ナナをかみ殺せ!GO!

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2ほんわか名無しさん

>>1がスレッドを立てた。テーブルにこぼしたケチャップのような、
取り返しがつかない、なんの役にも立たない、悲惨なスレッドだった。
僕は女友達とそのスレッドを見ていた。僕らの間には宙ぶらりんな
沈黙が存在していた。部屋では、ビル・エヴァンスのブルー・イン・
グリーンがかかっていた。
彼女がためいき混じりに言った。
>>1は、どうしてこんなスレッドを立てたのかしら?」
僕は少し考えてから言った。
「わからない」
多分、>>1にもわからないのだろう。そういうことっていうのはあるものなのだ。
真実は、最悪の結果になってからわかるものなんだ。少なくとも僕は、何度と
なくそういうスレッドを見てきた。そして、>>1が立てたスレッドは、その中でも
特にひどいスレッドだった。真実は、最悪の結果になってから、わかる。
彼女は、テーブルの上にビールの空き缶を並べながら、>>1のことを考えて
いるようだった。
「この>>1、きっと友達がいないのよ」
僕は黙っていた。
「だから、>>1はこんな駄スレを立てたんだわ。そうじゃなきゃ、こんなスレッドを
立てられるはずがないもの……」
僕は返事をしなかった。
彼女は僕の隣に座って、肩に顔を埋めた。そして、静かに泣いた。雪原に降る
粉雪の音のような、本当に静かな泣き方だった。
>>1のために泣いているわけじゃないの」
「わかるよ。>>1のために泣けるヤツなんて、世界中探しても一人もいやしない」
「それが悲しいのよ」
そして僕らは、セックスをした。セックスが終わって、僕はぼんやりと>>1のことを
考えていた。彼女は>>1のことなんて、もうすっかり忘れているようだった。
おそらくは世界中の誰もが、>>1のことなんて忘れているだろう。僕は目を閉じて、
ほとんどレスが付かないまま、倉庫に沈んでいく>>1の哀れなスレッドのことを
思った。