餃子の焼き方の話をします。
餃子の焼き方は大きく分けて3通りあります。
@油をひき、裏返して両面焼く(水は使わない)
A油をひきしばらく焼き、お湯を入れて蒸す
B最初から水を入れて蒸す
Bは冷凍餃子で使われる方法で、長時間の加熱が必要なときの方法です。
Aは餃子専門店や一般家庭で使われている方法です。
@は中華料理店のように、短時間で仕上げたいときの方法です。
餃子を焼くということは、「皮」と「肉(具)」の両方に火を通すということです。
まず肉の方から考えます。
同じひき肉であるハンバーグは、肉汁を閉じ込めるために強火で両面を焦がし、
しかる後に弱火で中まで火を通します。かなり長時間かかります。
ところが餃子は、ずっと強火で短時間なのに、中までしっかり火が通ります。
この違いは何でしょうか?
それは餃子の肉が「蒸らし」によって加熱されているからです。
「焼き」であれば、一面からしか加熱できません。
しかし餃子を加熱すると、肉や野菜に含まれた水分が水蒸気になります。
袋によって閉じ込められているために、水蒸気は袋の中に充満し、
全方位から肉を蒸らし、短時間で焦げもせず火を通すことを可能にしているのです。
餃子の皮は、蒸し器の役割をしているというわけです。
さて、それでは水を入れる理由は何でしょうか?
さっき餃子は「皮」と「肉」の両方に火を通す必要があると書きました。
水を入れて蒸らすのは、皮に火を通すためです。
鉄板からの熱伝道では、上のほうの皮に火を通すことはできません。
そこで蒸して皮に火を通すわけです。
餃子というのは二重の蒸気加熱をしているんですね。
裏返して焼く方法では皮も焼けるので、水で蒸らす必要はありません。
餃子の肉を蒸らす水蒸気は、肉や野菜に含まれている水分です。
したがって餃子の肉は、100℃以上に加熱されていることがわかりますね。