
( `,_ゝ´)クックックッ
256 :
ほんわか名無しさん:04/02/09 11:50
「だめだよこんなの」
編集者の意見は冷たかった。まるでヘビの皮のように…
俺は伸びたラーメンのように熱かった
258 :
ほんわか名無しさん:04/02/09 17:51
そして俺は味噌ラーメンが好きだ
259 :
ほんわか名無しさん:04/02/10 10:25
俺は編集者にこう言ってやったんだ
「お前に俺の熱さは伝わるめぇ」
「実は、俺、うどんだったんだ…。」
編集者が泣きながら答えた。
「気を落とすなよ。俺はカレーだぜ?」
俺はそう言い放ってやった
「カレー!?貴様、田中軍の者だな!?」
263 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:02
「そうさ俺こそ田中軍の首領タナカ・ヤースベエさ」
264 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:06
「いくさじゃぁ〜!」
戦いが始まった・・・
265 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:07
丁度仕入れに来ていた酒屋が口をはさんできた。
「まぁまぁ、マターリとニラ茶でも。」
266 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:09
「いただきます」
落ち着いたタナカ・ヤースベエであった。。。
267 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:14
しかし、そのニラ茶は青酸カリが入っていた。
268 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:16
「ぐはっ・・図ったな・・」
息絶えたかに見えたタナカ・ヤースベエ・・がしかし・・!?
269 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:31
なんとそいつは影武者だった。
270 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 11:36
「ほんとだ、こいつはドライカレーじゃないか・・。どこに行きやがった。」
そして今、冒険が始まる・・!!
271 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 15:15
タナカ・ヤースベエは酒屋から離れて公園にいた。
ところでタナカ・ヤースベエはトルコ出身の中国拳法使いだ
しかし、中国が嫌いだ。
273 :
ほんわか名無しさん:04/02/12 17:49
そこでタナカは中国人狩りを始めることにした
274 :
ほんわか名無しさん:04/02/13 09:43
が、しかしここは日本だ。いざ中国へ・・。
「2年がたった・・・。ここはどこだ・・??」
極度の方向音痴だったのだ・・。そこで・・・
育毛の旅をすることにした。
「毛のないおっさんを助けてやるぞー。」
276 :
ほんわか名無しさん:04/02/13 19:48
まず通りすがりの山田幾太郎さん(47)の毛を生やしてあげることにした。
ところが…
タナカ「こっ、これは!?」
タナカが見たものとは一体!?
山田さんったらうんこ漏らしてるーーー!!!
278 :
ほんわか名無しさん:04/02/14 00:22
山田さんは顔を真っ赤にして謝った
「ご、ごめんなさい…」
許さねぇ、オラぜってぇ許さねぇぞ!!
280 :
ほんわか名無しさん:04/02/14 22:50
そう言ったタナカの毛髪は金色にまさに超サイヤ人と化していた
281 :
ほんわか名無しさん:04/02/15 17:10
そう、タナカは地球人ではなかったのだ。
タナカからあふれんばかりのエネルギーが沸きあふれ出てくる!
「お待ちになって、幾太郎」
マールボロを咥えてマッチを擦った彼は眩しげに、声の主を振りかえった。
そして雷に撃たれたように凍りついた。
(まさか……御蝶夫人? お前なのか?)
283 :
ほんわか名無しさん:04/02/15 21:15
そう、そこにいたのはかつてのクラスメイト、御蝶婦人だった。
その誇りと清潔さを持った凛とした顔は間違えようがない。しかし問題はそのなりだった。
「お、御蝶婦人、その姿は…?」
タナカは声を震わせていた。
お超婦人が着ていたのは、なんと!
死の電卓風すき焼き浴衣だったのだ!
285 :
ほんわか名無しさん:04/02/17 00:05
死の電卓風すき焼き浴衣とは俗に言うレオタードである
286 :
ほんわか名無しさん:04/02/17 02:06
レオタードを着たお蝶婦人はこういうのであった。
「幾太郎、あなたのハゲは私が直してさしあげますわ」
感涙する山田。
「ありがとう、お蝶婦人!」
287 :
ほんわか名無しさん:04/02/17 18:45
突如、お蝶夫人の双眸が、夕闇に沈む黄昏のしたで七色に輝いた。
「どういたしましてよ。でも、分かっていらして?」
幾太郎は舌打ちをして飛び退く。彼は寸でのところで伝説のお蝶ビームを
交わし、靡くバーコードを脂ぎった指で撫でつけた。
熱を帯びている。まさか! 彼の後退著しい黒髪が焦げ、その香ばしい芳
香が立ちこめ始めた。
「……き、きさまぁ! 俺の……俺の貴重な頭髪をぉぉぉー!」
彼の怒号が冬の八甲田山脈に木霊する。
288 :
ほんわか名無しさん:04/02/17 23:28
失敗とは、特に怒りの器材となる。お蝶婦人のミスは、山田のキャパシティをはるかに上回り
憤怒というプロミネンスを噴出す結果となった。
「お蝶婦人……貴様だけは許すことはできぬ!」
悪意はなかった。少なくともお蝶婦人はうろたえていたのだから。だが最早さながら燃え盛る溶岩
と化した山田に言い訳は通じぬ。
怒髪、天を突くとはまさに今現在の彼の為にある言葉だろう。
幾太郎の憤怒は砂嵐となり、悠久の天に渦を轟かせる。
「いいのかしら、幾太郎? あなたの頭髪を焦がしたのは私だけど、その
