1 :
ほんわか名無しさん:
ここは真夏の鳥取砂丘…
2 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 15:53
というはなしでした
3 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 15:55
というはなしがはじまろうとしていた
4 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 15:57
それはどういう話かというと
5 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 15:59
つづく
6 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:00
乳首!乳首が!
つづく
7 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:01
ダルビッシュの乳首が肥大化していたのだ…
つづく
8 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:03
そう、それはとうとう富士山よりも大きくなってしまった
つづく
9 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:04
つまの
まんこに
らっぱを
ん!
10 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:05
「ハハハ、人間がゴミのようだ」
つづく
11 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:05
でもやっぱりどうしようもなくなったダルビッシュは親友のメガネに相談しようとした
つづく
12 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:07
そう、これからもダルビッシュの冒険は続くのです
完
長い間御声援ありがとうございました
13 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:08
ダル「昨日はごめんな」
14 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:11
メガネ「お前は悪くないよ…」
といいつつ涙ぐむメガネ。
15 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:16
突然、紅蓮の炎が全てを焼き焦がした
メガネ「目が、目がァ!!」
16 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:17
煉獄火炎竜!
17 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:18
紅蓮の炎の正体はナントあの人でした
18 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:20
' '/ ヽ,ヽ ¶. ≡' 〈(・) 》ー | ¶ ¶ガリガリガリガリ
;〈 〈(・)》 ... |||≡ `'ー'' }i | i¶ ¶ガリガリガリガリ
19 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:24
エルメェスの兄貴!
20 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:25
21 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:29
高校野球の熱狂的ファンのしわざらしい
つづく
22 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 16:30
つづかない
23 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:01
三年後、山田ダルビッシュは世界に誇る投手として活躍していた
ドイツで
つづくかないと思われたが意外とつづく
24 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:04
メガネッシュも一年遅れでドイツに渡り秘められた才能が開花し
ダルにも勝るとも劣らない活躍ぶりであった
つづく
25 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:06
もはやダルはドイツ一の投手として大人気 ベッカムもビックリたまげたである
いっぽうメガネッシュも秘められた経営能力が開花し副業の外車ディーラーが
成功してうはうはであった
つづく
26 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:09
しかし一本の電話が彼の運命を変えた
つづく
27 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:10
メガネママ「チチキトクスグカエレ」
なんとメガネッシュの父親が倒れたのである
28 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:11
しかし非常にも彼はその夜に会った会議を優先した
30 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:15
彼が帰国したのは電話がってから二日後のことであった
つづく
31 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:16
空港から急いでメガネッシュの家に向かってみると‥
つづく
32 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:17
そこには元気にメガネッシュ家秘伝のメガネッシュ体操をしている父親がいた
つづく
33 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:23
メガネッシュ「お、親父!」
父メガネッシュ「おゥ、メガネッシュ!ひさしぶりだな!おまえもするか、メガネッシュ体操!」
メガネッシュ「い、いったいどういうことなんだ…」
母メガネッシュ「それは私から説明するわ」
つづく
34 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:26
母メガネッシュ「おまえはさいきん副業の外車会社ばかり手をまわしていて
ドイツリーグでの成績を落としてるそうね」
メガネッシュ「うッ…」
母メガネッシュ「そこでかあさん、おまえを修行にだすことにしたの」
つづく
35 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:29
母メガネッシュ「先生ももう呼んでいるわ!先生、先生ー!」
歌丸「はーい
メガネッシュ君、私がバシバシしごくからな!」
メガネッシュ「エーーーーーッ!?」
36 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:29
母(ry「あなたがその修行で成すべきことは一つ。
一子相伝の秘伝、メガネッシュ体操を極めることよ!」
つづく
37 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:29
メガネッシュ 「どこに!?」
母メガネッシュは指を宙に指し
母メガネッシュ「月よ」
月、それはメガネッシュにとって感慨深い場所だった。
38 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:30
そう、これからもダルビッシュの冒険は続くのです
完
長い間御声援ありがとうございました
39 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:33
次号から新しい連載がはじまります
ダルとメガネッシュの大冒険 第二章 〜月とメガネと鳥取編〜
40 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:34
先生急病につき休載とさせていただきます
41 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 17:38
スラムダンクはいつ再開するんだ?
42 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:03
スラムダンクファンだった歌丸はそんなことを言いながらメガネッシュの
修行を手伝っていた
つづく
43 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:08
歌丸「もっと!腰が甘いぜ!」
メガネッシュ体操の修行に精を出すふたり。
メガネッシュ(修行しはじめてからもはや二ヶ月、、、いっこうにメガネッシュ体操
をマスターできるけはいがない)
悩むメガネッシュ。
つづく
44 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:12
歌丸「やっぱ君にはバスケが足りないな、バスケが!
よしメガネッシュ君バスケをしにいこう」
メガネッシュ「バ、バスケ!?」
つづく
俺の名はタケルただのチュウボウのがきだ。この世の中たまりにたまった不満をこの前近所のスーパーで婆あ刺そうかなと思った具らい腹たった。「君は・・・・」
4274
47 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:16
そんな怒り心頭の少年タケルはバスケ部に所属していた。背番号は4274。
彼が体育館で部活でバスケをしているとメガネッシュと歌丸が乱入してきた。
歌丸「たのもー」
つづく
564219
なんやてーーーーーー
50 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:21
歌丸「ここの部長はおるかね」
タケル「君は…、いったい誰だ、練習の邪魔じゃないか」
歌丸「いやね、ここにおるメガネがどうしてもバスケしたいっていうからつれてきたんだ。
すまんが相手になってくれんかね」
タケル「なんやてーーーーーー
ふ、まぁいいだろう、バスケ部の力みせてくれるぜ!」
そして歌丸・メガネッシュチームとタケルチームの2on2ではじまった試合は
速攻で564219対0になってしまったのであった…
つづく
51 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:24
メガネッシュ「ク、クッソウ、この点差を返すには一体どうすれば…」
「待てッ!」
そこになんと犠打世界一・鉄人皮井がいた。
つづく
52 :
(еμе) ◆KAOpiEvNDk :03/08/24 19:27
鉄人皮井「おれいま忙しいから出前とってくれんかね」
めがねっ主「おっけ!任せろ」
鉄人「あとドリンクはSでな」
目がねっ主「わかった」
メガネッシュは巧みに試合からはずれることに成功したのだった
つふく
53 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:29
メガネッシュと交代した鉄人皮井。彼の犠打魂あふれるプレイでなんと
564219対564217点(二点差)
まで追い上げた!
つづく
54 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:32
マックから帰ってきたメガネッシュ。二点差まで追い上げた鉄人皮井の
プレイにみとれていた。
メガネッシュ(スゲェ、、、あの人のバスケには犠打魂がある!
…俺の野球に足りないものはもしかしてそれだったのかもしれない)
つづく
55 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:32
突然地震が!!
56 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:35
グラグラグラ
57 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:36
地震によってバスケットコートに大きな穴があいた。
鉄人皮井に落ちてしまった!
鉄人皮井「うわァーーーッ!!」
メガネッシュ「て、鉄人ッーーーーーーー!」
58 :
(еμе) ◆KAOpiEvNDk :03/08/24 19:36
メガネッシュ「コーラの飲みますか?」
鉄人「お、おう、すまんな・・・」
つづき
59 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:39
穴に落ちそうになったところをバスケ部・タケルが鉄人を救ったのだ。
鉄人皮井「た、たすかった、、、」
メガネッシュ「コーラの飲みますか?」
鉄人「お、おう、すまんな・・・」
つづく
60 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 19:44
タケル「試合はノーゲームだな。このコートじゃあ続行は不可能だぜ、、、」
怒りっぽいタケルは部員にコートの修理の指示をはじめた。
歌丸「メガネッシュ君、わかったか、君の野球に足りなかったものはメガネッシュ体操、
それと犠打魂だったんだ…」
メガネッシュ「じゃ、じゃあ鉄人・皮井を呼んだのは歌丸師匠だったのか、、!」
ふたりに師弟愛がうまれた
つづく
61 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 20:00
犠打魂を鉄人・皮井より受け継いだメガネッシュ。
早速修行の成果を見せにドイツ行きの飛行機にのりこんだ。
ところが…
つづく
62 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 20:04
飛行機が突然爆発してしまった!
なんとか生き残ったメガネッシュ。
メガネッシュ「ウゥ、、、なんでこんなことに」
つづく
63 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 20:11
メガネッシュ「ここは一体、、、」
あたりはどうやらジャングルのようだ。
現地住民らしい裸の人たちもいる。メガネッシュの飛行機はアフリカに不時着してしまったのだ。
つづく
64 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 21:08
生き延びるためにメガネッシュは現地住民との共同生活を始めた。
そこで、メガネッシュは『野生』を学ぶこととなった。
それが後に野球に生きてくることとは知らずに…
つづく
65 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 21:11
現地住民との野性的な生活を初めてはや三ヶ月。
そこにスーツを着たサラリーマンがやってきた。
「探しましたよ社長、何やってるんですか!」
メガネッシュ「き、君は私の経営する外車ディーラー会社のメガネッシュカー
の副社長キバヤシ君じゃあないか!なんでこんなところに…?」
66 :
ほんわか名無しさん:03/08/24 21:17
キバヤシ「何言っとるんですか!社長がいなくなってどれくらい経ってるんだと
思います!?」
メガネッシュ「わ、私は外車ディーラーはやめる!本業の野球に専念するんだ」
キバヤシ「そんな、じゃあ会社は!?会社はどうするんです」
メガネッシュ「会社は君が引きつけばいい!」
つづく
その時、婚約者の真美子が悲しそうな瞳で俺を見つめた。
真美子「私、婚約を解消したいの!」
つづく
68 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 12:28
メガネッシュ「ま、真美子、、、」
真美子とメガネッシュは企業同士の政略結婚であったがふたりとも愛し合っていたのだ
つづく
69 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 17:47
真美子「アナタが野球を選ぶんだったらそれでいいわ!よよよ」
そうして真美子はメガネッシュの元から去っていった、、、
こうしてメガネッシュは会社と妻を失い、手元には野球だけが残った
つづく
70 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 18:31
そして三年半ぶりにドイツに戻ったメガネッシュ。
すべてを捨てた彼はそこで怒涛の快進撃を続けるのであった。
つづく
71 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 18:43
もはやドイツで彼の活躍を止めれる者はいなかった。
そう、かつてのライバルのダルでさえ。
つづく
しかし、メガネッシュは妻のことを忘れられずにいた…しかし、
その一方、ドイツという不慣れな土地で戸惑うメガネッシュに
やさしくしてくれた女性との関係も続けていた…。
そんなある日…
つづく
ある選手が日本からドイツリーグにやってくるという噂が流れていた。
メガネッシュが所属している球団、ウィンナーチームのライバル海難大付属高校
が獲得するらしい。
その日本人選手とは…
つづく
74 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 19:00
日本でもっとも人気のある球団のひとつ、読売ジャイアンツに所属する清原だった…
ドイツリーグ・海難大付属はチームのエースであるトレビアーノと清原をトレード、
さらに移籍金三億を引き抜いてきたらしい…
つづく
その選手の写真を見たとき、メガネッシュは戦慄した…。顔に、
無数の銃創があるものの、その顔はキバヤシのもの、
そのものだった…。その体は、かつての貧弱な身体から
かけ離れ、さしずめ、重戦車を思わせた。
そこには彼へのインタビューの記事も載っていた。そこには、
こう書いてあった…。
「俺は、仲間を捨てたアイツを許さない」と…
つづく
76 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 20:06
そしてついに清原との対戦の日がやってきた。
メガネッシュの活躍により今期快調のウィンナーチーム、昨年リーグ準優勝の海難大付属
との三連戦は海難大付属のホーム、ミュンヘンで行われた。
その日メガネッシュは先発であった。
メガネッシュ「あの選手は…キバヤシ清原は、五番か」
ドイツリーグ史上、最悪の死闘が始まろうとしていた…
つづく
しかしメガネッシュには不安があった。
それは、自分のチームの戦力のことだ。自分以外の選手はバイトであったり、
人数足りないので他球団から二軍選手をかりてくるしかなかった。
はっきり言って、とても戦力とはよべなかった。
メガネッシュ「ピッチャーは俺ひとりで十分だ…しかし、どうしても打撃力が足りない」
「安心しろ!メガネッシュ!私たちがかけつけたぜ!」
メガネッシュ「あ、あなたは鉄人・皮井!」
鉄人皮井「私だけじゃない、彼らもだ!」
そこには鉄人皮井、バスケ部のタケル、師匠・歌丸、そしてアフリカ現地住民たちがいた。
メガネッシュ「こ、これで今日の試合に勝てるかもしれない!」
メガネッシュは大勢の味方がついて、なんだか勇気がわいてきた!
つづく
78 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 20:18
そして新チームウィンナーのオーダーが発表された。
1 アフリカ現地住民A
2 鉄人皮井
3 アフリカ現地住民B
4 メガネッシュ (ピッチャー)
5 歌丸
6 タケル
7 アフリカ現地住民C
8 アフリカ現地住民D
9 アフリカ現地住民E
監督 ワン
つづく
79 :
ほんわか名無しさん:03/08/25 20:31
ホイッスルの音とともにゲームのはじまりが宣告された。
一回表、ウィンナーチームの攻撃。
海難大付属の今日の先発はルーキーとして急成長中のキヨタ。
1番アフリカ現地住民Aがうまく三塁側に打ち、一塁に出塁。
続いて2番鉄人・皮井がさすがの犠牲バンドを決め、ワンアウト二塁。
しかし3番アフリカ現地住民Bをキヨタが内野ゴロでおさえこみツーアウト二塁とした。
ここで4番エースのメガネッシュに出番がまわってきた。
メガネッシュ(ここで打ち取れば先制点のチャンス…見逃さない!)
キヨタ(ヘッ、黄色人種のブタ野郎が…本場ドイツの投球を見るがいいZE!)
つづく
80 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 12:32
メガネッシュ、キヨタの対決の始まりだ。
が、勝負は簡単に終わってしまった。
キヨタの初球の甘い球を見逃さずメガネッシュはホームラン。
メガネッシュがアフリカで学んだ野生打法が炸裂したのである。
一回表
ウィンナーチーム 2-0 海難大付属
つづく
81 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 12:58
その後歌丸があっさりフライに倒れウィンナーチームの一回の攻撃は終わった。
一回裏、海難の攻撃も生まれ変わったメガネッシュの投球にあっさり三者凡退。
そして、二回裏…ついにキバヤシ清原とメガネッシュの対決がはじまろうとしていた…
___________________________
(二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二)
|. | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 | 10 11 12 | R H E |
|──┬───────────────────── ─|
|..ウィ...| 2 0 | | 2 1 0 |
|海難..| 0 | | 0 0 0 |
|──┴───────────────────────|
| ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄|
| | | |
つづく
82 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 13:14
ノーアウトで迎えた5番、キバヤシ清原との勝負…
メガネッシュは今日最高の集中力を見せていた。マウンド上からキバヤシ清原をにらみつける。
メガネッシュ(キバヤシ…俺が会社を捨てたことは悪いと思ってる。だが、お前が俺への復讐
のためにこの道に来たというのなら俺も負けるわけにはいかないんだ)
キバヤシ清原(社長…あなたのわがままのためにどれだけの社員が涙を流したことか、、
私はひとりで戦ってるわけではありません、何十人もの社員の思いが
この腕に宿っているのです)
ふたりの思いがたった一個の球の行方に巡っている。
メガネッシュの初球、この試合最高の154キロの球がキバヤシ清原のストライクゾーンめがけて放たれた、、
つづく
83 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 13:35
メガネッシュの初球は捕手、本当にあっというまにアフリカ現地住民Bのミットに吸い込まれていった。
審判が宣言する。「ストラーーイク!」
あまりの剛速球に息を呑む海難ベンチ。
キバヤシ清原(速い…!だが、速球打ちなら私の得意とするところだ!)
152キロを出した二球目、外角高めを打った。だがファールであった。
キバヤシ清原(フフ…!見える!私にも見えるぞ!)
メガネッシュ(……)
いっぽうウィンナーチーム側のベンチで、鉄人皮井があることに気づいていた。
鉄人皮井「あの打ち方…どこかで見たことがある」
タケル「? 皮井さん、あのキバヤシ清原を見たことがあるんですか」
鉄人皮井「いや、以前日本で彼のような打法の選手を見たことがある…
誰だったかな…」
84 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 17:00
ツーストライクで追い込まれたキバヤシ清原、だがなぜか焦りの表情はなかった。
メガネッシュ(…次で俺を打ち取る自信があるってことか…)
気持ちでメガネッシュは負けていた。このまま投げてもキバヤシ清原に打たれていたであろう。
だが、そのとき声をかけたのはチームメイトたちだった。
歌丸「落ち着け、メガネッシュ君」
タケル「もし打たれても俺たちがいるってことを忘れるんじゃない!」
メガネッシュ「み、みんな…」
つづく
85 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 17:43
キバヤシ清原「フ…チームメイトと汗を流し青春ですか。
だが社長!あなたにそんなことをする資格は存在しない!」
怒号をあげるキバヤシ清原。
メガネッシュ「…確かに、何十人もの社員を見捨ててしまった俺が野球をする
なんて罪深いことだ。だが、キバヤシお前にもわかるだろう。
俺は『男』なんだよ…。」
キバヤシ清原「わかりました。もう語り合うことはありません。
次の!次の一球で答えを出しましょう」
つづく
86 :
ほんわか名無しさん:03/08/26 22:24
キバヤシ清原には次の球に何が来るか、わかっていた。
キバヤシ清原(メガネッシュ社長は必ずカーブを投げてくる…
ビジネスにおいてブラフも大切なこと、と教わったのはメガネッシュ社長、
あなたからですよ…さっきの会話で”男らしく”直球勝負で決着をつけ
ようと私に見せかけて… フフ、社長、あなたのパートナーだった私に
はみえみえです)
メガネッシュ(…)
つづく
87 :
ほんわか名無しさん:03/08/27 13:46
メガネッシュは魂の一球をはなった!
その行方は、、
つづく
88 :
名無したん(;´Д`)ハァハァ ◆BF/SpOqQTQ :03/08/27 15:40
/⌒ヽ ここ通らないと行けないので、ちょっと通りますよ・・・
/ ´_ゝ`)
| / ∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー _と_)_) 旦 ( ・3・) ( ^^ ) <これからもとしあきを応援して下さいね(^^)
=〔 〕――──〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
=◎―――――◎ ◎――――――◎
89 :
ほんわか名無しさん:03/08/28 17:39
なんとマウンドとバッターボックスの間をよこぎる者があった!
としあき「ここ通らないと行けないので、ちょっと通りますよ・・・」
と言いながら台車で引かれる男と、山崎渉であった。
メガネッシュ「なんだオメーラ!試合のジャマスンナ!」
としあき「まぁ落ち着きなさい。実は…」
つづく
90 :
ほんわか名無しさん:03/08/28 18:30
としあき「アナタの命を狙いにきたんですよッ!」
懐から小銃を取り出すとしあき。
キバヤシ清原「危ない社長ッ!」
うしろから体当たりするキバヤシ。「グブゥッ!」よろけたとしあきをつっこんできたメガネッシュが
おもいっきり殴りつけた。ふっとぶとしあき。
メガネッシュ「これは一体どういうことなんだ、キバヤシッ!」
キバヤシ清原「おそらく、アナタを恨んでいる社員がたくらんだものでしょう。
気をつけて、もう一人いるはずだ!」
つづく
91 :
ほんわか名無しさん:03/08/28 18:36
山崎渉「フフフ、甘いぜメガネッシュさんよ!」
いつのまにかメガネッシュのうしろにまわりこんでいたもうひとりのヒットマン、山崎渉。
その手には小銃が握られ、メガネッシュの後頭部に銃口が向けられていた。
両手を上げ、振り向かないメガネッシュ。
キバヤシ清原「社長!」
山崎渉「おっと、動くな!一歩でも動いたらコイツの脳漿をフィールドにブチまけるぞ!
フ〜〜、としあきはやられたか、大した機転だぜ君ら」
メガネッシュ「な、何者だお前ら…」
山崎渉「フフフ、君らの察しの通りメガネッシュ元社長、アンタを狙いにきたヒットマンさ。
雇い主は君が見捨てた元仲間たち、とだけ言っておこう」
つづく
92 :
ほんわか名無しさん:03/08/28 18:43
メガネッシュ「ク、俺の命を狙ってきたか…、なら、さっさと俺を殺せよ!
それでお前らの気が済むんならな!」
山崎渉「おっと、目的はあいにくとそれだけじゃねェ。
メガネッシュ社長、アンタが妻・真美子さんのために残したと言われる遺産の
ありかを吐いていだこう」
メガネッシュ「……!」
キバヤシ清原「真美子さんのための…遺産!?」
山崎渉「額は数億にのぼると言われてるという噂がインターネットで流れている…
その金があれば元社員たちはまた会社を興せるし、俺は報奨金を上乗せ
してもらえるってわけだ。」
つづく
93 :
ほんわか名無しさん:03/08/29 00:17
山崎渉「さァ、社長さん、俺らにとっちゃ悪い話ではないんだ。悪いけど死んでくれ」
メガネッシュ「俺にとってちゃあ死ぬからあんまりいい話ではないけどな」
山崎が銃の引き金を引こうとしたその瞬間!
94 :
ほんわかななふしさん ◆XUZ3/z7o3k :03/08/29 12:41
メガネッシュは山崎が瞬きをする一瞬の隙をついて、銃を握り締めた
腕を蹴り上げ、戸惑う山崎をすばやくキバヤシが取り押さえた。
「形勢逆転だな」空を舞う銃が自由落下によって地に落ちると同時に、
さっきまでの状況は一変していた。しかし、山崎は不敵な笑みを
浮かべた。
つづく
/ヽ
|`ヽ ,ヘ . |. |
! \-、 ノ ゙i . | ,| ∫
/ 〜 ´ |、 ,,-ー-、 | | 〜∞
l '' (ヽ、_ 〜 `ー-''''" ヽ/ ノ
ヽ ゙、_,ノ "" " ハ、 ∬
`ー、_ ノ/ ∬∴,,ヽ
 ̄ | ,-ー⌒ヽ、/ ;;,イ;,' ,) =3 プゥ
| ノ ( ∫ ,;ノ;;:゙ヽ/
γ´/ ,/ `、 i´ ;,`;:;';∵ ∬
ヽ、 ノ 〉 ,〉゚. :'ヾ;;:;;'; ∬
`ー' / / ‘ :'.゙i;:,';`i、 ブリブリ
ノ / °,: ;|;;‘';:':;ヾ ∞〜
(´ ノ ・,'゙ ∬ノ;;,'゙;;'',ノ。
 ̄´ (;;,';,,;:';",.
96 :
ほんわかななふしさん ◆XUZ3/z7o3k :03/08/29 15:13
突然の出来事にあっけにとられるメガネッシュたち。と、山崎はキバヤシを
ヘッドバットでよろめかせ、ひるんだ隙に一目散にメガネッシュに走り出した。
そのふところには、鈍く光るナイフがあった。
「しねやぁぁ!!」
グサリ
鮮血があたりを染めた
つづく
97 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 13:29
メガネッシュ「……クッ!」
山崎「て、てめェ…!」
やられたのは山崎のほうであった。メガネッシュは山崎の一撃をかわし、
地面に落ちていた銃で反射的に山崎を撃ってしまったのだ。
つづく
98 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 19:55
山崎「ウ……グ!」
血を吐いて苦しみ悶える山崎。
キバヤシ「今だ!逃げましょう、社長!」
メガネッシュ「し、しかし…」
キバヤシ「社長、彼らは社長の命を狙いに来たんですよ!
今は一刻も早くこの球場から逃げるんですよ!」
メガネッシュ「わ、わかった…」
倒した刺客ふたりを置いて逃げる二人。
鉄人皮井「メガネッシュ、裏口からにげるんだ!」
メガネッシュ「皮井さん!」
鉄人皮井「君にどんな事情があるかは知らない。
だが、君には球場という帰る場所がある、仲間もいる…!
すべてが終わったら、生きて、ここに帰ってくるんだぞ!」
メガネッシュ「…ありがとうございます!」
つづく
99 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 20:01
そしてメガネッシュたちの冒険は続く‥
完
長い間ご愛読ありがとうございました。
先生の次回作にご期待ください
100 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 20:30
次回作
「逃亡 〜メガネッシュの13日間〜」
次レスより連載開始!
101 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 20:51
「どうでしょうか?
かなりの自信作なんですが」
私は無精髭の冴えない男の
持ち込んだ作品に目を落としたまま
黙り込んでいた。
102 :
ほんわか名無しさん:03/08/30 21:46
編集「だめだよこんなの」
103 :
ほんわか名無しさん:03/08/31 13:10
編集に自分の作品を否定された無精ひげの男。
この男の名前は…
104 :
ほんわか名無しさん:03/08/31 18:06
あつおである。
あつおは29歳独身で二人の妹と三人の兄がいる。
だが兄弟のうち生き残ってるのはあつおとあと二人だけである。
105 :
ほんわか名無しさん:03/09/01 13:02
今は兄弟を食わすために書いている。
あつおは家に帰り、また小説を書き始めた。
タイトルはもう決まっている。
「逃亡 〜メガネッシュの13日間〜」
つづく
106 :
ほんわか名無しさん:03/09/05 18:29
ある喫茶店…
サングラスに深く帽子をかぶり、顔が見えない男がコーヒーを頼んだ。
男は周りを警戒しながら、誰かを待っている様子だった。
そう、男の名は、メガネッシュ、、、
例の事件から一週間、彼は刺客から逃れるために逃亡生活を送っていた。
107 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 10:19
じきにウェイトレスがコーヒーを運んできた。
ウェイトレス「御注文は以上でよろしかったでしょうか?」
メガネッシュは無言で首を縦に振った。
そして溜め息を一つ。
(この一週間生きてる心地がしなかった・・・・・。)
もう彼の精神はボロボロであった。
つづく
108 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 11:24
迫られたようにコーヒーを流し込む。
メガネッシュ(こんなにマズいコーヒーは飲んだことがない…)
この一週間というもの襲われるかもしれないという不安でろくに眠れていない。
精神的にも体力的にももうギリギリのところである。
が、今日でそんな逃亡生活も終わりだ。
ある人物、つまり今ここで待ち合わせてる人物に自分に刺客を放った犯人、
つまりメガネッシュが見捨てた会社の元社員を特定する調査を行ってもらった。
今度は攻撃に転じるのだ…自分の身を守るために。
メガネッシュ「来たか…」
店内に客が入ってきた。静かにメガネッシュの元へ近づいてくる。
キバヤシ清原「おひさしぶりです、社長」
つづく
…………ブウウ──────ンンン──────ンンンン………………。
110 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 18:17
…………ブウウ──────ンンン──────ンンンン………………。
蚊が飛んでいる。
衛生面でお世辞にもいいとは言えないこの喫茶店はやはり客は少ない。
まぁ、それで待ち合わせ場所にここを指定したのだが
メガネッシュ「キバヤシ、無事だったか」
キバヤシ清原「社長こそ、よく逃げ切れましたね」
つづく
そういうと、キバヤシはゆっくりと、しかし隙の無い動きで
コートの裏の銃に手をかけた。
メガネッシュ「やはり…か…」
キバヤシ「…えぇ…これで、終わりですよ…」
つづく
112 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 18:28
ヒュウゥゥゥゥゥゥゥ〜
113 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 18:29
どっかーん
バンバン
ぼーーーーん
プスプスプス
爆風がやんだとき、メガメッシュの後ろに男が倒れていた。
男は、手に銃を構えたままだった。その眉間には、
正確に狙われた銃痕があった。
キバヤシ「あぶないところでしたね…」
メガネッシュ「あぁ…これでとりあえず追っ手は撒いたか…」
周囲が騒然となる中、二人は見物人にまぎれて逃げおおせた
つづく
115 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 20:02
ふたりは港の倉庫へと逃げ込んだ。ここなら見つかる心配もない。
メガネッシュ「さて、調査の報告を聞こうか」
キバヤシ「はい、私が調査したところ社長を狙う犯人は誰か、
旧メガネッシュカー社員の内三人まで絞り込みました。」
メガネッシュ「三、人か…」
キバヤシ「すいません、時間がない上、私の身にも危険が伴ってしまってますので、、、
で、その三人の名前を挙げるとトムとマークとポールです」
つづく
116 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 20:05
メガネッシュ「えっその人ははひょっとして‥」
トロロの脳髄
118 :
ほんわか名無しさん:03/09/06 23:03
メガネッシュ「トロロの脳髄?」
キバヤシ「はい、メガネッシュカーの中でも優秀な営業マンとして活躍していた三人は
社内で”トロロの脳髄”と呼ばれていました。彼らは社長に厚い忠誠を
誓っていたので、社長に裏切られほかの社員よりも恨みが膨らんでいる
可能性があります」
メガネッシュ「そうか…俺は罪深いことをしてしまったんだな」
つづく
119 :
ほんわか名無しさん:03/09/07 14:06
メガネッシュ「よしわかった…とりあえず俺はトムとポールをあたってみる。
お前はマークを頼む」
キバヤシ「わかりました。…社長、気をつけて」
メガネッシュ「お前もな」
キバヤシは闇に消えていった。
メガネッシュ「よし、行くか」
つづく
120 :
ほんわか名無しさん:03/09/09 07:46
メガネッシュはまずトムのアジトを探ることにした。
まず情報屋を探さなくてはならない…。もちろん、裏の人間だ。
つづく
121 :
ほんわか名無しさん:03/09/09 10:34
トムはジェリーに食われた。
122 :
ほんわか名無しさん:03/09/09 19:25
ジェリーは思った
123 :
ほんわか名無しさん:03/09/09 19:28
もきゅ!
124 :
ほんわか名無しさん:03/09/10 10:00
メガネッシュは愕然とした。確かにこの部屋にトムはいた。
だが、もう死んでいた。
情報屋を見つけるのは簡単だった。彼らはその筋が集まる場所に
必ずいる。メガネッシュはそういう場所をいくつか知っており、その中で
一番人数が多い場所に行き、そして情報屋を見つけた。
後は金次第で情報はいくらでも引き出せた。もちろん、トムの居場所も。
トムは郊外のアパートの一室に居を構えており、そこで暗殺の仲介を
しているらしい。メガネッシュは”それなりの”準備をしてトムの部屋に向った。
メガネッシュ「ここか…」
情報に従って部屋に辿り着いた。どうやら間違ってないらしい。
メガネッシュ「? 扉のカギが開いている…?」
少し不審に思ったが、結局行くしか方法はなく様子を伺いながら慎重に
部屋の中へと入っていった。
が、何か様子が変だ。血の臭いが部屋中に立ち込めている。
メガネッシュ「まさかッ!?」
中に踏み込み、中を見てみるとトムが物言わぬ姿になっていた。
床に血文字で”ジェリー”というダイイングメッセージの残して…
125 :
ほんわかななふしさん:03/09/10 17:29
ガサッ。
静かなトムの部屋で物音が響いた。メガネッシュは胸のマグナムに手を置いた。
そっと音のした方角を見やる。しかし、何者の気配も感じられない。
メガネッシュ「気のせいか…」
メガネッシュは向き直った、そのとき!!
126 :
ほんわか名無しさん:03/09/11 17:52
そこにはなんとキバヤシがいた。
キバヤシ「しゃ、社長、これは…」
メガネッシュ「違う、キバヤシ。俺がきたときにはもうすでにトムは死んでいた」
キバヤシ「本当ですか…?」
127 :
ほんわか名無しさん:03/09/11 19:00
タモリがきた
タモリ「これがリアル世にも奇妙な物語..」
キバヤシ「世にも...?」
タモリ「....」
キバヤシ「ジェリーーーー!」
タモリ「ジェリー−−−!」
トム「ジェリー−−ー!」
なんと言うことでしょうトムは生きていたのです。
キバヤシ「トムー−−−!」
続く
128 :
ほんわか名無しさん:03/09/11 22:45
タモリ「んなこたぁなぁぃ! ハィ。一旦シィエムでぇす」
♪ジャァジャッジャッジャッジャッジャラチャ♪
129 :
ほんわか名無しさん:03/09/12 12:03
死んでいたかと思われたトムは生きていた!
驚く三人。
メガネッシュ「トム、しっかりしろ!…駄目だ、意識はあるが血を流しすぎてる。
キバヤシ、早く病院に連絡するんだッ!」
キバヤシ「無理です、社長ッッ!もし病院に連絡すれば『犯人』に私たちの居所
を教えるようなもんですッ!いや、もしかしたらこのトムこそが『犯人』
かもしれないッ!」
タモリ「ならよぉーーーーー闇医者にみせればいーじゃねぇーかよ
さぁいくぞ!」
130 :
ほんわか名無しさん:03/09/12 12:32
トムは結局死んだ。
131 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 10:08
タモリは闇医者とヤブ医者を間違えてしまったのだ。
落ち込む三人。
キバヤシ「…でも、よかったじゃないですか、トムが『犯人』かもしれなかったんだから」
メガネッシュ「うーむ」
タモリ「よし、『ジェリー』という存在が気になるが、、
とりあえず残るポールとマークのところへいってみよう」
先を急ぐ三人。道中、どこからともなく聞いたことのある音楽が流れてきた。
「空耳アワ〜♪」
133 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 11:22
メガネッシュ「こッ、この音楽はまさかッーーーーーーーー!?」
キバヤシ「そんな馬鹿なッ!?」
つづく
134 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 13:07
ドっどらえもーん!!
135 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 16:02
136 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 19:25
ぼくドラえもんです。
137 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 21:05
キバヤシ「だ、誰だおまえはッ!」
ドラえもん「だから言ってるじゃないの、ぼくの名前はドラえもんだ」
タモリ「気をつけろッ!『犯人』がはなった刺客やもしれぬッ!」
ドラえもん「やだなァ、そんなわけないじゃないかぼくは平和の使者…」
最後まで言い切る前に、銃声がドラえもんの発言を遮った。
メガネッシュが威嚇射撃したのである。「風穴を頭に開けたくないんだったらとっとと帰れ」
138 :
ほんわか名無しさん:03/09/13 22:02
するとドラェもんゎ異次元ポケットからなにかぉ取り出した…
パパパッパッパパ〜♪
139 :
ヒバゴンごん:03/09/13 22:04
「イエティの正体はヒグマ」
ヒバゴンの正体は香取慎吾・・・・・・・・
140 :
ほんわか名無しさん:03/09/14 17:59
そう、ドラえもんはポケットからヒバゴンこと香取真吾を呼び寄せたのである
メガネッシュ「クソッ新手か」
メガネッシュ キバヤシ タモリ
VS
ドラえもん 香取信吾
141 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 16:53
銃弾をぶっ放すメガネッシュ。「よけるんだァーーーーーーーー!!」
香取が叫んだも、空しく、銃弾は今度こそドラえもんの脳髄をブチ抜いた。
血を潮のように吹き上げながら、もはや焦点を失った目で後ろに倒れこむドラえもん。
香取「てめェーーーーーーーーーッ よくもやってくれたなァーーーーーー!?」
メガネッシュ「ソイツがよぉーーー 弱かっただけじゃねぇーーかよぉーーーー」
ドラえもん 死亡
142 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 16:54
なんつって嘘嘘
143 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 17:01
メガネッシュ「ナニィッ!?」
”なんつって嘘嘘”という台詞で立ち上がったのは脳髄に鉛球を打ち込まれたはずの
ドラえもんだったのだ。「ごめん、ビビらせちゃって」
香取「ヘッヘッヘ、ドラえもん、おメェーーよぉーーービビらせるんじゃねよぉーーー」
ドラえもん「いやビックリしちゃって、つい、ね、、、」
一体どういうことなのだ。当惑する三人。
タモリ「ここは私が様子をうかがいましょう」
キバヤシ「気をつけろッ、タモリッ!!」
タモリ「彼らを倒すには最低犠牲が必要かもしれませんが…
ここは私があえてッ!毒見を致しましょうッ!!」
144 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 18:01
タモリ「くらえーーーーーーーーーッ」
走ってなぐりかかるタモリ。カウンターしてくださいといわんばかりの
攻撃だ。
香取「フッ、どういうつもりか知らんが…
あいにくとこちとら素人と遊んでる暇は0だからさァーーーーーー!!」
香取はドギつい一発をタモリの顔面にほおりこんだ。だが、違和感が香取の背中を襲う。
香取「ナニッ!?俺がパンチをはずしただとォーーーーーーーッ!?」
そう、殴っていたはずのタモリはそこにはなく、香取の拳は空を切っていたのである。
勢いあまって前のめりになる香取。
香取「てめェーーーーーーーーーッ!?一体なにしやがったんだァァァーーーーーー」
タモリ「フ…これが俺の必殺技『ヅラ・ミガワーリ』よッ!!」
攻撃を回避したタモリの頭はあったはずの毛がなくなっており、地面には
ヅラが落ちていた。
つづく
145 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 18:21
再び一線上で対峙し合うタモリと香取。
香取「フ…オメーら『ジェリー』の獲物に手を出したらしいなァーーーーー
不運な野郎だぜ」
タモリ「なにッ、トムのことか!?確かに私が部屋にかけつけたときにはもう
トムは重症だった、そして医者に連れていったが結局死んだぞ」
香取「そこだよ… 『重症』ってのがマズいんだ。お前らがやったことは
寿司屋で寿司を食わずにビールだけ頼んで帰ったと同じくらいマズい…
『ジェリー』はナァァーー狙った獲物は確実に始末することで有名なんだ、
お前らが部屋に駆けつけたんでトムは『重症』で終わっちまったんだよォーー
『ジェリー』は獲物と仕事を邪魔した奴は必ず始末する。
不運だったなァーーーーーー『ジェリー』と肩を並べるのは『ゴースト』くらい
だからなァーーー」
タモリ「なぜトムが『ジェリー』に狙われなきゃならなかったんだ!!」
香取「しらねーよ… おおかたおまえ等の追ってる『犯人』…
つまり俺らの雇い主がやったことなんだろうがナァーーー」
タモリ(トムは『犯人』ではなかった…
では残る『ポール』と『マーク』のどちらかがメガネッシュを狙う『犯人』ってことだ)
146 :
ほんわか名無しさん:03/09/15 22:44
香取「さて…楽しいトークの時間はそろそろ終了だぜェーーーーーーーーーーーーッ!
氏ねやアーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
タモリの襟元を掴み、鷹のような手さばきで一本背負いを決める香取。
メガネッシュ「柔道!?」
ドラえもん「フッ、ただの柔道とはわけが違うぞ!暗殺用に磨かれた
これぞ暗殺柔道よッ!!」
キバヤシ「なにッ!?離れろタモリッ!」
ドラえもん「遅いッ!寝技に持ち込めば首をへしおることなど造作もないッ!」
タモリの首をへしおりにかかる香取!
つづく
147 :
ほんわか名無しさん:03/09/16 01:37
香取の両腕に力が入った。常人ならその時点でもう意識はなくなっていただろう。
だが、そこはタモリであった。
香取「!? また身代わりをしたのか!?」
必殺技・ヅラ・ミガワーリでやんわり攻撃を回避していた。「だがそれも予測済みだぜェーーー!」
タモリ「なぬッ!?」
ミガワーリで背後に回っていたタモリを予想済みといわんばかりに掴む香取。
そしてもう一回タモリは地面に叩きつけられることになった。
しかし、突然、
>>138の後にネタを振るつもりでいたが、
あっけなく
>>139にレスを取られてしまってとてつもなく怒っているダチョウ倶楽部のメンバー達が
「カットしないでね。」と言いながら登場した!!
149 :
ほんわか名無しさん:03/09/16 18:09
ダチョウ倶楽部「ヤー!」
突然乱入してきたダチョウ倶楽部のメンバーたちに驚くタモリ・キバヤシ・メガネッシュ。
メガネッシュ「お前らも俺を狙いにきたのか!?」
ダチョウ倶楽部「フフフそうだ。そこのドラえもんと香取に協力してお前を殺すとの
指令を受けてきたのだ。」
ドラえもん「よし、ありがたいこれで奴等を始末できる」
キバヤシ「社長、ここは多勢に無勢、逃げたほうがいいのでは…」
メガネッシュ「ウム、そうだな… よしキバヤシ、タモリ、逃げるぞ!」
タモリ「了解! ヅラ・フラーーーーーッシュ!!」
ヅラがないピンピカリンのタモリの頭部から信じれないほどのまぶしさの光が
発さられた。暗殺チームの目がくらむ。「くッ、何も見えんではないか」
気が付くとメガネッシュたちは逃げていた。
ドラえもん「しまった、逃げられたではないか!」
香取「大丈夫だ…俺が先頭の際タモリに発信機をこっそりつけておいた。
これで奴らがどこへ逃げてもわかる…」
ダチョウ倶楽部「よし、追跡しよう」
つづく
150 :
ほんわか名無しさん:03/09/16 18:26
とりあえず誰もいない廃ビルに逃げ込んだ三人。
夏のドイツはいささか暑いが、我慢しなければならない。
キバヤシ「ここなら一日くらい見つからないでしょう。そして日ごとに移動していけば
発見される可能性も低いはず」
メガネッシュ「いや…彼らは暗殺の訓練を受けてきたいっぱしの暗殺者だ、球場で
襲ってきた奴らみたいな素人とは違う。三人で移動すればまず発見
されてしまう…。」
懐から取り出した銃に弾をこめなおすメガネッシュ。「ここだっていつ見つかるかわからない」
タモリ「なら、ここで二手にわかれましょう。私とメガネッシュさんで行動し、キバヤシさんには
別行動をとってもらい相手を撹乱してもらいます。情報収集や隠密行動に長けた
キバヤシさんに適任だと思います」
キバヤシ「…よし、わかった。なら私はすぐにここを出ます。
社長たちはポールとマークを追いかけて下さい。」
言うが早いか廃ビルの裏口に向かうキバヤシ。その背中にメガネッシュが声をかけた。
メガネッシュ「死ぬなよ…キバヤシ。」
振り向いてメガネッシュとタモリに少しだけ笑顔を見せてキバヤシは去っていった。
つづく
151 :
ほんわか名無しさん:03/09/17 18:10
あげ
152 :
ほんわか名無しさん:03/09/17 23:28
メガネッシュ「…もう囲まれているな……」
タモリ「えッ?」
それはキバヤシがメガネッシュたちがひそむ廃ビルから去ってから
ほんの十五分後のことであった。
メガネッシュ「ビルの外を覗いてみろ。顔を出さないようにしろよ」
タモリが慎重に窓から外を見ていると、さっきの出会った刺客が廃ビルの出口に
いた。
タモリ「あいつら! さっきのダチョウ倶楽部ってやつらのひとりじゃ…!」
メガネッシュ「こんなに早く気づかれるとはな。キバヤシが捕まってしまったか
もしくは…、発信機か。おいタモリお前の体に発信機がつけられてる
はずだ、外しておけよ。それと…、暗殺のプロがあんなに目立つのは
不自然だ。おそらくあれはトラップでダチョウ倶楽部のあと二人が廃
ビルにもう侵入しているはず。」
メガネッシュの言った通り、タモリのヅラには発信機が仕掛けられていた。
タモリ「い、いつのまに…」
メガネッシュ「さぁて、戦闘だ。屋上に出るぞタモリ。
逃げるのが困難なら、こちらから出迎えてやる」
153 :
タモリとメガネと屋上と三人と:03/09/18 19:49
14階立ての廃ビルの屋上、風は強い。もしここから落ちればただではすまないだろう。
タモリ、メガネッシュはそこで来るべき敵を待ち受けていた。
メガネッシュ「…ここに上がってくる手段は一つしかない出入り口を開けなくちゃあ
ならない。一番怖い奇襲はこれでまのがれることができる。」
タモリ「しかし…果たして我々ふたりだけでプロの暗殺者三人を相手にできる
んですかね?不安なんですが…」
視線を入り口によこしてメガネッシュは銃を取り出した。「おいおい、俺はお前を頼りにしてるんだぜ」
入り口が開かれる。仰々しい表情の三人が入ってきた。
メガネッシュ「ついにご対面だな」
ダチョウ倶楽部のリーダーらしい、三人の中では一番背が高い男が答えた。
肥後「随分待たせたな」
メガネッシュ「俺としてはあんまりきて欲しくなかったんだが…まぁこれもことの成り行きだ、
仕方がない。天国に向かう準備はできてるかい?」
後ろの二人が続く。
上島「うるせェッ!お前らすぐに訴え…殺してやるからな!」
寺門「俺たちのコンビプレイを見せてやる」
つづく
154 :
VSダチョウ倶楽部:03/09/19 16:41
肥後「行くぞ!」
肥後と上島と寺門が一列になりせまってくる。
いったいどうなってしまうのかー!?
155 :
ほんわか名無しさん:03/09/20 09:31
メガネッシュ「よくできたコンビネーションだ」
そうメガネッシュに言わしめたダチョウ倶楽部の攻撃は凄まじいものであった。
156 :
ほんわか名無しさん:03/09/20 11:53
なにしろメガネッシュに一発も銃を撃たせない。撃とうとすれば超接近戦の距離に
入り、銃に有利な間合いに入れさせない。
タモリ「ぐあッ!」
メガネッシュ「タモリッ! クソッ、これでも喰らえ!」
メガネッシュは銃を構えたが、肥後の掌によって銃口がそらされ、
代わりに重い一撃をボディーにくらった。
メガネッシュ「ガホッ!」
戦闘経験に圧倒的な差がある。その上3対2と数で不利だ。
かなうわけがない。
上島「フフフ… さすがのお前も我々三人にはかなわんて。
我々は対暗殺者用の訓練も受けているのだ。素人相手に
やられるわけがない。死ねィッ!」
とどめの一撃を喰らわそうと上島がメガネッシュに突進してくる。
メガネッシュ「だが、その慢心が油断を生んだんだッ!」
闘牛士の要領で、突進する上島の頭をつかみ、屋上から投げた。
14階から落ちる上島。
上島「ウギャアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーー」
上島死亡
157 :
ほんわか名無しさん:03/09/20 13:08
その時地震が、、、、
関東大震災以来たまっていた東京直下の
地盤のポテンシャルエネルギーがついに爆発したのだ。
地表での震度は6だが14階のビルの屋上で感じるそれは比較にはならなかった。
地震発生時屋上の端の近くにいた肥後と寺門はあっという間に外へ放り出された。
寺門「うわああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・.......」
肥後「訴えてやるうううううぅぅぅぅぅぅ・・・・........」
ドップラー効果を含んだ彼らの声とともに彼らの命は消えた・・・。
なんてあっけない幕切れなんだ・・・。
と、そのときついに揺れに耐え切れなくなったタモリが・・・、
屋上の外側へ向けて倒れこんだ!危ない!
タモリ「ぬおっ・・・、うわっぁあ!!」
ここでメガネッシュは一つの選択を迫られた。
タモリを助けるかどうかである。
倒れこむタモリの手をつかみ助けたいものだが
その場合ば自分が助かる保証はない・・・。
どうする?!
つづく
159 :
ほんわか名無しさん:03/09/20 21:13
メガネッシュは自分の犯した所業のために、多くの人に悲しみを背負わせてきた。
それに報いる必要もあるかもしれない。
だがメガネッシュはなんとしても生き延びらなかればならない。妻・真美子のために。
そのために仲間の一人がなんだというのだ。
メガネッシュ「しかし!俺はお前は見捨てないッ!!
つかまれ、タモリ!」
タモリ「メ、メガネッシュさん!」
手をのばした先には、タモリの命があった。
その一秒もしないあとに、また大きな揺れがあった。
メガネッシュ「う、うわあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁ!」
ビルが、大きく崩れた。
160 :
ほんわか名無しさん:03/09/20 21:17
もしかしてここマジスレ?
161 :
ほんわか名無しさん:03/09/21 00:46
メガネッシュが目をさましたのは、それから三日後のことであった。
どこだろう、ここは。どこかの民家の一室のようだが…
ベッドから起き上がり、歩こうとすると部屋の扉が開いた。
おじいさん「やぁ、やっとめざめたかい。
腹が減っただろう、スープが今できたところだ。」
メガネッシュ「あ、あなたは…?それに俺は、なぜこんなところに…?」
おじいさん「…キバヤシからお前さんを快方してくれと頼まれとる。
何があったかしらんが、まァゆっくりとしていくとえぇ」
メガネッシュ「そうか、彼にまた迷惑をかけてしまったな…。
そ、それでキバヤシは今どこに?あとタモリ…
ヅラでサングラスをかけていた男は?」
おじいさん「キバヤシはもう出て行ったよ。そのヅラの男のことはよくわからんな。
キバヤシが連れてきたのはあんただけじゃった…」
メガネッシュ「そうですか…じゃあ、俺はもう出て行きます。お世話になりました。」
おじいさん「まだ傷もなおっとらん。もう少しゆっくりしていけばよかろう。
キバヤシ君から金ももらっとるからな」
メガネッシュ「いえ、もういかないと…」
メガネッシュ(早くここを出ないとこのおじいさんも始末されてしまうかもしれない…
ポールとマーク、どちらかが俺を狙う『犯人』のはずだが…
よし、まずマークのところへ行こう。)
162 :
ほんわか名無しさん:03/09/21 00:55
とある、部屋の質は悪いくせに宿泊金はやたらと高い、二流マンションの一室で
彼らは談義を交わしていた。部屋におかれているテレビには三日前に起こった
大地震で崩れた街が放映されている。
香取「…どうやらダチョウ倶楽部はやられたらしい。
メガネッシュが潜伏していた廃ビルの近くで三人の死体が見つかったそうだ。
回収したのはもちろん俺たちの組織だがな。奴等もプロだ、地震に巻き込
まれて死んだ、ということはないだろう。」
ドラえもん「メガネシュを侮りすぎた、ということかな…。あと運がなかった。」
その場にいただけでカタギではないとわかる、空気の固さと痛さ。
さっききたルームサービスは二度とこの部屋に入りたがらないだろう。
香取「…そして、さっき俺たちのボス『ゴースト』から連絡がきた。『メガネッシュは殺すな』、
だそうだ。」
ドラえもん「なぜだ? 俺たちがヘマしすぎたからか」
香取「しらねぇよ。だが、このままではダチョウ倶楽部が浮かばれねぇぜ」
163 :
ほんわか名無しさん:03/09/21 01:01
ドラえもん「オイ、変な気は起こすなよ。組織内で『ゴースト』の命令は絶対だ。
変な行動をすれば俺たちが始末されちまう」
香取「だが、このままあいつらを生かしとくわけには行かないだろう!」
ドラえもん「まァ落ち着けよ、暗殺稼業に私情はご法度だぜ」
香取「俺は行くぜ。頭でわかっていても俺の両腕たちが鳴いてるんだよ。
たとえ『ゴースト』を裏切る格好になったとしても、俺はやる。」
ドラえもん「……。わーーった、わかったよ。俺は何も言わねぇ。だが俺は何も関係ねぇ。
やるならおまえ一人でやってくれよ。」
香取「当たり前だ。…じゃあな、ドラえもん。」
去っていく香取。それは彼が組織を抜けるということだった。
ドラえもん「香取」
香取「なんだよ」
ドラえもん「死ぬぜ」
香取「あぁ、わかってる。だが、俺はロボットじゃねえ。このまま組織に入れば、
俺はただのロボットになっちまう。それだけは勘弁なんだ」
ドラえもん「香取」
香取「今度はなんだよ」
ドラえもん「…生きろよ。」
164 :
ほんわか名無しさん:03/09/21 06:28
ウーウー
サイレンが鳴り響いたと思うと
突如頭上の空間から小型宇宙船が出てきた。
ドタドタドタ
5人の男が宇宙船から駆け足で降りてきた。
「タイムパトロールだ」
隊員手帳を見せるリーダー格らしき男。
「ドラえもん。お前を逮捕する」
つづく
165 :
ほんわか名無しさん:03/09/21 18:37
ドラえもん「ヘッ、ここまで追ってきやか。
だがここまで捕まるわけにはいかんッ!」
タイムパトロール「逃がすわけもない!」
部屋の窓から逃走しようとしたドラえもんを、タイムパトロールの五人は容赦なく
レーザーガンで背中を撃ちつける。その内散発が命中し、窓から落下するドラえもん。
タイムパトロール「やったか!?」
つづく
166 :
ほんわか名無しさん:03/09/22 16:41
タイムパトロールは窓からのぞきこんだ。ここは38階だ。落ちたら助かるはずもない。
だが、ドラえもんの姿はどこにもなかった。
リーダーらしい男は、悔しがって拳を地面に叩きつけた。
タイムパトロール「クソッ、また逃がしてしまったか…
奴を倒さないと、この世界はとんでもないことになってしまう…」
つづく
167 :
ほんわか名無しさん:03/09/23 09:25
メガネッシュはマークのアジトを突き止め、今まさにそこを物色中である。
彼のデスクからはメガネッシュについてかなり詳しく調べたであろう痕跡
が発見された。ウン十枚に渡る彼の写真、生い立ち、健康状態などが
徹底的に書き上げられたデータがそこにはあった。
メガネッシュ「まさか…犯人はマーク?」
そう確信しつつあるメガネッシュは、ヒラリと落ちた一枚の写真を見つけた。
メガネッシュ「これは…俺の子供のころの写真じゃないか。こんなものどこから…」
子供のころのメガネッシュと、4人の友達がドイツにて撮影された写真だった。
みんな笑顔で楽しそうだ。
メガネッシュ「いや待てよ、この写真はおかしいぞ…?俺がドイツに来たのは
18が初めてだ。ウチは貧乏だったからドイツになんて来れるはず
もない…」
と、その時後ろで物音がした。
メガネッシュ「だ、誰だッ!?」
つづく
168 :
ほんわか名無しさん:03/09/23 10:59
「のびちゃん!しゅくだいちゃんとやったの?」
のびママだった。
こころなしか、いつになくお怒りのご様子だ。
「い、いえ。僕はのびたじゃありませんが。」
とメガネッシュが答えるやいなや
「言い訳するんじゃないの」
とメガネッシュの耳を引っ張り、
のびママは彼をどこかに連れ去ってしまった。
169 :
ほんわか名無しさん:03/09/23 14:57
のびママ「さァ、着いたわよ!」
メガネッシュ「こ、ここは…?」
メガネッシュが連れて行かれた場所はなんとあの場所だったのだ。
つづく
そこはなんの変哲もない一軒の家であった。
表札には 『磯野』 と書かれてあった。
(なんだ普通の家じゃん)
と思っていると玄関から一人の眼鏡をかけはげたおっさんがでてきた。
はげたおっさんの頭の頂上からは一本だけ中途半端に毛が生えており
メガネッシュはセンスの無さを感じた。
そしてそのおっさんは言った。
おっさん『
>>171、次でボケて。』
メガネッシュ「なんて無茶を言うんだ!
そんなフリでボケられると思ってるのか!」
メガネッシュは怒りをあらわにしておっさんにとびかかった。
しかしすぐさまのびママに後ろから羽交い締めにされ取り押さえられた。
おっさん「まぁ落ち着け。お前を呼んだのはそんな理由ではない。
用事を話してやろう。家にあがれ。」
そう言うとおっさんは家の中に入っていった。
メガネッシュは黙っておっさんについていった。
玄関をあがるとそこには壁をひっかき続けている変な猫がいた。
さらに左の部屋を見てみるとバットを振り回す頭の悪そうな坊主少年、
そして右の部屋にはセンスの無い部分パーマをかけたお姉さん(おばさん?)、
そしてその奥の部屋にはスカートが短すぎてかぼちゃパンツ丸見えの少女がいた。
本当に変な家族ばかりだ。
しかし極めつけは一番奥の部屋にいた↓のような生物であった。
ζ
/⌒ヾ⌒ヽ.
/ 丿 ..ヾ
/ 。 人 )
(。...。_ .ノ 。ヾ。...丿
( _ . .. ノ )
/ /
/ ノ し /
三 ̄ ̄ ̄ ̄\ / ) と /
/ ____| . / /
/ > | / /
/ / ⌒ ⌒ | / /
|_/---(・)--(・) | / /
| (6 つ | / .. / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ___ |/ . / <父さんおかえり。
\ \_/ / / / \_________
シコ \___/ / /
/ \ / . /
シコ ( ) ゚ ゚/\ゝ 丿.../
\ ヽ、 ( / ⊂//
\ ヽ / ⊂//
( \つ /
| |O○ノ \
| | \ \
| ) | )
/ / / /
/ / ∪
∪
部屋に入りおっさんはテーブルの周りに置いてある三つの座布団のうち
一番出口から遠い座布団の上に座った。
おっさん「まぁ、座れや。」
メガネッシュ「何のようだ。」
おっさん「まずわしの名前は波平、通称はげジジイだ。
お前を呼んだのは一つやってほしいことがあってな。」
メガネッシュ「何だ?」
波平「ある物が欲しくてな。お前にはそれを手にいれてほしいのだよ。
わしが欲しいものは
『ハイパーデンジャーセラミックス製インドカレーターミネーターTMレボリューションナップサックXP(充電式)』。
略して『ヅラ』と呼んでいる。」
メガネッシュ「・・・・・・・・・。」
波平「で、このヅラはある男が持っていてな。
この写真をみろ。この男の頭についているもの、これがわしが欲しいものだ。」
その写真にはなんとあのタモリが写っていた。
メガネッシュ「!!」
波平「そうお前がよく知っている男だ。これを奪って来い。」
メガネッシュ「なんでそんなことをしなけりゃいけないんだ?
そんなことをやってやる義理はない。」
波平「それがそういうわけにもいかないんだよ。
お前の妻・真美子の命はわしが握っている。
わしの命令ひとつでわしの部下はお前の妻を殺す。」
メガネッシュ「卑怯な!」
波平「わしもできれば自分の力で奪いたいのだがな、
できればヅラは無傷で奪いたいのだよ。
ちと暴力的にいかなくてはあの男からヅラをとることが難しくてな。
なーに、知り合いであるお前からすると簡単なことだ。
お前が黙ってヅラを奪ってくれば妻の命は無事にすむよ。
簡単な話だ。」
メガネッシュ「そもそもヅラなんか買えばいいだろ。」
波平「それがあのヅラはかなり特殊なヅラでな。
あのヅラはな、どんな人間にでもにフィットし、
しかも周りになかなかバレにくい最上級のヅラなのだ。
買おうと思えば数兆円はする。
あれじゃないと・・・・、あれじゃないとワシは駄目なんじゃぁぁ・・・!」
メガネッシュ「・・・・・・・・。なら作ればいいじゃん。」
波平「甘いな。あのヅラを作るためには、
シュレディンガーの波動方程式を小学生が解き、その解を宇宙空間で固体化させ
さらに安岡力也を力でもって泣かしその涙を固体化させた解と混ぜ、
さらに超巨星ベテルギウスまで三輪車で行ったのちその解を
松坂よりも早い速度で投げ込んだ後、江頭2:50分のうんこを食べなければならない。」
メガネッシュ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
波平「タダでやれとは言わない。
おまえが無事ヅラを持ってきたら、
ポールとマークさらには『ジェリー』と『ゴースト』についての秘密を
教えてやろう。」
メガネッシュ「しかしタモリの居場所は今わからないんだ・・・。」
波平「どこにいるか分からないだと?愚か者めが。このスレの題名を見てみろ。」
(つづく)
176 :
ほんわか名無しさん:03/09/23 17:13
メガネッシュ「鳥取砂丘…?」
波平「左様、タモリはそこにいる。さァ、早く行ってこんかい。
日本へのチケットはもう買ってある」
メガネッシュ「ずいぶんと手回しがいいんだな」
これ以上何もいえないことを悟ってメガネッシュは日本へ向かうこととなった。
逆らえば妻・真美子の命はない。そればかりか『ジェリー』や『ゴースト』、
さらに『犯人』に関する情報を与えてくれるという。
何者なんだこの男は…?ここまで秘密を知っているということは、
一連の事件に何か関係が…?
いやヘタに詮索すれば真美子の命がないかもしれない。俺はタモリのヅラを奪うしかないのだ。
メガネッシュは日本行きの飛行機に乗り込んだ。
つづく
日本行きの飛行機の中でメガネッシュは考えていた。
メガネッシュ「何故タモリは鳥取に行ったんだ?まさかポールの居場所を突き止めて・・・」
ガタッ、ガタガタッ!!
そのとき機体が大きく揺れた。
メガネッシュ「何だ!?いったい何が起こったんだ?」
つづく
うんこブリブリ
アナウンス「当機はただいま乱気流の中を通過中です」
メガネッシュ「ふっ、驚かせやがって」
気圧の関係で腹の具合を悪くしたメガネッシュはトイレへと席を立った。
運悪くトイレには先客がおり、メガネッシュは腹痛と共に苛立ちを募らせていた。
そのとき音も無くドアが開き、メガネッシュは思ってもみないその人物に目を疑った。
メガネッシュ「お前は・・・香取!」
香取「・・・お前を鳥取に行かせるわけにはいかん」
今にも死闘が始まろうかとしている次の瞬間、
「やめろ!!」
そこにはトイレの窓から登場しようとして頭がつっかえてしまったドラえもんがいた。
180 :
ほんわか名無しさん:03/09/25 08:06
ドラえもん「こんなところで暴れてどうする。最悪の場合を考えろ、
俺たちは地上に激突して爆発してしまう」
香取・メガネッシュ「……」
ドラえもん「わかったら双方武器をしまえ」
頭がつっかえたままふたりを落ち着けたドラえもんだが、やっぱりかっこ悪かった。
ドラえもん「う…わ、悪いけど助けてくんない?」
しらけた空気の中ドラえもんは香取に救出された。
ドラえもん「いててて。・・・サンクス、香取。久しぶりだな。」
香取「・・・何しに来た?」
ドラえもん「『ゴースト』の命令だ。まだメガネッシュは殺るなってな。」
香取「お前はダチョウ倶楽部のカタキを取りたくないのか!?あの竜ちゃんの笑顔を忘れたのか!?
俺は、俺は・・・!」
ドラえもん「おいおい、竜ちゃんばりの取り乱しぶりだな。俺だって悔しいさ。ジモンには世話に
なったからな。だからこそ俺の話を聞け。メガネッシュはラストだ。先にタモリとキバヤシ
を殺るぞ。」
香取「ドラえもん・・・」
ドラえもん「『ゴースト』を裏切ったら殺られるだけだ。
俺はタモリ、お前はキバヤシのもとへ向かえ。」
香取「・・・わかったよ。
そういうわけだメガネッシュ!次に会うときがお前の命日だ、はぁーっ、はっ、はっ!!」
そう言うと香取はトイレの窓から素早く飛び出し、パラシュートを開いて雲間に消えていった。
メガネッシュ「・・・俺の立場は?(心変わり早ぇーな)」
つづく
182 :
ほんわか名無しさん:03/09/25 21:06
その時は誰も知るよしもなかった…
その誕生以来、充電することなく動いていた
ドラえもんの電池があと2時間も持たない事を…
「おい香取あそこにいい女がいるぞ。」
満面の笑みを見せるドラえもん。
しかし、その笑顔を見れるのもあと2時間。
あと2時間の命だった。
香取を追いかけて飛行機を飛び出したドラえもんは、旧友としばしの空中飛行を楽しんでいたのだった。
香取「そんなことよりキバヤシはどこにいるんだ?」
ドラえもん「ああ、キバヤシはポールをかぎまわっているらしい。奴は鹿児島にいるぜ。」
香取「わかった、じゃあ俺はこのままパラシュートで鹿児島に向かう。お前はどうする?」
ドラえもん「俺はメガネッシュに先回りして鳥取でタモリを殺ってくる。急がねば俺にはもう時間が・・・」
香取「ドラえもん・・・お前・・・」
ドラえもん「いやなんでもない、じゃあな。」
香取「おい・・・」
ドラえもん「何だよ。」
香取「・・・死ぬなよ。」
ドラえもん「・・・うるせーよ。」
少しの憂いを帯びた笑顔で、ドラえもんはタケコプターのスピードを上げた。
つづく
184 :
ほんわか名無しさん:03/09/26 17:44
西郷どんの街・鹿児島に降り立った香取。ここにキバヤシがいるというが、
さてどうやって探そうか。鹿児島は広い。
香取「しかたねー…あいつらを呼ぶか。確か今日本にいるはずだろ」
通信記録が残されない特殊な携帯電話を取り出し、手慣れた手つきで
ある人物を呼び出す香取。
プルル…
「はい、こちら中井」
香取「おぉ、中井か。ひさしぶり。実はさ、今俺がやってる仕事を手伝って欲しいんだ。
ん?なーに、ちゃんと借りは返すからさ。あぁ、あとゴローもいるはずだろ、日本に。
あいつも呼んでくれ。それじゃーな、頼むぜ」
プチッ
つづく
185 :
ほんわか名無しさん:03/09/26 22:00
いっぽうメガネッシュはというと無事鳥取に到着しさぁタモリでも探そうかなと
思っている最中であったが鳥取の21世紀梨がこれがまたうまいんだだった
のでタモリ捜索そっちのけで梨狩りに熱中していた。
メガネッシュ「う〜むこれはいい梨だ。間違いない。」
「メガネッシュさ〜ん、こっちにもっと大きいのがりましたよ〜」
メガネッシュ「オッ、木村くん今行くよ」
木村くんはいっしょに梨狩りに参加した梨ハンターである。
彼の勘はすばらしくいい梨をとりまくっていた。
すると…
つづく
186 :
ほんわか名無しさん:03/09/27 12:40
誰かが近づいてきた。警戒するメガネッシュ。
メガネッシュ「誰だ、お前は?」
つづく
「ボンビー。僕は貧乏神なのねん。」
188 :
ほんわか名無しさん:03/09/27 16:34
そのころ…
プルプルプル
タケコプターのスピードを上げ目的地へと急ぐドラえもんであったが
プスゥン
突然突然、動きが止まってしまった。
そう、
電池が切れたのだ
ヒュウ〜
下の道路に一直線に落ちていくドラえもん
バキドカブキベシャ
ちょうど走ってきたタンクローリーにふみつぶされて
こなごなに砕けてしまった。
そして砕けた破片もその後走ってくる車に踏み潰されどんどん小さくなっていく
そしてかけらも残らなくなった…
189 :
ほんわか名無しさん:03/09/27 19:56
メガネッシュ「貧乏神だと?俺は桃鉄をプレイしている覚えはない。
勘違いだ、早く帰れ」
ボンビー「ふっふっふ…そういうわけにもいかないのねん。
なぜなら…」
木村「メガネッシュさん危ない!」
目つきが変わったボンビーは体当たりをかましてきた。だが木村の
声により早く反応しかわすメガネッシュ。
ボンビー「メガネッシュ、ぼくはあんたに用があるのねん。
『ジェリー』の命令で…!」
メガネッシュ「なにぃ…?」
つづく
190 :
ほんわか名無しさん:03/09/27 23:02
ボォォォン!!
突然爆音が聞こえた、と思うと何やら可愛らしい子供が立っているではないか。
「ミニミニボンビー。社長さん、お小遣い欲しいのねん。」
そのころ鹿児島では・・・
香取「よう、遅かったな中井、ゴロー。」
山田ゴロー「ごめんごめん、編集の仕事が長引いてね。」
中井貴一「俺もロケで東北にいってたんだ。」
香取「忙しいところ悪りぃけど、キバヤシという男を殺るのを手伝ってくれ。」
中井貴一「『ゴースト』から聞いている。ポールの近くにいるんだろ。
でも俺はこの辺の地理にはサッパリだぜ?」
山田ゴロー「あっ僕は鹿児島詳しいですよ。西郷どんこと西郷隆盛は1827年12月7日に・・・」
香取「わかったわかった、お前の話は長いからな。ゴローに道案内は頼むよ。」
山田ゴロー「じゃあとりあえず天文館を食べ歩きましょうか。」
つづく
192 :
ほんわか名無しさん:03/09/28 14:51
突然貧乏神にお小遣いを要求されたメガネッシュ。うーん、まぁ俺はそこそこ
金は持ってるから、少しくらいはいいか…。
メガネッシュ「ほら、500円だ。これ持ってあっち行きな」
一枚の軽い硬貨を貧乏神に渡そうとするメガネッシュ。
木村「駄目だッ、木村さん!貧乏神と関わりを持つのはッ!」
メガネッシュ「なんだよ、少しくらいいいじゃないか」
怒号の木村の忠告を無視して500円玉を渡したメガネッシュ。
ミニミニボンビー「ふふふ…ちゃんともらったのねん」
つづく
193 :
ほんわか名無しさん:03/09/28 16:19
貧乏神「社長さん。社長さんのために博多のラーメン屋を売っておいたのねん。」
社長から金を貰った貧乏神は社長に服従し、悪気はないのだが社長のために勝手に社長の物件を売ったり普通の倍の金額でカードを社長に売りつけたりしてしまうのだ。
194 :
ほんわか名無しさん:03/09/29 12:57
そうこうしている内にメガネッシュは貧乏神のいらん親切のおかげで100億の
借金を抱え込んだという
しかしメガネッシュにはメガネッシュカー時代の財産が残っていた。
木村「だから言ったじゃないですか!あいつと関わりを持つなんて!」
メガネッシュ「金なら心配いらないよん。」
木村「そういう問題じゃ・・・」
メガネッシュ「もちつけ木村くん。まぁ見ててごらん。」
そのとき
「ピカッ☆」
一閃の光が走り、貧乏神は一瞬にして塵と化した。立ち込める砂ぼこりにたたずむ黒い人影。
メガネッシュ「・・・腕を上げたな。」
タモリ「お久しぶりです、メガネッシュさん。」
木村「なっ・・・!!(まさかこの人を呼び出すためにわざと貧乏神の罠に・・・)」
メガネッシュ「(ニヤッ)待ってたぜタモリ。」
つづく
196 :
ほんわか名無しさん:03/09/30 07:56
しかしメガネッシュはここで非情な判断をしなければならない。
波平の依頼によってタモリのヅラを奪わなければならないのだ。もし奪わなければ
妻・真美子が殺されてしまう。
メガネッシュ(タモリ…すまない!)
