高級料理ってなぁどうにも味がお上品でなぁ、
まずいってわけじゃねぇけどオレッチにゃぁどうにも合わないもんだ。
下町の人間にゃ下町の人間なりの味付けってもんがあるもんだからなぁ。
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(゚Д゚,,)-m┛
く冫y L__/
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彡※※※※ミ
こいつぁ弐之板城の殿様のお話だ。
殿様は性格が良いんだがちょいとそそっかしくてな、
思い立ったがすぐ行動ってな感じでいつも家臣はひやひやもんだったんだ。
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く冫y L__/
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彡※※※※ミ
今日は馬で遠出をしてみようと思うぞ。
そうさのぅ、江戸の方まで行こうかのぅ。
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__(゚Д゚ ,,)
cヽ冫y ノ )
(,,_><_ノ..) ∬
彡※※※※ミ 旦
ぎょ…御意、しかし少々お待ちくださいませ。
ただいま供の者が用意をしますゆえ………。
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(,,,;゚Д゚) チョットダケダカラ
cく___> yヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
ふぅ、ずいぶん遠くまで来たのぅ。
供の者もついて来れなかったとはのぅ。
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(゚Д゚ ,,)
(__|=L_)
(_,,_,,_) ∬
彡※※※※ミ 旦
しかし困った、腹が減ってしもうた。
ここから弐之板城までは遠いしのぅ。
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(゚Д゚ ,,) ドウシタモノヤラ…
(_ヽy ノ )
(,,_><_ノ..) ∬
彡※※※※ミ 旦
おおっ、ちょうどいいところに民家があるではないか。
あそこで食べるものを分けてもらおうかの。
もうし、これもうし!
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O__(゚Д゚ ,,)
ヽ冫ycく )
(_,,__..) ∬
彡※※※※ミ 旦
はいはい、誰でござんしょ………。
あ…あんれまぁ!お殿様でねぇですか!
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(,,,;´Д`)
cく___> yヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
うむ、余はギコ千代だが、すまぬが腹ペコでのぅ。
なにか食べるものをもらえないかの。
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(゚Д゚ ,,)
(__|=L_)
(_,,_,,_) ∬
彡※※※※ミ 旦
へ…へぇ、ただいまお持ちしまさぁ。
おい、おまいさん!なんかお殿様に食べもん作ったってくれ!
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(,,,;´Д`)
cく___> yヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
こんなもんしかごぜぇませんが、
どうぞお食べになってくだせぇ。
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(,,,;´Д`)
(_>っyヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
すまぬのぅ、それでは失礼するぞぃ。
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(゚Д゚,,)
cく冫y,,く__)
(________) ∬
彡※※※※ミ 旦
うむ、これはうまい。これはなんという魚かのぅ!
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__,(@Д@,,)__ ウママー
Oヽ_」y L____/っ
(_,__,,__) ∬
彡※※※※ミ 旦
へ…へぇ、今朝魚河岸で買ってきた秋刀魚でごぜぇますだ。
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(,,,;´Д`)
(_>っyヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
ほほぅ、秋刀魚というのか。本当にうまいのぅ。
こんなにうまい魚を食べたのは初めてだぞぃ。
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(_ヽy ノ )
(,,_><_ノ..) ∬
彡※※※※ミ 旦
へぇ…、お気に召してなによりですだ。
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(,,,;´Д`)
(_>っyヽヽ
(___,,_,,__)ノっ ∬
彡※※※※ミ 旦
そんなこんなでお城に戻った殿様だが、
どうにもあのとき食べた秋刀魚の味が忘れられない。
本来秋刀魚なんてぇ魚は庶民が食う魚ってんで
殿様は鯛だのって高級魚しか食うことがねぇんだ。
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く冫y L__/
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彡※※※※ミ
家臣に無理をいって魚河岸で獲れたての最高級の秋刀魚を
手に入れてもらったんだが、
家臣たちが骨を喉につまらせたら大変だの、脂がのりすぎてて
体に障ったら一大事だのってんで蒸し器で脂を落として骨を一本一本抜いてから
殿様の前にようやく出したんだ。
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く冫y L__/
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彡※※※※ミ
うぅむ、どうにもパサパサしててうまくないのぅ。
目黒で食べた秋刀魚はあんなにうまかったのに。
やはり秋刀魚は目黒に限る、ということかの。
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(゚Д゚;,,)
/ ヽycく__)
cヽ(___,,_,,__) ∬
彡※※※※ミ 旦
と…殿様。目黒は海に面しておりませぬぞ。
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(,,;゚Д゚)
(フっy__フっ
(________) ∬
彡※※※※ミ 旦
どうにもかわいい殿様のお話でした。
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( _ _,,), オメヨゴシデシタ!!
(_ヽy ノ )
(,,_><_ノ..) ∬
彡※※※※ミ 旦