合唱祭までもう三日。
「狐狩り」事件の影響で放課後の練習を控えさせられてる為か、
朝から校舎中に練習の声が響いている。
「・・・こ、ここね。」
彼女は緊張した面持ちで校舎の門をくぐる。
(今更出て、変に思われるよね・・・いじめられないかな・・・)
「やぁ!君ここの生徒?」
後ろから元気な男の子が声をかけて来た。
「えっ?!一応・・」(やだ!緊張しちゃうよ〜!!)
茶色い瞳に柔らかそうな髪。
その男の子は満面の笑みを彼女に注いで言った。
「このクラスまで案内してくれないかな?」
(ここって、私のクラスじゃない・・)
「あなたは?」
「俺?俺は劉飛。本業は祓鬼師。狐狩り事件のことで呼ばれたんだけど・・・」