一体どーなってしまうのかー!?
つづく
197 :
ほんわか名無しさん:03/09/30 16:47
メガネッシュ「タ、タモリ…」
ばつが悪そうな表情で話し掛けるメガネッシュ。
メガネッシュ(あのヅラはおそらくタモリにとって重要なものだ。アレがないと
技もできないだろう…。タモリにとっての誇りでもあるはずだ)
しかしその表情に気づかないタモリ。
タモリ「あ、そうだメガネッシュさん!ポールを鳥取砂丘で見つけたんですよ!」
メガネッシュ「エッ?」
つづく
一方鹿児島・・・
香取「ゴロー、いいかげんにしろよぉ。シロクマも黒豚も食べ飽きたぜ。」
山田ゴロー「いいじゃないですか。今度は桜島行きましょう。」
中井貴一「ふ〜、俺もミキプルーン食いすぎたぜ。」
香取「なんでお前だけそんなん食ってんだよ中井!あっ電話だ。(ガサゴソ)もしもし・・・おう何だ?何っ、ドラえもんがっ!
・・・そうか・・・分かった。あぁ?あぁ分かった、じゃあな。(プチッ)」
中井貴一「どうしたんだ?」
香取「・・・ドラえもんが死んだ。」
山田ゴロー「えぇー!どうして?死因は?」
香取「電池切れだ。その後タンクローリーに・・・可哀想な奴だったぜ。」
中井「慎吾・・・気を落とすなよ。」
香取の肩を抱く中井とゴロー。うつむいた香取の頬を一筋の涙が伝った。
つづく
ダチョウ倶楽部に続きドラえもんというかけがえの無い友まで失った香取にとって、メガネッシュ一味への恨みはますます募るばかりだった。
香取「もひとつ伝言だ。ポールは鳥取に逃げたようだ。」
山田ゴロー「えっ?じゃあキバヤシは・・・」
香取「キバヤシの姿は確認されていない。俺の勘じゃ奴はまだ鹿児島にあるポールの事務所を探ってるってとこだろう。」
中井貴一「これからどうする?鳥取には俺が行こうか?」
香取「いや、その必要はない。鳥取には万一のために木村を送っといた。
俺らはこのままキバヤシを追うぞ。」
つづく
200 :
ほんわか名無しさん:03/10/01 13:21
ここは夜の鳥取砂丘… 冷たい風が砂を巻き上げる。
メガネッシュたちはそこにいた。それぞれの思惑を胸に砂を踏みしめて歩いていた。
メガネッシュ(どうしよう… どのタイミングでタモリのヅラを奪えばいいんだ…)
木村「タモリさん、小屋が見えてきましたよ。あそこにポールがいるんですか」
”俺にも何か手伝わせてください”と言ってついてきた木村。一般人を巻き込むのは
危険だと考えたが、戦力になるかもしれないということで同行に同意した。
彼に何か悪意があるとは思えない。
タモリ「あぁ、木村くん、あそこにポールがいるんだ」
と、突然小屋から銃声が響いた。警戒する三人。
タモリ「よし…踏み込みましょう!」
201 :
ほんわか名無しさん:03/10/01 15:15
メガネッシュ「いや、暫く様子を見るんだ。」
タモリを牽制するメガネッシュ。
しかし彼の注意は明らかにタモリのズラに向けられていた。
木村「そんな!千載一遇のチャンスですよ、メガネッシュさん!
ここで踏み込まなかったら、いつ踏み込むっていうんですか?!」
どこか落ち着かない様子の木村。
メガネッシュ「しかし不用意に近づくのは得策と言えるのか?」
タモリ「・……。」
沈黙するタモリと木村。
なおも銃声が続いている。
一番初めに沈黙を破ったのは木村だった。
木村「……わかりました。」
そう言うと彼はカバンから無線機を取り出した。
タモリ「それは一体?」
木村「万が一に備えて上空に仲間を待機させておきました。
あとは……。」
木村は無線機を軽くイジると、マイクらしきものに向かってこう叫んだ。
木村「滞空解除。ただちに作戦コード『TOTTORI』を遂行せよ!」
202 :
ほんわか名無しさん:03/10/01 17:48
タモリ「いったんCMいきます」
203 :
ほんわか名無しさん:03/10/01 18:15
CMが明けた。
ババババババババ…
いつのまにやら、夜の空に一機のヘリが現れていた。
そこから人間がひとり飛び降りてきた。
タモリ「危ない!下が砂とはいえ、あの高さから飛び降りたらケガをするぞ!」
しかしタモリの心配をものとせずその男は着地をこともなかったように
無事にすませた。音もなく、空気も揺るがさずに。あまりに人間離れなその
パフォーマンスにメガネッシュとタモリは息を呑んだ。
木村「メガネッシュさん、こいつが俺の仲間のクサナギです、草薙京」
草薙と呼ばれたそのハチマキをしたセンター分けの男は静かに、しかし
りんと響く声で第一声を放った。
草薙「俺が草薙です。メガネッシュさんよろしく」
メガネッシュ「あ、ああ…」
草薙の秘められた実力を確信したメガネッシュは彼に少し恐れに似た感情を心に宿していた。
メガネッシュ「木村くん、君は・・・!」
木村「・・・草薙、行こうか」
草薙「ああ」
なおも激しく続く銃声に臆することなく二人はなにやら眼で合図を交わし、ゆっくりと小屋へと消えていった。
メガネッシュ「草薙・・・、木村・・・、まさかな。」
タモリ「どうしたんすかメガネッシュさん?」
メガネッシュ「『ゴースト』の組織の特殊精鋭部隊を知ってるか?あの香取も所属していたという秘密部隊を。」
タモリ「あれ、ただのウワサじゃなかったんですか?」
メガネッシュ「キバヤシの調査によると数年前に解散したはず・・・確か名前は―」
銃声が止んだ。ドアが軋んだ音を立てて開くと、ポールの手下と思われる黒服の男達が血を流し倒れこむ。
次の瞬間その死体を蹴散らしながら二方向に飛び出し、小屋と距離を置く木村と草薙。
それを追うように、ドアからゆっくりと黒い影が姿を現した。
二人の身のこなしに、予感を確信に変えつつあるメガネッシュの眼に見覚えのある姿が映る。
メガネッシュ「・・・ポールっ!!」
つづく
205 :
ほんわか名無しさん:03/10/02 08:53
小屋から出てきたのはメガネッシュの見間違いではなく、やはりポールであった。
木村「フ…俺たちが送ったスパイたちの働きぶりが悪かったかな?
見たところ気に入らなかったようだが」
ポール「あぁ、俺の部下としてよく働いてくれてたよ。だがお前らゴースト率いる
暗殺組織『パッショーネ』のスパイだったとはな…」
足元に倒れている元部下に忌々しげに蹴りを入れるポール。
ポール「まったく…目的はなんだ?なぜ俺を狙った?」
木村「俺たちはもう『パッショーネ』じゃない。『パッショーネ』のボス、『ゴースト』の
意思は関係ないのさ。俺たちは組織の中でも特殊な存在、
元対A級犯罪者暗殺戦略特殊部隊――通称『SMAP』。政府が組織の力
をかりる時にのみ姿を現す精鋭部隊、の元メンバー五人が俺たちだ。
香取が『パッショーネ』を抜けるっていうから俺も含め残りの四人も組織を抜けた。
組織には不満があったからな。いいタイミングだったというわけだ。
そして俺たちが欲しいのは金だ。ポール、あんたやメガネッシュの財力が
必要なわけなのさ。」
ポール「それが俺を狙った理由か。」
つづく
206 :
ほんわか名無しさん:03/10/02 17:28
木村「そしてメガネッシュさん、俺はあんたを殺さなきゃならない」
メガネッシュ「なに…?」
後ろに潜んでいたメガネッシュのほうを振り向いて言い放つ木村。
その顔は今までにみたことのない冷たい表情であった。
木村「香取の頼みでね。なにやら奴自身の怨恨によるものだそうですが。
俺は香取と同じチームを組んだ以上香取の意を汲まなきゃならない」
メガネッシュ「…」
木村「それが組織ってもんでしょう、メガネッシュさん」
つづく
しかしそこに突然、もの凄い叫び声が聞こえてきた!
「キーングボンビー!!」
メガネッシュ「誰だあれは!?」
タモリ「あいつは…、キングボンビーです…。
私が変身する前にかぐや姫という人に貧乏神をつけられそうになったんです。
それで、こいつはいいと思い、貧乏神に変装したわけですが、まさかキングボンビーになってしまうとは…。
メガネッシュさん、早く逃げましょう!!一瞬にして借金地獄になってしまいますよ!!」
メガネッシュ「何!?それは大変だ!早く逃げよう。」
木村「そうはいきませんよ?メガネッシュさん。」
キングボンビー「ごちゃごちゃ五月蝿い連中だ。貴様ら全員ボンビラス星送りにしてくれる!!」
メガネッシュ「何だ!?ウワー!!何かに吸い込まれるー!!」
キングボンビー「キーングボンビー!!」
木村「ったくなんだかよく分からんが、草薙!」
草薙「・・・これ以上邪魔な奴が増えると困るんだよ。」
草薙はそう言うと両手を上げ空を仰ぎ、なにやら聞いたことの無い呪文を唱え始めた。
メガネッシュ「何をするんだ?」
木村「俺達が何故『SMAP』として別格扱いされていたのか。分かりますか、メガネッシュさん。」
メガネッシュ「・・・」
木村「『SMAP』は・・・全員特殊能力を持っているんですよ。草薙の能力は――」
草薙の動作とともに砂漠の暗闇を走る強烈な閃光はキングボンビーを包み、青く光る立方体を描いた。
そしてしばらくするとその青い空間は夜の闇に溶けていった。あとには静寂だけが残っていた。
木村「あいつは敵を亜空間『殿堂』に強制送致して閉じ込める能力『ジーンズ』を持ってるんです。
つまりキングボンビーは草薙によって『殿堂入り』したってわけですよ。」
何事も無かったように服の砂をはたきながら草薙が戻ってきた。
草薙「ザコが・・・」
つづく
209 :
ほんわか名無しさん:03/10/03 17:53
木村「さて、次はメガネッシュさん、あんたの番です。
っとその前に」
後ろを振り向き、木村はポールに目を向けた。
木村「ポール、まずあんたを片付けなくちゃな」
温度が、一瞬下がった気がした。木村の殺気が解放されたのである。
まず間違いなくポールは殺されるだろう。
ポール「フフフ…木村、俺がこういう事態を予測できなかったと思うか?」
木村「なに?」
ポール「俺もメガネッシュを殺るために暗殺者を雇った身だ。一旦その手に
手を貸せば俺もその手の関係者ってことになる。」
メガネッシュ「ポール…!」
ついにポールは自白した。ポールが、暗殺者を雇い、メガネッシュに『刺客』を送りこんだ
『犯人』だったのだ。
木村「護衛でも雇ったのか?だが、俺たちの相手になる暗殺者なぞそういないぜ。」
ポール「ハハハ、そういうのをこの日本という国でなんというか知っているか?」
木村「なんだと?」
ポール「井の中の蛙と言うのさ。」
つづく
210 :
ほんわか名無しさん:03/10/03 18:10
メガネッシュ「ま、まさか…」
予感がメガネッシュの頭を走った。まさか、奴が――
小屋の中から、中背の、頭から一本毛が生えた中年の男性が出てきた。
しかしその顔つきは、明らかに幾多の修羅場を乗り越えてきた男のものであった。
メガネッシュ「な、波平!!」
そう、メガネッシュにタモリのヅラを奪えと脅迫し鳥取砂丘に送ったその男であった。
木村「なんだ?そいつは…。」
ポール「クックック…お前らのボス、いや元、ボスか。
『ゴースト』と肩を並べると言われる『ジェリー』だよ。」
メガネッシュ「なんだって!?」
波平「そう、メガネッシュ。わしはポールに雇われ君を狙っていた刺客のひとりじゃ。
君をここによこしたのはこいつらSMAPをおびきよせるためだ。香取が
お前を狙っていると知っていたからな。つまりSMAPとメガネッシュ二人をここで
始末する一石二鳥の作戦だったわけじゃ。」
つづく
「待て!!」
波平「誰じゃ!?」
「俺の名はゼリー。ゼリー・プルルーンだ。ゼリー愛好者の中でも最高権力を持つ男だぜ。」
波平「ゼリー愛好者だぁ?こっちは遊びに付き合っている暇はない!」
ゼリー「貴様、最高権力者に向ってなんと言うことを…。名前だけでなく態度も無礼な奴だ。
おっと、用件を忘れるところだった。
貴様、ジェリーと言ったな?」
波平「そうじゃが?無礼な名前か?」
ゼリー「無礼にも程がある!!貴様の名前がゼリーにも似ていてジェルにも似ていることで、
去年に比べてゼリーの売上が0.7%減ったんだよ!!」
メガネッシュ「くだらねー。」
ゼリー「貴様、くだらないだと!?俺を怒らせたようだな!!喰らえ!!」
ゼリーの手から、ところてんのようなものが飛び出した!
212 :
ほんわか名無しさん:03/10/03 20:24
タモリ「メガネッシュさん!私が行きます」
メガネッシュ「気をつけろ、タモリ!あのところてんなようなものが怪しい」
ゼリー「フッ、この技を受けていまだかつて生き残った者はいない…。
きちんと覚悟しておくことだなァァァァ!」
波平「フフフ…では、ゼリーとやらにタモリとメガネッシュらを任せ、
その間わしがお前ら二人を始末することにしよう」
草薙「…俺たちをなめるのもいいかげんにすることだな。」
木村「その脂ぎった額を頭蓋骨ごとブチ割ってやるぜ」
つづく
一方、鹿児島のポールの事務所
キバヤシ「やはりな。」
ポールやジェリーに関する資料を脇に抱え、ドアを蹴り開けた。
事件の犯人がポールであること、そして犯人が『ジェリー』を雇ったこと・・・その全てを知ったキバヤシ。
事態は急を要する。情報屋からの情報によればメガネッシュ、タモリ、ポール、ジェリーが鳥取にいる。
そして『SMAP』が動いているというウワサも・・・
キバヤシ「やばいな。」
急ぎ足で事務所の細い階段を駆け下りるキバヤシに、三人の男が立ちふさがった。その男達の顔を見たキバヤシの顔から血の気が失せた。
つづく
香取「よう、キバヤシ。」
キバヤシ「香取!!」
状況は最悪だった。一人で『SMAP』三人を相手にすること、それは死を意味する。
キバヤシ「最悪だな。」
香取「ゴロー、あっちは今どうなってんだ?」
山田ゴロー「はい、ただいま鳥取においてメガネッシュ、タモリと木村、草薙、そしてポール、ジェリーが交戦中だそうです。」
キバヤシ「・・・はぁ、そっちも最悪だな。」
香取「キバヤシ、今ここでお前を殺すのは簡単だ。だがそれじゃ俺の気がすまん。人質として鳥取に来てもらうぞ。」
キバヤシ「嫌だと言ったら?」
香取「陳腐なセリフだな。お前に選択の余地はない。賢いお前なら分かるよな?」
キバヤシ「・・・」
あきらめたようにうつむくキバヤシを中井とゴローが縛り上げてトランクに詰めた。
中井貴一「よし、急いで鳥取に行こう。」
山田ゴロー「久しぶりに全員そろいますね。」
香取「あぁ、『SMAP』集結だ。」
つづく
215 :
ほんわか名無しさん:03/10/04 06:03
ウェポン襲来
216 :
ほんわか名無しさん:03/10/04 17:52
ここは鳥取砂丘。相も変わらず砂は冷たい。
が、そこにある異変が起きていた。
草薙「…それがお前の武器というわけか」
木村・草薙が対峙している相手、波平――ジェリーという強敵――が手にした武器は
矛先が赤く、長いヤリの形の武器であった。もちろんただのヤリであってはくれないだろう。
波平「フフフ、そうじゃ。これぞ世界に四つしかない古代兵器『ウェポン』のひとつ…
『マグマウェポン』!溶岩のエネルギーを内臓した長槍よ。
骨の髄まで溶かしてくれよう!」
木村「ご大層な武器をお持ちなことだぜ、だがいくらお前がジェリーだろうが、ここを退くわけ
にはいかねェッ!!」
波平はマグマウェポンを背中と両肘で固定し、その禍禍しい矛先をふりまわした。
おそらく並みの反射神経ではかわせなかったであろうその第一撃を、草薙と木村
はしゃがんでかろうじてかわした。だが、息もつかさず第二撃が再び木村を襲う。
波平「死ねやィィィィ!」
木村(おそらく俺の得物で受けても溶かされてしまうだろうな。
こいつに防御は無意味ッッ!)
その判断を瞬時に行った木村は、自分の能力を使わざるを得ないことも確信した。
217 :
ほんわか名無しさん:03/10/04 18:17
波平「すばらしいと思わないかね」
戦闘の途中、突然波平がしゃべりだした。湿ったように、淡々と。
木村「何がだ?この命の取り合いのことか?それとも仕事を終えて金を
もらうことがか」
波平「この砂丘のことじゃ」
虚ろに辺りを見回す波平。
波平「ここは答えで満ちている」
木村「ヘッ、ハシシと二人きりにでもなったのか?それとも隔離されるべき脳みそか。
暗殺者ってのは正気でやれる仕事じゃないからな」
風を感じながら、手をめいっぱい広げ、空を仰ぐ波平。それはまるで聖人が雨を
乞うているようでもあった。
波平「今の世の中は嘘が空気のように浮遊しているじゃないか。まともに立っていられない、
気を失って当然じゃ!そしてその濃い瘴気の中で、蛇のように生きる人間…」
草薙「クズだというのか?」
波平「逞しいじゃないか」
マグマウェポンを構えなおし、波平は聖人から暗殺者へと眼を変えた。
波平「だからこそわしは人を屠るのだ」
木村「俺はそう簡単に殺されないぜ」
木村が、『能力』を発動させようとしていた。
つづく
木村「びっくりするほどユートピア!!びっくりするほどユートピア!!」
木村はいきなり白目をむき、狂ったように自分の尻をパンパン叩き始めた!!
それははたから見ると奇妙な光景ではあったが、確かにその瞬間から木村の放つ殺気が変化した。
木村「ユートピ、グゥァーッ、カハッ!!」
木村は十秒ほど地面をのた打ち回ると、ピタリとその動きを止めた。
草薙「・・・来るぞ!」
木村の肉体は軋むような鈍い音とともに一周り、いや二周りほど巨大化した。
波平「気でも狂れたか、小僧?」
そう言葉を吐くと波平は『マグマウェポン』振りかざし、木村の脳天を目掛けて振り下ろした。
「ガシーンッ――」
常人なら腕もろとも消し飛ぶであろうその一撃を、木村は両腕をクロスして受け止めた。
波平「・・・どういうことだ!?」
草薙「木村の特殊能力『ウィダー』が発動したんだ。あれは精神的、肉体的にもダメージは大きいが
超人的な戦闘能力を引き出せる。まぁ過剰なドーピングしたようなもんだから二時間キープが限界だが。」
クロスした両腕の奥から木村の眼が光った。
木村「・・・始めるぞ。」
波平「面白くなってきたな。」
つづく
220 :
ほんわか名無しさん:03/10/05 01:32
一方、メガネッシュたちはと言うと――
ゼリーの奇妙な攻撃に苦戦していた。ゼリーの放つところてんのような物質―
それは、増殖しゼリーの全身を覆い、鉄壁の鎧と化していたのだ。いや、鉄壁という
表現は正しくない。やわらかいから、衝撃を吸収しきってしまうのだ。
ゼリー「ふふふ…いかがかな我が特殊能力『トコロテーン』の守備力は…
これでお前らは俺の傷ひとつつけることはできないィィィィッ!」
タモリ「クッ!」
下が砂地で、体制を崩してしまったタモリはゼリーの浴びせ蹴りを背中からまともに
受けてしまった。顔から砂丘に突っ込み、砂が勢いよくまいあがった。
―が、それはもちろん例の技で、タモリはダメージを逃れていた。
攻撃したと思われていたタモリの体が、ボンッという音とともにヅラに化けた。
ゼリー「ヅラ百道…ヅラ・ミガワーリか…。その体でよくやるものだ」
後ろに回りこんでいたタモリだったが、その体はもはや消耗しきっていた。
まぶたの上のへんから出た血がどくどくと流れつづけている。
メガネッシュ「タモリッ!さっき貧乏神を一瞬で消した技は使えないのか?
ペカーッってやるやつ!」
タモリ「『ヅラ・ジャッジメントライト』ですか…。アレは悪しき心を持った相手のみに通用する
技です。こいつにはゼリーを愛する心しかない…。ひどく純粋なものだ。
しかもあの技は私より弱い相手にしか使えず、ひどく体力を消耗するんです…
今の私にはそこまで残っていない…」
つづく
221 :
ほんわか名無しさん:03/10/05 01:34
ニョキニョキニョキ
地中からはえてきたのは
サイバイマンたった
1匹
2匹
3匹
…
数え切れないほど…
そう
2000匹以上はあるかと思えるサイバイマンが
現れたのだ!!
メガネッシュ「こ、このサイバイマンはッ!?」
タモリ「大丈夫、安心してくださいメガネッシュさん。これは私の技です
ヅラの養分を地中に与えることによりサイバイマンを栽培する…。
これぞヅラ百道、『ヅラ・サイババーイ』ッッ!」
ヅラの養分によって生まれた2000体のサイバイマンは、標的をゼリーとみなし、
いっせいに襲いかかった。
ゼリー「う、うあわァァ!!」
つづく
ゼリー「甘い!!コーヒーゼリーにクリームをつけて食べる奴ほど甘いィィ!!
ゼラチンレイン!!」
いきなり空からゼラチンと水が降ってきて、サイバイマンとタモリ、メガネッシュはゼリーになってしまった。
ゼリー「これで動けまい。」
/>
/___>
<目 =〕
\ ̄~>
\>
わーーーーーーーーーーーー!!!!ステレスがここを爆撃に来たぞーーーー!!!!!!
しかしステルスは爆撃に来たのではなかった。そう、香取達が到着したのだ。
そしてなおも木村と波平の激しい戦闘は続いている。
香取「始まってるな。」
草薙「おう、久しぶり。」
山田ゴロー「わぁー、木村くんが『ウィダー』使ってる!こりゃ、よっぽどの相手だね。」
中井貴一「なんだあれは。」
中井が指差した方向には、ゼラチンで固められたメガネッシュとタモリの姿があった。
香取「メガネッシュッ!!・・・何やってんだ?」
草薙「あぁ、ゼリーとかゆう変な奴が現れてな。だれかの差し金かもしれん。」
香取「俺の復讐の邪魔をする奴は全て敵だ。よし、中井!お前はゼリーを頼む。
ゴローはトランクを見張っといてくれ。俺はポールを片付ける。」
こうして
木村・草薙VS波平
中井VSゼリー
香取VSポール
ゴロー・・・キバヤシの監視、及び各戦闘状況把握
メガネッシュ・タモリ・・・ゼリー状
という構図が出来上がった。
つづく
226 :
ほんわか名無しさん:03/10/05 20:03
ゼリーの相手を仰せつかった中井貴一。彼はSMAPの中でも狡猾な暗殺者と知られていた。
普段の明るい笑顔とは裏腹に。
中井「フゥ、俺がまさかこんなザコを相手にするとはな…」
ゼリー「なにィッ!?では、これが避けれるか!?ゼラチンレイン!」
そう、件の、空からゼラチンと水を降らし、くらった相手をゼリーにして動けなくしてしまう技。
メガネッシュとタモリとサイバイマン2000体が餌食になってしまった技である。
中井「フ…広範囲に渡る射程距離を持った恐るべき技よ。サイバイマン2000体を動けなく
してしまうのだからな。…だが」
降ってくるゼラチンレインの隙間をぬってかわす中井。その動きは、彼を元SMAPと呼ばせる
にふさわしい、神がかりな回避であった。
ゼリー「な、な! ゼラチンレインを回避できる奴がいたなんて!」
中井「俺はSMAP一の俊足を誇る男さ。これくらいわけはない。」
ゼラチンレインをよけおわったあとでゼリーに接近していく中井。
ゼリー「し、しまった!ゼラチンレインでゼリーエネルギーを出したあとだから『トコロ・テーン』
で防御できないッ!」
中井「あれだけの技だ。連発すれば能力を出せなくなってしまうはずだ。」
ゼリー「チ、チクショォッ!」
中井「終わりだ」
つづく
227 :
ほんわか名無しさん:03/10/05 20:30
どかーーーん
北朝鮮からテポドンが落ちてきた
そして
すべてが終わった。
・・・かに思われた。が、そこはやはり草薙であった。砂丘目掛けて落ちてきたミサイルは青く光る立方体に包まれて
一瞬にして消え去った。
草薙「『ジーンズ』の前では全ての物質は消滅する。」
その頃ゼリー状の物質の中でメガネッシュとタモリが会話していた。
タモリ「うひゃ〜、メガネッシュさん、『SMAP』めっちゃ強いですよ!主役の座が奪われてますよ、いいんすか!?」
メガネッシュ「あぁ、今策を練っているところだ。香取がキバヤシを追っていたこと、『SMAP』が三人揃って登場したこと、そしてあのトランク・・・
これらを考えると答えは一つ。トランクの中にキバヤシが監禁されている。」
タモリ「マジっすか!?」
メガネッシュ「俺達は明らかに味方が足りてない。圧倒的不利だ。そこでだ、キバヤシを救出するぞ。」
タモリ「えぇ!?でも『SMAP』の一人が監視してますよ。それにこのゼリーから抜け出せないし・・・」
メガネッシュ「今全員がそれぞれの戦いに集中している、今しかない。万一見つかってもあいつ『SMAP』で一番弱そうだぜ?」
タモリ「大丈夫ですかねぇ、でも今身動き取れないですよ。」
メガネッシュ「さっき気付いたんだが・・・口をモゴモゴさせてみろ。」
タモリ「モゴモゴ・・・ん!?」
メガネッシュ「そのゼリーは食える!!」
つづく
ゼリー「あ、何をやってる!!貴様ら!!俺のゼリーを!!青りんご味なんだぞ!!
後で食べようと思ったのに!!くそおぉぉぉぉぉ!!」
すると、ゼリーの体がみるみるうちに筋肉質になっていった!!
ゼリー「全 員 殺 す 。」
ゼリー「ゼリーバズーカ。」
ゼリーの手から透明な一口サイズのゼリーが何個ももの凄い勢いで各自の口へ発された。
ゼリー「そのゼリーにはトリカブト毒がたくさん含まれている。口に入れば速攻死亡よ。」
231 :
ほんわか名無しさん:03/10/06 20:40
ゼリーバズーカがメガネッシュの口に向かって来る。ヤバい、このままでは
口に入ってお陀仏だ。ゼリーを食べて死ぬなんて、とんでもない話だ。
昔、徳川家康というタヌキみてーな奴がてんぷらの食いすぎで死んだ
というが俺はそんなにマヌケじゃない。
メガネッシュ(要するに口にはいれなければいいんだろ!)
そこでメガネッシュは食っていたゼリーで口を満杯にした。これでゼリーバズーカを
逃れられる!
毒々しい色をしたゼリーバズーカが眼前までせまっていた。しかしメガネッシュの思惑
通り、口の中に入る前に食っていたゼリーによって阻まれ、砂丘に落ちていった。
メガネッシュ(た、助かった)
口にゼリーを含んでしゃべれないメガネッシュは心の中でそうつぶやいた。一安心して
隣を見てみると、タモリもヅラを使いなんとか回避したらしい。タモリの口には
ヅラが詰まっていた。
そして周りを見てみると、ジェリー以下SMAPの全員も助かっていた。
だが、一人だけ様子がおかしいのがいた。それはポールであった。
つづく
232 :
ほんわか名無しさん:03/10/07 17:38
メガネッシュ「ポール!」
ポール「ぐ、ぐあぁぁ…」
ポールはゼリーバズーカに含まれていたトリカブト毒で苦しんでいる。
致死量まで達していないゼリーを含んだのが不幸中の幸いだった。
ゼリー「第弐弾。トコロテンアナルファック。」
太いところてんのようなものが土から何本も生えてきた。
ゼリー「こいつもトリカブト毒ところてんだ。
アナルをトリカブト毒だらけにしてくれる。」
234 :
ほんわか名無しさん:03/10/08 13:32
しかしゼリーの体に変化が生じ始めた
235 :
ほんわか名無しさん:03/10/09 18:15
トコロテアナルアタックを放ったゼリーのアナルにトリカブト毒ところてんが
集中していたのである。
ゼリー「がはッ…こ、これは一体…!?」
木村「中井、おまえの能力か…」
中井「はっはっは、この技を使うのはひさしぶりさ。」
メガネッシュ「い、一体どんな能力を使ったんだ!?
それよりポール!大丈夫かポールは!」
ゼリーバズーカにより倒れていたポールのもとにかけよるメガネッシュ。
自らを覆っていたところてんは食い尽くした。
メガネッシュ「…! まだ息はある。どうやら毒の直撃は受けていなかったようだ」
タモリ「メガネッシュさん…ポールをどうするつもりなんですか?」
つづく
メガネッシュ「助けるんだ!こいつは今は敵だが、もともとメガネッシュカー時代から幹部『トロロの脳髄』の一人として会社に尽くしてくれたんだ。」
タモリ「メガネッシュさん・・・」
メガネッシュとタモリはポールを安全な場所へ移し、応急処置をした。
ポール「なぜ助けたんですか・・・社長?」
メガネッシュ「ポール、許してくれ。野球に夢中で全てを見失っていたんだ。」
ポール「あれから社員がどれだけ苦しい思いをしてきたか、わかりますか?引き継いだキバヤシさんも社長を追いかけて出て行ってしまって・・・
その後『トロロの脳髄』が経営を引き継いだんですが、仲間割れが起こって私がジェリーにトムを暗殺させてメガネッシュカーは倒産。
なんとも悲惨な結末でしたよ。あなたは恨まれて当然だ。」
メガネッシュ「ポール・・・」
ポール「それにあなたを狙ってるのは私だけじゃない。『ゴースト』を雇ったのはトムです。」
タモリ「何だって!?」
ポール「あなたのしたことはそれだけ罪深いことだったんです。」
つづく
メガネッシュ「トムか、しかしあいつはもう死んで・・・」
ポール「正確にはトムとマークです、あの二人は仲が良かったんですよ。
マークは『ゴースト』の手を借りてまだまだあなたに刺客を送ってきますよ、そして私にもね。」
メガネッシュ「マークもか!俺は『トロロの脳髄』全員に恨まれたってわけか・・・」
ゼリーのアナルに毒トコロテンを集中させたもの、それは砂漠から生えてきた植物のツルであった。
中井の投げた小さな種が発芽、急成長して毒トコロテンごとゼリーを捕らえ、締め付けたのだ。
草薙「特殊能力『ミキプルー』・・・植物全般を操る能力だったっけ?」
中井「ああ。そいつの下半身に巻きついたツルは全身に絡みつき締め付け、開花して毒を撒き散らす。
あと一分もすればビューティフルなお花がmany manyってわけだ。」
ゴロー「へぇ、砂漠でもつかえるんだ!?その能力の新しいデータがとれたね。」
そう言いながらゴローはメモ帳をペンで叩いた。
ゼリー「ぐあぁーー!!」
つづく
ゴロー「しかしこいつ、ゼリーは一体何者だったんだろうね」
草薙「俺に見当がある」
中井「草薙。どういうことだ?」
草薙「コイツは世界政府の手のものさ。警察部の最高顧問プリン、つまり世界中のポリ公
のボスってことだ。そいつお抱えの第八特務機関―――通称オカシーズ。奴らに
徹底的に仕込まれる独特のファイティングスタイルに見覚えがある」
波平「ふむ。世界政府がからんできたか。ここはいったんひくとするかのぉ」
いつのまにかSMAPの後ろにいた波平が、話を立ち聞きしていた。」
木村「てめェッ!!勝負はまだ終わってないぞ!」
波平「ふっふっふ、落ち着きたまえ木村君。それとも、早まってここで命を落とすかね?」
突然の波平の蛇のような視線に、木村は思わずたじろいた。
波平を、捕食者と連想してしまった。圧倒的な差――波平は本気を出していなかった?
もし本気を出せば一瞬で自分は塵になっていたかもしれない。それくらいの実力の差を
感じれとれなかったくらい、今の自分と波平は離れているのだ。
だがひさしぶりに感じた悔しさは木村にとってむしろ清々しいものだった。
波平「さてメガネッシュ」
メガネッシュのほうを振り向き、波平が語りかけた。
波平「あの写真をみたかね?」
あの写真――?メガネッシュは、ポールの事務所でみかけたあの写真を思い出した。
波平「あの写真には君の出生の秘密が隠されている。大事にしておくことだね。」
メガネッシュ「出生の秘密?どういうことだ!?」
239 :
ほんわか名無しさん:03/10/10 00:06
波平「今にわかるじゃろう」
クククと笑い、波平は去っていった。
波平「縁があればまた合うじゃろう。SMAPの諸君、きみたちも元気にしとくがいい」
鳥取砂丘には、疲弊したSMAP五人とメガネッシュとタモリとポール、そしてゼリーの死体
だけが残っていた。
タモリ「さて…どうしますメガネッシュさん?」
つづく
メガネッシュ「逃げるも闘うもSMAPの動き次第だな。」
タモリ「もし闘うことになれば確実に負けますよ!」
香取「どうする、ゴロー?」
『SMAP』のリーダーである香取は『SMAP』の参謀とも言えるゴローに意見を求めた。
ゴロー「そうですねぇ、メガネッシュとタモリの戦闘能力を考えれば我々SMAPが勝つ確率97.6%です。」
中井「だったら・・・」
ゴロー「しかし、ここで奴らと殺り合った場合に元ボス『ゴースト』が我々にも刺客をよこすことが考えられます。
今は昔のよしみで放置していますが、『ゴースト』は我々がメガネッシュを仕留めるのを嫌ってますからね。
また木村くん、草薙、中井は能力を使い疲労している。特に木村くんは『ウィダー』の使い過ぎで疲労が激しい。
ここで「波平」クラス、「ゼリー」クラスの刺客が一体ずつ現れたとしてSMAPが勝利する確率は56.4%です。」
香取「・・・撤退だな」
木村「ちっ!出直すか。」
つづく
香取「メガネッシュ、命拾いしたな。お前と闘うのにはまだ機が熟していないようだ。」
メガネッシュ「お前まだダチョウ倶楽部のことを・・・」
香取「自惚れるなよ、俺らの敵はお前だけじゃない。ジェリーはポールに雇われていたとはいえ、奴個人の意図が見え隠れしている。
『ゴースト』も十分敵になり得る。それに世界政府まで絡んできやがった。お前らも気をつけるこったな。」
メガネッシュ「キバヤシは置いて行ってもらうぞ。」
香取「好きにしろ、ポールもな。ポールの財産の在処は俺らのスパイがつきとめてあるからな、用済みだ。」
メガネッシュ「ポール・・・」
まだ砂漠に横たわっているポールは何も言わずに空を見上げていた。
五人は砂漠を去り、鳥取砂丘の長い夜が明けようとしていた。
つづく
242 :
ほんわか名無しさん:03/10/10 16:58
死闘の翌日…メガネッシュとタモリは鳥取の郊外のとある廃家に潜んでいた。ポールとは
別れた。彼の部下が迎えにくるという。
そして囚われていたキバヤシはあのあとSMAPに返してもらった(ただし交換条件として
1億円を支払った)。危険な目にあったが、なんとかみんな無事だった。
そういえば、あの写真のことをポール聞いてみた。波平がいう『メガネッシュの出生の秘密』
とは…?
ポール「さぁ、俺にもわかりません。あなたの調査をしている内に見つかったんです。
見つけた場所は、あなたの実家です」
結局、何もしらなかったらしい。
タモリ「メガネッシュさん、起きてください。時間ですよ」
見張りをしていたタモリが疲弊していたタモリがメガネッシュを起こした。昨日の戦闘で
みんな随分消耗していた。メガネッシュの発案でこれからの方針として、バラバラ
にならぬように行動しようということになった。事実キバヤシはさらわれたのだ。
そしてこれからどういう行動をしようかというところか相談するところであった。
つづく
『今回の鳥取砂丘における戦闘に関するキバヤシの報告』
キバヤシ「社長、まず今回の事件について整理します。社長を狙う者たちは大きく三つに分けられます。
第一に元『トロロの脳髄』のポール、トム、マークの三人。そのうちトムはポールの雇った暗殺屋ジェリー(波平)の手により死亡。
ポールは今回の死闘でSMAPによりほとんどの財力を失いました。また彼は改心した様子だったのでもう刺客を送ってくることはないと思われます。
したがってジェリーが個人で社長を狙うことは無いでしょう。そうなるとメガネッシュカー時代の怨恨で社長を狙っているのは残ったマークだけということになります。
マークは『ゴースト』率いる暗殺組織『パッショーネ』を雇っています。」
メガネッシュ「うむ。」
キバヤシ「第二に『パッショーネ』のかつての対A級犯罪者暗殺戦略特殊部隊『SMAP』の五人。彼らの理由はSMAPのリーダー香取の元仲間の敵討ちです。」
メガネッシュ「うむ。」
キバヤシ「第三に世界政府。これは現段階では何もわかっていません。ただ『ジェリー』の発言によると社長の出生の秘密が関わっているようです。」
メガネッシュ「うむ。」
キバヤシ「とりあえず今回の報告は以上です。」
つづく
『今後の戦闘に関するメガネッシュの傾向と対策』
メガネッシュ「まず俺が原因でみんなを巻き込んでしまったのは申し訳ないと思っている。」
タモリ・キバヤシ「なーに言ってるんすか(笑)」
メガネッシュ「こうなったからには闘うしかない。キバヤシの報告の、三つの敵の中で一番の強敵は世界政府だ。
今の俺らの力ではまず負ける。」
キバヤシ「そうですね。」
メガネッシュ「次に『パッショーネ』だが奴らも手ごわい。世界政府と肩を並べるほどだ。もちろん戦えば負ける。」
タモリ「そーですね。」
メガネッシュ「そしてSMAPだが奴らは『ゴースト』のせいで俺に手を出せないようだ。」
タモリ「チャンス!」
メガネッシュ「しかし実際SMAPと俺たち三人が戦うことになれば確実に負ける。」
キバヤシ「・・・そうですね」
メガネッシュ「つまり俺たちは戦力が必要だ。そこで、俺たちの今後の作戦だが・・・
残り三つの古代兵器『ウェポン』の所在を突き止めて入手する!」
タモリ「えぇっ!?」
メガネッシュ「もう一つは『SMAP』との一時休戦交渉だ。SMAPと手を組み、世界政府と闘う。」
キバヤシ「なるほど、それなら世界政府に対抗できるかも。でもSMAPが了承しますかねぇ・・・」
メガネッシュ「これらを同時並行で行いたいんだが、なにしろ人手が足りない。ここらで大きな味方が欲しいところだが・・・」
つづく
245 :
ほんわか名無しさん:03/10/11 01:28
メガネッシュ「ハッ、そ、そういえば!」
キバヤシ「どうしたのですか社長。おなかでもへってたことを思いだしたのですか?」
何かを思い出した様子のメガネッシュの顔は、焦りと不安がいっきに歪んでいった。
メガネッシュ「真美子が、波平にとらわれたままだった…、どどど、どうしよう」
キバヤシ「その件については大丈夫です、社長」
蒼白な顔のメガネッシュをキバヤシは笑顔でたしなめた。
キバヤシ「波平が、真美子さんをさらったというのは嘘です。あなたを鳥取砂丘にいかせるため
のブラフですよ。思い出してください、真美子さんが本当にされわれているかどうかも
確認してなかったでしょ?真美子さんは私が安全なところへ移動させています」
メガネッシュ「そうだったのか…ありがとう、キバヤシ」
キバヤシ「いえいえ。それよりウェポンの件ですが、私に心当たりがあります」
タモリ「キバヤシさん、ウェポンがどこにあるか知っているんですか?」
話を聞きながらヅラの手入れをしていたタモリが割って入ってきた。
キバヤシ「いえ、どこにあるのかまではわかりませんが知っていそうな人物に心当たりがあると
いうのです。しかもその人物なら我々に大きな助力をいただけるかもしれません」
メガネッシュ「それは…誰だ?」
つづく
ところ変わってここはある基地…。
???「世界政府の使者もこんなものか…。」
「まさし様。電話が入りました。」
田代「うむ。変わろう。」
プルルル…
田代「誰だ?」
「トムだ。田代、ジェリーの親父型戦闘機、『波平』を破壊に成功した。」
田代「でかした。」
トム「しかし、奴は優秀な科学者。今はただのネズミでも三日もすれば新しい戦闘機を開発するだろう。」
田代「うむ。」
「田代様。ジェリーに殺されたのでは?」
田代「トムは我『ミニにタコ』の一員だ。そう簡単にやられる筈がなかろう。現場で発見されたのは最新科学を駆使した人形だ。」
田代「で、トムよ。最近メガネッシュはどうだ。」
トム「まだ『グラスパワー』は開花していない。安心しろ。」
田代「うむ。あとメガネッシュの秘められた力に気付き世界政府が動きだしたようだが、世界政府の使者『ゼリー』とやらは『SMAP』ごときにやられる奴だ。
他の奴もあまり変わりはないだろう。安心してメガネッシュを殺せ。」
トム「OK.では『グラスパワー』が発動する前にメガネッシュを殺ってくるぜ。」
田代「うむ。失敗は許さぬからな。」
トム「失敗なんてしねーよ。」
ガチャッ
死ねゴルアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
ドカ!
バキ!
ベキイイイ!
ゴスゥ!
ミシミシ!
ブシュウウウウウウウウウウウウ!
グチャグチャ!
ブチブチイイイイイイイイイ!
ゲナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
やられたのは侵入者の方だった…。
田代「誰だ?この雑魚は。」
「さて…。」
?「俺は…、クッ…、キーだ…。」
田代「クッキー?世界政府の者か。雑魚が。
さて、こいつの処分はどうしようか。」
「取り敢えず拷問にかけてみてはどうでしょうか。」
田代「つまらん。…、そうだ、こいつを人質として世界政府を一網打尽とするか。
オカシーズのやつらは結束力が強いらしいからな…。それが不幸を招くとは知らずに…。
そいつを牢屋に監禁しておけ。」
「ははぁ!」
249 :
ほんわか名無しさん:03/10/11 20:26
タモリ「田代?あの有名な田代財閥の頭領の田代ですか?」
キバヤシが言った名前を、タモリは聞き返した。世界でも有数の財力を誇る、田代財閥。
日本を含めアジア系の血が五つ流れているという異端の混血児が、何の後ろ盾もなく
小国の国家財産並みと言われる財を手にしたという伝説は日本人で知らない者はほぼいない。
キバヤシ「私が社長といっしょにメガネッシュカー設立のとき投資をしてくれたのが彼でした。
その後何度も融資してくれた。田代氏がいなければメガネッシュカーは成功しなかった
と言えるでしょう」
メガネッシュ「そうか…、あの人なら俺たちに力を貸してくれるかもしれない」
タモリ「しかし、大丈夫ですか?もしかしたらその人がこの事件を裏で手を引いてくれるかも
しれない…」
キバヤシ「いや、私は田代氏がそんな人物だとは思えない。もしそうだとしても、彼しか
頼れる人はいない」
メガネッシュ「タモリ。俺もキバヤシも田代さんを信頼、いや尊敬してるんだ。融資してくれた
だけじゃない、俺は経営者として、いや人間として俺はあの人を尊敬している。
信じてくれないか」
タモリ「おふたりがそこまでおっしゃるなら…。わかりました。いいでしょう、では田代氏が
いるホンコンへ向かいましょう」
つづく
250 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 11:17
メガネッシュ「ここが田代ビルか…」
一行は何の問題もなく香港に到着した(もちろん密入国だが)。刺客が襲ってくる様子は
今のところひとつもない。
青白く光るコンクリートの居城、田代ビル。地上147階という東京タワーと竹の子もビックリ
の高さっぷりである。そのどこかまがまがしい様子のビルはホンコンのちょうど真ん中に
陣取っていた。まるで我が神と言わんばかりに。
タモリ「しかし、すんなりと我々を通してくれるんでしょうか」
キバヤシ「大丈夫ですよ。ところでタモリ、君は中国語を話せるんですね。
さっきこっちの人と話していたが」
タモリ「えぇ、実は私は中国出身でして。私が行使するヅラ百道も中国拳法をルーツ
とする流派なんですよ。」
メガネッシュ(ヅラのどこらへんに中国拳法が活かされてるんだろう…。)
キバヤシ「そうだったんですか。
…では、そろそろ入りますよ」
つづく
田代「なに?メガネッシュ達が来ただと?」
「ハイ、まさし様。いかが致しましょう」
田代ビル最上階。そこに田代が君臨する社長室があった。
見るものを圧倒する装飾品の数々。中には歴史的価値のある芸術品もある。
そしてなにより田代の放つ闘気というか、幾千の修羅場を勝ち抜いてきた者のみが備えうる
であとうその空気に呑まれる者は少なくない。
田代「うーむ…メガネッシュが『グラスパワー』の秘密に気づき、そして私の正体を知ったというのは
考えにくい。おそらくメガネッシュカーの出資者としての私を頼ってきたのであろう。
トムはどうした、彼がメガネッシュを殺す手筈だろう。」
「トムとは連絡がつきませんが…、しかしこの田代ビルには我ら『ミニにタコ』の精鋭達が
待機しております。メガネッシュ達を始末するのは赤子の手をひねるようなものです」
田代「いや、待て…。メガネッシュたちは殺すな、ここに通せ。」
「まさし様!いつ『グラスパワー』が発動するかわからないのですよ!それに世界政府の
動きも…!」
田代「いや、世界政府というのは先進国が世界の統治をするために集まってできた組織だ。
メガネッシュ個人のために動くとは考えにくい。だが世界政府の派生組織の幹部である
プリンが奴の『オカシーズ』を使って暗躍している、というのは納得できる。プリンは
黒い噂が絶えない人物だからな。」
田代は最高級の葉巻をけだるそうに吸い、天井を見上げ少し笑った。
田代「私のようにな。」
252 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 11:39
ギィィィ
鉄製の重たい扉を開けるとそこには
253 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 11:47
田代がいる。自らの野望を巡らしている、田代である。
「では今はメガネッシュを殺さずに様子見、ということですか?」
田代「ウム。メガネッシュの『グラスパワー』の秘密を知っているのは我々『ミニにタコ』だけだ。
プリンはメガネッシュに他の秘密を見出しているに違いない。その目的を見定めるまでは
迂闊に手を出さないほうが賢明だろう」
「ではトムはどうするんですか?」
田代「彼も賢い人物だ、もしかするとそれを見定めるためにあえてメガネッシュを放置している
のかもしれん。彼には彼自身の意思も見え隠れするしな…」
と、社長室の扉をノックする音がきこえた。
メガネッシュ「田代さん、俺です、メガネッシュです」
田代「入りたまえ。今鍵を開けさせる」
「わかりました。ではメガネッシュはほおっておけと『ミニにタコ』の面々に説明しておきます。」
田代「うむ、頼む」
そしてメガネッシュは田代の思惑を知らず、社長室の扉を開いた。久々の対面にメガネッシュの
顔には安堵の表情が見え、田代も今までの黒幕の冷たい顔からメガネッシュの恩人という
暖かい顔に変わった。
メガネッシュ「おひさしぶりです、田代さん」
つづく
254 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 11:49
「見違えったなメガネッシュ」
葉巻を口にくわえながら田代は言った。
255 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 12:08
メガネッシュ「色々とありまして…」
田代「はっはっは、妻の真美子さんとケンカでもしたのか?
まぁ、座りなさい。連れの二人も別室でもてなしているよ。」
いかにも高そうなソファーにメガネッシュを促す田代。葉巻を新しい物に取り替え、
自らもテーブルをはさみメガネッシュと対面する形になった。
田代「確か五年ぶりだったかな?君がメガネッシュカーをたたみたいと言った時以来か」
メガネッシュ「…あの時はすみませんでした。田代さんを裏切る形になってしまって…」
田代「何を言ってるんだ。私は利益のために君に出資したんじゃない」
田代は葉巻を口から離し、煙を吐き出してからくわえなおした。
田代「私は君の人間性に出資したのさ。別に裏切られた、なんて微塵も思っていないさ。」
メガネッシュ「……そう言って頂けると助かります」
田代「はっはっは、まぁそう固くなるな。君と私の仲じゃないか。
で、今日は何の用で来たんだい?」
メガネッシュは今までのいきさつを田代に話した。突拍子もない話だったが、田代は
終始こわばった表情でそれを聞いていた。
田代「…ふむ。にわかに信じがたい話だが…。君のその体の傷跡を見れば納得
できるな。」
メガネッシュ「俺はもう四方囲まれています。頼れるのは田代さん、あなただけなんです」
田代「……。よし、わかった。協力しようじゃないか。田代財閥の力を使ってその『ウェポン』とやら
を捜索しよう。あと、真美子さんは安全な場所へ写し、我々が全力を持って守る」
メガネッシュ「…ありがとうございます!」
つづく
256 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 21:35
社長室とは別の応接室に案内されたキバヤシとタモリ。
今ごろメガネッシュと田代が会っているころだろう。二人は黙ったままソファーにもたれかかっていた。
タモリ「…キバヤシさん」
キバヤシ「ああ」
だが、さっきから二人ともどこか落ち着きがない。というのも田代ビルに近づいてからという
ものの何かに見られている感じがするのだ。
キバヤシ「どうやら我々は監視されているようですね」
タモリ「やはり、メガネッシュさんは危ないのでは…?」
キバヤシ「確かに君が危惧している通り田代氏は黒い噂が絶えない人物です。たった十年で
一人で成り上がったんだ、暗い事をしてきたのはあたりまえにようにあったでしょう。
いやそうでもないと生き残れなかったかもしれません。」
タモリ「なら…」
キバヤシ「しかし、今の状況で田代氏に頼らざるを得ないのも事実です。毒をもって毒を制す、
といったところですよ。もし仮に我々が危険な目にあっても、ちゃんと安全策はあります」
タモリ「それはなんですか?」
タモリが訊き返したが、キバヤシは手で今は話せない、というサインをした。
キバヤシ「敵を欺くにはまずは味方から、といったところです。」
つづく
257 :
ほんわか名無しさん:03/10/12 22:06
そのころ‥
「地球‥あの美しい星がもうすぐ我らのものになる‥」
その男は総統と呼ばれていた青い皮膚にマント姿。
しかし、ここにはその姿を異様に思うものは誰もいない。
いや、かえってここでは地球人の肌色の皮膚こそが異様に見えるだろう。
「全軍、突撃の準備だ!」
ハッ、デスラー総統!
兵士達がいっせいに答える。
地球、総攻撃まであと12時間
世界政府警察部…ここにオカシーズの幹部、通称『オカシーズ十三狼士』が
結集しようとしていた。
地下に隠された暗い会議室に、丸いテーブルを囲んでいる。だがオカシーズ総司令官
であるプリンの姿はそこにはなかった。
ティラミス「この時期に集合命令が出るとはな。そういえばゼリーがやられたそうだが?」
カステラ「フン…あんなつかいっぱしりが死んだところでオカシーズには何も打撃もないわい。
パォン・デ・ロー、お前のところの部下だったんだろう?SMAPやメガネッシュごときに
やられるとは、教育が行き届いておらんのではないか?」
パォン・デ・ロー「なんだと!?ジジイがほざくな!」
クラフティ「少し静かにしろ。雑魚共が騒ぐな」
ここに集った十三狼士の中でも長身の、2メートル以上はゆうにあるかと思われる大男が
見かけに似合わず高い声でつぶやいた。
ザルダ「なーによぅ、ファチェが来ると思ったから、こんなムサい男達が騒いでるだけだわ。
帰っちゃおうかしら。」
と、五人しか集まらなかった十三狼士が会議室でさわいでいると、そこにオカシーズのボス
重たい扉を開いてプリンが入ってきた。静まり返る会議室内。
プリン「みんなこの忙しい時期よく集まってくれた。実は火急に処理すべき事件が起こった」
パォン・デ・ロー「なんだなんだァ?そんなに大変な事件なのかよ。」
プリン「ウム。実はな…デスラーが12時間後に地球に到着する。」
その発言を聞き、五人の顔は驚愕した。
ザルダ「なん…ですって!?」
ティラミス「まさか…予想されていた襲来時期は二年後だったはずでは?」
プリン「我々の予想以上にデスラーは実行力を持っていたということだ。
そこで、急ではあるがメガネッシュの『グラスパワー』を発動させる」
重々しい口調で話すプリン。それがどんなに危険なことかは、彼自身が一番よく
知っているからだ。
カステラ「メガネッシュ…『ナイトメアチルドレン』の一人か。だが急に『グラスパワー』を
発動させるのは危険じゃろう?計画では段階を経て一年で目覚めさせる
はずじゃったが」
プリン「カステラ翁、もう時間がない。地球人類でデスラーに対抗できるのは
『ナイトメアチルドレン』、そして『ウェポン』の力だけなのだ…。しかし
『ウェポン』は我々オカシーズが一種類だけ所持しているが、残りの三種類
は『マグマウェポン』以外所在すら不明だ。あれは四種揃わないと意味がない。」
クラフティ「…ということは、頼みの綱はメガネッシュだけということだな」
プリン「あぁ、そういうことになる」
260 :
ほんわか名無しさん:03/10/13 01:11
プリン「そこで…だ、君たちにはメガネッシュの身柄確保を最優先事項として行ってもらう。
彼は今田代ビルにいるという情報が入った。おそらく田代財閥の『ミニにタコ』
という武装集団が邪魔をするだろう。10時間以内に彼らを殲滅しつつメガネッシュを
捕えてもらいたい」
ザルダ「ヒュウ、久々にやりがいのありそうな仕事じゃない」
楽しそうにザルダ両手を伸ばし、今すぐにでも戦闘をしたいという顔つきになった。
プリン「ほかの十三狼士には『ウェポン』捜索の任をあたってもらっている。
では、健闘を祈る。全ては地球のために。」
会議室を出て行く五人。残ったプリンは、両手のひじをつき、祈るようなかっこうで
一言つぶやいた。
プリン「人類にもはや逃げ道無し、だ…。
デスラーめ…!」
つづく
しかし、無残にもその五人は会議室を出た途端死体と化した。
トム「手荒なことはしたくなかったのだがな。『グラスパワー』は発動して欲しくなんでねぇ。
しかし、プリンというのも役に立つな。まぁよくもそんなにベラベラと秘密を漏らせるもんだ。
それは置いといて、デスラーと言えば確か昔田代の実験個体だったな。まぁ問題はないだろう…。
いや、彼の実験データは急成長を行うと言うものだったような…。」
一応田代に報告するか。」
262 :
ほんわか名無しさん:03/10/13 12:31
デスラーが地球に接近し、オカシーズ本部で幹部五人が抹殺される事件が起こった頃、
メガネッシュは田代との面会が終わり、応接室にいるタモリとキバヤシのところへ向かった。
タモリ「どうでしたか、首尾は」
メガネッシュ「田代さんは全面的に協力してくれるようだ。本当にありがたい。
これで俺たちにも強力なバックができた。パッショーネやジェリーにも対抗できるかも知れん」
キバヤシ(メガネッシュ社長は田代氏を完全に信用しているな…。そしておそらく世界政府、いや
オカシーズがこの事件に絡んでいるとは知らないはず。事態は急速に複雑化してきている)
物憂げな横顔を見せたキバヤシをタモリは見逃さなかったがそれはあえて無視した。
タモリ「さて…これからどうします?今のところ刺客が襲ってくる様子もないですが」
メガネッシュ「この田代ビルのセキュリティのおかげだよ。蝿一匹の動きも感知できるそうだ。
人間が入れる場所ではないよ。いかな暗殺者といえども」
キバヤシ「そうですね、ウェポン捜索は田代氏に任せ、私たちはここで待機というのも…」
トントンと、三人のいる応接室の扉を叩く音がした。
メガネッシュ「ん?お茶でも運んできてくれたのかな?」
タモリ「あぁ、私が出ますよ」
タモリが扉を開けるためにノブに手を伸ばしたが、やはりそれはただの給仕ではなかった。
つづく
ドアを開けると、そこには一匹のネズミがいた。
タモリ「ネズミがいます…。」
メガネッシュ「えっ?」
メガネッシュはドアに近づいた。
メガネッシュ「何だ?このネズミは。」
ジェリー「ジェリーだよ。ジェリー。」
メガネッシュ「ジェリー?ジェリーは禿だったし人間だったぞ?」
ジェリー「あれは乗り込み式の戦闘機だったんだよ。トムに破壊されてねぇ。」
メガネッシュ「えっ!?トムは生きているのか?」
ジェリー「あぁ。してやられたよ。」
メガネッシュ「で、なんでおまえがここにいるんだ?」
ジェリー「田代に呼ばれたんだよ。
どうやら彼の昔の実験個体が脳、体ともに成長し、軍隊をつくり地球を攻撃してくるそうだ。」
メガネッシュ「えっ?そんなの嘘に決まってるじゃないか。」
ジェリー「いや。僕の研究所の展望台からも空を見たけど、なんか巨大なものが地球の近くにあるんだ。
月でも太陽でもないものがね。
もし田代の言ったことが本当なら、あのスケールのでかさから、地球の滅亡はほぼ確実だ。」
メガネッシュはジェリーの言葉が信じられなかった、いや、信じたくなかった。
キバヤシ「でもそれなら何故あなたが呼ばれる必要が…。」
ジェリー「さぁ。田代が言うには僕の科学力がなければならないらしいけど…。
僕が思うに世界政府の抹消、そしてメガネッシュ氏のグラ、おっと危ない!」
メガネッシュ「俺の何だ?」
ジェリー「いや、何でもないですよ。」
ジェリーはいやに汗をかいていた…。
264 :
ほんわか名無しさん:03/10/13 13:18
ジェリー「と、とにかく、ぼくは田代のところへ行ってくるから。じゃあね。」
扉を閉め、動揺したまま去っていったジェリー。一体なんだったのだろうか?信じられない話だったが、
まさか田代氏が…。
キバヤシ「社長。」
うつむいて考えているところを遮るようにキバヤシが声をかけてきた。
キバヤシ「さっきの話が本当なら田代氏はやはり世界の裏世界にも手をのばしていたということです。
田代財閥は人体実験やNASAと共同で秘密裏に宇宙開発を行っていた、という噂がありましたが
もしその話が本当ならさっきの話は納得できます」
メガネッシュ「しかし、急に…。そんなことが…。」
メガネッシュは混乱していた。そんな突拍子もないことが、信用できるだろうか。いやむしろ、
田代氏だけは自分に裏を作らないでいる、と思っていた。信じていた。
タモリ「ともかく、このビルから出ましょう。警察以上に安全だと思っていたが、どうやら
世界で一番キナ臭い場所のようだ」
つづく
そのころ田代の社長室に小さな客が呼び込まれた。
田代「やぁジェリー、ようこそ。まぁ座りたまえ。」
ジェリー「何の真似だ、田代。お前がトムに『波平』を破壊させたのは分かってるんだ。」
田代「すまないね、親父型戦闘機『波平』があっては大人しく私と話をしてくれないと思ってね。それにしてもよく来てくれた。」
ジェリー「当たり前だ。最近の世界政府の動き、地球に接近している巨大質量・・・デスラーが来るんだろう?」
田代「ご名答。」
田代は余裕の笑顔でジェリーに拍手を送った。
田代「率直に言うが・・・デスラー退治に手を貸して欲しい。」
ジェリー「嫌なこった!自業自得だろう。自分の失敗した実験個体を宇宙に飛ばしちまうなんて。」
田代「当時の先端科学を用いても奴を宇宙に捨てるしか方法がなかったのだ。君は私に恩があるはずだぞ?
君をその素晴らしい頭脳にしてやったのは私だ。」
つづく
ジェリー「その代償がこのザマだ!俺の体はちっぽけなネズミになっちまった。あの人体実験は全て失敗だったんだ!」
田代「いや成功例もあった。『ナイトメアチルドレン』はその最たる例だ。」
ジェリー「でも逃がしちまったんだろう?数体創られたチルドレンのうち確認されているのはメガネッシュだけだとは。
他のチルドレンの『パワー』が発動したらどうするつもりだ。デスラーも『ナイトメアチルドレン』も紙一重だ。」
田代「そちらは今も捜索中だ。当時共同で実験していた世界政府科学部と私はチルドレンの力に恐れをなして始末しようとしたんだ。しかしそのとき一人のチルドレンの
『パワー』が発動し、研究所は木っ端微塵・・・。チルドレンの行方は見失い、あの実験は打ち切りになり、世界政府とは険悪になったという訳だ。」
ジェリー「そのとき『パワー』を発動させたのがメガネッシュ・・・」
田代「そのとおり、幼かった奴には記憶にないだろうが。あの『グラスパワー』を持ってすればデスラーの侵攻は防げるし、世界を統治できる。
しかしあの力は危険すぎる。正直、メガネッシュを生かすか殺すか今迷っているのだ・・・」
冷静に話をしていた田代の、本音がのぞいた瞬間だった。
ジェリー「わかった。『グラスパワー』を発動させて地球ごと無くなっちまったら意味無いからな。
時間が無いからとりあえず足止めとして三体の人型兵器をあの宇宙船に向かわせよう。」
つづく
物語が複雑になってきたんでまとめてみます。
◎ メガネッシュ(主人公)グループ…メガネッシュ、タモリ、キバヤシ
野球のために経営してた『メガネッシュカー』を倒産させてしまったので、トロロの脳髄という
元社員三人に命を狙われる。そしてメガネッシュは田代と世界政府が共同実験で生まれた
『ナイトメアチルドレン』の一人であり、地球を消滅させてしまうほどの力『グラスパワー』
の持ち主である。その力を田代、プリンが注目している。
◎ トロロの脳髄…トム、ポール、マーク
『メガネッシュカー』元社員。ポールは『ジェリー』を、トムとポールは『ゴースト』を雇いメガネッシュ
に刺客を放った。ポールは改心したが殺されたと思っていたトムは生きていて、田代に繋がり
を持ち、オカシーズ幹部五人を葬ったという裏がありそうな人物だった。マークは未登場。
◎ パッショーネ…ゴースト、ドラえもん、ダチョウ倶楽部とか
ゴースト率いる暗殺組織。トムとマークにメガネッシュ暗殺を依頼されたが、ゴーストはなぜかメガネッシュ
の命を狙わなかった。(契約破棄か、ゴーストの個人による意思?)
◎ SMAP …香取、木村、中井貴一、草薙京、山田ゴロー
元パッショーネの暗殺者。対A級犯罪者暗殺戦略特殊部隊に配属されていた精鋭五人で、
ゴーストの方針についてゆけず脱退する。金のためにメガネッシュやポールをねらった。
◎ ジェリー
裏の世界では『ゴースト』と肩を並べる暗殺者とされている。その実態は田代の人体実験の
失敗作で、本体はネズミのような姿。だが恐るべき科学力を持っている有能な科学者。
ウェポンのひとつ『マグマウェポン』を持たせた波平ロボに戦わせていたがトムに破壊された。
◎ ミニにタコ …田代
田代が秘密裏に操っていた組織。人体実験や宇宙開発も行い、さらに戦闘集団も保持している
らしい。今のところ実体は謎。
◎ 世界政府
先進国が世界を統治するために作った組織だが、どうやら裏がありそう。
◎ オカシーズ …プリン、ゼリー、オカシーズ十三狼士。
世界政府の派生組織。デスラーの侵攻を食い止めるためにメガネッシュの『グラスパワー』を使おうと
するが『グラスパワー』の発動を危惧する田代と対立している(?)。幹部である十三浪士の内
ティラミス、カステラ、パォン・デ・ロー、クラフティ、ザルダはトムに殺害されたので、戦力が激減
した模様。
訂正や追加があれば言ってください
トロロの脳髄について・・・
>トムとポールは『ゴースト』を雇い
→トムとマークは『ゴースト』を雇い
SMAPについて・・・
>金のためにメガネッシュやポールをねらった。
→ポールは「金目当て」、メガネッシュは「金+ダチョウ倶楽部とドラえもんのカタキ討ち」で狙った。
ここは田代ビルの研究室
田代「限られた材料しかなかったが、早かったな。」
ジェリー「新型『波平U(無人型)』、新型『波平V(無人型)』、そして人型コンピュータウイルス『TARA』を発射した。
宇宙船への到着予定時間は一時間後だ。」
田代「短時間でこれだけのものを作り出すとは・・・本当に素晴らしい頭脳だ。」
ジェリー「・・・。現在宇宙船の地球到着時間は残り十時間ほどだが、これらの兵器が上手く作動すれば
二十日ほど遅らせることができる。」
田代「二十日か・・・ギリギリだな。」
ジェリー「しかしこれは足止めに過ぎないぞ。『グラスパワー』を使わずに奴らを倒せるのか?」
田代「『グラスパワー』は発動させることになるだろう。ただしメガネッシュの『ウェポン』が見つかったらの話だが。」
ジェリー「?どういうことだ?」
田代「世界政府はメガネッシュの『パワー』だけでデスラ−と戦うつもりだろうが、『グラスウェポン』が無ければあの力は制御できずに
恐ろしい結果になるだろう。奴らは『ナイトメアチルドレン』の真相を知らないのだ。
・・・あの頃、私は『ウェポン』についての資料を読み漁っていた。」
腕を組み、窓の外を眺めながら田代は昔話を始めた。
つづく
田代「私は、当時発見されていた『マグマウェポン』のエネルギーパターンを解析し、それから残りの『ウェポン』のパターンを推測して
それをベースに『ナイトメアチルドレン』を造り上げた。」
ジェリー「じゃあメガネッシュは・・・」
田代「そう、『ナイトメアチルドレン』は『ウェポン』の申し子なのだよ。」
つづく
272 :
ほんわか名無しさん:03/10/15 08:39
田代「エネルギーパターンを解析し、さらにマグマウェポンの力を抽出した。
あれはすごい兵器だよ、無尽蔵とも思えるようなエネルギーを内蔵していた」
ジェリー「『グラスウェポン』というのは?」
田代「…『ウェポン』の中でもとりわけ形状が特殊な部類に属する。なにせアレは…」
バババババ…
突然空からヘリが舞い降り、窓を眺めていた田代の目の前に現れた。
ジェリー「田代ッ、中に入れッ!敵かもしれないッ!」
だが、田代はヘリの中に入っている人物に見覚えがあるようだった。
田代「お前は…」
つづく
ヘリの中から顔が白いちょんまげをした奴が出てきた。
「殿様の、おな〜〜りぃ〜〜〜」
274 :
ほんわか名無しさん:03/10/15 21:02
そのころ
「いよいよだ。われらの悲願がついに達せられるときがきた。」
ブリッジから地球を眺めるデスラーがつぶやく。
「総統。総攻撃の前にあれの使用の許可を求めたいのですが」
「ガミラスか…」
デスラーが答える。
「ガミラス。あれはだめだ。せっかく地球を占領しても使い物にならなくなる恐れがある」
一瞬ガミラスが顔をゆがめる。
しかし何事もなかったように平然と答えた。
「さようでございますな」
だが、デスラーはガミラスの一瞬の表情の変化を見逃さなかった。
(ガミラスか…。油断のできないやつだ。)
地球総攻撃2時間前の出来事であった。
しかし彼らはまだ気付いていなかった。宇宙船の外壁に密着したステルス式人型コンピュータウイルス『TARA』が
静かに侵入、攻撃を始めていたのだ。
「総統、宇宙船の軌道がずれています!故障でしょうか?」
デスラー「そんなはずはない、計算しなおせ。」
『TARA』は宇宙船の軌道プログラムを書き換えた。
キュィーンゥィーンゥィーーン・・・・・・ゴォォーーッ!!