頭髪を再生できるのも私だけなのよ? それとも、リーブ21かしら」
縋るように叫ぶお蝶婦人であったが、幾太郎は殺意の篭った笑みを僅か
に浮かべるだけだった。
「さあ……始めようじゃないか、お蝶。言っておく、三秒だ!」
幾太郎は鋭く大地を蹴った。その瞬間、彼は一陣の疾風となる。
290 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 00:18
耳たぶをかすめる結晶のようにお蝶婦人は幾太郎の風雪波浪の殺気を精神でなく、肉体で
感ずることができた。幾太郎の怒りは精神を通り越し外世界に影響を齎している。空気は渦巻き、
気圧が上がり、なにより地面は振動している。傍で見ているタナカはそれを只呆然として見ること
しかできなかった。
疾風と化した幾太郎は10mはゆうにあったであろうお蝶婦人との距離をものの0.01秒で縮めた。
お蝶婦人の視覚はそれを認識できず気が付いた時にはもう懐に潜り込まれていた、という具合
である。お蝶婦人の並外れた反射神経を以ってしても反応すら不可能だった。幾太郎の常軌を
逸した怒りは、人間の限界という扉をノックし始めたのだ。
291 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 00:32
タナカは力いっぱい、声を張り上げた。
「幾太郎殿、おなごに手を上げるは些か無粋でござろう!」
しかしその声は、冬の六甲颪(おろし)に、濁流に飲まれる蟻の如く、虚しく
飲まれていくに過ぎなかった。幾太郎には届くべくもない。
「むう……最早、最早手遅れでござったか」
呟いて、タナカは目を細める。そして彼は最も恐れていた事態に遭遇する。
濃霧のように視界を遮る吹雪の向こうに、お蝶婦人の断末魔の叫びがあがったの
だった……。
292 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 00:53
タナカの精神が正常に目の前の出来事を認識した時、既にお蝶婦人の体は血で彩られていた。
不謹慎なのはわかるが、それはどこか美しいひとつの油絵のようだった。それほどお超婦人の
美貌は、タナカを魅了していたのだ。
「脆く、儚いものだ。美しさとは。」
お蝶婦人を殺し終えた幾多郎はそう呟いた。たった三秒間の、美の終焉。冬を越せなかった、
哀れな小鳥。お超婦人はその顔に老いという皺を刻むことなく、その生を終えた。
そしてそれは、タナカの復讐劇の幕開けの囀りでもあった。
―――木更津の英雄、タナカ。
同郷の、古くから知るものは、彼をこう呼ぶ。
九十二年の湾岸戦争において、彼は手勢を率いてイラク側として参戦、
その軍功たるや目を見張るもので、フセイン大統領より「古今に比類なき
粉骨砕身の働き」という最大級の賛辞を得た。
現在でも木更津の某公民館においては、彼がフセイン大統領と熱く抱擁
を交し合っているモノクロ写真が残されている。昨今のイラク情勢を憚った
千葉県知事はそれをショウウィンドウよりはずすことを担当者に指示したが、
彼を信奉する現地住民からの岩盤のような抵抗に遭い、そのお陰で、我々は
その写真を未だにみることができる。
294 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 03:30
しかしそんな彼も幾多郎の前では無力だった。
目の前の惨事を震える両足で見届けることしかできなかった。
タナカは初めて、無力感というものに襲われた。過去の栄光さえも彼の自尊心を支えることは
できなかった。それから彼は深く苦い夜を幾度と噛み締め、そして今ももがいている。
俺は、何もできなかった…。
お蝶婦人を殺した後幾多郎はなぜかタナカには目もくれず去っていった。タナカに殺す価値も
ないと判断したのだろう。できればあの場で死ねばよかった。勝てずとも、一矢報いることがタ
ナカのプライドの報酬であったろう。自己満足、とも言うが。
お蝶婦人が殺されてから五ヶ月、タナカは地元の木更津に戻っていた。
295 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 19:26
一方、木更津のダニことハマコーは、TVタックルの収録を終え、
ベンツの後部シートに身を沈めつつ、地元に戻るところだった。
296 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 20:01
やけに静かな路地裏。
そのとき、マンホールが吹っ飛んで中から叫び声が聞こえた
「オンドゥルルラギッタンディスカー!」
彼は戦慄した
「ほほぅ。この呪文こそが屍化腐敗術、最高級呪文でござるか。」
298 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 21:42
「な、なんだ!?」
ハマコーは腰を抜かした。なにしろ、突然マンホールからビートたけしが出てきたのだから。
ビートたけしはハマコーにこう言った。
299 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 22:05
「タナカ康夫によろしこ」
唖然とする浜田を余所に、北野はコマネチをかましながら再び地中深く
沈んでいった。
「ありえない」
斜め四十五度に、パワーウィンドウ越しに差しこむ夕日を浴び、浜田は
ニヒルな笑みを浮かべた。
―――康夫が、か。ふふ、オンドゥルルラギッタンディスカーとは奴らしいぜ。
彼がそっと窓の外へと目をやると、海蛍が燦燦と輝いていた。
300 :
ほんわか名無しさん:04/02/18 23:35
「ぁぃーん」
301 :
ほんわか名無しさん:04/02/19 01:05
「しむらー! うしろー、うしろー!」
ダッチワイフを膝に乗せた康夫は厭な予感を覚え、そのデカい鼻先を
背後へと向けた。
(かなだらい? ……まさか)
振りかえった康夫を案の定の衝撃が襲った。彼は薄れゆく意識のなか、
愛しきワイフがしなびれていくのを断腸の思いで眺めた。
302 :
ほんわか名無しさん:
康夫はヘルニア持ちだった