5月5日(月) 晴れかも
どこか行ってこよう。
間違ってもごみ袋には帰りたくない。住んだ覚えもない
登校するのが怖いかもしれない
考えないようにしたいけど
冗談かどうかも分からないし
何故か窒息しそうになる
そのときはそのとき、か…
ただの被害妄想かも
5月6日(火) 晴れのち曇り
5時半頃電話がかかってきた。這いずってとった。
非通知だった。左側のボタンを押す。
何も聞こえない。
ふいに、
「もしもし」
「もしもし」
「もしもし」
「もしもし…?」
「もしもし?」
「もしもし?」
「もしもし?」
「もしもし?」
「もしもし…」
相手は絶え間なく尋ね続けている。答えようがなかった。気力もなかった。
やっと静かになったので
こんにちは
と言ってみた。
…静かなままだった。そして、
笑われた。
なんて言ったらいいのか、
矛盾してるけど、「う」と「ゑ」の間の口のままハ行で声を出さずに大声を出す感じ。
それが、3分ほど。
切りたい。今この瞬間にでも。
そう思った。たしかに思った。でも怖いのか不安なのか泣きたいのか、
とにかくそれらが振り切れてしまって、ぼんやり聞いていた。
聴覚の垂れ流し。雑音として処理することも出来なかった。
3分経って勝手に切れた。声も消えた。
声も違う笑いかたも違う。でもどこか似ていた。
思い浮かべてしまう人に。忘れたい人に。
また聞いたらどうなるかな。ある意味楽しみだが絶対に嫌。
5月7日(水) 霧雨
帰ろうとしたら部長がついてきた。そして傘をこちらに差し向けながら、
「風邪ひくよ」
と言った。取り敢えずどうも、と言っておいた。
しばらして、部長が話を吹っ掛けてきた。
「聞いて!」
拒否したらどうなるのかなと思いながら聞くことにした。
概要は
・数学の先生に放課後来るように呼び出された
・自分だけだったのでむかついた
・行ってみるといなかった。幸運だった。そのまま帰ることにした
・むかつくってことはマイナス思考だと思う、よく言われる
・直したいがなかなか直らない
・プラス思考は絶対いいことだ。なりたい、ならなければならない
・嫌なことがなければ自然にプラス思考になると思う
・悲しいことなんて無い方がいい、いいに決まっている
・悲しみや怒りを感じないようにしたい。そしたらプラス思考になる
・自分を守りたい、傷つきたくない。プラス思考になればできる
・楽になりたい。ずっと楽しければいい
・誰にも死なないでほしい、死んでも認めたくない
・腹が減った
何を聞いてほしかったんだろう?全てだろうか
うけうりだが、絶対は絶対無いよ、
それが唯一の絶対じゃないかな、と言ってみた。
悲しみを感じないことは悲しいことだよ、とも言ってみた。が、
「そんなのありえない!!でしょ!?無い方がいいに決まってんじゃん!!
…疲れて頭回ってないとか?今日の数学も難しかったし。大丈夫?」
とても高くて大きな声で言い返されてしまった。
疲れたよ。
部長と別れたあと、そのまま雨に打たれながら帰った。そんな気分だった。
楽しかった。
五月八日 雨
昨日は大切な人の弱みに付け込んでひどいことした
謝りたいのにきっかけがない
雨がすごい
このまま濡れて帰る事にしよう
5月8日(木) 雨のち晴れ
今日も部長に話しかけられた。本読んでたんだけどな。
確か最初は喉が痛くてむかつくって話だった。その後は忘れた。
ついでに思考に乗法や除法などはあるか聞いてみた。
笑われた。
「大丈夫?」
知らない。
座席が窓側なので、天気の移り変わりを見るのが楽しかった。
相変わらず風は強く時折窓がカタカタと震える。
頭痛に慣れた。あまり感じなくなってきた。
「プログラムにハッカーするにはパスワードが必要なんだけど、
パスワードを忘れないためのメモは机の中じゃなくて頭の中にしまったほうがいい。
ハッカーされたくなければね。どこから見られてるか分からない。ちょっとした知恵だよ」
もっと基本的な知識が欠けてる気がする。
>>154 その人も大切に思ってるとしたら、もっと酷い事をしたことになる
145、だね
何だろう
5月9日(金) 晴れ
「おい」
「なんでしょう」
「お前が何か言ってみろ」
「たしかなまものでしたね」
「特に生ごみな」
「やはりそうでしたか」
「俺にはもちろん分かってたよ」
「ごみってどんないみですか」
「聞いてみな?できるだけ親しい人がいい。できれば家族がいいな」
「そうします」
ごみとはいらないもののことです。
地下鉄に乗ったら絡まれた。
だれかがいらなくても
だれかは必要かもしれない
5月10日(土) 晴れ
自転車で図書館に行った。1時間かけて9時についた。
が、まだ開館していなかったので9時15分まで待った。
受付を済ませてから適当にぶらついた。奥の方に全国の電話帳があった。
試しに適当な知ってる名前を探してみた。
あった。驚いた。
宿題を終わらせてから昼食であるアミノ式をがぶ飲みした。
何しろ金がなかった。
閉館時間が近づいてから、適当に目に付いた
・一眼レフカメラ入門
・図解雑学プログラミング言語
・天龍八部第一巻
・パイドン
を借りた。
5時くらいには帰り道を走ってたつもり。
迷った。ついたのは7時半。
いろんな人に道を聞いたら、いろんな答えが返ってきた。
「すいません、わからないです」
「知らねえよ住んでねえもん」
「送ろうか?」
「遠いですね〜。そっかそっか、ですね〜」
「くすっ」
「あっちかこっちだと思う、多分」
「迷子じゃないんだから自分の住所くらい覚えなさいよ。わかった?」
「知りません。」
「今日も冷え込むねえ。寒くないの?」
無差別に聞くのはよくないかもしれない。でも、楽しかった。
にげちゃいけなくて
おいつめられていて
5月11日(日) 晴れ
座って、気付いたら空が明るくなっていた。
今日はどこ行こうかな。
そろそろなんとかしないと
その後曇った。
市外まで行った。行きも帰りも2時間くらいだった。
カメラを持っていったけど曇ったので何も撮らなかった。
風が轟いていて、帽子が吹っ飛びそうだった。
今日の昼食はアミノサプリにした。
帰りに中学校に寄った。
やっぱりサッカーをやっててやっぱり無断進入した。
体育館に入ってみた。もちろん誰もいない。
真ん中まで行って、おもむろに横になった。鞄に入っている
ドロップの缶がかろん、と音を立てた。吹奏楽部が練習しているらしい
曲がかすかに聞こえる。外からはたまにホイッスル。
顔を少し上げるとピアノとタペストリー。
どうしてか、何かがとても可笑しくなり、笑った。
息が続かなくなるまで。ずっと響いている自分だけの声。
しばらく聞いてると急にさびしくなって、むなしくなって、泣いた。
そしてそのまま眠った。床はつるつるでいい匂いがした。気持ちよかった。
何があったのだろう?
外に出るとちょうど試合が終わったところだった。眺めていると
青くて丈の長いジャンパーを着た人に名前を呼ばれた。
おそらくサッカー部の顧問だろうが、何故名前を知っていたんだ?
何でしょう、と聞くと何故か高校のことや最近のこと、将来のことを聞かれた。
正直に答えていると、いきなり
「お前変わってないよな、ぼけてるとことか、話が噛み合わないとことか。
つーかひどくなってねーか?」
と言われてしまった。一体何なんだろう。
保守