「総統、宇宙船が逆方向に向けて最大出力で進行し始めました!」
デスラー「(・・・地球の奴らに勘付かれたか?)原因を早急に調査せよ。」
「はっ!」
つづく
突然ヘリから現れた人物に危険を察知し、ジェリーは素早く作っておいた『波平T(有人型)』に乗り込んだ。
「田代博士、お久しぶりです。」
田代「これはこれは、パフェ博士。あなたが直々においでになるとは。」
パフェ「いや、もう博士ではないんですよ。あの事件以来科学部を飛ばされて今は警察部にいるんです。」
田代「そうですか。それにしても何の御用ですか?」
パフェ「あなたもご存知のことと思うが・・・先ほど世界政府警察部の会議室近辺において我々オカシーズ十三浪士のうち五人が殺害されました。
犯人はトムです。所持していた『マグマウェポン』による犯行でした。・・・これはあなたの命令ですか?返答次第ではただでは済みませんよ?」
田代「・・・すみません、私の部下が出過ぎた行為をしてしまったようです。賠償金のお話は後ほどゆっくり。」
パフェ「・・・まぁいいでしょう。ここへ来たのはそれだけではありません。あなたに世界政府警察部に来て頂きたい。」
田代「どういうことでしょうか?」
パフェ「ご存知のとおり、デスラーが地球に侵攻してきます。これを防ぐには『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』の力が必要です。しかし警察部は
これらについてよく理解していません。そこでチルドレンの製作者である田代博士に『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』の関係について、
解説して頂きたいのです。そのうえで今後の対処を決めていきます」
田代「つまり、世界政府警察部と田代財閥の共同でデスラーを倒したいということですね。」
パフェ「はい。もう時間が無いのです。」
ジェリー「時間なら少し延びたぜ。俺の兵器が足止め作戦実行中だ。」
そこまで話を聞いていたジェリーが口をはさんだ。
パフェ「ジェリー博士、ウワサは聞いています。あなたにも協力願いたい。」
つづく
277 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 02:16
田代「……以上が『ウェポン』及び『ナイトメアチルドレン』の説明です。」
パフェ「フム…。」
田代はこのオカシーズの使者、パフェ博士に自分の研究について説明した。トムが
オカシーズの幹部クラス、オカシーズ十三狼士を殺害してしまったツケとしてである。
後々のことも考え、今世界政府と全面的に争うのは何としても避けたかった。
ジェリー「俺の兵器が無事デスラーの宇宙船に取り付いた。これで計算上486時間、
つまり少なくとも二十日間は奴らの侵攻を遅らすことができる」
以前波平Tに入り警戒しながらも、ジェリーはパフェと田代との三つ巴の会談に参加
していた。野心と策謀が渦巻く泥沼の智略戦である。
パフェ(…今田代が話したことが『ナイトメアウェポン』のすべてではないだろうが、おそらく
本当の話だろうな…。十三狼士の件だけでこれ以上の情報を引き出すのは難しいかも
しれんな)
彼の仲間である十三狼士の死も、ここではただの取引材料でしかない。
パフェ「わかりました。では私は本部に戻り今聞いた話を報告し、対策会議を開こうと思います。」
田代「デスラー討伐については田代財閥も全面協力という形で了解します。共に地球の平和を
守りましょう」
パフェ(フン、狸が…。)
田代の見え透いた発言に不快感を覚えながらも、顔に出ないようにそれを飲み込んだ。
パフェ「もちろんです。ところで…ジェリー博士には我がオカシーズに来てもらい、対策会議に
参加してもらいたいのですが」
ジェリー「なに…?」
つづく
278 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 02:31
パフェ「あなたの研究は世界政府の科学部でも注目の的でしたヒューマノイドタイプ戦闘機を
実戦で使えるのは世界でも今のところあなたしかいない。」
ジェリー「そりゃどうも」
パフェ「その頭脳を今回の件で活かしてもらいたい」
ジェリー「……。」
どうする…?波平に乗れば安全は確保できるし、世界政府も現状ではそう簡単に自分を始末
し難いに違いない。世界政府が何を研究しているかのぞくことももしかしたらできるかもしれない。
悪い条件ではないと判断したが、それに割って出た人物がいた。
田代「いや待て、ジェリー。それは駄目だ」
つづく
279 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 03:00
ところでリレー小説真夏の鳥取砂丘殺人事件、本格的すぎて入れないよ・・・
ねるねるねるねを小説中に登場させたい・・・
ヒソカな目標・・・
↑誤爆すまそ・・・
281 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 03:15
寝ようかな、そろそろ
>>269 すいません。うっかりしてました
そう堅苦くなる必要ないと思われます
>>273みたいに二行でもしっかり反映されてますし
そんな雑談がちまたで交わされている頃、田代は自らの会議参加を申し出た。
田代「ジェリーと私はテレビ電話で対策会議に参加します。」
パフェ「・・・仕方ありませんね。では後ほどお電話いたします。」
少し残念そうな顔を浮かべたパフェを乗せて、ヘリは飛び去った。
そして『デスラー地球侵攻対策会議』が始まった。会議室にはオカシーズ総司令官プリン、そしてオカシーズ十三浪士のうち
パフェを含めた五人、計六人が集まっていた。
パフェ「先ほど皆さんにお話したのが『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』に関する概要です。」
プリン「なるほど。それでデスラーの侵攻に対する田代氏の見解はどうなのかね?」
会議室の巨大なモニターに田代とジェリーの顔が映し出された。
田代「今回の侵攻に対抗するには『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』の両方が必要です。」
プリン「ではメガネッシュに『マグマウェポン』を持たせれば良いのか?」
田代「いいえ。『ナイトメアチルドレン』はそれぞれ四つの『ウェポン』に対応するように設計されています。
メガネッシュに対応するのは『グラスウェポン』という未発見の『ウェポン』です。現在私の組織で捜索中です。」
つづく
そこに神経質そうな顔をした十三浪士の一人が口をはさんだ。
ワッフル「『ウェポン』の捜索は警察部でも行っているが・・・非常に困難を極めているんだ。」
ジェリー「そこで私が『ウェポンレーダー』を製作します。地球上の高エネルギー物質に反応するレーダーです。」
パフェ「さすがジェリー博士。それでは『グラスウェポン』を見つけ次第、第二回対策会議を行うということで
よろしいでしょうか。」
「ひとつ質問なんだけど?」
会議室に凛とした女性の声が響いた。
エクレア「他の『チルドレン』を捜索するのはダメなの?例えば『マグマウェポン』に対応するチルドレンを。」
田代「・・・。メガネッシュ以外のチルドレンは生死さえ未確認です。共同研究所の大破によって死亡した可能性もあります。」
エクレア「そう・・・。」
何かを隠しているような田代を見透かすようにエクレアは微笑んだ。
つづく
285 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 06:49
そのころ
地球に背を向け逆送を続ける旗艦デスラート
デスラー「ムム。地球人に感づかれたか。」
プープープープ
異常事態を知らせる警報装置がけたたましくなる。
「総統、異常事態です!艦の出力が上昇しつづけとまりません!
このままでは艦が爆発してしまいます。」
プシュウ、デスラートより一隻の救命艇が射出された。
「デスラー、まだおろかなる地球人の仕業かと思ってるのか?
おまえには総統の荷は重過ぎたのだよ。
これからは私が地球侵攻作戦の指揮を取らせてもらう。」
ガミラスであった。
ブリッジより救命艇の姿を見たデスラーはその時悟った。
「ガミラスか。私は外よりもまずは内の敵に目を向けるべきであったな。」
ドカーーン。けたたましい爆発音とともにデスラー軍の旗艦デスラートは
宇宙のチリと消えた。
286 :
ほんわか名無しさん:03/10/16 13:01
危険を感じたメガネッシュたちは田代ビルを抜け出しホンコンの歓楽街にいた。
しかしそこで意外な人物と出会うことになるのである
つづく
「すいません。」
メガネッシュの後方から声が聞こえてきた。
メガネッシュ「ん?俺を呼んでいるんですか?」
メガネッシュは後を振り向いた。
しかし、そこには明らかにダメな親父がいた!!
メガネッシュ「うわっ!変な奴!!」
?「変?変っていいましたか?そうです、わたすが変なおじさんです。」
メガネッシュ「…、とりあえず…。その変なおじさんが、俺に何の用ですか?」
変なおじさん「いやぁ、わたすさっき田代ビルの上でヘリから降りて田代に会おうとしたんですけどね、
ビルからおっこっちゃたんですよ。はい。」
メガネッシュ「…、なんで俺に田代のことを…。」
変なおじさん「いやぁ、あんさん、わたすが予想すたところ田代とは仲が良いみたいなんですよね。」
メガネッシュ「…(この鋭い感(?)、ビルから落ちても平気なところ、ただ者ではないな…)」
対策会議を終えた二人はデスラー達の異常に気付いた。
ジェリー「あれ?デスラーの宇宙船の反応が消えたぞ。」
田代「君の人型兵器が破壊したのか?」
ジェリー「いや、そんなはずはない。作戦では『TARA』が発見された場合のみ波平が攻撃をするようにしてある。
それに『波平U、V』はそれほどの力は備えていない・・・」
田代「何が起こったんだ?」
ジェリー「さぁ・・・とにかく地球到着時間は大幅に遅れそうだ。」
田代「・・・どちらにしろ好都合だ。それより『ウェポンレーダー』は出来たのか?」
ジェリー「ああ、完成した。これを見ろ。」
つづく
ジェリーは光を放つボールのような球状のレーダーを抱え上げた。
田代「変わった形だな。」
ジェリー「これは地球を表しているんだ。」
田代「いくつか光っているポイントがあるが。」
ジェリー「これが『ウェポン』の位置を表しているんだ。例えばこのポイントは
・・・あれ、香港だ。近いな、トムの『マグマウェポン』だろうか・・・」
田代「よし、早速『ミニにタコ』を向かわせよう。」
「田代様、メガネッシュ達が脱走しました!!」
田代「ちっ、奴が世界政府の手に渡ると厄介だ。早く連れ戻せ!穏便にな。」
つづく
290 :
ほんわか名無しさん:03/10/17 18:07
変なおじさん「いやぁ、わたすは田代とは旧知の仲なんですよ。
彼に会いたいのであなたの案内で通してくれませんか?」
メガネッシュ「そ、そんな急に頼まれても…」
もちろん今戻るわけにはいかない。田代が不穏な動きをしていると知った以上、あの人の
手の中にいるのは危険だ。
ホンコンの歓楽街のごったがえす人通りの中でタモリは殺気の視線を感じた。しかも、並の
使い手ではない。まさか――こんな人通りの中で!?
タモリが危惧した通り、魔の手はメガネッシュの背後から迫ってきた。冷たい鉄のナイフがメガネッシュ
めがけて飛んできた。
キバヤシ「伏せろ!」
キバヤシが叫び、人ゴミはキバヤシの方を一斉に向いたがメガネッシュはそれより早く地に伏していた。
ナイフはメガネッシュの頭上を通り抜け通行人の男の左肩に突き刺さった。
「な、なんだこれェはァーーーーーーーー!?」
悲痛な叫び声が歓楽街の中に響き、パニックになる中タモリはナイフが向かってきた先に向かって
走っていた。殺気を感じた方向を向いたとき目の端に入った人物、あごひげの生えた人物を人ゴミ
の中を探した。
いた。ピンク色の装飾がまぶしい店の影に隠れていた。タモリが気づいたことを察し、路地裏に逃げ込む。
タモリ「待てッ!」
袋小路になっていた薄暗い路地裏に追い込んだ刺客は、逃げるのをあきらめてタモリと対峙すること
を決めこんだようで、タモリが追いついたときにはもうタモリの方を向いていた。
タモリ「貴様、誰だッ!?」
「フフフ…私はオカシーズ十三狼士ワッフルの部下の一人だ。
名前は…」
つづく
田代「そして、もう一箇所ここに近い日本にあるな…。大体鳥取あたりだろう…。
鳥取に行くか。ジェリー来てくれるか?」
ジェリー「しょうがねーな。行くか。」
田代「一応こいつも連れて行こうと思う。来い、ミッキー。」
ミッキー「やぁ、僕ミッキー。みんなよろしくね。」
ジェリー「…こいつは誰だ?」
田代「ミッキー。実はこいつは…、おっと。ここの辺りに隠しカメラなどはないか?」
ジェリー「ちょっと待ってくれ。」
ジェリーが鞄の中を漁りはじめた…。
ジェリー「よし、あった機械察知レーダーだ。これは半径10b以内の機械を察知し、その名称、効果等が画面に映る。どれ。」
周りが赤く包まれた。
ジェリー「よし、カメラ系統はないな。大丈夫だ。それで何だ?」
田代「実はこいつは、ナイトメアチルドレンだ。」
ジェリー「えっ!?それじゃあこいつを使えば…」
田代「ダメだ。こいつの力は『ダークスマイル』と言う途轍もない力が秘められていて、
こいつに合う『ウェポン』はない。こいつには『フドー』が無ければ力を開花させられん。」
ジェリー「フドー?」
田代「どうだ。言うならば、伝説の食べ物だ。こいつは『黄金猫のタン塩』が力を開くための『フドー』だ。」
ジェリー「黄金猫?」
田代「世界に1匹しかいないと言われている猫だ。見た目は黒猫と一緒だが、
これまた世界に一匹しかいないと言われる『黄金ネズミ』をすり潰した青汁を飲ませると金色になるらしい。
この黄金ネズミは金色だが大きさがダニ並に小さいらしいな。」
ジェリー「ふぅん。それじゃあミッキーの力を二十日などと言う短期間で発揮させるのは困難だな。
取り敢えず鳥取に向おう。」
田代「うむ。」
田代達は田代ビルを後にした…。
香港から鳥取に向かう道すがら、周囲に気を配りながら二人は話を進めた。
ジェリー「それにしても・・・ナイトメアチルドレンには『ウェポン』に対応するように
設計されているんじゃないのか?」
田代「ここからは世界政府には話してないことだが・・・ミッキーは『ナイトメアチルドレン』の完成の
数日後に造った『ウェポン』に対応しない型のチルドレン、『ネオナイトメアチルドレン』だ。」
ジェリー「!!!」
田代「世界政府と手を組むことになった以上メガネッシュの『グラスパワー』の開花は時間の問題。
デスラーの侵攻は我々の壮大なシナリオを早めることになったわけだ。」
ジェリー「シナリオ?・・・さしさわりのない所まで詳しく話してくれないか。」
つづく
ミッキーは後ろの座席でぐっすり眠っている。
田代「君は完全に味方というわけではないからな。正式に『ミニにタコ』に入ってくれないか?」
ジェリー「・・・考えておく。それで?それは世界政府も知っているのか?」
田代「チルドレンの存在は世界政府にも知られている。共同研究だったからな。
しかしネオチルドレンは私が単独で製作したものだ。」
ジェリー「なるほど。世界政府も知らない秘密兵器ってことか。しかし何のために?」
田代「チルドレンは研究過程のプロトタイプだったが、ネオチルドレンの存在意義は・・・
まぁ君に話せるのはここまでだ。」
ジェリー「それを使って世界征服しようってのか。」
田代「・・・そろそろ鳥取に着くな。」
三人を乗せたヘリはゆっくりと鳥取砂丘に舞い降りた。
つづく
295 :
ほんわか名無しさん:03/10/18 08:19
そのころ
突如旗艦デスラートが暴走。そして爆発した事により
艦隊は一瞬、混乱を見せたがすぐに落ち着きを取り戻した。
さすがはいくつもの星々進攻、制圧してきたデラ星先遣艦隊である。
「総統の船が消えた。状況がわかるまで、そのまま待機しろ」
とある巡洋艦長がくだした命令である。
おそらく各艦で同じような命令がだされていたのだろう。
司令塔を失ってもなお艦隊の布陣に一糸の乱れもなかった。
そしてガミラスを乗せた救命艇が艦隊に到着した。
296 :
ほんわか名無しさん:03/10/18 08:29
全艦に館内放送が流れた。
ガミラスの声である。
「諸君!総統は卑劣なる地球人の手によって
壮絶なる戦死を遂げた。」
「この戦いは単なる惑星進攻作戦ではない。総統の弔い合戦
でもある。」
「デラ星先遣艦隊法にのっとり今後は私が艦隊の指揮を取る。
皆の者、私に力を貸してくれ!
総統の仇を討たせてくれ!
そして、愚劣なる地球人に裁きの鉄槌を落とすのだ。」
オー!
宇宙空間が振るえるほどのシュプレヒコールがおこった。
そして新生デラ星先遣艦隊の誕生した。
297 :
ほんわか名無しさん:03/10/18 12:31
ガミラスもデスラーと同じく実験個体である。
ただし田代ではなくデスラーが生み出した、言わばデスラーの分身だ。
十五年前田代の失敗作として太陽系からわずかに離れた惑星、デラ星に追放された。
デスラーにとって幸運だったのはその惑星が鉱石に恵まれていたということであった。そして
彼は持ち前の頭脳で自らのクローンを精製し、十五年の月日をかけ無人惑星に一大帝国を
築き上げた。
ガミラスは初期に作り上げられたクローンである。デスラーのクローン技術は年を経るごとに
よって完成していき、自らの最終目標である「完璧にコントロールできる知的生命体」を産み出す
に至った。だが初期のころは技術が不完全で、独自の意思をもったクローンが生み出されていた。
ガミラスは野心を秘めていた。いつか自分がデラ星を支配し、デスラーが宣言していた地球侵攻
を自らの手で成そうと。
ガミラスは今、デラ星先遣艦隊の指揮官である。デスラーを謀殺し一つ目の野望はかなった。
今度はあの青く美しい星地球を、我が物にすべくその目は二つ目の野望の炎に燃えていた。
つづく
298 :
ほんわか名無しさん:03/10/18 15:20
悲哀の鳥取砂丘。
そこにジェリーと田代とミッキーは舞い降りた。
ジェリー「いったいここに何の用があるというんだ」
田代「…ここにはあるモノが埋まっている。それは私にとってとても大切なものだ」
つづく
田代「ここに木が生えているはずだ…、あった。」
ジェリー「それで?」
田代「これを引っこ抜けば…、ほら、下に階段が付いている。
降りよう。」
ジェリー「OK」
二人は階段を降りて行った…。
そこには砂にまみれた、しかしはっきりと純金でかかれた記号のようなものがあった。
ジェリー「これは何だ?」
田代「私もそれで困っているのだ。この暗号が解読できなくてな。
おそらくここにウェポンが一つ眠っていると考えられるのだがな…。」
ジェリー「う〜ん、この暗号、どこかで見たことあるぞ?」
田代「本当か。」
ジェリー「多分な…、あ、そうか!これは確か『歌丸』と言う奴の著書に載っていた暗号だ。
大体はわかるだろう。」
田代「歌丸だと!?あいつはメガネッシュの野球選手時代の師匠だったぞ!?」
ジェリー「そうなのか。野球もできて、暗号もできるとは…、ちょっとすごいかもな。
それは置いておいてこの暗号を解読していくと…、
『ぼくちゃんは誰だっけ?取り敢えずよろしく。
これから各ドアの前にある、ハイパーデラックス難しいクイズに答えていってね。
すると、先に進めていっちゃうよ。
ちなみに制限時間なんてないから各ドアの前でクイズにのんびり答えていってね。』…」
田代「小学生じゃないのか?この暗号を書いた奴は。」
ジェリー「まだ続きがあるぞ。
『第一問、上は大滝、下は大火事これなんだ?』」
田代「…風呂。」
天から声が聞こえてきた。
「残念!!もうちょっとひねってあるよ。ぼくちゃんの問題はハイパー難しいんだから。」
田代「この野郎。ふざけやがって。しかし風呂じゃないとなれば何がある?」
ジェリー「何も、ないかもしれない…、あっ!"お"風呂!!」
またしても声が聞こえてきた。
「残念!!もうちょっと…」
さっきと同じ言葉である。
田代「腹立たしい!!」
ジェリー「まぁそう怒るなよ。まだ答えはあるはずだ。」
そう言った瞬間、ミッキーが一声をあげた。
ミッキー「滝の下でやるキャンプファイヤー!!」
ジェリー「そんなベタな答えのはずが・・・」
「ピンポーン!」
ゴォ―――――
古びた石造りのドアが大きな音を立てて開いた。
田代「・・・凝った問題だな。」
ジェリー「どこが・・・!」
「先に進んでいいよ。」
ドアの向こうには長い廊下が続いていた。
ジェリー「それにしてもこいつ変わってるな。」
歩きながらジェリーの視線はミッキーに向かっていた。
田代「ああ、多少な。『チルドレン』は人間ベースだが『ネオチルドレン』は動物ベースだからな。」
ジェリー「でも何故動物ベースにする必要があったんだ?」
田代「基本的に『チルドレン』はパワーの発動はウェポンなしでも起こりえる。昔、メガネッシュが共同研究所を吹き飛ばしたように・・・
その代わりチルドレンは通常状態では常人と同じだ。
『ネオチルドレン』は通常状態でも戦闘能力を高くするために動物を使ったのだ。その代わりパワーは『フドー』無しでは発動しない。」
ジェリー「・・・(戦闘能力を高めてあるということは、やはりネオチルドレンは・・・)」
田代「よし、次のドアが見えてきたぞ。」
つづく
一方、世界政府会議室では「田代財閥対策会議」が開かれていた。
パフェ「田代氏とジェリー博士は『ウェポンレーダー』の反応があった鳥取に向かったそうです。」
プリン「そうか、ということは今田代ビルは主がいないんだな。」
パフェ「そうです。この間にメガネッシュを世界政府側に連れて来ましょう。一応協力しあうことになったとはいえ
田代財閥がこれ以上力をつけては危険です。デスラーを倒したあと『チルドレン』と『ウェポン』で世界
政府を襲撃する可能性があります。」
プリン「うむ。おそらく『グラスウェポン』を先に発見するのはレーダーを持っている田代財閥だろう。」
エクレア「・・・『グラスウェポン』とメガネッシュの両方が田代側にあればこっちが危険、ということね。」
エクレアは脚を組みかえながらつぶやいた。
ワッフル「私の部下がメガネッシュ奪取のため香港に行きました。あいつは血の気が多いのでやり過ぎなければいいのですが・・・」
机の上で手を組んでいたワッフルが不敵に笑った。
つづく
パフェ「何!?勝手な真似を。メガネッシュの捕獲には私の部下を香港に置いて来たというのに!」
ワッフル「志村、志村モーケンか?あいつは当てにならんからな。俺の部下に任せておけ!」
そこで総司令官が机を二回叩いた。
プリン「静粛に、会議中だぞ。」
パフェ・ワッフル「・・・失礼しました。」
エクレア「・・・ただでさえ今オカシーズは五人減って戦力不足だっていうのに仲間割れしないでくれる?
とにかく今後はメガネッシュを警察部が確保。『グラスウェポン』を田代財閥が発見。その後
警察部、田代財閥両者立会いのもとで『グラスパワー』を発動してデスラーを倒す・・・これでいいわね?」
プリン「そうだな。その後のことは次回で議論するとしよう。」
ワッフル「それにしても残りの三浪士はどこに行ってるんだ?こんな時に・・・」
パフェ「彼らには極秘任務についてもらっている。詳しくは次の会議でな。」
つづく
304 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 06:47
そのころ
ガミラスの新司令官着任によって艦隊の士気は絶好調に達していた。
旗艦デスラートを失ったものの、地球へ総攻撃をかけるべく再度、艦隊を
立て直していた。
「こうして我らが艦隊の再編成をしている間にも地球人共は着々と
力をつけている。シャベルナ、まずは挨拶代わりにあれを1発投入しろ!」
ガミラスが子飼いの参謀シャベルナに命じた。
「あれですか。あれを使うとその後の後始末が大変かと…」
冷や汗を流したシャベルナが答える。しかし、ガミラスはその様子を見て
一喝するようにいった。
「後のことは考えなくて良い!まずは目の前の事だけに集中しろ!
目標は、目標はそうあのちっぽけな島国にある鳥取砂丘が良かろう。
直ちに宇宙生物ねるねるねるねを投入させろ」
ハハ、すっかり萎縮したシャベルナが答えた。
305 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 06:57
宇宙生物ねるねるねるね
デスラーが自らのクローンを生成する際に偶然作成された不定形生物。
振れるものすべてを溶かし自らの体内に取りこんでしまう。
分裂によって繁殖し、その繁殖力はすさまじいものがある。
不定形であるが故に弱点はなく一度活動を始めると全てのものを飲みこむまで
止まらない。
とある惑星進攻作戦で使用された際は1時間後に惑星の表面がねるねるねるねで覆われ
2時間後には惑星そのものが消滅したという。
先遣艦隊ではねるねるねるねを不完全なままカプセル爆弾に閉じこめ、
その爆発の際に完全体のねるねるねるねを出現させている。
306 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 06:58
そして、
カプセル爆弾が発射された。
307 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 11:57
歓楽街の裏通りというところは表通りの華やかさとうってかわってうらさびれた場所である。
寒さと容赦なく吹き付け、放棄されたゴミやドラッグや捨てられた娼婦やひっきりなしの掃き溜め。
タモリはそんな袋小路でオカシーズの刺客と立ち会っていた。
「フフフ…私の名前はオタベ。オカシーズ十三狼士ワッフル率いる特戦部隊が一人よ」
タモリ「オカシーズ…?一体どういうことだ!?」
オタベ「お前は何も知らなくてよい。死ぬ前に死ぬがいいやりゃァァァァァァァィァァィァー!」
雄叫びと共にオタベの回し蹴りが襲い掛かる。おそらくオカシーズ戦闘員だけに仕込まれる
独特なファイティングスタイルなのだろう、オタベはまず接近戦を仕掛けてきた。
だが接近戦なら中国拳法をルーツとするタモリのヅラ百道も負けはしない。紙一重でオタベの
蹴りをかわし、続く左の蹴りも面食らったもののすんでのところでかわした。タモリはこのまま
オタベの呼吸で戦っては不利だと判断し、すばやくステップバックしいったん間合いを外した。
タモリ「なかなかやるじゃないか」
そう言ったタモリからは笑みがこぼれていた。こういう時に言うのもなんだが、タモリは心の底
にある戦闘を楽しみたいという欲求は否定できなかった。一手一手が自分を成長させる。
タモリは、この戦いをヅラ百道を使わずに接近戦のみで戦うことにした。
次は大ぶりだったオタベの上蹴りをしゃがんでかわし、すかさず反撃の掌底をオタベのアゴに
叩き込んだ、少しフラついたオタベのボディーに右、左、右と拳を叩き込む。
オタベ「グハッ!」
今こそ勝機だ!とたたみかけようとしたタモリだったが、オタベの予想外の行動によってはばまれた。
常人ならさっきの攻撃で数秒、少なくとも一瞬は意識は飛んだはずだが、オカシーズに名を轟かす
特戦部隊のこの男には物足りなかったらしい。アゴを引き、今度はタモリよりも早いパンチでちょうど
カウンターの形になり、タモリの頬に重たい鉄球のような一撃がお見舞いされた。タモリの下半身は
その衝撃に耐えられず、タモリの体は袋小路の壁まで吹き飛んだ。
つづく
308 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 12:12
壁に打ち付けられたタモリはダメージとともになぜかそのとき裏通りの寒さを感じた。口の端から
血が地面に向かって流れた。首が下を向いていたタモリは自分の血が地面に落ちるのを確認
できた。
タモリ(な、なんて重いパンチだ)
こんな重いパンチを放つ強敵の顔を首を上げ確認しようとすると、
その相手はもうこっちに向かって近づきつつあった。
つづく
そのころSMAPは通常の一日が一年に相当するという『精神と時と部屋とYシャツと私』の部屋で修行していた。
香取「ここでさらに特殊能力を磨くんだ。」
木村「おう、俺たちには新しい能力が目覚め始めているからな。」
草薙「それにしてもメガネッシュたちはどうしてるんだろうな。」
ゴロー「外部からの報告によると、現在地球に巨大な物体が接近しているそうです。それに対抗するために世界政府と
田代財閥が手を組んだそうです。」
中井「あ、あの田代財閥か!?」
ゴロー「そうです。地球の危機・・・といったところでしょうか。」
つづく
香取「で?それとメガネッシュとどう関係あるんだ?」
ゴロー「はい、世界政府と田代財閥はメガネッシュの力を必要としています。」
木村「メガネッシュなら阻止できるというのか?」
ゴロー「十五年ほど前の『世界政府科学部・田代財閥共同研究所』の爆破事件が関与しているようですね。」
草薙「俺たちがガキの頃の話か。世界政府の公式報告ではテロ事件ということだったが・・・」
香取「『ナイトメアチルドレン』・・・」
香取の一言に場の空気が止まった。
ゴロー「・・・知ってましたか。」
香取「メガネッシュがその一人だというのか。」
ゴロー「おそらくね。」
中井「こりゃオチオチしてられないぞ。」
香取「早く能力を完成させて俺たちも行くぞ!」
つづく
311 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 17:01
しかしSMAPの修行している『精神と時と部屋とYシャツと私』にオカシーズ十三狼士No.2
と言われるその男が近づいているとはタバコ屋のトキさんは知らなかった、、、
そのころ鳥取砂丘では、田代一同が扉を次々と開いていっていた。
ジェリー「それにしてもミッキーはなんでこんなずるい様な問題の答えがわかるんだ?」
田代「ミッキーの特殊能力、とでも言うべきか。俺も製作当初では予想外の直観能力がどうやらこいつには備わってるらしいんだ。」
ジェリー「へ〜。」
ミッキー「早く先に進もうよ。」
ジェリー「はいはい。」
しかし、次の瞬間ミッキーは後からピンクの物体が迫ってきているのに気付いた。
ミッキー「うわーすごいなぁー。」
田代「どうかしたか…、なんだ、これは!!」
ジェリー「…、このピンク色…、おそらくねるねるねるねだろう。」
田代「それは何だ?」
ジェリー「説明してる余裕はない。一つ言えることは、なんとかしなきゃ俺たちはこいつに飲み込まれて死ぬということだ。」
田代「何!?」
ジェリー「幸いにも、瞬間テレポート装置を持ってきたが、一つしかない。」
田代「それで、貴様だけ助かろうと?」
ジェリー「俺だってもとは人間だ。生きたいというのがあたりまえだろう?すまんな、田代。」
田代「貴様…。」
しかし、その喧嘩は一瞬にして終わることとなる。
ミッキー「おいしそう。」
ミッキーはねるねるねるねを一瞬にして食べてしまった。
ジェリー「どうやら全員助かったようだな。」
田代「そのようだな。しかしミッキーのこの能力も、今までは予想していなかったな…。」
ジェリー「新しい実験データがデスラーのおかげでできたじゃないか。」
田代「デスラーのおかげ?」
ジェリー「ねるねるねるねは特殊な物質だ。デスラーのいるあの巨大戦艦からほどの距離でなければ彼らもねるねるねるねの被害を受けることになる。」
このとき、田代一同はデスラーが既に死んでいることを知る由もなかった…。
313 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 17:28
オタベ「こォォォォノクソ味噌野郎がァァァアァァァァアアァーーー!!
よくも殴ってくれたなィィィアァァァァァアアアアアアアー!」
タモリは立ち上がり、オタベの間合いに再び入った。そしてオタベの怒涛の猛内だが炸裂する。
オタベ「ウッシャアアァァィゥゥアぁあー!」
無駄のない無呼吸連打。一発一発が急所狙いであり一撃でも防御をしくじると悶絶は間違いない
だろう。タモリはなんとかすべての攻撃をさばいていた。
タモリ「クッ!」
30秒は続いただろうか。オタベはここでひとつのフェイントを入れた。
タモリ(なッ、顔面じゃないのあァァァァアーーーーーー!?)
オタベ「隙アリ!死ねェェェィイイ!」
鋼鉄の鉄拳がタモリのわき腹をとらえた。ゴキ、と骨が折れる音がし、タモリの顔は苦痛に歪んだ。
だが、タモリは怯まなかった。大足一歩分の距離にいたオタベのアゴにもう一度鋭い蹴りがヒットした。
オタベ「アグゥッ!」
タモリの攻撃は止まらない。ヒジ打ち、裏拳のコンビネーションを決め、オタベの反撃である正拳を
左手でさばき威力を殺したところで右腕全体をつかみ肩に力を入れ投げた。腕をつかまれたまま
宙に舞い上がったオタベはタモリのかけた回転と共に地面に頭から路上に勢いよく叩き込まれた。
つかまれてないほうの片手で受け身をとったので、フィニッシュにはならなかった。
手を離し、距離をとるタモリ。
タモリ「ハァ…ハァッ…!ど、どうだよ大将。まだやるかい?」
これでもう一週間は起きれないぞという感触はあった。が、タモリの期待に反して立ち上がったオタベは
まるでさわやかな朝をむかえたかのように、なにごともなかったように、ケロっとした顔をしていた。
オタベ「坊や。攻撃が軽すぎるぜ。修行が足りねェなァ」
その言葉を聞いてタモリはまた笑ったが、それは楽なものではなく、
恐怖に似た感情から生まれたものだった。
タモリ「化け物め…!」
つづく
オタベ「くらえ!!必殺マラパンチ!!」
オタベのマラが秒ごとに急激に膨張していく。
315 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 17:54
タモリ「なにィッ!?」
バットのように膨れ上がったオタベのマラは毒蛇のように殺気を放っている。
そのバットから繰り出された、伸びるような、鋭い突き。もしタモリがその殺気に危機感を
感じ後ろに退いてなければ上半身はオタベのマラパンチが射抜いていてであろう。
それはまるで大リーグのピッチャーのストレートボールのような、矢の如き一発であった。
もはやヅラ百道に頼るしかない。タモリはヅラを外し、自らの特殊能力を披露しようとした。
タモリ(下はコンクリートだ。ヅラ・サイババーイは使えない。いや、こんな狭いところでは
栽培マン8体くらしか作れないだろう。この狭い路地裏では使える技が限られてくる…)
オタベ「オラオラ、どうしたァ?ビビったか坊や。」
タモリ「なに、これからビビるのはアンタだよ」
オタベは何かするな、と察した。両手を腰につけ、独特な防御姿勢をとった。
バスケットプレイヤーが人差し指一本でクルクルボールを回すように、ヅラを回すタモリ。
と、突然ヅラに炎がついた。暗い路地裏の袋小路を明るく照らす。
タモリ「これぞヅラ・ファイアボーン…。くらえィ!燃える俺の魂をォォォォォ!」
サイドスローの要領で燃えるヅラをオタベに投げつける。だがオタベはそんなもん予想済みですよ
という顔で軽くあざ笑った。
オタベ「フハハハハハ!そんなもの蚊のようなものだ!マラタイフーン!」
膨れ上がったマラを扇風機のように振り回すと、強風が巻き起こった。
タモリ「た、竜巻!?」
カーブをつけオタベに向かっていた炎のヅラはオタベのマラタイフーニよってその破壊力を
かきけされた。
タモリ「そんな馬鹿な…」
つづく
そんな広告がタモリの眼に入ったときだった。
「おい、オタベさんや。やりすぎだ。」
オタベ「何っ!?」
そこにいたのは変なおじさん、メガネッシュ、キバヤシであった。
変なおじさん「お前さんは何しにきたんだ?これだからワッフルの部下は・・・」
オタベは攻撃を止めた。グラサンを掛け直すタモリ。
オタベ「何変装してんだよ、志村モーケン!バレバレだ。」
変なおじさんは変装を解いてジーパン、ジージャン、薄い頭という姿に変わった。
志村「我々の目的はメガネッシュさんの身柄の確保だろう。無駄に血が流れるのは好ましくない。」
オタベ「さすがパフェの部下は優等生だな、けっ!」
志村「メガネッシュさん、すいませんね。血の気が多い奴でして。」
メガネッシュ「どういうことか話してもらえますか?」
つづく
志村「うーん、全てを知らせるのは私の仕事ではないのです。しかしこれだけは言えます。
我々世界政府はメガネッシュさんを必要としているのです。」
キバヤシ「(この必死さ・・・嘘をついているとは思えん。)」
メガネッシュ「俺はどうすればいいんだ?」
志村「私と一緒に世界政府警察部に来ていただきたい。」
メガネッシュ「(キバヤシ、どう思う?)」
キバヤシ「(はい、ここで断って戦闘になるとやばいのでここは奴の言うとおりにしたほうが。)」
メガネッシュ「・・・わかりました、行きましょう。」
つづく
志村「ありがとうございます。というわけだ、オタベさん。メガネッシュ氏は私が連れて行く。
お前さんも世界政府を名乗るからにはこんな路上で堂々と戦闘なんて馬鹿な真似は控えるべきだよ。」
オタベ「わーーったよ。(こいつ怒らせると怖いからな)」
志村、メガネッシュ、キバヤシ、タモリを乗せてヘリが飛び立った。
「待てーー!!メガネッシュ!!」
そこに『ミニにタコ』の追っ手が現れた。
オタベ「クソが!!今俺はムシャクシャしてんだよ!」
一人残されたオタベは『ミニにタコ』の追っ手をボコり始めた。
つづく
ここはヘリの内部。
志村「実は私は昔田代の友人でしてね。そうそうジェリーともよく話していました。
三人でよく埼玉ゴズニーランドに遊びに行ったものです。」
メガネッシュ「ゴズニーランド、ですか。」
志村「はい。今は何かの組織の基地になってるらしいのですが、よくは知りません。
おっと話が滑りました。それでですね、とにかく田代、ジェリーとは仲が良かったんですよ。
しかし、私は当時、秘伝の技とされていたドリフ拳法をマスターしてしまったんですね。」
メガネッシュ「ドリフ拳法とは?」
志村「とにかく秘伝の技なので話す事はできません。とにかく、秘伝の技をマスターしていたんですよ。
すると、私に世界政府から手紙が来ました。内容はこのような卑劣なものでした。今でも一字一字残さず覚えています。
『志村殿。貴殿のドリフ拳法の噂はよく知っている。
是非、世界政府に入ってほしい。タダとは言わん。
貴殿には一億円を贈与しよう。
さらに、貴殿の友人と思われる田代殿を預かっている。
世界政府へ入るのを拒否した場合、我々で処分させてもらおう。
入るのならば、手紙を送りたまえ。以上。』」
メガネッシュ「世界政府ってそんな組織だったんですか?」
志村「はい。結果、田代、そしてジェリーを裏切ることになってしまいました。世界政府に入ってしまいました。
そこで、です。私は今、あなた方を田代とジェリーのいる鳥取へお送りしたいと思っています。
そして、私は世界政府を脱退します。死など怖くありません。
彼らにできる最後の恩返しです。よろしいですか?」
メガネッシュ「(ここで拒否したら何かを逃しそうな予感がするな…)はい、是非頼みます。」
志村「では、鳥取へ向います。」
321 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:03
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: : ヒュルルルルルル…
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322 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:13
しかしホンコンから飛びだったヘリは日本海上空で襲撃されることになろうとは
果物屋の主人のホイさんでさえ知らなかった
323 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:25
ホイさんは困っていた。
今朝市場でうっかりりんごを仕入れすぎたからである。
324 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:46
ホイさんはりんごをかじってみた。血が出た。歯槽膿漏らしい・・・
気にしたホイさんは自殺を試みた。
325 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:50
しかし嫁と子供のことを考えて踏みとどまった
326 :
ほんわか名無しさん:03/10/19 21:51
それが人類の運命を変えようとは、そのときは誰も気づかなかった・・・
猫かと思ってよくみりゃパンしかも一斤
328 :
ほんわか名無しさん:03/10/20 16:15
ホイ「なにぃ!どういうことだ!」
「報告によると、ミニにタコの一部強硬派たちがメガネッシュたち乗せたヘリを日本海上空あたりで
航空爆撃機で襲撃したようで…」
ホイ「クソ、あの馬鹿共めが…!」
ここはホンコンの田代ビル近くにある果物屋。その店の主人のホイは表向きは温厚な人で
通っているが裏では実はミニにタコの幹部クラスである。緊急な報告以外は部下に果物屋
にくるなと言ってあるのだが、今回の件はまさに火急の件であった。
ホイ「ミニにタコも一枚岩ではないということだ…!幹部の中にはメガネッシュを早急に処理すべき
だと主張している連中もいる。すべては田代様の判断の後だというのに…!」
怒りのあまり手元にあった商品のりんごに強くかみつくホイ。だが歯槽膿漏のため血がでてきた。
ホイ(あぁ!もう死んじゃおうかな!あいつら勝ってばっかするし、生きてるの辛いし)
だがホイの脳裏に家族の笑顔がよみがえった。裏の組織の幹部として君臨するホイも、一般庶民
の生活から凡庸な幸せを見出してしまったのだ。
「どうします、ホイ様!」
ホイ「…止むを得ん。メガネッシュを攻撃した連中を始末しろ」
「そ、そんな!同胞を殺すというのですか!」
ホイ「止むを得ないと言っただろう!田代様がいない以上勝手にメガネッシュに死なれては困る!
作戦名『猫かと思ってよくみりゃパンしかも一斤』だ!強硬派を粛清しろ!」
「ハ、ハッ!」
つづく
そのころメガネッシュたちは…。
メガネッシュ「…う、うぅん。えっ!?ここはどこだ?俺たちは日本海上空で爆撃されたはずじゃ…。
キバヤシ、タモリ、志村さん!大丈夫か?」
そこには日本海に落とし込まれたメガネッシュ一同が布団を被っていた。
「気付いたか?」
聞き覚えのある声だ。
メガネッシュ「誰だ!?」
「香取だよ、SMAPの。」
メガネッシュ「誰でもいい!ここは何処なんだ!?何故俺たちはここにいるんだ!?」
香取「誰でもよくねぇよ、ったく。ここは我らがSMAPの本拠地としている元・『埼玉ゴズニーランド』だ。」
メガネッシュ「埼玉!?何故そんなところに?」
香取「俺らはメガネッシュ、おまえが必要なんだ。だから日本海からここまで俺の能力で連れて来た。」
メガネッシュ「何故だ!?」
香取「理由は、言えない。」
そんな中、埼玉ゴズニーランドの門の前にはついにオカシーズ十三狼士No.2といわれる男が到着した…。
330 :
ほんわか名無しさん:03/10/20 21:45
十三狼士No.2のその男は、黒ずくめの格好で、どこか危険な感じがした。
特に目だ。左眼の大きな傷跡があるがそのせいじゃない。どこか、何かが狂ってるような、
言い換えるなら何かが足りないような、それとも普通の人間が持ってないものを持っているのか。
とにかくサバランという名前のその男は後ろに部下らしきやや小柄な、そしてこれまたサバラン
とは比べ物にはならないがアブナい殺気を漂わせた男を一人従えて埼玉ゴズニーランドに入っていった。
キバヤシ「うぅ・・・・ここは・・・」
埼玉ゴズニーランドのある一室で一番遅くキバヤシが目を覚ました。
メガネッシュ「気が付いたかキバヤシ。」
キバヤシ「社長・・・ご無事でしたか。ここは一体・・・」
そのやや汚れた部屋を見回すと、そこにはSMAPの香取と中井がいた。
キバヤシ「社長、これは一体どういうことですか?」
メガネッシュ「それが、SMAPは俺たちに協力してくれるらしいんだ」
メガネを掛けなおそうとしていたキバヤシがいそいでその言葉に反応した。「なんですって?」
メガネッシュ「25億が交換条件だがな。」
中井「俺たちは金が欲しいのさ」
そんな会話をしているころ、サバランは埼玉ゴズニーランドの大分奥のほうまできていた。
つづく
ゴロー「私が観測する限り、停止していた宇宙艦隊は再び微速で進行を始めました。」
香取「予想到着時間は?」
ゴロー「おそらく十八日前後。」
そのとき草薙も部屋に入ってきた。
草薙「外に変な奴がいるぜ。」
ゴロー「おっ、監視モニターに不審人物が映ってる。」
志村「あ、これは大変だ!」
メガネッシュ「どうしたんですか?」
志村「十三浪士No.2の男、サバランとその部下のガムです。」
タモリ「No.2だって!?」
驚きでタモリのズラが軽く浮いた。
香取「メガネッシュ、そこの志村って奴からお前の話は聞いた。
詳しい説明は後回しだが早く言えば一時休戦てとこだな。
木村はまだ『精神と時と部屋とYシャツと私』の部屋に入ってるから・・・
草薙!中井!侵入者を始末しろ。」
草薙・中井「任せとけ!」
つづく
332 :
ほんわか名無しさん:03/10/21 17:42
ゴズニーランド中央に位置する大きな広間で、草薙・中井はサバランに遭遇した。
中井「ようこそ。今日はゴズニーランドは休業中なんだが、なんか用かな?」
ゴスラン「ククククク…元パッショーネのSMAPかァ。噂は聞いてるぜ。組織を抜け出しだった
んだってな?暗殺者で終わればいいものをいらんことに首をつっこんでなァ」
口端を上げ、歪んだ笑い顔で中井を見下すサバラン。もちろん、それに不快感を覚えたのだが
そういうものは戦闘では邪魔になるので中井は心の奥底で噛み締めた。
草薙「オカシーズ十三狼士で先頭では二番目に強いと誉まれているそうだが…。
今日は部下を連れてきたんだな」
サバラン「あぁ、紹介するぜ。俺のか〜〜わいい部下のガムだ。」
サバランの後ろに、こちらもどこか不快感を覚えさせるようなにやけた顔の男が一歩足を前に出した。
だがそれは、サバランとは違う種の不快感であった。
サバラン「こいつはな、200人いた俺の部下の中で最も優秀な奴なんだ」
中井「へェ、そいつはお気の毒だな。残りの199人は幸せ者だぜ」
その言葉を聞いてサバランは笑った。
サバラン「あいにく」
そこまで言ってもう一度笑った。その笑いが中井の不快感をより一層引き立たせた。
サバラン「あいにくその199人は死んじまった。俺が殺したんだ。」
中井「なに…?」
サバラン「いっぱいいるとうざいじゃないか。だから試したんだよ。脱出不可能な無人島に
200人を連れ出して一週間俺の狩りから逃げ出すことができれば生き残らせてやる、みたいな
カンジでさ。いいアイディアだろう?そして――」
横に並ぶその部下の肩を叩き、「こいつだけが残ったのさ。あとは大体クズだったな」
中井の催していた不快感が、メーターをふりきろうとしていた。
つづく
333 :
ほんわか名無しさん:03/10/22 10:53
サバラン「じゃ、行けガム」
ガム「了解」
まず先手を切ったのはサバランの部下ガムであった。
中井「俺が行くぜ、草薙」
草薙「…気をつけろよ、奴には何かある」
つづく
そのころ世界政府の会議室…。
シフォン「まったく、SMプレイ中に私を呼び出すとは何事ですの?」
プリン「すまない。しかし、これは緊急を要するんだ。」
シフォン「それで、何事ですの?早くお言い!」
プリン「(上司に向って、この…。)実は田代達が我ら世界政府の隠している『デザートウェポン』を発見しそうなんだ…。」
シフォン「何ですって!?あんな役に立たないクイズばかり詰め込むからよ。それで、どうしろと言うの?」
プリン「田代とは講和しておきたかったが…、彼を抹殺してきて欲しい…。」
シフォン「ふっ。私のこの美貌、そして、十三浪士最強の実力。それで私を選択した分けですわね?」
プリン「うむ。(美貌は関係ないがな…。)」
シフォン「田代氏はとてもお強いらしいし、面白いわね。」
プリン「では、引き受けてくれるのか!?」
シフォン「そぉねぇ…、よろしいですわ。その代わり、私のボーナスは倍にしておきなさい。いいこと?」
プリン「わかった。(あー、イライラする。)」
シフォン「では、私シフォン、出動しますわ。」
シフォンは会議室を後にした…。
しかしそこでパフェがシフォンを止めた。
パフェ「ちょっと待て。」
シフォン「総司令の命令ですわよ。」
パフェ「総司令とオカシーズを召集して緊急会議を開く。」
そして十三浪士に召集がかかり、『第二回田代財閥緊急対策会議』が開かれた。
会議室にはプリン、パフェ、シフォン、エクレア、ワッフルが集まった。
エクレア「またいつものメンバーね。」
ワッフル「サバランがいないな。」
パフェ「急にお呼びして申し訳ないが、早速緊急会議を始める。」
プリン「しかし事態は緊急を要するぞ。」
パフェ「今、田代氏を殺害してしまってはデスラーに対抗できなくなります。
こういう大事なことはやはり話し合いが必要かと思います。」
プリン「だが、あの『デザートウェポン』が見つかってしまったら我々は・・・」
パフェ「大丈夫です、『デザートウェポン』は警察部の金庫に回収してあります。」
プリン「何っ、本当か!?」
パフェ「はい、『デザートウェポン』の管理は私が任されていますので。先日田代氏と
ジェリー博士が鳥取に向かったという情報が入ったときに急いで回収してきたのです。」
シフォン「なーんだ、つまらないわねぇ。」
プリン「よくやった、パフェ!」
つづく
そこで冷たい笑みを浮かべてワッフルが割り込んだ。
ワッフル「しかしお前の部下の志村モーケンは世界政府を裏切ったようだな。」
パフェ「そのことに関しては非常に遺憾に思っている。が、お前の部下のオタベは
路上でタモリと戦闘したあげく『ミニにタコ』ともめたそうだな?」
ワッフル「なにぃ!!」
エクレア「そんなことよりメガネッシュはどうするの?」
いつも冷静なエクレアに二人は落ち着きを取り戻した。
パフェ「・・・メガネッシュたちは『SMAP』本部がある埼玉の元『ゴズニーランド』にいる。
志村も一緒だ。メガネッシュの連行はサバランに任せた。」
シフォン「でもぉ、大丈夫かしら。サバランのことだから殺しちゃうかもよ。」
パフェ「『メガネッシュだけは無事に連れてくるが、それ以外の相手はサバランの
好きなようにさせる』・・・これが奴がこの仕事を引き受けた条件だ」
つづく
そのころ鳥取砂丘ではクイズを解き終えた後、迷路に苦しんでいた。
田代「ジェリー、まだ着かないのか?」
ジェリー「クイズはもう終わったようだが、この迷路はなかなか抜けられそうにないな。」
そのときミッキーが喋った。
ミッキー「こっちだよ!」
そういうとミッキーはトコトコ走り出した。
ジェリー「・・・何でわかるんだ?」
田代「うむ・・・おそらく動物ベースだから『動物的カン』てやつかな。ところでレーダーの反応はどうだ?」
ジェリー「あぁ、途中から気になってたんだが、ここに来るまでの間に一つの
『ウェポン』が移動した。このポイントはおそらく世界政府警察部だな。」
ボールのようなウェポンレーダーを眺めながらジェリーがつぶやく。
田代「何っ!?じゃあ今までの苦労は・・・」
ジェリー「でももう一つのあるぞ。だぶん世界政府は気付かなかったのかもしれない。
移動した『ウェポン』があった地点の30mほど下に埋まってる。掘り出すのは大変な作業だ」
田代「それもミッキーが役に立つだろう。連れてきてよかった。」
二人はミッキーを追いかけているうちに迷路を脱出し、最後のドアの前にたどり着いた。
つづく
オカシーズまとめ
<総統>
プリン…目下ウェポンやメガネッシュを取り合いミニにタコと交戦中。
<十三狼士>
シフォン…十三狼士No.1。SM好きの女王様。
サバラン…十三狼士No.2。残忍な性格。(部下 ガム)
パフェ…元科学部の博士。『あの事件』で左遷させられたらしい。(部下 志村モーケン)
ワッフル…なんだか怪しい人。特選部隊を率いる。(部下 オタベ)
エクレア…冷静な女十三狼士。
<十三狼士トムに殺され組>
ティラミス
カステラ
パォン・デ・ロー
クラフティ
ザルダ
<詳細不明>
クッキー…田代ビルにて幽閉中
ファチェ…ザルダに気に入られていた。十三狼士?
訂正・追加があればよろしく。
339 :
ほんわか名無しさん:03/10/23 13:59
ミッキーは手をドリルに変形させ地面を掘り始めた。
ドドドドドドドドドドドドド・・・1m、2mとまたたくまに土が掘り起こされていく。
その作業を田代とジェリーは後ろから見ていた。最後のドアを開けてもやはり、そこには
何もなかったからだ。どうやって先回りしたかはわからないが、とにかく『ウェポン』のひとつは
オカシーズに奪われてしまったのだ。
田代「今探してる『ウェポン』は我らの手にできればいいのだが」
ミッキー「うわァッ!」
ジェリー「どうした、ミッキー!」
10m掘った時点でミッキーが悲鳴をあげた。
つづく
そこには白人をさらに白くしたような男とガン黒女子高生をさらに黒くしたような男がいた。
田代「誰だ、貴様は!」
白い男が立って言った。
バニラ「私の名前はバニラでございます。そして、隣の者の名前が──」
黒い男が言った
チョコ「チョコだ。チョコ・レートだ。俺らはシフォン女王様に命令されてきたのさ。」
ジェリー「シフォン!?」
バニラ「さようでございます。私達の上司に当たるお方で、オカシーズ十三浪士最強のお方でございます。」
田代がニヤリと笑って言った。
田代「なるほど…。そしておまえらが十三浪士最強の名を誇るその、シフォンとやらの部下か。
それで、俺たちと闘おうと言うのだな?面白い。」
チョコ「そうだぜ。じゃあとっとと闘おうぜ。」
バニラ「お待ちなさい。チョコ。私どもはあなた方と闘うことを希望してはいません。
ここをお引きとっていただけたらなぁ、と思っているだけでございます。」
ジェリー「残念ながら引き取るわけにはいかないんだよ。」
バニラ「そうですか…。チョコ、どうします?」
闘う気満々の顔でチョコは答えた。
チョコ「とっととやっちまおうぜ。」
バニラも礼をして言った。
バニラ「と言うことですので。よろしくおねがいします。」
田代「ふん。雑魚どもが。いけ、ミッキー。」
ミッキー「僕、戦うの大好き!」
ミッキーが笑顔で答えた。しかし、その笑顔はどこかしら殺気に溢れているように見えた…。
341 :
ほんわか名無しさん:03/10/23 17:47
ミッキー「コォォォォォォ!」
ミッキーの呼吸が激しくなる。背中を丸め前に傾き、まるで臨戦体制の獣のような気迫である。
田代「ジェリー、離れてろ。近づくと我々もあぶない」
ジェリー「奴はどんな戦い方をするんだ?」
田代「まぁ見てるがいい」
ミッキーの蛇のような目に思わずジリ、と一歩後退したチョコ。
バニラ「臆するな、バニラ!俺たちのほうが数で分があるんだぞ」
チョコ「しかしアイツには数なぞ関係ないだろう!あの構えを見ろ!」
焦りから大声を出すチョコ。
ミッキー「フフフ、もういいかな?」
ミッキーは後ろを向き、尻をからあるものをだした。
つづく
342 :
ほんわか名無しさん:03/10/23 21:28
ミッキーの尻から一本のパイプが出てきた。
バニラ「なんだ…?」
ミッキー「地獄で覚悟!くらえ毒ガス!」
田代・ジェリー「ちょっと待てーーーーーーーーー!」
毒ガスが噴射されてしまった…。密閉空間でバニラ・チョコ・田代・ジェリーはどうなってしまうのか!?
つづく
田代「うわっ、あ、そういえば俺は毒に耐性があるから大丈夫だったんだ。ふぅ…、ってジェリー!大丈夫か!?」
ジェリー「俺は瞬間テレポート装置で移動するから大丈夫だ。」
田代「うむ。ではこの上で待っていてくれ。」
ジェリーの体が青く包まれ、ジェリーはその場から消えた。
344 :
ほんわか名無しさん:03/10/23 22:17
ジェリーは手はず通り上にテレポートした。
毒ガスが充満している下の階層はこれから少なくとも三十分は近づかないほうがいいだろう。
ジェリー(しりとりでもして暇つぶそうかな…)
と、そこに意外な出来事がそこで起こる。
つづく
なんとそこにはバニラが現れたのだ。
バニラ「これはこれはジェリー博士、一人だけ高みの見物とはいいご身分ですね。」
ジェリー「どうやって脱出したんだ!?」
バニラ「十三浪士最強のシフォン様の部下がこんなことで死ぬわけがないでしょう。
最もチョコはテレポート能力がないので死んだと思いますが。」
ジェリー「ふっ、仲間を見捨てたってわけか。俺たちを狙う理由は何だ?」
バニラ「・・・この地下迷宮は世界政府の管理下にあるので侵入者は排除、ということです。
ここにあったウェポンはもともと世界政府のものですから。それを伝えに来ただけ
だったんですが・・・でもチョコのカタキはとらせていただきますよ。」
ジェリー「なるほどね(地下のウェポンには気付いてないようだな)」
バニラの静かな殺気にジェリーの波平Tは戦闘態勢をとった。
つづく
頭上でジェリーとバニラが対峙しているとは知らず、地下では発掘が続いていた。
田代「毒ガスワクチンを打っておいて助かった。敵も死んだようだしな。ミッキー!続きを急げ!」
ミッキー「オッケー!」
そしてようやく30m地点。ミッキーのドリルが何かに接触した。
ミッキー「ん?なんかあるよぉ?」
田代「よしミッキー下がってろ。」
田代はかがみこんで、姿を現した奇妙な形の『ウェポン』を慎重に取り出した。
田代「この特殊な形状は・・・。これこそ『グラスウェポン』!!」
つづく
キュィーーン!キュィー―ン!!
地上で戦闘を始めようとしていた二人、は地下からの巨大な音に身構えた。
バニラ「何の音だ!?」
ジェリー「(やっと発見したか)・・・今手を引けば死なずに済むぞ」
バニラ「・・・部下を殺られたまま逃げるわけにはいかない。」
ジェリー「あーあ。」
ジェリーは素早くバックステップした。次の瞬間、バニラの真下の砂が巨大な円を描いて爆発した。
キュィーーーン、ドッグァーーン!!!!
・・・立ち込める砂嵐のあとに姿を現したのはミッキーと、近未来的な『眼鏡』をかけた田代であった。
ジェリー「それが・・・『グラスウェポン』か・・・!」
田代「・・・素晴らしい・・・これが『ウェポン』のチカラか!」
バニラを一瞬で吹き飛ばしたその威力に、田代のみならずジェリー、ミッキーも呆然と立ち尽くした。
田代「俺が使ってもこんな威力があるんだな。」
ジェリー「とんでもない代物だな。ウェポンにしては意外な形をしている。」
ジェリーとミッキーは興味深そうに田代の装着した『グラスウェポン』を覗き込んだ。」
田代「よし、目的は果たした。とりあえず香港に戻るぞ。」
つづく
348 :
ほんわか名無しさん:03/10/24 11:12
中井「は、速い!」
田代とジェリーがグラスウェポンを手に入れたころ、埼玉ゴズニーランドでは死闘が
繰り広げられていた。ガムは暗殺者もビックリのスピードで中井を翻弄していた。
サバラン「ハハ、どうだ!こいつがガムの武器のひとつ、駿足移動よ!」
草薙(だが…暗殺者の世界でもスピードならこの人ありと言われた中井貴一も負けては
おらんぞ!)
ぐるりと楕円を描くようなガムの動きに中井はついていき始めた。
ガム「な、なに!」
中井「ヘッヘッヘ、それくらいじゃあ、俺から逃げることはできないぜ!」
中井はジャンプしガムの後頭部におもっくそ飛び蹴りをお見舞いしてやった。
つづく
しかし、中井はガムに蹴りを喰らわせた途端、ガムにくっついてしまった。
サバラン「ハッハッハ、ガムに触れた者はガムの体から離れなくなるのだ。」
中井「なんだって!?」
サバラン「それだけじゃないぜ。体に付着したものは、徐々に養分を吸い取られてしまうのだ。」
中井「クソ、こんなもの簡単に…、グワアァァ!!」
ガム「こいつは良いエネルギーになるぜ。」
350 :
ほんわか名無しさん:03/10/24 17:56
中井「クソォ、離せ、離せィ!」
ガムの後頭部に付着した中井の右足は養分を吸い取られみるみる内に腐っていく。
中井「ウ、うわァ!」
ガム「フッフッフ、これぞ私の究極奥義『ガムアブソリュート』!
我が養分となり永遠にいき続けるがいい!」
草薙(奴に接近戦を挑むのは失敗だったな…。スピードありきとはいえ接近戦主体の中井では
ちと相性が悪かったか)
拳を握り締め普段は感情を表さず物静かな草薙は叫んだ。
草薙「中井、お前の特殊能力を使え!このままでは干上がってミイラになってしまうぞ!」
中井「わかってら!」
そう言うと中井は懐から何かを出した。
つづく
中井が取り出したのは小さな植物の種だった。
中井「修行の成果を見せてやる。」
そう言い放つと中井はガムにその種を投げつけた。
サバラン「何だあれは?」
草薙「中井の新しい特殊能力『ミキプルー Ver.2』だ。」
その種はガムの体に付着すると物凄い勢いで成長し始めた。
ガム「うわぁ!力がっ、力が吸い取られていく!!」
中井「Ver.2では植物を相手の体に寄生させて養分を吸い尽くすことができるようになったんだ。
お前の奥義より俺の能力のほうが勝っているようだな。」
ガム「うわぁぁーー!!!」
ガムは全ての養分を植物に吸い取られ、カラカラにひからびて絶命した。
草薙「さ、俺たちも始めようか。」
サバラン「・・・SMAPもなかなかやるな。」
つづく
352 :
ほんわか名無しさん:03/10/25 00:35
それは一瞬の出来事であった。
稲妻が走ったかと思うと、その後体に激痛が走り、口から惜しみなく血が吹き出てきた。
中井と草薙は苦しみながらその場に倒れた。
中井「く…あぐッ・・・」
草薙「い……一体何が…」
攻撃されたことも自覚できずに、俺たちが、SMAPが倒れているのだ。
サバラン「ハハハ、さすがSMAPだ。さっきの攻撃で生きてられるなんてな」
中井は力をふりしぼって自分の後方をみた。そこには― 敵であるサバランの姿があった。
サバランは見下すようにしゃべりはじめた。
サバラン「今の攻撃は俺にとってはエレベーターのボタンを押すくらいやさしげなものだぜ。
それでも俺は、お前らに苦痛をあじあわせてやることができる」
ハハハハハ、と天高く笑った。中井は苦しみつつサバランの目をみすえた。
中井「い、一体何をした…んだ」
サバラン「例えば…大きな建物でも、一本の柱だけを壊せばすべて崩れてしまうということが
ある。人体構造を知り尽くした…下世界政府科学部で人体実験を繰り返してた俺にとっては
どこに少し力を入れれば人体の内部に衝撃を与えれるかおちゃのこさいさいなわけさ!ハハハ!
これぞポクト神拳!神の拳よ」
つづく
353 :
ほんわか名無しさん:03/10/25 03:07
中井「まずいな、あの速さと適確な攻撃・・・常人じゃない。」
草薙「さすが十三浪士No.2・・・よし、中井!サポート頼む。」
中井「わかった、ちっと本気出すか。」
二人は眼で合図をすると、立ち上がって二手に分かれた。
サバラン「まだやる気か?」
するとサバランの周囲から勢いよく植物が生えだし、一気に敵を包み込んだ。
サバラン「はぁっ!」
しかしその状況を愉しむかのごとく笑みを浮かべながら、サバランは両手を振り回した。とたんに
植物の断片がはじけ飛ぶ。その瞬間、開けたサバランの視界には草薙が飛び込んできた。
草薙「喰らえ!!」
得意の飛び蹴りが敵の顔面に炸裂した。
サバラン「ガハッ!」
不意をつかれたサバランは十数メートル後ろに吹っ飛んだ。草薙はそのままの勢いで追いかける。
つづく
そしてまだ倒れているサバランを再び植物が包み込んだ。
サバラン「チッ、同じ手にかかるか!」
いまいましそうにツタを引きちぎりながらサバランは前方から来る相手にポクト神拳を喰らわせた。
サバラン「アチャ―!!」
しかし、前方からの飛来物は草薙ではなく植物の塊であった。
サバラン「なっ、フェイント!?」
草薙「おらぁ!!」
サバランの後ろ上空に現れた草薙は合掌した両手を高く上げて振り下ろし、敵の後頭部を殴りつけた。
サバラン「ぐわぁっ」
サバランは顔面から思いっきり地面に叩きつけられた。
草薙「ナイスサポート!」
中井「(ニヤッ)おう!」
つづく
急にお腹が痛くなった
もれそうである
356 :
ほんわか名無しさん:03/10/25 11:32
中井「どうしたんだ草薙!」
草薙「いや…急に腹痛が…」
草薙が突然この場になって腹痛を訴えだした。SMAPの中でもクールな二枚目で
通っている優男には似合わない醜態である。
サバラン「ふっふっふ、どうしたァ、草薙さんよ」
中井「貴様、一体何をした!」
サバラン「なァに、さっき殴られたときにちょいとお返しをしてやったのさ。俺は相手の体にそっと
触るだけで攻撃できるんでなぁ。草薙には下痢になるツボを押してやった。三日はウンコが土石流
みたく止まらねェ。これぞポクト神拳、『下剤痛烈指』!」
つづく
つーかジーンズ使えYO!
358 :
ほんわか名無しさん:03/10/25 20:19
草薙「だ、駄目だおなかが痛くて…」
中井「そんな馬鹿な!」
サバラン「ふっふっふっふっふ。先に能力が厄介な草薙を封じ込めておけば俺の勝ちだ」
中井「くそっ!すべて計算の内だったのか!」
つづく
SMAPとサバランの激戦が行われていたころ、ある城ではこんな会話が行われていた…。
シフォン「あらあら、サバランちゃんは相変わらず気性が荒すぎて早くもピンチだったようですわね。」
モニターを見ながらオカシーズの女王が呟いた。
そこに、不意にシフォンの後に何者かが現れた。
シフォン「あら、おかえりなさい。バニラちゃん。なんとかテレポートしたようですわね。」
バニラ「はい。危うく地に埋まるところでございました。ところで、ご存知だとは思いますが、ついに田代氏…。」
バチンッ!!
突然ムチで叩くような痛々しい音がした。
シフォン「わざわざそんなこと言わなくてよろしい!私はあなたの弱弱しい闘いぶりだけでなく、田代氏の行動もモニターで見ていましたわよ。」
バニラ「くっ、す、すみませんでした!」
シフォン「それで、チョコちゃんは田代氏のエサになってしまった。そうですわね?」
バニラ「はい。しかし、チョコは土との同化能力で毒を防ぎ、身を隠していたと思われるので、いずれ戻ってくるかと。」
シフォン「まっ!チョコちゃんは田代氏と戦いもしないで自らを守りぬいた、と?」
バニラ「さ、さようでございます。」
シフォンはバニラを蹴り上げた。
バニラ「グハッ!」
シフォン「チョコちゃんが帰ってきたら、お仕置きが必要ですわね。
まぁ、あんな弱者を部下に当てられたときから、いずれはこの世からそのいらない存在を抹消してさしあげようとは思っていましたがね。」
シフォンの口からとても部下に対する発言とは思えない言葉が発せられた。
バニラ「(鬼だ、こいつは女王の面を被った鬼だ…。)」
シフォン「あら、何か文句でも?」
バニラ「め、めっそうもございません。」
シフォン「あら、そう。」
シフォンの顔は笑っていた。
360 :
ほんわか名無しさん:03/10/25 23:18
シフォン「それにしても…」
シフォンはモニターに顔を戻して言った。
シフォン「サバランちゃんは本当に楽しそうね」
フフフ、と妖しげに微笑みながら、シフォンは椅子に座ってゆっくりと観戦の続きを始めた。
サバラン「アハハハハハハ!くらえィッ!『胃痛爆裂掌』!」
くらえば胃がムカムカしてしまうという秘技に中井は草薙をかばいながらよけるしか
なかった。だが草薙はサバランの、『下剤痛烈指』をくらい今にももれそうですという
顔で苦しんでいる。
中井「草薙!もうだめだ!お前は早くトイレに行け!」
草薙「ス、スマン中井!後は任せた!」
おなかをかかえながらトイレに駆け込んでいった草薙。これで中井だけの戦いとなってしまった。
サバラン「これでお前もおしまいだなァ…。俺に一人だけじゃ不利だろうぜ!」
その言葉に少し笑みを見せ、中井は返した。
中井「それはどうかなァァァァァサバランさんよォォォォォォ」
サバランは中井の後方、ジェットコースターがいつまにか勢いよく回っていることに気づいた。
そしてそこに人が乗っていることも。そこにはメガネッシュと香取とタモリがいた。
香取「中井!いーまーいくぞぉぉーーーーーーーー!」
そう、中井には頼もしい仲間がいる。彼らがいれば百人力だ。
香取「でも待ってぇーーーー!このジェットコースターが終わるまで…あーとー
五分くーらーいーねーーーー!」
上下するジェットコースターを三人は手をあげ彼らは心底楽しんでいた。
中井「…」
つづく
361 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 13:27
サバラン「アハハハハハ!仲間に見捨てられやがって。とんだピエロだぜ。
じゃあ思い残すことなく氏ね!ポクト神拳『嘔吐下痢烈塊脚』!!」
ほぼ地面スレスレに平行にジャンプしサバランの左足の絶技が炸裂する。
当たればもちろん嘔吐下痢症はま逃れない。
中井「クソッ、、、このまま回避ばかりしていては勝ち目がない!」
中井は残る力のすべてを自身の力『プルーン』に、植物を操る力に託した。
中井「飛技!『世界にひとつだけの花!』くらァァァァァァいやがレェェェェェ!!」
その技は自分の力を吸収し巨大なマンイーターを発生させるという技だった。
中井の腹のあたりから根が出てきて、瞬く間に禍禍しい巨大な、ゆうに3メートルは
あろうかと思われる植物が出現した。
サバラン「アハハハハ!それが最後の抵抗というわけか!しかしそんなものは
下劣下劣下劣下劣下劣下劣下劣下劣ゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
つづく
362 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 13:44
そのころ…
ガミラスは思惑をかけめぐらせていた。
ねるねるねるねがやられるのは予想済みではあったが、
あまりにもあっけなさすぎた。
「どうやら地球人どもを見くびっていたようだ」
そうつぶやきながらもガミラスは冷や汗をかいていた。
しかし、ガミラスは退く事ができなかった。
デスラーを謀死させてまで手に入れたこの地位を失うわけにわいかなかった。
「ガミラス様、総攻撃の準備ができました。」
総攻撃を前に緊張した趣のシャベルナが報告する。
ガミラス「そうか、目標は東アジア香港。全艦波動砲発射の上、香港に突入、地球進攻の橋頭堡を築く。」
つづく
363 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 13:52
事態は急転した。ガミラスが田代財閥、そして『ミニにタコ』の本拠地である香港に向け
波動砲を発射したのだ。突然空が光ったと思うと、半径50メートルはある銀色の光の束
が、波動砲の巨大なエネルギーが何回も香港に打ち込まれた。
香港は一瞬にして焦土ど化した。もちろん田代ビルも焼き尽き、
田代率いる『ミニにタコ』は戦力の七割弱と壊滅的なダメージを被ったのである…
そしてついに野望の男ガミラスが今、地球に降り立とうとしていた。
つづく
364 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 13:58
そのとき、
ホイさんは空を見上げていた。
「なんだ?あれは?」
一筋の光が光ったかと思うと、それはどんどん大きくなってこちらに近ずいてきた。
ワァァ
一瞬のことでホイさんには何がなんだかわからなかったが
香港は塵と化した…
365 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 14:07
『ミニにタコ』で生き残ったのは田代の影響力が少なかった派閥のみでった。
ホイ以下田代を支持する『ミニにタコ』の保守派は田代の命令で香港にほぼ
全員が集合していたため、生き残った者はいなかった。
残ったのは香港にいなかった田代の命令をきかない『クワマン』をリーダーと
する強硬派のみであった。
つまり、田代はガミラスを前にすべてを失ってしまったのである。
つづく
366 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 14:22
焦土と化した地。香港
その地に降り立ったガミラスは妙な感覚を感じていた。
そう、まるで故郷に戻ってきたような感覚だった。
しかし、もちろんガミラスは地球に来た事はない。
しかしこの妙な感覚にガミラス自身、驚き戸惑っていた。
つづく
367 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 14:54
それはガミラスを構成するデスラーの遺伝子がそれをもたらしたのかもしれない。
デスラーは田代のコピーである。それはつまりガミラスには田代と同じ血が流れて
いる。だから大きな野心を抱いたのかもしれない。
いやそれは地球におり立ったデスラー星の住人すべてがそうなのであった。
彼らはみな、デスラーのコピーなのだから。
ガミラス「よし…諸君!聞いてくれ!これから我々は地球侵略…いや、『地球帰還作戦』を
実行する!ここ香港に本拠地として『ガミラスタワー』を建設するのだ!」
つづく
ここは塵と化した香港。
そこに、ヘリコプターが到達した。
ヘリコプターから一人の男とネズミ、そして人とネズミが合体したようなやはり、人が出てきた。
田代「ガミラスの侵略は予想済みだったが、これは痛いな…。」
ミッキー「あれ?この人動かないよ?」
ジェリー「それにしてもこれはひどい…。」
ピーッ!
そんな雑談の中、笛のようなものがいきなり音をならした。
ジェリー「なんだ?」
田代「まぁ見ていたまえ。」
なんと、驚くべきことに、死体と塵ばかりの地から、4人の何者かが出てきたのだ。
田代「やはり、我々の誇るミニにタコ四天王は生き残っていたか。」
ジェリー「こんな中で生き残れるとは…。強いのは聞いていいたが予想していたよりすごい…。」
「はい、田代様。」
大男が答えた。
「こんな攻撃、屁でもないわ。」
余裕の表情で女が答えた。
田代「それで、ガミラスの方はどうなんだ?」
「ガミラスはここに建設物を立てようとしていますぞ。」
天狗顔の老人が言った。
田代「うむ。わかった。それで、強硬派は?」
「やっぱり集合してなかったね。あいつら殺しちゃえよ。」
いかにも小さな子供が意見した。
田代「いずれは始末しようとは思っている。あと、口使いには気をつけるように。」
「は〜い。」
いかにも面倒臭そうな返事が聞こえた。
369 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 17:56
しかしこの時四天王の半分が強硬派に寝返っていようとは流石の田代
も気づいていなかった…
つづく
「ところで田代。」
ジェリーが言った。
ジェリー「なんで君はデスラーではなくガミラスが侵略を始めたことを知っているんだい?
僕は衛星型波平から送られてくるデータでわかってたんだけど。」
田代「ミッキーだよ。まぁ、例の動物的感だ。」
ジェリー「ミッキーの感は宇宙をも超えた、と言うことか。」
ジェリーは感に驚いていたが、ヘリコプターの中で微かだが行っていたミッキーの行動に疑問を持っていた。
ミッキーのあの行動がもしや動物的感のトリックでは?と微かだが思っていた。
371 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 20:18
そしてガミラスの『地球帰還作戦』は開始され始めようとしていた。
まずはねるねるねを世界の主要都市にばらまくというものであった。
つづく
372 :
ほんわか名無しさん:03/10/26 23:15
ニューヨーク、ワシントン、東京、パリ、北京
世界各地の都市がまたたくまにねるねるねるねによって
呑み込まれていった。
その勢いはとどまるところを知らなかった。
373 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 10:32
攻撃を受けた都市の内ニューヨークと北京は甚大な被害を受けた。
そしてガミラスは地球人類に対して宣戦布告。
西アジア全土、北アメリカ大陸の西海岸一帯をまず領土として分譲せよと勧告。
地球人類を統治する世界政府はこれを受け入れず、全面戦争の道を選択した。
世界政府警察部、軍事部は全戦力を以ってガミラス軍と戦うことになった。
つづく
ここは東京。
ねるねるねるねが東京を飲み込まんとしている。
「なんだ、この異様な物体は!!」
ドカン、ドカンと空気砲を唸らせながら、どうやら西部のヒーロー気取りのようなロボットが言った。
「何回攻撃してもキリがないですね。」
今度は中国風のロボットが鉄のヌンチャクを振り回しつつ言った。
「我輩に任せるであーる。チチンプイプイ、消えるであーる。」
そう貴族風のロボットが言った瞬間、ねるねるねるねが消え去った。
「やったね!」
イカれたようなロボットが言った。
「これで昼寝ができるぜ。シェスタ、シェスタ。」
「いや、昼寝等してる場合ではないです。これは宇宙人による侵略と考えられます。」
「よっしゃー闘いだぜー!!」
「ついに我輩達ザ・ドラえもんズの出番が来たようであるな。」
「わーい!シュートいっぱい決めちゃうぞー!」
「取り敢えず今は世界政府を滅ぼしに行きましょう。」
「ガルル。」
「ドラニコフが早く闘おうだってよ。」
「それはキッドの意見でしょ!」
「ハハハハ!!」
375 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 19:36
中井「これで決着だァァァァァァァ!」
サバランと中井の最後の攻防である。
中井は自らの命を削った技『世界にひとつだけの花』、サバランは『嘔吐下痢烈塊脚』を
仕掛けていた。どちらも食らえばただでは済まない技である。
中井「破壊力が勝ったほうが勝ちだ!」
サバラン「上等さァァァァァ小僧ォォォオ!!」
そのころ、ジェットコースターを楽しみ終えた三人が広場に走ってきた。
香取「イカン!早くしないと中井がやられてしまうぞ!」
メガネッシュ「あぁ!急ぐぜ!」
タモリ(急げって…二人とも思いっきりジェットコースター楽しんでたような…)
三人は広場に到着した。お互いに背を向け中井とサバランはそこにいた。
香取「中井…」
近づこうとする香取をメガネッシュが制止した。
メガネッシュ「待て。どうやら決着は着いてるようだ」
中井「ガフッ!」
先に血を吐いたのは中井だった。だが…
サバラン「ど…どうやらイーブンのようだな…」
中井の方を振り向き、ニヤッと笑ったサバランもまら血を吐いて倒れた。
続く
376 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 19:50
香取「中井!」
香取が中井のもとに駆け寄った。傷ついた中井を香取が持ち上げる。
中井「クッ…大丈夫だ、少し負傷しただけだ…」
香取「どこが少しだ!」
中井の負傷は重かった。おそらく一週間はまともに動けないだろう。オカシーズNo.2に
善戦した結果である。
メガネッシュはサバランの方を見た。地面に伏せて倒れている。おそらく気絶しているのだろう。
だが、メガネッシュはサバランを始末しなければならなかった。彼ほど危険な男を、いやどんな
人間であれ敵ならば殺さなければならない。一瞬の躊躇が自分を殺してしまうことをメガネッシュ
は知っていた。自分は生きなければならない。妻・真美子のために…
サバランの方に近づき、サバランを見下ろしながら銃を頭に向けた。その目は銃身より冷たい。
タモリ「メガネッシュさん…」
引き金を引こうとした瞬間、気絶しているはずのサバランが目を開け突然起き上がった。
そして起き上がりざまにメガネッシュの右手を蹴り上げた。
メガネッシュ「しまった!銃が…!」
カン、と金属音をあげメガネッシュの銃が右方3mあたりに落ちた。油断していた…!
サバラン「ヘッヘッヘ…オカシーズNo.2をなめるんじゃあねぇよ…!俺は幾多の戦場をくぐり
抜けてきた。これくらいの負傷、なんともねェんだよ!」
負傷しているにも関わらずサバランのその闘気は衰えない。いや、それはおそらく負傷する
前よりも増えているだろう。修羅…。まさに、戦神と形容するにふさわしい男である。
シフォン「でも、駄目よサバランちゃん。これ以上は。」
サバランの後ろに、いつのまにかオカシーズNo.1であるシフォンが、いた。
つづく
377 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 20:02
サバラン「シフォン、てめェ…!俺の戦いに手ェ出すかよ!」
鬼の形相で迫るサバランを、笑顔で軽くかわすシフォン。
シフォン「あら、しかたないじゃない。だって指令なんですもの。」
オカシーズのトップが突如として現れた。メガネッシュ、香取、タモリ、中井は呆然としていた。
サバラン「何ィ、指令だと!?どういうことだ!」
シフォン「デスラー艦隊がついさっき地球に到着したそうですわ。…いや、デスラーは謀反
で殺されたようですけれど。サバラン、あなたには至急オカシーズ本部に戻って対策会議
に参加してもらいます」
サバラン「ふざけるな!俺はデスラー艦隊なぞどうでもいい!俺には戦いさえ…」
シフォン「サバラン。」
シフォンの冷たい、冷たい声がサバランの怒号を遮った。
シフォン「あまり私を怒らせないで」
サバラン「クッ…」
なんということだ。あのサバランが、あの女を前に明らかに萎縮している。
そして笑顔で、シフォンはメガネッシュの方を向いた。
シフォン「フフフ。ではみなさん、お騒がせしたようですわね。私たちは用があるので、これで」
まるでお茶会から退席するように、シフォンはサバランを連れて何事もなかったように帰ろう
としていた。
香取「待て!俺たちがそう簡単にここから帰すと思うのか!」
シフォン「あらあら。アヒルが鳴いているわね」
つづく
378 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 20:17
香取「こっちにはメガネッシュ、タモリ、キバヤシ、草薙、ゴロー、木村、俺とまだ戦えるメンバー
がたくさんいるんだ。草薙だってその内戻ってくるだろう。この人数を前にさしものオカシーズ
No.1もかないはしまい!」
香取、メガネッシュ、タモリは戦闘体制に入った。
シフォン「あらあら」
三人の殺気の前でも、やはりシフォンは笑顔を崩さなかった。
シフォン「本気で言ってるの?」
シフォンは懐からムチを取り出した。バシィッ、と地面を叩き、まだ笑顔を絶やさずに。
メガネッシュ「それが武器か?随分貧弱だな。」
間合いなら銃が得物の自分には有利、とメガネッシュは思った。
だが、もちろんそれはただのムチではなかった。
シフォン「フフフ…残念。これは『ウェポン』よ。ただし、模造品だけどね」
メガネッシュ「なんだって…!?」
ウェポン、鳥取砂丘でジェリーが行使していたあの武器。SMAPやメガネッシュ、タモリも
その破壊力をその目でしっかりと見た。
シフォン「『ウェポンイミテーション』…。四つの古代文明が生み出したオリジナルウェポンを解析し
模造した強力な武器よ。例えば…」
シフォンはムチを頭上にかざした。ピリ、と、ムチに電気が走った。
タモリ「やばい!逃げろォォォォォーーー!」
その危険さはいままでに味わったことがないほどであった。逃げなければ、間違いなく自分たちは
チリになってしまう。
シフォン「あなた達を灰にすることだってできる…!!」
シフォンのムチから、おびただしいほどの量の稲妻が円を描いて走った。
シフォン「『雷公迅』!」
つづく
その技の射程範囲を知っていたサバランは、少し前に逃げていた。とはいっても、
100m以上離れた地点にいたのだが。『雷公迅』は全周囲に強力な放射電撃を
放つという技で、射程距離範囲内にいれば灰になるのはま逃れない。
あのムチ――『ライトニングウェポン』の破壊力は凄まじい。『ウェポン』の模造品と
はいえ、その攻撃力は申し分ない。だがもちろんその扱いは難しいのだ。自分も
別の『ウェポンイミテーション』を支給されたが、扱えなかった。
世界中から集められた戦闘エリート集団のオカシーズの中で、限られた精鋭である
十三狼士の中でも『ウェポニミテーション』を自在に扱えるようになったのはシフォン
だけであった。
シフォン「フゥ…」
シフォンはライトニングウェポンを降ろし、腰に手をつけ辺りを見回した。
シフォン「少し、やりすぎたかしらね」
埼玉ゴズニーランドの広場はシフォンの『雷公迅』によってほぼ壊滅してしまった。
装飾品はすべてチリになり、植えてあった花ごと花壇は黒焦げになっていた。
もちろん人間もそこにいれば死んでまうだろう。
だが、メガネッシュたちは生きていた。
メガネッシュが目を開けたとき、横に香取と気絶している中井がいた。そして、前には
シフォンの方に背を向けかばっているようにこちらを向いているタモリと傘のように広がった
ヅラがあった。
タモリ「ヅラ百道、『ヅラ・ITフィールド』…。ヅラはすべてを防ぐ盾となる。
雷を防いだのは初めてでしたがね」
ニッ、と笑いそのままタモリは前かがみに倒れた。
メガネッシュ「タモリ!俺たちをかばって…!」
メガネッシュは倒れたタモリの右腕を見てゾッとした。シフォンの雷を浴びて…タモリの右腕は
黒焦げになっていたのであった。
つづく
シフォン「アラ、無事だったですわね」
生き残ったメガネッシュたちを見ても、あいもかわらず笑顔で、シフォンは立っていた。
シフォン「そのヅラの男のおかげで助かったじゃない、メガネッシュくんに、それにSMAPの
香取くんだったかしら?あのパッショーネの」
蛙でも見ているかのようにシフォンは香取に向けて言ったが、香取は恐れずにらみ返した。
香取「ヘッ、知っててもらえて光栄だね」
シフォン「アラ、あなたは」
一息ついて、シフォンは何かを思い出すようにうなった。そして思い出した様子で手を叩いた。
シフォン「そうだわ。あなたは確かフォチェが言っていた例の家族の生き残りね」
その言葉を聞いて香取の顔は変わった。
香取「なぜ…それを!?」
シフォン「確か…暗殺者の世界で有名だった野比一家の一人息子さんですわよね。
本名は…野比野火多だったかしら?でも、三年前の世界政府の暗殺者狩りで母親と父親を
殺されてしまってたという。あの大規模な暗殺者狩りでパッショーネや大きな組織に属して
いない暗殺稼業の者はほとんど殺されたそうですわね」
香取「そうか…秘密裏に行われた作戦にお前も参加していたんだな!」
シフォン「えぇ、あの作戦には十三狼士の半分くらいは参加していたんじゃないかしら。
邪魔になる暗殺者は排除しなければいけなかったからね。楽しいミッションだったわ…
なにせ、殺りたいだったもの」
うっとりとした顔でシフォンは思い出していた。
シフォン「そして、フリーの暗殺者で最強と歌われていた野比一家をやったのも…
あなたの父親と母親を殺したのも、十三狼士の中にいるのよ」
香取「なに…!」
つづく
381 :
ほんわか名無しさん:03/10/27 22:10
シフォン「ウフフ、香取くん。これで私たち十三狼士を倒さなくてはいけなくなったわね。
…またあなたに会えるのを楽しみにしていますわ」
そして最後にシフォンはメガネッシュに言った。
シフォン「メガネッシュ…あなたは『ナイトメアチルドレン』の一人だそうね」
メガネッシュ「『ナイトメアチルドレン』?なんのことだ!」
シフォン「アラ。田代は何も話さなかったようね。まぁいいわ。そのうちあなたも知るでしょう、
人間の狂気というものを」
メガネッシュ「待て!この写真のことと関係あるのか!?」
メガネッシュは懐から出した写真を見せた。それは鳥取砂丘でポールからもらいうけたものであった。
写真にはドイツでメガネッシュと、四人の子供たちが写っている。しかしそれは大人になるまでドイツ
に行ったことがないメガネッシュにとっては記憶としておかしい写真であった。
その写真を見てシフォンは驚いた。
シフォン「あらまぁ。そんなものが残っていたとはね。驚きですわ」
しかし、シフォンはそれ以上何も言わず背を向けて去っていった。背を向けながらこう言った。
シフォン「メガネッシュくん、香取くん、あなたたちとはどうやら縁がありそうね。真相を知りたかったら、
オカシーズ本部まで来なさい。…もっとも、これから大変なことになるでしょうけどね」
そういい残し、シフォンとサバランは完全に埼玉ゴズニーランドから去っていった。
そして、これからガミラスと地球人類の存亡をかえた大きな戦い、後に『血の一週間』と
呼ばれた地球人類史上最悪の戦いが始まろうとしていた。
メガネッシュはそこに、『ナイトメアチルドレン』の一人として戦場に身を投じることになる。
ガミラス、オカシーズ、田代とジェリー、パッショーネ、謎のドラえもんズ、そして『ウェポン』
と『ナイトメアチルドレン』と『ネオナイトメアチルドレン』…。
いまだ多くの謎を残し、運命の歯車は回っていく。
つづく
ここは世界政府警察部会議室・・・
パフェ「これより『第二回ガミラス地球侵攻対策会議』を行う。」
会議室にいるのはプリン総司令官、パフェ、シフォン、ワッフル、エクレア、サバランである。
サバラン「おい、パフェ!シフォンをよこすなんてやりすぎだろ!」
シフォン「あら、私が来なかったら死にかけてたんじゃなくて?」
黙り込むサバラン。
パフェ「・・・さて、事態は急変した。すでにガミラスの艦隊は香港に拠点をおき、タワーを建設している。」
ワッフル「それは聞いている。しかし何故メガネッシュを連れて来させなかったんだ?」
パフェ「実は・・・ファチェに捜索してもらっていた、『デザートウェポン』に
対応する『チルドレン』がやっと見つかったんだ。」
十三浪士「!!!」
つづく
エクレア「・・・ということは世界政府だけでガミラスと戦えるってことね。」
パフェ「まぁそういうことだ。もちろん君達には『WI(ウェポンイミテーション)』で
戦闘に参加してもらう。」
サバラン「あれはシフォンしか使えねーだろうが。」
パフェ「それなら心配いらない、シフォン以外の『WI』にはリミッターを付けた。
これを十三浪士一人に一つずつ支給する。」
シフォン「リミッターが要るなんて世話が焼ける奴らねぇ。そういえば田代財閥の処理はどうするの?」
パフェ「田代財閥の本拠地である香港はほぼ壊滅。田代財閥の戦力は三割ほどになった。
よってしばらく田代財閥は放置しようと思う。」
プリン「よしわかった。それでは香港周辺の国に十三浪士を配置して
ガミラスの動きを偵察し、状況によっては戦闘してもらう。」
つづく
パフェ「はい、ではシフォン、サバラン、ワッフル、エクレアには香港周辺に向かってくれ。
私とファチェは二番目のチルドレン『スウィーツ』と『デザートウェポン』のリンク実験を行う。」
エクレア「残る二人の十三浪士はどうするの?」
エクレアはやはり残りの十三浪士の動きが気になるようだ。
パフェ「まだ極秘任務を遂行中だ・・・では『デザートパワー』発動のメドがついたら連絡する。」
久しぶりの重大な任務を任された十三浪士の眼が輝いてきた。
プリン「では諸君、健闘を祈る。」
十三浪士「はっ!」
つづく
ここは東京上空…。
ピピピピ…。
キッド「なんだなんだ?」
ワンドラ「これです。どうやら、例のガミラスが香港を占拠したようですね。」
キッド「マジかよ…。」
ワンドラ「ここは急遽世界政府への突撃をやめてまずはガミラスを倒すべきですね。」
マタドーラ「ちぇ、お昼寝する暇もなしかよ。」
マタドーラが面倒くさそうにいった。
ドラリーニョ「ねぇ、あれ何?」
ドラリーニョが前方から近づいてくる物体を指して言った。
ワンドラ「ドラパンが戻ってきたようですね。」
飛行物体はザ・ドラえもんズの前に浮遊した。
ドラパン「遅くなってすまなかった。」
ドラメッド「まぁ気にすることはないのであーる。」
ドラパン「代わりと言ってはなんだが、良い土産を持ってきた。」
ドラリーニョ「わーい!なーに?」
ドラパンはポケットから一人のぐったりとした大男を取り出した。
キッド「こいつは…、ミニにタコ四天王の一人、スウィーツじゃないか…。
何の目的で連れて来たんだ?」
ドラパン「こいつはどうやらナイトメアチルドレンらしい。」
ワンドラ「えぇ!?本当ですか!?」
ワンドラは驚愕のあまりタケコプターから落ちてしまった。
ドーン!
しかし、数秒後、ワンドラは怪我一つせず戻ってきた。
ドラメッド「ワンドラはドジであるなぁ…。」
一同「ワハハハ!」
ワンドラ「ひどいです…。」
と言いつつもワンドラも笑っていた。
急にドラパンが真顔に戻った。
ドラパン「こいつは、世界政府のカスどものデザートウェポンに対応するチルドレンだ。」
ドラメッド「本当であーるか?」
ドラパン「本当だ。世界政府で盗み聴きした。」
ドラリーニョ「ドラパン結構やるね!」
ドラパン「当たり前だ。」
と言いつつも、ドラパンは頬を赤らめていた…。
387 :
ほんわか名無しさん:03/10/28 20:50
果たしてこれは戦争と呼べるのだろうか?
一方的な殺戮劇だった。
ガミラス軍の攻撃に世界政府はなすすべもなく
ただ逃げまどい、破壊されゆくのみであった。
世界政府の軍は崩壊に陥り、僅かに残った部隊が単発的な
反攻を続けるだけとなった…
と同時に、
全ての物を呑みこみつづけるねるねるねるねは
中国、ヨーロッパ、アメリカの各大陸の1/3を占めるほどに増大していた。
388 :
ほんわか名無しさん:03/10/28 21:44
巨大化するねるねるねを完全にコントロールできるガミラス軍は世界政府相手に
有利に交渉を進めていた。もはや北アメリカ大陸はほぼすべて手に入れたも同然
であった。
だがアジアは一歩も事が進んでいなかった。香港周辺に世界政府警察部の精鋭、
オカシーズが配置されたことによりねるねるねの侵攻が食い止められていたのだ。
一方オカシーズ軍事部は総崩れで、各国からの批判の対象となっていた…
ねるねるねの侵攻が進んでいたころ、田代とジェリーは中国北部のとある村に
身柄を隠していた。そこで香港・ガミラス軍の本拠地を叩く作戦を練っていた。
ある小屋の地下室。素朴な村には似合わないおどろおどろしい化学薬品や
生物実験の材料がそこにはところ狭しと並んでいた。ジェリーはその暗い地下室
で、パソコンと向き合いながらある実験を繰り返した。
田代が階段から降りてきた。後ろには四天王のひとり、女性の磯野キリコが護衛として
付き従っていた。
田代「どうだね?ジェリー。実験は進んだか」
ジェリー「ああ」
ネズミの体のジェリーは効率のため搭乗型の波平に乗り込み実験に勤しんでいた。
波平のしこまれたマイクからジェリーの声が聞こえる。
ジェリー「もうすぐ完成さ。アンチねるねるねシステム、『ピノ』が」
アンチねるねるねシステム…ねるねるねのサンプルを採集し、ねるねるねの弱点を調べていた。
ねるねるねの弱点は温度であった。ねるねるねはある一定の温度が保てないと活動できない。
世界の寒い地方にはねるねるねには侵攻が進んでいないことに着眼し、もしやと思い実験を
進めてみたがドンピシャリだった。
ジェリー「『ピノ』と四天王、そして二人目の『ナイトメアチルドレン』であるスウィーツがいればガミラス
軍に対抗できる。」
だが、そのスウィーツが何者にかによって誘拐されてしまったという知らせを田代を報告したのである…
つづく
エクレアは香港の近く、中国山東省に配置されていた。
ここはねるねるねの増殖が著しく、エクレアのほかに特撰部隊を率いるワッフルも
同じく配置されていた。この二人の力によって、ねるねるねの侵攻はほぼ防がれていた。
つづく
390 :
ほんわか名無しさん:03/10/28 22:15
エクレア「ふぅ、この辺りも大分片付いたかしらね」
首を左、右に曲げ少し警戒を緩めるエクレア。もし世が平穏だったなら、その美貌に声をかける
男も少なくなかっただろう。だが、突然エクレアは目を変えた。その元世界政府諜報部にいた
エクレアの『鷹の目』と評される広すぎる視野に、山中でねるねるねに襲われる少女を見つけた。
少女「キャアァァァァァ!助けておかぁさん!」
少女と同じくらいのサイズのねるねるねに追い詰められた少女は悲鳴をあげた。
ねるねるねはその声に反応したかのように少女に飛びついてきた。もしエクレアがいなければ
少女はねるねるねに溶かされていたであろう。だが憎悪を帯びたエクレアは容赦なくねるねるね
を掴み、その力を発揮した。
エクレア「なんておぞましい生物なのかしら」
知能を持たないねるねるねだが、まるでおぼえたかのようにエクレアの手から逃げようとした。
それは少なからずある防衛本能が、エクレアの強大な力を感じ取ったのかもしれない。
エクレア「冷たさに恐怖を覚えるがいいわ…『蒼氷の左手』!」
途端、ねるねるねは時が止まったように凍りついた。そして次の瞬間には粉々に砕け散っていた。
エクレア「もう大丈夫よ、お嬢ちゃん。」
少女はまるで母親を見るかのようにうるんだ目でエクレアを見た。
少女「ありがとう、お姉ちゃん!」
近くにねるねるねがいないことを確認して、エクレアは少女と別れた。おそらく近隣の街の子
なのであろう。
エクレアは左手にある腕輪に目を下ろした。
エクレア「ねるねるねにはとても相性がいいようね。支給された私の『IM』、
氷の『コールドウェポン』…。シフォンのように100%まではいかないけど、出力50%までなら出せるわね」
空から何か気配を感じた。エクレアが空を見上げると、そこに数体の飛行物体を確認した。
それはドラえもんズであった。もちろんそれを知らないエクレアはワッフルに無線で連絡を入れた。
エクレア「ワッフル?こちらエクレア。B3エリア上空で未確認飛行物体を発見したわ。ガミラス軍の
尖兵かもしれない。追跡するわね。」
つづく
訂正…
>>390 支給された私の『IM』→ 支給された私の『WI』
>>388 一方オカシーズ軍事部は総崩れで→ 一方世界政府軍事部は総崩れで
ワンドラ「ここです。」
ドラメッド「このヘボイ洞窟でいいのであーるか?」
ワンドラ「ヘボイとは失礼ですね。」
ワンドラがムッとして言った。
この洞窟はワンドラの修行所、であり研究室なのだ。
ワンドラ「皆さん、驚かないでくださいよ?」
ワンドラが誇らしげに言った。
ワンドラが軽く指をパチンとやった途端、中から一体の青いロボットが出てきた。
「やあ、僕ドラえもんです。」
キッド「う、嘘だろ?いや、嘘でも良い、ドラえもん、大丈夫なのか!?」
ドラえもん「何のこと?キッド。」
キッド「俺のことを覚えているのか!?」
ドラえもん「もちろん。忘れたりはしないよ。」
キッドは感激のあまり泣き出してしまった。
ワンドラ「どうです。三日三晩寝ないで修復しましたからね。」
マタドーラ「それにしてもすげぇ…。あのバラバラの状態から元に戻すなんて…。」
ワンドラ「取り敢えず、これで我ザ・ドラえもんズも完全復活です。」
キッド「そうだな!また友情テレカで敵を倒しまくってやるぜ!!」
キッドが空気砲をバンバンやり、興奮しながら言った。
ドラえもん「じゃあ早速ガミラスとやらを倒しに行こう!」
一同「おう!!」
「お待ちなさい。」
キッド「誰だ!?」
エクレア「私の名はエクレア。世界政府の者よ。」
マタドーラ「世界政府だと!?」
マタドーラが興奮して言った。
ワンドラ「まぁまぁ、マタドーラ落ち着いて。初めましてエクレアさん。
私達はザ・ドラえもんズです。」
エクレア「ザ・ドラえもんズ…?聞き覚えのない名前ね。
取り敢えず、ここは危険よ。今すぐ立ち去りなさいな。」
キッド「誰が世界政府の命令なんか──」
一同「キッド!!」
キッド「…すまん。」
ドラえもんが場を仕切り直した。
ドラえもん「僕、ドラえもんです。僕達ザ・ドラえもんズはガミラスを──」
ワンドラ「ドラえもん、敵に目的を教えてはダメですよ。」
ワンドラが囁くような小声で言った。
エクレア「ガミラスのことを知っているの?」
ワンドラ「(あーあ、どうしよう!)いや、はい。名前ぐらいは知っているですますね。」
ワンドラが訳の分からない敬語で言った。
エクレア「あなた達の様子を見てると、とても名前だけとは思えないけど…。まぁいいわ。」
そのころリンク実験の準備が整い、実験室に向かうパフェとファチェは・・・
パフェ「ご苦労だったな。」
ファチェ「いえいえ、私は自分の任務を遂行しただけですよ。」
十三浪士一の美形であるこの男、実はパフェに次ぐ知能派でもある。
ファチェ「それにしても『WI』を改良したんですね。」
パフェ「ああ、イミテーションとはいえウェポンを応用したものだからな。
さすがにシフォンしか使いこなせなくてね。それより『スウィーツ』というのは
もしや田代の手下のゴツイ男ではないだろうな?」
ファチェ「まさか(笑)、名前が同じだけです。紛らわしいため、勘違いしている者も
いるようですが。『チルドレン』のスウィーツは小さな女の子ですよ。」
パフェ「安心したよ。」
そして二人は厳重に施錠された扉を開いた。
つづく
ファチェ「この子です。」
ファチェの指差す先には茶色い髪をした女の子が座っていた。
その腕には綺麗なブレスレットが光っている。
スウィーツ「初めまして。」
パフェ「やぁ、よろしくね。」
ファチェ「この子にはもうすでに『デザートウェポン』を装着させています。」
パフェ「ではさっそく力を見せてもらおう。」
三人はさらに地上の広大な試験場に移動した。
ファチェ「では第一試験開始!」
スウィーツ「はい。」
ブレスレットが金色に光を放った。するとどこからかパラパラと砂が降ってきた。
スウィーツはそれを自由自在に操り、上下左右の標的を適確に破壊した。
つづく
ファチェ「では第二試験開始!」
スウィーツ「はい。」
ゴォォー―― ゴォォーーッ
次はさっきより威力が圧倒的に増していた。
勢いを増した砂の嵐は禍々しくうねり、それは凶暴な龍を連想させるほどだった。
ファチェ「試験終了です。第一試験は『デザートウェポン』の力のみの試験、第二試験は
『デザートウェポン』で20%の『デザートパワー』を制御する試験でした。」
パフェ「・・・砂漠(desert)の砂を操る『デザートウェポン』を意のままに操っている。
これならガミラス、メガネッシュに対抗できるな。よくやったぞ、スウィーツ!」
スウィーツ「ありがと。」
しかし言葉とはうらはらに、スウィーツはあまり嬉しそうではない。
ファチェ「試験成功です。総司令と十三浪士にも伝えます。」
つづく
397 :
ほんわか名無しさん:03/10/28 23:06
パフェ「それにしても…」
パフェは手元にあった写真を見てから、もう一回チルドレンのスウィーツを見た。
パフェ「今ごろになって十五年前の『研究所』の研究が完成しようとはね…」
その写真はメガネッシュが持っていた、メガネッシュを含む五人の子供が写っている
写真であった。そこには、左から二番目にスウィーツそっくりの女の子が写っていた。
パフェ「田代さん…。『ナイトメアチルドレン』は、悪夢の子供たちは、今ようやく目覚めよう
としています」
ぼそっと、誰にも聞こえないようにパフェはそうつぶやいた。
パフェ「我々の手によってね」
田代「…じゃあキリコ、確認するがうちの四天王の『スウィーツ』は誘拐されてないんだな?」
キリコ「えぇ。」
ジェリーの地下室には田代と四天王キリコとジェリーがいた。なにやらキリコの報告の手違いで
もめているらしい。
キリコ「今ごろ四天王のスウィーツなら焼肉食べに行ってるわよ。私が報告したのは、『ナイトメア
チルドレン』のスウィーツちゃんが誘拐されたってこと」
コーヒーを飲んでいた田代はそれを聞いて思わずブッ、と吹き出してしまった。
田代「な、なんだって?」
つづく
スウィーツ「(ここで世界政府を裏切ったら確実に世界は私のものとなるだろう…。しかし、まて。
ここで世界政府を裏切り、デザートウェポンが没収されたらどうなる?
もう一人メガネッシュとか言う奴がいたようだからそいつでもガミラスとやらに対抗できるそうだし…。
ここはデザートウェポンの能力が完全に開花した後、世界政府を潰して世界を自分の物にするか、
又は今すぐ隙を見てここを脱走してまだ力の開花していないメガネッシュを殺るかだな…。)」
スウィーツは少女ながらも自らの野望を胸に抱いていた。
スウィーツ「(世界はもうすぐ私のものだ!!)」
「おやおや、もめているようだな。」
田代・ジェリー「トム!!」
『マグマウェポン』を携えて、久々にトムが現れた。
ジェリー「お前!俺の波平を壊したうえに『ウェポン』まで盗みやがって!」
トム「そんな昔のことは忘れたなぁ。大切なのはイマ、だろ?」
一応ミニにタコに属しながらも、時に自分で行動をすることを許されているトムは
言わばジェリーと同じようなポジションにあり、二人はライバルとも言える。
つづく
田代「キリコの喋りは作り話と勘違いが多いんだ。トム、お前が何か知ってるんだろ?」
キリコ「キーー!!!」
キリコのオーバーリアクションが炸裂する。
トム「ああ。まず田代ビルの地下で保護していた『ナイトメアチルドレン』のスウィーツが世界政府に誘拐された。
次に『四天王のスウィーツ』は焼肉屋だ。そして『四天王のスウィーツにそっくりな男』、鈴木雅之が『ドラえもんズ』
とかいう元パッショーネの連中に誘拐されたようだ。」
ジェリー「ややこしいな。それよりウェポン返せ!」
つづく
401 :
ほんわか名無しさん:03/10/29 18:22
トム「まァ待てよ、しばらく『マグマウェポン』は俺が使わさせてもらうぜ」
ジェリー「ふざけるな!一体お前は何をしようっていうんだ!」
トム「なにって…」
視線を落としながら、ゆるやかに槍を象る『マグマウェポン』の先をふりまわすトム。
だいぶ使いこなしているのがうかがえる。
トム「これからガミラスタワーに侵入するのさ」
ジェリー「なんだって!?」
トン、とマグマウェポンの矛先を地面に置とし、続きをしゃべりはじめた。
トム「4つのオリジナルウェポンのひとつであるマグマウェポンをチルドレンでもない俺が
操れるのはジェリー、お前のおかげさ。たとえ対応したチルドレンでなくてもオリジナル
ウェポンを操れる『WI』…『コピーウェポン』を開発してくれたおかげでな」
トム「しかし、『コピーウェポン』を以ってしてもオリジナルウェポンの力は20%までしか
引き出せないんだぞ!」
トム「二割もあれば十分だ。ガミラスを叩きのめすことなど容易い」
つづく
ここはワンドラの修行洞窟。
キッド「やっと世界政府の奴、帰って行ったな。」
ピピピピ…。
ワンドラ「また情報レーダーですか…、えぇ!?」
マタドーラ「なんだ!?うるさいぞ!?昼寝しようと思ったのに!」
もう夜であるにも関わらずマタドーラが言った。
ワンドラ「世界政府がチルドレンのスウィーツでデザートウェポンのパワーを引き出す実験を行ったそうです。」
ドラパン「なんだと!?スウィーツは私がしっかりと誘拐してきたはずだぞ!?」
これが証拠だ、と言わんばかりにドラパンは鈴木を取り出した。
ワンドラ「でも、それじゃあどうして…。」
ドラえもんが何かに気付いたように言った。
ドラえもん「あれ?実験の様子の写真にはオカシーズのパフェとファチェ以外には小さな子供しか写ってないよ?」
キッド「こいつの幼少期の写真じゃないのか?」
キッドがドラパンの抱えている大男を指して言った。
ワンドラ「キッド、この写真の子は女の子ですよ。」
ドラメッド「と言う事は…。」
ワンドラ「はい。この子が本物のチルドレンのスウィーツと言うことですね。」
ドラパンは怒りのあまり、鈴木を蹴りつけた。
ドラパン「クソッ!!」
鈴木の首が勢い良く飛んだ…。
突然、洞窟の出入り口からエクレアが入ってきた。
エクレア「人蹴りでその大男の首を吹っ飛ばすなんて相当な力ね。」
キッド「うわ!まだいたのかよ!」
キッドが驚きのあまり空気砲を一、二発発射した。
エクレア「あら、危ないわね。」
エクレアが空気砲をかわしながら言った。
エクレア「どうやらあなた達は、知ってはいけない世界政府の事情を知っているようね。」
ドラリーニョ「知っちゃダメだったの?じゃあ忘れるね?」
ザ・ドラえもんズ一同が呆れた顔をした。
エクレア「そぉねぇ…。」
エクレアはしばらく考えて言った。
エクレア「世界政府に来ない?」
キッド「誰が──」
ワンドラ「キッド!!少し考える時間を下さい。」
ザ・ドラえもんズ一同は固まってヒソヒソ話を始めた。
キッド「(誰が世界政府なんかに行くか!)」
ワンドラ「(でも、これはある意味チャンスですよ?世界政府に入り込んでスウィーツ、のみならずデザートウィポンをも盗めば世界は私たちの物も同然ですよ?
こっちにはドラパンもいますし。)」
ドラパン「(私も賛成だ。)」
ドラメッド「(水が無いのならばOKであーる。)」
ドラえもん「(世界政府ってどんな所なのかな?)」
マタドーラ「(シェスタもできそうだし、いーんじゃないの?)」
キッド「(みんながそう言うなら…)」
ドラリーニョ「(全員一致だね!)」
全員がエクレアの方を向いて言った。
「ぜひ!!」
404 :
ほんわか名無しさん:03/10/29 20:51
世界政府軍の壊滅を見届けた
ガミラスはその計画を次の段階に移した。
ウエポンの捜索である。
田代の知識を持ったデスラーのクローンであるガミラスは
ウエポンの威力を充分認識していた。
地球への帰還はただの侵略戦争ではなかった。
ウエポンの力を持って全宇宙を支配する。
それがガミラスノ最終目標である。
それゆえにガミラスの進の目的はウエポンの獲得にあった。
405 :
ほんわか名無しさん:03/10/29 20:58
ガミラスはウエポンの捜索に
ジーンズと呼ばれる新鋭部隊を投入した。
ジーンズとは6本の腕を持つギルガメッシュを筆頭とした
ガミラス帰下の精鋭部隊である。
ジェリー「ちょっと待て、今入った情報によるとスウィーツとデザートウェポンのリンク実験が成功したらしい。
それと先日ゴズニ―ランドでSMAPと十三浪士の戦闘が行われた際に強力な『WI』の使用が確認
された。それと、現在数人の十三浪士が『WI』を使ってねるねるねるねの駆除を行っているという
情報も入った。」
キリコ「何、『WI』って?」
トム「そんなことも知らないのか。例えばこれも『WI』の一つだ。」
トムはキリコに右手にはめたシンプルな指輪を見せた。
ジェリー「あぁ、これは俺が造った『WI』の一つ、『コピーウェポン』だ。ウェポンに
リンクできない者でも本物のウェポンを約20%の出力で扱うことができる。
俺も鳥取砂丘ではこれを使って『マグマウェポン』を扱ってたんだ。」
つづく
キリコ「でも田代さんは本物の『グラスウェポン』を使えたわよ?」
キリコにしてはまともな意見が飛び出す。
田代「ウェポンに完全に対応するように造られたのが『ナイトメアチルドレン』だ。しかし
偶然だが俺にも多少『グラスウェポン』とリンクする能力があるようだ。」
キリコ「全然わかんないわよ!ちょっと詳しく説明してよ!」
四天王とはいえ、田代の手下にしてはでかい態度である。
ジェリー「ちっ、しょうがねーな。」
ジェリーは田代と相談しながら渋々報告書をまとめた。
ジェリー「ほら、これ読んどけ。」
つづく
「『ウェポン』に関する報告書」
『ウェポン』とは地球に古くから存在する四つの古代兵器のことである。
・ウェポンを使うにはウェポンとリンクする必要があるが、完全にリンクできる者は通常、存在しない。
しかし、部分的にリンクする者が稀に存在することがある(田代etc...)
・ウェポンと完全にリンクするように、田代とパフェによって造られたのが『ナイトメアチルドレン』である。
『ナイトメアチルドレン』はそれぞれ強力な『パワー』を持ち、『ウェポン』を所持していない時には
暴発することがある。(メガネッシュの『グラスパワー』暴発による共同研究所爆破etc...)
つまり、『ウェポン』とチルドレンの『パワー』は互いに制御し合う関係にある。
・現在確認されているウェポンとそれに対応するチルドレンは次のとおりである。
『グラスウェポン』(田代財閥所有)・・・メガネッシュ
『デザートウェポン』(世界政府所有)・・・スウィーツ
『マグマウェポン』(ジェリー所有)・・・不明 注)現在はトム所有
・『ウェポン』を模造、または応用した武器を『WI(ウェポンイミテーション)』と呼び、
出力は平均すると本物の約20〜40%である(使用者の能力にもよる)。
これに対して本物のウェポンを『オリジナルウェポン』と呼ぶこともある。
現在、使用されたことが確認されている『WI』は次のとおりである。
『ライトニングウェポン』・・・ゴズニーランドにて十三浪士の一人が使用
『コールドウェポン』・・・中国山東省にて十三浪士の一人が使用
『コピーウェポン』・・・ジェリー、トムが使用
409 :
ほんわか名無しさん:03/10/30 07:44
キリコ「うーん。わかったような、わからないような…」
ジェリー「さらに『WI』にもリンクできるかどうかは術者の資質が関わってくる。
オカシーズでは『WI』の出力を最大限に発揮できるのはオカシーズ十三狼士No.1
の実力を持つシフォンだけらしい。ほかの十三狼士はリミッターを使うなどして出力
を抑えないと使用できないようだな」
キリコ「要するにスタンドみたいなもんね」
ジェリー「まぁ…そういう風に考えてもいい。(ていうかなんでジョジョ読んでんだよ)」
トム「さてと、俺はそろそろ行くぜ。」
トムは背中でウェポンに関する話を聞いていたが途中で飽きた様子で準備運動を
始めていて、今ちょうどそれが終わったところだった。
ジェリー「待てトム!…いっちまいやがった。」
ジェリーが口を開く前にトムは入り口から出て行った。おそらくもう遠く離れたところへ
行ってしまっているのであろう。
田代「トムはこのままほおっておいていいだろう。やつの事だ、まず死ぬことはあるまい」
ジェリー「しかし…!」
田代「それより、もう完成したんだろう?我々のチルドレンは」
ジェリー「あぁ。アンチねるんるねシステム『ピノ』を搭載した『ネオナイトメアチルドレン』…
ミッキーはそろそろ完成するぜ」
実験用のカプセルから、一息の酸素が泡となり震えた。
つづく
410 :
ほんわか名無しさん:03/10/30 12:06
そのころメガネッシュたちとSMAPは熱海にいた。
つづく
SMAP、メガネッシュ、キバヤシ、タモリ、志村は埼玉から熱海の温泉テーマパークに移動していた。
ゴロー「ゴズニ―ランドは壊滅してしまったので、しばらくここを拠点とします。」
中井「ああ、もう東京はねるねるねるねに支配されたんだろうか。」
ゴロー「いえ、東京のねるねるねるねは元『パッショーネ』のドラえもんズが駆除したようです。」
香取「何っ!?あのドラえもんズか?これは強力な味方が動き出したぞ。」
SMAPとドラえもんズはパッショーネ時代の同僚にあたる。
ゴロー「でもドラえもんズは世界政府と手を組んだとのウワサもありますね。」
木村「おそらくスパイ活動の一環だろう。」
草薙「近いうち連絡とろうぜ。」
香取「そうだな。」
「それと・・・」
ゴローが深刻そうな面持ちで話し出した。
つづく
ゴロー「数日前、鳥取砂丘で田代たちが『グラスウェポン』を発見した。」
全員「何っ!!!」
志村「・・・メガネッシュさん、あなたは『グラスウェポン』のもとへ行かなくてはならない。」
メガネッシュ「どういうことだ?」
もはやこの場でナイトメアチルドレンを知らないのはメガネッシュのみであった。
志村「あなたはそういう運命にあるのです。今から
・・・私が知ってる限りのことを話しましょう。」
つづく
志村「私は15年前、世界政府科学部に助手として配属されていました。そのときの同期があのサバランです。
奴はその後実力を買われて警察部オカシーズの十三浪士として抜擢されましたが。
当時の科学部の博士、現在の十三浪士のパフェは田代と協力して一つの研究を完成させました。研究目的は
『ウェポン』と完全にリンクする人造人間を製作すること・・・。そうして四人の子供が造られ、恐ろしい
『パワー』を持ったその子供達は『ナイトメアチルドレン』名付けられました。」
淡々とした志村の話に、全員が耳を傾けていた。
志村「世界政府と田代財閥がどういう目的で『ナイトメアチルドレン』を造ったのかはわかりません。
しかしいざ完成すると、その恐ろしい力を持った産物に恐れをなした二人はチルドレンを殺害
しようとしました。」
つづく
志村「そんな中一人のチルドレンの『パワー』が暴発し、共同研究所が破壊されてチルドレンの所在
は不明になってしまいました。田代が一人を保護しているとの情報もありましたが定かでは・・・
世界政府と田代財閥はチルドレンの捜索にあたりました。そうして数年前、田代は一人のチルドレンを
発見しました。そして協力するふりをして彼を自分の監視下においたのです。」
メガネッシュ「まさか・・・」
志村「メガネッシュさんあなたは・・・『ウェポン』の申し子、『ナイトメアチルドレン』だ!」
メガネッシュ「俺が・・・俺が、人造人間っ・・・!?」
つづく
所変わってここはとある病院。
この病院の上では風車男がグルグルと風車を回している。
風車男「黄金虫は金持ちだ。」
こんなことを歌っている風車男は首が無い。
首が無い理由もわからない。
しかし、名前はある。
ルリヲ、という名である。
何故か「ヲ」である。
こんな不思議に満ちた彼は、他人に知られると、彼のことを知った者は全てルリヲを探し求めてしまう。
そしてつまらない人生、そしてあまりにも呆気ない終わりを遂げるのである。
しかも、彼は誰かが思い浮かぶ。そして思い浮かんだ者が他人に何故かルリヲのことを話してしまうのである。
また、彼を捜し求めるも無駄である。
何故ならば、思い浮かんだ者が勝手に思っただけでいるかどうかさえ定かではないのである。
しかし、不思議なことに彼のイメージは思い浮かんだ者同士共通している。
今日も風車男は自身を妄想する愚か者を探しているのだ。
416 :
ほんわか名無しさん:03/10/30 20:38
軍事部の崩壊により世界政府の信用は失墜し、
各国に対するその統制はもはや名だけのものだった。
そして迫りくるガミラス軍の脅威に脅えた某国は
その使用が固く禁じられていた核を香港に向け発射した。
香港に数十発にも及ぶ核ミサイルの雨が降り注いだ。
巨大なきのこ雲があらわれ、誰もが勝利を確信した。
しかし、香港を覆っていたきのこ雲が晴れたとき現れたのは
キズひとつついていないガミラスタワーであった。
417 :
ほんわか名無しさん:03/10/31 00:05
『ねるねるね』である。
『ねるねるね』が核ミサイルが爆発する寸前にガミラスタワー全体を覆い、核の
驚異的な爆発力からガミラスタワーを防いだのだ。ねるねるねがなくても
デスラー星からのみ採取できる地球のどの鉱物より堅固な『デスラーアイアン』
によって建造されたガミラスタワーは倒れなかったかもしれない。
ガミラス「ハッハッハ!おろかな地球人類め!我々の力を思い知ったか!
しかも我々の科学技術なら放射能対策も完璧だ!三分もあれば放射能を完全除去できる
『コスモクリーナー』があるからなァ!」
おそらく地球上に存在するどんな軍事兵器でもガミラスタワーは傷つけれない。
できるとすれば、少数の精鋭部隊でガミラスタワー内部から切り崩していくことだけであろう…。
メガネッシュ「そんな…!お、俺が…」
自身の出生の秘密を明かされ動揺するメガネッシュ。足が震え、視線は一定の角度から動かない
状態だった。いつもは冷静なメガネッシュが、ここぞとばかり揺れ動いている。
志村「驚かれるのは無理もありません。しかしメガネッシュさん、これがあなたの現実です。
運命を受け入れ、闘ってください」
メガネッシュ「……」
メガネッシュは、まだ信じられないような顔をしていた。
つづく
香港とその周辺地域は、爆発影響により
ガミラスタワー以外の建築物は塵灰と化した。
そして数十発の核によって、放射能ではない大量の塵が大気圏に広がり、日光をさえぎった。
地球の平均気温は、5度下がった。
極の氷が増え、海面が下がり、多くの生物に被害をもたらしたが、
ただひとつ、良いことがあった。
ねるねるねるねの活動範囲も、わずかに狭くなったのだ。
核の冬は、約一年続くと世界中に伝えられた。
デラ星から「戻ってきた」ガミラス軍の強襲、ねるねるねるねの被害により
他の五大陸の主要都市でも香港と変わらぬ景色が広がっていた。
生き残った普通の人々は、ガミラス軍が目をつけないような辺境の土地に逃れるか
シェルター内で細々と息をひそめるより他はなかった。
日本でも、実は以前からシェルターが大都市の地下に無数に存在し、
生き残りの大半が、そこで暮らしていた。
しかし、ガミラス軍の手から完全に逃れられたわけではなかった。
人類は、しだいに希望を失いつつあった。
419 :
ほんわか名無しさん:03/10/31 00:44
ジェリー「声明発表?」
新たな作ったシェルター研究所で研究を続けていたジェリーに、田代はある提案を話した。
ジェリー「一体どういうことを宣言するんだ?」
田代「…今地球人類はガミラスの手によって希望を失っている。いつガミラスの侵攻により
命を落とすやもわからん。元の生活に戻れないのではないか?いつか尽きる食料はどうする?
おそらくもう限界のところまで来ているだろう。そういう時、人々は何を欲するかと思う?」
ジェリー「救世主様、ってことか?」
田代「そう、ガミラスを打ち倒す勇者が必要なのさ。それがもしガミラスに負けたとしても
そういう存在があったことは人々に活力を与える。そしてもし勇者が勝ったとするならならば、
その勇者は永遠に崇め続けられる」
ジェリー「その勇者ってのは…誰だ?世界政府か」
田代「わからないのか?」
田代は立ち上がり、数歩歩いてジェリーに背を向けながら言った。
田代「それこそが『ナイトメアチルドレン』なのだよ。そして私が彼らを生んだ。勇者を生んだ
者も英雄だ。」
ジェリー「もしかして田代、『ナイトメアチルドレン』を使ってガミラスを倒し、チルドレンを生み出した
者として人類を統治するつもりか?」
田代はジェリーの方に振り向いて言った。
田代「フフフ、そうなればいいなぁ、という話だよ。ただのヨタ話さ」
つづく
420 :
ほんわか名無しさん:03/10/31 01:12
極めて微弱な反応をウェポンレーダーより確かめた
ギルガメッシュたちジーンズは中国山東省にきた。
ねるねるねるねの進攻と核の冬に降りその美しい自然は壊され
見るも無残な荒野が広がっていた。
ギルガメッシュ「レーダーの反応が一定していない、やはり違うか…」
その時、いくつかの物影が動いた。
田代「しかしチルドレンは自我が強いからな。こいつが世界を救うことになるかもな。
そのほうがよっぽど現実的だし、どちらにしろ私は歴史に名を残せる。」
その見つめる視線の先には実験用カプセルに入ったミッキーがいた。
ジェリー「よし、『ピノ』を搭載した『ネオナイトメアチルドレン』、
ミッキー完全体がやっと完成したぞ。」
田代「さっそくガミラスタワー近辺に潜伏しているトムのもとへ向かわせよう。」
つづく
世界はねるねるねるねと核のせいですっかり荒廃してしまった。が、ガミラスが放射能除去装置
『コスモクリーナー』を使用したおかげで放射能の恐れだけは無くなっていた。
トム「放射能も無くなったようだな。そろそろタワーに侵入するか。」
核から逃れ、地下シェルターに潜んでいたトムは頃合いを見計らって地上に現れた。
トム「これが、香港か・・・。すでに面影もない。ガミラスタワーしか残らなかったんだな。」
殺風景な街にはもはやガミラスタワーしか見当たらない。静寂の都市と化した香港。
だがそのときトムに近づいてくる足音が聞こえてきた。
トム「見つかっちまったか?」
ミッキー「おーい、トムさーん!」
トム「お前は・・・田代んとこにいた変な奴か。ちょっと感じが変わったな。」
ミッキー「お手伝いにきたよ。」
トム「一人で十分だ。助けは必要ない。」
ミッキー「僕けっこう役に立つよ。」
ネオチルドレンが放つ独特の雰囲気は、トムに不思議な可能性を感じさせた。
トム「・・・邪魔すんなよ、ついて来い。」
つづく
423 :
ほんわか名無しさん:03/10/31 16:42
志村「メガネッシュさん、残念ですがもう悩んでる時間さえありません。これから私と
ある場所へ行ってもらいます」
メガネッシュ「…どこへ?」
憔悴しきったような顔でメガネッシュがつぶやいた。かすかに聞き取れるくらいの声量だ。
志村「あなたは主人公にしてはキャラが薄…ゲフンゲフン!いえ、これからの闘いにおいて
あなたは力量不足だ。そこで修行をしてもらわなければならない。私の知り合いにそういうのに
うってつけの男がいます。その男のところに。風車男のもとに。」
つづく
しかし、志村が探すと必ず哀れな最期を迎える、風車男ルリヲのことをメガネッシュが知ったことによってこの世界の運命が変わろうとは、狂人気取りは知らなかった…。
志村「ルリヲとは、ある『精神鍛錬プログラム空間』に存在する男です。これは精神を鍛錬する目的でバーチャル空間で修行するものです。
このプログラムのことを知り、何人もの人々が挑戦しましたが彼らは皆クリアできずに哀れな最期を遂げました。
木村「ゴズニ―ランドの『精神と時と部屋とYシャツと私』の部屋みたいなもんだな。」
志村「もっと殺伐とした空間です。生きて帰れるどうか・・・」
その場の全員が息を飲んだ。
志村「この空間の主であるルリヲに会えば、あなたは15年前の記憶がよみがえり、『グラスパワー』を開花させる
きっかけになるはずです。」
メガネッシュ「・・・わかった。俺にどんな力が備わっているのか知らないが、
俺は必ずその『グラスパワー』ってやつを開花させてやる!」
志村「・・・では中国の上海にある『精神と時と酒と泪と男と女』の部屋に行きましょう。彼はその世界の主ですから。」
キバヤシ「俺たちも行かせてくれ。」
キバヤシとタモリも覚悟を決めていた。
志村「いえ、常人のあなた達には危険すぎます。しかしチルドレンであるメガネッシュさんなら
クリアできるはずだ。私はその案内役としてついていきます。」
香取「よし、じゃあキバヤシとタモリは俺たちについて来い。志村、俺たちも途中までは付き合うぜ。」
ゴロー「田代や数人の十三浪士も中国にいるようですからね。我々は上海にも近い山東省に向かいましょう。」
つづく
その頃ザ・ドラえもんズを世界政府に連れて来たエクレアはプリンに説教を喰らっていた。
プリン「馬鹿者!!」
プリンがもの凄い形相で言った。
エクレア「でも、ドラえもんズを世界政府に監禁しておけば…。」
プリン「ザ・ドラえもんズはそんな柔な奴らではない。
おまえは何故ドラえもんズがパッショーネを抜けたか知っているのか?」
エクレア「知りませんが…。」
プリン「まあ、知らないだろうな。
ドラえもんズがパッショーネを抜けた理由は、ズバリ、ゴーストが弱すぎるからだ。」
エクレアは驚きに満ちた顔だ。
エクレア「えっ!?そんな…彼は去年の暗殺コンテストでダントツの一位だったはずじゃ…。」
プリン「これは裏の奥の奥でしか知られていないことだが、特別に話そう。
実は今のゴーストは、ただの人工頭脳を持ったコンピューターだ。」
エクレア「なんですって?」
エクレアの顔はさらに当惑の表情に晒された。
プリン「そうだ。だから、今年の暗殺コンテストには出場できなかったわけだ。
そして、ゴーストを殺したのがザ・ドラえもんズってわけだ。」
エクレア「そこまで強そうには見えないけど…。」
プリン「甘いな。彼らは何か秘めた力を持っている。一人一人がな。
そして、彼らは団結するとき、親友テレカで心を通わせ、敵の完全抹消を行う友情のある殺し屋だ。
しかも、友情等が彼らの強さであるくせに、強い。そして残忍だ。敵に対しては友情の欠片もない。」
エクレア「あのロボットたちがそんなに強かったなんて…。」
プリン「しかもな、あいつらを作ったのが誰かさえわからない。
田代も、パフェも、ジェリーさえもが、現在の地球の科学では作ることができない程の強さなのだ。」
エクレアは急に自分のやったことが世界政府の破滅へ繋がるのではないかと恐怖を抱いた。
プリン「ところで、ゴーストがもういないことはパッショーネのメンバーにさえ知らされていない事実だ。
くれぐれもこのことを他人に話さないで欲しい。」
エクレア「…わかりました。」
『主要人物現在地』
メガネッシュ、志村・・・・・上海
SMAP、キバヤシ、タモリ・・・・・中国山東省
ワッフル・・・・・中国山東省近辺
エクレア、ドラえもんズ・・・・・世界政府警察部
田代、ジェリー、キリコ・・・・・中国北部の村
トム、ミッキー・・・・・香港、ガミラスタワー周辺
ガミラス・・・・・香港、ガミラスタワー
ジーンズ・・・・・中国山東省
ワッフル「誰だ、お前は?」
ギルガメッシュ率いるジーンズが山東省で遭遇したのは十三浪士ワッフルであった。
ギルガメッシュ「レーダーの反応が微弱だが・・・お前がウェポンを持ってるのか?」
ワッフル「そうか、お前らガミラスの部隊か。何故ウェポンのことを知っている?」
ギルガメッシュ「質問に答えろ?お前はウェポンを持ってるのか?」
人間の言う事ど聞く耳持たずという様子で、ギルガメッシュは六本の腕をうねらせた。
ワッフル「化け物がっ!そのショボいレーダーじゃ『ウェポン』と『WI』の区別もつかんようだな。」
ギルガメッシュ「持ってないのか、じゃあ死ね。」
ブォーーン ブォーーン ブォーーン
いきなり六本のうち三本の腕を蛇のように伸ばし、奇襲してきた。
ワッフル「オット、」
ワッフルは軽い身のこなしで三本の腕を受け流した。
ワッフル「礼儀がなってないな、化け物は。オタベ!相手してやれ。」
オタベ「待ってました〜!!」
ワッフルの部下で最も好戦的なオタベは久々の出番に燃えていた。
つづく
志村「ここです。」
香取達と別れた志村とメガネッシュは上海の山奥にやってきた。
メガネッシュ「ここが『精神と時と酒と泪と男と女』の部屋か・・・」
ひっそりと立ち並ぶその木々の中でも、一際目立つ大木の根元がその入口だった。
志村「ここからは一人で行ってください。」
メガネッシュ「えっ、付いてきてくれないのか?」
不安そうなメガネッシュ。
つづく
志村「これはあなたの修行ですよ。内部は外部より時間の流れが遅くなっています。
一度入るとルリヲに会うまでは出て来れません。クリアできない場合は精神を侵されて
空間内を彷徨うことになるでしょう。現にこの部屋の中にはそういう奴らが彷徨っています。
部屋に入ると殺風景な街並みが見えるはずです。ルリヲはその街の病院の屋上にいます。」
メガネッシュ「・・・(大丈夫かなぁ)」
さらに不安は募るが、先に進むしかないことはわかっていた。
志村「それと・・・内部と外部は連絡は取れません。
私は外からこの超小型監視カメラとモニターで見ていますから。」
メガネッシュ「じゃあ行ってくる。俺にもしものことがあったら香取に伝えてくれ。
・・・キバヤシとタモリをよろしく頼むと。」
そう言うとメガネッシュは一度も振り向かずに部屋に入っていった。
志村「メガネッシュさん・・・頼みます。」
つづく
431 :
ほんわか名無しさん:03/11/01 06:29
イオナズン
ギルガメッシュがそう叫ぶと
赤い炎がオタベを直撃した。
イテェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ
オタベはその激痛に耐えられずもがき苦しんでいた。
瞬間的にワッフルの間合いに入ったギルガメッシュは
ワッフルめがけ、6本の腕によりまるで風車のような突きをはなった。
ワッフルは防戦一方である。
所詮は2本の腕対6本の腕である。次第にギルガメシュの攻撃をかわしきれなくなった
ワッフル体は切り刻まれていった。
しかし、さすがわワッフルである一瞬の隙を突きWI「コールドウェポン」の力を発動させ。
ギルガメッシュの片側3本の腕に直撃させた。ギルガメッシュの腕は氷結しこなごなに砕け散った。
だが、片側の腕ギルガメッシュは顔色ひとつ変えない。
「時間の無駄だな…。ベホマ!}
失われたはずのギルガメッシュの腕が再び現れた。
「雑魚の相手をしてる暇はないんだよ。」
「ルーラ」
そういったかと思うとジーンズの面々は突如消え去った。
ワッフル「なんてことだ…ガミラスの部下があんなに強いなんてな」
オタベ「ちょっとヤバかったッスね」
オタベがそうはさむと、ワッフルはオタベの頭をこづいた。
ワッフル「馬鹿野郎!さっきのは手加減してたんだよ!」
イラついた顔でワッフルはタバコを吸い始めた。元々軍人顔のワッフルだが怒りによって
鬼のような形相である。
ワッフル「オタベ!残りの特戦部隊全員をここ山東省に至急集合させろ!一時間以内だ!
一秒でも遅れたら死刑な!」
オタベ「実はもうすでに集合をかけています。ヨウカン、キンツバはもう山東省内に入っています」
つづく
タモリの右腕は使い物にならなくなっていた。
シフォンの『ライトニングウェポン』を喰らい、もはや箸さえ持てないような状況であった。
はたしてこの腕で戦闘がでいるのか?足手まといになるかもしれない。だがタモリは
戦闘を志願した。それでも自分にはヅラ百道がある。地球の平和のために、いや自分を
試すために、タモリは戦場に身をやったのであった。
SMAPが所有していたヘリで中国山東章に到着した。とある山野に着陸しそこで降り、
見つかりにくい場所にヘリを隠していおいた。
ゴロー「さて、ここらへんに十三狼士やらがいるはずなのですが…」
一行は向かうあてもなかった。とりあえず情報を探すしかないので最寄りの街まで
向かうことにした。
中井「それにしても」
歩いている途中、中井が香取に話し掛けてきた。気さくな中井はいつも誰かとしゃべっている。
中井「香取、お前がまさかあの野比家の人間だったとはな。」
そう、香取は暗殺者の世界でモグリでなければ誰もが知っている野比家の息子であったのだ。
暗殺コンテストでは毎年上位入賞、ほかにも数々の伝説を残してきた恐るべき暗殺一家だった
のである。だが組織に属さず、フリーであったが故に世界政府に殺されてしまった。世界政府とも
つながりを持っていた暗殺組織パッショーネに属さない暗殺者はほとんどが殺されてしまったのだった。
香取「俺は復讐のためにこの世界に入った。もしかすれば母さんと父さんを殺した犯人の情報が
手に入るかもしれない。だがそれがまさか十三狼士の中の一人だったとはな。見つけ次第俺が
やってやるぜ。」
つづく
434 :
ほんわか名無しさん:03/11/01 07:43
木村「そういえばドラえもんズもパッショーネを抜けたんだってな。」
中井「ああ、そういえばな。」
ゴロー「無理もないでしょう。今の『ゴースト』がああじゃね」
キバヤシ「? どういうことなんです?」
ゴロー「実は今のパッショーネはほぼバラバラだったんです。それというのも今年に入ってから
『ゴースト』が突然ヘンになってしまって…ウワサではコンピューターに身代わりをさせて行方を
くらました、なんて話もあります」
タモリ「じゃあ、本物は今いったいどこに?」
首を振ってゴローは答えた。
ゴロー「わかりません。一体どこでなにをしているのやら。組織の人間でさえ彼の素顔を知る者
は少なかったですからね」
草薙「シッ、止まれ。」
先を走っていた草薙が突然制止を促した。何かを見つけたらしい。一行は身をかがめ近くの
草村に隠れた。
草薙の視点の先には一台のトラックが走っていた。それだけでは問題ではないのだが、荷台の
マークが問題だった。
ゴロー「あれは…世界政府のマークですね。おそらくオカシーズの連中でしょう」
木村「クソッ、これみよがしに目立ちやがって、よし、あのトラックを襲おう。」
つづく
その頃、世界政府ではサバランとドラえもんズの戦闘になっていた。
サバラン「エクレアが面白い戦闘ができると言っていたが、おまえらちんけなロボットのことだったのか。」
ワンドラ「私たちも随分と嘗められたものですねぇ…。」
サバラン「まぁ、しょうがねぇ。相手してやるか。全員でかかってこい!!十秒でスクラップにしてやるぜ!!」
そのとき、一人のロボットが身を前にやった。
キッド「貴様など、俺一人で充分だぜ。」
サバラン「ふん、雑魚がかっこつけやがって。」
サバランが一瞬気を溜めたと思いきや攻撃に応じた。
サバラン「死ねぇぇぇい!!!アチャチャチャ!!」
しかし、その攻撃は二発のあまりにも早い銃声によって遮られた。
サバランがその場に倒れた。
サバラン「ぐ……そ……」
サバランが、あのサバランが血を吐いてもがいている。
なんとキッドの放った空気砲が一瞬にしてあの、鋼鉄の肉体と呼ばれたサバランの心臓と脳を打ち抜いたのである。
キッド「雑魚が。」
サバランは屍と化した。
メガネッシュは不安と責任感の入り混じった面持ちで、巨大な樹木のトンネルを通る。
トンネル内は、まるで坑道のように真っ暗だ。
背後の出口の光が消え、疲労感を覚え始め、時間の感覚がなくなり、
果たしてこのトンネルに出口はあるのか?と疑い始めた時、
ようやく前方に光を見つけた。
「出口…か?」
かすれた声でメガネッシュがつぶやいたが、それは出口の光ではなく、
しっくい壁の家というよりは小屋の明かりだった。
小屋がある以外は、行き止まりだ。
しかたなく、木製の扉をノックする。
「開いてるよ」
中から老人の声がぶっきらぼうに響いた。
メガネッシュが小屋の中に入ると、男のやもめ暮らし、という感じの狭い室内に、
背中と腰の曲がった老人が1人、背を向けて何か用意していた。
「ま、そこに座れ」
メガネッシュが小さな椅子に腰掛けると、老人はこちらを向いて、温かいお茶を出してくれた。
「どうも」
メガネッシュは軽く首を下げると、お茶を受け取り、匂いをかいだ。
「心配するな。ただのウーロン茶だよ」
老人も椅子に腰掛けた。
そこで初めて老人の顔を見たメガネッシュは、視線をそらした。
老人の首から上の右半分が、まるで押しつぶされたようにひしゃげていたからだった。
メガネッシュがお茶を飲み終わると、
「ついて来な」
老人はメガネッシュに手招きをした。まるで、メガネッシュが何のためにここに来たか、知っているようだった。
部屋の奥の小さな扉を開けて、メガネッシュに中に入るよう老人が扉の端に立った。
おずおずとその暗い部屋に、メガネッシュは入った。
踏み出した足の下に、床はなかった。
バランスを崩し、落ちそうになったが、メガネッシュは出入り口のふちに手をかけて、ぶらさがった。
メガネッシュが足の下を見ると、真っ暗闇で何も見えず、何も聞こえなかった。
「案ずるな。落ちろ」そう言いながら老人は、メガネッシュがかけた手を思い切り蹴った。
老人の力とは思えないほど蹴られたので、メガネッシュは手を離してしまった。
当然、メガネッシュの体はなすすべもなく落ちていった。
438 :
ほんわか名無しさん:03/11/01 18:22
中国は街から少しでも外れるとほぼ別世界の景色が見える。広大な農地、得体の知れない
風貌の人が道路に寝転んでいたり…。狭い日本に住んでいればその風景には驚かせるであろう。
樹が伐採され山が裸のように肌けた中国独特の山地が周りに延々と続くだけのバックに
世界政府のトラックが一本の道路の上をキビキビと走っていた。運転席には、オカシーズ十三狼士
ワッフル率いる特戦部隊のヨウカンとキンツバがいた。彼らはおそろいの、暗い橙色のジャケットを
着ている。胸には共通の三角形をかたどったマークが入っている。それはワッフル特戦部隊の証
であった。
くせのある顔のヨウカンはハンドルを握りながらつぶやくように言った。
ヨウカン「あ〜、なんでこんなアジアのど田舎に来なきゃいけねーんだよ。まったく、とんだ
出張だぜ」
だるそうにしゃべるヨウカンとは対照的に生真面目な印象の背の低いキンツバが返した。
キンツバ「黙れ。仕事なんだから真面目にしろ。それに時刻通りに到着しないとワッフル隊長
にどやされるぞ。そうでなくとも約束の時間とは守るものだ」
ヨウカン「ヘ〜イヘイ」
うるさそうに聞くヨウカン。と、ふいに運転しているトラックの上に何かが乗ったような気がした。
ヨウカン「なんだぁ?サルでもいるのか?それにしては重いような…」
と、次の瞬間には轟音と共にヨウカンの視界がくるりと回っていた。危うく自分もひっくり返りそう
になるところをズバ抜けた反射神経で空いた窓から車の外に転がり出た。
なんだ?ヨウカンが起き上がったときにはトラックはもう真横に倒れ炎をあげていた。これは――
襲撃だ。何者かの手によってトラックが倒されていたのだ。ほかにどう説明できるっていうんだ?
おそらく倒れた反対側にキンツバはいるのだろう。そこは心配していない。
そしてヨウカンの思ったとおりトラックを襲った犯人が、数人だ、燃え上がるトラックの横にいた。
タモリ「よう、オカシーズワッフル特戦部隊。お前らの着ている趣味の悪いジャケットで一発で
わかったぜ。」
ヨウカン「誰だ、お前達は!」
タモリ「お前ら特戦部隊の奴と戦ったことがあるものさ。悪いが、ここでリベンジさせてもらう」
つづく
「・・・どこだここは。」
ふと気が付くとメガネッシュは冷たい土の上に倒れていた。不思議と痛みはない。
メガネッシュ「・・・そうか、俺は『精神と時と酒と泪と男と女』の部屋に入ったんだったな。」
目の前には荒廃した街が広がっていた。ゆっくりと立ち上がるメガネッシュ。
メガネッシュ「何故だろう、はじめて来たのに懐かしさを感じる。」
セピア色に映る風景は、メガネッシュの過去の記憶に何かを呼びかけているようだ。
メガネッシュ「よし・・・行くか。」
街の中へ歩き出したメガネッシュ。一歩一歩踏み出すたびに頭をよぎる記憶の断片。
メガネッシュ(これは・・・メガネッシュカー時代の記憶・・・大勢の社員を犠牲にして野球に走った日々・・・元社員に
恨まれて後悔にさいなまれた日々・・・俺はたくさんの人々を犠牲にして生きてきたんだな。)
つづく
そのころ部屋の外部の志村は・・・
志村(『精神と時と酒と泪と男と女』の部屋に入った者は、よみがえる過去の重責に
耐えられず精神を侵されるのです。メガネッシュさん、頑張れ・・・)
メガネッシュ「クッ、たくさんの人々を犠牲にしたからこそ今度は俺が世界を救うんだ!」
固い決意で弱気な考えを払拭する。しかし次は覚えのない記憶がチラついてきた。
メガネッシュ(これは、子供の頃の俺・・・あぁ、あの写真の頃だ。隣にいる女の子は・・・
スウィー、そうだ!スウィーツだ!残りの三人は・・・あぁ思い出せない!)
過去の記憶に彷徨うメガネッシュは、いつしか古びた大きな病院の前にいた。
つづく
タモリは基本的には好戦的だ。いつも心のどこかで死ぬ間際の窮地を待っている。それは
彼の強さへの飽くなき向上心がもたらすものだった。男ならば、世界一強くなりたい。そうだろ?
ヨウカン「よくも邪魔してくれたな。こちとら急いでるんだぜ。大至急の用だったんだ」
タモリ「そりゃいい時に襲撃したもんだ」
タモリが中国拳法によく似た構えを始めた。だが左腕は使えない。左腕はブランと下げ、
足を上下させ、蛇を模すように右腕を構えた。
ヨウカン「なんだ?お前左腕が使えないのか?」
もちろんそれはすぐにヨウカンに見破られた。
タモリ「いや―」
ちらっと左腕に目を落とし、すぐにヨウカンの方を向いて答えた。
タモリ「あいにく今日は左腕は休業日なんでね」
ヨウカン「口の減らない野郎だぜ。だが言っておくが俺は手加減しない」
と、後ろの炎上中のトラックの荷台から何かを見つけたゴローが出てきた。
ゴロー「タモリ!やはり何か積んであったぞ!」
ゴローが荷台から見つけ出したそれは、中世の騎士が着ている銀色に輝く甲冑だった。
タモリ「なんだ?オカシーズをやめて骨董屋でも開くつもりだったのか?」
ヨウカン「フフフ…好都合だ。」
邪悪な笑いを口元に残し、ヨウカンは叫んだ。
ヨウカン「装着!」
ヨウカンがそう叫ぶと、ゴローの横にあった甲冑は溶けたように液状になりヨウカンの右腕
に飛んでいった。そしてみるみるヨウカンの右腕に銃を形作っていった。
唖然とするタモリ。もしや、あれは…『ウェポン』?
ヨウカン「これこそ我が『WI』、鋼鉄の『メタルウェポン』!その破壊力を味わうがいいヤァァェィァァァ!」
つづく
タモリの脳裏にあの鳥取砂丘の戦いが思い浮かぶ。ジェリーが操る波平が行使していた、
あの『ウェポン』が、あの古代の強力な武器を持つ相手を自分が相手するというのか!
もちろんそれは、オリジナルウェポンでなくその模造品――しかも強力な故のリミッター付き
――だとはタモリの預かり知るところではなかったが。
ヨウカン「ハハハ、『メタルウェポン』に恐れをなしたか?だが喰らえィ、『ニードルガン』!」
メタルウェポンは銃内で増殖し鋼鉄の針を精製した。それを発射口からタモリめがけ飛ばした。
向かってくる針の銃弾をタモリはなんとかかわした。頬を針がかすめた。少し血がにじんだのを
感じた。
休むことなく二発目、三発目が打ち込まれた。どちらもギリギリでかわした。
ヨウカン「どうしたどうした!防戦一方じゃないのォォィィオォォ!」
次々と『ニードルガン』を発射するヨウカン。タモリは回避に徹するしかなかった。
中井「大丈夫か、タモリ!」
後ろで中井の声がした。おそらく加勢に入るつもりなのだろう。
だがタモリは振り向きもせず右手でノー、のサインを出した。なんでこの窮地に加勢されなきゃ
いけないんだ?この、0コンマ一秒の判断の世界。スポーツで最も反射神経のよい一流の卓球
選手のそれをはるかに上回るスピード。
前のオタベとの戦いは途中で邪魔が入ったんだ、今度は最後まで味わさせてくれ!
と、足元の大きな石にこづいてしまい、体勢を崩してしまった。マズイ!
ヨウカン「隙アリャァァァァァァ!『ニードルガン』!」
勝機を見出したヨウカンはここぞとばかりにニードルガンを打ち込んだ。
タモリは咄嗟に右手でヅラを外し、それを自分の前に掲げた。
タモリ「ヅラ百道!『ヅラ・アンブレラ!』」
傘のように大きくなった向かってくるタモリのヅラは3発のニードルガンを防いだ。
443 :
ほんわか名無しさん:03/11/01 19:12
ヨウカン「ぬぬぅ、小癪な!」
ヨウカンは自慢のニードルガンを防がれて憤怒した。タモリは一つの確信を得た。
これは鳥取砂丘でみた、マグマウェポンに破壊力はそう及ばない。ならば恐れる
ことはない!
タモリ「ヅラ百道、『ヅラ・サイババーイ』!」
タモリはヅラを中国の大地に押し付けた。するとタモリの周りから栽培マンがうぞうぞと
出てきた。
ヨウカン「な、なんだ?」
タモリ「中国の肥沃な大地は栽培マンにとって最高の環境だぜ!行け!栽培マン!」
五十体はいるであろう栽培マンが一気にヨウカンに襲い掛かった。この数はニードルガン
では防げれない。
ヨウカン「チッ、しかたねぇ!」
ヨウカン(リミッターをつけてるからこれが最大限の技なんだが…!クソッ、俺が『メタルウェポン』
と完全にリンクできればもっと強力な技が出せるのに!だがリミッターがないと俺はメタルウェポンが
使えない…!)
ヨウカンは右腕に装着した『メタルウェポン』のについてあるレバーのようなものを引き上げた。
すると『メタルウェポン』はにわかに形状を変えた。銃口が大きく広がる。
ヨウカン「『ガトリングニードル』!」
一分に六百発の針を打ち込むというその技は向かいくる栽培マンをぜんぶ蹴散らした。
だが、いたはずのタモリがいない。どさくさにまぎれどこかに消えたのだ。
ヨウカンはあたりを見回した。だがどこにもいない。
タモリ「上だ!」
ヨウカンが声のしたほう、上空を見上げるとそこには右腕に毛の刀を向けこっちに飛んでくるタモリ
がいた。ヨウカンはしくじった、と声をあげた。「チィィィ!」
タモリ「お前やたらその『メタルウェポン』についてるわっかをきにしてたな?何か大切なものなんだろ?
くらえ、ヅラ百道『ヅラマサムネスラッシュ』!」
ヅラの刀でそのわっかを破壊し着地した。タモリの予想したとおり、それは『メタルウェポン』の
リミッターであった。
メガネッシュはその古びた病院の屋上までたどり着いた。そこにはたった一人で風車を回している男がいた。
ルリヲ「黄金虫ーは金持ちだー」
メガネッシュ「お前がルリヲか・・・?」
ルリヲは歌を止め、そして振り返った。
メガネッシュ「く、首がない!!」
そう、ルリヲには首がないのだ。
(よくここまでたどり着いた、メガネッシュよ。)
メガネッシュ「ん?誰だ。」
ルリヲ(私がルリヲだ。今お前の脳に直接話し掛けている。)
メガネッシュ(不気味な奴だな。)
ルリヲ(失礼な奴だ。お前の考えは全て筒抜けだぞ。)
つづく
メガネッシュ(お前は知ってるのか?俺の過去を。)
ルリヲ(記憶の全てはお前の中にある。)
メガネッシュ(俺は何も覚えていない。)
ルリヲ(お前は恐れてるんじゃないのか?全てを思い出すことを。)
メガネッシュ(違う、俺は何も知らない!)
頭を抱え、しゃがみ込むメガネッシュ。
ルリヲ(恐れることはない。ありのままを受け止めるのだ。)
メガネッシュ(ありのまま・・・)
交錯する封印された記憶。
メガネッシュ(俺はナイトメアチルドレン・・・ウェポンの申し子・・・人造人間・・・スウィーツ・・・
グラスパワー・・・パフェ・・・田代・・・グラスウェポン・・・)
ルリヲ(お前ならこの空間を抜け出せる・・・)
メガネッシュ(マグマウェポン・・・鳥取砂丘・・・ナイトメアチルドレン・・・ナイトメアチルドレン!!)
ルリヲ(全てを解き放つのだ)
メガネッシュ「うあぁーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
つづく
グォーーー ドカッーン!!!!!!
部屋の入口である大木は、稲妻が走るが如く一直線に引き裂かれた。
志村「うわぁ」
部屋の外部で見ていた志村はあわてて大木から一歩退いた。立ち込める白い煙。
志村「・・・メガネッシュさん?」
煙の中に見えてきた人影は、メガネッシュだった。
メガネッシュ「・・・記憶が少しずつよみがえってきた。」
志村「メガネッシュさん、『グラスパワー』を開花させたんですね?」
メガネッシュ「ああ。」
メガネッシュは『グラスパワー』を発動し、空間ごと破壊して脱出したのだった。
そのときどこからかルリヲの声が聞こえた気がした。
(黄金虫ーは金持ちだー)
メガネッシュ「ありがとう、ルリヲ・・・」
つづく
一方、山東省郊外
ヨウカン「しまった!リミッターが!!」
タモリ「やはりな、それは偽ウェポンか!そんなんじゃ俺には勝てないぜ。」
しかしウェポンには及ばないとはいえ、『WI』の威力に内心脅威を抱いていた。
そのときだった。
「お前ら遅いと思ったらこんなとこで道草か?」
ヨウカン・キンツバ「ワッフル様!!」
現れたのは十三浪士ワッフルとその部下オタベだった。
ワッフル「ヨウカン!俺の『WI』を勝手に使いやがって。」
つづく
支給された『WI』のリミッターの取り付けが遅れていたワッフルは、ドラえもんズを世界政府に連れて行くエクレアから
『コールドウェポン』を借りてその場をしのいでいた。
そしてヨウカン、キンツバは取り付けが終わったワッフルの『WI』、『メタルウェポン』を届けに行く途中だったのだ。
ヨウカン「ス、スイマセン!!」
ワッフル「しかもリミッターまで壊されやがって。」
タモリ「やはりな。そんな威力のある武器を十三浪士の部下ごときが持たされるわけがない。」
ワッフル「お前がタモリか、この前はオタベが世話になったな?」
タモリ「保護者の登場か。少しは相手になるかもな。」
中井(マズイぞ・・・十三浪士一人にその部下三人、こっちはタモリと俺とゴローだけだ。)
ゴロー(確かに、聞くところによるとあの『WI』とゆーのはウェポンの模造品ですが、
正統な使い手が使用するとその威力は計り知れないらしいですよ。)
つづく
ワッフル「俺が相手してやる。」
タモリ「残念だがその武器のリミッターは破壊したぞ。使用不可能だ。」
ワッフル「ふっ、十三浪士をなめるなよ!」
ワッフルの左手の腕輪が光を帯びた。
ワッフル(まぁエクレアほどの出力はでないだろうが、こいつらにはこれで十分だ。)
中井「やばい!タモリっ、そいつもう一つ『WI』を持ってるぞ!!」
ワッフル「蒼氷の中で永遠に眠るがいい。」
つづく
そのころ敵のトラックに十三浪士がいないことを確認した香取、木村、草薙、キバヤシは周囲の偵察を行っていた。
木村「戦闘が始まったようだな。」
草薙「引き返すか?」
香取「いや、あいつら三人いれば大丈夫だろ。十三浪士もいないようだったし。
この辺には世界政府のザコくらいしかいないんだろ。」
キバヤシ「それよりこの辺はねるねるねるねがいないな。」
木村「地表の温度が5℃も下がったからな。活動できないんだろ。」
キバヤシ「いや、荒らされた形跡さえもない。」
草薙「どういうことだ。」
キバヤシ「・・・十三浪士が駆除を行った。」
木村「てことは、まだ十三浪士はこの辺にいる・・・!?」
香取「引き返すぞ!」
つづく
ワッフル「『コールドウェポン』、行けッ!『氷柱急雨』ッ!」
コールドウェポンから冷気が放たれ、空気が冷たくなったと思うと空から無数の氷柱が
降り注いできた。
タモリ「クゥッ、これはよけきれない!」
もう駄目か、と思った瞬間タモリの頭の中で声が響いた。
(タモリよ…呼。私を呼べ)
タモリ「ッ!? 誰だ?俺を呼んでいるのは誰だ?」
(タモリよ…お前が強さを求めるなら私を呼ぶがいい。それともここで死ぬか…?)
タモリ「まさか、お前は…!?」
タモリはヨウカンのそばに落ちていた”それ”を見た。銀色の光って、振動を始めていた”それ”
はあたかもタモリを呼んでいるようだった。
(私を呼べ!タモリ!私はここにいる!私を、『メタルウェポン』を使いこなしてみろ!)
氷柱はそこまで迫っていた。タモリは決心した。
タモリ「『メタルウェポン』!来い!装着ゥゥゥウゥーーー!」
タモリが叫んだその瞬間、瞬く間に『メタルウェポン』は負傷したタモリの左腕に巻きつき、
あっというまに銀色に輝く左腕が完成した。
タモリ「左腕が…利く!」
メタルウェポン(さぁ、ぼさぼさしてる間はないぞ!早く氷柱を破壊しろ!)
タモリ「わかってるよ!『メタルナックル』ゥゥゥゥー!!」
452 :
ほんわか名無しさん:03/11/02 07:42
ワッフル「フ、他愛もない。」
『氷柱急雨』がタモリを始末したと思ったワッフルは余裕の笑みをもらした。しかし煙が晴れた
あとそこにいたのは、『メタルウェポン』を左腕に装着したタモリだった。
ワッフル「ば、馬鹿な!?なぜ貴様が『メタルウェポン』を!?ま、まさか貴様はリミッターなしに
『メタルウェポン』と完全にリンクできる資質を持っているというのか!?」
タモリ「なんだかわからねぇがよォォォーーーこれならお前を倒せそうだなァァァァァーーー」
つづく
453 :
ほんわか名無しさん:03/11/02 07:59
そのころ
ギルガメッシュ達、ジーンズは野沢温泉に来ていた。
「ふー。いい湯だ。それにしてもガミラス様は人使いが荒すぎる。
我々もたまには休息が必要というものだ」
ギルガメッシュは温泉に肩までつかりリラックスしていた。
「さようでございますな。それにしてもいい湯だ。」
2本の角を持つ怪力男バッファローマンが答えた。
「おい!忍者マン。せっかくの温泉だ。いつまでもお湯の上に立ってないで
お前もはいれよ。」
拳法の使い手ラーメンマンが忍者マンに優しく声をかけたが忍者マンは無愛想に
これも修行だと答えるだけであった。
水をいやがるスプリングマンとサンシャインマンはその様子を周りから眺めていた。
ジーンズのひとときの休息であった。
メガネッシュは、子供時代を思い出していた。
ドイツ某所の研究所にいたとき、4人の10代の少年少女達と共に暮らしていた。
そこでは毎日、今にしてみれば不思議な勉強と、
大掛かりな機械の中での不快な実験の繰り返しだった。
テレビやラジオもなく、研究所の庭から出るのも禁じられた、
まるで刑務所にいるような、不自由な暮らしだった。
ある日、自分達についてあまり良くない噂を聞いた。
自分達は作られた人間であること。
そして、1人の男の計画を実行する為の道具の1つとして作られたこと。
自分達を作るために、多くの人間が犠牲になったこと。
それらについて、他の少年少女達はすでに知っていた。
しかし、ある者は何の不満もいだかずに、
またある者は自分の気持ちを押し殺して暮らしていた。
──そんなの間違ってる。
感情が頭の中で爆発し、メガネッシュは実験中に暴走し、
研究所を破壊して逃亡したのだった。
あのあと貨物輸送にまぎれこんだり、生死の境をさまよったりもしたが、
どうにか日本に流れ着き、育ての親であるメガネッシュ母と出会ったのだった。
メガネッシュ(そういえば…)
メガネッシュは現在までに会った人物の中に、
研究所で一緒に暮らしていた少年の顔と一致する者がいるのを思い出した。
メガネッシュ(確か…彼はノビーと呼ばれていた。奴は研究所を嫌っていたな。
スウィーツは、研究所に特に不満はなかったようだった…)
メガネッシュはスウィーツと再会していないので、知る由もなかったが、
スウィーツは研究所にいた当時から、身体的成長が止まっていた。
そのころ世界政府・・・
キッド「ショボい野郎だったぜ。」
(ハァーッ、ハッハッハッ!)
ドラえもんズ「誰だ?」
サバラン(十三浪士NO.2がこんなことで死ぬわけねーだろ。)
キッド「サバラン!?」
しかしその姿は見えない。
ワンドラ「でもさっき胸と頭を打ちぬかれて・・・」
サバラン(クックックッ、夢でも見たんじゃないかな?)
キッド「姿を現せ!!」
サバラン(俺の『WI』は亜空間を生み出す『スペースウェポン』・・・)
ドラえもんズ「亜空間だと!?」
サバラン(この『スペースウェポン』で作り出した亜空間『夢幻の間』で自らの幻に殺されろ。)
すると次の瞬間
ヴン ヴン ヴン
ドラえもんズの目の前にもう一組のドラえもんズが現れた。
つづく
ワンドラ「残念でしたね。」
サバラン(何っ!?)
ドラえもんがポケットに手を当てて言った。
ドラえもん「通り抜けフープ!」
すると、ドラえもんは一つのフラフープをポケットから取り出した。
キッド「こんなちんけなを空間抜け出す事など、俺らには容易い事なんだよ。」
そして、いとも簡単にドラえもんズは『夢幻の間』を抜け出した。
ここは現実世界。ザ・ドラえもんズが戻ってきた世界だ。
キッドの空気砲が唸り、スペースウェポンが破壊された。
彼は殺気に満ちた顔でサバランの額にそのスペースウェポンを簡単に破壊した空気砲を向けた。
サバラン「くっ…。」
キッド「消えろ。」
そのころ、ここはシフォンの城。
珍しくシフォンがSM以外で興奮していた。
シフォン「きましたわ…、私はこの、『キャンベルウェポン』とも完全にリンクできたのですね…。」
そう言うとシフォンはそのリミッター無しのキャンベルウェポンをチョコに向けた。
チョコ「お、お許しくださ──」
チョコは蝋と化した。
シフォン「『ライトニングウェポン』と『キャンベルウェポン』…。シフォン二刀流ですわ。」
興奮を隠し切れない表情でシフォンが言うと、シフォンはバニラを呼び出した。
ここは世界政府会議室・・・
パフェ「ドラえもんズを裏で操っているのはおそらく・・・元『トロロの脳髄』のマークです。」
プリン「なにっ!?本当か?」
パフェ「ドラえもんズがパッショーネに入った時期は、マークがパッショーネを雇った時期と重なります。
おそらくドラえもんズは、マークがパッショーネを乗っ取るために送り込んだスパイだったのでしょう。」
プリン「なるほど・・・マークは何を考えているのか。かつてはトムとも手を組んでいたようだったが。」
パフェ「ドラえもんズは未来技術を搭載したロボットなので『WI』でさえ倒せるかどうか怪しいものです。」
プリン「今戦闘中のサバランがかなわんのも無理はない。とにかく戦闘をやめさせろ!
そして上手く言いくるめて奴らの眼をガミラスに向けさせるんだ。」
パフェ「はい。それから、スウィーツはファチェと一緒に中国山東省に向かわせました。」
プリン「うむ。今ごろ田代やトムあたりがガミラス軍の相手をしているだろう。そして次に
ドラえもんズとガミラス軍を戦わせ、頃合いを見てスウィーツを使うのだ。」
パフェ「わかりました。」
つづく
「そこまでだ。」
サバラン「パフェ!!」
危機一髪、現れたのはパフェだった。
パフェ「ドラえもんズ諸君、お手並みは拝見しました。」
ドラえもん「今度はお前が相手か?」
パフェ「我々はあなた方の強さに敬意を表しているのです。」
褒められるとロボットでも嫌な気はしない。キッドは空気砲を下ろした。
キッド「どういうつもりだ。」
パフェ「十三浪士を使ってあなた方の力を見させていただきました。素晴らしいその力で我々に
協力してもらえませんか?一緒にガミラスを倒しましょう。」
サバラン(どういうつもりだ?こびこびだな。)
パフェ(あのままじゃお前は負けていた。逆に奴らを利用するのだ。)
つづく
ワンドラ「条件は?」
ロボットとはいえ、しっかりしている。
パフェ「ガミラスを倒した場合には世界政府全総力で四つの
ウェポンを探し出し、あなた方に献上します。」
キッド「本当だな?」
パフェ「もちろんです。」
ドラえもんズは全員一致で申し出を引き受けた。
パフェ「ではさっそくサバランと一緒にガミラスタワーに向かってもらいましょう。」
サバランとドラえもんズは香港に向かった。
後をつけられているとは知らずに・・・(
>>164参照)
つづく
461 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 14:08
右腕のメタルウェポンはまるで狼のように震えていた。獲物を狩る前の昂ぶりに似たものが、
タモリにも伝わってくる。
タモリ「こいつはすごい武器だぜェェェ!」
しかしワッフルもここで負けるわけにはいかなかった。特戦部隊の長として、オカシーズ十三狼士
として、そして一人の戦士として、負けるわけにはいかなかった。
戦場こそが、俺の心を洗い流してくれるのだ。
ワッフル「くぉぉぉぉぉ!俺は勝つのだァァァアァァァ!」
ワッフルは両手を広げ空に向かい咆哮した。タモリはワッフルの気迫が突風のように自分の肌で
感じ取れるのがわかった。決着をつけるつもりだ。
ワッフルはその戦士としての誇り、闘気はその瞬間だけ『コールドウェポン』と100%リンクした。
リミッターが壊れ、『コールドウェポン』の性能を完璧に引き出せる状態である。
つづく
462 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 14:29
ワッフルの右手に大きな氷塊が纏った。『コールドウェポン』が今までで最大の振動を放った。
ワッフル「行くぞォォォ!俺の魂を見せてやる!」
タモリ「来い!」
両者とも最大の技でぶつかり合うつもりだ。お互いただではすまないだろう。
タモリももはや右腕となった『メタルウェポン』に語りかけた。
タモリ(『メタルウェポン』!俺に力をくれるならこいつを倒す力をくれ!)
『メタルウェポン』もまた鋭い振動を放った。間違いない。ここで勝敗はつく。
二人は相手に向かって走った。接近戦で勝負はつく。
ワッフル「覚悟しろォォォォィォォ!『凍拳旋閃突』!」
ワッフルの右手の大氷塊をハンマーの如く振り下ろした。恐らくダイヤモンドも砕く破壊力であろう。
タモリはヅラを外し右腕である『メタルウェポン』で握った。
タモリ「これが新しいヅラ百道だァァァァァァ!『ヅラ・メタルナックル』ォォォォォオォォ!」
鋼鉄の拳の一撃は(ヅラは特に意味はない)ワッフルの氷塊を木っ端微塵に砕いた。
ワッフル「なにィィィィォィィィイイイィィ!?」
タモリ「くらえェェェーーーーーー!」
そのままワッフルの顔面に強烈な一撃をお見舞いし、ワッフルは宙に舞った。
五秒は浮遊したワッフルは地面に激突したときにはもう気絶していた。
タモリは、勝ったのだ!
つづく
463 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 14:50
メガネッシュは『グラスパワー』を発動させた。だがそれはもちろん100%ということではない。
きっかけを覚えただけである。言うなればメガネッシュは初めてプールで浮けるようになった
ということで、速く泳げるようになったわけではないのだ。
しかし『グラスパワー』を100%発動させれば地球は滅びてしまう。うまく『グラスパワー』を
使いこなすには『グラスウェポン』が必要不可欠だ。だがその『グラスウェポン』は今田代の
手の中にある。
メガネッシュ「だがほんの微弱だが『グラスパワー』を出すことができるようになったぞ」
メガネッシュの体から蒼白いオーラのようなものが出ていた。あれが『グラスパワー』なのだろうか。
志村「メガネッシュさん、みんなの所へ戻りましょう。」
メガネッシュ「ああ」
つづく
しかし、そこにバニラが現れた。
バニラ「シフォン様にメガネッシュ様を連れて来るよう言われています。
来てもらえないでしょうか?」
サバランとドラえもんズはタケコプターで移動をしていた。
しかし、ドラえもんズは持ち前の能力のテレパシーで会話をしていた。
ワンドラ(キッド、いいですね。世界政府は私達にウェポンをくれるなんてことしないでしょう。
今回のミッションでガミラスを倒さずとも、何人かの重要人物を倒し世界政府と良い関係を作っておきます。)
キッド(何!?世界政府は嘘をついていたのか!?)
ワンドラ(鈍すぎですよ、キッド。もし世界政府が我々にウェポンをくれた場合、世界政府はもう全ての人民から支持されなくなるでしょう。
とにかく、今回で良い関係を作れば自由な世界政府の出入りが可能になりスウィーツ、デザートウェポンの入手も簡単になります。)
ドラえもん(じゃあそれで決まりだね。)
サバランはキッドの驚きのあまり小声で出してしまった、「何!?世界政府は嘘をついていたのか!?」と言う言葉を逃さなかった。
466 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 18:04
やがてドラえもんズとサバランはガミラスタワーがある香港の中央地区に到着した。
地球では見られないSF的なそのフォルムにサバランは息を呑んだ。正面には二人、
ガミラスの部下の見張りが三人こちらもSF的な銃を持って立っていた。
ワンドラ「さて…さすがに正面から、というわけにもいかないので」
ワンドラはガミラスタワーの最上階を見上げた。
ワンドラ「タケコプターで最上階まで行って『通り抜けフープ』で内部に侵入します」
キッドはその言葉を聞いて口をあげて驚いた。
キッド「い、いきなりガミラスを倒すのか?」
ワンドラ「おそらくガミラスタワーには多くの罠や強いガミラスの部下がいることでしょう。
それらにいちいちかまっていたらキリがありません。おそらく最上階にもガミラス直属
の護衛隊とガミラス軍の重要人物がいるはずです。最低幹部クラスを倒すか捕まえる
かすればこのミッションは成功と言えます」
サバラン「そしてあわよくばガミラスを倒す、か」
横で話を聞いていたサバランは邪悪な笑顔をこぼした。ワンドラはこの男が世界政府の監視
としていることには気づいていたが、正直我々と対等に戦える者でもあるまい―
そう思ったことがワンドラの、たったひとつの失敗であった。
つづく
そのころ、タモリ一同の目の前に一人の少年が現れていた。
「おじいちゃん!」
香取を指指して少年が言った。
香取「誰だ?俺はまだおじいちゃんの歳じゃないぞ?」
世話死「失礼しました。僕の名前は世話死と言います。」
香取「世話死?俺は君のおじいちゃんである記憶は──」
世話死「えぇ。ないでしょうね。」
世話死が言った。
世話死「僕は未来から来ました。」
香取「未来ぃ?」
世話死「はい。未来です。これ以上追求されている余裕はないので話してしまいますね。」
世話死が説明を始めた。
世話死「ザ・ドラえもんズはご存知ですよね?」
香取「まぁ、知っている。俺らの同期だ。」
世話死「彼らは全てあなた、厳密に言えばあなたの家族のために僕から送られました。」
香取「えぇ!?…そういうことにしておこう。すると、何故俺宛に?」
世話死「あなたの両親、そして僕のひいおじいちゃんは暗殺一家でした。
そして、その暗殺一家を止めるために送られたのがザ・ドラえもんズです。
当初はドラえもんだけを送る予定だったんですが、ドラえもんが友人も一緒ではないといやだと言うので、しかたなく送ったのです。
ドラえもんズはとても優秀であなたの両親の殺す様を見てはそれを即時学習していきました。
その学習能力は凄まじく、また応用も利かせていました。
そして、彼らは一大事件を起こしてしまいます。」
香取が頭を抱えながら言った。
香取「…その記憶が、思い出せない…。」
世話死「なんだって!?それではドラえもんズを止めるのが…。
おじいちゃんに全てを託すか…。」
香取「全て?」
世話死「はい。結果だけ話すと。彼らはもうすぐガミラスを倒し、世界を征服。
そして機械化した地球を創り、人類は滅亡します。」
驚きを隠せない表情で香取が言った。
香取「なんだって!?でも、それじゃあナイトメアチルドレンは──」
世話死「おじいちゃんの協力があれば、必要になります。
ドラえもんズをあなたが止めるのです!」
香取「おい、ワケ分からんぞ!」
世話死「とにかく僕と一緒に来てください。」
そういうと香取と世話死は一瞬にして姿を消した。
中井「何だったんだ、一体?」
キバヤシ「彼の言うとおり、彼自身、そしてドラえもんズは未来から来たんだろう。」
木村「なんだってー!?」
草薙「じゃあ香取はどこに・・・」
ゴロー「おそらくドラえもんズの所でしょうね。」
あっけに取られているSMAP、キバヤシ、タモリ・・・ふと気がつくとそこにあるのは
ワッフルの死体だけで、部下の姿は無かった。そして『コールドウェポン』も消えていた。
タモリ「ちっ、ザコは逃がしたか。」
ゴロー「いや、十三浪士を倒せただけでも収穫です。」
中井「いなくなった香取が気になるが・・・」
キバヤシ「とりあえず今日泊まる場所を決めてタモリを休ませよう。」
草薙「そうだな。」
つづく
ここは香港中央地区・・・
ウー ウー
突如、サバランとドラえもんズの前方の空間から小型宇宙船が現れた。
「タイムパトロール(TP)だ!ドラえもんズ、大人しくしろ!」
ドラえもん「ここまで来やがったか!」
宇宙船から隊長が降りてきた。
TP隊長「ドラえもんズ、時航法違反で逮捕する。」
ワンドラ「違うよ、僕たちはこの時代からウェポンを排除して平和な地球を・・・」
TP隊長「どんな理由があれ、過去を変えることは規則に反する。」
キッド「力ずくで逮捕してみろ!」
ドラえもんズとTPが戦闘態勢に入ろうとしていたとき、
テレポート装置で移動してきた世話死と香取が現れた。
つづく
ドラえもん「香取!世話死!」
TP隊長「連れてきたか、世話死隊員!」
ドラえもん「た、隊員!?」
世話死「ごめん、ドラえもん・・・でも僕らのやったことは時航法に違反していたんだ。」
僕がTPに入ったら、ドラえもんズを無事に未来に連れ戻してくれるという条件を
のんで・・・僕は隊員になった・・・」
キッド「そういうのを・・・人間は裏切りと呼ぶんじゃないのか?」
世話死「でもおじいちゃんの両親に暗殺一家をやめさせることが出来なかった時点で
君達は未来に戻ってくるべきだったんだよ!」
ドラえもん「未来は・・・俺たちには平和すぎる。」
キッド「・・・俺たちはこの殺伐とした時代で天下を取りたかったんだよぉ!!」
つづく
香取「どらえもん、もうやめてくれ!」
ドラえもん「香取・・・?」
香取「俺も・・・お前達も、暗殺家業を重ねるうちに汚れちまったんだな。
昔を思い出せよ・・・ダチョウ倶楽部とつるんで遊んでたあの頃をよぉ。」
ドラえもんズ「香取・・・」
ドラえもんズ全員の脳裏に、純粋に楽しかった思い出がよみがえる。
香取「世界征服なんて・・・天下なんてどうでも良かったじゃねぇか!!
お前らがこの世界にいれば世界なんかすぐ征服できる、でも!!
・・・俺はそんなお前達を見たくねぇよ。」
香取は、流れ落ちる涙を拭おうともしない。
ドラえもん「香取・・・」
つづく
香取「未来に帰れよ・・・な?」
香取は友情テレカを取り出した。これはドラえもんズと初めて飲んだ日に貰ったものだった。
ドラえもんズも全員友情テレカを取り出した。その顔には優しい笑顔が浮かんでいた。
そして全員が友情テレカを合わせた時、汚れた心は浄化されていった。そう、香取も含めて・・・
TP隊長「ありがとう、助かったよ。」
世話死「いいえ、礼なら彼に。」
香取「・・・」
TP隊長、世話死、ドラえもんズは宇宙船に乗り込み、未来へと旅立った。
香取「元気でな・・・」
香取とドラえもんズの胸には消えることのない強い絆が刻まれていた。
サバラン「ええ話や・・・!!」
つづく
474 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 22:37
見張りに見つからないようワンドラ、キッド、サバランの三人だけでタケコプターで最上階の
上空まで昇り、通り抜けフープで壁を通り抜け最上階に侵入していた。さすがに警備は厳重
で先に進むこともままならなかった。三人は警備が通らない最上階の端の道にあったデスラー
像の影に隠れていた。
「進めないな…どうやらガミラスがいるのはこの階の真ん中にあるようだが警備がきつ
すぎて近づけやしねぇ」
キッドがため息をこぼした。無理もない。これ以上時間がかかると発見される恐れがある。
ワンドラが周囲を警戒しながら言った。
「仕方ないですね…。あまり賢い選択とは言えないですが消耗覚悟で中央突破しましょうか」
護衛が厚いこの場所で辛い戦闘をやむなく選択しようかと思ったその時、突然ガミラスタワー
全体に警報がけたたましく鳴った。それはもちろんワンドラ達のいる最上階にも響いた。
青緑色の警備達が慌しく叫びあう。
「なんだ!?何があった!?」
「襲撃者だ!今3Fで暴れている!負傷者も相当出ているようだ!急げ。俺たちも行くぞ!」
謎の襲撃者を抑えるため、最上階にいた警備の半分が3Fへ降りていった。最上階はいまや
ガラガラである。
「いいぞ、今がチャンスだ。侵入者ってのはお前らドラえもんズの誰かか?」 サバランが訊いた。
「おそらく我々ドラえもんズではないでしょうが…。陽動作戦だとは言ってありませんし」
「とにかく今しかない。ガミラスの元へ行こう」
三人は知らなかったが侵入者とはオリジナル・ウェポンのひとつ『マグマウェポン』を携えた
トムだった。トムはその得物の威力を、ほんの一部とはいえ強大な力を如何なく発揮し
ガミラスタワーを強襲していたのであった。
つづく
475 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 22:41
スマソ、確認せずに投稿してしまいました。
>>474はナシで
ドンマイ!!
『主要人物現在地』
メガネッシュ、志村、バニラ・・・・・上海
SMAP(香取を除く)、キバヤシ、タモリ・・・・・中国山東省
エクレア、パフェ、プリン・・・世界政府警察部
シフォン・・・・・シフォン城
ファチェ、スウィーツ・・・・・中国山東省
田代、ジェリー、キリコ・・・・・中国北部の村
サバラン、香取・・・・・香港、ガミラスタワー周辺
トム、ミッキー・・・・・香港、ガミラスタワー周辺(内部?)
ガミラス・・・・・香港、ガミラスタワー
ジーンズ・・・・・野沢温泉
ドラえもんズ・・・・・未来に帰還
ワッフル・・・・・山東省にて死亡
477 :
ほんわか名無しさん:03/11/03 23:51
特戦部隊の生き残り、オタベ、キンツバ、ヨウカンはタモリとワッフルの戦場から10km
は離れた森にいた。タモリやSMAPの目を盗み、ワッフルが装着していた『コールドウェポン』
を回収し、その場から逃げ出すことが精一杯だった。
三人は肩を落とし愕然としていた。自分たちが最強だと硬く信じていたワッフル隊長が殺された
のだ。どんなことがあっても負けることはないと思っていた。少し時間にうるさくて、説教は長か
ったが─戦士として、実力と誇りを持った、最高の人だった。
オタベは悔しさをかみ締め拳を地面に振り下ろした。
「……畜生!やはり命がなくなろうともあの場で戦いを挑むべきだった!」
「いや」
キンツバがそれを制止した。
「落ち着け、オタベ。逃げたのは正しい選択だった。」
オタベは、キンツバの顔を見た。
キンツバも、やはり顔は悲しさと悔しさで溢れていたが冷静な判断力は残していた。それが
ワッフルの教えであったからだ。戦場ではどんな事があって冷静さを失うな─
キンツバがこの最悪の状況にも関わらずその教えを忠実に守っているのでオタベは熱くな
っている自分を恥ずかしく思った。
「とりあえずロンドンのオカシーズ本部まで戻ろう。『コールドウェポン』を返して、特戦部隊が
全員揃ってから行動を始めよう。」
つづく
478 :
ほんわか名無しさん:03/11/04 16:51
そのころメガネッシュとバニラは険悪な空気になっていた。
ここは日本の昔からありそうな八百屋。
八百屋の中では何やら会議のような物が開かれている。
「チャイアン、田代を殺るのはいつにしようか。」
彼の名前は脛夫。ミニにタコ四天王の一人だ。
彼は四天王の中でも上位にあり隣に座っている大男、チャイアンの次に強い。
彼とチャイアンはとてもコンビネーションがよく、二人が組むとマグマウェポンを持ったトムでも適わない程だ。
チャイアン「まぁ待て。田代はグラスウェポンを持っている。盗んでから殺りに行く方が確実だ。
おまえの部下のドラパンにグラスウェポンを盗みに行かせておけ。」
脛夫「それが…、ドラパンが未来に帰ってしまったみたいなんだ。」
チャイアン「何!?」
チャイアンは今にでも脛夫に殴りかかりそうだ。
脛夫「まぁ落ち着いてよチャイアン。」
なだめるように脛夫が言った。
脛夫「僕らにはマヌケなドラえもんが落としていったこのスペアポケットがあるじゃない。」
脛夫が白い布を取り出した。
チャイアン「何!?でかしたぞ、脛夫!」
さっきとは裏腹の表情でチャイアンが言った。
脛夫「それに、この中にあったカプセルタイムマシンで未来からザ・ドラえもんズを創った人物を連れて来た。」
チャイアン「本当か!?」
さらに興奮した表情でチャイアンが言った。
脛夫「ピンキー&ブレイン!!」
ブレイン「呼んだか?」
ピンキー「やあお二人さん、ナーフ。」
出てきたのは二匹のネズミだった。
一人は頭が途轍もなく大きくいかにも天才と言った感じの、そしてもう一匹はいかにもマヌケそうだが何か秘めていそうなネズミだった。
チャイアン「…俺を嘗めてるのか?」
チャイアンが脛夫を一発殴った。
脛夫「ち、違うよチャイアン。彼らはジェリーの子孫でとても優秀なんだ。」
チャイアン「何!?それを早く言え!!」
脛夫「そいつらは僕が無理矢理連れて来たんだけど、目的が世界征服と僕らと一緒なんで快く協力してくれるみたいだよ。」
ブレイン「ぜひ、我々で世界を手に入れようではないか。」
ピンキー「それっておいしいのぉ?ナーフ。」
こうして会議はその後数分足らずでまずはブレイン達がザ・ドラえもんズ以上の優秀なロボットを創ってからガミラスに向けて一気に出動で決定した。
脛夫「未来の科学でもの凄いものを創ってくれよ?」
ブレイン「必ず期待以上のものを創ってみせよう。」
そのころ中国北部のとある村の地下研究所・・・
田代「ミニにタコ四天王のうち強硬派に寝返った奴が二人もいるとはな。」
キリコ「あたしはいつまでも田代さんの味方よ!」
キリコは調子のいいことを言っているが、それは本心であった。
ジェリー「うるさい女のキリコ、大男で鈴木雅之似のスウィーツ、天狗顔のジジイで大男のチャイアン、生意気なガキの脛夫・・・
統一性がないな、ミニにタコは。裏切り者が出るのも無理はない。」
ジェリーは一度四天王に会っている。田代、ミッキーと香港に戻ってきたときだ(
>>368)。
そのとき、地下研究所に入ってくる者がいた。
キリコ「誰よ!?」
スウィーツ「俺だ。」
それは鈴木雅之と瓜二つのスウィーツであった(チルドレンのスウィーツとは別人)。
キリコ「いつまで焼肉屋に行ってるのよ!」
スウィーツ「アホか、お前は。ちゃんと仕事をしてたんだよ。」
そういうとスウィーツはふところから資料を取り出した。
つづく
田代「なになに?チャイアン、脛夫・・・強硬派について調べていたのか。」
田代は険しい顔で資料に目を通している。
スウィーツ「えぇ、チャイアンと脛夫はコンビを組んで悪巧みしてます。
何やら未来からジェリーの子孫を連れてきたとか。」
ジェリー「何ぃ?勝手なことをしやがって。」
スウィーツ「ところで、ドラえもんズは十三浪士NO.2の『WI』をいとも簡単に破壊し、その後世界政府と
組んでガミラスタワーに侵入しに行く途中に、TPという連中に未来に連れ戻されたようです。」
田代「そうか、あのドラえもんズが・・・」
ジェリー「やはり・・・未来から来た者はこの時代では何でもあり、いわば『ジョーカー』的な強さを持ってしまうからな。」
ジェリーの顔には、(この時代には『ウェポン』という強力な設定があるんだから、未来の奴は未来で世界征服しろよ!)
というツッコミの表情が浮かんでいた。
田代「とにかくだな、ガミラスはトムとミッキーに任せてあるから、我々が今すべきことは強硬派の一掃だ。
キリコとスウィーツはチャイアンと脛夫を殺して来い。まぁ、未来からジェリーの子孫を連れてきたのなら
そのうちそのTPって奴らに捕まるだろうが。ジェリーも子孫が見たけりゃ行っていいぞ。」
つづく
志村「バニラ、残念ながらあんたの親玉のところには
メガネッシュさんを連れて行くわけにはいかないんだよ。
これもガミラス軍に対抗するためなんだ」
バニラ「こちらでもガミラス軍に対抗する手筈は整えています。
しかしメガネッシュ様のお力がどうしても必要なのです」
デラ星ガミラス軍が地球に襲来したのは、
いうなれば田代が失敗作を宇宙に放出したのが原因である。
あまつさえ田代とパフェは、手に負えないとメガネッシュ達を殺そうとしたのだ。
結局は田代側も世界政府も、
メガネッシュの力を自分達の都合の良いように利用しようとしか、考えていないのである。
メガネッシュは知らないが、
スウィーツが自分を利用しようとする田代を逆に利用してやろうと考えるのも、無理からぬことであった。
メガネッシュ(俺は…俺は、もう一度元の社員達とメガネッシュカーをやり直したい。
トロロの脳髄達が戻ってきてくれるなら歓迎する。
そして…真美子と幸せな生活を送りたい)
そのためには、ガミラス軍を撃退せねばなるまい。
志村「メガネッシュさんの力を最大限に引き出すには、田代と会うしかないんだよ。
お前さん方には用はないね」
バニラ「グラスウェポンのことをおっしゃりたいのですね。
実はこちらにも、メガネッシュ様に適合したウェポンがあるのです!」
志村「あん?ナンだって???
お前さん、ハッタリかましてんじゃなかろうね。
わたしゃそんな話聞いた覚えないよ!!」
バニラ「説明しましょう。シフォン様は世界政府よりさらにキャンベルウェポンを手に入れました。
そのキャンベルウェポンはなんと、シフォン様が完全にリンクできたのです。」
志村「なんじゃと!?あいつは二種類もウェポンを完全に使えるのか!?」
バニラ「さようでございます。そして、シフォン様は実験台としてチョコを使用しました。」
メガネッシュ「仲間を!?」
メガネッシュが驚きの表情で言った。
バニラ「あいつは最近何の役にも立ってませんからね。そして、シフォン様はチョコを見事蝋にしました。
しかし、シフォン様がライトニングウェポンで蝋になったチョコを砕くと、
中からもの凄くエネルギー反応の強いコンタクトレンズのような物が出てきました。」
志村「しかし、おそらくWIだろう?」
バニラ「いえ、私もシフォン様も最初はWIだと思っていたのですが、エネルギーがWIとは比べ物にならない程強かったのです。
そのエネルギーの強さはグラスウェポンをも越していました。」
メガネッシュ「なんだって!?」
驚くべきことばかりで、メガネッシュはただただ驚くしかなかった。
バニラ「それで、このウェポンを『レンズウェポン』と私達は名付けました。
この強力なウェポンを一度メガネッシュ様にシフォン様のお城来ていただき、試してほしいのですが…。
うまく行けばガミラスの撃退に繋がります。」
危険を冒してシフォンの城へ行くか、それともここで拒否して見つかる保証はないがグラスウェポンを探すか
メガネッシュは究極の選択を迫られた。
485 :
ほんわか名無しさん:03/11/05 16:42
メガネッシュ「わかった…俺をシフォンの城へ連れて行け」
志村「メガネッシュさん!」
つづく
バニラ「(そんな都合よくウェポンが出てくるわけがないでしょう。
とにかくこれでシフォン様の城にメガネッシュを監禁しておけば頼る物は世界政府のスウィーツしかいなくなる。
シフォン様の考えたシナリオは完璧だ。)では、私と一緒にテレポートしましょう。」
バニラとメガネッシュはシフォンの城にテレポートした。
487 :
ほんわか名無しさん:03/11/05 17:37
シフォンの城は地中海沿岸にある。
ある王族が昔使っていたという古城をシフォンが買い取り我が城にしたのであった。
その荘厳な面持ちは、あたかもシフォンの強大な力を誇示しているようでもあった。
城の前にに空間軸を捻じ曲げバニラとメガネッシュと志村が唐突に現れた。シフォンの城は
郊外にあったので観光客以外とおる人は滅多にないが、そのときもしいたとすれば三人の
出現に驚いたであろう。テレポートを初めて体験した志村とメガネッシュは一瞬にして風景が
変わったことに戸惑いと驚愕を覚えているようであった。
バニラ「さぁ着きました、ここです。」
志村「ここが……シフォンの城か」
つづく
城の中ではシフォンがモニターを眺めていた。
シフォン「あら、バニラちゃんとメガネッシュ君たちが来たようですわね。」
ワインを口に近づけながらシフォンが言った。
シフォン「それにしても、バニラちゃんは人を信じない子ね。
私が人の心を読めるのを忘れているんじゃないのかしら?」
シフォンがワインを飲みながら一人呟いた。
シフォン「チョコには戦闘の潜在能力があった。かのゴーストの息子ですから、間違いなかったですわ。
それを恐れて彼を殺めたのも事実。しかし、こんなものが彼の体内から出てくるとは…。」
シフォンの座っている隣のテーブルにあるコンタクトレンズを見つめながらシフォンが続けた。
シフォン「エネルギーもグラスウェポンよりも強いことが少し田代殿のデータを拝借してわかりましたし、
これはウェポンに間違いありませんわね。」
シフォンがニヤッと笑い呟いた。
シフォン「メガネッシュとこの『レンズウェポン』で、私は世界の英雄ですわ。」
489 :
ほんわか名無しさん:03/11/05 21:27
そのころガミラスタワー前では
「ほんとええ話や」
野沢温泉土産の温泉饅頭を口いっぱいにほおばりながら
ジーンズのリーダーギルガメッシュが涙を浮かべてつぶやいた。
「タワーの周辺にネズミがうろちょろしてると聞いて急遽タワーまで帰ってきたわけだが
お前たちは誰だ?」
突然現れた6本腕の男とその部下らしき男たちが5人
話し振りからするとおそらくガミラスの配下なのであろう。
香取とサバランは息を呑んだ。
荘厳なドアを開くとそこには広い廊下が続いていた。まばゆいばかりの装飾品の数々。
志村(気をつけてください。シフォンは十三浪士NO.1ですが、
それ以上に策士家としての才能のほうが危険です。)
メガネッシュ(わかっている。四つのウェポンを超える武器があるわけがない。)
バニラ「失礼します。」
三人は一際美しい装飾のほどこされたドアを開いた。
シフォン「ようこそ、メガネッシュ君。そして志村。シフォン城へようこそ。」
ワインを片手に椅子に深く腰掛けているシフォンの姿は、さながらどこかの国の女王のようだ。
メガネッシュ「早くそのレンズウェポンてやつを見せろ。」
ゴズニ―ランドでタモリに重傷を負わせたシフォンに対して、メガネッシュの態度はそっけない。
シフォン「・・・これよ。」
慎重に箱から取り出したのはコンタクトレンズのような物であった。
つづく
志村「グラスウェポンとそれを比較した資料を見せてくれないか。」
シフォン「いいわよ?」
シフォンは十三浪士NO.1という実力を持ちながらも、十三浪士自体にはあまり興味がないようだ。
そのため、裏切り者の志村に対しても特別な感情を抱くことはなく、あっさりと資料を手渡した。
志村「なるほど、やはりな。」
シフォン「どうしたの?素晴らしいエネルギーを持っているでしょ?」
志村「このグラスウェポンのデータは田代が使用したときのものだ。
リンクが不完全な田代が使用した出力と比較しても意味が無い。」
シフォン「・・・あら、少し勘違いしていたようですわ。ウェポンじゃないのね・・・」
シフォンの顔は少し曇った。が、すぐに気を取り直した。
ウェポンでも『WI』でもなさそうなその物質に興味を抱いたようだ。
シフォン「でもこの高エネルギー物質は通常の『WI』を超えていますわ。どう説明するつもりですの?」
志村「それは・・・『WI』を造れるパフェ、ジェリー、もしくは『ウェポン』に詳しい田代に聞けば分かるだろう。」
そうしてシフォンは本当ならば秘密にしておきたかったのだが、『レンズウェポン』と名付けた
その高エネルギー物質の正体を元世界政府科学部博士のパフェに電話で聞いてみることにした。
つづく
492 :
ほんわか名無しさん:03/11/05 22:19
「ガミラスの配下か、丁度いいまとめて始末してくれるわ!」
サバランはそう答えるや否やスペースウェポンの力を発動させた。
『スペースウェポン』で作り出した亜空間『夢幻の間』で自らの幻に殺さるがいい。
ヴン ヴン ヴン
ジーンズの目の前にもう一組のジーンズが現れた。
しかしジーンズはあせるどころかクックックと無気味な笑いを浮かべていた。
「子供だましだな…」
忍法夢幻破、そう忍者マンが唱えると幻のジーンズはあとかたもなく消え去った。
「小生意気な、ハリケーンミキサー!」
バッファローマンが2本の角を突き出してサバランに突進してきた。
とっさにサバランは身構えたが気づいたときには宙に待っていた。
アチョー、宙に待ったサバランにラーメンマンが飛び蹴りをくらわす。
ラーメンマンの直撃を暗い吹っ飛んでいくサバラン目掛けスプリングマンが自らの
体をばねに体当たりしてきた。
「スプリングバズーカー」
その強烈な一撃を食らったサバランの骨は粉々に砕けもはやくらげ同然であった。
2重3重の攻撃をくらい上空高く跳ね上がっていったサバランが地面に降下衝突していった後、
サンシャインマンがとどめの一撃をさした。
「サンシャインプレス」
その巨体を押し倒されたサバランは瀕死の重傷を負った。
つづく
493 :
ほんわか名無しさん:03/11/05 22:51
「ウェポンレーダーにかすかな反応があるからもしやと思ったが
やはり違ったか…。」
ジーンズのコンボ攻撃をくらい、虫の息のサバランに向かってギルがメッシュが
つぶやいた。
「まぁよいホイミ。」
ギルがメッシュがそうサバランに向け唱えると、
途切れ途切れであったサバランの呼吸が安定してきた。
「我々の使命はウェポンの捜索だからな。無益な殺生をすることもあるまい。
鼠どももこれで身の程を知ったことだろうから我々は再びウェポンの捜索に出るか。
ルーラ!」
そうギルガメッシュがつぶやくとジーンズの一面は消え去った。
プルルル、プルルル、カチャ
パフェ「シフォン!任務をサボって何をしているんだ?」
シフォン「あら、忘れてましたわ。それよりあなたに聞きたいことがあるの。」
パフェ「何だ?」
シフォン「キャンベルウェポンでロウにしたチョコちゃんをライトニングウェポンで破壊したら、
コンタクトレンズみたいな『WI』をもしのぐ高エネルギー物質が出てきたのよ。
どう思う?」
パフェ「うーむ・・・それは見てみないとわからんが。ひょっとすると、より『ウェポン』に近い『WI』を造れるかもしれない。
あ、そうだ。今からそれを会議室に持ってきてくれ。今から緊急会議を行うんだ。実は・・・ワッフルが殺されてな。」
シフォン「まぁ、ワッフルが・・・!?それは緊急事態ね。」
人一倍戦士としての誇りを持っていたワッフルの死亡を告げられ、さすがのシフォンも驚きが隠せない。
シフォン「メガネッシュ君、志村。ちょっと急用が出来たわ。バニラ、とりあえずメガネッシュ君達は無用になったから殺しちゃいなさい。」
メガネッシュ・志村「ええ!?」
つづく
バニラ「ええ!?そんな簡単に殺していいんですか?」
バニラは上司の意外な言葉に驚いた。
シフォン「後々困るかしら。でも世界政府に連れてく必要もないですし、ここに置いておくわけにも・・・
じゃあ適当に逃がしちゃいなさい。必要ならまた後で呼びます。」
いっぱいいっぱいのシフォンは思考が混乱している。
メガネッシュ「・・・じゃあ山東省あたりに連れて行ってくれないか?」
バニラ「わかりました。また後ほどお呼びするかもしれませんが。」
シフォンは急いで世界政府会議室に向かい、メガネッシュと志村はバニラに山東省にテレポートしてもらった。
メガネッシュ「変な奴だな、シフォンは。」
志村「そうですね。何を考えているのやら。しかしさすがに十三浪士死亡のニュースには取り乱してましたね。
慌てすぎて、我々がこれを盗んできたことにも気付かなかったみたいです。」
志村のポケットにはキラリと光る『レンズウェポン』がのぞいていた。
つづく
再び香港を出ようとしたジーンズ達。しかし彼らはレーダーをよく見て驚いた。
ギルガメッシュ「なんと!ガミラスタワーに二つもの高エネルギー反応が。」
バッファローマン「・・・ウェポンか。」
それはタワーに潜入したトムが持つ『マグマウェポン』と、おそらくタワー
近辺にいるであろうスウィーツの持つ『デザートウェポン』の反応であった。
ラーメンマン「戻ろう。」
ギルガメッシュ「いや待て。全員が戻る必要はない。タワーには多くの衛兵が待ち構えているからな。
ラーメンマン、スプリングマン、サンシャインマンの三人はタワーに戻れ。あとの
俺たちは残りのウェポンを探すぞ。」
忍者マン・バッファローマン「わかった。」
こうしてジーンズは二手に別れ、ラーメンマン達はタワーへ、ギルガメッシュ達は中国北部へと向かった。
つづく
497 :
ほんわか名無しさん:03/11/06 12:39
しかしラーメンマン、スプリングマン、サンシャインマンの三人がトムに殺害されるとは
錦糸町の小池さんはこのときまだ知らなかった…
シフォン「志村はやはり少し頭が弱いようですわね。人の心は表情でわかるものですわ。」
モニターを前にシフォンが呟いた。
シフォン「本物を敵の前で出すわけがないでしょう。あれはタダのコンタクトレンズですわ。」
バニラ「流石シフォン様。」
バニラがシフォンを誉めた。
こう言う細かい事でシフォンの犠牲になった者は多々いる。
シフォン「─これでメガネッシュを殺す口実ができましたわ。」
シフォンの顔に邪悪な笑みが浮かび上がった。
ここは八百屋内にある研究所。
ネズミが二匹研究をしている。
ブレイン「『グラスパワー』。それはまるでワイングラスが割れやすくあるように全てを割る力だ。
この力に似た力を持たせること等容易いことよ。
未来ではこんなものをつくっては監視用ロボットが作業を止めてしまうが、ここは違う。
何でも自由につくれる。」
ブレインが作業をしながら呟いた。
ブレイン「ピンキーb-2レバーを引いてくれ。」
ピンキー「OKブレイン!」
ノーテンキそうにピンキーが答えた。
ボオォォン!!
もの凄い音とともに黒い煙が立ち込めた。
ブレイン「あいたたた。ピンキー、それはd-2レバーだ!!」
ピンキーはこんな煙の中でも平然と漫画を読んでいる。
ピンキー「アハハハ!!最高!!」
ブレイン「ピンキー!」
ブレインが怒鳴った。
ブレイン「少しは私の研究に貢献してはどうだね。」
ピンキー「そうだね。ブレインのためにこの漫画を貸してあげるよ。」
ブレインはいつものことながら呆れていた。
500 :
ほんわか名無しさん:03/11/06 21:23
そのころ
ガミラスタワー内部に高エネルギー反応を確認し、
急遽タワーに戻ってきた、ラーメンマン、スプリングマン、サンシャインマンの
3人は警備隊司令室にいた。
ラーメンマン「侵入者の気配はないのか?」
警備隊隊長「ハハ!厳戒態勢をひいておりますので蟻の子一匹侵入させませんよ。」
得意げな表情で警備隊隊長が答えた。
しかしラーメンマンがレーダーを確認すると確かにタワー内に高エネルギー反応があった。
スプリングマン「…。ムム。レーダーの反応がこちらに近づいてくるぞ。
20m、15m、10m、5m反応はこの部屋内部にまできた!」
しかし辺りを見回しても何一つ異常はなかった。
警備隊隊長「ほらね。レーダーが故障してるんじゃないですググァァ」
突如警備隊隊長は血反吐を流し倒れた。
501 :
ほんわか名無しさん:03/11/06 22:03
ミッキー「蟻の子一匹侵入できないんだって、じゃー僕達は何なんだろうね。」
そういいながらミッキーは無邪気に笑っている。
502 :
ほんわか名無しさん:03/11/06 22:03
^^
スプリングマン「こ、この顔文字は!!」
そう、そこにいたのは死んだはずの山崎渉だった。
504 :
ほんわか名無しさん:03/11/06 22:23
プシュー
ミッキーがスイッチを押しドアを開けるとそこにはトムがいた。
トム「ミッキーにこんな能力があったとはな。」
ミッキー「だから役に立つっていったでしょ。」
トムとミッキーはミッキーの超人的な勘を使いタワーに侵入し警備を潜り抜けていった。
しかし、ミッキーの勘をもってしてもガミラスの居所は分からず2人は手がかりを求めて
警備司令室に向かったのであった。
そしてタワー侵入後に気がついたことだったのだが、ミッキーの体には異変がおきていた。
以前、ねるねるねるねを食べたのが原因であろう。
ねるねるねるねと同じく不定形の物体に変質できるようになっていた。
当初は突然に不定形物に崩れていき戸惑っていたミッキーであったが、
だいぶその力をコントロールできるようになっていた。
そして
警備室にたどり着いた2人はミッキーがねるねるねるねに変質することにより
完全にロックされていたドアのわずかな隙間から侵入し、警備隊隊長にミッキーの
強烈な一撃を食らわせたのであった。
そうして警備室ではラーメンマン、スプリングマン、サンシャインマンvsトム、ミッキーという図式ができた。
ラーメンマン「二人だけでよくここに侵入できたな。」
ミッキー「警備甘いんじゃなーい?」
スプリングマン「調子に乗るなよ?」
スプリングマンは大ジャンプで一気に距離を詰め、ミッキーに巻きついて締め付けた。
ぐにゃりっ
その奇妙な感覚。ミッキーは体を不定形にしてバネからぐにゃりと抜け出すと、
ねるねるねるねに変身して逆にスプリングマンを飲みこんでしまった。
サンシャインマン「な、なにっ!スプリングマンが吸収された!?」
すると次の瞬間ミッキーに異変が起こった。ねるねるねるねから元に戻ったその姿は
明らかにスプリングマンの体の構造の一部を取り込んだとわかる、バネ状の姿であった。
ミッキー「なんだこれー、体が変な感じー。」
トム「どうやら敵を飲み込む『ねるねるね』の力と、不思議な『ネオチルドレン』の力が上手く作用して、
敵を飲み込んで自らの体に取り込む能力が身についたようだな。」
ミッキー「わおー」
バネをいかしたジャンプでミッキーはピョンピョン遊んでいる。
トム「遊ぶな!よし、そのゴツイ奴も飲み込んでしまえ。」
サンシャインマンはドキリとした。
ミッキー「はーい。」
つづく
そのころ世界政府会議室・・・
そこにはプリン総司令、パフェ、シフォン、エクレア、サバランの五人である。
パフェ「これより第三回ガミラス対策会議を行う。えー、突然のことだが・・・ワッフルが山東省でタモリに殺害された。」
プリン「世界政府は今大変な事態である。軍事部は崩壊し、民の信頼を失っている。科学部も現在活動を休止している。
そして唯一の望みである警察部の幹部、オカシーズ十三浪士のうちなんと六人が死亡してしまった。」
エクレア「そして残りの十三浪士のほとんどは『WI』をリミッターなしでは使いこなせないという現状・・・」
シフォン「サバランなんてAランクの『WI』の『スペースウェポン』を持ってるくせに
ドラえもんズ、ジーンズに破られちゃったのよね。オホホホホ!」
サバラン「くそっ!それはともかくなんでお前だけ二つも『WI』貰ってんだよ。」
シフォン「あら、私はライトニングウェポンと完全にリンクできるから一つじゃ足りないのよ。
二つ目の『キャンベルウェポン』も使いこなしちゃったからそろそろ三つ目が欲しいくらいですわ。」
パフェ「そこでだ。君達の戦力を上げるために私はしばらく警察部と
科学部を兼任することにする。シフォン、例のものは?」
シフォン「これですわ。」
シフォンはポケットから本物の『レンズウェポン』を取り出した。
つづく
パフェ「うーむ、確かに『WI』を超えるエネルギー反応・・・」
パフェは小型エネルギー測定装置のモニターを見ながらつぶやいた。
エクレア「それはなんなの?」
パフェ「『ウェポン』でも『WI』でもない新物質だ・・・これを解析すれば『WI』を
超える新兵器ネオウェポンイミテーション『NWI』を造れるかもしれない。」
プリン「ところでファチェとスウィーツの現在地は?」
パフェ「ガミラスタワーの地下に侵入したようです。そして10階の警備隊司令室では
トム、ミッキーとガミラスの精鋭三人が戦闘しているもようです。」
エクレア「ねぇ・・・なぜスウィーツを早く戦わせないの?」
プリン「・・・『チルドレン』に『ウェポン』を使わせるのは最後の手段にしておきたいのだ。」
プリン総司令は慎重な面持ちで言い訳を探しているようだ。
パフェ「まぁ効率よく世界政府の手柄を手にするため・・・ってところだ。トムとミッキーにガミラスを倒させたあと、
スウィーツにタワーごと破壊させてトムとミッキーを殺す。そうすれば名誉が得られる上に、邪魔者まで始末できる。」
シフォン「じゃあファチェはいらないんじゃなくて?」
パフェ「ファチェはそのサポートだ。トム達がガミラス殺害に失敗した場合、ファチェがガミラスと戦う。
それでもダメなときにスウィーツが戦う。トム達がガミラス殺害に成功した場合、ファチェがトムとミッキーと戦う。
それが失敗したときにスウィーツがトム達と戦う。そういう作戦だ。
エクレア「ファチェがよくそんな悪条件の仕事を引き受けましたね。」
パフェ「彼は真面目だからな。」
パフェとプリンはまだ何かを隠しているようだった。何か重大なことを。
つづく
ここはガミラスタワー周辺。
ファチェ「いいか。一気に壁を登って屋上までいくぞ。」
スウィーツ「わかったわ。でも、一ついい?」
ファチェ「何だ?」
スウィーツ「そのデザートウェポンをそろそろ私に付けてくれない?」
ファチェはスウィーツの以外な要望に驚いた。
ファチェ「(作戦に進んで参加してくれるのか?)まぁ、良いだろう。受け取れ。」
ファチェはスウィーツにデザートウェポンを受け渡した。
スウィーツ「うーん、よし。きっちり装着したわ。行こう。」
ファチェ「よし、これより任務を開始する!」
スウィーツ「(デザートウェポンはもう私のもの。ガミラスを倒せば世界までもが私のものよ。)」
スウィーツが野望を膨らませている事を知らずに、ファチェは一気にガミラスタワーをスウィーツを抱き屋上まで駆けて行った。
志村「メガネッシュさん、手にとって確かめてみてください」
バニラに山東省まで飛ばされたメガネッシュは、志村の掌に輝く2つの丸いものを見ながら言った。
メガネッシュ「これ、本当にウェポンか?ただのコンタクトレンズにしか見えないが」
志村はシフォンが出かけるどさくさにまぎれて、ウェポンを奪ってきたつもりだったのだが…
志村「うー、偽物だったか。あの女狐め、なかなかやりおるわ!」
メガネッシュは何か言いたそうに志村を見ていたが、
メガネッシュ「じゃあ、とりあえず田代さん所へでも行ってみるか」
志村「タモリやキバヤシ達と合流しないんで?」
メガネッシュ「そのつもりだが、その前に寄ってみたくってな」
意味ありげにニヤッと笑うメガネッシュ。
志村「中国北部に潜伏してるらしいって情報しか知らないんですが」
メガネッシュ「時間がない。奥の手を使うか。
おい、俺の背につかまれ」
メガネッシュはその場にしゃがむ。
志村「何をするおつもりで?良いんですか?」
おずおずとメガネッシュの背に抱きつく志村。
志村「イヤ〜ンメガネッシュさんって肩幅広いのネ(はぁと)」
メガネッシュ「(汗)…いくぞ」
メガネッシュの掌から、衝撃波が飛び出す。
志村「のわああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
メガネッシュ(…何となく出来そうな気がしてたんだが、
本当に出来るとは)
直後、メガネッシュがバランスを崩した。
志村「ぐわーーーーーッ!!!」
メガネッシュ「黙れ!」
メガネッシュ自体初めての飛行である。
衝撃波で地上にあるいろんな物を壊しながら、メガネッシュは飛び続ける。
志村「目立つ移動方法ですねェ」
メガネッシュ「キバヤシ達と合流するときが問題だな」
やがて、中国北部、もと山村があった場所に無事着いた。
今は、ガレキと、針葉樹林の森が残っているだけだ。
少しずつ衝撃波を下げて降下する。
…ふんわりと着地。
メガネッシュ「初めてにしては上出来だな」
志村はメガネッシュの背中を離れた。
志村「手がしびれちまっただよ。…で、田代はここにいるんで?」
メガネッシュ「どこか懐かしいものの気配を感じた。
おそらくその近くに田代さんがいるだろう。こっちだ」
大またに歩いていくメガネッシュの後を、小走りに志村が付いて行く。
『バァーーーン』
衝撃波でメガネッシュが地下アジトの入り口を壊した。
もやで何も見えない。
メガネッシュ「田代さん。そこにいるのはわかってるんです。
こちらに来てください」
田代「…待っていたぞ」
田代の声がして、もやの中から30代くらいの女性が飛び出した。
キリコ「あんた達っ、何のつもりっ!?」
半分裏返った声でキリコがわめき、構えるが、
メガネッシュは意に介さず、もやの中に踏み込もうとした。
田代「そう焦るなよ。」
ようやく薄まってきたもやの中、田代がソファーにどっかりと座っていた。
フレームとツルが一体化した、金属製のメガネをかけていた。
田代「お探し物はこれかな?」
ニヤリと哂う田代。
メガネッシュ「あなたとはできれば戦いたくない」
立ったまま対峙するメガネッシュに、肩をすくめる田代。
田代「まだまだ甘チャンですな」
田代はソファーから立ち上がると、
田代「力ずくで取ってみな、取れるもんならな!」
闘気を噴き出した。気だけで周りの物が吹き飛び、キリコが転んだ。
メガネッシュ「得物、頂戴します……!」
メガネッシュの気も高まってきた。
512 :
ほんわか名無しさん:03/11/07 21:55
地球の各地を次々と制圧していく過程で
ガミラスは自分の出生の事実を知った。
あの軽蔑していたデスラーが自らの分身であったこと。
そしてそのデスラーは地球人の実験によって誕生したこと。
しかし、ガミラスはその事実を認めなかった。
いや、認められなかったというべきか、
(我々デラ星人が宇宙の頂点に立つべき種族なのだ。
我々が地球人の実験の失敗の産物などとわ信じられぬ)
ガミラスは忌まわしき過去を封印するためにタワーに爆弾を仕掛けた。
それは地球そのものを破壊するほどの威力である。
自らとともに地球を消滅させ終止符を打つつもりであった。
それがガミラスの美学であった。
そのころ、ここは例の八百屋。
何やら変な形のカプセルのようなものが煙を上げた。
ブレイン「遂にグラスパワーとほぼ同じ出力を出せる人型ロボット、『バーテン』が完成したぞ…。
思ったより時間がかかったな…。」
ピンキー「やったね!ナーフ。」
ブレイン「早速脛夫とチャイ…、いや、ここは我々が独自でこのロボットをガミラスタワーに送り込むべきだな…。
そうすれば我々だけが英雄となるだろう。」
ブレインはそんなことを考えつつ、バーテンを出撃させようとしたときのことだった。
「僕らを裏切るきか?」
それは紛れもない脛夫の声だった。
ブレインが気付いた頃には、最早チャイアンと脛夫が後で戦闘態勢を取っていた。
ブレイン「まあ、しかたないことだろう。バーテン、出力5%で彼らにグラスパワーを披露してやれ。」
バーテン「ハイ、ゴシュジンサマワカリマシタ。」
機械的な無愛想な声でバーテンが答えた。
バーテンの口から一瞬気体が発せられたかと思うと、チャイアン、脛夫のいたところがバラバラに砕けていた。
ピンキー「かっくいい!!」
ブレイン「いや。」
冷静にブレインが答えた。
ブレイン「どうやら私のつくった瞬間移動装置で逃げられたようだな…。」
ブレイン「まあ良い。バーテン、ガミラスタワーに出動して来い。」
こうして人工グラスパワー発生ロボ、『バーテン』がブレインによってガミラスタワーに向けられた。
ガミラスがタワーに爆弾を仕掛けたことも知らずに…。
田代「キリコ、スウィーツは早く強硬派を殺して来い。ここは一人で大丈夫だ。」
ジェリー「じゃあ俺もついていくか。」
そうして三人は出て行き、地下研究所には田代、メガネッシュ、志村が残った。
田代「少し話そうか。」
田代は応接間のような部屋にメガネッシュを通し、コーヒーをいれた。
メガネッシュ「田代さん、俺・・・出生の秘密・・・全部聞きました。」
田代「私を恨んでいるのか?」
メガネッシュ「いえ・・・むしろ感謝しているのかもしれない。俺を造り、メガネッシュカー設立当時から見守ってくれたあなたを。」
田代「だが、今ここに来た理由は私を殺すこと・・・違うか?」
メガネッシュ「違う、『グラスウェポン』を手に入れられれば・・・あなたを殺したくはない。
ただ・・・話してくれませんか?俺の生まれたわけを、俺を造ったわけを・・・
『ナイトメアチルドレン』とは・・・『ウェポン』とは何なんですか?」
田代はもはや出生の秘密を知ってしまったメガネッシュに対して、嘘をつく気はなかった。
そして先ほどキリコに見せたウェポンに関する資料を手渡した。(
>>408参照)
つづく
田代「四つの古代文明が造り出したとされる『ウェポン』・・・誰が作ったのか、何のために作ったのか?
誰にもわからない。しかしその謎が多い古代兵器は、現代になっても世界中の野心家が求めたがる。」
メガネッシュ「いつの時代も人々は巨大なチカラを手に入れたがる・・・」
ウェポンをめぐる抗争は古代から続いてきたのだ。
田代「最初は科学者としての好奇心だった。だが、『ウェポン』について調べるうちに気付いたんだ。
この兵器は未完成だと・・・何故なら『ウェポン』を完全に使いこなす人物がいないからだ。」
メガネッシュ「だから『ウェポン』に完全にリンクできる者を自ら造り出した・・・」
田代「それが君たち『ナイトメアチルドレン』だ。」
メガネッシュ「あなたは、俺たちを造って何をするつもりだったんですか?」
田代「・・・俺はチルドレンを造ることで、ウェポンのシステムを・・・古代人が描いた夢を完成させたかったんだ。
パフェも最初はそのつもりだったと思う。だが完成したチルドレンは危険すぎるという理由で世界政府警察部
に没収されそうになった。そのころから警察部の悪いウワサが流れていたから・・・俺とパフェは拒否した。
そして没収されて悪事に使われるくらいなら、とチルドレンを・・・君達を殺そうとした。」
メガネッシュ「・・・。」
田代「そのとき君は『グラスパワー』を暴発し、チルドレンは散在してしまった。共同研究所を吹き飛ばした君の力を見て、私はようやく
目覚めたんだ。古代と現代の科学の結晶、『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』で世界を統治をしたいという野望に。」
田代は懐かしむように語っていたが、そこで一息ついた。
田代「それから十年、田代財閥は急速にチカラをつけ始めた。世界征服という目的ができたからだ。
そのためには多くの犯罪に手を染めてきた。そして五年前、ようやく君を見つけ私の監視下においた。」
つづく
メガネッシュ「他のチルドレンは?」
現在確認されているチルドレンは、メガネッシュのほかにスウィーツという少女だけである。
田代「スウィーツは共同研究所が大破したときも、逃げようとしなかった。だから世界政府には秘密で私が保護してきた。
しかしスウィーツに対応する『デザートウェポン』は世界政府の手にあった。だから彼女を田代ビルにの地下に幽閉してきた。
そのスウィーツも最近世界政府に誘拐されてしまったが・・・
メガネッシュ「・・・なぜ俺を?」
田代「私は…あのパワーを忘れられなかった。共同研究所を爆破し、私に世界征服の夢を与えてくれた君の『グラスパワー』を。
しかしその反面、君の『パワー』に恐れも抱いていた。事実、私は何度か君を殺そうとしたこともあった。
最後に聞いておくが・・・私と一緒に世界政府を倒し、世界を統治しないか?君の『グラスパワー』と、この『グラスウェポン』
があればそれが可能なのだよ?」
しかし、メガネッシュは迷うことはなかった。
メガネッシュ「あなたには感謝しています。たとえ俺を造った目的が悪意に満ちたものであろうとも。
でも俺はただ・・・もう一度メガネッシュカーを立ち上げ、真美子と幸せに暮らせればそれでいい。」
それだけでいいんです!」
その答えは田代には初めからわかっていた。
田代「設計ミスか、運命のイタズラか・・・君はあまりに純粋に育ってきたようだ。
しかしこれで…完全に交渉決裂だな。地上に出よう。」
メガネッシュ「はい。」
冷たい風が吹く中国北部荒野にて、壮絶な戦いが始まろうとしていた。
つづく
518 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 08:53
キナ臭い地下室の階段をメガネッシュは田代の後ろについて一緒に上った。
地上に出るまで二人は何も言葉を交わさなかったが、ここまで来てこれ以上語ることもない
ともわかっていた。
扉を開け、地上に出る。突然の光はメガネッシュの眼を容赦なく刺激し、それまで薄暗い地下室に
いたメガネッシュは目が眩んだ。光に慣れるのに二秒ほどかかったが、視力が回復してもそこには
何もなかった。そして二人はいよいよ対峙し合う。
つづく
519 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 09:05
空気中を飛び回る塵。それはあたかも緊張したようにメガネッシュと田代の殺気をかたどっていく。
メガネッシュ「田代さん…もう、何も言わない。あなたと俺の過去に決着をつける」
メガネッシュは『グラスパワー』を手に纏い、虎のように構えた。いっぽう田代は何もせずポケットに
手をつっこんだまま不適にそこに立っていた。
田代は並みの使い手ではない。メガネッシュにはそう理解できた。空気が、はじけるように重く、
張り詰めている。塵が、竜巻のように舞い上がる。
メガネッシュは田代に向かい雷のようなスピードで突き向かった。攻撃の型は、『グラスパワー』を纏った
左手。それを田代の急所に叩き込む。
勝負は、一瞬であった。
つづく
520 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 09:21
「…なぜ、よけなかったんです」
田代にはそれは避けられる攻撃であった。
だが体が動かなかったのか、迷いがそうさえなかったのか。田代は『グラスパワー』の衝撃波
のエネルギーを帯びた左手の手刀を受け入れ、そして倒れた。
中国の大地に大の字になり、空を見上げている田代。もちろん普通の人間がそれを喰らって
生きれるはずもない。制御されているとはいえ、『グラスパワー』は人間一人を殺すのに充分
な力を持っていた。
胸に禍々しい大きな傷跡を残した田代はメガネッシュの問いかけに返答を出す。
空気が、寒い。
「思えば…騙していたとはいえ、君がメガネッシュカーを経営していた頃が一番楽しかったよ。
出資者として」
田代は目を閉じ、震えるように唇を動かした。それは、儚く消える陽炎のように。
「まるで父親のような気分でね」
急に力が抜けたように動かなくなった田代の顔は、聖者のように、安らかに、眠っているようだった。
つづく
521 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 09:25
地下室から出発してから二時間後、ジェリーたちは強硬派の本部を強襲し、無事にクワマン
をはじめとする強硬派を粛清した。
残骸だけが残った元強硬派の本部にジェリー、キリコ、スウィーツの三人は佇んでいた。
キリコ「あっけなかったわね。」
つまらなそうに手入れした爪を見ながらキリコはぼやく。
ジェリー「こんなもんさ」
ジェリー「田代はうまくやってるかな…」
つづく
522 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 09:33
メガネッシュと志村は田代をそこに残したままガミラスタワーに急行した。田代の亡骸を葬ろうと
したがなにせ時間がない。志村にいいんですかと訪ねられたが人類の危機なのだ急げ急げ。
志村は飛行中のメガネッシュに涙を見た気がしたが、それがどういうものなのかはわからなかった。
ガミラスタワーに二人は到着しそこでタモリとSMAPらと合流する。タモリの腕が復活しているのに
メガネッシュは驚いた。私にもウェポンとリンクする資質があったようですメガネッシュさんいやぁラッキー
ラッキーとつぶきつつ一行はタワーに侵入しようとしていた
つづく
523 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 09:53
そのころ
忍者マン「ん…。スプリングマンの気が消えた。」
バファローマン「レーダーの反応がタワーに向かって移動しているぞ」
ギルガメッシュ「いやな予感がする。何かあったのかもしれない。
タワーに戻るぞ!」
そしてギルガメッシュ達もタワーへと戻っていった。
いつの間にグラスウェポンを持っていたのだろう、とメガネッシュは疑問に思った。
田代が持っていたグラスウェポンだ。
メガネッシュ「…違う。これはグラスウェポンじゃない。パワーこそあるが複製品だ」
本物のグラスウェポンはどこなのか。
メガネッシュ「田代さん、最後まで一杯食わしてくれるんですね…」
メガネッシュには見当がついていた。田代のそばにいた女性…
強硬派のアジトに向かうジェリー、鈴木マサユキ似のスウィーツ、そしてキリコの上から、
衝撃波が落ちてきた。
衝撃波をよけるように、慌てて別々の方向に走る3人。
キリコの前に、メガネッシュと志村が立ちはだかった。
-十数分後-
廃ビルの一室。座り込むキリコの隣に、
メガネッシュが特殊なメガネを手にして立っている。
キリコ「…私もう、お嫁に行けない…」
急いで部屋を後にするメガネッシュと志村。
キリコ「バカヤロー!!!」
キリコは立腹し立ち上がって部屋を出たが、もうそこにはメガネッシュと志村はいなかった。
空を切るように飛ぶメガネッシュと志村。
メガネッシュの飛び方も安定している。
メガネッシュ「…後でよーく洗っとこう、このウェポン」
ガミラスタワー近辺にて、香取以外のSMAP達とキバヤシ、タモリ、そして志村とメガネッシュは合流した。
メガネッシュ「香取はどうしてるんだ?」
SMAPゴロー「サバランといたところを、
ガミラスの精鋭部隊、ギルガメッシュ達に見つかり、
そこをなんとかサバラン1人に押し付けて、今こっちに向かってるようです」
香取と合流した後、
ガミラスタワーに近づいたが、タワーのあちこちにねるねるねるねが待ち構えていた。
タモリ「メタルナックル!」
香取「ウォーターブレード!」
香取の指先から、ものすごい圧力の水が吹き出し、ねるねるねるねを粉砕した。
しかしねるねるねるねは細かくなっただけで、まだ蠢いている。
志村「田代を倒されたのは残念だけどさ、とりあえず加勢するわ。
ドリフ拳法奥義その28、雪景色〜」
志村が奇妙な手つきをすると、角砂糖のような雹が山のようにねるねるねるねに降り注ぐ。
ねるねるねるねが消えた後、壁面の何とか登れそうな位置に、
大人が1人ずつなら入れそうな穴を見つけた。
この時、メガネッシュ達は、
ガミラスタワーに地球を破壊できる爆弾が仕掛けられていた事など、
知る由もなかった。
526 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 11:11
そのころタワーの警備室では
ミッキーがバネをつかいサンシャインマンに巻きつくと身動きが取れないように
体を締め付けた。
そしてねるねるねるねに変身したミッキーは
「いっただっきま〜す」
と大きな口をあけサンシャインマンを頭から飲み込もうとした。
あきらめの表情を見せるサンシャインマン
「サンシャインマン!砂に戻るんだ!」
ラーメンマンが声をかけた。
サンシャインマンはハっと何かに気づいた表情を見せ、ニヤリと笑った。
サンシャインマンの体がボロボロになって崩れていった。
「あれ〜どうしたんだろう?」
ミッキーが不思議がっている。今まさに食べようとしたサンシャインマンが砂になって
崩れ落ちてしまったからだ。そして警備室の床一面は砂だらけになっていた。
(ジーンズ地獄巡り。砂地獄。
今度はお前らが砂に飲み込まれるがいい。)
どこからともなく声が聞こえた。
その声を聞きラーメンマンはニヤリと余裕の表情を見せていた。
527 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 14:19
「私まで巻き込まれたらかなはんからな」
ラーメンマンはそうつぶやくと飛び上がり天井の照明をつかみぶら下がった。
(無限砂地獄)
床一面に広がった砂が弧を書き渦を巻いていった。
砂に足を取られ身動きのできないトムとミッキーは次第にその渦に巻きこまれていった。
(砂に巻き込まれ。お前らも風化して砂となり私のからだの一部になるのだ)
トムとミッキーの体が完全に巻き込まれた頃、床の砂も弧を書くのをやめた。
528 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 14:38
^^
そこに一人の男が現れた。
「君達、このタワーに隠されているもの、それはなーんだ。」
ラーメンマン「なんだ?おまえは。」
「初対面なのに随分と失礼だねぇ。」
ラーメンマン「とにかく俺達は今闘いで忙しいんだ、あっち行った!」
「ふふふ。」
そんな声が聞こえたと思うと、ラーメンマンは一枚のトランプのカードになっていた。
「僕の名前はジョーカー。世界政府のリーダーさ。覚えておきな。」
サンシャインマンが床から出てきた。
首が3つになっている。
サンシャインマン「おや、世界政府のボスはプリンじゃなかったのか?」
ジョーカーがクスクス笑いながら言った。
ジョーカー「彼ならさっき死んだよ。正確には、物になったとでも言おうか。そこにいる奴みたいにね。」
ジョーカーがトランプのカードになったラーメンマンを指して言った。
サンシャインマン「ラーメンマン!?」
ジョーカー「そして世界政府全員に僕がリーダーだと認めさせてやったのさ。」
サンシャインマンの頭は仲間であるラーメンマンを殺された怒り、そしてジョーカーへの殺気で制覇された。
サンシャインマン「ジーンズの仲間を殺るとはいい度胸じゃねーか!!死ね!!」
そう言うとサンシャインマンはジョーカーに突撃した。
ジョーカーはすんなりとよけ、壁に立ちながら言った。
ジョーカー「もうすぐここは爆発するよ。裏切られ者君。」
サンシャインマン「なんだと!?」
ジョーカー「そうさ。まあ、後悔するがいいさ。ガミラスとやらの部下になったことをね。」
そう言うとジョーカーはもの凄く俊敏なジャンプで上方に行ってしまった。
サンシャインマン「わけがわからん…、、な!?」
すると、サンシャインマンの体が見る見る内に飲み込まれていった。
中からミッキーとトムが出てきた。
ミッキー「おいしかった。」
532 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 20:32
ガミラスタワー周辺のねるねるねを掃討したメガネッシュ達はやっとタワーが見える地点まで
辿り着いたが正面には見張りがいるためしかたがないのでタワーの側面にある大人が1人
ずつなら入れそうな穴に入るためにタワーの裏側に回った。香取は後からくるだろうまぁ
あいつのことだ後で必ず追いつくさあっはっはということで放置決定になったので壁面をよ
じのぼりなんとか全員で穴に辿り着いた。幸いそこには見張りはおらず見つかることもなかった。
「ふぅ、うまくいったな」
メガネッシュが安堵のため息をつく。穴を抜けたそこは薄暗く、広い部屋だった。
どうやら大型兵器でも格納する部屋だったのだろうか、学校の体育館はゆうにある広さと高さである。
メガネッシュは田代の地下研究室を思い出した。カビ臭く、じめじめしたあの感じ。背中に走る不快感。
メガネッシュはできるならこの部屋から出たいと思った。
近くでないと誰だか判別できなかったが、メガネッシュの後ろの方で聞き鳴れた、少し曇ったような
声が響く。キバヤシの声だった。
「ここはどこでしょうね。タワーの地図があればいいのですが」
「そうだな…」
と、これからどうするか相談しようとすると突然辺りがまぶしくなった。暗い中をいきなり懐中電灯
で目を照らされるように、いやそれ以上に強烈な光。見つかったか!?全員に緊張が走る。
「誰だ!?」
木村が声をあげた。すると、笑い声がだだっ広いこの部屋に響く。陰湿そうな、あまり、聞きたく
ない声。それはタワーの主、ガミラスのものだった。
「ようこそ、ガミラスタワーへ。残念ながら君たちの来訪は監視カメラにて拝見させていただいたよ。
そのおかげで歓迎の準備ができたのだがね」
つづく
533 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 20:54
明かりがつき、その部屋の、いややはり部屋という大きさではない。その体育館、いやそれ以上
はある広さの場所でメガネッシュたちがみたものは、10mはある巨大な金色のメカだった。
神話のケンタロウスを思わせる形状。メガネッシュたちは見たことがない金属のようだが、それが
織り成す重厚なボディ。下半身にあたる稼動部は足型でこのメカの機動力を想像させた。
「な、なんだこれは!?」
メガネッシュたちもSMAPも驚愕した。
そしてあの汚い感じのするガミラスの笑い声が響く。
「はっはっは。驚いてくれたかな。ここは元は大型兵器庫だったのだがね、君たちを迎える
闘技場として使うために片付けておいたよ。
そしてこのメカは我が軍とっておきの決戦兵器『イスカンダル』さ。このタワー
に使われている『デスラーアイアン』を使ってある。つまり…」
ガミラスの自慢が始まる前にメガネッシュは『グラスパワー』で衝撃波を放った。が、轟音と共に
直撃した衝撃波はイスカンダルの表面に傷さえつけてなかった。
「核兵器にも耐えられるということさ。」
また笑い声が闘技場に響いた。声。ガミラスはあのイスカンダルに乗り込んで操縦している
のか?それとも別の場所にいてここを見ているのか?その疑問にかられたキバヤシはもしや
ガミラスはこのタワーにはいないのではにかという推論を導き出す。だがなんのために?
本拠地であるこのガミラスタワーから退避しなければならない理由でもあるのか?
そんなキバヤシの疑問は、イスカンダルの雨のような銃弾爆撃によって遮られてしまう。
つづく
534 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 20:59
ガミラスタワーには地球をも破壊できる巨大な爆弾が仕掛けられていた。
それはガミラスの部下でさえ知らない。知っているのはガミラスと、謎の男ジョーカーだけだ。
しかし、それは何のために仕掛けられたのだろうか?ガミラスは地球を我が物とするために
来襲しにきたのであって、地球を破壊してしまえば全く意味がない。それに地球を破壊するならば
ガミラスも危ないのではないか?ではガミラスは地球から離れ今宇宙にいるのだろうか?
それとも闘技場でイスカンダルに乗り込み操作しているのか。
だが誰も知らないガミラスの居場所を知っている男は一人いた。それは、ガミラスさえ知りえない
ことであった。
つづく
535 :
ほんわか名無しさん:03/11/08 21:15
その頃世界政府では深刻な事態が発生していた。警察部顧問であり、オカシーズを束ねる
プリンが行方不明となったのだ。
世界政府は地球人類を統治する、世界で最も強い決定権を持つ重要な組織である。
世界各国から代表が集められ評議会を結成し世界各地で起きている紛争の仲介やテロリス
トの駆逐のために機能している。そのほかにも難民や経済が荒れ貧困が蝕んでいる国への
援助資金の統括なども行っており、まさに世界政府は名の通り世界の中軸なのである。
世界政府は七つの部門に分かれており、その中にプリンの警察部やほかに軍事部、科学部
などがあり、その七つの部門を統治する七人の最高顧問の評議により世界政府の最高意思
は決定される。オカシーズは警察部の第八特務機関でありあくまでも警察部の一部でしかない。
今まで表立った仕事はしてこなかったオカシーズは今回のガミラスでその力をいかんなく
発揮し世界政府でも有名な存在になったのだが。
しかし軍事部と並び強力な部隊を擁する警察部の最高顧問であるプリンが行方不明となった
のでさぁ一大事。これから七つの部門の戦力を結集した殲滅戦を仕掛けようとした世界政府に
とってエライコッチャなのであった。
つづく
チャイアン「瞬間移動装置でワープしたはいいが、ここはどこなんだ?」
脛夫「そんなこと僕に聞かれても困るよ。」
彼らは使い方のわからない瞬間移動装置で小屋のようなところへ移動してしまったのだ。
脛夫「ん?あそこに誰かいるぞ?」
脛夫が誰か発見したようだ。
脛夫「あのー…」
「誰だ、貴様ら!!」
とても驚いたような声だ。
振り向いた時、やはり何故かとても驚いたような顔をしていた。
「しかし、ここがまさかバレるとはな…。人間も案外やるよのう。」
チャイアン「うるせい奴だな!!」
「言葉には気をつけたまえ。」
そう彼が言うとチャイアンの後ろにあった本棚が倒れてきた。
チャイアン「なんだ!?」
かわしながらチャイアンが言った。
「私の名はガミラスだ。貴様等地球人とは格が違うのだよ。よく心に刻んでおきたまえ。」
ここはガミラスタワー闘技場・・・
「うわぁーっ!!」
いきなりの『イスカンダル』の機銃掃射に、メガネッシュ、タモリ、
キバヤシ、SMAP、志村は必死に逃げ惑った。
メガネッシュ「おい、ガミラス出て来い!」
しかし、音声は数人の話し声がした後、『私の名はガミラスだ。貴様等地球人とは格が違うのだよ。
よく心に刻んでおきたまえ。』という声を最後に、途絶えてしまった。
キバヤシ「やはり・・・ガミラスはここにはいないようだ。」
香取「誰かと会話しているような音声が聞こえたな。」
中井「それよりコイツを何とかしないと・・・」
ひととおり掃射を終えると、決戦兵器『イスカンダル』は石のように黙り込んだ。
そのときだった。闘技場の扉が開いたのは。
つづく
「おい、ここにはガミラスはいないぞ!」
それは衛兵を倒しながらタワー最上階まで上り、ガミラスがいないことを確認して
再び降りてきたファチェとスウィーツだった。
タモリ「誰だ、お前たちは?」
ファチェ「初めましてメガネッシュ、その他諸君。私は十三浪士の一人、ファチェだ。こっちは『チルドレン』の一人、スウィーツ。」
メガネッシュ「『チルドレン』・・・!!この子が・・・!?」
メガネッシュが驚くのも無理はない。十五年ぶりの再会であるうえ、スウィーツはその頃から成長が止まってしまっていたからだ。
ガガガガガガガガガガガッ
そのとき『イスカンダル』がファチェとスウィーツ目掛けて機銃掃射を仕掛けてきた。
スウィーツ「はっ!」
両手を前に出すスウィーツ。すると綺麗なブレスレットがキラリと光り、円状に高速回転する砂のバリアが出来上がった。
ファチェ「『チルドレン』が二人もいれば恐いものはないな。」
つづく
志村「あいつ、デザートウェポンを使っているぞ!!」
ゴロー「すごいですね・・・あの高エネルギー兵器を意のままに操っている。」
全ての銃弾をさえぎったあと、スウィーツは敵に向けて両手から大量の砂を嵐のように降らせた。
スウィーツ「・・・disintegration!」
ザーーー ザーーーーー
『イスカンダル』はスウィーツの放った砂によって外殻そのものが破壊されることはなかったが、
砂漠の砂を操る『デザートウェポン』の力によって急速に風化、崩壊してきた。
スウィーツ「ねぇ、あなた『チルドレン』でしょ?・・・『ウェポン』使いなさいよ。」
メガネッシュ「そ、そうか!」
メガネッシュはキリコから奪った『グラスウェポン』を初めて装着した。
メガネッシュ「これが・・・俺のウェポンか・・・チカラが込み上げてくる!!」
スウィーツ「・・・手加減してよ。」
メガネッシュは外殻が脆弱になった『イスカンダル』を、『グラスウェポン』越しに見据えた。
メガネッシュ「えいやー!!」
メガネッシュの両眼から放たれた眩い閃光!!
決戦兵器『イスカンダル』は確かに『デスラーアイアン』本来の防御能力は失っていた。とはいえ、その閃光は
10m以上の巨体を粉々に粉砕し、その後ろの闘技場の壁をも貫き、ガミラスタワーに巨大な穴を開けた。
つづく
その頃、ここは地下都市。ほぼ全ての人類が避難している。
しかし、世界政府、田代等はガミラスに夢中でここには目もくれていなかった。
「おい。ジョーカー様からの連絡が入ったぞ。」
太った王冠をした男が言った。
「あら、何かしら。」
同じく王冠をした女性が言った。
「ジョーカー様には俺達ナイト、クイーン、キングによる地下に住む人類の統一が終わったことを告げたか。」
剣を持った騎士のような男だ。
キング「ああ。言っておいた。取り敢えずジョーカー様からの使命を告げる。
ナイト、お前は地上で好きに暴れまわってくるが良い。」
ナイト「ラッキー!!全員殺してくれる。」
興奮してナイトが言った。
キング「しかし、ナイトメアチルドレンは殺すなと言われている。次にクイーン。」
クイーン「何かしら?」
キング「お前はジョーカー様がガミラスの居場所をつきとめたのでガミラスを殺して来たまえ。」
クイーン「あら、そんな簡単な仕事でいいのかしら?」
余裕の表情でクイーンが言った。
キング「しょうがなかろう。我々にすればナイトメアチルドレン以外は全員雑魚を等しい。
ところで、私は地下の者どもの管理を任されている。」
ナイト「ジョーカー様は何をするんだ?」
キング「ジョーカー様以外のナイトメアチルドレンを抹消するらしい。」
クイーン「まあ、ジョーカー様の『トリックウェポン』があれば余裕ですわね。」
キング「…雑談はここまでにして、全員仕事をしてくるが良い。」
ナイト&クイーン「了解!!」
541 :
ほんわか名無しさん:03/11/09 10:12
『イスカンダル』はメガネッシュの『グラスウェポン』により綺麗な円を抉り取られた。
それを見ていたSMAPやタモリとキバヤシは自分たちの出番がなくなったことに愕然すると同時に、
その破壊力に寒気を覚えた。これが『ナイトメアチルドレン』…
そしてメガネッシュ自身も『グラスウェポン』の力に恐怖を覚えた。『グラスウェポン』で制御した『グラス
パワー』でさえこの破壊力。自分の体の中に核でも抱え込んでるようで、冷や汗が止まらない。
だが心の奥底にある喜びにも似た感情が湧き出ていることも否定できなかった。
つづく
542 :
ほんわか名無しさん:03/11/09 13:02
「あなたが」
空を舞っていたメガネッシュの意識はスウィーツの声により現実に戻った。
「あなたがメガネッシュね。おひさしぶりね」
自分と同じ『ナイトメアチルドレン』に会うのは初めて、いや失った記憶の中に共同研究所での
生活がありありとあった。不思議だ。まるで兄弟のような感じがする…
つづく
ここはガミラスタワー中心部。
ガミラスが爆弾を仕掛けた場所だ。
そこに何者かが忍び込んでいた。
ジョーカー「こんな子供騙しの爆弾。ビカムカード。」
そうジョーカーが言うと、地球を破壊するほどの威力の爆弾は一瞬にしてラーメンマンのようにトランプと化した。
ジョーカー「こんな爆弾でチルドレンを殺されては、僕が彼らを殺める楽しみがなくなっちゃうからね。」
そう言ってジョーカーは爆弾トランプを手に取った。
ジョーカー「それにしてもこいつは良いエネルギーになりそうだ。」
ジョーカーはナイトメアチルドレンである彼のための武器、『トリックウェポン』にそれを取り込んだ。
ジョーカー「来る、来る、来る!!力が漲って来る!!」
ジョーカーのウェポンが元の緑から青に変化した。
ジョーカー「これでレベル3だ。他の奴等はウェポンが進化するのを知らない。レベル1のウェポンで僕とどう闘うのかな?」
そう言いながら邪悪な笑みを浮かべるジョーカーはメガネッシュ達のいる所へジャンプで移動して行った。
544 :
ほんわか名無しさん:03/11/09 21:04
今目の前にいる少女が、自分と同じナイトメアチルドレンであるスウィーツなのだ。
メガネッシュは実際どういう言葉をかければいいか困った。しかし、運命の歯車はもはや回り始めて
いる。
突然爆音と共にメガネッシュの右方の闘技場の壁が壊れた。煙のあと現れたのは緑の髪の、謎の
青年であった。いや大人びた少年とでも言うべきか。
「こんにちは、メガネッシュにスウィーツ。我が兄妹達よ」
どこか子供の危うさを感じさせるその少年は自分をジョーカーと名乗った。その―緑髪の、奇妙な
空気を纏う少年は驚くべき言葉を発した。
「僕は三人目のナイトメアチルドレンさ。」
「まさか…あなたは!?」
スウィーツが目を大きくし驚きが顔に隠せないでようであった。三人目のナイトメアチルドレン。
まさか、このたった数分の間に、悪夢の子供たちが顔を合わすとは。
ジョーカーがしゃべり続ける。
「いやぁ、久しぶりだね。メガネッシュが暴走して共同研究所を破壊した時以来かな。あれからみんな
バラバラになっちゃったよねぇ。僕らは同じ運命を背負った兄弟みたいなものなのに」
悪意もなく、子供のように無垢で純粋な口調。しかし会話のところどころに、黒い、それは何かわか
らないがとにかくメガネッシュは危険なものを感じた。そしてその予感はあっさり的中することになる。
つづく
545 :
ほんわか名無しさん:03/11/09 21:17
「さて、突然なんだけど今日は君たちに用があってきたんだ」
その瞬間闘技場全体が歪んだ気がした。
強者の強すぎる殺気は空気をも変えるという。まさにそれがこの闘技場の空間を歪めていたのだ。
そしてその殺気を放つ張本人―ジョーカーは危険な笑みをこぼしてこう言った。
「君たちに死んでもらいにきたのさ」
ジョーカーの周りに青いオーラのようなものが発生し、その力を解放した。右手には真珠のような
緑の珠を握っている。
「どうかな…僕の『トリックパワー』を制御し変換する機能を持つ『トリックウェポン』は。綺麗だろう?
すごく僕は気に入ってる」
自慢気にメガネッシュたちの前にかざして見せた。メガネッシュはそれに向けてグラスウェポンの衝撃波
を放った。
「無駄だよ」
ため息をついてジョーカーはまるで片手間をすまうしょうに衝撃波をはじいた。軌道を変えさせられた
衝撃波は何もない別の方向へ飛んでいき、闘技場の壁を壊した。
つづく
「ダイアダスト!!」
空から鋭いダイアモンドの雨が降り注いだ。
547 :
ほんわか名無しさん:03/11/09 23:12
ウグッ
ジョーカーは突然頭上に舞い降りてきたダイアモンドの雨の直撃を受けた。
「ここで何を勝手なことをしている」
ギルガメッシュである
その傍らには忍者マンとバッファローマンがいた。
突然の攻撃により一瞬態勢を崩したジョーカーであったが
さしたるダメージを受けた様子はない。
「水もしたたるいい男ってか?心地よい雨だったよ」
ジョーカーがおどけた調子で答えた。
「ふざけやがって」
そういうやいなやバッファローマンがジョーカー目指して突進していった。
「おっと」
ジョーカーはまるで闘牛士が牛をあしらうかのように軽くバファローマンの
攻撃をよけた。
しかし、バッファローマンの攻撃をよけたジョーカーの背面に忍者マンが
張り付いた。
「忍法木葉落」
忍者マンはジョーカーの体を押さえ込むと、その頭を床にたたきつけるべく降下していった。
だが…
トリックスター
ジョーカーがそう唱えると、突如忍者マンとジョーカーの体制が逆転した。
忍者マンを抱え込むジョーカーはそのまま床に目掛け降下していった。
そして忍者マンはジョーカーに体を押さえ込められたまま床に頭を叩きつけられ
息絶えた。
『主要人物現在地』
メガネッシュ、キバヤシ、タモリ、志村、SMAP、ファチェ、スウィーツ、ギルガメッシュ、バッファローマン、ジョーカー・・・・・ガミラスタワー闘技場
パフェ、シフォン、サバラン、エクレア・・・・・世界政府警察部
プリン総司令・・・・・行方不明
トム、ミッキー・・・・・ガミラスタワー内部
ジェリー、キリコ、スウィーツ・・・・・『ミニにタコ』強硬派本部周辺
ガミラス、チャイアン、脛夫・・・・・??
ブレイン、ピンキー・・・・・日本の八百屋
『バーテン』・・・・・ガミラスタワーに接近中?
ドラえもんズ・・・・・未来に帰還
ワッフル・・・・・山東省にて死亡
田代・・・・・中国北部荒野にて死亡
スプリングマン、サンシャインマン、ラーメンマン、忍者マン・・・・・ガミラスタワーにて死亡
549 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 14:56
タワーに近づいてくる未確認飛行物体を確認したシャベルナは
コスモファイター隊をスクランブル発進させた。
1号機「前方2000mに飛行物体を確認、これより攻撃態勢に入る。」
5号機「人型か。まー所詮、地球の兵器だひねりつぶしてやるわ。」
2号機「レーザースタンバイOKいつでも攻撃できます。」
6機のコスモファイターが編隊を組み「バーデン」に攻撃すべく
接近していった。
ジョーカー「雑魚が。そして、おまえもだ。」
ジョーカーは明らかにバッファローマンの方を向いて言った。
ジョーカー「スペードカッター!!」
トランプのスペードのような物がもの凄いスピードでバッファローマンの体を貫いた。
ジョーカー「…しかし、レベル3がこれほど凄かったとはな。」
メガネッシュ「レベル3!?」
ジョーカー「おっと。それについては君達には教えることはできないな。」
スウィーツ「何故かしら?」
ジョーカーが少し躊躇った。
ジョーカー「君はずっと前から変わってないな。何についても疑問を持つ。
この世には秘密と言うものも存在することを少しは自覚しなよ。」
スウィーツ「うっ。」
少しスウィーツが赤くなった。
ジョーカー「(しかしレベル3のウェポンは本当に凄まじいな。
ダイアダストを唱えた途端僕にも攻撃が降りかかってくるようじゃ、まだまだ修行が必要だな。)
どうやら今は君達と戦うときではないようだな。んじゃ。」
メガネッシュ「突然なんだよ!!おい!!」
そう言うとジョーカーはジャンプで向こうへ行ってしまった。
志村「追いかけなくていいんですか!?」
スウィーツ「今追いかけてもやられるのがオチだわ。」
ここはタワー付近の上空。
コスモファイター達がバーテンに攻撃をしようとしている。
バーテン「コウゲキシテキソウデスネ。コチラカラノセンセイコウゲキヲオコナイマス。」
そうバーテンが言うと、バーテンの吐き出した気体によって六機のコスモファイターがバラバラに砕けた。
552 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 15:23
「バッファローマン、そして忍者マン
俺は俺は何もできなかった。くそぉもっともっと俺に力があれば…」
目の前で部下を殺されたギルガメッシュは茫然自失となっていた。
「強くなる方法、教えてやるぜ。」
突然の声にギルガメッシュは驚いた。
ギルガメッシュ「誰だっ!?」
ナイト「俺の名はナイト。ジョーカー様のトランプ三人衆の一人だ。」
ギルガメッシュ「ジョーカーだと!?俺はあいつに手下を殺されたばかりなんだ!!」
ナイト「それでも、強くなりたいとは思わないか?ジョーカー様のことだからきっと強くしてくれるぜ。
ガミラスよりも、だ。無論俺達にとっちゃぁガミラスは雑魚も同然だがな。」
ギルガメッシュ「ガミラス様よりも強く…?」
自分の仲間を殺された奴の仲間になって強くなる、という選択をすべきかしないべきか。
ギルガメッシュの脳内はその疑問で満たされた。
554 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 16:05
しかし、自分が強ければあいつらは死なずにすんだ。
自分が強ければあいつらを守ってやれたのだ。
そう、俺は強くならなくてはならない。強さこそが全て、強気ものが正しいのだ。
ギルガメッシュ「うむ。貴公の申し出有難く受けようではないか。」
そう答えたギルガメッシュの目には一粒の涙が浮かんでいた。
555 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 17:39
その頃。ガミラスと脛夫とチャイアンがいる小屋のようなところ。
「…じゃあ、ガミラス、あんたは地球を侵略しようとしたが気が変わって地球を破壊する気
になったんだな?」
「侵略じゃない、帰還、だ。」
チャイアンの質問に答えるガミラス。その表情はどこか疲れたようにも見える。
先ほどからガミラスは椅子に座り話を始めている。それは、ガミラスやデスラー星のことであった。
「私は一度リセットをしておきたかったんだ」
「リセット?」
「そう、今の私の兵はすべてデスラーのコピー、つまりお前ら地球人でいうところのクローンだ。
私自身もそうだ。だが私はデスラーを非常に忌み嫌っていた。奴の理想の目的は意思さえも
操れるクローンだった。だがデスラーのクローン技術は初期の段階では不十分で、中には
デスラーと全く違う、思考構造や思想を持っている者もいた。それが私だ。クローンにはそれぞれ
製造番号がうたれてある。私はNo.000003だった。100番台までには私のような独自の意思を持つ
者が多かったようだ。そしてその者らは幹部になった」
ガミラスの独白に驚く脛夫とチャイアン。なんだ?こいつは一体何を話そうとしているのだ…。
尚もガミラスの話は続く。
「私は自分がデスラーのクローンであることを忌々しく思った。そうだろう?奴はやることが陰惨
だった。そんな奴のクローンであるデスラー軍は、私はいらないと思ったのだ」
つづく
557 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 17:55
「だからガミラスタワーにいる部下ごとタワーを破壊しようと思ったのか。だが、なぜ地球をも破壊
できる程の爆弾を作ったんだ?お前は地球が目的じゃなかったのか」
チャイアンが訊いた。ふぅ、とため息をついてガミラスは答えた。
「私は失望したんだよ、地球人に。」
「なんだって?」
まるで老猫のようにどこか遠くを眺めながら、ガミラスは語った。
「そう、失望したんだよ。私は地球に来るまで地球人をある程度評価していた。或いは羨望をも抱いて
いたかもしれない。あの青く美しい星で、科学や平和のために邁進する人々…。だが、実際来てみたら
どうだ」
ガミラスは目を閉じ、今度は深い、深い軽蔑の息を吐いた。
「私が地球の領土を奪還しようとしても、人々は抗おうともせず一部の人間に戦いを任せ逃げ惑う
ばかり。挙句の果てには地下に潜り震えながら息を潜めている。
そして、極めつけはこの危機だというに、呑気に地球の覇権を奪おうとする連中だ。協力して私に
立ち向かおうともせず、私利私欲に溺れバラバラになっている。」
チャイアンと脛夫は何も言えなかった。ただ、ガミラスの言葉が耳に突き刺さるばかりであった。
「こんな醜い生物は他にいると思うかね?だから、いらない、と思ったのだよ」
つづく
558 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 18:03
ガミラスの言う事も最もだ。我々は正しいのかそれとも間違っているのか、わからない。
だが脛夫はガミラスが一番愚かだとはわかった。
愚かしいものだと思うものは、人類も、仲間でさえも殺してしまうのか?
ガミラスこそが、最大のエゴイストなのである。
「で、ここはどこなんだ?地球にいればあんたも危ないんだろう、ガミラス?」
チャイアンが訊いた。そうなのだ。チャイアンと脛夫は現在自分たちがどこにいるかを知らない。
ここは宇宙なのか?地球ではないのか?だが、ガミラスはガミラスタワーを監視しているモニター
をみて目を丸くし驚き、その質問には答えなかった。そして、それを例の陰気な声で、発した。
「爆弾が…消えている!?」
つづく
559 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 18:24
ジョーカーとギルガメッシュが去ったあとの闘技場。残されたのはメガネッシュとキバヤシとタモリと
SMAPとファチェとスゥィーツの10人であった。
「一体なんだったんだ、あのジョーカーは…。いきなり来ていきなり帰っていったぞ」
「昔から気まぐれな男だったわ」
ボソっと、スウィーツがつぶやいた。
「人をおちょくるところも変わってないようね」
「さて、どうします?このガミラスタワーはガミラスはいないようですが。兵は我々の手では
負えないほどたくさんいるようですがね」
「その前に確認しておきたい。」
メガネッシュはスウィーツと再び向かい合った。十数年ぶりに再開した兄妹。しかしメガネッシュは、訊いて
おかなければならないことがあったのだった。
「スウィーツ、君は俺の敵なのか?それとも味方なのか?」
スウィーツには実は秘めたる野望があった。(
>>398参照)
ある意味、スウィーツには味方はいない。だが、表面上、味方にしておくべき者はたくさんいる。
今横にいるファチェという男もそうだった。
「私は…」
つづく
560 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 18:49
そのころガミラスタワー上空では
幾数もの光の束が伸びていた。
コスモファイター隊を撃破されたシャベルナは、
ドックに駐留中のガミラス艦隊の各艦の主砲を未確認飛行物体に向け
発射していった。
しかし、バーデンの動きはすばやくその攻撃を素早くよけていた。
「こんな時にガミラス様は何をしているんだ!
しかし、あの動きと破壊力、今までの地球の兵器とは一味違うようだ。」
シャベルナは焦っていた。
ガミラス不在の今、タワーに何かあったら自身の責任を問われるからだ。
「ええい。このままでは埒があかんわ!
古代!ドックにある試作型モビルスーツに乗込み敵機を撃退して参れ!」
古代進。ガミラス軍随一のエースパイロットである。
主にコスモフャイターを好み操縦する。その技術は一般の兵士の3倍の速さで
自機を操作する。
「たっく。コスモフャイターじゃねーのかよ」
愚痴をつぶやきながらドックにたどり着いた古代は試作型モビルスーツの全容を見た。
古代「なんだこりゃ?モビルスーツのくせに足がねーじゃん」
整備兵「なにぶんまだ8割しか完成していないもので
しかし、足なんてあんなものは飾りです!今でも充分このモビルスーツの
性能が発揮できるように整備しておきました。」
古代「おまえがそういうなら間違いねーか。」
ポンっと整備兵の背中をたたくと、古代は試作型モビルスーツじおんぐに乗込んでいった。
561 :
ほんわか名無しさん:03/11/10 19:06
「シャベルナもなに焦ってんだ?
ドックファイトに艦隊の主砲なんか使ったって意味ねーじゃん。」
じおんぐを操縦しながら古代はまだ愚痴を言っていた。
すると前方に敵機が見えた。
「一発でしとめてやるぜぇ」
古代はじおんぐの手を敵機に向けるとそのそれぞれの指からレーザーを照射した。
バーテンは不意の攻撃を受け直撃は免れたもの、その足にレーザーが当たった。
「マタテキガアラワレタヨウデスネハイジョシマス。」
右足から煙を出しているバーテンがそういうとバーテンは気体を吐き出した。
「さすがに硬い装甲だ。一撃では倒せねーか」
古代はそういうと、機体を急上昇させバーテンの吐き出した気体をよけた。
バーテンの吐き出した気体はそのまま進んでいき。
ガミラス艦隊の装甲巡洋艦に当たった。装甲巡洋艦は一瞬にしてバラバラに砕け散った。
「ひゅぅ〜。あれに当たるとさすがの俺もやばいな。」
そんな事をいっていた古代ではあったがさして焦っている様子はなかった。
ここは地下街。
ナイト「ジョーカー様、こいつとやらが味方に入るそうですが。」
ナイトの横にいたのはギルガメッシュだった。
ジョーカー「おぉ。こいつはギルガメッシュじゃないか。前から目をつけていたんだ。」
ギルガメッシュ「え?」
怒りを宿しながらも目を丸くしてギルガメッシュが驚いた。
ジョーカー「そうさ。君は戦闘時に何やら呪文を使用していただろ?」
ギルガメッシュ「そうだが、何か?」
ジョーカー「そこで、君はその呪文の才能を生かしてこいつを使ってもらいたかったわけさ。」
ジョーカーは何やら丸い小さな面子のような物を取り出した。
ジョーカー「こいつは、『デスチップ』の一つでその名も、『タシロチップ』だ。」
ギルガメッシュ「デスチップ?」
ジョーカー「『デスチップ』と言うものは一人の何か強大な力を持った人間を一つのチップに僕の『トリックウェポン』で押し込めたものだ。
ただし、それはしか取り込むことが出来ない。
僕の『トリックウェポン』で『ビカムトランプ』を使えば生きた人間や物をトランプのカードに詰め込むことはできるが、
それは『トリックウェポン』、そして僕のエネルギー源になる。」
ギルガメッシュ「なるほど…。それで、田代と言う人間を押し込めたから、それは『タシロチップ』なのだな?」
ジョーカー「そうだ。中国で田代の死体を発見したからな。君は飲み込みが早いな。
田代と言う男は決して肉体的には強くなかった。
しかし、『気』を使ったり、相手の何かを突いて相手を自殺に追い込んだり植物人間にできたのさ。
それで、ギルガメッシュ、君がこのチップを使うのに最適だと思ったんだ。
実際そこにいるナイト等トランプ三人衆もチップを使える才能で選抜した。
君がいればトランプ四人衆になれるだろう。」
ただし、それはしか取り込むことが出来ない。→ただし、それは死体しか取り込むことが出来ない。
スウィーツ「私は・・・」
スウィーツは葛藤していた。チルドレンとしての力を純粋に世界のために役立てたいという気持ち。
そして全く逆に、世界を征服したいという気持ち・・・実はこれはチルドレンに共通の深層心理
であり、製作者田代の当時の迷いが現れたものでもあった。
『ウェポン』を手にすれば最強の『ナイトメアチルドレン』が平和に使われるようにと願う気持ちと、
ウェポンとチルドレンで世界を征服したいと願う二つの気持ちが。
田代の、二つの矛盾する想いがチルドレン全員の深層心理に内在しているのだ。
つづく
同時に、田代は四人のチルドレンに四人の田代自身を投影した。チルドレンの父としての優しさ。科学者としての賢さ。
ジェリー、志村のかつての友人としての無邪気さ(
>>320参照)。田代財閥頭領としての冷徹さ。
それぞれの自分をチルドレンの中に内在させたのだ。
優しさをメガネッシュに。賢さをスウィーツに。無邪気さをジョーカーに。そして冷徹さを、残るチルドレンに・・・。
つづく
スウィーツ「私は・・・あなたの味方です、メガネッシュ。」
ファチェ「おい、世界政府を裏切るのか?」
スウィーツ「裏切る?私がいつ世界政府と手を組んだのかしら?田代ビルの地下に
いるところをあなたに誘拐されて世界政府に行っただけよ。」
ファチェ「クッ、(『デザートウェポン』のために利用しただけってわけか・・・)」
ファチェはその美しい顔を少しゆがめた。が、すぐに元の顔に戻った。
ファチェ「・・・まぁいい。目下のところ敵はジョーカーに変更のようだからな。我々世界政府もジョーカー退治に
協力したい。後ほど、プリン総司令、十三浪士と相談の上、正式に休戦協定を締結させてくれ。」
メガネッシュ「ありがたい。しかし、ガミラスは・・・」
そのとき闘技場にトムとミッキーが現れた。
トム「ガミラスタワー内の衛兵はほぼ全滅、外で小規模艦隊がドンパチやってるくらいだぜ。」
ミッキー「僕達がやっつけちゃったよー。」
メガネッシュ「トム!!」
つづく
567 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 07:36
そう、トロロの脳髄の一人で、ジェリーに殺されたはずのトムが今目の前にいる。
メガネッシュは我の目を疑った。なぜトムがここに─?そして、なぜ生きているんだ?
オリジナルウェポンのひとつである『マグマウェポン』を自在に操り、そして田代と共謀し
裏で暗躍してきた男、トム。オカシーズ十三狼士5人をいとも簡単に暗殺し、ガミラスタ
ワーにいち早く侵入し一暴れしていた。それにしても少し強すぎやしないか?と考えさせ
られるトムのいままでの行動はメガネッシュの預かり知るところではなかったが。
「ひさしぶりですね、社長。」
「トム、お前がなぜここに!?」
メガネッシュが声を荒げた。
「混乱なされるのも無理はありません。私はジェリーに殺された事になっていますからね。
あなたもその場にいたのでそう思い込んでいることでしょう。(
>>130のへん参照)しかし、
あれは全て田代の陰謀だったのですよ」
今度は、声を失った。田代さん─あなたは一体何をしてきたというんだ?
トムはメガネッシュの表情を見て愉快がっていた。そしてその後ろに、見覚えのある男を確認した。
「おぉ、キバヤシじゃないか。お前、まだメガネッシュ社長についてるんだな」
久しぶりに発言のチャンスがあったキバヤシはトムをにらみつけた。
「うるさい。お前は、最初から田代氏についていたんだろう。そして社長の監視のためにメガネッシュカー
に潜り込んだ。違うか?」
「ハハハ、相変わらず頭の回転のいい奴だ。そう、その通り。俺はハナっから田代についていたのさ」
つづく
社員は社長に必ずしも心から忠誠を誓う必要はない。
ただ、会社のために働いてくれればそれで良いのである。
だからメガネッシュも、昔からトムは何か匂う男だとは思っていたが、
特に裏を追求することはなかった。
トムがメガネッシュに反抗心を見せるようになったのは、
自分が会社を捨ててしまったからだとメガネッシュは思っていたのだ。
だがトムは最初から、田代の部下だったわけで、
メガネッシュカーの行く末なんぞ、トムにとってはどーでも良かったのかも知れない。
ひょっとすると、
15年前のドイツ某所研究所内に、メガネッシュと住んでいた
少年少女達…スウィーツ、ジョーカー、そしてもう1人は、
トムではないだろうか。
しかしその事に、メガネッシュは気づいていなかった。
トムが所持している赤い槍をウェポンだとは感づいていたが、
タモリもメタルウェポンと同化していた為、あまり深く考えていなかったせいもある。
メガネッシュ「それで、トム。
お前は隣にいる連れ(ミッキーの事)と、これからどうするんだ?
田代さんが死んだのは知っているだろう」
メガネッシュは、トムに戻ってきて欲しいなどと、虫の良い事は言えなかった。
その頃、ガミラスタワー内にいる連中とは別の場所、
なんとか生き残った数少ない人類が住んでいる地下都市で、
田代の遺体がジョーカーにより、タシロチップに変化させられ、
ギルガメッシュの手に渡ろうとしていた。
そして謎の場所の小屋内、
ひょんな事から小男脛夫と天狗男チャイアンに出会ったガミラスは
自分の仕掛けた爆弾が忽然と消えてしまったのに驚愕していた。
もちろんジョーカーなる者の仕業とは、ガミラスも知らない。
ガミラスタワーはるか上空で、ガミラス軍のシャベルナの部下?古代が、
モビルスーツ"じおんぐ"に乗り込み、
ガミラス軍コスモフャイター隊を撃破したバーデンというロボットと、
対等に戦闘を繰り広げていた。
570 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 14:31
タワー上空の戦いは熾烈を極めていた。
バーデンは次々と気体を繰り出し、古代の操るじおんぐはそれを避ける一方である。
「くっそぉ〜!あの気体をなんとかしなきゃ攻撃も出来ねーぜ!」
古代はさすがにじおんぐであれ、あの気体に当たればひとたまりもないことを充分認識していた。
それゆえに、気体を避けるのでていいっぱいでありなかなか攻撃をできないでいた。
ピキーーーーーーン
突然、古代の中で何かがはじけた。
「見える!敵が見えるぞ!あいつの動きが、あいつの攻撃が!」
じおんぐの動きが変わった。
数々吐き出されてくる気体を立て続けによけていくと、バーデン目掛けじおんぐの口よりメガ粒子砲を発射した。
「ヨソウドウリノコウゲキデス。カイヒシマス。」
バーデンは迫りくる粒子の矢をとっさに回避した。
「そこだぁぁあ」
しかし、バーデンがよけた方向にはじおんぐが両手の指から発射したレーザーが照射されていた。
レーザーの直撃を受けバーデンは大破し、墜落していった。
571 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 15:17
上空での戦いを終えた古代はタワーに戻ってきていた。
しかし、タワー周辺の光景は壮絶なものとなっていた。
あの強固なタワーはところどころ穴が開き倒壊寸前になっており、
宇宙船ドックもほとんどの艦船が破壊されていた。
(上空での戦いでは極力タワー周辺に被害が及ばないよう気をつけていたはずだが?)
古代はいやな予感がした。
「ユキ!」
そう叫ぶと、古代はタワーに駆けていった。
572 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 15:17
タワー内部は表以上に悲惨になっていた。なにかの爆風に巻き込まれたのだろうか?
足や手が吹き飛んでいる衛兵の死体がごろごろしていた。
「ユキ!生きているのか!」
古代はタワー3Fの救護室に向かった。
しかし、救護室は完全に吹き飛ばされていた。
「ユキ!どこにいるんだ?」
古代の悲痛な叫びが廊下をこだました。
「こ、こだいさ、ん、、、」
その声にふと振り向くと廊下の片隅にユキがいた。しかしユキは下半身が吹き飛ばされていた。
「と、突然、2人の男が、、、わ、わたし、」
そこまで喋るとユキは生き絶えた。
「無様なことだ。」
気がつくと古代の後ろにシャベルナが立っていた。
「たった2人の男にガミラス軍の精鋭がこのざまだ。」
シャベルナが喋り終わる前に、古代が怒りとも悲しみともつかない表情で尋ねた。
「そいつらが、そいつらがユキを殺したのか?」
「ああ、おそらくな。なにせ10分とたたない出来事であったから私にも状況が理解できていないのだよ。
ただ、侵入者はトムとミッキーと名乗っていたはずだ。
しかし、今回の作戦はもはや失敗だ。幸いドックにはまだ何隻か動ける艦船が残っているから、私は
各地の残存兵力を回収し、本星に撤退しよう思う。
どこかに消えてしまったガミラス様も探さなくてはならないしな。」
古代は体を振るわせていた。
「撤退?ふざけんな!俺はユキの敵を討つ。ぜってーユキを殺した奴らを許しはしない!」
シャベルナはフッと笑うと古代に言った。
「お前ならそういうと思ったよ。じおんぐはくれてやる。
…死ぬなよ。」
「あぁお前もな」
古代は少し冷静さを取り戻したのかいつもの調子でシャベルナに答えた。
573 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 15:35
^^
ここは地下都市。
今まさにギルガメッシュの体内に『タシロチップ』が取り込まれようとしていた。
ジョーカー「言っておくけどこのチップは非常にエネルギーが強い。取り込んだら死ぬ可能性もある。
それでも君はこれを体に取り入れるのか?」
ギルガメッシュ「俺は、死んだ部下のためにも強くならなければならぬ。そのためには…、命も惜しまない!」
その言葉にはギルガメッシュの堅い決心が含まれていた。
ジョーカー「じゃあ、おでこを出して。」
ギルガメッシュは手で髪を払った。
ジョーカー「行くよ。」
そう言ってジョーカーがチップをギルガメッシュの額につけると、『タシロチップ』がギルガメッシュの額に入り込んだ。
ジョーカー「どうだ!?」
ギルガメッシュ「…何も感じないが。」
ジョーカー「何!?それは完全なる後継者の証だ!!」
ジョーカーが興奮して言った。
ジョーカー「完全なる後継者はチップが体に取り込まれても、何も体に異変を感じない。
そして、完全にチップの力を使いこなせる。」
ギルガメッシュ「つまり、俺は強くなったのだな?」
ジョーカー「強いなんてもんじゃない。ガミラス等雑魚も同然だぜ!!
特訓を積めば君は次世代の田代だ。僕に付いて来てくれ。」
そう言ってジョーカーとギルガメッシュはどこかに行ってしまった。
575 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 21:05
「クックック」
メガネッシュの問いに、トムは嘲笑ともとれるふうに笑った。メガネッシュカー時代からそうだが、
トムはやはり何を考えているのかわからない。しかしその目は、メガネッシュの元で働いて
いたあの頃とは、別の色が映っている気がした。
「社長、このミッキーは『ナイトメアチルドレン』の後続研究の末造られた『ネオナイトメアチルドレン』。
あなたと同じ系統のプロジェクトで生まれた戦闘生物です」
「なに?」
「しかもあなたと違って動物ベースに作られ、人間より高い戦闘能力を求められた純然たるキリング
マシーンですよ。人と話せる知能もある。ただし力を100%発揮するためには『フドー』という食べ物
が必要ですがね(
>>291のへん参照)。そしてその力は今しがたこのガミラスタワーで証明されました」
そう、デスラー軍の精鋭をたった2人で片付けたのはトムとこのミッキーだったのだ。
つづく
576 :
ほんわか名無しさん:03/11/11 21:37
なんと
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
, ─ヽ
________ /,/\ヾ\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_ __((´∀`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' )ヽ \_________
||__| | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从 | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\ / ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/
578 :
ほんわか名無しさん:03/11/12 18:45
というお話が今始まる
地下シェルター都市の片隅に暮らす人々。
ある母親が、赤ん坊にお話を聞かせていた。
そう、この荒んだ時代にも、新しく生まれる命があるのだ。
地球の主要都市地下に点在するシェルターに住んでいた人々に、
ジョーカーとその部下達は、空いた時間を利用して、
人々の前で寸劇を演じ、地上のニュースを伝え続けた。
無邪気に振舞うジョーカーに、子供をはじめ人々は夢中になった。
これもジョーカーの作戦だった。
ガミラスタワー上空。
シャベルナは、古代を残し、ガミラスを探しに残った艦隊を率いて移動を始めた。
再びじおんぐに乗った古代は、恋人だったユキの復讐のため、
トムとミッキーを探しに動き出す。
ガミラスタワーでは、
キバヤシとタモリ・SMAP・志村・スウィーツとファチェは、別々に
ジョーカーの追跡かガミラスを探すため、ガミラスタワーを離れた。
そして、トムとミッキーもジョーカーを探しに行こうとタワーを出た時。
メガネッシュ「待て」
いつの間にか、メガネッシュはトムとミッキーの前に立っていた。
メガネッシュ「さんざん挑発しておいて、おれを放置する気か。
調子に乗るなよ」
トム「俺と戦うつもりですか?そうやってあなたは自分の周りの人間を傷つけて生きていくんですね。
メガネッシュカー社員を裏切り、キバヤシ・タモリを『ウェポン』と『ナイトメアチルドレン』をめぐる
争いに巻き込み、父である田代を殺した・・・」
メガネッシュ「・・・最初からスパイだったお前には言われたくない。」
トムの指摘に対して、言葉に詰まるメガネッシュ。
トム「あなたこそ、これからどうするつもりですか?ガミラスを倒し、ジョーカーって奴を倒す。その後は?」
メガネッシュ「俺が望むのは平凡な生活だ。」
しかしトムは見抜いている。『チルドレン』は『ウェポン』が存在する限り
争いから逃れることはできないということを。
トム「『ウェポン』がある限り争いは尽きない。しかし、『ウェポン』が無ければ『パワー』が暴走する恐れがある。
社長、あなたは・・・『ナイトメアチルドレン』は『ウェポン』と運命共同体なんですよ。」
メガネッシュ「嫌だ!俺はもう一度メガネッシュカーを・・・」
トム「社長!もうおわかりのはずですよ。チルドレンであるあなたが平凡な暮らしを望むこと
自体が間違いだったんです。『ナイトメアチルドレン』に課せられた宿命は二つに一つ・・・」
メガネッシュは諦めにも似た気持ちで、次のトムの言葉を待った。
トム「『ウェポン』とともに世界を統治するか、『ウェポン』とともに滅びるかです。」
つづく
三人しかいない、崩壊した闘技場に重い空気が流れた。ミッキーは二人の話に興味がないのか、一人で遊んでいる。
メガネッシュ「俺は・・・」
トム「四人の『チルドレン』と四つの『ウェポン』が揃ったとき、そのときが決断の時でしょう。」
まるで預言者のようなトムの言動。トムは何かを知っているのだろうか?
メガネッシュ「トム・・・お前は一体何者なんだ?」
トム「来るべき時が来たらお話します。ただ、今言えることは・・・私は・・・『チルドレン』ではありませんが、
『ウェポン』に深く関係する者・・・とでも言っておきましょうか。」
トムはチルドレンではなかった。しかし、タダモノではないことは確かだ。
メガネッシュは、トムの目的は世界征服などというものではなく、もっと重大なものかもしれないと感じた。
メガネッシュ「俺は今からどうすべきなんだろうか?」
トム「もう一人の父とでも言うべき、パフェに会ったほうがいいかもしれませんね。
田代亡き今、『ナイトメアチルドレン』と『ウェポン』に詳しい人物は彼だけです。」
メガネッシュ「パフェ・・・じゃあ世界政府に行ってみるか。」
トム「では、またいつかお会いしましょう。」
トムとミッキーもタワーから去った。メガネッシュは単身で世界政府警察部に向かうことにした。
つづく
ここはとある孤島。そこに一人の男が流れ着いた。
「うぅ。」
彼は詩人。詩人オウムだ。宗教ではない。
「波の流れもときには役に立つな。」
そこに久々の獲物を狙うようにチーターが現れた。
カサリと草叢から音がした。
「何者だ!?」
オウムはその小さな音を逃さなかった。
「私は〜」
オウムは歌い始めた。すると、彼の歌が紫色の蝶々になり、チーターに向っていった。
ドサッ
次の瞬間、チーターは倒れた。
「人間もチーターも何かを得ようとする点で同じだ。」
オウムは喋り始めた。
「まったく、同じナイトメアチルドレンとして恥ずかしいばかりだ。
メガネッシュは我々はただの戦闘兵器であるのに平和な生活を望んだ。
スウィーツ、ジョーカーは自らの欲望に溺れている。」
彼はナイトメアチルドレンだった。手には音符の形をした何かが埋まっている。
「この『シングウェポン』もただの私の補助兵器に過ぎない。私は兵器として生まれてしまったのだからな。」
オウムは向こうを見て続けた。
「しかし、彼らや私が居なければどうだ?人々はガミラスとやらにいとも簡単に滅ぼされる。
だが、まだ厄介な『ネオナイトメアチルドレン』が残っている。
そこで、この孤島にある唯一の建造物、『呪いの館』にいる『黄金猫のドルバッキー』を連れて来て現在判明する唯一のそれ、
『ミッキー』に食べさせれば、こいつでも世界は滅びるわけだ。彼は幼すぎて力がコントロールできないからな。」
そう言ってオウムは古びた館に足を踏み入れて行った。
このオウムという最後のチルドレン・・・田代の冷徹さを受け継いだこの男。
その目的は一体何なのだろうか?
そのころ、ロンドンにある世界政府警察部オカシーズ本部に辿り着いたメガネッシュ。もはやグラスウェポンを手にした
メガネッシュに抵抗する者はいない。あっさりとパフェの居場所を知ることができた。彼は兼任しているドイツの科学部
本部にいるという。メガネッシュは早速ドイツへ向かい、パフェとの面会を許可された。
パフェ「ようこそ、メガネッシュ。いや、おかえりと言うべきか。」
そのドイツ研究所は十五年前、メガネッシュたち『ナイトメアチルドレン』が生まれた場所である。
メガネッシュ「また博士としてここで研究しているんですね。」
パフェ「ああ、十五年前と同じだな。」
メガネッシュ「ただ一つ違うことは・・・もう田代さんはこの世にいない。」
パフェ「知っている。だから君はここに来たんだろう。『ウェポン』と・・・そして『チルドレン』の真実を知るために。」
メガネッシュ「だいたいの話は聞きました。でも・・・まだ疑問が残るんです。」
取り出す古びた写真。例の、五人の子供が写っている写真だ。
つづく
メガネッシュ「田代は・・・俺以外のチルドレンについてはあまり話してくれませんでした。ここに写っているのは
俺、スウィーツ、ジョーカー・・・残る二人は誰なんですか?」
パフェ「・・・一人はチルドレン、『オウム』だ。ジョーカーの突然の出現には驚いたが、このオウムに関してはまだ発見されていない。」
メガネッシュ「じゃあそいつが『マグマウェポン』に対応するチルドレンなんですね!?」
パフェ「いや、違う。彼は試験的に体内に『ウェポン』を埋め込まれたチルドレンだ。
そしてもう一人は・・・わからない。田代なら知っていたかもしれないが。」
メガネッシュ「チルドレンや『ウェポン』について知っていることを全て教えてください。」
メガネッシュは必死である。ここドイツで何かが分かると信じているからだ。
パフェ「チルドレンの君に『ウェポン』の真実を教えるのは気がひけるのだが・・・」
パフェは独自に古代の文献を読みあさって『ウェポン』について研究し、また諜報部に田代の研究を調査させたりして
『ウェポン』について自分なりの答えを導いていた。
パフェ「四大文明が興るはるか数千年前、一つの高度な文明を持った国があった。」
パフェは『ウェポン』の歴史を語りだした。
つづく
パフェ「その国の名は『サキュ』。その国で神の武器として崇拝されていたものがあった。それが『マグマウェポン』・・・本当のオリジナルウェポンだ。」
メガネッシュ「本当の『オリジナルウェポン』?」
パフェ「そうだ。もともと地球上に存在していた『ウェポン』は『マグマウェポン』だけだったのだ。」
メガネッシュ「えっ!じゃあ『グラスウェポン』や『デザートウェポン』は・・・」
パフェ「『サキュ』の科学者たちが造り出した『模造ウェポン』、つまり現代でいう『WI』だ。」
メガネッシュ「!!!」
パフェ「『サキュ』の科学者たちは『マグマウェポン』から四つの『模造ウェポン』を造り出した。『グラスウェポン』、『デザートウェポン』、『トリックウェポン』、『シングウェポン』・・・
そして、リンクのことも知っていた科学者たちは後に『模造ウェポン』に『対応する人間』も製造するつもりだった。しかし、その計画は『模造ウェポン』を造った段階で途絶えてしまった。
なぜなら・・・神の武器を模造してしまった彼らには天罰が下ったからだ。」
パフェは封印された歴史を紐解いていく。
つづく
パフェ「『サキュ』はある日滅びた。巨大な爆発とともに・・・完成した『模造ウェポン』を国王に献上したその日。
四つの『模造ウェポン』と、本当の『オリジナルウェポン』(マグマウェポン)が同じ場所にそろったとき、
凄まじい爆音が響き・・・その国は歴史から消えた。」
メガネッシュ「そして四つの『模造ウェポン』はそれぞれ四大文明に受け継がれたのか・・・」
パフェ「私はこの爆発を『ウェポンインパクト』と名付けた。原因はおそらく・・・『ウェポン』同士のリンクの発生。」
メガネッシュ「『ウェポン』同士のリンク?」
パフェ「四つの『模造ウェポン』が『マグマウェポン』にリンクし、その結果『マグマウェポン』が異常発動し、爆発が発生した。」
メガネッシュはひとつひとつの事実を頭で整理するのに必死である。
メガネッシュ「つまり田代さんとあなたは、『サキュ』の科学者の遺志を継ぐことになったわけですね?」
つづく
パフェ「結果としてね。そのことを田代は知っていたのかもしれない・・・」
メガネッシュ「何故そう思うんですか?」
パフェ「田代がそれぞれの『ナイトメアチルドレン』に『パワー』を授けたからだ。
それはおそらく、四つの『模造ウェポン』を破壊するための『パワー』だと思う。
確かに田代は世界征服の欲に駆られていたが、その一方で平和を望んでいた。
理想と現実のジレンマか、それともただの二重人格者だったのか・・・。」
メガネッシュ「じゃあ、田代さんがチルドレンを造った目的は世界征服のためじゃなくて・・・」
パフェ「ああ・・・」
メガネッシュは次のパフェの言葉を待った。
パフェ「一つの『オリジナルウェポン』と四つの『模造ウェポン』をめぐる争いの歴史から、
人々を救い出すため・・・だったのかもしれない。今となってはわからないがね。」
メガネッシュ「田代さん・・・」
メガネッシュに一筋の光がさした。自分は世界征服のために造られたんじゃない、
人々を救うために作られたんだ、という希望がメガネッシュの生きる糧となったのだ。
つづく
メガネッシュ「ありがとうございました。」
メガネッシュは素直にパフェに感謝していた。
パフェ「これからどうするつもりだね?」
メガネッシュ「俺は世界征服ではなく、人々を救うために生きていきます。」
パフェ「君は・・・本当に素直だな。私は誇りに思うよ。田代もそう思っているだろう。」
メガネッシュ「あなたはこれからどうするんですか?」
パフェ「私は・・・世界政府を抜けようと思っている。軍事部が崩壊、人々の信頼は失墜・・・そしてプリン総司令が
何者かに誘拐されてしまった今。私は少し一人になって、自分を見つめなおそうと思う。」
メガネッシュ「そうですか。」
パフェは『ウェポン』に魅せられるあまり、田代とともに『ナイトメアチルドレン』を造って
現代に『ウェポン』をめぐる抗争を蘇らせてしまった事実に重責を感じていたのだ。
メガネッシュ「じゃあ俺はみんなのところへ帰ります。パフェ博士、お元気で。」
パフェ「くれぐれも『2ndウェポンインパクト』だけは防いでくれ。」
メガネッシュ「わかりました。」
メガネッシュはドイツから去った。来る前とは違う、清清しい顔で。
そしてパフェもまた、長年の呪縛から解き放たれたような清清しい顔をしていた。
パフェ「田代さん・・・我々のしたことが正しかったのかどうかは・・・彼が証明してくれますよ。」
つづく
589 :
ほんわか名無しさん:03/11/14 18:21
ガミラスタワーにいたガミラス軍本体はほぼ全滅し、生き残った少々の兵もデスラー星に帰還した。
とりあえず、異星人からの危機は去ったのだ。ガミラスが現在どこにいるのかは、ジョーカー以外に誰
も知らない…。いや、知ってはいけないのかもしれない。
しかし、ガミラスに地球を消し去るという意思がある限り、地球人類はまだ滅亡の危機に晒されている
といっていいだろう。
そしてもうひとつ、ガミラスと同じく地球人類にとって危険な存在があった。田代が進めていた研究、
『ネオナイトメアチルドレン』。その成果であるミッキーは、『黄金猫のドルバッキー』を食べれば地球
を滅ぼせるという。なぜそんな力を持たせたのか?
最後のナイトメアチルドレンであるオウムはそれを知っていた。何者かが『ウェポン』を使い世界に混乱
をもたらすかもしれない。他にも、ガミラスのこともある。
来るべき時のため、地球人類のために田代は強大な力を残しておくべきだと考えていた。
ミッキーは、現地球人類が産み出した切り札なのである。
オウムはそれを目覚めさせようとしていた。『呪いの館』―地図にも載っていない完全に孤立した島に
田代が建造し、そしてミッキーの力を目覚めさせる『鍵』を隠しておいたその館にオウムはいた。
「いた」
何重にも張り巡らされた罠は、田代が遺した、『ナイトメアチルドレン』や『ネオナイトメアチルドレン』
についての詳細を記してある『チルドレンファイル』がなければくぐりぬけなかったであろう。ミッキー
が悪用させるのを恐れたため、『鍵』は入手が困難にしておいたのだ。
しかし今、それが持ち出されようとしている。おそらく田代が一番発見されたくないと思っていたであろ
うチルドレンによって。四人目の『ナイトメアチルドレン』、田代の冷徹さを受け継いだ、その男。
スウィーツとジョーカーのように、そ例の写真と同じ子供のままの姿で、オウムは『黄金猫のドルバッキー』
を手に入れた。
つづく
590 :
ほんわか名無しさん:03/11/14 18:46
オカシーズ、そして世界政府警察部を統括する総司令プリンは、ジョーカーの『トリックウェポン』により
カードと化した。
それを知らない世界政府の面々はプリンを行方不明とした。
だが世界政府警察部はガミラス軍がいなくなった今現在でも世界各地で今も暴れているねるねるね
や不安定になった情勢に乗じて活発になった反世界政府組織に抑制にフル活動でなんとしてでも司令
官が必要だった。
今まで警察部で裏の仕事ばかりをこなし、表に出てこない存在であったはずのオカシーズは今回の
ガミラス危機のその活躍ぶりで世界政府内外で評価が上がった。特に幹部クラスである十三狼士は
注目の的だった。
しかしその十三狼士も、ティラミス、カステラ、パォン・デ・ロー、クラフティ、ザルダ、ワッフルが戦死し
(ガミラス軍の闘いで戦死という公表だったが、実は反世界政府組織に殺されたという噂もある)、
もはや七人しか残っていなかった。十三狼士は警察部でも飛びぬけた存在で補充要員がいない。
十三狼士は残った半分で戦っていくしかないのであった。
オカシーズの会議室で十三狼士の内、シフォン、サバラン、エクレアの三人が集まっていた。
主人を失ったプリン席が上座にあるその部屋で、シフォンはパフェが失踪したことを告げた。
「殺されたというわけではなく、自分の意志で世界政府から抜けたらしいわ。プリン総司令
はもう死んでいるかもしれないけど…。」
「おい、そういえばクッキーはどうしたんだ?田代ビルに侵入したままだろう。」
サバランの問いに首を振るシフォン。
「クッキーについてにもまだ情報はないわ。ただ、あの男がそう簡単に死ぬはずがないでしょう
けどね」
「生きてるわよ」
その声の主はエクレアだった。
「きっと、きっとね」
つづく
591 :
ほんわか名無しさん:03/11/15 12:11
そのころ山手線では事件が
又吉が山手線を選挙していたのだった。
593 :
ほんわか名無しさん:03/11/15 14:50
しかし又吉が占拠した山手線には以前メガネッシュと野球をしていたバスケ部のタケルが偶然いた。
裏・真夏の鳥取砂丘殺人事件 SIDE STORY
〜タケルの夏休み〜
つづく
594 :
ほんわか名無しさん:03/11/15 20:25
キレやすいタケルはなぜ山の手線が止まっているのかとイライラしていたがまさか
占拠されているとは思いもしなかった。
ガミラス軍の侵略はタケルが住んでいる日本にも影響があった。
なにしろ近隣国の中国・香港にガミラス軍の中枢基地があったので被害は著しかった。
自衛隊はねるねるねとガミラス軍の攻撃に対応できず、東京の一般人は地下シェルター都市
に非難した。しかしそれは住民の半数しか収容できなかったので、残された住民は地上でねる
ねるねの恐怖におびえながら暮らすことを余儀なくされたであったのだった。
タケルの周りにも多大な影響があった。
学校はもちろん閉鎖。ねるねるねの被害者が数多く出る中で彼の友人の中にも死んでいった
者もいたのは彼の最大の悲しい出来事だった。同じバスケ部だった、池田貴族というあだ名の
池中野山三郎清貞がねるねるねに飲み込まれたと聞いたときには、とてつもない悲哀が彼を
襲った。
そして同時に恐怖に身を凍えさせた。死。とても遠くにあると認識していたものが、今耳元
で自分に囁きかけている。
「次は、明日は俺かもしれない…」
つづく
「死ねよじじい。」
山手線に乗っていた若者が言った。
又吉「イエス又吉の政策に逆らう者は地獄の炎に焼き尽くされるべき者である。」
そう又吉が言うとその若者は炎でつつまれ、やがて焼き尽くされた。
タケルの死が、近くにせまってきていた。
「おやおや地上は荒んだなぁ。」
又吉の前に剣を持った奇妙な男が現れた。
又吉「誰だね君は?」
ナイト「ジョーカー様に、地上での破壊を許された者だよ。」
そういうとナイトは一瞬にして又吉を切り捨てた。
ナイト「一般人を殺すのにも飽きたなぁ・・・そろそろ強ぇー奴と戦いてぇー。」
タケル「ひいぃぃ!!」
ナイト「おや、どうしたんだい?」
タケル「ひぃーー、こっちに来るなっ!」
ナイトはゆっくりとタケルに歩み寄ってくる。
ナイト「死ぬのが恐いのか?」
タケル「助けて・・・」
ナイト「痛みはない、一瞬だ。」
そう言うと、ナイトは剣を頭上に振りかざした。そのときだった。
つづく
「タケル?」
タケル「君は・・・キバヤシ清原!?」
通りがかったのはガミラスタワーを去り、東京にやってきたキバヤシ達だった。
キバヤシ「君は・・・社長のチームにいたタケルだな?」
タケル「そうだ、助けてくれ・・・」
ナイト「キバヤシ・・・お前メガネッシュの仲間か?」
キバヤシ「そのとおり。ここにいる全員社長の味方だぜ。」
キバヤシの後ろにはタモリ、SMAP、スウィーツが立ちはだかっていた。
ナイト「おっと、久々に楽しい遊びができそうだ(ニヤッ)。」
つづく
598 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 10:22
金色の甲冑に身を包み、顔も西洋風の兜で目だけのぞかせているナイトと名乗るその男は、
片手で細身の剣を構えた。キバヤシ達も臨戦体勢に入る。
ガミラス軍の侵攻によりタケルの日常は音を立てて崩れ、そしてなくなっていった。
タケルは非日常に無理やり引きずり込まれた。異星人の襲来?オッケー、ゲームの中だけの
話かと思っていたが何が起こっても不思議じゃないこの時代だ、必死でサバイブしていこうじゃ
ないか。混乱している頭にそう言って今までなんとか自分を納得させてきた。
だが、これはなんだ?今闘おうとしているのは地球人と異星人じゃない、同じ地球人だぞ?
今ここ東京でも、ねるねるねの、あのスライムみたいなやつが人を殺している。他にやるべきこと
があるんじゃあないですか、皆さん方?
挙句このナイトという男は…「一般人を殺すのにも飽きた」?「そろそろ強ぇー奴と戦いてぇー」?
「ジョーカー様に、地上での破壊を許された者」?
何様ですか、あんた?お前は北斗の拳あたりに出てくる敵キャラかそれとも秦の始皇帝か?
人の命を命とも思わぬこの人間は、地球人は、ねるねるね以上にタケルの非日常を彩った。
そう、怖いのは異星人ではない。同じ惑星に立っている地球人の中にも、このような悪はいる。
それも、どうしようもないような、カスだ。
タケルは止まったままの山手線の電車の座席でそう思った。
つづく
599 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 10:45
この男の実力は我々を遥かの凌ぐ者だと予感はあった。
はたして犠牲なしでこの場を乗り切れるのだろうか―?
「お前は―何者だ?」
戦闘の前にキバヤシがナイトに聞いた。もちろん、距離は取っておいたままで。
「ガミラスタワーの闘技場でジョーカー様には会ったんだろう?私はその部下だ。
それ以上でもそれ以下でもない。」
手短にナイトが答えた。早く戦おうぜ、俺は今血が見たくてウズウズしているんだ、というような
様子で無粋な会話は避けたいようであった。その殺気は一秒ごとに増して電車内を包んでいく。
「だから」
ナイトに飲み込まれるまいとしてキバヤシはもう一度言った。
「そのジョーカーというのは何者だ?」
ふう、とナイトはため息をついて、仕方ないという感じで話を始めた。
「ジョーカー様は『ナイトメアチルドレン』さ。そして世界政府情勢調査部特務大佐であらせられる」
「なに?世界政府…どういうことだ?」
つづく
600 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 10:59
「ジョーカー様はガミラス軍襲来の際いち早く一般人を地下シェルター都市に避難させることを
提唱なされた方だ。地下シェルター都市というのは世界政府によって何十年も前に作られて
いた。地球人類が何らかの理由で地上に住めなくなったとき、それは放射能が地球の地表
を汚染するという状況を考えて核爆弾の開発と同時に世界政府科学部で生まれたプロジェ
クトらしい。モグラの穴のようにトンネルを掘り進め、地下でも人間が完全に自活できるような
都市を作ろうとした。」
片手に剣を握ったナイトは淡々と語る。
「が、まさか異星人の襲来というケースは当時の科学部の連中も流石に考えていなかったよう
だがね」
まるで冥土の土産をよこすように、秘密を次々に話していた。
「そしてジョーカー様はまだ未完成だった地下シェルター都市に一般人を一時的に避難させるように
世界政府最高顧問会議で発言した。ジョーカー様の案は通り、地下シェルター都市の一切の統治を
任されたのだ」
「では、まさか…」
キバヤシの次の言葉を遮るように、ナイトは言った。
「今地下シェルター都市を、そして非難した67%の人類はジョーカー様の手の元にいる」
つづく
601 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 11:24
「そしてジョーカー様は今世界政府を統括している(
>>529-530)」
「なんだと?」
キバヤシがはさんだ。
「世界政府は平等な決定権を持つ七つの部門の最高顧問によって意思を決定するはずだ。
誰か一人が決定権を持つということはありえない」
世界政府がそういう成り立ちなのはタケルが通う中学校の社会の教科書にも出てくる公然
の事実である。一人の、もしくは一つの国が権力を持ちすぎないようにと、三十年前に世界に
散らばる各国が同意の上作られた組織で、話し合いは民主的に多数決で決まる。
もし誰か一人が、例えばリーダーになろうとするなどとんでもない話になると国際世論から
反発が出るであろう。
「ところが今この情況を見てみろ。ガミラス軍は去ったとはいえねるねるねはやつ等の意思と
は関係なしに多く地球人を殺しつづけている。それまでうまく世界政府は機能していたが
軍事部などは壊滅状態でバランスを崩し、統制がきかない。その上ここで山の手線をジャック
した輩のようなやつがひっきりなしに出てきている」
ナイトは斬り捨てた又吉の死体を指差した。
「この不安定な情勢の中で必要なのは救世主さ。民衆はそれを望んでいる。」
「それをやるのがジョーカーというわけか」
「その通りだ。あの方は絶大な力を持っている」
それは、田代がナイトメアチルドレンを使い世界を統制しようとしていたことに、よく似ていた。
続く
打つ手に窮したタケルは思い立って断食を始めた。自らを窮鼠
たらしめることで頓知のような閃きが舞い降りることを期待したの
だ。動静を隠すことで敵をほんの束の間撹乱する意図もあった。
通常、断食は徐々に食を落とすのだが、タケルには時間がなか
った。高円寺の木造アパートを見習いバンドマンと偽って急いで
借り、4畳半の狭い部屋には米と塩、片手の雪平鍋1つだけを
持ち込んだ。玄関の扉にはユキに頼んで外から鍵をかけさせた。
電話はない。予定は10日間とした。
「自分で自分を幽閉を希望するとは俺も随分困ってるんだな」
普段は自分で自分を省みたりはしないタケルがそう呟いた。
続く
603 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 20:49
が、それはこの山手線の戦いが終了した後の話であった
続く
604 :
ほんわか名無しさん:03/11/16 21:12
断食生活の2日目の朝、タケルの腹の中を空気がうねっていた。
昨日の昼に塩味の粥を半合ほど食べてから何も食べていない。
多少覚悟はしていたが、まだまだぬるかった。
空腹がここまで辛いものだとは想像もつかなかった。
「(やめろ、こんなことを考えていては・・・。)」
タケルは目をぎゅっとつぶった。空腹感を少しでも断ち切ろうと試みたのだ。
だが、意識すれば意識するほど、空腹感は募る一方だ。
堤防をうち破った濁流のように、水流をものともしない炎熱のように、
タケルの心をうねり、焼いてゆく。
ただ、タケルは一つの可能性に賭けていた。
空腹を空腹と感じなくなったその時こそ、閃きが舞い降りてくるのだと。
そしてその日まで自分を追いつめ続けようと・・。
10日間で、この断食が終わるか否かはタケル自身にもわからない。
続く
そんな粗末なアパートに、一人の侵入者があった。
タケルは山手線の闘いで、ナイトが弱すぎると勝手に帰ってしまって犠牲者は又吉以外いなかったが、物音や気配に敏感になっていた。
タケル「誰だ!?」
「私だよ。」
そこに立っていたのは、歌丸だった。
タケル「お前は、確かメガネッシュと一緒にいた──」
歌丸「そう、歌丸だ。」
歌丸が口を挟んだ。
タケル「お前が何のようなんだ!?」
タケルはこれ以上生活に支障を乱されたくなかった。
歌丸「まあ落ち着け。君に話があるんだよ。」
タケル「話とは?」
歌丸「君は、唯一メガネッシュに対応できる兵器だ。」
タケルは一瞬目を丸くした。
タケル「メガネッシュ!?俺の友達の?俺が兵器?」
歌丸「そう、君は今発見されている、唯一の自然から生まれた『ナイトメアチルドレン』だ。」
タケルは理解不能だった。
タケル「ナイトメア、チルドレン?」
歌丸は説明を続けた。
歌丸「『ナイトメアチルドレン』とは、武器である『ウェポン』に対応した者のことだ。」
タケル「俺がそれだと?俺は喧嘩はまぁまぁいけるけど、兵器を使用した戦争などしたくない!!」
歌丸「不可能だ!!君は兵器として生まれた。兵器として闘わねばならぬ!!」
タケルはその瞬間、自分が普通の生活を行う事を否定された気がした。いや、された。
歌丸「続けるが、メガネッシュ君は『グラスウェポン』に対応するチルドレンだ。
その、『グラスウェポン』は『オリジナルウェポン』である『マグマウェポン』の改良兼偽物だ。
しかし、普通改良兼偽物である『グラスウェポン』のようなウェポンは『オリジナルウェポン』よりも弱いはずなのに、『グラスウェポン』だけはそれ同等だった。」
思い出話のように歌丸が言った。
タケル「それで、俺は何に対応するんだ?」
タケルはショックを隠し尋ねた。
歌丸「『オリジナルウェポン』。つまり自然にできたウェポンに対応するチルドレンは自然から生まれなくてはならない。
そして、君は、この世の中の地球上に存在する二つ目の『オリジナルウェポン』、『インセインウェポン』に対応する『ナイトメアチルドレン』だ。」
タケル「俺が、そんなに凄い人間なのか…?」
歌丸「そうだ。マグマウェポンに対応するチルドレンは、まだ発見されていないがな。
また、『オリジナルウェポン』が存在するのは地球だけではないのだ。」
タケル「ところで、なんでお前はそんなにウェポンとやらに詳しいんだ?」
歌丸「時が来たら話そう。もし、時がくればな…。」
607 :
ほんわか名無しさん:03/11/17 18:00
歌丸と名乗った男は消えてしまった。
空腹の絶頂、失神寸前で見た幻だった。
何を話していたものか、もう思い出せない。
だいたい、ユキがいなければドアを開けられないではないか。
タケルはそれを確かめるために玄関に向かった。
ふらふらしたが意識はしっかりしている。
知らぬ間に粥の残りを平らげたようだった。
ドアは開かなかった。
タケルは再び静かに自らを殺ぎ研ぐ行為に入った。
残された時間は1週間を切っていた。
しかし、部屋の片隅になにやら先程まではなかったと思われるものが手紙と共に置かれていた。
「この腕輪をはめて、今すぐメガネッシュを殺りに行くのだ。」
その手紙の横に、頭蓋骨のミニチュアのようなものでできた腕輪があった。
腕輪の一番大きい頭蓋骨の額には、小さく『INSANE』と彫られていた。」
あれは夢ではなかったのだ、とタケルは確信した。
611 :
ほんわか名無しさん:03/11/17 20:51
四人目のナイトメアチルドレン、オウムは呪いの館で鍵である猫を膝に置きながら田代の遺産である
『チルドレンファイル』を読み返していた。あの、冷徹な目を動かしながら。
「―以下は、私が考えたナイトメアチルドレン計画の概要である。尚、ナイトメアチルドレンとは
古代都市『サキュ』についての文献からウェポンを行使する者は『悪夢の子供たち』という意の
称号を授けられていたようである。どうやら『オリジナルウェポン』とリンクできるのは子供だけ
らしく大人が『ウェポン』を行使している資料は発見できなかった。理由はわからないが興味深
い事実だ。そこで私が造った四人のナイトメアチルドレンは老化を防ぐ成分を体内で作りつづ
けるナノマシンを埋め込んでおいた。つまり、四人の子供たちは大人にはならないということである。」
オウムは自分の手を見た。記録では自分は生まれてもう23年になる。だが、体は十五年前と時は
止まったままだ。オウムは自らの小さい手をじっと見つめた。
そして再びチルドレンファイルに目を戻した。猫がニャーと鳴いている。
その項にははしがきが書いてあったのを、オウムは見つけた。
「―超科学力を誇っていた古代都市『サキュ』は突然滅んだ。だが全てのサキュ人が死んだとは
私は考えていない。生き残りがいて、もしや子孫を残しているかもしれない。ならばサキュ人の末裔が
現代にもいるというのはありうることだ。その末裔が二つしか存在しなかった『オリジナルウェポン』と
リンクできる『ナイトメアチルドレン』が偶発的にせよ生まれる可能性はある…」
そこでオウムはファイルを閉じた。まさかな、と呟いて冷たい目を虚空に向けた。
つづく
612 :
ほんわか名無しさん:03/11/18 01:21
虚空かと思われた空が突然口を大きく開けた。
別の角度からその様子を目撃した中井重兵衛さん(92歳)はこう証言する。
「星の数を勘定しておったんじゃ。800を過ぎたころかな。
カシオペアが回ったんじゃ。三つ目の星を中心にして左右が近づいて、
菱形になったんじゃよ。耄碌はしていない自信はあるが、さすがに
頭をゆすって目をこすったもんさ。」
中井翁の語るところに拠れば、菱形に変形したカシオペアの中央部は
徐々に暗黒の度合いを深めていったという。そしてどす黒いその中央、
対角線を結んだ当たりが一瞬だけ青白く強く短く光り、消えたという。
つづく
613 :
ほんわか名無しさん:03/11/18 16:55
中井翁の見たそれは実は例のアレだった
そう、ジョーカーがガミラスの部下達が乗って帰った艦船にガミラスの爆弾を仕掛けていたのだ。
なんと、ジョーカーがトランプにしたものは、ジョーカーの意志で自由に元に戻せたのだ。
「星が・・・騒いでいる。」
ここは香港。荒廃したガミラスタワーから少し離れた場所に五人は立っていた。
ジェリー「いよいよ始まるのか。」
トム「あぁ、世界の行く末はチルドレンが握っている。」
スウィーツ「もう世界征服どころじゃないですからね。」
キリコ「人類のためにね・・・」
ミッキー「フンフフーン♪」
田代財閥に関わっていた彼らはトム、ジェリーの元に再集結し、新勢力を作っていた。
つづく
トム「新しい俺たちの組織の名は『T&J』だ。」
ジェリー「目的は『ナイトメアチルドレン』および『ウェポン』から人類を解放すること。
具体的な活動方針はトムと俺が決める。」
スウィーツ「わかりました。『チルドレン』を全滅させれば良いのですね?」
トム「少し違うな。『チルドレン』と『ウェポン』を同時にこの世界から無くすということだ。」
キリコ「同じじゃないの?」
ジェリー「闇雲に『チルドレン』に挑むと悪夢を見ることになる。」
そしてトムは『T&J』の最初の任務を決めた。
トム「さしあたっての任務は、ジョーカーが統治する政府、軍隊を壊滅させること。
この点では世界政府やキバヤシたちの見解と一緒だ。できるだけ敵は増や
さずに、地下政府壊滅に重点をおくこと。後のことはそれからだ。」
ジェリー「まずは世界政府と協定を結んだキバヤシやSMAPに俺たちも加わるぞ。」
ミッキー「はーい。」
つづく
所変わってここはある劇場のようなところ。
座布団に座って二人の男が座っている。
「円楽さん。タケルに『コピー・インセインウェポン』を渡して来ました。」
歌丸の声だ。
「ご苦労。最初から本物の『インセインウェポン』を手渡して力を制御できなく死なれては困るからな。」
違う男だ。
「しかし、タケルは友人のメガネッシュを殺すでしょうか?それに私も少しメガネッシュを殺す、と言うのはどうかと──」
「甘い!!」
円楽と言う男が歌丸に一喝入れた。
「メガネッシュは危険だ。オリジナルの『マグマウェポン』、『インセインウェポン』と同等に闘える偽物、『グラスウェポン』を使える奴を地上に残していては人類は永遠に滅びんぞ!!
私はこの戦いの幕を閉じ、人類を滅亡させるのがその目的だ。いつか終わるものが、メガネッシュがいては終わらない。」
歌丸が返事をした。
「わかりました…。では、タケルがコピーを使いこなした頃に、オリジナルの『インセインウェポン』を渡しておきます。」
「うむ。」
歌丸(メガネッシュ…、すまない。助けたいが、助けることは円楽を暴走させるのと同じことだ…。)
619 :
ほんわか名無しさん:03/11/19 23:05
しかし円楽はてんぷらの食いすぎで死んだ
つづく
620 :
ほんわか名無しさん:03/11/19 23:10
それはレンコンのてんぷらだった。
621 :
ほんわか名無しさん:03/11/19 23:12
しかも都内で有名人がお忍びでくるとインターネットでうわさが流れている料亭「こぶき」
のレンコンの天ぷらだった
そのころ東京のとある地下鉄入口には地下政府壊滅のためのチームが結成されつつあった。
ファチェ「では、私が指揮をとるファチェだ。よろしく。」
キバヤシ「全員そろったのか?」
中井「ジェリーやサバラン達と組むとは・・・気にくわんな。」
サバラン「なんならここで決着つけるか?」
ゴズニーランドでサバランに瀕死の重傷を負わされた中井は不機嫌だ。
ファチェ「やめろ。目的は地下政府壊滅。過去の恨みはここに置いて行け。」
集まったのははメガネッシュ、キバヤシ、タモリ、『SMAP』、スウィーツ、ファチェ、サバラン、エクレア、
『T&J』の十七人だった。過去に戦闘を交わした面々も、一つの目的のために顔を合わせている。
香取「それで、作戦は?」
ファチェ「我々に入っている情報だと、地下政府はジョーカーを筆頭に、キング、クイーン、ナイトの四人の
幹部によって成り立っている。よって、我々は四つのチームに分かれて行動することにする。
振り分けはこの紙に書いてあるとおりだ。ちなみにその間の地上のことはシフォンに任せてある。」
つづく
『地下政府壊滅チームの振り分け』
・対ジョーカー・・・『Aチーム』メガネッシュ、スウィーツ、トム
・対クイーン・・・『Bチーム』SMAP、キリコ、スウィーツ
・対キング・・・『Cチーム』ファチェ、ジェリー、ミッキー
・対ナイト・・・『Dチーム』キバヤシ、タモリ、サバラン、エクレア
なお各チームは任務終了後、他のチームのサポートに向かうこと。
つづく
ファチェ「えー、敵の強さはジョーカー、ナイト、キング、クイーンの順だと思われる。各幹部の場所は配布した地図を参考にすること。
それと・・・キリコ、スウィーツは特殊能力が使えるんだね?となると・・・このなかで一般人は一人だけということになる。
キバヤシ、君だ。よって、キバヤシには世界政府から『WI』を支給する。
ファチェは、てきぱきと作戦の発表を続けている。
キバヤシ「えっ、でも俺が使いこなせるんだろうか?悪いが俺は凡人だぞ?」
ファチェ「心配するな。この『MMRウェポン』は攻撃力は高くないが比較的リンクしやすい『WI』だ。
使い方はサバランかエクレアに聞いてくれ。なかなかのチーム分けだと思うがどうだろうか?
各チームの特徴は、
Aチームは全員『ウェポン』を装備している。
Bチームは全員特殊能力使い。
Cチームはジェリーの頭脳、『ネオチルドレン』の強さ、そして私の美しさの三拍子が揃っている。
Dチームは全員『WI』を装備している。
ま、こんなところだ。」
メガネッシュ「(美しさは関係ないんじゃ・・・)」
ファチェ「では異論もないようなので・・・各自健闘を祈る。」
地下鉄入口から地下都市に侵入した十七人は、それぞれ四チーム別々の方向に進んでいった。
つづく
だいじなことまとめ
ナイトメアチルドレン(古代兵器ウェポンを使うために田代が産み出した子供たち。メガネッシュ以外はみな子供の姿)
メガネッシュ…主人公。田代の優しさを受け継ぐ。外車ディーラーメガネッシュカーの元社長で、恨みを買った社員が
雇った暗殺者からの逃亡生活を続けるうちに自分がナイトメアチルドレンと知る。世界の平和と、
平凡な生活に戻るために戦う。 対応ウェポン…『グラスウェポン』
スゥィーツ …世界政府に発見された第二のナイトメアチルドレン。田代の賢さを受け継いだ小さな女の子。
だが秘めたる力ははかり知れない。田代の迷いから平和と戦いの葛藤を心の奥底に持っている。
対応ウェポン…『デザートウェポン』
ジョーカー …無邪気さを田代から受け継いだ、三番目のナイトメアチルドレン。世界政府に属しており、肩書き
は情勢調査部特務大佐。ガミラス危機に際し一般人を地下都市に避難させた功績で現在世界政府の
リーダー。(だが十三狼士に標的にされているのは何故?)地下都市に地下政府を作りそこを支配している。
部下にキング、クイーン、ナイト。あとギルガメッシュを強くしたらしい。
対応ウェポン…『トリックウェポン』LV3
オウム …最後のナイトメアチルドレン。『シングウェポン』を操る田代の冷徹さを
持ち合わせている謎の詩人。田代が遺した『チルドレンファイル』
を所有し、『ネオナイトメアチルドレン』であるミッキーを目覚めさせようとしている。目的は不明。
対応ウェポン…『シングウェポン』
タケル …田代の意図からではなく偶発的に生まれたナイトメアチルドレン。メガネッシュと野球をしたことがある
バスケ部のキャプテンの中学生だったが歌丸から『コピー・インセインウェポン』を渡される。
・ウェポンまとめ
四大文明が興るはるか数千年前、一つの高度な文明を持った国『サキュ』が生み出した兵器。
『マグマウェポン』と『インセインウェポン』。この二つが『オリジナルウェポン』。
サキュの科学者たちは模造品に『グラスウェポン』、『デザートウェポン』、『トリックウェポン』、
『シングウェポン』の四つを作る。これに対応するように作られたのがナイトメアチルドレン。
それに対しパフェが作った『ウェポニミテーション』、通称『WI』と呼ばれる現代版ウェポンも存在する。
扱う(リンクする)ためには資質が必要。シフォンは例外的に二つの『WI』と100%リンクできたが普通は
一人一つまで。リンクできなかった場合にもリミッターで出力を抑え行使することもできる。
・世界政府まとめ
警察部、科学部、軍事部、情勢調査部、諜報部とそのたの七つの機関から成る地球人類を統治している世界最高権力。
七つの機関の最高顧問の会議により意思は決定されていたがガミラス危機により現在はジョーカーが統べている。
(警察部)
最高顧問プリンとオカシーズが所属する機関。軍事部よりすごい。
(オカシーズ)
警察部第八特務機関。幹部クラスに十三狼士がいる。
(十三狼士)
シフォン…十三狼士No.1。SM好きの女王様。
サバラン…十三狼士No.2。残忍な性格。(部下 ガム)
エクレア…冷静な女十三狼士。
ファチェ…ザルダに気に入られていた。十三狼士?
(死亡組)ティラミス カステラ パォン・デ・ロー クラフティ ザルダ ワッフル
(失踪組)パフェ…元科学部の博士。『あの事件』で左遷させられたらしい。(部下 志村モーケン)
クッキー…田代ビルにて幽閉中
あとひとり
登場人物まとめは
>>267 補足訂正追加があればよろしく。
あらすじまとめもたぶんつくります
628 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 19:59
>>624のつづき
メガネッシュたち地下政府討伐部隊が地下都市に侵入するころ、ナイトは苦しんでいた。
ナイトのぼろぼろにはがされた金色の甲冑からのぞいた首の部分をつかまれている。
息ができないほど、強く。はやく、離してくれ!息ができない、死んでしまう!
それは言葉になっても声にはならなかったがナイトの首を締めているその男、ナイトを
殺そうとしている男はいっそう手の力を強めた。
地下都市の中枢部にあるジョーカーの豪華な住処がある。普段そこは厳重な警備で守ら
れている。だがそこはもはや誰もいなかった。
殺されたのだ。そこにいたジョーカーの部下はぜんぶ。
鮮血の血が、床に壁にまるで前衛芸術のように法則性もなく塗りたくられている。
その地獄絵図をあらわしたその部屋でナイトは苦しんでいた。傍らにはオブジェさながらの
キングとクイーンの死体が転がっていた。
この部屋で生きているのは、ナイトと詩人だと名乗る12歳くらいの少年だった。
首を絞められつづけたもはやナイトの顔はどす黒く膨れ上がれ、口からは泡が吹き出ている。
目は金魚のようにギョロっと全開に見開かれ、酸素を欲しがっている。ナイトのかぶっている兜
のおかげで少年はその醜いものを見ずにすんだが、田代の冷徹さを受け継ぐこの少年はその
顔を見ても喜んだに違いない。
つづく
629 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 20:12
その少年は最後のナイトメアチルドレン、オウムであった。
オウムはジョーカーの地下都市にメガネッシュたちより一足はやく侵入しジョーカーのアジトを破壊しつく
していた。だが、ジョーカーはここにいなかった。代わりに彼の部下を皆殺しにしていたところだ。
オウムはナイトの首を絞めながらナイトに話し掛ける。
「寒さに震えた者ほど太陽を暖かく感じる。人生の悩みをくぐった者ほど生命の尊さを知る、
とある詩人は言った」
ナイトにその言葉は届かなかったであろうが、オウムはなおもそれを続けた。
母親のように、雄大に、優しく。
「君は闘うことに意義を見出していたようだが、心の闇は通り過ぎなかったようだな」
偶然ではあったが、オウムがその言葉を終えると同時にナイトは文字通り息絶えた。
戦闘こそ最大の快楽だと思っていた男の最初の敗北は、哀れな最期だった。
オウムはごしごしと血で汚れた手をおいてあったてふきでふきおわると通信機を取り出し、
その真ん中にある赤いボタンを押した。ガーガーという雑音とともに通信機から曇った声
が聞こえてきた。クソ、このオンボロめ、と思いながらオウムはすこしイラついた。
「オウム様。そちらは片付いたのですか」
「あぁ、大方片付いたよ。だがジョーカーはいなかった。どうやら地上に出ているらしい」
「ところでメガネッシュや世界政府が手を組みこの地下都市にジョーカーを征伐するため侵入
してきたようです。いかがいたしますか」
「なに、メガネッシュが」
ウーム、とオウムは唸った。右手の人差し指を鼻の上のあたりにおいて少し考えて答えた。
「ムカミ、君とメイリンとケンとクミの四人で相手してやれ」
「殺してもいいのですか?」
「メガネッシュとスゥィーツ以外は殺しても、構わない」
つづく
630 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 20:34
キバヤシたちDチームは地下都市の第二十七地区を走っていた。どうやら人工的な明かりが
太陽代わりの地下都市は地上とはやはり違う感じがした。
キバヤシ「(これが私の『WI』、『MMRウェポン』…)」
世界政府から支給された『WI』。同チームのエクレアから使い方を聞くと、使用者が呼応すれば
『MMRウェポン』はアダムスキー型UFOに変化しそれに載ってビームとかだしたりそらとんだり
できるらしい。
しかし、まさか世界政府と闘うことになるとは。キバヤシはあまりに急な展開に戸惑いを隠せなかった。
なんだこの少年漫画的展開は。戦った相手が仲間になって新しい敵と戦う…SMAPのときといっしょだ。
そんじゃあ次はジョーカーが仲間になるのか?馬鹿馬鹿しい。昨日今日の敵がいきなり同じ旗の下で戦える
ものか。大体、タモリは片腕をシフォンによってやられたんだぞ。私怨は忘れろと言われても、そう簡単に
忘れれるはずもない。
確かにメガネッシュ社長とは「ありがたい。」と言って世界政府と休戦協定を結んだ。
キバヤシはその「ありがたい」がなんのことやらわからなかった。一方的に命を狙われつづけた世界政府
オカシーズにガミラスのことがあったとはいえいきなり休戦協定を結べなどと、いくらなんでもあまりに
突然だ。
おそらくメガネッシュ社長は地球の平和のことを考えて協定を結んだのだろうが。それはあまりにも短絡的
ではないかとキバヤシは思った。
しかも今回のジョーカー討伐の件についてでもだ。これまたいきなり世界政府の人間が現れジョーカー討伐
に手を貸せという。ジョーカーは世界政府に地下国家の独立を宣言したらしい。で早速世界政府はジョーカー
を倒しに討伐部隊を組んだ。数を以って攻めればいいのに地下都市の民間人を巻き添えにしてはいけ
ないため小数精鋭で攻めなければならないという。
そんなものは世界政府でカタをつければいいのにメガネッシュ社長は協力にOKした。社長の考えることは
よくわからない。彼はそういうエゴイストなところがトロロの脳髄の事件を生み出したのではないかと言おう
としたがキバヤシは胸にしまっておいた。
つづく
631 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 21:17
「おい」
移動しているところをキバヤシはサバランに話し掛けられた。この不快な感じのする男も仲間になった
というのか。聞くところによるとこのサバランという男はオカシーズでNo.2の実力の男なのだがこのと
ころ連敗続きでヤムチャぽい男だそうだ。まーそろそろ死にそうなやつだわな無視してかまわんかと
思ったがもう一度おいと声をかけてきたのでヤムチャの声にしかたなく応えた。
「なんですか」
「おまえ、『WI』は初めて使うようだが使いこなせるのか?」
なんだこの死にごろのヤムチャ野郎がほざくんじゃねぇと思ったがもう一人の十三狼士エクレアが
キバヤシのかわりにこたえた。
「わたしがしっかりレクチャーしてあげたわ。サバラン、他人のことより自分を心配した方がいいわよ」
一向は走るのをやめた。住居をはさんだ道の向こうに、敵らしき人物が現れたからだ。
なぜ敵かはどうかは、その殺気と『WI』らしき赤い手袋でわかった。
「敵さんがいらしゃったようよ」
「エクレア、お前も自分を心配するんだな」
「私はオウム様の部下、ケン!熱を操る『WI』、『ヒートウェポン』にて貴様らを屠りにきた!」
「誰だオウムって」
「わからないけど、どうやら闘いは避けられないようね」
つづく
その頃、ここはサーカスのようなところ。
「まあ、こいつが僕の仲間、そして君の旧友の田代の生まれ変わり、と言ったところかな。」
ジョーカーの話声が聞こえた。
「よろしくお願いする。」
ギルガメッシュも一緒のようだ。
「それで何が欲しいんだ?金か?」
まだ知らぬ男の声が聞こえる。
「今回は違うよ。木久蔵さん。」
男の名は木久蔵と言った。
「じゃあ何が目的なんだ?何でも言って見なさい。古代文明時代から生きてる俺にチルドレンとウェポンについて知らないことはない。」
木久蔵が自慢げに話した。
「うん、それなんだよ。このギルガメッシュ君に君が知っているチルドレンとウェポンの知識を詰め込んで欲しい。」
「何の目的だ?」
木久蔵が聞いた。
「こいつはさっきも言った通り、田代の生まれ変わりのようなものだ。チップを埋め込んだからな。
しかも完全にリンクができる、完全な後継者だ。何が言いたいかわかるかい?」
「つまり、田代を復活させたいと。」
「その通り。流石木久蔵さん。」
「俺にわからないことはない。円楽や歌丸も古代文明時代から生きているが、円楽は死んだし歌丸は我々のタケ…、おっと。なんでもないよ。」
ジョーカーが疑問の顔を隠さずこう言った。
「それも、教えてといったら?」
知らずの内に、木久蔵の額にジョーカーのトリックウェポンが向けられていた。
「わかった…、教えよう。」
633 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 23:24
そのころ
地下都市に避難できなかった人々は
ねるねるねるねの被害が進んでいない各地で
コミュニティーを築き、ガミラス軍の攻撃により荒廃した都市を
復興させようとしていた。
そんなコミュニティーのひとつに恋人ユキの仇を討つために
ガミラス軍を脱退したパイロット古代がいた。
「くそぉ〜。今日も手がかりなしか。」
古代はユキの仇についてトムとミッキーという名前しか知らない。
その為、各地にあるコミュニティーを渡り歩き情報を収集していた。
「そろそろ日も暮れそうだ、じおんぐにもどって今日は寝るとするか」
古代がじおんぐに戻る途中、幼い男の子が泣いていた。
その傍らには彼の妹と思われるまるで骨のように痩せこけた女の子が
横たわっていた。
何の気なしに古代は男の子に声をかけた。
634 :
ほんわか名無しさん:03/11/20 23:25
古代「どうしたんだ?」
男の子「妹が、妹が、、、、」
ふと古代が女の子に目を向けると女の子の周りには蝿がたかっていた。
手や足の先は腐敗してきておりツンとした腐敗臭が古代の鼻にきた。
おそらく死後、数日はたっていたのだろう。
よくみると男の子も痩せこけただ生きているのがやっとという感じであった。
古代「お父さんとお母さんはどうしたんだい?」
男の子「ガミラスとかいう宇宙人たちに殺されたよ。妹もおなかすいたよって言いつづけて死んでいった。
あいつらに全部奪われていった!」
その言葉を聞き、古代は複雑な心境だった。
(いままで各地のコミュニティーを渡り歩きこのような子供達を無数見てきた。
我々の攻撃によって、俺と同じように大切な人を奪われた人が何人もいるのだろう。
きっと俺が参加した作戦でもこのようにいくつもの幸せを壊してきたはずだ。
ユキ、俺には分からないよ。
俺はどうしたらいいんだ?)
古代のユキを殺したトムとミッキーに対する復讐心が風化したわけではなかったが
古代は混乱していた。
しかし、その複雑な心境を抱えたまま古代はじおんぐにもどっていった。
まずはユキの仇を討ってやる。
悩むのはそれからだ。複雑な気持ちではあったが古代は改めて決意した。
>>625、
>>626 乙です。
・『オリジナルウェポン』(『マグマウェポン』、『インセインウェポン』)は、もともと(『サキュ』以前に)地球に存在していた。(
>>585)
・『WI』の正式名称は『ウェポンイミテーション』(初回登場
>>378他)
・パフェ・・・元科学部の博士。メガネッシュによる『共同研究所爆破事件』で科学部を左遷され、警察部オカシーズ十三浪士に所属。後に再び
科学部博士も兼任していたが、自分の意思で世界政府を去る(
>>588)(部下 志村モーケン)
・クッキー・・・十三浪士かどうかは不明(
>>384の時点では、残る二人の十三浪士は極秘任務遂行中とのこと。)
そのころAチームは地下都市中枢部のジョーカーのアジトに向かっていた。
メガネッシュ「(あいつら・・・うまくやっているだろうか?)」
トム「社長・・・キバヤシたちの事考えてますね?やはり気になりますか?」
メガネッシュ「(ぎくっ!)まぁな。一般人のキバヤシまでこの戦いに巻き込んでしまって。いくら『WI』を装備していたってチルドレン
が相手では無事では済まないだろう・・・それに世界政府やSMAP、そしてお前達と手を組んだのも俺の独断だ。」
トム「後悔してるんですか?」
スウィーツ「他人を傷つけてしか生きられない・・・チルドレンの宿命ね。」
スウィーツはまるでひとごとのようにつぶやいた。
トム「宿命か・・・。スウィーツはこれから・・・ジョーカーを倒してからどうするつもりなんだ?」
スウィーツ「さぁ・・・どうしようかしら。」
そっけない答えだが、田代の賢さを受け継いだこの少女は何か考えがあるに違いない、メガネッシュはそう確信していた。
つづく
メガネッシュはドイツの研究所でパフェに聞いていた。チルドレンが四人の田代を受け継いでいるということ、
そして田代の矛盾する二つの気持ちが内在していることも。そこからジョーカーの目的を推測していた。
メガネッシュ「(ジョーカーは世界政府に所属していたくらいだから人類を滅ぼすのが目的ではないようだ。
ただの世界征服が目的か?ガミラスタワーで俺たちを殺そうとしたのは何故だ?
しかも俺たちには手を出さずにバッファローマン達だけ倒して去っていった。本当に奴は敵なのか?)」
同時に、スウィーツもジョーカーのことを考えていた。
スウィーツ「(ジョーカーは・・・私と同じことをしようとしているのかもしれない。そのために人類を地下へ逃がした・・・!?)」
メガネッシュ「(チルドレンには田代さんの平和を願う気持ちも存在している。それはジョーカーも同じはずだ。そしてオウム
という奴だって・・・。むしろ田代さんの冷徹さを受け継いだオウムのほうが手強いのかもしれない・・・。)」
スウィーツ「(十三浪士はチルドレンであるジョーカーが世界政府のトップに立っているのを危惧しているようだけど、
実際にジョーカーは人類に危害は加えていない。まさかジョーカーは敵じゃないんじゃ・・・遠回りな作戦なの?
ということは・・・四人目のチルドレンがそろそろ動き出すってこと・・・!?)」
そろそろジョーカーのアジトが見えるというところで、一人の女が立ちはだかった。
トム「おっと、敵が現れたようだ。」
クミ「ハロー!」
つづく
そのころファチェ、ジェリー、ミッキーのCチームは・・・
ジェリー「はっ!すっかり忘れてた!!」
ファチェ「どうしたんだ?」
ジェリー「ミッキーに『ピノ』を搭載させたのに使うのを忘れてた!」
ファチェ「『ピノ』?」
三人は地下鉄入口まで引き返した。そしてジェリーはミッキーの背中のスイッチを押した。
プシューーッ
ファチェ「なんだ!煙が!!」
ミッキー「もくもく、もくもく」
ジェリー「これはねるねるねるねに反応すると、包み込んで急激に温度を下げて殺すという『アンチねるねるねるねシステム』だ。
地下にねるねるねるねはいないようだから、これで地球の全てのねるねるねるねは数十分もすれば絶滅するだろう。」
ファチェ「・・・早く使えよ。」
再び地下に入った三人の目の前に、見知らぬ女が立っていた。
ファチェ「・・・あの女のもってるの『WI』じゃないか?」
確かにその女は、右手に鎌のような『WI』らしきものを携えている。
ムカミ「『ネオチルドレン』発見。残る二人には・・・『死』をあげる。」
つづく
639 :
ほんわか名無しさん:03/11/22 09:43
ちなみにムカミの実家はマッシュルーム栽培で生計を立てていた。
つづく
640 :
ほんわか名無しさん:03/11/22 20:04
ムカミは17歳のときマッシュルーム栽培を継ぐか継がないかで父親ともめて家を飛び出した。
ひとりっこだったムカミはひまわり栽培が夢だったのだ
つづく
そのころSMAP、キリコ、スウィーツのBチームは・・・
香取「変な奴らと組んだな。」
キリコ「木村くん、かっこいいわねぇ!」
ゴロー「キリコさん独身なんですか?」
キリコ「えっ、いやその・・・。」
スウィーツ「・・・キリコは既婚者だ。」
木村「(ふぅ、良かった。)」
この七人には、特に険悪な空気はないようだ。
草薙「お前らも特殊能力が使えるのか?」
キリコ「もちろんよ。だてに『ミニにタコ四天王』やってたわけじゃないわ。」
スウィーツ「そのうち分かる。」
スウィーツの眼がサングラスの奥で光る。その姿はまさに鈴木雅之そっくりである。
中井「来た・・・。」
現れたのは地下政府の者ではないようだ。手にしているのは『WI』だろうか?
メイリン「はー、チルドレンいない組みかぁ・・・。皆殺しね。」
つづく
ここはどこか薄暗い館。子供達と一人の怪しげな大人が集まって何かをやっている。
「魔術を受け継ぎし子供達よ、今、例のナイトメアチルドレンが集結し、ウェポンインパクトが起ころうとしている。」
「それってすごいことなのかー?」
一人の女の子が聞いた。
「君は人の話を聞いていないな、舞君。古代人達はウェポンに『ユルグ』を封じ込めたんだよ。
そして、ウェポンが集結した時、『ユルグ』が復活する。サキュが滅びたのも『ユルグ』が滅ぼしたんだ。
しかし、その当時、田代と言う名の男が再び『ウェポン』に『ユルグ』を封じ込めた。
そして、ウェポンが集結しないよう、その所有者であり、他の所有者を殺傷する力もある『ナイトメアチルドレン』をつくったんだ。」
男が説明を終えた。
「ところで、全員居るか確認してくれないか?」
イエッサーと威勢の良い声が聞こえた。
「日本。竜ヶ崎刃、世良円、天草薫、古門守、泉俊、八乗寺舞、星弥生、瀬石櫻、そして俺、火事場力。
全員居ます。」
「うむ。」
その後、男は小声で「刃君だけはくれぐれも大切にしてくれ。彼は秘めたる力がある。『ユルグ』に対抗するな。」と言った。
「アメリカ。クリス=クリスチャン、アルフ=ウェストン、ピーター=ゴドウィン、ジョセフィン=ヤワラ=ハマー、サラ=マクロード、そして私、緋沼晶。
全員確認。」
「うむ。」
「ドイツ。テオドール=ヴォルフェンバルト、ファスライ=スケベニンゲン、フィッツ=ジェラルミン、エルンスト=フォン=シュタイナー、そして私、ラインハルト=マリーア=フォン=シュトルム。
全員居る。」
「うむ。各国とも了解した。これから、君達には人数分、人によっては2枚以上の『カード』を配る。
この『カード』には魔術が篭められていて、君達にしか使えない代物だ。
くれぐれも取り扱いには気をつけるよう。」
「イエッサー!」
643 :
ほんわか名無しさん:03/11/23 20:26
そのころ三軒茶屋のとある中華料理屋で変な人がいっぱい集まっていた。
「ナイトメアチルドレンが目覚めたようなのでついに我々も動かなければならない」
と、その中のボスらしき男がはりのいい声で叫ぶ。
ハートのマークをあしらった頭飾りをしている。
「ところで、全員いるか確認したいんだが」
イエッショーとその部下らしき男たちが応える。
「パンナコッタ=フーゴ、グイード・ミスタ、レオーネ・アバッキオ、トリッシュ・ウナ、ナランチャ・ギルガ、
ジョルノ・ジョバァーナ、ヴィネガー・ドッピオ、レオーネ・アバッキオ、ジャン・ピエール・ポルナレフ、
ホル・ホース、マニッシュ・ボーイ、ボインゴ、アレッシー、虹村形兆、間田敏和、山岸由花子、
岸辺露伴、矢安宮重清。全員そろっております、DIO様」
「うむ。では各自散らばって作戦を遂行してくれ」
「イェッショー!」
つづく
644 :
ほんわか名無しさん:03/11/24 13:36
小説と関係ないこと
↓
------------------------
思ったんですけど、元ネタがあるキャラは知らない人が動かし辛いんでナシにしませんか。
(
>>643はネタで書いたんでスルーして構いません)
あとキャラが次々に出てきすぎ感もあると思います(しかも重要なポジションで。。。)
話が進まない上に前にでてきたキャラがぜんぜん目立たなくなるので少し控えたほうが
いいと思うんですけどどうでしょう
-------------------------
そうですね。とりあえずジョーカー&オウム編では無駄に登場人物増やすのはナシにしましょう。
(特に重要設定を語る謎の人物、強すぎる人物etc...)
というわけで642〜645は小説上スルーで。
>>641のつづき
『ナイトメアチルドレン』であるジョーカーが統治する地下都市。人類の大半はここにいる。
ファチェ率いる『地下政府壊滅チーム』の四チームはジョーカーを倒すために地下へ乗り込んだ。
しかし地下都市中枢部はジョーカーが地上にいる間に、チルドレンであるオウムによって占拠されていた!
そのことを知らない『地下政府壊滅チーム』の四チームは、四人のオウムの部下に遭遇してしまった。
ジョーカーの、そしてオウムの目的は何なのか!?地下で激しい戦闘が始まろうとしていた。
『地下政府壊滅チームとオウムの部下の遭遇状況及び現在地』(各チームのメンバー振り分けは
>>623)
AチームVSクミ・・・・・地下都市中枢部周辺
BチームVSメイリン・・・不明
CチームVSムカミ・・・・地下鉄入口周辺
DチームVSケン・・・・・地下都市第二十七地区
つづく
そのころBチームは・・・
香取「何者だ!?」
メイリン「オウム様の部下よん。」
その右手には馬鹿でかいハリセンが握られている。
中井「誰だ、そいつは?それにそんな武器で俺たち七人を倒せると思ってるのか?」
メイリン「あらー?女の子相手に七人がかり?恐ーい!!」
キリコ「何が『恐ーい!!』よ!だいたい・・・」
パコーンッ!
キリコがその女に近づいた瞬間、物凄い勢いで後頭部をハリセンでどつかれた。
キリコ「痛っ!何すんのよ!!」
メイリン「いっちょあがりっ!!」
すると次第にキリコの体が小さくなり、あっという間に少女になってしまった。
キリコ「何これ!ちょっ、助けてよ!やだ!」
メイリン「私の『WI』、『ベイビーウェポン』はどついた相手を三歳児にまで戻してしまうのよん。」
草薙「・・・変な『WI』だ。」
つづく
木村「うかつに近づけないな。」
スウィーツ「下手に倒してしまうとキリコが元に戻れなくなる可能性もある。」
ゴロー「あの『WI』は近距離戦向きですね。飛び道具が有効だと思います。」
ゴローは『ベイビーウェポン』の性能を分析しようとしている。
中井「とりあえず俺が様子を見よう。」
ゴズニーランドのサバラン戦では秘技まで披露した中井であったが、その技のバリエーションは当時よりも進歩している。
中井「遠距離戦用の特殊能力、『ミキプルー Ver.3』だ。」
そう言うと、中井の両腕に植物のツルが巻きつき始めた。そしてみるみるうちにその両手には緑色の銃口が形成された。
中井「喰らえ!」
ズガガガガガッ ズガガガガガッ
緑色の銃口からは、植物の種がマシンガンの如く撃ち出された。
メイリン「キャー、恐ーい!えいっ!!」
そう叫ぶと、メイリンはハリセンを振り回して全ての種をはじき飛ばした。
これは偶然なのだろうか?それとも計算された戦い方なのだろうか?
草薙「・・・変な戦い方だ。」
つづく
つかメガネッシュネタいい加減ウザイ
氏ね
650 :
ほんわか名無しさん:03/11/26 18:16
とメガネッシュへの憎しみを表していたのはメイリンだった
メガネッシュうんこ
652 :
ほんわか名無しさん:03/11/26 18:21
とメイリンはメガネッシュに耐えがたい暴言をはいた
香取「狙いはメガネッシュ・・・いやチルドレンか。」
メイリン「そうよん、メガネッシュとスウィーツを生け捕りにしてオウム様に差し出すのだー!」
喋り方は頭が悪そうだが、なかなか手強い相手である。
木村「(オウムって奴が四人目のチルドレンみたいだな。)」
草薙「(そんな奴の部下がなんで地下都市にいるんだ?)」
香取「(オウムとジョーカーが手を組んだか、あるいは地下都市がオウムに侵略されたか・・・)」
ゴロー「(じゃあ、今ごろ他のチームの前にも敵が現れてるだろうね。)」
戦いにくい相手に、中井はなおも苦戦している。
つづく
中井「ちっ、全然当たらねぇ!」
『ミキプルーVer.3』によって撃ち出された種子は『ベイビーウェポン』に防がれて、メイリンの足元に無数の穴を開けている。
メイリン「じゃあ今度はこっちから行くよー。」
そう言うとメイリンは緑色の銃口から発せられた種子を、中井に向かって直接打ち返した。
中井「おっと、」
中井がとっさに腰をかがめて避け、体制を立て直したそのとき、
メイリン「はいっ、ふたりめー!」
パコーンッ!
中井「しまった!!」
一瞬の油断だろうか。中井が種子に気を取られている間にすばやく間合いを詰めたメイリンの一撃が、
中井の脳天にきれいに入った。みるみるうちに幼児化していく中井。
香取「中井っ!!」
中井「うっ、元に戻せよぉ!」
どうやら幼児化するのは肉体だけらしい。しかし特殊能力は使えなくなったようだ。
草薙がすばやく、小さくなった中井の体を抱えて保護した。キリコはスウィーツが保護している。
メイリン「さぁ、次は誰かなー??」
つづく
メガネッシュはうんこのしすぎで死にました
メイリンは低レベルな挑発を繰り返している。
草薙「俺が行く。」
肉弾戦が得意な草薙は特殊能力『ジーンズ』を鳥取砂丘以来、使用していない(
>>208)。
それは亜空間系の特殊能力は体力の消耗が激しい上に、技が大規模すぎて使いづらいという
欠点があったからだ。『精神と時と部屋とYシャツと私』の部屋での修行はその克服でもあった。
草薙「はっ!」
草薙は得意の近距離戦を選んだ。しかし少しでも『ベイビーウェポン』にどつかれると幼児化してしまう。
メイリン「ほらほらぁー!」
メイリンが振り回すハリセンの乱打を草薙は間一髪でかわしていく。しかし草薙は余裕がありそうだ。
草薙「おらぁっ!」
自分の間合いに入った瞬間、草薙の蹴りがメイリンのアゴにヒットし、彼女は数メートル吹っ飛んだ。
つづく
真冬のメガネッシュ殺人事件
つづく
しかしメイリンはゆっくり立ち上がった。うつむいたまま微動だにしない。
メイリン「・・・い、たいじゃない・・・」
そう言うとメイリンはキッ!と草薙をにらむと、先ほどとは比べ物にならないほどの速さで襲ってきた。
メイリン「はぁーーーーーっ、おらおらぁー!!」
草薙「クッ、」
近距離戦は得意な草薙であったが、キレたメイリンの猛襲をかわすのに精一杯である。
香取「おい、『ジーンズ』使え!!」
草薙は大きくステップバックすると、ひざまずいて地面に両手を押し当てた。
草薙「はっ!!」
すると草薙を囲むように地面に半径50メートルほどの青い円が広がり、上に向かって光の柱が伸びた。
草薙「亜空間『青い稲妻』。このランダムに降り注ぐ青い稲妻の中で第二ラウンド開始だ。」
木村「なんで『殿堂』じゃないんだ?」
ゴロー「一度『殿堂』に閉じ込めたものは取り出せないからね。中井とキリコを元に戻すためにもあいつは生け捕りにしないと。」
つづく
草薙「第二ラウンドの前に聞いておきたい。幼児化した奴を元に戻す方法を教えろ。」
メイリン「どうせ無理だろうから教えてあげる。幼児化した人を元に戻す方法、それはこの『ベイビーウェポン』を
使用している者を殺害すること・・・。さぁて、あなたに私が倒せるかしらねー?」
草薙とメイリンは亜空間『青い稲妻』のなかで再び戦いを始めた。今度は両者一歩も譲らない戦いだ。
しかし、草薙はメイリンの蹴りや突きを喰らいながらも、『ベイビーウェポン』だけは喰らわないように気をつけている。
ゴロー「しかしおかしいですね。」
香取「どうした?」
ゴロー「我々の命を狙いに来たわりには、あの『WI』は見る限り殺傷能力がない・・・」
スウィーツ「・・・まさか、まだ本気を出してないのか?」
そうしている間に、メイリンは数発の稲妻を喰らったようだ。体のあちこちから青い煙がのぼっている。
草薙「この空間の中ではお前の動きはにぶくなる。そして稲妻を喰らえば喰らうほど、さらに体が重く感じるだろう。」
メイリン「ハァ、ハァ・・・じゃあ、そろそろ決着つけようかな。」
だいぶ疲労が見え始めたメイリンは、草薙と少し距離をおくと瞑想を始めた。
つづく
香取「草薙!気をつけろ!一気にリンク率をあげてくるぞ!」
草薙「おう、その前に終わらせるぜ。」
空に両手を上げた草薙は、空からひときわ巨大な青い稲妻をメイリン目掛けて落とした。
ズガーーンッ
メイリン「あんたは・・・幼児化だけじゃすまないわ。消えちゃえ!あーーーーっ!!」
メイリンは飛来してきた稲妻を寸前で回避すると、『ベイビーウェポン』を大きく一振りした。
すると、直接攻撃しかできないと思われていた『ベイビーウェポン』から三つの衝撃波が放たれた。
草薙「何っ!?」
ザシューーッ
敵の意外な攻撃に、さすがに三つは避けきれず、一発の衝撃波が草薙の右肘に命中した。
草薙「グハッ!」
直撃を受けた草薙の右腕は、肘から下が完全に消滅してしまった。
つづく
香取「あ、あれが本当の『ベイビーウェポン』の威力か・・・」
草薙「クソッ、(次できめないと確実に殺られる・・・)」
メイリン「私が本気でリンク率上げれば、あんたの右腕なんか幼児化を通り越して消滅しちゃうのよ。」
そう言うとメイリンは再び『ベイビーウェポン』を頭上にかかげた。
草薙「最後の一撃だ!喰らえ!!」
草薙は最後の力を振り絞って巨大な稲妻をメイリン目掛けて打ち落とした。
メイリン「同じ過ちを繰り返すなんて・・・頭悪いわねっ!消えなさい!!」
メイリンは寸前で頭上の稲妻を回避し、再び『ベイビーウェポン』を振り下ろそうとした。そのとき、
ズガーーーンッ
メイリン「きゃー!!」
それは亜空間『青い稲妻』の側面の青い壁から放たれた水平方向の稲妻であった。
草薙の渾身の一撃を受けたメイリンの体には大きな風穴が開いた。
メイリン「まさか、なんてこと・・・」
草薙「稲妻は上からだけじゃないんだよ。」
そう言い残すと、草薙は倒れこんだ。青い亜空間は消え、中井とキリコは元の姿に戻った。
つづく
「オウムの部下を殺るとはなかなかやるねぇ。」
突然後方から声が聞こえた。
一同が後を振り返ると、そこにはジョーカーの姿があった。
香取「ジョーカー!?」
「そう、僕さ。実はちょっと君達に用があるんだよ。」
草薙「何の用だ?」
草薙は冷静さを失わない。
「実は、君達には技を取り戻したこいつの実験台になってほしいんだよ。こい。」
「了解。」
ジョーカーの後から現れたのは、以前より何処か殺気に満ちたようなギルガメッシュだった。
そのころDチームは・・・
タモリ「誰だ、オウムというのは!?」
ケン「俺に勝ったら教えてやるよ。」
サバラン「アホかお前は?『WI』を持った相手に四対一で勝てると思ってるのか?」
ケン「当たり前だ!」
そう言うとケンは両手を重ねて前に突き出して構えた。赤く光り出した手袋。
ケン「全員でかかってこい。もちろん全力でな。」
キバヤシ「(どうする?)」
サバラン「(もちろん殺すまでだ。)」
エクレア「(いえ、敵の『WI』が分かるまでは、誰か一人が様子を見ましょう。)」
タモリ「じゃあ俺がやろう。」
ということでタモリが様子を見ることになった。
タモリ「久々の戦いだ。ワッフル戦以来かな。あ、すまん(汗)。」
エクレアとサバランの顔がかすかに曇る。
つづく
タモリ「じゃあ行くぞ!ダブルメタルナックル!!」
タモリは『メタルウェポン』を纏った両手で飛びかかった。
ケン「喰らえ!ヒートアタック!!」
ケンは手袋の形をした『ヒートウェポン』をタモリに向け、赤い光を放った。
タモリ「うわぁっーー!!」
赤い光の直撃を受けたタモリは服やズラが焼け焦げ、『メタルウェポン』は液状化してしまった。
しかし、なんとかズラで多少防いだのだろうか?かろうじて息はしている。
ケン「なんて不用意な攻撃だ。」
キバヤシ「タモリっ!!」
サバラン「(フン、ワッフルを倒したと言ってもその程度か・・・)」
エクレア「(サバラン!ここはみんなで力を合わすのよ。私にいい考えがあるわ・・・)」
ケン「残り三人でかかってこいよ。」
つづく
サバラン「じゃあお言葉に甘えて・・・全員でお前を殺す。」
サバランの『スペースウェポン』が発動した。あたりを包む黒い光。
ケン「これがうわさに聞く亜空間『夢幻の間』か・・・」
いつのまにかケンは果てしなく広い空間に立っていた。目の前にいるのはケン自身だ。
サバラン「(お前の敵はお前自身だ。)」
ドラえもんズ、ギルガメッシュには敗れたが、本来『スペースウェポン』は世界政府の『WI』でもAランクである。
そう簡単に普通の『WI』使いに敗れるわけがないのだ。
ケン「亜空間『夢幻の間』・・・我々の組織でその性能は把握している。」
ケンは襲ってくる自分自身と戦いながらも、焦った様子は無い。
ケン「(確かにすごい亜空間だが、こいつは俺であって俺でない。本人より強い幻は存在しない。)」
ケンは両手を重ねて、もう一人の自分に向けた。
ケン「ヒートアタック!!」
ケン(幻)「ヒートバリア!!」
ケンの放った赤い光は、ケンの幻の放った赤いバリアによって防がれた。
つづく
ケン「(この亜空間内に奴らもいるはずだ。こいつを倒したら姿を現すはず。)」
ケンは構えなおした。
ケン「ニセモノにしてはなかなかだな。しかしホンモノにかなうわけがない。」
ケン(幻)「ヒートアタック!!」
ケン「ヒートアタック!!!」
今度は二人が同じ技を放った。両者の力は拮抗しているようだ。
ケン「技だけではホンモノには勝てないぞ。」
ケンは一気にリンク率を上げた。とたんにケンの殺気が急激に高まった。
ケン(幻)「グハッー!」
ケンの放った赤い光はさらに輝きと威力を増して、自分の幻を包み込んで消滅させた。
ケン「出て来い、サバラン。」
つづく
サバラン「意外と強いぞ・・・」
サバランは疲労していた。草薙と同様に亜空間系の『WI』も疲労が激しいのだ。
しかしそれはケンも同様である。勝利したとはいえ、自分自身と戦ったのだから。
そして亜空間内にサバラン、エクレア、キバヤシが現れた。負傷したタモリは置いてきたようだ。
サバラン「よく倒したな。」
ケン「幻を作るならもっとマシな強さにしとけ。」
キバヤシ「よし、次は俺が・・・。」
いつもは冷静なキバヤシ。今までたいした戦闘経験はない。しかし目の前で行われている『WI』を使った戦い。
そして一般人である自分にも与えられた『WI』。試してみたい気持ちがはやるのだろう。
エクレア「『MMRウェポン』は出力低いから無理しないでよ。」
キバヤシ「行くぞー!」
つづく
キバヤシが『MMRウェポン』を発動させた。するとその『WI』はアダムスキー型UFOに
変形して浮き上がった。キバヤシもそれに乗っている。
キバヤシ「す、すごい!これが俺の『WI』・・・」
ケン「初心者が俺に勝てるのか?」
キバヤシ「これなら勝てる!喰らえ、UFOビーム!!」
チュドーンッ!!!
ケン「ヒートバリア!」
キバヤシのUFOビームは赤いバリアで全て防がれた。
ケン「弱いな・・・引っ込んでろ。幻には出来なかっただろうが『ヒートウェポン』
の真の力を見せてやろうか。亜空間・・・『ヒートフィールド』!!」
サバラン「何っ!」
『夢幻の間』の中に、四人を包み込む巨大な赤い亜空間が発生した。
ケンの『ヒートウェポン』は亜空間系『WI』の働きもあったのだ。
つづく
669 :
ほんわか名無しさん:03/11/30 15:27
あげ
670 :
ほんわか名無しさん:03/11/30 16:59
むせかえるような空気がうずまく。
熱く、赤く滾る空間にケンの不適な笑顔が浮かび上がった。
そして余裕げに、口を開いた。
「『ヒートウェポン』は貴様等オカシーズのシフォンの『ライトニングウェポン』と同じ何かを産出する
エネルギー系だが…Lv.2になるとこのように亜空間系WIの働きもする」
「なに?Lv.2とは、どういうことだ!」
サバランの問いに、ケンはふぅ、とためいきをついて答えた。その動作にサバランは苛立ちを覚えた。
このケンの作り出したヒートフィールドという空間の熱さのせいもあるが、短気なサバランの怒りの
ボルテージは100%に達そうとしていた。
「プリンから何も聞いてないのか?全ての『ウェポン』にはレベルが存在する。しかしそれはリミッター
をつけてWIを行使している君らには関係のないことだがな」
ハハハハハ、と高らかに笑い声をあげた。
「さて、そろそろ死ぬがいい!『ヒートレイン』!!」
ヒートフィールドの上空から橙色の熱線が文字通り雨のように降り注いできた。
ヤバイ、ピンチ!
つづく
アルテマウェポン…
672 :
ほんわか名無しさん:03/11/30 17:52
ギルガメッシュは紫色に光るその刀剣を握っていた。
「現代の科学技術が生み出した究極の『WI』…SMAPよ、この一振りに屠られることを誇りに
思うがいい」
つづく
673 :
ほんわか名無しさん:03/11/30 17:56
ジョーカー「ははは、彼が持っている剣は『アルテマウェポン』。持っている者の命を吸い取りその能力を
発揮するWIさ」
木村「な、なんて武器だ…。そしてそんな武器を使おうとするギルガメッシュはもっとすげぇぜ」
つづく
サバラン「ヤバイぞ!」
そのとき、
エクレア「ハァー!!」
エクレアが左手にしていた腕輪型の『WI』、『コールドウェポン』を発動させた。
青い光がキラキラと輝き、次々に凍りついていく橙色の熱線。
ケン「なるほど、『コールドウェポン』・・・俺の『ヒートウェポン』と対極にあたる『WI』か。
しかし、『コールドウェポン』のデータは山東省でのタモリ、ワッフル戦で確認済みだ。」
余裕のケンは次の標的をエクレアに決めた。
ケン「君から殺す。『ヒートアタック』!!」
先程とは違う、橙色の攻撃はケンが本気を出したことを表していた。
エクレア「『死氷壁』!」
エクレアは青いバリアを放った。ケンの『ヒートバリア』のようなものだろうか?
つづく
二人の力はまさに互角。だがケンはまだ奥の手がありそうだ。
ケン「強い・・・確かに強いね、君は。しかしLv.1の『WI』じゃこれが限界だろう。
例えば・・・こんなふうに二つの技を同時に使えるかな?」
ケンは『ヒートアタック』を続けながら、空から『ヒートレイン』を降らせた。
エクレア「あっ!」
エクレアの両手は『死氷壁』のせいで塞がっている。
キバヤシ「危ない!」
ジューー シュー
間一髪!キバヤシの乗っているUFO型『WI』、『MMRウェポン』がエクレアから熱線を防いだ。
サバラン「ナイス、キバヤシ!」
サバランもちゃっかりUFOに乗せてもらっている。
『MMRウェポン』は攻撃力は低いが、防御力の高さとリンクのしやすさについては他の『WI』の中でも秀でているのだ。
キバヤシ「俺たちがサポートするから早いとこそいつを倒してくれ!」
エクレア「あ、ありがとう・・・」
もともと敵であったキバヤシに命を救われたエクレアは、嬉しいような不思議な気持ちを感じていた。
つづく
同時にエクレアはこの強敵を倒す術を考えていた。そのときふと、パフェがある日言っていた言葉が浮かんできた。
それはワッフルがタモリとの戦いで壊した『コールドウェポン』のリミッターを、パフェに直してもらった時だった。
パフェ「エクレア、『コールドウェポン』を使いこなせるようになったか?」
エクレア「いえ、私の力じゃまだ50%が限界よ。」
パフェ「限界?限界か。君達は・・・自分で壁を作ってしまっているんだ。
ヨウカンの報告だとワッフルは『コールドウェポン』に100%リンクしてから死んだそうだ。
そしてタモリも『メタルウェポン』に100%リンクしたそうだ。二人とも自分の『WI』ではないのにだ。
これがどういうことかわかるか?ワッフルは死の間際で自分で作っていた壁を越えたんだ。
肉体的な壁ではない、君達が越えなければならないのは精神的な壁なんだよ。」
エクレア「精神的な・・・壁?」
パフェ「一言で言えば・・・『強さに対する貪欲さ』というところだろうか。」
エクレア「『強さに対する貪欲さ』・・・」
パフェ「そう、君はもっと強くなれる。『WI』とともにね。」
エクレア「・・・。」
つづく
ケン「『ヒートレイン』!!」
キバヤシ「ぐわぁっ!」
ケンはさらに攻撃を強めていた。慣れない『WI』の使用で、一般人キバヤシは苦しそうだ。
エクレア「(『精神的な壁』・・・か。)」
ケン「おらぁ!『ヒートアタッーク』!!」
エクレアの『死氷壁』も溶解し始めた。容赦ない高温がエクレアを襲う。
エクレア「(このままじゃ勝てない・・・一か八か。)」
エクレアは覚悟を決めて、リミッターを破壊した。
サバラン「おいっ、エクレア!死ぬぞ!!」
エクレア「アァーーッ!!」
つづく
「(エクレア・・・エクレア・・・)」
エクレア「(誰?)」
「(私は『コールドウェポン』・・・エクレア、やっと本気をだしたのね。)」
エクレア「(どういうこと?)」
「(あなたは私と完全なるリンクができるようになったのよ。)」
エクレア「(完全なるリンク・・・?)」
「(完全なるリンク・・・それは『精神的な壁』の超越・・・)」
エクレア「(『精神的な壁』の超越・・・?)」
「(『精神的な壁』の超越・・・それは未知のチカラへの可能性・・・)」
エクレア「(私は・・・まだ強くなれるの?)」
「(あなたはもっと強くなるのよ・・・私と一緒にね。)」
つづく
ケン「な、なんだ!?」
ケンは我が目を疑った。放っていた『ヒートアタック』が次第に青く侵食されていたのだ。
エクレア「こういうことだったのね。」
エクレアの眼が輝いている。ケンはとっさに攻撃をやめ、後ろへ下がった。
ケン「(・・・まずいっ、100%リンクかっ!)」
エクレア「『氷柱急雨』!!」
エクレアは初めて攻撃に移った。山東省でのワッフルとは比べ物にならない威力だ。
ケン「『ヒートバリア』!!」
降り注ぐ氷柱の雨を、橙色のバリアが溶かしている。が、今度はエクレアが押している。
ケン「(くそっ、限界だっ!)」
亜空間まで使用したケンは疲労が限界に達し、たまらずバリアを解いて後退した。
エクレア「『蒼氷刃』!」
エクレアの右手には青く光る氷の剣が現れた。
ケン「(データにない・・・新技かっ。)わかった、ちょっと待ってくれ!」
エクレア「あなたに勝ち目はない。オウムとは誰か、教えなさい。」
つづく
ケン「教えるよ、俺の負けだ。オウム様は・・・最凶のチルドレンだ。
俺を倒しても・・・すぐにお前らも地獄行きだぜ。」
エクレア「なるほど、四人目のチルドレンね・・・」
しかしケンはまだ諦めていなかった。なぜならエクレアだけを全力で殺せば、この戦いに
勝利するということがわかっていたからだ。
ケン「・・・それだけだ。もう何も教えることはない。早く殺してくれ。」
諦めたように目をつむったケンに、ゆっくりとエクレアが近づいていった。そのとき、ケンは眼を見開き、両手をかかげた。
ケン「死ねぇ!!『ヒートストームーッ』!!!」
キバヤシ「なんだっ!?」
ゴゴゴゴゴ・・・ゴォーーーッ!!!!
最後の力を振り絞ったケンは亜空間『ヒートフィールド』全体をうならせ、熱エネルギーの嵐を縦横無尽に吹き荒らした。
そして、その一撃がエクレアの背中を狙って一直線に向かってきた。立ち尽くしているエクレア。そのとき、
サバラン「おらぁ!『曲空』!!」
とっさにキバヤシの『MMRウェポン』から飛び降りたサバランは、両手に霧状の亜空間を纏い、その攻撃の方向を変化させた。
エクレア・キバヤシ「サバランッ!」
ケン「喰らえぇー!『ヒートアタッークッ』!!!」
つづく
サバランに気を取られたエクレアにとどめを刺そうと、ケンは最後の攻撃を仕掛けた。
エクレア「ハーーッ!」
エクレアは左手に『死氷壁』を作り、振り向きざまにその攻撃をはじいた。
そして右手の『蒼氷刃』で鮮やかにケンを切り伏せた。
ケン「ぐはぁーっ!!」
鋭い袈裟斬りを受けたケンは途端に凍りつき、氷の中で息絶えた。
エクレア「蒼氷の中で永遠に眠りなさい。」
『ヒートフィールド』と『夢幻の間』は消えうせ、人工灯が照らす地下都市第二十七地区に
巨大な氷塊と、疲労した四人の姿が残った。エクレア、サバラン、そしてキバヤシ、タモリの
四人は、戦いを通して互いを認め合う気持ちが生まれていた。
つづく
682 :
ほんわか名無しさん:03/12/01 18:33
「あっけないものだな…」
ファチェはその長い髪をまくりあげながらそう言った。強すぎる力とは、時にある種の空しさ
さえ感じさせる。目の前に転がったムカミの無残な死骸を見てファチェはやはり背中にいいようの
ない空しさを感じていた。
地下鉄入り口付近でファチェ、ミッキー、ジェリーのCチームはオウムの部下と名乗る黒人の女性、
ムカミに襲われた。
ムカミは影に質量を持たせ、自在に操るエネルギー系WI、『シャドウウェポン』を駆使して攻撃を
放ってきた。360°から次々に襲ってくる影は驚異的なものだった。
だがムカミにひとつの誤算があった。それが、田代の遺産ネオナイトメアチルドレンのミッキーで
あった。
ジェリーがミッキーの背中のスイッチを押すと途端ミッキーは恐ろしい獣のような殺気を放ち、次々
に影をなぎ払っていった。そしてほんの、本当にあっという間の、それから三秒くらいあとだっただろうか。
脈打つムカミの心臓が完全に停止するまでは。
つづく
683 :
ほんわか名無しさん:03/12/01 18:49
「一応奴の持っていた『シャドウウェポン』も回収しておこう。後々役に立つかもしれない」
「ああ、そうだな」
ジェリーの声でやっと背中の空しさから現実に戻ったファチェは、ビラビラに引き千切れた
ムカミの死体から指輪状の『シャドウウェポン』を回収した。数々の修羅場を潜り抜けて
きたファチェもムカミの無惨な死体には正直血の気が引いた。人の体を、こんなにも細切れ
にできるものなのか―――ファチェは初めてミッキーに対して心の奥底に恐怖を抱いた。
俺は、生きてここから出られるのだろうか?その疑問は、敵ではなく味方であるはずの
ミッキーの姿から浮かんだものだ。
「フッフッフ〜ン♪」
戦闘に満悦したのか、ミッキーはご機嫌で気楽な鼻歌を歌っている。
先ほどの戦闘モードの時とのギャップに、ファチェは苦笑いしかできなかった。
「とりあえず、中央区に向かおう。そこにどうやらこの地下政府の重要な施設があるらしい」
ジェリーは地図を広げてそう提案した。ジェリーが広げたと言っても、ヒューマイノイドタイプの戦闘機、
『波平Mk.V パワードカスタム』にそのネズミの体を入りこませ操縦している。ファチェから見ると
ほとんど波平は人間である。皮膚や髪、所々にSFチックな武装が所々に施されているにせよ、
人間の温度というものが感じられた。WIを開発したパフェもすごかったが、こいつもすごい科学力を
持っているな、とファチェは感じた。
まぁ、私の美しさは誰にも負けないがね。
つづく
684 :
ほんわか名無しさん:03/12/01 19:13
「おッ」
地下都市中央区に向かおうとしているところ、
回収したムカミの『シャドウウェポン』を見てファチェは声をあげた。
「どうしたんだ?」
波平の顔を横を向かせ、ジェリーが訊く。
「この『シャドウウェポン』は、どうやらリミッターつきで使われていたようだ。
もしかしたら他に100%リンクできる者がいるかもしれないな」
「ほう」
そもそもパフェが開発したWIは基本的にひとつにつき100%リンクできるのは世界に一人だけ
である。それはWIに使われている『トットリン』というウェポンの心臓部とも言うべき鉱石が、
「人を選ぶ」という特殊な性質を持っているからだった。名工が造った本物の名刀は人を見て
切れ味を変えると言う。
それに似ている。WIを使いこなすのにも、才能がいるのだ。
ワッフルは『メタルウェポン』と100%リンクできなかった。『メタルウェポン』はタモリを選んだ。
ワッフルは最期に『コールドウェポン』と100%リンクできたが、それは『コールドウェポン』の
哀れみだったのかもしれない。
『ウェポン』を開発した文明『サキュ』の遺跡から回収された成分不明の鉱石―『トットリン』の
おかげでパフェが開発したWIは特定の人のために作れない。
だが、不思議なことにWIとその100%リンクできるものは惹かれ合う。事実、タモリと『メタルウェポン』
は数奇な出会いを果たした。
エクレアと『コールドウェポン』のように時間がかかった例もある。だが、どんなに時間がかかろうとも、
WIとそれを持つべき者は出会う、運命の輪の下にいるのだ。
そして持ち主を見つけたWIは成長する。それが、ウェポンのレベルというものであった。
つづく
そのころAチームは・・・
クミ「ハロー。」
トム「何だ貴様は?」
クミ「私はオウム様の手下、クミ。あなた達をオウム様の元へ連れて行くのが私の仕事です。」
メガネッシュ「オウム・・・!!」
スウィーツ「・・・オウムの目的は?」
クミ「さぁ、私には分かりません。こちらです、ついて来てください。」
トム「(・・・どうします?罠かもしれませんよ?)」
スウィーツ「(私たちは二つの『ウェポン』と一つの『オリジナルウェポン』があるわ。手は出せないはず・・・)」
メガネッシュ「わかった、ついて行こう。」
クミは黙って歩き出した。それに慎重について行く三人。
メガネッシュ「(やはりオウムまで動き出したか。てことは地下に『マグマウェポン』、『グラスウェポン』、『デザートウェポン』、
『トリックウェポン』、『シングウェポン』が揃っているということか?まずいな・・・。)」
スウィーツ「(どうしたの?)」
メガネッシュ「(『2ndウェポンインパクト』・・・)」
つづく
トム「(大丈夫です。)」
『ウェポンインパクト』の話はメガネッシュから聞いていたが、トムは顔色一つ変えない。
メガネッシュ「(・・・トム?)」
トム「(『ウェポンインパクト』は起きませんよ、まだ・・・。)」
メガネッシュ「(トム・・・お前は・・・何者なんだ?)」
クミ「ここです。」
クミが指差した先には、ジョーカーの豪華な住処があった。辺りにはかすかに血の匂いが漂っている。
三人がふと気が付くと、クミの姿は消えていた。
スウィーツ「・・・行きましょう。」
つづく
メガネッシュ「うわっ、何だこれは!?」
それは惨劇としか言いようの無い地獄絵図であった。大理石の床には、ジョーカーの手下の
死体が散乱し、真紅のペンキをぶちまけたかのように鮮血の海が広がっていた。
トム「この残酷さ・・・人間の仕業じゃねぇ・・・」
スウィーツ「そう、人間じゃない。『ナイトメアチルドレン』は人造人間だもの。」
つぶやいたスウィーツの見つめる先には、椅子に座っている小さな少年の姿があった。
オウム「やぁ、兄弟。十五年ぶりだね。」
メガネッシュ「オウム!!・・・お前が殺ったのか?」
オウム「ああ。」
そう言うとその少年は立ち上がり、三人のもとへ歩み寄ってきた。
オウム「人にはやがて死が訪れる。私は彼らにそれぞれ相応しい死に方を与えただけだ。」
メガネッシュ「なっ!!・・・」
オウムが田代の冷徹さを受け継いでいることは知っていたが、これほど顕著に現れているとはメガネッシュにも意外だった。
つづく
スウィーツ「・・・あなたの目的は何?」
オウム「さぁ、君も薄々気付いてるんじゃないか?」
スウィーツ「・・・。」
なぜかスウィーツは黙り込む。
オウム「私はわざわざ人類を滅ぼすために地下都市へ来たのではない。ジョーカーや君達とちょっと話がしたいと思ってね。」
メガネッシュ「古代都市『サキュ』の話ならパフェから聞いた。ここにいる二人にも教えたぞ。」
オウム「君はもっと深い真実を知りたくないのかい?」
オウムは田代の『チルドレンファイル』で知った昔話を始めた。
つづく
オウム「昔々、地球に二つ存在していた神の武器がありました。古代都市『サキュ』の人々はそれを崇拝していました。」
メガネッシュ・スウィーツ「(二つ!?)」
オウム「後に一つは『マグマウェポン』、そしてもう一つは『インセインウェポン』と名付けられました。
そのうち『マグマウェポン』から、四つの『模造ウェポン』が作られたのは知っているでしょう。
そう、現在『ウェポン』と呼ばれているものがそれです。この四つの『ウェポン』と『マグマウェポン』は
四大文明に受け継がれていきました。なぜなら神の武器に手を触れようとした『サキュ』が滅びたからです。
しかし『ウェポンインパクト』に伴う『サキュ』の消滅で、『インセインウェポン』は歴史から消えました。
でも消滅したのではありません。神の武器は深い眠りについたのです。」
メガネッシュ「(『インセインウェポン』・・・初めて聞くぞ。)」
オウム「それから数千年、再び神の武器に手を伸ばす人々が現れました。彼らの名は田代とパフェ・・・我々の父です。
二人は協力し合い、パフェは『WI』を、田代は『ナイトメアチルドレン』を開発しました。神は怒り、眠っていた
『インセインウェポン』を歴史の表舞台に登場させようとしています。それを見越していたのでしょうか・・・田代は
『ウェポン』以外の巨大な力を地球に残しておこうと考えました。そうして『ネオナイトメアチルドレン』、ミッキー
が造られました・・・。」
オウムは何を言いたいのだろうか?
つづく
690 :
ほんわか名無しさん:03/12/02 19:01
オウムは開いていたチルドレンファイルを閉じた。
「さて、これが『ウェポン』を中心にした地球の真の歴史だ。
田代が残したこの『チルドレンファイル』には克明にそれが記してある」
オウムがメガネッシュたちにかざした暗いグレーの手帳。それこそが田代の遺産である『チルドレンファイル』
らしい。中はどうやら電子制御になっているらしく、手帳のカバーの内側のあたる部分にボタンやらが
冷たく居座っていた。
「さてメガネッシュ、君にひとつ問題です」
オウムが話を中断し、メガネッシュに一つの質問を用意した。
「ぼくたちナイトメアチルドレンは、存在していいのか?」
「なに…?」
不用意なその質問は、メガネッシュは泥を投げかけたようであった。
つづく
「この世界に『ナイトメアチルドレン』が存在していいのか。」
その質問に対して誰もYESと答えられる者はいなかった。
オウム「君たちも同じことを考えたことがあるはずだ。僕らはあまりにも不自然な存在だ。
僕らは『ウェポン』という鎖に繋がれて、この世界を滅ぼす悪魔なのだろうか?
それとも『ウェポン』の歴史から人類を解放する天使なのだろうか?僕らの使命は・・・?」
メガネッシュ「俺は・・・悪魔じゃない。」
オウム「では僕は?この惨劇を目にしても君は僕を天使と呼べるのか?『ナイトメアチルドレン』の中で、
少なくとも僕は僕自身のことを悪魔だと思っている。悪魔は死なない。僕は成長が止まっている。
それゆえの『死』へのあこがれ・・・君なら分かるだろう、スウィーツ。君はどう思う?」
スウィーツもオウム同様、十五年前から成長が止まっている。
スウィーツ「私は・・・あなたとは違う。この世界を滅ぼす悪魔なんかじゃないわ。」
オウム「なるほど、君は人間との共存を望むのか。しかしチルドレンの宿命は
『ウェポン』とともに世界を統治するか、『ウェポン』とともに滅びるかだ。」
それはガミラスタワーでトムがメガネッシュに言った言葉と同じであった。
つづく
692 :
ほんわか名無しさん:03/12/04 19:37
オウムもまたメガネッシュ同様、『ナイトメアチルドレン』という鎖の前にもがいていたのだ。
自分の存在を疑い、自分の運命を呪っている。
かつでそうであったメガネッシュは、オウムの眼を直視できなかった。
だが、メガネッシュはオウムと違い、答えを出していた。
「オウム」
それを、口に出した。
「確かに俺たちは作られた人間だ。だが、だが決して俺たちの運命は決まっていない。
俺たちは一人の人間として、意思を持っている」
「メガネッシュ…」
横にいたスウィーツはメガネッシュのメガネの奥にある眼を見た。その眼は、確かに心細そうだが、
きれいな光が宿っていた。
だが、オウムはこう応えた。
「ぼくは死に飢えている。からからのこの体に死という潤いが必要なんだ」
すると突然、メガネッシュとスウィーツの鼓膜に巨大な爆発音が響いた。
つづく
爆心地と思われる場所には輝きを増したアルテマウェポンを持ったギルガメッシュと楽しげに闘いを観戦しているジョーカー、
そして動かなくなったSMAPとスウィーツ、キリコの姿があった。
トム「この爆音・・・かなり近いぞ。」
その巨大な爆発音から、爆心地の近さと敵の強さが分かる。
スウィーツ「きっと他のチームが戦闘中なのよ。相手はあなたの部下ね、オウム。」
オウム「いや違う。見てごらん、『マグマウェポン』が淡く輝いているだろう?
これは四つの『ウェポン』が近づき合っているしるし。おそらくジョーカーだ。」
トムが右手に持っている槍型の『マグマウェポン』だけでなく、全員の『ウェポン』が淡く光を放っている。
メガネッシュ「やばい、『ウェポンインパクト』の前兆か!」
トム「いえ、ジョーカーを含めた四人の『ウェポン』が、この『マグマウェポン』に共鳴しているだけでしょう。
『ウェポンインパクト』はそう簡単には起きませんよ。爆心地まで行ってみましょう。」
メガネッシュ「待て!そろそろ教えてくれないか?・・・お前は一体何者なんだ?」
爆心地へ向かおうとして背を向けたトムを、メガネッシュが引き止めた。
トム「今まで黙ってましたが・・・俺は・・・古代都市『サキュ』の王族の末裔です。」
全員「なにっ!?」
つづく
トム「数千年前、確かに『サキュ』は跡形もなく滅びました。しかし、科学者の中には『ウェポンインパクト』を予測していた者がいた。
そして王子と数人の科学者は生き延びたのです、地表の1/3を吹き飛ばしたと言われる恐ろしい『ウェポンインパクト』から・・・。」
スウィーツ「でもどうやって・・・!?」
トム「俺の一族に代々受け継がれてきた『古文書』の記録に、それらしい一節がある。
『忌まわしき神の武器を模した罰。四つの偽りと一つの真が出会いしとき、光ありて国は滅びぬ。
王の子は賢者に守られ、対なる真は永き眠りにつきぬ。』・・・この『四つの偽り』と『一つの真』
というのが『ウェポン』と『マグマウェポン』のことだとすると、『対なる真』はオウムの言う
『インセインウェポン』のことだろう。『1stウェポンインパクト』は誰かの陰謀による人為的なものだった。
何故なら・・・俺の一族のように生き延びた人間がいたからだ。犯人は生き延びた科学者の中にいて、そいつは
『ウェポンインパクト』から身を守る方法を知っていた。そして、『ウェポンインパクト』を起こすための方法を実行した・・・。」
オウム「なるほど、君はその科学者の子孫を殺し、『2ndウェポンインパクト』を防ごうとしているわけか。」
トム「いや、『2ndウェポンインパクト』は起こる・・・。その古文書には予言が記してあってな・・・
『人々が再び神の怒りに触れしとき、目覚めた『対なる真』が再び地上に光をもたらす。』
・・・これは『インセインウェポン』による、『2ndウェポンインパクト』の予言だ。」
メガネッシュとスウィーツの顔に驚愕の色が浮かんだ。
つづく
スウィーツ「・・・!それを防ぐのがあなたの目的じゃないの?」
トムの目的に全員の注目が集まる。
トム「いや、違う。俺の目的は・・・『サキュ』の科学者の末裔を捜しだし、彼らが持っているであろう
『インセインウェポン』を奪って『2ndウェポンインパクト』を起こすこと・・・。」
メガネッシュ「なにっ・・・!一体何のために!?」
メガネッシュの脳裏に、かつてトムに裏切られたことがよぎった。
トム「それは・・・『ウェポン』を破壊するためです。全ての『ウェポン』と『オリジナルウェポン』を
破壊できるのは、『ウェポンインパクト』しかない・・・。『サキュ』王族としての俺の使命です。」
メガネッシュ「・・・そういうことだったのか。しかし、その科学者の末裔は見つかったのか?」
トムのあまりに重大な使命を聞いたメガネッシュは、地球はどうなるのだろうという疑問はとりあえず伏せておいた。
つづく
トム「数人見つかりました。一人は社長も知っているでしょう・・・円楽、木久蔵、歌丸という奴らです。」
メガネッシュ「なっ・・・歌丸さんが・・・。」
トム「そしてもう一人・・・暗殺組織『パッショーネ』のボス、『ゴースト』です。」
メガネッシュ「ゴースト!!」
ゴーストとは、かつてSMAPも所属していた暗殺組織『パッショーネ』のボスである。
トム「彼が重要なカギを握っていたんですが・・・マークの送り込んだドラえもんズによって彼は殺されました(
>>426)。
しかし、彼の息子は世界政府警察部に所属していたということがわかったので、そっちを捜索中なんです・・・。でも、
あと数人いるかもしれません。『サキュ』の科学者の末裔が・・・。」
驚きの連続でメガネッシュは放心状態である。
ここで発言を控えていたオウムが、思い出したように口を開いた。
オウム「興味深い話の途中だが、早く行かないと君達の仲間が殺られてしまうかもよ。」
スウィーツ「そうね、トム!後で続きを聞かせて!」
三人は爆心地へ走った。そしてオウムもその後に続いた。
つづく
698 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 18:21
トムはゴーストはドラえもんズに殺されたと思い込んでいた。
だが、ゴーストは実は生きているのである。(
>>434)
本物のゴーストが現れるのは、この物語のひとつのヤマが終わってからであろう…。
SMAPは、驚くべき力の前にねじ伏せられていた。
香取「クッ、なんで俺たちの攻撃が利かないんだ!」
冷たく青白く輝くアルテマウェポンを握りギルガメッシュは倒れたSMAPたちを見下ろしていた。
ゴローは気絶。草薙も大分消耗している。中井に至っては、もはや瀕死の重傷を負っていた。
草薙の『青い稲妻』を以ってしてもギルガメッシュに傷ひとつ与えることはできなかった。
それだけ実力が離れているということなのか?否、SMAPとギルガメッシュの戦闘能力はそう
変わらない。
使用者の命を糧にして輝きを放つ剣、『アルテマウェポン』。このWIの能力があまりにも、
優れすぎていた。
香取「『ウォーターブレード』!」
香取の指先から圧倒的な水圧で水の刀が造りだされた。水を操る能力の香取はガミラスタワー
闘技場で見せた技をギルガメッシュに斬りかかった。
ギルガメッシュ「無駄だ」
つづく
699 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 18:35
こともなげに『ウォーターブレード』はアルテマウェポンの前に消し飛んだ。
いや、消し飛んだというのは正しい説明ではない。ギルガメッシュがアルテマウェポンを発動させ、
アルテマウェポンの前に発生した小型のブラックホールとも言うべき異空間に飛ばされてしまったのだ。
香取「糞ッ!またか!!」
『青い稲妻』も同じように吸収されていった。もはやSMAP全員の攻撃は防がれたのである。
ギルガメッシュ「フハハハハハハ!どうだどうだ我が『アルテマウェポン』の力は!LV.1で、リミッター
つきでもこんなにも強力なのだぞぉ!」
愛しそうにギルガメッシュはアルテマウェポンの剣先を舌で舐めた。
ギルガメッシュ「第一の能力、亜空間系・『ブラックホールキャンセラー』!
アルテマウェポンの造りだす異空間の前に全ての攻撃はキャンセルされるッッ!」
フフフ、とジョーカーは後ろで笑いたたずんでいた。
ギルガメッシュに渡したあのWI、かつてパフェがあまりに強力すぎて開発したがすぐさま封印した
といういわくつきの、アルテマウェポン。ギルガメッシュとは100%リンクしなかったようだが、(という
ことは他に100%リンクできる者がいるということだ)リミッターつきでも充分に強い。いやリミッター
つきでもあのWIは使えるものがいなかった。だがギルガメッシュの強さへの願望にアルテマウェポン
は少しだけ呼応したようだ。部下を殺され、自分のふがいなさを呪ったギルガメッシュ。
ガミラスの部下、ということはデスラーと同じ遺伝子を有する彼だ、彼はガミラスやデスラーの意思から
離れ強さを求めた。
ジョーカーはあまりガミラス軍というのは好きではなかったが(なにしろSFまんがにでてくるような緑色の肌
で、デスラーに顔はよく似てるしキモチワルイ)、ちょっとだけ、彼のことは好きだった。
つづく
700 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 18:41
ギルガメッシュ「そしてェここからがアルテマウェポンの真髄よォ!!
第二の能力!エネルギー系・『アルテマサーベル』!」
ボッ、とアルテマウェポンから大型トラックの長さはあるだろう青い高出力エネルギーの剣が
造りだされた。その破壊力は先程地下都市のビルを綺麗にまっぷたつにした時に証明されている。
地下都市の住民は悲鳴をあげながら走り逃げ惑っていた。
ジョーカー「ギルガメッシュ、あまり暴れないでくれよ。ここはぼくの国なんだから」
ジョーカーは、自分の支配下においてある地下都市の住民を守ろうともせず、無邪気に笑っていた。
つづく
701 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 18:43
ジョーカー「ん?」
上を見上げると、そこには光り輝く巨大な鳥が。
キルガメッシュ「アレはまさか、あの伝説の・・・」
それは、唐突に現れた。
なんの前触れもない。何もなかったその空間に、突如として現れたのだ。
香取「なんだ、アレは…」
闘いの最中にも関わらず香取はその鳥の輝かしさに見とれてしまった。
今まで見てきたどんなものより、美しい。口を開け、ただ見とれるしかなかった。
ジョーカー「現れたか…ついに…!ギルガメッシュ!早くアレを捕まえろ!」
ギルガメッシュ「なにぃ!だがまだ戦闘の途中で…」
ジョーカー「僕を怒らせたいのか!早くしろ!」
ジョーカーがそれまで見せなかった怒りの表情をあらわにした。
しかも、ヒステリックな女性のように、最上級の怒りを。
ギルガメッシュは凶悪な龍の咆哮のように聴こえた。
ギルガメッシュ「…了解」
つづく
メガネッシュは勃起しました
つづく
704 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 21:01
実はメガネッシュはロリコンだったのでスウィーツにハァハァしていた
スウィーツ「なんか背中に悪寒が・・・」
つづく
705 :
ほんわか名無しさん:03/12/05 21:53
そしてドピュドピュしました。
いや違う、メガネッシュとスウィーツはドキドキしていたのだ。四人の『ナイトメアチルドレン』がもうすぐそろうという期待と不安に。
ギルガメッシュは光り輝く鳥を追いかけて走り去り、そこへメガネッシュたちが駆けつけた。
そこには瀕死のBチームと、メイリンの死体、そして微笑むジョーカーの姿があった。
メガネッシュ「香取!どうしたんだ?」
香取「メガネッシュ、ギルガメッシュが生きていた・・・。ジョーカーの・・・仲間になって・・・。
奴の『WI』に気をつけろ。特殊能力じゃ全く太刀打ちできない・・・。」
しかしギルガメッシュが去った今、SMAPをここまでにした相手との戦闘を回避出来たのは、幸運だったのかもしれない。
スウィーツ「ジョーカー!どういうつもり?」
ジョーカー「そんなに怒らないでくれよ。僕の手下になったギルガメッシュの腕前を試させて
もらっただけだ。そんなことより・・・やっと揃ったね、悪夢の子供たちが。」
気付けばその場には、四人の『ナイトメアチルドレン』と四つの『ウェポン』、そして一つの『オリジナルウェポン』が集まっていた。
どうやらトムの言うように、『2ndウェポンインパクト』が起こる気配はないようだ。
つづく
ジョーカー「ところでオウム、僕のかわいい部下を皆殺しにしてくれたらしいね。」
そう言うジョーカーの顔には、怒りの色は読み取れない。
オウム「彼らはそういう運命のもとに生まれてきたんだよ。そして僕らもチルドレンの運命を背負っている・・・、そうだろう?」
冷徹なオウムは平然と答えた。
メガネッシュ「ジョーカー!お前、俺たちの仲間を・・・!」
かつて戦ったこともある相手に仲間と呼ばれた香取は、「ここから先は俺たちの出番じゃないな」と感じていた。
スウィーツ「同じチルドレンでもこんなにも違うなんてね。田代の意図が分からないわ。」
頭を抱えるスウィーツだが、ここで全員のチルドレンの目的を聞いておかなければ、という気持ちは強かった。
トム「どうやら本当にギルガメッシュの力を試してただけのようだな。」
ジョーカー「当たり前だよ。僕は基本的に殺生は好まない。」
だが先の戦闘で地下の人間が数人怪我をしているのも、大して気にしていないようだ。
つづく
スウィーツ「ジョーカー、聞かせて。あなたの目的を・・・。人類を地下に避難させて、
世界政府のボスにまで上りつめたあなたの、真の目的は何なの?」
スウィーツは、ここで全チルドレンの目的をはっきりさせておこうと考えていた。
ジョーカー「目的ねぇ・・・それは簡単なことだよ。僕は選んだんだ、『チルドレンの二択』の答えを。
チルドレンの宿命は『ウェポン』とともに世界を統治するか、『ウェポン』とともに滅びるか・・・
だから僕は『ウェポン』とともに世界を統治していくという答えを選んだんだ。」
メガネッシュ「(やはり人類を傷つけることが目的じゃなかった)。だがなぜガミラスタワーで俺たちを狙ったんだ?」
スウィーツ「それは『ウェポン』で世界を統治すると決めた以上、他のチルドレンはその障害になるから・・・でしょ?」
ジョーカー「さすがスウィーツは賢い。でも僕が作りたい世界は、『ウェポン』だけじゃなく『WI』も排除した世界・・・。」
賢いスウィーツはそこまで聞くと全てを理解したようだ。
つづく
スウィーツ「読めたわ!やはりあなたも『ウェポンインパクト』を起こそうとしているのね。人類を地下へ
逃がしておいて、地上で『2ndウェポンインパクト』を起こして自分以外の『ナイトメアチルドレン』と
『トリックウェポン』以外の『ウェポン』及び『WI』を消し去る。それがあなたの目的だわ。」
ジョーカー「・・・素晴らしいね!ほぼその通りだ。オウム、君の意見も聞きたいな。」
真の目的がばれても、ジョーカーは無邪気に笑っている。今ここで、他のチルドレンに宣戦布告をしたにもかかわらずに、である。
オウム「僕の話はさっきメガネッシュとスウィーツに少し話したんだが。僕はチルドレンの存在意義を考えて答えをだした。
その答えは・・・『ウェポン』とともに滅びる、だ。僕が望むのは『死』・・・。つまり『2ndウェポンインパクト』
による全ての消滅だ。『ウェポン』、『ナイトメアチルドレン』、人類、そして地球もろともね。」
オウムの恐ろしい目的が判明した。彼は『ウェポンインパクト』で、地球の存在自体を消滅させようとしていたのだ。
つづく
そんな所に突然誰か現れた。
「全員逃げろー!!インセインウェポンを持った最狂のチルドレンが来るぞー!!」
それは歌丸だった。
メガネッシュ「歌丸さん!!あなたは俺達に──」
「そんなこと聞いてる場合ではない!!奴の持ってるウェポンはまだ慣れる為に力の半分もでないコピーのものだが、普通のWIよりは数段強いぞ!!」
トム「歌丸・・・、本当か!?『インセインウェポン』だと!?」
それは『サキュ』王族の末裔であるトムが手に入れなければならない『オリジナルウェポン』である。
歌丸「メガネッシュ、すまない。円楽に脅されて、タケルに『コピー・インセインウェポン』という『WI』を渡したのは私だ。
あれは『WI』の中でも一、二を争う恐ろしい兵器・・・しかも使用者自身が『ウェポン』に操られるという
『インセインウェポン』の特性を持っている。タケルは『コピー・インセインウェポン』の意思で暴れ出したんだ。」
メガネッシュ「タケル?あのタケルが・・・チルドレンなのか!?」
オウム「面白いね、いつか『インセインウェポン』は手に入れようと思っていたから・・・ちょうどいい。」
オウムはタケルを殺す気である。しかしジョーカーはそれを止めた。
ジョーカー「いや、僕たちが『ウェポン』で戦うのはちょっと卑怯だと思わないかい?あれは『WI』の一種なんだろ?」
そこにオウムの部下のケンを倒したDチーム(エクレア、サバラン、タモリ、キバヤシ)が現れた。
つづく
キバヤシ「社長!ご無事でしたか。」
キバヤシは負傷しているタモリの肩を支えている。
メガネッシュ「キバヤシ・・・、来るな!危険だ!」
オウム「なるほど、ケンを倒したのか。なかなかだな。じゃあ彼らに倒してもらうとしようか。」
スウィーツ「何ですって!?」
ジョーカー「そうだな、『WI』同士の戦い・・・タケルの力を知るためにも僕らは見物していよう。」
オウムとジョーカーはどこか行動に人間味がなく、無機質な点が似ている。二人は気が合うようだ。
メガネッシュ「お前ら・・・!俺が行く。」
メガネッシュは、ジョーカーやオウムが戦ってタケルを殺してしまうのを恐れていたので、少しほっとしてはいた。
友達であるタケルと戦うのは気が引けたが、自分が出ることでタケルの命を救える、そう考えたのだ。
ジョーカー「おっとメガネッシュ、チルドレンの手出しは許さない。大人しくしてないと・・・僕が暴れるよ?」
無邪気の笑顔の向こうに本気の色が浮かんでいる。メガネッシュとジョーカーが戦えばジョーカーだって無事ではいられないのだが、
この一般の人々が暮らす地下都市での大規模な戦いは避けたい・・・メガネッシュとスウィーツはそう思い、黙って見守ることにした。
トムも同様にここはジョーカーに従ったほうが良いと思い、『マグマウェポン』を持つ手を下ろした。
歌丸「・・・来る。」
つづく
サバラン「なんか来るぞ?」
事情を知らないサバランとエクレアは、目の前をゆっくり飛行しながら近づいてくる少年に身構えた。
ジョーカー「そこの『WI』を持つ諸君、そいつを殺してくれ。」
エクレア「あなたはジョーカー・・・ちょっと待って、状況が読めないわ!」
エクレアはメガネッシュたちがジョーカーや、もう一人の見知らぬ少年と一緒にいること。そして先ほど倒したケンがオウムの
部下だったことから、今ここに四人の『ナイトメアチルドレン』がそろっているのだという事実に気づいた。
メガネッシュ「エクレア聞いてくれ。四人でその少年を倒してくれ。
出来るだけ殺さずに・・・。事情は後で説明する。」
キバヤシ「歌丸さんまでいる・・・、それにあの飛んでるのはタケルじゃないか。」
歌丸「キバヤシくん、タケルが持ってるのは凶悪な『WI』だ!!深いワケあって
メガネッシュたちは手を出せん。なんとかタケルを殺さないように倒してくれ!」
タケル「うひゃーーーーはははーーっ」
『コピー・インセインウェポン』に精神を支配されているタケルは異様な雄叫びをあげた。
つづく
714 :
ほんわか名無しさん:03/12/08 13:30
しかしそのとき紅茶がおいしかった
715 :
ほんわか名無しさん:03/12/08 18:57
タケル「こここおっここ紅茶茶をくくくれぇぇぇぇーーー!!!」
タケルはもはやコピーインセインウェポンのおかげで紅茶ジャンキーとなっていた。
すぐにでも紅茶をやらないと死人がでるだろう。
タモリ「まかしてください!俺のヅラ百道と『メタルウェポン』でなんとかします」
メガネッシュ「タモリ」
ジョーカー(ほぅ…物質系の『メタルウェポン』か。物質系ウェポンはシンプルがゆえにパワーは
抜群。しかし使いこなすには相当の熟練が必要…。はたして彼にタケルの相手がつとまるかな…)
つづく
サバラン「おい、気をつけろよ。あの『WI』はパフェが作ったもんじゃねぇ。
俺たちも初めて見る『WI』だ。さっきみたいにならねぇようにな。」
サバランの言葉は皮肉交じりではあるが、タモリの身を案じての言葉であった。
タモリ「わかってる。」
先ほどの戦いで真っ先にやられてしまったタモリは、気合を入れなおしたようだ。
タモリ「敵は生かさず殺さずか・・・難しいぜ・・・。」
オウム「全力でいかないと・・・死ぬね。」
オウムは死の匂いを嗅ぎ取っているのだろうか。
メガネッシュ「歌丸さん、『コピー・インセインウェポン』はどういう『WI』なんですか!?」
歌丸「何しろ『インセインウェポン』は数千年の間、人目につかず眠っていた『オリジナルウェポン』・・・
そのコピーだからな、私にはわからない・・・。あれを造った男なら分かるかもしれんが・・・。」
メガネッシュ「誰なんですか?あれを作ったのは?」
歌丸「・・・田代だよ。」
メガネッシュ「!!」
メガネッシュは驚愕した。田代が『WI』を!?
つづく
歌丸「『WI』を造れる人間はそういない。私が知る限りではパフェとジェリーと、そして田代だけじゃ。
田代はかつて『WI』の製造にも関わっていた。その後すぐに『ナイトメアチルドレン』の製造に
着手したから、数は少ない。しかし田代の造った『WI』が数個だけ存在しているんだ。
あれはその中の一つ、『コピー・インセインウェポン』は田代の初期の『WI』なのだ。」
トム「田代が!?初めて聞いたぞ。あれが『インセインウェポン』の能力を
持つのだとすると、おそらくエネルギー系『WI』の可能性が高い・・・。」
ジョーカー「なぜだい?」
トム「もう一つの『オリジナルウェポン』であるこの『マグマウェポン』がエネルギー系だからだ。」
オウム「それはどうかな・・・」
そのとき泳いでいたタケルの眼がタモリを捕らえた。
タケル「紅茶ーーぁ!!!!」
頭蓋骨をモチーフにした銀色の腕輪には「INSANE」の文字が彫られている。
タモリ「いくぞ!『ガトリングニードル』!!」
すると両手の『メタルウェポン』が銃口の形に変形し、超高速の針を無数に撃ち出した。
それは山東省でヨウカンが見せた技であるが、確実にその威力はタモリが上である。
ガガガガガガガガガッ!!!!
タケル「ひゃはーーーっ!『ランダムインサニティ』!!!」
つづく
タケルは右手を幾千の針に向かって突き出した。
ブォーー―ン!!!!ガガガガガガガッ!!!!
すると幾千の針はいっせいにランダムに向きを変え、周囲にいたメガネッシュたちを襲った。
メガネッシュ「うわっ!!」
全員のチルドレン及び『WI』使いはそれぞれの『ウェポン』や『WI』で攻撃を避け、
倒れていたSMAP、キリコ、スウィーツはキバヤシの『MMRウェポン』でなんとか守られた。
サバラン「何だ今のは!?」
エクレア「針がランダムに方向を変えて・・・」
スウィーツ「(『インセインウェポン』・・・『狂気のウェポン』・・・相手の攻撃の方向を狂わせた!?)」
つづく
タモリ「(攻撃がすべて弾かれたのか!?どちらにしろ飛び道具は無効か・・・)」
タケルは何事もなかったようにふわふわ浮遊している。
タケル「紅茶ゃはははーーっ!!」
飛び道具が効かないとわかると、タモリはタケルに両手で飛びかかった。
タモリ「喰らえっ、『ダブルメタルナックル』!!」
しかしタケルは再び右手を突き出した。
タケル「ひゃはぁーーーっ!!」
タモリ「なにーっ!?」
タモリの体はいつの間にか向きを変え、ジョーカーに攻撃をしかけていた。
ジョーカー「ふっ・・・」
ジョーカーはタモリの『ダブルメタルナックル』を軽くかわし、すれ違いざまに蹴りを入れた。
タモリ「グフッ!」
メガネッシュ「タモリッ!!」
ジョーカー「『コピー・インセインウェポン』・・・おもしろい『WI』だねぇ。」
つづく
720 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 12:09
オウム「フム…アレは一種の亜空間系WIのようだな」
ジョーカー「ヘェ?どういうことだい?」
さっきからなんか敵味方なく観戦しとるけど、大丈夫なのだろうか。
オウム「どうやらあの『コピー・インセインウェポン』は発動時に亜空間を張るようだ。
あの空間ではあらゆる原理を使用者の手によって『狂わす』ことができるらしい。
『インセインフィールド』とでも呼ぶべきか…」
ジョーカー「???」
わかんないなぁ、もっとわかりやすく説明してよオウムちゃんという顔をジョーカーはした。
オウム「先ほどのタモリの高速の針は慣性の法則をタケルとやらの意思によって
狂わされ方向を変えた、ということだ」
ジョーカー「そんな!じゃあ彼は無敵ということになってしまう」
オウム「いや、決してそうじゃあない。亜空間系はその射程距離の広さと能力の強さ故に
制限が多い。例えば時間だ。どんな熟練者でも、どんなにレベルが高くても亜空間を維持
できるのはせいぜい五分が限界だと言われている。タケルは100%リンクできてるようだが
どうやらあのWIを使い始めて少ししか経ってないようだから、まぁ二分くらいが限界だろう」
ジョーカー「じゃあタモリはその二分間をしのげば勝ち、ということだね」
オウム「そういうことだ」
つづく
その時、メガネッシュがこう言った
「俺に秘策がある」と。
722 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 18:32
スウィーツ「メガネッシュ、秘策があるの?」
メガネッシュ「ス、スウィーツたん…(;´Д`)ハァハァ」
スウィーツ「えぇい、寄るなこのロリコン!」
すりよってきたメガネッシュをあしげにするスウィーツ。蹴られたメガネッシュの顔は大分嬉しそうだった。
メガネッシュ「実は…ゴニョゴニョ」
オウムとジョーカーに聞こえないようにメガネッシュはスウィーツの耳元で囁いた。
スウィーツ「なるほど…それなら万が一タモリが殺されそうになっても助けれるわね」
メガネッシュ「まぁとりあえず我々は様子をみていよう。(;´Д`)ハァハァ」
スウィーツ「わたしじゃなくてタモリをみてなさい!」
今度はグーでおもいっきり殴られたがメガネッシュはやはり笑顔だった。
つづく
723 :
タモリ VS タケル:03/12/09 18:45
タモリ(クッ、どうする…。奴のWIは強すぎる!)
タケル「ハハハハハハ!紅茶紅茶紅茶紅茶ァァァァぁあ−!」
タケルはコピーインセインウェポンに念じかけた。するとタモリの体が鉛のように重くなった。
タモリ「グアァァッ!き、貴様一体何をした!?」
タケル「キャハハハハ!お前の周りの重力を狂わせたのさ!今のお前の体は一tの負担が
狂った重力によってかかっている!」
容赦ないタケルの猛攻が続く。タモリは回避するので精一杯だ。
それを遠くで傍観しているオウムはまた呟いた。
オウム「…フム。あのコピーインセインウェポンの使い手の弱点をもう一つ見つけたぞ」
ジョーカー「へぇ、なんだい?」
今度はもっとわかりやすくね、オウムちゃんという顔でジョーカーは聞いた。
オウム「射程距離だ。ふつう亜空間系WIは十分な射程距離、使い手の半径一キロは
カバーできるがコピーインセインウェポンはどうやら100mしかカバーできないらしい」
ジョーカー「…本当だ。うっすらと『インセインフィールド』の膜が見えるね」
タケルの半径100mにはコピーインセインウェポンによる亜空間の膜が張られていた。
それは確かにタケルの半径100m以内しかできていない。つまり、タケルの半径100m
以内から離れることができればインセインフィールドから逃れることができるということなのだ。
つづく
724 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 18:55
オウム「さて、ジョーカー」
今度は、殺気を持ってオウムが話し掛けてきた。その顔は、まるで鎌を研いだ死神のように
黒い笑みを残している。
オウム「そろそろ戯言はやめにして、君を殺すことにしようか」
ジョーカー「…へぇ。」
オウム「私の目的は全てのナイトメアチルドレンを殺すことだ。」
全ての存在をオウムは否定した。無論、自分と自分の運命も含めて。
メガネッシュは運命を意思によって変えられると思った。
スウィーツは運命を受け入れ、それをまっとうしようとしている。
ジョーカーは運命を弄び、まるで遊んでいるかのように行動している。
そしてオウムは、運命を呪った。四人のナイトメアチルドレン、田代の子供たちの中で一番
苦しんだのはオウムに違いない。ついにオウムは自分を認めなかった。そして、この世のすべ
てのものを、憎むようになったのだった。
つづく
725 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 20:15
タモリとタケルカが戦っているころ、ギルガメッシュは輝く鳥を追っていた。
ギルガメッシュ「あの鳥・・・聞いた事がある・・・『極楽鳥』か」
極楽鳥。
攻撃能力は皆無(パワー0)、またその命も儚いが(タフネス1)、この鳥には一つだけ、
他のどんな生物も凌駕する能力があった。
その身から『マナ』という力を生み出す能力。
『マナ』の詳しい性質については今の所は不明らしいが、何かとてつもない力らしい。
また、ある部族には『火の鳥』とも呼ばれ、生き血を飲んだものは不老不死になるが、
代償としてとてつもない『罪』を得てしまう、という。
そんなわけでジョーカーがこいつを追っているのも無理の無い話だった。
つづく
726 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 20:16
そのマナは実は紅茶だった
そう、タケル・・・インセインウェポンはマナが紅茶ということを知っていた。
だからこそ、紅茶を渇望したのだ!
つづく
728 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 20:36
極楽鳥から抽出される『マナ』という紅茶は中世貴族のあいだでも有名で『マナ』をめぐり
戦争が起きたというほどである。(眠盟書房 「幻の一杯」より)
タケル「紅茶くれやァァァーーーーー!」
コピーインセインウェポンに精神を支配されなおも暴走するタケル。
タモリはタケルを殺さずにタケルをコピーインセインウェポンから解放してやらなければならない。
しかし、どうやって…?
インセインフィールドの力によってタモリの体は一トンもの重圧に耐えていた。
極限まで肉体を鍛え上げているタモリだが、人間というものはあまりにももろい。
タモリ「グゥゥゥ…!」
タモリの両足が地面にめりこんでいる。体はもう限界だ。
タケル(ククククク…インセインフィールドが解けるまであと一分…。
あと二十秒で奴を殺せれる!!ケハハハハ!)
つづく
その時、極楽鳥がタップされた。
極楽鳥がタップされることにより、マナ・プールに好きな色のマナを加えることができるのだ。
でたマナは、知識の色である青だった。
天から声が聞こえた。
「『もみ消し』でコピー・インセインウェポンの効果を打ち消しまっせー。1マナカウンターマンセー。」
730 :
ほんわか名無しさん:03/12/09 23:29
天から再び声が聴こえてきた。
「マジック&ギャザリングかよ!気づかなかった世!」
と。
ジョーカー「それはこの戦いに見とれて油断するなという警告かな?」
オウム「どういう意味だ?」
ジョーカー「君はまだ僕らを攻撃しない。」
オウム「ジョーカー・・・何を知っている?」
ジョーカーは何か秘密を握っているというような余裕の笑みを浮かべている。
ジョーカー「『黄金猫のドルバッキー』・・・」
オウム「!!」
オウムの顔色が一瞬変わった。
メガネッシュ・スウィーツ「???」
ジョーカー「ネオチルドレンを動かす気か?」
オウム「・・・君には関係ない。」
ジョーカー「君にはまだ何か目的があるんだろ?だからまだ僕らを殺せない・・・。物には順序ってものがあるからね。」
オウム「ふっ・・・それより、君は何をする気だ?あの極楽鳥で。」
ジョーカー「・・・見ていたのか。」
メガネッシュ・スウィーツ「???」
ジョーカーとオウムの二人は睨み合ったまま微動だにしない。
エクレア「(オウムの言うとおりなら)あと五十秒ね・・・」
つづく
天からの声は届かず、『コピー・インセインウェポン』の威力は衰えを知らない。
タケル「紅茶ちゃちゃーーっちゃはーっ!!」
1tの重力を受けているタモリは、もはやタケルの猛攻を防ぐ気力もないようだ。
キバヤシ「・・・タモリーッ!?クソッ、何か作戦はないのか!?」
フィールドの外にいるキバヤシは、苛立たしげに石ころを蹴飛ばした。
が、フィールドに入った石はとたんに地面にめり込んだ。
そのころメガネッシュとスウィーツは先ほどの打ち合わせをしていた。
スウィーツ「(確かに、あの『インセインフィールド』には外部と内部の出入りが可能みたいね。
それにフィールドは半径100mの距離のみで、タケルの周囲にバリアのようなものはない。)」
メガネッシュ「(ああ、ジョーカーに気づかれないように慎重にやるぜ。)」
メガネッシュは『インセインフィールド』内のタケルの真上を見つめた。『グラスウェポン』越しに・・・。
つづく
タケル「そろそろケリをつけるぞー!!!ちゃはーーーっ!」
タケルはさらに重力を狂わせ、タモリにトドメを刺そうとした。しかし次の瞬間、
メガネッシュ「(えいやーー!!)」
ドカッ! ヒュービューーーッ!! ドゴッ!!!
サバラン「何だ?空から何か・・・!?」
いつの間にかタケルは吹っ飛んでいた。そしてタケルがいたところには巨大な人工灯がめり込んでいる。
エクレア「あれは地下都市の人工灯!?」
メガネッシュはタケルの頭上にあった人工灯に目をつけていた。メガネッシュにより衝撃波を受けた人工灯は落下し、
フィールドに入ったとたんにその落下速度は急激に増加して、タケルをかすめて地面に突き刺さったのだ。
ジョーカー「メガネッシュ!君は・・・手を出したな?」
メガネッシュ「言いがかりつけるなよ。」
しかしジョーカーはオウムとの会話に気を取られていたので、メガネッシュの動きに全く気づかなかった。
ジョーカー「・・・ちっ。」
つづく
『インセインフィールド』は消えた。キバヤシとメガネッシュはすぐさまタモリに駆け寄った。
キバヤシ「タモリ、大丈夫か!?」
タモリ「・・・だ、大丈夫だ。」
タモリは重力によるダメージは受けつつも、タケルの直接攻撃は『メタルウェポン』を甲冑にして防いでいたようだ。
メガネッシュ「よくやったぞ、タモリ!」
歌丸「タケル、すまなかった。許してくれ・・・。」
タケル「・・・。」
タケルは気絶している。歌丸はそばに落ちていた『コピー・インセインウェポン』をそっと拾い上げた。
歌丸「こんなものっ!こうしてくれるわ!」
歌丸は持っていた扇子で『コピー・インセインウェポン』を扇いだ。すると、
『コピー・インセインウェポン』は音もなく風に消えた。
メガネッシュ「歌丸さん、それは・・・!?」
歌丸「これは私の『WI』、『フジコウェポン』だ。使用中でない『WI』を風化させることができる。」
メガネッシュ「う、歌丸さんも『WI』使いだったんですね。」
歌丸「田代の生み出した恐ろしい『WI』がこれで一つ、消えたわけだ。
まぁ、この私の『WI』も田代が造ったものだがね。」
つづく
735 :
ほんわか名無しさん:03/12/10 17:47
みんなよくこんな長いのスレするな?
メガネッシュ「これも・・・この俺も、田代が・・・くそッ」
メガネッシュは煮えたぎる怒りを抑えつつ、そう言った。
そんな折、ジョーカーが口を開く。
ジョーカー「極楽鳥とネオの関係は君には知る必要が無いね。
君はウェポンとチルドレンを排除することだけ考えればいい。そうだろ?」
オウム「・・・」
何故かオウムは言い返さない。
ジョーカー「それに・・・いずれ分かる事だしね。これが・・・どんな結果を、どんな『幸福』を
人類にもたらすか」
淡々と語るジョーカーの顔は微笑していた。
メガネッシュ「タケル・・・」
タケルをちらりと見て、メガネッシュは目に掛かっている『グラスウェポン』を人差し指でクイッと上げた。
つづく
737 :
ほんわか名無しさん:03/12/10 18:06
歌丸「タケル…大丈夫か」
歌丸は傷ついたタケルをそっと抱き起こそうとした。が、妙な感覚を感じた。タケルの体に触れた瞬間、
タケルの重みが突然消え去っていた。タケルが消滅したのか?
否。タケルはオウムに抱きかかえられていた。
人間の視覚では反応できぬ超スピードで、オウムは歌丸より先にタケルをさらったのだ。
それはまるで吹きぬけた突風のように。
歌丸「なにをする!?」
少年の体のオウムは同じく少年のタケルを抱きかかえるのは少々つらそうに見えるがオウムはそうでも
なかった。実年齢としては成人のメガネッシュの年に近い。どこか聞いたことあるキャッチフレーズだ。
見た目は子供、頭脳は大人―
オウム「このタケルという子は普通の子供ではないんだろう?」
歌丸「貴様ッ!何故それを!?」
オウムは気づいていた。田代が遺した『チルドレンファイル』に書かれた幾分かの可能性――
サキュ人の血が混じった現代の子供が偶発に、それはおそらくあまりに小さな可能性だが
運命の悪戯か、なんの悪意もない子供がナイトメアチルドレンに―地球上で永く続く『ウェポン』
の争いに巻き込まれてしまうことを。そしてタケルという少年が一人だけハズレクジを引いてしま
ったことに。
オウム「この子は私が預かる。なに、心配しなくてもすぐ会えるさ」
歌丸「待てッ!」
歌丸がタケルの元へ走ったが、次の瞬間オウムは消えていた。もう辺りに気配はない。
たぶんもう地価都市からは脱出しているだろう。
歌丸「クソッ!」
つづく
738 :
ほんわか名無しさん:03/12/10 18:22
ジョーカー「フ…オウムめ。手札を増やしたつもりか?
…そういえば、君は昔から何でも欲しがる奴だった」
オウムがネオナイトメチルドレンのミッキーを欲しがる理由―それは他の三人の『ナイトメアチルドレン』
対策だった。
自分とほぼ同等の力を持つ(成長過程のメガネッシュやスウィーツも含めて)自分ひとりの力では全員
倒せないかもしれない。仮にジョーカーを倒しても自分が激しく消耗したところをメガネッシュやスウィーツに
叩かれるかもしれない、といった具合に。
そこで手札が必要だった。田代が造りしもうひとつの悪夢をもたらす子供。ネオナイトメアチルドレン
を完全に覚醒させることによってナイトメアチルドレンを全員滅ぼすことができるかもしれない。
それはもちろん、オウム自身も含めて。
ジョーカー「君が考えたのはこんなとこだろうな。全く、自己中心的なやつだ」
スウィーツ「何をぶつぶつ呟いてるの?」
ジョーカーが最大限に思考を巡らせているところにスウィーツの声が聞こえてきた。それに無邪気な
笑顔で返すジョーカー。
ジョーカー「君たちには関係ないことさ」
スウィーツ「私たちを皆殺しにするところでも考えていたところかしら?」
ホッ、とジョーカーは口をすぼめた。
ジョーカー「まさか。スウィーツ、僕はオウムと違ってそんな手荒は真似はしない」
スウィーツ「どうだか?嘘をつくのはあなたの専売特許ではなかったかしら?
あなたに泣かされた女は星の数でしょうね」
その言葉にジョーカーはハハハハ、と声をあげて笑った。
ジョーカー「まいったな」
つづく
スレッドの容量とかの問題もあるんでぼちぼち次スレのことも考えたほうがいいですかねー
この物語はこのスレで終わらせて次スレでは次の物語を書く。
これが真夏の鳥取砂丘殺人事件だと思うんだが。
まだぜんぜん続けれるから次スレで続けても構わんとおもうんですけどねー。
せっかくここまで世界観構築して、いまやっと少し転がり始めてるわけだし…
続ける方が個人的には良いかと思います
オウムが去った今、大規模な戦闘の危機、少なくともチルドレン同士の戦闘は回避された。
一息つくAチーム、Bチーム、Dチーム、歌丸。そして何を考えているのか分からないジョーカー。
そこへ遅れてCチームのファチェ、ジェリー、ミッキーが現れた。
ファチェ「遅れてすまない。」
サバラン「遅せぇーよ!」
遅れて着いたファチェたちは今ここで起こったことをメガネッシュから聞いた。
ジョーカー「・・・君たち、教えてくれないか?僕の地下都市に侵攻して来たわけを。」
メガネッシュ「俺は真実を知るためにここに来た。そしてお前が人間に危害を加えるのを防ぐためでもある。」
スウィーツ、キバヤシ、タモリはうなずいた。
香取「俺たちはお前が気に入らない。それだけだ。」
『SMAP』が全員うなずく。
つづく
トム「不穏な動きを見せるお前の目的を知るためだ。」
『T&J』(トム、ジェリー、ミッキー、キリコ、スウィーツ)が全員うなずく。
ファチェ「そして私たちは世界政府のトップに立ったあなたに挨拶に来たってとこですよ。」
皮肉たっぷりなファチェの言葉にエクレア、サバランの二人もうなずく。
ジョーカー「僕の目的はさっき話したとおり。人間に危害は加えないよ。」
ファチェ「一つ聞きたい。プリン総司令が行方を知ってるな?」
ジョーカー「・・・さぁね。」
草薙「ギルガメッシュを使って何をするつもりだ!?」
ジョーカー「・・・さぁね。」
質問をはぐらかすジョーカー。ここで十七人を相手に戦うつもりなんだろうか?
それともこの場を切り抜ける方法を考えているのだろうか?
つづく
しかし、個人的にはメガネッシュがスウィーツとくっ付いてほしいと
思うのは俺だけですかね?
最後ハッピーエンドみたいな感じで。
もう新スレ立ったのか
748 :
ほんわか名無しさん:03/12/11 13:29
>>746 スレの容量が限界に近かったのでレス数では早いけどでもう立てました。
当面このスレは雑談代わりに。
あ、スイマセンあげてしまいました。
もちろんsage進行で…
おや?ここはいつかの鳥取砂丘・・・
.__
|砂|
|丘|
|饅|
|頭|
_∧ .∧(oノヘ| ̄ _∧ .∧(oノヘ
(_・ |/(゚Д゚ )|\ (_・ |/(゚Д゚ )|\
|\Ю ⊂)_|√ヽ |\Ю ⊂)_|√ヽ
(  ̄ ~∪ )^)ノ (  ̄ ~∪ )^)ノ
||` || ( | ( | ||` || ( | ( |
'~ ~ '~ '~ '~ ~ '~ '~
.__
|砂|
|丘|
|饅| しかし、美しい砂丘が危機にさらされている・・
|頭|
_∧ .∧(oノヘ| ̄ _∧ .∧(oノヘ
(_・ |/(゚Д゚ )|\ (_・ |/(゚Д゚ )|\
|\Ю ⊂)_|√ヽ |\Ю ⊂)_|√ヽ
(  ̄ ~∪ )^)ノ (  ̄ ~∪ )^)ノ
||` || ( | ( | ||` || ( | ( |
'~ ~ '~ '~ '~ ~ '~ '~
.__
|砂|
|丘|
|饅| 砂丘を潰しリゾート開発計画がもちあがっている・・・
|頭|
_∧ .∧(oノヘ| ̄ _∧ .∧(oノヘ
(_・ |/(゚Д゚ )|\ (_・ |/(゚Д゚ )|\
|\Ю ⊂)_|√ヽ |\Ю ⊂)_|√ヽ
(  ̄ ~∪ )^)ノ (  ̄ ~∪ )^)ノ
||` || ( | ( | ||` || ( | ( |
'~ ~ '~ '~ '~ ~ '~ '~
砂丘の膨大な砂を埋め立てに使い、
リゾートマンション、遊園地、ホテル、ショッピングセンター、、、
これらの複合施設を作るという計画だ、、、
鳥取の財産、美しい砂丘を守るために、、、
さぁ!立ち上がれ!
754 :
ほんわか名無しさん:03/12/12 08:44
ついに自然保護団体が立ち上がった。
砂漠緑地化計画だ!
755 :
ほんわか名無しさん:03/12/12 18:51
え、さ、砂丘が・・・
こっちもみんなまだ見てるんだろうか?
757 :
ほんわか名無しさん:03/12/15 13:36
さぁ
758 :
ほんわか名無しさん:03/12/15 13:36
て
759 :
ほんわか名無しさん:
来週のサザエさんは